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1960/03/28 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第18号
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1960/03/28 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第18号

#1
第038回国会 運輸委員会 第18号
昭和三十六年三月二十八日(火曜日)
   午前十時五十六分開議
 出席委員
  委員長 三池  信君
   理事 有田 喜一君 理事 生田 宏一君
   理事 尾関 義一君 理事 川野 芳滿君
   理事 高橋清一郎君 理事 久保 三郎君
   理事 山口丈太郎君
      伊藤 郷一君    佐々木義武君
      壽原 正一君    鈴木 仙八君
      關谷 勝利君    細田 吉藏君
      加藤 勘十君    勝澤 芳雄君
      兒玉 末男君    西宮  弘君
      安平 鹿一君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (大臣官房長) 辻  章男君
        運輸事務官
        (海運局長)  朝田 靜夫君
        運輸事務官
        (船員局長)  吉行市太郎君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  中道 峰夫君
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  廣瀬 眞一君
 委員外の出席者
        運 輸 技 官
        (港湾局防災課
        長)      布施敞一郎君
        運輸事務官
        (航空局監理部
        長)      栃内 一彦君
        運輸事務官
        (気象庁総務部
        長)      有田  毅君
        運 輸 技 官
        (気象庁観測部
        長)      川畑 幸夫君
        日本国有鉄道参
        与
        (施設局長)  柴田 元良君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
三月二十八日
 委員矢尾喜三郎君辞任につき、その補欠として
 兒玉末男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員兒玉末男君辞任につき、その補欠として矢
 尾喜三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 国内旅客船公団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六三号)
 日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補
 給臨時措置法案(内閣提出第六四号)
 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出第八
 八号)
 気象及び航空に関する件
 静岡県油比町における地すべりについて説明聴
 取
     ――――◇―――――
#2
○三池委員長 これより会議を開きます。
 国内旅客船公団法の一部を改正する法律案、日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法案、及び港湾法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を行ないます。質疑の通告がありますのでこれを許します。久保三郎君。
#3
○久保委員 この際お尋ねしたいのは、不定期船の共同輸送の問題でありますが、これは最近共同輸送についていかなる業界の取りきめというか、そういう対策を立てたのか、その点をさしあたりお伺いしておきます。
#4
○朝田政府委員 不定期船の共同輸送につきましては、私どもは数年以前から不定期船のカルテルの強化ということを合理化の一環として推進して参ったのでございますが、最近におきまして、共同輸送の問題については、荷主との引き合いあるいは輸送について、種々船主側において団結を強化しなければ正常な取引ができないということで、業界の中で相談をいたしておりますが、まだ具体的な取りきめというものに至っておりません。しかし、五品目について輸送協議会を設置いたしておりますので、そういうものを通じて、共同引き受けあるいは共同輸送というものを強化拡大していこうという気運には立ち至っておるのでございます。
#5
○久保委員 共同輸送の点でありますが、これはさらに強化されて、日本の海運界としても効率的な輸送ということで持っていくと思うのでありますが、そういう場合に、対外的な問題というのはあまりないのかどうか、念のためにお尋ねしておきます。
#6
○朝田政府委員 アメリカを除きまして、問題はないと言い得ると思うのでございます。アメリカの問題につきましては、御承知のように、独禁法あるいはシッピング・アクト――海事法といったようなもののいろいろの規制がございますので、アメリカに対しては十分注意をして、こういった態勢を固めていく必要があるかと存じますが、アメリカ関係を除きますと、ほとんど全部と言っていいほど、この問題はございません。ことにこういった協定行為をいたします場合には、アメリカだけでございませんで、鉱石あるいは石炭にいたしましても、それ以外の地域から輸入をいたしますものについての輸送の協定でございますから、一応アメリカについては、国内法等の関係もございますので、そういう点は注意をいたす必要はございますけれども、その他の地域についての問題については、そういった制約はございませんので、自由にできるものと考えております。
#7
○久保委員 そこでそのアメリカのシップ・アメリカン政策についてでありますが、その後の状況はどうなっているのか。日本としての状況、あるいはアメリカの状況はどうなっておりますか、これまたお伺いしたいと思います。
#8
○朝田政府委員 御承知のようにシップ・アメリカン運動につきましては、私どもは、アメリカの海運政策、そういった方向をたどるということにつきましては、反対をいたしておることは御承知の通りでございます。自由であるべき国際交通を阻害し、正常な通商貿易というものを阻害するおそれがあるということを理由にいたしまして、私どもは、こういったアメリカの海運政策というものを強く非難する態度を従来からとっておるのでございますが、シップ・アメリカン運動の現われといたしまして、二月にICA物資の買付について、米船で運ばなければICA資金から運賃を支払わないということが、第一の措置でございます。
 その次に、具体的にシップ・アメリカン運動に関連いたしまして起こって参りましたのは、昨年の一これは時期が前後いたしますけれども、昨年のトヨタ自動車の問題であったことは、御承知の通りであります。その後、こういった米国の輸出入銀行から融資を受けます物資の輸送につきまして、いわゆるアメリカ船で運ばなければならぬというようなことに対して、私どもは非常に強く批判するという態度をとっておるのでございますが、これは日本ばかりでなく、西欧諸国とも話し合いをいたしまして、こういうような政策の是正を強く要望をいたしたい、こう考えておるのでございます。将来起こって参ります米国輸出入銀行からの融資の物資の輸送、あるいは綿花借款の問題、その他につきましても、トヨタ自動車と同じような問題が起こりますことが予想されるのでございます。こういった場合におきましては、具体的なケースが起こって参りましたそのつど、外交機関を通じて強硬に申し入れをいたしたい、こういうように考えておるのでございます。ただいま具体的にそういったケースは起こって参りませんが、今後、そういうことは相当多数起こって参るものと予想されるのでございます。
#9
○久保委員 最近、海運局長は海事法の国際会議に臨まれるそうでありますが、その席でそういう問題を大きく取り上げる工作というか、そういう下準備はおやりになっておられますか。
#10
○朝田政府委員 私がお許しを得て国際会議に出席さしていただきたいと思っておりますことは、ロンドンで開催されますIMCOの会議と、引き続きブラッセルにおきまして海事法の外交会議でございますが、こういう会議には各国の海運局長といったような立場の人が全部集まりますので、IMCOの正式議題として、あるいはソ連から国旗差別待遇の問題が提案されるかもしれないというようなことが言われておりますけれども、もし正式議題にならない場合におきましても、非公式――あるいは公式、非公式を通じて、そういった西欧諸国とも話し合い、あるいはアメリカに対して、非公式にでもこの問題について討議ができればというふうに考えております。また、そういうふうな情勢を微力ながら作っていきたいというような考えを持っているのでございます。
#11
○久保委員 まず一番近い機会においての国際会議でありますので、十分アメリカの反省を求めてやってほしい、こういうふうに思います。
 そこで、話は飛びますが、旅客船公団のその後の運営の状況、これは資料でいただきたいと思います。旅客船公団の事業報告書と、その中には当然記載されると思いますが、今までの旅客船公団の実績。この計画は、当初発足当時に出ておりますが、その計画に変更がないのかどうか、そういう点も含めて資料を提出していただきたい、こういうふうに思います。
 それからこの旅客船公団の役員、理事の数はふえましたか。
#12
○朝田政府委員 理事長と理事二名と監事一名でございます。
#13
○久保委員 今度は、実際は仕事の中身も大きくなるわけでありますが、これに対して理事の増員というか、そういうことは話題に上っておらなかったのでありますか。
#14
○朝田政府委員 今度の国内旅客船公団法の一部を改正する法律案におきまして、ただいまの点御指摘の通りでありまして、公団の業務が拡張いたしますので、その業務を円滑に実施いたしますためにも、理事一名を増員するように改正法律案の中に織り込んでいるのでございます。御審議をいただきまして、ぜひそういった方向で業務をスムーズに遂行して参りたい、こう考えているわけでございます。
#15
○久保委員 そうしますと、今回は増員にならないということでいいわけですか。
#16
○朝田政府委員 改正法案に理事一名増員するように提案をいたしているのでありまして、理事二名以内とありますのを三名以内、こういうふうに改正法案を提案をいたしているわけでございます。
#17
○久保委員 そこで、さらに公団関係じゃなくて一つお伺いしたいのは、主機換装の三十六年度の計画でありますが、この計画の中で要求よりは大へん減らされておるように見ておるわけですが、これはこういうことで計画自体としてうまくいくのかどうか。
#18
○朝田政府委員 主機換装につきましては、昨年も開発銀行の融資のワクといたしまして十億円を予定いたしておりまして、順調にこの業務も遂行されておるのでありますが、三十六年度におきましても、十億円を開発銀行の融資のワクに設定をいたしまして、二年計画で主機換装を完了したいということで、三十五年度と同様、三十六年度におきましても、十億円を計上いたしておるのであります。この二カ年で、主機換装の二カ年計画は完了する予定でございます。従って、昨年と同様の額を計上しておるわけでございます。
#19
○久保委員 当初、政府内部での要求は、十五億要求されたのではなかったのですか。ところが、お話の通り十億ということでありますが、これを二カ年で完了するということは、ちょっとわれわれには理解しがたいのでありますが、実際にそうでしょうか。
#20
○朝田政府委員 仰せの通り、十五億円の予算要求をいたしておりまして、政府部内できめましたのは十億で、五億減っておるではないか、こういうことでございますが、その後、具体的な主機換装の希望を持っております船主の予定の変更、あるいはその後の工事費を具体的に当たりましたところが、十億円をもってほぼ完了できるという見通しでございます。
#21
○久保委員 そうしますと、三十六年度は九万トンでありますか。
#22
○朝田政府委員 仰せの通りでございます。
#23
○久保委員 そうしますと、もうこれで一応主機換装は終わる、大体これでよろしい、こういうふうに了解していいのでありましょうか。
 それからもう一つは、この主機換装の場合は、オーナーが優先というふうに方針はなるわけでありますか。いかがですか。
#24
○朝田政府委員 最初の御質問でございますが、主機換装はこれで終わりと解釈してもいいかということにつきましては、これで終わりであるというふうに考えております。
 第二の点の、主機換装はオーナーの方が優先するかという御質問でございますが、この点につきましては、三十五年度におきまして、どちらかといえばオーナーの方によけいに主機換装ができるように配慮いたしたのは事実でございます。私どもといたしましては、オーナーの現在の実情からいいまして、チャーター・ベースと私どもは呼んでおるのでありますが、採算が、主機換装いたしますとよくなりますので、そういったものが企業に対して重圧を加えておるような実情は、オーナーについて特に深刻でありますので、三十六年度におきましても、三十五年度と同じような方針で処理をいたしたい、こういうふうに考えておるのでございます。
#25
○久保委員 そうしますと、やはりオーナー重点で、オペレーターは辞退していただこうというのでやっていくほかはないですね。
 それからもう一つついでに申し上げますが、先ほどこれで大体終わりということでありますが、終わりということの説明は、あとは、もうこういうのではなくて、新造でいけばいいのだというふうにとるわけですが、主機換装など、そういうこそくな手段でやるものはなくなってしまったというふうに、簡単にいえば了解するのですが……。
#26
○朝田政府委員 オペレーターに辞退をさせるかどうかという問題は、オーナーの具体的な希望と十億円のワクとの関連の問題であると思います。あるいは辞退をしていただいて、むしろ、オーナーの方にそういった先ほど申し上げましたような重三を取り除くことができれば、よりよいというふうな判断をいたしました場合には、なるべくそういうような行政指導もやって参りたい、こう考えるのでございます。
 第二の点は、これで十分で、あとは新造でやっていくかという御質問でございますが、大体予定をいたしました主機換装の計画の対象になるものが、こういうことで大体完了するというふうに考えているわけでございます。
#27
○久保委員 そこで外航船舶の建造の利子補給の問題であります。これは三十四国会で利子補給の一部改正をしたわけでありますが、そのときに、実は開銀の方の利子補給に関する規定を廃止したわけであります。ところが、一年になるかならぬうちにこれを出してきた。これはお尋ねしなくてもわかるのでありますが、どうも海運政策というのは、大筋はあまりはっきりしないで――と言っては大へん語弊がありますが、小筋の方を実は行ったり来たりということで、どうもよろめいているように見えるおけです。むしろ、開銀の利子補給も必要だとするならば、いわゆる損失補償法の一部を改正するようなところでいった方が至当ではないかと見られるわけです。この辺のことをどうお考えでありますか。
#28
○朝田政府委員 海運政策の現段階におきます私どもの一番重点を置いておりますことは、日本海運が外国海運と同じベースで船ができて、競争し得る態勢ということを、最大の眼目にいたしておるのであります。もちろんその他に、これに付随いたしまして、前提条件として、企業の自主的な合理化努力というものはあるのでありますが、少なくとも外国海運と日本海運と同じレベルに置くべきだということで一本筋を通しつつ、私どもは努力して参っておるつもりでございます。今御指摘のように、昨年の市中の利子補給及び損失補償法の改正にあたって、開銀に対する利子補給の方は削除して、再び今日こういった臨時措置法案を提案いたしたということはどうかという御指摘の点、まことに私どもはポイントをつかれた御質疑であると思うのでありますが、御承知のように、利子補給法の昨年におきます改正につきましては、政府機関でもありまするし、開発銀行自体の措置でできるのではないかというような考え方で削除いたしたのでございますけれども、また、開発銀行自体の判断で日本海運に対する協力方を願っておったのでございますが、最近御承知のように、輸出入銀行との関係もございまするし、外国船が、輸出船形式で、所得倍増計画から将来増大いたします輸入量の輸送に対応して、長期間外国船によってある部分が独占されるというような事態を勘案いたしまして、金利体系その他も考え、かつまた、臨時措置といたしまして、こういった三年間を限って、ただいま提案をいたしておりますような改正法案を考える、こういうことで、市中銀行に対する利子補給法の復活において、法案の改正のときと事情も違っておりまするし、また、臨時的な措置であるということにおきまして、一応臨時的な措置であるということにいたしまして、今回の改正法案を提案いたしたような次第でございます。
#29
○久保委員 これは三年間の時限立法でございますが、どうも三年過ぎたら大体よくなるというふうに見ておられるのかもわかりませんが、私がお聞きしたいのは、こういう政策で、いわゆる利子補給、あるいは計画造船、主機換装というようなことで、海運界は、よく言われておりますが、再建の方途としては大体見通しがつくのかどうか、この点を一つ聞きたいのです。もっと具体的に言うならば、しろうとのせいかわかりませんのでお尋ねするのでありますが、海運界の声などを間接的に聞いていますと、どうもこの程度では焼け石に水だという論法も出るわけです。この辺で抜本的な方策を何かしなければならぬというので、産業投資会計などもやっておるわけです。今日これを全面的に了承するというような情勢には、もちろんないと思います。また、大へん掘り下げて検討しなければならぬ幾つかの疑問点もあります。いずれにしても、片方ではそういう大きい計画といいますか、再建案が天下に公表されている。ところが、政府自体は、どうもそれから見れば焼け石に水である。それでは海運界はだいぶ立ち直ったかというと、なるほど立ち直ってはいるが、そう大幅な立ち直りを示していないようにも思いますし、最近のようにシップ・アメリカンというような問題が出てきたりいたしますと、これまた大へん荒波が立ってくるということでありまして、どうも不安定で、何か不安定なところに、この程度やっておけば何とかなるだろうといって、何とかなるならそれもけっこうでありますが、何ともならぬものならば、これは焼け石に水で非常にむだだというふうな考え方をする人もあるわけです。これは運輸省当局としては、どういうふうにお考えになっているのですか。この点を一つ伺います。
#30
○朝田政府委員 ただいまの御質疑は、根本的な海運再建の問題でございます。仰せの通り、産業計画会議、あるいは海運界の要望等、ただいま御提案、御審議を願っております開発銀行の利子補給、あるいは三国間輸送、主機換装、そういった計画造船に対する財政資金の確保といったような一連の海運対策では不十分であって、焼け石に水だ、どういう御説でありますが、私ども、端的に申し上げて、そういう感じがいたすのでございます。しかし、国家財政の負担の限度なり、あるいは海運対策についてのものの考え方なりというものについては、一挙にそこまでいくのはどうかという考えも、私どもは他面においてあるのでございます。たびたび申し上げるようでございますが、一昨年政党、財界、各経済団体等の御意向を伺いましても、企業努力を前提にいたしまして、こういった利子補給というようなことを提唱されておるのでございます。私どもは、抜本的に四年間利子を免除するとか、あるいは出世払いにするとか、元利ともにたな上げするというようなことがございますけれども、それができれば、なるほど立ち直りは早いとは思うのでございますが、現実の問題として、そういうものとどう調和していくかということが、私どもにとって非常にむずかしい問題であるわけでございます。従って、私どもは、一昨年海運造船合理化審議会の答申の線に沿って問題を解決するように進めて参っておるのでございますが、それによりましても、なおかつ今の対策は不十分じゃないかという御批判は当たるのでございます。しかし、やはり国家財政の負担というようなことも考え、しかも企業の自主的努力ということが、何としても一番最初に考えなければならぬ前提条件でございますので、その点につきましては、私どもは、企業強化五カ年の計画というものを企業それぞれから提出を願いまして、それに対して実行を十分していただく。それに対応して政府としてもこの程度の助成をしていこう、こういうことにすることが現段階において、十分ではございませんけれども、最小限度の政府としての措置だ、こういうふうに考えておるのでございます。
#31
○久保委員 何が再建策であるかというのは、非常に論議があると思うのです。しかし、政府が今日まで提案というか、政策として持っておるのは、今提案になっている利子補給の問題、主機換装の問題、あるいは三国間輸送の問題、大ざっぱにいってこういうようなこと。あとは旅客船公団での解決方式というか、こういうものもある。大体そのくらいなんですが、それはそれなりに、それでいいのだということで、とれ一本でいくんだという確固たる方針があるならいざ知らず、それが確固たる方針じゃない。まあまあさしあたり仕方がないからこの程度でやっていこう、あとは成り行きにまかせようじゃないか――と言っては語弊があるが、どうもそういうふうにとれる。そこらに、海運界を含めて非常な問題点があろうかと私は思うのです。だから、政府として、これでいくのだ、これ以外はやらぬ、これ以下もやらぬ、あとは一つすっぱりやろう、こういうことなら、それで割り切るが、どうもそうでないようなんですね。だから、どうも年じゅう低迷を続けているというのが、今日の日本の海運界の一つの問題だったのです。私は、いずれが是か非かという問題ではなくて、まず、政府自身の確固たる方針が――海運造船合理化審議会ですか、この答申というのですが、この答申は三年かそこら前に出たやつでしょう。これしも、それでは実績が上がったかどうかということになるわけです。だから、もうこの辺で――本来ならば予算が本院にあるうちに、基本方針として、ものの考え方はこれでどうなのかということを発表してもらうのが実はほんとうだと思ったのですが、そういう機会もないので、お尋ねしているわけです。これはどうなんです。政府としては、今の政策で、とにかく私が言うように、まあ先行き見ようということなのか、それともできぬならば、もう少しこれをどうする。あるいはこれもむだだというならば、これも切っていこう。どっちの方なんですか。これははっきりわからないのです。海運局長、一つ簡単に、方針はどうなんです。
#32
○朝田政府委員 私は、現段階におきましては、先ほど申し上げましたような実情からして、こういう政策でやっていくことがいいのだ、こう思っておるのであります。ただ、考え方の問題でございますが、合理化審議会等、一連の海運対策から私どもが具体的に予算の措置をいたしましたりする場合において、そういう考え方を貫いておりますけれども、金額の点において、これでいいのだ、こういうことにはなかなかならないのであります。その辺が、考え方でなしに、金額において十分満足しておるという意味ではございませんが、しかし、現段階においては、少なくともこの程度で、三年間の臨時措置法としてお願いしておりますような開銀の利子補給といったことと、企業の努力によって、今後における前向きの政策としては、外国海運とほぼ同一のベースに近づく、こういうことでいいのだ、こういう考えを持っておるわけであります。
#33
○久保委員 これは大へん問題が多い方針でありますから、きょうここで片づけるというわけには参りませんし、私の方も大へん疑問を持っておりますので、それは先に延ばしますが、ただ、今度のこの法案の提案理由としても、輸出入銀行の輸出入船に対する低金利と均衡をとるというようなことが、理由の一つになっておるわけであります。こういう場合に、むしろこそくな利子補給ということじゃなくて、金融体系そのものを変えていくということの方が本筋ではなかろうかと思うのでありますが、これはどういうふうにお考えなんですか。
#34
○朝田政府委員 仰せの通り、海運企業に対しまして金利負担を軽減させるために、金利自体を引き下げるということは、きわめて望ましいことであると思うのでございます。ただ、特定の融資につきまして、金利引き下げの措置をやりますと、金利体系を乱すというおそれがございますので、金融政策上も好ましくないという意見もございますので、船主の金利負担低減の目的を達するためには、こういった利子補給という形をとったわけでございます。
#35
○久保委員 金融体系を乱すかどうか、私もよく勉強しておりませんが、形としては、どうも利子補給ということがあまり好ましい形ではないようにわれわれは考えております。
 時間もありませんから先に進みますが、いろいろな助成策というか、そういうことは、見ようによっては焼け石に水ということもありましょうが、とにかくやってきた。特に助成の裏づけとして、海運界に対しては、企業の合理化、あるいは経営の健全化ということを、政府としても要求して参ったわけです。これはその後ずっとよくなっておるのかどうか。その成果はどうなんですか。
#36
○朝田政府委員 ただいまの海運企業の合理化の問題でございますが、その後、御承知のように、私の方といたしましても、基盤強化方策という合理化審議会の答申に基づきまして、いろいろな措置を講じたのでございますが、機会あるごとに、企業に対して合理化を促進して、経営基盤の確立に努力するように指導をして参ってきておるのであります。各社におきましても、その後厳重な予算統制といったものを実施いたしまして、不急不要の経費支出を抑制する。あるいは自己の会社の合理化に対する努力を重ねて、その他の点につきましても努力を重ねて参りましたために、効果は上がっておるのでございまして、その実情を申し上げますと、私どもは、合理化を推進して参りました基準年次は、三十三年の三月期を基準期にいたしておりますが、三十五年の上期に至るまで冬期の実績を見てみますと、運航費におきましても、一三・八%の節減をいたしております。船費につきましても、一四・一%の節減をいたしております。一般管理費におきましては、船腹が増加いたしまして営業規模が拡大いたしましたにもかかわらず、その支出額において、三十五年の九月期におきましては、基準期の三十五億円に対しまして三十二億五千万円、差引二億五千万円の節減をはかっておるような実績になっておるのでございます。人件費の面におきましても、役員報酬が、支出額で基準期の三億八千二百万円に対しまして、この期におきましては三億三千百万円、従って一三・二%の節減をいたしておるというようなことでありまして、用船料等におきましては、マーケットの関係もございますけれども、非常に大幅に節減をいたしまして、三七・七%に節減しておる。こういうようなことで、逐次船腹の増大、営業規模の拡大にもかかわらず、総体的に、節減の効果は十分に近い効果を上げておる、こういうふうに判断をいたしておるのでございます。
#37
○久保委員 ただいまの資料は、あとで提出していただきたいと思います。こまかいことは聞きません。
 そこで、船員局長にお尋ねします。この前おいでにならなかったのでありますが、今度の旅客船公団を含めて解撤方式というものを促進するわけでありますが、昨年の暮れにあなたが当委員会で言明されたには、解撤に伴って約三千人の船員が下船しなければならない。ところが、先般どなたかの答弁では、解撤希望が百二十五隻で、四千三百名おる、こういうお話でございました。数字の違いは別として、下船するというか、転換しなければならない船員対策として、職業訓練、あるいは短期の移民、あるいはその他に対する策をとる、こういうことでありましたが、実際に三十六年度の予算に盛られた面では大へん少ないのでありまして、船員の短期移民送り出し振興費として六十三万四千円、それから職業訓練の方でありますが、これも合計して本省地方を含めて百六十二万というような小さい額でありますが、これではあなたのおっしゃる三千名、あるいは先般の運輸省当局の答弁の四王二百名というような転換方策は、非常に微弱ではないかとわれわれは思っておるわけですが、これに対して、この予算でどういうふうにやっていく考えなのか、これをお示しいただきたいと思います。
#38
○吉行政府委員 ただいまお尋ねの点につきまして、御説明申し上げます。
 四千三百名あるいは五千名というふうな数字が、戦標船の下船船員数として答弁されたかと思いますが、この点は、実は戦標船のうちで、解撤希望の約四十二万総トンと言われております乗組員及び予備員の合計が約五千名ということでございまして、これは一応解撤船の船員数でございますが、それが直ちに全部失業するというわけではないのでございまして、また、昨年私が御説明いたしました三千名につきましても、実は当時どの程度の戦標対策が予算上とられるかという点が明確でありませんでしたので、ある程度の見当で申し上げたようなわけでございます。今いろいろと検討いたしておるわけでございますが、一応約五千名近い船員が、戦標船の総船員と考えられるわけでございます。しかし、これに対応いたしまして、戦標船自体の代替建造はもちろんのこと、計画造船なりあるいは自己資金船なり、かなりの新造が見込まれますので、相当部分は新しくできる方面に吸収されるのではないかと考えております。従って、大ざっぱに見ますと、その間の食い違いというものは割合少なくなるのではないかと考えておりまして、ただ、全体としてそう大きなアンバランスが出ないといたしましても、具体的には、会社の系列の関係であるとか、あるいは職種の関係であるとか、あるいはまた老年層であるか、弱年層であるか、中年層であるかというような点で、個々の面ではかなり問題は違ってくるかと考えております。従いまして、全体の数といたしましては、五千名近い数が直ちに対策の内容になるということはまずないのではなかろうかと考えておりますが、具体的には、その個々の面でのでこぼこにつきまして、相当こまかく対策を考えていかなければならないと考えておる次第でございます。
 そこで明年度の施策といたしましては、今お話のございましたように、約百五十万円程度の新規額をこの関係の対策の規模としてやっております。その内容は、まず船員の職業安定につきまして、この機能を強化し、また積極的に求人開拓をやる、あるいはまた、従来その地方々々を単位としておりましたものについて、これを範囲を広げまして、広域の職業紹介の実をあげるという点、さらにまた一部のものにつきましては、短期移民というふうな形で海外へ出てもらうということも考えております。さらにまた、新しくできる船への転換をスムーズにいたしますために、海技専門学院なりあるいは海員学校で、そういう人たちのための再教育の施策も考えておるわけでございまして、一応、とりあえず三十六年度分といたしましては、この予算なり施策で、ある程度の施策の実をあげ得るのではないか。もっとも、この戦標船の問題は、さらに翌年度以降も続くわけでございますので、さらに必要に応じて、明年度以降必要な施策及び予算の計上をはかりたい。かように考えておる次第でございます。
#39
○久保委員 今までの御説明だけでは、どうも万全を期し得られるというふうにはわれわれとっておらない。きょうは運輸大臣お見えになっておりませんが、委員長、運輸大臣はこういうときは要求しなければ来ないわけですか。
#40
○三池委員長 参議院の運輸委員会に今出席をいたしておりまして……。
#41
○久保委員 こっちも来てもらわなければいかぬですよ。まあきょうは無理でしょうから、この次呼んで下さい。
 そこで言っておきますが、特に海運関係もそうでしょうが、船員局というか、人間を扱う方は、実際いつも予算は思うようにとれない傾向が強い。ところが、しわ寄せはここへきている。そういう点はどうもうまくないと思う。だから、この点は船員局長に文句を言っても始まらぬかもしれませんが、解撤方式を順調にやるためには、それに乗り組んでいる船員をどうやっていくかという問題も並行しなければならないし、それからだんだん船も近代的に、あるいは大きくなっていくということになれば、解撤方式がなくても、これは当然再教育の必要がある。再教育のためにはどうやるのかというような問題も、これは解撤方式にからまない一般の場合で考えなければならぬ。だから、そうなれば、予算面でこの金で足りるのか足りないのか、今までの説明では私はよくわかりませんが、とにかくこういうことではうまくいかないと思う。
 そこで、時間もありませんから、船員局長に要求しておきますが、今御説明になった内容を一つ文書をもって資料として出していただきたい。たとえば、船員の再教育をする場合の手当を出すのか、あるいは学資金は免除するのか、いろいろありましょう。そういう政策があれば、全部書いて、きょうは答弁の時間をもらいませんから、資料として出してもらいたい。さらにこれは運輸大臣が来たときに、この次にまたお尋ねすることにいたします。
 それから資料の要求で、委員長を通じてもう一つお願いしたいのは、港湾局長おいででありますから、新潟で、港湾局の方で地盤沈下についてずっと試験をいたしておるわけであります。このデータを一つ最近のうちに資料として出していただくと同時に、これは運輸省関係でありませんが、建設省関係で、最近地理院というところで地盤沈下についての結果を公表しておるようでありますから、その資料を出していただきたい。こういうように思います。きょうは一応これで終わります。
#42
○關谷委員 ちょっと関連して。船員局長出ておられますので、ちょっと船員の関係でお尋ねをしたいと思います。
 海運の船腹の増強のいろいろの計画が、所得倍増計画の一環として現われておりますが、それに見合っての船員ですが、最近の動向といたしまして、商船大学を出た者の機関の分野は、ほかの工場、会社に引っぱられて、ほとんど海運界に残っているのが少ないというような状態ですし、商船高等学校を出た者でもみな引っぱられておるような状態ですが、この船員の需給計画の見通しをつけておかなければ大へんなことになります。今各方面で言われておりますのは、商船高等学校であれば、甲板部と機関部で三十名ずつくらい一クラスやっておるようですが、これを四十名にふやせというような説が非常に高い。それを運輸省の船員教育審議会ですか、あれがどうもしぶって、それが実現できない。五年先を考えますと、四十名にしておかなければ――四十名にしておくと、六校ありますから、百二十名余分にできるというようなことになりますと、年々できれば相当のものですが、そういうようなことを考えておりませんと大へんなことになると思いますが、この点よく考えて、船員教育審議会で――つまらぬ審議会で商船高等学校を廃止するというようなことを十年ばかり前に出して、私しかりとばして、そのときにそんなところにまかしておいては大へんだというので、商船高等学校を文部省に渡したのですが、どうもあそこらあたりがブレーキをかけておりますので、文部省あたりがふやそうとしてもふやせないのだというようなことを考えた場合に、余るような状態ができてくるのだというのが海運界一般の定評で、そういうようなことをあなた方の耳に入ってないはずはないのですが、それをどういうふうに考えておられるのか、その点一つ。これはきょうすぐにその返答をしろということは言いませんが、よく調べて資料を出して下さい。
 それから船員教育審議会あたりが、今どんなことを考えて、最近の機会にどういうことを言うておるのか。とういう問題に触れておるのか、触れておらないのか。これにも触れないような船員教育審議会は、廃止してしまいなさい。船員が少ない方が船員の待遇がいいというようなことを考えて、将来の日本の海運界も考えないような委員なら、差しかえてしまって、もう少し気のきいた委員会にするということにもしなければならぬと思いますが、その点、最近そういうふうな問題にも触れたことがあるかないか。ある場合には、そういうふうなことを文部省に要求したことがあるのかどうか。そんなことはもう一切触れてないのか。そういうふうな資料も出していただきたいし、将来の船員の需給計画が、新しい人たちが次々出てとなければならぬのですが、そういう面がどういうふうになって、これから先の十カ年あたりの計画――所得倍増が十カ年計画ですから、十カ年間でけっこうだと思いますが、その計画を一つ出していただきたい。
#43
○吉行政府委員 ただいまの關谷委員の御質問につきまして、実は所得倍増計画に関連いたしまして、一体将来目標を達成するのに幾らの船員を確保する必要があるかという点は、目下局内で作業いたしております。まず、船腹の問題もございます。それから船腹がかりに同一であるといたしましても、船型の大型化なりいろいろな面で、単位あたりの船員数が減少して参るということは見当はつくわけでございますが、それが具体的にどういう数字で見込めるかという点も、むずかしい問題でございます。さらにまた、予備員数はどのくらいの比率を持つべきかという点も、むずかしい問題でございまして、そういうふうに三、四点非常にむずかしい問題がございますが、できるだけこれを詰めまして、一応十年先の所要船員が幾らであるか、またその職員の内容の構成がどういうふうであるかという点は、目下局内で作業いたしております。そしてそういう長期の数字をできるだけ固めまして、船員教育審議会なりあるいは船員職業安定審議会なり、そういうところへ長期の見通しを提出いたしまして、皆さんの御審議を求めて、必要な教育あるいは養成規模の拡充をやって参りたい。目下盛んに準備いたしておる最中でございます。
#44
○關谷委員 いつごろできますか。
#45
○吉行政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろ未確定要素が多いものでございますから、一応大ざっぱな数字は数日中にできるかと思いますが、先ほど申しましたような三点ないし四点につきましては、これをどう見るかという点でかなり数字が変わって参りますので、その点、もう少し時間をかけて諦めて参りたい、かように考えておりますから、もうしばらくの時間的余裕をいただきたい、かように考えます。
#46
○關谷委員 その点は、船腹がどうなるかということで非常にむずかしいことはよくわかりますから、船腹をこう仮定した場合という一つのケースでかまいません。それで所得倍増計画の通りといったって、今までの資金計画でやれるはずがないのですから、大体このくらいはできるだろう、この場合にはどのくらい船員が要るんだ、その場合のあなた方の船員局としての見通しでけっこうです。
     ――――◇―――――
#47
○三池委員長 次に、気象及び航空に関する件について、調査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。児玉末男君。
#48
○兒玉委員 最初、気象庁の方にお伺いしたいと思うのです。
 今月の三日にも、気象庁長官に地震に関しましていろいろと質問いたしましたが、現在の時点においては、地震等の予測ということはほとんど不可能だ、こういう御答弁をいただいたわけでありますけれども、二月二十七日に日向灘の地震が発生いたしましてから、特に九州地方におきましては、数回にわたり地震の発生を見ておるわけであります。その原因は、いろいろと気象庁の方にもお考えがあると思うのですが、三十四年の二月十七日に霧島の新燃岳が突然爆発をいたしまして、宮崎県下におきましても、十億円の損害を受けたわけであります。気象庁においては、その後出先からどういう報告がなされておるのか、気象庁の見解を承りたいと思います。静川畑説明員 ただいまのお尋ねに対してお答え申し上げます。
 この三月の初めごろから、霧島山系北部地帯を中心といたします地震が、非常に頻発しております。ことに三月中旬には、一日に十回以上の有感地震が発生いたしております。同地方では震度三ないし四に達したところがございまして、このため山鳴りあるいは地割れ、がけくずれ、地下水の異状などが起こっております。また、温泉湧出がとまったところもあります。なお、十五日、十七日の両日には、鹿児島地方気象台は、鹿屋の航空隊にお願いをいたしまして、飛行機観測を行なっております。それによりますと、新燃岳――霧島の火山でございますが、の噴気の活動がやや強くなっていることが認められまして、今後警戒を要するとされております。新燃岳は、一九五九年二月に大爆発をしておりまして、また、本年二月二十七日には、御承知の日向灘の地震がございました。これに対しまして宮崎地方気象台では、十四日に今までの資料をまとめまして、一般の方々に対しまして情報を発表いたしております。その情報は、火山に登山をぜひ差し控えられるようにというような情報でございます。さらに、鹿児島地方気象台も、二十日に情報を発表いたしまして、同様なことを申しております。鹿児島地方気象台に所属しますところの桜島の地震観測所には、今月の三日ごろから、霧島に震源を有すると思われる地震が毎日あるいは一、二回ずつ感じられております。
 大体以上のような経過をたどっております。
#49
○兒玉委員 そこで観測部長にお伺いしたいのでありますが、御承知のように、霧島山系はすでに二年前に非常に活動を始めた、こういうことで、特にこの霧島山ろくは、宮崎県におきましては主たる農業生産の中心でございまして、地域の住民も、この活動に対して非常に危惧の念を持っておるわけであります。同時にまた、最近非常に観光客もふえておるわけでございますが、こういう不安の情勢から考えまして、現在桜島と阿蘇には国立の観測所があるわけでございますが、観測所の設置についてはどういう基準があるのか、この点についてお伺いしたいと存じます。
#50
○川畑説明員 日本における火山は非常にたくさんございまして、北海道方面にも非常に現在活動している火山がございます。それから東北地方にも、吾妻、磐梯のような山がございます。それから関東に参りまして、浅間とかあるいは伊豆の大島のような非常にたくさんの山がございまして、どれが一番緊急を要するかということが、判定が非常に困難でございまして、できるだけ努力して整備を進めておりますけれども、まだ十分には参っておりません。
#51
○兒玉委員 なかなか観測所の設置ということが困難であるように言われておりますが、特に阿蘇、それから桜島、こういう一連のつながりを持つ火山系でございますので、県としては、三十四年二月十七日の爆発がありましてから、緊急に県自体の費用でもって観測の設備等を設けておるわけですが、何と申しましても、やはり中央の気象庁等が管轄する中においてこういうふうな観測を行なうべきだ、このように感ずるわけでありますが、特に活動を始めました霧島の観測所設置について、気象庁としてはどういうふうな見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
#52
○川畑説明員 霧島が現在非常に活動を始めましたので、一昨日長官に御協議いたしまして、これをどうするかということで線を出したいというふうに考えております。
#53
○兒玉委員 大体予算的な措置とすれば、どの程度の予算が要るのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#54
○川畑説明員 火山は一つ一つ山の性格が違いまして、その出てくる震動もいろいろ違います、従って、非常に高性能の機械を要するところもございますし、それからむろんその地震の発生しているほんとうのところ、震源位置をきめますのには、一点ではいけないのでございます。少なくとも三点が必要でございますので、そういうことを考えに入れますというと、今幾らということは私申し上げかねますが、過去に出ましたいろいろな記録をよく調べませんというと、ちょっと金額の点などははっきり出ないのでございます。
#55
○兒玉委員 今の部長の見解では、まことに無責任な答弁だと思うのです。この前の運輸委員会における長官の答弁においては、実施に対する予算措置はできない、こういうふうなことでありますけれども、地震や火山というものの与える被害というものは、非常に大きいわけでございますから、積極的な予算措置なり、あるいはそういう地震対策というものを講ずべきではないか、そういうことについて、総務部長もおいでですが、一つ御見解を承りたいと思います。
#56
○有田説明員 火山、地震関係の予算措置につきましての御質問と拝承いたしました。本件につきましては、枝術的には先ほど観測部長が答弁な申し上げたようなことでございまして、予算措置といたしましては、まだ気象庁として決定したわけではございませんが、われわれ気象庁といたしましては、明年度予算にぜひかような予算を組ませていただくよう要求させていただきたいというふうに希望しております。
#57
○川野委員 関連して。ただいまの総務部長の御答弁を聞いておりますと、どうも熱がなさそうに私は考えるのであります。しかし、霧島火山系に国立の観測所を設けてもらいたいという要望は、前からなされているわけであります。そこで、その要望にこたえて三十六年度の予算請求をされたものであるかどうか、この点を一つ伺ってみたいと思う。
#58
○有田説明員 ただいま先生方からお話のございました火山関係の重要性につきましては、気象庁としては十分重点を置いておるのでございますが、今年度の実情を申し上げますと、本年度の予算要求の際には、先般のチリ地震津波対策の予算に重点を置くと申しますか、そちらが非常に膨大になりましたので、非常に残念ではありまするが、三十六年度の予算要求には、この火山関係は見送ろうというふうに――最終期日までずっと議論したのでございますが、結局そういうことになりました。換言いたしますと、明年度にはぜひこれを要求いたそうというふうに、気象庁としては考えておるわけでございます。
#59
○川野委員 ただいまの御答弁を聞きまして、熱のないことおびただしいと申さざるを得ないのであります。この霧島山脈系に観測所を作ってもらいたいという要望は、前からなされておるわけであります。そこで、来年度は希望観測として予算を要求するという話でございますが、希望観測どころではない、積極的に作るという確信で大蔵省に予算請求をしていただかなければ一−希望観測で、できるかできぬか知らぬがまあやろうという程度の腹がまえでは、とうてい予算の獲得は不可能であると存じますから、三十七年度には、ほかの方を犠牲にしてでも、この観測所を絶対作るという腹で一つ臨まれんことを、私は希望いたします。
#60
○有田説明員 ただいまの希望観測というお言葉、私そう申しましたかどうか――希望観測ではございませんで、今年度予算要求の際は、非常に重要な事項が多うございまして、特に地震関係に重点を置きましたので、非常に残念でございましたが、予算をあまり多額に要求いたしましても、毎年の例から推しまして、結果が予想されましたので、そういうような見地から、本年は火山関係は涙をのんでよそう。そして明年からは一そう資料を整備し、非常に強い線でぜひこの火山関係の予算を要求しよう、こういうことを申し合わせまして、そういう意味で残念ながら予算要求を見合わせたような次第でございます。ただいま先生が申されましたような、そういう気持でやったのではございませんで、明年こそは、ぜひ仰せの通り重点といたしたい、こういうのが実情でございますので、その点御了承いただきたいのでございます。
#61
○兒玉委員 この前の長官の答弁では、こういうことがいろいろ技術的にも不可能であるということを言われておりますけれども、今の部長の答弁によりますと、予算上の関係でこういうような対策ができない、こういうように私は判断いたすわけであります。全国的な観点に立ちましても、こういう火山等の問題は、やはり科学的な観測というものは、観測所を設けない限りは不可能じゃないか、こういうふうに感ずるわけでありますが、この点は、現在活動している火山に対する気象庁が必要とする観測所の設置、あるいはそれに付帯する要員、予算措置、こういうこと等についての資料を一つ提供していただきたいということ。
 もう一つは、本日どうして気象庁長官は出席できなかったのか、この点について御回答いただきたいと思います。
#62
○有田説明員 お答え申し上げます。
 この火山関係並びに地震関係の予算措置につきましては、先ほど申し上げましたようなわけでございまして、先日長官がお答えいたしました地震の予知は非常に困難であるというふうなことは、私どもの予算要求の建前、考え方からいたしますと、学問的には長官が申し上げましたような通りでございますけれども、地震とか火山の問題は、社会的にも影響するところは甚大でございますので、学問的に厳密な――学問的に予知ということに一歩でも近づくという意味におきまして、その前提と相なります観測と申しますか、そういったことを地道に資料をとることがぜひ必要である、そういう意味の予算措置を、ぜひ明年こそは検討いたしたい、こういう意味でございます。
 それから本日長官不在でございますが、たまたま地震のこういったことの業務も非常に重要でございますので、気象庁の出先でございます松代の地震観測所にただいま視察に参っておりまして、本日出席の点につきましては、そういう事情でございますので、御了承いただきたいと思います。
#63
○兒玉委員 航空局の関係についてお伺いしたいと存じますが、この前の日向灘地震によりまして、宮崎の空港が相当な損害を受けておるわけです。現在聞くところによりますと、使用ができないで、自衛隊の新田原の飛行場を使用しているというようなことも聞き及んでおるわけでございますが、状況はどうなっているか、お伺いしたい。
#64
○栃内説明員 先般、二月二十七日発生の日向灘地震によりまして、宮崎所在の宮崎空港の滑走路には、相当な被害が起こりました。滑走路に地割れあるいは陥没等の個所が、相当多数ございます。しかし、幸いなことに、大きな被害を受けましたのは、Aラン・ウエーと称します主たる滑走路でございまして、Bラン・ウエーの方は被害が比較的軽微でございます。もちろん被害はございます。そこで、御承知のように、宮崎飛行場は、航空大学校の訓練のために非常に重要な飛行場であるとともに、また、定期輸送の面におきましても、現在全日本航空の飛行機が一日二便参っておりますので、これをどういうふうに定期を続けるかということで、至急対策を検討し、また、現地の調査もいたしました結果、比較的被害が少なかったBラン・ウエーをとりあえず転圧いたしまして、そうして若干の手直しをして、一応Bラン・ウエーで定期を飛ばすことができるという結論になりましたので、Bラン・ウエーを今使用している状況でございます。しかし、元来交差したAラン・ウエーとBラン・ウエーがともに使えるということが必要でございますので、現在Bラン・ウエーの手直しということで応急的にやっておりますが、これで決して十分であるというふうに考えておるわけではございません。
#65
○兒玉委員 特に宮崎の場合は、昭和二十九年の十月一日でございましたか、航空大学と同時に飛行場としてこれが開設をされたわけでございますけれども、観光の面からも、また、航空大学の訓練という意味からおきましても、――飛行場の種類は三種あるそうでございますけれども、県といたしましては、費用分担等の関係もありまして、ぜひ、この飛行場の整備もあわせまして、第二種飛行場にしていただきたい、こういう強い要望がなされておるわけでございますが、当局の方にはどういうような要請がなされておるのか、事情をお聞きしたいと思います。
#66
○栃内説明員 ただいま仰せられました通り、宮崎飛行場は、大学校の訓練の面からも、先ほど御説明しました定期飛行、あるいは最近観光上の飛行機が非常に多くここを使っておる。と申しますのは、定期以外の臨時フライトといたしまして、宮崎、鹿児島等の観光のための便数がかなり多いように承知しております。従いまして、との飛行場をよくしていくということは、航空局といたしましても非常に熱望するところでございます。また一方、宮崎県あるいは宮崎県に御関係のいろいろな方々から、ぜひこの宮崎飛行場を二種空港に指定しくれ、また、県当局本財政上の負担を負う用意があるというような、非常に積極的なお話がございますので、航空局といたしましても、大学校の訓練をさらに完璧を期する、あるいは定期の飛行機にさらに便宜を供与するというような観点から、二種の空港に指定してこの整備をやっていきたい、かように現在――これはまあ航空局限りの段階でございますが、そういう決意のもとに関係方面に対して積極的に動きたい、かように考えておるところでございます。
#67
○兒玉委員 国立のただ一つの大学であり、また設備等も、私は出身が宮崎でありますけれども、非常にお粗末であり、しかも、学校当局も相当予算要求についても再三強い要望をしておるけれども、なかなか受け入れてくれない、こういう苦情も聞いておるわけでございますので、一つ一段の御努力を願いたい。
 それからさらにまた、二種指定の問題につきましの見通しと可能性の点について、一つ当局の見解を承りたいと思います。
#68
○栃内説明員 二種指定の問題につきましては、これを手続的に申しますと、政令でもって指定するということで最終段階はきまるわけでございます。従って、閣議にかけるということになるわけでございますが、それのいわば推進役になりますのは航空局でございますので、航空局といたしましては、熱意をもってこれを推進するということで、運輸省内はもちろん、大蔵省その他関係各省と十分折衝いたしまして、政令でできるというように努力いたしたいと思います。なお、これはまだ現段階におきまして、この場所ではっきり申し上げるところには至っておりませんが、まあ私の感じといたしましては、努力次第によりまして、また宮崎県の応援が十分期待できるならば、決して見通しが暗いというようなことはない。要は、航空局、あるいは宮崎県、あるいはその他関係の向きの一致した努力いかんによって、これが打開できるのじゃないかというふうに観測しております。これは現段階における私の観測でございますが、それをお含みの上、お聞き取り願いたいと思います。
#69
○兒玉委員 それでは、県当局としても、早急にこれの実現については全面的な協力をさせるようにいたしたいと思いますので、特に当局の一そうの御努力を要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
     ――――◇―――――
#70
○三池委員長 この際、静岡県由比町における地すべりに関して、政府より発言を求められておりますので、これを許します。廣瀬国鉄部長。
#71
○廣瀬政府委員 去る三月の十四日に発生いたしました由比町の西方の寺尾山の地すべりにつきましては、十七日、この委員会で山口委員から緊急質問がございまして、政府で至急対策を立てたらどうかという御要望がございました。運輸省といたしましては、事態が悪化した場合には、わが国の一番重要な幹線でございます、国鉄の東海道本線並びに国道の一号線の交通に重大な支障を与えまして、これは非常に重大なことになるということで、二十二日の閣議におきまして、運輸大臣から事態の経過報告を行ないますとともに、早急に政府においても対策を立てたいという提案をいたしました。その結果、閣議におきまして、現地に総合対策本部を設ける。中央に関係閣僚の連絡会議を設けまして、情報を交換するとともに、総合対策を検討するということを決定いたしました。
 第一回の関係閣僚会議は、同日の閣議のあとに引き続きまして開催いたしまして、農林、建設、運輸、科学技術、防衛、郵政関係各大臣が出席をいたしまして、協議をいたしました結果、応急対策といたしましては、地すべり個所の水路をあける。それから流出土砂を処理するということをとりあえずやって、必要のある場合には予備費を支出する。なお、具体的な事項につきましては、それぞれ関係事務当局に対策を検討させるということを、とりあえず決定いたしました。第二回の関係閣僚会議は、二十三日、今申し上げましたほかに自治省も加わりまして、建設省の土木研究所、東京農業大学の権威者の調査結果に基づきまして、まず応急対策といたしまして、さしあたりすべり落ちました土砂の次の降雨による土石の流出の防止を重点といたしまして、埋没いたしました流路の排土、流路を蛇かご等によりまして保持して排水をはかる、中央の山腹面にボーリングによる排水を行なう、それから旧国道の上部における中の沢、寺尾沢を結ぶ線に防御壁を作る、そういった工事を早急に開始をいたしまして、工事に要する費用は緊急治山事業費をもって充てる。また、工事の指導監督等のために林野庁から責任者を現地に派遣して常駐させるというようなことを、応急対策としてきめまして、なお、恒久対策といたしましては、応急対策の実施と並行いたしまして、山腹における不安定な堆積土砂の排除をやる、湧水並びに地下水の回排水と恒久的な流路の築設を行う、農地――この辺は主としてミカン畑、ビワ畑等でございますが、この農地の復旧と整備等につきまして、恒久的な対策を確定いたしまして、引き続き工事を施行することを決定いたしました。
 なお、応急対策、恒久対策の総合的な運用を期するために、明二十九日に、科学技術庁の長官を団長といたします現地調査団を派遣することになりました。関係者の参加は、建設省、農林省、運輸省、自治省、郵政省その他でございます。運輸省といたしましては、関係各省庁、国鉄と緊密に連絡をいたしまして、非常の場合には輸送対策を考えるというようなことを検討しております。
 以上、非常に簡単でございますが、現在まで政府のとりました措置につきまして、御報告を申し上げます。
     ――――◇―――――
#72
○三池委員長 なお、この際お諮りいたします。
 先般の静岡県由比町における地すべりによる国鉄関係の被害対策と、その他実情を調査するため、委員を現地に派遣いたす必要が生じました場合においては、派遣人員、派遣の期間など、すべてその承認申請の手続を委員長に御一任お願いいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう取り扱います。
 次会は、来たる三十日、木曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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