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1960/04/07 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第21号
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1960/04/07 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第21号

#1
第038回国会 運輸委員会 第21号
昭和三十六年四月七日(金曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 三池  信君
   理事 川野 芳滿君 理事 久保 三郎君
   理事 山口丈太郎君
      伊藤 郷一君    佐々木義武君
      壽原 正一君    鈴木 仙八君
      關谷 勝利君    原 健三郎君
      細田 吉藏君    増田甲子七君
      山田 彌一君    加藤 勘十君
      勝澤 芳雄君    肥田 次郎君
      内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (大臣官房長) 辻  章男君
        海上保安庁長官 林   坦君
 委員外の出席者
        議     員 關谷 勝利君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
四月五日
 委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として内
 海清君が議長の指名で委員に選任された。
同月六日
 委員矢尾喜三郎君及び内海清君辞任につき、そ
 の補欠として板川正吾君及び稲富稜人君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員板川正吾君及び稲富稜人君辞任につきその
 補欠として矢尾喜三郎君及び内海清君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関
 する法律の一部を改正する法律案(關谷勝利君
 外六名提出、衆法第一七号)
     ――――◇―――――
#2
○三池委員長 これより会議を開きます。
 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。山口丈太郎君。
#3
○山口(丈)委員 私は、ただいま議題となった海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案の内容は了承いたしておるわけでありまして、主として提案者に御質問を一つだけいたしますが、これが政府提案とならずに議員提案として提出されましたその経緯について、一つ關谷さんから御説明願いたいと思います。
#4
○關谷議員 この海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律は、現行法も議員提案で、実は私が提出者になっておったのでありますが、警察官の方が同じような法律でこれまた議員提案になっておりますので、その際に、歩調をそろえるというような意味で、当時のものができ上がりました。そうして今度国家公務員法が改正になりまして、これと同じような条項がこれまたでき上がりました。それが今度改正案のようなことに、三年間で打ち切るというようなことがなくなりまして、治癒するまで給付をしようというようなことになって参りましたので、警察官の方も、すでに御承知の通り議員提案で通過をいたしておりまするし、それと同じように歩調をそろえまして議員提案、こういうことになった次第であります。
#5
○山口(丈)委員 警察官の方の協力者に対する補償法は、たしか今度の改正で政府提案になったのではないかと思うのですけれども、それはどうですか。間違っていますか。
#6
○關谷議員 これは委員長提案になりました。実はこれを準備いたしまする際に歩調をそろえて準備をしておりましたが、委員長提案になりますと、委員会の審査を省略して直ちに本会議でやれるということで、当初はこの海上保安官に協力援助した者等の災害給な、これと同じように進めていこう、こういうことになっておったのでありまするが、どういう関係で途中で変わりましたのか、委員長提案になりまして、委員会の審査を省略して直ちに本会議で採決、こういうことになったのであります。そうしてこちらはその準備を整えたためにこのようなことになったのでありまするが、同じようにやろうという当初の申し合わせであったのであります。
#7
○山口(丈)委員 次に海上保官庁にお尋ねいたしますが、私は、こういう公的職務に協力をした民間人等についての補償措置というものは、むしろ官庁から当然それにふさわしい改正法案を出していくべきだと思うのですけれども、今までこの種の災害補償に対して、保安庁は予算要求もしくは法改正についての意見具申等を運輸大臣になされたことがありますかどうか、一つお聞かせ願いたい。
#8
○林(坦)政府委員 災害給付に関しましては、大体警察庁と同じような法体系をやっておりますので、警察庁の方といろいろこの内容その他につきましてあるいは政令その他の問題については打ち合わせをしながら進めております。従ってわれわれの方も常々こういうことにつきましても関心を持っております。今度の場合にも政府が考えるべきかとも思ったのでありますが、先ほど關谷先生からお話のございましたように、歩調をそろえるといったような意味もございますので、提案をしていただくことになったようなわけでございます。われわれの方としましても常々関心を持って考えております。
#9
○山口(丈)委員 私は今の御答弁にはきわめて不満足なんです。ただ政府部内で歩調をそろえるのだということだけで、悪くいえば議員まかせ、議員の方でそういうことをなさるなら私の方はけっこうですというような、そういうことでは、警察の職務に協力をして、犯人を捕えるために生命をも落とした人もあるわけです。海上においてもきわめて凶悪な犯罪等が行なわれる場合にも、その発見者もしくはそれが逮捕のための協力者、こういうようなのはほんとうに職務でもないにもかかわらず、当局の職務に協力して生命を落とすというような危険までも冒している。それならば、それだけ協力をしてもらえる人に対して、その当局者が進んでこの補償なりあるいはまた救済の処置をとってその協力者の熱意にこたえることが、私は当然だと思うのです。しかるに今の御答弁のように、ただ警察官との処置の見合いをとるためとかなんとかいうような消極的なことで議会にまかせきりというようなことでは、これはどうしても積極的に協力をするということはできなくなってくる、もっとそういう人々に対して熱意を持って当局はこたえるべきであると私は思うのですが、その見解はどうです。
#10
○林(坦)政府委員 ただいまおしかりを受けたのでありますが、私どもとしましては決して熱意において劣るものではないのでありまして、実際問題は、警察と打ち合わせをしておりますのは、いろいろな意味で政府部内の調整をはかる意味においてやっておるのでありますが、われわれとしましても、もちろん予算も昨年度に比べまして、本年度は昨年度の二十万を五十万というふうにふやしてとっておりますし、またこの問題につきましても、われわれの方でいろいろ準備をいたしまして、それから先生方にお願いを申し上げましてこうしたような次第になったわけであります。従って熱意が欠けておるというふうには、私、考えておりません。
#11
○山口(丈)委員 それだけの熱意をお持ちであるならば、私は法律の改正等も進んで政府提案となすべきものだと思うのです。ですから事実をもって示してもらわないことには、ただ熱意を持っております、本年度の予算はこうでありますといっても、明らかにこれは時限法として成立をいたしておるものでありますから、当然これが改正というようなことについては、私は政府がそれだけの処置をとって万全の熱意をやはり国民に示すようにしてもらうのが当然だと思います。ですから今後においてはそういう処置をとっていただくように希望いたします。
 次に運輸大臣にお伺いをいたします。この法案は警察の関係の法案と同じように、提案者からの御説明によりますと、その原案は議員立法においてなされておるという点であります。今度もまた改正案が議員立法で出された、私はこの従来からの議員立法の運営を静かに見ておりますと、議員立法をやったものに対しては、政府及びその当局者はきわめて冷淡なんです。議員立法でやったものが不都合を生じた場合あるいは改正を必要とするような場合には、どうぞ議員の方でおやりなさい、こういうような態度に見えるのです。また一方道路譲与税だのあるいはまたガソリン税というような、これも提案されたときは議員立法です。この議員立法で目的税にこれを使われるということになれば、だんだん大蔵省は得たり賢しとしてそれを利用してどんどんと税金を上げていって、一般会計からの支出等はきわめて無責任に回避されてしまう、そういう結果になるから、道路その他のあらゆる計画が立っても、あげてそれは、目的税を増徴することによって補てんされる危険性がある。しかもそれが政府提案でなくて議員立法ということになればなおさらのことだということを、私は強くその当時言ったのであります。はたせるかな、今日の実情においては、その杞憂が全くその通りになっておるという結果になっております。私は、従って、議員立法の取り扱いというものが、政府当局者にこれだけ冷淡に取り扱われる、これはまことにもって遺憾千万だと思うのです。当然この種の補償問題にいたしましても、法律となりました以上、それを運営管理するのは行政府であります。従ってその法律に不都合を生じ、あるいはまた改正を必要とする場合においては、当然政府機関において、これが改正の原案が国会に提出をせらるべきものだと私は思う。しかもそれを議員立法にまかしておるということは、いかに議員立法に対して当局が冷淡な態度をとっておるかということを、私は如実に示すものであると思うのであります。一体この議員立法に対する取り扱いについて、政府全体としてどういうふうに考えるのか私は聞きたいのですけれども、官房長官も見えておりませんから、運輸大臣から運輸省所管に関するものだけでも、議員立法として成立をした法の取り扱い、政府の提出をして成立をさせた法律の取り扱い、こういう差別を設けておることに対して、今後どういう処置をとられようとするか、これだけは私はぜひ聞いておきたい。
#12
○木暮国務大臣 お答えを申し上げます。
 ただいま上程されて御審議願っておりまする法案につきましての今日までの経緯は、關谷委員から詳細に申し述べられた通りでございます。政府として、議員立法に対して政府提案の法律とどういうふうに取り扱うかという御質問でございますが、いわゆる三権分立の観念からいたしまして、立法府の国会が法律を提案をなさるということは、これは筋の上から非常に好ましいことでもあるし、当然のことであると私ども考えておるのでございまして、その法案の内容が、そのときの政府の財政事情等を勘案いたしまして、適切のものである限りにおきましては、政府提案と何ら選ぶところなく尊重をして、賛意を表する次第でございます。御承知の通り古い帝国議会におきましても議員立法の道は開かれておったのでございますが、当時の議会の運営から見まして、議員立法というものはほとんどないし、議員立法というものに対する政府の取り扱い方というものはきわめて冷淡でございました。たとえば一つの議員立法が、古い帝国議会におきまして、衆議院と貴族院を満場一致をもって通過いたしましても、政府はそれを好ましからざるものと思いまする場合には、天皇の御裁可を受けることなきことによってこれを法律として成立させることを拒んだという事例が幾たびかあることを、体験上知っておるのでございまして、まことに、三権分立の上から見て、議会を軽視するのはなはだしきものであると考えておったのでございますが、幸いにいたしまして、今日の政府は、かかる考えは毛頭ございません。立法府の皆様方から出ました法律案は、それが諸般の事情を勘案いたしまして適正のものである限りにおきましては、尊重することにやぶさかでないということを申し上げる次第でございます。この法律につきましては、現在の法律が、關谷委員の御説明の通りに、議員立法によって成立いたしましたものでございますので、その修正も、議員さんの方からの立法によって修正するということはまことに筋の通ったやり方であるといたしまして、政府は賛成をいたしております次第でございます。
#13
○山口(丈)委員 ただいまの御答弁で了承いたしますが、私が気になりますのは、今申しましたように、古い帝国議会当時から、議員立法に対しては非常に冷淡な取り扱いをしている。それが戦後の国会においては非常に尊重されるようになって参りましたことは、大へんけっこうだと思うのですけれども、しかし政府提案のものと議員提案によるものと対比いたしますと、その取り扱いについてはやはり古い残滓が残っていて、政府の取り扱い上あまり積極性がないのではないかというように考えられるわけでありますから、今後とも――本来ならば、われわれ、国民を代表して、立法府のものとして諸法案を、議会独自で、政府案でなくして、議会案として提出、成立せしめ、これを政府が実行するということが、三権分立の建前からいって当然だと思います。そこまではまだ至っておりませんけれども、少なくとも議員立法に対していま少し政府は熱意を示し、政府部内で、そういう差別とまではいかなくても、少なくとも議員立法に対する軽視観念をやめて、政府が運営する法律として取り扱われるように強く要望いたします。
#14
○三池委員長 ほかに御質疑はございませんか。――ほかにないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたします。
    ―――――――――――――
#15
○三池委員長 これより討論に移りたいと思いますが、討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決いたしたいと存じますが一御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○三池委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。
 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#17
○三池委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 本案に関する委員長報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次会は来たる十一日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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