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1960/05/19 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第30号
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1960/05/19 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第30号

#1
第038回国会 運輸委員会 第30号
昭和三十六年五月十九日(金曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 三池  信君
   理事 有田 喜一君 理事 尾関 義一君
   理事 高橋清一郎君 理事 井岡 大治君
   理事 山口丈太郎君
      佐々木義武君    壽原 正一君
      鈴木 仙八君    關谷 勝利君
      高橋 英吉君    塚原 俊郎君
      細田 吉藏君    山田 彌一君
      赤松  勇君    加藤 勘十君
      勝澤 芳雄君    島上善五郎君
      西宮  弘君    肥田 次郎君
      内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
 出席政府委員
        総理府総務長官 藤枝 泉介君
        警察庁長官   柏村 信雄君
        警  視  監
        (警察庁保安局
        長)      木村 行藏君
        運輸政務次官  福家 俊一君
        運 輸 技 官
        (船舶局長)  水品 政雄君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  坂本 信雄君
        運輸事務官
        (自動車局長) 國友 弘康君
 委員外の出席者
        議     員 中川 俊思君
        運 輸 技 官
        (自動車局整理
        部車両課長)  宮田 康久君
        労働基準監督官
        (労働基準局監
        督課長)    上原誠之輔君
        労働事務官
        (職業安定局雇
        用安定課長)  木村 四郎君
        建設事務官
        (道路局次長) 前田 光嘉君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
五月十七日
 委員内海清君辞任につき、その補欠として鈴木
 義男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員鈴木義男君辞任につき、その補欠として内
 海清君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員矢尾喜三郎君辞任につき、その補欠として
 赤松勇君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員赤松勇君辞任につき、その補欠として矢尾
 喜三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十六日
 モーターボート競走法の一部を改正する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出第一九六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 モーターボート競走法の一部を改正する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出一九六号)
 港湾に関する件
 陸運に関する件
     ――――◇―――――
#2
○三池委員長 これより会議を開きます。
 この際、山口委員より発言を求められておりますので、これを許します。山口丈太郎君。
#3
○山口(丈)委員 この運輸委員会に政府が当初から提出を予定され、しかも必ず今会期中には審議を了するため提出を約束された鉄道と道路との交差に関するいわゆる踏切法をいまだに提出せられておりません。聞くところによると、当初は建設省と運輸省の意見の調整が非常に難航しておる、こういう御説明がありました。続いて今度は、大蔵省との間にその調整がひまどっておる、こういうことで、いまだにこの法律案の提出がおくれておるということを聞くのであります。
 この踏み切りに関しましては、今日交通事故の続発しておる事態にかんがみまして、もはや国家の予算やあるいはまたそういったような国のいわば予算の都合などによって、こういうものがなおざりにされて、人命を犠牲にするというような、そんなやり方というものは、行政上から見ましてもゆゆしい責任問題であります。しかるに今日、大蔵省はこの法案と同時に予算化することができないというようなことになりますと、それは金のために人命はどうなってもいい、こういうことにも帰するわけであります。従って私は、単なる予算措置の問題ではなくて、当委員会においても委員全員に対して、言いかえますと、国会に対してこの法案を提出することを約束されておるのであります。しかるに今日その約束が履行されずに、もうすでに会期は終わろうとしておるのであります。一体政府はどういう考えを持っておられるのか。この会期中に審議、成立させる考えで提出される覚悟がおありになるものと思うが、すでにこの会期が迫っておるとき、これを十分に私どもは審議をする機会を与えられないような状態になると思うのです。このままでは他の法案についてもわれわれは重大な関心を持たざるを得ませんが、この際総務長官もおいでになっておるし、次官もおいでになっておりますから、政府のこれに対するはっきりとした言明をいただきたい。そしていっこの法案が提出されるか、この見通しをはっきりここでけりをつけてもらいたい、このように考えますから、一つ御答弁を願いたいと思います。
#4
○福家政府委員 お答え申し上げます。ただいまの山口委員のお説ごもっともでございます。運輸当局といたしましても、目下鋭意関係当局と折衝中でございます。九分九厘見通しがつきつつございますので、会期中には皆様方に十分御審議をいただくように間に合うよう提出する覚悟でございます。
#5
○山口(丈)委員 法案はできておるというのであるならば、なぜそれを提出する時期というものが明言できないのか。どこにそういう理由があるのか。もしそういうところに提出できない理由があるとするならば、その障害を排除することも私どもの責任だと思う。もし何日に提出するということが言明できないならば、その言明できない障害があればそれを私は教えてもらいたいと思う。会期も迫っておるときに、いつ提出するかもわからない、それでこの重要なものを了承することは私は困難だと思う。
#6
○福家政府委員 障害と申しましても、今具体的にここで御説明する段階ではございませんが、その点は当局を御信頼いただきまして、会期はあと実質的には三日でありますが、常識的に考えまして会期延長下さるような気配でございますので、間に合うように十分責任を持って提出いたします。
     ――――◇―――――
#7
○三池委員長 去る十六日本委員会に付託されました内閣提出モーターボート競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#8
○三池委員長 まず、本案について政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。福家政務次官。
#9
○福家政府委員 ただいま議題となりましたモーターボート競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、モーターボート競走法による造船関係事業及び海難防止事業の振興に関する現行の制度をさしあたり、さらに一年間存続させることを内容とするものであります。
 この制度は、モーターボート競走による売上金の一部を全国モーターボート競走会連合会に交付して、造船関係事業及び海難防止事業の振興のため造船関連工業の設備資金の貸付、造船関係事業及び海難防止事業に対する補助等を行なうものでありまして、昭和三十二年の一部改正において、モーターボート競走法の中に取り入れられたものであります。その際、この制度の存続期間は一応三年とし、その後の措置についてはさらに検討の上決定するという趣旨から、昭和三十五年十月一日以後は別に法律で定めるところによるものとされたのでありますが、昭和三十五年七月の第三十五回臨時国会におきましては、すでに、別途、公営競技の現行制度全般について検討を加え、関係諸問題を調査審議するため、総理府に公営競技調査会を設置するとの政府の方針が決定されておりました関係上、とりあえずそれまでの制度の存続期間を一年間延長する改正が行なわれたのであります。
 公営競技調査会は、昭和三十五年十二月二十八日に設置され、昭和三十六年三月に第一回の会合が開かれて以来、公営競技の現行制度全般について鋭意検討を進めておりますが、現在における調査会の審議状況にかんがみ、今国会の会期中に何らかの結論を出すことは困難であると考えられますので、造船関係事業等の振興に関する現行制度をさしあたり、さらに一年間延長する法律案を提出いたしまして、御審議いただくことにした次第でございます。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
#10
○三池委員長 本案に対する質疑は次会に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#11
○三池委員長 港湾に関する件について調査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。赤松勇君。
#12
○赤松委員 先般、港湾行政の近代化の問題に関連をいたしまして、いわゆる検数人の問題について港湾局長に質問をいたしましたが、要領を得なかったので、その後港湾局の統一見解を持って本委員会に臨んでもらいたい――本委員会に報告するということでございました。
 以下、港湾局長に質問をいたしますが、その前に労働省に一、二お伺いをしておきます。先般基準局長に対しまして、いわゆる基準法三十六条に基づく協定を結ばないでオーバー労働をやらせることは基準法違反であるということで、現にその違反が行なわれている地域に対する行政指導を強く要求しておきましたが、その後どうなっているか、御報告願いたいと思います。
#13
○上原説明員 ただいま御発言がございましたように、名古屋の検数協会におきまして、労使の間で三六協定なしに超過労働が行なわれておる、こういう御意見があったので、現在、現地の監督機関をして調査中でございます。その中間報告によりますと、三十六条の協定なしに超過労働が行なわれておる、こういうふうに報告を受けております。従いまして私どもといたしましては、現在労使の間で紛争中でございまして、政府機関としてこれに介入する点につきましては慎重を要するかと思いますが、違法な状態につきましてはこれを是正するよう行政指導をいたしたい、こういうふうに考えております。
#14
○赤松委員 今現地において紛争が起きておるというお話でありますが、これは賃金値上げの要求のストライキでなしに、基準法三十六条に基づく労使双方の協定を結んで、そして労働さしてもらいたいというところの、言いかえれば近江絹糸の人権争議に値するような、匹敵するような問題であって、まさに前近代的な紛争と言わなければならぬわけです。繰り返し申し上げますように、港湾行政というものは本来近代的な形で行なわれなければならないのでありますけれども、日本においてはここにも二重構造がありまして、従って社会党は、港湾の近代化のために、特に労使関係の改善のための港湾労働の法律を作りまして、ただいま国会に提出しておるのは御承知の通りであります。調査を行なった結果、その違反事項が今や明瞭になった。明瞭になった以上は、三十六条違反を行なっている業者に対する強力な行政指導をやってもらいたい。今は中間報告でありまして、最終の報告はあらためてなされると思うのでありますが、ぜひやってもらいたい。
 次に検数人等の未登録者の違法行為について、先般私は名前をあげて  神戸の手配師後藤清次郎なる者が、これは府県を越えて、労働大臣の許可なしに他の港湾にやって参りまして ――しかも港湾検数人としてはその資格を有していないわけです。検数人の資格を有してない後藤清次郎なる者が、二十名の労働者を神戸から連れてきて、そして労働大臣の許可なしに検数人としての作業をやっておるということは、二重に違反行為を行なっておるということになるわけであります。この点について職安局の方で調査したかどうか、その結果について御報告願います。
#15
○木村説明員 お答えいたします。
 私の方におきましては、労働者の募集というふうな関係から調査をいたしたわけでございます。全日本検数協会名古屋支部におきまして、後藤清次郎なる神戸市居住の者に依頼をいたしまして、検数労働者の確保をはかっておる、そうして本年に入りましてからも、後藤清次郎を含めた二十名程度の者を神戸から連れてきて使用しておったということは、事実であります。しこうして現在、これらの労働者といわゆる全検との関係並びに労働者と後藤との関係、そういった点につきまして調査中でございますが、現在までの調査の段階では、この全検の委託募集違反の疑いがあるわけでございます。それでとりあえず行政的には、かかる疑わしき行為を中止するように、県の職業安定課から全検支部に対しまして厳重注意を与えて、その行為を中止しておるはずでございますが、なお今後ともその状況がどういうことになっておるか、確認を続けていきたいと思っております。
 なお後藤何がしは、目下――これは神戸につきまして調べたわけでございますが、所在不明の趣でございます。
 以上でございます。
#16
○赤松委員 職安及び基準局の方で、今の事項について一つ文書でもって私の方へ出していただきたい。中間報告、これを希望します。
 そこで港湾局長にお尋ねいたします。今お聞きのように、後藤清次郎なる者は二重の違反行為を犯している。それから業者は、三十六条に基づく三六協定を結ばないでオーバー労働をやらしておる。これは明らかに不当労働行為と言わなければならぬわけであります。この点は労働省の方で今監督をされておりますので、あえて私はそれ以上追及をいたしませんが、ここでお尋ねをしたいのは、たしか港湾運送事業法の第七条に「検数人、鑑定人又は検量人になろうとする者は、その者の住所を管轄する海運局の検数人登録簿、鑑定人登録簿又は検量人登録簿に、運輸省令で定める手続により、登録を受けなければならない。」このようにあるわけであります。ところが運輸省令で定める手続について、後藤清次郎なる者は登録を受けていないのみならず、後藤清次郎なる者は神戸港において手配師をしておりましたが、神名検数という検数企業を設立して、そうして運輸省に届け出た。あるいはまた、実際に神名検数という企業でこの「検数行為をやっておったわけです。ところが運輸省の勧告によって、資格がないということで去る三月解散を命ぜられて、企業解散をしておるわけです。いわゆる前科者なんです。運輸省で、札つきで、お前には検数人としての資格がないということで解散を命ぜられた。その解散を命ぜられた後藤清次郎なる者が、二十名の労働者を連れて、今言ったように職安法違反をやりながら、検数人の資格を持たないで、他の港湾に参りまして検数人としての作業を行なっておる。これは一体港湾局長、どう考えられますか。
#17
○坂本政府委員 十六日の御質問がございまして即日、全検と日検の担当者を呼びましていろいろ調べたのでございますが、今御指摘のような事実がございました。これは私どもとしては許せないことでございますので、こういう雇用を取りやめるように申し入れたのでございます。その前に全検の方から海運局に対して、今後は使用いたしませんということを申し入れております。私どもといたしましては大へん遺憾なことであったと存じます。
#18
○赤松委員 全検及び日検の運輸省に提出いたしました定款の中には目的及び事業の内容についてはきわめて厳格な規定がしてありまして、今港湾局長がおっしゃったような措置をとられることは当然であると思うのでありますが、非常に手続がおそかったけれども、そういうような措置をしていただいたことに対しましては感謝します。
 そこであなたに質問いたしますが、港湾運送事業法第二条六号において検数とは「船積貨物の積込又は陸揚を行うに際してするその貨物の箇数の計算又は受渡の証明」をすることと規定されておる。従来港湾荷役によって検数が実施されてきた基本的理由は一体どこにあるか、その基本的理由を一つ明らかにしてもらいたい。
#19
○坂本政府委員 海上運送の貨物につきましては、いろいろな輸送機関を使います関係で、非常にその間において事故が多いのでありまして、その事故をできるだけ防止するということと、荷主あるいは船主というような受け渡し間における両者における責任を明確にするということで特に検数人という制度をとっておるわけでございます。
#20
○赤松委員 その通りだと思います。従って検数は利益の相反する船主それから荷主が相互に個数、故障の有無を検査して、後日苦情のないように確認し合って、事故の場合の責任の帰属を明確にする必要から発生した業務であります。いわば他の港湾運送事業に比較して、公益的、公共的な色彩のある業務というべきでしょう。検数人には十分な技能経験と、信頼に値する誠実な人格が要求されるはずであります。現行法において免許登録のほか、他の港湾運送事業にして特に検数人の資格として要求されておる点はどういうことか。また検数免許の基準を明らかにしてもらいたい。
#21
○坂本政府委員 港湾運送事業法の第七条の二に規定しているわけでございますが、「左の各号の一に該当する者は、検数人等になることができない。」といたしまして、一として「禁治産者又は準禁治産者」、二といたしまして「一年以上の懲役又は禁この刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から一年を経過しない者」、三といたしまして「第十六条の三第二項の規定により登録の取消を受けた日から一年を経過しない者」こういうことになっておりまして、この欠格事由に該当いたしません者が登録申請してきた場合には、成規の手続によって登録することになっております。
#22
○赤松委員 港湾運送事業法にはことほどさようにこの公益性を尊重して、かなり厳格な規定がされておるわけです。要するに検数人の資格については、そういうように、先ほど私が言いましたように、利益の相反する船主と荷主が相互に個数、故障の有無を検査して、後日苦情のないように確認し合って、事故の場合の責任の帰属を明確にする必要から、今のような資格が要求されておるわけであります。しかるに、いわゆる従来までの商習慣として、その荷物を渡す方、それから受け取る側、そのアンパイアが同一人によって行なわれておる。これは港湾運送事業法の精神に私は反すると思うし、今あなたが言った公益性、公共性に反する行為だと思うんです。そういう一人でダブル検数をやって、事故の場合の責任の帰属は一体どうするのですか。あるいは故障の有無を検査することができますか。船主、荷主が相互に個数の検査をすることができますか。アンパイアが一人で、渡す方と受ける方と同一人がやるなんということは許されないと思うんです。この点については、なるほど港湾運送事業法の中には、そういう点では一人ではやってはならないというようなことは書かれてはおりません。それは私はよく承知しておる。書かれていないということは、原則としてそのアンパイアは二人でなければならぬという前提の上に立っておるわけなんです。この点がこの前の答弁であいまいだったから、港湾局の統一見解を示してもらいたいということを私は要求したのですが、それについてはどうですか。
#23
○坂本政府委員 この点につきましては、この前の委員会のございました十六日にすぐ全検と日検を呼びまして、いろいろ話をしたのでございますが、現在本船の貨物の引き渡しにおきましては、船主側と荷主側と両方から検数人を出して貨物の受け渡しをしておるのが現状でございまして、こういう取引の実情を私どもは尊重して参りたいという考えで、今ときどき行なわれておりますようなダブル・タリーのことは好ましくないからやめるようにということを申し入れたのでございます。それに対しまして協会の方としても、自分らとしてもこういうことは好ましくないということで、それをやめたいということを申しております。実際は先般もお話し申し上げましたけれども、非常に検数人が足らないためにこういうことが起こるのでございますが、全検においては五十人、日検においては四十人を今見習いとして新しく雇い入れております。これもなれませんと一人前になりませんので、すぐには役に立たないのでございますが、漸次これらの者が検数人として活動できるようになりますと、今の名古屋港の問題もだいぶん解決するというふうに思います。
#24
○赤松委員 大へん明確になってきたので、この前のときと違ってそんなふうに答弁してもらえば僕も納得するわけです。原則として立会人は二人でなければならぬということですね。これは今局長もみずからおっしゃいました。それで了解します。ただ全検と日検を呼んで業者だけの意見を聞いてダブル検数がないというように判断をすることは私は一方的だと思う。港湾局としては、ダブル検数があるかないかという実情をもっと調べるべきだと思うのです。昭和二十九年に私が労働委員長をやっておりました当時に、社団法人全日本検数協会から、正式にこの問題に関する資料の提出を要求したわけです。その際に持って参りました「受渡検数業務の図解」というのがあります。これは「輸入貨物(沖取の場合)」それから「輸出雑貨本船積の場合」この二つを図解いたしまして持って参っております。それはアンパイアが全部二人なんですね。だから、それはもう港湾運送事業法の精神からいっても原則でなければならぬ。そうして検数人の任務からいっても二人でなければならぬということは今も確認されましたし、その原則は将来も貫いていただきたい、こういうように思うわけであります。そこで局長、ダブル検数はあるかないかという実態調査を一つ進めていただきたい、これを強くあなたに要望して私の質問を終わりたいと思います。どうですか、調査するかしないか、はっきり……。
#25
○坂本政府委員 実はそのときもすぐ協会の方に聞きましたところが、私どもの聞いて認識しておりましたときよりは、ダブル検数の件数が多うございました。もう少しよく調べて実態に即するように処置して参りたいと思います。
#26
○赤松委員 そして報告して下さい。
     ――――◇―――――
#27
○三池委員長 陸運に関する件について調査を行ないます。
 この際お諮りいたします。
 議員中川俊思君より委員外の発言を求められておりますので、これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○三池委員長 御異議なしと認めます。
 中川俊思君
#29
○中川議員 私はまず冒頭に、ただいま議決されましたように委員外の発言をお認めいただいたことに対して、委員長並びに委員各位に対して深甚なる謝意を表する次第であります。
 本日お尋ねを申し上げたいことは、時あたかも交通安全運動が全国にわたって展開されておるときであります。にもかかわりませず、毎日の新聞紙上で皆様方十分御承知の通り、交通安全運動が行なわれてから一そう交通事故が激増しておるのではないかというような感じが持たれる。また感じだけでなく、事実激増しておるのではないかとさえ思われるのであります。
 そこで私は、本院の商工委員長を勤めております関係上、政府の経済成長政策に一そうの関心を持っておるわけでございますが、その関係からいたしまして、この経済成長政策を順調に発展させるという意味から申しましたならば、今日は御承知の通り陸上によるところの物資の運送が盛んに行なわれておる。この物資の運送が円滑に参りませんとやがて生産を阻害し、さらにまた政府の経済成長政策が軌道に乗らないというような事態にもなるのではないかということを実は憂えておるわけでございます。そこで本日は主として運送業を中心とする自動車の問題につきまして、質問をいたしたいと思うのであります。ただいま申します通り、昨今事故の発生の大きいことはまことに寒心にたえないものがあるのでございます。ただいま申します通り、そのうちでも特に東京とか、大都市では比較的そうではないのでございますが、全国的に見ますと、自動車の運送業によるところの事故が圧倒的に多いように思うのでございますけれども、これが円滑な運送業の発展等に非常に支障を来たしておるばかりでなく、先ほど申します通りに、日本の産業の発展に影響するところが非常に大きいと思うのであります。そこで本日は特にこれらの問題について関係者に問いただしておきたいと思うのであります。
 そこで私は委員長にお願いしたいのでございますが、運輸大臣にぜひ御出席を願いたい。というのは、私も政党人でございますから、政務次官が来ておれば、政務次官は大臣に事故があるときはこれを代行するのでありますから、私はやぼなことは申しませんが、しかし自動車事故による問題で人道上ゆゆしい問題が非常に多い。それについて一番大きな主務官庁である運輸省の最高責任者である運輸大臣の所見を求めておきたいと思います。承りますと、今予算委員会に御出席中だと思いますので、からだは一つしかないのですから、二つに分けて来るわけにいかないでしょうが、予算委員会の方と連絡をおとり願って、時間はそうとりませんから、わずかの時間でもよろしゅうございますから、ぜひとも御出席を願いたいのであります。
 まず、運輸大臣並びに警察庁長官、御両氏に対して確認しておきたいと思うことがあることは、道路運送並びに交通の安全を保持するということは産業上きわめて重要な問題であるばかりでなく、もしこれが直接人命に関係するようなことであるといたしますならば、これは業種のいかんを問わずゆゆしい問題であるということを十分認識して施政に当たっておられるかどうか。特に長官にいたしましても運輸大臣にいたしましても、もちろんそういうことは考えてやっておるということをお述べになるでございましょうが、一体部下の監督に対しても同様な処置をとっておられるか。もしとっておられるとするならば、具体的にどういうことをやっておられるか。まず冒頭においてこれを確認をしておきたいと思うのであります。運輸大臣がおられませんで、政務次官が来ておられますから、後刻運輸大臣にもこのことはただすといたしまして、まず運輸省を代表して政務次官と、警察庁長官から、これらの問題に対していかなる認識のもとに施政を常時やっておられるか、この点についてお聞きをいたしたいと思います。
#30
○福家政府委員 お答えいたします。交通運輸行政のすべての優先するものは人命の尊重であることは申すまでもございません。運輸大臣といたしまして、行政の指導監督に当たる上に常にこれを念頭に置いて指導しておることは申すまでもございません。
#31
○柏村政府委員 ただいまお話のございました輸送の円滑化ということが、経済の発展、国民の福祉にきわめて大きな影響を持つということは申すまでもないことでございますが、特に最近頻発いたしております事故、特に人命の損傷ということにつきましては、最も重大視すべき問題と私ども考えておるわけでございます。これにつきましては、警察の中におきましても交通関係の部門をできるだけ拡充し、さらにまたそれに必要な機構、施設というものにつきましても、予算の許す限りにおいて配慮をいたしますとともに、警察官の心がまえとしても人命尊重の基本線を強く堅持して事故防止に当たり、また交通の円滑化に役立つように努めておる次第でございます。
#32
○三池委員長 大臣は十二時までの時間だそうですからどうか一つ……。
#33
○中川議員 大臣が見えましたから大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、私は今も政務次官と警察庁長官に御確認を求めたのでございますけれども、決して政務次官だから不服というわけではございませんが、最近、御承知の通り、交通事故が非常に多い。特に交通安全運動が施行されておるさなかにおいても、交通事故はますます激増しておるということで、これは単に産業上きわめて重要な問題というばかりでなく、人命に関する問題が非常に多いので、人道上ゆゆしい問題でございますが、これらの道路運送並びに交通の安全を保持するという意味から、大臣は、運送業その他、いわゆる交通の安全並びに道路運送に対して、一体どういう認識のもとに施政に当たっておられるか。一口に申しますと、そういうように人道上非常に大きな問題であるからというので、部下の監督等においても十分配慮しておられるかどうか、具体的にどういうことをやっておられるかということにつきまして、大臣に一つ御確認を願っておきたいと思うのであります。
#34
○木暮国務大臣 ただいま御指摘の通りに、新しい交通機関として自動車が非常に利用されるようになりまして、月々と申すよりも、毎日自動車の数がふえておる今日におきましては、従来自動車の数も少なかった時代の道路の上をいろいろの形の自動車が走りますために生ずる交通の事故というものは遺憾ながら絶対数においてふえてきておるので、まことに残念だと思っておる次第でございます。また、普通の道路上ばかりではなく、踏み切りの事故なども、ずいぶん一般の自動車運転をする者に対しても呼びかけておりますのでございますけれども  あるいは踏み切りのごときは、相当の注意をもって一時停車をすればおそらく今日あります事故の七、八〇%は防げるのじゃないかと考えられるような事故であるにかかわりませず、御承知の通りに非常にふえておる状態であります。自動車運輸行政をあずかっておりまする私といたしましては、真剣にこの問題と取り組んで、日夜頭を痛めておりますわけでございます。内閣におきまして、応急的の対策の本部等を作りまして、努力をいたしておりまするとともに、運輸省におきましても、具体的によく道路管理の建設省当局と相談をいたしまして、折衝をして事故を少なくするということに行政指導をやっていきたい。また、法律で、検討を加えて改廃いたすことによって一般の方々の人命損傷に対する事故を防ぐことができるような場合におきましては――自動車を運行する業者などは、こういうものに対しまして反対をすることが多いのでございますが、まず自動車交通につきましては、一般の交通の円滑ということはもちろんでございまするが、それよりも大切なことは人命の尊重であり、人命の損傷を防ぐということであるから、少しぐらい営業者のこれに対しまするレジスタンスがありましても、私は思い切ってやはり行政指導あるいは法律の改廃等によって自動車事故をなくすように、ことにこの人命の損傷を少なくするように力を尽くすべきものである、こう考えておる次第でございます。
#35
○中川議員 大臣の所見を伺って、まことに敬服にたえないのでありますが、実は大臣、あなたがお考えになっているようにうまくいっていないのです。というのは、あなたは建設省とも連絡をとってうまくやるとおっしゃるが、事務当局は連絡をとっていない。そういう事例が非常に多い。むしろ建設省と運輸省は、事交通に関しては昔からまるで犬猿の間柄ということをあなたはよく御存じないかもしれないが、そういうことで、連絡がとられていない。先ほど山口さんからも踏み切りの問題が出たが、これは単に運輸省の問題だけとは言えませんが、この踏み切り一つすら解決できない。大臣の気持はよく了承いたしますが、実際はその通り行なわれていない。
 そこで私がお伺いしたいことは、先ほども申しました通り、部下の監督に対して、大臣が今おっしゃったようなことを実際にやっておられるかどうか。常業者のレジスタンスがあっても排除してやるとおっしゃるが、私は後刻詳細にわたって触れますけれども、時間がないようでありますから前もって申しておきます。地方の交通会社とかバス会社あるいは貨物用の営業者に対して運輸省の古い役人が天下りに行ってそこの重役に入り、事故係に入っていて、警察がいかに事故を取り上げて解決しようと思っても、警察を押えて、示談をするような格好をして、両方をうやむやのうちに納得さしているというような事例が多いのです。私は後刻事務当局に、一体全国の運輸省の許可している交通業者に対して、かつて運輸省の役人であったものがどれだけ入っておるか、どういうポストに入っているかという資料要求をするつもりでありますけれども、そういう事例が非常に多い。ですから、大臣のお気持はよくわかりますけれども、その通りに行なわれていないということを十分お考え願いたいと思うのであります。
 次に、運輸当局にお尋ねしたいのであります。ただいま確認いたしましたような観点に立って、去る三十四国会で道路運送法が広範囲にわたって改正された。この際一々内容に触れることは時間がございませんからできませんが、改正の趣旨についてお尋ねをしたいのであります。もし私が以下述べることに対して誤りがあったならば訂正されたいのであります。まず改正の第一点は、運行管理者制度を確立して、輸送の安全が確保されないおそれのある場合において自動車運送事業者に対し是正命令を行ない得るものとする等の措置により、自動車運送事業による輸送の安全の確保をはかったこと。第二点の改正は、道路運送法違反による使用停止処分を受けた自動車について、その使用停止処分の実効性を確保するための登録上の措置を定め、違反者に対する罰則を強化して、間接強制による違反の防止をはかるとともに、道路運送の総合的な発達をはかるため特に必要な場合には、自家用自動車の使用者の事業場に立ち入ることができることとし、自家用自動車の使用の適正化のための行政指導を行ない得ることとしたこと。第三点は、道路運送の実態調査について実情を的確に把握するための体制の確立をはかったこと。以上の三点のように思うのでありますが、これを簡潔に言えば、自動車運送事業による輸送の安全度を向上せしめるため、秩序を確立し、調査体制を拡充するとともに、行政指導を強力に行ない得ることとした点にあると考えますが、これで間違いないかどうか、その点をまず確認しておきたいのであります。
#36
○國友政府委員 第三十四国会におきまして、道路運送法を改正いたしました大きな柱といたしましては、安全の確保と輸送秩序の確立という二つでございますが、事故防止、安全確保の面におきましては、今、先生のおっしゃいましたような点につきまして改正をいたしたわけでございます。
#37
○中川議員 誤りがないといたしますならば、この改正を行なって以来、その趣旨の徹底を期するためどのような行政指導をしてこられたか、また行政措置が今日までとられておるか、現状ではこの改正の趣旨を徹底的に順守させるためにどのような問題点があるか等について、具体的に一つお示しを願いたいと思うのであります。
#38
○國友政府委員 道路運送法が改正されましてから施行に至りますまでに、政令、運輸規則の改正等をいたしまして、具体的な事項を省令等できめますと同時に、それらの趣旨に関しまして各陸運局その他関係の方面に通達をし、指導をいたしました。それらにつきまして、ことに今、先生の御発言のありました是正命令とかそういうようなものにつきましては、陸運局長の権限等にまかしてある点もございますので、それらの運用の方法等につきましては、今申し上げました通達を出すと同時に、さらに局長会議あるいは自動車部長会議等で指導をいたしまして、円滑な運営ができるように打ち合わせをいたしております。具体的な運営につきましての個々の事態につきましては、まだこちらに全部を集めておりませんので、お答えできないのでございますが、十分に道路運送法の改正の趣旨が実行されますように手配をいたしております。
#39
○中川議員 道路運送法並びに道路交通法が改正されまして以来、そういう具体的なものについては何ら資料が集まっていないということでございまして、地方の陸運局にまかしてあるというようなことでございますが、少し怠慢ではないですか。私はそういう問題、法律が改正されて以来どういうふうになったかということについては、監督の任にある自動車局長としては特に重大な関心を持ち、そうして地方の陸運局にまかしてあるのならば、常時今月の成果はどうなんだ、重要な問題はないのか、このくらいな熱意を持って当たらなかったら、今日こんな交通事故の多いときに、その事故を防止するとか、交通の安全をはかるとか、輸送の完璧を期するということはできないのじゃないですか。この法律はすでに三十四国会にできたのに今日まで地方の陸運局にまかしっぱなしにしておる、それではたしていいのかどうか。これは大臣どうお考えになりますか、大臣の御所見を承りたい。
#40
○木暮国務大臣 ただいま御指摘のような道路運送の法律によりまして交通の安全を期しますことや何か改正になりました趣旨は、よく地方の出先機関にも徹底することが当然でございまして、ただいま自動車局長からお話し申し上げたように、事によりましては地方の出先機関で扱うことを指令してまかしてあるものも、これはどこの役所でも相当にあると思いますが、しかし、ただいま御指摘のように、非常に交通事故が出ましたものにつきましては、はたしてそれが守られておるかどうか、どういう事故がどういう違反によって起こっておるかということを、まかされております地方の陸運局と運輸省との間で常に緊密な連絡をとって指導をいたすべきことが当然のように私は考えます。ただいままだ資料が集まっておらぬと申しますが、事実資料は本日ここに提出するように集まっておらぬでもございましょうが、しかし役所の方としては局長がまかしておいたその地方の出先機関の陸運局と緊密な連絡をとって、そうして事故の防止について、法律の趣旨徹底について、法律改正の励行につきまして指導をいたしておることと私は信じたいのでございます。
#41
○中川議員 大臣よくわかりますが、あなたも今お聞きの通り、局長の御答弁はそれに対してただ通達をし、指導を命じておるだけであって、何ら具体的なものは集まっていないということなんです。それで今私が大臣にお尋ねしたのは新道交法ができ、道路運送法が改正されて今日まで、それではあまり熱意がなさ過ぎるではないか、こういうことをお尋ねしたのです。大臣の運輸大臣としてのこれらの問題についてのお気持はわかりましたから、私はこれ以上どうという追及をしようというような気持はございませんが、事ほどさように放任されておるというだけのことは、一つ大臣も御確認を願ったようでありますから、次に進みます。
 次に私は警察当局に同じようなことをお伺いしたい。三十四国会で新しい道路交通法――これは連合審査会も何かやったように私は聞いておるのですが、これが制定されましたが、この法律の立法趣旨の一つに、交通の円滑をはかり、危険を防止するための措置を強化するとともに、最近の交通事故や交通法令違反の原因には単に運転手の責めに帰すべきでない点がある点にかんがみ、運転手を雇用する者、あるいは車両の運行管理者を対象として、運転者とともに交通の秩序の確立、保全に責任のあることを明らかにした条項があるように思うのでありますが、これに誤りはないでしょうか。もししかりとするならば、警察当局はどのような指導と取り締まりの措置を行なってきたか、また同法の運行管理者の取り締まり面ではどのような点が問題となったか、この点についてお尋ねをしたいのであります。
#42
○柏村政府委員 道路交通法の改正の趣旨につきましては、ただいま中川議員のお話しの通りであります。新法が施行になりまして以来、この趣旨の徹底につきましては、警察部内はもちろん、業者等に対しましても、また一般通行人に対しましても、パンフレットその他の資料により、あるいは学校その他の団体を通じての啓蒙に意を尽くして参ったわけでございます。また、ただいまお話しのように自動車の事故というものが、単に運転者の故意または不注意ということによるばかりでなしに、経営の状態、労務者の管理の状況等によって影響される面が非常に多いということから、特にこういう点につきましても意を用いておるわけでございますが、幸いにいたしまして、新法施行後四カ月の交通事故の状況でございますが、件数におきまして十三万九千五十九件、死者が三千四百六十七人・傷者八万二千三百四十八人でございまして、これを前年の同期に比較いたしますと、件数におきまして五・五%、傷者におきまして〇・四%と若干の増加を示してはおりますが、死者におきましては四・四%の減少を示しておるわけでございまして、新法施行によりまして一般国民の交通に対する関心が相当に高まったということが言えるのであろうかと思いますけれども、しかしこの事故の内容を検討いたしてみますと、新法施行直後の二カ月間は事故件数、死傷数のすべてが前年同期よりも減っておるわけでございます。ところがその後の最近の二カ月間におきましては、やはり事故の発生件数が漸次増加する傾向にございますほか、ひき逃げ等の悪質事犯あるいはダンプカー、バス等による重大事故も相当起こっておるというような状況でございますので、こういう面につきましてさらに取り締まりあるいは指導の徹底を期して参りたい。
 少し詳細にわたるかと思いますが、ひき逃げ事故について申し上げますと、本年一月から四月までの発生件数は五千四百十一件でございまして、これによる死者二百二十二人、傷者三千十一人を出しておるわけであります。これを前年同期に比較いたしますと、負傷者におきまして若干の減少を示しておりますほか、件数、死者ともに若干ずつ増加しておるわけでございます。本年の三月上旬までのひき逃げの発生件数は、前年同期に比して若干減少を示していたのでございますが、三月中旬以降再び増加の傾向を示しておるということが注目される状況でございます。また砂利トラックによります交通事故の発生件数は、昭和三十五年中に一万一千七百九十六件でございまして、死者七百二人、傷者五千三百二十六人になっておるわけでございます。砂利トラックの台数は……。
#43
○中川議員 それは、あとで資料として出してもらいたい。
#44
○柏村政府委員 それでは、これで説明を終わります。
#45
○山口(丈)委員 議事進行について私は委員長に申し上げたいのですが、今まで運輸委員会における委員の出席については常に定員が確保されて、委員長の適切な委員会運営がされていたと思うのです。ところが会期の切迫ということもあるのかもしれませんけれども、最近定数が非常に不足をいたしておるようであります。本日の委員会におきましてもきわめて出席が悪いのであります。しかし私どもは国民の輿望にこたえて国会の正常化をはかるためには、まず何といっても常に委員会が成立をして真摯な審議が続けられるということを内外に示す必要があろうと思うのであります。しかるに最近委員の出席が非常に悪いことははなはだ遺憾に思うのでありますが、委員長においては与野党を問わず、少なくともこの委員会の主宰者として、いま少し委員の出席を督促し、適切なる運輸委員会の運営をはかっていただきたい。本日は党においても定足数に満たない委員会の開催はこれを中断するようにという強い決定もあるわけであります。これは単に出席を督促するというだけでなくて、いわゆる国民の輿望にこたえ得る国会の正常なる運営を求めておるものと考えて、同感であります。ところが本日は出席が非常に少ないのでありまして、私は非常に遺憾に思うのであります。委員長は即刻出席の要求をされて、運輸委員会の名に恥じない運営をされるよう切望いたします。
#46
○三池委員長 山口君にお答えいたします。ただいまの山口君の御発言、委員長においても全く同感であります。現在出席を要求しておりますから暫時お待ち願って、それでもなお出席のない場合は委員長においてもしかるべく処置をしたいと考えております。
#47
○中川議員 次に労働省に対してちょっとお尋ねしたい。労働省は道路交通法や道路運送法と直接関係はないと思うのです。しかし、先ほど赤松君からもちょっと御質問があったようですが、不当な雇用状態それから労働条件を監督する立場にある主管省ですからお尋ねするわけです。特に自動車運送業に対してどういう見解を持っておられるか。これは管理者が運転手に対して非常なノルマを強要しておる。そういうところも事故の多発する大きな原因になっておるわけであります。これに対してはどんな見解を持っておられるか、またそれに対して労働省として今日までとってこられた措置、並びに事例等があればお示しを願いたいと思います。
#48
○上原説明員 最近交通事故が非常に多発しておりますのは非常に遺憾なことでございます。交通事故の発生の原因としてはいろいろあろうかと思います。先ほどからの御意見の通り運転手の不注意もさることながら、使用者の運転手に対する労務管理が不適切であるということによりまして、事故が出てくるというようなことが非常に多いように見受けられるのであります。従いまして私どもといたしましては、労働基準法の施行を通じまして労働条件を改善し、運転手が正常な状態、快適な状態で仕事に従事し得るような状態を作るように努力して参っておるわけであります。この点につきましては、ここ数年私どもの監督行政の重点事項といたしまして、特に定期路線トラックあるいは砂利トラック、あるいはまた建設業における自家用トラックを重点といたしまして監督を強化して参っておるところでございます。今度交通対策本部の方において交通事故防止のための対策要綱が決定されました。これに基づきまして労働省といたしましても諸般の措置を講じておる次第でございます。
#49
○中川議員 それではこれから順々に具体的に質疑をしたいと思うのですが、まず営業用路線のトラックの免許についてお尋ねしたい。トラックの免許については運輸当局は非常に慎重な審査をしてやっておられると思うのです。審議会とか何とかいうものがあってやっておられると思うのですが、一体どういう基準に基づいてやっておられるのか、まず免許の基準を簡単でいいからお示し願いたい。
#50
○國友政府委員 その前に、先ほど中川先生から御質問のありました実施状況等についてでございますが、運行管理者の制度は本年の二月二日から実施いたしましたために、どの会社にどのくらい置いたというような詳細な報告につきましては、こちらにまだ全部をとっておりませんので、先ほどのような御説明を申し上げたわけでございますが、重大事故等につきましては、その発生のつどとっておりますし、違反件数等につきましても、そのつどあるいは月ごとに調査をいたしておりまして、その方面の調査には重大なる関心を持っておることは、ここで御報告できると思います。
 それから免許の関係につきましては、道路運送法の第六条に免許基準を規定いたしております。免許に関しましては、この免許基準に適合するかどうかを審査いたすわけでありまして、これらにつきましては、運輸省自動車局及び運輸審議会におきまして、この基準に基づいて審査いたすわけであります。すなわち五項目ございまして、当該事業の開始が輸送需要に対し適切であるかどうか、すなわち輸送需要に対する適切性。それから二番目に、需要供給の点で不均衡となっておらないかどうか、そういうアンバランスがないかどうか。三番目に、当該事業の遂行上適切な計画を有するかどうか、すなわち事業計画の適切性。四番目に、当該事業をみずから適確に遂行するための能力を有するものであるかどうかということ、すなわちその事業を経営する能力がその会社なり事業者にあるかどうかという点。五番目に、その他包括的にいいまして、当該事業の開始が公益上必要であり、かつ適切なものであるかどうか。このような五点について審査をいたしまして免許基準を決定をしたものであります。
#51
○中川議員 私が事務当局は怠慢であるということを指摘したことに対して今釈明があったようですが、あなたが言われる通りに必ずしもなっていない。あなたはそんなことを言っておるが、私はここに一つの事例を持っておる。たとえば陸運局からある輸送会社に対して、お前のところは重大事故の報告漏れがあるではないか、あるいは陸運運送をやるのにこうこうこういう手続を踏んでやっていないんじゃないか。命令書というか指令書というか知らないが、そういうものをあなたの部下が出しておる。あなたがここでえらそうなことを言っても実際はやっていないのです。あなたは全国に目が届かないかもしれないが、重大な事故を起こしていながら、陸運局なりあるいは運輸省の方に報告しない会社もたくさんある。そういう面をあなた方は熱意を持って調べなさいということを僕は言っておる。免許の基準はおっしゃる通り第六条に書いてある。そこで私はお聞きしたいのだが、第六条の二項三号に、「当該事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。」こう書いてある。この「能力」とは一体何ですか、定義を教えて下さい。
#52
○國友政府委員 これはその会社の資力、信用、あるいはまた順法精神、そういうような点について考えられるわけであります。それから重大事故の報告漏れ等につきましては、私の方でもその点を承知いたしております。これらの点につきましては報告漏れ等のあります場合には十分注意をし、調査を進めたいと考えて措置をいたしております。
#53
○中川議員 ただいまの「能力」の定義ですが、今のあなたの御答弁を聞くというと、まず資力ということが一番になっておる。つまり資本的にはたして運送業を経営するだけの能力があるかどうかということ――あなたは語るに落ちたんだけれども、運輸省はそこに一番の重点を置いておる。ところがただ資力だけを基準として、それをべースとして許可しておるから、何というか経営の適格を欠いている面がある。つまり頭の点、道徳の点、そういう点において欠けておる点が非常に多い。そういうことは運輸省は免許にあたってあまり考えておられないのじゃないかというふうに思われるのであります。ということは私も運送業に当たっておるものを一々調べたわけじゃありませんが、そういう業に携わっておられる者の中には、たとえば人をひき殺したということが明瞭であっても、あくまでもこれを忌避しようとする。自分が悪かったということに対する道義的な観念が全然見受けられないものが非常に多いのです。だからそういう者をはたして経営の適格者といわれるかどうか。これは交通がますます繁雑になっていくに従って、この点一番重大なことになると思う。ところが運輸省は免許にあたって、これらについて一体どういう審査をしたか。ただ資本的にこれは大丈夫、能力があるから許可するということだけに重点を置いて、今私が申し上げるような点については、一体具体的にどういう審査をしておるのですか。
#54
○國友政府委員 資力、信用、順法の状態とかそういうことを申し上げたわけでございますが、免許基準を適用いたします場合には、先刻申し上げました五点を総合的に判断をいたしまして、われわれといたしましては決定をするわけでございまして、適確に経営をしていくための道徳的な観点につきましても、私どもとしてはそれらの調査も当然いたすべきだと思っておりますが、これが免許をいたします場合、たとえばこれにはいろいろ度合いがありまして、決定的に却下をし得る状況かどうかというような点に関しましては、おのずからその程度に応じまして、及びその総合的な判断から考えるわけでございまして、たとえば刑罰法規の二年以内というものに触れたような者につきましては、これは当然落とすとか、あるいはまた会社の運営等において適確な運営をしなくて、その事業を将来運営していくことがわれわれとしてもとてもでき得ないのではないかというように考えられる場合には、それは落とすということで、総合的にいたしておるわけでございます。
#55
○中川議員 今、局長のおっしゃるように、刑罰法規に触れておるかどうかというようなことはすぐわかることだが、そういう形式的なことだけでなく、これは事人命に関する、日常それに携わっておる運送業なんだから……。私が申しますのは、はたして経営の適格者かどうか、これをなぜお調べにならないか。たとえば免許を申請した者については、その地方にいけばその人が過去どういう人であったか、どういう事業をやっておったか、あるいはどういう考えを持っている人か、どういう行動を平素しておる人か大体わかるのに、そういうことを慎重に調べていない。調べていますか、やっていないでしょう。ただ資本だけあればいい。しかもそういうものを申請することについてもいろいろと努力をしておるのはあなた方の先輩なんです。それが大がいそういう会社に入っておる。あなた方は先輩から持ってこられるから、後輩としてどうも断わるわけにいかない、簡単に認可をしてしまうというような事例もある。具体的に示せとおっしゃれば示してもよろしい、あるのです。だからそういう点をもっと慎重に審査の対象にしてもらいたい。私はこういうことを要望しておきたいのです。
 それから免許後の行政指導なんですが、これは先ほどもちょっとお話がございましたけれども、あなた方の行政指導というのは、単に営業面だけの指導をやっておられる。運転手に対してどれだけの指導をしておられるか。これは警察にも関係があることと思います。先ほど警察庁長官からも御答弁がございましたけれども、営業面だけの行政指導であって、運転手に対して交通の安全を保持するという意味から――これは道路交通法の関係だから運送法とは関係ないとおっしゃるかもしれないが、これはどうなんです。
#56
○國友政府委員 まず最初に免許の問題等につきましては、これは単に資力だけで審査をいたしておるわけではございませんで、先ほども申し上げましたように、総合的にいろいろな観点から審査をいたしておることを申し上げたいと思います。
 それから免許後の指導につきましては、運行管理者制度あるいは整備管理者制度を作りましたのも、やはり個々の運行についての指導を的確にやらせるために措置をいたしたわけでございます。それらの運行管理者制度等を通しまして、乗務員の監督等に関しましてもあるいはまた乗務員の乗務交番の設定等に関しましても個別に指導をいたさせるように会社に対して指導いたしておりますが、これらの包括的な事項に関しましては、自動車運送事業等運輸規則及びそれを施行いたします通達に基づきまして陸運局長の方にそれらの具体的な指導方法を知らしております。それに基づいて措置をいたさせておる状況でございます。
#57
○中川議員 そういう運行管理者制度をお作りになったり、いろいろな制度をお作りになって陸運局の方で指導しておられるのですが、それは運輸省の中でやっておるのですね。別に警察と協議はしないのですか。
#58
○國友政府委員 これらの法案の立案の場合、あるいは自動車運送事業等運輸規則あるいは保安基準の改正等の場合には警察当局とも連絡をとっておりますが、この道路運送法に基づく運行管理者制度に関しましては運輸省が主として措置をいたしておるのでございます。
#59
○中川議員 私はここに重大な欠陥があると思う。事故はやはり警察なんです。新道交法に基づいて警察は一生懸命に事故を探して事故をなくするように取り上げなければならない。ところがあなたの方は警察には全然知らせないで勝手な制度を作っておいて、警察はその事故を一生懸命にあげようとする。つまり警察とあなたの方との連絡がとれていないということ、それから私は労働省ともあまり連絡がとれていないのじゃないかと思う。さらにまた建設省とも連絡があまりとれていないのじゃないか。先ほど山口君からお話のあった踏切法なんかでも、これは建設省だけではないかもしれませんけれども、あなたの方が勝手に大型の自動車による運送をどんどん許可していく。許可するときに警察なり労働省なり建設省に、こういうのを許可しようと思うがどうか、お前の方は異議がないかということの相談をするのですか。
#60
○國友政府委員 関係の方面との連絡等に関しましては、実は私は十分連絡をとる方針では行政をいたしておるのでございまして、警察当局の方とも連絡は密接にとっております。
 さらに私の方の担当といたしましては、通称車両制限令とか、道路法に基づきます政令を公布することになっておりますが、それらの点に関しまする連絡等も近来十分にとって措置を進めつつある状況でございまして、労働省、建設省、警察等につきましては、自動車局としましては十分連絡をとっておると考えておりますが、さらに具体的な事案々々の免許に関しましては、建設省の下部機関であるところの道路管理者及び都道府県の公安委員会に対しまして、免許事案ごとにそれらに対しまする道路管理上の意見あるいは公安上の意見を聴取して、その意見をこちらにもらいまして、それを十分尊重して行政をし、免許なり基準なりをきめておる、そういう状況でございます。
#61
○中川議員 長官にお尋ねしますが、今自動車局長のおっしゃるように、非常に緊密な連絡がとられておるかどうか。今、自動車局長のお話しのように、公安委員会であるとかそういうものを通じてはとられておるだろうと思う。ところがそれも一つの行政かもしれないが、事務当局が日常緊密な連絡をとるということが行政の円滑化をもたらすゆえんだろうと私は思うのです。そういう点について私どもの承知しておる点では、どうも緊密なる連絡がとれてないのではないか。
 それから建設省なり労働省にもお尋ねをしたいのですが、そういう点について、たとえば運輸省がこういう基準に基づいてこの路線を許可する――基準はここにあるけれども、こういう会社であるからこういうふうに許可するのだ、こういう具体的なことについていつも建設省にも労働省にも連絡はあるのですか。これだけの大型の自動車を何台持っておる会社に今度この路線を許可するということについては、道路は建設省が主管でございますから、建設省に対してその道路を使用する上においてのいろいろな行政的な連絡が必要だと思うのだが、そういう点について、今自動車局長のおっしゃるように緊密な連絡がとれておるかどうか。警察庁、建設省、労働省から御答弁願いたい。
#62
○柏村政府委員 交通行政の関係機関が十分な連絡をとって遺憾ないようにするということはきわめて大切なことであるわけでございます。従来ややもすれば、そうした緊密な連絡に欠ける点があったかと思うのでございますが、最近におきましては私どもも積極的に御連絡をし、また運輸省当局の方からも御連絡をお願いし、相当緊密の度を加えてきておると私ども考えております。
 先ほど、路線の認可等につきまして公安委員会の意見を徴するというようなことは、たしか昭和三十年から両者の間の申し合わせによりまして、法律的な根拠ではございませんが、その後すべて公安委員会の意見を聞く、もちろんそれには実際に当たる警察当局が十分にこの意見を公安委員会に反映して、その意見を運輸当局の方に申し上げるということにいたしておるわけでございます。しかしながらまだいろいろ連絡において十分でない点もあるかと思いますので、今後ともそういう点については努力をして参りたいと思いまするし、また事故防止対策につきましては、従来内閣に対策本部を置いておったのでございますが、この前の道交法改正を契機としまして、さらに強力な連絡をとるようにという御趣旨が附帯決議としてありまして、それに基づいて総務長官を中心に関係各省庁の責任者をもって構成する機関を設けまして、これには単にその機関の仕事だけについて意見を述べるというのではなしに、できるだけ他の省に関係することも遠慮なく言い合うというような方法をとっておるわけでございます。逐次改善されていくことと思いますが、われわれとしては、ただいまお話しのような関係各省庁との緊密なる連絡ということについてさらに意を用いて参りたい、こう考えております。
#63
○前田説明員 運輸大臣が自動車運送事業の免許をいたします場合には、道路管理者の意見を徴さなければならないということになっておりまして、この規定に基づきまして道路管理者が道路全般について意見を申し上げております。緊密に連絡しておりますが、そのほかに、一般的に最近の交通情勢から見まして、道路と車両の幅の問題がありますので、目下制限の基準の政令を御指摘のように運輸省と緊密に相談しながら進めております。
#64
○上原説明員 労働省といたしましては、自動車運送事業者の下に働く労働者の労働条件の改善につきまして監督指導いたしておりますが、これらの行政の遂行にあたりましては、各関係機関の協力が必要でございまして、そういう趣旨から本省段階におきましても従来からいろいろと連絡をとって参っております。地方段階におきましても、個々の自動車運送事業者に対する監督指導に際しまして、現地の陸運事務所あるいは警察当局という方面と十分連絡をとって、遺憾のないように行政的施策を進めて参っておる次第でございます。今後ともそういう点につきましては一そう強化して参るつもりでおります。
#65
○中川議員 これ以上追及する必要もありませんし、無理だと思いますから、私はこの問題についてはこれ以上申し上げませんが、要するに、私どもから見ますと、運送行政というものがてんでんばらばらなんです。ここで緊密な連絡をとっていないということはあなた方おっしゃるわけがないけれども、実際いったら緊密な連絡はとれていない。運輸省は勝手に路線を許可しておる。こういう車を使ってこういう路線を許可しようと思うがどうかという――公安委員会なんかの意見を、長官のおっしゃるように徴せられることはあるかもしれないけれども、実際の行政に当たっておるのは現場の官庁であり、またこれらに携わっておる人たちです。これらの話を私は聞いておる。運輸省は勝手にやっておる。要するにそういういろいろな面で緊密な連絡がとれてない。運輸省は勝手に法律をどんどん作って路線を許可しておる。つまり行儀の悪いおやじがそこらに私生児を産ませっぱなしにしておるような形になっている。ですからそういう点については、一つ緊密な連絡をとってもらわないと、警察がいかに交通事故の絶滅を期して努力しておってもなかなかその通りいかない。手信号をやっておる警察官が自動車にはね飛ばされて死んだというような事例が全国にはたくさんあるじゃないですか。いかに交通事故をなくそうと思って警察官が懸命な努力をしておっても、いわゆる走る凶器というのか何というのか知らぬけれども、そういう事故が非常に多い。この間からの交通安全運動の期間における事故を見ましても、平素よりもむしろ多くなっておる。そういう事態に対して、一つできるだけ緊密な連絡をとってやっていただきたい。今日までのようなやり方であると事故はますますふえていく。あなた方も一つ真剣にやってもらいたいと思う。
 そこで私はお尋ねしたいのですが、道路運送法に免許の取り消しとかあるいは営業の停止とかいう条項があるのですが、一体その判定の基準はどこに置いておるのか。私はここにはただ形式的だけのことを書いてあるように思うのだが、そういうことだけを判定の基準にして免許の取り消しとか営業の停止を行なっておるのか。また、昨年一カ年間でよろしいのですが、免許の取り消しとか営業の停止だとかいうことをやった事例があるのかどうか。これは道路運送法の四十三条ですか、まずこれをお伺いしたい。
#66
○國友政府委員 先生のおっしゃいます関係官庁との連絡は、従来とも緊密な連絡をとるように私は考えてやっておりましたが、今後とも緊密な連絡をとっていきたいと思います。と同時に、事業者に関しましては、免許後に監査等の実行で指導をいたして、十分法規に合った運営ができるように指導をいたしておるのでございます。
 それから道路運送法四十三条の免許の取り消し等に関しましての御質問でございますが、免許の取り消しというのは相当重大なことでありまして、人で申しますればいわば死刑の宣告のような形になると思うのでありますが、これはトラック関係で申し上げますと、昭和三十四年の処分におきましては、営業用で免許の取り消しをいたしましたのが十六件、事業施設の使用停止をいたしましたのが二百七件、この程度の処分をいたしております。
#67
○中川議員 道路運送法の三十三条に事業改善の命令というのがありますね。この命令をやったことがありますか。三十四年一カ年でいいです。
#68
○國友政府委員 昭和三十四年度につきまして、これもトラック関係だけで申し上げますと、事業改善の勧告につきましては九百一件実施いたしております。
#69
○中川議員 運送事業の監査規則に基づいて、今監査をやって行政指導をやっておるということなんですが、監査というのは何年に一回やるのですか、あるいは一年に何回やるとか、定期的にやるというふうになっておるのか、どうなんですか。
#70
○國友政府委員 監査につきましては、毎年監査計画を立てまして全国的に数十件の監査を実行いたしておりますが、全国的に申しますと、事業者が非常に多いのでありまして、現在のところ、これを全部すみずみまで監査に回りますためには、やはり五、六年に一回という形になると思っておりますが、その中で特に注意を要するような会社等に関しましては特別な監査も行ないまして、法律を守らせるということを十分適確にやるように措置をいたしておるわけでございます。
#71
○中川議員 監査が五、六年に一回ということなんだが、これはまた私どもから考えますと、常識ではちょっと考えられないことです。今日交通事故が非常に頻発しておる、そういうときに、運送業に携わっている者は、事故があっても、先ほどおっしゃるように事故漏れをなるべくやりたい、報告すまいとする。警察の方では事故をできるだけ多く取り上げたいとする。ところがまたそこにいろいろな人が中に入ってこれを暗黙のうちにもみ消してしまうというような事例が起こってくる。そういうようなことから、五、六年に一回の監査をやって、先ほど来局長は、この運行管理については万全を期しておるとおっしゃったけれども、これで万全が期せられておるとお考えですか。
#72
○國友政府委員 今、相当多いので、あるいはいかないところがあるかと思って五、六年に一回と申し上げたのでありますが、本省の監査におきましては、乗合バス、路線トラックについて監査をいたしておりますが、これは三年に一回回るように措置をいたしておる状況でございます。その他タクシー事業とか区域事業とかに関しましては、陸運局で措置をし、東京都あたりに対しましては毎年タクシー事業等につきましては監査をいたしております。これらの点はしかし予算と見合って仕事をしていかなければなりませんので、これらの点に関しまして大蔵省にこれらの監査に要します経費を毎年相当額要求いたしておるのでありますが、われわれが希望するほどの経費というものは認められておりませんので、現在の状況としてはこういう状況になっております。今後ますますこういう方面の行政的な指導というものを強化していくように、私どもとしてはいたしたいと思っております。
#73
○中川議員 大蔵省の方に要求しておるけれども、予算がないからできない、こういうことですが、私は冒頭にも確認をしておいたように、これは事いやしくも人命に関する問題であるから、予算がないとかなんとかといって、これを放任しておくことはできない問題なんです。これは運行全般にわたっての問題ですから、総理大臣の意見を聞かなければ、局長として、私はこうしますというようなことはできないだろうと思うのですけれども、それにしてもあなたの方の監査は三年に一回なんです。特に特別監査をやるという場合はどういうことで特別監査をやりますか。特別監査をやる事例があるでしょう。先ほどおっしゃるように、よほど業績が悪い、悪質な会社である、事故が多い、こういう場合には特別監査をやるのですが、それはどういうときに特別監査をやるのですか。さらにまた最近特別監査をやった事例が全国でどの程度あるのか、これをお示し願いたい。
#74
○國友政府委員 特別監査をいたします場合は、たとえば東海道の路線トラック等に関しまして、事故防止というような観点から、その運行の状況あるいは勤務状況あるいは給与の問題等に関しまして特に調べたいというような場合、こういう場合には特別監査をいたします。そのほか重大事故を発生して業務管理の面において欠陥があるのではないかというように思われるような会社に関しましては、そういうことが起こりました際に特別の監査をいたします。そのほか、たとえばタクシー事業ならタクシー事業の免許なり認可なりを総合的にいたしますような場合にも、その地域に関しまして特別監査を実行するというような状況でございまして、必要に応じまして随時特別監査を実行しておりますが、長距離路線トラック事業に関しまする特別監査は、三十四年には三十六件の特別監査をいたしました。それから重大事故に関しまする監査は約二百件実行いたしました。
#75
○中川議員 昭和三十四年だけで三十六件と二百件、私は大へんな特別監査を受けた会社の数だと思うのですが、これに関して一体運輸当局はどういう措置をとられたか。ただ一片の通告で注意をせよというだけのことですか。それとも何らか、先ほどの施設の使用を停止したとかあるいは取り消しをしたとかというのも入っておるだろうと思いますが、今の運送法に基づく路線の許可を受けておるもののうち、この特別監査によって処置をされたのはどういう処置がとられたか。
#76
○國友政府委員 この特別監査をいたしました結果、違法の状態あるいは不当な状態が発見されました場合には、それらに関しまして、まず最初に是正させますための勧告をいたしまするが、さらにそれ以上に処分をすることを要するとわれわれが判定いたしましたものにつきましては、事業の停止とか免許の取り消しをやる場合もございます。これは先ほども申し上げましたように非常に少ないのでありますけれども、車両の使用停止の処分、こういうようなものを実施いたしましてまず改善をさせ、さらにそういう処分で注意をさせるということをしております。たとえば東海道、山陽道の特別監査の場合には、三十六業者に対しましてまず是正命令を出して指導をいたしました。
#77
○中川議員 これは一つ資料で出していただきたい。会社の名前、それからどういう事故、どういう勧告をしたか、国会が会期延長になりましたから、来週中にこの資料を御提出願いたいと思います。
 それでは具体的に一つ事例をもってお尋ねしたいのだが、そういう勧告の中に、たとえば踏切警手の配置されていない踏み切りを通過することのある車両に対して、非常信号用具の備付がないが直ちにこれを備え付けることとか、あるいは重大事故の報告漏れがあるがすみやかに提出するとともに、今後かかることのないようにすることとかという具体的な事例をもってあなた方は勧告をしておられる事例が一つここにある。これは運送法に基づく法律違反の一種だと私は解するのだが、どうなんです。法律違反にはならないかどうか。
#78
○國友政府委員 これは自動車運送事業等運輸規則に規定されておりまして、省令違反になります。
#79
○中川議員 省令違反ということは、つまり自動車の運行を法律を守って完全にやるという趣旨に反しておるし、運輸省の考えておられる考えに反しておることになると思うが、どうなんです。
#80
○國友政府委員 運輸省といたしましてはこれらを守るべきことを要求しておるわけでありまして、それらを守らない場合にはわれわれの考え方に違反しておるわけであります。
#81
○中川議員 違反しておるとすれば、この道路運送法に基づく省令なんだから、やはり道路運送法違反ということにもなるわけですね。そうすると明らかに法律違反をやっておる。たとえば乗務員が少し過労しておるじゃないか、これを過労させないようにせよというようなことは、これを具体的に証拠づけるものがないけれども、非常信号用具を備え付けていない、これは許可のときに非常信号用具をつけなければいけないのだということが条件としてあったはずだ、それを備え付けていない。それから重大事故があったときは必ず報告せよということも、許可条件の中に――今の省令があるのだから、省令なんかでもちゃんと示して許可条件の中にあるはずなんだ。ところがそれを実行していない。そういうものに対しても、たとえば免許の取り消しとかあるいは営業の一時停止とかいうような処置はとれないのですか。
#82
○國友政府委員 それらのことに関しましては、その具体的な事情をよく調査いたしまして、それに基づいて処分をきめなければならないと思います。処分といたしましては、先ほど申し上げましたように、免許の取り消しというのは相当重大なものでございまして、これらは少ないのでございますが、事業の停止あるいは車両の使用停止あるいは戒告というような処分をその具体的な事例々々に応じまして実施いたしております。
#83
○中川議員 具体的な事例は、陸運局長からこういう勧告文を出しておるのだから、「重大事故の報告漏れがあるが、」ということになっておるのだから、あったことを陸運局長は知っておる。具体的な事例はあるわけです。それから非常信号用具の備付がないということも特別監査をやった結果、陸運局では承知しておるのですから、具体的な事例はあるわけなんです。そういう具体的な事例があるのならば、なぜそれができないか。それからよく調査して調査してということをあなた方は必ずおっしゃるが、この勧告文は今年の四月十九日に出しておる勧告文である。これはそこにおる宮田君がよく御存じなんです。広島の陸運局長から出しておる問題なんだが、調査も一カ月もたっておる。そんな問題は大して調査する問題ではないのだが、これに対してその後広島の陸運局から何らかの報告がきておるのですか、どうですか。依然としてそのまま放任してあるのですか。
#84
○宮田説明員 その節先生にお話しいたしましたように、それに基づきましていろいろ改善の勧告をしておりますので、その結果を広島の陸運局長あてにその当該会社から返事をするということになっております。その返事を待って、さらにそれがしっかりやっているかどうかということをまた広島陸運局でチェックする、そういうことになっております。まだその結果について私どもは聞いておりません。
#85
○中川議員 改善の勧告をした。そのうちに会社から返事がくるだろう。会社から一年も返事がこなければ、それまでほうっておくのですか。いつまでに返事がこなかったら、運輸省としてそれに対する措置をするのか。いつまでほうっておくのか。期限があるのかどうか。
#86
○國友政府委員 今お話のございました事例につきましては、福山通運株式会社の事業監査に関します件についての勧告であろうと考えるのでありますが、この事案につきましては広島陸運局から四月十九日に改善の勧告をいたしまして、すみやかにその結果を書面をもって報告するように広島陸運局から申し渡してあるのでございますが、これにつきましては期限を切ってございません。通例一カ月内くらいには出てくると思って――大体監査の場合には出てきております。いろいろな措置をし、それに対する対策を検討し、書きつづった上で出して参りますが、この問題等に関しましても、監査の結果の改善ということはやはりできるだけ早く実行しなければならない問題だと考えますので、私どもの方からもこれらの事態の改善方についてはできるだけ早くこの結果の報告がありますように督促いたしたいと考えております。
#87
○中川議員 すみやかに報告せよ、こういうことを陸運局長から書いておるのですよ。すみやかにというのは、一カ月もたって出さずにおって、すみやかということが言えますか。事務当局はそういう会社を弁護するようなことをおっしゃるのはやめてもらいたい。あなた方の先輩の郷野君がここにおるのだ。かつての運輸省陸運管理局長だから、今のあなたと同じ自動車局長なんだろうと思うんだが、運輸省の陸運管理局長をやっておった郷野基秀君がこの会社におる。だからあなたたちはこれに対して遠慮してよう言わずにおる。この会社がいかに不良な会社であるかということの一つの事例をお示ししましょうか。私の調査ですが、広島陸運局管内における最近の運転事故の件数と同業者との比較の率を私は持っておる。転落とか衝突とか死傷とかいう事故の数、これに車両の数等を比較してみますと、一番悪いので、ここにある山陽運送というのが、百両に対する比率三・二八という事故率なんです。あとは〇・六六とか〇・二五とか、一・二七で、この福山通運というのは五・四ですよ。こんなのは私は日本でないのじゃないかと思うんだ。非常に事故数が多い。これは私の選挙区内なんですが、全く偶然なんだがけさ手紙がきたんだ。三十二年に岡原勇君というのが運送自動車にひき殺された。まさか福山通運の自動車とは私は知らなかったが、けさきた手紙によると、これも福山通運である。しかも本人がひき殺されて、お父さんが七十五才、妻が四十五才、長男、長女、次男、三男、次女というので、五人の子供がおる。非常に生活に困っておる。運転手の名前まで書いてある。三島弘というのがこの福山通運に勤めておった運転手で、私はそんな覚えはないといって逃げた。あとで警察につかまって調べられたけれども、私はひき殺した覚えはないといって否認しておった。ところが何たる運命のいたずらか、この三島という運転手は、岡原君というのをひき殺した同じ三十二年の十一月に岡山県において、今度は自分が汽車に衝突して即死してしまった、こういう事件がある。これも福山通運の自動車がやったということを、けさ私のところへ速達がきた。こればかりか、今申し上げるように、こういう事故が多い。これはあなたの方で調べればすぐわかる。だから私はここで一つの資料を要求したいのだが、運輸省が路線の許可をしておるところの運送会社、これの事故件数と百両に対する比率、これを示してもらいたい。福山通運というのは大へん事故が多い。しかも、もとに返りますが、こういう勧告を出して、すみやかに報告せよ、報告せよという勧告を出しておるのに、一カ月たっても報告がない。運輸省も放任しておる、宮田君も放任しておる。私のところに来て、こういうものを出しましたからといって持ってきたが、それから一カ月たっておってもまだ放任しておる。一体広島陸運局に対してその後どうなったかということを事務当局は聞き合わしたことがあるのですか。そういうことは怠慢じゃないか。しかもこういう業績の悪い会社、これに対してすらあなた方は、営業の取り消しはもちろんのこと  営業取り消しというのはその会社の運命に関する問題だから、そう簡単にできるとは思わない、それはそうでしょう。しかし、一時停止とかあるいは法律に基づいて何らかの処置ができぬことはないと私は思う。こういうことをあなた方が放任しておくということは怠慢である。一カ月間においてこれに対してどういう処置をとったか、何か具体的な処置をとったのですか、宮田君。
#88
○宮田説明員 今のお話でございますが、広島陸運局で勧告をいたしまして、その返事を陸運局が督促しておるわけでありますが、私の方といたしましても、中間で何回か連絡をとっております。まだいつ出るかということについては返事をもらっておりませんが、連絡はとっております。
#89
○中川議員 どういう連絡をとっていますか。
#90
○宮田説明員 その後当該事業者から、陸運局長が出しました改善勧告に対しての返事が、いつ出るかということに関しての連絡であります。それとともに、この際広島陸運局で今お話がございましたような路線トラック事業者の中で事故の多いような会社、先ほどお話のありました比率によりますと、この当該会社は二番目に事故の多い会社でありますが、一番多い会社その他数事業者につきまして、今特別監査を実施中であります。その模様等について今報告を受けております。
#91
○中川議員 連絡をとったなら連絡をとった書類があるでしょうが、その書類の写しを資料として出していただきたい。これも来週一ぱい。
#92
○宮田説明員 連絡をとりましたのは、電話で連絡をとっております。
#93
○中川議員 とにかく福山通運の事故係は広島陸運局を定年で退職した人がなっておる。重役には郷野君というあなた方の先輩が入っておる。そして私はこの福山通運が運行しておる、私の知っておる範囲内の警察について調査をしたのですが、とにかくこの事故係がしょっちゅう警察に出向いていって事故のもみ消しばかりに専念しておる。具体的に示せと言われれば出しますよ。そういう会社に対してすらあなた方は何らの処置ができない。慎重にやるだとか、あるいは連絡をとっておるだとか、しかもすみやかに報告をせよという勧告文を出しておきながら、一カ月たっても電話で連絡をとっておるということを宮田君がおっしゃっておるけれども、どういう連絡をいつだれにとったのか、そんなことはあなたが言うだけのことであって、はたしてとっておるかどうかということに対しても疑念がある。あなた方が本省からそれだけの連絡をとったなら、広島陸運局は一カ月間知らぬ顔をしてはいない。しかも私が驚いたことは、広島陸運局長に会って、最初にこの会社はどういう業績だと言ったら、これは広島陸運局管内で一番成績がいい会社でありますということを私に言ったのです。これは証人がおる。私が一人で行ったのではない。ある町の町長を連れて行っておるから、町長はちゃんと知っておる。そしてその後も、あのとき陸運局長はこういうことを言ったけれども、調査してみると成績がいいどころか、こういう事故の多い会社だなと言ったら、その町長も実は驚いておる。そういうことを言っておるので、だんだん調べてみると、この会社に、今申し上げるように、あなた方の先輩の郷野君が重役で入っておる。事故係は広島陸運局を定年でやめた人がやっておる。警察へ行って事件をなるべくもみ消す、いわゆる示談屋みたいなことをやっておる。今日全国の陸運局が全部そうだとは思わないが、そういう事例がかなりある。
 そこでお願いしたいのですが、先ほど大臣がおるときにちょっと私は申し上げておいたのですけれども、これは私どもの関係の通産省におきましても同じなんですが、役人をやめて事業会社に入る人が多い。それを私はとやかく言うのではない。しかし通産省なんかは技術がなければ入れない。技術を高く評価されるのだろうと思うのです。ところが運輸省はそうじゃなくて、単に警察を押えたり、あるいは自然人が被害をこうむったのを押える、そういう手腕、警察に対するにらみ――にらみというと警察にまことに申しわけないが、それを押えることと、それから本省に対してにらみのきく人、こういう人を入れるのだから、私は悪質だと思う。だからどうか私はお願いしたいことは、あなた方の先輩で今そういう会社に入っておられる人、どういう人がどの会社に入っておられるか、その表を資料として、これも来週中に御提出を願いたい。
 重ねてお尋ねをしますが、これだけの悪い事故が非常に多い会社、しかも一カ月前に陸運局長から勧告文を出したことに対して、宮田君の説によると、数回連絡をして督促をしておるがとおっしゃるけれども、その督促に対してまだ何ら返事をよこしていない会社、これは陸運局をなめておるのか、運輸省をなめておるのか。うちは運輸省が文句を言っても、もとの局長がうらの重役におるのだから心配はないという考えをもってなめておるのかどうか。こういう不良な会社に対して、運輸省はこのまま放任しておるのかどうか。何らかの行政措置がとれないのかどうか。重ねてお尋ねします。調査とかなんとか言ってもだめだ。
#94
○國友政府委員 私どもの先輩等が入っておる会社であるから処分できないとか、あるいは手心を加えるというようなことはないのでございまして、これらの点に関しましては、公正な、適正な判断を加えまして措置をいたしていきたいと考えております。従いまして、この勧告に基づきまする報告をできるだけ早くとりまして、それらに基づきまする処分を、広島陸運局とよく打ち合わせたいと考えております。
 それから資料の御要求があったのでありまするが、これに関しましては可能な限り取りまとめたい、できるだけ早い機会にまとめたいと思っておりますが、たとえば事故件数等に関しましても全部はこちらに報告がございませんので、私どもの方としては、事故報告等に関しましては、重大事故を指定しておりまして、死傷事故等が起こりました場合には必ず報告させることにいたしておりますが、そのような報告を可能な限り集めて提出をいたしたいと思います。
#95
○中川議員 「重大事故の報告漏れがあるが、」と書いてある。報告漏れがある。あなたがいかにもそういうものはないだろうと思うというようなことを言ってもだめなんだ。あるから陸運局長がこういうことを書いておるのでしょう。だから、そういう点陸運局長との間ですら連絡がとれていない。だから、調査することはけっこうですが、非常用信号の備付がないとか、重大事故の報告漏れがあることは明瞭ですよ。それが処置できないのか。ほかのことは調査することはよろしい。この二点についてだけでも何らの処置はとれないの。
#96
○國友政府委員 処分をいたします場合には、やはり全体的な調査をして処分いたしたいと思います。この二点についてだけ特に最初に取り上げて処分をするということではなしに、全部の監査の結果についての報告、調査を見ました上で処分を決定いたしたいと考えます。
#97
○中川議員 それならば、とにかくこの勧告文に対する返答が会社からあるはずですから、これも至急に出してもらいたい。いつまでに出せますか。
#98
○國友政府委員 直ちに陸運局長に連絡をとりまして、至急に出させるようにいたしまして、御連絡をいたしたいと思います。
#99
○中川議員 総理府長官の藤枝君が見えておりますので、藤枝君に要望かたがた私の所見を述べておきたいと思います。
 以上、お聞き及びの通りなんです。非常に事故がある。しかも事いやしくも人命に関する問題、これは人ごとでなく、もし総務長官なら総務長官の家族の者が殺された場合を一つ考えてもらいたい。このために一家の支柱を失ったりあるいは自分のかわいい子供を失ったりして、そしてめちゃくちゃな運送業者のために交通の災厄にあって泣き寝入りになっている者が世の中にはどのくらいあるかもしれない。しかもそういうことにはとんちゃくなく、毎日のようにそういう凶器が同じところを走っておる、こういう事態が連日繰り返されておる。たまたま私はこの間何か見たら新聞に、交通省の設置を検討して、関連行政を一元化するということが出ておる。これは藤枝君の写真もここに載っておる。これは私はまことにけっこうなことだと思う。先ほど来、どこの役所とどこの役所はセクショナリズムでどうというようなことはむろんおっしゃるわけのものではないが、どうも交通行政一つ見てもてんでんばらばらというとおしかりをこうむるかもしれないけれども、そういう面があるように私は思うのです。そういう点において緊密な連絡がとれていないために、交通の安全、輸送の円滑ということにも非常な障害を来たしておる面があるやに私は思うのです。だからこの交通省というようなものを政府が考えておるのなら、どうか至急にこういう問題を検討してもらいたい。極端にいえば池田内閣はこれ一つやればいい、ほかのことはどうでもいい。これ一つやっても国家社会に大きく裨益する点が多いと私は思うのです。幸い練達堪能の藤枝君が総務長官としておられるのでありますから、永久に総務長官をやっておられるわけでもないだろうから、一つ御在任中に具体的な案を立ててもらいたいということを要望しておきます。
 最後に私は関係政府の方々に意見を述べて私の質問を終わりたいと思います。
 昨年十二月新道路交通法が施行せられて以来ちょうど五カ月間、旅客、貨物両様の自動車事故は当初新法に盛られた罰則規定をおそれてか、一時事故件数が減ったように考えられるのでありますが、三月以降になるとまたもとのもくあみに返ったような感じがするのであります。由来これは何事によらずこの種の取り締まり規定は時日が経過するにつれて制定当初の情熱が失われて、係官も慢性的不感症になってくるのは自然の勢いであると同時に、やむを得ないことだと思うのでございますが、これは識者はよほど考えなければならない点だと思うのであります。道交法に限らずあらゆる法律の運用、施行一般に関していえることでありまするが、とりわけ今私が取り上げましたのは事人命に関する本法のごとき運用に至っては、一日たりといえどもゆるがせにすることのできない問題だと考えるのであります。先ほども大臣に所見をただしました通り、私がるる述べました通り、業界と運輸官僚との悪因縁と言うとおしかりをこうむるかもしれないが、そういうことです。そういう点のないようにこのことについては特に注意をしていただきたいと思うのであります。この質問の初めに三十四国会における道路交通法の制定の趣旨と道路運送法の改正の趣旨を確認いたしました際にも、主眼は事故防止にあることを運輸当局もまたその他の方々も言っておられましたが、どうか一つ立法の趣旨を踏みにじることのないように善処していただきたいと思うのであります。本日はこの問題につきまして質問のお許しをお願いいたしましたところ、委員長並びに本委員会におきましては、貴重な時間を御割愛いただけたことに対してここに衷心よりお礼を申し上げる次第であります。私といたしましては一会社とかどうとかいう問題ではなくて、この交通事故によりまして貴重な人命を毎日々々損傷しておる。こういう話をしております間もなおかつ交通事故が頻発しておる。交通の安全を確保するために日夜奮闘しておる警察官ですらこの交通の災厄にあっておられる方がかなりあるというような重大な問題、人道上許すべからざる問題だと考えましたので、特にお願いを申し上げた次第です。
 まことにありがとうございました。
#100
○三池委員長 壽原正一君。
#101
○壽原委員 ただいま中川さんからだいぶ交通問題に対してお話がありましたが、私はきょうやみタクを中心とする暴力関係、こういう点について御質問したいと思います。自動車局長の方に資料はあるかどうかわからぬが、現在、全国に一体どのくらいのやみタクシーがあるか、そのやみタクの対策は一体どうしておるか、この点をかいつまんで御説明願いたいと思います。
 それからやみタクが道路運送法違反になっておるか、なっておらぬかという点を明らかにして御説明願いたい。
#102
○國友政府委員 現在やみタクシーは組織的な共済組合というような、そういう名前をつけて走っております。組織的なものは六十七都市で、組織の数は百四十三、車両数にいたしまして約千七百程度ございます。さらに未組織の、ほんとうにもぐっております、表面上はわからないというものにつきましては的確な調査ができないのでございますが、ほぼ六千両から八千両全国にはあるのではないかというふうに推定をいたしておりますが、これらのもぐりタクシーにつきましては道路運送法が免許制をとり、免許を受けたものがタクシー業を経営し得るという体制の道路運送法につきましての違反行為でございますので、これらの点に関しましては違反として取り締まりを励行しておるのでございますが、これらのことに関しましては関係の官庁とも十分に連絡をとり、それらの違反事実を発見すること、及びその違反事実が発見されました場合には、それを調査して車両の使用停止処分をする、あるいは告発をするということで、私どもはこれの絶滅を期しておるのでございまするが、非常に広範囲でありますのと人手の関係等もありまして、実効はわれわれの期待するほど上がっておらないのでございまするが、告発に関しましては昭和三十四年四月から三十六年の三月までに千百九十五件を告発をいたしており、さらに車両の行政処分等、車両の使用停止処分は四千九百九十九件になっておりまして、道路運送法の実施確保という面から取り締まりを進めておる状況でございます。
#103
○壽原委員 ただいまの報告によると、組織を持ってやっておるものが千七百両、未組織のものが七、八千両ということであるが、私の方の調査では、おおむね、双方合わせて一万一千六百八十三台あるというふうに調査しておるわけです。そこで、道路運送法を適用してこれをやっておるというようなことになっておるのだが、昨年の九月に調べたところの台数と、現在われわれが調べておる台数というものとは全然変わっておらぬ。変わっておらぬ点に、一体どこにどうして取り締まりをやっておるのかということがよく納得ができないのです。
 それからこのやみタクシーという問題は、前に三悪追放というようなことで一番重点になっておった暴力追放というものと深く結びついておるという点、これがはたしてわかっておるかどうか、この点を警察の方では明らかにしてもらいたい。
 それから暴力団と結託をして、現在どういう行為を行なって、どういう状態になっておるかということを、警察の方でよく調べてあるかどうか、この点の御説明を願いたい。
 それから局長には、あなたの方の調べは報告に基づいた調べであって、実際にはこの点は調べてないのだろうと思うのですが、何を根拠にしてそれを調べておるか、その根拠を示してもらいたい。
#104
○國友政府委員 この報告につきましては、各陸運事務所から、陸運局を通じまして調査をいたしました数字を集計したものでございまして、これは一つ一つの車両について、それを追いかけて、全部落ちなく拾ったとまでは申せませんので、ほぼ大体何両ということを先ほど申し上げたわけでございますが、大体この程度あるということを推定いたしておりまして、この数字が的確であるということは申し上げかねるのでございます。さらに、先ほど申し上げましたように、告発とか行政処分とかいうような措置はいたしておりまするが、やはり白タクにつきましては減少傾向も示しておったのでありますけれども、さらに新手の白タクを運営するものが参加をいたしていく状況もございます。たとえば最近におきましては、従来から組織を持っておりましたものが、百四十、約二千八百所属しておりました組織が解散いたしましたが、それらが、あるいは未組織のもぐりに入ったような状況もございまするし、大体の趨勢といたしましてはわれわれが期待しておるような減少という傾向をとらないのを非常に遺憾と考えておるのでありますが、取り締まりは、警察当局とも連絡をとりながら強く進めておる状況でございます。
#105
○木村(行)政府委員 この白タクの問題につきましては、ここ二年くらいこの方、警察としては一番、特に第一線では苦労いたしておりまして、やはり無免許運転であって法秩序無視でありますし、それからまた自家用自動車の有償行為は禁止されておりますので、それにも違反するという観点から、これは法務省その他関係機関とも打ち合わせた結果、はっきり違法であるという結論を出して、特に一年半くらい前から取り締まりを強化しておるわけであります。ただ非常にいろんな困難な点がありまして、たとえば組織自体を捜査いたしまして、それがこの一年半くらいの間に百以上も解散しましても、また個人タクシーとしてやるというようなことで、もぐっていく、そういうことで、絶対数は必ずしも減ってきておらない、むしろふえているのが事実ではないかと思います。特に先ほどお話がありましたように、最近目立って暴力団との結びつきが出てきております。一特に警察におきましては、暴力団自体の取り締まりということをここ数年来非常にきつくやっております。また麻薬その他の関係における暴力団との結合というものにつきましても注目していろいろ取り締まりをいたしておりますので、だんだん資金源を追い込まれまして、そういう追い込まれたいわゆる暴力団の連中がさらに新しく目をつけたのがこの白タクの関係でありまして、そういうことがはっきり出ておりますので、これは私たち中央においても、また第一線の各警察署におきましても、その点は非常に注目いたしております。ことにこの白タクの運行にあたっていろいろ妨害をする、暴行する。これは乗客や業者に対してのみならず、警察官に対してもずいぶんやります。そういうものもありまして、この点につきましては仮借なく取り締まりをいたしておるわけであります。ただ暴力団が数においてどの程度関係しておるかということは、ただいま手元にありませんので、また資料ができましたら御参考に御報告申し上げたいと思っております。
#106
○壽原委員 今警察の御説明を聞いておると、わかってはおるんだが取り締まりに困難だということらしい。ところが、私これは先般聞いた話ですからよくわからぬが、運輸省から取り締まってほしいというような要請をした場合に、今は殺人事件が多いので、車の方の取り締まりまではできないというようなことで取り締まりをやらなかった。またあなたは今全国的に指令してやっておるとは言ったものの、実は私の選挙区ですが、札幌で本年の一月元日の日、スピーカーをもって堂々とやみタクシーの宣伝をしておった。ところがそこへ交通の整理に来ておった警察官が、たき火をたいて、そうして暴力団が組織をするこのやみタクシーの連中と笑いながら話をしていて、よくかせげるかというようなことを聞いておる事実がある。これはあなたが先ほど言った、全国に指令してわれわれもこの取り締まりに苦慮しておるという言葉は当てはまらぬことになる。そういうことであってはこのやみタクシーが全然なくなるというような状態にはならぬ。そこで私があなた方によく注意しておかなければならぬと思うのは、あなた方は、一体浅草の盛り場に行って調べたことがあるか、あるいは明治座、あるいは歌舞伎座のはねのときに、実際にあなた方高官の連中が行って白タクの状態を見たことがあるかどうか、それを聞いてみたい。
#107
○木村(行)政府委員 ただいまの札幌の事実については聞いておりませんので、そういう事実がありましたらまことに遺憾でございまして、よく調べまして改めるべきことは改めさせたいと思います。
 それから、第一線の浅草あるいは新宿、大森、新橋など、やみタクの多い場所があります。そういう場所につきましては、一、二カ所私は行ってみた事実がありますけれども、これは率直に申し上げて、それだけが目的で行ったのでなくて、別な機会をとらえて現実は見たことがあります。
#108
○壽原委員 ただ見たことがあるというだけでなく、あなたがそういう犯罪の温床になる実態を調査するように係官に命じ、あるいはそのときの感じがどうであったかということを私は聞いておる。
#109
○木村(行)政府委員 実態につきましては、たとえば東京で申しますと、警視庁が専従班を作りまして、これは相当用意周到な内偵をして、その犯罪事実を突きとめるのに非常に苦労いたしております。調査以上のものでございます。ただ、今おっしゃった実態調査ということについて第一線に臨んで調査をいたしたということは、私はそれだけの目的で行ったことはありませんので、その点は率直に申し上げます。
#110
○壽原委員 今一番違法しておる根源は大体白タクだということを私ははっきり申し上げる。そこでこれはどういうことかというと、浅草あたりの盛り場に行くと、売春のあっせんをするのが白タク、それから麻薬の物件を運んでおるのも白タク、それから犯人の隠匿をするのも白タク、これはもうほとんど白タクがその根源をなしておるということを、あなたは一ぺんよく調べてみていただきたい。
 そこで一種免許、二種免許ということになって、今警視庁では二種の免許を持たなければ営業車は運転できぬ、客を輸送する場合には二種の免許を受けなければならぬ、二種の免許を受けるのには大体三年間の期間を置かなければいかぬというようなことになっている。そこで白タクは一体人を乗せて走ってないのかどうか。現在金をとって運送しておる運転手がおおむね一種免許の所持者である、また無免許であるということは、あなたがさっき言った通り。そして一種免許でもってわれわれ業界の車を運転した場合には、業者というものは全部処罰を受けて、車両の停止等の処分を受けなければならぬ。ところが白タクにおいては何ら法律に触れることなく堂々とやみタクシーをやって、そうして暴力団の資金源になっておるという現状を、そういう軽い考えで、見たことはあるのだがその調査をしたことがないというふまじめなことでは私は納得ができない。一体、法を守る警察官として、それを警察に指示して警察がそれをできぬという法があるか、それを聞きたい。
#111
○木村(行)政府委員 決してふまじめに申し上げておるのじゃありませんで、やはり実態については各第一線からもらった実態を慎重に検討いたしまして、特に白タクの取り締まりにつきましてはたびたび通牒もいたし、それからまた連絡会をいたしまして、たとえば非常によく白タクの取り締まりをやりまして効果を上げている県も、またそういう実例もあるものですから、そういう実例については私はみずから出まして、関係府県の課長を全部呼んで、具体的にこういう方法をやれとか、こういう内偵をやれとかいうことで、緻密な研究会をたびたびやっております。従いまして熱意はもちろん人後に落ちないつもりであります。
 今の第一種の運転免許しか持っていない者が第二種の営業用の自動車を運転することは確かに違法であります。従いましてそれは無免許運転として取り締まりをしなければならぬと思いますが、ただ現行の道交法で若干その点――たとえば白タクの場合ですね。第二種の免許を持っていないから無免許運転だということをずばり一言えるかどうか、若干法解釈の問題がありまして、この点については研究しております。
#112
○壽原委員 その法の解釈に非常に難点があるということですが、お客を乗せて銭をとっておるのだから、これは営業者と同じ行為をしておる者が、第一種免許証より持ってないということになったら、考える余地は何もないと思うのです。大体一種免許を持っておる者はトラックだとかあるいは自家用というものに限られておる。その自家用が有償行為をやったということになりますと、道路運送法、道路運送車両法に違反するばかりでなく、道交法にも違反しておるというように私は考える。これからの取り締まりはそれを重点に置いてやってもらいたい。一種免許を持ってお客を乗せている。明治座の前に行ってごらんなさい。明治座の前はおつかなくて気の弱い人は近づけない。白タクが客を引いて、さあさあこちらへと言うて、ヤシが自動車を売っておるような格好でやっておる。ああいうざまを、各所轄の警察に命じて、その実態を調査の上、すみやかにその取り締まりに当たるといろことを言ってもらわなければ、きょうはこの質問はやめないことにする。
#113
○木村(行)政府委員 実態調査というものは百聞一見にしかずでありますので、じかで見たのが最も正確だと思いますので、ただいまお話しのようにそれをを重点にして実態調査をしろというお話につきましては、そのお示しに従いまして実際やってみたいと思います。
#114
○壽原委員 白タクという問題に関しては、私は業界にも多少問題があるだろうというふうに考えておる。ということは絶対数が足りないからということで、たびたび増車はしておった。ところが白タクというのはこれはやってみると便利なもので、一ぺん警察につかまっても二千円くらいの罰金で済んでしまう。そして別にどうということはない。また運輸当局ともいろいろ連絡してやっておると表面は言うが、実際腹の中には――私ははっきり聞いたので、名前を言えといえば言うのだが、運輸行政の一部を警察に返せということをはっきり言うておる警察官がいる。そういう各官庁の全く対立した空気の中から、この白タクというものがふえる。そしてまた暴力の資金源の温床にもなっておるという実態、これは運輸省にも責任があり、また警察の方にも責任があるのだ、こういうことです。人の名前をさして言えというならはっきり申し上げてよいのだが、実際運輸省のなわ張りと警察のなわ張りとの対立が、今日こういうようにしてやみタクのばっこする最大の原因になっておるということは、これはどう考えておるか。認めるか認めないか、自動車局長と両方に伺いたい。
#115
○國友政府委員 この権限等の問題に関しましては、私どもはまず白タクの取り締まりが最も大きな問題でございまして、権限の問題とは直接関係がないと思うのでございまするが、これらの点は警察当局と実は定例的にも話し合いをいたしまして、これらの取り締まりの推進をはかっておるわけでございます。これはほかのことについても申し上げましたように、警察との連絡は非常に密接にとっておりますし、白タクの問題についてはことに密接に連絡をとりまして、白タクの取り締まりを進めておる状況でございます。
#116
○木村(行)政府委員 運輸行政の一部を警察に返せ、こういう意見が第一線の一部にあるということをおっしゃっておられますけれども、そういう意見は確かにあると私は思います。またわれわれとしても意見があるわけでありますけれども、しかしそれがために運輸省と私の方が感情的に、あるいは仕事の上でそごを来たしておるということはないのでありまして、やはり大局的に見て、いかにして運輸行政なり交通事故防止というものをやっていくかという観点から、絶えず自動車局長と私、あるいは陸運局長と各都道府県の本部長というものはむしろ数年前よりもはるかに密接になっておる、私はそういうふうに考えます。
#117
○壽原委員 今の警察当局の御答弁、表面は確かにその通りだと私は思うんですよ。しかし運輸省の行政面を警察へ持っていこうという根強い精神というものはみなにある。そこで今あなたはそういうことはない、前よりも緊密にやっておるとはいえども、第一線に働く警察官、警視庁の課長クラスです。おれらが取り締まってやっても運輸省はこれを処罰することができない、それならこっちに返してもらわなければとてもこれは取り締まるわけにいかぬということをはっきり言うておる。そこで運輸省にちょっとお尋ねするのだが、國友局長、どうしても取り締まれぬということであったならば、いっそのこと警察に渡してしまったらどうなんですか。運輸行政の一部を警察にくれというのだから。業界の大半の意見もこういうようなことで、白タクがばっこして、あなた方が監督してやらなければならぬという業者がつぶれていく姿を、実際あなたはそのままの目で見ているのかどうかということを私は疑問に思っている。そこで警察が、行政の一部をくれれば必ず取り締まりをやるということを、はっきり第一線の連中が言うておるのだから、そのように一ぺんやらしてみればいい。それをやらぬというならば警察は取り締まりもやれぬということをはっきり言うておる。そういうことを考えているかどうか、ちょっと聞かしてもらいたい。
#118
○國友政府委員 この権限の所管問題に関しましては、私どもとしても取り締まりを励行するという観点からいろいろな検討を加えておるのでございますが、たとえばその行政の一部について移譲するというようなことは、はたして可能かどうかというような点に関しましても、道路運送法が現在免許制をとっておりますその体系からいって、免許というようなものにいろいろと付随しました取り締まりというものが行なわれるわけでございまして、それら免許を初めといたしまして、すべての権限を移譲するかどうかというような問題にも、当然考え方を及ぼさなければいけないわけでございまして、
 それらの点等に関しましては、われわれの部内でも、実際一番今大事なことは自動車行政がうまくいくことであるが、そのうまくいかせるという観点から検討を進めることを考えておりまして、自動車審議会におきましても、そういうような面についても検討をしていただこうと思っておりまするし、私どもといたしましても、また一体ほんとうに自動車行政というものをどういうふうに持っていくべきかということを真剣に考えたいと思っておるのでございます。
#119
○壽原委員 それはよくわかりましたから、その点についてはお尋ねしません。
 そこで警察にちょっとお伺いしたいのだが、法の解釈でだいぶめんどうな問題があるらしいので、これを取り締まりできないということなんです。そこでこの法の解釈によって、こういう悪の温床の根源をなしておるものが取り締まりできぬということになったならば、法の改正を再度行なうというようなことを考えておるかどうか。
#120
○木村(行)政府委員 法の解釈といたしましては、御案内の通り、道路運送法第百一条、それから第四条の違反というようなことは、解釈に疑義ありませんから、その点ではびしびしやっておるわけでありますが、それ以外の問題で若干、たとえばさっき申し上げた第一種運転免許しか持っていない、その場合に白ナンバーの自動車を運転しているという場合に、これは第二種運転免許の運転をしているから、実態としてはどうもひっかかるようですけれども、法文をいろいろ検討しますと、どうもひっかからぬというようなことになりますので、この点は検討しております。将来改正の機会があれば改正したい、かように考えております。
#121
○壽原委員 ただ第一種、第二種というだけの問題でなく、これに伴って免許証を持っているがために悪いことをしたというものに対して免許証を取り上げるかどうか、免許証を取り消すかどうかという問題を考えてみたことがありますか。
#122
○木村(行)政府委員 まだ結論は出ませんけれども、そういう問題をもあわせまして検討いたしております。
#123
○壽原委員 免許証というものは事故を起こさないで運転のできる優秀な技術を持った者に与えておるということなんです。ところが、事故は起こさぬ、運転はうまい、しかし免許証があるために犯罪を犯すということになったならば、それに関連して免許の取り消しということは当然考えられる問題ではあるのだが、そういう問題についてからみ合わして、暴力団等の持っておる免許証を取り上げるということがあなた方はできるかどうか。これに関連して事故、あるいは道路運送法、道路交通取締法に違反しただけでなく、それに伴った第三の犯罪を犯した場合に、これを取り締まることができるかどうか、それをちょっとお聞きしたい。
#124
○木村(行)政府委員 暴力団なるがゆえにというだけでは免許取り消しをしましたり、効力を停止することはできませんけれども、それが合わせて道交法あるいはその法律に基づくいろいろな法律あるいは行政処分、それに違反した場合には免許証を取り消すことができますし、また道路交通の安全及び円滑をはかるために必要な場合には取り消す場合もあるのでありまして、それはケース・バイ・ケースでいかなければならぬと思います。
#125
○壽原委員 私は、暴力団なるがゆえにということではなく、免許証があるがためにこれに関連した犯罪を犯した場合、こう言うのです。免許証があるがためにそれに関連した犯罪、たとえば免許証を持っているために売春に連れていってあっせんしたとかあるいはそれに関連したあらゆる場合に、その免許証に対してその適用ができるかどうか、これを聞いている。
#126
○木村(行)政府委員 現行の道交法は、目的が道路交通の安全及び円滑を期するというワク内でありますので、今の問題については私は若干むずかしいかと思います。ただしかし、免許証を持っているがために運転をし自動車強盗をやるという場合には、あるいは入ってくるかと思います。
#127
○壽原委員 実はこれは一つの例をあげて私は話をするのだが、ある都内のタクシー会社――これは運輸省とも関連があることであるから、よく聞いておいて下さい。これが労働争議を起こして、この労働争議が解決した。ところがその中の一人の暴力団に所属しておった運転手が検査証を持って逃げた。現在そのまま逃げておる。これは多分滝野川警察であったかどこかの管内です、調べればすぐわかりますけれども、警察に、労働争議は正常に復して全部の運転手が働きたい、そのために、暴力団の家来が検査証を持って逃げたのだから、この検査証を何とか取り返してくれということを頼んだ。頼んだところが警察では、さあ、そいつはまだおれの方では窃盗扱いにするわけにもいかぬ、労働争議中とみなす、こう言う。一警察のそういう解釈によって、労働争議がもう正常に復して――労働争議というものはそういう暴力行為をやるものではない、経済行為から発展するもので、その経済の全部の問題が交渉で済んでしまって、そしてなおその暴力団の家来が検査証を持って逃げていっている、それを捜索してくれといったところが、それを取り扱わぬという事実がある。また運輸省においても、陸運局が、検査証がこういう状態であるのだから何とか再交付をしてくれといった場合に、警察の証明がなければいかぬということを言われて、どうしても二十二両の車が遊ばなければならぬという状態で、これに伴って四十何名という運転手諸君が全部遊んでおる事例がある。労働争議はもう済んじゃったんですよ、そして労働者一般も働きたいということを言うておる。たった一人の暴力団に所属しておった者がその検査証を持って逃げたからといって、それが警察に取り押えられないというばかなことはないだろう。四十何名の運転手が全部仕事ができなくて弱っちまう。そして運輸省もまたそういう事実がはっきりわかっておる。そうしたなら、免許証の再交付でもしてやればいいのに、その免許証の再交付をしてやらぬというようなことであっては、その運転手が逃げたならば、一体つかまるまでいつまでその車を休ましておるのか、その点を警察も運輸省も明らかにしてもらいたい。これは第二鳩タクシーの問題です。
#128
○木村(行)政府委員 車体検査証の話ですか。――これについてはそれを持って逃げたということになると窃盗になりますね。――ほかの人のを持って逃げた――やっぱり窃盗だと私は思いますね、人のものを盗んでいるのですから。
#129
○壽原委員 窃盗だから、それを警察がそういう解釈をするのが一体妥当であるかどうかと聞いているんですよ。
#130
○木村(行)政府委員 これは先生のおっしゃった具体的内容を、私、全然事実をつまびらかにしておりませんので、はっきり結論は責任を持って――おそらく人のものを、その人の意思を無視して持っていけば、私は窃盗だと思います、その事案だけをとらえますと。
#131
○壽原委員 検査証は下げれるかどうか、ちょっと答弁して下さい。
#132
○國友政府委員 自動車検査証の再交付に関しましては、道路運送車両法第七十条に「自動車の使用者は、自動車検査証が滅失し、き損し、又はその識別が困難となったときは、その再交付を受けることができる。」という規定がございまして、盗難の場合等はこの規定の中には入らないように思われるのでございますが、それらの点の措置に関しましては、よく事情を調べて検討をしまして、実態に合うようなことを考えて参りたいと思っております。
#133
○壽原委員 これはたしか駒込警察で起きた事件ですから、それをよく調べた上で、そういう窃盗罪に属するという問題であったならば、すみやかに――これは紛失届なり何なり、こう
 いうものをみな用意をしなければ検査証が下げられないのですから、その手続をしなければ、四十何名の運転手が遊んでおる。労働争議はもう済んでしまった。それは済んでいるんだから、警察はその取り扱いにしてもらわなければいかぬ。これだけはよく覚えておいてもらいたい。きょうはまだまだたくさんあるのですけれども、腹が減って皆さんお待ちですからこれでやめますから、検査証の問題、それから白タクの問題、この実態調査だけは、私らもお供をするから――ほかに行かぬでもいい、東京都内でけっこうですから、調査をしてもらいたい。
 それと、國友局長にちょっと言うておきますが、労働争議が済んだ場合――現在労働争議中のものは問題ないんだが、一人や二人のそういう暴力団の飯を食ったとか食わぬとかそういうことによって、運転手諸君や経営者が脅かされて、そうして検査証を持って逃げられた場合には、何とかこれを下げてやれるような方法を考えてやらぬというと、労働争議は済んだが、車が動かぬで運転手が遊ぶというような状態であっては、実際現在の道路運送法を完全に守っておるとは言えないのです。それでそういう点をよく御研究の上で、そういう事態が起きた場合には、団体なりあるいは運転手諸君の意見をよく聞いた上で、その実態を調査の上すみやかに検査証なり何なりを交付するような方法を講じてもらいたい。仮でも何ででも、できたならばそれをやってもらいたい。
 それではきょうはこれで終わります。
#134
○三池委員長 次会は来たる二十三日火曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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