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1960/12/22 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 本会議 第8号
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1960/12/22 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 本会議 第8号

#1
第037回国会 本会議 第8号
昭和三十五年十二月二十二日(木曜日)
   午後一時三十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第八号
  昭和三十五年十二月二十二日
   午前十時開議
 第一 昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 第七 公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 公立文教施設整備予算増額に関する請願
 第九 信州大学医学部附属病院建設続行に関する請願
 第一〇 熊本県の学校給食用牛乳の補助割当増加に関する請願
 第一一 特殊教育振興充実に関する請願
 第一二 特殊学校寄宿舎勤務職員の勤務条件改善等に関する請願
 第一三 愛媛大学工学部の統合整備等に関する請願
 第一四 新潟大学教育学部校舎改築促進に関する請願
 第一五 福岡県玄海町立岬小学校の防音施設施工に関する請願
 第一六 滋賀刑務所移転促進に関する請願
 第一七 大分地方裁判所庁舎改築促進に関する請願
 第一八 裁判所法附則第三項改正に関する請願(十五件)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案
 一、日程第二 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案
 一、日程第三 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案
 一、日程第四 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第五 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第六 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案
 一、日程第七 公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案
 一、昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案
 一、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律の一部を改正する法律案
 一、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案
 一、日本開発銀行法の一部を改正する法律案
 一、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案
 一、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案
 一、昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案
 一、海外経済協力基金法案
 一、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案
 一、日程第八乃至第十五の請願
 一、日程第十六乃至第十八の請願
 一、郵便物遅配解消に関する請願
 一、水害を受けた市町村に対する起債の特例措置の請願外二件の請願
 一、北海道開発審議会委員の選挙
 一、運輸審議会委員の任命に関する件
 一、昭和三十五年度一般会計予算補正(第1号)
 一、昭和三十五年度特別会計予算補正(特第1号)
 一、行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案
 一、総理府設置法の一部を改正する法律案
 一、厚生年金還元融資による勤労者住宅建設促進の請願外十三件の請願
 一、水資源開発関係予算に関する請願外四件の請願
 一、軍人恩給の加算制復元に関する請願外二十四件の請願
 一、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件
 一、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案
 日程第二、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長杉山昌作君。
   〔杉山昌作君登壇、拍手〕
#5
○杉山昌作君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案について申し上げます。
 本案は、昭和三十五年産米穀について、生産者が事前売り渡し申し込みに基づいて売り渡した場合は、従来と同様にその売り渡し所得について一石当たり平均千四百円を非課税としようとするものであります。
 本委員会の審議におきましては、米価政策に対する政府の基本的な考え方、総合的な農民の税負担のあり方等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 食糧管理特別会計がその負担において資金の借り入れをすることができる限度額は、現在四千四百億円と法定せられておりますが、本年度は予想外の豊作で、米穀の政府買い入れ数量が著しく増加したこと等のため、この法定限度額を引き上げる必要が生じました。しかるところ、この資金借り入れの限度額は、もともと毎年度食糧買い入れ費等の予算との関係で決定されることが、より合理的でありますので、今回法定限度額を改定する必要が生じているこの際、限度額の法定を廃止し、予算をもって国会の議決を経ることにしようとするものでございます。
 ちなみに、今回はこの限度額を七百億円引き上げることとし、補正予算の総則第三条においてこの限度額を五千百億円と定めております。
 委員会の審議におきましては、米穀の価格については農民団体等から異見が出ているが、生産費を十分償うよう検討する考えがあるか。米穀の統制を撤廃してもよいというような考えがあるが、今後の食糧管理制度をいかに考えるか等の質疑がなされましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、野溝委員より、食糧管理特別会計においては、今後、麦価格の引き下げ、大豆の自由化に伴う問題等があるが、これを農民の損失負担に帰せしめぬように検討すべきである。なお飼料の需給政策についてもこれを明らかにすべきである旨の意見を付して、賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#6
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#8
○議長(松野鶴平君) 日程第三、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。外務委員長木内四郎君。
   〔木内四郎君登壇、拍手〕
#9
○木内四郎君 ただいま議題となっております法律案の、外務委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 この法律案は、さきに英領ナイジェリア及びベルギー領コンゴーがそれぞれ独立したことに伴いまして、わが国がナイジェリアのラゴス及びコンゴーのレオポルドビルに設置いたしておりました領事館を、それぞれ大使館に昇格せしめることとし、その法的措置として、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正すると同時に、これら大使館に勤務する外務公務員の在勤俸を定めるため、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律に所要の改正を加えるものであります。
 委員会におきましては、アフリカにおける公館の配置及び活動の現状、今後の新設、充実、勤務者の待遇改善等についての構想、対アフリカ外交の基本方針、対アフリカ諸国との通商協定締結の現状と今後の見通し等について、熱心に質疑が行なわれましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 委員会は、十二月二十一日質疑を終え、討論採決の結果、全会一致をもって本案を原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#10
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#11
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(松野鶴平君) 日程第四、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、
 日程第五、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 日程第六、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(衆議院提出)、
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。法務委員長松村秀逸君。
   〔松村秀逸君登壇、拍手〕
#14
○松村秀逸君 まず、ただいま議題となりました、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に関する、法務委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。
 本法律案は、今回の一般政府職員の給与改定に伴い、これに準じて裁判官及び検察官の給与を改定しようとするものであります。
 委員会は、十二月二十一日、政府当局より提案理由の説明を聴取した後、各委員から熱心な質疑がなされましたが、これが詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して千葉委員から本案に反対する旨の、自由民主党を代表して井川委員から本案に賛成する旨の討論がなされ、採決いたしましたところ、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、今国会に、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案が提出されたことに対応して、裁判所における定員外職員の定数の一部を、裁判所職員定員法による裁判所の職員の員数に組み入れることが適当と考えられるので、この際、裁判所の職員の員数を二十六人増加せんとするものであります。
 委員会は、十二月二十一日、提案理由説明を聴取した後、各委員から熱心な質疑がなされましたが、これが詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 討論を省略し、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#15
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#16
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。
     ─────・─────
#17
○議長(松野鶴平君) 次に、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(松野鶴平君) 日程第七、公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教委員会理事北畠教真君。
   〔北畠教真君登壇、拍手〕
#20
○北畠教真君 ただいま議題となりました、公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案について、文教委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、戦後のいわゆるベビー・ブーム時代に出生した児童が中学入学年令に達して明年度は百万人、明後年度は四十万人の中学生徒の急激増加が予想されますので、これに伴うはなはだしい教室不足に対処することを内容とするものであります。御承知の通り、現在、公立の義務教育諸学校の不正常授業を解消するための国庫負担法がありますが、その機能は、不正常授業が現に起きてから対処するものでありまして、近い将来当然に発生を予想できる教室不足に対処するものではなく、従って、今回のような生徒の急激増加に際しては、増加した生徒を収容する教室の補充が相当長期にわたって間に合わず、そのために正常な授業ができないという事態の起こることが予想されます。そこで、生徒数が頂点に達する昭和三十七年度の教室不足坪数をあらかじめ計算して、今後校舎の新増築を行なう際、これに要する経費について臨時特例的に国庫負担の対象とするものであります。
 委員会におきましては、特に質疑もなく、直ちに討論に入りましたところ、豊瀬委員から、附帯決議を付して本案に賛成する旨の発言があり、採決の結果、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、討論中提出されました決議案も、全会一致をもってこれを委員会の決議とすることと決定いたしました。
 これより決議を朗読いたします。
 中学校の生徒急増に引き続き、近い将来、高等学校の生徒急増も必至である。
 政府は、この事態に処して、高等学校の施設・設備の拡充整備、教職員の増員確保等について、すみやかに適切な措置を講ずべきである。以上御報告申し上げます。(拍手)
#21
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(松野鶴平君) 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書が提出された。
 昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案可決報告書
 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書
 国際開発協会べの加盟に伴う措置に関する法律案可決報告書
 日本開発銀行法の一部を改正する法律案可決報告書
 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案可決報告書
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案可決報告書
 昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案可決報告書
 海外経済協力基金法案可決報告書
 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案可決報告書
 逓信委員会請願審査報告書第一号
 地方行政委員会請願審査報告書第一号
     ―――――・―――――
#24
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案、
 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。地方行政委員長増原恵吉君。
   〔増原恵吉君登壇、拍手〕
#26
○増原恵吉君 ただいま議題となりました両法案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案について申し上げます。
 本法案は、(一)国家公務員の給与改定に伴い、地方公務員について国家公務員に準じ給与改定を実施することができるよう、その必要な財源を保障するため、地方交付税の算定に用うべき単位費用について本年度分の特例を定め、(二)追加予算により、昭和三十五年度の交付税及び譲与税配付金特別会計の予算に計上された地方交付税交付金の額三百五十七億円のうち、給与改定所要財源相当額二百四十億円をこえる額については、当該こえる額を限度として昭和三十六年度に繰り越すことができるものとし、日この法律の施行前すでに決定された昭和三十五年度分の普通交付税の額は、地方交付税法及びこの法律の規定を適用して変更されるべき昭和三十五年度分の普通交付税の額の概算交付額とみなす等をおもな内容とするものであります。
 次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、昭和三十五年六月、七月、八月、九月及び十月の水害または風水害を受けた地方公共団体に対して、チリ地震津波による災害を受けた地方公共団体と同じく、一定の場合に地方債の特例を認めんとするものでありまして、そのおもな内容として、(一)これらの水害または風水害を受けた地方公共団体のうち、政令で定めるものは、地方税、使用料、手数料等の減免により生ずる財政収入の不足を補う場合、または災害対策に通常要する費用の財源とする場合においては、地方債をもってその財源とすることができること、品この場合の地方債は、資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって引き受けるものとし、その利息の定率及び償還の方法は政令で定める等のことを定めております。
 地方行政委員会におきましては、以上の二法案を一括して、まず十二月十五日、安井自治大臣より提案理由の説明を聞いた後、政府当局との間に質疑応答を重ね、その間、追加予算に計上された地方交付税は、その全額を当該年度内に地方公共団体に交付するのが本来の建前であるのに、今回これを翌年度に繰り越して交付するという特例を設ける理由、また、地方公務員の給与改定に対する自治省の指導方針等、多くの問題点について論議が行なわれましたが、その詳細については会議録によってごらんを願いたいと存じます。
 本二十二日、討論に入り、まず昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律の一部を改正する法律案については、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案について、鈴木委員は日本社会党を代表して、本法案によって予算に追加計上された地方交付税のうち百十七億円を来年度に繰り越すという政府今回の異例な措置は納得できない。地方交付税法本来の建前に従い、地方の自主性を尊重し、切実に財源を必要としている地方の実情にかんがみ、この際三百五十七億円の全額を本年度分として地方公共団体に交付すべきであり、この建前に反する特例法案には反対である旨を述べられました。かくて採決の結果、本法案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#27
○議長(松野鶴平君) 昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。鈴木壽君。
   〔鈴木壽君登壇、拍手〕
#28
○鈴木壽君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案につきまして、反対の意見を述べるものであります。
 ただいま委員長の報告にもありましたように、この法律案は、今回政府が国家公務員の給与改定を十月から実施することに伴って、当然地方公務員についても国家公務員に準じた取り扱いをしなければならないので、その所要財源をこのたび補正予算によって増額された地方交付税に求め、単位費用の引き上げによって基準財政需要額をふやしてこれを交付しようとする第一条と、補正予算によって増額された本年度分の地方交付税の額の一部を明年度――三十六年度に繰り越して交付し、これを使用せしめるという第二条とからなっているのでありますが、問題はこの第二条にあるのであります。すなわち、今回の補正予算によって増額を見ました地方交付税の額は三百五十七億円でありますが、給与の改定に要する経費の額は、地方交付税の交付を受ける団体すなわち交付団体においておおむね二百四十億円でありますので、これをこえる部分百十七億円は本年度に交付しないで明三十六年度に繰り越して交付しようとするものでありますが、一体、何ゆえにこのような異例の措置をあえてしなければならないのか、われわれは了解に苦しむところであります。
 現行地方交付税法第六条第二項の規定は、「毎年度分として交付すべき交付税の総額は、当該年度におけるいわゆる国税三税の収入見込額のそれぞれ二八・五%に相当する額に、当該年度の前年度以前の年度における交付税で、まだ交付していない額を加算し、または前年度以前の年度において交付すべきであった額をこえて交付した額を、当該合算額から減額した額とする。」こういうふうになっているところから、今回の補正予算によって増額計上された地方交付税は、給与改定に要する経費の額をこえる部分の額についても、当然本年度内に交付されることとなるべきものであります。もちろん、交付にあたっていかなる算定方法をとるかというようなことにつきましては、あるいはいろいろな考え方があるかもしれません。しかし、ともかく交付税本来の建前からして、年度内に交付しなければならないことは明らかなことでありますし、地方団体としては当然交付を受ける権利のあるものであるのであります。それを何ゆえに、かかる一片の特例法を作って、明年度に繰り越して交付するという一方的な押しつけの挙に出たのでありましょうか。われわれは納得に苦しむところであります。
 当局の説明によりますと、このたびの地方公務員の給与改定に要する経費の額は、交付団体において先ほど述べましたように二百四十億円であり、その他の経費については、さしあたり措置する必要がないということ。本年度はすでに余すところ幾ばくもないこと。また明年度の地方財政は本年度よりもさらに窮屈になることが予想されるので、給与改定所要額をこえる額は明年度の地方交付税の総額に加算して配分することがより適当であると考えられること。従って、地方団体の財政状況を勘案した親切な措置であり、これによって計画的かつ合理的な財源配分を行なうことができるようになるということを強調いたしているのでありますが、これらは、まことに勝手な官僚独善的な考え方であると言わなければなりません。年度も余すところ幾ばくもないこととはいいながら、地方団体はなすべき多くの仕事をかかえております。特に地方財政の現況は、低位にある行政水準引き上げ等のために、さらに多くの財源を必要としていることは、これは当局も認めているところでありまして、この法案の提案理由の中にもはっきりうたっているところでありますから、すでに述べた交付税法の趣旨に従って配分するという前提に立てば、問題とするに足りない全くのべ理屈にすぎないのであります。また、明年度の地方財政云々ということも、政府がほんとうに地方財政の改善に熱意があるならば、われわれが年来主張しておりますような地方交付税率の引き上げ等を行なって、そういうことによって財政の改善をはかるべきことであって、政府の無策、怠慢を、地方団体の財政運営の自主性を束縛し、中央でコントロールしようとすることによってこれをおおい隠そうとするがごときは、断じて許されないところであります。
 おそらく、この特例法を提案したほんとうの腹は、地方団体に当初予定されておりましたより以上の交付税が配分になれば、その使い方がルーズになり、放漫な財政運営が行なわれるであろうとの、地方団体に対する不信の念を抱いておるところにあると思われるのでありますが、かつては、財政運営の適正を欠いたものもないではなかったことは事実であります。しかし、最近においては、いずれの団体においても熱心に財政の確立に努めておりまして、かかる不信の念をもって地方団体を見ることは早急に改められなければならないのであります。かりにも自治省がこのような態度であるとすれば、地方団体の育成、援助、指導という自治省本来の任務を果たすことができず、むしろ地方団体との間に次第にみぞを大きくするばかりであるのであります。のみならず、現在の地方団体は放漫な財政運営をしようにもできない法的規制があるのであります。地方団体は、今回のように、補正予算によって交付税が相当多額に交付された場合においても、法律の定めるところにより、自己の責任においてその運営がなされるようになっていることを忘れてはならないのであります。すなわち、本年四月に改正されました地方財政法の第四条の三、第四条の四において、税収入、交付税等の合算額である一般財源が著しく増加した場合、その著しくふえた額の使い方につきまして、詳しく、しかも厳重に規定づけているのでありますが、政府の今回の措置は、改正したばかりの地方財政運営の基本を定めた地方財政法をみずから否定するものといわざるを得ないのであります。自分たちが立案し、われわれに議決をさせ、地方団体に守るべきことを要求しておきながら、今またそれすら信用できずに、矛盾した特例法を出すに至っては、もはや何をかいわんやであります。地方財政法第二条に、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこなってはならない。」と明確にうたっているのでありますが、政府みずからがこの規定を踏みにじり、これをほごにしようとするのが、このたびの特例法であるのであります。
 最近、政府は、口には地方自治の振興を唱えながら、実際は地方自治をゆがめ、その自主性を奪う法的、財政的規制を加えてきていることは、否定し得ないところであります。かくては、憲法において保障されました地方自治も、結局は形だけのものになってしまうおそれが濃厚となってきているのであります。先般の通常国会のあのどさくさのさなかに、われわれの参加しないままに、一方的に自治省が誕生いたしたのでありますが、当局にしてみますと、多年の念願がかなえられたことでありますから、大いに祝福いたしていることでありましょう。われわれは、これに対していろいろ意見を持ちながらも、一方ひそかに期待しておりましたことは、地方自治が曲がり角にきているといわれておる現在、自治省が、地方自治の健全な育成のために、地方の自主性を高めるために、あたたかい援助指導の手を差し伸べ、熱意をもって地方自治を守り育てることに努力を惜しまないことであってほしいということでありました。しかるに、発足第一回ともいうべき仕事がこのようなものであるとすれば、われわれの期待は完全に裏切られてしまったといわなければなりません。やはり、われわれの心配しましたように、自治省は地方団体の味方ではなく、地方自治を育成するためのものではなくて、より強い力で地方団体を支配するための中央機関である、このような性格を露呈したものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)まことに残念なことであります。
#29
○議長(松野鶴平君) 時間でございます。
#30
○鈴木壽君(統) この特例法は、以上述べましたような意味で、まことに不当なものであり、地方自治の侵害という根本的な問題につながるものであるという立場から、われわれはとうてい賛成し得ないところでありましてこれが私の反対の討論の根拠になっているところであります。
 以上をもって討論を終わります。(拍手)
#31
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより両案の採決をいたします。
 まず、昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#33
○議長(松野鶴平君) 次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ─────・─────
#35
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案、
 日本開発銀行法の一部を改正する法律案、
 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、
 昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#36
○議長(松野鶴平君) 御異議ないものと認めます。まず委員長の報告を求めます。大蔵委員長杉山昌作君。
   〔杉山昌作君登壇、拍手〕
#37
○杉山昌作君 ただいま議題となりました五法律案の、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 まず、国際開発協会べの加盟に伴う措置に関する法律案について申し上げます。
 本案は、さきに第三十四回国会で承認されました国際開発協会協定に基づき、わが国が国際開発協会に加盟することに伴い必要な措置を規定しようとするものであります。
 すなわち第一に、政府は国際開発協会協定により、わが国が出資すべきものと定められた三千三百五十九万合衆国ドル、円貨に換算いたしまして百二十億九千二百四十万円の範囲内で、協会に対し、金または自由交換可能通貨で出資ができることといたしております。第二に、政府は協会に対して国債をもって出資することができることとし、政府にその国債の発行権限を与えるとともに、その国債の発行条件、償還条件等に関する規定を設けております。第三に、協会が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所として日本銀行を指定する等、所要の規定を設けることといたしておるのでございます。
 委員会の審議におきましては、アメリカのドル防衛問題と関連し、低開発国援助の肩がわりをさせるのではないか。また、東西間の低開発国援助競争の具に供されるのではないか等の質疑がなされたのでございますが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、大矢委員より、後進国援助については基本的に賛成であるが、本案は米ソ両国の後進国援助競争と、アメリカのドル防衛対策の一環として、わが国に後進国援助を肩がわりさせようとする政治的目的を持つものであるから反対するとの意見が述べられ、次いで須藤委員より、本案は米ソ冷戦の裏づけとなるもので、米国がドル危機に際し、東南アジアヘの経済援助を日本に下請けさせるものである。また、これを機会に日本の独占資本が東南アジアを支配しようとするものであるから反対するとの意見が述べられました。
 採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、日本開発銀行の開発資金の財源に充てるため、海外金融市場の状況に応じて、適宜、外貨債券を発行できることとしようとするものであります。
 そのおもな点を申し上げますと、第一に、日本開発銀行は、大蔵大臣の認可を受けて、外貨債券を発行できることといたしております。第二に、外貨債券の発行額の限度を借入金と合わせて自己資本の二倍をこえてはならないことといたしております。第三に、同行が発行する外貨債券にかかる債務について、政府は、予算の定めるところにより、保証契約をすることができることとするほか、所要の規定の整備をいたしております。
 委員会の審議におきましては、ドル防衛問題等のある最近の国際金融情勢のもとで外債発行の可能性はどうか、今後の外債発行に対する政府の見解はどうか、その他政府関係金融機関の金利等について質疑がなされたのでございますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入り、大矢委員より、外債発行の問題として、アメリカの金融市場の金利は若干下がってはいるが、なお不利の面があり、また、これにより調達された資金は独占的大企業のみに融資されるものであるから、本案に反対するとの意見が述べられ、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 日本輸出入銀行の昭和三十五年度当初資金計画においては七百二十億円を予定していたのでありますが、その後におけるプラント輸出金融及び投融資の資金需要が増大したので、本案は、これに応ずるために、産業投資特別会計から百二十五億円を出資し、同行の現在の資本金四百五十八億円を五百八十三億円にいたそうとするものであります。
 委員会の審議におきましては、日本輸出入銀行の輸出金融に対する貸し出し金利が低いので、将来引き上げるつもりはないか。また日本輸出入銀行が資金運用部から借り入れをする場合ほ年六分五厘であり、輸出金融に対する貸し出し金利が四分で、逆ざやになるので、産業投資特別会計から出資をするのか等の質疑がなされましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、大矢委員より、日本輸出入銀行の貸し出し金利が低く、それを利用できる一部業者のみに利益を与えるので、本案に反対するとの意見が、また天田委員より、日本輸出入銀行の貸し出し金利が低く、外国業者及び輸出業者を不当に助ける傾向にあり、同行設立の趣旨に背馳するので、本案に反対するとの意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、産業投資特別会計の投資の財源に充てるため、一般会計から百二十億円を同会計に繰り入れようというのであります。なお産業投資特別会計においては、この一般会計からの繰入金と、昭和三十四年度の剰余金二十五億円と合わせた百四十五億円を、日本輸出入銀行に百二十五億円、商工組合中央金庫に二十億円、それぞれ出資することにしております。
 委員会の審議におきましては、この特別会計の原資の構成並びに運用について、また今後この特別会計の資金源が窮屈になることが予想されるが、外国為替資金特別会計のインベントリーを取りくずし、これに充てるつもりはないか等の質疑がなされましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 最後に、昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案について申し上げます。
 政府は、税制調査会の答申を基礎として、昭和三十六年度の税制改正案の作成中でありますが、このうち所得税については、昭和三十六年一月から減税を行なうこととし、これが改正法律案を通常国会に提出する予定であります。本案は、さらにその改正税法案が成立前、すなわち明年一月一日より三月末日までの間に支給される給与所得及び退職所得について、あらかじめ減税の効果が及ぶようにするために、これらの所得に対する源泉徴収については、明年度改正予定の諸規定によって計算した源泉徴収税額表を適用する特例を設けようとするものであります。
 委員会の審議におきましては、三十六年度の減税構想はどうなっているか。そのうちに間接税が含まれていないのはどういうわけか。特に、物品税、酒税、たばこの税負担の軽減を考慮すべきであるがどうか等の質疑がありましたが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#38
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより五案の採決をいたします。
 まず、国際開発協会べの加盟に伴う措置に関する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#40
○議長(松野鶴平君) 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#42
○議長(松野鶴平君) 次に、昭和三十六年分の給与所得等に関する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#43
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ─────・─────
#44
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 海外経済協力基金法案、
 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員長剱木亨弘君。
   〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
#46
○剱木亨弘君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、海外経済協力基金法案について申し上げます。
 最近、低開発地域に対する経済協力の問題が国際的に大きく取り上げられていることは、御承知の通りであります。本法案は、このような世界経済の動向にかんがみ、海外経済協力の一そうの促進をはかるため、約五十億円の資本金をもって海外経済協力基金を設立し、東南アジア地域その他の開発途上にある地域の産業開発に必要な資金で、日本輸出入銀行及び一般の金融機関から通常の条件で供給を受けることが困難な資金の円滑な供給をはかる等の業務を行なわせようというものでありまして、この趣旨に沿って、基金の組織、業務、財務及び会計等について所要の規定を設けているのであります。
 当委員会におきましては、外務委員会と連合審査会を行ない、また参考人の意見を聴取する等、多方面にわたって慎重な審査を行ないましたが、その詳細は会議録によって御承知願うことにいたしまして、質疑の過程において問題となりましたおもな点を申し上げますと、基金と日本輸出入銀行との基本的相違は何か、基金の運用が放漫に流れるおそれはないか、基金の設立とアメリカのドル防衛政策との関連の有無等の諸点であります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して栗山委員より、次の附帯決議を付して本法案に賛成するとの発言がありました。その附帯決議案は、
 政府は、海外経済協力基金が、よくその目的とする処に従い、投融資の選定を誤まらず、債権の保全に遺憾なきを期し、いやしくも資金が放漫に流れ、ひいては当事国間の親善を害するが如き事態の生ぜざるよう、本法の趣旨の具現のため適切な業務
 運営につき指導すべきである。というのでございます。ついで自由民主党を代表して川上委員より、本法案並びに栗山委員提出の附帯決議案に賛成するとの発言がありました。
 以上で討論を終わり、採決いたしました結果、本法案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定し、ついで栗山委員提出の附帯決議案も、同じく全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案の内容を申し上げますと、商工組合中央金庫に対する政府の出資金を二十億円増額することでありまして、これによって、明年一月からその貸し出し金利の引き下げをはかるほか、当面する資金需要に対処しようとするものであります。
 当委員会におきましては、年末金融対策等について種々質疑がなされましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 右二法案について御報告を申し上げます。(拍手)
#47
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 まず、海外経済協力基金法案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  實成者起立〕
#48
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#49
○議長(松野鶴平君) 次に、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#50
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#51
○議長(松野鶴平君) 日程第八より第十五までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。文教委員会理事北畠教真君。
#53
○北畠教真君 ただいま議題となりました文教委員会付託の請願、公立文教施設整備予算増額に関する請願外七件は、本委員会における審査の結果、全会一致をもって、願意おおむね妥当と認め、院議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしました。右御報告申し上げます。(拍手)
#54
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#55
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。
     ―――――・―――――
#56
○議長(松野鶴平君) 日程第十六より第十八までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。法務委員長松村秀逸君。
   〔松村秀逸君登壇、拍手〕
#58
○松村秀逸君 ただいま議題となりました請願十七件について、法務委員会における審査の結果を御報告いたします。
 日程第十六の請願は、滋賀刑務所の移転促進に関するもの、日程第十七の請願は、大分地方裁判所庁舎の改築促進に関するもの、日程第十八の請願は、裁判所法附則第三項の改正に関するものであります。
 委員会におきましては、審査の結果、いずれもその願意はおおむね妥当なものと認め、全会一致をもって、院議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。
#59
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#60
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。
     ―――――・―――――
#61
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 逓信委員長報告にかかる郵便物遅配解消に関する請願を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。逓信委員長鈴木恭一君。
   〔鈴木恭一君登壇、拍手〕
#63
○鈴木恭一君 ただいま議題となりました請願につきまして、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本件請願の要旨は、郵便事業の臨時的職員の定員化を望むものでありまして、当委員会におきましては、慎重審査の結果、おおむね願意を妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付し、かつ、内閣に送付すべきものと全会一致をもって決定した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#64
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#65
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。
     ―――――・―――――
#66
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 地方行政委員長報告にかかる、水害を受けた市町村に対する起債の特例措置の請願外二件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。地方行政委員長増原恵吉君。
   〔増原恵吉君登壇、拍手〕
#68
○増原恵吉君 ただいま議題となりました請願三件について、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 請願の第一は、本年の豪雨により水害を受けた市町村の被害が甚大であるので、歳入欠陥、災害救助対策等に要する費用に対して起債の特例を設け、公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債には元利を補給すること等を内容とする立法措置を講ぜられたいというものであります。
 第二は、現在低位に置かれている市町村職員の給与基準が一般公務員並みに是正されるよう指導体制の強化を要望するものであります。
 第三は、市町村立全日制高等学校教職員の退職手当について、その算定の基礎となる勤続年限の全国通算の法的措置を望むというものであります。
 委員会におきましては、以上の請願三件は、いずれも願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしました。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
#69
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、いずれも委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#70
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。
 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後二時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時十七分開議
#71
○議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 内閣から、北海道開発審議会委員大矢正君の任期満了による後任者の指名を求めて参りました。
 つきましては、この際、日程に追加して、北海道開発審議会委員の選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
#73
○阿部竹松君 北海道開発審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#74
○前田佳都男君 私は、ただいまの阿部君の動議に賛成をいたします。
#75
○議長(松野鶴平君) 阿部君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって議長は、北海道開発審議会委員に大矢正君を指名いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#77
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、運輸審議会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 内閣から、運輸省設置法第九条第一項の規定により、相良千明君を運輸審議会委員に任命することについて本院の同意を求めて参りました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#79
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって同意することに決しました。
     ─────・─────
#80
○議長(松野鶴平君) 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書が提出された。
 昭和三十五年度一般会計予算補正(第1号)及び昭和三十五年度特別会計予算補正(特第1号)可決報告書
 行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案可決報告書
 総理府設置法の一部を改正する法律案可決報告書
 大蔵委員会請願審査報告書第一号
 商工委員会請願審査報告書第一号
 内閣委員会請願審査報告書第一号
#81
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 昭和三十五年度一般会計予算補正(第1号)、
 昭和三十五年度特別会計予算補正(特第1号)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。予算委員長館哲二君。
   〔館哲二君登壇、拍手〕
#83
○館哲二君 ただいま議題となりました昭和三十五年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十五年度特別会計予算補正(特第1号)につきまして、予算委員会において行なわれました審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、補正二案の内容について御説明を申し上げますと、
 今回の一般会計予算補正は、人事院勧告に基づく国家公務員の給与の改善を初め、当初予算作成後発生した事由に基づき、年度内に予算措置を講ずる必要のある経費並びに法令の規定に基づく義務的経費について所要の追加を行なおうとするものでありまして、その追加額は歳入歳出とも千五百十四億千六百万円となっております。
 歳出のおもなものといたしましては、まず給与改善費につきまして二百十四億円を計上し、人事院勧告に伴う国家公務員の給与の引き上げを行なうこととし、その実施期日を本年十月一日としております。次に、災害関係費につきましては、二百九十億円を計上し、本年災のみならず、その後調査の結果、事業費の増加をみるに至った過年度災についても復旧の進捗をはかることとしております。次に、食糧管理特別会計の赤字補てんに要する経費として二百九億円、社会保障及び文教関係費の不足額の補てんに要する経費として百三十八億円を追加するほか、昭一和三十六年度における中学校生徒数の著しい増加に対しても公立中学校校舎整備費として四十億円を計上し、日本輸出入銀行及び商工組合中央金庫に追加出資を行なうため、産業投資特別会計べの繰り入れに百二十億円を追加しております。このほか、所得、法人、酒の主税の増収計上に伴う地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金の増加分として三百五十七億円、賠償等特殊債務処理費として六十八億円、予備費その他として七十三億円を追加しております。
 これらの歳出をまかなう財源といたしましては、本年度の租税及び印紙収入について千五百七十二億二千百万円の自然増収を見込み、このうちから明年一月から実施予定の所得税減税による年度内減収分五十八億五百万円を差し引いた千五百十四億一千六百万円を充てることとしております。
 以上申し上げました補正の結果、昭和三十五年度一般会計予算総額は歳入歳出とも一兆七千二百十億九千七十万二千円となります。
 また、財政投融資につきましても、日本輸出入銀行及び商工組合中央金庫に対する百四十五億円の出資のほか、百十四億円の地方債を追加し、中小企業年末対策としても二百億円の財政資金を手当ていたしております。
 次に、特別会計予算におきましては、一般会計予算補正及び公務員の給与改善に関連して、二十一の特別会計について所要の補正を行なって、これによりまして、昭和三十五年度特別会計予算の合計額は、歳入は三兆九千百五十四億九千二百六万八千円となり、歳出は三兆七千三十三億八千七百四十九万四千円となります。
 これら補正二案は、去る十二月九日国会に提出せられ、十二月十七日衆議院において可決の上、本院に送付されたものでありますが、予算委員会におきましては、十二月十三日、水田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取、十二月十九日から本日までの四日間にわたって池田内閣総理大臣並びに関係各大臣に対して本案の質疑を行ないました。以下、質疑のおもなものについて御報告申し上げます。
 まず、世界経済情勢の最近の変化がわが国に及ぼすもろもろの影響についてでありますが、特に「米国からの金流出に伴う米国政府のドル防衛措置について、政府は、はたして正確な情報を得ているのかどうか。ドル防衛措置によるわが国の国際収支の上に及ぼす影響いかん。米国からの要請であれば、わが国は無制限にドル防衛に協力するのか。米国のドル危機対策に協力するということと池田首相の九%成長政策の推進とは、二律背反であると思うがどうか。さらに今回のドル危機の根本原因は米国の冷戦政策にある。従ってその政策が改まらざる以上、ドル危機は相当長期間継続すると見るべきであり、米国の金価格改定の可能性もなしとは一声えない。しかるに、日本の外貨準備の運用を見れば、ドル預金、ドル証券が多く、金保有の比率がきわめて低いことは問題である。また、そのような運用の結果、外為会計は赤字を大きくするのじゃないか」などの質疑がありました。これに対しまして、池田内閣総理大臣から、「ドル防衛措置による影響は、わが国の国際収支面から見てさほど憂慮すべきものではなく、日本に与えられたこれらの試練を克服する力を日本は十分持っているものと確信する。ドル防衛に対する協力には当然限度があり、日本の力に応じ、自国の利益にもなり、ひいては低開発国の利益にもなるものでなければならない。長い目で見れば日本経済に役立つとも言えるので、災いを転じて福としたい。ドルの切り下げはあり得ないものと思う。しかし、現在わが国の外貨準備高中に占める金保有高はわずか一四%にすぎないので、将来はもっとふやしたい。外為会計のあり方については再検討を加える時期にきているものと思う」旨の答弁がありました。なお、これに関連した外交問題としましては、「米国のドル防衛措置の強化、米国の輸出ドライブの強化に対し、わが国としては、この際、市場転換をはかり、対共産圏貿易の促進、特に日中政府間貿易協定にまで乗り出すべきではないか。それからまた、日韓交渉については、国際緊張の存在している今日、南北朝鮮の統一に支障となるような形での基本条約の推進については慎重を期すべきではないか」などの質疑がありましたが、これに対しましては、「ドル防衛措置のわが国経済に及ぼす直接の影響としては、特需が来年度一億数千万ドル減少することが予想される程度である。ただ、米国の輸出ドライブが日本の貿易にどのような影響を与えるかはまだ明確ではないが、事態の推移を見て適切な対策を講ずる。対共産圏貿易についても、でき得る限り伸長をはかる方針であるが、ただ日中の政府間貿易協定は中共承認問題ともからむ懸念があるので、政府間協定によらない貿易を進めたい。承認問題と無関係の郵便や気象に関する政府間協定については話し合いを考慮してもいい。日韓交渉については、韓国が現在のように日本と話し合いをする気持になったときに懸案解決に努力するのが適当であると思う。もちろん朝鮮が現在統一をされていないという事実は頭に入れて交渉しているのである」という答弁がありました。
 補正予算につきましては、まず「三十五年度の租税見積もりは、当初自然増収が二千百億円であったが、今回さらに千五百七十二億円も増加している。年度内の増収は正確に見積もれぱ二千九百億円の増は出ると思う。このような過小見積もりは何か欠陥があるのではないか。あるいは減税と社会保障に回したくないため何か作為的なものがあるのではないか」などの質疑がありましたが、これに対しましては、池田内閣総理大臣から、「補正予算における歳入見積もりは妥当である。当初予算のときは歳入見積もりが低いと思ったが、経済成長が六・六%から予想以上の二二%となったために、大幅の自然増収となったものであり、三十六年度予算においては過小見積もりをしないよう正確なものを出したい」との答弁がありました。
 次に、補正予算における歳出につきましては、「これだけ大規模な補正予算でありながら、減税分がわずか五十八億円、社会保障費は一億九千八百万円しか組んでない。社会保障に重点を置くといいながら、これでよいのか。生活保護基準の引き上げはなぜ行なわないのか」などの質問がありましたが、これに対しましては、池田内閣総理大臣から、「補正予算には、給与の引き上げ、災害対策等、必要やむを得ないものを計上した」旨の答弁があり、また古井厚生大臣からは、「補正予算では生活保護基準の引き上げは見送ったが、来年度予算においては相当大幅に引き上げを要求した」旨の答弁がありました。
 公務員給与の問題につきましては、「人事院勧告は五月一日から実施するようになっているのに、相手に法律の順守を要求している政府が、なぜ完全実施できなかったか。この不足分を来年度予算において余裕が生じたら補ってやる考えはないか。また三公社五現業についてはどう処置するのか」などの質問がありましたが、これに対しましては、総理大臣並びに大蔵大臣から、「五月一日から実施するには多額の費用を要するし、他の費目も多かったため、尊重はしたが、全部実施はできなかった。不足分を翌年度埋めることは過去に例もないし、そのようなことは考えていない。三公社五現業については、経理内容、給与体系が異なっているので、一律にやることはむずかしいが、いずれにしても影響はあると思うので、それに従って善処したい」旨の答弁がありました。
 また、所得倍増計画の原動力となる公共投資につきましては、「今後十年間は各般の建設に最重点を置くべき時代であるから、各省の建設事業を一本にまとめて強力に推進するため、国土省あるいは公共事業省を設置する必要があると思うが、その考えはないか。公共投資のうち最も重要な道路整備事業の規模並びに財源についてはどのような構想を持っているか」、という質問がありましたが、これに対しまして、「国土省の設置については、建設と建設されたものの運営とは異なる関係もあるので、直ちにこれを実施することは困難であるが、たとえば水資源開発の一元化などは考える必要があろう。道路整備については、三十六年度から新五カ年計画に切りかえるつもりで、その準備中であるが、建設省としては二兆六千億円くらいの規模を考えている。道路整備費の財源については、まずガソリン税の増徴を第一とし、次には一般会計からの繰り入れの増額を考慮すべきで、道路公債の発行は現在の段階では考えものであろう」という答弁がありました。
 また、「食糧管理特別会計における赤字解消の手段として、米の統制を撤廃するのではないかと懸念する向きもあるので、この際、統制存続について政府の見解を聞きたい。農林省は麦の統制について食管法からはずして農産物価格安定制度に移すことにきめているのか」などの質問がありましたが、周東農林大臣から、「食管会計に赤字が出るからといって、ただいまのところ食管会計をやめる段階ではないと思う。また麦の統制については、麦対策協議会の答申を待って結論を出したい。いかなる対策をとろうと、農家の損失にならぬような形をとっていかねばならぬ」という答弁がありました。
 このほか、第二次防衛力整備計画と予算の問題、また、国鉄運賃値上げ案と国鉄経営方針の問題、本年度地方交付税交付金中、百十七億円を次年度に繰り越し措置をとったことの可否の問題、地方税の減税問題、公明選挙の問題など、質疑は広範にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して鈴木委員が反対、自由民主党を代表して梶原委員が賛成、民主社会党を代表して松浦委員が反対、参議院同志会を代表して大竹委員が賛成、日本共産党を代表して須藤委員が反対の旨、それぞれ述べられました。
 討論を終わりまして、採決の結果、委員会付託の昭和三十五年度予算補正二案は、いずれも多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#84
○議長(松野鶴平君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。鈴木強君。
   〔鈴木強君発壇、拍手〕
#85
○鈴木強君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和三十五年度予算補正二案に対し、反対討論を行なわんとするものであります。
 今回の一般会計予算補正による歳入歳出の追加額は、それぞれ千五百十四億円となっておりますが、これは池田内閣成立後初の予算補正でありまして、見方によっては、追加予算というよりも、むしろ昭和三十六年度予算に直結した池田内閣の新予算であるということができましょう。従いまして、私はこの際、具体的に反対理由を申し述べる前に、池田内閣の新政策の矛盾点についてまず論及しておきたいと思います。
 池田総理は、就任以来きわめて低姿勢を装っておられますが、これが本物の低姿勢であるかどうか、国民は大いに迷っているのであります。池田さん、あなたが内閣を成立された直後のある新聞のUSO放送欄に、「白飯たらふく食わしてくれよ所得二倍は次の次」、こういう一句が掲載されておったのをごらんになられましたか。貧乏人は麦を食え、中小企業が二つや三つ倒れても仕方がない。かつてあなたが政治家としてあるまじき言辞を弄したことに対する報いの一句であり、国民感情の率直な表われであったと思います。どうぞこの一句を金言と思われ、反省すべき点は率直に反省されて、あなたが真の民主総理として、日本国民の平和としあわせのために最善を尽くされるよう、希望してやみません。
 さて私は第一に、池田内閣の外交政策について触れたいと思います。先般の総選挙にあたって、総理は力の外交を力説されましたが、今日、力の外交ほど危険千万なものはありません。すなわち、力によって均衡を保とうとすることは、逆に力の均衡を破れたときは平和が乱され、悲惨な戦争への道を選ぶことになるのは理の当然といえましょう。わが国が求める平和外交路線は、かくのごとき力の外交であっては断じてなりません。それよりも、力の均衡がとれるとか、とれないとかいうことよりも、いかにしたら日本の平和と世界の平和を確立し、持続せしむるかに思いをいたし、そのために国論を統一し、その上に立って堂々と世界に向かって日本の立場を訴えるべきだと信じます。池田総理は、わが日本社会党の中立外交政策を幻想であると一笑に付されておられますが、これは大きな誤りであります。私は、総理がとりつかれている海のかなたの亡霊から一日も早くのがれ、日本国の総理に立ち返って、力強く中立外交を推進されるよう強く要求いたすものであります。
 第二は、池田内閣の高唱した所得倍増計画についてであります。首相の演説によりますと、日本経済は異常な発展成長の時期を迎えたのだということであり、短期間に国民所得は倍になり、この高度成長の過程で所得格差や二重構造が解消されることになっております。この通り事が運びますれば、池田首相は大首相ということになりましょうが、冷厳なる内外の事実は、首相の構想が現実に照らして危険な経済政策であることを証する警戒信号がすでに幾つか現われております。その最大なる警戒信号は、米国経済の景気下降と、ドル防衛のためにとられている諸政策の影響であります。池田首相の高度成長論は、周知の通り、世界経済が安定的成長を遂げること、日本貿易は世界経済の伸びの二倍以上の速度で伸びる力があること、輸入は総生産の九%以下に押えられると、こういうようなきわめて安易な前提の上に立てられているのであります。しかるに米経済は本年夏以来明白に後退を示し、鉄鋼操業度は五〇%以下、失業者は二百数十万人、明年春にかけて失業者が五百万人をこえるであろうとは、権威ある筋が証言しているところであります。しかるに、この深刻なる事態を首相は故意に過小視せんとしております。予算委員会においても、米経済は、ちっと、かぜを引いた程度だとか、ケネディが年率五%成長を政策に掲げているから、春から先は景気が戻るとか言っておられますが、ケネディ政権は、景気振興とドル防衛という相矛盾する政策の調整に苦しみ、今度の不況は相当長引くものと考えるし、これが直接間接日本の輸出輸入両面に及ばす影響は大きくなるものと思われるのであります。もしルーズベルトの故事にならって、ケネディがドルを犠牲にして五%成長政策に乗り出すようなことになれば、世界経済に及ぼす影響は言い尽くしがたいものがあるでありましょう。ケネディが五%成長と言っているから大丈夫という首相の認識は楽観論に過ぎると言わなければなりません。
 なお、これに関連して政府に警告しておきたいことは、日本の外貨準備のあり方であります。政府発表によれば、十七億六千万ドルの外貨のうち、金保有高は二億四千万ドルにすぎず、残る大半がドル預金、ドル証券の形で保有されているのであります。諸外国の事例は、比較的金保有率の低いカナダ、西独でも四〇%をこえ、他はいずれも八〇ないし九〇%を金で持っております。今日のごとくドル不安の高まりつつある際に、大切な通貨信用の基礎である外貨準備をわが国のようにドル一辺倒にしている国はどこにあるでしょうか。これというのも池田内閣の対米一辺倒がしからしめたもので、すみやかに是正されなければなりません。
 アイク政権が打ち出すドル防衛措置に対し、政府は初めから大したこともあるまいと、たかをくくっておりますが、今や米政府の打つ冷厳なる対日措置に対し、慎重に対処すべきときであることを知らなければなりません。吉田内閣、岸内閣以来の日米安保体制は、経済的には、対米貿易依存、特需依存、米国資本の導入ということでありました。しかるに、今や米国はドル防衛のため日本を突き放そうとしているのではないでしょうか。この場合わが国としてとるべきドル防衛措置に対する対策はどうあるべきか。それは世界の各市場に対する輸出の強化であります。なかんずく市場の開発と拡大をはかり、中国、ソ連、北鮮などの共産圏貿易をも促進すべきであることは、今や経済政策の常識であり、国民の世論というべきでありましょう。池田首相は、総選挙の前とあとにおけるこの重大な国際経済情勢の変化の意味を十分理解された上で経済政策を進めないと、他日重大な混乱を来たすおそれがあるということを申し上げておきます。
 首相は高度成長を説き、三カ年、年率九%は大丈夫だと言ったり、あるいは倍増計画という言葉を使用いたしますが、その内容とするところは具体的に何も示されておらないのであります。何年間で所得が倍になるのか。三カ年九%案は三十八年以降どうなるのでございましょうか。池田内閣は半年にもなるのでありますが、最大の公約である所得倍増計画を閣議決定すらしておりません。しかも正式に内閣が諮問して立案を命じた経済審議会が十カ年倍増計画の案を正式に答申して、すでに月余となるのでありますが、この案が平均七・二%という低い成長率となっているため、首相のお気に召さないのでしょうか。それで審議会の答申はたな上げしておいて、特別案のいわゆる下村構想に沿った三カ年計画を立案させようとしているのではないでしょうか。総選挙中あれほど倍増々々と宣伝しておられて、今日になってその具体的構想がない、これから作らせるというのでは、国民を愚弄するもはなはだしいといわなければなりません。池田総理の所得倍増計画はまさに夢まぼろしであることを指摘しておく次第であります。どうぞ、これも必要でありましょうが、今高騰を続けつつある物価の抑制策でも真剣に考えてみて下さい。その方が国民は大へん喜びます。(拍手)
 時間の関係上、以上をもって池田新政策に対する批判を終わり、次に、具体的に予算補正に対する反対理由を申し述べることにいたします。
 その第一は、補正財源と減税措置についてであります。政府は補正財源として千五百七十二億円の租税の自然増収を計上し、それより所得税減税分五十八億円を引いた千五百十四億円を計上しておりますが、周知の通り、昭和三十五年度当初予算において二千百五十四億円という税の自然増収を見込んだのでありますが、伊勢湾台風の災害復旧費、治山治水事業の緊急実施のため減税はできないと説明されたのであります。しかるにどうでございましょうか。こつ然として千五百億円の自然増収を出して参り、政府が予算委員会に提出した資料によっても、今回歳入補正を行なわなかった揮発油税、これで八十億円、専売収入で五十億円の余裕財源がまだあることが明らかにされており、このほか補正された各税目につき私が詳細に検討してみました結論としては、今回補正増のほか最低六百億円以上の自然増収が出ることは確実だと思います。従って、当初からの対三十四年度当初比租税等の自然増収額は実に四千四百億円に上るわけであります。佐藤前大蔵大臣が本年度は減税ができぬと口実にされた伊勢湾台風復旧費は、高潮対策や緊急治山治水事業を含めて約七百億円でありまして、本年度予算外の自然増収額は実にその三倍であります。
 そこで私は、なぜそのような歳入予算の誤算が生じたかを問題にせざるを得ません。政府は、それはまず予算編成後、日本経済の発展が意外に大きかったせいに帰するかもしれません。私もかかる要素があることは認めますが、本年三月十五日予算委員会で高木慶大教授が、あの時点において、かつ政府の経済予測に基づいて、三十五年度の租税自然増収は二千百億円でなく、三千数百億円に達するであろうことを確言され、減税は三十六年度にできるとかできないという論議でなしに、三十五年度でやるべきであると公述されたことを想起するのであります。私は納税国民の名において、このようなずさんな歳入の見通しをやった政府当局を信用することはできません。今回の補正における歳入の見積もりも国民を愚弄するものだと言いたいのであります。この問題は本年度の税収が幾らになるかの当て事ではないのであります。わが党はこの事実に基づき、政府の減税計画の根本的修正を要求するものであります。政府は今回の補正と関連して、明年一月以降の所得税の臨時特例法案を提出したのでありますが、これはとりもなおさず昭和三十六年度のいわゆる千億減税の国会承認を求めているものであります。ところで、この減税案の骨子となっている税制調査会の答申の、本年度四千四百億円からの自然増収のあることを、大蔵当局より示された上で策定したものでありましょうか。税制調査会の基本的態度は、国民の租税負担は、国税、地方税を合わせ当初予算の二〇・五%より二〇%にまで引き下ぐべきだというのであります。本年度の国税の自然増収等を四千四百億円とし、地方税の自然増収も五、六百億円とするならば、国民の租税負担率は逆に対国民所得で二二%に達するかと思います。そうなりますと、税制調査会の減税答申は全く考え直さなければなりません。
 さらに調査会の減税案ですら過大であるとしてこれを削減縮小した政府原案は全く不当であります。私は、国民の租税負担の程度、従来の減税の経緯からして、要請さるべき減税の内容は、決して所得税や法人税の軽減にとどめるべきではなく、これまで直接税軽減の犠牲となった各種消費税、流通税等、間接税の軽減を断行すべき時期にきていると確信するものであります。さらに減税の均衡というか、納税力なき階層への減税という意味で、生活保護費、医療扶助、児童保護、母子手当、失業給付、社会保障費の引き上げが当然考慮されねばならぬと信じます。
 次に、歳出面について申し上げます。今回の補正は、財政法の規定します補正予算提出の要件をかなりはずれた経費を含んでおります。歳出の内容を分解すれば大体四つの部分からなっておりますが、第一の予算作成後に新たに発生した必要経費、第二の国の義務費、負担金の不足に基づくものは、これは問題はありません。問題があるのは、第三の財源の余裕と見合って計上されている経費と、第四の補正財源の構成いかんによって動く地方交付税交付金であります。この第三に属するものが補正額千五百十四億円の約半分と見られるのでありますが、その中には、中学校校舎増設費のような、本来は当初予算のときから想定されていた経費が要求されており、また過年度災害の補正増、伊勢湾高潮対策費の増加等も、本来は当初予算編成方針の欠陥に基づくものでありまして、そのとき勝負の政府の無為無策をまざまざと示しており、財政法違反と言わなければなりません。
 以上の観点に立って、さらに費目別に反対理由を述べたいと思います。
 その第一は公務員給与改善費でありますが、御承知の通り、公務員諸君は、現在不当にも団体交渉権、ストライキ権を奪われておりまして、人事院勧告はスト権にかわる唯一無二のものとなっております。しかるに制度発足以来今日まで人事院勧告が完全に実施されたことはほとんどなく、われわれの大いに不満としておったところであります。政府は口には人事院勧告の尊重を唱えながら、六年ぶりにやっと出された今回の勧告についても、これが完全実施をサボつたことは断じて許すことのできないところであります。これでは労使間の正常化は望めず、わが国行政水準の引き上げと円満なる運営は期待できません。まことに遺憾のきわみと言わなければなりません。政府は財源がないと言っておりますが、すでに指摘をいたしましたように、本年度内においてなお余裕財源を温存しておきながら、賃金引き上げの実施期日を一方的に十月一日よりとしたのでありますが、なぜ勧告通り五月一日より実施しないのか、理解に苦しみ、何としても納得できないところであります。わが党は、五月一日の実施をここに強く要求するものであります。また、給与引き上げの内容を見まするときに、引き上げ率平均一二・四%はあまりにも少なく、さらに最低最高の倍率は、はなはだしく格差が大きく、国会の修正によって、最低八百円が九百円に引き上げられたものの、課長補佐級の一五%、課長級の二一%、局長級の三一%、総理大臣の十万円七〇%の引き上げ率に比して、問題にならないのでありまして、公正妥当のものとは言えません。下級者の引き上げ率はわずか一一%で、物価事情、社会事情を無視した、あまりにも低過ぎるものでありますから、私は、下級者の引き上げ率の手直しを強く要求し、その財源は十分あることを指摘するものであります。また、今回の給与改定の予算では、公企体関係職員の給与改善費を全然見ておらないのでありますが、これら職員の給与水準は、その特性が無視されて、今日まで一般職の公務員とほぼ同等に置かれておりますことは遺憾であります。しかるところ、さきに平均わずか四%、八百円余の仲裁裁定がなされたことに籍目し、一般職の公務員より有利になっているという理由から、現実には今回の公務員一二・四%の引き上げによって明らかに不利となり、低位に置かれていることを無視して、何らの予算措置も行なわなかったことは、はなはだ不満であります。公企体職員は、おそらく実力をもって待遇上の不均衡を是正させるでありましょうが、その際無用の紛争を来たすとすれば、その責任はあげて政府にあることを警告しておきます。
 第二は、社会保障費の追加についてであります。これは総額百一億円でありますが、その九九%までが前年度の不足精算金、給与改定に伴う当然増でありまして、低所得者のための費用は、失対労務者の年末手当一億一千三百万円、生活保護家庭及び保護児童の年末手当八千五百万円、合計一億九千八百万円にすぎぬという驚くべきものであります。生活扶助者百四十五万人、保護児童七十三万人、失対労務者二十万人に対するものでは、一人当たりわずか平均八十数円にしかなりません。池田内閣は発足当時、社会保障優先を唱え、明年度予算では一千億円を社会保障費の増額に向けるなどの構想もあったようであります。その後、日を追うて社会保障優先の声は細くなり、三本の柱のうち、最も影の薄い柱になろうとしております。これではわが国の社会保障の水準はどうなっていくか、国民とともに憂えるものであります。厚生白書に指摘するごとく、企画庁案の倍増計画が完全に実現されたとしても、昭和四十五年度に至りまして、振りかえ支出の水準は現在の西欧の最低水準に達せず、社会保障に関するILO条約を批准し得るためには、昭和四十五年度に予想される一兆五千億円にさらに五千億円を追加しなければならぬとされているのであります。いな、そのような遠い先のことはともかく、現行の生活保護水準の非人間的低劣性、特に結核入院者に与えられる保護水準は、日本国憲法第二十五条に反するという浅沼判決に見られるごとく、まことに血も涙もない、冷酷無慈悲なものであり、全国民はあぜんとしているのであります。現行基準によりますと、一年間に一足のたび、一枚のパンツ、二年に一着のはだ着等々というのが、結核公費入院者に許される保護水準なのであります。このような状態が現に日本国じゆうに存在しており、被保護者、ボーダー・ラインの家庭を含めれば、二千万人を下らないと見られております。これら気の毒な国民の救済は焦眉の急務であり、わが党は、生活保護基準の抜本的引き上げを行なって、政治がこの人たちの上にあたたかい手を差し伸べるよう強く要求するものであります。
 その他、産業投資特別会計への繰入金百四十五億円、災害関係費等についても多くの意見がありますが、時間の都合で省略をいたします。
 以上述べて参りましたように、本予算補正はきわめて不十分かつお粗末なものであります。従いまして、わが党は衆議院段階において二千四百五十億に上る組みかえ案を提出し、給与改定の五月一日実施、上厚下薄の抜本的改定、年末手当〇・五カ月分の増額、石炭産業合理化に伴う炭鉱離職者対策、アメリカのドル防衛に伴う駐留軍離職者の就労対策、生活保護基準の引き上げ、中小企業への年末金融の大幅増額等々を強く要求したのでありますが、自民党と政府は数の力をもって、天の声、地の叫びであるわが党の要求を否決してしまったことは、まことに遺憾にたえません。本院は衆議院における愚を再び繰り返すことなく、満場の諸君のわが党の要求に対する御賛成を強く期待し、私の反対討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#86
○議長(松野鶴平君) 梶原茂嘉君。
   〔梶原茂嘉君登壇、拍手〕
#87
○梶原茂嘉君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま上程されております昭和三十五年度補正予算案二件に対し、賛成の意を表明するものであります。
 わが自由民主党は、過般の衆議院議員総選挙におきまして、長期的展望のもとに、高度の経済成長を基盤として、国民所得の倍増を期し、これと表裏して、各層各部門間の所得格差の減少均衡をはかる新たな政策を提唱し、当面これが柱として、減税、公共投資の充実、社会保障制度の拡充等を公約いたしたのであります。この政策は、国民多数の理解と多大の共鳴と熱心な支持をかち得たのであります。このことは、総選挙の結果の明白に示すところであります。もとより、右の政策の本格的な具体化は来年度予算に待つものではありますが、選挙直後のこの国会において提案せられました本補正予算案は、わが党の公約した線に沿いつつ、新政策の一端を実施するものであり、国民のわが党に対しての期待にこたえ得るものと確信いたすものであります。
 わが党の高度経済成長政策に関連し、社会、民社両党においても、その立場なり理念を異にするといたしましても、同じく高度経済成長の政策を提唱されましたことは、民主政治において一つの共通の場を展開したものであり、従前の野党の分配重点主義より
 一歩を進めたものとして私は敬意を表するにやぶさかでないのでありますが、世間の一部には、保守党の政策であるがゆ上えに、またそれが自由主義を基調とするものであるがゆえに、わが党の経済成長政策を無意味なもの、あるいは貧富の開きをかえって大きくするものと断じ、各層、各部門の所得格差を拡大するものと結論づけまして本案を批判する論議があるのでありますが、これは依然古い観念論にとらわれ、現実に目をおおうものであって、われわれのくみし得ないところであります。
 本補正予算案の問題の一つは、自然増収の把握すなわち歳入の見積もり方であります。補正予算案の計上額は千五百十四億余円であって、これはいうまでもなく過去におきましてその例を見ない額でございます。これに関しまして、年度当初の歳入見積もりが過小であるとともに、今回の見積もり自体もまた過小であるとの批判があります。もとより歳入見積もりの適確を期しますことの肝要でありますことは、だれしも異論のないところであります。単に、自然増収の評価が過小であるという想定と、従って支出計上額が過小であるという想定によって本予算案に反対することは、多数国民をして納得せしめ得ることはできないと私は思うのであります。今回の財源にかくのごときゆとりを生じましたことは、本年度の経済の上昇が、国民の努力精進の結果、当初の想定を大幅に上回ったことに基因するものと判断することが妥当であろうと思います。国民各位の創意と努力に対し、私は深く感謝をいたしますとともに、私は、現在の段階において本案に計上されておりまする歳入見積もりが適正であり、かつ妥当であることを信ずるものであります。
 第二の問題は、補正予算の性格に関するものであります。補正予算は、財政法上おのずから補正予算としての性格のあることは、これは申すまでもありません。単に財源があるからというので、あるいは単に必要があるとか、好ましいというだけでそれらを織り込むことのできないことは、これは申すまでもありません。従って、補正予算の性格にふさわしくない所論をもって本予算案を批判することは、当を得ないものと考えます。しかしながら、経済成長の急速な速度のために、当初の予測を越えまして自然増収が増大し、従ってこれを財源とする補正予算のウエートが著しく増大いたして参りました事情にかんがみまして、補正予算のあり方として、おのずからこれに弾力性を持たせて処理するということも、私は適当な策と考えます。その意味において、今回の補正予算において、公立中学校の校舎の建造対策として、臨時に財政法の特例法を設け、本来通常予算において措置すべきものを補正予算において処理し得る道を開いたのであります。私は、今回の措置を是認し、賛意を表するものであります。
 第三に、本予算案の主要なる内容についてであります。
 その一つ、国家公務員等の給与改善につきましては、民間給与との開きを是正してその均衡をはかるため、大体において人事院の勧告を尊重しつつ、財政上でき得る限りの予算措置を講じたものであります。所得格差の是正に一歩を進め得たものと私は考えるのであります。私は、この機会に、行政の簡素化と能率の向上につきまして、政府が格段の努力を払うことを要望いたしますとともに、公務員各位も、公僕として一そう国民の期待に沿うよう、精進せられることを深く期待いたすものであります。
 その二は、災害復旧費であります。今回の補正は、チリ津波その他の本年災のもののみならず、伊勢湾高潮対策を含めた過年災のものにわたるものでありまして、事業費の増高に対処して、その万全を期しつつ、災害復旧事業の促進をはからんとするものであります。数年来の災害復旧事業は、今回のこの措置によりまして、一そうその効果を期し得るものと考えます。
 その三は、公立中学校の校舎整備費が追加計上されたことであります。これは、三十六年度進学の生徒数の急増に対処するための措置でありまして、前段で述べたところでありますが、従来のごとく、当該年度の分は当該年度の予算で整備するという、あとから追いかけていくという方式を改めて、前向きに前進する姿勢をとったことでありまして、文教政策上意義のあることと信ずるものであります。
 その四は、社会保障関係費でありますが、生活保護費、児童保護費のうちに年末の一時金を計上していることは、歳末を目の前にいたしまして、これらの人々べの福音であり、金額はたとえ十分でないといたしましても、私は、本補正案全体に潤おいを与えるものと思うのであります。
 次に、財政投融資の面において、中小企業への年末金融対策をも考慮して、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工中金等に対し二百億円の投融資を行なうのでありますが、右のうち、商工中金に対しましては、産業投資特別会計からの二十億円の出資は、特に金利の引き下げを意図するものであります。今回の措置によりまして、来年一月より、これら中小企業の金融が、資金量の増大とともに、金利引き下げの一部が実現いたしますことは、中小企業の安定と向上の上に好影響をもたらすものと存じます。
 最後に申し述べたいことは、給与所得の源泉徴収額の軽減を明年一月から実施することとなっているのでありますが、これは、わが党公約の来年度一千億円以上の減税の先駆をなすものでありまして、国民に明るい期待と希望を与えるものと言い得ると存じます。
 以上、今回の補正予算案は、一面において財政上の原則を維持しながら、他面、高度経済成長政策を推進する明年度予算との関連を考慮しつつ、現在の時点における実情に即して編成されたものでありまして、きわめて緊要適切なものと考え、私は全面的に賛成の意を表明し、討論を終わることにいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#88
○議長(松野鶴平君) 松浦清一君。
   〔松浦清一君登壇、拍手〕
#89
○松浦清一君 私は、民主社会党を代表いたしまして、一般の政治外交等の問題につきましては来たる通常国会において十分意見を述べることとし、今回は、政府提出の本年度一般会計予算並びに特別会計予算の補正二案に限定して、反対の討論を行ないたいと思います。
 この予算案の第一の特徴は、租税の自然増収額が一千五百七十二億円も歳入補正として計上されているという点であります。この金額は本年度当初予算の歳入規模一兆五千六百九十六億円に対して一割に相当する巨額に上っているのであります。なるほど、本年の経済好況は、予想外に租税の自然増収があって、歳入予算の補正を行なうに至ったことは、それ自体はまことにけっこうなことであります。しかしながら、政府の歳入推定額が当初予算に比べて一割も誤差を生じるような見積もり違いは、政府当局の国家財政に対する不適確さを示すものであります。今回の歳入補正額一千五百億円のうち、せめて五百億円だけでも当初予算に計上されておれば、本年度の社会保障は一そう前進し、農林漁業や中小企業政策の面でも、もっと充実し得たのではないかと思うのであります。事実問題として、政府は今回の歳出補正において、公立中学校の校舎増設整備費を計上しているのでありますが、これらは当初予算において当然計上すべきであったのであります。政府が本年度の租税自然増収を一千六百三十億円程度と説明した点につきましても、私は大きな疑惑を持っておるのであります。大蔵省内部においてすら、最近の経済情勢をもってすれば、年度末までには、さらに二、三百億円近くの増収があるとの見方をしている者もあるのであります。すなわち、租税自然増収の総額は二千億円に達する見込みは十分にあるのであります。経済企画庁は、十二月十五日、第二回目の本年度経済情勢の見通しを発表いたしましたが、これによりますと、本年度の実質国民総生産の伸びは一〇・六%で、一月の閣議決定見通しである六・六%よりもさらに四%も大幅に上回っているのであります。大蔵省が十二月一日に発表した一千六百三十億円という租税自然増の推算は、このような経済見通しの修正以前の作業でありまして、生きた政治の生きた資料とは言い得ないのであります。
 私どもが政府案に反対する第一の理由は、このような納得のいかない租税自然増の見積もり、これに基礎を置く歳入予算の編成にあります。この案は、依然として官僚独善の財源秘密主義が根底に流れており、何らかの目的をもってこれを備蓄しているのではないかとさえ思われるのであります。わが党は政府に対し、本年度歳入の自然増収を正確に国民に公開して、今回の補正財源とし、少なくとも二千億円を計上すべきであることを要求するものであります。
 第二の理由としては、今回の政府案の特徴が、一千五百十四億一千六百万円の歳出補正のうち、公立中学校校舎整備費、産投会計への繰入金のごときは、財政法第二十九条の追加予算、予算の修正のいずれの項目にも該当しない項目を含んでいるという点であります。厳密に言うならば、現行財政法上では大きな疑義があると思うのであります。私どもの見解といたしましては、国の予算編成と執行の両面において、長期的な計画性を持たせていくためには、現行法の単年制度に再検討を加えるべきではないかと思うのであります。それは、継続費や国庫債務負担行為という機能だけではなく、補正予算における「予算の追加」という法概念をもっと活用すべきであると思うのであります。すなわち、租税の自然増収分は、年度内に当初予算の補強として使用し得る範囲をきめるべきであります。少なくとも、雇用機会の増加のため、また、社会保障制度や文教施設の拡充のためには、このような方針が許容されてしかるべきであると思うのであります。私どもは、この意味において、政府が計上した公立中学校校舎整備費四十億円を支持し、さらに、これに公立高等学校校舎整備費、特に世間の人々から忘れられている定時制高校校舎整備費として、三十億円を追加するよう要望いたします。
 また、歳出補正は、必要経費の計上だけではなく、予算の修正という意味において、不急不用額の減額も当然行なうべきであります。毎年度二百億円内外の未使用残額を生じている防衛庁費は、本年度一千四百八十億円という、戦後最高額が計上されている事実にかんがみ、最小限度に見積っても二百億円程度の削減は可能であると思うのであります。私どもは、この構想に立って、歳入補正額は二千億円を計上し、政府案よりも四百二十七億円を増額して、歳出補正額は、政府案より二百億円を減額し、これによって合計六百二十七億円をさらに歳出補正の新規増額に向け得ると考えるのであります。この六百二十七億円を、第一に公務員給与改善において、人事院勧告通り五月一日にさかのぼって実施することにし、かつ、公務員職務最下級初任給を一万円に引き上げ、さらに期末手当については、民間給与との見合いにおいて、さらに〇・一九カ月分を増額すべきだと思うのであります。これで歳出増加は三百二十億円となり、これの所得税べのはね返りが約三十二億円となるのであります。
 第二に、災害関係費については、歳出項目が、いずれも緊急竣工を必要とする事業であり、かつ、被害甚大地域の事業でございますので、国庫負担率を三分の二以上、平均四分の三に引き上げて事業完成を促進し、かつ、地方財政の負担を軽減するよう要望いたします。これで歳出増加はさらに八十億円を要するのであります。
 第三に、社会保障関係費については、不足額補てんだけではなく、低所得者対策費を積極的に増額し、まず公務員給与改善に準じて、日雇労務者の給与を一日平均五十円引き上げ、かつ、年末手当を四日分増額して十五日分に増額すること、並びに生活保護費については、年末に際しての一時扶助金を政府案よりも増額し、さらに対象人員を明年一月より最低五万人程度増員することを要求するのであります。これに要します歳出増加は約百億であります。
 以上に対して、さきに述べました公立高等学校校舎整備費三十億円の新規計上を加えまして、歳出増額は大体六百二十七億円となるのであります。なお、歳出補正、歳入補正はいずれも四百二十九億円の増額ということで均衡するものであります。すなわち補正可能と考えられる規模は約一千九百四十三億円となるのであります。このような可能を可能としない政府案には反対せざるを得ないのであります。
 なお、わが党が政府案に反対する第三の理由は、一般会計歳出補正に計上されている産投会計べの繰入金の使途についてであります。政府案は、この使途を輸出入銀行べの原資補強に充てておりますが、これは民間資金による補てんでもできないことはないと思うのであります。わが党は、この出資はぜひとも中小企業関係金融機関の原資補給に向けるべきであると思います。この意味におきまして、政府計上の百二十億円は、国民金融公庫と中小企業金融公庫にそれぞれ六十億円を出資するようにすべきであると思うのであります。政府が、当初予算においては財源の出し惜しみをしながら、その財源を補正予算において大企業向けの金融に充てるのは、論外のさたであると思うのであります。
 私は以上述べました諸点の理由をもちまして、この政府原案に反対をいたします。(拍手)
#90
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより両案の採決をいたします。
 両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#91
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#92
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案、
 総理府設置法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長吉江勝保君。
   〔吉江勝保君登壇、拍手〕
#94
○吉江勝保君 ただいま議題となりました行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案外一件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は衆議院において一部修正の上、当院に送付せられたものであります。
 まず、政府原案の改正の要点を申し上げますと、
 第一に、行政機関職員定員法の一部を改正して、昭和三十五年度における各行政機関の事業予定計画に即応して必要やむを得ない事務の増加に伴い、八千八人を増加し、一方、業務の縮小に伴い九百八十三人を減少し、差引七千二十五人の増員を行なわんとするものであります。その増員のおもなものは、科学技術の振興に伴うもの百九十三人、登記事務の増加に伴うもの百四十二人、貿易振興による税関事務の増加に伴うもの百三十人、国立学校の学年進行、学部の増設等に伴うもの九百十七人、郵便取り扱い業務量の増加に伴うもの二千七百四十六人、電気通信施設の拡充に伴うもの二千十一人、公共事業の増大に伴うもの三百七十一人等であり、また減員のおもなるものは、駐留軍提供施設等の減少に伴うもの七十五人、アルコール工場の払い下げに伴うもの百十二人、電信電話業務を日本電信電話公社に移管することに伴うもの七百五十一人等であります。
 第二に、法制局設置法の一部改正におきましては、事務能率を高め、審査立案の成果の一そうの向上を期するために、参事官二人を増員して、長官、次長を除く職員の定員を六十人にいたそうとするものであります。
 右の政府原案に対し、衆議院におきましては、地方自治法並びに関係法令の分も含めて、定員外職員のうち五千人の定員繰り入れの修正が行なわれました。
 内閣委員会は、小澤行政管理庁長官、池田科学技術庁長官、大平内閣官房長官、藤枝総理府総務長官その他関係政府委員の出席を求めまして、本法律案の審議に当たりましたが、その審議の中心となった問題点は、定員外職員のうち、その勤務の状況、職務の性質等が定員内職員と何ら異ならない者の定員繰り入れに関する問題と、目下政府部内においては、三十六年度より定員法を全面的に撤廃することを前提として事務的に検討の段階にあるとのことであるが、この定員法撤廃が、国会の審議権、公務員の数の規制、人事管理等の見地より見て、適当でありゃいなやの点でありまして、定員外職員の定員繰り入れの問題につきましては、小澤行政管理庁長官より、誠意をもって善処する旨の答弁がありました。なお、このほか、この法律案により増員の予定されている各行政機関の事務に関連して質疑応答が重ねられましたが、その詳細は委員会会議録に譲りたいと存じます。
 本日の委員会において質疑を終わり、次いで討論に入りましたところ、日本社会党を代表して横川委員より、次の附帯決議案を付して原案に賛成の旨の発言がありました。便宜、附帯決議案を朗読いたします。
   行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
  内閣委員会は、次の三点につき今後政府が十分検討を加え適切な措置をされることを強く要望する。
  一、政府は本法により定員外職員を定員に繰入れるに当り、その者の身分、職種のみによらず、その者の在職期間の長短にも留意して選考せられたい。
  二、本法により定員に繰入れられなかった残余の定員外職員についても、政府は速かに検討を加、え、その定員内繰入れが実現するよう予算上及び立法上の措置を講ぜられたい。
  三、郵政省に於ては、今回の改正を以ても猶業務の渋滞を来す恐れがあるので、政府は三十六年度に於て速かに業務量に見合う合理的な定員を確保し、以て業務の円滑な運営を期するよう善処せられたい。
  右決議する。
 次いで、自由民主党を代表して村山委員より、本法律案並びに附帯決議案に賛成の旨の発言がありました。
 かくて討論を終わり、本法律案を採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、横川委員提出の附帯決議案について採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。なお、本附帯決議につき、小澤行政管理庁長官より特に発言を求められ、本決議は適切なものであり、政府はこれを尊重して善処する旨の発言がありました。
 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 まず、本法律案のおもな改正点を申し上げますと、総理府にその付属機関として、新たに、内閣総理大臣の諮問に応じて、公営競技に関する現行制度に検討を加え、関係諸問題を調査審議するため、公営競技調査会を設置し、また、昭和三十四年四月に総理府に付属機関として設置された皇居造営審議会は、昭和三十五年三月三十一日をもってその存続期間が終了し、また、その調査審議も終了するに至ったので、ここにあわせてこれに関する規定を削除することの二点であります。
 内閣委員会は、小澤行政管理庁長官、藤枝総理府総務長官その他関係政府委員の出席を求めまして、本法律案の審議に当たりましたが、その審議において、各種審議会、調査会等の設置に関する政府の方針、公営競技の存否に対する政府の態度、公営競技と地方財政等との関係、委員の人選、皇居造営審議会の運用状況等の諸点につき質疑応答が重ねられましたが、その詳細は委員会会議録に譲りたいと存じます。
 本日の委員会において質疑を終わり、討論もなく、よって直ちに本法律案を採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#95
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#96
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#97
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 大蔵委員長報告にかかる、厚生年金還元融資による勤労者住宅建設促進の請願外十三件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。大蔵委員長杉山昌作君。
    ―――――――――――――
   〔杉山昌作君登壇、拍手〕
#99
○杉山昌作君 ただいま上程せられました請願十四件につきまして、審査の結果を御報告申し上げます。
 請願第六十四号は、厚生年金掛金の還元融資による勤労者住宅建設促進を求めるものであり、請願第九十三号は、たばこ小売人の手数料引き上げを求めるものであり、請願第百六十二号外一件は、昭和二十年進駐軍の指示による爆薬処理中に爆沈いたしました大神丸の損害補償を国に対して求めるものであり、請願第百八十六号は、葉タバコ収納価格の引き上げを求めるものでありまするが、委員会においては、慎重審議の結果、いずれもその願意おおむね妥当なものと認め、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#100
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#101
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。
     ―――――・―――――
#102
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 商工委員長報告にかかる水資源開発関係予算に関する請願外四件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。商工委員長剣太亨弘君。
   〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
#104
○剱木亨弘君 ただいま議題となりました五件の請願について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 商工委員会におきましては、付託された九件の請願について慎重に審査した結果、第四号、水資源開発関係予算に関する請願、第十五号、新潟市に東北電力火力発電所建設の請願、第二百号、四国地方開発事業費国庫補助等増額に関する請願は、いずれも願意を妥当なものと認め、採択し、また、第六十一号及び第百七十四号、消費者物価値上がり防止に関する請願については、部分的には若干の問題もありましたが、その趣旨をおおむね妥当なものと認め、採択し、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#105
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#106
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。寺
#107
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 内閣委員長報告にかかる、軍人恩給の加算制復元に関する請願外二十四件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。内閣委員長吉江勝保君。
   〔吉江勝保君登壇、拍手〕
#109
○吉江勝保君 ただいま議題となりました請願二十五件につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 内閣委員会は、当委員会に付託せられました請願二十七件を審査いたしました結果、そのうち、恩給関係の請願四件、公務員の寒冷地手当等の請願十八件、共済組合関係の請願一件、防衛関係の請願二件、以上二十五件は、いずれもその願意おおむね妥当なものと認め、院議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#110
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願は、委員長の報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#111
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。
     ―――――・―――――
#112
○議長(松野鶴平君) この際、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件についてお諮りいたします。
 本件につきまして、議長は、参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案を立案いたしまして、あらかじめ議院運営委員会に諮りましたところ、同委員会においては異議がない旨の決定がございました。本規程案は、議席に配布いたしました通りでございます。
#113
○議長(松野鶴平君) 別に御発一言もなければ、これより本規程案の採決をいたします。
 本規程案全部を問題に供します。本規程案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#114
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本規程案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#115
○議長(松野鶴平君) 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の案件について継続審査の要求書が提出された。
 社会労働委員会
  一、国民年金法中福祉年金の特別の支給に係る規定を除きその他の規定の施行の延期等に関する法律案(参第一号)
 議院運営委員会
  一、議院及び国立国会図書館の運営に関する件本日委員長から左の調査について継続調査の要求書が提出された。
 内閣委員会
  一、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査
  一、国の防衛に関する調査
 地方行政委員会
  一、地方行政の改革に関する調査法務委員会
  一、検察及び裁判の運営等に関する調査
 外務委員会
  一、国際情勢等に関する調査
 大蔵委員会
  一、租税及び金融等に関する調査
 文教委員会
  一、教育、文化及び学術に関する調査
 社会労働委員会
  一、社会保障制度に関する調査
  一、労働情勢に関する調査
 農林水産委員会
  一、農林水産政策に関する調査
 商工委員会
  一、経済の自立と発展に関する調査
 運輸委員会
  一、運輸事情等に関する調査
 逓信委員会
  一、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査
 建設委員会
  一、建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 予算委員会
  一、予算の執行状況に関する調査
 決算委員会
  一、国家財政の経理及び国有財産
   の管理に関する調査
     ―――――・―――――
#116
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 本件は、ただいま報告いたしました各委員長要求の通り決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって本件は各委員長要求の通り決しました。
 これにて散会いたします。
   午後六時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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