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1960/12/21 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 文教委員会 第3号
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1960/12/21 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 文教委員会 第3号

#1
第037回国会 文教委員会 第3号
昭和三十五年十二月二十一日(水曜
日)
   午後一時三十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           北畠 教真君
           近藤 鶴代君
   委員
           小幡 治和君
           杉浦 武雄君
           高橋進太郎君
           野本 品吉君
           岡  三郎君
           千葉千代世君
           豊瀬 禎一君
           柏原 ヤス君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   文部政務次官  纐纈 彌三君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
   文部省管理局長 福田 繁芳君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   調達庁不動産部
   長       柏原益太郎君
   大蔵省主計局主
   計官      新保 実生君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○継続調査要求に関する件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (当面の文教政策に関する件)
○公立の中学校の校舎の新築等に要す
 る経費についての国の負担に関する
 臨時措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○公立文教施設整備予算増額に関する
 請願(第五四号)
○信州大学医学部附属病院建設続行に
 関する請願(第八六号)
○熊本県の学校給食用牛乳の補助割当
 増加に関する請願(第一〇九号)
○特殊教育振興充実に関する請願(第
 一一〇号)
○特殊学校寄宿舎勤務職員の勤務条件
 改善等に関する請願(第一一一号)
○愛媛大学工学部の統合整備等に関す
 る請願(第二一一五号)
○日の丸の旗掲揚の法制化に関する請
 願(第二三一号)
○新潟大学教育学部校舎改築促進に関
 する請願(第二四七号)
○福岡県玄海町立岬小学校の防音施設
 施工に関する請願(第二四八号)
  ―――――――――――――
#2
○理事(北畠教真君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、委員長所用のため欠席いたしましたので、私、委員長の御指名によりまして委員会を主宰いたします。
 まず、継続調査要求に関する件につきお諮りいたします。
 本委員会は、かねて教育、文化及び学術に関する件につき調査を進めて参ったのでありますが、会期も切迫し、今会期中に調査を完了することが困難でありますので、この際、本院規則第五十三条によりまして継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(北畠教真君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 なお、要求書の作成、手続の時期などにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(北畠教真君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○理事(北畠教真君) 次に、委員長及び理事打合会の経過につき、御報告いたします。
 去る十五日及び本日の理事会におきまして協議いたしました結果、今日は、まず幼稚園問題に関する調査を進め、次に、かねて懸案となっておりまする板付等基地周辺の防音施設に関する調査を行ない、次いで、本付託となっております公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法を議題として、その審査を終了し、次いで、本委員会付託請願の審査を行なうことと決定いたしました。
 以上、理事会決定通り審査及び調査を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○理事(北畠教真君) 御異議ないと認めます。よって、さよう進めて参ります。
#7
○岡三郎君 委員長ちょっと。非常にいろいろな問題があるので、大体本日の文教委員会の終了のめどだね、議事進行のためきめておいてもらいたいと思います。ちぐはぐでいつまでたっても、やっているんだかわけがわからなくて、いなくなって最終的に法律案の採決ということになったときに――大体めどをどのくらいにおいてやるか。
#8
○理事(北畠教真君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#9
○理事(北畠教真君) 速記を起こして。
  ―――――――――――――
#10
○理事(北畠教真君) それでは幼稚園問題に関する件を議題といたします。
 まず、私より簡単に昨日の幼稚園問題に関する懇談会の経過につき御報告いたします。
 文教委員といたしましては、社会党から千葉委員、岡委員、豊瀬委員の御三人、自民党からは近藤委員と私、都合五人が出席いたしましたほか、調査室、法制局、それから文部省からも関係者の出席がありました。会議は午前十一時過ぎから約一時間余りでありましたが、昨日は第一回目のことでもありましたので、各委員を初め出席者一同から、幼稚園に関するあらゆる面からの問題点を率直に持ち出していただき、今後の会の進め方等について概括的にお話をいただきました。その結果、この懇談会は、やはり小委員会という形に切りかえて真剣に取り組み、結論を取りまとめる時期等についても、大体の目安を立てることが望ましいということに話がまとまりました。もし、小委員会が設置されましたならば、いたずらに理想にのみ走ることなく、現実の状況とよくにらみ合わせて、実現可能な問題から逐次解決させるようにし、次第に万全なものに育てていこうという建前から、とりあえず本日の委員会におきましても、文部省から幼稚園の実情と来年度の予算関係等についての説明を求めることといたしました。また、現場の関係者等からも十分に意見を徴する機会を設けるとともに、単に当面の給与問題のみに限らず、幼児保育に関する国の根本方針の確立と相待って、幼稚園の設置基準、学校法人と宗教法人の問題等をも含めて、無理のない方法で慎重にこの課題の解決に努力したいということが出席委員の意向でありました。
 以上が昨日の懇談会の大体の内容でございますが、次の通常国会が開かれましたならば、なるべく早い時期に小委員会が設置され、活発に動き出せますように委員各位の御賛成をいただきたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。
 それでは本件につきまして御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#11
○千葉千代世君 ただいま北畠委員から御報告がございましたが、長い間の懸案でございました幼稚園の問題が早くよい解決ができまするように、小委員会を設けて最善の努力をしたいと思います。つきましては、ここに幼稚園の問題の資料がございますが、「幼稚園の現状について」というのがございますが、これを拝見いたしますと、幼稚園の数とか、幼児の数、教員数がおもに載っておりますか、大体北畠委員の報告の中にございましたように、全般の予算、あるいは全国的な給与の実態とか、採用上の隘路とか、教育の内容等、その他ごく概括的でけっこうでございますが、当局の説明をいただきたいと思います。
#12
○政府委員(内藤誉三郎君) お手元に差し上げました資料の中に、「幼稚園の現状について」とございますが、この中で全国の幼稚園数、そこに就学しております幼児の数、教員数などが出ております。それから第二表の方は、都道府県別に幼稚園数と幼児数、それから小学校第一学年就学者中の幼稚園修了者の割合が出ております。ごらんの通り、幼稚園の就学率は各県によって非常にまちまちでございまして、最高は香川の七七%から、最低は長野県の六・三五%と、非常な開きがありまして、全国平均は二八・七四%、約三分の一が就学している、こういうふうに見ていただいてけっこうだと思います。
 幼稚園は、御承知の通り、学校教育法第一条によって定められた学校の範疇に属するものでございます。そこで教育内容につきましては、小学校の基礎でございますので、保育要領というものがございまして、その保育要領によって指導目標が定められているわけでございます。ただいま小中学校の教育課程の改正と関連いたしまして、幼稚園の保育要領についても検討をいたしたいと考えているわけでございます。特に幼児のしつけという点に重点を置いて考えて参りたいと存じます。
 それから施設の状況でございますが、施設につきましては、第一表にございますように、国立、公立幼稚園がございますが、公立の方が二千四百五十九、私立が四千五百六十一と、約倍でございます。公立の方は主として市町村で建てられたものでございます、若干国のものもございますが。
 それから幼稚園につきましては、御承知の通り、設置基準が設けられておりまして、その基準は施設、設備から教員の組織、そういうものにつきまして設置基準が設けられております。この水準に満たないものは、できるだけ早い機会に基準に引き上げるようにいたしているわけでございます。公立の方は大部分が水準に近いのでございますが、私立の場合にはなかなかこの基準に到達いたしかねておりますので、文部省として、私立の幼稚園につきましては、国庫補助を来年度予算でも要求をしております。管理局の方から五千七百万円ほど五年計画で五〇%から七〇%まで引き上げるということで、施設費の私立の幼稚園に対する補助金を要求しているようなわけでございます。
 それから教員の給与でございますが、公立学校におきましてこれは市町村の負担でございますので、大体都市の幼稚園の給与は、大体市吏員並みでございますので、全体としてそう問題はなかろうかと考えております。町村の場合になりますと、町村吏員が一般に低いのでございまして、特に町村の幼稚園の給与が小中学校の教員に比較しますれば、非常に悪いということは私どもも認めているところでございます。これの改善策といたしまして、地方財政を充実する方法として交付税の単位費用をできるだけ引き上げたい。交付税の単位費用は御承知の通り高等学校、小学校、中学校、その他教育費となっておりますので、幼稚園の経費はその他教育費の中に一括入っております。人口十万のところで大体四百万程度見込んでおるわけでございます。ただ先ほど申し上げましたように、町村財政が非常に苦しいもので、町村吏員との均衡の関係から町村における幼稚圏の教員の、先生方の給与が小、中学校に比べて低い。これを何とか改善するように文部省も機会あるごとに指導もいたしておりますが、なかなか思うように改善されていないというのが現状でございます。
#13
○千葉千代世君 ただいま御説明の中にございましたように、一つの例で申し上げますと、給与などを見ますというと、なかなかこうでこぼこがございますので、そういう問題等も含めて小委員会が設立いたされましたならば、その場で十分審議したいと思いますから、よろしくお願いいたします。
#14
○野本品吉君 ついでに伺っておきますがね。従来問題になっております宗教法人の設置しております幼稚園の数、これはどのくらいありますか。
#15
○政府委員(内藤誉三郎君) 今調査中でございますので、あとで御連絡いたします。
#16
○野本品吉君 それから最近園児が著しく減少しておる。そういう傾向から廃園というか廃止というか、そういうものが出てきておりますが、この傾向は幼稚園問題を考えていく上において必要なことだと思いますが……。
#17
○政府委員(内藤誉三郎君) 一時大へんベビー・ブームのときに、これは、幼稚園もたくさん増設されたわけですが、最近子供の数がだんだん減少しておりますので、最近ではむしろ各幼稚園とも幼児の奪い合いというような状況になって御指摘のような事態が起きていることも聞いおるわけでございます。ただ、何園が廃園になったかということは今私ちょっとここに資料がございませんので……。
#18
○野本品吉君 それでけっこうです。
 もう一つ、幼稚園の教員の数、教員ですか、いろいろ資格等があるわけですが、大体において有資格、無資格といいますか、それの数はわかりませんか。
#19
○政府委員(内藤誉三郎君) 有資格者が六割でございます。人体短大卒が多いようでございます。高等学校卒の者も町村には多いようでございます。
#20
○野本品吉君 はい、けっこうです。
#21
○岡三郎君 このデータは幼稚園ですね。で、託児所あるいは保育所というか、この設立状況とあわせて見ないと各都道府県の実態が出てこぬと思うのですよ。非常に文部省の方で幼稚園という問題について問題がむずかしいというのでほうっておくというと、託児所あるいは保育所、一体どっちの方が教育的に見て望ましいのかということをいえばはっきりすると思うのですが、まあ手の伸ばし方が不十分だというと、幼稚園の方は減っていって保育所なり託児所が非常にふえていく。まあいわゆる間に合わせですね。ほんとうのいいところもあるけれども、そういうようなところも考えてみてそれも一つ。これは厚生省の方になるかもわからぬが、あなたの方で相対的に比較をする必要があると思う。それを一つデータとしてお出し願いたいと思います。
#22
○政府委員(内藤誉三郎君) 御指摘の通りでございまして、実は目的から申しますと、これは幼児の教育をするものが幼稚園でございまして、保育所はあくまでも保育に欠くる者を入れるという建前でございますので、明確に目的上分かれておるのですが、町村へ参りますと、保育に欠くる幼児だけでは数が足りませんので、勢いそこに一般の子供も入ってくると、こういう点で幼稚園と保育所というものが競合しておるということは実でございます。そこで、御指摘のように保育所の数とかあるいは保育所に携わっておる従事員の数及びその保育児童数というようなものを各県別に資料を提出したいと思っております。
#23
○理事(北畠教真君) 他に御発言もないようでありますので、本件に関する質疑はこの程度にとどめたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○理事(北畠教真君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#25
○理事(北畠教真君) 次に、板付基地周辺の防音施設に関する件につき調査を進めます。
 質疑の通告がございますのでこの際発言を許します。豊瀬君。
#26
○豊瀬禎一君 前回の委員会におきまして、基地周辺の校舎の防音等について、五点にわたりまして質問をいたしておりましたが、まず最初に基本的な問題として大臣にお伺いいたしたいのは、今日まで調達あるいは大蔵省等と折衝していただいたと思いますが、全体の防音工事を、私はできれば一年間で完成してもらいたいという要望をいたしましたが、大臣の方はできれば三年くらいでなし遂ぐべき問題であろうと思うという趣旨の御答弁になっておりましたが、大蔵あるいは調達に対する文部省の考え方、その後のこの問題に対する文部省のとってこられた措置について御説明をお願いいたしたいと思います。
#27
○政府委員(福田繁君) ただいまの問題でございますが、当委員会におきまして大臣から御説明もございましたし、できるだけ短い年月をもって現在の学校の防音装置を完了いたしまして教育に支障のないようにしたいということは私どもかねがね念願いたしておる次第でございます。しかしながら、現実の問題としてはやはりいろいろな制約がございますので、私どもの希望が必ずしも百パーセント達せられるというわけには参りませんが、再々調達庁あるいは大蔵省等と協議をいたしまして一応全般的に現在まあ考えられておりますのは、大体六カ年計画でこれを完了したい。こういうようなことでございまして、私どもとしてももう少し縮めたいという気持は持っておりますけれども、これはまあ調達庁の方のいろいろな御事情もありますし、従って現在まあ調達庁、それから文部省との間に一応計画されておりますのは六カ年ということでございます。
#28
○豊瀬禎一君 前回もその被害状況につきましてはかなり詳細に報告いたしましたし、また文部省、調達、大蔵等もあるいは実地に調査され、非常に努力していただいたようですが、ここであらためて申し上げるまでもなく、現に具体的に学力低下という状態を来たしておるわけです。それを大蔵省が言うのならやむを得ぬという言い方は少しおかしいと思うのですが、文部省自体が一番おそくかかるのを、六カ年問も放置すると申し上げて差しつかえないと思うのですが、長い時間をかけざるを得ないという考え方がそもそも私はきわめて、何といいますか、この問題に対する取り組み方の基本態度が間違っていやしないかと思うのです。今現に被害を受けている一年生が卒業するまでの間にもかなり多くの学校は完成を見ない。しかもF102あるいは現在までの機種の変化を見ましても、また現在の航空技術の発達速度からいたしましても、六カ年の間には既存の防音工事すらも、あるいはこれが役に立たなくなるという事態も考えられると思うのです。やはり私としては少なくとも三年以内に、できれば一、二年間の間にこれは完成すべきだと思うのですが、文部省は、当初から六カ年計画という考え方に基づいて折衝されたのか。私は話し合いの結論でなくして、文部省の調達庁、大蔵省に折衝された基本態度をもう少しお聞きしたいと思うのです。
#29
○政府委員(福田繁君) 文部省といたしましては、ただいま申し上げましたように、少なくとも三年ないし四年くらいでこれをやりたいという考えは持っておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、結果的には六年になっておりますが、その中でも、私はまだ進め方によりましては、もう少し縮まるのではないかというような考えをいたしておりますので、この点につきましては、調達庁あるいは関係のところともう少し御相談をいたしまして、できるだけ短い期間にこれを完了したい、こういうように考えておるわけであります。
#30
○豊瀬禎一君 一応三年ないし四年ということですが、その目安を立てられた際に、一つの基準があったろうと思うのですが、前回も申し上げました通り、フォンで言えば、たとえば百フォン以上のところは次年度でやってしまう。九十五フォンからそれまでの間のところは三十七年度にやる、こういう一つの水準があったろうと思うのです。たとえばフォンで申しますと、その他飛行場の滑走路からの距離等の計算があったろうと思うのですが、いずれにしろ何らかの基準で一応の案を立てられたと思うのです。それと同時に、生徒中心に考えていきますと、文部省の方におきましても全体の該当児童数というのもわかっておると思うのです。その際三年か四年で立てられたか、はっきりわかりませんけれども、その調達庁と折衝された際の一年次目、三年次目というそれぞれの年次に対する該当児童数を御説明願いたいと思うのです。
#31
○政府委員(福田繁君) その該当児童数につきましては、ただいま私資料を持っておりませんけれども、要するに考え方といたしましては、飛行場の滑走路からの距離あるいは滑走路に対する位置、それからお述べになりましたような騒音の程度、そういうものをもちろん基準にいたすわけでございますが、要するに今の調達庁で考えられております案につきまして、少なくとももう少し速度を早くするという考え方で私どもは臨んでおるわけでございます。一年次に生徒数は幾ら、二年次に幾らということは出るかもしれませんけれども、そういう考え方よりも、少なくとも倍くらい今の速度を早くするという、むしろ校数を多くするという方に重点を置いているわけでございます。
#32
○豊瀬禎一君 三十五年度までにかなり多くの鉄筋ないし木造の防音施設ができておりますが、鉄筋、木造両方合わせての三十五年度までの該当児童数並びに三十五年度から一応昭和四十一年度までとしての該当児童数を掌握しておられると思いますが、御説明願いたいと思います。
#33
○政府委員(福田繁君) その生徒数は現在持っておりませんので、後ほどまた調査いたしまして御連絡申し上げたいと思います。
#34
○豊瀬禎一君 私は、該当児童数ですね。これの掌握ができていないというところに、この問題に対する文部省の熱意不足というものを感ずるのです。前回もたびたび申し上げましたように、おとなでさえもかなりの心身ともに影響を受けているのに、幼児あるいは小中学校の生徒が六カ年間も百フォン以上の騒音の中に放置される、それが何万という数に上っている、こういう事態を的確に把握していただけるならば、おそらく文部省の態度としては、予算の問題にかかわらず、もっと短い具体的な完成計画が立てられて、調達、大蔵省と折衝できたと思うんです。これが大臣の御答弁で、三年間で仕上げてみたいという決意であったにもかかわらず、一応六カ年間に結論がなったということは、私は大蔵省等の予算関係もさることながら、文部省自体に現実把握の不備があったんではないかと思うんです。生徒数が今そこに資料がないという意味でございますか、それとも該当生徒数を把握した後に完成年次計画を文部省自体で立てられたのですか。
#35
○政府委員(福田繁君) 現在該当学校についての生徒数をここに資料を持っておりませんので後刻……。
#36
○豊瀬禎一君 大臣に再度この問題に関して御決意をお伺いいたしたいと思います。御承知の通り、基地の騒音については、大臣も体験しておられると思いますので、現在調達庁から出されました資料では、一応昭和四十一年度までの六ヵ年間で完遂したいという御意向ですが、いわゆる教育という立場に立って、今後これをもっと早めていくかどうかという点に対して基本的な大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#37
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この前の委員会で、豊瀬委員から非常に御熱心な御質疑がございまして、できることならば三年以内くらいに一年でやれというお説のようでございましたが、実際問題として三年くらい待っていたかかなければという気持を申し上げましたことを覚えております。そういう考え方で事務当局にも指示いたしまして、これまで折衝してきたわけでございますが、正直のところ、この一々折衝の状況を私自身が押えるということができませなかったために、結果が今御報告したようなことになったことを私も最近承知したようなことで、不勉強のそしりを免れませんけれども、依然として気持としましては、できるだけ早き期間内に、三年と申し上げたことが四年にならざるを得ないことをはなはた遺憾に思いますけれども、今後さらに熱意をもって、可能な限り今後なお折衝の余地がありとするならば、それもまた考えあわせつつ努力したい気持があることだけを御了承をいただきたいと思います。
 なお、当然一種の補償施設としてなすべき事柄を逃げるわけじゃございませんか、老朽校舎等がございますれば、老朽校舎の整備という形ででも、もし現地の自治体関係が事情が許せばそれもあわせて考えてでも幾らかでも早めるということを努力をせねばならないと考えておる次第であります。
#38
○豊瀬禎一君 もう一つだけ基地の問題に関して管理局長に対してお尋ねしたいのですが、次年度の予算一兆九千億とかいわれておりますが、一応それを前提といたしまして三十五年度の予算に対する三十六年度の予算の伸びと、それから文教予算の同様の伸びと、それからこの防音工事に対する同様の比較、三十五年度と三十六年度、これを御説明願いたいと思います。
#39
○政府委員(福田繁君) 全般の予算についての文教予算の伸びその他につきましては、今資料ここへ持っておりませんので、後ほどお答え申し上げたいと思います。
#40
○豊瀬禎一君 前回も申し上げました通り、国の総予算あるいは文教予算はかなり伸びを示しておるようですし、また積極的な施策をやりたいという大臣の御見解のようでもございますし、これを一応の結論と見ていただかないで、先ほどの大臣の御見解通り最小限度これを短縮するという考え方でなくて、もう少し文部省自体として、文教行政の一つとして、現在の状況の中から一応の基準を作っていただき、二年ないし三年程度の期間の中で基地周辺の防音工事ができるように具体策を立てていただいて、完成が一日も早くできるように努力をお願いいたしたいと思うのです。
 次に総合調査の問題でお尋ねいたしますが、この問題につきましても理由は前回もいろいろと申し上げましたが、やはり何と申しますか、基地周辺の住民全体に対する問題もありますし、単に義務教育関係だけでなくして医療機関あるいは幼稚園等、その他いろいろなところに諸影響を与えておると思います。で、当然これは今日までに総合調査がなされ、その結論に基づいて具体的な施策が行なわるべきであったと思いますけれども、断片的には二、三行なわれておりますけれども、人心に与える影響とか、あるいは魚類その他の家畜一般、全般にわたる権威ある総合調査が必要だということは論を待たないと思います。この問題につきましても前回強く要望いたしておきましたが、調達庁の方にお尋ねいたしますが、総合調査の実施に対する経緯と、さらにそれに対する予算要求等について概略御説明をお願いいたしたいと思います。
#41
○説明員(柏原益太郎君) ただいまお尋ねの総合調査の件でございますが、たとえば養鶏に対して飛行機の騒音がどういった影響を与えておるかということにつきましては、本年度予算を差し繰りまして九州大学の農学部の教授に調査を委託して目下調査中でございます。その他基地周辺の住民に対する人心の被害、あるいは魚類に対してどういったことが影響を与えるかといったような総合的な調査につきましては、調達庁といたしまして十分その必要性を認識いたしまして、来年度概算要求におきまして、こういった総合調査費といたしまして約二千万円の要求をいたしております。来年度幸いその予算がつきますれば具体的な総合調査をいたしまして、その結果に基づきましてその被害に対する対策を樹立して指示していきたい、かように考えております。
#42
○豊瀬禎一君 一見この問題は厚生業務に属するように見えますけれども、今おっしゃいましたように、やはり基地行政の一つとして当然調達庁で具体的な対策をもっての総合調査でなければならないと思うのです。こういう点に対して総合調査費用だけ要求するということでなくして、総合調査の内容並びに対策ですね、これが一応予定されておるかどうかをお聞きしたいと思うのです。
#43
○説明員(柏原益太郎君) 対策の方は来年度総合調査をいたしまして、この総合調査も非常に医学的な、あるいはその他専門知識を要する調査でございまするので、それぞれ専門の機関に委託するというような方法で調査を進めていきたい、かように考えております。その結果を待ちまして具体的な対策を立てて参りたいと、かように考えておるわけでございます。
#44
○豊瀬禎一君 次に第三点といたしまして、電気料の問題についてお尋ねいたしたいと思います。
 これも前回申し上げました通り、鉄筋で非常に完備した防音工事が行なわれておるのはありがたいのですが、暑気の最も激しいときなんか、電灯料が、地方自治体の予算のために、一応ワクがありますために、夏でもある一定の時期には、きょうは電気が動かせないという状態が生じております。板付の小学校においても、行って参りましたときにも電気は動かせない、従って換気装置ができない、暑いために防音工事をしてもらっておりながら窓をあけて授業をしておる、こういう現象が随所に起こっているわけです。これもやはり動力と申します、電力料というものは、防音の設備をするそのために室内換気はどうしても衛生上からやらなければならない、そのための費用ですから、端的に申しまして動力料、電灯料というものは防音施設の一環であると判断して差しつかえないと思う。これに対しましても昨年の九月にも同様の質問をし、大蔵、調達ともに御理解ある態度をとっていただいておったのですが、現在調達庁としてはこの問題に対してどの程度措置が進んでおりましょうか。
#45
○説明員(柏原益太郎君) ただいまお話の通りに、鉄筋コンクリートの建物でございますと相当の電力量を使いまして、ファンを回す、そして換気をするというわけでございますが、特に動力線からとりましたものにつきましては、電力料金がかさむということは事実でございます。ただいまお話の通りに、防音工事に関連しての経費の増高であるというふうに私の方も考えまして、来年度これに要する補助金として大蔵当局の方へ予算を要求いたしております。
#46
○豊瀬禎一君 次に鉄筋防音工事化の計画について、同様調達庁にお尋ねいたしたいと思うんですが、教育行政としての基本的な考え方、態度につきましては、先ほど文部当局にお尋ねしたんですが、率直に申し上げまして、昭和四十一年までの六カ年計画というのは、予算という点からすると、いろいろの理由がつけられると思いますけれども、被害を受けておる生徒、児童がそのまま放置されるという教育的な問題から考えますると、非常に当該児童にとって過酷な年限だと思うんです。で、文部当局としてはできるだけ短い期間にやりたいというお考えですが、調達庁が一応昭和四十一年までという六カ年間を設定された考え方ですね、それについて御説明願いたいと思うんです。
#47
○説明員(柏原益太郎君) 飛行場、基地の周辺の学校教育に対して騒音のために非常に教育の効果を停滞させておるということは十分に認識いたしておるわけでございます。調達庁といたしましては、年々これに対しての予算はできるだけ多く取るということで努力して参っておるわけでございますが、ただいまのお話の通りに調達庁といたしましては今後六カ年の間に防音工事を完了するという計画を立てざるを得なかったのは、従来の獲得いたしました予算の実績からしまして、今後もちろん十分な努力はいたしまするが、この程度ぐらいの予算で毎年々々実行するとすれば、やはりどう見ても六年はかかるだろうと、そういったことから六年という完了期間を予定しておるわけでございます。
#48
○豊瀬禎一君 重複になりますけれども、やはり従前の予算の実績ということからこのことが進められて参りますると、長く事態が放置されるという結果になると思うんです。だから私前回も特別法でも作って、早期に完成する必要があるんじゃないかという見解を述べたのですが、少なくとも、くどいようですけれども、一時間のうちに多いところは十五分程度の授業が行なわれないといという現象を御承知の上で、六カ年間、従来の予算実績から進行していかれるというのは、あまりにも気長過ぎると思うんです。で、やはり文部省の考え方のように新たにこの問題を調達庁としては大きく考えていただいて、もっと予算を獲得することに努力していただいて、期間を短縮していただきたいと思うんです。具体的に何年ということは現時点では御答弁むずかしかろうと思うんですが、基本的なお考えを承りたいと思うんです。
#49
○説明員(柏原益太郎君) ただいま申しましたように、従来の予算実績を勘案して六ヵ年というふうに一応考えておるわけでございます。しかし、この六カ年というのも相当の努力をいたしまして六ヵ年というふうに一応考えておりますので、できれば今お話の通りにこの六カ年という目標を短縮して参りたいと考えております。しかし、まだ相当の経理をつぎ込まなくては防音工事の行われておりません学校を消化することができないわけでございまして、今後の予算獲得につきましては、今お話の通り全力をあげて努力をいたしたいと考えております。
#50
○豊瀬禎一君 大体お考えはわかったのですが、出されました資料でも、いわゆる鉄筋関係四十億、その他医療施設、幼稚園等に充当する予算を全部概算いたしましても、いわゆる騒音防止の施設としては百億をこさないと思います。特に、住民に対してもそうですけれども、義務教育を受けておる生徒が、国の一つの政策によって直接的な授業が行なわれないという被害が起こっておること、そうして学力も低下し、心身ともに、発育期の児童に障害を与えておるという事態を御承知でありながら――相当の努力をしていただいたことはよくわかるのですけれども、一番最後にでき上がるのは六カ年間、これはどうしても私納得できないのです。そうしてたびたび申し上げるように、六カ年の間には基地の改変は当然予想されることです。板付基地の司令官も、間もなくもっと爆音の強い102ですか、これが入ると言っておりますし、旋回径も大になってくる。そうすると、当然新たな防音施設の必要なものがこの計画以外の学校に生じてくると思います。そうしてこれは単なる予想ではないと思いますけれども、かつて木造の防音工事をしていただいたのがわずかの期間に無効となって、これを鉄筋に根本的に改築された実績もあるはずです。こういった点を考えますと、六カ年の歳月というのはあまりにも事の重要性に比べて長過ぎると思いますが、もう一度調達御当局としてはいろいろ苦心していただいたとは思いますけれども、これを短縮していくという方向に立って御努力をお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。
#51
○説明員(柏原益太郎君) 調達庁といたしましても、今お話のございました点を十分期待に沿いますように努力いたしたい、かように考えております。
#52
○岡三郎君 関連して。ちょっと私聞きますが、板付の問題も大きい問題だし、テレビで横田の問題が取り上げられておるし、近くは立川の飛行場の問題、神奈川県においては厚木、大和の問題、あるいは東北に行って三沢の問題とか、芦屋の問題いろいろとあります。そういう中で、私は先般各地を回ってきましたが、やはりプロペラからジェット機に変更されてきた航空時代において飛行場の新たなる建設というのはどこにおいても緊急の課題として考えられるところの問題であります。どうしても都市の周辺に置いてはだめだというので、どこの飛行場においても新設される飛行場というのは八十キロから百キロぐらいの速度で一時間ぐらいかかる所に大体竣工されるだろうというのが、これは最近における一つの傾向だと思いますが、やはりこそくな手段ではなくて、抜本的にやはり年々歳々都市は拡張されていくわけですから、ですからこの人口増という問題と経済の伸張、所得の倍増、総合的に考えてみた場合に、とにかく無理がだんだんだんだんとこれは高じていく問題ではないかと私は考えるわけです。で、特に都会のまん中に飛行機が落っこってみたり、いろいろな問題が起こってきている状態の中において、この航空機の今後の発達にかんがみて、飛行場の建設とか、あるいは現状におけるものの改変とか、いろいろな問題について、これは文部大臣直接ではないけれども、閣僚の一人として、やはり国家的に考えてみて、新飛行場の建設なり現状の問題点をとらえて、そういうふうな問題について根本的にやはり今からでも討議しておかないと、問題は解決できない私は問題に到達すると思うのです。今の都内の自動車の問題がしかりです。これは五、六年前はわからぬ、ふえるだろうとみんないっておりながら、とうとうここへきて、今度はオリンピックという問題で今非常に困っておる。もうわれわれは都内の中においては朝急ぎの用は間に合わぬ、今の新道交法によっても抜本的な解決にならぬということはだれもよく知っておる通り。当面糊塗しつつ、いろいろ道路計画をやりますが、非常に大きな問題に発展していきながら、うんと金をかけて結局十分なことができぬ。こういうことを考えたときに、一つこの航空機時代と飛行場、都市工業の発展、こういうふうなことを考えて、総合的に一つ抜本的な、これこそ抜本的な考慮を自衛隊なりあるいはアメリカ軍当局に対しても、日本の国是として一つお考えが願っておかないというとこれはおそいのじゃないか、私はそういうふうに諸外国を回って考えてきたのですが、文部大臣の所見、あなたもどこか回ってきたと思いますから、一つ聞きたいのです。
#53
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今の問題は、私は岡委員の今の御発言とことごとく同感でございます。私も数年前アメリカ、ヨーロッパ等ちょっと回ってきたのですけれども、ニューヨークあたりでも、もう飛行場のあの騒音が何ともならない、ことにまた飛行場のみならず、飛行機の往来する数が多いものだから、第一に飛行場そのものをよっぽど遠隔の地に移転せなければなるまいという話もあることを聞いて知っておりますが、ロンドンの昔のフロイドンの飛行場はジェット時代になってもうどうにもならぬので、すでに引っ越しをしておるようですけれども、日本のみならず諸外国の先進国でもプロペラがジェットに変わるテンポが早過ぎたと申しますか、それに応じ切れないでおる共通の悩みを持っておるようですが、御指摘の通り、今後のさらに急速な進歩発展も予想されるわけでございますから、一文惜しみの百失い的にならないように、道路舗装にしましても軽便舗装にしても、格好はいいのだが結局は何べんもやって損をしておると、しろうと考えながら思いますが、そういうことになりませぬように、お説のような線で政府として十分今から考えて、文字通り抜本的な考慮のもとに措置すべき事柄と心得ます。
#54
○岡三郎君 その点については、だからそのつどつどの現地における基地の拡張ですね、この問題は単に軍事基地の問題のみならず、その小規模の現存の基地を拡張することによって、抜本的な考え方がないのだね。移っていけないのですよ。こそくな手段でいかざるを得ない状態にあるかもわからぬけれども、あるときは抜本的な方向に移行せざるを得ない、いわゆる糊塗的な手段ではいけなくなる、そういうときを考えてみて、やはり今言ったように、基本的に考えた方が経費としても早く手をつければ安くいけるし、それから抜本的な解決になるというように、私はこれたけは今の航空機時代においては焦眉の急じゃないか、自動車の問題で今ここにくっついてきておるのですから、これは一つ学校の騒音という問題ともあわせて御推進願いたい。
 それから調達庁の方にお伺いするのですが、ここに年度計画、今豊瀬さんが発表されました。しかし、六カ年計画では来年一年に上がった者は六年間卒業するまで悩まされる、これではだめです。ですから、私はもしもこの予算が、あなた方だけでは無理だと思う、だから調達庁、文部省、その他から、大蔵省もきておられるかもしらぬけれども、大体大蔵省の役人というのはこういうことを知っておっても知らぬ顔する名人だから、いいかげんなことでは容易に完成するものではないです。お互いお互いの場でいろんなことを言い合っておっても解決できないと思っておりますが、この計画のある学校、明年から三十九校、六年で割ると六校です。これでは航空機時代の発達に伴って全く、三十四年四校、三十五年五校で、六校とちょっと強です。三十九校で。これでは航空機の増強に対してこれはとっても、こんなことでは間に合わぬと思う。あなた方の考え方を変えてもらわなければならぬ。
 それからもう一つは、ここにあるように、四〇%か六〇%かあるが、総合調査をすみやかにやって、どこの学校でも被害が同じなら、政治的にあまり考えないで、どこの学校もとにかく一年、二年、三年は悩まされるけれども、四年以降は何とか騒音からのがれたというふうに公平の原則をやらぬというと、子供はかわいそうです。ですから、やはり少し不経済であっても予算をとることが第一、とれなかったらその予算を各校に同一被害者は均霑して、とにかく二棟なり一棟を作って、三年間は悩まされる、三年間だけはどこの学校でも子供を救ってやるという基本的な立場に立たないと、ある学校は早く建ったが、ある学校は六年間据え置きだ、これでは義務教育が泣きます。調達庁どうですか、この計画は私はいかぬと思う。
#55
○説明員(柏原益太郎君) ただいまのお手元に差し上げております表の三十九校というのは、これは鉄筋化をいたしまする学校でございます。そのほかに木造のままで防音装置を施すものが三十六年度以降に約百四十校予定しております。これも鉄筋化の防音装置とあわせてやるわけでございまして、ここの表はただ鉄筋化のやつたけを掲げておりますので。
#56
○岡三郎君 そうすると、これもやはり弥縫策で損をする案ですね。百四十校はこれはやっても、やがては数年出ずしてむだになります。今の状態から推移すれば。
#57
○説明員(柏原益太郎君) 調達庁といたしましては鉄筋化を要する範囲というものを、一応102ないし104というようなジェット機を想定いたしまして、その騒音度から、飛行場の滑走路の両側から二キロという範囲にわたりまして線を引きまして、その範囲に入りまする学校、これは鉄筋化でやろうということで、ここに計上しておるのがそういったものでございます。その他の区域におきましては、騒音の測定の結果、木造の校舎のまま今の技術で騒音が軽減できるという立場から計画を立てております。
#58
○岡三郎君 これは実情調査をして、あなたにまた申し上げなければならぬと思うのだが、航空機は年々歳々減ることはないのです。どんどんプロペラがジェットになってくるのですから、今の状態でいくというと、私はこの木造校舎がせっかく作られても、これは用をなさぬものが非常に多く出てくることを私は心配しておるのです。立川においてもこれだけの学校ができるというふうになっておりますが、あと一、二、三、四、これで全部いいのかどうか私は非常に疑問に思うのです。私が文教委員長のとき、羽田の飛行場の回りを、大森一中、大森六小ですか、これを木造でやりまして、調達庁にお願いしてにわかにやってもらったわけですが、しかしもうあのときにもジェット機は間もなく来るぞ、みんなジェット時代になるぞと言っておったわけですが、そういうふうな点を考えてみるというと、やはり今の簡易舗装と同じですよ。結局やっていって結論は鉄筋に到達しなければならぬような状態に多くの学校がなってくるんじゃないかという心配を私はしておるわけです、全部とは申しませんが。そういうふうな点で、一つ総合調査というのをやってもらいたいと思うのです。この間私は座間、大和、厚木の辺へ行きましたが、調査に来るときには飛行機が飛んでいないというだね、住民が。住民が言うのには調査に来るというと、飛行機が飛ばなくなッちゃって、そうして調査員が帰るというと飛行機がうんと飛ぶんだ、ひがめかどうかわかりませんが、そういうことを言うんですよ。だから、私はこの前の羽田のときにもそう思ったんですが、ずいぶん風向きによっても、それからその日の航行状態によっても、気象によっても違うんですね。ですから、基本調査をしっかりやってもらって、同一条件の学校は同一着手をして、全部でなくても均霑して子供に恩沢が、被害からのがれるような方向の努力を私は願いたいと思うのです。これは冗談話じゃなくて、そういう点が非常に強い。だから、その点を御検討願いたいと思います。
 最後に、これは文部省の方にお願いです、調達庁にもお願いするんですが、生徒の急増に対する新校舎の設立ですね、これで新しい学校ができても文部省予算の中には防音施設の金がないでしょう、入れてないでしょう、これを何とか法改正するように、あなた方の方で努力してもらえぬでしょうかね、文部省で。とにかく学校に関する限りは文部省にやってこい、文部省がやってるんだ、こういう気魄がやっぱり文部省にないといかぬと私は思うんですが、大臣どうでしょうね、むずかしい問題があるがわかりませんが。
#59
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと自信のある御答弁ができませんけれども、常識的に考えれば同じ学校施設の整備費ならば、文部省所管にしてもいいんじゃないかと思いますけれども、半額を国庫負担、半額は地元負担とい建前がございまして、それを全額国が持つということにつきまして、文部省所管にするためにはいろいろな制度上の難点もあるかと思います。ですから、それは今後の検討にゆだねさせていただいて、一年でも、半年でも早く支障のないように、また急増対策の学校につきましても遺憾のないように、今の制度のままで極力努力するということしか今としてはちょっと申し上げかねますけれども、検討はしてみたいと思います。
#60
○岡三郎君 どうも勇ましい大臣としては弱いな。私は新設する学校を校舎は建てるが、防音設備は向こうだということではならぬと思うんですよ、これからの新設校舎は。ですから、やっぱり一貫した一つの方針をもってやられるということで、特にひどい防音ですからね。これは防音に限って特別立法をされれば半額負担、そういう問題もなくなると思うのです、やっぱり特殊現象ですから。特に最近に起ったジェット機時代におけるところの被害ですから、一つ特別の立法をして何とかやらぬかというふうな点私自体考えているんです、一つ御検討願いたいと思います。調達庁の方はいろいろと問題点があると思うんですが、一つしっかりとやってもらいたいと思うんですが、この点どうですか。
#61
○説明員(柏原益太郎君) 今お話のことはもっともなことでございまするので、今後も全力を尽くして参りたいと、かように考えております。
#62
○岡三郎君 あなた方の方では、文部省がそうやるときには御異存ないでしょうか。調達庁が学校のそういうことをやっているということはこれは、特異現象ですよ。将来文部省で特別立法したときに、あなたの方でなわ張り争いで、おれの方の仕事だということを言わぬようにしてもらえるかどうか、それを聞いているが。
#63
○説明員(柏原益太郎君) この問題につきましては、なお文部省ともよく相談をした上できめて参りたいと思います。
#64
○岡三郎君 私は民間の、今度羽田はこの中に入ってないが、羽田の現象はわからないのですか。羽田の周辺においても防音を非常に希望している。そこで、羽田はこの前は軍民併置されていたが、今もその通りですか。変わったでしょうか。
#65
○説明員(柏原益太郎君) 羽田飛行場は返還になりまして、民間になっております。
#66
○岡三郎君 文部大臣にお願いしたいのですが、ともすれば軍用飛行場周辺に重点がいきますが、羽田の周辺においても問題はあると思う。将来民間と、それから軍用と分かれると、これは軍用の方のみに重点が置かれて、民間がその恩典に浴さぬ。ところが、羽田の騒音はだんだん大へんなものになってきた。そういうふうなことで、これも私どもこの前の防音施設をするときには、都会においても大きい問題になってきたので、向こうの方も一生懸命に調達庁と連絡してやろう、文部省の指導も仰ごう、こういうようになっておったたわけですから、一つ民間航空場の周辺の問題についても、これは文部省の方として親心を持っていってもらわぬというと、解決せぬと思う。これは一つお取り計らいを適切に今後ともお願いしたいと思う。これは羽田の学校では二校だけですから、なお今後の航空機の発達からいうと、なかなか容易でない問題が私は出てきているのじゃないかというふうに考えますが、よろしく一つお願いいたします。
 以上でやめます。
#67
○豊瀬禎一君 もう一つ問題が残っておったのですが、鉄筋化の区域の拡大について、一応従来の滑走路の両側約一・五キロメーターが二キロに必要だと認められているようですが、板付司令官の話によりますと、104よりも102の方が騒音が大きいというような言い方をしておったのですが、そのことは別として、かりに102が入っているところもあると思うのですが、102が飛ぶようになった場合に、滑走路の両側の二キロメートルの一番端っこの方で、大体騒音どのくらいに予想してありますか。
#68
○説明員(柏原益太郎君) 大体百フォン程度でございます。
#69
○豊瀬禎一君 大蔵省にお尋ねいたしたいと思います。
 まず第一番に、岡さんも質問しましたように、調達庁が苦心しておられるところは、予算の出方が少ないというところに、端的にあると思うんです。るる申し上げましたように、六カ年問は長過ぎると思うのですが、この年限短縮についての基本的なお考えをお尋ねしたいと思います。
#70
○説明員(新保実生君) 現在鉄筋化を要する学校に対しまして、これを何年計画でもって鉄筋化防音工事を完成するかという問題でございますが、実は御承知のように、基地関係につきましては、防音関係以外にもいろいろ問題がございますので、そういったほかの経費との関係における完成年度の年限というものにつきましては、まだ十分検討ができておらないわけでございます。ただいまのところ、何年でということをはっきり申し上げられないのは非常に残念でございますが、いずれにいたしましても、従来より工事のテンポを早くするという方向で私どもも予算化に努力する考えでございます。
#71
○豊瀬禎一君 非常に今日まで御尽力いただいたことを感謝いたしますが、再々申し上げておりますように、年限を短縮するという方向でぜひとも御努力願いたいと思います。
 次に総合調査の問題と、電気料並びに鉄筋と木造の差、これは今回私が説明しなくても従来たびたび申し上げておりますので、質問の内容は省きますがこの三点について新保主計官のお考えを聞きたいと思います。
#72
○説明員(新保実生君) ただいまの三つの問題でございますが、実は国と地方の事務をどういうふうに分け、それに対する財源措置をどういうふうにするかということにつきましては、いろいろほかの制度との関係もあるわけでございます。たとえば電気料の問題について申し上げますと、ほかの制度において多くの例が見られますように、国としてはその初度的な経費に対して補助する、それに引き続く経常的な維持費について補助をするかという問題でございますが、そういう制度的な問題もありますし、また一面直接的な国の補助によってその財源措置をするか、あるいは現在でもある程度のものは交付税の中の特利交付税でございますか、あの中で基地関係の特別な事情に対してはその一部を見ておるというような事実もございますので、そういったいろいろな制度との関係を考慮いたしまして結論を出したいと考えておるわけでございます。
#73
○豊瀬禎一君 やはり問題は換気装置を行なわなければ防音の意味がない、こういう点から、電気料につきましては、防音装置の一環であるという基本的な考え方に立って御善処願いたいと思います。
 なお、総合調査につきましてすでに総額二千万円の要求があっておりますが、予算の内容は別といたしまして、総合調査そのものの必要性について大蔵当局としてはどうお考えですか。
#74
○説明員(新保実生君) ただいま調達庁からその調査要綱の詳細について御説明を聞いていろいろな角度から検討中でございます。総合調査そのものの必要性という点につきましては、私どもも従来必要な事項につきましては、そのつど調査をやっております。その調査の範囲をどういう対象にするかというような点についてはいろいろ問題があろうかと思います。
#75
○豊瀬禎一君 簡単に申し上げまして、内容についてはいろいろ検討の余地があろうけれども、基地行政をやっていくために総合調査そのものは必要だとお考えですね。
#76
○説明員(新保実生君) まあ総合調査という名前を使うかどうかということは問題でございますけれども、従来もそういう必要があれば調査してきておるわけでございます。
#77
○豊瀬禎一君 文部省にお尋ねしますが、文部省の予算の中で、一般管理費の中じゃないかと思いますが、防音工事をしておるところのいわゆる換気装置の電気料、これは算入されておりますか。
#78
○政府委員(福田繁君) 現在そういった経常的な経費につきましては、設置者である市町村が持つ建前になっておりまして、文部省としては予算措置はいたしておりません。
#79
○豊瀬禎一君 そこが一つ問題だと思うのですが、なるほど経常費に間違いありませんが、やはりよってきた原因というのが、外国の軍隊の駐留、いわゆる基地を認めたことにあると思います。従ってこれは国の政策で、ある特定の地域だけが被害を受けておるという立場に立って、少なくとも文部省としてはこの種の経費というもの、防音の費用なんていうのは、地方公共団体が独自で負担すべき筋合いのものではないと思うのですが、そういう考え方に賛成できませんか、文部省としては。
#80
○政府委員(福田繁君) 従来学校のいろいろな実情を見ておりますと、その換気装置等をつけましたためにこれだけ電気料金が高くなったというような具体的なデーターに乏しかったようでございますが、その後調達庁におきまして、いろいろな研究された結果、そういう動力線を使用して換気装置を設置したその場合におきまして、使用電気料金が高くなったというような関係につきましては、先ほど調達庁の方から申し上げましたように、来年度予算に要求中でございます。従いまして文部省としては、そういった線で一般の何には計上いたしておりませんけれども、そういった補償的な問題として調達庁の方にお願いするというようなことで、従来から連絡をとってお願いしているわけでございます。
#81
○豊瀬禎一君 総合的に最後に一、二ただしておきたいと思うのですが、防音工事のため、いわゆる学校で授業をするときは、被害が少ないのですが、高学年になればなるほど、特に中学の率業期の子供なんかは、自宅学習というのが多いわけですね。そうすると、どうしても夜間の飛行というのが問題になるし、またどうしても、夜間飛行訓練が、日本政府から米軍に要望しても、都市の上空における夜間飛行等が中止できないとすれば、しかるべきところに防音工事を設備した共同学習所といいますか、こういうものが必要になってくると思うのです。で、まず第一は、夜間訓練、都市の上空の夜間訓練について、米軍に対して中止方を要望してもらいたいと思うのですが、大臣としてはどういうお考えですか。
#82
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 考えてみたいと思います。
#83
○豊瀬禎一君 共同学者所の問題につきましては……。
#84
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっとそれがよく私にはわかりませんけれども、学校ではいけないのでございますか。その実態をわからないものですから、ちょっとお答えいたしかねるのでございますけれども。
#85
○豊瀬禎一君 やはり中学校になりますと、学校までの距離というのは、たとえば御存じのように東光中学校までは飛行場の周辺をぐるりっと回って約六キロぐらい、山の中の子供になるともっと長い距離になるわけです。学校を夜間も利用するという点については、女子学生なんかいろいろな問題も生じてくると思う。だから、やはり飛行場に近くて爆音のひどいところには、その部落の中に共同集会所のようなものがあると思うのです。そういうところを利用して、そこに防音工事をしていただく、そうすると、近くの者が、特に進学児童等はそこで学習できるという状況になると思う。こういう点についても今後の問題として御考慮願いたいと思う。
#86
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 調達庁の方とも一つ相談した上のことにいたします。
#87
○豊瀬禎一君 最後に要望をいたしておきたいと思いますが、従前に比して調達、大蔵ともに非常に御努力をいただきまして、一応のめどがついたことにつきましては感謝をいたしますが、岡委員からも再々言われましたように、六ヵ年計画というのではあまりに長過ぎますし、また今後の機種の発展から考えましても、これは新たに次の問題を生じてくる心配があると思います。そこで大臣が率直に御答弁になりましたように、もう一度文部省、大蔵省あるいは調達庁、三者首脳部の話し合いをしていただきまして、特別立法でなければならないとすれば特別立法について御考慮をいただきたいし、特別立法でなくして予算の面で解決できるということであるならばそれでもよろしいし、とにかくもう一度大臣みずから乗り出していただきまして、全国今述べられた数だけでも二百校近いのですが、コンベアの102が入ってきますともっとふえてくると思います。こういう多数の学校の大きな問題として総合対策を合同して検討していただきまして、再々要望いたしております通りに、できれば一年間、少なくとも六年というような長年月でなくして短期完成という計画を再度御検討いただきたいと思いますが、大臣のお考えいかがでしょうか。
#88
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、文教の担当者としての考え方は豊瀬委員と同じことであります。できれば一年でもやりたいと思いますが、現実問題として、事実問題としてそれが不可能なものですから残念に思っておりますが、少しも早く完成いたしますようにこの上検討を加え、努力いたしたいと思います。
#89
○理事(北畠教真君) 他に御質疑の方ございませんか。――他に御質疑がなければ、本件に関する調査はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#90
○理事(北畠教真君) 次に、公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#91
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今回政府から提案いたしました公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案について、提案の理由を御説明いたします。
 現在、公立の中学校の校舎の建築に関する国の負担につきましては、昭和三十三年に制定された義務教育諸学校施設費国庫負担法の定めがあり、中学校の不正常授業を解消するための校舎の新・増築に要する経費について、その二分の一を国庫で負担することとなっております。その趣旨は、中学校において不正常授業が生じてからこれを解消するために校舎を建築する場合、これに要する経費を国庫負担の対象とするということでありまして、将来発生を予想される不正常授業を防止するための建築に要する経費につきましては、必要な措置が講じられておりません。
 しかるに、中学校の生徒の数は昭和三十五年度以降昭和三十七年度にかけて急激に増加し、昭和三十六年度約百万人の増、昭和三十七年度においてはさらに約四十万人の増となることが予想され、これに伴って教室の不足もはなはだしくなり、教育の実施に著しい支障を生ずることが予想されるのであります。この場合、現行法のみによって、不正常授業が生じてからその不足教室を建築することといたしますならば、学校によっては、学年初から当該建築が完成するまでの間、増加した生徒を収容すべき教室に困るという事態が起こるのであります。
 政府としましては、以上のような実情を考慮し、中学校における教育の円滑な実施を確保するため、昭和三十六年度及び昭和三十七年度における学年初の教室不足による不正常授業を防止するための校舎の新・増築に要する経費を国庫負担の対象とすることについて、臨時の措置を講じたいと考えるのでございます。これがこの法律案を提案する理由でございます。
 次に、この法律案の内容の概略を申し上げますと、まず第一に、昭和三十六年度または昭和三十七年度における公立の中学校の不正常授業を避けるための新築または増築に要する経費について、現行法の規定の例によりまして、これを国庫負担の対象とすることを定めております。
 第二に、右の場合における工事費の算定の基礎となる坪数は、昭和三十七年五月一日に当該学校に収容される予定の生徒の数を用いて得た坪数とすることができるものとし、生徒数が頂点に達する昭和三十七年度の不足坪数を基礎とすることができるよう定めております。
 以上が、この法中東の提案の理由と、その内容の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
#92
○理事(北畠教真君) 次に、本案の補足説明を聴取いたします。
#93
○政府委員(福田繁君) ただいま文部大臣から御説明申し上げました公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案について、補足説明いたします。
 この法律案は、本則及び附則二項からなっております。本則の前段においては、この法律案によって国が負担を行なう対象及び負担に関し必要な事項について規定しております。すなわち、まず、国の負担の対象となるのは、昭和三十六年度または昭和三十七年度における公立の中学校の不正常授業を避けるため、昭和三十五年度及び昭和三十六年度において校舎の新築または増築を行なう場合における必要な経費であることを明らかにしております。
 現行法においては、現に不正常授業が生じている学校について、年度ごとにこれを解消するために行なう建築に要する経費のみを国庫負担の対象としております。しかしながら、昭和三十六年度以降の生徒急増に際しては、現に不正常授業が生じている学校で、翌年度以降それがさらにはなはだしくなると推定されるものについては、現に不足する教室に加えて将来不足する教室を事前に整備する場合にも、その建築に要する経費を国庫負担の対象とすることが必要であると考えられます。また、現に不正常授業が生じていない学校であっても、翌年度以降不正常授業が生ずると推定されるものについては、その発生を事前に防止するために校舎の建築を行なう場合に、これに要する経費を国庫負担の対象とする道を開くことが必要であると考えられるのであります。それゆえ現に不足している教室の整備につきましては現行法の規定により、建築を行なう年度の不足教室の整備として実施するのでありますが、これを除いた翌年度以降に予測される不足教室の整備に要する経費は、すべてこの法律により国庫負担の対象としようとするものであります。
 次に、国が負担する場合の負担の要領は、現行法第三条第一項第二号に掲げる公立の中学校における不正常授業を解消するための校舎の新築または増築に要する経費に対する国の負担の場合の例によることとし、負担割合を二分の一とするほか、経費の種目、工事費の算定に用いる生徒一人当たりの基準坪数、一坪当たり建築の単価等国の負担に必要な事項は、現行法の規定と同じ扱いをすることといたしているのでありますが、例外として、工事費の算定方法に関する部分については本則の後段に新たな規定をいたしております。すなわち、現行法第五条第一項においては、工事費の算定の基礎となる坪数は、当該建築を行なう年度の五月一日における当該学校の生徒の数を用いて算定することとなっておりますが、この法律においては、昭和三十七年五月一日において当該学校に収容される予定の生徒の数を用いて算出した坪数とすることができることを明らかにしております。この規定によって、一般に生徒の数が頂点に達する三十七年度における教室の不足をあらかじめ解消することを目途として、建築を実施することを可能ならしめようとするものであります。
 なお、工事費の算定の基礎となる坪数の算出方法として、生徒一人当たりの基準坪数に生徒の数を乗じて得た坪数から保有坪数を差し引くことは現行法と同様であり、また右の保有坪数としては、原則として、当該建築を行なう年度の五月一日の保有坪数を用いることも現行法と同様であります。ただ、この法律において、統合中学校の不正常授業を避けるための校舎の新・増築に要する経費も、一般の中学校の場合と同様、国庫負担の対象とすることとしておりますので、現行法第五条第二項の統合学校の校舎の新・増築にかかる工事費の算定方法における保有坪数の押え方の例にならい、学校統合が建築を行なう年度の五月三日以降九月三十日までの間に行なわれた場合においては、当該学校の統合が行なわれた日の属する月の翌月の一日の保有坪数を用いることといたしております。
 附則第一項は、この法律の施行期日を定めたものであります。公布の日から施行し、昭和三十五年度分の国庫負担金から適用することといたしておりますので、本年度補正予算から適用されることになります。
 附則第二項は、この法律の有効期限を定めたものであります。昭和三十七年三月三十一日すなわち昭和三十六年度末をもってその効力を失うこととしております。
 ただし、国庫負担金の交付決定が同日までに終了していても、補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律に基づく補助金等の額の確定その他の事務が同日後となる場合もありますので、同日までに交付決定のあった国庫負担金については、なお、その効力を有する旨を規定いたしているのであります。
 以上この法律案の概要について御説明申し上げました。
#94
○理事(北畠教真君) 本法案に対する御質疑のある方は順次御発言を願います。御質疑の方はございませんか。――御質問もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○理事(北畠教真君) 御異議ないと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#96
○豊瀬禎一君 本案につきまして賛成をいたしますが、すでに前から文部省で計画されておりますすし詰め学級等の解消、こうした基本的な対策につきましても、もっとテンポを早めて、しかも一学級当たりの生徒児童数ももっと減員をする基準に立って予算を組んでいただくように同時に努力していただきたいと思います。
 なお、本案賛成にあたりまして、次の附帯決議をつけたいと思います。
   公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案に対する附帯決議
  中学校の生徒急増に引き続き、近い将来、高等学校の生徒急増も必至である。
  政府は、この事態に処して、高等学校の施設・設備の拡充整備、教職員の増員確保等についてすみやかに適切な措置を講ずべきである。
#97
○理事(北畠教真君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○理事(北畠教真君) 御異議ないと認めます。よって、討論は終局いたしました。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#99
○理事(北畠教真君) 速記を始めて。
 それではこれより採決に入ります。
 公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案を問題にいたします。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#100
○理事(北畠教真君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、豊瀬君が討論中に述べられました附帯決議案を議題といたします。豊瀬君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#101
○理事(北畠教真君) 全会一致と認めます。よって豊瀬君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○理事(北畠教真君) 御異議ないと認めます。よって、さように決定いたしました。
 なお、本決議につきまして、政府側の意見を求めます。
#103
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまは、いわゆる中学校の急増対策としての臨時措置法案を総員御賛成をいただきましたことを感謝申し上げます。
 さらに附帯決議を御決定いただいたわけでございますが、もちろん中学校と高等学校は、一は義務教育、一はそうではないという違いはございますけれども、生徒の側から見よすれば実質的には同じことでございますから、ただいまの御決議の趣旨に沿いまして適切な措置を応ずるように努力いたしたいと思います。
  ―――――――――――――
#104
○理事(北畠教真君) 次に、本委員会付託請願の審議を進めます。
 第五十四号公立文教施設整備予算増額に関する請願外八件の請願を便宜一括して議題といたします。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#105
○理事(北畠教真君) 速記を願います。
 それでは第五十四号、第八十六号、第百九号、第百十号、第百十一号、第二百十五号、第二百四十七号及び第二百四十八号、以上の八件の請願は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○理事(北畠教真君) 異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、報告書についてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○理事(北畠教真君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 では、これで散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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