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1960/12/15 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 農林水産委員会 第2号
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1960/12/15 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第037回国会 農林水産委員会 第2号
昭和三十五年十二月十五日(木曜日)
   午前十時二十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十四日委員田中茂穂君辞任につ
き、その補欠として河野謙三君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     藤野 繁雄君
   理事      秋山俊一郎君
           櫻井 志郎君
           大河原一次君
           東   隆君
           森 八三一君
   委員
           石谷 憲男君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           河野 謙三君
           堀本 宜実君
           北村  暢君
           棚橋 小虎君
           北條 雋八君
  国務大臣
   農 林 大 臣 周東 英雄君
  政府委員
   農林政務次官  井原 岸高君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   経済企画庁調整
   局調整課長   赤沢 璋一君
   外務省経済局参
   事官      白幡 友敬君
   農林大臣官房秘
   書課長     和田 正明君
   農林大臣官房総
   務課長     東辻 正夫君
   農林大臣官房予
   算課長     檜垣徳太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (昭和三十五年度農林省関係補正予
 算に関する件)
 (今期国会における農林水産関係法
 案に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。十二月十四日、田中茂穂君が辞任され、その補欠として河野謙二君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(藤野繁雄君) 周東農林大臣並びに井原農林政務次官から発言を求められておりますので、この際お聞き取りをお願いいたします。
 なお、ここで御発言に先立って周東農林大臣並びに井原農林政務次官の御就任をお祝い申し上げます。
 御承知のようにわが国の農林水産業は、ただいま重大な転換期に逢着しておりまして、新しい農林漁業政策を確立、これを強力に実行することが強く要望されているのであります。このときにあたって、農林水産業政策に御造詣の深い周東農林大臣をお迎えすることができまして、私などは大臣の御手腕に大いに期待しておる次第でございます。どうか農林大臣には十分の御活躍をいただきますようお願い申し上げます。また、政務次官におかれましても同様お願い申し上げます。
#4
○国務大臣(周東英雄君) 一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 このたびの第二次池田内閣の成立にあたりまして、不肖私が農林大臣の職をあずかることになったのでございます。ただいまもお話になりましたように、今日は農政に関してはまことにむずかしい重大な時期でございますので、私はその責任の重大なことを痛感いたしております。しかしながら、引き受けました以上は、最善を尽くして農山漁村の新しい行き方に対してしっかりした施策を立てて臨みたいと、かように考えております。幸いに練達堪能の皆様方の御協力を得まして、私がその職務を遂行のできるように御支援をお願いいたしたいと思います。
 今日の農林漁業の新しい行き方としての基本につきましては、御承知のように、政府に置かれました農林漁業基本問題調査会の答申が五月に出ております。同様に、党におきましての農林漁業基本政策調査会というものとの関連においても、党に一つの案ができておるようでありますが、これらを、私、政府といたしましては重要な参考といたしまして、今後の農政の確立をはかっていきたいと思います。
 いずれにいたしましても、これらのことを実行するにいたしましては、御案内のように、かねてから希望されております農業基本法の制定ということが大きな眼目になり、それらに関連いたしまして、あらゆる施策並びに予算的措置が講ぜられることになると思います。いずれは、これが通常国会において皆様方に御相談申し上げまして、よりよいものに作り上げて参りたいと、かように考えておる次第であります。どうぞよろしく御支援のほどをお願いいたします。
 なお本日は、補正予算といたしまして、農業災害に対する補正予算、また食管会計に対する繰入金及び公務員給与に関する補正、これらの三つのものが出ることになっておりますので、これらに対しましても十分の御審議をいただきまして成立を見るように御協力をいただきたいと思います。
 一言ごあいさつを申し上げます。
#5
○委員長(藤野繁雄君) 次に、政務次官の発言を許します。
#6
○政府委員(井原岸高君) 井原でございますが、はからずも今回周東農林大臣のもとで政務次官の責任を果たすことになったのでございますが、元来、不なれでございますので、全くのしろうとでございます。どうか皆様の御指導と御協力をいただきまして、この大役を果たせまするように、一そうの御協力をお願いいたしまして、ごあいさつといたします。
#7
○国務大臣(周東英雄君) まことに恐縮でございますが、ただいま衆議院の予算委員会から招集を受けておりますので、説明は政務次官にお願いを申し上げまして、皆さんのお許しを得てあちらに参りたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(藤野繁雄君) 昭和三十五年度農林省関係補正予算に関する件を議題といたします。
 まず、昭和三十五年度農林省関係の補正予算の内容について説明を求めます。
#9
○政府委員(井原岸高君) 昭和三十五年度農林関係補正予算案について御説明申し上げます。
 今回の農林関係一般会計補正追加額は、総額三百四十九億五千七百八十五万八千円であります。その内訳は、食糧管理特別会計繰り入れ二百九億円、災害復旧対策費着八億四千四百八十五万一千円、旱害対策費四億七千三十二万七千円、給与改善費十一億九千四百五十万二千円、農業共済再保険特別会計農業勘定及び家畜勘定繰り入れ十三億三千八百二十一万七千円、漁業共済金支払資金補助費六千七百五十六万四千円、漁業災害復旧資金融通損失補償
   [委員長退席、理事櫻井志郎君着席]
費六千二百万円、漁船再保険特別会計繰り入れ八千三十九万七千円となっております。
 まず第一に食糧管理特別会計繰り入れについて申し上げます。
 これは同特別会計調整勘定繰り入れ百九十億円と農産物等安定勘定繰り入れ十九億円とでありますが、まず調整勘定繰り入れは、当初予算においては食糧管理勘定において百八億円の損失を見込んでおりましたが、内地米の政府買い入れ数量の増加、買い入れ価格の上昇、内麦の買い入れ数量の増加、売買価格の逆ざやの拡大、輸入食糧の売却数量の減少等により本年度末の損失が二日八十七億円に達する見込みとなったので、既定予算による繰り入れ百億円及び昭和三十五年度への調整資金の繰り越し五億円等を勘案して食糧管理特別会計法第六条の五第二項に基づいて調整資金に充てるため新たに百九十億円の繰り入れを行なうものであります。
 次に、農産物等安定勘定繰り入れは澱粉の市価の低落等による損失増等のため当初の損失見込み十二億円が二十四億円に増加するほか、昭和三十四年度の決算の結果七億円の損失が昭和三十五年度へ繰り越されることとなったため、合計十九億円の損失が三十五年度末に生ずる見込みとなったので同法第六条の二第二項に基づき損失を補てんするため一般会計から繰り入れを行なうものであります。
 第二に、災害復旧対策費についてであります。
 このうちには一般災害復旧事業費、伊勢湾高潮対策費及びチリ地震津波対策費が含まれておりますが、まず一般災害復旧事業費は過年度発生災害復旧事業の全体事業費が再調査の結果増額いたしましたため、本年度施行分について所定の進度を確保するために不足を来たすこととなったので追加計上するものでありまして、農地、農業用施設、治山林道、漁港の合計で六十七億三千三百五十六万九千円を計上いたしております。また本年度発生災害の復旧事業についても、査定の進捗の結果事業費が概定するに至りましたので、災害関連事業を含めて十七億六千七百十七万四千円を計上いたしております。
 次に、伊勢湾高潮対策については、再調査の結果により総事業費並びに国庫補助率が変更いたしましたので、当初の目標年度までに完了するよう事業の促進をはかるため、本年度内に事業の実施の見込みあるものの施行を追加することといたしました。農地及び漁港関係で総額二十億九千七百万円を計上いたしております。
 次に、チリ地震津波対策につきましては、調査の結果全体の事業計画が近く決定される段階にありますが、とりあえず本年度内に事業施行の可能なものの促進をはかることを目途とし、被害激甚地域については高率補助を行なうこととして、農地及び漁港関係で合計二億四千七百十万八千円を計上いたしました。
 第三には、早害対策費でありますが、これは本年五月から九月までに九州を初め各地に発生した早魃に対処して地方公共団体、土地改良区等が用水確保のため応急的に実施した早害防止事業に対して、さきに閣議決定した旱害応急対策実施要綱に基づいて所要の助成を行なうものであります。
 第四に、給与改善等に必要な経費十一億九千四百五十万二千円についてでありますが、これはさきに人事院が行ないました国家公務員の給与改善に関する勧告に基づき本年十月以降平均一二・四パーセントの給与引き上げに伴い予算措置を必要とする農林省職員の給与改善費等八億二千八百四十七万八千円のほか、これに準ずる地方公共団体及び農林団体補助職員の給与改善費三億六千六百二万四千円を含んでおります。
 第五に、農業共済再保険特別会計農業勘定及び家畜勘定繰り入れであります。これは、農業災害補償法第十二条に基づく農作物、蚕繭共済掛金国庫負担金及び同法第十三条の二に基づく家畜共済掛金国庫負担金の農業共済再保険特別会計の農業勘定及び家畜勘定への繰り入れは、昭和三十四年度までの引受実績により国庫が負担すべき金額に比べ、農業勘定において十二億三千九百二十万八千円、家畜勘定において九千九百万九千円不足いたしておりますので、この不足額の繰り入れを行なうものであります。
 第六に、漁業共済金支払資金補助について申し上げますと、全国水産業協同組合共済会が昭和三十四年度において漁業共済試験実施調査事業を実施いたしましたが、この場合においては国は同共済会に対し共済金支払額の一部を補助するため、あらかじめ昭和三十四年度においても純掛金収入額の二倍相当額を限度とし、かつ一億円を限り昭和三十四年度以降三カ年度内において国庫の負担となる契約を結んでおりますが、漁業共済金の支払額はすでに純掛金収入額を超過しているため、同契約に基づき当該共済金支払額の不足の一部を共済会に補助するために必要な経費であります。
 第七には、漁業災害復旧資金融通損失補償に必要な経費であります。これは「昭和二十九年五月の北海道東南海域暴風雨による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法」及び「昭和二十九年の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法」に基づいて、金融機関が罹災漁業者に対して融通した復旧資金につき道県が行なう損失補償の経費の一部を補助するのに既定予算に不足を生ずるので、これを補うために必要な経費であります。
 第八に、漁船再保険特別会計繰り入れば、昭和三十四年度において普通損害保険の加入が当初計画より大幅に増加したことにより、漁船損害補償法第百三十九条に基づく国庫負担金に不足を生ずるに至ったので、この不足額を同特別会計に繰り入れるに必要な経費であります。
 以上が一般会計補正予算の概要でありますが、次に特別会計補正予算について申し上げます。
 第一に、食糧管理特別会計補正予算でありますが、これはまず岡内米管理勘定についてすでに御説明申し上げたように、三十五年産米の買い入れ数量が、実収高の増加に伴い既定予算上の五百十万トンをこえ六百十五万トンに達する見込みがほぼ確実となったこと等により、五百億円の予備費を使用しても、なお買い入れ費、管理費が不足いたしますので、これに対して四百五十七億八千九百四十一万三千円の追加補正を行なうこととしております。さらに業務勘定において国家公務員の給与改善に伴い七億五千四百七十万二千円の追加補正を行なうほか、調整勘定において三十五年産米の買い入れ数量の増加等により買い入れ費、管理費及び借入金利子等が当初予算に計上した予定額を上回ることが見込まれるに至ったので調整勘定から国内米、国内麦の各勘定または他会計に対する繰り入れに必要な経費を増額するため三百九十六億九百四十五万八千円の追加補正を行なうことといたしております。
 第二には、農業共済再保険特別会計、開拓者資金融通特別会計、特定土地改良工事特別会計、森林火災保険特別会計、漁船再保険特別会計及び中小漁業融資保証保険特別会計予算について給与改善のため、所要の補正を行なうことといたしております。
 以上をもちまして農林関係一般会計補正予算案並びに特別会計補正予算案についての御説明を終わります。
#10
○理事(櫻井志郎君) ただいまの説明に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#11
○森八三一君 ただいまの政務次官の御説明のことはよく了承いたしましたが、関連して、先日の新聞によりますと、郵政省関係では、定員外職員六千何名か、相当大幅に定員内に繰り入れるというようなことを、労働組合と大臣との間で話し合いができた。そこで、問題が非常にうまい方へ進展をしているというような記事が出ておった。農林省にもそういう部類のものがたくさんあろうと思うのです。騒ぐところは定員外を定員へ繰り入れる、黙っているところは相変わらず日の当たらぬところへそのまま据え置くというようなへんぱな扱いは、同じ政府の内部ではないと私は思います。農林関係のそういう部類のものが、同様に措置されようとしているのか、あくまでも同じ公務員でありますから、公平な扱いがされなければならぬと私は思うのでありますが、そこは一体どうなっているのか。
 それから、給与に関連することで、今回の措置によりまして、農林関係の団体の補助職員に対しても、一般公務員並みの一二・四%の引きさ上げに準じてそれぞれ補助費を増額するという措置がとられております。ところが、農林漁業団体におけるその職員中、政府の助成をちょうだいしてやっておりますような団体は、非常に経営上経理的にはむずかしい、困難をしている団体が多かろうと思うのです。もちろん、奨励的に積極的にお出しになっている補助費もありますれば、その団体の経理上、補助金でもやらなければ、その目的とする仕事を十分遂行し得ないというようなことからなされているものもあると思うのです。そういうことですと、後段の方で申し上げましたような農林漁業団体は、補助費が全体の何分の一だということになりますると、増額を願いましても、その増額に見合う部分というものは、その団体が、やはりこれは団体の予算の補正をしなければ受け入れができないということになる。そのことは、結局実際問題としては、不可能なことをしいるという結果になる団体もないわけでは私なかろうと、きわめて抽象的なことでありまして、実態を調べたわけではありませんが、そうなりますると、せっかくのこの施策というものも、補助職員には及ばぬという結果が生まれてきはせぬか。そこで、せめて国庫の方で補助される額だけは、それぞれの団体の補正をいたしませんでも、そのものがずばり給与の増額に充てられるというようなことに措置されるというように、何か措置をしてやったらいいと思いますが、そういうふうなことをお考えになっておりますかどうか。やはり普通の規定で何分の一という補助だから、それに見合うだけの追加補正をその団体の方でやらなければだめだということになっておるのか、その辺の見通しを承わりたいと思うのです。
#12
○説明員(和田正明君) 最初の御質問でございます定員外問題についてお答えを私から申し上げます。現在農林省の定員外の職員で、実質的に定員内職員と同様に、常勤的な仕事に従事をしておりまする人員は約一万九千三百人ほどおります。従前はなおそれ以上の人数がおりましたわけでございますが、二十八国会と三十二国会で、議員修正の形で、定員法の一部改正がございまして、前後二回にわたって、逐次定員外職員の定員化が進んで参ったわけでございますが、なお、ただいま申しましたように、一万九千人ほどの定員外職員が残存をいたしておる次第でございます。私ども事務当局といたしましては、実際には定員内職員と同様の仕事に従事しておりますこれら定員外職員を、できるだけ早い機会に、定員化をいたしまして、その身分差をなくしていきますように、いろいろ各省相寄りまして、どういう根本的解決をとるかということで、この春以来いろいろ研究をいたしておるのでありますが、今の段階で、私の聞きます限りでは、次の通常国会の機会に抜本的な対策を講じたいというのが、現内閣の基本的なお考え方のようでございまして、この特別国会に提案されております定員法の一部改正は、これら定員外問題は次の機会に抜本的解決をはかるということを前提として、三十五年度の予算案に計上されました予算的な新規増の人数、たしか七千二十五名、各省合計でそういう数字であったと思いますが、それに伴う定員法の改正だけをこの国会に提案をするという第一次池田内閣の最後の際の閣議の御決定で、そのようになっておるのであります。で、先ほど郵政省云々のお話がございましたが、私の承知しております限りにおきましては、この国会に提案をされております定員法では、定員外問題の定員内繰り入れということではなくて、先ほど申しましたように、三十五年度の本予算で、春の通常国会できまりました予算に基づいて、新規増になります部分だけの関係の定員法の改正法案が提出をされておるわけで、農林省といたしましては、百三十三名がその中に含まれておるわけであります。そのこととは別に、最初に申し上げましたように、農林省としては、一万九千名ほどの定員外職員をかかえておりますので、今後も事務当局としてもいろいろ努力をいたしまして、できるだけ早い機会に定員化されますように、現在いろいろ検討いたしておる次第でございます。
#13
○河野謙三君 ちょっと関連してこの機会にお伺いしますがね。地方の各府県で、府県によって農林部とか、農業経済部とか、いろいろ名前は違っておりますけれども、農林関係の、たとえば農業土木、農地、そういう関係の職員で、いわゆる定員外の職員というのはどのくらいあるのです。
#14
○説明員(和田正明君) 府県庁の方は、現在国家公務員でなくて、純粋の地方公務員になっておりますから、現在把握されておりません。
#15
○河野謙三君 それなら、次の機会までに御調査願いたいのですがね。私はここにこの問題をなぜ出したかという一つの具体的な問題を申し上げます。地方には農林土木関係等で相当定員外で、いわゆる何といいますか、物件費でまかなわれている職員が多いのです。そうしますと、たとえばこれを農業土木で申しますならば、それらの職員は、仕事の食いつなぎをしなければ自分の職場がなくなるわけですよ。一つの例を申せば、災害が起こると、災害調査に派遣されるそれらの職員は、橋が折れたり、道路が切れておることを念願しながら、災害の調査に行くわけです。もし橋がこわれたり土手がこわれていなければ、自分たちの職場はつながらないわけです。ちょうど坊主の病気見舞いのような気持で行くわけです。そういうことが非常に地方には多いのです。これが非常に予算の使途について弊害が起こっているわけです。また、でたらめが起こっているわけです。これを、もっと具体的に申せといえば、いつ幾日、どこでどういう問題があったということを申し上げてもいいのですが、これは各府県に非常に多い問題です。必要なものなら定員にちゃんと繰り入れて、人件費でまかなったらいいし、必要でないものなら、整理したらいいし、そういうふうな戦前になかったような職員が各府県に非常に、しかも一制とか二割とかいう程度ではない、私の知っている範囲では、非常に多数の人間が、人間でありながら物件費で扱われている。それによって起こる弊害が非常に大きい。予算が非常にでたらめに使われるという結果を生んでいる。だからそういうことがあるということはおわかりになっていると思う。おわかりになっているなら、それをこの際農林省におきましても、農地局なり、経済局なり、その他で、そういう問題を、やはり地方の問題を調べておかなければ私はいかぬと思うのです。同様の問題が、今、森委員からお話があった。本省においても、それに相似通ったような問題が、この定員法の問題をいつまでもいいかげんに片づけておくと、それによって予算が非常に不明朗に、しかも非常にむだに使われるという結果になるので、そういう問題も合わせて、私はこの際真剣に御検討願うと同時に、冒頭に申し上げました資料を、この次の機会に一つ出していただきたい、こう思うのですが、しかもそういう問題がないとおっしゃるなら別ですけれども、そういうことはお認めになるのでしょう。
#16
○説明員(和田正明君) 地方庁の方の定員外の職員のことにつきましては、現在調査が届いておりませんので、早急に調査をいたしまして、できるだけ早い機会に資料を御提出いたします。なお、本省の問題につきましては、公共事業につきましては、おっしゃいますように、事業費の中から人件費を一部支払わられておりますことは事実であります。それらが先ほど来森委員からの御質問もありまして、私がお答え申し上げましたような一万九千人のうちのある部分を占める定員外職員という形で出ておりますのでありますから、この問題を先ほど次の適当な機会に抜本的に解決をしていただくように事務当局としても検討しておるというふうに申しましたことの意味は、直すからには今後同じようなことが発生しないような措置というようなことも考えつつやっていきたいという趣旨で、検討を続けておりますので、そういう意味で御了承いただきたいと思います。
#17
○河野謙三君 くどいようですけれども、私が今この問題を申し上げておるのは、森委員とはちょっと角度が違う。そういうことによって予算が不明朗に使われるという点をお認めになるなら、そういう角度からも、私は真剣にやってもらわなければいかぬと思う。そういう点をお認めになるのか。どこまでもただ臨時の職員を定員に直すというだけの問題であって、それによって起こる予算の使途についての弊害というものはお認めになりませんか。
#18
○説明員(檜垣徳太郎君) 公共事業の関係等で、地方公共団体に定員外の職員、いわゆる臨時的職員がおるという事実は、これはまあ一面におきましては公共事業という事業の性格から臨時職員の必要性というものもあるということもありまして、そういう臨時職員的な職員が従事しておるという事実は私どもも承知をいたしております。ただそのほかの理由で、たとえば事実は臨時職員ではなくて、恒久的に公共事業関係等に従事しつつ身分的に臨時職員の扱いを受けておるという職員もおるということも、数は承知いたしませんけれども聞き及んでおります。そういうような職員の身分の不安定性といいますか、あるいは地方公共団体からいえば、事業費をもって支弁する職員がいるために事業費というものをある程度ほしいということが、事業の何といいますか、配分といいますか、そういうことについてある影響を及ぼしておるということも聞き及んでおりまして、これは一面においては地方公共団体における定員条例といいますか、そういう定員規制の問題とも関連したなかなかむずかしい問題であると思っております。ただそういう問題が、ただいま河野委員のお話にありましたように、予算の執行なり、あるいは事業の採択その他に悪影響を及ぼすというようなことがあるとすれば、これは放置すべきでことではございませんので、今秘書課長からお答え申し上げましたような調査もいたしました上で、農林省としても御指摘のような問題が予算の執行、事業の実施面に悪影響を及ぼさないように研究をして参りたいというふうに思います。
#19
○河野謙三君 どうも農林省は認識不足ですよ。あるとすればという程度の問題じゃないのです。私は臨時の職員なり定員外のものを、一割とか二割程度置かなければいかぬということはわかりますよ。数字をいただけばすぐわかる。だが、私が承知しておる範囲では、半数ぐらいがそれに該当する職員を持っている県がありますよ。だから、あるとすればとか、多少の弊害は認めますという程度では私はないと思う。私は少なくともあなたと認識が全然違う。だからついでに具体的に申しますよ。こういうことですよ。たとえば農地関係なら農地関係、土地改良なら土地改良をやる。五年で一つ事業を完成する予定のものを五年であげられたら、翌年からその県の仕事がなくなってしまうからというので、農林省では予算をつけようと思っても、地方から六年にしてくれ、七年にしてくれという事実があるわけですよ。逆に、また五年で済むやつを、これは予算の関係でやれるというような場合も、それじゃちょっとわれわれの職場がなくなるから困るということでわざわざ食い延ばしをやっているという事実が、全国的に私はあると断言しますよ。それはどこから起こってくるかというと、今申しますように、少くない県でも三割なり、多い県では五割なり六割の定員外職員を持って、物件費でまかなっているところの職員を持っている。こういうところに問題があるのですよ。これはそうお認めにならざるを得ない。それはもし数字が出れば、あらためてその数字を私はいただいた上で論議してもいいのですが、どうも今の檜垣予算課長の認識は、知ってああいうふうに言っておられるのか、ほんとうに知らなくてああいうふうに言っておられるのか、そういう認識じゃ、とても予算なんというものは正確に効率的には使えませんよ。その点においては私はあなたの方も急速にしかも正確に一つ数字を把握してもらいたい、こう思います。
#20
○森八三一君 私が最初に質問したことに関連して河野委員から、すでにしばしばこの委員会でも論議をいたしました、あるいは予算委員会等でも論議のあった基本的な問題に触れて河野さんから御発言があったのですが、基本的な問題は資料が出てから十分きわめさしていただきたいと思うし、私もそういう問題は存在しておるという事実は知っております。そういうことを知っておりますので、今度のこの給与の改訂に関連しまして実は心配しておるのです。というのは、人件費予算でありますれば、これは地方庁その他においても追加補正がきわめてスムーズに行なわれておりますけれども、物件の方へ入っておるやつは、その人の待遇を改善するためにセメントの額でもふやさぬことには、その人件費の増額支払いということが非常にむずかしくなってくる。事実その物件を使わんのに使う格好で予算の増額をやらなければ、今河野委員からおっしゃったようなふうの所在職員の待遇というものは、一般地方公務員並みの改善ができないということに、私は形の上から自然なってくると思うのです。その問題は基本的な問題ですから、あとの機会に譲りますが、郵政省の方では、大臣が労働組合との話し合いで、六千何名か、数字が載っておりました、新聞に。そういう数字を切って、はっきり措置をしてやるというような予測をされておるのです。だとすれば、政府としては、定員外で実際に定員内的な措置を行なっておるものについては、昭和三十六年度の予算においてかくかくの措置をするというような方針がきまっておらなきゃ、ある種の概念だけで勝手にものを申すということには、私はいかぬ筋合のものだと思うのです。そういう基本的なものがあるとすれば、当然それは農林当局にも内閣から連絡がなきゃならぬと思います。そういう連絡なしに、ただ今秘書課長のおっしゃっておるように、三十二年、三十三年とずっとやってきましたから、そういう過去のあれを受けて今後も行なわれるであろうという期待だけでは、これは非常に不安定なことなんですが、その辺のもう少し具体的な方針というものが示されておるかどうかどうでしょうか。
#21
○説明員(和田正明君) 郵政大臣がどういうふうに組合とお話しになったかということについての私詳細は承知をいたしておりませんけれども、本年の春の終わりごろから、次官会議あるいは各省の官房長会議というようなものを開催をいたしまして、今御指摘の問題についての基本的な方針を各省共通にきめて、三十六年度の予算編成までにはそれを間に合わせるということで、いろいろ事務段階での作業を続けてきておりまして、今まだ最終的な結論には到達しておりませんけれども、だんだんとそういう方向での具体化を進めつつあるわけでございます。従って、各省共通の方針が示されているかという御質問につきましては、まだそういうものが最終的に政府としてはきまっていないので、それに基づいた最終的な作業というものはまだ終わってはいないけれども、その途中の段階でのいろいろな作業は現在進めて、できるだけ早い機会に抜本的な解決ができるような方向で現在努力を各省を通してやっておる、そういう段階でございます。
#22
○森八三一君 あとの、後段の答弁が……。
#23
○説明員(檜垣徳太郎君) 先ほど森委員から御質問のございました第二点の農業関係団体の職員の給与改善に関する補正予算についてでありますが、今回補正予算として計上いたしまして御審議をお願いいたしたいと思っておりますのは、農業関係団体のうち、性格的に申しますと、予算上の性格、あるいは事業の性格もさようなことになるかと思いますが、政府が職員給与について負担をするというような性格を持っておる団体に限って今回は給与改善の補正を計上いたしておるのであります。具体的に申しますと、県の農業会議所の職員、これは団体補助になっておりますので、それについての給与差額を計上いたしております。その次に農業共済組合の連合会並びに市町村団体におきます共済組合の補助職員に対する給与差額の補正をいたしたい。それから移住関係の地方海外協会並びに中央の海外協会連合会の補助職員の給与改善について補正をいたしたいということで計上いたしておるわけであります。人数は合計いたしますと二万千六百三十六人ということに相なります。この三系統の団体は、多少言葉は適当でないかもしれませんが、政府の負担的な補助をしておる。言いかえますと、政府まるがかえに近いというような団体補助職員でありますので、そういう性格が同時に予算の編成の上でも、政府職員の給与に準じた補助を算定いたしますので、今回のべース・アップに準じて給与改善をいたしたいということであります。
 この三系統のほかにまだ農林関係には各種の団体について補助をいたす。その中には人件費を含めた補助もされておるのでありますが、これらにつきましてはいろいろ補助の内容が複雑に分かれておりまして、統一的になかなか把握いたしにくい性格のものが多いのであります。従いまして、これらの今回給与改善として補正をいたしませんものにつきましては、三十六年度の本予算の際に当該団体の事業計画ともにらみ合せまして助成すべき職員給与の単価というものをどうすべきかという問題として政府内部で検討の上三十六年度予算の上に反映をいたしたいというふうに考えておるのであります。
 そういう職員の給与改善のための補正をいたしました場合に、関係団体の負担部分についての財政配慮はどうしておるかというお話があったのでありますが、これは事の性質上は団体の事業計画の中で職員給与をどうするかということに対する補助でございますので、ざっくばらんに申し上げまして、特にその点について財政措置をするということは困難なわけであります。ただ今回補正をいたします三系統の団体について申し上げますれば、府県の会議所の職員は全額国庫負担でございますので、増額分はそのまま給与改善として職員の待遇改善になることは百パーセント可能なわけであります。共済組合の系統につきましては、府県の共済組合の職員については、これも百パーセント――十割ほどでございますので、問題はあまりなかろうかと思います。それから海外協会連合会も、これも十分の十ほどになっております。地方の団体、つまり市町村の共済組合については三分の二補助ということでありますので、三分の一については確かに当該団体の負担の問題が生じて参ります。これは共済組合の職員の給与に関する負担の問題は、べース・アップによって受ける影響はさほど大きなものとも考えられませんので、おそらくはこのベース・アップに応じた財政処理はさほど困難ではなかろうかと思っております。地方の海外協会につきましては、実質上は残り三分の一は地方公共団体が負担をするということになっておりまするので、これも実行上それほどむずかしい問題はなかろうと思っております。あと三十六年度に残りました問題については、それぞれの団体が将来にわたる事業計画の中で、財政と見合いつつ、どういう給与を考え、またそれに対してどういう助成をするかという点を新しい問題として検討いたしたいというように思っております。
#24
○北村暢君 定員の問題についてちょっと森委員の質問に関連してお伺いいたしますが、常勤作業員は定数が幾らで、一体今欠員がどのくらいあるのか。それから今度の特別国会に出ておるのは七千二十五名かの新規事業に対する定員の改正だけでありますけれども、それを前の三十四国会ですか、あのときに大体与党との間に修正をする案というものが話し合いがついておった。ところがああいう国会で流れてしまって、今度の国会にこう来ておるわけなんですが、その約二万名を定員修正する、こういう案が出ておったはずなんでありますが、今度の特別国会でもおそらくこの定員法については修正ということを相当根強くやられるのではないか、こう思います。しかし短期の国会ですから、これは実現するかしないかわかりませんが、とにもかくにも、こういうことで今非常に定員外職員の定員化ということについて、森委員が心配されるように、公平の原則からいけば、郵政だけが口約束で何か約束があるようでありますけれども、一般公務員についても当然この要求がある。もう秘書課長も組合から要求されておるだろうと思うのですが、一体そういう面の修正といった場合の努力をされておるのか、またそういう案というものがあるのかという点を一つお伺いしたい。
 それからもう一つは、三十六年度の今度の通常国会で根本的に検討する。そうして各省折衝しておると言っておりますけれども、一面においては定員法をなくしてしまう。こういう考え方も強くあるわけです。従って三十六年度予算との関係で、この定員法をなくするというような動きに対して、今秘書課長が説明しているように、定員外職員を定員法の改正によって定員化していくという方向に進むのか、定員法をなくするという方向にいくのか、この点の各省の協議はどういうふうになっておるのか。また、行管等の方針はどんなようなことになっておるのか、この辺の事情をますお伺いをいたしたい。
#25
○説明員(和田正明君) 最初に人員でございますが、私どもが定員外と申しておりますものの中に、予算上二種類ございまして、常勤労務者ということで予算定数もあり、人員の規制もいたしまして、それに日給の賃金を計算して予算を計上しておりますものが農林省に一万二百五十五人の予算定数がございます。現在その実人員は七千百二十九人になっております。この差は定員外の職員ではございますが、実際には定員内職員の不足のために定員内職員と同様の常勤的な仕事をさせております関係で、定員内職員は月給制度でありますが、この常勤労務者は日給になっておりますので、その間の給与を仕事の内容に合わせて定員内職員の実質に近寄せるためにいろいろな努力をいたしました結果、こうなっておるわけでございまして、この差額を採用するということは予算不足になりますので、現実にはできないかと思います。それからもう一つの種類の常勤職員というのは定員がございませんで、延べ人員何人というような形、あるいは先ほど河野さんからお話のございましたような庁費、研究費等で人夫賃という形で雇えることになっておりますものがございます。これの実人員は現在一万二千二百三人です。これは予算定数がないので欠員とか、そういう考え方は出ては参らないのでございます。両方合計しまして、先ほど申し上げましたように一万九千三百名ほどのものがおるということを申し上げましたわけでございます。農林省といたしましては、二番目に申しました人夫賃で支給されておりますものにつきましては、こういうものがいたすらに純粋の臨時的な職員がだらだらと常勤化するということを防ぎますために、二、三年前から事務次官登録制度というのを実施をいたしまして、そのとき現在の人員をこえないようにし、かつその後定員化が進むにつれて定員化されました人員をそのまま切り捨てて、増加しないような努力を現在続けておるわけであります。この二種類の職員は定員内職員と身分的に差がございます、たとえば係長にはなれないとか課長にはなれないとか、支払い給与予算が一方は月給制度であるのにそれぞれ日給制度になっておるとか、そういう点がございますし、仕事の内容も一つの仕事を三人の職員がもししておるといたしました場合に、二人は定員内職員がやり、一人は定員外の職員がやるというようないろいろな矛盾がございますので、先ほど来申し上げておりますように、これが常勤的に仕事をしております範囲までは、できるだけ定員内の職員にして身分差をなくすようにといういろいろな努力をして参りましたわけでございますが、この国会には政府としてはこういう定員外職員の定員化の問題を、なお各省の間の事情がいろいろ違う点とか、今後再び発生しないような保障をどうするかというような点でに、最終的な意見調整がまだまとまっておりませんので、それを次の機会に見送ることにして、冒頭森委員の御質問にお答えいたしましたように、三十五年度の予算できまりました新規増分の定員内職員の増加七千二十五名についての改正法案を今国会に提案をいたしておるわけであります。従いまして事務当局の私どもとしては、政府がそういう形できめまして、そして提案をしましたものの改正の努力をするというようなことになりますと、いささか行き過ぎではないかという気がいたしますけれども、事務当局の希望としては、できるだけ早い機会にこういうものが解決できることを希望をいたしております。特に前段申しました常勤労務者予算定員一万二百五十五人、実人員七千百二十九人と申しました人数につきましては、補正予算等の措置を要せずして、実際には予算の移流用という実質的方法で問題を解決することができますので、今後定員法の審議の過程で、国会の方で改正を適当だというふうにお考えいただければ、少なくともこの常勤労務者の範囲まではできるだけ早い機会に定員化されることを、事務当局としては希望をいたしておるという状況でございます。この分については補正予算等の措置は特別に年度の途中でも必要としないものでございますが、二番目に申しました延べ人員できまっております人夫賃に該当いたしますものにつきましては、予算補正等の措置が必要でございますので、年度途中で実施をするということについては、予算措置、補正予算その他の技術的な問題もからみまして、より問題が複雑になってくるのではないかというふうに考えております。
 なお、定員法廃止の動きについてどうなっておるかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、少なくとも農林省といたしましては、定員の規制ということがいろいろな事情から当然必要であるわけでありますが、それを法律で定めるか政令で定めるかというような法形式を云々する前に、むしろ問題は、先ほど申しましたように、実際に同じ常勤的な仕事をしておりながら、それの支払い予算が一般職員給与であったり、あるいは常勤労務者としての人夫賃であったり、人夫賃等の日給であったりというふうに支払いの予算措置の実質が違い、それに伴って身分上の取扱いが違うというところに問題があるわけでありますから、予算的な措置がとられ、身分的な措置がとられて、それぞれ実質的にも形式的にも同一の取り扱いができるようになるならば、別に定員法が法律でやるか、政令でやるかというような法形式の問題にはこだわる必要はむしろないのであって、予算措置なり、あるいは身分上の取り扱いなりを、実質的に同一にしてほしいという考え方で行管等の会議には申し入れをしておるわけであります。ただ現在、私これを申し上げていいのかどうかわかりませんが、行管が事務当局として考えております段階では、五現業のように収入のありますところにつきましては、当然収入に見合って人を置くことが可能であるので、予算措置と申しますか、予算規制だけでとどめて、それ以外の公共事業も含めました一般の職員につきましては、法律で、政令に委任をした形で、政令で定員規制をしていきたいというような点を行管としては研究をされておられるやに伺っております。
#26
○北村暢君 その最後の答弁の中における五現業の場合、定員法を撤廃をして予算規制をしていくという空気が非常に強いわけでございますが、その場合に、特に農林省関係では、林野関係でございまするけれども、その場合の予算規制をする人員というのが、従来の定員内職員、それから常勤、いわゆる常勤労務者、それから林野には特に労働協約で言って来ておる三七適用者というのがあるわけでありますが、それまでをこの予算規制をしていこう、それ以外は特別職にしてしまうという空気が林野庁内部に非常に強くあるわけです。特別職ということは、まあ公務員法を適用しないという考えですね。そういう考え方があるわけなんですが、その場合はもう当然これは公務員法を改正しなければできないことになるわけなんですが、この特別職の問題について、農林省当局としてはどういうふうに考えておられるのか、それから行管あたりで一体どういうふうに考えておるのか、公務員制度調査室等の公務員法を取り扱うところではどういうふうに考えておるのか、この点についておわかりだったら御説明願いたい。
#27
○説明員(和田正明君) 先ほど私が申し上げました数字の常勤労務者及び人夫賃で組んでおります実人員の中には、林野庁が五現業として予算規制をいたします場合にも、一般の定員内職員と同じような身分扱いをしたいと考えております範囲までの職員の人数を含んでおるわけであります。それ以外の職員、実際に現場で木を切りましたり、トラックで運搬をいたしましたりいたします職員、そういう職員についてこれを特別職として扱った方が適当ではないかという意見が、林野庁内に非常に有力にあることはおっしゃる通りでございます。その点につきましては、まあたとえば定員外職員の定員化問題というのが、次の適切な機会にある程度解決を見ましたといたしましても、一般的には全く臨時に雇われる職員というのが相当数いるわけでございますから、人数は林野庁の場合ほど多くはないと思いますが。それとそれから定員化された一般の職員との間には若干の身分差は当然残る。一方は常勤的な仕事をし、一方は非常に臨時的な仕事をするという差があると思います。仕事の実質として。それに伴って、両方を一般職としてひっくるめて観念をしたけれども、臨時的な職員はあくまで臨時職員であって、一定の資格を持たなければ定員内職員としての扱いができないとするならば、それを両方ひっくるめて、一般職の職員というふうに観念することが、本来筋として違っているので、公務員としては異質な性格のものではないだろうか、そういう意味で今もお話のような分を特別職にしたらどうかという見解は、公務員制度調査室等にも一部あることは事実でございます。しかし現在各省としては、そこまで踏み切るということについては、積極的な賛成意見は私の承知している限りではございませんで、むしろやはり一般職として扱った方が適切ではないかということで、なお今後の研究問題ということになって残っておりますが、一般的な空気は多分に消極的だというふうに私は判断をいたしている段階でございます。
#28
○森八三一君 定員関係ではなくて、そのほかの問題で二、三お尋ねしたい。その第一は、今度の補正予算には食管会計の赤字二百九億というものが補正されております。その内容は一応了承いたしますが、これに関連して、食糧の管理上必要ではなくて、外交上あるいは貿易の関係から、外国食糧を輸入しなければならんような状態になっている事実があると思うのです。たとえて言えば、韓国米のようなものであります。そういうものは食糧管理特別会計でお扱いになっているかどうか。私は食管会計というものを、そういうところまで発展して措置すべき性格の予算ではないと思うのでありますが、その実態が一体どうなっているのかということを一つお伺いをいたしたい。
 それから第二は、今回の補正予算にも農業災害関係に伴う共済事業に対する補正が相当行なわれております。このことはすでに数年前の委員会から継続して論議されており、過般の通常国会では抜本的な改正をして、政府としても前の通常国会へできればその改正を付議いたしたいというようなところまで、当局、大臣からはしばしばお話がありましたが、遺憾ながら成案が得られずに今日に及んできているのであります。いよいよ昭和三十六年度の予算を編成なさるという時期が追ってきており、抜本的改正ということを行なうとすれば、三十六年度予算にそれが反映されてこなければ、また途中で補正をするとかいろいろなむずかしい問題が起きてくると思うのです。また、差し迫った問題の解決が三十七年度にずれていくようなことになるという心配を持つ。その結果現にこの大切な災害補償の共済組合について、あちらこちらで批判がありまして、解散等の決議をしているものも相当あります。さらにこのことが燎原の火のように波及いたしまして、基本的には再生産確保の道がくずれていくという危険を感ずるのですが、農業災害補償制度の問題についてどういうように今お考えになっておりまするのか、その点を第二点。
 第三点は、災害復旧をする、チリ津波なり伊勢湾台風なりの措置についての補正が行なわれています。このことに関しましては今までしばしば委員会等においても論議がありまして災害復旧いたしまする場合に、いわゆる原形復旧ということでは用をなさない。だから改良復旧ということを全面的に認めていくようにしなければ、年々襲いきたる災害というものを克服し、それに対処するということはできないということで、基本的には建設事業にいたしましても、学校等の文教関係にいたしましても、厚生関係の病院等にいたしましても、その事態を見きわめまして改良復旧をやるということは、政府の基本方針として採用されておると思うのです。ところが農業関係の災害復旧について、一部についてはそういうように措置されておりまするが、一部についてはただ原形復旧ということで押し切っていらっしゃるという向きがあるように思うのですが、これは災害復旧ということに対する基本的な考え方でいけばおかしいのじゃないか、この思うのですが、一体農林省の扱いが農業土木その他については改良復旧を認める、一部のものについては改良復旧は認めないという扱いをされておるということはどういうことなのですか。そこで私、案じまするのに、予算額が少ないということからやむを得ず涙をのんでそういう措置をされておるように思うのです。だとすれば、昨年の伊勢湾台風の特別委員会のときにも、当時の佐藤大蔵大臣の御出席を願って、もし予算が足りないということになればどうするか、それは当然やらなければならんことについては補正をしてでもやりますという言明がありましたので、われわれとしては予算額の不足をすることは当然承知をいたしておりましたけれども、現実に数字をつかんでおりませんし、また査定も済んでおりませんので、そういうことは他日に譲り今日にきておる。ところが今申し上げますように、改良復旧等について一部はその措置がとられておらんという種類のものがある、こう思うのですが、そういうように二様の扱いをされるということはおかしいと思うのですが、どうお考えになっておるのか。以上三点について簡単でございますからお答えいただきたいと思います。
#29
○政府委員(井原岸高君) 第一点の食管の問題でございますが、政府といたしましては必要以外の外米、外麦の輸入は、今日においても、また今後においても輸入しないという方針をもって臨んでおるわけでございます。
 第二点の保険の改正の問題でございますが、この点は農業災害補償制度協議会で目下検討をいたしておりますので、協議会の答申が出ますれば、その答申に基づいて是正いたす考えでございます。
 それから第三点の問題でございますが、もう御意見の通りでございまして、災害原形復旧が次の災害を受けるという形になることは、これは間違いないように、むだなことだと思うのでございますが、そういう点につきましては、でき得る限り改良を加えた復旧をやっていくようなふうに農林省といたしましてもやるべきだと私ども考えておるわけでございます。
#30
○森八三一君 第一点の、食糧管理上不要なものについては輸入をとしないという方針を堅持して対処しておるその気持は私も解しますし、そうでなければならぬと思うのです。ところが、韓国米のようなのはどうなって、おるのか、あれは必要上お買いになったのか、ただ計算的にすりかえて、ほかの国から輸入するものを削ってこっちの方を入れて、それは数字の上ではつじつまが合うでしょう、ところが実態はそうではないのです。そういうものを食糧管理特別会計で扱うということは私はおかしいと思うのです。もしそういう外交上の必要であれば、外務省の費用でおやりになればいい。食糧管理特別会計というものはそういうものでないと思うのです。そういうことに拡大解釈をして、予算をいろいろいいかげんに使っていくということが、やはりいろいろ会計上の紊乱を起こすということにもつながってくるんですから、基本方針通り厳としておやりになるなれば、そういうものは食糧管理特別会計のうち外のものですから、これは外務省の費用なり通産省の費用でやれ、これくらいまでがんばらなければおかしいと思うんですよ。まあそれは今後の問題として十分一つ御研究を願いたいと思う。
 それから、災害の関係を、協議会ができてそこでやっておるから、その答申が出てからということですけれども、これは事実は答申はもうおおむね九九%ぐらいできたけれども、解散ということのためにちょいと延びておるという状況にあるわけですね。それも、実態は、協議会の方が問題であったわけではなくて、与党の内部の問題があって延ばされてしまった、こういうことなんですね、実態は。これは政務次官新しいので御承知ないかもしれませんけれども、十月の二十日の日に結論を出しましょうということであったのが、おたくの方の中の問題で延ばされてしまったと、こういうことなんですね。だとすると、三十六年度予算の編成との関連においてこれはほんとうにむずかしい問題ですよ、早くやらぬというと。だから結論を早く求められるなら求められるという手続をおやりにならなければ、今のままにほうっておきなさいますと、大臣から委嘱されてやっておる協議会のメンバーが積極的に動くという態勢にはなりません。それはもうすでに委員会等においても、満場一致というわけにはいかなかったんですけれども、ほとんど絶対多数の結論は出ておるのです。それを全体会議にかける日まできめて大臣の方から招集を願っておったのに、自民党の内部の、どういうことか私は知りませんが、委員会なんかでちょっと待てと。こんな大きな問題は選挙の前にやるのはどういうわけですか、私わかりません。あるいは一挙に解決するということであったかもしれませんけれども、延ばされておる。こういう姿ですから、これは早く措置されませんというと、三十六年度予算編成に間に合いませんでしょう。根本的な抜本的な改正ですから、これはほんとうに予算の面にも狂いがくることなんです。それを延ばしていったら三十七年度まで延びてしまいます。というと、すでに二百何カ町村が共済組合の解散の決議をしておる。これがずっとふえていくと大へんなことになる。これは至急そういう措置をされないとおかしいと思うんです。協議会の結論を待ってなんという、のんべんだらりと待っておられるという状況ではなくて、むしろ内輪の問題を早くきめて結論をつけて進行せしめていくという態度をおとりにならぬと、政務次官としても非常にこれはお困りになる問題になると思いますので、その点どうなさるのかもう一ぺん、あくまでお待ちになるのか、能動的にお動きになるのか。能動的に動いていくには、外の問題ではないと私は了承しておる。そのことをどう処置されるのかということをお伺いしておきます。
 最後のやつは、そういうことでへんぱな扱いがあってはならぬ。災害復旧については改良復旧をやるべきである。農林省もそういう心がまえでやる、よくわかりました。だとすれば、その方針通り一つおやり願わぬと、現実の問題はそうなっておらぬ部分がございますので、そこでその予算が足りないというなれば、これは補正をしてでもやるということにならなければならぬ。ところが、年度がこう進んでしまいますると、事実予算的な補正をするということも困難で、結局関係者の方では泣き寝入りをせざるを得ないと思う。これは予備費でも使ってこれを措置をするということがはっきり言明できますか。その災害時において改良復旧をやるという基本方針は政府しばしば言明しておりますのでよろしいですが、その事業の種類によって、予算の関係から思えども、改良復旧は助成しがたいので、原形復旧ということで打ち切っておるものも、改良復旧まで拡大をしていくというふうに措置をするんだということを言い切っていいかどうか。これは政務次官非常に簡単にお答えになっておりますが、あとで具体的にそういう問題を出してくると、そいつはちょっと困ったなあというんじゃ困ってくるんで、一つ明確にしていただきたいのです。
#31
○政府委員(井原岸高君) 第一点の問題でございますが、第一点につきましては、すでに結論の出る前に一応事務当局としてはやはり内部的に相当いろいろ予想いたしまして検討いたしておりますので、早急に連絡をとりまして御説明のような結論を出すようなことにいたしたいと思います。
 それから第二点の問題でございますが、現地の実情をよく調査させまして、やむを得ざると言ったのでございますが、やはり先ほど申しますような大体基本方針に沿うような方向に向けるように努力するということでごかんべん願いたいと思います。
#32
○理事(櫻井志郎君) ほかに御発言もなければ、本件については本日はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#33
○理事(櫻井志郎君) 次に、今期国会における農林水産関係法案に関する件を議題といたします。
 今期国会に提出されました法案はお手元にお配りいたしました一覧表の通りでありまして、そのうち農林水産関係のものには〇印及び〇印を付しております。これらの農林水産関係法案のうち、〇印をつけましたものについてはこの際関係当局から説明を聞くことにいたします。
 まず、海外経済協力基金法案について説明を求めます。なおこの機会に農林水産関係の海外経済協力の実情についても合わせて説明を求めることにいたします。説明員は、経済企画庁調整課長赤沢君、外務省経済局白幡参事富、農林省官房総務課長東辻君であります。
#34
○説明員(赤沢璋一君) お手元にございます海外経済協力基金法案の要綱につきまして簡単に要旨を御説明申し上げたいと思います。
 海外経済協力の問題が重要な問題であり、最近世界全体からいたしましても特に活発に取り上げられておるという事情は、すでに御存じの通りでございます。もちろん、わが国といたしましても、すでにこれらの東南アジアその他の地域に対しまして経済協力をやっておったのでありますが、何分にも資力その他十分でない状態でもございます。政府関係機関といたしましても、日本輸出入銀行が輸出入金融のほか海外投資金融という面で業務を行なって参っておるわけでありますが、なおそれだけでは十分でないということでございますので、本年の三月にお手元にございますような海外経済協力基金法案を作案いたしまして国会に提出、御審議を願ったわけでございます。先般の国会では御存じのような政情から継続審議になりましたが、その後衆議院の解散によりまして審議未了になり、今回あらためて今度の特別国会に御提案をしているという次第でございます。
 法案の内容につままして、要綱に基づきまして簡単に趣旨を御説明いたしたいと思います。
 目的のところにございますように、この基金は、東南アジア地域その他の開発途上にある海外の地域の産業開発に寄与するため、その開発に必要な資金で日本輸出入銀行及び一般の金融機関から供給を受けることが困難な資金につきまして、その円滑な供給をはかる等のために必要な業務を行ない、もって海外経済協力を促進することを目的といたしております。この基金がカバーしております地域は、この目的の最初にございますように、東南アジア地域その他いわゆる低開発地域ということでございますので、主として東南アジアがいろいろ問題でもあり、重要でもあると思いますけれども、その他、全世界の低開発地域に必要な経済協力のための資金というものを供給することになっているわけでございます。しかしながら、現在輸出入銀行その他一般の金融機関も、それぞれそういう方面に関与いたしておりますが、それらではまかない切れない、たとえて申しますれば、通常の条件で融資を受けることがむずかしい、担保の問題でございますとか、あるいは期限の問題、その他あとで申し上げますように、輸出入銀行と違う点を申し上げますが、そういう点で、通常の条件でなかなかお金が借りられないというような海外開発の事業につきまして、この基金から融資、あるいは、場合によりましては出資等も行なうというふうに相なっているわけでございます。
 この基金の資本金でございますが、第三のところに書いてございますように、先般、昭和三十三年の法律で、いわゆる経済基盤強化法という法律でもって、五十億円というものが、日本輸出入銀行の東南アジア開発協力基金というものに出資をされております。いわゆるたな上げになっておったわけでございます。この資金を、輸出入銀行からこの基金は承継をいたすという建前になっております。
 第二号の方は、現在まで約三年間、この輸出入銀行で管理軍用いたしました積立金が約三億七千万円ばかりございます。この五十億円と、現在までの管理運用利益の約三億七千万円余というものを資本金といたしまして、いわゆる振替充当をするということに相なっております。
 なお、二項、三項にございますように、必要があれば、政府としては追加出資をするという建前になっておりまして、私ども経済企画庁といたしましては、明年度予算といたしまして、なお五十億円の追加出資の要求をいたしております。
 役員の点でございますが、これは総裁が一人、理事が二人、監事が一人ということで、ごく強力簡素な形の機構をとっております。後段で申し上げましたように、輸出入銀行の業務とやや似た業務を行なう関係上、いわゆる事務の一部、たとえば貸付の申し込みでありますとか、その他、事務の相当部分につきましては、輸出入銀行に事務を委託をすることになっております。
   〔理事櫻井志郎君退席、理事秋山俊一郎君着席〕
従いまして、基金自身といたしましては、役員その他簡素な形で出発をしたい、かように考えているわけでございます。
 問題は、第三章の業務でございますが、その点につきましては、やや詳しく御説明を申し上げたいと思います。七ページの第十三、業務の範囲というところでございます。「基金は、第一に掲げる目的を達成するため、次の業務を行なうこと。」となっておりまして、第一は、「東南アジア等の地域の産業の開発に寄与し、かつ、本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業(以下「開発事業」という。)のために必要な資金を貸し付けること。」これは、現在輸出入銀行で、いわゆる海外事業金融、あるいは海外投資金融といっております範囲と、ほぼ同じ範囲のものでございますが、輸出入銀行の場合には、資金の内容が、設備資金でございますとか、あるいは貸付の相手方がこういう場合には本邦法人、あるいはこういう特別の場合には外国の政府等、あるいは法人というふうな限定をいたしております。今回の基金では、そういう限定を設けておりませんで、資金の内容を規定をいたしております。こういうために必要な資金であれば貸すことができる。従いまして、法文上は、相手方が本邦法人であるとあるいは外国法人たるとに限らない、こういうような建前になっております。もちろんケースといたしましては、本邦法人に貸し付けることが大部分のケースであろうかと思いますが、法文の建前上は、そういう特別の制限を設けておりません。
 二号から四号までの業務に関しましでは、現在輸出入銀行がやっておらない業務でございます。すなわち、二号業務、前項の規定による資金の貸付にかえて出資をすることができる、出資の業務を規定をいたしております。
 それから第三号業務、これは、いわゆる金融ベースに乗らない貸付だと思いますが、いわゆる事業の準備調査のためのお金を貸し付けることができる。あるいは、試験的な事業の実施のために必要な金も貸し付けることができるというふうに相なっております。
 四号は、以上の業務に関連をいたしまして、基金みずからが必要な開発事業の調査もすることができる、かような規定になっておりまして、二号ないし四号の規定は、従前の輸出入銀行の規定の業務にない業務であろうかと思います。
 第十四に規定をいたしておりますのは、今申し上げましたような貸付もしくは出資の業務に関しまして、次の場合に限ってできるという規定でございまして、一号の方は、普通の場合と変わりません。つまり、輸出入銀行あるいは一般の金融機関から通常の条件により資金の貸付を受けること、また、出資を受けることが困難であると認められる場合、通常の条件で輸銀その他から借りたりすることができる場合には、そちらの方の機関を御利用願いたいということでございますが、むしろ、重点は二号の方にあろうかと存じます。二号の規定は、「その開発事業に係る事業計画の内容が適切であり、その達成が確実であると認められる場合」という規定をいたしております。輸出入銀行と比較してみますと、輸出入銀行の場合には、償環確実と認められる場合に限り貸し付けることができる、こういう規定を設けているのに対しまして、この基金の場合には、計画の内容は適切、達成が確実ということで、必ずしも償還確実という明文をうたっておりません。従いまして、こういった関係上、本邦の農林漁業あるいは中小企業といったような団体あるいは個々の法人におきまして、担保力等があまり十分でないというようなもの等につきましても、ある程度幅広く運用ができるという建前をとっているわけでございます。
 なお、この基金の貸付利子をどの程度にするか、あるいは期限をどの程度にするかというようなことは、次にございますような業務方法書によりまして規定をすることに相なっております。この業務方法書は、基金ができました後におきまして、企画庁長官が認可をすることになっておりますが、基金が、輸出入銀行と違いまして、独立の法人として設立をする必要がある建前から申しましても、利子等につきましては、輸出入銀行より低利であり、貸付期限等につきましても、それよりも長期であるという形に相なろうかと存じております。
 その他財務、会計等につきましては、いわゆる政府の出資その他をいたしております特殊法人の例とほぼ同じことでございまして、特段御説明を申し上げる点は少なかろうかと存じます。
 監督につきましては、経済企画庁長官が監督いたすことに相なっておりまして、ただ、この法律の規定によりまして認可または承認をいたします場合には、外務大臣、大蔵大臣、通商産業大臣に協議をいたします。相互に連絡をとりながら基金運用のよろしきを得たい、かように規定をされているのでございます。
 なお、附則の第一条におきまして、この法律は公布の日から起算いたしまして三十日をこえない範囲で施行いたします。しかしながら、前の経済基盤強化法のいわゆるたな上げ資金の承継をいたします関係上、その関係の分につきましては、基金成立の日に削除もしくは改正をする必要がございますので、当該条項につきましては、いわゆる施行日から六十日以内に施行するということに規定をいたしております。従いまして、今次特別国会に提案いたしましたのも、九十日でございますから、今年度内に基金の設立をいたしたい、かようなことで提案をいたしている次第でございます。
 簡単でございますが、概要を御説明いたしました。
 以上でございます。
#35
○理事(秋山俊一郎君) 次に、外務省経済局の白幡参事官の御説明を願います。
#36
○説明員(白幡友敬君) 外務省の所管いたしております後進国開発援助問題につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと存じます。なお、農林水産関係につきまして特に詳しいことは、農林省から御説明があると思いますので、大体の大筋だけ申し上げておきたいと思います。
 御承知のように、後進国援助問題というのは、最近国際的にも非常に大きな問題になって参りました。ただいま外務省でやっております後進国援助というものは、ほとんど全世界の後進国にわたっております。東南アジア、中近東、アフリカ、中南米にまで及んでおります。その事務の範囲も非常に広がりましたし、予算的な規模もこの数年間飛躍的に増大して参りました。後進国を援助いたしますのに、先ほど申し上げましたように、国際的な風潮が非常に上がって参りましたため、国際的に協調しながらやる方法と、それから日本が相手の後進国に対して直接援助を差し伸べる方法とつまり多数国間の援助方式と二国間の援助方式とございます。われわれといたしましては、日本の経済力の、特に資金力の面からいいましてまだ十分な点まで到達いたしておりませんために、国際的な機関の中へ参加いたしまして、それを通じて後進国を援助するということが何よりも大切だという考え方を持っておりまして、国際機関の方にも大いに参加しております。しかしこれと同時に、場合によってはそういう国際機関を通じないで日本が直接しなければならないという場合がございます。このために二国間のいろいろな取りきめあるいは相談をいたしまして、援助、協力をいたしております。この二国間の経済協力というものを大きく分けまして、資本協力というものと技術協力というふうに分けていたしております。
 資本協力と申しますのは、御承知と存じますが、金融をいたしまして、そして日本のいろいろな品物を持って参りまして、相手の国にいろいろな産業を興してやる。技術協力の方は純粋に日本の技術者を派遣いたしましたり、また後進国の技術者を養成してやるということでございます。
 この資本協力の方は、簡単に申しますと、大体いわゆる民間の商業ベース、民間の業界においてイニシアチブをとりまして、それを政府が、金融の面は輸銀を利用するというような点で側面的に援助をしてやるわけでございますが、技術協力の方はほとんど主として政府の資金を使ってやっております。この東南アジアを、われわれとしては、先ほど申しましたように世界的にやっておりますが、特に東南アジアを重視しておるのでございまして、この東南アジアに対しましては特別に技術協力の面が大切であろうというふうに考えております。
 農林水産関係の事業は、特に大体において農産品あるいは水産物を加工いたしますような事業は、これは工業の方に入って参りますので、純粋のと申しますか、農業、水産の段階におきましては、どちらかといいますと技術協力という面が強調されるわけでございます。ただいま、御承知と存じますが、コロンボ・プランという一つの計画がございまして、現在私どもが年間に約四億以上の予算をもらいまして、これで日本から専門家を後進国に派遣いたし、あるいはまた後進国の研修生を日本に招待いたしております。それからこれ以外に、最近やはり世界的な傾向といたしまして、技術センターを作るということ、外国に技術センターを作るということになってきております。この技術センターを海外に作りますのは、言葉の非常に不自由な連中を日本に連れてきていろいろ技術的な訓練をするよりも、現地に置いてやった方がよかろうというので、技術センターを海外に作っておるのでございますが、この中で東南アジアは特に農業水産関係のものに力を入れております。現にただいまでもインドに、インドの政府が大きな農業センターを作るという計画がございまして、これの交渉を始めております。またセイロンには、ほとんどもう話が成立いたしましたが、漁業関係、水産関係の技術センターを作っております。かようにいたしまして、できるだけ東南アジアの方には農業水産関係の技術、日本のお家芸であります技術を出していきたい。そうしてまず後進国の基礎的な経済の安定をはかっていきたいという考えでおります。これ以外に最近にはいろいろまた農業とか林業関係にもいろいろな新しい構想が出て参りました。御承知と思いますが、最近北インドネシアのボルネオに大きな森林地帯がございます。この開発をインドネシア側が非常に希望いたしておりますので、これは水産関係の予算をもちまして日本から調査団が出かけまして、すでにかなり満足すべき調査の結果を得ております。まだ事業にこれを持ち込みます段階までは、いろいろな資金的な問題、あるいは相手国政府のいろいろな為替上の問題がございましてそこまでは至っておりませんが、これなどが実現いたしまするというと、日本の農業関係で海外に大きな技術協力であり、同時に経済協力というものを行なうことができるわけであります。
 大体簡単に申し上げてそのような事情でございます。なお後ほど御質問がございましたらまたお答え申し上げたいと思います。
#37
○理事(秋山俊一郎君) 次に、農林省官房総務課長東辻君に御説明を願います。
#38
○説明員(東辻正夫君) 農林省関係の海外協力の関係は各局に関係がございますので、便宜私から概略、お手元にお配りしてございます資料によりまして御説明申し上げます。
 海外協力の関係は、大体大分類いたしまして技術協力と経済協力がございますが、まず、技術協力の方から申し上げますが、技術協力の対象地域といたしましては、大部分が東南アジアでございまして、そうしてその方式といたしましては、農林水産の実情からいたしまして、ほとんどいわば政府間ベースでやっておるような実情でございます。それで、種類といたしまして、そこに書いてございますように、専門家あるいは技術者を現地に派遣をする。そうして現地におきましていろいろな農林水産技術の普及なりあるいは講義なりというようなものにタッチするやり方、それから現地の方から日本の方へ希望によりまして技術の研修者を受け入れまして、そうしてそれぞれの機関によりまして日本でもって研修をやると、その人たちが帰りまして向こうで技術の普及なりあるいは指導者になるというやり方、それからまた、今外務省の方から御説明がございましたように、現地における技術普及なり改良のための施設、技術センターを設置し、これには当然これに必要な技術者を伴って派遣をいたしております。それからなおこれはまださほど進んでおりませんが、その国におけるいわゆる開発計画に関係する調査、あるいは計画のコンサルタントといったような事業等、大体分類いたしますとこういうことになっております。
 で、ややこまかに申し上げますと、二といたしまして、派遣ないし受け入れの方式の国の協定等の関係で分類いたしますと、コロンボ計画あるいは国連の技術協力計画、また日米合同第三国訓練計画、あるいは賠償を負っている国に対しましては、賠償の費用によって行なうと、こういったような形になっておりますが、現在までの大よその実績を申し上げますと、昭和二十九年から三十三年度までに大体百五十人の人を、専門家並びに技術者を派遣をいたしております。三十四年度は大体七十人、本年はまだ最終的に終わっておりませんが、約八十人で、現在まで約三百人の技術者を派遣いたしております。それからまた一方受け入れの方は、同じような累計をいたしますと千六百五人という数に上っております。これらは大体受け入れの場合におきましては、非常に向こうの技術のグレイドの高い人から、または簡単な視察程度の技術者まで参りますが、それぞれの向こうの方と本人の資格ないし能力等によりまして、それぞれ受け入れの機関を別にしておりますが、おもな受け入れ機関といたしましては、関東束山農業試験場にあります研究室を使いまして、ここへ収容して、あるいはまた水産関係でございますと、重海区水産研究所内にある施設、それからまた林業関係につきましては、林業試験所内に簡単な施設を設けましてそこに入れる。その他たとえば家畜関係でございますと、家畜衛生試験場、あるいはまた場合によりましては、県の試験場といったような国または県の機関にそれぞれ入れて訓練いたしております。内容も非常に多岐にわたっておりますが、高度の農業技術一般から畜産、養蚕、林業、水産と、それぞれ多方面になっております。
 それから第三といたしまして、現地におきまするいわゆる技術普及なりあるいは技術のコーチという面から、センターといたしましてはパキスタンそれからカンボジアそれからセイロンといったようなところにセンターを設けておりますし、また今後設ける予定でございまして、すでにそれに必要な人間等を派遣をいたしております。なおまた、今後の問題といたしましては、セイロンに漁業センターを作るとか、あるいはまたインド方面でも技術センターを、漁業センターないし農業技術センターを設置する構想等で目下検討をいたしております。それから開発プロジェクト関係では、先般行ないましたイランのカスピ海の農業開発調査あるいはメコン河の開発事業等の調査、もちろんこれは農林省だけではございませんが、関係いたしました調査を行なっております。
 以上が大体おもに技術関係でございますが、広く経済協力関係では、大体今までに行なわれておりましたのは、林業と漁業でございますが、林業につきましては、いわゆる民間の問におきまする投資事業というのがございますが、大体東南アジアの林業開発を目的といたしまして、フィリピンとかあるいはカンボジアというようなところに出資または投資をいたしております。それから二番目にカリマンタンの森林開発でございますが、これはそこへ書いてございますように、最近国内におけるラワン材、いわゆる供給地といたしましてのフィリピンが資源の枯渇、あるいは向うにおきまする丸太の輸出制限といったようなことから関連いたしまして、それのいわば輸入供給源の確保といったようなこちらの要請と、また現地におけるカリマンタン地域の開発という経済事情の双方からいたしまして、先般来関係業界を中心にいたしました南方林業開発委員会というものが設けられまして、こちらでもって日本とインドネシア共同の現地調査が行なわれたわけでございます。で、現在その現地調査の結果に基づきまして、当該地区の開発計画なり、あるいは日本としての協力の方式について目下検討中でございます。
 それからなお漁業につつきましては、これもやはり東南アジアが大部分でございますが、なお中南米あるいは中近東方面にも若干出ておりますが、漁船なりあるいは水産関係の陸上施設を現に敷設するといったような形の投資が行なわれている次第でございます。
 簡単でございまするが……。
#39
○理事(秋山俊一郎君) ただいまの説明に対しまして御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#40
○河野謙三君 ちょっと一点だけ。後進国の開発のために大いに協力することはいいのですが、私は日本の農業というのは世界の各国に比較して非常に地位は高いと思うのですよ。しかるに、一歩日本を踏み出して外国から見た場合に、外国はそれほど認識していないという事実を私はよく聞いたり見たりするのですが、そこで一つ私は、外務省の方もおられますが、これは農林省、外務省、両方どちらでもいいからちょっと聞きたいのですが、世界の農業機構の中で一番権威あるものはローマのFAOですね。これだけ高い技術水準を持った日本の農業というものがFAOに行ってみると、とにかく日本がこれから大いに指導援助をしてやろうという相手方のインドよりも数段低く扱われているのですね。FAOにおけるところの日本の農業というものは全く軽視されておるというか、侮べつされておるというようなことになっておる。そうでしょう。まずその日本が、農業としての高い技術水準をもって後進国というものの大いに開発に協力しようというのならば、親切の押し売りじゃなくて、求められてわれわれは援助するという形でなくちゃいかぬと思うので、それならばそのような形をまず整えなければならぬと思うのです。ところが、FAOにおいてはそういう形じゃありませんよ。今後FAOにおけるところの日本の地位、権威というものを高めるために、何か具体的に持っておられるかどうか。それらの点をちゃんと日本の地位というものを確立しなければ、権威あるFAOにおいて日本は劣等国扱いを受けておる、農業においても。そうしておいて、自分だけがうぬぼれて後進国の開発だと言ってみたところで、それは調子が合わないのじゃありませんか。一体FAOについては今後どういうふうにお考えになっておるか、これを私はお伺いしたい。
#41
○説明員(白幡友敬君) お答え申し上げます。実は私ごく最近までローマに在勤いたしておりまして、FAOの会議もしばしば出席いたしました。ただいまお話のございましたFAOにおいて非常に日本の農水産関係の技術が低く見られているというお話でございましたが、お言葉を返すようでございますが、これは必ずしもそうとも私ども思っておりません。と申しますのは、一、二の具体的な例もございますが、一昨年でございますか、漁船関係のかなり専門家の国際会議がございまして、日本から東大の教授が団長になりまして、国内のいろいろな漁船関係の専門家がお見えになりました。ところが、その会議が始まります前から、FAOの本部では漁船関係に対する日本の権威と申しますか、これを非常に知っておったわけでございます。それで由来ああいうあの種の国際会議では、日本語というものは国際語に使われておりませんので、会議語にならないのでございますが、特に日本語を、日本から見えた方が外国語はあまり十分でないだろうというので、日本語を国際語に使うこと、これは会議語に使うことにいたしました。幸いスイスに日本人の御婦人で、日本語とフランス語、それから日本語と英語をそれぞれ非常にうまく通訳する専門家がおりましたので、特にこの費用を出しまして、連れて参りまして会議をいたしました。これは後進国のみならずイギリスその他先進国の連中も非常に集まっておりましたが、この会議の結果は非常に高く評価されまして、会議終了後私はそういうたまたま代理大使をいたしておりましたものですから、皆さんの労をねぎらう意味でパーティをいたしましたところが、会議の出席者全員出てきてくれまして、非常に喜んでおられました。かように技術的な点でも私は決して日本がそう低く見られているとは思いません。ただ問題になりまするのは、これはFAOだけじゃございませんが、各種の国際機関の中の職員というものに日本人の入っている率は非常に少ないのでございます。特にFAOでは、御承知と存じますが、今、日本人の職員が五、六人入っておりますが、一番上に、まあ位からいいまして一番高いのが農林省参事官をやっておられました大戸さんという方がおられますが、この人が日本人として最高の高い位におられるのですが、この人とてもせいぜい課長クラスというところでありますから、現在のFAOの事務総長をやっておりますセンというインド人は日本にも大使をやっておった人で、非常に親日家でありまして、FAOの仕事の中には日本人職員がうんと入ってもうわなくちゃならないということを当初非常に希望しておりました。そうしてわれわれの方にもたえずそれを言って参りました。われわれはこれを東京の方に一応なにいたしまして、なるたけ日本でりっぱな人を一つ出してもらいたいということを注文をつけたのでありますが、これは日本の政府部内とも、また一般の民間ともなかなか優秀な人というのは日本ではよそへ出たがらない。これが根本的な問題じゃないかと思います。先ほど申し上げましたが、大戸参事官のごときは内部で非常に高く評価されております。ほかの国の大体同じクラスに当たっておる連中からいろんな助言を求められる、それからその上におります部長クラスからも非常に信頼を受けておるということになっております。こういうやはり種類の、特になるたけ上のクラスの人がああいう機関の中に、特にFAOの場合は大いに出ていただかなければ、せっかく持っておる技術的な優秀さというものがああいう国際的な場では裏面に出ないと申しますか、評価されないと申しますか、そういう気配が多分にございます。これは私ども外務省といたしましても非常に前から頭痛の種でございまして、何とかして日本の国内で、これはたとえば公務員の場合でございますというと、ああいう国際機関に出ますというと、身分の問題が起きてくると思います。特に民間などになりますと、優秀な人はなかなか所属する機関が手離しませんし、また御本人にしても、ああいう国際機関に二年、三年行っております間に、国内における日本の自分の地盤と申しますか、こういうものが非常に弱くなってしまうということを心配されるわけであります。従ってこれはもちろんわれわれ行政当局といたしましてはできるだけいろいろな方法を考えてやっていかなければなりませんが、同時に国全体といたしましても、もっと国際機関の中にどんどん入っていくというような積極的な気分が醸成されるように私は祈っておるわけであります。
#42
○河野謙三君 あなたは幸いローマにおられて、今お話しのようによくおわかりになっておる。私が申し上げた通り、漁業のみならず日本の一般農業の技術水準というものは、世界的水準というよりは、世界水準のトップですよ。しかるに私が言わんとするのは、あとであなたが言われた通り、農林省の大戸君は、これは本省にいれば局長か次官になっておるわけですよ。それがFAOの中で一課長の程度にしか扱われない。これを私は言っておるのですよ。そうしておいて、国へ帰れば、おれたちは世界の水準のトップにいるのだ、後進国を開発するのだ、国際機構のFAOへ行けば、日本というものはわずかな人間で、しかもそのトップの人が課長にも扱われない、課長程度だということじゃおかしいのじゃないですか。それは、あなたは行く人がないからとかいろいろ問題があるだろう、その問題を私は言っておるのですよ。そういうことをやはり、私は外務省のことはよくわからぬけれども、国際的の地位を上げるということは、やはり農業関係というのはFAOのまず国際的な地位を上げるということ、これは単なる形式論じゃないと思う。それで、実際的に言えば、今の漁船の問題のように、一般の農業技術の問題でも、日本がとってもってこれを世界に示さなければならぬことがたくさんありますよ。それは外人でも少し勉強家は知っておる。ところが一般的には、FAOの中でそういうような扱いを受けておる。ここらのところをまず直さなければいかんじゃないか。それを人ごとのように、行く人がないとか、なかなかむずかしい問題だとかわれわれに言ってみたってそんなことしようがない。われわれがあなたたちに言うことだ。あなたたちがわれわれにそんなこと言ってみたって仕方がない。それをあなたに申し上げておる。しかしその点はあなたも僕と意見が一致しておるようだから、今後も続いて農林省なり外務省がこういう問題、海外経済援助はけっこうですよ。そういうところもやっぱり援助の基本問題であるということを御認識願えればけっこうなんです。
#43
○堀本宜実君 時間もだいぶん過ぎておるようでありますから、簡単に私は要望を申し上げておきたいと思います。今度の経済協力、技術協力、まことにけっこうだと思うのですが先般東南アジアを回って参りましたが、その間でやはり政府の要路の者があるいは一般の会合した席上でも日本に留学したい。そうして技術を習いたいという実に旺盛なまことに感激をするような訴えがございます。これはまことにけっこうだと思うのだが、その中で日本語を習って日本語で技術を習って帰っても、実は使い道に困る。なんかその日本の受け入れ態勢をもう少しこの幅の広い言葉で教えてもらうような組織が必要なのではないか。こういうふうに考えて、そういう希望が非常に強かった。そこで一々見ますと、やはりアメリカだとか、西欧諸国で教育を受けた人が、その国の中核になっておるんですよね。ですから自然留学しておったという国とのつながりが非常に密接になってきて、貿易にいたしましても、その他いろいろなこの問題が言葉がわからないというようなことで、大へん阻害をされておる状況なのであります。そこでビルマに行きました。ビルマでありましたと思いますが、あるいはタイかもしれませんが、おそらくビルマだったと思いますが、大使館の人が自分が命ぜられたわけではありませんが、日本語をお寺の一室を措りて教えておる。大へんな人なんですね。私は非常に感心、急激をしたわけなんでありますが、やはりこういう経済の協力という表向きの立場だけでなしに、そういうこまかいところに気をつけて、むしろこれらの未開発地域、後進国の人たちが多く日本で勉強をされる。その勉強されたものが同時にとってもって実用に使えるような形で、技術の浸透なりあるいは経済協力をしていくという考え方が大へん必要なのではないか。そういう点が大へん少ない、考え方が少ないというふうに、私は直感をして帰ったのでございます。これは一つ申し上げておきます。もう一つ、これは外務省、農林省に申し上げたいと思うのでありますが、これも私は希望でございます。もう時間ございません。御答弁は必要でないと思いますが、ともあれ最近沿岸漁業というものが大へん不振でございます。そこで県あるいは公共団体がそれらの沿岸漁業に携わっておりまする者らの組合、すなわち漁業協同組合等と協力いたしまして、少なくとも私は愛媛県でございますが、愛媛県におきましては約一億円の金を作りまして、半額県が出しまして、そうして漁船を持って行って、結局この内外の不振な漁業というものを打開をし、そうしてこのいろいろな職業補導、そういう観点から漁業者の移住というようなことを考えて出ていこうしております。ところが、なかなか農林省においても外務省においても、なかなかこれを取り上げない。取り上げてはおりますが、しかし熱心でないということは言える思う。何か国際上の問題がむずかしい。向こうでの権利の交渉が大へん手間どるというようなことで、そういうものを具体的にですよ、もう外務省や農林省にまかせておっても、どらもしようがない。そこで地方民が盛り上がる計画を立てて、しかも資金を作っていこうとしておるのにもかかわらず、それで抑圧はしないが、心から研究し援助をしてそうしてやってやろうという努力が大へん薄いということをはなはだ私は遺憾に思う。現実にこの問題は地域を指定して、移住をしよう、間引きとともに海外経済登展をしようという形で進出をしようとする行為でございますので、私はこの漁業不振という折柄でもございますので、そういう方面にも格段の力を入れるべきではないか。こういうことを申し上げておきたいと思うのでございます。もしお考えがあれば御答弁をいただきたい。もしなければ要望で終わります。
#44
○説明員(白幡友敬君) 簡単にそれではお答え申し上げます。ただいま最初の御質問の言葉の問題、まことにおっしゃる通りでございまして、先ほどもお話がございましたように、日本のいろいろな技術も、言葉の障害のために、非常に日本の国内におきましても外国におきましても損をしておるという点がございます。そこで、現に後進国の連中が日本に参りまして、どうも日本語で勉強されるのではなんにもならない。日本語の勉強に非常に膨大な努力を払い、能力を消耗している。しかもほんとうの勉強の期間が少ない。従って何とか英語か何か国際語でもってやってもらいたいという希望のあることは、私ども十分承知いたしております。これは文部省の方にもいろいろお願いしまして、何とかこれをやりたい、近づけていきたいという考え方を持っております。それからまた、民間の方々もこういう点に非常に御関心を持っておられまして、民間の力でもこういうふうにやっていこうという動きが今だんだんと出始めてきているように聞いております。これはぜひとも、私どもの立場から申しましても、やってもらいたいと思うのですが、なかなか日本の国内で、先生でやはり外国人に外国語でもって講義をするということのほんとうに自信のある方はどうも少ないのじゃないかと思われるくらいに、案外消極的な面があるようでございます。それからもう一つは、逆に日本語の方でございますが、日本に来てもちろん勉強するのはけっこうですが、外でもこれはある程度そういう希望者があればやらしたい。これはぼつぼつ今始めておりまして、そのために外務省の方から若干の予算を出して、こういう講座を開いておるところもございます。
 それからただいまの日本の漁業の海外進出についてでございますが、これは最近各地方自治団体を中心としてそういう動きが、御希望がありますことも伺っておりますが、ただ、私ども決してこれをないがしろにしておるわけではございませんが、農林省の方でも御承知と思いますが、従来やはり地方自治体と申しますか、現在のもっと前の段階だったのでございますが、何と申しますか、団体が不なれであったということ、それからまあ資金的にも非常に弱かったということがあるでございましょう。海外へ出ましてそこでいろいろな問題が起きまして、非常にみじめな形でもって日本に帰ってこなくちゃならないというような例が二、三ございます。そういう点は私どもとしてせっかく出られる人がみじめな結末になるということは因りますので、なるたけ事前にそれを石橋をたたいて渡るような方式で確かめていきたいという考え方から、かなり進み方が鈍いのじゃないかというふうに考えております。これもだんだん日本の、私どもがやっております技術協力という面も、年とともに事務的になれて参りますというと、もっと事態がスムースになっていくのじゃないかといふうに希望いたしております、
#45
○理事(秋山俊一郎君) 他に御発言もなければ、海外経済協力関係についてはこの程度にいたします。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#46
○理事(秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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