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1960/12/19 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第3号
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1960/12/19 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第037回国会 大蔵委員会 第3号
昭和三十五年十二月十九日(月曜日)
   午前十時二十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十四日委員河野謙三君辞任につ
き、その補欠として田中茂穂君を議長
において指名した。
本日委員永末英一君辞任につき、その
補欠として田上松衞君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     杉山 昌作君
   理事
           上林 忠次君
           山本 米治君
           大矢  正君
   委員
           青木 一男君
           大谷 贇雄君
           塩見 俊二君
           西川甚五郎君
           堀  末治君
           前田佳都男君
           前田 久吉君
           荒木正三郎君
           木村禧八郎君
           成瀬 幡治君
           野溝  勝君
           平林  剛君
           田上 松衞君
           原島 宏治君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   大蔵省日本専売
   公社監理官   谷川  宏君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
   大蔵省銀行局長 石野 信一君
   大蔵省為替局長 賀屋 正雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵大臣官房財
   務調査官    泉 美之松君
   日本専売公社副
   総裁      石田 吉男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○製造たばこの定価の決定又は改定に
 関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○国際開発協会への加盟に伴う措置に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○日本開発銀行法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十五年産米穀についての所得
 税の臨時特例に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十六年分の給与所得等に対す
 る所得税の、源泉徴収の臨時特例に
 関する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○食糧管理特別会会計法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山昌作君) ただいまから委員会を開きます。
 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 御質疑のある方は御発言を願います。
#3
○平林剛君 私は、前回の委員会に引き続きまして、たばこ耕作審議会の答申案を中心にして、若干、専売公社側の見解とその後の取り扱い方につきまして、お尋ねをいたしたいと思うのであります。
 さきの委員会におきまして、私は、十三月十三日から開催されたたばこ耕作審議会に諮問をされた専売公社側の諮問案が法律に照らしまして適当でないという旨の見解を述べておきましたけれども、その後、たばこ耕作審議会は十五日の午前一時に公社の諮問案に対する答申を決定せられたようであります。私も、その答申案につきまして一応これを検討してみたのでありますけれども、今回の答申案は従来の答申と比べまして異例の措置であります。従来は、この耕作審議会の全会一致をもってこれが答申をされておったのでありますけれども、今回は、諮問の価格はこれを適当と認めることができなかったということで、学識経験者だけの意見を述べられておるだけでありまして、たばこ専売法に規定をされた耕作審議会の運営などから見まして、初めてのケースに当たるかと思うのであります。従って、法律の運営にあたり公社側も、各界の意見がかなり強い時期であるだけに、その取り扱い方につきまして慎重を期してもらわなければなりませんけれども、まず私は、公社側がこの答申を受けてどういう御見解をただいま持っておられるかどうか、それにつきましてお伺いいたしたいと思います。
#4
○説明員(石田吉男君) 耕作審議会が、従来の例と違いまして、全会一致の答申を見なかったということ、私ども非常に残念なことでありますが、これは御承知のように、耕作者側から、現在のような収納価格では安過ぎる、これをもっと上げてくれという要望が非常に強うございまして、公社の出しました原案に対してかなり不満の色を示しておった。かたがた、学識経験委員の方々も耕作者側の主張を了とせられて、それによりまして、公社の原案は妥当でない、こういう御意見が出たものと考えております。従いまして、私どもも、公社の原案にとらわれることなく、適当な値段を、収納価格をきめるようにと思いまして、現在検討いたしておる段階でございます。
#5
○平林剛君 私は、この耕作審議会におきましてどういう形の審議が続けられてこのような答申となったか、存じません。これにつきましては、先般委員会から会議録を提出することをお願いしてありますから、なるべく早い機会に御提出をいただきたいと思いますけれども、この際お尋ねしておきたいと思うのであります。学識経験者は、六名の意見一致として、三十六年度葉たばこ収納価格については、基準年度を三十四年に限ることなく、なるべく最近の正常年の三カ年程度をとり、基準価格の安定を期するという基本的な考え方から、おおむね五彩を下らない引き上げ率という線できめるような見解を示しておるのでありますが、このときの耕作者側の見解というものはどうであったのでありましょうか。寡聞にして、いずれ会議録が提出されればわかりますけれども、この際耕作者側の見解につきまして御紹介をいただきたいと思います。
#6
○説明員(石田吉男君) その答申にあります、正常の年と思われる年三年くらいをとるように、こういう意見が学識経験委員から出ておりますが、これは審議の経過におきまして、先般ここで御説明申し上げました第一式の生産費を基本とする一つの算定方式を提案してございます。そのときに、公社側の原案としましては、その算式を用います場合に、収納価格もなるべく最近の年の収納価格がよろしかろう、それから生産費をとるにつきましても、やはり一番最近の年の生産費をとった方が取納価格と生産費との関係におきまして最も近い妥当な数字が得られる、かような見解から、最近年の収納価格をとる、また最近年の生産費調査に基づくその調査結果を用いる、こういう原案で提案したのでございますが、最終的には、御承知のように、耕作者代表の意見というものがまとまって出ておりませんのですけれども、審議経過の途中におきましては、耕作者側から、ただ最近の一年だけとるのは妥当ではないじゃないか、平均三年くらいを収納価格も生産費もとった方がむしろ正常な数値として出てくるのではないか、という意見が再三述べられております。で、おそらく、学識経験者の委員の方々も、そういう耕作者の質疑ないし意見というものが途中に出ておりますので、その耕作者側の意見を取り入れてかような答申をされたのではないか、かように考えております。
#7
○平林剛君 耕作者側の見解につきましては、まだ私は理解しがたいところがありますけれども、いずれ会議録を検討いたしまして、その詳細については知ることにいたしますが、問題は、答申案によりますと、公社側が諮問した案は適当でないということが一つの結論かと思うのであります。同時に、注目すべきことは、六名の学識経験者だけが前年比五%を下らざる引き上げ率とすること――具体的な数字を出していることであります。しかし、私は、現在の公社の算定方式あるいは生産費調査など具体的に検討いたして参りますと、この数字でもどうも適当でないじゃないかという見解も持っておりますし、かたがた、たばこの耕作者の要望はもっとはるかに高いところにあるのであります。先般私が申し上げましたように、少なくとも労務費の点をとりましただけでも、現在の一時間出たり二十一円というのはあまりに低きに失する。こういう点から考えましても、かなり大幅な価格引き上げが期待されなければなりません。
 そこで、私は、専売公社は現在答申案取り扱い方について検討中であるというお答えがありましたけれども、検討した結果、方法としてとるべき道は三つあると思う。
 一つは、学識経験者が結論として出された五%を下らざることということを答申案の中身とみなして処理を進めていくという方法がある。これは私は必ずしも妥当ではないと思います。先ほど申し上げましたように、法律によれば審議会の議を経なければならない、こうありますし、やはり答申というからには十一名の委員が満場一致、あるいはある程度了解線に達したものをもって結論づけるのが妥当だと思います。また、法律として初めてのケースでありますから、この取り扱いを単に六名の学識経験者だけの意見で決定してしまうということにつきましては、いささか問題が出てくるのではないか。それから、専売公社の諮問案は二・五%を上回るということでありましたのに対し、これはその倍額の五%ということになっておる。その算定の基礎、あるいは根拠、理由というものについて、われわれは寡聞にして知りません。この間に即断をしてしまうということも、また適当ではなかろうと思うのであります。この意味で、第一の道をとることは妥当を欠くのではないかというのが私の意見であります。
 もう一つの道としては、政治的にこれを解決するという方法があろうかと思うのであります。つまり、専売公社と大蔵省、政府との間に相談をされまして、法律に照らしまして各方面の見解も検討して総合的な政治的判断をする。しかし、これも私は、最近承知いたしておりますのは、五%ではなお少な過ぎるから五・八%にしたらどうかとか、あるいは八%まで引き上げたらどうかというような見解も承知いたしておりますけれども、あまり政治的にこれを行なうということもいかがかと思われる。しかし、耕作者の現在の状況から考えますと、伝えられておりますような大幅な引き上げが妥当とは思いますけれども、いきなりそこに持っていくということに対して若干の疑問なきにしもあらず、こういう見解を持っておるのであります。
 そこで、第三の道としてとるべき方法としては、専売公社があらためて資料を再検討し、また先回私が指摘いたしましたように、法律に照らして算定の方式を検討し、その角度から審議会に対して新たに諮問をしたらどうだろうか。つまり、新しい算定方式を検討して、そしてあらためて慎重に検討してもらうように、学識経験者を含め、また耕作者代表を含めたこの委員会において検討してもらう。公社として再諮問の形をとるのが穏当な道ではなかろうかと私は思うのであります。
 しかし、いずれにいたしましても、この答申案の取り扱いにつきましては三つの方法が考えられる。公社はどの道を選ばれようとしているか、私はその御見解を承りたいと思うのであります。
#8
○説明員(石田吉男君) 法律にあります条文によりますと、耕作審議会の議を経なければならないと、かように書いてあります。それで、この耕作審議会は公社総裁の諮問機関でございまして、非常に抽象的な形式論をいたしますと、かりに耕作審議会の全会一致の答申があった場合でも、決定は公社の総裁がいたしますので、その意見通り従わないこともあり得るということは、形式論的には言えると思います。しかし、耕作者側も納得し、学識経験者側も納得して、全会一致の答申が出ました場合には、事実上の問題として、それを尊重して、その線に従って公社の総裁が価格の決定をするということは、条理上当然のことだと、かように考えます。従いまして、従来全会一致の答申が出ました場合でも、細部にわたりましては多少技術的な問題もございますので、そういうことにつきましては公社の総裁が自分の権限において決定いたしております。
 今回のような場合におきましては、耕作者側から具体的に何%上げてくれという要求はなかったのでございますが、相当大幅な収納価格の引き上げを要望しておるものと、かように考えられます。従いまして、全会一致の答申を求めるということも必ずしも容易ではないというふうに考えられるのでありますが、そういう意味合いから、公社の総裁が決定すべき事項、その諮問機関として耕作審議会の議を経るということになっておりますので、学識経験者側の意見も十分にわかりましたし、また耕作者側の意見も十分わかっておりますので、どういたしましても、耕作者側と公社側の立場というものは、現時点において必ずしも話し合いが一致するような――どうしても耕作者側にある程度不満が残るということになりますと、再び耕作審議会を開きましても、また意見が一致しないと、かえって工合が悪いようにも思いますので、両者の意見が十分わかっておりますので、それに基づいて公社側が妥当な措置をとりたいと、かように考えております。従いまして、再び耕作審議会を開くというつもりはないのでございます。
#9
○平林剛君 今の副総裁のお話の意味は、きわめて重大であります。私は、法律の形式として、最終的な決定は総裁が行なうということに異存はありません。しかし、あの法律の制定の趣旨からいきますと、あくまで耕作審議会の議を経なければならないという表現でありますように、この委員会が民主的に、しかもその結論に対してはこれを尊重すると、相できるならば全会一致という形で公社が行なうというのが趣旨であろうかと思うのでありますから、運用についてはその線が最も望ましいということは議論のないところだと思います。だから、私は、その意味で再諮問をしたらどうだろうかと、こうお話をしているのであります。これは、私は、あくまで私としての希望であり、法律の精神もまたそこにあるかと信ずるのであります。
 そこで、第二の問題がもっと重大であります。それは、今副総裁は、学識経験者の意見はわかったと。なるほど、私も答申案を見てわかった。耕作者側の意見もわかっていると替われる。耕作者側の意見は、かなり大幅な引き上げ率であります。私は個人的に耕作者側の意見を聴取いたしておりますけれども、その中には一〇%もしくは一五%の引き上げをすべしという見解もあります。また、先般来から開かれた全国の耕作者大会における耕作者の要約した希望も、もっとこれ以上の大幅な意見を持っているのであります。私が先般申し上げました通りに、労務費についても、二十一円というのは不当だから、せめて米の算定基準にした八十一円四銭くらいまでは見てよいのではないかということや、反当の十万円くらいは確保するという政治的な配慮が必要だという見解に従えば、さらに上回ることになる。副総裁はそれらの意見も承知しておる、それらをいろいろ考えて妥当な結論を出すということなら、今の最終的な結論は、数字としてははっきりしていないけれども、方向としては五%を上回るところによってきめられると、専売公社はそういうことをお考えになっているということを示したことと私は理解をするのであります。そういうお考えで今進められておりますかどうか、お尋ねいたします。
#10
○説明員(石田吉男君) まだ、公社の二度目の案といいますか、そういうものは決定しておりません。いろいろな角度から検討を続けておりますが、少なくとも当初の原案を固執するつもりはございません。
#11
○平林剛君 政務次官、どうですか。私は、この問題については、あなたもたはこの産地におられまして、よく耕作者の実情を御承知であるはずだと思いますが、副総裁も公社の案を固執することなく、そうして先ほどのお答えによりますと、学識経験者のみが寄せられた答申案も承知している、耕作者の意見も承知している、そうしてそれらを勘案して妥当な結論を出すということを言われておるのでありまして、政務次官としても、この点について、政府を代表して、どういう覚悟と決意があるか、この機会にお示しを願いたいと思う。
#12
○政府委員(田中茂穂君) この収納価格の問題につきましては、これは耕作者側にとりましてはきわめて重大な関心を持っている問題でございまするし、また、先般の耕作審議会におきましても、きわめて慎重な、またいろいろな角度からの御意見が出たことも、一応概略承知いたしておるわけでありますが、先般来の平林委員の御意見も、十分私といたしましては理解できる点も多々あるわけであります。ただいま副総裁が答えましたように、先般の審議会の答申をあくまでも尊重しながら、また耕作者側の立場も考えて、妥当な価格が公社の方で一応考えられると思いまするので、その価格を十分大蔵省といたしましても尊重しながら、最終的に大蔵省といたしましては善処いたしたい、かように考えております。
#13
○平林剛君 はなはだ満足できない答弁でありまして、一段と一つ明確な結論が出るように御努力をいただきたいということを申し上げておきます。
 ただ、この機会に、私、厚売公社初め大蔵省、政府当局に猛省を促しておきたいのでありますけれども、公社が最初審議会に提出をされました諮問案によりますと、二・五%の増加である。しかるところが、学識経験者の二日間における審議によって、これは妥当でない、即座に答えとして五%を下回らないものできめることという結論を出された。池田内閣は十年たつと所得を二倍にするということを言っておるけれども、この問題については二日間で二倍になった。また、最近伝えられております情勢によりますと、専売公社側も、耕作者の意見も十分人れて一つの線を考えなければいかぬと。あなたも今日の重大性にかんがみて積極的に努力をすると言われて、巷間は八%程度という数字さえ伝えられているわけであります。すると、二・五%、五%、八%という工合に、この耕作者の収納価格の引き上げの数字自体は、近々わずかの間に大きな幅の揺れがあるという、厳然たる事実なんですね。私は、そのいずれが妥当であるかということは、この際高い方が妥当であるという見解をとっておりますから、公社の諮問案は、大体法律に照らして妥当でないということで、まことに喜ばしい、真実に近い結論になってくると考えているのであります。
 それは別にして、この数字というものに大きな幅の揺れがあるということ自体に、重大な問題があるのではないか。これはお互いに検討しなければならないことと思う。このような大幅な揺れが出てきたということは、どこにその根本的な欠陥があるかということであります。私は、率直に申し上げれば、当初提出をされた専売公社の諮問案に問題がある、こう思うのであります。先般申し上げましたように、現在のたばこ専売法によると、「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して」これをきめると書いてあるのに対し、諮問をされました算定方式によりますと、これとかけ離れたところにあるというところに問題がある。生産部長の坂口さんは、専売公社におきましてはきわめて有能な生産部長として、そのうわさが高い。しかし、その人が算定をしても二・五%しか出ない。これは算定方式そのものに私は問題があるのではないかと思う。つまり、公社が提出をされました現在の収納価格に若干の修正係数をかけたり、現在の収納価格に対して他の農産物との比較の修正係数をかけたり、いずれも現在の収納価格を基点にして出発をするところに根本的な誤りがある、私はこう考えざるを得ないのです。いかがでしょうか。公社として、今日の事態から考えまして、算定方式そのものについても検討を加える必要があると理解をしなければならぬと思うのでありますが、今日この経過から考えまして、今後どういう取り扱いをなさろうとするか、私はこの点承っておきたいと思います。
#14
○説明員(石田吉男君) ただいまお話のありました公社原案が二・五%というのは、これは何か御記憶違いではないかと思いますが、これは二・九四%でございます。従いまして、二・五%がいきなり倍になったと、こういうことでございましたが、さようではございませんで、二・九四%でございます。
 それから、学識経験者の答申いたしました五%を下らないというのは、ただいきなり倍にしたとか、そういうことではございませんので、先ほど申し上げました生産費を加味いたしました算定方式の価格算定の基準の年が、公社案では三十四年度の数字を用いております。これを「なるべく最近の正常年の三カ年程度を採り、基準価格の安定化を期する」、かように答申の中に書いてございますが、その最近の正常年の三カ年程度の数字をとりますと、大体五%をやや上回る程度のものが出る。かような意味合いにおいて、五%を下回らざるというような答申が出たものと承知しております。従いまして、ただ単に、これでは足らぬから倍にしようとか、そういう見解ではないと承知いたしております。
 それから、価格算定の方式につきましては、二つの式を用いまして、一つは生産費を加味したもの、第二式は他の農産物との均衡を加味したもの、この両式を用いております。この価格算定の第一式、第二式、これにつきましては、耕作者側におかれましても、その算定方式はいかぬというふうな意見は出ておりません。それから、学識経験者側もそういう意見は出しておりませんので、この一式、二式という算定の方式については別に御異存がなかったものと、かように考えております。
 それから、ただ、その中に用いております、ただいまちょっと申し上げましたような基準になりますいろいろな数字、あるいは農産物の均衡をはかります場合に取り上げました他の農作物、そのようなものにつきましていろいろな意見が出ておりますので、私どもも、修正いたしました案を作るためには、おおむねこの算式にのっとりまして、審議会に出ました耕作者側、学識経験者側の意見を参酌しながら、もとは第一式、第二式の算式を基準にしてやりたいと考えております。葉たばこの収納価格の算定の方式というのは非常にむずかしいものと考えます。ただ単に、幾らぐらいがよろしかろうというふうなやり方でやりますと、どうしても算定をいたします基準がございませんので、そういう算定方式についても、もちろん今後も十分研究を重ねる必要があろうかと思いますが、今回の耕作審議会におきましては、方式全体についてはそう異存がなかったように考えておりますので、おおむねこの算式を用いて、ただ中身の数字をいろいろ調整しながら、妥当の結論を得たいというふうに考えております。
#15
○平林剛君 私は専売公社が耕作審議会に諮問された算定方式につきまして検討する必要があろうかと思われます程度では、満足しません。また、耕作審議会の委員の中で、公社が提出をした算定方式については議論がなかったと言われますが、これは問題になりません。二日間の委員会において、あるいは学識経験者も、耕作者側の意見も、この点について意見を述べる機会、期間がなかったかもしれないし、そのことに触れる運営でなかったかもしれないのでありますから、問題ではないのであります。私は、やはり専売公社は法律に基づいて諮問案を提出すべきだということを言っておる。副総裁、おわかりですか。私は、たばこ専売法に基づいて専売公社はその諮問をするときには、算定方式についてもこの法律によっていくのが、これは国会の意思であるということを言っている。私は、この国会の意思を代表してあなたに今お尋ねしている。検討すべきではないか、検討すべきだということを申し上げておるのであります。もしまだお答えがなければ、私は次にお尋ねします。
 法律の中には、「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めなければならない。」と書いてある。公社の算定方式によりますと、それぞれ掲げました事情すべてが尽くされているのではありません。私は、少なくとも法律に対して忠実でない。もしも法律に掲げられたような格条項を参酌して算定方式が掲げられたといたしますならば、先般来から説明をされておる算定方式のどこにその法律の趣旨が盛られておりますか、どこにその法律の趣旨に基ずく計数が掲げられておりますか。私は、この説明がなければ、法律に照らして適当でないということを申し上げるのであります。従って、結論としては、やはり算定方式につきまして検討しなければならないというお答えがまことに妥当な結論でありまして、そういうお答えをいただきたいと思うのであります。
#16
○説明員(石田吉男君) 法律にありますのは、ただいま平林委員がお沈み上げになった通りであります。しかし、従来から公社がやっておりましたのは、やはりここにありますように、生産費のことも考慮いたしております。それから、物価その他の経済事情ということは、これはもちろんたばこの需給の状況とか、そういうことも含まれるのであります。そういうことも考慮いたしておりまして、今度の算定方式も、従来と特色のありますことは、従来は数字的に生産費というものを使わなかった、それを一つの算式の中に生産費を入れてきたというところに非常に特色がございまして、むしろ従来よりも数字的に見て生産費を扱い出したということが、今回のっ諮問案の特色になっております。従ってこのきめますときは、それによって一応の平均の値上がり率というものを算出いたしました後に、各たばこの種類ごとにいろいろ需給の関係とかそういうものも違います、あるいは産地の状況も違いますので、そういうところを加味して、また具体的に、結局は何の種類の優等が幾ら、一等が幾らというふうに値段をきめるのは、これが価格の決定でございます。従いまして、ただ抽象的に、その算式で何%上がったから全体に一等の何業の値段を何%上げる、こういうふうなやり方ではありませんので、それに奄ります経過においていろいろな、ここに書いてありますような要素を加味するわけであります。従って、この算式というものは一つの数式でございますから、数式に乗らないいろいろな事情も出てくるわけでございます。私どもは、このおもな要素のものは、一応数字になりますものは、この算式の中に入れてある。ただ、入れ方が妥当であるかどうか、あるいはそういう式の組み方が適切であるかどうか、かような問題は残るかと思いますが、要するにこの法律の趣旨にのっとったものであり、ただその程度なり、あるいは数式の作り方なりがもっといい方法があるか、あるいはもっと実際の状況を反映するような方法があるかというふうなことは、いろいろあろうかと思います。ただ、それだからこの法律の趣旨に違反するとは、毛頭思っておりません。
#17
○平林剛君 これは、私は、百分からも法律の審議に直接参加し、これを取りまとめた一人といたしまして、公社側の考え方は非常に法律に忠実でないということを指摘をしておきたいと思うのです。他の農産物の価格とか、需給とかというのは、法律に掲げられております用語からいえば、「その他の経済事情を参酌して」という言葉に当てはまるのであります。従って生産費、物価、経済事情、こういう問題につきましては、もう少し新たなる算定方式について検討をする必要があるということを、きょうは出し上げておきたいと思うのであります。
 そこで、最後に、私はこの機会にもう一つ公社に注文を出しておきます。それは生産費の問題であります。あなたは今、法律に照らしてそうはずれてもいないと言いますけれども、生産、費調査の実態を私承知いたしますと、必ずしも適当でない。少なくともこれはいろいろな方式がございましょうから、三十六万の耕作農家があって、そのうち九百五十四軒の調査であるから、これでは正確な結論全般の標準というものは出ていないと急には申しませんけれども、しかし、それにしても、あまりにもまだ資料としては不適確でないかと、かように考えておるのであります。そこで、専売公社は至急にこの生産費についての資料を充実する用意があるかどうか。先般私は同じ質問をいたしましたところが、こういうこの調査だけにやたら予算を用いるのはどうかと思いますので、という答弁がございました。現在、しからばこの生産費調査のために予算を幾らかけていますか、そんなに障害になるような生産費調査の予算であっるかどうか、これも私は知って、おきたいと思うのであります。
 結論は、やはり多少の経費をかけても、それが重大な影響でない限り、公社はもう少し生産費調査を充実するように努力をして、来年再びこの生産費の問題をめぐって議論が起きないような、少なくともある程度信頼度の強いものにするような努力を払われたいと思いますけれども、いかがですか。
#18
○説明員(石田吉男君) その後、米の生産費調査の場合を調べて参りましたのですが、大体、米の生産費の方は、米作農家戸数が全国で五百二十万戸ございまして、そのうち従来は約三千戸調査しておったということでございます。大体三十五年にはこれを約五千戸だと、こういうふうに聞いておるのでありますけれども、そういたしますと、大体約手戸について、二戸調査しているということだそうであります。葉たばこの場合には、三十五万のうち凡百何十戸ということで、これは約二百七十戸につき一戸の割合であります。従いまして、ただこの数字面だけから見た場合には、米の場合よりも少し精度が高いのじゃないかというふうに考えますが、これは私詳細には存じないのでありますが、やはりこういう推計学的な方法によりますと、調査の誤葦というものが現われるのだそうであります。それによりますと、大体二%程度の誤差であれば、それで精度が高いというのだそうでありますが、そういう面から見ますと、これはおそらく生産費の中身がいろいろ違うからかもしれませんが、そういう精度の面では、米の方がたばこの場合よりもやや高いというふうにいわれるのだそうであります。たくさん調べれば調べるほど正確なものが出るということは言えるかと思うのでありますが、こういう推計的な方法をとる場合におきましても、できるだけ、経費だけよけいかけるのが必ずしも能ではありませんので、精度の高いものをできるだけ少ない経費で調査するということがねらいになりますので、ただ経費が足らぬから粘度が少ないのだというわけでもございません。まあ、私ども先般申し上げました趣旨は、できるだけ少ない経費でできるだけ高い精度の上がるような調査方法をとりたいと、かように申し上げたのであります。現に、生産費調査のために使っております数字、正確に記憶しておりませんが、大体四千万円程度ではなかろうか、かように記憶いたしております。
 なお、生産費調査は、結局、ことしのような算式を用いることになりますと、その調査の内容、角度というものが非常に問題になりますので、従来この生産費の調査が使えなかったのは、一つはこの実態生産費の調査ということはいろいろやっておりますけれども、むずかしい問題があっておくれておりますので、計数的に使えるような資料がなかなか整わなかったという点にも、一つそれを収納価格に加味することのおくれていた点もございますので、今度こういうふうに使うようになりますと、ますます生産費の中身というものは、もっと各耕作者側の満足のいくような、だれが聞いても納得のいくような調査方法でなければならないと思います。そういう意味合いにおきまして、この生産費調査のやり方その他につきましては、今後なお一そう研究を重ねて参りたいと考えております。
#19
○平林剛君 きょうは、現在答申案の取り扱いにつきまして、私の希望を申し述べました。それから、今回の経過にかんがみまして、将来の収納価格の算定につきましての注文を発しておきましたので、しかるべく公社側において検討されて、その実現が期せられるよう努力をいただきたいと思うのであります。
 当面の問題につきましては、先ほど指摘をいたしましたように、耕作者の希望、それから現実の実情、法律の趣旨などから考えまして、必ずしも学識経験者のみの意見一致が妥当なものとは認めがたいと思うのであります。この意味におきまして、政府もお話がありましたように、また公社のお答えがありましたような方向で、積極的に努力せられるようにきょうは希望いたしまして、私の質問を終わっておきたいと思います。
#20
○委員長(杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、これで質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。よって、討論に入ります。
  ―――――――――――――
#22
○委員長(杉山昌作君) その前に、御報告申し上げます。ただいま永末君が委員を辞任されまして、田上君がその補欠として選任せられました。
  ―――――――――――――
#23
○委員長(杉山昌作君) それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、替否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#25
○委員長(杉山昌作君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(杉山昌作君) それでは、速記をつけて。
  ―――――――――――――
#28
○委員長(杉山昌作君) 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案外六件の法律案を議題に供しまして、政府側の補足説明を伺います。
#29
○政府委員(賀屋正雄君) ただいま議題となっております国際開発協会への加盗に伴う措置に関する法律案につきまして、若干の補足的な御説明をいたしたいと存じます。
 最初に、そもそも今般国際開発協会の設立が考えられるに至りました経緯について申し上げたいと存じます。
 低開発地域の経済開発のための融資を行なう国際機関といたしましては、従来から、御承知のように、国際復興開発銀行、いわゆる世界銀行等と称しております。それから国際金融公社といったようなものがございますが、世界銀行は、その性質から申し上げまして、融資の対象とか条件等に制約がございます。また、国際金融公社は、資本金も小さく、またこれは民間との協調融資をねらいといたして設立されたものであります関係上、やはり融資活動に限界があるのであります。そこで、これら両機関の活動を補完する意味におきまして、通常の貸付条件よりも弾力的であり、しかも借り入れ国の国際収支に多くの負担をかけないような条件で融資を行なう機関といたしまして、新しくこの国際開発協会の設立が考えられるに至った次第でございます。
 すなわち、昨年の九月末から開催されました世界銀行の総会では、米国が上程いたしました国際開発協会設立に関する決議案なるものを、十月一日に採択いたしました。世界銀行の理事会は、この決議に基づきまして、協定案を審議いたしました結果、本年の一月二十六日に国際開発協会協定を作成いたしました。で、この協定は、世界銀行の加盟国であります現在六十六ヵ国に対しまして署名のために解放せられているのでありますが、本年九月二十四日にこの協定が効力を発生いたしました。十一月八日に第一回の理事会を開催いたしまして、ここに正式に業務を開始することになったのでございます。
 なお、御参考までに、同日までの協会加盟国の数を申し上げますと、米、英、西独を初めといたしまして、第一回理事会までには二十二ヵ国でございました。その出資承諾額は七億二千六百二十七万ドルということに相なっておりますが、その後十一月三十日に、二十三番目の国といたしましてデンマークが加盟いたしました。従いまして、十一月三十日現在における出資承諾額は七億三千五百一万ドルに相なっております。
 わが国といたしましては、本協会に加盟するために、この協定を受諾する必要がありました。このため、すでに第三十四国会におきまして国際開発協会協定の締結について国会の承認を求めるの件につきまして御協賛を得ますとともに、昭和三十五年度予算におきまして、出資のために必要な予算措置を講じたのでございます。遺憾ながら、本法律案のみが審議未了で継続審議となったのでございますが、さらにその後国会解散がございましたので、あらためてこの特別国会に再提出いたすことに相なった次第でございます。
 この協定によりますと、この協会の原加盟国となるためには本年の十二月三十一日までに一切の加盟手続を了する必要があり、わが国といたしましては、本協会設立に当初から賛成でありました立場から申しましても、ぜひとも年内に加盟を終わりまして、原加盟国となることが望ましいわけでございます。このためには、加盟手続の前提となりますこの法律案が早急に成立いたすことが必要となってくる次第でございます。
 そこで、まず、この法律案提案の基礎をなします協定の概要を若干御説明申し上げたいと存じます。
 協定は、お手元にお配りしてあると思うのでございますが、前文と本文十一ヵ条、それから末文からなっておりまして、これには協会の目的、出資通貨、業務組織及び運営等につきまして規定してあるのであります。そのおもな骨子のみを要約して申し上げたいと存じます。
 第一に、協会の目的でございますが、これは先ほども若干触れたのでございますが、加盟国内の低開発地域の経済圏発を促進し、生産性を高め、かつ、それにより生活水準を向上することにあるのでありまして、特にそのため低開発地域の重要な開発要請に対し比較的緩和された条件で融資を行ない、それによって世界銀行の開発目的を促進し、その活動を補完することにあるのであります。なお、協会の総裁、総務、理事及びスタッフ、いずれも世界銀行と共通させることになっております。
 第三に、協会への加盟でございますが、世界銀行に加盟をしております国はすべて加盟することができるように解放されておるわけでございまして、各加盟国は増資後の世銀に対する応募額と同じ比率でもって協会が当初予定いたしております十億ドルを分担出資することと相なっております。これを当初出資と申しますが、この当初出資につきましては、すべての加盟国がその一〇%を金または自由交換可能通貨で出資いたしまして、残る九〇%につきましては、加盟国を第一部の国と第二部の国の二つに分けまして、すなわち先進工業国を第一部の国といたしまして、これらの国は九〇%につきましては金または自由交換可能通貨で払い込む必要があります。低開発国を第二部の国といたしまして、これらの国は九〇%部分につきましては自国の通貨で払い込むことができるようになっております。さらに、各国の払い込み額につきましては、初年度は一〇%部分の半分、すなわち五%と、九〇%部分の五分の一、すなわち一八%、合計いたしまして二三%を払い込みまして、第二年度以後第五年度までは、残りを毎年度均等に分けまして、つまり一九・二五%ずつを払い込むことと相なっております。なお、九〇%の部分につきましては国債で代用することができることとなっております。協会の資金補てんの方法といたしましては、五年ごとに増資の可否について検討し、あるいはある加盟国から他の加盟国通貨による供与を受け入れることの規定がございます。
 それから、第三に、融資活動等についてでございますが、協会の融資は加盟国における低開発地域の開発のために行なわれるものでありますが、原則として特定のプロジェクトに対してのみ融資され、しかも、合理的な条件で市場において調達不能で、かつ世界銀行からの融資対象とならないものに対して行なわれることとなっております。当初出資による資金につきましては、融資形態は原則として貸付に限られることとなっております。
 第四に、この協定は、協定の効力発生には加盟国政府の異名と受諾書の寄託が必要でありますことと、また協定署名の期限、先ほど申し上げました本年十二月三十一日についての規定等がございます。
 以上が簡単でございますが協定の内容でありまして、この協定を受託いたしまして協定に加盟するためには、協定の各署名政府はこの協定に基づくすべての義務を履行するために必要な国内措置をとることが必要であります。従いまして、政府としては、すでに別途講じました出資所要額についての予算措置のほか、ここに御審議をいただいております法律案の通過を見る必要がぜひとも生じて参った次第でございます。
 そこで、次に法律案について御説明いたしたいと存じますが、法律案そのものは比較的簡単でございまして、本文五条と附則二項からなっておりまして、これはおおむね世界銀行、つまり国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律を先に御審議いただきましたが、この法律の例にならって原案はできておるのでございまして、第一に、「この法律は、国際開発協会へ加盟するために必要な措置を講じ、及び国際開発協定の円滑な遂行を確保することを目的とする。」という規定を置きまして、第二に、出資の関係で、政府は協会に対し、協定によるわが国の出資額である三千三百五十九万合衆国ドル、すなわち本邦通貨に換算いたしまして百二十億九千二百四十万円を限度として出資し得ることを規定いたしております。すなわち、わが国の出資根拠を明らかにした規定でございます。第三は出資の方法でございますが、政府は協会に対して、金または自由交換可能通貨によって出資を行なうことができることを規定しております。協会当局によれば、わが国の円はこの自由交換可能通貨に含まれるものとされておりますので、わが国といたしましては、全額をこの円によって出資することができるわけでございます。
 第四は国債による出資に関する規定でございまして、先ほども申し上げましたように、協会に出資する自由交換可能通貨が本邦通貨である円であります場合には、その本邦通貨にかえまして一部を国債で出資することができることといたしました。このために、政府は必要な額を限度として国債を発行することができることといたしております。すなわち、協会では、出資額の九〇%に当たる部分が当該加盟国通貨により払い込まれましたものかあるいは払い込まれるべき通貨の一部が協会の業務に必要でないと認められましたときには、そのかわりに当該加盟国の政府が発行する手形その他の債務証書を受領し得ることと相なっておりますが、この点を国内法上明らかにいたしますとともに、政府に国債発行の権限を与えた次第であります。わが国は割当出資額三千三百五十九万ドルのうち、初年度分の払い込み分といたしましては、先ほども申しましたように、その二三%、すなわち七百七十二万五千七百ドルに相当する二十七億八千百二十五万二千円を払い込む義務を負っておるのでありますが、この規定によりまして一八%の部分の二十一億七千六百六十三万二千円を国債により出資し、残りの五%部分の六億四百六十二万円のみを現金で出資することといたした次第であります。なお、この国債は譲渡禁止かつ無利子ということになっておりますが、要求のあり次第額面で支払われるべきものとされておりますが、これら国債の発行条件、あるいは国債の償還、国債整理基金特別会計への繰り入れ等につきましては、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律のこれらの該当の規定をそれぞれ準用いたしております。
 最後に「寄託所の指定」という規定でございますが、世界銀行の場合と同様、協会は協定におきまして、各加盟国はその国の通貨その他の資産を保管するために、協会の寄託所といたしまして原則として自分の国の中央銀行を指定することといたしておりますが、これを受けまして、わが国におきましても、この法律案によりまして日本銀行を第二十七条の規定にかかわらず協会の保有する本邦通貨その他の資産の寄託所としての業務を行なうことができることといたしておる次第でございます。
 附則は、一つは施行期日でございまして、公布の日から施行することといたしております。もう一つは、大蔵省の設置法の一部改正でございまして、国際開発協会に関する事務を大蔵省の所掌事務に加えるための規定でございます。
 以上が本法律案並びにその基礎をなしております協定の補足的な御説明でございます。
#30
○政府委員(石野信一君) 日本開発銀行法の一部を改正する法律案について、補足説明を申し上げます。
 この法律案の内容は、さきに第三十四国会に同じこの日本開発銀行法の一部を改正する法律案という法律案が提出されましたが、これと内容は全然同じでございます。その際にも当委員会において補足説明をいたしましたが、法律の目的は日本開発銀行に外貨債券発行の道を開くということでございます。あと条文がいろいろございますが、すべてこれに関連する規定でございます。
 で、お手元に日本開発銀行法の一部を改正する法律案がございますと思いますが、お手元にございますね。一枚めくりまして、二ページの三十七条の二「外貨債券の発行」というのがございますが、ここの一項に「日本開発銀行は、第十八条第一項に規定する業務を行なうため必要な資金の財源に充てるため、大蔵大臣の認可を受けて、外国通貨をもって表示する債券を発行することができる。」、この規定が中心でございます。現在、開発銀行は政府からの借り入れと外国の銀行その他の金融機関からの外貨資金の借り入れと、この二つが資金調達の方法としてあるのでございますが、今度外貨債券の発行について新たにこの規定を設けようということでございます。
 これに関連しまして、今の法律案の第一ページの一番最初の第十八条の二の見出し中、「借入金」を「借入れ及び債券発行に改め」云々という規定でございますが、これは外貨債券の発行額の限度についての規定でございまして、従来は借入金についての限度が規定されておるわけであります。この借入金についての限度、すなわち資本金及び準備金の合計額、いわゆる自己資本額の二倍までという限度を変更するわけでございませんが、その限度の中で借入金と外貨債券とを合計して借り入れ及び発行ができると、すなわち外貨債券の発行を従来の自己資本の額の二倍の範囲内で、借入金と合わせてその範囲内でできるということに規定をいたすのでございます。
 それから、第三は、政府が外貨債券の債務について保証できるという規定でございまして、三ページの第三十七条の三「政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条の規定にかかわらず、前条第一項の規定により発行する外貨債券に係る債務について、予算の定めるところにより、保証契約をすることができる。」、この「予算の定めるところにより、」ということにつきましては、すでに三十五年度一般会計予算総則において必要な措置が講じられておるところでございます。
 それから、第四は、外貨債券の消化を円滑にするために、その利子等に対する租税その他の公課について国際慣行にならって非課税の措置を講ずることでございまして、それは法律案の四ページの三十七条の四の規定でございます。これは、前回外貨の国債を発行いたしましたときにも同様の規定が規定せられたものでございます。
 そのほか、外貨債券の発行事務の委託というような、この外貨債券発行に伴います所要の規定の整備を行なう規定がございます。
 法律案のおもな内容は以上申しました通りでございまして、最近、外資の導入につきましては、従来世銀の借款というものに限定されておった傾向がございますが、世銀の借款に関連いたしまして、民間からの外資をこれと関連して受け入れる、外貨債券を発行するというようなことも必要になってきております。こういうことに関連いたしまして、日本開発銀行債を発行いたしますことは必要に相なってきているわけでございますが、そういう関係とも関連いたしまして、調査と申しますか、交渉と申しますか、下準備と申しますか、そういうことをいたしますにも、何分法律的な権限がございませんとそういう話も始められないということでございますので、できるだけ早くこの法律案の成立を見ることを希望いたしておる次第でございます。何分よろしく御審議いただきたいと思います。
  ―――――――――――――
 それでは、次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案についての補足説明を申し上げます。
 これは非常に簡単な条文でございまして、日本輸出入銀行法の第四条の資本金の規定、これは「日本輸出入銀行の資本金は、四百五十八億円とし、政府が産業投資特別会計からその金額を出資する。」、第四条第一項の規定でございますが、この四百五十八億円に百二十五億円を加えまして、五百八十三億円といたしますだけの規定でございます。
 これは、ただいま予算措置については同時に国会で御審議を願っておるわけでございますが、特にプラント輸出、そのうちでも船舶関係の輸出が、本年度において従来の実績から見まして相当に伸びて参るというふうに見込まれるのでございまして、当初輸銀の貸し出しの計画といたしましては、七百二十億円を予定いたしたのでございますが、これが八百五十億円程度になるように見込まれるのでございます。従いまして、百三十億円程度の増加が必要と相なるわけでございますが、回収関係等の自己資金の関係で五億円ございまして、その残りの百二十五億円を産業投資特別会計からの出資で補足したい、こういう規定でございます。輸出の増進も非常に必要なときでございまするので、これまたよろしく御審議下さいますようお願い申し上げます。
#31
○大矢正君 局長、資料を二つ頼んでおきたいのですが。今の開銀関係の方の資料としては、世銀借款の外貨貸付約八百九十億といっていますね。これの業種別の内訳を一つ出してもらえないだろうかというのと、それからもう一つは、今の輸出入銀行に関係して、投資金融三百九億ですか、これの内容をちょっと知りたいのです。それだけです。
#32
○政府委員(石野信一君) こういう各銀行の貸付の内容を個別に出しますのは、従来借手の方の、何と申しますか、常業の関係が大っぴらに外に出るのもいけないというような関係で、いろいろお話しして御了承願っておるのですが、その辺あとで御相談さしていただけましょうか。どういうふうに扱えばいいかを。業種別はよろしゅうございますが。
#33
○大矢正君 開銀の方はいいわけだね、業種別だから。
#34
○政府委員(石野信一君) どの会社がどこからどのくらい借りているかというのは、あまり……。
#35
○大矢正君 あとの輸出入銀行の内容の方がどうかと思いまして。
#36
○政府委員(石野信一君) その方はおとで御相談さしていただきます。
#37
○説明員(泉美之松君) 税法関係の二法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 まず第一に、昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案でございますが、これは御承知のように、昭和三十年以来とられておりまする、米の事前売り渡し申込制度の円滑な実施に資するために、事前売り渡し申込制度に基づいて売り渡しました米につきましては、一石当たり平均千四百円を非課税とするという趣旨に基づいて作られている法律案でございまして、御承知のように、昭和二十六年から二十九年までは、今のような売り渡し申込制度でございませんでしたので、超過供出奨励金等の奨励金を非課税にしておったのでございますが、事前売り渡し申込制度になりまして以来、米の代金の一部を非課税にするということで、例年法律案が提出されているわけでございます。
 で、本年の分は、昨年と同様、平均石当たり千四百円を非課税にするというものでございまして、内容は、御承知のように、事前売り渡し申込制度は原則として九月二十日までに申し込むことになっております。ただ、北海道その他北陸、東北地方におきましては、八月三十一日までに申し込むことになっております。それまでに申し込みました後、昭和三十六年の二月末日までに政府に売り渡した場合に、この適用があるという関係になるわけでございます。この九月二十日までにつきましては、昨年は、御承知のように、日曜日の関係で九月二十一日となっておりましたが、本年はそういうことはございませんので、九月二十日になっております。それから、昨年はうるう年でございましたので、二月二十九日までに売り渡しをやることになっておりましたが、三十六年はうるう年でございませんので、二月二十八日ということになっております。
 で、非課税にする金額は、石当たり平均千四百円でございますが、御承知のように、時期別格差がございますので、時期別格差の出されない、つまり十一月一日から一月二十八日までの間に売り渡す分につきましては、千二百円、そうして時期別格差をそれに加算いたしますので、九月末日までの場合におきましては、千二百円に時期別格差の八百円を加えた二千円、それから十月一日から十日までの間は千八百円、十月十一日から二十日までは千六百円、十月二十一日から三十一日までは千四百円というふうになっているわけでございます。法文の方におきましては、これをキログラムで現わしておりますので、正味六十キログラムにいたしますと、九月末日まで八百円、十月一日から十日まで七百二十円、十月十一日から二十日まで六百四十円、二十一日から三十一日まで五百六十円、十一月一日から二月二十八日までの間に売り渡した場合は四百八十円というふうな数字になっているわけでございます。
 これは例年出ております法律案でございますので、この程度にいたさしていただきます。
  ―――――――――――――
 次に、昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案について、補足説明を申し上げます。
 政府におきましては、三十六年度におきまして相当大規模な税制改正を行なう方針でございまして、それにつきましては、先般税制調査会から答申されました内容を基礎といたしまして、各税にわたっての減税の内容を検討いたしているのでございますが、そのうち所得税につきましては、国民の待望している減税でございますので、なるべく早く減税を行なうという意味におきまして、三十六年の所得に対しましてフルに減税を行ないたいという考えでいるわけでございますが、御承知のように、給与所得、退職所得につきましては、一月一日以降支給されますので、ただいま予定されております所得税の控除税率によって、通常国会において改正を予定されます控除税率によって、給与所得及び退職所得につきまして軽減を行なっておくことが望ましい、こういう見地に基づきまして、この臨時特例に関する法律案を提出いたしているわけでございます。
 御承知のように、申告所得税の方は、三十六年分の所得について最初に納税いたしますのは七月でございますが、それまでにはもちろん通常国会の御審議を経て、所得税法が改正されるのでありましょうから、申告所得税の方につきましては、さしあたり特例を設ける必要はないのでございますけれども、給与所得及び退職所得につきましては、一月一日以降支給が行なわれますので、通常国会で法律案ができ上がるまでに支給を受ける分につきまして、あらかじめ予定されている控除税率によって軽減して、源泉徴収税額を軽減しておこうというわけでございます。いずれにいたしましても、所得税は年分所得に対して課税いたしますので、年末調整あるいは申告によって最終的に税額の調整は行なわれるわけでございますが、あらかじめ軽減をはかるために、この特例法を提出いたしているわけでございます。
 御承知のように、昭和二十五年から二十八年までの間の所得税の減税におきましては、いずれもこのような臨時特例法を提出いたしまして、一月一日から三月末日までの支給にかかる給与所得についての軽減をはかって参っておったのであります。二十九年以降、財源の関係等からいたしまして、そういう特例を出さずに、四月一日から改正法を適用するというふうになっておったのでございますが、今回は三十六年分の所得に対してフルに減税を及ぼすという考えのもとに、このような提案をいたしているわけでございます。
 で、簡単に御説明申し上げますと、第一条は今の趣旨を申し上げているわけでございます。
 第二条は、この特例法は、あとで申し上げますように、今度の税制調査会の答申を基礎にいたしておりまして、配偶者控除を従来扶養親族の一人として七万円を控除しておりましたのを、配偶者控除を新設して、九万円の控除にする。あるいは扶養親族のうち年令十五才以上の者につきましては、従来三万円の控除を五万円に引き上げ、給与所得控除につきまして一万円の定額控除を設ける、税率の緩和をはかる、こういったことを内容といたしておりますが、配偶者控除といったような言葉を出さないで、従来の法律の上に乗っかって、現存の所得税法をいろいろ読みかえたり、あるいは別表を直すというようなことで法律案ができておりますので、非常に法律技術的な形態をとっております。それで、第二条におきまして、所得税法に乗っかっていきます関係上、いろいろな用語の意義は所得税法の規定するとこるによる、あるいは扶養控除等申告書はあとに七条の規定によって読みかえられた所得税法の申告書をいうといったような定義を、与えているのであります。
 それから、第三条は、給与所得者を含む二人以上の納税義務者がある場合におきまして、従来は、扶養控除をどういうふうにするかということにつきまして、法律の八条一項後段に規定を設けまして、扶養親族はいずれかの所得者の扶養親族にしてしまう、その所得者につきまして控除をしきれない場合に他の生計を一にする所得者の扶養親族にすることができるというような形になっておるのでございますが、今度は、配偶者控除が設けられます関係上、たとえば親夫婦、子夫婦が生計を一にしておるというような場合におきまして、そのそれぞれの親及び子が所得を持っておるというような場合におきまして、それぞれの配偶者について配偶者控除の利益を与える必要がありますので、従来のようにある一人の所得者の扶養親族といたしまして、そこで控除しきれない場合に限って他の所得者の方から控除するということにいたしましては、配偶者控除をしきれないおそれがありますので、今度はそういう場合におきましては任意にいずれか一人の扶養親族とすることができるということにいたしまして、たとえば先ほど申し上げました親夫婦、子夫婦の場合におきましては、親の所得につきましてその配偶者を扶養親族とし、子の所得につきましては子の配偶者を扶養親族にするというようなことによって、配偶者控除をフルに与えようということでできておるわけであります。その場合におきましては、政令で定めるところによりまして、扶養控除等の申告書にそういうことを記載していただくわけでございます。
 第四条が給与所得についての源泉徴収の本体になるものでございまして、一月一日から三月三十一日までの間に支給される給与所得に対しましては、法律の三十八条一項の規定によって源泉徴収を行なうわけでございますが、その徴収の場合にあたりまして読みかえていくということになっておるわけでございます。で、従来は別表第三によって源泉徴収税額表がきまっておったわけでございますが、今度この特例の別表第一におきまして給与所得の源泉徴収税額表を月額表、日額表が甲表、乙表というふうに表を定めておるのでございます。
  この別表の第一の控除の内容は、税額だけしか書いてございませんが、この税額を算出する基礎になりました改正の控除税率と申しますのは、先般税制調査会から答申がありましたように、基礎控除は従来通り九万円、それから配偶者控除を、従来は扶養親族の一人といたしまして七万円の控除をいたしておりましたのを、二万円引き上げまして九万円の控除にする。それから扶養親族のうち年令十五歳以上の者につきましては五万円、今まで三万円の控除を五万円にする。それから給与所得控除一万円を、一万円の定額控除を設けまして、収入金額から一万円を差し引いた後の金額につきまして、従来通り四十万円まで二〇%、四十万円をこえる部分について一〇%の給与所得控除を行ないます。最高限の十二万円は従来通り据え置いておりますので、従来は給与の収入金額八十万円で十二万円の定額控除の限度に達したのでございますが、今度は給与の収入金額七十一万円で控除限度に達します。ただし給与の収入金額八十万円未満七十一万円以上のところは、従来十二万円の控除を受けておりませんでしたので、十二万円の頭打ちは受けますけれども、控除の利益は受けるということになるわけでございます。
 それから、税率につきましては、従来十万円までの税率が一〇%――課税所得十万円までが一〇%、十万円超二十万円まで一五%、二十万円超五十万円まで二〇%、五十万円超百万円まで二五%となっておりましたが、これを十五万円まで一〇%にする、それから十五万から四十万円まで一五%にする、それから四十万円超七十万円まで二〇%、七十万円超は従来通り百万円まで二五%というふうに改める、そういう計算でもちまして別表の計算ができておるわけでございます。
 それで、別表は甲表と乙表とに分かれております。甲表の方は、従来は御承知のように第一扶養親族が七万円の控除でございますので、控除の計算におきましては、基礎控除九万円、それから旧第一扶養親族七万円、それから三万円、三万円という控除の計算で税額表ができておるわけでありますが、今度の基礎控除九万円、配偶者控除九万円、それから年令上五才以上の者につきましては、あとで申し上げますように、所得控除の形にいたしておりますので、税額表の方では九、九、三、三といった形で計算ができております。従って、配偶者のある給与所得者は原則として甲表を適用するということになっております。乙表の方は、従来御承知のように九、五、三、三という形で税額表ができておるわけでございますが、今度は配偶者が扶養親族にならない場合の第一扶養控除の七万円は据え置く、それから配偶者の所得が五万円以上でありますために配偶者が扶養親族にならないというような場合におきましては、従来はその第一扶養親族の控除は五万円でございましたが、それを七万円に引き上げることになっておりますので、乙表の方は九、七、三、三という控除で税額の算出ができておるわけでございます。
 それから、賞与につきましては、従来所得税法の別表第四で源泉徴収税額を計算いたしておりますが、今度は別表の第二によって源泉徴収をするということになるわけでございます。
 それから、四条の二項は、先ほどちょっと申し上げましたが、扶養親族のうち年令十五才以上の者がありますと、それにつきましては従来の三万円の控除を五万円にいたすわけでございますが、法律の技術上、それを税額で表わそうとすることは非常に困難でございまして、各家庭におきまして何番目の人が五万円になるかということはきまりませんので、税額の方でやる」とができませんので、所得控除の形にいたしまして。給与の月額または日額から、その十五才以上の扶養親族の一人当たりにつき、月額の場合には二千円、日額の場合には七十円を控除した金額、それによって税額表を見ていくということにいたしてございます。賞与につきまして源泉徴収する場合にも、同様にいたしております。なお、二項のカッコ内にあります「乙表適用者の扶養親族のうちに年齢十五歳以上の者があるときは、そのうちの一人を除く。さということになっておりますが、これは乙表の適用は、先ほど申し上げましたように、九、七、三、三という形で控除ができ上っておりますので、十五才以上の者がおりますと、そのうち一人はまず七万円の控除を受ける。従って、七万円の控除を受ける者一人を除いて、その残りの十五才以上の年令の者について年長者控除を与えるという形になっているわけでございます。
 それから、先ほど申し上げましたように、同一生計内に所得者が二以上ありまして、またその扶養親族が二以上ある場合に、それぞれの所得者に扶養親族を分ける場合におきまして、配偶者がもしありますと、それは甲表の適用を受けますし、それから配偶者がない者につきましては乙表の適用を受けるということになりますと、先ほど申しました九、七、三、三の七万円の控除を受け過ぎることになりますので、そういう場合に、所得者に配偶者がいる場合には、その生計内にいる他の所得者につきましては乙表を適用しないで甲表の適用をしていく。そうして扶養親族零のところで税額を見ていく。それによって配偶者控除の九万円と第一扶養親族控除の七万円とが重複控除にならないようにするというふうな規定が、五条に出ているわけでございます。二項は、そういった場合の控除の仕方についての、税額表の見方についての規定が出ているわけでございます。
 それから、第六条は、退職所得につきましての特例でございまして、これは御承知のように、従来、年令四十才までの勤務につきましては、その年数一年について三万円、四十才から五十才までは一年につき四万円、五十才をこえる年数につきましては一年につき五万円、こういう控除で計算した金額を退職所得の金額から引くことになっておりましたが、それにつきまして控除限度が百万円ということになっておりましたが、この今度の改正では、その限度の百万円を廃止いたしまして、今申し上げました勤務年数と金額に応じた控除をフルに与えようということになっております。そこで、ホの規定の適用をないものとして、イから二まで及びへに定めるところに準じて源泉徴収税額を計算するという形になっておりまして、ホの規定というのが百万円の限度を規定した規定でございます。これを適用しないで税額を計算する。税率は先ほど申し上げました改正予定の税率によって計算された税額になっております。
 それから、七条は、そういう申告、扶養控除の申告をしていただく必要がありますし、それから主たる給与につきまして、従来は基礎控除額と扶養控除額との合計額に満たない所得の場合には、従たる給与を受けるところに扶養控除の申告が出されるということになっておりましたが、その点を改めまして、主たる給与について今度の源泉徴収表の改正の結果所得税額がない場合には、従たる給与の方に扶養控除の申告をすることができるというふうに改めているのでございます。
 それから、八条は、きわめて例外的でございますが、一月一日から三月二十一日までの間に死亡退職いたしましたり、あるいは国外へ転出いたした場合におきましては、その人の三十六年分の所得というものはそこで確定してしまいますので、年末調整まで待ってそこで調整するというよりも、早く、一―三月の間でございますから、所得の額も少ないし、ほとんど納税額のない場合が多いでありましょうから、できるだけ早く税額を還付いたりしまして、その人の年末調整まで待たないで一応の還付を行なおうというために、一―三月の年末調整といえばちょっと変でございますが、そういうために年末調整の特例を定めておるわけでございます。
 はなはだ、法律技術的な規定が多いために、おわかりにくい点があろうかと思いますが、要旨は以上申し上げたような次第でございます。
#38
○大矢正君 資料をお願いしておきますが、それは、一つはこの税法の改正をやるときに出してもらうので、今度のやっとは多少違うかもしれませんが、課税最低限を、現行とこれによった場合、年間通して、独身の場合とか家族数に応じて、社会保険料なら社会保険料、生命保険控除というものを一定の金額にしておいて、どのくらいになるかというものを出してもらいたい。それから、同時に、それと反対になるのだが、どれだけ税金が家族数に応じて安くなるかというやつを、金額別に、ある程度従来……。
#39
○説明員(泉美之松君) 恐縮でございますけれども、租税及び印紙収入補正予算の説明という印刷したものが参っておると思いますが、その十四ペジから十五、十六ページにかけまして、今おっしゃったのは出ております。
#40
○大矢正君 十四ページ……。
#41
○説明員(泉美之松君) それから、十五ページが、まあ所得階級ごとの給与月額に応じて軽減される金額、及びその割合が出ております。
#42
○大矢正君 わかりました。それならば、もう一つの方は、三十四年度の階層別というのだな。納税人員と、それから納税の額ですか……。
#43
○説明員(泉美之松君) 所得階級別ですか。
#44
○大矢正君 階級別。
#45
○説明員(泉美之松君) 納税の額は……。
#46
○大矢正君 そういうものの資料は作れないのですか、ないのですか。
#47
○説明員(泉美之松君) 所得額はわかりますが、納税の額の方は……。
#48
○大矢正君 人員の方はわかるのですか。
#49
○説明員(泉美之松君) 人員と控除額はわかるのです。
#50
○大矢正君 それでいいですから。
#51
○政府委員(上林英男君) 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 法案の内容自体は非常に簡単でございまして、特別会計法の附則十四項におきまして、「政府は、昭和三十五年度において、一般会計から、百二十億円を限り、この会計の歳入に繰り入れることができる。」という規定を設けますとともに、それに伴いまする条文整理をいたすものでございます。
 産業投資特別会計は、三十五年度の当初予算におきましては、その投資財源をもちまして二百六十億円の投資を行なうことにいたしていたのでございまするが、その後におきまする日本輸出入銀行及び商工組合中央金庫の資金収支の状況その他にかんがみまして、日本輸出入銀行に対しては百二十五億円、商工組合中央金庫に対しては二十億円の出資をすることが必要になったわけでございます。従いまして、これに伴いまして今国会に産業投資特別会計の補正予算を提出いたしますとともに、先ほど銀行局長から御説明をいたしました日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、及び別途商工委員会に商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の御審議をお願いしているわけでございます。これらの措置に伴いまして、産業投資特別会計の財源といたしましては、前年度剰余金の三十五億円を充てることにいたしまして、差引一般会計から百二十億円をこの会計に繰り入れることにする必要がございますので、この法律案を提案いたしましたわけでございます。
  ―――――――――――――
 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 この法律案の内容自体は簡単でございまして、食糧管理特別会計法の第四条ノニに、この会計が発行いたしまする食糧証券、借り入れ、その他の限度額というものが、現在、最高四千四百億円と定められております。これを、今後は、その限度額につきましては予算をもって国会の議決を経るように改正いたしたいというのでございます。
 今申しましたように、現在この特別会計の食糧証券等の限度額は四千四百億と定められておるわけでございまするが本年当初におきましては、この限度額の範囲内で不足資金をまかなうことができるものと考えていたのでございますが、特に本年の豊作によりまして、米の買い入れ予定数量が当初の三千四百万石から四千百万石に大幅に増加する等の関係がございますから、この限度額では不足資金をまかなうことができないようになったわけでございます。そこで、この食糧証券の限度額は食糧の買い入れ費等の予算と非常に密接な関係があります。過去の例を見ましても、補正予算を買い入れ費につきまして組みますときは、またこの借り入れ限度の改正をする必要があるというふうな状況でございますし、それから、ほかの特別会計を見てみましても、おおむね予算との密接な関係にかんがみまして、予算をもってその限度を国会の議決を経るという形をとっておるものが多うございますので、この際この法律を改めまして、食糧証券等の限度額は予算をもって国会の議決を経ることに改めようとするものでございます。
 この措置に伴いまして、今回御審議を願っております補正予算総則におきましては、この食糧管理特別会計の限度額を五千百億ということに定めたく御審議をお願いしておるのでございます。
 いずれも、食糧管理特別会計の資金状況その他にかんがみまして、急速に実施する必要がございますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
#52
○委員長(杉山昌作君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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