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1960/12/20 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第4号
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1960/12/20 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第037回国会 大蔵委員会 第4号
昭和三十五年十二月二十日(火曜日)
   午後一時四十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員前田佳都男君、塩見俊二君、
田上松衞君及び原島宏治君辞任につ
き、その補欠として小山邦太郎君、村
松久義君、永末英一君及び中尾辰義君
を議長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     杉山 昌作君
   理事
           上林 忠次君
           山本 米治君
           大矢  正君
           天坊 裕彦君
   委員
           岡崎 真一君
           西川甚五郎君
           堀  末治君
           成瀬 幡治君
           平林  剛君
           永末 英一君
           中尾 辰義君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
   大蔵省銀行局長 石野 信一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵省銀行局特
   別金融課長   橋口  収君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本開発銀行法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山昌作君) これより委員会を開きます。
 委員の異動について御報告いたします。本日付をもって委員田上君、原島君が辞任され、その補欠として永末君、中尾君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(杉山昌作君) 日本開発銀行法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行の一部を改正する法律案、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題にいたします。
 質疑のある方は、順次、御発言を願います。
#4
○平林剛君 法律案につきましてお尋ねする前に、政府にこの際資料の要求をしておきたいと思います。
 金融業者が産業資本会社の株式を一〇%以上持ってはならぬ、これはいかなる方法をもってもいけないということは、公取法第十一条に定めがあることは御承知の通りであります。しかるに、最近金融業者、特にかなり大きな銀行筋におきまして、この規定に違反をして株の取得をしておる実情があります。中には、事業団体に多くの役員を送りまして、実質的にその経常権を支配をしていこうとする考え方もうかがえる実例もありまして、私ひそかに関心を強めておるのであります。きょうはこの実例は申し上げませんけれども、銀行におきましてこういう実情があるかどうか、御調査をいただきたい。そうして、その実情を資料として御提出をいただけるさうに願いたい。これを和まず冒頭にお願いしておきたいのでございます。銀行局の直接のあれでないかもわかりませんけれども、一つこの際私の希望を達していただきたいと思うのであります。いかがですか。
#5
○政府委員(石野信一君) 金融業者の専業会社の株式の所有に関しましては、これはただいまお話の中にもございましたように、公取法の関係の規制でございまして、公正取引委員会の方の所管に相なっております。従いまして、今お話しのような資料を私どもの方の手元で御満足のいくようなものか調整できるかわかりませんけれども、なおよく具体的なお話もあとで伺いましたならば、そういうようなことも伺った上で研究さしていただきたいと思います。
#6
○平林剛君 それでは、資料についてのお願いはこの程度にいたしまして、日本開発銀行法の一部を改正する法律案につきまして若干お尋ねいたしたいと思います。
 最初に、事務的なことでありますけれども、政府の提案理由の説明書によりますと、開発銀行の開発資金貸付残高が現在五千三百二十億円に上っておると習いてあります。それから、もう一つの、大蔵委員会に提出をされました政府の資料によりますというと、十月末現在五千二百三十億円となっております。どうも数字が食い違いますし、他の資料で調べていただきますと、十月末現在五千二百五十二億円となっておる。どれが一番正確なんですか。
#7
○政府委員(石野信一君) ここにございます、提案理由の説明の中にございます五千三百二十億円というのは十二月五日の数字でございます。なお、十月末の正確な数字は五千二百五十二億でございます。
#8
○平林剛君 そうすると、この一番新しい数字が提案理由のこの説明の数字というふうに理解をしてよろしいのですね。
#9
○政府委員(石野信一君) はい。
#10
○平林剛君 次にお尋ねいたしたいのは、開発銀行の昭和三十五年度の資金計嵐について資料の提出がありましたけれども、現在この資金計画についての基本的な考え方を一つ御説明をいただきたいということ。それからもう一つは、資金計画の決定にあたりまして、現在どういう措置をとられておりますか。私、寡聞にして実情を承知いたしておりませんから、その計曲立案にあたりまして現在とっておる状況について御説明をいただきたいと思います。
#11
○政府委員(石野信一君) 最初に、日本開発銀行の昭和三十五年度の融資の計画並びに融資の方針について御説明申し上げますが、開発銀行の三十五年度の貸付計画は六百六十億円で、前年度より二十億円の減少となっておるのでございます。六百六十億円の内訳といたしましては、電力に二百五億円、海運に百四十五億円、その他三百十億というふうに相なっております。その他のうちには地方開発のための貸付金七十億円程度というものを含んでおるのでございます。
 この融資計画につきましては、霊力などの重点産業についても極力民間資金の活用をはかることを方針といたしまして、まあ従来からの考え方を引き続きとりまして、重点産業にもこの資金を割り出てる。基本的には、国民経済の長期にわたっての均衡ある成長、その基盤の育成強化ということを基本の方針といたしまして、ただいまの重点産業であります電力、それから海運というものに、ただいま申しましたような資金を割り当てまして、その他につきましても、地域的経済の均衡ある発展、それから産業関連施設の整備、国際収支の改善、一部には不況産業の再建というような観点から、その他のものの配分をいたしておる次第でございます。この貸付計画策定の手続といいますか、やり方を御質問になったというふうに御了解したのでございますが、これにつきましては、財政投融資の決定の際に、関係各省からこういったいろいろな産業についての考え方、これについての資金の需要等につきまして要望がございまして、私どもの方の所管といたしましては、理財局で財政投融資全体を所管いたしておりますので、そこに要求のような形で、各銀行、公庫、従って開発銀行から資金の要求が出て参るわけでございます。これが財政投融資計画の中で、ただいまのように電力、海運、その他というふうな配分に相なりまして、決定を見るわけでございます。一応そういうことでよろしゅうございますか。
#12
○平林剛君 それから、もう一つは、この法律案の趣旨によりますと、外債発行の道を開くということに一つのねらいがあるようでありますけれども、現在アメリカの経済実情から判断をいたしますというと、ドル防衛措置その他の実情から考えまして、政府が考えておられますように、外債発行の市場等については、必ずしも広く大きいというわけにはいかないのではないかと考えられておるのであります。これにつきましてどういうような見通しを持っておられますか、御説明をいただきたいと思います。
#13
○政府委員(石野信一君) この外債を発行いたします法律案の御審議をお願いいたしますにつきまして、外債発行の見通しはどうかというお尋ねと存じますが、この見通しの問題につきましては、いろいろの角度から考えられると思うのでございますが、一つには、アメリカの金融市場の関係というものから考えてみますると、アメリカの金融市場の条件は、最近金利も引き下げて参っております。まあどちらかというと、アメリカの経済状態というものは、金融の資金事情が窮屈な状態でなくて、むしろこれが緩和されてきておる。アメリカの市場、長期国債条件等も、利回り等もそういう意味で下がってきておりまして、金融の条件ということから考えますと、むしろ発行ができるという可能性の方が多くなってきておるわけであります。ただ、一方、日本の外債の値段が下がっておるという点が、これはある意味では発行にとっては困難であるとする理由に相なると思うわけでございますが、これは市場における証券の価格というものは非常に心理的な要素もございますので、こういうふうに下がっております理由の一つには、日本の実情が必ずしも十分に理解されておらないで、遠方にありまする関係から、証券を持っております所有者等が、日本にかなりの政治不安のようなものかあるのじゃないかというような印象を持っている面もあるのじゃないかと思うのでございます。こういう面になりますと、非常に心理的だことでございますし、一つの人気のようなものでございまするので、絶対にいつまでに必ず解消するということも申せませんか、逆にまた、いつまでも絶対に解消しないというふうに言える性格のものでもないと思う次第でございます。こういうようなことを彼此勘案いたしまして、全然見込みかないということではございません。それで、私ども、この法律案の御審議をできるだけくお願いして、法律案の成立をお願いしたいと思いますゆえんは、とにかくまあ、そういう意味で市場の調査をいたしますとか、あるいはある程度そういう意味の交渉をいたしますとかいうようなこと、これはまあ、情勢が変わって参りました場合に、ある程度の準備ができておりませんと、いよいよできそうたということから始めましても、なかなか時間がかかるものでございますから、そういう意味で、とにかく権能を与えて、開銀としてはそういうことを準備いたしております――情勢の変化に応じてこれを発行するという体制になっていることは開銀としては必要ではなかろうか、こういうふうに考えてこの法律案をお願いしておる次第でございます。
#14
○平林剛君 開発銀行の昭和三十五年度における資金計画を見ますというと、外債発行による資金融資とか、あるいはそれを有効に使うとかという計画がないように見るのでありますが、法律ではこういう権能を与えよといい、開発銀行の計画にはそれが載っていないということになりますと、一体どういうことになりますか。
#15
○政府委員(石野信一君) この点は、御指摘の通り、開発銀行の財政投融資計画の中にはこの外債の発行を織り込んでおらないのでございますが、御承知の通り、魅力関係の資金は非常に膨大な資金が要るわけでございまして、ルのうち開発銀行が扱う部分は少ない、一部分でございますが、ただ、全体としての賞金が窮屈であろうということは当初からも予定をされておったのでござい求す。そこで、外債発行というものを財政投融資計画に初めから糾みまして、これが必ず財政投融資計画で確保されるという前提に立ちますと、民間の方で集める金の方がそれだけ少なくていいというような形の計画に相なりますので、とにかく外債発行かそういう意味でできますれば、当然そういうふうに全体の電力資金の計画に織り込んで見られるわけでありますが、できない場合には、やはり民間の資金でやりませんと、その場合の財政投融資計画としては、それができない場合に当然資金運用部の方でかわりの金を出すというような見通しもなかったわけでございます。従いまして、この方は安全の意味で財政投融資計画には見込みませんで、そして法律案の御審議をいただいて、その成立を見ました暁に外債発行できれば、それで電力資金を確保したい、こういう考え方に基づいた次第でございます。
#16
○平林剛君 先ほどお話がありましたように、外債市場における見通しなどについては必ずしも自信のあるものではない、未確定のものである、いろいろ情勢の推移によって変わってくるということをお話しになりましたけれども、そのときに、いや、しかし、そうであるけれども、市場の調査であるとか準備というものは別々からしておきたいというお話がありました。しかし、それは法律を改正しなくても、ふたんでもできることじゃないですか。
#17
○政府委員(石野信君) 開銀といたしましては、やはり権能がございませんと、和子方と申しますか、そういう関係者も開銀と接触をすることも安心してできないと申しますか、権能がないじゃないかということにも相当なりますので、開銀がやはりそういう調査もいたしておくという意味において、どうしても法律的な権能が必要な次第でございます。
#18
○平林剛君 先ほど私が、開銀の資金計画を立てるにはどういう方法でおやりにたるかと聞いたところが、大体開発銀行あるいは政府関係者が相談をしてこれを、きめる。開銀の資金計画の中には、外債発行の計画は、未確定とはいうものの、組まれていない、かたがた、今日の外債市場の現状を見ましても、すぐにどうだということはない。ただいまお話がありましたように、市場の調査その他の権能をもらいたいという程度にすぎないとすれば、法律の緊急性ということについてちょっと私疑問を感するのであります。法律案が読められない場合には、何か支障がありますか。
#19
○政府委員(石野信君) 調査等にその理由の重点があるようにお受け取りになりましたかもしれませんが、これはもちろん、発行できる情勢になればすぐ発行するということを前提にしてのお話でございます。ただ、調査と申しましても、あちらの市場の金利がどうだとか、それから証券の値額がどうかというだけでございますと、別にそれは必ずしも開銀でたくてもできることになるかもしれませんが、いよいよ外債発行ということになりますと、どういう証券業者に接触するかまか、そういう人たちの考え方を聞くとか、あるいはまた開銀の内容を説明するとか、そういった意味での開銀自体としてもかなり突っ込んだ調査をしなければいけないし、向こうからも開銀に対しても調査をするというようなことも必要になって参りますので、法律的の性能がございませんと、そういう意味の交渉といいますか、そういったこともできない。のみならず、そういうことだけでなくて、最初に申しましたように、絶対見通しがないというわけではございませんから、そういう意味で、可能性がもし出て参りましたら、やはりできるだけ早く発行いたしたい、こういう考えでございますので、御了承いただきたいと存じます。
#20
○平林剛君 この開銀法の改正によりまして権限を与えてもらいたいという外債発行の目標につきましては、予算案その他によりまして約百八億円の範囲内ということに承知いたしているのでございますが、今日政府機関あるいは民間団体で外貨債の募集をしている実情あるいは将来の計画などにつきまして、総合的に考えますと、どういう租度でございますか。
#21
○政府委員(石野信一君) 今の御質問は、一応外債の発行ということで申しますと、ただいま懸案になっております分を申し上げますと、川鉄、住金の外債発行が懸案になっておりまして、この両者は世銀借款との抱き合わせで、プライべートな私募方式によりまして外債の発行を発行を計画いたしております。これは大体、川鉄の外債発行か四百万ドル、それから世銀借款が六百万ドル、もう一つの住金の方は五百万ドルで、世銀借款が七百万ドル、こういうふうに相なっておりまして、これは大体もう話がついているものと了解いたしております。
#22
○平林剛君 それだけですか、現在計画中あるいはそういう希望のあるものは。
#23
○政府委員(石野信一君) 希望と申しましても、民間の会社のことでございますから、希望を持っているものはたくさんあると思いますけれども、具体的にある程度話が固まっておるというものはこういうものでございます。
#24
○平林剛君 私は、固まっているものだけ聞いているのではなくて、固まらなくとも、少なくとも今政府が法律案を提案したくらいの程度のものも含めて、全般でどういうふうになっているかということを聞いているのです。
#25
○政府委員(石野信君) 会社別では外資導入に非常に熱意を持っておるものがあるとは思いますけれども、これは大蔵省の段階には、具体的にその話が為替の許可申請というような形で出て参りませんと、大体どういう会社が希望を持っているだろうということは申し上げるわけにも参らないわけであります。具体的に話が外債発行で出ておりますのは、今の二つでございます。
#26
○平林剛君 こういう外債の発行には、その契約あるいは条件など、結局最後に国民が肩がわりするというような形、あるいは予算は政府がその裏づけをするというようなことが伴うわけでありますから、ある意味では、国民全般として重大な関心を持たなければならない問題であります。許可の申請か来ているものも全くないので、現在はこれだけだ、こういうお話ですか。
#27
○政府委員(石野信一君) ただいまのお話は、民間の外債募集、電電公社の方は、御承知の通り、開銀債と同じような政府機関としてでございまして、この方は政府保証の関係がございますが、民間の方につきましては政府の保証はございません。ただいまのところ、そういう意味で外債発行として許可の申請が出ております、建議になっておりますのはこれだけでございます。
#28
○平林剛君 もう一つお尋ねしておきたいことは、この日本開発銀行の業種別の貸し出し残高をながめますというと、電力や海運、石炭、鉄鋼など、わが国基幹産業がこれに含まれておりますけれども、このうち、私の仄聞しているところによりますというと、貸し出し金利を安くするというようなことが検討されておると聞いたのでありますけれども、そういう事実はございますか。
#29
○政府委員(石野信一君) 開発銀行の金利につきましては、基準金利とそれ以外の金利とに相なっております。電力とか、海運とか、石炭、特定機械、合成ゴム、硫安というようなものにつきましては、政策的な考慮を入れまして、六分五厘というような金利が、まあほかにもございますが、そういうふうに区別されております。基準金利が九分ということに相なっております。この基準金利は、今の一般的な金利の引き下げというものと関連いたしまして、だんだん、この金利をすでに九分にきめましたときからずっと、一般の市中金利が下がってきておりまして、ただいまさらに市中金利は下がるというような話も一応出ております。そういうのに関連いたしまして、これも基準金利を下げたらどうかというような話もございますが、具体的にまだそういうことについて結論を出すというような状態ではございません。
#30
○平林剛君 たとえば、最近海運業界において、その合理化といいますか、再建といいますか、そういう必要から、金利について何か便宜をはかってもらいたいという話があって、政府におきましては、ただいま六分五厘の基準金利をさらに下回った三分五厘程度にするとかしないとかいう話を私は聞いたのですが、そういう事実はございますか。
#31
○政府委員(石野信一君) 基準金利について申しましたのは、九分の基準金利の話でございまして、今お尋ねの海運の六分五厘の方につきましては、別の話として、そういう要望、希望というものがございますことは聞いておりますけれども、具体的にそういう問題を取り上げておりません。これは結局、開発銀行の経理の関係、従ってまあ産投会計の納付金の問題にも関連して参ります。それから金利体系の問題といたしましても問題がございますので、私どもとしては、また今のところ検討する段階にはなっておりませんけれども、いずれにせよ、重要な問題でございますから、そういう問題がございましたら、そのときいろいろ私どもの考え方に資したいと思いますが、今のところは、まだ部内で問題になっておりませんから、御了承願いたいと思います。
#32
○山本米治君 開発銀行ばかりでなくて、輸出入銀行にも共通する問題ですか、この政府銀行の資金源は、もちろん政府の出資、それから資金運用部からの借入金、貸出金の利息等からなっていると思いますが、一体資金コストというものは政府金融機関にはあるのかどうか、計算しておられるかどうか。その点、民間銀行とだいぶ違うと思うのですが、資金コストは一体政府銀行は考えておられますか。
#33
○政府委員(石野信一君) もちろん、政府金融機関につきましても、資金コストはございます。結局、借入金の利子とか事務費といういわゆる狭義の資金コストに、今のような経費、事務関係の経費等を加えたものが、資金コストに相なるわけであります。それで、開銀につきましては、そういう意味で資金コストを上回った利回りで貸すということに相なりますから、そこに利益が出る。それを国庫に納付するという形で納付金が出て参ります。
#34
○山本米治君 輸出入銀行など非常に金利が安いようで、引き上げが問題になったようですが、資金運用部からの借入金利は六分五厘、これはコスト経理から出てくるのか。この六分五厘はどういうところから出ておるのですか。
#35
○政府委員(石野信一君) 理財局の所管事項でございますが、便宜私からお管えいたしますか、これは資金コストの面から申しましても、六分五厘というのは妥当と申しますか、資金コストの面からも、下の方の限界と申しますか、そういう関連があるわけであります。と同時に、六分五厘というのは、戦後こういう電力、海運等につきまして政策的に考えて参りましたものの基準といいますか、そういうものが六分五厘でございますので、従来、六分五厘で資金運用部から融通をいたしておるわけであります。
#36
○山本米治君 資金運用部の借入金は六分五厘というコストはかかるのですが、一般会計から入った分は、これは、ただ。税金から入るわけですから、いわゆる、ただ。六分五厘とただとまぜたものか、いわば、それに経費というものがありますけれども、それがコストになるわけで、そうして、ただの部分が多くなればなるほど金利の平均は安くなるわけで、そこで今度も輸銀などにはだいぶ大幅な支出、出資をするわけなんですが、そうすると、これは政府銀行に関する限りは、金利は、一般金利というようなものをほとんど無視して、自由に政府がきめ得るということになるわけです。安くしょうとすれば、ただの分をなるべく多く注ぎ込めばいい、こういうことになるわけですが、そうすると、一般金利、その国の金利水準というのは基準というものがあると思いますが、それより安い部分は、これは補助金と考えていいのですか。そういう観念になるのでしょうか。
#37
○政府委員(石野信君) 政府機関の資金コストにつきましては、確かに、開発銀行のように、当初なされました出資の多いものにつきましては、資金コスト、が低くて、しかも、その場合に貸し出しは、資金コストが安いから、貸せるだけの安い金利で貸すという考え方をとっておりませんので、先ほども申しましたように、基準金利は九分、それから電力、海運等について六分五厘というような定め方をいたしております。従って、その部分が利益金になりまして担当会計の収入に立つわけでございます。そういう意味において、金利が安いのが補助金かというお尋ねでございますが、その辺のところは観念の仕方でございまして、輸銀等につきましては、プラント輸出というものの重要性というものを考えまして、国際金利並みでやろう、電力、海運等につまましても、開発銀行も大体六分五厘というところで基礎産業の育成に資そうということでございまして、補助金という観念で絶対ないか、そういう考え方が成り立たないかと言われれば、そういうふうに考えても悪くはないかもしれませんけれども、しかし、そこのところは、金利でございますから、あまりむちゃくちゃに不合理に安くなっていなければ、やはりある程度政府機関がそういう金利を安くするという考え方もあり得るわけでございますから、必ずしも補助金と言わなくても、安い金利で政府機関が提供しているというふうに理解されてもいいのじゃないかと思います。
#38
○山本米治君 そうすると、日本の輸銀、輸出入銀行などは、今までは安い金利でやっておった。今後も安い金利でやれるけれども、今度上げるというのは、外部から、あまり安過ぎるという抗議というか、注意というか、あって上げられるということを聞いているのですが、政府としては今までのように安い金利で続けられるが、外国の関係からあまり安過ぎると指摘されたので上げる、こういうことになったわけでしょうか。その事情を一つお伺いしたい。
#39
○政府委員(石野信一君) ただいまの輪銭の金利の引き上げの問題は、決して外国からそういう強制があったとか、抗議があったとか、あるいは要望があったという関係で問題になっておるわけではございません。ただ、輸銀の金利をきめましたときからあと、国際金利の方も若干上がっておりますと同時に、この輸銀の方は資金コストと利回りとがとんとんでございますので、そういう意味で、まあできるだけ金利は、輸出に非常に陣雲になるということにたりますと、これはまた問題でございますが、そうでない限りにおいては、利回りをよくするということが金融機関としては必要なことでございますので、私どもは、そういう建前から、若干でも上げて参りたいというふうには考えておるわけでございますが、ただ、輸出増進というふうな問題もございますから、いろいろの意見がございます。しかし、私どもとしては、ある程度引き上げる方向に進みたいというふうに考えておる次第でございます。
#40
○平林剛君 私、開発銀行の現況について全く知らぬのでありますけれども、伝えられておるところによりますというと、特に貸し出しにおきまして、俗にいえば焦げつきですか、延滞というような事例が起きておると聞いておるのでありますが、その実情はどうですか。具体的に申し上げますと、海運に対する貸し出しにつましては、これが延滞、いわゆる焦げつきになっておるという話がありますが、その爽情を聞かしていただきたい。
#41
○政府委員(石野信一君) 焦げつきというお指摘でございますが、これが海運につきましては、非常に好況、不況の影響を受けやすい産業でございますので、内入れ猶予という制度をとっております。従いまして、全、体としての期限の中で内入れをしていく部分が一時ずれましても、それは内入れ猶予というふうに指示をいたしておりまして、焦げついて取れたくなるという形になっておるわけでないものでございます。いわゆる焦げつきといわれております、延滞という形になっておりますものは、延滞率は一三一%、これは一般の金融機関より低い程度でございます。
#42
○大矢正君 開発銀行の基準金利というのがありますね、九%ですか、その基準金利で貸し出しておる額というのはどのくらいのものになるのですか。というのは、電力がおそらくべらぼうに多いわけですが、これは六五%になっておる。海運、石炭というところは、大口はみな六・五%になっておるが、基準金利で実際に貸し出しておるなんというところは、およそわずかなものしかないと思うのです。今までの貸し出しの中で基準金利で貸し出しておるのがあるのか。さらにまた、三十五年度の計画の中で、大体基準金利で金を貸すというものの額はどのくらいになるのか、その点ちょっと……。
#43
○政府委員(石野信一君) 先ほどの数字と若干違いますが、九月末現在、額で約五千二百億の貸付残高の中で九分の金利を適用しておりますのが七百億という、一四%足らずということに相なっております。
#44
○大矢正君 そうすると、基準金利というものは、事実上は九%でなくて、六・五彩が基準金利だという解釈になるのじゃないですか、僕はよくわかりませんが。基準金利がほんのわずかであって、ほかはみんな基準金利を下回っておる。基準金利じゃないと思うのです、しろうとですけれども。
#45
○政府委員(石野信一君) 量から見ますと、ごもっともなお尋ねでございますが、これは考え方の問題でございまして、やはり開発銀行としましても、政府機関とはいえ、できる限り市中の金利というものを基準にとって、これとかけ離れないで考えるというのか政府機関の本来の建前でございます。そこに、政府機関でございますから、今度は政策的な考慮が入りまして、いろいろの要素について特定の金利が適用されるわけでございます。従いまして、量的には確かに、おっしゃる通り、基準金利の方が少ないわけでございますが、やはり市中金利との関係等を勘案しますと、九分というものを基準金利と考えまして、そうしてむしろ六分五厘の方が例外だというふうに私どもは考えて、こういうふうな言葉を使っておるわけでございます。六分五厘が原則で、九分の方か少ないから例外ということでなくて、従って、金融機関の監督者だけの立場から申しますと、あまりべらぼうに安い金利はなるべく出さないようにというような考え方をする意味においても、基準金利というものは九分の方を基濃金利と呼んでおるわけであります。
#46
○大矢正君 この主力となる金利というのが、ほとんど六・五%ということになると、資金運用部から出る金の金利と同じということになるのですが、六・五%という数字はもともと、あれですか、電力とか、海運とか、石炭というものの産業の金利負担能力というものから判断して出てきたのか、あるいは市中金融機関との関連においてこういう数字が出てきたのか。これは今ごろこういうような質問をするのはおかしいですが、今金利を引き下げるという問題が全般的に出ていますから、これとの関連で尋ねるておきたいと思うのです。
#47
○政府委員(石野信一君) この六分五厘になっております根拠ということになりまずと、これはある意味で歴史的、というと話が大き過ぎますけれども、今までの経緯なり、そういったものとも関連があると思いますが、やはり資金運用部の資金コスト、それから従来の金利の推移、国債の金利等を考えまして、国債の金利の利回りが六分四厘三毛ということになっておりますからつ、そういうことを勘案いたしまして、六分二五厘という数字を、基準というと間違いですが、政策金利の一つのめどといたしておると私は丁解いたします。そういう意味で、決して業界の金利負担ということから割り出しているのじゃなくて、従いまして、これを特に業界の負担の方から引き下げるというようなことはなるべく考えたくない、銀行監督の衝に当たる私どもとしてはそういうような考え方をいたしておるわけであります。
#48
○大矢正君 外債の発行というものの限度は資本金の二倍ということになっておるようですが、それは事実二倍が限度であるということを書いているにすぎないと思うのですが、将来にわたってどの程度まで外債というものを発行するということに考えておられるのか。金額的な面で、べらぼうに、どんどん引き受け手があれば、アメリカの証券業者その他の引き受け手があれは出すと考えているのか、ある程度計画性をもって向こう何年間にどの程度のものを考えておられるのか、その点、ちょっと尋ねておきたい。
#49
○政府委員(石野信一君) 今のお尋ねは、開銀だけでなく、全般的な外債発行の考え方についてのお尋ねだと了承してよろしいかと思いますが、そういう意味でございますと、これは結局、日本といたしましては、今資本の蓄積が少ない、にもかかわらず、経済成長の意欲というものは非常に強い。そうなりますと、常に金利なども、資金需給の関係から申しますと、なかなか下がりにくい。一方、為替の自由化、貿易の自由化が進んでいきますと、金利を下げていかなければならない。こういう考え方からいたしまして、できるだけ健全な外資は導入していった方がいいという方針で考えられておると私は思うのでございますか、そういう意味で、幾らまでは大丈夫かということでございますが、これはまあ日本の経済力の伸び方、それから逆に向こうでのそういう外資の入る可能性の問題等とも関係があると思うのでございますか、一つの国に対して、あるいはまた、たとえば開発銀行というような一つの機関をとりましても、そういうその日本の経済力をこえてどんどん外債発行ができるというようなものではないと思います。その辺のところは、具体的に幾らまではいいかというふうに御質問いただきましても、なかなか具体的な数字で申し上げるわけにも参りませんが、しかし、従来毎年発行しているような程度のものでやっていきます場合、これはとにかく長期の金でもございます。従って、日本の国の経済力が伸びて参りますれば、それによって返済能力かついてくるわけでございますから、そういう意味で従来程度のものが行なわれていっても別に心配はないと、こういうふうに考える次第でございます。
#50
○大矢正君 輸出入銀行の貸し出しには、特に一番安い金利の四%ですか、これは現状輸出金融は九百八億円という資料が出ておりますけれども、この貸し出し残高のうちにどのくらい四%の一番最低の金利で出しているのがあるのか。
#51
○政府委員(石野信一君) 九月の数字で全体が千百億程度でございますが、そのうち四%の適用になっておりますのが七百五十八億、六八・四%でございます。これは輸出金融でございます。
#52
○大矢正君 そうすると、輸出金融が九百八億のうちから、そのうちの七百五十八億、約八百億近くというものは、輸出金融のほとんどの部分が最低金利の四%ということになるわけですね。
#53
○政府委員(石野信一君) そうでございます。
#54
○大矢正君 そこで、さっき山本委員の質問にもあったのですが、問題となっている、金利があまり安過ぎるではないかという、それから他の金利との関係、そういう面から、この点について通産省と大蔵省との間にいろいろ意見の違いがあるという話ば前々から出ているのですけれども、これは一体調整がついたのか。
#55
○政府委員(石野信一君) お尋ねの点につきましては、現在、おっしゃる通り、輸出金融の中で四分の適用を受けているものが非常に多いわけでございます。これは四分の適用と申しましても、輸銀として四分で協調融資に相なっております関係で、民間資金を合わせますと五分程度の金利に相なるわけでございます。その金利でも、もう少し上げてもいいのじゃないかという考え方を私どもとしては持ちまして、そういうことで検討をいたしておるわけでございます。それで、まあ輸入金融が現在四分五厘が通常になっておりますが、これを六分五厘に上げたい。それから、投資につきましては四分五厘以上で、通常が五分でございますが、これを七分に上げたい。輸入金融と投資金融につきましては、大体結論がそういうことで出ております。輸出金融の点につきましては、先ほど来お示しのように、こういう金利が輸出に非常な障害にならない限り上げたいと、こういう考え方を持っております。
 なお、決してそういう意味で上げないというふうにきまったわけではございまませんが、何分いろいろ国際経済関係も、変化があるのかないのかわからないままに、いろいろ問題も提起されておりますときでございますし、また一般の市中金利も下がるという話も出ておるときでございますので、いましばらくとにかく検討を続けよう、こういうことに相なっております。私の方としては、これは上げる方向で検討しているというふうに申して差しつかえないと思いますが、そういう状態でございますので、御了承願いたいと思います。
#56
○大矢正君 参考のために、輸入金融の最低の四・五%ですか、四分五厘、これの金額がどのくらいあるのか、念のために承っておきます。
#57
○政府委員(石野信一君) 金融課長からお答えいたします。
#58
○説明員(橋口収君) ただいまのお尋ねは、輸入金融のうちで四分五厘の金利を適用しておる金額はどのくらいあるかという御質問でありますが、三十五年九月末現在で申しますと、二十一億六千九百万円ということになっております。
#59
○大矢正君 そうすると、全部最低金利でやっているわけですか。
#60
○政府委員(石野信一君) そうです。これは、最低がきまりますと、大体金利が何分以上ということになりますと、それが実際上上、普通の金利の場合でもそういうようなきめ方をいたしますので、どうしてもそれが原則になる可能性があると申しますか、そういうふうになるものでございますから、従って、今改訂しようというのは、そういう意味で適用金利の最低と申しますか、そういう基準を変えようということであります。それが変われば、今度はみなそこに参るわけでありますから、何分といっても、それは一番低いところに行く。普通きめ方がそういう常識になっております。
#61
○大矢正君 これは結局、百何十億も輸出入銀行に出資をして、そのことによって輸出入銀行としての貸借対照表というものがつじつまが合ってくるわけなんですが、将来輸入金融、輸出金融にも金利問題が波及して、これを逆に上げるというようなにとが出てきた場合に、事実上政府の百二十五億の出資などというものは必要ないじゃ、ないかということにもなるのじゃないかと思うのでありますが。
#62
○政府委員(石野信一君) その点は、金利を改訂いたしましても、それが改訂後の貸付から適用になりますので、過去の分から急に金利が上がるというふうには参りません。従って、金利を上けたところの経理に対する影響というものは、きわめて徐々に出て参りますので、金利を上げますということは、経理の関係もございますか、同時に、金利体系、金利の考え方というような点からも、上げるというような考え方が出てくるわけでございます。従いまして、特に百二十五億に影響があるというようなことは事実上ないわけでございます。
#63
○大矢正君 銀行局長、最近の三十四年の四月から三十五年三月三十一日までの一年間の開発銀行の業務報告書というのがあるのだが、これをできたら一つ、開発銀行に出すように言ってくれませんか。なかなか、これはちょっと一わたり借りて見たのですが、いいことが書いてありますから。
#64
○政府委員(石野信一君) 今のは開銀ですか、輸銀ですか。
#65
○大矢正君 開発銀行です。それから、輸銀もそういう資料を出してもらいたい。今まで出ていないのじゃないですか。
#66
○政府委員(石野信一君) それは印刷物で数が足りるか足りないかの問題でございますから、急にといって、それを印刷しますのもあれでございますけれども、お手元に、御参考のために、とりあえず届けさせていただきまして、全体としてお配りできるかどうかわかりませんけれども、皆さんのお許しを得ますれば、個人的な資料としてお手元に開銀、輸銀のものを届けさせていただきます。
#67
○大矢正君 従来も中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金、こういうところは、業務報告書とまではいかなくても、類似したものを国会議員のわれわれに、大蔵委員だけだと思うのだが、配っている。ところが、開発銀行とか輸出入銀行は、従来あまりその例がないようですね。ですから、よくその辺を言ってくれませんかね。
#68
○委員長(杉山昌作君) 銀行局長に申し上げますが、今のは、部数の関係等もありましょうが、個人的に、もし部数がありましたら、全部でなくてもよろしゅうございますが、なるたけたくさんあったら、配付されたいと思います。
#69
○政府委員(石野信一君) はい。
#70
○委員長(杉山昌作君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#71
○委員長(杉山昌作君) 速記をつけて。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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