くにさくロゴ
1960/12/22 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第6号
姉妹サイト
 
1960/12/22 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第6号

#1
第037回国会 大蔵委員会 第6号
昭和三十五年十二月二十二日(木曜
日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     杉山 昌作君
   理事
           上林 忠次君
           山本 米治君
           大矢  正君
           天田 勝正君
           天坊 裕彦君
   委員
           青木 一男君
           大谷 贇雄君
           岡崎 真一君
           佐野  廣君
           塩見 俊二君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           前田佳都男君
           荒木正三郎君
           木村禧八郎君
           成瀬 幡治君
           野溝  勝君
           平林  剛君
           原島 宏治君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
   大蔵省銀行局長 石野 信一君
   大蔵省為替局長 賀屋 正雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○継続調査要求に関する件
○国際開発協会への加盟に伴う措置に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○日本開発銀行法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十六年分の給与所得等に対す
 る所得税の源泉徴収の臨時特例に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○爆沈した大神丸の損害補償に関する
 請願(第一六二号)(第二四四号)
○厚生年金還元融資による勤労者住宅
 建設促進の請願(第六四号)
○たばこ販売手数料引上げに関する請
 願(第九三号)(第一一五号)(第
 一一六号)(第一三一号)(第一三
 七号)(第一四〇号)(第一七五
 号)(第二五七号)(第二六一号)
 (第二六二号)
○葉たばこ収納価格引上げ等に関する
 請願(第一八六号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山昌作君) ただいまから委員会を開きます。
 まず、お諮りいたします。
 租税及び金融等に関する調査について継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成は委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(杉山昌作君) 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、以上四案を一括議題として、昨日に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次、御発言を願います。
#6
○平林剛君 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして、簡単に二、三お尋ねをいたしておきたいと思います。
 この法律によりますというと、わが国としては百二十億九千二百四十万円、これを出資をするということになっているのでありますけれども、国際開発協会が発足いたしました理由、あるいはこれからの低開発諸国への開発援助が国際的な問題になっているなどから考えまして、かなりこれからもこれらに関する問題は世界あるいは国民の関心になっていくに違いないと思うのであります。ただ、後進国の開発あるいは低開発諸国の援助という点について、特段にわれわれも異論があるわけでありませんけれども、やり方はいろいろあると思うのであります。たとえば、日本独自で積極的にこういう低開発諸国に対する援助を行なうという方法もありましょうし、今回のような国際開発協会への加盟、これを通じて行なうというやり方もある。そのいずれがわが国にとって一番有効であり、かつ適切であるか、極端なことをいえば、どっちが得かという議論もおのずから生まれてくると思うのであります。
 ただ、私ここで感じますことは、最近のアメリカのいわゆるドル防衛という問題から発しまして、相当アメリカにおきましても、低開発諸国の開発援助、これをやらなければいけないけれども、さればといって、ドル防衛の立場からその肩がわりを、あるいは肩がわりまでいかなくても、他の西欧諸国あるいは日本などがもっと力を入れてくれという希望が強まってくるに違いないと思うのであります。そうすると、今回の法律案によりますと、百二十億九千二百四十万円ということになっておりますけれども、引き続きこれにあるいは増資をするというような問題が起きてくるのでないかと考えられるのでありますけれども、そういう点についてはどうなんでしょう。
#7
○政府委員(賀屋正雄君) 今後の後進国に対する先進諸国の援助でございますが、お説の通り、一般的な国際金融情勢といたしまして、その必要性が増大して参りますことは当然でございますが、なおその上に、最近のドル防衛の措置、これによりましても、アメリカから他国へのまあ要請と申しますか、援助についての協力をしてほしいという希望が表明されることは当然あろうと思います。で、私どもは、今回の防衛措置の発表されます前から、日本といたしまして、国際経済に貢献し、国際平和の確立に貢献する意味から、低開発国に対する援助の必要性というものを痛感いたしておりまして、分に応じた援助の措置をとって参ったわけでございまして、お話のございましたように、国際機関を通ずる方式と、いわゆる二国間の援助方式という両建で、それぞれ適切な措置をとって参ったわけでございますが、今回の国際開発協会の設立にあたりましても、当然そういった観点から、これに対して根本的な賛成の意を表して参ったわけでございまして、当初のこの協会の出資が十億ドルでスタートするということでございますので、これに対する出資北率からいたしまして、まあ当初の十億に対する割り振りは三千三百五十九万ドルということになっておりますが、はたしてこれで今後国際開発協会が援助をやっていく上に十分であるかどうかという点は、これはまあ仕事を始めて見なければわからないのでございます。
 御承知のように、ただいままでのところは、この間も説明いたしましたように、七億三千万ドル程度の出資金が集まっております。これを今後有効に使用して参るわけでございますが、大体どの程度の融資額になるかということでございますが、まあ大体これで五年程度は持つものという予測がなされておった。十億をきめる際には、そういう考えであったようでございます。しかしながら、今申しましたようなことで、この仕事をやり始めたあとの状況で、あるいは早くなくなるかもしれないということも考えられるわけでございますが、一応の考え方はそういうことでございまして、協定におきましても、従いまして、五年ごとに増資の可否を検討する、それ以前におきましても、加盟国の提案で、多数決によりまして、増資を決議することができるという協定の内容になっております。従いまして、増資ということも起こり得るということが予想されるわけでございますが、その際にわが国はどういう態度をとるかということにつきましては、ただいまちょっとその先のことをここではっきり申し上げることはできないと思います。そのときの情勢、わが国の財政の事情等も十分考慮に入れまして、それから一般的にわが国がやっております低開発援助に対する実績をもにらみ合わせまして、そのとき適切な措置をとりたい、今申し上げ侍ることはこの程度ではないかと思います。
#8
○平林剛君 そこで、私、実際問題として、この国際開発協会に加盟いたしまして、どういう運営とか、主としてどういう方面に対する援助に主力が注がれるかということは、この協会の構成メンバーから考えまして、やはり国際的な競争に重点が置かれるおそれがあるのではないか。つまり、西欧諸国とソ連圏との間に、目下猛烈な低開発国援助の競争がある意味で行なわれているわけですね。主としてこの国際的なそういう舞台のウエートが強くなって運営されるのではないかという予想もしておるわけであります。
 この法律案を提出するにあたりまして、提案理由書を読んでみますというと、この協会の原価加温国となるためには、本年の十二月三十一日までに一切の加盟手続を終了したい、日本としてもこの協会の設立を提唱した国であるから、ぜひとも年内に加盟を終わりたいという趣旨が述べられておるのでありますけれども、いかがなんでしょうか、この出資額その他から見まして、日本としても割合としてはかなり高いのでありますが、今後国際開発協会の運営にあたっては、日本としてはどういう立場を占めることができますか。たとえば役員というのは、会長ですか総裁ですか、それにならなくとも、理事とかその他の役員に日本が加わるというようなことが予想されておりますか、あるいはそういうものについてはどんな工合に進んでおるでしょうか。
#9
○政府委員(賀屋正雄君) 協定によりますと、国際開発協会の役員は世界銀行の役員がそのまま兼ねるということになっておりまして、従いまして、御承知のように、世界銀行にはわが国を代表する理事が出ております。具体的に名前を申し上げますれば、この前まで駐米公使をしておられました鈴木源吾さんが理事になっておられますから、当然この方が今後とも協会の理事にもなられるわけでございます。それから、総務と総務代理というのがありまして、世界銀行の場合には大蔵大臣が総務、日本銀行総裁が総務代理になっているのでございますが、これも協会ができますれば兼ねていくということになっておりまして、今後の国際協会の運営にあたりまして、わが国の発言権は相当強いものがあると考えておる次第であります。
#10
○平林剛君 実情はただいまお話しの通りであるかもしれませんが、私は、やはりこれからの低開発諸国の援助という世界的な課題につきまして、わが国としてとるべき方向としては、特に現在の貿易機構の片寄っている実勢におきまして、特に東南アジア諸国に対する手というものは積極的に自主的に伸べなければならぬ情勢にあるかと思うのであります。この意味では、国際開発協会を通じての協力の仕方もありましょうけれども、むしろわが国独自でこの経済協力、あるいは低開発諸国の援助などを行なう。これは余力があればの話ですよ。今回の百二十億円につきましても、むしろそういう形で使った方が有効でないかという感じもいたしておるのであります。しかし、先ほどのお話によりますと、これは両方相待ってということでありますけれども、片方の側の、独自で行なうべきこれに瀕する援助とか協力という面につきまして、現在はどの程度、まあ金額で比較するのは必ずしも適用でないかもしれませんけれども、これにつきまして政府の考え方、方針としてはどうなっておるか、まあ比較して一つ御説明をいただきたいと思うのであります。
#11
○政府委員(賀屋正雄君) 先ほど、低開発国に対する協力につきましては、方式が二通りありまして、一つは相対で二国間で援助していくという方式、一つは、今度の国際開発協会ヘの加盟のごとく、国際機関を通ずる方式とあることを申し上げました。国際機関を通ずる場合では、今度のIDAができます前にも、御承知のように世銀がございますし、また国際金融公社、いわゆるIFCと呼んでおるものでございます。それぞれ相当の働きをしておったわけでございますが、今回これをなお有効に強力に実を上げますために、低開発国にとりまして将来の負担の怪いような、いわゆる弾力的な条件でもって融資をするというために、この協会は生まれたわけでございまして、従来存しました協会、世界銀行あるいはIFCに比べますと、異なった性格を持っておるわけでございます。従いまして、わが国といたしましても、こういう新しい種類の国際機関に加盟をすることにはそれ相応の意義があるわけでございます。
 他方、二国間の援助の方式につきましては、これはすでに御承知のように、わが国といたしましても、前々からいわゆる輸銀の融資によりまして、輸出金融、延べ払い金融という杉におきまして、相当実績を上げてきておるわけでございます。この面におきましても、たとえば最近インド、パキスタンの債権者会議というものがありまして、わが国も債権国の一員といたしまして、東南アジアのこういった国に対する融資をどういうふうにするかという点について、これはまあ個々の二国間の援助でございますが、それにいたしましても、各国がばらばらに援助するよりも、話し合いで足並みをそろえて援助していくのが適当であろうということで、こういった会議も行なわれておりまして、わが国も、この面に積極的に協力をいたして参っておるわけでございます。なお、さらにこういった輸出入銀行の融資によります援助以外に、今国会において御審議をいただいております海外経済協力基金というものができますれば、これもまた、その面で相当の働きをすることが予想されておるわけでございます。
 まあ今後のこれらの機関に対する政府の出資をどうするかという点は、これはまあ来年度の予算の問題でございまして、全体の財政規模、需要等からにらみ合わせまして、今後きまるべき問題でございますが、今申し上げましたように、二国間の方式といたしましては、従来延べ払い金融、あるいは御承知のように、インドの場合には円クレと申しまして、政府借款の形でございますが、これもまあ輸出入銀行の資金を使うという形で相当の実績を上げて参っておりますのと、今回のような国際金融機関を通ずる援助と、それぞれについて、まあ国力の許す範囲内において相当の応分の協力をいたして参っておるわけであります。今後もできるだけこの方針でやりたいと考えておるわけであります。
#12
○平林剛君 まあ、私は具体的に数字で知りたかった、パーセントでもいいですから。たとえば国際開発協会の加盟百二十億、これだけでなく、今お話しのように、世銀その他ありますのを一〇〇とすれば、わが国独自でやるのは大体どのくらいの割合になっているか。同時にですね、これはアメリカにおきましても、やはり国際開発協会に対して、かなり相当金額の出資がございますけれども、独自でやはりこれらの国に援助を与えたりするようなこともございまして、やはり自主性のある動きということを絶えずやっている。私は、将来、やっぱりアメリカといえども日本の競争相手になる国だと見ているわけです。ですから、特に中国の貿易につきましては、わが国は自主的な態度をとることを要求しておりますけれども、東南アジアに対しても、やはり将来競争相手になるんだぞという考えに立って、いろいろな手を打っていかなければだめだ。単に、それは国際的な課題もあるけれども、アメリカの強い指導力だけに追随していくだけでは、やはり日本がまあ将来不利な立場に陥るということを考えておかなければならぬ。そういう意味で、私は、具体的にパーセントで示していただければ実態がわかるのじゃないかと、こう思っておるわけですが、そういう御調査はありませんか。もしなければ、きょうは時間も迫っておるからこれ以上申し上げませんけれども、私は、世界各国、少なくとも主要国が独自の力でいわゆる低開発諸国と目される国に対してどういう手を打っておるか、それから、こういう国際的な機関を通じての間接的な協力という形と割合がどうなっておるかということが、一つこまかく詳細にわかるような資料をまとめておいていただきたい。今お答えいただければ、概略でも一つ説明しておいていただきたいと思います。
#13
○政府委員(賀屋正雄君) 御要求のような内容を的確に示す資料はまだできておりませんので、これは後ほど作りましてお目にかけるごとにいたしたいと思いますが、諸外国の例等は、まあ種々雑多でございまして、アメリカはいわゆるDLFという基金、一つの特別基金によりまして融資をやっておるとか、あるいはイギリスでありますと、やはり輸出信用保証局というものが輸出信用を与える、あるいはドイツにおきましても、輸出金融公社というようなものがございまして、輸出信用についてのクレジットを与えておるというように、いろいろ各国それぞれのまちまちなやり方がございます。場合によりましては、カナダのような場合には、いわゆる余剰農産物という形でグラント、贈与というような形で、食糧その他の援助をしておるというような例もございまして、各国それぞれ方法はばらばらでございます。それ以外に各国とも、今申しました国際金融機関への出資をいたしておるわけでございます。そういうわけでございますが、わが国がこの二つの個別方式と国際機関の方式とについてどういう割合かという点は、今ちょっと手元にございませんので、後ほど作成いたしたいと思っております。
#14
○平林剛君 資料につきましては、そういうふうに処理をしていただきたいと思うのですが、なお、この法律案の中に、出資額の一部につきましては、協定によって本邦通貨の払い込みを国債の交付によってかえることが認められており、なおこの国債は、協会から要求のあり次第現金で支払われる、そういう要求があったときには政府は直ちに償還を行なう、償還財源に不足があるときには、これを日本銀行に対して国債の買い取りを命ずるというようなことが、それぞれありますけれども、大体こういうようなことは予想されるのですか。あらかじめこういう最終の、一番最後のところに落つるようなことを予想して法律の手続を今とろうとしておるのですか。実際問題としては、どういうふうになるというような見込みを立てておられますか。
#15
○政府委員(賀屋正雄君) 九〇%部分につきましては、国債で一応代用しておくことができるようになっております。これは国債のままではどうにもなりませんので、具体的に開発協会がその業務を行ないますためには、金にかえる必要があるわけでございますが、その場合には、どういう協力をいたしますかによるわけでございますが、場合によって円で十分だという場合もあり得るわけでございますが、まあ普通考えます場合には、やはりドルに――自由交換可能通貨、円は自由交換可能通貨の取り扱いを受けておりますので、ドルにかえてくれという要求が出てくると思います。その場合には、いつでもドルにかえ得ることになっております。実際にどういうことになるかということは、今後の協会の仕事の運営いかんによるわけでございますが、少なくとも、今年度はあと三月でございますので、年度内にこれを現金にかえてくれとか、あるいはさらには、これをドルに交換してくれということはあり得ないというふうに考えておりまして、予算上におきましても、この分の特に償還財源というものは組んでおらないわけでございます。
#16
○天田勝正君 この産業投資特別会計の改正法律で、輸出入銀行と商工中金に、それぞれ百二十五億と二十億を出資するわけなんですが、これは資金運用部から借りれば金利が高いから、そこで一般会計からとにかく入れれば無利子のものが使える、結局せんじ詰めればそういうことですか。
#17
○政府委員(石野信一君) ちょっと所管の局は理財局ですが、私の方から便宜お答えいたしますが、産投会計から出資をするのは、資金運用部の方から借りるのは金利がつくから、それで産投から出資をするのかという御質問だと思いますが、これは確かに、おっしゃる通り、産投から出資をいたしますと、金利は、出資でございますからつきません。しかし、出資は当然、そういう意味で配当的なものも初めから全然期待しないという趣旨ではございませんで、納付金の形で、利益が出ればこれはまた産投に納めさせると、こういう建前のものでございます。従いまして、当然、全然そういう配当のようなものを期待しないという建前ではございませんけれども、しかしながら、相手の、産投が出資をいたします機関によりましては、利益が出ません関係で、納付金が出ないというものもあるわけでございます。そういう場合に、金利がつく資金運用部の借り入れよりも資金コストを安くするという効果がございますことは、当然でございます。
#18
○天田勝正君 それは一般論としての答えなんで、結局、きのうも指摘したように、資金運用部から借りればすでに金利が六分五厘なんです。それをプラント輸出に対しては四分で貸しておる。ですから、二分五厘というものがそれが逆ざやになっちゃうんですよ。だから、運用益があがれば今度は産投特別会計へ返してくるというけれども、今審議しておるこれ自体は、返ってくる気づかいはないんですよ。損をするんですから、借りる限りは。だから、私は念押しにやっているわけなんです。それでは結局、それぞれの日本輸出入銀行なり商工中金なりというものが、その分だけは赤字になるから、それで一般会計から出そうというんですかと、こう念を押しておる、今審議しておる部分について。
#19
○政府委員(石野信一君) 輸銀に関してのお尋ねでございましたが、そういうことでございます。
#20
○天田勝正君 そこで、その次には、この産投の資金源というものはいろんな面から成り立っておるんですけれども、その区分は簡単にわかりますか。
#21
○政府委員(上林英男君) お答え申し上げます。産業投資特別会計は、御案内の通り、見返り資金の承継分、見返り資金を承継いたしましたもの、それから一般会計から承継いたしましたもの、それから緊要物資輸入基金承継分、さらに特定物資の納付金というようなもの、それから先般の外債発行をいたしました金、さらに今回もお願いいたしておりますが、三十二年度でございましたか、三十二年度にも一般会計から投資財源に充てますために資金に繰り入れをいたしました一般会計の繰入金、そういうものから成り立っております。
 で、具体的に申しますと、三十四年度末の数字につきまして申し上げますと、外債の発行が百八億でございます。それから見返り資金から承継いたしましたものが二千二百九十四億、それから一般会計から承継いたしましたものが千百八十七億、緊要物資輸入基金から承継いたしましたものが二十二億、特定物資の納付金といたしまして納めてもらいましたものが九十一億、一般会計から三百五十億三十四年度末に入れております。さらに今回百二十億追加になるわけでございます。そういうような内訳になっております。
#22
○天田勝正君 そうすると、産投特別会計補正予算書を参照しますと、これは歳入合計には四百十四億、歳出も同様、こうなっているんですが、今説明された、さらにこの予算書に出ているのよりもはるかに多額なものが、いつもどこに出てきているんですか。われわれの見るところでは……。納付しちゃったのですか。
#23
○政府委員(上林英男君) 産投特別会計は、その運用の方法といたしまして、出資と貸付金がございます。出資金につきましては、これは納付金の格好で返って参りますが、今お話ありました輸銀その他につきましては、利益があがっておりませんので、納付金というものが上がって参りません。開発眼行におきましては、納付金が入って参ります。片方で、貸付金につきましては、これは回収及び利子収入はございます。従いまして、出資金のウエートが相当大きいものでございますので、当該年度におきまする収入はここに計上されておりますような程度のものになっているわけでございます。
#24
○天田勝正君 私の聞いているのは――、どうも質問の要旨があまり御理解願えないようなんで、この一年分の年度分の歳入歳出でいえば、この表に出ている通りでいいのですよ。問題は、どこから、見返り物資から来ようと、緊要物資から来ようと、特定物資から来ようとも、いずれ国の資産というものがもとになっているんですよ。ですから、そのもとになっている部分はいつもどこかで、明らかになっていなければならないわけです。ですから、それはどこにいつも出ているのか、こう聞いているんです。
#25
○政府委員(上林英男君) 産業投資特別会計の今の資産表につきましては、補正予算特第一号の三十一ページに予定貸借対照表がございます。そこには昭和三十六年三月三十一日見込の予定貸借対照表が載っておりますが、ここにございますように、三十六年三月三十一日の現在の見込みといたしましては、総額におきまして五千四百二十一億、そのうち貸付金が六百八十七億になり、出資金が四千七百二十三億、それから、そのほかに優先株式といたしまして七億余程度のものがございます。そういう格好になってございます。
#26
○天田勝正君 さっきあなたの説明の、外債が百八億以下ずっと計算して、それが五千四百二十一億にはならないで、その運用益や何かがプラスになったからそうなったと思うのですが、そこで、最初のこの会計が構成されたときの資産というものは、いつも、どこでわれわれはすぐ知ることができるのか。質問すればそういうふうに区分けが出てくるけれども、どこかで私はいつもそういうのを出しておいてもらいたい。こういうのが、とかく、今言えば、言い過ぎですけれども、あいまいになってくるもとになる。年度分だけのが出てくる。あるいは総額だけが出てくる。総額の中では、これは項目で見たってそうでしょう、資本が幾らとか積立金が幾らだとか、こういうことだけしか出てこない。本年度の利益は幾らとかね。大まかなものだけなんです。参考なら参考でよろしいから、その参考までのもとはこうである、その後の運用益はこうである、一般会計から追加分がこうだ、こういう形で一目瞭然に私はしておいてもらいたいと思う。この文書でなくてもよろしゅうございます、別個に。今後そういう親切というか、国民に直ちに説明がつくような処置をとられる御意向がありますか。政務次官、どうですか。
#27
○政府委員(田中茂穂君) ただいまの天田議員の御意見も十分わかりまするので、今後十分に検討いたしまして、御意見に沿うような方向に研究をいたしていきたいと、かように考えております。
#28
○天田勝正君 まあ、けっこうな答弁を受けましたから、私もそれでよろしいのですが、実際ガラス張りというのは、何も悪いことをしているというのではないのです。もう少しこういうものは、専門家が見なければわからないとか、質問しなければわからないとかいうのでは困る。すべての国民の税金から初めは成り立っているわけですから、まあ、少しはしろうとであっても、国民はこういう参考書でも見れば直ちに自分らの税金の行方というものがわかるというぐらいにすることが、民主政治の私は親切さだと思うので、強くこの点は希望いたしておきます。
 それから、もう一点だけ、きのうの続きでありますが、どうも私は納得のいかないのは、輸出入銀行に産投から出資するやつなんです。どう考えても、プラント輸出をして、あまりにこれが金利が安過ぎるために、外国の資本家だけをもうけさせる。日本の海運業者なり何なりというものは、この金利の高い分だけやはり物を高く買わなければならないというようなことになって、船なら船で船籍をどこかよそへ置いておいて、そして日本から輸入したという格好をとって、それで実際は日本の業者が使用する、こういうふうにすれば、まことにもうかる結果になってしまう。そこで私は、たとえ共産圏であっても何だって、過程においては民族資本を擁護するというのはあたりまえだ。これは日本はどうも外国資本だけが得になるような資金というのはまことにけしからぬと思うのですけれども、このことは一体どうなんですか。きのうもしまいには大臣いいかげんにして答弁しなかったのだが、どういうことですか、これは。
#29
○政府委員(石野信一君) 輸出入銀行から安い金利で輸出のための金融を行なう、これは国内の金利が高いために海外の業者も利することになるじゃないか、こういうお尋ねでございますが、その面においてそういう筋道の問題がございますことは、筋道と申しますか、理論的にと申しますか、確かにそういう問題がありますけれども、ただ、これは現在の日本の経済情勢から申しまして、外国の金利と日本の金利とに差がありまして、日本の金利の方が高い。そこで、輸出をいたします場合に、各国の延べ払いの金利と日本の延べ払いの金利が日本の方が高いということになりますと、輸出、特にこういうプラント輸出がしにくいという問題があるわけでございます。それで、まあ輸出を伸ばしまして、特にプラント輸出のように長く市場を確保していくというものを伸ばして参りますことも、これまた輸出によって外貨を獲得いたしまして、それで日本の国民経済を全体としてまた大きくしていく、こういうために必要でございますので、従いまして、御指摘の面からだけ申しますと、そういう点が非常に問題であるというふうに考えられますけれども、同時に、そういう意味でのプラント輸出を進めていって日本全体の輸出の増進をはかり、外貨を獲得して国民経済全体を大きくする、こういう観点から申しますと、やはり輸出のための金利というものをある程度国際金利並みに、特に売り渡した場合の延べ払いの金利でございまするから、そういう意味である程度国際金利並みに考えてやらなければ、その輸出の増進を確保するという上に問題があるわけでございます。この二つの問題はある意味で矛盾する問題でございますので、その辺をできるだけそういう矛盾を解決していくということで、まあ、昨日も申しましたように、できるだけ国内の金利水準というものは、これは資金の需給関係でそう人為的に急に下げるというふうに簡単にも申せませんが、だんだんにこれを下げていくという方向で考えて参りまして、また、輸出入銀行の金利につきましても、できるだけこれを輸出の増進に障害にならない限り上げる方向でやっていくということで、その調整もだんだんはかっていく、そうしてその矛盾をだんだんに解決していく、こういうふうに考えます以外は、現状といたしましては、金利が非常に差があります関係で、やむを得ないところかと存じますので、その点を御了承いただきたいと存じます。
#30
○天田勝正君 輸出入銀行ができたのは、昭和二十五年なんです。当時は日本の輸出は全く惨たんたる状態だから、こういう輸出入銀行を作って保護しよう、こうやったのだけれども、当時は開店休業だったことは、当時のあなた予算書を見ればはっきりしているのです。開店休業なんです。そういう状態の中に特別に収益を確保するに至るまで、あなた方の出した資料によっても、通常四%だ。こういう工合に保護してきた。それで、今国際金利との差があって日本の方が国内においても高いからという説明だけれども、きのう私が質問してあなたがお答えになったところであっても、西独、英国、ワシントン輸出入銀行、世銀、これらより日本の方が安い。だから、日本の金利のうちで一番安い郵便貯金を使ってもまだ逆ざやになるということを、きのうから私が言っているのです。ですから、銀行局長としては今の答弁のように言わざるを得ないだろうと思うのですが、私の聞き知っているところでは、だから、大蔵省としては輸入及び投資の方を値上げするとともに、輸出の方も値上げしたいと、こう考えておられるけれども、さて通産省の方でなかなか承知しないで、とうとうこのままになっているというように承知しているのです。これを裏を割れば、メーカーよりか商業資本の方が勝って、そうして圧力が政府の方に私はかかっていると、こう判断せざるを得ない。ですから、今のところ、御了承をと言うんだが、とてもそれはどうしても了承できないので、私はきのうも、急速にこのことを検討して処置をすべきだ、いつまで処置しますかということを、大臣に聞いておるわけです。ですから、これはどうなんですか、大蔵当局では、どうしてもこのままでいけば、世界水準より日本の方が外国業者を助ける方法をとっている実情は間違いないのですから、大急ぎでこれは検討しますか、どうですか。
#31
○政府委員(石野信一君) お尋ねの点は、輸出金融に関して輸出出入銀行の金利を上げる意思があるかどうか、これによって海外の業者を利するというような点を解消する意思があるかどうかというお尋ねであると思います。昨日来申し上げておりますように、輸出金融につきましても、これはやはり上げる方向に考えておるわけでございますが、ただ、この海外の輸出関係の金利と比較する場合に、輸銀の四分と、たとえばワシントンの輸銀の五分七厘五毛を比べるということだけでは、いわゆる輸出金融の金利としては不十分でございまして、国内の協調融資の関係の金利、それから、それ以外に自己資本を使う部分等があり、外国では自己資本が割合大きい関係で、全体としては金利負担が安いというような問題もあるわけでございます。従って、一がいに表面的な金利だけで比較するわけにも参りませんけれども、しかし、先ほど来由しますように、これをだんだんそういう矛盾を解消する方向に向けるという意味で引き上げたいというふうに考えております。
 ただ、今回の決定をされる辺に、輸出の金融につきまして、投資金融、輸入金融と一応切り離しましたのは、最近国際的な経済問題につきましても若干の変化があるというような意味の問題が出て参っておりますので、しばらく様子を見るということでございまして、それを引き上げの問題をやめようという意味でこの際切り離したわけではございません。なお引き上げる方向で検討を続けるということでございます。
#32
○天田勝正君 もう一点だけ希望しておきます。輸銀の金利だけで外国と比校するわけにはいかないというのも、私ちゃんと知っていて、議論しているのです。たとえば、船でいえば、輸銀の四%だけれども、市中銀行から二割を借りますから、それでこれの方は八%なんです。トータルすれば四分八厘になるのです。これと比べても、なお外国の方が高いのですよ。ですから、そういうことだから、私は、外国の業者を利するとともに、国内においては輸出業者だけが仕事がやりいい、こういうことになってきているのだから、ここに矛盾がある。そういうこと、世界中民族資本というのは、外国とどっちを助けるかということになるならば、民族資本ならば助けるというのがあたりまえなんです。ですから、そのために今度一般会計からなんということで、国民の税金を全部どんどんつぎ込まれちゃかなわない。外国の資本家と日本の輸出業者だけを助けるために、日本の生産業者の方は一向助からない。そのために国民の税金が一般会計からどんどんつぎ込まれるというのはけしからぬ、こういうことなんですから、それをよく一つ御記憶になって、早急に検討されることを希望しておきます。以上です。
#33
○木村禧八郎君 私、産投会計につきまして一点何っておきたいのですがね。それは、一般会計から措置するという問題は、来年度の予算についてもまた問題になるわけですがね。これについて、政府に財源がないから――。とにかく私は非常な財源をかかえ込んで、これをむだに運用していると思う。ですから、この財源を利用すれば、一般会計から措置しなくても済むと思うのです。それは御承知のように、外為にインベントリー、千六百億くらいありますか。インベントリー・ファイナンスをかかえ込んでいる金がある。この外為の金を使えば、何も一般会計からそんなになにする必要ないのです。外為では、この間質問しましたが、アメリカへ安い金利でたくさん預金しているのでしょう。その外貨を日銀に売ればいいのですよ。あるいは金を日銀に売ればいいのです。なぜ日銀に売らないのですか。日銀へ売れば、外為へたくさん金が入るでしょう。十億ドルなら三千六百億円入るのですよ。それで外為のインベントリーを使ったらいいじゃないですか。千何百億インベントリー持っているのですから。ここに財源があるのに、なぜ一般会計から補正でも出すか。また来年度も大きな問題になるのです。あのインベントリー、池田総理は外為会計については根本的に考え直す必要があると言ったのは、このことだと思う。ですから、こんなに千何百億あっためているのですよ。そんなばかな話ないと思う。また、外貨は三分とか二分何厘でアメリカへ運用をして、これをなぜ日銀に売らないか。日銀へ売れば、無利息の金が入ってくるのじゃありませんか。この点いかがですか。今、外為のインベントリーの金はどのくらいございますか。
#34
○政府委員(賀屋正雄君) 外為特別会計への一般会計からの繰入額は、千二百五十億円でございます。今、木村委員の御意見でございますが、インベントリーを取りくずしまして、財源に充てるということは、結局、日銀が通貨をそれをもって増発するということになりまして、赤字公債の発行と同様な結果になるという考え方から、慎重な検討を要する問題だと思っております。先般予算委員会でも、外為特別会計の経理が赤字を生ずることになるという点のお話がございましたが、インベントリーを取りくずしまして、ほかの財源に充てるということになりますと、なおさらこの経理が苦しくなるわけでございます。そこで結局、外貨の持ち高を減らす、つまり政府が持たないで日銀が持ったらどうかという、今のお話に出てました点も一つの問題になってくるわけでございますが、これは、一国の外貨準備の管理権というものを政府がどの程度の責任を持って保管すべきかという基本的な問題にも関連する問題でもありますので、私ども御意見の点等も十分しんしゃくいたしまして、今後慎重に検討して参りたいと考えているわけであります。
#35
○木村禧八郎君 それは、これから根本的に考え直さなければいかぬ。日銀に外貨を持たして、国際金融の分野に日銀を活動させるということについては、大蔵省は何か反対をしているんじゃないかと思うのですよ。日銀は国内金融だけに制限しておいて、大蔵省が国際金融、ことに外貨を持って運用するということには問題があると思う。
 それから、さっきインベントリーを取りくずせばインフレになるというようなお話がありましたが、インベントリーは、前のドッジ・ラインのときに、ドッジが国民の税金で外貨を買わして蓄積したものです。ですから、これは私が言うまでもなく、インベントリーですから、資産見合いの金でありますから、私は必ずしも公債発行によるようなものとは違うと思うのですがね。しかし、それはタイミングの問題もあると思いますから、必ずしも私は、それだからすぐにインフレにならぬとは言いません。言いませんけれども、理論的にいえばそうなんです。そういうことなんですよ。ですから、これは今後大きな課題になると思うのです。千二百億ですか、これだけかかえ込んでいるのですからね。それを今、外為で持っている外貨を、これを適正に運用すれば、あるいは金を適正に運用すれば、日銀に売れば、そこでゆとりがつくのですから。こんな大きなところを見のがしておいて、そうして一般会計からちびりちびりとこういうふうに産投会計に出す。そういうことをやっておったのでは、これはきのうも御質問しましたが、今後ますます資産が苦しくなる。ですから、根本的な解決はそこにあると思いますから、抜本的な解決をしていただきたい。この点は議論になりますから……。池田総理大臣も検討すると言われましたから、検討されると思いますが、この次の国会でまた問題にしたいと思います。
 それから、国際開発協会について簡単に二つ質問をしておきます。
 今度のドル防衛に関連して、アメリカから後進国援助に対しての協力の何か要請があったかどうか。それから、かりにまだないとしても、今後要請があるものと考えられるかどうか。その後進国援助の肩がわりについての要請なり、あるいは今後協力に対してアメリカがどの程度の要請をしてくるかということですね。
 それから、もう一つは、時間がありませんから簡単に。国際開発協会ですか、DAGの問題、聞くところによりますと、このDAGは、最初入ったときは、非常にルーズなもので、あまり制約がない、こういうふうに考えられて、オランダも入り、日本も入って十カ国になったわけですが、その後、聞くところによると、かなり制約があるように伺っているわけです。たとえば、後進国援助について、日本の貿易を伴うもの、いわゆるタイド・ローンは援助と認めないというような、そういう申し合わせというのですか、そういうような空気があって、そうしていわゆるアンタイド・ローンでないと後近国援助とは認めない、こういうような空気になってきた。もしそうなると、輸出入銀行を通ずる援助というものも、これは後進国援助ではない。アンタイド・ローンになると、これは日本の貿易にも非常に支障が生じてくるわけでしょう。そういうところからも問題が出てくると思う。そこで前からDAGということを盛んに……。あすこの規約なり機構なりを伺いたいと思ったわけです。そういう問題なんです。今後後進国援助というものをやる場合に、アンタイド・ローンになると、これは今後の日本の貿易にも非常な支障が生ずるので、そういう点も伺っておきたい。この二点ですね。
#36
○政府委員(賀屋正雄君) 今回のドル防衛措置の中身を読んでみますと、国際金融面の項におきまして、「自由世界の他の経済先進国に対し、新興諸国に対する長期的かつ真に開発的性格の融資資金の分担額を増加するよう強く要求し続けること」、こういう項目が入っております。「要求し続けること」と書いてございますが、具体的に今回の指令が発せられました後、正式のルートを通じてそういう要請はまだ参っておりません。ただ、私どもといたしましては、先ほども平林委員の御質問にお答えいたしましたように、今回の指令が来る前からすでに、後進国援助の問題につきましては私どもは相当力を入れるべきであるという考えのもとに、いろいろな機関に積極的に参加して参ったわけであります。今後もこの方針でございますので、要求のあるなしにかかわらず、分に応じた協力は今後も続けて参りたいと考えておるわけでございます。
 そこで、その一つの協力態勢といたしまして、DAGと申します後進国援助会議への参加の問題でございますが、これはお説の通り、ことし一月にできまして、第一回の会議を三月にやり、第二回の会議を七月にやり、第三凧を十月にやるというふうに、きわめて熱心に、すでに三回やるというような熱心な会議でございます。しかしながら、この会議は、御承知の通り、OEECのいわゆる下部機構でございまして、これはいわば先進諸国の後進国に対する援助の調整をする機関ということでございますので、この会議自体で各国の援助を具体的にどういうふうにやるべきであるという、たとえば分担額をきめるとか何とかいうようなことまではいかない機関でございまして、お互いに援助についての話し合いをする。そのためには、いろいろな情報を集める必要もあります。従いまして、情報をどういう形で出し合おうじゃないかというようなことから始めまして、また援助の形として、今お話に出ましたタイド・ローンがいいか、アンタイド・ローンがいいかという議論は、当然これは出て参ります。しかし、これはお互いに意見を各国が述べ合うというようなことで、こうであるべきであるというような結論を決議の形できめまして、それを各国に押しつけるというようなことはいたさない建前に相なっておりますので、この会議に加わりました結果、わが国が実力不相応なことを強制させられるということの心配はないものと考えております。
#37
○木村禧八郎君 そこが問題なんですよ。このDAGはきわめて政治的なものだと思うのですよ。それを、OEECの下部機構であるというので、これに入っておけば何かいいことがあるじゃないかということで入ったんだと思うのですよ。しかし、だんだん、私は文書で見たのですが、あとで検討してみると、そんなルーズなものでもなさそうだし、これはいわゆるアメリカの冷戦対策の一つなのですよ、これを見ますと。経済的に考えていくべきものが、きわめて政治的なものなのですよ。だから、日本が身分不相応にそんなところに入っては、あとで抜き差しならなくなる。日本の国力に沿わないような援助は強制されないだろう、こういうふうに楽観しておられるようですけれども、私はそうでないのじゃないかと思う。それで、あとでどうも反省しているやに聞いておるのですがね。最初漫然と、大したものじゃない、そんな強制力もない、話し合いの場くらいに思っておったところが、だんだん調べてみたら、必ずしもそうでないのじゃないか。そうなると、そういうものを通じて、後進国援助というものを通じて、日本は冷戦の仲間にだんだん引き入れられてくるのですよ。私は、もっとコマーシャルに考えるべきだと思うのです。そんな政治的な色彩のあるものに日本は巻き込まれていくべきじゃないと思う。われわれは中立を主張しておるわけですが、そういう面からいっても、これはことに純経済的に考えていくべきである。これは政治的な色彩のあるものだということを、これはわれわれは知っておかなければならないのじゃないかと思うのです。それに関連して、国際開発、第二世銀等は非常に政治的なものであって、いわゆるアメリカの冷戦対策の一つである、われわれはそう見ているわけですがね。ですから、そういうふうによく本質を見きわめて、日本としてはきわめてもうコマーシャルに、純経済的な立場でやっていかなければならぬというふうに考えるわけですが、その点はどうですか。
#38
○政府委員(賀屋正雄君) DAGに加盟しております結果、非常に分不相応なことを強制されるという点は、御心配になっているようなことはないと私どもは確信をいたしております。従って、これに加盟したことを今思い直しておる、反省しておるという向きは、私どもは承知いたしておりません。
 それから、これが非常に政治的な問題である、それからまた、今回の国際開発協会への加盟ということも非常に政治的な問題である、こういうことでございますが、今前々から申しましたように、援助方式といたしまして、二国間の方式と国際的な機関に加わって援助の応分の分担をするというのは、それぞれ低開発国に対する援助として利点があるわけでございまして、国際機関に参加する場合は、これは非常に政治的で危険だというふうに早急に結論を出すべき筋合いのものじゃないと思うのでございます。もちろん、二国間で援助いたします場合にも、経済的な面というものはどちらかといえば強く出て参ります。たとえば、輸出入銀行の資金を用いまして延べ払い金融をするということは、直接にわが国の輸出になるわけでございまして、輸出市場の開拓という面につきまして直接的な利点があるということでございますが、国際開発協会等の機関を通じます援助は、それは直接に利益がないから純経済的に見てむだなことで、むしろ政治的に危険な環境に巻き込まれる心配があるということになるかと申しますと、必ずしもそうは言えないと思うのでございまして、こういった国際開発機関関係の融資ということで、むしろ受け入れ国側が受け入れやすい。二国間のひもつき援助ということが、どちらかといえば未開発、低開発国におきましては、民族意識の強いというようなこともございまして、むしろ国際開発機関を通じて行なう援助の方がスムーズにいくというような場合もございまして、それをやることによりまして、低開発国の経済が発達いたしまして、国民所得もふえ購買力もふえるということについては、当然これが日本に対する輸出市場といたしましても、非常に有益な市場になるということもございますので、そういった意味からいたしまして、それぞれ意味があるわけでございまして、そういう意味からいいますれば、どちらの場合も経済的な考慮を十分払ってやっている援助であるということがいえると思うのでございます。
#39
○野溝勝君 一つお聞きしたいが、国際開発協会とこの通貨基金との関係ですね、これは一つも触れておらないのですけれども、関係は全然ないのですか。
#40
○政府委員(賀屋正雄君) 全然ございません。
#41
○委員長(杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 まず、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案について、御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#43
○大矢正君 私は、社会党を代表して、ただいま議題となっております国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案に対し、反対をいたしたいと思うのであります。
 後進国の援助を通じて、後進国が産業開発、そうしてまた国民生活の福祉が向上し前進をするということは、もちろん私どもも決して反対するものではありません。しかし、今般のこの開発協会は、後進国に対する援助を通じて、米ソの冷戦が――アメリカの力においてなされるべきものを、これが肩がわりさせられるという性格が十分にうかがい知れるのでありまして、従いまして、そういう意味におきましては、政治的に、その背景となっているものが、単に後進地域の経済開発だけにとどまらずして、大きな政治的意義があることを十分私どもとしては考えないわけには参りませんので、そういう意味合いにおいては、すなおにこの経済開発協会というものを判断するわけには参りませんし、さらにまた、アメリカがドル防衛を行なうためのその一環として、後進地域に対する、後進国に対する経済援助の負担を日本にしわ寄せしようとする方向も、その中からうかがい知ることができますので、そういう意味合いにおきましても、この法律案に対して反対をいたしたいと思うわけであります。
#44
○須藤五郎君 私は日本共産党を代表して、反対の意思を表明したいと思う。
 ほんとうに日本の経済の発展というならば、私たちも賛成をするわけでございますが、この法律案はそういうふうに見ることができません。先ほど質疑において木村委員も申しましたが、確かにこれは冷戦の裏づけだということがいえると思うのです。しかも、それは東南ア向けのものでありまして、ドル危機によりまして、アメリカの下請を日本にさせよと、こういう考えをもってこれがなされているということがいえます。また、日本の独占は、それをいい機会にして、これら諸国に対します支配の強化をしようという、こういう下心もある法案だと思いますので、私たちは賛成することができないわけです。それで反対をいたします。
#45
○委員長(杉山昌作君) ほかに御意見がなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認めます。
 ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(杉山昌作君) 速記を始めて。
 これより探決に入ります。国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案を問題に供します。本案を原案通りに可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#48
○委員長(杉山昌作君) 挙手多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
  ―――――――――――――
#49
○委員長(杉山昌作君) 次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について、御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#50
○大矢正君 私は、社会党を代表して、ただいま議題となりました日本開発銀行法の一部を改正する法律案に反対をいたしたいと思います。
 反対の理由といたしましては、まず第一に、外貨債を発行するにあたりましての将来の問題でございますが、最近アメリカの金利は比較的下がったといいましても、わが国が外貨債を発行するにあたりましては、なお非常に不利な条件が将来予想されます。この点が実施面においてまず第一に心配な点であります。それからさらに、外貨債によって得た資金が、独占的大企業に重点的に流されるということにつきましては、われわれとしてはとうてい賛成することができませんので、私どもは本案に対して反対をいたしたいと思います。
#51
○委員長(杉山昌作君) ほかに御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。日本開発銀行法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#53
○委員長(杉山昌作君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
  ―――――――――――――
#54
○委員長(杉山昌作君) 次に日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#55
○大矢正君 私は、ただいま議題となりました日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案に対し、社会党を代表して反対の討論をいたしたいと思います。
 日本輸出入銀行の貸し出し金利の問題につきましては、先般来当委員会におきましても私どもから指摘をいたしております通り、輸出金融あるいは輸入金融、その他投資金融に関しまして、非常に想像のできない安い金利で一部の企業に経済的利益を与える内容のものでありますから、そういう点におきましては、私どもとしては賛成をするわけには参りません。従いまして、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案に対しましては反対を表明いたします。
#56
○天田勝正君 民主社会党は、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案に反対をいたします。
 反対の理由は、すでに質疑を通じて明らかにして参ったところでありますが、この法律は、その趣旨とするところはわが国の輸出増進を目的といたしておりますが、しかしながら、これは度を過ぎますると、逆に外国の業者及び国内の業者のうちでも単に輸出業者だけを助けることになり、日本の国内の生産を助けるということには相ならないと思います。今回の一般会計から繰り入れまする措置につきましては、これは言うまでもなく一般会計でありまするから、税金によってこれがまかなわれることに相なるのであります。そしてごく安い資金をば輸出業者に提供し、その結果が、外国の業者が日本の生産品を買う場合にきわめて割安になるし、その反面、同様の物資をば日本の国民が買う場合には割高になるという結果を招来いたすのであります。かくいたしましては、この輸出入銀行法ができました当初の目的からだんだん背駆する結果になりますので、今回の措置には反対をいたすものであります。
#57
○委員長(杉山昌作君) ほかに御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者水手〕
#59
○委員長(杉山昌作君) 挙手多数でございます。よって、本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
  ―――――――――――――
#60
○委員長(杉山昌作君) 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について、御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 これにより採決に入ります。産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#62
○委員長(杉山昌作君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上可決せられました四案の諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#64
○委員長(杉山昌作君) 次に昭和三十六年度分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は御発言を願います。
#65
○平林剛君 私は、政府に間接税の減税について少しお尋ねしておきたいと思います。
 今日、国民生活における税の負担が大へん重いということは、ただいま議題となった法律案の趣旨、あるいは今議会を通じまして減税の問題が議論された事実をもって、明らかになっていると思うのであります。しかし、今回の所得税の怪減ということだけでは、今日の家庭生活に及ぼすいろいろな影響、特に税の面から来る暗さをはね返すということはできない。たとえば、その最たるものとして物品税などをあげることができると思うのであります。また、酒やたばこにおける税金の重さが家計に及ぼす影響も、これまた無視することができません。この意味で、われわれは、今回の減税構想の中に間接税が含まれていなかったことに対し大へん遺憾に存じておるのであります。しばしばこの問題につきまして政府に意見を追及して参りましたけれども、現在昭和三十六年度においては、これを実施しない態度のごとく見られるのでありますけれども、しからば、昭和三十七年度にはどうするのか、あるいは近い将来これを行なうという用意があって具体的な基礎調査を進めでおられるかどうか、こういう点私はこの機会に明らかにしておいていただきたい、こう思いまして、この点の考え方をお尋ねいたしたいと思います。
#66
○政府委員(村山達雄君) ただいま御指摘の通り、三十六年度の減税につきましては、間接税は主たる目標とはしておりません。ただ、税制調査会の政府に対する答申にも明らかのように、重いのは所得税、法人税のような直接税だけでなくて、間接税も他国から見ると重いように思われる。しかし、三十六年度の減税としては、やはり中層所得者を中心とする所得税の減税、続いて企業基盤の強化に資するための法人税の軽減を優先すべきであるという答申が出ておるわけでございます。
 来年度以降の問題、直接税、間接税――間接税をどうするかという問題につきましては、税制調査会では、地方税における税源配分の問題と合わせまして、二つの大きな問題として残されておるわけでございまして、今後の検討に待つところでございますが、すでに問題は指摘されておるということでございますので、また、現政府におきましては、減税は引き続いて、やるということは言っておるわけであります。従いまして、われわれといたしましては、来年度さらに税制調査会の根本的検討を待ちまして、それに基づきまして、要すれば間接税の減税も行ないたい、かような心組みで仕事を進めておる段階でございます。
#67
○平林剛君 間接税の減税につきましては、現在公式の政府の答弁としては、大蔵大臣が昭和三十七年度にこれを行なうということが明らかになっているだけにすぎません。私は、やはりこれはまずいと思う。物品税におきましては、最近非常に新しい製品、そして家庭生活に及ぼす影響などから考えますと、昭和三十七年度に行なうということだけで済まないような実情がある。むしろ、今日の国民生活における負担軽減のためには、この面の影響を一日も早く解決をするというのが実際の政治でなければならぬと思います。そこで、私は、特に物品税につきましては、すみやかにこれを軽減しあるいは廃止をするという積極的態度を政府がとられるということを希望いたしたいのであります。これらにつきましては、もちろん基礎調査資料というものが充実しなければなりません。今日政府当局におきまして、将来物品税が当然まないたに乗るのでありますから、その基礎的な調査を充実していくことが目下の急務であろうと思うのであります。現在これらの構想あるいは方向に向かいまして、政府としてどういう具体的な調査あるいは努力をなさっておるか、この機会にお聞かせ願いたい。
#68
○政府委員(村山達雄君) 税制調査会の答申の結論は、先ほど申し上げました通り、間接税も他国に比べて重いという簡単な表現になっております。実は税制調査会におきまして、物品税等につきましてもかなり基礎データー的なものを提出いたしまして検討いたしたわけでございます。それぞれの課税物品ごとに、国民の消費金が伸びた場合に当該課税物品の消費がどれだけ伸びるかという問題、それから、それぞれの税率はどれくらいであって、税額はどれくらいになっておるか。と申しますのは、いわば消費指数の弾力性を見ておるわけでありますが、まあ、通常いわれることは、消費指数弾力性の高いものほど担税力があるといわれておりますので、個々の物品につきまして、最近の状態を調査いたしまして出したわけでございます。ただ、そのときに、何と中しますか、ぐるぐる回りの論理になるのですが、現在出ておる消費指数弾力性というものは現在の税率をもとにして出ておるわけでございまして、従いまして、そのものがぜいたくであるとか、あるいは消費指数が弾力性が高いとかいっても、それは現行の税額を前提にして出ておるものでありますから、裸にしたらどうか、こういう問題はもちろん論理的にあるわけでございます。そういう点をよく検討しなければならぬということで、そういう種類の検討が一つございます。
 なお、われわれの方といたしましては、今後の問題を解明する一つの手だてといたしまして、一つの、何と申しますか、世論調査、家庭における世論調査のようなものを進めておる段階でございます。いずれ、こういうものも、来年度の税制調査会におきましては、根本的な理論的検討のほかに、こういうアンケート式なものも提出いたしまして、検討の材料にいたしたい、かように考えておる段階であります。
#69
○平林剛君 政府の心がまえはわかりましたけれども、具体的な問題で一つお尋ねしておきたいと思うのでありますが、最近物品税の中でも特に電気器具の製品の占める割合、これは非常に大きなものがございます。物品税による課税総額が六百三十億円といたしますと、約四百億円というものは家庭電気器具の物品税によって占められておる。最近家庭の合理化とか、家庭の主婦の労働力軽減という意味で、これらを利用する国民というのはかなり数多くなってきておるわけであります。この意味から、今日の物品税がかなり重要な問題になりつつありまして、通産省においても、これら物品の税引き上げにつきまして具体的試案を作って、大蔵省当局と話し合っておるということを私は承知いたしておるのでありますけれども、これらについては、現在、折衝の経過として、どうなっておりますか。
#70
○政府委員(村山達雄君) おっしゃるように、最近電気器具が課税物品中非常に消費が伸びてきました関係上、物品税の中に占めるウエートもだんだん高まりつつあることは、御指摘の通りであります。いろいろ、問題といたしましては、そういう消費の形がだんだん移り変わっていくという問題、そういう角度からの一つの問題。それから、これがやはり日本の産業にとりまして非常に新しい産業として伸びるところがあるわけでございます。特にこまかい技術的な問題になりますと、今後のどういう、たとえばテレビならばどういう型のものが今後輸出として伸びていかなければならぬか、どういうものが有望であるか、型ごとにみんな違っておるわけでございます。こういう両面の配慮を加えながら妥当な結論を出すべきであるというふうに考えておるわけであります。
 本格的な問題としては、先ほど申し上げた通り、三十七年度以降の改正になるだろうと思うわけでございますが、ただいま通産の方と話を進めているというのは、それと少し違う角度でございまして、実は税制調査会におきましても、物品税についてはこまかい指摘はありませんでしたが、たとえば輸出増強という見地から当面緊要と認められるような諸点があったら、そういう点についてはある程度手直しするのもやむを得ないじゃないか、こういう趣旨の答申をいただいているわけでございます。で、その細部については政府において十分検討しろ、こういう調査会からの御忠告でありますので、そういう面で、何か主務官庁で特に御希望なりあるいは御意見があるかどうかというところで、事務段階で今主務官庁の方の意見を聞いている、こういう段階でございまして、別に確定的なものではまだないということを申し上げておきます。
#71
○平林剛君 私は、物品税の軽減の問題になりますというと、今お話が出たように、すぐ産業面の保証というような点が重要視をされて、しばしばこいの角度から議論されるのはあまり好ましいと感じておらない。だから、国民生活に与える影響をも重点に考えて物品税の怪減をはかっていきませんと、しばしばこれが政治的な問題になってくる。従って、これらにつきましては、一番私の期待しておりますのは、現在大蔵省が調査中の消費指数、国民の家庭生活に与える影響、あるいはその利用度の高いものと、もう生活そのものに食い込んでしまっているものに対して、不当な税金がかけられておる、あるいは重い税金があるということをなくしていく方向で、この税の改正をはかっていくべきだ、こう思うのであります。
 きょうは時間がありませんから、次の機会にまた議論をすることにいたしまして、資料として、もう三カ年にわたって続けてきております、消費指数の調査を、まだはっきりしたものでないでしょうけれども、また確実な、自信のあるものでないにいたしましても、現在進行状況はどのくらいになっているか、私確かめたいので、これにつきましての資料を一つ後に御提出いただきたいと、お願いをいたしておきたいと思うのであります。
 同町に、この物品税の軽減をはかるにあたりましては、金額的には六百数十億円に上っているのであります。そこで、常に政府あるいは大蔵省の考えるのは、これに肩がわりする税を新設をしようとする考え方にすぐ行ってしまうのですね。われわれがこの物品税の軽減や撤廃を言いますのは、国民生活に与える影響、軽減ということにあるのでありますが、政府はどうしても穴埋めとしての財源を考える、新たな税法を考えていくということにとかく走りがちですね。特にこの物品税が、大衆に対する課税という点から考えましても、当然なくしていくのが本筋です。ところが、その財源ということを考えて、他のこれにかわるべきものを考えようとするところにどうしてもかかる。これはどうしても、政府が犠牲的に改正をしていくという態度をとらなければだめです。今日、大蔵省内部にそんな意見もあるということを聞いておりますが、私はこの点に関してはまことにけしからぬと思うのでありますが、何かそんなことでも考えている人たちがあるのですか、ちょっとお伺いをしておきたいと思います。
#72
○政府委員(村山達雄君) 先ほどおっしゃられたような産業保護という観点でなくて、国民の消費生活に与える影響というものを中心に置いて物品税というものを考えるべきだ。――これは全く私たちも同感でございまして、本来消費税の性質でございますので、それが中心に考えられるべきである。
 ただ、新種の物品につきましては、どうしても新規産業というものがどんどん起きて参りますので、新規産業についてはある程度考えざるを得ないという面もあるというところだけ申し上げたわけでございます。本筋はおっしゃる通りだろうと思うわけなのでございます。そういう意味で、だんだん国民の消費水準並びに消費の向かう方向が変わって参ることは当然でございまして、絶えずそれらの点を検討しつつ、物品税の改廃あるいは軽減を行なうわけでございます。
 先ほどちょっとお話のありました、一つのものを廃止すると必らず身がわりを考えるのじゃないか、身がわりを考えるために、われわれは特にそういう考えから検討するということは、財源の関係で検討することはいたしませんが、消費動向の変わるに従いまして軽減すべきものは軽減し、新たに取り組まねばならないようになったものについては、やはり課税の公平という点から問題にするという態度でありまして、税収が失われるから、かわり財源を見つけるというようなことではございませんですが、あるいはそれらの点の検討の過程が漏れて、そういうお気持を持たれたかもしれませんが、われわれの意図するところはそういうところでございませんので、一つ御了承いただきたいと思います。
#73
○平林剛君 私は、物品税の問題を考えるときには、一つ、今日までの経過から考えて、ごまかしたり、すりかえたりするようなやり方でしていく方法は、特にこれは避けた方がいいと思っているので、この際希望を申し上げておきたいと思うのです。
 それから、もう一つ、酒とたばこの税金につきまして、しばしば議論をされて参りました。これも私は、国民生活の面から考えまして、かなりの消費、広い消費になっておると思うのであります。あなたの方はどうですか。たとえば、たばこが今目標準家庭におきまして、標準家庭の生計費に占める割合はどのくらいあるかということを調査したことがありますか。あるいは酒の消費から見まして、これが今日の一般家庭の生活水準から見て何%を占めておるか、こういう御研究をなさったことがありますか。
#74
○政府委員(村山達雄君) 消費指数弾力性を咽べる際に、それらの点もあわせて調査をしております。
#75
○平林剛君 どうもはっきりした調査もなさそうだから、自信のない答弁で、これはあなた、調べていただきたい。たとえば、たばこなどは、今日の標準家庭におきましては大体五%を占めております。これは皆さんはどうかわかりませんけれども、善通の国民、特にサラリーマンなどは、朝出かけるときには、きょうたばこは五本ですよということで、シガソット・ケースに五本ぐらい入れて、これ以上は吸えないというような実態なんですよ。それで、たばこ代というものが、一般の国民の生活費の中で、ばかにできない存在を占めているという実情がございます。私は、酒の場合は、これはまあある程度いろいろな家庭悲劇の材料にもなるほど、飲み過ぎる人がおりまして、金のない人がよけい飲んでいる実情でありまして、それだけに影響を別な意味で考えなければなりませんけれども、特にたばこの税金につきましては、そろそろ一回ぐらいは減税をするという善政をしくべき時期だと思うのです。今まで、たばこの価格を低くしたなんていう歴史はないですよ。一度、三年――いや、六年くらい前にありましたけれども、それは一つの品種を下げたら片っ方の品種は上げるという工合に、たばこが家庭生活に占める割合を考慮しての政治ではなかった。一度くらい私はこういうことをやる必要があるのではないか。特に私は、今お答えになりませんでしたけれども、酒とたばこの標準家庭に与える割合というものを政府が勉強してもらう意味で、至急にまとめて資料として提出をしていただきたい。それを見れば、なるほどもうちっと早くやらなければいかぬわいということに必ずなると私は思うのでありますが、これはお願いをしておきたいと思うのであります。まあこれだけ希望いたしまして、質問を終わります。
#76
○天田勝正君 私も一言だけ聞きます。いつも一言だけ聞くのだけれども、どうも答弁の方で長くなる。
 この法律の趣旨が、三十六年度の減税のために、税制調査会の答申をもととして歴年で一つ実施しよう、こういうわけであります。そこで、実際改正しようとして出てきたのは、税制調査会そのままがここに出てきたわけであります。所得税の関係はこうでありますが、今度は会計年度で実施するための国税関係でありますが、これも政府としては税制調査会の通りに実施しようとするのかどうか、これを聞いておきたいと思います。
#77
○政府委員(村山達雄君) ただいまお話しのように、今回提出いたしましたのは、昭和三十六年の一月から実施する予定の所得税の減税、そのうち給与、退職につきましては、法案の通るまでの間、一――三月間に現に支給がありますので、来るべき通常国会で提出を予定しております減税法案をもとにして、それは一――三月分の減税を出しておるわけでございます。それ以外に、国税で来年四月以降実施するものにつきましては、税制調査会からかなり詳細な答申が出ておりますので、政府といたしましては十分検討の上、調査会でこれらの結論を出していただきますので、できるだけ調査会の趣旨を尊重いたしまして提出いたしたいと、かように考えております。
#78
○天田勝正君 そうしますと、自然まあ税制調査会で予定して、おそらく政府も踏襲するであろうと思われる国税の中に、法人税の関係で配当課税の改正二百億というのがあるのですが、これは何をどこまでどう減税しようというのですか。
#79
○政府委員(村山達雄君) 調査会の答申の結論の方から申しますと、現在の配当につきましては、法人税は一部所得税の前取りである、こういう考え方から、現行法では受け取り株主が法人の場合には全額益金算入、それから個人が受け取る、株主が個人の場合には、その受け取る配当の多募によりまして、一千万円までの分につきましては二〇%、それから一千万円をこえる分につきましては一〇%の税額控除をしておるわけでございます。調査会において問題になりましたのは、これらの現行のいわば二重課税の調整の制度というものが、十分税法の趣旨が経済界において生かされていない、そのために配当の負担が非常に高くなっておる。現行法人でいいますと、実効税率が地方税と合わせますと約五〇%でございますので、従って一〇〇の配当をするためには概略二〇〇の配当財源、配当資金が要る、これが非常に会社の計画、経営を困難にし、同時に外部資金を取り入れる場合に、増資によらないで借入金に走るということになっていると。これが企業における自己資本が戦前に比べ非常に低下しておる状態であり、また外国に比べて非常に低下しておる原因にもなっていると。この自己資本の資本構成における少ない割合というのは、今後の経営を考えた場合に非常に危険である。従って、同じ二重課税の調整をやるならば、もう少し自己資本、払込資本を充実する方向で考えるべきじゃないかという趣旨で、今度の答申が出ておるわけであります。今度の答申は、端的に申しますと、現行の法人の税率三八%を二八%にする、そのかわりに配当控除、益金算入につきましてはそれぞれ四分の一程度圧縮してはどうか。しかし、今度の改正に関する限り、そういう勧告をするが、この問題は非常にむずかしい問題だと。従ってさらに今後引き続き根本的検討を要するということを言っておるわけであります。改正の内容はそのような点であります。
#80
○天田勝正君 私はこの問題をなぜ取り上げたかといいますと、これが配当所得として個人に入った場合には、現在でもおそろしい優遇措置がとられているわけなんです、一般の給与所得などと違いまして。そうすると、今度、今主税局長の言う筋においては、これは確かに配当に対する課税のために企業が不安定に陥っているということが事実であるし、借入金が非常に多くなるという結果をもたらしているけれども、そういう結果を、今度株主配当となって現われてきた場合に、さっきの物品税の平林君の話ではございませんけれども、こういう場合には、今度は一方でおそろしい方法を受けたら、片方で今度これに見合う、逆に所得税の方はむしろ今までの優遇措置を、やめるとかなんとかいう措置を講じなければ、他の納税者とのバランスがとれない気がするのです。この点はどうです。
#81
○政府委員(村山達雄君) ただいま申しました通り、支払い法人段階における法人税を一〇%下げるかわりに、受け取り株主の段階で、個人の場合は現行二〇のものを一五にすると、配当控除を。それだけ株主の側では不利になるわけでございます。また、受け取り株主が法人の場合には、現行一〇〇%益金算入でありますが、今度の答申では、その場合益金算入の限度を七五%にとどめ、二五%は普通の益金に入れるべきだ、こういう答申をしておるのでございます。その改正を実施した場合における減収が平年度約二百億ということになっておるわけであります。
#82
○天田勝正君 次に、同族会社の留保所得課税四十億、この内容はどうですか。
#83
○政府委員(村山達雄君) これも答申では、同族会社の留保所得、現行ではその期末積立金が百万円か、資本金の四分の一か、いずれか多い一方をこえるに至ったら、そのこえるに至った部分の当期の留保に対して一〇%の課税をするというのが現行でございます。これにつきまして、いろいろ検討を加えまして、その金額が、留保金額がたとえば五十万円よりも少ない場合には、法人、個人の負担のバランスという見地から、課税する必要がないのではないか。従って、少額の留保金額の場合に、答申では五十万円といっておりますが、その程度のものは課税しないということはどうであるか。それから、なおまた留保割合が、これは非同族会社とのバランスの問題でございますが、一割未満以下のような場合には、これまた課税する心要はないのじゃないか、こういうことが出ております。それから、それと同時に、現行の一律一〇%というものは、その留保金額が非常に多い場合には、法人、個人の負担のバランスからいって、今の一〇%では少し軽きに失すると。これは相当金額が大きくなりましたら、一五ないし二〇くらいの税率でとるべきではないかというので、それぞれの金額が示されている、こういう次第でございます。
#84
○大矢正君 この法律案は臨時特例でありますからなんですが、三十六年一年間の、大体この改正に基づいてどの程度の減税になるのか、これは平年度一体どのくらいになるのか。それはまあ源泉分が一体幾らになって、さらにまた申告がどの程度になるかという点でありますが、それからもう一つは、これはまあ申告の分は、今度の問題にはならぬわけですが、明年当然問題になって出てくるわけでしょうけれども、申告の中でも、青色申告に対する専従者控除の引き上げ等も出ておりますが、大体どういうことをやろうと考えておるのか、それに基づいての減税はどの程度になるのか、お答えをいただきたい。
#85
○政府委員(村山達雄君) 平年度ベースで申し上げますと、所得税におきまして、これは一月からでごいざますので、これは所得税に関する限り平年度、初年度と金額が違いません。六百三十億程度の減税、法人税におきましては、平年度四百九十億の減税を考えております。通行税その他で、これまた、これはわずかな金額でございますが、多少の減税。一方、特別措置の整備で、平年度百九十五億の増収が考えられています。差し引きますと、国税におきまして減税総額で千百五十億でございます。それに増収が百九十五億でございますので、差し引きまして純減税額としては九百五十五億ということに相なるわけでございます。
 で、項目別に申し上げますと、給与所得と申告所得税の配分がどうなるかということは、まあ精査しないとわかりませんが、一応考えておりますのは、大体本年度ベースで申し上げますと、給与所得がこのうち、六百三十のうち四百七十くらいになるんではなかろうかという計算でございます。それから項目別に申し上げますと、考えられておりますのは、配偶者控除の創設、扶養控除の引き上げ、専従者控除の拡大、給与所得の控除、税率の引き下げ、退職手当特別控除の限度額の撤廃、こうなっておりますが、配偶者控除の創設によりまして百四十五億、扶養控除の引き上げによりまして六十五億、専従者控除の拡大、これは内容が二つございまして、白色事業者については一律七万円の専従者控除、それから青色につきましては、現行の最高限八万円を、年令によりまして、二十五才以上の専従者については、その最高限を十二万円にするという、二つの内容を持っておりますが、合計いたしまして七十五億、給与所得の控除によりまして百億、税率の引き下げによりまして二百三十億、それから退職手当の特別控除の最高限の撤廃によりまして十五億の減税、合計いたしまして六百三十億の減税という規模のものを考えている次第でございます。
#86
○大矢正君 私、この法律とは直接関係ございませんけれども、三十五年度のこのたびの予算補正を調べてみますと、歳入において非常に大きな部分を占めておりますのは法人税、所得税、それから酒税と、こういうことになっておるのですが、法人税あるいは所得税は減税をやりますから、まあかまいませんが、酒税につきましては、当初の三十五年度の当初予算に対して二百十六億の自然増を見込みまして、補正予算をしている。これを三十四年度の予算と三十五年度の見込みを比較しますと、約三百四十億ばかり三十四年に対して、三十五年は、酒税の結局増収がはかられることになっている。そこで、上級酒、下級油、いずれをとるかという点については、いろいろ議論がありますけれども、油税を極力引き下げるべきであるという要望は、業界はもちろん、この議会の中においてもかなり長くあるところでありますが、このように非常に酒税が増徴になってきておるのですが、酒税を下げようとする意思がないのかどうか、主税局長は酒税に対してどうお考えか。一体酒税というのはどのくらいまでとれるようになったら下げようというふうに考えておられるのか、まあその辺を一つ御答弁いただきたいと思います。
#87
○政府委員(村山達雄君) おっしゃるように、酒税は最近非常にまあ伸びております。ことにビールの消費が伸びることによりまして、この自然増収がまあ巨額に上っているという実情でございます。で、お話のように、酒税の負担も決して安いものでなくて、相当高い。所得水準に比較いたしますと、非常に高いということが言われるわけでございます。で、先ほど物品税の問題でもお答えいたしましたように、間接税全般について今後検討するという項目の一つといたしまして、われわれは酒税についても十分再検討いたしまして、それによりまして軽減の措置を講じたい、かように考えております。
#88
○大矢正君 これは、今度の三十六年度からの減税については、税制調査会からの答申が中心となって行なわれる。しかし、税制調査会の答申がすべてそのまま採択されるという格好でもないようであります。もちろん、税制調査会というのは、独自の立場で減税をこうすべきである、あるいは増税としてはこの点で、ということを検討されて、自主性に基づいて答申されたことについては、私は当然のことだと思うのでありますけれども、まあ、とかく税制調査会の答申というものは、言うならば、大蔵省のあなた方の意思が税制調査会の方に強く入り込むために、言うならば、あなた方の意思が税制調査会の答申となって現われてきておるようであります。こういうことを言うと、税制調査会の人たちは怒るかもしれませんけれども、しかし、あなた方が資料の提供や、あるいは考え方の上において、そんなことを言ってもできないというようにあなた方自身ががんばれば、税制調査会で幾ら答申をしてみても、採択されない、答申をしてもしようがないということになりまずから、その点が、あなた方の意思をくんたいわば答申というような、こういう格好になってくるのじゃないかと私は思うのですが、これはあまりきめつけたようなことを言うようでありますけれども、私はそういうような感じがするのです。
 そこで、差引九百五十五億という平年度の減税というものは、一千億減税をするという前提から出てきた数字なのか、あるいはまた、そうではなくて、扶養控除、給与所得控除、あるいは先はどの申告分に対する専従者控除、こういうものを積み上げてきた結果として九百五十五億、あるいは法人税もそうでありますけれども、積み上げてきて出たものか、千億減税する、その削り振りを法人税に幾ら、所得税に幾らといって、上の方から下げてきて出てきたものか、その点については私はどうも理解のできないところがあるので、お答えいただきたいと思います。
 それから、もう一つ、これは時間もありませんから、あわせてやりますが、税制調査会の主張では、特に所得税についての税率の緩和という点については、あなた方の意思と違ったようなことが出ておるやに聞いておりますが、それはどういう判断に基づいて違った意思が現われてきたのか、この点もあわせてお答え願いたいと思います。
#89
○政府委員(村山達雄君) まあ最初の税制調査会の運営は、君たちの意思が非常に強く反映しておるのじゃないかというお話でございますが、実は私、昨年の五月の第一回の総会からちょうど一年半やっているわけでありますが、この調査会は、なかなかわれわれの言うことをそのまま聞いてはもらえませんで、資料要求、それから問題の取り上げ方、日程、結論に至るまで、なかなか各委員の方が自由に発議されまして、最後にいろいろ意見調整をやってきめていくということで、われわれの意思がそう強く反映しているとは――反映しているといいますか、われわれの考え方だけできまるということには決してなっていないということでございます。
 それから、この千億の減税という、これに合わして問題が出ているかということでございますが、これはほかの税金、たとえば間接税をこのたび取り上げないとかなんとかいうところでは、まさに時間の関係、検討の時間の関係がありますが、千億と関係しておりますが、改正いたそうというこの内容につきましては、特にその千億の中で割り振ったというような機械的なものではないことは当然でございまして、一つ一つ積み上げまして、どの程度の改訂が適当か。もちろん一方におきまして、その減税の規模があまり少なくても工合が悪いし、それからまた、そう多くいってもできないという点は、ある程度は見てはおりますが、機械的に千億を割り振ったというような性質のものではなく、むしろ、個々の項目についての検討の結果がここに出ているというような調子でございます。
 税率でございますが、これは税制調査会におきましては、こういう考えであったわけです。昭和二十五年からのずっと減税の内容を見ておると、所得税で三十四年までに約六千億程度の減税をやったことになっております。そのうち大体、控除が三分の二の四千億、税率で二千億。で、諸外国の例と比べますと、所得税の負担が非常に重い。戦前に比べて、戦前でも特に昭和十五年の改正直後の、それの平年度化した昭和十六年当時の税制に比べてみますと、課税最低限においては、すでに、物価で換算して実質的な課税最低限で計算し直しても、当時の課税最低限の約二割アップの現状になっている。この三十五年度の税制で、従って、まあある程度行っておる。それから、いろいろな生計費の計算をいたしましても、最低生計費よりは相当上回った課税最低限になっておる。しかし、税率という点になりますと、これは昭和十五年当時よりも非常に重い。で、その原因をいろいろ分析してみますと、要するに所得階層の変化があったということ。当時におきましても、五百万以上の納税者が人員では一〇%くらいであったにもかかわらず、税額で五〇%以上占めておる。今日は全く違いまして、その低所得者の層が非常に厚くなっておるということのために、現在のような結果になっておる。従って、全体の租税収入の中に占める所得税のウエートからいきますと、当時よりは現在は低いにかかわらず、実際、所得税の課税を受けている個々の納税者を見ますと、非常に重くなっている。
 そういう意味で、少なくとも税率、固有の税率論からいうならば、二百八十万以下のものについて税率を軽減すべきではないか、こういう結論が出たわけであります。しかし、いろいろその点は問題がありまして、今度の所得税は中小所得者を中心に減税をやるということである。そうであるとすれば、現在百万以下の所得者は九五%を実は占めているわけであります。九五%以上、そこに中心を置いて考えるべきではないか。扶養控除の創設あるいは扶養親族の年令十五才以上の者の二万円の控除の引き上げ、これは当然高所得者に減税額が多く当たるという結果になるわけでございます。税率の関係で、その上にさらに高額所得者について税率の点まで軽減するということはどんなものであるか、こういうことが中心になりまして、七十万円以下の者についてだけ税率の軽減が及ぶようにしたらどうかというのが、われわれの考えであります。
#90
○委員長(杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#93
○委員長(杉山昌作君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等手につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#95
○委員長(杉山昌作君) 次に、請願の審査を行ないます。速記をとめて。
   〔速記中止〕
#96
○委員長(杉山昌作君) 速記をつけて。
 請願第百六十二号外一件、第六十四号、第九十三号外九件、第百八十六号は、いずれも採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、手続等は、前例により、委員長に御一任願います。
 これにて散会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト