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1960/12/15 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 商工委員会 第2号
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1960/12/15 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 商工委員会 第2号

#1
第037回国会 商工委員会 第2号
昭和三十五年十二月十五日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
           栗山 良夫君
   委員
           赤間 文三君
           上原 正吉君
           岸田 幸雄君
           鈴木 万平君
           山本 利壽君
           阿具根 登君
           椿  繁夫君
           吉田 法晴君
           向井 長年君
           加藤 正人君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
  政府委員
   経済企画政務次
   官       江藤  智君
   通商産業政務次
   官       始関 伊平君
   通商産業政務次
   官       砂原  格君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   通商産業省公益
   事業局長    大堀  弘君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○商工組合中央金庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○海外経済協力基金法案(内閣送付、
 予備審査)
○経済の自立と発展に関する調査
 (電力問題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 最初に、理事会において申し合わせました事項について御報告をいたします。
 本日はすでに付託されました二法案の提案理由の説明を聴取し、引き続き電力問題について質疑を行ないます。
 なお、衆議院予算、商工、内閣委員会等の関係上、通産、企画両大臣の御都合により、通産大臣のごあいさつだけにとどめまして説明は、今回は特に政務次官から聴取することにいたします。
 なお、次回は十九日月曜日から二十二日木曜日まで連日開会いたす予定とし、なお、衆議院の模様を見ることといたします。
 以上御了承願います。
 椎名通産大臣から発言を求められております。これをお許しいたします。
#3
○国務大臣(椎名悦三郎君) 今回推薦によりまして、はからずも通産大臣を拝命することに相なりました。いわゆる所得倍増の政策におきまして通産行政の占める役割はきわめて重大なるものがあると考えておる次第であります。幸い皆様の御鞭撻御協力を得まして、役割を十分に果し得まするように考えておる次第であります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
#4
○委員長(剱木亨弘君) なお、始関通商産業政務次官からごあいさつがございます。どうぞ。
#5
○政府委員(始関伊平君) 始関伊平でございます。このたび通産政務次官に就任をいたしました。大へんふなれなものでございますけれども、皆様の御協力、御支援をいただきまして、通産次官としての職責を果して参りたいと存じております。どうかよろしくお願いをいたします。
#6
○委員長(剱木亨弘君) 次に、砂原通商産業政務次官から。
#7
○政府委員(砂原格君) 砂原格でございます。このたびはからずも通産次官を拝命をいたしました。私はずぶのしろうとでございます。皆さん方の御鞭撻をいただいて、御指導、お引き回わしのほどをお願い申し上げまして、ごあいさつにいたします。
#8
○委員長(剱木亨弘君) 次に、江藤経済企画政務次官から。
#9
○政府委員(江藤智君) 江藤智でございます。このたび経済企画政務次官を拝命いたしまして、今後いろいろと皆様方のお世話様に相なると存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#10
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
   午前十時三十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時一分速記開始
#11
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#12
○政府委員(砂原格君) ただいま提案になりました商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 商工組合中央金庫は、中小企業者を主とする団体の系統金融機関として、中小企業金融の円滑化を通じて中小企業の振興に重要な役割を果たしておりますが、最近における中小企業の体質改善の緊要性にかんがみその使命はますます重大となっております。
 このような情勢において、中小企業者の金利負担の軽減をはかるとともに、当面する年末の資金需要に対処するため、商工組合中央金庫に対する政府出資を増加することといたしました。
 すなわち、金利引き下げのためには、金庫自身の努力に期待するところ大なるものがあるのでありますが、政府といたしましても、その最も有効な手段として、政府出資の増額を行ない、明年一月からの平均三厘程度の引き下げに資することとしたのであります。
 以上の趣旨に従って、本法律案の概要は、政府の商工組合中央金庫に対する出資金を二十億円増額することであります。これによって政府の商工組合中央金庫に対する出資は、現在の三十七億円から五十七億円となることとなります。
 以上が本法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
#13
○委員長(剱木亨弘君) 本案の質疑は、都合により後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#14
○委員長(剱木亨弘君) 次に、海外経済協力基金法案を議題といたします。これより提案理由の説明を聴取いたします。
#15
○政府委員(江藤智君) 海外経済協力基金法案の提案理由を御説明申し上げます。
 最近の世界経済における重要な動向の一つといたしまして、東南アジアその他の開発途上にある地域に対する国際経済協力の問題が大きく取り上げられていることは御承知の通りであります。すなわち、戦後、これらの開発途上にある諸国は、その資源の開発ないし工業化をはかり、急速な経済の発展と、国民生活水準の向上を意図しているのでありますが、そのためには、資本及び技術の面でその多くを先進工業国に依存せざるを得ない状態にあるのであります。
 一方において、このような開発途上にある諸国の要請にこたえてこれらの国に対する経済協力を推進することは、世界経済全般からみても、地域的不均衡を是正し、経済交流の秩序ある進展をはかるためきわめて重要なことであると考えられるのであります。このような情勢のもとに、最近においては国際開発協会の設立、開発援助グループの会議の開催など、経済協力を国際的規模において一そう強力に推進しようとする動きが見られるのでありますが、わが国といたしましても、今後東南アジア諸国等との経済関係の一そうの増進をはかる上から、これらの国に対する経済協力を積極的に推進することがこの際とくに必要であると考えられるのであります。
 もちろん、従来もわが国のこれらの地域に対する経済協力が行なわれなかったわけではないのでありますが、わが国の場合、民間企業だけではなお資力も十分でなく、また政府関係機関としても、日本輸出入銀行が、輸出入金融のほか海外投融資に必要な金融を行なっているのでありますが、必ずしも十分とは申せない状況でありますので、このたび御審議をいただく海外経済協力基金法案によりまして、新たに独立の法人格を有する海外経済協力基金を設立し、経済協力をさらに積極的に推進するための体制の整備をはかることとしたのであります。
 次に、簡単にこの法律案の内容を御説明申し上げます。まず、基金の目的は、すでに申し上げましたように、東南アジア地域、その他の開発途上にある地域の産業開発に必要な資金で、日本輸出入銀行及び一般の金融機関から通常の条件で供給を受けることが困難な資金の円滑な供給をはかる等の業務を行なうことによりまして海外経済協力の正そうの促進をはかることであります。
 次に、基金の資本金は、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律によって、政府から日本輸出入銀行へ出資されておりました五十億円と、その管理運用によって得られた利益の積立金との合計額を日本輸出入銀行から承継することとし、政府がその全額を基金の設立に際し出資することとしているのでありますが、将来、必要に応じて政府が追加出資をすることとなっております。
 次に、基金の業務といたしましては、東南アジア地域等の産業の開発に寄与し、かつ、わが国との経済交流を促進するため緊要と認められる事業のために、必要な資金の貸付、または、特に必要があるときは、貸付にかえて出資をすることができるほか、このような事業の準備調査またはその試験的実施のための資金の貸付、さらには以上のような投融資の業務に関連いたしまして基金がみずから必要な調査をすることができるよう規定いたしております。
 なお、基金は、その設立の趣旨にかんがみまして、右の貸付等の業務を行なうに当たっては、日本輸出入銀行の業務と十分な調整を行なうとともに、投融資の条件等につきましても、日本輸出入銀行よりはやや幅広く運用できるよう配慮いたしております。
 次に、基金の機構は、極力簡素なものとする建前から、役員としては、総裁一人、理事二人、監事一人の計四人とし、また、事務の相当部分は日本輸出入銀行に委託して行なうこととしております。
 なお、基金の業務の運営については、関係行政機関の所掌事務と密接な関係のあるものも多いと考えられますので、総裁の諮問機関として運営協議会を設けることとし、関係行政機関と緊密な連絡を保って業務の適正な運営が行なわれるよう配慮しております。
 次に、基金の監督は、経済企画庁長官がこれを行なうのでありますが、この法律の規定に基づいて認可または承認をする場合には、あらかじめ、外務大臣、大蔵大臣及び通商産業大臣と協議して行なうこととなっております。
 その他、定款、業務方法書、財務及び会計等の点につきましては一般の政府出資の特別法人とほぼ同様の規定を定めております。
 以上がこの法律案のおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#16
○委員長(剱木亨弘君) 本案の質疑は、都合により後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#17
○委員長(剱木亨弘君) 経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。
 前回の委員会において栗山委員から要求のありました資料が提出されておりますので、これをお配りいたします。
 これより電力問題について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#18
○栗山良夫君 私、ただいま若干、一部の地域で問題になっております電気料金の改定問題について、ごく全般的な点を一、二お尋ねをいたしたいと思っております。
 まず第一に、ただいまの電力料金が改定になりましたのは、最後は昭和二十九年の十月一日付で実施に入っておると思います。その当時の料金改定につきましては、いろいろ各方面から批判があり、意見が述べられまして、そういう点については、通商産業省から当時発行された、私、今持っておりますが、「電気料金の概観」というのに相当こまかく出ております。この内容を見まするというと、要するに、二十九年度以前に数回行なわれた電気料金の改定というものは、当時のインフレーションの進行に伴う原価是正が中心である。ところが、二十九年にはデフレの状況にあったにかかわらず、電気料金の改定を行なわざるを得なかったことは、終戦後の新しい投資による資本金の負担といいますか、これが非常に高くなって、そうして原価高になったために、これに補正を加えないというと、将来の電源開発等に支障が来る、こういうことが理由で当局は認めざるを得なかったということが書いてあります。で、まあ、その他一、二の例はありましょうけれども、中心点は、私も当時、国会で審議に当たった一人でありましてその通りであったと思います。
 一番われわれが今その当時を振り返ってみて、お尋ねをしなければならぬ重要な点が一点あるわけです。それは当時、いろいろなまあ経営状態にあった九電力事業社を、経理的には応二十九年十月一日現在において一つのスタート・ラインに並べた。全く同じ条件のもとに並べた。そうしていよいよスタートの信号を発して九社一斉に新しい経営に入った。ですから、当時の計画がそのまま行き、各社が同じ力を持っておるならば、今日も九社とも同じ経営状態であり、同じような内容でなければならぬ。それが現実には、非常に各九社とも格差が出てきておるわけです。経営内容の上において格差が出てきておる。ですから、この格差が出てきた理由というものは一体どこにあるかということを私は検討しなければいけないと思う。それが一番問題点だと思う。そこでまずお尋ねをしたいことは、二十九年の十月一日に同じスタート・ラインにおいてスタートした九電力事業というものが、非常な企業格差が出てきている。その企業格差というものはどのようなものであるかということを伺いたい。で、数字的なことは、またいずれお尋ねをするとして九電力会社の今の企業格差はいい方から並べますと、どういう順序になっているか、これをまず伺いたい。
#19
○説明員(大堀弘君) 非常にむずかしい点でございますが、企業格差として非常にはっきり言えますことは、関西電力の内容が非常によろしくなっております。資本構成も非常によろしいのであります。今後の建設を考えましても、相当長期にわたってやっていけそうだという見通しもあるわけです。その意味で、関西は非常にきわだっていいということは言えると思います。
 当面、非常に悪くなっておりますのは、まあ御承知のように、九州電力が料金改定を必要とするということで申請を出してきております。これは私ども見ましても、経理的に相当苦しくなっておる。企業の資本構成その他も必ずしもいいと言えない状態になってきております。
 その他の会社につきましても、実はどこがいいか、悪いかということは非常に言いにくい点でございますが、まあ極端なものとしては、今、関西が一番いい。悪い方では九州。東京電力あたりは、これは現在の料金と建設との関係から、やはり経理が、非常に苦しくなっているという点が、この上期決算において言えると思います。これもそういう意味合いにおいては、総体的には現状では悪いということが言えると思います。
 その他の会社は当面値上げの必要はございません。しかしながら、開発のスピードが非常に早いために、やはり資本構成がどの会社も一様に悪くなってきております。これが大体現状でございますが、ただいまこまかいデータを持っておりませんので、概略申し上げますと、そういうことでございます。
#20
○栗山良夫君 ただいまの点はもう少し的確にお答え願えるのじゃないですか。非常に厳格な調査を去年あたりからいろいろおやりになっておるわけですし、するわけですから、十分お聞かせ願えると私は期待していたわけでが、いかがですか。
#21
○説明員(大堀弘君) ちょっと実はきょう数字を用意して参りませんでしたので、具体的な点は申し上げられませんが、火力地帯では、ただいま申し上げました以外では、中国、四国、北海道の三地点が火力中心の地点でございますが、割合に需用の伸びが小さく、開発も割合に低いという関係で、とにかく、一応経理関係では、現状で重大な赤字が出るというふうな事態にはなっておりません。
 それから東北、北陸は、先ほど先生から御指摘がありましたように、二十九年度以降に両会社が一度値上げをやっておりますが、やはり水力地帯で、水力の開発が大きいものでございますから、経理に対する圧迫が非常に強く出ております。従いまして、これは一度値上げをしておりますにかかわらず、ほかに比べると、割合に危険な状態にあるということが言えるのじゃないかと思います。
 中部電力が、私ども多少これはむずかしいのじゃないかと思っておりましたが、需用構成の関係もあるかと思いますが、ともかく、割合に経理状態がよろしいということは言えると思います。
 大体、概要としましては、はなはだ、数字的に今持っておりませんので、概略申し上げますと、そういうことでございます。
#22
○栗山良夫君 そうすると、A、B、Cと三クラスに分けたら、Aは、三クラスに分けたらどういうことになりますか。
#23
○説明員(大堀弘君) まあ何といいますか、経理の収支状況から見た立場と、それからもう一つは、資本構成その他の資産内容、そういった面から見ました場合と多少違いますので、ちょっとAクラス、Bクラスと仕分けすることも私どもとしてはいかがかと思うのでございますが、経理的には、先ほど申し上げましたように、当面、私どもは、非常に苦しいと思われますのは、九州及び東京でございます。
#24
○栗山良夫君 これはもう、普通の民間会社の場合は個別の名前をあげて調査をするということはしないというのが原則です。ところが九電力の場合は、もう完全な公益事業であるし、今まではこのような名前をあげて、そして本委員会としては調査したこともしばしばありますから、その点は問題ないと思うんです。で、今後の電気事業のあり方を検討するのには、少なくとも二十九年の十月一日をもって全く同一の条件に保障されるように料金というものが設定をせられて、そして数年たってみたところが、現実には格差が生じたということでありますから、その内容を厳密に検討を加えないでほかのことを私は論じられないと思うんです。で、ここのところは、やはり通商産業省としては責任をもって、どうしてそれは収支の面、資本構成の面、もっと極端に言えば、資金繰りの面でもようございますが、そういうような各点から、若干の順位にくるいが各要素要素によっては出るかもしれませんが、そういうものを個別に、あるいは総合して、順位というものをやはりわれわれに示していただきたい。と同時に、どうしてそういう格差が出てきたのか、その理由というものを明確にしてもらわにゃいかん。そうしないというと、各社一斉に合理化をやる、人件費の節約をやる、いろんなことを努力しておるにかかわらず、一体、それらの努力というものが非常に行なわれたにかかわらず、成績が悪くなっているのか、何も努力しなくて悪くなったのか、そういう検討すらも加えることができないわけです。そういう一番中心の問題を、検討も加えない、国会でも表示をしないということは、私は電気事業そのもののためにも、また消費者の立場からいっても工合が悪いんじゃないか。完全な国民の理解の上に電気事業というものが経営されていかなきゃならん問題でありますから、そういう意味では私は今の御答弁は、それはあらかじめそういう内容の質問通告はいたしてありませんでしたけれども、通商産業省の電気行政指導の立場からいえば、もう即座にでもここで答えていただかなけりゃならんほどの重要な問題だと思うんです。
#25
○説明員(大堀弘君) 御指摘の通り、私どもこれは一番基本的な問題と考えております。決して分析をいたしていないわけではございませんが、ただいまちょっとその面の詳細な資料を持ち合わせてきておりませんので、ただ二十九年のときの料金をきめます場合の、今までの料金算定は一年の経理収支の予想から料金をきめるという建前をとっております、一年間で。その後幸いにして今日まで大きな料金値上げをしないで進んでこられたわけでございますが、その内容は、ただいま先生が御質問になろうとしておられる、どういうふうに企業格差というものが出てきて、どういうものから出てきたかというような原因にも関係してくるかと思いますが、私どもは、経理内容の変化を来たしております事情が、これはたくさんあると思いますが、主要な点といたしましては、やはり開発によって資本費がふえてくる、それで料金原価が上がって、現行料金で吸収できるかできないかという問題になっておるわけでございますから、やはり開発の程度ということが一つの大きな条件になっていると思います。
 その中で特に水力と火力に分けて考えますと、水力の方が資本負担が火力に比べまして――火力でございますと、大体キロワットで、現在まあ石炭と重油の混焼で考えましても七万円ぐらいかかっておりますが、水力は先生御承知のように十五、六万円以上かかっております。二倍半から三倍ぐらいの資本負担になっております。従いまして、どうしてもやはり水力をよけいやるところは経理が苦しくなってくるという状況になるかと思います。これは東北、北陸あたりの例が端的に出てくるのではないかと思いますが、その他の会社でもやはり関係があると思います。これは開発に伴ってやはり変化が出てくる。その内容についても確たる変化が出て参ります。
 それからもう一つの問題は、需要構成がこれに対して違っていると言いますか、たとえば東京あるいは関西あたりは比較的需用構成がよろしいために、コストが上がりましても何とか吸収して伸びていけるという格好になっているかと思います。ここらあたりが、産業の発展なり、家庭用電灯の消費の状況等によって違ってきております。このあたりが一つの大きな条件じゃないかと思います。
 それからもう一つまあ大きな問題は、やはり燃料費の関係で変化が出ていると思います。これは石炭価格が三十九年の原価計算をしましたときと現在とでは、そう大きな開きは、大きな変化はございません。途中で上がりましてまた下がっておりますが、大体大きな変化はございませんが、全般としてはやはり重油も使っておりますし、全体としてはやはり下がってきている。それから火力の熱効率その他、火力が非常に近代化されましたために、その意味での燃料費の原単位が下がってきている。こういったことが合わさりまして、燃料費の関係がやや変化が現われてきていると思います。この点は九州の場合はその意味からいうと、プラスに働いてくるはずのものでございますが、これはたまたま水火力調整金制度が先生御承知のようにございましたが、三十一年撤廃されておりますが、これは九州電力としては大きなマイナスに働いておりますので、やはり経理的には、関西あたりでございますと、同じに火力を持っておりますが、水力も持っているということで、水火力調整金の影響はあまり出ないで、火力の方が安くなって来たメリットだけが出て来ているという関係はあるかと思います。そういうようなことは、そのほかにまだあると思いますが、いろいろこういう条件が入り組みまして、格差が一つは開いてきているのじゃないか、かように考えております。
#26
○栗山良夫君 今の点はここで二分や三分御説明をいただいて満足し得る程度のものではないと思いますが、問題の性質もそうですし、それから内容もそうです。ですから、二十九年以後今日まで九電力別に企業格差というものを各その要素別に一つ整理せられて、そうしてその主たる原因というものを、場重要なものをずっと列挙されて、そうしてもう少し詳細な説明を願いたいと思うんです。それを緊急に次の委員会でもけっこうでございますが、用意していただけるかどうか。
#27
○説明員(大堀弘君) 現在手元に資料がございますから、できる限りのものを整えましてできるだけ早い機会に提出をいたしたいと思います。
#28
○栗山良夫君 それからこのことはその資料を出していただければ全貌が明らかになると思いますが、一番大きな問題は、合いただいた資料でも経費の推移を見ますというと、「人件費、燃料費、資本費、その他」となっておりますが、九電力の総計を見ますというと、二十九年と――たとえば三十五年度はまだ上半期しかありませんから、三十四年度を例にとりますと、人件費は二十九年度二七・四%、三十四年は一九・三%、こういうことになっておりますが、絶対額はどうかというと、これは幾らぐらいになりますか、五百三十二億六千百万円ですか、これに対して七百四十六億一千二百万円、ほとんどけたが違うほどは伸びていませんね、人件費が。ところが燃料費になると二五・五%が一八・三%になってパーセンテージがふえている。と同時に絶対額が倍ぐらいになっている。それから資本費に至っては三一・八%が三八・四%になる。これもまあ倍以上になっておる。その他も倍になっておりますが、合理化即人件費というような考えでやってきたのがよく見えるわけでありますが、人件費の方はなるほどこういうふうにしぼられておるけれどもほかのものは五年間の間に倍以上になっている。こういうことが経費の構成を非常に大きく変えているわけです。従って、これらの内容というものが、今あなたのおっしゃった需用構成、開発の内容等に直接響く関係があろうと思いますから、これをこまかくわれわれが内容を検討しないというと、九電力会社の格差がどの程度であるか、そしてその結果、格差の一番激しい、たとえば例をあげれば九州電力のようなところの料金の値上げというものは、社会的な問題は別として、純電力行政の立場からいって値上げが妥当であるのか妥当でないのか、そういうことの判断がつかないと私は思うのです。
#29
○説明員(大堀弘君) ただいま御指摘の通りに、これはまあ九電力を全体合わしてみますと、人件費が二十九年から総経費に対する比率としては非常に下がってきておるということが出ておりますが、合理化の問題につきましてちょっと私今手元に持っております数字を御参考に申し上げますと、キロワット・アワー当たりの人件費としましては九社平均で三十年が一円三十八銭でありましたものがずうっと毎年下がりまして、三十四年で一円二銭というふうに下がって参っております。一人当たりの販売電力量自身が二十六年当時二十二万六千キロワット・アワーでありましたものが、三十五年には五十七万五千キロワット・アワーにふえております。これは明らかにそういう意味におきましては人員がほとんど二十九年以来総人員ではふえておりません。それにもかかわらずキロワット・アワーは相当大きな伸びを示しております。ちょっと二十九年の数字との比較は幾らになりますか、再編成以来ちょうど容量といたしましてことしの三月でほとんど倍以上になっているわけでございまして販売電力量も倍ぐらいになって人員の方はほとんどふえないでやってきております。まあ、こういう形になっております。その意味でまあ合理化はわれわれとしてはまだ不十分で、さらに努力してもらいたいと思いますが、相当の成績が上がっておるのではないかと思います。たとえば送電ロス率につきましても、二十六年当時再編成直後は二四・九%の高いロス率でありましたが、その後ずっと下がりまして、三十四年で一二・九%、という、送電ロス率が半減しております。それから火力の熱効率につきましては、二十六年度は平均で一八・八六%ということでしたが、これは現在熱効率は三一・一一%というふうに非常に上昇いたしております。これらの面で総合しまして、非常に合理化はとにかく進められてきておるわけでありますが、人件費につきましては、ただいま申し上げましたように、人はほとんどふえないで設備は倍以上、燃料費も従いまして火力がふえましたから石炭の量が、絶対量が非常にふえておる、こういうことが経理の数字に出ているわけであります。
#30
○栗山良夫君 それから、きょういただきました公益事業局の「電源開発の推進とその問題点」というのをごく簡単に拝見しましても、将来電力事業を健全化するためのいろいろな方針というものが書かれておる、だから、こういう方針というものが実行されるということの前提で今後おやりになるでしょうけれども、実はこれは別に新しいことでなくて、ただいまの電源開発法でも電源開発に必要な資金というものは政府が責任をもって調達をするとか、その他電源開発を助成すべきいろいろな問題点というものが今までも出尽しておるわけですね。そういうものが政府が伝家の宝刀を押えられるような方向で誠実に履行されたかどうかということが一つ問題があるのじゃないか、その点の説明というものはまだ寡聞にして聞いたことがない、総合的に。政府は当時国民に約束した。そういう問題点というものを一つ一つ克明に実施してきたかどうか、この点は説明を私ども聞いていないわけですけれども、この点の説明もやはり十分にしていただくことがまず第一。それからもう一つは、最近の、最近のというのは二十九年以降でもよろしゅうございますが、先ほど局長のおっしゃったように水力で十五万円、火力で七万円というような巨額の設備を要する、投入した新しい発電所で起きた電気というものは、その電気だけを見れば確かに原価は高い、それが既設の安い原価の電気とコンバインされて今日の価格体系を維持しておるわけですが、しかし、その新しく開発された電力というものが主としてどこに配電せられておるか、これも私は一つの重要な問題だと思うのですね。公益事業として国が供給の責任を持たなければならぬことに今なっております、全部の需用に対して。しかし、それは広義な見方であって、狭義に見るならば、自分の力で発電をすることのできないような、自分の能力で発電をすることのできないような、そういう需用面については、これは供給責任というものを政府があくまでも持たなければならぬ。しかし、大企業のような場合には戦前でもありましたように、電力事業よりは自分で電力を起こした方が安いのだということで自家発電というものがどんどん作られた。ところが、最近私ども聞くところによると、あるいは見るところによると、自家発電が単価が安いからというので建設をせられるという例はほとんどないと思います。工場の余熱利用等で、それは若干はありますけれども、積極的に、そういうことでなしに、自家発電を建設するというような、戦前にあったような姿は全くありません。このことは逆に言うならば、大企業、何方キロというような電力を一工場で消費するような大工場がみずから自家発用の発電所を作るよりは、ただいまの政府がきめておる電気料金によってやった方が安いのだ、安上がりだ、そういうことが理由になって、私は自家発電というものができていないと思います。従って、それを逆に言うならば、せっかく税金を使い、そうして国の金までも投入して、今電源開発をやってできた電力というものは、一体そういうような部面にどの程度流れておるのか、ほんとうに家庭だとか工場の電灯あるいは事業用の電力、中小企業の電力、そういうものに集中して行なわれたのか、その辺の分析というものがはっきりしないと、これまた電力料金の検討あるいは将来の国家資金の投入の仕方等についても、にわかに私は判断がつかないと思うのですね。そういう検討をおやりになっているかどうか。
#31
○説明員(大堀弘君) 最初に電源開発法ができまして以来の問題でございますが、現状で申しまして、電源開発会社が、これはほとんど全額財政投融資資金によってやっているわけでございますが、これは当時作りまして以来だんだん増加しまして現在は一年間に約四百五十億円程度前後開発資金として電源開発に財政資金が注ぎ込まれているということが言えるわけでございます。それからそれ以外に――財政資金でやって泊りますものは公営電気事業――府県が総合開発の関連で主としてやっておりますが、一年に約百億から百二、三十億程度財政投融資資金――これは地方債でもって調達をいたしておりますが、注ぎ込まれております。九電力関係の開発につきましては、現在三十五年度で二百億程度が開発銀行から融資されておるということでございます。これが実はずっと横ばいできておる状態でございます。それにかかわらず、九電力関係の開発が非常に大きくなってボリュウムが大きくなっておりますから、結局全体の開発資金の中で占める割合としては財政投融資――開発銀行を通ずる資金というものは総体的にだんだん比率が下がってきているというふうな格好になっております。全体として約八百億程度の資金を電源開発のために財政投融資資金を回しておるということでございます。しかしながらそれにかかわらず、つまり全体の電源開発の規模が非常に大きくなってきまして、来年度あたりは大体全体で四千億円程度の開発資金を必要とするという状態になっております。ただいま八百億ということは四千億で約二割が財政投融資で、八割が市中金融に頼って社債発行あるいは借り入れをするなり、外資を調達するというような状態になっております。政府といたしましては、やはりできるだけ電源開発は努力はいたしておりますが、大蔵省の立場、われわれ要求いたしますのに対してやはり公共投資関係資金――港湾、道路その他公共投資、中小企業その他の対策資金に相当な金が要りますので、電気に回す余裕はそれほどないということで、なかなかこれを大幅に増額するということは困難な状態にあるのでございます。われわれといたしましては、できるだけ財政投融資資金をふやしてもらわないと、資金の量の問題だけでなくて、やはり先ほど申しましたコストの問題を考えました場合に、やはり低利資金をほしいということで強く要望をいたしておりますが、現状におきましてはそういうふうな状態でございます。
 それから新しい電気――電源開発によりまして相当電気の量が倍にもふえておりますが、それがどう食われているかというお尋ねでございましたが、お手元に配っております資料では九ページのところに九電力合計の電気需用の伸びだけが数字として出ております。これだけでは不十分ではございますが、この伸びだけ見ていただきますと、一番右の力の欄に二十七年から三十四年までの伸び率が出ております。これで見ますると、二十七年から三十四年までの平均伸び率としまして、電灯が九・八%伸びております。それに対しまして電力の伸びは小計というところに、下から三段目のところに小計という欄がございますが、これが電力の需用の全体の合計でございますが、これが二二%と出ております。従いましてキロワット・アワーで見ますると、確かに電力でございますから産業面の需用の伸びの方が大きくて、家庭用の方の伸びが、電灯の伸びの方が低いということが大づかみに言えるのではないか。最近は、三十四年あたりは電灯の伸びが非常に高くなってきております。ことしも高くなっておりますが、これは家庭用の電化の関係かと思いますが、最近は二二%というような高い伸びを示しておりますから、電力もかなり伸びておりますが、どちらかというと電力の方の伸びがキロワット・アワーとしては大きく出ているということが先生御指摘のように言えるのではないかと思います。
#32
○栗山良夫君 今の説明ですけれども、率からいえばそんな大したことないですが、絶対量からいえば三十四年の場合は大口電力と、需用合計というものと比較すると、需用合計の約六〇%は大口ですね。七百二十八億六百万キロワット・アワーに対して四百四十九億六千三百万キロワット・アワーだから、六〇%が大品です。ですからどんなにしても新規の閉路の発電の過半数は大口電力に流れているということははっきりしているわけです。ですからそういう現実に立って、今の大口電力の料金というものが公正妥当に行なわれているかどうかということの検討が必要だと思う。これはもうしろうと目には明らかに、戦前にはあれほど競って作られた自家発電というものが、ぴしゃっととまつているのですから、そのとまっている原因はどこにあるかということは一目瞭然ですから、そういう点から検討を加えなければならぬ、こう思います。その点が一つと、先ほどお話になった九電力に開発銀行から出した金はわかりましたが、九電力の一カ年間の開発費は幾らですか。三千幾らになっているのですか。九電力の開発資金所要資金は、一年で総合計。
#33
○説明員(大堀弘君) 九電力の分は大体三千三百億。
#34
○栗山良夫君 そうすると、電源開発法によって電源開発の所要資金は、低利の金を政府が責任をもってやるといいながら、現実には資本費がこれほどたくさんふえてきている。二十九年から比較して、もう倍以上の資本金がふえてきている。これの根本原因は、非常に金利の高い金を無理に集めて、三千三百億程度の金で開発が毎年やってきたその結果がここに現われたと私は思うのですね。電発は全部政府資金ですからこれは問題ない。従って今九電力事業の経理内容の悪化を防ぎ、しかも電気料金を上げないでいこうということならば、やはり政府が当然約束した通り、こういうところに中心をおいて検討を加えなければならないわけです。池田総理大臣なり通商産業大臣に総括的にお聞きをすることですけれども、かつて新政策を出されたときには、料金の値上げというものはしないのだというような、今の企業の合理化によって大体吸収するのだということを言明されております。しかしこういう具体的な数字を拝見するというと、企業内の合理化で吸収する余地というものは一体どこにあるか。人件費はなるほど少ないが、燃料費、資本費……。電源開発を進めながら、そうしてしかも企業合理化の範囲内で、池田さんの言われるようなことが吸収ができるかどうか、そこに私は疑問を持つわけです。そういう点についても明確な答弁というものはない。これは池田さんに私は直接――一番重要な、鉄道にも、その他公共料金、全部関係することだから一ぺん伺いたいのですが、たまたま電気の問題はここに具体的な数字が出てきている。これはどんなにさか立ちしたところで、企業内の合理化では吸収できない。今の資本主義経済の中においてはできない。それを一体どうするか。そういう問題があるわけです。
#35
○説明員(大堀弘君) これはもう栗山先生、非常に御専門で、御承知の点でございますが、電気に関しましては、これは一般の物価に対する影響も考慮しまして、今日までできるだけ押えるという建前で私どもやって参っておりますが、その結果、御承知のように、過去の低簿価をベースにした原価計算をいたしまして、たとえば戦前のものは、水力は、キロワット五万円くらいの簿価で原価計算をして償却その他の経費をはじいておりますが、新しいものは、さっき申し上げた十六万円もするということになりますと、当然償却の点あるいは金利負担の点で現在の料金で吸収できないという面が出て参ります。私どもとしては、やはりいろいろ、できるだけ合理化もし、合理化にだんだん近づいておりますが、燃料費等につきましても、重油専焼の火力等によって、これは石炭との対策につきまして十分考えて参りますが、やはり電池専焼にしますと、建設費も二割安くなる。あるいは従来の重油価格が相当下がって参ると考えられますので、そうしますと、発電端でかなり安い火力が追加し得るということになりますし、そういったことと合わせまして、できるだけ原価が上がらないように努めて参りたいと思いますが、それにいたしましても、根本的には、先生御指摘のように、やはり資本費の面で無理がございますので、新しい建設をやりますと、多少はやはりやむを得ない面が出てくるんじゃないかと、かように考えているわけであります。できるだけ努力をして高騰を抑制しながらやりたいと考えておりますが、多少やはり是正をしなければならぬ面もあるかと思います。
#36
○栗山良夫君 私はどうも断片的なお尋ねをすることに結果においてなってしまいましたが。先ほど求めました資料が全部整理されて当委員会に提出されたときに、もう少しこまかく内容についてお尋ねをしたいと思います。それで、今お尋ねした二、三の点は、私の常日ごろ関心を持っております一番中心点でありますから、その点については後日もう少し詳しくお尋ねいたしますので、その御用意を一つお願いいたしたいと思います。
 特に、新しく開発された電気の供給料金、これにメスを入れないというと、結局回り回って小口の消費者に大きな負担がかかってくる。私はそれをおそれるから申し上げるのです。この点は、理論的にはいろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、別に戦前の態勢に戻そうというわけではないけれども、経済の仕組みからいって、今、現内閣が自由経済を主張している以上は、われわれ社会党が立てる政策は別ですけれども、自由経済主義を信奉しておる政府のやり方としては、多くの零細企業に無理を強要してくることになる、結果において。こういうことに私は考えておりますので、この点は一つ特につけ加えておきたいと思います。
#37
○吉田法晴君 電力全体について特に開発資金とそれから電力料の問題について全般的に栗山委員から指摘がございましたが、そういう全体のあれの中で電力料問題も検討せられなければならぬと思うのですが、ところが実際には問題がたくさんあり、全体の調査解明の中で問題をきめていこうという態勢のほかに、九州電力については内申請がなされた。選挙前に、当時の石井通産大臣にお尋ねをしたところが、申請はあって、十月一日から実施という申請だけれども、この問題については慎重に対処したい。それから池田内閣、これも第一次内閣でも第二次内閣でもそうですが、公共料金については値上げを抑制をしていきたい、こういうことだから、この九州電力値上げの問題についてもできるだけ抑制をしたい、それから慎重を期したい、こういう話でしたが、その後どうなっておるか、まず承りたい。
#38
○説明員(大堀弘君) ただいまお話のように、七月の十四日に申請が出まして、申請書では十月一日から施行してもらいたいという申請の希望になっておりますが、私どもとしましては、料金算定をいたします作業として、まず需給の推算、一年間の需給の見通しを的確につけますことと、現下の収入及び支出の計算をいたしますのに相当時間がかかりまして、十一月まで事務的な作業を進めて参ったわけであります。一応いろいろな角度から分析なり検討はある程度済んでおるわけでありますが、今日の段階といたしましては、法律の規定によりまして聴聞の手続をして、聴聞の結果を参酌して案を確定することになっておりますので、この二十日に福岡で聴聞会を開催する上手続をいたしまして、私、国会中でございますが、二日だけお許しを得て九州で聴聞をして事情を聞いて参りたいと思っております。その上で最終的な案を固めるようにいたしたいと思っております。
#39
○吉田法晴君 慎重を期したい、値上げはできるだけ抑制をしたい、こういうお話と、それから事務的に需給推算等をやって聴聞会二十日、こういうことになりますと、通産省としては、全般的な問題、あるいは電力開発資金を財政投融資と政府資金でまかないたいという一般的の方針もありますけれども、それにもかかわらず、九州電力の値上げについてはある程度やむを得ないのじゃなかろうか、こういうことで、いわば一般の中での個別的なものについてはどんどん値上げの手続を進められておるような印象を私ども持つのですが、その辺どういう工合にお考えになりますか。先ほどの栗山委員からの質問に関連をすると、全般的な開発資金による経理の悪化その他は、電力値上げあるいは一般負担でなしに、これは地域差を拡大するという点もありますが、全体の矛盾を全体の矛盾として解決しないで、個々に対処していこう、こういう感じがするのですが、その辺についてもう少し通産省の態度あるいは意見、そういうものを承りたい。特に最近の新聞紙上、一一%あるいは一二%の値上げをするかのような内意と言いますか、意向が伝えられたりしている。これは選挙の前には値上げしないだろう。選挙が済んだら上げるのだろうと言ったら、いやそうではありませんと言われた前の当委員会での大臣の説明、あるいは通産省の態度からすると、少し違うようになってきたとも思うのですが、いかがでしょうか。
#40
○説明員(大堀弘君) 先ほど来、栗山先生の御質問にお答えしました中にございますのですが、ある程度原価の高騰の事情があるという、それはできる限りにおいて吸収しまして、値上げをしないように持っていきたいと考えておりますが、やはり部分的にはどうしてもそういう事情が出てくるものは、これは私企業でもございますし、財政資金で全部をまかなっていくわけにもいかない現状におきましては、資金調達の方法として、ある程度は合理的な経理内容にしていかなければ、資金の調達もできないわけでございますから、その辺を勘案いたしまして、ただし産業及び国民生活に対する影響という問題は、これは非常に重大な問題でございますので、われわれとしては影響について最小限度に、最小の影響にとどめるように工夫をいたしまして、この問題の解決ができるかどうかということを慎重に検討いたしておるわけであります。
#41
○吉田法晴君 産業、それから国民生活一般についての影響等については、どういう工合に見ておられますか、あとで承りたいと思いますが、今承っておるのは聴聞会あるいは聴聞会を開いたら間もなく査定を実質的にされる、あるいは認可の方向にいくのではないかという想像がつくのですが、その中で新聞では一一%、一二%のあれが報ぜられていたりするのですが、そういう今までの査定と申しますか、需給計画なりあるいは査定なりの作業が、どの程度に進んでおるのか、その点も承りたいわけです。
#42
○説明員(大堀弘君) 私ども事務当局としましては、量の面あるいは収入の面、経費の面、相当こまかく分析をいたしまして、一応検討の結果の事務的な検討も持っておるわけでございますけれども、これはあくまで事務当局の計算だけでございまして、重大な問題でございますから、聴聞会の意見その他各方面の御意見を十分伺いまして、最後の御決定をいただく。これは閣議にもはかってきめる問題になっておりまずので、そういう手続を経て処理されることになっております。私どもは、まだ今日内容について申し上げることができませんことは、はなはだ申しわけないのでございますが、御了承いただきたいと思います。
#43
○吉田法晴君 事務的にはある程度検討を進めて聴聞会を云々というお話ですが、次官お立ちのようですから伺いたいのですが、大臣にもおとといですか説明がされたということですから、次官は、そのことは御承知だと思うのですが、最近物価がいろんなものについて上がりつつあります。これは九月の三十日、前の内閣のときですが、物価対策として方針がきめられ、これは閣議了解か閣議決定か知りませんけれども、決定を見たようで、電力それ自身の合理化によって吸収したい。あるいは電力値上げはしない。新しい開発は財政資金による、こういう電力自身の問題は、先ほど栗山委員からも御指摘されたところですが、電力あるいはガス料金等こういう、いわば政府が直接関与する物価についても、これの上昇を押えるという方針が決定しておったはずでありますが、その方針が、なお生きているのかどうか、私は生きていると思いますが、それと電力値上げ問題は、九州から出てきたのでありますが、九州で、もし認められるということになれば、先ほどの話からいっても、新聞報道等からいっても、東京電力その他相次いで値上げの申請が行なわれてくるだろうと考えられるのですが、この物価抑制の方針と、それからこの電力値上げ問題について、どういう工合に政府としては対処されようとしておるのか、その点、次官に伺いたい。
#44
○政府委員(砂原格君) 御質問の要旨は、まことに重要な問題でございますので、内閣の方針等につきましては、いずれあらためて、担当の大臣からお答えをさせていただきたいと思っております。
 われわれの考え方といたしましては、できるだけ値上がり等は抑制するように努めなければならない、国民の生活が安定できるように最善を尽くさねばならないと考えております。
#45
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#46
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
#47
○吉田法晴君 政府の方針とその電力値上げ問題とは、大臣がおるときにという、そういうお話ですから後刻に譲ります。
 それでは公益事業局長にお尋ねをいたしますが、事務的な進展の模様と、それから聴聞会をやる云々の点は、大臣御了承で、あと、どういうように在定をするか、あるいは値上げをするかという点は、これは政治問題でもあるし、今の政務次官のお言葉でいえば、追って相談する、こういうことですか。
#48
○説明員(大堀弘君) 聴聞会を開催することにつきましても、もちろん大臣の御了解を得まして手続を進めております。事務当局の計算につきましても、こういう計算だということは申し上げてございますが、これをどう扱うかということは、御審議いただいておりません。
#49
○吉田法晴君 先ほどの、栗山委員の質問に答えて、経理の内容の苦しいところ、その他東京電力が、九州電力に次いであげられたりしましたが、巷間伝えられるところによれば、九州電力の値上げが済めば、東京電力等も申請するのではないかということも言われているのでありますが、公益事業局としては、九州電力の電力値上げ問題だけでは済まぬのじゃないか、どういうようにお考えになっておりますか、その辺の、他に対する影響等は、どういう工合にお考えになっておりますか。
#50
○説明員(大堀弘君) これは、申請は会社がいたすことでございますから、会社はやはり法律の規定に基づいて経理が悪ければ政府に対して申請できるということになっておりますから、会社がいたすことでありますから、いつ出しますかわかりませんが、私どもが経理を見ております上からいいますと、経理的にかなり窮屈な無理な決算をしておるというふうに考えられるところは、当面九州と東京の三社でございます。その他は私どもは、まずかりに九州の問題が出たからといって、おれの方も値上げをしようといって出してくる理由はないと考えております。むしろそちらの三社以外は、当面問題になるところはない、かように判断いたしておるわけであります。
#51
○吉田法晴君 九州電力が他の電力会社よりも先き立って、その値上げ申請を行なった理由は、どういうことかということですが、先ほど来九州電力の申請書を見ても、値上げの理由として、増大する需用に対して電源開発に努めた結果、資本費が高騰した上に、火力地帯であるために、他の水力地帯からもらっていた水火力調整金が三十一年から廃止された、企業努力をしたにもかかわらず経理が逼迫して値上げをせざるを得なくなったと言っておりますが、企業努力をどの程度行なったか、また水火力調整金のようなものを復活する意思があるのかないのか、その点について答弁を願います。
#52
○説明員(大堀弘君) 企業努力、合理化をしました実績につきましては、先ほどちょっと九電力全体についての数字を申し上げましたが、この点につきましては、九州につきましても多少出入りはございますが、大体同様に努力をいたしていると認められます。これは数字的に見ましてですね。やはり値上げをしなければならぬ原因として考えられますことは、先生御指摘になりましたやはり開発に伴う資本費の増高と水火調整金の廃止によりますマイナス、それ以外に、私どもちょっと気がつきますことは、九州は非常に渇水続きで、これは九電力の中をとってみますと、九州だけが一番水の状況は、ここ数年続いて悪いわけでございます。これが一つの原因になっているかと考えられます。それから水火調整金の問題につきましては、これは再編成のときに三十一年を限って終わるというふうになっておりまして、法律上それが停止になったわけでございまして、私どもは今日の状態では、あのままの形のものをここでもどすということは、はたして適当かどうか、なお検討を要する問題でございますが、今当面、これをもどすという考え方は持っておらないわけでございます。
#53
○吉田法晴君 そうすると、企業努力の点は、限界にある程度きておって、他の方法による以外にはない、こういう工合にお考えになるんですか。
 それから問題は、渇水が九州に一番影響があった、予定の水曜がなかったためにということでありますが、水火力調整金を復活することはできないにしても、関西あるいは東京等にあります水力の融通、こういう点は、東京あるいは中部、関西等については、実際に融通があった。従って他には渇水の原因がなく、九州にそれがあった、それから経理の面でいうと、水火力調整金がなくなって、それが九州電力の経理に悪影響を加える、こういうことですから、電力融通という問題がございます。あるいは九州の経理の困難を打開していく方法、内部的に経営努力といいますか、あるいは合理化の努力というものが、ほかと一緒になお残っているとしても、限界に達しておるとすれば、別な方法について考えられないかという点は、どうなんですか。
#54
○説明員(大堀弘君) 企業努力も、もちろん私どもは現状で満足するわけじゃございません。さらに会社に対しては合理化の要請をいたしております。また今後もいたすつもりでおります。
 融通の問題につきましては、これはむろん渇水の場合には、ほかの電力会社から買電をいたしましてやるわけでございますが、それだけコスト的には高くついて経理的に圧迫になるというようなことになる。従いまして全体として広域運営の方針にのっとりまして、できるだけ融通を最大限にやらしていこうということで、これももちろんわれわれとしても、これで十分とは思っておりませんが、今日までかなり実績も上げて参りまして、最近では、かなり融通の量がふえて参っております。
 その結果、現在まででも、単独で運用する場合よりも、五十七万キロワットぐらい発電設備を節減したくらいの効果を上げております。上げておりますが、私どもといたしましては、もっとこの点に努力をしてもらいたいと思って、現在も要請をいたしておりまして努力はいたして参るつもりであります。
 ただ、それらの努力を重ねましても、なおかつ資本費の負担というものの上昇が、先ほど栗山先生の御要望によって作りました資料の中に書いてございますが、資本費の負担が、どうしても上がって参ることは、開発をやれば避けられない点でございますので、その点は、ある程度考えてやらなければならぬ点じゃないかと思っております。
#55
○吉田法晴君 開発費の問題は、栗山委員との質疑の中でも、新しい電源開発を電発なり、あるいは財政資金でやるべきではないかという問題でございますが、それはあとで、もう一ぺん取り上げることにしまして、全体的な融通の問題について、九州の場合には、ほとんど東京あるいは関西におけるような融通というのは、実際になかったと今承知いたしておりますが、そういう点については、現在までよりも、さらに一そう融通をすべきじゃないか。渇水という理由を一つあげられました、少なくともそれは九州だけの理由ならば、全国的に公益事業として融通も行なわれているし、現状よりも、もっと融通をすべきじゃないか、こういう主帳がこれは当然なされると思うのです。九州内だけで融通する、あるいは九州と中部だけ、これは、みな相互のことですが、実際に、九州の電力が安くなるように水力を送るということは、現在実際に行なわれておりません、これは全国的に、そういう問題が残るという点は、これはお認めになりませんか。
#56
○説明員(大堀弘君) ちょっと先生の御質問の趣旨にお答えになるかどうかわかりませんが、これは先生の御質問の趣旨が、私がさっき申し上げたことは、渇水になりますと、つまり九州内部の水の出方が減りますから、当初予定した以上に、その量だけを火力をよけいたきまして電気を補給しなければならない、これが第一段の問題となります。
 従いまして渇水しましただけ、水力は、現在の設備に対して水の面だけは、ただで出るということになりますから、それが火力をたきますので、石炭代が、それだけふえるという格好になって経理的に苦しくなる。融通の問題は、それでもなおかつ九州内で足りないときは、もちろん中国なり関西なりから電気を送って、需用家の需用に応じていかなければならぬということでございます。
 それは最初申し上げた問題は、そこまでいかないで、経理的な問題ということで、水力で足りない面を火力で埋め合わせれば、それだけ石炭代がかさんでコストに影響するということを私は申し上げたのです。
#57
○吉田法晴君 九州の渇水の問題は、この一、二年あったことは私ども承知しておりますが、それは一時的な問題であって今の経理の圧迫の一つの要素になるかもしれぬが、それが電力値上げの理由にはならぬのじゃないかというのが一つ、それから水火力あるいは渇水が一時的に影響をするとしても、その影響を電力値上げで九州の国民なりあるいは産業だけが影響を受けなければならぬということはないのじゃないか、あるいは全体的な電力融通問題もあるし、九州、四国との電力融通だけでなく、もっと全国的に電力融通ということも考えていいのじゃないか、こういう問題として、電力値上げの理由としてあげられておるとすれば、それは理由にならぬのじゃないかということを申し上げた。
#58
○説明員(大堀弘君) 御指摘のように、それだけでは重大な理由にはならぬと思います。先ほどちょっと経理が悪くなっている一つの事情として渇水のことがあるということを申し上げましたが、基本的には、やはり資本費が増高するということが、やはり料金原価の高騰の基本的な原因であると考えております。
#59
○吉田法晴君 残りましたものは、資本費だけの話ですね、そうすると、それはあとで触れますが、電力値上げが、国民生活あるいは他産業へ、どういう影響を与えるかということは、どういう工合に見ておられますか。おそらくたくさんの陳情あるいは反対の資料――反対、陳情の資料を受けておるだろうと思うのですが、通産省自身として、どういうように見ておられますか。
#60
○説明員(大堀弘君) いろいろ今日まで伺っておりまする陳情の中で、私ども特に注意いたしておりますのは、電灯につきましては、制度がちょっと変わることになっておりまして、アンペア制を施行するというのが会社側の原案になっております。制度の切りかえによって、今まで使っておった人の中で、特殊な電気の使い方をなさった方については、アンペア制をとったために非常に上がる。たとえば五割も六割もがるという方が出るということは、確かに会社の今の制度によりますと、出る面があるようでございます。全部ではございませんが、一部あるようであります。その点は、制度そのもののよしあしは別といたしまして、やはり一挙に五割も六割も上げるような切りかえというのは適当でない。従ってこれを緩和して一般の値上げ率から大きく離れた値上げにならないような制度の運用について、あるいは制度そのものについて、やはり検討する必要があるのじゃないか、かように考えております。
 電力面の需用につきましては、もちろん上げない方が望ましいということで、どの方面も上げてほしくないという要望は一様でございます。一番問題にしておられるのは、石炭あたりは、やはり合理化も要請されておりますし、苦しい状態でありますから、石炭あたりの要請がかなり強いように思います。制度的にも、従来の二段料金制をやめていくということ、あるいは負荷率割引等について、多少制度の運用が変わってくる原案になっております。そういった面について、影響が大きくなるということは避けなければならないということで、そういう面については、十分検討する必要があるのではないかと、抽象的でございますが考えております。
 私どもとしましては、やはり会社の値上げ申請について、原価面で相当査定も加え、最小限度に圧縮していかなければならぬと思いますと同時に、料金のレートの影響、個々の影響というものについて、やはり慎重な配慮を配って、あまりきつい影響が出ませんように、影響を殺すようにして料率を変えていかなければいかぬのじゃないか、この辺について、一そう検討をいたしておるわけであります。
#61
○吉田法晴君 個々の電灯あるいは産業、特に石炭産業等について、配慮をいただいておることについては感謝しなければなりませんが、きのうも実は九州関係の議員が寄りまして、お見えになっております参事官等の説明を聞き、それから質問もしたのですが、その中で出ております空気は、公益事業であるにかかわらず、かつては一割二分も配当をしておった、あるいは今も一割の配当をしておる。それは、自己資金の増加をはかっていかなければならぬのに配当しなければならないのじゃないかという説明もあったんですが、問題は、公益事業、それから公益事業でもって、開発資金が一番理由になって九州だけ一番全国で高い電力料を支払わなければならぬという点について、何としても割り切れぬものがあるわけですね。
 特に九州の場合には、これは九州の産業構造のゆがみというのですか、植民地的だとさえ言われる、石炭、鉄等の重工業はあるけれども、第二次産業等はほとんどない。ところが電力料が日本一高くなると、今の九州のとにかく後進性というのですか、あるいは構造のゆがみ等は、これは実際に是正できない。あるいは化学工業等が、工場等がどんどんできていきますが、ほかに取られてしまうのじゃないか、こういう気持は、これは一般にあると思う。九州だけ、どうして公益事業であるにかかわらず、日本一高い料金を支払わなければならぬのか。こういう点については、これはまあ産業政策全部に関連をいたしますが、関係者の一番強く言うところです。まあ、公益事業のあり方、それから開発資金をどこから出さなければならぬかという問題も関連しますが、九州だけが、どうしてこんなに高い料金を払わなければならぬのか、あるいは値上げをすると、おそらく、どの程度になるかわかりませんけれども、今でさえ、そう低いところではない、おそらく日本一になるでしょう。
 これについては、どういう工合にお考えでしょうか。
#62
○説明員(大堀弘君) まあ、現情で申しますと、中国電力、中国管轄が一番高いわけでございます。それから北海道、四国、その次が九州になるのでございます。現在の会社の値上げ申請率でいきますと確かに高くなりますが、まあ、われわれはそのまま認めるつもりはございません。相当これは査定をされるわけでございますが、それにいたしましても、まあ、全体といたしましてはやはり火力地帯、西の方が、これは再編成当時以来、やはり水準としては高いわけでございます。
 しかしながら今後の情勢から見ますると、必ずしも、じゃ、東北、東部地区の方はどうかというと、これは過去の古い水力設備を持っておりますので、現在の料金は低いわけでございます。その新しい建設の影響が、今後こちらの方へ出てくる格好になろうかと思いますので、長い目で見ました場合は、そうこれが開いていくというものじゃない、むしろ西の方は、大体この辺で頭を打っていくのじゃないか。今後まあ火力の合理化によって、あるいは安い電気を将来には、何年か相当先になるかと思いますが、とにかく先にいけば、必ずしも高いばかりでなくしもっていけるのじゃないか、かように考えるわけであります。
 当面は、やはりどうしても西の地区が高いわけでございます。九州が最高ということにはならぬかと思いますけれども、まあ比較いたしますと、多少高い。これは高いのは何かといえば、結局この場合、おそらく燃料費が相対的に高いということで、火力地帯の方が今日までは高くなっております。そういうわけでございます。
#63
○吉田法晴君 まあ電灯についても、五割、六割上がるようなことはしない、あるいは産業についても、特に中小企業が多いわけですが、中小企業についても三割以上の値上げになるようなことはしないというさっきお話でしたが、個々のこれは産業について御検討を願ってそうして料金査定をいただくと了承してよろしゅうございますか。
 あるいはたとえば化学工業、あるいは中小企業で、手元にも資料がございますし、あなたのところにも参っていると思いますが、四割、五割近いとにかく値上げ率になるという――これはその工場の特性もありましょう――なるものもあるようであります。あるいは化学工場についてもそういう影響が、申請通りに出れば出る、こういう点もあります。
 それらの点については、これは石炭も含んでですが、そういう壊滅的な打撃になるような値上げはさせないと、あるいは査定をしないと、こういう方針と承ってよろしゅうございますか。
#64
○説明員(大堀弘君) 料金は、御承知のように大口、小口といった電圧別の建前で、一応料金の体系ができておりますが、また特約のような場合は、これはやはり質の問題もございます。たとえば渇水しましたら、そこはしばらくとめていただく、需給が窮屈なのでとめていただくというような電気もあります。そのかわり安く差しあげるということもあるわけでございます。
 そういった側々の態様によって、それぞれきめて参りますけれども、ただいま先生御指摘のように、業種ごとにある種の産業に対して壊滅的な影響を与えるような、そういう点は、われわれとして、行政官庁としては、十分そういう影響の出ないように措置をして参りたいと考えております。
#65
○吉田法晴君 ついでに申し上げますが、資料が十分おありになると思うのですけれども、今、手元に――ゆっくり見るとあると思うのですが、手元にあります資料でも、たとえば若松機械の場合に、値上げ率二五%というような数字がございます。それらの点については十分一つ、聴聞会を設けられるかもしれませんし、あるいはお手元にも参っているかもしれません、十分調査をして、善処を願いたいと思います。
 それから特に先ほど局長の言葉の中にも出ましたが、石炭産業に対する影響の問題です。私は、申し上げるまでもございませんが、炭価の引き下げについて、政府自身も三十八年度までに千二百円程度の引き下げが望ましい、こういうことで臨んでおられます。今度の値上げ率によりますと、値上げ申請案によりますと、トン当たり百円程度の値上がりをするということが言われている。その石炭のコストタウンの努力の中で、資料によりますと、たとえば輸送関係について節約をはかっても、せいぜい百円どまりが最大だろう。そうすると、トン百円というのは、これは相当大きな数字、努力をしている中でも非常な努力をして百円下がるかどうかという、輸送費の値下げと同じになるわけですね、百円電力料がトン当たり上がるとすれば。ですから企業といいますか、企業でも、あるいは炭価の面でも非常なコストタウンの努力をしている際に、その努力を相殺する値上げ率だと、こういうことが言えると思うのです。二〇%前後の影響率がどこにもあるようですが、中には二八%になるようなところもあるようです。
 それからもう一つは、先ほど言われたように、負荷率割引の制度もやあられる。そうすると、せっかく電力の側の要請に基づいて負荷を平均にするために努力をしてきた。あるいは設備投資もしてきた。ところが今度のあれではやめてしまう。こういうことで、これは電力の方からも燃料費云々という点から、節減という点から要請をされてきたものです。あるいは電力使用の合理化のために負荷率の平均化を求められてきた。それに、その努力を無視するといいますか――という申請なり方向というものは、これは納得ができないというのは当然だと思うのです。
 それからもう一つ、電力と石炭とは、いわば燃料云々という点からいって、鶏と卵の関係にあると思うのですが、コストダウンをせいと言いながら、コストが百円も上がるような、とにかく措置をするということは、これは何としても納得できない。そこで一般的にコスト、ダウンについて協力をしてもらうべきじゃないか。これはまあ九州電力と九州の石炭の関係ですから、当然そういう話が出てくるのは私ども、もっともだと思うのですが、そこでこの負荷の平均化に関連をする料金、それからそのコスト、ダウンの努力を無にしないような料金、あるいは石炭関係について特別料金という要望等もあるのですが、それらの政府の方針の中で、電力と石炭との調整を料金の面で、どういう工合にされようとするのか、その点が、もう少し承りたいと思います。
#66
○説明員(大堀弘君) 現在の会社の申請案そのままによりますと、確かにおっしゃる通りに全体の値上げ率は、一七・五という非常に高い率が出ておりますし、特に負荷率割引の問題の制度の改正と、二段料金制をしいておりますから、そういった制度の改正によって、石炭当たり、ひどい人は二五%、それから三〇%近く上がる方もあるような推定が出ております。私どもは料金そのものも、その会社の原案通り許すわけではありませんし、負荷率割引等についても、やはり相当私どもとしては影響の出ないように、負荷のいいものには、やはりもう少しいいようになるように、制度の直し方を調整しまして石炭に対する影響を極力避けたい、かように考えております。
 ただ、まあほかは上がっても、石炭だけは上がらぬというふうなことになりますと、やはり料金制度から見まして、ほかの一般の需用家との関係もございますので、そういうことは、ちょっと私どもとしては申しあげかねるわけでございますけれども、石炭に対して非常にきつく影響を与えるという点は、影響の出方を、最大限度ゆるめるようにいたしたい。これはまあいるいろ検討いたしておるわけであります。
 そういうつもりで私はやりたいと思っております。
#67
○吉田法晴君 負荷の平均化の努力については、その努力を無視しないように、負荷率割合を一挙に廃止するのでなしに考えたい、その点はわかるのですが、もう一つの、とにかく政府の方針として、石炭のコスト・ダウンをやろう、あるいは燃料対策としても、その一環なので、石炭と電力との関係はよく考えていこうと、石炭の値上げの原因にならないように考慮するという、具体的なその考慮については、今のところ何も御説明がございませんでしたが、その点については、これは公益事業局だけでなしに、通産省全体として御考慮願わなければならないことだと思うのですが、それらの点については、ほかの方おられませんから私は質疑をやらないのですが、その点については、いかがでしょう。
#68
○説明員(大堀弘君) まあ広い質問で、私だけで申し上げかねる問題でございますが、実は私は、公益事業の電気の担当の立場の者として、やはり将来問題は、電気、石炭は運命共同体と申しますか、やはり石炭の一般の需要が減っても、やはり電気は、石炭をできるだけよけいたいて、石炭の需要の大きな分をささえていくのが、やはり日本経済の大きな方向じゃないか、私どもそういう意味で、現在電力業界の方に要諦しまして、石炭協会に対して長期契約の申し出をして、現在業界で話し合って、新聞にも報道されておりますが、現在千五百万トンくらい九電力で使っておりますが、それを将来二千万トン以上に引き上げていく、そういう長期契約をして、安定した需要として持っていこう、こういう一つの大きな立場から、石炭の問題に協力をしていきたい、かように考えておるわけであります。まあ個々の料金につきましては、多少、一つだけ特別扱いするということも、われわれとしては料金制度からしまして、公平の見地から、ほかの面から議論が出まして、非常にむずかしい問題がございますが、石炭の合理化及び将来の需要に対してそういう形で電力業界が協力していかなければならぬということで現在も指導をしておるわけであります。
 多少真正面のお答えになっていないかもしれませんが、私はそういうつもりで現在行政指導をしておる、こういうつもりでおるわけであります。
#69
○吉田法晴君 長期契約についての努力は、これは石炭炭鉱の側から言ってもむずかしいことだし、通産省として、あるいは石炭同等からも勧奨しておられると思うわけです。電力の側からも、御指導願っておるという点については感謝いたしますが、それで長期的な電気、石炭政策を確立していきたい云々という点からは当然だと思うのですが、今申し上げているのは、それは私も存じておりますし、それから感謝もしなければなりませんが、石炭を下げろ、それから電力についても、石炭の価格というものが電力に影響する、こういうことで、これは石炭に対する、政府なりそれから経済全般の要請だけでなしに、電力からもあるわけですね、そうすると、石炭が上がると電力自身も上がらざるを得ない、いわぱ鶏と卵の関係にある。従って石炭も下げろと言い、石炭を下げる努力をしておるが、その中で、百円というのは運輸の部面、たまたま努力をしておる中で、輸送費の節減し得る最南限に当たるが、それを全部食うだけの金額になる、従ってそのコストダウンの努力についてこれに当たる卵の関係もあるし、電力からも努力を願うべきじゃないか、そういう意味で長期契約もですが、具体的な方法はともかくですが、石炭と電力の関係、特に九州のことですから、料金の問題についても特に考慮せらるべきところはないか、こういうことを申し上げておるわけですが、重ねてお答え願います。
#70
○説明員(大堀弘君) まあ私も、百円も上げるというのは、かなり大きな影響だと思います。ちょっと今数字を申し上げられませんが、これは相当小幅にとどまるようには最大限の努力はいたしたいと思います。今私が申し上げたのは、電力はまあ、石炭を使う立場にもございますし、電気は石炭に使われる立場にもあるわけでございます。そこは、十分九州の石炭の事情を考慮して、値上げ問題の処理をしなければならぬ、かように考えております。会社側の方でも、その点は十分事情を了解しているように私どもは判断をいたしております。
#71
○吉田法晴君 それから、先ほど中小企業の例は一つだけあげましたが、化学工業、それから中小企業については、これはまあどの産業云々という点はいかぬという話でしたけれども、化学関係については、全体について資料がございませんが、たとえば手元に、中小企業の中で、酸素工場の場合に、中小企業八社十一工場の資料の中に、三三%上がるという点がございます。あるいは中小企業の点について二割五分も三割も上がるについては、そういうふうにならぬように考えたいという話でしたが、化学工業についてはいかがでしょう。
#72
○説明員(大堀弘君) 私は各産業についてあまり大きな値上げ率が出ないように考えて参りたいと思います。ただ、まあ多少個々の需用家の使い方によっては、個々の方まで料金を個別にきめるわけに参りませんので、一定の基準で参りました場合に、今までの電気の使い方によって差が出てくる。ですから特殊な方に、ときどき高いものが出るということは、どうもそこまでの配慮はあるいはできないかと存じすすが、全体として個々の産業ごとに、やはり大きな開きが出ないようには十分注意して参りたいと考えております。
#73
○吉田法晴君 ついでですから、恐縮ですが、たとえば化学工業で、戦前自家発を持っておったところがあり、そしてそれが統合をされて、過去に返還問題があったことも御存じだろうと思いますが、そこでそのときに、これは公益事業で自家発を持っていると同じような安価な電力を供給するからということで、そのときは押えられた事情等も私は思い起こされます。化学工業に対する九州だけでは、これはまあ壊滅的な打撃を与えるような値上げはない云々という点はありますが、石炭と並んで、これからの、困難をしている九州の化学工業の問題ですから、やはりそれらの過去の経緯、それから言明されたところをやはり思い起こして事に当らなければならぬと思う。査定に当たっての考慮せらるべき要素と考えられますことを指摘をしておきたいと思います。
 それから最後に、まあ先ほど全体としても話が出ておりましたが、開発資金が今後要るから経理に大きな面を持つ云々と、これが一番大きな問題でしょう。
 そこで、全体の電力関係について、新しい開発資金は財政資金でという電源開発法の精神からも、先ほど来質問になっておりましたが、今いただいた資料の「電源開発推進とその問題点」の一番しまいのところにも、財政投融資のあり方が、電力問題と関連をして再検討されなければならぬ、あるいは今以上の開発資金を出さるべきじゃないか云々という点が書いてあるのです。これは書いてあるだけで、きのう何か説明を聞いていると、従来の返済分を含めて、昭和三十六年度四百億の開発資金を調達すれば、財政資金から出してもらうとすれば合計約六百億くらい、従って、その六百億くらいは、今の財政資金の総ワクから言えばやむを得なかろうといったような意見が出たりしておったのですが、これはやはり基本的な問題として、われわれもそうですが、政府全体としても現状に満足しないで、新しい電力を開発する資金の関係で、それが国民に負担を負わせなければならぬ、あるいは特別に九州なら九州についても、負担を増加しなければならぬというのは、これは何としても承服しがたいと思います。しょうがないというのじゃなくて、この開発資金については、財政投融資で責任を持つべきだという点をはっきりして、これを増加させるために努力を、これは党派を越して、やるべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
#74
○説明員(大堀弘君) 大へん御趣旨はけっこうだと私ども思うのでございますが、ただ何と申しましても、来年度四千億にもなるような大きな開発資金が要りますので、一年で四千億、これは財政資金で大きく予期するということになりますと、やはり現在言われておる公共投資の、これは私が申し上げることではないので、全体の立場になりましょうが、投資またはその地として、いわゆる公共投資面の立ちおくれを回復するために、相当資金需要が強いという中で、われわれがさらに現在以上の財政投融資を要求しておるわけであります。従いまして、それはできるだけ努力はいたしますが、やはり内部調達及び外部調達といいますか、民間資金の調達によって、あらゆる面で努力しませんと、とてもこの四千億の資金は困難ではないかと思いまして、現存社債の発行につきましても、特別に大蔵省で動いてもらいまして、金融機関を集めまして協力を要請する会議を数回やっております。その結果、社債の発行を相当増額していただくようになった、あらゆる面、外債の面その他いろいろな面で努力をしていかなければならぬ、かように考えております。御趣旨の点で、財政投融資は、もちろん、われわれ今年度のようなことでは困る、ぜひふやしてもらいたいということを強力に要望いたしております。
#75
○吉田法晴君 資料によりましても、昭和二十六年あるいは二十七年当時の財政投融資の額から、あるいは割合から見ますと、最近は非常に小さくなっていますね。三%あるいは四%といったようなあれになっておりますが、これでいいとはお考えにならぬと思いますけれども、今までのあれから言うと、多少しようがないという、総額四千億にもなるし、しようがなかろうという気持も若干あるようですが……。
#76
○説明員(大堀弘君) ちょうど資料の二十ページのところにグラフがございます。青い方の二十ページでございますが、三十五年のところに比べて、三十六年、来年度は私どもとしては、ことしの開銀の純増が百一億であります。上から四段目くらい、三十五年度の上から四段目に書いてあります。ことしが百一億くらいの増であります。来年度は四百十一億ふやしていきたい、つまりネットでございます。グロスでいきますと、大体五百億くらい来年度資金を増やしてもらいたいという要請を今大蔵省に出して、強く要望いたしておるわけであります。しかしながら、私は弱いことを言うわけじゃございませんが、なかなか困難な事情もございますので、それだけ当てにしているわけにもいきませんので、民間の資金についても、われわれとしては並行して努力をしていきたいということを申し上げておきます。
#77
○吉田法晴君 だから、それはグラフに実績なり、表われておるわけですが、しようがないというのじゃなくて、これは九州の電力料金問題についても、開発資金の圧迫から、こういうあれになるのだし、開発資金は国が持つべきだという原則に立ち帰って、現状は間違いなんで、四百十一億要求しおったから、それで済むというのじゃなくて、問題の所在をはっきりし、それから政府なり国の責任を明かにして、開発資金を財政資金で原則的にはまかなうべきだ、こういう大きな、結局柱を打ち立てながら、財政資金の投入を増大させるような努力を公益事業局としてもやるべきではないか、あるいは通産省としてもやるべきではないか、こういうことを申し上げておきます。
#78
○説明員(大堀弘君) 言葉を返すようでありますが、私は財政投融資で、電源開発を全面的に財政投融資に依存するという考え方は、私は現実的には無理な考え方ではないかと思っております。しかしながら、相当やはり財政資金で開発を援助すべきであるというように考えております。これは私の考えでございますが、現状は決して十分ではないと思っております。
 これはさらにふやしたいと思いますが、これはまあ何と申しましても、四千億という金は、財政投融資が全体で七千億なので、四千億というのは、お言葉ではございますが、そこまで財政資金で大きくやるということは、実際問題としては困難であろうと私は考えております。
#79
○吉田法晴君 電源開発法の精神を引き合いに出すまでもなく、実績からいって、この二十六年、二十七年当時の割合は、現状よりもはるかに高い。これは四〇%に近い。これは二十一ページの表、これは百分比の中で出されておる財政投融資の額が、公費の分を含んでですが、まさに四〇%。そうすると、総体が四千億にもなるから、その中で開銀の四百十一億なり、あるいはその他を含んでやむを得なかろうと、こういうことですけれども、その点は、来年度の四千億云々はあるけれども、電源開発の資金は、もっと財政投融資から出さるべきだという点は、あなた方としても言えるでしょう。
#80
○説明員(大堀弘君) 当時二十六、七年ごろは、非常に極度に電源開発会社の経営状態が悪くて、ほとんど自力で資金の調達ができないような状態にありましたので、当初はやはり財政資金を重点的に注ぎ込んでやっておったという感じがいたしますが、その後、ある程度内部調達もできるようになって、しかも、全体の効率も上がってきておりますから、財政投融資の割合としましては、やはりある程度低下して参っております。私どもは、これは決してこれで十分だと思っておりませんが、もっとできるだけ財政投融資に依存したい気持は、先生の御指摘の通りでありますが、全体の実情から見まして、これを相当大幅にこれに期待するというのは、現状からいって無理があるのじゃないかと思います。
 私どもとしては、来年度は五百億はぜひともということで要請しておる次第であります。まあその辺は一つ御趣旨は十分了解いたしますが、われわれの事情としましては、この程度が要求として精一ぱいのところじゃないかと考えております。この点一つ、御了解いただきたいと思います。
#81
○吉田法晴君 各県だとか、九州の全部の県、それから市町村等公共団体の値上げを反対をするときに、影響が大きいだけに、特に九州だけそんなに高い料金を払わなければならぬかという公益事業の全体のあり方、これはまあ九分断されて、しかも、有利な水力その他安い電力の融通を実際に受け得ない現状になっておるところからの矛盾に対する意見というものは、開発資金か必要ならば、国家資金及び財政資金をもっと投入をしても、値上げは最小限度にとどむべきじゃないか、こういう意見が出ておりますことは御承知の通り、もっともな意見でありますだけに強く申し上げておるわけです。
 これは局長だけでなくて、省あるいは政府全体としてももっと研究しなきゃならぬことだと思いますから、公共団体の意見も、もう一ぺん、取り次ぐだけにして、その問題は後日に譲りますが、なお、電力ガス税等について考慮をする意思があるかどうか。
#82
○説明員(大堀弘君) 電気ガス税につきましては、従来産業用のものにつきまして、一部電気ガス税の免税があったのでございますが、家庭用の電灯についての、電気ガス税の免税ということは、従来前例がなかったのでございます。今回私どもとしまして、低いところ、つまり二百円ないし三百円ぐらいの使用料のところに対しては電気ガス税を免税すべきであることを要請いたしまして、税制調査会の方でも、その問題を初めて今回取り上げてくれまして、現在自治省の方へ問題を移して折衝いたしておるわけであります。
 私どもとしましては、多少この考え方に、基礎控除制でいくべきか、あるいは免税点制度でいくべきかということで見解の相違がございます。私どもは基礎控除方式でぜひやりたい。どなたでも大体二百円なら二百円以下の部分については免税になるという方が、広範にいけますので、現実的に実務をとる場合に非常に便利かと思います。免税点で二百円以下としますと、境目のところが非常にあいまいになってきまして、月によって変わってくるようなこともございますので、基礎控除方式によりたいというので要請をいたしております。これは現在その案で関係方面とも折衝中でございます。
#83
○吉田法晴君 時間もおそくなりましたから、最後に、きのうの九州出身の議員とそれから公益事業局の方たちとの間で論議をしました中で、九州だけが云々という点もありますが、公益事業のあり方、それからその公益事業の中の一社が、純然たる、これは投資の問題になりますが、私企業的な性格から、経理の面から値上げをせざるを得ない云々という、あれに対する納得しがたいものがある。公益事業じゃないか、公益事業ならば、財政投融資も、電源開発についても財政投融資をもっと出すべきであろうが、配当と関連をして、営利主義のために電力値上げが結果されるという点は納得しがたい、こういう話がございました。
 それから先ほど来電力融通のことも申し上げましたが、公益事業という建前と、それから独占事業としての私的性格、私企業的な性格との矛盾というものが、これは問題として根本的にあると思う。先ほど栗山委員からの説明の中にも、全体の問題ですが、特に大きな電力値上げ、その結果、その通りにはならんというお話ですけれども、しかし相当高いものが出てくることは心配されますだけに、電力事業のあり方、それから投融資の関係もありますが、日本全体としての電力事業がどうなきやならんか、それから私企業的なあり方、これは九分断された姿、いわば再々編成の問題を含んでおりますが、これは抜きがたいものがあるわけですが、全体として公益事業のあり方、あるいは新しい電源開発の仕方、それから安い電力の融通の問題を含んで、この電気事業のあり方、あるいは会社のあり方、再々編成の問題についてお考えはないか、承りたいと思う。
#84
○説明員(大堀弘君) これはもう非常に基本的な問題でございますから、私ちょっとこの席で申し上げる適当な問題じゃないと思いますが、電気事業は、再編成のときに九分割いたしまして、これが結局民間会社であるが公益事業としての政府のコントロールを受けるという形の企業としてスタートしたわけで、これは先生御承知の通りでございますが、たとえば国鉄の場合は、私は、同じ公益事業としては、ほとんど国鉄と電気事業は近い性格じゃないかと思いますが、国鉄は公社でありますが、すべて財政資金でやる建前でやられている、そこに違いがあるかと思いますが、電気事業は、こういうことでスタートしました現状では、やはり民間企業としてのベースで会社は運営され、政府は公的な立場で公益事業としての監督をしてコントロールしていく、こういうことで資金調達の方から申しますと、やはり財政資金も一部は援助をし、民間資金も調達する形で電気事業の場合は進んでいる。その途中でまあ電源開発会社が設立されましたときは、多少この考え方を修正したというと語弊があるかもしれませんが、電源開発会社は、すべて財政資金で運用して建設をやっていく、それと相待って電源開発をやっていくんだ。九電力もやるし、電源開発会社もやるということでございますが、これがばらばらに運用せられては非常にいい結果を得られないということで、広域運営方式で九電力と電源開発会社が一体となって合理的な開発を進めようということで、財政資金面では電源開発会社が中心となってやっていく。つまり大きな水力開発とか、大きな金のかかるものとか、そういうものは電発が中心となってやるし、九電力は火力その他手近なものをやっていくという形で、開発をまあ協力してやろうというのが現在進んでおる形でございまして、これは先ほど先生御指摘の広域運営方式の、もう少し理想的に持っていって、九社及び電発の有機的な連係を強めて合理的な開発をやっていこう、こういうのが私どもの現状の立場でございます。
 基本的な問題につきましては、これは全体の方針に関するものでございますので、なおまた上司と相談いたしませんと、私今ここで、いろいろ申し上げることはできない次第でございます。御了承願います。
#85
○吉田法晴君 もっと安い電力を九州にだけは、どうして回せないかというのが一つですね、基本的の問題です。
 それからもう一つは、たとえばその値上げの理由が新しい電源開発のための資金というところにあるならば、電源開発資金を財政資金でまかなうべきじゃないかというものを含んで、あるいは九州における電発による電源開発のウエートが少ないという点も含んで、九州だけが、そういう犠牲をどうして払わなければならないかというやはり気持になるのです。そういう具体的な根本方針は、まああとでやるとして、その電力融通なり、あるいは電源開発を国家資金なり、あるいは電発で、もっとどうして九州ではやれないか、こういう疑問と主張に対しては、どういうふうにお考えになりますか。この点だけ。
#86
○説明員(大堀弘君) ただいまお話のように電発が九州の開発に、もう少しよけい担当をするという考え方はごもっともだと思います。それで私ども、そういう意味では電発の運用というものについて、多少やはり地域的な考慮をしていく。若松に低品位炭火力をやる問題もございますが、水力の開発についても、一カ所今後は電発にやらすという話も進んでいる点もございます。そういう意味で電発をできるだけ使うということはわれわれとしても十分考慮していきたいと考えております。
 それから開発資金の、財政資金の、開銀資金の配分等につきましても、これはまあある程度そういった考慮を加えてやるかどうか、こういう点については、まあわれわれも多少考慮をいたしているわけでございまして、そういう点についても、十分検討していきたいと思っております。
#87
○吉田法晴君 電力問題を含んで物価全体の問題の中での電力の問題というのは、先ほど栗山委員からも御指摘ありましたし、次の機会にいたします。
 お願いをしておきたいことは、事務的な観点からどんどん進めて、そして聴聞会を開いたら、すぐにとにかく査定に入り、実質的に認可されるということのないように、一つお願いをしておきたいと思います。
 電力全体の問題の中での値上げ問題、それから物価政策と電力値上げ問題等については、別の機会にいたしたいと思います。
#88
○栗山良夫君 時間がもうきましたから、この辺できょうは打ち切ってもらいたいと思いますが、ただ、今吉田君のお尋ねを聞いておりましても、今問題になっておる九州電力だけの問題をテーマにして議論しても、なかなか理解しにくい問題がある。それから九州電力がそれじゃそれでどうにか格好がついたら、この次に第二の電力会社が出てきたらまた同じことを繰り返して、理解がつかない問題がある。そういう意味ですから先ほど私がお願いしました問題点ですね、一番重要な点は、もう公益事業局長はわかり過ぎるくらいわかっておられるわけだから、私のごく簡単な言葉の要求ですけれども、要領よく一つまとめていただいて、そして各方面から、とにかく企業格差が、こういうようにだんだん拡大してきた原因というものを網羅して、そしてこの委員会を通じてよく理解のできるように御協力をいただきたいと思います。
#89
○向井長年君 質問は後日に譲るのですが、先ほど吉田委員から言われましたように、どうなんですか、公聴会を開くということを了解されたわけですか。
#90
○委員長(剱木亨弘君) 聴聞会。
#91
○向井長年君 ああ、そうですが。それは、大体決定ですか。
#92
○吉田法晴君 二十日にやる。
#93
○向井長年君 九州ですか。九州の現地において。
#94
○説明員(大堀弘君) さようでございます。
#95
○向井長年君 この場でやるというわけじゃないのですね。
#96
○吉田法晴君 だから聴聞会をやったといってどんどん進めてもらうということは困る。従って、他のあれに対する関連もあることですから、この次の機会に全体の電力全体、そのうちでの九州の問題、あるいは関連をするところの問題についてもやるということですから、公益事業局に対しては、事務的にどんどん進めないように一つ願いたい、全体の中で、あるいは物価政策との関連、あるいは電力全体の、これからの行政の中で、どういう工合にするかという納得なしには、一つ事務的に進め願うことはやめてもらいたい、こういう点を先ほど申し上げた、これは要望です。
#97
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか――他に御発言がなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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