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1960/12/22 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 社会労働委員会 第4号
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1960/12/22 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 社会労働委員会 第4号

#1
第037回国会 社会労働委員会 第4号
昭和三十五年十二月二十二日(木曜
日)
   午前十時四十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月二十一日委員山本杉若辞任につ
き、その補欠として林田正治君を議長
において指名した。
本日委員林田正治君辞任につき、その
補欠として山本杉君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉武 恵市君
   理事
           加藤 武徳君
           高野 一夫君
           坂本  昭君
           藤田藤太郎君
   委員
           鹿島 俊雄君
           勝俣  稔君
           紅露 みつ君
           佐藤 芳男君
           谷口弥三郎君
           徳永 正利君
           山本  杉君
           横山 フク君
           久保  等君
           小柳  勇君
           田畑 金光君
           竹中 恒夫君
  政府委員
   厚生政務次官  安藤  覺君
   厚生省医務局長 川上 六馬君
   厚生省社会局長 太宰 博邦君
   労働省職業安定
   局長      堀  秀夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      岩尾  一君
   厚生省公衆衛生
   局長      尾村 偉久君
   厚生省医務局次
   長       黒木 利克君
   厚生省薬務局長 牛丸 義留君
   通商産業省石炭
   局長      今井  博君
   通商産業省鉱山
   保安局長    小岩井康朔君
   労働省労働基準
  局労災補償部長  村上 茂利君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度に関する調査
 (厚生省関係予算に関する件)
 (小児マヒワクチンに関する件)
 (日本赤十字社の運営に関する件)
○炭鉱離職者緊急就労対策事業就労者
 に対する年末特別措置に関する決議
 案に関する件
○労働情勢に関する調査
 (豊州炭鉱における水没による災害
 に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(吉武恵市君) ただいまより社会労働委員会を開きます。
 まず委員の異動を報告いたします。
 十二月二十一日付をもって山本杉君が辞任し、その補欠として林田正治君が選任されました。十二月二十二日付をもって林田正治君が辞任し、その補欠として山本杉君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(吉武恵市君) 社会保障制度に関する調査の一環として、厚生省関係予算に関する件、小児麻痺ワクチンに関する件及び日本赤十字社の運営に関する件を一括議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○坂本昭君 日本赤十社法の第五章「監督及び助成」、その項目の中に、三十六条、「厚生大臣は、……業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、……
検査させることができる。」々々。それから三十七条、業務に関し監督処分の権限のあること。それから三十九条、助成業務の実施に必要なときは補助金、貸付金、国有財産を譲渡することができる。こうした以上の社法三十六、三十七、三十九条の実際にあった実例を一つ述べていただきたい。あったかなかったか。めんどうくさいことは一々要りません。あったかなかったか、あった場合には三十六条のどういう事実があったか。同時にこれは社会局で調べておられると思いますが、社会局のどこが担当してお調べになっておられるか。簡明に御説明いただきたい。
#5
○政府委員(太宰博邦君) ちょっと私の記憶で申し上げるわけでございますが、三十六条の報告は、これはときどきやっておりますが、立ち入り検査はやったことはなかったかと思います。それから監督処分、これもございません。それから三十九条のこれは、災害救助の設備等について助成をしたことがございます。
#6
○坂本昭君 ここでいう業務とは何であるか御説明いただきたい。
#7
○政府委員(太宰博邦君) これは格別、特別な意味がないのでございまして、日本赤十字社法に基づいて日本赤十字社が行なう業務というものが規定がございます。それの全般をさすものと考えます。
#8
○坂本昭君 そうしますと、社法第四章の業務の項には、第二十七条の一、二、三、四と、四つ項目をあげて、今あなたの言われた災害の場合の補助金のことはこの第二項目に入ると思います。それからまた、北朝鮮引き揚げは第一の項目に入ると思います。ところで、今私の問題としたいのは第三の項目であります。つまり病院経営もこれは当然業務であるはず、そうしてまた、看護婦教育も、これも業務であるはず。しかもこの社法によると、第一条の目的のところに、人道的な任務を達成するためにという言葉があり、さらにまた、二十七条の三項目には、「社会奉仕のため必要な事業」を明確に規定されています。従って、もう赤十字病院の使命というのは、私は非常に明らかであると思うのであります。従って、この法第四章の業務の二十八条のごとき「救護員の確保」というようないわばこれは義務規定であります。日本赤十字社は業務に従事させるために必要なものを常時確保しておかなければならない。これはもう非常に強い義務規定であって、先般本社からいただきました資料の、「数字からみた赤十字」一九六〇年版の十ページを見ますと、この法二十八条に基づいて「災害救護要員表」というのがあります。これを見ますと、常備救護班三千八百五十四名、看護婦二千四百五十一と明確に書いてあります。そしてこの数は常時確保しておかなければならないという法できめられた数であると思います。従って、この看護婦二千四百五十一の数を確保するために赤十字社が行なっている看護教育というものは非常に大事な日赤の業務であり、特にこの二十八条に基づくいわば義務規定としての業務であって、私はこれに対して今まで補助金を出したことがない、災害救助には出しているけれども、それに必要な救護員の確保のためには補助金は出していないというのははなはだ片手落ちではないか、というよりもはなはだこの法律の趣旨に反しているのではないかと思うのですが、いかがですか。
#9
○政府委員(太宰博邦君) 確かに二十八条で救護員を確保するように法律上義務づけてございます。まあこういうことについて義務づけるからには何か国の方で助成をすべきじゃないかという御趣旨の御質問じゃないかと思いますが、御案内の通り、赤十字は赤十字としての一つの根本的な建前というものがあるように承っております。これは坂本委員もお詳しいかと存じますが、まあみだりに国の助成というものにたよるということは、赤十字としての使命からいってもいさぎよしとしないというような面があるやに承っております。それは赤十字として自前でもって大方の賛助金なりあるいは社費というものがあるわけでございまして、極力そういうものでまかなっていくというのが大体従来の赤十字の、今まで赤十字がとってきた方針のようであります。従いまして、こういう義務規定がありましても、それをもって直ちに国が助成しなければならないものとは私どもは考えておらないのでございます。
#10
○坂本昭君 いさぎよしとしないと、まるで武士は食わねど高ようじみたいなことを言っておられますが、しかし、日本赤十字社の目的というものが法律でこう定められておって、その法律に定められた趣旨に合わない場合には合うようにこれを指導監督するのが私はこの三十六条に定められた厚生大臣の任務ではないかと思うのです。たとえば日赤の病院というものはこれは社会奉仕を果たしてしているか。この間も人院保証金のことについて質問をしたら、来年の一月一日をもって人院保証金は取りやめにする、これは自発的な赤十字社の決定のようですが、そういうことの監督指導ということを厚生省はやってきてない。また、そのほかに多額の差額徴収金、こういったものもこれを取っているのが事実であります。一体こういうことが社会奉仕と言えるか。なるほどいさぎよしとしないということをもって厚生省はりっぱな赤十字精神だとお考えになっておられるようだとするならば、非常におかしいのです。そんなことでは赤十字の使命は果たされないので、赤十字の使命の果たされるようにこれを監督し、あるいは助成し、あるいは指導するというのが私は厚生省の任務じゃないかと思うのです。その点いかがですか。
#11
○政府委員(太宰博邦君) 赤十字の先ほど申した精神、言葉の使いようは私不完全な点があるかもしれませんが、そういう精神で運営しているように存ずるのであります。そういう場合においてしかも今日の日赤はまたいろいろ御批判はありましょうけれども、日赤としての使命は相当果たしているものと考えるわけでございます。そういう場合に国が助成をするということはやはりそうみだりに言うべきことでもない。これはやはり赤十字の建前、助成することによる弊害――弊害と申しますか、また、好ましからざる面もそれはないこともないと存ずるのであります。あくまでも赤十字は赤十字の精神に基づいて広く国民の支持のもとに運営していくということでありますならば、その精神で貫ける限り、これは貫いていくように指導して参っておる次第でございます。
#12
○坂本昭君 明敏な太宰局長さんの言葉としてはどうもはなはだ言いのがれのような感がいたしますが、さらにもう少しお尋ねいたします。私は、日赤が本来の目的に沿っていないいろいろな欠陥があると思う。なるほどいろいろと果たしているりっぱな業績もある。しかし、相当今大きな壁に突き当たっていることは事実だと思うのです。その中で一番大きいのは、管理と運営が民主的でないという点に私は尽きると思うのです。この日赤の定款、それから特に評議員推薦委員選出臨時措置に関する規則という長たらしい規則があります。これによると、日赤の運営というものは大体こういうふうになっていると私は理解します。二百二十一名の代議員によって運営されている。そうしてこの代議員は各支部、つまり各県の評議員会で選出される。この各支部の評議員会は定められた数の評議員合計千二百八十名からなっている。評議員は支部の区域内の社員から選ばれる。ところで、評議員を推薦する推薦委員というものは具体的には市町村ごとに五人ないし十人ときめられておる。その数は大体県知事である支部長がきめる。市町村長は推薦委員の候補者を市町村の業務に関係の深い者と協議をして選ぶということになっております。市町村長はその候補者の氏名を公示することになっている。その公示後、七日以内に社員三分の一以上から文書をもって異議申し立てがなければその候補者を推薦委員と決定をする。で、実際今までに異議があって申し立てた実例があるかということをお聞きしたい、私はおそらく一例もないと思うのです。こんな何といいますか、意味のない選挙はないと思うのです。初めからもうきまっている。そうして呼議員の推薦する委員が社員から評議員を選ぶのです。適当にしかるべく選ぶのです。そうしてその評議員会で今度は支部長、副支部長、監査委員というものがきまる。そうして本社の社長が委嘱をする。これを見るというと、ただ単にぐるぐると役員が回っているだけのことで、そこに民主的な選挙、選出という考えは全然ない。むしろ支部長さんは知事であることがほとんど多いので、知事、市町村長の行政機構と直結したものが出てこざるを得ない。私はもうそういうことになると思うのです。実際に各支部の人事は古手のお役人さんがこれについている。だからこれではいつまでたっても、せっかく社報を作って、そしてまた、昭和二十七年の八月に参議院の厚生委員会で附帯決議をつけたけれども、全然民主化されていない。私はここに日赤の運営の一番基本的なガンがあるのじゃないか。ここを一歩直さないというと、私はとうていこの今行き詰まっている赤十字の運営というものは、これは改められないのではないか。結局この定款と評議員推薦の方式を変えるべきではないか。これがまあ日本赤十字社の組織のガンではないか、私はこう思うのですが、いかがですか。
#13
○政府委員(太宰博邦君) そこの評議員の推薦の仕方とかいうようなものは日赤の方にまかせておりまして、法律上私どもそうあまり手をとり足をとるかのごとくやることもいかがかと思うのであります。全般的に見まして、日赤もやはり時代の進運とともに事業全般にわたり進歩していかなきゃならぬことは、これは当然でございますので、そういう面で至らぬ点があるならば、これは指導して参りたいと思いますが、さような気持で今おるわけでございます。細部の点はやはり日赤自体としてもいろいろみずから検討して、その時代の進運におくれないようにすべきが当然かと存じます。
#14
○坂本昭君 それではさらに伺いますが、昭和二十七年の八月十四日、参議院の厚生委員会で行なわれた附帯決議、七項目あります。その中では特に今般も問題になっている病院ストに関連のある医療機関の運営機構、政府の会計監督あるいは公的医療機関としての性格の明確化、こういった点が七項目にわたって附帯決議がつけられています。が、しかし、これは全然私はその後行なわれていないのではないかと思う。あなたの方では行なわれているとお考えですか。
#15
○政府委員(太宰博邦君) 極力努力していることは私どもも努力しておると思います。中には今日まですでに解決――相当成果の上がったものもあります。中にはやはりまだ検討を要するので、未解決の点もあるかと思いますが、全般的にやはり相当努力のあとは認めてもいいんじゃないかと思います。
#16
○坂本昭君 太宰局長がたまたま局長になったので非常に運が悪いかもしれませんけれども、これは私は非常に重大なことだと思うのです。この附帯決議をつけさせられて、これを一体監督するのはだれかといったら厚生大臣ですよ。これはもうはっきりと赤十字社法三十六条に書いてある。この書いてあることをちっともやってこなかったのはだれか。これは厚生省の私は怠慢だと思う。だから若干は改められたというが、そんななまぬるい答弁では、名前は今社会労働委員会ですけれども、われわれのこの委員会の権威に基づいて厚生省はこれはもう非難せざるを得ません。もっと私はこの附帯決議の実施について責任を持って、そしてまた、三十六条に基づいて厚生大臣は監督及び検査をし、さらに処分をし、勧告をし助成をすべきだと思う。
 そこで次に伺いますが、日赤には非常に根本的に改革すべきものが山積しています。特に日本の社会事業の中核として積極的に活動してもらいたい点がたくさんある。そこで、日赤医療施設規則というのが、こう見ておりますと出てくるのです。日本赤十字社医療施設規則、実は資料がほしいと思ったのですけれども見当たらないので、何をきめたものであるか御説明いただいて、もし各委員に配布していただけるならば、日赤医療施設規則というものをいただきたいと思います。
#17
○政府委員(太宰博邦君) まことに申しわけございません。私その規則というものを、今ちょっと見ておりませんし、手もとにもございませんので、調べてみまして、あとで御回答申し上げたいと思います。
#18
○坂本昭君 この聞いただいたこの。パンフレットの十四ページには、「日本赤十字社の医療活動」と書いてある。「医療事業は救護事業とともに社業の最も重要な部面を占め、本社が国民の赤十字としての実をあげるためには、この医療活動の成果にかかっているといってもよい。日本赤十字社の医療事業はその内容において各国の赤十字社に誇るものとして高く評価され、」ものすごく自画自賛していますよ。それほどのことを監督の衝に当たる人が知らないというのは非常におかしい。また、これほどりっぱな医療事業をやっておられるならば医務局でも知っておられるはずです。この日赤の医療施設規則というのは医務局ではごらんになっておられますか。
#19
○説明員(黒木利克君) 承知いたしております。
#20
○坂本昭君 説明して下さい。
#21
○説明員(黒木利克君) 今手元に持っておりませんから、後刻取り寄せましていたします。
#22
○坂本昭君 どうも厚生省は三十六条による監督を一つもしていない。これはもうはなはだ重大な怠慢です。そういうことは病院ストというようなことを私は起こしてきた原因だと思う。これはもう厚生省自身としても非常に私は責任を負うべきだと思います。そこで、さらにお尋ねするのですが、前回資料を要求した中で病院の決算報告書が出ておりません。それからまた、白い羽根の昭和二十五年から三十三年までの決算も出ておりません。私はこの病院の決算書は当然出してもらわなければ、日赤というものの経営の実態がわからないのですみやかに出していただきたい。もし本社が出さなければ、あなたの方は監督権がある、また報告させ、立ち入り検査する権限がある。その点当然わかっていることだから、もうこの間の委員会から幾日かたっております。すみやかに今の病院の決算書と白い羽根の決算書を出していただきたい。いかがですか。
#23
○政府委員(太宰博邦君) 先般御要望のあったものは、日赤の方から御提出申し上げたと存じておりましたが、今の点もしないといたしまするならば、それは何かの手違いであったかと存じますので、さっそく調べまして提出するように取り計らいます。
#24
○坂本昭君 どうも何か日赤には特別にやんごとない人でもおるような感じで、厚生省ははれものにさわるような扱いをしておるのじゃないですか。そんなことじゃいけませんよ。ことに今重大な事態になって、社会が全部が関心を持っておるときに、そういう一番大事な点についてわれわれは日赤をよくしたいと思って資料を求めているのです。あなたの方ではまるではれものにさわるように、何かおそれかしこまっているような、これは監督の責任を果たしていません。
 次にお尋ねしますが、先般出していただいた資料の中に、日本赤十字社医療施設職員給与実態調査というのが本社から出ております。これは三十五年四月三十日現在で調査対象医療施設数は九十九、対象人員は一万五千七百十一名であります。この資料は、もちろんごらんになっていると思いますが、これに基づいて、日赤の給与の実態について厚生省はどういう見解を持っているか、承りたい。
#25
○政府委員(太宰博邦君) この資料に基づいての厚生省の見解という御質問かと思います。これは日赤の病院関係の職員の給与の実態をそのまま御報告申し上げたわけであります。病院内の職種はいろいろ多岐にわたっておりまするので、これを一がいにどうこう申すわけに参りませんが、前回も国立病院などとの比較でお話がだいぶあったようでございますので、便宜国立病院というものとの比較で申しますれば、お医者さんの方は、日赤の方がだいぶ給与がいいように私ども存じております。それから看護婦さんの方にいきますと、これは国立病院などに比べまして少し劣っておるように考ます。勤務時間などが違っておりまするので、正確なことを申せませんが、やはりそういう点も考えましても若干低いのじゃないかと考えます。今回公務員の方がベース・アップがありますれば、その差はさらに広がるものと考えております。しかし、一般の病院というものと比較してみますれば、必ずしも日赤の給与の現状は私どもは悪いとは思わないのであります。しかしながら、なおできるだけ給与をよくしてあげるようには、日赤の理事者側でも努力すべきであるというふうに私どもは思っておりまするが、これは今日までのところでは、やはり相当困難な面もあるようでございまして、早急なる解決というものは少しむずかしいのじゃないかというふうな気もいたします。
#26
○坂本昭君 どうも社会局長、きょうそういうことを言っておられたら、今の発言は全国に広がりますよ。社会局長は監督の立場では、赤十字に対して厚生省を代表しておられるけれども、日本における全部の社会事業の総元締めなんですよ、その総元締めがこの日赤の状態を悪いと思わぬなんということを言われたら、私はお誓いたします。来年は早々から全国の保母さんがストライキをやりますよ、全国の社会事業家が全部ストライキをやりますよ。みんながまんにがまんがし切れなくなっている。だからそれが、赤十字は悪いとは思いませんというようなことを社会局長が言うでしょう、今度は保母さんなどは、皆さん厚生省のこれは児童局の所管になるけれども、ことしの春の平均賃金七千五百円でたしか計算しておられる。看護婦さんよりまだ低いのです。これで社会局長が悪いと思わぬということを、これは速記録として残ったら、これはおそらく全国の社会事業に従事している保母さんだけじゃない、全部の人たちがこういうことでは生活できない、私たちの忍耐にも限度があるということで、私は立ち上がるだろうと思う。まず最初の全職員の平均給与について、これだけ見ても非常に悪いのです。一番最初の第一ページにありますが、平均年令三十一才で約一万七千八百円です。そうしてこの一万七千八百円に当たる、このときに、基準内の賃金、これが一万五千五百五十六円になっていますが、国立病院、療養所のこれと同じ額は幾らになりますか。今あなたは比較してといって、医者と看護婦だけ取り出したけれども、全般的な比較はどうなっていますか。これは一つ医務局長にお尋ねしましょう。国立病院、療養所における基準内賃金は幾らになっていますか。
#27
○政府委員(川上六馬君) 国立病院、療養所におきます基準内給与は、現在のところ、総平均におきまして二万一千三百七十八円になっています。
#28
○坂本昭君 今言われた通りでしょう。二万一千三百七十八円、こちらは一万五千五百五十六円、五千円以上、六千円ぐらい隔たりがある。こういうことで悪いとは思わぬなどと言われては、これは私は非常に問題だと思う。しかも先ほどあなたが言われた通り、赤十字病院の医者、幹部級の医者は非常に給与がいいのです。私も国立療養所の所長をやっているときに、日赤の院長と比較してみまして、大体半分ぐらいでした。もう日赤にかわろうと思っていたのです。幹部級は非常にいいですよ。その幹部級の者を入れてならしてやはりこれだけの差があるということです。そうすると一体、医療施設における一番大事な任務と一番多数の数を占めているのは看護婦です。だから看護婦の労働条件と賃金を見ればもうすべてがわかる。ちょうど保育所の実態を見ようとすれば保母さんの賃金を見ればわかると同じことなんです。だから私は今のような、たとえば今度看護婦さんのことについていいますと、赤十字の看護婦、これは基準内賃金は一万四千百三円になっています。これは看護婦ですよ。つまり高等学校を出て、いわゆる高等看護学院で三年間教育を受けた人の基準内賃金が一万四千百三円であります。このときに国立病院、療養所全体の平均は幾らになりますか、医務局の御答弁をいただきたい。
#29
○政府委員(川上六馬君) 一万六千九百六十一円であります。
#30
○坂本昭君 一万六千九百六十一円、これは国立病院、療養所全体の看護婦さん。この中には看護婦と准看護婦と一緒に入っていますね。
#31
○政府委員(川上六馬君) 今のは看護婦さんだけの分でございます。
#32
○坂本昭君 今の御答弁は少し違うのじゃないかと思うのですが、もう一ぺん確かめていただきたい。国立病院、療養所は、医療職の第三表で一括して婦長、看護婦、准看護婦を計算していると思うのです。その数が今の一万六千九百円程度であって、日赤の場合は、看護婦だけが一万四千百三円であるということは、非常な差があるということです。私の説明が正しいのじゃないですか、御返答いただきたい。
#33
○説明員(黒木利克君) 私の方の手持の資料で、国立病院で看護婦の平均年令二十八・三才、一週間の規定労働時間四十八時間、基準内給与が一万六千九百六十一円、全日赤が、平均年令は二十八・八二才、労働時間四十四時間、基準内給与が一万四千百三円。なお人事院の調査によりまする民間――これは日赤を含みますが、民間の看護婦の調査では平均年令三〇・八才、労働時間はわかりません。基準内給与が一万四千三百二円。なお、准看護婦、国立病院は平均年令が一九・八才、労働時間は週四十八時間、基準内給与が一万一千三百四十三円。全日赤が平均年令が二〇・三六才、労働時間四十四時間、基準内給与が八千八百六十八円。民間が平均年令が二二・一才、基準内給与が九千七百五十八円ということになっております。
#34
○坂本昭君 今の看護婦の給与については、これは医務局に看護を専任している参事官おられますから、今の申し述べられました説明をもう少し明確な資料として御提出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。
#35
○政府委員(川上六馬君) はい。
#36
○坂本昭君 それでは、この看護婦の給与についてはさらに詳細な資料を提出していただく約束ができましたので、ただいま見ただけでも看護婦について赤十字がきわめて悪い条件にあるということはきわめて明確だと思います。
 そこで問題は、病院の決算が出ていないのでここで結論を言いにくいのですが、この前、組合から出してもらった日赤メモというのに、この四枚目に昭和三十四年度決算損益計算書というのがあります。そしてこれについては、十二月の一日第四回本社団交の席上示された本社の資料となっています。ですから、これは本社が団交の席上で出した資料として、おそらく三十四年度の決算を出してくれと言えばこれと同じものが出てくるのではないかとも想像されるのです。で、この資料を見ますというと、一番下の方に三十四年度の決算として三億四千四百七十万の黒字で、利益率は三・四九%と書いてある。さらに三十三年度は三億九千万円程度で、利益率四・七三%と出ています。この程度の利益率があれば、たとえば看護婦の教育に一億五千万も病院収入から出しているそうですが、まあそういうことの問題は別としても、一律約千五百円から二千円ぐらい、少なくとも千五百円の一律の引き上げは私はできるのじゃないかと思う。国家公務員との間に六千円にも近い差がある。そうしたら当然何らか、一律の千五百円ぐらいのベース・アップができるのではないかという私は計算をしたのですが、いかがですか。
#37
○政府委員(太宰博邦君) これはたしか先般参考人としてお呼びになったときに日赤の当局者から一部申しげたことと存じますが、私の方もただいまお話のように、三十四年度の特別会計の病院の決算として全国のものを集めたのを聞いておりますが、それはただ全国の病院のあれを集計してみたというにすぎないのでございまして、そのとき日赤側が申し上げましたと思いますが、独立採算制というものをとっておりまするものでありまするから、病院によりましては赤字の病院がたしか十五ほどあったと思います。それからまた、黒字のものもある。そういうものをがらがらにしたものがこれでございまするので、個々の病院として見ました場合にはそういう赤字の病院などがあるわけでございます。それからこの中からいろいろ投下資本の減価償却とか、あるいは次年度におきまする若干の運転資金というようなものがなければ困るということでありまして、さような点を考えて見ますると、今直ちにこの全国がらがらにいたしましたこの三億何がしというものが黒字だからすぐそれを分配せいということは、これは実際上はできないことであると考えております。
#38
○坂本昭君 今その黒字そのものをすぐ分配しろと私は言っているのじゃないのです。しかし、少なくとも黒字の経営の状況で、しかも労働者は非常な低賃金の状況下におかれているから、これに対して一律の引き上げということをすべきではないか。それに対して、先般参考人としていらっしゃった副社長は、医療の単価の引き上がるまではできない。そしてまた、プール制ということはできない。そのプール制ができないということについて、承るところによると、日赤は社員から社費をもらっている。東京の社員からは非常にたくさんもらう。あるいは高知県の社員からは非常に少ない。そのたくさんもらった東京の社費を高知県へ回すということは、東京の社員の意思に反することでそういう扱いはできない。プール制にはできない。そういう論旨を使っておられるように私は感ずる。これはしかしとんでもない間違いですよ。一体赤十字社は東京の社員があり、高知の社員があり、熊本の社員があるのですか。そんなばかなことないですよ。日本赤十字社の社員であって、それがたまたま東京にある、高知にある、熊本にあるということであって、私はそういうことのためにプール制ができないと、あるいは今のように、黒字、赤字をバランスをとって、赤字は赤字でもそこで社会奉仕の任務を果たしておったらそれでいいではありませんか。なぜそういうふうな行政指導ができないか、もう一ぺん承りたい。
#39
○政府委員(太宰博邦君) 日赤が、先ほど申し上げましたように、各病院ごとにいわゆる独立採算の制度をとっているということは事実でございまして、しかもそれは日赤が始まって以来今日までやってきている事柄でございます。で、そのこと自体につきましては、ただいま坂本委員のおっしゃったような御意見も私はあると思います。それで必ずしも日赤が従来やってきたこと、これが未来永劫何らあやまちがないのだとは私も思いません。私どもも意見は持っております。しかしながら、今日この際におきまして、直ちにお話のように、それをぶちこわしてしまうということは、これは言い得べくして実際にはほとんど行なわれないことであることも、これまた御了解をいただけると思うのであります。今日の段階におきましては、やはりそれぞれにそういう経緯があるのでございまするから、それはとうてい、これをもし改めると仮定いたしましても、それには相当なるやっぱり準備ないしは時間をかけてやらなければかえって混乱を増すばかりであろうかと思います。そこで今日できますことは、やはり再三の努力をいたしました結果黒字が出ているというところにおきましては、やはり非常に賃金が低いという職種がありまするならば、そこのアンバランスを是正する意味における特別昇給というようなもの、ないしはいわゆるボーナスというようなことによってこれを今日片づけていきたいということを日赤の側で考えているようでございますが、これは私どもといたしましても、さしあたりの問題としてはそういうふうにするほかないのじゃないか、かように考えております。
#40
○小柳勇君 議事進行について。今社会局長の答弁聞いておりますと、この問の委員会のあと、日赤の方との打ち合わせをほとんどしておられないような印象を受けますが、この前の委員会で高野委員が日赤の副社長に懇々と合この問題についても意見を述べられて、直ちに検討するようにという話がありました。あの日赤の副社長の答弁をお聞きになったと思うのですが、その後、日赤の副社長と社会局長など厚生省関係者が打ち合わせたことがあるのかないのか、お聞きしておきたいと思う。
#41
○政府委員(太宰博邦君) まあ打ち合わせと申しますか、当面の問題についてはときどき話し合っております。しかし、ただいまのこの問題は、先ほど私がお答え申し上げましたように、これは日赤の側といたしまして、いろいろな点から考えまして、非常にやはり大きな変革になる問題でございまして、今直ちに、現にストライキがあっておるという、この際の問題としては、これは右左というふうな解決をすべくあまりにも大きな問題であり、また、過去のいろいろな経緯というものも含まれた問題であることは、私どももこれは認めざるを得ないと思うのであります。そういう点について、国会で御意見のあったことは、私どもも当時この席におりまして承っております。これはしばらく時間を貸していただいて、日赤の当局とも話し合い、改むべき点がございますならば、これはやはり時代の進運とともに改める。改めるにつきましては、それは一朝にしてどうこうというわけには参りません。やはり漸進的に持っていくほかないのではないかと、かように考えます。
#42
○藤田藤太郎君 関連。私は、今の局長のお話を聞いておって、日赤というものが長い問――このストが起きたから云々という問題ではないと思う。日赤が長い間運営してきた、そして初めてわれわれが呼んでみたら、そういう内容であった。だから、日赤の機構というものは政府が監督をし、場合によっては日赤を育てていくという行政上の責任が厚生省にある、こういう建前というものが初めて明らかになったのだが、今まで厚生省はこれに関して何もしておられなかった。それで、こういう問題が出てきて、私はあなたの口裏を聞いていると、厚生省としては事なかれ主義で、熱意を持ってこの日赤の機構やその他について飛び込もうというかまえがちっともあなたの発言の中から出てこないから、われわれは今のような話に質問をしているわけです。だから私は、われわれ社会党はかりではないと思うのです。この委員全部が厚生行政の熱意を問うているのだと思うのです。それはきょう言うてあしたできる問題ではありません。しかし、根本的に日赤法が定まり、われわれ参議院が二十七年にああいう形にしてもらいたいという決意をここで述べ、行政上の監督は当然厚生省がやるべきことを今までやっておらなかった。こういう問題にぶち当たって、それではどうするかということに熱意がない、そこに私は問題があると、こう思うのです。先ほどから赤字とおっしゃいましたけれども、この前の委員会でも勝俣さんから出ておりましたように、三十億の負債がある、七億ずつ元利返しておる、どこからも補助をもらっていない、そうしてそういう中から赤字というものは出ている。こんな状態に置いておいていいかどうかということも根本の問題であります。まあ内容に入りますと長くなりますから私はやめますけれども、厚生行政としてこの日赤を今までに置いておいた責任があります。こういう問題が明らかになった以上は、もっと熱意を持って日赤のほんとうの本来の姿と、医療事業についても厚生省が監督行政を明確にして、どうやったら一番いいかということを、熱意をここで披瀝してもらいたい。この熱意さえ披瀝してもらえば、われわれもきょう言うてあしたということは言いませんよ。賃金の問題にしても、何にしても、安いことはないと思いますとか、適当にこの答弁のこの場さえのがれたらいいような態度では私は困る。だから私は、この日赤の問題は、きょうだけで終わらそうとは思いません。これは通常国会に続いて、この問題はわれわれ委員会で十分によりよい日赤が生まれるようにやりたいと思う。だから、その熱意のほどを一つ局長聞かしておいてもらいたい。
#43
○政府委員(太宰博邦君) まあ私格別この場を糊塗のつもりではございませんで、十分努力する覚悟でございますが、言葉至らずしてさような誤解を抱かせるようなことになったとすれば、大へん恐縮に存じます。また、今の藤田委員のお言葉は、私に対する鞭撻としてありがたくちょうだいいたします。
#44
○小柳勇君 議事進行。大事なことを局長言われたのですが、今プールにすることはなかなか困難である、従って、あまり低いところについては特別に賞与なり特別の考慮をしなければならぬであろうというようなことを発言されておりまするが、そのことは日赤と打ち合わせた結果あなたが結論されたのかどうか、聞いておきたいと思います。
#45
○政府委員(太宰博邦君) これは、先般参考人としてお呼びになったときに、日赤の当局者が申し上げたことと同じことでございます。私の記憶でございますれば、当時一律に全国のベース・アップということは、これは残念ながらできませんと、しかし、個々の病院によりましては、経理に余裕があるところもございます。さようなところでは、非常に賃金が低い職種の方があるならば、そういう面についての特別昇給といいますか、そういうこと、それからこの年末のボーナスでございますね、かような形でもってさしあたりできるだけのことはいたしたいと、こういうことをたしか日赤の当事者が申し上げたと、それと同じことを申し上げたつもりであります。
#46
○小柳勇君 そうしますと、社会局長、あれ以後、これだけ社会を騒がしておる問題について、厚生省が積極的に赤十字社とどうしたらこの問題解決するかということについて打ち合わせをやっておらないとわれわれ認定せざるを得ないようですが、そういうことのために、われわれは今局長の答弁を聞いておっても不満なんです。今坂本委員も藤田委員も言いましたように、これだけの社会問題となって、しかも厚生省としては監督指導するだけの根拠をちゃんと赤十字社法で与えられておる。そのこともるる坂本委員が質問したところでありますが、それにもかかわらず、その根本的な解決である給与問題について確たる打ち合わせをしていないということについては、われわれ不満ですが、そうですか。
#47
○政府委員(太宰博邦君) 日赤の側といたしましても、私の方といたしましても、いろいろ深い根本的な面についてのなお検討と申しますか、そういう面は残っていると思います。しかし、火がついておる今日におきましては、さしあたり燃え盛っておる火を極力早く消しまして、そしてとにもかくにも患者なり世間に御迷惑をかけることを少なくしなければならぬ、こういう気持でおるわけであります。そのためには、一方におきまして当事者同士が話し合うと、こういう必要がございます。また一方においては、なかなかそうは言っても、話し合いだけではうまくいかぬ、それを促進する意味から申しまして、第三者の公平なる裁定というものを一つ受けるべきじゃないかと、かようなことにさしあたりの方針をきめて、日赤の側では、それに基づきまして、先般のあとで組合側とまた話し合いを始めております。すでに一、二回やっておると、これもまたさらに続けてやるというふうに私ども報告を聞いております。さらにまた、第三者のあっせんを受けるということにつきましては、本社側ではいち早く中労委の方にあっせんをお願いしておると、こういうことでございます。私どもといたしましても、当面の問題を一応そういう面で片をつける以外に方法はないじゃないかと、かように考えるのでございまして、こういう線がうまくたとえ暫定であれ解決することは、非常に望んでおるような次第でございます。
#48
○小柳勇君 何回聞いておりましても、社会局長はこの問題を第三者としてながめている、当事者の解決の早からんことを希望しながらただながめておるというようにしか受け取れぬのですよ。坂本委員が朝からるるとしそ言っておるのは、そういうことではなくて、この赤十字社法には、厚生省として指導監督していくだけの法的根拠は与えておるから、どうしましたか、ということを聞いておるのですが、社会局長がしなければ厚生大臣がやったのか、あるいはだれか課長さんが接触しておるのか、全然第三者として見ておるのか、はっきり言って下さい、そういう点。
#49
○政府委員(太宰博邦君) 私は、第三者として傍視しておるということは申し上げておりません。その後非常な心配もいたしておりますし、日赤の当事者から時々報告も受けております。また、部内においても、関係の局と相談しておりますが、せっかくこの私どもの希望したように当事者間の話し合いも始まったというならば、私どもとしては、しばらくその話し合いが進行することを注視しておる現状でございまして、決して第三者の気持でおるということではないということだけを一つ御了解いただきたいと思うのであります。
#50
○坂本昭君 いたずらに時間が長引くだけで、結論が出そうにありません。非常に厚生省としては怠慢だと私は思います。三十六条に基づいて、もっと積極的に赤十字社の運営について、特に当面する病院ストについて責任を持ってこれを処理するという態度をとっていただきたい。時間が長引きますから、これで赤十字社の問題については、またあらためて大臣に伺います。
#51
○高野一夫君 赤十字の問題で、さっき小柳委員から私の名前が出たので、私も、厚生省にもあわせて要望しておきたいのですが、私の言うのは、さっき坂本委員がおっしゃったように、全国的社員組織である日赤が、業務を遂行、経常する上において、東京の場合、高知の場合、鹿児島の場合に、区別があるという考え方がいかぬと、こういうことで、その点は、私はこの問も葛西さんに話したのであります。でありますから、九十幾つある地方支部の開設、管理に属する日赤の病院、診療所が、ある診療所、ある病院は黒字になり、ある病院は赤字になる。黒字になったところば多少の待遇改善もできる。赤字になったところは、やりたくてもそれができない。こういうことは私は納得できない。で、国立の病院、療養所というのは、申し上げるまでもなく、これは全国ならしてあります。やはり国費でもってやる。それならば日赤の本社が全部を統轄して、そうして日赤の本社において金を集めて、その各病院の黒字なら黒字のその収入を集め、赤字の病院は補てんしてやる、こういうふうにして、日赤の本社が統一した経営体制に持っていかなければ、いつまでも現在の日赤の欠陥を是正することは絶対不可能であるということを私は言っておるのであります。それで、この点はむずかしい、むずかしいというので、葛西さんも逃げておられたけれども、むずかしいではいつまでたっても改革はできないから、速急に一つ案を作りなさい。それは私はできると、こういう確信を持っておるのであります。それは日赤にも要求しておきましたから、これで日赤の監督官庁であるべき厚生省においても、そういうような経営の機構、やり方の改革はできるかできないか、次の通常国会早々に、また、日赤の代表者を呼んで研究討議の結果を私は伺いたい、こういうふうに注文してありますから、厚生省においてもその点を一つ研究をしておいていただきたい。きょうはもう別に御意見は伺いません。
#52
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#53
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#54
○坂本昭君 それでは、次に小児麻痺緊急対策について伺います。これは来年度の予算ではなくて、正方明け早々から実施されますので、緊急の対策としてさらに伺う次第であります。簡明にお返事をいただきたい。小児麻痺なまワクチン研究協議会の構成と、組織と、厚生省との関係はどうなっているか。これは公衆衛生局長並びに薬務局長の両方から伺いたい。
#55
○説明員(尾村偉久君) 今回発足いたしました研究協議会の方は、一応参加者は四十七単位の方々ということになっておりまして、先般の第一回の発会のときにきめました会長は、一応医学会頭の田宮さんに就任をお願いすることになりました。副会長のような立場――副会長という制度はとりませんが、実質的にこれを統帥し、お世話するという意味で、事務局長という形になりましたが、これは予研副所長の柳沢先生が事務局長。それからさらにこの協議会に部会を作りまして、四つ部会ができたのでございますが、この部会は、いわゆる総括をやる総括部会と、もう一つは接種関係の研究をする、これは臨床実験も兼ねまして、これが接種部会、それからもう一つは製造部会といいまして、これはワクチンそのものの研究ということ、それからもう一つは、これらの判定をするような、これは、名前はまだついておりませんが、部会、こういう四部会にしようということが決定いたしました。そのそれぞれの部会の幹事長、幹事役、これはまだ選考中でございまして、大体の想淡はできたようでございますが、最終的には、さらに四、五単位加入の予定がございますので、それらの確定も待ちまして、正規の幹事長をきめる、こういうふうになっております。
 それから厚生省との関係は、今の御説明でおわかりと思いますが、事実上の世話役は、予研の副所長が当たりますので、まあ協議会の個人としての身分もございますけれども、実質はこの接種部会の大部分の仕事を、予研の、法律部会並びに製造部会の相当大事な仕事を、予研自身の仕事としてお引き受けするので、非常に密接な関係といいますか、むしろ半分は、中に入っている、こういうような立場のわけです。従って、行政当局である私の方並びに薬務局としても、普通の、ただ招集して議するだけの審議会ということとは違いまして、実質的に中に入ってお世話する、こういうようなつもりでいるわけです。
#56
○説明員(牛丸義留君) 全体の関係については、ただいま公衆衛生局長から申し上げた通りでございますが、薬務局といたしましては、なまワクチンの現段階におきましては、基礎的研究の段階でございますし、これから協議会によって一つの結論を得ましたならば、それは現在私どもが行なっておりますソーク・ワクチンの製造と並行するなり、あるいは切りかえるなりその辺は協議会の結論によってどうきまるかわかりませんけれども、実際に国民に接種できるような製造の段階にまでいく、そのことを当然予想いたしまして、担当の細菌製剤課長が接触しながら、この研究会に関係を持っていきたい、かように考えておるわけでございます。
#57
○坂本昭君 それではなまワクチンの研究と実験の実施にあたっての厚生省の責任の所在はどこにあるか、ただいまのお話を聞くと、予研が責任を持つというので、最終的には厚生省が責任をお持ちになっていただけるわけですね。
#58
○説明員(尾村偉久君) 責任といいましてもいろいろございますが、弐際に今度の協議会がやろうという目標の研究の最初の段階は全部予研でいたすことになりますので、従いまして、その研究については当然国立の機関でございますが、その研究内容については当然責任を持つ、来年度に入りましてフィールド実験に移りますと、これはそれぞれ細分して提供して、そこから先になりますと研究自体の責任といいますか、それぞれ受諾した対象者対医師という形で、これは医療上の責任は当然そこにきますが、たとえば毒力によるトラブルが起こった場合には、私どもの方の予研がそういうことがあり得ない、毒力はないという試験は済ませた上でありますので、フィールド研究内容はむしろ人間に入った場合にどういうふうになっているかということが目標でありますから、ないはずのものがかえってそれに毒力が出た場合には、当然そういう事故の場合には予研に責任を帰する、われわれの方が責任を持つわけであります。
#59
○坂本昭君 今度の研究協議会で一つ私が不明朗に思うのは、業者との関係であります。この点についてこれはむしろ薬務局長から弁明を求めておきたいと思います。業者の人がある部門の責任者となっているのではないかと思う。こういうことは公平なる研究機関のあり方として私はよろしくないのではないか、この点についての釈明をどっちでもよろしいです、私はむしろ薬務局じゃないかと思ったのですが。
#60
○説明員(尾村偉久君) 協議会に私が出ておりましたので、細菌製剤課長も出ておりましたが、薬務局長は出ておりませんでしたので、事情がわかりませんので、私から便宜お答えいたします。
 業者としても現在やっておりますのが五社、そのうち四つが法人でありまして、ほんとうの意味の会社ではございません。たとえば千葉県立血清研究所、社団法人北里研究所は法人でございまして、同時に製造しておる、こういう形で今度の委員の中にはたしかにそこの所属者が出ておりますが、これは製造業者としてのような方は入れておりません。あくまでそこの主任研究員、たとえば千葉県立血清研究所では越後貫所長が一番その権威者としてみずからやっておりますが、この人はそういう立場で、この人を権威者として入れております。従って、私どもの方としては業者という立場でこれに参加を全然認めておりませんで、エキスパートがお集りになるということで、一日発的にお互いにああいう人間を選定され、われわれの方で全部適当と認めたので、われわれも参加して始まった、こういう形であります。
#61
○坂本昭君 なまワクチンの創始者セービン博士との交渉の責任はだれがとりますか。
#62
○説明員(尾村偉久君) これは予研の室長が実際は要請者になりまして、出す場合には日本政府としての要求ではなくて、今の研究協議会がこういう研究プランで、目的は最終的に日本でこれを取り上げるために必要な研究ということで、十分説明した上で研究協議会の代表者として取り寄せる、こういうような予定になっております。
#63
○坂本昭君 それではセービン博士の指示によって、たとえばどこそこの原液ならば自分が保証する原液であるそういう指示によって原液を受けることになると思いますが、その場合の原液の量とそれに対する費用の支払い、それはどうなりますか。
#64
○説明員(尾村偉久君) 現在までのところでは、実は北岡部長が向こうでこの前国際会議に出まして、そのときにもうすでにこの問題の話しかけをしておるわけでございますから、そのときには最初の試験用の研究、それから製造用の研究等には、発明者として無償で提供するというような話し合いになっておりますので、費用については無償になるかと思います。もっともこれが非常な膨大な量でございますと話は別でございますが、現在のところ、量といたしましてはフィールド実験は最低一単位が五十人か百人までが限度であろう、いろいろな試験をするのに。そうしてもし五十単位になりますと、その五十倍ということになりまして人数がわかるわけで、何千名になるかと思いますが、その程度がそれぞれの責任を持って確実なデータを出す限度であろうという話し合いまでございまして、従って、それまでのフィールド実験の所要量を積み上げたものと、それから予研で力価の検査、それから毒力検査と、これは何人分ということも言えません。これはもうリットルの中からくみ上げてやるわけでございますから、これの量とこれを合計したものを要請するということで、まだ正確な量は各研究者が算定をしているわけでございます。
#65
○坂本昭君 創始者セービン博士の指示する条件に合うならば、製造している国のいかんは問いませんですね。
#66
○説明員(尾村偉久君) こちらで要求しておりますのは、一番の発明そのものの正確な製造日時と、それから製造過程等が明確に文献がつくと、いわゆる素性がはっきりする、それでありませんと、非常に成績が将来問題になりますので、それでさえあればセービン博士に要求して、セービン博士がどれを自分としては提供するといわれればそれは信用するに足りますので。それに従うわけでございます。国とか、あるいはたとえば国内においても、どこの会社が作ったものというようなことを問わぬつもりでございますが、しかし、おそらく今までの北岡博士の折衝の過程ではかなり、セービン博士みずからがおそらくタッチしたものを提供してくれるのじゃないかというような話でございました。
#67
○坂本昭君 じゃ、その場合、セービン博士のその提供していただく原液を受け取る責任者は、今までのお話だと、一応協議会が責任者にはなるが、実質的には予研だと、そう考えてよろしいですね。
#68
○説明員(尾村偉久君) あくまで今の協議会、たとえば会長名で要請して、受け取りもきっとそういうことになるかと思いますが、実際的にはこれの毒力あるいは力価の検定を予研で引き受けますので、実質上の責任はそういうことになると考えても、これは医学的に見ますと、そういうことになるかと思います。
#69
○坂本昭君 そこで予研の小児麻痺の室の主任の意見を聞きますと、原液は多々ますます弁ずという態度であります。それから、ただし受け入れるための新しい設備はないから、来た場合には何らか既存のものを転用せざるを得ないという実情だということであります。それから来年の二月ごろには受け取りたい。そこで問題になるのは、これらを総合しての受け入れ態勢はどうかということです。
#70
○説明員(尾村偉久君) これは、受け入れ態勢は、建築物的な施設と、それから設備と人員とそれからサルを初め消耗の材料と、これに分かれるわけでございます。
 幸いにいたしまして、先般通りました予備費によりまして、現在七千六百万円の追加予備費と、それから三十五年度の当初からあります一千九百万円、これが現在建築進行中でございます。これによりまして検定の諸設備、約これを延べにいたしますと八百坪をこすのでございますが、これが予研の中の余地を全部使い、さらに足りない部分は横に整理いたしまして、村山療養所の約三万坪あいているところの敷地に、現在もうすでに工事を開始いたしておりますが、これによりましてポリオ関係の検定ということでございますが、相当な建築ができるわけでございます。一部はすでに発足を見ておる、これは目黒の予研の中にできましたやつでございます。この検定のことと、それから新たな生ワクの研究というのは相当部分は同じところでむしろやった方がいい機械等がございます。そういうところは、これらの工事を極力急がせましてこれには間に合う。それから人につきましても、本年三十三名の新たな予備費による増員を見ておりまして、そのほかに既定経費で前年度と比べまして人数がふえておりますので、これらを総合いたしまして、この研究には、今度の予定しておる予研での研究は開始できると、こう思っておるのでございますが、ただ問題は消耗経費でございます。設備等はほとんど検定と研究は同じような種類のものばかりでございます。これは初度設備費はやはり十分計上しておりますので、問題は今の消耗機材であろうかと思います。これはサルが最低百二十頭二月から要るわけであります。これが一頭二万円といたしますと、二百四十万円ほどは絶対に増加しなければならぬ。ただ、これはことしのロット検定のためのサルを買うように非常に大きな額を予定いたしておりますけれども、これが今出てきております検定が、最初一ロット二百リットルの予定でありましたものが、一ロット四百リットルくらいになりましたので、非常に経済になるわけであります。六十匹使うやつで、サルを百二十匹二回やるのを一回で済みますので、そういうのと流用も考えまして、今足りるか足らぬか、足らぬ部分はほかの予算を移用するなり、あるいは全然厚生省内で移用ができないならば、予備費をお願いするなり、そういうようなために算定を今急いでおります。これはわれわれの方だけでいくと無理がいきますので、予研と連絡いたしまして、絶対に足らぬ部分ということで、しかも当該室長は自分の部屋に、予研の総経費の中からおっしゃるように刷り当てられた分だけでございますが、研究費というのは横に見ますと、予研自身が毎年一億以上のものを研究費といいますか、検定等のための調査費何億というものを使うわけでございますから、これらを動員すれば所長並びに私どもの方の腹一つですね、余裕のあるところは動員するという形をとれば、必ずしも室長が自分の手持ちの金で足らぬと思っているのもお世話できぬわけでもないと、こう思っておりますので、今算定をいたしております。
#71
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#72
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#73
○坂本昭君 じゃ主計官に伺いたい。
 今の予備費の支出についての御見解並びに今のような主管局長の答弁がありましたが、非常に事態は私は緊迫していると思うのです。ですからこれに対する主計官の見解を伺っておきたい。
#74
○説明員(岩尾一君) ただいま御説明ありましたように、八月にとりました予備費で大体まかなえるというふうに考えております。具体的にはまだ厚生省から要求を聞いておりませんので、申し上げるわけには参りませんが、要求が参りますればよく検討して善処いたします。
#75
○坂本昭君 そこでやはり問題になるのはこの消耗費に熱した、たとえば研究協議会の四十七名のメンバーの交通炎だとか、会議費だとか、こういったものですね。こういうものはまだこまかく計算しておられないのですか。
#76
○説明員(尾村偉久君) この研究協議会、まあ今後ああいう総会的に開くかどうか先日はきまらなかったわけでございます。大体あとは今の算定した要請に基づいて予研が毒力検定を終わったら配るということが具体的になった。あとはむしろ何も集まらぬでもいいのじゃないかというような空気がございます。従って、集まるための会議用の旅費というようなことは一応現在も算定する予定にはいたしておりません。これは大体厚生省が当然やるべきことをこの学者を集めて委託したといえば言えましょうが、そうでもなくて、学者としては、ビールス学会のこの前の決定に基づきまして、ぜひ学会のメンバーとして日本に大事なものだから、自分らの学会陣としてもやりたいというようなことが合わさって集まったわけでございます。必ずしも研究旅費を国から支給しなければというような空気はございませんでしたので、その点は今予定しておりません。
#77
○坂本昭君 一番問題点は、来年もやはり北海道に、はやるかどうかということで、そのために私は緊急に子供たちの免疫体の実況について、あらゆるビールス学者を動員して緊急調査をして、重点的に予防の区域をきめることが必要じゃないかと思う。そういうことについての具体的な対策はありますか。
#78
○説明員(尾村偉久君) 実は来年それをやるために約六万人、かなり全国的に広く六万人の血清検査をして、いわゆる免疫体の発生状況を見ようというので、六万人のそれに必要な抗原がまず必要でありまして、いいかげんな抗原でございますと、これはデータが何にもならぬ。それを予研でやるようにポリオ抗原の製造費を一千五百万円近く現に要求しております。これによりまして堂々と研究する。これを今度実際に受け持つところの国立関係のほかに具体的に県立のあるいは五大指定都市の地研にやってもらわなければいけませんので、これに対しましては今度は新規予算でございますけれども、地研のビールス関係の検査をするための整備補助費、これを現在五千三百万円ほど要求しております。これはそれに必要な施設並びに備品を県をして備えさせるために二分の一国庫補助をしようという形でやっておりますが、これは来年は実際に現在可能な人間もおり、実際に実力のあるというところをとりあえず十七府県を選びまして、しかもこれはできるだけ今のポリオの蔓延状況から重点的に、全部一斉にやればいいんでございますが、比較的目標が得られるというようなことも勘案いたしまして、十七カ所の予算を要求いたしております。
#79
○坂本昭君 それらの計画はみんな明年度でやるということでは私はおそいと思う。やはりもう一月から三月までの問に予備費を追加してもらってでも迅速にやって、そうして流行期の初夏の前にとにかく結果を出すというのが私は建前だと思う。要するに、研究陣の組織と、それから研究予算の不足のためにこうなっていると思うので、特にお聞きしたいのは、こういう特別の予算の出所について、たとえば予防衛生研究所の予算があるわけです。それからまた、防疫課の予算がある。それから薬務局の予算もある。また厚生省の官房企画室の厚生科学研究費という予算もある。何かてんでんばらばらになっていると思う。何かこういう緊急対策としてまとめて講ずる方法はないか。これについて厚生当局とそれから大蔵省に御意見を聞きたい。
#80
○説明員(尾村偉久君) これはまあこういうふうな臨時のときに、予算項目あるいは所属の科目等を一応取りはずしてまとめてやって、どこかの所属局で運営するということも非常に能率的なようでございますけれども、ただこれは実際問題として不可能じゃないかと思いますのは、それぞれが責任を持って徹底的に使う。たとえば今の予研で使うもの、それから地方庁で使うもの、それぞれの予算の所属が違っておりますので、そっちの方は一ぺん取りはずしてしまって、同じ研究だからというのでまとめるのは非常に利益もございますが、また、会計上もいろいろな工合の悪いことも起こりますので、むしろそうでなくて総合プランの中で立てて、それの中身を連絡をとって、それぞれの従来の会計に合った所属をして能率的に連繋さしていけば同じ目的は達せられるのじゃないかと思っております。そういうような形でいった方が妥当であろう、そういうふうに思っております。
#81
○説明員(岩尾一君) ばらばらに出ておるそういった研究費をまとめるということは、確かにこの御意見かと思いますけれども、実際に研究の成果をそれぞれの部門で集計をとりあるいはながめるというような場合に、やはりそれぞれの系統に応じた金が出ていないとまとめにくいというような点もございまして、御趣旨はよく研究したいと思います。
#82
○坂本昭君 あとそれでは二点伺います。一つは接種必要量、一月から三月までの必要量、あなたの計算はどうも足りないんではないかと思う。半才から一年半まで百六十万人の接種率六〇%、九十六万人のを二回、まあ大体これは二百万CC要るのでないかと思います。五才未満の子供が七百万人、この接種率はやはり私は二〇%ぐらい見ておかなければいかぬのじゃないか。そうすると百四十万人のこれもやはり二回で三百万CCぐらい見なくちゃいかぬ。従って、五百万CCは、これはさしあたって春までに要る。それから第三回ですが、これはもちろん受けにくる人の数はずっと減ると思ういます。しかし、やはり二百万CCくらい見ておかなくちゃいかぬ。特に秋の定期接種はやはり四百万CCぐらいは見なくちゃいかぬじゃないか。私はく合計して千百万CC程度見なくちゃいかぬと思う。これに対して、あなたの方では十月から来年の二月までに輸入が二百十万、それから三月までにはたしか百六十万CCの国内生産、全部が六メーカーで国内生産のトータルが七百二十万。そうすると、転入と国産で九百三十万。やはり仏は二百万ぐらい足りなくなるんじゃないか。一番大事なのは、来年一月から一ぱいなんです。一月から終わりまで少し二百万ぐらい足りなくなるんじゃないか。そういうことについて、あなたの方では、これで大丈夫だというふうな説明を伺っているのですが、この点について私は若干不安を感ずる、いかがですか。
#83
○説明員(尾村偉久君) 今の供給量の見通しにつきましては、薬務局長から御説明をするのが適当かと思いますが、需要の方、これはお話のように、大体二〇%、五才以下といたしますと今のお話の通りになると思います。私の方で大体満四才以下の任意のものが相当出てくるというふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、五才になりますと、大体保育所等に行くところの年令になりますが、従来の例ではあまりあすこまでは今のところ考えないで、四才までがいろいろなデータもはっきりいたしておりますししますが、その二〇%の見通しでございますが、これは全然私どもの方、実は正確につかめない。どうしても親の感じ、その他来年の環境状況でこれは動くものであります。一応九千五百ないし九千百リッター、すなわち今のお話の九百五十万人ないし九百十万人ということで出しておりますが、今のような情勢でもう百万か二百万ふえてくれば、これは別に私の方でそれ以上は要らないというわけじゃなくて、そういう需要が出てくれば、任意のことでございますから、当然供給したいということで、薬務局の方でも今の九千百ないし九千五百リッターというのは最少限度見込んでおられる。ロットを少しハッパをかければまあ大きくなることでございます。伸びはあるということなので、そのときということで、実はある程度その点は楽観しておるわけであります。
#84
○説明員(牛丸義留君) 供給量につきましては、ただいま公衆衛生局長が言いました見通しで、大体尽きておるわけでございますが、現実問題としまして、十月に第一回千葉血清が出ました分だけが六百リッターでございまして、第二回の現在検定に入る予定の阪大の微生物研究所のは約一千リッターでございますし、その他のメーカーのものも六百リッターの予定が大体一千リッター以上生産される見込みでございますので、ただいま公衆衛生局長の言った通りに最低限で九千百リッターというふうに見ております。
#85
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#86
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#87
○加藤武徳君 私はこの際、各党会派所属議員共同提案で、炭鉱離職者緊急就労対策事業就労者に対する年末特別措置に関して、お手元へ配付いたしましたような決議を行なうことの動議を提出いたします。案文を朗読いたします。
   炭鉱離職者緊急就労対策事業就労者に対する年末特別措置に関する決議案
  昨年十二月炭鉱離職者臨時措置法が制定されて以来この法律に基く緊急就労対策事業が実施されて現在約七千五百名の炭鉱離職者が就労しているが、この人達には年末特別措置が講ぜられていない。
  本事業は炭鉱離職者の就職までの生活安定をはかる為のものであり、就職者に対し年末を控えての特別措置を必要とすることは論をまたないところで、政府は、明年はもとより、本年に於ても年末特別措置を講じうるよう適切な措置をとるべきである。
 右 決議する。
 以上でございます。
#88
○委員長(吉武恵市君) ただいま加藤君提出の動議の通り、炭鉱離職者緊急就労対策卒業就労者に対する年末特別措置に関する決議案を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。それでは、炭鉱離職者緊急就労対策事業就労者に対する年末特別措置に関する決議案を議題といたします。発議者から提案理由の説明を願います。
#90
○加藤武徳君 ただいまの決議の案文で、大体の趣旨を尽くしているわけでございますが、簡単に提案の理由を説明申し上げます。
 御承知のように、エネルギー革命によりまして、わが国石炭産業にも大いに異変が生ぜざるを得なかったのでありまして、炭砿就職者に相当数の離職者が出ざるを得なかったのでございます。そこで、離職者の転業なりあるいは職業訓練なり、また就職あっせん等を促進いたしまするために、昨年の暮れに炭鉱離職者臨時措置法が制定施行されて参りましたが、この法律に基づいて緊急就労対策事業が行なわれ、次の職場に就職するまでのいわば生活のつなぎをいたしておりまする者が現在約七千五百名おられるのでございます。この人たちに対しまして、年末を控えまして特別の措置が必要でありますることは、論を待たないところでございます。現に一般失業対策の日雇い労務の方々に対しましては一〇・五日分の年末措置がとられておるのでございます。そこで炭鉱離職者の緊急就労対策事業、労務者の方々に対しましても当然年末措置をとるべきであると思うのでございます。そこで政府は、明年の年末におきまして特別の措置をとりまするように処置をいたしますることはもとよりでございまするが、さし迫った本年末におきましても、特別の措置をぜひとっていただきたい、これが提案の理由でございます。
#91
○委員長(吉武恵市君) 御質疑はございませんか。――別に質疑もないようでございまするから、これより採決をいたします。
 本決議案を原案の通り委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。よって本決議案は委員会の決議とすることに決定いたしました。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#93
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
  ―――――――――――――
#94
○委員長(吉武恵市君) それでは、次に労働情勢に関する調査の一環として、豊州炭鉱における水没による災害に関する件を追加議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#95
○田畑金光君 時間の関係もありまするし、また、この問題については衆参両院の委員会で取り上げられておりますので、私こまかい点は省きまして、要点だけをお尋ねして御答弁を承りたいと思います。
   〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕
十二月十二日に国会法七十四条により私の質問書を内閣に提出いたしまして、十二月十六日に答弁書が来ております。非常に簡単で理解するのには不十分であるわけです。そこで改めて口頭でお尋ねすることにいたしますが、豊州炭鉱のその後の遺体の収容作業はどういう進捗状況であるか。今後の見通しはどうであるか。また、相当長期にわたるということになりますると、費用の問題等についても相当な額に上るように聞いておりますが、当局としてはどういうような費用等について概算見積もりをなしておるか、これをまず承りたいと思います。
#96
○説明員(小岩井康朔君) 豊州炭鉱のその後の収容作業の進捗状況でありますが、現在大きい仕事といたしましては三つやっておるのであります。一つはもちろん坑内の遺体の収容作業でありますが、もう一つは川の陥没をいたしました他所のダムの工事でございます。それからさらにもう一つは、それのごく近くに火災を起こしております地域の消火作業、この三つが現在の豊州炭鉱の大きな仕事になっているわけですが、陥没の工事と消火作業につきましては坑外関係になっておりますので、担当の石炭局長の方から御説明を願い、私の方は坑内作業、主として死体の収容作業でありますが、これは災害後非常に急速に何とか早く救出したいという気持でやりましたが、もう時日も相当たちまして、とても生きた方方を救出することはできなかったわけでございます。それは坑内はかなり広い区域でありまして、右部と左部に大きく分けまして二つに分かれているのでありますが、右の方の区域は連絡がつきませんので、おそらく各作業した方々はその作業の場所で権災しているのじゃないか。しかし、左部の方の人員に対しましては連絡もついて、すでに坑外に脱出した方もおりますので、こちらの方向はかなり上部に逃げ出してきているのじゃないかという考えのもとに、当初非常に急速にわざわざ人車卸しの一番詰めにまでおるかもしれぬという予想で坑道を切りましたが、やはり人員は一人もおりませんでした。現在約二百数十名の坑外の方の人員を使いまして、四交代で三つの卸しから排水作業並びに崩落いたしました取り明けをやっているわけであります。現在まで一応一日三メーター半からないし四メーターぐらいの平均で、最も新しいデータでは、今月の十九日現在で五百九メーター坑口から取り明けが完了しております。しかし、この進み方は決して私どもの方から見まして早い進行状態とは考えておりません。何とかこの状態をもう少し早く進めるように工夫をいたしておるのでありますが、いかんせん、今排水のできますのはわずか一つの卸しでありまして、百五十馬力と、百三十馬力、二台で揚水をいたしておりますが、できるだけ取り明けを早くやらせまして、でき得るならば三つあります卸しのうちの二つは排水状態にしたい。ポンプも相当予備がございまして、二百馬力、百七十馬力、百五十馬力、百三十馬力と、十分余力を持っておりますので、この取り明けの方が並行してうまく進みますれば、できれば三つありますうちの二つは排水にかけたい。こういうような考え方であります。そして現在のころ、現地の監督部長を十分にこの作業について監督指導さしておりますが、現在のところ、鉱業権者側でこの遺体の収容作業を弱めるというような形は全然ございません。当方でも非常に心配をいたしまして、この収容作業が少しでもカがゆるむというような事態がありましたら、すぐさま連絡するようにということを言ってやっておりますし、何回も監督官を現地に派遣いたしておりますので、現在では鉱業権者はフルに収容作業をやっている。かように見て差しつかえないのではないか。しかし、私の方の保安法の関係ではこの収容作業を強制することはちょっと困難な実情にありますので、通産省といたしましても、鉱業権者に十分監督、指導をいたしまして、全員収容できますように極力万全の力を尽くしておるわけであります。見通しといたしましては、現在の進み方から計算いたしますと、現在の一指遠い作業個所が二千数百メーターになっておりますので、順調に参りましても一年半から二年。しかし、まあ深いところに参りますと、水の破壊も相当従来よりも大きいのではないかということが予想されておりますので、十分に見込みますと、二年あるいはそれ以上かかるんではないか。大体経費はどのくらいかという御質問でありますが、十分な計算はできませんけれども、大体まあ億の台になるんではないか。相当多額の経費もかかりますし、長い時日も要しますので、この辺は進み方によりまして適当な方法を考えたいと、かように考えております。
#97
○説明員(今井博君) その他の復旧工事について申し上げますと、最初に中元寺川の川底が陥没いたしました。これの復旧工事は、予算の方はわれわれの方でやりまして、実際の復旧工事は建設省において担当してやっていただいております。これは当初十二月上旬ごろには復旧が完成するという予定でおりましたところ、いろいろと近くにまだガスが出たり、非常に熱気がある。消火の方がまだ順調に進んでおりませんので、熱源地帯からのガスとか熱風というものがやはり古洞に相当影響するという関係で、川底の復旧工事につきましては、やはり消火をある程度見通しをつけないと完全にやるわけにいかないという事情も出て参りまして、ただいまのところは、建設省とも十分連絡いたしましたが、二月一ぱいぐらいかかるんじゃないかという話でございます。この点は、この前のこの委員会におきまして、小柳先生からの御質問に対しまして私、十二月上旬と、こうお答えいたしましたが、これは建設省との連絡が非常に不十分でございまして、その点、恐縮でございますが、訂正をさしていただきたいと思います。
   〔理事高野一夫君退席、委員長着席〕
 それから、消火の方は、これは現在山川市が施行者になりまして、今斜坑をおろしまして、熱源地帯のところにやっと到着いたしまして、どういう消火方法をやるかという具体案が一応でき上がりまして、国の特別交付金というものを三百万円程度とりあえず出そうということに一応内定いたしております。しかし、それ以上費用がかかる場合には、さらにどういう方法で金を出すかについてはまだ各行と相談中でございますが、いずれにせよ、この消火方法は非常にむずかしくて、結局坑道をあけて消火するということは非常に危険が伴うという結論が現地の対策委員会で出まして、やはり永井渡さんの家を一応取っ払ってその下を全部土をはいで埋めなきゃいかぬということに結論が出たようでございまして、これに基づきまして、さらに費用が必要な場合は追加をいたすつもりでございます。
 その他の家屋の鉱害の問題は、いずれそういう消火作業が一応済みましてから鉱害の復旧にとりかかって参りたいと、こういうふうに考えます。
#98
○田畑金光君 鉱山保安局長の御答弁によりますと、二百数十名で四交代で取り明け作業をやっておる、こういうお話ですが、災害当時、豊州炭鉱の従業員は八百名ないし九百名前後いたはずで、そうしますと、その後まあ一部解雇したということも聞いておりますが、相当の人員が遊んでおることになっておるので、これは解雇になっておるのか、あるいは休業中になっておるのか、この点はどうなっておるかということを承りたい。
 それからもう災害が出てから相当の日にちが経過しておりまして、大体鉱山保安局としましても、原因については調査の結果明らかになったものと考えるわけです。そこで、当局としては、直接の原因が何であるかということはこの委員会の答弁でわれわれも理解しておりますが、このような大きな災害に発展するまでの間接的な原因と申しますか、監督の不備とか不十分もありましょうし、あるいはまた、不可抗力的な要素と判断されている点もありましょうし、いろいろな困難な事情もあったと、こう考えますが、とにかく原因についてはこれこれであったというような一桁的な解釈と申しますか、一応当月として権威のある解釈に到達していると、こう考えるわけでございますが、この点について簡単で結構でございますので、鉱山保安局としてはどういう原因がこの災害について直接の原因であり、また、間接原因であるのか、明確にしておいていただきたいと考えます。
#99
○説明員(小岩井康朔君) 原因につきましては、ごく大体の原因は非常に簡単でありまして、御承知のように、川底が抜けたわけであります。なぜ川底が抜けるに至ったかという点につきましては、現在火災を起こしておりますいわゆる盗掘の個所の点、それから旧採掘跡の点、いろいろ非常にむずかしい問題があるわけであります。そこで、もちろん堀池の保安監督部といたしましては目下司法監査中であります。最近、非常に急かせたのでありまするけれども、まだもうしばらく資料不十分で断定がつかないと、こういう返事をもらっておりますので、もうしばらく御猶予を得たいと。しかし、なかなかむずかしい問題でありますので、そういつまでも時日を経過するわけにも参りません。非常にどうしてもむずかしくて断定がしにくいというような場合がありますれば、適当な時期にその方針もまた決定をしなければならぬというふうに考えておりますが、まあ川底の抜けたのは、これはもう間違いないのでありまするけれども、いかんせん、当然掘ってないようなほんの直下がすっかり採掘済みになっておる、しかも、その採掘がかなり古い時代のものであるというような観点から、いろいろな書類を順次に見てはおりますけれども、その関連がなかなか十分につかめない。なおかつ、付近の火災個所では何回も爆発を起こしておるというふうに聞いてはおるのでありますが、官庁側としてはその実態は全くつかんでいない。連絡もなしで、ただ話だけに聞いておるわけなんでありまして、私どもも災害のあと現地に参りまして、ああいうような実情ではあるいは爆発もあったかもしれないというような感じもいたしますので、おそらく小爆発はやっておったのではないか。そうなりますと、やはりごく近くでやっておりますので、その辺の爆発もあるいはまあ川底の陥没に因果関係を持っておったのではないかというような考え方はたくさんできますが、十分な証拠と資料によってその原因を断定するという段になりますと、現地でも非常に苦慮しておるのではないかというふうに考えております。非常にせかせてはおりまするけれども、もう少し断定に時間がほしいと現地から言ってきておりますので、もう少し御猶予を願いたいと、かように考えております。
#100
○説明員(今井博君) ただいまお尋ねのございました労務者の数の問題でございますが、災害発生の当時は七百八十七名の労務者がおりまして、現在、労務者は四百十名になっております。そのうちで、先ほど保安局長が申しました救助に当たる人がこの内数になるわけであります。その残りの労務者につきましては、関係の、関係と言いますか、同系列の炭鉱に配置転換を百四十人いたしました。それから退職者が百七十四人出ております。このうちには任意の退職あるいは長期欠勤の退職等がございまして、それを除きますと、会社の都合で退職した労務者の数は百三十四人、こうなってございます。これは九月二十九日に会社と組合との間に人員整理につきましての協定が成立いたしまして、それに基づいてそういう配置転換その他の措置になったものと、こういうふうにわれわれは聞いております。
#101
○田畑金光君 もうしばらく猶予してくれというお話で、結局、原因がまだはっきりしないとなれば、災害発生の責任の所在は一体どうなのかという問題も当然また不明確で、このまましばらく待ってくれろ、こういうことになってきょうと思うのですが、この責任の所在が明確でないところにいろいろな困難な事態が現実に発生しているし、また、今後も発生するおそれが――おそれよりも、発生すると考えるわけでございまして、この責任の所在という点について、原因がもうしばらくで明確になるならば、当局としても責任の所在ということについては明確に出し得るという自信があるのかどうか、現地からの報告等は、この責任の所在等についてももうしばらく待てば出し得ると、こういう判断に立っておるのかどうか、これを伺いたいと、こう思うわけです。
 また、石炭局長にお尋ねしたいことは、会社都合によって百三十名以上の人方がすでに事故発生後やめていっているわけで、この処遇に対しては、これは解雇予告手当の支給等についてはどうなっておるのか、この辺の事情も明確にしていただきたいと考えます。
#102
○説明員(小岩井康朔君) 現地の監督部といたしましては、もちろん時日をほしいと言っておるからには、私はまあ何やらかの結論をもちろん出すつもりでおるのではないかというふうに考えておりますが、はたして白か黒か明瞭にきちっと出るものかどうかという点については、当方で推察するというわけにも参りませんし、どちらになるものか、私どもの考えとしましても、あの陥没の現場を見まして影響の範囲もなかなかファクターがたくさんありますし、その一つ一つのファクターで事実を固めていくには、やはり相当困難をいたしておるのではないかというふうに見ておりますので、はたして画然とした結論が出ますかどうかについてはかなり私どもも心配いたしてはおりますが、もちろん現地としてはもう少し資料を固めたいと言っておりますので、何らかの方向を打ち出すのではないかというふうに考えております。
 それから予告手当の点でありますが、これはまあ原因につきましては、現地の労働省の方の基準局関係から、原因についてはどうなのかという照会を受けておりますが、もちろんこの面もいまだ決定を見ておりませんので、もうしばらく待ってほしいということで、御返事をいたしておりません。従って、保留になっておるのではないかというふうに考えております。
#103
○説明員(今井博君) ただいま申し上げました、会社の都合で退職した人が百三十四人と申し上げましたが、これは、このほかに任意の退職と、あるいは非常の長期の欠勤の解雇があると申し上げましたが、それを除きました数字でございます。これは、会社の方では十分に今後の就職についてはあっせんの措置をとっておると聞いておりますが、最初は、これは全部やはり自分の方の関係炭鉱に配置転換をしたいということを会社側の方では申し出たそうでありますが、そのうちで、やはり配置転換に従って糒炭鉱へ移ったお方が百四十人ばかりございますが、やはりこの際はこの会社をやめたいという労務者の数が百三十四人と、こういう数字になっておりまして、これについては会社としましては退職金を支払いまして、就職についてはほかの方の、関係外の炭鉱の方に希望者は就職あっせんする、こういうことになったわけでございます。組合との協定の場合にも、そういう事項が一つ入っております。
#104
○田畑金光君 労働災害一般の問題について触れるわけにも参りませんが、この炭鉱災害、ことに坑内の災害は毎年頻発してそのつど国民の注目を浴びていることですが、ところがそのつど当面の糊塗策に終わってしまって、また忘れたころに起きてくるわけです。そこで今日まで幾多の事例があるわけでございますが、たとえば昭和三十二年の東中鶴炭鉱の災害あるいはまた、手元の資料で見ますと、昭和三十五年二月六日の籾井鉱業所の筑紫炭鉱における坑内の出水事故、あるいはまた、ガス爆発の事故で昭和三十四年十二月の三井鉱山の山野鉱業所、こういろいろあるわけですが、私のお尋ねしたいことは、このように炭鉱でしばしば大きな災害が発生して、そのつど当局としては一生懸命にその原因の追及、また、責任の所在について追及されてきておられるが、今日まで起きたこのような事故というものは全部明確な結論が出て、それに基づいて適切な処理を進めておられるのかどうか、この点を承っておきたいと思います。さらにまた、先ほどのお活のように、もうしばらくということでございますが、大体いつごろの見通しで、この問題に関する原因の究明あるいは同時に責任の所在等について結論を出し得るという判断であるのかどうか、その辺の事情を明確に一つ承りたいと思います。
#105
○説明員(小岩井康朔君) 最近炭鉱災害は非常に大きい災害を起こしております。これらの災害の中で御承知のように、ただいま出ました三井の山野、三菱の新入、東中鶴、豊州、江口いずれもガス爆発、坑内出水であります。問題は古洞であります。いずれも古洞の関係から水が出たり、ガスが出たりして爆発を起こしている。災害の種類としましては爆発と出水でありますけれども、いずれもこれらの大災害というものは古洞に関係いたしているのでございます。そこで東中鶴炭鉱、江口と続いてやりましたときに、これはもう古洞の状況というものを、どうしてもできる限り把握しなければいかぬということで、補正予算をいただきまして、古洞の調査に入っているわけであります。しかし、私どももこの古洞の調査はなかなか簡単にいかない。もう掘ってしまったあとで捨てておりますから、現状において完全に把握するということは非常にむずかしい。しかし、むずかしいからもうやらないという態度ではいかぬ。むずかしいけれども何とかこれは把握しなければならぬというので、いろいろ図面なり、ボーリングなりで究明することにいたしているのでありますが、いかんせん現在までの予算は僅少な関係でほんとうのボーリングによる状況調査というものができていないのであります。大体図面の調査ではなかなか本格的な古洞の把握というものができていないわけであります。最近は特にもう炭鉱の坑内が古くなるし、第一鉱区自体が非常に錯綜してわからない。特に豊州炭鉱の近辺ですと三重、四重という接点になっておりまして、非常に鉱区が込み人ってきておる。そこで私どもの保安の観点からだけ見ておりましても、なかなか迅速な効果が上がらない。最近、特に今までは災害の内容もかなり毎年減少して参りまして、保安法の施行当初十八万件ぐらい死亡、重傷、軽傷の災害件数としてありましたものが、現在では約六万数千件というふうに、大体大きく見まして三分の一くらいに減少いたしておるのであります。しかし、これはもう決して三分の一になったからこれで安心だという気持ではございません。さらにさらにこれを減少さしていかなければならぬという気持でやっておりましたけれども、最近の情勢はどうも大手も中小も少しふえるような方向に向かっておるのではないか。もちろん、大手は十二月一ぱいではおそらく昨年よりも減っておる数字が出ると思いますけれども、どうも少し先を見ますと、大手も中小もまたふえていくのではないかという気持がいたしておるわけであります。そこで、特に今後の問題は古洞の問題あるいは鉱区の問題こういった少し関連の問題が非常に私どもの方の政府筋の気持で強くなっておる。そこで省内でも特に石炭局、鉱山局、私の方といわゆる資源三局でいろいろの法律――保安法を中心にしました鉱業法あるいは合理化法あるいは臨鉱法――そういった関連が非常にひしめき合ってきておりますので、こういった各法律の実施の途上遭遇いたしましたいろいろの問題について三局が十分に一つ連絡をとってやっていこう、こういうために省内に災害防止対策の連絡協議会というものを設置しまして、すでにもう会合に入っておるわけであります。大体、月三回くらい以上を目標に随時発生して参ります重要な問題について省内の資源三局の、連絡調整をはかっていくというつもりでおります。災害のあとのこまかい一つ一つの処理としましては、いずれも手落ちのありました場合には関係省を送致いたしておりまして、跡始末をつけておりますが、ごく最近の災害を大ざっぱに見まして、ほとんど大半の問題が古洞問題にぶつかっておる。それから、ごく最近、北海道で起こりました明治の本岐の問題は、これは坑内全部を請負でやっておったというような関係で、これも炭鉱の燃料革命が一つの合理化の一問題として従来になかった非常に広範囲な、二千数百メートルに及ぶ炭鉱の坑道全部が請負者によって行なわれておった、こういうような関係もございますので、こういった請負の保安の問題、請負と鉱業権者との保安の関係、こういったものにつきましても、今後新たな問題として十分早急に検討してみたい、かように考えております。
#106
○小柳勇君 関連して……。今の、保安局長に質問いたしますが、さっき司法調査中と言っておられましたが、検察関係なり、警察関係がその原因調査に乗り出しているかどうか。それに対する保安監督部の連携など御説明願いたいと思います。
#107
○説明員(小岩井康朔君) 私の方の関係で、鉱山の災害の起きましたときには、小さい問題につきましては私の方にその司法関係の捜査はまさかされております。しかし、大きい問題になりますと、やはり私の方も連絡をとりまして、捜査の指揮を受けながら捜査を続けておるのでありまして、形の上では私どもの方で単独にはやっていないわけであります。司法関係と連絡をとりまして、その指示によって動く。従いまして、事故の最後の結末、そういったものにつきましても、十分指示を受けまして、これでよろしいということでありませんと、私どもの方では単独には決定をいたしておらないわけであります。そういうような関係で、事故の大きい場合には、もちろん司法関係からも直接参りますし、問題の小さい場合には私どもの方にまかされて最後までやる場合もありますけれども、問題の大きい大災害にありましては、司法関係の直接の指揮によってやっておるといった方がむしろ実態に即するのではないかというふうに考えております。
#108
○小柳勇君 その司法関係の本部といいますか、その捜査の一番中枢になっておるのはどこでしょうか。
#109
○説明員(小岩井康朔君) 普通は災害の起こりました地区の所轄の地検で指揮をとるわけでありますが、問題によりましては、もちろん検事が出て参ります。しかし、豊州の場合にはまだ具体的にどうという大きい動きはございませんので、私どもの方で監督官が検事その他と相談をいたしまして、司法捜査を続けておる、こういうわけでおります。
#110
○小柳勇君 私も実は司法調査の調査中であるという発言を聞きまして、現地の情報等を聞きましても、活発にまだ検事等の動きがないわけです。そこで十分な連絡があるものと思って伺ったのですが、六十七名が埋没されて死体もあがらないという情報です。普通なら、一人の殺人がありましても、捜査本部を作って事件の真相の究明をやるわけです。六十七名もの犠牲者を出した大きな事故に対して、保安局だけで調査をしておるということについては解せないわけです。そういうことで司法調査についても調査中であるという点究明したわけでありますが、これはいずれ法務の問題でありましょうけれども、いま少し詳細な現地の実態を保安局で把握してもらいたいと思います。私ももちろん現地を調査いたしますけれども、そういうことがきょうこの社労委員会で問題になったということを検察当局にお伝えになって、直ちに調査態勢についても万全を期していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
#111
○田畑金光君 私、先ほど伺いましたことは、局長に端的に一つ答弁をしていただきたいのですが、今まで幾多の炭鉱の災害、坑内の事故が発生しておるわけですが、一体これらの災害について結論的に原因が何であり、それに伴う責任はどうなければならないか。こういうようなすべての災害について締めくくりがついておるのかついていないのか、それが第一にお尋ねした点です。
 それからまた、御答弁を聞いておりますと、古河々々というお話で、古洞という話になってきますと、これは明治時代からの古洞だから、古洞ということになってくれば、なかなか、そこに責任がぼやけてくる。昭和三十三年以来五カ年計画で政府は古洞の調査を進めておられるわけです。ところが、予算が僅少だからはかどらないというお話ですが、これだけ毎年数百に上る人命を失っておる。尊い犠牲を払いながら、予算の面でも八百万前後で、いつも毎年々々糊塗策に過ごしておる。ほんとうに人命を尊重する気持があるならば、古川調査の予算の面等においては、もっとそれは政府の措置として思い切った予算措置等もなさるべきであるにかかわらず、予算が僅少だからなかなかはかどらない、しかも古洞というものはもう責任の所在が明確でない、こういうような形で逃げていっておるわけです。あるいはまた、盗掘によるから保安法上の責任が追及できない、こういうようなことになってきますると、結局事件が起きたら、そのまま責任の所在が明確ならざるままに見過ごされる傾向が今日まで続いておるので、これではこのような災害を防止するという熱意が、あるいはほんとうの努力が欠けているわけでございまして、この点について今までどうであったかということを私明確に承りたいわけです。
 それからこれは基準局長の問題になるかと思いまするが、先ほどお尋ねいたしました百何十名か現に解雇になっておるわけで、こういう人方の解雇予告手当はどうなっておるのか。あるいは、現に休業しておる人方もあると思うが、休業手当等についてはどうなっておるのか。この間、私の内閣に対する質問に対しまして、その答弁書を見ますと、現在会社側においては見舞金として一律二万円、その後月約一万円の生活補給金を遺族の方に支給すると、こういう答弁でございますが、この生活補給金というものは一体どういう性格のものであるのか、この点。さらに労災保険の遺族補償等について、これはその後の処理がどうされておるのか、この点を一つ承っておきたいと考えます。
#112
○説明員(小岩井康朔君) 私の方の災害のあとの処置をお聞きのようでありますが、たくさん大災害がありまして、たとえば東中鶴の坑内出水のごときは、これは関係者がほとんどなくなってしまっておりますので、当時の租鉱権者は鉱業法並びに保安法の違法関係で送致をいたしております。それから江口の出水関係も、保安管理者以下関係責任者は送致をいたしております。それからまあたくさんございますが、災害のあとの処理としましては、原因を究明して、そして責任者は処分すると同時に、たとえば東中鶴のごときは、もう租鉱権はやめさせまして、現在は大正鉱業の鉱区に戻って、大きな計画のもとに操業を進めております。それから江口の炭鉱のごときは、出水いたしましたところは放棄いたしまして、別の個所について今後あぶなくないようにという十分な施業案の審査に基づいた内容によって操業を続けておると、こういうようなわけであります。
 それからまあ全般についてこまかく申し上げますと時間がかかりますので、大災害につきましては、十分原因を究明して、そしてそのあとの処置をとっておるつもりであります。で、これらはいずれも古洞にぶっつけて坑内出水を起こしたというような実例は、御承知のように、ほとんど中小であります。従って、大手の程度の保安観念でやってもらえば、これはもう当然防げるわけであります。ただ中小はいかんせん、鉱区が何回も権者が変わっておったり、形が変わったり、増区減区をいたしたりして、非常に鉱区の変化が激しい。そういうような点で、直ちに技術が劣るという点ばかりではございませんが、技術ももちろん大手と比べれば落ちますけれども、鉱区そのものが非常に変転きわまりなくて、隣の鉱区の実情も十分にわからないというようなために事故が起こっている。そこで私どもは、少しでもやはりあぶないと思われるような坑口につきましては、出水指定坑口というレッテルを張りまして、特別にあぶないような面に坑道を進めていくような場合には、先進さく孔その他の方法をとらしておるわけであります。これは、従来三十三年の一月ごろにはわずか三十数坑しかなかった指定坑口を、現在三十五年の十月には二百十二坑に及ぶような非常に強硬な坑口指定を敢行いたしておるわけであります。また、坑口指定によって先進さく孔をやるような場合にも、なかなか中小では十分な先進さく孔ができない。従って、機種をきめて、そうしてできないところには講習会を開き、でき得る限り先進さく孔の実施が実際にできますようにいたしておりますつもりでございます。しかしまあ、なかなか、いかんせん鉱区が複雑になってしまって、隣鉱区の状況も十分に把握できないので、特に危険の多い炭鉱は、この指定坑口をさらに一そう強化する必要があるのじゃないか。場合によっては付近に川だとか溜池だとか水量を多量に持っておるような坑内は、浅い深いにかかわらず、でき得る限り旧坑その他の関連を見て、指定坑口をふやし、そしてまあ仕事はだいぶ手数もかかり、経費もかかりまするけれども、先進さく孔の効果を何とか実現さしていく以外にはないのではないかと、かように考えております。
#113
○説明員(今井博君) 古洞の調査の件は、保安局長からの要請を受けまして、石炭局で調査を実施いたしております。現在のところ約二分の一程度の調査が完了いたしております。調査の方法といたしまして、実は非常に緊急で急ぐ場所とそうでない場所に分けまして、これは予算の関係、人間の関係もありましてそういうふうに分けた次第でありますが、主としてやはり採掘場所に一番近いところに重点を置きまして、この古洞の調査を実施いたしまして、田川地区の古洞の調査は三十四年の九月に実は実施いたしております。地区としてはやはり重要な地区でございますので、先に実施をいたしております。ただこの場合に採掘の場所を中心に古洞を調査いたしましたので、採掘場所の近くの古洞は発見いたしましたけれども、採掘場所からこれは離れておりまして、地上から割合浅いところにあった古洞の関係で、われわれとしては実は、第四類ということで、あとで調査するという部類に入っておりまして、そのときの調査では発見できなかったことは、非常に実は残念に思います。今後は、採掘場所の近くでなくても、離れておりましても、川がありますとか、あるいは沼がありますとか、そういう場所に関するところにつきましては、これは来年度はボーリングを実は当然実施をしなければいけませんので、そういうところは特に重点を置いて今後もやるつもりでおります。
#114
○説明員(村上茂利君) お尋ねの問題のうち、労災補償の支払いの問題がございましたが、労災補償の遺族補償費の支払いに関しましては、法律上給付制限の問題が関連いたしておりますが、年末を控えまして、被災労働者の家族の生活実態も相当窮迫しているかと存じますので、とりあえずの処置といたしまして、使用者の重大な過失があるかどうかという点は別にして、半額の遺族補償費を至急支払うように、目下地方に指示しておる次第であります。ただ手続といたしまして、補償費の請求をなす場合には、死亡診断書、あるいは労働者の死亡を証明する適当な書類を添付することが必要とされておりますので、警察機関、あるいは市町村長その他適当な公の機関に、この労働者の死亡を証明する資料を作成していただきまして、至急遺族補償費の請求手続をとってもらうように指示した次第であります。
 なお、重大な過失があるかどうかという問題につきましては、先ほど来鉱山保安局長から御答弁申し上げておりますように、目下調査中のことでございまするので、それが確定次第、残余の半額につきまして支給すべきものは支給する、こういう措置を遅滞なくとりたいと、かように思っておる次第でございます。
 なお、解雇予告の問題、休養手当の問題がございましたが、これは私直接所管いたしておりませんので、私が答弁するのはいかがかと存じますが、参考までに申し上げますると、福岡局におきましては、解雇予告の問題につきましては、御承知の基準法第二十条のただし書きで、天災、事変その他やむを得ない事由のために専業の継続が不可能になった場合に即時解雇の例外措置が認められておるわけでございますが、この点の適用につきましては、福岡労働基準局といたしましても、いわば例外規定の適用という問題でございまするので、厳正、適正にこの運用をなしますように慎重に問題を検討しておるというふうに聞いております。私の所管に属しておりませんので、この程度で御了解をいただきたいと思う次第でございます。
 なお、見舞金等の問題につきましては、どのような性質のものか――これは事業所側の意思を確認しておりませんので、明確なお答えを申し上げることはいかがかと存じますけれども、従来この種見舞金の取り扱いにつきましては、私どもは、物的、精神的な両面に対しまするところのいわゆる見舞金、精神的な慰謝料的なものも含むものというふうに判断をいたしておりまして、必ずしも災害補償的な、労災補償的な意味の補償と完全に重複するものではない、精神的な慰謝料的なものも含めた見舞金と、こういうふうに考えておる次第でございます。
#115
○田畑金光君 要点だけ質問いたします。そこで、私鉱山保安局長に念を押してお尋ねしておきたいことは、いろいろ原因調査の結果、責任がはっきりすればけっこうですが、はっきりしないとなれば、これはいろいろな面に影響するわけです。かりにこれが、いわゆる盗掘の理由によって坑内災が発生したとか、あるいはもう明治時代の古洞が原因になってきたとか、こうなってきますると、鉱業権者の責任等についても、これは相当軽減されてくる、こういうようになってきますると、死体収容の作業等においても、しばしば答弁されておるように、法的強制力がないんだと、こうなってきますると、一体、もし鉱業権者が協力しないということになってくれば、どういうことになるのか、その場合政府はどういう措置によって解決されようという御意思であるのか、これを明確に承っておきたいと、こう思うわけです。
 それからもう一つは、今の労災部長のお話でございますが、とにかく遺族補償について半額は支給された、責任の所在が明確になると同時にあと半額を支給すると、こういうようなことでございますが、現実に死体の収容ができなくても、死亡したということは確定される現実でありまするし、遺族の困っておる立場を考えるならば、全額補償措置をやって、責任の明確化に応じて、また、鉱業権者から回収するなり、その他の措置等も講ずるという便宜的な方法も考えられるわけでありますが、それはいろいろ法律的な労災法の建前から困難な事情があるにいたしましても、何かその辺もっと弾力的な措置というものが考えられないかどうか、これを承っておきたいと思います。
 さらに私石炭局長にお尋ねしたいことは、豊州炭鉱はすでにこの事件の発生前に、例の炭鉱合理化臨時措置法に基づいて、事業団に売山の申し込みをしているわけです。一体これはいつごろ申し込んだのであるかどうか。売山をするような山であると、どうしても保安の面においてルーズになってくることは、まあこれは常識だと考えておりまするが、私はこういう面にやはり今回の災害発生の一つの原因があったのではなかろうかと、こういう感じを持っておるわけですが、この点はどのようにお考えになっておるか。これは鉱山保安局長の所管でしょう。そこで、売山の申し込みをいつごろしたか、現在それはこの事故発生後取り下げたのか、あるいはそのまま継続しておるのか、もし死体収容のなされないままに売山されるということになってきますと、これは大きな社会問題だと、こう考えるわけです。合理化法に基づけば、それは事業団としては、成規の手続を踏み、法にかなっておるならば、これは受け付ける、あるいはまた、認定をして山を買い上げるということもできるでしょうが、しかし、そういうようなことがもしあるとすれば、これはゆゆしい人道問題であると考えるわけでございまするが、この点について石炭局長はどのように指導なさっておられるのか、事業団としてはこれを買うような気持でおるのかどうか、あるいはこの事業団に対して石炭局長としてはどのような指導行政を進めてこられておるか、これを一つ明確に承っておきたいと考えます。
#116
○委員長(吉武恵市君) 政府当局にお願いしますが、御答弁は簡明に願いたいと思います。
#117
○説明員(小岩井康朔君) 現在鉱業権者は、先ほど来御説明いたしておりますように、私ども予定の仕事をフルにやっておりますので、政府といたしましては、この力をゆるめないように継続さして参りたいと、かように考えております。先ほどのお話のように、法の強制力がないという点を御心配のようでありますが、もちろん法でどうということはむずかしい問題でありまするけれども、もちろん徳義上の問題もあり、地方においては相当名前の通った方でありますので、現在も他炭鉱の経営もいたしておりますし、いろいろな面から見て、私どもの考えを当分継続してもらえるものと、かように考えております。その後いろいろな問題が発生して参りますれば、適当な時期を見まして一つ何らかの方向を見出したいと、かように考えております。
#118
○説明員(今井博君) 事業団の買い上げの申し込みは、一月の末に申し込んでおります。それから以後は取り下げておりません。そのままになっております。それからこういう大事故があった関係もございますが、とにかく死体の収容という問題の件について、この問題が落着しない限り、事業団としてはこれを取り上げていろいろ調査するというわけに参らぬと思います。私は先生のような御趣旨に沿って、事業団の行政指導をいたしております。死体の問題が落着するまではこれを取り上げないように、こういうふうに行政指導をいたしております。
#119
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#120
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#121
○説明員(村上茂利君) 給付制限の問題でございますが、労災保険法十九条にございます、使用者が故意または重大な過失によって事故を発生させた場合には、給付制限をするという建前は、建前を変更いたしまして、全額支給するという扱いは困難であると存じますが、ただ遺族の生活困窮の問題につきましては、半額支払いましても、十数万円、あるいは数十万円の遺族補償費が、とりあえず遺族に支給されるわけでございますので、それによって、当面の生活を維持していただきまして、できるだけ早く重大なる過失があったかどうかという点についての結論を得まして、私どもとしては遅滞なく支払うように処置を講じたい、かように思っております。
#122
○小柳勇君 ちょっと関連して。簡単に、整備事業団の買い上げが九月中旬に決定したということを理解しておりますが、その点どうかということと、それから指示された時期と支払いの時期がいつであるか、御答弁願います。
#123
○説明員(今井博君) 九月の何日かに決定したということは全然事実でございません。これは九月の何日かに炭鉱の方に通知を出しまして、その通知は、買い上げのワクをこの前の機会で六百三十万トンに引き上げておりますので、そのワク内に入っておるという旨の通知を、これは豊州炭鉱のみならず、買い上げの申し込みをしておる炭鉱に全部通知をいたしましたので、それが誤り伝えられておりますので、現地調査の結果、全然そういう決定はございませんです。
#124
○説明員(村上茂利君) 年内に支給するように、福岡労働基準局に指示をいたしております。
#125
○藤田藤太郎君 予鈴の鳴っている中で質問を始めるというのは、少し無理です。だから私は控えますが、ただ、私が非常に残念なことは、厚生省が予算書を出して、予算に対する質疑ができない。国保の問題、生活保護の問題、これは私は質問書を厚生省へ、この局へ出しますから、できたら、それに答えていただくということで、委員に配付していただいたらけっこうだと思います。そうするしかしようがないと思います。ぜひ一つ社会局と保険局は、私は質問書を出しますから、それに答えてもらいたい。簡単に言いますと、国保の関係、社会局はまだできていませんが、今後国保がどうして、今進んでいるかどうかということも明確でありません。それから来年からやるところに、事務費が非常にかかってやれないというような問題がたくさん、問題のネックになっておったり、いろいろ重要な問題がありますから、ぜひそういう問題を詳細に書いて委員に配っていただくように、あとで出しますから、それで終わります。
#126
○委員長(吉武恵市君) 本件に関する本日の質疑は、この程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これにて散会をいたします。
   午後一時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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