くにさくロゴ
1960/12/21 第37回国会 参議院 参議院会議録情報 第037回国会 外務委員会 第3号
姉妹サイト
 
1960/12/21 第37回国会 参議院

参議院会議録情報 第037回国会 外務委員会 第3号

#1
第037回国会 外務委員会 第3号
昭和三十五年十二月二十一日(水曜
日)
   午後一時二十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           青柳 秀夫君
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           森 元治郎君
   委員
           笹森 順造君
           苫米地英俊君
           永野  護君
           野村吉三郎君
           加藤シヅエ君
           小林 孝平君
           佐多 忠隆君
           羽生 三七君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
  政府委員
   外務政務次官  津島 文治君
   外務大臣官房長
   事務取扱    古内 広雄君
   外務省アジア局
   長       伊関佑二郎君
   外務省アメリカ
   局長      安藤 吉光君
   外務省条約局長 中川  融君
   外務省国際連合
   局長      鶴岡 千仭君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       渡辺 信雄君
  説明員
   外務大臣官房外
   務参事官    北原 秀雄君
   外務大臣官房会
   計課長     吉田 健三君
   外務省経済局次
   長       高野 藤吉君
   外務省経済局外
   務参事官    白幡 友敬君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○在外公館の名称及び位置を定める法
 律等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
 (国際情勢等に関する件)
○継続調査要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 この際、小坂外務大臣及び津島外務政務次官から、それぞれ就任のごあいさつをしたいということで発言を求められておりますので、これを許可いたします。
#3
○国務大臣(小坂善太郎君) このたび第二次池田内閣が成立いたしました際、私も外務大臣に任命せられました。まことに重要な職務でございますので、全力を尽くして努力いたしたいと考えております。
 しかしながら、御承知のように、まことに若年短才なものでございますので、何とぞ皆様方の御協力、御鞭撻をいただきまして、この重要な職責を全ういたしたいと思っておる次第でございます。何とぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
#4
○政府委員(津島文治君) このたび、はからずも外務政務次官の軍費につくことに相なったのでございますが、もとより浅学非才のものでございます。従いまして、一にも二にも各位の御指導、御鞭撻を願わなければ、この重大な職責を果たし得ないのでございます。何とぞよろしく御指導、御鞭撻を賜わりますようお願いを申し上げます次第であります。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(木内四郎君) それでは、まず、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、政府の提案理由の説明を求めることにいたします。
#6
○国務大臣(小坂善太郎君) 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 この法律案におきましては、さきに独立しましたナイジェリア及びコンゴーにあります各領事館をそれぞれ大使館に種類を変更することといたしております。
 ナイジェリアは、去る十月一日に英連邦内の一国として独立したのでありますが、わが国がラゴスに設置いたしております領事館は英国政府の同意に基づきまして設置いたしたものでありますので、ナイジェリアの独立とともに、先方政府に対し、在ラゴス日本国領事館を大使館に種類変更いたしたい旨申し入れましたところ、同国の総理録第三号大臣から同意を得たものであります。
 ナイジェリアは、わが国にとりましては、アフリカ最大の輸出市場であり、昭和三十五年度の輸出額は四千七百五十万ドルに達しております。また、同国は、高度な自治組織を持っており、独立後は西アフリカにおきまして指導的な国の一つとなっておりますし、かつ、国連加盟後は、アフリカ地域にある独立国の増加に伴いまして、国連の票数が著しく増大したA・Aグループの有力な一員としまして、国連内でも相当強い影響力を持っておりますので、わが国の対アフリカ並びに国連外交を円滑に推進するためにも、ナイジェリアとの連絡を密にする必要があるのであります。なお、従来ナイジェリアに総領事館等を置いていた各国も一斉に大、公使館を設置する手続をとっている次第であります。
 コンゴーは、去る六月三十日独立いたしましたので、わが国といたしましても、直ちに在レオポルドヴィル日本国領事館を大使館に種類変更いたしまして外交関係を設定いたしたい旨、同国政府に申し入れておりましたところ、独立直後御承知の通り暴動事件が勃発いたしましたので、先方政府の回答が本年八月五日に至りようやく同意する旨の通知が参ったような次第であります。その後同国内の治安事情もやや好転し、国連の加盟も認められ、また最近に至り、その代表の議席も確定いたしたような次第であります。
 同国との貿易状況につきましては、独立前は、輸出額約六百二十万ドル、輸入額約三十五万ドルという状況でありましたが、政情安定すれば、わが国にとりましては、非常に有利な輸出市場として発展するものと思われます。
 以上のような理由によりまして、両国にある領事館を変更いたしまして大使館を設置するための法的措置といたしまして、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正すると同時に、これらの大使館に勤務する職員の在勤俸の額を定める必要がありますので、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律にも改正を加えることとし、これら二つの法律の一部を改正するための法案として、本法律案を提出する次第であります。
 何とぞ本案につき慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いします。
#7
○委員長(木内四郎君) それでは、これより直ちに質疑に入りたいと存じます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#8
○笹森順造君 きょう配付いたしました資料の中に、「新しいアフリカ」という地図が出ておりますが、この地図でけっこうですから、大体今までアフリカで日本が大使館を設けておられる国、それから、その大使館の所在並びに各国にすでに設けております領事館の所在地、それを一応地図で教えていただいてさらに、今ナイジェリアとコンゴー共和国の領事館を大使館にしようということ以外に、近い将来に、すでに独立した国々に対してそういう措置をしようかと研究しておる国がありましたならば、一応そういう構想の御説明を願って、私どもの審議の基礎にさせていただきたいと思います。
#9
○説明員(北原秀雄君) 官房長が病気で、ちょっとおくれましたので、私からかわりましてお答え申し上げます。現在サハラ以南には、エジプト、ガーナにすでに大使館を持っておりましてプレトリアに総領事館一つ、それから、本日問題になっておりますラゴス、レオポルドヴィル、それから東アフリカのケニアのナイロビに領事館、つまりサハラ以南の膨大なる地域に六館、在外公館を現在有しております。それから、ニアサランドのソールスベリー、南ア連邦の北の方でございますが、ここに一月から総領事館を設置することになっております。そこで、今回十七の独立国ができましてこれら新興独立国にどういうふうな在外公館の配置を将来行なうかという問題に関しましては、大体大きく分けまして、旧英領系の植民地と旧仏領系の植民地と、こういう二つの大きな種類に分け得ると思うのでございますが、まず第一に旧仏領の方、これは、西アフリカの方をごらん願いまして、セネガルの首府のダカール、ここはもともと相当大きなフランスの軍港でございましたし、第二次戦争中、これが連合軍の供給基地として非常にりっぱな大きな町になっております。わが国の商船も、年に相当の数がここに寄港するわけでございますが、セネガルのダカールに、来年度の予算要求といたしまして、大使館設置方を要求いたしております。それからスーダンでございますが、エジプトの南の国で、これは、実は法制上は公使館があるということになっておるのでありますが、まだ予算措置が完了しておりませんので、これは、実は通商上の非常に大きな重要性からいたしまして、ここに来年度大使館を置くということで、予算の要求をいたしております。来年度以降の問題につきましては、東アフリカにつきましては、ケニア、ウガンダ、タンガニカというのが英領系の大きな植民地でございます。保護国ないし信託統治領でございますが、これのいずれか、現在ありますナイロビを、あるいはケニアがそれまでに独立いたしますれば、これを大使館に昇格するのも一つの考え方かと存じます。あるいはタンガニカが、これが信託統治地域でございまして、来年の三月に、たしかこの信託統治地域から独立国への過程の問題を相談する会議が行なわれるわけでございますが、いずれにせよ、来年度中にはタンガニカは必ず国連の手によって独立するということになっております。現在のところ、東アフリカにおきましては、タンガニカのみを先に独立さした場合に、ケニア、ウガンダのいゆわる民族独立運動というものをかえって刺激しやしないかというふうなことで、この三十六年度の独立の時期を調整しようという動きもあるようでございますが、いずれにせよ、タンガニカが早くなりました場合には、それの首府のダル・エス・サラームに大使館を置くか、あるいはしばらくダル・エス・サラームの方を領事館にいたしまして、ケニアの独立しましたときにナイロビに大使館を置くか、大体これは、情勢の推移と見合わせて決定すべきものと考えております。それから、西の方に回りまして、旧仏領でございますが、象牙海岸以下オート・ボルタ、カメルーン、ニジェール、チャード、スーダン、非常にたくさんの国ができているわけでございます。大体私ども研究いたしました結果によりますと、象牙海岸の首府のアビジャンというのがございます。これがこれら諸国の、何と申しますか、一つの政治的な中心地になっておりまして、御存じのように、モーリタニア問題の場合も、アビジャンでこれら諸国が集まりまして、一つの統一された見解を出しているわけでございますので、来々年度におきましては、一応アビジャンに大使館を置くという可能性も考えておるわけでございます。そのほか、先ほども申し上げましたソールズベリーでございますが、これがやはりニアサランド、ローデシア連邦、どういう形になりますか、二つに分かれますかどうかは別として、一、二年の間には必ず独立すると思います。そのときには、自動的にソールズベリーは大使館に昇格するということをお願いすることになるのではないかと思います。
 大体こういうのが私ども現在において考えております予想でございますが、国の数が、おそらく今後二、三年の間に新たに独立いたしました十七に加えまして、四つないし五つぐらいふえるのではないか、七つぐらいにはなるのじゃないかと思います。しかしながら、公館といたしましては、全部に置くようなことはとうていできませんし、実際できてもございませんので、先ほど申し上げましたような計画に従いまして、地域別に一つの大きな拠点を作っていくのがいいのではないか。たとえば、西アフリカにおきましては、ナイジェリアのラゴスを大きな拠点として考える。東の方は、ダル・エス・サラームあるいはナイロビを拠点として考える。そこにできる限りの専門家等も置きまして、積極的な外交施策を進めていきたいというふうに考えております。
#10
○笹森順造君 今の御説明で、大体お尋ねしたいということがおわかり願ったと思うのでありますが、そこで、きょうの主題に入ります前に、もう一つだけお聞きしておきたいのは、この日本の対アフリカ外交ということについては、外務大臣が就任された後に、ときどき発言せられて、非常に重要視しておるということを言っておられますが、日本の外交が従来のヨーロッパ諸国、南北アメリカ諸国あるいはアジアの諸国に対して相当力を入れてきておったのだが、アフリカに対しては、どっちかというと、手が伸びていなかった。また、その必要性もあまり感ぜられなかった。あるいは必要性があっても、向こうの方の受け入れ関係が十分でなかった等の関係からして、日本の外交関係というものは手薄だったということは、これは事実であったろうかと思います。しかし、今後日本が国際連合で活動する上において、あるいはその他いろいろな将来の経済外交を進める上においてあるいは世界の平和外交を進める上において、いわゆるAAグループの中に入って日本がある種の地位をもって進もうという場合には、やはりアフリカ外交というものを重要視すると言われた外務大臣の心がまえは、私はその通りけっこうだと思うわけであります。そこで、今も事務当局からお話がありましたように、独立国がどんどんできていったからといって、各国にすぐ相互に在外公館を置き得るという状況にはなり得ないだろうし、またその必要もなくて、重点的にどこにやろうということも、それは、考えとしては私どももわかるわけでありますが、全体的に、やはり在外公館を置くのについては、相当な費用と人材とをここに配置するということの用意が外務省になければならぬと思うわけであります。そこで、大へん抽象的ですけれども、そういう人材養成と、それから在外公館をどういう工合にするか、そういう抱負を、この前のただ重要視するのだということだけでなしに、具体的に、こまかいことは言わなくても、どういう気持で一体外務大臣がこういうところに臨んでいかれるのか、その方針が根本になって、今後私どもが審議する経費の問題等も出てくると思いますので、一応外務大臣からお答えを願いたいと思います。
#11
○国務大臣(小坂善太郎君) アフリカの新しく独立して参ります諸国が共通して悩みとしておりまするところは、独立に伴う国としての骨格をいかにして発展さしていくかという問題、それから、経済的に貧困から脱却する方法いかんという問題であろうと思うのであります。
 私どもは、まずこの新興国が国連に全部加盟して参りますのでありまするから、国連の代表部におきまして、今年度の国連の運営中にいろいろな面でごめんどうを見るように心がけてやったのであります。その結果は非常によろしくて、非常に日本人というものに対しての尊敬並びにこの協力を得たいという気分は大きく広がってきつつあるように考えておる次第でございます。とにかくわれわれとしては、いろいろな領土的な野心はもとより、あるいは経済問題を通じて隷属下に他国を置くというようなことを全く考えていないという点が、これは非常に新しく独立する国にとりまして魅力のようでございますし、われわれは、そういう国としての一つの考え方をこれらの国の諸君に浸透させるということは、国連の場においては非常に有効であろうと思う次第であります。
 ただいま政府委員から申し上げましたように、この広大な領域に非常に多くの国ができてくるわけでございますけれども、その一つ一つに全部在外公館を置くということは、経費の上からいいましても、また交通等の関係もあり、また気候風土の関係もあって、なかなかむずかしい面もあるわけでございますが、特徴的なものをとらえて、たとえばアイボリー・コーストのアビジャンあたりですね。この地域のものは寄ってくる。あるいはケニヤ、ウガンダ、タンガニカというようなものは、やはり従来から一つの関係になっているから、地域的な特徴をとらえて、公館を設置して参るようにいたして参りたいと思っておりますことは、ただいまお聞き及びの通りでございます。そこで、そういうふうな場所を選んで参りまするが、何といたしましても、率直に申して、非常に気候風土が、日本人としてそこへ行ってもらう人には困難な面が多いという問題がございます。そこで、こういう所に行ってもらう人については、やはり特別のバケーションの期間をある程度置いて、そしてしょっちゅう世界の動きに触れ、また自分としても勉強するような、そういう制度を作って持って参りたいというふうに考えておる次第でございます。それから、何といっても文明、経済繁栄ということに対しての強い欲望を持っておるこれらの国の指導者をできるだけわが国に招聘する、いわゆる招待外交と申しますか、そういう方法もとって参りたい。この面の予算等については、特に先生方のお力添えをいただきまして、確保をいたして参りたいと思うのであります。
 それから、その前に申し上げました点では、従来これは、この東南アジアの一部の方においてそういう問題があるのでございますが、やはり今までの惰性と申しますか、非常に文明豊かなる地域に出ていた外交官に対する規定と、この非常に気候、風土の困難な場所に出ておりまする外交官に対する扱い方の規定とは、ほとんどまあ差がないというような扱い方になっておりますので、こういう所へどんどん人材が行けるような、そうした予算的な措置をしてみたいと考えておりますので、これまた一つ、政治的な意味で、先生方の御支援をお願いしたいと考えておる次第でございます。
 さらに、この若手をできるだけ養成いたしまして、何と申しましても、日本人の知恵あるいは学識というものは高く評価されるのでありまするが、その表現の方法がきわめてまずい。言葉が率直に言ってまずいのでありますので、若い外交官諸君にできるだけフランス語なり――まあこれらの新しい十七独立した国は、全部フランス語を話す国でありまするから、そういう言葉の練達な人もできるだけ養成して参りたい。また、イギリス系統の国ももちろんたくさんあるわけでございまするから、そうした語学を若い人にうんとたたき込むというような方針を特に強調して参りたいと思っておるような次第でございます。
 また御質問に応じまして、足らない点は補足いたします。
#12
○笹森順造君 そこで、きょうお出しになりましたこの法律案に直接関係して、二、三お尋ねいたしたいと思いますが、今大臣のお話のように、いよいよ在外公館を設置する、あるいは昇格するという場合に、ほかの地方と変わった状況において、気候、風土の変わった所にりっぱに活動ができることになるためには、いろいろな特別な配慮が必要だ、実はそれを痛切に感じておるわけであります。特に、ずっと北の方とか、ずっと南の、そんなに暑いとか、あるいはまた衛生的な環境が悪いとかいうようなことではないような所もありますわけでありますが、特に赤道直下あるいはその周辺は、非常な暑さと、いろいろな病気その他の環境衛生の不備のために困るということが、健康上いろいろな支障を来たして、事実そういうことがあると思うわけです。ところが、それに対しては、やはり相当な休養の機会を持つということを大臣もお話しになりましたが、むろんそれも必要でありますけれども、特にこういう地方で、西欧の諸国が今まで地位を確保しておりました所で活動しておる所では、白人の行く所でないと言われたにもかかわらず、現在はりっぱにやはり白人が活動している。それは、やはり現代的ないろいろな施設、設備ができている、どんなに夏のまん中、赤道直下でも、その家屋の構造なり、あるいは家屋内におけるクーラーの施設なり、いろいろな現代的なものがありますために、やはり相当に活動ができるようなことになっている。そういうことが特に私は、日本の在外公館で、今大臣がお話された、ほかの気候、風土のよろしい所と違った特別な費用というものが必要であると思うのです。単にそれは給与の差を考えるばかりでなくて、そういう建物ということに対しては、どうしてもこれは考えて上げなければならぬと思うわけでありますが、そういうことに対して今すぐ領事館が大使館になるとした場合に、やはり向こうは、今までの領事館に対する考え方と変わった考え方でその国も臨んでくるだろうし、諸外国の人もそれに対すると思う。今度の二つの提案されたものの中に、おざなりの、ただちょこっとして名称を変えるということばかりでなく、根本的に大使館らしいもの、何も特別目立ちそうな建物あるいは敷地でないにしても、それらに必要なものだけでもやはりこの中に入っておるのか、ただ給与のことだけの格上げだけを考えておるのか、これはこまかい事務的な点になりますので、事務当局の人でもよろしいから、この辺のお答えを大臣の今の話を加えて説明していただきたいと思います。
#13
○政府委員(古内広雄君) 現在お願いしております、この二つのコンゴーとナイジェリアの公館を大使館にいたしました場合にも、館員のあるいは事務をする場所、館員の住み家が、そういうやはり暑い所だから、十分考慮した方がいいという御意見、大へんありがたく承りました。ただ、今回は大使館に一応しましてすぐやりますことは、現在使っておる建物なり、それを利用してまず発足するということで、おっしゃいました諸点については、われわれも非常に考えておりまして、来年度の予算の際に、それを十分考慮に入れて今予算を折衝しておりますので、来年度の予算の御審議の際に、ぜひとも御厚意のある御配慮を仰ぎたいと思っておる次第でございます。
#14
○笹森順造君 今の話でははなはだ不満足なお答えだと思いますが、来年度の予算がもう目の前にあるので、これを出したならば、やはり相当な額で、思い切ったことを外務省でやっていただかなければならないと思うので、これは一つさらに力を入れていただきたいと思います。
 なお、それに関連して、この二つの公館が昇格することによって、人員が一体どうなるのか。必ずしも大使館だから大ぜいの人員を必要としないとしても、やはりそこで、今までの人員の増加なり、あるいはまた異動なりということについてもしも説明ができるならば説明していただきたい。それは、領事館が大使館になるということであれば、やはりそれに相応した仕事の壁も変わってくるだろうし、また、仕事の質も変わってくるでありましょうから、その人員の、人のことは、たれがするということでなくて、員数の関係なり、あるいは仕事の所掌の異動なりについての概略の説明が願えたら、説明願いたいと思います。
#15
○政府委員(古内広雄君) 人員の増加につきましても、来年度の予算に考慮していただくことにして、今交渉を進めております。大蔵省と折衝しておりますが、ナイジェリアの場合においては、現在の四名から二名増員、それからコンゴーの場合は、現在の数から三名増員ということで大蔵省と折衝しております。
#16
○笹森順造君 それから、このきょうの説明書の中にあります特にコンゴーのことでお尋ねしたいのですが、第三ページにある、先方の政府の回答が、本年八月五日に至り、ようやく同意する旨の通告が来たというのでありますが、これは、今失脚しておる、権力を失ったルムンバが政権を取っておったときのことだと思うのですが、そうでございますか。
#17
○説明員(北原秀雄君) お答え申し上げます。
 実は、六月三十日独立の記念式典のときに、特派大使においで願いましてそのときに、正式に、独立と同時に大使館に昇格いたしたいという旨を申し出たわけでございます。先方とは、もちろん事務的にはその前から非公式に折衝いたして参ったわけでございますが、先方も、できる限り早い時期に、将来日本にも大使館を置きたいという希望を述べておりました。ただ、不幸にいたしまして、七月四日から例の暴動が起こりまして、全くその後大使館設置に関します交渉はそのままとぎれておったわけでございます。説明書に書いてございますように、八月に至りまして、先方からその承諾が参ったわけでございます。そこで、外務省の設置法上、こういう場合を予想いたしまして、特別に政令で大使館に昇格するという方法も法制上は開かれておるわけでございますが、何分にも現地の状況が不安定でございますので、当分情勢を見て参りました。幸いにして国連におきましても、大体そのコンゴーのステータスもきまりまして、現地におきましても、領事よりの報告によりまして、大体落ちついてきたということでございますので、今回特別国会に承認方をお願いしたわけでございます。
#18
○笹森順造君 今それはわかっておるわけなんですが、先方の政府、同意する旨の通告が参ったという相手方がたれであったかということを懸念して聞いているのです。たれが向こうで同意したか。
#19
○説明員(北原秀雄君) これは、現地の松百原領事がコンゴー政府当局とずっと折衝して参ったのであります。
#20
○笹森順造君 その政府を聞いている。その代表はたれであったか。
#21
○説明員(北原秀雄君) 最初の申し入ればルムンバ政府でございます。それから、許可が参ったときには、ルムンバはすでに失脚していたと思います。
#22
○笹森順造君 そういう今の話だと思うのですが、そこで、むろんこれは、外交の関係上、政府が変わっても、日本の国が相手国が政府の権能を持っているものと認めて交渉すればいいわけでありますが、この先方の政府の回答という、その政府を一体今日本はどういうものを認めているのか。今の話では、やや好転して国連でもそれを認めるということになっているのだから、大統領はカサブブだということはわかるけれども、今の政府当局を、一体だれを相手にしておるのか。これを、今のああいうこんとんとした状態で、日本が明確に政府として相手取るということは、これはなかなかむずかしいことなんで、一体これはモブツを認めておるのか、依然としてルムンバを認めておるのか、一体そういう代表者をだれとしているのか、政府の意見をはっきり聞かなければならぬというので、お聞きしておるわけです。
#23
○説明員(北原秀雄君) 現地の領事が最近報告のために帰って来ておりまして、それの報告によりますれば、モブツ司令官のもとにおける政府の中の外交当局ということでございます。
#24
○笹森順造君 それではモブツ内閣というものを日本の外務省は認めているのですかと、はっきり言うと、こういうことをお尋ねしておきたい。
#25
○政府委員(中川融君) 今、北原参事官から御説明申しました通り、コンゴーにおける正統政府が何であるかということは、われわれとしても、いろいろ時々刻々にその政府の様子が変わりますので、ずっと見ておりました。最近松原領事が帰朝いたしました、その報告等により、また、御承知の通り、カサブブ大統領が国連におきましてコンゴーの代表者として正式に認められたというような経緯もあり、この点について現在においては何ら疑念がない、かように考えまして、今回大使館昇格の法案を国会に御提出した次第でございます。従いまして、現在のカサブブ大統領によって代表されております政府を日本政府としては正式政府としてかように認めておる次第でございます。
#26
○笹森順造君 まあそれでいいでしょう、今のところでは。そこで、それはあまり追及しても、向こうの方の状況で、日本の状況でないから、日本は何を認めるかということは、ずいぶんあるいは今後変わるかもしれません、あの状況ですから。しかし、国連においてカサブブを大統領として認め、カサブブの権能において、もしもモブツを内閣の首班として認めたということであるならば、その相手方が今のモブツのもとにおける外務当局であるという御答弁と一致するからいいと思います。これは将来よほど注意しなければならぬ。また注意して下さるということですが、よほど注意なさっていく必要があると思います。
 次にお尋ねしておきたいことは、同じページの中に、「独立前は」と、ちょっとありますが、これは何年度のことでありますか。独立前は輸出額約幾ら、輸入額約幾らとありますが、これは一九五七年度ですか、何年度ですか。これがはっきり年度によってだいぶ変わるわけですから、どこを一体さすのか。
#27
○説明員(北原秀雄君) 昨年度の暦年でございます。言葉が足りませんで……。
#28
○笹森順造君 一九五七年は大体こういう額であったと記憶いたしておりますが、去年の年度がやはりこうだと、こういうのがちょっと私了解できないので、その後ベルギーの政府が日本からの輸出を非常に制約して、ひどく日本の方が向こうに売るものが少なくなって、非常に困っているのだということを現地の領事も、あるいはベルギーの大使もそう話しておったのですが、その変動が非常に大きかった。つまり日本の繊維品などをベルギーが入れることをいやがったために、日本からの輸出がぐんと減ってむしろ片貿易で日本が困っておったということを聞いたのですが、これは暦年度のものとすれば、いつのものですか。暦年度とすれば、いつからいつまでですか。
#29
○説明員(北原秀雄君) 五九年の暦年だと思います。これは、実ははっきりここに書いてございませんで失礼申し上げました。普通こういう場合に外務省で引用いたしますのは、その前の年の暦年度の統計を普通使っておりますので、そういう意味合いにおきまして私理解いたしておる次第でございます。
#30
○笹森順造君 それは、正確にしていただきたいと思いますのは、これは、まだベルギーの植民地だった時代に、ベルギーにおる大使が非常にこのことを心配して、現地もごらんになって、そうして貿易の面については、特に将来日本の関係が大きいから、特別な考慮をしてもらわねばならぬというので、非常に骨を折ったということを承っておるわけなんです。この説明書によると、そんな心配はないような工合になっておるから、それではその心配が全然あべこべになってしまうので、どういうことかと心配になりましたので、実は、もっと明確に年度を出していただかなければその後の変遷がわからぬし、この後に貿易のことをお考えなさることにもいろいろと手違いが出やせぬかと思うので、実はお尋ねしたわけです。
#31
○説明員(北原秀雄君) 失礼いたしました。実はここに統計がございますが、これはおそらく五七年ないし五八年だと思います。五七年が輸出が五百五十四万ドルでありまして、輸入が百四十二万ドル、出超が四百十二万ドルでございます。五八年が輸出が三百十万ドル、輸入が七十三万ドルで、二百三十万ドルの出超でございます。それから五九年に入りまして笹森先生のお説の通り、輸出が二百五十三万ドルに減りまして、輸入が三百七万ドルにふえております。それから六〇年の一月―六月の統計によりますれば、輸出が百四十七万ドルで輸入が百五十九万ドル、差引十万ドル程度の入超になっております。
#32
○笹森順造君 それで大体傾向がはっきりしましたので、これらの点もよく勘案されて今後の政策を立てることが必要だと思って実はお尋ねしたのです。
 それから、もう一つだけお尋ねしておきたいのは、先ほど大臣がお話しになりましたように、日本は、アフリカに対しては、各国に対してやはり親切に援助し、指導するという立場である、また、そうすることによって日本はよき信頼を得るということになるという心がまえが、私は対アフリカの根本だと思う。対アフリカばかりでないでしょうけれども……。ところで、いろいろな暴動が起こってくる。各国は民主主義で独立する。そういうさなかに、東西両陣営の紛争の中に日本は巻き込まれるのでなくて、日本はやはり今大臣が表明されたような気持でこれに臨むということが非常に大事なことだし、それでこそ、初めて対アフリカ外交というものが正しい道に進む、あるいは国連を通しての援助、特に一国対一国の援助ということよりも、国連を通しての援助ということで進み得るということは大へんいいと思う。ところで、これはどの程度外務省が関知しておるか。あるいはまた、将来関与しようとしておるか知りませんけれども、あのコンゴーの独立の前後に、デット・ワイラアという国際的な大企業家であるといわれる人がいろいろな問題を提議して、当時のコンゴーの総理大臣であるルムンバと、いろいろな個人的な契約のようなものを結んで、国家的な背景なしに勝手なことをしたとかということがうわさされていて、しかも日本の某商社もこれと関係を持って、いろいろな利権的なようなことを策謀したというような報道なども流れていた。これらを私は非常に警戒しなければならぬことだと思うのですが、そういうことで、今の外務大臣の言われることと相反するようなことが今までなかったのか。しかし、正常なるルートにおいて日本が貿易をし、両国のために経済的に発展をするということは、これは当然なことなんで、これはむろん当たりまえなんですけれども、そうでない、今言ったようなことで警戒しなければならぬようなことがすでに国内においてもなかったのか。かつて日本がアジアその他において悪評判を買ったようなことがないようにする必要があるので、特にこの辺の――外務省によっていろいろと請願をされたり、あるいはまた、いろいろなことで折衝連絡等があったもので、あまり好ましからざる日本の企業家で、それらのものと関係するというものはなかったのかどうか。あるいはまた、そういうものに対してどういう心がまえで日本の外務省が指導していられるのか、その辺のことを一つ外務大臣にお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
#33
○国務大臣(小坂善太郎君) 笹森委員の御指摘のように、非常に妙な取引が、しかもその国の一部を相手として行なわれるというようなことは非常に困ることでありますので、そういうことがないように指導しなければならぬと思っておる次第でございます。このごろ、御承知のように、国内におきましては、いろいろな経済団体が組織化されておりまして、その経済団体の大体の意向というものが出ておるわけでございますから、そういう意向をわれわれとしてはできるだけ助長するようにして参りたいというようなことで接触をしておるのであります。もちろん、外務省が直接そうした中へ入っていくということは、これは役所でございますから、避くべきでございますが、たとえば経団連あるいは商工会議所、あるいは一つの輸出入の協会であるとか、そういうようなものとよく連絡をいたしまして、その希望も聞き、また外務省の持っておる情報というようなものを提供して、こういう方面にできるだけ笹森委員の御指摘のような方向で、また先ほど私が申し上げましたような方向で、経済的な関係が深まり、かつ、それを通じて日本の信用というものも高まるようにして参りたいと、かように思う次第でございます。
#34
○永野護君 アフリカの新興国と日本との間の条約関係はどうなっておりますか。具体的に言うと、通商航海条約は、新しい国との関係。
#35
○国務大臣(小坂善太郎君) それはございません。
#36
○永野護君 今はできてないとすればどういうふうな、今全然交渉に入っておられないか、あるいはその方向に向かって進めるか、と申しますのは、財界では、経済界といいますか、アフリカでいろんな事業計画を具体的にしているものがあるのであります。それが、条約ができているのとできていないのとでは非常に違ってきます。そこで、どこの国とも条約は結んでいない。しかし、こういうふうに全然放任されておるのか、あるいは締結するように努力をしておられるとすれば、どの程度やっておられるかということを聞きたい。
#37
○国務大臣(小坂善太郎君) 実は、通商航海条約の関係でございますと、これは東南アジアの諸国との間にもないのであります。そこで、私どももできるだけ努力いたしまして、日本人が自由に入国し、滞在し、事業を行なえるようにする、そういう基礎において、両国あるいはこれらの東南アジアの国国と日本との間に円滑な協力関係ができますようにということで交渉しておるのでありますが、なかなか進みませんのであります。しかし、幸いにいたしまして、今年になりましてから、フィリピンとの間に、あるいはパキスタンとの間に最近調印がせられたのでありますが、これをもっと、インドネシアとかあるいはインドなり、そういうような方向にも進めて参りたいと思うのですが、アフリカの諸国との関係はまだそういう程度で、東南アジア等の関係もありまして、まだ何もないのでありますけれども、これらの国との間の通商関係をよくする上におきましては、どうしても今までの関係ということを無視するわけにはいかないのであります。たとえばフランスと日本との貿易関係を見ましても、日本の品物というものは、フランスにおいて相当ディスクリミネートされておる。それからイギリスとの関係においても、イギリスもフランスと同様でありますが、ガット三十五条というものを適用している。そんなような関係もありまして、やはり今まで関係の非常に強かった国と日本との間の関係というものをともすればこれが継承するような形になっております。たとえばガーナにおいても、ガット三十五条を日本に対して適用しておるというような関係になっております。そこで、こういう国の代表者との閥にこういうことはまずいじゃないかということで、これを撤廃すべく話し合いをいたしておる、こんなふうな情勢でございます。なお詳しくは政府の方から。
#38
○説明員(白幡友敬君) ただいまのガーナの問題について簡単に申し上げます。
 大臣からお話がございましたように、ガーナでは、ガットの三十五条を適用いたしておりますので、これをはずしてもらいたいという希望を付しまして、先方がこれに応じて参りました。ただし、先方といたしましては、日本との間に経済協力を促進しようということを言ってきておりまして、ただいま具体的に経済協力協定を結ぶ話し合いに入る段階になっております。経済協力と申しましても、その国の場合は大体技術協力でございまして、こちらから専門家を派遣したり、向こうから習いにくるという形のものを考えております。
#39
○永野護君 私の伺いたい点は、通商航海条約、具体的に通商航海条約という形で御交渉願っているかどうかということはもちろん知りたいのですけれども、そうでなくても、経済援助、将来通商航海条約に入る道に進むように、何らかの交渉ができている国があるかどうかということと、それからこれらの新興国は、日本とはできてないでありましょうが、どこの国とも何もまだそういう交渉に入る段階になっておらないのか。これらをかつて植民地としておった国とは結んでおるとか、あるいはアメリカとはこうしておるということがあれば、参考に伺いたい。どこの国とも全く無条約状態にあるのかどうかということ。
#40
○説明員(高野藤吉君) 通商条約に関しましては、日本はこれらの国と、先ほど大臣から御説明があったように、現在は存在しておりません。ただし、エジプトとはこれを結ぶべく、現にすでに案文を相手の政府に渡しておりまして、検討中でございます。これは、相手を督促いたしまして、至急具体的な交渉に入りたいと考えております。
 それから、貿易取りきめにつきましては、現在エジプト及びチュニジア、モロッコ、ローデシアニアサランド四カ国との貿易協定、これは毎年改定して四カ国と貿易ないし経済協力をいたしております。
 それから、これらの諸国がほかの国と通商条約を持っておるかということでございますが、今具体的に資料を持ち合わせませんが、大体これらアフリカの諸国は、今までイギリスないしフランスの植民地でございまして、それらのフランス圏あるいはスターリング圏として活躍しておりましたので、通商航海条約は持っておらないのでございまして今後結ぶかどうかはまだ未定でございます。
 それからエジプトだけは、たしかソ連及びヨーロッパの諸国と条約を持っていたかとも存じますが、この点は、後ほど調べて御報告申し上げます。
#41
○永野護君 私の伺いたいのは、何らかの形で日本人がこれらの地域で企業をやろうとするときに、それの安定性と申しますか、安全性と申しますか、何らか保障するものがあるのか、全然ないのか、かりにもし今アフリカで事業をするとすると、全く成り行きにまかせてやらなければならぬのか。あるいはそのような申し合わせがあって、日本人の企業はある程度まで安心ができるというような保障でもあるのか、それはわかりませんか。
#42
○政府委員(中川融君) これらの国は大体、すぐ通商条約を結ぶというよりも、具体的な企業の場合には、まず経済協力協定というようなもので進んでいった方が実際的じゃないか。現に、先ほど御説明があったように、ガーナとやっております。チュニジアともある程度そういう話し合いをやっておりますので、これは、通商航海条約よりも、かえって経済協力協定という方で進んでいった方が日本の企業の安全のためにいいんじゃないか。また、必要なときは、今後その交渉を進めていきたいと考えておる次第でございます。
#43
○永野護君 私が聞きたかったのはそういうことなんでありますが、通商航海条約はすぐにはいかないけれども、経済協力協定くらいから進んでいく方がよいと判断されておれば、そういう判断に基づいて、どこの国とはどの程度の話し合いをしておるという経過を伺いたい。というのは、実際上もうすでに財界の人の方が出足が早うございまして、いろいろな計画をいろいろな国でやっておるものですから、それらの計画が全く法律の保護がないのか。あるいは法律の保護はなくても、政治上のいろいろな交渉によって、まず出かけて行っても心配はないという、そういう通商条約が何もない国で、貿易なんか一ぺんで済みますからいいんですが、企業ですと、長年にわたり資本を固定させますから、どういう形かでたよるものがないと、出て行った人はひどい目に会うようなことがあると思いますから、それはこういうことであるのだから大丈夫だよという話をしてやった方が踏み切りがつきやすい。これを具体的にいろいろな人が計画を立てておることを知っておりますから、伺っておきたいのです。
#44
○国務大臣(小坂善太郎君) 具体的な経済協力の取りきめについては、私、実は存じないのでありますが、まあそういう具体的のお話ですと、先般ケニア並びにウガンダから参りました業界人が、非常に日本の企業を迎え入れたいということを強く言っておられた。そういう際には、一つ日本の経済界のいろいろな部門の方々、しかもこれらの地方に興味を持っていらっしゃる方でミッションを組織して行かれるというのも一方法じゃないかと思います。そして、先方はスポンサーをしたいと言っておりますものですから、そういう熱意まで持っておりますので、いろいろ出かけて見ていただいて、実情を調査した上で、そしてしからばいかような取りきめをするかということになって参る方が、どうも道のような気がするのでございます。現在、御承知のような出先公館の状況でございますから、なかなか、こういう所へ企業を持って行くが、どうかということをちょっとお聞きいただきましても、私どもの方としては、率直に言って、まだこの新興国との間に散在するわずかの公館では、全般的に、総括的かつ具体的な話を申し上げにくいという事情を御了察願いたいと思います。
#45
○永野護君 私が知っておるだけでも、たとえばリベリアなんかで、アメリカのファームと日本のファームとでジョイント・ヴェンチャーで企業をやろうじゃないかというような具体的な交渉が進んでおる。こういう場合に、あぶないものならアメリカもやるまいと思うというようなばく然としたことをたよりにしてやっておるので、何がどういうことで日本の投資の安全が保障できるか、全く冒険でやらざるを得ないのか、そういうことが現実の問題を判断する上に非常に参考になると思うので、伺っているわけです。
#46
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま申し上げたような状況でございますので、どうか一つ、そういう特殊のお考えがございましたら、そのプロジェクトについてどうだというふうにおっしゃっていただきますれば、それについて十分われわれとしても御協力申し上げ、調査をいたしたいと思いますので、御了解願いたいと思います。
#47
○委員長(木内四郎君) 他に御質問がありますか。
#48
○加藤シヅエ君 ただいま笹森委員と永野委員からいろいろ御質問がございましたのを私伺っておりましたのですけれども、私が伺いたいことは、このアフリカの諸地域に現在ある領事館を大使館に昇格させたり、あるいは新しい在外公館を設置したりというような御計画をお立てになっていらっしゃるにつきましても、このアフリカの新しい大陸というものに対する日本の外交方針というものは、このアフリカの新興国というもの、あるいはまだ独立していない国々の将来というようなものに対してどんな見方をしていらっしゃるかというようなことは、大へんに大切な問題じゃないかと思うんでございます。ところで、アフリカ大陸は、日本と東南アジア諸地域との関係というようなものとは大へん違ったものがあるのではないかと、それは非常に根本的な問題だと思うんでございます。それに対しまして、今までの御当局の御説明では、一向あまり明瞭になっておりませんので、私が最初に伺いたいのは、先ごろから起こっておりました、コンゴーが独立直後に混乱に陥ったという、この一つのことが今後ともあちらこちらであるいは起こるかもしれない可能性を持っておる問題だと思うものでございますから、これは一つのいい例として、私たちはいろんな面からこれを学び、また研究していかなくちゃならない。これに対して外務当局は、コンゴーの混乱はどういう理由でこういうふうになったかというふうな見方をしていらっしゃるか、その点を外務大臣から伺いたいと思います。
#49
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えを申し上げます。
 コンゴーのあの動乱というものは、ひっきょういたしまするに、どうも全般のレベルと申しますか、そういうものが問題であったのじゃないかという気がいたします。大学も、ちょうど独立記念日の日にレオポルドビルで開所式が近く行なわれるという話が聞かれる。大学を卒業した技術者というのは非常に少ない。大学卒業生が全般として十数人いるかいないかという情勢であったようでございます。要するに、植民地であったものが独立をいたしまするに際して、ある程度の準備行為と申しますか、そうしたものがないと、やはり混乱の原因になるような感じがこのコンゴーの一事を見てするのでございます。ことにいろいろなトライブがあり、その間の勢力の角逐がある。そういうものをやはり見定めて独立へ持っていきませんといけないような気もするのでございますが、要するに、ベルギーがコンゴーに対してそうした一般の教育、技術、教養全般的なレベルを上げることが非常におくれておったところへ、急に独立をさせたということ、それから軍隊、そうしたものをもう少し注意深くやるべきだったんじゃないかというような気もいたす次第でございます。
#50
○加藤シヅエ君 外務大臣が、コンゴーがまだレベルが非常に低くて、いわゆる行政能力なんかについてまだ欠けている、経済的にも非常に未開発であった、あらゆる角度から不用意なところに独立したところに混乱が起こったという見方をただいま述べられまして私も、これはまさしくその通りだと思うのでございますが、そういうような状態で混乱したときに、それがトライブとトライブとの争いということの背景には、やはりこの世界的の冷戦、冷たい両陣営の確執というものが、この新しく独立をした処女地のようなところへ入り込んで、また冷戦が一つの形で再現されたというふうなこともあるのではないかと思うものでございますから、こういうことにつきまして、国連を中心に今後外交をお進めになる上にも、いろいろ日本の態度というようなものは非常に大切なものがあるのじゃないかと思いますので、さらにその点まで突っ込んで御見解を伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(小坂善太郎君) このたびの国連におきまして、ソ連代表が非常に強く、完全軍縮と並べて植民地主義廃棄ということを申しまして、その結果といたしまして、ソ連がそれを受けて、植民地解放に関する決議案を上程いたしたのは、御承知の通りでございますが、しかし、これを受けまして、アフリカの諸国は、そうした東西の冷戦をわれわれ新興独立国の中に持ち込まれては困るという趣旨のもとに、植民地宣言というものを独自のAA案として出しまして、日本もいろいろこれについてはお世話を申し上げて、一部の棄権をした国もございましたが、ああいう宣言案が可決されたということは、非常に私は今後にとって大きな示唆を投げることであろうと思います。冷戦を持ち込まれたらああなるぞというよい例に、コンゴーのことを周辺の国に見てもらうというような、そういう指導を私どもは国連の中においてすべきではなかろうか、かように思って、また、そんなような方向で行動もとっておる次第でございます。
#52
○加藤シヅエ君 そういう方針で指導していきたいという御見解は、まことに妥当な御見解だと思うのでございますが、ただ、そういう方針を立てているだけでは、冷戦というものはどんどん進行しつつあるわけでございまして、その場合に、ただその後手々々を打って歩いたのでは、この場合非常に遺憾な結果になるであろうということを私はおそれるわけでございます。現にコンゴーだけではなくて、この広いアフリカ大陸の中で、すでにいろんな場所で冷戦が持ち込まれております。ソ連圏の方では、非常に用意周到な案を立てて、国連あたりでは問題にならないような方法をもってソ連勢力をここに植えつけていくと、幸い植民地における今までの反感というようなものが非常に根強くあるということを利用して、そこに非常に賢い具体的な方策を立ててどんどん進めておる。たとえば、私の聞いたところでは、ギニアあたりには非常に用意周到な手が打たれておるということも聞いておりますので、日本といたしましては、いわゆるアフリカの白色人種に対する反感というものから別の立場に立っている日本というこの立場をもって、やはり後手ばかりを打って、その場その場をただおさめていくというやり方ではなくてやはり先手を打って、ほんとうにアフリカ民族の独立、永久平和という面に対して、日本がどんなふうに積極的にこれを援助しあるいは指導することができょうか、そういうようなことについて、内閣の中で十分に御調査なさり、あるいは方針をおきめになっていらっしゃるかどうか、それを承りたいと思います。
#53
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま加藤委員の仰せられましたことは、私も全く同感でございます。現におあげになりましたギニアも、終始ソ連圏と行動をともにしておりますことは、御承知の通りでございます。そこで、われわれもわれわれなりに、できるだけ旧植民地であった国々が真に解放と繁栄を求める気持というものを十分くんで、よい相談相手になっていくという意味で、これらの国々が妙な冷戦を中に取り入れて自分自身を不幸に陥れることがないように、われわれなりにやりたいと思っておりますが、われわれ率直に申し上げまして、あまりこういうことを申し上げにくいのでございますが、先般福島愼太郎君を外務省の参与といたしましてこのアフリカを一巡してもらっておりますが、近く帰ってくると思いますが、いろいろ現地のそういう情勢を聞きながら、最も効果的なわれわれとして対策というものも考えていきたいと思っております。
#54
○加藤シヅエ君 次に、もう一つ伺いたいのは、先ほど笹森委員からもいろいろ御発言がございまして、アフリカ大陸の諸地域に在外公館を作ります上には、気候、風土、衛生設備その他の関係上、その待遇についても十分に考えなければいけないというお話がございまして、これも、今までにも在外公館設置の問題につきまして私も発言をいたしております。特に必ずしも気候が悪いことばかりとは限らなくても、日本人のいろいろの生活慣習、あるいは日本の気候とあまりにもかけ離れておるために休養を要するというようなこともあるのではないかと、そういう点でやはり御考慮をいただきたいと思うのでございますが、もう一つ私伺っておきたいのは、このアフリカ大陸あたりの在外公館で非常に困ることは、出先でいろいろなことを考えて本省の方に、今ここではこういうことが必要だからこういうふうにしてもらいたいということを本省の方へ申し上げたときに、どうも本省の方の受け入れ態勢というものが、アフリカに対してはあまり十分にできていないのではないか。そのために何か、まあ要求と申しますか、こういうふうにしたらいいというようなサゼスチョンをしたような場合にも、本省からは一向迅速で十分な処置をとっていただけないというようなことをあちらこちらで伺ったのでございますが、現在は、そのことについてはどういうふうにしようとしていらっしゃいますか。また、現在少しはよくなったのでございますか。私の見ましたのは三年ほど前のことでございますけれども、そのことも伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまお話にございましたように、気候、風土、習慣等非常に違うということの影響が、もちろん館員自身もそうでございますが、ことに家族が非常にその影響を敏感に受けるようでございまして、館員の婦人などは特に休養を要するような場面が出てきております。現に実例が今あるのでございますけれども、そういう点につきましては、われわれとしても、できるだけそうした実態にかんがみまして、休養の期間をどこか別の場所に行って持てるような、そうしたことも考えてあげたいと思っておるような次第でございます。非常にひどい神経衰弱に奥さんがなり、ほとんど失明に近いような実例もございますので、そこで従来、どうしても全体の組織の運営の問題でございまするが、こういう所へ出てもらっている人が、加藤委員よく御承知の、いわゆるキャリアの外交官でない方が多いので、ボールの投げ方が本省に向かってどうしても弱いというようなこともなきにしもあらずのようでございます。そこで、アフリカの公館長会議というものを毎年一回やっておりまして、本年は二回目でございますが、ハリで先般いたしました。そういうことで、本省の官房からも人が参りましてよくその話を直接に聞いて、対策を講ずるようにということで、できるだけ改善に心がけておるのでございますが、何せやはり予算の関係がございまして、できるだけそうしたことについて大いに強力な実効を上げるような外交をするという面からいいますと、どうしても予算面で先生方のお力をいただきまして、外務省として十分なことができますように、御助力を仰ぎたいと思う次第でございます。
#56
○永野護君 アフリカの経済開発の問題に関連しまして、この前大臣の御出席がなかったので、海外経済協力基金法案の条項についてちょっと質問いたします。
 この前申し上げたのですが、第三章の第二十条に、この基金を使い得る事業とは、「東南アジア等の地域の産業の開発に寄与し」とあって、もう一つ条件がある。「かつ、本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業」という、この二つの条件が並べられておるのでありますが、私がこのときに聞きましたのは、やはりアフリカの事業というものを頭に置いて私はお聞きしたのであります。現に考えられていることで、アフリカの原料を使って事業を興して、その商品をヨーロッパに持ち込むというような計画があるのですが、それは、考え方によると、「本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業」という中には入らないように思うのです、アフリカの原料をもってヨーロッパで市場を求めてやるということは。それで、この前伺いましたときには、担当局長の御答弁は、非常な広い意味で、このあとの「本邦との経済交流」というのは広い意味だから、そういうようなものは含むのだということですが、それで、これを今の当事者はそういうふうにお考えになっておっても、この条項がこのまま生きてしまって、将来立法の今のような趣旨でおやりになる方がおられなくなると、厳格に考えるとそれは入らない。「本邦との経済交流を促進するため緊要」というものではないと、すらっと読むとそういうふうに出てきますので、あとでたとえばアフリカでそういうような仕事をするときに、これは入るのか入らぬのかという、非常に疑問が起きますから、私は、大臣から、今事務当局が言われたような立法の趣意であるということを、これは広く解するんだと、私は、実は「かつ」以下の文句は要らぬのじゃないか、その地域の産業を開発して、その結果日本の貿易振興にはね返ってくればいいのではないかと思うのであります。しかし、これもすでに成文ができておりますから、そうすると、二つの条件にかなった事業でなければ金は出せぬということになる。そういうふうに解釈せられる危険が非常に多い。でありますから、一応の事務当局の説明は、これは非常に広く解するんだ、私は、そんなに広く解するならば、「かつ」以下の文句は要らぬのじゃないか、しかしこの「かつ」以下の文句、つまり条件が二つあるのだと、この金を出すのには、日本との経済交流に緊急だというと、アフリカの原材料でヨーロッパで売ったのでは、日本との経済交流には、実は緊急欠くべからざる事業とは言えない。それも含むのだというふうに解するならば、むしろこの条文は要らないのではないか、その現地の産業を開発すれば、おのずから日本の産業にいい影響を及ぼすのは当然です。しかし、これをお取りなさいとは言いませんけれども、それなら、立法の趣意を非常に広く解して、日本人が現地に行って産業さえ盛んになればそういう金を出してやるんだということを、大臣の責任において記録に残しておけば、そういう誤解が起こらないで済むのではないか。「本邦との経済交流」というと、何か日本と貿易でもすぐやる仕事でないと金が出せないというように読まれる危険がありますから、その点を大臣から聞いておきたい。そうしてこれを記録に残しておいてもらいたい。
#57
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの永野委員の御心配はよくわかります。これは、具体的な例は別といたしまして、とにかく非常に広い地域を対象にしている。かようなふうに私ども理解しておる、さように立法の趣旨を考えておるということを御了解願いたいと思います。
#58
○森元治郎君 大臣に聞くんじゃないが、事務当局に。この辺のこの在勤俸というのは、東南アジア、中近東と同じか、特別ですか。手心を加えてやるのかどうか。それから、外務省の大公使その他にだんだん数が多くなってくるので、人の数がどんなになっているのだということを、四十五、六才以上はたくさんいるが、三十才はいないということを、一つ表にでも作ってほしいのですが、何人おるか。また、たなからおろしてきたようなおじいさんを持ってきてあっちこっち連れていったり、恩給年限がもう少しでつくからというのではしょうがないから、一つ見せて下さいよ、どんなになっているか。それから、領事館を大使館にするのだから、領事クラスを大使にしてもいいんじゃないか。この三つ、どうですか。
#59
○説明員(吉田健三君) 私から御説明申し上げます。
 最初に在勤俸の額でございますが、現在のアフリカ、ただいま御審議いただいております在勤俸の額は、領事館のときに支給いたしております在勤俸の額をそのままとりあえず大使館に横すべりさせて提案申し上げておるわけでありますが、ただし、この額につきましては、非常に不合理な面がたくさん出ておりますので、今後在勤俸全体のバランスをとって、合理的な改正を行ないたいということで、事務的にはただいま検討中でございますが、早急にこの案ができましたときに、もう一度国会の方におはかり申し上げたいと思います。
 それから、第二の人間の点でございますが、現在大使の人は日本の平均年令で五十七才、公使の人は五十一才でございます。これは、諸外国の例に比べて必ずしも高くはないんでございますが、また非常に若いということもないようでございます。こまかい表を作りまして、後刻お届けするようにいたしたいと思います。
#60
○委員長(木内四郎君) 他に御発言、御質疑がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。――別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。それでは、これより採決をいたします。
 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を衆議院送付通り可決することに賛成の方の御挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#63
○委員長(木内四郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付通り可決するものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#65
○委員長(木内四郎君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。御質疑のおありの方がございましたら、順次御発言をお願いいたします。
#66
○森元治郎君 外務大臣、初めて私お顔を当委員会で見るわけでありますが、ただ一点だけ伺って、あとは次の機会にしたいと思うことは、この日韓の交渉について。私、当時国会派遣で東南アジアへ行っておったんでありますが、外務大臣になったとたんに、玄海灘を飛び越して、大へん忙しくやってこられたんで、事情はわからないんですが、国交を新たに設定するということで、一月の中ごろには本会議をやるんですか、日韓会談を。そうして大使交換、国を認める、条約を結ぶ、こういうことをやるように向いているように伺うんですが、そこのところをちょっと明確に、十二月二十一日現在でいいです。それをちょっと御報告願います。
#67
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えを申し上げます。
 日韓関係を改善いたしたいと思いまして、努力をいたしておるのでありますが、今お話しのように、九月にソウルへ参りまして、交渉を開始しようということに同意いたしました。そのときの話に基づきまして予備会談をやっております。十月の二十五日から始めまして予備会談をしておるわけでございますが、これは、一応本日をもって休会いたしました。年が明けてからまた寄って話すことになろうかと思います。本会談にしても予備会談にしましてもよろしいのでございまして、やはりこういう長い間こじれた問題でありますし、本会談にするときは、今度はまとまるような見通しをはっきりつけて本会談を始めたいと思いますし、また、まとめる以上は、国会の御賛同を得るような状況にいたしたいと、かように考えておりまするので、今後も、できるだけひざ突き合わせてと申しますか、双方の見解を十分に知り合った上で本会談を開きたい、かようなふうな行き方が望ましいのではないかと考えております。当初は、年が明けたら本会談というふうに考えておりましたのでございますが、先方、韓国側も、まだその点について若干気持が固まっておらないようでありますから、われわれの方で何も直ちに本会談でなければならぬというほどのこともございませんので、先方の出方を見てやりたい、かように考えております。
#68
○森元治郎君 目標は、国交回復を目標としてやっておられるのですか。どうですか。
#69
○国務大臣(小坂善太郎君) 最終目標は国交回復でございます。しかし、いろいろな懸案がございますわけでございますから、もちろん懸案が解決した上での国交回復という考え方でございます。しかし、その懸案中にも、なかなか複雑なる懸案もあるわけでございます。場合によっては、相当部分の懸案を解決したところで、一部が残っても、国交を回復し、双方で大使を交換して、その後において懸案を解決するという方法も全然否定するものではございません。
#70
○森元治郎君 その一部を除いてというところが大事なんですが、私は、国交の回復については、一言も二言も十分意見を持っておりますけれども、きょうは大上段の方は触れないで、一部を残すという中に、竹島が入るのか入らないのか。やはり国交を回復する以上は、主権の及ぶ範囲というものをお互いに認め合わないと困るのだが、これは入るのか入らぬのか、その一部を残す中に。
#71
○国務大臣(小坂善太郎君) 竹島の問題は、現在の交渉とは別でございまして、これは領土の帰属の問題でございます。今まで両方から口上書が出て、何回も議しておりますことは、森委員御承知の通りでございますが、この問題は、今の国交回復の一つの条件になるものではございません。本来竹島領有ということに関しましては、われわれの主張は、初めからはっきりしておるわけでございます。
#72
○森元治郎君 しかし、自分の所だという伝統的な方針は、私もそうだとは思うのでございますけれども、現に占拠されておることは、自民党の立場から見ると、択捉、国後も自分の所だが、占拠されている。竹島も自分の所だが、占拠されておる。これを残して一体そういうことを進めるのか。
#73
○国務大臣(小坂善太郎君) その問題については、従来の経緯は、森委員御承知の通り、国際司法裁判所に提訴していることは、御承知の通りであります。これについては、先方が応訴しませんと、これが取り上げられないわけでございます。合理的に問題を解決しようという両国政府の間柄になっておりまするから、やはりこれは、国際司法裁判所の判定に待つということになるべき問題だと思っております。さような意味で、交渉のほかである、かように申しておるわけでございます。
#74
○森元治郎君 今までは、向こうの方もだいぶいばっておったが、最近は、向こうの方が大へん低姿勢のように見えるというときに、あなたが頼まれたかどうか知らぬが、飛んで行くほどのことはないのです。日韓交渉というのは、日本外交の一番むずかしい問題だと思うので、じっくり取り扱わなければならぬ。そこで、竹島の問題は、絶好の機会なんですから、向こうがそういうふうな空気になって、何とか日本とのいろいろな問題を話したいという、これは国連に応訴させるように、内面指導といいますか、君やれよというくらいのことは当然言っていいことだし、言っておられるのではないかと私は思うので、幸い田中前最高裁長官も判事にもなったし、あれを当選させるだけの票数も獲得したところを見れば、しかも、韓国の方では、いろいろしてもらいたいしてもらいたいということばかりなのだから、これは絶好のチャンスで、内面指導をしたはずだ。また交渉をしたと思うのだが、したのかしないのか。これを是と思うか、是と思わないか。
#75
○国務大臣(小坂善太郎君) 今度の韓国の革命以後の新政権というのは、私も自分で行って、いろいろ大統領、総理大臣あるいは外務大臣等に会いましたけれども、いずれも非常にりっぱな人だと思います。今までの李承晩政権下における韓国政府の態度というものと非常に違っておると私は思うのであります。そういうときに、いろいろ御批評はありましょうけれども、私どもは、私の方から行ったということは、非常に全体の空気をよくしているように思うのでございます。いろいろこじれにこじれてきたいきさつでありますから、これを解きほぐすには、あまり短兵急な方法もいかぬかと思いますし、経緯もまだまだあろうかと思うのでありますが、根本は、善意と誠意と協力の気持というものが根本でございまして、そういう気持は確かに芽ばえているように思う。ただ、それぞれやはり国内事情がいろいろございますから、そう思ったから、政府が思った通りすぐいくというものでもない点もあろうかと思いますから、そういう気持が動いているということが、全体の問題を解決する何よりの推進力になろうと思います。ただいまの竹島の問題も、これは、やはりそういう気分をずっと作っていけば、本来李承晩が理不尽なことを言い、かつ、やっておったことを変える、合理的な線において変えるということは、私は、力を用いずしても、話し合いでできるのではなかろうかと思います。しかし、最終的に国際司法裁判所の審判に待つという方が両方の立場がよくなるということであれば、それもけっこうだ、かように思っている次第でございます。
#76
○森元治郎君 大臣は、何か、私の説に賛成をしたいのだけれども、今言える段階ではないようなふうにもとれる。韓国は、これは国際司法裁判所にまかせてもいいというようなことを言ったか、言ったとはここでは申せないでしょうが、そういう今のはやりのムードがあるのかどうか、その点を一つ。
#77
○国務大臣(小坂善太郎君) その国際司法裁判所に向けて、一つのムードがあるかどうかということは、私ちょっと差し控えたいと思いますが、とにかく全体の問題を解決して友好関係を結ぼうというムードがあるということは、これははっきり申し上げられる。そのムードの一環として竹島問題も解決されるであろうということを期待いたしておる、ということを申し上げることはできます。
#78
○森元治郎君 それは、今の日韓交渉の三つか何かの大きな柱でないかもしれぬが、努力は依然続けておるということは確認できますか。
#79
○国務大臣(小坂善太郎君) それはできます。
#80
○森元治郎君 それから、この問題は、国交回復ということを大方が考え、自民党が考え、外務大臣が考えておる場合に、この問題ははっきり日本の国民にも示し、世界にも認めさせなければいかぬと思う。これをあとへ置いていくお考えかどうか。これは懸案としていくのか、前に片づけるべきものだとお考えになるか、これを一つ、心がまえだけを伺っておきたい。
#81
○国務大臣(小坂善太郎君) 韓国との間は一衣帯水の間柄でございますので、できるだけ近いものが仲よくするということは、これは自然の原則だと思いますし、そういう一つの原則の問題として、全部を処理したいということが私の念願でございます。
#82
○森元治郎君 私がおかしいと思うのは、ソビエトに対しては、平和条約を結ぶが、領土問題が片づかないから結べないのだと言って、なるほど竹島は日本の領土であることは、われわれもそうだと思うので、事情は少しは違うけれども、やっぱりこれは不法占拠を受けている。日本の領土であるということになれば、対ソビエト方針と同じように、これが片づかない限りはそれ以上には進めないという方針でなければ、少し場当たり的な自民党外交になりはせぬか。国交の回復、新しく設定という場合にはなかなか大きな問題なんですから、この点、はっきりしておかれたらいいと思うのです。対ソ関係と一つ比較して御答弁願いたいと思います。
#83
○国務大臣(小坂善太郎君) 貴重な御意見として承っておきます。ただいま交渉中でありますので、そこまで申し上げることはいかがかと思います。
#84
○森元治郎君 それじゃ一点だけ伺いますが、私の質問した趣旨はおわかりだろうと思うのだが、竹島の処理については好望、好ましき望み、期待がかけられると見ていいかどうか。
#85
○国務大臣(小坂善太郎君) 交渉中の相手方との間について、何か見通しみたいなものをこうした一番権威ある席で申し上げることは、私の立場上できないことをお許し願いたいと思います。しかし、われわれは、竹島はわれわれ日本国の領土であるということを強く何回も先方に申し入れておるのでありますから、合理主義の立場に立って、合理的に見て、正しいことは解決されるという期待と希望はもちろん持っておるわけでございます。
#86
○森元治郎君 それじゃもう一ぺん念押しをしますが、これは、日韓会談の交渉の主題目ではないかもしれないが、十分事前に処理するつもりでやっておられると思ってよろしゅうございますか、何べんも伺いますが……。
#87
○国務大臣(小坂善太郎君) これは、先ほどのお答えで御理解願いたいと思うのでございますが、交渉事というものは、なかなか微妙な点もございますので、その実際の交渉を、こういうふうにしておる、こういうふうな成り行きであるということを御報告する前に、この問題だけを取り出して申し上げることはいかがと思いますので、これはお許しを願いたいと思いますけれども、今申し上げたように、本来わが国の領土であって、これを国際司法裁判所に提訴して、その審判を求めようではないかということを、二回にわたってわが方から従来言っておるわけであります。しかし、あの規定によりまして、相手国の応訴がない限り、これを取り上げてくれないのでありまして、先ほど国連というお話がございましたけれども、国連というのは、やはりコンプロマイズする、妥協させるということがやはり大きな機能になっておるわけであります。こうした問題を国連の仲介によってやるということよりも、やはり相手国との間にお互いにものを合理的に解決して、友好親善の関係を結ぼうと考えて話し合っている相手国との間に話をつけることの方が、私としては行き方としてはよいと思うのでございます。
#88
○森元治郎君 もし私が国際連合ということを言ったとするならば、それは私の趣旨に反するので、それは国際司法裁判所で片づけるべきだと、何べん言っても答えてくれないのだが、二回ばかり申し入れた、それだけの熱意があれば、両方の気合いが合ってきたなら、この前二回申し入れ、第三回目ですね、これをやるべきであるし、もうやったと思うのだが、どうですか。
#89
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えを申し上げますが、正式の文書をもって言いましたのは、私の間違いでありまして、一回でございます。あとは口頭で言っておるということでございます。
#90
○森元治郎君 それで二回。
#91
○外務大臣(小坂善太郎君) さようでございます。今後やりますときには、から鉄砲でなくて、見通しをつけて、これはどうだ、よろしいと、こういうあうんの呼吸が合うときにやるのが外交上一番いいと思いますので、そういう時期を考えて参りたいと思います。
#92
○森元治郎君 そういう時期を考えているのだから、やるつもりですな。そこで、外交上の問題は云々と言いますが、私は、ここまでこういう交渉ばかりやってきたので、そういうのは役人が言う答弁なんだね、何も交渉の中でああ言ったこう言ったということを聞こうというのではない。向こうがしてくれしてくれと来たのなら、竹島ぐらい片づけてこい、何だと、このくらいのたんかを切るべきだというのですよ。それがほんとうの仲よしだと私は思うのですが、裏で戸を締めちゃって、そこで何とか言って表では知らぬじゃ、これはほんとうの仲よしではない。竹島はどうだ、うん返そう、それはわれわれとしても聞こうじゃないか、何か、少しの証拠も見せないで、あんたが飛んで行ってしまったのではだめだ。日韓交渉なんというのは、容易なものではない。
#93
○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほど森委員も、日韓交渉というのはむずかしいものだというお話がございましたが、とにかく日本と韓国の間はいろいろないきさつがあり、やはり日本の今までやったことに対して、こっちはこっちでいいと思っていることでも、先方はそうばかりも思っていないことが御承知のようにあるわけです。そういう気持をくんで、やはりわれわれの方がやって初めてほんとうの仲よしになるのじゃなかろうかという、これは私だけの考えかもしれませんが、私はそう思っているわけです。そこで、そういうことをやった結果、非常に向こうもなごんできたというのが現段階でございまして、しかしながら、二千三百万人も国民がいるわけです。その国民の中には、いろいろな考え方を持った人もいるので、そこで、慎重にいろいろやっているので、私も役人の経験をしたことがないので、役人の答弁だったらおそれ入りますが、私は、あらゆる可能なる限りの率直な態度でお答えを申し上げているつもりでございますから、ただいまのは、御激励の言葉として承りたいと思います。
#94
○羽生三七君 私、きょうは質問の予定は全然なかったわけですが、一つだけお伺いしますが、実は、私が今この委員会を中座をして予算委員会へ行きましたところが、たまたま同僚議員が、先日の私の池田総理に対する日中関係の問題で劈頭に質問をいたしまして、そこへ池田総理からこういう答えがあった。日中関係については、政治的な問題にからまない限り郵便、気象協定等はやります。所管省に具体的にやってもらいます。こういうお答えがありました。そこで私は、先方の希望もあることでしょうし、あるかないか、希望の点もあるでしょう。それからさらに、実際もし具体的にそういうことをやろうと思えば、どこで会談をするのか、どういうレベルの人がやるか、いろいろあると思いますが、きょうは一切そういうことは伺いませんが、そういういろいろな条件が整えば、総理が言われることは具体化されることに、外務省としてはもちろん異議がないと思いますが、そう了解してよろしゅうございますか。
#95
○国務大臣(小坂善太郎君) 総理大臣の言われた通りでございます。異議はございません。
#96
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑がおありの方はございませんか。――それでは本調査は、本日はこの程度にいたしたいと思います。
  ―――――――――――――
#97
○委員長(木内四郎君) 次に、継続調査等についてお諮りいたします。
 本国会開会中に、国際情勢等に関する調査を完了することは困難であると認められますので、閉会後も引き続き調査を行なうこととし、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の案文作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト