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1960/12/15 第37回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第4号
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1960/12/15 第37回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第037回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第037回国会 大蔵委員会 第4号
昭和三十五年十二月十五日(木曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 足立 篤郎君
   理事 鴨田 宗一君 理事 黒金 泰美君
   理事 細田 義安君 理事 毛利 松平君
   理事 山中 貞則君 理事 石村 英雄君
   理事 佐藤觀次郎君 理事 平岡忠次郎君
      伊藤 五郎君    岡田 修一君
      金子 一平君    川村善八郎君
      簡牛 凡夫君    藏内 修治君
      篠田 弘作君    田澤 吉郎君
      高田 富與君    竹下  登君
      津雲 國利君    藤井 勝志君
      坊  秀男君    米山 恒治君
      加藤 勘十君    栗林 三郎君
      広瀬 秀吉君    藤原豊次郎君
      堀  昌雄君    横山 利秋君
      春日 一幸君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 周東 英雄君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  大久保武雄君
        大蔵事務官
        (主税局長)  村山 達雄君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  石野 信一君
        大蔵事務官
        (為替局長)  賀屋 正雄君
        国税庁長官   原  純夫君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (食糧庁経理部
        長)      家治 清一君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律
 案(内閣提出第一号)
 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二号)
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第五号)
 昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特
 例に関する法律案(内閣提出第六号)
 昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の
 源泉徴収の臨時特例に関する法律案(内閣提出
 第一七号)
     ――――◇―――――
#2
○足立委員長 これより会議を開きます。
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案及び昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 これより質疑を許します。横山利秋君。
#3
○横山委員 先日の本委員会におきまして大臣に質疑をいたしまして、中小企業に対しましての徴税調査等について、前線の徴税機構の処置が適切でないということを指摘をいたしましたところ、よく一つ調査をしようということになり、また委員長にお願いして、理事会で御相談を願ったところでございますけれども、ここに原長官が来られましたから、重ねて一つ簡明に現在の私どもの知っております事情を申し上げたいと思います。
 それは、先般私が名古屋で体験をいたしまして、東京へ参りましたら、やはり東京でも同じ事情に突き当たったのでありますが、国税庁は、全国において基幹調査と称して、何ら納税の問題のない業種、業体各般について調査を行ない、そうして、それらの調査は、名古屋の例をとってみまするならば、某ウナギ屋さんは、八日間にわたって局及び署の来訪を受けて、一室を提供し、そうして毎日シラミつぶしに、電力料から家計の調査等に至るまで、綿密な調査を受けたとのことであります。最初どういうことだか、自分のところはかかる疑いを受ける覚えがないと力説をいたしましたものの、とにかく協力してくれということであるから、何か自分の知らない問題もあるかもしれぬという義務にかられまして、がまんをしておったのでありますが、次第に、何らの問題がない、けれどもお前さんのところをモデルにするんだということになりましたものですから、ウナギ屋はかんかんになって怒って、大体ウナギ屋をつかまえに来るとは何事だ、こういうことになりました。ところが、税務署の署員は、まあかんべんして下さい、あなたのところは何もないということはよくわかっておるけれども、これは局の指示による基幹調査というものであるから、まあがまんをしてくれ、そのかわりまああなたのところについては、というような言辞を弄して押えて、とうとう八日間をやったというのであります。私は、それを聞いて、まことにけしからぬことだと思いました。しかし、調べてみますると、これは国税庁の方針によって全国的に行なわれ、しかもあらゆる業種、業体にわたって基幹調査として行なわれるというのでありますから、まことに納税者にとっては迷惑千万なものといわなければならぬのであります。しかも、そういうモデル調査によって、あなた方の調査の方針が、あるいは徴税の方針が確立されるというのでありまするならば、これはまたいろんな角度で考えさせられると思います。かつて、本委員会は、そういう普通の調査ならずとも、たとえばいわゆる調査査察、こういう強制捜査によってなおかつ白であった、納税者に何らの瑕瑾がなかった場合において、一体政府はこの納税者の受けた信用の失墜並びに営業上の損失についていかなる補償をするかと私は主張したことがございますけれども、それに対しては何らの誠意ある答弁がございませんでした。けれども、少なくとも調査査察等は、あそこの納税者はやはり何かあると思ってにらんで行ったことでありますから、理由なきにしもあらずでありましょう。けれども、基幹調査に至っては何らそこは問題がない、ないしはあるかないかわからない。けれども、悪いことだけれども、お前さんのところは犠牲になって、大蔵省の仕事に協力してくれというやり方であります。それでありますから、これほど迷惑のかかる話はないのでありまして、そういう家が、いやおれのところは基幹調査だそうであって、何もおれのところに関係はないのだよと何ぼ言ったところで、それによってその店の受けておる信用の失墜なり迷惑なりというものは、おおうべくもございませんから、この点、一体政府としてはどうお考えになるか、まずそれを明らかにしてもらいたいと思うのです。
 第二番目は、年末の徴税の問題であります。十二月に入りますれば、どこのお店屋さんにいたしましても、もう年末の繁忙に忙殺をされておるところでありますが、その十二月に入って、なおかつ税務署から、いろいろと調査だ、あるいはまた何だかんだと言い、あるいはまた年末年始の繁忙を顧みず、財産の差し押えだとか競売だとか物件の引き揚げ等が普通の通りに行なわれるといたしましたならば、これはまことに血も涙もないやり方でございますから、何としてもこの年末の徴税については十分親心を持ってやらなければならぬと私どもは考えておるわけでありますが、そういう点につきまして国税庁としてはいかなる方針を持ってやっておられるか、お伺いをいたしたいのであります。
#4
○原政府委員 第一のウナギ屋さんのお話でございますが、私どもは五万の人員を擁して、税務行政を極力しっかりやろうと思って努力いたしております。その努力の方法として、いろいろな調査をいたし、またいろいろな措置をとっておるわけでありますが、お話の基幹調査というようなものも確かにいたしております。これは、戦後十五年を経まして、税務の調査面でもだいぶ改善の跡が見られるのでありますが、まだ質的に十分深みがない、深みが足らぬという御批判も相当ありますので、そういう点を補完するというような意味で、深度の十分にある調査を一部については行ないなさい、徐々にそういうもののウエートを大きくしていくという方針で始めておるものでありますが、その際、もちろん優等生の納税者にぶつかるというような場合には、そう長い時間をかけないで、そうしてそれによって全貌も承知し、なおかつ深度もそれで十分とれる、日数もよけいかけないで深度もとれるというものもあるのでありますが、具体的なウナギ屋さんについてお話しの通りでありますと、そう時間をかけないでも深度はついたはずのものを、時間をかけ過ぎたということにもなろうかと思います。その辺は、多い数のことでありますから、私どものやっておることがすべて完全無欠だとは申し上げません。遺憾な点がありますれば今後とも改めて参りますが、趣旨はそういう趣旨でありますので、御了承いただきたいというふうに思います。
 次に、年末の徴収ないし調査に関しまする問題、それと納税者の忙しい実情との調和の問題でございまするが、これにつきましては、常々意を配っておるところでありまして、本年におきましても、まず徴収面につきましては、先週中ごろだったと思います。内達を出しまして、年末、年始は都市に特に忙しいときであるから、第一に財産の差し押え、引き揚げ、公売処分というようないわゆる強制徴収処分につきましては、原則として一番忙しい時期をはずすようにということ、なお第二として、かりに行なう場合におきましても、その言動に注意して、納税者自体また出入りの激しい第三者に不当な印象を与えないようにという注意をいたしております。かりに行なう場合といいますのは、やはり納税者にもいろいろありまして、年末は金が相当動くときで、どうしてもこのときにお願いせぬことには、ほかの時期ではとうてい納めてくれないような納税者がございます。そういうときには、やはり通常の債権者もそうでありますが、国といたしましても極力外部に対する印象は避けながらやらしていただく。また、中には、分納の約束をして、最後の分納は十二月の三十日にしてほしいというような話があり、あるいは十二月の二十五日というような話がありますと、その時期にいただきに上がるというようなことがあるわけであります。そういう場合のことであります。総じて年末には感じの悪いことは避けるようにという趣旨の通達を出しております。
 調査の面につきましても、ごく最近ではありまするが、やはり同じような気持の内達を出しております。すなわち、第一には、特に必要と認められる場合を除きまして臨戸は避ける。そして部内の内部事務に当てる。もちろんその時期は年末の一番忙しい時期をはずすということで、これは確実に全国一律にということもできませんので、署により、ところによって、実情に応じて見るということになりますが、その間は臨戸は極力避ける、そして、特に必要があって臨戸する場合も、出入りの多いところであるから、その出入りの第三者また納税者も忙しいところだから、納税者に非難を受けることのないように細心の注意を払えということをはっきりと示して、内達を出しております。なお、それらの実際の実施につきましては、細心の注意を払って、趣旨が徹底するようにやらなければいかぬと思いますが、そういう気持でやっております。御了承いただきたいと思います。
#5
○横山委員 そうすると、基幹調査なりは、納税者の何らの責めにあらざることであるけれども、政府の必要に迫られてやるんだからがまんしてもらいたい、やりようについては考えるからがまんしてもらいたい、お前さん方が信用が失墜して営業が多少支障されることがあってもがまんしてくれ、こういうことでございますか。
#6
○原政府委員 具体的には深度の深い調査にどのくらいの日数を要するかということ、今お話しの八日ということとの比較の問題になってくるわけでございます。お話しになっているウナギ屋さんが実際にどうなのか実ははっきりはいたしませんが、御出身の名古屋の地方であろうと思っていろいろ当たってみますと、法人のウナギ屋さんで、大きい方ではやはり三百万前後の所得のおありになる法人があり、小さいところでは百万足らず、五、六十万というようなウナギ屋さんがあるようでありますが、やはり三百万、四百万というような所得のところになりますと、ほんとうに深度の高い調査をやるのに一日や二日ではとてもできません。やはり五、六日かかるということはあり得ると思うのです。それから、脱漏があって、いろいろ固めていくということになりますと、やはり相当かかるということになりますので、おっしゃるように申告通りだというようなところであれば、大きいものでも八日かからずにせめて五、六日でやってもらいたいなという気持は持ちますが、しかし、それも徹底したなにを二日、三日でやってしまえというのはむずかしいかなという感じがいたします。そんなような感じでございます。調査で出ないということは、出なければけしからぬじゃないかというふうにごらんになると実は非常に困りますので、調査で出ない納税者がふえますれば、私どもは非常にありがたいと思うのです。その場合、何かいやらしい、疑っているような気持で初めからいくとか、また出ないとおかしいぞというような顔をするのではいかにもなにですが、私は調べてみたが出ないという納税者がずっと並んでくれば非常にありがたい。そういうのは税務においても優等生の納税者だから、あとの二、三年はまかしておいて、そして適当なときに見せてもらうというようなことにしようじゃないかという扱いはいたしておるわけでありますから、調べて出ないということは私どもも非常にありがたいと思いますし、またその納税者にめんどうをかけなかったかと言われますと、非常につらいので、あるいは態度が悪かったのではないかというふうに思いますが、その際納税者の側もああこれでよかったのかということで自信を持っていただきたい。そういうのが当然のような世の中にしていきたいと私は思っておりますので、今お話しの調べられると信用を傷つけられるというような気持はなるべく早く払拭したい。非常にけっこうに記帳していただいて、正しく申告していただいてありがとうございますといえる納税者がおりましたことは、非常にありがたいと思います。おそらく、今の場合は、初めからどうもそういう顔をしていないために、お話しのようなことになったと思います。これは職員の態度に関することでございますから、私かわってここでおわびを申し上げて、そういうようなことのないようにこれから気をつけるようにいたしますから、御了承願いたいと思います。
#7
○横山委員 あなたのお話と私の話とベースが違うのですよ。私の質問していることが間違っておるならば、その角度で一ぺん訂正してもらわなければいかぬのだけれども、私の言っていることはこういうことなのですよ。職員の態度がいいとか悪いとかという問題ではない。基幹調査をやる名古屋市内のウナギ屋はどこにしようか、そこに行こうということになった。このウナギ屋さんが白か黒かということはこの際問題じゃない。基幹調査のモデルとして選ばれたところである、こういうふうに私は理解しておるのです。そうすると、結局選ばれたが運の尽きということなんです。少なくとも運の尽きで選ばれて、何でもないけれども八日間おつき合いをさせられたという被害については、あなた方は何とも考えないのか。お前さんのところを偶然にも選んでしまったけれども、かんにんしてくれ、モデルにしてしまったから、悪いけれども一週間くらいかんにんしてくれということなんですかといって聞いておる。何でもないところへ行って、あなたのところは済まぬけれども、国税局の調査のいわば犠牲になってくれというやり方ではございませんかと言うのです。少なくともそういうことであれば、私は一つの私見ではあるけれども、国税局長の手紙で、そのウナギ屋さんのところに、正式に、基幹調査をいたさなければなりませんので、まことに恐縮でございますが、御協力を願えませんかと文書を持っていって、いいというなら始めなさい。初め入っていった感じは、やっぱりお前さんのところは黒かもしれない、白かもしれないというような格好をしてやるからけしからぬと言うのです。そこのところはどうなんですか。ほんとうにモデルとして基幹調査がどうしても必要であるならば、公正堂々と御依頼の手紙を持っていって調べさせて下さいと言って、イエス、ノーをはっきりさせて、短時間の間に御迷惑のかからぬようにやってもらうというような礼儀があってもしかるべきではございませんか。
#8
○原政府委員 深度のある調査をやるという場合に、お話の言葉でいえば、黒の納税者もあり、白の納税者もあると思います。いずれの場合においても調査をさせていただきますとは言いますが、御同意がないとできないということでも困りますので、その辺はやはり調査をさせていただかなければならぬと思います。
 それから、局から言うてきて、犠牲になってくれということを言ったといいますが、私調べてみますが、そういうようなことは私としては部内の問題としてどうも望ましくないと思いますので、調べた上でお答えいたします。
 なお、ウナギ屋さんが全部が白であるかどうかということになりますと、実は今そうではなかろうかと思って調べたケースのうち、増差が五割くらいは出ておるというのが一件あるのであります。あるから出ない方もいいんだということを申しておるのではありません。冒頭申したように、これはきちんと基本もついており、経費その他もきちんとついておるということであれば、簡略なところで切り上げて判定すべきだと思いますが、その辺をどうというような点は、私今ここで自身でつまびらかにしておりませんので、そういうことがあるとすれば、それはまことに遺憾なことであると思います。
 なお、具体的ケースについて調べました上で、善処をいたしたいと思います。
#9
○横山委員 釈然としませんが、どうですか、政務次官、税務については、本委員会は初めてのように拝見をしておりますが、そばで聞いていらっしゃって、私の言うことが間違っていましょうか。私の言うのは、とにかく何でもないところにモデル基幹調査として税務署が行くんだから――普通黒かもしれないという疑いを持って行く場合には議論の余地はあろう。けれども、税務署の資料を作る必要に基づいてそこに行くのですから、まるっきり納税者は迷惑な話ですよ。その迷惑な調査の中に、今お話しのように、増差が――断わっておきますが、私が言っておるモデルのウナギ屋さんは、そういう増差額のあるところではございません。白のところです。そういう過程にその増差額が出たかどうかについては別の問題としなければならぬ。基幹調査はあくまで基幹調査としてやっていくことが必要なのです。だから、ほんとうに必要であるならば、基幹調査をいたしたいと思いますが、御協力を願えませんか、というふうに礼儀正しく言って、基幹調査としての御協力を得られる、承諾を得てやるということが、国としてはあたりまえのことではなかろうか。そういうものを何でもやるということは職権の乱用です。税務署ならば、どこのお店屋さんに行っても、やはり無言の一つの実力を持っておりますから、何でもできるというような格好になってしまうのです。普通のその店が特に問題でないモデルとして必要だというならば、これはもう普通の調査権なりなんなりを使うべき筋合いの問題ではない。国の必要ですから、ぜひ御協力を願います。いけないと言ったら下がるべきです。常識豊かな政務次官の御意見を一つお伺いいたしたい。
#10
○大久保政府委員 ただいま横山さんの御質問の向きは、暮れの繁忙時期に税務の調査を商売を妨げてまでやらぬようにしてもらいたいという御趣旨のようでございますが、税務吏が調査をいたします場合に、十分民間の実情をよく心得まして、できるだけ懇切丁寧に調べるということは、これは当然のことだろうと思うわけでございます。特に暮れの繁忙時期におきましては、先ほど政府委員から答弁したかと思いますが、これはそういったような調査あるいはいろんな聴取等のことをやらないようにということを、すでに通牒を発し、もしくは発しようといたしております。この点は私どもも十分注意をいたしまして現実的にも処理していきたい、かように考えております。どうか気持をおくみ取り下さいまして、御了承いただきたいとお願いする次第であります。
#11
○横山委員 そのお答えを聞くのではないです。今の原長官とお話しをしておった問題のお答えを聞きたいのです。
#12
○大久保政府委員 私はちょっと途中から参りまして、質問の経過につきまして大へん失礼いたしましたが、ただいま政府委員からも御答弁いたしましたように、調査にあたりましては十分留意をいたしまして、調査を受ける方方の御迷惑のかからぬように注意をいたしまして取り扱うという方針でございます。
#13
○横山委員 基幹調査をすべきときには、納税者に正式に申し出て、そうしてその許諾を求めて実施すべきである、こういう点を私は重ねて主張するのですが、政府側の御意見はいかがですか。
#14
○原政府委員 私ども事務を整理いたします都合で、この実額調査とかあるいは概況調査とかあるいは基幹調査とか、いろいろな名前をつけまして調査の型を分別いたしておりますけれども、すべてそれらは税法の各本条にあります調査の権限に基づいて調査をするということでありまして、どの型の調査をするかということは、いわば部内の仕分けの問題で、ただいまお話しの趣旨のように、長い時間をかける調査が納税者にそれだけ迷惑を与えるから、その点はより慎重にやれという点はまことにおっしゃる通りで、気をつけます。しかしながら、そのうち基幹調査については、事前に協力を願って、そうして承諾を求めた上で調査を始めるというふうなところまで言われますと、どうもそれはいかがか、それはおまかせ願いたいということを申し上げたわけであります。これは、調査にはやはり納税者の種類により、またただいま申しましたような全体として課税の深度、調査の深度をつけるためには、やはり白のものも黒のものも深度のある調査をして、そうしてだんだん白のものについては、たださえ三年一巡とか二年一巡とかいう思想が大きくなってきておる時代でございますから、白の納税者については自後の調査が三年一巡というふうな線にはっきり乗ってくるわけで、そうなりますると、黒の度合いの濃い納税者にエネルギーをよけい注ぐということになりますので、やはり深度のある調査をする。しかもそれが白のものについてもやはりある程度するというようなことは、今の状況としては必要かとも思いますが、それらが行き過ぎがあったり、また個々の納税者について不当にその納税者の事業にじゃまになるというような点は避けますけれども、全体としての切り回しについてはどうか一つおまかせ願う――と言うと非常に言葉がなんでございますけれども、それらの注意をした上でやらしていただきたいというように申し上げるわけでございます。
#15
○横山委員 納得できません。私は、本件については、さらに今日の税務行政及び機構の一つの根本問題の一環として、今後考えて参りたいと思うのであります。何といっても今の税務行政の国家に持っておる手段というものはオールマイティです。これに対して納税者に対する救済手段があまりにも少な過ぎると私は思っています。税務行政が民主化されればされるほど、税務機構から権限を取って、そうして納税者に権限を渡すべきである。同じ対等の立場で徴税ということが行なわれて、初めて合理的であり民主的であると私は思います。そういう意味合いにおいては、この納税者の何ら責めにあらざるにもかかわらず、基幹調査と称して――今回の場合は称しもしないで、八日間その納税者を不安に陥れながら調査をしたということは、言語道断のことだと私は思う。これが全国一斉に――斉ですかどうだか知りませんが、行なわれておる基幹調査の実態であるといたしますならば、まことにゆゆしい問題だと思います。そういう意味合いでは、税務行政、税務機構の中から権力的なものはどんどんどんどんこれをはずしていく、そういう決意が長官なりあるいは大蔵省になければ、税務行政はいつまでたっても民主化しない。そういう大きな角度から長官もさらに御検討を願っておきたいと思います。きょうは時間がございませんから、いずれあらためて税務の根本論を議論いたしますときに、私は再度問題にいたしたいと思います。
 そこで、ついでに税法の案が出ておりますので、一、三政府にお伺いをいたしたいと思うのであります。きょう手元に税制調査会の第一次答申の資料が出ておりますが、今度の税制改正の一つの焦点となっておりますことは、国民所得と国税、地方税を合計した税の負担額の割合の問題であります。この答申によりますと、現在昭和三十五年度予算は二〇・五%であるといっておりますが、中間答申でこのパーセントを二〇%以下にすべきであると中間答申を出しました。今度この補正で出ております所得税の改正も含んで、今政府が明年度予算の中に含まれる税制改正として議論されておるものは、この答申が基礎になっておると思うのでありますが、一体明年度の国民所得と、それから税の国民負担の割合は何%に結局はなりそうであるか、これをまずお伺いをいたしておきます。
#16
○村山政府委員 本年度の当初予算のベースで負担率を見ますと、御案内のように二〇・五%ということに相なっております。来年度の負担率がどうなるかという問題は、実は確定的にはまだ出て参りません。と申しますのは、三十四年度の国民所得、これはすでに発表になっておりますが、三十五年度の国民所得が幾らになるかという点はまだ正式には出ておりませんで、先般中間的に企画庁の試算が出ておる程度でございます。従って、来年度の国民所得がどれくらいに伸びるかという問題も、これまた来年度の経済見通しその他が出ておりませんので、的確なことは申し上げられません。一方、税収でございますが、本年度の当初予算で見積もりました数字その他、あるいは財政計画の数字、これはわかっております。今年度の決算がどうなるか、補正予算で計上しておりますこれらのものを基礎にして考えれば、実績はまたこれと若干違ってくることも考えられるわけであります。来年度の税収がどれだけになるかということは、来年度の予算を組む際に、これから精査して、いずれ通常国会で提案申し上げる予定でございますので、全体としてははっきりしたことは申し上げられません。いろいろの試算をしてみておりまして、これは確かにその通りであるかと言われると、なかなかなんでございますが、まず当初予算では、二〇・五を上回っても〇・三、下回っても大体その辺ではなかろうか。二〇・五を中心にして多少動く程度ではなかろうか。どういう数字でどうやったかといわれますと、いろいろな試算をやっておりますので、不確定な数字でありますが、二〇・五を中心として多少前後するのじゃなかろうか、そんなところで今見込んであるわけであります。
#17
○横山委員 来年のことでありますから、人によっていろいろ推算のやり方も違うと思うのでありますが、一説によりますと、二〇・五といわれておるのをはるかに上回って、二三%くらいになるのじゃないかという意見をなすわけであります。あなたの意見だと、上回っても、二〇・八ですか……。
#18
○村山政府委員 上回ってもまずその辺ではなかろうかというふうに……。いろいろな試算をやっております。
#19
○横山委員 二〇・八、まあ二一%近い。私が先般ある人から聞いた分でいきますと、経済成長率の状況からいって二三%くらいになるのではなかろうかという話です。どちらがどうという議論についてはいろいろありますが、要するに、あなたの意見をもってしても、また私の今の意見をもっていたしましても、中間答申でいうところの二〇%以下にとどめるということが実現できないということであるのか、実現をしようとしないということなのであるか、そこのところを私は明らかにしてもらいたいと思う。二〇%以下に税負担をとどめるという中間答申の趣旨を政府は尊重するつもりなのかどうか。それはまあまあ一つの目安であって、そろばんの置き方によって違いもあるし、税制というものは一つ一つの税法の適、不適をきめていくのであるから、二〇%以下にするかしないかということが目安の焦点ではない、こういうお考え方もあるかもしれません。ですから、私の聞いておるのは、国民所得の二〇%以下にしたいという考え方を政府は実現するというお気持があるのであるかどうかということであります。
#20
○村山政府委員 先般の八月二十二日の調査会の中間答申で、二〇%以下の線にとどめることが適当である、今度の第一次答申では、この前の趣旨を再確認いたしまして、その趣旨をできるだけ生かすべきであるということがいわれているわけですが、ただ、八月二十二日の中間答申の場合にも、二〇%以下にとどめるというこの言葉の趣旨をめぐりまして、非常に論議が行なわれまして、実は一部の委員の中には、必ずしもそうではない、財政需要の必要によっては何も二〇%に固定して考えるべきではないという反対論も相当あったわけでございます。しかし、いろいろ各国との租税負担を比較いたしますと、所得の割合にはどうも日本の税負担は重いと認められる。なおかつ、過去におきます戦前戦後の負担割合をずっと見て参りますと、だんだん軽減されまして、最近、この数年間はおおむね二〇%せぬ程度の負担率になっておる。この辺を勘案いたしまして、大体ここ当分の間はこの辺を目安にすべきではなかろうか、そんな感じのものがあの言葉になって現われたわけでございまして、言葉が若干明確を欠いている点は問題がございますが、あの言葉の裏には反対論もあり、それから、それも必ずしも一時的に負担率が何%でなければならぬとか、そういってきまる性質の問題でもない。ここにも書いてございますように、負担率というものは必ずしも一時的に何%でなければならぬということでなくて、各方面の検討を遂げて、総合的に考えて、およそこの辺ということ以外にないのだ、こういうことであるわけでございます。従いまして、われわれもおおむね当分の間はこの辺を目安にして負担率を考える、同時にその中で現在持っております税制上の諸問題を解決していくということは、すなわちこの中間答申の趣旨に沿ったものと考えておるわけでございます。
#21
○横山委員 私はあなたの御答弁を聞いていささか失望をいたしました。少なくとも国民はそう思っていないのであります。あの答申が好感を持って迎えられたということは、国民所得に、ある一定割合を、つまりくぎをかっておく、税負担について一定のくぎをかっておくという意味で、非常に好感を持って迎えておる。少なくとも国民所得の二〇%以下に国民の税負担をとどめようという趣旨は非常によろしい。そのパーセントが二〇がいいか悪いかは国民にはよくわかりませんが、ほうっておけば税というものはどんどんふえるばかりである、自然増収というようなことで結局ごまかされておるのであるけれども、それを、国民の総財産と税金の総額とのつり合いをだれにでもわかるように一つくぎをかうという趣旨については、非常な共感を持ったのであります。それが、あなたの今の御説明によれば、あれは全くのまあまあ目安なんですからというお話では、これは国民の期待を裏切るもはなはだしいと私は思うのであります。ですから、あなたが、いや、私の言うのは、あの審議のときの解釈でございますと言うならば、それはそれでよろしい。けれども、受けて立つ政府の態度といたしましては、二〇%がもしいかないとするならば、二十何%でもよろしい、国民の今日における税負担の割合はこのくらいにとどめるべきだという考え方を、国民の共感をすなおにとって、私は税制改正の大きな尺度にすべきだと思うのでありますが、いかがでございますか。
#22
○村山政府委員 私の言葉が、一つの目安であって、一つの参考にすぎないので、それを上回ってもまあある程度やむを得ないのだというふうにおとりになったら、そういう意味で申し上げているわけではございません。ただそこに一つ目安を置くけれども、二〇%を少しでもこえればこの趣旨に反するんだ、こういう意味で考えておる答申ではないということだけを申し上げているわけでございます。ほかの外国との比較におきましても、高い、安い、重いとか軽いとか、いろいろ論議はありますが、各方面の検討を重ねますと、どうも所得の割合には重いように強く感じられる。ここに最近の状況を見ましても、経済の伸び、自然増収にもかかわらず、相次ぐ減税によっておおよそ二〇%ないしその辺、二一から一九ぐらいの線をやってきたではないかということは、またその程度の負担にとどめることが可能であるという、こういう基本的な認識に立っているわけでございます。そういう意味で出ました二〇%であるだけに、それが数字的に〇・一でも上がればその趣旨に反するとか、あるいはそういう意味の機械的に出てきた数字ではないということを申し上げているものでありまして、おおよそ負担を上げない方がいいんだということは当然でございまして、その辺を目安にして、ここ当分はもしそれ以上の自然増収があるなら、そこを一つの重要な目安にして減税施策を行なうべきだ、こういう意味で出ているわけでございます。ただその二〇%が機械的でないということだけを申し上げているわけでありまして、その結論の趣旨は、われわれとしては非常に重要な結論だと思い、これを尊重して参りたい、かように考えておるわけであります。
#23
○横山委員 あなたと私と趣旨は同じようだけれども、問題の扱いは私は非常に違うと思うのです。あなたは、一つの目安として、多少上がってもまあ目安は目安だから、そこに心棒をかっておくというのですが、私の受け取り方は、二〇%以下にとどめるのが好ましいというのですから、二〇%は天井なんです。天井がしっかりしなければ、一%や二%はいいじゃありませんか、またもとに返りますからという考え方になるんです。現にあなたは二一%弱になるだろうとおっしゃるが、人によっては二三%と言う人もあるわけですね。一%で大体どのくらいでございましょうか、ちょっとお伺いします。
#24
○村山政府委員 三十四年度の国民所得は、この間九兆九千九百億と出ておりますから、その一%ですから約一千億ということになりましょう。
 重ねて申し上げますが、この詳細な議論の経過、それから二〇%の解釈、それらはいずれこまかく議論の経過とその意味を別冊で答申することになっております。先般の税制調査会の最終段階でもこの問題は相当もめまして、二〇%ということの意味はどうなんだ、この一%でも、少しでもこえてはいかぬのかどうかというような点が非常に議論の対象になりまして、そういうふうに機械的に解釈しているんではないんだという意味で――これはもちろん一般的に言いまして、国民所得が上がれば上がるほど負担率は高くなるということは言えるわけでございます。日本の場合来年とか再来年を言っているわけではございません。外国との比較におきましても、所得の高いところでは当然負担率は高くなってしかるべきだ、こういう議論があるわけであります。それならどういう所得になったときに何%でいいか、この問題はなかなか一時的には出て参らない。そこを調査会がいろいろ判断いたしまして、先ほど申し上げたような事情からして、ここ当分の間は二〇%を目安にすべきだ、そういう意味で出た二〇%でありますので、もとより機械的なものではないわけでございまして、いずれその趣旨はこの別冊で出て参ると思うわけでございますが、さようにわれわれも考えておるわけであります。
#25
○横山委員 別冊を読むのもよろしい。また経過をお伺いするのもよろしい。しかし、お互い私ども国会で議論するに際して、そういう考え方であれば議論だけ残るだけであって、またしっかりとしたそういうことを設定した趣旨がぼけてしまう。だから、私は、少なくともそういう考え方を持つ場合においては、審議の経過はともあれ、二〇%なり、二〇%がいけなければ二十何%という適切なものにしてもいいけれども、天井と理解すべきである。そうすることによってこそ、私どもの税制を改正する態度なり国の政治を国民の信頼を得てやる態度というものが確立されるのであって、まあまあ目安でございますから、かりに少しこえてもいいのですということでは、あれが発表されたときの国民の一般的な共感ということにこたえるわけには参らないと私は思います。しかも、今お話があるように、たとえば一%が約一千億ですから、そうするとかりに三%という議論があるといたしますならば、三千億まだ減税をする値打ちのある議論であります。それだけまだ減税の理論的根拠が中間答申に示されたとも言い得られるのであります。私は今度の減税案には実はきわめて不満なのであります。それは幅においても不満でありますし、また内容においてもきわめて不満であります。一番言えることは、まだまだ減税が行なわれるべきであって、国民の負担は非常に重いのであるから、さらに減税は百尺竿頭一歩を進めるべきであるが、それがとかく財源がないからとかなんとかいろいろな議論がありますけれども、今あなたがおっしゃったような私との論争の過程から見ましても、一%で一千億、私の言う三%ならば三千億、それだけ中間答申の解釈、誠実な実行によってわれわれもまた国民にこたえなければならぬ大きな問題がある、こう思うのであります。その点はいかがでございますか。
#26
○村山政府委員 これはまあ考え方の違いと思います。ここの答申の二ページにも書いてありますが、言葉だけでございますが、二〇%程度ということでございます。それで、負担率という事柄の性質上、同時に負担率の問題は、一方は歳出の内容との見合い、それがどういう有効な歳出に使われるかという問題、同時に所得の高さの問題、これと関連するわけでございまして、そういった意味で、事柄上、機械的に何%をもって天井とするというものはなかなか出て参らないということが調査会の趣旨でございますが、しかし、それでは目安にならないので、一応大づかみのところの目標を置こうという趣旨に出たわけでございますので、そういう意味の一つの目標でございます。従いまして、機械的にこれ以上こえてはいかぬとかということには性質上なり得ないのだ、こういう意味でございます。
#27
○横山委員 まああなたと意見の分かれるところになってきましたが、私はむしろ機械的にやらなければこういうことの意味がないのだという立場です。もしも機械的にやったら二〇%ではいかぬというならば、場合によっては二〇%を上げてもよろしい。国民の総所得と国民の税負担の割合というものを、だれにでもわかるこのやり方によって――ほうっておいたらどんどん税負担がふえるばかりであるから、だれにでもわかるやり方によって、これ以上は負担させないという目安をきちんとつけておくということは、天井をつけておくということはいいことだ、こういう意味合いにおいて私は力説をしておるのですけれども、あなたはその中間答申の出る経緯ばかりに固執せられておって、私の言う意味においての御答弁があまりない。けれども、これはあなたはよくわかっておって言っていらっしゃると思うのです。あなたにこれ以上追及するのも多少無理な点がございますから、私どもの主張を明らかにして、政府の十分な検討を要望しておきたいと思います。
 それから、きょうは税制改正についていろいろお伺いしたいのでありますが、時間がないので恐縮でありますが、もう一つだけお伺いをいたします。今度の三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案の内容は、言うまでもなく、一月、三月の問題でなくて、これは三十六年度――ずっとまた将来に通しての恒久的な性格を持っておるものであります。その意味において、私は給与所得についての考え方を承りたいのであります。給与所得者は、現在勤労所得控除は二〇%でありましたか、たしか朝鮮事変前は二五%でありましたね。そうじゃなかったですか。――二五%の時代がちょっとございましたね。今回この一万円の定額控除をするという趣旨が私にはよくわからないのであります。それは、第一に私のわからぬと主張するゆえんのものは、税制というものは、常に言っておるのですが、簡素化したいという私の意見です。また政府側もそうお考えになっておられる意見と矛盾するということが第一です。それから、第二番目には、どうしてこういうややこしいやり方をしなければならぬのであるか。もうそのものずばりに二〇%を二五%に――旧に復するということがどうしていけないのであるか。私は、おそらくあなた方は中小企業やあるいはお百姓さんの均衡論という議論があると思うのでありますけれども、くどく言うのでありますけれども、今日の税の中で最も――何といいますか、そのものずばりで把握され、そうして百パーセント徴税をされておりますのは、言うまでもありませんが、勤労所得者です。この所得の把握率が常に論争の焦点となるのでありますが、これはなかなか百年河清を待つようなものでありまして、いかに政治が安定をして参りましょうとも、いかに徴税機構が合理化して参りましょうとも、所得の把握が完全に行なわれるということはない。その中でただ一つ給与所得者だけが完全に把握をされておるという点について、私は二〇%のよって立つ原因が何といってもそこにあると思うのであります。そういう点から考えますと、まだまだ、この天引き徴税に対する均衡が十分にとれておるかどうかについて、大いに議論があると思う。もしも一万円の定額控除を設けたという趣旨がそういうところにあるといたしまするならば、何も考慮することなく、思い切ってどうして二五%というすなおな前進をなさらぬのか、そう考えるのでありますが、いかがでありますか。
#28
○村山政府委員 お話のように、給与所得の控除につきましては、給与所得について、他の所得と違いまして、給与所得といえども、必要な経費というものはあり得るわけでございますが、これは税法の上で必要な経費という計算方法をとっておりません。それにかわるべき概算経費控除としての給与所得控除、これがやはり一番大きな眼目になっておるわけでございます。その他、おっしゃるように、確かにガラス張りであって、いろんな経緯はありましょうが、実際の課税の状況を見ておりますと、給与所得者が他の納税者に比べて非常に重い状況にあるということが住民税等に如実に現われておる、こういうようなことがまず一般にいわれておるわけでございます。そういうことでございまして、今回の改正でなぜ率――現在四十万円までが二割、それから四十万円をこえる八十万円まで一割、最高八十万円のところで十二万円の控除になっておるわけでございますが、これをなぜ簡明に上げないのか、こういう議論でございますが、この点は大体二つの点をわれわれは考慮したわけでございます。
 一つは、給与所得者の先申しましたような概算経費控除的な性質があるといたしますと、現在の控除のやり方にも現われておりますように、どうしても下のある程度固定的なものがあるわけでございます。必ず給与の額にスライドして経費の割合があるということではないわけでございます。固定的な経費、たとえば通勤費というような問題一つ考えてみましても、上の給与の多い人の通勤費はよけいかかるわけのものではもちろんないわけでございます。また、職業上必要な、たとえば本を買うとか、いろいろなこういったときの経費で考えられる経費のようなものでございます。これもまた必ずしも給与の額にスライドしておるわけではございません。その他身の回り品その他にも関連ございますが、そういったものを考えますと、全体としてどちらがよけいかかるかといえば、それは給与の多い方がかかるとあるいは言えるかもしれませんけれども、少なくとも給与にスライドすべき性質の問題ではない。これが少なくとも給与の多寡によりまして二段階の控除率を設けておる大きな理由であるわけです。その趣旨をさらに徹底いたしますれば、現在の二〇%、一〇%の控除率の差で今の固定経費的な部分を十分まかなっておるかどうかということになりますと、なおわれわれは、下の方の給与者に、概算経費という同じ思想からして、まだ引き足りないのではなかろうかという点が一つでございます。第二の点はもしおっしゃるように単純に給与所得の控除を、たとえば二〇%を二五%に上げたといたします。この場合、これは上の方にずっと一律にいくわけでございます。まあ結果におきまして減税額もおそらくその方が多くなると思いますが、下の階級の者につきましては、定額控除の方がはるかに多くの減税が与えられるということにはまあ間違いないわけでございまして、それが二〇%、二五%でなくて、三〇%、四〇%ということになれば、また話は別になるかもしれませんが、およそ概算経費控除として考えられる一つの限度において、単純に率で上げますと、下の方にとっては、現在のわれわれの考えておる改正案よりも軽減割合ははるかに低いものになってくるであろう。およそその辺の二点を考えまして、今度の所得税法の改正が主として国民のうちの大宗を占めておる中小所得者に重点を置いて軽減をしよう、こういう趣旨にあるものですから、こういう控除の方法をとったわけでございまして、若干控除の方法が複雑になっておるという点はおっしゃる通りがと思いますが、この点は税制の技術上やむを得なかったことで、御了承をいただきたいと思うのでございます。
#29
○横山委員 農林大臣がおいでになったので、同僚諸君の質問もございますから、私の質問はこれで終わることにいたしますが、ただ一つ意見だけ、今の局長のお話が何かもっともらしく聞こえますから、意見を申し上げておきたい。まあかりに低所得層をもっとしなければならぬという必要があるならば、やりようはもう少し違うであろうし、額も一万円ということではなかろうと私は思います。税制全般を考えてみますと、今度は低所得層のためにというよりも、むしろ企業課税の――会社、大法人という方がきわめて今回の税制改正には強いのであります。この点について私は見解を異にいたします。しかし、時間がございませんし、大臣がお見えでありますから、同僚の質問に移っていただきます。
#30
○足立委員長 栗林三郎君。
#31
○栗林委員 最初に資料の要求を申し上げておきたいと思います。
 買上米価と消費者米価との間の中間経費に関する資料がありますと、この席で簡明に質疑を行なうことができますが、それらの資料の要求をしておりませんでしたので、こういうこまかい内容にはきょうは触れませんが、後刻でよろしゅうございますから、これらの中間経費に関する資料の一切を出していただきたい。
 農林大臣にお伺いいたしますが、この食管会計は、食糧証券借、入金、一時借入金等によってまかなわれているわけですが、借入金等については利子がかかることは当然でございます。そこで、中間経費をできるだけ節約するという面からも国の余裕金を活用する。利用するというような考えはないものでしょうか、この点を一つお尋ねしたいと思います。あわせて、もしも事務当局がおいでになるならば、これら食糧証券、借入金、一時借入金等に関する利子はどのくらいかかっておるか、これを明らかにしていただきたいと思います。
#32
○周東国務大臣 お話の国庫余裕金の活用というものは、現在も一部やっておるわけであります。なお、ほかの食糧証券なり借入金等に関する利息につきましては、事務の方からお答えをさせます。
#33
○家治説明員 お答え申し上げます。
 ただいま大臣から御答弁のありましたように、食管特別会計といたしましては、その資金を主として食糧証券、それから国庫の余裕が許します限りにおきましては、国庫余裕金を使用しております。ところで、国庫余裕金の操りかえ使用は一時的なものではございますが、そのかわり金利はつきませんので、この国庫余裕金の利用率を上げるということは、私どもといたしましては非常に努力をしておるところでございます。もちろんこれは国庫の状況が左右いたしますので、関係当局の御協力を得まして、できるだけ努力しておるのでございます。それで、今まで食管特別会計で支払った金利がどれくらいかということでございますが、その点はまた後ほど資料を見まして詳しく申し上げますが、大体食糧証券の金利は日歩一銭六厘五毛でございます。従いまして、これの金利を払っておるのでございますが、今までの実績としましては百四十億から百五十億ぐらいでございます。
#34
○栗林委員 これらの詳細についての資料は、後刻でよろしゅうございますから、出していただきたいと思います。今年度もかなりの赤字が予想され、それに対する補正予算の措置が講ぜられておるわけですが、明年度の米価に関しては一体どういうようなお考えを持っていらっしゃるか、この際一つ基本的なお考えだけでも明らかにしていただきたい。予算米価に対してはどういうお考えでお臨みになるか、大臣のお考えを述べていただきたいと思います。
#35
○周東国務大臣 お尋ねでございますが、明年度すなわち三十六年度の予算自体につきましても、ただいま慎重に検討中でございます。いわんや、その中に織り込まれるべき、御質問はおそらく買い入れ米価という問題でありましょうが、買い入れ米価をいかにするかということは、まだ今の段階におきまして申し上げる時期でございませんので、御了承願いたいと思います。
#36
○栗林委員 最終的な数字等につきましてはまだきまっておらないと言われましても、私どもも納得できるわけですけれども、大きな方針だけは大臣もお持ちになっていらっしゃると思うのです。それならば、一つ私の方からお尋ねしますが、明年度の予算米価を策定するにあたって、その算定方式は生産費及び所得補償方式に基づく算定方式を忠実にお守りになる方針ですかどうか、この点を一つお尋ねいたしたいと思います。
#37
○周東国務大臣 三十五年産米を買い上げます場合において、米価審議会等に諮問してきめました米価算定方式は、大体生産者所得補償方式にパリティ方式を加味したような格好になっております。これを方針としておそらく生産者所得補償方式だけに限ったということだろうと思いますが、それらに関する案を立てますについて、今日までのところまだこれならばという資料が完全でないように聞いております。従って、三十五年産米を決定する場合においても、中心は生産者所得補償方式をとりつつ生産費をとらえたのでありましょうが、それだけでいかないので、多少そこにパリティ方式を参照して作った、かように考えております。そういうふうにいたしまして、今後におけるその方式をどのところをどういうふうにやっていくかということは、慎重に考えた上で、それを頭に入れて予算米価を考えていきたい、かように考えております。
#38
○栗林委員 生産費及び所得補償方式は、今年度の米価策定から完全実施ということを政府も言明し、政府は池田内閣にかわったにしましても、この方針には変わりがないと思うのです。ただ問題は、その方式自体は確立しておりますが、これは形式的な話です。その内容においては、農業団体、農民団体と政府、農林省とは大きな意見の食い違いがあるわけでございます。多少の食い違いではないのでございます。この大きな食い違いについては大臣も十分御承知だと思うのですが、大きな点を申し上げてみますと、生産費を補償するという考え方は、これはもうすべてが一致しておる点でございます。けれども、それならばその生産費をどこにとるかということが大きな論争になって、まだ未解決です。政府はこの生産費のとり方を平均生産費に見ておるわけです。そして、平均生産費から統計上の措置として標準偏差の数値を控除して、そして修正して幾らか生産費を高めてきめておるわけでございます。しかし全体の平均主義には変わりかないわけです。従って生産費が非常に安くつくわけです。農民団体、農業団体の主張は、生産費の方式はバルク・ライン方式を強く要求し、これを支持して、そして八〇%で一つきめてもらいたい、これが農業団体、農民団体の一致した意見であり要求であります。ここに大きな食い違いがあるわけでありますが、予算米価策定にあたりましては、これは農業団体、農民団体が一致しての要求であり意見ですから、この際平均主義を捨てられて、そしてバルク・ライン方式に切りかえるという態度をお示しになっていただくわけにいかないでしょうか、この点を一つお伺いしておきたいと思います。
#39
○周東国務大臣 お話の点を含めてよく考えたいと思います。理論的には生産費補償方式の基礎となるべき生産費をとって、そしてそれをバルク・ライン方式できめるということは間違いありません。そのとらえるべき生産費の調査その他に関していろいろ議論のあることは御承知の通りであります。そういう点をよく慎重に考えて善処いたしたいと思います。予算米価でありますから、実際上の買い上げを行ないまする六、七月ごろまでにおきましては、さらに毎年のことでありますが、もう一度委員会を開いてきめるのであります。予算米価といたしましてもそれらのことも頭に置きつつ一つきめますが、さらに実際の買上米価の決定の場合における秋までに、しっかりしたものを出したいと思います。予算米価として今申し上げるわけにいかないと思います。
#40
○足立委員長 栗林君に申し上げますが、農林大臣は予算委員会の途中御無理をお願いして御出席いただきましたので、今先方から督促がございますから、あと一間に願いたいと思います。
#41
○栗林委員 できるだけ簡単に質問をやめたいと思います。
 あとこの方式の中で大きく食い違っているのは自家労働の評価がえの点、これがひどく食い違っておる。そこで、われわれは製造工場の三十人規模以上の平均を要求する。政府は全規模の立場に立っておるわけでございます。しかし、政府は全規模に立っておるといいましても、実質上は五人規模と大体同じ数字が出ておるわけでございます。たとえば農業団体は五人規模以上を要求しているわけですが、その際一時間当たりの賃金は八十一円六十七銭になっておるわけです。政府は、全規模といいながら、その全規模の中で特に一人から四人までの零細工場は、通勤者だけを取り上げて策定しておるわけです。そういう作業を加えた結果八十円二銭という計算になっておるわけです。そうすると、これは一円足らずの差でございます。それですから、すでに政府はこの段階では全規模をとるという立場を捨てられて、農協等の主張しておられる五人以上の規模をとる、こういうように修正して差しつかえないと思うのです。実質上は同じなんです。それを五人規模と言わないで、実質上は五人規模になっておるわけです。それをいまだに全規模の立場に立っておるわけですが、こういう点は一つ率直に改めていただきたいと思うわけです。
 同時に、自家労働の評価は、これは今日米価形成の上から見まして非常に重要な問題でありますから、ぜひ三十人規模以上の平均賃金に評価がえするように一つ努力してもらいたい。またそういう努力をする御意思があるかどうか、この点を一つお伺いしておきたいと思います。
 それと、もう一回で終わりますから、あわせて伺います。なるほど、予算米価でありますから、六月ごろ決定する実行米価とは違います。それですから、そう理詰めに策定する必要はあるいはないかもしれません。だからといて、予算米価であるからといって、安直な考えで策定されることも迷惑でございます。やはりその本質だけは貫いた算定をなさらないわけにはいかないと思います。そういう立場に立ってお伺いしますが、来年の予算米価は少なくともことしの米価水準を下回らないという方針で策定すべきものだと思うわけですが、これに対する大臣の見解を一つ率直に述べていただきたいと思います。
#42
○周東国務大臣 予算米価だから安直にこしらえるということは考えておりません。それだけに慎重に考えて策定をいたします。しかし、今あなたのお話しになりました実行米価決定までにはまだ時間もございますので、御意見の点は十分に考えまして善処いたしたい、かように考えております。
#43
○栗林委員 米価水準……。
#44
○周東国務大臣 予算米価について今の水準を下回らざるということ、それは御意見としてよく承っておきます。
#45
○栗林委員 今の米価水準というのは、本年度の手取り価格は石当たり一万四百五円に決定しているわけです。その内容はいろいろ複雑でございます。しかし、それらの複雑ないろいろな問題があるにしましても、全体としてはことしの一万四百五円を下回ることのないような予算米価を策定してもらいたいというのが私どもの希望なんでございますが、一つ大臣のもっと強い御意思の表明をお願いいたしたい、こう思うわけです。
#46
○周東国務大臣 あなたの御意思を尊重して善処いたします。
     ――――◇―――――
#47
○足立委員長 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案及び昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 三法律案に対する質疑はこれにて終了いたします。
 これより順次討論及び採決を行ないます。
 まず、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案の両案を一括して討論を行ないます。通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
#48
○広瀬(秀)委員 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして反対討論を行ないます。
 まず、前者についてでありますが、第一に、この法律の前提をなす国際開発協会、いわゆる第二世銀に対して加盟しなければならないという積極的理由が遺憾ながらないのであります。すなわち、第二世銀に加盟し相当巨額の資金を国民の税金から出資する場合に、日本経済に対しいかなる利益をもたらすものであるか、国民の生活向上にいかに役立つかということは重要なポイントであります。しかるに、本委員会における提案理由の説明なり、あるいは政府委員等の答弁の中から、納得できるだけのものがついに見出し得なかったわけであります。ただはっきりいたしましたことは、国際協力という観点に立って務めを果たすのだ、低開発国開発に協力するのだ、こういう抽象的説明だけであって、日本経済を発展させ、国民に利益を与える具体的なはね返りがどの程度あるかという見通しもない。そして、投資のプロジェクト設定、こういうことも全然わからないままに、つき合いだから金を出す、こういう態度では、国民諸君が納得できないのであります。
 第二番目に、今日日本の金融事情は相当逼迫しているにもかかわらず、そして、一方において高い利子をもって外資を入れようじゃないか、外債を発行しようということに大きな努力を重ねているにもかかわらず、一方ではつき合い程度の理由で、ほとんど無利子、あるいはせいぜい二分ないし二分五厘程度の利子しか見込めない、あるいはまかり間違えば出資金すら返らない、こういうところに出資するということは、現下の日本の金融事情なりあるいは国力相応という観点から、とうてい国民の了解し得ない点であります。特に歳末を迎えまして、中小企業の金融難は予想以上にきびしい。そして、政府資金、これすらも日本の国内では九分、あるいは九分以上というような高い利子でありますけれども、こういう政府資金にもありつけない小企業あるいは零細企業などは、月に三分、あるいははなはだしきに至っては九分というような町のやみ金利、高利貸しにすら飛びつくような状況であります。しかるに、無利子の、そして経済効果のかいもく不明なところに出資することは、国民感情としても理解しがたいところであります。零細企業あるいは零細農民の金融難の緩和あるいは母子家庭の厚生福利等のためにこれらの資金をさしあたり回すことが緊急の必要ではないか、かように考えるのであります。
 第三には、今日までの国際的な金融機関、IMFであるとか、あるいはIFCであるとか、こういうものの運用状況を見ましても、特に投資効果が日本経済に大きくはね返る可能性のあるたとえば東南アジア等の地域には資金が多く回されておりません。他の中南米等の方向に重点的に流される傾向が見られます。しかも、日本のそういった機関における発言権ないしそういった面での努力というものがほとんどないような状態であります。今回の第二世銀への出資金の運用についても、おそらくそういう状態が改善される可能性というものは見当たらないのじゃないか、かように考えられます。この点についての不安と懸念というものは解消いたしておりません。
 第四に、日本の国際収支は、特需や域外買付等のおかげで二十億程度のドル準備があるという程度でしかないのに、大へん楽観をいたしまして、米国の言うことなら何でも協力し、おつき合いをしていくという態度では、近い将来国際収支が逆転することもあり得ることに対して非常に警戒心が不足だ、このように申さなければならないのであります。このような立場から見るならば、これに対する出資は、まさにアメリカの国際収支の逆調、ドル防衛の必要性、こういうものに伴って、自由主義陣営に対するひもつき援助資金の肩がわりの意味しか持たないのであって、これこそ米ソ冷戦の中においてアメリカのお先棒をかつぐことになるのであります。国際の平和と真のおくれた地域に対する経済開発にはならないと存ずるのであります。
 このような観点に立ちまして、本法案に対しまして反対の意思を表明して、討論とするわけであります。
 次に、日本開発銀行法の一部改正法案については、米国の金利低下の現状においては、国内金利との比較から外資導入の理由なし、そういう点での争いの点は解消いたしたと考えるのであります。しかしながら、開発銀行の外貨債発行によって、米国を中心とする民間資金吸収の慣行を作ること自体が、わが国の経済自立政策の根幹に触れる問題であります。従って、より慎重にやらなければならない問題であるという理由で、反対をいたすものであります。
 以上をもちまして、社会党を代表しての両法案に対する反対討論を終わります。(拍手)
#49
○足立委員長 これにて両案に対する討論は終了いたしました。
 続いて採決いたします。
 両案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#50
○足立委員長 起立多数。よって、両案はいずれも原案の通り可決いたしました。
 次に、昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案に対しましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
 お諮りいたします。本案は原案の通り可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
 なお、ただいま可決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○足立委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
 次会は来たる二十日午前十時三十分より開会することといたしまして、これにて散会いたします。
    午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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