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1960/12/16 第37回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第037回国会 国土総合開発特別委員会 第2号
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1960/12/16 第37回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第037回国会 国土総合開発特別委員会 第2号

#1
第037回国会 国土総合開発特別委員会 第2号
昭和三十五年十二月十六日(金曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 辻  寛一君
   理事 遠藤 三郎君 理事 松澤 雄藏君
   理事 足鹿  覺君 理事 石山 權作君
   理事 片島  港君
      神田  博君    櫻内 義雄君
      竹下  登君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    橋本 龍伍君
      村上  勇君    渡邊 良夫君
      淡谷 悠藏君    中村 英男君
      芳賀  貢君    前田榮之助君
      三鍋 義三君    内海  清君
 出席政府委員
        経済企画政務次 江藤  智君
        官
 委員外の出席者
        議     員 遠藤 三郎君
        議     員 田中 角榮君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  曽田  忠君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局参事
        官)      南部 哲也君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局総合開
        発課長)    玉置 康雄君
    ―――――――――――――
十二月十五日
 委員大石武一君及び寺島隆太郎君辞任につき、
 その補欠として神田博君及び村上勇君が議長の
 指名で委員に選任された。
同月十六日
 委員金子一平君、島村一郎君、永山忠則君、淡
 谷悠藏君及び芳賀貢君辞任につきその補欠とし
 て竹下登君、橋本龍伍君、徳安實藏君、前田榮
 之助君及び中村英男君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員竹下登君、徳安實藏君及び橋本龍伍君辞任
 につき、その補欠として金子一平君、永山忠則
 君及び島村一郎君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中国地方開発促進法案(遠藤三郎君外四十二名
 提出、衆法第一号)
 北陸地方開発促進法案(田中角榮君外三十二名
 提出、衆法第二号)
     ――――◇―――――
#2
○辻委員長 これより会議を開きます。
 この際、経済企画政務次官より、ごあいさついたしたいとの申し出がありますので、これを許します。江藤経済企画政務次官。
#3
○江藤政府委員 ただいま委員長より御紹介にあずかりました参議院議員の江藤智でございます。
 このたびはからずも経済企画政務次官を拝命いたしました。今後、国土開発の問題につきましては、何かと当委員会の諸先生方の御指導にあずかり、また御支援にあずからなければならないと存じております。今後ともよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
#4
○辻委員長 なお、総合開発局長曽田忠君を御紹介いたしておきます。
#5
○曽田説明員 ただいま御紹介にあずかりました総合開発局長の曽田でございます。
 実は去る十月三十一日の異動によりまして、建設省から企画庁に出向いたしまして、この職を拝命したのであります。まことに未熟な者でございますが、皆様方の御指導を心からお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#6
○辻委員長 去る十四日本委員会に付託になりました、遠藤三郎君外四十二名提出の中国地方開発促進法案及び田中角榮君外二十二名提出の北陸地方開発促進法案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#7
○辻委員長 まず、提出者より提案理由の説明を順次聴取いたします。遠藤三郎君。
#8
○遠藤議員 ただいま上程せられました中国地方開発促進法案について、私は自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、その提案の理由を御説明申し上げます。
 中国地方の開発促進につきましては、去る三月、三十四国会におきまして、中国地方開発促進に関する決議が満場一致可決されたのでありますが、この決議の趣旨等からも明らかでありますように、本地方の経済、民生その他の地域的後進性を打破するため、この際、画期的施策を講ずることが強く要望せられているところであります。
 特に政府がさきに策定いたしました経済成長政策を達成いたしますためには、地域的格差の除去、産業、人口の適正配置をはかりますことが、当面の課題であり、この問題の解決こそが、わが国経済の安定的伸長発展をもたらすゆえんであることは言うまでもありません。
 今ここに、本地方の内包する問題点について二、三の例証を試みますならば、本地方は、一部臨海地域を除き、総じて第一次産業の占むる比重がきわめて大きく、従って、住民の所得は、全国水準をはるかに下回り、地場資本の蓄積に乏しく、各県財政の実情について見ましても、総予算に占むる自主財源の比率は、わずかに二五%、全国平均三三%に対比して、実に八%の低位を示しているのであります。
 本地方は、その中央部に中国山脈が縦走しているため、本来、同一経済圏として、共同一体的発展を遂ぐべき陰、陽両地域が、相互の連絡交通の円滑を欠き、本地方の総合的開発に決定的阻害要因をなしているのであります。
 また、本地方は、その大部分が、特殊土壌、急傾斜、積雪寒冷、湿田単作地帯等におおわれ、もともと国土総合開発法において、それぞれ特別の地域指定を受けながら、その対策事業が従来きわめて微温的であったため、今なお旧態依然たる低位生産性を脱却し得ない実情にあります。特に、山陰、山陽中北部一帯は、未開の山間僻地として取り残され、また、内海には、全国屈指の数多い島嶼をかかえまして、開発の立ちおくれは最も著しいものがあります。
 しかるに、他面、本地方は、阪神・北九州の二大工業地帯の間に介在いたしまして、三面に海をめぐらし、臨海工業地帯の造成適地はもとより、産業立地上幾多の好条件に恵まれており、また、近代工業の必須的原動力たる水、電力、労働力等の資源をきわめて豊富に内蔵いたしておりますので、これらの立地条件の優位を活用するとともに、陰、陽両地域にわたって、経済基盤の総合一体的な培養整備をはかりましたならば、開発効果は、瞭然として、期して待つべきものがあると確信するものであります。
 時あたかも、政府は、経済成長政策の強力な実施推進を期し、公共投資の増大とともに、国土の総合的開発に特段の施策を講ぜんとしているところでありますが、本地方の開発については、如上のごとき実情にかんがみ、特にこの際、特別の立法措置を行ない、開発事業の画期的推進をはかることが、きわめて緊要であると思うのであります。
 以上が本法律案を提出する理由であります。
 次に、法案の要旨について御説明いたします。
 第一は、内閣総理大臣が、中国地方開発促進計画の作成を行なうことについて規定したものでありまして、総理、後述する中国地方開発審議会の議を経て、これを行なうことといたしております。
 第二は、中国地方開発審議会の設置とこれに伴う所掌事務、組織その他必要な事項について、規定いたしました。
 なお、特定の重要事項を審議検討するための部会の設置、その他審議会の具体的運用については、政令をもってこれを定めることといたしております。
 第三は、開発促進計画に基づく事業の実施に関する規定でありますが、開発促進計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法令の規定に従って、国、地方公共団体その他のものが実施するものとし、それぞれの事業の総合かつ効率的な実施推進を期するため、経済企画庁長官が、毎年度、事業計画及び資金計画の調整を行なうことといたしたのであります。
 第四は、開発促進計画の実施を促進するための財政上の措置に関してでありますが、政府は開発促進計画を実施するために必要な資金の確保をはかり、かつ財政の許す範囲において、その実施の促進に努めなければならないと規定いたしております。
 なお、これについては、一般会計予算の増額を期するほか、地方産業育成のための財政資金の確保についても、特段の考慮が払わるべきものと存じます。
 また、開発促進計画に基づく事業の実施促進に伴う、地方財政再建促進特別措置法との関係については、財政再建団体及び財政再建法準用団体である県が、開発促進計画に基づく事業を円滑に実施できるように、自治大臣が、財政再建計画の変更の承認にあたって、特別の配慮を行なわねばならないと規定いたしております。
 なお、本法附則において、本法と九州地方開発促進法との双方に包含せられている山口県の取り扱いについて、特に規定いたしました。すなわち、本法の施行に伴い、開発計画が実施の段階に入り、かつまた、事業が円滑に推進せられる時期において、政令の定めるところにより、山口県を九州地方より切り離し、本地方開発促進計画に、元化することといたしております。
 次は、これらの事業の実施にあたっての国の特別の助成措置についてでありますが、本地方の開発促進計画が作成された場合、重要事業に対する国の負担率、補助率の割合について、所要の改正を行なうことといたしまして、附則第三項にその規定を設けたのであります。
 以上がこの法律案の要旨でありますが、何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。
#9
○辻委員長 次に、田中角榮君。
#10
○田中(角)議員 ただいま上程せられました北陸地方開発促進法案につきまして、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、その提案の理由を御説明申し上げます。
 北陸地方の開発促進につきましては、去る三十四国会において、北陸地方開発促進に関する決議が満場一致をもって可決されたのでありますが、この決議の趣旨等からも明らかでありますように、この地方は経済、産業、民生すべての面において、太平洋沿岸諸地域に比し、著しい立ちおくれを余儀なくせられ、いわゆる裏日本的宿命のもとに置かれているのでありまして、これを全国的な水準に引き上げ、当面の緊急課題たる地域的格差を除去するために、特段の施策を必要とする幾多の問題をかかえているのであります。
 すなわち、本地方は、本土中央部を縦断する山脈のため太平洋側との連絡交通が妨げられ、かつ積雪、寒冷等の自然的悪条件に災いせられて、産業はふるわず、財政、経済力はきわめて弱体であります。たとえば昭和三十四年度の基準財政需要に対する収入の比率について見ても、わずかに三三・九%にすぎず、全国平均に遠く及ばない状態でありまして、この一事をもってしても、本地方の低位後進性は顕著であり、このままに推移いたしますならば、地域間の格差はますます増大し、経済成長政策に逆行する結果をもたらすことはおのずから明らかであります。
 他方、本地方は、農林水産、観光資源はもとより、電力、用水、労働力等特に豊富な資源に恵まれ、かつ日本海を中心とする対岸貿易の拠点的役割をにない、さらに、京浜、中京及び阪神の三大商工業地帯と密接につながる等特殊の立地条件のもとに置かれ、今後、外に向かっては対岸貿易の促進、内にあっては背後地との交通連絡網の整備拡充、産業立地計画の促進をはかる等、施策のよろしきを得るにおいては、ひとり本地方のみならず、広くわが国経済の発展、民生の向上に寄与するところきわめて大なるものがあると信ずるのであります。
 このような特殊事情のもとにおいて、本地方の総合開発を促進するためには、準拠すべき基本法の制定がぜひとも必要であると存ずる次第であります。
 これがこの法律案を提出する理由であります。
 次に、法律案の要旨について簡単に御説明申し上げます。
 第一は、内閣総理大臣が、北陸地方開発審議会の審議を経て、北陸地方開発促進計画を作成することを規定いたしておるわけであります。
 第二、北陸地方開発審議会に関し、その設置、所掌事務、組織その他必要な事項についての規定でありますが、部会の設置その他審議会の具体的運用については政令をもって定めることといたしております。
 第三は、開発促進計画に基づく事業の実施及び調整についてでありますが、開発促進計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法令の規定に従って、国、地方公共団体その他のものが実施するものとし、経済企画庁長官が、毎年度事業計画及び資金計画の調整を行なうことといたしたのであります。
 第四は、開発促進計画の実施について、政府は必要な資金の確保をはかり、かつ財政の許す範囲内において、その実施の促進に努めなければならないことを規定いたしたものであります。なお、これについては、一般会計予算の増額を期するほか、地方産業育成のための財政資金の確保についても、特段の考慮を払わるべきことは論を待たないところであります。
 さらにまた、本法の附則において、開発促進計画が作成された場合には、開発促進計画に基づく事業のうち、重要なものに要する経費にかかる国の負担または補助の割合について、当該事業の実施の促進上特別の措置を必要とするときは、別に法律で定めることといたしました。
 なお、この法律の制定に伴い、必要な関係法律の一部改正を行なうことを規定いたしております。
 以上がこの法律案の要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。
#11
○辻委員長 以上で両案について提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#12
○辻委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の通告があります。これを許します。足鹿覺君。
#13
○足鹿委員 簡単に政府当局に、この際、二、三お尋ねを申し上げておきたいと思います。
 この両法案とも三党の共同提案でありまして、その趣旨については何ら異存を持つものではございませんが、近くこれが成立、実施の暁は、その運営は審議会等の審議結果にもよることではございますが、政府の責任において、法律の施行、運営が行なわれまするのでこの際、これに関連をしてお尋ねを申し上げたいと思います。
 この種の立法のうち、北海道、東北の場合は、いわゆる開発三法といわれておりますように、促進法、公庫法、会社法、この三つによって運営されておるのでありますが、九州地方の開発法以来、四国、また今回成立せんとしております両地区について見ましても、促進法一本立という形になってきておるのであります。従いまして、北海道、東北等においてすでに実施を見ております会社法、あるいは公庫法の事業内容に、ある程度匹敵する運営が必要となってくるのでありまして、それを抜きにいたしましたのでは、法の効果も十分期待できない点が出てくると思いますので、そういう趣旨から、二、三政府の御所信をお伺いしておきたい。
 まず最初に、三十六年度の予算は、この両法の成立を前提として編成されなければ、この法律の効果を早期に期待することができないと思うのでありますが、さような心がまえによって編成を進めておられるかどうか、この点を最初にお伺いいたしておきたいと思います。
#14
○曽田説明員 お答えいたします。
 この両法案が成立いたします場合におきまして、すでに三十六年度から、相当大幅な事業の促進というものが当然考えられなければならないというように考えておりますが、この前の国会におきまして、すなわち、四国の特別法案の成立の過程におきまして、中国、北陸の促進法につきましても、早急に計画を樹立すべきではないかという御決意の次第もございましたので、われわれといたしましては、三十六年度の予算におきましても、この両地区につきまして、今までより以上の促進をはかりたいというように考えております。
#15
○足鹿委員 そうしますと、これは各党でこの法案を相談をし、今日に至ります経過から見まして、いろいろ当面の重点実施事項というものを政府にも提出をし、われわれもその点については検討をしておるのでありますが、すべてを一時にというわけには相なりますまい。つまり、重点中の重点とも申すべきものについてはどのようにお考えになっておりますか。たとえば中国開発法の場合におきましては、非常に今日までおくれております縦貫自動車道路の調査費の問題とか、あるいは九州、四国もともに見送っておると申しますか、実現を見なかった公庫法の問題でありますが、それにかわるべき開銀の特別ワクを設置いたしまして、この開発促進法に基づく開発に必要な融資の問題にこたえるために、特別ワクを設置するというような経過が従来もあるのであります。四国においては二十億ですか、九州が五十億というふうにわれわれも聞いております。でき得べくんば、私どもは、本年度じゅうにその特別ワクを設置してもらいたいという非常な熱意を持っておるわけでございますが、本年はもちろん年度ももう迫っておりますので、来年度に大きな期待をかけておることも御存じの通りであります。この点、開銀の特別ワク等の問題についていかように当局としては考えておられるか、その概要なり御所信をこの際明らかにしておいていただきたいと思う次第であります。
#16
○曽田説明員 ただいま御質問の開発銀行の融資の問題でございますが、あれは先生も御存じかと思いますけれども、昨年九州開発の関連におきまして、三十五億の開発銀行の地方開発のワクを作ったのでございます。今年は四国の関係もございまして、そのワクを七十億にふやしておるのであります。三十六年度におきましては、われわれといたしましては、ただいまの九州あるいは四国のワクのほかに、中国あるいは北陸を含めまして、現在のところ、約二百億程度の予算のワクを財政当局に要求しておるのであります。
#17
○足鹿委員 その大体の内ワクの区別はお考えになっておりますか。
#18
○曽田説明員 現在のところ、各地区別に幾らということは、実は現在の段階におきましては考えておりませんが、この数字が固まるにつれまして、各地区別にどういうふうに割り当てるかということを検討したいと思います。
#19
○足鹿委員 あまり深くは申し上げませんが、既設の地域に劣らないような十分なる配慮を、この際強く要請しておきたいと存じます。
 次に、国土開発法に基づく特定地域との調整の問題についてでありますが、御存じのように、企画庁の委託調査費といい、また、特定地域との調整費の計上の問題についても、これは促進計画が実現を見ていく場合においては、当然その調査なり調整は必要となってくるわけでございまして、これが当面一番必要な事項になろうかと存じます。中国地方におきましても四つの特定地域を持っております。たとえば芸北とか、錦川とか、大山、出雲、あるいは北九州というふうになっておりまして、事業計画を進めていく場合には、当然これらの調整を行ない、そして総合的にその目的を達成する必要が出てくると思うのであります。その点について伝え聞くところによりますと、従来の七億五千万が二十億程度を当局において検討中であるやに聞いておりますが、従来の事例から申し上げますと、先進開発地域と申しますか、既設の地域にその大部分を割り当てるといったような事態もありまして、われわれは既設の地域のものを削って新しい地帯に持ってくるというようなことは、毛頭考えておりません。当然新しく法律が実施になります以上は、新しい地域の分を増額して、総ワクをふやして、すでに実施した地域との摩擦なくして、必要額を計上していかないことにはいかぬのではないかと考えておるわけであります。もちろん御異存はないと思いますが、その点についての委託調査費の問題と、国土開発法に基ずく特定地域との調査費の問題についての御見解をこの際明らかにしておいていただきたいと存じます。
#20
○曽田説明員 お答えいたします。
 いろいろな事業をやります場合におきまして、率直に申し上げますと、基礎調査というものが、非常に各事業ともおくれておるような事情でございまして、われわれといたしましても、この調査につきましては、あらゆる事業につきまして相当大幅な措置を考えるべきじゃないかというふうに考えております。また、各事業間のいろいろな調整の問題がございまして、これにつきましても、ただいま先生がお話しのように、三十五年度におきましては七億円の予算でございましたが、これを現在二十億程度増額してございます。これらにつきましても、各地域のそれぞれの特殊事情に応じまして、重点的に予算の配分をして参りたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#21
○足鹿委員 調整費の点については、巷間伝え聞くところによりますと、二十億程度というふうに聞いておりますか。さようでありますか。
#22
○曽田説明員 われわれといたしまして財政当局に要求中の予算の額は二十億でございます。
#23
○足鹿委員 それから、先ほど開銀ワクの問題について申し上げましたが、この際、従来の四国の場合とか九州の場合のおもなる融資先を資料としてでもけっこうでありますから、後刻委員全員に御配付を願いたいと思います。
#24
○曽田説明員 承知いたいたしました。
#25
○足鹿委員 それでは最後に、政務次官に申し上げます。大体大臣に御言明を願っておきたいと思うわけでありますが、こういうふうに次々と開発地域が拡大をして参りますと、全国の未開発地域を一本にしまして、その補助率の引き上げであるとか、あるいはその他必要な措置が、当然共通事項としてとられなければならない段階が迫ってきておると思うのでございます。その点について大臣としましてどういうように対処されようとしておりますか、そう点をこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
#26
○江藤政府委員 当然大臣からお答えすをべきでございまするけれども、私からかわりまして、ただいまの御質問の点につきましてお答えいたしたいと思います。
 ただいま御指摘になりました通り、数々の特定地域ができまた、たくさんの地方に地域開発促進法ができるようになりますと、結局、日本の国全体につきましてやはり一貫した総合計画を至急立案いたしまして、そうしてこれを全国的な視野に立ちまして、その促進あるいは助成を考えなければいけない段階に立ち至っておるといううふうに政府当局も考えております。従いまして、できるだけ早機会に国土総合開発法に基ずきまする国土開発計画を立案いたしまして、そうして国土全体を公平に見た、そういういろいろな施策を考えるつもりにいたしております。簡単でございますが、お答えいたします。
#27
○足鹿委員 大体私のお尋ねしようと考えておりました点は以上で尽きますが、要するに、この種の立法が次々と制定されますゆえんのものは、現行の国土総合開発法が十分にわれわれが期待しておった効果を伴わないために、このような事態が起きるのでありまして、一部にはいろいろ批判を行なう者がありますが、要は、国土総合開発法が所期の目的を、しかも必要な予算措置を伴って強力に実施されることにおいて、問題は解決するのでありまして、われわれは、いたずらに議員立法をもって特定地域のみの利益を擁護しようというような考え方は毛頭ないのであります。その後進地域といい、あるいは未開発地域といい、これらの問題を通ずる国土総合開発法が、真に国民の期待に沿うような、また後進地域や未開発地域の住民の期待に即応するような運営がされてこそ、初めて納得ができるのでありまして、そういう点につきましても強力な施策を特に講じていただきまして、すみやかに後進地域の地方住民の熱願にこたえられるよう措置されることを強く御要望申し上げまして、私の質疑を一応終わっておきます。
#28
○辻委員長 ほかに質疑はありませんか。――質疑がなければ両案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、国会法第五十七条の三つの規定により、両案に対する政府の意見を聴取いたします。江藤経済企画政務次官。
#29
○江藤政府委員 ただいま御審議になっております中国地方開発促進法案並びに北陸地方開発促進法案につきましては、政府といたしましては、先ほど申し述べましたように、地域開発の促進は国土総合開発法によります国土総合開発の一環といたしまして取り扱いたい、こういう希望を持っておるのでございますけれども、諸般のいきさつにかんがみまして、両法案につきましては別に異存はございません。
    ―――――――――――――
#30
○辻委員長 これより中国地方開発促進法案を討論に付します。討論の通告がありますこれを許します。前田榮之助君。
#31
○前田(榮)委員 私はただいま上程になっておりまする中国地方開発促進法案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして、賛成の討論をいたしたいと思うものであります。
 本法案は、地方国民が年来要望いたしておりまする重大な案件でございまして、本日ここに委員会に上程され、この法案の成立を見ようとすることは、まことにわれわれの慶賀にたえないところであります。しかしながら、これはただ単にこうした道が開けたということで終わってはならないのでありまして、この法案が法律となって公布され、この立法の精神に基づいてますますその成果が上げられなければならないのでありまして、大体日本の国土開発については、非常に私はおくれておると思うのであります。本法案のごときも、どちらかといいますと、おそきに失するきらいがあると思うのでありますが、この際、この法律的に実施を見なければならないという点について、二、三要望を加えて、賛成をいたしたいと思うのであります。
 この法律は、日本全体の国土の開発をいかにすべきかという点と、あわせて中国地方という地方の特殊性に基づく開発の問題、この両面があると思うのであります。
 全国的な問題につきましては、日本は非常に国土が狭く、特に山間部の多い、土地の利用度の非常に困難な国であるということで、困難な状態になるのは仕方がないのだ、こういう一つのあきらめ主義のような声が、国民の中にも今まであったわけでございます。しかしながら、たとえばヨーロッパおいて、山国といわれておるスイスのごときにいたしましても、日本に比較いたしますと、山の状態は大体似たり寄ったりにもかかわらず、国土の開発は日本の二倍以上をこえておる開発が行なわれておる事情を見ますと、やはり国の施策がそこに及ばなければならないということにわれわれは着眼しなければならぬと思うのであります。ことに池田内閣が、経済成長率を十カ年のうちに倍にする等の問題から、農村人口の調整の問題等まで国民の中に大きく取り上げられたことは、全く日本の国土の開発等が、その底に流れた重大な案件であることにわれわれは着眼しなければならぬと思うのであります。そういう点において、全国的に国土総合開発をやらなければならぬという点に、特に政府は留意を払っていただきたいと同時に、その根幹になるべきものといたしましては、先年の衆議院における国土開発縦貫自動車道、これは単に道路のみならず、いかにして国土を開発するかという意味を含めた問題でありますけれども、これらも、その後における発展というものはほとんど見ておらないという程度であろうと思うのであります。中国地方においても、この縦貫自動車道の実施を見まして、それにいわゆる肋骨道路ともいうべきものの設置を十分に行なうことになりますならば、今問題になっております低開発地域の問題等は、おのずから解決のつく問題であります。ことに山陰、山陽の経済の格差等は、直ちに本案の重要な問題でありますけれども、山陰地方における経済の立地条件、これらは全く見捨てられておる状態でございまして、これらの問題を解決つける大きい問題といたしましては、やはり縦貫自動車道法における肋骨道路というようなものから、山陰、山陽の経済の直結を行なう、こういう点を大きく取り上げなければならぬ問題であると私は思うのであります。
 なお、地方の特殊性に基づく問題といたしましては、世界にほとんど類例のない風光明媚な自然を持っている瀬戸内海の開発をいかにすべきかということが、重要な問題ではないかと思うのであります。これにつきましては、たとえば中国と四国との連絡については、宇野―高松間もございますし、あるいはまた国鉄で計画いたしておりますところの、淡路島を通ずる鳴門海峡の鉄橋あるいはまた隧道の設置の問題とあわせまして、尾道―今治間の島嶼の飛び石伝いの道路計画、今治から愛媛県の海岸線をずっと通りまして、九州の佐賀関に通ずるところの、一番短距離の四国・九州・中国本土の連絡、経済開発の重要な路線でありますが、これらの問題等も大事な問題であると思うのであります。いずれにしましても、これらの問題を、今までの日本の政治は、これは保守党、革新党ということを離れまして、どうも計画性が十分に発揮されていないと思うのでありまして、たといこれは自由主義経済のもとに立っている政党といえども、これらの問題につきましては、積極的に長期の計画性に基づく国土の開発こそが、ほんとうに将来に明るみを持つ問題だろうと思うのであります。
 そういう点につきまして、今度のこの中国地方の開発促進法の実施は、やはり日本全体の国土をいかにすべきかという長期的な計画の上に立って、そうしてその地方の特殊性を十分に生かして発展させなければいけない。今日、一億に近い人口を持ち、ほんとうに狭い国土の上に、御承知のように、もう交通は交通地獄といわれるような状態にまで追い込まれておる今の日本といたしましては、前もってそういう日本の実態というものを見きわめまして長期的な計画を立て、ほんとうに国の全力をあげてこれを解決つけるということにならないと、この問題はとうてい日本の国民に安心を与える状態にならぬと思うのでありまして、これらも十分に考えて、われわれはこの問題の解決に当たらなければならぬと思うのであります。この点を特に重要視いたしまして、本法案の成立におきまして、ただ単にこの法案の問題のみならず、この法案が、なお今後の機会においても、ますます時代の進運に伴いまして発展せしめるような改正法等が必要であるならば、どんどんこれら改正法を成立せしめてやるという意気込みのある点を十分にお考え下さいまして、政府は、この法案を重要視して実施されんことを、特に希望を申し上げまして、本案に全幅的な賛成を表するものであります。(拍手)
#32
○辻委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 中国地方開発促進法案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#33
○辻委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#34
○辻委員長 次に、北陸地方開発促進法案を討論に付します。討論の通告があります。これを許します。三鍋義三君。
#35
○三鍋委員 私は、自由主民党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして、ただいま提案され、審議を尽されました北陸地方開発促進法案につきまして、賛成の討論をいたさんとするものであります。
 北陸地方は、裏日本というあまり芳しくない呼称のもとに、わが国の政治、経済、文化の中心より遠ざかり、太平洋沿岸各地域の目ざましい発展に比しまして、その停滞、不振の事実は、否定できないものがあるのであります。従って、当地方の各種資源は相当豊富なものがあるにもかかわらず、これが開発利用につきましては、きわめて立ちおくれていることは御承知の通りであります。天然資源については、各河川の落差が非常に大きく、水量も豊富であり、包蔵水力七百五十七万キロワットのうち、既開発分は二百四十三万キロワットであり、七十万キロワットを他地方に供給し、未開発分が五百十四万キロワット残されているのであります。また、工業用水につきましては、非常に豊かでありまして、しかも、良質な水量に恵まれ、地方資源についても、特に石灰石は北陸地方におけるところの重化学工業の重要な原料となっておるのであります。
 さらに、観光資源につきましては、中部山岳国立公園、白山国定公園、若狭湾国定公園等があって、歴史的、自然的観光資源に恵まれておるのでありますが、いまだ十分にその真価を発揮していないのであります。一方、北陸地方は、阪神、中京地区と北海道、東北を最短距離で結ぶ位置にあるにもかかわらず、幹線道路といえども整備は不十分でありまして、鉄道の輸送力もきわめて貧弱、また、長い海岸線を利用しての良港に恵まれておるにもかかわらず、いずれも未整備に終わっておるのであります。対岸貿易の促進が叫ばれておる今日、その拠点としての重要性が一段と増しておるわけであります。
 さらに、当地方各県は、財政投資力が弱い上に、災害復旧に追われまして、建設事業への投資力がますます弱められており、住民一人当たりの租税負担額においても、全国平均一万四千五百三十八円に対しまして、わずかに九千五百五十一円であります。これは税制改革の結果にもよりますが、人口の大都市集中が大きく、農林水産業所得の伸びが立ちおくれて、農業県と工業県との税収の格差が拡大した実例であります。北陸地方の自主財源の乏しさを示しているものであるということもできるのであります。
 以上、当地方の後進性とその開発の重要性を述べて参ったのでありますが、後進地域の開発は国の基本的政策の一つであります。政府当局におかれましても、最近特にこの問題に考慮を払われておるのでありますが、従来の実績を見るとき、大企業、大都市に重点を置かれ、中小企業、農林漁業等のおくれた産業の強化は第二次的にされてきた傾向はいなめないのであります。大局的見地に立ち、後進性よりの脱却のために、最も重点を置かれるべきであるものにつきましては、優先された措置をも講ぜられることが大切だと考えるのであります。
 今や、日本は四つの島に閉じ込められ、九千三百四十万人の人口を養っていかなければならないのであります。この繁栄の道は、戦争で失いし領土に思いをはせて死児のよわいを数えることではなくて、足元を見よ、すなわち、眠れる資源の大開発にあると思うのであります。しかるに、国土総合開発法にいたしましても、各地方の開発促進法にいたしましても、法の裏づけとなる財源的措置が伴っていないのでありまして、本法におきましては、真に北陸地方の開発を効果あらしめるよう、政府に対し、格段の積極性と強い財源の措置を要望するものであります。
 以上、簡単ながら、本法案に対する私の賛成の討論といたします。(拍手)
#36
○辻委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 北陸地方開発促進法案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#37
○辻委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#38
○辻委員長 この際、足鹿覺君より発言を求められております。これを許します。足鹿覺君。
#39
○足鹿委員 ただいま議決をされました中国地方開発促進法案、北陸地方開発促進法案につきまして、それぞれ附帯決議を付する動議を提出いたします。この動議は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表するものであります。
 まず、案文の朗読をいたします。
    中国地方開発促進法案に対する附帯決議
   中国地方の開発を促進するため、直ちに促進計画を樹立し、重要事業に対する国の負担又は補助率については、地方財政の実情に即するよう、必要な措置を講ずるとともに、地方開発資金の確保並びに運用に万全を期すべきである。
    …………………………………
    北陸地方開発促進法案に対する附帯決議
   北陸地方の開発を促進するため、直ちに促進計画を樹立し、重要事業に対する国の負担又は補助率については、地方財政の実情に即するよう、必要な措置を講ずるとともに、地方開発資金の確保並びに運用に万全を期すべきである。
 提案の趣旨を若干敷衍をいたしておきたいと思いますので、申し上げます。
 政府は、ただいまの附帯決議の趣旨、また、先ほど議決をされました法案に基づきまして、すみやかに、開発促進計画に基づく事業のうち、重要なものに要する経費にかかわる国の負担または補助の割合を引き上げることによって、今後一そう両地方の開発事業の促進をはかられたいのであります。
 そのためには、まず第一に、東北開発促進法に準じまして、両地方の県のうち、財政再建団体である県につきましては、当該県にかかわる開発促進に基づく重要な事業について、その経費にかかわる国の負担割合を、通常の国の負担割合より二割引き上げることとしていただきたいのであります。
 次に、財政再建団体ではないが、十分な財政力がないために、未開発のままになっておる県が相当ありますので、これらの県のうち、内閣総理大臣が当該県の財政の状況を勘案して指定する県に対しましては、第一において述べた事業につきまして、政令で定めるところにより、その経費にかかわる国の負担割合を、通常の国の負担割合の二割以内において、政令で定める割合だけ引き上げることといたすべきであろうと思うのであります。
 次に、以上の措置をすみやかに講ずることにより、国の負担割合が引き上げられる結果といたしまして、当該県の負担割合が百分の十未満となる場合におきましては、当該県の負担割合が百分の十となるように国の負担割合を定めるようにいたしたいのであります。
 なお、中国地方の場合につきましては、山口県の特殊事例があるのでございます。現在、山口県は、九州地方開発促進法の対象の区域内にあるのでありまして、本法が実施となる場合におきましては、これを中国地区に切りかえるように了承済みであることは、御案内の通りであります。従いまして、九州地方等と異なった条件ではきわめて不都合が生ずるのでありまして、この特殊事情も十分政府においてもくみ取られまして、すみやかに附帯決議の趣旨を実施していただきたいのであります。
 なお、先ほど質疑の際に要望をかねて申し上げましたが、私どもは、開銀の特別ワクを応急措置としてとりあえず要望いたしておるのでありまして、各ブロックごとに開発公庫を設置するということは、いろいろ困難な事情もあるように考えられまするので、九州、四国、中国、北陸等を対象とする、たとえば西日本開発公庫のごときものをこの際十分御検討願いまして、以上の融資等に対する要望に沿われるよう、政府においても御検討の上、実施せられんことを、これは各党の一致した意見であることも付言して申し上げ、附帯決議の趣旨並びに説明にかえる次第であります。
#40
○辻委員長 ただいま安鹿覺君より提出されました動議のごとく、中国地方開発促進法案及び北陸地方開発促進法案に、それぞれ附帯決議を付することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○辻委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#42
○辻委員長 ただいま議決されました両案についての委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○辻委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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