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1960/12/16 第37回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第037回国会 決算委員会 第2号
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1960/12/16 第37回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第037回国会 決算委員会 第2号

#1
第037回国会 決算委員会 第2号
昭和三十五年十二月十六日(金曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 田中 彰治君 理事 高橋 英吉君
   理事 三和 精一君 理事 小川 豊明君
   理事 山田 長司君
      仮谷 忠男君    久保田藤麿君
      薩摩 雄次君    正示啓次郎君
      藤井 勝志君    久保 三郎君
      森本  靖君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  大久保武雄君
        大蔵事務官
        (主計局次長) 谷村  裕君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局司計課
        長)      末廣 義一君
        大蔵事務官
        (管財局長)  山下 武利君
        会計検査院長  山田 義見君
        会計検査院事務
        総局次長    上村 照昌君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十二月十六日
 委員高碕達之助君及び西宮弘君辞任につき、そ
 の補欠として木村公平君及び淺沼享子君が議長
 の指名で委員に選任された。
同 日
 木村公平君及び丹羽喬四郎君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十三年度政府関係機関決算書
 昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書
     ――――◇―――――
#2
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 先日指名を保留いたしてあります理事二名につきましては、委員長一任ということになっておりますので、木村公平君、丹羽喬四郎君の両名を理事に指名いたします。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○荒舩委員長 それではさよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#4
○荒舩委員長 この際、決算審査に関し、委員各位に御報告しておきます。
 本委員会における今後の決算審査につきましては、お手元に配付されております去る七月二十日決算委員会決定の「決算の審査方針」及び「決算審査に関する運営方針」に従って議事を進めることに先日の理事会で決定いたしましたので、御報告いたしておきます。
     ――――◇―――――
#5
○荒舩委員長 この際、大蔵政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。
 大久保大蔵政務次官。
#6
○大久保政府委員 私は、今回はからずも大蔵政務次官に就任をいたしました。どうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
     ――――◇―――――
#7
○荒舩委員長 次に、本委員会に付託になっております昭和三十三年度決算、昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書及び昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書、以上四件を一括して議題とし、審査を進めます。
 ただいまの四件は、第三十四回国会に提出され、去る七月二十日の委員会において、大蔵大臣及び会計検査院長よりそれぞれ概要説明を聴取したのみで、今日に至っておる状況でございます。今国会は、特別国会でございますので、あらためてこれら四件について関係当局より概要説明を聴取いたします。
 それでは、まず大蔵省当局より四件について概要説明を求めます。大久保大蔵政務次官。
#8
○大久保政府委員 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに、第三十四回国会に提出いたしましたが、いまだ御審議を了しておりませんので、この際、あらためてその大要を御説明申し上げたいと存じます。
 まず、一般会計におきましては、歳入の決算額は一兆四千五百三十七億円余、歳出の決算額は一兆三千三百十五億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと、千二百二十一億円余の剰余を生ずる計算であります。この剰余金から昭和三十四年度に繰り越しました歳出の財源に充てなければならない金額二百四十八億円余及び前年度までの剰余金の使用残額八百四億円余を差し引きますと、百六十八億円余が昭和三十三年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額一兆三千三百三十億円余に比べて千二百六億円余の増加となるのでありますが、このうちには、前年度剰余金の受け入れが予算額に比べて千百二十億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと、純然たる昭和三十三年度歳入の増加額は八十六億円余となるのであります。この増加額は主として専売納付金及び雑収入の増加によるものであります。
 一方歳出につきましては、予算額一兆三千三百三十億円余に昭和三十二年度一般会計からの繰越額三百十五億円余を加えました予算現額一兆三千六百四十六億円余から支出済額一兆三千三百十五億円余を差し引きますと、その差額は三百三十億円余でありまして、そのうち翌年度に繰り越しました額は前述の通り二百四十八億円余、不用額は八十一億円余となっております。
 右の翌年度への繰越額の内訳は、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ国会の議決を経、これに基づいて翌年度へ繰り越しましたもの二百三十三億円余、財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しましたもの七億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割額を繰り越しましたもの八億円余となっております。
 次に、昭和三十三年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと思います。なお、同年度における特別会計の数は四十一であります。
 次に、昭和三十三年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、この資金への収納済額は一兆五百九十億円余でありまして、この資金からの支払命令済額及び歳入への組入額は一兆五百六十二億円余でありますので、二十七億円余が昭和三十三年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかる還付金の支払決定済支払命令未済のものであります。
 次に、昭和三十三年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 以上が、昭和三十三年度一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算につきましての概略であります。
 最後に、これら決算の基礎となりました歳入歳出等の予算の執行状況につきまして申し上げたいと存じます。予算の執行につきましては、かねてから予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いて参ったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては百九十二件、是正事項につきましては百六十三件に上る御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたしたい所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げる次第でございます。
 次に、昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。
 昭和三十三年度中に増加しました国有財産は、行政財産千七百三億円余、普通財産六千二十三億円余、総額七千七百二十七億円余であり、また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産九百六十二億円余、普通財産五千八十六億円余、総額六千四十八億円余でありまして、差引総額において千六百七十八億円余の増加となっております。これを前年度末現在額二兆千四百五十億円余に加算いたしますと、二兆三千百二十九億円余となり、これが昭和三十三年度末現在における国有財産の総額であります。この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産五千六百二億円余、公共用財産八十七億円余、皇室用財産九十六億円余、企業用財産六千九百十四億円余、合計一兆二千七百一億円余となっており、普通財産においては一兆四百二十七億円余となっております。
 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地二千九百八十九億円余、立木竹五千五百四十一億円余、建物三千六十一億円余、工作物千八百十億円余、機械器具七十二億円余、船舶五百九十三億円余、航空機千七億円余、地上権等一億円余、特許権等二億円余、政府出資等八千四十八億円余、合計二兆三千百二十九億円余となっております。
 次に、国有財産の増減の内容について、その概略を申し上げます。
 まず、昭和三十三年度中における増加額を申し上げますと、その総額は七千七百二十七億円余でありますが、この内訳は、第一に、当該年度中の国と国以外の者との間の異動、すなわち対外的異動によって増加した財産は千五百八十七億円余でありまして、このうち、購入、新営工事、出資等歳出を伴うものは千百四十九億円余、寄付、代物弁済、租税物納、交換等歳出を伴わないものは四百三十七億円余となっております。
 第二に、国の内部における異動、すなわち対内的異動によって増加した財産は六千百三十九億円余でありまして、このうち、所管がえ、所属がえ、整理がえ等調整上の増加は五千五百四十二億円余、新規登載、引き継ぎ漏れ発見登載等整理上の増加は五百九十七億円余となっております。
 次に、減少額について申し上げますと、その総額は六千四十八億円余でありますが、この内訳は、第一に、対外的異動によって減少した財産は三百二十一億円余でありまして、このうち、売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは百四十六億円余、譲与、交換等歳入を伴わないものは百七十五億円余となっております。第二に、対内的異動によって減少した財産は五千七百二十七億円余でありまして、このうち、所管がえ、所属がえ、整理がえ等調整上の減少は五千五百四十五億円余、実測、実査等整理上の減少は百八十一億円余となっております。
 以上が昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 次に、昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について、申し述べます。
 国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条の規定により地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は、二十三億円余であります。また、減少した総額は〇・八億円余でありますので、差引二十三億円余の純増加となっております。これを前年度末現在額六十三億円余に加算しますと八十六億円余となり、これが昭和三十三年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。
 この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの二十一億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの二億円余等であります。
 次に、減少したものは、公園の用に供するもの〇・三億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの〇・四億円余等であります。
 以上が昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 また、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。
 なお、本件は、第三十四回国会に提出いたしましたが、いまだ御審議を了しておりませんので、今回あらためて提出したものであります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
 次に、昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書を第三十四回国会に提出いたしましたが、いまだ御審議を了しておりませんので、この際、あらためてその大要を御説明申し上げます。
 昭和三十三年度中に増加しました物品の総額は七百九億円余であり、また減少しました物品の総額は四百六十三億円余でありまして、差引二百四十五億円余の増加となっております。これを前年度末現在額九百七十九億円余に加算いたしますと、千二百二十四億円余となり、これが昭和三十三年度末現在における物品の総額であります。
 この総額の内訳をおもな品目について申し上げますと、車両及び軌条二百十三億円余、土木機械二百億円余、試験及び測定器百二十二億円余、産業機械八十三億円余となっております。
 以上が昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書の概要であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げる次第でございます。
#9
○荒舩委員長 次に、主計局次長より、お手元に配付になっております「昭和三十三年度決算の説明」について発言を求められておりますので、これを許します。谷村主計局次長。
#10
○谷村政府委員 お許しを得まして、一言だけ補足申し上げたいと思います。
 先般、前委員長からの御慫慂などもございまして「昭和三十三年度決算の説明」という文書を作りまして、御提出申し上げたわけでございます。これは先般来、当委員会におきまして、決算の審査等につきましては、従来の検査報告書を中心といたしました御審議をお改めになりまして、予算執行に伴う事業実績などを御審査の重点としてお取り上げになるということでございまして、その必要資料といたしまして、各省各庁に御要求になりましたものを、私どものところで便宜取りまとめて、かような印刷にいたして御提出申し上げたようなわけでございます。あまり最近になってこういうことをいたしておりませんので、新しくこういうものを、しかもまた早々の間に取りまとめたような関係もございまして、御内意に対して必ずしも十分、私ども努力はいたしましたが、でき上がりましたものを見てみますと、尽くせない点もあろうかと思います。計数その他につきましても、不備な点もあろうかと思います。御要望に十分沿い得るかどうか、はなはだ危惧いたすわけでございますが、今後御審査に多少なりとも御参考になればと思って、御提出申し上げたような次第でございます。この決算の説明は、ちょうどよく使われております予算の説明と同じような体裁の文書でございますが、それといわば対応したような形でおもな事項を掲記いたしておるのでございますが、今後また御審議を通じまして、さらにいろいろ資料その他御要求がございましたならば、私どもといたしまして、できる限り御要望に沿いますよう努力いたしたいと思うわけでございます。
 何とぞよろしくお取り上げのほどをお願いいたします。失礼いたしました。
#11
○荒舩委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要について説明を求めます。山田会計検査院長
#12
○山田会計検査院長 昭和三十三年度決算報告に関する概要を御説明いたします。
 昭和三十三年度歳入歳出決算は、三十四年十月二十四日に内閣から送付を受けまして、その検査を了して、昭和三十三年度決算検査報告とともに三十四年十二月四日内閣に回付いたしました。
 昭和三十三年度の一般会計決算額は歳入一兆四千五百三十七億余万円、歳出一兆三千三百十五億余万円、各特別会計の決算額合計は歳入三兆五百八十五億余万円、歳出二兆八千二十七億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入四兆五千百二十二億余万円、歳出四兆千三百四十三億余万円となりますが、各会計間の重複額及び前年度剰余金受け入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと歳入二兆七千二百九十四億円、歳出二兆六千三百三十三億円となり、前年度に比べますと、歳入において七百五十四億円、歳出において千七百二十六億円の増加となっております。
 なお、国税収納金整理資金の受払額は収納済額一兆五百九十億余万円、支払命令済額と歳入組入額の合計一兆五百六十二億余万円であります。
 政府関係機関の昭和三十三年度決算額の総計は、収入一兆二千三百十七億余万円、支出一兆六百四十九億余万円でありまして、前年度に比べますと、収入において八百九十一億余万円、支出において六百八億余万円の増加となっております。
 ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ確認するに至っていないものは総計百十一億九千百余万円でありまして、そのおもなものは、総理府の防衛庁の項で五十九億六千七百余万円、艦船建造費の項で二十五億五千六百余万円などであります。
 会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として、検査報告に掲記しました件数は合計三百五十五件に上っております。三十三年度の不当事項及び是正させた事項の件数が、三十二年度の五百一件に比べて減少いたしましたのは、主として補助金において減少したためであります。
    〔委員長退席、三和委員長代理着席〕
今この三百五十五件について不当経理の態様別の金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額一億千万円、保険金の支払が適切を欠いたもの、または保険料の徴収額が不足していたものが二億六千五百万円、補助金で交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものなどが七千七百万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果、補助金の減額を要するものが一億千四百万円、租税収入で徴収決定が漏れていたり、その決定額が正当額をこえていたものが四億五千九百万円、工事請負代金、物件購入代金が高価に過ぎたり、または物件売渡代金が低額に過ぎたと認めたものの差額分が二千四百万円、不急不用の物件の購入など経費が効率的に使用されなかったと認めたものが一億八百万円、その他が八千九百万円、総額十二億五千万円に上っておりまして、三十二年度の十五億円に比べますと、二億五千万円の減少となっております。減少したもののおもなものは、補助金で交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものにおいて七千二百万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果、補助金の減額を要するものにおいて七千二百万円、不急不用の物件の購入など経費が効率的に使用されなかったと認めたものにおいて七千四百万円であります。
 検査の結果につきましては、租税、工事、物件、役務、保険、補助金、不正行為の各項目に分けて検査報告に記述してありますが、これらのうち、会計経理を適正に執行するについて、特に留意を要する事態として、工事の施行、物件の調達について、また保険および補助金に関してその概要を説明いたします。
 まず、工事の施行および物件の調達について説明いたします。
 工事の施行および物件の調達において不経済な結果となったと認められる事例は、毎年多数これを指摘して改善を求めてきたところでありますが、三十三年度におきましても、防衛庁、日本国有鉄道などにおいてなお見受けられるのであります。すなわち、工事の施行につきましては、予定価格の積算が適当でなく、ひいて契約価額が高価となっているもの、部局間の連絡が緊密を欠き検討が不十分なまま施行したり、施行方法が適切でなかったりしたため不経済な結果を来たしているものなどがあり、また、物件の調達につきましては、購入価額の検討が適切でなく高価となったもの、在庫量、使用実績等についての考慮が十分でなかったため過剰に購入したもの、検収が適切を欠いたため不良品を購入したものなどの事例が見受けられるのであります。
 次に保険について説明いたします。
 国が、特別会計を設けて経営する各保険事業における保険事業の運営、保険金の支払いまたは保険料の徴収などにつきましては、農林省、労働省などの所管するものにつき、適正を欠いていると認められる事例を毎年多数指摘して、注意を促してきたところでありますが、三十三年度も、農業共済保険におきましては、共済掛金の徴収、共済金の支払い、及び保険金の基礎となる被害の評価など、事業の運営に関して著しく適切を欠いているものが多数に上っており、法の期待する運営が実施されているとは認められない実情であり、また、労働者災害補償保険、失業保険におきましては、保険料の徴収不足をきたしているものや給付の適正を欠いたものが依然として見受けられるのであります。
 最後に、補助金について説明いたします。
 補助金の経理につきましては、関係当局の指導監督が行き届いたこと、事業主体の自覚が高まってきたことなどによりまして、相当に改善の跡が認められるのでありますが、なお、不当な事例は少なからず認められるのであります。補助金のうち、公共事業関係のものにつきましては、その経理が当を得ない事例を毎年多数指摘してきたところでありますが、三十三年度におきましても、事業主体において正当な自己負担をしていないもの、設計通りの工事を施行していないものなどの事例が依然として少なくないのであります。
 また、災害復旧事業の事業費査定の状況につきましては、三十四年におきましても、農林、建設、運輸各省所管の分について、工事の完成前に早期に検査を行ないましたところ、採択された工事のうちには、関係各省間などで二重に査定しているもの、災害に便乗して改良工事を施行しようとしているもの、現地の確認が不十分なため工事費を過大に見込んでいるものなどが多数ありましたので、これを指摘して工事費を減額させることといたしました。
 さらに、公共事業関係以外の補助金につきましても、前年度に比べて相当改善の跡が見受けられたものもありますが、なお、公衆衛生関係、失業対策事業関係などにおきまして精算額を過大に報告して補助金の交付を受けたり、事業の計画が適切を欠いたため、不経済となっているなどの不当な事例がなお見受けられたのであります。
 以上をもって概要の説明を終わりますが、会計検査院といたしましては、適正な会計経理の執行について、機会あるごとに関係各省各庁などに対し是正改善の努力を求め、不当経理の発生する根源をふさぐことに努めてきたのでありまして、その結果は、近年相当に改善の跡が見受けられるようになって参りましたが、なおこのように不当な事例が多数見受けられますので、関係各省各庁などにおいてさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
 次に、昭和三十三年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書は、三十四年十月三十一日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。
 三十二年度末の国有財産現在額は二兆千四百五十億九千百余万円でありましたが、三十三年度中の増が七千七百二十七億千三百余万円、同年度中の減が六千四十八億七千四百余万円ありましたので、差引三十三年度末の現在額は二兆三千百二十九億三千八百余万円となり、前年度末に比べますと、千六百七十八億三千八百余万円の増加となっております。
 次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、三十二年度末には六十三億五千五百余万円でありましたが、三十三年度中の増が二十三億九千六百余万円、同年度中の減が八千七百余万円ありましたので、差引二十三億九百余万円の増加を見まして、同年度末の無償貸付財産の総額は八十六億六千四百余万円となっております。
 また、国有財産の管理及び処分について不当と認めましたものは、昭和三十三年度決算検査報告に掲記いたしておりますが、これらの事項を取りまとめて申しますと、国有財産の管理に関するものが三件、同じく処分に関するものが一件、合計四件であります。
 次に、昭和三十三年度物品検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書は、三十四年十月二十四日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。
 右物品増減及び現在額総計算書に掲げられます物品は、国が管理する一切の物品を網羅するものではなく、政令で定められる重要な物品に限られているのであります。
 次に、右物品増減及び現在額総計算書における昭和三十三年度中の物品の増減等を見ますと、三十二年度末現在額は九百七十九億九百余万円でありましたが、三十三年度中の増が七百九億百余万円、同年度中の減が四百六十三億七千六百余万円ありましたので、差引三十三年度末現在額は千二百二十四億三千五百余万円となり、前年度末に比べますと、二百四十五億二千五百余万円の増加となっております。
 なお、物品増減及び現在額総計算書に掲げられております物品の管理について、これを不当と認めて検査報告に掲記した事例はありません。
#13
○三和委員長代理 以上をもって四件についての概要説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#14
○三和委員長代理 質疑の通告がありますので、これを許します。小川豊明君。
#15
○小川(豊)委員 委員長にお尋ねしますが、今会期中に火曜日に委員会が開かれますか。
#16
○三和委員長代理 これは二、三日前理事会で話し合いがついておるのですし、またさっきもその話がついたと思っていますから、やる予定であります。
#17
○小川(豊)委員 火曜日に開会されるとするならば、私はきわめて簡単に概要だけお尋ねしておきたいと思います。ことに政務次官が都合で退席されましたので、答弁は主計局次長にお願いいたします。
 そこで前年度剰余金の受入額ですけれども、これは三十三年度において二千百二十一億余円となっております。これは昭和二十二年以降の最高額になっております。三十三年度においてこういう多額の剰余金の受入額が発生した理由をお伺いしたい。
#18
○谷村政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御質問になりましたのは、いわゆる新規剰余金百六十八億円というのではなくて、歳計したまっておりますいわば現金の剰余を御指摘になったのだと思いますが、千百二十一億円余、これをおさしになって御質問になったと思います。これは確かに御指摘のように大きな数字でございますけれども、前年――三十三年度より以前の年度におきまして発生いたしましたところの剰余金を含んだ数字が歳計上の剰余として計上されておりますので、正確に手元の資料でちょっと申し上げますと、三十二年度において、当時神武景気などというふうに申しておりましたが、あのときに発生いたしました千億近い剰余がこの中に含まれておる。従いまして、正確には百六十八億円というのが、突き詰めたこまかいほんとうの剰余金という姿になります。計算の過程が、その後においてそういった前年からずっと引き続いて持っております分や何かも引いてしまいますから、三十三年度といたしましては、実はそれほど大きな歳計剰余を出しておるわけではございません。
#19
○小川(豊)委員 三十三年度の剰余金は、歳入総額の一五%を占めて、有力な国の財源となっているわけです。予算編成時において、大蔵省当局としてはこの剰余金をどのくらいに推計しておったのか、この点をお尋ねしたい。
#20
○谷村政府委員 小川委員の御質問の趣旨は、三十三年度予算におきまして、千億という前々年度剰余金を計上したことを御指摘になっておられるわけでございましょうか。
#21
○小川(豊)委員 そうです。
#22
○谷村政府委員 これは御承知のように、昭和三十一年度に発生いたしました剰余金を、一年置いてその次の昭和三十三年度にかように計上したわけでございます。
#23
○山田(長)委員 関連してちょっと大蔵当局に伺っておきます。説明書の中でちょっと理解のできないところがありますので、御説明願いたいと思います。
 三十三年度の国有財産増減及び現在額総計算書、並びに国有財産の無償貸付状況総計算書、概要説明、その中にあります対外的異動によって増加した財産、それから対内的異動によって増加した財産、この対内的というのと対外的というのはどういう内容のものをさしているのか、一つ御説明願いたいと思います。
#24
○山下説明員 ただいまのお尋ねでございますが、対内的異動と申しますのは、簡単に申し上げますと、たとえば行政財産から普通財産に移り変わるとか、普通財産から行政財産に移り変わるとか、つまり国の財産ということは変わらないのでありますけれども、国の財産の内訳が変わるということでありまして、対外的異動と申しますのは、国と国以外のものとの間の財産の異動、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#25
○小川(豊)委員 会計検査院の方に会計検査院の検査についてちょっとお尋ねしますが、この不当事項として指摘された件数と金額を見ますと、昭和三十三年度では三百五十五件、この総額が十二億五千万円でありました。ところが、三十一年度は千百二十八件、総額で二十五億二千四百万円、三十二年度の五百一件、十五億に比較しますと、その減少はきわめて顕著であります。そうしてこの減少したものを承ると、主として補助金において減少したものであるとの御説明でしたが、この補助金の経理がかように数年の間に改善されたのであれば非常にけっこうですが、逆に考えてみると、こういう考え方も成り立ってくるわけです。一つは、従来の補助金の検査があまり過酷というか、厳格であり過ぎたのであるか、そう追及したり批難したりするのに当たらないようなこまかいミスまでもほじくり過ぎたのではないかという点が一つ考えられるわけであります。それから第二には、今までの補助金の検査は過酷でなかったものとして考えてみても、検査の機能というか、活動がにぶったのではないか、あるいは萎縮したのではないか、こういうことが一つ考えられる。こういうことを言うのは非常に意地が悪いような聞き方みたいになりますが、数年前、検査院の農林検査関係の幹部諸君が汚職の容疑で逮捕されたことがありました。その事件が関係あるかどうかは私はわかりませんが、時期的にそのころから補助金の不当がことに減少してきた。検査院長もこの点は御承知だろうと思うわけです。要するに私のお尋ねしたいのは、補助金の不当事項の減少を検査院長はどう考えておるのか、この点をお尋ねしておきたいと思います。
#26
○山田会計検査院長 補助金の不当事項が減少しましたのは、非常に喜んでおりますが、いろいろな原因がありまして、第一に災害が非常に減少いたしまして、そのために補助金の件数、金額が第一に減少いたしております。それから三十年度でございましたか、補助金の適正化法というのができまして、特に情状の重い者に対しては刑罰が課せられることになりました。そのためとは申せませんけれども、おそらくそういうことも原因があったのだろうと思いますが、そのあとは特に不当な、情状の悪いものが減りました。詐欺に類するものとか、事実を曲げて補助金を取るとか、そういうのがほとんどなくなりまして、現に適正化法の施行の原因となりました不正というようなことは、適正化法の施行後は一件も上がっていません。従って、処罰されたような例も聞いていないような状況であります。
 それから以前は検査院の検査が特に過酷であったのではないかといわれますけれども、われわれはそうは考えておりません。ことに政府の方に報告いたしまする不当事項というものは、金額の軽微なもの、事項の軽微なものは計上いたしてございません。一件三十万円以上というようなものだけでありまするからして、特に軽微な、小さいものを調べたというようなこともないと思います。また、一昨年ですか、一人不心得の者が出まして、今裁判係属中であります。この点ははなはだ申しわけないわけでありまするが、それと検査のやり方、結果とは別に関係ないと私は思います。はなはだ不都合なことでありましたが、本人がやりました事項はごく一部の関係事項でありまして、これは全体に影響しておるようなことはない。根本はその補助金の金額、件数が減ったことと、補助金を受ける事業主体、ことに地方関係の方が非常に自覚されまして、間違いのないように十分努力されておることと思います。また、農林当局も、建設当局の方も、事前に十分の監督なり調査をなさっておりまして、両々相待って、不当事項、不正事項が実際に減少しているようにわれわれ見受けております。
#27
○小川(豊)委員 あなたの答弁通りなら、まことにそれはけっこうなのです。つい二、三日前に、町村長の代表が五、六人見えられた。いろいろな陳情、要請等を聞いてそのあとに、会計検査院は一年回ってくるとあと三年くらいは来ないから、その間だぞ、こういうような話をしておったので、僕が今度逆に考えたのは、一体あなたの方の機構の中で、検査員というか検査官の数というものは、実際には数が足らない、手が抜けているからこういうことになっておるのじゃないかという感じを逆に持ったのだが、そういうことはありませんか。今の人数で十分に果たしておられるのですか。
#28
○山田会計検査院長 検査院の定員はどれだけなければならぬということはなかなか言えないのでありまして、これで十分であるかとおっしゃれば十分であるとも申し上げられますが、ではこれを増加したらどうかと言われましても、増加したがよかろう、多きにこしたことはないことでありますが、必ずしもこれ以上人員を増加してさらに調査を精密ならしめることがいいかどうかということは、私は疑問を持っております。と申しますることは、先ほど申しましたように、あまりこまかいこと、微に入り細をうがって検査することもどうかと思いまするからして、まあ最近いろいろ国の経費も多端の折でありますから、こういうお手伝い的な仕事――お手伝いと言っては語弊がありますが、検査の仕事というようなものは、われわれが十分と思うほどそう多額を要求するのもどうかと思いまして、新規人員の増加等は差し控えているようなわけであります。では毎年同じところを検査しているかというお話でありますが、毎年行っておるところもありますし、また一年置きに行っているところもありますが、大体においてまんべんなく、ことに事件の多い、と言うと語弊がありまするが、大きな補助がありますとか、また特に今まで行かれなかった、突発事故が起きたとか、そういうところはほかを差し繰って行っておりますからして、検査が手薄であって、そのために不正不当を見のがしているというようなことは、ないとは申しませんけれども、そう顕著な脱漏はなかろうと考えております。従いまして、これ以上人をふやして、また経費をふやして、さまつなところまでも検査しなくてもいいのではないか、私はそう考えております。
#29
○三和委員長代理 山田長司君。
#30
○山田(長)委員 ちょっと参考に伺っておきますが、補助金の説明でだいぶ近年不正、不当事項が少なくなってきているということを言われておるが、補助金を出しているところに、会計検査院の調査というものが微に入り細にわたって調査をしないのではないかという点が感じられるところがあるのですが、
    〔三和委員長代理退席、委員長着席〕
調査の方法として参考に伺いたいのですが、外郭団体等の調査などはどんなふうにされますか。補助金を出している政府の外郭団体等がたくさんあるわけですが、これについての調査の方法は、概略でいいですから、どんな方法をたずねていったときにされるのですか。
#31
○山田会計検査院長 そういう外郭団体等に対する補助金は、各団体から検査書が参っておりますからして、それをほかの補助金等と同じように十分検査いたしますばかりでなく、毎年必ず出向きまして、実地検査をいたしております。その実地検査の結果は、今までそういう団体の不当、不正というようなことはまだ発見いたしておりません。と申しますのは、補助金の検査といたしましても、その外郭団体の事業そのものを全般にわたって検査するというようなことは、これは会計検査の範囲外と思いますから、そういうことの検査はいたしておりません。ただ経理そのものの不当というようなことを検査いたしておりますが、経理の紊乱であるとか、経理が不当に行なわれている、あるいは不正に使用されている、そういう事実は今まで発見いたしておりません。しかし、検査は十分にいたしております。
#32
○山田(長)委員 そうしますと、事業全般にわたる調査をしていないと仰せられますが、補助金がたくさん出ていて、事業全体にわたって調べなければならないような組織機構のある場合は、これはどういうふうな調査をしますか。
#33
○山田会計検査院長 せっかく補助金を出しておりますところの外郭団体の事業等が、いろいろな事情で正しく行なわれていないということでははなはだしく困りますからして、そういう点は全般的に調べまして、こういう点でこういうことがあれば補助金を出す趣旨も失われるのではないかということで、口頭をもちまして意見を述べる場合もございますが、補助金がいっておりますからといって、その事業の細部にわたって、ちょうど各省各庁の政府機関を調べるように、個々の項目を全部詳細に調べることはいたしていないということを申し上げました。
#34
○山田(長)委員 私はいつも会計検査院の報告書なるものに疑義を持っている一人なのです。なぜ疑義を持っているかというと、この報告書に載ってしまったものは、あまり政治的配慮が払われないものが載っておるという印象なんです。大きな事件で、政治的な配慮が払われているというようなことを感づかれるような事件はこの報告書に載っていないのではないかという印象を持つのです。そういう点は全然ないのですか。
#35
○山田会計検査院長 御承知の通り、会計検査院は政府からも十分独立いたしておりまして、従いまして、政党等の制肘なり干渉なりも全然受けることはございません。従いまして、いわゆる政治的配慮によって、政治的の大事件等は手心をするのではないかとか、あるいは事件があっても、これが載っていないのではないかというようなことは、万々ございません。もし何かお気づきの点がございますれば、御説明、弁解等もできると思いますが、そういうことは、私は一つもないと確信いたしております。
#36
○山田(長)委員 あなたの方で一応調査をしたもので、この不正、不当事項の説明書の中に載っていない、こういうものをわれわれが発見した場合、あなた方の方でも一応調査はしておる、こういう事案のときに、委員会からあなたの方へ調査した内容について調査書類を出してくれと言われる場合に、報告書に載っていないけれども、いつもあなたの方で調査したものを出していただけますか。
#37
○山田会計検査院長 議会の要求があります場合には、なるべくこれに沿うのが当然でありまするが、不正、不当として報告いたしました以外のことですね、ということは、われわれが不当、不正と認めなかった事項に対して、その報告なり説明なりを求められましても、ちょっと出しかねる場合が多かろうと存じます。今までも、そういう場合はこちらで提出いたしておりませんし……。
#38
○山田(長)委員 そういうことを聞いているのではない。私が伺っておるのはそういうことじゃない。あなたの方で不正、不当事項の説明書の中へ載せないでおるもので、私の方では不正事項と認められる筋合いのものがある場合に、委員会の承認を経て、あなたの方では不正事項がないと言われる場合に、この説明書に載ってなくても、あなたの方では調べたという場合があれば、その調べた内容等について不正、不当事項がないということで、委員会に書類の提出をしていただけるかということです。
#39
○山田会計検査院長 われわれが不当、不正と認めなかった、従って、内閣に報告していないことであって、議会、委員会において不当と認められるような場合において、その調査した事項を出せというお話でございますが、そういう書類は調査をいたしてこちらに持ってはおりますけれども、政府の方にも議会の方にも、外部には今まで出さないことに取り扱いいたしております。
#40
○山田(長)委員 それじゃせっかく会計検査院で、あなたの方で、不正、不当がないのだということで報告書には載せない。しかし、われわれがあるのではないかということをあなた方の調査以外に調べ上げてきた場合に、それが決算委員会の名において書類を出せといった場合に、それを出さぬということはおかしいのではないか。ないならないということで――出してきてしかるべきではないのですか。
#41
○山田会計検査院長 検査院といたしましては、調査をいたしまして、そして不正、不当の行為のない場合は、これは間違いのないということを確認いたします。そして不正、不当と認めたことは、個々についてそれを内閣に報告いたします。それ以外に、議会において、また決算委員会において、いろいろ御調査いただきますることは非常にけっこうでありますけれども、全部これをそのまま提出するということは今までいたしておりませんが、何か具体的の問題におきまして、委員会で御要求がありますれば、そのときに提出することができるかどうか考えまして、お答えいたします。しかし、必ずしもこの際お出しすることのお約束はいたしかねます。
#42
○山田(長)委員 旧来当決算委員会でこの説明書以外の事例というものを幾つか出してきているわけですよ。それで、今小川君が質問した中にもありましたように、あなた方の人員その他について調査上支障を来たさないかという御質問に対して、あなたは全然明確な答弁が、私に言わせると出ていないと思うのです。だから伺っているわけなんですけれども、この報告書自体が、聞くところによると、会計検査官三人で協議して、一人の人が載せた方がいいと言っても、あとの二人の人が載せちゃならぬと言ったときに、これは載せずにしまうということがあるというんです。それじゃ、もしかりに政治的な考慮が払われたという場合には、三人の検査官で話し合った結果、一人の人が載せたいと言っても、あとの二人の人が載せちゃならぬと言った場合には、これは載らずにしまう事例があるのだと思う。そういう点で、不正、不当の事項があっても世に出ずにしまっている場合があるだろうと思う。さらに決算委員会に、場合によると陳情その他を特別委員会に持ってきて、あなた方が報告した以外の事件が今まで出てきている。その場合、今あなたが言われるように、で出す場合もある、出さない場合もあるというようなことでなくて、調べているとするならば、私は当然出してしかるべきものと思う。また、この報告書以外の事例もわれわれは知っているんですよ。なぜそういうことを強く私が申し上げるかというと、検査官が調査に行っても、最近はごちそう政策にあって調査せずに帰ってしまっているという話を耳にするのであります。これは私は実際においてその事例を知っているのです。ですから、このことを念を押して伺っているわけなんですけれども、やはりこの説明書に出ない事例でも、当然決算で要求された場合、あなた方が調べた範囲内におけることは報告せられてしかるべきだと私は思うのです。この点もう一ぺん私は御答弁を願いたいと思います。
#43
○山田会計検査院長 検査院の検査官会議は三人の合議制になっていますために、一人が反対しても、多数決によってきまる場合も現にないではありません。しかし、それは合議制としての意思決定は、不当でないということにきまったわけでありますから、かりに一人の人がそうでないと考えたとしましても、検査院の意思表示としてはこれは不当ではありませんからして、従ってこれを不当として取り上げることはできないと思います。
 それからまた、今調査員と申しまするか、検査院の役人が地方に出てごちそうになって調べなかった、従って、不当、不正と思えることが調べられていないという御意見でありまするが、もしそういうことがありますれば、検査院としてもはなはだ申しわけないことでありますし、厳重調査する必要がありまするからして、もし具体的にそういうのがあれば、お聞かせ願えれば幸いと存じます。
#44
○山田(長)委員 具体的に一、二の事例を申し上げるというようなことじゃないほどたくさんあるのですよ。ですから、私がここで今説明書に載っていない事例の問題も伺っておきたいというのは、そういうことなんです。それから今のあなたの話を伺ってよりはっきりしてきたのですが、検査官の三人の人たちの合議制によるというけれども、私たちはその合議制の内容にとやかく申し上げるわけじゃない。決算であなた方が議題にされたと思われる節のものが、この報告書の中に載っていない面があるので、そういう場合において、決算でこの書類を出してもらいたいということを言った場合に、出すか出さないかということを聞いている。私は当然出してしかるべきだと思うのです。この点もう一ぺん伺いたい。
#45
○山田会計検査院長 ごちそうといいますか、そういうことのために検査院が正しい検査をしていない例が一、二あると申されましたから、それをお知らせ願いたいといったら、一、二でなくて数え切れないというお話であります。もしそういうことがありますれば、きわめてゆゆしい大事でありますから、一、二の例どころでない、そういうことなら、ぜひわれわれの耳に入れさせていただきます。これは検査院の名誉のためにも、また国政運行のためにも、はなはだ重大であると思いまするから、山田委員がそういう発言をなさる以上は、ちゃんとした証拠を持って、そして確信を持って御説明のことと思いますから、それはぜひお聞かせ願いたいと思います。そういうことはないと思いますが、もしそういう事実がありますれば、そういうことをしでかした者に対しては、厳重な戒飭をいたします。これは証拠を添えてぜひ申し出を願いたいと思います。
 それから第二の点でありますが、検査官会議の内容等につきましては、これは外部に出さないことになっております。それから調査いたしました事項でも、不正、不当として内閣に送付いたしましたことは、十分な資料をもって説明いたしますけれども、それ以外不正、不当なしとして確認いたしました事項は、原則として外部には出さないことにになっております。もちろん、議会におきまして、決算委員会におきまして、独自の立場からこれを御調査になることは当然のことでありますが、その参考としてこういう点が必要であるから出せというお話がありますれば、その具体的な事項が起こりました場合に、これを出していいものかどうかということを十分検討いたしまして、従来の検査院の方針はともかくとして、この際申し上げたらいいと思うものは申し上げますし、また提出いたしまするが、いかなる要求に対しましても、不正不当と認めなかったことに対しての調査資料を全部出せと仰せられることに対しては、お断わり申すということを申し上げます。
#46
○荒舩委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#47
○荒舩委員長 ちょっと休憩します。
    午前十一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時五分開議
#48
○荒舩委員長 それでは再開いたします。
 山田長司君から質疑の通告がありますから、これを許します。山田君。
#49
○山田(長)委員 会計検査院当局にお伺いいたします。
 決算報告書の説明等に記載のない案件で、不正、不当事項のあるというような場合があり得るのですが、この場合に、決算委員会の名において資料の提出を要求した場合において、会計検査院長は、これに対してどういう取り計らいをいたしますか。
#50
○山田会計検査院長 決算委員会の決議として委員長から資料の提出を求められた場合は、われわれとして作成し得る限り作成して提出をいたします。また、説明を求められる場合においては、われわれの調査した範囲においてできるだけ御説明を申し上げて、決算委員会の審議が十分にいくように御協力申し上げます。
#51
○荒舩委員長 他に御質疑ございませんか。――それでは、本日はこの程度でとどめて散会いたします。
    午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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