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1960/10/21 第36回国会 参議院 参議院会議録情報 第036回国会 農林水産委員会 第2号
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1960/10/21 第36回国会 参議院

参議院会議録情報 第036回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第036回国会 農林水産委員会 第2号
昭和三十五年十月二十一日(金曜日)
   午前十時二十分開会
 出席者は左の通り。
   委員長     藤野 繁雄君
   理事
           秋山俊一郎君
           櫻井 志郎君
           大河原一次君
           東   隆君
           森 八三一君
   委員
           青田源太郎君
           石谷 憲男君
           岡村文四郎君
           重政 庸徳君
           田中 啓一君
           高橋  衛君
           仲原 善一君
           堀本 宜実君
           亀田 得治君
           北村  暢君
           棚橋 小虎君
           千田  正君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      相沢 英之君
   文部省体育局学
   校給食課長   臼井 亭一君
   農林省畜産局参
   事官      花園 一郎君
   水産庁次長   高橋 泰彦君
   通商産業省通商
   局次長     山本 重信君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (水産政策に関する件)
 (酪農振興と学校給食に関する件)
○昭和三十五年産等外麦の政府買入れ
 に関する請願(第一二号)
○政府買入れ米包装容器に麻袋採用の
 請願(第三五号)
○硫安価格決定促進等に関する請願
 (第三六号)
○造林事業の補助わく拡大等に関する
 請願(第四一号)
○農業災害補償制度改正等に関する請
 願(第六四号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 水産政策に関する件を議題といたします。
 本件についてサンマ漁業に関する件、輸入魚粉に関する件及び韓国ノリに関する件に関して質疑の御要求がございますので、これを許します。
 なお、本件について関係当局からの出席の方は、ただいま農林省畜産局参事官の花園一郎君、水産庁次長高橋泰彦君であります。
 それでは順次御発言を願います。
#3
○千田正君 水産庁長官が見えませんから次長にお伺いしますが、最近サンマの漁業が非常に従来に比しまして不漁である、そういうので、特にサンマ漁業に従事するものは大きい漁業者じゃなくて、むしろ中小の漁業者であって、この不漁ということになりますというと、特に北海道、三陸沿岸等の漁村に与えるところの影響は非常に大きい。これに対する何か措置をとっておられるのか、あるいはこの見通し等につきまして、ただいまおそらく魚群は三陸沖の、金華山沖合い等に集中しているところだろうと思いますが、もう間もなく漁期が切れてしまう現段階において、十分なる漁獲が見られない、こういうことを考えまするというと、非常に憂うべき状態になると思いますので、この点について水産庁の御意見を伺いたいと思います。
#4
○説明員(高橋泰彦君) ただいまの問題、サンマの最近のまず漁業状況から御報告申し上げたいと思います。
 本年は例年に比較いたしますと、暖流の勢力が非常に強いようでございまして、そのため漁期の当初、八月ごろでございますが、このころにおきましては、北海道から南部千島にかけての沿岸近くに漁場が形成されておりまして、漁獲量も昨年の約二倍くらいの豊漁で、前途豊漁が期待できるのではないかと思われたのでありますが、しかしこのような暖流の影響は九月に入っても依然として勢力が衰えませんために、魚群がまとまりませんで、三十トン以上の漁船の、サンマで申し上げますと中堅以上の漁船が活動できるようになりまする九月の解禁日以降、依然として漁況はふるいませず、九月末ごろにおきます推定の水揚げ量は、北海道では昨年に比較すると約六〇%程度、三陸沖合いではおよそ四〇%くらいに達したのではないかと思われる次第でございまして、全体としては、ただいまのところ昨年の約半量程度であろうというふうに推定いたしておる次第でございます。しかし、十月の中旬に入りましてから、ただいまの御指摘のように、金華山の沖合いにおもな漁場が形成されまして、さらにまた北海道の襟裳岬から南へ延びる魚群の漁場も発見されておりますので、漁況はやや好転いたしておりまして、日々の水揚げ量も昨年の同期に比較いたしまして、大体近い漁獲高が見られておりますので、今後の回復が期待されるわけでございます。しかしながら、やや漁況の回復がおそきに失したといううらみがないわけではございませんで、特に漁況が好転しない限り、なかなか昨年程度にはいかないかもわからない。しかし、なお問題は今後の漁況回復にございますので、私どもとしてはその漁況の回復が一日も早いことを希望し、また水産研究所及び各県の水産試験場とも連絡いたしまして、知る限りの海の状況並びに漁獲状況をすみやかに漁業者に通報する等、できる限りの努力をいたしておるような次第でございます。
#5
○千田正君 高橋次長の御説明は経過その通りでありましょう。それで昨年の漁獲と本年とを比較しまして、特に同時期におけるところの比較しました場合において、そう劣っておらないという御発言でありますが、昨年の、この時期においては台風の時期であって、むしろ台風に災いされて相当の漁獲が得られなかったということに照らし合わせますと、必ずしも今おっしゃったようなことで、昨年と大差がないとは言えない。
 もう一つの問題は、そうしますというと、食用に供したあとのサンマは魚かすとして一応飼料に回わすというような水産計画を立てておるはずであります。供給計画というものは現在の立場から言うというと、ほとんど立てられない、こういうような状況になるのではないかと思うのですが、魚粉に対するところの、あるいは飼料等に対するところの計画というものは、当初立てたものとは相当違った方向にいくのじゃないかと思いますが、その点はどうなんですか。
#6
○説明員(高橋泰彦君) サンマの漁業状況についてはただいま御説明の通りですが、昨年に比較いたしまして少ないサンマがどのように今後利用される見通しであるかというような御指摘でございますが、まずその前に、現在までわかっておりまする産地の価格の問題について若干御説明いたした方が便宜かと思いまするので、御説明いたさせていただきたいと思います。で、昨年は大体今ごろですと、内地では一キロ当たり二十円ないし二十五円程度だったと思いますので、この点から考えますと、取れたサンマの中で下積みになりましたものは当然この二十円ないし二十五円より相当下回った価格で取引される。これが肥料に回ったことは、魚粉に回ったことは御承知の通りでございますが、本年はただいまのような漁況でございまして、生産地価格が現在五十円前後でございます。本月に入りまして気仙沼で過日約手トンほど、相当の水揚げ量がありましたが、しかしこのときの最低値も一キロ平均三十七円となっておりまするので、ただいまの魚粉の生産費その他から考えましてなかなか魚粉には回りにくい価格だと思います。もちろんこれは平均価格でございますから、この中には食用として向かないものが若干魚粉に回ったものと推定されております。で、今後の見通しの問題でございますが、以上のような状況でございまするので、漁業者にとってはこの価格が高いことは相当いいことでございまするが、今後もカツオ、マグロ用のえさの冷凍魚の需要、これもまだ十分満たしておらないような状況でございまするので、そこら辺と価格の問題がございまして、どの程度その魚粉と申しますか、魚粉加工の方に回り得るかということが問題になろうかと思いまするが、いずれにしても昨年程度の、少なくとも今後漁況が若干回復するにしても、昨年程度のこの魚粉の加工の量は、この面から見ましても若干減るのではないだろうかというような推定をいたしております。
#7
○委員長(藤野繁雄君) 通商産業省通商局次長山本重信君、農水産課長西尾八起君が出席になっております。
#8
○千田正君 ただいま高橋次長からの御説明もありましたが、将来これは天候がどういうふうになっていくか、あるいは潮流の関係等が影響してくると思いまするので、これは影響の結果、どういうふうな結論が出てくるかわかりませんが、私はさらにこれを畜産局の方にお伺いしたいのでありますが、この飼料の需給計画を立てた場合においてどれだけの量が本年度は必要であるか、来年度にかけての必要量はどれだけか、それからまたそれに対して供給源であるところの水産関係からしますというと十分であるかどうか、あるいは今日の状況から予想しますというと十分じゃない、そういうことになりまするというと、需要と供給のバランスから見て、あるいは農林省当局としましては、これは不足な分は輸入に待たなくちゃならないのかどうか、そういう点も相関連して参りますので、一応畜産局としてのお考えを承っておきたいと思います。
#9
○説明員(花園一郎君) ただいま局長海外出張中でございますので、私かわってお答えします。
 本年度当初におきまして、飼料用魚かすの需要量はおおむね十五万トンと実は見たわけでございます。その点につきましてはその後非常に飼料の需要が急増いたしまして前年の約三五%増ということで、この夏に再び改訂いたしました結果は、本年総需要量十八万三千トン計画いたしました。これに対しまして現在水産庁側のサンマ不漁等による供給量が二十二万トンに相なりまするので、そのうちから肥料用並びに輸出用を差し引きますので、えさ用に向けられるものは十六万三千五百トン程度であろうかというのがわれわれの推計でございます。従いましてその間一万九千四百トン余りのものが不足になるのではないか。さらに魚かすの面からしまして、需要のアンバランスが毎年生じます来年春先を考えますれば、もう少し量が足りないということも考えられるのではないか。これに対しましてわれわれは当然国内の魚かす、またはただいまは一応目標といたしましては、輸出用ということで操業をしておりますが、北洋工船ミール、これをもできるだけ国内向けに振り向けていただくように水産庁にお願いをいたしまして極力国内のもので埋めて参りたい、かように考えております。ただ御存じの通り、ただいまちょっと赤線でなぞってありますが、魚かすの現在のサンマかすはこのように急上昇しております。これは遠くてちょっとお目にとまりませんでしたかと思います。その点につきましては、もちろん水産庁側は漁民の関係からしますれば高値がよろしゅうございますし、われわれ畜産側からいたしますれば安値がよろしいわけでございますが、いずれにいたしましても、毎年の価格の定安が必要であることは、これは一致しておるわけでございまして、そのために水産庁も魚価安定の政策なども講じておられるわけでございますが、その意味におきましてわれわれといたしましてはどの程度の価格を妥当と考えて、その価格においてできるだけ安定した推移をもたらすことは、これは畜産の面からいたしますと当然の要請と思うのでございます。その意味におきまして、そういった需給の不均衡についての施策におきまして本年できるだけぎりぎり国内産でまかないながら、やはり何らかの措置を両者協議の上で講ぜざるを得ないのじゃないか、かように考えておるのであります。
#10
○千田正君 今御説明の点はよくわかるのですが、まあ数字的には今おっしゃった通り、水産庁としての考え方といたしましては、内地沿岸産が大体十六万一千トン、それから工船ミールが一万一千ドン、その他合わせまして二十二万三千二百五十四トンというのが一応の供給計画になっておるわけですわ。今、花園さんのおっしゃったように、なるべく安いものを入れて、そうして畜産の生産価格が国際価格とにらみ合わせた場合にあまり高くならないように、これは畜産行政上当然お考えになるのはごもっともでありますが、輸入の飼料について去年はペルーのものを入れた。そのペルーのものは非常に安かったので、非常に好評を博すのじゃないかと思ったところが、どうもそれはえさには不適当である、これはむしろ肥料にすべきものじゃないかというふうに、どうもあまり評判がよくない。現実においてこれを使用できなくて残っているのが相当量あると聞いておりますが、そうでありますか、どうですか。
#11
○説明員(花園一郎君) 本年春におきまして、一部ペルーその他外国産ミールを輸入いたしました。これは総量におきまして、たしか実トン一万七千トン程度であったと思いますが、さらにそのうちで、若干船の輸送中に事故がございまして、品いたみを来たしたものがございます。その意味におきまして、全体としては若干品質の悪いものも生じ、その点で若干の残存物を生じました。当初われわれがペルー・ミール、その他を輸入いたしますときの計画といたしましては、水産庁側の要望されるように、できるだけ漁期の前にそれが消えてしまって、新しい漁期のときは魚価に影響しないようにしてもらいたいという構想でおりましたものが、若干輸入時期が――到着がおくれたというその関係で、国内のものが比較的有利に使われるという関係もあったりいたしまして、多少品物が残って参ったということも事実でございます。最近非常な魚価の高騰もございまして、そういった品物は逐次消えて参っておるのでありますが、大体におきまして、飼料業者が春入れましたもののうちから品物を調べた結果によりますれば、ペルー産のものよりもむしろ南アフリカ産のものが非常によかったということもいわれておるわけでございます。従いまして、全体としまして、品物が残っておるということについては、必ずしもなっておらないように聞いております。
#12
○千田正君 僕の聞いておるのは、花園さんとちょっと話が違うようであって、南アフリカ産のものは、むしろアンゴラ産等は日本のフィッシュ・ミールとそう差がない、むしろ価格においては高いかもしれないが、相当いいものが入っている。ペルー産のものは、むしろこれはえさにもならない、肥料にもならないようなものが入っておる。しかも船中において火災を起こしたのは不乾燥――乾燥が十分でなかったために火災を起こしたのであってそういうものを非常に価格が安いからといって入れていっても、今後におけるところの、これを需要の方に向ける場合においては、混合飼料としか役に立たない。混合飼料としてやっても、うまいものは食べるけれども、まずいものは残るから、結局残ってしまう。このさばき方についても、私はよほど畜産局としては指導よろしきを得ないというと、とんでもないことになると思う
 のでありますが、現在残っているのは、どれくらいのトン数が残っており
 ますか。
#13
○説明員(花園一郎君) 現在一千トン残っております。
#14
○千田正君 間違いじゃありませんか。私の聞いているのは、約六千トンか七千トン近く残っておると聞いておる、それはどういうようにさばきましたか。私は先月までは大体六千トンから七千トンと聞いておるのでありますが、一カ月の間に五千トンくらいさばいてしまったわけですか。
#15
○説明員(花園一郎君) これは全購連と保税工場会がおもなる需要先でございまして、その方からはわれわれといたしましては逐次報告を取っておるわけでございます。その報告は、使用の実績に応じまして、御存じのように、国内魚価の関係を調整いたしますために、その間の差額というものを積み立てておるわけでございますので、その積み立てば一々製造実績に応じて積み立てるということになっておりますから、従って、その報告が参りますれば、当然使用されたということになるわけでございます。その意味におきまして、われわれは、ただいまペルー・ミールを握っております対象が限られておりますのと、そういう報告が逐次上がっておりますのと双方から見て正確であろうと考えます。
#16
○千田正君 あなたの方は正確……、役所の方が考えれば正確だと言うのだろうが、われわれの調べた点からいえば、必ずしもあなた方のおっしゃった通りではないと思いますから、再検討していただきたいと思います。それは
 なぜかというと、残っておるところの、そうした飼料には不適当なものが残っておる。それでこれは結局混合飼料にしか役に立たない、混合飼料として、優良なものとまぜてこれをえさにしてやる以外に手はないというのが先々月あたりのいわゆる声であった。今日さばけておるとすれば、それは混合飼料としておそらくさばいておると思います。おそらく混合飼料としてやった場合においても、やっぱり不良なものは不良として残るのであって、そうすると、今後の輸入というものに対して相当警戒を要する必要がある。ただいま高橋水産庁次長のお話であるというと、今年度におけるところのサンマの漁獲というものが昨年に比較して非常に不足である、また魚価も昨年より高い、そうするというと、当然、魚かすという問題に対して去年のような供給ができないとすると、あらかじめそれに対処する方針としては、ある程度輸入に待たなくちゃならないということが出てくる。そういうときにまた同じように不乾燥な、しかも十分な使用に適さないものを安いからといって入れても、現実にそれを使うところの生産農家にとっては、はなはだ迷惑な話でありますから、この点は畜産局としても十分考えていただきたい。この点についても伺っておきたいと思います。
#17
○説明員(花園一郎君) ただいまの先生の御指摘の点は、まことにごもっともな点であると思います。本年度輸入いたしましたものにつきましても、その不良品につきましては、さっそく廃棄処分を命ずることにいたします。
#18
○説明員(高橋泰彦君) ただいま、若干補足説明をいたしますと、現在北洋の母船式によりますミールが相当量まだ在庫しております。それについて若干申し上げますと、生産量が約五万七千トンほどあったと思いますが、そのうち現在まで放出してあるのが一万五千トンでございますから、なお四万ト
 ン余りの在庫量を保有しているわけでございます。で、この北洋ミールにつきましては、先ほど花園参事官から御説明の通り、原則として、私どもとしては輸出に向けたいのでございまするが、このようにサンマのかすが――今後の漁況いかんにはよりますけれども、もし相当減退するようでございますと、できればこの現在手持ちいたしております四万トン余りの北洋フィッシュ・ミールの国内放出も考えざるを得ない事態になろうかということをただいま考えているわけでございます。従いまして、この点もありまするので、もちろん需給の問題につきましては、畜産局と十分な連絡をいたしますが、まだ在庫量もございますので、ここでにわかに外国産のミールを入れていいかどうかということにつきましては、今後の需給の事情を十分畜産局と連絡いたしまして一つ慎重に対処して参りたい、このように考えている次第でございます。
#19
○千田正君 同じ農林省の中で、水産庁と畜産局とおのおの需給あるいは供給の調整の上からいって、セクショナリズムをとなえておられることは、非常に私どもは困るのであります。これは十分に話し合ってやっていただきたい。特に外国からの輸入ミール等によって国内の生産意欲がある程度減退するということは、生産者をカバーする意味からいうと非常にわれわれは残念であるので、そういうことがないようにしてもらいたい。
 それからもう一つは調整料、現在一応調整料があることはあるのですが、これに対して水産庁とそれから畜産局の方と十分話し合っておりますか。輸入に対する価格調整の調整料はトンに対して四千円でしたから、そういう問題につきましても両者間において十分話し合って善処していただきたい。それはどっちも、それはおれの方だというように言うというと、そうじゃなくても敏感な業者の連中に要らないことを感ぐられて、かえって迷惑するのはあなた方なんでありますから、そういう点も十分方針をはっきりしてもらいたい。
#20
○説明員(花園一郎君) ただいま先生の仰せの通り、水産、畜産両方とも、庁内におきましてはそれぞれ保護すべき対象も違っておりますので、意見の対立はございますが、実は昨日第一回を開催いたしたのでございますが、魚かす調整協議会というものを編成いたしまして、両局並びに関係業界代表集まりまして、その間の需給の検討をまずいたしたわけでございます。これを重ねまして、今後はお互いの供給力並びに需要量の想定をきちんと両方ともに合致させまして、それによって対処して参りたい、かように考えております。
 それから、ただいま調整金の問題だったと思うのでございますが、この点は、われわれは実は、こういう差益金を取るということは一つの行政行為として大蔵省あたりは非常にまあいやがるわけでございます。しかしながら、あくまで国内の市況安定、国内の市価を落とさないためにやはりこういう措置を便宜的にとらざるを得ないのはまことに残念でございますが、現に国際比価からいたしましても、ぺルーあたりもすでにCIFで九十五ドルまで下がっております。こういうものは、将来、われわれといたしましても、やはりそういったものが国内価格に影響しないように考えざるを得ない。そういう意味では、やはり同等の措置を講じて参るか、ないしは、要すれば――これはまだ私の私案でございますのでそのようにお聞きを願いたいのでございますが、いわゆる瞬間タッチ方式で、食管のえさ勘定などで、そういったものを一応積み立てていくというふうな措置も講じてはどうか。これは飼料需給安定法の告示で品目追加をすればできるわけでございます。そうすれば、国内魚価との関係もいわゆる無理なしに調整できるんじゃないか、かように考えております。なお、従来の差益金につきましては、これの用途等につきましては十分両局で協議いたしましてこれを用いて参りたいと、かように思います。
#21
○千田正君 今のお話であれば非常にけっこうなんですが、一番われわれ考えるのは、魚価安定政策として水産庁として当然考えなくちゃならない。それから畜産局としましては、需給計画の根本政策として、しょっちゅう極端な変動のないような方法を考えなくちゃならない。そういう意味からいえば、今おっしゃったようなのはけっこうだろうと思います。ただ、それがしょっちゅう変動するようになるというと、国内におけるところの生産者にも影響するし、また、それを使って畜産を奨励する側から言っても非常に迷惑するわけですから、コンスタントに流れるところの一つの原則というものをお互いにはっきりきめていただきたい。その方が将来のためにいいんじゃないか。私はその点を注文つけておきたいと思うのであります。
#22
○東隆君 私は今の問題に関連して三月十七日に、実は飼料問題について畜産局長とそれから水産庁の次長にお伺いをいたしておりますが、その後の経過は、実は私は、これは心配をいたしましたような状態が現われておると思うのであります。そこで私は、毎月一万二千トンほどの需要が必要だと、こういうので畜産局の方は計画をされている。それから水産庁の方は、あの当時の数字から言いますと、十分に国内産でもってまかなうことができる、しかもそれは北洋漁業の分を入れますると余るような情勢である、そういうふうな数字が出ておりましたので、私はいろいろお伺いしたのでありますが、ペルーから入ってきたものが飼料に向かないという状態で、私は辛うじてバランスがとれたんじゃないかと、こういうような気もするのであります。そこで、今後の問題について私はお考えを願いたいのですが、先ほど少しお話がございましたが、水産庁の方には、御承知のように水産物流通調整需給対策要綱ということによって、価格の安定に対して多少の予算を組んでそして一生懸命で安定をはかっておられる。ところが、畜産局の方には、そういうものについては、安定が、できるだけ安いえさを供給するのがいいのだ、こういう立場になるわけです。そこで私はこの際畜産局の方にあります例の飼料需給安定法ですね、あれを一つもう少し拡大して、そうして飼料需給安定審議会ですか、これを十分に一つ活用されてやる必要があるのじゃないか、こう考えているわけであります。価格の面だけでなくて量の面ですね。輸入の量、こういうような面について考える必要があると思うのであります。なお、法律の対象になっているのはふすまが対象になっております、そうしてほかのものには及ばないようになっているかのように思いますが、ふすまその他が中心で、当時あの法律をこしらえるときに製粉業者が猛烈な反対をしたことは承知をしておりますが、そのような関係で魚かすには、これは魚粉にはあまり関係がないのであります。そこで両者の間で、この畜産局と水産庁の間に問題になっているのでありますから、この際あの法律を拡大解釈をして、この問題を十分に取り上げてそうして内部で私は十分に検討を加える必要があると思います。それからもう一段階大きくして先ほどの調整委員会のようなものを開催されているようでありますが、それも一つ大きな意味で何か法律の中に入れてそうして公的なものにする必要があろう、こういうように考えるのですが、その点どういうふうにお考えですか。
#23
○説明員(花園一郎君) 飼料需給安定法をたしか当時議員提案で御審議願いました。東先生や岡村先生みんな大へんなお世話になったと思います。私が当時、覚えているわけであります。実はあの品目は、実は法律の第何条でございましたか、品目を告示で追加すればおのずからそれに飼料需給安定計画の上において、または飼料需給安定審議会の方において受けることになるわけです。従いまして、ただいま私、私見として申し上げました魚かすをその品目追加いたしますれば、当然にそういうことになるわけであります。そのように至急に措置を進めていきたいと思います。
#24
○東隆君 そのあとの段階で、私は飼料需給の審議会だけでは一方的なものになろうと思うのであります。それでこの際もう一歩進めて、魚粉そのものについての調整委員会をお開きになっておりますから、第一回が昨日開いた、こういうお話ですが、私はこれがもっと必要なものでないか、内部だけでなくて外の関係ですから、これが一番必要になってくるのじゃないかと、だからそういうようなものを十分にやり得るようなものを一つこしらえる必要があるのじゃないか、飼料需給安定審議会の中ではまだ一つもやっておらないわけですけれども、しかし告示してそうして中へ入れてやるといたしましても、飼料需給安定審議会だけでは問題にならぬのじゃないか、こういう気がするのですが、今の水産庁とそれから畜産局と、それからもちろん通商局の方もお入りになるのではないかと思いますから、そういうような関係でお開きになっている調整委員会ですか、こういうようなものをもう少し公的なものか何かにする意思はございますか。
#25
○説明員(高橋泰彦君) このサンマの魚粉の問題でございますが、私どもといたしましてはやはりサンマそれ自身の値段の問題、それからサンマのその他の加工向けの問題、それから御指摘のサンマかすの問題、こうなるのですが、また、かす自身もサンマだけではございませんで、その他のもろもろの魚かすその他のかすもあるわけでございますから、なかなかこれは容易でない問題でございますが、ただ、いずれにいたしましても生産者、漁業者並びにかすの加工業者、それらの意思を反映して全体の魚粉のいろいろな調整をはかるという趣旨については全く賛成でございます。ただいまその趣旨に基づいて自主的な団体の格好でそれぞれ昨日も協議いたしたわけでございますが、これが直ちに公的なものにするかどうかということにつきましては、もう少し実際の調整協議会の今後におきまするまた動きなども見た上で、畜産局と御相談いたしましてその方が、法的に拘束した方がより効果が上がるというふうな見通しが立ちますれば、もちろんその方向に私どもは御協力いたしたいというふうに考えております。
#26
○東隆君 今、次長のお話しになったことはわかるのですが、まだ飼料需給安定法の中に告示をまだされておりませんので、そこで今輸入の問題が私はやはり起きてきておると思うのです。それで早急にその関係のものを調整しなけりゃならぬ。その場合に、私は飼料需給安定法の今の審議会の委員その他のメンバーの中には、私は水産庁関係の者が一人も入っておらんはずですから、従ってそこだけでもってやってもこれは問題になりませんし、従って告示をすると同時にそちらの方面の利益代表その他の者を入れてそしてやる必要がある。だから、へんぱな審議会でもってやられても困るということを考えておるのでありまして、そういう意味で一つ今申し合わせの調整委員会というものを強力にする必要があると考えるので、今公的にする意思はないかと、こういうことを言ったので、それに到達する前にもし早急に告示をされるという、そういう中に加えるという考え方ならば、審議会の中へ、委員の中にやはり水産関係の利益代表の者を中へ入れると、こういう手を使ってもらわないと、当面の問題の解決には一つもならぬと思う。そういう意味で私は主張しておるのですから、それについてどういうふうにお考えですか。
#27
○説明員(花園一郎君) ただいまの御指摘はまことに私もうっかりしておりましたが、確かにその通りでございますので、確かに告示をいたすといたしましても、その場合飼料需給安定審議会のメンバーの方も再検討しなければならぬということはよくわかります。その点は検討いたします。
#28
○森八三一君 韓国ノリの問題について簡単に二、三お伺いをいたしたいと思います。
 最近の国内における沿岸漁業の実態は、私が申し上げるまでもなくよく御承知の通りであります。李ラインの問題などいろいろな海外の圧迫ということから自然国内の漁業が沿岸に集中されてくる。その結果として好ましい姿ではありませんが、まあやむを得ざる結果として非常に乱獲的な色彩も巻き起こしておる。それが非常に零細な漁民に経済的な大きな打撃を与えておるというようなことからいたしまして、その対抗的な手段として各種の養殖事業というものが政府の方でも非常に力を入れて推進をされておりますし、民間の漁業団体でも自衛手段として、そういう方向に生きていかなければならぬということから、かなり努力をしてやってきております。このことは非常にけっこうなことでございます。十分推進をしていかなければならぬと思いますが、そういうことからいたしまして、多額の資金を投じて養殖のことに専念をし、その結果として生産せられます生産物と海外の同種の生産物との競合という問題が巻き起こってくる。そこで昭和二十七、八年ごろからでありましたと思うのですが、とりあえず非常に関連の深い韓国ノリの問題がこの委員会でもしばしば議題となりまして、論議をされて参りましたことも御承知の通りでありまして、いろいろ意見を交換し、実態を調査し、論議を尽くしました結果、諸般の情勢、外交上の問題なり、あるいは関係国との経済関係、諸般の問題を考慮に入れまして、とりあえず当分の間、年間輸入量は一億枚という制限の中でこれを取り進めるということに話がまとまりました。さらにその数量の実行につきましても、国内の生産漁家に悪影響を与えないようにという配慮から四月、九月という国内生産期をはずしました時期にその輸入の取り運びをするというようなことを決定されまして、そういう趣旨のもとに動いてきておると私は承知をいたしておるのでありますが、昭和三十五年もすでに協定されました輸入の時期を経過したわけでありまして、今年の実績は十分おわかりになっておるはずであります。そこでとりあえずお伺いいたしたいことは、本年と申しまするか、三十五年の通関手続等からはっきりしておると思いますので、韓国ノリの輸入の実態がどういうように相なっておるのか、それをまず最初にお伺いいたしたいと思います。
#29
○説明員(高橋泰彦君) 韓国ノリの輸入の問題でございますが、これはただいま森先生御指摘の通り、当農林水産委員会のかねての申し入れもございまして、御指摘の生産時期をはずして一億枚以内の輸入というような申し入れがあるわけでございましてただいまのところその申し入れに従って私どもはやっておる次第でございます。本年度のノリの輸入でございまするが、これも通産御当局と連絡いたしまして、これも従来の方針通り一億枚の範囲内で輸入を終わったように聞いておりますが、その内訳その他につきましては通産御当局からの御説明をお聞き取り願いたいと思います。
#30
○説明員(山本重信君) 本年度の韓国ノリの輸入につきましては、かねて数年前に当委員会でノリの輸入問題についてお話し合いがございましてその方針を路襲いたしまして現在まで行なっておるのでありますが、特にその中でノリの輸入の数量、方式その他につきましては、韓国ノリの需給調整協議会に諮問をしてその意見を徴してやる、こういうことになっておるのでありまして、本年度におきましても、そのような措置をとったわけであります。その数量につきましては、その需給調整協議会の構成メンバーの間で必ずしも意見が一致いたしません。生産者団体代表の方からは一億枚という意見が出たのでありますが、他の卸売業者の代表、それから輸入業者の代表の方からは二億枚という要望がなされました。需給調整協議会としては、数量についてはそのように意見が分かれたままで、その実情を答申をいたしておるというのが実情でございます。通産省といたしましては、そのように意見が分かれておりますので、とりあえずの措置といたしましてはさしあたり一億枚の輸入をしようと、こういうことで先般来輸入をやって参ったのでありまして、詳しい内訳は省略いたしますが、全体で一億枚以内の輸入を実行いたしたわけであります。この本件につきましては通産省といたしましてとりあえず今直ちに一億枚をこえるものについて輸入をするかどうかということについては決定はいたしておらないのでありますが、当面考慮すべき問題といたしまして日韓交渉の問題がございまして、御存じのように韓国との関係はただいま正常な外交関係、通商関係をこれから話し合いによってうまくいくようにしていこうという段階でありまして、先般来韓国側の方からは日本に対して日韓両国間の貿易がきわめて一方的、片貿易になっておる、日本からの輸出が非常に多いその反面、日本が韓国から買うものが非常に少ないので、いろいろな物貿についての輸入要望を提出して参っておるのであります。しかし、なかなかいずれも問題の多い品目でございまして、たとえば米にいたしましても、米の方は最近の国内の生産が数年来続けて豊作でございまして、大量の輸入をいたすことはできません。また、無煙炭につきましても、国内の石炭事情から、きわめてわずかな輸入しかできないというようなことで、韓国側もノリの対日輸出にはきわめて大きな期待をかけておるようでありました。その点だけから見ますと、ここで今後ノリの輸入割当をふやしていくということが日韓関係の正常化、改善にはきわめて有効な手段であるという事実が一つあるのであります。それから国内の需給つきましては、これは当面の責任官庁であります水産庁の方の御判断にわれわれ依存していくわけでありますけれども、消費者物価の動き等から判断いたしますと、かりに昭和二十七年の当時と比べますと、一般消費者物価は二割か二割二、三分程度上がっております間にノリの小売価格は二倍半近くにまで上がっておるというような状態がありまして、そういう点から判断しますとノリの国内需給は必ずしも適正な状態にあるかどうか検討を要するのじゃないかという点があるのでございます。そうした事情が一方にあるのでございますが、同時にやはり国内の生産業者の立場ということも当然十分に考えなければなりませんので、その辺の事情を勘案いたしまして、これは今後の問題でございますが、水産庁、関係官庁との間で十分に検討をいたして参りたい、このように考えておる次第であります。
#31
○森八三一君 ただいま通商局次長の話でありますが、もちろん隣邦の韓国との国交を正常化するとか、それに関連して貿易についても調整を加えていくというようなことについては十分考慮しなければならぬ点もあろうと思います。今お話しのことを聞いておりますと、将来のことだというような最後の御発言はありましたが、現時点においてもそういうような必要があれば一億のワクというものは政府の見解によって更改をすることもあり得るというようなふうの意味に私は聞こえたのでありますが、そういうこともお考えになっておるということなのか、その点はきわめて重要な点でありますので、そういう国交の関係から研究をしなければならぬ、だからそういうことについての研究をしておるという程度でありますればわかる。わかるが、そういうことの研究の結果として、政府の見解がきまれば、それをこの時点において実施に移すというような何か心がまえでいらっしゃるように受け取れる発言を私は了承したのでありますが、そういうようにお考えになっておるかどうか、その点を明確にしていただきたいと思うのです。
#32
○説明員(山本重信君) ただいま私が申し上げましたのは、現在のこのノリの輸入をめぐる環境といいますか、考慮すべき問題点というような感じで申し上げたのでありまして今後の研究問題というふうに御了解をいただきたいと思います。もちろん諸般の情勢を検討いたしまして、将来この一億枚を更改した方がいいという、こういうような結論がかりに出るようなことがありますれば、もちろんこれをいよいよ実施するという段階では当委員会でも御了承を得なければなりませぬし、それから先ほど申し上げました需給調整協議会の御了承も得て実施するということが当然必要であると考えております。ただいま現実の措置としてそういう措置をとろうということで何か今準備をしておるという段階ではないというふうに御了承を願いたいと思います。
#33
○森八三一君 そうしますると、現時点においては当委員会でもいろいろ論議を尽くし、政府とも意思が一致いたしまして、当分の間一億枚の限度内において措置をするという確認された方針のもとにずっと進行しておったということであろうと思う。そこで昭和三十五年度における取り扱いの実績といたしましても、明確な数量は御発表はございませんが、方針は一億枚以内で措置をいたしておるということでございまするから、その点は了承をいたしますが、ところが私が最近承知をいたしますところでは、その一億枚をこえた数量というものが国内に搬入されておる、きわめて最近のときにそういう事実があると聞いておるのでありますが、水産庁なり通商局の方では御調査を願っておると思いますが、そういう事実がありますのかどうか、事実があるとすればどういう姿でそういうものが入ってきたのか、そしてそれは現在どういうような状態に置かれておるのか、その点明確にしていただきたいと思います。
#34
○説明員(山本重信君) 韓国側の方から相当多量のノリが事実上日本の港に入っておるという情報を私たちも実は聞いておるのであります。しかし、これは事実そういうことが行なわれておるということでありまして、通産省といたしましては、その事実をもとにしてどう措置をするというようなことを何ら考えておりません。逆に言えばそういうことによって今の一億枚のワク云々を判断する場合の一つの根拠といいますか、そういうものとして考える必要がわれわれは全然ないと思っておりますので、言いかえますと、そうした事実はあるように聞いておりますけれども、われわれ責任ある通産省の立場といたしましては、そうした事実には何ら関知しないという態度と御了解いただきたいと思います。
#35
○森八三一君 一応政府と国会との間に了解が成立して年間一億枚の以内で輸入を認めようということが確認されておる。そこでそういう方針のもとに現在までは数年間措置をしてきたということ、これは私も承知いたしておりますが、先刻次長のお話しのように、諸般の情勢から幾らでも考えられるというようなにおいというものが、早急にそういうことに踏み切るといいますか、更改をされるであろうということが期待を与えたその結果として、一億枚以上の数量というものが現に国内に搬入をされたという結果を招来したのではなかろうかというように私は考えざるを得ないのでありますが、今のお話しでは無関係だこうおっしゃっておるけれども、無関係で一億枚以上のものは年度中にどうしても通関手続は行なわれないんだということでございますれば、これは搬入をいたしましたものは、あるいは保税倉庫等に入りまして相当の倉敷料を払って長期に保管をしなければならぬというような輸出者側から見れば、非常に不利益の伴うことをあえてやる、こういうことになる。輸出者側から考えますれば、当然常識的には想像し得ないことが行なわれておる。そこに何か問題があるように私は了解をせざるを得ないのでございますが、もし一億枚という限度を完全に守り通していくということであるといたしますれば、そういう不正な搬入に
 ついては送還する等いろいろな手続も行なわれてしかるべきだと思いますが、そういうことについての御見解はいかがでございますか。
#36
○説明員(山本重信君) ただいま私がここでノリの輸入をめぐるむしろ最近の新しい考慮すべき状態というようなことについてお話し申し上げたのでありますが、今回韓国側が一方的に大量のノリを搬入したという事実との間には、何ら関係がないのでありまして私たちは今まで当委員会でも、日本の内部のことでありますから、いろいろ私たちの考えていることを申し上げますけれども、いやしくも外部に対してははっきり方針のきまったこと以外は何ら申し上げておりません。ただいま向こうから参りました荷物は、仮陸揚げというふうに聞いておりまして保税倉庫に入っておるものもありませんし、これは韓国側が日本政府との問の了解を何ら取りつけることなく、全く一方的にやったものでございますので、わが方としては何ら責任を感ずる必要がありませんし、いわば全然関係ないという立場でおれる問題だと思っております。
#37
○千田正君 関連して。今の通商局次長のお話は、かりに日本国内にそういうものが入ってきて、全然関知しなくても仮陸揚げ等によって搬入された場合には通産省としては何らの関係がないということでございますか、そういうふうに私は聞いておったのですが。
#38
○説明員(山本重信君) ただいま参っておりますのは、韓国の方の輸出組合いわゆる需給組合ですか、輸出組合が同じ韓国ノリ需給組合の東京の事務所にコンサインメントで荷物を運んできておるという状態でありまして、いわば韓国側の都合といいますか、事情によって韓国の機関の間で出先に荷物を届けてきたというふうに聞いておりますので、本件についてはむしろもつぱら韓国側だけの事情で、日本側の政府としては、本件について何らのアクションをとっていないというふうに御了解願います。
#39
○千田正君 ただいま外交上非常に微妙な点があるから、次長の御発言も非常に微妙な御発言をなさっているのですが、現実の問題として国内に入ってきた、それを国内においてそれが販売され、あるいは第三者の手に渡るというような外国製品に対しては、通産省では全然関知しないということはあり得ないと思う。そういうことは全然関知しないというあなたの観点なんですが、私はただ今日そこでめんどうを避けられることはけっこうですけれども、すべての商品に対しておそらく通産省としては関知していなければならないし、また善意のそれは管理をしなければならないことは当然であると思っております。あなたの今のおっしゃることは、われわれもある程度は了解しますけれども、全然それは関知しないということはあり得ないと思いますが、どうなんです。
#40
○説明員(山本重信君) 日本政府としては関係がないということでありまして、法律的に申し上げますと、通関をいたしておらないわけですから、いわば法律的に申しますと、国内に入ってきていないというふうに、法律上のことはもう少し正確を期する必要があるかと思いますけれども、常識的に申しましてそういうふうに解釈を私たちはいたしているわけでございます。
#41
○森八三一君 そうしますと、一方では国会側と政府側と話がきまって、諸般の情勢を考慮しながら、現時点においては年間一億という数がきめられて、公式にそれが動いている。今のお話しのように、別に日本政府の関知せざるものが勝手に入ってきている。入ってきているのは、国内でさばくという目的がなければ入ってくる筋合いのものではないと思うのですね。それを関知しないということになりますというと、それが放出せられる危険を感ずるわけでありますが、もし放出せられるということになりますれば、一億という限度はそこで破れる。それは政府は知らぬことだということでは話が変になってしまうのですが、その場合にどう取り締まりをされますか。保税倉庫に入ったとなれば、それは取り締まりできましょうけれども、政府が全然関知しないものが、どこにあるかわからない、どれだけの数量のものかわからない、品質もどうなのかわからないというものが、勝手にどんどん陸揚げされているという事実が、これをこのままで、どんどん放出されていくということでは、取りきめが守られるということにはならぬと思うのですが、いかがでしょうか。
#42
○説明員(山本重信君) ただいまの荷物の状況は、一応仮陸揚げという格好になっているようでありますが、これはまだ保税倉庫に入っているわけでもありませんし、これが国内のマーケットに出るためには、必ず日本政府の輸入許可が必要になるわけでありましてその手続をしない限りは、日本のマーケットに入ってこないということであります。万が一それが相当長く置かれておったために、かりにいろんな損害等が生じましても、これはあげて韓国側の独断的な行為によるものでありまして、日本政府としては、何らもちろん責任をとる筋合のものではございません。その限りにおきまして、われわれは、事実上陸揚げされておりますけれども、全然それとは関係のない立場で判断をいたしたいというふうに考えております。
#43
○森八三一君 私は貿易上の取り扱いについては、しろうとでありまして、よくわかりませんが、常識的に今の御答弁では納得がいたしかねます。そこで、日韓の関係は非常に微妙な状況にあるわけでありますので、あまり突っ込んだことを申し上げましては、あちらこちらに差しさわりがあっていけませんので、そう追い詰めたことは申し上げたくございませんが、最後に申し上げたいことは、そういう姿で入ってきているものは一応国内における取りきめとして一億という限界があるのですから、守られるように政府としては考えなければならぬと思うのです。そこで、そういうものについても、これは保税倉庫に入れるとか、とにかく、国内のマーケットに出ないような措置がとられなければ、関知しないという姿で放置されていることは、私はしごく遺憾事だと思う。取りきめの範囲内における行動が厳格に守られるようなことに対しての措置というものがなければならぬと思うのです。そういう措置をおとりになるお気持がありますかどうか。そういう措置を講じた暁、一億枚限度というものは守られなければなりませんから、これは年度中に国内に放出されないということが確約されなければならぬと思うのですが、そういうことを明言なさいますかどうか、最後に結論だけをお聞かせいただきたい。
#44
○説明員(山本重信君) 本件の現物の取り扱い処理は、大蔵省とその現地の税関の問題でございまして実はまだ通産省あたりにまで上がってきていないわけでございます。税関を通って国内に入ってくるかどうかというところで、通産省が輸入の許可をするかしないかということが問題になるわけでございます。まだ実は通産省の所管のところまで入ってきていないということでございます。今後しからば、そのものがどうなるかということにつきましては、実は私も、従来のノリの事情を必ずしも十分存じておりませんけれども、時と場合によりますと、相当長い間放置するのを覚悟で荷物を持ってきているということも、過去には全然例がなかったわけでもないように聞いております。従いますして、今後どうするかにつきましては、先ほども申し上げましたような事情もございますので、十分にまた皆さんの御意見を承わって慎重に検討した上で方針をきめて参りたいと、このように考えております。
#45
○森八三一君 大蔵省の関係であって、直接通産省の関係のことではないということですが、政府としては一応国会との約束があるわけですから、政府全体としてはそういうものについての措置が当然とられなければならぬ。そういう処分をする数量は明確であるにいたしましても、入ってきているという事実を確認されておれば、当然大蔵省側に対してその措置を要請されるという行為がなければならぬと思う。そういう行為をおやりになることによって、一億枚という取りきめをほんとうに名実ともに実施されるという結果が生まれるのであって上がってきておらぬものについては、知っているけれども知らぬという態度では、これは部局は変わっておっても、政府対国民という関係では割り切れぬ姿が残ると思う。そういう措置は当然通商局としておやりになる必要があると思いますが、そういう措置をおやりになりますかどうか。それが行なわれませんと、問題は、一億枚をこえた数量が知らぬ間に国内の市場に出てくるという結果が生まれてくると思うのです。
#46
○説明員(山本重信君) 輸入許可がおりておりません品物が国内に流れないようにするということは、これは政府としては当然取り締まりをしなければいけない問題でございまして、本件に限らず、いかなる場合でも、輸入許可を必要とするものについて、その許可がないものが国内に入らないようにという取り締まりは、これは特に本件に限らず、一般的な取り締まりでやっているものと思います。従いまして、本件についても、これは通産省が大蔵省に特別にそういうことを言わなくとも、当然の問題として取り締まりは行なわれるものというふうに考えます。また、その輸入許可が出ない限り、われわれとしては、そういうものが入ってくることはあり得ないというふうに考えております。
 それからなお、仮陸揚げという言葉がちょっとわかりにくい言葉なんでありますが、関税の方の関税法によりまして、ごく、何といいますか、一定条件で暫定措置あるいは緊急の措置として、現場をとりあえずいつまでも船に乗せておくわけにも参りませんので、そういう措置をとることがあるのでありますが、これは関税法によってきめられた一つの暫定措置でありまして、そういうように輸入させるかどうかということは、全く別個の問題になるわけであります。
#47
○千田正君 今の問題で、おそらく今通商局次長のおっしゃったのは、現実において陸揚げされておっても、それは通産省の行政干渉すべき範囲内でないから知らぬということだろうと思うのです。しかし、それはそれでけっこうでしょうが、将来仮陸揚げされたものが、必ずそれは日本の内地においてさばかれるという目標のもとに入ってきておるものだと私には考えられる。それで、これは通産省のみならず、水産庁として厳重に監視する必要があるじゃないか。ということは、今まで森委員からたびたびこの問題についてお話がありました通り、当委員会において、政府は一億枚以上は絶対入れないということを確約しておるのであって、それの原則にのっとって今日まできておる。これを破るようなことがあった場合においては、いろいろ問題が起きておる。今まで。それは通産省としても十分御承知のことと思いますので、これは必ず将来上がるであろう、あるいは日韓問題が好転してきまして、外交折衝の過程の上において、この問題がある意味において日本国内でこれがさばかれるという目標をもって、仮陸揚げにしろ、何にしろ、われわれは入れたものと推定しておるのでありますが、この点においては、水産庁においても、通産省におきましても、十分にその点を察知して、よく検討してみる必要があるじゃないかと、私はそう思うのです。これが入ると、非常に生産者に影響を及ぼす。また、物価の面等に関しましては、いずれそういう問題が起こることは当然でありますから、それは調整するとか、いろいろな面において、水産行政の面からも、あるいは物価の面においては通産省等において十分打ち合わせてやり得ることでありますけれども、この原則だけは、破るという前に政府の所信を明らかにして、当委員会等において十分な了解を得なければ、結局、政府がした約束を破り、しかも国内の生産者に非常な打撃を与えるという結果になりますから、その点だけは十分注意していただきたい。この点だけを強く私は要請いたします。
#48
○北村暢君 今の問題ですね。これは大蔵省の税関の関係もあるようで、その所管が違うようでございますから、委員長において、この仮陸揚げの状況等について、それから数量その他について、資料として文書で報告を願えるような手続をとっていただきたい。これを一つ委員長においてそういう措置をとるように資料要求をいたしたいと思います。
#49
○委員長(藤野繁雄君) 承知しました。
 他に御発言もなければ、本件については本日はこの程度にいたします
  ―――――――――――――
 他に御発言もなければ、本件については本日はこの程度にいたします
#50
○委員長(藤野繁雄君) 次に、酪農振興と学校給食に関する件を議題といたします。
 本件についての質疑の御要求がございますので、これを許します。
 なお、本件について関係当局から出席のお方は、農林省畜産局参事官花園一郎君、文部省体育局、学校給食課長臼井亨一君、大蔵省主計局主計官相沢英之君であります。それでは順次御発言を願います。
#51
○堀本宜実君 学校給食につきまし
 て、若干各関係省に伺いたいと思いますが、各県におきましては、すでに供給業者と学校当局との間に供給をいたしまする契約をそれぞれ準備いたしまして、それぞれの用意をいたしておったのでございますが、突然八月末に農林省は各都道府県に対しましてこれが中止をいたしまするような通達を出しておるやに伺うのでありますが、ただ頭からこれを中止するというのではなかったであろうと想像をするのでございますがしかし印象といたしましては、もうやめてはどうか、やりたくないという潜在的な意識が十分にある表現において通達を出しておると聞いておりますが、そういうふうに受け取っておる者もあるのでありますが、これに対しまして農林省のとった処置についてお答えを願いたいと思います。
#52
○説明員(花園一郎君) ただいまの堀本委員の御質問にお答えいたします。
 農林省といたしましては、本年当初に本年度学校給食予算を編成いたしましてそれによりまして逐次実施いたして参ったわけであります。第一学期には六万四千石を実施いたしまして、第二学期につきましては一当初八月におきまして一応二学期以降の計画を編成いたしたのでございますが、当時国内の牛乳並びに乳製品の需給事情がきわめて緊迫と申しますか、逼迫した状態にありましたので、これに対しまして大蔵省主計局から八月の中旬でございましたが、当面牛乳、乳製品の需給対策については、バター脱粉の輸入等が行なわれるほど一般的に需給の逼迫が認められるから、九月、十月の牛乳の学校給食、生乳でございますが、生乳による学校給食は、その実施について一ぺんよく調べてみる必要があるのではないかという申し入れがあったわけであります。これに対しまして農林省側といたしましては、それでは実際の実施状況はどうかということにつきまして、九月の実施を希望する県が幾つあるかということを、まず県に対しまして問い合わせたわけであります。それについてもし九月分についてこれを中止するという場合に実際に支障を来たすという向きがあるとすれば、その県は言ってきてほしいということを言ったわけでございます。それにつきまして県から参りましたのは、北海道、福島、群馬、新潟、京都、鳥取の六道府県であったわけでございますが、この道府県につきましては、個々に関係県と協議をいたしまして、その県の事情をよく調べまして、そうして大蔵省ともよく話し合いをいたしまして、九月分といたしましては、各県がこれがどうしても要るのだという数字をとりまとめまして大蔵省もこれを認めてくれた、それで全体として千四百七十四石を実施いたしたわけであります。さらに十月につきましても、同様の趣旨におきまして大蔵省と話し合いを進める都合上、さらに十月分について実施計画を立てておりました三十九都道府県に対しまして同じようなやり方で意見を徴しました、その結果そのうち二十九道府県が必要だという要求を出して参りましたので、これに対しまして一万八千石の割当をいたしたわけでございます。
#53
○堀本宜実君 どうもすらっと聞くと、あたりまえのように聞えるのでありますが、もう一度伺いたいと思いますが、九月分の中止をするという希望があったところは別でございますが、既定計画として三千九百四十一石の既定計画持ち、これを実施したいという要求に対して、千四百七十四石の実施をいたし、十月に、おきましては二万四千七十七石の既定計画があるにもかかわらず一万八千石の割当をするということについての事情を、もう少し深く御説明願いたいと思います。
#54
○説明員(花園一郎君) 都道府県におきまして学校給食を実施いたします際に問題になりますのは、個々の予算を農林省において編成されております建前が、あくまでこれは需給調整の線が一本通っておりますので、需給調整上どの程度のものが学校給食用として使用されなければならないかということにつきまして個別的に当たったわけでございます。これは確かに八月下旬におきましての通牒につきましては、これを特別の事由のある都道府県について協議の上可否をきめることにいたしたいということで通牒を発したわけでございます。従いまして都道府県の事情を十分に聞きました上で、この程度で大体やれるという確信がありましたので、そのように措置いたしたわけでありまして個別的な県の事情を十分勘案いたした結果でございます。
#55
○堀本宜実君 これはこういうことを話し合っても水掛論になるが、十分勘案した結果やりましたというお答えでは承服できないのです。希望があるのにもかかわりませず、これの需給関係に若干の狂いを当初の計画から生したということの理由によってただそれだけの、需給事情が逼迫したとかというようなことだけの理由で、当初をはるかに下回る数量に削減して一方的に削ったということは、地方の実情を十分に勘案しないでやった。またこれには相当の陳情があったと私は思っておる。それにもかかわらず半分にも足らない数量を割り当てておいて、そうして完全に実施しましたなどということは、まことに私は受け取りがたいと思う。ことに昨年改正されました酪農振興法第二十四条の三には、すでに御承知のように、「酪農の健全な発達に資するため、国内産の牛乳及び乳製品について、これを学校給食の用に供することを促進する」と書いてある。それをみずからこの国会の議決が経られておるにもかかわりませず、わずか足りないということの理由をもって、すでに余っておる府県がございまして、それらは一様にこれだけの供給ができます。また、学校においてもすでに学校と供給業者との間に契約を取りかわし、そして学校には子供に給食をさしまするための設備を完全に行なってそれぞれの手配を進めておる。それにもかかわりませず、若干の不足を生じて国外輸入をする現象が起こってきたからとて、一方的にこれを削減をするということは、私はふに落ちぬと思う、その点に対して一体どう考えられますか。これは大蔵省もお答えを願いたい。また、文部省もこの問題に対してどういうふうな現在お考えを持っておられるのか、あるいは農林省はもっと明確に農林省としての酪農を振興をするという建前、酪振法の二十四条の三のこの規定されておる精神に対して一体何と考えられるのか。
#56
○説明員(相沢英之君) この学校給食用の生乳のさしあたり問題は、補助金の点になるわけでありますが、この制度ができました際に、これは私から申し上げるのも釈迦に説法かと思いますが、三十二年における生乳の相当な過剰見込みに対しまして、酪農農家を救済する、乳価を維持するというような観点から実施されることになったわけであります。従いまして当初における考え方は、あくまで牛乳の需給調整ということであったわけでありますし、その考え方は私は今日に至るまでも変わっていないというふうに存じております。三十五年の一般会計の予算書におきまして、この事項についての説明も「牛乳乳製品の需給調整を図るため、牛乳乳製品を学校給食用に特別価格で供給する等のため必要な経費である。」という説明がつけられております。この経費が農林省の所管の一般会計予算として計上されておりますことにも、やはりその見地はあくまでも酪農対策であるということにあると思います。そこで、予算は昨年の末における今年度の生乳の需給の見込みを基礎にいたしまして、一応の概数で組まれたわけであります。従いましてこれは過去においてもそうでありますが、実行はその当該年度における牛乳の需給状況を勘案いたしまして支出負担行為計画なり、支払計画をつけていくという形になっておるわけであります。この三十五年度における学校給食用の牛乳の補助金を算定いたします際は、大体乳製品の適正在庫を乳製品の販売量の大体一・五カ月をめどといたしまして、その在庫量を持ち越し得るようにそのことを前提といたしまして、調整残を一応学校給食用に充てるというような算定がなされておったわけであります。従いまして、まず学校給食用の生乳をこの需給計画上先取りするという考え方でなされておったわけでないことは、従来と同様であったわけであります。従いまして一・四半期は当初の計画におきましては、その後改訂されましたが、当初の計画では、一・四半期が学校給食用が六万一千石、二・四半期が一万六千石、三・四半期が十二万七千石、四・四半期が十二万四千石というように一般の牛乳の逼迫する時期には少なく、ゆるむときには多くするというような数量が考えられておったわけであります。
 前置きが長くなりましたが、その後本年に入りまして夏場牛乳の生産はこの当初の計画よりも伸びませず、他面乳の消費は計画を上回わる点もございまして、相当需給は逼迫をして参ったわけであります。農林省としましては、乳製品の緊急輸入を考えざるを得ないという情勢になったわけであります。ちなみに、これはごく最近の資料は持っておりませんが、今年の六月と前年の六月とを対比いたしますと、たとえば工場在庫も相当減っているわけでありまして、これはお手元にございますかと思いますが、上期の改訂の見込みでも期末在庫は三十万五千石、これは従来適正在庫と考えられております一カ月半分を下回る、一カ月分にも足らない数字になっているのでございます。こういう情勢で、牛乳の需給調整を目的として考えられております学校給食用牛乳の補助金の運用を、この当初の計画通りすることが適当であるかどうかという点について、農林省に検討をお願いしたわけであります。一合につきまして三円七十銭ほどの補助をつけて学校給食用として飲んでいただくということは、やはりそういう牛乳の需給調整の観点からなされておりますことが明らかであります以上、これほどまでに牛乳の需給が詰まっておりますならば、やはり国が補助金をつけてまで子供に飲ますという牛乳の量は減らして学校給食用は学校給食会がアメリカから輸入しております脱脂粉乳でまかなっていただくべきじゃないか、こういった観点からいたしまして、とりあえず、九月、十月分につきまして既定計画の再検討をお願いし、そうして実際の各地の実情に応じたところの補助計画に直していただくようにお願いしたわけであります。
#57
○説明員(臼井亭一君) お答え申し上げます。文部省といたしまして今度の事態に対してどういうような考えを持っているかということにつきまして、実は各都道府県の教育委員会からひんぴんと陳情が参っております。それはいわば学校、現場の声として共通な意見でございますけれども、一学期、二学期、三学期分というように本年度の農林省からの割り当て量が大体きまっているわけであります。その範囲内において、いつから生乳の給食を開始するということを学校の校長先生は児童に発表している、それについて児童生徒は、それをうれしいといって手をたたいて喜ぶ、その声は自然父兄にも伝わってくる。ところが、それが都合によって打ち切りになる、あるいは減らされたというようなことを校長先生は突如として言わなければならない。いわゆる道徳教育で、うそをつくなということを校長先生は言いながら、みずからそれを校長先生がうそをつくということは、やはり対文部省、対農林省に対しての、児童の胸の奥に不信の念を植え付けることになる。学校行政運用上まことに遺憾であるというのが共通した意見でございます。それでどうか十一月以降は、すなわち三月まで一括して予定計画通り配給するという保証確約をすみやかに農林省からされてほしいというのが教育委員会からのこぞっての希望意見でございます。というのは、九月分はどれだけ、十月分はどういうふうに改訂するという、そのつど変えるというようなことになりますと、学校において計画が立たない。ですから十一月ないし三月まで一括して確約をほしいというのが地方からのこぞっての希望でございます。そこで九、十は非常に緊泊状態でありましたから減らしたあるいは打ち切ったということに対して、学校はどういうように対処したであろうかということでございますが、先ほど相沢主計官がおっしゃいましたように、私の方では、学校給食は約一千万人足らずに対しまして、アメリカの安い脱脂粉乳、ミルクを二万六千トンくらい使っておる。それに対して本年度の国内産の生牛乳は大体七千トンという予定でございますが、その脱脂粉乳に切りかえる際に、学校におきまして幸いに湯沸かし、かまど、攪拌機、ミキサー、そういうものが設備されておる学校は確かに切りかえがききます。しかし、そういうような設備がない学校はやはり打ち切らざるを得ない。ということは、それだけ児童に悪影響せざるを得ないという事態になっておると存じます。以上お答え申し上げます。
#58
○説明員(花園一郎君) ただいま相沢主計官並びに臼井学校給食課長からお答えがありましたように、一方には学童の体位向上、または社会政策的な意味におきます学校給食、文部政策的な意味におきます学校政策がある。一方に農林省といたしましては、その予算の編成が農林省にあります建前が、実は牛乳の生乳の需給調整または需給安定という基礎に立って農林省側に計上されておる。この点につきましては、文部省におかれまして言われますと同様に、われわれも需給調整の立場を一応農林省としては背景といたします関係上、大蔵省にはこの両面を十分勘案していただきまして、われわれとしてはこのような打ち切りは非常に残念であったのでございますが、今後は大いに酪農品の生産の増強をはかりまして、学校給食の実施量に支障のないように努力して参りたいと考えておる次第でございますが、この点につきましては、本年度は乳牛の増加は畜産、各家畜の中でも比較的伸びのいい方でございましたが、必ずしも乳量におきまして予定計画に達しませんで、その面で今のような遺憾な点があったということについては、まことに残念に思う次第であります。下期の牛乳の生産状況、それによります国内の需給の見通しは、やはり非常に一般的に所得の上昇が見られますために、相当消費に根強いものがございます。本年度おおむね一千八十万石を予想しておりました牛乳生産が四十万石程度計画に及ばないというような面から、この種の需要に対して特に現内閣において提唱しております通り、消費者物価の値上げを抑制するという建前から、各般の措置を考究して参りましたが、この際なお不足分については、輸入等の措置を講じて物価の安定をはかるとともに、給食の面につきましては所定計画をぜひ推進できますような地域的な調整、調査をいたしまして、御要望に沿うように努力したいと考える次第でございます。
#59
○堀本宜実君 各県が生乳を供給することを計画しておりまするものを中止することによってこうむる影響は、生産者に影響を持つのであります。これは余裕がありました場合にこれを加工しなければなりません。学校給食というものを予定通り、既定計画通りやるためには加工に向けなければならない。ところが、加工というものの設備が各府県均等にできておるわけではございません。大乳業者にとりましては、若干余剰の乳が入って参りましても加工することができるのでありますが、中小企業等につきましては余乳のあるだけを直ちに加工に回すだけの設備がないのであります。従いまして、今度それを余乳としてはかしまする場合には、必ず生産者の生産費に対しまして、買入価格に大へんな悪影響を持つわけであります。でありますから、予定の計画が若干全国的に伸びが悪くなったということでこの計画を変更するということは、酪農振興の上から重大な影響を及ぼすのだということを、これは大蔵省も文部省も農林省も一つ考えてほしい、こういうことを私は申し上げておきたいと思うのであります。そこで、酪農振興をそれがために阻害する原因となるのであります。単に大蔵省は、ただいま需給調整のために学校給食をやるのだ、だから外国から乳製品を輸入しなければならない。需給調整の予定の計画が遂行されないから、そういう事態になったから、学校給食をまず、調整のために置かれておる給食をやめるのだ、こういうことに原因があると私は思うのでありますが、なるほどその点は私もよくわかっております。需要供給といいますか、それを安定さすために学校給食を始めたということはよくわかっておりまするし、またそういうことなのでありますが、学校給食というのはすでに長い間これをやって参りまして、学校におきましても、また父兄の側も、これを供給する乳業者あるいは酪農家にとりましても、これはもうすでに血となり肉となって、直ちに九月、十月のものを八月末にそういう計画を出して、途中で急に態度を変更したり、あるいは削減したり、あるいは十一月の配給をいまだに決定しない、十一月の計画をいまだに決定することができない。きょうは二十一日でありますが、それがまだ十一月の実施計画すら立てることができないということは、私は大へんなことだと思う。で、これが及ぼす影響は、単に若干のものを輸入したというような現象だけで、需給調整というものが、わが国には牛乳が不足したからもう学校給食はやめるんだなんという簡単なものではないと私は思っておる。すでにもうこれは恒久化したような形になってきておる。これをやめまするために酪農業に及ぼす影響も大きいのでありますが、学校給食自体の問題、これにも大へんな影響を及ぼすのであります。私はそういうような考え方に立ちますと、むしろ農林省が行ないまする、これは今後の酪農振興の問題になります基本的な問題になると思いまするが、私が聞き及びまするところによりますると、相当の予定で生産が進まなければならないものが、最近牛を売り離す者が相当ふえておる。従いまして予定通りにならないので、農林白書に言われておりますように、十年後には四倍の需要が見込まれるという、しかも米や麦その他から考えましても、農業の将来というものは需要が伸びるものを最大に取り上げて、それを援助しなければならない、これは農政の立場としては当然考えなければならぬはずなんです。それが、一番伸びなければならぬ需要の旺盛になりまするもの自体が予定通りいかないどころじゃない、まだ減っていこうかというような趨勢をたどっているということを一体どう考えられますか。豚がちょっと値がよければ直ちに豚を入れて値をたたく。あるいはなるほど大蔵省は全国全体を一つにごらんになると思いますが、牛乳なんというものの製品は大へん腐りよい足の早いものでございまして、遠方の加工業者にこれを送るわけに参りません。学校給食というものがその土地でそのなまのまま扱われるというところに一つの妙味があって需給調整をしておる。国全体の需給調整の立場と地方における個別的な需給調整の立場とはおのずから別なものでなければならぬと私は思う。国全体の立場で足りないからとて、その個々の県が計画を立てて学校と契約をして、学校の方ではその乳をもらえるものとしての計画を立てておるものが、国全体の立場という一点だけでこれを中止するということは、私は理論に合わない、こういうふうに思うのでございます。従いまして農林省においては酪農の基本的な立場に立って政策の再検討をする要が私はあると思う。しかし、値がよければ直ちにたたこうとするその考え方自体が、この酪農なり畜産のすべてが伸びない原因になってくるのだと私は思っておる。まだほかにもいろいろ原因がございますが、きょうは学校給食のことについての話でありますからそれにしぼって、酪農振興につきましてはいずれ日をあらためて私は意見を申し上げ、また計画を聞きたいと思っております。
 そこで十一月の問題に触れます。九月、十月は大へん削減したのだが、十一月の問題については、予定通りの既定計画通り二十九県に対しては割当をする意思かどうか。これを伺いたいと思います。
#60
○説明員(花園一郎君) ただいま堀本先生の言いました通りに、この需給調整というのには、全国的な需給調整のほかに、個別的、地域的ないろいろな調整があるのではないか、全く私もそのように考えまして九月、十月につきましては、その趣旨を申し述べまして大蔵省と折衝いたしました結果、そのような数字になったわけであります。その点につきましては、われわれなお今後十一月につきましても同様の趣旨によりまして県側とそれぞれに折衝いたしているわけでございますが、県側の要請がおおむねこれまでの既定計画通りに数字が上がっておりますれば、これにつきましては当然その線に沿って大蔵省と折衝して参りたいと思っているわけでございます。十一月以降は御承知の通りに全都道府県が要望して参っておりますので、その点われわれも十分に大蔵省側に説明いたすつもりでございます。
 まあ、酪農振興との関係におきましては当然われわれはいろいろこれを妨げるような措置はなるべくとりたくないのでございまして、あるいは酪農以外につきましては、豚肉がちょっと上がればこれがすぐ輸入に結びつくということは、われわれとしても非常に不本意でございます。その点は今後われわれといたしまして国内の畜産生産を思い切って上昇させるためにこれに対する措置として何が必要であるかということにつきましては、この次に先生の御質問にお答えいたさなければならぬわけでありますが、やはり経営面または価格の安定面につきましては、われわれとしては必要な政策を樹立する、確立する必要があると存じておりますので、何分よろしくお願いいたしたいと思います。なお、十一月につきましては、ただいま申し上げました通り、全都道府県につきまして、ただいま数字を検討中でございますので、できれば大蔵省側との話し合いが片づき次第、直ちにこれを県に通知するつもりでございます。
#61
○堀本宜実君 せっかく大蔵省がお見えになっておりますが、今農林省ではああいうことを言われる。また、都道府県から実に悲痛な叫びの陳情書が来ている。これは私は国全体を見て、そうして輸入するようになったのだから、もう需給のバランスがくずれているのだから、一番切りやすいものから切っていこう、それは大蔵省の考えとしては一応理由はあるにしましても、地方の今言うこれは貯蔵しておくなんということはできないのですよ。そうしてまた乳製品にして、それが需要ができたら今度は急速にそれを回すなんというようなことは考えられない。私はあとから申し上げますが、生乳とそうして脱脂粉乳とを児童に与えてみましたときに、児童はどちらを喜ぶかといったら、生乳を喜ぶのですよ。百パーセント喜ぶのですよ。そうしてまた価格が高いのですね。粉乳でやりまするものの方が価格が高いのですよ。脱脂粉乳でやります場合には二十二グラムが一円六十四銭、それに砂糖を三グラム加えまして三十九銭、それから脂肪を二グラム加えますので五十銭、これだけかかるのであります。そうしますとそれに電力と燃料からそれに工賃を二十銭と見積もりましても、一人分は二円七十銭から二円八十銭見当のこれが負担になるのであります。なまでいたしますると、これは各県によって若干の事情が違いますが、つまり学校負担というものは二円五十銭で済むのであります。でありまするから、そういう立場に立って考えてみますと、よほど生乳を配給するということの方が理想である。しかも、その方が経費が安い、こういうことなのであります。でありますから、これをまた今までの既定計画を実行しないために余乳となってこれが価格が生産者の手取りが大へん少なくなるというような現象も起こってくる。でありますから、簡単にその需給関係調節だけでこの問題を中止するだとか削減するというようなことは、これは当たらぬと思う。少なくとも地方が要請があって、しかも予算に組んでおるだけの実行は当然考慮すべきものである。予算もないものを直ちに今からやれということではない。すでに予算を組んで実施しようとする計画を持っておる。で、その計画に沿ってくれという陳情を、数量をきめて申し出しておる。それを役所の一面だけからこれを調整をしたり、よく検討をいたしました結果あのようにいたしましたなんというのは、私は当たらぬと思うのであります。特にこの問題について実施されると私は思いますが、要求通り実施されると思いますが、大蔵省のお考えを伺いたいと思います。
#62
○説明員(相沢英之君) 全国的な需給と地方的な需給とは違うというお話でございますが、私もその点につきましては、別に違った考えを持っているわけじゃございません。で、十月の学校給食用の生乳の供給計画を農林省と検討いたしました際にも、県別に地区、町別に見たわけでございまして、その地区に大きな、たとえば名前をあげていかがかと思いますが、雪印とか明乳とか、そういった大企業のそのプラントがあるところ、その予定はこれは一つ除いていただきたい、こういうことで、先ほどお話がございました十月分二万四千石が一万八千石に縮まりましたのも、そういったような検討を加えた結果なのでございます。なお、私どもとしましては、たとえば同じ市にそういう乳製品の工場がある場合には、それに売ったらいいじゃないかということを申したわけでありますが、そこはやはりそういう中小企業が大メーカーに生乳を売る場合にはどうしても買いたたかれる。それは一つ除外してほしい。当該企業の工場がある場合に、その工場で処理し得るだけの分を、その企業の予定をやめてもらうのだというようなことで、十月の計画もやったのであります。従いまして私どもといたしましては、あるいはなお机の上でやっておるものですから、現地の実情に即しない点もあろうかと思いますが、できるだけそういったようなことにつきましても検討したつもりでおるわけであります。
 それから十一月以降の学校給食用の牛乳の計画についてでありますが、実はこれは各県からの提出がだいぶおくれまして、一昨日農林省の手元にまとまったような情勢でございまして、私の方と今農林省の方と検討しておりますが、ただ今出てきております計画は、あるいはまたおしかりをこうむるかもしれませんが、年度当初に立てられた計画をその通りそのまま実行したいという形できておるわけであります。従いまして、現在における牛乳の需給調整というものがそこに何ら反映されていない。ただ当初の計画がそうであったからその通りやりたいというように受け取られる節がありますものですから、なお県ごとにこの牛乳の需給の実情について資料について検討いたしたい、かように考えております。
 それからもう一点。生乳を飲ますか、脱脂粉乳を飲ますかという点の、父兄負担並びに栄養上の利害得失でありますが、私この席でそういうことを申し上げてどうかと思いますが、この学校給食用の生乳の補助金が問題とされました際に、当時文部省の予算を担当しておりました。で、この生乳を学校給食用に飲ますという点については、当時文部省は非常に反対したわけであります。どういう理由で反対したかと申しますと、一つは父兄負担が非常に高くなる、多くなるということ、もう一点は、あるいはおかしいとおっしゃるかもしれませんが、学校児童生徒の体育上、むしろ脱脂粉乳の方がいいんだということを言われたわけであります。それはどういう点からと申しますと、同じ一合にしました際に、カロリーは生乳の方が多いけれども、蛋白質とかカルシウムとかいうようなものは脱脂粉乳の方が多いのだ、従ってそういう余った牛乳を学校給食に押しつけるというのは、はなはだもって迷惑であるということをだいぶ私の方に言われたわけであります。私当時文部省の予算を担当しておりましたから、やはり各省、担当省の意見をだいぶ取り次ぎまして当時の農林の係にもこの意見を言ったことを記憶しておるわけであります。で、父兄負担の点につきましては、従いまして、一食一合たしか当時四円だと思いますが、四円の補助金をつけるということで一応解決をしたわけでありますが、しかし四円の補助をもらっても、脱脂粉乳を飲ます場合よりもなお父兄負担が一円近く上がるということで文部省は不満であったわけです。しかし大体一円以内という話なら、かれこれ言うこともなかろうということで話が済んだわけでありますが、私、先ほど先生からお話がございました、脱脂粉乳の方が生乳よりも、補助金を引いた部分について比較しますと高いという話、実は初めてお聞きしたわけであります。この前このことが問題になりました際に、若干私どもの方で検討したところでは、なお脱脂粉乳の方が安いといったような数字になったものですから、この点についてはなお検討したいと、かように存じております。
#63
○説明員(臼井亭一君) 私からもお願いと弁明をいたしたいと存じます。昭和三十二年度当初生乳が余ったから学校給食へどうかというお話があった際に、文部省というよりも、やはり地方の声を聞いたわけでありますが、第一点は、生乳は年間百八日以内しか供給してはいけないということになっております。そこであまり毎日、学校給食は大体完全給食でありますからやるわけでありますが、そういう点からいいますと、余ったらこちらへ回すということであまり当てにならないから不安定である、そういう精神的な、実際的な不安定というのが第一点の難点であります。第二点は、やはり値段が高くなるということであります。今でもそうでありますが、給食費の値上げということは、一銭、二銭の問題を問題にしているからであります。というのは、トータルの単価が非常に安く、たとえば本年度は全国的標準は十六円六十銭であります。私はその十六円六十銭で、栄養価もあり、児童も喜んで食べるというような給食を学校で栄養士さんがやるということは、神わざだと思っているくらいでありますが、従いまして、給食費の値上がりということを極度におそれております関係上、高い生乳を飲むということは学校当局として困るという点が第二点でございました。それから栄養の問題は、今お話のありましたように、蛋白質とかカルシウムは粉乳の方が多いのであります。ところが、脂肪の方は生乳の方が多いということでありまして、従いまして、栄養価の問題につきましては差し引き軍配を上げるわけには参らないと思います。そこで、とにかく当時は文部省というよりも、むしろ現場の学校の方ではあまり希望しないという声を受け継ぎまして相沢主計官の方へ申し上げた次第であります。
 ところが、いざ一たん児童が飲み始めますと、非常に飲みやすい、脱脂粉乳はやはりちょっとにおいがございまして、特にアメリカ産のものは内地産と違いまして一種のにおいがある。特に下級学年の者は非常に飲みにくい。ところが生牛乳でありますと喜んで飲む。従いまして昭和三十二年ごろから三、四年たちました今日におきましては、実は学校の児童、生徒は非常に喜んで、できるなら生乳を少しくらい値段は高くても飲みたいというくらいに親しみを感じておるのであります。従いまして、相沢主計官の当時昭和三十二年のころのお話と現段階とは非常に現場の空気が違って参っております。そこで先ほど申し上げましたように、生乳が配給になるということにつきましては、当該の学校児童、生徒は手をたたいて喜ぶということを申し上げたのは、そのことを申し上げた次第であります。従いまして現場の学校からはできるなら漸次生乳に切りかえたい、そしてそれを百八日以内じゃなくて、年間を通じて継続的に、毎月配給していただきたいというのが実は希望であります。そこでこういうふうに逐次生牛乳に対しまして愛着を感じまして希望がふえて参っておるのでありますが、そのせっかく盛り上がって参りました気分が削減とか、そういうような緊急事態で特別措置がとられますと、いわば水をぶっかけられるような形になりまして、こういうような状態では、それじゃ来年はどうか、再来年はどうか、やはり生産が、需給があまり芳しくないということになれば、予定数量ということは当てにならない。毎月々々のそのつどの会議で数量が決定される懸念が将来ともあり得るというような不信の念をもし学校が持ちますと、せっかく今まで喜んで、できるだけ多く配給していただきたいという、そういうような盛り上がった気分が将来においては冷却するということも考えられるのでありまして長い目で、国内産の生乳の酪農振興という立場から、これはもう私から申し上げるのはよけいなことであるかもしれませんけれども、そういう見地からいえば、ぜひとも毎年々々計画的にこの数量を保障するということを励行していただくことが、酪農振興にも長い目で見れば寄与するのではないか、こういうふうに考えましてぜひとも十一月以降は従前の方針通り常態に復帰していただきたいということを重ねてお願いを申し上げます。
#64
○堀本宜実君 大体わかりました。大蔵省の方にも、今文部省のお話がございましたので、十分に一つお考えを願って、私の調査によりますと、生徒も喜び、父兄も喜び、学校の先生も喜び、そして粉乳を与えたときには、歯釜の底にクーラーをつけて、プロペラをつけて、そうして攪拌をする。そうして脂肪を入れるから攪拌をしなければならない。大へんにおいがする。そうして、その混合度合いも、一たん粉乳にするために加工費を投じたものを、そうして脱脂している、脂肪を抜いたものを、また別な違った形の脂肪を持ってきて入れる。そういうことで生乳と競争して栄養価が脱脂粉乳の方が高いなんということは、どういうところから割り出したのか、私にはわかりません。そういう、そんなむちゃな話がありませんよ。脱脂粉乳という脂肪を抜いたものを持ってきてそうして粉乳の方がまだカロリーが高いなんというのはおかしいと思う。その証拠には、現に飲み残しが、お調べになってごらんなさい。児童の残しているのは、まず粉乳だけで、生乳で飲み残したものはない。価格も安い、喜んで飲む。そうして地方の業者は弱っている。大企業に持っていきなさいというけれども、それは大企業の方から何かお話をお聞きになっているのじゃございませんか。何か大企業というものの原料乳がほしい、この逼迫して外国から入れる立場に立ってそういうような、のどから手の出るようなそのほしがるものを学校給食ということではもったいないじゃないかというようなことを言っているんじゃなかろうかと私は思いますが、これはそういうものじゃなしに、生産者あるいは中小企業、そういうものと学校の関係、体位向上の立場から考えて、こういう制度がもうすでに長い間行なわれたために、もう体になっている、肉になっている。それを途中で変更する等のごときはできません。
 最後に私は、もう一つ申し上げたいと思いますることは、この問題は、これは文部省もおいでになりますが、粉乳に関しての給食は文部省がやる、生乳に関しては農林省がやる、そうして金は大蔵省が持っている。そこへ持ってきて、価格の面で厚生省、輸入をするときには通産省、これは、こうたくさんに分かれておっては、われわれは給食はうまくいかぬと思う。そうして、農林省と文部省との連絡が不徹底なために、この給食というものの実効が削減されるおそれがある。これはいろいろの理由がございますが、他にも御発言の向きもあるようでございますから、私は重ねて申し上げません。でありますから、これを一元化して給食をされるように、各省ともになわ張り根性を捨てて、そうしてこの実効の上がって、喜んでやれるような制度に直すべきであると私は思う。
 そうして、もう一つ提言をいたしたいと思いますことは、飲み残しのありまする粉乳の供給の方法であります。これはやっておりまする学校ではその設備がありますが、少なくとも、粉乳を与えまする場合には、生乳と粉乳とを混合いたしまして、そうして特別な操作で脱臭をいたします。においを抜きます。そういたしますと、われわれが飲んでも脱脂粉乳を基礎として作ったものか、生乳かの、飲み分けて区別がつかない製品ができて、価格は高くはなりません。そういう方法があります。そういうしかも製品があるのであります。でありますから、私は、湯を沸かして攪拌してそうして砂糖を入れ脂肪を入れたその脱脂粉乳を飲料用に使うよりも、そういう方法によって価格は上がらない。栄養価値が維持される生乳、子供も喜ぶ生乳の方法で学校給食を今後企画されるということを希望いたしておきたい。これは研究する必要があります。研究をされたこともかつてあるかとも存じますが、不徹底であります。私は最近、そういうものを試験的にやったものを飲んでみましたが、私には、これが生乳で、これが脱脂粉乳の加工牛乳だという区別が私らにはつきません。それほどりっぱなものができるのであります。そうして重ねて申し上げますが、一元的機構のもとに取り扱いをされるよう考慮を願っておきたい、かように存じます。
#65
○田中啓一君 関連質問。私は、大体同僚の堀本君からの御質問並びに御意見がほぼ尽きておると思いますけれども、二点を強調してお答えを得たいと思います。
 第一は、全国的に統計をとりまして平均化された数字で、抽象的な数字で需給関係をはじいたものと、それから地域別に具体的な状況を調べたものとは全然違う。実は私は、もう御承知の方もたくさんあることと思いますけれども、経済計画とか、あるいは農村基本政策とかというようなことを、もうここ数年専念してきたのでありますが、今、総理大臣などが発言して問題になっておるのは、全国的な数字を言うておるわけであります。それは間違いないんですよ。ところが、それを受け取るのは、みなそれぞれの地方の事情で受け取るのでありますから、これは違うのであります。おれの方はどうなる。ことに牛乳のような足の短い腐りやすいものは、とても全国的には歩けやしません。どうしてもこれはこまかい地域別の需給状況で解決をしていかなければなりませんので、それが現われてきておる数字というものは、そのままにのみ込んでいただきたいということ、これは文部省や農林省の御答弁は要りません。大蔵省の御答弁をわずらわしたいと思うのであります。また、全国的な需給数字でこれを検討して削減したいということを考えておられるように受け取れる。私は、それはだめだ、地域的な、具体的な需給数字の現われたもので、換言すれば、学校側が牛乳入手ができる、こういう見込みのものはそのままお認めになっていいのじゃないですか。つまり、需給の調整ということが書いてあるのだが、それは何も全国的な平均数字とは思っておりませんよ。あくまでも需給なんです。ですから、その立場につきましては、後ほど別な立場から申し上げたいことがありますけれども、かりにその立場をとるとしても、今、確かに予算にはそう書いてあります。私ども、ちとうかつで、いつまでも最初に出された予算の中で、そのまま黙っておったから悪いのですが、これは一つ、それは具体的な地域的な需給調整だと、こういうように読みかえてもらいたい。さらに、それを結論的に言えば、そのまま地方からあったものを認めていただきたい、こういうことです。
 第二点は、これは一つの、何と申しますか、われわれ、この制度を作ったときの述懐みたいなことになるのですが、文部省が渋っておられたのはまさにその通りで、需給調整の道具に使われて、余るときはもらって、足らないときはすぐ引き上げられて、そんなことで一体、人間を育てていく学校給食の立場からいえば、まことに困ったものであります。それよりも、需給の安定をしておる脱脂粉乳でやっていく方がましだ、こういうことなんでそれはましだということであったので、何も生乳と粉乳とを比較されたわけでも何でもない。それは非常に不安定だからましだということになった。そこで、考えてみますのに、やはり農林省の立場からいえば、これは牛乳売りなんですから、商売のコツというのは、需給が逼迫して高くなったときには供給はいたしませんと、こういう商売はないんですよ。これは買う万から言うとスポット売りだと、こう言われるやつなんです。これはもう、みんなしっかりした企業というものは最もいやがるものなんです。私もずいぶん、石炭の余ったときなんというのは、石炭屋に頼まれてガス会社か何かに言うけれども、今はなるほど安く売るだろう、高くなったらくれないだろう、そのときに困るから、おれはもう、間違いなくどういうときでも供給してくれるところから買うんだといので、東京ガスとか、大阪ガスとか、大阪ガスなどに私は信用を売ったけれども、買わない。そういうことなんで、これはやっぱり根本的に、牛乳の消費安定をはかっていくのが方針でありますから、私は、三十六年度の予算からは需給調整という文言を取らなきゃいけないと思います。つまり、売ると言い出した以上は、年じゅう売らなきゃいけない、こう私は思いますが、これは今の制度を改むべきだ、邪道だということなんでありますから、これは御答弁要りません、御研究を願いたいということであります。大体その二点を一つ強調しまして前者の方だけ一つ御答弁をいただきたいと思います。
#66
○説明員(相沢英之君) 全国的なものの需給と地域的なものの需給とは違うというお話、堀本先生の御意見にもございましたが、この点につきましては、私も別に異存を持っているわけではございません。で、先ほども堀本先生の御質問に私お答え申しました通り、生乳の、十月分の学校給食用の牛乳の供給計画を検討いたします際も、問題となっております各県ごとに、かつ各市町村ごとに、生乳の供給業者の個別的な点も表にいたしてもらいまして検討したわけであります。で、私どもといたしましても、従いまして各地域ごとの需給を無視するという考え方は毛頭ございませんが、ただ、現在出ております十一月及び十二月の学校給食用牛乳供給事業の県の案は、当初の計画と全く同じというような県もかなりございます。で、この当初の計画というのは、ことしの初めごろに作られたものでありましてそれからもう半年以上たっているわけであります。その間における需給の趨勢というものはかなり動いておるわけで、動いているからこそ、いろいろと問題が起こっているわけでありますが、そういったところが全然反映されていないというふうに思われる点があるわけであります。半年前の計画をその通り実行するというのでは、需給の趨勢が別に十分検討してこういうことになったんだというふうに受け取られない節もございますので、なお若干検討したいと、かように考えたわけであります。
 それから答弁は要らぬとおっしゃいました後の方がむしろちょっと申し上げたいんですが、まあ、よけいなことを言ってまたしかられるかもしれませんが、しかられついでに申し上げますが、確かに学校給食という立場から考えました場合には、今のようなあり方にならぬのじゃないかという気がするんです。つまり、現在は需給調整のしりを学校給食用の生乳に持っていって、それに補助金をつけている。これは確かに学校給食の立場からいえば、何と申しますか、若干手段に供されているという向きがあるようで、望ましい形ではないという感じがいたします。学校給食の立場からいえば、やはり生乳が粉乳よりも望ましいならば、年間を通じてコンスタントに生乳を飲ますという計画を立てるべきなのに、それに対する国の助成措置をどうするか、方策をどうするかということを考えるべきじゃなかろうか、こう思われるわけです。私は、もしそういう望ましい形になる場合においても、はたして一合に三円七十銭の補助金をつけて飲まさなきゃならぬかどうか。一番望ましい状況は、国がそういう補助金もなしで、学校給食用にとにかく全部飲んでもらえるということになれば、片や国民一日牛乳三合論がある世の中なんですから、(笑声)望ましいのだろうと思います。今のように、生産者が一升あたり四十円とか五十円というような収入しかなく、われわれが都会で一合十六円、十七円の牛乳を飲まされているという状況では、まあそういうことではいかぬと思いますが、やはり児童、生徒に一定の生乳をコンスタントに供給するということを建前に考えた場合に、私は現在のようなたまたま生乳を飲ましている学校、これは全給食児童、生徒の数に対しますとわずか一割か一割五分くらいじゃないかと思います。そういうものだけがおいしい牛乳を補助金をつけてもらって飲んでいる、こういう状況はおかしいのじゃないか。もしこれを全般的に必要ならば、今のような制度はやめて、そうしてそういう全般的な補助金をやめて、文部省は現在学校給食費について準要保護児童には補助金を出しております。それからもちろん要保護児童には生活保護費から出ますが、生活保護費と相待ってそういう生乳の代価を払えない人のためには、もう少し国として現在のある学校給食の補助の制度を拡充しても、そういうことを考えたらもう少しその安定した計画ができるのじゃないかというようなことを考えております。この後段は大蔵省の意見と申しますよりも、私個人の見解でございますから。
#67
○北村暢君 一点だけ申しておきたいと思うのですが、大体この学校給食の補助を出して需給のため余った牛乳を学校給食に振り向ける、当時は確かにそういう理由でできたということは、予算の編成の建前からもそういうふうになっているというのでございますけれども、あの当時ですね、やはりあの論議せられた中には、さしあたってまあそういう処置をとったことは間違いない、間違いないけれども、しかしながら今後の畜産酪農の振興、こういうことを考える場合において、これは需給の面だけではない、国民体位の向上の問題それから今後の食生活の改善をするという点からいっても、これはもう学校給食というものによって今後の食生活、日本人の食生活というものを変えていく、それがこの今後の農業政策との間に密接な関連性がある、こういうことを非常に強調されておったわけです。従ってまあ私は大蔵省の答弁からすれば、その需給関係なんだから、今不足しているのに無理やり給食に回す必要はない、これは理屈として出て来ると思うのです。しかしながら、長い目において今後の畜産酪農振興ということを考えていくというとこれはやはり食生活を改善していくということからいけば、もう少しやはり一年や二年じゃなしに相当期間続けていく。これをやるべきだ。しかも一割程度しか学校給食でこれが実施されていないということになれば、これはもっとやはり奨励をしていくべき性格のものである、こういうことにならないというと、私どもまあ牛乳三合論を主張している建前からいって、これはもう伸びないのですよ。従ってどうしてもやはりこの需給関係だけでなく、田中委員が主張している通り、これはもう状況が非常に変わってきているんですよ。今後の状態を考えると、どうしてもやはりその予算の組み方の考え方というものは改める段階に私は来ている、そういうふうに思うのです。従ってこの資料をいただいているのを見ましても、県によってゼロの県があるということについては、これはどうしても私は納得がいかない。ゼロの県というのは、まあ地域別のそういう問題もありましたけれども、これは確かにゼロにするというと、これはまあ山間僻地の酪農奨励でもって乳牛を飼ったところ、学校給食だけで飼っているというところは困っちゃうのです。そういうところは必ず各県の中に全然ないということはないのです。あるのだけれども数が少ないからまあゼロにしてしまえということになったのかどうか知りませんけれども、これは非常に迷惑をこうむっているところが出てきていると思うのです。それと同時に、農村地帯における体位という問題からいっても、都市とは非常に違うのでありますから、農村地帯の学校給食というものが、乳を生産している現場で乳が飲めないという者がたくさんおるのですから、こういう点からいって、まあ社会政策的に体位向上という点からいって大蔵省の考え方として給食の改善をする、こういう意味からと、それから酪農振興という点からいっても、これは私はもっと別な目的であるべきだと思う。特に農林省としてはすっかり大蔵省のぺースに乗っちゃって、需給々々ということで毎月これを調査するということは不見識もはなはだしいと思う
 のだ。これはもう調査するものじゃなくてそういう面から畜産振興の面から、こういった長い目で見れば絶対私は続けるべき問題である。一月々々需給計画を立てて変更して、県で調査するなんという、そんなばかな考え方を持つこと自体がおかしいと思う。これはやはり文部省当局の学校給食のように安定したものとして、やはり長い将来というものを見て安定さしていくべきだ、こういうふうに思うのです。従ってこれは農林省としては、僕はどういう形でそういうふうなことを一々やっているのか知りませんけれども、当然、堀本委員なり田中委員の主張せられておることは全く賛成でありますし、この需給の面だけでないということをよく認識をして対処していただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。別に御答弁は私必要といたしません。
#68
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本件については本日はこの程度にいたします。
 請願が付託になりましたので、先刻御了承を得ましたように、本日、本会議散会後に委員会を再開して請願の御審議を願うことにいたしますから御了承を願います。
 それでは暫時休憩いたします。
   午後零時五十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時二十五分開会
#69
○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。
 本日第十二号昭和三十五年産等外麦の政府買い入れに関する請願外四件の請願が本委員会に付託されました。これらの請願を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、順次請願の審査をお願いいたします。前例により懇談で御協議願います。
 速記をとめて。
   午後三時二十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時十四分速記開始
#71
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。
 御審議をいただきました請願第三十六号、第四十一号、第六十四号につきましては、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定するに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、報告書等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう取りはからいます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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