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1960/10/24 第36回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第036回国会 本会議 第5号
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1960/10/24 第36回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第036回国会 本会議 第5号

#1
第036回国会 本会議 第5号
昭和三十五年十月二十四日(月曜日)
    ―――――――――――――
昭和三十五年十月二十四日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 暴力排除に関する決議案(益谷秀次君外十九名提出)
 公明選挙に関する決議案(中井一夫君外九名提出)
    午後九時五分開議
#2
○副議長(中村高一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 暴力排除に関する決議案(益谷秀次君外十九名提出)
(委員会審査省略要求案件)
#3
○天野公義君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、益谷秀次君外十九名提出、暴力排除に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○副議長(中村高一君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕なし
#5
○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。
 暴力排除に関する決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
  暴力排除に関する決議案
 右の議案を提出する。
  昭和三十五年十月二十四日
   提出者
      益谷 秀次    保利  茂
      椎名悦三郎    小澤佐重喜
      西村 英一    山口六郎次
      鍛冶 良作    渡海元三郎
      大橋 武夫    久野 忠治
      山本 幸一    加賀田 進
      阪上安太郎    菊地養之輔
      坂本 泰良    伊藤卯四郎
      春日 一幸    門司  亮
      田中幾三郎    大貫 大八
     賛成者
      纐纈彌三外四十四名
    ―――――――――――――
   暴力排除に関する決議
  今回、淺沼日本社会党委員長が一右翼少年によつて襲撃され、不慮の最期を遂げられるなど最近続発せる右翼のテロ行為にかんがみ、政府は、その動機、背景その他を厳重に調査し、この種不祥事件が再びくり返されないよう万全の措置を構ずべきである。
 およそ暴力は、その原因や理由のいかんを問わず、平和と民主主義を破壊する最大の適である。今日もし、これを寸毫といえども容認するときは、戦後から得た民主主義は根底から破壊され、善良な国民の自由と人権はそこなわれ、しかもわが国の国際的信用を失墜することこれよりはなはだしいものはない。
 本院は、ここに決意を新たにして公正な審議をつくし、国会の権威を高めることに務めるとともに、政府は、ここにすみやかに暴力の根絶を図り、法と秩序を維持するため、あらゆる施策を講じ、もつて国民の不安と憂慮を除去すべきである。
 さらに、国民もまたわれわれとともにその良識と勇気をもつて、一切の暴力の排除に協力せられるよう切望する。
 右決議する。
    ―――――――――――――
#6
○副議長(中村高一君) 提出者の趣旨弁明を許します。小澤佐重喜君。
    〔小澤佐重喜君登壇〕
#7
○小澤佐重喜君 私は、ただいま上程されました三党共同提案にかかる暴力排除に関する決議案について、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして、その趣旨を弁明せんとするものでございます。(拍手)
 まず初めに、決議の案文を朗読いたします。
   暴力排除に関する決議案
  今回、淺沼日本社会党委員長が一右翼少年によつて襲撃され、不慮の最期を遂げられるなど最近続発せる右翼のテロ行為にかんがみ、政府は、その動機、背景その他を厳重に調査し、この種不祥事件が再びくり返されないよう万全の措置を講ずべきである。
  およそ暴力は、その原因や理由のいかんを問わず、平和と民主主義を破壊する最大の適である。今日もし、これを寸毫といえども容認するときは、戦後かち得た民主主義は根底から破壊され、善良な国民の自由と人権はそこなわれ、しかもわが国の国際的信用を失墜することこれよりはなはだしいものはない。
  本院は、ここに決意を新たにして公正な審議をつくし、国会の権威を高めることに努めるとともに、政府は、ここにすみやかに暴力の根絶を図り、法と秩序を維持するため、あらゆる施策を講じ、もつて国民の不安と憂慮を除去すべきである。
  さらに、国民もまたわれわれとともにその良識と勇気をもつて、一切の暴力の排除に協力せられるよう切望する。
  右決議する。
  〔拍手〕
 去る十月十二日、淺沼社会党委員長が三党首の立会演説において演説中、一少年の手によって刺され、不慮の最期を遂げられましたことは、痛恨のきわみであります。(拍手)
 さきには社会党顧問河上丈太郎君が、また、相次いで岸前首相が難にあわれました。そして、ついに今回淺沼委員長の不幸を見ましたことは、わが国民主政治の未熟を現わしたものとして、国民に大きな衝撃を与えましたと同時に、外国に対してもわが国の信用を失墜せしめた憎むべき不祥事件であります。(拍手)
 いやしくも、自由な言論によって運ばるべき民主政治のもとにおいて、その動機、理由、名目のいかんを問わず、凶器をもって政治家の生命を奪うがごときテロリズムは、断じて許されないところであります。(拍手)政府当局は、今回の事件について、その犯行の動機、背景その他につき厳重に調査し、かかる不祥事が再び起こされないように万全の措置をとられんことを強く要望するものであります。(拍手)
 最近における憂うべき風潮は、自己の主張を貫かんがために、話し合いによらず、暴力をもって事を解決しようとするような傾向が見られることであります。しかし、およそ暴力は、その動機や原因のいかんを問わず、そしてまた、その行なわれる態様のいかんを問わず、すべて平和と民主主義の最大の敵であります。そして、それが政治的な暴力であるときは、それは全体主義、独裁主義に通ずる危険があるのであります。(拍手)もし、このような暴力を容赦したり、これに寛大であるときは、暴力は暴力を呼んで、わが国が戦後かち得た民主主義を破壊し、善良な国民の自由と人権はそこなわれ、あるいは、ついに独裁主義、全体主義に陥り、国民の平和も自由も繁栄も奪い去られることを深く憂えざるを得ないのであります。(拍手)もとより、このような風潮や傾向のよって来たるところは、広くかつ深いものがあります。今こそわれわれは、超党派的な努力と全国民の協力によって、このような暴力の根絶に最善の努力を払うべきであります。(拍手)
 この趣旨において、われわれは、国会においてはその正常化をはかり、あくまでも話し合いによる公正な政治を行なって、国民にその範を示すことが必要であります。(拍手)同時に、また、政府は、法と秩序を維持するため、あらゆる施策を講じて暴力の根絶をはかり、これによって国民の不安と憂慮を除去するよう、その最善を尽くされんことを特に要望するものであります。(拍手)
 しかし、暴力は、政治家や政府のみの力では完全に根絶することはできません。全国民が、暴力こそ平和と民主主義の最大の敵であるとの考えに徹し、その良識と勇気をもって、あらゆる部面、あらゆる場所において、一切の暴力の排除に協力されることが必要であると痛感するものであります。(拍手)
 来たるべき総選挙こそは、民主主義擁護のため、暴力追放の機運を巻き起こすべき絶好の機会であります。もし、われわれが、この際、党派を超越して、このために最大の努力を傾け、これによって今後わが国から一切の暴力が姿をひそめることになれば、ここに民主主義は確立し、失われた国際信用も回復するものであると、かたく信ずるものであります。(拍手)
 ここに、満堂の御賛同あらんことを希望いたしまして、提案理由の説明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○副議長(中村高一君) 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○副議長(中村高一君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○副議長(中村高一君) この際、内閣総理大臣から発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣池田勇人君。
    〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#11
○国務大臣(池田勇人君) ただいま可決されました決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、暴力の根絶と社会秩序の維持に万全を期する所存でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
#12
○天野公義君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、中井一夫君外九名提出、公明選挙に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#13
○副議長(中村高一君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。
 公明選挙に関する決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。杉山元治郎君。
    〔杉山元治郎君登壇〕
#15
○杉山元治郎君 ただいま議題と相なりました、自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案にかかる公明選挙に関する決議案につきまして、提案者を代表して趣旨弁明を申し上げます。(拍手)
 まず、決議案文を朗読いたします。
   公明選挙に関する決議案
  公明選挙の実現は、長い間の国民の願望であり、国会においても選挙の自粛申し合せが一再ならず行なわれてきたが、未だ国民の期待に応える実効が挙がらないのみならず、むしろ物量選挙の弊風がますます助長されつつあることはまことに遺憾である。
  ここに衆議院議員の総選挙を迎えるに当り、われわれは、国民とともに選挙の腐敗をもたらす一切の行為を慎み、もつて議会政治に対する国民の信頼に応えようとするものである。
  政府は、現下の実情にかんがみ、この趣旨を広く周知徹底せしめ公明選挙の実を挙げるよう万全の措置を講ずべきである。
  なお、公明選挙の徹底には国民の政治意識の向上と公職選挙法の根本的改革及び人口と議員定数の不均衡是正もまた欠くべからざるものである。
  よつて政府は、総選挙終了後すみやかに現行選挙法に検討を加え、これが改正につき善処せられんことを要望する。
  右決議する。
 そもそも、選挙は国民の自由に表明せる意思によって公明かつ適正に行なわれるべきものでありまして、公明選挙の実現こそ、長い間の国民の願望であります。正しい民主政治を確立するためには、選挙が公正明朗に行なわれ、国民の正しい意思が国会の構成に反映することが政治の根本であることは、言うを待たないところであります。
 最近数年の間に相次いで行なわれました各種選挙の実情を見ますと、国会においてしばしば表明いたしました選挙粛正に関する決議、公明選挙推進の申し合わせ等にもかかわらず、いまだ公正な選挙が行なわれず、情実や物量による選挙が依然として行なわれつつありますことは、まことに遺憾でありまして、このような事態のまま今回の衆議院議員の総選挙に突入するといたしますれば、公正なる選挙を期待することができないのみならず、ひいては国民の議会政治に対する信頼をそこなうに至るでありましょう。われわれは、ここに衆議院議員の総選挙を迎えるにあたり、これより選挙に臨まんとする各党各派一致の決意をもって、選挙の腐敗をもたらす一切の行為を慎み、金のかからない、清潔な選挙を身をもって実践し、もって国民の信頼にこたえんことを、ここに誓うものであります。(拍手)一方、政府においても、今回の総選挙を機会に、ますます公明選挙の趣旨の啓発に力をいたし、国民の政治意識の向上をはかるとともに、その実をあげるよう、万全の措置を講ずる必要を痛感するものであります。
 また、選挙を公正に行なうためには、何よりも選挙制度について抜本的再検討を加えるとともに、戦後の急激な人口の変動に即応しまして、議員定数の問題についても早急に適切な是正をはかり、もって正しい民意の反映を期すべきであると信ずる次第であります。よって、政府は、以上の趣旨にのっとり、総選挙終了後すみやかに選挙法の改正について検討を加え、最善の措置を講ぜられんことを要望するものであります。
 以上、本決議案の趣旨を御説明申し上げましたが、何とぞ全会一致御賛同あらんことをお願いする次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○副議長(中村高一君) 討論の通告があります。これを許します。山下榮二君。
    〔山下榮二君登壇〕
#17
○山下榮二君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま上程せられました公明選挙に関する決議案に対し、賛成の討論を行なわんとするものでございます。(拍手)
 公明選挙は、民主政治に対する国民の希望と信頼を寄せる最大の条件でなければなりません。ところが、昨年行なわれました地方選挙、参議院議員の選挙は、世上物量選挙といわれたほど金権選挙が目立ち、公明選挙に著しい汚点を残したことは、まことに民主政治の将来のために遺憾にたえない次第でございます。(拍手)
 金のかからない選挙、政治の浄化を目ざして、内閣は選挙制度調査会に諮問を発し、昨年十二月、同調査会から内閣に答申が行なわれたことは、皆さん方も御承知の通りでございます。しかるに、通常国会は安保その他の審議のために公職選挙法の改正に着手できなかったことは、まことに残念なことでございました。しかし、過ぐる臨時国会開会以来、公職選挙法改正に関する調査特別委員会におきまして小委員会を設けまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党が協力して、これが改正に努力を傾けて参りまして、選挙法の改正原案をまとめたのでございまするが、本臨時国会にこれが成立を見るに至らなかったことは、これまた遺憾にたえない次第でございます。(拍手)
 今や、本日をもって国会は解散、総選挙が始まらんとしておるのでございます。ここにおいて、私は、現行法の範囲内においても公明選挙の実をあげ、わが党の立党の精神とする議会制民主主義確立のためにあくまでも努力せんとするものでございます。(拍手)わが党は、この立場に立って、本決議案に賛成する次第でございます。しかし、この決議案が一片の決議に終わることなく、真にこの決議の趣旨を、国民はもとより、候補者みずからが実行するの決意を新たにいたし、その遺憾なき成果を期待して、討論を終わる次第でございます。(拍手)
#18
○副議長(中村高一君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○副議長(中村高一君) 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○副議長(中村高一君) 起立総員。よって、本案は全会一致可決せられました。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○副議長(中村高一君) この際、自治大臣から発言を求められております。これを許します。自治大臣周東英雄君。
    〔国務大臣周東英雄君登壇〕
#22
○国務大臣(周東英雄君) 公明選挙を実現いたしますことは、民主政治の確立の根本でございます。政府といたしましては、ただいま本院において議決せられました決議を尊重いたしまして、公明選挙の実をあげることに一そうの努力をいたしますとともに、選挙制度の改正につきましても、総選挙後、各方面の意見を聞き、適正な改正をいたすことに努力いたす所存でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
#23
○副議長(中村高一君) ただいま内閣総理大臣から詔書が発せられた旨伝えられましたから、これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
  日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。
    〔万歳三唱、拍手〕
    時に午後九時三十一分
ソース: 国立国会図書館
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