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#1
第033回国会 本会議 第8号
昭和三十四年十一月十三日(金曜日)
   午前十時四十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第七号
  昭和三十四年十一月十三日
   午前十時開議
 第一 緊急質問の件
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、緊急質問の件。
 伊藤顕道君から、サイドワインダー持ち込みに関する緊急質問が提出されております。伊藤君の緊急質問を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。伊藤顕道君
   〔伊藤顕道君登壇、拍手〕
#5
○伊藤顕道君 私は日本社会党を代表し、サイドワインダー持ち込みに関する政府の態度について、岸総理及び関係閣僚に質問をいたすものであります。
 まず、完全軍縮の実現を希望する国連加盟八十二カ国が全会一致で軍縮案を力強く決議し、さらに、東西両巨頭の交換訪問など、世界の大勢が平和の方向を示している際、政府が、防衛力増強の一環として空対空誘導弾(サイドワインダー)を導入することは、全く世界の大勢に逆行するものと言わなければなりません。(拍手)西欧諸国の領域をアメリカ軍閥の原子兵器庫並びにロケット地帯化そうとする決定を見たNATO会談の終了いたしました一九五七年十二月十九日、わが東京では、いわゆる日米合同委員会の会議が行なわれましたが、この会議では、極東における軍事問題と、日本に近代的武装を施す問題が討議されたようでありますが、ここでサイドワインダーの持ち込みが米国側から提案されたと、昨年一月十七日、ソ連政府機関紙イズヴェスチアが発表したことを、翌十八日、朝日新聞が報道しております。アメリカから提供されるこのサイドワインダーを受け入れるという日本政府の決定は、世界中でただ一国原爆の洗礼を受けた日本国民の異常なる警告を呼び起こしたのみならず、新原子戦争の悲劇を避けようとするアジア、アラブを初めとする平和を愛する諸民族に、一大脅威を与えたのであります。また、この決定は、アメリカ国防省の戦略的な核、ロケット主義が、西欧のみならず日本をもその範囲に巻き込むことになった、こう言わなければなりません。昨年は地対空誘導弾エリコンを強引に持ち込んで国民に大なる不安を与えましたが、今回また、かくのごとき空対空誘導弾サイドワインダーを極秘裏に持ち込んだことに対しては、国民の一人としてこみ上げる怒りを禁じ得ないのであります。そこで、このことに関連して、以下五点について岸総理にお伺いしたいと思いますので、それぞれ明確にお答えいただきたいと思います。
 まず第一に、国連加盟国がこぞって軍縮決議をし、世界があげて平和の方向へ進んでいる際、物騒千万な誘導弾を導入することは、世界の情勢に逆行するばかりでなく、外、国連では進んで軍縮に賛成し、内、自国に誘導弾を導入するとは何ごとか、まことに了解に苦しむものであります。納得のいくよう御答弁いただきたいと思います。
 第二点は、誘導弾導入についての政府の統一見解についてお伺いいたします。政府は、最初核弾頭をつけられないものを持ち込むからいいではないか、こういう表現をしておりましたが、その後変わりまして、核弾頭をつけられるものでも、つけないからいいではないか、こういうふうに見解を変えてきておるのであります。この無節操ぶりから推察いたしますと、だんだん拡大解釈を進めて、やがて核弾頭をつけても使わないからいいではないかと、ぬけぬけと鉄面皮ぶりを発揮するのではなかろうかと、国民はひとしく憂慮しておるのでありますが、この国民の憂慮に対して総理はどのようにお考えになっておられるか、その所信を明確にしていただきたいと思います。
 第三点は、岸総理はすでに、小型核兵器は持てるという驚くべき憲法解釈をいとも平然と表明しているのでありますが、岸総理の、「けれども核武装はしない」、こういう政策的言明のごときは何人も信じておりませんし、また内閣が交代すれば、いつでも変えられてしまうものであります。その岸内閣の寿命が旦夕に迫っているということについては、去る十一日の本会議でわが党の中田議員からも御指摘がありましたが、また、たとえば同じ自民党の前総理大臣石橋湛山氏からも、岸内閣が政策を変えるか、岸総理が辞職しなければ、日中国交も回復しないし、日中貿易も再開しない、だから岸総理ぜひ辞職しなさい、こう言って辞職を勧告されておりますし、また党内では、次期戦闘機ではなくして、次期総裁がうわさにのぼっているとも漏れ承っております。これらの点を総合検討いたしますと、余命幾ばくもないようにもうかがわれますので、この際、岸総理には、まず安保改定の交渉を打ち切るとともに、即刻中国敵視の政策を捨てて、日中国交回復と貿易有閑の政策をとり、さらに勇気をお出しになって、サイドワインダーを初め一切の誘導弾の持ち込みを中止し、さらに百尺竿頭一歩を進めて、日本の非核武装化を世界に向かって宣言する御決意をお固めになることこそが、一つにはあなたの名誉回復のために、二つには自民党の皆さんの将来のために、三つには大きく日本の平和のために、最善の方策と確信いたしますが、この点いかがでございましょうか。経理の見解をお伺いいたします。
 第四点は、御承知のようにサイドワインダーは、アメリカでは機密兵器として扱われています。従って、政府としてはすでに秘密保護法の準備を進めているものと察せられますが、もし不幸にしてそうだといたしますならば、戦前のような暗黒時代が再来するといわなければなりません。かくては一大事でありますので、この際、岸総理の所信を明らかにしておきたいと思います。なお、関連のある警職法の改悪については、国民の心を心としてすでに断念されているものと考えておりますが、この際、念のためお伺いいたしたいと思います。あわせて明確にお答えいただきたいと思います。
 第五点は、日本が平和の方法で隣国との問題を解決しようとすれば、山積している未解決の問題がどんどん片づいていくことは言うを待ちませんが、これに反してサイドワインダーを持ち込むなど防衛力増強の政策をとることは、ただ日本を原子戦に巻き込む危険性を増すだけだと確信いたしますが、この点についての総理の御見解をお伺いしておきたいと思います。
 次に外務大臣にお伺いいたします。
 日米合同委員会においてサイドワインダーの持ち込みについて要請したのは日本側だと政府は発表していますが、先ほど申し上げましたように、ソ連政府機関誌では米国側から提案されたと発表しており、両者の間に食い違いがありますが、現在の日米関係から判断すると、米国側から提案されたとするのが正しいと考えられますが、念のためにお伺いいたします。なお、その後、日米合同委員会において、これらの誘導弾の導入等について協議がなされたと思いますが、そのおもなものについて率直にお知らせいただきたいと思います。
 次に、赤城防衛庁長官にお伺いいたします。
 まず、本月六日サイドワインダー十四発の国内への持ち込みに関連する諸問題についてお伺いいたします。
 まず第一に、防衛庁は、サイドワインダー持ち込みの期日がはっきりすれば、経路や手段を含めて報道機関に公表する、こういうふうに言明しておったのでありますが、これを公表しなかったのは何ゆえか、この点を明確にしていただきたいと思います。かてて加えて、去る六日、衆議院内閣委員会でのわが党の飛鳥田委員の質問に対しまして、そのときすでに現物が到着していたにもかかわらず、全く知らないと答えられた、この不信行為は、きわめて遺憾であるといわなければなりません。防衛庁は何ゆえに、このサイドワインダーの国内持ち込みにあたり、何か不正密輸品を国民の目をかすめて国外から持ち込むがごとき卑劣な態度をとられたのか。このサイドワインダーが国の防衛上絶対に必要なものであるという自信が防衛庁にあるならば、多少の抵抗がありましょうとも、表玄関から堂々と持ち込むべきではなかったか。この点についてまずお尋ねいたしたいと思います。
 第二は、米軍基地という治外法権を悪用して核武装を進めようとする卑劣な態度は、断じて許すことができません。今後こんな方法で核兵器が秘密裏に持ち込まれることに対しては、国民は大きな不安にかられております。いかなる理由でこのような方法を選ばれたのか。その点を明らかにしていただきたいと思います。
 第三は、今回のように国民の目を盗んで、ひそかに持ち込みをしなければならない理由は那辺にあったのか、多数国民の知もぬ間に巧みにこっそり国内に持ち込んだことに対して、防衛庁幹部はおそらくビールの杯を傾けて快哉を叫んだであろうけれども、今回防衛庁のとった卑劣な措置によって政府の受けた不信の印象は、深く国民の頭に刻み込まれ、なかなかにぬぐい去ることができないであろうことを、政府は覚悟しなければなりません。この点について防衛庁長官はいかように反省しておられるか、この点をお伺いいたします。
 次に、他国の航空機が不法侵入したごとき場合には、通常の戦闘機がこれに当たり、サイドワインダーは用いないと思いますが、サイドワインダーを現実に使用しなければならないような事態は一体いかなる事態であると防衛庁はお考えになっておられるか、この点をお伺いいたします。また政府は、サイドワインダーを初め、誘導弾持ち込み政策の根拠として、ソ連と中国からの侵略の脅威を口実としておられますが、国際情勢の現実から見れば、この口実がいかに作り物であるか、はっきりしているのであります。この点についての見解をあわせてお伺いしたいと思います。
 次に、今後航空自衛隊においてサイドワインダーの訓練を行なった場合、F86Fに現実に使用し得る時期はいつごろか、また、次期主力戦闘機ロッキードが生産された暁においては、F86Fと同様にサイドワインダーをつけて使用するのか、それとも核弾頭のつく他の誘導弾を使用するのか、この点の計画を明らかにしていただきたいと思います。
 次に大蔵大臣にお伺いいたします。
 日本はもはや外国を攻めることはないし、中共でも朝鮮でも日本を攻めることは考えられない。万が一外敵がありとするならば、国連を通じて安全を考えるとよい。防衛庁費は今以上に使わぬことだ。これは自民党の皆さん方でさえ、こういう意見を持っておるのでありますが、大蔵大臣としては、この点についていかようにお考えになっているか、この点を明確にしていただきたいと思います。
 次に、大蔵省主計局では、「四十年度に今の防衛費を二倍にするなど、常識からいって不可能である。ミサイルなども財政的に不可能であるばかりでなく、技術的にも無理である。自衛隊のたま代だけでも年間八十億円もかかる、今の自衛隊を維持するだけでも容易でない、新しいものなど、とても」と、一笑に付しているとのことでございますが、次期戦闘機、あるいは誘導弾、サイドワインダーなど、第二次防衛力整備計画にこたえ得る財源が大蔵省におありになるのか。さような財源がもしありといたすならば、まずこれを風水害対策など、民生の安定に優先的に充てるべきではないかと考えます。(拍手)これらの点について大蔵大臣の所信をお伺いしたいと思います。
 以上お尋ねしたサイドワインダーを運搬し、これを使用し得るものは戦闘機でありますので、以下、次期主力戦闘機について二、三お伺いしたいと思います。
 政府は、次期戦闘機種についてろくろく検討もしないで、大急ぎで、源田団長の報告通り、ロッキードF104C―Jに決定いたしましたが、国連が軍縮決議を行ない、世界の大勢が平和への方向を示しているとき、国民の血と汗の結晶である国費七百二十億を使うということは全く無意味であり、従って浪費となるといわなければなりません。また弾道弾が異常に発達し、月ロケットが発射されたり、宇宙ステーションが月の裏側を回って地球の方に帰って来たりする、こういう情勢の中で戦闘機を購入することは、全く無益であるばかりでなく、むしろ有害だと断定せざるを得ません。しかも、国防会議がさきにグラマン三百機の購入を内定した不明朗かつ無責任な態度が、広く国民の反撃を受けまして、白紙に返しましたが、この間における疑惑を明らかにしないまま、国防に名をかりて再び国費を乱費することは、断じて許し得ないところであります。従ってわが党は、機種のいかんを問わず、戦闘機の購入に断固反対するものであります。
 そこで、再び岸総理に対しお尋ねいたしたいと思います。
 第一に、岸総理は国防会議議長として、グラマン内定をめぐる疑惑を明らかにしていただきたいと思います。この疑惑の解明なくして次期戦闘機種を決定することは断じて許されません。
 第二に、あまりにも膨大で国会にも出し得ないとする源田報告及びその関係資料を、何ら検討する余裕もなく、大急ぎでロッキードF104C―Jに決定したのは、いかなる理由に基づくものか、この点お伺いいたします。
 第三に、国防会議がロッキードの価格もきめずにその購入をきめたことは了解に苦しむところであります。この点を明らかにしていただきたいと思います。
 次に防衛庁長官にお尋ねいたしたいと思います。
 まず第一に、グラマン支持の防衛庁幹部がロッキード支持に転換したのはいかなるわけか、その理由を十二分に承りたいと思います。
#6
○議長(松野鶴平君) 伊藤君時間超過しました。
#7
○伊藤顕道君(続) 最後にお伺いいたしますが、たまたま政治的疑惑という派生的な問題から、あらためて源田団長等によって再調査が行われたのでありますが、もしあの疑惑が表面化されなかったならば、いいかげんな調査のままこの決定がされたでありましょう。そんなやり方で、一千億円に近い国民の税金が使われては、たまったものではありません。今までにも防衛庁は、国の内外を問わず、ずいぶん大きな買い物をしていますが、それがみんなこのようにずさんな調査の産物ではなかったかと心配になって参ります。そして将来もまたその手できめられるのではないかと案じられますが、これらの点について防衛庁長官はいかように責任を感じておられますが、お伺いして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣岸信介君登壇、拍手]
#8
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
 第一の御質問は、サイドワインダーを今回持ち込んだことは最近の国際情参に逆行するものではないかという御質問でございました。このサイドワインダーを持ち込むということは、言うまでもなく日本の防衛計画は、かねて国防会議におきまして、国力と国情に応じて漸増する、そうしてその内容は量よりも質に重点を置いて考えていくという方針がきまっておりまして、最近の軍事技術の発達に伴いまして、サイドワインダーの持ち込みということは、かねてその方針をきめてあったことであることは、今御質問の間にも出ておりましたように明らかなところであります。国際情勢の分析につきましては、しばしば申し上げておる通りでありますから繰り返しませんが、私どもはこのサイドワインダーの持ち込みが国際情勢に逆行するものだとは思っておらないのであります。
 次に、サイドワインダーが核兵器であるかどうかという点でございますが、この点はまた国会においてしばしば明瞭にお答えを申し上げております通り、これは核弾頭をつけることのできないものでございまして、従って絶対に核兵器ではないのでございます。また核武装をしないということは、これまたしばしば私は責任をもって明瞭に申し上げております。憲法の解釈問題の純理の御議論がございましたが、これは言うまでもなくわれわれは憲法において自衛権を持っておる、その自衛権を裏づける最小限度の実力はこれを持ち得るものである。その実力が単に核兵器という名がついたからできないということは憲法では解釈できないという純法理を申し上げたのでありまして、政策としてわれわれは絶対に核兵器は持ち込みをしないし、また核武装はしないということは、明瞭に申し上げておる通りであります。
 次に、安保条約の改定をやめろとか、あるいは日中問題についてのいろいろな御議論でありましたが、これまたすでに私が明瞭に申し上げております通り、安保条約の改定をとりやめる意思はございませんし、また日中問題につきましては既定の方針で進む考えでございます。
 このサイドワインダーの持ち込みによって秘密兵器として新たな秘密保護法を作るのではないかという御質問でありましたが、これは現行のMSAの問題に関連してのこの秘密保護法がございまして、これで保護されるわけでございまして、特別の秘密保護法をこれがために作る考えはございません。
 警職法の問題についての御質問でございましたが、この問題は、昨年のいろいろな事情にもかんがみまして、十分慎重にわれわれは検討すべきものだと考えております。その後におけるところの社会情勢や、あるいはいろいろな事態もよく検討いたしまして、私どもは、国民の平静な、平和な生活が守り得るように、警察官の職務執行を公正に行なわせるためにはなお検討を続けていきたいと思っております。
 それから次期戦闘機の問題についての御質問でございましたが、グラマン機を内定したことについては疑義があるというお話でございました。私ども昨年国防会議におきまして、その当時におけるいろいろの戦闘機を検討をいたしまして、当時の資料から見るとグラマン機が適当であるという大体の考え方のもとに、しかしこれは、決定をするのにはなお具体的のデータその他を現実に調べる必要があるということで内定をいたしたのでございます。ところがその後におきまして、まだ開発が完全に行なわれておらなかったロッキード104C等の新しい飛行機が開発をされ、また現実に、アメリカ、ドイツその他におきましてもこれが採用されて実際に用いられるというふうに情勢が変わって参りましたので、一応、前の内定を取り消して白紙にして、さらに権威のある調査団が現地に行って、現実にパイロットが乗ってみ、さらにあらゆる点を技術的にも検討して、その結論によってこれを尊重してきめるという方針のもとに、白紙に還元をしたことも御承知の通りであります。しこうして、源田調査団は現地に参りまして、いまだかつて他の調査団が行なったことのないほどの、あらゆる点からの精密な検討をいたしまして、その結論を得ましたので、その結論を尊重して、国防会議において104Cを決定した次第でございます。
 また価格の点につきましては、これは御承知の通り、飛行機の機種をきめ、生産会社がきまり、さらにアメリカとの間の負担の区分もきまってきて初めて現物の価格がきまるわけでございまして、そういう意味においてこれからさらに精密な検討をして最後の価格を決定する考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣藤山愛一郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私に対する御質問に対して御答弁をいたしたいと思います。
 日米安保委員会における空対空の誘導弾のことでございますが、三十二年の十二月十九日、第四回安保委員会におきましてこの話が出ております。当時のことにつきましては、安保委員会の内容について、終わりましたあとで新聞発表をいたしておりますが、その新聞発表に、「自衛隊の装備の問題も討議され、その近代化促進の方途が検討された。この点に関連し、スタンプ大将は、米国政府は日本政府の要請に応じ、空対空誘導弾サイドワインダーを供与する旨明らかにし、他の委員は、この誘導弾は自衛隊の防衛力を強化するであろうと述べた」と、こういう新聞発表をいたしておる通りでありまして、イズヴェスチアが、アメリカ側から押しつけられたということとは違うことでございます。
 それから、なおその後の安保委員会においてこの種の兵器の問題が何か論議されたか。――そういうことはございませんでした。(拍手)
   〔国務大臣赤城宗徳君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(赤城宗徳君) サイドワインダーの持ち込みについてなぜ公表しないかと、こういうことでございます。サイドワインダーにつきましては、予算あるいはその他につきましても、日本が買うことをきめておったことは再々申し上げておったのでありますが、ことしの四月の初めに正式の発注が行なわれました。なかなかサイドワインダーが入ってきませんので、どういうことになっておるかということで私どもも催促をしておったのでありますが、十月の終わりか十一月の初めには入るだろうという予想を持っておったのであります。ただ御承知のように、運搬の方法とか、いつ入るか、いつ日本に届けるか、こういう時期は、一切米側の責任であります。自衛隊に引き渡されるまでは日本政府は所有権を取得しないのでありまするから、引き渡しを受けてからでないと私どもは判明いたしません。そこで私どもは、引き渡しを受けましてから、はっきりとサイドワインダーが入ったということを公表いたしております。
 第二に、サイドワインダーを現実に使用しなければならない事態は、どういう事態であるかということでございますが、航空機によって空からわが国の独立と安全を脅かされるような事態が生じた場合には、自衛のため使用することとなっております。
 また、サイドワインダーの訓練を行なった場合に、F86Fを現実に使用する時期はいつであるか、こういうことでありますが、まだ入手したばかりでありますので、F86Fに装着する時期は今のところ決定しておりません。ロッキードが国産された場合の空対空誘導弾にはサイドワインダーを使用いたしたい、こう考えております。
 戦闘機決定について、防衛庁の幹部がグラマンを支持しておったが、それに対する処置をどうするか、こういうことでございます。防衛庁といたしましては、次期戦闘機の採択につきましては慎重を期しておりまして、そのときそのときにおきまして集まり得る資料を十分に集めながら検討を続けてきたわけであります。当時におきまして資料を集めた範囲内におきましては、グラマンが非常に優位である、こういう判断に立っておりましたが、その後開発されたF104Cその他四機種につきまして、源田調査団が現実に操縦し、その他細密な調査をいたした結果は、F104Cが適当だ。現実に乗る前と乗ったあとの結果において違う結論が出るということは、これは当然だと思います。
 それから、もしこういうことに前のようにきまっておったならば、非常にずさんな買いものをしたことになるのではないか、こういうことであります。実は、そういうことがあってはいけないと思いまして、調査団を出して慎重に検討したのであります。しかし、防衛庁全体につきまして、買いものをする場合にずさんであってはいけない、こういう御注意に対しましては、私どももともとと考えて、そういうことがないように注意いたしたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 国が防衛力を持ちますことは、申すまでもなく、その国の独立安全確保、言いかえますならば、同時に民生の安定を確保するという観点に立って防衛力を持つのでございます。わが国におきましては、国力に相応した防衛力を持つということを基本方針といたしまして、実情に応じての増強計画、国力に応じての漸増計画をとるということでございます。その観点に立ちまして私どもは防衛費を査定いたしておるのであります。今回の次期戦闘機の決定等にあたりましては、これは第一次防衛計画の残部の施行でございます。しこうして、先ほどお尋ね並びに御意見の中にありました、あるいは四十年度までに防衛費が倍増される云々という点でございますが、これらの点は新聞紙上にございましたことで、いわゆるこれを第二次防衛計画といわれておるやに伺うのでございます。防衛庁におきましては、おそらく防衛庁の担当事務からいたしまして、絶えずこの防衛力についての検討をいたしておることだと思います。しかしながら、いわゆる第二次防衛計画として私どもがまだ相談を受けたものはございません。もちろん、国防会議にも、この第二次防衛計画なるものは、ただいままでのところかかっておりません。従いまして、今日以後新たに問題が出て参りますれば、私は、基本的な問題としては、先ほど申し上げましたように、国力に応じた防衛力を持つという観点において防衛費の予算を十分検討する考えでございます。そうしてただいまのところ、来年度予算編成にあたりまして、災害対策について特に重点を置くことは、私どもの内閣の基本的方針であります。同時にまた、防衛庁の予算にいたしましても、これを激増さすというような考え方は毛頭持っておりません。(拍手)
#12
○議長(松野鶴平君) 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十七分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 緊急質問の件
ソース: 国立国会図書館
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