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#1
第033回国会 本会議 第14号
昭和三十四年十二月七日(月曜日)
   午前十時五十九分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  昭和三十四年十二月七日
   午前十時開議
 第一 核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 日本放送協会昭和三十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
    ─────────────
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ─────・─────
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 この際、日程に追加して、日本銀行政策委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 内閣から、日本銀行法第十三条ノ四第三項の規定により、吉川智慧丸君を日本銀行政策委員会委員に任命することについて、本院の同意を得たいとの申し出がございました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#5
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#6
○森中守義君 私はこの際、郵便物遅配解消のため団体交渉の再開に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#7
○田中茂穂君 私はただいまの森中君の動議に賛成いたします。
#8
○議長(松野鶴平君) 森中君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。森中守義君。
   〔森中守義君登壇、拍手〕
#10
○森中守義君 私は日本社会党を代表し、郵便物の遅配解消のため団体交渉の再開について、総理外二、三の大臣に緊急質問を行ないたいと思います。政府は、最近平常における郵便物の遅配や伝えられる年賀郵便の混乱が、あたかも全逓の行き過ぎた運動によると宣伝をしておりますが、これは事実に全く反するものであります。真の理由は、政府の経営上の欠陥と独善的に団交を拒否したことによるものであります。ちなみに、平常の郵便事業の状態を見ますと、本年九月郵政省が公にした統計によれば、昭和九年、郵便物数の指数一〇〇に対し本年は一三九に著増、配置すべき定員は一〇〇に対し八二で逆に減少、従業員一人当たりの事務量は一〇〇に対し一六〇と激増、国民へのサービスは、人口七十万以上の都市で取り集め十回に対し四回、配達は四回に対し二回となり、世界の水準にははるかに遠いとしておるのであります。さればといってこの現状を打開する計画の長期的方策はなく、当局か公にした統計が真実である限り、郵便事業の混乱は全逓に何ら責任があるはずがなく、政府みずからが政策の欠陥として当然になうべきものであり、国民の糾弾も政府に集中するのはまたやむを得ないところであります。また、憂慮される年賀郵便の混乱について見ますと、推定十五億を突破する年賀郵便が例年通り正常に処理されるものかどうかとする国民の世論は急激に高まり、今や政治問題、社会問題化するに至ったのは、まことに遺憾でありまして、私は、かかる事態に立ち至らしめた政府の責任を強く追及し、その猛省を促すとともに、即時団交を再開し、事態の円満な解決をはかり、世論に沿うべきだと思うのでありますが、この危険な事態の回避は、政府が一切のこだわりを捨てて、全逓が求めている団体交渉の再開以外に方法はありません。この際、総理は、国民の世論にこたえて団交の即時再開の御意思があるかどうかを承りたいのであります。
 また、郵相に次の諸点をただしておきたいと思うのでありますが、(一)この現状のまま推移しても、国民に迷惑をかけないで年賀郵便の完全消化の自信があるかどうか。(二)政府は事業場単位に三六協定締結の方針でありますが、全逓は組織の連帯性を持ち、三六は固有の権利でありますが、また裁定二百五十円が冷酷に政府にされているなど、簡単にその可能性ありと判断できないのでありますが、この点、郵政大臣の所見を聞きたいのであります。(三)かりにある部分が締結しても、全国的にもあるいは地域的にも相関性を持つ事業であれば、政府の期待する結果がそれによってもたらされると思うかどうか、これも郵政大臣の所見を承りたいのであります。(四)三百万の臨時職員を雇用する計画のようでありますが、その大部分を占めると思われる高校生は、学校当局において労使の紛争に介入せしめるべきでないとする意見が全国的に台頭している。その正論を郵政大臣はいかにして納得させんとするのか、その所見も承っておきます。(五)町内会の動員を計画されているようでありますが、任意組織化されている実情において、全国的に画一的な協力が得られるとする自信があるかどうか。(六)かりに、三百万の雇用が実現したとしても、常勤者が事務指導をしない場合、全体的に局舎は狭隘であるのに、かえって混乱を招来するとは思われないかどうか。(七)それらの臨時者は年賀郵便のみの取り扱いにとどまらないと思うが、明確に信書の秘密が保持されるとの確信があるかどうか。(八)正確に所定の期日までに配達されるとの自信があるかどうか。明快なる郵政大臣の答弁を求めます。
 また、行管長官にお尋ねいたしますが、あえて不当とも称すべき定員法は、この事業は除外すべきだという私の意見であるが、その行管長官の所見を承っておきます。
 かくしまして、政府施策の欠陥による郵便事業の混乱を一段と激化せしめ、また、予測される年賀郵便の大混乱に陥れんとする政府の独善的な全逓との団交拒否について私は追及したいのであります。政府はその理由を全逓が公労法四条三項にそむくからとしておりますが、かりに一歩政府の主張に譲ったといたしましても、政府独善のそしりは消えません。何となれば、公労法四条三項の規制に該当したとする全逓は、憲法二十一条、二十八条、労組法六条、七条、公労法十条の適用を停止され、権利を失うものでないことは、法律上の最低の常識であります。憲法十四条の保障するところであります。かくも明白な論理を没却した問答無用式の団交拒否は、政府こそ公労法十条、労組法六条にそむく悪質の違憲違法行為であると思いますが、その魂胆はもとより作為ある弾圧の汚名をもって非難さるべきであります。かかる見解から私は、公労法四条三項の適用によって労働組合を保障するすべての法律が何によって否認され、団交の一方的拒否の可能性を持つのか、郵相の責任ある所見を聞きたいのであります。
 また、この種問題は政治的に社会的に重要であるだけに、公平なるべき何らかの機関によってこの結論に達したものか、これまた郵政大臣の所見を聞きたい。
 さらに問題の重要性を持つのは、公労法四条三項をたてにとった政府の意図が那辺にあるかについてであります。それはもちろん国際的にもILO八十七号条約の批准に追い詰められた政府は、条約が結社の自由と団結権の保護であるとする重要なものであるだけに、そのまま批准した場合、労働組合の発言力の増大をきらい、極力、批准延期のための合理性と、批准したあと労働組合の発言力を封殺するために、国内法整備の美名に隠れ、時をかせぎ、片や全逓の違法状態ということを誇大に宣伝しているということを私は端的に指摘し、非難しなければなりません。その政府の意図を物語るものは、本年二月十八日出された労懇の答申の本題は、八十七号条約の批准、公労法四条三項、地公労法五条三項の削除のみが唯一にして無二の条件であるのに、政府はその本題を容認しておりますが、実はそれは擬装であります。実質においては、注意事項的なもの、あるいは中山会長の私的注釈とも解釈すべきことをことさらに重要視し、いかにも前提の問題が中心課題であるとする事実をあげていることによっても足りるのであります。よって、政府の悪意ある意図がわが国の将来にいかなる影響をもたらし、国際的にいかなる結果を余儀なくされるかは明白でありまして、現実に郵便事業の年末首における一大混乱の予測は決して偶発的なものではないということであります。
 よって私は、次のことに対し労相の所見を聞きたいのであります。
 昭和二十六年、わが国がILOに再加盟して以来、労懇に諮問した一昨年八月まで八年という長い間、いかなる理由で八十七号条約の批准の手続がとられなかったのか、またこの間において国際労働憲章十九条の措置はとられたものかどうか、長期間の放置は、昭和二十七年第十三回国会の国際労働条約批准促進に関する決議、両院が行なった決議に著しくそむくものであり、国会軽視のそしりを免れないが、この点どうか。
 またこの際、総理から明らかにしてもらいたいことは、本年二月二十四日、第三十一回国会の衆議院予算委員会では、二月二十日の閣議決定を成文化しておきながら、単なる話であるとし、また六月二十六日の第三十二回国会の衆議院本会議では閣議決定と明言をしていますが、食言もはなはだしい。政治的責任を私は問いたいのであります。
 私はただいま、政府の公労法四条三項をたてにとったことを、八十七号条約との関係をいかなる意図のもとに行なったかについて言及しましたが、もはや事態は、ILOの機関の中で、この問題のため、わが国は完全に孤立し威信を失い、しかも日本政府の意図と措置があくまで不当なものとして非難されている事実を追及しなければなりません。すなわちILOの機関である条約勧告適用委員会、結社の自由委員会及び理事会は、ともに、公労法四条三項、地公労法五条三項は、団結権及び団交権を保護する九十八号条約の二条の定める労使双方の不介入の規定からみて好ましくない、その廃止が望ましいと指摘勧告をしておりますが、もちろん九十八号条約は昭和二十八年わが国はこれを批准しておりますので、憲法九十八条によってもはや死文も同様であり、よって全逓に対しての問題は政府の決定的敗北となりました。その帰趨は明瞭であります。しかしてILO百四十三回の理事会は、委員会の報告を含めて、九十八号に触れる公労法四条三項、地公労法五条三項の削除と八十七号条約批准に至っておりません理由を、来年三月の理事会に重要案件として討議するため、日本政府に、その討議の内容を添えて、政府の措置に対し報告を要求して参っております。しかも、結社の自由委員会、条約勧告適用委員会の意見はきわめて厳しく、かつまた理事会もその意向を反映し日本政府を非難していることは、会議に出席した労働側理事原口幸隆君初め関係者の報告からしても明白であります。私は、岸政府が意図した政治的陰謀はここにおいて完封されたと言っても過言ではないと考えるのであります。
 そこで労働大臣に対して質問しておきたいことは、ILO事務局長トムソン氏から政府にあてた理事会の伝達の内容を明らかにされたいのであります。またその内容は、かねて労相が国会で答えてきたものと合致するものであるかどうかも伺いたい。また労働大臣が去る十一月十九日、本院の予算委員会において、わが党の永岡君に答え、その中で、来年三月になれば九十八号違反にあらずということは明確になると私は信じております。──このように述べたことはいかなる根拠によるものか、それも承りたい。その観測はきわめて甘い。訂正することがILO理事会からの伝達に忠実であると思います。また、その答弁は、見方によってはILOの指摘や勧告を否定し、無視したこととなると思いますが、どうでありましょう。ILOは、日本政府のILOに対し行なった報告及び総会における演説と、日本の国会における政府の答弁と、とりつつある措置が全く反対であると非難していますが、事実かどうかを伺いたい。
 総理にお尋ねしておきたいのは、日本政府がILOにおいて、かかる非難を受ける結果、国際的にいかなる結果をもたらすとお思いであるか。また六月二十二日の朝日新聞の論評は、政府は労働問題や国際的労働運動のつながりに無関心であり、没感覚である、醜態をさらけ出していると指摘していますが、このことを率直に認めざるを得ないと思いますが、どうでありましょうか。
 来年三月のILO理事会は、九十八号条約、八十七号条約に決定的結論を出すと思いますが、政府はいかなる措置をとらんとするのか。すなわち九十八号に違反する公労法四条三項は死文であるから、全逓にとっている政府の態度は、直ちにこれを中止し、団交を開く意思がおありであるかどうか。この措置と同質の解釈で、全逓の問題とかかわりなく、八十七号条約は直ちに批准の手続をおとりになる意思はないかどうか。
#11
○議長(松野鶴平君) 森中君、時間です。
#12
○森中守義君(続) 以上、私は郵便物の遅配解消のための団体交渉の再開について質問をいたしたのでありますが、関係閣僚の明快なる答弁を要求いたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(岸信介君) 全逓との団交を即時に開始しろという第一の御質問であります。全逓の労組が団交の開始とILO条約の批准等を目標として、年賀郵便あるいは年末年始の郵便の混乱を来たさせようとしていることは、私ははなはだ遺憾な状態であると思います。この問題に対しましては、全逓労組がまず民主的な労働組合として法規を順守して、法のもとに正当化されることが必要であり、これが前提であるということを政府は幾たびか明言をいたしております。今日それが行なわれずして、われわれ政府がこれと団交をするということは、とうていできないのでありまして、政府はそういう見地を従来も明確にいたしておりますし、今日もまたその通りに考えております。
 第二点のILO八十七号の批准問題に関しましては、すでに本年の二月二十日政府の基本方針を閣議においてきめております。これが閣議決定であるかどうかという点について、私の従来答弁していることが食い違っておるというふうな御質問でございましたが、御承知のように、閣議で物事をきめますのに、いわゆる形式的に閣議決定としての取り扱いをする場合と、そうでなしに、閣議で了解をし、閣議で論議はするけれども、やはり形式的に閣議決定という扱いをしないものとあるのであります。当然形式的の閣議決定はそれぞれのそういう形式がございますので、二月二十日の閣議においてわれわれがこの方針をきめましたときには、主務大臣から口頭で申し述べて、それについての意見を交換して、実質的に閣議において了解し、その方針を承認したということでございまして、閣議決定という形式はとっておらないのであります。しかしながら、基本方針としては、政府の方針としてはきめたわけでございますから、さよう御了承願いたいと思います。
 第三のILO条約の批准の問題に関しましては、大体日本は従来といえどもできるだけこの条約を批准するという態度をとって参っております。八十七号の問題に関しましては、すでに労働問題懇談会の答申もございますが、そのいろいろな条件をかなえた上においてこれを批准する、という従来からの基本の方針を一貫してきておりまして、この点に関しましては、国際会議におきましても、日本の政府の方針につきましては十分に了解を求めております。(拍手)
   〔国務大臣植竹春彦君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(植竹春彦君) お答え申し上げます。
 まず第一の御質問は、遅配の原因は団交拒否のためではないか、それで年賀郵便を完全に配達できるかという御質問でございますが、遅配の原因は必ずしも団交拒否のためではないと、さように考えます。何となれば、この遅配の現象は、これは団交の問題が起こりました以前からすでに遅配をやっておった個所がございます。いわんや、この遅配をやっております郵便局の数というものは、全国的にはごくわずかであることは御存じの通りであります。でありますから、年賀郵便が完全に配達されるかどうかということにつきましては、これは完全に配達ができるということを明確にお答え申し上げることができます。それならば、どういう方法によってその自信があるかと申し上げますると、この問題は、団交の問題と年賀郵便の配達の問題とは適用の法規が違うわけであります。団交とかILOの条約とか、あるいは二百五十円のベースアップの問題とかいうことは、これは公労法上の問題であり、年賀郵便を完全に配達するかしないかということは労働基準法の適用による問題であって、労働基準法の第三十六条にありますいわゆる三六協定、時間外超過勤務の協定を、各郵便局、つまりその職場、事業場において、全国の各事業場の長つまり郵便局長と、その部下の職員とが、三六協定、超過勤務の協定を結ぶことによって、年賀郵便を完全に配達することができる。もっぱらその従業員諸君との間に、あるいはその従業員の中には全逓の諸君もおりましょうし、また全特定、全郵政の組合員の諸君もおるわけでありますが、それらの人と郵便局長が個々に協定を結んで、年賀郵便の配達を完全にしていくという方針であります。しかし、もし万が一に三六協定を結んでくれないというときには、政府は実動十五万人延べ三百万人の非常勤を動員いたしまして、政府の責任を果たす覚悟でございます。(拍手)ところが今日の現状をもっていたしますると、全国の郵便局のうちですでに過半数、五二%という郵便局が時間外勤務に応じましょう、国民の年賀はがきを配達してくれという御要望に応じましょう、という協定を結んでくれることになっております。もう過半数でございますから、どうしても全然だめなときには三百万人と考えておりましたが、本年はもう過半数済んでいるのでありますから、三百万人の動員の必要はない、ますます政府は自信を深めた次第でございます。
 次に、学校の学生生徒を紛争に介入させる問題についてでありますが、これは紛争には絶対に介入いたさせません。しかし、アルバイトとしてこれを雇い入れまして、学生生徒諸君に臨時的に配達してもらうことは考えております。次に、町内会に依存してそれで自信を持って配達し得るかどうか、また事務の指導がよくできないで混乱を起こすのではないか、という御質問に対しましては、絶対さようなことがない。それは事務指導につきましては、これは今回のアルバイトは急にきょう雇ってあす仕事をさせるというのではなく、前もって雇い入れまして、大体十人に一人の割合でございますが、指導者をつけまして、その指導者によりまして十分前々から郵便の仕事を教え込みまして、しかも、今までのような専門家の従事員諸君がやっておりましたよりはずっと簡略な方法を編み出しまして、指導に当たることになっております。
 また信書の秘密の点でございますが、この御質問につきましては、これは十分は、アルバイトをいたします前に、郵便物の配達の重大なる使命であることを指導いたしまして、信書の秘密は絶対に侵すべきものではないことを教え込んで指導してやって参ります。
 私に対する御質問は大体それだけかと思いますが、もしお答え漏れのところがございましたら、御指摘いただけますれば、またお答え申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣益谷秀次君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(益谷秀次君) 郵政事業の職員についての定員法の問題に関することは、しばしば国会で問題になりましたことは承知いたしております。よって私といたしましては、事務当局をして関係各省の御当局と慎重に研究するようにいたさしております。しかしながら今日までまだ結論に達する報告は受けておりません。報告があり次第、私の判断を下したいと思っております。(拍手)
   〔国務大臣松野頼三君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(松野頼三君) 団体交渉権の問題は、法律上の権利を要求される方は法律上の規定を守らなければなりません。今日の全逓の問題は法律上の規定を守っておりませんから、法律上の権利が発生しておらないのであります。組合みずから法律をお守りになれば、団体交渉権はおのずから生まれてくると存じます。この団体交渉権の回復は一に全逓みずからのお考えできまるものだと考えております。
 ILOの八十七号の二月の報告は、御承知のごとく、労働問題懇談会では、四条三項の削除と同時に国内法の整備と、それから業務の正常化というのが、あわせてこれは答申になっております。従って、国内法の整備と正常な業務の運営というものが確保された上で八十七号の批准をしろというのがその骨子ですが、今日まだ残念ながらその段階に至っておりませんので、八十七号の批准がおくれておるわけでございます。日本のILOにおける地位と今日の信頼というのは、再び加入いたしましてからすでに十、戦前を合わせまして二十四のILOの批准をいたしております。これは全世界の標準に大体合致しております。御指摘の八十七号条約は、全部で八十カ国のうち三十六カ国批准をしておりまして、アメリカはまだ批准をいたしておりません。従って、必ずしも八十七号を批准しなければ、ILOの問題が根本的に間違いだというわけのものではありません。なるべく早期に八十七号の批准をいたしたいと考えておるわけでございます。
 九十八号の問題につきましては、今年の四月、専門家委員会からの御指摘がございました。従って政府は、明確に十一月年次報告の中に、その御指摘に対して、よく国内法の説明をいたしました。従って来年の春のこの条約適用委員会及び専門家委員会におきましては、明確に政府の主張が明らかになりますので、九十八号条約に関する疑義は明確にこれは解消するであろうという趣旨を予算委員会で御説明申し上げたわけでございます。
 最後の、事務局長のヤルデン・トムソン氏のお話でございまするが、まだ政府にはそういうものは来ておりません。おそらくこれは、八十七号条約について日本政府の基本的方針を了承した上で、この条約の批准を早くしてくれという意味の御趣旨であろうと存じますが、まだ政府には明確に来ておりません。(拍手)
     ―――――・―――――
#17
○議長(松野鶴平君) 日程第一、核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。商工委員長山本利壽君。

    ―――――――――――――
   〔山本利壽君登壇、拍手〕
#18
○山本利壽君 ただいま議題となりました核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案について、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 先に国会で承認されました日米原子力一般協定によれば、わが国政府が米国政府より受け入れる核燃料物質の引き渡しを受けた後は、その生産、加工より生じたすべての責任を免除する旨の、いわゆる免責条項と呼ばれる規定があります。しかしながら、実際問題として、わが国が必要とする核燃料の加工請負の相手方は、相手国政府ではなく、相手国民間業者でありますので、現状において核燃料加工を請け負わせるためには、国際間のこの種契約の通例に従い、この加工業者をも免責し、損害を与えないようにせねばならないのであります。本法律案は、政府が外国人等に核燃料加工を請け負わせるときに、当該外国人等に対する免責条項を含む契約を締結することが、財政法に規定する国庫債務負担行為に該当することも予想されるので、この際、核燃料の加工を請け負う外国人等に対し、加工に基づく事実に対するすべての責任について免責を行なうことができるようにするという授権法律であります。
 商工委員会におきましては、本法律案について熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録に譲り、特に問題となりました点を申し上げますと、第一に、日米原子力一般協定に本法案の趣旨を含まなかった理由いかんとの質問に対し、政府は、協定締結当時は、燃料加工請負契約を原子力研究所と米国業者との間にする予定であったので、協定に含まなかったとの答弁がありました。第二に、免責問題と財政法との関係についてはどうかとの質問に対し、政府は、本法案のごとく未必不確定債務であっても、財政法にいう国庫債務負担行為になると答弁しておりました。そのほか、原子力の開発と国際原子力機関との関係、原子力災害発生の場合の補償の方法等について、政府当局との間に熱心な質疑応答がありました。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、まず、古池委員は、本法案の重要性と必然性を認め賛成し、栗山委員は、原子力平和利用のため国際原子力機関の充実に協力するとともに、各国の研究成果の導入を活発に行なうことを特に要望して賛成するとの意見開陳があり、また、大竹委員は、本法施行にあたって原子力平和利用を国民にPRし、かつ災害に備えて大幅な国家補償制度を確立するよう要望して賛成すると発言され、奥委員からは、原子力政策は一般国民の期待に沿うよう努力されたいとの希望を付して賛成意見がありました。
 かくして討論を終わり、採決に入りましたところ、本法律案は全会一致をもって衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#19
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#20
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#21
○議長(松野鶴平君) 日程第二、日本放送協会昭和三十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。逓信委員長柴田栄君。
    ―――――――――――――
   〔柴田栄君登壇、拍手〕
#22
○柴田栄君 ただいま議題となりました日本放送協会昭和三十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本件は、放送法第四十条の規定に基づいて会計検査院の検査を経て内閣より国会に提出されたものであります。
 日本放送協会の昭和三十二年度末の資産総額は百二億七百二十一万円、負債総額は五十三億四千三百四十一万円でありまして、昭和三十一年度末に比較しますと、資産につきましては十二億二千八百二十四万円、すなわち一三・七%の増加となっております。また、負債につきましては五億三千四百三十八万円、すなわち一一・一%の増加となっております。
 次に、昭和三十二年度の損益計算は、事業収入総額百三十七億千八百五十四万円、事業支出総額百三十億二千五百二万円でありまして、ラジオ関係においては、差引剰余四億五千五百二十八万円、テレビジョン関係においては、事業開始以来六年目に初めて事業収支の均衡がとれ、差引剰余二億三千八百二十五万円となっており、協会の事業収支の全体から見ますと、差引六億九千三百五十二万円の剰余となっております。これらについての詳細は説明書についてごらんを願いたいと存じます。
 本件に対する会計検査院の検査の結果報告は、「記述すべき意見はない。」というのであります。
 逓信委員会は、本件について郵政当局及び日本放送協会につき詳細にわたって質疑を行ない、慎重審議の結果、全会一致をもって本件については異議がないものと議決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#23
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。
 本件全部を問題に供します。本件は委員長報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって委員長報告の通り決せられました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十二分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した案件
 一、日本銀行政策委員会委員の任命に関する件
 一、郵便物遅配解消のため団体交渉の再開に関する緊急質問
 一、日程第一 核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案
 一、日程第二 日本放送協会昭和三十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
   
ソース: 国立国会図書館
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