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#1
第033回国会 風水害対策特別委員会建設、自治小委員会 第1号
昭和三十四年十一月二十八日(土曜
日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
昭和三十四年十一月二十七日風水害対
策特別委員長において本委員を左の通
り指名した。
           稲浦 鹿藏君
           古池 信三君
           郡  祐一君
           米田 正文君
           大倉 精一君
           小酒井義男君
           田中  一君
           小平 芳平君
同日風水害対策特別委員長は左の者を
委員長に指名した。
           稲浦 鹿藏君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     稲浦 鹿藏君
   委員
           古池 信三君
           郡  祐一君
           米田 正文君
           小酒井義男君
           田中  一君
           小平 芳平君
  国務大臣
   建 設 大 臣 村上  勇君
   国 務 大 臣 石原幹市郎君
  政府委員
   自治庁財政局長 奥野 誠亮君
   運輸政務次官  前田  郁君
   運輸省港湾局長 中道 峰夫君
   建設政務次官  大沢 雄一君
   建設大臣官房長 鬼丸 勝之君
   建設省計画局長 関盛 吉雄君
   建設省河川局長 山本 三郎君
   建設省河川局次
   長       曾田  忠君
   建設省住宅局長 稗田  治君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      宮崎  仁君
   気象庁予報部長 肥沼 寛一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十四年八月の水害又は同年八
 月及び九月の風水害に伴う公営住宅
 法の特例等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○昭和三十四年台風第十五号により災
 害を受けた伊勢湾等に面する地域に
 おける高潮対策事業に関する特別措
 置法案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十四年八月及び九月の暴風雨
 による堆積土砂及び湛水の排除に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た公共土木施設等の災害復旧等に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た地方公共団体の起債の特例等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た市町村職員共済組合の組合員に支
 給する災害見舞金の額の特例に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(稲浦鹿藏君) それではこれから風水害対策特別委員会建設、自治小委員会を開会いたします。
 建設省関係の、昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案外三件並びに自治庁関係の、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案外一件、以上法律案を一括して議題にいたします。
 御質疑の方は順次御発言願います。
#3
○小酒井義男君 発言ではないのですが、運輸関係もきょうこの席へ出ておられるのですね。よろしいですね。
#4
○委員長(稲浦鹿藏君) では、ただいま出席されておる政府委員の方を報告します。大沢建設政務次官、山本河川局長、関盛計画局長、稗田住宅局長、曽田河川局次長、それから自治庁の方は奥野財政局長、今枝公務員課長、山野理財課長、それから運輸省は前田政務次官、中道港湾局長、肥沼予報部長、以上であります。
#5
○小酒井義男君 最初おっしゃったときに運輸省ということが入っておらないような気がしたものですからお尋ねしたので、運輸省もやはり入っているということでよろしゅうございますね。
#6
○委員長(稲浦鹿藏君) そうです。
#7
○田中一君 最初に河川局長に伺いたいのですが、二十八年度災で公共土木関係で計上した予算の使い残り、いわゆる法律で規定し、上量その他も全部算定して予算化したはずであります。しかしながら仕事をやってみると結局そういう実害がなかった、そのために金の使い道に非常に困ったというような事例があったように僕は聞いておるのです。従ってこの点については大蔵省に対して、二十八年度災の計上した予算と決算、むろんこれはやっているはずですから、そういうものを全部資料として出せと、こういう要求をしているのですが、いまだに出てこないわけなんです。私が仄聞するところによると、大体において排土の金が使い残りになっておった。そうしてその金の跡始末が国庫に戻入したのか、あるいは関連事業として設計変更とか何とかでもって他の方に使ったものなのか、その点を解明したいのです。そこでこれはあなた方は財政法の何というか、盲点などをいろいろ苦労して発見して、使える範囲のものを使ってしまったというのが今日までの姿であろうかと思うのです。しかし御承知のように私は今度の災得については、直接私自身の、しいて申しますならば関係が深い土地がないわけなんです。従ってむだな――むだなというか、巨大な予算を計上して、また二十八年度災と同じように剰余金が出るなんというようなこと、前回には議員立法として、いろいろ土量その他の問題の要求があったから、そういう点についてのおそらく調査が不十分であったろうと思いますけれども、今回の場合は一切が政府の提案の特例法なんですから、前回の間違いを犯しちゃならぬと思うのです。ことに便乗して予算の計上が行なわれることは、これはあっちゃならぬと思う。むろんこれは強力などこかからの圧力というものに屈しちゃならぬと思うのです。従って二十八年度災の実態というもの、少なくとも公共事業に関する限りの予算、決算がわかっておれば、それをここでできるならば、言葉じゃなくて資料で説明してほしいのです。その資料がほしいために大蔵省に要求しているのですけれども、何らの……。今どなたか連絡をとって宮崎君のところでわかっているはずなんですから、それがいつごろ出てくるか、委員長の方からも問い合わせをしてもらってこの資料を出してもらいたい。そうせぬと、実際における二十八年度災というものの審議ができないわけなんです。私はそういう資料がなくて予算委員会で予算を上げてしまったということに対しては不満を持っておるのですが、私は予算委員じゃないからやむを得ないと思いますけれども、やはりこの二十六の法律を上げるにあたっても、審議するにあたっても、それがないとめどがつかないわけなんです。おわかりの範囲は今ここで説明してもらい、かつ今委員長にお願いして大蔵省の方からその資料が早急に出るように取り計らってもらいますけれども、その点一つ。
#8
○政府委員(山本三郎君) 予算、決算等の問題につきましては大蔵省から御提出あると思いますが、お答えになるかどうかわかりませんが、二十八年度災害にあたりましては、御承知の通り、実地の査定をいたしたものが五〇%余りだと思いまして、残りは机上査定をいたしたものが非常に多かったものでございます。従いましてその後におきまして、それを数度にわたりまして再査定ということをいたしたわけであります。従いまして、当初の査定よりもだんだん実際に査定いたしました結果、工事費は減ってきております。今回の災害につきましては、今まで出ておる資料は、災害の総領等につきましては、やはり現地の報告でございますので、実際の査定をいたしますれば数字が変わってくると思いますが、現在の査定におきましては、もうほとんど九〇数%まで実地の査定をいたしましたので、今御心配のような点は、現地の状況に合わないような数字が出てくるというようなことは、私は非常に少ないのじゃないかというふうに考えております。確かに御指摘のように、二十八年におきましては、実地査定をいたしたものが非常に少なかった、五〇数%でございましたので、残りの分につきましては御指摘の点があったのではないかということは考えております。ただその後の再査定等をいたしまして、また竣工検査等もいたしておりますから、要らないような金を使ったというようなことは、あるいは検査院の指摘等の問題以外は……。私は、指摘されている事項も二十八災は相当多いわけでございますが、最近は実地査定をずっと努めてやっておりますから、非常に指摘事項も減ってきておりますが、今回の災害につきましては、なお実地査定の個所をできるだけ多くして、全部をやるようにいたしまして、そういうふうな不都合な事態が起きないように努力いたしておるわけであります。二十八災につきましては、御指摘のような点があったのではないかということが考えられるわけであります。
#9
○田中一君 大臣見えたから伺うのですが、今伺っているのは、二十八年度災で計上された予算が実際に使われないで、仕事がなかった。たとえば土量の問題にしても、動かす土量がなかった。そのために金が余ってしまったという事例があったように聞いておる。あなた当時衆議院の方の立法のときの委員長やっておったから、あなた自身として二十八年度災の決算調べたことがございますか。
#10
○国務大臣(村上勇君) やったことありません。
#11
○田中一君 実はこの点についても、この災害特別委員会ができて、直ちに大蔵省に対して要求しているのです。むろん前回の場合には、今も言っているように議員立法ですから、実際の査定というものが完全にいかなかったのだろうと思うのです。当然その裏づけるところの法律ができれば、裏づけるところの査定を国がしなければならぬ、予算措置をする責任からいっても。それは今河川局長が言うように、五〇何%しか査定しなかったということになりますと、誤ったものがあるのじゃないかと思います。そこで大蔵省に要求しているのです。この予算と決算ですね、出てこないわけなんです、まだ。これがないと僕はその何とも――予算は通ってしまったのだ。せめて法案に関して付帯決議なり何なりつけて、この法案の審議をしたい。結論としてはそういうものをつける、そういう事例があるならば、そうしたいと思うのです。で、今建設の方ではそういうことがあったかもわからぬということを、河川局長言っておりますけれども、あったならあったという資料出しなさいと今言ってるのですが、どうもそれがないと、これは大蔵省だけなら、予算計上するだけで、決算云々ということはないと思う。建設省、当時もあなた局長していたでしょう。もう河川局長だったでしょう、二十八年のときにも。そうじゃなかったか。
#12
○国務大臣(村上勇君) いえいえ、治水課長だったか……。
#13
○田中一君 治水課長ならもっとこまかく知ってるはずじゃないの。
#14
○国務大臣(村上勇君) 治水課長にもなっていなかった……。
#15
○田中一君 その点が、今度の法律はどうも便乗されているような形のものがあるのではないか。金額が少ないからいいのだということじゃないと思うのですよ。これ一つどうでしょう。そういう建設省としては、早急にそれをお調べになって、資料としてお出し願いたいのですが。
#16
○政府委員(山本三郎君) 当初の査定がどのくらいになりまして、再査定の結果どういうふうに減ってきたかという経過ならばわかると思いますが。
#17
○田中一君 それね、さっそく出してほしいのですが。
#18
○委員長(稲浦鹿藏君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#19
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記を始めて。
#20
○田中一君 今、大蔵省から一十八年災害復旧事業費のうち河川等及び農地、農業用施設に生じた還付金及び剰余金等に関する調」というのが出ておりますが、これは委員長、宮崎主計官を呼んで、ちょっと説明してほしいと思うのです。
 そこで河川局長、今あなたの方にお願いしたやつは、やはり法律による支出項目の工事のうち、工事支出の内訳をずっと並べてほしいのですが、大づかみの金額幾らでもってこうなったということじゃなく、伺いたいのは、設計変更をあるいはするとか、あるいは関連事業としての、法の許す範囲の流用をしておるとかいうことが、僕は非常に危険を感ずるのです。同時に一番心配するのは、今度の排土、湛水事業の工事の問題ですが、一体、排水が行なわれたあとはどうするつもりかということになると、これはちょっと何を目標にして仕事をしようとするのかという点も、それは説明を聞きながら伺いたいわけなんです。なるほど、水をかぶっているところの被害というものはおそろしいもので、皆手を上げるけれども、公共事業にしても、補助金にしても、工事を進めるのには何をしようとするのかというのに非常に疑問を持っているのです、僕は。そういう点は、と言ってこれがあまり大ぜい、各委員が地元の方々を大ぜい連れてきているところじゃ言えない。小委員会程度のものぐらいでもってそういう問世を解明したいと思うのです。あまり大ぜい地元の人たちがいるところで言ったのじゃ変に聞こえますからね。工事の実態というものを、山木君、そういう点は今日少ししつこく聞くかもわからないですから。
#21
○政府委員(山本三郎君) 排水排土の関係は計画局の所管でございます。
 大蔵省の出してきた資料でございますが、これが一応河川等の内容でございまして、当初の査定が千百十九億で、実際にやってみたら剰余金が設計差で三十二億余り、入札に実際出しました二十七億余り、それらを合わせますると六十億少なくて済んだ。それからその後の状況の変化によりまして、仕事をやらないで廃工したものが三十億余りあるということでございます。それから災山関連の振りかえ使用というのは、結局、災上関連でとるべきものを、当初の査定では入っておったから、その分は災害関連としてやって、補助率を変えたという、一般の改修と同じような補助率にいたしたという額が九億五千九百万円でございまして、結局、これだけの金は当初の査定額より少ない額で災害の方は済んだ、こういう内容でございます。私の方でも今調べておりますので、おそらくこの数字通りだと思いますが、今調べておりますから後ほど……。
#22
○田中一君 還付金がゼロになっているのはどういうわけです。剰余金と還付金とどう違うのですか。まあ、君がこの資料について説明するから伺うのだけれども。
#23
○政府委員(山本三郎君) この点も今調べておりますから、詳しくは……。
#24
○田中一君 君が大蔵省の出した資料を説明するものだから…。
#25
○小酒井義男君 河川局長、今のお話ですとあれですか、査定よりも少なくて済んだということは、査定が相当甘過ぎたということなんですね。そうじゃないですか。
#26
○政府委員(山本三郎君) これは実際にやる場合におきまして、やはり入札等をいたしますると、初めの設計よりも多少競争入札にいたしますから差があるというようなこと、それから実際の実施をその後の変化によりまして待つことによりまして、設計を詳しく作って実際にやっていきますと、それより安く済んだという、高くなるのもございますけれども、それらを全部合わせてみますと、そういう結果になったということでございます。
#27
○田中一君 これは考えてみるというと、設計差というものは、これは、今小酒井委員が言っておるように、あなた方が長年の……。たとえ災害とはいいながら、すべての排土と違って、災害復旧というものはいろいろの条件が個々別々でしょう。見方が違うとはいいながら、三十二億も違うなんということはちょっと考えられないですよ。それから入札差というものは二十七億……。災害なんかのときはむろん奉仕のつもりであって安くしたのだということも一つの理由になるわけです。しかし、そんなことじゃないのです。どうしても奉仕どころじゃない。よけいに金がかかると思うのです。通常計画されて仕事をしようというものと違って、むだな金がよけいにかかるのが災害復旧の実態なんですよ。これが二十七億も余ったという、それから廃工、工事を中止したということ、これは三十億ございますけれども、このほかに。これは今、僕が言っておるように、たとえば排土事業というのは、量がなかったから仕事がなくなったということなのか、こういう点等も非常に疑問があるわけですね。二十八年度災で計上した予算と決算ですね、見る場合に。で、今回の場合に引き比べてみますと、そういう形のものは、査定をしたからといって設計差というものが出るものなんです、御承知のように。査定をしても設計差……。方法によって安くなる方法もあるかもしれんですね。それから入札差はむろんあると思いますけれども、二十八年度災というものは御承知のように、どの大手筋も、ことに海岸堤防などはみんな断わったものですよ、とてもできませんと。たとえば、秋田県にいる技術者を、急に急いでおる仕事を、人間をとってこっちに持っていくことはできませんと断わったものですよ。そのために海岸部長は非常に苦労したというように記憶しておるのです。単価をきめて割当制で、これを、お前やってくれ、お前やってくれと振り分けるといったようにやったと私は記憶しておる。そういう実態から見て、これだけの剰余金が出るなんということは、私は非常に危険じゃないかと思うのです。今度の場合もそういうことがあっちゃならないということを考えているのです。
#28
○国務大臣(村上勇君) 田中さんのちょっとあれはごもっともですが、この三十二億とかいうような数字をあれすると、三十二億という金は非常に大金である、こう一応考えます、私、その当時のことを弁解するのじゃないのですが、しかし、当初査定額というものは千百何十億というその額からすればまあまあいわゆる混雑しておるときの状態と、それから何ヵ月もたって平常に復したときの、今度いよいよ実施面に当たって、そうしてこれは人間のやることですから、まあいわゆる三分――三%、千百十九億に対して設計差というものが三十二ですから三彩ですね……。
#29
○田中一君 それは設計差でしょう。
#30
○国務大臣(村上勇君) ええ、設計差、それを私は五、六分ぐらい……。今までのいろいろ各都道府県の入札なんかを見ておっても、土木部長が、設計がかりにこの工事は百万円という工事金が下から出てきますね。そうすると、今度これを入札に付する場合に部長が黙ってそれを一割切る人もあるが、五分ぐらい切って、そうしてその九十五万なら九十五万というものを引き札にして封筒に入れて、そうして業者に入札させるわけです。業者は大体設計がわかるから、だから部長はなんぼ切っているだろう、この仕事はめんどうだから、あるいは三分しか切らぬじゃないか、あるいはこの仕事は楽だから六分くらい切ってはせんかという見当をつけて入れることが多いのですね。そうしますと、これはなるほど御指摘の二十二億という金はだいぶ金額が、三十二億だけを取り出してみると非常に大きいが、しかし総量の千百例十億というものに対照してみると、やはりある程度のこれがなければ今度は不足になるわけですね。、一%くらいのものが余って返すようなことにならなければ、今度は不足になるわけですね。この点は、なるたけこの格差というものを縮めるということは、大いに技術屋も大事なところですから、これは縮めて、今後は注意して参りますが、二十八年の場合とのあれですが、実際これはお許し願えるのじゃないかと思うのです。
#31
○田中一君 それは末端の仕事をする面から見た場合にあり得ると思うのですよ。しかしたとえば財源を確保するために、どういう形で財政当局がその捻出に苦しんでおるかということ、これは数々ある。これは一番予算を組む、予算を決定する場所ですからね。そういう点から見ると、こういうことがあっちゃならぬと思うのですよ。これは大蔵省に聞きますと、還付金が一億八百万、全部合計で一億八百万、そうすると、これはどういう工合に流用したのかわからぬ。そういう点について、それで今大臣が言っているように、一千万円一括した場合の仕事なら、それは三分や五分のものが出るかもしれないが、個々別々のこまかい仕事が、これはもう相当な、ニト八年災で何件だったかな、相当な件数でしたよ、全般から見る場合に。相当広範囲ですよ。二十八年度のあの当時のそういう仕事をする方々の景気というものはどんな景気か。私は不景気の時代じゃなかったと思うのですよ。相当海岸堤防などは無理をしていましたよ。受け手がないものですから、期日がきまっているから。出水期までには全部とにかく締め切って、原形復旧までにするのだということになっておったものですから、どんな大手筋の業者にしても、他の現場から技術員なり何なり引っ張ってこなければならない。そうすればそっちに支障があるということで、受け切れない段階だったように僕は記憶しておる。それを無理に押しつけて、判当式に押しつけてやった仕事ですからね。そしてあなたはいい、太っ腹だからいいのだけれども、大して六十億程度はと、こう言っているけれども、国会において財源をいかにするか、一銭一厘もむだにしてはいかぬというわれわれの立場からすれば、とてもそういうことはあなたのような太っ腹の気持を持っておられては容認できない。これはおそらくみんなそうだと思う。
#32
○国務大臣(村上勇君) そうではないのです。私は太っ腹で言っておるのではない。もしこの逆の場合を考えたら……。
#33
○田中一君 逆の場合は何でもないじゃありませんか。追加すればいいですよ、金を。二十八年災のときは、予算は、今回のように予備金ですね。予備金というものがあったかないか、ちょっと記憶ありませんけれども、予備金支出すればいいのですよ。今度の場合は、第二補正予算というものは八十億の予備金だというふうな見方をしております、今日まで補正する場合には。今度の予算の補正の仕方は八十億であるから、しかし前回、二十八年度はどらだったかわからないが、これは大蔵省が来たら聞きますが、あなたのような説明では僕らとして納得できないのです。
#34
○米田正文君 田中君の今の質問に関連ですけれども、この入札差、設計差というものが出てきておるのですけれども、実際にわれわれが現地に行って実情を聞きますと、二十八年の水害につていは、むしろ途中でいろいろと打ち切られたと、そのために工事が、元成せずに困っておるというところがたくさんあります、ということを、現地では非常に言うのです。ということは、当初設計の査定をしてずっと続いてきたものが、六年なり七年なりたっておる間に、再査定をやっていってそのつど相当年限のたったもので、重要性が多少、それが被災当時よりも薄らいだというようなものをだんだん整理していっておるという実情から、そういう結果が生まれてきておるので、むしろ私は査定の問題として考えるならば、当初査定したよりもだんだん減ってきている。むしろ廃工しておる、ある意味では廃工させられておるというようなことで、地方公共団体が結果としては工事を完成しないものが残っておるという実情にあると思う。私はこれが実情だと思う。
 そこで、今ここに出てきておる入札差、設計差というものは、実はこれは事務的な差であって、入札をするときには、かりに一千万円の工事で入札設計をし、それを入札に出すときにはきちっとそれを落札するものではなくて、ある程度のものが事務的に残るということは、これはどうしてもそういう結果になるのです。そこでそういうものが積もり積もってこういう金額になっておるのだろうと思うのですが、災害全体としては、むしろ非常に締められて圧縮されてきておって、当初よりも圧縮されておるために工事が残っておる。むしろ完成しておらないというのが実情だと思う。で、こういうように入札差、差金等が出るならば、これは災害工事の復活にむしろ向けるべきであって、その辺が私は実情だと思う。そういう関係を建設省はどうお考えになっておるか、そのお考えを承る方が早いと思う。
#35
○国務大臣(村上勇君) 私も大体今、米田さんの御指摘になったように、こういう入札の場合の格差というものと、それから当初はこれだけの設計をしたが、重要度によってあの特別立法というものが非常に当時――今日では特別立法は政府が提案してそうしてそれだけの必要性がみんなにわかったけれども、当時の特別立法は、一面には非常に被害者からは喜ばれたが、一面政府側からはこれは異論のあった法案でした。ですからいろいろな解釈で、これは特別立法を適用すべきだというようなところも、建設省の設計では特別立法を適用するというようなのが、結局いろいろに縮められてこういうように大きくなったんじゃなかろうか。全然差がないというようなことは、これはへ間のやることですからできませんけれども、しかしこれだけの今御指摘のような数字になっておるということは、そういう点も幾らかあるのではないかと、私もこういうように思います。
#36
○小酒井義男君 その半面を私は聞いておる。あのときの被害の大きかった地域の出身の議員から、私は名前を言いませんが、前の災害のときに、一番やはりそのあとを振り返ってみてどういうところが問題があったかというようなことをいろいろ私は尋ねたのです。そのときに、やはり相当むだなことがあった。査定においても、何回か査定の仕直しをして、そうして陳情や、いろいろな形でむだ金が相当使われておるということが一つ問題であったということを聞いておるのですが、そういう点は全然なかったのでありますか。
#37
○政府委員(山本三郎君) その問題は当初の要求とか査定におきましては、先ほども申し上げましたように、実地の査定をいたしたものが五〇数%で、実地の査定をしないのが相当ございまして、机上査定したのがございました。そのために額が相当多かったわけでございましてそれらを今度は実際に再査定をいたしまして実地を査定し、さらにその後の状況の変化によりまして減額をしていっております。その結果、総額の査定金も減ってきておりますし、従いまして工事の実施にあたりましては、当初の査定におきましてとるべきものでないものが入っていたようなものは順次落としていっておりますので、実施の段階におきましては、不要のものに事業費を使ったとかいうようなものは非常に少なくなっておるわけでございます。ただ検査院等におきまして指摘を受けておりますが、その問題につきましては、現地で実際しないものを事業をしたというようにしたものもございまして災害でとるべきものでないものが入っておったとか、あるいは中には設計通りに工事ができていなかったというものもございまして、そういう結果手直しをさせたり、あるいは還付金というものが、これは建設省の方は出ておりませんけれども、還付金等が、そういうふうな災害でやるべきでないものをやったというようなものについては、その分は還付金をとっておるというような処置をいたしてきているわけでございます。
#38
○米田正文君 今の河川局長の答弁に関連してだけれども、なるほどそういう査定の過誤等をあとで訂正したという問題はあるかもしれない。これの全体に対する率というものはそう多くはなくて、やはり私は率直にいって、財政上の理由でいろいろと廃工をさして工事を減らしてきたということが一番大きな原因だということを私はむしろ率直に見て今後の災害対策については、災害復旧事業については、実情に合うように、決して実情で必要なものを、予算上の理由で廃工させたり圧縮したりすることのないような措置を講じていくことが私は必要だと思う。そういう点についての建設省の心がまえをはっきり一つ承っておきたいと思います。
#39
○政府委員(山本三郎君) その点は私どもも、先ほど田中先生から、お前が担当者ではなかったかというお話がございましたが、その当時の状況におきましては、やはり建設省が実地査定をしたのが五〇%で、机上査定したのが非常に多かったというような点、あるいは災害関連でやるべき事業を災害でとっておるというような議論が大蔵省との間に非常にいろいろございましたように私は聞いております。従いまして、総額をどれだけに抑えるかという点におきまして非常に議論があったということでございましてそのために建設省は実際のものを査定しておりますが、大蔵省は現地を見ておらないので、なかなかのれんに腕押しというような形で話が行き来しておったというような実情は、私はそばで見ておって承知しておるわけでございます。その後この制度がそれではいけないというような観点から、建設省が査定するに際しては、大蔵省も一つ一緒に立会をいたしまして建設省の査定というものがどういうものであるかというようなことも実情を見ておきまして、実際の査定したものがそれでは金が多過ぎるとかいうようなことがあってはいけなりいので、少なくも現地で工事費を決定することにおきましては、あとでいざこざが起きないようにということでああいう制度が始まったわけでございまして、あの制度が始まってからは現地の工事費が多い少ないという議論はそれからなくなっております。ただ、今もお話しになりましたように、入札の差がどのくらい出るだろうというような点は、その後も議論になっておりましてこの点につきましては、過去三、四年の実績というものを勘案いたしましてそれを数学的に表わしまして、国の補助率、負担すべき金をきめておりますので、それが変わってきますと、これはやはり少しは動きますけれども、これが実情に合わぬということになりますれば、これは改訂してもらわなければならぬ。数字を多少でも動かしてもらわなければならぬわけでございますけれども、実施してみました結果によりまして、そういう数字を基礎にいたしましてやっておりますから、今の状況におきましては、二十八年度当時ありましたようないざこざがないわけでございまして、三十年以後の災害につきましては、大蔵省とも完全に考えが一致しておりまして、三・五・三でやっておりますので、総額に対する事業をどういうふうに執行していくかということは、大蔵省との間に意見の合致をいたしておりますので、このまま強く進めて参りますならば、今回の災害等におきましても、二十八年の際に起こったようなことはないだろう。建設省といたしましても、強くその線を進めていきたいと考えております。
#40
○米田正文君 それに関連して。私は予算委員会のときにも大蔵大臣に言ったのですけれども、入札差金というものが出るのは当然であって入札差金が出たからといって、その何パーセンドかを査定率の中にかけて、それだけ申請額のうちから減らしていく、そして最後の最終見込額というものを出すという考え方は適当でない。なぜなら、入札を事務的に執行していく上土においては、どうしても差金が出るわけで、それが出るからといってそれだけ引く、また翌年また出たからといってまたそれだけを引いたら大へんです。あとになって零になってしまうじゃないか。結局それだけ入札差金を引くというと、工事を圧縮するということであって当然事務的に残るべきものは残してあとで還付するなら還付するという制度が、最も正当な方法だということを私は力説したのですが、大蔵大臣は、これは理屈はその通りだと思うけれども、しかし実際上昨年この方法でやっていっているのですから、まあこの方法を今年もとるという答弁だったのですけれども、しかし私は、その考え方としては、入札差金が出たからといって、当初の申請額からその分だけ率を引いて最終見込額を出すという考え方は適当でないと思うが、大臣のお考えはどうですか。
#41
○国務大臣(村上勇君) 私も全く御意見の通りでありまして、入札差金が出たから、その差金だけ減して一つの予算を組む、そうするとまたこれに入札差金が出てきますので、そういうことを繰り返して参りますと、極端に申しますならば、工事を請け負う者がなくなる状態になってくるおそれがあると思います。従いまして公正な設計による公正な判断によっての予算というものは、これはいかなるものにも左右されない一つの公正なものを出してそれによって入札差金の出ることは、これは私はあえて差しつかえない、かように思っております。
#42
○田中一君 この資料の計数は全部建設省、農林省から出したものだということなのですから、わかっているはずですが、この廃工あるいは中止した工事というものは三十億五千三百万円ですが、これについては資料で出して下さい。
 それから自治庁長官に伺うのですが、地方起債、もう一つは交付金、そうしたものは何ですか、前年度の実鞍を基準として当該年度に出すということになっているのですか、前年度の決算による調整のための交付金というものを考えておられるのか。たとえば途中で二年、三年かかって廃工あるいは中止というような問題があった場合には、それらの問題に対してはどういうふうに扱っておるのか。そういう点のまた実際の調査というものを行なっているのか。これは奥野君でいいのですが、これはどういうことになっているのですか。
#43
○政府委員(奥野誠亮君) 地方交付税の方は、これは御承知のように一般財源でございまして、交付税の交付額を決定いたします場合には、災害の規模等を基礎にしていたすわけでございます。しかしながら、これをどう扱うかということは、地方団体の任意でございますので、使い方のいかんによって減額とか還付とかという問題は起こらないわけでございます。別途に減額、還付の問題は、違法支出等についてはなし得るという権限はございますけれども、お考えのような意味での減額、還付ということは起こらないと思います。地方債の方は、これは特定の費目について認める許可でございます。しかし、実際工事をやったけれどもそれだけ使わなかった、しかしながら、すでに許可額の大きいものだから資金を多額に借り入れておった。調査した結果、それが判明したという場合には、やはり資金を返させるというような措置が今日とられておるわけでございます。そういう意味の調査も随時行なわれております。
#44
○田中一君 その場合にはどっちみち赤字で、過剰な負担を受けておるという場合には、やったことにして、起債だけはもらったということなのか、実際はどうなんですか。そういうことをして還付させたという例は全国的には各所にございますか、毎年、毎年どれくらいございますか。
#45
○政府委員(奥野誠亮君) 会計検査院が政府資金の使用状況を調査した結果、そういう事例があって返させたということはございます。しかし、それはそれほど大きな数字に上っているものじゃございません。ごくやはり例外的にそういう場合があるという程度でございます。
#46
○田中一君 というと、あまりそういう事例はないということですね。そうするとこれは小さい市町村に考えてみれば、この三十億というものは大きいです。三十億五千三百万というものは非常に大きなものですが、会計検査院の検査にしても、抽出検査的なものを全部が全部やるわけじゃない。だからそういうような不正とまでいかないまでも、むだな金の使い方ということになるのですか、あるいはどこへ使ったかわからないということなんでしょうか。私は自治庁としても相当大きな起債の面について実態を調べる、ただ会計検査院が批難したからといって、それではじゃこうするのだということじゃなくして、やはり実態を調べる、調べておられるだろうと思いますが、ただ一般地方交付金そのものはそのままやってしまえばいいのだということ、それはその性格としては、地方交付税はいいとしても、起債の面などには相当狂いがあるんじゃないか。二十八年度の災害全部で四十三億四千百万というものは災害としてこれが廃工あるいは中止というものになっておるのです。この際にはあなたの方では起債とにらみ合わせてどういうことになっておるか、調べたことがございますか。
#47
○政府委員(奥野誠亮君) 地方債の許可額を決定いたします場合には、国の予算に応じて許可額を決定するわけじゃございません。予算が執行された結果について地方債の額を決定するわけでございまして従いましてここに剰余が出ました場合には、剰余をさっぴいた残りの額、これしか配分されておりませんので、その額を基礎にして地方債を決定する場合がございますので御心配のような事態はないんじゃないかと思います。
#48
○田中一君 それも決算によって起債を認めるんですね。
#49
○政府委員(奥野誠亮君) 決算というと語弊があるかもしれませんが、とにかく各省が補助金額を決定したものに基づきまして地方債の額を算定いたして参るわけでございます。
#50
○田中一君 そこで建設省の方にですが、この廃工、中止の三十億というものの一つ資料を出して下さい。
#51
○小酒井義男君 建設省と自治庁に一応お尋ねいたしますが、先日の特別委員会で他の委員からもちょっと質疑に出たことなんですが、風水害の激甚地の中で特にひどいところですね。同じような今年度中に二回にわたって災害を受けたというようなところは、一回の激甚地よりもさらにこれは深刻な影響を受けておるわけです。そういう地域に対して補助なりあるいは自治庁の起債なりというようなものは、特別なものをやはり考えてやらなければいけないのじゃないかというふうに思うのですが、建設省の工事の扱いでも具体的にはどういうふうなことをお考えになっておるか、承りたい。
#52
○国務大臣(村上勇君) たとえば根古地の輪中地区についてだろうと思いますが、この地区のごとき、わずか一月もたたないうちに再び破堤してまた冠水を見たというようなところにつきまして、特別な措置については、私の知る範囲ではないのですけれども、しかし、あの地域の仕事の方法については十分再検討いたしまして、ああいうことを繰り返すことのないような方法をやるということが第一でありますが、二度の災害によって新しい被害を二度受けておるとすれば、これは新しい部分に対しては当然立法によっても措置する必要があると思っております。しかし、前、水の入った、一週間入っておった、今回もまた一週間入っておった、しかもそれがちょっともそれによって大した特別の異常のないものに対してはこれはやはりこの法の尺度によってすべてを決定することになると、私はこう思っております。
#53
○国務大臣(石原幹市郎君) 起債の方は、この事業量がきまって、それに基づいてつけていくわけですが、特別の何という問題が起こり得る余地がないと思いますが、特別交付税のっ配付にあたっては、これは十分そういう事情を勘案いたしまして裁量のきく範囲内で、できる限りの措置をしたい、かように思います。
#54
○小酒井義男君 建設大しにまずお尋ねいたします。あとの再度災害を受けたところですね。これは今度の法律によっては山梨県方面にもそういうところがあるようです。私は特定の地域をあげておるのです。その前の、再度受けるまでに使った費用ですね。こういうものはやはり国の方で見てやるというっ必要があるのじゃないかと思いますが、そういう用はもう十分なんでしょうか。
#55
○政府委員(山本三郎君) 前に使ったものにつきましても、いずれも災害の金額の中に入れまして、国の負担をいたすように考えております。
#56
○小酒井義男君 前の使った費用というものは、全部やはり持ってやるという形にしてやらぬといかぬのじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう。
#57
○政府委員(山本三郎君) 山梨県等におきましては非常に高率の負担になりますので、ほとんど国の費用――九割六分くらいが国の費用になりますので、ほとんど国の負担ではないかというように考えております。
#58
○小酒井義男君 それから自治庁の方では、普通のものに対しても何らかのプラス・アルファというものは考えておるのだと、プラス・アルファにはなるのだ、こういうふうの御説明だと思うのですが、いいでしょうね。
#59
○国務大臣(石原幹市郎君) 特別交付税の配付については、それを考えていいと思います。それから起債の方は、今建設省でお答えになった、まうに、いろいろ分量がきまっていきますから、それに基づいて起債をつける、こういうことになるわけでございます。その御心配はないと思います。
#60
○小酒井義男君 それから次に、建設と運輸省がいらっしゃるが、建設省、運輸省なんかの関係する工事でございますね。これは私は、計画は各省で相談をされてそうして工事はどこか一ヵ所でやるということが能率的で経済的じゃないかという考えを持っておるのですが、今急にそこまではどうも行きそうにないのです、現状では。そこで今度の災害の関連の工事をやる場合に、今まで何か技術的な方面の打ち合わせということがやられてきておるのか、今後これが完成するまでにどういうような連絡といいますか、あれをもって進められていくのか、今までの経過と、これからどういう方向で、構想でやられるかということをお聞きしておきたいのです。
#61
○国務大臣(村上勇君) それぞれの所管に分かれておりますが、しかし関連している事業の場合には、各主務大臣が会って、相談いたしましてそうして、これはどうしても一省にまとめてやることがすべてに便利であり、またその方が非常な得策だという場合には、相談の上、主管大臣を一つのある特定の主管大臣にまかしてやるということもでき得ますので、その点につきまして、まあ何もかもそうというわけにはいきませんが、特殊な場合にはそうついうこともわれわれ十分取り入れて参りたいと思っております。
 それから設計等につきましては、非常に、度の設計であり、それにまた将来確信を持たなければならないような、たとえば伊勢湾等の防潮堤等の設計等につきましては、これはもう十分、ただ単に建設省だけで勝手な設計をきめてやるということでなく、これに関連する運輸あるいは農林、これらと十分連結をいたしましてそうして協議の上で、抜本的なものを作っていくということが望ましいと思いまして、今回も高潮等の対策に協議会をこの三省の間に持ちまして、内閣審議室に各省からの練達たんのうな技術家が集まって、それぞれ協議を整えておる次第であります。なお十分確信を得るために、それだけでもまだ不足があると考えまして、民間の学識経験者にも相諮って、その上ですべての構造あるいは強度等については十分研究した上で仕事に取りかかりたいと、こういうことで現在その仕事を進めつつあるところであります。
#62
○小酒井義男君 それで予算はそれぞれの各省が要求になるわけだと思うのですが、この場合ですね、こういうときに、やはり最終的な工事が、同じ形でといいますか、それが関連をして効果のある工事を行なうという建前で、予算はそれぞれお取りになってそうして技術的な問題等では連絡協議の上で技術的なものはきめる、そして工事をやっていくのだ、こういうことになると思うのですが、予算の取り方などでもそういう点は十分連絡をとっておやりになるのでございましょうね。
#63
○国務大臣(村上勇君) 予算の相手方は結局大蔵省でありますから、その仕事の設計、立地条件等が全く想ひとしいものでありますならば、これは同じ国の施設に予算に甲乙はないと思っております。従いまして、各省ともにこの予算につきましては、何ら私は大きな、立地条件が同じであるならば差異は生じないものだと、かように考えております。
#64
○小酒井義男君 それから、こういうことを聞くのですが、海岸堤防などは、以前は赤土や粘土というようなものが使われておったのが、予算単価が非常にきびしいので、砂が最近は使われておる。それが水害なんかの場合に非常に大きな弱体になっておるのじゃないかというような話を聞くことがあるのですが、そういう点はどうなんでしょう。
#65
○政府委員(山本三郎君) やはり一番堤防の問題は、波が来た場合に表面から浸蝕をされまして堤防がくずれるというのが多いわけでございまして波が上を越しまして、裏が土であるような場合には、一たまりもなくこわれてしまいます。今回の災害におきましても、前の方はコンクリート等で作っておりますから、それからやられたのは非常に少ないわけでございまして波が上を越して裏からやられたのが多いわけでございまして、その際に、裏の土がやはり砂等でありますると、くずれる度合いは多いわけでございますが、それも非常に問題ではあると思いますけれども、何といたしましても、やはり表面を浸蝕を受けないような方法にしなければならぬ。この点に関しましては、やはり砂であろうと土であろうと、そう抵抗力は変わらぬわけでございまして、私どもといたしましては、どうしても波をかぶる、直接当たるところはもちろんでございますけれども、裏側におきましてもコンクリート等を張りまして、波によって浸蝕を受けないような方法を考えなければいけないというふうに考えております。
#66
○小酒井義男君 運輸省でおやりになっておった関係はどうなっておったのですか。今までコンクリートの内側というのはやはり砂ですか。
#67
○政府委員(中道峰夫君) 今河川局長が答えられた通りなんでして運輸省でやっておりますものも、やはりコンクリートで頂部、それから堤体背後ののり面を囲ったものはほとんど被害を受けておらないわけです。従来でもそういった工法のところもありますし、それからそのところの状況によりまして、土で、それにしばを張りまして固めていくというふうな工法をとったところもございました。
#68
○小酒井義男君 何か今度の災害で、建設省と運輸省と農林省ですか、こういう工事の境目といいますか、そういうところに非常に決壊の個所が出たというような話を聞いておるのですが、そういう事実はお認めになりますか。
#69
○政府委員(山本三郎君) そういう点よりも、地形的に申しまして、非常に堤防が曲がっておったというようなところは、やはり波が集まって参りまして、そういうところはやられている傾向があるわけでございます。それで主として今回のやられたのは、コンクリートで巻いてあるところは、高さのいかんにかかわらず持っておる。巻くつもりでおったのがまだ巻かれていないようなところが、表だけ巻いておって上とうしろの方がまだ残っておったというようなところがやられておりまして、今回の実績にかんがみましてどうしてもこれは全部巻かなければならぬというふうな結論に私どもは到達しているわけでございます。
#70
○小酒井義男君 それは各省ともやはりそういう方針で計画を立て、予算の要求をされるという連絡はとれておるんですか。
#71
○政府委員(中道峰夫君) 先ほど建設大臣がお話しになりましたように、対策の協議会が開かれております。そういうことで各省連絡して、統一して計画もし、設計も進めておるわけでございます。
#72
○小酒井義男君 もう一つ建設大臣、これもやはり運輸の関係があると思うんですが、これは具体的な話になるんですけれども、伊勢湾が御承知の通り臨海工業地帯で、埋立計画があり、あるいは製鉄会社の建設が予定され、これから港湾としても、あるいは工業都市としても、いろいろな計画を持っているわけなんですね。そこで災害の復旧もやはりそうしたあそこの工業やあるいは交通関係などというような問題にまで関連をさした総合的な復旧といいますか、改良計画が当然必要になってくると思うんです。そういう点について、今回の災害の復旧とそれらの問題とを関連を持たして計画をお立てになっておるのか、そういう構想があるのか、承りたいんです。
#73
○国務大臣(村上勇君) あの地域における災害復旧につきましては、たとえば名四国道等のこれから事業を始める、しかもそれが海岸線を通るというような場合には、これはすべての堤防の上を通るというわけにはいかないと思いますけれども、御承知の日光川の逆水門等は、これは十分強固なものを作りまして、幸いに名四国道の通過地点でもありますので、そういう場合には国道もこれに併用するというようなことにすれば、一そう強固なものになり得ると思っております。その他の地区におきましても、でき得る限り関連するものにつきましては、その堤防の強化の上からも、そういうものも合わせて考えて参りたいと思っております。
#74
○小酒井義男君 運輸省はどうですか。
#75
○政府委員(中道峰夫君) 伊勢湾の臨海工業地帯が最近非常に進展をしておるわけでございまして、中京地区としては大きな期待をかけて整備を進めておるわけでございます。で、御承知のように東海製鉄が知多半島の地区に建設の予定をしておるわけです。さらにそれに続いてそれよりも南の地区にも埋立計画がございます。そういうことで伊勢湾の特に名古屋付近はどうしても臨海工業地帯、港湾等についてはこの災害の状況にかんがみましても、これを安全に守らなければならないということで、まあ運輸省といたしましては、知多半島の側はただいま申し上げましたように埋立地がもう予定されているようなことでございますので、それを利用いたしまして、それに加えて防波堤を突き出すというふうなことにすることが非常に効果的ではないか。それでさらに西の方の海岸につきましても、これに対応してやはりここも埋立地の計画がございます。まあ伊勢湾の今回の災害で名古屋地区ではいろいろ大型船舶の座礁が相当あったわけでございます。また流木、それから沈船、港内の船舶の流出というふうなことがございますので、どうしても重要地区については単に堤防だけでは危険ではないか、これを防波堤によってそういった危険な状況を除去したい。それから台風の波浪と申しますものは、非常に異常な現象を呈するわけでして、特にあのような込み入った地形に対しては、個々について非常に複雑な波浪現象を起こす、従って海岸地区でこれを防ぐということは非常にむずかしい点が出てくるわけでございます。それでこれを防波堤によって事前にこの勢力を減殺してしまうということが、非常に効果的であるというふうにまあわれわれの方は考えているわけであります。簡単に申しますと、大きな一万トンくらいの船舶がぶつかるということになりますと、防波堤であれば、こわれましても大してどうということもほかにないことになりますが、陸地でありますというと、非常に大きな支障をきたすというふうなこともありますので、ああいった地形については防波堤の築造、これにより波浪なり、あるいはその他の危険物の防護をする、合わせて港内はこれによって平時平穏に保たれる。従って臨海工業地帯等においても、各工場は安心していろいろな施設を持つことができますし、また企業家も安心してそこに投資することができるというふうなことも考えられますので、そういうふうな計画をしているわけでございます。
#76
○小酒井義男君 これは一度工事をやりますと、あとを変更するというようなことがなかなか困難な事情もできてくるわけですし、経済的にも非常に不経済なことになるのですから、総合的な観点で一つ御検討をいただきたいということを御要望を申し上げて、建設省に対する質問はまだありますけれども、これはあとでまたお尋ねすることにして、私は運輸省等との関連の質問はこれで一応終わりました。
#77
○田中一君 あなたの力の築堤ですね、海岸堤防をやる場合に、それからことに防波堤等をやっていく場合に、大体ケイソンでやっていくのですか、ケイソンで、沈め石式のものでやっていくのですか、その場合に基礎をどうしていますか。
#78
○政府委員(中道峰夫君) これは御承知と思いますが、地形、地質等によりまして工法がいろいろあるわけでございます。今その現地の実情、個々について申し上げる段階でないと思いますが、普通といたしましては軟弱地盤の場合は特殊に基礎を固める工法をとらなければなりません。しかし名古屋の、今の伊勢湾の地区ではそれほど軟弱とも考えられない。従いましてまあ普通の工法としては捨て石を下に敷くわけでございます、基礎としては……。それからもし地盤が悪ければそこのその悪いヘドロのようなものを除去いたしまして、砂に置きかえる、さらに悪いときはくい打ちをするというふうな、それからもっと悪い場合は軟弱地盤を、最近のサンドレン工法というのがございますが、砂のパイプのようなくいの工法で固めていくというようないろいろな工法があるわけでございます。そういうもので基礎を固めまして、その上に今度は防波堤の堤体を築造する。この堤体の構造は、まあ現在のところではケーソンが一番有効ではないか。非常に延長も長いし規模も大きくなりますと、どうしてもそれを早く安く確実にやるという点ではケーソンが一番いいんじゃないか。それからケーソンだけでは不安なところがありますから、それをさらに根固めをするわけでございます。それには、昔は、昔といっても現在でもやっておるかもしれませんけれども、基礎にコンクリートのブロックのようなものを積み看ねまして補強をする。しかし、最近は、テトラポツトと申しまして四つの足のコンペイトーを大きくしたようなものがあるのでございます。フランスの特許になっているのでありますが、そういうものを使いますと、非常に効果的に働くということで、そういう工法を考えております。まあ地形なり地質なりによりましていろいろなことを考えて、一番安く確実に有効にということをねらうわけでございます。
#79
○田中一君 どうも、安く確実にというのはなかなか困難でしてね。岩盤までおろしているということはしてないわけですね、現在は。
#80
○政府委員(中道峰夫君) 岩盤のある所とない所とあるものですから、岩盤があればそれは今度岩盤に対する工法というのがあります。ですが、普通多くの場合、岩盤のある所は少ないので、砂地が多い……
#81
○田中一君 岩盤のある所は少ないなんということは考えられませんよ。どこでそういうこと言うのですか。岩盤が深過ぎるということはあるけれども、岩盤がないなんということはないですよ。そんなめちゃくちゃなことを子供だましに言っちゃだめですよ。
#82
○政府委員(中道峰夫君) 私の申しましたのは、防波堤を築造する個所について申し上げたのであります。岩盤はもちろん深く行けばあると思います。
#83
○田中一君 そこで、これは御承知の科学技術庁の資源調査会でずいぶんいろいろ地盤調査をやっておりますが、ケーソンもふっ飛んでいる場合が相当あるですね。むろんあんなコンペイトーみたいのものも飛んでそこから相当の距離まで流されたというものもあります。で、一体あなたの方が安くよくという考え方は、岩盤に直接基礎が届いていれば、これは割合に丈夫なものらしい、そこから打ってくるならばですね。どうなんです、何メートルぐらいのところが一番あなたの考えている――一般の民間企業ならば、これは採算ベースも考えますけれども、国として考える場合には、どの辺が一番あなた方が考えている安くてよくということになるのですか。
#84
○政府委員(中道峰夫君) 安くてよくというのは、つまり、設計としては、むやみに工費をかけるということじゃないので、外力に対して十分安全であるということが設計の基準になるわけでございます。そういうことで設計をする。今のお話の、どの辺の深さが安全であるかという点は、お話しのように、岩盤がありますれば、そこへ直接乗せて、それを固めていくというのが、これが一番安全なわけでございます。その岩盤の深さが非常に深いということになりますと、そうすると、それまでに達するのにくいを打つとかあるいは土が悪ければそれを取り除くとかいうことで非常に工費がかさんでくるわけでございます。ですから、一がいには申されないわけなんでございますが、われわれ普通に今までやって参りましたのから申しますと、砂の場合ですと、どうしても海底まあ五、六メーターくらいのところが一番いいんじゃないかと考えますが、それ以上になりますと、非常に大きな泥の置きかえをやったり、くい打ちをやったりしなければならぬ。ですから、岩盤が近ければ近いほどそれは安全だということにこれはなります。
#85
○田中一君 今度の三県下の海岸堤防の問題にしても、基礎をどの辺までおろそうということなのか。これはもうたとえば岩盤までやりますということが一番いいのでしょう。だけれども、それが相当深い所、三十メートル、四十メートルという所もあるかもわからない。おおむね湾というやつは、大体どこでもこれは川が山から土を持ってきた埋立地なんですね。自然の埋立地なんですよ。従って沖積層が非常に深いということが言える。これが何万年かたってから――あなた方専門家だけれども、僕は本を読んで知ったのだけれども――岩盤になる。従って地盤沈下ということは絶えず行なわれているということです。何十年にどのくらい沈下するか、自然沈下というのはどのくらいあるか、ちょっとわからんけれども、とにかく地盤沈下ということは絶えず行なわれているということです。そこで、そういうものに対処して、かりに岩盤まで行くことがとても金がかかってだめだというなら、どの辺が安くてよいという考え方で今度の海岸堤防を立てようとするか。これは大問題なんですよ。何万年前から自然というものはやはり人間の力以上のものがあった。きのう、中曽根君は、今日では月の表側も見れるのだから自然を克服できるんだという大みえを切っておったけれども、それは議論としてはけっこうでしょう。しかし、何といっても、われわれは大自然の圧力で常に脅かされている現実を知らなきゃならないんですよ。今度の海岸堤防でも、私が心配するのは、少なくとも今小酒井委員が質問しているような臨海工業地帯の地盤というものは、もう全部が全部、きのう資料を各大臣に差し上げたのですが、全部が全部沖積層だということです。いわゆるかつての河川の扇状地だということですね。具体的に言えば、埋立地だということ、自然の埋立地だということです。この上に堤防を築造する場合、今決める言さだけでは永久じゃない。岩盤ならば大体永久でしょう。しかし、岩盤に届かない基礎を持つものは、これは永久じゃないんです。地盤沈下は必ず起きているんです、現に。きのうも資料として配布した中にも言っているのは、臨海工業地帯というものは、あれは河口というものが全部高潮常習地域なんです。これは本から調べてみたところが、五十年間の統計を見ますと、五十年に三回か四回か必ず高潮を食っているんですよ。これは日本で何十カ所とあるところの臨海工業地帯が全部食っているんです。むろん岩盤が出ているところの海岸線は一向差しつかえはございません。しかしながら、今言う沖積層の区域がおおむね多いんですからね。これが船がとまるにしても一番仇利ですから、そういう所へ堤防を造るという場合、今あなたのおっしゃっているような五メーターくらいの所に基礎を置くのだなんという考え方では、またやられるんです。同時にまた、台言風が来ないでも、自然沈下が行なわれるんですよ。そこで、そこに工業地帯というものが形成されれば、今度人工的な地下水のくみ上げ等が行なわれて、人工的な、人為的な地盤沈下が行なわれるのですよ。あなた方良心的に今の段階で非常にいいんだと言っても、これは永久ではないのです。再び築造したところの堤防は沈下する。高潮が、何メートルのものがくるかどうかはわれわれ人間としては予測できないのですよ。従って必ず高潮に襲われる宿命にあるということは言えるのです。これを守るのにどうするかということが今回の災害によって与えられた教訓だと思うのですよ。ただ現在のままの姿でもってこれを改良すればいいんだということでは、これはならぬと思うのです。もしも建設省なり辻輪省なりあるいは農林省が抜本的な対策を考えないでやるならば、あなた方は台風待ちなんです。災害待ちなんです。災害がこなければわれわれは月給もらえないから、台風くるのを待っているのだというのにすぎないのすよ。これは大問題だと思うのですよ。ただ単に東海――伊勢湾をさしているのじゃございません。ことに当面の伊勢湾の場合には、どういう形でいくかということを私はほんとうに伺いたいと思うのですよ。これは予算の範囲とか何とかいうものじゃなくて、常に僕が言っているように、技術家が技術的な良心で、これをもとにして最善の道をとらなければならないと思うのです。ですからこれは前田政務次官がおられるが、そういう点、きのうも僕は持ち時間がないからなかなかそこまで言えなかったが、実際村上さんも、再び作風を待つならば何をかいわんやなんです。ことに今あなたが言っている、名神国道を作って臨海工業地帯なり帝業計画をもって、あそこに都市を作ろうということなんでしょうから、そうなればまた人為的な地盤沈下が推進されるということです。これはもう新潟市の地盤沈下で明らかですよ。これは学者がみんな言っていることなんですよ。学者の言うことを絶対に耳に入れないのが今の岸内閣だと思うのですよ。ほんとうに入れてない。そうして政治家の言うことなら何でも聞くのです。羽島の原っぱの中に停車場を作るなんというのは最近のいい例ですがね、人口はどのくらいあるか。羽島から岐阜に走るのと、それから名古屋から岐阜に行くのとどっちが時間が近いかといったら、名古屋から行った方が近い。道路もいい。名古屋でおりて自動車で岐阜に行った方がずっと近い。現在羽島市から岐阜に行く自動車道路なんかありゃしませんよ。そういうようにあなた方は政治家の圧力には屈するけれども、村上さんは半分技術家なんだから、そういうことはないと思うが、実際あなた方は技術家の良心というものからこれはほんとうに考えておかなければならぬ。だから今度の災害によって与えられた教訓、これはまず技術に良心的であれということです。きのう小酒井さんか、だれだったかが、ロッキードを少しこっちに回したらどうかと言っておりましたが、これは素朴なる国民のほんとうの声です。今度破堤した所にどんな築堤をするか、ただ単に改良を施すだけでは、再び災害が来るということを予想するよりも待っているわけです。台風待ちなんです。これを一つはっきりした態度を示していただきたいのです。これは前田さん、それから村上建設大臣から……。
#86
○国務大臣(村上勇君) どうもお説教にしては少し実があり過ぎるし、私は田中さんの御意見だと、こう拝聴いたしております。少なくとも近代技術家が近代技術の粋を集めて今回抜本的なものをやろう、しかしそれは絶対に永久的でない、こういう御意見はこれは地球のことはどうなるかわかりませんから、私とすれば、あるいは永久的でないかもしれないととれるかもしれません。少なくとも近代技術と申しますつか、今日の科学から考えて私としては絶対に再度災害を受けるようなものは作りたくない。それができないならば、むしろ放置する方がいいというくらいに私は強い決意を持っております。もとより国の予算というものは、これはわれわれとしても十分――為政者の最も大事なことでありますが、しかしながらああいう一台風で何千人という犠牲を、再び今日のわれわれの責任からいってこういうことを繰りかえすようなことがあっては全く私は……。民主主義の原則というのは何か、それは私は人権の尊重である、人権の西丑とは何か、それは人を殺さないことだ、まあ戦争もあっちゃなりませんが、戦争でもないのに、一台風で何千人という人を殺すというようなことがあってはいかない。均衡財政も大事であるけれども、いわゆる健全財政とこの基本的人権の尊重ということはどちらが先かというと、私をもって言わしめれば、この問題はどうしてもまずわれわれ十分科学的な検討をした上で、今日の科学技術の粋を集めて、今後こういうことのないように人権を尊重しなければならない、かように私は思っております。従いましていろいろな今の参考になる御意見は十分私ども拝聴いたしました。
 なお今、田中先生のお話のように、もとよりわれわれは学者の――いわゆる民間の各大学、あるいは研究所等の学識経験者の御意見も十分尊重してまた建設省にしてもあるいは運輸省にしても農林省にしても、それぞれそこの技術面のエキスパートがおりますので、ただすべてを学者にまかすというような無責任な態度はとらないのでありまして、あくまでも三省相寄って十分検討した上で、その上上でなおもう一つ学識経験者に御相談してそうしてこれならば国の経済からいっても何からいっても、この程度にやれば心配はないというものを、私は今回だけは何としてもしそういう基礎の上に打ち立てるものでなければ、人権尊重というようなことは、これはもう絵にかいたもちになりますが、そのくらいの熱意をもってこの問題に臨みたいと思いますので、その点何とぞよろしくお願いいたします。
#87
○政府委員(前田郁君) ただいま建設大臣からいろいろお話がございまして、全く運輸省としても同感でございます。私の個人的なお話を申し上げるわけじゃございませんが、私の選挙区は災害の常襲地帯になっております鹿児島県の大隅半島でございまして、毎年被害を受けまして、どうしてこの問題が解決しないかということで、ずいぶんこれは今までも主張して参ったのでありますが、今度伊勢湾台風から国会の皆さまが真剣にこの問題をお考え下さいまして、まことに私はうれしく感ずる次第でございます。ただいま、運輸省の政務次官になりまして大臣のもとに働いておるのでございますが、ただいまおっしゃいましたことをもう身で体験しておりまするから、できるだけのことをいたすつもりでございまするが、なお、今後とも皆さんの絶大な御支援によりまして、一日も早くこの対策は完了するようにさしていただきたいと、こう考えておる次第でございます。
#88
○田中一君 そこであらためて申し上げますが、私この間三重県下の四日市、桑名の一部を除いて歩いてみますと、堤防をなくした方がいいんじゃないかという考え方も出るんですよ。ある地区では、ほんとうにそれを痛感したんです。そうして、あなた方が、今までの築堤――これはもうきのうもだれか言っていたように、幕府時代からの築堤があるというんですね。そうなると、それに対するボーリングというものはしていない。実地調査してないはずです。これは私は河川局長にも計画局長にも、それから港湾局長にも農地局長にもお願いしたいのですが、今度築堤する個所の実地調査をしていただきたいと思うのです。必ず全域にわたってボーリングしなければなりません。おそらくあなた方していないと思うんです。そうしてその岩盤までの深度というものはどのくらいあるかということです。かりっにあと五メーターいけば岩盤に届くんだという場合には、一律な――大体そんなにじぐざぐにいくはずはありませんから、岩盤層にぶつかれば――岩盤層はあると思うんですよ。とにかく泥がかぶさってでき上がった地盤だと思いますから。それには必ず岩盤まで届く予算を皆さんの方で要求することですよ、その方が得なんだから。今、村上さんが言っているように、国民の生命を守るのも、財産を守るのも、日本の産業を守るのもしなければならないことなんですからね。そこでもしでまない場合には、放棄するということが一つの方法じゃないかと思うのです。築堤を、ある一定の築堤にしておいてあとは二段がまえの方へ引いて、とにかく傾斜があるのですから、引いて、そこに、地盤を十分調べてこの地盤ならば心配ない、経済的に一番いい地盤だということを発見したならば、そこに引く。これも一つの方法じゃないか。とうてい自然とけんかして――中曽根君はこれは超偉人ですから、もう天体とけんかして何年もやるんだと言っておりますから、これはいいでしょう。私は凡人ですからできません。あなた方も私と同じように凡人だと思うのです。そういうものもはっきりと表明するのが――これは悪いんだから、これは危険だからこうするんだということならば、地元民も了承すると思うのです。そういう点について、僕はまず、今後もありますから、第一に旧幕時代から作った堤防があるなら、その堤防もボーリングすることです。学者がみんなしたがっているけれども、金がないからできないんです。せめて民間からの寄付を集めてやっているわけなんですね、全部。それから臨海工業地帯の各工場等が、自分の工場等を検討する場合に、地質検査したもののデータを集めてせめてもの勉強をしているのです。これは全国的に一つやっていただきたいということを僕は要望したいと思うのです。
#89
○国務大臣(村上勇君) ある一つの重要な施設をやる場合に、その地盤ぶどういうものであるかということを見きわめることは最も大事なことでありまして、しかも、あの地帯は、濃尾地震とかあるいはいろんな地変によるところの地盤沈下のおそれがあり、また、地盤沈下しつつあるところのようにも承っております。従いまして十分ボーリング等による地盤の調査をして、そして砂上の楼閣でないようなものにいたしたいと思っております。多少の経費も要りますが、これは、それをやらないでいかに水面から上を高くいたしましても、もう一朝事あった際に何の力にもならないと、こうも思いまするので、十分、その点につきましては、田中委員のただいまの御意見を尊重して参りたいと思っております。他の地区につきましては、順次その必要度によってそれぞれ調査をいたしておると思いますけれども、なお回そう積極的に調査して参りたい、かように思っております。
#90
○田中一君 大臣は、調査していると思うと言うのですけれども、三十四年度のどこにそんな予算がついている、臨海工業地帯の地盤……。
#91
○国務大臣(村上勇君) 三十四年度にはついていないと思いますが、しかし、国土保全のために、従来、東京湾にしてもあるいは大阪湾にしても、私は、地盤の調査は十分できていることと思います。しかしながら、なお積極的に調査をして参りたい、こう思っております。
#92
○田中一君 調査ができてないですよ。何にもないですよ。河川局長はどういうふうに思っているかしらんが、できていないですよ。
#93
○政府委員(山本三郎君) 今大臣の申し上げましたのは、地盤沈下の激しいと目されております東京、大阪、新潟等につきましては、それに応じまして地盤沈下対策をやっておりますけれども、全国的にはまだやる段階に来ておりませんから、それらにつきましては、できるだけ重要な地区からやりたい、こういう考えでございます。
#94
○田中一君 そこで、そうなると、建築基準法で災害危険区域ということを指定して、いろいろ、名古屋市内の今度は湛水地域ですね、これなんかの問題も大体解決するようなことに、これはなるのじゃないかと思うのですよ。たとえば、この公有水面理立法でもって地方団体に埋め立てを許可する。これは、何というか、くずとかいろんなものを捨てるために、捨て場を求めてやってきたのが今までの海岸埋め立ての実情なんですよ。そして、それを、地方財源をカバーするためにすぐ売ってしまったのですね。まあ利潤は上げないでしょうけれども、相当な価格で売ってしまったのですね。だから、そういうようなものに、住めればいいのだから、堤防があれば住めるのだから、求めていくわけです。今のままの姿ですと、やはり、今度、湛水された量以上の地盛りをしなかったから危険でしょうがないという不安を持つわけですね。これらの問題を解決しなきゃならないわけですよ。ですから、そういう問題は、基本的な堤防の強さ、安全度というものがはっきりして築造されたなら、セロの地域でも、そのままでも排水さえうまくいけばいいじゃないかということも考えられるのですよ。特別な排水の方法をとってやればいいじゃないか。水は低い方に流れるのですよ。そういうことは考えられるわけですよ。個人の堤防を作ったっていいじゃないか、輪中を作ったっていいじゃないかということも考えられる。さもないと、この間も僕は建設委員会でだいぶやかましく質問しておきましたが、地方公共団体が公有水面の埋め立てをして、これを市民に売ってしまって、そうして今度のような問題が起きて、とてもそれはもう住むにたえぬ、放棄しなきゃならぬというような状態に陥った場合の責任はどこにあるかということを、僕は建設省に向かって追及しているのですよ。公有水面埋立法という法律は、これは単なる手続法なんです。そうして、これは、地方公共団体というよりも、都道府県の長官が認可権を持っているのですよ。不良品を売ると同じなんです。地方公共団体が不良品を売っちゃいけないのです。何がために長官になっているか、行政官の名を与えてあるかということを考えますと、そんなものであっちゃならぬのですよ。私は、公有水面埋立法を絶対に今回の機会に改正すべきである、そうして全国的な許可をしているところの埋め立てば、これはもう一ぺん検討すべきであるという工合に考えております。築造基準ぐらいはきめなければならぬと思うのです。道路法における道路構造令と同じように、公有水面埋立法に基づく埋め立ての許可に対しては、それはどの程度港湾を害しないような程度にしなければならないか、ということをきめるべきだと私は考えている。こういう点についても僕は、今の一応水を入れないという安全つな堤防の築造によってそれらの問題も多少緩和される、というような考え方をしておりますから、どうか一つ今度の場合にはそこまでのことを一つ考えていただきたい。そのための予算の要求は当然技術的な良心をもって要求してほしいと思う。こんなことは年々歳々何千億の、大体まあどのくらいなんだろうか、二千億程度はあるでしょう、平均すると、これは個人災全部含めて。こんなものは毎年々々あっちゃたまらないです。これは踏み切ってそこの村上さん、大臣は、あなたいつも言う通り長くないから、あと三十五年度の予算が通ればだっとやめてしまうから。私はあなたに二年も三年もいていただきたいのだ。だからいるうちに一つがっちりと対策を立てていただきたいと思う。
#95
○国務大臣(村上勇君) 四、五年はやるつもりです。
#96
○田中一君 いて下さい。それから宮崎君、これは資料拝見しました。ちょっとこれは説明していただきたい。
#97
○説明員(宮崎仁君) 大へん遅刻をいたしまして申しわけございません。お手元に差し上げました「二十八年災害復旧事業費のうち河川等及び農地、農業用施設に生じた還付金及び剰余金等に関する調」という表につきまして御説明を申し上げます。で、御承知のように二十八年災害は非常な大災害でございましたために、その復旧は二十八年度から本年度三十四年度にわたる相当の長期間にわたって工事が行なわれるという事態になったわけでございますが、その間におきまして使いました予算から見ましてどの程度の剰余金が生じたか、またそれがどういうような理由で生じたか、そうしてまたその生じた剰余金がどういうふうに使用されたか、大体こういう御趣旨の資料の御要求であったというふうに私ども理解をいたしましてこの表を作ったわけでございます。あるいは田中先生のおっしゃいましたお考えに合わない点があるかとも思いますが、一応この表につきまして御説明を申し上げます。
 まず建設省の河川等というのがございますが、これは建設省の所管いたします公共土木施設の補助事業の分でございます。で、これにつきましては、当初査定額という一番右の欄に千百十九億六千百万円という数字が載っておりますが、この数字も建設省の方からいただきました資料によりまして当初の査定事業費、つまり地方の負担を加えました事業費におきまして、千二百四十億三千四百万という数字になっておりますが、これに対しまして二十八年災は九〇・二%という平均の国費率になっておりますので、この平均の国費率を掛けまして、私の方として予算の数字として一応推算をいたしたものでございます。で、千百十九億という当初の査定額に対しまして、その後三十三年度までの実施、及び三十四年度は現在実施中でございますので、まあ一応の見込みの数字を教えていただきまして上げておりますが、それから見てみますと、まず左側の剰余金という欄にございます設計差額として三十二億七千万、入札差額として二十七億四千二百万円、合計六十億一千二百万というのが一応剰余金として出た勘定になります。また工事の廃工中止等によりまして、予算が必要なくなるという事態になりましたものが三十億五千三百万でございます。これ以外の剰余金を災害関連等に振りかえて使用いたした分が九億五千九百万でございまして、以上合計いたしますと、全体で百億二千四百万円に相なります。これだけのものがこういった剰余金として出て参ったということになっております。なお二十八年災害につきましては、御承知の通り、二十九年から三十一年にわたりまして当初の査定が非常に急いでやりましたためにいろいろ手落ちもあった、ということで再査定の実施が行なわれておりますが、それによりまして公共土木施設関係につきましては、百十七億一千七百万円の再査定による減額がございます。そういったことがございますので、合計いたしますると予算の実際に実施する金額といたしましては、この千百十九億の数字に対しまして約二百十七億が減額されて実施されたと、こういう形になっております。次に農林省の農地及び農業用施設について見ますると、河川等の場合と同様の定義によりまして計数が上っております。すなわち当初査定額は農地、農業用施設が合計いたしまして六百十一億二千万円、これに対しまして剰余金等として出て参りますものが、設計差額で二億一千四百万円、入札差額で一億四千九百万円、合計三億六千三百万円となっております。それから廃工中止というようなことによりまして予算が余りましたものが十二億八千八百万、それからこのうち現実に国庫に還付金としてかえって参りましたものが一億八百万円、それから災害関連に振替供用されたものが二億四千二百万円でございまして、以上を合計いたしますると二十億百万円と相なりまするが、これ以外に建設省の場合と同様に、農林省の農地、農業用施設につきましても再査定が行なわれておりまして、再査定による減額は二百億四百万円という数字が出ております。従いまして、当初六百十一億二千万円の査定額に対しまして、実施の段階で約二百二十億円の減額が行なわれておる、こういう形になっております。なお、この剰余金あるいは廃工中止等によって予算が必要でなくなったものは、法律上は国庫に還付されるのが原則でございまするが、たとえば公共土木施設国庫負担法によりますると、国庫負担法の第十二条の二項によりまして、剰余金等が生じた場合において、主務大臣の定むるところによってこの使用をすることができる規定がございます。従いまして、従来の慣例もありましてこういった設計差額、入札差額あるいは廃工中止というようなことによって予算が余りました場合には、これを他の必要個所に振替をいたしまして、災害復旧事業の促進を行なっておるというのが実態でございまして実際上は国庫に還付される資金というものは非常にわずかになっております。
 建設省関係につきましても若干の還付金が出ておると思うのでございまするが、ちょっと決算上の計数が把握できないものでしたから、ここに棒を引いてございますが、その分は先ほど申し上げました再査定減額に一部含まれている、こういうふうに御理解を願います。
#98
○田中一君 よくわかりました。そこでこれを見ますと、この資料のもとになる資料は、建設省の場合には河川局になっておりますけれども、私一番心配しておったのは排土の問題なんですよ。これは金額は非常に少ないと思いますけれどもね。けれどもこれは計画局の方の所管で、計画局の方の資料はこれには出ていないわけですね。
#99
○説明員(宮崎仁君) 実はこの還付金等に対する調べは実を申しまして非常に大へんな作業になりますので、災害復旧事業費のうちで、最も大きな事業費である河川局の防災課の所管の事業と、それから農林省の災害復旧課の所管と、この災害復旧について課として独立しておりまして、相当まあ陣容もあるという所にお願いをいたしましたので、ただいま御指摘の排土事業につきましては、実は私の方でお願いをいたしておらなかったということでございましてまことに申しわけない次第ですが、もし何でしたらば後ほどまた建設省関係とよく打ち合わせまして、追加資料として出したいと思います。
#100
○田中一君 できるなら一つ出して下さい、間に合えば。これはもう三十日に採決をすることに申し合わせでなっておりますから、ですからそれに間に合わなけりゃもうなんにもならないんですから。
#101
○説明員(宮崎仁君) そりれじゃ、さっそく相談をいたしまして……。
#102
○田中一君 そこで、これは山本君、これはまあ法律でそうなっているから使ってもいいんだと言うけれども、農林省の方、農林土木の方はどうなっていますか、宮崎主計官。
#103
○説明員(宮崎仁君) 暫定措置法におきましても、公共土木施設と同様の取り扱いをいたしております。
#104
○田中一君 そこで、まあ一億円足らずでも農林省は返している。建設省はまあ若干あるかしらんけれども、まだ再査定によってそれに含まれているかもわからぬけれども、それはゼロだということは……。
#105
○政府委員(山本三郎君) 今の還付金の項でございますが、調べて、九千百二十八万九千円という数字が出ております。
#106
○田中一君 そうですが、ほんとうに少し、申しわけだな。私はこの資料を要求したのは実際言うと、前回の二十八年度災の議員立法の実態から見て、もう便乗的なものを大幅にもらっているのがあるんじゃないかという心配を持っておったわけですよ。だからそういう意味においては、私は宮崎主計官よりももっと何というか、上のきびしい態度をとっているわけなんですよ。そういう思想が、今回の立法の中に随所に見受けられるのです。こんなこと言うとまた同僚からしかられるかもしらんけれども。それであってはならぬという気持を実は私は持っておるわけなんですよ。
 それで実際に計画局のものが抜けておるといいますけれども、これは建設省にお願いしたいのは、剰余金の使途、こりれは何に使っているか。
 それから、九千万円足らずでもこれはほんとうに還付しなきゃならない性質のものだから、還付したと思うんですが、それは一体何であるかということですね。
 それから計画並びに予算ですね、これと決算したものですね。ことにこの廃工または中止というものが、何であるかということですね。たとえば三十四年度までに完成だからまだ工事進行中だ、去年はあんまり災害がないけれども、去年の小災害でそれがまたどうにか被害を受けて、もう消えてしまって新しいものになっているということもあるだろうし、あるいは本年度災でもってそれが全部……、これは三十四年度推定ですね、その実態というものを明らかにしないと、これはいけないんじゃないか。まあ予算も通ったことだから、私、警告の意味で、こういうものは、われわれこれに対する採決に加わる者としては、実態を知らなきゃいけない。そして、再びわれわれが間違いを侵しちゃいかんという気持を持っているわけです。予算委員の諸君がこういう資料を全部取らないで、三十四年予算の審議ということはできないのじゃないかと思ったんですが、まあ一番早くお願いしたんですが、これはなかなか出てこなかった。これは精細のものをやるのは大へんなんです。よくわかる、御苦労は。だからできるだけそういう範囲のものを一つ、三十日の朝くらいまでに調製して下さい。まあ日曜日は全部休んでもいいから――日曜日で間に合わなかったら間に合わなくても仕方がないけれども、これは一つ出していただきたいと思います。
#107
○小酒井義男君 運輸省の気象庁の予報部長、何かあれですから私ちょっとお尋ねしておきたいのですが、今回の災害で非常に気象業務の不十分な点やいろいろな点が問題になっておるのですが、この補正予算で見ますときわめて少ない面だけが認められて、まだわれわれがやらなきやならん、当然必要だと思うようなことが実現されておらんのですが、これはどういうことか、一つ経過を御説明願いたいと思います。
#108
○説明員(肥沼寛一君) この伊勢湾台風につきまして私どものやりました仕事については、どうやら大体世間に御納得いっていただいておるのではありますけれども、振り返って考えてみますと、非常にわれわれとしても不満足なところがございまして、それらについて何とか警備したいという予算を大蔵省に要求いたしたわけでございます。
 ただその際にこれは幸か不幸か、割合まあ伊勢湾台目風の予報は当を得たものであったというようなこと、それから私どもの施設がすぐそのまま緊急を要するものかどうかということの問題もございまして、三十五年度の予算で十分考慮してやるからというようなお話もございました。
 で、実り際入りましたのは室戸のレーダーと、それから三カ所の検潮ロボットだけでございまして、残りのものにつきましては三十五年度の予算として十分考慮していただけるというように、私ども了解しているわけでございます。
 で、大体私どもの考えております内容を御説明申しますと、災害対策について気象庁としてやらなくちゃならんということは、まず第一に応急対策をやるための予報、警報の問題を的確にやりたい。第二に恒久対策といたしまして、これは建設省、農林省ほかの所でございますが、気象庁で担当しております資料を、そちらへ一部差し上げるものを気象庁として持っている、そういうことでございます。で、そういう線に沿いまして考えてみますしと、まず第一に気象の資料を取るという観測の問題でございます。でこれにつきましては室戸以外にも、レーダーのことが最近非常にクローズ・アップして参りましてそれについて要求をいたしております。それから実はレーダーだけでも足りませんので、山の雨などを観測する――これは台風だけとは限りません、梅雨前線などで――たとえば諌早のような所で、あるいは二十八年の災害のようなああいうのは、あれは台風ではございませんが、そういうのに対しての処置としては、どうしても山の上の観測をしないと、洪水に対しての的確な警報ができないということで、ロボット雨冠計というようなもの、それからこまかくなりますので一々は申し上げませんが、上高局の観測というような、こういうことを考えて研究しております。
 それから第二番目は、資料をそういうふうにして取りましても、これは即刻ある判断をする場所へ集めなくちゃならんということで、通信の問題でございます。で、通信につきましては、実は気象業務の半分以上の仕事が通信に頼っているので非常に重要だということから、かなり古くから通信は、みずからの通信は持っております。ところが現在ありますために、実はそれの整備がおくれたというような現状で、最近非常に発達して参りました通信技術、それを取り入れなくてはうまくいかないということで、通信についてのお願いをしております。幹線につきましてはテレタイプ通信を、あるいはローカルについては、もう災害でありますから無線を使いまして、電話系とか、あるいはそういうふうにして判断をしました結果を即刻知らせるための同時送話というようなもの、こういうような種類のものにつきましてお願いをしているわけでございます。
 それから第三番目は人の問題でございます。で今、人をふやすということはなかなか問題な点でございますが私どもの仕事の経過を御説明いたしますと、戦前におきましての気象の中心は何と申しましても航空でございます。それ以前は海上でございますが、一般の天気予報、警報は非常に精度の悪いもので、あまり一般の人には残念ながら関心を持っていただいておりません。そのために対象となりますものが海上の業者あるいは航空の業者、そういうところでいろいろの作業をいたしましたその合間の時間で、十分の御連絡サービスということができた。しかし戦後は御承知のように非常に災害がふえて参りまして、これは災害となりますと全国民の問題でございます。非常にいろいろの問い合わせ、調査、連絡、そういうことがふえましてどの点でも災害に関する委員会には気象庁の者が引っ張り出されております。そういうことでとても今までのような合間のサービスではいかぬ、専門に連絡にかかり、電話の応答をする人がなくちゃできない、そういうことで人についてのお願いもこれは非常に無理かもしれませんが、私どもとしては最重点を置いてお願いしております。
 それから四番目は予報の精度、これは私ども最近は少しよくなったと自負しております。しかしいろいろの要求が高度になりましたために、私どもの自負しております予報精度というものは、実は世間から見ますとまだまだ非難の多いものでございます。そういう精度を上げるためにはどうしても研究をしなくちゃならないというので、台風についての研究の予算、こういうものをお願いしているわけでございます。
 こういう四つの項目につきまして三十五年度にはぜひ十分のことをお願いしたいと思っているわけです。
#109
○小酒井義男君 私は何かの雑誌で読んだことなんですが、日本には台風が大体八十年くらいで周期的に襲来をしておって、現在がちょうどその襲来の時期になっておる、この十年間ぐらいがその時期だというようなことをちょっと読んだのですが、そういうことはどうなんでしょう。
#110
○説明員(肥沼寛一君) 八十年ということは、最近はあまり五年続きの豊作などといって問題になっておりませんが、凶作に関係しまして、特に東北、北海道で温度が夏になっても非常に低い、そのためにお米がとれない、そういう事態が大体八十年ごと――八十年ごとと申しましても八十年ぐらいの周期で、その辺に数年続く状態がくるということが調査の結果わかっております。台風につきましてはそういうことはまだ今はいわれておりません。ただ戦後の非常に多くなった災害につきましてどうも大体の感じですが雨が非常にふえてきている。それから台風も強いものが出てきているということは事実のようでございます。それらにつきまして例を申しますると、日本で一番ひどい災害を与えましたもののうちで、台風として一番強かったのが御承知のように昭和九年の室戸台風、二番目が昭和二十年の九州にきました枕崎台風、それから三番目が今回の伊勢湾台風でございます。災害の規模につきましては、これはいろいろ社会的条件などもありまして変わっておりますが、自然現象としての台風としてはそういう順序であります。それ以前には非常に強いものがなかったかということでございますが、日本にぶつかったものに関してはこの二つですから、昭和九年以後にそういう大きいのが出ているということは事実です。
#111
○小酒井義男君 政務次官、これは百パーセント完全なものを一挙に作るというわけには私はいかぬと思うのです、何にしても。気象の場合でもやはりそうなんでしょうが、さしあたってどうしても必要だというものは、重点的にやはり来年度の予算で要求をしてそれの獲得されたものを実施することになるだろうと思うのですが、そういう点について政務次官として、あるいはこれは大臣のかわりなんですが、運輸大臣としてどういうような腹がまえで今度の補正予算の実施なり、あるいは三十五年度予算の要求なりをお進めになるのかお尋ねしておきたいのです。
#112
○田中一君 もう一つ関連して……。今、予報部長の言っているうち、名古屋の場合に観測室そのものが崩壊しているでしょう。これはけががあったかなかったかしらんけれども、これはやっぱりとんでもない話なんです。だから今あなたの要求のあった中でやはり施設、当然これは災害復旧の場合には改良復旧であって倒れないものにすることが第一です。観測に支障のないものにしなければならぬ、これが第一。それから同時に恒久対策としては、三十五年度から大体台風の方に向いている観測所は全部耐風建設にすることです。これは一番台風の向かってくる所に、進路の一番くる所に、最端に、一番早くキャッチできる所に置いてあるでしょう。必ずそこに強い圧力、風圧がかかるのですから、これは絶対にそういうことがないようなものに改良する。これは三十五年度から実施しなければならぬと思うので、小酒井委員の政務次官に対する質問に合わしてその点もう一つお答えを願いたいと思う。今の点はあなたの要求の中から抜けていたように思うのです。
#113
○説明員(肥沼寛一君) 気象庁の施設は、実は私どもからこういうことを申し上げてどうかと思いますけれども、気象の仕事というのは、先ほども申しましたように海上の問題、航空の問題が重点でありまして、一般的なものでなかったということ、そうして気象庁自身が運輸省の付属機関として調査研究ということに主体がございました。そういうことでなかなか整備ということも行ないかねまして、先ほど御指摘のありました名古屋の予報室も、実は海軍のちょっと忘れましたが、何かちゃちな施設をあすこに移築して作ったものでございます。でやっと、つっかい搾をして倒れずに済みましたけれども、屋根はめくれてしまったというのが現状でございます。戦後になりまして全国的に災害が非常にふえてきたので、気象庁としてもただ調査研究機関というような、別の言葉で申しますと、象牙の塔の中に入って仕事をやるということからは脱却しなければならないような状況です。もう少し社会に密接につながっていかなければいけない、政治にもつながっていかなければいけないという状況になってきたように私ども感じているわけです。そういうような観点から私どもも十分仕事のやっていけるような予算を、今後計画いたしまして御要求したいと思っておりますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。
#114
○政府委員(前田郁君) ただいま小酒井先生から御質問のありましたことについてちょっと出し上げますが、気象業務に関する予算は逐年増加の趨勢でありまして、本年度は約三十八億円となっております。政府といたしましては、災害防止対策上気象業務の占める重要性にかんがみまして、逐次ぺの強化、拡充をはかる方針でありまして、そのきわめて緊急を要することにつきましては今回の補正予算に計上して、また引き続いて三十五年度予算において整備計画を御審議願うようにしております。
#115
○小酒井義男君 今回の補正予算で要求せられたもので削られたものは、これは三十五年度の予算に織り込むというような約束でも取りつけてあるのですか。
#116
○説明員(肥沼寛一君) いろいろの問題で、これは補正というほどの緊急ではないが、重要性は認めるということで、そういう約束のものもございます。
#117
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは暫時休憩します。
   午後零時五十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十五分開会
#118
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから小委員会を開会いたします。
 午前に引き続き質疑を続行いたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#119
○小平芳平君 中部地建の定員の概略はどのような構成になっているか、ちょっとおっしゃっていただけませんか。定員とそれからほかに雇いというのがあるんですが、準職員とか、非常勤とか。
#120
○国務大臣(村上勇君) 今ちょっと官房長官を呼んで取りそろえますから、しばらくお待ち願いたい。
#121
○米田正文君 二、三点お伺いしますが、第一に、伊勢湾高潮対策の問題ですけれども、これは伊勢湾地域における高潮対策は、災害復旧の分の補助率と、それからその他改良工事に属する助成、あるいは関連事業の補助率とが違っているわけですね。そうしてそれがそれぞれの額に応じてそれぞれの補助率をかけて、そうしてそれを全体の工事を総合して一つのまた補助率を出す、こういうことになっておるのですね。そこで、これはどういうふうにやるんですか。いわゆる関連事業の方も継続費として見てそうして全体の災害復旧と関連事業が完成するまでの全体のワクで率をきめるようにするのがいいと思うんだが、この法律だけ読むと、関連のためにやる事業率で出てくるようにも思えるが、その点は今度初めてのこれは試みだと思うんですが、どういうやり方にするのですか、その点をちょっとお伺いしたい。
#122
○政府委員(山本三郎君) お話のように災害復旧事業費を確定いたしまして、それは公共土木施設の災害復旧の負担法により、あるいは特例法によりまして算定いたしまして率を出すわけであります。それから助成事業につきましては十分の八ということになっておりますので、助成事業全体の計画に八割をかけまして国の負担金を出します。それらを全部寄せまして今度は全体の事業の負担芥が出るわけでございまして、これは年度々々でやるわけではございませんで、全体の事業計画を立てまして、それの国の負担率をきめて毎年同じ率でやろうということにしてきておるわけであります。
#123
○米田正文君 そうだろうと思うのですが、そうすると、じゃ早く一定計画を立てなければならぬわけですね。その一定計画を立てるのはいつごろまでに完成をするめどですか。
#124
○政府委員(山本三郎君) これにつきましては堤防の高さなり、あるいはその強さなりが問題でございますし、各省間にわたる事業があるわけでございますので、大臣からも御説明がございましたように、伊勢湾等局潮対策協議会というものを作っております。これは農林、運輸、建設の三省はもちろんのこと、大蔵省も協議会に委員として加わっていただいておりますので、この結論が出ますならば直ちに現場の方はそれに応ずるような準備をいたしておりますので、高さなり強さがきまりますれば、それで全体計画ができてそのうち災害が幾らかという区分ができることになりますので、私どもといたしましては、来年度予算の編成に間に合うようにということで努力いたしておるわけでございます。
#125
○米田正文君 そこでその計画の問題ですけれども、先ほど港湾局、長は名古屋の港の前の方については防波堤計画があって、そういう方針で一つやってみたいというような希望を言っておりましたね。そういうふうに防波堤計画ができると、海岸線の工事の計画がないのとあるのとでは非常に違ってくる。そういう問題になるとこれはなかなか今の海岸工学の面では究明されておらぬ点が非常に多いので、なかなかそう技術的に決定をする、どっちがいいというようなことのめどをつけることがむずかしいのではないか。で、早急に各省の四係を合わせたいわゆる全体計画をきめるということは、なかなか実際問題として困難だと思うのです。そこで今の協議会を作ってやっておられるというが、二十八年でも実は協議会を作ったことがあるのですけれども、協議会の構造をよほど考えられぬとこの問題は非常にむずかしい。私は経済があるからそう言うのですが、協議会の構成は、この協議会の会長なり、まあ各省はわかっているんでしょうが、協議会の中心になる人はどういうことになっておるのですか。
#126
○政府委員(山本三郎君) 協議会の幹事を河川局がやっておりますので私から御説明申し上げます。委員といたしましては大勢になりますけれども御説明申し上げます。
 総理府の内閣官房審議室長、それから経済企画庁の総合開発局長、科学技術庁の科学審議官、大蔵省の主計局長、農林省は農地局の建設部長、農業技術研究所の農業土木部長、水産庁の漁港部長、運輸省は港湾局長、運輸技術研究所の次長、気象庁の海洋気象部長、建設省は河川局長と土木研究所長、地理調査所の地図部長という構成でございましてそれには各担当の幹事がその下についております。で、二十六日に第一回の協議会があったわけでございますが、その前には幹事会を三回ばかり開いております。この議事を進めるために会長を置くわけでございますが、会長には経済企画庁の会合開発局長が当たりましてその運営をやっております。さらにこの協議会には必要のある場合においては学識経験者及び関係知事等の出席を求め、意見を開くものとするというような規定になっておりまして、学識経験者といたしましては各大学のそれぞれの専門家をお願いいたしまして、一十六日の協議会にも御出席をいただきまして、いろいろと意見を拝聴いたしておるわけであります。お説のように学に現在のとこそで復旧する以外に、ほかの省から今のようなお話の部分も出ておりますので、これにつきましては今後の研究として問題に取り上げていかなければならぬ問題でございますが、私どもといたしましてはそういう防波堤がいつできるかということが一番の問題でございまして、その点を今後におきまして十分検討して参りたいというふうに考えております。
#127
○米田正文君 これは大臣に私意見として申し上げて御考慮をお願いしたいのですけれども、今の構成メンバーはこれはいいと思うのです。各省の関係の局長が大体中心になってその辺はいいと思うのですが、それをまとめるということはなかなかむずかしいと思うのです。今の顔ぶれを見てもなかなか話し合いできまるものではないような気がいたします。やはりその関係の省をまとめ得る力のある人、相当強力なものでないと、今のこのメンバーでは各省の局長連中がそれぞれ説を出すに違いないのですから、それらを一つにまとめるということは非常にむずかしい。だからほんとうの日本の最高級の技術的な見識を持っており経験も持っている、そういう最高の人を協議会に入れて、その人の言うことならばみんなが承知する、聞くというような体制にせぬと非常に私はむずかしいだろうということの懸念を持つのです。その点は一つ大臣に御考慮願わなければならぬと思いますので、心組みもお伺いいたしておきたい。
#128
○国務大臣(村上勇君) ただいまは技術的にいろいろと検討している段階でありますが、私といたしましても、今御指摘のような何かそこへ最終決定し得るぐらいの人に会議の一つ指導をしてもらわなければならぬと、これは十分考慮すべきものだと思っております。
#129
○米田正文君 それから緊急砂防についてお伺いしたいのですが、これは大蔵省が来てくれた方がよかったのですが、緊急砂防については今度は法律的な措置はせすに、行政的な運営によって、運用によって緊急砂防事業の促進をはかろう、こういう方針になっているようですが、この中で緊急砂防の一定計画を作って、そうしてそれの各府県の受け持ちになる起債の分については、元利償還額に相当するものを、ある率を交付税の中に算入していこうという方針で進んでいるようですが、この該当の府県、いわゆる緊急砂防の実際上特別の措置をする各府県、これはまあ法律にあるものについていえば地域の指定に類する問題ですが、どの府県にどういうふうにやるという方針が明らかになっているなら御説明を願いたいと思います。
#130
○政府委員(山本三郎君) これにつきましては、林野庁の治山の問題と建設省の砂防の問題をあわせまして議論をしているわけでございますが、今のお話のように、特に激甚な被害を受けた所でありまして、しかも県の財政力が非常に比較的悪いというような所につきましては、今回の緊急砂防につきましては特別の行政措置をいたそうということで進めているわけでございます。一定計画を作りましてこれを大体三カ年くらいでやることでございますが、その継続事業としてこれを認めていきまして、これにつきましては起債を九〇%程度認め、そうしてその元利償還につきましては、交付税の対象といたしまして五七%程度見ようということになっているわけでございます。具体的な適用の県の問題につきましてはまだ若干意見の整わないところがございますが、建設省といたしましては林野庁ともいろいろ打ち合わせまして、全国で十四県ぐらいやってもらいたいということでいっておりますが、まだ大蔵省といたしましても最終的の結論になっておりませんで、現在のところは十ぐらいは問題がない、あと四つぐらいはもう少し検討させてくれということになっているのでございますが、これも近く決定しないと、砂防事業もすぐ始めなければならぬわけでありますので、われわれといたしましても極力早く決定するように努力したいということでございます。
#131
○米田正文君 十県なり十四県なり県の名前は別として従来からこの緊急砂防というのは、その年に起きた山地の荒廃の非常に激しい所に砂防をやるというのがこの緊急砂防の趣旨ですからして、その県全体が被害が多かったとか、多つくなかったとかいう問題として考えるのではなくて、やはりその山地が非常に荒れておるという所について適用をしていくような方針で進めたいと私は思うのですが、大臣に一つ……これは非常に関心をもって各地方が見ておる問題です、貧弱県だけに適用するとか、富裕県には適用しないのだとかいうようなことで非常に各地方が注目しており、また非に心配をしておる問題です。そこで富裕県とか貧弱県とかいわないで、山地荒廃のはなはだしい、今回の水害ではなはだしい地域については緊急砂防を特別の措置を講じてやる、こういうお考えを一つ持っていただきたい。こういう趣旨ですが。
#132
○国務大臣(村上勇君) 御意見の通りに考えております。
#133
○米田正文君 もう一つ最後にお伺いしたいのですが、今年非常に各地で河川が荒れて、計画の洪水量を超過したものがたくさんある。直轄河川についても、中小河川はもちろんのことですけれども、そういうものは河川計画そのものが改定を迫られている。いわゆる河川計画を改定しなければならぬ、こういう事態に迫られておるわけです。そこでこの河川の計画を立てるということは、これは何といっても仕事をする上における基本ですから、これはしっかり計画を立てておく、そしてそのためには水系全体としての調査をする必要があるのですから、今年計画洪水量を突破した所はもちろんですが、非常な危険な状態になった各河川についての調査を、一つ今年度から来年度にかけて全国的に強力に実施するようにしなければいかぬと思うのですが、これは河川局長から今の実情を説明願いたいと思います。
#134
○政府委員(山本三郎君) 本年、計画いたしました以上の水が出たり、あるいは非常な被害を受けたような河川につきましては、計画を再検討しなければいかんというような問題が方々あるわけでございまして、今年度持っております予算のうちで各所で多少使い残りの金もございますので、それを流用すると同時に、それから本年度の補正予算で一千万円計上しておるわけでございますが、これをあおせまして、問題になっておりまする富士川、円山川、揖斐川、木曾川、千曲川、紀ノ川、九頭龍川、由良川等につきましては、本年度の余りの金、補正予算で、それから来年度も引き続いて調査をします。その他直轄で今やってない川につきましても、今回荒れたような川に、ほんとうに県でどうにもならぬような川がございますので、それらも直轄で来年度は調査するということで要求しております。
#135
○米田正文君 それで河川調査が最近少し遅滞しておるというのは、河川調査費の補助金制度がなくなって、従来は中小河川の調査についても補助を出しておったのですが、ところが補助が小さいというので、零細補助というような趣旨から、最近は調査費の補助をしないようになっておるのですが、非常にこれは悪いことだと思う。そう大きい金額ではありませんけれども、各地方庁はやはり国が調査をやるということについて非常的な関心を持っている。助成をしてやるということを思っているというように仕向けていかないと、ながなか今日の地方財政の立場からもやりにくいというような点もありますので、零細補助というような意味のものでありませんが、ぜひ将来の河川、治水計画を確立する上において地方庁に対する調査補助という問題を復活するように一つしていきたいものと思います。これは今やめておる制度ですから、大臣の特別な御努力を必要とすることだと思いますが、特に一つお願いしたいと思います。
#136
○小平芳平君 中部地建の定員がわかりますか。雇とか、準職員とか、人数が……。
#137
○政府委員(鬼丸勝之君) 現在の中部地建の定員ないし準職員等の件でございますが、その数、これはちょっと連絡しておりますので……。今回の増員分につきましてはわかっておりますが。
#138
○小平芳平君 労働省関係の失対事業、それから今度は農林省関係で救農土木事業といって、相当な予算を計上して始めているようですけれども、これが直接建設省の復興計画にどの程度使われているか、いないか、その実情についてお聞きしたいのですが。
#139
○政府委員(山本三郎君) 建設省関係の災害復旧等につきましては、特に失対事業として計上されておる労働省の方々を使っておるのはございません。
#140
○小平芳平君 救農土木事業の方は。
#141
○政府委員(山本三郎君) 救農土木事炎につきましても、これは農林省関係の水路なり、そういう方面に使用しておるわけでございますが、堤防や道路等につきましては、特に救農土木と名前をつけてやっているものはございません。
#142
○小酒井義男君 河川局長にお尋ねをしたいのですが、今度の災害で、たとえばある決壊の個所の工事をすると、そのために次の個所にいって決壊するというような危険性が出てくるのではないかと思うのです。そういうのは、災害の個所と同時に、危険性のある所をやっていくという計画になっておるのかどうかという点で……。
#143
○政府委員(山本三郎君) 御説の通り、災害復旧の、こわれた所を非常に強くいたしますると、どういたしましても施設が新しくなりますから、その前後の付近のものに比べますと強くなっているわけであります。対岸等もそういう問題が出て参ります。従いまして、これにつきましては関連事業を加えまして、ずっとそれにあわせてやるように、こわれなかった所につきましてはそういう措置をとる。対岸等につきましても心配のある所につきましては、工事中の河川でありまするならば、ほかの所をやるということで、あてにしておった金をそういう所に回しまして均衡のとれたような形に持っていきたいということで、具体的にもそういう措置をいたしております。
#144
○小酒井義男君 それは隣接じゃなしに、やはり相当下流の方に行ってもそういう場合があり得るというのですね、距離的に。そういう所もやはり同じような考え方ですか。
#145
○政府委員(山本三郎君) これは災害関連事業としては扱えないかもしれませんけれども、たとえば揖斐川等におきまして根古地が切れてあれが切れなければ、対岸あるいは相当下流の所が危なかったと思うというような所ははっきりいたしておりますから、どうせ揖斐川はことし改修をやっておりますので、そういう所で危ない所がありますれば、ほかの所をやめてもそういう所に持っていこうということで処置するようにいたしております。
#146
○小酒井義男君 今揖斐川というようなことをおっしゃったのですが、何ですか、長良川にもそういう個所がありますね、岐阜の周辺、あれなんかも来年の出水期までには安全だというだけのことはやっていただく必要があると思うのですが、あれを考えていますか。
#147
○政府委員(山本三郎君) 岐阜の長良川の堤防のことだと思いますが、あれにつきましては災害の直後私も行って参りまして、うしろの堤防が崩れておりますので、これはやはり前の方でとめなければいかんじゃないかということで、前の方を災害で処置できるものはやろう、それから従来も改修工事であそこの補強をやっておりましたので、さらにそれらもできるだけ工量をふやしまして、再びああいうふうな堤防が半分かけてしまうようなことがあっては困りますから、その処置を来年の出水期までに済ませておきたいということで進めております。
#148
○小酒井義男君 それからもう一つ、実は十三号台風のときだったと思うのですが、私は水害地を視察をして土砂が家の中まで流れ込んだ所を見てきたのです。ほんとうに家の中に砂利が一ぱい流れ込んでいて、まあひどい所を見てきたのですが、ことしの災害のときにも偶然そこに行ってみると、同じようなことなんです。ことしは家の中には入っていないが、家のすぐ横に流れておったのを見てきたのです。相当期間がたっておるのにやはり同じようなことが繰り返されておるのですが、こういう個所は、もう三度繰り返すことがないような工事が絶対に必要だと思っておるのですが、そういう場所については完全な復旧なり、あるいは防災の目的を果たすような工事がやられるのでしょうか。
#149
○政府委員(山本三郎君) 今のお話で思い当るようなことは、去年の災害でやられまして、ことし出水期の前から手をつけて早くやらなければいかぬのが、ことしの水が非常に早く出た関係もございますが、再びやられたような所があるわけであります。こういうような地点につきましては、もちろん工事を早くやらなければいけない。来年の出水期までに早くやってでおけばある程度防げるわけであります。それからまたさらに工事をやりましても、原形復旧だけではとてもまたやられるというようなものもございますので、これらにつきましては、もちろん改良復旧をやるわけでありまして災害関連をつけ加えまして再びないようにしなければならぬわけであります。去年災害を受けまして、ことしまた受けたという所が長野県等にあるわけでありまして、これはことし年度の当初から早くやっておけばそういうことがなかったという地点があるのでございましてこれは私どももまことに遺憾のことだと思っておりますが、こういうふうな二度もやられた所につきましては、私どもも特に督励いたしまして早くやろう、来年の出水期までにはそういう心配のないようにするというようなことで、特にそういう点は県を督励いたしまして早くやるように処置いたしておりまして、大体そういうふうないろいろの、非常に御迷惑をかけた地点につきましては大体順調に進んでおるように考えております。
#150
○古池信三君 先ほどの御答弁に関連してですが、河川の一カ所が決壊して今回それを補修する、しかもそれを原状以上に改良的な意味も加えて強靱な補強工作をされるということになると、その下流なりあるいは上流なりで、今まで多少とも弱かったと思う所が、この次に災害が起こったときに非常に大きな被害を受けるであろうということは予想されるわけでありますが、そこで今度の災害によって現地の関係の人たちは、非常に災害の個所にもっぱら力を入れられて、今私が申し上げたような点についての調査が果たして十分できているかどうか、むろん平常においては調査されておるであろうと思いますけれども、あの災害が起こって以後今日までは、おそらくそういう所まで千を伸ばす余裕がなかったのじゃないかという気がするのです、当面の対策に忙殺されてですね。そこでしかしながら今言ったような問題は、非常にこれは重要な問題だと思いますので、建設省としては至急にこの被害個所前後、相当長い広い範囲にわたって綿密な調査をされる予定があるかどうか、それをちょっとお尋ねします。
#151
○政府委員(山本三郎君) これは仰せの通りでございまして、破壊個所は一番弱くて切れたわけでございますが、それに引き続く場所が、そこが切れたために助かったというような場所があるわけであります。それからまた一回の出水がありますと川底もある度変化いたしますし、放流個所も変ってくるというようなことで、計画に沿っておるような水以上のものが出ますと非常に変化するわけでございます。その意味から先ほど米田先生に御答弁申し上げましたように、そういうふうな大規模の出水のあった川につきましては、その補正予算でも特にそれを計上いたしまして、現状をよく調べてそれに合うようなことをしよう、それからまた少しでもいたんでいる所がありまするならば、早くそれを補修しておかなければいかんということで、災害復旧でもちろんとれるものはとるし、それから補修費というものがございます、それを多少当年予算でも保留してございますので、それらをもって処置をして参りたい。それから来年度の予算におきましても、それらの個所につきましては、至急補強しなければいかんということで、災害の直後からいろいろ案を練りまして、三十五年度予算はすでに提出済みでございましたけれども、さらに追加の要求をいたしておるような実情でございます。
#152
○古池信三君 ただいまの調査をなさる時期は、これはやはり早くないと効果が薄いと思うのです。来年の予算をとってそれから調査を始めたのでは、これは明年の出水期には間に合いませんから、できるだけ早くその調査を完了していただかなければいかんと思うのですが、大体今のめどではいつごろまでにそういう、少くとも今回の被害を受けた、大災害を受けた河川について調査が完了するのですか。
#153
○政府委員(山本三郎君) 今回予算を通過させていただきましたので、これからすぐ調査にかからせまして、少くとも今年中ということを申し上げたいのでございますけれども、来年に多少回るかもしれませんけれども、実情はその期間に調査をいたしまして、来年度の仕事ももちろんその調査の結果に合せてできるようにしたいというふうに考えております。
#154
○古池信三君 今度の災害で、伊勢湾のいわゆる臨海地帯というものが非常に本質有の大きな災害を受けた、特にその中にあった住宅、それから工場等の被害というものは未曾有のものであったと思うのですが、今まではとりあえずの応急の措置だけが講ぜられており、いよいよこれから住宅にしろ工場にしろ、本格的な復興がなされなくちゃならぬと思うのです。これについて一体建設省としてはどういうような基本的なお考えを持っておいでになるのか。海岸提防という重大な問題については今までいろいろと論議がかわされましたから、今はその点は触れませんけれども、これから住宅を建てる、あるいは工場を復旧するというような場合に、何か特別な基本的な対策といいますか、方針をもって臨まれるつもりがあるかどうか。といいますのは、今度の災害でほとんど平家の住宅というものは全滅したようなものです。ところがたまたま高層の建築であった住宅は、たとえば住宅公団が作ったとかそういうふうなものは、一階だけは浸水したけれども二階以上が助かったため、一階の人たちを収容したり、あるいはその付近の被災者を収容して非常に助かっておる実情がたくさんあるのです。従って、ああいう低地帯における住宅建設については今後どのような方針をお持ちであるか。
 それから、これは住宅ばかりでなく工場についても言えると思うのですが、この間のあの災害の際にも、隣り合わせておりながら、一方の工場は建設当時に一メートルとかメートルとか地盛りして建設してあったために、一たん浸水は見たけれども非常に早く水が引いた、きわめて損害は少なくて済んだ、こういう例が現実にあるわけです。従って、今後工場建設の指導に当たり、あるいはその許可をされるというような場合には、そういうような点まで十分に念頭においておやりになるか、あるいはどういうふうな具体的な方法で指導されるかというような、こういう全般の住宅あるいは工場の建築に対する方針、建設省のお考えというものを一つ聞かせていただきたいと思う。これは伊勢湾関係ばかりでなく、将来もおそらく東京湾にしても、大阪湾にしても同様なことが起こる心配があるわけですから、そういうことも考えられて基本的な対策を立てられる必要があるんじゃないか、こう考えますからちょっとお尋ねをしておきたい。
#155
○政府委員(稗田治君) 高潮あるいは出水等のおそれのある地域につきましては、ただいま地方公共団体を指導しておりますのは、建築基準法の三十九条によりまして、災害危険区域というものを地方公共団体の条例で推定できるようになってございます。それから、なおその災害危険区域内の建築物については、所要の必要な規制が行なわれるように条例でこれも制定できるように三十九条に定められておるわけでございます。で、残念なことに、基準法が施行になりましてから、この災害危険区域の条例の制定というものが日本全国にあまり行なわれておらなかったわけでございます。今回の災害の事例にかんがみまして、全国的に次官通達をもちまして条例の制定をするようにと、なお条例の制定以前でございましても、高潮、出水等の危険のある地域につきましては、それぞれたとえば堅牢な建物を奨励するとか、あるいは必要によっては地上げをするとか、そういうような指導によって災害をできるだけ防ぐようにという指導をいたしておるわけでございます。
 そこで住宅の防災対策でございますが、今回補正予算に組まれました公営住宅等におきましても、従来は災害公営住宅の場合には、災害時の救済の緊急性にかんがみましてほとんど木造の平家建だけを予算に計上しておったのでございますが、今回は三割程度を木造以外の構造にいたしまして、そういった低湿地帯には木造以外の構造で建てるように割り当てをするつもりでございます。なお住宅公団の特定分譲の――これは鉄筋のアパートでございますが、特定分譲のワクが若干残って、本年度もまだ着手していない分がございましたので、住宅公団の鉄筋コンクリートのものと、それから住宅金融公庫の産業労働者住宅、これも鉄筋のアパートがおもでございますが、これらのものの本年度のワクを今回の水害の地方に集めまして、それで事業会社の従業員の住宅の建設を防災的に建設するように受け入れ態勢を整えておるわけでございます。
 なお、一般の住宅以外の工場等におきましても、やはり建物は木造以外の、できれば堅牢な建物に規制をし、あるいは、重要な施設等は少なくとも予想される水面よりも上の床面に置くような、そういった規制をできるだけ早く地方公共団体の条例に取り入れるように指導して参つりたいと思っております。
#156
○古池信三君 ただいまの御説明で、そういう重要な問題は条例にまかされておるというお話でありますが、条例といえば、各地方公共団体が自発的に決議をして制定するわけですから、直接建設省はどうにもならぬというふうに考えられがちですけれども、しかし法律の精神というものはやはり決してそういうものじゃなくて、あくまで建設省が責任をもってそういう条例を作るように地方公共団体を指導していくという責任は、私は十分あると思うのです。これは地方団体の条例だから建設省は直接知らぬというわけには参らんと思う。従って、そういう点、十分に一つ今後気をつけて強力なる指導をやっていただきたいと、こう考えるのですが、これについて何か御意見があったら一つ……。
#157
○政府委員(稗田治君) 災害危険区域関係の条例の制定は、私が存じておりますところでは大阪府の条例だけであったということは、非常に残念に思っているわけでございます。大阪府におきましては、昭和九年の室戸台風とその後ジェーン台風と、二回の高潮の経験をふんでおりましたので、こういうような条例の制定も行なわれたわけでございます。そこで今回の災害を二度と繰り返さないようにというわけで、地方公共団体を指導して参りたいというわけで、十月の二十六日付かと思いましたけれども、建設事務次官通達をもちまして全国の都道府県に通牒を出してあるわけでございます。なおこの線に沿いまして、現在愛知県等におきましては、それぞれの学識経験者を呼びまして、どういうような内容の条例にしたらいいかというようなことでただいま検討中でございます。今後、今回の災害地に限らず、そういった高潮、出水等のおそれのある危険区域を持つ地方公共団体につきましては十分強力に指導して参りたいと考えております。
#158
○古池信三君 災害が起こってから条例を作るのでは、これは間に合わぬのでありまして、こんなことは申すまでもないことなんですけれども、災害はいつどこで起こるかもわからない。従って、そういう危険の予想されるような都道府県についてはいち早くやはり作るようにしなければいかぬと思うのですが、これについてもう少し建設省として積極的な方策があってしかるべきじゃないかと思うわけですけれども、何か大臣からでも御意見伺えたら一つ……。
#159
○国務大臣(村上勇君) 地方公共団体に対しましては、ただいまも住宅局長からお答え申しましたように、十分建設省としてもこの条例を施行するように指導して参りたいと思っております。
#160
○小酒井義男君 関連して。大臣、これは国で法律を作れば、やはり補助金なりいろいろな裏づけが要るから、条例でやっておけばいいということかもわからぬのですが、今、学識経験者をこれから集めていろいろ意見を聞いていくというのですが、一方、建築は、家のない人は、どんどん家を建てていくわけですね。やはりもう少し積極的に、そうした危険区域における建築の、建物の基準なり、あるいは地盤の造成なんというようなことを積極的にやらせるには、やはり建設省なんかで、何か法律でも作られて、補助なり何かをやられる必要があるのではないかと思うのですが、どうなんですか。
#161
○田中一君 関連して……、一結に答えて下さい。
 そこで、実に今住宅局長の説明――答弁というか、無責任な話なんです―よ。一体、今問題になっている湛水地というものはおおむね埋め立てが多ついですね。結局、低いのは承知なんですよ。その中には、おそらく国道があるかどうかわからぬけれども、今度名四国道を作れば、国道になるけれども、国道もあれば県道もあり、市町村道もあるんですよ。いわゆる公共性のある土地も、相当含まれておるわけですね。たとえば学校の敷地なんというものは、その一つの例なんですが。そういうものがあるにもかかわらず、そういう公共性ある――国でも、地方公共団体でもかまいませんよ、これをどうするかということが先なんですよ。
 たとえば道路をどうするか。おそらく、さっき僕が堤防の問題と関連して言っているようにですよ、これはもう絶対に破堤しない、あれくらいの高潮が来ても、一、二時間で水は流れていくんだ、海面に流れていくんだという自信があるならば、このままでもいいと思う――このままでいいというよりも、こういう場合もあり得ると思う。しかしながら、それはできない段階では、やはり自分を守るには、自分の生命を守るについては、やっぱり水没しない高さに持っていきたいということは当然だと思う。私有地は別としてそれは、もう一ぺんまた考えましょう。公有地の場合どうするかということが、先決なんですよ。国民にものを言う前に、地方公共団体にものをおっしゃいよ、いいですか。
 かりに、そこに国の機関の宅地があるならば、それをどうするか、お考えなさいというのですよ。無責任に、地方に――今小酒井君も質問をしているように、無責任に、災害危険区域なんだから、これは何も、生命財産を言っておるわけじゃないですよ。建築基準法によるところの災害危険区域なんですよ。せんだっても建築委員会で申し上げたように、危険を感ずるのはだれか、何かということなんですよ。建築物ということは、住宅の場合には、人が住みます。工場の場合には、機械なりあるいは従業員が、その就業時間中おるでしょう。そこで、建築基準法上の災害危険区域なんという規定をするよりも、もっと社会的な意味におけるところの危険区域というものは、おのずから生まれるんではないかということですよ。現に生じているんではないか、そういう現実があるんではないかということです。建築基準法による災害危険区域なんという指定は、これはナンセンスですよ。
 根本の問題は、社会生活をする、平和な社会生活を行なう――しようとするときに、今のように高潮が来て逃げ場がない。海水の逃げ場がない場合には、当然湛水地域になるということは明らかなんですよ。その中には今昔う通り、公共性ある土地ですね、土地があるのではないか。建築基準法の問題ではないんですよ、こういうことは。平和な社会生活をおびやかすという事態をどうするかということを考えなければならぬのです。どこにもそういうような規定がないわけなんですね。
 私は、住宅用長があの通牒によって、それが是正されるなんという考えは持っておらぬと思う。あなたの場合は、どこまでも建築物に対する行政的な技術的な規定なんです、規制なんです、あの条文というものは。今の日本に建築基準法によるところの災害危険区域なんというものは存在しないということは、われわれは確認しなければならないのですよ。今の古池さんとの一問一答を何ってみて、実はこれは、こういうことをいたして、それが災害は守れるとか、それが災害危険区域という条例で指定したからといって、災害危険を免れるという考え方を持つのはおよそナンセンスです。私は大臣に、まあ小酒井君の答弁とあわせて伺いたいのは、少なくとも建築物の災害危険区域ということを規定していると思うんですよ。どこへ住もうが住むまいが、そんなものは建築基準法は――行政とは――立法の精神の範囲じゃないのですよ――そうでしょう。しかしながらものということになると、それがあるいは環境ということになると、今言う通り、一たんその区域のどこかが破堤した場合には、高潮によって潮が入った場合には、湛水区域になるんだ、それが危険というのか、あるいは建築基準法によるところの危険というものに対する本瓦的なねりいというものは何かということが解明されなければならぬと思うんです。
 その点について根本的に住宅用長の考え方と私は違うんです。これは、住宅局長が考うるものじゃない。だから、あそこでそういう条文があるから、そういう通牒を出してそれで危険がなくなるんだという考え方は私、くどく言うけれども、ナンセンスですよ。都市計画の面からとか、いろいろな面から見て、この区域というものが、危険を国民の生活に及ぼすんだということをきめるならば、その中にはたくさん、あるいは公共性あるものがあるから、それはどうするかということをきめてから、国民に要求なさい。海岸法によるところの堤防の築造並びにその保安管理等が、国または公共団体に義務があるならば、海水を入れないということが先行するんです。その義務の方が先行するんです。しかしながら災害というもの、何か予知しない災害ですから、その場合には、災害危険区域の場合をどうするかということを考えなければならぬ。どうするかということです。建設省あたりが、ほんとうはそういうことを考える必要ない問題なんですよ。もっと別の政治が、それに対して真剣に取っ組まなければならぬ問題なんです。
 実は、この点について皆さんの質問とあわせて一つ答弁して下さい。これは非常に危険ですよ。
#162
○国務大臣(村上勇君) これはもう、災害救助の基本的なものとして、十分私ども考えなければならないし、将来指導し、また法律がなければ、それも立法措置等についても、十分これは研究を要する重大な問題だと思います。
 私どもとしては、基本的には、まあ今の単に、この伊勢湾一帯の今後の復旧については、将来そういうことのないように、よしんば水面以下の地点でありましても、絶対にこれにも、今回のような災害を受けるようなことはしないということは、基本的には考えているのでございますが、万一、まあどういう波がくるかわからない、堤防はこわれなかったが、あるいは堤防を打ち越すような予測しない場合が、まあ万々一あり得るといたしましても、これは絶対に、その住民に対しての今回のような、ああいう犠牲のないようにするということは、これはもう政治の一番要諦であろうと思っております。
 従いまして、公共の面につきましてはただいまの御意見のように、道路あるいはその他の施設についても、十分水面以上までには、これを施工していきたい。同時に、この一般民家につきましても、地上げとか、あるいはその水面以上には――水面以下の建築については、従来のものはやむを得ぬといたしましても――今後の指導は、条例その他もありましょうが、なお政府としても、十分指導して、そういうことのないようにして参りたいと、かように思っております。
 従いまして今政府、建設省といたしましては、できる限り融資等につきましても、集団住宅等につきましては、永久の鉄筋コンクリートの建物というようなものの融資の面に力を入れて万々一の場合に備えたいというようなことで指導して参りたいと思っておるのであります。
#163
○田中一君 そこで、これは宅地のことなんです。結局、土地のことなんです。問題は、土地が低いからということになるのですよ。これは災害危険区域と指定したから、さあ、地元の土地の所有者はおやんなさい、しなければ危険ですよ、こういう宣告なんですよ。いいんですか。それは、一体そんな義務はありません。おそらく条例は作る以上は、何か死ぬか金出すか、どっちかだという宣告と同じですよ。お前死ぬか、金出すかどっちか、これが、今度の指定をしたらどうかという通牒の本体ですよ、極言するとですよ。こんなことが政治の上にありますかと言うんですよ。
 なるほど政府が常に経済白声寺とかで、やかましく言っている、経済べースに乗る産業等は、自分でやっています。この前の尼ケ崎の台風のときに新扶桑という会社は、自分の工場だけは、全部十町からの、空気は漏れるかしれぬけれども、水の漏れないべいをめぐらして安全でしたよ。現に住友でしたかな、今度の、ありましたね、名古屋でもって、安全ですよ。しかしながらこれは、それらの施設というものは、だれが負担するか、国民が皆負担するわけですよ、製造される、生産される商品の価格に入っているわけなんですよ。しかしながら個人の住宅は、一体だれが負担するか、自己負担なんですよ。岸さんが言うように、そんなに、かりに収入が倍増しても、そういうものをやる余地、それはありませんよ、何メーター地盛りするかわからんもの。また自分がしょうとしたって、道路が低い、道路は、二メーター低いところにある。俺のうちは安全だからと言って、自分の敷地だけ地盛りする。階段作って下へおりて行くなんという、そんなばかな話ありませんよ。そんなことで政治が行なわれるものじゃありませんよ。
 であるから、この場合には都市計画の面からも、それから人間の生存の権利、自分の財産を守る権利、道路を通行する権利、あらゆる権利が、社会生活する国民に与えられているんですよ。それが安全に、なお便利に使う権利を持っているのですから、先行するのは行政――国並びに地方団体が、その土地をどうするかという基本的な態度をきさめなければならないのですよ。土地は逃げませんから、場合によったら、担保にして百年の低利資金を貸してやらしていくということも、一つの例ですよ、私はいいと思いませんが、あり得るのですよ。それには国の指導計画が立たなければ、かりにそれが、名古屋市ならば名古屋市の、行政区域が名古屋市が、その責任があるとするならば、そういう方針が立たなければ、それらの危険が除却されるものではないのです。先行するのは、国並びに地方団体の事業が先行しなければならぬ。計画が先行しなければならないということなんですよ。
 こういう点ですよ、僕の言っているのは。
#164
○国務大臣(村上勇君) よくわかりました。
 私も実は、先日あの地方に参りまして、まあほとんど……、一つの例をとりますと、長島地区とか、これは、まあそういうことは今後ないということを前提に私はするのではなくして方々一あり得たならばということから考えますと、そういうことが万一あれば、また今回と同じように犠牲者が出るということは、これははっきりいたしております。
 従いまして、私も何とかして、そこへ一つ公共的な、山を作ってやりたい、岡を――水面からずっと何メートルか、五メートル、六メートルの、幾ら大波が来ましても、水が来ましても大丈夫なものを作ってやらなければいかぬ。それにはサンド・ポンプで十日か、十四、五日吹いてやれば、そうすれば、一日で一万立米ぐらい上がる。そうすると十五万立米ぐらいの山ができる。土地の町長なんかとも、そのことを相談しましてそこで農地をあまりつぶしてもしようがないから、しかし部落と部落の間あたりに、そういうものを作ってそれは日ごろ公園にして、何らあれのないところですから、山を作ろうじゃないか。そういうことを相談しましたところが、非常に喜んで、万一の場合に――ないといっても万一の場合に、非常に助かるし、そこが村の人、町の人の集会所になってもいいしというようなことで、私は、今御意見のように、そういうものを公共的に考えてやる必要があるのではなかろうか。この点は、予算もそんなにたくさん金がかかるわけのものでもございません。土地は、みんなが提供するというくらいに言っておりますから、これは格関係方面と相談して、そういうものも、まず考えていかなければならぬ。それから学校、公共の建物等は、少なくとも鉄筋コンクリートにしてやる。そうしてそういう非常事態に備える必要がある、道路を上げるとか……。私は一般の民家、これは指導はいたしますけれども、一般の民家を、全部あれをそういうような水面以上に上げて整理をやるというようなことは、今のところわれわれ考えられない。従って、今田中委員のお話のように、ほんとうにまあ、子々孫々に至るまで絶対安全を期そうと思う人は、それは、御自分のものなんだから、それを少しでも上げておいた方がいい。
 そういうような指導は、これは私は、十分することはけっこうですが、なかなか今これを命令だとか、あるいはやらなくちゃ許可せぬとか、あるいは金を貸さぬとかいいましても、なかなか家がこわされて、再建築する、そのたびに、また金がかかる、その金のかかることに、土地の地盛りまでも大きな金がかかったのでは、なかなかこれは、言うべくして行なわれないことでありますから、まず、そういう段階を踏みながら、あの地帯の人たちが、万一のときにも、絶対に犠牲者の出ないような措置を講ずる方法を一つ考えてみたい。
 こういうので、今私、研究をいたしておりますが、大した金のかかることではないと思いますので、十分検討して全く災害防除の基本的な点でありますから、この点一つ、十分に検討していたしたいと思います。
#165
○田中一君 最後に、希望を言っておきますがね、御承知のように日本の臨海工業というものは数十カ所ある。それがみな同じ条件なんです。そうすると、これはやはり日本の産業の大きな基盤なんですよ。それらが来るために、まずしい農家、それは、散在する、介在する農家にしても、工業用水をどんどん揚げていくから、自分の宅地が沈下していくということが促進されるということがあるのですね。この災害国庫負担法では、「等」と書いてあるのですね。暴風雨とか、地震、雷、火事、おやじじゃないけれども、そういうものを、みな「等」と書いてありますがね。地盤沈下も、自然現象ですよ。これもやはり、一つの災害として国がやろうとするならば、やる道はあると思うのですね。
 だから僕は、この臨海工業を含めた臨海農地、臨海住宅地、臨海商店街、あらゆる臨海地帯に対しては、あらゆる施策をあなたが建設大臣として考えることが必要でございます、これは。無論自力でできるものは、自力でおやりなさい、しかし、できない問題は、どうしてやるかという問題は、一種の共同体なんです。
 だから、この点は、十分に僕は考えて立法していただきたいと思います。一つ、考えて下さるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
#166
○国務大臣(村上勇君) 私、実際の実地を見てみますと、どうも、この農村の一つのあり方ということから、まあ集団的に、そこへ住居をかまえるということにできないのです、今の現状はですね。従って、あれをある地域に、そこへ一つの土地造成をして、そして安全地帯を作って、そこへみんなが住んでくれれば都合がいいのですが、そうするというと、非常に百姓としても、不便な所もあるだろうと思います。私の、まあ第一今考えておりますのは、そういう際に、絶対に犠牲者が出ないという方法ですね、それはただ、先ほど申し上げましたような方法が一番いいのじゃないかと、まあこう考えております。
 従って、その面についての研究をして、なお今御指摘のようなことですが、やはり地元の人たちの希望等も勘案いたしまして、そういうような点があるならば、今ならば、これは―まあそうすると、どこがどういうような金の出し方をするか、その経費については、私は、まだ研究しておりませんけれども、そういうことが、地元の非常な熱望もあり、またそういうことをやっても、そこへ、そういう土地を希望して、そういう土地によって生活しようということならば、十分考え得られるのは、現在そのサンド・ポンプ等の施設も、みな機械力等が備わっておりますから、今なら一番、私は早いのではないかと、こう思っておりますが、一応現地の、まあ中部地建だけの問題じゃないですが、一応、一つのモデル地区として現地に検討さした上で、何らかの方法を講じてみたいと、かように私考えております。
#167
○田中一君 資料を要求します。これは建設委員会へ出してもらってもけっこうですが、現在、今までの臨海工業地帯として、あるいは農地として、宅地として、商店街として、あらゆる面で沖積層の都市、農村、そうしたものが、人が住んでいる所でいいですよ、農地なら、農地には人が住んでいますからね、そういう所は、全国的にどのくらいあるか。これは、せんだって差し上げた資料には書いてありますが。そうして、そこから生まれる――あなた方は、いつも経済効果経済効果、経済効果さえ上げれば、なんでもするんです。あなた方の行き方は。全部自民党の行き方は。これは、もう住友金属がもうけても、だれがもうけてもいいんですよ。採算さえとれればいいという考え方を持っておる。政府の出している経済白書には、そう書いておりますよ。
 それで、そういうものも含めて現在地盤沈下の現象、あるいはゼロ地域ですね。ゼロ地域は、どのくらいあって、それはどのくらい人間が住んでおって、そこから、どのくらいの経済効果を生んでいる。あらゆる生産ですね。それから、その地点の面積ね。それからそれを埋め立てさせる場合には、たとえば埋め立て――埋め立てじゃない、かさ上げですね、土地のかさ上げをする場合には、どのくらいの費用がかかるかということは、当然、国土保全の責任がある建設大臣は、それくらいの資料を持って何か質問されたならば、この地区は、こうでございますということが答られるくらいでなければ困る。二年くらいかかってもいいから、十分詳細なる調査をして下さい。今まで、そうなんだ。今まで、なんでもない調査を頼むと、必ず二年くらいかかる。
#168
○政府委員(鬼丸勝之君) 先ほどの小平委員の御質問にお答えいたしますが、現在の中部地方建設局の職員の現況でございますが、現在員は、定員内職員といたしまして千七百五十二名おります。この内訳は、事務官が四百五十九名、技官が九百二名、雇が三百九十一名、計一千七百五十二名でございます。ただ、これには定員内若干欠員がございます。
 それから次は、準職員でございますが、これは現在六一日八十名おりましてその内訳は事務系統百六十一名。技術系統百八十名。技能系統が三百三十九名ということになっております。
 それから非常勤職員でございますが、常勤的非常勤職員の数、これが一千九十三名おりまして、事務系統が三百十五名。技術系統が百七名。技能系統が五百二十三名答……、まあ、このうち千六十九名が、いわゆる登録の非常勤職員ということになっております。これが現況でございます。
#169
○小平芳平君 今の、定員内で事務が四百五十九。技術が……。
#170
○政府委員(鬼丸勝之君) 九百二名。
#171
○小平芳平君 今度ふえる三百名は、どこに入るわけですか。
#172
○政府委員(鬼丸勝之君) 今回提案されておりまする増員の二百名は、事務系統が四十名、技術の系統が百六十名でございまして、二百名のうち五十名は、本局に配属いたします。中部地方逮没局の本局の河川部におもに配属されますが、その他総務部等にも、若干増員をする予定であります。残りの百五十名は、第一線の工事事務所に配属いたしまして、新たに事務所を設置するものもございますので、第一線の事業の施行に当たらせるということで、百五十名を第一線に振り向ける考えでおります。
#173
○小平芳平君 この定員が千七百五十二名で、準職員六百八十名、このくらいの比率で、また準職員がふえるわけですか。あるいはまた、この非常勤の方も、二百名も従ってふえるわけですか。
#174
○政府委員(鬼丸勝之君) 今回の二百名の増員に伴いまして、準職員は、全然ふやすことを考えておりません。
 ただ非常勤職員につきましては、御承知かと思いますが、工事費から支弁するものでございますので、これは事業の実情に即しまして若干考えなければならぬと思っておりまするが、まだどのくらい、この非常勤職員を採用するか、その数等につきましては未定でございます。
#175
○小平芳平君 普通こういうように、定員と定員外にたくさんの準職員とが、まあ、非常勤の職員は問題がないかもしれませんけれども、準職員というのは、性格としては、臨時工みたいなものですね。そういう準職員は、普通毎日出勤していてしかも相当期間にわたって勤務しているにもかかわらず、定員に入らない、
 そういうことが、こういう大ぜいの大甘八十人もの人員をかかえておりますと、これはもう建設省全体の問題だろうと思いますが、大てい、それが問題になると思いますけれども、建設省の場合は、問題にならないのですか。
#176
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま御指摘のように、このように同じような勤務形態の職員が分かれておりますことが、根本的に問題もございます。
 従いまして、私どもといたしましては、従来から非常勤職員も含めまして、準職員、非常勤職員につきまして正式の定員内職員に繰り入れるようにという趣旨で努力をいたして参っておりまして、従来数次にわたりまして、準職員等の定員化が、ある程度実現してきておりますが、ただいま御指摘のように、建設省全体といたしまして、準職員が約五千名くらいまだおります。これらは、今後なお一層努力いたしまして、この準職員の定員法上の定日にいたしまして、準職員の地位を安定させたいと、かように考えておる次第でございます。
#177
○小平芳平君 それで、大体その職員の点はわかりましたですが、先ほど建設大臣から、非常な決意を持って堤防工事その他に当たられるというこの際ですから、一つこういう金があれば、あとは人間が問題ですから、一つ職員について、十分めんどうを見てやっていただきたいと思う次第です。
 で、ちょっと先ほどの質問に関連質問ですけれども、建設大臣から、今のうちならば、地上げしょうとすれば、できるような状況にあるというお話ですけれども、この際ですから、全部家が流れてしまった、あるいは全壊して、新しく建て直すというような場合は、希望があれば、個人の住宅地でも、多少なりとも、地上げしてやれないものかどうかということをお聞きしたいのです。
#178
○国務大臣(村上勇君) これは、私は現地を見ますというと、もう大体、みなそれぞれちゃんと、あれができております。しかし、今ちょうどくぼ地あたりに、ずっと住宅のあるところで、希望があれば、私は、わずかな金で土砂をふやしてやりさえすればいいんですから、ですから、わずかの金で私はできると思います。
 ただその金の出所については、これは、私個人で申しますならば、私が出して上げたいと思いますが、これは国の財政のことですから、いろいろと格関係方面とも相談しなければなりませんが、現地の人たちも、要請があれば、私は、この際が一番宅地造成には適当な時期であると、かように思っております。
#179
○田中一君 関連して。
 どうも大臣が、私に答弁していることと、小平君に答弁しているのと食い違いがあります。どうしてそういう、何というか、その場限りの答弁をするんですか。まことに情ない。私が言っているのは、都市計画が先行しなければ、そういうことはできませんといっている。地方団体が、区域の全体の計画で、一番先行するのは、公共的な道路とか、あるいは学校とかの施設です。
 そういう施設の方針がきまり、そうして新しい土地計画のもとに、地元の個人の意見というか、注文も聞きながら、その計画が先行するといっているんです。計画の先行の場合には、まず当然、その管理者なり、あるいは公共団体が、自分の権限のものをどうするかの問題が先行するんだというんです。あの中に、低い所に一軒家があるならば、あなたの言う通り、土さえあれば簡単に地上げができる。小平君に対する説明は、それでけっこうですが、そういうものではございません。
 ですから、国が立法措置なり何なりでもって、そういうものを助成していい環境の区域を作るという義務があると思うんです。それには、まず地方公共団体なり、あるいは国が、その計画をもって先行するんだということを申し上げている。今の大臣の小平君に言っている答弁は、さっき僕の言っていることを、ちっとも理解していない。それは困るんですよ。
#180
○国務大臣(村上勇君) 今のお言葉を返すわけじゃないんですが、小平さんの御質疑に対して、そういう宅地を、本人の希望があれば、やってやるかと申されますから、私は、私に金があれば、個人的にいうならば、自分の金を出してもやって上げたい、こう申し上げた。しかし、今あなたの御指摘になられたような公共的なものについて、これは、それが先行するということは、これは当然です。そうして学校とか、あるいは道路とか、あるいはその他の公共の建物等が先行していくということについては、これは、あなたと全く意見が一致しておることであって、そう、そのやかましく言うことはない。
#181
○田中一君 計画局長、僕が、今質問していることが、大臣答弁なんです。そういうふうに、大臣は答弁すればいいんです。あなたは、国の責任者としてどう考えますか。
#182
○政府委員(関盛吉雄君) 午前中から、いろいろ土地災害並びに都市の今後の防災的な考慮のもとに永久の施設をしなければならないということについていろいろお触れになったわけでございますが、一番最初に臨海地帯、特に沖積層をかかえております東京、あるいは伊勢湾、あるいは大阪、まあ代表的に申し上げますれば、そういったような地域におきましては、お話の通りに、かつての河川の沖積地帯でございまして、建築研究所におきましても、また地理調査所におきましても、いろいろ地耐力並びにその施設の配置につきましての調査を、部分的にかなり進めておるのでございます。
 従って、われわれといたしましては、ごく最近でございましたが、地耐力の調査につきましては、昭和三十年に国土総合開発の調査といたしまして、京浜工業地帯の川崎を中心とした地耐力調査を実施いたしたのでございます。その後資源調査会から、科学技術庁長官あてに、都市域測定計画の推進に関する勧告が行なわれまして建設省といたしましても、昭和三十三年三十四年の両年度に、調査計画を立案いたしまして、予算を要求いたしたのでございますが、その予算に関しましては、今日までまだ予算の計上がみておらぬ、田中先生は、この点を非常によく御承知で、午前中から、いろいろ御鞭撻を受けたのでございますが、三十五年度の要求といたしましては全国の今お話の沖積属に属する地帯の地盤調査という、その地耐力調査というものを、三十五年度以降五カ年間でもって実施をいたしたい、その対象地域は、おおむね四億坪程度と考えておりますが、明年は、その第一年度といたしまして八千九百万円程度のものを要求いたしまして、そしてお話の通りに、ボーリングを初め、あるいは土質試験、物理探査、こういったようなものを徹底的に行なう、こういうことで、今大蔵省と、いろいろ相談をいたしておるのでございますが、なお都市施設のこういった災害との関連におきまして、都市計画法の運用ということが、これはまた、まことに重要な問題でございます。
 都市計画法におきましても、永久に公共の安全を維持し、福理を増進ずるための重要施設の計画というものが都市計画法の重要な事項でございまして、防水あるいは防潮等の施設も、やはり都市計画の決定の一つの内容になっております。
 ことに、先ほどお話になりました宅地の利用増進といいますか、現在、宅地というものが住宅等を安心して乗せておるのにふさわしくない宅地、それを、つまりいいものにだんだんと作っていく、こういうことも、やはり都市計画法の計画の中には、当然考えていかなければならぬと思っております。
 従って名古屋市に関しましては、その後名古屋市当局に、都市計画上の施設の配置はもとより、今後工業地帯として、都市計画決定が行なわれております日光川以西の地域のいわゆる都市計画区域内における宅地等の区画整理の手法につきましても、いろいろ相談を今いたしております。何ぶんにも現在まで宅地等が、すでに建物等によって開発されております。既存の住宅地帯につきましては、まだ名古屋市当局といたしましては、災害直後の応急的措置に忙殺されておりますので、まだ、はっきりした根本的な地上げ等の計画は持っておらないのでございますが、一面、都市計画法の施設の配置計画が、今関係の法律が、事業として実施いたしますことになっておることが、非常に多いのでございます。
 ただいま出ておりました中に、海岸の堤防、あるいは河川の堤防、いずれも、これは防水、防潮施設でございまして、公共施設として都市を防護する、こういう方面の計画も、いわゆる名古屋市の当局といたしましては、非常に期待をいたしておりますので、名古屋はもとより、その他の東京、あるいは大阪等の類似地帯における防潮、護岸、あるいは防水施設の公共事業の計画につきましても、河川局において、いろいろ検討をいたしておられますので、われわれも、その線に沿って、同時に名古屋市並びにその他の行政庁と相談をしているような状況でございます。
#183
○田中一君 そこでね、今八千万程度と言ったが、そんなもの、だめですよ。もうね、必ず高潮がくる地帯がわかってるんですからね。これは八千万どころじゃないですよ。その三倍ぐらい初年度につけて、五年計画じゃないですよ、これは。永久ですよ。永久に追っかけっこしなければならないのですよ。地盤沈下、かさ上げ、地盤沈下、かさ上げ、それで追つかけっこしなければならないのですから、それで、もう少し、大臣が腹をきめて要求しなければならないです。僕はずいぶんきのうなんかも、佐藤大蔵大臣に開かすために言ってるんですからね、そうしなければだめです。
 それは、今そういう計画があって去年もことしも、そうやって予算化できないということは、災害を待ってるのが、今の国の政治の現状だということを、逆説すれば言えるのですよ。一つつ、その今の計画は、推進して下さい。そうして初めて、今度は、住宅の宅地の問題なり、それから河川局の方で、築堤の面でも、護岸の面でも、そこから出発しなければならないのじゃないかというのですよ、ということを言いたかったんです。
 それから、もう一つだけ聞くのですがね。きのう、これは時間がないので、村上さん、時間がなかったので言わなかったのだが、念を押さなかったのですがね、きのうお目にかけたあの地理調がとった空中写真ですね。あれは、私なんかちょっと理解できなかったのですが、専門家が写真とってみると、これはどういう高さを持っていると、すぐわかるのだそうです。そういう職人がいるのだそうです。これをね、どうしてもしなければなりません。一番最初には、これは生命を守るためです、第一に……。次に、逃げ場をきめておくということですね。海岸堤防が破れた場合には、どの地区の者は、どの地区に逃げるという逃げ場をきめておくためにも、応急の問題としては、空中写真を全部とって、まず最初に、危険区域をとつちゃって逃げ錫をきめることが急務です、これは。
 そうしてかつての陸軍時代にあった陸地測量部、これが、今ようやくその古い地図が、五万分の一の地図、よく登山家なんかが持って歩く地図、あの地図だけが頼りなんです。
 ところが、御承知のように、山は木を切り、治山というものは、もう忘れておった。そうして現状、年々の災害によって、国土の形は変貌しているのです。これを、国土全体を責任もって保全しなければならない立場の建設大臣が、何ら国土の姿というものを鳥敵する何ものも持っていないということです。あなた、持っていないでしょう。これじゃいけないのです。どの一つの山はこうなっている、木がこれくらい生えている、このがけっぶちは、こういう崩壊があるということは、常に頭になくちゃならない。この地図を作るならば、簡単なんです。
 日本全土の地図を作るのに、せんだって飛行機を一台、三十四年度の予算でもって、買ってやったのですね、地理調に。あれで足りなければ、借り上げればいいのです。そうして十億あれば、日本全土の地図というものを写真にとれるのです。そうすると、資源調査会が発表した洪水予測の地形図ができ上るわけですよ。そうすれば、あの五千人も人間殺す必要がなかったのです。これは大事であって、この堤防が切れた場合には、高潮の水がここまでくる。ここまで湛水する。従って逃げるルートをきめておけばいいのですよ。災害救助法が発動する――じゃないですよ。まだ、予測して安全な所に退避しようというところの地図さえ、できていないわけですよ。これは一つ、三十五年度の予算には、本年度の災害にかんがみて、この地形図の作成ということを強力に托し進めていただきたいのですよ。あなたの所管の地理調査所がやっているのですよ。
 これを、今度部市の分を二千五百分の一、それから農村、山間部、こうしたものは、五千分の一で拡大して、これは、何でもない作業です。こうすると、これが、大体百五十から百八十億くらいかかるでしょう。こういうものを、全部作らなければ、根本的な防災あるいは国土保全の対策は立たないわけなのです。地上に現われておるものと、地下の現象というものを知らなければ立つはずのものではないのですよ。
 これが忘れられておるということ。これは、国から出しておる経済白書を見ても、常に経済ベース、収益が早くこなければ実施しないのだということなんですね、こういう考え方は、典型的な資本主義の考え方なのです。金持、資金があるところに、何でもしてあげましょう。日本の国費をつぎ込んであげましょう。しかしながら貧乏な地域、収益が上がらない地域に対しては、国の予算をあげませんということでは、やはり、これも災害待ちの姿、政治なんです。災害を待っている政治なんです。災害のもとは空にある、常に原因は、台風にあるのですよ。もう一つの原因は、地下にあるのですよ。
 この二つの問題を、どうか一つ三十五年度には、強力に推し進めて恒久対策のもっとになるところの資料ですから、ぜひとも推進していただきたい、こう思うのです。
#184
○国務大臣(村上勇君) 昨日から、たびたび御指摘になっておられる点でありますので、私は十分、これは納得することができましたが、昨日の話では、どうも二百億もかかるとかいうことで、ちょっとびっくりしたのですが、(「一年二、三億ですよ」と呼ぶ者あり)しかし十四、五億で、国土の基本図ができるということになれば、一応私どもの方としては、積極的に予算的にも努力して参りたいと思っております。その上で十分、一朝有事に備えていくことができれば非常に幸いだと思っております。十分努力いたします。
#185
○小酒井義男君 一言だけ私も建設大臣に、一つ強力に推進してもらいたいということで申し上げておきたいのですが、昨日も、十分間の時間で、私があまりしゃべっておると、大臣の答弁を受けておるうちに済んでしまいますから、簡単に言っておいたのですが、私、極端なたとえをすれば、雨が降ったら、もうすぐ雨が漏る、風が吹いたら、軒が傾くというような家庭に、大ぜいの子供をかかえておってそれをやらずにおって、そこの主人公が、何か競輪かゴルフでもやっておるような姿が、今日、日本の姿じゃないかというような私は気さえするのです。
 一番大事なことは、やはり国土の保全ということが、最も初歩的な条件として、国民生活の基盤になって私はいいと思うのです。そういうことがなおざりにされておるということが、これが今までの政治の私は盲点だと思うのですよ。大地に足を踏みしめよといっても、踏みしめる大地が、そういうことで、しっかりしておらんのですから、そういうことをやるということは、やはり政治として、最も重点的にやるべきだということを、もっと強く主張せられて推進をしていただく価値のあるものだと思うのです。
 そういう点で、一つ田中委員の言われたことの蛇足のようなことになるのですけれども、十分、一つやっていただきたい。
#186
○国務大臣(村上勇君) 国土保全につきましては、私も多年このことを、ほとんど私の政治生活と申しますか、私が、こういうことをしておりますのも、また今日まで、私がやって参りましたことすべて、私は、国土保全であったと思います。いろいろと御批判がありましたが、岸内閣と申しますか、この政府の、どうしても国土保全には、総力をあげて参るということを、たびたび総理もお答えいたしておりますように、私どもも、この際何とかして、台風から国土を防衛したい守りたい、かように思っております。
 しかも、この災害によって、台風によって、一番哀れな状態にあるいわゆる被災者の多くは、これが農村であり、あるいは漁村である、こういうような比較的国民の中でも、個人的には、力の比較的弱いところに、その被害を及ぼしておることを考えますと、私どもはどうしてもいかなることをおいても、とにもかくにもその緊要度の高いところから、災害防除を十分やっていかなければならぬということは、私は痛感いたしております。でありますから、政府としてはほんとうにいわゆる多数の、これらの人たちの生命財産の安定のために、いわゆる民生の安定のために、十分に努力するように決意いたしておりますので、どうか一つ、その辺につきまして、なお私ども足らぬところは、叱咤鞭撻していただいて一つ、これは党派のいかんにかかわらず、国土保全に御協力をお願いいたしたいと、かように思っておる次第であります。
#187
○田中一君 最後に、水の制度なんですよ。水利行政というものは、今のような形では、結局これは、やはり災害を待つ状態になっちゃうのです。
 一体、水をこのように、勝手気ままにぶんどり合ってやっていたのじゃ、これはだめです。足りないはずですよ。調査室で、僕は調べさせたのですが、ことしの春から、もう水飢饉だといって大騒ぎをして、新聞にも、何十回となく出ているのですよ。あっちでもこっちでも、水飢饉でもって農民が水争いをやっているのです。ところが、一たん水がくると、こういうような大災害になるわけです。
 水の制度というもの、水の行政というものが、やはり国として、これはきのうも言っているように、日本の唯一の資源なんです。ほかにない、これだけが日本の資源で、アメリカのように、台風が来たって、広い土地を持っておったら、水にたよらぬ場合もあるかもしれない。日本は、そうじゃない、この背骨のような高い山を持っていて、両側の海へ、最短距離で流れておるという地形にある日本は、水を逃がさないことが大事なんです。行政面を見ますとみんな勝手ほうだいに、総合性なく使っておるわけですね。これは私は、日本の防災の見地からいっても、国の将来の繁栄というものを考える面からいっても、これは、一つこの制度というものは、分取り主義じゃなく、総合性のある水制度を考えてもらわなければならぬと思うのです。ちょっと雨が少ないと、大騒ぎです、ちょっと降ると、これまた大騒ぎです。だから、場合によれば、これは、気象も発達しておりますから、統計でもって今の学者は、おそらく算定できると思うのです。それこそ夢じゃございません。山の中腹なら中腹へ、ため池をうんと作ることですよ、これは防災になります。そのかわり、早魃の場合には、それを流せばいいのです。人間がふえた地域には、そこで取水して飲料水に流してもいいのです。それが全部、水利権分取り主義です。
 まず第一に、各県、水利権は各地方公共団体の長が握っております。国が持っているのじゃない、その行政区域で押えておるわけですね。使う面にいくと、農林省、通産省、建設省、厚生省なんという工合に分け取り合っている、それにもっていって、今度は地下水の問題、そう考えますと、私は、水法なんという法律ぐらい作っていいというふうに再々言っているのです。これは一つあなた、そういう点については、詳しい方なんだから、一つ閣議でも、一ぺんこの問題をぶち込んで、何かこの制度を、ほんとうのものにすることですよ。これは民族の資源なんですから、何も県知事が持っている資源ではないのです。そんなものを地方長官が持っていたり農業だ、工業だといって分け取りすべき性質のものではないのです。
 この点も一つ防災の見地から、国土保全の見地から、それから経済的な将来の日本の民族の繁栄のためにも、この制度を、一つ確立するように、御努力願いたいと思います。
#188
○国務大臣(村上勇君) 私も、今田中委員の御指摘の通り、数十年来水の広域利用ということについて相当研究して参りました。
 これは、私はまた別な角度から、要するに一滴の水も、これを粗末にしないようにということは、この資源の少ない日本としては、どうしても雨を輸出しなければいかぬ、年々歳々の雨量が、世界でも、日本が非常に都合よく雨が降っている。この水を、ただいまお説のように、上流に貯水してそれを一滴も粗末にしないように、あるいは動力化すとか、あるいは工業用水化すとか、水道とか、あるいは農業用水、あるいは水利の面でうまく利用しまして、そうしてこれによって、いわゆる外貨獲得の原動力にするということになれば、結局、それは雨の輸出によって、日本の虚実も繁栄するのだ、日本の国も繁栄するのだというようなことから、数十年来、これのみを研究して参りました。全くただいまの御意見は、私その通りだと思います。今後十分この点に関しましては、真剣に、われわれこの立場にいる者が検討いたしまして、いろいろな水の面について、まあ私は、昔よりも相当このごろは、うまく利用はしていると思いますけれども、まだまだわれわれとしては、納得のいかない点がありますので、この点については、十分検討いたしまして、御期待に沿いたい、かように思っている次第であります。
#189
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに、御発言はございませんか。――御発言もございませんようですから、小委員会における審議は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#190
○委員長(稲浦鹿藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、委員会における小委員会の審議の経過の報告の内容はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(稲浦鹿藏君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。
 それでは、本日は、これにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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