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1959/10/31 第33回国会 参議院 参議院会議録情報 第033回国会 風水害対策特別委員会 第2号
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1959/10/31 第33回国会 参議院

参議院会議録情報 第033回国会 風水害対策特別委員会 第2号

#1
第033回国会 風水害対策特別委員会 第2号
昭和三十四年十月三十一日(土曜日)
   午前十時三十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員亀田得治君辞任につき、その
補欠として清澤俊英君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     郡  祐一君
   理事
           稲浦 鹿藏君
           重政 庸徳君
           田中  一君
           成瀬 幡治君
           小平 芳平君
           向井 長年君
           森 八三一君
   委員
           秋山俊一郎君
           井上 清一君
           石谷 憲男君
           木村篤太郎君
           草葉 隆圓君
           古池 信三君
           小林 武治君
           小山邦太郎君
           斎藤  昇君
           山本 米治君
           吉江 勝保君
           米田 正文君
           大倉 精一君
           清澤 俊英君
           栗山 良夫君
           小酒井義男君
           羽生 三七君
           藤田藤太郎君
           安田 敏雄君
           大竹平八郎君
  国務大臣
   農 林 大 臣 福田 赳夫君
   建 設 大 臣 村上  勇君
  政府委員
   農林大臣官房長 齋藤  誠君
   水産庁長官代理 高橋 泰彦君
   建設政務次官  大沢 雄一君
   建設大臣官房長 鬼丸 勝之君
   建設省計画局長 關盛 吉雄君
   建設省河川局長 山本 三郎君
   建設省住宅局長 稗田  治君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○風水害対策に関する件
 (農林省、建設省関係被害状況及び
 対策)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(郡祐一君) ただいまから風水害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。亀田得治君が本日辞任され、その補欠として清澤俊英君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(郡祐一君) 一昨日、委員長及び理事打合会を開き協議いたしました結果、本日は公報をもってお知らせいたしました通り、まず農林省、建設省関係の被害状況及び対策について政府当局の説明を聴取いたします。次は十一月四日に委員会を開き、付託された法案の提案の理由の説明を聴取し、引き続き各省から被害状況及び対策について説明を聴取する予定であります。
 なお、その後の運営につきましては、原則として連日委員会を開くこととし、五日以降に説明に当たる各省の割当等は、本院の予算委員会並びに衆議院の災害対策特別委員会及び予算委員会の予定をも照合して、委員長及び理事打合会において協議決定することとする。以上のように理事会において申し合わせいたしましたので、御報告いたします。
 それでは、ただいまから農林省関係の被害状況及び対策について、農林大臣の説明を聴取いたします。
#4
○国務大臣(福田赳夫君) 農林水産関係の被害の概況とその対策について御説明いたします。
 順序といたしまして、台風の状況につきまして御報告申し上げるべきでございまするが、これはすでに建設大臣より本会議におきまして御報告申し上げておりますので、時間の関係等も考慮いたしまして省略させていただきます。
 第二に、農林水産関係の被害の概況でございまするが、現在までに判明した台風第十五号の被害は、総額におきまして、関係府県からの報告によりますると三百七十六億円というふうになっておるのでございます。このうち農地、農業用施設の被告は約二百八億円で、その半分以上に該当し、林地の崩壊、治山施設、林道の被守は百三十九億円、漁港施設の被告は二十九億円となっておるのでございます。
 なお、本年は御存じの通り六月までは比較的災害が少なかったのでございますが、七月に入りますと局地的豪雨があり、次いで台風第五号が来襲し、八月におきましては、台風第六号、第七号が相次いで来襲し、山梨、長野県等に甚大な被害を与え、さらに下旬には豪雨、九月中旬には台風第十四号があり、これらの被害を加えますと、七月以降台風第十五号までの農地農林水産業施設の被害総額は七百九十八億円の膨大な額に達します。これを施設別に見ますと、農地、農業用施設の被害が四百十億円、林地の崩壊、治山施設、林道の被害が三百三十四億円、漁港施設の被害が五十四億円、さようになっておるのでございます。
 次に、台風第十五号による農林水産物の被害の概況について申し上げますと、その総額は六百四十五億円でございます。
#5
○委員長(郡祐一君) ちょっと。あなたの今説明しておられる資料がまだ私の手元にはきておらぬが、配付がどうなっているか、あるいはここに配付されたものにあわせて御説明願うか……。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。
#7
○国務大臣(福田赳夫君) 次に、台風第十五号による農林水産物の被害の概況について申し上げますと、その総額は六百四十五億円でございます。このらち、農作物の被害につきましては、被害面積が約百十三万町歩、それから台風第十五号の被害量は約百十万トンで、その被害見込み金額が約四百億円、これを農作物別に見ますと、水稲が約八十六万町歩で四十五万トン、それから野菜が約七万八千町歩で三十九万トン、果樹が約六万五千町歩で約十五万六千トンの被害となるのでございます。このほか、畜産関係の被害が約八億円、蚕繭の被害が約五億円あります。林産物の被害は百六十七億円でありますが、これは主として立木(約百二十七億円)の倒伏折損、素材(約三十六億円)の流失によるものであります。水産物の被害は、三軍県を中心に真珠母貝、ノリ、カキなどの養殖物に発生し、その総額は五十九億円に達しております。また今回の台風は、所によっては共同利用施設、個人施設にも壊滅的な打撃を与え、現在までの報告によれば、農協、漁協、森林組合の所有する共同利用施設の被害は十六億円、その他の施設の被害は百十五億円でありますが、真珠いかだ、漁船の流失、沈没等、水産関係の被害がその半ばを占めております。以上が被害の概況でございます。
 第三に、これに対してとりました応急対策につきまして御報告申し上げます。農林省といたしましては、この被害の激甚なのにかんがみまして、現地に設置されました中部日本対策本部に責任辛を派遣し、地元関係機関と緊密な連絡のもとに応急対策の万全を期したのであります。すなわち、浸水地帯の食糧を確保するため乾パン四百七十万食分を全国から調達発送し、被害激甚県には五日分の内地米を特配するなどによりまして、やみ米の価格の高騰を防止する措置をとり、食糧の確保と安定に万全の措置を講じたのであります。
 また応急仮設住宅公共用施設、一般住宅などの災害復旧用材につきましては、国有林においてすでに約二十万石の備蓄を完了し、さらに二十万石の集積を行なっております。地元の要請に応じ逐次その所要せを供給いたしておりますが、そのほか潮どめ材用丸太につきましては、国有林の緊急伐採によりましてその需要を充足する措置をも講じておるのであります。民間材の入荷も順調でありますので、一時騰貴いたしました木材価格もおおむね平常に復しつつあるような状態でございます。
 鍋田、碧南などの決壊した干拓堤防につきましては、仮締め切り工事を早急に行ない、これを早期に完了することを目途に目下懸命の努力を払っているのでありますが、すでにこれに必要な予備費の支出も見ているのであります。また愛知県海部郡、三重県木曾川、長良川下流の湛水地帯におきましては、国の保有ポンプ及び新規に購入したポンプを動員して堤防の仮締め切りの完了後直ちに排水できる手配をいたし、仮締め切りの完了した所ではすでに活動いたしている次第であります。その他輸入ふすま、事故麦の放出による家畜飼料の確保、緊急家畜防疫対策、災害対策用備蓄蔬菜種子の手配等についても必要な措置を講じているような次第であります。
 次に被災農林漁業者の資金対策でありますが、まず水稲及び家畜の農業共済金につきましては、すでに仮渡しの措置をとっておるのでありまして、被害激甚地の連合会に対しては、国の特別会計から再保険金の概算払いも行なっておるのであります。また漁船に対しましても、保険金の支払いが迅速に行なわれるよう措置いたしておる次第であります。被災農林漁業者の経営資金、災害復旧資金につきましては、天災融資法、農林漁業金融公庫資金、自作農維持資金など融資を行なうことといたしておりますが、当面の所要資金につきましては、農林中金、信連、その他の金融機関の協力を得て貯払い資金の確保、つなぎ資金の積極的融通等の措置をとることといたしております。
 以上台風第十五号の被害とその応急対策の概要について御説明いたした次第でありますが、先にも申し述べました通り、農林水産関係の被害総額は一千億円を上回り、今後これが復旧については、従来の法律及び予算措置のみでは、被災農林漁業者の完全な救済を期することは困難と考えまして、今国会に所要の予算案を提出し、また所要の法律案の御審議を願うことといたしております。
 まず今次補正予算案に計上された農林関係災害対策費について申上げます。第一に予算の総額は八十億八千一百万円でありまして、そのうち公共事業関係は七十億二千三百万円、非公共関係は十億五千七百万円であります。公共事業関係の内訳は、農業関係が五十一億五千三百万円、林野関係が十二億八百万円、漁港関係が六億六千二百万円であります。このほかに国庫債務負担行為として総額八億七千三百万円を計上いたしております。
 なお、すでに成立いたしておりまする予備費中より災害対策費としてすでに支出をいたしておりますもの七億四千百万円、その内容は、農地、農業用施設、排水ポンプの導入、干拓地入植者収容施設等が七億三千万円、治山関係三百万円、漁港関係八百万円、また今後予定いたしておりますものといたしまして、農地、農業用施設三億三千五百万円、林道三千万円、計三億六千五百万円があるのであります。
 予算といたしましては、すでに計画のきまっているものは以上でありますが、なおそのほかに状況に応じまして、今国会に提案いたしました予算の予備費の中からこれを支出するというものもあるわけでございます。その内容につきましては、第一にまず農地、農業用施設の災害復旧事業でございまするが、これにつきましては、被害の特に激甚な地域については、農林水産施設復旧暫定法の特例によりまして補助率を九割に引き上げることにいたしましたほか、被害地の農業者の出席活動を促進するため災害後復旧事業の進展を高めることといたしまして、従来の初年度平均二五%という進度率を引き上げまして、引き上げ分は国庫債務負担行為によってこれをまかなうということにいたし、六億九千九百万円を計七しておるのでございます。このほかいわゆる改良復旧という問題でございまするが、災害復旧事業の施工と関連いたしまして実施する必要のある事業につきましては、復旧費に対する比率を引き上げるとともに、被害激甚地につきましては、補助率を従来の二分の一から三分の二に引き上げることにいたしておる次第でございます。これによって補正予算額は災害復旧費、農地七億二千万円、農業用施設二十八億六千七百万円、合計三十五億八千八百万円、災害関連一億九千三百万となっておりますが、このほか所要の経費は、さきに申し述べました通り補正予算の予備費から支出するようにいたしております。
 それから次が伊勢湾高潮対策というものでございまするが、被害の激甚な伊勢湾の海津及び干拓堤防につきましては、直轄工事により復旧事業の一部を行ならほか、補助専業については特例法を設けまして、今後の災害を防止するための災害関連事業について八割の国庫補助を行なうこととし、伊勢湾高潮対策として八億四千万円を計上しておる次第でございます。
 次が開拓でございまするが、被害の激甚な開拓地につきましては、住宅、農舎、畜舎などの復旧費に対し九割の補助を行なうこととし、補正予算において二億二千二百万円を計上しております。
 次が救農土木でございます。被災地のうちで主として湛水による被害のため災害復旧事業なども行われず、現金収入の見込まれない地域及び被害激甚な開拓地において現金収入の途を開くため救農土木事業を施行することといたしまして、そのための経費として三億円を計上いたしております。
 林業関係は治山施設復旧、緊急治山及び林道復旧でありますが、治山施設につきましては、公共土木施設災害復旧に関する特別措置によりまして国庫負担率の引き上げを行なうこととし、当該地方公共団体の復旧事業費が標準税収入の二分の一までを十分の八、標準税収入までの分十分の九、標準税収入以上の分が十分の十という国庫補助を行なうことといたしたのでありまするが、他方当年度の事業進度につきましても、農地と同様に引き上げることといたしまして、充百万円の国庫債務負担行為を計上しておるのであります。この結果、補正予算額は治山施設が二千二百万円、緊急治山七億八千万円であります。他方緊へ治山事業につきましては、被害激甚の地方公共団体の負担分に対して起債の措置を行なうことといたしておりますが、事業完了まで起債充当率を初年度と同程度に高めることにいたし、その元利償還については、一定額を基準財政需要に算入し、交付税により補てんするように配慮いたしております。
 林道復旧事業につきましては、農林水産施設災害復旧国庫補助暫定措置法の特別措置により、被害激甚地の補助率を十分の九に引き上げることといたしたほか、緊急に事業を施行する地域の進度を農地同様に引き上げることとし、国庫債務負担行為において七千二百万円を計上しております。また、災害関連事業の充実をはかるため、通常年の復旧費に対する比率を引き上げるとともに、被害激甚地における補助率を三分の二に引き上げることといたしたのであります。この結果、補正予算計上額は災害復旧費三億九千一百万円、災害関連一千四百万円でありますが、このほか、所要経費については補正予算の予備費の中から支出することにいたしております。
 次に、漁港関係でございます。漁港関係災害復旧のうち、直轄漁港につきましては、当年度に四〇%の事業を行なうため、千六百万円を計上しておりますが、補助漁港につきましては、公共土木施設災害復旧に関する特別措置によりまして、治山施設と同様に、被害激甚地について国庫負担率を引き上げるとともに、初年度の事業進度を農地及び農業用施設と同様に引き上げることとし、九千七百万円を国庫債務負担行為に計上いたしております。また、災害関連事業についても農地、林道などと同様に取り扱うことといたしたのであります。これによって、補正予算においては、漁港災害復旧費六億二千百万円、災害関連事業四千万円を計上しておりますが、このほか伊勢湾高潮対策など所要の事業費は、補正予算におきまして予備費によって支出することといたしております。
 次に、いわゆる非公共事業、公共事業関係以外の諸施設でございまするが、第一は、排土排水の問題でございます。風水害によって農地に流入し、広範囲にわって滞溜した湛水の排除及び堆積土砂の排除については、特別立法により九割の補助を行なうこととし、このうち、排水事業については一億六千二百万円を補正予算に計上しましたが、このほか、林業関係施設及び漁場の排土及び障害物除去事業については、所要の経費を補正予算の予備費から支出するようにいたしております。
 次が助成の問題でございます。海水の侵入により農地に発生した塩害を除去するための除塩事業につきましても、特別立法を行なうこととし、潅漑排水施設の新設、揚排水機の動力費、石灰施用等につき九割、客土につきましては五割の国庫補助を行なうこととし、所要の経費を補正予算の予備費から支出するようにいたしております。
 それから、次が共同利用施設の復旧の問題でございまするが、農林水産業共同利用施設災害復旧費につきましては、農林水産施設復旧暫定法の特例措置を行ない、農林水産業関係協同組合及び連合会の所有する倉庫、加工施設、共同作業所などの復旧費の補助率を現行の二割から被害激甚地九割に引き上げることといたし、これに要する経費として三億四千六百三十九万一千円を計上いたしております。
 次が水産養殖施設復旧の問題でございまするが、これにつきましても、高率補助を行なうことといたしまして、補正予算の予備費から支出するようにいたしております。
 次が、いわゆる部落復興という問題でございまするが、台風によりまして、特に激甚な被害を受けました農家及び農業生産者の大半を失いました部落につきましては、単純な復旧は困難な事情にありますので、この際共同利用方式による営農の再建をはかることとし、これに必要な共同作業所、共同農機具などの共同化施設の設置事業に対しまして補助を行なうととといたし、これに必要な経費として三億四百万円を計上しております。
 次が漁船に関する特例でございます。今回の台風で沿岸漁船、特に小型漁船に著しい被害を受けたのでございまするが、これを共同利用の方法により再建をはかることといたし、五トン未満の小型動力船及び無動力船が特に著しい損害を受けた漁業協同組合に対しまして、被害漁民の共同利用に供する漁船を建造するに必要な経費につきまして八割の補助を行なうことといたし、二億四千五百万円を計上いたしております。
 以上申し述べました災害対策のほか、農業共済団体損害評価特別事務費、災害対策用種苗確保費、病害虫防除器具購入費、牧野災害復旧費、家畜伝染病予防事業費、製炭窯被害復旧費に対する補助金等、所要の災害対策費につきましては、補正予算の予備費の中から支出するようにいたしております。
 なお、最後に財政投融資計画について申し上げます。まず、農林漁業金融公庫につきましては、災害の貸付ワクを百七億円増額いたし、百四十二億円といたし、災害に対する諸般の措置を講ずることといたしております。これに伴い、当初の原資計画を変更いたしまして、資金運用部から四十億円を追加借り入れることにいたしておるのであります。
 開拓者資金特別会計につきましては、今次の災害により壊滅的被害を受けました干拓地入植者並びに干拓地以外の被害激甚地の入植者に対し、その再起に資するため、営農資金の貸付を行ない、早期営農の確立をはかることといたし、このため、一億円の借入限度の増加をはかることといたし、所要の補正を行なうことといたした次第でございます。
 以上ただいま予算を中心にして申し上げた次第でございまするが、この予算措置に伴いまして、必要な法律案を提出することと相なるのでございます。その予算に関連する分につきましては、予算の説明の中に随時入れた次第でございまするが、このほか「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法」につきまして、貸付対象の拡大、貸付限度の引き上げなどの措置を行なう考えでございまして、また風水害により被害を受けた農家に対しましては、特別価格により米の売り渡しを行なうことといたしまして、これらに関しまする法律案の準備をいたしておる次第でございます。
 なお、最後に農地及び農林水産業施設の復旧事業のうち三万円以上十万円未満のいわゆる小災害については、被害の特に激甚な市町村について、農地、農林水産業施設とも工事費の九割までの起債を認め、その償還金につき元利補給を行なうことといたしたいと存じておる次第でございます。
 以上台風の状況、被害の状況、応急対策並びに今後の政府の対策の概要につきまして、御説明申し上げた次第でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
#8
○委員長(郡祐一君) 以上で説明を終ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#9
○草葉隆圓君 去る七月、八月の水害に加えまして、さらに九月に台風の大惨害を来たし、その中で特に農林関係の被害災害が最も激甚だと存ずるのであります。それに関しましては、農林大臣親しく現地を視察してこの予算の検討に当られ、ただいま御説明の予算が一応成立しました点につきましては、深く敬意を表する次第でありますが、しかし、ただいま申し上げましたように、農林関係の被害が最も激甚でありまするから、いろいろな問題が山積いたしていることと思います。いずれ詳細はだんだんと法律案、予算案等において具体的に御質問も申し上げまするが、とりあえず総括的に一つ伺いたいと存じまするのは、農作物等につきましては、従来の例も多分にあります。今回の災害で特に目立っておりますのは、名古屋地区におきます家畜の被害、あるいは果樹の被害等が、なかなか簡単に一朝にして復興できないのであります。なかんずく山林の被害、これは山間部、特に岐阜方面におきましては、八十億といわれておるような大被害をこうむっております。しかも、それは一朝一夕にはなかなか山林は復興ができない、何百年という年月を要するような状態、ところがこういう方面に対しましては、この処置がまことに微々たるものではないか、かように考えるのであります。ことに災害の発生いたしました状態を見ますると、堤防の決壊等が、建設省の設計によるものと、農林省の開拓地との間に大へんな開きがあるようであります。これは現実に、たとえば鍋田干拓にいたしましても、あるいは碧南の干拓地に対しまする堤防にいたしましても、農林省の設計と建設省の設計との間に相当相違があって、ほとんど農林省の設計のものはやられてしまっている。具体的に地図等で御説明を申し上げる方がいいかと存じますが、特に農林大臣はすでに現地もくわしく御承知でございますから、いわゆる農林省の設計は垂直のような堤防になっている、建設省は斜面を両方に多く持った設計であります。それが農林省の方はほとんど全部やられたと申し上げても過言ではないと思うのであります。これらのいわゆる海岸堤防設計というものは、海岸法によりまして、海岸の分担区域が農林省、建設省、港湾関係は運輸省、それぞれ主管大臣が別でありまするから、違っているといえばそれまででありまするが、しかし潮流に対し、あるいは高潮等に対する多角的な立場においては、一貫した方針がなさるべきものであると存じます。しかるに、従来までの方針はおのおの別々になっている。その別々になされた結果が、農林省関係において最も被害が大きい。ほとんど堤防らしい堤防は鍋田あたりには見えずに、もろ海になってしまって、残っているところは少いという状態、これはどこかに大きい欠陥がありはしないか、現在は締め切り工事すらできないという状態であります。これに対しまして今後の建設、復旧はどういう御方針でおやりになるか、建設省、農林省、あるいは運輸省、おのおのの意思による設計がなされるならば、あるいは再び現在の日本の海岸線のような奇異な現象を生ずる結果になると存じますが、これは私どもは統一した方針のもとにおやりをいただく方が適当ではないか、せっかく海岸法という法律がありながら、しかも保全地域を今申し上げた関係大臣で指定するのだが、肝心の鍋田海岸はその海岸保全地区に指定されておらない。最も大事な地域であったそれが指定されておらなかったのではないか、こういう点にも相当大きい欠陥があったのではないかと存じまするが、これらの点について今後の御方針等を伺いたいのであります。
 また激甚地というのがずっと御説明の中に出て参りましたが、この激甚地の指定の御方針、これは各行によって違うのか、あるいは全体を激甚地と指定した場合に、この中には各省関係のもろもろのものが激甚地としてなされるのか、あるいは事業によって種類別に激甚地というのがきめられるのか、これによってずいぶん異なって参る。また従来の財政の状態によっておのおの補助率がらんと変っておりまするが、これらも単なる過年度の財政だけを基準にいたしますると、実際上の問題では大へんへんぱを生ずると存じまするが、むしろこれは実情をよくごらんになって、そうしてその実情の上に財政も考慮に入れなければならないが、財政だけを基準にした場合には、実際被害を受けておる地方におきましては大へんな差異を生ずる次第でありますので、これらの点につきましても御方針を伺いたいのであります。以上であります。
#10
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの御質問の第一点は、どうも各省復興の技術的設計等において統一性がないのではないか、今後どうするかという点にあるようでございまするが、今回の災害の経験等を深く反省いたしまして、そうして各省相協同いたしまして、この設計につきましては検討いたしたい、また検討いたしております。さらにまあ役所ばかりでなくて、日本の最高の技術というものを活用する必要がある、かように考えまして、さような方面にもこの検討に協力をして下ざるように御依頼もいたし、すでにその御依頼に基づくところの調査が進行いたしております。さようなことで、今後はちゃんと各省が統一した設計のもとに、また統一した進度等を考えまして万全を期していきたい、かように考えておる次第でございます。
 第二の点は、今回の措置におきまして、激甚地と非激甚地と分けておるが、その激甚地はいかに区分するかという基本的な考え方についてのお尋ねと拝察いたしたのでございますが、もとより今回の被害は多極多様であります。従いましてなるべく激甚地ということは、一定の基準があった方がいいような感じもいたしまするが、そうは簡単に参りません。そこで私どもが所管いたしておりますところの諸事業につきましても、たとえば農地であるとかあるいは農業用施設ということになりますると、これは個人が施行しているものがほとんど大部分でございます。さようなものにつきましては、私はこれは災害の深度というものをこれは基準にいたすべきものである、かようにまあ考える次第でございます。農地、農業用施設というようなものにつきましては、たとえば市町村について申し上げますると、市町村における被害の総額は、その被害を受けました当該市町村の戸数単位の平均の被害額というようなもの、こういうようなものを基準にいたしまして、これを算定するというような方式がいいのではないかというふうな感じを持っております。ところが今度は建設省が主でございまするが、農林省にもありまするが、土木事業というような性格のものになりますると、おおむね市町村がこれをやっておる、地方団体がやっておるということになるわけでございまするが、さようなものにつきましては、市町村の財政状況というものが大きなウエイトを持ってくるということに相なる次第でございまして、さような各種各様の見地がありますので、きょう具体的にそれを、どの案件についてはどういう基準ということをまだ申し上げられないのは非常に遺憾でございまするが、なるべくすみやかに統一した見解を御審議願いたい、かように考えておる次第でございます。
#11
○草葉隆圓君 山林、立木、林野といろ方面の被害が大へん大きいんです、今度は。しかしこれに対しての認識がどうも不十分である。本朝来も岐阜県等は、山林の被害はまことに取り返しのつかぬ被害であるが、何とか――というような強い要望も出ておるようであります。愛知県も同様、ほかの県も同様であります。だから山林、林野に対する処置が、これは今後の問題に属するものが多いのでありまするから、補正予算とあわせて――補正予算も出ておりまするが、これだって不十分だと思います。今後に対する農林大臣のお考えを承りたい。
#12
○国務大臣(福田赳夫君) 奥地の被害が非常に多い。今回の台風が名古屋といろ東海道の中心地帯で行われたのでございまして、その被害が非常に大きいものですから、ややもすれば奥地の被害が忘れられがちであるということにつきましては、私も初めからそういう感じを持ちまして、これは名古屋がこれだけならば奥地も大へんだろうという感じを持って終始対処いたしております。林野の問題につきましてもただいま申し上げましたが、そのほか今後の林野の整備ということにつきましては、これは万全のかまえを一つとるべきではないか、かように考えております。
#13
○委員長(郡祐一君) 委員各位に念のために申し上げておきます。農林大臣に対する質疑は多数の諸君からあることと思いまするが、本日は農林大臣が先ほど説明いたしました説明に対する質疑としてもらいたい。かつ委員長の手元に理事の諸君と打ち合わせいたしました際、若干の質疑の御通告を受けております。それで当初に申しました通り、農林大臣の説明に対する質疑と、引き続き建設大臣から説明を聴取し質疑をいたしたいと存じておりまするので、それぞれの質疑者に対する関連の事項等ございましたら、きわめて簡単にお願いいたします。次の質疑を通告しておられる方に移りたいと思います。
#14
○栗山良夫君 農林大臣から先ほど御説明をいただきました被害並びに復旧対策につきまして、直接若干不明確な点を二、三お尋ねいたしたいと思います。
 まず第一にお伺いをいたしたいのは、ただいま御説明になりました内容によりまして、本年度の農林省関係の災害の全貌というものが説明をされたごとくに承ったのであります。しかしながら、われわれが現地の事情から類推いたしますると、まだ現に水没をしておる地帯が相当広範囲にあるわけであります。従いまして農林省が今日ただいまの時点において把握されておる被害額、もっと率直に申しますならば、ただいま御報告になりました被害額でもって水没地帯の全貌が完全に把握されているかどうかというところが問題になるのであります。従いまして、完全に堤防の仮締め切りが終り、そうして実際に水没地帯の被害状況というものが漸次上がって参りました場合には、この被害額というものはさらにふえる、そのふえる見込みというのは、一体どのくらいに想定されておるか、これに対するところの将来の復旧措置というものはどうされるのか、この点が足りないと思いますので、加えて説明を伺いたいと思います。
#15
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げました被害総額というものは、現に免じました被害について申し上げたのであって、お話の通り、たとえば水没地があって、その水没の結果、今後しばらくの問現金収入がないとかいうような間接的に生ずべき被害につきましては、もとよりこれの被害は入っておりません。入っておりませんが、さような間接的な被害があるべきことを想定いたしまして、そういう方々には現金収入を得る道を開かなければならぬというようなことで、さような具体的地点を選びまして、救農土木事業をやりますとか、そういうような対策を講じておる次第でございます。
#16
○栗山良夫君 そこで問題になりますのは、ただいま水没をして、自分の家族を全部他の地区へ避難をさせて、主人一人が被災地にとどまって、そうして早く農地の姿が出るのを待ちこがれておる多くの農民諸君の立場を考えますと、今おっしゃったような工合に順調に物事は運び得ないのではないかということに、非常な私どもは憂慮を感じておるのであります。そこで数字的にお伺いをいたしますが、第十五号台風で今日ただいま水没をしておりますところの農家戸数、それからその面積は一体どのくらいになっておるか。また水没はいたしませんでも、すでに水は引いておりますが、完全に家屋が使用にたえないような状態になっておる戸数、また農地が荒廃してしまいまして、直ちに農耕に従事し得ないという反別がどのくらいになっておるか。この点が一番重要な把握をすべき問題点であろうと思いますが、重ねて伺っておきたいと思います。
#17
○国務大臣(福田赳夫君) これは、この被害の状況をつかむ上において観察上非常に重要だろうと思いますが、私はしばしばどういうふうならどういうふうになるということで調査をさしております。きょうは手元に持っておりませんが、でき次第資料といたしましてお配りいたします。
#18
○栗山良夫君 それは先ほどあなたの御説明の中に「被害の激甚な開拓地については」云々とか、「被害激甚な開拓地について現金収入を得る途を」云々、こういうことがあります。ありますけれども、とにかく活動を開始し得る根拠というものを失っておるわけです。ですから、いかにあなた方が現金収入の道を講ぜられようとも、現在の農民諸君は自分の活動をする根拠というものを失っておるんだから、なかなか活動できないわけです。すぐただいま堤防の仮締め切りが終わって排水をせられても、自分の家をまず直すことから始めなければならぬ。なかなかこの作文のような工合には参らぬわけであります。
 そこで私はこの中でも非常に不明確に思いますことは、「被害の激甚な開拓地については」と、こういうふうに書いてありますが、今水没地は開拓地だけではありません。もう徳川時代からずっと農耕にいそしんでおる非常に広範な地域が現に水没しておるわけでありますから、そういうところは一体どうされるのか、この説明にはないわけです。開拓地については両方に書いてあるが、開拓地でないところはどうするのか、しからば開拓地というものは一体どういう解釈なのか。これをまず伺いたい。
 それから土地あるいは農機具、その他農業土木を若干応援させるとおっしゃるのでありますが、農民が今困っております全壊家屋の把握、流失家屋の把握等もまだできていない。次の機会に資料として提出するということでございましたが、そういう工合に完全に出産活動を失っている農家に対して、緊急にどういう手を尽くしますか、この点が問題だと思います。農業土木を国がやるから、それへ出てきて働けば若干の現金収入があるだろう。それで食糧も、米の方は特別に低価格で補給をするように措置をしている、やっていかれるではないか。こういう作文のようでありますが、現地の事情はなかなかそういうゆうちょうなものではない。もう少し緊迫した情勢にありますから、それをどういう工合に対処していくかということが明らかにぜられないというと、農民諸君も安心できないと思う。この点を明らかにしていただきたい。
#19
○国務大臣(福田赳夫君) この説明に、被害の激甚な干拓地、開拓地というふうに申し上げましたが、もとよりそればかりじゃないのです。「等」と書いてありまするが、たとえば多芸輪中という所があるわけですね。これのごときは一万二千人の人が水没したわけです。そういうふうな地帯に対しましては、具体的にただいま土木事業を計画をいたしております。耕地整理的なものをやろうかというような考えでございまするが、そういうふうに被害の激甚な農村に対しまして、復旧作業をやるというふうに考えているわけでありまして、非常に緊迫した事情というお話でございまするが、まことにその通りでございます。私どももそう考えております。これは農林省だけの施策ではとうていやっていけないわけであります。厚生省が非常に重要な役割を勤めるわけでございまするが、いわゆるたき出しというか、五十円、九十円といって本会議でおしかりを受けましたが、ああいう施策でございますとか、あるいは学童に対しましては、資金のない学童が学校へ行けないというようなことがあっては困るといろので、奨学、育英資金の貸し出しを行いますとか、あるいは住宅の建設につきましては、住宅の金融公庫からの貸し出しを行いますとか、いろいろやっているわけです。その一環といたしまして、農林省といたしましては救農土木事業をやろうという考え方なんです。たとえば干拓のごとき、鍋田干拓という例をとりますと、これは私どもも全力をあげてその排土、排水に努めているわけでございますが、年を越しそうなんです。しかし年を越して排水ができたということになりますれば、そこでその復旧作業も始まるわけでございまして、その農家の方にはそれにお手伝いをいたしますとか、すぐそういう状態が始まってくるわけであります。それのつなぎを一体どうするかというところが問題なのでございまして、これは農林省ばかりでなくして、各省の機能を総動員いたしまして、この再建ということに努めている次第でございます。
#20
○栗山良夫君 ただいまの御説明の中で、被害の激甚な開拓地という点で、「等」という字が入っているとおっしゃいましたが、「等」という字は入っておりませんから念のため。開拓地について、被害激甚地について、両方とも「等」という字は入っておりません。でありますから私は疑問を持ってお尋ねをしているわけであります。そこでそういう疑問がありますから、もう一ぺん繰り返して御答弁を伺いたいと思いますのは、たとえば愛知県なり、三重県のあのゼロメートルにある広範な水没地帯、これは耗地が荒廃しているかいないかは、堤防を締め切って排水をしてみなければわかりません。わかりませんが、塩が入っておるとか、その他の関係で、おそらく明年春の作付開始というものは非常に困難ではないかというふうに私どもは心配いたしております。そこで、ことしの十一月に建設大臣は堤防の締め切りは全部完了する、少なくとも十一月末には完了するとおっしゃっております。それからすぐ排水にかかるわけであります。その場合に、この全水没地帯が明年の春の作付というものが果してできるかどうか。作付不能な農地というものは一体どれくらいになるか、この点が農民諸君の非常に心配しておるところであろうと思います。この点については、もしただいますでに調査の資料があれば御提出願いたいと思います。また、ないということでありますならば、本臨時国会中に、なるべく早く調査をせられて当委員会に報告を願いたい。来年の農業経営というものは一体どういう工合に進展していくか。これらの農民に安心をさせる意味におきましても、国会を通じて農林省は明らかにされる責任をお持ちであろうと私は考えるからであります。
#21
○国務大臣(福田赳夫君) 今「等」というふうに申し上げましたが、配付した資料にそういう意味が書いてあります。現金収入の見込めない地域というふうに書いておりますので、それは私がただいま申し上げた通りの趣旨です。
 それから、特別に何か事故があるという所につきましては格別でございますが、さような所以外は、全部来年の春の作付には間に合わせたい。また間に合わせることができる。こういうふうな見通しでございまするが、もし、さような何かの事情でできない所がありましたならば、追って資料をもちまして御報告申し上げます。
#22
○吉江勝保君 農林大臣の説明を承りまして、この災害に対しまする報告とその対策といろ、ここに配られております資料で申しますると、第八ページ、今お述べになっておりまするから、速記録にも載っておると思うのでありますが、読んでみますと、「以上台風第十五号の被害とその応急対策の概要について御説明した次第でありますが、先にも申し述べました通り、農林水産関係の被害総額は一千億円を上回り、今後これが復旧については、従来の法律及び予算措置のみでは、被災農林漁業者の完全な救済を期することは困難と考えまして、今国会に所要の予算案を提出し、また所要の法律案の御審議を願うことと致しております。」こういう説明があったのでありまして、これをお聞きいたしておりますと、第十五号の被害だけを御説明になりまして、またその対策だけをここで説明されまして、そしてその所要のものを要求されておる。こういうように受け取れたのでありますが、この災害対策特別委員会は、昭和三十四年の七月以降の風水害全体につきまして、また、そういうことはなかろうと存じまするが、今後におきましても起こりますものにつきましての対策の委員会でありまするので、ここに臨みまして説明をされまする大臣といたしましては、去る七月以降の風水害につきまして、あの当時七号台風につきましては、大臣も親しく被災地においでになりまして、臨時国会を要求されましたのに対しまして、次の臨時国会では必ず取り上げてやるということをおっしゃっておるのでありまして、一言でも従来の七号台風等につきましても被害の状況の御説明をいただくとか、それに対する対策につきましてもお述べいただくのなら了承できるのでありまするが、十五号台風だけを説明され、その対策だけをお述べになっておりますということは、私どもといたしましては了承いたしかねまするので、大臣におきましては、どういうお考えでこういうような説明をなさいましたのか、一つ大臣の所見を承りたいと思います。
#23
○国務大臣(福田赳夫君) 八ページの「以上台風第十五号」というのは、これはミスプリントなんです。台風全体の状況を申し上げ、それに対する応急対策ということを申し上げた次第であります。応急対策につきましては、七月以降の風水害というものを対象といたしまして、これを考えておる次第でございます。
#24
○吉江勝保君 それでは、先ほどお述べになりましたのは、私も注意して聞いておったのでありまするが、確かに十五号台風というふうに速記には載っておると思うのでありまして、これは、ただいまの大臣の御訂正で直されておると思うのでありまするが、ここにあげられておりまする被害の総額というものは、一千億、これは去る七月以来の災害全部の総計であろうとは思うのでありまするが、念のためにお尋ねいたしておきます。
#25
○国務大臣(福田赳夫君) お話の通りと思います。
#26
○委員長(郡祐一君) この点につきましては、先ほど、福田農林大臣の説明途中でありましたが、速記のとまっております間かと思いまするけれども、田中理事からも注意があり、農林大臣からもお答えがあったようであり、かつまた、ただいまの点で御了解を願うことといたしたいと思います。
#27
○大倉精一君 私も、ただいまの農林大臣の御説明の中で、現地を実際回ってみまして、納得了承できない点が一点だけありますので、栗山君の質問に関連して御質問申し上げたいと思います。
 それは、資料の三枚目を見ますと、現地の応急仮設住宅、公共用施設、一般住宅等の用材というものは、きわめて順調に供給をされておるという工合に報告をされております。しかしながら、現地へ行ってみますと、決して順調には供給をされておりません。その理由といたしましては、たとえば、ある場所、碧南等におきましては、輸送の関係もあり、さらにまた現地の製材能力もあるのでありまして、こういうものを無視して、ただ机上の割当だけで何石、何十石と配っても、どうにも現地では仕方がない、こういうのが実情でございます。従って、今寒さに向ってふるえておる被害者は、一日も早く住宅を建ててもらいたい、が、その建てるところの用材というものは、これは今のお話ではほとんど机上のプランでありまして、現地には届いていない。そこで、現地の要望といたしましては、むしろ切符制度にして、切符にして何十石というような割当配給をしてもらったら非常にけっこうであるが……、こういうような声が非常に多いのであります。こういうような状態を農林大臣は把握をされておるかどうか。でなかったら、これは現地の実態でありますので、こういう実情に対する対応策、たとえば製材とか、その他の対応策はどういうふうにおやりになるのか、これも一つ承っておきたいと思います。
#28
○国務大臣(福田赳夫君) 一応、材木につきましては、御説明申し上げたような状況になっておるのでありまするが、末端でいろいろ問題があるというお話でございます。これは直ちに調査いたしまして、適切に善処いたしたい、かように考えます。
#29
○藤田藤太郎君 私は、内容についてはあらためて御質問いたしますけれども、資料について、こういう工合に理解したらいいかどうかということをお聞きしたい。二ページの――一ページから始まるわけでございますけれども、「台風第十五号による農林水産関係の被害の概況について御説明いたします。」、この中で、その次に、「農林水産業施設の被害について申しあげますと、関係府県からの報告によりますればその被害総額は三百七十六億円となっております。」、それがあとに、「なお、本年は御存じの通り六月までは比較的災害が少なかったのでありますが、七月に入りますと局地的豪雨があり、」から始まって、次の三ページの、「被害総額は七百九十八億円」と、こうなって、それからその次に、「台風第十五号による農林水産物の被害の総額は六百四十五億円であります。」と、こう書いてある。さっきの吉江委員の言われた一千億は総額だと、こうなってくると、全体の説明は先ほどありましたが、ここにはこの分だけのところが書いてあって、それで次に全体は、十五号台風の問題だけがこう書いてあるわけですね。それはどういうふうにされてもそういう印象を受けるのと、それから今の数字の点、これでいいのかということだけ聞いておきたいと思います。
#30
○政府委員(齋藤誠君) ただいま御質問のございました資料についての数字の、いわば調整の問題でございますが、先ほど吉江委員からも御質問になりましたこれの対策につきましては、大臣からお答えがありましたように、七号以降の台風全体を考えておるということを申し上げた次第であります。しかし、ここにおきまする数字につきましては、いわゆる予算におきまする復旧事業の対象になる施設関係の被害は七号台風を引っくるめまして報告いたしております。それからそれ以外の農作物につきましては、十五号台風を中心に書いております。従って、被害総額の一千億というのは十五号台風について一千億という計算であります。しかし農林水産関係の施設、農地等の被害につきましては、七号以降の被害額もあげてここに載せておるわけであります。これが先ほど申し上げました……。
#31
○藤田藤太郎君 一千億というのは合計にならないわけだな。十五号だけですね。
#32
○政府委員(齋藤誠君) そうです。
#33
○田中一君 これは大臣に伺いたいのは、法律案はいつごろ出るか、それからそれに伴う政令がいつまでに当委員会に資料として提出されるか、その二点をまず伺います。
 そこで、この説明の中に、最後に小災害に対する対策も出ておりますが、この法律は昨年の三十三年度災、狩野川の決壊のときにできた臨時立法と同じ精神であろうと思いますが、これは農林省はこれを所管して法律案を出そうというのですか。あるいは補助工事である起債の内容でございますから、これは自治庁が担任しようとするのか、この点はどうも今までの立法措置とはなはだ意味も異なっておるようですから伺いたいのです。それでその場合、小災害に対する認定というものは、一災害と、それからそれの近接災害というものをどのように考えられて三万円なら三万円以上十万円以下というふうに認定するか、その点も定めてほしいと思うのです。従って今度の災害でも、十五号台風による災害は割合に小災害が少ないわけです。しかしながら、四十都道府県にわたるところの本年度の災害というものは、各地に相当の小災害があるのでございます。従って、その小災害に対する措置としては適切と思いますけれども、この立法の担当主務はどこがするか、そうしてどういう内容を持とうとするのか、一点伺いたいと思うのです。
#34
○国務大臣(福田赳夫君) 法律案につきましては、すでに三件の法律案につきまして閣議の決定を経ております。従いまして、それにつきましては、次の委員会の機会に御提案を申し上げたいと、かように考えておる次第であります。それから自余のものは取り急ぎ、そう時間かかりませんから、逐次御提案申し上げたい。
 それからなお、それに関連いたしまするところの政令の骨子でございまするが、これはただいままだきまっていない点が多いのでございます。これも早急に政府部内の意見も取りまとめまして、逐次御審議願いたいと、かように考える次第でございます。
 それから小災害の法律案は起債の特例法に相なりまするので、主管は自治庁ということに相なりまするが、これが適用の運用につきましては、これは農林省の関係が多いのでございまして、両省相協力してさようなことをいたします。また、その判定をどうするかというようなことでございまするが、激甚地の判定ですね。これはどこの府県がどうというような考え方はとりません。七月以降の台風につきまして、市町村ごとに検討いたしまして、市町村における横書の総額というものと、それから被害を受けた農家の戸数というものと比較いたしまして、その一県当たりの農家の被害戸数の平均がこういうところ以上になるということを基本にいたしまして判定をいたしたいと、かように考えておるのでございますが、これはまあ公共土木のような考えでなくて、現実に被害を受けた部落に復旧の措置が行くようにということを主眼といたしまして決定をする考えでございます。
#35
○田中一君 あなたの隣に建設大臣がすわっております。建設大臣の所管というのは、御承知のように公共土木に関する国庫負担の問題を扱っておりますけれども、そこに異なった災害対策というものが現われちゃ困るという点から質問するわけなんです。そして今あなたのおっしゃっているように、この法律案は、少くとも農林大臣の所管ではないというように私は解釈しておるのです、今までの立法措畏を見ましても。むろんこれはあなたの所管の農地の問題でありますから、災害そのものの決定に対して御意見は十分こういうものはあると思いますけれども、どうしてここにこういう形に現われたのかという奇異な念を抱いておるのです。ことに昨年の狩野川の災害に対しては、小災害は、二戸あるいは三戸とも、五十メートルの間隔のうちに入るものは一災害と認めておったように承知しておるのです。現存公共土木の方では、御承知のように一災害というものは二十メートル以内にある二つの災害は一つの災害と認めて、国庫補助の対象になったのが現状なんです。でありますから、どうも先ほど吉江君も言っておるように十五号台風、これにおける東海三県の大災害というものに目を奪われて、農林省としてもまだ四十都道府県にわたるところの災害、ことに小災害に対しては調査が十分行き届いておらないのじゃないかという点も認められます。そういうようなもので現在資料として、県下の報告というものが資料として出ておりますけれども、この実態というものをつかんでおらないのではないかというような心配を持つわけなんです。そこで、公共土木の国庫補助の条件と、あなたの方で考えておる小災害に対する補助の条件が違っておってはならないと思うのですが、あえて伺うわけなんですが、今、農林大臣は、この法律は自治庁であると言うなら、むろん自治庁から伺います。何も農林大臣から伺わなくてもいいのです。幸いそこに村上建設大臣がおるから、村上さんからこの小災害に対する関連として、お二方から、考え方に対してちょっと説明願いたいと思うのです。これは重大な問題なんですよ。地方へ参りますと、たくさん小災害があって、市長さん等が困っておりますから、この点について両方から一つ御説明願いたい。
#36
○国務大臣(福田赳夫君) いわゆる小災害、これは農地が非常に多いわけであります。従いまして農業対策といたしましては、これはもうゆるがせにできない問題でございまして、さような意味におきまして、私どもは、今、末尾におきましてこれを御説明をいたした次第であります。これ説明しなかったら、なぜ説明しなかったという、むしろ逆の奇異の感を抱かれる、かように考える次第であります。そこで、このやり方が公共土木とは違うのです。違うゆえんは、先ほども触れましたが、農地はこれは地方公共団体がやる仕事でなくて、個人災害という性格のものが多いわけでございます。さようなことから、これは政府の助成を考える場合におきまして、地方公共団体の財政需要というような基準でなくて、むしろ被害を受けた当該部落におけるその深度を基準にすべきものである、かような考え方から、おのずからそこに激甚地の判定に対するととろの基準の相違と考え方の相違というものが出てくる、かように考えておる次第であります。
#37
○田中一君 農民個人に仕事をさせるのだ、貸すのだということをおっしゃるけれども、起債は、市町村が裏づけしなかったならばこれは貸さぬのでございましょう。これはお説ですと、災害を受けた農民個人々々に融資をするというふうに了解していいのですか。むしろこれは市町村が裏づけて、市町村が監督と申しますか、受けて立って、自分の行政区域内の災害を復旧しようということだと思うのですが、その際には、あなたの御説明では、じかに農民に向かって起債を認めるのか、融資を認めるということにたるのですか。どっちですか。
#38
○国務大臣(福田赳夫君) そうじゃないのです。これは市町村にお願いいたしましてその起債をする、その起債によって得た金をもって復旧事業を行なうといろのでございまするが、この起債につきましては、全額を国庫が元利の補給をする、すなわち、まあ九割の起債をするということになりますれば、九割の補助金を出した、こういうことになるわけなんです。そこで、その残りは一体どうするかというと、一割のものはおおむねこれは農民が負担をするという形になる、まあ場合によりますると市町村が負担するという分も出てきましょう。きましょうが、要するに、災害の性格が市町村の公共災害でなくて、個人災害であるというところに着目をいたしまして、私の方は公共土木とは違った基準が必要であるまいかと、かように考えておる次第であります。
#39
○国務大臣(村上勇君) 市町村の十万円以下の小災害につきましては、これは起債をつける自治庁がその責任をもって大体のものをつかんでいくと思います。しかし、建設省といたしましても、これに対して十分協力いたしまして、万遺憾なきを期して参りたいと思っております。
#40
○大竹平八郎君 私は、質問は後日に譲りまして、資料を要求いたしたいのでありますが、と申しますのは、これは愛知県だけを一つ見ましても、農地関係の被害が七十八億円、この被害中最も大きいものが干拓地であるのでありますが、干拓地が実に四十億円であります。私ども現地を見まして、これは愛知県だけでありますが、たとえば桑名の城南地区等の干拓地を見ましても、全く言語に絶する状況なんでございますので、今後御質問をする立場といたしまして、干拓地のこの被害前の状況についての――伊勢湾台風全体に幾つかございますが――その干拓地の状況の一つ資料を提出願いたいと思います。
#41
○安田敏雄君 ちょっと簡単にお伺いしますが、ただいまの農林大臣の、被害激甚地の市町村の指定について、総被害額を戸数で割って一戸当たりの標準額をきめる、こういうことを言っておりましたが、この問題にあくまで固執していくかどうか、そういう点を一つお聞きしたい。もしそういうことだとするならば、すでに緊急査定が終わって、補正予算を組んでおるわけでございますから、大体一戸当たりの標準額というようなものが、大体腹の中にきちっときまっておるだろうと思いますが、果してきまっているかどうか、そういう点も第二点としてお伺いしたい。もしそういうことを固執していくならば、今の市町村の単位というものが、その構造上、非常に昔の市町村と違っておりますので、非常に問題が出てくるのではないかと思うのです。従ってそういう点、今後の問題になっていくと思います。そういう点について考慮が払われるかどうか。以上三点についてお伺いしたい。
#42
○国務大臣(福田赳夫君) いずれ統一した見解をきめまして、要綱といたしましてごらんを願いますが、ただいま私が考えておりますことは、先ほど申し上げましたような、一戸当たりの被害額というものを基準にして考えていきたい、かように考えております。その考え方の趣旨は、先ほど田中さんに対しまして申し上げたような次第でございます。それから、しからば被害の市町村をどうするかということにつきましては、ただいまのところ、旧制によりますところの市町村をとる場合もあるし、あるいは新制による合併後の市町村の区域をとる場合もある。いずれかまあ適当な方をとるがよかろう、かような考えを持っております。
#43
○大倉精一君 農林省に資料を一つお願いしたいのですけれども、干拓地の防潮堤の建設当時の設計仕様書並びに予算積算ですか、何といいますか、そういう当時の防潮堤建設の参考になる資料を一つ、しろうとにわかるように出してもらいたいと思います。
#44
○田中一君 それに関連して、個所ですね、農林省が今まで干拓した干拓堤防、今の大倉君が要求した設計等のほかに、全国の個所というものを一つ御提出願いたい。その個所の実態がどうなっておるか、ほしいのは堤防の高さがどうなっているか、干満はどういう工合に平均しているかという実績ですね。そういうものがあるはずですから、それを一つ御提出願いたいと思います。
#45
○委員長(郡祐一君) 農林大臣に対しては、なお御質疑があるのでありますが、これは後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#46
○委員長(郡祐一君) ただいまから建設省関係の被害状況及び対策について説明を聴取することといたします。
#47
○国務大臣(村上勇君) 本年発生いたしました災害による建設省関係の被害状況につきまして、概略御説明申し上げます。
 まず、公共土木施設の被害状況を御説明申し上げます。本年発生災害による被害の総額は、直轄災害百四十二億余円、補助災害千百九十二億余円、合計千三百三十五億余円となっております。このうち特に被害の大きかったのは、七号台風による三百八十億余円、十五号台風による六百八十六億余円であります。七号台風による被害は二十四都道府県、十五号台風による被害は三十九都道府県に及んでおりますが、このうち特に被害額の大きいのは、七号台風におきましては山梨、長野、滋賀、三重等の各県であり、十五号台風におきましては愛知、三重、奈良、兵庫、岐阜、滋賀、京都、鳥取、福井等の各府県であります。
 また、都市施設の災害状況について申しますと、公共下水道、都市下水道、都市公園等の被害額は、都市内の堆積土砂及び湛水の排除事業費を含めて、十八億九千余万円でありまして、このうち第十五号台風によるものが十六億六千余万円となっております。
 次に、建物の被害状況について申し上げます。
 六号台風、七号台風、八月下旬の豪雨、十四号台風及び十五号台風による住宅の被害戸数は、滅失、半壊合わせて十六万二千戸になっており、このうち十五号台風によるものは、滅失三万九千余戸、半壊十万五千戸となっております。なお既設公営住宅の被害戸数は、滅失五百九十二戸、損傷二万五千九百八十戸となっております。
 以上被害の概略を御説明申し上げた次第であります。
 これに対しまして、その対策といたしまして、建設省関係の昭和三十四年度補正予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 まず、総額について申し上げますと、追加額二百五億二千五百余万円、修正減少額三十九億三千四百余万円、差引額百六十五億九千余万円でありまして、これをすでに成立した三十四年度予算額一千五百二十四億二百余万円に加えますと、一千六百八十九億九千三百余万円となっております。
 次にその内容について御説明申し上げます。
 まず、治山治水関係の災害に対する追加額について申し上げますと、直轄河川改修等に一億九百余万円、緊急砂防に九億一千四百余万円、伊勢湾高潮対策に四十七億九百余万円、災害関連事業に六億二千八百余万円、河川等災害復旧に百二十六億余万円となっておりますが、このほか災害復旧の促進をはかるため、昭和三十五年度において国庫の負担となる国庫債務負担行為を、伊勢湾高潮対策について七億円、河川等災害復旧事業について十九億七千五百万円を予定しており、また、昭和三十四年度成立予算の予備費中から、公共土木災害の復旧に対して十一億一千万円を支出することとし、今回の補正予算の予備費中にも、各事業に対して査定額の確定、特例法による高率補助区域の確定等による増額分を相当額予定しております。
 次に、そのおもなる内容について申し上げますと、直轄河川改修につきましては、台風第七号及び第十五号により被災した木曾川上流及び富士川の河川改修工事並びに木曾川ほか四河川の河川調査を行なうものであります。
 砂防事業費につきましては、本年の風水害によって生じた山地の崩壊等による被害を防除するため、山梨県、長野県、三重県、奈良県等の特に被害の甚大な地域に重点を置き、緊急砂防工事を実施するものであります。
 公共土木施設の災害復旧費につきましては、まず、直轄河川については、木曾川、富士川、千曲川及び鬼怒川等の復旧の促進に重点を置き、二カ年間で復旧することを目途として、本年度におきましては、平均五五%程度の復旧を行なうこととし、補助災害につきましては、緊要工事は、本年度においては、少なくとも三〇%程度の復旧をはかることとし、これを三カ年で完了する方針のもとに、その促進をはかることにいたしております。
 また、これらの事業の実施にあたっては、必要あるものについては、災家関連事業費を加え、できる限り改良的復旧に努めたいと存じております。
 次に、今次台風第十五号により、特に甚大な被害を受けました伊勢湾等の海岸堤防及びこれに接続する河川の復旧につきましては、これを重点的に行なうため、伊勢湾高潮対策事業費を計上し、明年台風期までには、少なくとも原形の規模に復旧する所存であります。
 なお、全体計画といたしましては、災害復旧工事と改良工事をあわせ行ない、根本的に高潮切除対策を講ずる方針であります。これらのうち至要地域については、補助事業についても国が受託して施行することとし、これに関連して中部地方建設局に海岸部を設けるとともに、二百名の人員増加を行ない、必要な人件費、事務費等として、四千七百余万円を計上しております。
 なお、以上申し上げました公共土木施設災害復旧事業及び災害関連事業並びに伊勢湾等高潮対策事業については、立法措置を講じて特例を設け、国の補助率、負担率を引き上げることといたしております。
 次に、直轄道路関係の災害復旧費について申し上げます。
 八月における集中豪雨及び九月における台風第十五号により被災した一級国道の直轄災害復旧工事について、本年度中に支出を予定される経費は一億六千万円でありますが、そのうち三千万円は、昭和三十四年度成立予算中の予備費より支出することといたしておりますので、補正予算としては一億三千万円を計上しております。
 次に、都市災害関係の復旧事業費について御説明申し上げます。
 今回の補正予算により追加される都市災害関係の経費は、都市災害復旧事業に二千余万円、風水害対策費に二千二百余万円、計四千二百余万円でありまして、都市災害復旧事業としては、被災都市の都市下水路、街路、公園等の復旧事業に補助を行ない、風水害対策費は、被災都市の緊急排水に要する経費について地方公共団体等に補助するものであります。なお、排土事業、公共下水道施設等の復旧下火につきましては、現地査定を急速に実施した上、補正予算の予備費から支出することにいたしております。また、台風第十五号等による被害の状況にかんがみ、排土事業及び排水事業につきましては、国の補助等について特別に考慮する必要があると考えられますので、別途立法措置を講ずることといたしております。
 次に、住宅関係の災害復旧費について申し上げます。
 このたびの台風十五号による住宅関係の被害は激甚でありまして、住宅の滅失したもの約三万九千戸、住宅の半壊したもの約十万五千戸に達しております。これが復旧対策といたしましては、公営住宅の建設と住宅金融公庫による災害復興住宅の融資の措置を講ずる所存であります。
 まず、公営住宅の建設につきましては十二億一千九百余万円を計上しておりますが、これは復旧のための建設予定戸数九千四十八戸のうち、既定経費により建設する二百戸を除き、昭和三十四年度に建設する五千二百二十九戸の建設費及び既設公営住宅の補修費に対して補助するに要する経費であります。
 なお、公営住宅の建設及び補修につきましては、特例法を定め、特に被害の激しい地域につきましては、国の補助対象戸数の滅失戸数に対する割合を引き上げるとともに、国の補助率も引き上げることといたしております。
 また、滅失または損傷した公営住宅の再建設及び補修につきましても、特例法により、補助率を引き上げることといたしております。
 なお、公営住宅の建設にあたりましては、特に今次災害の経験にかんがみ、堅牢な構造の住宅戸数の増加をはかりました。
 次に、住宅金融公庫の災害復興住宅の融資につきましては、公庫に対して、政府低利資金四十億円の融資を行ない、これに自己資金九億円を加えて、計四十九億円をもって災害復興住宅の建設一五戸、補修六万五千戸に要する資金の貸付を行なうことといたしております。
 次に、建設機械整備費について申し上げます。
 建設機械の災害の復旧に要する経費として一千百余万円を計上しておりますが、これは台風第十五号により被害を受けた浚渫船及び建設機械等の修理に要する経費であります。
 次に、水防資材関係の経費について申し上げます。
 水防資材緊急整備費として九千万円を計上しておりますが、これは水防管理団体等が水防活動に使用した資材に要した経費に対して補助を行なうものであります。なお、被害の甚大であった地域については補助率を例年の率より引き上げることといたしております。
 その他、災害に伴う事務費として一千八百余万円を計上しておりますが、これは、災害復旧事業に伴う職員の超過勤務手当、職員旅費等であります。
 以上が追加額の概要であります。
 減額につきましては、御説明を省略させていただきたいと思います。
#48
○委員長(郡祐一君) 以上で説明は終わりました。御質疑のある方は順次御発言願います。
#49
○田中一君 資料要求を含めて一、二お尋ねいたします。
 まず第一に、直轄工事の完成を本年五五%、来年四五%、二カ年で完成しようということは、まことにけっこうでございます。そこで、これに見合う補助工事、これが本年は三〇%、そうして三カ年でこれを完成しようという、考え方に立っているのですが、直轄工事と補助工事と交差する、あるいは関連する、水系を同じくするというような工事も相当あると思います。これらの調整はどうするのか、従って、その水系に関連する――原因となるべき地方負担の補助工事があると思います。これらは、国が関連事業としてその分も含めた直轄事業として認定してやるのかどうかという点が一つ、これを伺いたいと思います。従って、完成工事の進捗度によっても支障が起きる面は関連事業として国がやっていくのかどうかという点を明らかにしてほしい。また、そのために明年度出水期にあたって、もろ災害は絶対にないのだというような自信をお持ちかどうか、伺います。当然その決心でなくちゃだめです。
 それから前回の海岸決壊といろ問題から、相当建設省も反省したと思うのですが、このうち二十八年度災のときに行なったあなた方の計画、それから実態というものをまず資料でお出し願いたい。そうして、その際、国が管理者であるところの県から受託して仕事をしたもの、それから県そのものが施行したもの、それから国がやった場合の施行者、請負人でございます、あるいは直営でやったかどうか、こういうもの、県の場合にはどの請負人がどの個所をやったかというものを詳細に御報告願いたいと思います。今回の災害によってこの工事は当然三重県、愛知県等では仕事が分断できないから、ここにあるように受託工事として中部地建が施行するということになっているのです。これは全体の工事のうち国が直轄すべきものが幾らある、都道府県管理者が施行しなければならないものは幾ら、そのうち今回受託によって地方公共団体がやるべきものを地建が幾ら受け持ってやろうとするのか、これを明らかにしてもらいたい、わかりますね。そうして海岸部を設ける、海岸部なんて変な部はないでしょう。海岸部を設ける、そうして海岸部というのは定員を二百名設けるというのです。二百名増員というのは国が直轄する工事のために二百人を増員するのか、各被災地の府県が府県の分を、その仕事を受けるために二百名増員するのか、これが一つ。
 それから二百名を増員する場合に、この二百名というものはどこからその人を求めるかという点です。むろん来年卒業する新卒等を採用したのではとうていこれは間に合いません。従って、これをどこから求めるかという点。
 それからこの二百名に対しては、むろん定員法上の職員としての採用と思いますけれども、これ以外に、二十八年度災と同じように、直営を国がしようとする、地建がしようとするならば、それに要するところの補助員、準職員等はどのくらい採用しなければならないか、またこれらに対する処遇というものをどういう工合に措置しようとするか、この点を伺いします。
 それから一昨日の成瀬君の質問に対して、現在愛知県、三重県等で潮どめ工事を施行しているところの、実施をしている者がだれかわからぬというような御答弁をしております。これははなはだ建設大臣としては実態を把握しない、残念ながらこれはまああなたのマイナスです。それこそ現在刻々どのように潮どめ工事が行なわれており、そうしてそれらの人たちがだれがやっている、あるいは自衛隊がやっているのか、あるいは地建が自分でやっているのか、または何々組という請負人がやっているのかということを把握して、それを督戦するような形にならなければ実施官庁の建設大臣としてこれはやはりマイナスです。そこで現在の潮どめ工事というものはだれがどういう点をもってやったかという個所々々について資料をお出し願いたい。現在の施行しているところの施行者がどういう形式で契約をしているかということを明らかにしていただきたいのです。きのう名十屋市長の小林橘川さんが来て、われわれにこういうことを言っておった。潮どめ工事をやったけれども、途中でくずれてしまった、そのために工事が延びるような現状だ、何とかしてほしいというようなことを言ってておりました。こういう点は、今、地方に行ってみますと、名古屋市長と愛知県知事が常に異なったような方策をとって仕事をしておるような印象を新聞等で書かれておったのです。中部日本か何か知りませんけれども、そういう印象を受けるような記事が載っておった。これらの点については、建設大臣はどういう形をもって、どういう監督権といいますかをもって臨んでおるか、従って、今、小林市長の言っているように、一ぺん潮どめしたものがくずれて、また潮が入ってくるようになったというような現象、これらを一体だれがやっているか、どういう契約でやっているか、これを全部県でやっているならどういう契約でやっているか、そういうことを災害のたびに繰り返しておったのでは請負というものはできないのですよ。災害汚職ということが生まれては困りますから、そういう点については十分資料としてお出し願いたいと思うのです。
 それから砂防工事の点でありますけれども、これは長野県へ参りましても、山梨県へ参りましても、砂防工事九億程度の、緊急砂防として今ここでこの予算には計上しておりますけれども、長野県等では、下流に及ぼす悪影響というものを考えながら、自分の県だけで負担がし切れない、全額出してくれ、さもなければ、この流域でもって悪影響を受ける府県がやっぱり負担してくれというような、切実な訴えをしているのです。これはごもっともなんです。そこで、明年の出水期等を考えても、九億程度のものでは万全を期せられないのです。これが要因となって、上流の方の砂防が完全にできておらぬから、それが原因となって河川の破堤というものは行われるのです。まあ九億というものを査定したわけですから、一応それを九億出したことを認めながら、三十五年度の予算には防災といろ見地から、大臣は熱意をもってどのくらいの砂防工事を行おうとするか、その点を最後に伺って、今の資料としてお出し願えるものは資料としてお出し願いたいと同時に、今答弁できるものは一つ一つはっきりと答弁してほしい。あなたは非常に熱心な建設大臣で、私は買っておりますから、(笑声)誠意と勇気をもって御答弁願いたいと思うのです。
#50
○国務大臣(村上勇君) 直轄は五五%までできるからよろしい、しかし補助事業は三〇%程度しかできないから、その直轄とのちょうど継ぎ目のところが困るのじゃないかという趣旨の御負間でありますが、これは私どもといたしましては、補助事業もその必要な重要な個所は大体四、五〇%、要するに来年の出水に対して支障のない程度にいろいろと勘案して、できる予定を持っております。
 それからあとは資料の要求がだいぶありましたが、海岸部を作るということについての御質疑は、実は本年はやむを得ず受託、いわゆる建設省が愛知、三重の両県から委託されることになりましたが、来年度からははっきりと直轄でやるということに打ち合わせが政府部内では決定いたしておりますので、これに必要な職員を二百人ばかり定員増にすることにいたしております。従いまして、これらの点につきましては、各都道府県等からも方々の技術その他のこれに適当なものを採用して参りたい、かように思っている次第であります。
 それから昨日ですか、成瀬さんの質問に私が答えましたのは、業者がどこをやっているか知らないと言ったのではございません。それは成瀬さんの御質問の中に、ある業者は一人も人夫を寄せることができないじゃないか、そういう所があるのだが知っておるかというような私は御質問のようにお聞きしたので、私はそういうことを知りません。聞いていないのであります。大体私も詳細は、愛知県の海岸堤防のいわゆる締め切り工事は、これは県自体がやって、これに建設省からは四十名ばかりの職員を動員して応援いたしておりますので、一々建設省が業者を指名いたしておりません。愛知県自体でやっておりますが、しかし、愛知県の仕事ではありますけれども、大体非常に被害の大きい個所は、日本の建設業者のうちだれがやっておるということはよくわかっております。
 それから、砂防工事につきましての御質疑でありますが、これは私も田中委員と全く同感でありまして、本年はこの補正では九億円余りを計上することができましたが、これも相当困難な抵抗を受けながらこれだけになりましたけれども、私は決してこれで満足いたしておりません。従って、三十工年度予算の場合には、私はどこまでもこの砂防を重点的に取り上げて、十分折衝して、少くとも砂防の対策に皆さんが納得のいく程度の予算要求をいたして参りたいと、かように思っております。
#51
○田中一君 まあ責任と勇気をもってお答えなさいと言っているのです。納得がいくのじゃないのです。災害がなくなるような措置をとりたいと、こう言わなければだめですよ。納得なんかするものじゃない。
 そこで、あなたと三重県で災害直後にお目にかかりました。そのときに、あなた自身が誓っておった言葉なんです。これはあなた御自身で言った言葉だからいいでしょう、それは……。昨年二十八年度災をずっと受託して施行してきたけれども、まず第一に、大蔵省が改良しないでもよかろうじゃないかということを言われて、県の方でおじぎをして改良しなかった点があった。というのは、当初あなたの方の技術家の良心をもって設計をしたところの計画が、それが完全に工事が完了しない前に、もはやその計画が改悪されて実施できなかったという個所があったように僕は聞いたわけなんです。それを今回明らかにしていただきたいのです。そして大蔵省等の何も知らない、経験もない事務官が、ただお金の面だけでこの辺でよかろうというような発言をだまって聞いておるところの河川局長の技術的な良心というものを私は疑わなければならないのですよ。常に言うように、仕事というものは、しなければならない仕事は、だれがどう言おうとしなければならないのです。しないからああして五千名もの人命を失うことになるのです。でありますから、再び二十八年度災のこの悲劇というものを繰り返したわけなんですから、その原因がどこにあったか、よく言葉でいう天災か人災かじゃない、人災だという証拠があるわけなんです。これはあなた自身でそういうことがあるやの発言をしておりました。この点については当初の設計、それがずっと進んで参りまして、年次計画で施行したものを、そしてそれが今度の災害までに完成したものはどれ――完成と申しますのは原形復旧じゃございませんよ。――改良工事を施したものはどれ、全域にわたってそれを資料としてお出しを願いたいのです。お出し願えるでしょうね。御答弁願います。
#52
○国務大臣(村上勇君) ただいまの二十八年の災害によっての海津堤防、新しく作った個所、この個所については比較的被害がなかったのでありますが、その堤防と堤防の中間の入江の部分、その入江の部分について、そこから高潮等が入りまして、農地を相当荒らしておるということはお説の通りであります。この部分について、建設省としては、その部分もやはり表の堤防ほどの規模のものでなくても、相当護岸を施しておかなければそういうおそれがあるので、予算要求をいたしたのでありますが、これがなかなか御承知のように二十八年災が今日よりももっと大きな工事費を、復旧費を要しましたために、だんだんと復旧の年次がおくれまして、そうして建設省の要望した個所まで手が届かなかった、そのときに今回のいわゆる大台風となったのであります。たまたま大蔵省としても、これはまあ時を追うてその後財政措置をして復旧せしめる予定であったかに承わっておりますが、それがだんだんと延びたために、こういうような所の一部――二十八年で復旧した個所の一部――が被害を受けたというようなことを私は申し上げておったつもりです。そういう点でありまして、これは建設省がなぜ必要なだけ三・五・二というような比率がありながら、それで取らなかったかということの責任がありましょうけれども、いろいろと当時の財政の都合で復旧が延びてきておったということは、私としては認めるにやぶさかでないと思います。そういうような次第でありまして、その個所等につきましては、よくわかっているだけの資料は差し上げるのに差しつかえないと思います。
#53
○斎藤昇君 ただいまの田中委員の資料要求に関連いたしまして、さらに一私もお願いしておきたいと思うのですが、三重県だけの海岸堤防について、二十八年災のあとの工事費が、大蔵省と建設省で査定をされて、そうして一応決定したのが三重県だけで百四十九億と聞いております。それがその後だんだんと財政の都合その他から減らされて、実際にやったのは七十九億しかやっていない、こういうように聞いておるのです。そういった事柄を明らかにする資料を一つ出していただきたい。こういうふうに私もつけ加えておきたいと思います。さらに設計の金が少なくされたために、そのために破砕したという個所も現実に免じておるわけでありますので、特にそういう意味で資料をお出しいただきたい。
#54
○国務大臣(村上勇君) これは十分そのように資料は差し上げたいと思います。しかし、これは一言私つけ加えておきたいことは、三重県の場合もそのような大きな要求と決定したものが、非常に大幅に実現できなかったという点につきましては、私の聞き及んでおるところによりますと、三重県では埋立工事をやるために、今ここで復旧しても二重になるからというので、その施行を猶予してほしいという所もあったかに聞いておりますが、その点については、私間違っておるといけませんから、補足させます。
#55
○政府委員(山本三郎君) 今、大臣からのお話の点が四日市にあったわけでありますが、それらの点を明らかにいたしまして、資料を出したいというふうに考えております。
#56
○田中一君 さっき答弁残しがあるのですが、官房長来たからすぐ官房長から答弁できると思うのですが……。二百名の定員増による補助員、準職員はどれだけ採用して仕事をさせるかという点を伺っておいたんです。当然定員法上二百名ふえるならば、これに関連して相当の数が伸びなければならないと思うのですが、その処遇はどういう形に持っていくのかという点。
#57
○政府委員(鬼丸勝之君) 今回伊勢湾台風による災害復旧の仕事に当らせるために、二百名新規に定員法上の定員の増加を認められた次第でございまするが、これは新規に認められた定員数でございまして、このうち九十名がいわゆる行政部費でまかなう部分で、あと百十名が事業費支弁ということになっておりまするが、これらの定員は中部地方建設局本局に五十名配置いたしまして、あとは現場の工事事務所に百五十名残りの定員を配置いたしたいと考えております。そこで、これが任用につきましては、御案内のように海岸堤防を中心とした仕事でございますので、この仕事の設計なり、あるいは現場の監督事務、それからそれに伴う事務職員として適格な者を任用いたしたい。従いまして、補助員クラスから幾らとか、準職員クラスから幾らということは、現在のところまだはっきり申し上げられません。新規に適格者を求めるという場合もありますし、あるいは現在の準職員の中から適格者、適当な能力を持っている者があればこれを任用するということは考えられます。
#58
○田中一君 どうも答弁が僕の質問したのと違う。それは直轄工事として明年度から海岸堤防全部国がやるのだ、ころいろ大臣の答弁です。従って、この形式が請負にしようと直営でやろうと、二百名だけではとても工事ができないということです。本局に五十名配属し、現場に百五十名持っていっても、あれだけの工事をやるにはとうてい間に合わない。そこで現在現存している準職員なり補助員なりというものを相当入れなければ、これはできないのではなかろうか。従って、それらはどういう工合に、どういう見込みのもとに入れようとするのか、これは官房長、この前どこかで当然それを採用しなければ仕事はできませんといろ答弁をしたと思いますけれども、その点ほどうですか。そうしてそれらの人たちに対する処遇はどういう形でやろうとするのか。
#59
○政府委員(鬼丸勝之君) 今、田中先生から御指摘のように、これを委託でなく全部直轄でやるといたしますると、定員法上の定員ももっと必要とするわけでございます。私どもとしましては、四百名ぐらい考えたのでございますが、今年度は委託を受けてやりますので、一部府県からの応援も期待すると同時に、そのほかに御指摘のように補助員はどうしてもある程度必要ではないかと考えておりますが、これは今検討中でございまして、これを補助員として任用いたしました場合には、これは他の補助員と同様の処遇で扱って参りたいと思っております。
#60
○田中一君 そこで、百十名は事業費から支弁すると言っていますが、事業費と事業事務費と二つに分けて、それはどうなっていますか、その分け方は。
#61
○政府委員(鬼丸勝之君) これは大体現場関係の者のうち、管理事務、あるいは監督的な立場にある老を除きまして、百十名は事業費支弁ということになっております。さき申し上げましたように、工事事務所の関係において百五十名定員からさいておりますが、そのうち百十名はほんとうの第一線の現場関係の仕事に当たる、こういうことで了解しておるわけであります。
#62
○栗山良夫君 私、建設大臣にただいま御報告をいただいた中で、現地で非常に困っている問題であって、取り上げられていない問題がありますので、一点だけ伺います。
 申すまでもなく、もう十一月を迎えるわけでありまして、急角度に冬が迫って参ります。その状態の中で、ただいま現地におきましては、浸水地域並びに非浸水地域を問わず、相当広範囲にわたりまして大中小さまざまな住居に対しては被害を受けております。おそらく名古市内におきましては屋根がわらの飛ばない家は一軒もない。そういうような工合に被害を受けておりまして、中小商工業の工場の建屋4もちろん入っておりますが、それらの復旧のために、資材資金の手当は、今御説明のあったような工合に通算省その他とも連絡をとられて、いわゆる遺憾ない態勢をとられつつあると私は期待をいたしております。ところが、
 一番問題になるのは大工、左官等の技能者だと思います。そこで、これは全国的なことももちろん問題でありますが、特にまだ傷あとのなまなましい十五号台風の中心地において、住居なり中小企業の工場の建屋等の冬を越せるような復旧をするのに、こういう大工、左官等の技能者は、一体延べ人数はどれくらい必要なのか、復旧の期間を目標を定めますれば、絶対数も出て参るわけでありますが、それらについて、地元で定着をしておる技能者というものは一体どれくらいなのか、結局不足数というものはどれくらいあるのかということを、建設省としてお考えになったことがあるかどうか、私はこれをまず伺いたい。資料を出していただきたいと思います。
 で、一つの提案を申し上げますならば――現に私の家も相当被害を受けておるのですが、屋根がわらが三百枚ばかり飛びましたが、トタンを伏せてあるだけなんです。何とも処置のしようのない、大工も左官も来てくれないわけです。そこで、全国各地から罹災の中心地に、宿舎その他を設営し、旅費等のめんどうを見て、技能者を、短期間に復旧させるために、集めるというような、そういう方法が講じられないものかどうか。特に十万戸に近い家屋を住宅金融金庫、公営住宅を通じて新築しようと言われておりますから、新築と補修とが競合するわけで、そういうわけで、労務者ははなはだしく払底すると思いますが、そういう問題について建設省はいかなる今御処置をとられようとしておるのか、ただいまもし具体的な案をお持ちでなければ、緊急に一つ対策を考えて、そして善処していただきたいと思います。特に住宅におきましては、ある家では半人分で間に合う所もありましょう。ある所一、二人、あるいは三人と必要な所もありましょう。そういう個々ばらばらな、日常生活に関係のない人々が充足するということはほとんど不可能であります。従って、地方の自団治体に窓口があって、そこに申し込みをすれば資材付、労務者付で手ぎわよく復旧をしてもらえる、こういう態勢が整えば非常に利便だ。特に、ただいま水没しておる地帯が十一月に締め切りが終って排水がいよいよ着手される、家がだんだん出てくれば、すぐに壁を塗り、屋根を直さなきゃなりません。そういうときに、排水はできたけれども左官、大工――労務者がないために、寒風の吹きすさぶ荒野の荒れた家の中で住まなければならない、そういうことがないとも限りません。こういう点についてどういうお考えでおいでになるか伺っておきたい。
#63
○国務大臣(村上勇君) 職域別の技能者等につきましては、基本的にはこれは労働省の関係でありますけれども、建設省といたしましては、あの台風直後から全建を通じて、地方の全建の支部に対しましても強力にこれらの人たちの確保とその動員方を督促、督励いたしておる次第であります。なお、今後この督促を十分続けまして、地方の全建にも依頼いたしまして、十分取り計らいたいと思いますが、労働省に対しましても、ただいまの御趣旨の点について十分協力方を求めて参りたいと、かように考えております。
#64
○栗山良夫君 労働省等と緊密に御連絡をとっていただかなければならないのはもちろんでありますが、問題は、ただ心配をするというだけでは、これは解決しない問題なんですね、大工、左官という、まことに単純労務で毎日仕事をやっておる方々でございますから、従って、全国各地から集めるといったところで、まずさしあたりは旅費の問題、宿舎の問題、そういう問題を一体だれがめんどうを見るのかということになれば、これはやはり予算措置を講じて集めなければ、なかなか集まらない問題であろうし、また、今一日の日当が千五百円とか千八百円とかいわれておりますが、そういう高額な日当ではとうていたえられない。旅費などを加算すればそういうことになるでありましょう。従って、正常な大工、左官の日当で復旧が漸次軌道に乗っていくようにするためには、何としても国が若干の手配をしなければならない。またこのことは、将来絶対に災害などが起きては困りますけれども、しかしこれは天災のことでありますから、だれも絶対に絶滅するという保証はないわけであります。従ってそういう集中的に起きたような場合のやはり将来の対策としても十分に考えておかなければいかぬ問題ではないかと私は思います。従って、この委員会のなるべく早い機会に、こういう問題をどうするのか、もう十二月が迫って参りますから、具体案をお示しいただきたいと、特に要望しておきます。
#65
○成瀬幡治君 資料要求を一ついたしておきたいと思います。二十八年度以降災害の特別立法と、それから政令、これが第一。それから第二番目には、災害復旧の進捗率を昭和二十八年度以降、年次別で、しかも各省別に項目別に御提出が願いたい。これは建設省だけでなくて全体に……。これは委員長において取りまとめて一つやっていただきたいと思います。
 それから大臣は、愛知県の業者で、大きいところを知っておるとおっしゃるが、不適当と思われるというわけじゃないでしょうけれども、あまり言うと問題になるから……しかし現地では、あなたが土建業者であり、何か知事との関係も、そういうようなものがあって、非常に不適当な人が実際契約して、それが大きくおくれている理由、あるいはこの間の話を聞きましても、自衛隊を幾らでも出そうといって、自衛隊の方では用意しておるが、地元では受け入れ態勢で見合わせるというような、とにかく納得のいかないものがあるのです。そこで資料として、あとのことはまた一つあとでやろうと思いますが、資料としてお出し願いたいのは、最初に、知事の専決事項であるから、知事が契約しております、そうしてやれなくなって契約変更になったもの。ですから、田中さんの資料要求に関連して、最初にどういうふうにして契約をしたか、それから契約変更されておるものはどうなっておるかという、そういう点を、田中さんの資料要求にあわせて一つ資料として御提出願いたいと思います。
 以上であります。
#66
○国務大臣(村上勇君) ただいま私が土建業者であるということでありますが、私は土建業者ではありません。昭和二十年の八月十五日、終戦と同時に一切私は土建業と関係いたしておりません。その点一つ御了承願います。
#67
○成瀬幡治君 それはどうも失礼いたしました。しかし、地元ではそういうようなことを非常に心配しております。私は誤解を解くためにもぜひ一つ、あなたの立場に立つならば、土木業者が、最初に知事が契約をした、しかしそれが変っておる。それからもう一つは、それではあらためてつけ加えて資料要求をしたいと思いますが、見合って見合ってとおっしゃいますが、なぜ自衛隊が出て行かないでやれると認定をされておるか、一つ基礎的な資料もお出し願いたいと思います。
#68
○国務大臣(村上勇君) ちょっと誤解があるかもしれませんから、はっきりしておきますが、私は、災害直後、愛知県にも三重県にも、これはとてもこんな大きな被害では、とうていこれは県としてはこれの仮締め切り等については困難があるのじゃないか。どうしてもこれは、委託されれば建設省が直轄で一つ委託されて、全国的に総力をあげて一刻も早くこの締め切りをやらなければならぬから、建設省に委託したらどうだということまでは慫慂いたしました。三重県は、知事も留守でありましたが、一つ建設省にそれでは全面的に委託いたしますということでありまして、愛知県では相当自信もあったように私は見受けましたが、愛知県では、サンド・ポンプも八千馬力くらい用意ができるからということを、中部災害対策本部で愛知県の土木部長から強い自信のあることを聞きまして、それでは県から建設省が仕事を取り上げるようなことは、これは控えなければいかぬ。しかし、その後愛知県から、とてもこれは困難だというSOSが参りましたので、今十日も十五日もたって建設省が委託されても、請負業者等にしても、あるいは資材を求める場所も、みなそれぞれ県で手配しているのだから、それを今省が委託されても、かえっててこずって段取り変えをするようなことになれば、非常に排水がおくれるかもしれぬ。そういうことがあってはならぬから、それよりもむしろ、省をあげて愛知県を応援しようじゃないか、こういうので、まあ四十名ばかりの技術家を愛知県に応援に今回して、協力をいたしております。私は決して、あの被災者の立場から考えますと、愛知県だとか、あるいは建設省だとか、三重県だとかいうようなことは、そういうことは毛頭考えておりません。従いまして、私どもの方から業者を一人も指図した者はありませんし、私は少くとも、私の考えをもってすれば、日本の上から十社なら十社という、ほんとうに日本のいわゆる土木業界を代表する人たちがあの事業には立ち向かわなければ、私どもの考えるような成果をおさめることができないじゃないかということを考えておりましたが、それが私どもの知らない業者も入っておられるようでありますが、その技能については、建設省としては、これは責任がないわけではありませんけれども、実際は何の相談も受けておりません。今までのところは一つ御了承願います。今後につきましては、あの恒久復旧につきましては、十分その技能を精査いたした上で、これを施行さすようにいたしたいと思っております。
#69
○大倉精一君 私、委員長に要望するのですけれども、今後の委員会の運営としまして、質問の過程において、現地を調査して善処します、あるいは御要望にこたえて努力しますという答弁がたくさんあるのですけれども、これは言いっぱなし、聞きっぱなしではなくて、そういう点については、必ず一つその結果について御報告をしていただくようにお願いいたしたいと思います。これは口頭でも文書でもけっこうですから、そういうお手配を一つぜひともお願いいたします。
#70
○委員長(郡祐一君) 建設大臣に対しては、なお御質疑があるようでありますが、これを後日に譲ることにいたしまして、本日はこれにて散会いたすことにいたしたいと思います。
 なお、次回は十一月四日午前十時から開会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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