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#1
第033回国会 風水害対策特別委員会 第20号
昭和三十四年十一月三十日(月曜日)
   午前十時五十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十八日委員仲原善一君辞任に
つき、その補欠として藤野繁雄君を議
長において指名した。
本日委員勝俣稔君辞任につき、その補
欠として小林武治君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     郡  祐一君
   理事
           稲浦 鹿藏君
           重政 庸徳君
           田中  一君
           成瀬 幡治君
           小平 芳平君
           向井 長年君
           森 八三一君
   委員
           秋山俊一郎君
           石谷 憲男君
           木村篤太郎君
           古池 信三君
           小林 武治君
           斎藤  昇君
           佐野  廣君
           西川甚五郎君
           藤野 繁雄君
           山本 米治君
           吉江 勝保君
           米田 正文君
           大倉 精一君
           清澤 俊英君
           栗山 良夫君
           小酒井義男君
           近藤 信一君
           藤田藤太郎君
           安田 敏雄君
           大竹平八郎君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
   文 部 大 臣 松川武千代君
   厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
   農 林 大 臣 福田 赳夫君
   通商産業大臣  池田 勇人君
   労 働 大 臣 松野 頼三君
   建 設 大 臣 村上  勇君
   国 務 大 臣 石原幹市郎君
  政府委員
   大蔵省管財局長 賀屋 正雄君
   文部省管理局長 小林 行雄君
   厚生大臣官房長 森本  潔君
   厚生省医務局長 川上 六馬君
   農林大臣官房長 齋藤  誠君
   農林省農林経済
   局長      坂村 吉正君
   農林省農地局長 伊東 正義君
   労働省職業安定
   局長      百田 正弘君
   建設省計画局長 關盛 吉雄君
   建設省河川局長 山本 三郎君
   建設省河川局次
   長       曾田  忠君
   建設省住宅局長 稗田  治君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○小委員長の報告
○昭和三十四年九月の暴風雨により塩
 害を受けた農地の除塩事業の助成に
 関する特別措置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の豪雨、
 同年八月及び九月の暴風雨又は同年
 九月の降ひようによる被害農家に対
 する米穀の売渡の特例に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十四年九月の風水害を受けた
 漁業者の共同利用に供する小型の漁
 船の建造に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○昭和三十四年八月の水害又は同年八
 月及び九月の風水害を受けた中小企
 業者に対する国有の機械等の売払等
 に関する特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た地域における公衆衛生の保持に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和三十四年八月及び九月の風水害
 を受けた社会福祉業施設の災害復旧
 費に関する特別措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た都道府県の災害救助費に関する特
 別措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た者に対する母子福祉資金の貸付に
 関する特別措置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○中小企業信用保険公庫法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年八月の水害又は同年八
 月及び九月の風水害を受けた中小企
 業者に対する資金の融通等に関する
 特別措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た地域における失業対策事業に関す
 る特別措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害並
 びに同年八月及び九月の風水害に関
 する失業保険特例法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和三十四年八月の水害又は同年八
 月及び九月の風水害に伴う公営住宅
 法の特例等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○昭和三十四年台風第十五号により災
 害を受けた伊勢湾等に面する地域に
 おける高潮対策事業に関する特別措
 置法案(内閣提出、衆議院送付)
○天災による被害農林漁業者等に対す
 る資金の融通に関する暫定措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た地方公共団体の起債の特例等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た市町村職員共済組合の組合員に支
 給する災害見舞金の額の特例に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十四年八月及び九月の暴風雨
 による堆積土砂及び湛水の排除に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和三十四年八月の水害又は同年八
 月及び九月の風水害を受けた公立の
 学校等の建物等の災害復旧に関する
 特別措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年八月及び九月の風水害
 を受けた私立学校施設の災害復旧に
 関する特別措置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害に際し
 災害救助法が適用された地域におけ
 る国民健康保険事業に対する補助に
 関する特別措置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た農林水産業施設の災害復旧事業等
 に関する特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た公共土木施設等の災害復旧等に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和三十四年八月及び九月の風水害
 による任意共済に係る保険金の支払
 等にあてるための資金の融通に関す
 る特別措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和三十四年八月の水害又は同年八
 月及び九月の風水害を受けた医療機
 関の復旧に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○昭和三十四年七月及び八月の水害又
 は同年八月及び九月の風水害を受け
 た者等に対する福祉年金の支給に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和三十四年八月の水害又は同年八
 月及び九月の風水害を受けた事業協
 同組合等の施設の災害復旧に関する
 特別措置法案(衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(郡祐一君) これより風水害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十七日、仲原善一君が辞任し、その補欠として藤野繁雄君が、また、二十八日、江藤智君が辞任し、その補欠として勝俣稔君が選任されました。また、本日、勝俣稔君が辞任し、その補欠として小林武治君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(郡祐一君) 今朝の理事会の申し合わせに基づいて、本日は、小委員長の報告を聴取したる後、法律案の質疑は行なわず、直ちに討論採決を行なうことといたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
 それでは、ただいまから昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案外二十五件の内閣提出法律案及び衆議院提出の昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた事業協同組合等の施設の災害復旧に関する特別措置法案、以上二十七件を一括して議題といたします。
 一昨二十八日行なわれました各小委員会における審査の概要について、各小委員長から御報告を願います。
 まず、藤田厚生、労働小委員長。
#4
○藤田藤太郎君 厚生、労働小委員会における審議の概況について御報告いたします。
 本小委員会は、十一月二十八日に開かれ、内閣提出の昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法案外八件について審査を行ないました。
 まず、厚生省関係について申し上げます。厚生省関係の七法案につきまして順次質疑を行ないましたが、おもなる問答は次の通りであります。
 公衆衛生の保持に関する特別措置法案に関し、簡易水道の復旧について、「災害によって根こそぎにやられ、財政的に行き詰まっている町村に対して二分の一の補助は少な過ぎる、二分の一以上三分の二程度を出せないか。」との問いに対し、「そのような特別の地域に対しては、起債のあっせん、補助対象についての考慮、地方庁に対する特別交付税等によって、御趣旨に沿うように努力する。」との答弁がありました。
 医療機関の復旧に関する特別措置法案に関し、私的医療機関に対する貸付資金について、「せっかく有利な条件で貸付制度ができても、金融公庫では医療機関に流す資金がなくなって借りられないという場合が起こらぬか。また、代理貸付機関に対する莫大な手数料を削減することによって償還四年目からの利率九分三厘を三年目までと同様六分五厘に引き下げることができないか。」との問いに対し、「現在、金融公庫における第三・四半期分については出足が早くなっているが、総ワクとして金がなくなって貸付を断わるということはない。早く貸付がはかどるように指導して、御期待に沿いたい。また、代理貸付機関に対する手数料を削減することは困難であるが、貸付金利についてはさらに検討したい。」との答弁がありました。
 都道府県の災害救助費に関する特別措置法案に関し、「災害救助法には、実際に支給された見舞金の処置などいろいろ検討を要する問題があり、政府は災害基本法の立案を準備しているということであるが、関係各省間で密接な連絡をとって、早急に有効適切な処置をとり得るようにしてもらいたい、所見いかん。」との問いに対し、「災害基本法案は、来たる通常国会に提出の見込みであるが、災害救助法についても検討をすることにいたしております。関係各省とも十分連絡をとり、立案を早急に取りまとめまして、災害に際しては関係各省の機関が有機的に敏活適切な活動をなし得る体制を整備する所存であります。」との答弁がありました。
 次に、労働省関係の失業対策事業に関する特別措置法案及び失業保険特例法案に関しましては、「事業所自体は操業しているが、災害による交通機関の不通によって労働者が通勤不能となり、賃金を受けられぬ場合、これに対していかなる救済措置を講じているか。」との問いに対しては、「そのような場合の措置は、雇用契約、労働協約等に定められているのが通例であり、たとえこれがなくとも、非常の場合の措置として事業主の良識に訴えるよう行政指導せしめています。労働基準局の調査によれば、愛知、岐阜、三重の三県において、このような場合に平均約七割の事業場が支給を行なっており、その支給額は平均賃金の約六割、すなわち休業補償や失業保険金の額に相当するものであります。また、別途の救済措置として、労働金庫から貸し出しの方法があり、未加入の労働者でも被災後労働金庫に加入して貸付を受け得る」旨の答弁がありました。また、「被災労働者の救済措置は、全般的な災害対策の一環として行なわれるべきものであるから、失業保険特別会計から支出されただけの経費は、次年度の一般会計から補てんするのが適当ではないか。」との問いに対し、「この範囲の特例措置は、失業保険のべースに乗り得るものであり、その根本原則を乱すものではないから、失業保険特別会計で措置してしかるべきものと考える」旨の答弁がありました。
 その他、失業保険金の受給の待期期間、失業保険料滞納の場合の受納資格、失業対策事業に対する国庫補助率等についても熱心な問答が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
 以上もって御報告を終ります。
#5
○委員長(郡祐一君) 次に、重政農林水産小委員長。
#6
○重政庸徳君 農林水産小委員会における審査の結果について御報告申し上げます。
 本小委員会は、内閣提出の昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案外五件の農林水産関係法案について、慎重に審議いたしたのでありますが、各小委員におかれましては、終始熱心に政府に対し質疑がなされたのであります。その詳細は会議録に譲ることにいたしまして、以下簡単にその内容について申し上げます。
 除塩事業の助成につきましては、被害わらの除去に必要な経費をも除塩事業の対象とし、灌漑排水施設の新設の場合には恒久的な施設についても考慮をはらい、また、土地改良区の管理費等に対する助成についても所要の措置を講ずべきである等の点が指摘されたのであります。
 米穀の売り渡しについては、法律の適用については減収率一〇%以上の県となっているが、その他の県について市町村段階で被害の大きいものに対する方策はどうか等についてただされ、指定以外の県については、代金の延納措置を考えたい旨の答弁があったのであります。
 小型漁船の構造につきましては、被害小型漁船の三分の一を漁協に作らせ、共同利用に供する措置をとられたが、現実に一隻を三人で共同利用して漁業経営に支障を来たすのではないか、また、補助対象外の被害小型漁船の建造に対する融資の具体策はどうか等についてただされ、漁業経営に支障を来たすことのないよう、法の運用に慎重を期し、実情に即応した措置を講じ、また、金融措置についても沿岸漁業振興対策とも関連して十分検討し、漁民の早期救済をはかりたい旨答えられたのであります。
 天災による被害農林漁業者の資金の融通については、衆議院における修正部分の政令指定の対象種目についてただし、また、被害林業者の損失算入に風倒木を認定することの当否、製炭業者に対する融資等の措置、果樹栽培に対する貸付資金の限度額及び償還期限等についてただされ、政令で定める水産動植物は、現在のところ、金魚、ボラ、ノリ、カキを予定しているが、なお、実情調査の上必要に応じて考慮したい。風倒木その他の問題についても今後運用面で実情に即するよう措置していきたい旨の答弁がなされたのであります。
 農林水産業施設の災害復旧事業につきましては、開拓農家の負債、特に農協の災害による負債についての特別の救済措置、部落の共同利用施設の復旧についての特別措置法の適用、貧困農家に対する救済の措置等について強力なる施策の確立が要望されたのであります。
 農業共済については、農業共済事業における任意共済制度は、それ自体に大きな問題がある、この特別措置は今回限りの措置であるかどうか。また、今回のような措置が再び行なわれることのないよう制度の根本的な改正をすべきではないかなどの点についてただされ、今回の災害が異常であったため、今回限りの特別措置であること、制度の安全性確保のため料率、限度額等も検討し、この制度の抜本的な改正については、農林省内に対策協議会を設け、学識経験者等も加えて基本問題を十分調査し、検討している旨の答弁かあったのであります。
 以上、簡単ではありますが、本小委員会の論議の主要点を概略御報告いたした次第であります。
#7
○委員長(郡祐一君) 次に、稲浦建設、自治小委員長。
#8
○稲浦鹿藏君 建設、自治小委員会の審査の概要を御報告いたします。
 本小委員会は、内閣提出の建設関係四件、地方自治関係二件の特例法案につき、一昨二十八日慎重に審査をいたしました。
 その概要を申し上げますと、まず、「今回の特例法が実施される場合には、特例法の趣旨が誤まりなく実施されなければならないのであるが、二十八年災害の復旧事業の実施状況を見るに、当初の査定額と実施額とには大きな開きがある。これは二十八年の特例法の趣旨に反し、実施面において財政の圧迫があったのではないか。今回は特に政府の提案であるし、前回の誤まりを繰り返してはならない。堆積土砂の排除事業についても予算の使用残があるのではないか。」という質疑に対しましては、政府側から「二十八年当時は机上査定が相当あったので、再査定で減額をし、その他設計差、入札残等により差額を生じているが、その後は実施査定を原則としているので差額は少ない、堆積土砂の排除についてもよく検討し、今後は慎重に実施する」旨の答弁がありました。
 次に、「日本の工業地帯は海に臨み、ほとんどが高潮の危険地域である。しかもこの地域は沖積層で、地盤沈下の現象がある。高潮と地盤沈下をどう処理していくか。今後海岸堤防を実施する個所は、必ずボーリングによる地盤調査を実施すべきではないか。」との質疑については「広く学者の意見を聞き、今日の科学の粋を集めて、抜本的な対策を立て、実施以前に必ず調査をする。」との答弁があり、また、これに関連して、「高潮対策について、建設、農林、運輸各省の計画及び実施についての調整をどうするか。」との質問に対しては、「設計については企画庁を中心とした関係各省からなる高潮対策協議会で、民間の学識経験者にもはかり慎重に決定し、実施については緊密なる連絡をとって実施する」。旨の答弁がありました。
 また、「低湿地帯の住宅、工場の安全をどうするか。政府は建築基準法三十九条の災害危険区域の指定により指導するというが、これは地方の条例に待つにすぎないし、元来建築基準法だけの問題ではない。個人の所有以外に公共物もあり、広く都市計画、国土計画上の問題ではないか。」という質疑に対しては、建設大臣から、「たとえばサンド・ポンプの吹き上げにより公共的な避難場所の設置、鉄筋コンクリートによる校舎の復旧等をはかるけれども、個人の宅地までは現在補助することは考えていないが、融資の面で堅牢な建物にするよう指導し、また、都市計画上からは、土地区画整理の場合には、地上げ等も検討していきたい。」旨の答弁がありました。
 次に、「二回連続して災害を受けた地域については特別の配慮をなすべきであると思うが、何らかの特別扱いができるか。」との質疑に対しては、自治庁長から、「起債については困難であるが、特別交付税では特にめんどうを見ることにしたい。」旨の答弁があり、また、「気象観測の拡充は緊急であるが、従来気象庁関係の予算は不足している。いかなる方針であるか。」との質疑に対しては、気象庁から、「来年度においては、レーダー施設、山地ロボット雨量計、上高層観測等による予防警報を充実し、また、通信施設の整備、人員の増加、高精度の予報研究等をはかりたい。これらについては予算計上の見通しがある。」旨の答弁がありました。
 以上のほか、「公有水面埋立法により、地方公共団体が埋め立てて、民間に売り払った土地で、災害により再使用にたえなくなっている場合、その責任はどうするか。現行の公有水面埋立法は単なる手続法にすぎないから、これの改正を考えるべきではないか。」また、「緊急砂防は特例法を設けず、起債による運営にまかせているが、高率負担を考慮すべきではないか。」また、「道路と堤防の併用、埋立地と防波堤の関連を考慮すべきではないか。」等の質疑があり、そのほかに、中部地方建設局の海岸部二百名の増員の内容、治水、利水等、水の行政の一元化とこれの基本法である水に関する法律の確立について等、多岐にわたり、きわめて熱心に論議が重ねられました。
 以上簡単でありますが、本小委員会における審査の概要を御報告申し上げた次第でございます。
#9
○委員長(郡祐一君) 次に、西川文部、通商産業、大蔵小委員長。
#10
○西川甚五郎君 文部、通商産業、大蔵小委員会におきましての質疑並びに政府答弁の主要なる点について申し述べます。
 それに先立ちまして、大蔵大臣に申し上げておきまするが、本小委員会の報告には本予算並びに次年度よりの予算に重大なる影響がございまするから、私の報告を十分にお聞きとりを願いたいと思います。
 まず、文部関係から申し述べます。「激甚地指定の地域内の文教施設であっても、全壊と半壊のみが特例法の対象となり、その他は一般法が適用されると聞くが事実であるか。長期冠水の低地地帯には避難所としても改良復旧校舎が必要である。」との質問に対し、「全壊、半壊のほか、大破をも特別措置の対象としている。大破は今回初めて認められたものである。改良復旧の量は従来よりも大幅に増加する見込みであり、負担率、補助率の引き上げと相待って所期の復旧を遂行できると思う。長期冠水地帯に対しては特に考慮する。」旨の答弁がありました。
 「長期冠水地帯の文教施設復旧のための高燥地の購入、または土盛りに要する経費に対して補助金の考慮があるか。」との質問に対し、「個々の事態について研究する。」旨の答弁がありました。
 「災害予算、特に文教予算は、被害状況に照らして、不十分ではないか。」との疑念に対し、「従来の実績にかんがみ大丈夫であると思うが、どうしても不足する場合には」ここであります。「予備金の支出によって万全を期することを大蔵大臣と確約している。」との答弁がありました。
 次に、「私立学校に対する補助金は災害額から見て僅少に過ぎはしないか。」との質問に対し、「二分の一の国庫補助に加うるに、私学振興会による長期低利貸付の方法をとり、施設並びに設備の復旧を期している。」旨の答弁がありました。
 また、「重要文化財の災害復旧についての根拠法及び復旧計画いかん。」との質問に対しましては、「文化財保護法第三十五条の規定により本年度及び来年度において復旧する予定である。」との答弁がありました。
 文教関係の負担金補助金の率は、他に比して低過ぎるのではないか。」との質問に対しましては、「従来の一般法においてすでに低率であるが、今後これを高めるよう努力する。ただし、災害復旧については、今回の措置をもって遂行し得るものと思う。」旨の答弁がありました。この点、大蔵大臣十分御考慮を願います。
 以上のほか、臨時技術職員の採用に当たり、必要な者については中断することなく一定期間継続勤務させるよう措置すること。
 災害予防措置を講ずるとともに、青少年、児童、生徒に対し、平素から災害に対処する心がまえ等を訓練すること。
 重要文化財の災害復旧に要する経費についても国の補助率等を規定することを考慮すること。
 災害により弧児童になった青少年の教育に関しては、彼らが正常な状態をもって成長するよう特別の意を用いること。
 人命救助の避難所として役立った体験からしても、今後、長期冠水地帯、低地等には、鉄筋の堅牢なる建築をなし得るよう、災害関係の一般法を改正するよう考慮すること。等について熱心な要望、意見が述べられたのであります。
 次に、通産関係について申し述べます。
 「罹災中小企業者に対して各般の金融措置がとられているが、中小企業向けとして用意された資金が大企業に流れていくことはないか。また、中小企業金融公庫等の資金が代理店扱いとなる場合に歩積、両建等により高い金利となることはないか。」との質問に対し、「中小企業金融公庫等の政府関係機関からは中小企業だけに融資され、大企業に流れることはない。また、実質金利が高くなることについては常に監督しているが、今回は、特に災害復旧のための融資であるから、なお一そう指導監督を厳重にするとともに、これらの点について末端まで徹底させる。」との答弁がありました。
 「今回の台風により被害を受けた地方は、繊維産業にとりきわめて重要な地域であるが、被災繊維工場の操業再開や減産防止などにいかなる措置をとったか。」との質問に対しましては、繊維関係の中小企業に対しては、金融について、商工中金等に援助方を依頼し、原綿、原毛については、実被害高に応じて再輸入を許可した。また、紡織機に関しては、操短によりすでに格納や封緘した分を減産に見合って解除し、他の工場に振りかえて生産させている。」との答弁がありました。
 次に、「台風や高潮から産業を守るという見地に立って工業地帯の総合施策を推進すべきであり、今後、道路、鉄道、港湾、工業用地、住宅地、公共施設等一貫した臨海工業地帯の造成方策について再検討すべきではないか。」との質問に対しましては、「臨海工業地帯に関しては、特に防災対策を重視して、財政資金の投下に努めるとともに、その造成にあたっては総合的に実施する必要があるので、経済企画庁に鉱工業地帯整備協議会を設け、各省間であらゆる角度から検討を加えている。」との答弁がありました。
 次に、「事業協同組合等の施設の災害復旧特別措置法案の対象となる地域及び中小企業者の団体に準ずるものと認められる団体は、政令でどのように定めるのか。」との質問に対しまして、「政令は、目下関係各省の間で相談中であるが、地域については、農林水産業関係の施設に対すると同様の考え方で、協同組合等の被害復旧費、施設の利用者数を勘案して、一定の額以上の市町村を指定する考えであり、また、中小企業者の団体に準ずる団体は、法的団体となっていない商店街組合等を考えている。」との答弁があったのであります。
 次に、大蔵省関係につきましては、国有の普通財産である機械または器具の保有状況等について質疑が行なわれたのであります。
 以上をもちまして御報告を終わります。
#11
○委員長(郡祐一君) 以上で小委員長の報告を終わります。
 それでは右二十七件の法律案については先ほど御報告いたしました通り、これをもって質疑は全部終了したものと認めます。これより二十七件の法律案を一括して討論を行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#12
○重政庸徳君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案外二十六件について賛成するものであります。
 今回提出を見た災害関係の特別措置法案は、二十八年当時の災害立法を基礎に置いて、できるだけの救済をすることが立法の主眼であることは、総理を初め各大臣がしばしば現地において言明いたしておるのであります。このことについては、委員会におきましても相当の質疑がなされたのでありますが、詳細にこの二十七件の法案を検討いたしてみまするに、二十八年災を上回っているとも下ることはないと思うのであります。たとえば被害沿岸漁業者の救済については、小型漁船建造の特別措臨を講じております。あるいはまた、伊勢湾高潮対策事業の措置、湛水排除事業の措置、並びに満水区域の激甚地指定の措置、または私的医療機関に対する金融措置等は、従来に、二十八年にない立法措置であるのでありまして、救済の手を新分野に拡大いたしておると思うのであります。また、災害復旧事業におきましても、従来の原形復旧に改良復旧を加味いたしておるのでありまして、法律、政令で手の伸びない分野におきましては行政措置がとられております。たとえば被害部落の復旧事業等につきましては、所要の処置を講ずるなど、大体において今次災害に対する救済の措置は目的を達成いたしておるものと思われるのであります。
 以上。私の賛成討論を簡単でございますが、終わります。
#13
○安田敏雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました災害関係二十七法案について賛成の討論を行なうものであります。
 本年は七月及び八月の水害、八月及び九月の風水害が連続して発生し、特に伊勢湾台風は記録的台風でありまして、その物的損害は五千八百億円に達し、さらに人的損害においては、死者、行方不明五千三百余人、負傷者三万七千余人を算し、五十年来かってない大惨害であります。
 この打ち続く災害にあたって、岸総理初め関係閣僚は、災害地を見舞い、その惨状にこたえて、「心配するな、対策には幾らでも金を出す」と言い、また、国会においては「二十八年災を下回らない対策を講ずる」と約束されましたのも、この激甚な災害のためにほかなりません。しかるに、本国会に際し、政府の提出いたしました補正予算案及び災害関係各種法律案の内答を検討いたしますと、確かに二十八年災を上回るものもありますが、その中にはそれには及ばないものも多々ありまして、抜本的対策に欠けており、不満足のものであります。ことに国際情勢が冷戦の雪解けにありますとき、不急と思われる防衛費関係の削減にはいささかも考慮が払われていないということはまことに遺憾とするものであります。
 わが党は、このような事態に対処して、でき得る限りの対策を推進するために、衆議院において組みかえ予算案を提出し、万全の対策をはかったのでありますが、不幸否決されましたことは、被災民の立場に立ってもまことに遺憾なことでありました。また、法律案については、政府提出二十六法案、衆議院提出一法案に対して、修正されたもの六法案、付帯決議となったもの三法案を含めて、わが党独自の被災者援穫法案等、合計十五法案を提出いたした次第であります。
 去る二十六日、本院において、わが党が補正予算案に賛成いたしました理由は、政府予算案が執行の過程で、不十分な場合が生ずるならば、引き続いて第二次補正、あるいはまた、三十五度年予算において必要な予算措置を講ずるとの政府の意向が明らかにされましたことと、いま一つは、寒さを迎えて今なお水没地帯にある被災民の窮状を察するからであったのであります。
 さて、ただいま討論の議題となっております二十七の法律案は、さきに衆議院を通過したものでありまして、補正予算執行のための手続を規定するものであります。法律案の内容は、政府提出案に対して、わが党の修正要求が部分的には修正されているものもありますが、今回の災害が激甚をきわめている状況から判断するならば、昭和二十八年災害に比較して不十分なものであります。
 数項の事例を申し上げますれば、一、被災者及び被災世帯に対する生活保障や立ち上がりの生活資金、死亡者への弔慰金、病人の治療費等に対して考慮が払われていないことでありまして、全般的に見て公共災害に比較いたしまして、個人災害に対する救助に欠けている点が指摘されるのであります。
 二、災害地における、国庫負担による失業対策事業の推進、災害による一時離職者に対する失業保険の適用及び交通途絶のため通勤不能による場合の休業の補償等も措置されていないことであります。
 三、天災による資金の融通は、農林水産、中小企業、個人住宅等すべて融資額を拡大する必要がありまして、それぞれ公庫の窓口をはるかに簡素化することが肝要であります。
 四、農林水産業施設の復旧事業にあたっては、共同利用の施設を国庫補助の対象にすべきであり、干拓地、開拓地の復旧は全国、国庫補助が必要とされているのであります。
 五、さらに、災害による不振農業協同組合の救済、生活協同組合への貸付金のワクの拡大、国家並びに地方公務員等共済組合への給付の増額等一そうの対策をはからなければならないことであります。
 六、近年、果樹生産者は激増しているため、これが災害救助にあたっては、共済制度を設ける必要があります。
 七、その他、医療施設の復旧、施設の拡充、公私立学校の復興及び授業料の免除等万全を期すべきものがあります。
 以上の通りでありまして、政府の提出法案には、多くの欠けた点が見られるのであります。また、各種の政令による激甚地指定についても、まことに繁雑でありまして、現在地方財政の窮迫の実情から見て、その基準を一そう引き下げねば十分とはいいがたいのであります。
 さらに、十一月二十七日本委員会における総括質問の審議に際して、わが党委員の質問に答えて、総理の説明は、災害対策と健全財政との関係については明確を欠き、災害予算が多過ぎると健全財政に影響があるというような印象を受けまして、納得のできる解明をしておりませんでしたが、経済や財政の健全性をゆがめるものは、年を追って累増する軍事費にその根本的要因があることを総理は率直に認めるべきであると思うのであります。
 また、今回の災害が人災によって被害を大きくしたものであることは、学識経験者によっても指摘されております通り、従来保守党政府のもとでは、治山治水と高潮対策の施策が全く欠除していたことも施政の誤まりとして、政府みずから反省しなければならないことでありましょう。災害があったから治山治水の対策をする、高潮防止の方途を講ずるというがごときは、明らかに場当たり的な政治と言われても、政府は弁解の余地はないのであります。はたして、政府は、三十五年度以降、これらの対策を具体化するとの意向を明らかにいたしましたが、従来の政府施策によるところの諸般の五カ年計画は、その中途において往々にしてくずれ去っている事例があります。今度こそ政府は本腰を入れて、常に台風圏内にありますわが国土の実態に照らして、国土の保全と国民生活の安全に思いをいたし、周到な計画と大幅な財政支出の措置を講ずべきであることを切望するものであります。
 師走も明日に迫り、冬を迎え、寒さもきびしくなるおりから、被災地の住民は寒空のもとで救援と復旧の措置が一日も早く実行されんことを持ち望んでいるのであります。もはや事態はこれ以上に遷延することは許されないのであります。
 そこで、わが党といたしましては、委員会の審議を通じて、問題点となった諸懸案に対しては、数項目の附帯決議を付して、一日も早く被災民の切望にこたえる立場から、これら提出諸法律案全体について賛成をいたすものであります。
 政府は各派共同の附帯決議を尊重し、法律の運用にあたっては、迅速かつ適切な執行をいたすよう強く要望いたしまして、私の賛成の討論とする次第であります。
#14
○大竹平八郎君 私は無所属クラブを代表いたしまして、ただいま上程中の災害対策法案二十七件に賛成をするものであります。賛成にあたりまして一言申し上げたいのでありますが、今次の災害にあたりまして、むろん政府御自体が反省をしなければならぬことはもとよりでありますが、国民自体もこの災害を契機にいたしまして、今後の抜本的な対策をするにあたりまして、絶大な関心を持たなければならないと考えておるのであります。先般建設省から発表をせられました建設白書によりますというと、過去十年において約十万の尊い死者が出ておることを報じております。また、金額の上におきましても、二兆億円以上を突破するところの損害を受けておるのであります。こういうことを見まするというと、年年歳々日本に大きな台風が来ておるということであります。従いまして、その台風に対しての対策ということが、一番これに対する反省を必要とするのは私は政府でなければならないと思うのであります。先般の総合質問のときにあたりまして、私は石原自治庁長官に御答弁を求めて、長官から率直な答弁の開陳があったのでございますが、たとえてみまするならば、先般の名古屋の、いわゆる伊勢の台風の前におきまして、約一カ月以前名古屋行政管理局から数項目にわたりまして注意が出ておるのであります。たとえば大河川の下流の問題、それからあるいは堤防の問題、さらにこの人的な、あるいは動産の保全を、現在の状況においては守り得る可能性がない、あるいは水防団の問題、さらには水防工事に対して原始的な土のうの問題よりも、鉄鋼等を使用することについても詳細に出ておるのであります。さらに自衛隊の機動隊の出動という問題も明らかに警告をいたしておるのであります。こういうときにあたりまして、石原自治庁長官の御答弁によりましても、そのあとで知ったというようなことを伺ったのでありますが、これらを一つ見ましても、私どもは今次のこの災害にあたりまして、官紀が私は多少なりとも弛緩をしていたのではないかということを断言せざるを得ないのであります。
 それから今度の災害、予算を通じて見まして、私が最も遺憾に思うことはは、これは気象庁の予算でございます。一番肝心なのは、これはもう気象通報によって一切の問題が各官庁でもって処理をされなければならないときにあたりまして、同庁の年間予算三十六億円、三百二十四人の防災官の新設を要求いたしておるのでありますが、聞くところによりますというと、ほとんどこれが削除をせられたということでありますので、私どもとしてははなはだこれを遺憾に思っておるのでございますので、ぜひこの点は十分御考慮を願って、通常予算等におきまして、私はあえて三百二十四人というものが適当かどうか知りませんが、十二分に一つ御考慮を願いたいと思うのでございます。
 それからさらに、この臨海工業地帯の問題でございますが、これも一昨日の小委員会におきまして、通産当局に私は申し上げたのでありますが、ほとんど四面海の日本の状態、しかも日本の今の工業立地計画というものが、大体百万坪を中心にいたします埋め立てに依存をいたしておるのでありますが、こういう点におきまして、はたして従来とっております、そういった臨海工業地帯というものが適当であるかどうか、こういう点につきましては、私は特段の御考慮を願いたい、かように考えるわけであります。それからさらに干拓等の問題でございますが、堤を唯一の生命として、そうして各方面の勧誘によって干拓地に入りました人たちが、鍋田におきましてもそうであります、あるいは桑名地区におきましてもそうでありますし、ああいうむざんな状況になっておるときにあたりまして、干拓問題というものが必ずしも原形に復するということがいいかどうか、あるいは他に方法があるとすれば、他に適地がありまするならば、そういう方面に特別この際において私は考慮するの必要があるのではないか、かように考えるわけでございます。それからさらにこの問題を契機にいたしまして、私はあえて災害対策の常時本部を作れとは申しませんけれども、今後関係官庁の特別な有機的な結びつきということが非常に必要ではないか。今申し上げました通り、年々歳々日本には台風が必ず来るんでありますから、どうかそういう点に対しまして政府は特段の一つ注意を願いたいと思うのであります。
 それから最後に、これは私ども無所属クラブという立場でなければこういう発言はできないと思うのでありますが、知事あるいは市長等が、ところによりましては必ずしも政府与党から出ているとは限らないのであります。これは民主主義のルールによってあるいは野党の方も出ておるかもしれません、そういうのは各方面にあるのであります。従いまして、そういう自分たちの与党関係でないというために、この災害対策がもしもいろいろな意味においておくれる、あるいはその連絡が緊密でないというようなことがありましたならば、国民は非常な迷惑を受けるのでありますが、この点につきましても特に御注意を願いたいと思うのであります。
 必ずしも今度の二十七件を私どもはそのまま全面的にけっこうとは申しませんけれども、ただいまも各委員より申された通り、もうすでにあしたから十二月であります、寒さも迫っておるときでありますので、われわれはそういう意味におきましてとにかく一日も急ぐときでございまするので、政府提案に賛成をいたします次第であります。今申し上げたようなことを十分に御留意の上、今後の対策を講じていただきたいと思います。
#15
○向井長年君 私は社会クラブを代表いたしまして、今次災害に対する二十七件の法案に対しまして、賛成するものであります。必ずしもこの二十七件の法案によって十分とは考えてはおりません。しかしながら、先般も岸総理初め各関係大臣が、今次の災害が非常に政府の災害対策に不備な点もあったということを率直に端的に認められ、反省をされておる、今後これが恒久的ないわゆる対処をしなければならぬということも言われております。従って、恒久的な対処が特に治山治水あるいは高潮対策、こういう問題に今後十分なる予算をとり、そうしてその中からこれに対する対策をとってゆく、こういう意味から賛成をするものであります。
 なお、特に要望いたしたいことは、今回のこの法案二十七件の実施にあたりまして、ただ単に公式的に、いわゆる機械的にこれを適用するのではなく、罹災者の困窮状態を十分勘案して、しかも心から救済する、こういう立場に立ち、なおまた復旧にいたしましても、これを将来予防するという立場において十分なる改良を加えて復旧に当たることを強く要望いたしまして、賛成演説といたしたいと思います。
#16
○森八三一君 私は緑風会を代表いたしまして、ただいま議題になっておりまする災害関係二十七の法律案に対しまして、賛意を表する次第であります。賛成の意を表するにあたりまして二、三問題を指摘して、格別の政府の善処を求めたいと存じます。
 災害発生以来直ちに中部日本災害対策本部を設置されまして、当面の対策に取り組んでこられました政府の誠意、並びに引き続きましてこの国会を召集せられまして、諸般の対策を樹立して審議を求めております態度につきましては十分敬意を表します。しかしながら、必ずしも諸般の対策が今回の非常に大きな災害に取り組むものとしては十分であるとは申しかねるのであります。委員会におきましてはそういう点を取り上げまして、連日きわめて真摯な質疑が展開をせられました。いつの委員会でも、どの委員会でも、国民監視のうちに行なわれておりますことは申すまでもございませんが、特に今回のこの特別委員会の審議は格別に国民の注目のうちに行なわれたと思うのであります。でございますので、この委員会の審議を通しまして政府が所信を披瀝せられ、約束をなさいましたことがただ単に一片のその場限りのものに終わってはならぬのであります。格別にそういう点についてはその実行を期せられたいと存じます。
 そこで申し上げたいことは、被災が非常に激甚であったことと、何といたしましてもこの災害を早く復旧をし、民生の安定を期せなければならぬということで、なさなければならぬことはどうしてもこれは進めていかなければならぬのであります。そういう結果として、ともいたしますと、漸次好転を見つつありまする地方財政の上に非常な圧迫を持ち来たすようなことがあるのではないかという心配をいたすのであります。あるいは査定が厳に過ぎましたり、査定がおくれて工事が遅延をするというようなことから、そのしわ寄せが地方財政の上におおいかぶさって参りまして、あるいは財政的に地方自治団体が破滅の困難に遭遇するということも想像されないわけではございませんので、災害復旧の進行につきましてはそういう点を十分一つ頭に置かれまして、もし不幸にしてわれわれが賛成いたしました補正予算だけでは十分にその効果が期待されないというような場合におきましては、大蔵大臣も言明があり、総理も所信を述べられておりまするように、あるいは第二次の補正なり、三十五年度の通常予算なり、臨機の措置を講じまして、しわ寄せが地方財政に及ばないということを十分一つ考えていただきたいと思います。
 さらにまた、被害の激甚地域におきましては、相当の工事が集中的に行なわれるという結果といたしまして、そこに過去の経験に徴してもきわめて明確でありまするが、インフレ的な様相を呈しましたり、あるいは風紀の上にもいろいろな問題がかもし出されまして、純朴な、質実な地方農村の状態というものを破壊に追いやるという危険がないとは申されませんので、経済上の問題なり、あるいは取り締まり上の問題なり、補導の問題――純朴な地方の状態を破壊することのないように最善の工夫と善処を求めたいのであります。
 次に、農林水産関係の各種協同組合にして、被災のために非常な困難に遭遇しているものが発生をいたしております。こういうような各種の協同組合等につきましては、すでに再建整備法が制定せられまして、経済の激動期の中に立って困難に相なっておりましたものを救済して参ったのでありますが、今回の被災によって同様の状態に追い込められておりまする関係組合の立ち直りを促進いたしますために、協同組合の再建整備法を復活せしめるということにつきましては、十分誠意を持ってこたえるということでございますので、次の通常国会にはこれが法的な措置を講じていただきますように御工夫と研究を望むのであります。
 なお、商工関係の小委員会におきましても指摘があったのでありまするが、中小企業の金融につきましては各般の措置がとられております。が、しかし、ほんとうにこの金融が難儀をいたしております被災者に及ぶ段階になるというと、調査費だとかあるいは歩積だとか、いろいろな方法で、実質上手取り金利が高くなっていくということは、これは過去の経験に徴して否定のできない事実であります。今回はそういう点について十分監督を厳にし、指導すると、こうおっしゃっていますが、なかなか関係機関の手段は巧妙でありまして、ただ遠くからながめておるだけでは目的を達することが非常にむずかしい問題でありますので、それらの点につきましては、おっしゃっておりまする通り、そういうようなことによって最終の、被災者の受けまする金利が実質的に高騰いたしませんように、厳重に一つ御指導と監督を期待をいたすのであります。
 次に税法上の問題でありまするが、山林経営者等で風倒木のために相当の経済的打撃をこうむっている人々に対する税法上の特別の措置は遺憾ながら講ぜられておらぬように思うのでありまするが、現行の税法の運用におきまして、こういうようなほんとうに気の毒な立場に立っている人々に対する税法上の特典による救済の施策をとり進めていただきたい。さらに、各種の協同組合等が、その組合員中の被災者に対しましてごくわすかな見舞金等を支出をいたしておる事実が存在をいたしておるのでありまするが、これらも税法上、正面解釈としては免税の取り扱いができにくいようなことに相なっておると思いまするが、そういうような精神を十分汲みとりますれば、損失に認めるべき性格のものであると思いますので、税法上の問題に関連してそういうような、だれが考えましても常識的に何らの作為のない、ほんとうに気の毒な人々に対する見舞金と認められるもの、あるいは風倒木等によって格別に困難をきわめておる連中に対しまする税法上の措置について、遺憾なきを期していただきたいと思いまするのであります。
 さらに、各種の資金の貸し出しにつきまして、手続が非常に煩瑣であります。おそらく自作農創設維持資金にいたしましても、その他の資金にいたしましても、中小企業の資金にいたしましても、借り受けをするために手続が煩瑣であって耐えられないというのが一般の声であります。ももろん貸付でありまするから、返済の確実を期せなければならぬことは当然でありまするが、といって形式的に煩瑣な手続をいたしますることは、ほんとうに難儀をしておる連中に対しましてはあまりにも苛酷な仕打だと思いまするので、可能な限り手続の簡素化を一つやっていただきたい。これは法律でも何でもございませんので、やるという気持でおやりを願うことになりますればそんなにむずかしい問題ではないと思います。私は、極端な例を申し上げますれば、住宅復興の資金等につきましては、市町村等が保証をするわけでもありますので、そういうものについてはもうしちめんどうくさい、保証人が何人だとかあるいは財産の状況がどうなっているかという調査なんかは免除をしてやる。これは極端な例なんでありますが、その辺まで考えていただきましても、地方の自治団体が保証しておることでありますればよろしいのではないか。しかし、ぜいたくなものを作ってはいけませんので、設計等についてある程度の規制をすることは当然と思いますが、あまりにも現在の手続は煩瑣過ぎると思いまするので、そういう点については、行政上の措置として十分おとり上げをいただくように希望をいたします。
 以上、数点の希望を付しまして――いずれもこれらは委員会で質疑を通しまして、そういうようにいたします、そういうように取り計らう所存であるということを申されておる点を指摘したのでありまして、約束済みのことでございまするので、すみやかにそれらのことが具体化せられ、あるいは法律を要するものにつきましては、次期通常国会に立法の手続をされまするように、強く要請をいたしまして、私の賛成討論を結ぶ次第であります。
#17
○委員長(郡祐一君) 他に御意見もないようでありまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決を行ないます。
 昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の豪雨、同年八月及び九月の暴風雨又は同年九月の降ひょうによる被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案
 昭和三十四年九月の風水害を受けた漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた中小企業者に対する国有の機械等の売払等に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法案
 昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた社会福祉事業施設の災害復旧費に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた都道府県の災害救助費に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた者に対する母子福祉資金の貸付に関する特別措置法案
 中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通等に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地域における失業対策事業に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害並びに同年八月及び九月の風水害に関する失業保険特例法案
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案
 昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法案
 天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた市町村職員共済組合の組合員に支給する災害見舞金の額の特例に関する法律案
 昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置法案
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公立の学校等の建物等の災害復旧に関する特別措置法案
 昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた私立学校施設の災害復旧に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害に際し災害救助法が適用された地域における国民健康保険事業に対する補助に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案
 昭和三十四年八月及び九月の風水害による任意共済に係る保険金の支払等にあてるための資金の融通に関する特別措置法案
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた医療機関の復旧に関する特別措置法案
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた者等に対する福祉年金の支給に関する特別措置法案
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた事業協同組合等の施設の災害復旧に関する特別措置法案
 以上二十七件を一括して問題に供します。
 右各法律案を衆議院送付案の通り可決することに賛成の諸君の起立を願います。
   〔賛成者起立]
#19
○委員長(郡祐一君) 全会一致でございます。よって右の二十七件の法律案は、全会一致をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 この際、ただいま議決されました二十七件の法律案に対し、委員全員の発議をもって次の附帯決議案が提出されておりますので、本案を議題といたします。
 まず、発議者を代表して委員長から附帯決議の案文を朗読いたします。
     附帯決議(案)
 今次災害の地域の広大性と激甚性に鑑み再びかくの如き災害を繰返えさないよう恒久的対策を樹立し、国土の保全と産業の興隆に資し民生の安定を期すべきである。これがため政府は今回の風水害対策諸法律の実施に当り、予算措置並びに機構の整備等に意を用いると共に、特に左記事項につき格段の施策を講じ遺憾なきを期せられたい。
 一、各種工事の施行に際しては、原形復旧にこだわることなく改良復旧を充分におりこみ再度災害を繰返えさないよう措置するは勿論、過去の慣例的年次別比率にこだわることなく速かに完成すべきである。
 二、各省に関係のある復旧工事については、その間に有機的連絡をとり計画、施行、工程及び完成期にそごを来たさざるよう万遺憾なきを期すべきである。
 三、農林水産業並びに公共施設災害の小災害施設復旧につき、農林災害にあっては一個所の工事の対象となる被害個所の間隔五十米を百米に、公共土木にあっては二十米を五十米とし、なお災害関連事業についてもその適用範囲の拡大を図るべきである。
 四、除塩事業の助成に当っては、塩分を含んだ被害わらの処分に必要な経費を補助の対象とすべきである。
 五、小型漁船の建造に関する特別措置については、補助の対象及び条件等につき実情に即し適切な措置を講じ、もって被害漁民の救済に万全を図るべきである。
 六、農業共済組合及び同連合会の行う任意共済事業は極めて多くの問題点を有しているから、政府は速かに根本的な検討を行い確固たる方策を樹立すべきである。
 内容は以上の通りであります。これが説明は省略いたします。本案を委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 ただいま議決されました附帯決議について、政府から発言を求められております。この際これを許します。
#21
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま全会一致をもって御決議をいただきました附帯決議につきましては、政府といたしましては、その趣旨のあるところを十分検討いたしまして、法律の適切な運用をはかって参る所存でございます。
#22
○委員長(郡祐一君) 政府の所信表明は終わりました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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