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#1
第033回国会 農林水産委員会 第6号
昭和三十四年十一月十三日(金曜日)
   午後一時三十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堀本 宜実君
   理事
           仲原 善一君
          小笠原二三男君
           戸叶  武君
           森 八三一君
   委員
           青田源太郎君
           秋山俊一郎君
           植垣弥一郎君
           石谷 憲男君
           岡村文四郎君
           重政 庸徳君
           高橋  衛君
           秋山 長造君
           大河原一次君
           北村  暢君
           中田 吉雄君
           千田  正君
           北條 雋八君
  国務大臣
   農 林 大 臣 福田 赳夫君
  政府委員
   農林政務次官  小枝 一雄君
   農林大臣官房長 齋藤  誠君
   農林省農地局長 伊東 正義君
   食糧庁長官   須賀 賢二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林省農地局建
   設部長     清野  保君
   林野庁指導部長 茅野 一男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
 (農林水産関係法律案に関する件)
 (米穀管理に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案の件を議題にいたします。当局の説明を求めます。
 なお、当局からの御出席は、小枝農林政務次官、伊東農地局長でございます。
#3
○政府委員(伊東正義君) 暫定法に関します特別措置法を簡単に御説明いたします。
 全部で三条でございますが、まあ大部分農地局関係でございますが、私の方だけのことを申し上げます。第一条に書いてありますことでございますが、これはここに書いてありますことは、被害激甚地域につきましては、農地関係で九割の補助をするという意味のことが第一条でございます。これは暫定法で、実は農地につきましては十分の五、農業施設は十分の六・五ということになっておりまして、八万円になりますと、農地が八割、農業施設が九割、十五万円をこえますと農地が九割、農業用施設が十割というような累進的な補助率になっておりますが、一応ここでは、政令で定めます地域につきまして発生しました被害につきましては、十分の九という規定を第一条に書いておるわけでございます。
 それで、第二に書いてありますことは、実は暫定法で高率適用をいたします場合には、一月から十二月までで累計をいたしてみまして計算をするという建前になっておりますので、ここで一の方で七月から九月ということにして、そこで九割ということにしましたので、これは法律技術の問題でございますが、七、九を除きました一、六、十、十二の被害を出してみまして、また、それが八万円以上になるという場合には、暫定法の高率適用が行なえるわけでございまして、技術的な規定として二号が書いてございます。
 それから三号は、共同施設でございますので、ちょっと後ほど担当の方から説明いたさせますが、この次の2と書いてありますのは今私が申し上げましたようなことで、七、九は九割、一、六、十、十二はもとに戻って暫定法で高率適用をやってみるというやり方、そういうやり方をとらないで暫定措置法によって従来通り計算をしてみますと、実は農業施設等については、九割以上になるものがございます。それでどっちか便利な方で、有利と思われる方でやってみまして、この七、九を九割にしまして、それ以外の一、六、十、十二は、高率適用をやるよりは、全部もとの暫定法を適用しまして高率適用をやってみれば、たとえば農地農業施設を含めて九割以上になるというようなところがありますれば、その右利な方をとって計算をしていくという意味のことがこの2に書いてあるわけでございます。どちらでも有利な方でやるということが書いてございます。それで問題は、政令で定める地域でございますが、これは大体農地農業施設を含めました被害を関係の農家で割りましたものが一戸当たり五万円以上になるものにつきましては適用するという基準と、それからもう一つは、これは御審議を願うわけでありますが、排土排水に関する法律案がございます。これの中で排水の規定の適用を受けた地域、すなわち、一週間以上の湛水で、三十ヘクタール以上の面積の市町村を指定する予定になっておりますが、そういう湛水地域で五万円に当たらないというところについても、これは五万円で救えないものはその規定で救いまして、高率適用をしようというようなことを実は政令で考えております。そういう政令でやってみますと、一応新市町村で計算をしてみましたが、事業費のうちの七割三分くらいは、その高率適用の地域になるんじゃないかというふうに今予想いたしておりますが、しかし、これは現実の査定を終わってみませんとわかりませんが、大体今そういう予想をいたしております。
 それから第二条の開拓地の問題でございますが、これはやはり政令で定めました地域につきまして、三万円以上のものの事業費でございますが、こういうものにつきましては高率補助をするということで、その対象として考えておりますのは、開拓地におきます住宅、農舎、畜舎、鶏舎、あるいは農業者の共同利用に供する施設というものが開拓地の、激甚地の補助対象九割というものになります対象と考えております。これは二十八災におきましては、住宅の半壊、農舎の半壊等は落としておりましたが、今度は、これで指定をされました地域におきましては、半壊も含むというふうに考えております。それから二番目にあります共同利用施設でございますが、これは大体開拓地にあります小水力発電でありますとか、あるいは生産物の加工処理施設というようなものを実は考えております。それで、それではどういう基準で地域の指定をするかということでございますが、これは一条の方とは別でございまして、ある市町村におきまして、開拓者十戸以上のものが住宅の被害を受けたという、全壊、半壊の被害を受けたというような市村町、あるいは入植者の一割以上のものが被害を受けたというような市町村を指定しようというふうに考えております。これも現実にやってみないとわかりませんが、予想では八割足らずのものが入ってくるのじゃなかろうかというふうに考えております。それで、これは九割以外のそれじゃ指定されない地域はどうかということでございますが、これにつきましては、従来通り予算的な措置としまして、開拓者の住宅につきましては、半壊も含めまして五割補助をしていく、従来通りであります。農畜舎につきましては、これは全壊のものを、激甚地以外のところは五割補助をするというようなことを従来通り考えているような次第でございます。
 次に、第三条は災害関連のことでございますが、これは従来は、災害関連は法律では何も規定をいたしておりませんです。それで予算的措置としまして、大体災害の親金の予防的なものについては、八%の経費を組んでおる、一般のものは五%の経費を計上いたしまして、その二分の一だけ補助するという予算的措置を実はいたしたわけでございます。それでわれわれといたしましては、災害の復旧につきましては、できるだけ改良復旧ということも考えていきますし、そのほかに災害を復旧いたしますときに関連して一緒に直した方がいいというところにつきましては、今度は、先ほど申しました被害激甚地につきましては、二分の一の補助から三分の二の補助をするというように、補助率を上げまして、災害関連というものを取り上げまして、そしてできるだけの改良復旧をはかっていきたいという意味で、激甚地につきまして三分の二の補助、それから先ほど申し上げました予算の親災害に対しましては、全部で八%ということを各省統一いたしまして、予算には計上いたしまして、できるだけの改良復旧をいたしていきたいということがこの第三条の規定でございます。右に書いてありますことは、これは間接補助の規定を書いただけでございまして、内容は大体一緒でございます。
 こういうことを暫定措置法の特別措置法として考えているわけでございますが、このほかに、実はこれに関連しました法律がいろいろ出ております。たとえば小災害につきましては、自治庁から起債の特例に関する法律が出ておりますが、これも小災害につきましては、三万円から十万円のものは昨年同様、市町村の起債という方法でいって、それに対して政府が元利の補給をするということが適当ではなかろうかということで立法を、御審議をお願いいたしておるような次第でございます。これにつきましても、先ほど申しました私の方で一戸当たり五万円以上になる、それから湛水地域ということで激甚地というような指定がございましたところは、小災害につきましても九割起債をいたしまして、その全額を元利補給をするというようなことで補助率といいますか、元利補給率といいますか、そういうものは激甚地は九割で通しております。それ以外の、激甚地以外のところは去年同様農地につきましては五割、農業施設につきましては六割五分というような元利補給を考えております。
 それから排土排水法でございますが、これも非常に暫定法と関連のある法律でございますが、この中で排土につきましては、実は排土法によりませんで、この暫定法でいくということにいたしております。農地の排土につきましては、この暫定法が取り扱うということで、激甚地の指定がございますれば、その市町村に排土があればそれは九割でいくというふうに考えております。そういうふうな、この暫定法と関連のありますほかの法律も出ておりますが、いろんな措置をいたしまして、非常に既耕地、開拓地とも大きな被害があったのでございますが、できるだけのことをして参りたいというふうに考えている次第でございます。
 簡単でございますが、暫定法に関しますところの特別措置法案の説明を終わります。
#4
○委員長(堀本宜実君) ただいまの説明に対し御質疑の向きは御質疑を願います。
#5
○仲原善一君 ただいま高率補助の問題について御説明をいただきましたけれども、この補助の残があるわけでございますが、その補助残については、これは一般的に起債を認めて救済するというやに聞いておりますけれども、その通りでありますか。
#6
○政府委員(伊東正義君) 農地、農業用施設の災害復旧の事業主体の問題がございます。市町村なり、あるいは土地改良区というものが事業主体になっているものが大部分でございますが、これにつきましては、今おっしゃいました起債もお願いし、あるいは土地改良区等につきましては、農林漁業金融公庫から補助残は融資をするというような形で、両方相待ちましてやっていきたいというふうに考えております。
#7
○仲原善一君 特にお伺いしたいのは、災等関連事業の第三条の問題ですけれども、これについても補助残については起債を認めることになりますか。
#8
○政府委員(伊東正義君) 災害関連につきましても、これは残につきましては起債の問題、それから土地改良区がもしやりますれば農林漁業金融公庫からの借り入れの問題、同じでございます。
#9
○仲原善一君 その起債の問題について、漏れ承るところによると、特に災害関連事業については五七%だけは交付税等で将来国がめんどうを見る、これは特に地盤変動の伴う地域についてはそうであるということなんですが、これは地盤変動のない地域でも、災害激甚地で災害関連事業をやった補助残については、その五七%というものは将来国が元利補給をするのか、その点をお伺いいたします。
#10
○政府委員(伊東正義君) 起債の問題でございますが、これは災害の場合の起債につきましては、先生御承知のような基準財政需要の算定の場合にも、一円について九十五銭というような計算をいたしておりますし、起債をいたしますれば将来財政需要の面としてこれを見ていくということをやっていってもらいたいというのがわれわれの要望でもあり、現実にもそうしてもらいたいというふうに考えております。
#11
○仲原善一君 今のはまだ結論は出ていないわけですか。これは地方庁では、もしこの災害関連事業をやったあとの起債について、将来国が元利補給を見てくれぬということになれば非常な負担が残るというので心配する向きもあるわけですから、その点、今現在において結論が出ておればはっきりお答えを願いたいし、もし出ておらなければ、将来これはやはり五七%というものを国が元利補給をするということを一つ確約してもらいたいという希望を持っておるわけです。
#12
○政府委員(伊東正義君) 起債の問題につきましては、実は農林の起債の額その他につきまして、実はまだ最終的に詰まっておりません。起債のワクの問題がございますので、現実に復旧いたした場合の起債、どのくらいになってその補給をどうするかという問題につきましては、もう少し時間をかけまして最終的な詰めをいたしまして御報告いたしたいというふうに考えております。
#13
○仲原善一君 小災害の起債の問題ですけれども、これは従来町村当たり百万円という絶対ワクがありまして、それ以上でないと起債を認めぬというようなことがあったわけですけれども、今回はその制限は撤廃にするのかどうか、その点をお伺いいたします。
#14
○政府委員(伊東正義君) 今御指摘ありましたように、昨年は親災害と含めまして災害復旧事業費が一千万以上で、その中で一番小さい小災害の五万円未満の市町村では百万ということになっておりました。今年度は、これにつきましては親災害と含めまして一千万を八百万、一番下の百万という起債の限度を八十万というふうに下げてもらうように大体話はついております。これで参りますと、実は去年は一千万、百万という制限がついたので、要望の半分ぐらいが入ったという形になりまするが、これで参りますれば、当然六、七側は入ってくるのではないかというふうに考えております。
#15
○青田源太郎君 ちょっと高率適用の農地の五万という解釈ですが、これは農地と農業用施設、具体的にいいますと、農地とたとえば井せき等が被害がある。それが何か農地は農地だけ、農業用施設は施設だけが五万の平均にならなければこの適用が受けられないのか、その辺のことを一つお伺いいたします。
#16
○政府委員(伊東正義君) これは考えておりますのは、農地と農業用施設の災害復旧費を足しましてこれを関係者で割ってみまして五万をこえるものというふうに考えております。
#17
○青田源太郎君 農地と農業用施設と合計したもので五万ですか。
#18
○政府委員(伊東正義君) そういう考えでございます。
#19
○青田源太郎君 一つお尋ねしたいのですが、激甚地の指定以外の、たとえば協同組合施設等に大きな被害のできた場合はどういうふうな対象になるのですか。
#20
○政府委員(伊東正義君) 激甚地といいますか、割ってみまして五万円にならぬという地帯でございますが、これにつきましては、暫定法に帰りまして、農業用施設につきましては六割五分の補助があるということになるわけでございます。
#21
○青田源太郎君 さらにもう一つお尋ねしますが、露骨になりますが、兵庫県の場合は、県の財政で、どうしても今回は県が高率補助の対象にならぬらしいのでありますが、そこで町村に対して混合方式と申しますか、税収、こういうことできまって、町村もその恩恵にあずかるというわけでありますが、その混合方式というのを、その内答を一つ詳しく説明していただきたい。
#22
○政府委員(伊東正義君) これは、私の方は実は激甚地の指定につきましては混合方式というものは全然考えておりません。これは公共土木の方でやっておりますので、私の方の分は府県とか、そういうものの指定をいたしませんで、全部角度を変えまして、市町村を指定するという考えであります。これが公共土木の方は、御承知のように市町村が管理主体であり、市町村がやっておるということで、市町村の財政需要というものが中心に考えられておるようでございますが、大体農地農業用施設につきましては、個人の財産という性格が強く出ておりますので、県なり市町村の財政需要でなくて、私の方は全然別な角度で、今申しました通り、一戸当たりどうということでやっておりますので、混合方式というようなことは全然私の方は考えておりません。
#23
○青田源太郎君 それから林道災害についてでありますが、この基準が、前にはその総工費の延長一メートル三百円だったのですが、今度は四百円になったのですか。
#24
○説明員(茅野一男君) 実は二十八年には三百円で実施いたしましたけれども、最近の、二十八年以降の労銀、それからその他物価、それからまた林道の規格でございますが、そういうものを勘案いたしますと、大体四百数十円に該当するものになりますので、それで二十八年のをスライドいたしまして、大体四百円ということにきめた次第でございます。
#25
○北村暢君 一つお伺いいたしますが、今度の災害の原形復旧主義と改良復旧主義の問題ですが、改良復旧の構想が出てきたのは非常に前進していると思うのですが、その改良復旧の査定といいますか、それを、原形復旧なら簡単に出るだろうと思うのですが、改良復旧をする場合には、この認定の仕方というのは一体どういうふうにしてやられるのか。それからまた、特に必要な新設工事というものも認めるようですが、この程度の問題をどの程度に考えておられるのか、お伺いしたいのですが。
#26
○説明員(清野保君) 災害復旧の原則は、御承知の通り原形を復旧するのでございますが、法律にも、困難または不適当とする場合には、それにかわるべき施設またはその効用を発揮するために必要な施設というようなものは、それぞれ現在の法律でもきめられております。ただいま問題になりました改良復旧の問題でございますが、改良復旧につきましては、問題は査定基準だと思いますが、査定基準につきましては、従来農林省、大蔵省の問でもって一応の基準を定めておりますが、今回これを改正いたしまして、極力従来行われておりました制限、たとえばダムがこわれまして、そのダムが復旧をするというような場合の改良復旧につきましては、従来は築造基準が古い、こういうような基準がございましたが、こういうのをとりまして、単に被災の原因だけを対象として改良を加えていこう、こういうふうにいたしております。一例を申し上げますと、そういうような意味合いでもって今後できるだけ査定基準を改正いたしまして、改良復旧を行なっていく考えであります。
#27
○北村暢君 もう一つの点の、この災害復旧に関連して施行する、特に今必要な新設の工事というものをやられるようでございますが、こういうものの査定もどうなっておるか、ちょっと先ほどの……。
#28
○説明員(清野保君) 従来、災害復旧で行なっておりますところの復旧工事には、新設というのはないのでございます。ただ、もし新設というのがあるとしますと、数カ所の井せきがこわれまして、それを統合した方がいい、こういう場合には、井せきを新設する場合もございまして、また、その災害復旧工事に関連いたしまして行ないます関連工事もございますが、いずれの場合にいたしましても、新設というものは特に従前の効用を発揮するための必要な施設としまして国が否定をして認める、こういう場合に限られております。
#29
○北村暢君 もう一点、その査定の基準は大蔵省とも協議をしているということでございますが、今度の災害に対して、二十八年災と比較して、さらに、この改良復旧の要望が非常に強く出てきているのですけれども、その査定の仕方によってだいぶ影響してくるのじゃないかと思うのですが、これは予算的にも非常にむずかしいのじゃないかと思うのです。工事の設計なりなんなりが、この災害復旧するという、非常に急を要しておるときに設計をし、そして査定をするということになれば、非常にその実施がおくれるというようなことも考えられますし、予算的にも非常にむずかしい、その査定が非常にむずかしいのじゃないか、このように考えられるのですが、この原形復旧と比較してどの程度に考慮をされて急速な災害復旧というような形に持っていけるのかという点について、非常におそくなるような感じがするのですが、そういうおそれはないのかどうか、その方法を一つ御説明願いたいと思います。
#30
○説明員(清野保君) 原形復旧と比較しまして、改良復旧の場合に査定がおくれるのでないか、こういうような御質問でございますが、農林省といたしましては、すでに査定基準を従来から県の方へ流しております。また、今回の改正査定基準案も流しておりますので、その査定基準案によりまして、県の方ではそれぞれ心要に応じまして改良復旧を行なっておりますので、特に原形復旧を行なうから改良復旧の査定が非常におくれる、こういう事実はないと考えております。
#31
○小笠原二三男君 さっきそちらの委員でお尋ねしたこの法律の適用される対象は、被害激甚地という、今問題になっている地域指定とは何ら関係なしに実施せられるものである、こういう御答弁のようでしたが、その通りですか。
#32
○政府委員(伊東正義君) 先ほど御質問があったのでございますが、暫定法の考え方は、たとえば、公共土木でやっておりますような、県を指定しますとか、そういう思想は全然入っておりません。これの激甚地の考え方といたしましては、市町村単位に考えております。それで県の指定は全然行ないません。この法律に基づきます政令で考えておりますことは、先ほど、先生おいでになる前に御説明したのでございますが、農地農業用施設のおのおのの足しました災害復旧費を関係の農家で割ってみたものが五万円以上になるという市町村があれば指定をする、それから、もう一つは、これは、私、農地だけのことを申し上げているのでございますが、湛水いたしまして、排土排水法の適用を受けて排水を行なったというような市町村がありますれば、それは激甚地としまして、農地農業用施設につきましては、九割の補助をするというものを市町村単位に考えております。
#33
○小笠原二三男君 そうすると、全体として、七月、八月、九月の災害地域において、この法律の適用からはずれるような市町村の部分と、適用される部分とでは何割くらいになるんですか。
#34
○政府委員(伊東正義君) これも先ほど申し上げたのでございますが、新市町村で、県の報告に基づきまして一応やってみますと、ただ、これは現実の査定をまだ行なっておらぬのもございますから、数字は動くと思うのでございますが、七割二、三分というようなものが、事業費百のうち七割くらいのものが九割の補助の対象になるんじゃないかという予想をしておりますが、これ自身まだ、査定計画とも関連がございますので、最終的な結果を見ませんと出て参らぬわけでございます。
#35
○小笠原二三男君 そこで、今ついているこの法律の適用による予算ですな、事業費は大体幾らの見込みで、そうして補助助成の国庫から出る金は幾らというふうになっているんですか。
#36
○政府委員(伊東正義君) 大体予算で考えましたものが、この関係で四十三億程度のものを実は考えておりますが、もしもそういうことになって参りますと、約一億くらいがふえるのじゃなかろうか、これは予備費がだいぶ入っておりますし、まだ一応査定の済まぬものが実は七、八〇%ございます。そういうものを前提にして考えておりますので、予備費の範囲で当然やっていけるだろうというように、われわれは考えております。
#37
○小笠原二三男君 そこのところをもう少し詳しく聞きたいんですがね。四十三億というのは、補助助成の予算ですか、事業費ではない。そして四十三億を、大体七、八〇%も査定もしておらぬくせに、二億ぐらいあれば済むだろうと、こういう手づかみになってきた根拠はどこにあるか。七、八〇%はまだはっきり確定していない部分があって、なお二億ぐらいふえれば四十五億できちんといくという、これは意地悪い質問だけれども、はなはだ相済まぬけれどもどこでこんなことがわかったのですか。
#38
○政府委員(伊東正義君) 七〇%ぐらい査定が済んでいないと申し上げたのでございますが、これにつきまして、計算しました基礎は、実は過去三カ年の被害額、それから被害につきまして申請が出てきます申請率、それに基きます査定率、こういうようなものを過去三カ年の実績をもとにしまして一応出したわけでございます。そういう前提におきまして計算をしまして、これは過去三カ年の実績の平均でございましたので、あるいはそれに若干動くということもあるかもしれません。そういうようなことで四十三億というものが計上されておりますので、そう大きな違いはこれは私はないだろうというふうに考えております。
#39
○小笠原二三男君 二億程度は予備費からというのは、今提出されておる予算八十億の予備費の中で、二億ぐらい使えばいいと、こういうことですか。
#40
○政府委員(伊東正義君) 今申し上げました四十三億という中にも、実は、先ほど申し上げました計算でやってみますと、計算よりも若干よけいな金も実は入れてございます。これは予備費的なものでございますが、それと今あります予備費と足せば、何とか今の予算で私はできるだろう、こういうふうに考えております。
#41
○小笠原二三男君 くどいようですが、四十二億というのは腰だめできめた予算でもある、すなわち、予備費的な部分もある、単に一億の予備費というのは、これは八十億の中から二億程度、万一の場合はもらうと、こういう了解になっておるということですか。八十億は、もう予備費という形はとっておっても、一々これは何にどれだけという対象がはっきりしているのじゃないですか。
#42
○政府委員(伊東正義君) 予備費の全体の問題は、これは財政当局の問題になりますので、私から御答弁するのは無理でございますが、先ほど申し上げました四十三億というのは、過去三カ年の平均の数値を使いまして、一応計算しましたものに、一部予備費的なものがこれは入っております。それと今度の五万円というもので計算しました差額を足しますと、先ほど申し上げましたような数字になるのでございますが、これは私どもは、先ほど申し上げました四十三億に入っておる予備費的なものと、そのほかにございます予備費というものを考えれば、これで何とかやれるのじゃなかろうかという私は見通しを持っております。
#43
○小笠原二三男君 じゃ、これで何とかやれるという建前ですと、三十四年度の補正予算を使えば、この法律の対象になる災害の復旧は完了するのだ、三十五年度予算は使わないのだ、継続ということはないのだ、そういうことですね。
#44
○政府委員(伊東正義君) そういうことじゃございませんで、実はこれは、災害復旧の進度率というものがもう一つございます。従来の三・五・二と、こういわれておりますが、その三に相当するものは、本年度は災害激甚地は三五でやろうという計算をいたしまして、結果において債務負担行為二八・五ということでやっておりますが、ことしで災害復旧は全部終るという意味じゃございません。ことしの進度率ぐらいのものはまかなえるだろうという考え方を持っております。
#45
○小笠原二三男君 それでだんだんわかってきました。そうすると、大体四十五億程度は、三・五・二の比率のうちの初年度三分ぐらい、あるいは三が要るかもしれないし、三が足りないかもしらぬが、まあ、初年度分としてみたわけですね。そういうことですと、三カ年継続事業として、総体の金はどれだけ必要であるということから四十三億なり四十五億というものをはじいたのですか。
#46
○政府委員(伊東正義君) 今の御質問でございますが、大体の関係で申し上げますと、全部で百六十億ぐらいじゃないかということを、一応積算はしてみました。ただ、そのあとで五万という問題が出て参りましたので、総額の金額につきましては、また、これは再検討してみる必要があるだろうというふうに見ております。
#47
○小笠原二三男君 農家個人の被害、あるいは共同施設、あるいは地域的な林道被害、これらはそれぞれ三・五・二という比率が一般的にあるとしても、その進捗率については、それぞれ考えるところが違うと思うのですね、みんなこれはべたにならして三・五・二ということではないだろうと思うので、重点的には、本年は農家個々の農地災害なりなんなりというものを、あるいは開拓者の住宅建設、宿舎建設なり、そういうようなものは、これは三・五・二なんて言っておられないはずですから、もうやってしまうならやってしまうのだという縦ワクがあると思う。その点を明細にお示しいただけませんか。この四十五億なり四十三億でこれだけは完了する、あとは三・五・二で継続する分はこれだけという……。
#48
○政府委員(伊東正義君) 今申し上げましたのは、農地農業用施設の平均の数字を申し上げたのでありまして、これは実績を見ましても、現実の問題といたしますと、農地農業用施設の中で、農地の復旧の方が実績は高くなっております。農業用施設よりも、個人の農地の方の復旧事を高くする、昨年の実績では農業用施設は二五%でございましたが、農地はたしか三二%ぐらいの復旧事になっております。また農地と申しましても、地域によって非常に違っております。仕事のできる地域と、あるいは時期の問題でおくれてできなかった地域と、非常に実績も違っております。そういうふうに違ってはおりますが、原則といたしまして農地農業用施設の中では、農地の災害復旧をよけいにやる、そうして植付期に何とか間に合わせるというような形で何とかやっていきたいというふうに考えております。
 それから今先生から御質問ありました農地農業用施設だけでなくて、あるいは開拓地の問題とか、あるいはそのほかにもあるのじゃないかというお話でございますが、私の方で関係いたしておりますたとえば除塩でございますとか、あるいは排水というようなものもいろいろございます。こういうものにつきましては、除塩については、今年度のうちに七〇%ぐらいのものをやってしまいたい、あとの残りの三〇%というものは、来年の植付期までに間に合わせて、全部できるようにしたいというようなことを考えております。排水のような問題になりますれば、これはもう何十パーセントという問題ではございません、もう全部早急にやってしまう、あるいは開拓地の問題になりますと、住宅宿舎の問題等は二年にわたってやっていくというように、いろいろに実は進度率はおのおの違えております。
#49
○小笠原二三男君 今まで聞いた範囲から推定すると、この査定のいかんによっては、過去三カ年間のいろいろな経験と実績から見ると、平均で割り出した四十三億なり四十五億というものが初年度三〇%の事業進捗をめどとするということで出たというけれども、今次災害のように、何が飛び出してくるかわからぬというような状況の場合、査定のいかんによっては対象事業がふえて、三〇%のそれを遂行するためには、予算が足りない、そこで結局は三〇%未満の事業しかできないことにとどまって、来年度以降で新しく予算をとる、こういうような例年あるような不都合な事態には今回は絶対ならないという保証がありますか。
#50
○政府委員(伊東正義君) 先ほど申し上げました四十三億という数字でございますが、これは先生腰だめという表現をされましたが、私どもこれを査定しましたときには、過去三カ年間の平均を使っておりますので、私どもとしてはそう大きな違いはないのではないかというふうな予想をいたしておりますし、もう一つは、実は債務負担行為というものも活用いたして進捗度をはかって、平均二八・五、こういうことをやっておるのでございますが、私どもとしましては、なるべく先生のおっしゃいましたような事態にならぬように、この予算で、おそらくそれでいけるのではなかろうかというような現在の段階においては考え方を持っております。
#51
○小笠原二三男君 債務負担行為という話が出ましたがね、今、出ている予算の三十六億何がしという債務負担行為に属する部分、これもこの法律の対象として、金が足りなければ使うのだということになっているのですか。そんなに弾力性があるあれは債務負担行為三十六億何がしという金ですか。
#52
○政府委員(伊東正義君) 農地につきまして、六億数千万の債務負担行為を計上いたしておるのでございますが、これはこれを入れて進度率二八・五という考え方でございます。あれを除きますと大体二五くらいの、これは平均でございます。激甚地以外も含めまして平均でございますが、そういう進度率になっております。
#53
○小笠原二三男君 ですからね、過去三カ年間の平均値が正しいものであって行われるという場合には、あなたのおっしゃる通り債務負担行為、農地部分六億何がしは使える、予算上きまっているから使えるようになる。けれども、ふくらんできた場合のことを私は聞いておる。ふくらんできた場合には、債務負担行為というものは、これは予算補正しなければ使えないのですから、当てにはできないわけでしょう。
#54
○政府委員(伊東正義君) 債務負担行為の額については、御説の通りでございます。
#55
○小笠原二三男君 だからこれはね、易断でないから私にもわからんのだが、政務次官にお尋ねしておきます。これで完璧に大丈夫だ、二八・五%という進捗率は、三十四年度のこの予算で完遂できるのだ、絶対第二次補正が出るというようなとき、便乗して金をもらいたいなどということも言わぬし、来年度に持ち越していくということもないのだということなら、断固としてそうであるという御答弁をいただきたい。これは来年になってみればはっきりわかるのですから。
#56
○政府委員(小枝一雄君) ただいま小笠原委員御質問のこの二八・五の債務負担行為を加えて、ただいまの予算で全部完遂ができるという見通しであるかどうかという御質疑でございますが、先ほどから農地局長からお答えいたしておりますように、大体過去三年の実態から勘案をし、なお、今回の災害の特殊性も頭に持ちまして、いろいろの角度から検討いたして参ったものでありまして、ただいま先生からおっしゃるように、これは絶対に第二次補正はやらないということをただいま断言をする段階ではないと思いまするけれども、当局といたしましては、まず、これをもって災害対策をその程度まで実施し得るという確信を持ってやっておるわけでございます。
#57
○小笠原二三男君 最後にお尋ねしますが、なぜ二八・五%なんて、こまぎれな進捗率をめどとしたんですか。今、国民なり、あるいは国会なりがほうはいとして、三・五・二のこの比率自身がいかぬのだ、もう少し進捗率を高めるべきだというのが、ほうはいたる世論ですな。それが三〇%にもならぬ、なぜこういうめどを先から作ったか、しかも、農家個人災害に対してすみやかにその復旧をやらなければならぬ部分が多いのにもかかわらず、二八・五%、平均二八・五%、こういう進捗率を農林省自体がおきめになったというのはどういうことですか。
#58
○政府委員(伊東正義君) 御質問でございますが、従来は激甚地を七〇、それ以外を三〇というようなことにいたしまして、七〇につきまして三〇%ということで、三七、二十一と、残った三〇%の地域については四%で二五%というのが従来行われていた実績でございます。これにつきまして、私の方といたしましては、今年の被害激甚にかんがみまして、緊急分の七〇につきましては三〇でなくて三五という比率をとりまして、それに残った三〇%の地域につきましては従来の比率でいくということで、両方平均しまして二八・五となったわけでございますが、激甚地につきましては、今、先生おっしゃいましたような趣旨もございますので、債務負担行為という制度も考えまして、その上で三五という進度率でいこうじゃないかというような計算の基礎をいたしております。
#59
○小笠原二三男君 もう一つ、さっきお話しになりました政令内容、地域を指定する政令内答は、今後において災害の査定の結果いかんによっては変わるというようなことはありますか、ありませんか。
#60
○政府委員(伊東正義君) 基準につきましては、きょうの閣議でも報告があったということを大臣から承っておりますし、基準自体を動かすということは私はないだろうと思っております。それからその基準でどのくらいがカバーできるんだということは、これは査定をやってみませんとわかりませんので、この数字が幾らということははっきり申し上げかれますが、基準自体は動かさぬでやって参るというつもりでございます。
#61
○小笠原二三男君 それからきのうも水産関係で私質問したんですが、これは災害を受けた者の側から見た感じを申し上げるんですが、この新市町村なら新市町村別の行政区により地域指定が行われる、そうなるんでしょう。そうなった場合に、はんらんした河川一つはさんで、左岸側の市町村はこれの適用を受け、右岸側の隣り合っておる農家はこの適用を受けないなんという現実があり得ますか、あり得ませんか、予想として。隣同士の道路一つはさんで同じ農家がこの適用基準が違ってくるというようなことは起こり得ますか。起こり得ませんか。
#62
○政府委員(伊東正義君) この基準の適用は、先ほどは、数字は新市町村で申し上げましたが、新市町村ではこの適用にかからぬというところは旧市町村、合併前の旧市町村で計算してもいいということにいたしております。その点一つ誤解のないようにお願いいたします。それからまた先生が設例しての御質問でございますが、たとえば農地につきまして村境で、片方は高い、片方は低くなるということは現実の問題として出てくることはあろうかと思いますが、地域が似ていればそう大きな、たくさんの例じゃなくてごく例外の問題としてそういうことも考え得るということを申し上げたいと思います。
#63
○小笠原二三男君 そういう場合には、味のある措置というものはとれるんですか。
#64
○政府委員(伊東正義君) 政令の適用は、やはりわれわれとしてはその通りやるというようにお答えするよりほかにないと思います。
#65
○中田吉雄君 このただいま提案されています予算は四十一億ですが、要求額は幾らだったですか。
#66
○政府委員(伊東正義君) 金額自体は、後ほど調べましてお答え申し上げますが、要求いたしますときはどういう考え方かと申し上げますと、こういう考え方でおりました。被害激甚地につきましては、進度率をもう少し高くしたいということを実は考えまして、要求の当初においてはいたしたのでございますが、これは農林省内部のいろいろな事業、あるいはほかの省の関係の事業等と統一しました基準になりましたので、その点が若干変わっております。それから考え方として変わっておりますといいますか、違いましたのは、災害関連につきまして、われわれとしましては、もう少し災害関連として広くしたいという要望は当初持っておりましたが、先ほど申し上げました八%という数字も、各省統一のものというようなことで査定になりまして、その点が大きく予算の要求と違いましたおもな点でございます。
#67
○中田吉雄君 それはよくわかりますが、要求額の実額は幾らかということです。
#68
○説明員(清野保君) 要求額というような御質問でございますが、災害は、各県から災害の状況、つまり被害を報告して参ります。その被害額を基礎にいたしまして、大蔵省の方に予算要求しておりますので、被害額を申し上げます。農地につきましては約百七億七千六百万円、施設につきましては二百五十二億五千九百万円、合計約三百六十億になります。
#69
○中田吉雄君 局長から最初に申されました政令の適用の基準の五万円という、その関係をもう一ぺん……。農地並びに農業施設の被害のトータルの関係ですか。
#70
○政府委員(伊東正義君) その通りでございます。
#71
○中田吉雄君 これは従来のこの種災害等でいろいろやってみて、五万円が妥当だということなんですが、どうして五万円というんです。五万円になれば高率適用という、ただ四十一億という額がきまったので、それに合わせるために、いろいろやってみたら五万円にすれば七〇%くらいのところは組めるというような――どうして高率適用をする基準として五万円が妥当なのか、その論理的な根拠。
#72
○政府委員(伊東正義君) 先生御承知のように二十八災のときは三万円ということであった。私どもいろいろ考えたのでございますが、その後の私ども考えました要素の大きなものとしましては、物価とか賃金とか、いろいろ考えております。農村におきます賃金の指数を考えてみますと、これは三三%ないし四%当時よりも上がっております。これも一つの資料にいたしまして、そのほかに二十八災のときの三万円ということにつきましては、これは非常に激甚地というものが広過ぎるんじゃないかといういろいろな批判も受けて、実は検査院等でもその後いろいろ問題になったことは御承知の通りだと思いますが、いろいろ批判もございましたので、今の賃金指数と、それから大体事業費をどのくらいカバーしていくのが適当であるかというような面、いろいろな面から考えまして、結論的には五万円ということになったわけでございます。それじゃ、どのくらいの事業費をカバーするかにつきましては、先ほど申し上げましたような数字だろうかと思います。
#73
○中田吉雄君 どうも今の御説明では、前の二十八災に三万円だったものが、労賃が高くなったとかいうことですが、どうもはっきりした十分説得力のある基準でないじゃないか。結局、四十一億というものがきまっている、まあ各県から出されたものをトータルして、この程度なら債務負担行為を含めて、まあ二八%、これはやれるじゃないかというような、一つの目安で、それに合わせるための基準じゃないかというふうに思うのですが、その点は別にしまして、林道なんかはどうなんですか。
#74
○政府委員(伊東正義君) 林道はまた別な基準になっておりますので、茅野指導部長から御説明します。
#75
○説明員(茅野一男君) 林道の場合は、前は三百円でございましたが、実は林道の新設事業を約五十億近いものをやっておりますが、その単価が、すでに二十八災の当時から見て、約二倍になっております。というのは、路面が非常に広くなりましたし、橋梁が非常にりっぱなものになっております。当時一メートル当たり三百円をもって復旧できたものが、今どうしても四百数十円になっているのでありまして、二十八年の三百円に該当するようなものということで計算しますと、四百数十円になりますものですから、それでそれを下におろして四百円ということに実はきめたわけでございます。それによりますと、大体激甚な市町村では、二十八災程度の復旧ができるのじゃないか、こう考えて実は四百円ときめたわけでございます。
#76
○中田吉雄君 農地は伊東局長も申されたように、これから農閑期に向かいますし、来年度できるだけ作付するというような面でも、進度を高めた方がいいと思うのですが、激甚地は集中的な労働需要その他もあって、実際にできるのですか。予算の関係ですか。その辺はどうなんです。実際予算さえあればできるのですか。予算があっても、もし、たくさん工事を施行するとすれば、労働需要も高まって、労賃も高くなり、やれぬというのか、その辺はどうなんです。
#77
○政府委員(伊東正義君) 先ほど申し上げました三五%というのは、全国平均でございます。これは地域によりまして、これから積雪地帯等でありますと、それほどいかぬところもございましょうし、まあ暖かい方の関係におきましても、今、先生おっしゃいました労賃の問題、あるいは労務需要の問題で、なかなかそういかぬというところもございましょうが、私どもの考えとしましては、農地だけにつきましては、これは農業施設と違って、自分のところで持っている農地でもございますので、自分の財産でもございますので、これは今の予算の中で、農業施設が今の比率でいきませんでも、たとえば、いかぬというようなことがありましても、極力農地の方は伸ばしてもらうというやり方はいたしたいと思っております。
#78
○中田吉雄君 ちょっとこれの問題の、もっと根っこの問題で恐縮なんですが、名古屋の辺で、建設省の工事はこわれないのだ、農林省の干拓されるために作られた堤防がこわれたわけで、こういう予算が要る、こういうことなんですが、これについていろいろ検討されたと思うのですが、私はこういうことが一つの原因じゃないかと思っているのですが、どうなんですか。それは、たとえば名古屋の伊勢湾地帯の、ある地帯を干拓する、そうすると堤防も増反の単価に入ってくる。このことが私は、農林省工事がやられて決壊した最大の――清野さんのところの技術陣営が拙劣でああいうふうになったとは私はとらずに、むしろ、最近調べてみますと、全部百町なら百町干拓するといって、それに堤防をつける、それも全部一反当たりの単価の中に入る、このことが増反の経費を高からしめ、従って、堤防が粗雑になるのじゃないかと思うのですが、一体堤防というものは、増反の単価にみな入ってくるのですか、どうなんですか。
#79
○政府委員(伊東正義君) 技術的な問題は、また御質問があれば建設部長からお答えいたしますが、今お話しになりました干拓の場合の堤防につきまして、単価に入るかどうかという御質問でございますが、これは入ります。現在やっておりますのは、それも建設費の中に入りまして、二割は入植者が負担するという制度になっております。それで従来、三十二年でしたか、今の特定土地改良工事特別会計ができますときにやっておりましたのは、二割であるが、最高は五万五千円という負担になっております。それ以上は負担しないということでございますが、それ以後に手をつけますものにつきましては、二割の負担ということで、最高五万五千という制限は実ははずしております。そういうような実情になっております。
#80
○中田吉雄君 一反に五万五千円ですか。
#81
○政府委員(伊東正義君) 特別会計法ができます当時やっておりました干拓の入植者の負担は、最高一反が五万五千ということになっております。その後は、二割ということになっておるだけで、最高の制限はいたしておりません。
#82
○中田吉雄君 そうすると、今度名古屋地区の海部郡その他たくさん被害を受けたのですが、一反当たりどれくらい堤防の経費というものが、オーバー・ヘッド・コストといいますか、どういうふうに一反当たり来ているのでしょう。
#83
○説明員(清野保君) 従来干拓堤防の占める干拓地におけるウエートというのは、大面積の干拓と小面積の干拓とで非常に違いまして、一がいには申し上げられませんが、たとえば鍋田干拓のごときは、約七千メートルの堤防がありまして、包括面積――包括しましたいわゆる干拓の面積は約六百四十町歩、従いまして、反当一・三四メートルというのが一応の数字であります。これは割合大きな方でありますから、全国的に国営代行補助というふうに、すべての干拓を平均いたしますと、おおむね反当二ないし二・五メートルというのが一応の数字だと思うのです。しからば、メートル当たりの堤防の費用でありますが、これも基礎の地質、つまり軟弱な地盤、あるいは砂地場では違いますが、平均しますと、おおむね安いので八万円から、ちょっと高くなりますと十二、三万かかるというのが普通でございます。
#84
○中田吉雄君 私は、最近あすこを見て、農林省の名誉のためにもと思って少し研究してみて、初めて、堤防が全部一反当たりの経費の中に入るということを知ったわけなんです。結局、大蔵省等の予算折衝におきましても、経済効果ということがいわれ、できるだけ大面積にして、堤防等の費用も一反当たり三十万円も三十五万円もかかったりすると増反の経済効果が薄いというようなことで、勢い私はそういうようなことにならざるを得ないと思う。これはやはり一つの国作りなんです。国作りなんですから、再び干拓地がこういう被害を起こさないためには、国作りの費用として別にこれはもう干拓の一反当たりの経費にオーバー・ヘッドしないということが、一番この災害を防ぐということになる。オランダの干拓地のように――私昨年見てきましたが、堤防の幅を広くするとか、傾斜をゆるくするとか、いろいろあるでありましょうが、基本の問題は、私はここにあると思う。ただいまも清野部長が言われたところでは、一反当たり堤防の負担率が二・二から二・五で八万円から十数万円というようなことでは、これはどうしても農家がこれを取得しても、なかなか償還もめんどうになり、勢いそのコストを低くするために堤防が万全になされないという大きな問題だと思う。この問題は、衆参両院でもあまりやられていませんが、私、せんどいろいろ調べてみて、初めて堤防も反当たりのコストに入っているということを聞きまして、まあこの復旧を早急にやることも大切ですが、私はぜひ、次官も幸いおられるのですから、一つの重要な問題として、これは国作りなんですから、それを百姓の一反当たりにまで含めるということの可否もあるでしょうが、今後ぜひその問題を、国作りの経費なんだから、それはもう国が全額持つというような措置をしてもいいじゃないか。私、実はああいう不慮の災害を防ぐ根本問題はこの点にあると思うのですが、関連して恐縮ですが、ぜひ一つ、次官、局長おられるのですから、取り上げていただきたい
#85
○政府委員(小枝一雄君) ただいま干拓堤防のことについて、中田委員から御指摘になりました点は、全くこれはその通りだと私は思います。ただいま中田委員からもおっしゃいましたように、戦後のわが国の食糧増産第一主義、そういうようなことで、特にこういう予算の関係に制約をせられて、やむを得ぬ点もあったと考えられるのでございますが、今後の方針といたしましては、ただいまお述べになりましたように、やはり強靱な堤防を作って、再びこういう災害を繰り返さないというためには、やはり堤防というものには非常な予算のウエートがかかるのですから、そういう点を考慮いたしまして、ただいまおっしゃったような趣旨を十分取り入れて措置を講じていかなければならぬ、かように考える次第であります。
#86
○中田吉雄君 清野部長のところへ一つお願いして聞きたいことは、今の名古屋地区の各干拓地区ごとの面積、堤防の長さ、それが反当たりどういう負担になるかというようなこと、あちこちありましたら、他の干拓地等も含めぜひ計数的な資料をいただきたい。
#87
○小笠原二三男君 伊東局長のただいまの中田君の質問に対しての答弁で私不満な点が出たので、あらためてお伺いします。五万円問題です。あなたの答弁では、二十八災当時の労賃より三〇%程度現在上がっておる、そこで、五万円程度の単価に踏んだというふうに考えられるかと思うと、一面会計検査院から文句が出る、指定地域が広過ぎるという批判もあった、だからこうしたのだ、結局そうすると指定地域が三万円とすれば広くなる、五万円よりはずっと広くなるということを裏書きしておる。しかも、被災者側からいえば、その方を期待しておるわけですし、岸総理大臣は災害地においても、国会の答弁においても二十八災を下回らないということは両三明言しておるところなんです。そこで、これは二十八年災より、五万円としても災害復旧の事業としては農家個々において下回らないのだということであればいいが、下回るということであれば、食言もはなはだしいということになる。そこで、下回るのか下回らぬのか、はなはだ相済みませんが政務次官から御答弁を願いたい。それは、当時の一万円という単価が実質的に計算し直せば、客観的には今日では五万円相当額になるのだというような実証がない限りは下回るということになるでしょうから、そういう意味でお尋ねしておるのです。
#88
○政府委員(小枝一雄君) ただいまの御質問でございますが、総理大臣を初めといたしまして、すべて大体二十八年災害を下回らない措置をするということを声明してきておりますことは先生御指摘の通りであります。そういう点で、この基準についてもすべてを考えてみたのでありますが、先ほど農地局長からもお答え申しましたように、大体二十八年から三十四年までと申しますと、七年ばかりのその間、間隔がございまして、その間における物価の変動、そういうすべての問題を勘案いたしまして大体五万円程度であるということが適切なところではなかろうか、こういう点でやりましたわけで、その他今回の災害の特殊性を取り入れまして新たにやったものもございますし、いろいろいたしますけれども、そういう基準を、三万円を五万円にしたということはそういう物価の変動等勘案いたしまして、その程度が適当なところではあるまいか、これはどこで線を引くかということはなかなかむずかしいもので、その境というものが非常にめんどうなものでありますが、まあその程度であれば災害激甚地の処理も大体においてわれわれはやっていけるという考え方で五万円というところに線を引いたわけであります。
#89
○小笠原二三男君 そうすると、会計検査院がどうのこうの、架空の補助費が出てどうのこうの、事務処理上どうのこうのという問題が起きるからめんどうだから、五万円に引き上げたというような精神はさらさらないということですね、局長。
#90
○政府委員(小枝一雄君) 私から申し上げますが、いろいろ庁内において議論の過程としてはいろいろな話も出て、それぞれ主観的な問題もあったと思いますが、大体そういうことによって支配されたというわけではございません。
#91
○仲原善一君 林野庁にちょっとお伺いいたしますが、農地なり農業施設、それから林道等については、この特別措置法でいろいろ高率補助の指定ができるわけでございますが、そのほかに林業関係では治山なり砂防なり、そういう公共土木に類似するような施設があると思いますが、これはこの法律に関係がないと思いますけれども、まあこの法律は全く公共土木とは別個の立場で尺度をきめて高率補助をやるということで、よくその点はわかりますけれども、ただいまお話しした砂防なり、治山なり、林業関係の施設についてはどういうお考えになっているのか、その点を伺います。
#92
○説明員(茅野一男君) ただいま御質問のありました点は、実は今まだ大蔵省とも折衝を続けておりますけれども、大体においてきまった線は、その砂防と治山の場合は、今度の特例法には入れないで、七号台風で大体とろうとしていた方針の特例措置でいこうということになりまして、従来は実は二十八年のときに九割の助成をいたしたのでございますが、それは砂防と治山は緊急の事業、その年度限りの九割の助成がついておりまして、今度はそれだけではちょっとほかとつり合いがとれないほど大きな災害を受けておりますから、今回受けました災害の緊急治山と砂防につきましては、その復旧が済むまで助成を強めていこうということで、まず第一に三分の二の基本的な助成率を従来通りやりまして、それから特に災害激甚であり、緊急な県につきましては特別にその県を定めて、そうしてその砂防と治山の緊急復旧事業が終るまで起債を九割認めまして、それの起債をいたしましたものの五七%は交付金の方で元利補給をしようというような特例措置をいたしまして、従いまして補助率は八五%ぐらいになりますが、それをずっと三年なり四年、その仕事が終るまで続けていこう、そういう特別措置をとって実施しようということにきまりました次第でございます。
#93
○仲原善一君 ただいまのお話で大体わかりましたけれども、府県の指定はどういう基準でおやりになりますか、この場合。
#94
○説明員(茅野一男君) ただいま、きょうもまだ大蔵省と自治庁みな集まりましていろいろ検討を続けておりますので、今度山の被害の非常に激甚な県はできるだけ入れたい、こう思っているわけでございます。で、今のところ、公共土木施設災に近い県が入るのじゃないか、こういうふうに考えておりますけれども、まだきまっておりません。
#95
○仲原善一君 それから、ただいまのお話の中で五七%緊急砂防なり、緊急治山については起債を認めるというお話のようでございましたが、これは元利補給をやって将来国がめんどうを見るのかどうか、この点を一つ。
#96
○説明員(茅野一男君) ただいまの申し上げ方が悪かったかもしれませんが、都道府県の負担分の九割起債をいたしまして、それの五七%を元利補給の形で交付金で見るということでございます。従いまして三分の二に加えまして八五%程度を補助するという結果になるわけでございます。
#97
○仲原善一君 それから今のお話の中で、これは結局従来の施設についてはこういう高率補助なり特別措置があろうと思いますけれども、施設でなくて、全くさらのところが地すべりしたり、それから崩壊したり、そういう地帯にも適用になるわけですが、復旧以外にですね。
#98
○説明員(茅野一男君) 先生のおっしゃいます施設災害の方は、公共土木施設災害と同じように扱っております。建設省の方が施設をしない崩壊復旧工事の場合をただいま申し上げたのでございます。さらのところでございます。施設災害の方は、建設省の道路復旧その他の公共土木施設と同じような復旧の仕方をします。
#99
○仲原善一君 もう一点だけ。農地局にお尋ねしますけれども、除塩関係の予算でございますけれども、実態の話を聞いてみますと、長らく湛水しておったところの稲は非常に塩分が含まれておって、それを除去しなければ除塩事業というものはなかなか進まない。ところが、その予算が、まあ排水なりいろいろな施設の方はあるけれども、残っておるわらを取り除くことが大へんなことらしいのですけれども、わらを取り除く、いわゆる除塩作業と一還としてやる、そういう予算がないということを聞いておるわけですけれども、これはどういうふうにお考えになっていますか。
#100
○政府委員(伊東正義君) これは法律の問題に実はなるのでございますが、除塩関係は実は予算は全部予備費ということにしまして、幾らという計上は実は予算的にはいたしておりません。これは今後やってみて、かかったものを予備費から出すという建前になっております。それで、今おっしゃいました稲のわらなり、根株の問題でございますが、これを取り除くというのは、実は除塩法の対象にはなっておりません。それで、われわれの方の見解としましては、農林省としましては、これは水をかけ、その他のことを十分やってすき込めばあるいは害なしにやれるのじゃないかという技術的な判断のもとに、そういう事業はあの中に入れないというようなことで除塩の法律を実は作ったわけでございます。
#101
○青田源太郎君 五万の問題についてさらにちょっと、私聞き漏らしましたので。農地局長によくお尋ねしたいのですが、この農地と農業施設の五万の適用は、激甚地の指定の以外のところでも、被害率が五万円以上になればその法律適用を受けられるのかという一点と、それから第二点は、今話が出ました干拓地の防潮堤と同様、一般の農業土木とそうして建設土木との単価が非常に農業土木においては低い。建設土木においては非常に単価が高く評価されておる。これは一つ農林省の方で、同じ堤防とか、あるいは道路等を復旧するにしても、そういった単価の見積もりが非常に低い、こういう点は一つ建設省と同様の単価に持っていくようなことをされるかされないか、これが第二点。
 第三点は、この災害復旧関連事業でありますが、これは年々受ける災害でありますので、むしろ災害復旧も必要でありますけれども、これに関連したいわゆる改良復旧、あるいはそういった施設の復旧というこの問題が重要である。これによりますと、国は予算の範囲内でそういったものの三分の二を認める、こういうようなことでありますが、大体その本人に対する予算の範囲内というのがどのくらいなこれに対して予算があるかということをお尋ねしたいと思います。
#102
○政府委員(伊東正義君) 五万円の問題でございますが、これは七、八、九の間の災害で五万円をこえますところは全部これは激甚地として指定するわけでございます。それで、先ほど申し上げましたように、それ以外の一月から六月、あるいは十月から十二月の分につきましては、暫定法に戻りまして、これは八万円をこえますと高率適用がある。八万から十五万の間、また十五万以上というふうに累進的になっております。そういう適用がございます。ただ、先ほど冒頭に申し上げましたように、五万円で計算してみて九割ということよりも、もしも暫定法でやった方が実は九割以上になるものも、若干でございますが、出て参ります。そういうようなところは、この法律によらないで暫定法でやって、九割以上の補助が有利であればそれでいくという形になっておりまして、二通り考えておるのでございますが、七―九月で五万円になりますれば、これは当然九割の適用になります。それ以外のところは、今申し上げましたような暫定法に帰っていくわけでございます。これは八万でございます。
 それから建設省の単価が違うのではないかというお話でございますが、実は海岸堤防につきましては、建設省、運輸省、三省で、海岸の法ができました三十一年からは、海岸の築造基準、堤防の築造基準というのを作りまして、それ以後やる分につきましては、同じ断面なり同じ工法でやっていこうということで、単価も一つにしてやっていこうということになっております。でありますから、今度の伊勢湾の方の問題につきましては、これはまた関係省で連絡協議会をやっておりますが、同じ共同のものを作っていきたいという考えでおります。
 それから、最後の予算の範囲内という問題でございますが、これは実は暫定法におきましても、予算の範囲内という言葉を使っております。実は公共土木負担法は、関連市町村なり、県なり、地方公共団体に義務づけておりますが、その反面、国も義務的に金を出すというようなことで、予算の範囲内という言葉を使っておりませんが、暫定法自身におきましては、実は予算の範囲内という言葉を使っております。しかし、われわれとしましては、これはそういう言葉はございますが、必要なものだけは何とかして復旧をやっていきたいというふうに考えております。今度の災害関連では、たしか一億九千二百万でございましたか、関連事業として予算の計上をいたしておるような次第でございます。
#103
○青田源太郎君 ただいまの御説明でだいぶわかりましたが、私の尋ねるのは、五万円の……、むろん激甚地に指定されておる町村は、その適用は得られると思うのですが、激甚地に指定されていない町村でも、やはり農地や農業施設に五万以上の被害があれば、この高率補助が受けられるかというお尋ねです。
#104
○政府委員(伊東正義君) これはそういうふうには参りません。この五万で指定になりました以外のところは、暫定法の関係で八万になりませんと高率適用ということはございませんので、おそらく先生のおっしゃいますような、五万で高率適用になるというのは激甚地外には出てこない。そういうところは高率適用にはならぬということでございます。
#105
○青田源太郎君 さらに、土木費用でありますが、なるほどおっしゃる通り、防潮堤のごときは、農林土木、あるいは建設土木も同じような単価になっているというような今説明でありますが、実際それ以外の河川堤防とか、あるいは農道とかいう単価が建設省の工事の単価と、これは事実非常に違っているということを市町村長あたりが言っているわけでありますが、こういう事実が今まであったかなかったかという点を一つお伺いいたします。
#106
○説明員(清野保君) 一般災害の単価についての御質問と思いますが、確かに過去におきましては、一般災害の単価につきまして、若干建設省に比べて低かったという事実がございます。その原因といたしますところは、主としてその災害復旧費の中に諸経費を見る見方が少なかったという点でございます。従いまして、さような点から若干単価が低いというような非難もございましたので、三十四年災から、大蔵省と査定基準の打ち合わせを行ないまして、諸経費を上げまして、ほぼ建設省と同じような単価、つまり一つの事業を施行する場合に、請負業者が施行する場合でも、建設省だろうと農林省だろうと同様にできるというふうにいたしております。
#107
○青田源太郎君 今おっしゃる通りに、諸経費の見積もり額が建設省と農林省関係、あるいは運輸省関係との率が、数はどういうふうな経費の見積もり方をせられておったのですか。
#108
○説明員(清野保君) 諸経費の見積額は、原則といたしまして復旧事業費の額によってきめております。たとえば百万円以上あるいは五百万円以上、一千万円以上になりますと、それぞれ率が違っておりまして、そういう率を別途農林省では請負をいたす場合の基準を新たに作りまして、その基準の額でやっております。災害の場合の諸経費につきましては、はっきり記憶いたしておりませんので申し上げられませんが、一般の場合にはおおむね二〇%くらいというのが標準になっております。
#109
○青田源太郎君 それでは今度のこの災害事業につきましては、建設省あるいは運輸省と同様な経費率で要求されておるということになったのですか。
#110
○説明員(清野保君) 災害の復旧額の計上の場合にはいずれもさようなものも全部見込みまして計上しておりますので、ただいま御質問の通り入っておるところもございます。
#111
○中田吉雄君 さきの問題ですが、小枝次官にもよく話したのですけれども、ぜひこれは来年度の予算折衝にからんで本格的に取り上げていただきたいと思うので、重ねて福田大臣もおいでになりましたので、申し上げたいのですが、名古屋地区の高潮による被害に関しまして、私まだ現地に行ってないですが、ラジオで聞きましたが、建設省の堤防は強固でこわれなんだが、農林省の方がこわれちゃった、干拓地の。そのために、まあああいう結果になった。そこで、まあ建設省と農林省との技術の巧拙というようなことがあるだろうかと思って、いろいろ調べてみたわけであります。ところが、一番大きな原因は、さきにもはっきりしたのですが、干拓しますると、その堤防の経費は全部一反当たりの経費に加わるわけであります。さきに承りますると、大体少ないので、一反に堤防の費用が八万円、多いのは十数万円であります。干拓の経費の半分から三分の一は実は堤防の経費だ。そこで私はどうしても、これはまあ内水面なら別ですが、海を埋めてやるという際には国作りですから、私はこの堤防の経費を、建設費を、全部一反当たりの造反の経費に入れるという方式は再検討を要するんじゃないか。結局、干拓事業をやる際には一反当たりできるだけ造反の経費が安いことが必要で、勢い堤防が十分でなくなる。これが私は根本だと思う。ですから、一つぜひ国作りですから、これは一つ今後の造反されたものを買う農家の経費に加えるべきじゃないじゃないか、相当部分国が持ってやることが、再び災害、こういうことを防ぐ根本じゃないか。まあ、長い間の慣行を打ち破るのですから大へんでしょうが、ぜひ名古屋地区の干拓地の災害にからんでその問題を取り上げていただきたいということなんです。いかがでしょう。
#112
○国務大臣(福田赳夫君) 今度の干拓地の復旧は、農民には一切負担はかけません。全額国庫で負担いたします。
 それから今後、今度の災害にかんがみまして、新しく干拓をやるという際には問題があるわけであります。私もあなたの今のお話のような点につきましては同感でございますが、干拓堤防というものは国作りである。これは干拓堤防という考え方よりはむしろ海岸堤防というふうな考え方でいく方が適切であるというふうな考え方を持っておりますので、新規に堤防を築く場合におきましては、その御趣旨を十分考慮いたしまして、改善を加えていきたい、かように考えます。
#113
○重政庸徳君 どうもおそくて相済みませんが、大臣がお見えになったから、この前にここでも仲原委員が質問になったそうですけれども、この昭和三十四年九月塩害の法律ですが、これに事業が、「かんがい排水施設」とか、いろいろ四つばかり法律に載っている。ところが、一つ落ちている。重大な、最も重大なことが落ちている。これは一般的にいえば、塩分を含んだ物体が――うんと稲が腐って臭気ぷんぷんたるわけです。この塩分を片づけねばならない。それを土壌に埋めまして、これは少々の塩害を防止したところで、なかなか全部は抜け切れない。これは二十八年の九州の災害にはなかった。というのは、地勢が違うので、九州の災害はそういうところは少なかった。一カ月湛水とか、二週間湛水するとかいうような地帯はなかった。今度はとにかく海面より低いところなんで、御承知のように四十日も湛水しているところがあります。何でこれを片づけるかということが、すなわち塩分防止の唯一な仕事になっている。これはかんがい施設とはいろいろ書いているが、この方面にはあまり労力は要らぬので、御承知のように水田ですからね、灌漑の水路は大がいある。天水田を設けた以上はある。だから、それから水を引けばいい。天水田のようなところは、これは水田の下にはないんだから。あるいは低い土地だから、ほかの方から水を取るという設備も特殊なところには要りましょうが、大体その水田にみぞを幾条か掘って、これは簡単なんです、くわでちょいちょい掘っていけば。その労力よりも、むしろ現在この稲の、塩分を飽和状態に含んだそれを一つでも残さぬように片づけるということに労力が要るんだから、これはどうしてもこの塩分の防止の唯一な軸になるべきものだ、こういうように考えるのですが、これが抜けているんですよ。それで、あるいはまあ予備費でもまだあるから、それで考えるとか、あるいは応急費でやったらどうかというところまできているんですが、これは一つ御答弁は要らぬですから、大臣お見えになったから一つ記憶していただきたい。将来のこれはこの法律の唯一な問題になるということを申し上げておきたいと思います。
#114
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#115
○委員長(堀本宜実君) 速記をつけて。
  ―――――――――――――
#116
○委員長(堀本宜実君) 余ますの件を議題にいたします。
 この件については、過日の委員会の問題になり、農林大臣に対する質疑が残されておりまして、本日、農林大臣の御出席がありましたから、この際、質疑を願うことにいたします。
#117
○小笠原二三男君 大臣、繁忙のため当委員会に参りませんでしたので、その経緯が明らかでない点があろうかと思うので、かいつまんで経緯をお話をして、まとめた見解を承りたい。
 余ますと申しますのは、政府買い上げ米一俵六十キロで買い上げる制度になっておるのに、現実は東北、北陸、北海道等軟質米地帯の米の検査におきましては、政府に再三ただしましたところ、六十キロでよろしい、たとえば三等米水分保有率一六%で六十キロあれば検査は受け付ける、こういう再三の言明があったのですが、実は四百グラムないし三百七十グラム、ひどい地方ではますではかって一升ぐらい込め米をするという慣習がある。ところが、食糧庁長官にいろいろただしましたら、やはり政府側としては六十キロあれば受け付けるのである。しかも、六十キロの政府買い上げ米を農協倉庫に保管中においては、その乾燥に伴う自然欠減量というものがある、客観的にある、あるがそれは調査をしておるけれども一義的にどれだけ目減りがするということは断定できないが、あるにはある、こういうことなんです。従って、そうしますと、政府米となったものを保管し、それを出庫し、卸売業者に渡すという場合には、正確にいえば六十キロ切れるということが常道なんです。ところが、食糧庁長官の言うのには、政府は何ら指導しておらない。六十キロでよろしいのだ、しかし、産米改良協会等において、団体等で自発的に将来の統制撤廃に備えて産地米の声価を落としたくないというところから、すなわちそれは量目が減って卸売、小売に渡ることによって産地米の声価を落とすということを憂えるから、従って自発的に込め米をしておるのであろう。従って、これは政府としてはやめろと指導する考えはないと、こういう言明なんです。そこで、私は自発的に、かりに産地米の声価を保持したいということでおやりになる分はおやりになる分としましても、現実に客観的に保管中の自然欠減量があるという点を考えるならば、その部分については政府の責任、所管当局の責任として措置せらるべきものであろうということでお尋ねしたわけです。そうしたら、それは政府の責任であるということは長官も言明せられた。そこで、そんならば、食糧管理行政の立場からいえば、検査時における六十キロ以上の込め米というものは、その行政の立場からいえば、政府としては必要がないということではないかという質問をしましたら、これには長官お答えにならんで、的をはずして、政府としては込め米をやれとは要求しないということなんです。何度繰り返してもそういう御答弁がある。これは食糧庁長官として非常に無責任な答弁だとは申しません。やはり農林大臣が信頼しておる部下担当責任者だけあって、めったなことは答えられないということで頑強に退けたようでありますが、しかし、当農林委員会としては、そういう政府の責任である自然欠減量は、政府の責任で措置するという言明をしておりながら、そして六十キロ以上の米に対して適正に代価を払うことをしない建前の政府が、黙って一升なり四五グラムなりよけい入ることを期待しておるというようなこの態度は、非常に不明朗だと思う。それでやはり制度としては、法律としては六十キロ入っておる米は検査米として受け付け、検査をする、その後に起こってくるネズミによる人為的な減耗あるいは運搬中のこぼれ米等による減耗はそれぞれの責任者が負担すればいいけれども、少なくとも自然欠減量については政府が善処すべきものである。この態度が明確になった以上は、六十キロ以上の込め米は、産米改良という自発的な立場からはそれはどうでもよろしいが、政府としては、自然欠減量をカバーするための四百グラムなり一升の込め米というものは、これは必要としない、要求しない、そういう明朗な検査をやっていくということは当然であろうと思う。この点にかかって御答弁を願っておるわけです。しかも、その後、実態としては、産米改良協会その他がいろいろな措置に納得づくで出られるというようなことについて、私はとやこうのことを申し上げるのではありません。政府の責任としてはそういうものだという建前をはっきりしてもらいたいということなんです。ところが、例示しますが、岩手県のある農協の問題が朝日新聞に出ておりますが、余ますを入れないで二十二俵、農協の倉庫で検査しますから農協へ持っていきましたところが、これを農協の職員が受け付けない。そこですったもんだが起こりました結果、検査員はこれを受け付けて検査したという事実がある。ところが、それに対して非常に議論が沸騰いたしまして、農協の専務という人はこういうことを言っています。もし余ますを入れない俵を受け付けたとしたならば、何らか善後措置をとらなければならないだろう。これは農協側の立場から、倉庫保管の減耗は農協の責任になるので大へんだという意見だと思う。ところが、それを検査した食糧事務所の検査員の談話としまして、私が検査した俵のうちにも余ますのない俵は一俵もなかった、上司からは一俵六十キロ四百グラムで検査するよう指示されておる、こう言っておるのです。ところが長官は、政府としてはそういう指導はしない、そういう指示をしておらないということを再三言っておる。私もその通りであろうかと思っておりましたら、そうではない。現地の食糧事務所では、団体との話し合いの中では、その余ますは不合理だということは認める、そしてこれはやはり政府の責任として措置すべきものだとは思うが、現行制度はそうなっておらぬので、農協にも迷惑をかけ、その他にも迷惑をかけるから、やむなく、気の毒だけれども例年通りのものはたっぷり入れてもらわなければ困るのだ、こう言っておる。それから今度は農協の関係者に聞きますと、その余ますを入れないという農民に対してはこういうふうに言っておる。お前たちは、もしも余ますを入れないということになれば、軟質米である特徴で、政府が恩恵を施しておるのに一六%の水分保有量は一五%なり一五・五%というふうな乾燥度を高め、等級規格を厳重にされてきたら、かえってお前たちは損でないか。だから、余ますの一升や四百グラムを入れる入れないどころでない大へんな問題になるのだから、まあまあそう言わないでたっぷり入れろ。(笑声)どだい百俵について十六俵の水を政府に買ってもらっているじゃないか。これは食糧事務所でも言うのですよ。お前たちそんなにやかましいことを言うが、政府では水を十六俵買っているのだ。百俵についてこれだけお前たちのことを考えてやっておるのだ。それに何を四の五の言うかと言わぬばかりの態度がある。あるいは検査における等級規格については、いろいろ味のあるめんどうを見てもらっておるじゃないか。それをあまりやかましく言うと、逆に今度は食糧庁からやかましくやられたら、結局お前たち農民の損ではないか。あるいはそれは、事実そういうふうになるかもしれません。けれども、私は政府はそういう弱い者いじめの態度をとるほど度量の狭いものだとは思わぬ。それはそれ、これはこれ、建前だけははっきりさせて、そして目減り、自然減耗というものは政府があくまでも責任を持つ。従って込め米はその意味においては必要でない。産米改良上の自発的な、それは個々に納得づくで考えられるべきものであろうし、行き過ぎがあったら、それは政府としても指導する、こういう建前がとらるべきであろうと思うのです。産米改良上、まことに聞こえのよい言葉をもって、政府が客観的に認めている目減りをカバーさせる小ずるい意図をもって、込め米指導を末端機関にさせるということは、これはまことに意地きたない、こすい措置ではないかと思う。従って、大臣の御所見の発表があった、続いてそれにつけ加えて、地方末端の食糧事務所には、少なくともそういう込め米要求の指導をしてはならない。厳正な立場で検査をすべきである。それから、産米改良協会が産地米の声価を落とさぬという意味で各般の指導をすることについては、十分な納得のいく形で農林の自発的な意思として行なわれるならば行なわれるように十分配慮せらるべきである。こういう指導があって、農民も食管当局もおのおのそれぞれの分の中でまた協力するという姿も出てくると思うのです。今のような形で押しつけておって、あるいはほおかぶりをしてこすい姿で処理しようとする、こういう食糧行政はおやめになるということであってほしいと思う。私長々と申しましたが、繰り返し繰り返しまた質問したくないので、一切がっさいさらけ出して申し上げたわけなんで、農林大臣も二度と私に質問させないように、(笑声)全部にわたって答弁してもらいたいと思うのです。晩になって味の悪いようなことであっても今日は困るので……。(笑声)御了解ですか。
#118
○国務大臣(福田赳夫君) 余ます問題というのはなかなか厄介な問題のようでございまするが、商慣習といたしましてそういうことが行なわれてきたようでございます。それには私は二つの意味があるのではないかと思いますが、一つは、量目の検査時までの目減りに対しまして声価を保持しようという趣旨のものと、それから検査時以後のものに対すると、こういう意味のものが一つかと、かように存ずる次第です。ただいま小笠原さんがお話しになっておられるのは、おそらくその後者の場合ですね。前者については御異論はなかろうと、かように考えるわけであります。後者の問題は、さような慣習が場所によりましてはあるようでございまするが、いろいろ先生からのようにむずかしく法律的に問い詰められますと、統一的な解釈をしておかなければならぬかと、かように存ずる次第でございまして、お答え申し上げます。
 第一は、米の政府買い入れ後の自然減耗の処理は、政府の責任において行なう筋合いのものである。
 それから第二は、従来、産米改良協会等を中心として、量目の確保、産米の声価維持等のため入れ目の指導が行なわれている場合があるが、政府買い入れ後の自然減耗を補う趣旨のものについては、今後は、検査時の正規量目を確保する程度において適切な指導が行なわれるよう、所要の措置を講ずることにいたします。
 以上お答え申し上げます。
#119
○小笠原二三男君 大体りっぱな御答弁のようであります。そこで、その趣旨を、現在検査をやっているのですから、それぞれの末端機関に徹底させていただく必要があろうと思うのです。この点については、食糧庁長官からどうするかということ、これはもう事務のことだから、安心して一つ御答弁願いたい。
#120
○政府委員(須賀賢二君) ただいま大臣から御説明をいただきましたような趣旨によってこの問題は処理をして参りたいと考えるわけでございますが、その趣旨徹底の方法につきましては、われわれの出先機関でございまする食糧事務所に対しまして、この趣旨をすみやかに流しまして、食糧事務所からそれぞれ関係のところに対して十分この趣旨が徹底するように取り計らう考えであります。
 なお、つけ加えて申し上げますが、食糧事務所と産米改良協会との関係につきましても、従来、現地で行なわれておりまする実際の状況は、余ます指導につきまして、事務所側の態度が、場合によりましては誤解を生んでおるような場合もありますので、その点につきましても、今後十分留意をしていきたい、かように考えております。
#121
○小笠原二三男君 最後に、そういう措置をせざるを得なかったということから、食管行政上、先ほど私の例示したような等級米の基準あるいはその他の何らかの方法等で、そうした農民やあるいは善意をもってやった末端の機関職員、これらに対して、前者は、報復的な態度を食管行政上とるとか、あるいは職員の更迭を云々するとか、そういうみみっちいことを、おやりにならぬとは思うけれども、これは長官に腹の太いところをちゃんとお聞きしておきたいと思う。それで全部終わりたいと思います。
#122
○政府委員(須賀賢二君) 今回の考え方に整理をいたしましたことにつきまして、これに伴って、ただいま御指摘のようなことは万が一にもありませんように、十分留意をいたして参りたいと思います。
#123
○委員長(堀本宜実君) 本件はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#124
○委員長(堀本宜実君) 次に、昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案を議題にいたします。
 当局の説明を求めます。
#125
○政府委員(伊東正義君) 除地の法律の御説明を申し上げます。
 除地法につきましては、二十八年の災害の場合にも実は特別立法がなされております。今回も九月の十四号、十五号の暴風雨によりまして堤防が破堤いたしましたとか、あるいは堤防を越えて海水が浸入いたしまして塩害をこうむったという所につきまして、被害の多い所を対象にいたしまして、除塩の措置を講じていきたいという趣旨で、この法律ができておるわけでございます。これも、どういう地域のそれでは除塩をするかということは政令で定めるということになっておりますが、この政令の内容といたしましては、作物に被害を与えます〇・一%以上の塩分濃度がある所で、その市町村にそういう農地が十ヘクタール以上あるという市町村を指定いたしまして、その指定を受けました対象の市町村において除塩事業を行なうというようなつもりで考えております。おそらく、これをやりますと、これも予想でございますが、県は、愛知県、三重県、佐賀県、静岡県、長崎県というような所が、そういう県内の、今言いましたような基準に合うような市町村が対象になるんじゃなかろうかというような見通しでございます。これは、これにつきましては、こういう規定を設けましても、県の要望の大多数のものがおそらく入るんじゃなかろうかというような見通しを持っております。今出てきておりますのは――県の要望でございますが、一万四千ヘクタールぐらいのものが県の要望としては実は出て参っております。
 そういう処置で行ないます事業としましては、灌漑排水施設の設置または変更、既存の揚排水機によります揚水または排水、あるいは水のかからぬ所の客土、あるいは石灰等を施用いたしまして土壌を改善していく、塩分を薄めて出していく、というような事業がここに掲げられております。これにつきましては、二十八災と実は同じような事業が対象になっておるわけでございます。ただ、まだ最終的に、客土の量を幾らにしますとか、あるいは石灰の量を反当幾らにするというようなことまでは、実はきめておりませんが、今後大蔵省と話し合いまして、そういう点は詰めて参りたいというように考えております。
 それから、一つだけ御注意願いたいと存じますが、一番に、「かんがい排水施設の設置又は変更」とございますが、これは水路を作りますとか、あるいは揚水機、排水機を新しく作りますとか、そういうようなものもこれは入っております。ただこの場合、揚水機なり、排水機なりにつきまして、新しく購入しましたもの全部がこの補助の対象ということではございませんで、それを買いました場合の購入価格と、残存価格が当然ございますので、〇・一%以下になりました場合には、もうその機械は、除塩としましては、もう用は終わったわけでございますので、あとは揚排水機の本来の機能を果たすわけでございますが、その場合の残存価格と、最初に買いました購入価格との差額が、補助の対象になるというようなことになっております。これは二十八災の場合も全然同じでございます。
 それから補助率でございますが、客土を除きまして、十分の九というふうになっております。客土を二分の一にしておりますが、これは、客土につきましては、大体あとあとまで土地改良的な効果のあるものだという考えをとりまして、前者につきましては単に除塩のみが目的で、土地改良の目的は入っておりませんが、客土につきましては、これは後々まで土地改良の要素も多分に含んでいるというような趣旨から、これだけにつきましては二分の一といたしております。
 ただ、客土につきましては、県から一万四千ヘクタールということの要望がございますが、百ヘクタール内外――実はごくわずかでございますが、その点で補助率を書いております。
 事業主体としましては、この事業は実は二十八災当時、非常にあとになりましていろいろな問題を起こしましたので、そういう過去のようなことがないようにという考え方で、地方――都道府県でございますとか、あるいは市町村とか、土地改良区というふうに、はっきりした責任のある団体にやってもらうということで、そういう団体がやります場合、あるいは都道府県が補助します場合には、先ほどの率を適用していくという考え方でございます。
 予算につきましては、これは全部予備費ということになっておりまして、予算に幾らと計上はいたしておりません。ただ、大蔵省に要求をいたしました場合には、約、大体二億――今年度執行するこの予算ではございません。事業の七〇%くらいはことしのうちに完成するという考え方で要求しました金額は一億くらいでございますが、これは確定はいたしておりません。今後実際に査定いたしてみました上できめて、必要なものは出していくということになっております。
 それからこの事業の中で、先ほど仲原先生、重政先生から御質問があったのでございますが、農林省といたしましては、これを、塩分を除くために使います水はよけいかかるかもしれませんが、その上ですき込めば、何も掘り取って捨てるとかいうことをしないでも差しつかえないのじゃなかろうかという見解で、そういう事業を私はこれに入れておらぬような次第でございます。
#126
○委員長(堀本宜実君) ただいまの説明に対し、御質疑の向きは御質疑を願います。
#127
○仲原善一君 これは答弁は要らぬかもしれませんけれども、ただいまの除塩のまあ非常に塩分をたくさん含んでいるわらの問題は、土壌にすき込んでしまうとかえってこれは非常にむずかしくなる。除塩が非常に困難になるという意見も相当あるわけでございまして、これはまあ調査の結果どうなるかはよくわかりませんけれども、そういう声がありますので、第一条の一号から四号までありますけれども、その中のどこかへそれがはっきり入れば法制上の上からもはっきりしまするしいいじゃないかという意見を持っておりますので、これは御答弁は要りませんけれども、そういう気持でおります。
#128
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。
 残余の議案は後日に譲り、本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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