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#1
第033回国会 農林水産委員会 第8号
昭和三十四年十一月十九日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月十七日委員戸叶武君辞任につ
き、その補欠として加藤シヅエ君を議
長において指名した。
十一月十八日委員加藤シヅエ君辞任に
つき、その補欠として戸叶武君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堀本 宜実君
   理事
           櫻井 志郎君
           仲原 善一君
           森 八三一君
   委員
           青田源太郎君
           秋山俊一郎君
           石谷 憲男君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           重政 庸徳君
           藤野 繁雄君
           大河原一次君
           北村  暢君
           清澤 俊英君
           小林 孝平君
           中田 吉雄君
           千田  正君
           棚橋 小虎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   自治庁財政局理
   財課長     山野 幸吉君
   農林省農地局管
   理部長     庄野五一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○農林水産政策に関する調査の件
 (農林水産関係法律案に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 最初に委員の変更について御報告をいたします。去る十七日戸叶武君が辞任され、加藤シヅエ君が選任され、作目加藤シヅエ君が辞任され、戸叶武君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(堀本宜実君) 次に、委員の変更に伴い理事が一名欠員になっておりますので、その補欠互選を行います。
 互選は、成規の手続を省略し、便宜、委員長から指名をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、戸叶武君を理事に指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(堀本宜実君) 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案を議題といたします。
 なお、当局の説明を求めます。当局からの出席者は、自治庁財政局理財課長山野君でございます。
#6
○説明員(山野幸吉君) ただいま議題になりました昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この法律案の第一条の関係でございますが、この第一条は、風水害を受けました地方団体のうちで政令で定める地方団体に対しまして、地方税、使用料、手数料等の減免によりまして生じた財政収入の不足を補う場合、または災害救助対策、伝染病予防対策、病害虫駆除対策等、これらに類する命令で定める災害対策に通常必要とする費用で、公共団体の負担に属する財源とする場合に、地方債を許可して、その財源とすることを認めたものであります。通常の起債の対象の事業としましては、現在、地方財政法の五条で起債の対象事業がきまっておりまして、このような歳入欠陥等債に対しては起債は認めないことになっておりますが、今次風水害の実情にかんがみまして、この特例といたしまして、この歳入欠陥等債を認めたいというものでございます。で、この政令に指定する団体でございますが、これは公共土木の災害復旧事業費、それから農地、農林等の災害復旧事業費、文教施設等の公共復旧事業費、これらの復旧事業費を合算したものが、当該団体の標準税収入をこえる団体か、または市町村でございまして、災害救助費の額が当該地方公共団体の標準税収の百分の一の額をこえる市町村、こういういずれかに該当する団体を指定する予定でございます。これは二十八災のとき、並びに昨年の特例法の歳入欠陥等値の基準と同様でございます。この地方債に対しましては、現在二十億円程度を地方債として予定しております。また、起債の一件限度額は、人口十万未満の市町村の場合には、通常の限度額の約二割程度を引き下げたい、かように考えております。すなわち、五万以上十万未満の市町村にありましては、通常の場合は二百万でございますが、それを百五十万、それから五万未満の市町村は、通常の場合は百万円でございますが、八万円に限度額を引き下げたいと考えております。
 それから第二条の公共土木施設等の小災害にかかる地方債の元利補給でございます。これは御案内のように、公共災害の負担法の対象になります事業は、都道府県にありましては、一ヵ所当たり十五万円以上、市町村にありましては十万円以上の事業を対象としておりますので、特にこれ以下の小災害につきまして、都道府県にありましては十万円以上十五万円未満、市町村にありましては五万円以上十万円未満のものに対して、地方債が許可されたものにつきまして、その元利償還金の三八・二%を国が元利補給をするというのが通常の場合でございます。
 それから言い落としましたが、公立学校施設にかかるものにありましては、現在の公立学校施設災害復旧費、国車負担法では、学校の建物とか、あるいは好物以外の工作物、それから土地、設備、それぞれが十万円以上でありませんと国庫補助の対象になりません。しかしながら、今四の災害の実情にかんがみまして、それら各事業を全部合わせまして一学校十万円以上になった場合には、この地方債を認めまして、先ほど申し上げました三八・二%の元利補給を行なおうというものでございます。このほかに、もちろん小災害の起債に対しましては、交付税の万で二八・五%が基準財政需要に算入されることになっておりますので、いわゆる通常の補助率である三分の二の国の元利補給、実質的には国が三分の二を元利補給するというような財政補償をするというようなことになるわけでございます。それから特に被害の激甚なところにおきまして、小災害があった場合には、その部分につきましては、元利償還金の三分の二を国が元利補給金として交付する、従いまして、交付税の財政需要に見られる二八・五%を加えますと九五%程度を国が補償するというようなことになるわけでございます。これの地方債といたしましては、今年度十九億円、明年度に十八億円、合計三十七億円を予定しております。なお、起債の一件限度額は、府県市町村全体を通じまして、二割程度引き下げたい、かように考えておる次第でございます。なお、被害の特に著しい地域につきましては、公共土木等につきましては、公共土木施設の補助分の激甚地の指定をそのままこの小災害にも適用したい、公立学校の激甚地はそのまま小災害に適用して参りたい、かように考えておる次第でございます。
 第三条の農地等の小災害にかかる地方債の元利補給でございます。二十八年災のときにおきましては、これは三万以上、十万未満のものにつきましては、国庫補助の対象といたしまして、補助の限度額を引き上げられたのでございますが、昨年伊豆災害に際しまして、補助の限度額を引き下げるかわりに、元利補給のついた地方債を認めるという方法がとられましたので、それと全く同じ考え方で、今回、この法律を提案したのであります。で、農地その他農林水産業施設にかかる災害復旧事業費のうち、一ヵ所の工事の費用が三万円以上十万円未満のものの経費に充てるために、農地にありましては、三万以上十万未満の復旧額の百分の五十―半分でございます。それから農林水産業施設にかかるものにあっては、百分の六十五に相当する額の範囲内で発行が許可されました地方債について、全額、当該年度分の元利償還金に相当する額を国が元利補給をするという建前になっております。これは国の通常の補助率に合わせたものでございます。特に被害の激甚な地域にございましては、百分の九十の元利補給をすることになっておりまして、この点が昨年度の場合と違っております。この起債の所要見込額といたしましては十七億円を予定しております。それから被害の激甚地は、公共土木の場合と同じように、農地等の補助分は激甚地と同様にいたしたい、林道につきましては、林道の補助分は激甚地と同様にいたしたい、かように考えておるのでございます。それから起債の一件限度額は、昨年度の伊豆災害の場合におきましては、通常の限度額をとって特に引き下げを行なわなかったのでございますが、今回は公共土木と同様に一律に二割程度を引き下げたい、かように考えております。それから、この政令で指定する場合、昨年は、農林水産業施設の公共事業費と小災害の復旧事業費と合わせたものが一千万円以上の団体を指定いたしたのでございますが、今回は、特に今次災害の特殊性にかんがみまして、八百万円程度に引き下げたい、かように考えておる次第でございます。
 それから第四条、第五条は、これは地方債の引き受け、それから地方債起債許可についての関係各省庁との協議の規定でございます。
 で、この第六条に地方債の利息の定率、償還の方法等を政令に委任しておりますが、第一条の地方債は大体一年据置三年の四ヵ年償還にする予定でございます。それから二条、三条の小災害責は二年据置八年の十ヵ年にいたしたい、農地農業用施設等につきましては、昨年度と条件が同じでございます。
 以上で説明を終わります。
#7
○委員長(堀本宜実君) ただいまの説明に対し御質疑の向きは御質疑を願います。
#8
○重政庸徳君 大体了解いたしたのですが、第二及び第三条のこの元利を償却するとその残余の負担分、たとえば農地及び農業施設でいえば、農地で例をとれば百分の五十、そのあとの百分の五十に対する、いわゆる負担分に対する起債というものが、また別途に、これは例年の通り起債を許可するかどうか、その点を一つ。
#9
○説明員(山野幸吉君) 従来農地等の小災害につきましては、これは公共土木と違いまして、地方団体が当然みずからの財源で復旧事業を行なう建前のものではなくて、むしろそれぞれの農家の方が復旧をされるのが、建前はそういう建前であるわけでございます。従いまして、従来小災害債として、農地等の復旧に対しまして地方債は認めないということにして参っておるのであります。しかし、昨年並びに今次災害の特殊な、非常な激甚な事情にかんがみまして、特にこの農地農業用施設についても、地方団体がかわって施行される場合には、その分については地方債を認めて、その分だけ、しかも、元利補給をして、その分だけ農家の負担を軽減してあげよう、こういう趣旨から、そういう元利補給分を認めることになったわけでございます。従いまして、残余の分につきましては、それぞれ農林漁業金融公庫その他から融資を受けられまして、あるいはまた、みずからの自力でその分は復旧をしていただく、こういうことになろうかと思うのでございます。
#10
○重政庸徳君 第二の公共土木施設の今の自己負担分、しかし、今のなには、町村が今度はやるのですから、事業主体だから、従来の行き方とは根本的にこれは変わっておるんだから、だからそこに、この従来通りの今の回答ではちょっと筋が通らぬと思う。そうすると、第二の公共土木事業の町村のいわゆる助成を受けない部分、元利償却をしない部分の負担分についてはどうなっているのですか。
#11
○説明員(山野幸吉君) 公共土木の場合は、先ほど申し上げましたように、これは元来市町村が復旧すべき事業でございますから、これは五万円、あるいは府県につきましては十万円未満のものについても地方債は認めます。ただ元利補給の対象になる額が市町村では五万円以上、府県では十万円以上のものに元利補給付の地方債を認める、まあ農地農業用施設の場合は、市町村が施行される場合でありましても、それぞれその農家なり、あるいは組合等から、その自分の負担部分を地方団体に納付されて、そして復旧されるのが本来の姿じゃないか、こういう工合に考えておるわけでございます。
#12
○重政庸徳君 それは従来の考え方をそのまま継承しているので、このたびの、いわゆる市町村が主体になってこれを復旧するという場合においては、やはり筋が通っておらぬのじゃないか、自治庁の考え方は。しかも、今年度の災害は、従来にない……負担能力がない農民を対象にしているのですから、だから、ここは非常に手落ちだと思うのです、私は。その点どういう、考え方がまるっきり追う。従来の行き方では復旧できないと、負担能力がないからできないから、このたびの災害については市町村が主体になってこれをやってやろう、こういう根本的に考え方が変わっていると思う。そういうことになると、市町村とすると、その被害を受けた農民から徴収すればいいという考え方は根本的に私は間違っているように思う。もちろん、農家に負担せいと言ったところが、負担能力がないから負担はできないだろうと思うのですが、そこでまた、農家の方で中金とかなんとかという、そういう農林金融を借りて町村にその負担分を納めるというよりほかに方法はないだろうと思うのたが、この点、これはやはり考え方はどうしても私は自治庁の手落ちだと思う。
#13
○説明員(山野幸吉君) 先ほど申し上げましたように、この特例法が作られない場合は、従来の考え方でいきますと、市町村が施行される場合にも、全額受益者の方からそれぞれその事業費に対する負担分をお納めになって、そして市町村が事業を施行するわけでございます。で、今回は特に農地については五割、農業用施設につきましては六割五分の、さらに激甚地につきましては九割の地方債を認めまして、そしてそれに全額の元利補給をするわけでございますから、従いまして、従来のやり方とは相当、その農家の財政負担も半分以上に軽減されておるわけでございます。
#14
○重政庸徳君 まあこれは、軽減しておるわけはその説明を聞かぬでも、われわれがそういうふうにしたのだから十分よく承知しておる。だけど、いわゆる筋とすると、やはり町村が主体になってこれを施行せねば今度の復旧はできぬ、負担能力の点においてできぬというところでこういう特別な法律を持っておるのだから、その点に手落ちがあるということは、どういう説明をせられても私は筋が通らぬ、こういうことを申し上げておきます。
#15
○中田吉雄君 この第一条の起債の特例なんですがね。歳入欠陥に対して今度その補てんを許しておる、こういうことなんですが、理財課長にお尋ねするのも何ですが、大体今回の災害による歳入欠陥をどの程度に見ておられますか。
#16
○説明員(山野幸吉君) 大体、まだ詳細な報告は受けておりませんが、まあ二十億程々はあるのじゃなかろうか、かように考えております。
#17
○中田吉雄君 これは必ずしも本年度だけで、次年度による歳入欠陥は引き継がれぬということはないと思うのですが、これはどうなるのですか。ずっとこれは引き継ぐのですか、そういった点……。
#18
○説明員(山野幸吉君) これは年度中途に起きました災害によって特に歳入欠陥が生じたわけでございますから、今年度限りという工合に考えております。
#19
○中田吉雄君 しかし、それはやはり愛知その他の非常に激甚なところは、その面はただいまのような言明では私はいけないのじゃないかと思います。まあそれはそれとして、ただいまの第三条ですね、御質問がありました、これは結局、補助の限度額を下げてやっておったのです。これは結局小災害をそういうことをすると、会計検査院その他でいろいろ問題もあるし、ということでこういう形にして、決して国が特別めんどうを見たということはないのじゃないですか。これはどうなんですか。
#20
○説明員(山野幸吉君) ただいま申し上げましたように、農地農業用施設は、まあどっちかというと、公共土木施設とは違って本来私有財産のなんでございますから、従いまして、これはまあこの全額公共団体が負担して復旧するという建前のものではないだろうと思うのです。そこで、この災害の特異性によりまして、特に農家の負担を下げる、軽減するという建前からだと、これは補助限度額を下げるのが一番端的でございます。しかし、そうしますと、いろいろその小災害復旧事業の設計とか、その他事務的にも非常に大へんだから、地方団体がかわって施行をして、そのかわり地方同体にその財政負担の半分なり、あるいは激甚地については九割の元利補給をするということになると、それは結局突き詰めると、それだけのものが農家の負担軽減になっておる、こういうことになると思います。
#21
○中田吉雄君 ただいま最初の説明では、二十八年災では三万円から十万円までのものを補助の限度額を下げて補助対象にしたわけでしょう。それを今度補助なしで起債にすりかえているのでしょう。それでどうして最初に言われたように特別にめんどうを見たということができますか。ただ、私はやはり小災害の美名に隠れて、いろいろ施行上問題もあるし、ということをチェックする手段としてこれを取り入れたというふうには理解できないか、それはどうなんですか。
#22
○説明員(山野幸吉君) これはまあただいま御指摘の通り、事務上の問題もございます。ございますが、現実にこの復旧されるときに、この建前からいうと、全額農家の負担になるべきものを、それを五割あるいは六割五分、激甚地に九割元利補給債を認めるわけでございますから、それは結局、それだけの分は農家の負担軽減になっているということになると思います。
#23
○中田吉雄君 二十八年災では、三万から十万まで補助対象にしたという場合、補助率は幾らだったのですか。それと見合っているんじゃないですか。
#24
○説明員(山野幸吉君) 今、手元に資料を持っておりませんので、そのときの国の負担割合が何ぼになっているといいますか、詳細は申し上げかねるのでございますが、私どもが五割、六割五分といたしましたのは、通常の負担割合に合わしてあるわけでございます。
#25
○中田吉雄君 それから私は、この額がそう国が特別めんどうを見たというのじゃなしに、最初に言われたように、二十八災では補助の限度額を下げて小災害も救っているわけですから、補助金で……。だからこれは、それだけ見ても、個々の農家を見ても特別な優待とはとれぬと思うし、同時に、これは国がめんどうを見ずに、被害がなかった年の償還方法を見れば、これは交付税で返していくわけでしょう。地方責、交付税で返すわけでしょう。元利補給でいくんでしょう。ちょっとそれ説明して下さい。
#26
○説明員(山野幸吉君) これは三万から十万未満の農地の小災害の復旧事業費のそれぞれ、五割、六割五分の地方責、は認めまして、その五割、六割五分の地方債に対しましては、全額国が別途元利補給をするわけでございます。
#27
○中田吉雄君 そうしますと、これは交付税の側定単位費用を起こして、それでみるというのとは違うんですね。
#28
○説明員(山野幸吉君) 違います。
#29
○中田吉雄君 この交付税の二十六年、二十七年、二十八年等の特例災害の場合は、これはどういうんですか、側定単位費用を起こして……。
#30
○説明員(山野幸吉君) 特例災は入っておりません。
#31
○中田吉雄君 この第六条ですがね、これは政令に譲ってあるのですが、利息は幾らになるんですか。
#32
○説明員(山野幸吉君) これは全額政府資金をもって充てる予定でございますので、六分三厘でございます。
#33
○中田吉雄君 もう少し、この起債の額ですね、それを、大体聞いたのですが、もう一ぺんその額を……。
#34
○説明員(山野幸吉君) 第一条の歳入欠陥等債に対しましては二十億円を予定しております。それから第二条の上木小災害に対しましては、今年度十九億、明年度十八億円を予定いたしております。それから第三条の農地農林小災害につきましては十七億円を予定しております。
#35
○中田吉雄君 これはまあ災害の復旧はどういうふうな年度割になるか、三・五・二というような割合でかりに復旧されるとすれば、そういう配分はどうなるのですか。それもトータルして、三年度分を合計してその限度額を二〇%引き下げた程度で、百万であったものを八十万にトータルしてなればそれでいい、こういうことですか、一年度の分ですか。
#36
○説明員(山野幸吉君) この小災害につきましては、補助事業と違いまして、私どもは原則として二ヵ年復旧を考えておるわけでございますが、特にこの元利補給債につきましては、市町村分は全額単年度で行ないたい、ただ土木の小災害につきまして、府県分は十八億円ばかり明年度に許可をして参りたい、かように考えておりますので、市町村につきましては単年度復旧ということで考えております。
#37
○中田吉雄君 限度額を二〇%くらい下げてということですが、大体それで府県や市町村の要求にこたえるのですか。もっと下げてくれ、たとえば百万というのを八十万にするというのを、五十万程度に下げてくれという強い町村会等の要請があるのですか、それはいかがですか。
#38
○説明員(山野幸吉君) 土木小災害につきまして、特に限度額を五十万円に下げてもらいたいという要望はございます。ございますが、私どもはそういう、あまりに毎年度の償還費が少額になりますと、非常に計算上もむずかしいし、また事務的にも相当問題がございますのと、できるならそういうものはまとめて、半年度で復旧するようにいたしたいと思っておりますので大体八十万であれば、今の市町村の規模で申しますと、大体災害を受けたところに、そう支障はないじゃないかという工合に考えております。なお、農地等につきましては、農林省の方の御意見も聞きまして、大体この程度ならよかろうということになっておるわけでございます。
#39
○中田吉雄君 大蔵省も発表していましたが、起債に充てる原資が非常に少ないというようなことから、かなりこの程度の、七十数億ですか、公共土木の来年度分を含めても七十五億くらいですか、それでは実際非常にきびしいのじゃないですか。
#40
○説明員(山野幸吉君) まあ小災害につきましては、私ども公共災害の査定額に対しまして、過去七ヵ年の実績をとりますと大体一六・四%程度になっておるのでございまして、まあそういう公共災害の査定額から単災率を掛けて割り出しますと、大体この程度の額で小災害はいけるのではないか、かように考えております。なお、申し落しましたけれども、この特例債の、単独災のほかに、公共土木につきまして、府県の十万未満の小災害、市町村の五万未満の小災害等がございまして、これらに対しましては別途四十億円の地方債を考虜しておりますので、大体これでやっていけるのじゃないかと考えております。
#41
○中田吉雄君 これとからんで交付公債の利子の免除の問題はどういうようになっていますか。
#42
○説明員(山野幸吉君) 交付公債の問題につきましては、私どもかねてこの制度の改正につきまして関係省と話し合いを進めておりますが、まだ現在のところ具体的な結論を得ておりません。明年度の予算の編成を考えまして、これは何らかの解決の方法を見出したいと考えております。
#43
○青田源太郎君 この地方公共債のワクが昭和二十八年のおりには一応認められたんでありますが、翌年度に対して半額に打ち切られたというような事実があるらしいんのですが、そういったようなことになる運命はなぜですか、この起債のワクが二十八災には認め、当年度は認められたが翌年度ワクが半分に打ち切られた……。
#44
○説明員(山野幸吉君) この公共補助事業の災害の地方負担分につきましては、現年度におきましては一〇〇%予定しておりますが、翌年度におきましては充当率を今御指摘のように下げております。と申しますのは、まあ年度、中途に起きました地方負担につきましては、これは地方団体の財政負担も大へんでございますから、従いまして、これは一〇〇%原則としてつけるわけでございますが、翌年度からはその災害のあったことを前提にしてまあ団体も予算をお作りになるし、また事業の計画もそのように災害中心でお組みになりますので、全額地方債を認めなくても、ある程度は一般財源を充当して復旧事業を進めるべきじゃないか、かような考え方から充当率を落しておるわけでございます。
#45
○青田源太郎君 地方財源が豊かな場合ならとにかく、再建指定団体のような団体には、そういうような結局財源の余裕が認められておらぬ、そういう点で大体前年度認められたものを翌年度のワクとして子算に計上して歳入に見ておると、それが認められぬので、実質問題、この前の二十八災の場合には、兵庫県あたりは困ったという実例があるんで、もしもそういうことで再建団体でおるようなところには特別の考虜を払うかどうかということを一つお尋ねしたいと思います。
#46
○説明員(山野幸吉君) 単年度災につきましては、特に被害の大きかった団体等におきましては、従来も充当率を高めております。それから会御指摘のように再建団体等の場合で、どうしても財政上やりくりができないというような個々の事例がありますれば、よくその間の事情を考慮して許可額をきめて参りたいと思います。
#47
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#48
○委員長(堀本宜実君) 以上をもって、政府提案にかかる災害対策関係法律案のうち、直接農林水産に関係があると思われまするものの検討が終ったわけでありますが、なお、開拓地の災再対策について、御質疑の要求がありますから、この際御質疑を願うことにいたします。清澤君。
#49
○清澤俊英君 二、三点お伺いしておきたいんですが、このたびの伊勢湾台風でだいぶ農林省が経営してやっている干拓地帯で入植者が災害を受けた。この資料を拝見しますと、まあ相当古い人もありますが、大体は三十年以降あるいは昨年産の入植者というような、非常に量近の入植者が多いようであります。第一は、人植者がこの災害によって入植の希望を失って、他に転職したい、また、希望があっても、実際家族がみんな死んだと、いうようなことで、事実において再入植が不可能な人がある。これが入植を断念する、断念した場合。第二は、かりにそこへ入植して参りますにしましても、全部が家を流され、農機具を流され、すべてのものが流されてしまったということで、ほとんど裸一貫になっている。こういう二つの極端のものがそこに生じておると思います。これらの跡始末について、このたびの災害に対する特例がいろいろ出ておりますが、何ら考慮せられた法案が出ておらぬのであります。そこで、お伺いしたいことは、こうした場合で、全然入植の意思を失った場合、こういう場合には、大体いろいろ入植の際に政府資金その他の借財が生じておると思う、こういうものに対してどういう処置をとられることになるのか。これが第一点。第二点としましては、せっかく入植しました人たちが、そこで全家財を失ってしまった。これはおそらく理論から申しますれば、話し合いで、自分で好んで人つたのだからと、こう言われるかもしれませんが、少なくとも政府が経営して、ここは大丈夫だから一つ入植したらどうだという勧誘に従って、こういう災害でこういうひどい目にあおうと思わない者が入植していっておるのでありますから、従って、こういうものが全部の資材等を失いました場合の補償等については、どうお考えになっているのか。これが第二点。その次の第二番目の、こういう人がここに残ったとします。相当あると思います。こういう人たちが入植して三年か四年、ひどい人は昨年度入植した、あるいは今年度入植した、こういうような人たちは、全部失ってしまつて、なくなった場合、これがやはり旧債は旧債として継続せられるのかどうか。新しく入植者として取り扱われるのかどうか、こういう二つの問題がそこに生じておるのでありますが、これに対して、相当突っ込んだ考え方で農林省としては考えなければならぬと私は思います。この問題は、私はただ一つの例として、今当面しました伊勢湾台風の干拓入植者についてお伺いしているのでありますが、実質の問題としては、現在の入植状態全体の上にこれが適用せられるものとして御答弁願いたい。以下逐次お伺いします。
#50
○説明員(庄野五一郎君) ただいまの御質問の点でございますが、今回の伊勢湾台風によりまして、特に干拓地におきましては、経営者あるいは経営主あるいはその家族が死亡いたしまして、また、ただいま御質問になりましたように、経営の基盤になります家屋あるいは農舎、畜舎その他家畜、農機具といったようなものが洗い流されたという非常に甚大な被害がありまして、まことにお気の毒に存じておるのであります。われわれも、鋭意その入植者の営農継続に支障のないように努力をいたしておる次第でございますが、この借材といいますか、ただいま負債になっております分は、政府の開拓者資金融通特別会計から貸しております政府資金、それから大災資金が乗り変りました改善資金あるいは公庫から借りております公庫の資金、設備資金とか、そういうもの、それから自作農資金、あるいは系統農協から借りております資金、そういったものが負債になっております。その問題につきまして、特に政府の特別会計が貸し出しましたいわゆる塗木資金とか営農資金が、非常に一般開拓者においても問題がございますように、非常に営農の重圧になっておる次第であります。それをどうするかというような問題が当面いたしております。ただいまの開拓者資金融通特別法なり、あるいは債権管理法等では、現状においては履行延期をやって、それを十年延ばしまして、そうして十年が去って初めて免除というように、資金の支払い能力がない場合には免除をすることができる、こういうふうになっております。われわれといたしましても、できるだけ現段階におきましては、履行延期の手続をとりまして、それによって何とか窮状を切り抜けていきたい、こういうような措置を考えたい、こう思っております。
 なお、営農を継続される場合におきましては、やはり履行延期をやって、その追加に必要な資金といったものは、開拓者資金融通特別会計から貸し出していく、こういう考えでございまして、本年度の特別会計の資金ワクも一億新しく借り入れ増をいたしまして、そういった営農基盤が全然滅失したような者には、新しい入植者とほぼ同様の扱いをして、さらに追加の資金を貸し出していく。そういうことによりまして、営農基盤の整備をはかっていきたい、こういうように考えております。
 なお、これは開拓じゃございませんが、その地区等が山あたりで、内陸面で、ほかの方に移りたい、こういったような場合には、再入植扱いとして、やはり新規の入植扱いができる、こういうことになっておりますが、先ほど申されました死亡等の場合におきましてはどういうふうにするか。これは履行延期を当面はやって、場合によりましては、限定相続、そういったこともやってもらわなくちゃならぬじゃないか、こういうようなことも考えております。
#51
○清澤俊英君 政区資金の方は、かりに履行延期をやって、そこでなせないから免除、こういう措置があるというのですから、これは便宜その手続をすれば全都免除をしていただけるから差しつかえないと思いますが、そこで、実際もうああいう所へは入ることはいやだし、もうはや百姓もやめる、こういったような場合、何らかの措置が考えられないか、こういうことなんですがね。ことに、ひどいやつは、先ほどお伺いしたように、昨年度あるいは今年度たまたま入植しておった、入った、それが、家族がみな死んだりなどして、帰るに帰られない、こういうことになりますれば、これは相当国の責任がそこに生じておるのじゃないか。こうした人に、まあ政府資金だけは、結局十年たてば自然に棒引きになるのだから、あとは好きなようにせい、こういうことになると思うのですが、これではどうも納得できない話じゃないか、こう思われるのでこの点を一応はっきりさしていただきたいと思う。
 それから第二番目は、系統農協等から借りておりましたのはどうなるか。それはお前ら勝手に系統農協から借りたのだからおれは知らぬという形になるのかどうか、その点を一つお伺いしたいと思います。
#52
○説明員(庄野五一郎君) 先ほど申し落しましたが、政府資金は五年ないし十年延ばしまして、その暁において支払い能力がないということになりますれば、免除の措置が講ぜられるわけでございます。とりあえず履行延期という措置がとられることになる、こう思います。なお、公庫資金等につきましては、やはり公庫の業務方式によりまして、その開拓者から公庫に申し出をされれば、政府と同様にやはり債務条件の変更というようなことで据置をやる、据置を延ばすとか、あるいは履行の年賦償還期間を延ばしていく、そういった措置をとっていきたい、これは具体的に公庫とも相談をいたしまして開拓者についてそういう措置をとっていきたい、こう考えております。なお、系統の農協等の資金については、やはりこれは系統内のことでございますから、何とかそういう公庫なり、政府の資金の延期に準じてやってもらいたい、こういう考え方でおるわけでございますが、離農するといったような場合におきましては、土地等があります場合には、土地等をあとに残る人あるいは新しく入植する人に売り渡すというようなこともございますので、そういう面から債務整理をやって、政府なり公庫の方は延ばしていく、そういう場合号に系統農協等については、先にその中から払う、そういった債務整理もやっていきたい、こういう考え方で指導をいたしております。
#53
○清澤俊英君 私は整理のできる場合を言っているのじゃないですがね、はたして整理ができない場合はどうなるか、整理のできない場合はどこまででも借金がしりを追って歩く、こういう形になるのかどうか、それじゃあまりむごいじゃないですか。そうではなく、そういう人がいる場合には、全部すっかり国の方である程度までめんどうを見てやる方法をとつて、なお、できることなら生業資金のある程度くらいのものは出してやるくらいの考え方が必要じゃないか、こう思うわけでありますので、ある程度くらいのものは出してやる。これはただ単に入ったやつが全部の責任を負うという問題じゃないと思うのです。ことに終戦後急速に進められた日本の入植開墾政策というものには、多分にそういうものが私はあると思うのです。ただいまの場合はこれは非常に端的な例でありますから、伊勢湾台風の場合の干拓地を中心としてお伺いしておるので、終戦後やられましたあの政策を私は考えてみますと、まあ大部分は町の商人であるとか、あるいは海外引揚者であるとか、婦還軍人であるとかというような、ほとんど農耕に縁のない人をどしどし入植さしてやらして、そうして大部分が今脱落しておる、こういうような状態が現在の入植状況じゃないかと、こう思われますので、残っている人よりやめた人の方が多いじゃないか、やめた人が八万、残っている人が七万くらいじゃないかと思う。そういう形でやっておられる一つの国の政策が現実に現われますと、このたびの台風のように、まさか農林省といえども、建設省といえども、あの堤防がこわれたりしてああいう悲惨な状態になろうとは思わぬで、入植を勧められて、それが不幸にしてああいう状態が出てきたとしますれば、それでもう入植の意欲を失い、あるいは実際上次の開墾もしていかれない、こういう人が何か他に生活を求めていこうとする場合には、もっと私は親切な方法が考えられていいのじゃないかと思う。そこのところをお伺いしている。これはあるいは管理部長では無理かもしれませんけれども、そういうことが省内で、いろいろ一応大臣等を中心にして考えられているのかどうか。考えられておらぬとするならば、私は重大な問題だと思います。全入植者の問題としてこれは重要な問題だと思う。その点いま一度、大臣はきょう見えておらぬから、いま一度そのくらいの一つの話し合いがあるのかないのか伺いたい。それから第二番目に移ります。
#54
○説明員(庄野五一郎君) ただいま御指摘のように、大体戦後から入りました入植者は二十万戸でございまして、離農いたしましたのは大体五万戸、ただいま残っておりますのが十五万戸程度になっております。この離農の問題につきましては、緊急開拓時代におきまして緊急に入ったために、非常に計画がずさんなために、過剰入植といいますか、配分面積が少なくて営農が困難だ、自然条件が劣悪な上に配分面積が少なくて過剰に入植した、そういったようなものの今後の取り扱いをどうするかというような問題で、離農する場合にも、どういうふうに処理するか、そういう問題につきましては、非常にわれわれも論議をいたしまして、来年には、何とかその離農対策の問題を来年度予算で実現していきたい、これは債務整理をいたしまして、なお、足らない面が多分あるだろうと思いますし、また離農して転職する場合には、転職しやすいように、こういったような意味もありまして、そういう離脱する農家には転業といいますか、転職して町に出て何か仕事をする場合には、一時のつなぎのような考え方で補助金程度のものを出したいというような考えで今検討している次第でございます。今後のさしあたっての問題といたしましては、ただいま申し上げましたように履行延期をやって、それによって新しい資金を要する人には、至急資金を追加投資して、それによって営農を継続してもらう、また離農される人にはそういう方法によりまして履行延期をやるということで処理いたしたい、こういう考えでおります。
#55
○清澤俊英君 これはつなぎ資金まで出したいと考えているくらいですから、当然農協の負債等にも考えていただけると思います。これは農協自身が取れないものは、お前が勝手にしたのだということになったら、将来農協が開拓農家を相手にして金を貸すということがだんだん狭まってくるのじゃないかと思う。また額によりましては、農協――弱い農協こそ、ことに入植者をかかえる農協のごときは山間地に違いないのですから、非常に弱いところに違いない。そういうところで場合によりましたら多額の焦げつきが出たということになりますれば、農協自身重大問題だと思う。これは相当考えていかなければいかぬ。今の金融公庫の金自身ですら、これらもやはりなせないものはどんなことをしたって取れないですから、これは据置にするとかなんとかいうことを言わないで、早目に片づくような方法を考えられた方がいいんじゃないか、私はそう思います。その点に対しては一つ省内でいろいろ御審議願っていただきたいと、こう思います。ことに、このたびの干拓地の災害については、こうした思いやりのある考え方が非常に重要だと思っているのに、何らこれに対する特例法というようなものは一つも出ていない。今までのやつでやっていくというような形が出て、まことに遺憾にたえないわけです。第二番目の、かりにあとの人たちが入植する場合、おっしゃったようにいろいろ新しい入植者として取り扱ってやる、こういう場合ができました際に、一営団の中から、かりにまあ二十人の営団があったとすれば、その二十人の営団のうち十人やめるとする、そうして政府資金を借りておった十人があとへ残って人植しよう、これは延期の手続や、いろいろなことはしていただいておりますが、債務として残ることは間違いない。そしてこれは十人に責任がかぶさってくる。この際に、離農していまする十人の分を個人に分割して延期していただけるのかどうか。どうもそういう方法がないようであります。これが非常的な問題になってくる。十人は全都離農しておる。あとへ残ったものは、その組合で全部借りてきたのでありまするから、十人で見て、次のところに行くなり、また新しく入植していく、こういう形が残ってくるわけであります。その際に、残るものは、前の開墾地が残っているから、これを相当の価格で見ていったらよろしいのじゃないかというような議論が出るかもしれませんけれども、場合によりましたら、そういうものが全部農協の、単協からの融資の方へ回されてしまう、単物は盛んにそれをねらっている、こういうような実例もある。そうなりましたら、あとの十人の人に、それほどのたくさんの借金を見て、また、この困難な人植地に残って、数年間の苦労をいま一度繰り返すくらいならやめてしまえ、こういうものが出ないとは保証はできません。この点を何らかの形で、私は離農していくものに、せっかくの履行延期をやって、十年経たら免除するという規定がありまするならば、その一つの営団で借りた、保証態勢の中から借りましたそれを、個人に一応移して、整理するくらいのことができるのかできないのか、そうしていただかなかったら、これは重大問題が将来やはり残る、この点どう考えておりますか。
#56
○説明員(庄野五一郎君) 今、政府資金の貸し出しは、御指摘のように開拓農協に貸し付けて、開拓農協から個人に貸す、こういったような形で、政府から貸し出している相手は開払農協でございます。それで、御指摘のように、一部が離農していくといったような場合の取り扱いにつきましては、あとに農地等の財産を引き継ぐ必要がありますれば、債務を合わせて引き継いでいただける、そういった面もあるかと存じます。また、その残されていく農地を適当に処分して、それで開拓農協あるいは一般農協等の負債から優先して払って、最後に残る分を個人の負債として整理するような方法で処理いたしております。ただ連帯保証とか、そういう関係で、あとに残る人にも保証責任がありますけれども、現在の状況におきましては、連帯保証を追及するというところまで、残る開拓者の償還能力もほとんどございませんので、連借保証によってこれを追及するというのは事実上できないので、事実上やっておりません。出ていく人の分について和解契約等をやりまして、個人債務に切りかえて、そうして履行延期をやる、そうして取れないときには、十年たって切り捨てるというような、そういうような方法をとっておりまして、事実上あとに残る人に全部かぶさってきて、すぐ取り立てるといったようなことはやっておりません。そういうことで事実上は処理いたしております。
#57
○清澤俊英君 実際は、和解延期というのですか、今言われたのは。和解延期というような方法で……。
#58
○説明員(庄野五一郎君) 和解によりまして、債権管理法に規定してあります履行延期の処理をとるわけでございます。それがその責務状況に応じまして、五年の履行延期、据置も当然その中に入ります。あるいは十年の履行延期、こういうことでございまして、それは個々の人の支払い能力、営農状況に応じて具体的にとられるわけでございますが、それを履行延期されるような場合には、個人債務に切りかえていくような方法でやっております。
#59
○清澤俊英君 あとの、残部の取り扱いはどうなのです。農業協同組合に貸したのでしょう。それを和解して、一応切り取ってしまうのですな。ある部分が切り取られると、それは個人に、あとの残部は開拓農協と入殖者との関係になる、こういうおつもりなんですか。
#60
○説明員(庄野五一郎君) その人以外の、営農を入殖地に継続されるかの人の債務は、やはり開拓農協の責務として残っております。そうして離農する人の分だけが個人貸しのような形で切り離されて処理されていく、こういうことであります。
#61
○清澤俊英君 この場合、現位置で居残るということでなく、別の場所に一部分の人がいくという場合、新しい地域に入殖してこれから始めるという場合でも、今のような方法でやっていけるのですか。
#62
○説明員(庄野五一郎君) 離農じゃないのですね。ほかの方に移るわけですね。
#63
○清澤俊英君 一部分が脱落する、あとの残った人は他へ行ってやろう、その場所は全部あけちゃう。
#64
○説明員(庄野五一郎君) 営農は継続される人で、その地区が自然条件その他から、ここで営農を継続していくということが非常な困難なような場合には、地区移転と申しておりますが、新しい自然条件のいい、あるいは既開墾地とか、あるいは新しくできます干拓地、そういう条件のいいところに移る、こういうような場合は、ただいま中されましたように、残る人の分だけの債務を背負っていってもらう、しかし、新しく移る場合には、新入殖の新規扱いをいたしますが、旧開拓地で背負っておりました債務については、背負っていく関係において、新しき開拓地で、非常に営農が困難な場合においては、その人についてはやはり履行延期の措置をとります、こういう考え方でありますし、今検討いたしております来年の予算において、何とか実現したいと思っておりますものについては、離脱する人には何か国から金を支給するようにいたしたい、こういうような考え方で今検討しておる次第でございます。
#65
○清澤俊英君 実際、履行延期という手続をとられて、もちろんこれは履行延期をやって十年経てもだめならば免除するというくらいでありまするから、利子の点は大体どうなっているのか。それから農協等から借りておりまする分に対しましては、当然まあ債務も残りますが、これらに対しての処置は、大体借りかえ等で、営農資金の借りかえという何かの方法で借りかえて、前の入殖地の関係農協との債務を履行するという方法はあるのですか。
#66
○説明員(庄野五一郎君) 履行延期をいたします場合には、政府資金は割賦弁済になっておりますから、履行期の来た分と、今まで履行期が来て延滞した分、これが中心になるわけでございます。開拓に限りましては、将来の営農の状況から見まして、将来も履行期の来る分も非常に償還困難だ、こういった場合には、当然履行期の来る分も含めまして履行延期ができるように処理いたしております。その場合の利子は、従来の利子でございますので、基本営農資金ならば三分六厘五毛、一般の営農資金ならば五分五厘、こういうことに相なります。それから農協系統の借入金でございますが、ただいまのわれわれの見ておるところでは、大体政府資金が大部分でございまして、系統の農協等から、地元の農協等から借りておるのは非常にまあごく小部分でございますので、政府資金の大部分の方に条件緩和をいたしますればそちらの方は何とか処理できるのじゃないか、それからやはり地元の農協のことでございますので、話し合いによって何とかこの債務条件の緩和をしてもらうように処理されるように、こういうような指導をいたしております。
#67
○清澤俊英君 非常に甘いというのですか、虫しのいい考え方で、何か緩和できるように部長言うておられるけれども、何といっても金のことですからね、そう部長が考えているように甘く取り扱っておらないのです。これはまあ一つの例ですが、最近新潟県の塩沢町の奥添地というところで、十九名の開拓農民が、十ヵ年も継続して開墾に従事したやつを全部放棄するという問題、御承知であろうと思う、こういう地区が一つ出てきた。いろいろ行って聞きますと、こういう債務に対する履行延期などというものはだれも教えてくれない。そういうことは一つも知っていないのである。一体自分らがどこかへ入植を、次の土地へ行こうとしても、あるいは一部が脱落するからそこへ残ろうとしても、その際には全部がその借金をおぶわなければならない。そうしてその借金をおぶつて、古い借金を負ってまた新しい土地へ行って、同じ難儀をまた十年やって同じことになるなら、もう自分も三十で入植したのだけれども、四十あるいは五十になっているのだから、外方の続くうちにやめてしまおうじゃないかといって十九人全部やめました。いろいろ事情を聞いてみると、そういうことで逐次負債はふえつつあるということと、いま一つは、農協との借入金の関係上、農耕だけではだめであるからと、こういうので、近くに営林署の山がありますので、払い下げを受けて炭などを焼く。せっかくその炭を農協の方へ提供する、代金はいつまでたってもこない。旧債の利子等に回されて、あるいは旧債の償還の方へ回されて、ほとんど手元へ入らない。こういうことが実情なんです。それで十九名全部もうここでやめるのです。たしか一週間ぐらい前に農林部長が出てきて、次の、つなぎ資金というのですか、生活資金のつなぎ資金の二十万円ぐらいを何とかしてもらいたい、こういう御相談をしておるだろうと私は考えておりますが、そういう事情で、まあここで十九名が全部解散してよそへ行こうとしている、こういう現実の問題が今起きております。現実の問題が起きている。従いまして、農協等から借りております借財等に対しては、もっと、金のことです、農協の当事者として見ましたら、気の毒だ、御無理のないことだ、こう考えましても、他の農民の金を扱っている限りにおいては、そう簡単に、銀行屋と同じことで、涙でもって事は処理できないと思う、金ごとですから。従って、少しはつらいこともしているでありましょうし、部長が考えているような甘い話し会いなどはそう簡単にできょう道理はないと思うのです。そういうことを簡単にしられたら、農協自身は持たない。そんな甘い農協の幹部でありましたら、その農協はおそらくどうもたがのゆるんだ農協になってしまって、どうも赤字でも出すよりしようがない、こういうことが考えられる。これはあまり考え方が甘いと思うのです。だから、実情をもっと調査して、そうして開拓農民全体の上に、そういうこまかいところまで一つ考えていただきたい。聞きますれば、自民党もそうでありますし、われわれもそう考えておるし、開拓農協も要望しておるし、あるいは政府自身がこの入植問題について、振興法等の改正を行なって、決定的な処置をとられよう、こういうような時期でありますので、私は、このいろいろな欠陥を持った日本の、まあ予期せざる事態によって開墾政策というものを進められた、こういう事態を認識せられるならば、もっと手の届いた考え方をもって再建ができる根本的な考え方が、私は重大な問題じゃないかと思うのです。おそらくは開墾政策を、米が足らないのだからこれからやりましょう、どういうふうにやったらよかろうなんという、私はあの当時の入植政策というものは考え方じゃなかったと思う。人がどうも余ってくる。これはどうすればこの人を都市に集めぬで、散らして、何とかして暮らせるにはどうしたらいいか。まあまあ山でも一つ開墾して入って、そうしてみずから耕して食うような方法でも考えたらよかろうというような、至って私は軽い意味合いの、一つの私は失業対策だったと思うのです。ほんとうの入植対策という農政ではなかったと思うのです。そういうものが発展してきて今日のような状態になって、あなたが指摘する通りです、いろいろ耕地も少なくて、営農の方法も立っておらなけりゃ、開墾の方法も立っておらない。こういう実情が山積して今日の状態になった。だから、私はこの際、まあ干拓地という、伊勢湾台風でできましたああいう非常に刺激多い実情が大衆の目の前に出てしまった。山の中でやっておることはだれもわからないのですよ。わからぬから今まではふたをしられておった。ただ入植者だけが、困った困ったといって、まあ先ほど五万の離職者だと言われておるけれども、私の知っておる限りでは、八方だと聞いておるのです。開拓連では八万だと言うておる。こういう約半数以上の離職者を持つような開墾政策をやっておられたのだから、だからこの際はいま少し、いま一歩進んだ考え方をもって立っていただきたい、こう思のです。
 そこで、しからば、こういうような状態になった原因についていろいろ聞いてみますと、これは災害に非常に重点が多いのです。と申しますことは、あの遠い、三里も四里も――ときによっては三里も四里も――私の言うた奥添地なんというのは、少なくも自動車で行けないで、徒歩で、四十五分が二つですから、どうなります――約一時間半、一時間半くらいの場所を徒歩で行かなけりゃならぬ。そうして、しかも開墾地には家屋を建てることができないので、中間に学校を持ってきて住宅ができておる。その住宅からまた四十五分歩いて開墾地に初めて入る。その中間の開拓地までが四十五分、自動車をおりてです。自動車道路までには停車場から約一里半ぐらいある。こういう山の奥であります。従いまして、今までお借りしました金の大部分というものは、道路にかけてしまっておる。道路にかけておる。そうしてその道路も、総括的に聞きますと、町村へ移管した場合もある。移管しない部分は、こういう災害になりますと、全部自分で直さなけりゃならぬ。そうしまして、こういうひどい災害を、非常に山の高いところで、風当たりの強いところで、まあ非常な、その入植地自身から見まするならば、激甚地として特例法の適用される場所でありましても、県全体から見れば指定県にもなっておらない、こういうものが非常に多いと思う、国全体の入植地を見ますと。何らそこに保護も何にもない。そういうものにせっかく借りてきた営農資金をつぎ込んでしまう。労力をつぎ込んでしまう。それがだんだん山積して負債になって、しまいには十年も過ぎますと、入植地を解団して下がらなければならない、こういうような問題が出てくる。大体このたびの災害に対して、私は入植地というものに対しての災害は特別に考えらるべきものだと思う。特別の場所に存在しているのであるから、従いまして冷害の場合とか、いろいろな場合でも、特例等を施行せられる場合には、私は普通の町村とは別に考えてみるべき性質のものではないかと思われるが、それが一つも出一わらない。出ておりません。何でほうっておるのですか。それが原因している。これは一例ですから、まことにくどいようですが、申し上げましょう。この奥添地がなぜこういうような状態になったか、こういうことを一つ書面に書いて出せ。そうしてまたいろいろ行って聞きますと、まず二十年に入植した。二十三年までは非常に作柄はよかったけれども、その後だんだんと物が取れなくなった。こういう書き出しですが、それで二十四年にはキティ台風で被害を受けた。二十五年にはジエーン台風で入植以来の被害を受けました。こう出ておる。二十六年には野ウサギにやられて、ほとんど問題にならないで、全耕地に金網を張った。二十七年には野ウサギも防除することができたと、こう書いてある。二十八年には年々起きる冷害、旱害、風害等により、金融機関貸付の災害資金の方の借り入れで、それの償還に非常に困っている。こういうふうに書いてあるのでありますが、その次は、三十一年には、これは営農問題ですが、農林省の方へいろいろ牛を飼わしてくれ、こういうことでお話いたしましたけれども、とうとう牛を飼わせぬで豚を飼わせられた。ところが、その豚も豚コレラや値下がりでもって、ついにほんとうに参ってしまったと、三十三年には、もうこういう状態でありますから、だんだん負債が大きくなって、だれも金を貸してくれるものはなくなった、こう書いておる。三十四年には、この台風でもう徹底的にやられて、もうこの場所にはわれわれは住んでおられない、こういうことで入植を断念したと出ております。これに類したものはたくさんある。しかも開いてみますと、開拓農協の人たちに聞いてみますと、ある部分まではせっかくまあ直して、そうしてそれは村道に繰り入れる、この部分は災害になれば幾らか直してくれる。それから先というものは自分がみな持たなければならぬ。なかなか繰り入れをしてくれない。そういうものについて少しも考えておらぬのかおられるのか、そういう事情がおわかりになっているのかわからぬのか。これが実態なんです。従って、私は新しく入植するというような建前をとられるときは、一つの離農者としての取り扱いを行なって、そうして救済等は全部、これはなまけておらぬ限りにおいては私はめんどうを見てやるのが正当じゃないか。こう考えるのですが、これは部長がその通りでございますとなかなか言いかねぬのですが、部長自身の考え方と同時に何とか一つ、部長じゃ物足らぬが、部長に幾ら言うても問題にならないのだから……。
#68
○説明員(庄野五一郎君) 奥添地の開拓地のことで非常に詳細にお調べ願って恐縮ですが、奥添地の地区は十九戸ただいま残っております。当初は二十七戸だと思いますが、現在十九戸残っておりまして御指摘の通りでございます。今度の十五号台風で、うち八戸が全壊にひとしい、残りの十一戸も半壊または大破といったような住宅被害が起こつて、非常にひどい被害を受けておりまして、今御指摘のように十九戸全都山をおりる、こういった最悪の事態に立ち至っております。われわれといたしましても非常に残念に存じておるわけでございますが、この開拓地につきましては、われわれといたしましても、過去においても非常に問題になっておった地区でございまして、二十九年ごろから具体的に取り上げまして、県の係官あるいは事務局の係官等が現地に参りましていろいろ営農指導をいたして参った次第でございまして、ただいま御指摘になりましたように、二十九年には役牛と、それから動力噴霧器、あるいはカッター、そういった畜産の方に切りかえていく方向で追加資金等をいたしますし、また開墾助成等も追加してやって、何とか立て直しをしようという、こういうような考え方で手を入れましたし、また三十一年には、今お話がありましたように子豚を相当数入れたわけでございますが、うち一部が豚コレラにかかる、九十二頭豚を入れておりますが、二十一頭が豚コレラで斃死するといったような事態でこれもうまくいかなかった、こういうような結果になっております。
 なお、道路等につきましては、今年の予算で道路補修をやろう、こういうようなところまでいっておった次第でございますが、その道路補修にかかる前に災害にあった、こういうような事態でまことにお気の毒に存じておる次第でございますが、何とか私どもといたしましても、県と一緒にこの再建ということには努力をしてきたわけでありますけれども、うまくいかなかったということに尽きるわけでございまして、こういう事例がほかにも多々あるわけでございまして、そういう点については、われわれといたしましても、営農振興計画を最重点に置いて、これを何が何でもやり通そうという考え方で、新規はできるだけこれは自然条件のいいところに押えて、今年から千七百戸程度に新規を押えて、そのかわり過去に入りました既人植者の営農振興に最重点を置いていこう。これは、臨時措置法によって立てられました振興計画を、あと三十七年ないし三十八年までには追加投資あるいは建設工事のこれを取り戻して、それが営農安定の契機になるように、三十七年ないし三十八年を目標で予算をつけていこうということで、最重点を置いて努力をいたしておる次第でございます。まあ、そういった状態でございまして、何とかまあ、もう三年ぐらいで過去の不振農家の解消をやりたい、こういうような考え方であります。その段階において、過剰入植あるいは地区全体の開拓に適しないといったような場合には、ほかの地区に一部が移るか全部が移るか、こういった取り扱いを来年からやっていきたい。それでその措置としては、先ほども御指摘がありましたように、財産整理をし、なおその地区から離脱する人には何万円かの補助を出して、他地区に移るに要する携行資金の一部として国から補助を出していきたい、こういうような考え方で案を進めておるわけであります。何とかこれをものにして、不振地区を解消していきたい、こういうような考えでございます。
 なお、旧債の問題でございますが、古い債務の問題でございますが、振興計画を立てて、営農を立て直していく段階において、過去の債務が非常に問題になるわけでございますが、その中で政府資金は、先ほども申しましたように、履行延期の措置を講ずる、それから天災法によって借り入れました資金は、臨時措置法で規定されておりますように、これを十年の改善資金に切りかえていくということで責務条件を緩和しているというように考えておりますし、なお、その他の一般の農協あるいは個人の古い債務といったようなものについては、自作農維持創設資金、いわゆる自作農資金でこれが見れる分については自作農資金で借りかえていこうというような考え方で、本年までで、昨年とことしで約三十五億程度を出して、来年もそれを継続していきたいというような考え方で、旧債からくる圧力をできるだけ緩和して、追加投資をやって、それによって営農の安定をはかりたい、こういうような考え方でおります。
 なお奥添地区につきましては、残りました土地等についてできるだけ有利な条件でこれを換価処分して、それによってまず優先的に地元農協、そういったところから払ってもらって、おそらく足りませんと思いますが、携行資金も要るだろうと思いますが、そういうものを、さしあたって残ります政府資金の方は、これは履行延期ということで処理していったら何とか処理できるのじゃないかというような考え方で指導しております。
#69
○清澤俊英君 あと一点だけ。というのは、災害によりまして、このたびのような災害で道路等を破損した場合には、これは全額国庫でもって直すということはできませんでしょうか。またごく小さい町村で非常な離れたところにあるやつを、道路がかりに町村管理になっておりましても、それが指定ということになりますとなかなかおくれたり、いろんなことで障害が生じたりすると思いますので、そういう点を管理して、そういう特別のと取扱いか何か考えられておるかどうか、災害によって道路等が破損した場合。
#70
○説明員(庄野五一郎君) ただいまのところ取り扱いは、大体道路は国営の直轄かあるいは代行で全額負担で造成しております。そういう関係で、管理の委託が農協の方にすでに移っているものについてはやはり災害復旧によらざるを得ないが、まだこちらの方の管理になっているといったようなものは全額代行工事等でやれる、こういうことになっております。
#71
○清澤俊英君 それは全部できるのですか、今言われたようなことで。
#72
○説明員(庄野五一郎君) 委託が、まだこちらの方で管理している分は代行でやっております。こういう考え方でございます。
#73
○清澤俊英君 開拓農協で、入植営団で管理している道路と、あるいは町村が管理している前路、そういうものが相当ある。
#74
○説明員(庄野五一郎君) 道路には建設工事、いわゆる国の全額負担でやった分と、それから補助工事でつけた道路と二つございます。建設工事の全額負担でやったものについて、なおまだ管理が開拓者の方に移っていない、国の管理である分については、こちらの経費でやっております。それから向こうの開拓者に移っている分、あるいは補助工事でつけた分については、災害復旧でやらざるを得ない、こういうふうに考えております。その場合においては、今回提案されている特例法による。激甚地の指定があれば高率補助でやるし、指定地外では暫定法による一般の補助で災害復旧はやる。こういうことでございます。
#75
○森八三一君 今の清澤委員との質疑でだいぶ明らかになりましたが、もう一ぺん確認をしておきたいと思いますが、今度の災害で全く壊滅をしたというような入植者に対しましては、今までの資金について、政府資金、公庫資金を含めて延期の措置をとる。同時に、そういう前の場所へ居残ってさらに営農を継続しようという場合には、新規入植者としての新しいと取り扱いによって今後の営農を完全に進め得るようにするというように理解いたしましたが、そういう理解でよろしいかどうか。
#76
○説明員(庄野五一郎君) 少しニュアンスが違うのでございますが、壊滅といったような場合で、政府資金については本人の申し出があれば当然これは履行延期をやっていきます。それから公庫資金のいわゆるこれは施設資金、これは今全国で約二十億この際貸し出しになっておりますが、そういう面については、公庫に申し出てもらえば、公庫の方の業務方法書の債務の条件の変更ということであらためて中間の据え置きを置くとか、あるいは履行期限を延ばすとか、そういった、昨年狩野川の災害のときにとりました狩野川方式、そういう方式で個々の債務の条件の緩和をやっていく、こういったような考え方で指導いたしております。
 それから、残存して営農を継続される開拓者について基盤となる住宅については、いろいろお骨折りもありまして、激甚地は十分の九の補助、こういうことになりまして、再建の道がつくわけでございますが、農機具だとか家畜だとか、そういった営農のために必要なものについては、これは壊滅的な打撃を受けておる場合には、基本資金の追加資金を今年の特別会計一億ほど借り入れ増に今度補正いたしてもらっておりますので、その中から追加資金をさらに貸し出して、三分六厘五毛になりますが、それで貸し出していきたい、こういうような考え方でおります。全部が新規扱いというのではなしに、こういった基本資金を貸し出すということについては新規扱いに類する扱いをしたい、こういう考えを持っております。
#77
○森八三一君 それから第二に、これも清澤委員から質問がありましたが、その他の農協等の資金を多額に借りておる。これは延期の措置とかというわけには参りかねる。そこで系統内部でそういうものをしかるべく始末をしてもらうことを期待しておる、こういうお話ですが、非常に多数の入植者が干拓地へ入植をした。そういう場合に新しい一つの村ができたような格好なんですね。旧の村の方には普通の農協がある。その普通の農協から政府なり県の施策に応じて入植をなすった方には格別に援助を与えなければならぬというわけで、旧村の連中の貯金の全額を持ち出して、他府県、他市町村から来た人に非常な援助を与えてきました。その人が全部今度は壊滅してしまった。それはしかるべくといっても、旧村の連中も相当の被害をこうむっておるのですから、貯金の支払いを要求することは必然なんです。ところが、あげて入植者のために融資をして援助をしておるというような場合には、これはもう措置がつかぬですね。しかるべくといっても、しかるべくもなんとも、清澤さんの話ではないが、金のことですから、動きがつかないのですね。そういうのは、もう農協はそれで破産をして農協自体も壊滅すべしという死の宣告を与えるにひとしいと私は思うのです。何か措置がなければならぬと思うのですが、お考えになっていませんか。
#78
○説明員(庄野五一郎君) まだ具体的にそこまで調査が進んでおりませんが、今までの大体の実例から見ますと、政府資金なり、公庫資金なり、あるいは改善資金が開拓者負債の七、八割程度になっておりまして、系統から出ておるのは割合に少ない部分を占めております。今まではそういった旧債について自作農資金等から大体払われておったと、こう承知いたしておりますが、ただいま御指摘のような干拓地について今後どうするかという問題については、非常にわれわれも頭を悩ましておる次第でありますが、政府資金が一番大きな重圧になっておりますので、そこで緩和の措置を応ずれば何とか立ち直っていける段階において、多少農協において猶予してもらえばいけるのではないかと、こういうような考え方でおります。
#79
○森八三一君 一般的には部長のお話のようなことかとも思いますが、私の承知をしておる今回の伊勢湾台風による災害地には、今私の例示いたしましたような具体的な問題があるのです。そういう具体的なものは、数の上から申しますればきわめて少ないかもしれませんが、もし、これを放置いたしますれば、旧来からの農民の営農を破壊するということにもつながってくるので、その点は格別に一つ考えてやらなければならぬと思いますので、十分一つ実態を御調査を願って善処を希望しておきます。
 その次にお伺いいたしたいのは、建設隊が訓練中に命を受けて干拓地に行った問題、県なり農林省の指導者がついて、引率のもとに指導しておった、指導というと言葉は悪いのですが、作業に従事しておった、たまたま今度の災害のために人命を失った。これは保険も何もついておりませんから、死んだというだけなんですね。しかし、これは本人が希望してそこへ行ったのじゃないのです。訓練中に命を受けて、そこへ作業の応援に行った。たまたま災害にぶつかって死亡をした。これが何らの措置がなされないということは、非常に問題だろうと思うのです。まあ、私わかりませんけれども、法律的にだんたんきわめて参りますれば、国にその責任があるようにも思うのでありますが、私は今そうは断言いたしません。そこで、関係の府県におきましては、何らの法規的な根拠はありませんけれども、非常にお気の毒だというて一人当たり十万円ですか、とりあえず死亡見舞金というものを差し上げておるが、しかし、その父兄にしてみますれば、そこへ行ったんじゃなしに、訓練所へ入所をしておった、訓練所でいろいろな都合上将来のこともございますので、引率をして作業の手伝いに行った、それが死んじゃった。これに対して、今政府は何らの措置をしていらっしゃいませんが、これは非常に不親切な状態であると私は思いますが、何らかの措置をお考えになっておるのかどうか。これは放置いたしておきますれば、私は必ず訴松問題にまで発展をしていく。今、早く措置をいたしますれば、これはやはり人間ですから気持の問題で、そこまであたたかい思いやりをして下さればということで、問題は話し合いのうちに進んでいくと思うのです。府県ではそういう措置をしておる、政府は黙っておる、これが現状なんです。そういう実態を御承知なのか。承知のしでも現法規では何ら手の打ちようがないということなのか。実態はいかがでしょうか。
#80
○説明員(庄野五一郎君) 建設隊の訓練生の問題でございますが、訓練中に干拓地に順次行っては、干拓工事の手伝いをやっておるという実情でございます。たまたま避難された訓練生は伊勢湾台風の参ります四、五日前に現地に入られた、こういうふうに聞いております。これについてわれわれといたしましても、建設隊の諸君に対して、振興局とよく相談をして、何とか手を打てないかということで相当検討いたした次第でございますが、現行法の立場でなかなかやれない、何とかできないかということで今検討中でございます。
#81
○千田正君 関連して御参考にお伺いしたいのですが、海難救済のような問題、それから国家消防庁かなんかでやっておりますところの火災の消防中に殉死した、あるいは海難の救済の場合殉死した、あるいはそういう場合における何かの法規なり、あるいはかつてそういうことに対して国家がそれに対して何らかの措置をしたというようなことはありませんかどうか、これは参考に一つ聞いておきたいと思います。
#82
○説明員(庄野五一郎君) 伊勢湾台風に関連いたしまして、海難救済の事例が一つあったように承知いたしております。これはやはり身分の問題と、それから従事しました業務の問題にからんで、法規的に処理できる事案だと思いますが、訓練生の場合に、いろいろわれわれも法規的な研究はいたした次第でございますが、国の業務に従事したかどうかというところにまだ非常に疑問の点があるということと、身分がやはり訓練所に入った訓練生であって、地方公務員なり、そういった身分でない人でございまして、それから建設工事も、国の建設工事じゃなかったように聞いておりまして、その点からも、法規的に非常に今のところはできないんじゃないか、こういうような大体の結論でございます。まあ、お気の毒で何か処理できないかという点を今検討中でございます。
#83
○森八三一君 確かにお話のように、国の工事でなかったかもしれません。が、しかし、命を受けて行ったことは事実なんですね。勝手に行ったのじゃないんです。しかも、公務員が引率指揮して行った。非常な事態に遭遇いたしておっても避難命令も出さなかったということで、これは勝手に行動したのじゃない。国家公務員なり、地方公務員の指揮下において行動をとるということですから、法規的にはいろいろな問題がありましょうけれども、私はそのときの状態というものは、準公務員的な立場における行動であったと理解しているのであります。でございますので、法律を拡大解釈することは、政府は上手ですから、少し拡大解釈をしますれば、その実態というものが、不合理なものでありますれば別です、同情していらっしゃることは、皆ひとしく同情を寄せているんですから、気持がそこにあれば、私は措置し得る道があるように思いますので、今即答を求めようとはしません、十分一つ誠意を持って拡大解釈を上手におやりになるということで始末をしていただきたいと思います。
 最後に一点お伺いいたしますが、昨日特別委員会で、今度の湛水、堆積土砂の排除に関する法律に関連いたしまして、漁場等に土砂が堆積した場合、これを排除するためには、この排除の特別措置法によって処理をして参るということになりましたですね。ところが、土がたまったということは、どっかから土がきたことは間違いないんですね。どっかからきたという地点は、平均きておれば平均減っております。固まった土がきておれば、その元の方は穴があいているということになるんですね。そういう穴のあいた水面というものがたまたま漁場であった場合には、それを復旧することは当然政府が考えてやらなければならぬと思うが、いかがでございますか。こういう質問に対して、相手は建設大臣でございましたので、村上建設大臣は、そのことは農地局の方で、農林省が公共災害として取り上げておやりになると思います。こういう御答弁がありました。その答弁の通りに了解をしてよろしいかどうか。これが一点、それからさらに、今回の干拓堤防その他の堤防の破壊に従ってすみやかに締め切り工事をし、本堤を作るという作業が進行しなければならぬことは当然であり、われれわは一刻も早くその完成を期待いたしておりまして、数十隻あるいは百数十隻のサンド・ポンプが入って非常に一生懸命やっているということは感謝をしている。が、その結果として漁場等の砂が吸い上げられて、堤防その他の復旧はできましたけれども、すぐその反射作用として漁場が穴があいてしまうという結果が起きるんです。前段の場合が公共的な立場において復旧されるものとすれば、今申し上げました後段の場合においても当然それはその範疇に入って、農林省の責任において始末をされるものと私は了解をするんです。そういうようなことが起きちゃ困るからというので、堤防の復旧の方をおくらせるということは、これはもういけません。それは、そっちの方は急いでもらわなければなりませんが、その結果として起きる状態の復旧ということは、これは関係漁民なり農民の力によって起きたものではございませんので、人災的な損害ですから当然復興さるべきだと思いますが、いかがでございますか。
#84
○説明員(庄野五一郎君) 直接の担当でございませんので責任ある御回答はできませんけれども、十分この点は水産庁ともよく相談して、あとの漁場の点等は支障のないようにサンド・ポンプで砂を取るという場合にも打ち合わせてやるように、担当の方ともよく相談するように申しつけたいと、こう思っております。
#85
○清澤俊英君 あと一点、ここでちょっとお伺いしたいのは、開拓地の営農指導をやっておられる指導員の指導のやり方は、どういうような組織でこれを指導しておられるのか、こういう質問ですが、お伺いする真意は、私はそういう農業のことには全くしろうとでありますので、おこがましい話になりますが、どうも技術指導が中心でありはしないか、従いましてその入植地自身の正然条件等を中心にした営農体系というものが非常におくれているのじゃないか。私は営農という一つの方法が定まって、その上に立って技術指導が必要なんじゃないか、こういうふうに見ておるのです。従いまして、今営農指導員として各県等にありますが、配分せられておる人たちはどういう立場の人が配分せられておるか、それに対してはどういう組織でそれを指導しようとして考え、現在やっておられるか、それを一つお伺いしたい。
#86
○説明員(庄野五一郎君) 開拓者に対しまする指導につきましては、現在は御指摘のように、開拓営農指導員が現地に隣在いたしまして開拓者の想淡相手になり、また技術面、営農面についても助言者として開拓者の相談に乗って営農指導をやる、こういう仕組みになっておりまして、現地駐在を建前にいたしております。それで、開拓者営農指導につきましては、県が中心になりまして、国の補助もございますが、資質の向上というような点で講習等もやり、その資質を向上するとともに、やはり県も国も一緒になって営農の方向といったようなものも、講習会等でも講習させると、こういうような考え方でおります。現地の営農体系をどう持っていくかというようなことにつきましては、ただいまの開払地におきましては、戦後の緊急開拓時代の穀菽農業車点の開拓から、現在におきましては酪農体系あるいは場所によりましては果樹、蔬菜といったような方向にこれを切りかえていく、こういうような考え方で、われわれも営農の指導をいたしておるわけでありますが、現地の営農指導にもそういう考え方で、現地に適したものを、何をやったらいいかというような場合に、酪農でいくか、果樹でいくか、畜産を取り入れるにしても酪農乳牛でいくか、あるいは役牛でいくか、あるいは中家畜でいくかと、そういう点は現地に即して指導員と開拓者の相談でやっていくというような考え方であります。なお、その地区の開拓を始めます場合には、大体地区開拓計画というのを立てて、大体の経営規模なり経営の方向なり、これは畑作でいくか、あるいは畑作にしても低地の場合と寒冷地の場合で、寒冷地の場合に、やはりどうしても二年三作ということになりますれば、酪農形態によってやらなければならぬし、西の方へ行けば果樹中心になると、そういうことになって、地区開拓計画にも営農の方向が大体計画されております。それによって現地に即応した経営のあり方を指導すると、こういうことになると思います。営農指導員は大体改良普及員等の資格を持った人をとるように、こういう指導をしているわけであります。大部分が改良普及員の資格を持っておりますが、そういうふうな技術指導ばかりでなしに、やはり営農としての指導に重点を置くということで指導をさしております。一面、営農の中に経済的な面、金融とか、あるいはそれによる補助のあっせん、そういう方面の指導をいたしております。
#87
○清澤俊英君 それでそういう場合、ただ農地局が中心になってそれをやっておられるように見えますが、私は少なくとも営農指導というようなことをやるとすれば、開拓地区を持ったその県、国もそうですが、各課が集まってやはり一つの営農指導審議会というものを作って、そうして適正な一つの方針を出されて、それをもって検討していくのが正しいのじゃないかと思う。ただ、大ざっぱの方針はわかっておりますが、入っていくものが、はたしてそれをこなせるだけの能力があるかどうかということは、非可に疑問だと思う。だから、今ここで問題に出たように、私は、役牛を飼いたいと言っておるのに、豚を飼わして損をさしている、豚は絶対できないと言ったのだ、僕は。それを、いややりなさいと言って、豚をやらした、それはとってもつまらぬ話だと思う。はたして豚がいいのか、役牛がいいのか、衆知を集めて、たとえば一つの審議会のようなものが県にできておって、そうしてみんなが集まつて、あそこならばこういう条件だから、これがよかろう、それをもって指導員が行くくらいの方針が立てられることが、私は正しいのじゃないか。この間から開拓農協の人たちと会って、そういう点をいろいろ聞いて、まことにずさんであり、ことに振興法によれば、お前ら勝手に振興計画を立てろ、こう言っている。政府が中心になって、お前のところはこうこうだから、こういう営農方針をとって、こういう計画でおやりなさい、それにはこういう方法で金を貸してやるというのじゃない、お前ら勝手に計画してやれ、この間の大会でもそれを盛んに言っております。もっと国が中心になって、営農の責任を持つべきだと思う、持ってもらいたい、そうして指導してもらいたい。これは開拓農民全体の声です。だから、それをつけただけでは私は問題にならない、つけたものが目的に達せられるような方法を講ずるには、やはりそれくらいのところまでの親切をもって、おのおの専門家が集まつて、いろいろ議論をして出してやる、このくらいのことはしてやらなくちゃ、とても私は問題にならないと思う。これは意見でありますから別に御回答要りませんが、よろしくどうぞ。
#88
○説明員(庄野五一郎君) 御指摘まことにごもっともでございまして、われわれも昨年営農類型というものを一つ作りまして、大体、北海道、内地を合わせまして、地帯別によります大体七類型で、自然条件等を考えた類型を考えております。それに何とか近づけていこうというような考え方でやっている次第でございますが、振興法による振興計画につきましても、お前ら勝手にしろというばかりじゃなしに、やはり営農指導員が中心になってこの振興計画を立て、その振興計画を知事が承認いたします段階においては、県の開拓審議会の営農部会といったようなところに一応それをかけて、そこで審議した上で知事が承認する、そういった手続を踏んでやっている次第でございますが、なお、御指摘のような点もございますので、そういう点は十分注意して、現地に適した振興計画、あるいは営農計画が立ちますように努力いたしたいと思います。
#89
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。ここでしばらく休憩し、午後は二時から再開をいたします。
   午後零時四十一分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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