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#1
第033回国会 逓信委員会 第8号
昭和三十四年十二月九日(水曜日)
   午前十一時十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     柴田  栄君
   理事
           鈴木 恭一君
           手島  栄君
           松平 勇雄君
           森中 守義君
   委員
           黒川 武雄君
           野田 俊作君
           最上 英子君
           鈴木  強君
           野上  元君
           光村 甚助君
           牛田  寛君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 植竹 春彦君
  政府委員
   郵政大臣官房文
   書課長     畠山 一郎君
   郵政大臣官房人
   事部長     佐方 信博君
  事務局側
   常任委員会専用
   員       勝矢 和三君
  説明員
   郵政省郵務局長 板野  学君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並
 びに電波に関する調査の件
 (郵政関係に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(柴田栄君) ただいまから開会いたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 本日は郵政関係の御質疑のある方、順次御発言を願います。
#3
○森中守義君 この前、本会議で郵政大臣に対する質問を私は行ないましたが、何分、本会議は時間の関係で、大臣の御答弁は言い放されたままになっておりまして、あの種の答弁ではもとより承服できないし、また答弁になっていない。勢い委員会で再びあの問題に言及せざるを得ないのであります。二、三そういう意味合いからお尋ねしておきたいと思います。
 大臣はあの日の答弁の中で、すでに三六協定は五二%に及び、残余の四八%も遠からずその可能性を持つであろう。こういった趣旨の答弁でありましたが、五二%の三六協定を締結されている各事業場の種別、それらのことについて最初に伺っておきたいと思います。
#4
○国務大臣(植竹春彦君) これは報告のありましたものを総合計いたしまして申し上げたものでありますが、ただいま三六協定によりまして円満に年末年始の郵便事務を遂行いたしたいと考えておりますので、ここで事業場別に各個別に申し上げますことは、かえって円満にことを運んで参れませんので、ただいま進行の途上におきましては各個別に申し上げますことを差し控えることをどうぞお許し願いたいと存じますが、なお残余の四八%につきましては、これを全部協力を得られる見通しがついたというふうには申し上げなかったつもりで、自余の分につきましても、この動きで見て参りますと、どんどんと参加してもらえる見通しであるということは、ただいままでの趨勢から判断いたしまして、その推測をお答え申し上げた次第でございます。
#5
○森中守義君 私は、この前の委員会から郵政大臣がこの委員会でお答えになっていることは、いずれをさしてみてもはなはだけしからぬと思う。何とならば、たとえば設置法の提案の趣旨についてもこの前の発言は何です。あの当時私はあれ以上追及しなかったけれども、いやしくも、国会に法案を提出するにあたって、まさに国会軽視のような考えじゃないか。さらに今の発言を考えていけば、三六協定を締結したということは、秘密に属する問題ですか。国家行政組織法を見てごらんなさい。政府は国会に連帯をもって責任をになうとなっている。あなた方は何に責任を持とうとするのか。それが政府独善だと私は言わざるを得ない。今まで私は、労使双方がおのおのが保有する個有の権利を秘密に付されたという話を聞いたことがない。国家機密に属する問題ですか、三六協定の内容がどうして国会で言えないのか。年賀郵便の正常を確保するにはどうしたらいいかということを国会が心配している。その最大の探究の材料になるものが三六協定です。国会が心配しているということは、国民が年賀の完全なる正常運行ができるかどうかということの心配である。その最大の探究すべき材料というものは、三六がどういう状態であるかということ、こういうことです。そういうことをなぜ国会で言えない。あなたがもしそういうことを言われるならば、委員会開く必要ない、国会は何のために存在する、国会軽視もはなはだしい。
 そこでこの前の設置法の問題、さらに今答弁をされた、あたかも三六が国家秘密のような表現を用いて、答弁の必要ないということは、重大な問題である。まずそういう原則的な国会と政府との関係について答弁を求める。
#6
○国務大臣(植竹春彦君) ただいま答弁の必要がないとは申し上げないのでありまして、私の申し上げますことは、ありていに言うならば、三六協定を結びましょうといってくれます郵便局のうちに、ぜひうちの局では三六協定を結んだということを発表してほしいといっております局もあれば、中にはまだ三六協定を結ぶという意思表示を発表しないでほしいという希望を持っている郵便局もございまして、かくてはこの事業を円満に遂行いたしますためには、労働対策といたしまして、の進行途上においては、その郵便局の気持を尊重いたしまして、まだ発表いたさない方が、円満に事を運び、円満に行政の遂行が責任をもってできるという見通しのもとに、しばらく御猶予をお願い申し上げる次第でございます。
#7
○森中守義君 あなたは何を答えているのです。私はその前段に重要な問題を聞いておる。政府と国会の関係、どうしてそれは答えないのです。私の質問は、今の大臣の答弁だけじゃありません。その前段に、国会と政府の関係、それと設置法の問題でも、あたかも国会を軽視するような発言が行なわれる。かりに発表が困難であるという表現はともかくとして、国会に言えないとする理由は何か。それは今の答えでもいいけれども、国会と政府の関係は言われていない。それを一つあわせて答えて下さい。
#8
○国務大臣(植竹春彦君) まず設置法の問題でありますが、設置法の問題につきましては……。
#9
○森中守義君 発言中ですがね、設置法のことじゃない。国会と政府との関係はどういう関係にあるか、それが私の質問の焦点ですよ。
#10
○国務大臣(植竹春彦君) 設置法についても御質問があったかと存じましたけれども、それでは設置法のことを御答弁申し上げないで、国会と政府との関係についての所信をお答え申し上げたいと存じますが、国会はこれは立法の府であり、政府は行政を執行するところである、原則的にさように考えております。
#11
○森中守義君 今大臣から三六の問題に対して、郵政の見解が述べられたのですけれども、そういう事情はあなた方の内部の問題、国会は、いかにして年賀郵便が混乱を起こさないで済むかということが問題なんです。あなたは、年賀郵便は完配の自信があると言われた。そこで問題は、自信があるとする年賀郵便の混乱回避の問題が、計数的に、ないしは具体的に実情が国会を通して明らかにならなければ、ただ言葉としての完配では、国民は納得できない。そのことを納得させるのは、三六がいかなる状況に締結されているのか、これを国民は聞きたがっている。国会がそれを審議する義務がある。だから今、行政と立法の関係を言われたわけだけれども、何といっても国家行政組織法の、政府は国会に責任を持たなければならぬという最大の原則から照らしても、口頭一片の完配できるという言葉では、国会は承知できない。いわんや国民は年賀郵便の混乱が、郵政大臣の完配できるという言葉のみによって承知はできない。それで三六はどういう状況で結ばれているのか、その態様はどうかということを、国会に対して説明する義務があなた方にはある。われわれはそれを聞く権利がある。内部の事情がどういうものであろうと、そういうことは私どもの関知するところではない。従って国会及び政府というこの権利義務の問題から、当然あなたは、宅配はこうこういう理由のもとに間違いないとする証拠をここに示す必要がある。そういう意味で私は聞いておるのです。従って今大臣が、郵政内部の事情によって国会で報告できないとすることでは、何回も繰り返すようだけれども、国民は年賀郵便の混乱が避けられる、そうは思わないでしょう。私もまたそうは思わない。そういう意味で、もう少し具体的にあなたは説明をする義務がありますから、その点を御説明願いたい。
#12
○国務大臣(植竹春彦君) 国会は国家の最高意思の決定機関でありますから、行政府が国会を尊重いたしまして行政をやっていくことは言うを待たないところでありますが、行政にいたしましても、また司法にいたしましても、これを遂行の途上では発表しない方が行政目的にかない、結局国会の御趣旨にもかなう場合もあるわけでございますが、今回の場合におきましても、政府が責任をもってこの行政を遂行する途上におきまして、発表しない方がかえって円満にいく、その下部組織であります郵便局の意向を尊重いたしまして、これをかえって発表しない方が責任ある行政が遂行できると、さように判断いたしましたので、私はこの資料の提出をしばらくこの進行途上においてはお見合わせ願いたいとお願いしておるのでございまするが、しかし、これが国会の御決議となりますれば――国会の内部にもいろいろの御意見もおありでございましょうが、これが多数決によって取りきめられます国会の運営上、御決議となりますれば、これはむろん、国家の最高意思の御発動でございまするから、行政府としては、たとえ違った考えがございましても、これを御提出申し上げる段階になると、さように考えております。
#13
○森中守義君 大臣、あなた、どうかしてるんじゃないですか。資料を出せと言ってるんじゃない。そんなこと私言いましたか。また、国会が決議をもってそれをどうするというようなことを言ったことがありますか。何を聞いておる。内容を説明してくれと私は言っているんです。資料を出せとは言っていない。そこで、そういうあられもないところに論議を発展してもらっては困る。答弁にならない。これだけ皆さんお聞きになっているけれども、五二%の資料を出せとだれが言った。内容を説明しろと言っているんです。いいですか、私がなぜそんなことを言っているかということは、この委員会でも本会議でも、三十六条協定を極力結んでいくという方針であり、それについては五二%がもうすでに締結した、残余の四八%もいずれそういう可能性があるだろう、こういう答弁をして、それで、なおかつ三六協定が結ばれないで、年賀郵便に混乱を生じるならば、三百万の延べ人員を動員をするということであるから、しかも本会議では、もう三百万は要らない、五二%できておるから、その中の百五十万でいいんです、こういうあなたは答弁をして、しかも、そういう立論のもとに年賀郵便は心配要らないんだという説明を加えたから、五二%の内容が秘密に属すべきものとは私は思わないし、また、そういうことを発表して、あとに差しつかえがあるとも思わない。よしんば五二%でとまったにしても、それに対応する対策はできておるということをあなたは言っておるじゃありませんか。何がゆえに五二%の内容が国家機密、国家秘密に属するようなことであってみたり、国会に報告できないような行政上の措置であるとは、私はどうしても思えない。そういう意図をもって私は聞いておるのです。要すれば、資料を出せとは言っていない。いわんや、資料を出すことに、国会法百四条をたてにとって委員会が決議する、本会議が決議する、そういうことまでして資料を出すか出さないかというところまでは、まだ論議が発展していないのです。とにかく、資料を出せと私は言っていない。説明をしなくちゃならぬと言っている。その説明を、当然可能性を持つであろうという私の考えは、五二%が結んだから、用意されていた三百万はもう要らない、百五十万でいいということである。従って、三六協定のいかんにかかわらず年賀は完配できる、ということをあなたは言明している。どこに三六協定の内容が行政執行上秘密に値する内容のものですか。それと、根本的には、郵政大臣がそう言われるから、なるほどそれを信用しようということであるかもしらぬけれども、しかし具体的に心配要らないということにするには、三六の状況がどうかということをみんな聞きたがっている。その内容を言わないで、まかしておけとか、年賀郵便は完配するということでは、これは国民に対して一種の背信行為にもひとしい。これだけ通った理屈をなぜあなたは拒もうとされるのか。もう少し質問者の意図を明確にお聞きになって、何を聞かんとするのか、何を聞いたのか――とほうもない、あてがい扶持の答弁では困りますから、もう少し冷静にお答えいただきたい。
#14
○国務大臣(植竹春彦君) ただいまのお話のうちに、三百万はもう要らない、五二%できておるから、ちょうど人数の方も半分、つまり百五十万でいい、そういう答弁は申し上げなかったのであります。
 さて、私の本日の今度は答弁を振り返りますると、確かに今森中委員の言われました通りに、資料の提出を求められたのでなかったというのは事実でございまするので、私のその部分に関しまする答弁を取り消さしていただきます。
 この五二%の内容の説明につきましては、資料提出が御猶予願いたいと申し上げましたと同じ理由をもちまして、しばらく説明の留保と申しますか、答弁をしばらく御猶予願いたい。この点は同じでございまして、それが国家行政の機密というほどのことではございませんが、ごく暫時の間、この仕事を円満にやって参りますためには、政府の見解といたしましては、御発表申し上げない方が、三六協定ができるものはやはりできていく、かえって御発表申し上げますと、三六協定ができるはっきり見通しのついたものまでが、あるいは取り消されるおそれもあろう、そういうふうに推定いたしました結果のお願いとして、猶予をお願いをいたしたわけでございます。
#15
○手島栄君 議事進行。何か郵政大臣と森中本員のお話がだいぶ食い違っておるようですが、あなたの説明の中で、発表できないというのは、個々の郵便局の名前を言うことができないという意味のようにとれますが、森中委員の質問はもっと広いのじゃないかと思います。どういう計画でやるかとかいうような、まだほかの内容のことをお聞きになっておるのじゃないかと思うのだが、ただ個別的な個有名詞を言うことが秘密だというあなたの答弁と、ちょっと食い違っておるようだから、それを一応おいて、その他の計画で、あなた方が発表してもいいことをお答えになった方がいいのじゃないかと思うのですが、どうですか。
#16
○国務大臣(植竹春彦君) ただいまの手島委員のお話はよくのみ込めましたので、お答え申し上げますが、これは普通局と特定局とに分けまして、その数をお答え申し上げるのが適当だと、さように判断いたしましたので、その数は人事部長からお答えいたさせることにいたします。
#17
○政府委員(佐方信博君) 三六協定を締結いたしましておるのは、普通局におきまして百八十局、特定局におきまして、私数字は忘れましたけれども、七千局をこしております。
 そこで、私、言いわけをいたすわけではございませんけれども、実は個々の名称を大臣にお聞きになりましたときに、実は格郵便局が非常に困っておりますからということを申し上げまして、その結果が全体のことになったかと思います。それは今申し上げましたように、普通局、特定局は締結いたしております。
#18
○森中守義君 私は、こういうふうにすらすらと答弁が出ると問題はない。いいですか、大臣、一局一局、局名をあげて、これはどうか、これはどうかと、だれが聞きましたか。今、人事部長が答えたことを聞きたかったのです。何も秘密でも何でもない。すらすらと言われる。もう少し問題のありどころというものを正確に大臣は把握されることの努力が足りない。何もこれは国家秘密でも行政上の秘密でもないじゃないですか。ということは、ほんとうに年賢郵便のかなめをなすものは大集中局、つまり東京中央郵便局であろうし、大阪や名古屋やあるいは福岡の中央郵便局でありましょう。各県に所在する、郵政の専用語をもって用いるならば統括局でありましょう。あるいは鉄道郵便局でありましょう。こういうところが結ばないと、これは話にならぬということを私は言っていた、言葉としては言わなかったけれども。ただ、五二%という数字をもってして、それであたかも三十六条協定が過半数に達するような締結の状態であるから、年賀の混乱は回避できるというような大臣の答弁が、いささか何もかもぶち込んだ数子にとらわれ過ぎておる。それで国民に安心を与えるようなことではいけないのだと。だから、個別にと言った意味は、体系的に、特定郵便局、普通郵便局あるいは鉄道郵便局、どういう態様のところが結んでおるのか、その答えが出なければ、年賀郵便は安心できない。こういうように率直に聞けばよかったけれども、まあそういう私の質問しようという意図も、あらかた頭の中に入れながら、漸次あなたの意向をただそうと思っているものだから、端的に聞かなかったところに、あなたの理解もできなかったでしょうが、今人事部長が言った通り、よろしゅうございますね。それで明らかになりましたので、聞いておきますが、特定郵便局は全国で幾つありますか。また、この百八十の普通郵便局が結んだとおっしゃるが、この百八十のうちに統括局が幾つ、鉄道郵便局が幾つ、中央郵便局が幾つ、こういうようにお示しを願いたい。
#19
○政府委員(佐方信博君) 特定局の数は一万三千六百くらいだと思います。四千を切っておると思います。それから、百八十の中につきましては、ほんとうをいいますと、そこのところもうしばらく実はお待ちいただきたいわけでございますが……。
#20
○森中守義君 数は幾つですか、普通郵便局は。
#21
○政府委員(佐方信博君) 御承知のように、中央郵便局は全体で七つしかございませんので、その数を申し上げますと名前にすぐなってしまうわけでございますので、まあそこのところもしばらく御猶予いただきたいと、こういうつもりでございます。大勢として申し上げますと、東京、大阪が非常に多いわけでございます。それから、ゼロという郵政局は一つもございません。態様はそういうところでございます。
#22
○森中守義君 それで非常に問題の焦点に入ってきましたが、五二%のうちの大半を占めるものは、七千局という特定郵便局、それに百八十の普通郵便局というのですが、ここでちょっともう一つ中で聞いておきたいのは、普通郵便局の数は全部で幾つですか。
#23
○政府委員(佐方信博君) 七百五十局であります。
#24
○森中守義君 大臣、それで、あなたの言われる五二%のうちのその過半数以上というものは特定郵便局であり、しかもこの特定郵便局は無集配の郵便局も含めていると、その無集配郵便局は七千局のうちの幾つです。
#25
○国務大臣(植竹春彦君) 郵務局長からお答えいたさせます。
#26
○説明員(板野学君) 無集配郵便局は八千八百ございます。
#27
○森中守義君 七千局のうちで無集配は幾らかと、こう聞いているのです。
#28
○政府委員(佐方信博君) その内訳は、実はとっておりません。郵政局からの報告にも、集配と無集配と分けた報告はとっておりません
#29
○森中守義君 そこで、今申し上げたように、五二%の大半が七千局という特定郵便局であります。全くこれは、これをもって年賀郵便が完配できる。つまり三十六条協定を五八%結んだから、それで完配できるという理由はどこにも出てこない。その辺郵政大臣どう思いますか。
#30
○国務大臣(植竹春彦君) 私は、今日では運送の方法も、大量に輸送できることになっておりますし、五二%も、これだけ協定を結んでくれるようになっておりますれば、機械化もされておるのでありまするから、もちろん、人手をもって袋の口をあけたり、差し立てばかりではない、区分もいたすことではございまするけれども、これは可能だと、さように考えておりますが、しかし、これはしろうとのことでありますから、なお人事部長からお答えいたさせます。
#31
○政府委員(佐方信博君) 大臣が御発表になりました数字は、すでに新聞にもわれわれ発表いたしておりまして普通局、特定局別の発表をいたしておるわけであります。同時にまた、年賀の仕事というものは、月半ば以降から多くなるわけでありまして、今のパーセンテージだけで配達できるということではございませんので、これからも努力をいたしまして、その数がふえていくであろうというつもりで、われわれ大臣に数字は申し上げておるわけでございます。
#32
○森中守義君 大臣のあげ足をとるようで恐縮ですが、しろうとであるから私にはわかりませんというようなことは、どの委員会でも聞いたことがない。聞いておる方は、大臣は大臣として聞いておる。私的な会合でもなければ、私的な会議でもありませんよ。あなたがそう言うのでは、言葉が少し軽い。もう少し大臣らしい答弁をしてもらわないと、国会の委員会というものは、しろうとだからというのでのがすわけにいかぬ、非常に軽卒過ぎる。これは私は警告をしておきます。
#33
○国務大臣(植竹春彦君) 責任を持って答弁いたします。
#34
○森中守義君 そこで問題は、よく考えてみれば、七つという中央郵便局、それに統括郵便局あるいは鉄道郵便局、こういうものが三六を締結しなければ、実質的に年賀はとまるということは知りませんか、そういう判断はしておりませんか。群小の特定郵便局を総なめにしたからといって、それで完配ができるとお思いですか。郵政事業は部分的にこま切れに切ったものですか、私は、全国的、地域的に関連性を持つ事業だと考える。これをもってして、五二%が、あなたたちが宣伝をされるように完配の可能性があると、三百万要していたものが、半分でよろしいという論拠がどこに成り立ちますか、その辺の事情をもう少し正確にお答えいただきたい。
#35
○国務大臣(植竹春彦君) この点は残りの四八%も極力努力いたしまして、三六協定を結ばせるようにいたします。かつまた、鉄郵とか中郵とかいうものがストップすれば配達できないじゃないかというお説に対しましては、これはそのためには、やはり指導者をこしらえ、また非常勤を雇い入れましてやって参りますればできると、さようにはっきりと考えております。
#36
○森中守義君 大臣は、日曜日の新聞によると、東京中郵においでになったそうですね。あすこの作実状態をごらんになりましたか。つまり、多少の経験者があそこにいっても、あそこの仕事は勤まらぬというようには思わなかったか。あの大混乱の中に、山と積まれた郵便物の中にしろうとが入っていって、完全に仕事ができると思いますか、お考えはどうです。東京中郵を視察したあなたの認識というものは。
#37
○国務大臣(植竹春彦君) それは全部くろうとであればなおよろしいのでございますけれども、やはりこれは指導者が何人かに一人つきまして、訓練もし、指導して参りますれば、必ずできると、さように観察して参りました。
#38
○鈴木強君 ちょっと関連して。大臣にお尋ねしたいのですが、せんだっての森中委員の本会議における質問に対して、今質疑のありました三六協定を締結した局の数、パーセンテージでお示しになったのですが、そういう意図がちょっと私はわからなくなってしまったのですが、大へん大臣は自信のきわめてある答弁をされたわけですが、年賀郵便は絶対に大丈夫だと、こう国民に安心を与える意図をもってやったのだと思いますが、しかし、われわれ静かに本会議で大臣のお気持を伺っておって、非常に心配したことは、はたしてほんとうに、あなたが言明をされるように、例年通り元日に年賀はがきがくるかどうか、それに対しては大臣はそうおっしゃるが、われわれとしては、なかなかそこまで信頼が置けなかったのが率直な気持なんです。ですから、一面には国民に対して大丈夫だという印象を与えると同時に、五二%という局が具体的に三六協定を締結した。こういうことをあえて本会議においてあなたが言われた意図というものが、私はちょっとわからないのですよ。これは憶測になって失礼かもしれませんが、本来なら個々の局名をあげて、今いろいろ質疑もありましたが、こういう状態でありますというのが、これが親切な答弁です。しかも、本会議場ですから、そういう個々の局名をあげることは無理でしょう。ですからパーセンテージで言ったことはわかりますが、しかし、今ここで委員会で質問が出ても、それが何か今後運営上やりにくいからまだ発表をしないのがよろしいのだ、こういうようにお答えになっておるのでありますが、そこのところがちょっと私にはわからぬ。要するに、そういうことを具体的に発表すると、今後三六協定が結びにくくなる、こういう御判断を持っているとすると、これは全逓との、労働組合との団体交渉の再開の問題にもからんで、何か労務対策上、あなた方は局名を発表することが、締結された局に対しても迷惑になるだろうし、そのことがいろいろな刺激になって、三六協定の締結がさらに一段と労働組合の方では圧力を加えて、言葉が悪いのですが、そういうことをするだろう、こういう御判断をお持ちになって、あえて私は森中委員の質問に対してその局名を発表しておらぬのじゃないかと思うのです。これは非常に重大だと私は思いましてね。少なくとも本会議場においてあれだけの自信のある御答弁をなすった以上は、国民は大臣の言明を期待して大丈夫だと、こう思っているでしょうが、内容はおもなる質疑の中で明らかになりましたように、決して安心がならぬ、こういうのがわれわれの見通しなんです。ですから、そういう数字を具体的にあげられないということを今になっておっしゃるのですが、これはどういう意図があったのですか、ちょっとわからない。
#39
○国務大臣(植竹春彦君) 数字は申し上げることができるのでございますが、個々の郵便局名を申し上げにくいので、そのことの先ほどからの答弁であったのであります。それからまた、しろうとという言葉を使いまして、おしかりをいただいた。まことにごもっともなことでございますから、確かにそう言われても、しろうとはしろうとでございますけれども、しかし責任は、郵政大臣として責任をもって答弁も申し上げる次第でございますが、中郵を見て参りまして、あのずいぶんと荷物もふえて参りましたが、さらに年末になりますと、あれが天井までつかえるほどの荷物になると、そのときにはこうこうこういう次第の人員でもってこういうふうにさばくのだということを目のあたり見まして、その説明を聞きまして、これはなるほど、自信を持ってさばき得るという観察をして帰ってきた次第でございます。
#40
○鈴木強君 答弁を大臣して下さいよ、私の聞いたことに対して。もっとじゃあ具体的にお尋ねいたしますが、本会議場でパーセンテージを発表された。従って、パーセンテージを発表された以上は、それはわれわれはどこの局ですかと、これは質問する権利があると思うのですよ。それに対してあなた方は答えなければならぬ義務があるわけですよ、少なくとも数字が出ているのですからね。しかし、あなた方の方では、どうしてもいましばらく猶予してくれということは、どこに問題があるのかということを具体的に私は聞きたいのですよ。要するに、そうすると非常に悪い影響をもたらして、今からやろうとすることもできなくなる、労務対策上の点を勘案してやっているのか、そのほかに理由があってやっておられるのか、その点を明確にしてくれというのですよ。
#41
○国務大臣(植竹春彦君) 御指摘の通りでございまして、数字を申し上げることは一向に差しつかえないと考えますが、局名を申し上げることをただいま御猶予願いたいと、さように申しておるのは、全く先ほど鈴木委員が言われました通り、まあ一つ、圧力という言葉はどうかと思いまするが、今うちの局で三六協定結んだぞということは、かえってきぜんたる態度で発表してほしいという局もございますれば、中には、かなり多くの局で、一つ局名だけはいましばらく、発表されるとせっかくそうやって一致結束したところへ持ってきて、また三六協定はいけないというふうな力が加わりますることは、円満に業務を遂行するゆえんでないと考えるので、いましばらく発表しないでくれと、この要望は無理からぬ要望だと存じまして、業務を遂行して参ります上においてしばらく猶予願いたい、こういうわけでございます。なお詳細は人事部長から……。
#42
○鈴木強君 大臣、そうしますとね、私は五二%の三六協定の締結によって三百万人当初臨時者を予定しておったが、これは議事録見て下さい、あなた三百万と言っているのだから。三百万人なんか要らなくて、半分の三百人もあれば足りると、あれは訂正しておいた方がいい。本会議場であなたは三百人と言っている。三百万人なんて要らない、その半分の三百人もあればやれると言っているから、これはあなたが錯覚を起こしている――それはとにかくとして、本会議場でパーセンテージを出すということは、いかにももう半数の局が締結をしているので大丈夫ですと、こういう論拠を求めようとしてやったんだと思いますが、今の経過を聞いてみますと、非常に軽率だった。少なくもパーセンテージを出せば、その局はどこですかと聞かれた場合に、これはできないということは言えないはすですよ。非常にその後考えてどうもまずいということになったんで、この委員会であえて局名を発表を避けていると思うのですがね。実際に五二%の締結があったとしても、今お聞きすると、ほとんどが特定局です。特定局はやや半数に達しているようですが、問題は普通局の七百五十局の中の百八十局だけが締結している。そうすると、これはパーセンテージとするとどのくらいになりますか、大したことはないですな。そうすると、そこが要するに郵便の集配に対しては根幹になるわけですから、そういうところが残されておれば、非常に危惧を持たれておったと思うのですが、それを何か国民に向っては、しろうとの方はわからないですから、五二%というと半分も済んじゃって、あと四八%はいくだろうと、こういう判断をあえて持たれて、楽観させるようなことを言ったのだと思いますが、逆ですよ。その内容を見ると、そこのところは、われわれ専門的に委員会を担当している者から見ると、どうも大臣の答弁が虚勢を張った答弁じゃないかと、こう理解せざるを得ないわけですね。非常に無責任な答弁ですよ。これはいろいろと今後問題もあるでしょうが、国民の心配というものは消えておらぬと見ているのです。だから非常に楽観論をとられて、組合の方に対しては、ほかも結んだんだからお前らも結べというようなことをアッピールするような答弁になっていることを、私は非常に残念に思うのですが、それよりももっと具体的に、ほんとうに三百万人用意しておられるようですが、それを使わずに済むような具体的な折衝をするとか、あるいはこういうことをやるとかというような具体策がむしろ発表されてこそしかるべきで、何か労務政策に重点を置いたような答弁というものは、国民を率直に言って惑わすことですよ。私は、あなたがああいう大みえを切って、からだをふるわせながらああいう高飛車に答弁をしたということは、私は初めてあなたのああいういたけだかな答弁を聞いたのですが、非常に聞いていた者として、ああいうことを言っていいのかなという半ば心配を持ちながらお聞きしておったわけですが、非常にそういう点からいくと、きょうのいろいろの質問を聞いておりまして、私はまだまだ安心ならぬ、こういう判断を持つわけですが、ですから前回手島委員もおっしゃったように、何とか労使の接触を保って、そうして円満にいけるようなことをあなたが考えることの方がむしろ重点ではないか、こう思って聞いたわけですが、その辺非常に軽卒ではなかったですか。
#43
○国務大臣(植竹春彦君) ただいまのお話しの通り、私たちも労使の円満な協調という点もむろん考えてもおりますし、団体交渉は今のところできないという方針ながらも、やはり全逓との間に円満な妥結をして、早く払うものは払い、批准するべきものは批准の運びに至るようにという意図をもちまして、労務対策にも当たっているのでございますが、さて、片一方の、もう一つの御質問の、実際のパーセンテージだけでもって見通しをするということは早過ぎるという意味の御質問につきましては、実際自分も中郵にも参りまして、あるいは地方の局、これはごくごく一部のことでございますから、数字的にはいかがかと存じますが、地方の情勢なども見れるところはちょっとぐらい見て参りました。そこで地方の方のことはちょっとぐらいしか見ないので申し上げられませんが、中郵につきましては、これは区分の仕方も今までとは違う方法にして、鉄郵についても今までと違って、もっと、しろうとでも、アルバイトでも、指導者をつけますれば、やっていけるような便法を考えまして、その説明を部下から求めまして、十分説明も聞き、また現場と照合しまして、その説明が大丈夫だ、なるほど、そういうふうにやっていけば絶対にやっていかれるという自信を明確に得たものでありますから、過日本会議でさように御答弁申し上げたような次第でございます。なお数字につきましては、今ここに速記録がございますが、三百万となっておりますが、あるいは私は別の行を見ているのかもしれませんが、三百人でなく三百万人動員というふうに言っております。それは単純な間違いで……。
#44
○鈴木強君 本会議の答弁ですよ、少し頭にきちゃったからああいうふうになっちゃった。
#45
○森中守義君 それで、郵政大臣にもう一つお尋ねしますが、今あなたが発表された数字からいけば、特定局がつまり四八%に当たるので、残余のものが六千四百二十、普通局が五百七十ということになります。そうするとこの六千四百二十、これよりも、また今まで結ばれている普通局の百八十よりも、一番重要な五百七十という中央郵便局、鉄道郵便局初め統括局が入っておる、これが結ばれなければ、三十六条に規定をする、年賀郵便の完配ということには私はならぬと思う。どう思いますか。大臣、あなたはいろいろ事務当局からお聞きになって……。ちょっとお待ちなさい。うろ覚えで、それで団交を拒否するのだ、国会の中でもとにかく高飛車に出て、完配できる、できると言えばいいという先入観で答弁をされているから、一つも具体的に内容がほぐれていかない。だから専門家の、うしろに郵務局長、遊びにきているのではないのだから、郵務局長から事業の実態を中心にして御答弁をいただいて、それで大臣がそういうことを判断をして、最後にあなたに聞くようにしましょう。その方が委員会の運営上いいようだ、あなたを相手にして聞いても意味がない。
#46
○国務大臣(植竹春彦君) それは御質問者のお気持で御質問願うといたしましても、ただいま実はちょっと答弁の材料を計算しておりましたので、お言葉をちょっとキャッチしにくかったものですからちょっと隣りに聞いたのですが、もう一ぺん御質問を……。
#47
○森中守義君 けっこうですよ。あなたにいろいろ聞いてみても、あなた自身がしろうとでわからぬとおっしゃっておる通り、それでとにかく、どこでおきめになっているのか知らぬけれども、委員会で問われても、団交には応じませんということと、年賀を完配いたしますという、それだけを答えればいいんだ、それ以外にあなたの頭の中にないようだから、そういうとにかく野党委員の質問に対して否定をさえすればいいという、そういう答弁だから意味がない。だからもう少し私どもは問題を具体的に消化したいと思うから、責任局長である郵務局長にいろいろ聞くようにいたします。郵務局長の答弁されたことをよく理解されて、そのあとであなたに最後に聞くようにしますから……。今の質問は郵務局長お聞きになっているでしょう、それでお答えになったあとであなたに聞くことにいたしましょう。
#48
○説明員(板野学君) ただいま先生のおっしゃいました通り、重要な郵便局というものはまさしく一番かなめをなすものでございまして、ここで仕事がうまくできなければなかなか全体の業務はうまくいかないというようなことは、これはおっしゃる通りでございます。私どもといたしましては、ただいま大臣がお話しになりましたように、これらの局につきましても、できるだけ三六協定が結ばれるように現在私どももいろいろ苦労いたしておるわけでございます。だんだんこういう方面も出てくるのではないかという一つの見方、それから万一どうしてもそういう局が結ばれぬというようなことに対しましては、前回から申し上げますように非常勤の動員、その他の施策等、ただいま万全の策を講じておる次第でございまして、それによりまして年賀の業務を円満に一つやりたい、こういう気持で努力をいたしておる次第でございます。
#49
○森中守義君 それで郵務局長の今の御答弁で大体はっきりしましたが、残っている普通郵便局の中央郵便局、鉄道郵便局、これを含めた五百七十の三六協定ができなければ実質的にむずかしい、こういうように受け取ってよいのですね、郵務局長。
#50
○説明員(板野学君) 三六協定がそういう局で結ばれればなおよろしい。しかし万一結ばれぬというようなことがございましても、私どもは、非常勤その他によりまして万全の策を講じてこの業務が円満にいくように現在最大の努力を傾けておる次第でございます。
#51
○森中守義君 それで問題の所在が非常に明らかになりました。結局今の郵務局長の答弁で、大臣が言われる五二%を、何もかにもぶち込んで宣伝をしているようであるけれども、これではほんとうに年賀の完配はできぬという結論が生まれてきた。そこで、では残余の四八%、中でも五百七十が根幹をなす郵便事業の事業所であるとするならば、これに三六を結んでいこう、こういうお話のようであるけれども、私はその中に三六を締結させるために、不当労働行為という、こういうような問題が、今郵政の労務対策あるいは三六協定締結の措置として行なわれているように思うのであります。この点、そういう措置をおとりになったような覚えはありませんか。これは人事部長及び郵務局長、お二人からおのおのお答えをいただきたいと思います。
#52
○政府委員(佐方信博君) 三六協定をぜひ結んでほしいということで個々の郵便局で当該――組合があるところはもちろん組合でございますが、話をしております。そのことにつきまして、何か不当労働行為があるということにつきましては、私としてはちょっと心当たりはございません。
#53
○説明員(板野学君) ただいま人事部長が御答弁しました通りでございます。私ども心当たりはございません。
#54
○森中守義君 それでは具体的にその問題をお尋ねしておきますが、公労法適用外の職員、つまり管理者ですね、こういうようなことを決定をして、各機関に通達する方法及びその検討は、どういうところで行なっておりますか。あるいは地方機関にそういうような、だれそれは、こういう職種の人は、適用外職員に置いてもよろしいというような権限を付与したことがありますか。
#55
○政府委員(佐方信博君) ということは、労働省のいわゆる告示で非組合員にした問題でございましょうか。
#56
○森中守義君 その通り。
#57
○政府委員(佐方信博君) それは労働省と話をいたしまして、そして公労委の議決を得まして告示したので、昨年非組合員をふやしたことはございます。それははっきりいたしておると思います。
#58
○森中守義君 そういうようなことであればけっこうなんです。ところが適用外職員を除外するという通知は、今言われる労働省に相談したり、あるいは公労委に相談するようなことはないのですか。
#59
○政府委員(佐方信博君) 適用外職員の除外というのはちょっと私わかりかねますが、どういうことですか。
#60
○森中守義君 こういうことですよ、要するに今までさっき言われた通達によって労働省や委員会等に相談をされて公示をされた。そのあとで今までその通達によって管理者になっていた人たちを管理者から除外する、つまり公労法適用職員でよろしいという、こういう措置をとる場合には、いかなる方法によって行なわれておるか、こう聞いておるのです。
#61
○政府委員(佐方信博君) 結局個々の人間につきまして告示を出しまして、あなたはこれに該当しておるから、これは公労法の適用を受けない人間だと、こういう辞令を出して本人には知らしております。それから逆におっしゃったように公労法適用外の職員をさらに公労法適用の職員にするというのは、普通の場合にはちょっと考えられないのでございますけれども、あるいはたとえば機密の人事を取り扱っておった人を今度は業務関係の仕事に移しますと、この人は適用外になります。そういうときには個々の辞令を用いてやっている、こういうふうに承知しております。
#62
○森中守義君 それではっきりしました。結局三六締結をさせるために、今まで適用外職員として指定していた人をこれをはずしてしまったわけですよ。その事例が東京郵政局に一つある。東京郵政局長が九月二十六日まる秘の文書として中野郵便局の会計主事に、郵政局長名でなくて、これは東京の人事部長名らしい、東京郵政局の人事部長がまる秘扱いの文書で中野郵便局の会計主事にあてて、君は今から公労法適用外職員に置く、こういう解除の文書を出しております。それまではそういう事情でありますが、そうしてその人間が局長と相談して、新しい組合を作って、それで委員長になった。委員長になったとたんに三六協定を結び、しかも東京郵政局に交渉に行っている。こういう事情が明らかになっております。明らかにこれは不当労働行為という客観性を私は備えていると思うのです。それが一つ。もう一つ、不当労働行為であるというのは、今まで郵政省と全逓がお約束になっている交渉単位あるいは方式は、地方木部対郵政局長―郵政局である。外事業所の長とその支部の支部長が交渉をやっている。もし郵政局にやる場合は、地方本部が中心になって各支部等がそれに対する説明員という、こういう方式が約束されている。これは明らかに約束事であり、かつまた一つの労働慣行であろうとこう思うのです。しかるに中野の場合は、特別に固有の名前を指名をして、公労法適用外の職員にし、組合を作らし、しかも郵便局長が一緒に東京郵政局に交渉に連れていっている。これは明らかに不当労働行為である。実体的にも客観的にもそういう性質を私は帯びていると思うのです。だから全逓との約束でない、新しくできた組合との約束は別問題だという、そういう不定見な労使の慣行というものはこれは私はあり得ないと思う。こういう事実が現在東京都内にある。従って先刻大臣が四八%のものも漸次三六を締結させていくのだ、そういう話を進めるという中において、明らかに不当労働行為的なやり方をするとするならば、これは私はゆゆしい問題である。従って残余の四八%の三六の締結にあたって、今申し上げた一つの顕著な事例からしても、不当労働行為の事実が私は全国的に存在するのじゃないかと思うのです。今東京郵政局の事例を申し上げましたが、これは大臣あるいは人事部長、事務次官等の指令によるものであるかどうか、その点も明確にあわせながら御答弁をいただいておきたい。
#63
○政府委員(佐方信博君) 中野郵便局の問題につきましては、実は全く初耳でありますが、ただ私が一般的な雰囲気として感じますことは、中野郵便局は非常に混乱をいたしまして、そのときに中野の中でいわゆるこれに対する批判分子があるときに、全逓を脱退せしめた方がいいのかどうかというような議論はあまり、全然いたしておりません。いわんや第二組合を作った方がいいんだと、これはもちろん、当然組合自体の問題でございますから、形式的にも実体的にも関係ないことでございますけれども、ただ、いろいろ話し合いをわれわれいたしましたときに、中野の組合の情報はどうだろうか、だいぶ批判分子もあるのだ、そういうときに、東京郵政の場合、第二組合を作った方がいいぞという議論をいたしたことは別にございません。従って、そういう特別の意図のもとに東京がやったものと私は考えませんけれども、ただそういう辞令を出したということの事実を、私は確かめておりませんので、これはよく東京郵政局と相談をして、東京郵政の事情を聞き合わせてみたいと思うのです。
 それから、こういうような、何か人を動かしてそういうことをやらせるとか、組合の分裂をはかるとか、そういうことに関しましては、もちろん大臣からもお話もございませんし、私たちも当然そういうことの指図をする気持もございませんし、そういたしたことは一度もございません。
#64
○森中守義君 大臣や次官、あるいは人事部長等がそういう指図をしたことがない。私はそれを正直に受け取っておきましょう。ただし実際問題として、あなた方の下級機関である郵政局、あるいは現場の局がこういう事例をやっておるということは、これは事実でもって消すことはできない。だから今私は佐方人事部長の答弁にほしかったのは、あなた方がそういうことを指導したり了承を与えたということがないとするならば、これは明らかにいいとはあなたもおっしゃっていない。また、そういうことをやらすべきでもないという御意思のようでありますから、即刻この問題については実情を調査される御意思があるかどうか。また全国的にこの種の動きがあるとするならば、これに対してどういう措置をおとりになろうとするか。少なくとも中野の事例からして、いやしくも不当労働行為をあえて侵犯してまでも三六を締結させるようなことまではおやりにならぬと思うけれども、その辺の統一ある郵政省の見解をお述べいただいて、またその見解の上に立って差し迫っている残余の四八%の三六締結に遺憾のないような――私は三六を結べと、そういうことじゃない。各事業所単位ごとに結べるかどうかというこの論議はまたあとにしますが、とりあえず現状を今見詰めながらの質問ですから、そのおつもりでお聞きいただきたいのですが、要するに、かりに大臣が言われる四八%、これから期待を持つとするならば、不当労働行為的なものもあえて犯しながらやるのでないというようなことを明確に一つ御答弁をいただいておきたいと思います。
#65
○政府委員(佐方信博君) 中野の問題につきましては、先ほどお答えいたしましたように、私初耳でございますので、東京郵政局のそういう実態につきまして、東京郵政局についてよく調査をいたしたいと思います。それから、そのほかのところにつきましては、私は何らそういうことは関知いたしておりませんので、問題がございますれば、各郵政局に問い合わせてみたいと思います。
 それから三六協定の締結につきましては、これは仕事をやっていくために一番大事なことでございますけれども、当然不当労働行為等をやると、そういうことは考えておりませんし、そういう指導もいたしておりません。
#66
○国務大臣(植竹春彦君) 私もその報告に接しておりませんので、その御指摘ありましたからには、調査をいたさせますし、また不当労働行為はむろんのこと、あってはならないと考えますので、そういうことのないように指導いたして参ります。
#67
○森中守義君 大体今の不当の問題で一区切りをつけまして、もう一つ聞いておきますが、信書の秘密は侵されていないあるいは侵されないように指導する、こういう答弁が在来しばしばありまして、その限りについては安心をしておりました。ところが明らかに信書の秘密が侵されているという事実が発覚した。それは、これも中野の郵便局。非常勤の配達人が持ち帰って、それを今度ほんとうの、正規の職員が持っていった。それで浅野フミ子という人ですが、そのお宅は非常に大きな家で、中野に長く住んでいる人だそうです。そのお家に届けた。届けるときに、どうも手ざわりが悪いものだから、あて人に了解を求めながら、ちょっとおかしいと思いますから、あけてよろしゅうございますかと言ってあけてみた。ところが出てきたのはこういうものです。全然正当なあて人以外の人、しかも、これはおのおの名前が違う。こういう状態、これは八通入っていたそうです。こういうものが入っている。それでびっくりして、実は「家庭信販」という新聞ですから、これはちょうだいしてよろしゅうございましょうかと言ったら、お持ち下さいと言ったので持ち帰った。そうしてこの中に入っているおのおの名前の違う人の家にもそれぞれ届けて、みんなはがきですから、先方がお読みになってから、これも何かのためにというのでもらってきておる。全部、差し上げてよろしいという承認印が押してあります。よろしいですか、これはもうほんとうに原形のままです。八通というのが、三通はもらえなかったというので、その分は入っておりません。そうして帯をかけて持って帰った。明らかにこれは信書の秘密を侵したという事実だ。幸いにして、第三者は読んでいないから、信書の秘密が侵されてはいないとはいうものの、一体こういうやり方が今まで答弁の中から言われますか。たまたま、あまりにも問題が重要なものですから、これは国会の方に届けてもらった。これは郵政大臣、このくらい大混乱をしているのですよ。おそらくアルバイトの低学年の学生は、そういう知識がない、あるいはあるのか、ないのか知らないけれども、もうめんどくさいというので、全然違った家に、一人々々違う家に、八通もの郵便を一緒にぶち込んで配達しているという事実をどうしますか。これで信書の秘密が守れると言えますか。あるいは間違いなく正確に所定の期日までに届けられるという大臣の答弁でありましたが、そういうことに対してどう思いますか。
#68
○国務大臣(植竹春彦君) これは初めて伺うことでございますので、さっそく監察官をして調査いたさせましてそれからお答え申し上げたいと思います。
#69
○森中守義君 大臣、これは監察官を派遣されて、速急に御調査いただきたい。しかし、問題は、そういう行為を行なった低学年の学生については、処分の方法がないということをあなた方はこの前からおっしゃっておる。結局学生のアルバイトを使うことがいいか悪いかという問題である。町内会の皆さん方に御協力をいただくことが、はたして事業の正常な運行のためになるかどうかという問題。監察官を派遣して調査の結果、低学年の学生がそれをやったということの場合、どういう措置をとるか。とったからといって正規の職員じゃありませんよ。むしろ、その場合の責任をとるというならば、係の課長であろうし局長でなければならないと思う。どうですか。
#70
○国務大臣(植竹春彦君) この具体的なただいまの御指摘の問題につきましては、調査いたしましてから、具体的な事実に基づきまして、その処置を御答弁申し上げたいと存じますが、概括的に申し上げまして、低学年、年のいかない者の場合に、処分をしないと申し上げたのではなくて、私の、自分の答弁申し上げたことを記憶しておりまする範囲では、処分に重点を置きますよりは、指導と訓練とに重点を置いて業務を遂行していく、その方針を御答弁申し上げたという記憶でございます。それから、それならばもしその指導と訓練にもかかわらず、郵便法から見まして犯罪の行なわれたような場合には、低年者の場合は、これは少年法等に照らしまして、その法律に基づいた処置をするという意味の答弁を事務当局から申し上げたと、さように記憶いたしております。また、その通りにいたしたいと存じます。
#71
○須藤五郎君 関連。この問題は私もこの前質問したのですが、郵便法があり、信書の秘密を守る法律があるということは、信書を尊重するという精神の上で私はできている法律だと思うのですよ。それをそういう法律で処罰することのできないような少年を使うということは、私はやはり間違いだと思う。根本的に間違いだと思うのですよ。やはりあなたたちが信書の秘密、それから郵便法を尊重していない一つの表われだと私たちはそう思うのです。青少年をアルバイトに使うことは、やはり郵便などの事業には私は不適当だ、結果的に私はそういうふうに考えているのですが、それを反省なく、今後も労働組合のストライキ破りのためや、そういうために、責任のない少年を、郵便物を配るというような重大な仕事に私は使うこと、やはりやめるべきだ、こう考えますが、大臣はその点どういうふうに考えていらっしゃいますか。
#72
○国務大臣(植竹春彦君) それは全く労働組合との正常化が行なわれまして、すみやかに専門とする組合員によりまして、この業務の専門者によって円滑に行なわれていくように努める所存でございまするし、しかし、万が一にも現在のようなはなはだ残念な情勢をかもし出してしまいましたときには、このときといえども、できるだけ須藤委員の御趣旨のように、年少者でない者を使用いたしたいと存じますけれども、何分にも急激なことでございますので、年少者の入ることは、遺憾ながら今日の事態を収拾して参りますためにはいたし方がないとは考えますが、しかし御趣旨のほどはよくわかりますので、そういったような御趣旨のもとに、またその御趣旨がすなわち私たちの趣旨でもございますので、その精神に沿うた方針でもって運営いたして参りたい所存でございます。
#73
○須藤五郎君 被害を受けるのは国民なんですよ。そうしてそういう国民に被害を与えている原因はやはり政府の行政措置にあると思うのです。ですから政府のそういう間違ったやり方によって受けた国民の被害は、やはり政府当局が私は受けなくちゃいかぬと思うのですよ。それをやらしておる、法的な責任のない少年たちに負わしてしまって、そうして法の外にそういう人たちを追いやって、そうして国民には被害を与えている。責任のあるところは、政府は子供がやったのだからというようなことで逃げてしまう、そういうことでは、私はやはりこれは解決のできない問題である。やはり責任は当局がとるべきです。それをやらした本人が責任を感じていかなければならない。その責任の感じ方が鈍いから結局こういうことがいつまでも続くんだろうと思うんですよ。だから、やはり大臣はそういうところに責任を感じられて 一刻も早く労働組合との対立を解消して、労働組合との話し合いをすることによって、国民にこういう被害を与えていることを解消するように私は努力すべきだと、こう考えます。
#74
○森中守義君 今私はその信書の秘密が侵された事実を実例をもって申し上げたんですが、何もそのことを責めただけではない。その点一つ誤解のないようにしていただきたい。また、三十六条協定の問題も同様の趣旨です。結局三十六の問題で残っている四八%、その中に含まれている五百七十の普通郵便局、ことに七つの中央郵便局や鉄道郵便局が三十六条を締結しない限り、いかに群小の無集配郵便局や特定郵便局が三十六を締結しても、これは年賀郵便は絶対だめだ。そうなれば容易に五百七十の普通郵便局は、今のような郵政省対全逓という関係においては、これは私は締結の可能性があるとは思わない。そうすると混乱は、いかに五二%が六〇%になったにしても、七〇%になったにしても、ただ締結をした数がふえたというだけにすぎないのであって、実体は郵便物の混乱は避けがたいということである。従ってそういう事実をもう少し深く検討を加えて、やはり全逓と正常な状態をすみやかに結ぶ、これ以外に私は年末収拾の対策はない、これが言いたかった。
 またもう一つの、今申し上げた信書の秘密が侵されたという事実、それに不当労働行為があったという事実は、いずれも三百万の人間を動員してみたり、七億という膨大な国家予算を入れてみても、大臣がきわめて高い姿勢で全逓と対決をする、団交の意思はない、年賀を完配するというのは、まことに無謀な暴挙である、国民の期待に沿うものではない。このことを私は実は言うために、信書の秘密が侵された事実や不当労働行為があるという、あるいはそれに値いする疑いがあるという今の問題をあげてみたり、三十六の締結の状況を聞きたかったのである。ちょうど午前中はもう私これで終わりますが、午後今の問題について野上委員も用意があるようですし、また私も今の結論を一つの基調にしていま少し論及したいこともありますから、その辺特に一つ大臣の正確なる判断を午後は用意されるようにお願いをしておきたいと思います。
#75
○委員長(柴田栄君) それでは午前中は本件に関してはこの程度にいたし、休憩いたします。午後は一時半から再開いたします。
   午後零時三十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時六分開会
#76
○委員長(柴田栄君) ただいまから再開いたします。
 お諮りいたしますが、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、参考人として、アジア通信協力会理事長近藤儀一君の御出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔[「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 よって出席要求その他の手続等については、委員長に御一任を願います。
  ―――――――――――――
#78
○委員長(柴田栄君) 午前中に引き続いて御質疑のある方は順次御発言を願います。
#79
○野上元君 最近における郵便物の配達の状況について、なおそれに関連して二、三質問をしたいと思うのですが、郵政当局は静岡郵便局を中心として起こっておる非常勤の郵便法違反問題について御承知でしょうか。
#80
○説明員(板野学君) あらかたの大体報告だけは受けております。
#81
○野上元君 今回起こった事件の内容を見てみますと、大体商店の従業員を非常勤に雇って、それに郵便を配達させる、こういうことになっているようですが、この場合非常勤に採用したということは、身分上どういうふうになるのですか。
#82
○説明員(板野学君) これは職員と同じような任命でございまするから、同じような関係になるわけでございます。
#83
○野上元君 そうすると身分は国家公務員になると、こういうことですか。
#84
○説明員(板野学君) 国家公務員そのものではなくて、国家公務員と同じようないろいろな制約と申しますか、そういうものを受ける、こういうことでございます。
#85
○野上元君 同じ条件のもとでパートー・タイマーの場合は、どういうふうになるのですか。
#86
○説明員(板野学君) その者が郵政事業に携わっている限り、やはり公務員と同じように、いろいろな制約をされることになる義務が生ずる、こういうことになります。
#87
○野上元君 そうするとパート・タイマーの場合には、はっきりと勤務時間が明示されるのか、それとも雇われたパート・タイマーの都合のいい時間の、いつでもいいというふうに契約されるのか、どういうことになるんですか。
#88
○説明員(板野学君) その人々によって違いまするけれども、時間はきょうは何時間という工合にきまるわけでございます。
#89
○野上元君 パート・タイマーですから、当然その日に一時間なら一時間、二時間なら二時間というふうに限られることは、これは当然だと思うんですが、それを拘束する時間まで契約するわけですか。
#90
○説明員(板野学君) それは場合によってはいろいろあると思いますが、大体配達の時間は、そうおそくなってはいけませんから、あるいは三時ごろに来たものは夕方の六時ごろとか、あるいは二時ごろに来れば大体夕方の六時とか七時とか、そのような見当でそういう時間ということになると思います。
#91
○野上元君 この記事に書かれておる内容が事実とすれば、この雇われた非常勤が、郵便局から、その日自分が配達すべき郵便物を商店に持って帰ってそうして自分が配達せずに、隣組長を集めて配達せしめたということが載っておるが、これが事実とすれば、どういうことになるわけですか。
#92
○説明員(板野学君) その辺の詳細なことにつきましては、私まだ報告を受けておりませんが、かりに自分が配達せずして、他の人に配達させたということになれば、やはり契約と申しますか、その仕事の内容によりますが、違反ということになると思います。
#93
○野上元君 そうすると、郵便法できめられておる罰則は、この人に当然課せられるわけですか。
#94
○説明員(板野学君) 具体的詳細な内容は、私どもわかっておりませんので、ただいまおそらく監察からも行きまして調査しておると思いますが、これは事案々々、ケースによっていろいろな解釈が出ると思いますが、私どもその具体的なことがまだわかりませんので、ここではちょっと返答いたしかねる次第であります。
#95
○野上元君 私も確定したことを聞いているわけじゃないので、仮定のことであって、この新聞の記事を読んでも、目下監察局が慎重に調査中である、こういうことになっておりますが、もしも事実であるとするならば、どういう罪に問われるのかを聞いておるわけです。
#96
○説明員(板野学君) これが郵便法に、いわゆる七十九条の規定ですか、それに該当するかどうか、これは故意に遅延せしめたかどうかということの判定というものが、非常にむずかしいケースでございまして、こういう点につきまして、私どもは法規的に抽象的には申し上げられると思いまするが、これが故意であるかどうかということは、非常に問題になるかと思いますので、ちょっとここでは、私どもはいかようになるかということを御返事いたしかねるわけでございます。
#97
○野上元君 こういうふうに商店に雇用されておる者が、同時に非常勤に採用された場合に、商店主の命令と郵便局の命令と、どちらを優先的にやるべきなんですか。
#98
○説明員(板野学君) もちろん、その雇用されておる時間内におきましては、郵便局の命令通りにやるということが本則だと思います。
#99
○野上元君 そうすると、これも仮定のことになりますが、この記事で見ますると、郵便物を商店に持って帰っただけで、それを放置しておいて、みずからは商店の業務の方に専念をしておったということが書かれておるが、これもそうすると、やはり郵便法七十九条違反の対象になるのかどうか。
#100
○説明員(板野学君) この場合は、故意にそうしたのかどうかということが、非常に問題点になると思いますが、ただそれだけの事実だけでは、郵便法の対象にならない。これはまだ私の方はよくケースがわかりませんけれども、それだけでは、ただそこで置いておったということだけでは、七十九条の問題にはならないように考えます。
#101
○野上元君 確かに故意かどうかの問題については、非常に私判定がむずかしいと考えますが、とにかく商店にも雇用されておるという人が、臨時雇いとして採用されて、郵便物を処理するという場合には、商店の主というか、商店主の命令もこれは聞かなければならぬし、郵便局の方の仕事もやらなければならぬ、こういうことになるので、本人に故意はなくても、商店主の方から、きょうは忙しいからこの仕事を先にやれと言われた場合に、本人としては、これを断わるわけにいかない。従って、郵便物を放置されたまま、もっぱら商店の仕事をやって、郵便物の配達をおくらせてしまった、こういう事態になった場合に、それでは、その郵便物がおくれた罪というものは一体どこにあるのか、だれが郵便遅配の責任を負うことになるのか、商店主なのか、あるいはまた、そういう人を採用した郵便局にあるのか、本人に故意がない場合に、どう責任をとるのか、この点を一つ明らかにしてもらいたい。
#102
○説明員(板野学君) どうも問題が、非常にいろんな面で詳細にその事実を調査しなければならぬかと思いますが、郵便局長といたしましては、この者が大体その業務に従事するに適しておるということで任命をいたした次第でございまするし、また、商店主といたしまして、かりに故意にそのものを留め置いて、配達をさせずにおいて、そうして、そういう問題が起きるというときには、七十九条の問題になるかと思います。故意に、あるいはこれは、従事員――非常勤者と商店主の間が、法律上共同正犯とかそういう関係になるかどうかということは、これはなかなかむずかしい関係でございますけれども、これは故意、ことさらにこういう問題が起きたという場合には、そういうことをした人の方が罪になるというように考えます。
#103
○野上元君 そうすると、故意というものが作用しなければ、郵便物の遅配についての責任は問われない、こういうことになるわけですか。
#104
○説明員(板野学君) 私どもはそのように考えます。
#105
○鈴木強君 ある商店に雇われている人を臨時職員に使うということが、私は無理があると思うのです。その場合には、あらかじめ店主、主人に了承していただいて、これこれ、これは時間通りにこう配達するという話し合いがあってやられたかどうか、そういう点はわかりませんが、いずれにしても、一般の商店に勤めている店員さんを臨時雇いで雇うというところにもうもともと無理があったんじゃないですか。そういう雇い方をするから、今言ったようないろいろな問題が出てくると思うのですがね。それらの任命の基準といいますか、任命の方法、採用の方法、そういうものはどうなっているんですか。結局私はそんな店員を臨時に頼むというところに無理があると思うのですがね。それはもう明らかに採用のときにミスがあったということになるんじゃないですか。
#106
○説明員(板野学君) もちろん採用にあたりましては、その人が十分こういうような仕事に耐え得るかどうか、またその人の能力、人物等も見まして雇うわけであります。商店員といたしましても、これは、そのときはからだがあいておる。あるいは休みに当たるというようなこと、あるいはその時間は自由であるというような場合には、これはそういう能力その他があれば、もちろん雇っていいのじゃないか。もちろんこれは、ほんの臨時でございますから、そういうこともできるというふうに考える次第でございます。
#107
○鈴木強君 非常に皆さんは臨時者だから、簡単にものを考えておるようなんですが、大体商店に勤めておるとすれば、そこが本業ですから、ですから今野上委員の御指摘になっているように、かりに主人との間にそういう約束が、了解があったか、これは私知りませんけれども、あったとしても、実際にあなたの言っているように、実際おくれたその責任というものを、雇い主である主人が責任を負わなければならぬかどうかということは、相当問題があるのじゃないかと私は思うのですがね。非常に簡単にあなた言われているのですが、そういう点は間違いないのですか。明らかにおくらせたのはその臨時者個人ですから、その人がかりにどういう話をしておったか知りませんけれども、郵便物の配達をしなかったということは、任命されているその臨時者個人でしょう。それが関連をして主人にまで七十九条の罰則が適用されるということでいいのですか、それは。
#108
○説明員(板野学君) これは先ほど申し上げましたように、そのときのいろんな事情が私どもにわかっておりませんから、これは具体的ケースとしてこうだということは、私どもここで現在お答えできない次第でありまするが、かりにほんとうにこれは故意に七十九条の構成要件を満たすという事実がありますれば、もちろんこれは七十九条の違反になると存じます。
#109
○鈴木強君 これは仮定の話ですから、ちょっと私もあまり追及できないし、あなたの方も確たる返事はできないと思うのですが、大体僕が最初から言っているように、店員を臨時雇いにするというところに無理があるのではないかということを私は言うのですよ。かりに郵便局長が大丈夫だなという話をしてやりますと、こう言っておっても、雇い人と店主との間の関係はどこまで調べておられたか、これも疑問があると思うのですよ。そういうことは第三者の介入というか、主人そのものはですね。だからあなた方は雇うのは臨時者を雇うということになるのですから、その人が現実に郵便を遅配したということになる。七十九条の違反行為を犯したと僕は判断するのですがね。そういう点がはっきり今の段階ではつかめておらないでしょう。必ずしも郵便局長が絶対間違いないということも言えぬでしょう。もしその間の経緯が不明確であって、局長が主人のところまで行って了承を得ておるかどうか、そういうところまでわからぬでしょう。だから、私は当事者がやっぱり責任を負うという態勢になる。それには局長も含めてそういうミスがあれば、当然局長だって処分されるでしょう。
#110
○説明員(板野学君) 具体的のことが詳細にわかっておりませんので、ここでは明らかにお話を御説明申し上げることはできませんから、一つ御了承願います。
#111
○鈴木強君 こういうのですよ。要するに局長がもし主人と直接お会いをして、大丈夫、臨時雇いにする場合に、臨時であってもその命ぜられた業務をやりますと、こういう約束をしておったが、もしかりにそういう点が不明確である場合ですよ、局長が本人自体に会って、その条件を伺って、そして任命したとすれば、雇った臨時者と主人の間は局長にはわからぬわけでしょう。任命した人自体が、そういう店員を雇う場合に、手続上手落ちがあったということになれば、これは局長の処罰になるわけでしょう。そういう具体的な問題ですよ。
#112
○説明員(板野学君) そういう場合が実際に――まあ抽象的に郵便局長がある臨時の人を雇った、ところがその者は素行が非常に悪くて、そしてある犯罪を犯した。まあこういうようなケースではないかと思いますが、そういう場合に、もし局長が事前に、こういうのは悪いことをするというようなことが明らかにわかったという場合と、なかなかそれが推定しにくい場合と、いろいろこれまたケースがあるわけでございまするが、明らかにこれはどうも非常に悪い人間を雇ったというようなことがあれば、これはもちろん監督者としてのどの程度の責任があるか、これは、はっきりは具体的ケースによってきまると思いますが、そういうことになるだろうと思います。
#113
○野上元君 一般の非常勤を採用した場合、パート・タイマーでない非常勤を採用した場合、その非常勤は他に兼業を持つことはできるのですか。
#114
○政府委員(佐方信博君) それは国家公務員の場合の一般職の人と同じでございまして、報酬を得て他の仕事に従事するときは所属の長の許可を必要といたします。
#115
○野上元君 パバート・タイマーの場合には、それは全然適用がないのですか。
#116
○政府委員(佐方信博君) 厳格に解釈しますと、パート・タイマーといえどもやはり国家公務員という資格を持っておるわけでございますから、その適用があるわけでございます。
#117
○野上元君 そうすると、この場合における問題は、明らかに商店に雇用されておる者を臨時に雇って、しかも両方から報酬を受けている、こういうことに結果的になるわけですが、そうすると、明らかにこれは国家公務員法に違反すると、こういうことになりますか。
#118
○政府委員(佐方信博君) この問題は非常に特殊な、ごく繁忙期の一時の問題でございますので、そこまで追及する問題かどうかという判定の問題でございます。
#119
○野上元君 私は、郵便物を扱う者がパート・タイマーであろうが、一般の非常勤であろうが、雇われたということは、やはり国家公務員と同等の待遇をしなければならぬ、取り扱いをしなければならぬ、こういうふうに考えるわけであって、今回は特別のケースだというようなことで不問に付してしまうということがはたして許されるかどうか、その点非常に疑問に思うのだが、当局はどういうふうに解釈されておるか。
#120
○政府委員(佐方信博君) このことにつきましては、かねてより注意もいたしておりますので、当然一般職の勤務状況につきましては、兼職するとか、あるいは報酬、手当等につきましては、本来の仕事に差しつかえないという認定がついた場合に、所属長が許可をするという規定になっておるわけでございます。従いまして、厳格にこういうことは適用しておることだと思います。ただ、おそらく静岡の場合には、非常に混乱して数日来たまっておりますために、いろいろな人を集めまして、何とかしてこれをはかしたいということでやったためにそういう問題が起こったのではないかと思いますので、厳格な筋から見ますと、あくまで法の精神は立てていかなければならない、こういうふうに考えます。
#121
○野上元君 そうすると、現業の局長に大体その認定がまかされておるということになるわけですから、今回の場合は結果としてこの新聞記事の通りの状態が起きたということになると、これは明らかに現業の局長がその認定を誤った、こういうことになろうかと思うのですが、そうすると、その局長の責任が追及さるべきだと思うが、その点はどうなんですか。
#122
○政府委員(佐方信博君) 先ほど郵務局長がお答えいたしておりますけれども、詳細に調べなければわかりませんが、私としまして考えますならば、とにかく、郵便局長は非常にうまくやったということにはこれはならないのでありまして、責任は当然あると思います。ただし、静岡みたいな大きな局になりまして、郵便局長が一々非常勤を雇いますときに、雇い主まで話に行くかどうかということになりますと、それは当該の郵便課の人、それから課長、そういう段階がいろいろあると思いますので、監督上の責任、現実に雇用契約に行った人、そういうことの段階によってその差はついてくると思いますけれども、郵便局長に全然責任がないというふうには考えられないわけであります。
#123
○野上元君 それでは角度を変えますが、この非常勤の場合には、郵便局へ朝出て、そうして何千通かの郵便物を持って商店に帰った。そうして、そこで各組長を呼んでそれに配らした、こういうことになっておるわけです。それで、その郵便物がまた持ち戻られたものが、その商店の中にまた保管されておった、こういうことになるわけです。そうすると、この商店が郵便局の出張所か取り扱い所と、こういうことになっておるわけですが、そういうことは許されるものかどうか。
#124
○説明員(板野学君) これは必ず郵便局までみな持ち帰るというのが本則でございます。ただし、その持ち戻って、ちょっと置いて、それからすぐ持ち帰るというような気持でおったのか、あるいはそのまま置いておこうという気持であったのか、その点まだ私どもはっきりくわしいことをつかんでおりません。
#125
○野上元君 ここに新聞の写真が出ておるわけですが、無人の部屋に郵便物が放置されて、とにかく何時間かあったと、そして現実にこれは夜を越したというようなことになれば、これは重大な問題だと思うわけです。信書の秘密等から見ても、あるいはまた郵便物の確実な配達という点から見ても、これは重大な問題になると思うのだが、そういう事実があった場合に、あなた方はどういう措置をとられるか。
#126
○説明員(板野学君) これはその仕事に従事する限り、公務員としてのやはり同様な義務があるわけでございますから、その公務員としての義務を怠ったということに私はなると思います。
#127
○野上元君 私心配するのは、この前も質疑応答がかわされたわけですが、とにかく非常勤の自宅に持っていっても、それは見方によっては、郵便物を迅速に配達するために必要ならばやむを得ない、こういう答弁が当局からなされました。そういうことをやっておるから、こういう問題がどんどん起こってくるというふうに私は考えるわけです。これについて、あなた方の方は統一した見解をもって現場の局長を指導される意思はあるのかないのか、聞いておきたい。
#128
○説明員(板野学君) ただいままでの東京都内でいわゆる集配所と申しまするか、そこで一時受け渡しをしまして、これをやる場合には、はっきりそういう指定をいたします。また郵便局から直接に配達するものは郵便局に、持ち戻りのあるものは郵便局に持って帰るように、はっきり私どもはこの点を指示をしてやらしておるというふうに考えております。
#129
○野上元君 いずれにしてもこの問題はきわめて重要な問題になろうかと考えますので、次の機会に具体的に質問したいと思いますので、当局としてもすみやかに実情を調査されて、私が質問することに的確に答えられるような準備を一つしておいてもらいたいと思います。
 それからこの問題について、監察支局というのがありますね、静岡市内に。その監察支局に、こういう事実があるので、これは郵便法違反になるおそれがあるからということで、告発されておりますが、その告発を受けた監察当局が、いち早く郵便局の責任者に問い合わして、そしてその事情を聞いておるというふうになっておりますが、それは監察官としては、そういう一方的なやり方をやることは許されないんじゃないかというように考えるが、その点はどうですか。直接現場に行って事実を調べるのが監察官の任務じゃないかと思うが、その点はどうですか。
#130
○国務大臣(植竹春彦君) この点ははたしてこの本人が非常勤であったかどうかを確かめるために問い合わせたそうでありますけれども、しかし今お話しの通りに監察官としては行動するのが当然のことと存じます。
#131
○野上元君 これは一般の刑事事件とは違いますから、それほど厳格に私は追及しばせんが、監察官といえども司法警察員です。従って事件が起きた場合には、その事件を的確に判断し、そして結論を下すのが任務だと思うのです。一方の当事者の方に、こういう告発があったから用心しろということをかりに通告したとするならば、それは明らかに監察官の職権乱用である、こういうふうに私は考えるのだが、大臣御意見はどうですか。
#132
○国務大臣(植竹春彦君) ただいま申し上げましたように、非常勤として正規に採用したかどうかの調べだけで参りましたので、時期のことは郵便局に参りましても話してないように報告を受けておりますが、かりにもし御指摘のような工合に、監察する者が、その域を脱しますということがあってはならないと、私も同感でございます。
#133
○野上元君 この問題は一括して次回に的確な回答を要求することにいたします。
 別の問題に移ります。先ほど鈴木委員の質問に答えて、現在現場の郵便局と職員との間に相当多数の単独協定が結ばれたという報告があったそうですが、それはいつのことですか。
#134
○政府委員(佐方信博君) 五日現在でございます。
#135
○野上元君 五日現在、そうするとどことどこがどういうふうに結んでおるかということは全部郵政省としてはわかっておりますか。
#136
○政府委員(佐方信博君) 先ほどの問答、ちょっと繰り返しの形になりますけれども、大臣がお話しになりましたのは、同時に私の方が発表いたしましたのは、普通局が百八十、特定局が約七千だというふうなことを発表したわけでございます。その個々の局につきましては、いろいろの個々の局から、もうしばらく伏せてくれという話がありますので、個々の局の場合は発表してないということを先ほど申し述べたのでありますが、その局数、特に特定局については郵政局に行けばわかる、普通局については大部分のものは私の方で承知いたしております。
#137
○野上元君 正当に結ばれたものを発表することが工合悪いというのは、どういう意味ですか。
#138
○政府委員(佐方信博君) 私の方としましては、正当に結ばれたものでございますから、こういう局は結ばれたぞということは、発表することはちっとも差しつかえないわけでございます。ところが現実に個々の郵便局におきましては、発表してもらいたくないと言う人があるのです。たとえば東京都におきましては、相当のところは、発表してもらっても差しつかえないと言っておりますけれども、地方におきましては、発表してもらっては非常に困る。その理由といたしましては、ある局におきましては、いよいよ結んだということになりましたところが、相当多くの人が出かけて行きまして、郵便局長に難詰した。あるいはまた同時に組合の支部長に対しまして相当ひどいつるし上げをしておるというようなこともある。それから相当局数が、これは人情の常でございましょうけれども、出て参りますといいんでございますけれども、どうも近所にあまり結んだ局がないということで発表いたしますと、いろいろと文句が出てくるというようなこともあるので、当分発表してくれるなという話もございますので、そう長いことではございませんけれども、今ちょうど一生懸命みんなで努力しておる最中でございますので、そういう要望であるならば、お願いをして、もうしばらく発表を遠慮さしていただけないだろうか、こういうことでございます。
#139
○野上元君 その余人はいざ知らず、逓信委員会で資料を求めても出せないものですか、それは。
#140
○政府委員(佐方信博君) 国会の委員会でございますので、できますならば、そういうことはぜひ発表いたしたいと思っておりますが、現場でそういうことで非常な郵便局長が苦労いたし、あるいはまた当該局の支部長がいろいろとっき合いの悪い立場になりそうだということでございますので、もうしばらく一つお許しをいただきたい。そう長くまで、いつまでも秘密にしておく気は一つもございませんけれども、そういう現場の切なる要望でございますので、お許しいただきたいと存じます。
#141
○野上元君 現場の局長の立場と国会と、あなたはどちらを重要視されるのですか。
#142
○政府委員(佐方信博君) 国会のお気持がもちろん大事でございますけれども、国会の御了解を得まして、そういう気持を生かしていただけますならば、一番ありがたいことだと思います。
#143
○野上元君 私がしつこく要望しておるのは、郵便物が、年賀郵便が円満に元旦の日に配られるかどうかということが、今一番大きな社会的な問題になっておるわけですから、それをあなたの方は自信を持って元旦にはやれるのだ、こうこうだというふうに言われておるわけです。たとえば三百万人の非常勤を雇うから大丈夫なんだ、貨車の準備もできたし、庁舎の準備もできた、こういうふうに発表されておるわけです。それはそれなりに私はけっこうなことだと思うのですが、さらに一番心配しておるのは、やはり今言っておるように、三六協定が全国各地で結ばれるかどうかということが、一番大きなやはりこの問題の解決のポイントだというふうに考えるから、執拗に私は要求しておるわけです。それで七百五十局のうち百八十局締結されたと言っておりますが、どういうところにおいて結ばれたということが重要だと思うのです、数より質の方が。従って私としては、東京中央郵便局であるとか大阪中央郵便局であるとか、京都であるとか神戸であるとか、あるいはその他重要な郵便局において結ばれておるかどうかを聞かないと、逓信委員会としても、あなた方がはっきり約束されておることの裏づけがないんじゃないか、こういう心配があるからです。その点はどうですか。
#144
○政府委員(佐方信博君) 先ほども御質問ございまして、中央郵便局が何局か、それから鉄道郵便局が何局かというお話がございましたが、その辺のところは、先ほどのようなことで、もうしばらく御猶予いただきたいと思いますが、大体地域的に考えまして、東京、大阪が非常に多いわけでございます。そういう局におきましては、統轄同等も入っております。相当大きな局もあがってきておりますけれども、そういう局がやはり大部分、動員がかかって参りましたり、はりつけがあったりということで非常に心配いたしておりますので、同名等はもうしばらく御猶予いただきたいと思います。
#145
○光村甚助君 関連。この間大臣は森中委員の本会議での質問に、五二%が結んでいるし、もう三百万なんか要らないのだ、安心しなさいという答弁なんです。私たちはそれが安心ならぬから、資料があれば安心しますよ。だからもう少し待ってくれなんということは私は同意できません。それはその近所の局なら、隣の郵便局が超勤を結んでおればわかりますよ、あそこの郵便局は超勤をやっておるなということは。わからないのは僕らなんです。郵便局長がしばらく待ってくれ、体裁が悪い、そういうことは、その近所の局なら、大阪だ、東京だというところの局なら、一里もないのですから、郵便局と郵便局の間はほんの近いところもあるのですから、隠す必要は私はないと思う。われわれはほんとうに資料がほしいから、大臣が言われたことがほんとうかどうか、その裏づけのためにぜひ資料がほしい。そうでなければ、二百万も、三百万も要らないのだ、もう少しでいいのだという大みえを切りっぱなしでは、国民の代表として安心できないから、委員長、早急に資料を出してもらうことを要求いたします。その答弁も一つお願いします。
#146
○国務大臣(植竹春彦君) 全く局名を全部披瀝いたしたいのでございますが、ただいま人事部長からお答えいたさせました通りの事情でもって、いましばらく御猶予いただきたいということを午前中の委員会におきましてお願いしたわけでございますが、それは国会の御決定とございますれば、それは円満に事を遂行するゆえんではない、今後三六協定を結びまして、円満に任務を果たすために非常に支障になるとは存じますけれども、国会の御決議とあらば、これにむろん従う所存でございます。
#147
○光村甚助君 資料を出したらどうして円満にいかないのですか。これは人事部長でいいです。
 それから隠しておかなければならないというのが、私はさっきから、あなたの意見を聞いておるのですけれども、わからないのです。この二つを一ぺん簡単に、大臣ではわからないので、あなたからでもけっこうですから一つ。
#148
○政府委員(佐方信博君) 私がなぜ現場の局長が発表するのを待ってくれと言っておるかということにつきましては、先ほども申し上げておりますけれども、ある局で発表いたしました、それからまた、ある局で結びそうだということになりましたら、相当多くの人が押しかけていきまして、郵便局長をつるし上げる。あるいはまた、当該郵便局の支部長を、なぜやったということで、いわゆるはりつけをやったりして、非常に詰問しておるということがありますので、当該郵便局の支部長からも、もうしばらく発表してくれるなという話がありました。締結は現実にした。しかし、ほかの局との協調関係があるので、もうしばらく待ってくれという話があったので、当初はその意見をくんでくれということがありましたので、そう長くは私は待っておるわけではございませんけれども、ここしばらくの間、現場の郵便局長あるいは職員のことを考えるならば、お許しをいただけると思う。かように考えております。
#149
○光村甚助君 どうして、発表したらどうして円満にいかないのですか、大臣。
#150
○国務大臣(植竹春彦君) それはせっかく個々の郵便局で三六協定によって超勤、時間外勤務をしようと思っておりましても、そこに今、人事部長から申し上げたようなつるし上げ、あるいはそれに反対行動等をとられますと、事務が混乱いたしまして、円満に事が遂行できないということをおもんばかった次第でございます。
#151
○光村甚助君 人事部長の言われるのは、それは普通局の間が二里も三里も、あるいは五里も離れておるということであれば、そういうことが言えるかもしれないが、あなたはさっき東京と大阪でと、東京と大阪では隠しておいてもすぐわかるのです。あの局では超勤を結んで仕事をやっておるといるということは、おそらく、それをしばらく隠してくれということは、私は納得できない。地方ならともかくとして、それを一斉につるし上げにいくとか、はりつけにいくということは、私は知らないが、これは組合は組合の防衛の立場でやるのは正当です。隠しておいたらあなたの方は都合よく円満にいくと言うけれども、相手方の組合からいえば、これはやはり組合の防衛のために正当だと私は思う。そういう一方的ではうまくいかないと大臣は言われますけれども、私に言わせたらあまり一方的ではないと思う。その点は見解の相違でどうでもいい。東京や大阪の局は私は隠す必要はないのじゃないかと思う。それをもう一ぺん聞きたい。
#152
○政府委員(佐方信博君) 先ほど申し上げましたように全部の局が隠してくれといっておらない。東京都におきましてはある程度発表してもいいといっておるところもある。それで東京郵政では一部発表しておると思う。大阪郵政局ではもうしばらく待ってくれといっており、で私どもといたしましては、各郵政局に、もう発表したらどうかといっておる。私のところはできるだけ発表したい。各郵政局は、鋭意努力しておるのですから、もうしばらく待ってくれということをいっておりますので、そういうことで、郵政局によって非常に意見も違いますし、それから非常にたくさん出ておるところは、今申し上げたように、相当発表してもいいということをいっておる。小さなところでは、まだなかなかそういうことでは郵便局長の方に非常に困難だからといっている。同時にまた先ほど先生がおっしゃったように、組合がいろいろやることは勝手です。それはその通りです。私どもは別に組合が超勤を結ぶなということで下都に指導することに、われわれがとやかく言うことはないと思います。しかし結んだからといって、局長室に押しかけてこられたのでは局長もかなわない、こういう点も少しは御同情願いたいと存じますが。
#153
○光村甚助君 私は郵便のくろうとだから、こういうことは質問しなくたっていいわけですが、私たちの口を通じてみんなに知ってもらいたいために質問するのですが、東京新聞を見ると、完全に配達できるから安心せいなんですが、これだけでは信用しませんよ、国民は。どことどことどういう局が結んでいるから安心しなさいならわかる。五二%も結んでいるから三百万も非常勤は要らない、それ以下でいいと言われたのですから、私たちは国会を通じて、たくさんの局が結んでいるのだということなら私も安心しましょう。しかし、そういうことはないから、正月になって年賀が来なかった。松の内はおろか、それこそ下旬の二十日後になったということになったら、返事を出すのに一円よけい払わなければならない、こういう混乱が私は起こると思っている。そういうことはあなたはないとおっしゃっているのですが、国民は迷惑をこうむります、必ず。だからそういう点で、こうこうのたくさんの局が結んでいるのだから安心しなさいと言われるならば、大臣の言われることが新聞の舞づけになるのですが、くろうとの私はおりかるのです。大臣の言われることがうそだということが。私にはわかるけれども、国民にはわからないから、どうしてもこれは明らかにしてもらいたい。そうすれば、郵政省だってうそをつかない。なるほどどこどこの局がやっているのだから、これは大丈夫だと安心します。その点でなるべく早く出していただきたいということを委員長にお願いします。
#154
○委員長(柴田栄君) その問題に関しては、先ほど森中委員の質問の中にもいろいろ論議がございまして、特別に特定の局がどこどこが結んだというのでなしに、その内容の問題であるということで、いろいろ御論議がありまして、まあ当局から五二%という数字は一応わかったとしても、その内容が非常に納得できない。たとえば、まあ地方同等が結ばれていないとか、それと系列的な集配局が結ばれていないで、無集配の特定局が非常にパーセンテージが多いのだということでは、五二%というだけでは納得できぬと、こういう御論議があって、その内容を、一応その質によって明確にされておりますので、この際、特に円満に年末中の繁忙を、最善の努力をされるということになるべく支障のないように国会も協力すべきであるということで、まあこの程度の五二%では納得できないという事情が明らかになって、その後どうするかということで、さらに御論議を尽くしていただくということで、一応午前中納得いただいたので、その線で一つ御了承をいただいて、さらに不安な点、了解しにくい点等について一そう御論議をいただきたい、こう思っておりますが。
#155
○光村甚助君 いや、私は朝出なくて重復する質問をして、まことにこの点は済みません。率直に、重複するような点はあやまりますが、大臣は、あの本会議で大みえを切っておられるのです、結んでいると。だから年賀も遅配することはないから安心しなさいと言っているのです。その資料をくれというのに、私は悪いことはないと思う。私どもは社会党側の立場として、それから私は二十数年郵便局におった経験から、そんなことはできっこないと言うのに、できると言うのですから、これは資料をもらわなければ、単にまかせろなんて本会議で大みえ切っても、信用できない。私は大臣の答弁通りいかないと思うのですから、協力といっても、資料が出て、なるほどそうですが、これならわかりましたから協力いたしますということが言える。ただ、あそこの本会議で大きなこと言っても、信用しろと言っても、大臣はしろうとなんです。私の方がくろうとなんです。しろうとの言うことを、大みえ切ってまかせろじゃ、ちょっと私は納得できないのですがね。これはほかの委員が承諾したというならいいのですけれども、私は大臣のあの高圧的な返事では納得できないです。
#156
○委員長(柴田栄君) その点に関しましては、大臣あるいは郵政当局としては、できるというお見通しでおっしゃったと思いますが、質疑を通じて、非常にまだパーセンテージだけではなかなか十分納得できないという点はやや明確になったと思いますが、それについては一そう努力もしていただかなければならないし、内容について、さらに情勢の変化を、推移を敏速に感じながら、委員会としても対策を考えていかなければならぬと思いますが、さしあたりのところは、そういう事実が明確になっておりますので、その点でしばらく当局の要望しておりますことを委員会として認めて、推移を見させていただいたらどうか、かように考えております。
#157
○光村甚助君 それでは、それはきょう出せ、あした出せといっても無理でしょうから、できるだけ早く出していただきたい。
 それからもう一つですが、大臣にお伺いしたいのですが、森中委員の発言に興奮されてものを申されたのだったら私は納得できるのですが、だれか、郵務当局のだれかの書いた原稿でしょうが、三百万人も要らないのだ、大体十五万人ぐらい雇うということが出ておりますが、今でも郵便従業員は七万か八万くらいいるのです。小さい郵便局はそれの仕事をするのに一ぱいなんです。十五万人なんていうのを雇って、どこへ入れるつもりか。そういう無理なことをやるから、さっき言ったように静岡のようなところが出てきて、町内会にまで物を持ち込んでやったりするから犯罪を作るもとになる。これは大臣、大みえ切るのはわかるけれども、当事者になれば、もう少し冷静になって、どうしたら一日も早く解消するかということを考えてもらいたい。あそこで大きなことを言ってどなり合いしても片づかない問題だと思うのですが、どうですか。
#158
○説明員(板野学君) 事務的にちょっと先に補足させていただきます。大体この前に御説明いたしましたように、延べ全部で三百万でございますが、その中で実際にピーク時に事務に従事する者は延べ二百万、あとは訓練要員でございます。延べ二百万と申しますと、大体十一万そこそこでございます。これらは一度に入るわけではございません。あるいは二番交代とかあるいは三番交代で作業するという次第でございまして、それに必要な局舎の施設も、特に大都会を中心にいたしまして設備をいたしているわけでございます。
#159
○国務大臣(植竹春彦君) 数字につきましては、ただいまお答え申し上げた通りでございますが、私といたしましては、その部下の提出いたしました人員表に基づくその計画を検討いたしました結果、これなら必ずできる、配達ができる、さように自信を得たわけでございますけれども――もっとも遅配がないと申しましても、その点を補足して御答弁申し上げますが、ふだんのこういったようなトラブルのなかった事態におきましても、年賀郵便は、消印こそ一月の元日付でございましたが、実際の配達は十日あるいは一番おそいのは十五日くらいになった。これは別に闘争のためではない。物理的にそうなった郵便物も相当ある。これはわかりやすく申し上げますれば、たとえば鹿児島で二十八日の最終受付日に出しましたものが、関東乃至東北北海道に到着いたしますためには、物理的にむろん元日には間に合いません。それがまた大量運ばれますので、平静の年におきましてもそういったような意味の物理的な遅配はございましたので、今回もまたその程度の、その意味の遅配につきましては、こちらの委員会を通しまして、また国民諸君におかれましても御理解をいただきたい。そして私たちといたしましては、今も事務当局から申し上げました数字と計画に基づきまして、非常勤ながら十分にできるだけの可能の限りの訓練を施しまして対処していったならば、国民の要望にこたえていくことができる、さような計画を立てておる次第でございます。
#160
○光村甚助君 平生も年賀状が十日ごろにおくれる場合があると、そういう責任のがれを言っちゃ困る。そうすると本会議の答弁とだいぶ違うんですね。そういうことは言ってもらいたくないのですが、年賀状を配達しないということについて、それは組合も相当に国民から非難を受けるでしょう。もちろんこれは受けると思います。しかし郵政当局もこれはやはり年賀状がスムーズに行かずに、十日や十五日くらいになって大量に配達されるということになれば、組合も批判を受けるかわりに、郵政当局だって私は責任をとらなければならないと思う。ほんとうにできると言って国民に発表しておきながらできなかったら、これはやはり相当な郵政当局は私は責任をとってもらわなければ困るということを今から申し上げておきます。どうですか。
#161
○国務大臣(植竹春彦君) 郵政に関しまする責任は、すべて私がその責めに任じておることを自覚いたしております。
#162
○鈴木強君 今郵政大臣は、二十八日に九州で受け付けた年賀状は物理的に元日には配達できないということを言ったんですがね、そんなばかなことがありますか。それは郵便逓送路線がだね、二十八日の夜中になったとしても、二十九、三十、三十一日と三日の、十二月中までにはその局に入るわけでしょう。そうすれば、わしらは昔経験があるんですが、夜を徹して区分をして、たとえば第一便にできるだけ到着したものを配達するという仕組みでやっておったんですからね。二十八日に出したものが北海道に行ったら元日には届かぬ、物理的にできないという、そんな路線が組んであるんですか。
#163
○説明員(板野学君) こまかい点にわたりますので、私から事務的にお答えさしていただきます。もちろん大体といたしまして、たとえば東京を起点といたしまして大体二十八日の最終便に渡してしまえば、これは行くという計画になっておりますが、少し遠い北海道とかになりますと、何分物が多いものですから、どうしても少しはそういうものが残ってくる。これは事実でございます。これはしからば、そういう面については少し受け付けの期間を繰り上げたらどうかという意見もございまして、私ども過去二、三カ年いろいろ考えたわけでございますが、しからばこれを二十七日にいたしまして二十八日、二十九日、三十日ごろに出るものが、実際今度は近いところはやはり元旦前に、特別扱いの期間が過ぎるものですから、元旦前に行ってしまう、こういうわけで、なかなかその辺のことがうまくいかない。まあ大多数が大勢としてうまくいくならば、二十八日という線を一つ持っておってもいいじゃないか、こういうわけでやっておる次第でございます。従いまして、私どもといたしましては、なるべく早くお出し下さるように、特に遠方に行くものは早期にお出し下さいということでいろいろ周知をいたし、御協力を求めておるような次第でございます。
#164
○鈴木強君 そんな抽象的なことを聞いているのじゃないですよ。二十八日に受け付けたものが、当然集められて消印されて、何時の逓送便で東北線に走っていって、青函を通って、北海道に行って、稚内なり釧路なり郵便線があるでしょう。それに接続して、三十日までに少なくとも到着して、元日に年賀状が来るのが建前なんです。三が日に来るからいい、一週間松の内に来るからいいというものじゃないと思いますよ。少なくとも原則というものは、そういう郵便逓送路線というものを勘案をして、少なくとも三十日に着いて、一日ごろには配達できるというような建前になっておるんでしょう。それが物が多くて、あるいは支障があつて、若干があるいは一日に入るというようなこともあるかもしれませんがね、原則的にはそうなっているんでしょう。私の言うのが正しいでしょう。そうでなければ年賀郵便の価値がないと思います。物理的に手がかかれば、そういうことは鉄道にかけあってもっと貨車を多くするとか、そういうことを考えればいいのであって、もしあなたの言われるように原則がくずれるとするならば、根本的に二十八日の締め切りを二十七日にするとか二十六日にするとかして、どうしても三十一日に、原則的に年内にあなた方が出せと言って出したのに元日に配達しないのはおかしいです。私は原則を聞いておるんだから、これは大臣が答弁して下さい。
#165
○国務大臣(植竹春彦君) それは全くお話の通りでございまして、原則的には元日に配達する建前になっておるのでございます。ただ私が答弁いたしましたのはわかりやすく、鹿児島と北海道の例をとるなどということは大へんどうかと思いましたが、ただわかりやすく両極端を申し上げたようなわけで、かつまた、私たちが現実に何十年か体験を経てきております体験から申しますと――それは私の配達を受ける立場での体験ではございますが、何十年かの間、一月の十日ごろに元日の日付で来たものもかなりございます。まあ十日と明確な数字を申し上げますことはこれもこの際いかがかと存じますが、何日かおくれまして元日の日付であるものが配達されて、しかもその枚数も相当数あった。長年の記憶から答弁申し上げましたと同時に、さらにまた人数でございますが、延べ三百万人というと非常に多いように考えられますけれども、ふだんでも七十万からある年度においては百万か百二十万という年度もあったかに記憶いたして、あるいはこの数字は違うかもしれませんが、大体そういうように記憶しております。そういたしますと、実動人員十五万人と申しますと、いかにも莫大のようでございますが、その比率――平生年度と比較いたしますと、さして莫大な数でもない。それだけ使いますれば任務を果たし得る、さような計算をいたしたわけでございます。
#166
○鈴木強君 大臣がそういう御経験をお持ちになっておれば、国民の一人として、少なくとも元日の消印がある郵便物が十日に来たというときにはおもしろくないでしょう。何をしておるんだという気持を持つんですよ。私は長い経験ですけれども、せいぜい三日、二日か三日くらいまでは、一日のやつがたまに入ってくるものが何枚かあったのだが、大多数は元日に配達されました。局として見れば、二十九日か三十日という、そういう消印のやつも、郵便局の方でも年賀というので苦労されて、年賀郵便の扱いをして配達をして元日にくるときもあります。年内に配達されたこともありましたが、二十九日に直ちに配達をすれば、そんなこともできないので、苦労して郵便局の方はやっておっても、国民が不満を持った点があるとすれば、あなたは身をもって体験したならば、そういうことをあなたは大臣の就任を契機としてなくすることが本筋じゃないですか。そういうことがもし長い経験のうちにあったら、ことしこそそういうことをなくしたい。そうすることができるならば、二十六日なり二十七日に繰り上げて締め切ることができる。去年だって現にやっているじゃないか。そういう配慮があってこそしかるべきだと思います。二十八日に鹿児島で出しても、系統的に三日間の間に北海道に行っておさまるという建前であって、それは不可抗力的ないろいろな障害があって日がかかるからできない場合もありましょうが、原則というものは、われわれが年賀はがきを出すということは、元日に配達してもらうと、そういうことでやっておるんですから、そういう国民の希望する扱いをするのが郵便局の本来の任務なんです。例外を例外として置くということでなしに、路線が何本かあるんですよ。だからそういう原則に必ずできるような仕組みになっておると思うのです。そういう根本問題を解決するようにあなたは努力しなければならぬと思う。特に全逓の国民から非常に批判されているような状況であります。これは両当事者がほんとうに真剣に考えていかなければならぬことなんです。それにはやはり方法がある。去年もやった。それをことしだけは断固としてあなたは一切団交はしない、話し合いはしないということで押し切っているのですがね。そういう責任を感ずれば感ずるほど、もう少し私は国民が納得するような、さっき野上委員も言っておりましたが、こうやって、こうやって、こうやって、間違いないという確たる根拠を示さないと納付ができないので、私はそういう年賀郵便に対する原則論をお尋ねしているわけですから、それは私は間違いないと思うのだ。そんな、どうしても二日になるなんというような郵便路線の組み方はないと思う。原則的には必ず着くようになっていると思う。
#167
○説明員(板野学君) 少しこまかい点もございますので、私の方から事務的に今までいろいろ検討しました結果を申し上げたいと思います。先生のおっしゃる通りに、原則的には一番早い、いい方法ということを考えれば、鹿児島の果てから北海道の果てに行くまでには、そういう一つの路線を組むべきだと思います。しかし大体先ほどもちょっと申し上げた次第でございまするが、郵便物の大部分というものが、やはり都会を中心に都会に流れてくるというような原則でございます。で、私どもは、これは二十八日ではどうしてもつかない、これも幾分かあるものですから、これは二十七日に繰り上げたらどうか、あるいは二十六日にしたらどうか、いろいろな考え方も従来私どもで検討して参りました。それで現在の実情を申し上げまするというと、二十八日が一応の締め切りになっております。しかしながら二十九日、三十日に出されたものも、全然もう近いところは年内に配ってしまうということは、非常にまたサービス上も工合が悪いのじゃないかと、こういうわけで、実際はある程度の余裕は持たしておりまするけれども、結局、繰り上げてみたところが、そういう地帯もどんどん出てくる。またこれをあまり早く繰り上げまするというと、また国民の側のいろいろな不便も生ずるわけであります。そういうようなわけで、大勢的に見まして一番いい地点を特別期間内に一つしようじゃないかと、こういうわけでやっておる次第でございまして先生のおっしゃることも、私ども十分今後検討いたしまして、そうしてどういう地点に期間をきめたらいいかということも去年あたりからも実は検討しております。こういうふうに郵便物がだんだんふえますと、そういうものも相当ふえてくると思われますので、さらによく検討いたしまして、まあ網の目もこぼれないようにというわけにはなかなかいかないと思いますけれども、できるだけ今後そういう工合に努合をして検討をしていきたいというように考えております。
#168
○野上元君 先ほど郵政当局では、多数の現場では三六協定を結んでおる、従って国民は安心してもらいたいということを言われておったのですが、何か特別な方法を講ぜられておりますか。
#169
○政府委員(佐方信博君) 特別と申しましてもどういうことになりまするか……。私たちといたしましては、働いてもらうならば仕事はうまくいくし、ほかの給与等についても、年末手当を初めといたしまして、いろいろな問題についても他に劣らないようなことはして上げたいということを言って、とにかく結んでもらいたいということを言っておるわけでございます。
#170
○野上元君 そうすると現場では、調べてみると、十二月三日に結べば、いわゆる実働の超過勤務にプラス八時間のプレミアをつけよう、四日なら七時間だが、五日なら六時間のプレミアをつけよう、こういうことが現場ではいわれておりますが、それは郵政省当局の指導ではないのですね。
#171
○政府委員(佐方信博君) そういう指導は別にいたしておりません。
#172
○野上元君 そういうことを現場の局長が指導する権限を持っておりますか。
#173
○政府委員(佐方信博君) 現場の局長は、自分に与えられておりますところの超過勤務の原資の範囲内で仕事を命じているわけでございます。郵便局長としましてはその程度のものです。
#174
○野上元君 私が申し上げているのは、三六を結んでくれたら、報奨としてプラス・アルファをつけよう、具体的には、十二月三日に結べば八時間分を出そう、四日ならば七時間分を出そう、五日なら六時間分を出そう、こう言っているわけです。それは実働の超勤手当プラスそれだけのものであるから、それは明らかに配算された予算のワク外だと私は考えるけれども、そういうことを組合に約束する権能が現業局長にあるのかどうかということを聞いているのです。
#175
○政府委員(佐方信博君) 自分の持っている原資内で、こういうくらいの原資があるから、このくらいの超勤をするようにという話し合いをする権限は当然あるわけであります。
#176
○野上元君 私は、八時間というのはいわゆる水増しであって、実際の超勤手当ではないのだ。ただ経理上超勤手当という項目になっておるかもしれぬが、実際は超勤をしなくてもその八時間はくれるのだ。そういうものを郵政当局としては現場にそれは配算しておる、こういうことになるわけですか。
#177
○政府委員(佐方信博君) 私の方としましては、各事実局ごとに真に年末に必要な金がどうだということで、例年にならい計算して出しておるわけであります。
#178
○野上元君 そうすると、そういうことは現場の局長として許されておると、こういうふうに考えるのですね。
#179
○政府委員(佐方信博君) 自分にまかされた原資内において何時間契約すると、その仕事の内容はこういうことだという、いつもの三六のやり方でございますので、そういう原資の範囲内においては許されている。
#180
○野上元君 そうすると、東京都内の各局全部と三六を十二月二日に結んだら、プラス八時間は出せるだけの原資は配算してあるわけですか。
#181
○政府委員(佐方信博君) 先ほどから申し上げているように、私はそういうことは承知いたしておらないのであります。
#182
○野上元君 そういうやり方は、それではおかしいじゃないですか。
#183
○政府委員(佐方信博君) ただ御承知のように、郵政省の場合におきましては、いろいろな仕事をこまかくやりますときに、必ず郵便課長を集め、あるいは貯金課長を集めますと、そういうことの仕事をさせるならば定員をよこせとか、あるいは超勤の裏づけをしてくれとか、そういう話し合いを管理者同士ですることはいつもあるわけであります。その自分がもらいました範囲内において超勤をこう結んでもらいたい、その仕事はこうだ、何時間契約するのだ、そういう権限は郵便局長にまかされている。具体的な内容については私どもは何らそういう指示はいたしておりません。
#184
○野上元君 超勤手当というものは、そういうふうに余分に配算されているということになるわけですか。
#185
○政府委員(佐方信博君) 私は先ほどから申し上げているように、そういうことを関知いたしておりませんし、そういうふうには指導しておらぬわけでございます。
#186
○野上元君 そうすると、現場でそういうことをやっておるということは、どこからそういう金が出てくるのですか。たとえば十二月三日に東京中央郵便局なら東京中央郵便局の組合に対して、きょう結んでくれたら超過勤務手当はもちろんのこと、それにプラス八時間のアルファをつけよう、こういう約束をするということは、それだけ持っているわけですね、余分に原資を。そういう配算の仕方をしているかというのです、超過勤務手当について。
#187
○政府委員(佐方信博君) これは御承知のように、超過勤務の配算いたしますときには、郵務局、貯金局、保険局、おのおのの局におきまして、年末はこれくらいの物数があって、普通の常在員でやれないから、これくらいの超勤をしなければならぬということをきめて配算するわけでございます。ところが一般に超過勤務を非常におそく結ぶところと早く結ぶところにおきましては、そういう計算以外に当然超過勤務期間が長いわけでございますから、原資をもっと下さい、それからそれは今算出をしてみて、必要ならばそれをやろうということを郵政局限りで措置することはあると思います。
#188
○野上元君 そうすると、現場の局長としては、一つの手形を発行して現実に結ばれた。しかし八時間のプラスを出す金がない。その金は郵政当局にお願いをして、別に追加配算してもらう、こういうことになるわけですか。
#189
○政府委員(佐方信博君) そういう内容については、私は先ほど出し上げたように関知いたしておりませんので、一般的なやり方として、先ほども申し上げましたように、本省としましては、各事務局において事業量をきめて、郵政局ごとに大ざっぱに配算をするわけであります。個々の局につきましては、その事業量に応じて郵政局が郵便局長に話しをして、原資の配算をする、こういうやり方をとっているわけであります。
#190
○野上元君 そういうことは、郵政当局としては、現実にも行なわれているかどうかということも知らないというわけですか。
#191
○政府委員(佐方信博君) 私は関知いたしておりません。
#192
○野上元君 かりにそういうことがあったとすると、今日郵政当局と労働組合との間で一つの紛争状態になっておって、片一方は組合の指令によって、三十六条協定を締結することを中止せよ、こういうことになっておるわけですが、そういうやり方によって三十六条協定を結ばすという管理者の行為については、これは不当労働行為にはならないのですか。
#193
○政府委員(佐方信博君) 別に、ある人が組合に加入し、ある人が組合に加入していないということのゆえをもって、差別するのではありませんので、不当労働行為というふうには直接ならないのではなかろうか。
#194
○野上元君 先ほどあなたの答弁、光村委員の質問に対して、組合が三六を結ばない、結ばせないという連動を展開することについては、組合としては当然だ、こう言われた。従って、政府は労働運動というものは認められておるわけですね。ところが、こういうことをやると、これは一つの組合の切りくずしになる、明らかに余分の金をやるということになるのだからですね、結んでくれということは。こういうことをやるということ、明らかに組合運動の切りくずしになると、そういうふうにお考えにならないのでありますか。
#195
○政府委員(佐方信博君) 組合が三六協定を結ぶなというように指令される、これは組合運動の一つの行き方だと思います。同時にまた私どもが、仕事をはかすために、三六協定を結んでいくように努力せよという指令を出すことも、これも一つの役所のやり方だと思います。そこで個々の局におきまして、郵便局長も個々の支部長も板ばさみになりまして、仕事も、筋も立てなくちゃならぬ、しかし同時に指令も守らなくちゃならないということで、非常に努力をして、両方で話し合しをしていくという結果、個々の局において三六協定が結ばれたり、あるいは結ばれなかったりするわけであります。従いまして、私としては、そういう努力を一生懸命に郵便局長がやっておることについては、大いに激励もいたしておるわけでありますけれども、今おっしゃったような事実については、私は別にタッチいたしておりませんので、その辺については先ほど来たびたび申し上げますように、郵便局長が与えられた原資内において十分やっておる、こういうふうに考えておるわけであります。
#196
○野上元君 そうすると、かりにある局においては十二月三日に結べばプラス五時間、ある局においてはプラス十時間、あるところにおいては八時間と、こういうことが起きても、郵政当局としてはやむを得ない、こういう考え方ですか。
#197
○政府委員(佐方信博君) 私としましては、個々の局の実情に応じまして、郵政局が超勤原資の配算をするわけであります。そのときに郵政局としましては、個々の郵便局からいろいろな要求がくるわけであります。そういうときに、どういう基準でその郵便局あてに算定をするのか、いろいろなやり方があるだろうと思います。そこで私としては、そういうようなやり方をせよとか、あるいはまた、私自身がそういうふうな指導をするということはいたしておりません。
#198
○野上元君 各局の調査によると、これは差別はないようです。十二月三日に結ぶものは全部八時間プラス、こういうことに都内ではなっておるようですが、これが偶然に――現場の局長がこういうことをやられることが偶然に一致するということは考えられないのだが、だれかがこれを指導しておると見なければならぬが、その点、郵政当局としては全然関知していないということが言えますか。
#199
○政府委員(佐方信博君) 私たちの方ではそういう指導は全然いたしておりません。
#200
○野上元君 それでは、本省はしないということですから、郵政局長がやっておることはあり得ると考えますので、その問題については、それはまた後ほど調査をしてお答えをいただくことにいたします。
 最後に、いろいろと質問を申し上げましたが、郵政大臣にお答え願いたいと思いますが、非常に郵政当局としては苦心惨たんをして、年賀郵便の円満なる運行を確保するために努力をされておるわけです。しかしながら、その努力はいろいろなところで障害にぶつかっておるということは、今日もう明らかになったと考えるわけです。従ってこれを円満にやるためには、郵政当局とすれば、郵政大臣とすれば、どういう方法が、最も根本的に、かつ迅速に解決するかという点について、大臣としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#201
○国務大臣(植竹春彦君) 年末年始の問題については、三六協定を結んでいただく、その三六協定を結んでいただくためには、これが国民の要望であること、もし結んで下さらないとほんとうに国民が困ってしまう。どうぞ国民の御要望を一つ満たしていただきたいということをよく納得していただくように、あらゆる正当なる、妥当なる方法をもって周知徹底し、理解を求めて、この問題を解決するのが一番いいと考えております。これは年賀の問題に関するだけの解決方策でございます。
#202
○野上元君 全国に、先ほど発表になりましたように、一万四、五千局の郵便局があるわけですが、これに一々あなた方が説得をし、やっていくことが、いかに困難であるかということは、今日の皆さん方の答弁から考えても非常に明らかなことだったと思うのです。一番簡単なのは、やはり全逓本部と郵政当局の間で話し合いをすれば一番いいのですが、その年賀だけでもとにかく何とかやってくれぬかということについて、郵政大臣は全逓の幹部に正式に申し出られたことがあるかどうか。
#203
○国務大臣(植竹春彦君) ございません。その理由は、団体交渉をいたします前提として、全逓の方へ、どうぞ組合を正常化していただきたいということをお願いしておるのでございまして、それがお聞きあると、さっそくにも今度はILOとか二百五十円べース・アップとか、そういう問題につきましてはさっそくに御交渉いたしたい、さように考えておりますが、年末年始の問題は、これは公労法の問題と考えておりませんので、労働基準法の問題と考えまして、以上申し上げましたような団体交渉でなく、個々の職員と個々の事業場、平たく言えば郵便局長とその従業員との間で解決してもらいたいという方針で臨んでいるわけでございます。
#204
○野上元君 あなたには労働組合というものがおわかりにならないようなので、その問題についてこれ以上追及しても同じような答弁だろうと思いますので、その点は角度を変えますが、この前の逓信委員会で、ILOの結社の自由委員会が十一月に開かれまして、引き続いて理事会が開かれましたが、その結社の自由委員会で結論が出ておることについて、郵政当局としてはその内容を勉強されましたか。
#205
○国務大臣(植竹春彦君) これは秘密会であると承知いたしておりますので、情報程度のことは入っておりますけれども、情報程度のことを申し上げますことは、これは国際的にもいかがかと存じまして、まだ発表申し上げないのでありますけれども、内容につきましての公けの発表等に接しておらないから、まあ表面は知らないというお答えを申し上げるのが――あるいは知らないというのは、言葉がちょっと変な点もあるかと思いますが、まあ公けにそういうふうな立場をとっているわけでございます。
#206
○野上元君 そうすると、あなたの方では正式な結社の自由委員会の文書を手に入れておらないので論争できないと言われておりますが、私は幸いにして、結社の自由委員会の正式な原文をここに持っているわけです。これをそれじゃお渡しいたしますから、その内容について論争したいと思いますが、それに郵政当局は同意されますか。
#207
○政府委員(佐方信博君) 結社の自由委員会の内容につきましては、先ほどからもお話しのように秘密会である。同時にまたこまかい内容はともかくといたしまして、とにかく緊急は要しないということにきまった。従ってこの次、三月の理事会で論議されるという程度のことしかわれわれとしては聞いておらぬわけであります。同時にまた正式の議事録をお持ちで、それで論争するかとおっしゃられましても、私はILO問題に関することは、単に郵政だけの問題でなくして、本問題について全逓の問題が非常に大きな要因であることは十分承知いたしておりますけれども、国鉄にも関係があり、また、ほかの委員会等におきましても問題になっていることでもございますので、郵政省としてこれは直接の担当でございませんので、勝手に意見を出すのもどうかという気もいたしますので、できますならば、ILOの委員会の問題に関する政府側の意見というものは、われわれにお聞きいただかないようにと、こういうふうに思っているわけでございます。
#208
○野上元君 あなたの方ではこの問題について有権解釈権を持たないということですから、政府を代表した人の答弁ということにならないというおそれがあるので、その点は非常に私としても遺憾に思いますが、しかし、少なくとも結社の自由委員会の結論について、私は、今それでは郵政当局にお知らせしますから、一つ若干の時間聞いてもらいたいと思います。そう長くはとらせません。五分かそこらです。
 結社の自由委員会第四十一回報告というのが出されました。ここにあるのが原文ですが、私は英語にはあまり強くないので、日本文の方を読ましてもらいますが、それによるとケース第百七十九号となっております。これは日本の問題を扱った番号であります。この中にはさらにまた各項目に分かれておりますが、百七十四から百九十五までが日本の問題を扱った内容であります。最後の百九十五というのがこの結社の自由委員会の結論になっておりますので、その結論を簡単に読みますと、

  「一九五 故にこれらのすべての情況に照らして委員会は理事会に対してすでに一九五八年十一月以来、当委員会にかけられている当ケースの諸問題の早期解決が、如何に重大であるかを強調すること、さらに政府と関係諸団体との討議を通じ、右のような解決が近々のうちになさるべきであるという希望を表明すること、及び(a) 第百四十回理事会(一九五八年十一月)の結論、すなわち公共企業体あるいは国営企業の経営者によって解雇された組合役員あるいは執行委員は雇用を失うのみでなく彼の組合の運営に参加する権利をも失うという事実はこのようにして経営者が労働者の完全な自由のもとに彼等の代表を選出するという権利、すなわち結社の自由の基本的要素の一つであり、条約八十七号の三条の保証する権利に介入することができるという結論に政府の注意を喚起すること。(b)一九五九年十月二十六日付の政府からの書簡に述べられている事実に留意し、さらに委員会の三十六回報告の十章に述べられている政府の以前の声明を考慮に入れて、その中に述べられている困難な諸点が政府が期待しているように近い将来に解決されるべきであるという希望を表明し、さらに政府が早期に条約八十七号を批准出来得るようになることを希望し、政府に対してさらにこの問題の発展状況を理事会に通知することを要求すること。」(c)――ここはきわめて重要な点です。

  「(c) ILOの条約勧告適用専門家委員会の考察、すなわち、公労法四条三項、地公労法五条三項は、特に労働組合役員が解雇された場合には彼等を改選しなければならないという事実を考慮に入れるならば当該法律の適用を受ける企業の経営者の介入行為を容易にし、日本が批准した条約九十八号二条の完全な適用を保障するためには当該規定を削除あるいは改正することが望ましいという考察に留意し、これを確認すること。また総会の条約勧告適用委員会が表明した希望、すなわち専門家委員会の考察の中に述べられている法律の規定を廃除すべきであるという希望に留意すること。またこの結論について政府の注意を喚起し、政府に対して政府が如何なる措置を取るつもりであるかを理事会に通知することを要求すること。(d) 機労および全逓の役員は一方的に解雇されたものでなく、(これは日本の法律が許さない)違法な争議行為を行ったために解雇されたのだという政府の声明を記録すること。(e) 委員会はこの報口で扱っていない、残りの提訴点については将来理事会に報告するであろうということを記録すること。を勧告する。」
 こういうふうになっているわけであります。従って、今人事部長が言うように、この問題は三月に延ばされた、あるいはその後に延ばされたということは、(e)で申し上げましたように、委員会は、この報告で扱っていない残りの提訴点について、これはあとでまたやる、こういうふうに延ばしているわけであって、ここで述べられている点については全部これで終結した、こういうふうにはっきりと結社の自由委員会は言っているわけであります。これについて郵政当局は知っておるかどうか、聞いておきたいと思う。
#209
○国務大臣(植竹春彦君) さきにお答え申し上げました通りに、これは秘密会であったために、正式の結論は――情報程度であって、正式に受け取っていない、こういうのが実情でございますので、ただいまお読みいただきましたものも、それに該当する文書であろうかと存じますけれども、その点はよく私の方でも検討いたしまして、さきに人事部長が申し上げました通りに、郵政省だけの所管でなしに、むしろ労働省の所管事項が非常に多いように拝承いたしました。郵政にもむろん全逓という組合関係の担当事項が含まれておりまするので、よく関係各省打ち合わせまして、この問題に対する今の野上委員の御希望にどのような方針でおこたえ申し上げるか――どのような方針と申しますのは、たとえば、労働省と郵政省とよく打ち合わせまして、政府部内の思想統一もやっていかなくちゃならない。また、内容についても検討を加えなければならないといったようにいたしましてから、あるいはいろいろとまた御論議をこちらからもお願いするような段階もあるかもしれませんし、どういうふうに対処していこうかということを、私たちの立場におきましてまず検討いたして参りたいと存じます。
#210
○野上元君 郵政当局は、結社の自由委員会というのはこれは秘密会議ですから、従ってその議事録は取れないのだと、こういうわけでございまするが、私が持っているのは、明らかにこれは正式の原文です。しかも、理事会の許可を得て私は手に入れました。従って、今日では秘密文書になっておりません。この点について郵政当局の注意を喚起しておきたいと思いますが、かりに、今私が読んだような結論が出たということは、郵政当局にとって喜ばしいことか、困ることか、この点はっきりしてもらいたい。
#211
○国務大臣(植竹春彦君) まだお読みいただいただけで、検討してみないと、喜ばしいか、あるいはその逆なケースであるかわかりません。
#212
○政府委員(佐方信博君) 先ほど申し上げました、私の方としましては、労働省の方に聞きましたところでは、今おっしゃいました(a)から(e)に関する問題が全部理事会に報告されたのだということであって、今度、今おっしゃったように、(d)まではきまって(e)だけが三月審議されるのだと、そういうふうには聞いておりません。みんな今度は審議されないで、緊急を要しないということで次の理事会に出されるのだということを聞いております。ただ、今の話では、どうも原文なるものをよく存じませんのであれですが、私としましてはそういうふうに聞いております。
#213
○野上元君 事務当局にしても(a)から(e)ということですから、その内容は大体御存じだと思われます。大臣もやはりその内容については御存じなんだろうと思うのですが、その点はどうなんですかね。
#214
○政府委員(佐方信博君) 今(a)から(e)までお読みいただいた。特に(a)から(d)までお読みいただいたことにつきましては、これまでもたびたび論議になっておることと思うのでございますので、私はお話を聞いておりまして、大体そういうふうに思いました。それから同時に労働大臣自身も、今まで論議されたことをずっと積み重ねてあるのだ、従って今度は緊急なものとしないで、次の理事会で検討することになっておると、こういうふうに聞いておるわけでございます。とにかく私どもとしては、その条約に関しまして解釈を求めてどうかするということが一つもございませんし、それからほかの法律の直接適用を受ける問題でもございませんので、そういうふうに大体経過だけは聞くわけでございます。しかしその内容の解釈その他につきましては、情報も持っておりません。こまかい資料一つも持っておりません。
#215
○野上元君 今佐方人事部長の方から、(e)の項については私が言ったのと違って、労働省から受けたのは、全部の問題をひっくるめて将来の理事会に報告する、こういうふうに報告を受けたと言っておりますが、それはここに明らかに原文があるのですから、私は労働省がかりにそういううその報告を郵政当局にするということになれば、これは重大問題になると思う。従って郵政当局は労働省の言い分が正しいか、私の言い分が正しいか、ここに原文つがあるので、この原文を翻訳してもらって一つ判断をしてもらいたいと思うが、その点はどうか。
#216
○政府委員(佐方信博君) その点につきましては、労働省によく問い合わせしたいと思います。
#217
○森中守義君 関連ですね。その労働省に問い合わせられるときに、こういうことを聞いてほしい。それは今野上委員が読み上げたものが、これが理事会の決定という形に一つは出ている。それで私が本会議で聞いたことに対して松野労働大臣が、W・ヤルデン・トムソン、これはILOの事務局次長、この人が日本政府にあてて、来年の三月までこの問題に対して要求をしておる、日本政府のとるべき措置を。つまり八十七号の批准を、倉石前労働大臣がILOの総会で批准するという演説をして、ILOに約束をした。同時に九十八号にも今言われたように公労法四条三項と地公労法五条三項は違反するのだ、これについてもどうするのだということを日本政府に要求してきております。その文書は、今のヤルデン・トムソンから国際自由労連の書記長にあてた公用書簡ということではっきりしております。それで日本政府にいつ着いたかということに対しては、まだ着いていないと労働大臣――これは社会労働委員会か何かで、これまた食言ですから、追及いたしますが、十一月二十五日に着いているということが明確になっておる。それを今政府はひた隠しに隠しておるわけです。だから大臣や人事部長は、所管の省でないからどうもはっきりしないということだけれども、今全逓と郵政省の紛争の焦点は、全逓が公労法四条三項に違反をするから団交に応じられないという理由が一つ。で、その根本的な理由がILOという討議の舞台、少なくとも憲法九十八条二項に照らして、国内法よりも優先するというわが国最高の憲法の中に規定してある以上、ILOがどういう進展を示してきておるのか、ことに十一月、ILOの理事会が、結社の自由の委員会が行なわれた。こういう進展状況というものは、当然私は郵政省はいつでもアンテナを張りながら、少なくとも政府が解釈する公労法四条というものが正当なる解釈であるかどうか、また国際舞台がどういうように進展をしておるか、そういう判断を一歩誤ると、これこそ重大な不当労働行為である。またその問題によって年賀郵便が飛ぶかどうかという重大な問題ですから、より一そう関心を持ちながら、労働省と当然緊密な連係が行なわれているという私は判断を持たざるを得ないのです。にもかかわらず、公労法四条三項の違反であるということだけをあなた方はたてにとっておっしゃっておられるけれども、そのことの進展が、申し上げたようなILOの舞台でどうなったかということに関心を持たずに、いたずらに四条荘項違反だけだということでは、少し私は郵政省はどうかと思うのです。従って、この際特に注意を喚起すると同時に、今の野上委員の問題に関連して、ぜひ労働省に問い合わせてほしいのは、十一月二十五日、ヤルデン・トムソンという事務同次長から文書が到着しておるから、それは間違いないかどうか、その内容はどうなのかということもあわせてこれは一つ照会をしてもらいたい。どうですか。
#218
○国務大臣(植竹春彦君) ただいまのお話はむろんのこと、私の方で労働省の方に照会いたしますが、今の四条三項の問題につきましては、私はILOの方では、日本の国内問題に関与する考えはないのだ。日本の国内法で、まだ批准前でございますから、批准前においては、現行法に従って日本が国内の問題を解決するのは当然であるといったような趣旨だということを聞き及んでおりますが、ただいま野上委員の読み上げられましたものは、実は私の聞いておりましたことと違うので、佐方人事部長が申し上げましたと同じことを私も聞いているわけでございます。そこで野上委員も御朗読下さいましたのですから、その野上委員の御朗読を尊重する意味におきまして、検討してからお答え申し上げますと言ったのは、その点、労働省と私たちが意見を交換いたしましたのは、文書も何も持たずに、それから意見交換の話し合いをいたしました議事録もなければ、ほんの口でもって打ち合わせをいたしたのでございますから、そこで私は慎重な態度をとりまして、検討してからお答え申し上げるということを申し上げたわけで、それで公労法四条三項はそういうふうなわけでございますから、まだILOのこの八十七号というのは批准されていない。批准されてしまえば、それは世界の取りきめに対して、今国内法に優先すると森中委員が御指摘になりましたが、それは批准された後のことで、現在は批准されない以上は……。批准された後においては、お話しの通り四条の三項というものはだめになってしまうということはわかっておりますが、現に現行法として生きております以上は、私たち行政を担当いたします者としては、その管轄下の労働組合が違法行為をされるにおいては正常化してほしい、法律をまず順守して、それで法律を守り、また条約を守るのだ、順守するのだということを天下に向って披瀝して、それから批准の取り運びに持っていくというのが政府の方針であるということも、だいぶ繰り返すようになりますが、毎度の委員会で申し上げることになりますが、その点を御理解いただきたい、さように考えております。
#219
○野上元君 この前委員会の終わるときに、この次にはILO条約八十七号の問題並びに九十八号の問題についてここで論争をしたいから準備をしてもらいたい、こう言ったら、あなた方の方は、はい、承知をいたしました、こういうことを言われておったのですから、現実に今日知らないというようなことは、私はおかしいと思うのだ。しかし、そのことを今追及しても、これは話にならないので、私は別な角度からお尋ねしますが、今読みました(c)項にある内容は、明らかに「日本が批准した条約九十八号二条の完全な適用を保障するためには当該規定を削除あるいは改正することが望ましい」ということがはっきりうたわれておりますが、この点についてあなたの方は認められますか、この内容を。
#220
○政府委員(佐方信博君) その問題は、九十八号の二条という条文でございますと、結局相互に干渉するということは不当労働行為になるという規定だと思うのです。そういうことでございますので、非常にすっきりさせる意味においては、政府が考えておるように、四条三項を削除すれば非常にすっきりするだろう。しかし、日本政府としては言い分があるんだということで、日本政府からいつか何か書簡が出ていたと思います。というのは、日本の場合には、いわゆる使用者の方で組合幹部を免職にする。その結果が、いかにも組合代表であることをやめさせるために解雇するんだという印象を持っておるようでありますけれども、そうじゃないので、先ほどお読みになりましたように、別な法規で免職をやったのであって、そのほかの場合、不当労働行為というものは一体どういうときに起こるかという規定も全部はっきり書いてある。従って、日本政府としては、九十八号とは別に抵触しないんだという意見を日本政府が出しております。それから、今おっしゃいましたように、勧告でございますか、理事会に対する勧告にもそういう意見が取り上げられておる、こういうふうに承知いたしておるわけでございます。しかし、四条三項が削除されれば、なおその点がはっきりしてくるんだというふうに了解しているわけであります。
#221
○野上元君 今あなたが答弁されておる日本政府の書簡は、この(b)項の中に述べられておって、その問題についても十分に検討した、またその事実について留意した、しかしながら、結論はこういうふうに出たんだと、こういうふうに言っておるのですが、これらの状況から見れば、明らかに公労法四条三項及び地公労法五条三項は、ILO条約九十八号の第二条に触れておるということがはっきりされておるわけです。この点は、この文章の中から明らかであります。これは後ほどあなたの方に参考のために原文を差し上げてもけっこうですから、十分に一つ検討してもらいたいと思います。そして、あなたの方といたしましては、どうも私の質問に対して、いわゆる政府を代表しての答弁でないような気がする。その点非常に私としては遺憾に思うわけです。
 そこで、私は大臣にお聞きしたいのですが、あなたは、八十七号条約には違反しておるから、八十七号条約さえ批准されれば、当然公労法四条三項は削除されるんだ、こういうふうに答弁されておりますが、その点については、あなたは今でもそういうふうに考えておられるわけでありますか。
#222
○国務大臣(植竹春彦君) お話が逆なのでありまして、私たち政府のこれは統一した意見でございますが、現在は批准されていないから、公労法四条三項が生きているのである。批准されますまでのうちにこの四条三項も削除したい。四条三項を削除しっぱなしでは、十分な公共企業体として運営がやっていかれないから、それを批准いたしますにつきましては、いろいろな点を補いまして、今後公共企業体として、あるいは政府のいわゆる五現業の一つとして、スムーズに事業が運営されていかれるように国内法の個所を改める。そうすると、郵政のことばかりでないわけで、たとえば鉄道営業法とか、あるいは地公労法の一部とか、一部改正すべき点も出てくるわけで、それらを整備いたしまして、そこでILO条約を批准する。批准されました以上は、もうそのときは公労法四条三項は削除されての上で批准されるのでありますから、その上は、むろん組合員になる資格、組合の役員になる資格につきましては、これは全くILOの今の原案通りに、これは解雇された者でも、解雇されない者でも、役員になれ、組合員になれるのだ、こういうふうに申し上げておるのでございます。
#223
○野上元君 そうすると、ILO条約八十七号を批准する前に、公労法四条三項は削除される、こういうわけですね。
#224
○国務大臣(植竹春彦君) その通りであります。
#225
○野上元君 そうすると、ILO条約八十七号になぜ公労法四条三項は抵触するんですか。
#226
○国務大臣(植竹春彦君) 結社の自由の原則というものを、今度ILOの条約で明確に打ち出していこう、その範囲も四条三項のような制限を撤廃して条約を作り上げていこう、こういうふうなILOの方針で、日本もそれに賛成をいたした。そこで、ILO条約を批准してしまいますれば、公労法四条三項は明らかに抵触いたしますので、ILO条約にも抵触しないように、事前に、批准の前に四条三項を撤廃したい。また地公労法五条三項もあわせて撤廃したい、こういうふうに考えております。
#227
○野上元君 そうすると、ILO条約八十七号と憲法二十八条とはどういうふうに違うんですか。
#228
○国務大臣(植竹春彦君) 憲法の二十八条に、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」とございますから、現在でもこの原則に従いまして勤労者の団結権または団体交渉権、団体の行動権は、これが忠法上明確に保障されておるわけでございますが、しかし、それは皆それらのことは……。
#229
○野上元君 そんなことを聞いていない。
#230
○国務大臣(植竹春彦君) いや、私たちの解釈であります。
#231
○野上元君 それは有権的な解釈ですか。
#232
○国務大臣(植竹春彦君) また、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保存しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」、こういう規定がございますので、乱用しないという意味におきまして、また憲法二十八条の規定につきましては、憲法十三条に、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」、こういうふうにございますので、個人につきましてもさような立法があるわけで、そうしてこの自由の尊重と、従って結社についても自由の尊重ということは認められておるのでありますが、すべてそれは公共の福祉という点、これはちょっと古い法律観念になるかもしれませんが、いわゆる公序良俗に反する場合には、公共の福祉に反する場合には、これを制限されるのもやむを得ない。その公共の福祉ということにつきましては、時代とともに変遷いたしますので、これは法律をもって規定していくことが許されておると、私はそう解釈しておるのでございますが、そこで、やはり無制限の結社の自由が今日は認められておるんじゃない。憲法で許された範囲内の結社の自由の制限というものは、これは一向に憲法違反ではないんだ。そこで、公労法の四条三項も決して憲法違反ではない、さように考えておるのでございますが、私も、この答弁につきまして、もし字句につきましての私の申し上げ違いが速記録に残るような場合には、なお私のこの精神は、私はむろん、ただいま述べております法律精神というものは、私の陳述は自信を持っておりますが、ただ表現の字句につきましてもし遺憾な点があれば、それを取り消して、別の字句に改めたいと存じますが、以上申し上げましたような工合で、憲法規定も公共の福祉という観点から制限し得るものだと思います。そこで、公労法を制定するにあたりましては、四条三項のような規定を置きまして、この解雇されました人たちは役員なりあるいは組合の代表者になることはできないのだというこの規定は憲法違反ではない、現に生きておる。しかしILO条約を批准するにあたっては抵触するから、まず四条三項というものをカットして、そうしてこの進展しつつある国際立法精神、新しき結社の自由の方向づけられたる八十七号条約の批准というものを行なっていきたいのだ、さような解釈をとっております。
#233
○野上元君 憲法二十八条に違反しておらないということになるならば、これはもうILO条約八十七号と全く同じなんだから、ILO条約八十七号に違反する精神というのはどこから出てくるのですか、この公労法四条三項というのは。
#234
○国務大臣(植竹春彦君) ちょっと今の御質問の要点が……。もう一ぺんそれではちょっと……。
#235
○野上元君 ILO条約八十七号でいっておることと、憲法二十八条でうたっておることとは全く同一内容なんです。あなたは、ILO条約八十七号には違反するけれども、憲法二十八条には違反しないと、こう言っておられるのだが、全く同じ条文に対して片一方では違反しておると言い、片一方では違反しておらないと言われるけれども、どこからそういう解釈が生まれてくるのか。
#236
○国務大臣(植竹春彦君) それは日本の現行法の解釈からいたしますと、憲法二十八条に対する一種の制約法規と申しますか、語弊の点は一つお許し願いまして、私の申します精神はおわかりいただけると思いますが、憲法二十八条に対する制約規定といたしまして、公労法――この公共企業体を運営して参ります上には、解雇された人たちは役員になったり組合員になったりすることはできないと、こういう規定を置いているのだから、公労法四条三項というものは現在の憲法には違反しないのだと、こういうことを申し上げておるのでございます。ところがこの制限を、憲法に基づいたる制約の、範囲内で制限されておる四条三項までをも今回は撤廃してしまおう、そういう動きをわが国内でしているわけで、それじゃそういう動きがどうして出てきたかというと、それはILOの条約によりまして、憲法のワク内で制限された公労法四条三項であるけれども、しかし国際的に考えて、こういうふうな制限は撤廃すべきである、そういうふうな国際的機運に日本も同調いたしまして、それでは憲法二十八条を地のままでいこう、制約規定のごときは撤廃してしまって、憲法二十八条そのものでいこう、つまり言いかえれば、ILOの新条約八十七号、これと憲法二十八条とぴったりその二つでいこう、制約規定を設けない、こういう時代の進運とともに、そういうふうな労働立法政策の方針を世界に合わせていくといったような日本の方針で、それで四条三項をまず撤廃して、ILO条約に合わせていこう、こういうふうにしているのだと、そういうふうな考え方でございます。
#237
○野上元君 そうすると、憲法九十八条の第二項にある「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」と、こういうふうにきめられておるわけですが、すでに確立された国際条約を、日本政府はどうして尊重しないのですか。
#238
○国務大臣(植竹春彦君) まだ確立されておりませんので、批准を待って初めて確立をされるわけでございますから、批准のときには――(「批准されているのだ、九十八号だ」と呼ぶ者あり)九十八号……。
#239
○野上元君 両方です。
#240
○国務大臣(植竹春彦君) 九十八号はもう批准されておりますから、もっとも、これは日本の国内法におきましても、すでに不当労働行為はいけないという規定がございますから、これはもう九十八号と日本の国内法規とは完全に一致しておる。それから八十七号の方は、これはまだ確立されておりませんので、批准を待って初めて確立されますので……。
#241
○野上元君 その解釈はおかしいのだが、よく読んで下さいよ。この九十八条の第二項を読んで下さい。「日本国が締結した条約」ですよ。「及び確立された国際法規」ですよ。批准をすればもう当然のことなんですが、確立された国際法規はもう遵守しなければならぬと書いてあるのですよ。ILO条約八十七号というのは、今や確立された国際法規なんですよ。あなた方は、ILO条約八十七号は確立された国際法規とはいわないと言われるのですか。
#242
○国務大臣(植竹春彦君) それは国際法上の観念といたしまして、条約はやはり調印だけでなしに、批准を待って初めて国際法上の確立と、こう見ますのが国際法のこれはもう基礎観念になっておる、さように考えます。
#243
○野上元君 それならば、ここの条文に「日本国が締結した条約」、そういうふうに書かなくても済むと思う。確立されたと分ける必要はない。
#244
○国務大臣(植竹春彦君) 締結と申しますのは、調印並びに批准をもって締結と解釈すると思います。
#245
○森中守義君 ちょっと関連して。大臣、なかなかあなたの方も不勉強のようだし、質問をする方もちょっと張り合いがないのだ。そこで一つ聞いておきたいのだが、問題の焦点は、今大臣が言われる批准もしくは調印をもってということは、それはその通りと一応解釈をしておきましょう。そこであなたの方には、九十八号は問題ないのだ、四条三項は違反しない、こうおっしゃる。ところがさっき言われた、野上委員が言っている結社の自由委員会、あるいは条約勧告適用委員会は、九十八号にも違反すると、こう言っているわけです。それが問題ですよ。だから、そこにあなた方の感覚がずれていると、こう私は言っている。いいですか、それは実は総会に出席をした倉石労働大臣と一緒に行った人ですが、労働省の大島君という人がおられる、審議官で。この人がそのことを指摘をされて、総会でそのときに肯定している。日本代表として否定しておりませんよ。必要ならばその原稿を持ってきて見せる。新聞に出ている。大島君が言っているのは、その勧告に留意をいたしますと、ただし、日本政府がどの程度重大な責任をあずかるかということについては検対してみたい、こう言っておる。微妙なニュアンスじゃありませんか。だけれども、九十八号に四条三項、五条三項が違反しておると突っかれながら、そうじゃないということを言い切っていない。否定していない。これは大島君に聞いてごらんなさい。九十八号にも違反するであろうということを肯定している。そうして、そういう専門家会議等が理事会に持ってきたのが、さっき野上委員が読み上げたものであり、かつまた、ヤルデン・トムスンから二十五日に日本政府が受け取った要求書ですね、回答を求められている中に、そのことが明らかにうたわれている。だから大臣の説明からいけば、八十七号だけに四条三項、五条三項が違反するのだ、だからこれは今から批准するのであって、現在まで批准されていないから問題じゃない。だから全逓の違法状態が改まるならば八十七号を批准すると、こういうことだけれども、すでに批准されている九十八号に違反しておるということになっておる。だから憲法九十八条の二項が問題になってくる。そこにあなた方の根本的な観念が違う。だから来年の三月になれば――松野労働大臣も予算委員会で永岡君に答えて、九十八号は、来年の三月になれば、四条三項の違反しておる事実は消えますと言っておりますよ。消えるということ、やはりILOが九十八号に違反するということを指摘したことを彼は知っているということである。いいですか、そこに問題がある。だから私どもは何回も言うように、理事会が来年の三月にこの問題を回したということは、あなた方がいう日本政府の主張が通って、それで来年の三月はっきりしよう、こういうのじゃない。はなはだけしからぬ、日本政府は。だけれども、ILOの規約その他からいって十一月論議するのも、来年の三月論議するのも結果的には同じだから、もうしばらく日本政府の動向を見ておこうということで、十一月二十五日付に書簡が届いていた。非常に回りくどい説明をしましたが、結論は、八十七号だけに四条三項が違反するということではなくて、すでに批准されている九十八号にも違反している。だから憲法九十八条二項の国内法に先んずるという条約はどうなるのかと野上委員が突っ込んでいる。あなた方が八十七号、八十七号というけれども、九十八号が問題なんですよ。あなたに聞いてもわからぬかもしれぬけれども、大体の概念はそういうことなんです。
#246
○政府委員(佐方信博君) その辺がどうもやっぱりおっしゃる通り食い違っていることになるのです。
#247
○森中守義君 食い違っておるのじゃなくて、よく情報をとっておらぬからね。
#248
○政府委員(佐方信博君) よく情報をとりました結果、その点はたびたび問題になっておりますものですから、労働省と打ち合わせた結果によりますと、その九十八号条約と公労法四条三項、その関係はILOにおいてもいまだ未解決の問題だ、結論は得ていない、こういうことになっているわけです。そうして日本政府からは、公労法四条三項は九十八号条約に違反しない。なぜならば、いわゆる不当労働行為ということははっきり書いてあるから、いたずらに不当労働行為が行なわれる心配がないということで日本政府の意見が出ている。それをもとにして来年今の結社の自由委員会からの即事会に対する報告書があるわけでございますから、そのとき日本政府の意見も留意するということになっておりますから、そのとき理市会の議論をしよう。IL
O条約の結社の自由委員会でもってきめるだけでなく、理事会でもってきまって、初めてILOの意見になる。その議論を来年の三月にするのだというふうに開いておるわけです。おっしゃる通り、その点は全く食い違っているわけでございます。
#249
○国務大臣(植竹春彦君) 私も人事部長が申しましたと同じことを労働大臣との打ち合わせのときに経過説明を聞いておりますので、それで私もやっぱり法文を引っくり返してみますと、不当労働行為に関する規定が、あれは第三条ですか、第二条でしたか、たくさん書いてございますが、なるほど確かに日本は不当労働行為の禁止に関する規定が備わっておるから、九十八号には矛盾していないのだ、さように解釈しておりましたが、このことは、九十八号、八十七号と引っくるめまして、ILOの条約に関する十一月二十五日の、野上委員の御指摘のような文書も一つ拝借いたしまして、先ほど申し上げましたように検討してからまた御質問に応じたいと思います。
#250
○森中守義君 人事部長、十一月二十五日付、日本政府に到着したという文書はあなた方知らぬのですか、ほんとうに御存じないのか。
#251
○政府委員(佐方信博君) これはほんとうに存じません。
#252
○森中守義君 それでは労働省に即刻行って、その文書が、今あなたが言われるような食い違うという点を確かめるには何よりの証拠です。松野君があんなに大みえを切ったけれども、これはほんとうに苦しまぎれの答弁。何となれば、ヤルデンから来ている要求書というのは、かなり強い性質のものです。しかもその中にうたっているのが、今野上委員が指摘した通り八十七号だけに違反するのじゃないのだ、九十八号にも違反しておる。しかも理事会に報告された条約勧告適用委員会、結社自由委員会の議長、副議長を勤めた人が理事として入っているのですよ。その中の発言としては、理事会は理事会として結論をここで出せ、二つの委員会は結論を出したのだから。しかも二百五十円に差別をつけておるとか、年末賞与で差別をつけようとしておるとか、ことさらに八十七号に違反するということの指摘を受けながら、いまだに団体交渉を開かないのは何事だ。これは労働憲章に違反するのみならず、フィラデルフィア宣言にも違反することだと、こういっておるわけです。そういう精神が盛られて十一月十五日に労働省に到着している。おそらく私の想像では、労働省は大臣あるいは中西事務次官、大島審議官、それに官房長官、総理、外務大臣、郵政大臣、このくらいしか書類を出していないのじゃないかというように私は判断をしておる。しかも明らかに二十五日に到着しておるのはわかっておる。だからあなた方が口をきわめて九十八号には違反しないのだと言ってみても、ILOではそう言っておらない。しかも結社の自由委員会の議長、副議長を勤めた人が理事会でそういう発言をしておるのだから、これはあなた方が野上委員の言ったことを信用できぬというならば、あしたぐらい日本の労働側の代表で理事会に出席した原口君をここへ呼んでもいい、参考人として。その会議へ出席して原口君も発言しておる。呼んでもいいですよ。このくらい趨勢というものは明確になったのに、何をもって八十七号だけに違反している、これは批准が済んでおらぬから、憲法違反でも何でもないのだ、そういうへ理窟は通らぬのです。批准されている九十八号に違反するのだから、すみやかに団体交渉に入ったらどうですか。
#253
○政府委員(佐方信博君) 公労法四条三項が九十八号条約に違反するのではないかという議論が出ておることは、よく承知しておるわけです。従いまして、それに対しましてILOで論議がされ、同時にまたそうじゃないのだということで日本政府が十一月にILOに九十八号には違反しないのだという意見を出しておることは事実だと思います。そうしてそのことが来年の理事会で論議されるであろう、今の報告のように論議されるだろうということも承知いたしておるわけであります。そこで、きまっておると私どもは存じておりません。しかし、ただいまおっしゃいました書簡なるものにつきましては、それは私は全然存じません。
#254
○野上元君 政府が出した書簡というのはいつ出たのですか。
#255
○政府委員(佐方信博君) 労働省としましては、本年十一月日本政府から出したのだ、こういうふうに言っております。日にちはちょっと私ここで記憶いたしておりません。
#256
○野上元君 その文書は年次報告ですか、それとも特別な文書ですか。
#257
○政府委員(佐方信博君) その辺のところがどうも全然当事者でございませんで何で、どういうことを出したといわれましても、それは全く郵政省にお聞きになりましても、ちょっとそれは無理かと思います。
#258
○野上元君 大体労働省は、年次報告なんというのは、ILO憲章にきまっているように、その国を代表するような労働組合にもその一部写しを送らなければならぬということになっているのですよ。それも全然かつてどの組合ももらったことがないのですよ。郵政省にも、その当事者であるにもかかわらず、全然知らせないでやっておる。こういうふうに私は考えるわけですよ。それで実は、私はもう全部その書類は握っておるわけです。あなたのいわれておるやつは十月二十六日付の労働省の文書だと思う。その文書によると、この論議は延期してもらいたい、こういうことをいろいろと理由を述べて結社の自由委員会に出されているわけですが、その文書を見ているにもかかわらず、こういう結論を出しておるわけです。それは先ほど私が読み上げた(b)項の中にはっきりと明示されておるわけです。文書は読んだ。しかもそれに留意した。しかしながら幾ら検討してみても九十八号の二条に抵触するんだと、従ってそのことを日本政府に再度勧告するんだ、こういう文章になっておるんですよ。それをあなた方が故意に知ろうとしないだけであって、世界の趨勢というのは、とにかく公労法四条三項というのは削除すべきであると、こういう見解がもたらされているわけなんですから、そのことは郵政当局としても、この大きな流れを目をふさいでみても、どうにもならないことなんですから、従って、公労法四条三項が削除されるのは、先ほど大臣が言われたように、条約八十七号を批准しなくても、その前に削除するんだと、こう言っておられるんだから、それはいつやってもいいんですよ、その削除は。そういう条文をたてにとってあなたは、公共の福祉を守るんだということで全逓と団体交渉をやらないと、こう言っておられるけれども、果して全逓と団交をやらないことが公共の福祉を守ることになるのかどうか、その点、一つ、大臣お答え願いたいと思います。
#259
○国務大臣(植竹春彦君) 確かに、四条三項を廃止することは世界の新しき風潮と申しますか、法律思想である、また、社会思想である、労働問題に対処しての世界的な態度であるということを日本も認識してこそ、ILO条約批准をしたいということを政府の方針としてすでに政府から声明した通りでございますが、それならば現在のままでいいかと申しますると、現在はまだ現行法が生きている、この四条三項を撤廃するのは、現在の法律違反をしている全逓の行動を、行為を合法化するために撤去して、ILO条約を批准するんじゃない、確かに現在の現行法規から見ますと法律違反をなすっているんだ、全逓は法律違反しているんだ、われわれは法治国の国民として、民主主義国の国民として、法律は守らなくちゃいけない、民主主義の国ではもう鉄砲だとか、暴力だとか、ピストルだとか、剣やなんかを武器として闘争やることは許されない、法律と言論――話し合いあるばかりであると。そこで実は私は、ストライキということすら新時代の新しい観念からしてどうかとさえ思うくらいでございます。世の中の――まあこれは脱線しまして恐縮ですが……。そこで、そういうふうなわけで、どうしてもわれわれは法律を守っていかなくちゃいけない。で、法律と条約というものは同じようなものですから、だから、法律を破るようなものはやっぱり条約も破る、条約も守らないと言われても仕方がない、こういう法律をこしらえておき、条約をこしらえておきながら、それを守らざるような組合が日本にあるということじゃ、これはとても批准なんぞもっていけない、日本の国民は、日本の労働組合は、りっぱに条約も守り、法律を守る、法治国ということをよく理解する、新時代に対処できる労働組合を持っている日本だということを、これは世界に向って吹聴して、それで、法律を守るということ、まずこれだけはやっていただく、それから批准に取り運ぼうと。ところが、もし法律を守らない――違法状態のままもし団体交渉でも始めまして、そして批准まで、四条三項を撤廃してやったところが、これは政府は法律を守らないのを堂々と認めているじゃないか、法律を守らざることを堂々と認めていいのか、というふうに世間から御指弾を受けることはもう火を見るより明らかだ、やはりわれわれは法律をまず守らなくちゃいけない、そうすれば、条約もやっぱり守ると推定してもらうことができるだろう、そこで批准にもっていきたい、こういうのが、たびたび申し上げます政府の方針で、今日まで何ら変化を来たしておらないのでございます。
#260
○野上元君 あなたは、このままで条約八十七号を批准すると、
   〔委員長退席、理事鈴木恭一君着席〕
政府が法律を守らなかったという世間の指弾を浴びると、こう言っておられますが、新聞の論調をあなたはどういうふうにお読みになっているかしらんが、そんなことは書いていませんよ、新聞は。政府は今日あらゆる情実にとらわれないで、面子を捨ててすみやかに団体交渉をしたらどうだ、政府の方が先におとなになったらどうだ、こういうふうに新聞の論調は言っておるわけです。従って世間は、あなた方がすみやかに団体交渉を開始されることを望んでおるんですよ、世論が。決して指弾されるというふうに私たちは見ておらない。あなた方はかたくなに、ただ自分らのからに閉じこもって、そう言っておられるだけであって、新聞はみんなそう言っておるんです。しかもILOの各機関もいっておるし、この間、全労、新産別、中立、あるいは総評というような日本の組織労働者が全部共同声明を発表して、この年末の事態を回避するために、すみやかに話し合いをしたらどうか、こういって声明を出しておるのです。従って世論というものは、むしろ団交再開をすべきである、そうしてILO条約の問題についてはもう少し時間をかけて論争したらいいじゃないか、こういうようにいっておるのです。なぜ、あなたの方だけ、そういうふうに世間の指弾を浴びる、指弾を浴びるとおそれられるのか、その点どうしても私は理解できないのです。
#261
○国務大臣(植竹春彦君) 指弾を浴びます問題よりは、私たちは法律を守ることに徹しなければならない、法律に従って行政をやっていくのだ、これが民主主義だ、民主主義を守るために法律を守っていただくのだ、こういう考えだけでございまして、また世間の新聞論調等について御指摘もございましたが、私の読みます新聞につきましては、そういうふうにおっしゃっておる新聞もあるけれども、そうでなしに、全逓は法律を守らなければいけない、法治国じゃないかといっておる新聞がたくさんあることもまた承知いたしております。
#262
○野上元君 私は、去年は、同じような状態の中で――十二月八日でしたか、円満に妥結したわけです。しかもことしと同じ条件にあったのです。政府はなぜ同じ条件にあるのに、ことしはそういうふうにがんこにされるのですか。
#263
○国務大臣(植竹春彦君) 去年とことしと事態が違うように思われましてことしは内閣の方針といたしましてすでに法律を守ってもらおう、法律違反のまま見捨てておくことは、これは法治国として絶対に許さるべきことでないという、この方針に従いまして、私も確かにさようであると存じまして、この方針を堅持いたしておりますので、このことは今後もおごそかに政府の方針は確定しておるわけでございます。
   〔理事鈴木恭一君退席、委員長着席]
#264
○野上元君 事態はいよいよ急を告げてきておるようであり、残された時間ももうわずかしかないと思います。もしも、あなたの方があくまでも全逓からの申し入れを拒否して、一切会見はしない、こういうふうな態度を堅持されると、ずるずるとこのまま年末に突入していくという危険性もあるわけです。それを救い得るのは郵政大臣ただ一人ですよ。ほかの人が幾らわいわい言ってみてもどうにもならない。やはりこの事態をおさめる権能のあるのは郵政大臣ただ一人であると思っておるわけです。従ってこの辺で郵政大臣が決断を下すか下さないかによって事態が円満に解決するか、混乱状態に陥るか、どちらかを選ばなければならないというような、きわめて重要な段階に私はきておると思うわけです。あなたが政治家として後世に名を残されんとするならば、この辺で私は決断を下して事態収拾に乗り出すことが私は郵政大臣としての責務であるというふうに考えるが、郵政大臣はどのように考えられるか。
#265
○国務大臣(植竹春彦君) 私は既定の政府の方針を、私もまたその方針が当然であると存じますので、この方針は確固不動の方針として貫いて参りますけれども、この際に、なるほどやはり法治国の人間は法律だけは確かに守らなければいけない。もっとも法律を守るといったって、事の軽重にもよるでございましょうし、法律違反は東西古今を問わず、世界のどこでも行なわれて、毎日々々法律違反はされておるのであるけれども、法律違反の軽重、程度にもよることでございまして、しかもだれが法律違反を、どういう重い法律違反をやるかということにあるのであって、全逓というようなりっぱな組合、世界に名の知れた組合は、これはこういうことで、こういったような重大な法律――強行規定というものは、これは何としてもお守りいただかなければならない。このことは御理解いただくまで説得に努めたい、といっても、団体交渉をして説得に努めることはできませんから、警告その他の方式をもちまして、御理解をいただきたいと、こう思ってやっているわけでございますが、もし全逓が法律を守る態度をお示し下さいまするならば、どの程度の法律を守っていかれますかということは、これは実際問題でございましょう。先ほどから申し上げますように、法律違反にも程度、軽重のあることだと――重い軽い、軽重のあることだということを申し上げておるわけでございますので、全逓におかれまして、すみやかにこのよき御決意をしてもらうために、何分とも参議院議員の立場におかれまして、野上委員におかれましても、他の委員方におかれましても、格段の御協力をお願い申し上げる次第でございます。
#266
○野上元君 私もこれ以上きょうは論争しようと思いません。私は、公労法四条三項の今日における解釈をめぐり、あるいはまた条約八十七号及び九十八号の問題についても、いろいろと文献を示してあなたに説明をいたしました。さらにまた、世論の動向、あるいはその他国際的な労働組合の動き、国内的な動き等についても、いろいろと説明をし、今日緊迫せる事態の解決のために私は大臣に勧告をしたわけですけれども、きわめて好意的な勧告をしたわけですが、大臣がこれを受け入れないで、むしろ混乱を望まれておるということでありまするから、これ以上私は今日あなたに質問しても無意味であろうと思いますので、きょうはこれでやめておきます。
#267
○森中守義君 私は、午前中に引き続きまして、やはり今野上委員の言われたことに関係があるのですが、普通郵便局がまだ五百七十局残っておる。これは一体三六協定締結の可能性があるかどうか。このことが明確にならずして年賀郵便が心配要らぬということは、どうしても考えられない。もう一つ、大臣のお考えを承っておきたいと思います。
#268
○国務大臣(植竹春彦君) この間も非常勤の勤務状態をまのあたり見て参りましたが、なかなか非常勤も一生懸命にやってくれますし、これは三六協定がどんどん結ばれて参りますので、全逓の諸君も、賢明なる諸君が全逓のうちにはおられますから、きっと三六協定を結んでくれて、また年越しもふところあたたかく年越しをしてくれるであろうということを期待をかけておるわけでございますから、これはそう大した――初め考えておりましたような三百万といったような動員はしないで済むという見通しを立てておりますと同時に、この賢明な諸君の御協力によりまして切り抜けていかれるという自信をいたしておるわけでございます。
#269
○森中守義君 これは見通しの問題でもあろうし、またそういう正確な見通しなくして、事業の経営も、あるいは大臣の大臣としての任務も私は勤まらぬと思うのですが、残念ながら、そういう見方からしても、あなたはほんとうに郵便が完配できるという自信をお持ちでない。また、そういう答えはここから出てこない。そこで、さっき野上委員も言われたようだけれども、今とにかく相手の方が屈服するのを待っておる。そこで、公労法四条三項の問題も、十一月二十五日に到着している事実を知っておりながら、知らないと言い、九十八号に違反しておるということを知っておりながら、これをほおかむりして、それでのっぴきならぬところまで立ちすくんでしまって、全逓が、言葉は悪いのですが、妥協を申し込んでくるのをこの際待とうという、そういう政府あるいは与党の意向に押されて、大臣が大臣としての任務を果していない、私はそう率直に思うのです。そこで、ここ数年来、年末になって、いかにして年末の幾多の問題を解決するかということで、例年国会の中でいろいろ私どもは審議を続けてきたのですが、歴代の大臣は、国会の中における答弁の技術上の拙劣はあった。だけれども、法律をいじり、法律をたてにとって、一応の理屈の言い合いはしたけれども、やはり最後は大臣らしい答弁をした。閣議の中でたとえ孤立しても、あるいは与党の態勢がきわめて強くても、あくまでも年賀を飛ばしてはいかぬ、非常勤三百万とか、いろいろ計画はしても、これは実行不可能である、断じてできない、そういう事実を認識把握しながら、最終的には郵政大臣が閣議の険悪な空気の中にまで飛び込んでいって孤立してまでも説得した。与党の中に行って孤立してまでも与党の諸君を説得したという事例を私は幾つも知っておる。ところが、残念ながら、今の植竹大臣になって、そういう努力の跡が見えない。政府与党の意向をそのまま国会の中に反映し、郵政省のために、国民のために、あなたが職務を果されておるとは私は思えません。これは、もはや八十七号批准の問題は時期の問題である。しかし、全逓の政府が言うような違法状態、これが来年の三月という時期に迫られていて、この際全逓を年末の苦境に落とし込んで勝負をつけよう、それで政府の面子を立てよう、これが実は私がしばしば指摘しておる在来のこだわりというものです。さっき野上委員も言うたように、新聞の論調や国民の世論をどういうようにあなたは判断をしておりますか。もちろん、全逓もほめたたえられてはいない。だからといって政府がとっておる措置が無条件によろしい、そのままの態勢で全逓を押しつぶせという世論はどこにもない。なぜに双方が話し合いをしないのかという意見が圧倒的に強い。公労法四条三項をたてにとっておるけれども、公労法四条三項では現実に郵便が届かないのです。これが私は率直な国民の世論だと思う。そういう理屈の言い合いや国際条約の問題等はまた別に論議をして、年賀郵便はとにかく間違いないように届けてほしい。政府と全逓の理屈の言い合いで年賀郵便は届きませんよ。年賀郵便は届けてほしい、これが国民の現在の率直な世論です。もしも大臣が、政府の主張がより正しくて国民の支持も、年賀は届かぬでもよろしい、今の態勢で全逓を押しつぶせという世論があるならば、聞かしてもらいたい。一体大臣は、新聞の論調や国民の世論をどういうふうにお考えになっておられますか。まさに大臣からぬ大臣、今まで歴代の大臣に、ずいぶんとむずかしい理屈の言い合いをしたり、けんけんがくがく言い合ってきましたけれども、最終的には、政府与党の意向がはなはだ郵政省のためによくない、年賀が飛ぶという態勢になったならば、ある時期には辞表をふところにしてでも、閣議の中で、これは一つとにかく郵政大臣にまかせてくれとか、こういうことでは困るということで説得した大臣がたくさんおいでになる。それらの大臣とあなたと比べた場合、問題にならぬじゃないですか。裁判所の判事か検察庁の検事と同じだ。法律をたてにとっておる。法律だけで仕事をやるのが大臣じゃありませんよ。法律の運用、運行その妙をいかにするかということが私は大臣の責任であると思う。一体五百七十といういわば年賀郵便が届くか届かぬかという大事な局の中で、三六が結ばれないで非常勤の数をあげてみたり、七億という金高をあげてみて年賀が完全に届くというならばお目にかかりたい。絶対にできない。そのうしろの方に並んでおいでになる事務当局はどういう説明をしておるか知りませんが、おそらく内心は必ずしも大臣が言われるようなことじゃないと思う、郵政当局の皆さん方は。一体閣議の中やあるいは与党の中で少々全逓が思い上がっておるから、この際やっつけろという意見があることを私は聞いておる。しかしそういう意向をそのままあなたが真に受けて、それで年賀が届かぬのも仕方がないとするならば、これは政府与党の郵便事業である、国民の郵便事業じゃないということだ。その辺が一番大事なところですよ。自由民主党や岸内閣の郵便事業でないということ、九千三百万の国民の郵便事業であるということを忘れちゃおりませんか。思いそこに至るならば、与党や閣議の中で、たとえあなたが孤立してもできないという現実の上に立ってあなたがさか立ちしてみても、八百円のアルファをつけて、風鈴をつけて三六を結んでくれといっても、現在の全逓は絶対にくずれない。東京中央を初め、各地方郵便局、鉄道郵便局、それが機関の全体の率からいくならば、五%、一〇%程度になるかわからない。しかし残った最後の五%、一〇%によって断じて年賀はおくれるということです。三六協定が幾つ結ばれたか、その締結された率によってきまるものではない。ここに数よりも質だという問題が出てくる。明確に中央郵便局や鉄道郵便月が三六協定を結ぶという自信がありますか。十余年の長い運動の中から今日を得たる全逓が不合理な政府与党の措置によって軍門にくだるということは考えられない、できないということだ。だからもう少し私は郵政大臣は郵政大臣らしく政府与党の意向もあろうけれども、政府与党の事業でない、国民の事業である、国民の郵便であるということに思いをいたしてもらって、大へん責めるようでありますが、ぜひ私は四条三項とか、そういう法律よりも、国民はそういう法律の論争を期待しておるのじゃないですから、率直に話し合いをおやりになるなり、団交の再開をやるなり、この年末の危機を回避してもらいたい。明日も委員会が続きますから、また一つそのときも少しくお尋ねしたいと思いますが、きょう私はその点大臣の法律論あるいは法律の技術者のようなことでなくして、大臣らしい、政治家らしいものの運びをお考えになるかどうか、その点を一つ承っておきたいと思うのです。
#270
○国務大臣(植竹春彦君) 私は政治は妥協なりということも心得ておるつもりでございます。しかし今回の問題は何といたしましても、妥協すべき場合と妥協してならない場合とあって、法律違反を是正して法治国の面目を躍如たらしむることが民主主義を守るゆえんである、法を守るゆえんである、社会の秩序を守るゆえんであるというのが政府の方針であるといたしますれば、この点は何としても譲れない点であって、各新聞紙も法律違反をしていることをほめておる新聞は一つもないと私は新聞を読んでおります。むろん政府の方も妥協したらいいじゃないかという記事もあるにはありますけれども、法律に違反している全逓が是認されておる記事はないと、さように考えております。私は法律を守るため、社会の秩序を維持するために、これは守り抜かなければならないというのが、ただいまの内閣の確固不動の精神である、方針である、さように考えて対処しておるのでございますが、私とても決して混乱紛争を事とするものではむろんございません。ただこの民主主義を守り抜くという精神だけは、自分の利害打算とかあるいは先ほど辞表をふところにというお話でございましたが、自分がやめるとかやめないとか、そういうことを度外視して、この法治国の面目躍如たらしむるような政治をやっていきたい、さように考えております。
#271
○森中守義君 もうやめようと思っておりましたが、もう一つ聞いておきたいのは、今あなたが言われたことからいくならば、国民がどういうように迷惑をしてもそれはかまわぬ、あなたは所信を貫けばよろしい、こういうようなことになりますね。というのは、今新聞の論評に対するあなたの見解も加えられたけれども、公労法四条三項の問題とか、法律上のやりとりを国民は求めているのではないですよ。間違いなく年賀郵便が届けられるかどうか、その答えを国民は求めているのですよ。それが第一点。だから言うなれば、国民がどういうふうに迷惑をこうむっても、政府は所信を貫けばいい、こういうことであるかどうか、今答えが出たようですが、もう一回それを聞きたい。
 それからさっき野上委員も言っているように、かりに四条三項に違反した。ところが労働組合の団結権あるいは団体交渉権、こういうものは、つまり労働運動の全体というものは、公労法四条三項だけでなく、保障し救済する規定はたくさんある。それはあなたも御存じの通り労働組合法であり、公労法でもありましょう、憲法でもありましょう。それで四条三項のいわゆる制限規定に該当したから、それで憲法の保障も受けられない、公労法の保障も受けられない、労働組合法の保障や救済も受けられない、どうなのですか。その点、私はあなたが公労法四条三項に違反しているから、言うなれば、全部の労働組合の権利が停止されている格好になっている。実際問題としてはそうなっている。だからどれか一つの規制条項に該当したために、保障あるいは救済の全部の法律が停止されるものかどうか、これも一つあわせて答えて置いて下さい。
#272
○国務大臣(植竹春彦君) 法律を破れば法益を受けないことは当然のことでございます。その法益に関連いたします法益もまた受けないのは当然でありますが、関連いたしません法益はこれを享受し続けられるのであります。さらにまた国民は今政治問題として、今年賀郵便の配達完成ということのみを望んでいるとおっしゃいました。私と国民との話し合っておりますことは、国民の渇望、翹望というものは、年賀郵便を完全に配達されることと同時に、それにも増して法治国においては法律を守るのだ、まず法律を守ってから、すべての問題の解決の糸口が見い出されるということが、国民の渇望している点であると、観察いたしております。
#273
○森中守義君 ちょっとどうも私理解できないのですがね。要するに労働組合が、まあ言ってしまえば法律に違反した。それの認定と断定は政府がなさっている。しかしそういう違反を起こしたからその他の公権が停止されるというものは、これは裁判にかかっている、それで判決が出た、それで公民権を停止するとか、そういう場合のことを言うのじゃないのですか。労働組合という一つの法人が一つの規制条項に適用になったから、それで全体のほかの関連する法律の適用を受けない、あるいは保障を受けないということは、これは少し大臣思いすごしじゃないですか。わが国の法律はそうなっているのですか。一つの法律に違反をした、ところが他に救済、保障する法律があるのに、そのために他のものは全部停止される、そういうことでしょう。おそらく裁判に持ち込まれていって、それで刑の確定を受けた場合に、その際にはいろいろな権利が停止されるでしょう。それでない限り、特に行政上の問題として違反に問われて、他のことが全部私は権利が停止するという、そういう法理論は聞いたことがない。明らかに私は大臣の言われることは間違っていると思う。だから四条三項には違反しているけれども、公労法の条項や、あるいは労働組合法や、いわんや憲法の労働組合を保障している条項は依然として私は権利を持っていると思う。しかるに団体交渉をとざされたとともに、一切の権利が停止されたような格好になっている。あまり大それたことを大臣は言ってもらっちゃ困る。少なくとも裁判所で刑の確定を受けたときに、享受する権利が停止されるのであって、そうでない限りは、法人格であろうと個人であろうと、当然の権利は保有すべきものである、保全されている。いわんや公労法四条三項は行政上の認定であります。裁判所とかあるいはその他これに準ずるような機関が、これは違反していると断定をしておりませんよ。労懇の答申を見てごらんなさい。全逓は違反している、これを削除しなければ八十七号の批准はできないということを労懇はどこに答申の中で言っておりますか。むしろあれは、この前私が言ったように、注意事項的なものである、規定事項的なものである、要望事項的なものです。労働問題懇談会という政府の諮問機関ですらも、全逓は誤っている、公労法四条三項違反であると断定しておらない。政府だけがそんなことを言っている、そう思いませんか。
#274
○国務大臣(植竹春彦君) さように存じません。思いません。新聞論張を見ましても何を見ましても、法律違反をやっているのは全逓がいけないのだと、書いていると私は読んでおります。
 それからまた私の先ほどの法益に関しまする説明的答弁は、これは速記録をお読みになればおわかりいただけると思いますが、法益は、これは行政法上のものであり、また司法上のものがあるわけでありますけれども、法律上の違反の事実が、行政上のものである限り、その行政法上の法益を受けないと申し上げたので、かつまた関連した法益もまた停止される場合がある。しかし関連せざる、関係のない法益は相かわらず享受することができるのだということを繰り返えし御説明申し上げる次第でございますが、本問題は、何をおきましても、これは法律違反をして大いばりでまかり通るというのでは絶対にこれは世間が通らない。法律違反だけは、どうぞしても御理解いただきまして、法律違反は当然だというふうな態度でなく、法律を守ることだけは金科玉条に法治国の労働組合としてお守りいただきたいというのが、私のしばしば警告を発しているゆえんでございます。その上ですべての問題を解決していきたい。ILO条約、スイスにおきましても、その私たちの申しますことは是認されておると、私たちは情報を得ておりますけれども、先ほども申し上げました通りに、なお野上委員からの文書を拝見いたしまして検討してから、さらにお答え申し上げたいと存じます。
#275
○森中守義君 それはもう幾らやってみても、これはもうそういう調子だからまたあしたに回しますが、ただお考えいただきたいのは、あなたの方でもその所論が正論だというお考えのようです。片方の方もやはりその通りなんです。自分の主張が正論だと言っておる。そういうことですよ。何となれば、今私が言うように、四条三項違反をしたから他の公労法や労働組合法、憲法が保障している権利が消滅するものじゃないと思う。しかるに、またすでに批准されているILO九十八号の条約に抵触をするということを片方の方は考えておる。理論はたしかに平行している。しかもこれを政府が行政的に認定をしている、それだけの問題である。第三者の公的な機関の認定がない。どこにもない。そういう状態の中にまさに国民に迷惑のかかるような事態が頻発しようとしているのだが、そこは理屈の言い合いでなくして、何か政治らしい問題の解決の方法があるのじゃないか。そういう理論の言い合いは賛成もあれば反対もある。政府の主張が全部正しいとはだれも言っていない。また全逓の主張がすべて正しいという、そういう意見でもない。意見は五分五分なんだ、はっきり言えば。これは来年の三月という時期がくれば、おそらく解決をするでしょうが、そういういずれも正とも邪とも認定しがたい意見の対立の中に、そういう谷間の中から余儀なく状態が発展しておるとするならば、これは郵政大臣として何らかの措置をとるというのが最低の常識だ。答弁は要りません。それだけ特に私は意見を付してきょうはこれで終っておきたいと思います。
#276
○委員長(柴田栄君) ほかに御発言もなければ、本件に関しましては本日はこの程度といたしまして、これにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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