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#1
第033回国会 地方行政委員会 第3号
昭和三十四年十一月五日(木曜日)
   午前十時十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     新谷寅三郎君
   理事
           鍋島 直紹君
           加瀬  完君
           鈴木  壽君
   委員
           安部 清美君
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           白井  勇君
           占部 秀男君
           大森 創造君
           松澤 兼人君
           米田  勲君
           中尾 辰義君
           杉山 昌作君
  政府委員
   自治政務次官  丹羽喬四郎君
   自治庁行政局長 藤井 貞夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   自治庁行政局公
   務委員課長   今枝 信雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (地方公務員の退職年金制度に関す
 る件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を開きます。
 まず御報告いたします。去る十月三十日本院の風水害対策特別委員長郡君から、文書をもちまして、地方行政委員あてに、特別委員会における諸般の調査活動のために、本委員会の調査空の協力を求めたいので配慮をしてもらいたいという申し入れがございました。委員長といたしましては、ごもっともと考えまして、とりあえず法貴調査員を特別委員会との連絡協力に当たらせることにいたしましたので、御了承をいただきたいと思います。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(新谷寅三郎君) 本日は、地方行政の改革に関する調査として、地方公務員の退職年金制度に関する件を議題といたします。
#4
○占部秀男君 今、委員長の方から申されました地方公務員の退職年金の法制化の問題と、もう一つは、地方議員の退職年金を作ろうという動きが、御存じのように、これにからまってあるわけですが、この二つの問題についてお伺いをしたいと思うのです。
 まず最初に、次官にお伺い申し上げたいと思うのですが、それは、地方公務員の退職年金法案はいつごろ出す予定であるか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#5
○政府委員(丹羽喬四郎君) ただいま委員からの御質問でございますが、地方公務員の退職年金制度の改正につきましては、大体本年の二月に地方制度調査会から答申もございましたし、基本的には、この答申に沿いまして国家公務員の退職年金の改正もございましたから、これに準じまして改正を行いたいと考えておる次第でございます。ただいまは、その附帯決議にもございます通りに、六団体あるいは職員団体その他の団体との意見を聴取いたしまして、調整をはかりつつやっていきたいと思っておりまして、ただいま市町村の單位組合の問題であるとか、健康保険組合の問題であるとかいうような点で若干いろいろ問題がございます。その調整を急ぎまして、大体方針を休会明けくらいまでに決定いたしたい、こういうつもりで臨んでおる次第でございます。
#6
○占部秀男君 そうすると、方針を休会明けまでには決定したいということになれば、できれば次の通常国会には出したいということになってくると思うのですが、そういう点はいかがですか。
#7
○政府委員(丹羽喬四郎君) これは、まあ通常国会の休会明けでございます。
#8
○占部秀男君 ああそうですか。わかりました。失礼しました。
 そこで、さらにお伺いをしたいのですが、この問題については、もう私も、この委員会で二、三前の大臣、今の大臣にも質問をして、確認というか、求めたところですが、この地方公務員の退職年金法を作るについては、まずその前提として、一つには民主国家の公務員制度にふさわしい地方公務員の退職年金法を作る。それから第二番目には、従来持っておる既得権あるいは期待権、こういうものはもちろん守ってやるんだと。それから、第三には、この間の通常国会のときにも、国家公務員の共済組合一法の問題をやったときに附帯決議もついたように、必ずしも、従来のように、国公がきまったから地公が右へならえというのじゃなくて、地方公務員には地方公務員にふさわしい退職年金法案を作っていただかなければならないと、こういうような三つの点は、私はたびたび大臣にも確認を求めて、今の大臣も前の大臣も、そういう方向で行きたいと、こういうふうなことの答弁を得たわけですが、この点については、今も変わりはないと思うんですけれども、自治庁の方針としてはいかがでございますか。
#9
○政府委員(藤井貞夫君) 基本的には、ただいまでも答弁を申し上げておる線に変わりはございません。第一の点といたしましては、民主国家にふさわしい地方公務員の退職年金制度の確立ということを目途としていきたいと申しておりまするし、その大体の構想は、御承知の地方制度調査会の答申の線にも現われておるというふうに考えておりまして、ただいま政務次官からも申し上げましたように、私たちといたしましては、地方制度調査会の答申の趣旨を尊重しつつ、これを具体化していくという基本線で進みたいと思っておるのであります。
 第二の点といたしましては、いわゆる既得権、期待権の問題でございますか、これについては、むろんこういう制度の切りかえにあたりましては、当然そのことが重要なポイントになって参る事柄でありまして、われわれといたしましては、原則といたしまして、既得権、期待権というものは最大限度に尊重するという建前で案を固めて参りたい、かように考えておるのであります。
 第三の点といたしましては、地方公務員制度というものにつきましては、むろん国家公務員制度そのままを画一的に右へならえをすべきものというふうには考えておりません。現在でも、三十五百というそれぞれの団体がございまして、自主運営をやっておるわけでございますので、その特殊性というものは、これを加味していかなければならぬということは当然でございます。ただ、公務員制度全般として考えます場合に、地方公務員法の規定にもございまするように、制度自体が国家公務員との間に対応した措置というものは、基本的には考えていかなければならぬという建前は原則としてあるわけでございます。基本的な線自体と国家公務員との間に非常に懸隔のあるものといたしますることは、これはむしろ適切ではないのではないかと考えております。ただ、その裏づけのために、地方の自主性あるいは対応性というものまで全面的に否定をするということは、むろんこれは適当ではございません。地方自治の建前から申しましても適当ではないのであります。そういう見地から申しまして、大きなワクといたしましては国家公務員制度というものに対応させる線を守りつつも、地方の特殊性あるいは自主性というものは、これをできるだけ尊重していくという建前で進みたい。
 以上三点につきましては、従来申し上げておることと、現在れわれがやっておりまする線とは、考え方が変わっておらないことを申し上げておきたいと思います。
#10
○占部秀男君 そこで、地方議員の退職年金についての動きの点については、あとで私は質問したいと思います。今、もっぱら地方公務員の退職年金の法制化の問題についてお伺いをします。
 そこで自治庁の方で、九月の七日に、地方公務員の退職年金制度を作る場合の第一次試案を出されたわけです。もちろん、この第一次試案がそのまま立法化されて、いわゆる法律の原案になるとは考えておりません。おりませんけれども、第一次試案というものは出されております。この第一次試案は、やはり自治庁としても相当の確信を持ってもちろん出されたものであると思いますので、一応これにのっとっていろいろな作業が方向的には行なわれると見なければならぬと私は考えるわけです。そこで、第一次試案を中心にお伺いをいたしたいと思うわけです。
 この自治庁で発表された第一次試案の第一は、目的の問題でありますが、退職年金制度の目的というものを書かれておる。この中で、「地方公務員の退職年金制度は、地方公務員の退職、廃疾又は死亡に関して適切な給付を行い、地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する」と、こういうようなことが書かれておるわけです。これは、われわれはもちろん賛成だと思うわけですが、そのあとに、それとともに、「公務の能率的運営に資することを目的とする」、こういうことが書かれてあって、この二つを受けて、「国及び地方公共団体は、共済組合の健全な運営と発達が図られるよう必要な配慮を加えるものとする」、こういうようになっておる。この「公務の能率的運営に資することを目的とする」ということは、何か私は、退職年金制度そのものとは直接関係がないような気がするわけですが、特に先ほど私が確認を得た、民主国家の公務員制度にふさわしい退職年金の既得権、期待権を守る退職年金、国公の関係にいわゆる機械的に右へならえじゃない退職年金と、この三つの確認を得た、この方向からいって、どうも私は、このところは少しよけいな文句じゃないかというふうに感ずるわけです。どういう意味合いでこういう文言を入れなければならないか、そういう点についてお伺いしたい。
#11
○政府委員(藤井貞夫君) この点をうたっておりまする意味は二、三ございますが、簡単に申し上げますと、地方公務員の退職年金制度といいますのも、これは、御承知のように、地方公務員法が予定をいたしておりまする制度でございます。地方公務員法の中に一章を設けまして、これらの規定をうたい込んでおるのであります。その母法でございまする地方公務員法自体というものが、第一条におきましていろいろのことを書いてございますが、いわゆる人事行政に関する根本基準を確立することによりまして、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営を保障するということになっておるのでありまして、この母法自体の考え方というものが、いわゆる地方行政の民主的能率的な運営を保障するという建前になっておるわけであります。この母法の中に書かれた地方公務員の退職年金制度といたしまして、そのねらいの一つとして、公務の民主的運営ということがうたわれるのはむしろ当然ではないかというふうに考えておるのであります。しかも、その直接のねらいといたしましては、いろいろ考え方はあると思いまするけれども、退職年金制度を一つのはっきりとした当盤の上に据えていく、これを、国家公務員の基本線というものを大体にらみながら、公務員の特殊性というものを加味いたしました、確固とした基盤の上に置いていくということが、ひいては公務員の身分を安定せしめ、また、老後の保障ということも得られることによって、安んじてその仕事に精励ができるという体制をとりますることによりまして、公務の能率的運営にも資し得るということが結果として得られるのではないか。そういうねらいを持つものとして、退職年金制度の目的もそこに大きな一つのねらいというものがあるのであるという意味合いをもちまして、この目的といたしまして、「公務の能率的運営に資することを目的とする」ということを掲げたのでありまして、特別に国共法の方で書いてあるから、何が何でもその通りに引き写しをしたらいいという考えでやったつもりはないのであります。
#12
○占部秀男君 局長の今の御説明で半ばわかったような気がするのですが、あとで触れますけれども、共済組合の設置の方法あるいは管理あるいはまた運営のいろいろな具体的な規定をされたあり方、こういうところから見て、何かこの言葉は、私たちの考えるところによると、国の労務管理の上にこれをことさらに利用しようという、言い方は少しあくどいかもしれませんが、利用しようというようなにおいが私は強いように感じられるわけです。そこで、これはあとで申し上げますけれども、こういうことは、地公法ですでに予定してそこに書かれていることなんであって、退職年金そのものの目的と直接関係のある問題ではないのであって、退職年金を作ること自体が、もうすでに公務の能率的な運営ということを考えるがためにも、一方ある意味ではできておるということなんであるから、こういうような文句は、私は必要ないのじゃないかと、かように考えるわけですがね。その点はいかがでございますか。
#13
○政府委員(藤井貞夫君) 私たちといたしましては、これによって、今お話のございましたような、何か労務管理をこれを機会に強化すると申しますか、そういう意図は、これはむろん持っておりません。と申しますのは、そういう労務管理の面だけを形式的にとって参りますれば、むしろ現在府県等において大半行なわれております、一方的な支給でありまする恩給制度というものの方が、あるいはいわゆる労務管理というようなことの強化に資するということであれば、あるいはその方が適したものであるかもしれないのであります。われわれといたしましては、そういう意図は毛頭持っておりません。他面、今度の退職年金制度におきましては、基本的な方針といたしまして、いわゆる折半負担の原則というものをとっておるわけであります。これは、使用者でございまする地方団体と、それから組合員になりまする地方公務員、これがそれぞれ折半で所要の財源負担をやっていくという建前になっております。そのことから、結局、公務員自身の組合運営についてのいろいろの発言権というものを認めていかなきゃならぬという要請が当然出て参りまする一面、また地方団体自体も、法律上義務づけられて負担をして参らなければならぬということにもなるわけであります。そういうような意味におきまして、その組合の管理ということにつきましては、両者の意見をやはり十分に取り入れられるような、そういう組織というものを考えていかなければならぬのじゃないか。一方に遍するというようなことは、やはり避けて参らなければならない。あくまで公正妥当なる運営、しかも適正な運営というものをはかって参らなければならぬのではないかという考え方を持っておるのでございます。
#14
○占部秀男君 そこで今、局長が言われたように、一方的に支給した恩給法のそういうような考え方でない意味で、この退職年金制度というものが作られるのだということは、非常に私としても賛成だし、そうなければならぬと思うのですが、この文句があとあとの運営その他に関連しておるような気がしますので、それを取ったらいいじゃないかという意見を申し上げたですが、なお、この文句を中心として、私は、今、局長が言われたような骨子であるならば、確認というか、明らかにしてもらいたい点があるわけです。それは、地方公務員の俸給、恩給関係もありますが、そのもとたる俸給関係の問題なんですが、この俸給の問題は、昔はいわゆる官吏の、何といいますか、生活を見てやるんだということで、いわば包括的に、身分的な隷属的な関係も含めての俸給であると私は思うのですが、今日は、やはり地方公務員の職務に勤務するその勤労に対するというか、勤労という言葉がいやならば、勤務しておる、その勤務の働きに対する反対給付と、こういう立場で俸給が作られておると、こういうふうに思うのですが、その点はいかがなものでございましょうか。
#15
○政府委員(藤井貞夫君) 現在の地方公務員、あるいは国家公務員もそうでございますが、給与制度の建前は、これは疑いもなく、地方公務員の公務という勤務に対する反対給付と申しまするか、対価という建前で構成せられておることは、その通りでございます。
#16
○占部秀男君 そうしますと、この退職年金の今度は性格の問題に入ってくるわけですが、反対給付であるその給付の中の一部分を、局長も言われたように、掛金として出していくわけです。従って、そういうような支給と、もう一つは、ここにも書かれておるように、退職後あるいは廃疾または死亡に際しての遺族、こういう者に対する生活の安定をはかってやるのだ、こういうような考え方でこの退職年金法案が作られて、これはまだ法案にはなっていないけれども、第一次試案にうたわれている以上、これはいわゆる昔の恩給という性格では、はっきり言ってないのであって、いわば退職者あるいは死亡した公務員への遺族の生活保障のための給付である、かように考えられるわけですが、その点はいかがなものでしょうか。
#17
○政府委員(藤井貞夫君) その点につきましては、御指摘になりましたように、従来の恩給、いわゆる国なり地方団体の公務員に対する恩恵的な給付というようなものではなくて、一つのやはり老後保障のための社会保険的な、あるいは社会保障的な意味を持った給付という色彩が強いということを申し上げていいと思うのであります。ただ、その場合に考えなければならないと私たちは思っておりますることは、しからば公務員についても、やはり一般並みの国民の年金というようなものと同じものでもいいのじゃないかというような議論が一方にはあるのです。しかしながら、その点につきましては、公務員としての従来の沿革もございます。さらに、公務のやはり何といってもある程度の特殊性というものは、これは認めなければならないと思うのであります。公務員であるがゆえにいろいろ課せられております身分上の制約、制限等もございまするし、そういうような点もやはり加味して参らなければならぬのではないかということも考えられるのでありまして、やはり従来の沿革なり、そういうような点を加味しつつ、やはり一般の趨勢に適合いたしました社会保障的な考え方というものを加味していくということが今度の新しい年令法のねらいではないかというふうに考えておるのであります。
#18
○占部秀男君 局長のお答えの中で、初めの部分はいいのですが、あとの部分についても、決して悪いとは言わないのですが、内容が、こじれてとるとこじれてとれるようなことになっていくので、その内容をもう少しははっきりさしてもらいたいと思うんです。というのは、まあ一般の国民年令と違った形の退職年金であるという、その意味合いからいって、公務員の性格を加味したと、こういうふうに言われるわけですが、その公務員の性格というのは、やはり勤労していく公務員の性格、働いて反対給付としての給与をもらう公務員の性格という意味は、あくまでもその中で貫いていかれなければならないと考えるわけです。率直に言うならば、今度の退職年金の制度化において基本的に考えられる筋は、やはり使用者と使用される者との間のこの勤労関係というか、労働関係というか、そういうものが基本として流れていなければならないと、かように私は考えるんですが、その点はいかがなんですか。
#19
○政府委員(藤井貞夫君) その点が従来のやっぱり恩給と違うところでありまして、そういう考え方が中心になって参ることは事実であります。ただ、その場合になりました場合に、一般の民間あるいは一般の国民というものとの特殊性というものをないがしろにすることはできないではないか特殊のやはり勤労関係といいますか、勤務関係というものも、当然その給付の内容、制度の立て方等について考えて参らなければならぬ問題があるのじゃないか、そういう意味で申し上げておるのであります。
#20
○占部秀男君 重ねて、くどいようですが、特殊の勤労関係ということになると、あとは具体的な点でやらんと、その内容については水掛け論になると思いますので、その点については、あとで一つ、具体的な質問の中でそういう点をお答えを願いたと思うわけです。
 そこで、今、今度の退職年金の性格がややはっきりしたように思いますので、一応そういうような性格であったならば、第一次試案の中に書かれておるようなまぎらわしい、「公務の能率的運営に資することを目的とする」、しかも、それを受けて、必要な配慮を地方団体も国も加えなければならないという文句は、あってもなくてもいいことであって、これは、誤解されるもとを私は明文化するような結果になりやせぬかと思うので、誤解されるようなことがあるならば、この文句は削除してもいいじゃないかと、こういうふうにまあ思うわけです。今、局長の言われたようなことは、これは退職年金そのものの前提として、すでにもう地方公務員法でも、あるいはまたその中の解釈でも明らかになっておるところであって、今さらこれをここへ入れる必要は、まあまあ誤解されてまで入れる必要は私はないと思うんです。どうも入ると誤解するような傾向が、適用される職員の中に相当あるんじゃないかというふうに考えるんですが、そういうような意味合いから、これにはあまり重点を置かないで行くような方向の方がすっきりしていいんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがですか。
#21
○政府委員(藤井貞夫君) 私たちは、別にそれほどの他意を持っておるわけではございませんで、先刻申し上げましたような理由に基づいて、すらっと書き流しておるつもりなんであります。また、一面において、公務員の制度でございますので、これはやはりあくまでも国会でも御審議をいただく公の制度でございます。しかもそれには、公共団体の方も多額の財政支出をしていかなきゃならぬという問題でございまして、そこで、やはり公の制度としての性格というものをはっきりと打ち出しておくということは、さほど取り立てていろいろ論議をされる事柄でもないんではないかというように、すらっと考えておるのでございますが、そういうような一部において誤解を生じておる向きがございますれば、われわれといたしましては、機会のあるごとに、そういう誤解を解く努力を今後とも一つ続けて参りたいということは考えております。
#22
○占部秀男君 まああまり一つところにこだわっていると、時間の関係もありますから、進みたいと思いますが、そこで、第一次試案には、第二の問題として、今度の新しい共済組合の設置の問題、それから定款の問題、それから監理の問題、運営審議会の問題と、こういうような問題がずっと書かれておるわけですが、この中で、設置と管理の問題に関連をしてお伺いをしたいと思うのです。
 今度の第一次試案を見ると、共済組今日の設置の方法が、いわゆる都道府県、それから公立学校職員、それから警察職員、それから、まあこれは六大都市等が中心だと思いますが、指定都市の共済組合、それから一般の市町村の共済組合、こういうように、何というか、一本の今までの官公機構の線に沿った形で、ずっとこう割り切られておるわけですね。しかも、その運営を見ると、管理の方向を見ると、それぞれの組合の代表者――代表をし、その職務を執行するというものは、文教のいわゆる教員関係の組合でいえば文部大臣であり、それから県の職員あるいは市町村の職員の場合は、やはり最高は自治庁の長官になる。警察関係は警察庁長官になると、こういうように、現在のこの官の機構の頂点に立つ人が法律場当然代表し、しかも、この全部を掌握する執行の最高責任者になっておる。こういうことは、どうも先ほど局長が言われた、労働者の既得権、期待権あるいはまた労働関係、いわゆる勤労者関係の流れというものの中で作られておる共済組合であるとか、あるいは民主国家にふさわしい公務員制度に対応するものであるとかというような概念からはやや逆行的な感じを私は持つわけです。この点について、なぜこの自治庁長官とか文部大臣あるいは警察庁長官がそれぞれの共済組合の最高責任者としてならなければならないか。こういう点についての自治庁の見解を一つ教えていただきたいと思います。
#23
○政府委員(藤井貞夫君) この制度は、申し上げておりまするように、法律に基づく制度として連帯をされて参りまするものでございまするし、また、その制度自体が、共済組合という名前になっておりまするけれども、これも一つの公の制度として運営をされて参ります。しかも、将来の年金の支給の母体になって参りまする積立金の造成につきましては、職員である組合員とともに、それぞれの公共団体というものが、折半負担の原則によって、毎年経費の積み立てをやっていかなければならぬ義務を負うわけでございます。そういう意味から、それらの運営については、確たる責任の所在というものがある必要があることは、申すまでもないわけでありまして、そういう点から、やはり現在の組織機構というものを主体といたしまして、この最高の責任者に管理の責任を負わせて参るということが適当ではないかと考えたのでございます。ただし、そういう事柄でもって、いわば独断専行に陥る、また、場合によりましては民主的な運営管理が保証せられないというようなことになりましても、これは、職員の福祉を増進いたしまする制度の建前からいたしましても、いろいろ疑義を生じて参る、特に組合員については、折半負担でもって掛金も負担をしていかなければならぬということに相なりまするので、組合員の要望なり意見というものは、この運営に当たって、最大限度にこれを取り入れる方針を貫いて参らなければならぬことも、申すまでもございません。そういう意味合いをもちまして、私どもといたしましては、運営審議会その他の構成によりまして、全体としての運営の民主的な確保というものをはかって参りたい、かような仕組みにいたしたいというふうに一応は考えておるのであります。
#24
○占部秀男君 局長の御答弁で、最高の責任をとる、こういう意味で、今のような考え方で代表者あるいは執行の最高責任者をきめるのだというお話にも、一理はあると思うのですけれども、そもそもこの地方公務員の退職年金の性格そのものが先ほど言われたような性格であり、共済組合という組織そのものが、やはり保険システムによるところの、何といいますか、共済関係を内容としたものである。こういうところから考えると、国家の大臣あるいは警察庁長官というようなものが最高の責任者として全部を掌握することがいいか悪いかということについては、これは相当私は議論の余地があると思うのです。特に、私たちの考え方から言うならば、給付の一部を掛けておるのでありますから、従って組合員には、その財産を管理し所有する権利がある。また、掛金をその事業に出しているのだから、その事業に参加する権利がある。同時に、その事業から利益を受ける権利がある。これらの事業をどういうふうに行なうかということを決定する権利も、組合員の中にはっきりあると思うのです。これは否定し得ないのじゃないかと思う。そういうような立場に立つならば、むしろ組合の管理の決定の機関というものは、やはり組合員が選挙なりあるいは何らかの方法で直接代表者を選び、その代表の中からさらにまた役員が互選される。こういうような形を、下からの積み上げ方式によるところの審議、管理、運営のできる、あるいは執行できるところの機関というものを作ることが、これが私は正しい行き方じゃないかと思うのです。何か今度のやつは、上からかぶせて、その方向で行っておるような気持がするのですけれども、そういう点について、局長の考えはいかがですか。
#25
○政府委員(藤井貞夫君) われわれも、この第一次試案を考えまする際には、そういう点についても、いろいろ内部的には論議をかわした過程もあるのであります。ただ単に、国共の方がこうなっておるからとか、あるいは従来の共済組合の制度というものがこうなっておるからというような安易な気持でやったつもりはございません。それ相当の論議は戦わしてやったつもりであります。ただ、あくまでもやはり公の制度でございますることと、実際に業務を運営をいたして参りまする便宜上の問題等を考えましても、今、占部委員がおっしゃいましたような方式というのも考えられる方式であるとは思います。とは思いますけれども、そこにやはり責任主体というものをはっきりさせておきまして、組合員の今お話になりましたようないろいろの権利や利益あるいはその主張というものを十分に反映せしめ、これを守っていくという仕組みは、別の考え方でもってこれを進めていくという方式がよいのではないかという結論に到達をいたしておるような状況でございます。
#26
○占部秀男君 公の仕事であるので、責任主体をはっきりさせようという、そのお気持は私はわかるのです。ところが、責任主体をはっきりさせる、単にそれだけの筋ではなくて、この第一次試案に示された全体の機構を見てみると、それ以上に官僚統制というにおいがはっきりと出ているのです。具体的に申し上げますならば、今言ったこの上の方の共済のほかに、各県、市町村の関係がある。たとえば、單位組合である、一部下の組合であるところの市町村関係の共済組合の例をとってみるならば、これは、組合長は市町村長の中から選ばれて、しかもそれは、自治庁長官によって任命されることになっている。任命ですね。選挙じゃなくて任命です。あるいは県の職員の場合を包括したところの県関係の共済組合も、やはり知事その他から任命されることになる。こういうように、上からすべて任命制で、組合の最末端に至るまで、その首脳部というか、その県庁なら県庁、あるいは市町村なら市町村の長が任命されることになっている。これは、責任の主体をはっきりさせるということのらちを通りこして、むしろ官僚統制である。あまりにも私は、これは時代を離れた、時代に逆行したあり方ではないかと思うのです。責任の主体をはっきりさせるには、それこそはっきりさせるような別の仕組みもあるし、また、最頂点において自治庁長官なら自治庁長官が責任を持つというあり方もあるわけです。しかし、この今度の一次試案を見ると、最頂点の地方公務員共済組合のこの連合会から、各県地域における支部から、その文部々々の連合会から、さらにその末端の県の共済組合、市の共済組合、町村の共済組合まで一系列をなして、任命制度でこれは行われておる。こういうようなことは、これはもう、いわば先ほど局長が言われた労働関係、いわゆる勤労者関係としての年金制度であるという基本的な流れの上からいって、全く逆行するものじゃないかと、かように私は考えるのでありますが、その点はいががでごさいましょう。
#27
○政府委員(藤井貞夫君) ただいまの点は、占部委員に若干の誤解があるのではないかと思いますが、単位組織で、今第一次試案で考えておりまするのは、いわゆる都道府県の職員のグループが一つと、それから公立学校の職員のグループが一つ、警察の共済、それから指定都市の職員、いわゆる五大都市でございます。それから市町村職員、五大市以外のその他の市町村職員というものを大体府県単位に組織を考えてみたらどうかというのが一次案の考え方でございます。その場合に、今申し上げた中の都道府県共済と、公立学校、警察共済というものについては、これは全国一本で組織をいたします。現在もそうでございますが、全国一本で組織をしたものが共済組合でありまして、それぞれ府県に支部が置かれて運営されるという構成になっておるのであります。これにつきましては、従いまして全国一本の組織でもございまするし、責任体制を明確にするというような点から申しましても、それから、一つは便宜手段でございますけれども、これは警察庁の職員、いわゆる国家公務員たる職員、あるいは、われわれ自治庁の職員は別といたしましても、特に警察庁の職員、それから国家公務員たる地方事務官がございますが、それらもここに加わっておるという体制になっております。そういうような点から申して、一応自治庁長官なり文部大臣、警察庁長官というものがそれぞれの組合の代表者ということになっておるのであります。ただ、その他の具体的な例をとって申しますると、市町村職員の共済組合、府県ごとに組織することに一応いたしておりまする共済組合についてみますと、これらの共済組合には、それぞれ組合長を置きますが、組合長につきましては、これは、共済組合を組織する市町村の長が互選をするという建前にいたしておるであります。指定都市につきましても、指定都市の長の職にある者をもってこれに充てるが、それぞれの指定都市職員の共済組合の代表者にこれをしていく。なお補佐機関としては、それぞれ副組合長も置いていくという建前をとっているわけでありまして、われわれといたしましては、こちらでもって市町村の場合その他の場合まですべて任命でいくというような建前にはなっておらないのであります。私の記憶に誤りなければ、そういうふうに覚えておりますが、その若干誤解があるのではないかと思っております。
#28
○占部秀男君 市町村の関係については誤解がございました。任命制ではないわけです。しかし、それとても、市町村長という長の中から組合長が任命されなければならないということは、まあ選任されなければならないということは、たとえ互選であっても、一つのワクはもうきめられているわけです。と同時に、今、任命の問題で、府県あるいは警察、文教というふうな形に共済組合の問題が局長の方から答弁になりましたが、その答弁になると、ますます私はこの問題は大きな問題だと思う。というのは、今局長は、この中に自治庁の職員も入る、あるいは警察関係も入る、そういうような関係も入っておるのでこういう形がとられたと、たとえば警察の組合については本部長は警察庁長官、それから府県の場合には本部長は自治庁の事務次次官それから公立学校の共済組合の場合には本部長は文部省の事務次官、こういう者が任命的に行なわれるようにせざるを得ないというふりにお話ございましたが、そうなると、私は、ますますこれは問題は重大であると思うのですよ。というのは、これは設置の範囲の問題にも入ってくる問題でありますが、一体地方公務員の退職年金の適用範囲の中に、どういう理由で自治庁の職員を入れなければならないか、どういう理由で警察の方を入れなければならないか、この点、私には明確に判定ができない。というのは、現在自治庁の職員も、そして警察関係の職員も、これはたしか、今度の国家公務員の年金共済組合法の改正によって、総理府関係のこれは共済組合に入っておると、まあ入らなければならないとか、まあ十月一日からやっておるのだから、入っておるというふうに私たちは考える。その中からそれを引き出してきて、地方公務員の退職年金の中へ入れること自体が、われわれにはどうもはっきりその理由が了解できない。従って、その理由を中心として府あるいは県あるいは警察あるいは文部の共済組合のいわば本部長、いわゆる組合長的な人たちが任命制になるという、そうしたこともまたさらに理解できない。こういうことになるわけですが、その点については、何でしたら、今枝さんがちょうど来られておるので、今枝さんでもけっこうですが、一つ御答弁を願いたい。
#29
○政府委員(藤井貞夫君) 今の点は、見方によりましては重要でございますので、私から御答弁申し上げておきたいと思うのでありますが、第一次試案におきましては、自治庁の職員なり警察庁の職員なりというものも、今度の共済組合に加入せしめるという一つの試案になっておるのであります。現在は、今御指摘になりましたように、これは総理府の共済組合、警察は別でございますが、われわれ自治庁の職員は総理府の共済に入っておるのでございます。先刻申し上げました、言葉使い、若干悪かったかもしれませんが、私として申し上げたかった意味は、そういう国家公務員が入るから、文部大臣なりあるいは警察庁長官なり自治庁長官というものがその代表者になることがいいのだ、そういう意味で申し上げたつもりは実はないのであります。その点は、誤解がございましたら取り消しをしておきたいと思います。ただ、たとえば、われわれの関係で、自治庁の職員というものを都道府県共済の方に入らしてもらったらどうかという意味は、実は非常にへりくだった考え方でございまして、もし御異論がなかったら、入らしてもらったらどうかという意味でございます。と申しますのは、考え方自体といたしまして、私たちもごの関係の仕事に今後携わって参りますし、現実に本部の仕事をやっておることでございます。それに、実際問題としては、いろいろ地方との交流もあるというような、関係の深いということもございますが、それだけではこれは本質的な問題にならないわけでございますが、もう一つの問題といたしましては、実は、自治庁というておりますけれども、御承知のように、これは人数が非常に少いわけでありまして、三百程度ということになっております。まだ、今、自治庁の関係だけであればいいわけでございますが、今後自治庁が消防本部等と統合いたしまして、自治省というようなことがかりに現実をいたしたといたしました場合におきまして、これは、省単位で共済組合を設置をし、運営をしていかなければならぬという建前が、当然国共法の建前からはなって参ります。そういたしますと、人数関係から申しまして、共済の建前は、どうしてもやはり多人数でやって参りますることが、全体としての運営というものを円滑ならしあるゆえんではないか。そういうような点もございますのと、かたがたいろいろ関係も深い。それに、御承知のように、府県には国家公務員たる身分を持ちまする地方職員がございますが、これらにつきましては、現在都道府県の職員と一本の共済で運営をいたしておる。そういう前例もございますわけでございまして、そういうような角度から、一応こういう運営で一つやってみてはどうかという線を打ち出したのであります。ただ、この点につきましては、先般来からも自治労の方々その他の職員団体の方々からも、こういうようなことで、自治庁等が入ってきて、それによって中央統制を強化するのだというようなことで、実はいろいろおしかりを受けておるのでありますが、われわれといたしましては、別にそういうような特別の意図があってのことでは実はなかったのであります。どうしてもそいつが工合が悪いということになれば、われわれとしても、別途の方法を考えざるを得ないかとも思いますが、今のところはそういう角度で、一緒に運営をしていくことがむしろいいのではないかというような観点から、一応第一試案としてこういう線を打ち出したというのが本音でございます。
#30
○松澤兼人君 ちょっと関連して、今の局長の御説明を聞いておりましても、どうも都道府県共済組合に自治庁の職員が入るということの理由が納得できないのです。まあかりに理屈があるといたしまして、これは将来の問題ですけれども、都道府県職員共済組合からもし都が抜けてしまうというようなことがあったといたしますと、そうすると、都が抜けた府県職長共済組合にあなた方はお入りになるのですか。その点はどうなんです。
#31
○政府委員(藤井貞夫君) 第一試案では、都道府県一本ということで考えておるのであります。それらとのにらみ合わせにおいて、自治庁職員もそこへ入ってはどうかという建前になっておるわけでございます。
#32
○松澤兼人君 それでは、これはあれですか。そういう確固たる方針でなく、へりくだったというか、へりくだったお考えで、入れてもらえればそこへ入れてもらった方が都合がいいというぐらいのことで、どうしても入る、それでなければ自治庁の職員としては行き場がない、こういう強いお考えなのですか。その辺はどうなんですか。
#33
○政府委員(藤井貞夫君) ざっくばらんに申しまして、非常にへりくだった考え方でおるわけでございまして、大いばりで、どこもかも全部反対せられるのに、われわれだけの都合で便宜上そこに入っていくというようなことは実は考えておりません。
#34
○加瀬完君 関連して。国家公務員と地方公務員と、法律的にもあらゆる点ではっきりと区間されておりますのに、共済組合制度にだけ国家公務員と地方公務員がごっちゃになるということは、今まで区別されていたものが、国家公務員と地方公務員の異なった制度というものを混乱させるようなことにはならないか。あるいは、現在の法律的な解釈において一体そういうことをやれるかどうかという問題、これが一つですね。入っておるということ自体も私はおかしいと思う。もっと身分をはっきりと整理させることの方が先じゃないかと思う。地方の警察で勤務しておる者で給料だけ国家公務員というような支給の方法をとられておる。逆に言うならば、国家公務員という名目、地方警察本部といいながら、国家公務員という名目のものには、自治体は指揮命令ができない。こういう制度を根本的に改革しないで、共済組合のような具体的な現象に対して、国家公務員を地方公務員並みに扱う、こういうことをしておっては、いつまでも根本の地方自治権の確立というものができないと思うのです。今、自治庁の職員の問題でも、これは、国家公務員なら国家公務員一本で考える方法をむしろ立てることの力が妥当なことです。地方公務員とごっちゃにするということはおかしい。さらに、占部委員の指摘するように、へりくだったか何か知りませんが、一応入っておって、結局統制的な作用というものを自治庁等が持つということは、本末転倒もはなはだしいと思う。この点は、第一次試案を作る経過において、どのような立場で今のような立案をなされたのですか。
#35
○政府委員(藤井貞夫君) 実は、現行法の建前ではこういうことになっておるのであります。これは、府県の職員なり、あるいは地方公務員たる警察職員あるいは公立学校職員というものの従来の沿革等からいたしまして、国家公務員共済組合法に乗っけて運営をいたしておるのであります。いわゆる国家公務員共済組合法の一つの単位といたしまして運営をなされておるという格好で来ておるのであります。その場合に、地方公務員は国家公務員共済組合法にそのままでは入って参りません建前でございましたので、組合を作りまする際にも、それぞれ地方の府県に配属せられておりまする地方事務官、地方技官、これがかなりの数ございますけれども、これが主体になって共済組合を組織をいたしまして、それに府県の一般職員が加入できる、加入するんだという建前で構成をせられて現在まで来ておるのであります。今度は、地方公務員共済組合法を作るということになりますと、地方公務員が主体になりまするし、またそれが本筋でございますので、地方公務員たる身分を持つ府県職員でもって府県に共済組合というものを組織する。それに、同じ職場にあって勤務をいたしておりまする府県勤務の地方事務官等をこれに加入せしめていくというふうに、実質は同じでございますが、逆の立て方をすることに実はいたしたのであります。このことは、運営の実態から見ておりまして、実際は非常に便利もよいし、その方が公務員の福祉の面からいっても適当ではないかというふうに実は考えておるのであります。別の組合になりますると、それぞれいろいろ、医療の関係で病院に行くにいたしましても、いろいろ問題が起きてくるというようなこともございますし、その他福利施設の面においても、同じ立場において同じように席を並べてやつておる者の間にいろいろ縣隔が生じてくるというようなことになりましてもいかがかという点がございますので、従来はそういう運営にして参っておりまするし、このたびの第一次試案におきましても、立て方は逆にいたしておりますけれども、大体同じような運営でやるのが適当ではないかというふうに実は考えたのであります。ただ、加瀬委員のおっしゃるように、国家公務員と地方公務員の建前は別なんだから、全部これは截然と区別すべきなんだという御意見も、これはごもっともの点が私は多々あると思います。ただ、実際の従来の運営その他の実情を見て参りました場合、あるいはその地方事務官たる身分を冠せられておりまする職長答の意見算も参酌をいたしました場合に、やはり同じ立場に立って同じ組合で一本で運営をしていくのがいいのではないかというような声もございますこともありまして、私たちといたしましては、その根本的な建前は、今のところ改める必要はないのではないか、かような見地から第一次試案の考え方にいたしたのであります。
#36
○加瀬完君 便宜的な方法として、一応現状からそのような結論が出るということはうなづけないわけではありません。しかし、公務員制度にいたしましても、あるいは今問題になっておる共済組合制度にいたしましても、基本にあるものは、地方自治権の確立ということがどうしても大もとになって、それを踏まえた上で、いろいろの改革が地方自治権の確立の方向に向かって合理的に整備されるということでなければ私はおかしいと思う。共済組合制度などというものは、結局地方自治権を確立するという地方自治法の出発のときに、同時に整備されるというような形はとれませんでしたので、派生的に今御説明のような形になったかもしれませんが、それは、あくまでも地方自治権を確立するには、地方公務というもののたとえば今言ったような共済制度というものはどうあるべきかということで、その方向に整備が進められるということでなければ私はおかしいと思う。今のように、共済組合制度の場合は共済組合制度をぴょこんと持ってきて、それを現状と合わせていくときにはどうしたらいいか、そういうことばかりやっておりますと、今話にも出ましたように、たとえば、府県勤務の地方事務官などにいたしましても、席を同じにしておるからと言いますけれども、当然指揮命令を地方のそれぞれの溶体の百からされておるような立場にありながら、これが国家公務員であるということが一体妥当かどうかという問題の方が先だと思う。あるいは、国家公務員でなければならないなら、その負担というのは、全部国が負うべきものを地方に負担をさせたり、こういったようなやり方が妥当かどうかということの方が私は基本の問題だと思う。こういうことを未整理にしておいて、それで共済組合だけを、何か現状とそれから新しく生まれてくるものと無理にくっつけるような形をやっていくと、ますますこれは一つの混乱状態の原因を作ると思う。それが自治権の確立にはむしろマイナスを来たすというようになりかねない。共済組合制度については、占部委員からいろいろ御質問があると思いますが、自治庁がとにかく本腰になってこの制度を進めるというなら、あくまでも私は、自治権の確立という方向を強めるという線で結論を打ち出すように持っていってもらわなければ困ると思うのですが、今のお話を承っておりますと、それとは若干逆行するのじゃないかという懸念があると思うのです。その点はいかがですか。
#37
○政府委員(藤井貞夫君) 基本線としては、加瀬委員がおっしゃるような線で参ることは、私としてもむろん異論がない。そういう方向で仕事を進めておるつもりでございますけれども、今お話の中にございました地方事務官制あたりは、これはもう根本的に改めるのが先決じゃないかというお話は、私たちもその通りだと思っております。従来からも同じような、府県知事の機関委任という形はとっておりますけれども、責任にまかせられておる事務でありながら、また、同じような職場で同じような仕事をやっておりまする者が、ただ単に健康保険であるとか、そういうようなことに従事しておるとそれぞれの疑義はございます。やはり国家的な性格が非常に強くて、統一的な事務処理をはかっていかなければならぬ度合いというものが実に強いという意味はわかりますけれども、しかし、現実の問題といたしまして、そういういわば変則的な形の地方事務官制度というようなものを存続いたしておくことにつきましては、われわれ自治庁としては、従来から一貫して実は反対の立場をとってきておるのであります。ただ、いろいろな事情もございます。各省の立場もございまして、今なおその点が未解決のままになっておることは、非常に残念に思っておる次第でございます。それから、先刻お話がございましたですが、今申した地方事務官等のこれは当然使用者である国が負担すべきものにつきましては、国が負担金を共済組合に払い込んでおるのでありまして、府県はこれにむろんタッチをしておらない。管理運営の組織だけが地方共済一本で運営をされておるということが現状でございます。
#38
○占部秀男君 この問題は、適用範囲の問題、單位組合の設置の問題に関連するのですが、私の考えとしては、やはり国家行政組織法の適用によってこの設立されておる自治庁の力の関係と、それから、自治法の執行機関の補助機関として設けられておる一般地方公務員との間では、やはり行政機構の上から、組織法の上から言っても、はっきりしたこれは区別があるし、また区別があるからこそ、国家公務員、地方公務員として、従来違った形で扱われてきておるわけですから、こういう点については、ごっちゃにするということは、やはりこの法の建前からいって、これはとるべきではないと思うわけです。ただ、地方事務官の問題については、先ほど加瀬委員からも言われたように、これは、都道府県知事の監督下に置かれておる。従って、この問題については、これはやはり便宜的な措置というものが行なわれる余地は私はあると思うんです。事自治庁の問題については、これは余地はない問題ではないと思うんですけれども、ただ、今度の試案の場合、第一次試案なんですね。聞くところによると、第二次試案というものも出るということですから、私は、第一次試案が最終試案であるというなら、これはもう少し内容を具体的に突っ込んでやっていかなくちゃならぬと思うんですけれども、第二次試案が出るというのですから、その中で一つこの問題は、もう一ぺんフェアーな気持で検討してもらうということを一つお約束を願って、一応この問題は置いておきたいというふうに思うんですが、どうですか。その約束というか、何というか、そういう点については……。
#39
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻来お話をいたしておりますように、自治庁の職員が都道府県の共済組合に入っていかなければならぬ必然性というものは、これはございません。これはあくまでも、行政組織の上から申しましても、身分関係から申しましても、地方公務員の場合とは別個に考えていかなければならぬ問題でございまして、特別にここに必然性を求める理由が実はないのでございまして、いわば低姿勢で、一つお願いをしたらというざっくばらんな気持であったわけでございます。この点については、御指摘の点もございますし、われわれといたしましては、さらに第二次試案の作成にあたりましては、もう一度よく検討をしていきたいと思っております。
#40
○占部秀男君 そこで、適用範囲の問題というか、單位組合の設置の問題は、もう一つだけで終わりたいと思うんですが、これは、もう一つ問題があるということは、従来都道府県あるいは市町村等では、自主的に健康保険組合を作って、しかも、自主的な運営が十分にできておる所が相当あるわけですね。ところが、今度の法律で、こういう組合でなければならないというように、一つ一つ縛られてきてぴたっとしてしまうと、これは、労働関係を中心に基礎としてでき上がると、先ほどまあお認めになったこの退職年金制度の上からいくと、これは少し既得権の侵害というか、労働権の制約というか、そういうような部面に関連してくると私は思うわけです。こういうような法律というものは、やはり最低の基準を示した保障法と、そういうふうに意ってしまうと、自治庁の方でも強く出るかもしれませんが、いずれにしても、そこまで行かなくとも、そうした観点というものがあり得ることなのですから、従って、最低保障の基準以上の点については、これは自主運営ができるような形をとっていかなければならぬと思う。従来健康保険組合としてりっぱにやっていけるような問題については、これは特別な扱いをしていかなければならぬ、こういうような点が多々私はこの中で出てくると思うのですが、そういう点については、検討されたことがございますか。
#41
○政府委員(藤井貞夫君) 健康保険の関係につきましては、実は市町村職員共済組合法制定をいたしました際にも、これを法律の中に持ってくるかどうかということで、いろいろ論議がございましたことは御承知の通りでございます。健保につきましては、従来長い沿革を実は持っておりまするし、その運営につきましても、別に大過なく自主的に運営されておるということは事実でございます。そういうような点につきましては、実は、私といたしましても、付加給付なり、また掛金率の特例措置というようなものが市町村共済においても認めております。今度の場合においても、これを認めるについてはやぶさかではないという考え方をいたしております。ただ、健保自体につきましても、一応われわれの考え方といたしましては、共済組合を作りますからには、長期と短期というものを総合的に運営していくという方式がいいのじゃないかという観点に実は立っておるわけであります。それからもう一つ、長期給付につきましても、従来からいろいろ場合によっては違う所もございます。
#42
○占部秀男君 局長、その点、私の言うのは健保共済ですから、一つその点を区別をして下さいよ。
#43
○政府委員(藤井貞夫君) そういう点におきましていろいろ特例措置をなかんずく市については認めて従来までやってきておるところがあるわけであります。ただ、この点につきましては、私たちは、やはり社会保険の制度として確立をいたして参ります限りは、この新制度でもって、先刻もちょっとお話がございました言葉をかりますると、いわゆる最低限度の保障措置というものがこれでもってはっきりと法定をしていきたいと、そうでなければ、やはり公的年金制度として、将来にわたって国民年金等がだんだんと成立されていった場合の通算規定その他の渡り等についても支障が出て参ります、あるいは国家公務員との間、府県職員との間の相互間の通算措置についても支障が出て参りますので、私たちは、やはりこの法律で規定をしていきたい。ただ、従来の沿革等において期待権、既得権というものがございます。そういうものには、なかんずく市におきまして付加的給付その他の運用によってそういうものを実態的に保障していくという道を開いていったらどうかというのが基本的な考えであります。
#44
○占部秀男君 時間の関係がありますから、この点については、まだこれ一回でないと思います。第二次試案が出ると思いますから、もう少し具体的になってから質問したいと思います。
#45
○松澤兼人君 第一次試案が出るときに、厚生省関係では、健保の問題についてあなた方と話し合いをして了承を得ておりますか。そういうことがあったのですか。あるいは自治庁として、第一次試案というものを向うに相談なくお出しになって、何か厚生省の方からいろいろまた注文なり申し入れがあったということがあるのですか。
#46
○政府委員(藤井貞夫君) 第一次試案を作成いたしましたときには、厚生省と最後的な了解を取りつけるという点までいっておりません。むしろ第一次試案が発表せられました後におきまして、厚生省当局からも、健保を吸収することについては再考願いたいという申し入れを正式に受けております。
#47
○占部秀男君 そこで、先ほどの管理の問題ですが、だいぶ局長からは答弁を得たので、結論づける形で申し上げたいと思うのですが、やはり自治庁長官なら自治庁長官がこの法の運営について責任を持つという持たせ力については、いろいろな方法があると思うのです。ただ、たとえば県の職員の共済組合の場合に、都道府県職員共済組合の場合に、本部長が自治庁の事務次官である、かように規定をされて、それがまあいわば自治庁長官の方から任命の形になる。こういうような形については、やはりこれは、退職年金のいわゆる労働関係的な形からいってもとるべきではないと私は思う。やはり組合員の中から、まあかりに、一つの仮定をすれば、評議員というものが選出され、その評議員会というものがやはりこの決定の機関となる。そうして評議員会の中からたとえば執行機関なら執行機関がこれをあれされる。たとえば市長なりあるいは理事者側なり、あるいは知事なりがいろんな形で入り得る場合もあると思うのですけれども、いずれにしても、そういうように、組合員が自己の意思で決定できるような、そういう管理の仕方を考えるということが私は一番の中心じゃないか。四、五年前に、私これは委員長時代に、局長がたしか大阪へ行かれる前だと思うのですが、市町村共済組合法を作ったことがありましたね。松島さんの時代に。市町村共済組合法ですか。あのときにもそういう点が相当論議されて、少なくともこの原案よりはより民主的な方向があの中では示されてあったはずです。この六法にも出ておりますが、それが何かどうもこういう形で、きゅうきゅうと官僚統制のような形をとられる点については、われわれはどうしても納得できないのですが、そういう点について、やはり組合の機関の事業というか、決定その他を含めての管理の運営の方法については、組合員の意思が直接入るような形を私はとってもらいたいと思うのです。特に今局長は、別の仕組みでそれができておると言うのですが、おそらく審議会の問題だろうと私は思うのです、別の仕組みでできておるというのは。その審議会には、まあ確かに組合員の、職員の代表が入って審議する形にはできておりますけれども、しかし、おそらくこの法律ができると、政令あるいは規則ということで、相当こまかい点まで規定されると思うのです。そういう中では、かりに入ったとしても、この組合の運営の大綱をきめるような、そういう手はなかなか出て米ないのじゃないか。現に国家公務員共済組合法のあのあとを見ても、私はそういう心配が相当あるのです。それよりは、開かれた意味の機関を作るということが、すなわち、先ほど確認した民主国家の公務員制度にふさわしい退職年金制度になるし、同時に既得権、期待等も守り得るところの退職年金制度になるのであって、従ってそういう点は、これは第二次案の中で一つ率直に検討してもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。この問題は、それで結論をつけたいと思うのですが……。
#48
○政府委員(藤井貞夫君) われわれといたしましては、この運営管理の問題につきましては、運営管理の一つ一つを取り上げるというのでなくて、全般的な総合的な見地から、これらについてさらに検討を現在いたしております。この第一次試案を絶対に変えないというようなかたくなな態度でおるわけではございません。ただ、基本にわれわれいたしておりますのは、組合員の意向というものも十分むろん反映さしていかなければなりませんし、それと、先刻も申し上げておりますように、公の制度として運営、適切なる措置というものが講ぜられるという責任体制だけはやはり講じて参らなければならぬという点と、もう一つは、実際問題といたしまして、実は今度の制度では、いろいろな従来の制度を統合することになるわけです。その中には、町村職員の恩給組合等もございまして、この恩給組合につきましては、申すまでもなく、これは地方団体でございます一部事務組合として運営されておるのであります。そこに実は、組合員の意向が反映するようなことは制度的には講ぜられておらない。そういうような面から、また別の強い主張があるわけでありまして、私たちといたしましては、それらの調整の上に立って、できるだけ円満な措置を講じながら基本線は一つ曲げないようにいきたいという態度でおります。結論的に申せば、第一次試案をもう絶対に不変のものとして固執するつもりは現在のところ持っておりませんので、この点、さらに慎重に再検討を加えてみたいと思っております。
#49
○占部秀男君 ただいま局長が再検討を加えるというお話で、私も、これ以上きょうは深く入りたくない。これでピリオッドを打ちたいと思っておるんですが、今の局長の御意見の中で、組合員の意思を反映するという、その仕方の問題と、公の制度として運営の責任体制をはっきりさせるというこの仕方の問題、これの調整の問題については相当いろいろあると思うんです。また、局長が言われるように、逆な意見も相当私は来ておると思うんです。その点は、局長や課長は相当困っておる点があると私は思います。しかし、先ほど確認したように、民主国家の公務員制度にふさわしい退職年金制度を作るんだという、いわば恩給制度のからを打ち破ってそういう退職年金制度を作るんだということと、勤労関係というものをやはり基礎とした主体的な積み上げの形をとっていかなければならないという時代の要請ですね。この点だけははっきり見きわめて、一つ、今言った二つの問題のバランスの調整の重点をどこに置くかという点、こういう要請だけははっきり認めておいてもらわぬと、せっかくいい退職年金制度を作ろうといっても、職員がわあわあ言って反対するような退職年金制度では、これはどうにもなりませんので、従って、そういう点は特に留意をして一つ検討をしてもらいたい、こういうように考えるわけです。
 そこで、この管理の問題は終わりたいと思いますが、同時に、そのことに関連するのですが、組合の定款の問題ですね。定款の問題については、目的から組織及び重要事項の問題というふうに、七つばかり盛っておりますけれども、どうもはっきりしない点は、一体この組合の組織はどういう性格のものであるかという点が、どうも私ははっきりしないと思う。少なくともこういうような組合というものは、いわば社団法人というか、法人格を持ったもので、いわゆる社団法人的なものでなければならないと思うんですよ。というのは、第一番に、この組合の運営をする巨大な部分が組合の各員であるということ、そうしてその組合員が集まってこういう組合を作って、いわば保険形式によるところの扶助というものをやっていこう、こういうような性格の建前からしても、法人格というものを明確にした定款を作らなければならないというように私は考えるんですが、そういう点は、今枝課長さんでけっこうですが、いかがでございますか。
#50
○政府委員(藤井貞夫君) この組合というものは、特殊法人という性格を持つものとして規定をされることになるのではないかと思っております。民法上のいわゆる社団法人、財団法人に割り切ることもいかがかということで、特別法人ということで定義をされていくことに相なるかと思うのであります。で、今お話になりましたような点については、私たち別にこれをそんなものまで考える必要はないというように考えてはおりませんが、従来一般のこういうやり方につきましては、こういうようなことが定款事項ということになっております。なるべく重要な事項は定款に規定をさせるという建前でやって参りたいと思っておりますし、また、審議会というものができましたならば、審議会というものの審議事項というものにつきましても、できるだけ重要な基本的なことは漏れなく書かせていくという建前に持っていきたい。かように考えておるのであります。
#51
○占部秀男君 なぜ私がさように申すかというと、この定款の七つの中を見てみると、この組合員の組合へのいろいろな形の参加の問題、いわば権利の一部としての参加の問題について、組合の執行部あるいはその他の参加、そういうような点については、全くこれはうたっていないのですね。だから、そういう点をやはりはっきりさせることが具体的に言えば必要ではないか、こういうことなんですがね。
#52
○政府委員(藤井貞夫君) 今御指摘の点は、おそらく組合参加と申しますので、結局審議会なり、そういうようなことに関する事項というものを頭に置いてお考えになっているのじゃないかと思いますが、これは、実は書くべきところを落としているわけでありまして、その点は、はっきり規定を第二次試案では打ち出したいと思っております。
#53
○占部秀男君 今の審議会にからんで、落としているという点についても、実は審議会的なもののワク内の問題とワク外の問題とあるので、もっと突っ込みたいと思うのですが、第二次試案ができてくるというから、そのときにその問題を突っ込んでお聞きしたいと思います。
#54
○政府委員(藤井貞夫君) ここで書くのですよ、ワク外の問題を。
#55
○占部秀男君 ああ、そうですか。
 それでは、今の問題を一応終わりまして、次に、適用範囲の問題でもう一つ問題点があるので、はっきりとしていただきたいと思うことは、臨時職員の扱い方の問題ですね。これは、国家公務員の共済組合法ではどうなっておりましたか。
#56
○説明員(今枝信雄君) 国家公務員共済組合法の場合には、国の定員外職員には、常勤職員と、それから常勤的非常勤職員、こういうふうに呼ばれている二つのグループがあるわけでございます。それで、定員以外職員でも常勤職員として扱われている職員は、自動的に組合員になる建前になっております。それから常勤的非常勤職員につきましては、原則として勤務してから一年以上継続して雇用され、将来も継続して雇用される見込みのある者についてはこれを組合員とする、こういうふうな扱いになっております。なお、常勤的非常勤職員でも、採用になったときから自動的に組合員にしてもいい職種の者があるはずだ、これは、本来ならば当然定員内職員として採用しなければならないが、欠員の関係で、暫定的に定員外職員として置いている、そういう職種があるはずだから、そういう者については、当然採用のときから組合員に入れるべきだ、こういう意見がございます。現在国家公務員共済組合審議会で、具体的にどういう職種のものがそれに該当するかということを検討を進めている段階でございます。従いまして、臨時職員についても、かなり広い範囲で組合員に扱うというふうな仕組みがとられております。地方公務員の場合にも、考え方としては同じような考え方をとりたいと思っております。ただ、地方公務員の臨時職員の場合は、国のように、制度的に常勤職員とか常勤的非常勤職員とかといふうなすっきりとした実は扱いになっておらないものがかなりございます。従いまして、具体的に政令とかあるいはその政令に基づいて各共済組合の定款でその範囲をきめることになると思います。その際には、いろいろな具体的な問題について混乱が起ころうかと思いますので、あらかじめそういう点についてはどういうふうな扱いをするかということを十分打ち合わせて、各府県、市町村を通じて、不公平のないような考え方というものを打ち出すべきではなかろうか、こういうことをただいまは考えております。
#57
○占部秀男君 私も そのきめるときの基準の問題で相当混乱が起こるんじゃないかということを心配して実は聞いているわけですが、今、具体的に職場の方と話をしてその問題をきめると言われておりますから、これ以上はその点については質問はやめたいと思いますが、いずれにしても、範囲の広さというものを何か減じるような、制限するような形ではなくて、実際問題として、今、地方の都道府県、市町村の臨時職員は本職員に切りかわる問題を自治庁に骨折ってもらって相当やって、同僚の中では、ある者はこういった形になっていて、将来はそこに行こうという形がとられているときですから、従って、この点については好意的な取り扱いを一つしていただきたいと思うわけです。この問題はそれで終わります。
 その次に、常勤職員の中で、「地方公共団体の長については、最短年金年限、給付の額、地方公共団体の負掛金及び本人の掛金について、特例を設けること」とするということが書かれてあるのですが、これはどういうような意味合いの内容を想定されておるのか、それをお聞きしたい。
#58
○説明員(今枝信雄君) 退職年金制度は、常勤の職員をすべて対象にするということにいたしております。しかし、常勤の職員でも、地方公共団体の長については、公選で出てこられる方でございますから、当然四年という任期がそれぞれございます。そうなりますと、四年の任期があらかじめ定まっている人に、一般職員と同じ二十年で年限に到達するという制度をそのまま適用するということは、実際問題としていかがであろうか、こういうことになろうかと思います。そこで、長については、年金年限が二十年ではなしに、それよりもかなり短いところで年金がつくのだという制度を考えてみる必要があると思っております。もしそういうことにいたしますと、これに当然掛金率、負担金というものが高いものになります。二十年でつくよりも短くすれば、それだけいわゆる料率が高くなりますので、そうなりますと、その分は当然御本人も高いものとして掛金を負担していただかなければならない、そういうことを考えておるわけでございます。
#59
○占部秀男君 この点については、もちろん公選された長の場合になるわけですね。よく下から、出納長とか助役になって市長に当選したという人や、いろいろ場合があると思うのですよ。それで、最近の私の知っている限りでは、一般地方公務員と同じような条例上の扱いをしておるのが多いのじゃないかというふうに感じるのですがね。そういう点についての具体的な点を調べられたことがあったら、一つお聞きしたいのです。
#60
○説明員(今枝信雄君) 現在常勤の特別職の方につきましては、それぞれの地方団体の退職年金条例をそのまま適用いたしております。恩給組合では、長について若干の特例を現在条例で設けておるところがございますが、原則として一般の職員と同じでございます。今度の新しい制度に切りかえる場合には、そういう方々をどうするか、こういう点で実はいろいろ私ども苦労いたしておるわけでございますが、ずっと公務員経歴を持っておられた方で、それから特別職になられた方については、公務員経歴との通算を当然考えなければならないと思います。そうなりますと、公務員経歴と通算をされるような方については、短期のと申しますか、短い年限の制度を適用する必要はないので、むしろ一般と同じ年金制度でいいのじゃないか。ところが、公選で出てこられる方というのが、大部分が実は公務員経歴のない方の方が多いようでございます。そういう方については、これはもう通算のしょうがございませんので、短い特例の年金制度を適用する、こういうような区別で、過去に公務員経歴が一般としてあるかないかというようなことを一つの判断の目安として制度を考えてみたらどうか、こういう考えでございます。
#61
○占部秀男君 この点は、またあとで第二次試案が出たときに一つお話を……。
 次に、給付と掛金、費用の問題ですが、まずこの費用と掛金の問題ですが、今度のこの試案によると、費用の負担の割合というものは、四五、四五に国の方からですか、これがはっきりとここにしるされておるわけです。ところが、具体的な事実としては、現在各県市町村によって相当ばらばらであり、しかも、その掛金の負担割合も、より低いものが相当あるわけですね。こういうような点からして、長期の問題についても、四半四半の一というようなことではなくて、基本的にはやはり労働組合と理事者側との話し合い、団体交渉の中でこういうような点もきめていくのが、これはまあ労働関係における退職年金の掛金のきめ方の原則ではないかと私は考えるわけです。そういうような方向で行くべきではないかと思うのですが、この点についてはいかがでございますか。
#62
○政府委員(藤井貞夫君) 私たちは、その点については、やはり一つの社会保険方式ということで、今後の国民年金制度の進展その他の一般的な社会制度の進展というものからにらみ合わせて考えて参るべき筋合いのものではないかというふうに思っております。恩給制度自体を改めます一つの動機になりましたものも、その点に非常に重点があったことは、これは事実でございまして、そういう点から、国の責任も一部においてははっきりしてもらう。社会制度としてやる限りは、国の制度としても責任をはっきりしてもらう。そのあとについては、いわゆる使用者たる地方団体と、それから組合員である職員というものが折半負担でその所要経費は負担をしていただくというのが一つの大きな原則ではあるまいかというふうに考えております。従いまして、私といたしましては、このことは根本的な一つの建前論でございまして、それを定款その他でもって規定すべき筋合いのものではないのだというふうに考えております。
#63
○占部秀男君 局長の御答弁には一応もっともなような点があるのですが、そうすると、先ほど私が申しました、確認をしていただいた既得権、期待権を尊重するという問題に引っからめる問題が私は相当出てくると思うのです。たとえば、東京なら東京のような場合に、あれはたしか負担の割合が、ここに条例があるのですが、一々出していると時間がかかりますからあれですが、四五、四五の形ではなくて、非常に低い形だった。そういうような掛金が多く――もっともこれはあとの計算の問題にも関連するのですが、少なくとも多くなるという形から、相当既得権に影響の出てくる問題がこの中には相当にあるんじゃないかというように考えるのですが、そういうような既得権の尊重という建前から、こういうような掛金の率というものをはっきりさせる、この競合をどういうような形で処理するかということについては、何か考え方を持っておられるのでございますか。
#64
○政府委員(藤井貞夫君) 期待権、既得権というものをどの程度まで範囲を定めるかというのは、非常に重要な点であろうと思います。給付の内容なりその算定の基準なりというものについて、今度の法律ができたからといって、従来もっと高いものを、それまで引きおろせというようなことは、私は考えるべき筋合いのものでないというふうに考えております。ただ、この掛金率の問題は、先刻も申し上げましたように、一つの社会保険方式の基本的な考え方なのではあるまいかというふうに考えておりまして、事実問題として、今度の制度が実施されますると、従来の恩給の場合に比較いたしまして掛金率が相当程度上がります。これは事実でございます。その点につきましては、組合員各位にも非常な御迷惑をかけることに相なるのでございますけれども、長い目をもって考えまする場合においては、そのことが結局は組合員全体の長期的な福祉というものを確立する上に貢献する制度ではあるまいか。そういうような点と、もう一つは、社会保険方式というものを置いて参りまする点から申しまして、やはり国の責任分を差し引いた残りは、使用者である地方団体と職員との折半負担という原則は、私は貫くべきが筋合いではないかと考えております。
#65
○占部秀男君 今言った競合する点については、たとえば、具体的にはこういう場合にはこうだというような一つの考えておる例はございませんか。
#66
○政府委員(藤井貞夫君) 競合するという点がちょっとはっきりいたしませんのですが……。
#67
○占部秀男君 たとえば、掛金が高くなった場合にはどうするかという……。
#68
○政府委員(藤井貞夫君) その点は、今の基本的な考え方から申しまして、実は、このような高くなる場合はこうするとか、いわゆる傾斜方式で考えるとか、そういうような点については、私たち、目下のところは考えておりませんし、また、制度の建前からいって、そういうような特例は認むべきものではないというふうに実は割り切って考えておるのでございます。
#69
○占部秀男君 そうすると、今度のこの費用の負担の問題について、長期なら長期の場合を例にとりますが、掛金がかりに現在よりも高くなったとしても、これまたいたし方ないと、こういう考え方ですか。
#70
○政府委員(藤井貞夫君) 短期給付につきましては、従来通りの建前を踏襲していきたいと思っております。いわゆる特例措置というものも講じ得る道はむろん開いていきたいと思っております。それから、長期につきましては、今のような建前からいって、例外適用を認めるのはいかがかというふうに考えておるのであります。
#71
○占部秀男君 では、一応短期の問題に具体的に限定して申しますが、この短期の問題については、いろいろな特例措置ということを局長おっしゃいましたが、この特例措置でも、いろいろなやり方があるのですね。たとえば、今の市町村職員共済組合法の短期の中の追加給付を、当分の間何とか延長するとか、いろいろな場合があるわけですが、むしろ短期の場合は、私は、この退職年金の制度の中からは落としてしまった方がはっきりしていいのじゃないかというふうに考えるのですが、その点はいかがですか。
#72
○政府委員(藤井貞夫君) その点は、やはりやり得るところでは長期も短期も一緒にやっていく、いわゆる総合保険方式の方が、運営自体としてもスムーズに合理的にいくのではないかと考えております。事実、今まで、府県職員共済なり公立学校職員共済なり警察職員共済なりというものは、短期長期全部やってきております。国家公務員についてもそうであります。それだからといって別にどうということはありませんが、それによって弊害が生じておることも聞きません。さらに、市町村共済組合についても、短期長期一緒にやっておるのでありまして、私としましては、この際、共済組合法というものを提出いたしまする際に、長期だけ限って、短期はそこに含めないという方式でなくて、やはり長期短期というものは一緒に運営される方式のものを作ってみてはどうかというふうに考えております。ただ、短期につきましては、適用範囲をどうするかという点につきましては、先刻申しましたように、さらに検討を加えたいというふうに現在のところは考えておるのであります。
#73
○占部秀男君 事実上の問題として、いろんなあちらこちらの市の情勢を聞いてみますと、長期関係はとにかくとして、短期関係は、一応適用を除外といいますか、短期関係は別に形を考えたいというところが相当あるのじゃないかと思うのです。こういう点については、無理に短期なら短期をそのまま適用というのじゃなくて、その組合というか、その市なら市の考えを入れるという形の方向はとれないものでございますか。
#74
○政府委員(藤井貞夫君) これは規定の仕方でございまして、今、短期のことは触れないで、なかんずく健保の関係が多いわけでございまするが、市の関係につきましては、これは従来と同じように、一つ健保でやって参りたいという意向が非常に強いのでございます。その問題は、従って私は適用範囲の問題になるということに思うのであります。現在の市町村職員共済組合法の規定によりましても、長期短期というものは一緒に規定をしながら、附則でもって、従来健保でやってきたもので、しかも、健保で続けてやっていきたいというものは、適用除外の措置を講じ得るというシステムになっておるのであります、その制度を今度第二次案でそのまま持ってくるかどうかということは、この席でまだ言明申し上げる段階でございません。今後検討したいと思っておりますけれども、そういう問題で措置ができるのではないかと考えおります。
#75
○占部秀男君 私の質問、まさにそこなんですがね。結局市町村職員共済組合法の中にもああいう問題があるので、特に適用除外の問題もはっきりしてもらった方が、現実に市のような場においては、今の実態から必要ではないか。また、そういう要請をしておるのは相当あると、こういうことなんです。同時に、あのときには「当分の間」という言葉がまあ入っているわけですね。その「当分の間」ということからして、どうも当分の間が今度はそうでなくなって、あれだけすっと切られてしまって繰り込まれるのじゃないかと、こういう疑いというか、疑問というか、そういう点が相当あるのですよ。そこで、そういう意味合いを一切払拭した形で短期の問題については適用されるということも、あるいは適用除外になることも、これはその市の組合の、何というか、自主性でこれができるのだ、こういうことにはっきりとすれば、今言った適用範囲の問題ははっきりとすればね、そういう点についての懸念もなくなるのじゃないかと思うのですが、そういうような方向はとってもらえないものですか。
#76
○政府委員(藤井貞夫君) 今この席上で、市町村共済の場合と同じような措置を講ずるというふうに実は言明をいたしかねるのでありますが、確かにそのような問題があるということはよく承知をいたしておりますし、関係の筋からもいろいろお話も承っており、なお、厚生省からも意見をいただいております。それらの点を総合的に検討しながら、一つそれらの措置について考えていきたいと思っております。
#77
○占部秀男君 重ねてくどいようですが、第二次案を作る場合は、そうした点も検討して明確にして一つもらいたいと、こういうふうに希望をいたしておきます、
 それから、長期の掛金の問題は、これはどうも、局長の考え方とわれわれの考え方とは、率直に言って、もう相当な開きがある問題ですから、きょうはまあ第一次案の内容について聞いておるのですが、これ以上は言いませんが、われわれの力としては、やはり団交というものを第一にしてこの点をやってもらいたいというのがわれわれの希望ですが、この点も一つ御検討を願いたいと思うわけです。
 それでは、最後に二つ、三つだけ簡単にして、もう時間の関係もありますから、またこの次の委員会でもけっこうですが、保留をして質問いたしたいと思うのですが、この組合の事業の問題は、この追加費用の問題について、例の今までのゼロのところ、今度交付公債ですか何かで地方団体から出されるという規定だと思いました。この点については、相当知事会や市長会からも反対があるように聞いているのですが、その内容をまあよく話をまだ聞いてないのでわからないのですが、おそらくそのような交付公債のような形になると、利子の問題その他の問題が起るというので反対しているのではないかと思うのですが、追加費用の点については、どうしてもやはり交付公債でこれを払い込ませるというのですか。そういうような方向はとらなくちゃならぬのですか。
#78
○政府委員(藤井貞夫君) 追加費用の点につきましては、地方団体において、これは組合員の負担にかぶせるわけに参りませんので、地方団体自体の責任においていずれはこれは払い込んでもらわなければ、将来にわたって組合の運営ができなくなる時期が保険計算上まあ出て参るわけでして、いずれはこれは払い込んでもらわなければならぬ筋合いになるわけです。ただ、この保険計算というのは、私も実はあまりこまかいことはわかりませんですが、一応厳密に計算をいたしまするならば、新制度に移り変われば、その瞬間に、全地方公務員が一時にやめるという事態が起きた場合において、どのくらいの所要経費が要るかということを厳密に言えば計算して出すわけであります。と申しますのは、今後積み立てて参りますのは、新制度が実施されて以後だんだん積み立てていくわけでありまして、初めはこれは少額であります。それから、今度新規に退職年金を支給しなければならぬ事由が生じたものについては、その積立金から払っていくわけであります。ところが、それらの職員は、従来からまあ勤続しておる人が多いわけでありますから、従来の勤続年数に相当したいわゆる積立金に相当する部分というものは、新積立金のところにほんとうは持っていっておかなければ経営ができないわけであります。しかし、事実上全体の公務員が一時にやめるなんて、そういうばかげたことは、これは考えられません。計算をいたしますると、形式的には五千億以上の実は金になるわけであります。そういうものは、これは実際に必要のないことでもありまするし、また、事実そういうものを一時に負担するというようなことはとうていできがたい問題であります。しかし、これはいずれは何らかの方式で払い込んでもらわなければならぬというのが、実は追加費用の性質になって参るわけであります。その点、従来いろいろ論議がございまして、これを払い込んでいく方式といたしましては、最も可能性の少ない、またあまり能率的でない方法としては、全額一時に払い込んでいく方式と、それから、何十年間にわたってこれを分割払いでもってだんだん払い込んでいく方式と、それからもう一つは、さしあたってのことは、大体まあ二十年くらいまではいけるようですが、その五千億に対する運用利率平均五分五厘なら五分五厘といたしますと、五分五厘に当たるものだけを毎年払っていく方式と、三つのものが実は考えられるのであります。その三つの方式を全部、どちらかやらなければならぬかと申しますると、その点についても、払い込んでおいた方が、将来の負担を軽減する意味からいっても、また組合の運営自体からいっても、できるだけ早く払い込んでもらった方が適当ではございますけれども、しかし、組合の運営自体を考えて参りますると、大体まあ二十年、今後二十年くらいたって、今後積み立てていくものでは足りなくなってくるという答えが出て来るのでありまして、さしあたってここ何カ年かの間、全然追加費用を払わなくても組合の運営に差しつかえができるという筋合いのものではございません。国の方の側におきましても、今度新制度に切りかえをいたしますけれども、追加費用の点につきましては、実は財政上の都合もございますのだと思いますけれども、触れておらないのであります。いわんや地方公務員の場合、来年度はそうでなくても非常に財政状況が悪いときでございまするから、そういうような追加費用の分まで何らかの形において負担するということは、なかなかできがたいことではあるまいか。組合の運営に支障ができるということになりますれば是が非でもということになりまするが、そういうことでもございませんので、追加費用の負担形式については、今後もう少しゆっくりと一つ考えて結論を出したいというふうに思っておるわけであります。しかし、その追加費用自体というものは、これが制度が切りかえになる前日の時点においてそれぞれきまってくるわけであります。具体的の職員がこういうものがあって、その俸給が幾らでということになりますので、従って、地方公共団体の負担すべき追加費用の額というものは、その時点において確定いたします。それを確定をする意味において、実は交付公債という名前を実は付したのであります。この点は、時たまたまわれわれの情勢判断も若干ずれておった点もございましたでしょうが、交付公債というものがどうもけしからん制度で、これは全廃すべきだ。これは、直轄工事の分担金の点で、この点とは実は関係ないのでございますが、交付公債という名前を使いましたために、これはけしからんということに実はなって参ったわけであります。この前も知事会に出まして、その点るる御説明は申し上げたのでありまするけれども、われわれの方といたしましては、別に交付公債という名前にこだわっておるわけではないのであります。ただ、その追加費用の額というものははっきりと確定しておかなければならぬという点と、いずれは何らかの方法において漸次なしくずしに支払っていかなければならぬ。そういう問題があるということをはっきりしておきたいという意味でございます。
#79
○占部秀男君 だいぶ局長の御答弁でわかってきたんですが、われわれのは、地方財政が今日のような状態なので、一ぺんに非常にしわ寄せされるような感じを受けたので、そういうことのないようにしてもらいたいということから質問したわけですが、まあそういう点は、一つ念を入れてお願いをいたしたいと思うのです。
 もう一つの点として、この福祉事業に対する掛金の問題なんですが、福祉事業――三つのうちの一つですね。これは、この第一次試案によると、組合側が百分の五十、理事者側が百分の五十、これで出し合ってやろうということになっておるわけですね、この試案では。これは、およそ金額的にはどのくらいのところにめどを置いておるのですか。たとえば、国家公務員の場合は、あれはたしか一人四百円とか五百円ぐらいの平均の金額じゃなかったかと思うのですが、そういう点は、めどの計算をされたことがあるんですか、ないんですか、そういう点も一つ…。
#80
○政府委員(藤井貞夫君) まだそのめどの計算はいたしておりません。これは、非常に個々の組合によって従来運営が違いまして、福祉事業と申しましても、単にいろいろ長期経理の資金をただ単に福祉経理の方に貸し付けまして、それでもって運営をいたしておるというところも多いわけでありますし、あるいは長期資金というものを定資産に投下することによりまして、それで宿泊、保養とか診療所の施設を運営しているというようなところもあるわけであります。従って、福祉事業に充てるために特に掛金を徴するとところが実は多いのであります。やっておるところでも、共済組合としてやるのでなくて、むしろ互助会といいますか、自主的な組織でもってやっておるところが多いわけであります。まだそこまでの実は数字の計算等もいたしておらないわけであります。
#81
○占部秀男君 実際今局長が言われたような実態がありますので、特にこの点を御質問したわけなんですが、たとえば、これは日経連の三十二年の調査ですが、民間産業の福利厚生の費用というものの調査がありますが、これによると、これは厚生、失保、労災あるいは船保、これは全部社会保険全体についての問題ですが、一人平均が年間一万九千二百円になっておるんですね、この福祉事業関係だけで。ところが、国の方はたしか四、五百円だと思いましたが、今度どういうようになるかわかりませんけれども、非常に格段の差があるんですね。こういうような場合には、今局長の言われたような実態が名県市にあるわけですから、従って、この分担率の問題については、もう少し、何というか、分担率を甘くするという形はおかしいのですが、組合員の分担率を低くしてもこれはやっていける仕事じゃないかと思うのですが、そういうような点は考えられないですか。
#82
○政府委員(藤井貞夫君) 私は、共済組合の事業としてこれをやっていく、そのために特に費用分担をしなければならぬということになって参りますれば、やはりまた原則を持ち出すようですが、折半負担ということでやっていくべき筋合いのものじゃないかと思うのであります、ただ、事実上の問題といたしまして、今までの方式では、特別に福祉事業のために掛金を徴するというようなところが全般的であるとは考えておりません。さらに、互助会方式でやっておるところがむしろ多いのじゃないか。互助会方式の場合におきましては、むしろこれは、折半負担と申しまするよりは、地方団体側の支出というものがむしろ多いと申しますか、組合員が全然掛金をしないで互助会の運営をやっておるところも中にはあるようであります。私は、そういう互助会方式で自主的にやるものについては、そういうものはけしからんから、やはり折半でやれとか、あるいは全部これを共済組合に取り入れてこいとか、そういうことを申すつもりは持っておらないのであります。
#83
○占部秀男君 わかりました。そうすると、現在のような互助会方式とか、いろいろな方式でやっている福祉事業ですね。これはそのまま認めておいて、この法のらち外に置くと、こういう形ですか。
#84
○政府委員(藤井貞夫君) その点の方式は、やはり各地方の便宜に私はまかしていい事柄であると思っております。今度のこの新共済組合制度の付加給付として運営していくか、あるいはそういうことでなくて、法外の互助会方式としてやっていくか、そういうことはやはり自主的な運営にまかしていい事柄である、こういうふうに私は考えております。
#85
○占部秀男君 いずれにしても、実態は認めるという形になりますか。
 最後に、今お話のいろいろな点から総合して、特にこれはまた内容の問題に返ってくることになるのですが、時間がありませんから、私はこの点だけ聞いておきます。この組合のいろいろな意思を決定する方法ですね。執行面、運営面の意志を決定する方法について、特に意志を決定する機関については、もっと積極的に、組合員も直接参加できるような方式を、これはやはりどうしてもとってもらわなければならぬのじゃないかと、全体としてこれは一つ、今自治庁の書いているこの機関運営の機構的な方式なんですが、これでは何としてもやはり官僚統制のにおいが率直に言って強すぎると、少なくともこの前に作った市町村共済組合法のあの機関運営の例から見ても、これは非常に後退した考え方であると私は思うのです。特にこの運営する執行の責任の問題については、自治庁なり長官の責任を、態度をはっきりするという点については、まだまだいろいろな方法はあると思うのです。こうふうに縛ってまで任命制にしなくても、これはもう、ある段階まではやはりそういう形で来て、そうしてまた、自治庁の長官が何らかの形でこれに参加するとか、あるいは何らかの形で、これはいわば所管事項の中に入るのですから、そういう形でやる方法は幾らでもあると思う。共済組合そのものに、しかも県段階に至るまで、さような任命制的な方法を――県段階というか、文教あるいは都道府県あるいは警察と、こういうような形のところまで任命制をとるということは、これはもうどうしても時代錯誤の僕ははなはだしいものであって、これに対しては、適用される組合員自体が納得するものはなかなか今の地方公務員にはないと、かように私は考えるわけです。従って、そういう点については、特に第二次試案のときには、一つフェアーな気持で再検討をしてもらいたい、こういうことを希望申し上げて、だいぶ予定の時間も過ぎちゃったので、私の質問を打ち切って、またこの質問については次々の委員会もありますから、そのときに一つ保留をして、また質問さしていただきたい、かように思うわけです。そういう点どうですか、局長、率直な話は。もう少し内容的な問題を、たとえば、組合員が選挙したものが評議委員会を作って、その單位組合の運営に当たるとか、そういう点をもう少し平たい意味のものを作っていただきたいと思うのですが、その点いかがですか。
#86
○政府委員(藤井貞夫君) 平たく申して、運営管理組織のさらにもっと徹底した民主花の措置ということになると思うのでありますが、この点については、私たちとしても、第一次試案に絶対にこだわる態度はとらないつもりであります。十分に再検討したいと思っております。ただ、先刻も申し上げましたように、いろいろの実は要請がございます。そういう調整の上に一つの基本線というものを打ち立てていかなければならぬというお察しの通りのいろいろな事情もあるわけでありまして、そういう点との調整を十分とりながら、なお民主的な方法を一歩前進せしめる、あるいは数歩前進せしめるというような制度として、どのようなものがあるかということについては、さらに虚心に考えていきたいと思います。
#87
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#88
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。
#89
○松澤兼人君 二、三ちょっと簡単にお尋ねしますけれども、公立学校職員の共済組合、この中には事務職員、用務員というものを含みますか。
#90
○政府委員(藤井貞夫君) 皆入っております。
#91
○松澤兼人君 そうすると、事務職員の中で、県費負担の分と市負担の分がありますが、そういう場合にはどうするのですか。それぞれ、県費の分は都道府県職員の方に入るのですか。市の方は市町村あるいは五大市共済ということになるのですか。その点はどうですか。
#92
○政府委員(藤井貞夫君) 県費負担職員の関係につきましては、全部公立共済に入っております。市負担の問題につきましては、ちょっと私、その点さだかにいたしておりません。次の機会にでもはっきり御答弁申し上げます。
#93
○松澤兼人君 学校用務員というのは、普通神戸なんかでいえば市の職員になっておりますね。そうなりますと、市の方としては、市の五大市共済の方に包含して、従来通り継続してやりたいという希望がありますが、この点はどうですか。
#94
○政府委員(藤井貞夫君) そういう点につきましては、従来通りのやり方というものを根本的に変えないというやり方で処理ができる、また処理したいと思っております。
#95
○松澤兼人君 それからもう一つは、この組合には運営審議会というものがありますが、これは十人以内ということになっておりますね。十人以内では、大きな組合は非常に人数が少な過ぎて工合が悪いんじゃないかということがありますが、そういう従来の組合であれば、その中に、厚生とか共済とか福祉というような専門部門がありまして、それぞれやはり小委員会みたいなものを作ってやっておるというのが実例だろうと思います。そうするためには、やはりどうしても、審議会というものでいけなければ、評議員会というようなものでも認めて、そうして三十人、四十人くらいの人々が、それぞれ専門的に所属しておるそれぞれの事業を運営執行していくということが必要だと思いますが、そういう評議員会というようなものを第一次試案の中には組合には置いていないように思っておりますが、そういう場合にはどうですか。審議会の委員はふやすことはできるのか。できなければ、評議員会というような形のもので処理することができるのか。
#96
○政府委員(藤井貞夫君) 審議会の委員の数につきましては、これは組織単位をどうきめて参るか、最終的にどうなるかということにも非常に大きな影響を持ってくる問題だろうと思います。組織単位の点、あるいは組合の運営管理の点については、先刻来申し上げておりますように、もう少しわれわれとしても検討すべき点が残っておりますので、今の御指摘の定数の点についても、あわせて一つ検討していきたいと思います。
#97
○松澤兼人君 じゃ今の点について、どうしても審議会が人数が少ない方がいい、能率的であるということであれば、やはりあわせて評議員会というようなものを考えていただいたらどうかと思います。
 それからもう一つは、「運営審議会は、次に掲げる事項を審議するものとすること。」この「審議する」というのは、議決するという意味ではないのですか。ただ相談をして、意見がいろいろあっても、執行者としてはその通りに自分の意見を押し通すことができるのか、あるいは、国共の方では、何か審議会の議を経なければならないというようになっておるようでありますが、それらの区別はどうですか。
#98
○政府委員(藤井貞夫君) 私は、この点は、率直に申しまして、言葉使いはいろいろありますが、法律にこれを規定いたします場合においては、審議会の性格というものは、議決機関と同様の取扱いをしたいというように考えております。
#99
○松澤兼人君 それからもう一つ、この組合は定款をきめることができるようになっておりますが、この定款は、組合自体できめればそれでいいものか、あるいは上の連合会とか、あるいは自治庁の承認というか、認可といいますか、そういうことが必要なのか。ただ単に基準だけ自治庁の方でお与えになりまして、あとは自主的にそれぞれの組合が決定していいものか、そのはどうですか。
#100
○政府委員(藤井貞夫君) これらの規定につきましては、定款例というものを示しまして、この点にのっとって審議をしていただくということになると思いますが、ただ、重要事項につきまして、全国的にある程度の統一をはかって参らなければならぬというような点がありまする場合に、それを指定をいたしまして、これを何らか承認にかからしめるか、あるいは承認までいかなくとも、届出制にするとか、そういうような点につきましては細目にわたっておりますので、なお結論を得ておりません。
#101
○松澤兼人君 この点につきましても、やはり占部君が心配するように、上からの統制みたいなことで、自主的に定款でもってかなり給与の裏づけとなるような仕事をしたいと考えてみましても、そういうことはぜいたくだといって、上の方から押えられる危険が非常にあると思います。そういうことは、ある程度まで基準を示すだけであって、あとはその団体の財政状況をにらみ合わせて、自主的に認めていただけるということであれば非常にけっこうだと思います。これはまあ希望を申し上げておきます。
 先ほど占部君からお話がありました例の短期給付の問題は、毎期給付は適用除外とか、もしくは特例を認めていくようなお考えらしいのですけれども、そういうことは、結局現在の健康保険組合というものを存続させるという形になるのですか。その点はいかがですか。
#102
○政府委員(藤井貞夫君) 私、本日の段階では、短期については適用除外を認めるというところまでは実ははっきりは申し上げておらないつもりでございます。ただ、それらの点につきましては、従来の経緯なり、いろいろございます。また、健保でもっていろいろ運営をされてこられて、りっぱな成績を上げておられるようなところの市町もございます。そういう点は、一つ虚心にさらに検討いたして結論を出したいと思っておりますが、かりに適用除外という措置がしかるべしというふうに相なりました場合においては、それらの市については、短期については健康保険でやるという運営方式もかまわない、こういうことになるわけであります。
#103
○松澤兼人君 例の通算の問題ですが、あるいは切りかえる問題と言ってもいいですが、これは、従来自治庁でお考えになっておられたような切りかえ、通算の計算ですね、期間の計算を今でもやはりお考えになっていらっしゃるのですか。具体的にどういう切りかえをなさるのか。
#104
○政府委員(藤井貞夫君) 切りかえの方式につきましては、根本方針なり建前というものは、従来自治庁で考えておりましたところと変わっておりません。ただ、細目にわたりましては、非常に技術的なめんどうな点がございまして、われわれ、この方式といたしましても、でき得るならば、地方公務員の退職年金法という本法と、これに伴いまする施行規定関係の詳細を規定いたしまする施行法と、二本に分けて提出をいたしたい。従いまして、時期的に申して、施行法の方は若干おくれることになるのじゃないか、かように考えております。
#105
○松澤兼人君 それで、どこの市町村に行きましても、職員の間で非常に問題になっておりますことは、一つは軍人恩給の通算なんですね。これは現職のまま、現職というか、すでにそこで仕事をしていて、召集になって軍隊に入った、こういう場合、また帰ってきて同じような仕事をしている、こういうことがあるわけですが、あるいは学校を出てすぐ召集されて、六年半なら六年半行ってきた。それで、帰ってきてから町村役場に勤めている。こういうものが通算になるかどうかということを非常に心配しているようなんですが、この点が一つ。
 もう一つは、農業会とか、あるいは国保とかいったような外郭団体に出て、何らかの都合で戦争中配給団体とか、いろいろそういう外郭の団体に出て、そして戦争がすんだらまた元の役場に帰ってきたとか、いろいろな外郭団体に出た場合の通算が認められるかどうか。この二つの点が非常に関心の的になっておるようですけれども、これは、もうすでにおきまりになった方針というのはあるのですか。
#106
○政府委員(藤井貞夫君) 軍人に召集されておりまするときの期間の問題につきましては、大部分が、恩給法の改正その他が戦後に行なわれまして、大体不都合なく行っておると思いますけれども、従って、それに応じて恩給法改正がございましたときには同じように改正をいたしまするように、町村の場合におきましても、恩給条例の規約案を回しましてやっておりますので、大体間違いなく措置されておるというふうに私は考えております。
 それから外郭団体の問題は、これは、率直に申しまして、現行法上の建前では、それは通算ができなしということになっておるのであります。ただ、将来年金制度というものが各階層にわたってだんだんと領域を広げてくる。さらには、国民年金制度というものが拡充されてくるということになりますると、各種年金制度の間において通算措置をどうして参るかということが、当然大きな問題になって参るわけでございます。社会保障制度審議会においても、その点はすでに問題点として取り上げておりまして、もちろんその通算は最終的には講じ得ると、そのためには、具体的にどういう措置をやったらいいのかということを前提としながら検討を続けておる段階でございます。しかし、現在のところは、いろいろな事情もございまして、その通算措置というものはできないという状況になっておるのでございます。
#107
○委員長(新谷寅三郎君) 地方公務員退職年金制度につきましては、まだ御質疑もあるようですから、今後本委員会においてさらに質疑をいたしたいと思いますが、本日はこの程度で打ち切りまして、これにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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