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#1
第033回国会 地方行政委員会 第10号
昭和三十四年十二月十五日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十一日委員占部秀男君辞任につ
き、その補欠として山口重彦君を議長
において指名した。
十二月十二日委員山口重彦君辞任につ
き、その補欠として占部秀男君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     新谷寅三郎君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           加瀬  完君
           鈴木  壽君
   委員
           安部 清美君
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           吉江 勝保君
           占部 秀男君
           松澤 兼人君
           米田  勲君
           中尾 辰義君
           杉山 昌作君
  国務大臣
   法 務 大 臣 井野 碩哉君
   文 部 大 臣 松田竹千代君
   国 務 大 臣 石原幹市郎君
  政府委員
   自治庁行政局長 藤井 貞夫君
   自治庁税務局長 後藤田正晴君
   法務省刑事局長 竹内 寿平君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  法制局側
   第二部第三課長 長谷川喜博君
  説明員
   自治庁税務局市
   町村税課長   鎌田 要人君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (北海道の固定資産税減収に対する
 財源措置に関する件)
 (地番の整理に関する件)
 (地方公務員の給与に関する件)
 (岐阜県における教職員組合の専従
 制限に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を開会いたします。
 まず、北海道の固定資産税減収に対する財源措置に関する件を議題として質疑を行ないます。
#3
○米田勲君 それでは、私は、この際石原自治庁長官に対し御質問をいたしまして、所見をお伺いしたいと存じております。
 その第一は、私たちが本委員会において地方自治体に関する行財政の諸問題について検討するにあたって、その当面の責任官庁である自治庁の態度、方針、意見などを徴する必要があって、自治庁長官や政務次官あるいは自治庁の関係局長、課長などの出席を求めて、いろいろ答弁を願っているわけでありますが、本委員会におけるこれらの答弁について、自治庁長官自身が答弁したことはもちろんでありますが、たといそれが長官自身の答弁でなく、自治庁の局長、課長などの答弁でありましても、最高責任者である自治庁長官が十分責任を負うという立場でなされているのかどうか。答弁されたことには責任を持つという確固たる考えを持っておられるかを、あらかじめお聞きをいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(石原幹市郎君) ただいまの米田委員の御質問でございまするが、この前の夏の本委員会において、自治庁当局並びに私から、いろいろ北海道の固定資産税の制限税率引き下げに関する補てんの問題について質疑応答があったわけでございます。
#5
○米田勲君 お話中ですが、私は、具体的なことでなく、前提として、一般的な自治庁長官の態度をお聞きしているのです。
#6
○国務大臣(石原幹市郎君) だから、それに関連して申し上げます。私の答弁申し上げておりますることにつきましては、それは、私として考え方も変わっておるわけでもございませんし、その答弁につきましては、こういう気持で申し上げたのであるというようなことについては、いろいろ申し上げたいと思いますが、私が答弁しましたことにつきましては、私、十分説明申し上げたいと思います。自治庁当局において、あのまだ早いころでありましたので、その後いろいろ議論等も部内で行なわれておりまするので、あるいは関係当局との間に若干のニュアンスの相違とか、いろいろな問題があるかもしれませんが、そういうことはいろいろまあこれから論議をいたしまして、御説明申し上げて御了解を得ていきたい、こういう態度でおります。
#7
○米田勲君 私は、第一に今質問をしましたのは、具体的な問題に入る前に、自治庁の長官あるいは関係の局長、課長等がわれわれの質問に対して答えたことに、責任をお持ちになるという基本的な態度で答弁が行なわれているかどうかということをお聞きをしているのでありまして、責任を負うのだという自治庁長官の発言が今はっきりしないのですが、その点を再度お聞きいたします。
#8
○国務大臣(石原幹市郎君) 長い間のまだ最終方針がきまらない間におきましてのいろいろの意見というか、見解の表明に若干の相違があるとか、表現方法に違いがあるとかいうようなことについては、これは、一度そういうことを言うたら、永久に一年も二年も変わらないのだということは、私はそういう責任は持てないと思うのでありまするが、庁が態度を決定しまして臨んだ以上は、全体についての責任は、当然長官としてとっていかなきゃならぬと思います。
#9
○米田勲君 私はまだ納得できない。私たちがここであなた方にお聞きをしたことについて、それぞれ答弁が行なわれている。その答弁に対して、責任をお持ちになるという基本的な態度をもって答弁しておられるかどうかということなんです。それ以外のことをお聞きしているのではない。
#10
○国務大臣(石原幹市郎君) 私は、私の答弁したことについては御説明もし、責任を持っているつもりであります。
#11
○米田勲君 それでは、その点はよくわかりましたが、それでは、角度を変えて、さらに一般的な態度について、もう一度お聞きをしたいと思います。
 自治庁長官が本委員会で答弁をされたことと、同一事項について異なる方針で措置をし、行動をしなければならないような事態が万一起こった場合に、本委員会にその事柄についてあらためて事情を述べ、了解を求めるという手続を全くとられずに、突然一方的に答弁と異なる措置をしたり、方針を変更したりすることがあるのかどうかということであります。もしこのようなことがかりにあるとすれば、それは、本委員会の判断を誤らせ、混乱を起こさせるばかりでなく、本委員会を軽視し、無視する態度でありまして、極端に言うなら、参議院を侮辱することになるとさえ私は思うのでありまして、そういう態度は絶対に許されないと思うのです。自治庁長官、石原国務大臣のこの点についての端的な見解を簡明にお答え願いたいのであります。
#12
○国務大臣(石原幹市郎君) この前、あなたが御指摘になっておりまする委員会でいろいろお答えしておりますることは、その当時の私の気持をずっと申し上げておるのでありまして、その気持で、庁の態度等をずっとその後検討し、決定してきたのでありまして、私としましては、その当時から私の気持をここで申し上げているつもりでありまして、本委員会を軽視したり侮辱したり、あるいは参議院を侮辱するなどという考えは、私は毛頭持っておりません。
#13
○米田勲君 長官のお言葉の中に、「私の気持を申し上げておるのでありまして」という言葉があるのですが、それは単なる、その気持というのは、感情というようなことではないことは当然でしょうね。その点、気持という言葉は非常にあいまいでありますので、お聞きします。
#14
○国務大臣(石原幹市郎君) 気持というのは、私の考え方という意味であります。
#15
○米田勲君 それでは、第三番目にお尋ねをいたします。
 昭和三十四年八月十日の本委員会に、石原国務大臣には、自治庁政務次官、奥野財政局長、金丸税務局長などと出席をせられ、私の質問、すなわち固定資産税の制限税率引き下げに伴う減収補てんについて、三十五年度以降はどうするのかということを質問いたしたのであります。これに対し金丸税務局長は、この速記録によれば明らかでありますが、次のごとく答弁をいたしております。すなわち、「三十五年度も、私どもは、減収補給金と申しましょうか、個別の市町村ごとに減収になります額に相当する額だけの補給金をもって補てんをいたしたいと考えておりましたけれども、三十四年度におきましては、御承知の通り、起債をもって補てんし、元利の補給を明年以降行う、こういうことになったわけでございます。この減収は、相当額明年度以降もございますので、やはり三十五年度以降、できますならば本来の姿で、減収補給金という制度を設けて補てんをするようにしたい、こういう考えで目下検討いたしております。」と答えられ、さらに、私の三十五年度以降の減収分の額の押え方は、どこで押えるつもりなのかという質問に対して、金丸税務局長は、速記録によれば、次のごとく答弁をいたしております。「三十四年度分につきましては、目下大蔵省と折衝いたしておりますが、三十四年度における減収額を推定いたしまして、それに相当する金額だけ各市町村に起債で補てんをするという考えでございます。三十五年度以降につきましても、同じような考え方で参ることが適当ではなかろうかと、かように考えております。」こう答えている。さらに税務局長は、同じく速記録の通り申し上げますと、「この減収補給の仕方でございますけれども、三十三年度を帯磁にして計算をするいたし方と、三十四年度を基礎にして計算をするいたし方と、それから各年度の減収分を基礎にしてするいたし方と、いろいろあるわけでございます。で、三十四年度の減収額の算定の仕方は、三十三年度を基礎にしないで、三十四年度における減収の額を推定して補てんをしようということにしたわけでございます。三十五年度以降につきましては、三十四年度の減収額で算定をするか――私、先ほどはそう申し上げなかったつもりでございますが、三十四年度の減収額を固定して三十五年度以降も補てんをするか、三十五年度の減収分は、三十五年度における減収額を推定をして計算をするか、これはいろいろの問題があろうと思いますけれども、現在の考え方では、やはり三十五年度における減収額をまた推定して、そういうことでやることが適当ではなかろうか、実はかように考えている次第であります。」と答弁をしておられます。
 さらに、私の減収補てんを補給金として予算化するということは、現在自治庁の考え方で、大蔵省との間には話はまだ進んでおらないわけかという質問に対して、税務局長の答弁は「その通りでございます。」と答えているのであります。
 これらの応答で、減収相当額を補給金として予算化し、補てんをするという自治庁の方針は、明確になされているわけであります。また、北海道のような開発が急速度に進んでいる所では、三十五年度の減収、三十六年度の減収というように、減収額が累増してくるので、三十五年度は三十五年度の減収推定額を、三十六年度は三十六年度の減収推定額を補給金として補てんをしてもらわなければ、自治体は非常に困るのですという、私の意見をだめ押しした際に、石原国務大臣は、この速記録によると、次のごとく答弁をしているのであります。「これは、制限税率を引き下げしたときに、何らかの措置を講ずるということは、当時当局と話しておったわけです。そういう意味で、三十四年度は起債で穴埋めをしたわけですが、われわれ自治庁としては、起債というような毎年毎年の問題ではなしに、補給金なら補給金という形でやってもらいたいということを、三十四年度のときにも非常に強い要望をなさったようですが、最後に交付税率の一%引き上げで、ほかの問題は一切がまんせいということで討ち死にしたわけですが、最後までやはり入っておった大きな一つの問題です。
 ただ、先ほど来から、私、あなたの御意見を聞いておって、いつまでも固定資産税の制限税率によって減収が累増してくるというお話でしたけれども、それも事実だろうと思いますが、その累増してくる減収を、いつまでもこれを累増したものをそのまま補てんしていかなければならぬでは、これは制限税率の引き下げをやった、減税をやった意味がないので、その議論だけは、ちょっと私は、まだ、はい、その通りですとはお答えしかねるけれども、約束によってある程度の措置をしなければならない、その限度のものは、これは自治庁としても大いにがんばって、強く主張していきたいと、かように思っております。」と答えられておるのであります。すなわち、累増分については、ある限度で措置しなければならないけれども、とにかく減収分については補給金で補てんをするという線で、自治庁は大いにがんばって、強く主張をしますということを明確に答えられているということだけは疑う余地がないのであります。これははっきりしたことであります。しかも、いつごろ大蔵省との折衝に移られるのかという私の質問に対して、石原国務大臣は、「最終結論が出るのは、去年の例から見ても十二月三十一日です。」と答えておられるのであります。
 以上、本委員会におけるこの問題の質疑応答の必要個所を速記録から拾い上げて、私はただいま申し上げてみたのですが、石原大臣は、ただいま私が速記録から拾い上げたこの事実を、よもやお忘れになっているわけではないでありましょう。私のただいま速記録を参照して申し上げた通りであることを石原大臣はお認めになりますかどうか。これがもし認められない、あなたの言うことは少し違うというようなことであれば、この速記録とは対照してみなければならないのですが、その点についてはいかがですか。
#16
○国務大臣(石原幹市郎君) これは、このときの委員会におきましても、私申し上げたつもりでありまするが、ちょうど北海道の固定資産税の制限税率の引き下げの問題でありますが、昨年、予算の論議をされておりましたときに、私は党六役の一人をやっておりまして、党として最終決定を折衝するときの関係者の一人であったので、非常にこの問題は、私としても頭に多く残っておる問題なのであります。最後まで容易にきまらなかった。実は去年の暮にも、はっきりした線が、若干もやもやが残っておったような問題であったのでありますが、結論といたしまして、起債で見て、その元利を補給していくという、大蔵省の言い分では、これは去年だけの一応の考え方だ、この言うておるのでありますが、そういういきさつを経たのであります。しかし、私は当時も関係しておりましたが、北海道の実情におきましても、若干事情を知っておるものでありまするので、この問題については、今後とも何とか予算の成立過程におきまして実現するように努力をしなければならないというわけで、自治庁当局にもいろいろ命じまして、問題はこれほどむずかしかった問題であり、大蔵省としても、容易にこの問題には納得しないであろうという私の一応の推測が立つので、でありまするから、できるだけ納得せしめる方法をもって原案を作成していかなければなるまい、固定資産税の減収補てんという大きな筋につきましては、全力をあげて努力をしたい。ごらんのごとく、本年度におきましても、自治庁として出しておりまする地方財政に対する重点項目の一項目として、大蔵当局に強く要望をしておる問題でありまするが、ただ、そののみやすいというもの、一応納得を得られるような方法で行きたいという気持からいたしまして、これを永久にいつまでもこういう形で行くというのでは、これはなかなか大蔵省ものむまい。何年間かにだんだんならしていくというような形に持っていきましたならば、あるいはのみやすい形にし得るのではないかという考慮からいたしまして、まあ五年……
#17
○米田勲君 せっかくの答弁ですが、私のお聞きしていることを答えて下さい。
#18
○委員長(新谷寅三郎君) わかりました。答弁が済んでから……。
#19
○国務大臣(石原幹市郎君) 五年間にある程度平均をならしていくというような考え方をとっておったわけであります。このとき、ただいまいろいろ言われましたこの答弁につきましても、私のあるいはこの中に表現不足の点があったかもしれませんが、約束によってある程度の措置をしなければならない、減収補てんについていろいろの方法を講じて、これが実現するような方法を講じなければならないという、このある程度の措置をしなければならないという点に私の気持の最重点を置いたわけであります。具体的にこまかい点について、これがどうなるかということについては、まだ八月頃のことでありましたので、具体的の詳細なことについては、あるいは表現の方法に不十分な点があったかもしれませんけれども、この私の今御指摘になりました答弁は、そういう気持で私は答弁を申し上げておったのでありまして、自治庁といたしましても、その後十分庁議を経まして、大蔵省にただいま出しておるような方法で要求をしておるわけであります。しかし、私の気持としては、先般衆議院の行政委員会でもいろいろ話が出たのでありまするが、でき得ることならば、北海道の皆様方の御協力によりましてこれが実現するように、さらにまた、これ以上の方法ができ得まするならば、さらにしあわせなことと思うのでありまするが、まあ、私の何とかこの予算を成立せしめたいという気持から、今出したような案を大蔵当局に出しておるのでありまして、表現不足の点があったかもしれませんが、私の気持は、ここにそういう気持でこの答弁を申し上げて、やったのであるということを一つ御了解願いたい、かように思います。
#20
○米田勲君 私は、石原大臣の答弁は非常に不満であります。あなたはすりかえようとしている。先ほど私が速記録の中からその通り書き写してきたこれと、私の言うのを読み合わしてもらえばわかりますが、あなたは、減収補てんについてある程度のことをしなければならぬというふうに答弁したと、すりかえておりますが、それは違います。なぜ違いますかというと、後段の方で読み上げたのでもわかりますように、このとき主張したのは、三十五年度の減収額の決定は、三十三年度や三十四年度というふうに固定されて額を推定をされたのでは、北海道のような開発のどんどん進んでいる所では、その推定される減収額が増大をするから、その年度々々で推定をして補てんをしてもらわなければならぬのだという意味のことを言ったときに、石原大臣は、ある程度のというのは、その累増額に対してある程度のという意味なのか、これは、速記録をあなた方読んでみれば、自分の都合のいいように解釈をされては因ります。このことで争うなら、なんぼでも私は争うが、税務局長の答弁のときに、あなたも同席しております。あなた自身も答えられている。そのあなた自身の答えられているときに、ある程度のということは、累増していく額という、この累増を、いつまでもその累増分までもと言われたのでは困るという程度のある程度でありまして、少なくも三十五年度の減収に対する補てんをしようという自治庁の方針は、これらの税務局長や石原長官の答弁によって明確になっている。単なる表現の不足だとか、説明の不足だとか、ニュアンスの違いがあるけれどもなどということでは、とうてい了解のできないほど、この速記録には明瞭に、あなた方の減収補てんの態度が明らかに答弁されていると私は思うのです。現在進行している問題を抜きにして、私は、八月十日の委員会における石原長官の答弁、それからあなた自身が責任を持たなければならない税務局長の答弁について、減収補てんについては、これははっきりした答弁内容になっているので、ある程度のという言葉が使えるとすれば、累増していく分をどんどん見てくれ、この累増に対しては、ある程度のというより限度という言葉を使ったのでありまして、減収補てんのこの問題についてある程度のというふうな、そういう答弁内容でないことは、速記録に明らかであります。この点について、あなたはあえて速記録の内容を、あなた自身も減収補てんをある程度にやるのだというふうに今も主張なさるのかどうか、それをちょっとはっきりしていただきたい。
#21
○国務大臣(石原幹市郎君) 私の気持は、先ほどるる申し上げましたので、重ねて何回も申し上げかねるのでありまするが、言葉の、表現の不十分といいまするか、あるいは、御指摘のように、前後を読んでみたらおかしいじゃないかというような点があるいはあるかもしれませんけれども、私が申し上げました気持は、まさにそういう気持を申し上げたのでありまして、要は、この制限税率に伴う固定資産税の減収を何らかの形で補てんしていく、それを大蔵省に認めさせなければ、これは、法律上の解釈とか条文の解釈の問題じゃないのでありまして、具体的に政治折衝、私から大蔵大臣にこれを認めさしていくということが一番大切なことなので、それには、最ものみやすい、何とか説明のつき得るような方法で当局が原案を持って行かなければ迫力がない、こういう意味で、今の原案を出しておるわけでありまして、私は率直に、あなたが言われたすりかえるとか、そういう私は男じゃないのでありまして、この当時明らかにそういう気持をここに持っておったのでありまするが、結果から見まして、この速記録の表現「ある程度の措置」というのは、いろいろにもとれると思うのでありまして、不十分であったということであれば、どうも自分の表現が不十分であったということをここで申し上げまして、私の気持は、その当時と今日と変わっていないので、とにかくこの固定資産税の減収補てんについては、私としましてもできる限りの努力をしたい、しかし、これは何分予算のことで、大蔵省がどの程度査定するか、今後の問題でありまするが、気持においては変わらないものであるということを重ねて申し上げておきたい。
#22
○米田勲君 どうもいろいろ苦しい答弁をされておるようですが、私は、八月十日の委員会で、あなたが答弁をし、税務局長が答弁をしたことは、大蔵省と折衝に入る前の自治庁の方針であるということははっきりしているのですよ。それからあと、大蔵省に折衝をした経過がこうなったということであれば話がわかるが、私は、八月十日の時点におけるあなたとの質疑応答について、これを明確にしようとしておるのに、あなたはしきりに、大蔵省との折衝の経過に話を移そうとなすっておるのは、はなはだ遺憾であります。私は、税務局長の答弁を先に申し上げましたのは、税務局長の答弁は、減収補てんをします。しかも、三十五年度は三十五年度の推定実績を押え、三十六年度は三十六年度の推定実績を押えて減収補てんをやるのだという、きわめて積極的な主張をなさっていられるわけです。三十四年度の実績を固定して、それで三十五年度減収補てんをする、三十六年度減収補てんをする、こういうのでなくて、もう一歩前進している、この税務局長の答弁は。そのとき、しかもそれは、長官自身が隣で聞いて黙っている、それに対して何ら言わない。あなたが言ったことは、この通り速記録に載っているのですが、私が、累増していくのだということを、その主張をしたものだから、その点についてだけは私はあなたの御意見を聞いておって、「いつまでも固定資産税の制限税率によって減収が累増してくるというお話でしたけれども、」この累増してくる問題を特にあなたが取り上げて、「これを累増したものをそのまま補てんしていかなければならぬでは」云々と、こう言っているので、あなたの答弁は、明らかに累増した分を見れという私の主張に対する「ある程度の」であります。税務局長の答弁は、減収補てんの方針というものは、このときに明らかに答弁をしておられる。この点をどうしても私ははっきりしてもらわなくちゃならぬ。大蔵省と交渉をするのに、その後気が変わったとか、やってみたら調子が変わったとかという話を今お聞きしているのではない。八月十日の時点における自治庁長官の責任ある答弁を本日明らかにしたい、こういう立場ですから、もう一度お答えを願います。
#23
○国務大臣(石原幹市郎君) どうもたびたび申し上げて、これ以上私として申し上げる何がないのでありまするが、当時私の気持は、きょう申し上げたことを腹に蔵して申し上げておったのであります。そういう意味からいえば、あるいはこの答弁は若干不十分であったとか、表現方法がまずかったというおしかりを受けるかもしれないと思うのでありまするが、私は、「ある程度の措置」ということで、いろいろな意味を含んだつもりであったのでありまするけれども、これだけで不十分であったということであれば、それは不十分であったと、今後気をつけろということであれば、気をつけるということでお進め願いたいと思うのであります。これ以上私として申し上げる何がないとお答えいたします。
#24
○米田勲君 大体問題がむずかしくなってきた今日の段階で、八月十日の日に自分が答弁をし、自分の部下の税務局長が答弁したことを、自分をまた聞いて黙っておったにもかかわらず、今ごろになって、私のその時の答弁が不十分であれば云々といったようなことは、許されていいことではないですよ。これはやはり、本委員会で少なくも答弁をしたことについては、その時点におけるあなたは責任を持つという態度でなくてはならぬはずです。今ごろになって、答弁が不十分だったのは云々ということは、私は納得できない。その点についてどうですか、石原さん、あなたが八月十日の時点における――私の今主張しておるのは、速記録をちゃんと読んで主張しているのですから、税務局長から、減収補てんについてやりますと、さらにプラス・アルファを考え、あなたは、そのプラス・アルファの点についてはある程度にしてもらわなければならぬと、困ると言っているから、少なくも減収補てんをしますという自治庁の交渉方針というものだけははっきりしておったということだけは、ここで認めてもらわなくちゃならぬ。責任問題はあとだ。
#25
○国務大臣(石原幹市郎君) このときは、まだ最終案もできてないときでありまして、自治庁としても、いろいろ検討しておる段階であったのであります。自治庁としては、今こういう考え方で検討をしておるという意味の表現がずっとここに私は出ておると思うのでありまして、たびたび申し上げましたように、私がこのとき言うた気持は、今申し上げた通りであるということは、これはどうも、いかに責められましても、私の気持は、その当時と今日と変わっていないのでありまして、でありますから、もしこの表現で不十分じゃないかと、まずいじゃないかと言われれば、それは甘受をするより仕方がありませんけれども、私がここで申し上げた気持は、たびたび申し上げたことで、変わりがない、これ以上ちょっとお答えをする私としては余地がないのでありまして、御了承願いたいと思います。
#26
○米田勲君 石原大臣、あなた、速記録に載っておることについてさえも、そういうあいまいな態度でこの委員会に臨んでおられるのですか。あなたのそういう基本的な態度であると、問題が大へんなことになりますよ。少なくもその当時、自治庁としては最終的に態度がまとまっておったかどうかということはわれわれにはわからない。あなた方に聞いてみて、あなた方の答えによって自治庁の方針というものを知る以外にわれわれは方法はない。われわれに答弁しているのは、自治庁の方針が固まっておらぬときの話ですと、今ごろになって言われたって、われわれはそのことについても全然責任はないし、一方的にあなた方は責任を持たなければならぬ。それを、これ以上答弁ができないということは、全然私は納得できません。石原さん、どうですか。あとにもう一度繰り返してこの問題は、委員長、やらしてもらいます。
 次に続いてやります。そこで、私は、今重ねてしつこく言っているのは、税務局長の答弁は、減収補てんプラス・アルファという線である。累増までも考えた減収補てんを答弁しておる。自治庁長官の答弁は、累増分については、ある程度でがまんしてもらわなければならぬ、しかし、この言葉は、減収補てんに対する自治庁の方針というものを修正した答弁ではないということだけは、常識ある者が見たら明らかです。あなた方、衆知を集めて速記録を研究してごらんなさい、私の言うのが無理かどうか。そこで私は、八月十日の本委員会において、自治庁の本問題に対する方針、見解、大蔵省との折衝の基本線は、この答弁によって、私が主張している通り明らかだと思うのです。私は、この事実の上に立ってあなたにその次の質問をしたいのです。あなたは、その点について逃げようとなさっておられます。先般本委員会に石原長官は他の用務のために出席できないということで、政務次官、税務局長が出席をせられた。私からいろいろお聞きもし、反省を求めましたけれども、全くらちがあきませんでした。そこで私としては、そういう答弁はとうてい了解ができませんので、最高責任者である石原国務大臣の出席を求めて、直接あなたの口からこれをお聞きしなければならぬということで、今日まで質問を保留して参ったのであります。
 さて、次にあなたにお尋ねいたします。これは、自治庁は、固定資産税減収補てん問題について大蔵省と折衝に入るに際し、あらかじめ部内検討をいたしまして、漸減方式による補給金を前提条件として、三十五年度の減収額に対する補てんは、八割相当額を減収補てんするという線で補給金の予算要求に入った。私の質問していることははっきりしましたか。もう一度申し上げます。大蔵省と折衝に入るに際し、あらかじめ部内検討をいたしまして、漸減方式による補給金を前提条件とし、三十五年度の減収額に対する補てんは、八割相当額を減収補てんするという線で補給金の予算交渉に入った。こういうように政務次官並びに税務局長から説明がありましたが、これは事実に相違ないかどうか。
#27
○国務大臣(石原幹市郎君) その通りであります。
#28
○米田勲君 それが事実だということになりますと、先ほど来、八月十日の本委員会において、税務局長あるいは石原大臣からなされました答弁で明らかなような自治庁の方針、折衝の基本線と、ただいまその後の時点において大蔵省と折衝するその折衝の基本方針との問には、明らかな相違があることをあなたはお認めですか、どうですか。
#29
○国務大臣(石原幹市郎君) 私は、たびたび申し上げておりまするように、ここである程度の措置をしなければならない。それから、自治庁当局も、この問題は折衝、要求とも関連があるわけで、目下自治庁として検討している段階でございますということを言うておるのでございまして、予算要求をするときには、いろいろ庁内で論議をして、最も効果を上げ得るような方法で予算要求をしていきたいということで、結論をだんだん出していくわけでありますから、これは、検討の過程において自治庁の態度をいろいろ聞かれたわけで、その当時、あるいは金丸局長の答弁について、私の表現とある程度の迷いがあったかもしれませんが、これは、税務局長としての当時の考え方を言うたのであろうと思うのであります。これは、予算要求の過程の、庁内のいろいろまだ検討をしている過程における論議でありましたので、その後法律なり何なりを決定した後のいろいろの論議であるとすれば、これはいろいろ問題があると思いまするけれども、そういう意味で、若干の考え方の相違あるいは表現の方法の違い等があったかもしれませんが、これは御宥恕願わねばならぬと思うのでありまして、特に私は、そういう意味でややぼけました、抽象的な、ある程度の措置ということで意思を表示しておるわけでございまして、その後庁議を固めまして、実効を上げ得るにはこれが一番いい方法であろうということで、今、漸減方式の八割補てんということで予算、要求をしている次第であります。
#30
○米田勲君 私は、そういう逃げ口上をされるのではないかと思って、あらかじめちゃんと聞いておいたんです。われわれに答弁をしたことと違う方針、違う措置をしようとするような段階に、われわれに何らの了解を求めることなしに、一方的に突然に行動を起こすようなことはあってはならぬであろうということを最初に言ってあるわけです。自治庁の方がここで答弁をし、その後部内検討を行なって、どうしてもこういう方式でなければ実視の可能性がない、こういう結論が出て、本委員会に来て、さきに八月十日にはかくかくお話をしましたが、部内検討の最終結論の結果こういうことで行かなければならぬ、こういうことになったということを本委員会に自発的に出られて説明をし、われわれに了解を求める、そういう手続があって、しかる後大蔵省との折衝に入ったのであれば、私は何をか言わんやであります。しかし、あなたは、部内検討の過程においてここで答弁をしたことであるから、最終的に大蔵省と折衝することと違うことは当然のごとく今申しておりますが、まことにけしからぬ言い方であります。私は、あなたがここの委員会で答弁をしたと、それをいつまでもたてにとっておるという意味は、あなたは、部内検討を最終的になさったその結論が違ったふうに出ても、われわれには何ら一言の話も説明もなしに、いきなり大蔵省と折衝に入った。ここのところが重大なんです、私は。だから、先ほど頭のいい皆さんに二度も繰り返し申し上げたのは、この点なんです。大蔵省と折衝に入る前に、自治庁はあらかじめ漸減方式を採用した。しかも、減収補てんを八割、六割と、そういうもので折衝に入ってしまう以前に、われわれには何らの話がなかった。あなたは、それは認められるでしょうね。八月十日にわれわれに答弁をした。その後部内検討をした。その後委員会には、違う方針が出たにかかわらず、何らの了解のお話もなしに、いきなり大蔵省と折衝に入った。こういう事実をあなたは認められるでしょう。どうですか。
#31
○国務大臣(石原幹市郎君) 委員会に私は別にお諮りをいたしませんでしたけれども、私の気持としては、当時私が考えておったこととその後の措置と、私の考え方においては、それほどの開きがあるのでも何でもありません、私の気持をここで言うておるのでありますから。そこで、別に委員会の了承を得なければ自治庁としての原案の作成ができないということもないであろうという考え方でありました。
#32
○加瀬完君 関連して。長官は当時の金丸局長の発言が若干自分の意見と違って、誤解を生んでいるのじゃないかというようなお含みのようでありますが、米田さんの指摘はそうではない。金丸局長の発言をあなたもお認めになった。それは、今言うような漸減方式などというものは、どこにも姿をちらつかせておらない。はっきりとした、完全な補給による補てん方式を打ち出すというのが自治庁の考え方だったのです。御言明なさった。そこで、当然大蔵省との折衝にも、その基本方式で臨んで、折衝の結果が漸減方式というようにならざるを得なかったというのならば、米田君も、それならわかると、こう言っているのです。ところが、初めから漸減方式という態度で大蔵省には臨んでおるならば、その当時においても、こういう基本方式で自治庁はいるのだが、漸減方式みたいな形で妥協せざるを得ないかもしれないと、極力われわれはそれを食いとめるつもりだと、こういうような御発言ならば、今のいろいろ御説明でつじつまが合う。そのときには、はっきりと漸減方式などというものはとらなくて、地元の望んでいるような形で補給金の完全を期するとおっしゃっておいて、それを今度すっかりかたなしにしてしまって、漸減方式などという基本態度をお出しになるから、問題が今のような質問に発展をせざるを得ないと思う。この点、私はもっと御説明がなければ納得できないと思う。その点を一つ御説明下さい。
#33
○国務大臣(石原幹市郎君) そこで、たびたび申し上げておるように、このときの私の表現方法が少しこれだけでは足りないのじゃないかと言われれば、足らなかったかもしれないと、こう思わにゃならぬのでありますが、最初申し上げましたように、私は、この減収補てんの問題については、昨年私も、一応の責任者の端くれとしてこの問題に関与しているだけに、実にこの問題はむずかしい問題であると、容易ならざる問題であるので、これには、何らか大蔵省にも食いつき得るような方法でもっていかなければ、この問題はとうてい実現しないのじゃないかという気持があり過ぎまして、今いろいろお話しになりましたように、一応従来通りの方式で行って、折衝の過程において譲るのなら譲るという方法があるいはよかったかもしれません。御期待にそういう方針の方が沿ったかもしれませんけれども、そこはやはり人間の考え方でありまして、私としては、これを実現するには、むしろこの方式で行った方が一番大蔵省に何とか食いつき得る余地を残し得るのじゃないかと、折衝の過程をよく知っておりましただけに、そういう気持が強く働いて、こういう形で今大蔵省に臨んだわけでありまして、そういう気持が非常にぼやけておりまするけれども、八月何日かのこの委員会の私の答弁にも出ておるつもりであったのでありまするが、この速記録を読んだだけでは、それでは不十分だ、出ていないじゃないかと言われれば、将来注意をしていかなければなりませんけれども、気持において、私はごまかしを言うたり、言葉の端くれをとらまえて言いのがれをしようと、そういう考えでないことだけはここに申し上げたいのであります。北海道の減収補てんの問題については、私は北海道の事情をよく知っております。北海道に何年問も行政を担当した一人でありますから、よく知っておるので、何とか北海道のこの問題については努力をしたいという気持と、両方が錯綜しまして、こういう形になったのでありまして、私の気持は何とか御了解を願いたい。答弁の足らなかったところその他については、十分おしかりを受けて、将来注意をしていきたいと思う次第であります。
#34
○米田勲君 委員長は、いわばこの、委員会の責任者ですね。会議の進行についても、当然委員長は公平な立場でやってくれるのだと私は思いますが、私は、先ほど来、この委員会で相当忙しい分量のたくさんある仕事をかかえながら、八月十日の速記録を御紹介申し上げて、委員各位にもよく聞いていただいて、そうして石原長官のとられている行動についていろいろお聞きをしたいと思って、わざわざこういう冗漫な質問をしたのです。ところが、委員長も、私の申し上げましたことをお聞きなさっておられたと思いますが、石原長官は、この速記録にある内容としきりに違うことを今答弁されているということを、私は委員長にはっきりそういうことを意識してもらいたい。こういうことでこの問題をすりかえていかれたのでは、われわれこの委員会に来て、自治庁のいろいろな人たちに物事を聞いても毎日不安で、これは一体ほんとうなのかうそなのか、いつどこでどういうふうに変更するのかわからないということでは、この委員会で聞いたことの責任は持てません。石原長官は、明らかに、八月十日の答弁は、これは税務局長が云々と言って、税務局長の言った答弁をまるきり責任を持つといったような気持でないような言葉の節々もありますけれども、少なくも税務局長と石原長官の二人の答弁から、漸減方式を採用して、三十五年度は八割を補てんするなどということで、あらかじめ方針をきめて大蔵省に折衝をしたということは、この二つの事実の間に完全に方針の違いがあるということを、委員長はどうですか、公平な立場で見て、方針に違いがある……。
#35
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#36
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
#37
○米田勲君 それでは、そういう措置をとってもらいます。
 八月十日の速記録と、きょうの石原長官の答弁との両方を比較して、私は方針に食い違いがある。大蔵省に初め折衝に入るときの基本線と八月十日の答弁との間には、明らかに重要な部分において食い違いがあるということを明らかにしていただきたいと思います。
 それでは、次に質問を続けます。先ほどからいろいろ石原長官は、説明が不足であったとか、表現が足りなかったとか、ニュアンスの違いがあったとか、若干不十分であったとかいう日本語をしきりに羅列して、そうしてこの問題について焦点をぼやかそうとしておるというふうに私は悪く解釈をします。せざるを得ません。私は、この問題を本委員会で取り上げたのは、米田という議員個人の考え方で取り上げたのではないのであります。社会党の北海道開発特別委員会でこのことを審議し、党の政策審議会で審議をし、社会党としてこのことに対処する方針をきめて、それを分担して、私は本委員会にこのことについて自治庁の方針をただすところから問題は発しておるのです。従って私は、この八月十日の答弁については、わが党の機関にそれぞれ報告をし、自治庁の大蔵省に対する折衝の方針はかくかくであるということが答弁の中から明らかになったということを報告をし、わが党の各機関もそれを了としているのであります。しかるに、今日の段階になって、今答弁をしたような石原大臣のお話でございますと、私は、このことについては、本日党に帰って各級機関にこの本日の質疑応答について報告をし、しかるべく党の態度を決定しなければならないと思いますが、少なくとも私は、八月十日の自治庁の答弁と当初大蔵省と折衝に入ったときの基本線との間の重大な食い違いについては、政治的な責任があるものと私は考えておるのであります。ただ私の手落ちであったとか、説明が不足であったとか、気がつかなかったとかいうようなことでは相済まない問題であるということを明らかに指摘をしておきます。私は、これをせんじ詰めて言えば、石原長官の本委員会に対する背信行為だと思っているのであります。そこで私は、本委員会の、ひいては参議院の権威を守るためにも、党をあげて、この責任問題については徹底的に究明をし、追及をしなければならないと思いますが、そのことは、私自身が判断をこの場所で進めるべきでないのでありまして、そういう題問については、本問題が最終的な段階にも来ておらないということと関連をして、後日にこの責任追及の問題を残したいと思いますので、その点は留保することを申し添えておきます。
 そこで私は、石原長官に率直にお尋ねをいたしますが、今後、ただいま大蔵省と折衝をいたしておる方針を白紙に返して、本委員会で答弁をした、すなわち、減収の全額補てんを条件とする補給金の予算化を自治庁長官の責任をかけて大蔵省に要求をし、その実視に向かって全力を尽くしてがんばるというお考えはないかということをこの際お聞きしたいのであります。
#38
○国務大臣(石原幹市郎君) 私は、先ほど申し上げましたように、ただいま要求をしておりますあの形が、私どもが大蔵省に強く当たっていく上においても一番いい方法ではないかと思っておるのであります。ただいまのところでは、あれででき得る限りがんばりまして、それから、こういうことを申し上げては何なんでありますが、北海道にもそれぞれ北海道開発委員会その他がありますので、側面的に北海道の立場から御声援を願いまして、実現し得るように、あるいはまた、北海道のお力添えによりまして、これ以上のものが獲得できましたならば、それは非常なしあわせであると、かように考えているものでございます。自治庁としては、この案で行くの一番いい実を結び得る方法ではないかと確信しておりますので、申し上げておきます。
#39
○米田勲君 大蔵省と一度折衝に入って、漸減方式を示したりして説明しているのですから、非常に問題がむずかしくなっているということは、私も理解できますが、大蔵省に対する自治庁長官としての政治的な責任は、これを守るように極力やりたい、しかし、本委員会に答弁をした、その答弁をほごにした政治的責任については何とか免れたい、御容赦願いたいと、こういう、あまりにも虫のいいあなたのお考えについては、絶対に了承できません。事態がこういうようなむずかしい経過になっておって、今までの方針を再度白紙に返して、八月十日の答弁のごとく、大蔵省との折衝に努力をしてもらう考えがないかという私の態度に対しても、そういう御答弁で今後も押し通そうとするのか、もう一度念のためにお伺いしておきます。
#40
○国務大臣(石原幹市郎君) 先ほど御答弁申し上げたことで御了解願いたいと思うのでありますが、将来この国の財政、あるいは全体の財政のいろいろの変化、あるいは北海道におけるいろいろの事情の変化等によりまして、何らか変わった事態が出て参りますれば、これは、永久に漸減方式で行かなければならないということも、これはあり得ないかと思うのでありますが、ただいまの段階においては、この考え方で行くのが、この予算を獲得し得るに自治庁当局としては一番自信が持てるのではないか、こういうことから進んでおるのでございまして、そういう意味で一つ御了承おきを願いたいと思います。
#41
○米田勲君 肩がわりの財源を与えないで、減収補てんは八割にする、次は六割にする、やがてゼロにするというようなことでは、地方自治体に対して財政上大きな打撃を与えることは当然であります。例を北海道にとって考えてみましても、これは重大問題であります。北海道の百五十何市町村の理事者は、予算を組むことすらできないで、今みんな東京に集結をして、やっきになっております。石原長官は、口では地方自治体の財政現状はよくわかっていると、こう言われましょうが、ほんとうに理解してはおられないのではないか。自治庁というところは、地方自治体に対して監督や目付役という、にらみ役をするのが本務では私はないと思う。むしろ親切に、愛情をもって地方自治体を見守ってやる、病気になっているところに対しては、薬や栄養を与えて丈夫にしていくという、愛情ある母親のような任務を持つのが私は自治庁だと思っておるのです。しかるに、今回のこの態度は、私は結局、自治庁には、地方自治体の個個の実態についての認識が欠けておるか、あるいは、はなはだしく理解が薄いというように考えざるを得ないのであります。石原長官がほんとうに地方自治体の財政現状について深く理解をしておられるならば、八月十日の本委員会のあなたの答弁もその愛情から発したもので、まともに受け取れますし、私は、当然その答弁のごとく、大蔵省に向かって必死の努力を続けられてしかるべきものであると思うのです。私は、例を北海道にとってみますと、第一に、市町村税の歳入総額に占める割合が一体どうなっておるのか。全国の市町村と比べてどうなっているのか。あるいはまた、固定資産税の市町村税総額に占める割合と全国市町村税に対する比較ではどういうふうになっておるかというような問題、あるいはまた、固定資産税の税率と本州市町村の税率との比較の問題やら、標準課税でやっているのは、札幌、室蘭の二つの団体だけであって、他は全部超過課税になっている実情や、なかんずく二・一%以上の税率で課税しているものは百四十九団体の多きに達し、六五%にも達しておるという、そういう実情や、あるいはまた、市町村の標準税率、超過課税の現状が、各県と比べてどんな位置に置かれているのかというようなことや、固定資産の評価状況が、自治庁から指示されている平均価格や、全国市町村の状況に比べて決して評価が低くなっていないというような実情や、あるいはまた、減収額の完全補てんの措置が絶対に必要であって、もしこれが完全補てんされないような場合には、自治体の財政や行政の上にどういう困った事態が起こってきている、いわば危機の状態にあるというようなこと、その他の実情について、あなたがもし、私はよく理解しておりません、実情がよくわからないというのであれば、どんなに時間をかけても、私は理解を求めるために努力をしたいと思うのです。その点の理解が十分にいっておるのかどうか。北海道の場合に今例をとって申し上げましたが、あなたは、そういう実情についてよくわかっておると、こういうように申されるかどうか、お尋ねをいたします。
#42
○国務大臣(石原幹市郎君) 北海道の問題につきましては、一通り私もわかっておるつもりでございまして、そういう地方財政の問題等については、今後も交付税の配分にあたり、あるいは特別交付税の配分等にあたりまして、地方の実情を十分勘案して、その実態に沿い有るように対処していきたいと、かように思っておるわけでございます。
#43
○米田勲君 それでは、私一人であまり長い町田もどうかと思いますので、最後に、委員長に対して、自治庁長官の本委員会における、先ほども了解を願いました通り、八月十日の答弁と本日の答弁とを速記録によって対照し、その答弁の上に大きな食い違いがあるということを明瞭にしていただきたいという仕事を一つお願いをしておくと同時に、私は、本委員会に対し、この問題についての石原国務大臣の政治責任の追及については、これを後日に保留しておきます。
 それから、石原大臣に対しては、減収完全補てんを条件とする補給金の予算化の方針を堅持して、その方針に対しては最後までがんばるということについて、私が今直ちにあなたのその答弁をとろうと、こう申しても無理であろう。それはわかります。従って、これから部内に帰りまして、衆知を集めて、私の申しておるように、減収の完全補てんを条件とする補給金の予算化交渉について、大蔵省との交渉をやり直すというように結論を出してもらいたいと思う。八月十日の長官の答弁との間に食い違いが起きないように、政治責任の追及などということが起きないようにしてもらいたいということを私は要求をいたします。本日ただいまここで、方針を変えて、減収の完全補てんを交渉し直しますというようなことは、とうていあなたは申されないと思います。私はそれで、あなたに時間をおかしいたします。従って、次の委員会で、部内の最終的な検討を加えた結論について、私は答弁を要求することをきょうは申し上げまして、これを留保しておきます。
 この際に、特に私は申し上げておきますが、われわれは、特に、北海道の地方自治体の窮状を打開するために、私が主張しているような、また自治庁長官が八月十日に答弁をしたようにこのことを解決することなしには、とうてい問題の解決がつかないし、地方自治体の実情は、危機は切り抜けられないという信念であります。従って私は、その精神で、どうしてもあなたがこれをがえんじない、また、与党の皆さんも理解をしてくれないという最悪の段階が来た際には、党独自で法律案を提案する決意のもとにただいまその法案の準備をいたしておるのであります。もしも与党がその数を頼んで、われわれの提案をするこの法律案に対して、最終的にもこれを拒むなら、おそらく重大な政治情勢が発生するであろうということを私は特に申し上げて、石原国務大臣のこの問題に対する最終的な腹をきめた措置を要求いたしますことをつけ加えて、本日の質問は終わりたいと思います。
#44
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#45
○委員長(新谷寅三郎君) それでは速記を始めて下さい。
#46
○西田信一君 時間がなくなりましたので、一、二点だけ率直に一つお聞きをいたしますので、お答えを願いたいと思います。
 まず、長官にお聞きをしたいのでございますが、この前の委員会で、ただいま問題になっております固定資産税の制限税率の引き下げ、昨年行なわれましたこれは、どういう理由で行なわれたかということをお聞きをしたわけです。当心おられました市町村税課長から、はっきりしたお答えがございましたが、それは要するに、減税の余裕があってやったのではなくて、余裕はなかったけれども、非常に高い制限税率を適用されており、そのために非常に他方住民の負担が増高しておるということと、もう一つは、そのためにせっかくの国策措置として取り上げられている北海道開発というものが、その面から非常に阻害されておる、こういう理由で、余裕があってやったのじゃなくて、いわゆる政策上の必要からこういう減税が行なわれたのだと、こういう御答弁があり、従って、特例債によるところの元利補給ということが行なわれたという御答弁がございましたが、長官も、そのようにお認めになっておられますかどうか、お伺いいたします。
#47
○国務大臣(石原幹市郎君) その通りだったと思います。
#48
○西田信一君 そこで、今問題になっておりますのは、要するに、そういうような余裕のない減税をやったが、三十四年度は、これは、完全に元利補給の形でこれが補てんをいたした。三十五年度以降について今問題が起きている。そこで、具体的に一つお聞きしたいのでありますが、もちろんこれは、北海道の問題が大きいだけに、北海道に限ってお尋ねいたしますが、北海道の該当市町村は、百四十七あると承知をいたします。その中には、先ほど米田委員も申されたようでありますが、再建団体がかなり多いのでございますが、これらの百四十七の市町村の来年度のいわゆる歳入歳出がどういう状態に推移するかということについて、自治庁としてはどういう見通しを持っておられるのか、こういうことをお聞きしたいわけですがお答えになれるでしょうか。
#49
○政府委員(後藤田正晴君) 北海道の町村の全体の財政状況がどうなるかということは、私、所管外でございますので、ちょっと申し上げかねるのでございますが、固定資産税の関係だけについて申し上げますと、本年の九月末の調定の実績並びに収入の実績というような面から見まして、まあ予算の折衝の前でございますので、はっきりした数字は遠慮さしていただきたいと実は思うのでございますが、まずまず心配はなかろう、こういう状況に相なっております。
#50
○西田信一君 お答えが非常に抽象的で、わかりませんが、固定資産税だけについてのお答えでは十分でないと思うのです。要するに、来年度のこれらの問題になっておるのは、ひとり固定資産税だけでなくて、要するに、市町村財政がこの影響によって非常に危機に瀕しておる、こういうところから問題が起きておるのです。従って、具体的に該当する百四十七の、北海道について申しますと百四十七の市町村の歳入がどういうふうに変化をし、歳出にどういう変化が来ている、結局どういうことになっているかということで、つまりこれを補てんする必要があるかないかという問題がそこから生じてくると思う。そういう点については、どういうように分析をし、見通しを立てておられるかということを伺わないと、問題の本質に触れてこないと思うのですが、そういう点については、どういうふうにお考えですか。
#51
○国務大臣(石原幹市郎君) 個々の市町村の財政状況がどうなっているかということは、ここで私からお答えはできませんけれども、先ほどからいろいろ議論のありましたような、今回の減税の補てんをどの程度大蔵省が認めるかどうか、そういうことと関連いたしますと、やはり自治庁の財政当局におきまして、市町村の実態は把握しておりませんので、特別交付税の配分等にあたってまたいろいろ考慮を加える市町村もあると思います。それからなお、私は、この固定資産税の問題につきまして、先ほどの米田委員との応答の終わりごろにも言うたのでございますけれども、将来の情勢の変化といいますか、固定資産税の評価委員会の方で、評価方法など、いろいろ検討しております。こういう問題でどういう材料を出すか、結論を出すか、いろいろの事情が今後も出てくると思いまするので、とりあえず私は、先ほど来から申し上げておりまするように、大蔵省が何とか納得し得る端緒をつかみ得るような方法で折衝するのが、一番私として、自治庁として忠実なのではないかと、こういう気持から、それが皆様のかえって満足を得なかった、はったりで、もと通りやるんだというようなことの方がいいという何でありまするから、私の正直過ぎるというか、つかみ得る方法、実効を上げる方法がいいと、そういう気持で進んだのであります。
#52
○西田信一君 この固定資産税の減税によって減収を来たすところの該当町村の実態というものを、十分におきわめになっておらないようでありますから、お答えを得られないのは残念でありますが、私から私なりに調べたものを申し上げて、これが多少の違いはありましても、大勢においてそれがそういうことであるというふうにお認めになられるか。あるいは、それは非常に違っておるというふうに御認識になるか。これは一つお答え願いたいのですが、私が調べましたところによりますと、来年度若干の税収入の伸びはあると思います。これは、固定資産税でも若干上がっているし、それからその他普通の税でも若干伸びがあると思う。しかし、これはごくわずかのものであって、その全体は、あそらく歳出の増から見まするというと、三分の一くらいにすぎないというふうに考えます。しかもこれは、私の方では、おそらく歳入から差引いたしましても、十億くらい歳出の方が増加し、歳入に不足を生ずる。そこへ持ってきまして、これは完全に補てんされたとしてそういうふうになるのであって、完全補てんが行なわれないという場合、その影響がさらに大きくなる。そういうような状況になる。少なくとも百四十七の市町村で、十億円以上の来年は歳入欠陥が生ずるということにならざるを得ないというように私は見ておりまするが、その点については、どういうふうにお考えでありますか。
#53
○説明員(鎌田要人君) 事務的な問題でございますので、私から答えさしていただきたいと思います。
 この該当市町村につきましては、昨年減税補給金の問題をめぐりまして、三十二年度の決算に基きまして、財政収支の状況、それからよく問題になりますところの土地家屋償却資産の評価の状況、こういったものを調べたものがございます。で、三十三年度の決算をもとにいたしまして、同様の資料で私ども検討いたしたいと思っておるわけでございますが、現在のところで、明年度十億程度の歳入欠陥を生ずるではないかと、こういう点につきましては、もう少し、十億という固まった数字でそうだということを申し上げるのには、ちょっと時間をかしていただきたいという感じがいたします。
#54
○西田信一君 一つ、この来年度の減税によって影響を受ける市町村がどういうような財政状況になるかということは、これは、まずもってあなたの方でお調べにならないと、その何割よろしいとか、だんだん減してよろしいとかという結論は出てこないと思う。しかしながら、先ほど長官の御答弁によって承っておりますと、要するに、減税補給金制度というものを、柱を打ち立てなけりゃならぬ、そのためには、若干、一歩後退して折衝を始めることが実効を上げる道であるという判断に立って行動を始めた、こういう御答弁であったのでありまするが、この点は、長官いかがでございましょうか。私は、これはまあ個人の考えでありますけれども、減税補給金という、いわゆる補給金制度というものを必要とするのではなくて、要するに、そういうような歳入欠陥、減税によるところの財政上の大きな欠陥ができることをおそれておるわけであります。要するに、完全に補てんされることを望んでおるのでございまして、私は、その補給金制度というものにとらわれた考え方を関係市町村は持っておらないと思うのです。従って、方法につきましては、私はいろいろな方法があると思いますけれども、昨年度もまあ特別債という方法によったわけです。そこで、漸減方式をおとりになるというそのお考えが、私は、先ほど来お聞きしておって、まだ十分御検討になっておらないから、お聞きすることは無理かもしれませんが、それだけの余裕があるのだ、そうやっておってもやっていけるのだという前提に立って、そういうお考えをとっておられるのか。減税補給金制度という新しい制度を打ち立てるためには、一歩後退していかなければ大蔵省がなかなか承知しないであろうというお考えに立っておられるのか。
 それから、もう一点は、先ほど私が数字をもって申し上げましたようなことが、これが事実だといたしますならば、これは余裕があるどころじゃなくて、むしろもっと財政上考えてやらなければならない立場に置かれておると思うのですが、そういたしまするならば、漸減どころではなくて、税制上の制度の改変等があって、完全に別途補てんされるまでこれを見てやるということが必要であるというふうに考えるのでございますけれども、先ほど来の米田委員との応答の中におきましてもいろいろ述べられましたけれども、減税補給金制度という制度を打ち立てるためにというお考えは、私というお考えは、私は、むしろその関係市町村にとりましては大きな問題ではないと、こう思うのでございまするが、その点は、どういうふうにお考えでございましょう。
#55
○国務大臣(石原幹市郎君) 私は、とにかく制限税率を引き下げられて、いろんな理由からであろうと思いますが、引き下げられたのでありますから、何年かの間にはその状態になれるように、地方財政側でもいろいろ検討してもらわにゃならない。それから、税制調査会なり、先ほど申し上げました固定資産の評価委員会というようなものも設けられまして、固定資産の評価というようなことについても、特別の今検討が加えられておるわけでありまするから、そういうことと全体にらみ合わせまして、一応法律で制限税率が引き下げられたのでありますから、その状態になれるように地方財政というものを考えていかにゃならぬ。しかし現実には、今、西田委員御指摘になったように、あるいはまた、先ほど来米田委員からいろいろお話しになったように、北海道の地方財政の現状としまして、ことに市町村それぞれ千差万別であろうと思うのでありますが、そういう実態を把握いたしまして、これは、町村財政が破綻を来たすのをそのままにするということは、これは指導援護の役所としての自治庁として責任でありますから、そういう実態も見きわめて勘案して、何らかの措置を講じていかなきゃならぬ、こういう気持でおるわけであります。
#56
○西田信一君 どうもお考えが少しあとさきしておるのではないかと思います。税制調査会における結論が出て、税制上の何らかの措置が考えられる、あるいはまた、その評価の面で考えるというようなことは、これは当然考えられなければならぬことだと思いますけれども、だから、そういうことは考えられておるのだから、もうすでに漸減に踏み切っていいというお考えは、ちょっと少しことが前後するのではないかと考えます。もちろんこれは、別途補てんの措置が講ぜられた場合におきまして、それ以上そういうような関係者が希望することは、これはあり得ないと思うのです。従って、そういう措置がとられた後に、その裏づけがあっての漸減であるならばよろしいのですけれども、その点は長官、少しまだ時期が早いのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(石原幹市郎君) そこが、先ほど来からいろいろ議論された、私としましては、あまりにも大蔵省のこの問題に対する態度が、去年の状態から考えて、法律できまったことをいつまでも補てんするということはおかしいじゃないかと、非常な強硬な主張に私自身がぶつかっておるもでのありますから、そしてやはりこういう形で地方側もいろいろ考えておるんだ、考えていくんだという意思の現れとして、この方法が納得せしめるにいいと考えたので、その考え方については、いろいろ御批判は、それはあると思います。私は、そういう気持から、こういう方向で臨んでおるのでありまして、地方財政の実態あるいは北海道における市町村の実態等は、これは財政局当局において十分検討把握して、それぞれの指導を加えていきたい、こういう気持でおります。
#58
○西田信一君 もう一度繰り返してお聞きするのですけれども、自治庁としては、長官としては、減税補給金という制度に重きを置いておるのではないというふうに理解してよろしゅうございますか。要するに、大きな財政上の欠陥が生ずる。その欠陥を少しでも多く補てんする必要がある。その方法としては、今こういうことを考えたのだけれども、要するに、減税補給金という制度であろうと、あるいはまた別の方法であろうと、要するに、この歳入欠陥を、収入欠陥を補てんをしてやるということに重点を置いておるのだというふうにお考えになっておるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#59
○国務大臣(石原幹市郎君) 今、西田委員が言われましたように、補てんもするが、同町に、地方としてもいろいろ工夫を講じてもらいたい。なお足りないところといいますか、やり得ないところは、いろいろこれは、現行制度のもとにおいてめんどうを見ていかなければならぬ、こういうことでやっていきたいと思います。
#60
○西田信一君 はっきりいたしませんけれども、時間もございませんから、先ほど長官は、自治庁としては、こういう方針で大蔵省と折衝に入っておるのだから、一応はこの方針で行きたいとおっしゃいましたが、しかしながら、また北海道関係者その他において、これ以上の何か方法があれば、これは自治庁としてもけっこうであるというふうにお答えになったようにお聞きをいたしましたが、要するに、私は、その言葉の裏には、これで地方に工夫せよと申しましても、市町村に工夫せよと申しましても、現状は工夫の余地がないのだということを暗にお認めになっての御発言だというふうに一応伺いました。
 私も、実は先ほど数字を申し上げましたように、若干の歳入の伸びがあって、歳出がそれ以上に増加していくという趨勢にあるということが私自身の計算の上から出て参るのでありますから、これにさらに補てんが漸減されていってよろしいという結論が一つも出てこない現状におきましては、という立場に立って考えますときに、やはり当分国がめんどうを見てやらなきゃならないように考えるわけでございまして、一つこの機会に、長官から、御方針を変えていくというようなことをお聞きするということは無理だと思いますけれども、少なくとも市町村の立場に立って考えるならば、これは当分完全補てんをやらなければならないのだという、われわれの現地の実情を把握して申し上げるこの意見については、まあ長官も御同意願えると思うのですが、いかがでございましょうか。
#61
○国務大臣(石原幹市郎君) そのお気持はよくわかるわけでありまして、先ほども言いましたように、北海道の開発委員会、いろいろあるのでありまするから、そういうところと協力いたしまして、ただ減税補給金の形では、こういうことで要求していくのが一番予算が取りやすいのじゃないか。しかし、これだけじゃない。まあ特交なり、いろいろの方法があるのでありまするから、そういう方法で、双方勘案して、北海道の市町村の特殊事情等は十分勘案して、今後の財政指導なり財政措置を講じて参りたい。こういうつもりでございます。
#62
○西田信一君 時間もありませんから、質問はやめますけれども、どうか、先ほど申し上げました、この減税によって影響をこうむる市町村の財政の実態というものをもう少し見きわめて御検討になって、そうしてこれが一体どういう状況になるかということを前提にして、大蔵省と折衝等は強力にやっていただきたいということをこの機会に希望を申し上げまして、質問を終わります。
#63
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#64
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。
#65
○加瀬完君 今、西田先生や、それから米田委員からの北海道の固定資産税についての問題点、いろいろ出ておりましたがね。それで、特に長官は、北海道の事情をおわかりになっているという御説明が何度もあったのですが、私ども、固定資産税改正前と改正されたあと、まあできるならば、三十七年度ごろまでの見通しまでも含めての一体財政収支といいますか、歳入がどんなような変化をたどっておるか、この北海道の歳入状況の変化を、一つ資料としてお出しいただきたい。それを検討して、またお話を伺いたいと思います。きょうは財政局出ておりませんが、財政局長の方にも、税務局長の方からでも御連絡して、この次の委員会までに資料として出していただきたいと思います。
#66
○米田勲君 僕はだまっていようと思ったのですが、西田さんの質問で、答弁を聞いておると、私は最後に長官に言った、八月十日の線で部内検討をしてくれ、次回はそういうことで一つ再度聞きたいということがぼけてしまったような気がするので、その点は、長官に再度念を押しておきますが、部内検討をやって、そうしてその検討の結果を一つ報告をして、われわれとまた論議をするということにしてもらわないと、西田さんの質問に対してまた同じようなことを答えて、ちっとも僕らの言っていることを検討しそうもないような顔つきになったので、あらためて申し上げますが……。
#67
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#68
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
  ―――――――――――――
#69
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、地番の整理に関する件を議題といたします。
 この問題につきましては、先般の委員会におきまして、種々政府側と質疑応答を繰り返したのでありますが、この際、本件につきましては、当委員会として決議をいたしたいと存じます。便宜案文を私から朗読いたします。
  町名地番の整理に関する決議案
  町名地番は全国的に混乱錯雑を極め、これにより社会生活、行政あるいは公益事業等の実施に生じている不利不便は計り知れないものがある。
  政府は、この際すみやかに審議機関を設けて根本方針を確立する等所要の措置を講じ、急速に整理改善すべきである。
  右決議する。
 以上でございますが、本決議案を委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本決議は、政府及び本院法務委員会あてに送付いたしたいと存じますから、御了承願いたいと存じます。
 この決議に対しまして、所管の大臣から、御意見がありますれば、所信をお述べ願いたいと思います。
#71
○国務大臣(石原幹市郎君) ただいま本委員会において御決議になりました町名地番の整理につきましては、自治庁当局といたしましても、非常に痛感をしている問題でございまして、御決議の趣旨を尊重し、できる限り私ども善処して参りたいと、かように考えておる次第であります。
#72
○国務大臣(井野碩哉君) 町名地番の整理は、急を要する問題であることはもちろんでありまするが、前回の委員会で申し上げました通り、町名地番の整理につきましては、これに関連する多くの問題がありますので、法務省といたしましても、土地台帳、家屋台帳及び不動産登記事務の所管庁として、関係各省とも十分に連絡の上、実情に即した適切な措置を講ずることによって、御要望の趣旨を実現して参りたいと考えております。
  ―――――――――――――
#73
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、前回に引き続き、地方公務員の給与に関する件について質疑を行ないます。
#74
○占部秀男君 法務省の刑事局長にその後の事情を聞いてから実はお尋ねしたいと思っていたのですが、刑事局長が来ていらっしゃいませんので、先に、時間の節約の趣旨に沿って、藤井局長にちょっとお聞きしたいのですが、藤井さんのちょうど出張されていたあとの委員会で、御存じと思うのですが、大阪府下の衛星都市に起こった給与条例の違反の問題に関連する背任横領、こういうようなことで、各市の市長及び助役その他の理事者側が、大阪の地方検察庁に取り調べられておる、こういう問題について実は質問をしたわけです。
 この問題は、当日私の方から刑事局長に、そういう点はおかしいじゃないか。というのは、形の上では、それはあるいは条例違反になる点があるかもしれないけれども、内容的には超勤その他、これはもうほんとうに払ってもらわなくちゃならぬものを市が払えないということで、やむを得ず払ってもらわずして、最後的にはそういうふうな形で、早くいえば涙金でがまんしてもらっていた期末手当という、そういうような事情の問題であって、それを検察庁が、何か法的な形で、ことさらにそれを摘発するような形はおかしいじゃないか。摘発するならば、完全に労働基準法に基づいて超過勤務手当を払わせる、こういうことで政府が、何というか、責任をもってやってくれるなら、それはかまわぬけれども、そうじゃないのにけしからぬということで、内容をよく調べろということで調べてもらって、きょう報告してもらうことになっているんですが、その点について、自治庁側の方としては、どういうような行政指導なりあるいは扱いなりを実際問題としてするのかどうかということをお聞きしたい。
#75
○政府委員(藤井貞夫君) ちょうど私、不幸がありまして、留守をいたしておりました間の事件でございまして、帰って参りまして、いろいろ経過等、大体のことは承知をいたしておるのであります。現在事件になっておりまする関係で、事件自体の処理に影響を与えるようなことを私の口から申し上げることも、これはいかがかと思いますので、その点は御了承を賜わりたいと思っておるのでありますが、要は、給与に関しましては、現在自治法上、いわゆる法定給与主義というものをとっておるわけであります。法律ならびにこれに基づく条例に基づかずには、いかなる給与も支給してはならぬという格好で参っておりますことは、御承知の通りでございます。ただ、今問題になっておりまする案件につきましては、たとえば夏季手当の場合に、基準給与というものは、大体国並みにきめられておりまして、それと時期を同じくして、あるいは多少時期がずれることもございますけれども、そういう時期に超勤の未払い分の精算その他の形でやっておる例は、全国各地にもたくさんあるということは、私承知をいたしておるのであります。ただ、それらの点につきまして、往々にして期末手当なら期末手当の解決の一環といたしまして処理されて参りまするために、いろいろ世上疑惑の念を生ぜしめるというようなこともありがちなことなのであります。実態は、超勤等につきましては、今御指摘もありましたように、実態に即した給与が今十分に行なわれておるとはわれわれも考えておりません。
   〔委員長退席、理事小林武治君着席〕
やはり予算に縛られまして、十分の措置は講じられておらないというのが現況でございます。そういうような点、ある時期を画して、何がしかのことを超勤の未払分の精算という形でやりますこと自体は、これは違法とか何とかという筋合いのものではないのではないかと思うのであります。ただ、それらの点につきましては、やはり法律の建前と、それから、それを支給いたします際の経緯等にかんがみまして、いろいろ疑惑を生じないようにすることも、これは一面大切なことではあるまいか。それらの点について、今般の場合、どのような問題点がありましたのか、それらの点につきましては、われわれといたしましても、もう少し詳細に検討いたしまして、今後このような誤りが生じないように、あるいは疑惑の念を生ぜしめることのないように、その点は十分に気をつけて参りたいと思っておりますが、今のところは、何分にも事件が立っておりまする状況でございますので、この段階においてとかくのことを、正面切って行政指導等に乗り出しますることもいかがかと思いまして、現在のところは、静観をいたしておる状況でございます。
#76
○占部秀男君 さっそくですが、その後の状況その他お調べになったところを報告していただきたいと思います。
#77
○政府委員(竹内寿平君) 調査の結果をまず御報告申し上げたいと思います。
 この事件は、大阪地方検察庁におきまして、本年の十一月初めごろ、某市の市会議員を背任容疑で取り調べをしておりました際、同市における六月の支給の夏季手当が、条例で定める額を超過している疑いが生じました。一方、時を同じくいたしまして、他の近傍の市におきましても夏季手当の超過支給につきまして、市会議員から監査の請求があったという記事が新聞に報道されるに至りましたので、右事件の捜査にあわせまして、両市の夏季手当支給につきましても、それぞれ関係の市の助役から事情を聴取することになったものでございます。ところが、ある市の市長が新聞社にその事実を話したらしいのでございまして、そのために、一部の新聞が大々的にこの問題を取り上げるに至りました。その後、衛星都市の市長会というのがあるそうでございまして、その会長である池田市長が大阪地検に出頭いたされまして、府下の衛星都市の夏季手当支給に関する資料の提出を約束をされまして、関係資料を提出して参りましたので、極秘のうちに関係都市の総務課長あるいは秘書課長というような事務担当者の方に御出頭をいただきまして、これら各都市における夏季手当超過支給の実情につきまして事情を聴取いたしました。こういうような事情から捜査に着手したようでございます。で、嫌疑の内容は、これらの各市の市長等が、本年六月ごろ、それぞれの職員に対しまして、夏季期末並びに勤勉手当を支給するにあたりまして、これらの手当は、各市の条例に基づいて支給しなければならないのにかかわらず、その任務にそむいて、職員らの利益をはかるため、これら条例に定める支給額を上回る支給を行なって、それぞれの郡市に財産上の損害を与えたという、刑法の背任の嫌疑に基づくものでございます。
 これが捜査に着手いたしました経過でございまして、現在まだ捜査は終了いたしておりません模様で、なお若干の時間を要する、これが現地におきましての捜査の状況でございますが、
   〔理事小林武治君退席、委員長着席〕
なお、個々の市につきまして一様ではございませんようで、いろいろニュアンスがあるようでございますが、もし御質疑がございましたならば、お答えいたしたいと思います。
#78
○占部秀男君 今の報告によってわかったことですが、これは、局長に念のために申し上げておきたいのですが、個々の市によって非常にニュアンスがあって、一様でない、これが大事なんですね。個々の市にニュアンスがなくて、一様であるというならば、これは問題があるのですよ。つまり、超過勤務は、それぞれの市役所で、それぞれ必要な場合にやる問題であって、個々の市でニュアンスがあるのは、これは当然なんです。そういうような内容の問題であると、私の方へは来ているわけです。そこで、この前もお話し申しましたように、これが岩手の方までも飛び火をしてしまって、おそらく全国的に、きょうあすは期末手当の支給日ですから、全国的に私はそういう問題は起こってくると思うのですが、その場合に、これは、一つはやり方のよしあしというものもあるけれども、実際上は慣例として行なわれておる。こういう問題によって、この十五、六日ごろに、各地でもってかりに争議が起こったとしたならば、その責任はだれが持つのか。こういう点は、私は第一番に指摘しておきたいのです。この前も言ったように、これは職員側の責任じゃなくて、政府の一部の機関、司法機関が、そういうような、私どもに言わせれば、むちゃな手の入れ方をした。機械的な手の入れ方をした。そういうようなことから起こった争議の問題になってくるのであって、従って、これは、あげて責任は政府側にあると、私はかように考えるのですが、これを直接の動機として争議が起こった場合には、その責任はどこにあるか。御答弁願いたい。
#79
○政府委員(竹内寿平君) 各都市によりまして、条例の規定の仕方その他にニュアンスがあるわけでございますので、捜査を完了いたしました場合には、この期末手当等が超過支給されるに至りましたいきさつ、それから、その条例のアンバランスになっております点等を当然考慮いたしまして、事件の処理をいたさなければならぬのでございますが、なお、申し上げておきたいと存じますことは、前回も申し上げたと思いますが、これは、全国の中小都市にこのような超過支払いの事実があるということに基づきまして、これを粛正するとかなんとかという意味で、全国的に統一ある検察方針のもとにこの事件をやっておるのではないということでございまして、先ほど申し上げましたように、たまたまこの事件から発生してきたのでございます。そこで、検察庁といたしましては、そのために職員の給与に一つの支障と申しますか、そういう問題が起こってくることもあるわけでございますが、もちろん、それを意図するというようなことはないのでございまして、検察庁としましては、法律、条例が適正に執行されることを求めるのでございまして、法秩序の維持ということが検察に課せられました責務でございますから、この責務を全うするということ以外には全く他意はないということをはっきり申し上げておきたいわけでございます。そのことが検察側の労働争議に対する責任であるかどうかということは、私には全くわからないことでございまして、法律の維持ということが検察の責務だと、かように感じておるわけでございます。
#80
○占部秀男君 もう一つ念のためにお聞きしておきたいのですが、この超過勤務手当というものが未払いになる。ところが中小都市の場合は、この労働基準の監督官といいますかね、そういうものは現在の地方公務員法では遺憾ながら市長が持っておる。これは非常に不合理な点なんですね、不合理な点であるけれども、まあ今日はそうなっておる。そこで未払い分についてどうしても払ってくれといっても市は払えない。そういうような点で、かりに検察庁にこれを告発した。これは裁判に持っていくというような問題がたまたまあるのだし、またこれは単なる不当労働行為でなくて基準法違反の問題でもある。こういうようなことで、いろいろ法律的な措置をとっていただくという場合もあるのですが、そういう場合にも実は組合側としては、市の方の財政状態を勘案して、ほとんどがまんをさせておるというのが率直にいえば事件の内容になっておるのです、今までね。ところが、どうしても機械的に検察庁の方でやるということになると、われわれの方もそういうがまんができないということになってくる。そういうことになれば、これはもう市政の運営というものに非常に率直にいえば響いてくる問題になるのです。そこで法務省としても、そういうような事情を勘案して、現地の検察庁の方へは――何もこれをもって規制しようというわけではないのですけれども、まあ政治は生きているのですからね。生きているのですから、地方行政も生きた行政をしなければならぬのですから、従ってそういう扱いについてはあまり機械的なようなことのないように、これはやはりそちらから指導してもらわぬとならぬ問題じゃないかと思うのですが、そういう点についての考え方はどうですか。
#81
○政府委員(竹内寿平君) 行政は生きているというお言葉で、私もそういうふうに思います。政治は生きておるのだと思います。しかしながら、法律の執行ということになりますると、明らかに法律が侵犯されておる事実を黙過することが検察行政の生きた行政のあり方だとは私は思わないわけなんです。従いまして、この事件の適当な解決というものは、私は条例の改正とか、あるいはアンバランスの是正とか、まずそういうことが生きた政治とか、生きた行政とかいう観点から適当に私は処理されるべきものだと思います。そうして合法的にこの問題を解決をしていただくというのが検察側の期待するところでございまして、その点私はさように考えております。
#82
○占部秀男君 もう、筋からいえば局長の言う通りなんです。われわれの方もそういうふうにやってもらいたいのです。ところがそれができないというのはどこに原因があるかというと、やはり、これは国と地方との金の関係、それからこういうようなことをやってくれといっても多数決で押し切られるということですね、そういうようなところからこういう問題ができない、法の改正、いろいろな点ができないという事実があるのですよ。そうなると職員というものは、自分の生活を守るためにどうしなくちゃならぬかといえば、これはやっぱり争議をやって、そして理事者側と対立してやらなければならぬ、こういうところに追い込まれている。だから局長の言われる筋は私はよくわかるのだけれども、そういう筋の実現できないところにこの問題の深さがあり、生きた政治のあり方があるのです。この点を私は含めて法務省に言っているわけです。従って、そういう点も、繰り返して非常に申し訳ないのですけれども、そういう内容の点もよく一つ現地の検察庁の方と打ち合わせというか、あるいはまたその伝言というか、伝えるというか、そういう何らかの方法をとってもらわなければ、これがあなた、そう筋だけでいくべき筋合いのものではないのですね、筋の問題でいったら、これは職員と市長との間にストライキをやらなくちゃならぬ、争議をやらなくちゃならぬ、こういう筋の問題です、遺憾ながら。だからそういう点をやはり、法の運用についてはやはり行き方があると思うのですね、法の運用については。ですから、そういう法の運用面について、特に重大な問題を解決するための重大なやはり何というか、方針というか、そういうものが、やはり法務省の方としても検察庁の方へ、これはまあ、何かのリベートをとったとか、ほんとうの意味の背任、横領だとか、汚職だとか、そういうことなら何も言いませんよ。当然くれるべきものをくれないで涙金をくれよう、そういうことになったのじゃとてもじゃないけれどもがまんができないのです。そういうことを法務省に言ってもらう方が、法の運用面からいっても言ってもらう筋合いのものじゃないかと思うのですけれども、その点はどうなんですかね。だめなんですかね。通り一ぺんの答えだけで済まし得る問題じゃないと思うけれども、どうですか局長。
#83
○政府委員(竹内寿平君) 非常にむずかしい御質問でございまして、お答えにくいのでございますが、検察庁といたしましては、かりにこの問題が解決しても、過去の事実でございますので、これをどういうふうにうまく是正されても何でもかんでも起訴するというような考えは持っていないということだけは、はっきり申し上げられると思います。従いまして、これは、何とか一つ行政措置、あるいは政治措置等によって合法な形にしていただかなければならぬというふうに思うわけなんでございます。
  ―――――――――――――
#84
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、岐阜県における教職員組合の専従制限に関する件を議題といたします。
#85
○鈴木壽君 まず最初に、自治庁の方へお伺いしたいのですが、前に、この委員会でも九月の十日の委員会でございましたが、岐阜県とかどことかというような意味でなしに、当時いろいろな働きとして出ておりましたいわゆる専従制限の問題について占部委員から質問があって、それに対して藤井局長からいろいろ答弁を得ておりますのですが、当時の藤井局長の答弁からいたしますと、こういう問題を検討するにあたっては、他の公務員である国家公務員、あるいは一般の地方公務員というものの専従状況、あるいはその他の点と並行して考えていくことが均衡論からいって適当であるというふうに考える、従って、政府でも関係者間で調査、検討をしようということになっておると、こういうお答えがあったわけでございます。また、もし専従制限をやるかやらないかというようなことになりますと、そして、それが特に法的措置等によるというようなことになりますと、今申しましたような、そういう他の公務員全体の問題として考えていかなければならぬから、従って、今の段階では専従制限等について特にそれを強化するとか、あるいは行政指導をしていくというような結論も出ておらないし、現在のところは考えてもおらない、こういう意味の御答弁があったのでございますが、私、一つ確かめておきたいと思いますのは、その答弁は、当時の答弁としてその通りで、そういう趣旨であったのかどうかということを一つ最初にお用きしておきたいと思います。
#86
○政府委員(藤井貞夫君) 先般の委員会におきまして、今御指摘のございましたように、占部委員から専従制限の問題が提起をせられたのでありますが、その際には、主として一般職員というものを主眼として論議が行なわれたように私は記憶をいたしております。その限りにおきましてただいまお述べになりました点はその通りのことを申したつもりでございますし、現在におきましてもその大筋については別に考え方を変えておらないことをはっきり申し上げておきたいと思います。
#87
○鈴木壽君 一般公務員の問題についての質問であり、それに対する答弁であるというふうにおっしゃっておるようでございます。私も速記録を調べてみましても、特に教職員とか、あるいは何々のという特定の公務員を指しての問題ではなかったようでございます。ただしかし、この場合、いわゆる教育公務員というものも地方公務員の当然ワク内に入るものであるというふうに考えられますが、そうした場合に、やはり教員の団体についての専従、それの制限というようなことは、やはり他の地方公務員あるいは国家公務員というふうなやっぱり全般の問題との間の均衡を保ちながら検討し、考えていくということが、筋としては当然であるように考えられますが、この点はいかがでしょう。
#88
○政府委員(藤井貞夫君) 一般論としてはその通りでございます。ただ、当時も申し上げたかと記憶をいたしておりますが、専従者の実態というものが、どの程度になっておるのか、その実態というものについて何らかの法的規制なり、あるいは行政指導なりを行なわなければならない限界に達しておるのかどうか、というような点も考慮の対象にして参らなければならないのではないか、その場合においては、これは文部省の所管でございますけれども、教育公務員というものに比較をいたします場合に、一般の公務員、特に地方公務員につきましては、この専従の実態につきまして、人数の点におきましても、あるいは専従の期間の実績につきましても、弊害が生ずるようなところにまだいっておらない、そういう現状は認めがたいので、目下のところは法的規制なり、進んで行政指導なりを行なう意思はない、こういう意味のことを申し上げたのであります。
#89
○鈴木壽君 教員の場合については、あとでまた文部省からも来てもらってお尋ねしますが、一般公務員、地方公務員あるいは国家公務員を通じての公務員に対する専従制限という問題については、先ほど確かめましたようなことで考えておるというふうに、私どもそういうふうに了解をしますが、そこで問題は、当時、九月のこれは十日の委員会でございましたから、三カ月くらい時期が経過しております。その間に政府部内、各省庁間でこの問題についてどのような検討なりあるいは調整等が行なわれておるのか、当時のお話では、最初、局長クラスの人たちが一ぺん集まって話し合いをしたという答弁がありましたが、その後の現在に至るまでの間に、どのような検討なりあるいは調整するための話し合い等が行なわれておるのか、もしありましたら一つその点についてお答えいただきたいと思います。
#90
○政府委員(藤井貞夫君) その後も二、三回関係者が集まりまして、特に関係の課長会議あるいは局長級の会議等を重ねていろいろ論議をいたしたのであります。ただその論議を通じましても、結論的に申せば、現在のところはまだ専従制限ということを政府の施策として取り上げて、これを積極的に推進をするとかしないとかいうような点については、最終的な結論を得ておらないのであります。従って専従制限について、これを積極的に推進をする、あるいは近く法律改正をやるというようなことは、全然現在のところはきまっておらない段階でございます。
#91
○鈴木壽君 その後二、三回検討の機会があったと、こういうお話でございますが、その際に文部省からも出て、教育公務員の問題についてこういう話が出ておったかどうか、出ておったとすれば、その扱いをどうすべきであるというような意見であったのか、全体の結論としてはそういう問題が含まれない形において、ただ現在は、指導するとか制限を強化するとかいう措置をとるべきでないという結論であるのか、そこら辺の問題を一つ御解明いただきたいと思います。
#92
○政府委員(藤井貞夫君) それらの会議にはむろん文部省関係の方も来て一緒に協議に加わっておられるのであります。その間にどういう発言があったということは、これは会議の性質上から申しましても、私の口から申し上げる筋合いではないと思いますが、結論的に申して、方針としてはまだきまったものは打ち出しておらないということは事実でございます。
#93
○鈴木壽君 そうしますと、政府部内のこの問題に対する、いわゆる統一的な見解というものはまだ打ち出されておらないと、こういうふうに考えて差しつかえないと思うのですが、どうですか。重ねて……。
#94
○政府委員(藤井貞夫君) 私の理解をいたしておりまするところでは、国家公務員については人事院なら人事院なりの考え方をいたしております。私の方も一般地方公務員については、先刻九月に申し上げた見解と同じような見解を今も持しておるのでありまして、従いまして共通の問題として、公務員全般の専従規制の問題について結論めいたことは出ておらないというのが事実でございます。
#95
○鈴木壽君 大臣にお伺いしたいのですが、これは八月の末ごろでしたか、私はっきり日時を覚えておりませんが、たしか閣議でこういう問題について話し合いが出たと、そしてその結果、そこで結論を出すことでなしに、さらに先ほど申しましたように、政府部内で、各省庁間で十分この問題についての検討をすると、その上で、できるならば、いわゆる統一的な見解というものを打ち出そうと、こういうふうになさったというふうに聞いておるのですが、その通りでございますか。
#96
○国務大臣(石原幹市郎君) 閣議で正式にこの問題を中心に各大臣からいろいろ意見を出して検討したということは私の記憶した限りではないのです。個々一、二の大臣がそれぞれちょっと自分の気持をある程度話したということはあったかと思いますけれども、この問題についていろいろ意見を交換して、何らか統一方針を打ち出した、こういうことを正式に閣議で論じ合ったことはございません、私の記憶の存する限りでは。
#97
○鈴木壽君 そうしますと、お話をお伺いしますと、政府部内でのこの問題に対する意見がまだ統一された形においてはまとまっておらないと、こういう段階に現在はあると思いますが、こういう際に、先月二十八日でございますか、岐阜県において、いわゆる専従制限の条例ができた、しかも岐阜県のは、見ますと、単に教職員の問題だけでなしに、岐阜県職員の給与、勤務時間、その他の勤務条件に関する条例と、こうなっておりまして、県庁の職員の諸君も当然これによって規制せられると、こういう条例だと思いますが、こういう条例が出たことに対して、自治庁としてはどういうふうなお考えをお持ちなのか、これを一体どう見ておられるのか、もっとはっきり申し上げますと、政府がまだこういう問題についてはっきりした見解を示しておらないときに、そしてまたやるならば、はっきりした、いわゆる統一見解というものを打たなければならぬという前提に立っていろいろ検討しておる際に、こういう問題が起こったということに対して、どのようにお考えになっておられるのか、この点を一つお聞きしたいと思います。
#98
○政府委員(藤井貞夫君) 専従の制限を何らかの意味において強化をする、この点について法的措置のことは先刻申し上げましたように、こちらとしてはただいまのところ考えておらない。なお統一的に行政指導の方針としては、これを打ち出すべき段階でもないということでございます。ただ地方地方におきまして、専従については御承知のように条例をもってこれを規制をいたしておるのでありまして、その条例の内容につきまして、そのときの判断で、そのときの当局者の考え方で、これについての何らかの制限を強化するということを決意いたしました場合において、私たちの方で、これは自主的に地方団体々々々々できめるべき筋合いのものでございますので、そういうことについてこちらからとやかくの指図をして、そういうことはやるべきじゃないというような態度をとることも、これまた行き過ぎではあるまいかという考え方でおりまするし、岐阜県の場合においてもそのような感じ方で現在のところおるわけです。
#99
○鈴木壽君 これは、お話のように、各地方団体で条例を、いわば一つの権限をもってきめるべきものでございますから、それを、自治庁であれ、あるいはどこであれ、その内容に立ち至って指定をするとか何とかというようなことは、私はこれはお話のように許されるべきじゃないと思うのです。私のお聞きしているのは、そういうことではなしに、何べんも申しましたように、政府がこういう問題についての統一見解を持たなければならぬという前提に立って現在検討を進めておるそのさなかに、各地においてこういう条例というものが設定されるというような、こういう事態に対して、好ましいと思うのか、あるいは好ましからざる一つの現象というように考えられるのか、こういう点をお聞きしているのです。
#100
○政府委員(藤井貞夫君) その点は、私は一般的にこれは好ましいとか好ましくないとかというように言うべき筋合いの事柄ではないのではないかというふうに考えておるのであります。と申しますのは、専従の実態につきましても、とかくの批判がましいことは避けますけれども、ことに教育公務員等については、世間一般で指摘をせられておりまするような一種の弊害と認められるような点が出てきておるのではないかと思われる面も、これは事実あることはあるのであります。そういう場合において、私も先刻申し上げましたように、実はこれは条例等でやらなくても、任命権者自体がはっきりした考え方を持っておりまするならば、任期についても現在各地の条例で規定をいたしておることでもございますし、また人数等におきましてもそれぞれの考え方で組合との話し合いの場で円滑な線が出てくる可能性もあるわけでございます。事実そういうことでうまく運営されておる面もあるわけでございますので、一般的には問題がないのではないか。ただ、問題のあるところにおいてそういうような結論が出てきて、それをさらに、任命権者をある程度拘束する意味において、あるいは任命権者に認可承認の基準を与える意味におきまして、条例にその根拠を与えるようにしていくということを決意をいたしまして、これが議会で論議され、議会を通過をいたしたというような場合におきまして、これを政府の方針がまだきまっておらないから不適当であるというようなことを一般的に申すのはいかがであろうかという心境でございます。
#101
○鈴木壽君 これは、何と言いますか、いろいろ、自治庁の立場なり、現実に起こっておる問題に対してあまり触れたがらないようなお気持でお答えになっているのじゃないかと思います。私もっとお聞きしたいことは、今までの専従問題に対する名地方団体等に対する自治庁の指導からいって、私は大きな変革を来たした一つの平家だと思うのです。それは、従来あなた方は、一つの、何と言いますか、準則と言いますか、あるいは一つのモデルみたいなものを示して、こういう条例でおやりなさいと――やるならこういう条例でおやりなさいと、こういうことで専従問題の扱いをしてこられたはずなんです。その点はどうですか。
#102
○政府委員(藤井貞夫君) その点は、二十五年に地方公務員法が制定をせられまして、この実施に移りまする段階におきまして、専従の問題についても一つの条例案を示しまして、これを一つ参考にしてもらいたいというふうに地方団体にお示ししたことは事実でございます。
#103
○鈴木壽君 それは、あなた方がお示しになっておる準則、いわゆる条例の案、見本みたいなものですね。一つのモデルとして考えていいと思うのですが、これには職員団体の業務にもっぱら従事する職員に関する条例としておやりになっておられる。ところが、今度の岐阜県の条例は、勤務条件に関する条例として出てきておるのです。ここに私は、当時のあなた方が、あるいは現在まであなた方がとってこられました専従の取り扱いについてのいわゆる条例を作るにしても、その考え方となっておるのとは非常に違った問題として出てきているということを言わなければならぬと思います。そういうことに対し、従来なり現在まであなた方がとっておる態度と違った態度で条例が設定されるということに対して、何らの意志表示がないということは、これは私さっきも言ったように、その条例に対して、これはけしからぬとか、やめるべきであるとか、そういうことはともかくとして、考え方としてこういうことが適当であるかどうかということについての見解は、私はやはり当然あるべきだと思うのですが、その点どうですか、重ねてお聞きします。
#104
○政府委員(藤井貞夫君) 今の点につきましては、モデル条例として示した場合におきましては、地方公務員法三十五条、これはまあ職務専念義務の点でございますが、この規定に基づいての条例であるということを示しておったことは事実でございます。ただ、その後いろいろ運営の実際にかんがみて論議が戦わされて参りまして、やはり専従というようなことも、これは職員の勤務条件ではないか。職員たる身分を持ちながら給与を受けない、あるいは給与を受けないで専従者として活動をいたしまする期間がどのくらいになるのか、あるいはその期間が終了した場合の身分取り扱いということはどういうふうなことになってくるのかというような点は、これはやはり職員としての重大なる身分関係事項でございまして、これはやはり勤務条件ではないかということになって参ったのであります。そういうような点から、法制局の方にも、法律上の問題でございまするので、疑義を質した事実がございますが、これに基づきまして、勤務条件であるという見解が示されたのであります。そういうような点がございますが、ただ三十五条との関係につきましては、三十五条自体が、「法律又は条例に特別の定がある場合を除く外」というふうに書いてありまして、三十五条に基づく条例というふうな規定のいたし方はしておりません。従って、勤務条件に関する条例は二十四条でございますので、二十四条に規定をいたしまする条例に基づいて専従に関する規定が設けられるということになりますれば、この点については職務に専念する義務が免除せられるということに相なりまするので、その勤務条件に関する条例自体が三十五条にいわゆる条例という解釈に和なるものと考えておるのであります。
#105
○鈴木壽君 もし従来とってきたあなた方の考え方なり、それに基づく指導というものと、最近起こったことで、法制局の意見を聞いたり何かしてその結論が違ってきたとするならば、私はまあ具体的な内容の点はともかく、条例の立て方で、必ずしも従来の、さっき言ったような、あな方が示したような一つのモデルなり、あるいは言葉をかえて言いますと、職務に専念する義務の除外に関する条例というような、そういう形のものでなしに、二十四条に基づくところの条例にしてよいと、こういう見解を、じゃあ地方団体等に対しても、私は、あなた方がそういうふうに考えておるならば示してもよいのではないかと、こういうことも私言いたいのですが、その点はどうですか。
#106
○政府委員(藤井貞夫君) 今の点は、従来の方針を、あるいは態度というものを、根本的に変えたというふうには私は考えておらないのであります。勤務条件に関する条例で規定をいたしましても、そのこと自体が三十五条の職務に専念する義務の免除の条例、これに当たってくる、両面の性格を持っておりまして、いわば専従に関する規定は、三十五条とそれから二十四条に、両方に根拠を持つものであるというふうに解釈をいたしておるのであります。すなわち専従休暇自体は、その名の示すごとく、休暇の一つの態様でございます。いわゆる休暇にはいろいろ有給休暇、無給休暇というようなものがございますけれども、それらの中で、専従休暇というものは無給休暇の態様でございます。これはやはりとりも直さず勤務条件に当たるものであるという解釈で、法制局にも打ち合せをいたしました結果、そういう見解に、はっきりと立つことに相なったのであります。
#107
○鈴木壽君 ですから、これは私お聞きしたように、今までは、三十五条のいわゆる職務に専念する義務を免除する、まあ言葉は、ちょっと、免除という言葉は適当でないかもしれませんが、特例として認めるという意味での条例をあなた方は指導してきたでしょう。というのは、たとえば専従のいろいろな許可、不許可というような問題、ここに出てくる人数とか期間とかいうものは、必ずしも、いわゆる言われるところの勤務条件にぴたりと一致するものではないというような見解からだったと思うのであります。それと同時に、また三十五条というものが、はっきり職員に対して一つの義務を負わしているのですから、その義務から除外して、一つの取扱いをしてもいいというふうなことと同時に、今言ったような問題があって、あなた方が示したものが適当である、こういうふうな考え方に立っておられたのじゃないかと思うのです。今度は岐阜県の場合はそうじゃなしに、すべてを勤務条件といって一本の中にぶち込んでしまって、しかもその中には教職員もあり、一般職員もみな一本の中にぶち込まれてしまっておる。私は条例そのものの形からすれば、そしてまた従来あなた方が指導してこられた考え方からすれば違ったものだ、こういうふうに解釈せざるを得ないと思うのですが、この点はどうですか。
#108
○政府委員(藤井貞夫君) 私たちといたしましては、従来の立て方というものが根本的に変わったというふうには解釈をいたしておらないのであります。三十五条自体において職務に専念する義務の免除ということを規定いたしておりますが、ここには職務専念の義務の免除という場合をいろいろ列挙いたしております。この点につきましては、厚生計画あるいは研修に参加をするような場合でありますとか、あるいはそのほかレクリエーションの場合でありますとか、それに並んで専従の規定を書いてある、というやり方でやってきておるのであります。従いまして、ここでは職務専念の場合を包括的に規定をするという意味の根拠規定がここにあるわけでありまして、これに基づく条例の性格も、実は専従休暇に関する条例というものもあわせもっておるということになるわけであります。従いまして、形式は、今度の岐阜県の場合におきましても、勤務条件に関する規定ということに、その中に包含されておりますけれども、そのことは、またその条例自体が三十五条の職務専念義務に関する規定で規定いたしておりまする中の条例、これにも当たるものであるというふうに解釈をいたしておるのであります。
#109
○鈴木壽君 それはあなたのおっしゃる通り、実質的には二十四条に基づく一つの条例を作ってやっても、三十五条のそれに当たるのだということは、私もその通りだと思うのです。ただあなた方が従来こういう問題を取り扱う場合のよりどころとして地方を指導してこられた考え方は、やはり職員団体の業務にもっぱら従事する職員に関する一つの条例、あるいは職務専念の義務の特例に関する条例、こういう形において取り扱うことが至当であるというふうに考えてこられたのですから、私はそれは否定できないと思うのです。初めから二十四条でやってもいいということではなかったわけです。ですからそういうことと、あなた方の従来とってこられた、現在までとってこられた指導の仕方と違ってきた形において出ておるのですから、これに対して、これは実質的には同じなんだと、こういうことだけでは済まされない問題があると私は思う。今度あなた方は地方自治体に対して二十四条に基づくいわゆる勤務に関する条例の中に、こういうものを皆取り扱ってもいいということをお示しになりますかどうか。
#110
○政府委員(藤井貞夫君) 今おっしゃいましたような意味におきましては、先刻申し上げましたように、従来示しておりましたモデル条例の形式とは違っておりますことは、これは事実でございます。ただ本質的な考え方については別に考え方の変わりがあるわけではないということを申し上げたのであります。すなわち専従制限の問題もあくまで、これは勤務条件の性格をもっておるものである。従ってこれもまたいわゆる職員団体の交渉事項の対象として取り扱うべき筋合いのものであるというふうに踏み切っておるわけでございまして、その点につきましては、われわれといたしましては、今後勤務条件に関する、あるいは給与に関する条例の中に全部入れ込んで規定をすべきだというようなことを指導するつもりはむろん持っておりません。ただこの勤務条件に関する事柄だということは、これは見解としては示さざるを得ない。積極的に行政指導の点は踏み切っておりませんので、その点はやっておりませんけれども、法形式として、これは勤務条件ということにつきましては、法制局の見解というものを地方には流しておるのであります。そういうことでございまして、私たちといたしましては、法形式の点においては給与、勤務条件というものは、全部一つの条例で既定をしなければならない、あるいは専従に関するものは単行条例ではいかないのだというふうな規定の仕方、指導の仕方をするつもりはこれは別に持っておらないのであります。
#111
○加瀬完君 局長は昭和三十四年の九月二十六日、和歌山の地方裁判所における和歌山県公立学校教職員組合の業務に専従するための休暇申出に対する不承認処分が取り消し判決をされておりますのを御存じですか。
#112
○政府委員(藤井貞夫君) 聞いております。
#113
○加瀬完君 その判決内容の中に、この国家公務員法と地方公務員法を比較をいたしまして、地方公務員法は国家公務員法に比べまして、次のような理由から職員の権利について、その規制が緩和されておるのだという説明があげられておるわけです。その一つは、政治的活動、政治活動制限についての罰則規定が地方公務員法においては削除されておる。それから二つとしては、当局と書面による協定を結ぶことができ、その協定は、地方公共団体の当局並びに職員団体の双方が誠意と責任をもって履行しなければならないという積極的な規定もある。これらをあげて、たとえば国家公務員法の百二条、百十条、地方公務員法の三十六条、教育公務員特例法の二十一条の三、それからあとの分は、国家公務員法の九十八条、地方公務員法の五十五条を引例して。ですからこれは、当然これは地方公務員法は国家公務員法に対して法全体としては職員の権利についてその規制が緩和されているという解釈に立たなければならない。こういう規定を、こういうふうに内容を読み取るべきであるという前提のもとに判決が書かれておるわけです。そうしますと、法の運用上もしも裁判所の判決というものを一応前提とするならば、国家公務員において何ら専従制限に対する規定が出されないうちに、地方公務員関係だけに次から次えと出されることは、一体この法の精神そのものからいって、それを一体是認していいものかどうか。先の御答弁のように権利があるからといって、地方議会の議決にこれを任かしておいていいものかどうか、こういう問題が一点。
 それから、特に教育公務員の場合は服務監督権というものは一体無制限に任命権者にあるのか、これもこの判決では、県教委は市町村教委に対して服務監督権について技術的な指導、助言、援助を越えて一般的指示権を有しておるとは認められない、こう判決をいたしておるわけであります。また任命権者としての任免も、市町村教委の内申によって行なわれなければならないものと認める。こういう点から都道府県の教育委員会というものは、一般的な指示権のような服務監督権は百%存在しておらないんだ、このような判決をしております。この判決をまた前提とするならば、岐阜のようなやり方は違法である、こういう見方も成り立つわけでありますが、この裁判所の判決を自治庁としてはどのように御解釈なさっておりますか、二つの点についてお答えいただきたい。
#114
○政府委員(藤井貞夫君) 和歌山県の判決は地方裁判所の判決でございまして、まだ確定をいたしておらないように承っておるのであります。われわれといたしまして、判決の内容について、こういう席上でとやかくの批判をいたしますることは、建前上からも適当でございませんので、これは差し控えさしていただく方が適当であろうと思うのであります。ただ一般的な感じを申し上げますと、最初に御指摘になりました国家公務員法と地方公務員法との関係でございますが、これは国家公務員法が成立をいたしました時期と、それから地方公務員法ができました時期の相違の点が一点と、それからもう一つは、地方公共団体というのは御承知のように多種多様であり、その数も非常に多いわけでございますので、これにつきましてはできる限りその自主性と、これと同町にその多様性に即応せしめた制度を考えていかねばならぬのではないかというような点から、国家公務員法とは若干規定の建前を異にしておりまする点があるのでございます。しかし、今御指摘になりましたような点が規定の形式上変わっておりまする点でございますけれども、しかしその本質におきましては、政治的行為の問題にいたしましても、あるいは書面協定というような形式につきましても、それほど、本質的な規制の建前自身において、罰則その他の点もございますけれども、大きな本質的な相違があるというふうにはわれわれとしては考えておらないのであります。これは国家公務員も地方公務員も同様に公務員である性格を持つものでございますので、それを規制をいたしまする法的関係において、そう本質的差異があるべきはずはないというところから出てきて参っておると思うのであります。また、国家公務員の場合の専従について全然規制がないわけではないのでありまして、これは人事院規則に基づきまして、やはり専従の期間等につきましても、あるいは公務に支障のない限りというような点につきましても、それぞれの基準を示しておるのでありまして、そういうような点は当方の方から地方にお示しをいたしましたモデル条例案というものと、本質的に異なったところはないように考えておるのであります。そこで、岐阜県の場合におきましてモデル条例と若干違った規制をいたして参ったことは事実でございますが、これも先刻鈴木委員の御質問にお答えを申し上げました通り、一般的な問題としてではなくて、公務に支障のないということの認定について条例で一つの基準を示していこう、期限についても、専従の期間についても、今までは一日を単位として一年を下らないということを原則としつつ更新をしてもかまわない。その点をしかし三年以上はこえてはならないというような点にしようということで、一つの公務に支障があるかどうかの認定についての基準を条例で示すことにしたのであるというふうに考えております。専従者の数につきましても大体同じような趣旨に出ているのではないかというふうに考えておるのでありまして、このこと自体が地方公務員法の精神に反するものであるというふうには私は考えておらないのであります。
 それからもう一つ、第二の点でございますが、これは特に義務教育の教職員につきましては、給与等につきましては府県で負担をいたします、そういうような関係から、若干府県関係の関与というものが多くなっており、任命権もまた府県の教育委員会がこれを把握しておるということでございますが、お話のございました服務の監督面等につきましては、これは市町村の教育委員会が大体主体となっていろいろなことをやっているというのが建前でございます。従いまして専従許可、専従休暇の許可というようなことにつきましても、これは一般原則に従いまして、市町村の教育委員会というものが専従許可をいたすということは、今度の条例の制定において、別に影響を受けるわけではございません。
#115
○加瀬完君 前半のお答えでございますが、国家公務員法と地方公務員法とは本質的に差異はない、それはその通りだと思います。しかし、この法律の条文から照らせば、裁判所が指摘しておる通り、地方公務員が国家公務員よりもその権利において、職員の権利において、はなはだしく過酷な条件に置かれておるというものは何もないわけです。あなたの御説明のように、少なくも差異がないと認めらるべきものであって、その過酷な条件に国家公務員よりも地方公務員がおかれておるということは、その権利の領域においてないわけです。しかし国家公務員については、現状取りざたされておるような、専従制限というものは現状として存在しておらない、またそういう計画も、新聞によって見ておりますと、各省間にもいろいろ考え方の違いがあって、固まったものはまだ国家公務員に対しては出しておらない。それにもかかわらず、一方的に地方公務員関係にだけ次から次へと、専従制限という内容はまちまちであっても、そういう一つのやり方が進められるということは、これはあなたのおっしゃる本質的差異というものが生じてくることにならないか。それは地方公務員、国家公務員がいわゆる平等の原則という今までの考え方でやってきたのが不平等になるのではないか、そこに私は一つの疑義を持つわけであります。
 第二の問題で、関連質問でありますから簡単にいたしますが、服務監督権というものが地方教育委員会にあるにもかかわらず、その服務を大幅に条件をつける専従制限というものが、一方的県条例によってきめられるということは、これはおかしいじゃないか、おかしいというより違法じゃないか、これをそのまま見のがしておってよろしいという考え方はどう考えても成り立たないんじゃないか、こういう疑義がまだ私には残るのであります。この点どうですか。
#116
○政府委員(藤井貞夫君) 専従に関する既定を、先刻申し上げておりますように、勤務条件であるというふうに解釈をいたしまする場合におきましては、また事実その通りに違いないと思うのでありますが、そうなりますると、これは現在地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づきまして、義務教育の職員につきましての勤務条件は、これは都道府県の条例で規定をするということに相なっておることは御承知の通りであります。この点は給与負担その他の関係からの措置としてとられておる事柄でございまして、全県的にある種皮統一を保ってやって参らなければならないというところから、府県の条例にまかされておるわけであります。そういうふうに法律の建前が府県の条例にゆだねられることに相なりました以上は、それに従って、その条例の規定に従って、ある程度地方の教育委員会、市町村教育委員会というものが条例の拘束を受けると申しますか、条例によって規制をされていくという点は、この点はやむを得ない事柄でございまして、違法とかいうような問題は生じないのではないかと考えております。
#117
○加瀬完君 これでやめますが、たとえばそういう条例が県でできても、地方教委がそれは違法である、勤務条件だけで律しられるべきものじゃない、われわれの権限で左右すべきだという見解をとって休暇承認を出したときに、休暇承認を求めた場合はどうなりますか、行政的な争いが起こってくると思う。少なくも地方教育公務員の、特に義務教育学校職員は、これは地方公務員であっても都道府県の職員とはまた性格が変わっておりますから、専従制限などという法律的な、あるいは行政的なことを講ずるにしても、その身分関係というものを、何らか一部県みたいな、一部地方みたいないろいろのつながりがありますが、地方教育委員会の意見というものが十二分に尊重された形で私は作られていかなければおかしいと思う。これは意見でありますから、文部大臣も来たようでございますから、鈴木さんの質問に私は譲りますけれども、これはあらためてもう少し、この裁判所がたとい地方裁判所であろうとも、一つの見解を出しておりまして、これは法律の専門家でありますから、最高裁の判決でありませんから、確定したものとはいわれないにしても、やはり私は一つの見識のある見解として十二分に行政当局は参考にすべきだと思います。この内容をごらんになっておらないようでありますから、内容を十分御検討の上、法律的に自治庁はこの見解を支持なされるか、あるいは御異論をお立てになるか、あらためて別の機会に私は聞くことにいたします。
#118
○鈴木壽君 藤井さんに、もう少しお聞きするのですが、従来のあなた方がとっておったこの専従問題の扱いに対する条例制定関係ですね、これは変わってきたことを、私、岐阜県の例は変わって来たということを申し上げましたが、あなたはそれはどっちでもいいのだ、こういう見解でおられるようです。そこで、そういうふうに変わってきたのは、これは私、最近、去年あたりからじゃないかと思うのですが、内閣法制局で意見が出てから、あなた方の照会に対して意見が出てからじゃないかと思うのです。しかし、そういう法制局の回答なり出ておるにもかかわらず、国家公務員、地方公務員全般に通ずる問題であるというので、あなた方はいわゆる専従制限についての一つの統一解釈を、見解を打ち立てようとして今検討中なんです。その検討の結果まだ出てこない。こういうときに、地方自治団体の権限だからといってぽこっと出てきた、それに対して、それじゃ差しつかえないのだということはちょっと私は考え方としてはおかしいじゃないかと思うのです。そこで、私はそういうことをやりとりしておってもいけませんから、この点について一つと、それからいま一つは、いわゆる専従者の期間の問題、それから人数のワクをきめて、それによって制限するという問題、特に人数制限の問題が、はたしていわゆる勤務条件ということに当てはまるかどうかということについては私は問題があると思うのです。内閣から出ました回答を見ましても、期間の問題についてはなるほどと思う点もありますけれども、人数の制限の問題になりますと、全然といってもいいほど触れておらない、私はこの問題は非常に大きな問題だと思うのです。従って、そういうはっきりしたいわゆる定説といいますか、そういうものがない。現在それをも勤務に関する条例の中できめ得るのだと、きめても差しつかえないのだと、こういうふうな私は考え方に立ってもおられるとするならば、これは今申しましたように、私は問題だと思う。はたして公務員の団体の専従者の人数のワクをこういうふうに一方的に制限してしまうということが、いわゆる勤務に関する条例として制定できるかどうかという、私は根本的な問題が一つ残っているからだと思うのです。いろいろ勤務条件とは何かと、公務員の勤務条件とは何かと、いろいろこう調べてみましても、あるいはほかの方々の意見をこう聞いてみましても、なかなか的確には法文の上では示されたものが現在ないのですね。そういうやさきに、今言ったような問題を含んでおるにもかかわらず広く解釈をして、こういうものも当然勤務に関する条例の中にほおり込んで一本にしてやっていいんだと、こういう見解に立つことは私は許されないと思うのですが、この点はどうですか。
#119
○政府委員(藤井貞夫君) 勤務条件に関する条例といたしまして、その内容に専従制限に関する規定を設けるという問題と、それと専従強化に関する何らかの法的措置なり、あるいは行政指導をやるということとはおのずから別問題だというふうに理解をいたしておるのであります。われわれといたしましては、当初の公務員法ができました際には、職務専念の三十五条に基づくと申しますか、それの関係の条例のサンプルとして示したこと、これは事実でございますけれども、いろいろその後の運用なり、解釈上の疑義なりを突き詰めていきました際には、やはり専従ということについてもこれは明らかに公務員の勤務条件ではないかというような点が問題になって参りましたために、これらの点につきまして法制局とも意見調整をはかりました結果、これはやはり勤務条件であるということに相なったのであります。その点は法律的な措置としてそういうふうに踏み切って参らなければならぬし、そうしたいというふうに思っておりますけれども、そのことと専従の規定の内容について、もっと強化した措置を講ずべきかいなかという問題とは、おのずから別問題であろうというふうに考えております。そして、それらの行政指導なり法律上の規制の取り扱いの方針につきましては、これは先刻来るる申し上げておりますように、なお政府としまして統一的な見解、あるいは指導方針というものを打ち出すに至っておる段階ではございません。なかんずく教育公務員についてはいろいろお話もあろうかと思いますが、教職員一般について申しまするならば、われわれといたしましては現在の状況では、専従の現況において、それほどの不都合が生じておるとは思っておりません。従って、これについてさらに行政指導を強化して、これを強化しなければならぬというふうに持っていこうというふうには実は考えておらないのであります。それと、もう一つ人数制限の問題でございますけれども、これもちょっと議論のある点だと思いますけれども、われわれといたしましては、公務に支障のないということの一つのワクをきめるという意味において人数制限をやるということも、これは違法であるというようなこととは言いがたいのではないかと考えております。また何名について何名程度専従が許されることになるのか、そういうワクを承知すること自体がやはり職員の身分関係にも大きな影響を及ぼすものとして、それはやはり勤務条件に入るべき筋合いのことではないかというふうに私たちは解釈をいたしているのであります。
#120
○鈴木壽君 あなたのお答えの、いわゆる専従について勤務条件についての条例の中に含ましめるということについては、一般的に言えば私も今そんなことはむちゃなことだ、こう言うつもりはないのです。ただ、今問題は具体的になってきておりますから、岐阜のように人数をきちっと制限してしまう。特に私は人数のことが問題だと思うのですね。こういう問題を、いわゆる条例という形においてぴしゃっと押えてしまうことが、はたして現在まで考えられておりますところの公務員のいわゆる勤務条件、あるいは労働者に対する労働関係法親等に言われている労働条件というものに該当するかどうか、ということは私は疑問がある。そういう疑問のある際に、ぴしゃっとこういうふうな決定をするということについては、私はやはりあなた方として何か考え方があるのではないか、こういうふうなお尋ねの仕方をしているのです。ただ、あなたは後段で、人数のことももちろん公務に支障のない限りという意味の勤務条件になるのだ、こういうお話でございますから、ただしかし、私もいろいろ調べたり意見を聞いてみたりしたところによってみても、さっき言ったように、いわゆる公務員の場合の勤務条件ということについて、法的に何ら現在のところははっきり示されておらない、明示されておらないということはあなた方はお認めでございましょうね。それが一つと、従って、もし、いわゆる勤務条件というものが労働関係の諸法規にあるようないわゆる労働者の労働条件というものであるとすれば、後段のそれについては、現在の法規の中にやや明らかに労働条件というものが明示されているのだ、示されているのだ、そこで公務員の勤務条件というものと労働関係法規にいうところの労働者の労働条件というものと、イコールのものと考えていいのかどうか、これを一つまずお聞きします。
#121
○政府委員(藤井貞夫君) 勤務条件は何かということについて、今法律その他の他の規定で明示をいたしたものはこれはございません。例示といたしまして給与、勤務時間その他ということになっておりまして、給与、それから勤務時間、あるいは休暇等がその勤務条件のおもなるものであるということはわかりますけれども、勤務条件は何かということについて定義をいたしたものはございません。なお、勤務条件というものと労働条件というものとの関係はどうか、というお尋ねでございますが、これはまあ法体系が違いますので言葉もおのずから違っているわけでございますけれども、大体の考え方としては、労働条件というものと勤務条件というものとは、細部に至っては私はなお検討したわけではございませんので、その点はっきり申し上げかねますが、大体において同じ考え方に立っているものではないかというふうに承知をいたしております。
#122
○鈴木壽君 後段のお答えですがね、たとえば労働基準法の施行規則の中に示されているような労働者のいわゆる労働条件、こういうものと考え方において公務員の勤務条件というものが大体において一致するものだ、というふうなお考えのように――私も現在のところはそういうことしかないのではないだろうか、こう思うのです。そうしますと、この労働基準法の施行規則の第五条に示されてありますいわゆる「労働条件の明示」というタイトルで示されてありますこれを見ますると、今問題になっているような、いわゆる専従者の人数とかなんとかということは、まるで考えておらない私は規定の仕方だと思うのであります。少なくとも今問題にのぼっておるこういう人数の制限とかいうような問題は、現在まであまり何といいますか、検討の対象なり、あなた方の意見のまとまったものとしての発表なりというものは私は出ておらない段階にあるだろうと思います。それだけまた問題が私はあると思うのです。ですから、こういう問題のある際に、政府としての、あるいはまた地方公務員を取り扱うあなた方の考え方の中に、まだはっきりした考え方の出ておらないやさきに、各地方の条例において、突如であるのか、あるいは計画的であるのかわかりませんが、このようなことが勤務に関する条例の中に、はっきり示されてくるということは、やはり現段階においてはまことに好ましくない、困った事態である、こういうふうに私は思うのですが、この点どうですか。
#123
○政府委員(藤井貞夫君) 繰り返しになりますが、まだ自治庁としてあるいは政府といたしまして、専従制限というものをこれ以上強化するかどうかというようなことにつきましては結論を得ておりませんし、従いまして、何らかの方針に基づいた行政指導というものをわれわれとしては全然やっておらないのであります。ただ地方々々の実情に応じまして、それらの関係地方団体が条例でもって規定をする権能を持っておるものでございますので、その限りにおきまして適当と認めるものを議会に提出し、また地方議会で審議してこれを決定いたしました場合におきまして、それが明らかに違法なるものであればともかくといたしまして、私たちといたしまして、それら側々の具体的な案件について、それは不適当であるからやめろとかいうようなことを申すのは、これはやはり地方団体の自主性というような点から申しましていかがであろうか、という見解を持っておるのでございます。
#124
○鈴木壽君 その労働条件であるのか、いわゆる勤務条件であるのかないのかという問題、これは私ポイントになると思うのです、今町の岐阜県の条例の場合ですね。そこで、あなた方のよりどころはさっきも私が指摘しましたように、法制局長官の出しました昨年の七月三日のこの回答にまあ最後のよりどころを求められておるのじゃないかと思うのです。ところが、この中ですらそういうことが人数の問題になると、これはどう解釈していいのか、さっぱり手がかりも何もない。そうして従来考えられておりましたように、私はこういう問題はいわゆる勤務条件とは違うと思うのです。というのは、勤務条件の場合に、これはいかなることが勤務条件であり労働条件であるかということにつきましては、昭和二十六年の四月に、当時の法制意見第一局長から労働省の労政局長に対して、その照会に対する回答が出ている。この回答を一生懸命読んでみましても、今言ったようなことから考えて、勤務条件であるとは私は解釈することはできないと思うのです。この中で言われておりますことは、労働者が自己の労働を提供し、もしくはその提供を継続するかいなかを決定する場合に、一般的に当然考慮の対象となるべき利害関係事項を指す。自己が労働力を提供するかしないか、あるいは継続するか切ってしまうかというような場合に、当然考えなければならぬところの利害関係事項であると、こういっている。これはあくまでも、たとえば鈴木なら鈴木という人間と任命権者との間に、自分の労働力を提供するかしないかというそういうことを考える場合に、果してそれが得であるのか損であるのかというような具体的な利害関係だと思うのです。法制局の回答はこれを根拠にして出していますね。これを根拠にして、よりどころとして出しています。ですから、法制局長官から出ました昨年の回答から、直ちに專従の人数の制限までが労働条件である、というふうな結論を導き出すことは、私はあまりにも拡大されすぎた解釈であろうと思うのです。この点についてあなた方は何の疑いもなしに、これも労働条件なんだ、勤務条件なんだと、公務に支障があるかないかということを判定する場合であるから当然入ってくるのだろうというふうに安易に考えられておるということは、私は非常に問題があると思うのです。今強制的に、何といいますか、專従の制限を強化する、そういう指導をするかしないかという問題の前に、こういうことがどうかということを私は問題にする。あなたの方でも許可しないと言って、文部大臣も、ほかの、文教委員会等においては、許可するつもりはないとおっしゃっておるようであります。私は、許可しないとかするとか、指導をするとかしないとかいう前に、現在行なわれておるこういうものが、政府のそれぞれ担当しておりますあなた方の立場からいって、これははたして妥当なものであると考えられるかどうか、ということを私は問題にしておるのです。こんなことをどんどんやられた日には大へんですから、そう思うのです。そこであなたのそれに対する見解を、もう一度お聞きすると同時に、幸い法制局の方も来ておられますから、もしそれについて、そういうふうな解釈が正しいものかどうか、いわゆる定説となっておって何ら問題にならないものであるかどうか、ということについて、もし意見を述べていただくなら一つ述べていただきたい、こういうふうに考えております。
#125
○政府委員(藤井貞夫君) 專従制度についてはこれは休暇の制度でございます。しかも休暇を与えるにつきましてはやはり公務に支障がないかどうか、むろん団体自体の活動というものを円滑に、能率的にする配慮というものもむろんしていかなければなりませんが、また反面におきまして、公務の支障のない遂行ということもこれは考えあわせていただかなければならない事柄でございます。そういう関係におきまして、われわれは專従の制度というものはやはり休暇の制度であり、勤務条件であるというふうに解釈をいたしておるのであります。その場合におきまして、何人について何人程度にするかということにつきましては、やはり公務に支障のないということについて任命権者の認定にまかされる、あるいは実際上の取り扱いといたしまして、組合の方とも話し合いをしていくというようなことによってそれが行なわれることが事実上のしきたりでございますけれども、そういうようなことについて一つの基準を設けていく、条例でもって一つの基準を設けていくということも、これはやはり条例で規定し得る事柄ではないかというふうに考えておるわけでございまして、事実これらの点につきましては、民間の労働組合等の団体協約事項につきましても、專従者の時間、人数等から、お互いの協議によってきめられていくという実例が多いように承知いたしております。
#126
○委員長(新谷寅三郎君) 法制局の方御意見ありますか。
#127
○法制局参事(長谷川喜博君) この問題は、さっき鈴木先生のお話がございましたように、勤務条件というものをどういうふうに理解するか、この勤務条件の内容にどういうものを盛り込むかということに帰着するかと思いますが、内閣法制局の見解を印刷物で拝見した限りにおきましては、許可の要件をおしなべてこれは勤務条件というふうに理解されるのでありますけれども、そういう專従職員の数の制限その他そういう許可の内容がすぐ勤務条件になるかどうか、側々の教員なり職員の勤務条件とイコールかどうかということにつきましては、参議院の法制局の中におきましてもだいぶ論議がございまして、人数の制限、たとえば平たく常識的な言い方になりますけれども、ある県で五百人に一人專従職員が許されるから教員として勤務を提供しよう、千人に一人しか許されなくなったから教員になることをやめようといったような作用を、人数のワクを設けるということが役割として果たすかどうか、やはり許可の要件といいますと專従職員のあり方を規制する。任命権者はそういう権利を行使する一つの基準ではあっても、典型的な勤務条件であります。給与が勤務時間と同様に、同列に勤務条件というふうには、すぐは言い切れないのじゃないか。少なくとも若干疑義がある、異論の余地があるということは、参議院の法制局での結論でございます。
#128
○鈴木壽君 参議院の法制局の意見もお聞きしましたが、はっきりこういうものを勤務条件であるということを断定することについては疑義があることをおっしゃっているとともに、さっき私も聞きましたように、内閣法制局長官からの昨年の回答を見ましても、それから直ちに今の人数の制限というようなことが引き出せないということは、この文章を見れば間違いなく言えると思うのです。專従問題を全然取り扱ってはいかぬということではなく、私は特に人数の制限が今回の制限の中に、はっきり打ち出されておるから、それを一つの問題として取り上げるわけです。ですから、こういう問題、まだ見解がはっきりしないというやさきに地方でどんどんこういうことをやったら、それは地方の権限だからかまわない、とやかく言うべきじゃないというふうに逃げておるのは、これはやはりあなた方の立場としてはおかしいと思う。法的に条例を撤回させるとかいうことはもちろんできませんが、何べんも言うように、条例の制定というものは地方自治団体の一つの権限なり権能に基づいてやるのですから、私はそこまで言うのじゃないけれども、それに対するあなた方の考え方として、これは内容としていいのだとか惡いのだとか、われわれとしては妥当と認めるとか、妥当でないと認めるとかというような見解が当然あってもいいと思うのですが、あなた方はそういう点になりますとなかなかはっきり言ってくれないのです。
 いま一つは、局長は、他の労働者の団体等にも人数、期間はきわめてあると言う。それは条例とかという形ではなしに、お互いの、団体とそれから使用者側の話し合い、あるいは団交といいますか、あるいは労働協約を締結する際とかに話し合いのできた一つの結論として出てきた問題であって、今回の問題とは著しく性質の違うものであると思う。私も職員団体が任命権者との間に話をして、その結論として、ことしはこういうワクでいこう、あるいはことしは期間の問題をこういうふうにしようじゃないかということで、そこでまとまったものであれば何ら私は問題とすべきものじゃないと思う。ところが、何べんも言うように、問題をはらむ要素を持つものを直ちに条例でいく、こういう形で何らの話し合いの余地もなければ団交の余地もないというような形において決定されるということについては、私は何としても不思議だと言わざるを得ない。この点どうですか。
#129
○政府委員(藤井貞夫君) その点は、民間の場合と公務員と違います点は、たとえば給与等につきましても、これは条例で規定をすることに相なっておりまして、そのこと自体が団交によって直接の効果を生ずるという仕組みにはなっておらない、それは国家公務員なり地方公務員なりというものの特性から出てくることであろうということで、その点についてはその他の勤務条件についても同じことが言い得るのではないかというふうに考えておるのであります。ただこれだけにこれらのことを条例で規定をする、あるいは法律で規定をするというようなときには、それ相当の慎重な手続というものが必要でなかったかどうかというような点の御批判は、これはおのずから別問題ではないかと思うのです。われわれといたしましては、現在の状況のもとにおきまして法制局の見解もあることでもあり、やはり専従については勤務条件であるというふうに踏み切ることが適当ではないかというふうに考えておるのであります。
#130
○鈴木壽君 あなたは法制局長官の見解、回答からして、当然人数等が入ると、この文章のどこからそれが読めますか、これははっきり具体的に示していただきましょう。この問答文のどこからそういう人数の問題が条例で勤務条件の中に入れていいというふうなことになるのか。
#131
○政府委員(藤井貞夫君) これは人数ということを具体的にその意見には規定をいたしておらない、表明はいたしておらないということは事実でございますが、勤務条件自体ということがやはり職員がその勤務を提供する、あるいはその継続について決意をする場合の利作関係事項ということに言い得るのではないかと思うのであります。その点について、何人について何人だというふうに制限を受けるということ自体もやはり一つの利害事項であるということは、私は間違いのない事柄ではないかと思います。先刻、参議院の法制局からお話しになりましたような見解もあることとは思いますけれども、われわれといたしましてはその点については踏み切っていいのではないか、という見解に立っているのであります。
#132
○加瀬完君 ちょっと関連して。その人員の制限というのが勤務条件に該当するというなら、勤務条件の内容はこれは都道府県教委できめればいいことなんですから、人員も勤務条件の内容だということになれば、定員なんというものは意味をなさなくなる。人員を百人ふやそうが五十人減らそうが自由ということに解釈できますよ。そういうことがあってはならないために定員というのがきちんとワクになってきまっているわけです。で、人員の多い少ないというのは、定員のワクの中でいろいろ今まで問題にされておったわけです。定員法が問題になるのもそこだろうと思う。で、今度の場合だけに人員というものを定員のワクの中からはずしたような形で勤務条件の中に入れるということは、これはまた行政の混乱を招く一つの理由になる、原因を作ることになると思う。それならば町名にしなければならないということが勤務条件できめられているならば、地方に指導主事を何名ふやすとか、ここは僻地だからここに一名教員をふやそうということを、各府県まちまちに自由にきめていいというふうなことをやられたら一体どうなりますか。そういう弊が出てきますよ、教員の場合は。
#133
○政府委員(藤井貞夫君) 教員の定数につきましても、これはそれぞれ条例でその範囲がきめられるわけでございます。それと全く同じことではございませんですが、専従の問題につきましても一定のワクをきめていくと、それを条例でもって規定をしていくということは特別不適当なことが出てくるものではないと考えております。
#134
○加瀬完君 条例できめるということに私は異議を申しません。異論はありますけれども、条例できめるというその形式については異論は申しませんが、勤務条件というワクの中で条例できめるということは問題はないかということです。勤務条件というものの中に人員の制限というものも含めて、将来行政上支障が起こることはないかということを言っているのです。
#135
○政府委員(藤井貞夫君) 私は将来特別の支障が起こるものとは考えておりません。
#136
○鈴木壽君 いろいろ藤井さんにまだお聞きしたいことはありますが、文部大臣、あまり待たしても申しわけありませんから、文部省の方にお聞きします。
 文部大臣は参議院の文教委員会で何べんもこの問題についての答弁をしておられるようでございますが、いわゆる専従制限の問題について、文部省の態度として、現在ある法律や条例等のことを総合的に調整した上でなければ明確な解決がつかない問題があるように考えられる、だから国家公務員、地方公務員、その他の公務員にも関係がありますから、関係各省ともよく協議を重ね、十分各省間の調整を持ちまして、その上で実施するならば実施していきたい、このような見解を述べておられます。従って各行間の調整を完全にはかることができなければ実施するという考えはないと、こういうふうに、はっきり言い切っておられますのですが、その考え方に立つならば、現在、私先ほどから一つの問題を取り上げて自治庁の方に質問をしておるわけでございますが、その中に、お聞きになっておわかりだと思いますけれども、岐阜県の条例が今度一部改正をせられまして、いわゆる専従制限の問題がきわだった一つの問題として出てきたということに対して、これはちょっと遺憾なことであるというふうに考えるを得ないと思うのですが、どうです。
#137
○国務大臣(松田竹千代君) 前段のお話につきましてはまさにその通りでございますが、文部省といたしまして自治体のあり方を尊重するという建前から、専従制限の問題を地方府児が自主的に取り上げて、条例に基づいてその規制をするということにつきまして、文部省としてはこれに対して遺憾の意を表するという気持もありません。大いに奨励せよという指導もいたしておりません。そういうことで御了承願います。
#138
○鈴木壽君 これは地方自治団体のやることですから、その自主性を尊重しなければならぬということはこれは筋としては当然のことなんで、ただ、今私申し上げましたように、この問題はきわめて重大であり、各省庁町のいろいろな関係もある問題であるから、十分検討した上でやらなければいけないという矢先にぽこっとやられてきたのですから、それに対してやめろとか何とかいうことはとにかくとして、好ましい傾向であるのかないのかということくらいは私は大臣として当然意見があるべきだと思いますが、この点はどうですか。
#139
○国務大臣(松田竹千代君) 今申し上げた通り、特に積極的にやれともやるなとも考えておりません。
#140
○鈴木壽君 その自主性の尊重というものは、今度は文部省自体の自主性がなくなってきているのですね。今自分たちはこういうことについて検討して、いわゆる政府の統一見解を出そう、あなたの所管は教職員の問題でございますから、そういう問題を含めて今政府間でいろいろ検討なさっているというそういう段階なんです。その結論がはっきり出ないうちは、期間なり人数を制限するというような問題については、これはそういうことを提出しないということをあなたが言っている、その通りの考え方であるとよれば、私が今言ったように、そういうあなたの考え方になっているにもかかわらず、各地でぴょこぴょここういうことが出てくるということは、指導するとか指導しないとかいうことでなしに、それに対する見解というものが好ましいものであるかないかということは私は言えると思う。重ねてその点、どうですか。
#141
○国務大臣(松田竹千代君) やや意表に出たという気持はいたしました。けれども、今申し上げた通り、私の方としてあくまでも自治体を尊重するという建前で、積極的な指導はいたしておりません。
#142
○鈴木壽君 やや意表に出たということで、大体これは日本語の解釈のしようがいろいろあるから、それぞれの解釈のしょうがあると思いますが、確かにやはり意表に出られてちょっと困ったなという感じじゃないかと思うのです。まあしかし、これは私の解釈でございますから、しかしあなたの方でこの問題について指導をして、さらに強力に指導するというようなことはしないというふうにおっしゃっていますが、事実私は積極的な指導という、あるいは強力な指導ということができるかどうかわかりませんが、あなたの方で指導しておられるのです。一体、そういう事実はあると思うのですが、大臣どうですか、指導しておるのですか、指導しておらぬのですか。
#143
○国務大臣(松田竹千代君) そういうことはないと私は思います。
#144
○鈴木壽君 まあ言葉のあやで、いわゆる積極とか積極でないとかということについてはいろいろあると思うが、ことしの六月八日の、そこにおられる内藤局長の名前で各都道府県教育委員会の教育長にあてて文書が出ている。これは通達というべきか、通牒というべきか、まあ言葉の正しい表現は私はちょっとわかりませんが、文書ということにしましょう。これについては、これを見ますと、この専従問題の取り扱いは内閣法制局から回答が出たので、「これらのことについては、従来取り扱っていたことと異なる点もありますので、これに対する措置について自治庁とも協議いたしましたが、回答意見の趣旨に従い、処理するのが妥当であるとの結論にいたりました。」まあこれはこれでいいかもしれません。そこでその次「ついては今後の取り扱についてしかるべく御考慮をわずらわしたく」云々と、こういうふうな文書がある。これは今後の取り扱い、今までの取り扱いと今度出た回答を見ると取り扱いが違った解釈になってきたのだ。そこで自治庁ともいろいろ話をしたが、結論としては、あなた方の態度としては、「今後の取り扱についてしかるべく御考慮をわずらわしたく」参考のためにお知らせすると、こういうことなんです。逃げ口上としては参考のためにお知らせするという言葉がありますが、前の、しかるべく御考慮をわずらわし、今後の取り扱いについてということは、これは明らかに私は文部省の指導方針だと思う。こういう指導をやっておるからこそ各都道府県の教育委員会なりあるいはその要請を受けた県当局なりが、今あなたが唐突だとか何とかいうふうな言葉をお使いになりましたが、そういう事態が出てくるのです。これは明らかに私はここに文部省の指導というものが入っているというふうに考えるのですが、大臣これはどういうふうに考えたらいいですか。
#145
○国務大臣(松田竹千代君) 今お読みになりましたように、「今後の取り扱についてしかるべく御考慮をわずらわしたく参考までにお知らせいたします。」とあるのでありまするから、法制局の見解について報告をし、しかるべく今後はやってもらいたい、参考までにお知らせするということでありまするから、指導という域までいっておらぬと思います。
#146
○鈴木壽君 これは大臣当然判を押した文書だと思うのですが、これはまあ表明の仕方はなるほど参考までにお知らせするとか何とかということですけれども、前と違った取り扱いの解釈が出ておると、こういうことが前にあるのです、その前段にですね。だから、しかるべく御考慮をわずらわしたい、だれが読んでも言葉の表現はまことにやわらかい表現であるけれども、文部省としてこれにノー・タッチだ、ただ知らしたのだと、こういうことでは私はないと思う。現にこういうことをやって、しかもこういうものをあなた方が出す一つの、出さざるを得なかったのは、昨年からいろいろやっております都道府県の教育長協議会ですか、教育委員長協議会、こういうところでいろいろ検討されて要望されておることがある。そういう要望に基づいて、あなた方に検討してくれという要望に基づいて、いろいろあちこちの意見なり協議なりをしておったその結論が出たために、その要望をあなた方はいいこととして、正しいこととして、妥当なるものとして態度をきめて、こういうものを出したと、私はこういうふうに解釈せざるを得ない。昨年来のいろいろな動きからすれば、教育委員会の教育長の協議会とか、あるいは教育委員長の協議会というものと、文部省はこれはつうつうになっておって、これはだれ知らぬ者もない。そういうところでいろいろやっておってのこれですから、こういうものが出ますと、これは教育委員会でも、文部省もいいのだ、それじゃこれはやりましょう、こう踏み切るのはこれは当然なんです。ですから、言葉は「しかるべく御考慮をわずらわしたく参考までに」と、こういうことがあるけれども、この陰には私は文部省としてのいわゆる教員組合に対する対策の一環として明瞭な意図をもってやったと、こういうふうに断ぜざる得ないと思うのですが、どうなんです、その点。
#147
○政府委員(内藤誉三郎君) 多少誤解もあるようでございますから、この間の経緯につきまして私から簡単に御報告さしていただきたいと思います。
 実は、今御指摘のように、従来の見解と違ったとおっしゃいましたのは、先ほど自治庁の藤井局長からお答えいたしましたように、職務専任の義務というものは三十五条ではなくて、これは当然職務専任の義務に閲する免除のことは勤務条件に該当するから、二十四条の六項で規定すべき条例である。この見解を示しただけのことです。ですから、これをもって直ちに専従制限の条例だというふうに私どもは解釈してなかったのです。ところで、先ほど来教育長会議のお話が出ましたが、教育長会議なり、委員長会議がああゆうことをきめましたのは八月の下旬だと思います。八月下旬の委員長会議なり教育長会議でああいう結論が出たのでございまして、この通達と直接関係がないことを御了承願いたいと思います。
#148
○鈴木壽君 なるほど、何というか、条例の書き方についての、取り扱いについてやったのだと、こういうお話でございます。それからもう一つは、教育長協議会なりあるいは教育委員長協議会等の決定したことと日時の点で違っている。確かにその通りです。しかし、こういうものが出て、今度彼らは大っぴらに専従問題その他を含めた何項目かをきめておるのです。こういうものが出たら、これは勤務条例でやれるのだと、そういうことを受けて、はっきり打ち出して来たのです。しかもその中には専従休暇でなしに休職にしなければならぬとか、そういう問題も含まれておるのですが、ともかくそういうことなんです。私、時間がないからあんまりそんなことと思うのですが、昨年あたりの動きを少し申し上げてみましょうか、あなた方がどうやって来たのであるかをですね。ですから、私はこういう文書一つ取り上げて、強力な指導をしたとかしないとかということではないけれども、そういうことは私は言うのではないけれども、全然指導しておらないというような考え方、あるいはそういう御答弁というものは私は事実に反している、こういうことなんです。こういうことがあって、何べんも言うように、全国協議会では非常に力を入れてやって来た。そうしてもう一つ申し上げますが、こういう問題が閣議においても話し合いに出て、これははっきり結論は出なかったそうですが、いろいろ今後検討しよう、そういう申し合わせあるいは話し合いがあった。これは大臣はその席においでになったと思いますから、はっきり御承知だと思いますが、そういうことがあって検討を続けておるやさきなんです。そういうやさきに教育長協議会なり教育委員長協議会から出ましたあの五つの県について、八月の二十何日ですか、二十五日ごろ、あなたはこれを支持するのだということを言っている。妥当だと思うと、こういうことを日教組の代表との会見であなたは言っておられる。まだ政府部内で統一した見解を出さなければいけないというふうな、そういうときに、この問題の中心と思われるような、いわゆる日教組の専従問題を取り上げて、あなたは教育長会議なり委員長会議の何といいますか、決議といいますか、要望事項について賛成だと、こういうことをおっしゃるのはまことに私は軽卒だと思う。そういうことからして、やはりこれは文部省との間にいろいろ話し合いができておってそういう了解といいますか、そういうものがあったというふうに考えざるを得ないと思うのですが、この点大臣どういうふうにお答えになりますか。
#149
○国務大臣(松田竹千代君) お言葉でございますが、お話のように専従問題については政府の各省間の意見の調整、各法律、諸条例等について検討中であるということをたびたび申し上げておる、その考え方からいたしましても、この際地方に文部省から指導するわけがないと私は思うのであります。そういうことをもって御了承願いたい。
#150
○鈴木壽君 だから、積極的なというような言葉を使えば指導とか何とかいうことはあり得なかったかもしれません、あなたのおっしゃるように。しかし、事実あなたはそういう要望に対して賛成だとか、妥当だと思うとか、それからさっき言ったように、文書でもそういうふうに指導と読みとれる文書が出ている点からすれば、私は事実上の指導が行なわれておったと思うのです。私はこの点きわめて……。現在あなた方の閣議できめ、あるいは各庁間で意見の調整をはかるということを、もし真剣におやりになっているとすれば、そういう段階においてそういう見解が発表せられたり、あるいは事実上の動きをなさっていることは、私はまことに残念だと思うのです。それを私は言っているのです。その点あれですか、あくまでも文部省は全然ノー・タッチだ、あるいは大臣としてはそういう問題についてはまだ全然意思表示をしておらなかった、こういうふうにおっしゃるのですか。
#151
○国務大臣(松田竹千代君) 繰り返して申し上げますけれども、事実そういうことはありません。ただ、お話のように御解釈願うことに対しても、それは違っておりますとも違っていないとも私が申し上げないのと同じように、やるともやるなともということを少しも申し出ているわけじゃありません。
#152
○鈴木壽君 これはきょうは昼抜きでもってやっておったのですから、ちょっとこれは人権問題にもなると思いますから、きょうはこれで一応打ち切って、いずれあらためてこれは非常に大事な問題を含んでおる今回の問題だと思いますから、文部省並びに自治庁ともあらためて一つ意見を伺う機会を与えていただくように要望して、きょうはこれでやめておきます。
#153
○委員長(新谷寅三郎君) それでは本問題につきましては、今後の委員会においてさらに質疑を続けることにし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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