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#1
第033回国会 地方行政委員会 第11号
昭和三十四年十二月二十二日(火曜
日)
   午前十一時四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十七日委員鍋島直紹君辞任につ
き、その補欠として青柳秀夫君を議長
において指名した。
十二月十八日委員青柳秀夫君辞任につ
き、その補欠として鍋島直紹君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     新谷寅三郎君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           加瀬  完君
           鈴木  壽君
   委員
           安部 清美君
           西郷吉之助君
           白井  勇君
           館  哲二君
           西田 信一君
           占部 秀男君
           松澤 兼人君
           米田  勲君
           中尾 辰義君
  国務大臣
   国 務 大 臣 石原幹市郎君
  政府委員
   自治政務次官  丹羽喬四郎君
   自治庁財政局長 奧野 誠亮君
   自治庁税務局長 後藤田正晴君
   人事院事務総局
   給与局長    瀧本 忠男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   自治庁行政局公
   務員課長    今枝 信雄君
   自治庁行政局振
   興課長     山本壮一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○地方行政の改革に関する調査の件
 (地方公務員の給与に関する件)
 (地方公務員の定年制に関する件)
 (新市町村建設促進に関する件)
 (北海道の固定資産税減収に対する
 財源措置に関する件)
 (地方税法の改正に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を開きます。
 本日は、まず理事の補欠互選を行ないます。
 去る十七日理事の鍋島直紹君が辞任されましたため、理事に一名欠員を生じましたところ、十八日に鍋島君が再び委員に選任せられました。よってこの際、便宜委員長より鍋島君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、地方行政の改革に関する調査として、前回に引き続きまして、地方公務員の給与に関する件を議題といたします。
#5
○占部秀男君 前回、衛都連の給与問題で、法務省に来てもらって、内容についてただしたわけですが、法務省関係は、あれで問題のけりはついたと思うのですけれども、実は、給与関係についてはまだけりがつかないというか、現地でも相当重大な問題になっておって、場合によると、市政の運営にも非常な影響を来たす、こういう問題が出てきているわけでありますが、そこで、その問題について、特に自治庁側にまずお伺いをしたいのでありますけれども、今度の大阪府下の衛星都市の問題について、何か自治庁の方で給与の差しとめをするような通達を出されたと、こういうようなことでありますが、つまり、一般的に都道府県知事に対する問題でなくて、大阪の府知事を経由して、大阪府下の都市だけにそうした何か通達を出されたと、こういうことでありますけれども、そういうような事実があるのかないのか。あるとすれば、どこの局で、どういうような内容の通達を出されたか。そういう点を明らかにしていただきたい。こう思います。
#6
○政府委員(奧野誠亮君) 大阪府下の都市におきまして、十一月の初めから、各市におきまして、衛都連を中心として、給与問題についての団体交渉が強く持たれて参ったわけでございます。その間、都市におきまして、一律一号昇給、あるいは二号昇給、あるいは一律千五百円ベース・アップというような式の妥結が始まりました。遂に十六市が十一月の末にそういう妥結を持つに至ったということになったわけでございます。私たちは、その間事情を承知していなかったわけでありますが、十一月の末に大阪府庁からの報告を受けまして、非常に驚いたのでございます。それぞれの都市の職員の給与状態が、国家公務員ベースその他から比べまして著しく低いから、その実態に応じて是正措置をするのだということでもなく、また、来年の四月から国家公務員について給与改善措置がとられようとしている、それとの関連をどう考えるということでもなく、年末を控えまして、こういうようなことを一つの市においてでも行い始めますと、現にすでに大阪の十六市が相次いでそういうような話し合いをいたしましたところからも推定されますように、大阪府の隣府県のみならず、全国的にこういう問題が波及して参るという心配を持ったわけでございます。そこで、その話を聞きますと同時に、一律一斉昇給というような特別昇給は、法的に疑義がございますし、また、そのような運用をいたしますことは、他の地方公共団体の財政に累を及ばしてくることでもございまして、きわめて不適当な措置と考えられますので、至急そういうようなことの行なわれないような指導をお願いするということを、財政局長名で、大阪の府知事あてに十二月十七日に出したということに相なっておるのでございます。
#7
○占部秀男君 ただいま奥野局長からその経過が報告されたわけですけれども、この問題については、一つは給与の取り扱いの問題と、もう一つは、自治庁というか、まあ大阪府というか、いずれにしても、上位の団体から市町村といういわゆる地方自治体の単位の団体に対する自治権を制約するような内容が含まれておると思うのでありますが、従って、その二つの点について、私は自治庁の方で一つ明らかにしてもらいたいと思うのであります。
 まず最初に、この内容の問題になりますが、今、局長のお話によると、著しく低いでもなく、また、国家公務員の給与改善が四月から行なわれようというような際に、こういうようなことは好ましくないから、大阪の府知事あてに、そういうことをしないように、こういうような通達を出した、こういうことでありますが、一体そういう通達は、どういう法的根拠からあなたの方では出されたのか。その点をまずお伺いをしたい。
#8
○政府委員(奧野誠亮君) ただいまの運営につきまして、自治庁は助言の権限を持っておるわけでございますので、一般的に地方財政の運営につきまして、ときどきそういう指導をいたして参りておりますと同じ気持でこの指導をいたしたわけでございます。
#9
○占部秀男君 一般的に助言をする権限があるから、そういう気持でやったと言われるのでありますが、この十六市が妥結をしたと、その十六市の内容を見ると、私の資料では、いろいろ内容が違うと思うのであります。たとえば、再建団体があり非再建団体がある。また、引き上げた内容についても、明らかに国家公務員よりは低い、そういう点がもう明瞭であるところもあれば、また、いわゆる自治庁がいうところの国家公務員をまあ上回るか、あるいは国家公務員よりはいいのだというような自治庁の見方、そういうような見方の中にひっかかるというような団体もある。従って、内容は一律ではないというふうに考えるのですが、その点はいかがでございますか。
#10
○政府委員(奧野誠亮君) 団体の財政状況は全く同じだというわけではございませんが、一般的に申し上げられますことは、かなり窮屈な運営をしている団体だということは指摘できると思います。ことに十六市のうち大部分は、財政再建団体でございます。
 なおまた、ベース・アップの内容につきましては、非常にバラエテイに富んだようにおっしゃったわけでございますが、私たちはそうは思っておりません。一律に千五百円アップあるいは一律に一号昇給あるいは二号昇給あるいはまた十二カ月短縮、同じ性質のものではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#11
○占部秀男君 私の言ったのは、再建団体があり非再建団体がある。そういうような、つまり団体の財政上からもやはり違った点のある各種の問題であるかないか。
 それからもう一つは、今言った一律一斉昇給とか何とかいう問題ではなくて、昇給を行なったところの十六市の今までの給与の状態というものが、明らかに国家公務員の給与よりは低いと見られるところもあるし、さらにまた、自治庁の方で見て、それに近いとか、あるいはそれを越えるとか、そういうようなところもある。こういうように、やはり違った給与状態に置かれておる問題ではないか、こういう点をお伺いしたわけです。
#12
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように、十六市全部が再建団体ではございません。非再建団体もございます。ただ私は、総じて財政状況が大阪府下の都市についてどうであるか、こういうような見方を申し上げたわけであります。再建団体であるとか非再建団体であるとかいうことでありますならば、両方でございます。
 それからもう一つの給与の実態、これも、かなり給与を押えてきたんじゃないだろうかというように思われる都市と、かなり給与が国家公務員のベースを上回っておると思われる都市と、両方ございます。そういう点につきましては、現に給与実態調査を行ないました資料がございますので、現在個別に調査を進めておる最中でございます。
#13
○占部秀男君 今、奥野局長の確認によると、私が質問したように、この十六市の内容というものは、再建団体があり非再建団体がある。給与も、明らかに国家公務員よりも非常にひどいところもあるし、また上回っている、あるいはそれに近いと、自治庁の方で考えて、思われるところもあると、こういうバラエティに富んだこの十六市の内容になっておるわけです。ところで、そういうような内容の問題の十六市に対して、一般的に昇給昇格ということはしてはならぬという、そういう通牒を出すこと自体が、これは私の考えですけれども、賃金統制と同じじゃないかというふうに思われるのですが、その点はいかがでございますか。
#14
○政府委員(奧野誠亮君) 大阪府下の都市において行なわれました今回の職員組合と市長との間におきます団体交渉、その妥結条件というようなものは、通常の状態における給与改訂の団体交渉の結果の現われというふうには、私たちはどうしても理解できないわけであります。従いまして、個々の団体をつぶさに見ながら、そうしてこの団体はこの際であってもおやりなさい、この団体はおやめなさい、こういうような筋合いに持っていけるものではない、かように判断をいたしたわけでございます。
#15
○占部秀男君 通常な団交の現われと見られないということは、これは自治庁の一方的な考え方であって、私はそういうことを聞いているのではない。特にあなたがそういうような見方をすることにつきましては、これは問題点がある。これは、あとでさらに私は、問題としてあなたにはっきりしてもらいたいと思うけれども、ともかくも内容の違ういろいろな財政状態、しかも内容の違うところの、いわば、あなたの方で人事院勧告を基準にしてというようなことを言われているようでありますけれども、いわゆる国家公務員ベースということになるだろうと思うのですが、裏を返せば、それよりも以下のところもございます。そういうような内容の別々な問題について、一律に一体そういう昇給はいけないということを、あなた方の方で通達なり何なりで行政指導をするところの法的な根拠はどこにありますか。
#16
○政府委員(奧野誠亮君) 現に大阪府下におきまして、十六市が次々にこういうような内容のものを団体交渉として持って参ったということは、言いかえれば、連鎖反応的に、もっと広い範囲に次々と広がっていく筋合いになっただろうと、こう考えるわけでございまして、そのことは、地方団体の財政全体に大きな混乱を与えて参る大きな原因になる、かように判断をいたしたわけでありまして、そういう意味合いから、各市に対しまして、地方財政法第二条の趣旨にもかんがみまして、穏当なる措置ではない。従いまして、やめていただくようにお願いをいたしたわけであります。
#17
○占部秀男君 そういうように、十六市なら十六市が次々と団交をしていって、これが妥結したことは連鎖反応である。従ってこれを抑えるというような、そういう明文の何か法律があるのですか。
#18
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政法第二条には、「地方公共団体は、」「他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行ってはならない。」と、こう書いているわけでございます。地方財政の問題につきましては、よく御承知のように、常に公務員の給与ベースが高いとか低いとかいうことが問題になって参った。なぜ問題になって参ったかといいますと、やはり財政の中に占める人件費のウエートが非常に高いからだと、こう私たちは考えるわけでございます。そういうような性格の人件費につきまして、給与の失態をしさいに調査した上、しかも、それについてどういうような是正措置を講ずることが、将来の財政運営においても累を及ぼさないかどうかという深い検討を重ねることなしに、しかも、近く行なわれようとしております給与改訂の問題、これは、国、地方を通じて行なわれることになろうということは当然予想できることでございます。そういう問題との関連もなしに、このような措置をとりますことは、その団体の財政の問題のみならず、他の地方団体の財政にも大きな影響を与えてくる、こういうふうに私たちは考えておるわけでございます。
#19
○占部秀男君 局長は、自分の都合のいいところばかり出されておりますが、第一項では確かにそう書いてある。しかし、同じ第二条の第二項で、は、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性」をそこなうようなことがあってはならないと書いてある。前半だけあなたは言っているけれども、後半についてはあなたは言っていない。そんなやり方がありますか。この問題は、実は自律性の問題に関係する問題であると私は思う。というのは、単なる財政上の問題ではなくて、一つには労働関係というものを含んでおるところの問題である。そういう点について、単に機械的に財政的な問題としてのみこの問題を扱い得ない性格の問題である。かように私は考えるのですが、まず、その点あなたはどういうように考えておられるのですか。
#20
○政府委員(奧野誠亮君) 自治団体は、もとより自分の判断で仕事をきめていかなければならないと存じます。それを尊重することは当然のことだと思うのでありまして、その趣旨をそこに規定しておると、こう解釈をいたしております。しかしながら、同時に、健全な財政の運営に努めて参りますために、他の地方公共団体の考え方も十分尊重していかなければならないことは言うまでもないことだと思うのであります。自分のところだけの問題だから、自分だけが勝手にやってよろしいんだという性格のものではない。特に人件費の問題になりますと、非常に周辺の市町村とも深いつながりを持って参るわけでございますので、そういう場合には、国全体としてどういうような方針がとられなければならないかということは、当然それぞれの団体がわきまえていなければならないことだと思うのであります。そういう意味合いにおきまして、このような性格の問題につきましては、他の地方団体の財政に累を及ぼすことでもございますし、地方財政全体について心配をしていかなければならぬ自治庁として、重大な関心を寄せるべき性格のものであり、従ってまた、そういう危険があると思われる場合には、助言の責任を果たして参らなければならないのではないか、かように考えておるわけでございます。
#21
○占部秀男君 そこで私は、具体的にこの問題をやらなければ問題が明らかにならぬと思うのです。というのは、私が先ほども指摘したように、再建団体もあり非再建団体もある。国家公務員の給与ベースよりは明らかに低いところもあり、そうでないとあなた方が言うところもある。ケースにすると、四つのケースが実はその中に必然的に考えてみれば生まれてくると思うのです。それを一律にこういうふうな通達を出したところに問題があるのであって、そこで私は、まず具体的に言いますが、この十六都市の中の守口という市は、再建団体ではございません。給与ベースも、明らかに国家公務員よりははるかに低い給与ベースである。これは明らかになっているのです。われわれの資料では明らかになっておる。そういうようなところへ、一体給与ベースが低いから、しかも再建団体でないんだから、今度それを国家公務員のベース並みにそろえよう、こういうようなやり方をやっておるところも、このあなたの通達によって一律にこれが規定される。そういうことが、一体どこの法律にそんなことができると書いてあるのですか。私はわからない。その点をちょっと……。
#22
○政府委員(奧野誠亮君) 何か、ある県のある市において、給与の状態をしさいに調査した上で、ある程度の給与の是正をしたい、それを取り上げた、そういうことについて自治庁が特別な反対の態度をとっているというようなお説のように伺われるのでありますが、私たちは、そういう態度はとっていないつもりであります。大阪の府下において行なわれました事案というものは、十六の市が次々に妥結をしていった。その内容が一律ベース・アップでございます。そのような場合に、かりに特定の市において行なわれましたものが、しさいに検討すれば、あるいは給与ベースを下回っているかもしれないというようなことでありましても、この際としてはやめていただいて、そうして将来慎重な検討をした上で是正をする、その際の是正措置としても、いろいろと工夫をこらしまして、他の地方団体に累を及ぼさないような配慮のもとに行なうことが正しいやり方ではなかろうか、私たちはこう考えておるわけでございます。再建団体でありましても、どこかの市が妥結した、ベース・アップを実施に移した、いろいろ再建団体として再建計画を考えていた場合には、非常に問題が起こってきたとする場合でありましても、周辺の市が次々にそれを実施に移すというようなことになって参りますと、そこに合理的な判断を加えていく余地というものがとてもむずかしくなっていくのではないか、こう私たちは判断をいたしておるわけであります。守口の市の職員がはたして国家公務員の給与を下回っているか、あるいは上回っているか、これは今後調査してみなければわからないと思います。幸いにして給与実態調査を先に行なっておりますので、現在の職員の個人表から、私たちの方でどういうベースになっているかということを調査いたしておるわけでございます。従いまして、もしそれが低い場合には、私たちとしても、是正されることが望ましいと、こういう考え方を持っておるわけであります。しかし、その場合におきましても、他の地方団体の財政に累を及ぼさないような配慮のもとに行なっていただきたい、こういうことは、今後といえども強く希望して参りたい、こういうように考えておるのであります。
#23
○占部秀男君 どうも、あなたの話によると、今度の十六市の問題が連鎖的に次々と団交が行なわれてやったから、それはいけないんだというようなことを言われるんだけれども、この衛星都市の問題は、元来府下というような特殊な事情から、大阪市あるいは郡部、市郡との間のいろいろ生活状態というものは、ほとんどもう同じであるというところから、三年も前から各市では、それぞれの市長と団体交渉を行なっている。その三年もの間団体交渉を行なっている結果が今度の妥結になり、一つのところが妥結をしたから、次々と妥結をしてくるんだから、これは明らかに一つ一つの個々の問題じゃありませんか。個々の団体交渉で、市長もこれはいいと言い、それをまた市議会側もけっこうであるといって議決している問題である。それを一連の連鎖反応があるんだという自治庁だけの幻想によってこういうふうな押え方をするというようなことは、とんでもない私は話であると思うんです。その点についてはどうかという点が一つ。
 それからもう一つは、僕が具体的に出した、再建団体でもない、しかも、明らかに国家公務員の給与よりも低い、こういうことについては、一体それを一般的に差しとめる法的根拠はどこにあるか。あなたに言ったところが、守口市の問題は、調査してみなければわからないという、調査してみないとわからないものを、なぜあなたは差しとめたか。そんな無責任なやり方を自治庁としてとられますか。調査をして初めて、それが国家公務員よりも高いのに今度は上げるんだというので、それを差しとめるならば話はわかる。調査もしないで、何もわからないで、現地の市長だってばかじゃないですよ。あなたが考えているほど現地の市長も間抜けじゃない。自分の方の財政の問題と自分の使っている職員の待遇とを考えて、やはり低い。低いのをこのまま置いておいたんでは、市の行政の運営上からいっても、なかなかうまくはいかないので、この際、国家公務員並みまではいかないけれども、それに近いところへ上げようというのが今度の団体交渉の結果であって、しかも、それは当然であるといって、市の議会さえこれをのもうとして、のんでいる。それをやめろというような言い方は、一体あなたの方として責任のある態度であると思いますか、調査もはっきりせずに。およそ自治庁というところの性格からいけば、われわれが考える自治庁の性格というものは、地方公務員を保護する立場に立っている。従って、かりにこの守口市のやったことが、国家公務員の給与ベースよりは上であっても、このこと一回についてはしようがないけれども、この次からはそういうことをするなというのが、自治庁の親心のあるほんとうの指導方針じゃないですか。行政指導の行き方じゃないですか。それなのに、守口市の調査は、これからやってみなければわからないという、わからないものをなぜとめたんですか。
 この二つの点をはっきり私は具体的に伺いたい。
#24
○政府委員(奧野誠亮君) 何か、これからはこのようなことをするなということで、今回はやらしておいて、将来考えたらいいじゃないか、私たちは、そういうような事態ではない、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。一般的に大阪市周辺の都市の人件費は高い、これは言えると思います。一般的に、一般財源の三〇%前後であるべきものが、四〇%、五〇%にのぼっているわけでございます。それから、職員の中には、一般的なベースがそうでありましても、個々に問題のある方もいろいろあろうかと思うのであります。そういう点につきましては、私たちも、是正されることが望ましいと、こう考えておりますが、一律ベース・アップというような問題になって参りますと、法的に疑義があるということを申し上げたわけでございますが、それのみならず、数カ月先には全体的な給与改訂の問題を控えておるじゃないかということを言いたいのであります。地方公務員全体につきまして、このために二百億円の金を使おうと言っておるわけであります。そのような大がかりな給与改訂の問題を控えているのに、数カ月をおいて、今直ちに一斎昇給を行なう、そのことは、その団体だけにおいては、あるいはいろいろ理由がつけられるかもしれませんけれども、しかし、他の地方公共団体に非常に大きな影響を及ぼしていくのじゃないか、こういう心配を持っておるわけであります。特に今回の大阪市におきまして行なわれましたいろいろな団体交渉のさなかにおきましては、ある市の助役は暴行を受けまして、一カ月も入院を要する状態になりましたし、あるいは屎尿だるを市役所の前に並べまして、市民の方からいろいろな苦情が出て参りましたり、いろいろなことが起こっておるわけであります。そこだけではございませんで、そういう状態を兵庫県下の市も見守っておりますし、また、京都市の府下におきましても、それぞれ職員を派遣しながら、そういう事態がどういう推移をたどるだろうかということを、深い関心を寄せているわけであります。そういうような状態でありますから、かりにその市としてはいろいろな事情はつけられましたにしても、数カ月先においてさらによい方法を考えていただくことが至当ではないか、私たちはこういうふうに判断をしているわけであります。
#25
○占部秀男君 あとの点もはっきりして下さい。
#26
○政府委員(奧野誠亮君) 調査をしない、あるいは国家公務員ベースよりも低いという問題で御指摘になったようでございます。そういう場合につきましても、私たちとしては、この際このような方法で一斎昇給をするということが穏当でない、こういう考え方を持っておるわけであります。事柄の内容自体につきましてとやかく言うのではございませんので、そういう意味で、全体的に考えてもらいたい、自分の市だけのことで判断をしないで、全体的な姿をこの際注意して、譲れるものは譲ってもらいたい、こういう考えを打っておるわけであります。
#27
○占部秀男君 どうも、この際この際と言って、局長は全部この際の中へ含めてしまうようなんで、そのこの際が一番大きな問題なんです。
 私は、この本問に入る前に、一応あなたにちょっとはっきりさせておいてもらいたいと思うことは、二百億を出して四月には、何というか、地方公務員の給与是正、引き上げをするのだ、こういうふうに言われておるのです。これはやるのですか。具体的にやるのですか。やるということをはっきりとここで言明できるのですか、あなたは。そのことをまず最初にあなたにお伺いしたい。
#28
○政府委員(奧野誠亮君) すでに人事院から勧告がなされておるわけでありまして、その勧告を国において尊重するというようなことが閣議においても論ぜられておるわけでありますので、私たちといたしましても、来年度そういうようなことが行なえるような財政計画というものをいろいろ苦心をしている最中でございます。
#29
○占部秀男君 政務次官の力はどうですか。(「確信があるのかどうか」と呼ぶ者あり)
#30
○政府委員(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘の点につきましては、財政局長と全然同感でございまして、私ども、せっかく今予算を立てまして、大蔵省と折衝するという強い決心を持って臨んでおるわけであります。
#31
○占部秀男君 強い決心を持って臨んでおるということは、やるということにはならない。従って、「この際」も、この話の前提には私はならないと思う。だから、そういうことにひっかけて、「この際」という言葉を使ってもらったら迷惑だ。やるようになっているのだ、そこでこの際は何とかして――その「この際」もまだ問題があるのですよ。問題があるのだけれども、やるようになっているのだ、そこでこの際遠慮してほしいというならわかる。やろうと思っているのだ、そこでこの際遠慮してもらうということなら、全く話にならぬのです。やるんだとはっきり言い切って丁さい。
#32
○政府委員(丹羽喬四郎君) ただいま財政局長の話しましたのは、いかにして予算を、一つ皆様方の御協力を得まして、そういった点を取ろうかといって苦心をしているということを申し上げた次第でありまして、それがためにも、今回の処置はやむを得ぬということを述べたと存じます。
#33
○占部秀男君 そこで、二百億の問題は問題として、これは、今局長の話では、今度の人事院勧告にからめてということになると、私の今言っていることと質的に幾らか違いがある。私の言っていることは、一般的な国家公務員ベースよりも低い、それを上げようという問題と、今度の人事院勧告とは、これは性格が違うのですよ。その点はどうですか。
#34
○政府委員(奧野誠亮君) 給与改訂を行ないます場合に、くぼみのある問題は、私はその際に一緒に取り上げまして、どういうような是正の仕方をするかということが、次の給与改訂をやります場合、一そうそれを合理的にやれるようになるのじゃないか、こう思っております。ばらばらにやりますと、給与は体系的に非常にむずかしい問題でございますので、またその際に不合理な点を拡大してくるということになりかねないわけでございます。従いまして、双方あわせまして、全部にらんで、どういうような改訂をするかということがその市にとって一番よろしいのかという判断をすべきだ、かように考えておるわけでございます。
#35
○占部秀男君 そうすると、僕は局長に確認を求めておくのですが、今度人事院勧告の問題を実施する際に、国家公務員ベースよりも低いところの市町村については、国家公務員ベースに全部底上げをするのだ、こういうことであなたはやっておると、これでいいんですか。
#36
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財源全体としては、それが可能なような財源措置を講じていきたい、かように考えておるわけであります。
#37
○占部秀男君 僕の言っているようなことはできないでしょう。現在の財政の幅からいっても、いろいろな制度的な形からいっても、今すぐにということはできないでしょう。今度の人事院勧告の実施にからんで、国家公務員ベースよりも低いところの給与の市町村の人たちを国家公務員ベースのところまで引き上げる、こういうことはできないでしょう、すぐには。そのときにできるのですか、できないのですか。できるならば、私はもう大賛成、もうこんな質問なんかしないでいい。四月には一斎に上げてもらえるのだから、私は質問を打ち切ってもいいと思うのです。はっきり一つ局長答弁して下さい。
#38
○政府委員(奧野誠亮君) 公務員の給与の問題と行政水準の問題と、両方あろうかと思うのであります。私どもは、公務員の給与につきましては、国家公務員ベースで支払われるように、全体の財源措置をしていきたい。また、行政水準もできる限り引き上げられるような財政措置、それを当該市がこの問題にできる限り優先的に使っていくかどうかというような場合に、個々の市が必ずしも給与に優先的に金を使わなければならないというような措置をとることが妥当であるかどうかということについては、問題があろうと思います。しかしながら、基本的には、国家公務員ベースにまで引き上げていくように努力はしていかなければならぬであろうというふうに考えておるわけであります。
#39
○占部秀男君 どうも、局長の言うことはけしからんと思う。何か、あなたの方は、市の方にかぶせておる。市長が給与についての財源を、それをどこかほかの方へ使うか使わないか、市長のやることだから、それだからあれだということでは、市長のやることなら、市長の一体今度やったことについて、あなたがそういうやり方をしちゃいかんという、こんなものを出す必要がないじゃないですか。こういうような通達を出す必要はないじゃないですか。あなたは、上がるときだけは通達を出してこれを押える、上げようとすることについては、これはもう市長の勝手だから、上がらなくてもしようがない。財源措置だけはしようと考えておると、一体こんなジグザグな、矛盾した話がありますか。少なくともこういうような通達を出す以上には、しかも二百億なら二百億の問題を出して、人事院勧告の際には是正するのだということは、人事院勧告の際に是正をするならば、全部の市町村というものは、国家公務員の給与のところまで来るように、市町村長と自治庁との間でこれを実行できるまで持っていくのがあなたの立場じゃないですか。そういうように持っていくことができたときに、あるいは持っていくことが可能であるという見通しがついたときに、初めて人事院勧告の問題で二百億の問題があるのだから、それまでは待ってくれと、これなら話はわかる。ところが、一般的に底上げをするだけの財政措置もなく、それをどう使おうが、給与に使おうが、その他のいろいろな事業に使おうが、市長の勝手であると言っておいて、待つ方はただ待ってくれ、そんなやり方がありますか。一体法律のどこに、そういうやり方でやっていいと書いてあるのか。それを明らかにしてほしい。
#40
○政府委員(奧野誠亮君) さっきからたびたび議論をしておりまして、占部さんの話と私の話との食い違っておる点は、占部さんは、大阪府下の十六市のうちのある市だけ抜き出して、ほかにそういうような関係の問題は何もないというふうに、抽象化してお考えになっているが、私はそうとは申し上げていないのでありまして、今回の一連の問題というものは、これはほうっておけないような事態になってきている、一つの市が、ばらばらに自分だけの判断でやれるような状態ではないのだ、だから、全体に待ってもらって、給与状態をしさいに調査をして、是正の方法も講じた上で、他の団体の財政に累を及ぼさないようなやり方をしてもらいたい、かようなやり方をしておる。もしかりに、ある市におきまして、給与の実態がよく調査されてみると、国家公務員ベースを下回っておる、それを引き上げようとすると、そういう場合に、自治庁は決してそれを阻害するような行動をとるべきものではございません。また、とる意思もございません。今回の大阪府下十六市の問題というのは、そういう性格の問題とは違うのだということを、るる私は申し上げておるのであります。
#41
○占部秀男君 そこが大事なところだ。あなたは、今ある市でもって、国家公務員ベースより低い、しかも再建団体でない一つのノルマルな財政状態にある、そういうところを上げることについては何ら異論はないのだ、これはそうじゃないですか。守口の問題は、それと同じ問題じゃないですか。その同じ問題をそうでない問題とからませて、一般的な形でこれを差しとめようというのが、今度のあなたの通達じゃありませんか。なぜならば、僕ははっきりと最後まで言うから――なぜならば、この問題は、三年くらい前から問題となっている問題であって、市長と組合との間に何回も団体交渉を行ない、その結果をあなたは一部には混乱が起きたというけれども、混乱が起きるほど問題になっておる問題なんです。そこで、ようやく今度妥結をしたのです。妥結をして、それを今度市議会にかけたら、市議会がそれを通した。それがいけないという問題、あなたは、何でも一連々々というような幻想のもとにこれをひっくるめて考えておるけれども、その市、その町村における給与の引き上げ方については、正当な手続を踏んでやっておる具体的な問題なんだ。それを一般的な通達でもって差しとめるだけの法的な根拠がどこにありますか。その点をはっきりしてもらいたい。
#42
○政府委員(奧野誠亮君) 私たちのところで、引き上げないようにしてもらいたいというふうなことを申し上げましたのは、先ほども申し上げましたように、十二月十七日でございます。たしか守口がそういう決議をいたしましたのがこの十八日でしょうか。十八日にそういうことを無視して提案をいたしまして、そしてたしかその日の午後七時ごろに議決をいたしております。そしてその日に、一年短縮した、ベース・アップした給料の支払いをしております。私たちはその話をゆうべ聞いたわけでありますが、まだ条令が公布にもなっていない、どうやって個人の給料を計算をして、現金を用意して、その日に手渡すことが可能であったか、非常に疑問を持っております。会計的に調べてみましたら必ず問題があるのじゃないかという心配を持っております。別に会計的にどうこうと言うわけではありませんが、そういうような経過になっておるわけでありまして、自治庁といたしましては、十七日にそういう通達を出したのでございまして、その後に議決のことを承知したというような経過になっておるわけでございます。
#43
○占部秀男君 どうも、あなたはそういうふうに言われるけれども、そういうことは、自治庁の考えておる財政的な見地から考えておることだけであって、現場の問題として、具体的に現場の問題を解決する問題にはならぬのですよ。自治庁だけはそう考えて、自治庁だけの考え方で、あらゆる個々のケースの違ったものを、画一的に、一つの通牒でもって網を張ろうというところに問題があるのですよ。私は、再建団体でもって、金が苦しくて、しかも国家公務員ベースよりはるかに突破したものをとっているという、むらゃくちゃのものまで何も云々しているわけではない。そういうようなむちゃくちゃなものもあるいは入っているのかもしれない。またそうでないところも入っているのかもしれない。守口のように、明らかに非再建団体であって、しかも国家公務員の給与ベースよりも低いものであって、三年も前から、それを国家公務員ベースに近いところに持っていけという、組合側と市長側との団体交渉なり何なりが三年間も続いて、その結果ようやく妥結をしたものまで、一般的な形で、網でもってやられたのでは、労働関係も何もないじゃないですか、卒直にいえば。一体今後組合は、だれを相手に給与のあれをやったらいいか。自治庁相手に、一つ一つ全国五百幾つある市が、あなた方を相手に交渉していいのですか。そんなことはできないでしょう。また、そんなことをすべき問題ではない、今日の地方団体、地方自治法の建前からいっても。それをそういうようなやり方で画一的に押えようという、その通達自体が私は無理だと言うのだ。だから、個々の問題として、これを一つ一つ考えなさいと言うのです。その通達を撤回しなさい。
#44
○政府委員(奧野誠亮君) 個々の問題を個々の問題として考えていきたいということで、先ほど申し上げました給与実態調査に基づいて、個人表を今しさいに当たっておるわけでございます。守口の問題は、議決がありましてから、やめて下さいと申し上げたわけではございませんで、それ以前に、自治庁として、全体の問題として考えていかなければならないという経緯になっておりますので、そういう大勢、空気にもなっておりますので、一つこの際は、いろいろな問題のあるところも見送ってもらって、実態に即したやり方、また、他の団体に支障を及ぼさないようなやり方を工夫してもらいたい、こういう考え方を明らかにして参ってきておるわけであります。
#45
○占部秀男君 あなたは、守口の問題について、何かやめてくれとは言ってないと言う。それでは、守口の問題をやめてくれと言っていないのだから、やっていいのですな。確認しておきます。
#46
○政府委員(奧野誠亮君) 私たちは、そういうような措置をこの際行なわないようにしてもらいたいという考え方を明らかにしているわけでございまして、その考え方は、依然として続いておるわけでございます。
 守口の問題につきましては、昨夜、先ほど申し上げたようなことを聞いたところでございまして、多少問題が残っているというような感じは抱いておるわけでございます。
#47
○占部秀男君 一体あなたの答えは矛盾きわまっている。守口の問題については、通牒を出したあとに議決をしたのだから、その問題について直接にどうこうは言ってないというふうにさっきは言ったかと思うと、今度は、そうではなくて、守口の問題も、一般的な通牒の範囲内の問題だから、まあやらないようにしてもらいたいと、こういうふうに言っておる。ところが、一般的な通牒の範囲内であるということは、あなたの考え方だけであって、自治庁の財政当局だけの考え方であって、やっておるところの個々の市、個々の町村の組合と理事者側との団体交渉、その結果を市議会なり町村議会にかけて、これを可決しておるところのその実態というものは、あなた方の考えているようなことは考えていない。三年も前から、低いから上げてくれと言って、単に普通の地方公務員法に基づくところの労働慣行によってやっていることだけなんです。しかも、これが国家公務員以上に、ぐっと高いものを取ったというなら、またこれはいろいろの問題もあるだろう。ところが、その妥結した内容は、まだ国家公務員のところまで行ってないのです。それなのに、あなたはそれを押えようとしておる。しかも、それでは、それを押えるところの内容の点について、あなたははっきり知っておるかというと、これから守口について調査してみないとわからないと言っている。これは議事録に出ておる。調査してみないとわからないならば、しかも、個々のそうした団体交渉をやり、市議会で可決をした問題であるのだから、この調査をした後に、それが国家公務員よりも高かった場合、これは何とか直せ、こういうようなあなたの勧告なり何なら、あるいはあなたが出すことは勝手である。それは問題はありますよ。あるけれども、まあまあ勝手である。ところがあなたは、その内容もわからないのに、一ぺんに、漁師じゃあるまいし、網をぱっと張って、引っかかったやつは、大きな魚も小さな魚も、みんな引っかかる。そんなやり方が法のどこに許されておりますか。そういう点が、おそらく自治庁は、手前勝手な通牒なんていうものは出すものではないと思う。やはり地方財政法なりあるいは地方自治法なり、あるいは規則なり政令なり、何らかの根拠があって、そういうやり方をやったと私は思うのだけれども、そういうやり方ができるなんということが、法のどこに一体その根拠がありますか。通例の団体交渉をやっているのに、連鎖反応でもってこれは地方財政に影響を及ぼすというのは、それは自治庁の財政当局だけの考え方であって、その自治庁の財政当局だけの考え方で、現実にただ労働慣行によって地方公務員と市長側がやり、しかも市議会がそれを可決しており、しかもその内容は国家公務員ベースに近奇らせるための内容である。何ら一本指をさされる必要のない問題である。それをしも網にひっかけるというのは、そういうことができるというのは、法律的根拠があったらお目にかかりたい。どうします、これは。
#48
○政府委員(奧野誠亮君) さっきもちょっと触れたことでありますが、一般的に、大阪府下の人件費の一般財源に占める割合は高いわけであります。そこで、十六市がそういうような団体交渉を持ったわけであります。しかも、兵庫県下、京都府下、その他の都市がこの問題を注視しておるわけであります。そうなりますと、大阪府下よりも人件費が高くない地域においてこのことを注視しておる。高い地域において次々に、十六市の妥結になっていったということを考えて参りますと、やはり一つの市において一斉昇給をやって参りますことは、他の地方公共団体の財政に累を及ぼしていく大きな原因になると、こう思われるのでございます。個々の市それぞれにつきまして、今後いろいろ実態を見ていきますと、問題が残ってくると思うのでございますが、その是正の方法というものにつきましても、もう少し自分の団体だけのことを考えませんで、全体のことについてもある程度御配慮を願いたい、こういう考え方を持っているわけであります。
#49
○加瀬完君 関連。財政的に、昇給措置を講ずると、いろいろ連鎖反応を生ずるということでございましてね、御説明は。それで、高い高いというお言葉が出るわけですが、その高いというのは、何を一体標準にして高いというのか。占部委員の質問の言葉によりますと、今通牒を出されておる該当の、問題の自治体は、国家公務員のベースと比べると低い。そこで、国家公務員に準ずる線に上げようという何年米かの懸案が、ここに一つの現実となって現われて、今の問題点になったのだ、こういうお話なんです。自治庁も、国家公務員並みに引き上げるということは年来の主張であって、財政計画もそのように組んである。あなたもたびたび御説明になっておる。それなら、その線に引き上げようとすることは、何も高いことにはならないじゃないか。国家公務員のベースよりも上を越すということでなければ、高いという表現はおかしいじゃないか。比較して非常に低い団体がありて、低い団体よりも高いという比較論であるなら、低い方がむしろ大体どこの条例でも国家公務員に準ずるという条例が多いわけでありますから、準じさせておらないところに問題があり、他の財政的な非常な欠陥を生じないで、ベース・アップをして国家公務員に近ずけるという作用は、その自治体にまかせてよろしいじゃないですか。おそらく、財政法の面からいろいろ問題があるとしても、その曲に、あなたの方としては、その市の条例があると思う。あるいは、今言ったような労働慣行としての団体交渉の結果がお互いに尊重されなきゃならないという、こういうものもある。こういうことが一切無視されて、ただ自治庁の財政局の判断だけで、低い団体より高いから、それを押さえろ、こういうことは、どこにも法的根拠はないと思う。しかも、連鎖反応というのをおそれるのなら、当然財政的に上がるべくして上がったものを押えるということは、実際条例違反の他の団体の給与をそのまま釘づけにしておくということになる。その連鎖反応の方がむしろ私はおそろしい。この点、局長はどうお考えになっていらっしゃるのですか。
#50
○政府委員(奧野誠亮君) 給与の是正措置を永久に見送りなさいというような意思は毛頭ございません。私たちの考えておりますのは、今回の大阪府下において起こりました問題は、それをもし今直ちにやるといたしますなら、かりに内容がよいものであり、まして、も、時期と方法を誤っている。しかも、他の団体に非常に大きな影響を及ぼしていく。こういう考え方を持っているわけであります。従いまして、近く行なわれようとしております給与改訂の際に、実態をよく調べた上で、総体的な是正措置を講じてもらいたい。こういうような希望を有しているわけでございます。
#51
○加瀬完君 時期と方法を誤っているということは、時期ということは、非常に他の財政的欠陥を生ずるということであれば、時期を誤ることが情勢的にも判断できると思う。方法が誤っているというのは、少なくともいろいろな法規や手続というものを踏まないということであれば、方法を誤っているということがいわれると思う。しかし、その市の条例なり、あるいはその市の職員組合との間に取りかわされた交渉の慣行に従って市議会も認めたものを、方法が誤っているとはいわれないだろうと思う。時期が誤っていると言うけれども、あなたは先ほどから、二百倍の予算で全体のベース・アップをするのだからというなら、むしろ事前にその方向にベース・アップをしてくれることがあるのなら、自治庁の方針としても、これは同じ方向に行くことで、けっこうじゃないですか。時期を誤っているのなら、その団体が不当な圧力か何かによって、そういう市議会が結論を出して、財政的に非常な混乱を生じさせたとか何とかという事実があるのですか。あれば、それは別の問題です。しかし、そういう説明は自治庁の方から何らなされておらない。ですから私は、かりにそうであっても、若干の疑義、問題点があるとしても、その時期方法について問題点があるとしても、その市議会がきめて、結論が出て、大して支障がないなら、これは通牒を出すほどのことはなくて、その該当の市に口頭なり、あるいは通牒という固苦しいものでない文書なりで、これは指導助言をする程度にとどまるべきであろうと私は思う。この点、私は御説明ふに落ちない。
#52
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほども、国家公務員ベースを下回っている給与について、どういう考え方を持っているのかというようなお話がございました。自治庁といたしましては、しばしば申し上げておりますように、国家公務員ベースまでは、ぜひどの団体でも支払っていけるような方向に持っていきたい、こういう考え方をいたしておるわけでございます。従いまして、また、四月に国家公務員について給与改訂が行なわれますならば、地方公務員につきましても、大体それに準じた給与改訂というものを一般的にやってもらいたい、こういう希望を持っているわけであります。何か、お話を伺いますと、先がけてやってもよろしいじゃないか、こういうお気持があったようでありますが、私たちは、やはり国家公務員の給与改訂が行なわれますその際には、そのつどそれに準じたやり方をしながら、国家公務員ベースを下回らないような線に持っていきたいものだ、こういうような希望を持っておりますので、その際に一緒に取り上げてもらいたい、かように考えておるわけであります。
 なおまた、守口市の問題につきましては、市議会がきめたものをという御意見がございましたが、私たちは、その提案の以前に自治庁としての考え方を明らかにしているはずだ、かような気持を持っているわけでございまして、市議会がきめたことにつきまして、その議決をどうのこうのということは、現在のところは何も言っておりません。昨夜その話を聞いただけでございますので、今後なお検討していきたいと思いますが、私たちとしては、すでにそれ以前に助言しているはずだ、また、その意思が守口市には十分伝わっているはずだ、こういうふうな気持を持っているわけでございます。
#53
○松澤兼人君 関連。奥野君にちょっと伺いますけれども、四月に、国家公務員の人事院勧告に従って、地方公務員に対しての一般的な給与改訂を行なうということなんですが、これは、人事院の給与局長なりあるいは自治庁の公務員課長なりにお話を聞けばわかることなんですけれども、その改訂の方針というものはあろうと思う。その方針に従って、地方公務員もこれに準じて改訂を行なうということであって、この問題と、低いベースの地方公務員に対するベース・アップといいますか、あるいは給与の是正という問題とは、明らかに違った問題だと思う。それで、奥野局長がどんなに四月の給与是正に際して低い者を上げていこうとしても、国の方針というものが一定の方針でもって是正するならば、それに準じた切りかえをするということが地方職員に対しても適用されることであって、低い者をそのときに上げるということは、私はちょっと困難ではないか、こう思うのです。この点、給与局長なりあるいは公務員課長なりあるいは奥野財政局長なりの御意見を伺いたいと思います。
 それからもう一つは、何か十六都市、衛都連、この運動の方法がいわゆる個別的な団体交渉じゃなくて、一種の集団的な交渉という、何かこういう衛都連という形において気脈を通じてやっているという、そういう集団的な交渉という印象があって、あなたの方におもしろくないということがあるのではないかと、こんなふうにもとれるのです。個々の場合ならば、財政の余裕がある場合には、低い者を国家公務員並みに引き上げていくということには、別段あなたは側々の場合は意見があるわけがないと思うが、そうでない形をとっているからいけないというふうに私には考えられる。これは率直に言っていただきたいと思うのですが、もしそういうことになりますと、町村職員のいろいろ新しい給与の改訂なんかにつきましては、一昨年行なわれた場合もそうですけれども、個々の町村長と話をしていたのでは片がつかない場合がある。それは、町村長の方では、郡の町村長の方では、郡の町村長会というものを作っておりまして、お互いに給与を引き上げることはやめようじゃないかというような意見を、向こうは向うでもって気脈を通じているわけです。そういう場合に、その個々の町村長を相手に町村職員組合が話をしても、なかなかうまくいかぬ場合がある。その場合には、勢いやはりその郡の町村職連が町村長会の会長なり副会長なり、そういう人に話をするという例は、一昨年の給与改訂の場合にはよくとられた方法なんだ。あなたは、何か集団的な交渉をしてはいけないという考えを持っているならば、これは重大な問題で、今後郡の町村長会を相手にして町村職連の人々が交渉することも、これは累を他の町村に及ぼす、そういう見解からいって不適当だということになるので、私は、そういうことを言っていたら、いつまでたっても低い町村職員の給与の是正ということはできないので、当然個々の団体交渉もあるでしょうし、集団的な団体交渉というものもあり得るし、それはいいことじゃないか、こう思う。この問題について、財政局長はどんなふうにお考えか、あるいは公務員課長はどんなふうにお考えか、承りたい。
#54
○政府委員(奧野誠亮君) 最初に私からお答えさしていただきます。
 四月に国家公務員について給与改訂が行なわれる。その際には、地方公務員についても給与改訂を予想して、財政措置もいたしますし、地方団体にそういうような考え方を通達いたすつもりでございます。その際に給与の特に低い部分を是正する。そういたしますと、両方あわせて、一緒にやることになるわけです。われわれは、それでけっこうだ、大阪の場合には、そういう措置こそとっていただきたいという考えを持っておるわけでございます。
 第二番目の問題は、私たちは、大阪府下において行なわれた先ごろの交渉は正常なものではない、こう考えています。しかしながら、それは集団交渉だから正常なものではない、こう考えているわけではございません。人件費の構造が非常に高い、その財政構造の点において非常に問題がある。また、国家公務員ベースに比べましても特に高いというようなことが明らかにわかっている団体につきましても、相当大がかりな交渉が強く行なわれて参ったわけでございまして、そういうような姿において今回のような取り扱いが出て参りますと、やはり地方団体の財政混乱の因をなすのじゃないだろうか、こういうような心配をいたしておるわけでございます。
 なお、先ほどもちょっと申し上げましたが、集団交渉につきましては悪い、そういう気持を持っているわけではございません。正常な姿において個別的に話し合いが行なわれる場合もございましょう。また、集団交渉という場合に、むしろ町村長会が、郡ごとに町村長同士が話し合いながら、どこまで上げるとか、あるいはまた、職員組合の話をどこまで受け入れようかというようなこともあり得るわけでございますから、それは私は、当然行なわれ得ることだと、こう思っております。
#55
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの問題は、地方公務員の問題でございますので、その地方公務員の給与が人事院勧告の際どういうふうに上げ得るかというような問題は、ちょっと私、ここで申し上げるわけにはいかないのであります。御承知のように、人事院勧告は、現在の俸給表をある程度改正しよう。それは主として、俸給表の行政職(一)でいいますならば、三等級初号ぐらいまでを改善しよう。八等級、七等級ということをずっとやりまして、三等級初号までやろう。全体として、その率は四%程度になります。金額において七百円、それで、改善の一番厚いところは、たとえば、大学を卒業しまして公務員の上級試験に通った者で、十年くらいたったところにおいて一番厚く処遇をしていこう。それは、おおむね行政職(一)においては千円くらいであるということ、それから、俸給表の昇給期間の十五カ月期間以上になっておりますところを、各俸給表あるいは各等級を眺めまして、バランスのくずれているところもありますので、そのことを是正していこうということと、それから、〇・一の夏期手当の増、これが人事院勧告の主たる要点であります。その他、地方公務員にはあるかどうかわかりませんが、医療職、研究職につきましては、一般の行政職その他の職種に比べて処遇を相当厚くしていく、これが人事院勧告のあらましであります。
#56
○説明員(今枝信雄君) 国家公務員の給与についての人事院勧告が実施されるということになりますと、地方公務員の場合も、これに準じた扱いになると思います。地方公務員の場合には、国家公務員と、給料表の幅等についてかなり違った形になる。従いまして、国の場合三等級初号のところまで改訂になるというような場合に、地方公務員の場合には、ほとんど大部分の者がこれに該当する。特に市町村関係等においては、特定の、ごく上級の、局長とか、部長とか、そういう者以外の人がほとんど給与改訂になる。こういうような形で地方には実施されるということになると思います。
 それからもう一つは、財政局長からお話がございましたが、職員組合団体と地方公共団体の交渉方式において御質問がございました。御案内の通り、法律上は、当該地方公共団体の職員が組織しております職員組合が当該地方公共団体の当局と勤務条件について交渉するということが法律の建前になっております。従いまして、御指摘のような、いわゆる集団交渉方式というものは、実は法律上の交渉ではないわけでございます。しかし、事実上そういう方式をおとりになる方が問題を解決するのに便宜な場合が往々にございます。そういう際には、実態は集団交渉方式でございますが、最終的には、それぞれ当該地方公共団体の当局と職員とが話し合いをするという形を法律上はとることになると思います。従いまして、交渉の方式が法律上のものであるか、事実上のものであるかという違いはございますが、現実には、そういう形で問題が処理される場合がたくさんあるわけでございます。
#57
○松澤兼人君 公務員課長にお伺いしますけれども、先ほど奥野局長が、国家公務員に比べて低いものは、四月にこれを突っ込んで是正するというような、財政御当局としてのまことに御親切なお話があったわけですけれども、今回の人事院勧告を地方公務員に適用するという場合に、そういうことまで御親切に考えていただけるかどうか、この点はどうですか。
#58
○説明員(今枝信雄君) 地方公務員の給与の水準が、地方団体によりましてかなり凹凸のあることは、御案内の通りでございます。この凹凸のあるようになりました経過は、いろいろと理由があるわけでございますが、同じ職務に従事する者には同じ給与というふうな建前から考えますと、やはり国家公務員の給与水準というものが、地方公務員にも一つの目標として考えられると思います。従いまして、お話のございました人事院勧告に伴う給与の改善と、それから、従来の給与水準が低いものを改善するという問題は、一応別個の問題でございます。しかし、技術的に実際問題として低い給与水準を国家公務員の給与水準に近づけようと、そういうふうな措置をとる機会といたしましては、やはり全体として給与改訂が行なわれる際に、もう一度そういうものも検討して、入れられるものであればその際に入れていくということが、方法としては比較的穏当なやり方ではないか、こういうふうな考えを持っております。
#59
○占部秀男君 今の奥野さんの方から、何か給与の構造の平均の問題を松澤先生の質問で答えられたんですが、あれとても、とりようによっていろいろあるわけだ。あなたの方は、学歴と、それから経験年数をとっておる。年令構成は全然とってないんですよ。ところが、国の方は新しく入ってくる人たち、市の場合は、途中で国からかわったり、それからまた、民間団体から公共企業体の場合などどんどん入れたりしておって、しかも、その経験年数のとり方というものは、御存じのように、五割であるとか、七割であるとかというような、妙に低い形であれはとっておるのですね。そういうような、やはりこれはとり方によっていろいろと問題があるのであって、これを一概にあなたの言う通りにはできないけれども、きょうは、そういうような理論的なことをやり合う必要はないので、私はやりません。やりませんが、この際、急所的な点を、私だけ時間をとってしまったんじゃ悪いから、一つ聞いておきたいと思うんですが、一体公務員の給与というものは、これは、私が言うまでもなく、地方公務員法の二十四条によって、一つは生計費、一つは国及び他の地方団体その他との比較、一つは民間賃金水準との比較その他の事情と、こういうことになっているんですね。この財政的な事情なんというのは、その他の事情の中に入っておるわけです。やはり給与であるからこそ、生計費の問題と、国及びその他の地方団体との比較の問題、民間賃金水準との比較の問題、これが一番大事な問題になっておる。しかも、これをきめるのは、市長と組合側とが、今日団体を認められておるけれども、話し合って、市長が責任を持ってこれをきめて、そうして市議会にかけて条例化して、そして支給される形になっておるのです。今度の問題を通俗的に見ても、あなたは、いろいろと財政上の幅の問題で心配をされておるけれども、市長は市長として、自分の市政の問題だから、にっちもさっちもならなくなるほど職員の給与をぐっと上げるような市長は、今日そんなばかな市長はおらぬですよ。特に再建団体の場合はですよ。そういうような内容的な点をもっとよく検討してもらいたいと思うんです。特にきょうは保留をしておきますけれども、たとえば、今度の問題について、今、私の手元にも、きょうの現地の状況が来ておる。大阪の各市議会の議長会及び市長会が、自治権の侵害であるというので、きょう大阪府に対して抗議を申し込みに、市長会、市の議長会が行っておる。さらに、八尾市ではどういうことがあるか、守口市ではどういうことがあるか、きょうの状態が来ておる。現地では、あなたの出したあの通牒から、八尾市ではとめられた、守口はとめられた、こっちはとめられたというので、これは相当大きな政治問題になっている。そういう点で、実は大臣に私は結論的な答弁を求めたいと思うのだけれども、今まで大臣はどこで遊んでいたんですか、どっか遊んでいて来なかったようだから、きょうそれを聞くのも、それは無理だと私は思うので、きょうは今の質疑応答の内容を知らないのだから、従って、そういう点は、一つあとで次官なり局長なりからきょうの質問の点を大臣に話してもらって、次の委員会には、いずれにしても今の問題であるから、何らかの結論を私はこの委員会で聞きたいし、また聞くようにしてもらいたい、かように私は考える。そこで、自分一人でもって時間を取っては申しわけないので、その点どうも少しあれだけれども、委員長に、次の委員会に保留してよければ、一つこの辺で私は一応時間を切りたいと思いますが、いろいろの問題をこっちが先にやったんだから……。
#60
○鈴木壽君 それに関連して、大臣に私は一言だけ。
 これは、自治庁の地方団体に対する態度ですがね。先ほど大臣御出席になる前に、占部委員その他からいろいろ質問があったのでございますが、内容は、大臣出席していなかったから、おわかりにならぬと思いますが、これは、給与に関して、自治庁が地方団体に対して引き上げをやっちゃいかぬとかいう問題なんです。そこで、いろいろ話を聞いておって私感じましたことは、自治庁の地方団体に対する態度というものは、どうも一貫性のないやり方をしておるんじゃないか。たとえば、今の給与の問題等になりますと、一斉昇給はまかりならぬ、勝手に昇給はいけないとかいうような文書を出したり、ある意味においては抑制措置を講じている。ところが、他の問題になりますと、これは、この前の委員会で、私、専従制限の条例を作ったことに対して藤井局長に、あなたもちょっとおいでになりましたが、お聞きしたときには、これは、自治体のやったことは、私どもはどうもいいとも何とも言えない。しかもその内容が、私のお聞きした岐阜県の職員の専従制限の問題というのは、まだ国が今方針を打ち立てようとして、意見の調整なり検討をやっておるのだ、そういうさなかにも、しかもその内容とするところにはたして妥当性があるかどうかというような大きな問題のある、そういう問題を含んだ条例の設定であるにもかかわらず、それはおれたちの知ったことじゃない、自治体のやることなんだ、それに対していいとか悪いとか、あるいはやめろとかやれとかいうことは一切言わぬ。あくまでこれは自治権の尊重でいかなければいかぬ、こういうことで、非常に問題々々によって一貫した態度をとった指導の方針なりというものが立てられておらないということを、私はきょうしみじみ感じたのです。こういうことに対しては、私はやはりこの際、単に財政上の問題あるいは給与の問題だけでなしに、今言ったような万般の地方行政の問題、特に地方団体の権限なり、あるいは自治庁の権限なりとかいう問題について、これははっきりしてもらわなければ困る段階にあると思うのですが、この点、さっきも言ったように、きょうの論議の内容を長官はお聞きになっておりませんから、一般的な一つ態度としてぜひはっきりしてもらいたいと、こういうことの要望を含めたお尋ねの仕方をしたいと思いますが、もしそれに対して答弁いただけるならば、この際お願いしたいと思うのです。
#61
○国務大臣(石原幹市郎君) きょう私は、先刻まで衆議院の委員会に出ておりまして、第二京浜国道の火薬爆発事件につきましていろいろ質疑応答を重ねておりました。決してぶらぶら遊んでおったということではないということを申し上げておきます。
 先ほど来奥野局長、政務次官を中心として、いろいろ大阪市周辺衛星都市の給与問題について論議があったようであります。私は、その経緯を詳細にきょう論議を聞いておりませんので、また、先ほど占部氏も次の機会と、こういうことでございましたから……。
 私は、やはり国の基本をなしておるものは地方の団体であろう。だから、それが適正な発展といいますか、状態でなければ、結局国家の大きな発展は期せられない。いわゆる自治の振興ということについては、何人にも劣らざる情熱を持っておるつもりであります。私どもは、その際にも、地方団体があまり跛行状態といいますか、いい方は非常にいいが、悪い方は悪いという、片ちんばでもいけない。なるべく平均して行政水準も上げるように、レベル・アップしていかなければならぬということをいつも念頭に置いておりまするので、一地方だけとっぴなことを――とっぴと言えば語弊があるかもしれませんが、いろいろなことをやられるということになると、他の団体が黙っておれないというようなことになるので、そういう際には、やはり他の団体にも、いろいろ財源措置なり適正な指導等を加えて、平均して自治が、ずっと行政水準が上がってくるというようなことを私は常々考え、念願しておるものでありまして、今お尋ねの問題にこれがすぐ当てはまるかどうかわかりませんけれども、気持としてはそういう考え方から、いろいろな一切の問題を指導、助言、対処していく、こういう気持なんですが、きわめて抽象論で、申しわけございませんが、気持を申し上げておきます。
#62
○鈴木壽君 私、これは関連してのお尋ねですから、あまり時間も取れませんが、私が申し上げてお尋ねしたかったことはこういうことなんです。確かにあなたのおっしゃるように、自治体のあるいは自治権を尊重していく。しかし、その間にあまりアンバランスなんかできても困るし、あるいはいろいろな国の方の施策に波及するようなことがあっても困るから、その間の調整をとるような指導をして参りたい。一般的な気持としてはその通りだと思うのです。しかし、それならば、今の給与のやつをかりにそういう建前でやったとして、これは、いろいろ内容的には論議がありますが、一応是認するにしても、あなた方と自治体との間のしなければならぬ問題に対してはほおかむりしておる。今言ったように、せんだって私あなたのおいでになったときにお聞きしたように、岐阜県では、いわゆる勤務条件をきめる、ああいう条例でやっていいかどうかという問題を含む勤務条例でいわゆる専従の制限ということをやっておる。それに対してあなた方どう考えるかと言ったら、どうも自治体のやることは、それに対して僕らは一切何にも言えない。しかも、内容としては、岐阜県でそういうものができますと、他に当然波及するような、先ほどもどなたかの言葉にありましたが、いわゆる連鎖反応を起こしそうな、そういう問題なんです。しかも、今後国がとろうとする措置とは考えの違ったものが今出てきている。こういう問題に対しては一切ノー・コメントだ、ノー・タッチだ。こういう点をあわせて考えますと、あなたがおっしゃるようなことで一貫した態度とは私は言えないと思うのですよ。そういうことですから、私、今詳しくいろいろなことを言っておるひまがありませんからやめますが、それでは私は自治庁の態度としてはおかしい。あなたのおっしゃった通りのお言葉だったら、それにふさわしいような、財政面だけでなしに、給与だけでなしに、いろいろな自治体のやることに対して、もっと一貫した考え方で指導がなされるべきである。従って、自治体のやったことの中には、好ましいものもあるだろうし、好ましくないものもあるでしょう。好ましくないものは好ましくないとおっしゃればよいし、そういうことを、自治庁として都合のいいときにはある一つの規制をしようとするし、そうでない場合にはノー・タッチだと、これでは私はいけないと思うから、そういう意味における一貫した指導なら指導の態度というものがあるべきだと、それが今の段階では欠けておるように思うから、その点、一つ大臣にもよく考えていただきたい、こういうことなんです。
#63
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、今まで質疑を続けられましたが、地方公務員の給与に関する問題は、今後も質疑を続行することにいたしまして、本日の質疑は、この程度にとどめて、次の議題に移ります。
  ―――――――――――――
#64
○委員長(新谷寅三郎君) 小林君から質疑の要求がございました地方公務員の定年制に関する件を議題といたします。
#65
○小林武治君 自治庁長官にごく要点だけ伺っておきたいのでありますが、地方公務員の定年制の問題は、御承知のように、昭和三十一年に政府提案でもって国会に提出されて、参議院は通過して、衆議院で審議未了になっておると、こういう状態にありますが、地方団体のいろいろな要望も、幾つか解決されてきておりますが、この問題だけはいまだにそのままになっておって、しかも地方団体、ことに市町村の理事者の間でこれほど強い要望のある問題はない。先般も、全国市長会の代表が本委員会に出てきて陳情をされておる。国家公務員と地方公務員と、その性質も違うと、従って、ぜひ一つこの際地方公務員の定年制の根拠法だけでも作ってもらいたいと、そういう強い要望があるのでありますが、この問題について、自治庁長官はどういうふうな考えを持っておるかということを伺っておきたいのであります。
#66
○国務大臣(石原幹市郎君) 定年制の問題につきましては、今、小林委員からもお話がありましたように、かつて提案され、参議院では可決されて、衆議院で継続審議となって、さらに廃案となったと、いろいろ過去に難航した経緯があるのでありまするが、御指摘のように、地方団体、ことに市町村からこれは非常な要望があるようであります。私もよくその要望を聞きまするし、私自身のいなかへ帰りましても、よくその声を聞くのであります。自治庁でも、引き続いて検討はいたしておるのでありまするが、問題になっております点は、国家公務員にない制度を地方公務員だけでこうやっていくということの適否の問題、それから、退職給与をどのように定めるかというような問題、あるいはまた、地方団体の職員構成の実態が定年制を必要としておるかどうかというような、こういう諸点につきまして、過去においていろいろ国会における論議の経緯等もございまするので、今申し上げましたような問題を中心に、いろいろな角度から検討をしておるわけでありまして、次の通常国会に出すとか出さないとか、そこらのはっきりした結論には達していないというのがただいまの状況でございます。
#67
○小林武治君 今のようなお話は前からあるので、すでに出して、政府はとにかく提案したのです。国家公務員が何もないときに、提案しておるのです。国家公務員と地方公務員とはいろいろ、公務員の体質の問題あるいは必要性の問題というものは、全く違っているのです。自治庁という所は、さっきからお話しのように、できるだけ地方の団体の言うことも理があるなら聞いてやろうと、こういうふうに行くべき所であると思うのですがね。たとえば、地方の教育委員会の問題等についても、市町村長からいろいろお話があったが、これらの問題についても、今のところはだんだん声が出なくなった。しかし、一貫して消えないのはこの問題なんです。これをいつまでも放置しておくということは、自治庁としてもむしろ怠慢じゃないか、こういうふうに思うのです。せっかく石原さんも長官になったので、長い間の懸案を一つくらい片づけるという考え方を持ってもいいのじゃないかと思うのですが、何かもう少し、今のようなのらりくらりしないで、しないならしないで、これも一つの考え方である。どっちかわからぬということじゃなくて、何か考えをきめてもらいたいと思うのですが、どうですか。実際地方じゃ弱っております。今私が申すように、これだけ一貫して地方団体の主張しておる問題はないですよ。だから私は、国家公務員の力がどうこうなんという問題、この前だって、それはなくて出したのだし、それがその後性質が変わっておることは、自治庁よく知っておることだから、一つ踏み切りをつけてもらいたいのですが、どうですか。
#68
○国務大臣(石原幹市郎君) さっき申し上げましたように、一度参議院でも可決され、衆議院で継続審議になって、それが廃案になったというような経緯がありますので、むしろそういう方面の情勢とよくにらみ合わせて、国会に提案した、またたなざらしだというようなことが何回も繰り返されますと、せっかくやりたいものでも、永久に葬られるということにもなりかねませんので、そういう情勢をむしろにらみ合わせて検討しておると、こういうふうに小林委員に御理解を願っておいた方があるいはいいかと思います。地方の実情、要望その他については、自治庁の方としても、また私としても、相当の認識は持っておるつもりであります。以上で御了承願いたいと思います。
#69
○小林武治君 衆議院の方の状態も、前の情勢と違っておるということを私どもも知っております。それから、これは何も強要するわけでもありませんし、年令の制限もつけるわけじゃありませんし、そういうものが作れるなら作っていいと、非常に、何といいますか、地方団体の意思を尊重したようなやり方になるので、ほんとうに必要だと思うものには作らせる。こういう根拠だけの問題だから、そう何も強要する問題で、えらい自治権を侵害する問題でもない、一つぜひ考えてもらいたい。特に石原さんにお願いしておきますが、これは、ほんとうに私どもの実情をよく調べられて、前は社会党の諸君が非常に大きな反対をしていたが、腹の中ではそうじゃないだろう、こういうふうに思いますから、注文しておきます。ぜひ何とか一つ考えてもらいたい、こういうことを申し上げておきます。
#70
○国務大臣(石原幹市郎君) 小林委員の意見、よく拝承しておきます。
#71
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、この問題はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#72
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、小林委員から質疑の要求がありました新市町村建設に関する件を議題といたします。
#73
○小林武治君 自治庁長官にこの問題で伺っておきたいのでありますが、町村合併の始末ですね。どういうふうにこれから扱うか、この点を一つ伺っておきたいのです。まだ最終結末……。
#74
○国務大臣(石原幹市郎君) この問題につきましては、大体小林委員その他、皆さんも御承知のことと思うのでありますが、自治庁におきましても、まあ残っておりまするいろいろな町村につきまして必要な、何とか解決しなければならぬような町村とか、もうこれ以上は無理だと思われるような町村、あるいは必要でないと思われる町村を類別いたしまして、何とか解決しなければならぬというような町村につきましては、新市町村合併促進委員会においてそれぞれ取り上げまして、今結論を出すべく具体的の検討の段階に入っておるわけでございます。その合併促進委員会の成り行きを見ておる状況です。逐次そういう勧告を出しているものもあるようでございます。検討中のものもございます。そういう状態でございますが、私は、それらの問題の解決と平行して、でき上がった新市町村の育成ということに今後全力を注いでいきたい、三十五年度の了算編成にあたりましても、そういう方面に少しでも予算が取れまするように力をいたしたい、こういう気持で今やっております。
#75
○小林武治君 この前合併の残ったものについて、A、B、Cと分けた、そのAの問題はどの程度片づいておるか。事務当局から一つ。
#76
○説明員(山本壮一郎君) ただいま御貸間の最終処理計画でございますが、昨年の十二月の閣議決定によりまして、未合併町村の最終処理計画を作成したわけですが、そのときの数字を申し上げますと、合併の計画数にいたしまして三百十四件、そのうち関係いたします未合併町村の数は四百七十七ということに相なっております。これらの計画のうち、A、Bと、二つのグループに分類いたしまして、Aグループにつきましては、合併の必要性が特に強いものということで分類したわけでございます。先ほど申し上げました数字のうち、Aグルーブの数は、計画件数にいたしまして百三十二件、未合併町村につきまして二百七、こういうことになっております。その後ちょうど一年ばかりたったわけでございますが、現在残っております合併の計画数を申し上げますと、全体の計画件数二百四十八件、このうちAグループが八十九件残っております。それから、このうち関係の末合併町村の数を申しますと、三百五十、Aグルーブは百三十一、こういうことに相なっております。従いまして、この一年間にこの差だけでき上がった、合併が済んだわけでございまして、未合併町村の数を申し上げますと、百二十七町村というものが解消いたしました。特にその中でAグループだけを申しますと、七十六というものがこの一年間の最終処理計画策定後の進歩状況でございます。
 なお、昨年の計画を立てましたときの方針といたしましては、Aクループにつきましては、なるべくことしの九月末を目標にいたしまして合併を完了するという計画で方針を立てたわけでございますが、御存じのように、本年度は、いろいろ地方選挙の関係もございまして、私どもが当初考えましたようには参っておらないわけでございまして、先ほどの数字でも御承知のように、九月が終わりましてまだ若干残っておる、こういうことでございます。それで、合併を直接推進いたしております各府県の意向を先般も聞いてみたのでございますが、できるだけ本年度内にはこういうものを片づけたいということでございまして、先ほど大臣も御答弁がございましたように、私どもといたしましては、なるべく早く合併の問題には終止符を打ちまして、国も都道府県も関係の町村もあげまして、新市町村の建設の促進に態勢をもっていくという考え方で、鋭意仕事を進めておるような状況でございます。
#77
○小林武治君 自治庁長官は、今のAグループも相当残っている、これは年度内になるべくやりたいが、もう年度が過ぎてしまえば最終、手段はとらない、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
#78
○国務大臣(石原幹市郎君) 私も、そういうふうに御了解願っていいのじゃないかと思います。
#79
○小林武治君 それから、県境にまたがる合併問題、これはまだ少し残っておって、たとえば、兵庫県の赤穂市というような所にもいろいろいってきておりますが、これらの問題はどういうふうに始末するつもりか、長官の考えを一つ……。
#80
○国務大臣(石原幹市郎君) これは、新市町村合併促進委員会の中の調整委員の調査に付しておるわけでありますが、ただいま三件ばかりございます。そのうち、なかなかこんがらがったといいますか、めんどうな事案もあるのでありますが、でき得る限り早い機会に結論を出してもらいまして、何らかの方途をつけたいと、こういうふうに考えております。まあ先ほど申し上げましたような、来年三月一ぱいというふうなめどに何らかの結論を出していきたいと、こういうつもりでおります。
#81
○小林武治君 地方行政の安定と申しますか、やっぱりこういう問題をいつまででも未決の状態に置いて、そうして地方に不安を持たしておくということは、私は好ましくないと思うのでありまして、やるものは、一つもう少し自治庁も積極的に出て始末をつける。従って、ある程度期限をつけて、この後になったものはもう手を出さないと、口を出さないと、こういうふうにでもすれば、地方でもまたやりがいというか、いろいろやる意欲も出てくるが、ただだらだらわけがわからぬ。多少市町村合併についてはそういうふうな状況が出てきておりまするが、そういう意味合いでもって、一つある程度期限をつけてそれで区切る、こういうふうにしてもらいたいと思いますが、どうですか。それで、これらの問題は年度内というふうにやっぱり了解してよろしゅうございますか。
#82
○国務大臣(石原幹市郎君) 先ほどから申し上げておりますように、大体この年度内といいますか、明年三月一ぱいを目標に一応のけりをつけたいと、こういう気持で今進んでおる次第でございます。
#83
○小林武治君 そうすると、自治庁は、Aグルーブの問題についても、年度内に片づかないものはもう成り行きにまかせると、こういうことですか。
#84
○国務大臣(石原幹市郎君) 大体そういうことにならざるを得ないのじゃないかと、かように思っております。
#85
○西田信一君 関連して。長官の御説明を聞きましたが、ただいま小林委員からお尋ねの問題ですが、自治庁としてのお考え方は、大体三月一ぱいで終止符を打ちたいということでございますが、その場合に、都道府県に対しましてもその点を明確にお示しになって、そういう措置をとられると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#86
○国務大臣(石原幹市郎君) まだ正式な文書で連絡とか通知しているという形ではございませんが、地方の主管課長会談であるとか、そういうところでは、随時そういう気持を表明しておるのでありまして、だんだん近づいてくれば、そういう意向をさらにもっと明確に、はっきりして、早く結論を得るように、一そうの努力をしたいと、かように思います。
#87
○西田信一君 大体わかりましたが、その時期、つまりその終末に近づいてということでありますけれども、三月一ぱいで一応これを打ち切るといたしまするならば、今からその方針をお示しになって、そしてその間に関係市町村が十分その考えに基づいて処理のできるように措置をされることが適当だと、さように考えますので、もうあと三カ月しかないわけでありますから、もうその御方針をお示しになる時期であると、こういうふうに思うわけでございますが、そういう御意思がございましょうか。
#88
○国務大臣(石原幹市郎君) 西田委員の御意見は御意見で拝聴しまして、先ほど申し上げましたように、三月末を大体目標にしておるのでありまするから、それに適切なときに、その意思をさらにもう一そうはっきり示すように進めていきたいと思います。
#89
○小林武治君 まあ今のような考えでいいと、こういうふうに私も思いますが、しかし、この問題は、とにかくあれだけの大事業を政府が指導しておやりになった。だから、従って、できた市町村の建設の問題は、どうしても跡始末を十分見てやらにゃならぬということでありまして、先般来この委員会でも問題にしたのでありますが、建設促進法の問題ですね。この法律は、長官としては、やっぱり引き続きやっていきたいと、こういう考えはお持ちなんでしょうね。
#90
○国務大臣(石原幹市郎君) 私もやはりそういう気持でございまして、時限法でありまするので、でき得れば、これをまたさらに延ばしたいと、こういう気持でおります。
#91
○小林武治君 でき得ればなんということでなくて、生んだ子供を育てていくということは、これはやっぱり政府としての責任であるし、まあ自治庁は、またあとでもっていろいろ言質を取られるなんという心配なしにお答え願いたいんですが、自治庁は、今の交付税の問題とか、あるいは中学校の統合の問題とか、いろいろ問題があるが、これを育てていく、結末についての責任を持つと、こういう態度はどうしても持ってもらわにゃいかないので、その手段方法をとると、こういうふうな決心を一つはっきり言うておいてもらわないと、子供の生みっぱなし、無責任な態度というものは、これは困ると思うので、その点をもう一ぺん長官からはっきり言うておいてほしい。
#92
○国務大臣(石原幹市郎君) 私、先ほど、新市町村の育成については、非常に情熱を持って当っていくということを申し上げたわけであります。さような意味で、要らない「でき得れば」というような形容詞をつけましたけれども、私としては、有効期間をさらに三年ないし五年ぐらい延長ずることが適当と考えておるのでありまして、そういう方向に向かって善処していきたいと、かように思っております。
#93
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、この問題はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#94
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、前回に引き続き、北海道の固定資産税減収に対する財源措置に関する件を議題といたします。
#95
○国務大臣(石原幹市郎君) 前回の当地方行政委員会におきまして、北海道の固定資産税の制限税率引き下げに伴う減収補てんの問題について、いろいろ米田委員と私との間に論議があったのでありますが、一応私、その後考え方をまとめて参りましたので、私の気持をさらに申し上げまして、御了解を得ておきたいと思うのであります。
 私も、この北海道の財政事情、寒冷地であり、僻陬の地であり、ことに市町村の事情につきましては最も知っておる者の一人であると、こう思っておるのでありまするが、そこで、固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収の補てんということについて、何らかの措置をとっていかにゃならぬという基本的態度は変わらないのであります。八月十日の当委員会における自治庁当局並びに私の言明と、その後の予算折衝の食い違いについて、いろいろ御指摘があったのでありまするが、八月十日は、まだ明年度予算の折衝に入る前でもあり、それから、庁議も決定していない段階であったのであります。そこで、前年度の体験等から考えまして、ことに、この前の当委員会でも申し上げたのでありまするが、私も、前年度予算の編成のときには、党の役員の一人として、それに深く関係をいたしましたので、それらの体験から考えて、全額補てんということはなかなか困難ではないか、大蔵省から補給金なり、そういう形で取ることは困難じゃないかということが予想されまするので、具体的な折衝にあたりましては、大蔵省の食いつきやすい漸減方式を打ち出していかにゃならぬ、やむを得ないじゃないかと考えまして、その線に沿うて予算要求をした次第でありまするが、まあこの間の経緯につきまして、当委員会において特に説明を申し上げる機会がなかったというようなことについては、遺憾に思っておる次第であります。しかし、この実現につきましては、御要望の御趣旨もあり、全力をあげて努力していきたいと思っておるのであります。
 それで、前回の当委員会における私の答弁でも申し上げたんでありまするが、関係市町村の実情につきましては、これは十分調べまして、そうして財政窮迫の著しいようなものにつきましては、十分勘案の上、ひとり減税補給金というような問題のみならず、いろいろな所要の財政措置を講じて、困窮を来たさないように、でき得る限りの措置をとっていきたい、そういう気持でおる次第でございます。
 以上で一つ御了承をお願いいたします。
#96
○米田勲君 この前の委員会では、石原長官の発言が、どうも八月十日にこの委員会で述べられた金丸前税務局長と石原長官との答弁内容からいって、非常に大事なところがかけ離れている、食い違っておるということを、ずいぶんしつこく私も会議録によって申し上げたのであるが、依然としてそれを肯定されないまま留保されて、本委員会で、私は徹底的に八月十日の会議録を一語々々解明して、私が申し上げておる通りであるということを立証しようと計画をして来たんです。しかし、まあ事前にお話があったので、そこまではきょうやる必要がないようでありますが、どうもあなたの今答弁をしていることでは、私は非常に不満であります。はっきりしない点がたくさんある。
 そこで、もう少しあなたの今後やっていかれようとすることについて、大事な点を明確にしてもらいたいと思います。もう八月十日のこの委員会で答弁をしたことは、今ごろになって、あれは予算折衝に入るだいぶ前の話であったからとか、あるいはまた、庁議が決定していない以前の話であったのでというのは、これは、今ごろそういう話をまた蒸し返して持ち出されても、あなたの言いわけは自己満足だけであって、本委員会に答弁をしたことの責任を、その言葉によって回避することはできませんよ。
 ただ、私はあらためて申し上げたいのですが、あなたの発言、金丸局長の発言は、これをもうどういう角度から検討をしても、減収に相当する額を補てんとするということだけは、絶対に間違いなかったことなんです。減収に相当する額を補てんするというこの基本線だけは、どういう角度から調べてみても、間違いのなかったことなんです。そこで、あなたが今申されたことは、この固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収については、いろいろな方法をもって補てんをするということを、相当額を補てんをするということは、いろいろな方法をもってこれを行なうというふうに、はっきりここで再度言い切っておるのかどうか。何か、お話を聞きますと、関係市町村の実情を調べて、財政の事情を勘案して云々ということになると、どうもその点は、一般的な財政問題の方に幅を広げていかれて、この固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収の問題については、どうもまだはっきりしない、どうしてくれるのか。それで、いろいろ言い回し方をしないで、私も、八月十日のあの論争は一応たな上げしておいて、あらためてここでやり合いをすることにいたしますから、それで譲りますから、もうそこまで蒸し返しては、あなたを責めるだけであるということはわかりますから、それには触れないが、この減収に相当する額を、三十五年度の減収に相当する額はこれを補てんするという基本態度については、これはあくまでも貫いていくんだということをはっきり言明してもらいたい。それから質問に入ります。
#97
○国務大臣(石原幹市郎君) 私は、この漸減方式になっておりますけれども、でき縛る限りの全力をあげて、この予算を獲得するように努力をしたいと思っているわけであります。そこで、この市町村の実情等を、財政の状況等を考えまして、これらの補給金で不十分であり、足りないような事態の町村に対しましては、別に財政措置をもってこれを埋めるように努力をして、その市町村の困窮な状態に陥らないようにしていきたいという気持でいるわけでありまして、自治庁といたしましては、今、地方財政全般の問題について幾多の大きな重要問題をかかえているのでありまして、住民税の減税補てんの問題であるとか、幾つかの問題をかかえております。しかも、それが一人相撲のできない、大蔵当局なりいろいろと折衝をいたしまして、少しでも地方財政に有利になるような解決をとりたいと、庁をあげて、あるいは各団体なりの協力を得て、今対処いたしているような次第でありまして、まあこの固定資産税の減収補てんの問題も、その問題の一つとして努力、対処していきたい、こういう気持でおります。
#98
○米田勲君 石原大臣は、肝心なところには答弁を避けているんです。私は、今あなたがおっしゃったいろいろなこととは聞きたくないのであります。私の聞いているのは、あなた頭がいいからすぐわかるはずなんだが、この固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収の相当額は、これを三十五年度もあなたの方の力によって補てんをしますということをはっきり言って下さいというのです。そこの点についてあなた言われぬでしょう。私の聞いているのはその点なんです。あとのことは、今のところは聞いていない。
#99
○国務大臣(石原幹市郎君) 原則としては補てんするという方向でありまするが、やはり市町村の財政事情等をも十分勘案して、重要度によりまして、この減収、今回の要望しております何がまるまる取れたといたしましても、漸減方式をとっております。足りない分については考えていかなければならぬということをまあ申し上げている次第でございます。
#100
○米田勲君 この原則としてという日本語は、英語と違って、非常に都合のいい言葉なんです。どうでも変更できる、その原則としてという言葉をはずして下さい。補てんをするという基本線を明確にして下さい。減収に相当する額を補てんする。原則としてとなると、今度は、あなた方がそれを診断するときに、全く主観的に診断をされてしまって、市町村長は泣くだけなんですから、だから、そういう原則としてということだと、私はまた八月十日のこの問題を蒸し返さなけれならなくなりますから、ぜひ原則という言葉をはずして、減収を補てんするという、はっきりしたことを言って下さい。お互いにそういうことにまずしましょう。どうですか。
#101
○国務大臣(石原幹市郎君) 先ほど申し上げた答弁で、一つまあ財政上の問題でありますから、そう法律の解釈みたいに私はここでは論議できないと思います。それで、当該市町村の財政事情をいろいろ勘案するについては、それぞれ専門家もおりますし、一方的とかどうとか、そういうことは、私は少なくともそうは考えておりません。ことに北海道のいろいろな事情は、私たちとしても十二分に承知しておる、総体的の事情は十分に承知しておるはずであります。先ほど申し上げた答弁で一つ御了解を願いたいと思います。
#102
○米田勲君 私は、そういう私の質問に対して明確になさらないのであれば、八月十日の委員会で答弁したことをもう一ぺん確認をしなくてはならなくなるのです。あなたは八月十日に、明らかにあなたの責任でこの委員会に言明したことがある。それを、その言明によってその後行動を起こさないで、われわれの知らない間に、全然違った基本線にして大蔵省との交渉に入っている責任問題が一つ残っておる。しかし、私はきょうそれを追及しないと言っている。だから、少なくともそういうあとから、私は十分わかっているのだからと言っていろいろな手心を主観的に加えられるような基本線ではなしに、明確にしておいてもらいたいというところからしつこくかかっておる。それを、先ほど長官の言っている言葉の中に、この全額補てんという問題は、大蔵省に対しはなかなかむずかしい、だから、大蔵省から補給金で取る分については漸減方式、こう言われておる。そこで、これを一つ解明してみなくちゃならない。いいですか。減収に相当する額が十あるとします。その場合、あなたは漸減方式で今大蔵省に交渉されているのですから、この漸減方式を採用したのでは、市町村の財政にまた穴があくということは当然考えられる。なぜならば、この制限税率を去年引き下げた。そして三十四年度には全額補てんしているのですから、全額補てんをしたという事実は、そういうことをきめたという事実は、何もこれは政治的な配慮ではないと思う。やはり私は、北海道を初めとするこの制限税率の引き下げに伴う減収のために、財政上非常に困窮を来たすということで全額補てんということをした。その次の年度である三十五年度に全額補てんをしなくても、漸減方式で八割でいいということは、そう簡単には立証できないはずですよ。そういうことからいって、十の減収の相当額に対して、大蔵省から漸減方式で八取ったとしたら、この不足の二は、自治庁の責任において、あらゆる財政措置を特別講じて、結局結果的には、この減収の十に対してはこれを補てんするのです、こういうことを言っているのかどうか、この点をはっきりしてもらいたいのです。
#103
○国務大臣(石原幹市郎君) もう私たびたび申し上げておりまするように、その市町村の財政事情もいろいろ変わりまして、まあそういうことも勘案せざるを得ない場合もありまするので、一応原則ということを言うておるのであって、これは、ひとり自治庁だけでこの問題に対処し得るわけじゃないので、やはり大蔵省もいろいろな面において関連をするわけであります。いろいろの地方の実情というものは、自治庁でも調べておる、大蔵省等でも調べておるのでありまするから、要するに自治庁としては、少しでも大蔵省から財源を取って、地方が潤うようにしていかねばならぬのが、まあ私なり自治庁当局の責任であるのでありますから、そういう方向に持っていきたいという意味で、あらゆる努力をしておるわけであります。先ほど申し上げましたように、市町村の実情によって、足らざるところは責任をもって補てんをするように考慮していかなければならない、こういう気持を申し上げたのであります
#104
○西田信一君 関連。長官、ただいまの御答弁で、このように私は実は受け取ったのですが、そのように考えてよろしいのかどうか。長官は、一応漸減方式をとっておるのだが、市町村の財政に適応するごとくこれを埋めていかなければならぬということを述べられましたが、要するに、私が、前回の委員会でも、これらの関係市町村の財政の実態がそれを許さない状況にあるということを数字で、実は私は私なりの調べで申し上げたのです。それは検討していただくということになっておったのですけれども、要するに、漸減方式をとられたのは別の理由であって、財政上から見て、これはまだ三十五年度を補てんしてやらなければならない財政状況にあるということはお認めになっておって、他の理由で、その漸減方式の財政補給金という制度を、そういう方向に今進んでおられるけれども、補てんをしてやらなければならないということだけは十分にお考えになっておるのだと、こういうふうに私は実は受け取ったのですが、そのように考えてよろしいのかどうか。
 それからもう一つ、ついでですからお聞きしますが、昨年のこの地方税法の改正をやるときに、これは、三十四年度だけの措置をとられましたけれども、これについては附帯決議がありまして、三十五年度以降についても適切な補てん措置を講ずることということが参議院の院議できまっているのです。われわれ参議院は少なくとも、衆議院も同様の措置がありますけれども、参議院におきましても、見通しとしては、三十五年度以降もこの必要があるのだということを実は議会は認めておったわけです。認めて考えておったわけです。その点も一つ認めて、その必要を私どもは相変わらず持っておるのですが、そういうようにお考えになっておるか。要するに、三十五年度以降についても補てんの必要があるのだということは、財政上そういう状態にあるのだということをわれわれは考えておりましたし、また、今の御答弁も、そのように御理解になっての御答弁だというふうに実はお聞きしたわけですが、このように受け取ってよろしいかどうか。
#105
○国務大臣(石原幹市郎君) 補てんをしなければならないという原則論につきましては、これはもう重々認めておるものであります。認めておりまするからこそ財政要求をしているわけで、しかし、それには、先ほどから繰り返しましたように、一応食いつきやすい方法でこっちは金を取って来なければ、何ぼ議論しても意味がないのですから、少しでも金を取ってきたいという意味で努力している。しかし、大蔵省から取ってきたもので、漸減方式をとっておるから、おそらく不足でしょう。だから、不足する面については、これを埋めていく、ほかの財政措置をもって考えていきたい、そういうことについては、適切な方法をとってやっていきたい、こういうことを申し上げておるので、要するに、金を取ってこなければ意味はないので、その金を取ってくることについては、私なり自治庁は、これはもう責任者に立たされておるのでありますから、皆様方から非常に御鞭撻される意味において、いろいろお聞かせを願うことは、これは私非常に本意でありますけれども、先ほど、八月十日の委員会の答弁については、いろいろ経過において足らないところもあったというふうにまで、私ここで御説明申し上げておるのでありますから、まあここらで御了承願いまして、一つ予算獲得にともどもに当たるということにお願いをしたいと思います。
#106
○西田信一君 大体お気持はわかりました。従いまして、大蔵省との御折衝の上におきましても、つまり何割というような工合に漸減をしていくということで、これで地方財政上不安がない、心配がないのだというような御説明はおそらくなさっておらないと思いますし、むしろこれは不足なんだということは明確にお考えになっているのだと思いますので、ぜひ今後の折衝におきましても、全額補てんという点において一つお考えを願いたい。この点はよろしゅうございましょうか。
#107
○国務大臣(石原幹市郎君) 私は、大蔵大臣には、むしろこういう形で何したということについては非常なつるし上げを食っておるのだ、地方の実情、北海道の実情は、それは大へんなものだということを、るる私は大蔵大臣に直接こう申し上げておるのであります。そこで、この前申し上げましたように、北海道のいろいろ委員会があり、北海道独特のあれがある。そういうところから側面的に協力をしていただきまして、むしろこれが全額大蔵省から補てんされるというようなことになれば、これは非常にむしろ私望むところであります。そういう御声援を願いたいと思います。
#108
○加瀬完君 今の長官のお話で一応わかるわけでございますが、問題は、北海道の財政構造をどう見るかということで、大蔵省のような態度も出てくれば、自治庁の御努力の方向も生まれてくると思うのです。そこで、長官の最初の御説明にも、たとえば、寒冷地であるとか、未開拓地であるとか、あるいは僻陬地であるとか、いろいろ北海道の経済的政治的条件というものは十分に知っておるのだから、これが地方の財政計画の中に十分生かされるように御配慮をしていただくということで御説明がありましたから、それで十分でございますが、これは事務当局も、たとえば財政構造等について、北海道の市町村税が歳入総額に占める割合は、昭和三十二年度では、全国の四五%に対して北海道は四三%にしか至っておらない。あるいは、固定資産税が今問題の市町村税総額に占める割合を三十三年度で見ると、全国の四五%に対して北海道は四七%にも上っておる。さらに、北海道市町村の固定資産税の税率なんかも、標準税率で課税しておるものはわずかに札幌と室蘭、他はすべて超適課税だ。そのうちでも、二・一%以上の税率で課税しているものが六五%にも達しておる。こういったような特殊な財政状態というもの、あるいはまた、いわば主として歳出構造になりましょうが、歳入においても、御承知のような寒冷地であるとか未開拓地であるとか広域行政をしなければならないとか、その他いろいろな問題もありまして、相当歳入経費というものが、内地の町村とは比べものにならないような多くの支出をしなければならない。こういう状態はお見通しの上で、先ほどのようなお話の内容が打ち出されたと了解してよろしゅうございますね。
#109
○国務大臣(石原幹市郎君) たびたび申し上げましたように、私もまあ自分のくだらぬ過去を言ってもしようがないのですが、三年も、通算すれば五年も北海道におりまして、北海道の市町村の大体、まあ隅々までと言えば言い過ぎかもしれませんが、よく歩いておるのでありまして、ことに私がおりました事情とその後の事情は、いろいろ変更もあると思いますが、今、加瀬委員からお話がありましたような事情も大体承知しておるつもりであります。そういう気持から一切申し上げておるのでありまして、まあ一つ、私も気持よく北海道の問題について今後も努力をしていきたいと思っております。まあこの程度で一つ。
#110
○加瀬完君 それはよくわかるのですが、私たちは北海道をよくわからないので、一応北海道庁から資料を取り寄せまして検討してみますと、問題点は、たとえば開発公共事業費の市町村負担分、こういうものも、開発計画が進んでくると、市町村の負担増が非常に高まってくる。あるいはそれに伴う開発関連の経費というものも、これは特殊な財政需要として生じてくる。こういったような問題もあると、同庁は指摘をしておるわけであります。それから、自治庁の方から資料をいただきましたものを見ましても、港湾のある一つの市では、将来の見通しを調査をいたしますと、たとえば昭和三十四年では千七百八十二万、これが昭和三十八年ごろの見通しになると、三千八百九十三万という一応歳出歳入の出し入れを見るとマイナスが出てくるという、現状の通りの行政水準をいくというと、そういう一つの数子が出てくるというようにも、私の計算によると、いただきました資料から私が計算しますと出てくるわけです。これは単に港湾市だけではありません。三、四個町村いろいろ調査をしましても、そういう問題が出て参ります。そうすると、当然これは財政計画上計算をしていってもそういうような赤字が出るという、その赤子は、大蔵省から配当をされる補てんの金額で足りない面までも、一応自治庁が特別交付税なりその他のいろいろの方法で原則として補てんをしてやるんだと、こういう御態度であると、先ほどのお話の内容は了承をしてよろしいのでございますね。もう一度申しますと、個々の市町村の財政計画の上から、当然これはどう計算しても、赤字が生じてくると。しかもその赤字は、固定資産税の減収によるための赤字だと明白なものは、大蔵省からの交渉で配当をされる金額で足りない面までも、自治庁として特別にこれは考慮をしてやると、こういうことが原則なんだと解釈してよろしいでしょうね、
#111
○国務大臣(石原幹市郎君) よろしゅうでございます。
#112
○米田勲君 どうも私、非常に徹底していないので、もう一度。私は、この問題に取り組んでから相当期間があるので、石原長官に一つ責任ある確認をしてもらわないと、あとでまたこれが都合が悪くなると困る。
 第一に、あなたはこういうことを申されたんですが、それを確認していいかどうか。固定資産税の税率の引き下げに伴う減収については、その減収の相当額を全額補てんをするということが原則である。原則的態度である。これが第一確認できるかどうか。
 それから、漸減方式を採用したのは、これは大蔵省との予算折衝の都合上だけであって、この漸減方式を採用して、出てくる大蔵省からの予算では足りなくなるんだということを先ほど言われておる。この足りなくなった分に対して、大蔵省から取ってくる予算で不足している分については、あらゆる措置を講じてこの不足分を補てんをするという、つまり二本立の解決の仕方、大蔵省から引き出してくる予算と、不足分は自治庁のあらゆる方法によって補てんをする、二本立の方法によって補てんをするのだというはっきり約束をここでされたのかどうか。そういうことが第二点。
 それから、北海道の市町村の財政事情をよく見てということを盛んに言っているんですが、その場合に、もう明らかに、そのことによって減収が起こってきて、困っておるということはわかっておると思うのだが、わずかばかりの税収の伸びに目をつけて、それと振りかえにされたのでは、これはたまったものではないですから、そういうことではないと、そういうわずかばかりの税収の伸びを見て、これがあるからといって、その大蔵省から取ってきた予算で不足している額を、自治庁の力であらゆる方法で補てんをしてくれる、この歳入なら歳入というものを、そんなものに振りかえるというような措置を言っておるんではない。
 こういう三点、これを一つはっきりしてもらえれば安心できるわけですから、ぜひ一つ。
#113
○国務大臣(石原幹市郎君) どうもお互いにですね。(「いいでしょう、それで」と呼ぶ者あり)ええ、今の段階では、取らぬタヌキの皮算用みたいな話になるのですが、つまり地方財政計画に対して、幾つかのいろいろな問題があるわけです。それに対して大蔵省がどういう査定をするか。財源を与えるか。そういうことによって、その目標に、今われわれが出している目標にあらゆる努力をする。できるだけそれを獲得してくるという前提のもとに、今ここで議論をしておるんでありますから、それはまず、前提だけは御了承を願わないと、最悪の場合査定ゼロになって、ゼロになったけれども、お前の方で約束しているから、これはこうだということになったんじゃ困るので、大蔵省の査定を前提として一切の議論が行なわれているんだということを、まず第一に御了承願いたいと思うのであります。その前提のもとにおきまして、私は、先ほど来からここで論議されておるいろいろな問題を十分心しておるつもりでありまして、しかも、米田委員が言われたように、少しの税の増収があるから、それで全部差し引いてしまうんだいう、こそくなことは考えないつもりでおりまして、私も地方が、北海道なりあるいは全国市町村が伸びていくように、これはお互いに、ことに自治庁長官としてその職責に当たらされている以上は、地方の発展を阻害するようなことを考えているということは、とんでもないことでありまして、そんなこそくな考えでおるものではないということを申し上げて、皆さんの御声援を得て、一つでき得る限りの財源を取ってこられるようにしたい。米田委員にそう心配はかけないと思いますから、御安心願います。
#114
○米田勲君 石原さんはなかなか上手だから、くるくる回しているうちに問題がぼうとしてくるんです。先ほど申した三点を確認できるでしょう。そうでないと、話が回り回っておかしくなる。三点は確認できますか。
#115
○国務大臣(石原幹市郎君) だから、先ほど申しましたように、大蔵省の査定という、予算問題を前提にして、それからの問題ですから、それだけは一つ御了承願わないと、何でもかんでもこの三点が一歩でもくずれたのではと言われるんじゃ、また八月十日のあの事件を起こすわけでありますから……。
#116
○米田勲君 それを確認しているのか、していないのか、どうもよくわからぬから、しつこく質問をするのです。とにかくこれは減収で、補てんをしてやらなければ穴があくんだということはわかるでしょう。その補てんをする方法として、二本立の方法を今考えたのだ。一本は、大蔵省からこのための直接的な予算を取ってくる。不足の分については、あらゆる自治庁の手段を講じてこれを埋めると、こうして市町村の財政に、この問題の減収によって穴があかないようにするのだという話をされているんだと思っているのだが、私の理解に間違いないですね、
#117
○国務大臣(石原幹市郎君) 原則論としてそれでいいと思います。
#118
○米田勲君 続いて私は、予算折衝の結果が明らかでないと……
#119
○委員長(新谷寅三郎君) 勝手に発言しないで下さい。あちこち発言されては、議事の整理ができないから……。
#120
○米田勲君 向こうが発言しようとしたから……。
#121
○委員長(新谷寅三郎君) 一応座って下さい。聞いてから要求して下さい。
#122
○米田勲君 私の党では、この問題で、この前の委員会にも申し上げた通り、相当強い決意で法律案の準備をしておるのです。だから、大蔵省の折衝の経過については、あまりおそくならない時期に、本委員会に必ず自治庁の方から明らかにしてもらわなくちゃならない。だめになってしまってしばらくたってからわれわれがわかったということのないように、ぜひ誠意をもって、この問題については、十分経過をわれわれに知らせておいてほしい。
#123
○西田信一君 今、米田委員の三点の確認をされましたが、私は、その中に、いわゆる漸減方式といいますか、そのことをすでに認めての確認であったように思いますので、漸減というのは、だんだん減らしていくこと、ことしすぐ減らすだけじゃなくて、だんだん減らすという形だと思う。そういう形は、私は必ずしも好ましくないと思う。そういうお考えの、漸減ということの前提に立ってであれば、あとまずいと思う。ですから、漸減というような考えは、私はこの場合適当でないと思いますし、そこら辺をどうお考えになっているのか。
 それからもう一つは、今足りないところを別途の方法で埋めると言っておりますけれども、私は、その方法が最良の方法であるかどうか。まだ別の方法があるかもしれない。場合によっては、そういう不足分を埋めるなんということをせずに、もっといい方法があるかもしれないので、私ども、協力々々ということをおっしゃっておるから、大いに御協力申し上げたいと思っておるので、必ずしもそういう、今の三原則とか何とか、それだけじゃなく、もう少しわれわれのほんとうの気持の解決の方法があるなら、その方法を選んでいただくということを一つお考えおき願いたい。また、そういうように考えてよろしいかということを一つお聞きしておきたいと思います。
#124
○国務大臣(石原幹市郎君) 今言われました漸減方式ということは、三十五年度予算要求にあたってわれわれの考えておることで、またどういうふうな事情が生まれないとも限りませんので、これは、法律になったような気持でおるものではないということを私は申し上げておきたいと思います。それだけですか。
#125
○西田信一君 そうすると、今その要求されておる予算をまるまる獲得しても、不足を生ずるのは同じだ。そういう二本立の方法ということは、これがベターな方法じゃなくて、さらに私ども、また別ないい方法があれば、そういう方法をおとりになったらどうかということです。
#126
○国務大臣(石原幹市郎君) その点、西田委員の言われましたように、議会といいますか、党といいますか、いろいろな方面で御努力されて、もっといい方法が生まれれば、一番それを尊重していくことは当然なことであります。
#127
○米田勲君 西田委員が僕の方を見て、さらに漸減方式を認めておるのかというお話ですが、これは私は、石原長官の言明が、二本立あわせて一本ということが条件であって、これが二本立の一本がくずれてしまうというなら、同時に漸減方式も反対、こういうことになるのですからね。私は、全額が補てんされるということが問題を解決することで、その解決する仕方が、漸減方式をとるなら、不足分は自治庁の方で埋めるという、あわせて一本になる、こういうことでなければだめだと、そういうことですから。
#128
○加瀬完君 今の長官の、米田君の解説によれば、二本立ですね。これをわれわれは三十五年度の解決方法として、一応その点で努力していただくことをお願いをしたいのです。
 そこで、これは事務的なことで、財政当局にお願いしなければならないことは、そのもう一本の、大蔵省関係じゃない、自治庁独自で埋まらない点を埋めていくということになると、これは、交付税か何かというものを使わなければならないということは当然生じてくると思う。そこで、交付税も、特別交付税を使うなり、あるいは普通交付税を使うなりしても、北海道のマイナスを生ずる市町村に有利な何か配分方法というものを新しく考えなければ、なかなか出てこないのじゃないかと思う。そういう点も御配慮を願いたい。これは希望を申し上げておきます。
#129
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#130
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。
  ―――――――――――――
#131
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、鈴木委員から質疑の要求のあります遊興飲食税の免税点引き上げの問題を議題といたします。
#132
○鈴木壽君 大臣もお忙しく、時間がないようなときでございますから、ただ、めったにおいでになるようなこともないものですから……。
 こういうことなんです。端的に申しますと、ただいま委員長からもお話がありました大衆飲食に関する免税点の引き上げの問題でございますが、去る三月末に、当委員会では、地方税法の一部改正案に対して附帯決議をつけまして、それは、今の大衆飲食に関する免税点を五百円に引き上げることと、しかも三十五年度に引き上げる、ことと、こういう附帯決議で、それに対して、当時の長官であります青木国務大臣は、全力をあげてそれを実現するようにするということをおっしゃっておるのです。なお、もう一つつけ加えますと、記録に現われておるのは、青木さんのはそういうことでございますが、いろいろこの附帯決議の扱い方の記録に載らない話し合いの間に、何とか三十五年度でやるから、今回の改正はかんべんしてくれ、そのかわり、三十五年度という年度を切ってもいいのだ、こういうことを言われ、また、自民党の方々も、当時の自民党の決定があるということで、今言ったような形に落ちついているわけですが、今度いよいよ通常国会にこの問題を当然乗せなければならない段階に来ておると思います。いわゆる三十五年度において、大衆飲食に関する免税点の引き上げは、当然法改正をしてやらなきゃいけないというところに来ておるものと思いますし、これは、私どもの委員会のみならず、当院の決議をした建前からも、それを強く期待をする、こういう状況にあると思いますが、その点について、一つ長官の今とっておられる態度をお聞きしておきたいと思います。
#133
○国務大臣(石原幹市郎君) この遊興飲食にかかわる地方税の問題を今度三十五年度でどうするかということは、非常に大きな問題でございまして、ただいま各政党においても、いろいろ御検討されておることと思うのであります。自民党においても、いろいろ検討しておる段階でございますし、ここで私が、今にわかに、どうこうということは申し上げかねるのでありますが、今検討中であるということを申し上げておきます。
#134
○鈴木壽君 検討中であるということは、ちょっとおかしな話だと思う。前大臣が、実現のために一生懸命やるのだ、必ずやるからという、さっき私が申しましたような事情で、ああいうことになっておるのですが、それをあなたは、今度は検討中である、どういうふうにするのか、これから検討するのだと、これでは、私はちょっとおかしいことになると思うのですが、おやりになる決意を持って今準備をしているのか、そうでないのか、これは、はっきりしていただきたいと思います。
#135
○国務大臣(石原幹市郎君) 御案内のように、本年は、いろいろの台風、ことに伊勢湾台風等がございまして、明年度予算編成にあたりましても、超重点施策といいますか、国土保全なり災害対策に重点施策を向けよう、その大きな目標のもとにいろいろの財政計画が立てられておるわけでありまして、国税についても、いろいろ税制をどうするかという問題も出ておるわけでありまするが、国税、それからさらに引き続いて地方税について、いろいろ検討をしておるわけでありまするが、まあ伊勢湾台風、ああいう事情によりまして、国はもちろん地方においても、相当の国土保全対策に財政措置をしていかなければならぬという、こういう段階にありまするので、そのことをあわせ考えて、いろいろ検討されておるというふうに申し上げておきたいと思います。
#136
○鈴木壽君 今のお話を聞いてみますと、これは、この前の委員会からきょうの委員会にかけて、米田委員が、固定資産税の問題について当委員会におけるあなた方の答弁、言明というものをどう信じていいかということを問題にされておったと同じようなことを、私今ここで言わなければならないと思うのです。単に私どもは勝手に――当時の大臣、これは政府の代表として私ども見ておるわけでございますが、その方が出ておられて、先ほど私が申し上げたようないきさつで附帯決議がつけられて、勝手に私どもやったのではない。一方的にやって、あなた方はそれに対して意志表示もしないで不承知だ、そういうこととは事情が違う問題なんでございます。それを今になって、いろいろ情勢も変わったし、伊勢湾台風もあったのだし、これは検討しておるのだ、これでは私は済まされない問題があると思うのですが、それこそ大きな責任問題があると私は思うのです。何べんも言うように、これは今検討中ということだけでは私は済まされないので、結論はあるいはどうなるかわかりませんよ。態度として一体どうなのか、これくらいは、私はあなたの言葉の中に言っていただけるものだと思うのですが、どうなんですか。
#137
○国務大臣(石原幹市郎君) 従来からこの問題はいろいろ論議され、また、たしか当院だと思いまするが、附帯決議等もされておるという事情は、私もよく承知しておるのであります。しかし、先ほど申し上げましたように、本年は、非常にああいう史上未曽有の伊勢湾台風という大災害がございまして、国土保全、災害対策ということに、国、地方をあげて重点施策をしなければならないという特殊な段階といいますか、事情が生じておりまするので、そういう事情をあわせ考えて、今検討をされておる、こういうことを申し上げたのでありまして、これ以上、私がここでちょっと申し上げることはできないと思います。
#138
○鈴木壽君 これ以上言われないというお話ですがね。私がお聞きしているのは、検討の結果どうなるか。これは、あと何日かかかるでございましょうから、それを今ここでどうのこうのと言っているのではなくて、自治庁の態度、大臣としての、長官としての態度、この問題の扱いに対するあなたの態度を聞いているのです。人まかせの検討中だから、どういう結論が出てもおれは知らぬ、こういう態度であるのか、あなたの前の大臣のことだけれども。
 それからまた、もう一つは、あなたも参議院議員として、昨年三月三十一日に、これは議決に加わっているはずなんです。そういう議決しておいたこの問題に対して、これは、人まかせでは私は済まされないと思う。あなたがかりに、これの実現のためにうんと努力をする、主張する、こう言っても、先ほどあなたが何べんもおっしゃるように、そういう情勢の変化によって、あるいはいい結果が出てこないかもしれません。これは、私はやむを得ないものだと思う。しかし、根底になるあなたの態度、方針というものは、そこになければならぬと思うのです。前大臣のことであるから知らぬ、こういうふうにおっしゃるのですか。どうです、これは。
#139
○国務大臣(石原幹市郎君) 前大臣の言であるから知らぬ、そういう気持じゃ全然ございません。繰り返すようでありますけれども、伊勢湾台風というような、ああいう事情もございますけれども、これは、国の財政はもちろんのこと、政策の打ち出し方によって、非常に重大な地方財政にも影響のある事態でありますので、そういうこと等を考えまして、伊勢湾台風なり国土保全、災害対策ということについて十分な考慮をめぐらしていかなければならぬという、それとまた、地方財政との関連において十分な考慮をめぐらしていかなければならぬということを私は考えておるわけであります。そういうことを党なり政府をあげて今検討中でありますので、これ以上、ちょっと私に言えと言われても、私はお答えしかねる、かように存じます。
#140
○鈴木壽君 だから、検討される際のあなた方の態度、あなたの態度、打ち出し方について私は聞いているのです。これは、いろいろ事情の変わってきたことも、伊勢湾台風、これはかつてないほどの大きな被害を与えた、そういうことも私承知しております。そこで、こういう問題の扱いについては、全般の問題を考えなければいかぬということも、私はあなたのおっしゃる通り了承します。しかし、あなたの立場として、自治庁の立場として、この問題をほおかむりした形では、私は、ただ全般的な問題の中の一つなんだから、これをどのように検討されて、どういう結果が出てもいいということには私はならぬと思う。あくまでも、もし最後にあなたの意見が通らなくとも、この問題だけはぜひはっきりさせなければいけないというので、努力をなされることが当然の務めではないだろうか、私はこういうふうに考えるんですが、そういう際のあなたの決意を聞きたい。こういうことなんです。
#141
○国務大臣(石原幹市郎君) これは、附帯決議といいますか、院議の次第等もありまするので、私としても重々考えていかなければならぬ問題の一つであるとは思っておりまするが、先ほどからしばしば申し上げましたように、伊勢湾台風災害対策、そういうことによりまして、国、地方の財政にいろいろ重大な変更を来たされるような事情もありまするので、それらのこととあわせ考えていかねばならない、そういう意味で、検討中であるということを申し上げておる次第であります。この程度で御了承を……。
#142
○加瀬完君 災害が、二度の災害でありますから、災害対策、あるいはまた、治山治水の将来の予算というものとあわせ考えなければならぬというのはわかります。しかし、原則としては、この委員会だけでなくて、院で決議をして、しかも、その前後の状況というものは、鈴木委員が御指摘のように、修正しようという意見がありましたのを、修正はしないで、三十五年度から実現をするからということであったわけですから、三十五年度からは実現するという原則をどこまでも貫かなければならないと思う。それじゃ、今大臣の指摘のような財政問題をどうするかというと、三十五年度からというのだから、三十五年十二月三十一日から実施したっていいじゃないですか。災害県が困るというなら、災害指定県だけは三十五年度を除くということにしたっていいでしょう。あるいは、捕捉率を高めれば、減収率というものは非常に低まるということも考えて、方法は幾らでもあると思うのですよ。災害があったからほおかむりしていこうということでは、私はこの問題の解決にはならない。一体事務当局等は、附帯決議もあって、十二分にそういう技術的のものを検討しているはずなんだから、どういうようにすれば、災害対策ともかち合わないで、院議というものが実現できるかということを具体的に何か作業をいたしておりますか。そういう考えは一体大臣にはないのかどうか、あわせて一つ承ります。事ごとに、院議で決定されたものが、そのときどきの政府の都合によって変更されるというなら、一体国民は、何を信頼して請願や何かをなさるんですか。請願をして採択されて、担当の大臣が来年からやりますと答えたものまでがほごになるというなら、国会の権威というものは全然地に落ちますよ。国民の信頼というものは一切なくなってしまう、こういう問題も新しく派生をする。これは、技術的にもっと検討して、院議だけは厳重してもらわなければ困る。
#143
○国務大臣(石原幹市郎君) 先ほど申し上げましたように、院議の次第もあるということは、私も重々考えておるものであります。今言われましたような問題については、事務当局等でもいろいろ計算といいまするか、検討さしていっていいと思います。
#144
○鈴木壽君 約束の時間が過ぎましたからやめますけれども、この一点だけを……。
 まだ大臣の段階ですから、財政局長もおりますから、大蔵省と予算折衝しておられると思うので、いわゆる財政計画の見通しを一つ立てて、この中に、今の大衆飲食に関する減税の結果が出てきます、免税点引き上げにすればですね、そういうものを見込んだ見通しのもとにいろいろ折衝しておられるのかどうか。この問題がはっきりしなければ、あなた方、検討中だとか、努力中だとか、あるいは閣議がどうのこうのと言うが、事実はとんでもないことになるのです。この点どうです。この点だけはお聞きしましょう。
#145
○政府委員(奧野誠亮君) 財政計画の問題につきまして、減税をどの程度するか、住民税の減税その他の問題があるわけでありますけれども、そういう具体的問題の話し合いまではまだ至っていないわけでございます。
#146
○鈴木壽君 財政局長、住民税の減収に対する補てんのことは、あなた方百二十何億とかいうのを一生懸命やっておられますね。それは確かですね。と同時に、基本的に、大衆飲食の免税点の引き上げは、相当な数字の上では減収を来たすのですが、それに対してどうするかということを一環の問題として考えてみないで、大蔵省との間の話し合いはできないと思うのです。だから、今の問題について、もしないとすれば、大臣がおっしゃったようにただいま検討中だということは、これは単なる言葉の上だけであって、そういうものはとっくに過ぎ去ってしまって、自治庁の態度としては、全然今のところは考えておらないということに私はなると思う。大事な問題ですよ。
#147
○政府委員(後藤田正晴君) 今、住民税のお話が出ましたが、なるほど私どもは、初年度百二十二億、平年度百三十七億の減収を来たすから、それを補てんをしてくれということを申しております。しかし、これは三十三年度のベースで考えました一応の推算で今話をしておるのでございまして、数字そのものが、これは御承知の通り、前年度課税でございますので、三十四年度の所得税を基礎にして計算するわけでございます。そこらの話は、全然まだ詰めておりません。従って、先ほど奥野局長が申しました財政計画の中にそれらの点がまだはっきりしておるというわけではございません。
#148
○鈴木壽君 局長さん、あなたのお話おかしいですよ。私は、何も住民税の問題で、数字が一億違ったとか、三億違ったからとか、そんなことを問題にしない。あなた方は、そういう当然出てくるところの減収補てんということに対して、何らかの方法で補てんしてくれという折衝をしておられると思うのです。最終的な数字はともかくね。もし同様に、大衆飲食についての免税点を引き上げるとすれば、昨年あたりの計算であれば、三十億とか三十数億のそれが出るのだ、こういうことが前にもいえるのだということです。私は、何も今その数字をどうのこうのと言うわけじゃありませんが、何かのいわば地方財政にとっては穴があきますね。そういう問題に対して予想し、全体の財政計画なり、あるいは大蔵省との折衝なりというものが、当然今の時期では始められておらなければいけなしと思います。
#149
○政府委員(後藤田正晴君) 私ども、内部的には、実は遊興飲食税だけでなしに、ほかの減税もございまして、それらを全部作業をしまして、全部やれば一応何億になるということで、内部的には話し合いを十分にいたしておりますが、まだ財政計画そのものが大蔵省と、そういう煮詰まった段階に立ち至ってない、こういうわけでございます。
#150
○鈴木壽君 この問題はあらためてまた一つ。どうも態度がおかしい。(加瀬完君「やってないことを答えるから骨が折れるんじゃないか」と述ぶ)では、次回に留保しておきます。
#151
○委員長(新谷寅三郎君) では、次会は明後日午前十時から開会することにいたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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