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#1
第033回国会 地方行政委員会 第12号
昭和三十四年十二月二十四日(木曜
日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     新谷寅三郎君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           加瀬  完君
           鈴木  壽君
   委員
           安部 清美君
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           西田 信一君
           占部 秀男君
           米田  勲君
  政府委員
   自治庁行政局長 藤井 貞夫君
   自治庁財政局長 奧野 誠亮君
   自治庁税務局長 後藤田正晴君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  法政局側
   第二部第三課長 長谷川喜博君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (専従制限に関する件)
 (来年度地方財政計画に関する件)
○市町村立全日制高等学校教職員の退
 職手当算定基礎勤続年限全国通算に
 関する請願(第九二九号)(第九七
 七号)(第一二七六号)(第一三〇
 三号)(第一三〇四号)(第一四一
 九号)
○地方議会議員の退職年金制度反対に
 関する請願(第一二四六号)
○新市町村育成強化に関する請願(第
 一四五九号)
○新市町村建設育成のための地方交付
 税法の特別措置延長に関する請願
 (第一四六〇号)
○行政書士法の一部改正に関する請願
 (第一二三四号)(第一四四一号)
 (第一四九一号)(第一四九二号)
 (第一五一二号)(第一五一三号)
 (第一五一四号)(第一五二五号)
 (第一五三五号)
○地方税法中大規模償却資産に対する
 固定資産税課税改正の請願(第一三
 六八号)
○駐留軍及び自衛隊諸施設所在市町村
 に対する助成金交付の請願(第九三
 〇号)(第九六三号)(第九七八
 号)(第九七九号)(第一二〇一
 号)(第一二〇二号)(第一二三五
 号)(第一二五四号)(第一二五六
 号)(第一二七〇号)(第一二七七
 号)(第一二七八号)(第一三〇五
 号)(第一三六九号)(第一四一七
 号)(第一四一八号)(第一四三〇
 号)(第一四八五号)(第一五二四
 号)
○自衛隊諸施設所在市町村に対する助
 成金交付の請願(第一二八五号)
○秋田市に対する国有提供施設等所在
 市町村助成金交付の請願(第一三九
 七号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を開会いたします。
 本日は、地方行政の改革に関する調査として、まず、専従制限に関する件を議題といたします。
#3
○鈴木壽君 最初にちょっと、この前の十五日の委員会の時の法制局の長谷川課長からお答えがあった事柄につきまして、実は会議録を見ますと、当時長谷川課長がおっしゃったそのままの形でこの会議録に載っておるというようなことでないようでございますので、一つあらためて長谷川課長にお聞きしたいと思います。それは、こういう、いわゆる専従の制限等について、特に人数の制限等が、普通いわれているところの勤務条件に該当するものかどうか、それについての御見解を承りたいということで、お答えをいただいたのですが、その中に、お答えの中に、ちょっとここの文章からは、当時お答えになったそのままとは受け取れないようなところがございますので、この文章通りであるのか、あるいはそうでないのか、実はお聞きしたいと思うわけなんでございます。この十五日の会議録の第十号の十八ページの四段目でございますが、前の方を省略いたしますが、「任命権者はそういう権利を行使する一つの基準ではあっても、典型的な勤務条件であります。給与が勤務時間と同様に、同列に勤務条件というふうには、すぐは言い切れないのじゃないか」と、こうなりますと、どうも、この文章というものは、典型的な勤務条件であるように言い切っているようにも見られますし、次のそれからしますと、いやそうではないのだ、こういうふうにも読み取れますので、ここら辺、私はそうでないようにおっしゃったと、こう聞いておりますが、そこら辺どういうふうなお考えでおっしゃったものか、一つ、もしも長谷川課長からあらためてそのことについて御説明があれば、最初に伺っておきたいと思います。
#4
○法制局参事(長谷川喜博君) どうも、私の口下手のために御疑問を招きまして申しわけありませんが、私の申し上げようとしました趣旨は、専従職員の数の制限は、典型的な勤務条件であるところの給与や勤務時間と違って、これをすぐ勤務条件と言い切ることには若干の疑義があるということを申し上げたかったのでございます。
#5
○鈴木壽君 そうしますと、あれですか。ここの文章にあるような、「任命権者はそういう権利を行使する一つの基準ではあっても、典型的な勤務条件であります。」と、こうありますが、典型的な勤務条件であります給与や勤務時間と同様に、同じような勤務条件というふうには、すぐには言い切れないのじゃないか。こういう意味なんですか。
#6
○法制局参事(長谷川喜博君) その通りでございます。
#7
○鈴木壽君 それでは、その点についてはよろしゅうございます。
 藤井さんにお聞きしたいのですが、この前の十五日の委員会で、まああなたにいろいろお尋ねをしましたが、まだ私はっきりしない点もございますし、さらにまたあらためてお聞きしたい問題もございますので、これからお尋ねをしていきたいと思います。そこで、前に私が最初にお尋ねしましたことは、専従制限等の問題について、政府でも、これは大きな問題であり、国家公務員、地方公務員全体に通じる問題であるから、政府としての統一見解を出す必要があるということで、現在までいろいろ検討せられてきておる。こういう段階において、岐阜県のいわゆる勤務条件に関する条例の一部改正で、この専従制限の問題が出てきた。しかもその中に、内容として、専従の期間の制限あるいは人数の制限、こういうことがはっきり打ち出されてきておるでありますから、こういう岐阜県におきますところの条例改正による専従制限ということは、今政府が考えており、あるいは今後何らかの結論を出そうとしておる、そういう検討中の段階においては、これは行き過ぎではないだろうか。これに対して政府として、特に自治庁として、この岐阜県の条例の改正は、単に教員だけの問題でございませんから、岐阜県の職員全般に通じる問題でございますから、こういうことに対して、あなたの方としてはどういうふうにお考えなのかと、こういうお尋ねをいたしたわけでございますが、自治体のやっていることであるから、これに対しては何とも言えないんだ、こういうお答えであったと思います。しかし、私今申し上げましたように、また、この前にもお聞きしましたように、もちろん、自治体の一つの権限として、条例の制定ということがなし得るのでございますし、それに対し一々、自治庁といえども、あるいは他の省といえども、干渉がましいことはあるいは言えない、こういうことは、私一通りの筋としてはその通りであろうと思いますけれども、この問題について申し上げますと、これは、国家公務員あるいは地方公務員全般を通じての大きな問題であるという、そういう観点から検討のやさきに、やはりこういう一つの問題が出てきたということに対しては、これは、正式に取り消せとか何とかいうことよりも、これに対する一つの政府としての、特に自治庁としてのあり方としての見方でありますね、あるいはこれに対する意見というものが、私はこれに対して当然あってもいいと思う。そういう観点から、あらためてお聞きしたいのですが、この問題に対して、あるいは他の府県にもこういうことが今後出てくるかもしれません。そういうものを単に自治体の権限のもとに作られる条例であるからというので、そのまま放任をしておくつもりであるのかどうか、この点、一つあらためてお聞きしたいと思います。
#8
○政府委員(藤井貞夫君) ただいまお話しになりましたように、先般の委員会でも申し上げたのでございますが、この問題の取り扱いをどうしていくかということは、私たちといたしましても、非常に大きな関心を持っておることは事実でございます。しかし、いろいろ波及するところも多いことでございまするし、問題自体に含まれておる点もいろいろございますので、その点については、政府部内において、立法措置をもってこれをやっていくのか、あるいは行政指導でそういうことをやる必要があるのか、あるいは現在の段階ではそういう必要がないのか、それらの点について慎重に検討した結果、結論を得たいということで、関係各省集まりまして、いろいろ検討を実は続けておる段階でございます。ただ、われわれといたしましては、地方自治体のやりますことでございますので、その点について、明らかにこれが違法とか、あるいは著しく不当である、そういうようなことになりました場合におきましては、是正のためのいろいろ行政指導というものも行なって参らなければならぬということは事実でございますが、この点につきましては、法制局との打ち合わせ等によりましても、勤務条件に該当するものであり、従って、その点については県の条例で規定すべきものであるという見解が示されておりまするし、われわれといたしましても、それが正しいという考え方に立っておるのであります。従いまして、その見解に従って、全般的な指導をやるやらないということはまだきまっておりませんけれども、岐阜県自体が、いろいろな事情からそれらの条例というものを提出し、これが議決をされたということに相なりました段階におきましては、それが違法、不当にわたることがあるなら別問題といたしまして、法律上の措置といたしましても、それは違法とは言えない、また不当とは言えないという筋合いのものでございますので、われわれといたしましては、それ以上岐阜県に対して、ああいうやり方をするのはまずいじゃないか、一つ撤回するために、あるいは条例改正の措置をもう一ぺん検討してみたらどうかというようなことを申すのは、これはやはり自治体のやることに対するむしろ不当な干渉というそしりを受けるのではないかという考え方でございまして、現在のところは、われわれといたしましては、静観をするよりいたし方がない、かように考えておるのであります。
#9
○鈴木壽君 私、この前も申し上げましたし、それから、今申し上げておることも、岐阜県の条例制定のそれを撤回せいとか、とりやめろとかということは、今この段階では、おっしゃる通りすぐできないと思います。ただ、私何べんも聞きますことは、こういうことに対して一体どう考えるのか、これは妥当なものであるのかどうかという見解があるはずだと私は思うので、こういうことを私は聞いておるのです。
 そこで、もうちょっと申し上げますが、従来自治庁がいろいろ地方団体に対してとってきた態度と今回の条例制定の問題について、非常に違った態度になってきているのじゃないかと思うんです。今までは、一つの条例を作るのにも、いろいろあなた方はモデルを示しておる。ごく大したことでないような条例に対しても、これは、地方の団体に対していわゆるモデル条例というものを作ってあなた方は示して、それによってやらしている。やらしているという言葉は悪いかもしれませんが、とにかく見本を示しておられる。そうしてその見本は、この専従の取り扱いに対する見本は、地方公務員法の第三十五条の職務に専念する義務の特例についての見本としてお示しになっているのです。もちろんその間、昨年の春、法制局からあなた方や文部省からの照会に対する回答がありまして、勤務条件でいいんだというような回答がなされております。ですから、勤務条件であるのかないのかというのはあとの一つの問題でありますが、従来のあなた方が示しておられるそういうものと、今回岐阜県でやっておるもの、こういうものに対し、やはりやるならやるように、一つのあなた方の自治体に対する見本の示し方なり、あるいは指導の仕方なりというものは一つなければならぬと思うのです。ただ、解釈の問題として、あなた方は、勤務条件に今の専従制限というようなものが入れられるのだという、それを流しているだけなのです。ですから、そういう点においても、従来のあなた方の態度と変わっている。それから、自治体のやり方に対してとやかく言うべき筋合いのものでないし、干渉がましいことは避けるべきだという考えのようでありますが、自治庁のやっている――これはあなたということじゃないんですが、自治庁全体として見る場合には、これは非常にいろいろの問題がある。現に一昨日のこの委員会でも、あなたは御出席なさらなかったのですが、ほかの問題で、当然自治体がやってしかるべきものに対して、自治庁は、そういうことはまかりならぬというようなことを文書をもって示しておる。ある場合にはむしろ干渉がましいというような、あるいは自治体のいろいろのやり方に対する制約というものに対して積極的にやっておるにもかかわらず、こういう問題になりますと、どうも私からしますと、何か逃げておるような、極力避げておられるような態度であるというのは、私は残念だと思うのです。これは、あとの方はつけたりでございますが、一つあなた方の今までのやっておったその指導の考え方なりというものと今回のこれと、違った形において出てきておるのでございますから、この点に対して私は何べんも申し上げますが、この条例をやめろとか、作り直せとかいう、そこまでいわゆる干渉をせいという私の考えではないのでありますけれども、何か、これに対する考え方というものは、これははっきりこういう際には表明あってしかるべきものだと思うのですが、重ねてこの点について局長からのお答えをいただきたいと思います。
#10
○政府委員(藤井貞夫君) 専従休暇に関するモデル条例は、地方公務員法ができました直後に、それぞれ地方にもお示しをいたしておりますことは事実でございます。しかし、これはあくまでモデル条例で、参考にしてもらいたいという意味の条例案でございまして、これを強行する考え方もございませんし、そういう建前には現在の法律上の制度といたしましてもなっておらないのであります。従いまして、専従休暇の条例につきましても、いろいろしさいに検討いたしました場合においては、それぞれの地方団体において、若干のニュアンスの相違というものも出て参っておりますことは事実でございます。そこで、従来のやり方と違うではないかという点でございますが、その点が、実は、先刻来からも申し上げておりますように、われわれといたしましては、この措置について、全国的にやはり専従制限を強化することがよいというかりに結論が出まするならば、もう少し積極的な条例、改正案のモデル条例を示すとか、そういうようなことにも相なることも考えられるのでございますが、しかし、繰り返し申し上げておりますように、現在のところは、そういうところにまで結論を得ておりません。また、私の直接関係をいたしておりまする地方の一般公務員につきましては、そういう措置を講ずるまでの状態は出ていないのではないかという考え方を私自身は持っておるのであります。そういうことでございまするので、モデル条例をさらに提示するというようなところに踏み切る態勢になっておりませんために、前の条例案というものはそのままにいたしまして、ただこの点が、法制局との打ち合わせによりまして、勤務条件であるということに相なって参りまする以上、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づきまして、義務教育職員については、これは県の条例で規定をしなければならぬというようなことに相なりますので、その点を参考として通知をいたしたというのにとどまっておるのであります。ただ、そういうふうに相なりました場合に、専従制限ということの点にこれを使って、全国的に行なわれるようにこちらが指導するという踏み切りは今のところつけておりませんので、現在までにとってきておりますような態度でやむを得ず参っておるというのが現状の姿でございます。
#11
○鈴木壽君 いわゆる専従制限を強行するつもりはないのだ、これは、藤井さんの個人としてでなしに、局長としての御見解だと思うのです。そこで、あなたは、それから続いて岐阜県のようなものが出ても、全国に対してどうのこうのということはしないから、見ておるのだと、私は逆に、専従制限をしないという、そういう全国的にしないという意図があるならば、やはりここに指摘したこういう事情に対して、何かやはり手を打たなければならぬじゃないかということも私は言い得ると思うのです。繰り返しになりますけれども、この問題については、国家公務員、地方公務員全体を通しての一つの何か建前を打ち立てなければならぬという、そういうための検討の段階なんですから、特に私はそういう点についてほうっておく手はないと思うのです。また、ほうっておくという言葉が少し妥当を欠くとすれば、それに対する何らかの見解の表明というものは当然あっていいと思うのです。
 いま一つは、かりに地方公務員法第二十四条に基づくところの勤務条件に関する条例、これによることがいいんだと、内閣法制局でもそういう見解を示し、そしてそれをあなた方も認めていらっしゃる。かりにそういうことがあっても、これは、第二十四条の5を見ますと、国やほかの地方団体との均衡を失しないように作らなければならぬということがあるのです。今、国についてはそういうことが全然行なわれておらない。他の地方団体についてもそういうことが行なわれておらないときに、ひとり岐阜県だけが、単に教職員のみでなしに、県庁職員も含めた、いわゆる県の職員としての勤務条件に関する条例の中にこういう強い線を打ち出されたということに対しては、ある意味においては、かりに条例を設定するという前提に立ったにしても、二十四条の5の精神に違反するものだと思うのです。こういう点からすれば、あなた方は、地方団体のやったことであるから、権限に基づく条例の制定であるからといって私はほうっておけない問題だろうと、こういうふうに思うのです。この点どうですか。
#12
○政府委員(藤井貞夫君) 給与その他の勤務条件を定めるにあたっては、国あるいは他の地方公共団体との間には均衡を保つように配慮しなければならないという規定のあることは、これは事実でございます。これは、申し上げるまでもなく、建前といたしましては、公務員というものは、国家に勤務をいたしておる場合でも、地方に勤務をいたしておりまする場合でも、そのやっております仕事というものは同質的なものであり、公的なものであるというような点から見まして、その処遇、勤務条件の定め方等につきまして、本質的に違ったことがなされてはならない。その点、均衡を保たなければならないという趣旨でできているものだと、私は思っておるのであります。従いまして、本質的な考え方、もの事の組み立て方というものが違わない限りにおきましては、何から何まで全部一緒でなければならないというものでもこれはないと思うのであります。その点につきましては、専従休暇についても、御承知のように、国の場合でも人数制限は、これは法律上あるいは人事院規則上はございませんけれども、専従休暇の期間、任期等につきましても、その他の身分の取り扱いにつきましても、それぞれ規定がございます。また、他の地方公共団体においても、それと同様の規定があるわけでありまして、その点につきましては、いわゆる公務に支障がないということを認定いたしまする一つの基準として、条例でワクを設定したというような点からいたしまして、本質的にいわゆる均衡を云々すべきところにまで行く問題ではないのではないか。ある所が専従休暇は一切認めないというような条例を規定いたしますれば、これはむろん違法等の問題が起きてくる。現行法ではそうなると思いますけれども、私は、その点、本質的に均衡を欠くものとは実は考えておらないのであります。
#13
○鈴木壽君 私は、今回の専従の人数の制限ということは、あなたは本質的な問題じゃないのだと、こう言うけれども、私は、明らかに表現で本質だとか何とかいう言葉は、今ここできちっと限定してものを言うわけにも参らぬと思いますけれども、これは明らかに一つの、何といいますか、違った形として扱われた問題だと思うのです。しかも、あなたも認めておられるように、国家公務員にも、何ら人数の点については制限がない。こういうところに、ある団体だけがひょこっと出てきたということころに私は問題とすべき点があると思うのです。のみならず、他の団体においてどうかというと、これも全然そういうことをしておらない。ひとり岐阜県だけがこういう挙に出たということに対して、私は、あなた方は本質的な違いは何もないのだと、こういうことで見過ごしていいわけはないと思う。いろいろ大きな問題であるからこそ、あなた方は、もう政府部内で今検討中なんでしょう。もしこれが本質的な問題でないとして、大した問題でないとすれば、あなた方これを検討するとかしないとかいうことは無意味なんです。すでに期間の問題については、それを何年に区切るかという問題については、いろいろあちこちやっている所もあるでしょう。あるいは、条例できちっときめなくても、大体条例でやっている所は、一日を越えて一年間と、しかし、そこは方針を認められた形です。最大どのくらいまで認められるかということについては、あるいはどこかでやっておる所があるかもしれません。これだって、しかし、私の調べたところでは、ないと思うんですが、いずれ期間の問題については、ともかく一年という一つのワクがあるんですが、この人数の点になると、全然ないんですよ。だから、期間の問題、人数の問題を含めて、あなた方は重大な問題であるといって何べんも会合して検討しておる、そういうときなんです。私は、これは明らかに一つの本質的な新しい問題だと思うんです。ですから、それを大したことじゃないんだと、こういう考え方にあなた方は言うんだが、どうも私は、この点は納得できない。もう一つは、これはあとでさらにお聞きしますが、この間も触れましたが、はたして、人数のこういうワクをきめるということが、いわゆる公務員の勤務に際して、いわゆる勤務条件として取り上げていい問題かどうかということが問題があるんです。私は、そのことはあとで聞きますが、本質的な問題じゃない、大した問題じゃないんだと、こういう考え方について、どうもあなたのお答えでは納得できませんが、いま一回、その点について一つお聞きしたいと思います。
#14
○米田勲君 関連して。鈴木委員から重ねてこのことを何度となくお聞きしているのに、どうもお聞きしておって、なぜそういうふうな答弁や態度であるのかということに、非常に疑問に思って聞いているわけです。岐阜県の条例を取り上げて話はされているが、私は、岐阜県の条例という特定したものを今考えないで、一般的な問題として、自治庁の見解というものは明らかにされてしかるべきだとまず思うわけです。
 それから、もう一つは、先に専従休暇に関するモデル条例ういうものが自治庁の見解として各県に示された、過去において。そして現在の時点においては、この問題について、その内容を変更するかどうかということについては検討中で、結論が出ておらない、こうおっしゃっておる。従って、そういう時点におけるあなた方の見解を示してもらいたいと言えば、当然前に示している見解が生きているはずだ、こういうふうな解釈が私は正しいと思う。前に出した通達が変更されなければならぬという結論に達していないんですから、そういう達していない時点の判断としては、当然前に出したものが生きているという見解にならざるを得ないと、私はさっきから思っているのですが、それがどうも、何か岐阜県の特定した条例なので云々というふうに、そこへばかり問題を持っていって、一般的な自治庁の見解を明瞭にされないのはなぜなのか、よくわからないのです。それで、鈴木委員の今のお聞きしたこととあわせてお聞きをしたい。
#15
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻言葉が足りなかったかもしれませんが、私の申し上げたのは、均衡という問題が出ましたので、均衡ということを解釈する場合において、事柄の性質上本質的に均衡を破るという筋合いのものではないのではないかと、こういうことを申し上げたのであります。問題自体は、私たちも、非常に重要なことだとは、それは認めておりまして、そういう角度から、関係の各省ともいろいろ話し合いを進めておるのでございます。
 米田委員の御質問でございますが、形式的に申せば、その通りでございます。前のモデル条例というものは、これは今のところ撤回いたしておりません。なお、そのモデル条例あるいは今後の持って行き方ということについての方針が確定をいたすということに相なりますれば、また、それによって従来の取り扱いを変更しなければならぬということに相なって参りますれば、その時点に立って、いろいろ措置を考えていかなければならぬのでございますが、現在はそこまでいっておりませんので、むろん前のモデル条例というものはまあ生きているのであります。ただ、モデル条例というものは、これはあくまでも私たちの方で、こういうような条例を作る場合にはこの程度のことがいいのではあるまいかということを、行政指導の一つの基準と申しますか、一つの参考ということでお示しをいたしている事柄でございまして、これに違反をすると申しますか、その通りに規定されなければそれが当然悪いことである、あるいは違法の措置になるという筋合いのものではないわけで、その点につきましては、誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。
#16
○鈴木壽君 重ねて聞きますが、あなたは、本質的に均衡を破る問題じゃないと、こうおっしゃる。しかしこの問題は、いわゆる人数の制限というような問題について、今どこにも何も線が出ていないときなんですよ。私は、かりにそういうものも勤務条件に入ると、こういうあなた方の解釈が一応まずかりに認めるにしても、いわゆる勤務条件の中にきめることについて、たとえば給与の場合だって、あるいは労働の時間でも、いろいろあるわけなんですが、それとまあ一つの同列の問題として人数のワクというものも考えられるんだと、かりにそうしましても、勤務時間や給与の問題について、国の基準なり、いろいろそれによってやるわけなんです。ところが、よるべき何もないときなんです。その人数の問題になりますと、新たにここで自分だけで、何といいますか、一つの線を出したのですからね。だから、かりに均衡の問題をいえば、均衡の、何といいますか、あなた方の言うような、失するとか失しないとかいう問題と、これはちょっとまた言いようのない問題でしょう。本質的にどうのこうのというのは、言葉の上では、本質的とかそうでないとか、いろいろあるかもしれませんがね。ですから、そういう点から言って、あなたは均衡を失しないと言うが、一体どこと比べて失するとか失しないとか、それのよりどころさえも今つかめない現状なんです。そこで、一応のいわゆる均衡を保つために、あなた方は政府部内、各省庁間でいろいろ検討しておられる。こういうやさきなんです。しかも、あなたの、自治庁としての考え方は、そういうものは現在必要でない段階だと、こうおっしゃっている。制限をするような必要はない段階であるということを認めているときに出てきたんですから、私は、何と考えても、この点はそれでいいんだというふうには言い切れない問題だと思うのです。どうでしょう、この点。
#17
○政府委員(藤井貞夫君) 専従休暇の期間なり、あるいは人数なりという点も、これは勤務条件であるということについては、私たち、そのように実は踏み切っているわけであります。そういった場合に、現在も、任命権者の考え方あるいは職員団体との話し合いの間におきまして、おのずから人数についてのワクをきめるということも、現実の労働慣行としては行なおれているものが多いのではないかと思うのであります。従いまして、それを運用上うまくやればやっていけるものもございしまよう。また、事実それによってうまく処理ができているものもあるわけであります。その場合に、地方団体のそれぞれの事情によりまして、条例について、その公務に支障のないという限度についてのワクを設定するということにつきましては、私は、それが地方の実情によってなされる限りにおきまして、直ちに不適当というようなことは、言うべき筋合いのものではないのではないかということを申し上げているのであります。ただ、政府の方針といたしまして、一般的に地方団体を指導するということをいたしまする際には、やはりいろいろな角度から物事を考えて参らなければなりません。それらの点につきましては、まだ政府部内においても結論を得ておらないという段階でございますので、われわれといたしましては、一般の地方団体に対して、先のモデル条例というものを変更して、かくあるべきだという行政指導にまで乗り出すという態勢には今のところ行っておらぬということで処置をいたしておるのでございます。
#18
○鈴木壽君 あなたはしばしば、公務に支障ない限りにおいてある一定の人数のワクをきめることは差しつかえないのだと、こうおっしゃるのですが、これは、任命権者と働いておるいわゆる公務員との間の問題なんです。公務に支障があるかないかということは、これは、鈴木なら鈴木という人間と任命権者との間に、鈴木がかりに専従の休暇をとった場合にどうなるのか、あるいは鈴木個人についていえば、自分の地位やその他の給与等がどうなるものか、こういうことの関係においてとらえらるべき問題なんです。それを一方的に、任命権者でもない上の方からちゃんとワクをはめてしまうということは、私はおかしいと思う。これは、今教員の場合をちょっと想定して申し上げておりますが、自治庁の場合には、教員の場合だけでないと思いますけれども、あくまでもその学校あるいはその村においての教育委員会とAならAという教員の間に、Aがおること、あるいはおらなくなること、おらなくなることによって、公務にいわゆる支障があるかないか、こういう問題として私はとらえらるべき問題なんです。ですから、そういうことを全然無視して、最初からワクをきめて、このワクの中で操作させて、そうしてあとは形式的に、地方教育委員会との間に、いいとか悪いとかいうことをさせるということは、私は、これはどう考えても行き過ぎだと思うのです。いわゆる公務に支障があるとかないとかいう名目にこだわり過ぎた措置だと思うのです、こういうことをやるということは。
 もう一つは、かりに千人に一人というようなことが、はたしてどういう基準によって、千人に一人であれば公務に支障があるとかあるいはないとか、これは、すこぶるあやふやな、主観的な基礎の上に立った考え方だろうと思うのです。じゃ、九百五十人ではどうか。九百五十人と千人との間に、どういういわゆる公務に支障あるないという問題についてのけじめをつけることができるかという問題、あるいは千百人でもいいじゃないか、こういう問題は、ですから、そういう上からの単なる主観的な考え方で、千人に一人だから公務に支障があるとか、いや、そうじゃないから公務に支障があるとかいう、そういう考え方で上からのワクをはめるべきじゃなくて、AならAという人とその任命権者との間の関係においてそれが決定さるべきだと、こういうふうに考えるのは、私は、かりに勤務条件に入れるにしても、そういうことがまず第一に考えられなければならぬと思うのです。それを何か、上からぴしゃっとワクをはめてしまってやるところが、私は今回の問題の指摘される点だろうと思うのです。こういう点については、どういうふうにお考えになりますか。
#19
○政府委員(藤井貞夫君) お説のように、小さい職員団体、人数の少ない職員団体等について見まする場合に、これを千人に一人というようなことは、無意味な場合がこれはむしろ多かろうと思います。市町村等につきましては、そういうことは、むしろ人数の縛り方等につきましても、いろいろ検討を加えなければならぬ点でございまして、これは一律に言うべき筋合いのものでもないというふうに考えるのであります。
 大きい団体について千人に一人というのは、どこの基準から割り出されて参ったのかということにつきましては、私も詳細には承知をいたしておりません。ただ、当初国家公務員法等ができましたときから、そういう線が一応のメドとして従来まで行なわれてきているように聞いているのであります。さらに、教員の場合につきましては、私、この点詳しくは存じませんが、教育委員会の委員長の協議会あるいは教育長協議会等におきましてもいろいろ検討をいたしました結果、そういう線が適当ではないかというような線も出しておりまして、そういうことが何らかの影響を及ぼしたのじゃないかというふうに想像をされるのでございます。むろん、お話のように、かなり大きい団体でなければ、そういうことは意味がないことでございまして、それぞれのやはり実態に応じて、具体的にはきめて参らなければならぬということでございます。事実何人に一人にするかというふうな点につきましては、今御指摘のように、いろいろ議論があり、事実きめるのについてむずかしい点があるのは事実であります。ただ、義務教育職員の場合には、上からワクをかぶせてしまうというお話でありますが、これは、任命権者自体が都道府県の教育委員会になるわけであります。その点、一般の市町村立の学校職員とは異なっているという点もございます。
 さらに、教職員が構成をいたしております職員団体自体も、やはり給与、勤務時間その他の勤務条件というものが都道府県の条例できめられ、さらに県の教育委員会がその任命権者であるという点から、全県一円で職員団体あるいは職員団体の連合会というものを組織いたしておりまするのが通例でございまして、そういうような団体の現実の姿から、結論として出てきたのじゃないかというふうなことを考えているのであります。
#20
○鈴木壽君 公立の教職員の場合の任命権者が県だというふうに、はっきり言っていいのですか。
#21
○政府委員(藤井貞夫君) 県費負担教職員、すなわち義務教再職員につきましては、これは、任命権者は都道府県の教育委員会と、法律上相なっております。
#22
○鈴木壽君 これは、人数なりワクの問題ですが、その点になりますと、私、さっきも申しましたように、非常に今回の岐阜県のやり方というものは妥当を欠くものだと思うし、それから、かりに、従来の労働慣行によって、いろいろ話し合いの中にそういうものが、およその線が出ているのだ、あるいは、現実にはそういうことによって行なわれているのだ、こういっても、それならば私は、やはり従来の労働慣行、そういうものによってやられるべき問題だと思うのです。そこで、この点一つ、この前にもお聞きしたように、はたして人数の制限というもの、ワクというものの設定ということが勤務条件の中に含まれるかどうかという問題が根本的に私は返ってくると思うのであります。この点になりますと、私は、せんだってあなたといろいろ質疑応答したあと、その後も私はいろいろ考えてみました。考えてみましたけれども、どうもやはり、単に公務に支障があるかないかという事柄だけで、人数の制限というようなものが、直ちに勤務条件としては考えられないというふうに思うのです。この問題は、これは最近になって出てきた問題なんですから、一昨年の法制局の回答によって、あなた方もそういうふうに踏み切ったのでしょう。しかし、法制局の意見を見ましても、私は、なおやはりこの点は疑義があると思うんです。こういう疑義があるときに、一方的にそういうことをきめるというようなことについて、あなた方としては、おれたちはこういうふうに割り切っているのだというように、簡単な問題として私は片づけられない点があると思うんです。何べんも言うように、これは、法制局の意見のよりどころとなっておるのは、前の昭和二十六年の四月に出た、当時の法制意見第一局長の回答を、これをよりどころとして、現在の法制局でも、この勤務条件であるかないかということの解釈をしているんです。この法制意見第一局長の回答は、労働者が自己の労働を提供し、もしくはその提供を継続するかしないかという決心をするにあたって、一般的に当然考慮の対象になるべき利害関係だと、こういうふうにはっきり言っている。AならAという人が労働力を提供して、あるいは、今後またそれを継続する、あるいはしないという場合に考えられるべきいろいろな条件が、勤務条件なり、あるいは労働条件と呼ばれるものなんです。あくまでもこれは、AならAという男と、何といいますか、任命権者との間の、使用者側との間のこれは一つの契約するにあたっての条件になるんですから、それが、ワクがどうのこうのといって、頭からかぶせられて、初めからそのワクの中で話し合いをつけなきゃいかぬ、こういうことでは、これは、本質的に、労働条件というものの考え方においては、私は違うものだと思うのです。この点については、先ほども当院の法制局の長谷川課長が、にわかには労働条件とは言いがたいというふうにお答えになっておられるんですが、これは大きな問題のある点なんです。そういうことの完全なる解明もしないうちに、今、岐阜県においては、あるいは新聞の伝えるところによると、他の府県においてもこういうような動きがあると、こういうやさきですから、自治庁としては、この際、はっきりした見解をわれわれに示すべきじゃないかと、こういうことでございます。特に問題となっておる、私の問題とする、いわゆる人数の制限というものは勤務条件として何らの疑義を差しはさまないものであるかどうか、この点についての見解を承りたいと思います。
#23
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻朗読をされましたように、法制局といたしましては、勤務条件というのは、公務員あるいは労働者が、その勤務を始める、あるいは勤務を継続をするかどうかということを決意をするために、いろいろ前提として考えなければならない諸条件というふうに言っておるのでございますが、専従休暇というようなのは、これは、御承知のように、職員団体の活動というものを自主性あらしめ、これを円滑ならしめるために、特に認められておる制度でございます。職員の身分を持ちながら、給与を受けないで、もっぱら職員団体のために仕事をするという地位を認められておるのであります。しかも、この職員団体というものは、当事者との間に給与、勤務時間その他の勤務条件について交渉をする能力を認められておりまする団体でございます。このこと自体は、やはり公務員一般についても重要な関心事でなければならないのであります。その職員団体のために活動することを認められておりまする専従職員というものの地位がどういうふうになってくるのか、あるいは任期がどのようになるのか、さらには、今お話に出ておりましる、人数はどの程度になるのかということは、やはり明らかに、職員といたしましてその勤務を継続するか、あるいは勤務を始めるかということに関連をいたしまして、当然重要な考慮事項の一つとして考えられてしかるべき筋合いのものであるという見解に立っておるのであります。法制局の通知の中には、この間も出ておりましたように、人数のことについては、実ははっきりとした言葉を使ってはおりません。おりませんでしたが、その点につきましては、さらに文部省あたりとも連絡をとりながら、内閣法制局の見解をただしましたところ、その点、人数制限というものもその中に入るのだという話を聞いたのでありまして、その見解のもとに立ちまして、私たちといたしましても、これらについては、勤務条件の中に入るという見解に立っておる次第であります。
#24
○鈴木壽君 いわゆる、あなた、しばしばいう、公の仕事に差しつかえるかどうかというような問題、これは、一つ私も考えてみると、専従をするしないによって、いろいろ公務の上に支障があると思うんです。ただ、団体が役員を選んで、そうして職員のいろいろな勤務条件のために団体交渉をしたり、その他一生懸命やる。しかし、その場合に、役員になって、いわゆる専従をしようとするものは、あるいは専従を必要とするものは、人数が何人だからどうのこうのということではない。本質的には、そういう形はとらないですよ。ですから、それ以前の大事な問題について、やはり私は考えてもらわなければいけないと思うんです。十人だから役員として選ぶとか、あるいは専従するとかしないとかいう意思決定が、それがすぐ人数に私は結びつく何もないと思う。AならAという人の意思決定は、あくまでも、自分が専従をしなかった場合に一体どうなるか、身分がどうなるか、給与がどうなるか、あるいは戻った場合にどうなるかというようなことは、いわゆる勤務条件として問題になることであって、人数が十人だから専従を願い出る、十五人だから願い出ない、あるいは五人だから願い出ない、そういう性質のものではない、これは。それから、その点から一つと、やはりこういう問題は、いわゆる公務に支障があるかないか、かりにそういう問題が残るにしても、それは団体と当事者との間に、従来のように、従来やられてきたような慣行によって話い合いがつけられるべき問題であるし、従来それによっていろいろなトラブルがあったとかなんとかいうこともわれわれは聞いておらぬし、あなた方も、そういうことはないとおっしゃっておる。私は、今、疑点のあるこういう問題を、すぐ勤務条件に関する条例の中に入れてしまって、ぴしゃっとワクをはめてやるということについては、そういう点から言っても、私は、妥当を欠くものじゃないかと、こういうふうに思うんです。それから、法制局の方で、何か口頭で、そういうものも含むのだ、こういうふうなお話があったということなんで、それをもあなた方はそのままうのみにしておられるようです。これは、きょうは時間がありませんから、いずれあとで一つ別の機会に、内閣法制局からも来ていただいて、これは非常に大事な問題だと思いますから、聞かなければならぬと思いますが、しかも、それは単に岐阜県だけでなしに、一つこういう職員団体に対する、特に教職員の組合に対する政府なりあるいはいろいろな教育委員会のああいう人たちの考えの底に流れるものは、私は見のがすことのできない問題があるから、特に私は、こういう機会にはっきりさせなければいけない問題だと思うのですが、しかし、今、時間の関係上、人数の制限が勤務条件であるとかないとかいうことをいつまで繰り返しても、私、このときでは簡単に結論は出ないと思いますから、さっき申しましたように、いずれ法制局からもいつかの機会に来てもらって、あなたも入っていただいて、お尋ねをしたいと思います。そこで、きょうは一応それをその程度に打ち切っておきます。
 次に私、こういうやり方、かりにまあ勤務条件であるないと、いろいろ論があるにしても、今ILOの八十七号が批准される段階にもうなってきていると思うのです。まあ批准がまだされておらない段階ですから、ちょっと変なことになるというふうにも考えられるかもしれませんが、この批准された場合には、当然こういう問題は、私は、いわゆるあの条約の第三条なりその他の精神からいって、役に立たなくなる問題だと思うのです。そういうやさきに、事新しくこういうものを作り出すということについても、私はどう考えてもふに落ちないのですが、後段のことはともかく、ILO条約八十七号が批准された場合に、いわゆる専従制限というような問題がどう考えられるべきであるのか。一つ局長からお聞きしたいと思うのです。
#25
○政府委員(藤井貞夫君) ILO条約と専従との関係につきましては、事柄がさらに実は重要な内容を含んでおるのであります。私たちといたしましても、それらの点については、目下検討をいたしております。いろいろの諸点をあげまして、研究をいたしておるのでございます。ただこれは、私から申すまでもなく、よく御承知だろうと思いますが、ILO条約を批准をする結果、国内法上どういうような変更を受けるかということにつきまして、いろいろ、労働省の労働問題懇談会でございますか、小委員会でございますか、そういうところで検討をいたしました結論として、いろいろ重要な点が出ております。その中で、国家公務員法なり、あるいは地方公務員法なりにも触れておりまして、現在の国家公務員法、地方公務員法というものを改正しなければ条約の批准ができない性質のものではないのだ。その点、公務員の地位の特殊性、あるいは外国の立法例等に徴しましても、それらの点について、法律を改正しなければ条約の批准ができないという筋合いのものではないという実は答申が出ておるのであります。ただしかし、それで済みますものかどうですか。いわゆるILO条約の精神というものが、団結権の擁護ということと労使の相互不介入の原則ということを厳重なる一つの建前として考えておる条約でございます。従いまして、そういうことになりました際に、現在の国家公務員法なり地方公務員法がとっておりまする建前、すなわち、職員でない者が職員団体の構成員となれるかどうか、あるいは役員となれるかどうかという点については、これは、現行法上は職員に限る。職員でない者は職員団体の構成員になれないという建前をはっきりととって今まできておるのであります。そういうような点につきまして、一応あの規定は、職員の団結権を保障したものであるからして、その点、形式上は条約には抵触をしないということにはなっておりますけれども、さて条約が批准されました暁において、それらの条約精神というものから見まして、そういうような点がどういうふうに考えられていくべきかということについては、私たちも、これは虚心に実は考えなければならぬ事柄ではないかというふうに思っておるのであります。
 そうなりますと、これはまあよけいなことを申すようでありますが、専従制限等につきましては、考え方によっては、こそくな手段を講じてこれの制限を強化するということは、条約の精神からいっておかしいじゃないかという議論もございますし、また一面、文部大臣がときどきおっしゃいますことを聞いておるのでありますが、むしろ専従休暇というものはやめるべきだ。労使不介入という原則から見て、専従制限ということは、むしろそういう制度はやめた方がよろしいというような見解もあるのであります。両極端にそれが分かれておりまして、それらの点、今後もなお検討を要する重要な項目ではないかというふうに考えております。
 これらの点につきまして、私の見解をここで今申し上げる段階には至っておりません。事柄はきわめて重要でございますので、なお政府部内におきましていろいろな点について検討を加えて参りたい、かように考えておる次第であります。
#26
○鈴木壽君 まあこの問題は、これは政府部内でもいろいろ検討中でございましょうから、あなたの一番あとの言葉のように、ここであなただけのお考えを言われないということも、一応その通りだと思います。ただ私、考え方としてこの際ちょっとお聞きしておきたいのですが、あなたは、現在の国家公務員法なり地方公務員法によれば、職員でなければ組合を作ることができないというふうに限定されておるのだ、こういうことをおっしゃっておりますが、しかし、法そのものからすれば、そのように限定されておるというふうに、条文からは私は読みとれないと思うのです。公労法や地公労法みたように、職員でなければ組合員にもなれないし、それから役職員にもなれないのだと、はっきりこういうふうな規定のあるのは法律にちゃんとそういうふうにあるのですから、そういうものをこちらの方では全然規定をしておらないとすれば、今行なわれておりますように、これは、あなたのいろいろなものにお書きになっているのにも、あなたの解釈は限るのだというふうな見解を述べておりますが、私は必ずしもそうじゃないと思うのです。しかも、あなたの先に述べられました中にあった労懇の答申を見ましても、「規定そのものとしては条約との関係において問題はないと考えられる。またこれらの条文が職員以外の者の団体結成及び加入を禁止する意味に取扱われる場合においては、問題となる余地もあるが、」と、そのあとにもありますけれども……、ですから、現在と規制そのものを一体どう見るかということに私はかかってくると思うのですね。この問題は、私の解釈なり考え方からすれば、職員以外でも私は入ることが拒否されておらない今の地方公務員、国家公務員法の規定だと思う。そういう精神で私はなされたと思う。ただ、国家公務員等については、人事院規則に登録等の問題がございますから、ここでまた別のところでぴしゃっと、何といいますか、一つのワクをはめられてしまうという点はありますが、しかし、法の条文そのものからすれば、私は、職員以外の者の団体結成なり加入なりというものを禁止しておらないのだというふうに見るべきが至当だと思うのですが、この点どうですか。
#27
○政府委員(藤井貞夫君) その点は、形式的には、職員でなければ組合の構成員となる、あるいは役員となることはできないという規定はございません。公労法なりあるいは地公労法なりに、規定をしであるというようなことはないのでございます。従いまして、その点については、労懇の答申にもありまするように、形式的には、そういう明文規定で禁止の規定はないからして。条約に抵触しないものと解釈してよいだろうという結論を出しておるのであります。しかしながら、立法の沿革から申しましても、それから、地方公務員法が特にできましたのは、国家公務員法ができましてしばらくたってからでございます。そういうようなときに、すでに国家公務員法につきましては、非職員は組合の構成員になれないのだという解釈が確定をしております。なお、人事院規則等でその点が明確にされておるという段階において、地方公務員法がそれと同じような立場から法律制定がなされたのでございます。さらにしさいに各条項にわたって検討をいたして参りますると、たとえば、国家公務員法には書いておりませんですが、地方公務員法には、職員団体というものが、職員が構成する職員団体、それはいわゆる任命権者と交渉するための団体、その構成団体というものを法定的な団体といたしまして、その他をいわゆる事実上の組織という書き分けを実はいたしておるのであります。そういうような点、その他、今ちょっとここに条文を持っておりませんが、二、三の点におきまして、現在の地方公務員法というものについても、職員団体の構成員は職員に限るという建前をずっと堅持して今日まで来ております。その点、国家公務員法、地方公務員法は軌を一にして現在まで推移をいたしてきておるのであります。従いまして、先刻労懇の答申にもございましたように、形式上はそういう規定はございませんからして、条約の批准自体には別に差しつかえはないのだ、しかし、解釈上の問題その他から申して、あるいは規定の整備等をはからなければ、その結果非職員というものが構成員になれないのだという趣旨のものであれば、問題が生ずる余地もあるというような含みを実はそこにも漏らしておるわけでありまして、従いまして、先刻申し上げましたように、私たちといたしましては、条約批准後の体制において、どういうふうにそれらの点を調整を加えるかということについて、現在さらに深く検討をいたしておるということを申し上げたのであります。
#28
○鈴木壽君 端的にお聞きしますが、そうしますと、ILO条約の八十七号が批准された場合には、現在のあなたのおっしゃるような考え方からすると、これはやはり、地方公務員法なり国家公務員法が、さらに人事院規則の団体登録、ああいうような問題、これは直さなければなりませんね。この点どうでしょう、端的に……。
#29
○政府委員(藤井貞夫君) その点が実は今検討中でございまして、私の口から申し上げるのはいかがかと存じますが、そういう問題が起こり得る可能性はあるということだけを申し上げておきたいと思います。
#30
○鈴木壽君 単なる私は可能性だけの問題ではないと思うのです。これがもし批准された場合には、私はやはり、そういう規制をもしちゃんと持っておる地方公務員法であり国家公務員法であるとすれば、これは条約の精神に明らかに反するものだと思う。とすれば、反しないように改める、単なる可能性だけの問題でなしに、私はそこまではっきりしてくると思うのです。どうなんですか。
#31
○政府委員(藤井貞夫君) そういうような解釈というものが政府部内で最終的に決定をいたしますれば、これに対応いたしまする措置は講じなければならぬということもあるのじゃないかという意味でございます。
#32
○鈴木壽君 地方公務員全体について、あなたは一つ重大な地位にある方ですから、これは、あなたの考えとして、かりに政府部内で最終的にどういう結論が出るか知りませんが、私は、一切のワクをはずさなければいかぬというふうに思って、そういう結論が出るであろうということを考えておるわけですが、一体あなたの立場から、どういう考えを述べられますか、これは。
#33
○政府委員(藤井貞夫君) この点は、なお影響も大きいと思いますので、私といたしましては、この席上では、もうしばらくごかんべん願いたいと思います。
#34
○鈴木壽君 特に、私は、人事院規則の団体登録の問題なんかが、やっぱりあすこで一番大きな制約を受けておると思うのです。こういうものは、明らかに改めなければならぬと思うのですが、それについてはどうですか。今申し上げられませんというようなお答えになりますかどうか。
#35
○政府委員(藤井貞夫君) 一連の問題でございますので……。
#36
○鈴木壽君 いずれこの問題は、条約が批准されれば、今のあなた方がとっておる解釈なり、地方公務員、国家公務員に対する解釈なり、あるいは現在八十七号に触れるような規定のあるものは、一切御破算になると私は思うのですし、さらに、前の専従の問題なんかも、松田文部大臣みたいに、専従になるならやめたらいいじゃないかということでけりがつけられる問題じゃないと思う。そうなると、明らかに団体のいろいろなやり方に対して、自由にやれ、干渉してはならないということに対して大きな制約を加えるものになると思うし、何といっても、八十七号なり九十八号の精神からすると、私はこれは誤った考え方に立っておると思うのですが、しかし、きょうあなただけで答えられないと、こういうふうにおっしゃるのですから、いずれ専従制限の問題とこれらの問題とからんで、あとで一つまた見解を聞く機会を持ちたいと思います。きょうは、この程度にして終わっておきます。
#37
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、この問題についての質疑は、一応本日のところこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#38
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、来年度の地方財政計画に関する件を議題といたします。
#39
○加瀬完君 奥野さんお忙しいそうですから、端的に、三十五年度の歳入見積もりと歳出の見積もりといいますか、自治庁として、大蔵省とだいぶ意見の食い違いがある。新聞によれば、相当地方は税収入が伸びてくる見通しがあるので、交付税は、税率そのものを据え置いても差しつかえない、こう決定をされたように聞いておりますが、ある程度それは税収入あるいは税収入を含めての歳入は伸びるかもしれませんけれども、しかし、行政水準の引き上げという一つの課題があるわけですから、それとにらみ合わせた場合、一応考えておる行政水準に達するような行政費をもって、しかも交付税をいじらなくても歳入欠陥を生じないということにならなければ、行政水準を現状に差しとめておいて、ことしだけの仕事をすればいい、仕事そのものを伸ばさなければ、交付税をふやさなくてもいいじゃないかという議論では、地方団体として非常に困ると思うのです。その間、自治庁としてどのように把握していらっしゃいますか。
#40
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように、経済の好況からいたしまして、地方税の収入にも地方交付税の歳入にも、相当大幅な増加が見込まれるわけであります。従いまして、来年度の地方財政も、今と同じようなやり方をやっていくということであります限りにおきましては収支は償って参る、こう見ておるわけであります。しかしながら、御指摘のありましたように、地方財政は非常に不健全な要素を持っていると思うのでございまして、増収のある機会にこそ不健全な要素を排除するように進めて参らなければならぬ、そう考えて参りますと、なおいろいろ手当をしなければならぬのじゃないか、かように考えられるわけであります。それにあわせまして、昨年の所得税の減税に対応する住民税の減税、こういうようなものについての措置を国としてはどう考えていくか。地方財政が不健全な要素をかかえておるにもかかわらず、七百億円減税の片棒を地方財政についてもかついだ。従って、それの補てんを国において責任を持って行なう必要がある。こういうような一連の考え方をどう処理していくかというような二つの問題にかかってくるのじゃないか、そういうような考え方のもとに、いろいろと話し合いをいたしておるわけであります。
#41
○加瀬完君 今年の八月八日の石原長官の新聞の発表によりますと、明年は千二百億程度地方財政そのものについて問題が生ずる。いろいろ好況が伝えられておるが、その好況は地方税の収入には反映しない。そこで、大幅な赤字というものを自治庁としては見通さなければならぬ、こういう御発表があるわけであります。大蔵省によりますと、交付税そのものはかまわない。そこで、たばこ消費税を譲与税にする。そして、何といいますか、地方税収入のでこぼこというものを一応譲与税で吸い上げて、それで還元する形でならしていくのだ、こういうことが新聞で伝えられておるわけであります。たばこ消費税というものを譲与税にするという点は、自治庁でどう考えておるか、これが一つ。
 それからもう一つは、交付税というものをいじらないとすると、結局、未開発補正額というものがいつも問題になってきておる。未開発地域に対する補正額をどういうようにこれから処理をしていくのか、あわせて、未開発補正額というものが、不十分なために、秋田、新潟等では、本年は県外移出米についての助成金を非常に要求をいたしておりまして、これが一応交付税の制度の中である程度めんどうを見るという形をとられたように聞いておるわけでありますが、こういったようなことも来年以降一体認めていくのか。あるいは認められないとするならば、未開発補正地域そのものの財政措置というものは一体どうなるのか。これらについて御説明をしてくれませんか。
#42
○政府委員(奧野誠亮君) たばこ消費税の問題につきましては、税務局長から答えていただくようにいたしたいと思います。
 私たちは、やはりあくまでも地方自治団体が自立の態勢を強めながら、その地域々々の発展をはかっていくというような形をくずしてはならない、かような考え方を基本的に持っております。
 財源調整の問題も、上っつらの財源をあっちへやったりこっちへやったりするという考え方でなしに、基本的には、財源が十分でないということは経済発展がおくれているのじゃないか。ですから、経済発展が促進されるような財源傾向をとるべきだということを考えております。そういう意味合いから、開発促進のために新しい国庫負担制度を採用してもらいたいということで、一つの案を提示しておる次第でありまして、いろいろと話し合いをいたしております。と言いますのは、いろいろの施設も充実していかなければならない。公共投資をそういう未開発の地域に集中的に投入してもらいたい。ところが、現在のような国庫負担制度でありますと、国の投資がふえればふえただけ、地方団体の負担もふえてくるわけでございまして、なかなかそれを受け入れることができません。そこで、その団体の財政力から見た場合に、一般の地域よりも特に国の投資が多くなってくるとする場合には、一般の負担率よりも国の負担の程度を引き上げてもらう。言いかえれば、地方団体の負担を引き下げていくというような形において、地方団体が公共事業を受け入れやすいようにしていこうじゃないか、こういう考え方を持っておるわけでございます。そういう意味において、国庫負担制度の改正についていろいろと話し合いをいたしておるわけでございます。あくまで自治の本旨をそこなわない。さらに言いかえれば、自立の態勢というものを弱めない形において、全国どの地域におきましても均衡のとれた発展が行なわれていくような態勢を強めていきたい、こういう考え方でおるわけでございます。なお、地方交付税制度の改正につきまして、県外移出米の多い県について、特別な取り扱いをするというようなことは考えておりません。ただ、今年度の改正におきましても、農業行政費をさらに多額、基準財政需要額に算入するというような改正は行なったわけでございます。そのことは、農業県に対して有利な基準財政需要額の算定になっておりますし、また、県外移出米の多い地域は農業県でございます。そういう地域における基準財政需要額は多くなっておる、県外移出米そのものをとらえてどういうような措置をするか、これは農業行政の問題だと思うのでありまして、地方交付税制度の問題ではない、かような考え方を持っております。なお、将来とも農業県の必要な財源は十分確保されるような基準財政需要額の算定という点について工夫を尽くしていきたい、かように存じております。
#43
○政府委員(後藤田正晴君) たばこの譲与税の問題は、御質問のように、現在の段階では、大蔵当局としましては、これを譲与することによって財政の調整をやったらどうだという意見を持っておるようでございますが、私どもとしましては、これに対しましてとうてい賛意を表することはできない、かように考えております。と申しますのは、まず建前から申しまして、たばこの譲与税ということは、地方の独立税である消費税を廃止して、一度これを国が取り上げて、これを何らかの基準で再配分する。つまりこのことは、地方が持っております課税源を奪う。さなきだに地方の歳入構成中に占める独立税の度合いが非常に低い、その上に、さらにこれを取り上げるということであっては、いよいよ国の地方に対する支配を強くする。半面、自治体の財政的な独立性というものを弱化するというような観点から、地方自治を健全に発展させるという上からいきまして、建前上、私どもとしてはそれに賛意を表することができない、さらに、現在の制度の上からいきましても、現在は、大まかに言いまして、地方の財政が、地方の独立税と国庫の補助負担金、心らに交付税、この三本立で御承知の通り運営をされておるわけでございますが、最低の行政を行なうために必要な財源といたしまして、独立税と国庫補助負担金で、不足する場合に交付税でその調整を行なっておる、こういうことになっておるわけでございますから、さらにこの上に、たばこを譲与税化することによって調整をするということであっては、いたずらに地方の財政の制度を複雑化させるのじゃないか、そういう必要性はなかろう、こういうように考えております。また、現実論から見ましても、譲与税化ということは、結論が都市から財源を奪っていなかに回すということだろうと思いますけれども、はたして都市の現在の行政水準がどうであろうか、まだまだ下水なり屎尿なり塵芥なり、いろいろな面でやらなければならない仕事がたくさんある。こういう際に、はたして一時的な現在のこの若干の増収があるということで、これを取り上げて、都市的な地方団体がはたして運営ができるかどうかということについては、私どもは非常な疑問を持っております。こういうような意味合いからしまして、私どもとしては、たばこの譲与税化については現在賛成をすることができない、かように考えております。
#44
○加瀬完君 今、たばこの譲与税が問題になったわけでありますけれども、これは、単に大蔵省の責任とばかりは私は言いきれないと思う。自治庁にも一半の責任というのがあると思うのです。それは、数年来、国税の改正が何回か行なわれて、付随して地方税の改正も行なわれたわけです、両面から。逆に申し上げるならば、たとえば市町村の木引税とか、自転車荷車税、あるいは国税の改正に伴うところの住民税とか、こういうものの減収が当然起こってきたわけです。あるいは、前の委員会で問題になりました北海道を初めとする固定資産税の改正による減収等、こういう当然国の法律改正あるいは地方関係の法律改正に伴う減収分は、それに見合うところの交付税の配付率というものが変わってくるという前提に交付税法はなっているわけですから、そこで交付税法が、全部交付税法にまかせられないにしても、一応交付税がどう変化するかということはそこで問題にならなければならなかったと思う。一応交付税が二八・五%か、上がりましたけれども、それでさらに、その次にまた税改正が行なわれたわけでありますから、そのはね返りの減収分というものは、二八・五%で可能かどうかということは、これは新しい問題だと思う。それを、地方税が減収になったときに、十二分に交付税の方でカバーさせなければならないという意見が強く大蔵省に反映しておるならば、この譲与税などという問題が持ち出されなくても、交付税そのもので何かしなければならないという肝心の考え方というのが、私は表面に出てきたと思うのです。一応自動車荷車税がなくなった、それをたばこ消費税の一部分でカバーする。しかし、たばこ消費税は、現行のような方法では、あらゆる地域にわたっていかないのです。ここに、確かにたばこ消費税の方法というものは不合理だということを認めざるを得ないと思う。こういう現況にありますから、当然これは、ことしは交付税の税率が変わるということが問題になって私はいい時点にあると思うのです。
 そこで、今いろいろ御説明を聞いていると、自治庁が強力に交付税率を上げるという御交渉はなさっておらないらしい。そうであるならば、問題点の、たとえば県外移出米の助成金制度というものでもとらなければ、農業行政自体すらも維持できないという、この原始産業の県においては、やりくりのつかないような現状というものがあるわけです。しかし、これは、助成金制度というものは、直ちに実現するという可能性はおそらくないのでしょう。それならば、何か交付税によってでもめんどうを見てもらわなければならないというのに、交付税そのものがさっぱり動いてこないということになれば、これは、未開発補正というものがどういうように行なわれようとしても、交付税の総額そのものが変わらないということでは、非常な私は伸びを期待するということはできないんじゃないか。といって、他の財政収入というものが都市で伸びるように、この農村地帯の多い府県で伸びるということはあり得ないわけです。そうすると、このいわゆる未開発地域とか、あるいは農業県といわれるところの団体では、交付税そのものをことしあたり表に出してもらわなければ、今までの懸案というものはいつまでも、また貧弱県そのもので赤字を累増することをもう一回繰り返すということに陥らざるを得ないと思う。こういう点で、自治庁の財政当局は、交付税というものは少しもいじらなくても、いわゆる後進県といわれるようなところが、問題なく現状の交付税によってまかないがついていくという御判定をどういう形でお持ちになっておられるか。
 それからもう一つ、奥野局長から御説明がありました、新しい国庫負担制度というものを考えたい、こういう御説明がありますので、これがわれわれの考えているような内容というものを持ってくるならば、これは交付税がふえなくても、ある程度今までよりも負担分が軽減されるということにもなろうかと思うのですけれども、それは、盛りだくさんで処理しきれないといって地方から苦情の出た公共事業費の地方負担分というものが相当軽減される制度である、またこの見通しは持てると解釈してよろしいですか。
#45
○政府委員(奧野誠亮君) 日本の全地域が均衡のとれた発展をしていくということから考えました場合に、一つは、地方交付税制度においてそのようなことの可能な基準財政需要額の算定をしているかどうかという問題と、現に国が行なっております公共事業が真に地域開発の促進に役立つような配分方式をとっているかどうかという、二つの問題があろうかと思うのであります。地方交付税の制度が発足いたしました当時、やはり一応従来の地方財源の総額の範囲内において行なっているわけでございますので、また地方団体間の財政運営に混乱を与えるわけにも参りませんので、現実に使用いたしております財源、これを基礎に基準財政需要額を算定するということで出発して参ってきておるわけであります。言いかえますれば、行政水準の高いところは相当な高い財源を使ってきている。それをやはり一挙に削減はできない。従って、比較的高く基準財政需要額が算定をされる。しかし、行政水準の低いところでは、必ずしも十分な財源を使っていない。これを引き上げていかなければならぬが、一挙に財源を増額する余裕がない。こういうようなことであったわけであります。しかし、だんだん地方財源も増加して参りますれば、自然従来基準財政需要額が比較的多く算定されているところは増加する程度を弱め、そして行政水準がおくれておる、従って、また、基準財政需要額の算定も必ずしも十分でないところに重点的に基準財政需要額を増額するというやり方をしていかなければならない。かような考え方を従来からずっと持ち続けて参っておるわけであります。
 ところで、三十四年度の改正におきましては、これは加瀬完先生よく御承知のように、府県について態容補正を行なっている。その態容補正の場合には、一種地区から二十種地区まで分けている。文化の程度の高いところほど種地区が上がっていく。そういうところほど給与の比重も重く、多く出さなければならないとか、いろいろな問題がありまして、基準財政需要額を高く算定した。それを一種地区から十三種地区までの間のものは、全部十三種地区に引き上げて計算している。言いかえれば、行政水準が劣っている地域と考えられる態容の低い地域について、重点的に基準財政需要額を増額いたしたわけでございます。さらにまた、現在道路がございませんでも、金がないから道路が作れていないのだ、そこで、道路の面積をとって道路費を算定するばかりでなしに、道路費その他の費用も含めまして、面積を基準にして基準財政需要額を算定していこうというやり方をことしは大幅に取り上げたわけであります。
 そこで、そういうようなことで、かなり均衡化に向かって前進して参っていると思います。また、将来財源がふえました場合には、そういうような傾向にさらに拍車をかけていきたいという考え方は、依然として持っているわけでございまして、三十五年度の改正にあたりましても、こういう考え方は持ち続けて参りたい。かように存じているわけでございます。
 なお、先ほど開発促進のための国庫負担制度をぜひとりたいということを申し上げたわけでございます。これについて見通しをどう考えているかということでございましたが、私は、こういう考え方が合理的な考え方だと思っております。合理的な考え方でありますならば、その考え方が漸次浸透していって、いずれは私は実現するのだという確信を持っているわけでございます。一挙に私たちの考え方がそのまま実現できるかどうか、これは問題がございましょうけれども、もしそれが合理的なものならば、漸次そういう方向に改革が行なわれていくのだというふうに信じ、また努力を続けていきたいと考えておるわけでございます。
#46
○加瀬完君 これは、ずっと前、八月でございますが、財政再建法が適用されております府県議会の議長から私どもの委員会に陳情といいますか、要望があったわけであります。その中の項目に、昨年度の普通交付税の配分は、未開発補正額がある程度算定されて、よかったのだが、それが三十四年度になりますと激減をされたために、未開発後進県の財政の実情から非常な困難を来たしているというような内容の一項目があるわけです。まあ市町村の未開発補正というものにウエートがかかって、府県というものが昨年度の割に上がってこなかったために、やっぱりこういう一つの希望といいますか、不満というものが出たかも存じませんが、いずれにしても、未開発補正というものが、今のように変えつつありましても、まだ満足な状態になっておるとは言われないわけです。それから、あとで御説明の、公共事業に対する地方の負担分というものも、三十五年度で一挙に、奥野さんのおっしゃるように、これも百パーセント解決というわけにはいかない。時期を待たなければならない。そうすると、負担はある程度軽減されておっても、ある程度公共事業に伴うところの負担というのが地方に残っていく。しかも、未開発補正というものが顕著な形で現われてこない。こうなってくると、どうしても交付税率そのものを引き上げて、交付税の配付額が多くなるということを期待する以外に、これは、後進県においては、財政のアンバランスを一応解消するという道はないと思う。交付税そのものを据え置きにしてもいいという根拠が、そういう意味からも私ははなはだ理解ができない。なぜ、一体こういう悪条件にあるときに、交付税率を上げなければならないという主張を大蔵者に対して事前に自治庁は交渉の一つの中心となさらないのかという点がどうもまだ理解に苦しむのです。その点一つ御説明下さいませんか、もう少しはっきりと。
#47
○政府委員(奧野誠亮君) 私たちは、先進の地域につきましては、独立税制度をもって財源を付与していく、後進の地域につきましては、あわせて一応交付税制度を通じて財源を付与していく、そういう基本的な考え方につきましては、全く同様な気持を持っておるわけでございます。しかしながら、制度はそういうことでありますが、問題は、全体として地方財源がどれだけ確保されるか、それをそれらの制度を通じてどう地方団体に適正に配分されるように持っていくかということだろうと考えているわけでございます。自治庁といたしましては、現在大蔵省との話し合いに、減収補てんの問題でありますとか、あるいはまた、国庫負担制度の改正の問題でありますとか、あるいは交付税制度の改正の問題でありますとか、いろいろな問題を通じまして話し合いをいたしておるわけでございます。従いまして、お互いに話をしながら、適当な地方財源が確保されるように落ちつけて参りたい、方法は必ずしも一つではないと、かように私は考えておるわけでございまして、全体としてその数字を見ながら話をまとめるように努力をしていかなければならない、かように考えておるわけであります。
 なお、今のお話を伺っておりまして、私はどこかに誤解があるんじゃないかという懸念を持つのであります。といいますのは、三十四年度において後進県が非常に困ってきているというようなふうに話を受け取ったのでありますが、三十四年度は、先ほど申し上げましたように、地方交付税制度の大幅な改正を行なっております。従いまして、後進県に重点的に財源を持っていったはずであります。むしろ先進の府県が非常に困っている、給与引き上げの財源も十分でないというようなことで、具体的な例で申し上げますと、京都府でありますとか、福岡県でありますとか、そういう所は非常な因りようをしているわけであります。私たちは、相当困るだろうということは当然予定をいたしながらも、制度改正に伴うやむを得ない現象だというようなことで、思い切ってやったわけであります。それらの団体につきましては、別途いろいろな調整措置を講じていかなければならない、こう考えておるのであります。とにかく増加いたしました財源を重点的に後進県に持っていったのでありまして、お話は、どこか食い違いがあるのではないかというように思われるのであります。
#48
○加瀬完君 私、さっきの言い方、ちょっと説明が不十分でありましたので、ここに財政再建府県議会議長会から要望の文書がありますから、簡単に摘出をいたしますと、本年度の普通交付税の配分は、未開発補正額が激減された昨年度と同額に押えられているが、未開発後進県の財政の実情から、本年度においてもこのマイナス分を特別交付税かなんかで何とかしてもらわなければ、大体バランスがとれないということが書かれておるわけであります。単にこれは、後進県の未開発補正だけが行なわれないから、交付税をふやせということを私は申し上げているのではないのです。交付税率をふやすべき条件というものが本年は熟しておるはずだから、また一方、未開発補正というものはまだ完全にいってないという現状もあるわけだから、こういう条件の時点においては、当然交付税率の引き上げというものが自治庁として主張されてもよろしいのじゃないか。それが、新聞によりますと、交付税率は変えないという大蔵省の一方的な見解で、自治庁がこれを黙認する理由というものがわれわれは理解に苦しむ、こういうことなんです。これは、大臣がお出でにならないので、奥野局長だけにこの問題を追及するのは恐縮でありますが、どうもその点、あなたのおっしゃるように、他のいろいろな問題で解決しようとしても、これは基本的な問題、財源が交付税率の引き上げによってふえるという形とは異なってきますから、ただ出る分が幾らか負担が軽くなるということで、どうも消極的に財政補てんの方法を考えていくという以外には出られないと思うのです。その点もどうも、なぜ、交付税率を引き上げるなら、本年度のような条件のいいときに要求しないかという疑問が残りますので、伺っておるのです。ただ、お忙しいようでございますから、いずれまた来国会ででも、大臣にでもお伺いしてもよろしいと思います。占部委員がこの間の質問の続きが若干残っているそうですから、そちらの方に、譲りますから、あとで、折衝の間にも、この間の事情はどうぞ一つ大蔵省によく説明して、地方団体の要望にこたえられるような措置をぜひお考えいただきたい。希望だけ申し上げて、一応財政局長の質問は打ち切ります。税務局長はあとで、お残りでしょう。税務局長にいろいろ質問があります。
#49
○占部秀男君 その前に一言だけ、今加瀬さんの質問に関連してお聞きしておきたいことは、財源調整問題のたばこの問題ですが、自治庁がやらないと、その言葉の点については、私も非常に安心したのですが、現在の情勢は、率直に言ってどうですか、大蔵省関係は。この間の予算の編成方針によると、たしか府県分で二十四億、市町村分で四十一億というような財源調整の数字を出していたと思うのですが、押し切られそうですが。その点を一つ。
#50
○政府委員(奧野誠亮君) 私からお答えをするのがいいかどうか、問題がございますが、簡単にお答えをさしていただきます。
 たばこ消費税をどうするかということは、これは、行政組織の上では、自治庁の所管だと考えております。自治庁長官は、そういうことが理論的に妥当でないという、非常に強い考え方を持っておられるわけでございまして、従いまして、私は、そういうことはあり得ないと、こういうふうに考えております。
#51
○占部秀男君 一つしっかりやって下さい。
 それから第二点ですが、この間衛都連の給与問題に関していろいろと質問をしたわけですが、相当まあ局長については失礼な言葉も吐いたと思いますが、その点は、一つごかんべんを願いたいと思います。ただ、あとで、これは率直に言って、きのうも職員団体の全国的な代表である自労との間に、いろいろと実際上の運営というか、問題についてお話があったということを聞いておりますので、私の留保した質問点については、一応きょうは出さないということにしたいと思うのでありますが、ただ一つだけ念を入れてお伺いをしておきたいことは、三回くらい前の委員会で、最初に、市長に対する法的な責任の問題で、法務省にお伺いをしたときに、法務省としては、この問題をいわゆる政策的な形で全国的に摘発する意思はないのだということを、まあ起訴、不起訴の問題もあわせて答弁をしてくれたわけであります。ところが私は、十七日でしたか、自治庁から出ておる大阪府知事を通じての府下の衛星各都市に対するいわば通達というか、そうしたものだけだと思ったところが、それだけではなくて、その後何か、それと同じ形式を全国的に、財政局長の名前をもって通達をしておるというようなことを私は聞いておるのであります。そうなると、逆に、摘発の発頭人である法務省でさえ、問題を全国的にはこれを摘発しないのだということをせっかくわれわれの方に明らにかしてくれたのに、本来そういう問題についてはあまりやかましくないように取り計らうべき自治庁が、逆に、今度は法務省がかわったら、その次に、おれがこの次は出てやろうということで、のこのこ出てきて、全国的に摘発する、こういうことじゃ、ますます問題を全国的に広げるようなことで、局長にも言った通り、十日ほど前は、やむにやまれず夜行で岩手県に行って、岩手県各市のその問題を押えてきて、それでもって、ストライキに入ろうというやつを、まあまあということで押えてきて、そういうふうにわれわれもやっておるのに、いやどうも、全国的にそういうようなことをされたのじゃ私は困ると思うのですよ。そこで、そういう通達を出されたのなら出されたで、やむを得ないですけれども、一々他の団体にまで波及するように、これを摘発して、波及をさせるようなことをする意味じゃないのだという点だけははっきりしてもらわんと、これまた、きょうから三十一日の間に、今度は衛都連だけじゃなくて、あっちでもこっちでも起こってくる。そんなことは、一体市政運営の面からいって正しいあり方かということを考えると、これは、私が言うまでもなく、法務省に言ったように、生きた行政なんですから、そういう点は、全国的にこれを波及したり、一々摘発しようという、そんなことじゃないということを、そのことだけははっきりしておいていただきたいと思います。それ以外はけっこうですから、簡単に……。
#52
○政府委員(奧野誠亮君) 大阪府下の衛都連と各市との間の話し合いの問題は、先回も申し上げましたように、大阪府下の都市だけじゃなしに、隣府県の市町村も非常な関心を寄せておったわけであります。また自治庁に対しましても、一体こういうような状況をどう考ておるのかというような問い合せも相当ございました。そこで、最初はああいう文書を出さないで私は片づくと思っておりました。ところが、そうはいかないような報告を受けたものですから、自治庁の考え方を明らかにする意味において、公文を出そうという決意をするに至ったわけであります。しかも、なおその後において、今申し上げますような照会もあったりいたしますので、大阪府の事態についてこういう文書を出したということを参考に知らせておいたらいいじゃないか、こう考えて、そういうような指図をしたことを覚えております。しかし、それがどういう格好で文書が出たのか、実は、今正確な記憶がないわけでありまして、占部さんがおっしゃるのなら、確かにその文書が出ておることだろうと思います。
#53
○占部秀男君 そこで、肝心な点ですが、参考に知らしたということはいいですよ。私は、それを何も撤回してくれとか何とかいうことでない。参考に知らしたのなら参考に知らしたというけれども、一々これを摘発して、他にトラブルがどんどん起こるような、影響を及ぼすような、そういうような方向のものではないのだということだけは、その通りだと言ってくれないと、これは、これから三十一日まで問題はどんどん起こります。それは、知らせた文書だけを読むと、そうはいかないのです、率直に言って。現地の市長とか何とかいうものは弱いのですからね、率直に言えば。だから、そういう点に一つ……。
#54
○政府委員(奧野誠亮君) 職員組合は、給与について非常に重大な関心を持っておるわけでございまして、職員組合が市当局と、給与の問題をめぐりまして、いろいろ話し合いをして、それが妥結に達する、そういうことについて一々くちばしを入れようというような考え方は毛頭ございません。
#55
○占部秀男君 その点だけはっきりしていただけばけっこうです。
#56
○加瀬完君 奥野さんはけっこうですから……。
 税務局長、これも新聞による報道だけで、確実な内容を承知しておるわけではございませんが、自民党の税制調査会ですか、あるいは地方部会等で、特に地方税に関して、入湯税率を引き上げるとか、あるいは非課税規定の整備をすべきだと、あるいは娯楽施設利用税を引き上げるべきだとか、消防施設利用税の新設とか、こういったような決定がなされておるということが、八月か九月ごろの新聞にその内容が伝えられておるわけです。近くは、何といいますか、土地ブームによりまして、土地の、地域によっては、価値増が激しいのじゃないか、土地増加税を新設すべきじゃないかという意見も、これは、皆さんの旧内務省の先輩の方から強い主張になって出ておるわけです。なかなか、税源が枯渇して、ないときですから、少なくとも娯楽施設利用税とか、あるいは消防施設利用税とか、こういったようなものは、新設されたり引き上げたりして当然ではないか、あるいは入湯税というようなものは、これは厚生、健康といった意味というよりも、むしろ遊興娯楽の方に非常に強いわけですが、それで、一定の経済力がある者は当然遊ぼうと思って行くのですから、入湯税なども、これは引き上げても当然じゃないか、あるいは非課税範囲というものをもっと整備する必要がある、こういったようなことを今度の財政計画の上で税務当局としてはお考えになっておられるかどうか。近ごろになりますと、娯楽施設利用税も火が消えちゃったし、消防施設利用税もさらに声なし、こういう状態では、これだけ税源をあさって取れるだけ取った、しかし、足りないから交付税を増せという意見ならば通るけれども、こうした問題になった税を自治庁は一つも考えないで、ほかの方を財源を増せと言っても、これは、大蔵省もなかなか言うままにならないんじゃないかという懸念もございますので、これらの一体税関係の問題というものはどういうふうに、今度の財政計画をお作りになる、あるいは予算折衝をなさる前提として、自治庁としては態度をお固めになっておるか。この点を御説明いただきたいと思います。
#57
○政府委員(後藤田正晴君) 御質問のございましたうちで、娯楽施設利用税とか、消防施設利用税あるいは入湯税あるいは土地の増加税あるいは非課税規定の整備といったような問題について、自民党の税制調査会で正式に今取り上げられておる問題はございません。ただ、非課税規定の整備というのは、御承知の通り、非課税規定は、ややもすれば税負担の不均衡を来たすというような性質のものでございますので、これらについては、昨年来臨時税制懇談会等各方面から、非課税規定の整備は、必要な機会にやった方がよかろうというような御意見は出ております。しかし、いずれも党の税制調査会で取り上げられているというようなことはございません。私どもも地方の財政の実態から見て、当初、娯楽施設利用税あるいは消防施設税というようなものについての増徴をはかったらどうだろうかということで、私ども事務としては十分検討をいたしておりました。まだ最終的な結論を出しているわけではございませんけれども、その間において、先般の予算編成の方針あるいは党の御方針等から、三十五年度は税法の改正を伴うような減税は原則として行なわないのだ、こういうふうなお話がございましたが、その諸般の事情がきまりますまでの間に増税というようなことは、本年度相当な増収が見込まれる関係上差し控えたらどうだというような意見が出ております。従いまして、私どもとしては、増税ということは、地方財政の面から見て多少の増収がありましても、地方財政は非常に窮屈なんですから、増税をいつやるかということになると、景気のいいときにやる方がいいということもあるわけでありますけれども、そういったような事情からして、現在、三十五年度に増税を見込むということはいたしておりません。
#58
○加瀬完君 だからおかしいんですよ、自治庁の考え方は。たとえば、この委員会で大臣みずから答弁をされて、この前の委員会で問題になったように、遊興飲食税の免税点は三十五年度から引き上げる、こう言っている。ところが、それは今研究中だという。打ち割って言うならばどうもできないという、できない理由は何かというと、伊勢湾台風のような被害が続出して、地方財政が非常に困っているので、この際は、少しでも税収入というものが減ることは困るから、約束であってもそれはできない。打ち割って言えば、こう言わんばかりの御答弁なんです。税収入がそんなに枯渇して、しかも、災害等でよけいな財政支出を要するというならば、なぜ当然取るべきところから取らないのか。しかも、それは党でも考え、自治庁でもこれは考えておった問題じゃないか。たとえば、ゴルフ場などというものは雨後のタケノコのように続出している。ゴルフ場というものは担税力の高いものだ。それに娯楽施設利用税を、それは、絶対的には伊勢湾台風の被害を何パーセントカバーできるというものじゃないにしても、少なくとも一方は、伊勢湾台風の被害地のように、担税力を喪失しているものもあるならば、担税力の高いものは、パーセントは低いにしても、娯楽施設利用税というものを上げるということは当然じゃないですか。あるいは、消防施設利用税というものを創設することによって、それだけ消防施設に多少の経費というものが振り向けられるのではないか。こういうものを小さいからといって見過ごしておって、党の方針で今年は税に手を触れないということであるから、一切かまわないのだということはおかしいと思う。党の方針というものもあなた方大事かもしれない、政党内閣ですから。しかしながら、この院で決議されたこのことも大事だ。少なくとも党が一応そういう問題を出したのだから、娯楽施設利用税、消防施設利用税などというものは、当然自治庁としても主張すべきではないか。主張しておらないということも私はおかしいと思う。そうして取れる税金も取れないようにしておれば、交付税でも何でも大蔵省ふやしませんよ、自治庁の怠慢だということを理由にして。そういう理屈に私はなってくると思う。税務当局としては、なぜ一体娯楽施設利用税なり入湯税なりというものを引き上げないか。あるいは消防施設利用税などというものを新設しないのか。新設しなくても財政収入が百パーセント可能だという状態でないでしょう。どうして一度問題になったものを引っ込めてしまったのか。自民党がやっちゃいけないということですか。
#59
○政府委員(後藤田正晴君) 私の説明が少し足りなかったかもしれませんが、自民党がそういう決定を別段したわけではございませんので、ただ、私どもとしては、消防施設税なり娯楽施設利用税というものを、先ほど申しましたように、増徴したいという考え方を八月ごろまでは持っておったのでございます。また現在も検討はいたしております。ただ、減税問題の方がまだ最終的な結論に実は至っておりませんので、それらとのにらみ合わせ等を考えて、この減税問題そのものがまだ私は全部消えてしまったというようには考えていないので、私どもとしては検討はいたしております。ただ、まあ今の率直な気持を申し上げますれば、先ほど申しましたように、増税は来年度は見送るということになるであろう、こういうようなことでございます。
#60
○加瀬完君 税務局長とは申しませんが、自治庁の税務行政に対する態度に、非常に社会正義に欠けているものがあるんじゃないかと私は思う、率直に申し上げて。たとえば、芸者の花代なんというものは半分に減らした。ところが、大衆飲食はあのときに税率を引き上げた。その二つを比べ合わせたときに、一体社会正義というものから考えて、どうして芸者の花代を半分に減らすことが社会正義に合致するかという私は答えが出てこないと思う。今度も、娯楽施設利用税や消防施設利用税というように、当然担税力のあるものから税金を取った方がいいという案があなた方自身の方から持ち出されて、当然これは取るのが妥当じゃないかという、社会の世論もあと押しをしておるにかかわらず、これは引っ込めてしまう、引っ込めなければならないということが、私は、社会正義であるという理由は、どのような御説明があろうとも出てこないと思う。取れるところから取ったらいいということじゃないのですよ、税金は。もっと、税金を取る裏づけというものは、やはり世論と世論の背景になっている社会正義というものがなければならない。こういう点を、新しく税務局長になられて、今までのひっかかりがないわけですから、あなたなぜ堂々と主張なさらないのか。どうですか。
#61
○政府委員(後藤田正晴君) 税の増税問題について、あるいは税をどういう階層から取るかといったようなことにつきましては、私はお説の通りであろうと思います。ただ、当初私どもが考えておりました当時と、最近の経済の見通しに基づく各種の税の徴収状況というものも、事情がだいぶん変化をいたして参りましたので、こういう際に増税は一応見合わした方がいいんじゃなかろうか、こういう現在考え方になっておる、こういうことでございます。
#62
○加瀬完君 きょうは、一時までに終わるという約束ですから、質問は打ち切りますが、あなたの説明は、私は納得できません。幾ら伺っても、この際特に増税を取らなくてもいいという理由は、どのように伺っても私は納得できない。これは一つの政治的な判断を要する問題でもありましょうから、いずれ大臣が来ましたときに、明春でもまた質問をいたします。少なくとも、あなた方自体、もう少し税収入の確保というものについて、積極的に大臣にも次官にも意見を具申していただきたいと思う。それだけ希望を申し上げまして、質問を保留いたします。
  ―――――――――――――
#63
○委員長(新谷寅三郎君) それでは次に、本委員会付託の請願四十件の審査に入りたいと思います。
 ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#64
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をつけて下さい。
 それでは、この四十件の請願のうち最初の行政関係、地方自治法関係の七件は留保としたいと思います。
 それから、次の新市町村建設促進法関係の二件は採択ということにしたいと思います。
 それから行政書士法関係の九件、これは採択ということにしたいと思います。
 それから、次の税制関係の固定資産税関係の一件の請願は留保。基地交付金関係の二十件は採択。最後の一件は留保。大体こういう決定にいたしまして、採択いたしました請願は、これを院議に付し、内閣に送付することに決定して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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