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#1
第033回国会 大蔵委員会 第4号
昭和三十四年十一月二十六日(木曜
日)
   午後二時四十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     加藤 正人君
   理事
           上林 忠次君
           山本 米治君
           平林  剛君
           天坊 裕彦君
   委員
           青木 一男君
           岡崎 真一君
           梶原 茂嘉君
           木暮武太夫君
           西川甚五郎君
           堀  末治君
           椿  繁夫君
           野溝  勝君
           原島 宏治君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
  政府委員
   大蔵政務次官  前田佳都男君
   大蔵省主税局長 原  純夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   日本専売公社副
   総裁      石田 吉男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○酒税の保全及び酒類業組合等に関す
 る法律の一部を改正する法律案(第
 三十二回国会継続)(内閣提出、衆
 議院送付)
○租税及び金融等に関する調査の件
 (専売事業等に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(加藤正人君) ただいまから委員会を聞きます。
 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次、御発言を願います。
   〔委員長退席、理事山本米治君着席〕
#3
○平林剛君 ただいま議題となっておる法律について、全品までいろいろと質問を繰り返して参ったのでありますが、公債制度が廃止される場合に備えて、酒類の新しい価格制度を設けようとしている。この内容については、酒税の確保とか、あるいは業界の安定に対する配慮が加えられながら、今後の酒類行政に前進的の改革を試みている、そういうことにつきましては、ほぼ理解することができたのであります。しかし、この法律がほぼ恒久的の酒税に関する法律あるいは酒類行政の憲法的存在という説明を加えながら、消費者に対する配慮、消費者に対する保護という面で欠けているのではないか。これが現在まで審議をしてきた中で私ども感じている点であります。今日、国民が一番強く要望しておるのは、少しでも安くてうまい酒が飲みたい。ところが、政府の方は、酒税の確保あるいは財源稔出という点で、ときどき酒税の引き上げを逆にちらほらさせるという現状であります。この法律自体におきましても、公債制度が廃止されることによって酒が安くなるということを期待している国民も、中にはあるわけであります。ところが、法律にはこの配慮がないわけであります。新しい価格制度のもとで消費者はどういうように保護されるのかというのが私どもの疑問でありまして、この点について大蔵大臣の考え方を聞いておきたいと思います。
#4
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。ただいま御意見をまじえてのお尋ねであったと思いますが、全く私も同様の感を持つものであります。やはり酒がいい品物だ、また値段が安く売られるようになりますなら、これにこしたことはない。いわゆる公債を持っているものがだんだん減って参りまして、酒、たばこ、米、そういうものがございますが、その中でも特に非常に税が価格を決定する場合に大きな条件である酒の場合ですが、公債を作っておりますと、どうもそういう意味では、いい品物を売らすという点において、ときに欠けるところがありはしないか。御承知のように、だんだん酒の醸造量もふえて参りました。だんだんふえてきますと、醸造家の方にしましても、いい酒をサービスするということにならないと、これはやはり酒の消費が思うように伸びるわけはないと思います。そこで、今回におきましても、税を直接いじる考え方はございませんが、この取り扱い上の問題で、小売りの実際にも合うようにしたらどうか。現在のところ公債がそのままきちんと維持されておるとも必ずしも見ないし、そういたしますと、ある程度の販売上においての動きというか、相当の幅があるようです。それに順次合わしていく、これが望ましいだろう。そこで、マル公を廃止して酒の量もふやしていく。同時にまた、最高と最低をきめることによって消費者の利益も確保できはしないか、こういう実は考え方をいたしております。そこで、いわゆる審議会等を設けまして審議会の中にはっきり醸造家、あるいは小売業者、さらに消費者代表、こういうものを入れて、十分値段のあり方等を聞くことが望ましいのじゃないか、こういう意見を私ども今日まで耳にしております。そこで、私どもも、この消費者の利益というものを、ただいま申し上げるような抽象的な方法でなしに、何か具体的に反映さすような方法はないか、これは一つの工夫の点じゃないかということで、この法律を提案いたします際も、その点には少し工夫をいたしたつもりであります。ただ、あるいはそういうような意見を徴する機関なら思い切って法律できめた方がいいじゃないかというような御意見があろうかと思いま丁が、私どもは、この扱い方といたしまして、利害ときに相反するそれぞれの団体のものが、法律に定められるような非常にかたい協議会というような形、あるいは審議会というような形をとりますと、実際問題として適当な方法、適当なところへ値段を持っていくことが困難じゃないだろうか、そういうことも考えまして、十分消費者の意見も徴し、醸造家や小売業者の意見も徴し得るような方法、もっとやわらかい形において各般の意見を聴取する、そういうことがむしろ実際に合いはしないだろうか、こういうように実は考えておるのでございます。そういう意味から、本法制定の際における各界の意見を徴する方法、これを一応工夫いたしておる次第でざいます。で、大蔵省は、歳入確保の面から、何でも税を中心にして考えておるのではないかというような、あるいはそういうような見方をされやすいところでございますが、酒に関しましては、ただいま申し上げますように、やはり醸造家、小売業者、特に大衆消費者、それらの利益も考え、また、同時に国の歳入も確保する、こういう観点に立って、そうしてその適正な価格をきめていく、こういうことにいたしたいものだと、かように考えております。
#5
○平林剛君 私が尋ねんとすることを先回りして答弁をせられましたが、今お述べになったように、消費者の立場からこの法律をながめますと、基準販売価格を算定する場合であるとか、あるいは酒類の標準的原価、適正の利潤などについて審議をする場所が必要になってくると思うのです。その場所で適正な価格算定に参与することができる、あるいは酒類行政全般について意見を述べる機会がある、そうしてその公正を期するべきだというのは、当然の主張だと思う。ところが、釈明はありましたけれども、この法律自体にその点が抜けている。また、別の機関としては、法律案の性格の中にどうも官僚統制の色が濃いのではないかという見方もあるのです。今、やわらかい形で、あるいはあまりかたくないような機関だということで考えられておるようでありますが、新しい価格の決定にあたって、消費者初め関係者を全く含めないで、ただ意見を聞くというだけで行なうということは、官僚独善という批判も受ける結果になるのではないか。私は、この欠陥と批判をなくするために、審議会を設けるべきだということを主張してきたのであります。この点に関して、先般野溝委員が政府に対して説明を求めましたところが、実行上何らかの形で審議会を設ける、こういう言明をなさったのであります。大蔵大臣も今その趣旨のことを言われましたが、実行上何らかの形で審議会を設けるということについては、大臣も一つ確認をしてもらいたい。
 そこで、その実行上何らかの形で審議会を設けるということについて、もう少しく構成とか、あるいはそこでどういう審議をするのか、その性格はどうかという点について、政府の見解を明らかにしておいていただきたいと思うのです。これは、私はこの間の委員会で、政府において十分検討して、次の委員会にお話ができるようにしてもらいたいということをお願いしておいたのでありますが、抽象的なことでなく、政府の考え方をこの際明らかにしていただきたいと思う。
#6
○国務大臣(佐藤榮作君) お話の趣旨、私よく理解もし、私も実は賛成でございます。非常に積極的な話は、あるいは事務当局でしておらないかと思いますが、まあ今回も相当増石するので、全部が安くというわけにもなかなかいかぬだろうが、少し酒が安くなるような措置をぜひとってほしいということを、実は私自身が事務当局に言っておる次第であります。
 そこで、ただいまの、消費者の意見その他を十分取り上げる方法がないか。――具体的な方法といたしまして事務当局で考えておりますのは、酒数行政懇談会、こういうものを考える。大体二十五人ないし三十人くらいのメンバーでございまして、その中に学識経験者、これを相当多数入れて、その中にただいま言われるような消費者の代表であるとか、各方面の者を入れることは当然であるというようなことを実は考えております。定員は三十人以内、その中に……。なお、詳しくは事務当局から説明させます。
#7
○政府委員(原純夫君) 補足して申し上げます。現在、酒類行政懇談会というのを持ちまして、酒に関しまする行政上の重要な問題点について、いろいろ時に応じて意見を聴取しておりますが、この構成三十人のメンバーで、行政機関の職員も入っておりますが、学識経験者として外部の方がそれの半分以上、六割くらい入っております。そのうち、業界ももちろん入っております。業界が半分、その他の学識経験者が半分というようなことになっております。業界以外の学識経験者といたしましては、大学の教授、財政系統の教授、あるいは新聞、言論界の方々、あるいは財政面における権威者というようなものをもって構成しております。なお、このお話の筋であります消費者擁護という立場から、このメンバーを差しかえといいますか、そのように調整する必要があるだろうというふうに考えておる次第であります。
#8
○平林剛君 今回の法律案をまとめるときにも、たしか酒類行政懇談会というものを開いて意見を聞かれておるような資料がございます。政府としては、それを引き続き活用していくというお考えのように見えますけれども、私どもの希望している点をこれが満足するかどうかという点が、むしろ問題なんであります。そこでは、ただいまお話がありませんでしたが、どういう範囲にまでその審議の幅があるのか。
 それから、そこで審議されたものに対して政府はどの程度権威を持たせ、これを尊重する考えでいるのかという点が明らかでありません。同時に、従来酒類審議会というものがあったように聞いておるのであります。この酒類審議会で、いろいろお話を聞いた今までの運営状況から見ると、ただお茶飲み会に終わっておるという、そういう程度に終わっておるという話を聞いておるのであります。そして、その審議の幅も極端に狭められておりまして、ほんとうに国民が期待しておること、あるいは酒類行政の中で欠陥とされて今後解決されるべき問題について、あまり発言権がない、こういう運営のように聞いておる。だから、今お話しの酒類行政懇談会もその二の舞あるいはそれに準ずるものであるならば、それは意味をなさない、私はそう思うのであります。そこで、今尋ねました点について、もう一度明らかにしていただきたい。
#9
○政府委員(原純夫君) お答え申し上げます。酒類行政懇談会は、ただいま申しましたような実際上いろいろな問題についての意見を聞く、いわば気楽にフリー・トーキングの形でやる場合が多いのでありますが、酒類審議会というのは酒税法に根拠を持ちまして、酒税法並びに組合法によってその権限に含ましめた事項について調査審議をさせるために、この審議会を置くということになっております。その事項としましては、酒類の級別の査定あるいは規制命令を出す。団体法で協定価格あるいは数量協定をやるというのが、なかなかまとまらないで業界が乱れておるというような場合に勧告をして、勧告でもだめならば規制命令を出すというようなことがございます。これらの場合に審議をしておるというのが実情でございます。お話の御趣旨の、酒類審議会においてなるべく業界に関係のある時項、あるいは酒に関係のある重要事項について幅広く諮れという御趣旨は、まことにごもっともな御趣旨でございますから、私ども、今後運用の際、十分そういう気持で注意をいたして参りたい、かように思っております。
 ただ、この酒類審議会は法律上権限事項というのをきめてあるような次第でありますので、価格の決定に際しましては、それについての諮問は、別途、事実上随時そういうふうに構成しております懇談会というような形でよろしいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#10
○平林剛君 今、政府が考えられておる酒類行政懇談会というところでは、基準価格の決定、あるいは酒類行政全般にわたって現在解決を迫られておる問題について検討することができる。そして、そこの審議会で協議して結論を得たものについては、相当の権威を持たせて、政府もこれを尊重していくという建前をとる、そういうものであると理解してよろしいですか。
#11
○政府委員(原純夫君) けっこうでございます。ただ、一言お断わりしておきたいのは、酒の価格そのものをこの懇談会で決定してもらう、ないしこの懇談会の結論によって政府がそれに従ってやるということは、必ずしも適当でないと思っております。この製造者、卸売業者、小売業者、あるいは消費者がこの場で、さあ幾らに下げろ、幾らに諮れということできめるということであっては、これはおそらく収拾のつかないことになる。ここにおいては、価格の構成に関係する諸元についてあらゆる角度から意見を出してもらう、資料を出してもらう、同時に議論をしてもらう、そうして構成の方式、筋道について議論してもらう。もちろん、価格のレベルについても意見は出るだろう。しかし、政府はこういうふうに決定したいがよろしいかというような形で出してここできめてもらうというのはいかがかと思います。ただいま申し上げましたような決定の諸元、並びにその諸元を組み合わせて積んで参る方式、そういうようなものについて十分意見を出してもらって、それに基づいて政府がその責任で価格の決定をやろうというふうに持っていきたいと思っております。それらの諸元ないし方式等について出てきます意見については、十分政府としてはこの意見を尊重してやって参るという気持でおります。
#12
○平林剛君 政府の考えは大体わかりましたけれども、問題は、この酒類の標準的原価あるいは適正な利潤、これから価格というものはいかにあるべきものかという問題等については、正確な資料とか判断をつかみ得る人が、ただ大蔵省の担当の人たちに限られてくる。そういう結果に終るのです。私はこの法律の第二の疑問として感じておりますのは、今後一体、それでは酒類の価格の値下げというようなことをどういうときに期待されるのかという点を心配いたしておる。ただいま指摘したような、審議会において相当専門的に審議して公正を期する、また正当な意見がここから出されて世論化していくというならば、それは別でありますけれども、そうでなくて、相変わらずお役人の人たちの手の中にさじかげんが握られてしまうことになりはしないか。
 大蔵大臣にお尋ねをいたしたいのですけれども、今日、酒の税金が不当に高率で、酒税の負担が国民大衆の生活を圧迫しておるというのは常識になっております。そこで、安い酒を実現するためには、まず酒税の引き下げということが考えられなければならない。ところが、今日の政府の予算編成方針その他酒類行政を見ておりますと、なかなか酒税の引き下げということについて積極的になれない要素が多い。もう一つの方法としては、酒類業者の自然的な競争によって、好ましい競争によって値下がりをさせる、これがあるわけであります。ところが、この法律にありますように、酒税の保全とか業界の安定ということを考えますと、一応公債制度を廃止しても、自然競争的な中で酒の価格を値下がりさせるということがチェックされてくるのではないか。こうなってくると、一般の国民は酒税の保全とか、あるいは業界の安定ということには縁のない人たちであります。税金の方もなかなか下がらない、自然競争によって安くすることも今回の法律でチェックされ、コントロールされるということになると、一体どういうときに酒の値下がり、安い酒の方に向かっていくのか。ここが、いろいろな資料とか材料を持っている人たち、あるいはそれを知ることができる場所があれば意見を表に出すことができますけれども、お話のように、肝心のことについては懇談会では出さないということになれば、これは相変わらずお役人の人たちの頭一つに握られておって、どうも希望する方向に行かないということになるんじゃないかと思うのであります。そこで、大蔵大臣は、酒を安くする方法についてどういう方法があるか、こういうことについてこの機会にお聞かせを願いたい。
#13
○国務大臣(佐藤榮作君) 税金というものがございますから、税金を割ってまでなかなか販売できるものでない。そういう意味では、税金が最低の一つの線でございましょう。ところで、今回この酒団法を提案いたしまして、主たる重点をどこに置くか。相当自由競争が可能になるんじゃないか。で、自由競争による扱い者のいろいろの経費の節減というものが、これがやはり、品質を向上さすということも一つの大きな競争の条件ですが、同時に、経費を節約することによる価格の値下げというもの、こういうものがやはり役立ってくるんじゃないか、かように私は考えております。
 過去におきましてもびん代が非常に安くなっておる、それにもかかわらず、相変わらず高い容器代で価格をきめている、こういうのは不適当じゃないか、こういうことで、税金はそのままでございましたが、過去においても安くした例があると思います。私は、ひとり容器のように非常にはっきりしたものは、これはすぐそういうような意味で価格にこれを影響さすことが可能だと思いますが、やはり扱い業者自身の工夫によりましては、さらに私は経費を節約し得るんじゃないか。いわゆるマージンそのものが全部利益にはなかなかなっていない。このマージンのうちに相当の経費をみずから計上せざるを得ない。そういうところが自由競争の一つの妙味である、こういうように実は思っておるわけでありまして、まあ今回相当幅のある扱い方を許すのも、ただいま申し上げるような点でございます。
 で、税金そのものは、これはだんだん今後も、国の財布の面から見まして、ときに安くできれば非常にけっこうであります。しかし、今の状況で安くするとか、あるいはまた特に高くするとか、こういうようなことを申し上げる段階でないので、しばらくこれはこのまま持続すると考えて、そうして今申し上げるような自由競争による経営の合理化というか、そういう点に値段が安くなる要素、これを見つけたい、そういう意味の指導を十分したいというのが私どもの考え方でございます。
#14
○平林剛君 この法律の成立によってあるいは酒の値上がりというようなことはないと、大蔵大臣は保証されますか。それから、先般伝えられておりましたが、一部の酒においてはこの際増税をする、その結果価格が上がるというようなことはございませんか。
#15
○国務大臣(佐藤榮作君) 今、酒の値段をきめておるのに、一番大きいのは税が一つ、もう一つは醸造米の価格というものが強く響いていると思います。今後の米価のあり方なり見通し等を立ててみますと、そういう意味の危険はこれはあるかもわかりません。米価自身が、今のまま、あるいはもう少し安くするということができる状況ではなかなかないと思います。これが一つの問題であります。
 それから、大衆酒といいますか、そういう点においては、かねてから安くするように絶えず指導もし、私どもも政策の基本をそこに置いております。税そのものにしても、税率を安くしていくとかいうようなことで、これは安くするように指導しておりますが、いわゆる特級酒あるいは非常な高級酒というものについての扱い方は、これは税を上げる考え方はただいま持っておりませんが、この方の価格そのものは、やはり品質で相当競争してもやむを得ないんじゃないかというような感じを私は持っておるのであります。
 こういうような点が、この行政懇談会等でいろいろの方面の意見を聞いてみると、われわれの考え方がいいかどうか、やはり反映してくるのじゃないか。やはり今いわれている、いい酒を安く飲むのだから、高級酒というものを、ぜひともこれを安くしろというような意見もございます。それもさることでございますが、特殊な階級に限られた消費だというふうに考えますると、そういうふうな価格については別のことだろうと、こういうふうに考えられるわけでございます。ところが、問題は、特級、あるいは一級、二級というような分け方をしておりまするが、価格のきめ方いかんによっては、本来なら二級酒で扱うものを一級に売るとか、あるいは、一級酒を特に税率や何かも安くして二級酒並みにするとか、こういうような不当競争――不当競争というのは言い過ぎかわかりませんが、業界の価格構成を乱すようなことはないように、やはりこの酒類行政懇談会等で十分自主的に話し合う面があるだろうと、かように私は思います。
 大勢といたしましては、全体とまで私は申しませんが、大衆消費の酒については、その価格構成について特に私どもは注意し、それが安くなる方向に指導すべきだと、また、その方向で努力をしていくという考えでございます。
#16
○平林剛君 もう一度酒類行政審議会に戻りますが、これについてかなり輪郭がはっきりして政府としてもそういうものを設けて運営をするというのであれば、むしろ法律の中に加えた方がよかったのでないか。酒類行政について、かなり恒久的な法律として今回考えられておるのであるから、この中に法律化すべきでないかと、こう思うのでありますけれども、これについてどういう障害があり、そのために法律化せなかったのか、私はちょっと疑問に感ずるのであります。何ら、これを法律として消費者に安心を与えることにちゅうちょすべき理由はないじゃないかと、こう思うのでありまするが、障害となっている理由を明らかにしてもらいたい。
#17
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど申しましたように、法律で定めるということ、これはまあ大体各種委員会、政府が意見を徴するものは、なるべく法律によるといいますか、一つの委員会形式をきめておりますから、なるべくそれによることが望ましい。これは一般的には言えるかと思います。ただ、この種の、先ほど来お話し申し上げておりますこの懇談会の性格自身から申すと、これは、いわゆる法律で定めることは非常にかたい感じがするのではないか。それよりもむしろ、もっと自由闊達な意見が交換され、また本来そこできめるという筋のものでない方が望ましいのじゃあないか、こういうのが、先ほど来申しておりまするように、これを法律によらない一つの懇談会にしよう、また委員の任期をちゃんときめることはむしろ適当でないだろう、そのつど必要な各方面人にやはりおいでをいただいて意見を徴するという、そういう方向の方が望ましいのじゃないかというのが、私どもの考え方でございます。
#18
○平林剛君 今お話しの中から、理由を私が頭の中で消化すると、自由闊達な意見を述べるために法律化しない、かたい感じでない方がいいと。法律化したところで、この問題についてはどのみち同じことだと思う。法律で書かれれば自由闊達な意見が出されなくてしまうということはないのでありまして、これは理由にならない。それから、委員をきめることが適当でないと、こう言われますけれども、そのつど都合のいい委員を選ぶということの方がいいのか、それとも、やはり専門の人たちがいろいろな正確な判断をして適正な結論を出す、常に国民的立場を離れないで責任をとってもらうという方がいいのかということになれば、大蔵大臣の言われた理由もまた薄弱になるので、どうも私は納得がいかないのですけれども、まだほかに理由があるんじゃありませんか。
#19
○国務大臣(佐藤榮作君) これは別にそうむずかしい理屈はないわけです。ただいま言われますように、ただ、法律できめます以上、何か権威を持たしてあげないと、法律でせっかくきまっているのにという感じがきっとあるだろう、逆に申すとそういう感じがする。また、委員等も、やはり任期がきまっておるよりも、任期のない委員の方が問題を解決するのにふさわしいのじゃないか。それはそういう御議論もあると思いますが、ただそうなってくると、せっかく法律できめられて書いても、どうもはっきりせぬじゃないかというようなお話も出てきはしないか。そういうふうに考えると、むしろ法律でない方が柔軟性があって、実際に適しはしないかという考え方でございます。
#20
○平林剛君 政府の方はそれで都合がいいかもしれないけれども、やはり国民の立場から見ますと、物事ははっきりした場所できめるという方が明朗ですよ。今のお話で、これは失言だと思うけれども、法律にすると権威を持たせなきゃならぬからと言われました。法律でないというと権威がないことに、逆説としてなるわけで、先ほどのお話と違う。先ほどは、法律にきめるものではないけれども、その意見は尊重すると、こうお述べになった。ところが、今の理由では、あべこべのことを言われておるので、これは多分失言だろうと思いますけれども、あとあとのために、この点は訂正しておいてもらいたい。
#21
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ権威という言葉は、これは私は不適当な使い方です。むしろ、何か一つの権限をはっきり与えられないと、法律で書いた場合に非常に不明確だろう、こういう意味です。私は、懇談会自身の答申を無視するという気持はございません。ございませんが、この懇談会は懇談会の一つの運営規則を当然作りますが、そういう意味で考えられることが望ましいだろう、こういう意味でございますから、もし誤解がありましたら、私いさぎよく取り消します。御了承いただきたいと思います。
#22
○平林剛君 私は、消費者の立場から考えて、やはり公正に、また全般の理解を得て、表向き酒類行政審議会を設ける方が、この際適切だという意見を持っておるのでありますけれども、ただいままでの大蔵大臣のお話では、この点については理解できません。他にも質問があると思いますから、一応この点だけを申し上げて、質問を譲ることにします。
#23
○野溝勝君 一つ、大臣のおるところでお伺いしたいのですが、この間大臣はお見えにならぬでしたが、主税局長さんと私質問をしたのですが、そのときには、今お話しの審議会の設置ですね、製造者、販売業者、消費者、それら各関係者を入れて審議会を作って、明るくしてやった方がいいじゃないかと、こういう意見を出したのです。それは、製造業者と卸小売間のマージンで異見があるわけなんですよ。それにまた、消費者は消費者で意見がある。政府のねらいとしては、税増収を目的とした点もあるだろう。表面の理由は、質を改善して消費者に飲みやすくするといっているが、ねらいは自然増収が多くなる。まあそれはいいとしても、関係者の納得のいくような機関を一つ設けてやったらどうか、こういう質問をしたのです。主税局長は、ごもっともなことでございます。まあ審議会という名を使うかどうかは別だが、その御趣旨の点についてはその通りにいたしたいと思いますと、こう言うのです。
 原主税局長と今の平林委員との質疑の中を聞いておりますと、懇談会でお茶を濁そうというようなふうに私には聞き取れる。局長は泉部長と打ち合わせて私の質問に答えたのでございますが、あのときの気持と今と変わったように思うのでありますが、これはいかがですか。これは、大臣、先ほどのお話と私の意見と全く一致した見解のようです。もしそうであるとするならば、懇談会とかというあいまいなものでなく、今度新しい新機軸を一つ開いて、品質の改善に、酒税の保全に邁進する方が、最も、政府当局の賢明なお考えと思いますが、いかがでございましょうかね。
#24
○国務大臣(佐藤榮作君) この種の懇談会にしても、審議会にしても、在来の考え方だと、醸造家あるいは小売業者、いわゆる酒類扱い者の会合というか、それぞれの団体ができておりますが、その団体を一緒にしての協議会等は過去においてもあったと思います。しかし、最近の形から見ますと、やはり大衆消費者というか、いわゆる大衆消費者の代表が入ること、これは望ましいことだと、かように私どもは実は考えております。消費者を入れなければ、実は意味がないのじゃないか。税そのものについても、それは税が高いという議論が出てくるかわからない。酒は税を飲んでいるというような議論がしばしば出るだろうと思いますが、その税の問題は別といたしましても、やはり消費者の立場から見まして、どうも一方的に醸造家と小売業者なれ合いの価格を押しつけられた、あるいは大蔵省がそれに介在してそういう形でやっている、こういうことは、これは望ましいことじゃない。ことに酒のような大衆消費のものである場合には、そういう意味で私は消費者を入れるということは賛成でございます。
 しかし、消費者、あるいは醸造家、あるいは小売業者、それぞれの立場においてそれぞれの主張をする、こういうようなことを考えて参りますと、なかなか容易にこういうところで決定をすることは困難じゃないか。先ほど主税局長が申しましたように、そういう点が実はある。で、大蔵当局の考え方がむしろ一歩前進したとお考えがいただけないか。今まであまり消費者のことを考えていないで、一方的にきめたように考えられたが、今回は、皆さんの御意見にも沿って、消費者も一つ入れよう。これはよほど、数段の私は前進のような気がいたすのであります。ただ、こういうものを実際にやってみないとわからないのですが、おそらく過去の経験等から見ましても、なかなか醸造家の団体、あるいは小売りの団体、これらの意見はなかなか一致するものじゃないのでございます。そういうことを考えて参りますと、またさらに消費者が入っていき、そうして消費者の立場においていろいろなお話が出てくるので、なかなか意見が一致しにくいだろう。そういう点を、やっぱり中性的な政府機関が三者の意見を十分伺いまして、そうして大衆負担を軽減していき、大衆に喜ばれるようなもの、それを勧めるような事態を作ることが三者ともしあわせなんだ、こういうところへ持っていきたいという気持で、まず最初は懇談会式なものでスタートして参る、そうしてその結果を十分見ていく、これが望ましいのではないだろうかというわけでございます。この点では皆さん方の御意見を十分拝承いたした結果、在来の考え方に数歩実は前進してきた、こういうように私は考えておるのでございまして、今の野溝さんの御意見、私はしごくもっともなように思います。ただ、しかし一方に偏してはなかなか困る問題でありまして、中小企業の立場から小売業者の立場ばかりを考える。あるいは、醸造家の立場だけで物事を考えるとか、あるいは消費者の立場だけで考えるというわけにはいかない、こういうように実は考えておる次第であります。
#25
○野溝勝君 大臣には私の意見がよくのみ込んでいただけなかったと思いますが、必ずしも私は、今の、価格を決定するための審議会と、そこまでいかないでも、一歩譲歩してもいいと思うのです。というのは、先ほど公正な意見を聞くということなんですね。だから、製造業者、販売業者、消費者、それぞれの立場の意見を聞く。そうして最後的には、公正な意見によって大蔵当局が妥当な案を出すということにしたら、私の意見と大臣の見解と違わないのですから、この点わかって下さると思うんですがね。これは無理のない意見だと思いますが、この意味においてお答え願います。
#26
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど申しましたのは、私、率直な業界の姿を反映したつもりで申し上げております。おそらく、皆様方も酒の業界の実情については十分御理解をいただいておることだろうと思います。これはやはり、一方に偏しない形で物事を進めていく。で、今まずこれを作ることが、先ほど申すように非常に前進でございますが、
   〔理事山本米治君退席、委員長着席〕
これをしばらくやってみまして、しかる上に、さらに私ども、この公債廃止後の実情につきましては、十分検討しなければならぬだろうと、かように考えますので、さらに御審議をいただく機会も出てくるのではないか、そういうように譲らしてもらえないか、こういうように私ども考えております。
#27
○野溝勝君 大臣のいるところで伺っておきますが、先ほど平林委員の述べられたことも私と同じことなんでございまして、実は先般の質疑の際に、主税局長の御答弁が、大体審議会を作るというふうに承知をしたものですから、その点少し意見の違いがあると思うのですが、実際、酒造界におけるいわば大きな柱と申しましょうか、憲法というようなことを言われたんですが、大体よりどころになっているわけです。そうすると、このよりどころがどこまでもよりどころとなっていくには、あらゆる関係者を網羅した機関を作っていくということが、最もこの法の精神を生かす大きなものだと私は思っております。そういう意味で先般来質疑をかわしたのですが、どうも審議会というものを作るような印象を与えておいて、こういう懇談会で、お茶を濁すといっては失礼でございますが、そう見えるんですが、そういうようなことになると、どこかに割り切れぬ点があるんです。どこかの圧力といっては何ですが、そのようにも見受けられて非常に誤解を起こしますから、私は、大蔵大臣の誠意ある御答弁を額面通りに受けまして、消費者を入れて、そうして一応審議会のような運営をしていきたいと思うのです。その結果において、完全なるものにしたいと思うのです。一応そういう意味で前進だと思いますから、その後に一つまた考える用意がある、かような御意見だと拝聴するのでございますが、さように受け取って差しつかえありませんか。
#28
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来、少し私、言葉が足らなかったようですが、酒の関係では、これが消費者の口に入りますまでに、醸造家、あるいは卸、あるいは小売、さらにまた今の消費者代表、こういうように考えればいいかと思いますが、そういうような各界の団体、それぞれなかなか複雑なものがございます。複雑というか、なかなか微妙な関係にそれぞれがある。こういう状態でございますし、全体がやはりうまくいくように大蔵省としては考える。これは必ずしも大蔵省は、税だけ取ればいいじゃないか、そういう意味で醸造家ばかり注意しているというわけのものでも実はないのでありまして、やはり最終には消費者に喜ばれるようにしなくちゃいかない。そういう意味では、中間の機関あるいは卸、小売等にも、私の方もいろいろ注文をつけて参ります。で、今回は、小売業者の程度――小売が入ったのも比較的最近のようですが、在来は醸造家あるいは卸の段階でしばしば話をされておる。しかし、最近は小売もこれに非常に強く意見を反映するようになってきておる。さらに、それに消費者を入れることは本来の筋でありましょうが、そういうところまで前進をするわけであります。
 この法律を大体憲法だという、そういう意味で非常に大きくとられると困りますが、憲法というのは、おそらくマル公を廃止するということが画期的な考え方なのだ、それでマル公を廃止してやっていくについて、私どもいろいろ実情については工夫していかなければならぬ。いきなり今かたいものをこの際に考えることは、ちょっと私どもも踏み切りかねる、こういう実情がございます。しかし、小売を入れて、そうして消費者を入れて、そうして十分消費者の立場からの意見も取り入れていくような、そういう公正なものをとにかく考えていく。そうしてこれを実施いたしまして、しかる上でさらに御検討を願う。それが、ただいま野溝委員のお話の通り、私どもも、これは憲法だから万代不易というようなことは絶対に考えておりません。これはマル公を廃止するその第一段階として、この程度考える。そうして必ずこれはいろいろ工夫を要する点があるだろう、さらにそういう際に皆さん方の御意見に沿うように、私ども工夫して参りたい、かように考えております。
#29
○野溝勝君 最後にお聞きしておきたいのですが、局長の説明では酒類界の憲法だと言われますから、憲法になると、これはのっぴきならぬように固定してしまいますので、今、大臣の答弁によりますると、マル公廃止という点において憲法的な意見も出たかもしらぬというようなことで、永久これにこだわらぬということで、もし必要あれば改正する意図もわかりましたから、何となく肩の荷が軽くなったような気がいたします。この際強い希望を申し述べて、その問題については私の質問はこれで打ち切りたいと思う。
 次に、私申し上げたいことは、大臣は先ほどの御意見の中で、品質を改善していく、消費者に安くするように努力する。主税局長さんも同一の意見だと思います。ところが、今回、清酒は四百万石作らせるわけですね。そうすると、米の増配を二十五万石するわけになる。そうして、価格においては五百円引き下げて、業務用と同じにする。まことにけっこうなことだと思うのです。ところが、それが、審議会を設け運営をうまくやらないと、この間の調節をはかって大衆に安くうまく飲ませるというが、それはなかなかうまくいかぬと思うのです。そこで、特に消費者に安く飲んでいただくという意味において、何か具体的な構想があったら、それを具体的にお聞きしたい、これが一つ。
 それから、品質改善ということになれば、これは酒類全般を通しての広範な意見の中で、米の増配の扱い方をどうしようとするのでございますか。業界間ではいろいろうわさされております。特に清酒の方では全部要求していると言われておる。また、新清酒、合成酒の方では、酒の不足のときに僕らがどんなにお役に立ったか、一つ考えてみて下さいという御意見も出ておる。雑酒も何か意見があるが、こんなぼろい利益を得ているものは問題外である。大蔵省も、清酒や合成酒ばかりやかましく言って、雑酒の名で抜け道のぼろいもうけをしている方を捕捉監督しないとだめだ。これは私の考えを織りまぜての質問でございますが、とにかくそういうような次第でございまして、先ほど品質の改善は全酒類にわたっての御意見だと拝聴しております。この点に関しまして、懇談の間に話を進めて善処して、酒造界における円満なる解決を望むということを、主税局長は言われておるのでございますが、われわれも別にとやかく言うわけじゃございませんが、一つ大臣の考えている所見をこの際承っておけばよいと存ずるのでございます。
#30
○国務大臣(佐藤榮作君) 来年度のお酒を一体幾ら作るか、これはまあいろいろそれぞれの団体でそれぞれの心組みがあって、いろいろのうわさが出ていることだと思います。大蔵当局といたしましては、もう仕込みの時期も近づいておりますので、できるだく早く決定したいと、かように実は考えておりますが、まだ数量を決定いたしておりません。
 ただ、私どもの気持といたしましては、最近の酒の伸び等から考え、また自由競争にするという意味から申せば、相当量が繰り越される程度がいいんじゃないか。今年などはあまり年度繰り越しがないような状況でございますが、これは少し窮屈過ぎるだろう。やはりたくさん作ることが望ましいのじゃないか、こういう意味で増石を実は考えております。おそらく、業界自身から申せば、あまり増石には賛成をしないだろう、こういうふうに思いますが、これは消費者の立場になるのか、あるいは国民に酒を飲ますつもりかといって、おしかりを受けるかもしれませんが、需要の方面から見れば、もう少しふやす方が望ましいのじゃないか。やはり醸造技術もよほど進んで参っておりますから、醸造技術の面でもいろいろ工夫が願えるのじゃないか、こういう点を私どもは、酒団法が成立後においてはそういうことを協会に期待いたしておるつもりであります。もとの石数をきめる。そして品質がよくなるということは、おそらく一番望ましいのは大衆酒と考えられるものの品質がよくなることが望ましいことだと思います。しかし、なかなかこの米の分配の量をこの際変えるということは困難なことじゃないか。私どもは、今回はそこまでは手をつけるつもりはございません。ただ、業界自身に、いろいろの事情で、その権利を貸したりいろいろやっておるようなものもございますが、そういうものは順次正常化していく方向に指導すべきじゃないか。また、地域的に見ましても、それぞれその需給の関係が、場所によりまして非常に供給がちであったり、あるいは需要の方が多かったり、なかなかその需給も全国万遍ではないようであります。これらの点も将来はだんだん工夫していかなきゃならぬことだろうと思いますが、これなども今の業界の姿から見まして、簡単にはそう手のつかないことなので、まあ私どもとしては、そういう点は今後の各界の円満なる話し合いによって結論を出していただく、こういうことが望ましいので、それを行政官庁自身が先に立ってこれらの点に触れるというのは、まだ今の段階では少し行き過ぎじゃないか、実はかように考えております。
 もうできるだけ早く、一体幾ら作るかということをきめなければなりませんが、まだきまっておりません。もう、しかし、予算も済んだ今日でございますから、早急に私どもきめたい、かように事務当局を今鞭撻して、所要の数字をまとめさせておる最中であります。
#31
○野溝勝君 大臣、答弁は求めないのですが、よく聞いてもらいたい。業界に意見が二つも三つも出ているわけですから、この現実をどうするか。私は、業界に干渉するということは反対です。しかし、行政庁でございますから、業界の紛争に対しては調節努力は払わなければならぬと思う。ことに間接税の対象となっている業界に対しては、行政指導をなすべきであります。だから、参考案くらいは示して、調節をはかるように努力されることは必要だと思いますから、その点は十分御留意願っておきたいと思います。
#32
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま言われる通り、私ども、まず業界で話し合うこと、そしてその意味においては私どももできるだけのあっせんをする、こういう気持でおります。
#33
○天坊裕彦君 先ほどからの話の続きみたいなことでもあるのですけれども、安い酒が出るように指導する。――まことにけっこうなことだと思うのですが、ところが、あまりそれが安くなり過ぎると、一方では業界の安定、あるいは酒税の関係でそれをストップさせる。あるいは命令を出してそういう撹乱者に対する制裁もあるわけです。それがこの法律の四十二条か八十二条かにきめてあるわけです。その中の、結局基準価格を著しく下回る値段、価格というもののつかまえ方で、せっかくねらわれた安い値段が安くならないかもしれないという問題があるので、この問題に対して、業界としては、とにかく著しく下回る値段かどうかということについては、著しくなくても、傾向としてなるべくこれ以上下がらぬようにという空気の出てくることもやむを得ないと思うのでありますが、しかし、政府が、これ以上撹乱するような格好になっては困る、これこそ著しく下回る値段であるというふうに認定される場合の心がまえを、どういうところに置いてお考えになるか。結局、著しく下回る等の事態が生じたということを、やや具体的にいったら、どういうふうにお考えになっているかどうか。私は、相当下回っている――まあこれはほかの条件ももちろんありますけれども、相当の程度ではいかぬので、著しく下回った場合にこれが出るのじゃないかと、こう思うのですが、その命令をお出しになる場合の下回るという問題の解釈を、どういう心がまえでおられるか、一つお聞かせ願いたい。
#34
○国務大臣(佐藤榮作君) 基準価格をきめます際は、ある程度の利潤を見る。まあ適正利潤という言葉を使っているが、しかし、この適正利潤を切ったからといってこれは直ちに著しく安くなったとは、言えぬでしょうが、しかし、全然利潤も見ないような価格になったら、まあそれはやはり著しく安い値段だ、こういうことだろうと思います。本来、商売をしているのですから、利潤があるのは当然でしょうし、利潤が多いか少ないかは別の問題ですから、利潤を切ってというのはこれは困るだろうというように考えております。
#35
○天坊裕彦君 まあそれはむずかしい問題ですが、先ほどからいろいろ消費者の利益という問題が出ている際でありますから、これはどこかでそれをつかまえておかなければいかぬので、その点は十分御善処あらんことを希望いたします。
#36
○委員長(加藤正人君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#37
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて。
 他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のある方は、討論中にお述べを願います。
#39
○天坊裕彦君 私は、ただいま問題になっております酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、次の修正をいたしまして賛成をするものであります。
 修正案につきましては、ただいまお手元へ配付いたしましたので、これは朗読を省略をさせていただきますが、若干その趣旨について御説明申し上げますと、本改正案によりまして、物価統制令による公定価格制度廃止の暁には、酒類の価格は基準価格を中心に自由競争が行なわれる結果、販売競争が正常な程度を越え、経営の不健全、酒税の納付が困難となるような事態の際には、業界は大蔵大臣の認可を得て協定価格を定めることとなるのであります。しかし、組合員の中には、組合の統制に服さず協定価格を守らない者が生ずるおそれもありますので、組合の力を補って、大蔵大臣が当該組合員に対し協定価格を守るよう勧告をすることによって、最低価格を維持し、業界の安定と酒税の保全をはかろうとするものであります。
 どうぞ皆さんの御賛成をお願いいたします。
#40
○委員長(加藤正人君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。
 これより、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず、討論中にありました天坊君提出の修正案を問題に供します。天坊君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#42
○委員長(加藤正人君) 全会一致でございます。よって、天坊君提出の修正案は可決されました。
 次に、この可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#43
○委員長(加藤正人君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって修正すべきものと議決せられました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(加藤正人君) 異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(加藤正人君) 次に、専売事業に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は御発言を願います。
#46
○平林剛君 この際、大蔵大臣にお尋ねいたしたいことは、先般来たばこの価格を引き上げようというお話がございまして、政府、特に大蔵大臣もこれは一案だと述べられたことが新聞に報ぜられてから、かなり世論におきましても政府の考え方はおかしいという声が高まったことは御承知の通りであります。その直後、私は政府の考え方を聞きたいと思っておりましたが、きょうまで機会を得られません。たばこの値上げですから、いつの間にか消えたようでありますけれども、現在大蔵大臣あるいは政府としては、たばこの値段を引き上げるというようなことはせないと私は理解をしておるのでありますが、さよう確認をしてよろしいかどうか。
 それから、大蔵大臣は特に、財源に苦労されておるとはいえど、たばこの値上げをするというような問題のときに、軽率にこれも一案だなんということをあまり言わないでもらいたい。私は、たばこの価格というものは、従来の経験から見ると、やはりもち屋はもち屋で、専売公社というものがあるわけですから、専門的にこれらの全般行政をあずかっておって、商品としてどういうように売れるかという問題については、価格の面でも相当考慮すべき点がある。これは経験から生まれてきておるので、十分これらの点を相談をして、これも一案だという発言をしてもらいたい。その点について、大蔵大臣、あの一案というのはどういう意味で一案だか。ただこれは、たばこの値上げをしてもうけようなんというのはだれでも考えることで、これは失礼な言い方かもしれませんけれども、全般の情勢を御存じなくてお話しになる。現に、それも一案だと大蔵大臣がおっしゃるからには、相当な根拠があると思う。おそらく今日ではこういうことはないと思いますけれども、一応私はその点、苦言を呈して、政府の考え方をこの機会にはっきり確認をしておきたいと思います。
#47
○国務大臣(佐藤榮作君) さすがに、平林さん、前歴からも、非常に適切な御高見を拝承いたしました次第で、私、大へんありがたく存じます。
 ところで、ただいまもお話がございましたが、たばこの話だから煙になったのじゃないかというお話でございますが、全くどんなところでどんな話が出てくるか、実はわからないものでございまして、大蔵大臣としては、非常な不用意な発言というおしかりを受ける筋かもわかりませんが、治山治水についての特別会計論をめぐって、いろいろな議論が与党内にございますが、その与党内の一つの意見の表われでそういうものが出てきたわけであります。これはいわゆる政調会で決定したとか、あるいは総務会で決定したとか、そういうものでなしに、二、三の人がそういう話をしておる、そういうところで、一体どうだという話が出たという程度のものなんでございます。それを、たまたま私ども閣議の後に記者会見をして、いろいろのときに、そういう話を記者諸君から聞かれる。それに、あえてそれはできないとか、それはだめだとか、こういう発言をしなかったことが、いろいろ誤解を受けるもとになっております。だから、もちろん事柄の性質からも見まして、専売公社をして十分検討させなければ、よし値段を上げるにいたしましても、たばこの値段は、私が申すまでもなく、各品種によって一応の価格に均衡がとれておるのですから、その中の一つ、二つを上げて、それでたばこの売り上げを維持できるものじゃない。過去においても苦い経験があるのでございます。それくらいは私も承知はいたしております。ただいまも申し上げますように、非常に偶然といいますか、軽率な思慮のない発言がああいう問題を引き起こしたと、かように御了承いただきたいと思います。ただいまは、そう言っては非常に不まじめなようなおしかりもあるかもしれませんが、ただいまは煙のごとく消えております。その点だけはっきり申し上げておきます。
 また、今お話のありましたように、あるいはたばこに限らず一部増税論なども出ておりますが、これも、そういう議論はございますけれども、大蔵大臣といたしまして、増税や、また特殊な消費物資、ことに税金が価格を決定をしておるようなものについて価格をいじるようなことはよくよくの場合でない限りやるべきでないこと、これは私もよく承知いたしておりますから、さように御了承いただきたいと思います。
#48
○平林剛君 たばこの価格の問題については了承しました。私は、かねがね持論として、たばこのような品物、これは、税も含まれておりますけれども、一面から見ると、商品であります。こういうものを取り扱う値段については、政策的なものだとか政治的な角度からとらえるのでなくって、やはり専売公社という機構がある以上、ここに主体性を持たせて、その判断をよく聞いて、政府として方向をとっていただく必要があるんではないか。現在の法律やその他では、政府が意見は聞くでしょうけれども、どっちかというと、その都合で財源の捻出その他で考えられやすい。これを一つ改めていただくように、この際希望しておきたいと思います。
 そこで、もう一つ聞きたい点は、とにかくこういう話がどこからか浮かび上がってきたというのは、来年度の予算編成をめぐって、特に治山治水などの経費捻出のために、政府部内においてもいろいろ御検討なさった結果だと思う。しかし、これは、私に言わせれば、身から出たさびで、やたらいろいろな考えを出されるのは、政府の根本的な方針が違っているからだと申し上げたいのでありますが、そこへまた一つの案が浮かび出ておるようです。それは、たばこに広告を出すという話が伝えられておるのであります。私は、その新聞報道を見たときに、またこれ政府は一つの考えだということで、大蔵大臣が軽々に意見を述べるかなどと心配をしておったのであります。たばこに対して広告を出すという場合は、いろいろむずかしい問題が派生するんじゃないかという考えを持っておるのであります。たばこに対する広告である程度経費を浮かす、それは一体何か。税金か、それとも広告代と称すべきいわゆる一般の民間におけるものと理解すべきか。これは政府でやるべきか、民間でやらせるべきか。もし、民間、あるいは政府でこれをやるとするならば、他の一般の広告に対しては世間から広告税を取るべしという議論が出て参りまして、当然それに派及せざるを得ない。しからば、民間にこれを移管するということになれば、ここにまたむずかしい問題が出てくるということに相なりまして、実際問題としてかなり慎重な考慮を必要とするのでないか。また、実際の製造過程から見ましても そのためには機械をある程度直していかなくちゃならぬし、煩頑な手続の結果、公社の職員の労働問題にもぶつかってくる。なかなかこれは簡単な問題でないように私はひそかに考えておるのであります。意見を先に述べてしまいましたけれども、政府はこのことについて何かの具体的な考えを持っておられるのか。また、大蔵大臣としてはどういう意見をお持ちか、この際お聞きしておきたいと思う。ただ、先ほど申し上げたように、軽々に言うべき問題でありませんから、専売公社と事前によく相談がなければ、その点については答弁は深くする必要はございません。
#49
○国務大臣(佐藤榮作君) 平林さんから、軽々に返事しちゃいかぬと言われ、そうして委員会で答弁しろと言われる。ちょっと私も困りますが、私自身身まだその話は相談を受けておりません。また、専売公社自身からもそういう相談を受けておりません。従いまして、まあそれだけの事実だけ申し上げますが、先ほど来ありましたたばこの値段の値上げという点はなかなか容易でないという、こういう意味から、何か変形なものがあるのじゃないのかというような議論でも出た結果じゃないかと思います。まあそういう場合に、扱い方の問題でしょうがこれは専売公社の意見を無視してどうこうなかなか困難でしょうが、やるとしたときには、それはいろいろ問題があろう。ただ、今専売公社は、相当の数量のものについては特別な意匠でたばこを出している。ああいうものの変形が容易にできるかできないかということは、一つの問題かもわかりません。これは現実にそういうものが出ている、あるいは中にカードが入っている、こういうようなことがございますが、こういうのは、私は、いい悪いは別として、今現実にそういうものがあるということだけを御披露しておくという程度に一つとどめさしていただきたいと思います。専売公社の意見も聞いておりませんし、私自身の方からも公社の意見をただしたこともないというのが現状でございますから、御了承いただきたいと思います。
#50
○平林剛君 大蔵大臣は、私の質問はこの問題に関してはございませんから……。
#51
○椿繁夫君 きょう災害の補正予算が成立したわけですが、この中の財源に、専売益金納付金ですか、二十五億を計上しておられます。これは公社の方の今年度当初予算で千二百億の納付金が計上されておるわけですが、こういうふうになってきますと、またいつかのように、安いたばこを出さないでできるだけ高級品を買わせるようになってくるのじゃないかという心配を私はするんですが、そういう公社の益金の納付金ですね、大した無理なしに――安いたばこを売り惜しみして、できるだけ高級たばこを買わせるということに響いてきやしませんか。
#52
○説明員(石田吉男君) 本年度の補正予算に計上いたしましたのは、ことしは当初予定しておりましたものよりも非常に売れ行きが伸びておりますので、ただいまお話しのようなそういう無理をしなくても、十分あの程度の財源は出て参るという見込みでございます。
#53
○椿繁夫君 それに関連して、消費が非常に伸びておる、需要が伸びておるということで、心配ないということでありますが、最近テレビとか何かいろいろなところで、たばこをのまないと非文化人のような感じを与えるような宣伝を一生懸命やっておられる。あれは、どこがやっておる。あなたの方がやっておるのですか。
#54
○説明員(石田吉男君) 実は、現在テレビでやっております広告は、私の方の公社の予算ではございません。前にアメリカから余剰農産物としてタバコを買ったことがございます。その際に、これはタバコに限らないのでありますが、アメリカの農産物の市場開拓資金ということで、アメリカ政府から宣伝資金が出て参りまして、金額はちょっと覚えておりませんが、これは小麦とかめん類とか、いろいろなものに出ているようでございますが、その金が出ておりまして、その計画に従ってやっている宣伝でございます。
 まあ最近、公社の労働事情が影響いたしまして、かなり在庫が減っておりますので、この在庫の減っているときに無理な宣伝をして、買いに来たけれどもたばこがないというふうなことになると困りますので、例年でございますと年末にはかなり贈答用の宣伝もするのでございますが、ことしはそういう宣伝は控えております。
#55
○椿繁夫君 労働事情のために在庫が減っておるから、年末になっても宣伝をせぬということでありますが、それだけじゃなくて、婦人とか――まあ婦人がたばこを吸っちゃいかぬという説を持っているわけじゃございませんよ。まだ成年に達しない人が多くテレビなど見るのですけれども、それで、しかもああいう宣伝の仕方というものは、ごく若い人たちに対してたばこを吸うことを奨励しておることなんですよ。そこで、いろいろな会合で、政府の機関、しかも公社などで、幾ら金があるからといったって、いかにもたばこを吸わぬ者は非文化人のように、何とかのアクセサリーとか何とかいってやっておるが、ああいうことを政府機関がやるべきじゃない、公社などがやるべきじゃないという議論があるんですよ。これは、在庫が少なくなったから、ことしはやらぬという考えと、私の考えは違う。そういう世論に対して、在庫が豊富になってくればまたやるつもりか。金があれば、またいろいろな機関を利用して宣伝されるつもりでしょうか。
#56
○説明員(石田吉男君) たばこを、政府機関である公社のようなところが大いに宣伝をして売るべきかどうかということにつきましては、いろいろ御議論のあることは私ども十分承知いたしております。問題は、たばこがはたしてどの程度審があるかというふうなことから発展するわけでございますが、私どもとしますと、とにかく政府の機関として、たばこを売るんだ、大いに売れ、こういう使命を与えられているわけでございますので、まあそういう御批判のあることも考えながら、宣伝をいたします場合には、あまりどぎつくならないようにということで、かなり普通の商品とは違って緩和したといいますか、そういう意味の宣伝をするように気をつけております。しかし、仕事といたしましては、まあできるだけたくさん売る。その場合に、もちろん未成年者などには売っちゃいかぬのでありますし、未成年者なんかに売らぬように、これは法律もございます。従って、社会通念上差しつかえない程度で宣伝をやっていきたい。そのために宣伝の予算もございますが、これはまあいろいろ御意見のあることだと思いますけれども、私どもは、そういうことを考えながら、なおいろいろな御意見があれば十分拝聴いたしますけれども、穏やかな宣伝をやっているというふうに御了承いたただきたいと思います。
#57
○椿繁夫君 青少年の不良化対策というふうなことが非常に大きく問題になっておるときですから、私は、宣伝はそうやられぬでも、たばこは売れるんじゃないかと思う。だから、やめてもらいたいという希望を持っております。
 この機会に、大蔵大臣お急ぎのようでありますから、この法案が上がりましたから、もうちょっと委員会であなたにお目にかかる機会がなかろうと思うので、ちょっとお聞きするのですが、造幣局の熊本出張所というのがございますね。ごく小さい出張所らしいのですが、ここが何か来年度の予算のときになると閉鎖されるのじゃないかということで、あそこで貴金属などの検査を受けております関係方面、これはごく利用度は少ないようでありますけれども、非常に不便になるということで心配されておりますし、また、わずかな従業員ではありますけれども、閉鎖されると一体どうなるのだろうかというふうな心配をして、私のところへ相談に来た人がありまするが、そういうことをお考えになっておるのでしょうか。お聞きになっていませんか。
#58
○国務大臣(佐藤榮作君) 実は、私は聞いておりませんのでございます。また、造幣局の出張所が熊本にあるということも、所管事項でありながら、大へん申しわけないことですが、つまびらかにしておりません。どの程度のものですか……。閉鎖されるということは、そこに勤めておる人たちに大へんな問題ですから、これはよほど慎重にやらなければならぬことだと思います。具体的に話を聞いておらないうちにどうこうするということは、まだ考えておりませんが、十分実情をよく調べましてもしそういうことがあればあるで、十分対策を考えていくことにしたいと思います。
#59
○平林剛君 私、専売公社に、ただいまの椿委員の宣伝の問題について、少し意見を申し上げておきたいと思っております。
 最近、党内で議論をするときも、ときどき専売公社の宣伝が問題になるのです。専売事業で宣伝をすることが適当かどうかということもありますが、私は、ある程度の宣伝は必要だと思う。問題は、PRのあり方なんです。「今日も元気だ、たばこがうまい」程度は、これはあまり罪はない。ところが、「たばこは動くアクセサリー」だなんといって、女の人がぐるぐる動くなんというやつは、どうも、何だか、専売公社が婦人にたばこをどんどん広げる――これはまあそういう意向もあるかもしれないが、古い考え方からいくと、婦徳の問題からどうだというふうなこともありまして議論がある。それで、私は、これは結局、専売公社のPRのあり方というものが問題だと思う。
 今お話しのように、この財源というものは、余剰農産物の資金、これは五百万ぐらいとかあるいは五千万ぐらいだとか聞いておるのですが、それをどうせ使うときには、私は、もっと別な角度からPRをしたらどうだろうかと、かねがね意見を持っておるのです。たとえば、たばこの中で、ピースと光、「いこい」とは、どういうふうに葉組みが違っておって、味を出すのに苦心をしておるというようなことで、自然にたばこの宣伝をするとか、たばこの葉っぱの種類が一体どのくらいあるのだという、国民にたばこの知識を与える形でたばこにヒントを持たせるとか、または、外国のたばこの種類を紹介することによって日本のたばことの比較をするとか、あるいは工場の中の仕事の内容を説明して、国民は一体どうしてたばこができるのだろうかと興味を持っておる、そういうことを通じてたばこのPRをするとか、各国の喫煙量がどうなっているとかというような、もっと知識的な形ですね、いわゆる今の宣伝は低俗だとは言いませんけれども、そういうような角度から宣伝をされるような方向を考えたらどうかということを考えている。これは私の意見であります。
 同時に、この機会に聞きたいのは、専売公社の経営に若干の批判が最近出てきたことは、まことに遺憾である。それは、国民に対するサービスという面で……。
#60
○委員長(加藤正人君) 平林君に申し上げます。御発言中ですが、大臣非常に急がれるようでありまするが、大臣に対する質問はありませんか。
#61
○平林剛君 ちょっと……。国民に対するサービスという点ですね。私は、先ほどの酒の問題についてはその点を強調したわけです。法律自体に国民に対する保護という面に欠けている。同じように、専売事業の中においても、国民に対するサービスという点を常に考えておいてもらわなければ困るじゃないか。他の公社の中で、たとえば電電公社のようなところは、最近は赤電話とか、その他目に見えるサービスが進んでおりますね。専売公社の場合はそういう面においてどういうことができるか、あるいはどういう形で国民にサービスするかというようなことを研究してもらいたいと思っておる。宣伝の仕方についても、私は、そういう気持が出て、国民に知識を与えながら、かつ宣伝をするというあり方があるんじゃないか。専売公社はそういう国民に対するサービスを検討するような機構が、私はどこにあるかよく承知していない。公社として、どういう形で今後国民にサービスをしていく、またそれを検討する機構をどこでやっているか。もしなければ、そういうものを設置して、今国民から若干出ておる批判にこたえていく工夫をすべきでないか、こう思うのでありますが、それについての考え方を聞かせていただきたいと思います。
#62
○説明員(石田吉男君) 専売公社といいましても、主としてたばこ関係のお話だと思いますが、たばこにつきましては、値段がきまっておりますので、その値段のきまった範囲で国民に対するサービスということは、一番その値段の範囲で許し得る限りいい品質のもの、国民がその値段相当に満足し得る品質のものを供給するということだと思います。その他、たばこの販売等の正面におきまして、一般の消費者の方々あるいは小売の業界の方々、そういう方々から不満がないということを目標にすべきだと思います。それで、私どもは、公社をあげてそういう考え方でやっておりますので、特にそういう機構を作らないからそういうサービスに欠けているのだ、サービス精神に欠けているのだということにはならないように思いまして、むしろ、そういうサービス精神を各部門におきまして十分に考えながらやっていくということに主眼を置いてやっているわけであります。
 ただ、やはりどういう点に不満があるのかということは始終キャッチしておく必要がありますので、そのためには、従来からやっていたのでありますが、最近はその苦情引き受け所というふうな意味で広報課を特に設けまして、現にその広報課を設けましてからは、そこへいろいろな苦情がずいぶん集まって参ります。集まって参りました苦情を、それぞれ整理をいたしまして、必要な部門の方に流し、直すべきところはどんどん直していくというふうに努めております。
#63
○委員長(加藤正人君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#64
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて。
#65
○平林剛君 それでは、たばこの問題についてもう少しお聞きします。たばこの小売手数料の引き上げについて最近国会に対しても多数の請願がございまして、各党でもこの取り扱いについて検討しておるのでありますが、そこで、この小売手数料の引き上げについて、まだ正式に専売公社の考え方を聞いたことがございませんから、きょうは今後の検討素材として、専売公社の考え方を聞かせておいていただきたい。それから、その中で要望、すなわち、現行の八分を一割に引き上げるということを実現するために必要な財源、これはどの程度になっておるかということも含めて、考え方を聞かせていただきたいと思います。
#66
○説明員(石田吉男君) たばこの小売店が、戦前に、割引歩合といっておりますが、その販売手数料が一割だったから、現在八分のを一割にしてくれということは、先年から強い要望がございます。ただ販売手数料を幾らぐらいが適当であるかという算定をすることが、なかなかむずかしいのでございまして私どもの方では実態調査をいたしまして、いろいろの数字を集めているのでありますが、それによりますと、現在の八分、総金額にしますと、各小売店のたばこの販売量というものはほかの商品に比べてそう大きな取り扱い量にならないのでございますが、従って二店当たりの総金額、総利益と申しますか、そういう点ではあまり大きな金額にならないのでありますけれども、ほかの商品といろいろ資本の回転率とかあるいは経費のかかり方とか、そういうものを調べてみますと、非常にいい率になっております。たとえば、戦前の手数料収入と現在のを、現在の物価指数で引き直して考えてみますと、物価指数が大体四百倍ぐらいになっている。ところが、一店当たりの利益といいますか、それが七百倍以上になっているというようなことで、私どもの方で調べました数字からの判断によりますと、現在の八分では低過ぎるという、そういう結論がどうも出にくいのであります。従いまして、現在の八分を引き上げる積極的な理由と申しますか、そういう点が明瞭でないのでありますので、まあ販売業者の方方にも、私どもの方もさらに実態調査を続けるから、各業界におかれてもいろいろな資料を一つ調査をしていただきたい。こういう問題は、ただ幾らぐらいがよろしいから幾らにしようという勘ではいけないので、ある程度計数的に検討を加えなければなりませんので、たとえば、私どもの方から予算要求をするにしましても、ある程度の説明のつくものでないといけないので、何らかの根拠がほしいということを申しております。現在私どもの方で三十五年度の予算の要求をしているわけですが、それには八分のままにしてございます。
 ただいま財源云々の話がございましたが、これは販売手数料をかりに一分上げますと、年間の販売金額が約二千五百億見当になりますので、それだけですぐ三十五億専売納付金が変わって参る。二%上げれば五十億円以上の差が出るということで、結局、財源といっては単発納付金を食うといいますか、それだけ専売納付金が減ってくるというわけでありますので、財源的にどうこうという問題よりも、そういう財政需要とも見合っても考えなければいけないのであります。私どもの方の立場からいたしますと、何らか、やはり現在のでいいと思っているわけでもありませんけれども、それを上げなければならない積極的な資料もなかなか見つけがたい。それで、なお検討は続けて参るというふうに考えております。
#67
○平林剛君 きょうは特別に意見を入れてお尋ねをいたしませんが、専売公社が実態調査をしておられるという以上、ある程度各般の資料をおそろえになっているのではないか。私も、今後国会としての考え方をまとめるような段階が来たときに必要な資料を、この際公社から提出をしておいていただきたいと思うのであります。その一つは、小売店の平均所得ですね、これを戦前適当な標準とするときから今日までの推移がわかるような資料。それから、小売店の売上額の階層別な調査ができておるかどうか。たとえば、一カ月に五十万円売り上げるところが何軒ぐらいで、それから百万円以上は幾ら、百五十万円は幾ら、こういう工合に、階層別に分数できるような資料をいただきたい。これは狭い坪数でたくさんの売り上げをしておるところもあれば、十六万の小売店の中には、非常に零細な所得しかないというところもありまして、今後の判断をするための資料になるわけであります。それから、小売店の専業と兼業との資料、専業の小売店が十六万の中でどの程度あるか。また、たとえば小間物屋さんとか酒屋さんとかいろいろ兼業しておるわけでありまして、小売店といっても一がいにいきませんが、この業態についての資料をいただきたい。
 次は、小売店の中には、現在八分を一割に引き上げてもらいたいというのを非常に痛烈に感じておる人たちもおるわけであります。特に専売公社は、小売店を許可する場合に、身体障害者とかこれらの人を重点的に許可するような方針を従来とられてきたように思うのでありますが、これらの人たちにとっては一つの生活問題であります。そこで、この身体障害者をそういう特例によって許可をされたのは、全国的にどのくらいあるか、これを一つ知らせていただきたいのであります。
 それから、次には、政府関係の事業あるいは類似事業、小売店に対してたとえば切手、印紙を売っているようなものは、同じ政府関係事業の中にあるわけであります。それから、小売店と類似する事業も先ほど申し上げた中にも出てくるわけであります。そういう比較できるような事業との利潤の比較、これはできておるかどうかわかりませんけれども、先ほどお話の中に、他の仕事と比較をして利潤の点お話がありましたから、多分あると思います。このことがわかるような資料を一つそろえていただきたい。
 大体これらがあれば、この請願あるいは最近の要請がどういうところに落ちつけていいかという判断の基礎になるので、私どもとして資料をもらいたいと思います。いかがでしょう。ただいま申し上げた中でできるもの、またほかにあれば、一つそれをつけ加えていただきたい。
#68
○説明員(石田吉男君) 私の方の直接の仕事の関係のものはできると思いますので、それは後刻提出いたしたいと思います。ほかの業態のことをいろいろお話がございますが、所管が違いますので、できるだけ調べはいたしますが、なかなか御希望のようなものはそろわないかもしれませんが、あらかじめ御了承を願っておきたいと思います。
#69
○平林剛君 できるだけ判断をできるような資料を積極的に御提出願いたいと思います。
 そこで、先ほどのお答えの中に、三十五年度の予算の中には小売手数料は八分として計算して政府と折衝に入っておる。政府に提出しておるというお話でございましたが、昨年行なったと同じように、小売手数料の引き上げは実施できなかったけれども、販売奨励金というような名目で政府に要求をなさっておるかどうか。私は、去年二億円の販売奨励金を政府においてきめられたことを承知いたしておるのであります。現在、私の得た情報では、これをかなり上回る金額を販売奨励金として算定をし、政府に要求をしておるという話を聞いておるのでありますが、これは事実かどうか、この点をお聞かせ願いたい。
#70
○説明員(石田吉男君) 販売奨励金の方は、昨年通り、二億円を要求してございます。
#71
○平林剛君 これはちょっと飛んだ質問になるかもしれませんが、販売奨励金の性格はどういうものですか。
#72
○説明員(石田吉男君) その二億円のほかにも、従来から販売報償費という予算がございますが、これはできるだけ小売店を援助して販売を促進する、そのための費用でございます。
#73
○平林剛君 それは金額にしてどのくらいになりますか。
#74
○説明員(石田吉男君) ただいま手元に資料ございませんが、昨年度の予算は予算書でごらんいただきたいと思います。
#75
○平林剛君 予算書をただいま持っていないのでありますが、十億をこえる金額になっていますか。
#76
○説明員(石田吉男君) そんなにたくさんの金額じゃないと思います。
#77
○平林剛君 専門家がよく御存じなくて、私の方で予算書を見たければならぬとすると、手間がかかりますが、それではもう一つ聞きます。この販売奨励金の使い方について、私は昨年若干の疑義を持ったのであります。少なくとも、この二億円の予算は、小売手数料の引き上げが諸般の事情から見てできなかったので、その代理といえばおかしいけれども、小売店の販売意欲を高めるために認められた金額だと承知をいたしておるのであります。小売店一軒当たりにすれば、十六万の小売店に分配すれば、一軒当たり千三百二十円程度。わずかな金額でありますが、もともとこれができ上がってきた経過をたどれば、そういう趣旨のもののように理解をしたのであります。ところが、これがそれ以外の使途に使われておる。すなわち、他の運動資金に使われるというようなことは適当でないのじゃないか。たとえば、ほかの運動をするために、あるいはこれに似た運動といたしましても、この金額はやはり小売店の手元に帰するべきものであって、これを一部の人たちが動かすということは適当でない、かように考えておったのでありますが、事実はこれに反して行なわれたようであります。私は、今年もまた二億円が組まれておるとすれば、その性格からかんがみて、小売店に販売奨励の資金として渡すべきであって、他に転用するのは適当でないと思うのであります。専売公社は一体どういう考えで今年はおられるか、また従来のさような事実について、公社としてはどういう形で指導なさいましたか、この点を明らかにしていただきたい。
#78
○説明員(石田吉男君) ただいま数字がございましたが、三十四年度の予算では、販売奨励費が二億九千四百万円であります。そのうちの二億円が先ほど来お話のあった分でございますが、この二億円は、一カ月百万円以上の売り上げのある人を除きまして、各小売店全部に分配いたしました。お話のようなことは存じません。
#79
○平林剛君 副総裁が御存じないことを、私が知っておるのであります。それは、今度の小売手数料の引き上げの運動資金として流用されておる。私は、運動自体悪いというのじゃありません。大いにその考えておるところを政治に反映するために運動されて、正しいものであればこれを認めるという態度が望ましいのであります。ところが、一軒当たり千三百二十円の中から一戸当たり幾らかの徴収をいたしまして、そしてこれが地方の運動資金になると、これは適切な生かし方ではない小売店全般の総意に基づいて行なわれている場合といえども、他の方法で行なうべきだと思うのであります。だから、これはほんとうの目的のために使ってもらいたいという私の考えであります。副総裁は御存じなくとも、前の販売部長はこの点を、たばこの小売店の組合の代表者の会に臨みまして、さようなことは各方面から批判を受けておるから、そういうことはしないように一つしていただきたいという指導をやっておられるのです。副総裁は御存じなくとも、あなたの部下である前の販売部長は、そういうことを販売関係の組合にもお話ししておる。それが筋道ではないかと思うのであります。あなたは御存じないようでありますが、そういうような事実もありまして、今後これらの金が行く場合には、費途についてもやはり他から指摘を受けることのないようにすべきだと、その責任はやはり専売公社にもあると思いますが、今後のお考えをこの際聞いておきたいと思います。
#80
○説明員(石田吉男君) 公社といたしましては、これは小売店に配分すべき金でございますので、ただいま申し上げましたように、全部小売店の方に分配してございます。御承知のように、小売店の方ではそれぞれ組合が結成されておりまして、その組合がいろいろな事業をやるというためには、各小売店から組合費とかいろいろな形である程度の経費を徴収しておりますが、今お話を伺いますと、あるいはそういう形で、一ぺん分配されたものの中から小売店がまた組合の決議等に従ってそういうことをやったのだと思います。しかし、趣旨といたしましては、こういう分配金があった際に、その中からいきなり差っ引いてしまうというふうなことは感心したことではございませんので、小売業者の組合としてはいろいろな事業がありましょうから、その事業の一環としていろいろなことをやるということは、これは一向差しつかえのないことだと思いますが、もしお話のようなことでございますれば、私どもとしても、あまり感心したことではないと、かように考えます。
 ただ、まあ、公社にも責任があると、こういうお話でございますが、監督上の責任と申しましても、事実上いろいろな勧告をする、あるいは忠告をするということはありますけれども、組合は組合自体として一つの法人格を持っておりまして、それによって動いておりますので、組合がこうやったから全部公社の責任だと、こう言われても、いささか迷惑をするところもございます。御趣旨は、私どももその通りだというふうに考えております。
#81
○平林剛君 この問題はこの程度にいたしておきますが、私はやはり、あまりよいやり方ではないと思いますから、物事をきめるときにこういうことははっきりさしておくべきだと思う。来年度の予算のときに、またこの問題を明らかにしておいた方がよいと思います。
 次に、お尋ねしたいのは、たばこの販売の方式についてであります。それは、最近専売公社としては、たばこの販売を従来のやり方と変えまして、これを民間の会社に移管していく方式をとられておるように感ぜられるのであります。販売だけの代行会社を作って、漸次これに移行するやのように見えますけれども、専売公社としての基本的な考え方は一体どこにあるのか。すべて現在の公社の業務をそういう形にして、民間の代行者を育成するような方向に積極的に乗り出されるつもりなのかどうか、この点を明らかにしておいていただきたいと思います。
#82
○説明員(石田吉男君) 即売の方式についてでありますが、数年前まで専売公社のやっておりました販売方式というのは、各地方に出張所がございまして、その出張所に販売業務員というものがおります。その販売業務員が各小売店に一々品物を持って参って、そこで代金を受け取る。そういう現金売りでございますので、かなり多量の品物を持っていきながら、そこで間違いのないように現金を受け取ってくる。その間に、まあできるだけ販売の促進もはかるというふうなことをやっておりまして、一人の業務量といいますか、業務の内容といたしましては、かなり広範な仕事をいたしておるわけであります。そこで、私どもとしますと、販売の促進をできるだけはかっていくというには、どうしても小売店と公社の販売業務員との間の接触を密にいたしまして、できるだけいろいろな面で販売の促進をはかるということが必要だという考えを持っております。
 最近、これは公社だけでなしに、いろいろな商品の面におきまして、いわゆるセールス・プロモーションを科学的なやり方で具体化して参るという行き方が非常に発達して参りまして、単に、ただ店へ品物を置いてきて、金を受け取ってくるというようなことでは、販売を伸ばすことはできないということで、各方面でいろいろ研究の結果、成果をあげております販売のやり方というものを、私ども大いに勉強いたしまして、そこで、現存やっております販売業務員の仕事を、できるだけ近代的な販売促進、いわゆるセールス・プロモーションの線に乗せて参りたいということを考えまして、いろいろ販売方面の人に訓練を行なっております。そういう場合には、従来やっておりましたようないわゆる注文取りということと、それからたばこの配給の仕事ということと、代金を受け取って参る、こういう仕事を一人の人が何もかもやっておるということは、非常に不自然でありますので、そういう観点から、できるだけ販売促進のセールス・プロモーションの方に業務員を訓練して参りたいと、こういうふうに全体の行き方を持ってきつつあるわけであります。
 その際に、どうしてもそういうふうになりますと、仕事の内容が分離して参りますので、その場合にさらに増員をするというふうなことは適当だと思われなかったものでありますから、むしろ販売員としての訓練を先行させまして、そのために、いわゆる単なる配達業務といいますか、配給業務といいますか、そういう面はできればほかの方にやってもらいたいということを考えたわけであります。そういう意味で、実際に何カ所かでまあ代行配給ということをやっておりますが、その方式でやっておりますが、現実にその結果を見ますと、かなり販売促進の効果があがっております。従いましてただ、これはどこの地域でもできるというものではありませんので、地域的にもそういうところに適したような場所、それから代行配給をやります場合には、小売人の組合がその配給機関になっておりますが、小売人の組合にもいろいろございまして、そういう仕事に適するような組織のはっきりしたところと、それから必ずしもそうでないところがございますが、そういうところはまあある程度代行配給というものをやっておるわけでございます。
 ただ、まあ代行配給につきましては、いろいろ問題もございます。かなり法制的にといいますか、かなり擬制的なところもあるのでございますが、ただいま試行期間中でございますので、いろいろ得失なども検討しておりますが、まあ基本的な考え方としては、販売促進のためにはそういう方向に行かざるを得ないのではないかというふうに考えております。
#83
○平林剛君 ただいまのお話を聞きますと、専売公社は、販売事業の代行会社を作ることを、どういう理由があったにせよ、その指導のもとに行なっておるというふうに聞こえるのであります。これはゆゆしき問題だと思います。自分で専売事業というものを分解していこうという考え方に立っておる。ただいまのように販売の促進をはかるという意味では、何も民間に代行会社を作り上げなくても、公社の機構を充実して、たとえば定員を増加することによっても可能なのに、これを捨て去って、民間にこういう会社を作る。しかもその民間の会社たるや、小売人の組合を主としてやらせる。副総裁も言われましたように、いろいろな問題があるので、もしこういう代行配給の会社がつぶれた場合、だれがその犠牲者になるかというと、小売店がそれぞれひっかぶってこなければならないということになりまして、将来大きな問題を残してくるのではないか。小売店の中でも、現在先行きどうなるかわからないものに出資をして、むしろせざるを得なくなって、これを行なっておりますけれども、利潤が上がらないことには、結局自分の負担になってくるわけであります。利潤を上げるということになれば、国家財政から、どうせその会社と契約をするのでありますから、相当の資金が流れるということになって参りまして、国家的に見てどっちが得であるかというようなことは、軽々に判断できない要素を持っておるのであります。
 公社もそうせざるを得ない、そういう方向に行かざるを得ないというお話がございましたけれども、私が一番心配しておりますのは、地域的に可能な条件、たとえば北海道のような場合そういうことが適当であったとしても、全国的にこういう方向をとるべきでないと考えておるのでありますが、その点について、専売公社は何か地域的に原則的なものを持って、そうして将来犠牲的なものがあるかもしれないものを施行さすのかどうか。もしこの事業が失敗をした場合には、一体だれが責任をとるのか。それから、失敗をしないようにするためには、利潤がなければならぬ。利潤を得させるためには、かえって国家として財政支出がふえるということになって、むしろ公社の職員をふやした方が安上がりになるということも考えられる。こういう点についての考え方を聞かしていただきたい。
#84
○説明員(石田吉男君) 平林委員のお話には誤解があるようでありまして、私の言い方が悪かったのでございますが、私が今申し上げましたのは、代行会社を作るということを申し上げたのではないのでありまして、現在小売店の組合がやっております代行配給制度ということについて申し上げたわけであります。
 それから、地域的云々と申し上げましたのは、どの地域がどうということではないのでありまして、やはりこういう現在やっております代行配給の結果をいろいろと検討してみますと、やはりある程度相当の売り上げもあり、小売店も集約して固まっているというふうなところ、それから地域的にもまとまりのいいようなところ、ということが一つの条件になるので、そういう代行配給をやってもやっていけるような場所という意味で申し上げております。
 現在、経費云々の点がございますが、これはそういう組織を作ったために、現在やっているよりも経費がよけいかかるということでは、これは何にもなりませんので、一つのめどとしては、従来やっているよりも少ない経費で済むということを一つのめどにしております。従いまして、そのために経費が非常にかかるというふうなことですと、これはなかなかそういうふうには踏み切れないのでありまして、販売の促進をやる。しかも、少ない経費で販売の促進がやれるというところに主眼を置いているわけであります。
#85
○平林剛君 現在まで専売公社として代行配給をやらしておる地域、それから今後そういう傾向、あるいは計画が進められている地域、どういうところにございますか。
#86
○説明員(石田吉男君) 現在やっておりますところは、これは公社の支所の区域ごとに申し上げますが、十二個所ございます。渋谷、篠の井、石巻、福島、岡崎、金沢、呉、安芸、坂出、新浜、今治、小倉、これだけでございます。なお、現在考慮中でありますところは、長野県の一部と香川県の一部でございます。
#87
○平林剛君 これらを代行させるところは、民間の会社というよりは小売人の組合だというお話がございましたが、これからもそういう考え方で進められておるんですか。
#88
○説明員(石田吉男君) さしあたっては、そのように考えております。
#89
○平林剛君 現在鹿児島県の大島においては、有村商事という民間の会社が入ってこの代行配給を受け持っておるんです。そうすると、単に小売店の組合にやらせるというよりは、新たな事業会社ができてそこに移行させるという傾向も見られますが、この点はいかがですか。
#90
○説明員(石田吉男君) 奄美大島の話は全然別でございまして、まあたまたま代行配給という言葉を使っているようでございますが、ここは輸送機関の非常に少ないところで、そのために、たしかそれは運送会社だと思いますが、その運送会社が配給の仕事をしているということでありまして、今御議論になっております代行配給とは全然別のものでございます。従いまして、それは会社がやっているといいましても、運送会社がやっているということで、これは今の問題とは別にお考えいただいた方がいいと思います。
#91
○平林剛君 現在まで施行されておる代行配給会社といいますか、この事業をやっておるところに、専売公社から支出をしたいわゆる契約金、これと、公社の職員を増員すれば十分これができたのにかかわらず、かえって契約金が多いのではないかという疑問を持っておるわけです。このこまかいことについて、公社としてどういう状態になっておるか。ここで言葉を尽くすことができなければ、資料としてこれの提出をしていただきたいと思います。いかがですか。
#92
○説明員(石田吉男君) 現在やらしておりますのは全部小売人の組合でございまして、それに対しましては、損も、それから利益も出ない程度、実費だけでやるというふうな建前で計算をしております。従いまして、どこの組合でも、これはまあある一つの予定経費みたいなものでやる関係上、多少赤字が出たり黒字が出たりはしておりますが、ねらいはそういうふうに利益も損失も出
 さないということでやっております。
 それから、その代行配給をやります際に、たとえば、従来ですと、どこの小売店でも全部月に三回ずつ配給して回る、あるいは三回ずつ注文を取って回るというやり方であったところを、注文取りの回数や配給取りの回数が変わっております、それはよく売れる店であれば、月三回でなしに五回も六回も注文取りをして歩く。そのかわり、やはり売れない店なら、月二回くらいでよろしいということで、組み合わせが違ってきておりますが、従来こうあったのが今度どうなるかという計算はむずかしいのでありますが、大体その地域で使っておった経費の範囲内で予定を立ててやるということであります。従いまして、ただいまお話しのようなまあ経費の比較というのは、何か特別の仮定でも置かないと、なかなかできにくいのでございまして、お話の資料はちょっとできにくいかと思います。
#93
○平林剛君 小売店の組合では、十年程度は赤字を覚悟でやらしてくれ、こういうことを、言っておるところもあるんです。十年間も赤字を出してもこれをやりたいという裏に、どういう意味合いがあるかといえば、やはりある程度利潤があるということになって、将来採算がとれるということを意味しております。そうなると、今お話しのように、損も利益もないということで済まない結果に将来なっていくのではないだろうか。かりに損も利益もないということになれば、それを維持するために、これまでの小売人組合はどういう方法をとらざるを得ないかといえば、配給回数を少なくするとか、あるいは末端の小売店に届けるのでなく、取りに来いという形で、集めて配るということになる。先ほど専売公社の副総裁として、国民に対するサービスは、消費者あるいは小売店全般についてサービスが行き届くような方法を絶えず考えると言われましたけれども、現にこの問題に関しては、末端の小売店は、自分たちの組合がやっている事業だから協力しなければいかぬということから、配給回数が少なくなる、自分で取りに行かなければならぬ、そうしなければ自分の作った会社は赤字になるということになって、矛盾を繰り返して、そして私どもが心配しているのは、国家財政の支出が増大することに警戒をすれば、事業は先行き不安となって、会社がつぶれる。そのはね返りはすべて小売店出資者に来る。まことに危険な仕事になっていくのではないかと思う。私はそれを心配しておるのであります。この場合、専売公社は、これは小売店の事業なんだから、おれの方の責任はないのだ、こういうことで済まされるかどうか。
#94
○説明員(石田吉男君) 会社々々とお話しになりますが、現在会社でやっているところは一件もございません。
#95
○平林剛君 私の質問はそうでないのです。そのあとのことについて、公社がある程度指導されて、かりに失敗したらどういうことを責任を持てるか。
#96
○説明員(石田吉男君) 現在外交配給をやっております。もし配給業務がうまくいかぬということになれば、当然会社がその責任を負うべきものだ。と申しますのは、小売店組合がやっておりますのは、公社の代行機関でありまして、責任は公社にあるわけであります。従いまして、現在やっております制度で小売店の間に不満が出れば、当然これは公社がそういう不満をなくするようにいたすべきだというふうに考えます。先ほど来伺っておりますと、会社になった場合はどうかというふうなお話もございますが、私どもまだ会社でやった経験もありもせず、またすぐ会社でどうこうということもございませんので、そういう先の話について、今ここでどうこう申し上げるべき筋合いでないと思います。
#97
○平林剛君 そうすると、即売事業の中における配給業務を、本来公社がやるべきところを、小売人の組合、これにやらせているということになりまして、これは本来のあり方と違うのではないか。当然、専売公社がこれをやるということにいかなければならぬのであって、その肩がわりをさせる、それには何らかの代償がなくちゃならぬということに発展してくるのであります。私は、今副総裁が、小売店の中から不満が出てくれば、これは考えなきゃいかぬ、こう言われましたが、現に不満もあるのです。
 一体、専売公社はこういうことは指導してやらせているけれども、この会社の理事長とか責任者には公社のえらい人が入ってくるのじゃないか。そうして、公社のえらい人が入ってきて、まあ姥捨山という言葉まで使っている人がある。そういう役割をやらせられたんではかなわない。損失が出たときは、今公社は責任を持つと言いましたけれども、責任は重大な問題ですよ。どうやって責任を持つか。たとえば、その損失が出たときに、その損失まで専売公社は責任を持つのか。こういう考えで今指導に当たられておるんですか。
#98
○説明員(石田吉男君) 先ほど来申し上げておりますように、損失が出たらどうこうという問題は、現在発生しておらないのであります。損も得もないような予定でやっておるということを申し上げておるわけでありまして、ただいまお話しの、会社が云々。会社が云々というお話は、私にはどうも了解できないのでありますが、現在会社でやっているところはございません。それから、従って、その会社ができたらどうこうというお話も、私にはちょっとのみ込めないのであります。
#99
○梶原茂嘉君 今の、小売の組合というのは法人格があるんですか、任意団体ですか。
#100
○説明員(石田吉男君) 法人格ございます。
#101
○梶原茂嘉君 そうすれば、その代行機関としての性格は会社と同じわけですね。もちろん、会社と組合とは違いますけれども、経済的な問題、責任の問題等から見れば、その機関は会社と同じですわ。
#102
○説明員(石田吉男君) まあ法人格があるという点については同じと思いますが、これは協同組合法によってできております協同組合でございますので、その事業のやり方その他については、会社とはだいぶ違った制限がございます。
#103
○梶原茂嘉君 もちろん、会社と協同組合とは違いまするけれども、責任関係とかいう点になれば、対外的には同じ立場にあるわけですね。
#104
○説明員(石田吉男君) ちょっとわかりにくいのでありますが、要するに、代行配給と申しまするのは、毎日、公社の出張所からたばこを受け取りまして、たばこを小売店に配って歩くということであります。で、大部分の出張所におきましては公社の職員が配っておりますが、代行配給の場合には組合の職員がやっているという関係でございます。従いまして、その責任関係といえば、たばこを間違いなしに届けるというところにあるわけでございますが、その点につきましては、別に従来公社の職員がやっておる場合とは――まあ結局公社の代行機関でありますから、たとえば、たばこが途中で盗まれて注文しただけ届かなかったというふうな場合には、組合が責任を負ってその所要のものだけ届けるということかと思います。なお、代金の受領につきましては、これは従来通り公社がやっております。
#105
○椿繁夫君 私は何げなしにこう聞いておったんですが、これは公社制度の一角をくずすような結果を招くお考えを専売公社が持っておられるんじゃないかということを感じて非常に不安にたえないんですが、代行配給を組合が現在十二カ所でやっておるということですが、今申請をしておるのかお願いをしておるのか知りませんが、そういうことが認可されて、新たに代行業務をやるということになって現在の公社の職従業員でそのために失職をするというような者が出てきた場合は、当該組合の職員になってもらうようなつもりで、専売公社にこの代行業務をやらしてもらうように今話しをしております、ということさえ言っておる組合があるのです。もしこういう組合に代行業務を移管する、やらせるということになって参りますれば、現在専売公社が製造から配給に至るまで一貫した仕事をやっておられる業態の形というものがくずれまして、たばこの民営というふうなことまで一部に議論があるのですが、私はこういう議論に反対なんですが、そういう議論のあるときに、公社制度の一角をくずすかのごときことになる危険を私は感ずるのですが、今後もそういう小売人の組合に代行業務をどんどんやらしていく、数をふやしていくというお考えなのですか。
#106
○説明員(石田吉男君) この代行配給の制度というのは、別に、私どもにとりますと、そう新しい考え方ではないのでございまして、従来から個々にはあったわけであります。と申しますのは、地域によりますと、こちらの販売関係の職員がどこもかしこも全部配って歩くというふうに参らないものですから、所によりますと、そういう代理人的な人が、公社のかわりにそこへたばこを持って参る、あるいは逆に受け取りに来る、そういう場合には、直接公社の職員から配給を受けない場合には、支給運搬費といいまして、その運搬費を支給している、そういう形がございます。それを代行配給と言っていたのでございますが、そういう形を――まあ、もともとの起こりは、北海道から始まったわけでありますが、北海道は、非常に広範な地域の中に公社の出張所の数も少ない、それから販売員の数も少ないというふうなことで、そういうまあ従来からあります制度を拡張してみたらどうかということで、それが始まったわけであります。ただ、規模が大きくなったものですから、かなり新しいようにも見えるのですが、観念的には、あるいは経費の支出の仕方としては、従来からあったものを活用してみたということが起こりでございます。
 従いまして、まあだんだん今申し上げましたセールス・プロモーションというようなことを考えますと、配達業務をしている人たちと、それからセールス・プロモーションをやる人というのは、訓練も違えば仕事の内容も違って参りますので、配達業務と販売促進の仕事というものはどうしても分けていかなければならないというふうな考えから、今のような仕方を活用するようになったわけであります。これをいきなり全国的にやるということも、いろいろ問題がございます。従いまして、そういう情勢の熟している所ではある程度やはりやって参りたい、かようには考えております。
#107
○椿繁夫君 ただいまのお話を聞いておりますと、配給業務というものを公社の仕事から切り離して、独立して民営の方に移すお考えのように受け取れる。私どもの専売公社に対する考え方は、ことにたばこの業務につきましては、製造から配給に至りますまで一貫して公社の業務としてそれをやっていく、それが本則である。ただ、特殊な地域において公社のやるべき仕事を一部民間に移管してきたことがある。しかし、今後は、そういうことをあまり拡大しないで、職員が足りない等の関係で、小売店に迷惑をかけたり、あるいは小売店に現物が届かなかったりして迷惑をかけるというふうなことのないようにするためには、公社職員なり従業員を増員することによって補っていくという方法をとらるべきものであると、私どもはこう考えておるし、期待をしております。それがそうでなくて、何か今のお話を伺いますと、配給業務というものは公社の仕事から切り離して、できれば民間の小売店の組合等にその業務を移管していくというお考えで今やっておられるように受け取れるのですが、そういうお考えですか。
#108
○説明員(石田吉男君) 私が分離と申し上げましたのは、現在販売業務員のやっております仕事が、先ほど来申し上げておりますようないろいろな要素が含まれております。それで、そういう要素のものを同一人がやるのは適当でないので、そういう配達業務をやる職員と、それから販売促進の仕事をする職員とは、これは別の人間であるべきであると、かような意味で申し上げたわけであります。
#109
○椿繁夫君 先ほど平林君からも御心配がありましたが、小売人の組合が法人になっておりますだけに、この組合の決定というものに対して、組合員である小売人は非常に決定を尊重し、従うことを義務のように考えております。ところが、配給業務をやるようになってきますれば、特によって配給がおくれる、行き届かないことが出てくる。これは、もしもその事業に赤字でも出てくるというふうなことになれば、ますますその傾向は助長される。それでも、小売人は、自分たちの組合の事業に赤字が出ることだからといって、不満を忍ぶことになる。こういうことになりますと、公社のサービスを改善し伸張さしていこうとするお考えとは全く逆の結果が現われてくる。それでもなお、小売人である組合員は、組合の業務を成功させなければなりませんから、忍んでいくというような結果になってくると思うんです。ですから、私は、専売公社は生産から配給に至るまで一貫してやっていく、これが本則だ。特殊な地域において、たとえば北海道の例がございましたが、そういう地域だけ、あるいは鹿児島のどこかとかいうような何がございましたが、そういう特殊な地域にあることは、これはやむを得ず認めるといたしましても、この傾向を拡大していくようなことについては私は反対です。それは公社制度というものはやっぱり守って助長していくべきだと思いますがゆえに、こういう傾向は公社制度の将来に一つの暗影を投ずるものであるという考えを持っておりますから、再検討を一つ望みたいと思います。もしお考えが変わらぬようでありますれば、きょうはだいぶ時間がおそいですから、別の機会にこの問題は、真剣に公社の方とも検討する機会を持っていただきたいと思っております。
#110
○平林剛君 私も、もうだいぶ時間が過ぎましたから、適当な機会にもう一度これは討議をしなきゃならぬ問題だと思います。ほかの問題では、専売公社に私は理解を持っているつもりでありますが、事この問題については、公社の考え方は違っているじゃないかと思います。それは、大体、たばこは一面商品であるけれども、一面は税金なんですね。ピース一箱四十円のうち、原価十円で、あとは税金なんだ。その税金の取り扱いというものを小売人の組合にまかせるべき性質のものじゃない。やっぱり政府が全部の責任を負って事に当たるべきだ。その根本的な考え方が違ってきているのじゃないか。
 従来からこういうことはあったという。確かに個々にはあったでしょう。しかし、もっとさかのぼれば、こういう民間の元売会社というのはいろいろな弊害があって、そうして現在のような専売事業になっているんです。だから、今公社がとりつつあるのは、私に言わせると、時代に逆行している。昔あった元売という会社の弊害を克服するために、全部、販売業務も専売公社がやるようになった。これを思い起こしただけで、こういう代行業務というものが民間あるいはそれに類するものに移すべきでないということを、歴史で教えているわけです。それを今度おとりになっている。
 同時に、現在、小売人の組合は、これは零細な、それこそ八分を一割にしてくれという要求をしている、そういう集団ですよ。いわば資本力の小さい人たちだ。それらが各小売店ごとに五千円とか一万円とか出資をして、そうして専売公社でも疑問があるというものをやらせる。資本力の小さいものだけに、私はこれに将来非常な不安を感じておるのであります。特に現実の問題として、専売公社の肩がわりをさせながら、たばこが盗難にあったとき、火事にあったときには、その人たちに責任を持たせるというようなことに至っては、論外です。だから、公社としては、現存小売人の組合の幹部の方からは、ぜひやらしてくれ、即時実施という要望があるかもしれませんけれども、十六万の小売店の大多数はこれに非常に危険を感じておる。純理論だけじゃないのです。実態からも、そういう声を多数聞くのであります。専売公社としても、この問題については現在思考中と言いますけれども、思考の問題も、あまり傷が大きくならないうちにすみやかに収束をはかるべきものだと考えておるのです。
 きょうは時間がありませんから、次回に、今度は大蔵省の方からも責任者に来てもらって、検討をして参りたいと思うのであります。きょうは私はこの辺で質問を終わります。
#111
○委員長(加藤正人君) ほかにございませんか。
 それでは、きょうはこれで散会いたします。
   午後五時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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