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#1
第033回国会 商工委員会 第2号
昭和三十四年十一月五日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     山本 利壽君
   理事
           川上 為治君
           栗山 良夫君
           大竹平八郎君
   委員
           井川 伊平君
           上原 正吉君
           斎藤  昇君
           鈴木 万平君
           阿部 竹松君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           島   清君
           吉田 法晴君
           奥 むめお君
  国務大臣
   通商産業大臣  池田 勇人君
  政府委員
   通商産業大臣官
   房長      齋藤 正年君
   通商産業省石炭
   局長      樋詰 誠明君
   中小企業庁長官 小山 雄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   通商産業省通商
   局次長     倉八  正君
  ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○経済の自立と発展に関する調査の件
 (通商産業政策に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。
 前回の委員会において御報告いたし、御了承願いました委員会開会の定例日につきまして、本日の委員長及び理事会であらためて協議いたしました結果、定例日を毎週木曜日及び金曜日の両日と引き続いて開会することに協議、決定いたしましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(山本利壽君) 本日は、経済の自立と発展に関する調査を議題とし、これより通産大臣より当面の通商産業政策について御説明を伺うことにいたします。
#5
○国務大臣(池田勇人君) われわれ通産省といたしまして当面しておりまする重要な問題を申し上げたいと思います。
 まず、第一は、先般の伊勢湾台風に基づきます産業方面の被害、並びにこれが対策でございます。先般も申し上げましたごとく、伊勢湾台風は、いまだかつてない大災害を起こしたのであります。われわれといたしましては、災害直後民生安定の物資を早急に準備いたし、また、災害地に起こりまする異常な物価騰貴を抑えるためにいろいろ手を尽したのであります。おかげをもちまして、一時ある特定の物価の値上がりがございましたけれども、全体として落ちついております。また、われわれの関心を持っておりまする電気、ガスにつきましても、案外に被害が少のうございまして、また、その回復も、東京電力、関西電力等の援助がございまして、割に順調に回復をいたしておるのであります。ただ、今回の災害で特に従来の災害と違いますことは、産業の中心地に起こりました関係上、中小企業の方々のお困りの点が非常に大きいのであります。従いまして、先般の委員会におきまして中小企業に対しての災害融資ということをここで百億円と申しておったのでございまするが、私は二回にわたりまして名古屋地方に参りまして実情をつぶさに視察し、結果におきまして、中小企業対策といたしましては、百五十億円を中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金、そうしてまた一部不動産銀行を通じまして出すことにいたし、また、年末資金といたしまして、これは災害地ばかりではございません、全体として百億、合わせて二百五十億の年末資金を含む中小企業対策を講じたのでございます。資金の面ばかりでなく、信用保証協会の業務を拡大いたし、借り入れを円滑にいたしまする意味におきまして、信用保険公庫の出資を十億計上いたしまして、借りやすく、また一般の信用を高める方法を講じて参ります。また今回は特に災害者につきましては、百万円まで六分五厘の低利で出し、また保証協会の保険料率を三〇%引き下げる。あるいは填補率を八〇に引き上げる等々のできるだけの措置を講じまして、中小企業対策に遺憾なきを期しておるのであります。また一般大産業につきましても、手形期限の繰り延べ等金融界に悪影響の起こらないようにいろいろ手を尽して参ったのでございます。今後におきましても金の貸し方の緩和円滑ということにつきまして努力を払っていきたいと思っております。
 もう一つ当面しております大きい問題は、御承知の石炭問題でございます。石炭問題は何と申しましても石炭企業を合理化して、そうして競争エネルギーの重油等に対抗し得るだけの体質の改善をいたさなければならぬと思っておるのであります。業者におきましていろいろと考慮しておられるようであります。人員の整理とか、経営の合理化、いろいろやっておられるようでございまするが、私といたしましては、石炭企業というものがわが国の雇用面におきましても、またエネルギーの面からおきましても、また外貨の点から申しましても、石炭企業を健全な格好に持っていきたいという考えで、いろいろ想をめぐらしておるのであります。しかし何分にももうすでに炭鉱に対しましての離職者が相当多い、大体二万人程度ありますので、私は就任以来これが対策といたしまして九月末に予備金から二億数千万円を出して、そうして炭鉱離職者のためにある程度つなぎを考えておったのでございまするが、これだけでは十分でございませんので、今臨時国会に炭鉱離職者に対しての特別の措置を講ずることといたしておるのであります。それは緊急就労対策といたしまして、従来の失業対策とは違って、特に長い目できまった仕事をし得るように、また地方公共団体の負担も従来よりも少なくするような方法で、緊急就労対策といたしまして四億円余りの金額を計上いたします。また炭鉱離職者援護協会という機関を作りまして、その援護協会によりまして離職者の移動とかあるいは職業訓練とかいろいろな離職者対策を講じていくべき法案、並びに予算を準備したような次第でございます。今後石炭問題につきましては、われわれの当面する最も重要な事項でございますので、皆様方の御意見も承わり、石炭鉱業に対しましての、何と申しますか、根本的な対策を樹立すべく努力を続けていきたいと考えておる次第でございます。
 その他の点につきましては、御承知のごとくわが国の産業は順調に伸びております。今年は鉱工業の生産も大体前年に比べ二二、三%の増であろうかと思います。しこうして一般に心配されておった景気の過熱ということも私は起こらない、高原景気が今後も続いていくよう通商産業政策を続けていきたいと考えておるのであります。
 以上簡単でございまするが、当面の問題を申し上げた次第でございます。
#6
○委員長(山本利壽君) ただいまの御説明に対して質疑のある方は、順次御発言を願います。
#7
○大竹平八郎君 まず災害の問題なんであります。これはいずれ風水害の委員会において詳細はお尋ねいたしたいと思うのでありますが、さしあたってお尋ねいたしたいことは、今度の災害のうちで特にひどかった、伊勢湾台風による名古屋、三重、岐阜地区の工場、特にその工場中におきましても繊維関係なんでありますが、御承知の通り中部電力の大工場向けの電力状態を一つ見ましても、大体六〇%が繊維関係に集中されておるというようなわけで、非常にあの辺は綿を初めといたしまして毛織物その他が集中されておるところであります。がそれで一つ被害の状況を見ましても、大体繊維全体で、これは通産省と各企業会社自体の計算の状況は違うかもしれませんが、大体三県を通じて二百三十億といわれておるわけであります。そのうちの大企業が百三十億、それから中小企業は大体百億円、こういわれておるのでありますが、ことに綿紡関係が、設備で大体三十二工場が九十五万錘というような状況なんであります。これに対しましていろいろ手は打たれておると思うのでありますが、ことに綿紡あるいはスフ、毛等につきましては本年の春例の操短の問題が決定されたわけであります。これについて何か特別措置といたしまして、例の操短緩和というような問題について、中小企業などは名古屋なら名古屋、四日市なら四日市の工場以外にはないところもあると思いますが、大工場などは全国にたくさん工場を持っておるわけなんであります。そういう意味で、この操短緩和というような御処置はとられておるのでありましょうか。またとりつつあるのでありましょうか、この点一つお伺いいたしたい。
#8
○国務大臣(池田勇人君) 伊勢湾台風の被害のうちで、一番大きいのはお話しのごとく綿布並びに毛織物でございます。綿布につきましては御承知の通り相当、二割あまりの機械を封緘いたしております。従いまして、災害直後、今までの、災害を受けたところは封緘しておる部分を解くという措置をとっております。これは災害直後であります。ただ問題は、ある紡績会社のごとく、大半とは申しませんが、五割ないし六割近く工場がやられたということになるものにつきましては、残った部分をフルに動かすように督励いたしまして、綿布の不足かあるいはそういう被害をできるだけ少くするようにいたしておるのであります。それから毛の方の問題は、御承知のごとくこれは封緘しておりません。しかし案外毛の方は津島が一番ひどいのでございますが、何とかやっていっているようでございます。これの封緘部分はございませんから、そういう措置はとりませんのでございましたが、大した毛やあるいは綿布の値上がりもなく済んでおると考えられます。
#9
○大竹平八郎君 それから中小企業の特に多い四日市の一部とか桑名方面、桑名あたりは大臣も御承知の通り、非常に鋳物工場が多いのでありますが、ほとんど全滅の状態なんです。ほかの大企業はむろん大きな損害を受けておりますけれども、これは他の各工場との連絡とか、本店に連絡とかいうようなことから、復旧物資の補給であるとか、そういう点非常に困難ながらスムーズにいきつつあるように聞いておるのでありますが、この中小企業の今の鋳物工場を初めとしてずいぶんたくさんあるのでありますが、これらも全くその工場がやられるというと、他に後援を求め、それからいろいろ物資の供給を求めるというところがないものですから、ほとんど全滅に瀕しておるような状況なんであります。これに対して先ほど金融面からのお話がございましたが、特に何か御処置をせられたことがありますか、その点一つ伺いたいと思います。
#10
○国務大臣(池田勇人君) 四日市、桑名方面にも私参りまして、いろいろ聞いたり見たりしたのでございますが、予想以上の復興熱でございまして、桑名の一つの鋳物なんかでも、水が引かない前くらいにもうセメンで地固めをいたしまして、もう私が二十三日に行ったときには、四、五日前に水が引いたのでありますが、相当仕事をしておりました。またこれは中小企業ではないのですが、もう平田紡なんかも織機を動かしておるというふうな状況でございます。桑名の鋳物につきましても、他ももちろんでございますが、金融につきましては県当局等を督励いたしまして、できるだけ円滑にいくようにいたしております。またあそこで農産加工の小さい業者がたくさんおられますが、こういう方々は組合をお作りになっていないような状況でございます。三重県の商工課長等督励いたしまして、組合を作って早く金融の道をつけるようにというふうなことも申しまして、まあ名古屋の通産局といたしましては県庁あるいは組合と連絡をとりまして、私が想像しておった以上によくやってきておると私は安心して帰ったような次第であります。今後におきましても、いろいろな事態が起こって参りましょうが、われわれといたしましては、できるだけ業者の復興を助けるように進んでいきたいと考えております。
#11
○大竹平八郎君 それから今一つ災害の関係でお尋ねをいたしたいのでありますが、それはむろん今私が申し上げました通り、大企業関係は私もまあ四日市――大きなところは、ほとんど見て回ったのでありますが、今お話しした通り、大阪とかあるいは東京の本社あるいはその他の連絡によってどんどんいろいろ復旧作業に従軍されておるのであります。しかし、ただそれだけでもいかない面があると思うが、金融関係におきましては、これはむろん自力でやられるところもたくさんあると思うのでありますが、復旧に対していろいろな障害があるわけなんです。手続とかあるいはやれ何だとかいうので、比較的大企業というものはまあ自力で立ち上がれるからいいだろうというようなことから、よけいそういう意味においてまあむずかしい問題に当面しているような状況を私ども聞いておるのでありますが、こういう点につきましても、ことに今の輸出の中心でありまする繊維関係なんかが非常に多いのでありまして、そういう点につきましての一つ特段のまた御配慮をされておると思うのでありますが、特に一つその点を考えて、一日も早く復旧の段階にいかれるようにお願いいたします。
 一応私は台風関係についての質問を終ります。
#12
○栗山良夫君 私一般問題としましてお尋ねしたいのですが、その前に最近の新聞で大臣も御承知願っておるかと思いますが、今日本の領土であって、しかも朝鮮人に占領されておる竹島の問題について、あそこに試掘鉱区の申請をしておる人がいて、事実上朝鮮の占領下にあるので、その仕事ができないにもかかわらず、試掘権者として国家に納入すべき金額についてしばしば督促を受けておる。何かそういうようなことを全部計算すると四億円くらいの損害になるのだということを発表したことを承知しておるのですが、そういう事実があるかどうか、また通産省としては、ああいう異常状態にあるところについてどういう工合に措置されようとしておるのか、この点をちょっと伺いたいと思います。
#13
○政府委員(齋藤正年君) もし詳しいことが御必要でありますれば、鉱山局長を呼びましてお答えいたさせますが、竹島の鉱業権、試掘権でございますが、設定されておることは事実であります。辻富蔵という男がやっておるのでありますが、これは御承知のように試掘権は二年の期限がございまして、その間に試掘権者が試掘のための作業をいたしませんと、試掘権の期限が切れる。そこで試掘ができなければ、こういう理由で事実上試掘ができないのだという届けをいたしますれば、それが合理的な理由があれば延期をすることもできるようになっているわけでありますが、ただ試掘権の設定をしただけで、実際は全然調査等もやらないものがかなり多いのであります。そこで定期的に毎年試掘権で、その後何らの情報もないものについて問い合わせをして、それでさっぱりやっていないものは整理をいたすというようなことを一応通産局の鉱山部でやっておるわけであります。この点も実は竹島というようなことをあまり考えに入れないで、ただ機械的にほかの租鉱権、試掘権と同じように督促をした。それに対して鉱業権者の方から、これは竹島にあって事実上調査もできないのだ、こういうようなお話があって、初めて問題が起きたということになるわけであります。ただ問題は二つございまして、一つは鉱区税を納める必要があるかどうかということでございますが、これは本人の方から申請いたしますれば、これは地方税でございますので、特別の理由があります場合には、都道府県の知事が減免ができるという規定がございますので、本人がこういう事情だから減免をしてもらいたいという申請をいたしますれば、それはできるわけであります。本人については、実はその申請の手続をとっておらなかったということで納税の手続をとったわけでございますが、それが申請をすればできるということになりまして、それで本人から申請をして、最近はその点は解決したのじゃないかと思っております。それからもう一つ最近の新聞報道にありますように、国に対して補償要求を出すというお話でございますが、どうもちょっとこれは通産省の関係ではございません。外交問題でこういう問題をどういうふうに扱うかということは、ちょっと通産省だけの問題ではございませんが、外務省とか法制局とかの見解によりますと、どうもやはり建前としては補償をするような事案ではないのではないか。ただ最終的に補償すべきかどうかという決定は、もちろん裁判所がやるものでございますから、訴訟を国に対して起こしますれば、裁判所が最終的には決定する。ただ行政の関係当局で検討した限りにおいては補償をする筋合のものではないということであります、
#14
○栗山良夫君 これはもちろん外交関係の問題でもありますけれども、竹島という明確な日本領土が不法占領されている。そうしてこういう異常な環境の中で、国民の権利というものが侵害を受けておるにもかかわらず、行政的には平常な状態と同じような措置をしようというところに問題が発生したのだと思います。ですから、きょうはこれ以上はこの問題は進めませんけれども、もう少し関係各省と御相談を願って、補償の問題とか、鉱区税の問題等は中央の責任省として明確な線を出していただくようにお願いをしておきます。
 大臣よろしゅうございますか。
#15
○国務大臣(池田勇人君) よろしゅうございます。私は実はけさ初耳だったので、外務省その他と相談をいたしまして……。
#16
○栗山良夫君 それから通産大臣が今、災害関係を中心にして産業資金の問題にお触れになりましたが、私は災害関係の産業資金ももちろん含めて今年末の産業資金の状態が一体どうなっておるかということについて若干不安を持っております。その不安はどうして出たかと申しますと、きのう、おとといあたり伝えられておりますように、日銀がいよいよ公定歩合の引き上げをやるということをほぼ腹をきめたと言われておるのであります。そうするというと、公定歩合の引き上げをしなければならないほどに今景気過熱のおそれがあるのかどうかということが一つ問題であります。準備預金制度も実施に入っている。それだけではコントロールできなくて、さらに公定歩合の引き上げまで手をつけるということになるとすると、産業界の景気過熱のおそれが現実に通産大臣はないとただいま否定なさったけれども、実際の大蔵省なり、日銀はこういうふうに見ておるのじゃないかということが一つ、この点についての御見解を承わりたいと思います。
 それから年末の産業資金、特に市中銀行を中心にして準備されるであろう年末資金というものが、これは具体的に内容を少し分析しなければもちろん一口には言えないわけでありますが、昨年の年末程度でいけるのか、あれよりもさらに窮屈になるのか、あるいは昨年の年末よりは緩慢になるのか、こういうおおよその見当というものを、これは大蔵省から聞かなければならぬのでありますが、産業資金そのものについては通産省としてどういうふうにお考えを願っておるのか、その点を伺いたい。
#17
○国務大臣(池田勇人君) 私は経済の見通しといたしましては、先ほど申し上げましたように四―六は相当の出産上昇がございました。しかし七、八、九は大体横ばいのような格好で、過熱という問題は私はないと思います。しかし、公定歩合の問題は、これはいろいろの見方がありますので、私はここでどうこういうことについては申し上げないほうがいいと思います。
 それから年末資金の問題でございますが、大体今年は豊作でもございますし、相当第三四半期には散布超過になる。いつもと同じような状態だと私は考えております。いろいろの見方で議論はありましょうが、私は、本年、特に年末がどうこうということはないと思います。中小企業関係の方につきましては、先ほど申し上げましたごとく年末資金として百億を準備いたしまして、昨年はたぶん六、七十億であったのじゃないかと思います。私は本年の当初予算を組みますときに、中小企業に対しての配慮が少し足りなかったのじゃないかという気がいたしております。その衝には、私当っておりませんけれども、聞くところによりますと、やはり生産の伸びが六、七%というのでやっておったと思います。従って、年末資金は昨年よりも多くしたような次第でございまするが、何と申しましても、中小企業、国民金融公庫というものは予算の関係があって、そうふくらますというわけにいきませんが、商工中金は商工債券を発行しております関係上、やはり通産省、大蔵省で手を入れる、情勢によりまして相当資金量は減らしたりふやしたりし得るのでございます。私は中小企業の状況を見ましても、やはり商工中金の活動が三公庫の中で最も弾力的にいくのじゃないかという気がいたしております。商工中金の資金源につきましては今後十分考えていきたい。これを要するに、今年の経済界の好況が年末に至って過熱、非常な過熱になるとか何とか支障をきたすような状況ではないと私は考えております。
#18
○栗山良夫君 通産大臣は先回りして工合よく説明されたわけですが、問題は私は散布超過にもちろんなる。相当金融は緩慢化するでしょう。それだからこそ準備預金制度だけではだめで、公定歩合の引き上げもやって、そうして若干のコントロールをしようという意図に今なっているのじゃないかと思うのです。その裏づけとなるのは最近の株価の値上がり等を見てもわかりますように、名大企業は一せいに秋口になってから増資を続々決定しております。こういう点だけでも大企業系列は資金についてはそんなに困らないかもしれぬが、中小企業関係は大企業関係の系列からはずれて金融は緩慢だ、そうして相当に景気は上昇しているから、若干公定歩合の引き上げもやって経済の過熱を押さえなければならぬというような空気にあるときに、中小企業としては依然として金にも因る、そうして経営も非常に難航するのじゃないか、年末をひかえて、そういう見通しをどうしても持たざるを得ない気持でいるわけです。だから、このところの区分けをもう少しお話しを願いたい。それで、このことは先ほど大臣は言葉をにごされた、公定歩合の引き上げの問題についてはいろいろな考え方があって、ここではちょっと触れない方がよかろうとおっしゃったのですが、それに触れていただくというと、もう少しよくわかるのじゃないかと私は思うのです。
#19
○国務大臣(池田勇人君) 総じて申しまして経済の上昇が私は中小企業の方にも相当浸透いたしておると思います。昨年の今頃の状態と今とでは中小企業の金ぐりがかなり楽でございます。しかも、中小企業の連中の預金も私は相当ふえておると思います。従いまして、私はそう心配がない。しかし、われわれとしては心配がいらぬところもある程度やはり行政官としては先のことを考えて手を打たなければならぬ、こういう意味におきまして、先ほど申し上げたように年末資金も昨年より多く、そうして商工中金の活動を期待しておる、こう申したのであります。
 それから公定歩合の問題でございますが、これは責任の地位にある人は論議すべきものでないという私は観念を持っておる。これはここで私が公定歩合がどうあるべきだというようなことを申しますると、これはいかない。私が全然そういう問題について無関心の者なら別でございますが、関心を持って、しかも通産大臣として、公定歩合のことをどうこう言うことは私は差し控かえたいと思います。まあアメリカが今までかつてないような公定歩合の引き上げをしておりますし、ドイツも先般やりましたし、そうして国内に過熱の議論がまだ跡を断ちません。五、六カ月前とではだいぶ下火になって参りましたが、過熱の議論は下火になっておりません。しこうして設備投資も大体非常に慎重になってきている。しかしいつまた飛び出すかもわからぬというようないろいろな情勢がありますので、私は池田としてここでこの問題に触れたくないと思います。
#20
○栗山良夫君 まあいずれ機会を見て、もう少し年末に近づいてからお尋ねいたします。それから最後にちょっと早手回しかもしれませんが、通商産業省としては、通常国会――臨時国会はほとんどないようでありますが、通常国会にいろいろ重要法案を提出準備をされておると思います。で、通常予算の方の進行も進んでおるわけでありますから、来たるべき通常国会にたくさん出るでありましょう法案のうちで、通産省の政策的なものを織り込むような重要法案というものは一体どのようなものを予定されておるか、研究されておるか、この点を伺っておきたいと思うのです。
#21
○国務大臣(池田勇人君) 今どういう法案にしようかということを審議中でございまして、まだ各局とも私のところへ来ておりませんし、私も一つ今後の日本の通産行政のあり方につきまして、今想を練っておるときでございます。もらしばらくお待ちを願いたいと思います。
#22
○栗山良夫君 そうしますと、こちらから伺いますが、ここにもございますが、鉱業法に対しての改正ですね。根本的改正、これについてはどうか。それから為替管理の問題についてどうか。電気事業法についてどうか。そういう重要法案ですね。今予定、頭に描いておる重要法案についてなるべく早い日に一つ通商産業省の御方針というものを承知いたしたいと思うのですが、いつごろになったらば大体知ることができるでしょう。
#23
○国務大臣(池田勇人君) 大体今月一ぱいか、十二月の十日くらいまでにきめたいと思います。
#24
○栗山良夫君 そうですか。臨時国会中にぜひそのごく骨だけでけっこうでございますが、まとまりましたならば当委員会の方に一つお漏らしを願いたいということを申し添えておきます。
#25
○国務大臣(池田勇人君) はい。
#26
○川上為治君 年末金融の問題につきまして、大臣の非常な御努力によりまして百億増加ということになりましたことは、まことにこれはけっこうだと思うのですが、その中で商工中金等につきましては短期債券でその資金をまかなうというようなふうに聞いているのですけれども、相当部分を短期債券だというと、これは第四四半期に非常にしわが寄って資金繰り土非常に困ってくるのじゃないかと思うのですが、こういうものは長期債券でまかなうというようにした方がやはり中小企業金融のためにはいいのじゃないかと思うのですが、これはどういうふうにお考えになっているのでしょうか。
#27
○国務大臣(池田勇人君) 短期債券に一応はきめておりますが、これは大蔵省内にも議論がございました。私も商工中金の実情を聞いてみますと、年末には相当出ますが、一―三月はかなり楽だと聞いております。従って一応短期債券ということにいたしておりまするが、先ほど申しあげましたように、情勢に応じまして商工債券を肩がわりにするとか、いろいろなことがございます。従って私は今後の中小企業につきましては、中小企業金融公庫はもちろんでございますが、商工中金の方の原資を相当ふやすようなことを考えておりますので、短期債券だといって御心配をかけるようなことはないと思っております。
#28
○吉田法晴君 いろいろ問題がございますけれども、きょう聞いておかなければならぬことに限ってお尋ねしておきます。問題は石炭政策ですけれども、石炭政策全般については本格的に御質問申し上げる機会があとであるだろうと思いますが、本会議で質問をいたしております同僚議員の質問にいずれも検討中ということでございますけれども、この国会には離職者対策を中心にして法案を出すだけで、石炭を含む燃料政策、基本的な石炭政策は通常国会というように新聞では言われている。通産大臣の心細みと申しますか、プログラムを承りたい。
#29
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申し上げましたごとく、石炭鉱業に対しましての通産省の政策は、やはり将来のエネルギー源等いろいろな方面から慎重に考えなければならぬ。しかも今労使の間で石炭企業の体質改善についていろいろ話が行なわれているときでございますが、私は、労使関係の調整と見合いながら、石炭企業に対しての態度をきめていきたいと考えているので、考慮中研究中と申しておりまするが、実際考慮中研究中であるのでございます。案ができましたら、今度皆様方に御相談申しあげたいと思います。
#30
○吉田法晴君 そうすると、石炭対策の全面的なものは通常国会までに出したい、こういう従来の言明の通りですが、先ほど来のお話を承り、それから今また労使の間で調整がなされている云々ということでございますが、過去の通産行政、石炭政策等も、これはありきたりと申しますか、今の大臣のような情勢見送りであったと思うのです。気持の上で石炭政策はきまっておらぬけれども、重油との競争力をつけなければならぬ。あるいは体質改善、あるいは経営の合理化等を経営者がせっかく努力をしている。それを見守っているというか、あるいは暗に支持されるがごとき態度のように実は聞くわけです。先ほどの御説明の中に雇用問題等も重要な問題だというお話でしたが、今後立てられて参ります石炭政策、今行なわれているような労働者の首だけを切ってそれで経費の節減をはかる、あるいは重油との競争力をつける云々ということでは、これは実際の石炭政策というものは立たないと思う。九州総合開発計画の立案に当りました九州経済調査協会、これは経営者の団体ですが、その九経調の九州総合開発計画立案に参加しました九大の教授その他学識経験者も、筑豊のそれぞれの実情を考えると、雇用と申しますか国民の生活を基礎にした政策を今後立てるのでなければ、石炭政策なり、あるいは九州総合開発計画も立たないだろう、こういうことを言っている。私が申し上げるまでもございませんが、戦後の経済復興の中の重要な一環を示しました石炭復興計画の推進については、労働者の大きな協力を得てやってきたことは、これは思い起こすまでもないことだと思います。労働者の犠牲だけで体質改善をやる、あるいは経営の合理化をやる、あるいは重油との競争力をやるということでは、これはほんとうの石炭産業の保護育成ということにはなるまいと思うのでありますが、どうも先ほど来の通産大臣の御答弁を聞いておりますと、経営者の首切りを基礎にした合理化案だけを見ておるといいますか、それに即応したかのような印象を受けるのでありますが、その点については、私はそれではほんとうの石炭産業の復興あるいは維持ということになるまいと思うのでありますけれども、その点の御所見を承りたいと思います。
#31
○国務大臣(池田勇人君) 私は決して労働者の首切りだけで合理化というようなことは考えておりません。敗戦後昭和二十一、二年ごろ一人当たり五トンないし六トンのあれが、外国に比べてはまだ少のうございますが、十四トン程度までにいった。これは合理化と労働者のあれでございますし、また石炭企業がわが国の復興に対して非常に役立ってきたことも十分承知しております。そうしてまた今後においていわゆる重油がどんどん下がっていって、重油でやった方が経済性が多いと申しましても、わが国の産業、ことに重要なエネルギー源をできるだけ石炭に求めていかなければならぬということは、先ほど申し上げました雇用の問題、そうしてまた外貨の問題等々いろいろな点がございますので、私は十分各方面のことを考えて結論を出したいと思っておるのであります。自分としてこういう考えだということを言って言われぬことはございませんが、こういうことを急いでやりますと、かえって石炭企業の根本的対策にならぬという気がいたしておりますので、十分検討し、もみにもんだあとにいたしたい。いろいろな点は考えております。労働者の犠牲だけではございません。株主にいたしましても他の産業に比べまして配当しているところも少ないし、また無配の会社も多い。経営者もなかなか苦労しております。これはみんながこの不況を分けていかなければならぬ。今度の石炭離職者に対する援護協会の点につきましても、私は離職者に対する対策としては、万全ではございませんが、画期的なやり方だと私は考えておるので、これには大蔵省並びに労働省の了解を得まして、自分としては十分ではないけれども、とにかくこういうところまで踏み切っていけるようになったということは、私は通産省がいかに炭鉱離職者に対して関心を持っているかということを表わしていると思うのでございます。この気持ちで私はこの石炭企業についての抜本的なあれを講じたいという考え方で進んでおります。
#32
○吉田法晴君 雇用を中心にし、あるいは石炭炭鉱の復興に協力した労働者、国民の生活ということも責任をもって考えたいという御発言には私ども心を強くするところですが、ただ離職者対策の画期的なものを今国会に出しておいたから、これは十二分ではないけれども、通産省として相当誇り得るものだといったような御発言がございましたが、従来出ました離職者、あるいは黒い羽根等民間の救助活動の対象になっているものに対してのこれは施策にしかならぬわけであります。もしこれが今後強行に出されて参る離職者の対策にもなるというならば、いわばあとのことは国が責任を持つから首切りをやれというようなことに私は通じないとも限らぬと思うのであります。その点は離職者対策というものが先ほど論議をいたしました首切り合理化の援護政策にならないように石炭政策をとってもらいたいと思う。
 ついでに申し上げますけれども、日本のような大量首切りをやり、そしてその首を切られた労働者、失業した労働者が滞留して人道的な問題になるような状態にまで放置されているところは、これは私が申し上げるまでもない、御存じだと思うのですが、日本以外どこにもございません。あるいはイギリスその他についても、ドイツ等についても、労働者の生活、国民の生活には十分な責任を感じて、経営者自体が努力をしておるという点は私は特に強調しておかなければならぬと思う。その点について日本人は口では民主主義を言っているけれども、ほんとうの民主主義はないのか、こういう感じさえしておるのでありますが、先ほどの言明通り一つ石炭炭鉱の復興に協力をしてきた労働者の生活というものを十分に考え、責任を負う一つ石炭政策を立てていただくことを切望いたしておきたいと思います。もし大臣が石炭対策を労働者、あるいはこの石炭炭鉱に関係のあります関連産業を含めて、あるいは地方住民を含めて、国民の生活も考えて石炭対策を立てていきたいということでございますならば、先ほどの言明がほんとうならば、今大臣の口にも上りましたが、労使の中で指名解雇、あるいは強制首切り、中には首を切ると同時に立ち入り禁止仮処分等、いわば強制的に首切り、追い出すような措置が講ぜられ、しかもこれを守ろうとして首切り反対闘争を行なっておりますが、こういう事態に対して労使の間で調整が行なわれている、それを見守るというのではなくて、外国に例のないような強制首切り、あるいは指名解雇、強制措置といったものはやめさせて、そして労働者の協力も得て石炭対策を立てていく、こういう方向に通産大臣としても努力をせられるべきじゃないか。いろいろ第三者あるいは学識経験者、あるいは新聞等においても心配をして、ほとんど連日石炭問題について新聞、雑誌、あるいはラジオ等においても取り上げない日はございませんが、この事態をいわば通産大臣は傍観をしておられるかのごとき印象を受けるのであります。先ほどの言明がほんとうであり、そして労働者あるいは国民の生活の安定のためにも石炭政策をとりたいというならば、今の強制解雇、あるいは強制措置というものをやめさせて話し合いをする、あるいは国の政策を先ほどの言明のように打ち立てるための努力をせられるべきではないかと思うのでありますが、通産大臣の御所見を伺いたい。
#33
○国務大臣(池田勇人君) 労使の問題につきましては、一応私は労使間で話し合いをつけていただくととが一番いいと思います。問題は石炭企業のあり方全体につきまして、われわれがどういう考えでいくべきかということにつきましては、先ほど来いろいろ申し上げましたが、私はこの機会に衆知を集めて、石炭企業の基本問題を一つ検討していこうというので、先般、石炭鉱業合理化審議会を開きまして、そして委員にお諮りいたしまして、石炭企業の基本問題について御研究を願うべく、基本問題部会というものを作ることにいたしました。早急に会議を開いて、審議していきたいと思っております。ただいまの段階で、通産大臣が労使の間の交渉に入るということは私はとらないつもりでおります。
#34
○吉田法晴君 労使の間に入る――直接入るかどうかという問題ではございません。先ほど大臣が、あるいは通産省として、政府として、経営者の強行首切りを支持をするわけではない。労働者あるいは関係国民の生活の安定、雇用という問題を基礎にして、石炭対策を立てたい。こういうお話ですから、外国に例のないような強行首切りを、あるいは大量解雇、失業を生むような石炭政策は直ちにやめるべきではないか。これは先ほどちょっと申しましたけれども、先般参りましたドイツのルール地方の経営者団体の代表でも、いわれるほどの失業者はないが、これは鉄鋼、その他近くの産業に吸収されるものもあって、実際に失業者は六百何十名しかない。しかしその七百名前後の失業者についても、われわれも責任を感じて、その仕事を、就職を保障しなければならぬ。こういうことを言っておりましたが、もし先ほどのような、石炭の復興について、炭鉱の復興について協力をした労働者の生活についても、それを考えながら、雇用を中心に考えながらも、石炭政策を立てていかなければならぬというならば、今のような強行首切り、あるいは指名解雇とか強制措置とかいうようなものはやめさせて、その上で石炭対策を立てて、お話のような石炭対策を立てていくべきではないか。こういうことを申し上げておるわけであります。重ねてお尋ねいたします。
#35
○国務大臣(池田勇人君) 雇用の問題ということは、私が申し上げましたのは、もちろん石炭鉱業に従事しておられる労務者のことも私は考えまするが、あのときに申し上げた雇用というのは、主として全体の雇用の問題、たとえばエネルギーの大宗であり、そして外貨の関係もあり、そして一つの産業として、数十万と申しますか、現在二十八万人おられますが、こういうふうな、一つの産業に二十数万ということは、日本の産業にして機械工業と石炭鉱業ぐらいだと思います。そういう意味においての雇用の大きい部分を占めておる、こういう意味で使っておる言葉でございます。もちろん、それだといって石炭に従事しておられる方々は全然度外視するというわけではございません。石炭従業労働者も戦後においてわが国の再建に非常に貢献されたことは十分知っております。従って今回御審議願うことは、さしむき今出ておられる失業者、離職者、二万一千人をどうしようかというところで、その人たちの、失業者の措置をとったわけであります。今後の問題につきましては、このままでいいか、また今度の措置ではまだ不十分じゃないかというようなことは検討していかなければならぬと思います。そして今、労使の間でやっておられることにつきまして、首切っちゃいかぬとか何とかいうようなことをやりますと、石炭の値段をどうするかということが根本でございますから、これは企業者と労働者の間でよく石炭企業のあり方についてお話を願うよりほかない。それだからといってほおっておくわけではないので、先ほど申し上げました基本問題について、この上とも検討を続けていきたいということでございます。
#36
○吉田法晴君 さしむき必要な二万の失業者を云々ということでありますが、二方という数字は福岡県下だけでも二万という数字が出ております。二万を対象にすればいいという点は不十分であるし、数字を、もし全国で二万と考えておられれば間違いですが、それらの点は法案に関連して論議をする問題ですから、これはもう問いません。ただ、戦後の、汽車がとまるあるいは船もとまったといったような、産業全体が麻痺しかけたときから、石炭の復興についても労働者の十分協力を得て云々ということがほんとうであるならば、今のような労働者の不信を買いあるいは憤激させるような経営の合理化方針は、これはそのままやっぱり見過ごしていいということには私はなるまいと思う。そういう意味で、今のような強行措置が望ましいかどうか、決して望ましいとはおっしゃるまいと思う。先ほどのように、協力も得て、石炭産業のことを考えたいというならば、労働者の不信もまず取り除いてということ、――そうすると、今のような強行解雇あるいは強制措置というものはすみやかになくなって、不信を取り去って、その上で経営者と労働者あるいは第三老も加えて云々という話に私は当然ならなければなるまいと思う。これは世論のいうところでありますけれども、あるいは日鉄二瀬のごとき、自分のとろにたくさんの炭鉱をかかえて、そこでの配置転換も考えない、あるいは三井のごとく世論の指摘にあって、関連産業で吸収しようというようなことがあとから出てきましたけれども、それはあとから出てきた態度、二瀬に最も現われておりますけれども、指名解雇をすると同時に、仮処分をやるというような強行措置、そういうものは決して望ましいとはおそらくおっしゃるまい。大局の方針をお尋ねするわけでありますけれども、そういう不信を買うようなことはやめて、そうして信頼を復活しながら、雇用をも、まあ、ほかのことも考えるのは当然でありましょうけれども、この石炭対策を立てたい、こういうように、あらゆる協力を求めて石炭政策を打ち立てていきたい、石炭対策を立てるについては皆さんの御意向も聞いてというお話でありましたが、そういうとにかく人の意見も聞こうというならば、労働者の不信も取り除き、その協力も得て、石炭対策を立てていくというのが通産大臣の態度でなければならぬと思うのですが、もう一度この点伺いたいと思います。
#37
○国務大臣(池田勇人君) 首切りなんかというものは決して望ましいことじゃございません。ないことを望んでおりますが、しかし、石炭企業を合理化する場合において、いかなる措置をとるかといろ場合においては、まずやはり経営者がお考え願うのが一番で、われわれからは言いたくはございません。従って、指名解雇とか、いろいろな点がございまするが、今まで石炭業者がどういう措置をしてきたか、労使の関係がどうなっているかということも私は少しぐらいは知っております。従って首切りが少いことを望みまするが、片方では、重要産業が合理化せられて、そうして安いいい石炭がたくさん出ることを望んでおるわれわれといたしましては、いましばらく労使の間でこういうことはお話し願った方がよいと思います。
#38
○吉田法晴君 私は通産大臣の腹の内がようわからぬのですけれども、今まで石炭政策が出されて来ないで、これはまあ池田通産大臣としては最近かもしれませんけれども、しかし、もう通産大臣になられて相当の時間もたちます。一応所管のことについては勉強をしておられるようですから申し上げるのですけれども、石炭問題については、いわば経営者の方針を支持するがごとき気持で見送っておられるんじゃなかろうか。あるいは、つぶれるものはつぶれろ、あるいは切るものは切れ、その上で石炭対策を立てようと、こういうような印象を受けるから、その点を、基本問題について、あるいは首切りのみを中心とする石炭対策を立てるべきではないということを申し上げて、先ほどのような御答弁をいただいた。ところが、今行なわれていることについて、全然望ましいことではないけれども見送ろうと言われるなら、基本的な態度をそういう工合に解せざるを得ない。国の政策を国民のために立てていくという基本的態度よりも、むしろ、あなたの最大関心事である、あるいは次の総裁公選だとか、あるいはまあ一部で言っておる資金集めのためにどこにもいい顔をしようという態度だという疑いを持たざるを得ない。政府として、あるいは政治家として考えられるならば、口にも出ました石炭炭鉱の復興にも協力した労働者、あるいは外国で考えられているような国民の多くの問題について、生活の問題について、その生活の保障をすることを政策の基本にして石炭対策も立てるべきだということを強く申し上げて、片鱗の中に出ましたけれども、石炭政策を立てられるにあたって、成り行きを見る、あるいはいい顔をする、あるいは経営者の方針を援護するような方針、これらは石炭政策を立てるについては十分の反省の上に一つお考えを願いたいということを要望をいたしておきます。
#39
○島清君 今、吉田君から申されたように、通産大臣は国民の所得の倍増論だとかいう景気のいいことをおっしゃって、それで、きょうあたりもそういったような景気のいい話を拝聴願えるかと思っておりましたけれども、非常な慎重でありまして、要するに、池田さんらしくない。放言をされない。放言されるということは、ほんとうの池田さんの真意がこもっておったので、私たちは、真意をほんとうに語られる政治家であるという一種の親近感を持って池田さんの御答弁を承っておったのですが、どうもそういうものは何かなくなりましたようで、大へんに質問を申し上げましてもおざなりになるような気がして興味を感じないわけですが、それにもかかわらず、お尋ねをしておきたいと思っておりますことは、先般来東京においてガットの総会が開かれたようでございまするが、その総会におきまして、日本の貿易政策についてずいぶんと各国から痛烈の批判があったようでございますが、これは私たちは新聞を通じてだけしかそういうことを承知いたしておりませんので、その御批判に対しまして、通産省といたしましてはどのようなお考えを持っておられるかということについてお尋ねをしたいと思っておりますが、まず、新聞の報ずるところによりますというと、各国の批判が、日本の抑制をいたしておりまする貿易政策に対して自由化を、当替の自由化といいますか、それが望まれたようでありますが、しかしながら、日本側におきましては、ドルの保有高が少ないという理由で、かすに時間をもってしてもらいたいというような態度であったように承っておりますが、世界各国が日本の抑制貿易に対しまして批判しております通り、やっぱり貿易の自由化というものは世界的な趨勢であると、こう思うのです。ですから、いつまでも国が国家意思において為替貿易を押えておくというようなことは、これは時流に逆行するものであるというふうに言わなければなりませんし、世界趨勢に歩調を合わせて日本の貿易政策も進めていかなければならないと思うんですが、そういうような観点から立ちまして、いつごろどういうような御準備によりましてこういったような世界の趨勢に歩調を合わせていかれるような心構えを持っておるか、この点について御説明を願いたいと思います。
#40
○国務大臣(池田勇人君) 戦後におけるわが国の経済は、御承知の通り、統制経済でございます。私は、日本が立ち直るためには自由経済をやらなきゃいかんというので、御承知の通り、昭和二十四年に為替相場を設定いたしました。そうして、当時二千億円ばかりの補給金を出しておったのをやめまして自由経済に持っていったのであります。国内は今や自由経済でございまするが、しかし、日本の経済全体で申しますると、重要ないわゆる外国貿易が、お話しの通りに、ほとんど統制でございます。外貨予算をごらんになりましても、七〇先を越えるのがもう統制であるのであります。だから、こういうことではほんとうに日本が底力のある競争力をつけるという意味において望ましくないという考えでおるのであります。従って、通産大臣になりましてから、私は、その前からの持論でございまするが、できるだけ早い機会に一つ自由貿易為替管理をやりたいという気持で進んでおります。たまたま最近に至りまして欧州共同体ができまして、そうして相当活発な動きをしております。片方では、アメリカにおける金がだんだん減少してきております。そこで、今までアメリカ政府としては自由主義貿易という建前で行っておったのが、国内で保護貿易論がどんどん出てくるような情勢に相なっておるのであります。従って、今度のガットの会議におきましても、アメリカの代表は、日本にガット三十五条を適用することはよくないからやめると同時に、日本もほんとうにもっと進んで自由化に行ってもらいたいというふうな発言をしておりました。私は全く同感でございまして、さしむきの問題といたしまして、御承知の通り、ドル地域とそれからスターリング地域ということによりまして為替関係、貿易関係を差別待遇しておりました。これは、どちらかというと、ドルが強くてポンドが弱いという関係で設けたのでございまするが、昨年来いわゆるポンドの方も非常に強くなりまして、今はもう全体の貿易としてはグローバルでけっこうだという情勢になっておるにかかわらず、アメリカに対しましては、御承知の通り、他のドル地域以外の国からは自由にしておりまする品目でアメリカ等のドル地域に対しては制限を加えておるFA制の十品目、この十品目は、たとえば、銅合金だとか、あるいはラワン材だとか、あるいはくず鉄とか、銑鉄とか、牛皮とか、ラード、牛脂とか、いろいろな十品目がございます。この品目につきましては、私は本年内にはずす準備をして、さしむき銅合金くずあるいはラワン材は一月から自由にしていきたい。そうして他の八品目につきましても、問題は大豆等がございまするが、こういうものにつきましても、関税政策とか、いろんな方法を講じまして、三十五年度中できるだけ早い機会にAA制に移していきたい。そうしてまた完成品につきましても、非常にたくさん輸入を禁止し、それから制限しております。そういうものにつきましても、やはり日本が伸びていく場合におきましては、こういうものもできるだけはずしていきたい。ただ問題は、中小企業等に影響するものが非常に多いのでございますので、そういう影響をできるだけ少なくし、そうしてはずしても大丈夫やっていけるような準備を整えていきたい。そうしてできるだけ早い機会に、完全なる自由化というわけには参りませんけれども、できるだけ一つ自由貿易という方面に持っていきたいと思うのであります。ことに最近におきましては、日本とアメリカとの間の貿易の関係が、日本が非常な輸入超過でありましたが、今年になりましてアメリカに対しては輸出超過の国に日本がなったようなわけでありまして、しかもアメリカの今まで自由貿易主義である労働者組合も、チーブ・レーバーの国からの輸入についてはある程度押えたらどうかというような議論もほつぼつ出てきておるような状況でございますので、私はできるだけ早く自由化に持っていきたい。イギリスはきょうの情報では自由化に踏み切ったようでございます。しかしドル地域のところに対しては踏み切りましたが、他の中共とか日本に対しましては相当のまだ制限をしておる。やはり相対の関係もありますので、他に自由を望む場合におきましては、われれの方も自由化させないといかぬのではないか、私はできるだけ早い機会に準備をいたしまして、自由化に持っていきたいと思っております。為替管理の方につきましても、外資とか為替管理は二重に相なっておりまするが、私は今、お話もございましたが、外資為替管理につきましては次の通常国会に一つ御審議を願うように各省と話を進めていきたいという気持を持っております。
#41
○島清君 私は自由貿易でなければならないという意味の意見で申し上げたのではなくして、世界がそういうような趨勢にあるので、それに歩調を合わさなければならないと思うのですが、その準備がございますか、それからそれはいつごろそういう歩調を合わしていかれる予定であるかということを白紙の立場でお尋ねをしたのでございまするが、そういうような自由貿易化に私は賛成をいたしまして私の意見として申し上げたのではないのです。それで輸入方面にもいろいろと抑制をしておられるようでございまするが、その中にも特に抑制をしなければならないという品目については、たとえば雑輸入品目に見ましても、この前の国会で特定物資輸入臨時措置法を審議いたしましたときに、私はそれらの品目については、これは抑制をしておりまするものの最たるものと思うのでありますが、その中に今大臣のお話にもございましたわれわれの業者に、特に零細企業に対して若干の影響を及ぼすというふうに見られるものについては、日本の国内の産業の保護育成というような建前からしても、アメリカ製のレモンであるとか、あるいは韓国製のノリ、こういうものは臨時措置法の指定物資にすべきではないか、こういうことを私は御質問を申し上げて意見を申し上げたことがあったのです。ところがまさに議論に対しましては賛成であるかのごとくでございましたが、それに反対をする理由は、根拠は薄いようでございましたが、今日もってそれらが指定物資の中には入っていないのでございます。その指定物資の中に入れないというような理由について、問題が小さいので必ずしも大臣からお答えにならなくてもよろしいわけでございますが、できることならば大臣の御答弁の方が望ましいわけです。なぜ今までですね、そういった目に余るような利潤をむさぼっております品目を特定物資の中にお入れにならないかどうか。そういうような理由について、特別の理由がございますならば承っておきたいと思います。また特別の理由がなければ、私はこういうものはすみやかに特定物資の中に指定されるのが至当ではないかと、こういうふうに考えておりますが、いかがお考えでございましょうか。
#42
○説明員(倉八正君) 今二品の御質問でございまして、韓国ノリとレモンの問題でありますが、レモンを指定物資に指定できません理由は、これは、ガットの規定に基づきます譲許品目でございまして、指定物資に指定しまして差益を取るということは、いわゆる形を交えた関税という意味で、これには指定はできないのであります。従いまして、もしも差益金を取るという必要があるならば、それはほかの方法でやるということでございます。
#43
○島清君 その譲許品目というのは、ノリとレモンだけでございましょうか。他に譲許品目になっております品目というのはほかにもございますですか。
#44
○説明員(倉八正君) これはたくさんございまして、こういうレモンとか何とかに限りませんで、アメリカからたとえば輸入しているような物資のほとんど大部分がこのいわゆる関税のガットの規定に基づく譲許品目でございまして、まあそのほかに利益を生むであろうと思われる自動車なんかもこの譲許品目の一つであります。
#45
○島清君 アメリカから輸入して参りまする品目だけが譲許品目でございますか。それともまたたとえば特定物資輸入臨時措置法に関連をいたしまして特定物資になっているものの他の品目のうちで、譲許品目になっているのがありますか。
#46
○説明員(倉八正君) これはガットの規定は、原則としまして、一つの国に適用すれば、最恵国待遇を受けまして、ガット加盟国三十七国に全部適用されるという仕組みに原則としてはなっております。従いまして、たとえば米国に対してレモンを譲許すれば、それは特に協定ある特定国と相談をいたしまして、その譲許からはずさない限りはほかの国に対しても譲許品目になるわけでございます。
#47
○島清君 私はそのレモンと韓国ノリが特定物資に指定されないということ、この矛盾に対しまして、非常に不都合だと考えまして、十分に私は調査をしたいと思っておったのですが、しかしながら調査をしようと思いましても、他の品目については十分な調査ができる資料が得られるのでありますが、しかしながら、どういうわけかわかりませんけれども、この疑惑の中に包まれております米国のレモンに関する限りその調査ができないのですね。雑品目の中で特にその特定物資に指定されておりまする輸入物資にいたしましても、外貨の割当をいたしたあとで――輸入後でございますというと、これがどの商社にどれぐらいの外貨を割当をしたかというて公表しているのでありまするけれども、レモンに関する限り、これが公表が避けられているんですね。しかも、このレモンというものが、藤井何がしという者が――三十三年、AA制度であったものが、それがはずされまして外貨割当を得るようになりましてから、三回ぐらい外貨割当をしておるんですが、その藤井何がしというのがそれを大半を扱っておると見られているんです。しかも、これは国会におきまして、あらゆる方面から非常に疑惑に包まれまして問題になっておる商社なんですね。その商社が扱いまする大半の品目に関する限り、これが公表されないということになってくるとですね、その理由は一体どこにあるのでございましょうか。その点を御説明願いたい。
#48
○説明員(倉八正君) さっき私が申し上げました韓国ノリというのは、これは朝鮮はガット関係にありませんから、これは譲許品目ではございません。それから、今御質問にございました雑品目の公表でございますけれども、雑品目につきましては、レモンのみならず、一般に、個々の品目について幾ら外貨予算があるかということは、公表いたしません。しかし、このレモンにつきましても、われわれとしましては全く公平な割当をしておるつもりでございまして、たとえば三十四年度は、上半期が五十八万ドルの発表をしまして割り当てておりますし、下半期の予定が二十九万ドルと、こういう数字は、決してわれわれとしては秘密な数字ではないのでありまして、必要があればいつでもわれわれとしては発表できます。
#49
○島清君 それでは質問をこの程度に打ち切りまして、私は、韓国ノリと米国製のレモンですね、それを、三十三年度以降、その割当の外貨の総額と、その割当先の商社別の割当額を、これは一つ資料として御提出を願いたい。委員長の方から御要求いただきたい。
#50
○委員長(山本利壽君) よろしゅうございましょうか、ただいまの資料要求ありましたが。
#51
○国務大臣(池田勇人君) よろしゅうございます。
#52
○委員長(山本利壽君) 承知いたしました。
#53
○近藤信一君 先ほど同僚大竹委員から若干御質問がございました水害の問題でございますが、このことは特別委員会でも十分論議されると思いまするけれども、やはり当委員会として、二、三の点、大臣にお尋ねをしておきたいと思うのでございます。先ほど大臣が御答弁の中に、繊維関係について、いわゆる被害を受けた工場に対しては、封鎖機械を解除してそして操業にあたっておるという御答弁でございました。なるほど、これは適宜に処した方法であったと思うんです。しかし、これは大企業に対しては、なるほど封鎖機械を解除したということは適切な方法であったと思うんです。これは大企業は、やはり工場が、水害地域以外に工場がありまして、そこで解除されれば、やはりその方に持っていって、その封鎖機械で操業ができたのでありまするけれども、大臣もこの前の農林委員会で言っておられましたように、知多の、いわゆる中小企業の機屋さん、特にこれは東浦関係におきましては壊滅状態に陥っておる。こういう点に対しては、やはり私は封鎖機械だけでは解決されないと思うんです。特に、当時業者が繊維局に陳情に来たときに、繊維局の某係官は、ちょうど今は過剰生産のときであるから、そういう中小企業が機械が動かないということであれば、ちょうどいいじゃないかと、こういうふうなまあ話をしたそうでございます。こういうことで、私は、実際この未曾有の台風で困っておるそういう中小企業に対して、救済の道でなくして、ちょうどいいなんというばかな話は私はないと思う。こういう、ほんとうに困った、壊滅状態に陥っておる中小企業の繊維関係に対しては、当局はどのように一体考えておられるのか、この点をまず一点お尋ねいたします。
#54
○国務大臣(池田勇人君) お話の通りでございまして、私も半田に参りまして、東浦の組合事務所へ寄りまして、お見舞を申し上げるとともに、やはり有力な組合でございますから、商工中金等を通じまして、お金を十分出すということでございますから、一つ早く復興していただきたい、こういったお願いをし、激励をしてきたような状況でございますが、先ほど申しましたごとく、ある紡績のごときは、隣り合わせの一つの紡績はまだ二割くらいしか……、ここでちょうどいいということはございませんが、封緘分で生産を従来通り続けている。一つの分はもう五、六割もやられておるというときには、これは気の毒な状態で、中小企業の方々は、お話のようにかけがえがないものでございますから、早く復興していただくように私はやっていただくよりほかないと思います。織機も大体一カ月くらいで復興できるかというふうなあれでございましたが、やはり二、三カ月かかるようでございますから、新しい機械か、またはどこかの封緘してあるものを買ってこられるか、まあそれはわれわれとしては、金融をできるだけ早くつけて、という気持を持っておるのでございます。
#55
○近藤信一君 これらの中小企業が、先ほどまあ中小企業三庫に対して百億というお話でございましたが、実際は新聞では、個人に対して百万、それから法人に対して二百万ですか、こういうことで、新聞でも発表されましたが、実際借りに行きますと、これは非常にそこに困難性がある。特に今まで借りた経験が――まあ実績のある方は比較的これが早く金が借りられるわけでございまするけれども、今までそういう実績がない人は、相当また日数がかかるわけなんです。さらに工場は操業できない。そういう点で、そこにまあ働いておる労働者諸君も非常に困っておる。これに対してはいろいろと他の方法で、今特別委員会等においても、この問題は論議されると思うのですが、こういうところに対しましても、金融公庫の方におきましては、非常にたくさんの、農協あたりからも応援を受けまして、そして拍車をかけてやっておられまするけれども、それでもまだ人が足りない。そうして人が足りないときであって、非常に時間がかかるからと言って、まとめて調査をするというふうなことがございますので、あるところにおいては、出した数が非常にその地区において少ない。そうすると、それが半月以上、二十日もほうっておかれるという事実も出てきておるわけなんです。こういう点については、やはり私は敏速なる処置で、その人たちのために一日も早く金を貸してやる、こういう方法を講じてやらなければならぬのですが、今一番問題になっているのは、人手が足りないということが、各公庫でも言われておるわけなんです。この点どういうふうなお考えでございましょうか。
#56
○国務大臣(池田勇人君) 今の百万円というのは、六分五厘の分の百万円で、上は言っておりません。それから組合の方は三百万円まで、六分五厘で、限度はございます。二十八年のときとは違いまして、中小企業の範囲も、あのときは軽減の利率を使うのは使用人三十人以下、今度はもう三百人ということにしまして、対象を非常にふやしております。お話の通りに、なかなか貸し出しに時間を要するということは、私も前から心配しておりました。この前本委員会で、組合で一括して借り入れる方法がいいのじゃないかということを、今の通産局長にも指示しております。
 それから先ほど触れました、四日市の富田地区のお魚の加工業者、これは聞いてみますと、組合ができていないというのです。そういうものにこれは組合をこしらえさせる。やはり組合でやるのが一番早い。人員の点は各三金庫とも、今まで本社に稟議する限度をはずすとか、理事をかわるがわる差し向けるとか、人手もふやしてやっておる実情でございますが、お話の点もございますから、もう一度実情聞きまして、これから一カ月間くらいが一番大事だと思います。一つ御期待に沿うようにいたしたいと思います。
#57
○岡三郎君 ちょっとこの際お聞きしておきますが、通産大臣、ガスの値上げですね、これについてどういうふうに現状でお考えになっておられるか。
 それから、個々ばらばらですがね、最近において、きょうの新聞にも出ておりますが、競輪の問題について相当八百長の問題が多い。こういうことで、兵庫の知事等も、廃止に向いたいのですが、総体でやらなければこれは効果はない、こういう点で非常に悩んでおるそうでありますが、これは昨年の吾孫子の騒擾事件その他から相当に大きな問題になっておるし、通産当局においても十分対策等を練って、何とかしなければならぬと思っておられるということですが、通産大臣の見解ですね、所見、現在の競輪をめぐる諸条件についての情勢の展望から、これをどういうふうに措置するか、そういうふうな点。
 それから炭鉱の問題については、純経済的に見ておられるが、戦時中に非常に乱掘しておるという状態、私はイギリス等へ行ってみた実情からいって、やはり炭鉱自体というものは、いいものを掘れるところから掘っていってしまって、とても会社経理ではなかなか成り立たぬ事態になっておる。そういうところで、国としてこれを抜本的に穴の掘り返し、全然角度を変えて、炭鉱というものを見なければ、こそくな手段ではこれはとてもいけないのじゃないか。こういう点で、イギリスの保守党においても炭鉱については別な見解を持っておるというふうにわれわれは聞いております。そういうふうに、これは戦時の大きな被告としては海運業もあるのですが、特に石炭においては石油との競合、重油との競合という問題について、いろいろと国内資源の問題で言われてきておりますが、砂糖なんか、ビートの開発ということで、これはドルとの関係で、相当国内においてビートの開発で、いわゆる甘みというものを相当資材を投入して、そして工場を拡張している。できるだけそういうふうなものについては外貨を使わぬようにするというような方法でやってきておると思います。そういうような面から見るというと、石炭についても、通産当局としては、やはり戦争中時代の大きな乱掘及び徹底したところの国家に対するところの貢献、いろいろな面から見て、戦後における、そういう角度から見ても、抜本的に通産当局としても手をつけるべきものであって、イデオロギーを云々するものではなくて、国家的に見て、大きな角度から取り上げなければならぬと思うのですが、その三つについて一つお伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(池田勇人君) ガス料金につきましては、東京、大阪、名古屋三大都市以外の分につきましては、従来そのつど値上げをしておったのでございます。この三都市につきましては、昭和二十七年来値上げはいたしておりません。従いまして、需要はふえる、設備も非常に拡張する、金利の負担も相当かかってくるので、私はガスの値上げはやむを得ないのではないかという気持を持っております。従って、今、三社の経営内容等を検討しておるのであります。申請は大体一割九分から二割の値上げを申請しておりますが、私は十分検討して決定いたしたいと思います。ただ、名古屋は、御承知の通りの災害でございますので、値上げを申請しておりましたが、この際取り下げますと、また別の機会に御審議願うということに相なっておるのであります。せっかく上げなければならないか、あるいは上げるとすればどうかということについて検討中でございます。
 それから次の競輪の問題でございますが、厄介な問題でございまして、これもそういう八百長等一般の期待に反しないように十分監督を厳重にしていきたいと思います。じゃ競輪をやめちまうかというふうな議論もございますが、これは諸般の事情を考えて、これ以上ふやしませんし、またできるだけ八百長の起らない、そうしてまた開催の回数もだんだん減らしていくような方法で弊害を少くしていきたいという気持を持っております。
 それから石炭鉱業の問題につきましては、お話の通りに乱掘の結果もございましょう。また老朽化した点もございますので、今度の石炭政策といたしましては、できるだけいい炭鉱を助成して、そうしてそういう方面へ能率の上らぬ炭鉱の労働者を向けていくということで、角度を変えると申しまするか、石炭鉱業のあり方につきまして、一つ根本的な施策を講じたいと考えておるのであります。今度も遠賀川流域の調査、これも調査費をとりまして筑豊関係の炭田につきまして、今上層部を小炭鉱でやっておりますが、深いところでどういう状況になっているか、遠賀川の汚水の問題と、それからあの辺の老朽した炭鉱がいかにしたらよみがえるかという点につきましても検討を加えていきたいという気持でおるのであります。
#59
○岡三郎君 そうすると、ガスの方は考究中というわけですか。値上げをするという方向で検討しているというわけですか。この前の閣議でいろいろと企画庁長官の方から諸物価とのはね返りがあるので、これをしばらく見合わせるという意見が出ておったように聞いたわけですが、通産大臣の方としてもいろいろな関係を見て今考慮中というわけですか。
#60
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申し上げましたように、会社の実態を見まして、公益事業でございまするから、赤字々々、ばっかりを続けていくということも将来のためによろしくございませんし、またガスの普及も考えなければなりませんので、ガスの料金を上げるか上げないか、上げるとすればどの程度にするかということを検討中でございます。そうして企画庁長官が言われた言葉は、ガスを見合わすという意味じゃなく、一般の値上げにつきましても、経済界に及ぼす影響も考えなければならぬから慎重にしてくれと、こういう意味でございます。企画庁長官は、ガスの値上げに反対だという意味じゃないということを発言の際に私に言っております。
#61
○岡三郎君 いつごろそのガス……。
#62
○国務大臣(池田勇人君) もうだいぶ前から出ておりますので、早急に結論を出したい。
#63
○岡三郎君 早急っていつごろですか。
#64
○国務大臣(池田勇人君) まあそういう研究に半年、一年もかかるわけじゃございませんから、できるだけ早くやることが合理化だと私は考えております。
#65
○近藤信一君 私が地元で調べたところによると、合板の原木ですね、原木を置く名古屋の船見町の貯木場ですね、あれは運輸省とそれから通産省の共管だということなんですが、それはほんとうですか。
#66
○国務大臣(池田勇人君) 運輸省の所管だそうでして……。
#67
○近藤信一君 運輸省……。
#68
○国務大臣(池田勇人君) 港湾に属する施設……倉庫だそうでございます。
#69
○島清君 今岡委員の質問に関連しているのですが、競輪のことについて大臣は御答弁になったのですが、大臣はあれですか、通産省の所管として今競輪をやっておられるわけですが、その当時は、それができました当初は、自転車産業の振興のためにということでしたね。ところが自転車産業は、もう競輪などはそう世話になる必要がないという段階になりましたので、通産省は苦肉の策で、今度は機械産業の振興のためにというふうに入れかえたんです。ところが、最近になりましてこの自転車業者の諸君が、そして競輪振興会のメンバーになっておりました連中が、そのようなことでいつまでもわれわれを競輪に利用されることは非常に不本意である、ですから、われわれの立場を悪用するような競輪は――今も悪用される形になっておる、そういう競輪はやめてもらいたい、というふうに各方面に猛烈な廃止運動をやっているわけです。ですから、私なども、少くとも通産省としてはもう競輪をおやりになる名目がいささかもないのではないかと考えておるのです。そこで大臣も、いろいろの事情でなんということをおっしゃっておられたんですが……。そこで、近ごろは、競輪を継続していく理由を自転車振興会の施行者の諸君が金のわらじをはいて探して歩いているんですね。それはあるいは結核病棟のベッドをあれするとか、スポーツ団体の方に寄付するとかいって、その寄付いたしましたまたスポーツ団体の方で一千五百万円もどこへ使い込んだかわからんというような不祥事を起したりなんかしておるんですが、そういうことで、いかにすれば競輪を存続していくかということについて非常に苦労しておるんです。ですから私は、少くとも次の自民党総裁を自他ともに認めております池田さんの口から競輪を存続するなんというようなことだとすると、次の総裁選挙も危ないですよ。やっぱりその必要のないものはお離しになって――必要のあるところがおやりになるという、これは私は別だと思うのです。少くとも私たちは、通産省としてはもう競輪をおやりになるという理由はいささかもないと思うのです。私はそういう意味においての公営競輪のもう廃止の段階に来ておるんじゃないか。しかしながらまた、競輪がどうしても国民生活上必要であるとするならば、それは国家の警官隊などを派遣しないで、株式会社かなんかでやって、税金で取り上げたらいいと思うのです――もし必要であるとすればですよ。私はただ、日本の産業の発展上から競輪の所管をしておられた通産省が、なぜいつまでもこじき袋を下げたような格好でいつまでも競輪に未練をお持ちになるかということがどうしても理解できない。大臣が、競輪場をふやさないのだと言っておられたのは、あなたの校長先生の吉田さんが、もう競輪はふやさないのだと、ツルの一声でそれがきまったのは六年も背の話なんです。六年以降というものは競輪場というものはふえておりません。そういうことで、今ごろそれをふやさないのだという答弁でちょっと糊塗されようとすることは私はそれは答弁にならないと思うのです。それは伴食大臣といわれる大臣であれば、ああそうかなと、党内的な立場からしてもそうかなと思うのですが、いやしくもいつの時代にか内閣総理大臣をおやりにならなければならんというような池田さんの御答弁としては、ちょっと私はもう少し慎重にやはりそれこそ御研究にならなければならんのじゃないかと思うのです。どうぞ一つ、今御答弁いただけるならば御答弁いただきたいし、いずれはこの問題は国庫納付金ですか、あれとの関連もございますので、この委員会の方で公聴会などを開いて大きく取り上げなければならん問題だと思うのですが、にわかに私は御答弁をお求めいたしませんけれども、もし御答弁いただけるならば御答弁をいただいてもようございますし、そういう形でやはりほんとうに真劍に御検討いただきたい、こう思います。
#70
○国務大臣(池田勇人君) お話の通り、なかなか厄介な問題でございまして、競輪とそれからオートバイとか、あるいはボート競走、いろいろなものがあります。競馬はどうかという問題もありまして、いろいろ検討はいたしておりますが、私は競輪の弊害――私は競輪を見たことはございませんけれども、弊害も聞いております。またこれに関係する相当な人もおられることも知っております。ただ私の申し上げておるのは、競輪場をふやさぬということばかりでなしに、開催日について私は相当考慮していくべきじゃないかという気持を持っておるのです。お話の通り、根本的にどうするかということはただいま検討いたしておるのであります。私自体としてはこれに賛成しておるわけじゃないのであります。でき上ったものにつきましての措置につきましては別途の考えをしなければいけません。十分検討いたしまして、お話の通りに競輪で上がってきた金の使途の問題が次の国会にかかると思います。それまでに考え方をきめたいと思っております。
#71
○委員長(山本利壽君) それでは本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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