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#1
第033回国会 決算委員会 第4号
昭和三十四年十一月九日(月曜日)
   午前十時五十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上原 正吉君
   理事
           大谷 瑩潤君
           岡村文四郎君
           野本 品吉君
           矢嶋 三義君
   委員
           川上 為治君
           上林 忠次君
           木内 四郎君
           高野 一夫君
           鳥畠徳次郎君
           仲原 善一君
           西川甚五郎君
           増原 恵吉君
           谷村 貞治君
           相澤 重明君
           北村  暢君
           栗山 良夫君
           武内 五郎君
           千葉  信君
           奥 むめお君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第五局長  平松 誠一君
   日本国有鉄道総 
   裁       十河 信二君
   日本国有鉄道理
   事会理事    兼松  学君
   日本国有鉄道資
   材局長     平出  彬君
   日本国有鉄道施
   設局長     小野木次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十二年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
○昭和三十二年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
○昭和三十二年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第三十一
 回国会提出、継続案件)
○昭和三十二年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上原正吉君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十二年度政府関係機関決算書を議題といたします。本日は日本国有鉄道の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第四百七十九号から四百九十四号までであります。
 本件に関し出席の方は国鉄から十河国鉄総裁、兼松国有鉄道理事、川本監察局長、氷室監察局監察役、運輸省からは山口監督局財政課長、会計検査院からは平松第五局長の諸君であります。まず会計検査院から概要の説明を求めます。
#3
○説明員(平松誠一君) 昭和三十二年度日本国有鉄道関係について御説明申し上げます。
 個別事項は不当じ項十三件、不正行為三件、計十六件でございまして前年度の十七件より一件少くなっております。
 四百七十九号から四百八十六号までは工事に関するもので、そのうち予定価格の積算が過大なため、ひいて工事費が高価となったものとして、四百七十九号から四百八十二号まで四件があがっております。
 四百七十九号は、東京工事局で三菱造船に四千二百万円で請け負わせた川崎火力発電所煙突製作及び建方工事において、煙突製作用鋼板はSM四一を百五十二トン余使用するものとし、その価格は類似品の一般市場価格を参考としてトン当り十万一千円から十二万五千円、総額二千二十九万余円と算定しておられますが、この鋼板は八幡、富士、日本鋼管及び尼崎製鋼で注文により製造している特殊製品でありますから、その販売価格を調査して積算するのが相当で、その価格はトン当り六万一千円から七万九千円程度が適当であり、また鋼材の使用量においても六トン余が工複計上されておりまして請負額は約五百七十万円高価と認められます。
 四百八十号は新橋工事局で鉄道塗装工業株式会社に、大井川橋梁改良橋げた塗装その他その一工事、及び利根川橋梁改良橋げた塗装その一工事を、五百二十三万余円及び四百二十五万余円で請け負わせたものについてであります。この工事はそれぞれの橋梁の構げた二万七千余平米及び二万余平米をペイントで二回塗装するもので、塗装費については塗装歩掛りを塗装工鈑げた平米当たり〇・〇三四人を基礎とし、平米当たり工費は七十九円余及び八十四円余となっておりますが、他の工事局の例は五十三円程度であり、歩掛りの基本となっている鋲げたの塗装歩掛りも〇・〇二人でありまして本件工事の積算は過大と認められ、〇・〇二人を基礎として修正計算いたしますと総額約七百八十七万円が相当で、本件は約甘六十万円高価と認められます。
 四百八十一号は、大阪鉄道管理局で日立工事株式会社に七日十八万円で請け負わせました、橋型クレーン改造工事についてであります。この工事はクレーンのデリック・ブームが短いので、これを長いものと取りかえる等の工事でありまして、鋼材所要量は在来装置の部材寸法を測定して全重量を算出するなどして、結局十六トン余と積算されたのでありますが、その測定が粗雑であり、適当とする所要量は十一トン余で足りるものでありまして、これによって再計算いたしますと約百十万円高価となる計算であります。
 四百八十二号は、下関工事局が千六百五十万余円で、九鉄工実株式会社に請け負わせた若松駅石炭桟橋斜路改築その他工事についてであります。この工事は従来木造のものをコンクリート・ブロック桟橋に改築するものでありますが、予定価格の積算に当たりコンクリート・ブロック用砂利、砂及びコンクリート・ブロック等の運搬に要する三輪車数を延べ五百六十一台と積算しているのでありますが、運搬量の見積りが過小であって、三輪車は延べ三百四台で足りる計算であり、またコンクリート・ブロックの型ワクは、区一回使用としておりますが十回程度使用することができ、その他必要のない手待割増を認めているものもありまして、これらを修正いたしますと工事費は約千三百九十万円で足り、約二百十万円が高くなっているというものであります。
 四百八十三号から四百八十六号までは工事の施行が設計と相違するもので、四百八十三号は熊本鉄道管理局で請け負わせた災害復旧工事において擁壁コンクリートの厚さが設計に比べて厚いもの薄いものがあり、おもに下部の厚さが不足していて強度が低下していると認められるもの。四百八十四号は名古屋鉄道管理局で請け負わせた工事で、排水溝コンクリートの厚さあるいは底幅が設計より少なく、排水効果が低下していると認められるもの。四百八十五号は門司鉄道管理局で請け負わせた若松工場貨車職場改築その二工事で、床を木れんがで舗装するに当たり舗装面積が不足し、目地幅も設計より広く、従って木れんがの使用数量も不足し、また目地に充填するブロンアスファルドも不十分であるというもの。四百八十六号は盛岡工事局で請け負わせた砂利採集積込工事において、砂利の規格が七十ミリメートル以下となっているのに七十ミリメートル以上のものが、調査したところでは平均六・七彩程度混入していたというものであります。
 次は物件であります。四百八十七号は、川田工業株式会社から購入した鉄製セントルに関するものであります。これは溝型鋼、鋼板等を主材料とし、隧道の覆工用として使用するもので、その予定価格は、一相当たり一号型十三万五千七百円か十三万二千八百円、二号型十四万一三千六百円から十八万四千八百円で、これをトン当たりに換算すると、製作加工費が約十六万四千円から十七万円、製品価額で約二十六万二千円から二十七万六千円に当たりますが、同時期に信濃川工事事務所で購入した1型鋼を主材料とするものは、製作加工費が約三万四千円、製品価額約十八万二千円となっており、また電源開発で購入した溝型鋼、鋼板等を主材料とする鉄製型ワクでは、製作加工費トン当たり約六万六千円、製品価額約二十一万五千円を採用しておりまして、これに比べまして著しく過大と認められるのでありまして、今電源開発のものと比べ、本件は材料をほぼ同じくし構造はむしろ簡単でありますが、かりに電源開発の製品価纈を基礎として計算すると、一相当たり一号型十万円から十万七千円、二号型十一万七千円から十五万三千円を相当とし、これによれば約五百二十万円節減できたこととなります。
 四百八十八号は断路器の購入についての案件であります。従来断路器は変電所の諸機械と合わせ、一括購入していたのを別々に購入することとし、東京芝浦外五会社を指名競争入札に付したところ、一番札の株式会社斉藤商店の納期が、資材局の希望納期より相当おくれていたというので、これを排除し、高価な他の入札者と契約を締結したのでありますが、木品は変電所用語機械と同時に使用されるものでありまして、その分の納期は斉藤商店の納期以降かまたはおくれてそれ以降になることがわかっていたものでありますから、購入要求部局との連絡よろしきを得れば、希望納期を変更することができたものと認められ、斉藤商店を排除する必要はなかったもので、処置当を得れば約二日八十万円低額に購入するととができたというものであります。
 次の二件は購入計画当を得ない事案であります。四日八十九号は、資材局で川崎重工業株式会社外一会社から、車両用扇風機二千二百三十四個を総額三千七百八十八万三千余円で購入したのでありますが、その使用期間は六月から九月であるのに、工作局からの準備要求が三十二年六月で、資材局は七月下旬に、納期を七月二十四日から九月十日として購入契約を締結し、実際納入は八月以降となり、納入個所の用品庫から取りつけ個所へは、さらに保管転換せねばならぬので、取りつけ個所で受領したときは使用期間を失したものが多く、八五%に当たる千九巨十五個が翌年度まで未使用のまま在庫となったというものであります。
 四百九十号は、資材局で三十二年七月三菱鋼材株式会社から、新装車両用交付材料として、担バネ三千四十個を総額四千四百七十七万九千余円で購入したのでありますが、この担バネは補修用にも使用するもので、三十二年度上期分補修用としては、別途二千七百九十個を三十二年三月購入したものがあり、しかも工作局で調べた結果、三十二年五月中旬には補修用担バネの大半を占める更新修繕用担バネについては、前年度末の残高で充足できるということが判明していたものでありますから、二千七百九十個のうち、一般補修用の使用見込み量約千個を除いた約千八百個は、新製車両用に充当することができるものでありまして、従って工作局、資材局間の連絡が十分であれば、七月購入したものの過半は購入の要がたかったものであります。
 四百九十一号は固定資産部外使用料についてであります。一は使用権の不安定等に基く軽減措置が、適切を欠いていると認められるものでありますが、国鉄では固定資産を部外者に使用させる場合に、たとえ使用期間中でありましても、当局が必要と認めた場合には、いつでも使用承認を取り消すことができるという制限を設けているため、普通の賃貸借に比べ特別制限が加えられているというので、算定の基礎となる時価評価領から、一律に二割を減じておられるのでありますが、貸付の実態を調査いたしてみますと、もら国鉄として事業の用に供する見込みがなく、使用者に対して売り渡しを予定しているような財産にまで、この軽減措置をとっておられるものなどがありまして、本院で調査したおもな事例によりますと、名古屋、大阪両鉄道管理局で、名古屋鉄道株式会社外正名に使用させている八件の、三十二年度料金について軽減を行わない計算との間に、約四百五十万円の開差を生じております。
 二は連絡設備、乗り入れ設備等貸付用地に関する資本利子額の軽減処置が、適切を欠くと認められるものでありまして、国鉄と連絡運輸をしている運輸機関の連絡設備、または乗り入れ設備の用に供するため貸し付けている土地の使用料については、連絡運輸によって国鉄の収入が増加し、または経費が軽減するという理由で、資本利子率を通常の二分の一に軽減しておられますが、連絡運輸に伴う利益は相互に受けるものであり、中には貸し付けた土地の一部をデパート敷地として使用していたり、構内営業または広告掲示を行なって、多額の収入をあげているものも見受けられる状況でありまして、東京、名古屋両管理局で、名古屋鉄道株式会社外十二名に使用させているものについて、軽減しないこととして計算いたしますと、約千六百二十万円の開差を生ずることとなっております。
 四百九十二号から四百九十四号までは名古屋、鹿児島鉄道管理局で、職員の不正行為により収入金を領得された事案でございます。
 なお以上のほか概説の項におきまして、資材の回転率の向上並びに検収業務の運営について検討、改善を要すると認められるものがあることを記述しております。
 以上で説明を終ります。
#4
○委員長(上原正吉君) 次に日本国有鉄道から概要の説明を願います。
#5
○説明員(十河信二君) ただいま昭和三十二年度決算検査報告につきまして、会計検査院からいろいろと御注意をいただきました。まことに恐縮にたえない次第であります。
 私は綱紀の粛正はもちろん、経営の合理化、サービスの向上等につきまして最も力を入れて参ったのでありますが、御指摘をいただきました三十二年度は、ちょらど国鉄の五ヵ年計画の実施を始めた年でありまして、工事費の予算また所要資材の調達等非常な輻湊をきわめまして、いろいろな混乱をきたしたのであります。しかるにその後また経済界の急変によりまして、財政投融資を引き締められるというふうなことに相なりまして、工事の施行や資材の調達にいろいろと手違いを生じたこともありました。御注意を受けるようになったことはまことに遺憾にたえない次席であります。工事の施行、資材の調達に当たりまして、できるだけ関係個所との連絡を密にして計画を慎重に行なって、予定価格の積算及び監督、検収等につきましても、それぞれ改善をはかりまして、厳正に行ならよう指導いたしておるのであります。
 固定財産の部外使用料につきましてもその適正をはかるよら、かねてから特に委員会を設けまして慎重に取り扱っておるような次第であります。今後は、こういう御指摘のような事故を絶無にいたしたいと努力いたす覚悟でおります。
 また、職員の不正事故につきましては、一そう指導監督を厳重にいたしまして、事故防止に遺憾なきを期したいと覚悟いたしております。
 御指摘いただきましたこれらの事項につきましては、それぞれ是正改善の処置を講じ、あるいは職員の同違い等に対しましては適当な処分をいたす等、処置をして参った次第であります。今後こういうような御注意を受けることのないように一そう努力いたしたいと存じます。
#6
○委員長(上原正吉君) なお補足説明がありましたら、お願いいたします。
#7
○説明員(兼松学君) ただいま会計検査院から御指摘をいただきました事項につきまして、総裁から申し上げました通り、まことに遺憾でございまして、できるだけいろいろ改善の措置をいたしまして、具体的に申しまして、四百七十九号以下それぞれの点につきましては、積算に対しまして、当方といたしまして特別に今後努力いたしまして、鋼材の積算というようなものにつきまして基準を出しますとともに、歩掛り、積算内容についても十分検討いたしまして、工事費の低減に努力いたしたいと考えております。
 なお、鋼材も造船用鋼材のような特殊鋼材を使いました。当時たまたま造船ブームの最中でございまして、これ以下の契約ということは、納期との関係、工期をちょらど渇水期に間に合わすというようなことで、非常に困難ではございましたが、今後さらに慎重を期しまして、十分積算上の努力をいたしたいと思っております。
 また、四百八十一号のクレーンの問題につきましては、当方が、いわゆる提出図面による審査というようなことで、会社側に工事の原図面がなかったというような事情から、請負者に図面を作らしたような事情がございましたが、今後はこういうことがないように関係部局に十分注意いたしますとともに、関係者に対しまして厳重処分をいたしました。
 また、下関工事局の工事につきましては、その工事の内容がたまたま現在使用中のものを交互に修繕するというような、いささか困難な仕事でございましたために、工期が手間どりますことも考慮に入れて予定価格の算定を行なったのではございますけれども、運搬回数その他の算定について、一部実情に沿わないものがございましたことはまことに遺憾に存じます。これらの詳細は説明書に書いて提出をいたした次第でございます。
 なお、部外財産の使用につきまして御指摘がございましたが、これは二十九年度以降の経過をちょっと補足して申しますと、土地建物の使用料につきましては、昭和二十九年に、従来の料金を当局が時価相当と認めた料金に改正いたすことといたしたのでございますが、その後の改定料金が著しいものにつきましては、緩和措置を講ずることといたしまして、三十一年度においてこの改定料金額に達するよら漸増する扱いをいたしておるのでございます。しかるにもかかわらず、土地価格のきわめて高い東京付近の高架下の使用者の間には、これらに納得できないということで不払い同盟が結成されたというような事もございまして、やむなく東京地方の土地建物評価委員会に取り扱い方を諮問いたしましたところ、ある程度の補正措置を講ずることが、社会慣行及び従来の実例にも合致して、また国鉄の収入確保の上にも適当であるという御答申がありましたので、三割相当を減額した額を使用料に加算する扱いをいたしたわけでございます。その後、関係規定の整備を行ないまして、使用料金の評定基準を改定いたしまして、料金の値上げを三十二年四月から行なったようなわけでございます。当時土地建物評価委員会がまだ全部の評価を完結しておりませんでしたが、その後委員会の方で評価の改定もありましたので、三十三年の四月からはさらに使用料金を改定いたしております。今後も定期にこのような使用料の改定を行ないまして、御趣旨に沿らように努力いたしたいと存じております。
 なお、職員の不正事故につきましてはまことに申しわけない次第でございまして、これらにつきましては、関係者で司直の手を受けております者については、免職処分等もいたしてございますが、そのほかに、それを監督するいろいろの地位にあるすべての関係者に対しまして厳重な処分をいたしますとともに、会計の取り扱いにつきましても規定を改め、また監督を厳重にいたしまして、再びこういうことが起らないようにという最善の努力をいたしておる次第でございます。
 なお、最終的に御指摘のございました資材の回転率の問題につきましても、昨年来、検収業務のために特に特別の係を設けまして実施いたしますとともに、それによりまして業務の改善をはかって、御指摘のような点が今後絶滅できるように最善の努力をいたすつもりでございます。
 なお、個々の詳細につきましては主管の各局長等も参っておりますので、御指示によりまして御説明させていただきたいと存じます。
#8
○委員長(上原正吉君) 以上をもって説明は終わりました。これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○岡村文四郎君 ただいまは国鉄の検査の報告がございました。総裁までおいでになってお答えがございましたが、私は会計検査院にお尋ねをしたいと思いますが、実は町村は決算委員に初めてなったのでございますが、非常に御努力を願いまして出ました検査の報告書を見ますると、まことに残念でございます。一般普通国民は、役所なり政府のやっておりまする仕事は、大体においてこういうことは考えておらぬと思います。
 そこで今国鉄の話でございましたが、まことに遺憾でございますが、こういうことがもし民間でございますと、株式会社ならとうにつぶれてしまいます。私は長い間の農業団体の者でございますが、役所がわれわれ民間の法人の検査をします時分には、実に痛烈なものでございます。検査院の方では三十一年と二年を比べて一件減ったというお話でございますが、どういうふうにこれをすればいいのかという、一体お考えがなければならぬと思います。そこでこれをうまくやってさえいけばいいというのではなくて、国民のために国民を代表してあらゆる機関の検査を行なっておりまするから、検査の結果を見ましてこれではいかぬので、今後どらしなければならぬということの案がもうとっくに出ていると思いますが、そういうお考えがありましたらお話し願いたいと思います。
#10
○説明員(平松誠一君) 国鉄の検査報告にありました案件は、三十一年度とを比較いたしますとわずか一件でございますが、それ以前と比べますと相当、半分程度に減ってきておるような実情でございます。しかしそれにいたしましても三十二年度十六件の案件が出ておるわけでございますが、この中でもおもなものは工事並びに資材の関係でございます。工事の案件につきまして内容を洗っていきますとやはり積算が過大である。資材につきましてもやはり積算の仕方が過大であったというようなものが、多く占めておるというような状況でございます。
 そこでその原因は、結局はある一定の積算の基準というようなものがなしに、各部局々々でそれぞれの考えで積算をしておられるというような結果が、こういった検査報告となって現われておるというふうに考えまして、私どもかねがね統一的な積算の一応の基準、現状で必ずしも基準通りはいきませんが、しかし一応の基準というものはやはり作るべきものではないかというようなことにつきましては、当局の方へも御連絡をいたしておるのでありまして、国鉄におかれましても工事並びに資材につきまして、三十三年度でございますか、積算の基準ができ、三十四年度からそれが実施の段階になりましたので、その基準によってやりますれば、従来ほどの不当な事項が出るかどうかということにつきましては、相当そういったことがなくなるようになるのではないか、こういうふらに考えております。
#11
○岡村文四郎君 それでは国鉄の方にお伺いしたいと思いますが、区間の仕事は国鉄でおやりになっておりまする大きな仕事で、九州の鹿児島の果てから北海道の根室の果てまででございまするので、なかなかめんどうでございまするから、万全を期せられても一つも落ち度のないようにできるとは考えておりません。
 そこで問題は工事のことでございますが、これは非常に防ぐことがめんどうだろうと思います。これは人間のする仕事でございまするかう、工事関係の仕事をやっておりまする者は、その係員の人と何らか緊密な連絡をし、非常になれ合って仕事をしようというのが日本の現在の世の中でございまするから、そういう広い場所でそういう仕事をします以上は、絶対にそういうことのないようにするということは不可能でございましょうが、あまりにも乱脈になっておりますものをいろいろ御注意を願い、またあらためておやりになるという御返答でございますから、これはそうなると思いますが、要は係の人と仕事をいたしまする請負者とがあんまり緊密にならないということが一番大事だと思います。これがなれ合いますと、私はどうかこうか知りませんけれども話を聞きますと、この検在院の検査報告に出るものはほんのちょっぴりで実際に大きなものは出ておうぬ、ちゃんと済んでいるんだと、こういうふうに言う者がわれわれの仲間にもおります。私はそれを疑ってはおりませんが、そういうわけで、今後の仕事をする上に大事業はたくさんございまして、決して国鉄の事業はこれだけじゃございませんから、御当局のお骨折りもわかります。しかしながらどうしてこれを防いでいこうかということがなければならぬと思います。そとでなかなかむづかしいことでございましょうが、どういうふうにしてこういう失態のないようにしていこうというお話が一言ございたましたら、単なる注意や連絡ではいかぬと思いますが、そういう固い決意がありますかどうかお聞きいたしたいと思います。
#12
○説明員(十河信二君) ただいまお話のありましたように、こういうことは絶滅しなければならないのであります。私もその絶滅にいろいろ苦労をいたしております。一番根本的なことは国家国民に対して忠実に奉仕をするという精神が一番大切だと思います。それゆえに私は運転の事故をなくする安全運転と、綱紀の粛正ということを中心にいたしまして、全国各現場を回りましてその点を職員に対して厳重にいましめて回っておるような次第であります。
 なお今お話のありましたように、物品納入者あるいは工事請負人と係の職員があまりなれ合い過ぎると、そこかうまた弊害が生ずるのでありまして、あまり連絡が悪くてもいけませんが密過ぎてもいけない、そこのところは非常にむずかしいところであります。これをどういうふうにして矯正したらいいかということをいろいろ苦労いたしておりますが、なかなか名案が出ませんが、今日は一つの仕事に対していろいろな係の手を経なければならぬ。一人では間違ったことができないようにお互いに牽制をするような組織を作っております。それが一つ。
 もう一つは、同じ仕事を同じ場所で長くやることをできるだけ防いでいく。ときどき人の配置場所を変えるとか仕事を変えるとかいうことで取りかえる、そうして今お話のあったように、あまりなれ合いにならないようにというふうなことをいろいろと苦労してやっております。
 それから積算の見積りの問題でありますが、これも国鉄の部内の職員だけではなかなか市場の動きなども十分にわからないと思いまして、部外の専門家、関係のない人を主として選んでおりますが、そういう専門家のいろいろ意見を聞きまして市場の調査をする、そうしてそれを参考にして適正な見積りのできるように積算委員会というものを設けまして、積算の正確を期することをいたしております。また請負人の選択につきましても同様に委員会を作りまして、工事の程度あるいは内容等によりまして、請負人の選択をある
  係員が勝手にできないように基準を設けて、委員会で資格をきめてその中か
 ら選択をする、競争をさせるというふうな制度をとっております。いろいろなことをやっておりますが、今お話のありましたようになかなかこれを絶滅することが困難で、私どもの力の及ばぬところをはなはだ遺憾に存じておる次第であります。
#13
○高野一夫君 資材関係の方にちょっとまくら木のことで伺いたいのですが、一ヵ年にまくら木をどれくうい買い上げられるか、新設あるいは改修に要するまくら木は一ヵ年に大体平均してどれくらいになりますか。ざっとでいいです。
#14
○説明員(平出彬君) 的確な数字はただいま持ち合せておりませんので後ほど御説明申し上げたいと思います。
#15
○高野一夫君 資料がなくとも概算で、新設あるいは改修するのに一ヵ年に要するまくら木はこれは相当なものだと思います。国鉄としては非常に重要な資材でしょう。それが一ヵ年平均して大体どのくういのものを買い上げなければならないのか、それくらいわかるでしょう。
#16
○説明員(兼松学君) 年によって多少違いがございますが、約四百万本ないし五百万本でございます。
#17
○高野一夫君 金額では。
#18
○説明員(平出彬君) 金額は大体一本当たり八百円平均でございます。
#19
○高野一夫君 総額では幾うになりますか、私は総額を聞いているのです。
#20
○説明員(兼松学君) 約三十五億円内外でございます。
#21
○高野一夫君 そうすると膨大なものだと思いますが、そのまくう木の耐用年数はどのくらいですか。
#22
○説明員(平出彬君) 大体十数年でございます。
#23
○高野一夫君 十七、八年でも十二、三年でも十数年になりますよ。
#24
○説明員(平出彬君) 位置によってはそのまま素材で使いますものと注入材にするものもございますが、大体平均いたしまして十四、五年になると思います。
#25
○高野一夫君 資材局長、十数年というあいまいではなくて、もっと栗なう何年、松なう何年というそのくういのことは資材局長おわかりだと思うが、品種は何をお使いになりますか。
#26
○説明員(平出彬君) 松、ヒノキ等を主として使います。栗も若干使っております。それからまたブナ材も最近注入いたしまして相当広く使っております。
#27
○高野一夫君 そういうものを日本の木材の石数かう考えて、十分今後何十年先間に合うとお考えになりますか。
#28
○説明員(平出彬君) 現在考えており ます範囲におきましては十分間に合うと考えておりますが、また将来国鉄といたしましては、木のまくう木のほかにコンクリートのまくう木というものをだんだんふやすという考え方でございます。
#29
○高野一夫君 私は昨年ですが小倉副総裁に質問して小倉副総裁の説明を得ているのですが、その結果を聞きたいのですが、きょうは小倉さん見えておられないので残念でずが、われわれの方では森林の造成、植林の品種改良を考えている。それには西日本において最も適するものとしてユーカリの植林を考えて、現在林野庁でも各地の林業試験場でやっておるのです。そうしてあれは私はよく知うぬが、非常な何といいますか、強い質をもっているので、だから今まで使っておる日本の木材で十数年耐用できるものなら、もっとはるかにこれに使えるはずだと考える。それは外国の例をお考えになってもその通り、そこでそれならば現在聞に合うかうといって現在だけのことを国鉄はお考えにならないで、五年先、十年先、あるいは二十年先のまくう木を、どうするかということをお考えになってよろしくはないかということを、私はこの決算委員会で言った。それには林野庁がやっているのだかう林野庁と協力して、そうしてそういう試験をおやりになってしかるべきではないかということを言った。ところが林野庁と相談をして研究しておるという御説明があった、それならば一年間たった今日でございますから、その林野庁とどういう研究をされてどういうデータが出たかということを実は伺いたかった。現在はクヌギ、栗、松、ヒノキで間に合いましても、われわれの考えるのは成長の年月が長いから、それよりも成長年月の短くて非常な硬度をもっているユーカリが最適である。外国の例も示しておる、しかも日本において至るところでできる、少くとも西日本においてできるということを林業試験場でも証明しておる、そういうふらにやっていこうという方策を欠いておる、それを利用しない国鉄ではなかろうと思う。特にまくら木についてそういう点を研究しておるとおっしゃったのだから、その結果何か多少とも材料が出ておるか、データが出ておるか、研究をしておるとおっしゃるならばその後の様子がわからぬということはなかろうと思うので、私はその後の様子を聞きたい。
#30
○説明員(兼松学君) その点につきましては、私どもの方で試験をいたしました結果を施設局長から御報告いたします。
#31
○説明員(小野木次郎君) ただいまお話のありましたユーカリの問題でありますが、ユーカリは現在日本で製材が得られませんので、本年度試験用のユーカリをオーストラリアから輸入いたしました。同一材質でございまして大体の寿命は二十年ないし十八年、これが大体外国の例でございます。日本は御承知のように相当多湿の国なんでございます。これから本年購入いたしまして試験いたしたい。おそらく見込みといたしましては有望であるとわれわれは考えております。で、今後四年ないし五年たちますと、大体の結果がはっきりしたものがっかめると思います。
#32
○高野一夫君 それではもら一つだけ伺いますが、それは本式の試験をするのには、豪州その他から、買い上げられるのはどこでもよろしいから、輸入しておやりになるべきだ。そうすると林野庁が現在試験をしておりまして、そうしていろいろな種類の中で日本の内地に適するものが大体わかってきている。それが十年後に使える、十五年後に使える、非常に御承知の通り成長年月が早いのでございますから、そうするとどれくらいのいわゆる植林計画によってその枕木がどれくらい補われるかということになるならば、耐用年数が五年延びても非常なこれは予算面におけるプラスになると思う。しかも防腐剤が要らない、こう聞いておりますから、これについて私はまくら木を三十数億年々買い上げられる国鉄が、まくら木の改善について林野庁ともっと密接な連絡をとって研究を進めていかないということはうそだと思う。従って本年はちゃんとしたできた材を輸入されて試験をされているということはけっこうでございますから、その結果は来年のこの決算委員会で一つ伺いたいと思います。これは一つ忘れないようにお願いしたいと思います。
#33
○説明員(小野木次郎君) 来年とおっしゃるのですが、これは一年間ではちょっと敷設試験はできませんので、大体四、五年かかります。ただし現在きまっております日本標準規格によります腐朽試験は、すでに行なっておりまして相当有効であります。腐朽試験による結果からは非常に有望であるとこういうふうに考えております。私らの方の将来のまくら木の関係は、耐用年数は大体平均十三年何ヵ月というのがすべての平均でございますが、これを十七、八年にまで延ばしますことによってまくら木の費用を約三分の二まで縮めたいと、こういう計画を持っておりますが、これは単に木材だけじゃなくてコンクリートのまくら木もいろいろ併用いたしましてやっていきたいという大体の構想を持っておりまして、日本で作られますあるいは植林されます樹種につきましても、特にブナなんかにつきましては農林省とよくお話をしております。それで明年敷設試験の結果はちょっと保証しかねると思います。
#34
○高野一夫君 私は専門家ではないからわかりませんが、今のお考えで、現在十三年平均のものが十八年ないし二十年耐用できるということになれば、これは大へんな私は国鉄として大改善になると思います。ぜひ一つこれを進めていただきたい。同時に四、五年たたなければ実際に敷設した結果はわからないけれども、科学的、物理的な試験をする方法は幾らもあるでしょら、材について。そういうことによって一ヵ年たてばそれはできるはずだと思いますから、そういうもののデータを作って私は一年たった来年の決算委員会でお示し願いたい。そうしてそれによってまたわれわれの決算上のいろいろな審議の考え方もあると思いますので、非常に無理かもしれませんが、学問的にその耐用試験はできるはずだと考える。実際の土の上にしいて、鉄路をしいて、それから汽車を走らせて、それの結果はこれは何年かかかりましょう。何年かかかりましょうけれども、これは十年たっても二十年たっても私はやらなければならぬ仕事だと思うので、何年がかりでもおやり願いたいので、学問的に物理的に科学的に研究したデータは一年でできると思いますので、これは一つ来年の委員会まで一ヵ年の期間で要求しておきます。お願いを、希望をしておきます。
#35
○相澤重明君 今の国鉄の答弁はまことにもう遺憾しごくなんです。決算委員会があるのにそのくらいの材料を調べてこないなんという、そういう考えだからやはり業務というものはうまくいかない。もっと勉強して出てこなければ、もう決算委員会で実際の決算の審査というものはできない。私はまあ時間がないので会計検査院に一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、会計検査院は、先ほどの岡村委員の御質問等もあったが、今回の国鉄の三十二年度の決算に当たって全体で幾つの検査を行なったか、その数量を報告をしてもらいたい。
#36
○説明員(平松誠一君) 三十二年度につきましては、御承知のように書面検査によりまして一〇〇%の検査を実施いたしておりますほか、実地検査の方法によって検査をいたしておるのでありますが、実地検査は人員、予算その他の関係によりまして、比較的重要な部局につきましてその三六%程度の検査を実施いたしております。その結果何件まずいことがあったかということでございますが、検査の結果につきましてはいろいろお尋ねもし、その回答によりまして回答を了とした事項等もございますのですが、今その件数、実は手元に持っておりませんですが……。
#37
○相澤重明君 後刻それは書類で提出をしてもらいたい。私ども決算をした場合にいつも不正不当事件の多いというのは、国鉄、農林省、防衛庁、これはもう日本の国会でいつも問題になる、一番不正不当事項の多い所であります。こういうことで三十一年度も特に本委員会においても強い警告を実は発しておるわけであります。そういう意味で、一件だけ件数が減ったからといって私は決してこれがよくなったとは思っていない。そうゆう面で今の実地に検査した個所というものを報告を書面でしてもらいたい。
 次にお尋ねをいたしておきたいのは、昭和三十二年度の決算に当たりまして一番重要なことは、この三十二年度が先ほども十河総裁から言われたように、国鉄の五ヵ年計画の実施の第一年度である。旅客運賃、貨物運賃等、国鉄運賃料金の値上げをした年である。この値上げの結果というものがどうなったかということが冒頭に書かれておるのでありますが、それに伴う工事予算、これも初年度として六千億の工事予算をここに計上しておることでありますが、この中を見ると、初年度計画した工事勘定の支出予算が全部使われておるのかどうか、こういう点について若干御説明いただかなければならぬ。で、初年度工事予算に対して何パーセント使用し、あるいはどのくらいの予算というものを余したのか、これが第一点。第二点は「資材の調達管理および運用について」、百七十一ページにあるところのこの内容は、全く必要でないものがよけいに買われた。あるいはせっかく買っても手配が不十分であるためにそれを使用することができない、こういうようなことが多数上げられておるわけであります。これはまことに受益者であるところの乗客等は運賃を値上げされて、そしてまあ国鉄がよくなれば自分たちも受益することであるという、一応考え方を持っておるかと思うのでありますが、こういうことがわかると、何だ運賃ばかり上げて実際はよくならぬじゃないかということを言われるわけであります。そういう京に対する角度から考えても、この資材の調達管理、運用についてどう国鉄としては考えているのか。そこで三十一年の決算の中で、私どもがいろいろと質疑の中で警告をして国鉄としても請負工事予定価格積算基準委員会というようなものを設けて、今後はそういう御心配はかけないようにするということを言われたように私は思うのでありますが、その基準委員会は一体三十二年度にどういうふうに運用されたのか、この運用の状況を十河総裁から御報告をいただきさたいと思うのです。
#38
○説明員(十河信二君) 第一にお話のありましたのは、百七十一ページのたぶん「資材の調達管理および運用について」というところで、時期あるいは連絡が悪かったために、相当期間経過したものが少なくないというふうなことをお示しになったことと思います。これは先刻申し上げましたように、方々にわかれておりまして、お互いの連絡が悪かったためにこういった申しわけのないことに相なりましたが、これは何とも申しわけないので今後はそういうことをなくしたい、こう厳重に注意をいたしておるところであります。
 その次は兼松理事からお答えいたします。
#39
○説明員(兼松学君) 昭和三十二年の五ヵ年計画の関係がどうなったかというお話でございますが、三十二年度の決算額は年初の予算額に比べまして約九%減となっております。これは一面において運輸収入が予定収入に達しませんでございましたのと、それから三十三年六月に財政投融資計画の繰り延べで、国鉄につきましては百億円の繰り延べの要請がございました。そのためにすでにきまりました工事を大幅に振りかえたり、それから繰り延べをいたしたりというようなことをいたさざるを得なかったのでございます。そんなわけで資材が当初相当要ると思って用意したのが、一部につきまして計画変更を余儀なくせられましたために残ったというような、使うのが翌年度になったというような事態が出て参りました。こういう点は、たといわずかでありましょうともぜひ防止しなければなりませんので、今後はさらに資材の調達と要求部門との間の連絡を緊密にいたしまして、こういったことがないようにいたしたいと思っています。
 なお新しい五ヵ年計画の第一年度は、いろいろ手を広げましたので、工事のいろいろな所が一斉にスタートいたしましたために、その初年度の進捗率は全般としてはそれほど大きくはございませんでしたが、しかしその翌年度以降、三十三年度以降に大きく結果が出て参っておりまして、そういった意味で実はむしろ資金の関係で繰り延べたというようなこともあって、実際の当初の計画より圧縮はされざるを得なかったのでございますけれども、予算自体の内容としてはほとんど実施に移しておりますので、実質的にはその予算は消化されておる。で三十三年度にはすでにその次の芽が出ておる。そんな意味で、五ヵ年計画自体の内容といたしましては非常に進行をいたしております。むしろ決算できないというよりはお金の方のワクが減らされた、あるいは収入減その他の事情からとれなかったために、むしろ全体としての期待が一部おくれた面があったといたしましても、仕事の仕方としては進んでおったという実情でございます。
#40
○相澤重明君 今「資材の調達管理および運用上という点で御説明いただいたのですが、その次に、そのさっきの工事関係の非常なやはり不当事項があるということで、その工事関係については三十一年の一月に、請負工事予定価格積算基準秀一会というものを作ってやるというえことをまあ国鉄が言っておった。従って、三十二年度としては当然この基準委員会の運用よろしきを得れば、かなりその成果が上げられたと私は思うのですが、その運用をどういうふうに現実にやつたかということを具体的に御報告願いたいというのが先ほどの最後のところです。
 それはあとでお答えいただくことにして、時間がないので私一つ資料を要求しておきたいのですが、三十二年の決算については、今兼松理事は、むしろ若干のことはあったけれども、三十三年度以降に非常に成果が上がったとこう言っておるのでありますが、手元のこの私どもの資料では、その以降の問題についてよくわかりませんから、三十二年度が主ですから一三十二年から今日までの状態について、決算並びに結果について、一つ五ヵ年計画の内容、項目別に、車両とかあるいは施設とかそういうふうなものを一つ書いてお出し願いたい。そうして各委員にも、なるほど国鉄の五ヵ年計画というものは大体順調に進んでおるとかあるいはおらぬとか、まあもっとよくいっておるところもあるとか、こういうところを一つ一目瞭然になるように、さっきの大体まくら木のことぐらいで答弁ができないようじゃ話にならぬ。そういうことで一つ資料を作成をしてお出しをいただきたい。この次の決算委員会がすぐですから、それを一つお願いしたいと思います。
 それで今の積算基準委員会、工事関係についての答弁を一ついただきたい。
#41
○説明員(兼松学君) 今相澤先生の御発言ありました基準委員会につきましては、少しおくれたのではございますけれども答申を得まして、施設、それから建設、正気、工作、自動車ごとに関係機関にそれぞれに内達をいたしまして工事の積算を指導することになりまして、これについて一般的な取り扱いが、まあ答申のいろいろな複雑な経過がございましておくれましたのでございますが、一番おそいのが今年の十月一日に全面的に出されまして、これによって全般的にやるような措置をとりました。従いまして、御指摘の点よりはやや時期はおくれましたけれども全部措置を一応とって、今後間違いがないように指導することになっております。
 で、なお御要求の資料につきましては、五ヵ年計画の問題は一応手元にございますけれども、書面でというお話でございますので、舌面で提出させていただきます。
#42
○矢嶋三義君 私はこの委員会で総裁にお会いするのは初めてでございますから、まず承りたいと思います。
 よく世間でいう国鉄一家という、葉はどういう言葉なのでございますか。これはいい意味で国鉄一家なのか、悪い意味合いも含んで国鉄一家と言っているのか。総裁としてはどういうようにその把握認識をされておるか承りたいと思います。もしいい意味において国鉄一家という言葉があるならば、どういう点なのか。また反省せにやならぬ想い意味においても国鉄一家という言葉があるならば、それはどういう点なのか。どう認識されておられるか承りたいと思います。
#43
○説明員(十河信二君) 私どもの話す国鉄一家は、まあいい意味で国鉄一家と言っておるつもりでございます。これは初代総裁の後藤新平さんが、国鉄のような大きな組織、多数の従業員が緊密なチーム・ワークをとって働かなければならぬ所では、お互いにその家族的な親愛の情をもって助け合い、戒め合いしてやっていかなければ仕事が円滑に行なわれないと、こういう趣旨から国鉄大家族主義というものを提唱せられたと思っております。その初代総裁の提唱せられました国鉄の大家族主義は、いい意味においての家族主義でありまして、その伝統は今日もなお国鉄の組織の中に残っておる。私は昨年も、洪水のありました二十一号、二号台風のあったあと被害地をずっと回りました。今年も七号、八号、十五号台風の被害地の跡を見て回りました。国鉄職員は非常に緊密なチーム・ワークをもって、一方の洪水にあった所で手が不足だろうというので他方から救いに行っております。救いに行っておる人が泊まる宿もないというので貨車に、あのでこぼこの板の貨車の上にわらをわずかに敷きまして、そこにわずかの時間寝てそうして一生懸命に助け合って働いてくれておる現状を見まして、私は涙を流して実は感謝して参ったのであります。そのために、たとえば東北で特急列車を初めて出すことになっておりました。私は非常におくれるかと覚悟いたしておりましたが、実際はわずかのおくれで、道路等がまだ十が修繕ができておりません、国民の皆さんがお困りになっておるときに、国鉄の線路は急行列車が走っておるという状態を見て、私は非常に、国民のためによく働いてくれる、お互いにみんなよく助け合って、緊密ないい意味の家族主義をよく守ってくれておると、感謝してきたのであります。この間の名古屋を中心とする台風の状態を見ましたときにも非常にこの感を深くいたしました。この点は運輸大臣も御了承下さいまして、運輸大臣から、特にその著しかった名古屋の鉄道管理局に対して感謝状をもらったような次第であります。
 しかしながら他面、国鉄一家ということが悪い意味において言われる面もなきにしもあらず、こう考えましてその面は先年来厳重に戒めてきておるのであります。まだ十分とは申し上げかねますが、その悪い方の面も漸次改まりつつあるのではないかと私は喜んでおるような次第であります。
#44
○矢嶋三義君 総裁が、レールあるいはまくら木をまくらに打ち死にをするのだという決意で国鉄総裁として勤務されておることには、私は敬意を表します。で、ただいまのあなたの答弁の前半は、私は百パーセント認めます。全く同感です。しかし、それは一面のそしりを免れない、後段における反省は、あなたも若干肯定しているが、これは幾ら反省しても、し過ぎるということはないのではないか、そういう私は部外者ですが、認識を持っているのです。もし政府関係機関でなかったならば、私は、この日本国有鉄道の様子というものは変っていると思う。先ほど自民党の岡村委員が指摘していましたが、純然たる民間会社であったならば、年々歳々会計検査院から、こういう指摘をされるような結果にはならない。で、この三十二年度の予算額を見ますと三千三百八十一億円、相当巨大な額に上っているわけで、今この指摘事項の一々には触れませんが、やっぱり予算の使い方というものは、非常にラフです。こういう点は、私は悪い意味の国鉄一家の反映と見られる面があるんじゃないか、かように思いますので、失礼ながら、警告も含めて第一間を発したわけです。
 次に承りたい点は、昭和三十二年度の事業損益において計約二百二十六億の純利益を計上しておりますが、これは報告書にありますように、三十二年度当初から、平均十三%の運賃値上げをやったことによって、こういう数字が出てきているわけです。で、この運賃値上げは、当時問題になったわけですが、事あるたびに、この運賃値上げのやすきに依存するという考えであってはならないと思うのですが、今後鉄道運賃の値上げ等については、どういうお考えを持っておられるのか、まさか、今後そういうことはやられるというお考えは、持っていないと思うのですが、念のために承っておきます。
#45
○説明員(十河信二君) 十三%の運賃値上げをお願いいたしました際にも申し上げたかと思いますが、運賃値上げは、今お話の通り軽々にやるべきではない、私も同様に考え、でき得る限り合理化をやりまして、経費を節約し、収入増加の道をはかって、収支のバランスがとれるように経営をやっていきたいと、こう考えております。今のところ、そういうことをやりますために、いろいろつなことを、政府にもあるいは国民の皆さんにも、お願いをしなければならぬ場合も起こっておるのであります。この点は、皆さんの御理解と御支援をいただきまして、収支バランスのとれる健全な財政状態を打ち立てることができるようにいたしたいと、ただいま努力をいたしておるところであります。
#46
○矢嶋三義君 運賃の問題が出ましたときに、いま一つ、若干個別的な、具体的な問題になって恐縮ですが、いい機会ですから伺っておきたいのですが、先般学割を百キロ以下やらないということに改正をして実行をされまして、あれで八、九億円くらい国鉄は増収になるんだということを承っているのですが、これは私は反対でありますが、実施されていますから、時間の関係上、あまり論じませんが、百キロ以上についての今の学割の五割引制度、これは絶対に私は改正すべきではないと思うのですが、一部には、これを三割、四割に引き上げることもあるのではないかというデマ的なものが飛んでおりますけれども、そういうことは私は決してなすべきことでないと思いますけれども、これは、お約束いただけますかどうか、お答えいただきたい。
#47
○説明員(十河信二君) 今のところは、せんだって実施いたしました通り、百キロ以内を割引しないということでやっております。未来永劫どうするかということは、ちょっと私が、そういうことを言うべきじゃないと思います。
#48
○矢嶋三義君 それでは、あなたの就任中は、少くとも学制の五割引を引き下げるというようなことはやられませんですね。
#49
○説明員(十河信二君) 今のところ、そういう考えを持っていないということをお答え申し上げます。
#50
○矢嶋三義君 兼松理事にも、答弁いただいておきます。
#51
○説明員(兼松学君) 総裁と、何ら違った感じを持っておりません。
#52
○矢嶋三義君 関連して伺っておきますが、長い間国会で論議せられておりました義務教育としての中学校の生徒の運賃、小人扱いの問題ですね、これは研究する研究すると言って国会で答弁されておって、実現しないで、逆に、百キロ未満に対しては割引しないという、逆に学生の負担を多くされるようなことをやられたのですが、国鉄の経理が困難な点があるからといって、そういうところを、やすきところにつくということは、私は理解しかねるのですが、一体あの問題は、どうなっておるのか。
 それと、さらに関連がありますから伺っておきますが、ずいぶん、最近小学校から高校学校と、各種学校の修学旅行というものが、非常に教育の一環として盛んになってけっこうだと思う。国鉄でも、いろいろ便宜を与えられているようですが、私は、よく外で聞くのですが、ああいう場合に生徒の指導に教師が添乗しますね、乗りますね、ああいう人は、一切特別扱いしないのだということを聞いているのですが、お調べして、お答えいただくように先ほど通告しておいたのですが、はたして、そうなのかどうか、そんなことも、生徒数二十人に一人か三十人に一人ぐらいは監督者、指導者として無賃で乗るということは、当然私は許容さるへきだと思うのですが、運賃の問題が出た機会に、その点承っておきたいと思います。
#53
○説明員(兼松学君) ただいまお話の点の、第一の国鉄の財政的な点につきましては、国鉄として毎年合理化には努めておりますけれども、仲裁裁定の実施その他で、人件費が約百億増大しておることは事実でございます。で、また現実の輸送量が相当ふえておりますし、サービスの改善のために列車の増発等をいたしますので、人間がよけい要ることも事実でございますが、それをふやさないで、極力合理化でやってきておりまして、現在までのところ、経費の増大は、今まで過去五年間、できるだけ合理化と節約に努めまして人件費と――利子の方は、やむを得ずふえて参りますけれども、しかもそれは、人件費を増大するのでないので、人の能率を上げることによって、そして仕事をさばきつつ、仲裁の実施、その他の人件費の増大ということがきておるというような実情が、経費の実態でございます。
 また、さっきの修学旅行のお話でございますが、関連いたしまして、学生の全般の割引につきましては、修学旅行の生徒の割引については、仰せの通り現在まで教職員の特別割引はいたしておりませんが、これは学生割引が非常に高額でございまして、教職員は公務として、通常参加されるというために、修学旅行の場合には、公務でおいでになるということが理由と、今までのいききつを考えておりますが、この点は、従来のいろいろだ経過等は、主管局長が参りまして御説明するようにいたしたいと思います。
 なお、この修学旅行その他、国鉄としては公共的な負担で、これは原価をはるかに下った、いろんな仕事の仕方をしております。これらの問題については、運輸大臣が今般的にいろいろの問題を、この前の特別割引のような問題と含めて御検討中のようでもございますので、それらの将来結論が出た上での問題と考えますが、今お話の教職員の点につきましては、仰せの通りでございます。
#54
○矢嶋三義君 中学生の方は。
#55
○説明員(兼松学君) 現在までは、中学生は子供の扱いをいたされておりません。
#56
○矢嶋三義君 だから、その今までの研究の結果、どうなったのか、それを聞きたいのです。
#57
○説明員(兼松学君) その点につきましては、従来の経過は、主管局長が参りまして御説明いたします。
#58
○矢嶋三義君 それでは、これはあとにして、質問を変えます。
 ただ、私なぜこれを伺うかというと、日本国有鉄道を政府関係機関にしてあるから、こういう点をただすわけですよ。外国みたいに純然たる私企業になっておりましたら、今の学生割引とか、あるいは修学旅行に対する取扱いなんかは、相当便宜をはかっているのだから、あなたの答弁の一部も、私は成立すると思うのです。しかし外部の純然たる私企業じゃなくて、政府関係機関としてあるところに、私は教育政策の面も含んで、こういう点を伺ったのですが、これは、あとにいたします。
   〔委員長退席、理事野本品吉君着席〕
 まず伺いたい点は、不正行為ですね、こういう不正行為の起こることは、単に遺憾だということでなくて、不思議に思うのですが、しかも、こういう事犯が続々に起つてくることになれば、きわめて重要なことだと思うのです。そういう立場から、会計検査院も指摘しておりますが、四百九十二号、四百九十三号、四百九十四号、これは一体、金は何に使ったのですか。どういうふうにわかっておりますか、当事者は。五十五万円に九百八十八万円、百九十九万円という金額になっているわけですが、これは切符の売り上げを、みなごまかしたことになっているのですね。これは、何に使ったことになっていますか。
#59
○説明員(兼松学君) 大部分は司直の取り調べを受けたものでございますが、その経過としては、私的な消費に使っているようでございます。
#60
○矢嶋三義君 この四百九十二号は、三十二年の五月から三十三年の六月までですが、四百九十三号と四百九十四号は、少し期間が長過ぎますね。こういう私は内部監査なんていうものは、簡単だと思うのですね、切符売りの売買の、これは、これだけの期間、こういうことが発見されないというところには、やはり国鉄一家の悪い面が、ちらりと出ておると私は思うのです。過去においても、こういろ類似案件はかなりあったのですか。それともこのたび初めて、こういう点が指摘されたのですか、いかがですか。
#61
○説明員(兼松学君) 非常に異例なものではございますが、絶無ではなかったと思います。宮崎の問題につきましては、実は宮崎は、上やや管理局から離れておりますので、銀行から、監査上毎回銀行の現在高証明をもらって送ることになっておったのでございますが、たまたま当人が、現在高証明を偽川いたしたのでございます。そういうことを防止いたしますうめに、今後手続を改めまして、現在局の会計庁に対する証明は、銀行から直接密封して会計庁にそのつど送ってもらうことにいたしまして、関係者の介入の余地をなくするようにいたしましたような次第でございます。
#62
○矢嶋三義君 これは各鉄道管理局あるいは支社の地方会計監査が十分でなかったということに結局原因があると思うのですが、四百九十二の、出札掛三輪という人が当事者になっておりますが、この直属上司、指導監督しておったのは、この塚本という人物だったというわけですか。
#63
○説明員(兼松学君) 本件につきましては、監督者は、上の方はみな減給、戒告等の厳重な処分をいたしております。
#64
○矢嶋三義君 まことに気の毒ですけれども、こういう問題は、私は十分防げる問題だし、一罰百成でいくべきだと思うのですね。この程度のことで、直属上司である監督者の助役は減給三十分の一で一カ月ぐらいで済ませて、現職にずっとおれるものですか。駅長は、子のまま現職におって成告で済ませて……。これは国鉄一家の温情主義かしれませんが、甘きに過ぎませんか。こんなことで、一体会計検査院、どうですか、どういう見解を持っておりますか、会計検査院は。
#65
○説明員(平松誠一君) この点は、塚本某が減俸、それから駅長が戒告ということになっておりますのですが、この懲戒の処分の程度につきましては、国鉄の人事関係といたしまして、従来からの例、他省との振り合い等も比較考慮されたしで、決定されたと思いますので、検査院といたしましては、別に意見を持っておりません。
#66
○矢嶋三義君 総裁は、どういう見解を持っておられますか。
#67
○説明員(十河信二君) 処分の程度につきましては、いろいろな御意見もあると思いますが、先刻兼松理事からお答え申し上げましたように、偽造しておったために気がつかなかったというふうなことで、従来の例その他のことを考えまして、この程度の処分にいたした次第であります。これは懲戒委員会にかけまして、厳重に審査をいたしました結果、そういう処分をいたした次第であります。
#68
○矢嶋三義君 四百九十三号並びに四百九十四号、これは、この駅長は、この関係責任者の中に入っていないが、これは、どういうわけですか。
#69
○説明員(兼松学君) 本件は、都城が特殊の地方でございますのと、その他の現場機関が相当数ございますために、出納所という特別の機構を作っておりまして、駅長の指示外にございましたので、駅長が責任者でないのでございます。
#70
○矢嶋三義君 そうすると、この桑畑、横山両氏の直属上司ともいう方は、どなたですか。
#71
○説明員(兼松学君) 正式には、鹿児島の鉄道管理局長でございます。
#72
○矢嶋三義君 だれですか。
#73
○説明員(兼松学君) 当時の管理局長は、内藤勝義でございますが、その下に、経理の方を担当しております自見という総務部長がおります。
#74
○矢嶋三義君 国鉄の経理面では、不当不正というものの大事なものがあると思うのです。会計検査院の方での、この指摘もそうです。こういう弱い老いじめみたいな質問をするのは、僕も、ちょっときびし過ぎるなとはみずから思っておるのですがね。しかし、こういう案件というものは放置しておいて、こういう気風が国鉄を風廃するようになったら重大ですよ。こういうものは簡単に防げるととですね。だから私は、少しきびしく追及しているわけですが、私見としては、この処分は軽過ぎると思いますよ。
 一体管理局とか、支社の会計監査に行った人は、何のために行ったのか。おそらく旅費をもらって行っていると思いますね。二十六年から三十三年まで七ヵ年間も一千万円からの切符代をごまかしておったら、どこからかわかるはずですよ。旅費もらって、監査だけで行って、形式的に監査だけして、こういう事態が起ったということは、非常に遺憾である。当事若もさることながら、この人の直属上司、監査に当る人というものは、相当責任を感じなくちやならぬと思うのですね。処分が形式的過ぎる。これは、今後のためにも、僕はきびしく追及をしておきます。再びこういうことが起こらないように、また起こった場合は、一罰百戒で、その責任の所在の濃淡によって、もう少し適切なる取り扱い方があると思うのです。少し形式的過ぎる点を私は申し上げておきたいと思います。
 それから次に、この四百九十一号関係ですね。「固定財産部外使用料金の決定処置当を得ないもの」この(一)(二)と分けて掲げておりますが、こういう面にも、広い意味の国鉄一家の悪い面が、よほど戒心しなければ、泉のわくがごとく起こってくるのじゃないですか。具体的に承りたい点は、この(一)で、「使用権の不安定等に基く軽減処置が適切を欠くと認められるもの」使用許可を承認後取り消す場合があるので軽減処置がとられているというのですが、そういう取り消した案件というものは、何件くらいありますか。承認を許可している案件と、それから本人の不本意にもかかわらず国鉄の方で必要だからといって承認後取り消した件数は、どのくらいあるか。それを数的にお答え願いたい。会計検査院としては、名古屋、大阪両鉄道管理局で、八件検査しただけで、約四百五十万円というものが不当だとして指摘されているわけです。従って、それをお答えを願いたいと思います。
#75
○説明員(兼松学君) ただいま御指摘の点は、ただいま、ここに持って参りませんでしたので、後刻番面で提出きしていただきます。
#76
○矢嶋三義君 後刻、これは資料で出していただきましょう。それから(二)「連絡設備、乗入設備等貸付用地に関する資本利子額の軽減処置が適切を欠くと認められるもの」これは東京、名古屋両局関係だけで十二名、千六百二十万円という金額が浮かび上がってきているわけですが、会計検査院に承りたいのですが、このものさしでいけば、全国北海道から鹿児島まで同じだとは思いませんが、このものさしでいけば、一体、金額にしてどのくらいの不当が推算されますか。
#77
○説明員(平松誠一君) 大体、大きなところで使用料なんかも、比較的高いところというところを調べたのでございます。これ以外のところが、この割でいけるかどうかという点については疑問を持っておりますので、ちょっと推定金額ですが、的確な数字は、出すのが困難かと思います。
#78
○矢嶋三義君 会計検査院としては、責任があるから、数字を出せないと思うんですが、私は、膨大な金額になると思うんですね。こういう点は、非常に部外から見ておってもルーズですね。これは、従って、純然たる民間の私企業だったら、こういう事態は、もら少し締められると思うんですよ。非常に、こういう点はルーズな点がありますからね。それで会計検査院から指摘されているわけですが、厳重に今後一つ注意していただかなくちゃならぬ。
 特に、前から何回も問題になりましたが、土地にしても、建物にしても、また貸しを、いわゆるボスが介在して、そうしてまた貸しをしているという傾向が、依然としてあるようですが、それらについて、どういう、何ですか、最近措置を講じておりますか、状況をお答えを願いたいと思います。
#79
○説明員(兼松学君) 土地の国鉄における、この部外貸借の処置の問題といたしましては、東京、大阪、名古屋が大体全体の八割以上を占めております。実際仕事の上で、現在御指摘のありましたまた貸しを防止するのにほ管財区を作りまして、御指摘がありまして以来、現場に管財区という機構を作りまして、管財区で個々の賃貸人の確認に努力をいたしておりまして、契約の消える都度、真実の使用者との間に貸借契約を作るように個々訂正の努力をいたしております。なおしかしながら、にもかかわらず、この高架下の一部等で、ことに不法占拠者を裁判上の和解によりまして、そこに居住権を与えたようなところは、取り締りがと申しますか、処理がなかなか困難でございまして、まだ係争中のものも一部ございますけれども、これは全部、いわゆるおっしゃったまた貸しをなくする方針で、鋭意一件々々の努力を重ねておる次第でございます。
#80
○理事(野本品吉君) ちょっと速記をやめて。
   〔速記中止〕
#81
○理事(野本品吉君) 速記をつけて。
#82
○矢嶋三義君 では、もら少し伺っておきます。
 そういう方面の監査と申しますか、処理には、専門に携わっている職員がおられるのですか。何人ぐらいおられますか。
#83
○説明員(兼松学君) 現在、本社に管財部という組織を作りまして、その系統として、一番件数の過半を占めております東京地区には、管理局にも管財部を設けまして、その下に、管財区という現場機関も設けております。現に、直接従事しております職員の数は、専門にやっておりますのは、東京、大阪天王寺の各局で、合計いたしまして約六十名でございますが、そのほかに、それぞれの部局の方に、兼ねてやっております者を加えますと、もう少し数字も大きくなりますが、この的確な数字は、つかめないわけでございます。
#84
○矢嶋三義君 そういう方は、同じ地域の同じポストに、一体何人ぐらいおられますか。私は、同じお方が同じ地域の同じポストに長くおるということは、あまり好ましくないのじゃないかと思う。やはり適当な期間に交流が行なわれて、初めて、こういう種類の問題は、適正が期せられるのではないかと思いますが、どういう実情にあるか、どういう御見解を持っておられるか承っておきたいと思います。
#85
○説明員(兼松学君) まことに仰せの通りに私どもも存じておりまして、私どもの方で内規といたしまして、先ほどの金銭の問題にも関係するのでございますが、直接扱ら者は、三年を限度にいたすことにいたしておりまして、三年をこえて、特に置く方がいい、また適当な場合には、支社長が特別に審査してやるというようにいたしておりまして、原則は、三年程度に押えておる。なお管財区につきましては、創立まだ浅うございまして、完全に三年にはなっておりませんが、それ以下でも、できるだけ御心配のないように配慮するように、担当区域を変えるとか範囲を変える等、いわゆる御心配の事態がないように、内部的な配慮はしておる次第でございます。
#86
○矢嶋三義君 間もなく昼食になりますので、この際、質問の方向を変えて、総裁に志免炭鉱の問題を緊急案件として承っておきたいと思います。先刻伺いました四百九十一号から四百九十四号までの点については、今後国鉄部内においても、さらに改善に配慮していただきたい。これは総裁に強く要望いたしておきます。
 志免鉱業所の問題について、この際、一、二点総裁に伺いたいのでありますが、志免鉱業所の調査委員会であるいわゆる青山委員会が、十一月二日に発表なさっておりますね。総裁としてはどういう構想を持っておられるのですか。今後、この問題をいかに処理されようとしているのか、この際、お答えいただきたいと思います。
#87
○説明員(十河信二君) かねて別な機会で、お話し申し上げたかと思いますが、志免炭鉱は、ああいう特殊の有業でありますから、国鉄は、本来の使命である輸送業務に専念すべきである、そうしてその赤字をなくすべきである、そういうふうに政府からも指示されております。そういうことをいたします方法として、民間に払い下げて、総合開発をやるがよかろうということで、民間に譲渡したいと考えまして、手続きを進めて参ったのであります。不幸にして、御承知のようなエネルギーの革命が、深刻に急激に進展して参りまして、予定しておった民間への譲渡ができなくなりまして、私どもといたしましては、今後、赤字をなくするという方向に漸次進んでいきたい、合理化をして赤字をなくするように進んでいきたい、こういうふうに考えまして、目下、いろいろ研究をいたし、関係方面と相談をいたしておるところであります。
#88
○矢嶋三義君 総裁は、この燃料革命の世界情勢下において、譲渡ができなくなったのだと、燃料革命に責任を転嫁されているような答弁をしておりますが、そういう燃料革命の傾向というものは、何も、今始まったことじゃないし、志免の問題が起こる前から、そういう傾向は、はっきりしておったことなんでずが、ずいぶん総裁は、強硬手段をもって、三菱、三井、住友さん、の方に譲渡しようという方針で進められ、相当混乱状態も惹起したわけなんですが、ところが結論的には、この三者から断わられた。たとえて言えば、娘が嫁に行くのはいやだいやだというのを、無理に行け行けと言って、そうして、どたんばになったところが、相手の人が、あの御婦人を嫁に迎えるのはいやだと断わられたようなもので、総裁としては、どういう御心境にあられるのか、相当、私は責任もあるのじゃないかと思うのですけれども、それだけに、今後の問題については、その収拾策については、違った角度から、異常な決意をもって臨まれてしかるべきではないか、早急に具体案というものが得られてしかるべきじゃないかと思うのですが、いまだに、何ら耳新しいものを聞くことができないので、きょう伺っているわけなんですが、あなた、その責任について、どうお考えでいらっしゃいますか、お尋ねいたしたいと思います。
#89
○説明員(十河信二君) 私は石炭の地位が、だんだん石油あるいはガス等に圧倒されてくると、私はかねてから考えておりました。それゆえに、早く志免炭鉱のごときも、隣接鉱区と総合的開発をやって、もっと合理化して、もっとコストを切り下げなければ、将来性がない、こら考えまして、急いでそれをやりたい、こら努力をいたしたのでありますが、御承知のような、いろいろの事情で、これがおくれまして、本年になって、この燃料問題が急速に深刻になってきた。私は別に燃料革命に責任を転嫁するというような、そういうさもしい根性は持っておりません。しかしながら、そういう事実が起ったために、そうなったことで、これはどうもやむを得ないじゃないかと、そう考えております。私の見通しが少し甘かったということは、私宅非常に遺憾に思っております。
 今の心境を率直に申し上げますと、そういう次第であります。
#90
○矢嶋三義君 運輸省の方は、こうなった以上は、国鉄としては、成案を自分のところに提示すべきだという態度をとられているようですが、その成案は、いつごろなんですか。運輸省に提示、協議される予定でありますか。
#91
○説明員(十河信二君) 先ほど申し上げましたように、この問題は、ひとり国鉄の志免炭鉱の問題だけではありません。広く日本の石炭権業全体に関する問題であります。
 それでありますから、政府、業界等、それぞれこの事態に対処すべき方針を検討しております。私どもも、それらの関係方面と十分に連絡をとって、これとにらみ合わせて方針をきめたい、こういうふうに考えて、今関係方面とも、十分協議をいたしておるところであります。
#92
○矢嶋三義君 運輸委員会等で十分やられると思いますから、簡単に伺って終りますが、ことの段階になって中小企業等に切り売り分譲するということはあり得ないと、こういうふうに了承してよろしいですか。
#93
○説明員(十河信二君) 先刻お話のありました青山委員会の意見発表にも、そういうことはすべきでないというふうに言われております。私も、同様に考えております。
#94
○矢嶋三義君 経営がむずかしいからというようなことで、志免鉱業所を廃山にするとか、あるいはしばらく目安がつくまで休山にするというようなこともたいと、かように了承しておってよろしいですね。
#95
○説明員(十河信二君) 青山委員会の意見は、先だって発表されました通りでありますが、私どもといたしましてはでき得る限り赤字を早く解消したい。先刻来、問題になっておりましたように国鉄の財政も、なかなか困難な事態でありますから、でき得る限り赤字を早く解消する必要があると、こら考えております。そういう方針で今後も努力して参りたい。
 それには、合理化をしてできるだけコストを切り下げるようにしていくことが必要だと、そのためには配置転換も必要じゃないかということで、配置転換をかねて募集いたしておったのであります。労働組合の方から反対がありまして、今まであまり配置転換はできておりません。それゆえに労働組合の方面とも、そういう点において、今後も協議を続けていきたいと、こう考えております。
#96
○矢嶋三義君 今、ちょっと触れられましたが、今の経過から考えて、要は、あの鉱業所に勤められている勤労者、労働組合との協議、話し合いということが、最も大切なことではないかと考えるわけです。ニ日に発表されたいわゆる青山委員会の規模縮小合理化という線で進むというと、結局職員の配置転換というような問題が、具体的に浮かび上ってくると思うのですが、それだけに、今までの経緯から考えて、総裁は、組合と十分の話し合いをして、その理解と協力を得て、そうしてこの問題を処理して参るという基本的態度で私は臨まるべきではないか、また、そういうふうに臨んでいただきたいと、こういう考えを持っているものですが、あらためてお答えいただきたいと思います。
#97
○説明員(十河信二君) 志免炭鉱は、さっきも申し上げました通り相当な赤字を出しております。こういう赤字をいつまでも続けることは、国民に対して申しわけないと、こう考えます。赤字をなくするということに、われわれは懸命の努力をいたしたい。そのためには、配置転換をしてコストを下げようじゃないかというので、今まで、たびたび配置転換の申し出をいたしたのであります。まだ了承を得ておりません。しかしこれは、どうしてもやらなければならぬことだと、こう考えます。そのらち、そういうこともできるように相なることと期待いたしておる次第であります。
#98
○理事(野本品吉君) 速記をとめて。
  [速記中止〕
#99
○理事(野本品吉君) 速記をつけて。
 本件について、まだ質疑が残っておるようでありますが、一応本日は、これで散会いたしまして、本件に関する審議の、これからの進め方については、理事会において打ち合わせたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○理事(野本品吉君) 御異議ないと認め、それでは、さよう取り計らいます。
 本日は、これで散会いたします。
   午後零時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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