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#1
第033回国会 決算委員会 第10号
昭和三十四年十一月二十六日(木曜
日)
   午後二時五十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上原 正吉君
   理事
           青柳 秀夫君
           大谷 瑩潤君
           野本 品吉君
           小柳  勇君
   委員
           川上 為治君
           高野 一夫君
           田中 清一君
           谷口 慶吉君
           鳥畠徳次郎君
           仲原 善一君
           増原 恵吉君
           谷村 貞治君
           相澤 重明君
           北村  暢君
           武内 五郎君
           石田 次男君
  国務大臣
   農 林 大 臣 福田 赳夫君
  政府委員
   農林政務次官  小枝 一雄君
   農林大臣官房長 齋藤  誠君
   農林省畜産局長 安田善一郎君
   林野庁長官   山崎  斉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修藏君
  説明員
   農林省農地局参
   事官      正井 保之君
   農林省農地局管
   理部長     庄野五一郎君
   会計検査院事務
   総局第四局長  宇ノ沢智雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十二年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
○昭和三十二年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第三十一回国会
 提出、継続案件)
○昭和三十二年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第三十一
 回国会提出、継続案件)
○昭和三十二年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
○昭和三十二年度国有財産増減及び現
 在額総計算書(内閣提出)(第三十
 一回国会提出、継続案件)
○昭和三十二年度国有財産無償貸付状
 況総計算書(内閣提出)(第三十一
 回国会提出、継続案件)
○昭和三十二年度物品増減及び現在額
 総計算書(内閣提出)(第三十一回
 国会提出、継続案件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上原正吉君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十二年度政府関係機関決算書、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を議題といたします。
 本日は、農林省の部を審議いたします。検査報告批難事項は第二百七十二号から第四百十五号までであります。
 本件に関し御出席の方は、小枝農林政務次日、清野農地局建設部長、藤波大臣官田経理厚生課長、橘振興局参拝官、山崎林野庁長官、高橋水産庁次長、家治食糧庁経理部長、会計検査院からは宇ノ沢第四局長の諸君であります。
 まず会計検査院から概要の説明を願います。
#3
○説明員(宇ノ沢智雄君) 昭和三十二年度の農林省所管掲記事項について説明をいたします。
 まず一般会計から申しますと、直轄工事につきましては三十三年中、農業水利事業のおもなる個所を地方公共団体に委託して施行しているものと合わせまして、施設の活用状況について特に検査をいたしましたところ、国が直轄または代行によって幹線水路等の主要工事を施行いたしておりまするのに、これを活用するために必要な道県及び団体で施行すべき末端水路等の補助工事が一部分しか施行されなかったり、あるいは着工にさえ至らなかったりしてそのために国の投資額が、その効果を十分にあげていない。
 その次に、農業用水、発電等の多目的ダムを建設省が施行いたしまして工事がすでに完成し、農業用水源としての利用が可能でありますのに、農林省で施行すべき工事が遅延しているために利用可能の農業用水が利用されないままとなっているもの、あるいはまた農林省自体の工事につきましても、全体計画に対して、毎年小部分の工事しか施行しておらない、完成までにいちじるしく長期間を要し、その関前、最初施行した部分は、長い間活用されないままとなっているものなど、予算が効率的に使用されないでいるものがございました。
 なお直轄工事関係の指摘事項としましては、二百七十三号に掲記いたしましたように、国が河川の改修に伴ないまして、たまたま県で施行中の県道改良工事により変更されました路線にあわせて、在来の木造橋にかえて永久橋を作ったのでありますが、架けかえの必要を生じた橋の工事費を、国が負担限度額以上に負担した事項がございました。
 次に代行工事について申し上げます。国が、事業費の全額を負担いたしまして、府県に委託して実施しております開墾干拓等の工事、いわゆる代行工事につきましては、関係当局の指導監督の強化によりまして、従来見られました疎漏工事、または出来高不足という事態は減少いたしまして、特に出来高不足につきましては、関係当局が、現地を査定して是正の措置を講じており、改善の跡が顕著でございます。従いまして代行工事に関する指摘事項は、前年の五十六件に対しまして、本年は番号の三百九十九号の灌漑排水事業として施行すべきものを、代行工事に振り向け施行しているもの、それから四百号の軽小な既耕地に多額の経費で橋梁の架設をしているもの、それから四百一号の浚渫の経費を過大に積算しているもの、わずか三件に減少しているような状態であります。
 次に、補助金について申し上げます。まず、公共事業関係の補助金経理につきましては三十三年中、全国の工事現場三万七千二十一カ所のうち、北海道ほか四十一府県の三千五十四カ所につきまして、その経理及び工事施行の状況について、実地検査を行ないましたところ、これにつきましても、関係当局の指導監督が強化されまして、竣功検査においても、四千余の工事につきまして、約五億円相当の手直し及び減額是正の措置をはかっておりますし、一方また事業主体の自党等と相まって、従来に比べまして相当改善の跡が認められましたが、なお設計が過大なものとか、あるいは設計に対して出来高が不足しているもの、また工事の施行が疎漏なもの、災害復旧とは認められないもの、あるいは正当な自己負担をしていないものなどがございまして、これを施行別に分類いたしますと、八十二ページの表にありますように二百二十四工事、金額にいたしまして七千百万余円となっております。
 それから公共事業関係の補助工事の不当事項につきましては、工事の完成後におきましては、その是正が困難な場合が多く、むしろ工事完成前の査定の内容を検査して、早期に注意いたしまして、その是正を促すことが効果的でございますので、前年に引き続きまして、三十二年発生災害について、長野県外五県につきまして、査定済みの二千三百六十八工事、金額にいたしまして三十七億六千二百余万円、三十一年以前の分につきまして二百五十五工事、一億二千二百余万円相当額の工事について、早期に検査を実施いたしました。その結果、農林省当局におかれましても、現地査定をさらに強化されまして、災害復旧事業の採択基準を明確にするとか、あるいは査定の厳正をはかったことなどによりまして、逐次改善されていますが、なお同一個所の工争を農林建設両省で、重複査定しているところもある、あるいは設計過大と認められるものなど修正減額を要するものがございましたので、注意いたしましたところ、総額で一億七千八百余万円が減額是正されました。
 次に、公共事業関係を除きまする一般補助につきまして、主として農山漁村建設総合施設事業に対する補助金等について、北海道外二十八都府県の地域につきまして実地査定を行いましたが、検査の結果は、相当改善のあとが認められましたが、なお補助金の交付等が当を得なかったり、これを目的外に使用していたり、あるいは地元負担の一部を負担しないで事業を実施しておりましたり、あるいは事業量が不足していたり、精算額を過大に報告して補助金の交付を受けていたものなどが九十ページの表の通り総計二百九十八件、千三百九十六万二千余円でございます。
 以上のほか、「その他」としまして、指摘事項としましては三百九十八号に掲げてあります「土地改良事業費負担金の徴収が不足しているもの」がございます。
 次に特別会計について申し上げますが、食糧管理特別会計につきましては、三十三年中、食糧庁及び三十六食糧事務所の実地検査を行ないました。その結果指摘事項となっておりまするものは四百二号と四百三号の二件でございます。
 四百二号は、外国小麦を製粉会社に売り渡すに際しまして、工場付属倉庫に十分収容余力があると認められまするのに、これを他の営業倉庫に一たん繰り入れ保管の上売り渡したため、売り渡し総額が約二百万円低額となっているという案件でございます。
 四百三号は、内地米のプール運送賃単価に関する問題でございまして、これは当該年度の単価は、前年度の実績を基礎として算定される建前となっておりまするが、たまたま三十一年度で積雪期の搬出措置が当を得なかったために、ひいて三十二年度の運送単価が高価となったわけであります。
   〔委員長退席、理事青柳秀夫君着席〕
 次に、農業共済再保険特別会計につきましては、従来、水稲、麦等の主要農作物共済に関しまして、農業共済組合の運営状況を調査して参りましたが、今回は、少し目先を変えまして、調査の重点を蚕繭共済に置いて、三十一年度中、特に被害の多かった五つの県の二十六農業共済組合の蚕繭共済の経理につきまして調査を行なったのでありますが、共済傘の一部を支払わないのに、あるいは正規の基準によらないで、補償対象外の組合員も含めて、掛金額に応じて支払った、また保険金請求に際して、実評価を上回る被害報告をして過大な保険金を受領し、その過大分を組合員に配分しないで目的外に使用しているものなど、不当な経理をしている組合が、調査組合の半数にわたる十三組合にも達しておりまして、これらの共済金の額は五千六百余万円に上っております。うちおもなものは、百九ページから百十ページに掲げました六件でございます。
 最後に、国有林野事業特別会計について申し上げますが、木特別会計につきましては、三十三年中、旭川ほか十一営林局及び三十六の営林署について実地検査をしました結果、営林局の施行いたしました林道工事で、施行が粗漏となっていたり、出来高が不足していたものが三件、金額にいたしまして九十二万九千円余りであります。
 そのほかに立木の売り渡しに当って材積をことさら過少に見積りまして六十七万四千余円ほど低額に売り渡したほか、国有林の管理が十分でなかったために買受人の使用人によって三十万一千余円相当の立木を不法に伐採されたものがございます。
 それから事業運営上必要な経費に充てることとして、立木二千八百六十七石を正規の手続によりませんで売却して、その代金を別途に経理して、職員宿舎建築費、事務費等に使用したものがございました。
 また関係職員の不正行為によって立木、価格二十一万三千余円相当額のものが、不法に伐採領得されているものがございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終ります。
#4
○理事(青柳秀夫君) 次に、農林省から概要の説明を願います。
#5
○政府委員(小枝一雄君) 農林省といたしまして、一言申し上げます。
 ただいま検査院の御指摘の通り、農林省関係の批難事項は、公共事業、一般補助事業、農業共済再保険裏業、食糧管理特別会計、国有林野事業特別会計等を通じ、百四十四件、二億余円の御指摘を受けておりますことは、昨年の決算に比べまして、件数、金額とも激減いたしておりますものの、まことに遺憾であり、申しわけない次第でございます。
 批難件数のうちその大部分が補助事業の関係でありますが、指導監督の徹底及び事業主体の自覚等が高まってきたことなどによりまして、相当改善の実が上っているのでありますが、何といたしましても、常日ごろの監督が大事でございますので、今後さらに、行政一般に対する綱紀の粛正を厳にいたしまして、同様の不当事項の発生を防止するよう、最善の努力を傾注いたして参る所存でございます。なお個々の指摘事項につきましては、所管の者からお答えをいたさせたいと存じます。
#6
○理事(青柳秀夫君) 以上をもって説明を終りました。
 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#7
○武内五郎君 三十二年度決算に関しまして、若干お聞きしたいのですが、まず最初に、今検査院の方から御指摘になりました農林の、特に土地改良事業費等に関連する、いろいろなおもしろくない事案が発生しておりますことは、まことに残念ですが、こういうような不祥事の頻発することにつきまして、農林当局から、今、まことに遺憾であるということでありまするけれども、その是正についての基本的たものの考え方について、特にお伺いしたいのは、農林予算が、昭和二十八年度以降漸減して参りました。特に、土地改良事業費等において非常に窮屈になって参っておることは御存じの通りでありますが、それで、そういうことろから、すでに着工しておる、また計画を立てております諸事業の遂行について、かなり現地において無理があるのじゃないか、そういう無理な工事の遂行をしたければならないととろに、また、それが今日の農村における実情だろうと考えます。そういう点から、こういうことが起きて、同時に、これが現地における農林省の出先機関のやむにやまれない、いろいろな事件として発生してくるのではないかと考えるのですが、そういう点についての今後の考え方、どういうふうにやっていくかということをお伺いしたい。
#8
○政府委員(小枝一雄君) ただいま御指摘のありました農林予算、必ずしも土地改良その他公共事業等について多いとは申せないのでございまして、御指摘の通りだと存じます。
 農林省といたしましては、こういう公共事業及び土地改良事業等を、国営、府県営、団体営等、これらの一連の仕事をするにあたりまして、との事故の絶滅を期してやりたいと、こういう考えのもとに立ちまして、予算をでき得る限りその範囲内において、無理のない一つの仕事に対して割り当てるということに努力はいたして参っておるところでございます。
 この事故防止につきましては、御承知のように、最近は、監督、指導におきまして、一そうの完璧を期しまして、先ほど会計検査院の御報告にも、最近激減しているように御報告があったのでありますが、われわれといたしましても、一そうその事故を絶滅するという考えをもちまして、いろいろ事務的な指導、連絡を強化いたしましたり、またその方面におきましては、そういう方面の専任の職員を置きまして、そうして、これらの事故のないように努力をいたしておるところでございます。
 今後とも、農林省はもとより、出先の農地事務局、県及び市町村とも、緊密な連絡また指導、監督を行ない、また団体といたしましては、それぞれの土地改良及びこれらの団体の関係とも連絡を緊密にし、かつ、これに対する指導、監督を行ないまして、そうして、これらの事故を防止することに万全を期したいと考えております。
#9
○理事(青柳秀夫君) 武内委員の御質疑中でございますが、農林大臣が見えましたので、御発言を願います。
#10
○国務大臣(福田赳夫君) 大へん当省所管につきまして御審議いただきまして、まことにありがとうございます。私、国会、それからきょうは米価審議会という、なかなかうるさい会議を持っておりました関係で、出席がおくれまして、まことに申しわけございません。平に、御容赦のほどをお願いいたします。
 農林省の検査院指摘事項は、多少減ってきてはおるのですが、それでも百四十四件というような多数のものがありまして、まことに遺憾千万に存じております。ただいま政務次官からも今後の措置につきまして方針を申し上げたわけでございますが、何とかいたしまして、努力に努力をいたして、御指摘を受けないような経理をやっていきたいと、かように決心をいたしておる次第でございます。どうか一つ、よろしくお願いいたします。
#11
○武内五郎君 こういう事件が、しばしば起きて参りますることについて、特に私は、先ほど申し上げましたように、農林予算の年々減って参りまするところに、基本的な大きな原因があると考える。
 農林予算が年々減って参りまするそのよってくるところは、政府の施策の中心が、だんだん農林関係から離れていっておると考えます。特に戦後、食糧が非常に窮屈な時代に、食糧自給政策を中心とした農林政策がとられておって、そのころは盛んに農民を引き立てまして、増産の計画の遂行をはかったわけでございますが、最近になりますると、政府全体の、日本の国の予算の全体が、農林から離れまして、たとえば防衛庁、そういう方面の予算にうんと食い込まれちゃう、そういうところに大きな原因があって、そこから現地における出先機関が、また無理な仕事の継続をはからなければならぬというところにあると思う。
   〔理事青柳秀夫君退席、委員長着席〕
 従ってこれは、いろいろな、これについての処罰やら何やらが伴っておるようでありますが、まず私は、そこから考えて、農林当局で十分善処するとともに、実際において、事業の計画が遂行できるような――総花的なものではなく――実際において遂行できるような方針を樹立することが第一ではないかと考える。そういう点を特に私は当局に希望して、今後、こういう不祥事の起こらぬように、少ない予算であるなら少ない予算で遂行できると思う、そういうような建前でやっていただきたいと考えまするが、その点について、どう考えますか、一応伺ってみたいと思います。
#12
○国務大臣(福田赳夫君) まことにごもっともなお話でございますので、さような方向で、できる限り善処したいと思います。
#13
○武内五郎君 次に、最近土地の移動が非常に激しくなっておる。特に日本の農地問題についての考え方が大へん動揺してきておるように見受けられますので、その点について、若干質問を申し上げたいと思うのです。
 まず第一に、政府が今期国会に農地被買収者問題調査会法案というのを提出いたしました。この法律案が、よってくるところのものは、いろいろあると思うのであります。日本の今日の農地の基本をなしておりまするのは、何といっても、戦後における農地改革であったのでございます。この農地改革については、国をあげて非常な努力や大きな成果が私は上がっており、特にそれによって農地が農民に安定しておるという大きな問題によって、農民が安心の上に、増産に努力することができた。昭和三十年、三十一年は、天候にも恵まれましたが、画期的な生産の実績が上がった。そういうような状態は、私は農民に農地が安定する農地法の存在であったと考える。ところが農地改革が進行する、それに並行いたしまして、かつての地主のまた地主制度の復活をめざした運動が、かなり熾烈に行われて参りました。具体的に大きく全国的に結成されましたのが、昭和二十九年ごろからであります。それが、年々激しい運動を続けまして、農地に対する、特に被買収地に対して、価格の不満から補償を政府に要求しておったことは御承知の通りであります。その魂胆は、実際における昔の地主たちの物の考え方は、昔の地主の制度に帰りたいというのが本心であったのであります。いろいろな弁解をしておりまするけれども、それが本心であった。そういう基本的な精神で貫かれて参りました。そういう運動が、昨年同じ名前の法案が、国会に提出されまして、これが流れたのでありまするが、今回、さらに政府案として提出されておるのであります。
 一体政府は、この調査会というものを成立させて、設置して、これによって、一体何を調査するということであるか、まず、それからお伺いしたいと思うのであります。あとでまた、いろいろお伺いしたいが、まず、そこから伺いたい。
#14
○国務大臣(福田赳夫君) 農地改革後の日本の農業状態は、非常に大きな変革を見たというか、新しい体制ができて参りまして、これが、今日の食糧増産等に大きな貢献をなしておるということは、私もさような認識を持っておる次第でございます。
 それで前国会、また今国会に、農地被買収者問題調査会法案というのを提出したのでございまするが、これは、さような農地改革にあたって、農地を供出したというか、買収された方々が、今日どういう社会状態になっておるであろうかということを、一応一つ調査してみようというための調査会を作ろうという法律案でございます。
 私どもは、この問題につきまして、当初いわゆる旧地主団体がいっているように、補償を出せということにつきましては、さようなことを考えておりません。もうあの問題は、買収を受けましたあのときにきまっておるのだ、全部が、あれで価格問題といたしまして済んでおるのだということは、裁判所の判例も、これを示しておる通りでございます。私どもも、もう全部、金銭問題は解決しておると、かような見解に立ち、補償するという義務は、政府においてはないと、かような見解に立っておる次第でございます。しかし、まあいろいろの方面からの話で、その方々の生活状況、いろいろ問題が起きておるというふうに伺っておりますので、さような状態を一つ調べてみよう、こういうことから、調査会を作ると、かようにいたしておる次第でございます。
#15
○武内五郎君 買収価格についての補償はしない、する意思はないとのお話であります。その点は、すでに二十八年の最高裁判所の判決で明示されておる通りであります。この点は、政府もわれわれ国民も、尊重しなきゃならぬことは申すまでもないことと考えるのであります。
 そこでお伺いしたいのは、昭和三十一年の国会、衆議院での農林水席委員会でありまするが、農地改革の性格保持に関する決議がされております。同様な趣旨の決議であります。この決議については、政府もこれを尊重しなきゃならぬと思うが、尊重して農地政策の遂行に当たる考えであるかどうか、お伺いいたします。
#16
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、その三十一年の決議がどういうものであるかということを承知いたしません。いたしませんが、農地改革の成果を高く評価して、今後、大いにこの制度を基礎といたしまして、農業生産をやっていく政策を進めるべきである、かような意味の決議であろうかと思うのでありますが、もし、さようであるといたしますれば、私も、その通りに考え、またその通りに実行いたしたいと、かように考えております。
#17
○武内五郎君 まことに、そういう決議案を農林大臣が知らないというのは遺憾なことだと考えるのですが、しかし、そういう決議案の一字一句を覚える必要はないのですが、趣旨は、あなたが言われた通りです。そういうことで、これは、その決議の趣旨を尊重するということに、私は了解したいと思うのです。
 それで、次に私が伺いたいのは、最近、非常に農地政策が動揺しておるという現われは、農業用地の転用がひんぱんに行なわれる、あるいはまた決壊が起きております。農業用地の転用は、都市が膨張いたしますると、これは自然発生的に避けがたいことは、私も承知しております。これもある程度まで、むしろ誘導していかなければならない事案だと考えるのでありますけれども、たとえば住宅を建設する、今日のような非常に窮屈な住宅事情であるのを緩和するためには、かなり広大な地域で、政府の一機関でありまする住宅公団なんかも、大きな地域の買い占めをやっておりまするけれども、これは、またやむを得ないと実は考える。しかし、私はまことに残念で、非常に遺憾にたえないのは、まず第一に不急不要な転用を盛んに行なっておることであります。たとえばゴルフ場に農地をつぶしてしまう、東京の都心の中に広いゴルフ揚があったり、あるいはちょっと離れますると、もう膨大な地域で農地がゴルフ場に転用されております。
 こういうようなことは、全く私は農地に対するものの考え方が間違っておるのではないかと考えるとともに、政府の、農林当局の農地に対する考え方が、常に私は動揺しておるのではないかと考える。特に私は、この非常に貧困な開拓農民等から、土地を買収してゴルフ場を建設しようとした問題が、神奈川県の愛中郡の開拓地に起きたことを知っております。幸いこれは途中で、そういうことにならぬように解決したようでありますけれども、そういうような、むちゃくちゃな農地の転用が行なわれており、一方、農地造成をやって、多額な金を費やして農地造成をやっておりながら、一方において造成される地域に相当する農地が、転用と決壊でつぶれていっております。それらについての基本的な当局の考え方をお伺いしたいと思うのであります。
#18
○国務大臣(福田赳夫君) 農地がつぶれていくという方向が、特に最近は、住宅地あるいはゴルフ場等に出てきているわけでございまして、非常に私どもも遺憾に存じているのです。
 さようなことで、全国の農業会等にもお願いし、本省におきましても、転用基準というものを作りまして、これが適正になるようにということを念願をいたしているわけです。市街地でありまして、農地に適しないというような土地もあります。そういうようなものは、これは工業用地に、あるいは商業用地になっていく、これは自然の勢いでしようがないと思いますが、農業適地であり、そうして純農村的なものが、さような他の目的に流れていくということは、厳にこれは抑制していくべきである。かような考え方を持ってるわけでございます。それはできる限り努力するつもりでおります。
#19
○武内五郎君 そういうような、最近ひんぱんに転用されて、あるいは決壊されていっている、特に私は、今農林大臣が答えられたその趣旨を、もっともっと私は強くやって、農地を守る立場で施策の遂行を希望したいと思うのでありますが、特に地方公共団体等でさえも、あるいは役場を建築する、学校を増築するというようなときでも、まずいきなり農地をつぶして学校を建ててから、転用の許可申請を出すというような間違ったやり方は、ほとんど今日常識のようになっております。あるいは工場を建てる、持ち主とこっそり相談して、売買契約をやって、いきなりもう土砂を運んで埋め立てをやる、工場の建築がかなり進行してから、知事に転用許可の申請をするというような事例が、実際においてたくさんある。ほとんどこういう形で今日行なわれている、そういうような、農地法をじゅうりんしたり、農地に関する基本的なものの考え方を踏みにじって、農業政策をかき乱すようなやり方について、具体的に、そういう問題が起きた場合において、すみやかな措置をとるように希望したいのでありますが、この措置について、転用基準とか何というのが、最近出ておるようでありまするけれども、私は、そういう基準の通達くらいではだめだと、もう少し具体的に、強く遂行しなければだめじゃないか、処罰の方法なんかも考えたらいいと思うが、そういうことについての、もう少し強いやり方をとれるものかどうかということを聞きたいのであります。
#20
○国務大臣(福田赳夫君) お話の点、私も全く同感なんです。最近の傾向の著しい特色は、既成事実を作りまして、そしてただ単に書類上の手続をというような傾向があるわけなんです。これは、この傾向というものを断ち切らなければいかぬ、かような私は考えを持っておるわけでございまして、非常にいいそういう例がありますれば、既成事実を作って持ってきたものを、たとえば断固として不認可にするというようなことをいたしますとか何か、この風潮に対しまして、転換を試みたい、かように考えております。
 それで、そういう趣旨を地方にも徹底さしたいというので、さような措置はとっておるわけであります。お話のような線でいきたいと思っております。
#21
○北村暢君 大臣お急ぎのようですから、簡単に、二、三の点について御質問いたしまして、後日にまた大臣に対して、各般にわたって御質問いたしたいと思いますが、当面の災害の問題について、特に決算に関連をいたしまして御質問いたしたいと思いますが、先ほどの会計検査院の説明によりましても、当局の努力によりまして、指摘事項が非常に少なくなってきた、これは最近二、三年災害が少なかったために、私は指摘事項も少なかった、このように考えておりますが、今度のかつてない大災害が起きたのでございますが、災害復旧に対する指摘事項は、従来も非常に多かったわけでございます。これに対する、今後のこの大災害に対して、今までの轍を踏まないための具体的な施策を、いかように考えられたか、この点が、第一点であります。
 それからもう一つは、災害のあるたびごとに、治山治水の重要性というものが叫ばれるのでありますけれども、これは、従来災害のたびごとに言われておりますが、またしても、この大災害が起きたわけでございます。従って私のお伺いしたいのは、二十八年災害当時、非常にこの点は、大きな国費を投じて災害復旧のためにやってき、そしてまた、いろいろな指摘事項もありまして、復旧をして参ったのでありますが、との伊勢湾台風の大災害、しかも地域的にいって、日本は、例年この災害に見舞われる状態でありますから、これに対して、今後これらの問題について、いかように根本的な災害を克服するための対策を考えようとしているのか、この二点について、大臣にお尋ねをいたしたい。
#22
○国務大臣(福田赳夫君) 災害が多いと、やはり災害復旧ということを急ぐとか、さような性格上、会計が、ややもすれば乱に流れる傾向というものが出てくると思います。二十八年の災害のときは、特に十万円以下の小災害につきまして補助主義をとったわけですね。ですから、きわめて零細な補助というものが行なわれ、その結果、検査院からも大へん御指摘を受ける事例も出たというようなことでございます。
 その結果を反省いたしまして、今度、昨年そういう制度を作ったわけでございますが、十万円以下というような小災害につきましては、補助主義をとらないのです。これは、市町村に復旧の仕事をやってもらう、市町村が、その仕事の財源といたしましては起債をいたす、その起債に対しまして、政府が元利を補給する形で、経済的には補助と同じなんでございますが、しかし会計経理の上からいって、非常に政府といたしますると楽になる形でとられてくるので、制度的にその問題は、非常に今度は改善をされると、かように考えております。
 なお災害の費用は、補助金が多いわけでございますが、補助金をやる事業の査定ですね、とれを机上の査定でなく、実地の査定でやって、しかもこの事業は、こういう趣旨でやるんだということをよく中央地方のみ合って、そして仕事をするというようなことも考えていきたいというふうに考えておるわけです。
 それから、工事が終わった場合の検査を、特にその趣旨に沿らものなりやいなや、厳重にやっていきたいというふうに考えております。
 そういうふうなことをいたすためには、いわゆる職員の研修というようなことも必要でありますので、さような方面にも意を用いていきたい、そして災害といえども、経理的に、そう事なくやっていけるような方向で努力をいたそうと考えております。
 それから第二に、治山対策の問題でございますが、お話の通り災害、ことに河川の災害の根源というものは、水源にあるとも言われておるくらい、治山ということは重要なものでございます。そこで、昭和三十三年以降五カ年計画をもちまして、この治山の計画を進めております。これは、大体十カ年の目標を持っておるのです。今、日本の全国に、約三十万町歩の荒廃地があるわけです。さらにそれに追っかけまして年々四千町歩くらいの荒廃地が出てくるわけです。それを荒廃地、まあ全部なくなってしまえばいいわけでありますけれども、それも、なかなかむずかしいが、せめて九万町歩というのでございますが、それから年々災害なんかで出てくるところの荒廃地が三千町歩くらい、これが林野庁でいろいろ検討した結果、せめてもの安定点である、昭和の初期には、さような状態であった、それを復元するためには、よほど努力をいたしましても、十年かかる、その十年計画の第一期といたしまして、ただいま申し上げました五カ年計画が進行しておるわけです。私どもは、今度はさらに、今度の災害の結果等にかんがみまして、努力をいたしまして、一つの特別の会計を作って、そして、これを計画的に間違いなく推進していくということを考えておるわけであります。今度はよほど充実した治山計画が進む、かように御了承願ってよかろうと思うわけであります。
#23
○小柳勇君 それでは大臣お急ぎのようですから、一つだけ具体的な問題だけを質問しておきたいと思うのですが、今のような荒地に対する治山治水の問題は当然でありますが、全国にいろいろとやはり重点的なものがあると思うのです。特に北九州のような失業者の多発地帯において、治山治水プラス失業多発地帯の失業者の離職者対策としても、そういう事業を進めたければならぬと考えておりますが、そういうことで順位を選ぶ場合に、重点的にそういうものの順位を選ぶべきだと考えるが、大臣はどういうお考えか。関連してあともう一つ質問いたします。
#24
○国務大臣(福田赳夫君) さような考えは当然持たなければならぬわけであります。この間も岸総理大臣から呼び出しがあって、何事かと思いましたら、との離職者対策と申しますか、失業対策として治山、植林、そういうものを考えてみろというようなお話でございました。林野庁当局にもそれを申し上げておるわけであります。これは会計の仕方といたしましては、失業対策中業としてやるか、あるいは林野庁――今度会計制度が少し変わってくるのでございまするが、そういうところでやるか、これはなお検討しますが、さような考え方は治山事業にも取り入れていきたい、かように考えております。
#25
○小柳勇君 関連いたしまして、福岡県知事、並びに熊本県もそうでありますが、筑後川の改修、あるいは八木山川、那珂川の総合開発、あそこの荒廃地を復旧していく、それから北九州に対する工業用水、あるいは福岡市の飲用水など、ただいま北九州全体の開発事業を、特に離職者を中心として根本的な開発事業として、今申し上げたような三河川の総合開発を真剣に考えておるわけです。大臣のお耳に入っておるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#26
○国務大臣(福田赳夫君) まだ伺っておりません。
#27
○小柳勇君 じゃあ、具体的には県からも相当陳情はしていると思うのですが、まか陳情が足りなくて、大臣に十分お耳に入っておらぬようでありますから、私はまた別の機会に大臣に一つ事情々説明して、必死になって、来年発生する二万一千の牛業者、今まで総合いたしますと五万名くらいの失業者をかかえて、北九州並びに山口県の産業開発を根本的にやりませんと、その辺の全体的な国民の生活を守れませんので、そういうことで今後、私が今発言した以上のことを発言いたしますから大臣一つよろしくお願いいたします。
#28
○委員長(上原正吉君) 速記をとめて下さい。
  [速記中止〕
#29
○委員長(上原正吉君) 速記を起して下さい。
#30
○武内五郎君 大臣にいろいろそのほかに質問したいのですが、それは後日に保留しますが、質問の話をかえまして、開拓地について若干お聞きしたいと思うのですが、御承知の通りどうも開拓地はこれが貧乏人の集まりのようで、非常に苦しい生活と、農業といわれないくらいな状態の中で、すきくわをとっている諸君を相手にしておるのであります。このような不振な状態になったのは一体どういうふうなことであると考えられておるのか、まずそれをお聞きしたいと思うのです。一体この日本の開拓地問題は、特に戦後は帰還兵、戦地から帰ってきた職業のない諸君、戦災地から焼け出された諸君、外地から逃がれて参りました人々を収容いたしましたこれは緊魚開拓事業の形がとられている、そういうような形でありますので、従って資金面等において非常な苦しい状態、中にはその日その日も食えない。私は先年、新潟県の関原、これは今も何か自衛隊かなんかの演習地に接収されておるようでありますが、まだ接収前の実態を見たことがあります。この関原の開拓農民が、もともと関原地方の、あの上越地方の出身の農民であって、その妙高の高原に増反入植しておった人々であったらしいのです。それが満州事変直前にあすこを追っ払われて満州へ入植した諸君なのであります。満州で敗戦にあってまた故郷へ帰ってそこへ入植した。私が行ったときには、この木は私どもが子供のころ私の父親が植えてくれたという相当太い柿の木が数本立っておった。そういうような諸君であったのでありますが、私は学校へ参りますと、黒板にこういう実は歌が書いてあった。追われ来てまた追われ行く開拓人いずこなるらん安住の土地、という三十一文字になそらえた歌が書いてあった。今でもその歌が実は目についているのでありますが、数回その土地を追われて、また今回その土地を追われておるわけなんであります。その諸君が満州から帰って来てそこへ緊急入植したわけなんですが、その日その日の食に困って妙高から約六キロばかり離れました二本木まで下りて参りまして、男が日雇いをやって帰る、細君が夫の留守の間細腕にすきくわ持ってやっておる、夫が帰ってから月の光をたよりにこれもまたすきくわを取る。そういうような全くおぼつかない事業をやっておったのであります。ところが私は、こういうような実態がそういう緊急開拓事業の姿ではないか、と実は考えておるわけなんですが、これらの問題について一体具体的にいつまでもああいう状態にほったらかしておくのであるかどうかということを、ほったらかしておかないとするならばどういう具体的な対策を持ち合わせておるのかということを、お伺いしたいのであります。
 最近私が新潟県の新聞を見て実は驚いておることは、南魚沼郡塩沢の奥添地という開拓部落があります、これが数日前全部落をあげて逃亡しておる、開拓地を逃げておる。そういうような問題があるのであります。私は逃げなければならない今日の開拓事業ではないかと考えるのです。やはり私は数日前に青森県の開拓地の一部を見て参りました。開拓資金融資の利息を払うために娘が町へ出て一ぱい屋あるいはカフェー等にからだを売っておる。その地方では青線開拓と言っておる、青線開拓、全くそういうようなことがこの緊急開拓事業の中にたくさんあるのであります。そういうようなものをいつまでもほったらかしておくのかどうか、ほったらかしておかないとするなら、農林当局はどういう対策を立ててこれを救済するかということをお伺いしたいと思います。
#31
○説明員(正井保之君) ただいま御質問がございました開拓地の現状でございますが、御質問にもございましたように、終戦直後の緊急開拓として入植された方が相当の数を占めておるわけでございますが、当時非常に急がれて入植されました関係もございますし、その後逐次開拓入植、あるいは営農の制度につきましては整備をして参ったわけでありますが、そういった緊急な状態のもとで入植されました関係もございまして、第一にはやはり長い聞手をつけられなかった、というふうな場所でございまして、あるいは地形、傾斜、土壌、こういった点、雨量あるいはその他社会的な条件等におきましても、立地的に恵まれていないというふうな所が多うございましたわけであります。これにつきまして国といたしましてもできるだけ最小限の施設、基礎的な施設、たとえて申しますと、道路を整備いたしますとかあるいは用水を必要とする場合には用水、こういったものにつきまして計画を立てて、また畑を開墾していくわけでございますが、それにつきましても国としての助成をはかる、あるいは営農資金についても一定の計画のもとにこれを提供して参ったわけでありますが、これらは先ほども申しましたように、必ずしも十分に届かなかったというふうな点等もございまして、また二十八年以来全国的にほとんど連続しまして冷害等の災害を受けることがたび重なったのであります。こういったこと等のために非常に営農の状態が向上しないということで、私どもも非常に頭を悩ましまして、これに対する対策をいろいろと講じて参ったのであります。最も端的には、一昨年開拓営農の臨時措置法を御審議願いまして、これによりまして一定の程度に達しない開拓地につきましては、個人的には営農の改善計画を作っていただくし、組合としまして振興計画、こういうことで、これにつきまして県の応援を求めまして、知事がその計画を承認されました計画に基づきまして、私どもも国としての施策を講じて参るということで、その第一は、先ほどの御質問にもございましたように、借入金の償還というのが開拓地の入植の方々にとっては非常な重みでございますので、これの借りかえをやるということが一つ。
 なお、そのほかに逐次そういった災害なりあるいは償還金等のために、営農の状態がなかなか向上しないというふうな事情にはございますが、一方やはり足取りを見ますと、生産なりそういったものは逐次上がって参っておるということでございますが、なお積極的な追加投資をするということで、実はその振興計画をもとにいたしまして、所要の経費につきまして、開拓者資金融通特別会計を通じまして資金の融通をする、同時に農林漁業金融公庫でめんどうを見て上げられる種類の資金につきましては、その方の資金を用意する。なお、古い個人債とかそういった負債がございますが、そういうものにつきましては、自作農資金の出動をさせまして、負債に対する措置を積極的に講じ、資金導入その他のそういった営農の条件を整備するための資金の融通ということを考えました。
 なお一方、やはり予算の十分つかなかった関係等で、必ずしも当初予定され、あるいはその後改定されました計画に基づく基本的な建設工事、それがなかなか進まなかった関係もございますので、最近は新しい入植というものは若干押えましても、既入植のそういった開拓地区の条件を有利にするということに重点を指向しまして、振興に資するというようなことでやっておりまして、計画といたしましてはできれば早いほどよろしいわけでございますが、やはり順序としましては特に条件の非常に悪い、特に劣っている所を優先するというようなことで、若干の区分けをいたしまして、そういった所から先に優先的にやろうというようなことで、ただいま努力をいたしておるような状況でございます。
#32
○北村暢君 関連してお伺いしますが、ただいまの参事官の説明は、三十二年の開拓営農振興臨時措置法に基づく措置について説明されていると思うのですが、営農改善資金の借りかえを中金を通じてやるわけでございますが、これの五カ年計画を立てているようですが、その計画の所要経費と、三カ年終わったわけですが、年度別にどの程度営農改善資金が出ているのか、これを一つまず御説明願いたい。
#33
○武内五郎君 関連、同時に融資の口が幾つあるか。
#34
○説明員(正井保之君) ただいまの改善資金への借りかえでございますが、法律が施行されまして至急に準備をいたしたわけでございますが、なお全部は終了はいたしてなかったと思います。的確な数字はおぼえておりませんが、大体四十億程度の改善資金への借りかえがなされたというふうに記憶いたしております。なお、借りかえの資金を融資されている口数でございますが、これはまことに事務が複雑になってまずいことでございますが、開拓の資金につきましては、入植当初に融資いたします基本営農資金と、その後続いて家畜あるいは農器具等を整備するための営農資金と申しますか、この二つの種数に分かれるわけでありますが、それぞれにつきまして、実は営農の適度に従って、あるいは資金が一度に十分用意されない関係等から、分割されて支給されたということのために、口数が非常に多くなっております。この点は私ども事務を担当する者としましても、またその資金に応じて償還をしていかなければならない入植者の方にも、非常に不便をおかけしているわけでありまして、この点の整備につきまして具体的に来年度は実現したいということで努力しております。大へん口数が、同じ貸付条件の資金が幾つかの口に分かれておりまして、多くなっていることはまことに残念でございますが、実情はそうなっております。
#35
○武内五郎君 融資のあれは何本あるんです。
#36
○説明員(正井保之君) ただいま申し上げましたように、政府資金としましては、企業運営の資金と営農改善資金と申しますか、若干率は高くなりますがこの二つです。それからあとは農林漁業金融公庫からの融資があります。大体国が直接資金計画を立てて開拓者に融資をいたしておりますものはその三つの種類でございます。そのほかには系統資金、これは短期の営農資金ございまして、経営のための事業資金を含むのでありますが、融資保証協会を法律によって設けまして融資に対する保証をいたしまして、中金から営農資金を貸し付けている。従いまして、まあ種類としてはこの四つ、そのほかに個人的なものはあると思いますが、大体制度的な私どもがやっておりますのはこの四つでございます。
#37
○北村暢君 私の聞いているのは、振興計画の総所要額が一体どのくらいになっているか。それから今のお話では四十億貸し出し済みだと、こういうふうなことのようですが、これは四十億まではいってないようですね。大体においてこの資金は中金が貸さないです、開拓者に。実際において開拓者の改善資金だというけれども、これは開拓者というのは払う見込みがないというようなことで、幾らこの計画を持っていっても農林中金は貸さないのが現状なんです。そのために現在この開拓営農振興臨時措置法によって、中金の利子補給もやって、そしてやることになっておるけれども、実際法律はあるけれどもこれも運用できないというのが現状である。これは率直に認められるかどうか。
#38
○説明員(庄野五一郎君) 数字にわたりますので私からお答えいたしたいと思います。
 御質問の趣旨でございますが、営農改善資金への借りかえ、天災融資法による経営資金が、累年の災害によりまして振興の臨時措置法を作りました当時に非常に大きな額に借入金がなっております。それが大体五年以内というような貸他条件でございまして、非常にその返還に開拓者が苦労した、その返還のために営農が非常に圧迫を受ける、こういうような状態でございました。それを何とか緩和の措置を講ずる必要かある、こういうことで、振興臨時措置法の中にも改善資金への借りかえ、こういうふうにあったわけであります。この法律に基づきまして、ただいま五年以内のいわゆる天災法による融資資金を、十年以内の、率は同じでございますが、据え置きをおくとかいうことで、債務条件――還付を緩和いたしておるわけであります。それの切りかえが、先ほど正井参事官からお答え願ったわけでございますが、現在のところでは大体三十二億借りかえが進んでおる。あと十七億程度今年から来年にかけて借りかえていく。これは手続上の問題でおくれているので、大体これは来年に十年の資金に借りかえる、こういうことにいたして債務条件を緩和したい、こういうことでございます。
 なお、今北村先生からお話がありましたが、この天災資金は、やはり災害を受けました場合には、現在の災害に対して開拓ワクというのができまして、開拓者が中金から借りることになるわけでありますが、それはやはり天災法による五年であります。これを借り入れて、将来またこれが営農を圧迫して非常に返還が困難ということになれば、また借りかえになることになりますが、御質問のように、非常に現在における新しい災害資金の借り入れは困難を来たしております。御指摘の通りでございます。それにつきましては、昨年から非常に災害資金の借り入れが……、それについてはわれわれといたしましても現地に行きまして、中金ともいろいろ折衝をして、農林省、中金、それから県、開拓者といったところでよく州談して、借り入れの促進をはかるということでやってきておるわけでありますが、やはり金融機関で金融ベースになかなか乗りにくいという面もございまして、そういう面では、今年は自作農資金の災害ワクを、実はこの資金の中から開拓者分というものを作りまして、それによってめんどうを見ていく、こういうことで自作農資金でめんどうを見る、そのような考え方で措置いたしております。御指摘のような問題は今年についてはないものと、こう思っております。
#39
○北村暢君 それじゃ公庫資金の実績についてお伺いしますが、今、自作農資金のお話も出ましたから、一つ公庫の融資のワク、それを一体どのようにこなしてきているのか、借り入れをやっているのか、実績について三十二年度、三十三年度、どういうふうになっているかお答えを願いたい。
#40
○説明員(庄野五一郎君) 開拓者に対しまする資金の融資は、先ほどから御質問がありましたように、政府の特別会計、これは開拓者融資特別会計でございます。そこから、正井参事官からも御説明がありましたように、基本の営農資金あるいは一般の改善資金、こういったもので貸し付けておりますが、なお公庫からも借り入れる道が開かれております。それにつきましては本年度のワクは大体十五億、こういうことでありますが、現在までの貸付の残高、これは開拓者に貸し付けられておる金でございますが、大体二十五億から六億の間、こういうふうに今記憶いたしております。
#41
○北村暢君 私の聞いておるのは、公庫資金のワクは年度ごとにきめてあるでしょう、そのきめておるものに対して開拓者が実際にそのワクを全部借りておるかどうか、おそらく借りていないですね。私の調べた範囲によると、三十二年度十億のワクがあってそれに対して七億六千六百万しか借りていない。それから三十三年度は十二億のワクがあって八億三千五百万しか借りていない。私の調べた範囲ではそうなっておる。従って、公庫から融資を受ける道は開かれている。しかしながら、開拓者はこのワクがあって、ワク以上に借りたい、借りたいのだけれども実際に借りられない。これが実情なんです。そういうことがわかっておられるかどうかをお伺いしておる。
#42
○説明員(庄野五一郎君) 今御指摘の通りでございまして、三十二年度が十億、三十三年度が十二億のワクで、今御指摘の通りの大体貸付実績に相なっております。これにつきましては、公庫資金の融資条件が政府の特別会計の資金よりは多少重いわけでございまして、われわれといたしましては、振興計画を立てた要改善農家については、できるだけ政府資金の方でめんどうを見ていこう。こういうような考え方でございますが、なおそれで不足する分、あるいは一般の、振興農家以外の大体安定の域に達しつつある開拓者については、公庫資金を借りてもらう、こういうようなことで指導いたしておるわけでございますが、開拓者の公庫資金の償還というものについては、なお一そう公庫の方とも具体的に折衝いたしまして、この操作にはできるだけ御意思に沿っていきたい、こういうような考え方であります。
#43
○北村暢君 それじゃ政府資金の返還の実施の状況、これの最近の状況を説明していただきたい。
#44
○説明員(庄野五一郎君) 政府資金の償還状況は最近非常に落ちております。大体予算等で償還を見積っております分は、当年度に償還を要する分について三十二年度は七割程度、三十三年は七割程度を見積ったわけでございますが、それが四割程度しか満たない。それから三十四年度につきましては、これは削減いたしまして、要償還額の四割程度を当年度の償還見込みとして予算に計上したわけでございます。それにつきましても非常に率が低下いたしております。これは過去におきまするいろんな負債のしわ寄せが非常に現存において営農に来ておる、あるいは引き続く災害等で営農がなかなか伸びにくい、そういった面が原因していると思われるわけでございまして、これについては予算的にも償還見積りをできるだけ少なくする。それから具体的に営農の面で償還が困難なものについては、債権管理法に基づきまする施行征期の措置を昨年からとるようにいたしまして、これによって償還状況の営農に対する圧迫の緩和をする。そういうようなことをいたしまして事実償還困難なものについては適宜これを延ばしていく、そうしてその間に追加投資等をやりまして営農が伸びるようにいたしていきたい。こういうふうな考え方できております。
#45
○北村暢君 今の政府の資金の償環の状況というのは、普通の悪いのと程度が違うです。これは従来悪くても五〇%ぐらいは償還になっておったが、三十三年度の末でこれが一九%に下がっておる。とにかく返ってこないです。こういう実情にあることは認めておられるだろうと思うのです。なるほどこの臨時措置法によって、成功検査を三年間限度を延期したわけですけれども、この三年間の成功検査の鉦期ぐらいでは、今の開拓農家は政府資金を返還するというような形にはとてもないじゃないかということが惑ぜられるのです。それは開拓者の実態からいたしまして、まず開拓者の四千団地のうちどうにもならないというのがもう千地区ぐらいある。これはもう政府資金を入れようが何をしょうが、もうどうにもならんというのが千地区ぐらいある。しかも、戦後の入植者二十万のうち五万はすでに離農をしておる、残った十五万の開拓者のうち農業の粗収入の年間三十万以上というものは二割程度しかない、あとは年間三十万以下である。しかも二十万以下というものが約半数ある。年間の農業粗収入二十万以下ということでありますから、これは食うや食わずというのが、十五万の開拓農家のうち半分以上がそうだ、これが実態であります。従って、そういう開拓農家の実情でありますから、今答弁のありましたような形で簡単に救えるような状態になっておらぬ。政府の資金、あらゆる助成措置、これがさつぱり既存農家の場合に効果をもたらしておらない。結局相当な金をつぎ込みながら効果をあげておらない。こういう結果になっておる。それはどうしても今営農のための資金をやるとかなんとかいっておりますけれども、今の開拓農家の実態からいえば、中金も公庫も金を貸してくれないというのが実態です。そうして農林省当局が今言っているような簡単な口先だけの振興というようなことでは、これはもう振興のできない実態に追い詰められている。こういうのだろうと思うのです。従って私は、これに対する抜本的な対策がとられないと、せっかくの利子補給なり政府資金の融通なり、こういうものが生きてこないんじゃないか、このように考えておるのです。これは前の国会の予算委員会におきましても私は言ったのでありますが、それがいよいよ追い詰められたような形になっておるのです。従って、これに対して開拓農民もきわめて熾烈な要求として、抜本的な振興対策というものを要求しておるわけでありますが、農林当局はいかように対処しようとしているのか。この点は実は大臣にお伺いしたがったのでありますが、政務次官から一つお答えをお願いいたします。
#46
○政府委員(小枝一雄君) 先ほど来、両委員から開拓地の困難な状況について、きわめて御理解の深い御質問でございますが、開拓者の現在の状況につきましては、全く御指摘の通りであろうかと私も同感でございます。そこで農林省といたしましては、先ほどそれぞれ事務当局からお答えをいたしましたように、いろいろ営農措置等につきましても努力をして参ったのでありますが、なお御指摘のように非常に営農の上にも生活の上にも困窮を来たしまして、今後にその状況について危ぶまれるものが相当あることを私も承知いたしておるのであります。これが対策といたしましては、申し上げるまでもなく、御承知のようにいろいろとやって参ったのでありますが、最近特に考えております問題は、この立地条件が果して適当しておるかどうか、という基本的な問題もいろいろ調べておるのでございますが、そういう意味からいたしまして、どうも開拓者の方では、水田があれば営農が何とか成り立つというような所もありますので、そういう所については重点的に水利の便を開くとか、水田を作るようなことにも意を用いていろいろとやっておるのであります。さらに御承知のように最近の畜産の状況にもかんがみまして、酪農を導入いたしまするとかいろいろな手段を講じて、この立地条件を緩和いたしまして営農の改善にいくようなことをやっております。しかしながらただいまの私どもの考えまするところでは、なかなかまだ相当むずかしい問題もあるかと考えますので、今後この営農振興につきましては、金融措置におきましても一そうの努力をして何らかの実現を見なければ、とてもこれは振興することはできない。先ほども御指摘のように金は借りたくても貸してくれないという実情も相当あると思います。そこで非常にこの問題については心配をいたしておりまして、どろしてもいくものであるか、いかないものであるかということは、これは早く見きわめをつける必要があると思いますし、それにつきましてはどうしてもこれがやっていけない、ことに外地、から引き上げてきて農業に経験のない人が、専門家である農民がまだこれを開拓しないような所へ入ってそういうことをやっておるというようなことで、これは将来どうしてもやっていけないという者、これに対しては御指摘のように抜本的な方法をもって何らかの処置をしなければならぬではないか、この問題はいつまでも放任してもおけない問題であるとかように考えまして、今その問題につきましてはいろいろと検討いたしておるところでございます。いずれにいたしましても、予算措置等におきましても、この開拓地の不振地区に対しては特別に融資、あるいは営農条件等に対しましても処置を講じていきたい、かように考えておる次第でございます。
#47
○北村暢君 ただいま政務次官からの御答弁がありましたが、不振地区について対処をしたいという点ですが、開拓地の八割が不振地区です。だから開拓のやり直しをやらないとこの問題は解決をしないのです。
 それから、来年度の予算で新規入植一千七百戸要求しておると思うのですが、先ほどの答弁では、この新入植を押えても既入植者のための振興をはかっていきたいのだ、こういう御答弁であったのですが、来年度の予算においても新規入植者千七百戸を要求しておるのです。これは現在農地局は四十五万ヘクタールの未墾地を持っておるわけですね、まだ入植者を入れない未墾地を現在約四十五万町歩持っておる、それにかかわらず、新たに開墾をやる、こういうような計画になっておるようです。従ってこれはどうも、この地方庁の未墾地買収関係者の職員というものがおって、これらの方々が相当な補助金を出しておるわけです。そういうようなところからして、この新規入植というものを削って既入植者の営農振興のためにやろうとしても、なかなかそう簡単にいかないようなしかけになっておる。それで、この新規入植というものがどうしても押えられないような形になっているのじゃないか。こういうようなことについて農林省は検討されて、新規入植を押えて既入植者の振興に当たる、こういうことを言われておるのか、その点を一つ御説明願いたい。
#48
○説明員(正井保之君) 先ほど新規入植を押えてもということを申し上げたのでありますが、実は三十四年度の入植戸数は千七百戸でございまして、来年度一応大蔵省とまた折衝をしなければならないわけでありますが、千七百戸という入植戸数を要求しておるわけであります。この戸数は、従荘私どもの終戦後開拓事業を進めて参った規模に比べますると、格段に縮小された戸数でございまして、千七百戸ということは、私先ほど申し上げました押えておるという、それに当たるわけでございます。で、ただいま千七百戸を要求しておりますことにつきまして、いろいろ御質問がございましたが、実は千七百戸という戸数の中には干拓地がございますが、これはすでに建設工事を進めておりまして、入植可能になっておるものが相当に準備されております。そういうものがまざつておりますのと、またすでに着工しております地区で全部はまだ入り切っていない、それでそこに逐次、二次、三次というふうに入っておる、こういう人があるわけであります。それから振興対策でも先ほどお話にありましたが、いろいろ抜本的に考えなきゃならないという御指摘がございまして、私どももそのように考えておりますが、そういったことの一つとしまして、不振地区等で過剰入植等のために、どうしてもそのままの状態では経営規模が小さくて動きがとれないというふうな地区もございますが、そういう場合には間引きをして、今後入植してやっていけるような地区に入ってもらうというふうな場合、これはやはり入植として扱ってあげるのがいいんじゃないかというふうな線で検討いたしております。
 なおそのほか、たとえば村等で現在非常に零細な経営が問題になっているんですが、そういうふうな経営規模を大きくするというふうな施策をもかねまして、小規模の具体的に計画が非常に固まっておるというふうな所等もございまして、そういったものを合せまして実は千七百戸ということでございまして、これは具体的にぜひ次、三男を何とか入れてもらいたいというふうな希望に比べますと、非常に下回った数字でございますけれども、先ほども申し上げましたように多くの不振農家をかかえておりまして、その方にできるだけの力を注がなきゃならないという意味で、そういった程度に実は押えておる、こういう情でございます。
#49
○北村暢君 その間引きの問題についてお伺いしますが、これは大臣はしばしば開拓不振の解決の問題として間引きということを発表しているんです。ところがこの間引きというのは一体どの程度を考え、しかもこの間引いた人をどこへ持っていこうとしているのか、農家ではなしにほかの産業に転換するのか、また農家として新規――今御説明があったように、新規の入植考として新たに取り扱うのか、これはまあ一万戸くらい考えているっようですけれども、そのどういうような形で持っていくのか、この千七百戸の新入植のものは、この間引きした人がそこ
 へいくのか、そこら辺のことはどういうふうな考え方で計画されようとしているのか、盛んに大臣は間引きをと言われるんですが、これの具体的な対策を一つ御説明願いたい。
#50
○説明員(庄野五一郎君) 過剰入植地の対策として間引きの問題が御質問になっておりますが、先ほどから御指摘のように、戦後の緊急開拓時代に非常に過剰入植になって、それが原因で営農が非常に伸びないといった地区が相当に残っております。これについては従来もできるだけ指導でやって参った次第でございますけれども、なかなか伸びない。こういうふうなこともございまして、来年は一つこれを予算等の措置も講じて大いに促進してやっていきたい、こういうふうな考え方でおります。過剰入植についてはやはり残って営農をその場で継続しょうという方と、それからこの開拓地からどこかほかの開拓地にさらに移転してそこで新規やり直そう、そういった方が出てくるわけでございますが、そういった点をよくこの地区について具体的に開拓者の間でよく自主的に話をつけてもらって、残る人はおれたちは残る、おれたちは新しく出直そう、こういう話をつけてもらって、その指導につきましても、大体その地帯の基本営農類型を基準にした配分面積にあとがなりますように、そういった考え方で大体残る開拓地の規模を大きくしていこう、そういうことで考えております。それからその出ていく先の地帯は、ただいま建設工事を地区開拓計画に甚づいてやっておりますが、大体そういう建設工事がほぼ終了して営農の基盤が整備した地区に入ってもらう。その場合には新規入植の扱いをする。こういうような考え方でございまして、なお出いく人のためにはいろいろな負債もございますが、負債の整理等は財務整理というような指導方針を作りまして、なお国からもただいまの考えでは一戸何分かの移転の補助金を出してやりたい。こういうふうな考え方で大蔵省と予算折衝に今入っておるわけでございまして、まだ今後の問題で具体的の問題があると思います。それで農業外に出る人の問題もございますが、奥添地区のような開拓者が全員山をおりようといったような場合もございますが、そういった場合、あるいは土地自体がどうも開拓には今後莫大な追加投資が要ってなかなか……そこで営農をやり直すよりは、別個にほかの地帯に行った方がいいのじゃないか、そういう場合もございます。そういう場合は全戸を移転したい、それから農業外に出る人についても何分かの携行資金を出してやろう、そうして間引きなりあるいは離農なりができるように、そういう考え方で考えております。
#51
○委員長(上原正吉君) 速記をとめて下さい。
  [速記中止〕
#52
○委員長(上原正吉君) 速記を起して下さい。
 本件につきましてはまだ質疑が残っておりますが、次回に譲ることにいたします。
 以上をもって本日の審議は終了いたしました。次回は十一月二十七日、明日午前十時より続いて農林省の部を審議する予定であります。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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