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#1
第033回国会 決算委員会 第15号
昭和三十四年十二月七日(月曜日)
   午前十一時四十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上原 正吉君
   理事
           青柳 秀夫君
           大谷 瑩潤君
           野本 品吉君
   委員
           木内 四郎君
           高野 一夫君
           谷口 慶吉君
           鳥畠徳次郎君
           仲原 善一君
           谷村 貞治君
           相澤 重明君
           北村  暢君
           千葉  信君
           森中 守義君
           奥 むめお君
           市川 房枝君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修藏君
  説明員
   大蔵省銀行局特
   別金融課長   磯江 重泰君
   会計検査院事務
   総局第五局長  平松 誠一君
  参考人
   日本輸出入銀行
   総裁      古澤 潤一君
   日本輸出入銀行
   理事      鈴木 義雄君
   日本開発銀行総
   裁       太田利三郎君
   日本開発銀行理
   事       河野 通一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十二年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
○昭和三十二年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
○昭和三十二年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第三十一
 回国会提出、継続案件)
○昭和三十二年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第三十一回国会提
 出、継続案件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上原正吉君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(上原正吉君) 速記始めて。
 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十二年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 まず、日本輸出入銀行の部、検査報告の二百八ページに掲載されております議案につきまして審議いたします。本件に関し御出席の方は、日本輸出入銀行から参考人として古澤総裁、鈴木理事、会計検査院からは平松第五局長の諸君であります。
 まず会計検査院の概要の説明を願います。
#4
○説明員(平松誠一君) 昭和三十二年度の日本輸出入銀行の検査の結果につきましては、特に不当として報告する事項はございません。概要につきましては二百八ページから二百九ページにかけて掲記してございますが、貸付金の延滞となっておりまするものは皆無の状況でございます。そのほか特に補足して説明申し上げる事項はございません。
 以上でございます。
#5
○委員長(上原正吉君) 次に、日本輸出入銀行から概要の御説明を願います。
#6
○参考人(古澤潤一君) お手元に差し上げました資料によりまして三十二年度の業務概況を簡単に御説明申し上げます。
 まず、融資の状況でございますが、昭和二十五年に日本輸出入銀行が開行いたしまして以来三十一年度までの融資の状況について、第一表につきまして御説明申し上げたいと存じます。昭和三十二年度の融資状況を述べるに先だちまして、本行が業務を開始いたしました昭和二十六年二月から昭和三十一年度までの融資について一言申しますと、第一表に示す通り、本行の融資状況は昭和二十八年度までは低調でございましたが、昭和二十九年度から以降、船舶輸出の増加をおもなる原因といたしまして、増加の一途をたどったのでございます。融資承認面で見ますと、昭和二十八年度は百八十二億円であったものが、昭和二十九年度は三百五十八億円、三十年度は六百十三億円と増加いたしました。三十一年度に至りまして五百八十一億四と、前年度を若干下回っておりますが、これは船舶にかかる本行の協調融資比率が一割引き下げられまして六〇%になりましたことと、それから支払い条件の好転による資金需要の減少によるものでございます。貸出残高では、二十八年度末の九十四億円が、二十九年度末には二百四十七億円、三十年度末には四百四十八億円、三十一年度末は六百三十六億円と増加を続けております。昭和三十二年度の融資状況を申し上げますと、同年度中に融資の対象となった契約額は、輸出千二百十七億円、輸入九億円であって、三十一年度実績千三百六十一億円及び二十億円をそれぞれ下回っておりますが、投資は三十一年度の十一億円から二百十二億円と増加したため、合計では千四百三十八億円と、開行以来の最高額を示しております。
 融資承諾について申し上げますと、件数は百五件、五百六十八億八千五百万円でございまして、三十一年度より金額においては二%余り低下しております。その内訳を見ますというと、第二表にございます通り、輸出金融が八二%、投資金融が一七%、輸入金融は一%で、輸出金融の重点が依然として高いのでありますが、投資金融の比重が前年度の一%に対しまして、著しくふえておりますのであります。これは米国のアラスカにおきまするパルプ事業への融資承諾八十七億両によるものでございます。前年度に比べて契約額が増加したのにもかかわらず承諾額が減少いたしましたのは、主として上述契約額の七割を占める輸出船舶の支払い条件が良好であったために、本行に対する資金需要が減じたこと、及びこの事情をくんで、本行の協調融資分担割合がさらに先ほど申し上げましたよよに一割引き下げられまして、六〇%となったことによるものでございます。
 次に、輸出金融の特色を見ますというと、非常に品日別では船舶の比重が依然として高く、全体の八一%を占めているのに対し、一般プラントは一九%にすぎず、依然として不振でございます。また仕向地域別で申しますと、船舶の輸出で活況を呈しましたアフリカが前年度に引き続き首位、六八・七%でございます。依然として首位でございまして、以下中南米一四・八%、束及び東事アジア一〇・八%がこれに続いているのでございます。次に、輸出金融のその他の著しい特色といたしましては、本行の融資対象となった輸出契約のうち、延べ払い条件のものが契約額全体のわずか一一・五%を占めるにすぎず、前年度の二七%をさらに下回ったことも注目されますが、これは主として船舶の延べ払い条件のものの割合が、八・九%と著しく低下したことによるものでございます。
 次に貸出並びに回収状況を申し上げますと、第一表にございます通り、三十二年度中の貸出実績は、三十一年度末までの融資承諾にかかるものを含めまして、五百八十七億三千二百万円でございまして、三十一年度の実績を若干上回っております。一方船舶を初めとして回収が、著しく好調でございましたので、年度中の貸出純増は二億七千三百万円、貸出残高は六百三十八億四千五百万円になっております。
 保証の状況を申し上げますと、先ほど申し上げました米国、アラスカにおけるパルプ事業の設立に関連しまして、二十九年度以来見られなかった保証承諾が二件ございました。金額にいたしまして千九百万ドル、六十八億四千万円でございます。これは、米国において発行する社債及び借入金の元利金支払い等、工場未完成の際の社債払い戻し債務千二百万ドルの保証を内容とするものでございます。なお、保証の実行は三十二年度中には行なわれなかったのでございます。
 資金状況について一言申し上げますと、三十二年度の新規投入資金として、当初資金運用部から借入金百二億円を予定しておりましたが、実際には回収が好調でございましたのに加え、輸出及び投資の大口案件が三十三年度にずれたことなどによりまして、資金手当は二十億円の借り入れだけにとどまりました。他方、産業投資特別会計からの借入金のうち九億円の定期返済を行ないました。その結果、年度末現在の運用資金量は、払込済資本金三百八十八億円、借入金二百六十三億円、内部保留金三十四億円、合計六百八十五億円となっております。
 決算につきましては、三十二年度利益金は二億九千百万円でございましたが、これは、年度末貸出残高の千分の七相当額をこえないため、全額準備金として積み立て、国庫納付はいたしませんでございました。
 以上で説明を終わります。
#7
○委員長(上原正吉君) 以上をもって説明を終わりました。
 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○相澤重明君 古澤総裁にお尋ねをしておきたいと思うのですが、このアラスカにおけるパルプ事業の問題ですが、今の御説明の通り、パルプ事業の設立に関連して六十八億四千万円の保証承諾を行なった。この社債、借入金等の、いわゆる千二百万ドルに対する保証でありますが、その後のパルプ事業の状況を一つ御説明いただきたいと思います。
#9
○参考人(古澤潤一君) アラスカパルプ事業の事業計画及び現状について御説明申し上げます。
 アラスカパルプが事業を始めましたのは、御承知のように、日本の森林資源の逼迫を緩和する対策として、昭和二十七年以来、米国政府と折衝の上、アラスカ、トンガス国有林の払い下げを受けまして、昭和三十二年九月から、現地にパルプ及び製材工場の建設に着手し、本年の十月末に竣工いたしまして、十一月中旬操業を間始いたしまして、現に製品が出ておる状況でございます。
#10
○相澤重明君 そこで、この十一月操業を開始しておるというが、月産どのくらいの内容になっておるか。それから、三十四年度は期の途中でありますから、三十五年度についてはどのくらいの目標額でおるのか。この点についても御説明をいただきたい。
#11
○参考人(鈴木義雄君) ただいま総裁から御説明がございました通り、十一月の中旬から下旬にかけて初めて製品を出した程度でございまして、まだ操業早々でございまして、能率を上げておりません。これから逐次数量がふえていく予定でございます。しかし目標は年に十二万トン、これはショート・トンでございます。月に一万トン程度予定しておりまして三十五っ年度のなるべく早い時期にかような能力になることをわれわれは期待しております。
#12
○相澤重明君 このアラスカのパルプ資源開発というのは、非常に日本の国策として重要なものになると私は思うのです。そういう意味で、輸出入銀行がいわゆる保証承諾を行なった関係上、やはり事業の成功するかしないかということは、非常に私は重要なポイントになると思う。そこで、今の十一月操業開始ということは、先日も新聞に若干載せられたようでありますが、比較的まだよく国民が知らない。徹底していない。こういう点について、三十二年度にこの事業開始をするについての資金繰りを行なった関係上、やはり今の国内におけるパルプ資源の不足状況から、アラスカ資源開発ということはいかに重要な役割を持つものかというPRも少し考えてもらいたい、こう私は思っておる。その点で、当然輸出入銀行からの信用貸しもあるわけでありますから、私はそういう点、銀行のあなたの方としては、このパルプ会社の監査というものをどういう形で行なおうとするのか。それから今後事業が、たとえば今御説明いただいたように、年間十二万トンなら十二万トン、月一万トンの計画産量というものをお考えになっておるようであるが、それについては、四半期ごとにやるのか、それとも、だれか輸出入銀行から常駐される方がおるのか、そういう点についても少し明らかにしていただきたい、こう思うわけです。
#13
○参考人(古澤潤一君) ただいま御質問のように、PRが足りないというお話でございまして、実は私もそれを感じておりましたので、本行の融資をいたしますにつきまして、私自身アラスカまで参りまして、状況を見学して参りました。その後社長とも話し合いまして、たびたび本行側の関連を有する産業の首脳部に対しては、なるべく現地を見ていただくのが一番いい方法だというので、その後、数ははっきり暗記しておりませんが、たびたび現地へ向われまして、パルプ事業が非常に有望である、しかも製品もいいものが出そうだ、機械設備も最新のものが使われておるというようなことにつきまして、十分なる御理解を持って帰ってきておられるように承っております。それから、この会社自身に対する監督の問題でございますが、これは、私ども銀行といたしましては、最も大きな海外投資の第一発目なんで、十分気をつけまして、この融資をいたしますにつきましては、数年かかっておるわけでありまして、その結果、三十二年九月に融資を決定いたしまして、私の方の銀行から、監事をやっておりました牛場というのが副社長になりますし、総務部長の小林というのが常任監査役ということになって、向こうへ行っております。向こうの会社と日本輸出入銀行との間には始終緊密な連絡をとってやっておる次第でございまして、決算につきましては、そのつど私の方の承認を得てから決算を行なう、こういったことをやっております。この会社の行き方につきましては、十分なる監督並びに指導をやりたいと思っております。
#14
○相澤重明君 今のお話で、牛場さんが副社長になって小林さんが常任監査役になっておるということで、大へん銀行としての手はずは整ったと思うのですが、しかしこれは一度転出してしまうと、やはりその会社のことが中心になりますから、輸出入銀行よりは会社の方が重点になるのですね。そこであなたの方でいわゆる常務なりだれなりが、やはりたまには四半期ごとにおいでになるのか、あるいは仮決算という時期においでになるのか、そういうような御計画というものはされておるのか、それとも、常時緊密な連絡と総裁は言われても、緊密な連絡というものはいろいろありますから、われわれとしては決算上の建前で、そういうふうなお考えというか、御方針というものがあるのかないのか、こういう点をお尋ねしておるわけです。もしそういう計画があれば、それを一つ御発表いただきたいと思う。
#15
○参考人(古澤潤一君) 現在まで現地に参りましたのは、私のほかに松田理事が昨年参いました。それから私どもが、たとえば南米に行くとか、あるいはアメリカに用があるというような場合には、地理的に非常に便利なものですから、始終あすこには立ち寄って現地の状態を見ることにいたしております。
 ちょっと申しおくれましたが、加藤理事――今日本ウジミナスに出ておりまする加藤理事も現地を視察したはずでございます。将来の計画につきましては、まだ半年に一ぺんとか、あるいは四半期に一ぺんとか、決算のつど行くというような計画は作っておりません。けれども、これは常時、なるべくひんぱんに役員並びに職員を現地に派遣いたしまして、日本との連絡はもちろんのこと、製品の販売その他についての計画などにつきまして、現地において十分協力するつもりでございます。
#16
○相澤重明君 それから、ここのパルプ会社の機械はほとんど米国でしたね。それから従業員については日本の労働者というものは今どのくらいになっておりますか。
#17
○参考人(古澤潤一君) 私詳しいこと、自分で調べたわけでございませんが、聞いたところを申し上げますと、向うでは労務者は、労働組合がございまして、日本人の労務者は使えないわけです。で、結句会社の事務方の首脳部というような者は行っておりますけれども、純粋な労働者は使ってないと思います。日本人の労働者は……。
#18
○相澤重明君 これは米国との関係ですから、まあそういう点もあろうかと思うのです。しかし将来日本で国内使用するパルプの問題でありますから、条件的には日本の輸出入銀行の海外投資の非常に大きなウエートを持っているものですから、そういう点についても日本人の技術者あるいは労務者といいますか、そういう点も将来やっぱり考えておく必要があるんじゃないか、いわゆる海外投資の場合の一つの何といいますか、これが嚆矢ともいうべき問題だと私は思うのですね。ですから、あらゆる各国に進出する場合のやはり一つの基礎資料になると思いますから、そういう点でこのアラスカのパルプ会社の成功も期待をしたいし、それから、できれば日本人もできるだけ外国人に劣らないで、やはり同じような資格で入っていくということも、やっぱり私は将来の技術提携等の問題も含んで、考えるべき段階ではないか、こう思ったので御質問を申し上げたのでありますが、あなたもせっかくおいでになるようでありますから、今後は十分向うの社ともよくそういう点は時あるごとにPRしてもらいたい。日本人の優秀性を私はやはりPRしてもらいたい、こう思うわけです。
 そこで、アラスカの問題はそれで終わりまして、第二にお尋ねしたいのは、先ほども御説明をいただきましたように三十二年度の輸出関係におきましては、政府のいわゆる財政投融資の引き締めという問題、いわゆる神武以来の好景気が神武以来の不景気に曲った年でありますね。従って金融引き締めということを当時の池田大蔵大臣が強く指摘をされた当局の問題でありますが、この中で延べ払いが一一・五%になったということは、結局外国向けの輸出が少なくなったということが指摘をされるのではないか、その中で特に船舶が八・九%のウエートを持っておるということは、何といっても日本の貿易界に及ぼす影響というものは非常に重要な問題だと思うのです。当時のこの状況の中でいけば、船舶、機械、車両等の問題でありますが、今輸出入銀行としては、三十二年度の決算の上から考えて、延べ払い制度というものはどういうふうに今後お考えになっていくのか。これはただいま西欧諸国のように、アジア地域の中における延べ払い制度というものをかなり広範な、今組織化しつつ投資をしておりますね。こういうような状況から、日本のきわめて少ない資金繰りではあるけれども、それにしてもやはり延べ払い制度というものができ、大きく進むということになると、海外投資というものは割合に進むのではないかという点が考えられるのであるが、あなた方、輸出入銀行の金融マンとして、一体どういうふうにお考えになっておるか、延べ払い制度の問題について一つをお考えを聞かしてもらいたい。
#19
○参考人(古澤潤一君) 延べ払いにつきましては、これはここのところだんだん世界の趨勢といたしまして、延べ払いの期限が長くなってきておる状態でございます。従いまして、この外国との競争に耐えまして、日本のプラントを出すためには、ある程度これを十分に検討いたしまして、これにおくれをとらないように、日本の延べ払いの期間その他の金融の条件を決定することが必要だと存じます。これは私の方の貸出につきましては、日本輸出入銀行は独自の立場からきめるということにはなっておりません。通産省とかあるいは大蔵省、外務省、そういった関係各省が協議の上、このくらいの条件ならば外国に対して競争に耐え得るだろうというようなことを御協議の上決定することになっております。できるならば、先ほどのお話がございましたように、日本の資金というものはそう豊富とは申されないのでありますから、なるべく資金の効率を上げるように運用しなければなりませんけれども、他面外国との競争に耐えていくという必要から、延べ払いその他の条件については、始終相当な弾力性を持っておきめ願いたいと、私の方では政府に対してそういうふうにお願いしたいと考えておる次第でございます。
#20
○相澤重明君 それから海外融資の場合、輸出入銀行としては、結局アフリカ関係が非常に多いと思うのですね。そこで一般アジア向け関係は全部で幾らですか、一〇・八%ですか、私ども実は参議院でも本年東南アジアに行って参ったのですが、東南アジアとしては非常に日本の技術指導、あるいはそうした金融上の問題を希望を持っておるわけですね。そこであなた方として、まあ昭和三十二年度の決算上ではこうした一〇・八%という非常にささやかなものでありますが、今日の状態で、今後どういうふうに東南アジアに対するお考えを持っておるか。特に指摘すべき事項があれば、この際あなた方の立場で一つお考えを述べていただきたいと思うんです。たとえばマラヤの漁業問題にしても、マラヤ政府としては強い関心を持っているわけです。また、日本のそういう業界にも連絡を取りつつ、日本人の若干の技術指導者も行っているような状況なんです。しかしまだまだ未開発地帯なんです。ですからこれが今国際的な競争ではインドのアメリカとソ連との競争というものもありますが、私どもとしては、やはりこの東南アジアあるいはアジア全体については、将来のマーケットを考える場合には一番重要な問題ではないかと、こう思うんです。今まではアフリカに重点がありましたが、今後の場合はやはり東及び東南アジアとなっておりますが、アジア全体についてもそういう構想があってしかるべきだと私は思うが、銀行としてはどういうふうにお考えになっておるか、この際御意見を承っておきたいと思います。
#21
○参考人(古澤潤一君) アフリカが金額の上で非常に大きくなっておりますことは、私の方の銀行の融資の種別におきまして一番大きな額を占めます船舶の船籍地がアフリカのリベリアという所に置いてある船が多いのであります。そのほかにパナマなんかございますが、主としてアフリカのリベリアに船籍地を持つ船をうちから出しておるという関係で、これは一番多くなっておるわけであります。
 東南アジアについてはどういうふうに考えるかという御質問でございましたが、東南アジアにはわれわれの同文同種の民族国家が多い、しかも戦後独立をかち得た国が多いのでございまして、そういう意味で非常に建国の熱意に燃えておるところが多いように存じます。できるだけ日本としてはこういう隣国との親善関係を貿易あるいは経済交流の上から持つということはきわめて大切なことと存じます。一方これらの国々は、何しろ独立して間もない国が大部分でございまして、御承知のように外貨が非常に不足しておるというので、日本ばかりではなく、アメリカその他の国から、外国の信用を得ましてクレジットを得て農業並びに工業の開発を急速にやろうという国が多いのでございます。できるならば日本といたしましては諸国に先んじてこれらの国と協力していくべきものと考えておりますけれども、私たちとしましては資金の関係からいいましても、現状は、たとえばビルマとかフィリピン、それからインドネシア、ただいま問題になっておりますベトナムとか、そういった戦車中の損害の賠償を払う国が相当あります。それにつきましては賠償の取りきめをする場合に経済協力ということを必ずうたってあるのであります。この経済協力の面において日本輸出入銀行がさしあたり大いに力を入れるということが一番手っ取り早い、しかも有効な手段ではないかと存じております。もちろん賠償の金融につきましても私どもは取り扱っておりますが、賠償並びに経済協力といった因のきめた方向に向かって輸出入銀行も協力していくという行き方の方がいいと考えておる次第でございます。
#22
○相澤重明君 それからこの別表を見せていただきますと、各州に対する各方面のかなりの貸し出しも見られるわけでありますが、これらの国々に対してやはり契約をした場合、承諾をした場合には、総裁がおいでになるか、あるいは理事の方かおいでになるか、やはり現地というものは御視察なさっているのでしょうか。たびたびあなたが外地においでになるというお話は聞いているのでありますが、その場合は通産大臣とお話の上でおいでになっているのか。それとも銀行として融資を御決定された建前上、銀行マンとしておいでになるのか。この別表を見るとだいぶ各地あるわけですが、いかがでしよう、その点。
#23
○参考人(古澤潤一君) 実は私はまだ少し勉強が足りないと思って恐縮しておるのでございますが、東南アジアにつきましては、今年の一月に円クレジットを百八十億円、それから追加クレジットが二千万ドルですか、その関係で、それからいろいろ若干の手続やまだ未済のものがございましたので、インドにはどうしても出かけなければならぬというのでインドに行って参りました。その帰りがけにバンコックに、タイのバンコックに私の方の駐在員を置きましたので、その状況なんかを視察するためにタイは訪問しておりますが、それ以外の国につきましては私存じません。できるだけひまを見まして、ひまといっては語弊がございますけれども、必要に応じて出かけていって現地を認識して参るつもりでございます。職員はいろいろな貨出の状況、その後の監察の必要上、機会あるごとに現地に派遣いたしまして勉強をさしております。役員も現に今高広理事が回っておりますけれども、これもなるべくひんぱんに外に出て、実際目で見るということは非常に大事なことでございますので、今後もたびたびそういう機会を作りたいと存じております。
#24
○相澤重明君 それからこの別表で見ますと、東アジア、東南アジア、西アジア、北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、大洋州、こういうふうになっておるわけですが、今あなたはバンコックには職員を駐在さしておるというのでありますが、それらの関係国に対してはどういう制度になっておりますか。また駐在員がおったならば、何人程度の駐在員、それから責任者はどういう方が、銀行の立場でどういう方がおいでになっているか、この点も御報告いただきたい。
#25
○参考人(古澤潤一君) できるならば各地に一人ないし二人ぐらいの駐在員が常時おるということを、私今理想として考えておるのでございますが、予算の関係もございまして、なかなか思うように参りません。今はタイが中心となりまして、タイから必要があればインドとか、それから――インドには一人駐在員を置きました。
#26
○相澤重明君 インドはどこです。カルカッタですか。
#27
○参考人(古澤潤一君) いや、ニューデリーにおります。それから今私の方で出しておりますのはリオデジャネイロ、ブラジルですね、これはみんな融資上きわめて必要な大事な場所だけに出しております。そういうふうに必要に応じまして各地に駐在員を出した方がよろしいと存じております。
#28
○相澤重明君 そうしますと、まだ各地に駐存員を置いて積極的にお得意さんを獲得するというところまでいっていないわけですね。一部、バンコックなり、ニューデリーなり、リオデジャネイロなりのところであって、まだまだ全般的には職員の駐在というものはできておらぬ、こういうことでございますが、この御出張になる場合には銀行でおいでになるのですか、それとも通産省と打ち合わして政府の、国際収支状況をよくするためのいわゆる海外貿易促進という意味の使命も半分ぐらい持たれておいでになるのか。あるいは銀行独自でおいでになるのか、その点いかがですか。
#29
○参考人(古澤潤一君) ただいままでのところは、全部官庁と打ち合わせを済ましまして出かけております。役員のみならず、職員が行く場合でも同様でございます。
#30
○相澤重明君 それから今の東南アジア、特にアジア関係については、中国貿易の問題については、もう全然政府としては等閑視されておるようでありますが、銀行関係としてはどうなんですか。いわゆる香港貿易とか中国貿易とかいうことを盛んにいわれておるのでありますが、あなたの方では全然これはいまだに関係ございませんか。
#31
○参考人(古澤潤一君) 香港につきましては、開港後間もなく鉄鉱山の開発がございましたが、その後うちの関係ではプラント輸出は全然ございません。これは中共についても同様でございます。
#32
○相澤重明君  それでいま一つお尋ねをしておきたいのは、この前電力問題で借款のときの問題が私はあったと思っているのですが、電力関係についての協力関係はないのですか。資料を今ちょっと見ても、船舶関係、鉄鋼関係はあるけれども、電力についてはないのですが、これはあなたの方は電力関係は全然ございませんか。
#33
○参考人(古澤潤一君) 電力関係と申しますと、一番大きなものはインドの五ヵ年計画の中に電力関係がございまして、それについては日立の発電機械とか、そういったものは出ております。それから今問題になっておりますのはフィリピンのマリキナ・ダム、これは発電するのですが、そういったものは日本のプラントが出ていくことになるのだそうと思います。
#34
○相澤重明君 これはすでに、たとえばフィリピンの場合も、私も実はこの間行ってきたのですが、あなたの方ではどのくらいの融資の点はお話しになっておるのですか、これはまだ下相談だけですか。
#35
○参考人(古澤潤一君) ええ、まだきまっておりません。
#36
○相澤重明君 それからいま一つは自動車関係ですね。たとえばタイであるとかインドであるとか、輸出の関係も、かなり賠償関係として出ておるわけですが、賠償関係でない一般輸出としてあなたの方でそういう自動車関係について何か御計画ございますか。
#37
○参考人(古澤潤一君) 自動車は高級消費財というような解釈でございますので、大量に数がまとまっているものとか、そういうものについてはうちの金融がございますけれども、あまり数が少ないようなものにつきましては、私の方では金融はしないということにしております。
#38
○相澤重明君 それから、私は大体この程度で終わりたいと思うのですが、最後にお尋ねしておきたいのは、これは海外投資の場合、きわめて長期間にやはりなろうと思うのですね。そこで、先ほどの役員の出張、あるいは職員の若干の駐在だけでは、私どもなかなか国会の決算上としても実は心配をしないわけにも参らぬわけなんです。そこで、これらの長期的な融資に対する輸出入銀行としてのどういうふうな条件、あるいは絶対国家資金について心配はない、こういうようなものについて何かおきめがあれば、それを一つ御塔表願いたいと思うのです。そうでないというと、確かに輸出入銀行としては海外投資は盛んにやっておるけれども、一体長期にわたった場合に、その事業がうまくいくのかいかないのか、あるいは回収がいいのか悪いのかという点も、相当国民としては大事な問題になってくると思うのです。そういうような点を銀行としてどうおやりになろうとするのか、また機構的にあるいは組織的にそういう点がきまっておれば、その点一つ御発表いただきたいと思います。
#39
○参考人(古澤潤一君) 一たん貸し出しました以上は、その事業監査ということが一番銀行にとって大事な問題となるわけでございます。直接の担当は営業部でやっております。そのほかに監査部というのがございまして、事業監査をやっております。融資の前に、審査部がございまして審査をいたします。そういったわけで、まあ私どもの今の現状においては、できるだけの手段を尽くしておるわけでございますが、何といっても、海外の事業になりますと、内地にいるだけでははっきりわからないところが多いのでございます。従いまして、出張させるばかりでなく、在外公館の報告であるとかあるいは在外の日本の銀行の支店のレポートとか、そういうものをしょっちゅういただいておりますし、また必要に応じましては、それらの銀行にお願いいたしまして、実際融資先の状況を調べてもらうというようなことをやっているわけであります。できるなら自分のところでやるのがこれは理想でございまして、将来はそういうふうにしたいと思っておるんでございますけれども、現在のところではなかなかそれも思うように予算の関係がございましてできないというような状態になっております。
#40
○相澤重明君 それからお宅の職員はわずか百七十七人ですね、三十四年九月現在で。非常に数が少ないわけでありますが、将来、輸出入銀行としては、先ほどもあなたの御説明のあったように、海外事務所としては三つしかない、支店というものはいまだにないということでありますが、海外事務所をもっと御計画になっておるのかどうか。それからいま一つは、地方銀行なり都市銀行に代理業務というものをやらせる考えがあるのかどうか。たとえば、ニューヨークにおける銀行の、三井なり日銀、そういう銀行に代理業務をやらせるとかあるいはどうとか、そういう地方銀行、郡市銀行の場合の代理業務というものをお考えになっておるのかどうか。この点、二つについて一つお答えいただきたいと思います。
#41
○参考人(古澤潤一君) 最初の御質問の、駐在員の計画でございますが、さしあたり、私どもの方としては、アメリカに人を出そうかと思っております。というのは、中南米にかなりの投資をやっておるわけであります。この事業というものは、やはりアメリカが一番よくわかっておるようなふうに思うのでございまして、かたがた世界銀行やら輸出入銀行、その他国際機関が相当アメリカに集中されております。ですからそういった国際的な金融機関に常時連絡をとって、その情報を得るということはきわめて大事なことだと存じまして、実は昨年一人駐在員を送りましたけれども、予算を削られまして、まあ仕方がなくて帰ってきた。こういった事例がありますので、本年度の要求は、常駐の駐在員をアメリカのワシントンに置くということをぜひ認めていただきたいといって大蔵省にお願いしておるわけであります。その他の場所につきましては、今のところ計画はございません。将来は、あるいはヨーロッパとか、そういうところにも必要になるかとも思っております。
 それから第二番目の御質問でございますが、代理業務を行なう銀行にやらせるかどうかということでございます。これは今のところ、私どもといたしましては全然考えておりません。もし業務が非常に拡大して参りまして、どうしても自分の、本行の職員だけではやっていけないという状態になれば、そういう必要もあるかと存じますけれども、今のところは何とかやつていける状態でございます。ただいま申し上げましたような状態になっております。
#42
○相澤重明君 大蔵省は、今の輸出入銀行の総裁がお答えになったように、将来もあれですか、この海外銀行、地方銀行の支店がある場合に、そういうところに委任をするというようなお考えは持っておりませんか。今総裁の言う通りに、面接貸しで全部いくと、こういうお考えですか。
#43
○説明員(磯江重泰君) 輸出入銀行の業務は、御承知のように、輸出金融が現在のところ大部分でございますが、その金融は、日本の国内において円でもって日本の輸出業者等へ金融するわけでございまして。従いまして。海外において支店等を設けまして。そこで業務をするというケースはほとんどないといっていいような状態でございますが、従いまして、将来につきましても、そういった銀行等の海外支店を使ってそこで代理業務でやってもらうということは、あまり必要性としては起こってこないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。またそういうようなカースが必要になりましても、まあ輸出入銀行の駐在員等によって処理できるというように考えておりますので、そういったことはただいまのところ考えておりません。
#44
○北村暢君 私二点だけお伺いしますが、このアラスカパルプの、これは日米合弁会社なんですが、この合弁会社でありながら、従業員の大部分はアメリカなんですが、これの原因はどういうふうに見ておられるのでしょうか、この点まずお伺いしたいと思います。
#45
○参考人(古澤潤一君) アラスカパルブの融資につきましては、日本のアラスカパルプが、この米国の国籍を有するアラスカ・ランバー・アンド・パルプ・カンパニーという会社の全株を持っておるわけでございます。で、アメリカの会社なんです、向こうで直接事業をやっている会社というものは。ですから、アメリカの会社なものですから、アメリカの会社が、アメリカの一部であるアラスカにおいて事業を営むというような場合には、やはり労働者についてはアメリカ人を使わなければならぬというようなことは、これはもう当然だろうと思いますね。そういった関係で、日本の労働者は使えないということになっているのだろうと思います。
#46
○北村暢君 それはね、向こうのアメリカの木材の労働組合が、当初やはり入れるという意思はだいぶあったのだけれども、これは日本の労働者は賃金が安いのでね、それで日本の労働者が入ってきたのじゃこれはもうアメリカの労働者は太刀打ちできぬ、それで荒されちまう、こういうことで、アメリカの木材の労働組合が――カナダとあれはアメリカと一緒の労働組合ですがね、その労働組合がボイコットしたのですね。それで行かなかったのですよ。それで、その日本労働組合を入れるのだったならば、その会社をアラスカでやることに反対するということで労働組合が猛烈に反対をした。それで日本の労働者が行かなかった。それで私お伺いしたいのは、相当大きな投資をし、非常な関心を持っているのですから、そのアラスカのパルプが月産一万トンというのですけれども、そのパルプは紙パルプですか、それとも人絹のパルプなんですか。それから日本へどのくらい輸入をするのか、これはおわかりでしたらちょっとお伺いしたい。
#47
○参考人(古澤潤一君) 非常にアラスカパルプの生産しますパルプは高級なパルプでございまして、人絹用のパルプで、量は目標年間十二万トン程度であります。
#48
○北村暢君 それ全部日本に輸入するのですか。
#49
○参考人(古澤潤一君) 全部これは日本に輸入することになっております。
#50
○北村暢君 これはまああとから、ここで論じてもしようがないものですから、ここではお伺いだけしておきます。
 それから次にお伺いしたいのは、投資金融の中で東南アジアが、この表を見ますというと、中南米、北米は特にアラスカパルプの関係があるわけですが、非常に比率からいっても従来低い比率になっておるようでございます。それでお伺いしたいのは、こういう投資金融の伸びない原因、これをお伺いしたいのですが、岸内閣は当初から、東南アジアの貿易なり開発なり技術の輸出なりというものを相当強力に言っておったんですけれども、この伸びない原因が、いわゆる新しい民族の独立というような関係からして、資本が投資にあたって不安であるというようなことから伸びないのか、まだ開発の段階がそう進んでいないためなのか、まあいろいろあると思うのですが、ここら辺の事情をお伺いしたいと思うのです。やろうと思えば相当事業としてはあるのじゃないか。また日本の投資というものを希望している面が、先ほど来相澤君も指摘しているように、あるのじゃないかと思うのですね。そこら辺の伸びない原因について所見をお伺いしたい。
#51
○参考人(古澤潤一君) 東南アジアは、今もお話しございましたように、まだ未開発で、力が非常に不足しているというようなところが大部分でございます。で、そのうちに、われわれから見るというと、外国から物を持ってくるだけの実力といいますか、金、その金が足りないということが一番の大きな問題でございます。それから、私の方の金融の関係から申しますというと、この日本輸出入銀行の建前が、市中の金融の補完、奨励という建前なものでございますから、話の根本は民間同士の話でもってきめて、そうしてそれが金融できない部分を私どもが補完して差し上げるというような建前になっておるものですから、民間同士の話がまず前提条件としてなければならない。まあ自由主義国家の一群としてもちろんそれは当然のことでございますが、そうしますと、このプライベートなキャピタルというものは、しかも長期に投資するようなものにつきましては、きわめて憶病な場合が多いのでありまして、回収がまず確実に行なえるというような見きわめのつかない以上はそういう話は成り立たないわけであります。そういった関係で、東南アジアというものは、金額は少なくなっているのだと存じます。
#52
○相澤重明君 資料要求しておきたいのですが、これら三十二年度の各国に対する投資の状況わかりましたが、現在、二十四年度に、今いわゆる投資されておる会社名ですね、それから金額、そういうものを一つ資料として御提出をいただきたいと思うのですが。
#53
○参考人(古澤潤一君) 調べまして、大蔵省を通じて提出することでよろしうございますか――そういたします。
#54
○委員長(上原正吉君) 一つお伺いしたいのですが、輸出入銀行は、輸入については金融援助することがあるのですか。
#55
○参考人(古澤潤一君) ございます。輸人は、これらは非常に数は少ないのでございますけれども、それは日本における非常な重要物資の開発をいたしまして、そうしてその開発された物資でもって借金を返していくというような場合、たとえばニッケルとか、それからこれは回収の問題は別ですけれども、くず鉄であるとか、そういった日本にとって非常に重要物資の開発に要する資金は輸入金融で行なっております。
#56
○委員長(上原正吉君) ほかに御質疑がございませんければ、これをもって日本輸出入銀行の部の質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#57
○委員長(上原正吉君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。
 午前中の審議はこの程度にいたしまして、午後一時半に再開いたします。
 それまで休憩いたします。
   午後零時五十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時三十五分開会
#58
○委員長(上原正吉君) 午前に引き続き、委員会を再開いたします。
 日本開発銀行の部、検査報告書の二百七ページに掲載されております事案について審議いたします。
 本件について御出席の方は、日本開発銀行から参考人として太田総裁、河野理事並びに網野総務部調査役、会計検査院からは平松第五局長の諸君であります。
 まず、会計検査院から概要の説明を願います。
#59
○説明員(平松誠一君) 日本開発銀行につきましては、業務の概要は二百七ページから三百八ページに写してある通りでありまして、検査の結果につきまして、特に申し上げる点はございません。
 以上でございます。
#60
○委員長(上原正吉君) 次に、日本開発銀行から概要の説明を願います。
#61
○参考人(太田利三郎君) 昭和三十二年度における業務の概要につきまして、大体補足説明を申し上げます。
 三十二年度の初めには、政府の経済政策はかなり積極性を帯びたものでございます。すなわち、財政面では千億減税千億施策を打ち出しまして、経済面でも電力、鉄鋼、輸送力等の隘路を解決するためにこれらの部門の増強をはかり、産業基盤の強化を目的とすることが経済の柱でございます。しかしながら、三十二年二月以降の国際収支は急速に悪化を示しまして、一方設備投資及び在庫投資は依然として衰えを見せませんでしたために、三十二年三月及び五月に、日本銀行は再度にわたる公定歩合の引き上げを行ない、次いで六月には、政府におきましても、国際収支改善対策を決定しまして、特に設備投資の抑制に乗り出しましたので、わが国の経済政策は一変して、強固な引き締め政策に移行することとなったのでございます。引き締め政策の効果は比較的短時日に現われまして、国際収支は十月には黒字に転ずるようになり、経済の基調にも次第にデフレ的な現象が生じて参りましたので、第四四半期に至りまして、引き締め政策も漸次その運用に若干の弾力性が加味されるに至りました。
 以上の経済情勢を背景といたしまして、本行の貸付規模は当初六百億円でございましたが、三十二年六月閣議決定しました「国際収支改善緊急対策」の一環としまして、財政投融資計画は、総額にして一割五分をメドとして繰り延べを行なうこととし、本行に対しましても、その貸付規模の一割に当たる六十億円の貸し付け繰り延べが要請せられまして、貸付規模は五百四十億円となったのであります。従いまして、本行の運用計画も、継続工事等を中心とする、きわめて慎重な運営に移行せざるを得なかったのでございます。しかしながら、年度の後半に至りまして、電力、石炭等の重要部門においても資金の確保が困難となりましたので、財政投融資繰り延べ復活措置の一環として、電力、石炭等に対する資金手当てを中心としまして、三十七億円を復活することとなりました。さらに電力には新たに五十億円の追加融資が認められました結果、運用規模は六百二十七億円となったのでございます。その内訳は、電力生百億円、海運百九十二億円、その他百三十円億円でございます。
 本行の三十二年度貸付運営の特徴をあげますると、第一に、重要産業に対する融資が依然として集中化、重点化の傾向を見せましたこと。第二に、石油化学に対する貸付と合成ゴムに対する出資が行なわれまして、化学工業に対する資金の供給が合成化学を中心として行なわれましたこと。第三に、三十一年度から着手しておりました特定機械工業に対する貸付が本格的に行なわれまして、電子工業に対する貸付も取り上げられましたことなどでございます。
 三十二年度における既件貸付金の回収は、開発資金――これは開発銀行になりましてからの資金貸付でございますが、これが百十九億八千二百万円、見返り承継債権が七十八億一千三百万円、復金承継債権五十億九千七百万円、合計二百四十八億九千二百万円のほかに、外貨資金貸付回収六億九千九百万円を含めまして、検査報告の通り、総計二百五十五億九千百余万円に上ったのでございます。
 次に、決算の概要につきまして申し述べますと、今年度は百七十八億七千九百万円余の純益金を計上し、法令の定めるところによりまして、この利益金の二〇%を法定準備金として積み立て、残額百四十三億三百余万円を国庫に納付いたしたのでございます。
 また、年度末における貸付残高は、各資金合計で四千四百七十二億二千五百余万円となりまして、このうち五十七億一千五百余万円が約定の償還条件に対し延帯となっておりまして、この延滞は、むろんそのまま回収不能というものはございませんで、現にその後も回収せられ、三十四年九月末日現在では、総貸付残高五千三百七十八億円余に対しまして、延滞額は五十億円余というように減少いたしておる次第でございます。
 次に、御参考までにその後の業務を簡単に申し述べます。三十三年度におきましては、貸付規模は、総額六百二十億円とし、その内訳は、電力二百五十億円、海運百八十億円、一般産業百九十億円と予定されたのでありますが、その後計画造船実施上の必要から、海運向けといたしまして十億円を追加せられ、貸付規模は結局六百三十億円となった次第でございます。
 最後に、本三十四年度の貸付規模を申し上げますと、電力二百五十億円、海運百八十億円、一般産業二百五十億円、合計六百八十億円と予定されております。
 以上簡単でございますが、本行業務の概要を申し述べた次第でございます。
#62
○委員長(上原正吉君) 以上で説明は終わりました。
 これより質疑を願います。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#63
○相澤重明君 ただいま御説明をいただいのでありますが、開発銀行では、現在人員は何人になっておりますか。
#64
○参考人(河野通一君) 八百三十人余りでございます。
#65
○相澤重明君 それから支店はどこに何ヵ所あるのですか。
#66
○参考人(太田利三郎君) 大阪、名古屋、福岡、札幌の四支店でございます。
#67
○相澤重明君 それからこの表を見ると、地方銀行なり都市銀行の代理業務を行わせることは取り扱っておりませんか。
#68
○参考人(太田利三郎君) 取り扱っておりません。
#69
○相澤重明君 それはすべて直接貸しで間に合うという考えなのか、それとも将来はもっと規模を拡大をして、資金需要が増大をした場合には、そういう一般銀行にも代理業務をさせるという考えがあるのか、あるいはないのか、この点いかがです。
#70
○参考人(太田利三郎君) これはただいまの規模、陣容で、十分直接貸しだけでまかなえる状態でございまして、将来も業務分野に大きな変動がない限り、現在のままでやっていけると思っております。
#71
○相澤重明君 そこでさらにお尋ねをいたしたいのでありますが、昨年度電力について二百五十億の融資があるわけでありますが、これが三十四年度も同じ、三十二年度は三百億、一番多かったわけでありますが、この世銀との借款については、現在どのくらい持っているわけですか。
#72
○参考人(河野通一君) ちょっとお尋ねがはっきりいたしませんでしたが、電力関係だけでございますか。
#73
○相澤重明君 電力関係です。
#74
○参考人(河野通一君) ちょっと電力だけを集計いたしたものはございませんので、今ちょっと集計させますから……。
#75
○相澤重明君 それではちょっと恐縮ですが、電力が一番多かったと思うのですが、電力、海運と、もしそこで集計をされるのだったら、集計をして御報告を願いたいし、もし手間取るようでしたらば、あとで石炭等のことも含んで、資料で御報告願ってもけっこうだと思います。
#76
○参考人(河野通一君) 世銀の借款の現在まで借り入れを契約いたしました借り入れの限度ですれ、現実的に借り入れている金額じゃなくて、何年間かにわたって借り入れるわけですから、現実の借り入れ残高でなくて、借り入れをし得る限度額は、現在で十九件、二億八千八百万ドルになっております。そのうち電力が七件、一億三千八百万ドル、円に直しますと四百九十七億、それから鉄鋼がその次に多いのでございますが九件、鉄鋼の方が金額が多いのでございます。一億四千五百万ドル、円で五百二十二億円、その他というのは、いろいろな工業借款がございますが、これが三件で五百万ドル、十八億目、こういうことに相なっております。
#77
○相澤重明君 それからこの中に「元金延滞額調」というのが出ておりますが、その中で開発銀行の資金と復金の承継債権、それから見返り承継債権と出されておるわけでありますが、現在この復金の延滞率一九・四%になっているのですが、おもなものはどういうものですか、残っているおもなものは。これは数字はこまかく出ておりますが、一つ内容についてわかりませんので、ちょっと説明を願いたいと思います。
 それから見返り承継債権の中の延滞率というのはきわめて少い。全体では〇・二ですが、そのうちで化学工業の六六%というのがあるわけですね。これはどういうふうにしてこういう一番大きな額になったのか。ちょっと一つ御説明いただきたいのですが。
#78
○参考人(河野通一君) 承継債権のうちで、延滞をいたしておりますもののおもな業種は石炭であります。ちょっと見返り債権の化学工業の点は、ちょっと今私資料持っておりませんので調べさせますから……。
#79
○相澤重明君 それでは、その間一つお調べをいただきまして、次にお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、この日本開発銀行が賠償金の特別会計、いわゆるこの見返り資金の中における特別会計のものを承継をしておったと思っておりますが、その点いかがですか。
#80
○参考人(河野通一君) 賠償特別会計からの資金は受け継いでおりません。米国の対日見返り資金、見返り資金特別会計が私企業に対して融資をいたしまして、この特別会計時代に、その融資をいたしましたものを、開発銀行ができましたときに引き継いだものがございます。
#81
○相澤重明君 その額は、幾らですか。
#82
○参考人(河野通一君) 残高はそこに、お手元にお示しをいたしてあります通りに、千七十八億円ということになっておりますが、引き継ぎをいたしました当時の数字は、引き継ぎました当時は千三百四十五億円、それが現在千七十億円ばかりになっております。
#83
○相澤重明君 これは見返り資金の当時、三千六十五億ばかりあったんじゃなかったか。
#84
○参考人(河野通一君) ちょっと見返り資金の残高は、はっきり記憶いたしておりませんが、最高、あるいはその程度あったかもしれませんけれども、その後、いろいろ減少いたして参りましたことと、開銀が、見返り資金の融資をいたしました、その全部を引き縦いだのではございませんで、私企業関係、たとえば船でありますとか、船と電力が主たるものであったと思いますが、そういう私企業に対する貸付を引き継いだのであります。それは今申し上げましたように、千三百億余りということであります。
#85
○相澤重明君 そうしますと、この別表の中における電気業、あるいは鉱業、うち石炭業は、先ほどお話のように一番大きいのですが、そういうような、この別表にあるのが、大体この見返り承継債権の残高……。これだけですか。これが現状ということでいいのですか。日本開発銀行から出した元金延滞額調というやつの……。
#86
○参考人(河野通一君) それでけっこうです、現状は。
#87
○相澤重明君 そうしますというと、これは大蔵省はおりますか。
#88
○委員長(上原正吉君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#89
○委員長(上原正吉君) 速記を始めて下さい。
#90
○相澤重明君 大蔵省が来てから、またそれは別に話をすることとして、この終戦処理費の際の五千二百億円ばかりの支払状況があったわけですが、あれは、この開発銀行の方、処理はしなかったんですか。
#91
○参考人(河野通一君) 終戦処理ですか。
#92
○相澤重明君 終戦処理費。
#93
○参考人(河野通一君) 関係ございません。
#94
○相澤重明君 それから朝鮮動乱のときに開発銀行から資金は出さなかったんでしょうか。
#95
○参考人(河野通一君) 朝鮮動乱の関係する直接の融資というものはございません。
#96
○相澤重明君 これは朝鮮動乱の際に、日本が朝鮮にたくさんの物資を出したけれども、これは対日米軍関係ですね、このときの調達等のことは、調達業務で行なったわけですが、その際に、一部開発銀行でなかったですか、これは、日本政府とのあれは全然なかったですかね。
#97
○参考人(河野通一君) 開発銀行は、御案内のように設備資金、いろいろな産業開発、経済復興のための設備資金を供給することになっておりますので、そういう物資の調達等に対して金融をいたしたことはございません。
#98
○相澤重明君 それから先ほどの、この見返り承継債権ですが、そのうち、現在が一千七十八億ですね、一千七十八億で、その一千七十八億の内訳というものは、この別表のやつですね、そうすると、これが一千百二十五億八千八百万円、貸付残高になっておるということですね、これは。
#99
○参考人(河野通一君) そうです。これはちょっと、取りました時期が違いますので……。
#100
○相澤重明君 三十三年の三月現在、そうすると三十四年の現在が一千七十八億ですか。三月現在が。
#101
○参考人(河野通一君) そうです。
#102
○相澤重明君 わかりましたが、そのうちこの化学工業のそれは……。
#103
○参考人(河野通一君) 今調べております。
#104
○相澤重明君 では……。それから、今度この臨海工業地帯造成について、非常に関係業界としては努力されておるように思うんです。そこで、いろいろ資金需給等の問題で、これからも、政府にも国会にも、それぞれ関係者の要請があると思うのです。今公団設立等の動きがあるわけですが、これは、いずれ通常国会で明らかになるわけですが、そういうようなときには、開発銀行は融資をするのですか。この点はいかがですか。
#105
○参考人(河野通一君) 臨海工業地帯と申しますか、臨海に対するいろいろな施設を私企業がいたします場合に、それに対する金融は、現在でも開発銀行は取り扱っております。おもな例は、たとえば鉄鋼会社が港の施設を大きくする、それからそこへ、いろいろな荷揚げの施設をする、そういったふうなこと、それから石油会社が、やはり船が入って参りますのに、タンカーが非常に大きくなって参りましたので、その港の埠頭の施設をする、そういったものに対して、私企業の負担において行なわれる産業関連の、いろいろな施設というものにつきましては、開発銀行は、融資の対象として取り上げております。今後、そういった施設の充実、拡張ということが、ますます日本経済にとって必要なことになって参りますので、今後の見通しといたしましては、開発銀行といたしましては、そういった方面の融資に重点がだんだん加重されてくるように考えます。
 ただ関発銀行は、私企業に対する融資を取り扱っておりますので、これはもちろん御案内のところだと思いますが、公共事実等に対する資金の供給ということはいたしておりません。
#106
○相澤重明君 私企業というのですが、公共事業には、見解もいろいろあると思うのですが、電力関係は、九電力はその対象になるのじゃないですか。
#107
○参考人(河野通一君) 九電力は、もちろん私企業でありますから、対象にいたしております。
#108
○相澤重明君 そこで、電力あるいはダム等の建設も、そういうふうに伺っておいてよろしいですね。
#109
○参考人(河野通一君) 電力に対する資金の供給は、そういったダムを建設するとか、あるいは送電線を作るとか、そういったものが主たる対象になっております。
#110
○相澤重明君 それから世銀の、先ほど借入限度額が二億八千八百万ドルと言われたのでありますが、現在の総残額は幾らですか。電力関係は。電力だけで。
#111
○参考人(河野通一君) 今お尋ねの電力というのは、外貨借款の電力ですか。
#112
○相澤重明君 そう。
#113
○参考人(河野通一君) これは、先ほど申し上げましたように、一億三千八百万ドル、円で四百九十七億。
#114
○相澤重明君 それから、これは特に昨年度は、東北電力等が多かったのじゃなかったですか。そうじゃなかったですか。
#115
○参考人(太田利三郎君) 三十二年度でございますか。
#116
○相澤重明君 ええ。
#117
○参考人(太田利三郎君) 三十三年度は、電力は、関西電力、北陸電力、中部電力、こういったところが、電力会社では借款を受けております。そのほか、製鉄会社がございますけれども、電力会社では、そういうことになっております。
#118
○相澤重明君 それから今年度、御承知のように、フィリピンのダム建設等が行なわれているわけですが、もちろん輸出入銀行の関係も若干ありますが、開発銀行では、マニラのダム開発については資金関係はございませんか。
#119
○参考人(太田利三郎君) 開発銀行は、海外向けの設備投資はいたしておりません。
 それから、先ほどちょっと間違いました。昨年度としましては、電源開発会社も、世界銀行からの借款を受けております。
#120
○相澤重明君 それから従来と違って、電子工業に対しても、三十三年以降、だいぶ投資されるようになったと思うのですが、今おもなるものはどういうところです。もしおわかりになったら会社名をあけて下さい。
#121
○参考人(河野通一君) 会社名は、ちょっと今持っておりませんが、抵抗器とか、水晶振動子といったようなものでありますが、会社名がお入り用でございますか。
#122
○相澤重明君 大きいところだけでも、わかったら……。
#123
○参考人(河野通一君) それでは調べさせます。今手元に個々のあれを持っておりませんから。
#124
○相澤重明君 それでは資料としていただきたい。
 そこで、大蔵省が見えたようですから、大蔵省にちょっとお尋ねしておきたいのですが、開発銀行の資金は、開発銀行とそれから復金、見返資金というもので現状はなっておるわけでありますが、この見返資金から、当時開発銀行に承継した額は幾らでありますか。
#125
○説明員(磯江重泰君) 見返資金特別会計から、開発銀行に承継いたしました債権の元本は、千三百四十五億円でございます。
#126
○相澤重明君 それは何年何日ですか。
#127
○説明員(磯江重泰君) これは、昭和二十七年の秋でございます。
#128
○相澤重明君 どうもその点、ちょっと食い違うように思うのですが、特別会計の承継は、もっと私は多かったと思うのですがね。見返貸金としては、たしか三千六十五億円くらいの承継を開発銀行はしておると思っておったのですが、そうじゃないですか。今あなたのいう二十七年の秋というのは、概話的なお答えなんだけれども、そういうことですか。
#129
○説明員(磯江重泰君) ただいま申し上げた通りでございます。なお、ただいま元本債権千三百四十五億円と申しましたが、このほかに、付随的な債権もございまして、合わせますと千三百七十億程度になります。
#130
○相澤重明君 今の、あとのは何ですか。ちょっとわからなかったのですが、七十億になったのは何ですか。
#131
○説明員(磯江重泰君) 付随債権でございます。元本債権以外に。
#132
○相澤重明君 それでは、私の方もいま少し――私も資料を置いてきてしまったので、あとで調べて、またお答えをいただこうと思っております。
 それから、この承継債権の中で、大蔵省として、監査は毎年何回ぐらいおやりになったでしょうか。開発銀行に対する……。
#133
○説明員(磯江重泰君) 開発銀行の監査ないしは検査につきましては、大蔵省といたしましての検査というものは、従来行なっておりません。会計検査院が検査を行なっておりますので、大蔵省といたしましては、ただいままでのところ、開発銀行について、重ねて検査を行なうということはいたしておりません。
#134
○相澤重明君 そうしますと、大蔵省としては、いわゆる特別の金融機関、日本開発銀行を設立をされておるから、監督上の問題であっても、内部的な監査というものは必要はないという御見解で、今言った、監査というものは行なわないということですか。
#135
○説明員(磯江重泰君) 大蔵省は、主務官庁といたしまして日本開発銀行に対する検査を行なうことは当然できるわけでございますが、現在、もちろん開発銀行に対して、検査を行なわないということはないわけでございますし、また行ない得るわけでございますが、現在までのところは、会計検査院の方でやっておられます検査のほかに、大蔵省の主務官庁としての独自の検査ということはまだいたしたことございません。
#136
○相澤重明君 主務官庁としてはしないで、会計検査院が監査をする、あるいは検査をするから、それでよろしいという考えだと、ちょっと主務官庁としての問題が出てくるのではないですかな。やはり直接の銀行の総元締めは大蔵省であるはずである。会計検査院としては、当然国の資金についての検査を行のうのでありますから、従ってあなたの言うような意味では、ちょっとやはり大蔵省の監督上の、私は問題が出てきはしないかと思うのでありますが、今まで、かつて大蔵省では、そういうふうな日本開発銀行に対して、直接監査をするというような御意見はなかったと理解をしてよろしいんですか。
#137
○説明員(磯江重泰君) 日本開発銀行のみならず、輸出入銀行その他政府関係の金融機関につきまして、大蔵省が会計検査院の検査とはまた別個の立場から検査をいたすということは、もちろん必要な場合がございますし、また法律も、そのようなことを前提といたしまして、検査に関する権限を大蔵大臣に与えておるわけでございます。従いまして、大蔵省といたしましても、こういった機関につきましても、要すれば検査をいたすという気持は、もちろん持っておるわけでございます。ただいまのところ、しかしながら大蔵省の検査の実情といたしまして、一般の市中の金融機関等に対する検査を重点的に行なっておりますので、もちろんそちらの余力がございますれば、政府関係の金融収関についても検査をいたすつもりではございますが、会計検査院の検査などもございますので、市中の方を重点的にやるということで、政府関係の金融機関までは手が回っていないと、こういう実情になっておるわけでございます。
#138
○相澤重明君 これは、私はやっぱり問題だと思うのですね。政府機関であるからということで、大蔵省が総元締めとしての監査を行なっておらないということは、私は問題だと思うのですよ。少くとも会計検査院と大蔵省とは、これは立場が違うのですから、会計検査院は、大蔵省と同じ立場でお考えになるというと、これは大きな誤りでありますから、この点は委員長、あとで私は、独自な立場で大蔵省の金融関係に対する監督上の問題を、これは大蔵大臣に聞かなきゃならないのですよ、全然やっておらぬということは。やれることはやれるんだが、現状についてはやっておらぬという答弁ですね。
 で、私は問題なのは、一般の金融関係、地方銀行にしろ、都市銀行にせよ、私は、銀行そのものについては変りないと思う。金融関係については、特に政府関係の日本開発銀行にせよ輸出入銀行にせよ、やはり大蔵省としては、重大な関心を寄せなきゃならぬと思う。私の特に指摘したいのは、この中にある日本開発銀行が、今そちらで調べてもらっておりますが、たとえば見返り承継債権の中で、化学部門については、六%のつまり延滞になっているわけですよ。そういうようなことをやっておりながら、大蔵省は、われ関せずということは一体何ごとかということになる。大蔵省は少くとも金融機関の総元締めとしては、国家資金を投入しておる、いわゆる金融業に対して、全責任を持って、国会なり政府側に責任を持たなきゃ私はならぬと思う。そういうときに、延滞が多いということは、これは金融上の調査をして、適切な是正措置を講じさせるというのが、大蔵省の監督業務ですよ。もし、そういうことをやっておらないとすれば、これは、私は大蔵省の責任上、重大な問題だと思う。怠慢ですよ、これは明らかに。
 だから、開発銀行としては努力しておっても、いわゆる大蔵省が監督官庁、主務管庁としての立場でごらんになって、なぜ、こういう延滞が行われておるのだろうか、どうして、もっと回収がよくないのか、こういう指導というものはやるべきである。そういう点からいって、私は監査をやったかどうかというお尋ねをしたのでありますが、やっておらないという、しかも六六%という、こういう数字が出ておることは、あなたどう思います。大蔵省の立場として。
#139
○説明員(磯江重泰君) 先ほどの私の答弁で、大蔵省が、主務官庁として何もやっておらないというような印象を与えたといたしますると、その点は間違いでございますので、大蔵省は、もちろん主務官庁として常時開発銀行に対しまして、行政監督をいたしております。必要な資料を取り、また必要な指示を与えるということは、当然やっておるわけでございます。ただ私は、先ほど申し上げましたのは、いわゆる市中の眼行に対しまして、検査部が定例検査とか、そういう意味でやっておる検査、その種の検査としては、やっておらないということだけ申しあげたわけでございまして、事実上は、もちろん常時監督権に基きまして、必要な資料の徴集、実態の調査、また、それに応じて是正指示等は、常時やっておるわけでございます。
#140
○相澤重明君 あなたの今の話をされたのは、書類上の調査、あるいは指示でしょう。実際の監査、その一般のいわゆる民間における金融機関の銀行の監査を定期的にやるようなことをやっておらないのっでしょう。そういう意味でしょう。いま一度、御答弁願っておきたい。
#141
○説明員(磯江重泰君) さようでございます。私の申しましたのは、一般の市中の銀行につきまして、現在銀行局の検査部におきまして、検査官が検査をやっておりますが、形式的にそれと同じ検査という意味では、やっておらない、こういうことでございます。
#142
○相澤重明君 その点について、大蔵省が、政府関係の機関の銀行については現地調査、いわゆる金融調査上に基く調査をやっておらない、書類上の問題についてはやっておるということだけは了承しました、それはわかりましたからね。いずれしかし、これが大蔵省の建前とすると、私はやはり少し誤りであろう、こういう点は指摘しておかなければならぬわけです。何も一般の銀行だけが、あなた方が一生懸命に検査をして、ほかの政府関係の機関は、現地調査をしなくてもいいというようなのは、やはりこれは、片手落ちであろうと、こう思うわけです。
 この点は一応、あとで明確にしたいと思うのでありますが、それから、この中で残されておる先ほど御説明をいただきました項でありますが、特に今の石炭鉱実の問題ですがね、石炭鉱業は御承知のように、非常に今苦境に陥っているやに聞いておるのでありますが、現状について、さらに開発銀行としては、投資を、いわゆる融資を進めるつもりであるのかどうか、この点、ちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが。
#143
○参考人(太田利三郎君) 石炭は、やはりわが国における貴重な燃料資源でございまして、ただこれの競合燃料との価格の点で、太刀打ちできないものがあるために、かなり事業が不況に陥っておるということは事実でございますけれども、やはりわが国としましては、貴重な国内資源でございますので、この中で開発して合理化いたしまして、将来競合燃料と太刀打ちできるような由を中心にいたしまして、そういったところに対しましては、今後も引き続き重点的に融資をして、競合燃料等に対して、国内資源の育成をはかっていきたい、こういう意味で、今後も石炭融資は、そういう方針で続ける所存でございます。
#144
○相澤重明君 それから、この今の総裁の御答弁をいただきましたが、鉱業の中の石炭関係ですね、これの復金承継債権の中での石炭関係を見ますと、必ずしも悪い成績とは言えないのでありますが、このおもなものは、どうなんですか、延滞したおもなものは、何か特徴的なものがございますか。
#145
○参考人(河野通一君) これは復金時代に、非常に弱体な由に対しても、相当――いわゆる御承知の傾斜生産ということが言われまして、相当弱体な山に対しても、唯一の燃料資源として、相当思い切った融資をいたしたものがございますが、それらがやはり、経済情勢の推移に関連いたしまして、だんだんいわゆる俗な言葉で言えば、つぶれるというものが出て参りました。そういったものがおもなものでございまして、主として中小の山でございます。
 それから、先ほどお尋ねの点で、お答えが漏れておりました点を、ちょっと申し上げたいと思いますが、見返り承継債権の化学事業の中で延滞が多いのは、製薬会社でありまして、具体的にはペニシリンを製造いたしましたものに融資をいたしました、これが延滞になりまして滞っておりますが、その後、会社の業況がだんだん回復いたして参っておりますので、逐次延滞もだんだん減小いたして参っております。いずれは回収不能ということにならないで済むのではないかというふうに考えております。これは、御承知のようにパーセンテージは非常に多いのでございますが、その会社が、延滞は一件でございままして、それが七千万円を占めておるわけでございます。
#146
○相澤重明君 それから、これは開発銀行としては、延滞利子は、どのくらいになっておりますか。
#147
○参考人(河野通一君) 延滞損害金は、日歩四銭を徴収するのを原則といたしております。しかし、その企業の事態によりまして、その債権の確保及びその事業の発展のために必要と思われます場合には、それを約定利率まで軽減するということもいたしております。どちらも例がございますが、これは、個々の場合に応じて、適当に判断をいたすということになっております。
#148
○委員長(上原正吉君) ほかに御質疑がなければ、これをもって、日本開発銀行の部の質疑は、一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(上原正吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#150
○相澤重明君 先ほどの大蔵省の金融検査の場合の態度というものは、これはやはり私は問題だと思うのです。国家関係の金融機関、民間の金融だからという差別はないわけなんです。
 ですからこれは、金融課長さんですかが言われたということになると、これは少し、大蔵大臣を呼んで、これは責任問題として……。会計検査院の立場と大蔵省の立場とは違うのですよ、あくまでも。だからその点、今のような答弁では、ちょっと私どもこれは納得できない。従って委員長において、あとで関係法規がありますから、専門員室で調べて、これは後刻、私どもはやはり問題にしなければいかぬと思います。これは大蔵省の定員が不足なのか、あるいはいわゆる実務上のそういう指示を流しているのか。これに問題が出てくると思うのです。
 基本方針としては変りないのだからね、国の場合も。ですから、そういう点であとで専門員等の方で、よく調査して、知らしてもらいたいと思います。
#151
○委員長(上原正吉君) 委員長において、さように取り計らいます。
 以上をもって、本日の審議は終了いたしました。
 次回は十二月九日、午前十時三十分より、公営企業金融公庫、農林漁業金融公庫、北海道東北開発公庫の部を審議する予定であります。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後二時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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