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1959/11/05 第33回国会 参議院 参議院会議録情報 第033回国会 外務委員会 第2号
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1959/11/05 第33回国会 参議院

参議院会議録情報 第033回国会 外務委員会 第2号

#1
第033回国会 外務委員会 第2号
昭和三十四年十一月五日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鹿島守之助君
   理事
           井上 清一君
           苫米地英俊君
           堀木 鎌三君
           森 元治郎君
   委員
           青柳 秀夫君
           大谷藤之助君
           笹森 順造君
           杉原 荒太君
           津島 壽一君
           永野  護君
           羽生 三七君
  政府委員
   外務政務次官  小林 絹治君
   外務大臣官房長 内田 藤雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       渡邊 信雄君
  説明員
   外務省経済局次
   長       高野 藤吉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○千九百五十九年の国際小麦協定の締
 結について承認を求めるの件(内閣
 提出)
○在外公館の名称及び位置を定める法
 律等の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿島守之助君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案、以上本院先議の両案件を便宜一括議題として政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○政府委員(小林絹治君) ただいま議題となりました「千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件」につきまして提案理由を説明いたします。
 この協定は、一九五六年の国際小麦協定が、三カ年の有効期間の後本年七月三十一日をもって終了することとなっておりましたので、これにかわる新たな協定として、国際連合主催のもとに、ジュネーヴで開催され、わが国も代表を出席せしめた国際連合小麦会議において三月十日採択されたものであります。
 この協定は、従来の協定に比べ、三年間の運用の成果を考慮して種々の修正、改善を加えられておりますが、その趣旨は同様であり、小麦の価格を安定せしめ、小安の輸出入国の立場を相互に調整し、その供給及び需要を確保し、かつ、生産者及び消費者を重圧的過剰あるいは過度の不足より救うことを目的としております。わが国もこの協定の当事国となることによりまして、小麦の通常の輸入総量の五〇%に当たる約百万トンを締約国から買い付けることを保証することによって、小麦の、需給関係の変化にかかわらず一定の幅の中に安定した価格をもって小麦を買い入れることができるようになり、また、世界の小麦の国際貿易の上において主要小麦輸入国としてのわが国の立場を十分に保護するために大いに利益があると考えられます。
 政府といたしましては、右の利点を考慮し、本年四月二十三日に、この協定に署名いたしました。また、この協定第三十五条(6)の規定によりますと協定の受諾期限は一応七月十六日となっておりますが、国内手続上同日前に受諾を行なうことができない国は、あらかじめ受諾の意思を同日までにアメリカ合衆国政府に通告しておいて、十二月一日までに正式の受諾書寄託を行なえばよいことになっておりますので、この規定に雄き、政府は、六月二十二日に右の通告を行なっております。
 よって、この際この協定の締結について御承認を求める次第であります。右の事情を御了察され御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
 次に、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 まず、わが国の在外公館の新設につきましては、ルーマニア及びブルガリアに公使館を、マニラに総領事館を設置することといたしておるのであります。
 御承知の通り、ルーマニア及びブルガリアとの国交は第二次世界大戦中断絶したままになっておりましたが、ルーマニアとは本年九月一日、ブルガリアとは九月十二日に、それぞれ公文を交換いたしまして、ここにわが国との国交の回復をみるに至った次第であります。
 わが国とこれら両国とは戦前すでに公使を交換いたし政治、経済及び文化等の諸面で終始友好関係を推持してきたものでありますが、今回再び国交が回復いたしましたことに伴い両国にわが国の公使館を設置するものであります。
 また、マニラに総領事館を設置いたします理由は、比国政府の方針が領事事務は領事委任状の提出ある場合にのみこれを認めるということでありますので、わが国内法上正規の領事委任状を交付し得るよう法律上の措置としてマニラに総領事館を設置することによってわが国が比国において正式に領事事務を遂行し得るようにするものであります。
 次に在ギリシャ公使館を大使館に昇格することにつきましては、従来ギリシャは東亜には名誉領事のみにて大公使館を設置しおらず今般ギリシャ側において東亜に大使館を設置することとし始めてわが国に大使館を設置する措置をとりましたので、これに対応するため在ギリシャ日本国公使館を大使館に昇格するものであります。
 このような在外公館の新設及び昇格を行うための法的な措置といたしまして、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部改正を行なうわけでありますが、同時にこれらの在外公館並びにさきに設置されました在ハンガリー公使館に勤務すべき職員の在勤俸を定める必要が生じますので、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律にも改正を加えることとし、これら二つの法律の一部を改正するための法案として本法律案を提出する次第であります。
 何とぞ、本案につき慎重御審議の上、すみやかに御採択あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(鹿島守之助君) ただいま説明を聴取いたしました両案件のうち、まず千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件について、これより直ちに質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。なお、政府側より高野経済局次長、根本国際協定課長が出席いたしております。
#5
○井上清一君 国際小麦協定について若干質問をいたしたい。ただいま政務次官からお話になりました国際小麦協定の提案理由の説明の中に「三年間の運用の成果を考慮して種々の修正、改善を加え」たのであります、こういう言葉があるわけでありますが、どういう点で、とれまでの協定に対して今度の新しい協定が改善修正を加えられておるのかということを伺いたいと思います。
#6
○説明員(高野藤吉君) 御説明申し上げます。旧協定に比べまして、ことに日本、輸入国の立場からいたしまして、非常に弾力性を帯びて参りましたので、旧協定におきましては義務輸入量が百万トンと、日本にたとえますと、百万トンというのは今度パーセンテージになりまして五〇%ということになります。これは日本が、たとえば百八十万トンしか輸入しなかった場合に、今までは百万トンの価格帯内の最低価格、すなわち当時における国際価格における最高と申しますか、高い値段でどうしても百万トンを貰うことを義務付けられたのでございますが、今度の新協定におきましては五〇%でございますから、百八十万トンの場合に九十万トン、従って日本の利益がこれだけ保障される、擁護されるということになりました。それから第二点になりまして最高価格に上った場合、すなわち小麦が非常に高くなった場合に、今までは百万トンしか日本は権利がなかったのでございますが、今度はその今までの実績の全量をその当時の価格帯における最南価格、すなわちその時期における国際価格の最低価格でほとんど日本の需要量が輸入できるということになりまして、その点が、値段が上った場合に日本の権利が保障されるようになりました。
 それから第二点といたしましては、今までの最高価格二ドルというのが一ドル九十セント、十セント下ったという点、日本の輸入国の立場が非常に今までの協定の運営上、経験にかんがみまして、日本の立場、輸入国の立場が非常に改善されまして、この点が新協定の非常に有意義な点じゃないか。それから第三点といたしまして、今までおもな輸入国であったイギリスが今度新協定に加入いたしまして、この点国際小麦の需給関係において非常にこの協定自身が有意義かつ有効的になったという点がございます。
#7
○井上清一君 イギリスがこれまで国際小麦協定に加入していなかった理由はどういう理由か私は伺いたいと思うのですが、これは世界的に小麦が今過剰生産になっておる、それで国際小麦協定というものを作ることによって、その場合、アメリカとしては、アメリカの国内小麦価格を安定させる上において非常に有効なわけです。それで、そういうことで、アメリカ側の利益というものが非常にこの国際小麦協定の場合に考慮されるのじゃないか。それで日本としては、食糧が非常に不足であったころは、小麦協定に加入していることが小麦の輸入には非常に大きな利益があったかと私は思うのだけれども、現存のように日本の食糧事情が安定してきておる……、小麦に相当頼らなければならない部分もずいぶんございますが、必ずしもこれに入ることによって、かえって日本の小麦というものが、なるほどアメリカは数量的にもあるいは価格の点からも安定するかもしれないけれども、アメリカの小麦の価格安定には寄与するかもしらぬけれども、日本としてはそれほど大きな利益がないのじゃないかという私は感じがするのだが、それでイギリスがこれまで入らなかったのは一体どういう理由かということと、そうしてまた、私が今持っている疑いについて一つ御意見を承わりたいと思うのです。
#8
○説明員(高野藤吉君) イギリスが今まで入らなかった理由は、主として小麦の過剰生産、過剰傾向にありますが、これをどういうふうに解決するという点に非常に関心を持っていた点が一点と、その次は、ソ連あたりからある程度買えるという希望を持っていたと思うのですが、今度入りましたのは、一つには、御承知のようにアメリカが大きな生産国でございますが、自分のドミニオンであるカナダ、豪州あたりからの強い要望もあったような次第で、それからソ連からの輸入もそう大量に見通しがないということで、イギリスといたしましては、ドミニオンの要請及び国際協調という見地からこれに加入したとわれわれは判断しております。
#9
○井上清一君 それで日本としては、国際小麦協定に入った方があるいは食糧、小麦輸入については非常な安定感を持ち得るとは思いますけれども、価格とかその他の点について、果して日本としては有利かどうかという点を一つ伺っておきたい。
#10
○説明員(高野藤吉君) 現状におきましては、価格帯並びに世界の生産価格が一ドル九十セント及び一ドル五十セントの間にありますから、現状におきましては入っておらなくても大した違いはないというお説もごもっともでございますが、これは輸入国及び輸出国のお互いの利益を長き将来において保証するという一種の保険的な制度でございまして、価格が非常に高くなった場合はこれに入っておらないと日本としては非常に困るという点が一点。それからもう一点は、ほとんど世界の大きな生産国がこれに入っております。それから輸入国もこれに入っておりますので、これに入っておりませんと、いざという場合にのけものになるという可能性があるという点。それから第二点は、いざ困った場合に、急に入れてくれといっても世界から非常にのけものにされるという点が第二点の心配であります。
#11
○井上清一君 現在ソ連とかトルコ、ウルグヮイあたりはこの協定に入っておらないと聞いている。それで将来これらの国々に非常に安い小麦があるというような場合に、この協定に日本が入っていますとそれらの国々から輸入することができないのかどうか。それから、もし輸入したら何かそれについてこの条約上あるいは義務違反とか何とかいろいろな問題が起きるのかどうか、そういう点について私は伺いたい。
#12
○説明員(高野藤吉君) ソ連は生産国でございますが、輸出能力は自由主義陣営にとってはほとんどございませんで、大体共産圏内にやっておりますから、これで国際市場を撹乱するということは近き将来考えられません。それから、日本が、先ほど御説明申し上げました通りに、全輸入量の五〇%だけ買えばよろしいので、あと五〇%は価格次第によってソ連から買うということも可能でございます。それで現実に少しは買っておりますが、フレート、その他品質の関係で、近き将来におきましてソ連から大量に輸入するという見通しは現在のところございません。
#13
○井上清一君 日本は今小麦を買い付けていますが、主としてどこで、またその数量的にはどういうふうなことになっていますか。
#14
○説明員(高野藤吉君) 主として買い付けておりますのはアメリカ、カナダ、オーストラリアがおもなものでございます。その数量は昨年の八月からことしの七月まで見ますと、アメリカが約九十六万トン、カナダが九十八万トン、オーストラリアが十七万トンでございます。それにあとソ連から二万トン、イタリーから一万トンでございまして、合計二百十四万トンとなっております。
#15
○委員長(鹿島守之助君) なお、ちょっと申し上げますが、農林省から徳義輸入計画課長も出席されております。
 ほかに質疑のおありの方はございませんか。――それでは本日のところ本件に関する質疑はこの程度にとどめ、残余の質疑はこれを次回に譲ることにいたします。
  ―――――――――――――
#16
○委員長(鹿島守之助君) 次に、在外交館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案について質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。なお、政府側から内田官房長、北原参事官、新聞欧亜局参事富が出席いたしております。
#17
○杉原荒太君 マニラの総領事館を設置するというようなことですが、これは大使館の館員を事実上充てるつもりなのかという点を一つ聞きたい。また特別に総領事館づけのものを置くという趣旨なのか。
#18
○政府委員(内田藤雄君) 館員を兼任させてやるつもりでございます。
#19
○杉原荒太君 全部ですか。
#20
○政府委員(内田藤雄君) そうでございます。
#21
○杉原荒太君 今の提案理由の説明が、ここに書いてあることが、ちょっとだれが読んでも非常に理由の説明にぴたっとこないのだ。それだから僕は何かあるのじゃないかと思って質問しているのですが、これは理由の説明にちょっとならぬのですね。どうしてこういうふうな説明の仕方をしているのか。ほかの場合の設置の理由、設置を必要とする事情というものを実は何も書かないであるのだが、何か特別のほかの場合と違った理由があるのかと思って聞いているのです。
#22
○政府委員(内田藤雄君) 大体ここに書いてある通りなんでございましてフィリピンの場合には。ほかの通常の国はそうやかましいことは申しませんで、大使館が旅券の査証、発給その他領事事務をいたしますことにつきましてそのまま認めてくれているわけでございますが、フィリピンの場合には、領事事務を行う場合には形式上別にしてくれということを非常に強く要請して参りましたので、もっとも現在それを設置するまでは事実上認めておりますけれども、できる限りこういう措置をとってもらいたいということでございまして、やむを得ずこういう形をとろうということが今回の趣旨でございます。
#23
○委員長(鹿島守之助君) ほかに質疑のおありの方はございませんか。――それでは本日のところ本案に関する質疑はこの程度にとどめまして、残余の質疑はこれを次回に譲ることにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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