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#1
第033回国会 運輸委員会交通の秩序と安全に関する小委員会 第2号
昭和三十四年十二月十七日(木曜日)
   午前十一時十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     天埜 良吉君
   委員
           谷口 慶吉君
           大倉 精一君
           小酒井義男君
  担当委員外委員
   運輸委員長   平島 敏夫君
           江藤  智君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  説明員
   警察庁保安局長 木村 行蔵君
   警察庁保安局交
   通課長     内海  倫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査の件
 (トラックの事故防止に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(天埜良吉君) ただいまから交通の秩序と安全に関する小委員会を開会いたします。
 前回、十二月三日の小委員会におきまして、運輸省の自動車局長から長距離トラック事業の監査に関連いたしまして、路線トラック事業の監査において改善勧告をした事項、また長距離トラック運転者の勤務状態、また路線トラック運転者の給与状態、それに路線トラック事故防止についての通達ということについて説明を聞きました。各委員からそれぞれの御質疑があったのでありますが、きょうは主として自家用トラックの事故防止について、警察庁御当局から御説明をお願いいたします。警察庁の保安局の木村局長、国内海交通課長がおいでになっております。では一つお願いいたします。
#3
○説明員(木村行蔵君) お手元に資料を差し上げておると思いますが、「トラック事故と長距離トラックについて」の十二月九日で提出いたしております資料について概略申し上げて、また補足いたしたいと思います。
 トラック事故が非常にふえておりまして、三十二年中の事故は六万四千件ばかりでありましたけれども、三十三年には七万四千というふうに飛躍しまして、一五%、一割五分の増加、非常なふえ方であります。さらに、ことしになりまして、一月から九月までの事故は、昨年同期に比較しますと一八%、二割近く激増しております。ことしの状況を内訳を申し上げますと、営業用と自家用に分けましたけれども、営業用はことしの一月から九月までが一万二千件ばかりの事故であります。自家用は五万件でございまして、この関係におきまして、率としては営業用の方が絶対数は多いわけであります。
 さらに今度は、長距離トラックなどについての、私たちの方の事故防止につきまして、非常に事故が多いものですから、長距離トラック、特に砂利トラックについては非常に目に余るものがありますので、この七月一日に全国の都道府県警察に対しまして取り締まりの強化を指示し、継続的にそれからずっとやっておるわけであります。白バイによる集中取り締まり、あるいは検問所を設けて固定して、そこで厳重に取り締まるというような方法をいたしまして、できるだけ各県それぞれ連絡して、計画的にやっております。ことに砂利トラックにつきましては、関東地区、それから近畿地区に非常に事故が多い。また交通法令違反が多いのでありますので、これらについては警視庁、神奈川、埼玉、千葉などの数県が一体になって、ほとんど二十四時間ぶっ通しで取り締まっておりまして、まあせいぜい一カ月に一日休むことがあるかないかくらいであります。二十四時間ぶっ通しの取り締まりをずっとやっておるというような状態であります。
 それから、運送事業者等に対しまする関係におきましては、この砂利トラックなどは積載制限が非常に多うございます。それでこの関係におきましては目に余るものが相当ありますので、道交法の規定を活用しまして両罰規定、すなわち運転者だけでなしに業者の方にも責任がある場合には、その両罰規定を適用しまして十分に取り締まりをいたしておる。それから、その他ほかの地方におきましても、各警察本部にそれぞれ各県から通報し合い、交通安全上必要な警告や指導をやっております。
 長距離トラックに関係しました違反というものの大体の状況を八月一ぱいについて申し上げますと、八月、一カ月で違反件数、道交通法などの法令違反が二万一千件ばかりございました。その中で自家用が五七・五%、約六割が違反でありまして、自家用の違反が非常に多いということがこの数字で出ます。そうして、先ほども申し上げましたように、この自家用の違反で最も多いのは積載超過違反でございます。これは砂利トラックに非常に自家用違反が目立って多いということが言えます。
 それから、少し飛ばしまして、砂利トラックの関係を申し上げますと、一枚めくっていただきまして、砂利トラックの違反状況、これも八月中の一カ月の取り締まりだけの状況を全国の数字で申し上げます。それによりますと、一カ月だけで違反件数が八千四百一件、八千四百件ばかりでございまして、その違反態様は、ここにも書いてございますように積載超過違反が四千三百件ばかりありまして、五割以上、五一%、その次に多いのは速度違反でありまして九・九%、約一割であります。それから追い越し違反六・六%、従って速度その他に関係する関係においては九・九%と六・六%、両方合わせて二割近くあるというふうに申せます。この八千四百件のうちで自家用と営業用を比較しますと、自家用がここに出ておりますように八千四百件のうちで七千四百件ばかりでありまして、八八%、すなわち九割近くが自家用の違反であるということが言えます。ことに積載量違反の違反件数においては九四%、九割五分、十割近くの違反がこの砂利トラックの積載制限違反、しかも自家用ということであるわけであります。それで、自家用の違反が非常に多い原因といたしましては、私たちの調べた結果では、どうも自家用の業者の方に、使用者の方におきまして積載量を無理にたくさん積んでおる。運行回数を押えることによってマージンをできるだけかせごうというようなことがあるのではないかと思うのであります。それから、砂利トラックの事故の関係でございます。ただいま申し上げましたのは法令違反でありますが、事故の関係は、八月一ぱいで約四百件近く、そのうちで一番多いのがやはり積載制限違反による事故であります、積載超過による関係から原因して事故を起こしておる。その次に追い越し違反、非常に無理な追い越し違反によって事故を起こす。それから速度違反、それから無資格運転、こういうような関係でありまして、その事故の関係におきましても、三百八十九件のうちで営業用と自家用を分けますと、自家用が三百三十七件でありまして、八九%、約九割がやはり自家用の砂利トラックによる事故であります。その被害者の状況を申し上げますと、ここに計が出ておりますように死者は二十一名、重傷者七十二名、軽傷者は百五十名というような状況でありまして、この関係におきましてもやはり自家用の方が犠牲者をたくさん出している、こういうふうに言えます。
 それから砂利トラックの積載状況について、これは六月一ぱいの状況でありますが、警視庁において取り締まりをいたしました結果から出された数字でございますが、それによりますと超過単位――法定で定められている積載制限をこえた単位でありますが、五百キロないし一トン以下というのが三十七件、二・三%、それから一トン以上二トン以内が四百八十八件で三〇・一%、それから二トン以上三トン以内が八百五十七件で五二・九%、それから三トンから四トンまでが百九十六件で十二・二%、四トンないし五トンが三十二件で二%というような状況でありまして、これでいきますと、二トンないし三トンの違反が最も多い。それだけで約五三%、大半を占めておるような状況であります。それに加うるところの二トンないし三トンから、三トンないし四トン、その他一トンないし二トンの超過も入れますと九五%というものが一トン以上の超過というような状況でありまして、非常に超過というものが激しいという状況が言えると思います。
 大体そういうふうな状況で、私たちの方では取り締まりについても、単に行為者、運転者だけの取り締まりでなしに、両罰規定でやり得るものはできるだけ両罰規定で、やはり業者の自粛をうながすために、取り締まりの規定も活用する。またその他現在道交法の改正を勘案しておりまして、できれば次の通常国会で道交法の大幅の改正をいたしたいと思います。その場合に自家用の自動車についての業者の責任ということについても検討しなければならぬということで検討いたしておりまして、また成案を得ましたらいろいろ御審議、御批判をいただきたいと思います。
#4
○委員長(天埜良吉君) ただいまの御説明に対して御質疑のおありの方は、順次御発言をいただきます。
#5
○小酒井義男君 ちょっと今の説明の資料に関連して二、三お尋ねしたいのですが、最初の第一ページのところが、一つの例でお尋ねをしますが、一月―九月までのトラックの事故に対する営業用と自家用の区別がしてあって、それぞれ違反件数として出ておるのですが、これ非常にむずかしい質問になると思うのですけれども、件数がふえてくるのと、稼働しておる車両の台数がふえるのと、そういうのも比較をすると、どういうふうな増加率になるかというふうなことを御検討になっているんでしょうか。
#6
○説明員(内海倫君) ここには出していないのでございますが、絶えず私どもも自動車の増加量との対比で事故の発生率の相関関係を見ているわけでございますが、その中で、ここに資料を持っておりませんが、私の記憶の範囲で申しますと、自動車の数量と交通事故の関係で一番率の高いのは、ずいぶんよくはなっておりますけれども、やはりタクシーでございます。これは大体千台当たりを単位にしてみますと、全国平均にいたしまして二百五十前後、東京都内になりますと三百近くになって参ります。それからトラックについていいますと、自家用のオート三輪が非常に高い率を示しておりまして、これも私の記憶の範囲でございますので、正確に申し上げかねますが、六十七、八から七十という辺になっております。それに比較しますと、大型の四輪の営業用トラックというふうなものは、ずっと落ちましてもっと低い、たしか三十くらいじゃなかったかと思っておりますが、結局トラックだけの面からいいますと、自家用のオート三輪が一番高く、次いで自家用の四輪のトラック、次いで営業用のトラック、こういうふうな順序になろうかと思います。しかも増加傾向を見てみますと、乗用車の系統は、タクシーにおきましては若干下降カーブをたどり、自家用の乗用車はやや上昇の傾向をたどり、それからトラックについていいますと、自家用のトラックは急激な上昇カーブをたどり、営業用のトラックにおきましても、やや増加傾向を示しておる。こういうふうな私の記憶しております範囲内の分析で申しますと……。もう少し詳しくは、要すれば資料をもってお示しいたしたいと思います。
#7
○小酒井義男君 それから同じく資料の三ページのところに、今度は違反件数の数字が出ておるのですが、この違反件数に対してパーセントで事業用が四二・五%、自家用が五七・五%、こう出ておるのですが、これは違反の数はこういう比率が出てきておるのですが、これも同じように自家用、営業用の車両数との比較をすると、このパーセンテージは相当変わっていきますね。これはなかなか今ここで御答弁を願うのはちょっと困難かと思うのですが、何か機会でもあったら――わざわざ作っていただくのは大へんですが、作られるような機会があったら一度いただきたいと思うのですが、どうでございましょうか。
#8
○説明員(内海倫君) 承知いたしました。
#9
○小酒井義男君 それから積載超過の問題ですが、これについて調査をせられた結果、違反していないものと、しておったものとの比率ですね。これは資料にある数字は、違反の件数が出ておるのでございますね。違反するのは、大体調査をした結果、何パーセントくらいのものが違反をしておるかというようなことがわかっておったらお聞かせ下さい。
#10
○説明員(木村行蔵君) 若干少し資料は古いのですけれども、手元にございますので申し上げたいと思いますが、これは昨年の九月一日から七日までの一週間の間、神奈川県下で調査した長距離トラックですけれども、砂利トラックだけに限りません、長距離トラック全体の積載の状況を申し上げますと、調査の対象になりましたのが千四百七十八台でございます。その関係で定量積載、すなわちはっきり違反じゃないという合法的な積載三八%、空車、何も積んでいないものが一二%、超過積載、これが問題の超過積載で五二%、空車、半載車を除きますとほとんどが積載制限を超過しておる。その率は、そのうちで大体、これは神奈川の状況ですけれども、一トン以上の超過六五%、五トン車に十五トン、三倍積んでいるのがごく若干ありました。今お尋ねの点の超過積載車は五二%で、定量積載は三八%、定量積載の中に空車が一二%あるわけであります。
#11
○小酒井義男君 今度の一番積載超過の違反件数の多いという、先ほどの御説明にありました自家用の砂利トラックですね。これだけを抜き出して調査をした場合に、またその違反率というものが非常に数字が多くなるのではないかという気がするのですが、そういう傾向はどうなんですか。
#12
○説明員(内海倫君) 今御質問の砂利トラックだけについて申しますと、そこの2のところで書いてありますのは、一応ごく限定しました八月中とか六月中とかいう数字でございますが、これは砂利トラックだけの面を見たものなんでございます。それで、先ほど局長説明申しました総件数、いわゆるトラック事故の違反件数の総件数の中で、砂利トラックがどれだけのものを占めておるかということは、まだここには示しておらないのでございますが。
#13
○小酒井義男君 もう一つ。違反があって最初は注意されるのだと思うのですね。それで、運転手なり、あるいはその所有者なりが注意を受けて、違反をもう犯さないようになっておるか、注意はしても、やはりたびたび違反があったりするというようなことになった場合、具体的にどういうふうなことで、最初のときはこの程度の注意でおく、二回目にあれば、どういうふうの強い注意なり、あるいは処罰なりを加えていくというような、今までおやりになっておるケースですね、そういうものを一つお尋ねしておきます。
#14
○説明員(内海倫君) 主として砂利トラック等を中心に御説明申し上げたいと思いますが、現在、各府県でやっております取り締まりの仕方といたしましては、先ほど局長申しましたように、一方では白バイを出しまして、運行中の状態をとらえて違反を指摘するとともに、他方で、固定的な検問所を設定いたしまして、そこで一応把握してこれを調べるというやり方をやっておるのでありますが、それで、さらに、これらにつきましては、スピードの違反、あるいは追い越し違反とかというような者につきましては、主として白バイの方で法令違反として処理いたしております。これらにつきましては、一般の取り締まりの例と同様に、非常に悪質な者につきましては、その場で直ちに事件処理をいたしますが、情状酌量し得る者につきましては、警告にとどめまして、注意を促すというような措置をとっております。
 それから、主として砂利トラックの態様において現われております積載超過違反という者につきましては、いずれもその積載量を調べる必要がありますので、一応目分量で見まして、積載超過の疑いのあるものにつきましては、計量器でもってはかりまして、それで違反を指摘するわけでございます。これらにつきましては、御承知の通り、道路交通取締法は、積載違反につきましては、その使用主との共同責任という規定をいたしており、従いまして使用主自身もその責任を負荷されておるわけであります。また、従いまして、そういうふうな取り締まりに当たりました場合に、積載超過しております場合は、両罰を適用いたしまして、両者を処罰するという意味におきまして両者を取り調べておるわけでございます。それで、在来、両罰適用が非常にむずかしい点もありましたので、非常に研究を続けてきたわけでありますが、砂利トラックの実態が非常に激しい状況になりまして、運転者についてこれを調べましても、やはり使用者側から積まされたというふうな声が非常に強く、これの抜本的な対策としましては、やはり使用者側にこの責任を追及するのでなければ効果が上がらないということで、ここ一、二年来、両者を取り締まりの対象として処理しておるわけでございます。そういう意味で、大体、積載超過につきましては、ごく少量のものにつきましてまできびしい処分というふうなことはやっておりませんが、少なくとも、ここに掲げておりますように、一トン以上を超過しておるというものにつきましては、一応、取り締まりの対象としてとらえております。しかし、これの実際上の処理につきましては、なお、事情を十分検討しまして、取り締まりに当たりましたものすべてを事件として送致するというふうなことではなく、情状を勘案しながら事件送致をいたしておることでございます。それで、こういう車につきましては、同一人がしばしば積載違反として引っかかるというふうな例もあるわけでございますが、運転者だけについていいますと、運転者がかわりますために、そう繰り返すというふうなことはあまり見受けられないわけでございますが、使用主につきましては、数回こういうものにかかる例が少なくないわけであります。警視庁あるいは神奈川等、特に砂利トラックが運送する機会の多い県におきましては、この場合使用者の事件を大きく取り上げまして、事件検挙による反省措置を講じております。その結果は、東京の例を申し上げますと、過去一年かなりきびしい取り締まりを継続いたしまして、事業者の人たちにもしばしば来てもらいまして事件処理に当たるほか、忠告も促すというふうなことを繰り返しました結果、ごくわずかではございますが、そういうふうな積載超過に対する取り締まり効果が現われまして、数カ月前には一時非常に好転いたしております。最近になりましてまたその状態がややくずれる傾向にありますが、やはり私どもが取り締まりを通じまして痛感いたしますことは、酷なようではございますが、危険を及ぼす大きなおそれのある積載超過、その他法令違反につきましては、きびしい措置をとることがやはり一番大きなそういうものの運転の予防になるのではなかろうか、こういうふうに考えております。その効果が現われました点としましては、これは詳しく調べたわけではございませんが、砂利値段などがある程度砂利組合で統制しておる値段に近づいてきておるようでありまするし、また現実に取り締まりに当たっておる場合にも、積載量が在来ほど大きな超過でなくなっておるというふうな点も見受けられております。
#15
○小酒井義男君 この今の砂利トラックですが、積載超過がはなはだしいのになると、四トン、五トン、六トンというのがあるのですが、こういうのは大体何トン積みくらいのトラックがやっておるのですか。
#16
○説明員(内海倫君) 大体砂利トラックに使われておるのは、五トンないし七トンのようでございます。警視庁あたりで取り締まっております事例は、五トン車に十トン近く積む、あるいは七トン車に十二トンくらい積んでおるというような例が多いのでございます。それで、もう先刻御存じと思いますが、砂利トラックの場合にはワクを設けております。あのワクの線に水平になる程度が大体積載範囲内、あるいはそのちょっとオーバーした程度のようでございます。こう山なりにこういうふうに積んでおります分が大体超過になる。
#17
○小酒井義男君 今の説明の中にあったんですが、所有者の意思で超過な積み荷をしている、こういうようなときの運転手は、それがはっきりすれば、運転手の処罰というようなことはどういうふうに取り扱いをされておるのか。
#18
○説明員(内海倫君) この点は大へん実情からいいますとむずかしい問題でございます。ただ、道路交通取締法、あるいは一般的処罰理論から申しますと、道路交通取締法は、使用者または運転者は、積載制限に違反して車両を運転してはならないと、こうありますので、いずれも責任を持つわけでございます。従いまして、調べの経過におきまして、明らかに使用者がこれを積ませて、身分的な関係等で強迫した格好で押しつけておるとしますならば、裁判結果におきましては、運転者は情状酌量されるということになろうと思いますが、法律の表面から見ますと、これはやはり両方がその責任と義務を有しておると、従って、取り締まりに当たります警察側としましては、両者を違反の相手方として取り扱わざるを得ないと、こういうふうに考えております。
#19
○大倉精一君 この数字についてちょっとお伺いしたいのだが、最近運転手の年令が非常に若くなる傾向があると思うのですけれども、そういう傾向についてのあなたの方の観察はどうか。その点についての傾向というようなものについてお話しを願いたいと思うのですが。
#20
○説明員(木村行蔵君) 今、大倉委員からお話しの通り、非常に若くなっておることは事実でありまして、ことに最近トラックと関係ありませんけれども、かみなり族というような傾向で非常に問題になっているように、若い者の運転免許の申請及び獲得が非常に多うございます。この数字については交通課長から詳しく申し上げますが、その傾向についてわれわれの方も非常に心配しておりまして、いろいろ問題を検討いたしております。で、たとえば今回問題になりました火薬積載のトラックと砂利トラックが接触して非常な大爆発を起こして、非常は犠牲者を出しておる。この火薬トラックの運転などについても、はたして一種運転免許だけでいいのかどうか、何らかの意味において第二種運転のようなきびしい条件のもとにおいて、第二種運転免許を取ったような者が運転すべきじゃないだろうかというような問題も出て参りまして、いろいろ最近の運転者の年令層の低下に関しましては検討を始めております。
#21
○説明員(内海倫君) 今ちょっと手元に運転者全部の年令別構成のものがありませんので、事故を起こしました運転者の年令別構成を説明さしていただきますと、年令で十六才から十九才までの者が大体、約でございますが一三%、それから二十才から二十四才までが三四%、それから二十五才から二十九才までが二五%、三十才以上になりますとうんと減りまして、三十才から三十四才まで一二%、三十五才以上になりますといずれも二、三%から五%ないし七%くらいにとどまります。そういうふうな観点から見ますと、事故を起こします運転手は二十才から大体二十九才まで、もっと幅を広げますと十六才から二十代という間が一番事故を起こす率の高いものであり、かつその中でも二十才から二十四才までが最高である、こういうふうに事故を起こした者についてだけの傾向からは言えることができます。
#22
○大倉精一君 この若くなっていく傾向の原因について私も非常に関心を持っているのですけれども、これは事故という問題と非常に密着した関係があるのではないかと思うのです。たとえばあなたの方の資料の中で、ページ数が書いてないが、別に添えてある資料の方で大きな数字の四番ですね、四番の裏側の方に勤務時間、休憩等についても非常に労働条件が過酷であるというようなことがあるのですけれども、何かそういうようなことで運転手が、通常の運転手がいなくなって、そして無免許運転の連中が運転をするとか、あるいはまた人件費が安いから若い人を使って運転をさせるとかいうような傾向が非常にあるのではないかと思うのですが、タクシーの方でも、最近聞くところによりますと、悪質の業者の方では規定の年数のたっていない者を安く使っているというのも聞いておるのですが、そういう傾向はどうなんですか。結局人件費の安い人間を使う、そういう採算上の観点からだけ運転手を雇っておる。あるいは労働条件が非常に過酷なために普通の運転手が来ない。だからとりあえずこういうような者を引っぱってきて運転をやらしている。そういう傾向が最近非常に顕著になってきているのではないかと思うのですが、どうですか。
#23
○説明員(木村行蔵君) 年令層が低下している原因の一つとして、さっき私が申し上げた若い者の一種のブームといいますか、社会風潮として免許を取りたがる、まあ雰囲気と申しますか、こういうものが一つの原因であることは事実のようでございます。それ以外に、ただいま大倉委員から御指摘のように長距離トラックとか砂利トラックというような輸送の場合に非常に稼働率が高いし、稼働の量も非常に多いものですから、若い者でないとなかなか耐えられないというような状況あるいは賃金が安いとかいうような状況、それから無資格運転をさせておるというような状況などから考えますと、御指摘のように、やはり業者の方で若干そういうふうな業者だけの立場からそういう若い者を使っておるというような傾向は見られるようですね。ただこれを数字的に今客観的に御報告する材料が手元にありませんけれども、私たちは大体そういうふうに思います。で、数字については交通課長から御報告を申し上げてもよろしゅうございます。
#24
○説明員(内海倫君) ちょっと今の局長の説明の補足をいたしまして若干数字的な参考を申し上げますと、昭和三十三年に、これは違反でなくて事故でございますが、事故を起こした者が大体御承知のように約十六万件ございますが、その中で主として無免許運転を原因としまして起こした事故が一万四千九百八十四件、約一万五千件ございますが、その中で、約一万五千件の無免許運転の中で一番大きな数字を占めておりますのは、貨物自動車の中で小型貨物自動車、従いまして三輪と、それから小型の四輪でございますが、これが五千八十七件、それから次が貨物自動車の普通、これが千三百八十一件、次に多いのが乗用自動車の小型、これが千九十三件、これの多くの部分を占めておりますのは小型の中でも最近のブームに基づくものと思います。それから普通乗用車は三百四十九件というふうに非常に少ない。乗合自動車に至りましては、わずか二十一件、それからスクーターあるいは最近よく出ております軽自動車、これが三千五百九十三件でございますので、やはり先ほど御指摘のような傾向は、交通事故の原因としての無免許運転の数字になっております。
#25
○大倉精一君 それに関連するのでありますけれども、最近のいわゆるマッハ族というのがたくさんふえたのですけれども、よく規則はわからぬのだが、オート三輪よりもっと軽いのがありますね、エンジンをつけた。ああいうのは別に何にもむずかしい手続もなんにも要らずに、買ってくればすぐ乗ってしまえるということになっているようですけれども、そういう点はどうですか。
#26
○説明員(内海倫君) 試験につきましては、御承知の通りでございますが、特に御指摘のありました点を申しますと、小型――いわゆる普通の国産の小型四輪の自動車等でございますが、これにつきましては、小型免許という一つの体系をとっており、それから最近よく町で見受けますさらにエンジンの小さい四輪の軽自動車あるいは二輪の軽自動車というふうなものにつきましては、軽免許というものを設定しております。それから原動機付自転車につきましては許可、免許といわずに許可と申しておりますが、これは一応審査ということで許可いたしております。それでまあ私どもの耳に入ってくるいろいろの非難につきましても、そういう免許が軽きに失しているのじゃないかという説があるのでございますが、小型免許につきましては、最近の自動車ブームにも関連しまして、できるだけ厳格に試験を実施しておりますが、軽自動車につきましては、あまりに受験者が多いために若干疎漏の感は免れないと考えております。ただ、しばしば新聞雑誌等の広告に出ます、簡単にとれる軽免許というふうなうたい文句がございますが、これは私は商業主義の一種のコマーシャルでございまして、現実の軽自動車免許に対して実態を言い現わしているというふうなものではないと考えます。
#27
○大倉精一君 そこで、こういう統計がはっきりしているかどうかわかりませんけれども、傾向的な観察でいいと思うのですけれども、事故の中でも間接な原因の事故が非常に多いと思います。たとえば、そういうような軽自動車のマッハ運転ですか、そういうものによっていやおうなしにハンドルを横切り、それが事故の原因になる。が、事故としては運転手が事故を起こしたという記録になっているわけですが、実際の原因というのはそうではなくて、実際事故を起こしていない。軽自動車、そういうものが事故のほんとうの原因だ、それは軽自動車の方の事故に入っていないとか、そういう間接的に起こる事故の統計がなければ、これの傾向としての観察の事情というのはどんなような格好になっているのですかね、
#28
○説明員(内海倫君) これもまことに実態はお説の通りでございます。それで私どももその点につきましては、事件処理上は私どもの専門用語で申しますと第一原因車というので、実際に事故を起こしたものを表面に立てておりますが、現実にはそれに関連する第二原因車というものがあることはしばしばの例でございます。それで現在のような交通事情のもとになりますと、実は第一原因車が第二原因車の被害者であるような形で事故の起こっている例は決して少なくないわけであります。この点につきましては、まだ統計の上ではごく平面的な形で第一原因車と第二原因車の関係を表わしているにすぎませんので、私どもとしましても非常におそきに失しているわけでございますが、個々を検討いたしまして、そういうものを明確にするような資料を作成途上にございますので、近くと申しませんが、資料ができました上はお目にかけることができるかと、こういうふうに思っております。
 ただ、お断わりしておきたいのは、御承知の通り東京都内について申しますと、統計表に現われた交通事故だけで約二万件、さらに統計に載せないでいる事故を加えますと十万件近くになっております。これは統計に載せないというのは、隠すという意味でなしに、分析し切れないものでございますから、これは一括数字として部内で統計上の整理をいたしているわけでございますが、そういうふうな上に、交通違反というふうなものの処理が相当多いわけでございますので、分析に非常に困難を感じているわけです。ことに追い越しとか、あるいはスピード違反あるいはその他、すべて路上において場合によりますとほんの短時間の間に起こって、しかも消えてしまうものでございますので、非常に困難な事態があるわけでございますので、非常に処理上困難をいたしておる次第でございます。
#29
○大倉精一君 まあ最近の軽車両の増加傾向ということから、そういう間接原因というものは非常に私は重要な交通事故防止の問題になると思うので、ぜひともそういう点については掘り下げて御検討を願いたいと思います。
 それから砂利トラックの雇用条件といいますか、そういうものは大体どういう格好になっているか。たとえば一回幾らという格好になっているか、一回何トン幾らという格好になっているか、どういう格好になっているのですか。それからまた、これが全部じゃありませんけれども、砂利トラックというのははたしてほんとうの意味の自家用車であるのか、あるいは名義だけトラック会社が持っておって、実際はそうじゃなくして、特定の者に請負の運搬をやらしているのか、そういう内容はどうなっているのですかね、砂利の方は。
#30
○説明員(内海倫君) 砂利トラックにつきましては、そういう実態の把握が私どもの立場からは大へん困難な状況でございます。結局、運転している人に聞くことが最初にしてほとんど最後の状態でございます。従って、今おっしゃったような経営内部における請負云々の問題等につきましては、容易に承知し得ない点があるわけでございます。しかし私どもとしましては、極力事故防止の観点から、任意に聞き得るものにつきましては状況は調べるようにいたしております。そこで、これはもうやや古びた資料なんでございますが、神奈川県で昨年いろいろそういう点における実態を調査しましたものについて申し上げますと、就労時間としましては八時間から十三時間という辺が多いようでございますが、とりわけ十時間をオーバーしたものが大部分を占めております。それから一日に稼働させられておる状況を見ますと、これは約六百件ほどの事案につきまして、その運転者について調べたわけでございますが、厚木もしくは相模原から横浜、川崎の間を大体二往復、約百九十キロのようでございますが、これが二百六十四、三往復、約三百キロ、百三十七件、それから四往復、三百七十キロ前後、こういうものが九件、それから同じく厚木、相模原から東京間を二往復、約三百キロ前後、これが二百三十六件、それから三往復、四百キロ前後というものが二十八件というふうなことで、相当やはりきびしい労働を課しておるというふうに考えられます。この間、火薬事故を起こしました関係者である砂利トラックなども、運転者が死亡しておりますので明確にはわかりませんが、想像される限りでは、やはり三百キロないし四百キロを連続運転しておるのではなかろうかという推計をとっております。それから運転者の給与状況でございますけれども、これも先ほどの約六百件についてみましたが、月給で支給されておるものが百八十人、日給制が三百十一人、それから歩合給によっておりますのが百十件、それから歩合給と日給または月給を併用しておりますものが二十一件ということでございます。で、月給の場合は最低一万円から最高二万五千円で、平均一万五千円、日給の場合は最低三百円から最高八百円で、平均六百円、それから歩合給の場合は、一往復を単位といたしまして最低二百円から六百円、それから、以上の併用をいたしております場合は、大体月平均の収入が一万八千円ぐらいになるような形で併用いたしておるようでございます。ただ、前に当委員会でもしばしば御審議になりました神風タクシー問題の当時におけるような形の歩合給は、今申し上げました数字のように、そう多くの部分を占めておるというふうには見られないわけでございますが、まあ大体のところ以上のような給与の立て方でございます。さらに運転者諸君がいろいろ取り調べ当局に話をしたところから推察いたしますと、月給といい日給といい、一応固定給の状態ではございますが、実質的にはやはりかせぎ高あるいはその会社の経営状態によって相当大幅に上下をしておる。そういう意味におきましては、会社あるいは官庁の職員等のような厳密な意味の固定給という観念は、会社の実態から見まして言えないのじゃなかろうか。
 それから、先ほどお話のありました名義貸しとかあるいは請負とかいう点につきましては、なお私どもとしましてはわかる範囲で見てはおりますけれども、まだ申し上げるような資料は用意いたしておりません。
#31
○大倉精一君 結局ですね、この今の、それからその前に報告なすったその資料ですね、できれば一つプリントを僕はいただきたいと思うのですが。
 それから、砂利トラックばかりじゃなくて、土建用トラックが、非常に荒っぽい運転といいますか、そういう運転をやるという原因というものは、やっぱり探求しなきゃならぬと思うんですけれども、まあ一つには、やはりその砂利トラックが何回か往復しなければ赤字で食っていけないという、やむを得ない事情があるのではないか。そういうのを直さずにただ正常運転といってみても、やはりこれはうまくいかない。ですから、そういう面について労働省なり、あるいは運輸省なりとよく連絡をとっていただいて、内容を調べていただいて、そういう点から直していくという努力がやっぱり必要だと思うんですね。
 それからもう一つは、これは不可抗力かもしれませんけれども、建築の現場の環境が、現場の環境、雰囲気というものが、運転手の心理状態に非常に大きな影響があるんではないか。そういうふうなことから、まあ特異とも見られるような状態が砂利トラックに見られる。そういう点についても、事故防止の原因から非常に大きな関心を持たなければならぬのじゃないか。ですから、この前の火薬の事故に見られるように、あれは本人が死んだからわかりませんが、ああいう混雑の所にそういうような砂利の重いものを積んでがんがん運転されるということは、ちょうど猛獣を放したようなもので、非常に危険ではないかと思うんですが、そういう意味からも、そういう点についても十分一つ解剖する必要が私はあると思うんで、ぜひともそういう点については一つ御検討を願い、またの機会のときに結果について御報告を願いたいと思うんです。
 それから、連続長時間の運転ですね。こういう運転の実態は、たくさん私はあると思うんですが、ちょいちょい私のところにも投書が来る。相当大きなトラック会社でもこういう状態があると思うんですが、大体こういうような状態の条件で働いておる、運転をしておる傾向というものは、大体、まあ統計としては非常にむずかしいと思うんですけれども、ふえていく傾向にあるのか、あるいは相当部分、こういうような長時間連続運転というものをやっておるという実態なのか。そういう点についてのもし観察された何があればお話しを願いたいと思います。
#32
○説明員(内海倫君) お手元に差し上げています資料の中で、三枚目の表の「砂利トラックの違反状況」の中で、「居眠り運転」というのが十一件そこに出ております。それから、次のページの「事故」の中で、「居眠り運転」というのが十三件出ております。それから、めくっていただきまして、「長距離トラック等の違反と事故の実態」と書いております別添の方の、2の中で、やはり「主な原因別事故数」として、「いねむり運転」というのが百十二件あがっております。それから、あと事例を示しておるわけでございますが、こういうふうな居眠り運転に基づく事故というものは、まあ御本人が特別な事情があれば別でございますが、私どもが具体的な取り締まりをいたした報告を聞き、またそれの実態について調べましたものと、この統計の面に出てきました、交通事故の原因としての居眠り運転というものとを結びつけて考えました場合は、大体は少なくとも継続運転あるいは一応運転上無理と認められる運転が行なわれておる結果というふうな推定を私どもはいたしております。で、こういう状況は、特にここ三、四年来非常にふえて参りまして、御承知のような、御指摘もございましたので、特に路線トラック等の長距離運転の自動車につきましては、取り締まりを行いますとともに、運輸省とも連絡しまして、そういう問題についての措置をとりましたが、長距離の路線トラックの方につきましては、最近各県からの報告を聞いておりますと、そういう点がやや改善され、また改善されつつあるというふうに聞いておりますが、逆に今度はそういう実態が、自家用自動車の方に次第に強く現われてきておるのじゃなかろうかというふうな感じを、事故報告なりあるいは取り締まり報告の中で感じております。それで、ただ、これまた言いわけを申すわけではないのでございますが、現に起こった交通事故というものを精細に調べますと、いろいろな原因が複合いたしておりますので、もっと厳格に調べれば、居眠りあるいは疲労、いろいろな要素を摘出できると思うのでございますが、その点が正確に分析されておりませんので、なお実態を明確にとらえ得たとは私も申し上げられないと思いますが、そういう、傾向的に見ますというと以上申し上げたようなことになるのじゃないかと思います。
#33
○大倉精一君 で、これはこの前の委員会にも私は申し上げたのですけれども、大体この資料をいただくと、まあ就業時間が何時間と、これは平均時間が出ておるのです、月平均時間というものが。平均時間じゃいけないと思うのですね。スピードにしてもそうだ。平均を載せたところで、名古屋から大阪までの平均スピードは三十数キロなんだから正常運転だというような数字が出ておるのですけれども、交通に関する限り、私は平均じゃいけないと思うのですね。たとえば、かみなりトラックでもってそれじゃ東京――名古屋間が八十キロだ、大へんだということになれば、東京から名古屋まで連続神風トラックになるわけなんですけれども、そんなことはないと思うのですね。ですから、大体スピードの出せる場所あるいはそういうところで一体どのくらいのスピードを出したという観察をしなければならぬ。同時にこの就業時間につきましても、大体連続運転をどれだけやっているかと、こういう観察が非常に私は必要だと思うのです。ですから連続運転をやってあと一日か二日休養するからいいじゃないかと言ったって、少しも交通事故に対するあれにはならないと私は思うのですね。ですから、そういう点についても十分対策を立てる必要があると思うのですけれども、これはあれですか、取り締まり規則の中で、連続運転は何時間ということを規制するというようなことはできないですか。何時間以上連続運転をやっちゃいけないというようなことを……。これはバス等にも私はあると思うのですね。
#34
○説明員(内海倫君) 現在の道交法が規定しておりますのは、一応無謀操縦ということで、正常な――要するに酒に酔い、その他正常な運転ができないおそれがある状態で運転してはならない。これがわずかに一本あるだけで、私は法理論としまして、正常な運転をしなければならない、従って逆に言いますと、正常な状態で運転ができないような状態の運転をすることはいけないのだということをさらに具体的に分析して書けば、法理論としては私は必ずしも現行法にあるという前提から考えますと、書けないことはない。従いまして、今回の私どもの道路交通法改正案におきましては、疲労あるいは病気等で正常な運転ができない状態で運転してはならないというふうなことをやや具体的に書こうと思ておりますが、ただ連続運転何時間という形まで具体化して書けるかどうかということは、結局取り締まり及び裁判との関係になろうかと思います。
#35
○大倉精一君 これは非常に方法としてはむずかしいかと思いますけれども、これは非常に大事なものだと思いますが、これは関係方面と連絡をとって御検討願いたいと思う。
 次には、輸送秩序の問題なんですけれどもタクシーにしろトラックにしろ、白ナンバーの営業類似行為というものがますます跳梁をしてくる傾向があるのじゃないか、場所によっては相当強く取り締まっておるけれども、場所によっては全く野放しの状態にあるという、こういうことが勢い間接的に事故ということにも出てくるのじゃないか。つまり業者がこれに影響を受けて、やはり非常にコストが安い仕事をしなければならぬ、それが全部運転手にしわ寄せになってくる、ひいては無理な運転になり事故を発生すると、こういう点からも、やはり交通秩序という点からも営業類似行為については、この際やはり関係当局と連絡をおとりになって、もう少し徹底して法秩序を守るという努力が必要だと思うけれども、現状について一つ御説明願いたいと思います。トラック、タクシー双方についてですね。
#36
○説明員(木村行蔵君) ただいまの問題につきましては、たとえば白ナンバーの輸送あるいは最近問題になりました白ナンバーの共済組合タクシー、その他自家用の問題も出てくる。これらの問題につきまして運輸省とも非常に密接に連絡とりまして、第一次的にはもちろん運輸省の立場においていろいろすべき点があったように思います。これにつきましても、警察庁から絶えず具体的に要望いたしまして、法の秩序というものをきちんと第一次の所管庁として厳正にやってもらいたい。それに対しましては、警察としましてもでき得る協力は全面的に協力いたしたいということで、何回か話し合いまして、また第一線にもたびたび通牒を出しました。ただ御指摘の通り、たしか、特に共済組合の白ナンバーの法秩序無視の行為につきましては、当初若干法解釈に対していろいろ研究しておりまして、検察庁及び法務省の研究もありまして、若干取り締まりの方の関係、法執行の方の関係がスタートがおくれた事実もあります。またスタートした後においても若干取り締まりのでこぼこが確かにあったようです。非常にきびしくやったところと、警察の取り締まりが若干十分でなかったという点もあるようです。それにつきましても、何回かそれぞれ県の本部あるいは警察官の当路者を呼びまして具体的に打ち合わせました。それで、取り締まりを厳正に公平に、しかも法の精神をくずさぬようにということでやりまして、最近はだんだん歩調が合ってきたように私は思っております。御指摘の通り、これは輸送関係の秩序全体としては、運輸省、警察庁あるいは通産省の関係、建設省も関係してくると思いますが、全部がやっぱり大きな立場から、それぞれのセクショナリズムでなしに、広い立場から、しかも積極的に手を打っていきませんと、こういう車両もふえている、またいろいろ複雑な交通に関連した社会問題が起こっておりますので、むしろ積極的に密接に、総合的に手を打っていく必要があるというので、最近はむしろ非常に密接な連絡をとっているということが現状であります。
#37
○大倉精一君 これはきょう私は具体的にどうのこうのというわけじゃありませんけれども、これはぜひ、野放しにしておきますと、相当これは膨張をして相当程度になってきて、事実がもうできてしまうというと、じゃあこれを撲滅しようということになると、勢いその人の生活ということにも直ちに影響があると思いますので、こういうのは早いうちにちゃんとした態度をもって望まないというと、非常に大きな社会問題になるのじゃないかと思う。こういうような全く私は、たとえばおばさんあたりがやみ米をちょっとひっかついでくるというと、全部ひっくくっていくのですけれども、こういうようなことになりますと、白昼堂々と警察の前で、あるいは当局の前で営業をしておるのですから、全くどうも不可解な現象だと思うのですね。これも私ども交通の秩序と安全に関する小委員会を作って何とかしてやりたいという努力をしているのですけれども、どうか一つあなた方の方として、関係当局とも十分連絡をとられて、早いうちにこういうふうな手を打っていかなければ、しまいににっちもさっちもいかぬという状態にならぬように、ぜひとも御努力を願いたいと思う。
#38
○担当委員外委員(江藤智君) ちょっと関連。僕は小委員でないので、ちょっとほかの用事でここへきたのですが、今聞いてて考えたのですが、トラックの連続運転の問題は、今は規制するものは何にもありませんか。たとえば団体協約で話をきめているとか。
#39
○説明員(内海倫君) 労働基準法なり、あるいは労働組合の協定等による例外等がありますれば、それによる以外に、他の法令で連続運転それ自体をとらえて禁止または制限ということはちょっとむずかしいのじゃないかと思いますが。
#40
○担当委員外委員(江藤智君) しかし労働基準法のいわゆる特殊日勤になっているわけでしょう。それはどういう程度に守られているのですか。この資料なんか見ると、めちゃくちゃなことをやっているわけです。まあこれは特別でしょうけれども。
#41
○説明員(内海倫君) それは私その点詳しく知らないのでございますが、神風タクシーのときにも論議されましたように、八時間労働という前提でありながら、同時に十六時間の拘束をしまして、それで休日をとる、ああいう方式があり得るわけでございますから、たとえば東京から大阪に荷物を輸送しますとすれば、まさか途中で八時間も休憩するということは困難でございましょうから、どうしても所要の十三時間なり十四時間は、途中一時間なりそういう程度の休養をとりながら、やはり結果的には連続運転ということはやむを得ないのじゃなかろうかと思いますから、そういう意味の労基法の例外は認められておると考えます。ただここに事例をあげましたような連続六十一時間運転というふうな、これはまあ私どもが取り扱いました事例の中でも希有のものではございますが……。
#42
○担当委員外委員(江藤智君) この前の神風タクシーのときは、これは大体都内ですからね。われわれが調べたところでも、まあこれは表向きの説明は、労働基準法にも違反しておらない、連続働けば翌日はとにかく一日休むというような格好なんです。――トラックの場合はちょっと違いますからね。やはり連続運転の時間というのを、疲労の限度に応じてある程度の基準を作らなきゃいかぬじゃないかという気がするんですね。それは、たとえば鉄道の機関手ですね、これは非常に注意をして信号やなんかを見て運転するからというので、三時間半でしたな。しかも労働科学研究所でも、極端な科学的な調査をして、いろいろな疲労要素をとって、大体それぐらいだということで、これが団体協約を結んだ。そこで、自動車の運転と汽車の運転とどっちが疲れるわからないが、やはりそういう科学的な調査もしていただいて、一つの基準をこの際作る必要があるんじゃないかという気がしたものですから、今発言をしたわけなんです。
#43
○説明員(内海倫君) 全く同感でございまして、先ほど大倉先生にも私お答えしましたように、現行法におきましても正常な運転の要求をいたしておりますし、改正におきましてもそういう点をある程度表に出すようにいたしておりますので、従いまして、取り締まりにおける正常運転とは何か。従って今度は運転される側あるいはこれを使用される側においても、正常な運転をしてもらうという場合における正常運転とは、継続した場合にはこれだけ、あるいはスピードをこの程度で出す場合に継続運転はこういうことというふうな――今、実は疲労度の測定につきましては、私どもの方の研究所でも専門家に研究さしておりまするので、ある程度資料ができますと、そういう面は私どもも対策として出したいと思っております。
#44
○担当委員外委員(江藤智君) 私は、トラックの方は、小委員でやろうと思ってまあ延び延びになったんですけれども、私が見にいったときは運転手二人乗っけていました。ちょうど飛行機ですね。国際線なんかはみんな二人乗せている。で、一人が操縦している間は一人は完全に休養するというふうに交代でやって、いわゆる疲労というものの弊害を、危険を除去しているわけですね。だから、トラックにおいても、これだけの長距離を走るような場合は、法律で二人乗せろというようなことまでやってもいいんじゃないかという気がするんです。これはまあ御研究願いたい。とにかく、人間の能力以上のことをやらして、それでとにかく経費を節減するなんというのは、これは今の世の中では根本的な間違いで、やはり人間の限度内においてある程度の基準をとにかく示すべきじゃないかという感じがしたものですから今お話ししたので、この点一つ委員長においても御研究願いたい。それとあわせて、国鉄のトラックもあればバスもあるのだけれども、要するに機関車乗務員という方面で相当進んでいますから、バスの方も歩調を合わせて、ある程度の基準ができておるのじゃないかと思うのです。僕はその方をまだ調べておりませんから、その点一つ適当な機会に委員長の方で、国鉄のバスとトラックがどういう運転手に対しての基準をやっているのか。これは小酒井君なんかよく御存じかもしれないけれども、その点を一つこの委員会で調べてもらいたい。
#45
○小酒井義男君 今は時間がないですからあれですが、結局、いろいろ警察庁の方としては取り締まりということが重点なんでしょうが、取り締まりをやるだけではなかなか事故の解決はつかぬのですね。一つはやはり自動車の所有者の、自動車をもって出かけたら事故というものは起こる。事故が起こればほかの人に迷惑をかけるわけなんです、結果的には。そういう公共性というような点を所有者も十分に認識をして、そうしてそれが守れるようなやはり労務管理などもやるというような考え方をやはり指導していく。同時に運転手の方にも、法規を十分身につけて、そうして技術の点でも、やはり一人で外に出ていってもいいような技術を身につけるというような両面の指導といいますか、こういうことをやはり並行してやっていかぬと、事故の問題の私は根本的な解決にはならぬのじゃないかと、そういう点もあわせてやはり関係の方面で十分御連絡をして、対策を考えていただく必要があるのじゃないかと、こういうふうに私はいろいろ説明を、資料などを通じてそういうことを感じたのですよ。
#46
○説明員(木村行蔵君) 今確かにお話しの通りで、全面的に私たちもその点につきまして非常にしみじみ痛感しておりまして、今度道交法を改正いたします場合においても、取り締まりの法規だけを改正しても、これはそれだけではにっちもさっちもいきませんので、道路行政あるいは建設行政、あるいは労働省の関係あるいは文部省の関係も出てくるし、運輸省の関係、通産省の関係も出てくると思います。それにつきまして具体的にすでに要望の内容も作っておりまして、これらにつきましては、法改正が審議される過程におきましても各省にいろいろ並行して折衝しなければいけませんが、すでに内閣に交通事故防止対策本部というのがございますが、これに各省みんな出ておりますので、この場におきましても、今お話しの問題につきましては、われわれも研究した具体的な点につきまして強力に要望して参りたい。また法的な措置をとるべきものがあれば法的な措置をとって各省全体が、関係省全体が総合的に調整できるような形に持っていきませんと跛行的になって、取り締まりだけ独走してもどうにもこうにもなりませんので、お話しの点は全面的に努力いたしたいと思います。
#47
○委員長(天埜良吉君) ちょっと、じゃ一つお伺いしてみたいのですが、先ほどからお話が出ておりました、小型自動車が非常にうろうろしてトラックが事故を起こしたとか、あるいはまたトラックがうろうろして乗用車が事故を起こしたとかいうようなことが、ことに市街地に多いと思うのです。そういうような点で、外国あたりでやっておる、市街地ではトラックは時間的に何か制限するとかいうようなことがこちらでも考えられ始めておるのでしょうか。
#48
○説明員(内海倫君) 交通規制という点が私どもの方の所管事項になっておりまして、いろいろな形の規制をやっておりますが、その一環としまして、やはり今よりは相当画期的な、しかも抜本的な交通規制措置をとらないといかぬということは、私どもも強く感じておりますので、東京におきましても、先刻お気づき願っておりますように、最近非常に一方通行路指定を多くいたしておりますし、それからごく一部でございますけれども、トラックの通行制限もやっておりますし、今警視庁では、場合によれば時間制限なども考えなければなるまいということで、資料を収集いたしております。
#49
○委員長(天埜良吉君) よろしゅうございますか。――別に御質疑がなければ、本日はこの程度で散会をいたしたいと思います。
   午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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