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#1
第033回国会 農林水産委員会 第4号
昭和三十四年十一月十二日(木曜日)委員長にお
いて次の通り小委員及び小委員長を選任した。
 食糧に関する調査小委員
      安倍晋太郎君    今井  耕君
      倉成  正君    田口長治郎君
      早川  崇君    松岡嘉兵衛君
      三田村武夫君    赤路 友藏君
      石田 宥全君    神田 大作君
      芳賀  貢君    小平  忠君
 食糧に関する調査小委員長
                今井  耕君
 農業法人等に関する調査小委員
      秋山 利恭君    金子 岩三君
      金丸  信君    高石幸三郎君
      中馬 辰猪君    綱島 正興君
      永田 亮一君    野原 正勝君
      足鹿  覺君    石田 宥全君
      角屋堅次郎君    中村 時雄君
 農業法人等に関する調査小委員長
                永田 亮一君
 甘味資源に関する調査小委員
      今井  耕君    倉成  正君
      田口長治郎君    高石幸三郎君
      永田 亮一君    丹羽 兵助君
      野原 正勝君    松田 鐵藏君
      保岡 武久君    實川 清之君
      中澤 茂一君    中村 時雄君
      西村 関一君    松浦 定義君
      小平  忠君
 甘味資源に関する調査小委員長
                丹羽 兵助君
 農産物に関する調査小委員
      秋山 利恭君    倉成  正君
      田口長治郎君    高石幸三郎君
      中馬 辰猪君    綱島 正興君
      保岡 武久君    神田 大作君
      栗林 三郎君    實川 清之君
      松浦 定義君    小松信太郎君
 農産物に関する調査小委員長
                秋山 利恭君
 水産に関する調査小委員
      加藤常太郎君    金子 岩三君
      田口長治郎君    中馬 辰猪君
      綱島 正興君    早川  崇君
      松田 鐵藏君    保岡 武久君
      赤路 友藏君    角屋堅次郎君
      芳賀  貢君    日野 吉夫君
 水産に関する調査小委員長
                田口長治郎君
 開墾干拓に関する調査小委員
      安倍晋太郎君    天野 光晴君
      笹山茂太郎君    高石幸三郎君
      綱島 正興君    野原 正勝君
      本名  武君    三和 精一君
      神田 大作君    栗林 三郎君
      西村 関一君    日野 吉夫君
 開墾干拓に関する調査小委員長
                笹山茂太郎君
 農業共済に関する調査小委員
      秋山 利恭君    今井  耕君
      倉成  正君    坂田 英一君
      笹山茂太郎君    中馬 辰猪君
      野原 正勝君    松岡嘉兵衛君
      足鹿  覺君    石田 宥全君
      中澤 茂一君    芳賀  貢君
      小松信太郎君
 農業共済に関する調査小委員長
                坂田 英一君
―――――――――――――――――――――
昭和三十四年十一月十二日(木曜日)
    午後二時九分開議
 出席委員
   委員長 吉川 久衛君
   理事 秋山 利恭君 理事 田口長治郎君
   理事 丹羽 兵助君 理事 本名  武君
   理事 赤路 友藏君 理事 石田 宥全君
   理事 芳賀  貢君 理事 小平  忠君
      安倍晋太郎君    今井  耕君
      金子 岩三君    金丸  信君
      笹山茂太郎君    高石幸三郎君
      野原 正勝君    松岡嘉兵衛君
      松田 鐵藏君    三和 精一君
      保岡 武久君    實川 清之君
      日野 吉夫君    小松信太郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  大野 市郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
十一月六日
 森林共済制度の確立に関する請願(倉石忠雄君
 紹介)(第二三号)
 乳価値上げによる酪農経営の安定に関する請願
 (倉石忠雄君紹介)(第二四号)
 開拓農家の各種負債の一本化と長期償還延期に
 関する請願(倉石忠雄君紹介)(第二七号)
 新潟県に農林漁業金融公庫支店設置に関する請
 願(田中彰治君紹介)(第二八号)
 同(高橋清一郎君紹介)(第九八号)
 豊富町落合地区一号農道改修に関する請願(芳
 賀貢君紹介)(第六二号)
 東利尻町に営林署設置に関する請願(芳賀貢君
 紹介)(第六三号)
 豊富地区の特定農地開発事業地域調査に関する
 請願(芳賀貢君紹介)(第六七号)
 農業法人制度創設に関する請願(關谷勝利君紹
 介)(第七一号)
 不振漁業再建に関する請願(關谷勝利君紹介)
 (第七二号)
 農家台帳作成事務費に対する財源措置に関する
 請願(池田清志君紹介)(第九六号)
 農業共済制度の改正に関する請願(田中角榮君
 紹介)(第九九号)
 同(石田宥全君紹介)(第一三五号)
 同(猪俣浩三君紹介)(第一三六号)
    ―――――――――――――
同月十日
 小名浜港の外国産麦類荷揚港指定に関する請願
 (木村守江君紹介)(第一八八号)
 第二次新農山漁村建設総合対策事業実施に関す
 る請願(吉川久衛君紹介)(第一八九号)
 こんにゃくの価格安定対策に関する請願(吉川
 久衛君紹介)(第一九〇号)
 森林共済制度の確立に関する請願(中澤茂一君
 紹介)(第一九四号)
 同(羽田武嗣郎君紹介)(第一九五号)
 同(原茂君紹介)(第一九六号)
 同(松平忠久君紹介)(第一九七号)
 乳価値上げによる酪農経営の安定に関する請願
 (中澤茂一君紹介)(第一九八号)
 同(羽田武嗣郎君紹介)(第一九九号)
 同(原茂君紹介)(第二〇〇号)
 同(松平忠久君紹介)(第二〇一号)
 開拓農家の各種負債の一本化と長期償還延期に
 関する請願(中澤茂一君紹介)(第二〇二号)
 同(羽田武嗣郎君紹介)(第二〇三号)
 同(原茂君紹介)(第二〇四号)
 同(松平忠久君紹介)(第二〇五号)
 甘しよ基準価格維持に関する請願(池田清志君
 紹介)(第二六八号)
 農業共済制度の改正に関する請願(大島秀一君
 紹介)(第二六九号)
 山形村日野沢、戸呂町の幹線配電点灯に関する
 請願(山本猛夫君紹介)(第二七〇号)
 胆沢川第一号幹線排水路事業の国営事業復活に
 関する請願(椎名悦三郎君紹介)(第三六八
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十一月七日
 治山治水事業の強化推進に関する陳情書(東京
 都議会議長内田道治外九名)(第一六七号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 派遣委員より報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○吉川委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件につきまして調査を進めます。
 この際、先般水俣湾の漁業問題について現地の実情を調査するため本委員会より派遣いたしました派遣委員より報告を求めます。派遣委員丹羽兵助君。
#3
○丹羽(兵)委員 熊本県水俣市周辺におけるいわゆる水俣病に関する漁業問題の調査について御報告申し上げます。
 今回の調査は、去る十月三十一日から十一月四日まで五日間にわたって、社労、商工の各委員とともに調査いたしたのでありまして、本委員会からは松田委員と赤路委員と私が参加いたしました。以上、調査結果の概要について御報告申し上げます。
 まず、水俣病といわれている病気についてでありますが、熊本県の南、鹿児島県との県境にほど近い水俣市を中心とした一定の地域に発生する奇病であって、中枢神経疾患を主兆とする脳病であります。手足の麻痺、言語障害、視聴力障害、歩行障害、運動失調及び流涎等、特異的かつ激烈な病状を呈し、気違いと中風とが併発した症状といわれるゆえんであります。私どもは、水俣市立病院に入院している二十九名の患者及び自宅療養患者について視察したのでありますが、それぞれ長期にわたっていつ治癒するともわからぬ果てしなき療養生活を送っており、また、重症者においては、意識すらない者、あるいは発作的に激烈なけいれんを起こす者等、正視するにたえない悲惨きわまりない症状を有する病気であります。しかも、本病は、水俣湾周辺に産する魚介類を相当量摂取することにより発病し、性別、老幼の別なく、その上、一般に貧困な漁民部落に多発し、家族、姻族発生が濃厚であるという実情であります。現在、これが治癒方法としては、ビタミン、栄養の補給等、一応の手だてはあるとはいえ、一たん発病するときは、完全治癒することはなく、幸にして死を免れた者も悲惨な後遺症のため廃人同様となるまことに憂慮にたえない疾病であります。
 この種の病気が、昭和二十八年末一名の初発患者を見て以来、現在までの患者総数七十六名の多きに達し、中でも昭和三十一年は最も多く、四十三名の患者の発生を見ているのであります。しかも、従来水俣市の地域に限られていたものが、去る九月に至って、同市の北方約五キロの芦北郡津奈木村に親子二名の新患者が発生し、患者発生地域がさらに拡大されて参った次第であります。しかして、昭和三十一年以来すでに二十九名が死亡しており、その死亡率は四〇%に近い高率を示しておるのであります。
 水俣病の原因究明については、昭和三十一年から始められ、当初においては濾過性病原体によるものとの疑いが持たれ、次に重金属による中毒と考えられ、毒性物質として、マンガン、セレン、タリウムが有力視され、かつ、魚介類による媒介とされていたのであります。しかし、これらの物質は、いずれも単独では水俣病と全く一致する病変を起こさしめることができなかったのであります。
 その後、政府においても原因究明のための調査委託費等を支出し、熊本大学医学部を中心として研究を進め、引き続き本年においては厚生大臣の諮問機関である食品衛生調査会に水俣食中毒部会を設けさらに調査研究の結果、毒性因子として新たに水銀説が有力となり、去る七月十四日中間報告として、魚介類を汚染している毒物として水銀がきわめて重要視される旨発表されたのであります。その根拠としては、各種障害の臨床的観察が有機水銀中毒ときわめて一致すること、あるいは病理学的所見において神経細胞及び循環器障害が有機水銀中毒に認められること、また、動物実験においても、ムラサキイガイをネコに与えた場合と自然発生ネコとは全く同様の変化を起こし、さらに、エチル燐酸水銀をネコに経口的に投与するときも貝類投与の場合と同様であり、かつ、患者及び罹患動物の臓器中から異常量の水銀が検出される点、等をあげているのであります。なお、水俣湾の泥土中に含まれる多量の水銀が魚介類を通じ有毒化されるメカニズムは、いまだ明白でなく、今後究明すべき点としているのであります。
 この食中毒部会の中間発表に対し、新日本窒素肥料株式会社においては、水銀については研究に着手したばかりで、実験に基づくデータは発表の段階に至らないが、科学的常識上、及び食中毒部会のデータの不備な点について、次の通りの見解を発表し、有機水銀説は納得できないとしているのであります。
 すなわち、水俣工場は、昭和七年以来今日まで二十七年間酢酸の製造に水銀を使い、また、昭和十六年以降においては塩化ビニールの製造にも水銀を使っており、これら水銀の損失の一部として工場排水とともに水俣湾内に流入しているのは事実である、しかも、その量は、過去における酢酸生産量十九万トン、塩化ビニール三万トン程度であるところから、六十トン、最高百二十トンということであります。しかるに、昭和二十九年になって突然水俣病が発生した事実は無視できない、また、水俣病は昭和二十八年以前には全くなく、二十九年から突発したことは、昭和二十八年、同二十九年を境として水俣湾に異変が起こったと考えるのが常識的と思われると言うのであります。また、有機水銀であるメチル水銀及びエチル水銀は有機溶剤に溶けやすく、エチル燐酸水銀は水にも可溶である、このような有機水銀の性質にもかかわらず、熊大における既往の動物実験結果においては、貝類を有機溶剤で処理した場合、抽出された部分からは発病を見ず、抽出残渣の方から発病する、このことは工場における実験結果とも全く同様であって、この結果毒物はアルキル水銀化合物ではない、等反証しているのであります。
 なお、新日本窒素肥料株式会社は、資本金二十七億円で、水俣工場を主たる工場とし、同工場においては、年間、硫安、硫燐安等約三十万トン、塩化ビニール、酢酸等三万トン、その他十二万トン、計四十五万トンを製造し、現在一時間約三千六百トンの排水を水俣湾に放出しているのであります。しかし、会社の資料によると、この排水は、機器の冷却用が主体であって、直接製造工程から出る排水は一時間約五百トン程度であり、その水質は問題にならないということであります。すなわち、去る七月における分析表を見ると、水俣湾流入排水及び八幡排水は、それぞれペーハー六・三、一一・九、水銀一リットル当たり〇・〇一、〇・〇八ミリグラム、マンガン〇・二二、〇・〇五ミリグラム、過マンガン酸カリ消費量二四一、等となっております。
 私どもは、工場における排水処理状況を視察するとともに、明神崎、恋路島及び柳崎に囲まれた水俣湾、及び、さらに天草あるいは長島、獅子島等の島々に囲まれた不知火海の二重の袋湾になっている現地の状況を視察したのであります。
 水俣湾においては、過去における排水による堆積物と思われる泥が三メートル以上にも及び、悪臭を放っている実情であります。また、終戦時海軍所属の爆弾を投入したと称されていた湾についても、その現地において当時の責任者であったという元海軍少尉甲斐氏から当時の実情を聴取したのでありますが、すべて水俣駅に搬出し、一発も投棄していないということでありました。
 以上の通り、水俣病は水俣市周辺に産する魚介類を摂取することにより発病する関係から、水俣市鮮魚小売商組合は、すでに八月一日、水俣市丸島魚市場に水揚げされる魚介類のうち、水俣近海でとれたものは、たとい湾外のものであっても絶対買わぬとの不買決議を行ない、以後漁民は全面的に操業を停止するのやむなきに至り、収入の道は全く断たれている次第であります。また、近隣の漁村においても、これが連鎖反応のため甚大な悪影響をこうむり、日々の食生活にも事欠くに至り、社会問題となっている次第であります。
 かかる事情のもとにおいて、去る八月三十日には、水俣市長を初めとする九名の漁業補償あっせん委員のあっせんにより、会社から水俣市漁業協同組合に対して、水俣病関係を除く工場排水による漁業被害補償として毎年二百万円を支払うことを約定するとともに、昭和二十九年以降の追加補償金二千万円、及び漁業振興資金一千五百万円、計三千五百万円を支払っておるのであります。このように、ともかく水俣市漁協に対しては補償措置がとられているものの、日奈久と姫戸を結ぶ線以南の二、三漁協、関係漁民四千名余は、すべて操業不能に陥り、他の海域に漁場を求めなければ生活できない状態に立ち至っている次第であります。
 これがため、私どもが参りました十一月二日においても、熊本県漁連が中心となる不知火海水質汚濁防止対策委員会の関係漁民数千人が参集しており、切実な陳情を受けたのであります。その後これら関係漁民の一部が工場に押し入り事務所を損傷する等暴挙に出たことは遺憾に存ずる次第であります。
 最後に、本問題の対策について申し上げます。
 帰京後、調査一行が相寄り、現地の実情及び要望事項を中心として協議の結果、次の事項をすみやかに実施すべきである趣旨の申し合わせをいたした次第であります。
 一、早期に原因を究明するため、厚生、通産、農林等関係各省庁が、それぞれ分担して調査研究を実施するよう協力態勢を確立すること。
 二、調査海域を設定すること。
 三、水俣湾内の浚渫を行ない、過去の先般物を余表すること。これがためには袋湾の埋め立てを考慮する。
 四、調査海域における海洋調査及び有毒魚介類の分布について調査すること。
 五、小型漁船所有者を対象として、共同利用漁船の建造等により、イカつり漁業あるいは真珠養殖業を指導する等、漁業疎開のための助成措置を講ずること。
 六、漁業疎開対策では救えない漁民対策としては職業補導等を通じ他産業への転換措置を推進すること。
 以上御報告を終わります。(拍手)
#4
○吉川委員長 次会は来たる十八日に開会することとして、本日はこれにて散会いたします。
    午後二時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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