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#1
第033回国会 農林水産委員会 第11号
昭和三十四年十二月八日(火曜日)
    午前十一時三十二分開議
 出席委員
   委員長 吉川 久衛君
   理事 秋山 利恭君 理事 田口長治郎君
   理事 永田 亮一君 理事 丹羽 兵助君
   理事 赤路 友藏君 理事 石田 宥全君
   理事 芳賀  貢君 理事 小平  忠君
      安倍晋太郎君    天野 光晴君
      金丸  信君    倉成  正君
      田邉 國男君    高石幸三郎君
      松岡嘉兵衛君    足鹿  覺君
      神田 大作君    栗原 俊夫君
      栗林 三郎君    高田 富之君
      中澤 茂一君    松浦 定義君
      小松信太郎君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 福田 赳夫君
 出席政府委員
        農林政務次官  小枝 一雄君
        農林事務官
        (蚕糸局長)  大澤  融君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (蚕糸局糸政課
        長)      筒井 敬一君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
十二月七日
 委員三田村武夫君辞任につき、その補欠として
 八木徹雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員實川清之君辞任につき、その補欠として栗
 林三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月七日
 農家負債整理対策の促進に関する請願(本名武
 君紹介)第一二四二号)
 積雪寒冷地帯農林業の振興に関する請願(坂田
 英一君紹介)(第一二六九号)
 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法適用期限の延
 長に関する請願(坂田英一君紹介)(第一二七
 〇号)
 占冠村に営林署設置の請願(芳賀貢君紹介)(
 第一三〇一号)
 森林共済制度の確立に関する請願(井出一太郎
 君紹介)(第一四〇四号)乳価値上げによる酪
 農経営の安定に関する請願(井出一太郎君紹
 介)(第一四〇五号)
 開拓農家の各種負債の一本化と長期償還延期に
 関する請願(井出一太郎君紹介)(第一四〇六
 号)
 母船式さけ、ます漁業のかつお、まぐろ漁業兼
 業反対に関する請願(池田清志君紹介)(第一
 四〇七号)
 陸前高田市脇之沢漁港の修築に関する請願(小
 澤佐重喜君紹介)(第一四〇八号)
 中海、宍道湖干拓淡水化事業施行に関する請願
 (赤澤正道君外八名紹介)(第一四二四号)
 同(大橋武夫君外八名紹介)(第一四二五号)
 同(櫻内義雄君外八名紹介)(第一四二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第一号)
 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案(栗原
 俊夫君外十六名提出、第三十一回国会衆法第五
 五号)
     ――――◇―――――
#2
○吉川委員長 これより会議を開きます。
 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び繭糸価格安定法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、質疑を続行いたします。
 田邉國男君。
#3
○田邉委員 ただいま議題となっております繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部改正案について若干の質問をいたしまして、政府の所信を伺いたいと思います。
 私は、去る六月に西独ミュンヘンで行なわれました第七回国際絹業大会へ参りまして、各国代表とシルクの問題につきましていろいろと協議をして参ったのでございます。この国際会議のことでありますが、これはいろいろと各部門に分かれておりまして、いろいろの議論がありましたが、特にその中で各国代表が口をそろえて強調いたしましたことは、日本の価格安定機構の問題を取り上げまして、生糸の価格というものは少なくとも一年以上は変更しては困る、そして安定をさしてもらいたい、すなわち、繭糸価格安定法という法律が日本にはあるのだ、この有効な運営を一つ確保してもらいたい、昨年のようなああいう混乱をぜひ一つ避けてもらいたい、これが絹業大会における各国の強い要望でございまして、日本代表のわれわれは、これに対しまして必ず御期待に沿うようにいたしますということだけ申し上げてあるわけであります。ここでこの問題につきましていろいろと欧米の要望事項を申し上げたいのでございますが、これは、農林省の今後の蚕糸対策の中の海外市場開拓について一つ御参考に申し上げたいと思いますので。後ほどお話を申し上げたいと思います。
 そこで、質問に入りまして、まず農林大臣にお伺いしたいのでございますが、大臣は、過日本委員会における高石委員の質問に答えて、政府としては、今後の繭糸対策、蚕糸業対策は拡大均衡の方針で臨むということを言明なさったのでございますが、御承知のように、政府におかれては、昨年の昭和三十三年度から桑園整理二カ年計画というものを実施されております。そこで、第一年度の三十三年度においては二万九千ヘクタールのうち二万一千ヘクタールを整理されました。そして、本年、三十四年度においては残りの八千ヘクタールを整理するということで、現在これを進めておるわけでございますが、この問題について、現在生糸の需要は、昨年度においては、政府の見込み生産高三十三万ないし三十四万俵に対して、三十六万ないし三十七万俵ということでありまして、明らかに四万俵の不足を来たしておることになるわけでございます。昨年のように非常に不況の年、また、ことしのように非常に暴騰したという異常な変動期であるのでございますが、一体政府はどこにその目標を置いて安定した蚕糸対策を考えておられるのか、これについて一つ農林大臣の所見を伺いたい。
#4
○福田国務大臣 生糸が今後いかなる需要状況になるかということは、これは蚕繭糸を通じて合理化がどういうふうに進むかという点に大きなウエートがかかってくるのであります。日本の繭産業また製糸産業というものが合理化して、国際競争にも、また国内においても、合成繊維、人造繊維、そういうものとの競争に勝ち得る体制にあるという場合におきましては、これは相当の需要が出てくるということを期待していいと思うのです。政府といたしましても、この両産業の合理化というか、生産性の向上、これに全力を尽くしているわけです。お話しのような桑園整理という問題も、結果におきましては、低能率の地域が相当整理されまして、その結果今日の蚕繭糸産業の立場を改善するのに非常に効果があったというふうに考えております。今国会で法律案を御審議願っているというような事情になっておりますが、ともかく、今後、現実の需要というものをだんだんと作りながら、それに見合って諸般の対策を立てなければならぬ、かような考え方をいたしております。
#5
○田邉委員 私は、昭和三十五年の生糸年度は、一応先般もお話いたしましたように、政府の現在の手持ちを約四万九千俵、これは十八万円の価格の問題は後ほどまた御質問したいと思うのでございますが、一応それを出すことによって政府の考え方によっては一般市場の需要をまかなうことができる。そして、全部出した場合には結局政府の手持ち生糸はゼロになるわけでございますが、ただ、そのときに、政府の努力は非常になされるのだけれども、来年度においてことしと同様にやはり海外市場の好況ということとそしてまた国内需要も変わらないという場合が起きたときにおいて、来年のちょうど今ごろにやはりまた相当の暴騰が起こるのじゃないか。そのときに政府はどういう措置を講じてこれに対処されるか。われわれが考えると、やはり青天井になる危険がある。それに対して農林省はどういう対策をもって対処されようとするのか。その点について伺いたい。
#6
○福田国務大臣 ただいま、私は、今後の需給には、蚕繭糸産業の能率、生産性ということが非常に重要な関係を持つということを申し上げたわけですが、それをさらに突き進めますと価格の問題なんです。ことしの状況を見ますと、私ども、今、十八万円という相場を前提といたしますと、これは生糸年度を通じまして約六万俵の供給不足である。そのうちもうすでにその不足に対しましては政府の方で五万俵近くを放出いたしております。しかし、さらにまだ不足の状況です。そこで、来年のことを考えるということになりますると、価格安定法によって保有しておる生糸、またこれが私どもの考えでは市中に放出されるということになるわけでございますが、なりました場合には市中に滞留いたしておるわけでございます。供給力にそれが加算される。そういうようなことを彼此勘案いたしまして、三十五年度の生糸年度といたしましては、おおむね現在の価格でありますと需給は大体均衡状態にある、こういうふうに考えます。ただ、生糸の値段が、今後の措置にも関係しますが、上がってくるというようなことになりますと、またこの需給状況には相当の変化があるのではあるまいか。すなわち、価格のあり方にもよりますが、そういう高い糸は外国では使わない、あるいは福井等というような機場ではこれを使わないというような状況等も考えますと、私どもの今申し上げました数字には相当の変化がまたくるのではないだろうか、こういうふうに考えております。いかにいたしましても、三十五年度は大体生糸の需給は均衡がとれるという考えです。
 さあ、それじゃ、三十六年度以降はどうなるかというと、経済の推移、ことにアメリカの景気の成り行き等と重大な関係があるので、そういう推移を見なければ申し上げるわけにいきませんけれども、だんだんと経済事情の推移等も見合いまして蚕繭糸の基本的な政策も並行させながらこれに対処していきたい、こういう考えを持っております。
#7
○田邉委員 今のお話は、三十六年度においては、国際市場とも見合い、また日本の国内情勢とも見合って検討した上で、これに対して農林大臣は一つの新しい考え方をもって臨まれるというお話でございますが、これは、現状から推移したならば、現在政府がとっておられるいろいろの措置というものを見て、私は非常に手ぬるい感じがするのでございます。ただ、私どもが非常に不安に思うことは、養蚕業に携わっている農家というものが、不況のときには絶えずしわ寄せを食っている。そこで、養蚕農家からすればもう少し安定した対策を根本的に考えてもらいたい。これはもういつも、昨年の不況時代にもそういうことを真剣に考えたのですが、今臨時措置法の改正案を出しておられるのですけれども、農林大臣は、この法案が通った後に、政府として真剣に蚕糸対策を根本的に――今三十六年度においてはというお話だったのですが、この法案が通ると同時に来年が大事な時期だから、やはり真剣に検討していこう、それにはいろいろな審議会もあるから、こういうものを活用しておやりになるのかどうか。そこも一つはっきり伺っておきたい。
#8
○福田国務大臣 それは、需給の状態は一体どうなるかというお話ですから、三十六年度以降はちょっと今申し上げる段階ではない、こういうことを申し上げたのでございます。蚕糸の安定対策というものは、ただいま申し上げました通り、これはどうしても合理化を進めるということがその主軸です。そして、いかなる競争にも日本の生糸は勝ち得るという体制を作り上げるわけです。それに並行しまして、海外市場を獲得するための宣伝をいたしますとか、また、宣伝をする機構を整備いたしますとか、いろいろ副次的な手段はありますが、根本は、体質を強くすることです。強くなれば、いかなる事態がありましても生糸の値段というものは安定する。従って、繭の値段も安定する。そこで、今お話の、そういう方向いかんということになりますが、それ生糸の価格が非常に浮動している、また需給状況等につきましてもいろいろな見方が出ているというような段階で、少し推移を見ないと恒久的な方向というものを見定めがたい状態にきているのです。そういうようなことで、まだせっかくできました蚕糸業振興審議会の開催に至りませんが、今私ども鋭意検討しております。それで、この法律案が通りました上は、なるべくすみやかなる機会に振興審議会を開催いたしまして、そして皆さんの御意見も承って、こういう方向で行こう、この方向で行けば間違いないのだという基本政策を出してみたい、こういう考えでおります。
#9
○田邉委員 次に、養蚕農家の立場から明年度の繭価の見通しについて一つ検討してみたいと思うのですが、まず第一に考えられることは、先般政府が五千百五十俵の生糸の放出をされたわけですが、私どもがこの状態を見ますと、これが必ずしも織物業者に渡っているとはわれわれ考えられない。特に払い下げ申請の規定というものがない現状において、全然織物をやらない、またその業界に関係のない人たちの手に渡ったものが相当ある。それからまた、今度は製糸業者にもこれが相当流れておる。そして、私どもが非常に憂えることは、製糸業者においても、今の生糸の値段というものがどういうところに安定するかということに対して非常な不安を持っておる。そこで、製糸業者が、これから放出しようという生糸に対して、要するに繭を生糸に変えようという製糸業者本来の使命から離れて、政府の放出の生糸を買ってしまって、これを製糸屋さんが手持ちとしてしまう。そうしますと、今度はいよいよ来年養蚕農家が繭を作って、これを製糸屋さんに買ってもらおうという段階になったときに、今度は、製糸屋さんは、今までの手持ちの政府放出の生糸を持っておるので、どうしてもこれを買おうとしない。その場合においては必然的に農家の繭というものは思うように値段がつけられない。そこで不測の損害をこうむるのは農家であって、政府の放出の仕方によって、農家は非常な損害をこうむる。そこで、農村においては、製糸業者の動向というものに対しては非常に重大な関心を持っておるわけです。そこで、私どもから見て、これは農家にとっては重大な問題であるので、こういう問題に対して政府はどういう考え方を持っておられるか、その点を伺いたいと思います。
#10
○大澤(融)政府委員 先般買いかえで行ないました糸の売り渡しの場合、先生御指摘のようなことがありましたが、今後の放出の仕方といたしましては、織物業者とか輸出業者とか、実需者に糸が渡るような方法をとって参りたいと思います。そのためにいろいろのことを検討しておるのでありますが、それと同時に、仮需要と申しますか、思惑と申しますか、そういう形で政府の糸が市場に流れ、逆にそれが圧迫材料になって参るというようなこともあり得ることかとも思いますが、そういう思惑的な、あるいは仮需要として政府の糸が外へ出ていくというようなことがなるべくないように、一つ売り方などについては大いに気をつけて参りたい、こう思っております。
#11
○田邉委員 それでは、この政府の放出の糸につきましては、非常に慎重にやっていただきたい。
 さらに、繭価についてお尋ねしたいのでございますが、本生糸年度の生糸の生産費は二十万一千円ということになっておりますが、現在これを十八万円に抑制しておる。ですから、これは生産費を二万円も削っておるという出し方をしておる。現在の臨時措置法によりますと、その最低繭価の支持率というものが、昨年の非常に不況な時代の対策として、繭価が千十二円五十銭、ですから、支持率において六三%、生糸の方は十四万百円で、六九%という支持率になっておるわけでございますが、繭の方を見ますと、これはきわめて低い支持率に押えられておる。この点を見ても、養蚕農家というものが相当なしわ寄せを食っておるということがわかるわけでございますが、これは不況時の価格体系であって、現在のように蚕糸情勢というものが相当上に向いてきておる、また政府も多少は価格を変えようというような考え方にあるようでございますけれども、私どもが現在の実態を見たときには、非常に繭価が圧迫をされておるので、今後の繭価の算定ということにつきまして、安定法の規定しておる生産費を基準とする最低支持率というもの、この八五%というものがあるわけでございます。これについて、この程度には一つ考えなくちゃならぬということを政府が実際に考えておられるのか、いやまだそこまではいかないのだというお考えなのか、その点を一つ所見を伺いたいと思う。
#12
○大澤(融)政府委員 繭あるいは糸の価格の算定方式につきましては、今御指摘になられたようないろいろの問題がございます。そういう問題もありますので、本年は臨時措置法の適用を延長いたしまして、繭、糸の価格安定をやっておるわけでございます。それと並行的に、今までいろいろ出ました問題を洗って、私ども研究しております。研究して、基本的な価格安定制度は一体どうあったらいいかという問題の一環として結論を早急に得たい、こういうふうに考えております。
#13
○田邉委員 その次に一つお尋ねしたいのでございますが、政府はさきに最低繭価の支持についてその一定上値で押えるべく蚕繭事業団というものを作ったのでありますが、その出資金が約十億円。私どもは昨年のあの不況のときに政府にいろいろとお願いをして、農家に還元すべき金というものがたしか二十億以上あった。そこで、そのもとを尋ねれば、繭が一貫目千二百円、これを千四百円ぐらいの手取りにするようにしてやるということで実はわれわれは鋭意努力をしたのでございますが、政府の方のお話によれば、何らかの補助金の形であと二百円をプラスしてやる、そこで大体皆さんの手取りが千四百円になるんだということで了承してもらいたいということで、われわれが農村代表者としてこの問題を解したわけなんですが、いよいよとなると、政府は、二百円ぐらいのものを一般農家に配ったところでこれはわずかの金なんだ、だから、それよりも恒久的な対策としての蚕繭事業団というようなものを作って繭価の安定をやることの方が農家のために仕合せになるんだ、こういう考えで、その金は二十何億になるけれども、そういう事業団に使わしてもらいたいということになった。その内幕というものは、実は、これをいろいろの補助金で出すということは大蔵省の規定に違反をして、会計検査院からおこられる、これはどうしても出せないんだ、だからこういう形で一つ事業団に出してくれということで、事業団へは二十億以上出すという話で、われわれは最終的に不承々々承諾をしたような形になっておる。ところが、いよいよこれが出ると、十億の金しか出さない。そうして、現在はもう十億以上政府は出そうとするようなお考えもないようなんでございますが、この最初の趣旨というものは、養蚕農家の安定ということを考えてこれができたわけなんですけれども、現在この十億円程度のものでは私は大した効果がないのじゃないかと思う。それはどういうわけかといいますと、昨年あの混乱のときに約三百億の金を政府が使って、しかもなおかつそれによって思うような繭価の支持ができなかった。そういうときに、蚕繭事業団の十億くらいの金では、繭価の安定ということをやるときにあまり効果のないものになってしまうのじゃないか、これを私は非常におそれるのです。それで、政府の方は、一方において安定法という法律で最低糸価を支持しようということでやっており、今度片方で、この蚕繭事業団というものを作って、最低繭価の支持をやろう、そして、悪い場合にはこれで多少の繭を買い上げて、市場の需給バランスをとろうということなんですが、蚕繭事業団の十億円ばかりでは何の足しにもならない。こうやって、片方では安定法というもので最低支持をやるというし、また、最低繭価の方は蚕繭事業団でこれをやろうとする。大体目的は同じなんだから、蚕繭事業団というものをほんとうにおやりになるなら、この際大幅にもっと金を出すか、それとも、安定法と蚕繭事業団というものをひっくるめた、強力に機能が発揮できるような機関を作られたらよくはないか。その点について農林大臣はどういう構想を持っておられるか、伺いたいと思う。
#14
○福田国務大臣 蚕繭事業団はお話のような趣旨でできたわけなんです。私も当時自由民主党の政調会長で、その産姿役をやったわけなんです。ところが、あれができまして設立という段階になると同時に、これは非常に喜ばしいことですが、世界景気、またいろいろな施策の成果というものも出てきまして、蚕繭事業団の方は下値支えを趣旨として作ったのですが、その必要は全然ないという状態になったのです。今後永久にそういうことがないことは希望いたしますが、しかし、長い間に下値支えを必要とする事態が起こらないとも限りません。そこで、こういう際に、私は、事業団の考え方というのをさらに整備することが必要であるという考えを持っております。もっとも、十億円の出資と申しますが、借り入れをいたしますから、大体繭の一割程度の買い入れができるような額に今でもなっておるわけです。一割の買い入れができるということは相当の効果を待つわけでありますから、これでも大なる力はあると思います。それから、さらに、いきさつから申しますと、これも、私、十億円を追加するということを考えております。その時期、方法等につきましては、一般財政との関係もあり、その必要とする時期のタイミングも考えてやりますが、これはもう予定の計画というふうに考えておる次第でございましてこれを増資する方向において整備拡充して将来に備えたい、こういう考えでおります。
#15
○田邉委員 今、その市況において御検討になるというお話なんですが、少くとも明年度のうちにおやりになるのだという御決意があるのか。二十億というものをお出しになるけれども、農林大臣のほんとうの腹の中は、とうていそれじゃできないと考えているだろうと思う。それで、また再増資をして、五十億か百億にするんだという構想が実際にあるのか。そこをもう少しはっきり伺いたい。
#16
○福田国務大臣 二十億と借入金を使えば、目的とした機能は十分に果たせるというふうに考えておるわけです。その他のいろいろな施策と相待ちますれば、まずまずの対策である、こういうふうに考えておるわけです。その二十億円への増資につきましては、一般財政との関係等もありますが、これは、さような事態が予想される前に必ず作っておかなければならぬ、かように考えております。
#17
○田邉委員 ぜひ早い機会に増資をされて、蚕繭事業団というものが養蚕農家のために非常な安心した制度として、また信頼される制度としてこれを運用されるよう、機構の整備拡充をお願いしたい。
 次に、需給均衡価格の問題についてお伺いしたいのでございますが、政府は先般不況時の対策として需給均衡価格というものを算定して十六万円という値段をきめたのでございますが、去年の末、審議会ではこれにプラス二万円ということで、十八万円という価格になっております。その十六万円を算出された当時の蚕糸情勢と今日とでは非常な違いがあるということは御承知だと思うのでございますが、これについて、当局が現在十八万円の時価で――この時価という問題はこの間から非常に問題になっておりますが、これを大体妥当と考えられておるようでございますが、しかし、これを認めるについて、現在の需給均衡価格というものが幾らになるか、その算出された基礎というものをお話しいただきたい。
#18
○大澤(融)政府委員 おっしゃいます通り、昨年、それからことしの三月算定いたしました需給均衡価格と申しますか、水準、大体十六万じゃないかと見たわけです。そこで、最低値をああいう臨時特例制度というようなものによりまして十四万円ということを考えて、従来の十九万円と二十三万円とで四万円という安定帯の幅をそのまま使いまして、十八万円ということをきめたわけであります。
 そこで、ことしの春から考えました三十四生糸年度の需給均衡価格水準、これは二つの方式からやっておりますが、一つは、生糸の生産量と都市の衣料水準、――生糸の生産量は供給、都市の衣料水準は需要の指標を見まして、繊維価格に対する生糸の価格の関係を過去の傾向から見て一定の法則としてとらえました。これに最近の繊維価格を当てはめて生糸価格を算定したこの方式が一つ。それと、もう一つは、生糸の生産量に対応します需要の強さを示す指標としまして、都市の衣料水準のかわりに生糸の有効需要額を求めまして、生糸と最も相関関係の強い人絹糸、それから梳毛糸、こういうものの需要額との関係を求めたこの両方式でやりまして、十六万円ということを算定いたしたのであります。
 おっしゃる通り、当時私どもいろいろ考え得るあらゆる事情と、その後景気はよくなって、あるいはいろいろの需要から蚕糸市場の景気がよくなったということで、事情の変化があったことも事実だ、こう思います。
#19
○田邉委員 それでは、この間からいろいろ問題になっております十八万円の価格の問題でございますが、農林大臣に伺いたいのでございますが、これは、高田委員からも、また高石委員からもだいぶ質問をされたのでございますが、当時において政府の見解はどうもはっきりしておらなかったようでございますから、重ねてこの点を伺いたいのですが、十八万円でいよいよ生糸を放出する。そこで、時価がどうも十八万円ではないということを政府が認定したときに、これを一体どういう措置で十八万円以上で売るのか、また、それを十八万円でそのまま売っていくのか、一つその点をはっきり伺いたい。
#20
○大澤(融)政府委員 仮定の議論としてでございますが、たとえば、認定された時価が二十万円だったというような場合を想定いたしますと、十八万円では売れないということになろうと思います。そこで、どういう売り方をするかということでございますが、この間も大臣からお答え申し上げましたように、会計原則に従って最も適当な方法を考える。従来の十四万円・十八万円という生糸価格安定の方針に沿ってきめて参りたいと思います。具体的なやり方、いろいろあろうと思いますが、ここでかれこれ申し上げますことは、相場等の関係もございますから、いろいろあると思いますけれども、会計原則に従って処理をさせていただく、行政庁におまかせ願うということで御了承願いたいと思います。
#21
○田邉委員 そうしますと、これはここでいろいろ質問することが非常に市況に影響するようなことにもちろん相なると思うのでございまして、答弁できる範囲内でお伺いしたいのですが、一体、この法律が通ったときに、現実の相場というものが十八万円よりも今言ったように二十万円くらいになった、そのときに安定審議会にかけてこれを審議する、そうして、これが十八万円より以上の場合には、まだ一俵も売らないうちからこの値段を変えて放出するとおっしゃるのか、それとも、約五万俵のものを法律改正をして放出していってみて、途中で改正をなさっていくのか、それとも、途中スライド制になさって順次変えていくのか、その点について、これは非常に微妙な問題が入っておると思うのでございますが、農林大臣はどういうように考えておられるか、伺いたい。
#22
○福田国務大臣 これは、今、価格がどうなるかというと、当限はともかく十八万円がらみの相場に来ておるわけですね。現物は二十万円だ、こういうことでございます。そこで、時価というのを非常につかみにくいのは、一つは、この法律案が審議されて、その結果をどう見るかということも事情の中に加わっておると思うのでございます。さようなことで、ただいまの段階といたしましては、私どもは、需給状態から見て十八万円という相場がこれは時価である、かような考えを持っておるわけでございまするが、しかし、浮動要因というものがなるべく除去される、特に法律案審議というものが済んで一つの浮動要因が除かれたという段階になりまして、十八万円より上回っておる相場であるというものがいろいろな角度から出てくる、さような際には、安定審議会を開きまして御意見を承ってみたい、こういうふうに考えておるわけです。売り出しの価格を変える場合には必ず安定審議会を開いてお諮りをしてきめるということになりますので、この法律案が通りまして直ちに違う方法で売り出しをやるというような考えは持っておりません。
#23
○田邉委員 それでは、この問題は追及するのもこの程度にしまして、十八万円の問題については、一つ政府は慎重なる態度をとられて、審議会の意向もよく徴され、なおかつ業界の声もよく聞かれて万遺漏なきことをお願いしたいと思います。どうも今までのところは農林当局の方が独走したようなきらいが多分にありますし、また、そういう声も非常に強いので、特にこの際は政府手持ちの放出生糸というものに対しては慎重な態度をとっていただきたい。
    〔委員長退席、秋山委員長代理着席〕
 それから、これは農林省の局長に伺いたいのでございますが、政府は業界の自粛について何か業界に通達でもなさったことがおありになるのでございますか。
#24
○大澤(融)政府委員 業界と申しますと、取引所の意味でございますか。
#25
○田邉委員 取引所とか、そういうところです。
#26
○大澤(融)政府委員 取引所に対して、通達と申しますか、あるいは報告を徴するとかいうようなことをやった事実はございます。
#27
○田邉委員 ちっとそれについて伺いたいのでございますが、私の聞くところでは、十月の十九日に、横浜、神戸、前橋、豊橋、四取引所に対して文書をもって委託者の氏名やいろいろの報告を求めたということがあるのでございますが、それについて、どういう目的でおやりになったのか、その点を伺いたいと思います。
#28
○大澤(融)政府委員 取引所と申しますのは、ああした公共的な機関でございます。その上に、総糸価格については安定制度というものがあるのでございますから、そこで、安定制度がある場合の取引所のあり方ということには、普通の取引所以上にいろいろ問題があるわけであります。そこで、そうした公共的な機関だということで取引所法にもいろいろ監督規定があるのでございますが、繭糸価格安定制度のもとでの取引所でもあるというような場合の取引所のあり方ということについては、また特殊な場合があるのじゃないか、こう思います。そこで、生糸の値段の動きを見ておって、取引所については監督をしなければならぬという場合も、普通の取引所以上に出てくると思います。そこで、私ども、御指摘の十月十九日にやりましたのは、取引所が思惑的に動くとか、あるいは安定制度に弊害を及ぼすような動き方をしてもいけないというようなことから、事前に規制する必要があれば規制するというために、その資料といたしまして、取引所の業務の報告を求めたわけでございます。
#29
○田邉委員 それでは、重ねて伺いますが、昨年業界が十九万円の維持について非常な努力を払ったのでございますが、この立ち直りにはなかなか苦心をしたわけです。取引所の当時の価格というものはどんどん下落をしておった。そこで、養蚕団体は、全国大会も開いて、当局の取引所に対する善処を要望したわけです。当時これは非常に深刻なものでありまして、現在の大澤局長はその当時蚕糸局長でなかったのでございましょうが、これは引き継ぎでよくおわかりだと思うのです。農林省がその取引所への干渉をなされる場合に、昨年のようなああいう重大な事態のときにはそういう問題にはあまり手を触れなくて、今回のような場合にのみ当局が積極的に抑制措置をとられるということは、どうもわれわれ考えまして不公平に感ずる。養蚕農家、いわゆる生産者というような立場から見ると、やはり、この前のように暴落をしてくるときは、非常な心配を感ずる。そうして、自分の生業がほとんど成り立たないような事態のときにはそういう問題を政府があまり取引所に対しては勧告もしないということでは、どうも私どもは公平を期せられないのではないかと思う。この点について、今後またこういう問題が私はあり得ると思いますが、蚕糸局長は今後こういう場合にどういうような方法をとられるか、その点をはっきり一つ伺いたいと思います。
#30
○大澤(融)政府委員 取引所が昭和二十六年ですかできましたときにも問題になったことでございますが、一体安定制度と取引所がうまく両立するものかどうかという問題がその当時からあったわけです。そこで、今御指摘のような、去年の問題とことしのやり方というような問題がありますけれども、その安定制度下における取引所の動き方は一体どうあったらいいのかという、これははっきりしたルールが確立されてしかるべきものだと私思っております。今度の際にも、取引所の方々ともお話し合いをいたしまして、相互に研究しようじゃないか、ルールを確立しようじゃないかということで、目下検討はいたしております。そういうことで、はっきりした形を打ち出していかなければならない、こういうふうに考えております。
#31
○田邉委員 そうしますと、来たるべき三十五年度においては、この問題についてはっきり見通しをつけられるということに解釈してよろしいわけでございますか。
#32
○大澤(融)政府委員 できるだけ早く見通しをつけてはっきりさしたい、こう思います。
#33
○田邉委員 それでは、最後に農林大臣にお伺いしたいのでございますが、農林大臣はこの間も委員会の答弁の中で、海外市場の開拓、そして生産の合理化ということが絶対条件だというふうに言われ、これはまことにけっこうなことなんでございますが、現在、海外市場の開拓について、私はまだ完全な対策と最善の努力を払っておらないように思う。それは、なぜかと申しますと、先ほど私もちょっと申しましたように、現地に行ってみまして特にその感を深くしたわけでございますが、要点だけを一つ申し上げると、私どもが絹業大会へ行って、議論の対象になったのは、さきの繭糸価格安定法、その次に問題になったは生糸の規格の問題でございます。今の日本の生糸の規格制度というものは、これはどうしても根本的に変えていただかなくちゃならぬと思います。なぜかというと、今、生糸の規格は、A、B、C、これが一つの規格基準になっております。ところが、これに対して、いろいろ専門的な言葉を略しましてわかりやすい言葉で言えば、これは相手の業者が買う場合に日本の生糸には非常な欠点がある。その欠点というものは、光沢が悪いとか弾力性が乏しいとか、練り減りがする、そういうものが今の日本の規格の制度の中から要するに網からこぼれておる。海外でいろいろの織物をするのに、向こうの要望は、もっと日本の政府に糸の規格制度というものを変えてもらいたい、これが私は欧米のほんとうの声だと思うのす。ところが、日本の規格制度というものは、昔生糸のくつ下を海外へ輸出した時代規格というものの一つの流れを汲んだものが厳然と備わっておる。これを政府は根本的に変える意思があるかどうか、この点をはっきり伺いたい。
#34
○大澤(融)政府委員 御指の摘ように、今の生糸の検査規格というものが、戦前のくつ下の規格から、完全に織物のための規格に移ってはいない面もあろうかと思います。今御指摘のありました、光沢でありますとか、練り減りだとか、あるいは弾力性だとか、あるいはまたかさ高だとかというようなことが、織物によっては非常に重要な要素になってくると思うのです。こういう問題について、そういう方向にこの規格の改正は徐々に持っていかなければいけない、こういうふうに私どもは考えております。
#35
○田邉委員 今の局長のお話だと、徐々に改正をなさるというのですが、これはもう世界の絹業大会で約三回にわたって日本に要望しておる事項でございますので、よく一つ欧米の実情をつかんでいただいて、そうして、できるだけ早く改正していくように。結論は、やはり、規格の生糸を輸出する、たとえば鐘紡の何々銘柄のものを出す、そういう形に将来なるべきだと私は思う。そういうように一つ早くやることを農林当局は考えていただきたいと思うのです。
 その次に伺いたいのですが、やはり綿業大会で大きな問題になったことは、日本の副蚕糸というものを欧州の方へ輸出しておらない。今世界の需要がこの副蚕糸というものを非常に要望しておる。世界の需要の二割を満たしておるのがイタリアの副蚕糸だ、こういうことをはっきり言っております。そこで、イタリアのサルトリという人も、ぜひ日本の副蚕糸というものを出してやったらどうか、世界の需要の二割しかイタリアは満たしておらない、インドが少し出しておるけれども、インドのものは夾雑物が非常に入っておって、これは役に立たない、こう申しております。今ヨーロッパの織物はこの副蚕糸を使った織物が非常な流行を来たしておる。このときに、日本の副蚕糸というものはほとんど出ておらぬということを私は聞いておるのですが、一体その点は間違いありませんか、ちょっと伺いたい。
#36
○大澤(融)政府委員 副蚕糸の問題ですが、これは昭和三十三年に農林、通産両省で話し合いまして輸出許可制度ということに取り扱いをしておるわけです。そこで、きびそでありますが、これは需給上余裕を生じた場合のみ輸出を認める、しかし、やはり原則としては輸出させないのだという態度をとっております。それから、きびそとけば以外の副蚕糸、これにつきましては、原料換算数量で毎年度百万ポンド、ここまでは輸出を制限しない、それ以上は輸出許可制にするということでございます。それから、きびそ及びけば以外の副蚕糸の輸出の実績でございますが、今までは百万ポンドに達したことがないので、数量的には問題は起こらなかったのですが、問題はきびその輸出の問題だと思います。そこで、最近輸出業者、製糸業者からの要望もございまして、通産省と話し合いをしておりますが、その結果では、絹紡製品の輸出はきわめて今旺盛でございますので、従って、副蚕糸の需給が緩和するまでは猶予してほしいという意向を示しております。現実には国内の副蚕糸価格が現在非常に高騰しておりますので、海外からの引き合いは今のところはないような模様でございます。
 そういうような取扱いを大体いたしておりますが、今後とも、この副蚕糸については、通産省とも話し合いをいたしまして、実情に合うような取り扱いをしていきたい、こう思っております。
#37
○田邉委員 今の蚕糸局長の答弁を伺っていると、欧米の方に引き合いがないというお話なんでございますが、これは私はどうも話がおかしいと思うのでございます。それは、欧州の方は、日本の副蚕糸というものは輸出されないのだという考え方に立って、これはとても輸出してくれないから申請したってだめなんだ、要望してもだめだということで、現実においては向こうがあまり強く言ってない。しかし、実情をよく調べると、どうして輸出しないのだというのが向こうの言い分でございます。そこで、私どもこれをよく調べると、今日本の十大紡が全部これを買い占めて国内需要に充てておる。これは調査の結果はっきりわかっておりますが、ただ、私がお願いしたいことは、海外で必要なものを何で日本でこれを押えているか。これは、通産省の考え方をもうこの際根本的に変えていただいて、そして、外国で要求する副蚕糸も出して、同時に生糸もあわせて出すという形をとらないと、いろいろなところにとめをさしてきたために、日本の輸出生糸というものがやっぱり伸びていない。先ほどの規格制度の問題についても私はそうだと思うのでございますが、この点を一つよく蚕糸局長も調査されて、そして積極的に国内需要に向けるものの一部をさいても輸出振興のためにこれを出していく、そういうことによって日本の生糸が伸びれば、日本の今の養蚕家の作っている繭というものも、これは現在農林省が考えておるような生産制限をしなくても、操業制限をしなくても、これである程度は補いがつくのじゃないかと私は思う。そういうところを十分調査をされて、一つやっていただきたいと思います。
 それから、最後に、日本の今の宣伝費の問題でございますが、輸出生糸に対していろいろと宣伝費を出しております。そこで、業界もこれに対しては積極的に宣伝費を出して、そうしてもっぱら海外の宣伝をやっておるわけでございますが、私どもが見ると、今世界が好況にあって、そうして、化学繊維に対して非常な不満があって、そうして絹に対する本来のよさというものを再認識してきたこのときこそ、政府も業界も本気になって宣伝費を使ってPRすべきだと思う。PRするにはこのときよりほかにない。それはなぜかというと、中共の生糸も現在は出ておらない。日本の生糸のよさというものを海外に徹底させるということの必要は今このときだということを申し上げたいのでございますが、どうも三十三年度と四年度の政府の出しておる補助金というものはまだ非常に少ないと私は思う。私の調べている範囲では、三十三年度においては農林省の蚕糸協会の方へ出しておる金というものはわずか七千万円程度だと思うのでございます。また、三十四年度においては約一億くらい出しておりますが、業界の方は本年度においては約三億くらい出しておる。私が政府にお願いしたいことは、少なくも民間が出しておると同じくらいの金を出して、そうしてこの際宣伝をしてみたらどうだ。そうすることによって、海外市場の開拓ということが実際に行なわれるのだ、そういうように私どもは思うのでございますが、これに対して、政府は一体将来この宣伝費というものを本気でお出しになる腹があるのか、それとも、できるだけ質にしておいて、やいやい言ったら小出しに出そうというのか、その辺をはっきり伺いたい。
#38
○大澤(融)政府委員 私ども、海外の需要の開拓ということには特に力を入れていかなければならないということは、先生御指摘の通り同じ意見を持っております。そこで、業界と政府一体になりまして、政府もでき得る限りの予算的措置も講じてこの仕事には当たって参りたいと思っております。たまたま予算編成期でもありますので、徴力ですが、そうした方向で努力をいたしたい、こういうふうに思っております。
#39
○田邉委員 そこで、最後に私のお願いしたいことは、繭価の支持の方法でございますけれども、現在、農産物の価格支持の基本というものは生産費の補償にあるということで、これは言うまでもないと思うのでございますが、私は、繭価の支持についても、この生産費を基準とした考え方をもって、そうして一つ将来の繭価の決定をしていただきたい。現在ほかの農産物の価格についてもそういう方向に移行しつつあるときに、これは農林大臣におかれても特にこの点を注意なさって一つやっていただく。そうして、現在の養蚕農家が安心して生業に従事できるようにしていただきたい。これは、先ほど農林大臣が言明されたように、需給の生産拡大をやはりはっきりおっしゃっておるのでございますから、一つそれについて十分な政府の心がまえを持ってやっていただきたい。
 最後に、この臨時措置法でございますが、再三申しましたように、政府のこの運用の仕方いかんによって大きな混乱を来たす危険もあるわけでございますから、十分業界の声を聞き、そして慎重に一つおやりになることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#40
○秋山委員長代理 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時半より再開して質疑を続行することとし、これにて休憩いたします。
    午後零時四十一分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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