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1959/11/17 第33回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第033回国会 内閣委員会 第4号
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1959/11/17 第33回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第033回国会 内閣委員会 第4号

#1
第033回国会 内閣委員会 第4号
昭和三十四年十一月十七日(火曜日)
    午前十時十二分開議
 出席委員
   委員長 福田  一君
   理事 岡崎 英城君 理事 高橋 禎一君
   理事 高橋  等君 理事 辻  寛一君
   理事 飛鳥田一雄君
      内海 安吉君    大久保武雄君
      田村  元君    富田 健治君
      中川 俊思君    橋本 正之君
      山口 好一君   茜ケ久保重光君
      石橋 政嗣君    内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 赤城 宗徳君
 出席政府委員
        防衛庁参事官
        (長官官房長) 門叶 宗雄君
        防衛庁参事官
        (装備局長)  塚本 敏夫君
 委員外の出席者
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の防衛に関する件
     ――――◇―――――
#2
○福田委員長 これより会議を開きます。
 国の防衛に関する件について調査を進めます。この際赤城防衛庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。
 赤城国務大臣。
#3
○赤城国務大臣 航空自衛隊の次期戦闘機を決定するに至りましたいきさつ並びにその理由を御説明申し上げます。
 航空自衛隊の次期戦闘機の機種決定につきましては、昭和三十三年四月十二日の国防会議におきまして、今後の計画を進行せしむる諸条件を整備するため、一応F11F―1F(98J―11)を採用することに内定せられたところでありますが、その後104は開発せられ、西独等においてこれが採用せられました状況にかんがみ、昭和三十四年六月十五日の国防会議において、前記内定を白紙に還元し、あらためて調査団を派遣する等、さらに慎重に検討の上決定することとなり、防衛庁といたしましてはこの決定に基づいて、航空幕僚長源田実空将を団長とし、他に操縦者三名、技術者二名、通訳一名及び学識経験者である民間顧問団三名をもって調査団を編成し、米国において約八十日間、コンベア社のF102またはF106、ノースロップ社のN156F、グラマン社の98J―11及びロッキード社のF104Cの各機種を対象とし、航空自衛隊の次期戦闘機としての運用上及び性能上の見地からの適否を検討するため、米軍の協力を得て、みずから操縦し、試験し、その武器体系上の適合性を実機について調査し、これを防衛庁長官に報告することを命じたのであります。
 調査団は本年八月八日、民会顧問団は九月十六日でありますが、日本を出発し、評価飛行等所要の調査を終了して十月二十六日帰国し、十一月六日防衛庁長官に対しまして報告をしたので、防衛庁は直ちに庁議を開き、この報告を検討し、調査団の意見を尊重してロッキード社のF104Cを採用することが適当であると認め、これを国防会議に説明し、国防会議において、次期戦闘機の整備については、さきに米国に派遣した源田調査団の報告に基づき、防衛庁において慎重に検討の結果決定した米軍の現用するF104Cを日本向けに改造する型を採用することを承認し、機数百八十機、ほかに訓練機二十機を昭和四十年度末までを目途として国産することに決定されたのであります。
 航空自衛隊の次期戦闘機としてF104Cを日本向けに改造した型を採用することが決定された経緯は以上の通りでありますが、次に今回の調査団の調査結果に基づいて、各機種について説明することといたします。
 一 速力の点については、F104、F106、98J―11の順であり、その他の機種はこれらに比べかなりの差があります。
 戦闘任務においては水平最大速度とともに加速に要する時間が重要な要素であり、この点、今回の実機についての操縦の結果、余剰推力の大であるF104Cが予想以上にすぐれていることが判明いたしました。
 二 上昇性能についてはF104Cがすぐれ、F106、98J―11、N156F、F102の順であります。
 三 行動半径の点については諸種の条件を考慮し、98J―11が距離的に有利でありますが、今回の調査によってF104Cの改造型は、増槽なしで二百ノーティカル・マイル以上であることが確認されました。
 四 所要滑走路の長さの点については、今回の調査により、離着陸いずれの滑走距離も98J―11が最も短く、N156F、F102及びF106がこれに次ぎ、F104Cが最も長いのでありますが、八千フィートの滑走路で十分であることが確認されました。
 五 武装及び全天候性の点については、各機種とも空対空ミサイルの装備は可能であり、全天候性についてはF106が最もすぐれていると思われるのでありますが、他の機種も適当な射撃管制装置を装備することによって全天候性を持ち得るものであります。
 六 将来性及び長期使用の可能性の点につきましては、FCS、航法用器材等の搭載の点では98J―11が若干余積が多いのでありますが、F104Cは余剰推力がきわめて大きいので、性能向上の余地が十分あると判断されました。
 七 わが国の実情としては、多くの機種を保持し得ないので、要撃機として十分な性能を持つと同時に、偵察地上戦闘協力等多目的に供し得ることが望ましいのでありますが、偵察の場合は行動半径と速力が重要な要素であり、偵察のための行動半径ではF106、98J―11、F104の順であり、速力ではF104、F106、98J―11の順となっております。
 地上戦闘協力の場合、低高度における一般操縦性は98J―11がすぐれておりますが、射撃時における操縦性ではF104Cが98J―11よりまさっており、F106は両者の中間に位しております。
 八 安全性の点につきましては、F102はすでに安定しており、同系統のF106も安全性に富んでおり、98J―11も同様であり、N156Fは双発であるので、この点については他機種に比べ安全性が多いと考えられます。
 F104は、従来操縦性に問題があったのでありますが、実際に操縦してみて何らの不安がなく、通常の着陸の場合、着速は98J―11及びN156Fに比べ大でありますが、F102及びF106とほぼ同様であり、バウンダリー・レヤ・コントロールの作動によって操縦性が良好に保たれ、他の機種に比しさして困難ではないのであります。エンジン停止の場合の沈下率はF104が最大でありますが、その構造上、空中始動は最も簡単で確実性が大であり、必要な措置の判断がなしやすく、着陸操作は他の機種に比べ特に困難でないことが判明いたしました。
 従来F104Aは事故が多いといわれていたのでありますが、その後エンジンはJ79―GE―7に換装せられ、氷結防止装置等の改修が行なわれ、エンジン自体の事故が大幅に減少しているのみならず、さらに下方射出座席が上方に改められる等の措置がとられており、安全性が増大しているものと認められました。
 九 生産の準備期間は、正式に採用せられて生産中の機種ほど短く、この点F106、F104が有利であり、実験の終了していないN156Fは不利であります。
 十 経済性の点を考えると、航空機本体ではN156Fが最も低廉であると考えられます。
 十一 整備補給の難易からいたしますれば、F104は米空軍の制式機であり、西独及びカナダで採用することに決定しておりますので、容易と考えられ、F106、N156、98J―11がこれに次ぐものと思われます。
 十二 教育訓練の点につきましては、今回の調査により、いずれの機種も複座機を必要とするものであると判断されました。この点複座機のできていない98J―11は最も不利であります。
 以上のように、源田調査団が米国において実機につきみずから操縦し、試験し、その武器体系上の適合性等について調査した結果、要撃性能にすぐれ、余剰推力大で、将来性及び長期使用の可能性が多く、機内外の諸装備がよく整備され、最も早く実用に供し得る見込みがあり、各種の要求性能をほぼ満足する米軍の現用するF104Cを日本向けに改造する型を、航空自衛隊の次期戦闘機として採用することが承認された次第でございます。
#4
○福田委員長 防衛庁長官は参議院予算委員会に出席しなければならないとのことでありますので、質疑は次会に譲ることといたします。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午前十時二十六分散
ソース: 国立国会図書館
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