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#1
第033回国会 内閣委員会 第6号
昭和三十四年十一月二十四日(火曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 福田  一君
   理事 高橋 禎一君 理事 高橋  等君
   理事 辻  寛一君 理事 飛鳥田一雄君
   理事 受田 新吉君 理事 木原津與志君
      内海 安吉君    始関 伊平君
      橋本 正之君    山口 好一君
     茜ケ久保重光君    石橋 政嗣君
      中原 健次君    原   彪君
      柳田 秀一君    内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 赤城 宗徳君
 出席政府委員
        国防会議事務局
        長       廣岡 謙二君
        防衛庁参事官
        (長官官房長) 門叶 宗雄君
        防衛庁参事官
        (防衛局長)  加藤 陽三君
        防衛庁参事官
        (装備局長)  塚本 敏夫君
 委員外の出席者
        空     将
        (航空幕僚監部
        幕僚長)    源田  實君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の防衛に関する件
     ――――◇―――――
#2
○福田委員長 これより会議を開きます。
 国の防衛に関する件について調査を進めます。
 なお防衛長官並びに源田空幕長は、参議院予算委員会から出席を要求されておりますので、質疑を約二十分程度にとどめていただきたいと存じます。
 この際防衛局長より発言を求められておりますので、これを許します。加藤防衛局長。
#3
○加藤政府委員 前回の委員会におきまして、私の答弁が十分でなかったように思いますので、この際これを補足させていただきたいと思います。
 問題は、次期戦闘機三百機を二百機に変えたことについてでございます。御承知のごとく国防会議におきましては、航空自衛隊の整備目標としては、約千二百機ということをきめておるわけでございます。この整備目標を達成するために、防衛庁におきまして種々の業務計画を作りまして、飛行機につきましては昭和三十七年度末までに所要の機数をそろえたいということで検討を進めておるのでございます。その検討の段階におきまして、この委員会におきまして御説明したかと思いますが、戦闘機隊二十七隊というものを考えておったのであります。その二十七隊の戦闘機隊のうちの九戦闘機隊を次期戦闘機をもって充てたいということで、当初三百機をこれに充てたいという考えでおったのでございます。しかしながらその後飛行場の問題等も進みません。航空自衛隊全般として整備の進捗状況が予想の通り参らないのでございます。そこで当初三百機と考えておりましたものを、防衛庁の段階におきまして、これは二百機にした方がよいのではないかという意見が出まして、昨年来検討しておったのでございます。ほぼ源田調査団長が参られます前の段階におきましては、これは三百機ということに考えておったのでございます。国防会議で三百機ということをきめたということはございません。防衛庁の段階における案でございます。その間の事情につきまして、源田空幕長は前回の委員会におきましても御説明がありましたごとく、航空幕僚長になられましてすぐに調査団長として渡米せられましたので、その間の事情につきまして正式には御存じなかった事情があったように思うのでございます。以上補足して答弁しておきます。
#4
○福田委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。飛鳥田一雄君。
#5
○飛鳥田委員 今の加藤局長の御説明を聞きましても、昨年来検討をして大体三百機ということはきまっておった、こういうお話です。ところがすでにきまっておるものを、現実には源田さんは御存じにならずに出発をせられた。それだけではなしに、現に十一月六日のこの委員会において、赤城さんはこう答えているわけです。「これも源田調査団の報告を聞きませんと、機数がどれくらい空幕として必要なのかということはまだ聞いておりませんからわかりませんが、」――源田報告を聞いてから機数を決定する、一切を源田さんの報告にゆだねる、こういうふうにはっきり答弁をせられておる。ところがその調査をゆだねられた源田さんの方としては二百機、こういうことをはっきりと聞かされて出かけていった、こういうことにならざるを得ないわけです。今加藤さんの御説明を伺っても、その問題は一つも解けていない。一体どっちがほんとうなんだ、こう私たちは再び疑わざるを得ない状況です。源田さんが二百機、こういうことをはっきり聞いて、三百機ということは知らずに出かけていった。一方で赤城さんは源田報告を聞いてからでなければ機数はきめられない、こんなとぼけたことを一言っているわけです。一体どっちがほんとうなんですか。
#6
○赤城国務大臣 先ほど防衛局長から申し上げましたように、三百機を大体二百機程度に変更しようということで進めてきておったわけでございます。そこでおおむね二百機ということでありました。ですから私が源田調査団の報告によりませんと空幕としてほんとうに必要な数というものはわからぬということを申し上げておったのでありますが、大体二百機、こういうふうに押えておるのであります。でありますから、源田調査団が帰ってきてから機数はどれくらい必要とするかということを私が聞いたときにも、機数は二百機、ほかに訓練機二十一機、こういう報告であったのであります。しかし防衛庁といたしましては、やはり戦闘機そのものは百八十機、訓練機二十機、こういうことにいたそうということで、これを国防会議に持ち込んだのであります。でありますから、機数がはっきり決定したということは、国防会議におきまして機種を選定したときに初めて機数が決定した。その前におきましては、防衛庁におきましておおむねその見当において進めておった、確定的なものではありませんが、二百機ということを目標にして進めてきた、こういう状況でございます。
#7
○飛鳥田委員 防衛庁の内部で何機くらいがいいだろうということを御相談になることは、少しも差しつかえありません。だがしかし現に源田さんを出してやるときには、二百機ということをはっきりあなたが御指示になって、そして源田さんはそれを承りかしこみて出かけていかれた、この前そういうふうに答弁をせられたわけです。あなたは源田さんに二百機ということを指示して調査団を出しておやりになったのかどうか。
#8
○赤城国務大臣 特に二百機という指示はいたしません。おおむね二百機程度、こういうことですから、先ほど申し上げましたように、ですから源田報告でも二百機プラス訓練機二十一機、こういう報告も受けたような次第でございます。おおむね二百機を予定しているということだけは話しておいたわけでございます。
#9
○飛鳥田委員 源田さんに伺いますが、あなたは御出発になられたときに二百機という、おおむねか二百機か、その言葉は別としまして、二百機という指示を受けてお出になったわけですか。
#10
○源田説明員 調査団長としての私がもらった長官よりの指示には、二百機という機数のことはありません。私はこのFXの空幕並びに防衛庁内において研究せられておる機数、その基礎を二百機と承っておりました。従って調査団の調査の指示というものは、この二百機という数字は含んでおりません。
#11
○飛鳥田委員 そこで伺いますが、先ほど加藤さんは千三百機、こういうことを国防会議できめたのだ、こういうふうに言われて、FXを三百機ということは国防会議の決定であるとは言えないというような説明をなすっているわけですが、国防会議はごく概括的にヘリコプターもセスナもみんなまぜて千三百機、こんな形でおきめになっているのですか。千三百機という機数をおきめになる基礎は、当然FXを三百機、P2Vを何機、こういうことをきちっと計算して、千三百機なら千三百機ということをきめたのであって、千三百機とおきめになった以上は、そのうちのFXが三百機ということそれ自身国防会議の決定だと私は言わなければならないと思うのですが、千三百機の範囲内で、千三百機を全部セスナにしてしまうか。ヘリコプターにしてしまうか。こういうことは防衛庁にまかせられておるのですか。
#12
○加藤政府委員 約千三百機の御決定をいただきます場合におきましては、防衛庁といたしましては一応防衛庁の見積りの御説明はしておると思います。私の聞いておる範囲では、これは私就任前でございますが、二十七戦闘機隊のうちの九戦闘機隊を次期戦闘機、あと十八戦闘機隊をF86F及びF86Dをもって編成をするという概略の構想のように説明をしたように思います。そこで概略の数字として千三百機ということを御決定いただいたのでございまして、その内容は一々国防会議の御決定をいただいておりません。おきめになる前提としてある程度のことは御説明をしておると思います。
#13
○飛鳥田委員 そういうあいまいな国防会議のきめ方を一体するものかどうか。千三百機の中で何をどのくらい、これはどのくらいということは非常に重要なことじゃないか。千三百機を全部ヘリコプターにしてしまっていいなどということを国防会議が考えるはずはない。当然国防会議は日本の防衛ということを考え、その防衛の体制を考え、そうして千三百機をきめた。従って当然千三百機のうちFXが三百台である、何が何台であるということが想定されて、それ自身が国防会議の決定であると私は考えなければならないと思うのですが、この点について国防会議の一員である赤城さん、どうお考えになるでしょうか。千三百機ならば何を千三百機そろえても、飛べる飛行機さえそろえればそれでよろしい、こういうことですか。
#14
○赤城国務大臣 それは千三百機どういう飛行機でもいい、こういうわけではもちろんないはずです。お話のように約千三百機をきめるにあたりましては、その内容といたしまして次期戦闘機の戦闘部隊を二十七隊作る、そのうち九隊を次期戦闘機隊にする、こういう前提のもとに約千三百機のうちに三百機を次期戦闘機をそろえる、こういうことでありましたから、そういうことを含めて千三百機ということの決定を見た、こういうように承知しております。ただ念のために申し上げますが、国防会議は国防の大綱をきめることでありますので、それにきまったものをまた私どもは年次計画を立てて、その中において少しく変更されるものもありますし、またその上に予算の関係もありますから、その年次々々において国防会議に決定された通りには参らぬという事情は御了承願えると思いますが、国防会議におきましては、約千三百機をきめるにつきましては今もお話し申し上げましたように、次期戦闘機三百機というものを含めての意味で千三百機をきめた、こういうふうに了解しております。
#15
○飛鳥田委員 そこで三百機というものを含めた国防会議の決定である、こういうお話ですか、この三百機は国防の基本的な態度に関する重要な三百機である、こう私たちは了解します。二十七隊のうち三百機FXを持つか、あるいは二百機持つかということは、防衛の体制を変えていくはずです。そうした重要な一番最重点に当たるものを三百機から二百機に減殺してしまう、こういうことは非常に大きな体制の変化をもたらすものだ。さまつなものについて、千三百機のうちのセスナ一台について、あるいはLM型一台についてどう変えるかということは、全体を動かす力にはなりませんが、しかし三百機を二百機にするということは、防衛の体制全体を動かすものであることは疑いないものであるわけです。そういう重要な点、国防会議の決定の生命ともいうべき点について、勝手に論議をし、国防会議の決定を経ずして、源田さんに対して二百機ではなく二百機ということで調査に出ていってもらうなどということが、国防会議軽視、あるいは国防会議をくつがえしていく既成事実を積み重ねる行為になるかならないか。当然私たちには、防衛庁が内部的に国防会議の決定をくつがえしていくための既成事実を積み重ねている、こういうふうに思われるわけですが、この点どうでしょうか。
#16
○赤城国務大臣 防衛庁は国防会議の決定を内部的にくつがえそうということは考えておりません。ただ国防会議において出します原案といいますか、そういう原案はやはり防衛庁の方において慎重検討していかなければならぬ、そういう責任があると思います。ですから、決して二百機にするということは、漫然と二百機にするというようなことを考えたのではありませんで、御承知かと思いますが、次期防衛計画というようなものともにらみ合わせ、またこの進捗程度のおくれた点等ともにらみ合わせ、次の計画とにらみ合わせてこういうことをきめていきたい、こういうことで作業を進めていったわけであります。ですから、源田調査団に対して二百機を目標にするということは調査ということの指示には入っておりません。大体そういう考えを話しただけであります。でありますから、正式に二百機というふうにきめたのは、国防会議においておのずから変更された、こういうふうに私どもは了解しておるので、国防会議の決定を勝手に変更しよう、こういう意図を持って進めてきたことではございません。
#17
○飛鳥田委員 そういたしますと、十一月六日にあなたが受田委員に対してお答えになった言葉は、全面的にお取り消しになるのか、こういう伺い方をしなければならなくなってくるわけです。一ぺん読んでみましょう。「御承知のように当初は三百機ということでございました。その後私もときどき御答弁申し上げたように二百機というふうに考えておるのですが、これも源田調査団の報告を聞きませんと、機数がどれくらい空幕として必要なのかということはまだ聞いておりませんからわかりませんが、私といたしましては今までのようなことで機数を減らしていきたい、こういう考えを持っております。」すなわちあなたは、源田調査団の答申を聞いてみなければこの問題は決定できない、こういうふうに言っておられる。ところが現実にはもう源田さんが出かける前にそのことはさまっておったというお話です。ずいぶん受田委員に対するばかにしたような答弁だと思うのですが、どっちか矛盾するこの二つのうちの一つをお取り消しになることが必要だろう、こう私は思うのですが、いかがでしょうか。
#18
○赤城国務大臣 別に取り消す必要もなかろうかと私は思っております。三百機を二百機にしていくという進め方をしておったのであります。同時に、その進め方の最終の決定は国防会議できめるのでありますが、防衛庁としては原案を出さなければなりません。そこで実際にアメリカで操縦したりなんかして、空幕として正確にどれくらい日本の防空体制上必要かということは、なお現実に見てきた者の報告を聞く必要がある、こう考えておったので、その通りのことを申し上げたのであります。その後の経過につきましては先ほど申し上げた通りに空幕長は二百機、訓練に二十一機が実際上は必要だというような話でありますが、私はそれはやはり百八十機プラス訓練機二十機、こういうことで国防会議に出す方が諸般の事情からいって適当である。それで防空上やっていけるかどうかということを聞きましたら、それでもまず間に合うといいますか、やっていける、こういうことでありますので、原案をそういう案で国防会議に出したのでありまするから、国防会議が最終決定いたしたのでありますが、その前には二百機を目標として進めてきたのでありまするし、別にその点が矛盾を私は感じておりません。
#19
○飛鳥田委員 三百機を二百機にするということが、非常に大きな防衛方針の変更になるであろうという事実についてはいかがでしょうか。
#20
○赤城国務大臣 それだけでは相当空の防衛に問題があると思います。しかし申し上げましたように、第二次計画ともにらみ合わせまして、その転換といいますか、体制を別の方面で整えていこう、こういうことでありますので、これは総合的に考えてきめらるべきもので、そのことだけで云々されましても、ちょっとそのことだけでは欠陥がありますので、ほかに欠陥を満たす方法を考え、総合的に防空体制を整えていく、こういう考え方で進めているわけであります。
#21
○飛鳥田委員 そうすると三百機から二日機に減縮する、そのことは当然第二次の構想によって補われなければならないし、他の総合的な防衛の手段によってこれは補われていくのだ、こういうようなお話ですが、それではその第二次、そして総合的なと言っておさしになるものは一体何なのか。私たちは三百機を二百機に減縮した、それは当然ナイキその他のミサイルによって補うものだ、こういうふうに防衛庁の方針を伺ったように思うのでありますが、この点どうでしょう。
#22
○赤城国務大臣 お話の通りに有人機だけでなく、空に対する地対空のミサイル、こういうものを導入して、そういうものと一緒に空を防衛する、こういう考え方で考えたわけなのでございます。
#23
○飛鳥田委員 そういう場合に導入を考えておられるものはナイキですか。それともそれ以外のものですか。
#24
○赤城国務大臣 これもまだ国防会議にかけたこともないので最終的ではありませんが、ナイキ・アジャックスを今考えておるのでございます。
#25
○飛鳥田委員 そこで根本的な疑問にぶっつかるのです。ナイキ・アジャックスあるいはその他のミサイル兵器について、その必要はあなた方が十分お考えになっている。もしそうだとすれば、この日本の地理的な形態から考えてみて、有人機というものがどんなに優秀であろうとも、一体役に立つものなのだろうか、こういうことを伺ってみないわけにいかなくなって参ります。マッハ二に近い速力で日本に入ってくる。こういう爆撃機を考えてみた場合に、一体日本のレーダーはどのくらいききますか。今ある二十四のレーダーの距離というのは二百四十キロくらいなはずです。もしそうだとすれば、二百四十キロのところでこれを捕捉したとしても、ロッキードであろうとグラマンであろうと、いずれにしても間に合わないことは明らかではないだろうか、こう私たちは思います。現に非常に優秀な飛行機を、たくさん持っているアメリカといえども、レーダー網をどのくらい前へ出していくかということが、非常に重要な問題になっている。少し古うございますが、カナダとアメリカとの間にパインツリー・ラインを引き、カナダの中にミッドカナダ・ラインを引き、そしてアラスカの方にはDEWラインを引いて、太平洋上及び大西洋上には軍艦を出し、あるいは船を出してレーダーを海の先の方に進めていく、そしていかに早く敵の爆撃機をとらえるかということに苦心しているわけです。それでもなおかつ爆撃機を防ぎ得ないのではないか、こういう考え方をアメリカの軍人さんもしているはずです。またイギリスの場合を見ましても、イギリスではイギリスという地理的な形態の中で有人機では不可能だ、こういうことで飛行機生産をたしかやめているはずです。一九五七年四月に出たイギリスの国防白書によっても、「国防の重点を通常兵器から原水爆、誘導弾に転換していく。」こういうことを今から二年前にはっきり言っているわけです。しかしイギリスはまだ日本に比べればずっといいわけです。と申しますのは、ソ連というものを対象に考えるならば、レーダー基地を前に進められるからです。フランスにでもあるいはベルギーにでも、西ドイツにでも進められる。従って爆撃機を早く捕捉することは可能になります。ところが日本のレーダー基地は、一体どのくらい前へ進められるのですか。さっきから赤城さんは、武器は総合的に理解しなければならぬという言い方をなすっていらっしゃいますが、ロッキードだけ買ってきて、なるほどそれは速い。だがしかしこれと結びつくレーダー網、あるいは早期発見装置等と考え合わさないで事を論ずることは、ただ子供がおもちゃの刀をもらって喜んでいるのと同じ結果に終わるのじゃないだろうか、こう私たちは思うわけです。二百四十キロのレーダー基地は、中国の沿岸あるいは沿海州の沿岸くらいしか届かないはずです。
 最近「文芸春秋」で読んだのですが、西ドイツでは、飛行機は一ぺん飛び上がると後方に下がる。後方へ下がってから要撃する体制を整えるのだという話を聞きました。なるほど西ドイツも日本と同じような条件に置かれています。こういう状況を考えてみて、この前も私は内閣委員会でBAGEシステムでいくのか、SAGEシステムでいくのか、こういういわゆるレーダー網早期警戒、早期発見網の組織というものをどうするのだといって伺ったら、大した御返事はなかったわけです。これと即応しないで一体ロッキードをきめる、グラマンをきめるなどということは、私たちしろうとが考えてみても無謀のような感じがするわけですが、一体日本の地理的な条件の中で、マッハ二のようなスピードでしかも三十分も時間を続けて飛べる爆撃機、こういうものを考えてみて、ロッキードだけ持っていれば、グラマンだけ持っていればそれで日本が守れるなどとおっしゃるのかどうか。有人機無用論という意味ではありませんが、少くとも有人機というものに対して非常な懐疑を持たざるを得ないというのが、今の日本の国民の相当の部分じゃないだろうか、こう私たちは思うわけです。この点について赤城さんと源田さんとお二方からはっきりしたお話を伺いたいと思います。
#26
○赤城国務大臣 もちろん次期戦闘機を決定するにあたりましては、レーダー関係との関連を基礎としてきめておることも事実でございます。あるいはまた地上等で偵察する、こういう多用途の関係から次期戦闘機を一つのものに選んでおるのでありまして、そういう点におきまして、戦術的にも有人戦闘機が必要である、こういう基礎の上に立って決定をいたしておるわけであります。またお話のように有人戦闘機だけでは防空の目的が十分でないというようなことでありますので、そのほかのことも、地対空等のミサイル、こういう点も考えてきているわけでございます。先ほどから申し上げましたように、ただ漫然とほしいからということでなくて、やはり防空の目的を達する一つの有力なものとして次期戦闘機を選んでおる。これもレーダー装置等との関連において選定した、こういうことと御了承願いたいと思います。
#27
○源田説明員 レーダーのレンジにつきましては、これは目標の高度によりまして、また当時の天象また地象にもよりまして差異がございます。従いましてただいまお話のありました二百四十キロという数字が、どこから出ましたか存じませんが、これは二百四十キロという数字で一律に押えることはできないと思います。従いましてこれより長い距離でつかむ場合もあるし、また非常に低空ならばこれより低い距離でつかむ場合もあります。一方飛行機の方は現在の一般的なジェット機は、その最高速力を出し得る高度というものは大体三万五千フィートから四万フィート付近、ターボジェットを使う以上、大体その付近に落ちつくと思います。従いましてこれより低い高度におきましては、その最高速力はなかなか出ないのであります。またこれよりうんと高くなりますと、また同じく速力は減って参ります。従いまして戦闘機の性能というものも、これに見合いまして計画する必要もあり、その用法もこれに見合って立案する必要があります。今の日本の地理的情勢におきまして、われわれの一応目標とします戦術、ちょっと触れました爆撃機の性能に対しましては、F104において大体この付近の高度あるいはこれ以上の高度、また非常な低空は別問題としまして、中高度についてはこれを要撃可能なように考えております。
 また誘導弾と有人機との観点でございますが、誘導弾というのは必ずしも地上からのみ撃つのでなくて、飛行機からでも船からでも全部撃てます。そして私はこれの把握の仕方を、誘導弾に移るということは全般的に必然でありまして、世界の情勢が誘導弾にだんだん移りつつある。この誘導弾というものは有人機と対照すべき性質のものでなくて、昔の考えで申しますと、弓から放れた矢とか、大砲から撃たれた飛んでいく弾丸とか、こういうものに対照すべきものだと思います。従いまして有人機と地対空の誘導弾、あるいは飛行機から発射する誘導弾と地対空誘導弾とのかね合わせをどういう工合に持っていくべきかということは、これは十分研究しまして慎重に取りかかるべき性質のものだと思います。もし急激なる変化をやる場合には、そこに大きな防衛上の欠陥を生ずるだろうと思います。従いましてこの欠陥を生じないためには、特にその変化の状況を逐次変えていくのでありますが、その変え方にきわめて慎重さを要すると思います。
 また有人機は地対空の誘導弾のように一カ所に固定して、また位置を変えることができないというようなものでなくて、基地さえあれば随時どの基地にでも行って、これが用に供することができるのであります。従いましてその使用し得る範囲がきわめて広くなって参ります。また平時におきまして、今北海道で実施しておりますようないわゆる領空侵犯措置、ロストとして飛行機を誘導するとか、あるいは日本の領空に間違って入ってきた飛行機とか、いろいろな飛行機に対してしかるべき誘導をするとかいうような場合に、有人機でなければならない仕事もございます。このF104の性能は、今のところ現在のナイキ・アジャックス等に比べまして、その最高速力というものはあまり大きな差はございません。従いまして飛行機によってやる防空というものについては、私はここ当分の間相当大きな期待を寄せることができる、こう考えております。
#28
○飛鳥田委員 なお疑問が出てくるわけです。今あなたは誘導弾に移る大勢にあることは否定できない、こういうお話でしたし、将来そうなるべきだろう、こういうお話のようであったと思います。ところがあなたの今度調査してこられたロッキードは、最後が昭和四十年にならなければ出てこないものでしょう。そういたしますと、今から相当な年数を要するわけです。世界の武器の発達というものはどんどん進んで、もうここ一年、二年などと軽く言えない状況にあるわけです。そのころになって、昭和四十年になってようやくでき上ってくる有人機、こういう点を考えて参りますと、むしろ今から誘導弾の問題を真剣に考えられる方が正しいのじゃないか、こういう気持が私たちはしてくるわけです。あなたはもうじきに御停年になります。あなたが停年になられたあとで、このロッキードはでき上がってくるわけです。そのときになってロッキードは使いものになりませんでした、こういうようなことであったら、あなたは一体そういう報道をどういう気持でお聞きになるだろうか、個人的なことではありますが、こう考えてみないわけにいかないわけです。今から誘導弾の問題を真剣に考えられることの方が、少くとも世界の兵器の水準に合った考え方じゃないだろうか、こう思うわけです。先ほどあなたは、誘導弾は移動性がない、飛行機は移動性がある、こういうお話でしたが、とんでもない、誘導弾だって移動性があるわけです。軍艦に載せている誘導弾もありますし、基地を変えることだってそんなにむずかしいわけではありません。決して移動性云々ということが、今誘導弾を否定すべき、あるいは有人機の存在を肯定すべき理論的な根拠にはならないだろう、こう私は思うわけです。あなたは先ほど飛行機から撃ち放して相手の飛行機を撃つ空対空の武器、そういうものも考えなければならぬ、こういうお話でしたが、それを聞いておりましてなお感じるわけです。たとえばあなたがこのロッキードに載せようと考えておられるサイドワインダーは、全天候性がないはずです。赤外線を追尾する方式のものでありまして、お天気のときでなければそういい性能を発揮できないものだいうふうに私たちは伺っています。全天候性のないサイドワインダーを載せて、それでいながら飛行機から撃つ場合もあり得るのだ、こういうお話ではほんとうに矛盾を感じないわけにいかないわけなんですが、一体あなたはほんとうに日本の兵術家として、有人機は絶対必要であって、今から数年先の昭和四十年に至ってもなおかつこれは日本のために役立つものだと断定できるものかどうか。先ほどのお話にちょっと戻りますが、日本という地理的な状態をもっともっと頭に入れていただく必要があるのじゃないだろうか。八百億などというお金は大へんなお金です。この大へんなお金を今、先に行って役に立つか立たないかわからないものに投じようとしている国民の気持というものを、もっと真剣に考えていただかなければならぬだろう、こう考えるわけです。いかがでしょうか。
#29
○源田説明員 飛行機が最初に採用されましてから、これが一応第一線の用途に立つという期間は、第二次世界戦争時代において、戦闘機において約五年、爆撃機において約八年というのが一般の標準でございました。しかしながらその後逐次飛行機は進歩して、その期間は若干延びておるように思います。現にF86Fのごときは、今その性能においてはこういう新しい飛行機に比べて若干低下しておりますが、これは今でもある程度役に立ちます。従ってF104が昭和四十年ごろに全然役に立たないようなものになるとは考えておりません。
#30
○飛鳥田委員 もうこの問題はおそらく水かけ論でしょう。しかし日本の国防を行なうと称せられる国防会議が、この点についてもっと慎重な考慮をせられることを私たちは国民の名において要求してよろしいのじゃないか、かように考えておるわけであります。十分真剣に検討していただきたい。もちろん私たちはそういう一切の御討議を通じて、やがて武器による国防というものがナンセンスだという結論に皆さん方が到達せられるであろうことを信じます。
 そこで源田さんに伺いたいと思いますが、ロッキードの優秀性を非常に強調せられて帰ってこられたわけですが、まず私たち疑問に思いますことは、このF104Cについて脱出装置を上方につける、あるいはナサールを積み込む、こういうことを主張しておられますが、一体上方脱出装置に切りかえることがそう簡単に可能なのであるか。あるいはナサールを全天候性に出力を増大して、重量を多くしてロッキードの中に積み込んで、そしてロッキードの性能が変わらないものかどうか。そういう点についてあなたは一体どの程度お調べになったのか。あるいはビフテキは食ってみなければわからぬ、こうおっしゃったそうですが、現実にそういう改造型に乗って試験をせられたのかどうか、こういうことを伺いたいと思います。
#31
○源田説明員 脱出装置を上方に変えることは現在米空軍において実施中でございまして、これはそんなに大きな経費を食うものとは考えません。実験はそれは空中でやることはできないので、米空軍においては地上において実験を終わっております。またナサールを全天候性に改造する、こういうお話でございましたが、現在ナサールそのものがすでに全天候性であります。と申しますのは、ナサールの現在のものでレーダー・フォーミングのミサイルを撃つことは、これに若干の改修を加えなければできませんけれども、しかしながらこれによっていわゆるマイティ・マウスという二・七五インチのロケットを雲中において発射することは可能であります。従って現在F86Dが全天候性というがごとく、このF104Cもナサールを積んだ場合にこれは全天候性を持つものとはっきり申し上げることができると思います。
 またこのナサールを積んだ飛行機に乗ったか、あるいは上方射出の飛行機に乗ったかという御質問でございますが、上方射出の飛行機には乗っておりません。これは射出してみることは、実験で人間が空中から飛び出すわけにいきませんので、私はその実験はやっておりません。しかしながらこれは地上実験から推して、上方射出のものが操縦士その他に支障があるとは全然考えません、またナサールを積んだ飛行機に乗ったかというお話でございますが、これは現在のF104Cというのはナサールは積んでおりません。従ってナサールを積んだF104Cには乗っておりませんが、しかしナサールそのものの器材は地上及びノース・アメリカンの飛行機に、これは輸送機でありますが、積んでその上でノースアメリカンの人がデモンストレーションをし、またわれわれもこれを操作しております。そうしてこのナサールの性能を確かめております。従いましてこれをF104Cに積んだ場合には、これは今までの経験からして十分役に立つものであることをわれわれは考えております。
#32
○飛鳥田委員 私はナサールだけを試験してみる、あるいは上方脱出装置だけを試験してみるということをやったかどうかということを伺っているわけではないわけです。ロッキードは非常に尾翼が高くて、上方脱出装置をつけようといたしましても、基本的な設計を変えずにはなかなか困難ではないかという疑問が、非常に強く世間に流布をせられておりますから私は申し上げておるのであって、現実に今アメリカで地上において上方脱出装置の試験を見た、こうおっしゃるのですが、それはF104Cの上方脱出装置が地上で行なわれるのをごらんになったのですか、それとも他の機種についておる上方脱出装置が行なわれるのを地上でごらんになったのか、こういうことにならざるを得ないと思います。一体尾翼が高いこのロッキードに対して、基本的な設計を変えずして上方脱出装置をつけられるものかどうか、これが第一。そしてごらんになった上方脱出装置の実験は、F104Cについておる上方脱出装置の試験であったかどうか。それから第三には、ナサールという問題について全天候性というお話でしたが、ナサールは空対空においては全天候性ではない、地上攻撃の場合には全天候性だという意見もありますから、この点について伺うわけです。同時にナサールを装備する場合に、八十キロワットから二百五十キロワットに増力をしたものを載せる、こういうふうに伺っておりますから、こうなりますと非常に重量も重くなるはずですし、さらには電子計算部門も増大してくるはずであります。そういう場合に、ロッキードのような極端に切り詰められている機体の中でそういう重いもの、そしてかさばってくるもの、こういうものを載せて、ロッキードの現にある性能をそこなわずに済むものかどうか、こういう点が次の疑問になってきます。同時にまたそういう形で重いものを載せてくれば滑走距離も長くなる、こういう点が次の問題になります。滑走距離はばかに少なくて済むような御説明がこの間防衛庁長官からありました。しかしこういうふうに改造型にしてしまえばまた滑走距離が長くなるのではないか、こういうような疑問を含めて、あなたは現実に改造型にお乗りになったのですかと伺ったわけです。今私が申し上げたようなことを一つ順にあなたの御意見を伺わしていただきたいと思います。
#33
○源田説明員 エジェクション・シートは、これは104のあの高い尾翼を対象として、これが変わり得るように計画されたエジェクション・シートであります。従いましてこのエジェクシヨン・シートをつければ、あの尾翼が変わることは確実だと考えます。またナサールが空対空で全天候でなくて、空対地が全天候であるというようなお話でありますが、これは先ほど申し上げました通りに、空対空においてもロケットを発射する限り全天候性であります。またナサールが全天候性とか、いろいろなこういう重いものを積んだならば、その離陸滑走距離とか性能が下がるであろうというお話でありますが、このナサールは今度評価いたしましたファイヤ・コントロール・システムの中で最も軽量なものであります。またその重量も大きなものでありません。また104の中に入れるということについては、十分検討した上でそれは可能であり、また現にドイツはそれで進めております。従ってただいま御質問になりましたような懸念、またこれによって性能が大きく変化するということはないものと考えます。
#34
○飛鳥田委員 それはあなたがお考えになった、こういうことですか。それとも今のような点についてロッキード会社、その他の設計をせられた技師との打ち合わせの上の御議論ですか。と申しますのは、どの飛行機でも大体上方脱出装置が通常のように、私たちはしろうとですが聞いております。まあ下方脱出装置よりも上方脱出装置の方が望ましい。にもかかわらず、ロッキードは特にそれを機体設計の上から下方脱出装置にせざるを得なかったわけです。ところがそういう脱出装置を変えるには非常に基本的なものを持っているわけですが、あなたがそれができるというお考えをせられる以上、当然会社の設計者と十分お打ち合わせになった上でなければならぬ。ナサールについても私は同様だと思うのですが、そういう点について十分お確かめになったのですか。
#35
○源田説明員 その点については会社及び米空軍から十分な説明を聞き、こちらからも質問し、こちらの納得のいくような説明を受けております。
#36
○飛鳥田委員 それでは最後に、この飛行機の故障率をお調べになったかどうか。そして各部品の耐用年数などというものもお調べになっていらしたかどうか。これは先々故障の起きましたようなときに部品その他を購入しなければなりませんし、経費の問題について非常に大きな影響を持つだろう。一般に部品は二〇%から二五%くらい修理部品を買わなければならぬ、こういうお話でありますが、耐用年数あるいは部品の故障等について、十分お調べになっていらした上での御結論かどうかを伺いたいと思います。
#37
○源田説明員 これにつきましては、104の米空軍における今までの使用の実績について調査して参りました。私は今数字的なことを覚えておりませんし、ここで申し上上げるわけには参りませんが、これは調査して参りました。
#38
○飛鳥田委員 そこで長官にお聞きしたいと思いますが、先般バギオにおいてアジアにおける反共諸国家の軍事秘密会議が行なわれた、こういうような報道がありました。現に調べてみますと、日本でも十一月十一日から二十日までの間、林統幕議長と頼富美夫空将が公用出張でバギオに行っておられる。こういうことが私たちにわかって参りました。さらにバギオにおいてはアメリカのフェルト大将の招集によって、アジアにおける各国の将軍が集まってこられた。その中には台湾の彭陸軍総司令以下の国府陸軍代表団、フィリピンの参謀総長、こういう方々も参加せられ、故意か偶然かわかりませんが、東南アジア条約機構、すなわちSEATOのポツト・サラシン事務総長が同時にやってこられた、こういうお話であります。しかもそれだけでなしに、フィリピン沖における米国の軍事演習に参加をせられたこれらの人々は、さらに航空母艦二隻に便乗して沖縄にやってき、また沖縄でナイキ、ハーキュリーズの発射実験について参加せられた。同時にまた沖縄からの報道によりますと、林統幕議長は沖縄にやってきて、沖縄で自衛隊がミサイル演習をやることについての打ち合わせをやる予定であるというような報道も送ってこられたのであります。こういう点から見て参りますと、どうも何かSEATO機構だけにあきたらず、アジアにおける反共軍事同盟のようなものを前提にした作戦会議があったのじゃないか、こう疑わざるを得ないわけです。一体何のために十一月十一日から二十日まで、あなたはこのお二人の将軍を公用出張でフィリピンにおやりになったのか、これを伺いたいと思います。
#39
○赤城国務大臣 昨年でしたか、フィリピンの参謀総長が日本に来たことがあります。その返礼というかどうか知りませんが、今回林統幕議長に対しまして、フィリピン参謀総長の招待がありました。そこで出張させることにいたしたのであります。その目的は、フィリピンの軍司令部を訪問いたしまして、昨年フィリピンの参謀総長が来ましたので、その返礼というような形と、フィリピンの軍事施設の視察を行なうということで出張をさしたのであります。次いでフィリピン及び沖縄方面におけるアメリカの軍事施設並びに武器展示、こういうものを視察さしたのであります。新聞に伝えられておりますように、また今御疑念に思っておられますような、西太平洋に新しい軍事組織を作るための計画、またそのための秘密会合というものには全然関知しておりませんし、林統幕議長にも聞きましたが、そういう会合があったことも承知していないし、自分もまた出席しておりません。なお沖縄で自衛隊のナイキ、こういうものの訓練をしたいというような申し出をしたことも全然ない、こういうことでありますので、お疑いのような事実は全然ない、こういうふうに私は承知しております。
#40
○飛鳥田委員 フィリピンの参謀総長の招待で行かれた、そういうことで公用出張を命じた、こういうお話ですが、ところが行ってみると、何ぞはからん、フィリピンの参謀総長ではなく、アメリカのフェルト将軍の主催による会合であった。そしてそこには日本の林さんその他だけではなしに、国府軍の彭総司令とかあるいはその他の国々の将軍がみんな出席をしてきた、こういうことであります。もしそうだとすれば、これは思わざるもはなはだしいものであって、やはり今のような非常にむずかしい段階において、このような会合にひょこひょこ出かけていく、あげくのはてに海軍の演習まで見せてもらって、アメリカの軍艦に送られて沖縄に帰ってくるなどということは、しかも自分だけが帰ってきたのではなくて、ほかの将軍たちもみんな来て、沖縄でまたナイキ・ハーキュリーズの発射実験を見学したというようなことでありますならば、そういう疑いの生じてくるのは当然じゃないだろうか。李下に冠を正さずという言葉がありますが、この微妙な国際情勢の中で、そういうような行為を行なうことははなはだ遺憾である。こういうことについてまであなたはおまかせになって出張をさせたのか、あるいは林さんが向こうで勝手にそういうことをおやりになったのか、この点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
#41
○赤城国務大臣 林統幕議長は出張目的に沿うた行動をしてきた、こういうふうに私は承知しています。でありまするから、目的に反して、秘密会議などは関知しておりませんが、あったのかどうかも知りませんが、そういう会合等には全然出席しておらぬ、こういうことであります。また沖縄でナイキ・ハーキュリーズの実験を見学いたしましたが、これは日本の報道陣等に対しましても招待をされているような事情で、何もひそかにそういうものを見学するということでありませんで、大っぴらに日本の報道陣の招待などもあったようであります。そういう視察もしてきたということであります。でありますので、結論的に申し上げまするならば、統幕議長は出張目的に沿うた行動をしてきた、こういうことに御了解願えればいいと思います。
#42
○飛鳥田委員 では、この国際情勢の微妙なときに、疑われるような行為を行なわれることは、かりに秘密会議に参画せられたかせられないかは別にしましても、遺憾であると言わざるを得ないわけです。この点については今後そのような疑いのないように一つ御注意をいただきたい。
 そこで最後ですが、ロッキードを買う、こういうことでありますが、今ロッキードに搭乗することのできる能力のある飛行士は、日本に一体どのくらいいるものなのかどうか。これもうわさでありますから別にどうこうは言えませんが、現に源田さんと一緒にいらっしゃった四人の調査団のうち二人の方は、自分だけは辛うじて乗ることができたけれども、自分としては反対だというようなことを言っておられたそうです。えりすぐった操縦士でさえ、自分だけは辛うじて乗ることができた、こういうふうに言っておられるそうでありますが、一体日本の航空自衛隊の中で、現在ロッキードを乗りこなせる能力を持っているのはどのくらいいるのか、さらにもし足りないとするならば、今後どのような養成計画を持っておられるのか、これを伺いたいと思います。飛行機はできたけれども、乗る人はいない、こういうことではナンセンスです。
#43
○源田説明員 今度参りましたパイロットのうちの二人が、ようやく乗りこなしたということを言ったというお話でありますが、私はだれがそういうことを言ったか存じません。今度行きましたパイロットはこの104を乗るについて、もちろん新しい飛行機でありまするから、十分慎重にやりました。しかしながらこの飛行機に乗るために、他の飛行機に比べて特に困難であるというような考えは何人も持っていないのであります。むしろあの乗った飛行機のうちで、その手順、操作その他についてはやさしい方である、こういう工合にみな考えております。
 次に、今の自衛隊の中でこの飛行機に乗り得る者がどのくらいおるであろうかというお話でございますが、これは現在の日本のジェット・パイロットの技量は、ある同一の飛行機を与えられて、同一の教育を受けた場合、アメリカのパイロットに比べて何らひけをとるものではありません。アメリカではわずか二百六十時間の操縦経験を持っておる者が、これはジェットでありますが、このF104に入っていきまして十分乗りこなしております。従いまして私は自衛隊のジェット・パイロットのうち、F86Fの浜松の第一航空団及びF86Dの小牧の第三航空団の教程を終えて、それから第一線部隊に勤務しまして約半年くらいたった者ならば、これに約二週間ないし三週間、この期間は若干延びるかもしれませんが、大体二、三週間の地上教育と数回の同乗教育をやることによりまして、この飛行機に乗ることは可能であります。それからなおその飛行機を十分使いこなしていくには、これから約二カ月ないし三カ月たったならば、これがこの飛行機に乗って作戦行動をとれる練度に十分達するものと考えております。
#44
○飛鳥田委員 私の源田さんに対する質問は大体終わります。まだ長官その他の方々に対する質問は残っておりますが、石橋君とかわります。
#45
○福田委員長 石橋政嗣君。
#46
○石橋(政)委員 ただいま飛鳥田委員の質問に対して、四人のパイロットのうちだれがそんなことを言ったのか、すなわちほかの者ならば乗りこなせないじゃないか、だれがそんなことを言ったのかというようなお言葉でございましたが、空幕長自身もかつて、左藤防衛庁長官時代に、長官から相談をされたときにそれに近いようなことを答えたことがあるのじゃないかと思うのです。すなわち多分に冗談を交えておっしゃったとは思いますけれども、自分のような名人ならばロッキードを乗りこなせるけれども、ほかの部下にはとても乗せられない、非常に安全性に疑義があるということを述べた事実があります。それを今になって大丈夫なんだとおっしゃっても、当時のこの言葉から受ける印象というものは完全にぬぐい去られていない。当時の言葉が今の第一線パイロットの不安感をあふっておるとするならば、あなたにも非常に責任があると思う。なぜ当時そのようなお見通しをお持ちになられたのか。おそらくそのロッキードは危険だという点について自信を持っておられたと思う。それでなければ大臣が国会で何度となくあなたのその言葉を引用するはずがありません。私がちょっとめくってみただけでも、二、三ページおきに出て参ります。源田さんがいわゆる名人だ。その名人が自分なら乗れるけれども、部下にはとても乗せられない。それほど危険なんだということを盛んに当時言いふらされたものなんですが、しからば何を根拠に当時はそういうふうに考えておられたのか。そしてまたその言葉が今度は、いや心配いらなかったとおっしゃっても、どうもおかしいぞという不安感をパイロットの人たちに与えておるとすれば、その責任はどうお感じになられるのか、この点を述べていただきたいと思う。
#47
○源田説明員 私がF104を私なら乗れるけれども、ほかの者には乗れないだろうということを申したようにたびたび喧伝せられておるのでありますが、これには誤解があると思います。私はただ一度こういう工合にロッキードの人に言いました。ロッキードの人がお前は一体どの飛行機が一番好きなんだということを私に聞きましたから、そのときに私は、もし私が十分金でもあって自分の自家用機を一つ手に入れたいと思う場合には、非常に性能のいい104Fを選択するであろう。しかしながらある部隊を対象として、たとえば航空自衛隊のような部隊を対象としてものを考える場合は、おのずから考えは別の観点から見なければならない、こういうことを私は申したのでありまして、私なら乗れるけれども、ほかの人なら乗れないなんというような失礼なことは、私はまだ申したことはありません。ただこのF104は安全性において非常に疑問があって、この点について私は当時このF104が最適の飛行機とは考えておりませんでした。この点は事実であります。しかしながらそれこそほんとうに今度乗ってみまして、この飛行機はそんなに考えたほど危険なものじゃない。ほかの飛行機と比べてその危険度においてそんな差はないのだということが、これこそ飛んで初めてわかったものであります。この点については、もし私が航空自衛隊の各パイロットにそういう不安な印象を与えておるとすれば、この点は私が今後努力して、この不安な印象は払拭するように努めます。またこれができると考えます。
#48
○石橋(政)委員 当時長官を初め防衛庁当局あるいは国防会議事務局の皆さん方が口をそろえて言っておったことは、あなたの今の言葉を信ずるならば、結局でたらめだということになるわけですよ。私が今申し上げているのも、これは決算委員会において左藤長官が証人として出席されたときの発言なんですよ。普通の委員会における関係政府委員としての発言よりも、もっと責任を感じなければならない場所で発言しておる。「ある人は自分のような名人なら104Cも乗りこなすけれども、部下に乗らせることについては私としては非常に心配だというような――これは内輪の話でございますが、現場の人たちのことを私たちは考えまして、特に安全性という点に重点を置きまして、この内定の線に私はなるたけ従っていきたい、かように存じております。」金科玉条のように、非常に長い経験を持ったパイロット源田さんがこう言っているのだと言って、ロッキードがいかにも安全性に欠けておるかのごとく主張し、だからグラマンでなくちゃいけないのだと言っておったのが、当時の政府側の一貫した答弁です。あなたのお話なんですが、言ったこともないようなことを当時大臣が言ったのだ、こういうふうにもとれるわけですよ。非常に大へんな問題です。あなたが今からパイロットによく言って聞かせればわかるはずだとおっしゃるけれども、そんななまやさしい問題ですか。もしわかるはずだというならば、政治家どもの言うことはでたらめなんだ、あるいは普通の役人の言うことはでたらめなんだ、おれのような経験の深いものの言うことならパイロットは信じてくれる、こういうことなんですか。そうでもなければどうも理解できないのです。私はこれは非常に大切な問題だと思いますから、まだ今から一つ一つそういう点をお尋ねしたいと思うのですけれども、明らかにあなたはそういうことをおっしゃったことはないわけですか。
#49
○源田説明員 私ははっきり申し上げます。私は、私のようなうまいものならば乗れるが、そうでないものには乗れないということは、こんりんざい申したことはありません。この点は先ほど申し上げたロッキード社の人と私が府中におるとき話した、そのことが間違えて伝られたものと思います。またパイロットが、今後これに不安の念を持っておるとしましたならば、これを払拭するという点につきましては、今度行って実際飛んでみてこうであるということになればこれは上等、各パイロットは了解すると思います。これはどこまでも説明できます。また現在航空自衛隊で、私は自分が名人などとは考えておりません。人も考えていないと思います。従ってある他方面から言えば、私のようにすでに五十五才にもなっておる人が、あの飛行機で比較的楽に飛べるということになれば、若いところのそうそうたる人々は、私よりさらにこれを安全に楽に飛べる、こういう工合にも考えられるかと思います。
#50
○石橋(政)委員 赤城長官もよく聞いておっていただきたいと思うのですけれども、今の源田さんのお話を信用するということになりますと、当時左藤長官は各委員会等におきましてうそを言っておったのだ、こういうふうにも理解できる、非常に大へんな問題だと思うのです。またこれが非常にわかりやすかったのです。それだけにロッキードの危険性、安全性に欠けるという点における、先ほどから申し上げているようにきめ手としてこれが使われてきておったのです。これは事実です。しかしこの点はまたあとでいろいろ御質問することにいたします。
 源田さんに直接お尋ねをしたいと思うのですが、あなたは非常に長い経験と優秀な技術を持っておられます。謙遜しておっしゃっておられますけれども、そういう長い経験と優秀な技術を持っておられる源田さんにお伺いしたいのでございますが、飛行機というのは、その性能は結局乗ってみなければわからぬものなんですか。その点いかがですか。
#51
○源田説明員 飛行機の一般性能、たとえば最高速度であるとか、あるいは上昇力であるとか、離着陸距離であるとか、こういう数字で出るものにつきましては、その実験が正確に信用できるような方法で行なわれておる数字ならば、乗ってみなくてもわかります。しかしながらその飛行機が持っておりますところの操縦性能というようなものは、これは幾ら口で聞いてもほんとうのところはつかみかねます。これこそほんとうに乗ってみなければわからないものであります。
#52
○石橋(政)委員 このグラマン決定の前後におきまして、源田さんもパイロットの一人として、しかも長い経験と優秀な技術を持っておるパイロットとして、内局においても大臣においても非常に敬意を表して相談をされておると思う。この点も決算委員会の証言において、相談していると大臣は言っております。そのときあなたは、どれがいいかと聞かれても、私の経験では乗ってみなければわかりませんということをおっしゃったわけですか。あなたがおっしゃらないとしても、空幕にはやはり経験者もまだたくさんおられると思う。そういう人たちが机上の資料ではわからない、乗ってみなければわからぬというような意見を口をそろえておっしゃったわけですか。もし乗ってみなければわからないものならば、私は当然あなたを先頭にして空幕のそういう経験者たちが、口をそろえて、そんな資料ではどっちがいいかと聞かれたってわかりませんですよ、こういう声が出てこなければうそだと思うのですが、当時は出てきておったのを抑えたのですか、それともそういう声は全然出さなかったのですか、この点いかがですか。
#53
○源田説明員 この相談を受けた場合、私としては、操縦者を含んだ者が実際これに乗ってみて見ることが、その決定の一つの大きな要素であるということはほとんど毎回申しております。ただ私は当時防衛庁内にはおりませんで、外におりまして、それがどういう経過のもとに事後の処置がとられたかは詳細は存じません。しかしながらさっき申し上げたように、数字的性能とそれから米軍から聞くこと、こういうことから類推することである程度の見当はつきそうでありますが、どうしてもわからないところが残ります。これはやはり乗ってみなければわからないのであって、この点は私はそういう工合に申し上げたつもりであります。
#54
○石橋(政)委員 そういたしますと、あなたを先頭にしてそういった経験者の人たちは、乗ってみなければわからぬのだという声を盛んに上げたけれども、大臣以下内局の人たちはそれを押えた、こういうことになると思う。ここにもまた問題が一つ出て参ります。そうしますと、あなたとしては非常に苦しい立場に立っておった。あんまり確信を持って国会に来て説明もできなければ、あるいは国防会議の議員懇談会に呼ばれて説明を求められたときにも意見を述べることはむずかしかった。きまったからしようがない、その決定に従うという気持であって、ほんとうに自信を持ってグラマンがいいのだというようなことは言いにくかった、こういうことになるかと思いますが、その点いかがです。
#55
○源田説明員 私はもともとから、飛行機というものは乗ってみなければ最後のところはほんとうにつかめないのであって、今仰せになりましたように、その点について私の考えておるところはその通りであります。しかしながらこれは私の答える筋ではないかと思いますが、当時中央においてもいろいろ事情があったかと思います。従いまして私として、もしグラマンのF11F―1Fが採用されたならば、あるいはF104が採用されたならば、初めは自分がどういう印象を持っておろうとも、一たびそれが採用されたならば、その飛行機について全力を尽くす、こういう工合に私は自分の部下にも言い、また自分もそういう工合に考えて参りました。
#56
○石橋(政)委員 乗ってみなければわかるかわからないかということを、私どもしろうとがここでとやかく言ったって始まらないわけでありますが、当時は乗ってみなくともわかるというのが、大臣以下の答弁における一貫した考え方だったと思う。資料で検討すればいいのだ、しかもその資料というものも非常に権威のあるものという説明をして参っております。たとえば、これも同じ決算委員会の左藤長官の証言でございますが、各会社からいろいろなものが出てきておる。しかしそれをなまのまま信用するわけにはいかぬ、会社には宣伝もある。そこで「米軍当局と十分連絡をいたしまして、いろいろ経験を重ねております米軍当局のオーソライズしたものについて、私ども資料を整備したように聞いております。」自分が着任前のことだからこういう過去形を使っておられますが、とにかく会社から出す資料だけでは宣伝が含まれているから信用できない。そこで経験のある、すなわちあなたのおっしゃる乗ったこともある、こなしてもおる米軍、こういう人たちの意見を聞いてそれを裏づけをして、そして自信のある資料にして、それで御検討願ったのだ、その結果グラマンが出てきた、こういう説明がなされておるのですよ。これもいささか、あなたの今のお話でいきますと少し誇張しておるか、あるいは端的にいえば当時はうそを言って、とにかくグラマンの正当性を裏づけるために、大臣以下がこういう言葉を使ったのだというふうにも理解されるわけです。
 もう少しお尋ねしますが、具体的な調査の方法としてどういうことをおやりになったわけですか。一説によりますと、何かいろいろ四人の方が乗ってみまして百五十項目にわたり、点数を各人が記入して、それを団長である源田さんが集計をして、そうしてロッキードが一番いいというようなことをはじき出したのだという説もあるわけでございますが、具体的に調査にあたってどういう方法をとったのか。この点の御説明を一つお願いしたいと思います。
#57
○源田説明員 調査にあたりましては、調査を命ぜられました各飛行機をでき得る限り公平に調査するために、その調査の項目その他を一定のワクにはめました。しかしながらこれは日本の飛行機ではありませんので、われわれがこの飛行機を何回飛びたいと申し出しましても、米空軍の方の都合、あるいは会社の都合、米海軍の方の都合、許可の問題その他で必ずしも明確に同一の時間にはなっておりません。回数も若干の差がございます。しかしながらこれをコンベアの飛行機及びグラマンの飛行機、ロッキードの飛行機、この三者につきましては大体各パイロットが十回前後――十回ちょっとこえます。それから時間でいってやはり十時間から十二時間見当飛んでおります。やる項目はいろいろこの評価において見るべき点がたくさんございます。それをその飛行機において許される範囲内においてできるだけ多数やりました。ただ離陸距離の測定とか、あるいは上昇時間の測定とかいうのは普通の米軍でやっておるような方式を精密にはやっておりません。これは今までのわれわれの経験からして、米空軍で長い間にわたって精密に検討された数字は、信頼できるものであるという考えをわれわれは持っております。従ってその点は米空軍の数字を信用しまして、そうしてわれわれは、たとえば上昇しますと、三万五千フィートまで何分かかるということがあれば、それを正確にやれば何分何十秒というようなことを正確に出します。しかしながらわれわれが飛ぶ場合は大体三分半とか、三分二十秒とかいうようなところをつかめば、ほとんど間違いがないということがわかりますので、その程度でとどめております。そうして評価の多くの時間を、たとえば重量物を積んで離着陸する場合の操縦性能の変化とか、あるいは空中戦闘をやる場合、非常なハイ・マックの空中戦とロー・マックの空中戦の場合の操縦性能の変化、あるいは地上射撃の場合の操縦の難易であるとか、計器操縦の難易であるとか、こういう方面にその重点を注ぎました。そうして各パイロットは、こういう項目のおのおのの内容について自分自身の意見を持っておりますが、全然各パイロット同士であらかじめ相談することもなく、自分自身でこれを書きまして、そして最後にこれを全部集計しました。そしてなお飛行機というものは、最初に乗った飛行機と最後に乗った飛行機では、われわれがそういう新しい飛行機になれていないので――たとえば私が最初に乗ったのはF102、最後に乗ったのはN156Fであります。すると102に乗ったときは非常にむずかしく感ずる。しかしながらN156に乗ったときは相当なれておるから楽に感ずるということもあります。そういう点を全部取捨選択しまして、最後にあの結論に到達したわけであります。
#58
○石橋(政)委員 そうするとまずその調査団として総合点をつけられて順位をきめたと思うのですが、第一位がロッキードであったことはわかったわけです。そのあと、総合点ではどういう順位になったわけですか。
#59
○源田説明員 この順位につきましては影響するところがいろいろあるかと思いますので、私はここにその順位を申し上げることは差し控えたいと思います。ただ価格その他は別としまして、104に性能的に非常に似通っておるのは106であります。
#60
○石橋(政)委員 その点、空幕長、調査団長としての源田さんとしてはちょっとはばかるようでございますが、長官はもう一段上の見地から、発表しても大したことはないとお考えになるのじゃないかと思いますが、いかがですか、その順位を発表していただけませんか。
#61
○赤城国務大臣 報告書につきましては、私は源田調査団が向こうへ行っているときには、これは順位をつけてくるのじゃないか、こういう予想をしておったのであります。現実に報告を見ましたときには、上昇力の点がどうだとか、こういう点はどうだとか、そういう点の比較をしまして、総合的に順位をつけた報告は私は受けておりません。今話しましたように、総合的に見てF104Cが日本に最適だ、こういう結論であります。その次には、今源田調査団長が言いましたように、コンベアの106ですか、これが似ておるということを言いましたので、一、二、三、四という順位をつけた報告書を私受けておりません。この点は申し上げられないのであります。
#62
○石橋(政)委員 長官は確かに今お認めになったように、報告の中には順位がついてくるだろうということを何度もおっしゃっておるのですよ。そこで私は長官に聞いてみた。しかしそこのところがちょっと食い違いがあるのじゃないですか。源田さんは、世間をはばかって言えないとおっしゃっておるのであって、順位をきめてないとはおっしゃっておらない。長官は順位がないとおっしゃっておるが、その点食い違いがあるのじゃないですか。
#63
○赤城国務大臣 調査団としてあるいは順位というものを頭に描いてきたかもしれません。しかし私の力に報告がありましたのは、順位をつけずに報告がありました。ですから正式には順位をつけずに報告を受けておるのが事実であります。
#64
○石橋(政)委員 私が問題にしたいのは、二番目にもグラマンが来てないのですよ。それは今源田団長も大臣もお認めになったわけですね。そうしますと、一体前のグラマンの内定というものがどういうことになるのかということです。当時の左藤長官のごときは、国会の説明においてはべたほめですよ。F11の方は今日でも世界第一級の性能を持っておりますし、さらに先ほど申し上げました将来の可能な限りの性能向上ということについても、私どもがいろいろ研究いたしました他の機種に比べますと、世界各国のほかのものが進んでいきますれば、それに応じてこちらもまた性能向上の可能性もあるのではないかと、いろいろ述べておられますが、とにかく世界第一級だ、ほかの飛行機が開発していけば、こちらもどんどん開発していくから負けはしない。理屈としては確かにその通りですよ。グラマンの方は現状維持でじっとしておって、F104外各機種はどんどん開発していく、そんな理屈は通用しません。お互い競争して開発していくのだから、当時の説明の方が筋が通っていると思う。それなのに今度実際に源田さんが行って、その報告書を見ると、二番目にも入ってない。おそらく言わないところを見ると一番しりじゃないですか。それほど差のあるものを、なぜ前にきめたのだろうか。この点は技術顧問として一緒に行っておられる日大の木村先生ですか、その方も言っております。四人のパイロットの意見が食い違って、いろいろ意見伯仲すると思ったら雲泥の差だ、月とスッポン、けんかにも何もならぬから、異議なしで四人ロッキードときまったと言わぬばかりの談話を発表しております。私は何のことやらさっぱりわからない。それほど開きのあるものを、だれが見たってロッキードとこなければならないものを、当時一体なぜグラマンにしたのか。これは不審を持つのが当然じゃないでしょうか。しかも今度お出しになった報告書と、前に本委員会において左藤長官から説明されました報告書を照合してみますと、いよいよもってわからなくなる。どういう点がわからなくなるかと申しますと、あなた方はそんなに差があるとおっしゃるけれども、差があるようには思えないのです、今度一つ一つ当たってみると。ロッキードの長所としてわかっておった点は、今も昔も変わりない。グラマンの欠点としてわかっておった今度あげておられる点も、当時からわかっていることなんです。一体、端的にお尋ねいたしますが、決定的にグラマンをロッキードに変えなくてはならないような条件に上ってきたのはどの点なんですか。これが致命的だ、これがゆえにグラマンを墜落させてロッキードを選んだのだ、そういう決定的な点は何ですか。
#65
○源田説明員 このグラマンの飛行機を内定せられた当時のいきさつは、内容は私は詳しくは存じません。しかしながら一応私がそんたくし、またいろいろ聞いたところによれば、結局F104の安全性において大きな問題があるということが主ではなかったかと存じます。しかしながらこの安全性の問題については、今度行ったわれわれがやった評価によりまして、私もその一人でありますが、このF104の安全性というものは、われわれがもと考えておったほど、そんなに危険なものでない、他の飛行機と比べて大差がないのだ、こういうことが一つの大きな要素であります。次に、グラマンの飛行機は、私が米軍のパイロットから聞いたときも、スタビリティ、ことにベーシック・スタビリティが非常によろしいということを聞きました。明らかにベーシック・スタビリティはあの飛行機はよろしゅうございます。しかしながらその飛行機の操縦性といいますか、飛ぶときのすわり工合、これは安全性にはあまり関係ありません。しかしながら戦闘操作の上には大きな関係があります。これがグラマンの飛行機は、われわれが予想したよりは悪かった。こういうところが今度のわれわれがF104を選んだ要点になると思います。
#66
○石橋(政)委員 その安全性、操縦性について、しからば当時はロッキードは非常にその点において欠けると思われておったのが、そうでもなかったということが乗ってみて裏づけられたということはわかりました。ところがグラマンの方は予想しておったほど安全性、操縦性はすばらしくないと、こういうことなんですか。それが一つ。それからその二つ、ロッキードとグラマンと比較してみた場合に、安全性と操縦性はどちらの方が上のランクですか。
#67
○源田説明員 操縦性と申しましても、これをただ一がいに操縦性というので全部をひっくるめることはできません。たとえば五万フィート以上のような非常な高高度で、非常な高速でやる操縦性能というものと、着陸直前の操縦性能、こういうものは全然別の範疇に属するものと考えます。従ってある面においてはF104がすぐれ、ある面においてはグラマンの飛行機がすぐれるという点があります。しかしわれわれがとった安全性においては、一応の許容範囲にあるとした場合には、戦闘高度における操縦性がすぐれた方をとります。その見地において、この戦闘高度あるいは非常な高速における操縦性能というものはF104の方がすぐれております。またもう一つお尋ねの安全性ということも、一般にただ安全性と申しましても、どちらが優秀であるということを簡単には言うことはできません。たとえば離着陸が非常にむずかしいという飛行機は、離着陸において事故を起こしやすい。従って離着陸の安全性は悪い。しかしながら一方計器操縦がやりにくい飛行機は、たとい離着陸には安全性が多くても、計器操縦において安全性に欠けて参ります。また非常な高高度において操縦性能があまりよくないとか上昇力が悪いとかいう場合は、いわゆる雷――サンダーストームというようなものにぶつかった場合、もしくはアイシングと申しますが、雲の中を飛んでおって飛行機の翼に氷がつくことがあります、そういう場合に氷結する程度、こういう点において同じく安全性の差異が出てきます。今ここで申し上げますと、離着陸そのものにおいては、グラマンの飛行機の方がF104より若干楽であります。あまり差はありません。また計器操縦、これにおいてはどちらもなかなかいい飛行機と思います。しかしながらF104はきわめて容易である。非常に飛行機はよくすわります。またアイシングの件については、F104の方が安全性がはるかに上にあると考えます。またサンダーストームを乗り越えるという場合は、あの上昇力はものを言いますから、この点においてもF104の方が安全性が増しておると考えます。
#68
○石橋(政)委員 あまり差がないというのがほんとうのところだろうと思います。だんだんそういう御説明のようです。そして結論的には、先ほどから申し上げているように、昨年の九月二十七日の本委員会において左藤長官が御説明になったグラマンとロッキードの比較と結局あまり変わらないのですよ。当時のことをちょっと思い出していただきたい。源田さんはあまり詳しく知らなかったとおっしゃるから、こういうことを当時述べているのだということを知っておいていただきたい。「F11F―1FすなわちグラマンとF104ロッキードについて比較検討いたしました点を申し上げますと、」こういう前置きで、当時ちゃんと述べております。「速度、上昇力に関する限りF104がF11F―1Fにまさることは明らかでありますが」、速度、上昇性能、そういうものではロッキードの方がすぐれているということは当時からわかっておりました。今度何も新しく発見されたものじゃありません。それから「機体の安全性、操縦性、離着陸性能、所要滑走路の点におきましてF104はF11F―1Fに比べてかなりの難点を持っておるのであります。」その点でいまだに問題のないのは離着陸性能、それから所要滑走路、この点ではグラマンが優秀だということはあなたもお認めになりました。ただ若干条件が変わってきているのは、操縦性を含めた安全性でございますが、この点も決定的にグラマンが落ちるというほどのことでもない、いろいろの条件によって違う、こういうお話でございます。当時と今度の報告とではあまり変わりはないわけです。もう少し具体的な安全性、操縦性のところの説明を読んでみましょう。「特にエンジンがとまりましたときにおける沈下率、着陸時における着速等においては、安全性と操縦性においてF11F―1Fに数段劣ると考えられるのであります。」グラマンの方が優秀でロッキードが劣っている。これにもあまり変わりがないようです。あるはずがありません。翼の広さからいって当然だろうと思う。そうしますと、当時も今度の場合もほとんど変わらないのですよ。変わらないのにグラマンがロッキードになってきたということになれば、いわゆる機種選定の基準、要素、これに変化があったと理解しなければ、理解のしょうがないわけなんです。当時は、このあと説明が続くのですよ。日本のような狭隘な国土を持っておる国においては、滑走路がなるべく短く済むということが非常に大きな要件なんだ。そういう点からいくと、グラマンの方がうんといい、こういうお話でございました。今度の場合でも、その点ではグラマンの方がうんとすぐれております。それからただスピードが速くて要撃性能がすぐれているというだけで選ぶわけにはいかぬ。いろいろな飛行機を持てる国ならば、財政的に豊かな国ならば、要撃性能にすぐれたものも必要だろうし、あるいは足の長いのも必要だろうと思えばそれぞれ作ればいいけれども、日本のような国ではなるべく多用途性――財政的に豊かじゃないから、とにかくスピードが速い、上昇性能がすぐれているというだけで選ぶわけにはいかぬ。足の長いことも必要だ、いろいろな理由を述べておられました。私はこれもあんまり変わらないのじゃないかと思う。それから今度の場合に、これまたにしきの御旗のようにしょっちゅう大臣も言い、報告書にも書いてあるのですが、その後F104は開発せられ、西独等においてこれが採用せられた状況にかんがみてと何度も言っております。この点は私当時質問しているのです。あなた方はグラマンがいい、グラマンがいいとおっしゃるけれども、非常にすばらしいグラマンならばなぜアメリカで採用しないのですか。自分の国でなぜ陸海空軍が採用しないのですか。カナダとか西ドイツとかいうようなところでも、グラマンを採用するという気配はないじゃないですかと、当時私尋ねております。何と言ったと思いますか。外国は外国だ、日本は日本だ、こういうお話だったのです。そしてさっき言ったアメリカのような国ならばいろいろなものが持てるからそれでいいけれども、日本の場合はそういかぬのだということをそこで説明している。当時は、よそはよそ、日本は日本と言っておられたのに、今度は盛んにアメリカがどうだ、あるいはドイツがどうだというようなことをおっしゃっている。当時のことはここにもちょっと書いてありますから読みましょうか。「なおF104は米軍ですでに採用しており、F11F―1Fは米海空軍ともに採用の計画がなく、従って補給等について多くの不利のあることは否定し得ないが、」云々、そういう欠点があることはわかっているが、それでもなおかつグラマンの方がいいと言っているのです。こういうふうに今さらあらためてわかったような特別の条項は何にもないのですよ。だからあえて変えなければならない理由があったのだとするならば、その選定の基準というものが変わってこなくちゃならぬ、その点いかがですか。この点について源田さんは、羽田空港における記者会見で、それらしきことをにおわしておられます。機種選定の基準や条件を変える必要が起こったのか、こういう記者団の質問に対して、大部分は渡米前と同じ基準条件でよいが、一部は修正する必要があると思う。ここがポイントでなければ、われわれ了解できない。われわれが納得するような――選定の基準というものがいかなる条件によって、どういうふうに変わったのか、そこのところを一つ御説明願いたいと思うのです。
#69
○源田説明員 ただいまのお話、ある点において、たとえば安全性におきましてある点ですぐれある点で劣る、それらを総合すればどちらも大した差はないのだというお話でありましたが、それは私はそうは考えません。これは離着陸の安全性においてあまり差がないということと――それはあまり差がありません。しかしながらたとえば、サンダーストームを越える場合に、安全性においては大きな差が出て参ります。従ってわれわれが向こうで発見したことは、F104という飛行機は、われわれが予想したより操縦がはるかに容易である。また高空における性能が、数字で今までつかみ得なかった操縦性に非常に強いものがある、こういうことであります。たとえばこれは安全性ではございませんが、高空における戦闘性能は、その飛行機が持ち得る最高速度及び余剰推力、こういうものによって非常に大きく左右されます。またその速度は、そのときの戦闘性能を見積もる場合に、そのエネルギーが二乗に比例します。従ってわずかな速力の変化の際も、実際の戦闘操縦上のエネルギーを何がしかにそこで転換しなければなりません。その場合には大きく響いて参ります。従いましてこの速力と羽田で私が申しましたその一例は、たとえば速力においてわずかの差は、これはそんな大きな問題ではないと私はもと考えておりました。しかしながら行ってやってみまして、この速力の差というものが大きなものであるということは、私が向こうで新らしく発見したことであります。また余剰推力、これまた同じくそれがいかに有効なものであるかということは、今度行って私が知ったことであります。そういう面が羽田で私が言ったことの例になるかと思います。従いましてただいまお話のような工合にあまり大した差はないというわけではなくして、やはりその間に相当の差がある、こういう工合に私は考えております。
#70
○石橋(政)委員 まあ乗ってこられた方に乗らぬ者が幾ら言ったって、そういうところはしようがないだろう、おれを信じろということになるだろうと思うのですが、しかしあなたを信じようと思えば、前にいろいろなことを国会でしゃべり、そして国民に向かって説明をした人たちを信じない、こういう結論になるということだけは御承知おきを願いたいと思う。
 先ほどもちょっと話が出たのですが、一体ほんとうに有人機、ロッキードであろうと何であろうと、あなたはそういうものが今後においても要るとお考えになっているのですか、六年先にできるこういうものを。かつて源田さんと言えば、大艦巨砲主義に反対した人だ、先を見るに敏な人だと、人は思っている。これはほんとうかどうか知りませんが、昔奏の始皇帝は万里の長城を作ってその恥を千載に残し、日本海軍は大和、武蔵を作ってその悔いを後世に残したとあなたはおっしゃったというのですが、これにつけ加えるではないが、源田空幕長はロッキードを作って恥を千載に残す、こういったことにならぬとは私は言えないと思うのですが、本気であなたは役に立つとお思いになっておるのですか。どうも信用できないのですが、この点はいかがですか。
#71
○源田説明員 先ほど申し上げましたように、私はこのミサイルに対する把握の仕方は、やはり有人機とミサイルというものを対照して考えることは適当ではないと考えております。これは対照して考えるのは、発射台をどこに選ぶか、飛行機を発射台にするのか、あるいは地上を発射台にするのか、ないしは船を発射台にするのか、こういう点が論議になるべきだと思います。従いまして現在ミサイルに向かって全面的に世界が進みつつある、また将来はミサイルの時代であるということについては、私は同意であります。しかしながらその発射台をどこに選ぶかという問題は、これはまた別問題であります。ただ私がここで申し上げられると思いますことは、その発射台が人の乗る飛行機から地上の方にその分量が逐次よけい移っていくということは、これは確実であろうと思います。しかしながらさっきも申し上げましたように、これを急激にやるとしましても、なかなか日本の現状においては困難であろうと思います。また外国も急にやることは、大きな国でも困難であろうと思います。その間に防衛上の欠陥を生ずることになると思います。従いましてこれはそういう方面の科学技術の進歩とにらみ合わせながら、また自分の力もにらみ合わせながら、そこを欠陥のないように、しかもなるべくすみやかにその分量を回していく。私はここで分量ということを申し上げます。ということは、有人機が将来とも全然要らなくなるということは、なかなか想像に困難なことであります。いろいろな場面に有人機を必要とする場面が出てくると思います。そうすると、この移り変わりというものをいかに持っていくかということが、非常な大きな研究の対象になると思います。従いまして今の私の考えから申しますと、少なくともこのF104Cがこれから今度の生産計画が日本で実現され、これが役に立っておる間において、有人機が全然役に立たなくなるような時代にまでは到達しない、こういう工合に考えております。
#72
○石橋(政)委員 空幕長は今度アメリカへ行ったわけですから、アメリカの事情を一番よく知っておられると思うのですが、アメリカでは国防方針の変化に伴って、大幅に航空機はミサイルに切りかえられておるのじゃないですか。私どもが調べました資料によりますと、これは軍用機の製造数でありますが、一九五五年には約八千機、一九五六年には約六千機、それが一九五九年、本年度は千五百機、来年度は陸海空三軍で千四百機に縮小される、こういうことも聞いておりますが、これは事実ですか、いかがですか。
#73
○源田説明員 米軍の生産機数は逐次逓減しておるということは事実だと思います。ただ詳細な数字は私今ここに手元に持ち合わせてございませんから、これをお答えするわけには参りません。
#74
○石橋(政)委員 あなたはだんだんそういうふうに世界の趨勢が向かっていくことは認めるけれども、直ちにミサイル重点というわけにはいかぬとおっしゃるけれども、皆さん方が手本にしておられる本家のアメリカでは、もうちゃんとやっているじゃありませんか。どんどんミサイル重点にやっているわけです。ここと日本におけるこのFXの国内生産の問題とも関連があるわけですよ。アメリカでは飛行機をどんどん生産をやめて、ミサイルに切りかえ始めた。そこで生産会社はあわ食って新しい市場を求めようというので、さあ日本に買え、ドイツに買えと、こういう形で出てきておると思うのですよ。全く日本とアメリカの軍需資本家の失業救済みたいなことをやろうとしておるだけであって、国防上、防衛上有人機が要るなどとは、よもや先見の明あるあなたがお考えになっておるとは私は思いません。
 そこで先ほどおっしゃった中に、私はこういうふうに受け取ったのです。戦闘機そのものの使命というものは変わってきておる。問題はミサイルを運ぶ手段としての戦闘機、そういうものに移ってきておるのだというお話だと私は理解するのです。いわゆる空中戦闘の主役が戦闘機ではなくして、この戦闘機が運んでいくミサイルAAM、空対空のミサイルというものに問題があるのだ、これの優劣が勝負を決するのだ、こういうことならその意味で私理解できると思う。そうしますと、いかなるミサイルを搭載するかということが非常に大切になってくるわけですが、サイドワインダーでいいのですか。あなたは実際サイドワインダーをお使いになってみられましたか。そうしてほかのAAMとの性能その他において比較をなさってみましたか。聞くところによると、実際に戦闘実験というものはやっておらないということです。索敵率、撃墜率、そういうものをこの肝心のAAMについてやってみたということを私聞かないのでございますが、自信を持ってサイドワインダーでいいとお考えになっていらっしゃいますか。
#75
○源田説明員 サイドワインダーはわれわれはその発射はやっておりません。これは米軍の飛行機を使ってやっておって、向こうの費用において飛んだわけでありまして、そういう高価なものをどんどんみんなが撃ってみるわけにはいかないのでありまして、これはやむを得ないと思います。しかしながらサイドワインダーを積んで、そしてこれを目標をまた別に仕立てまして、これに対してその攻撃の運動は数回やりました。そうすると、その場合にサイドワインダーがある機能を発揮するときは、ある特殊な現象がこれに出て参ります。そういうことからこのサイドワインダーは操縦上、この発射についてこういう工合にすればこれは十分うまく照準できるものだということはわれわれはつかみました。またサイドワインダーとその他のいわゆるAAMとのキル・プロバビリティというものにつきましては、これは米空軍に当たりまして詳細に調べて参りまして、IRサイドワインダーと他のIRAAM、これが比較の対象になります。レーダー・フォーミングのものはまた別の問題になって参ります。従ってサイドワインダーと他のIRAAMとの比較も米空軍及び海軍の資料によりまして、これは調査して帰りました。従って私はサイドワインダーは非常に優秀なものである、こういう工合に考えております。
#76
○石橋(政)委員 そういうものを含めて非常にこれは大切な問題だと思うのです。最初にあなたが使命を受けた防衛庁長官からの指示の中に、こういうものがあるのです。みずから操縦し、試験し、その武器体系上の適合性を実機について調査し、これを防衛庁長官に報告することを命じた、こういうふうに私どもに説明しております。ここのところの武器体系上の適合性を実機について調査するということは、非常に大切だと思うのです。聞くところによると、今度採用しますF104C―Jというのはボディだけで、エンジンはついているわけですが、これに装備されるいろいろなものは、大切なところは全部海のものとも山のものともつかねような気がしてならぬ。たとえば一番大切なところといえば、ファイア・コントロール・システムのナサールなんか、あなたは簡単に一番すぐれているナサールを積めばいいのだ、こうおっしゃる。シートも上から飛び出すように改装すればいいのだ、こうおっしゃる。しかしそんな簡単なものでしょうか。やはりその飛行機に一番マッチしたものが積んであるはずなんです。それを簡単にはずしてほかのものと積み合わせればいいというものではない。ここのところがまた武器体系上の適合性という意味にもなろうと思うのです。ところが肝心の実機について調査しておりません。ナサールはナサールで別のものとして調査をしたかもしれぬけれども、実際にロッキードに載せてみて大丈夫、このナサールを積んだことによって、あるいはシートを改装したことによって、性能にも別に影響はないという、そういうことが裏づけられておるわけじゃありません。この点に関しては、やってみたのだから、乗ってみたのだからと、幾らあなたでもおっしゃれない。しかし一番肝心なところですよ。こういう点について、あとで改装してみたところが、ばらばらになったために非常に性能が落ちて工合が悪くなった、こういうふうな問題が出てこないという保障はありませんよ。現にグラマンを決定したときとあなたが今度乗ってみられたときとは、だいぶ差が出てきているわけですから、今度も実際に改装してみ、ほかのものを装備してみたら、変わってくるということもあり得るわけです。そういう点の保障は一体どういう点からあなたはなさるおつもりなのでしょうか。
#77
○源田説明員 飛行機とファイア・コントロール・システムが適合しなければならないというのは、これは近代の空軍における一種の常識だと考えます。われわれはナサールが一番いいから、またF104Cが一番いいから、両方のいいものを持ってきて、これを結びつけようという観点から出たものではありません。しかしながらわれわれの対象となった各飛行機のうちで、ほんとうにそれが現在積んであるというもので、日本に適合する、いわゆる全天候性を持ったものはF102だけであります。F106は非常に高度のものを積んでおりますが、これに積んであるファイア・コントロール・システムはわれわれは見ることもできませんでした。もとより日本でこれを手に入れることはできないと思います。またこのファイア・コントロール・システムと飛行機との適合性につきましては、たとえばコンベヤとヒューズというものは長い間組み合って開発を努めております。グラマンはウェスティングハウスと提携し、ロッキードはオートニクスと提携し――これはノース・アメリカンの今のナサール系統であります。そういう工合にだんだんそういう各飛行機会社とエレクトロニクスの会社とが提携して進めつつあります。従ってその提携の上に開発されるものはその飛行機に適合し、飛行機はそのファイア・コントロール・システムによくマツチしたものであると、一般的に言えるかと思います。またナサールを積み、あるいは上方の脱出装置をつけて、これが非常に性能上大きな変化を起こすとは考えられないのであります。これは操縦してわかるというような問題と、操縦しなくともわかるという問題と、二種類あります。今のナサールを積むために104の外形に何ら変わるところはありません。またこれを積むだけのスペースも十分その中にございます。重量も、今ASG14というのを積んでおりますが、これに対してナサールを積んでふえる重量も、大きく性能を左右するものではありません。その性能にはほとんど差がございません。また上方のエジェクション・シートをやりまして性能に差が出るかと申しますと、上方のエジェクション・シートをやるために若干の重量増加はございますが、飛行機の抵抗を左右するような外形上の変化はありません。重量の増加というものもほんのわずかであります。従いましてこれらはほとんど計算で出るものでございまして、F104Cの性能が大きく下るなんということは全然考えられません。ほとんど差異ないものと思います。
#78
○石橋(政)委員 私の言わんとするところと食い違いがあるわけです。源田さんのは結局推定なんです。長官があなたに指示したのも、その武器体系上の適合性を実機について調査しろということであったと思うのです。しかしそれはいろいろの事情で不可能であったということなんでしょう。不可能であったために推定、想像になった、こういうことならわかるのですが、そういうことでこんな大切な問題がきまっていいものかという疑問をわれわれは持っておるということを申し上げた。
 空幕長に対する最後の質問は、先ほど地対空のミサイルとして考えてるのはナイキ・アジャクスだということを述べました。そうしますと、新しいFXの戦闘機として生まれて参りましたロッキード104Cの性能とナイキ・アジャクスの運用上のかね合い、用兵上のかね合いというものを一つ御説明願いたいと思う。今まで防衛庁から私どもに説明されておりますのは、有人兵器と地対空のミサイルの併用によって、日本の防空を全うするのだという御説明が今までなされておったわけです。説明をそのまま読みますと、「有効なる防空体制は有人機と地対空ミサイルの併用が望ましいのであります」と、大臣が本委員会において説明になっております。そこでお尋ねをするわけですが、いわゆる地対空のミサイル、大体射程からいって一番射程の短いものがホーク、その次がナイキ、それからボマーク、こうなっておると思うのです。その中間のところのナイキ、これはアジャックスとハーキュリーズがあることは知っておりますが、このナイキ・アジャックスというものを選んでこれとF104Cと併用しよう、こういう線が出てきたわけですが、これは用兵上いかなる意味を持っているのか、一つ説明していただきたいと思います。
#79
○源田説明員 ナイキ・アジャックスはその射程もそう長くありません。従ってこれはある防御すべききわめて重要なるこちらの目標、こういうものにおいてはナイキ・アジャックスのようなものを置きまして、そこの防御の密度というものを大きくする。また104Cのごときは相当外まで出て参ります。従ってこの飛行機は最も重要な、たとえば東京のようなところも含むと同時にまた他の小都市とか、いろいろな目標をその中にカバーすることができます。従いまして104Cによって広範囲の防御をやり、そうして重点についてはさらにそのうしろにもう一つ濃密な幕がある、こういう工合に考えていただけば、この構想が一応御了解できるのじゃないかと考えます。
#80
○石橋(政)委員 それでは最後に長官にお尋ねしますが、ナイキ・アジャックスの方ならばアメリカは供与してもいいという意向を内々持っておるわけですか。私どもはどうもそういうふうには聞いていないわけです。アメリカの国会における当局の証言等によりましても、どっちかというとナイキという名が出るのではなくして、もう少し射程の短いホーク、これをどうも出しておるようでございます。これならば国内生産すらさせてもいいというふうな証言が、シャフ国防副次官補からアメリカ国会においてなされているようにも私ども聞いているわけです。このホークというものでも、今源田さんがおっしゃったように、有人機で撃ち漏らしたものをねらうという意味では、十分に使命を果たせることになるわけですが、ホークではつまらぬのだ、ナイキをもらうのだ、またナイキの方が可能性があるのだというふうな見通しを持っておられるわけですか。
#81
○赤城国務大臣 今の自衛隊としましては、ナイキのアジャックスを備えたい、そういうので訓練部隊も出したい、こういう考えを持っております。アメリカの意向を最終的に聞いておりませんが、ナイキ・アジャックスの訓練部隊を出すことも了承するのではないかと思っております。まだ予算は、今概算予算を出しておりますので、予算がきまりますれば手続を運びたいと思っております。
#82
○石橋(政)委員 そうしますと、それは何も第二次防衛計画というものではなくして、現在遂行中の第一次防衛計画で実行され得るものと理解していいわけですね。
#83
○赤城国務大臣 実は第二次防衛計画が三十五年度を始期とすれば、これは第一次防衛計画の終期と始期が一緒になるわけでございます。しかしこの問題は予算の編成と時期が一緒になっておりますので、防衛庁としては三十五年度を始期として一応第二次防衛計画を策定しておるのであります。あるいは三十六年度からが第二次防衛計画ということに時期的に相なろうかと思います。今の誘導弾のミサイルの問題は、三十五年度の予算で訓練部隊を派遣しようということになっておりますが、これが実際に実現するのは、やはり三十六年度以後に相なろうかと思います。でありますから三十五年度を第二次防衛計画の始期といたしますならば、第二次計画の中に入っているわけであります。また三十六年度からということにしますと、三十五年度の中に準備行為として入りますが、やはり第二次の方に実態は入る、こういうことに相なろうかと思っております。
#84
○石橋(政)委員 まだ三十五年度が第一次の最終期になるのか、第一次の始期になるのかわからないようなお話でございますが、予算編成の関係もありますし、そうそういつまでもわからないままに過ごせる問題でもなかろうと思います。
 それからいま一つは、一昨年の六月岸総理が渡米した際にも、第一次防衛三カ年計画は携行しておられるわけですが、今度も第二次計画を持っていくのじゃないかと私ども思っております。そういう点もからみ合わせて考えてみますときに、一体いつごろまでにこれを確定なさるつもりなのか、その点の予想を一つ……。
 次に、きょうの朝日新聞では大体104Cの値段が会社側から提示されたというふうな記事が出ておりますが、この点確認しておきたいと思います。提示されておれば、一体どの程度のものを持ってきたのか、この二つについて最後にお答えを願いたいと思います。
#85
○赤城国務大臣 第二次防衛計画を岸総理が携行するかどうかということにつきましては、まだ結論を持っておりません。それからいつごろまでに第二次防衛計画を国防会議で決定するのかということでありますが、これは国防会議の当局とよく協議の上に進めたいと思いますけれども、私の方としては、やはり一月にはぜひ策定して国防会議に諮りたい、こういう考えを持っております。それからF104C価格が、生産会社の方から提示されたかどうかということであります。なるべく早くその見積もりを出すように私どもとしては命じておりましたが、まだ提示はされておりません。
#86
○福田委員長 この際暫時休憩……
#87
○赤城国務大臣 ちょっと……。価格の提示がまだないということを申し上げましたが、私まだ聞いておりませんでしたからそう申し上げましたが、局長の話によりますと、先週の土曜日に価格の提示があった、こういうことでありますので、前の私の申し上げたことを取り消しておきます。
#88
○石橋(政)委員 ちょっと説明して下さい。局長でいいですよ。
#89
○塚本政府委員 土曜日に一応提示がありましたが、われわれといたしましてはさらにつき合わせ折衝の必要がありますので、まだその点につきましては申し上げられません。
#90
○石橋(政)委員 申し上げられませんと言っても、新聞に出ているじゃないですか。新聞に出ているのに国会では説明できないのですか。
#91
○塚本政府委員 新聞は当たっておるか当たってないか知りませんが、われわれとしては新聞発表した覚えもありませんし、新聞のことは存じません。
#92
○福田委員長 この際暫時休憩いたします。
    午後一時二十九分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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