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1959/11/06 第33回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第033回国会 逓信委員会 第2号
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1959/11/06 第33回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第033回国会 逓信委員会 第2号

#1
第033回国会 逓信委員会 第2号
昭和三十四年十一月六日(金曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 佐藤洋之助君
   理事 秋田 大助君 理事 淺香 忠雄君
  理事 進藤 一馬君 理事 橋本登美三郎君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 大野 幸一君
   理事 片島  港君 理事 森本  靖君
      上林山榮吉君    木村 武雄君
      寺島隆太郎君    渡邊 本治君
      金丸 徳重君    原   茂君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 植竹 春彦君
 出席政府委員
        郵政政務次官  佐藤虎次郎君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  平松 誠一君
        参  考  人
        (日本放送協会 野村 秀雄君
        会長)
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    溝上 けい君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        総務局長)   赤城 正武君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   春日 由三君
        専  門  員 吉田 弘苗君
本日の会議に付した案件
 日本放送協会昭和三十二年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書
 郵政事業に関する件
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 日本放送協会昭和三十二年度財産日録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査を進めます。
    ―――――――――――――
#3
○佐藤委員長 まず植竹郵政大臣より説明を聴取することにいたします。植竹郵政大臣。
#4
○植竹国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出について、概略御説明申し上げます。
 日本放送協会のこれらの書類は、放送法第四十条の規定に基づきまして、国会に提出いたすものであります。協会から提出されました昭和三十二年度の貸借対照表等の詳細は、お手元の書類の通りでありますが、その概要について御説明申し上げますと、昭和三十三年三月三十一日現在における資本総額は四十八億六千三百余万円で、前年度末に比し六億九千三百余万円の増加となっております。また、これに照応する資産総額は百二億七百余万円で、前年度末に比し十二億二千八百余万円の増加であり、負債総額は五十三億四千三百余万円で、前年度末に比し五億三千一四百余万円の増加となっております。
 資産の内容を見ますと、流動資産十三億五千六百余万円、固定資産八十二億九千余万円、特定資産四億九千二百余万円、繰り延べ勘定六千七百余万円となっております。また、負債の内容は、流動負債五億九千三百余万円、固定負債四十七億四千九百余万円であり、固定負債の内訳は、放送債券二十億九千六百万円、長期借入金二十六億五千三百余万円となっております。
 次に損益につきましては、事業収入は、ラジオ関係百十三億二千七百余万円で、前年度に比べまして五億四千二百余万円の増加であり、テレビジョン関係は二十三億九千百余万円で、前年度に比し十三億五千四百余万円の増加、となっております。
 事業支出は、ラジオ関係百八億七千百余万円で、前年度に比べまして六億三千百余万円の増加であり、テレビジョン関係は二十一億五千三百余万円で、前年度に比し八億四千百余万円の増加となっております。従いましてラジオ関係においては四億五千五百余万円の当期剰余金を計上しておりますが、これは昭和三十二年度の収支予算におきまして放送債券及び長期借入金の返還等に充当するため予定した額の五億四千八百余万円を若干下回っております。また、テレビジョン関係においては、事業開始以来六年目に初めて事業収支の均衡がとれまして、かつ二億三千八百余万円の当期剰余金を計上しております。
 以上で概要の説明を終わりますが、何とぞよろしく御審査のほどをお願いいたします。
#5
○佐藤委員長 次に日本放送協会会長野村秀雄君より補足説明を聴取することといたします。野村参考人。
#6
○野村参考人 日本放送協会の昭和三十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書について、その概要を御説明申し上げます。
 まず財産目録と貸借対照表について申し上げますと、昭和三十三年三月三十一日現在における固有資本は三十二億五千百九十五万円でありまして、これに対し、資産は百二億七百二十一万円、負債は五十三億四千三百四十一万円で、資産から負債と固有資本を差し引いた剰余金は十六億一千百八十五万円でございます。このうち、当期剰余金は六億九千三百五十二万円となっておりますが、その内訳は、ラジオ関係で四億五千五百二十八万円、テレビジョン関係で二億三千八百二十五万円でございます。
 次に、前年度との比較を御説明いたしますと、資産につきましては、十二億二千八百二十四万円の増で、当年度末におきまして百二億七百二十一万円となりましたが、この内訳を申し上げますと、流動資産は三億八千七十九万円の増で、当年度末十三億五千六百八十二万円となり、また固定資産においては、難聴地域の解消、外国電波による混信防止のための、札幌局の百キロワット増力、根室ほか十局の中継放送局新設、津和野外三局の第二放送増設、高知、尾道外七局のラジオ関係放送所の増力を初めとし、金沢、岡山、熊本外十四カ所のテレビジョン放送所の建設、福岡テレビジョン放送所の十キロワット増力、業務用宿舎の増設等を実施いたしまして、当年度末八十二億九千四十九万円となったのであります。また、放送法第四十二条第三項によって積み立てた放送債券償還のための特定資産は、三千三百六十万円の減で、当年度末四億九千二百二十万円となりました。繰り延べ勘定は、主として放送債券発行差金の増によるものでございますが、八百六十五万円の増で、当年度末六千七百七十万円となっております。
 次に負債につきましては、昭和三十一年度に比較いたしまして五億三千四百三十八万円の増で、当年度末五十三億四千三百四十一万円となりましたが、この内訳は、流動負債において一億八百七万円の増で、五億九千三百七十六万円となりました。また固定負債は、放送債券において、ラジオで二億五千八百万円の減、テレビジョンで一億八千八百万円の増となり、当年度末発行残高は二十億九千六百万円、長期借入金においては、ラジオで一億円、テレビジョンで四億円のそれぞれ新規借り入れをいたしまして、別途返済分を差し引きますと、当年度末二十六億五千三百六十五万円となって、固定負債全体としては四十七億四千九百六十五万円になったのであります。
 次に損益計算書について御説明いたしますと、まずラジオにおきましては、事業収入は百十三億二千七百三万円、事業支出は百八億七千百七十五万円となり、差引当期剰余金は四億五千五百二十八万円で、前年度に比し八千八百四十九万円の減となりました。収入の面におきましては、受信料収入が昭和三十一年度に比較し五億千八百九十一万円の増となっておりますが、これは受信者低普及地域の開発や、受信者の早期契約締結運動を積極的に推進いたしたためであります。当年度内における有料受信者数の増加は五十四万でありましたが、これは前年度の増加数に比し十三万の減であり、ラジオにおいては普及率の上昇とともに新規受信者の獲得が次第に困難になっていることを示しておるものと考えられます。この増加数を加えて当年度末有料受信者数は千四百二万となったのであります。
 以上申し上げました収入財源をもって事業の推進にも積極的努力を払い、放送番組の充実、改善に一段と努力し、東京、大阪においてはFM実験放送を、また東京においてはVHFによるカラー・テレビジョン実験放送を開始し、他方増収や経費の節減をはかりまして、鋭意職員の待遇改善にも努めて参りました。このため支出におきましても事業費は昭和三十一年度に比較し五億九千百十万円の増となりました。
 次にテレビジョンにおきましては、事業収入は二十三億九千百五十一万円、事業支出は二十一億五千三百二十六万円となり、差引当期剰余金は二億三千八百二十五万円で、テレビジョンも事業開始以来六年目にして初めて収支相償う状態にまで成長いたしたのであります。収入においてこのような成果を上げ得ましたのは、テレビジョン受信機の生産、販売の促進や価格の低廉化と月賦販売制度の確立等のため、関係方面との連携を密にしてこれに協力いたしますとともに、また受信公開、各種展覧会等を活発に行なって普及に努めた結果でございます。すなわち受信料収入は昭和三十一年度に比較し十三億四千四百五十九万円の増となり、有料受信者数も当年度内において四十九万増の実績を上げ、当年度末九十一万となったのであります。これに対し、事業費は昭和三十一年度に比較し六億八千五百六十八万円の増となりましたが、これはサービス・エリアの急速なる拡大に対応して、番組内容の改善と放送時間の増加に努めました結果でございます。以上で財産目録、貸借対照表及び損益計算書について一応御説明申し上げましたが、最後にラジオ、テレビジョン各部門についての収入と支出並びに収支剰余金について簡単に御説明いたします。
 まずラジオにおいては、収入は百二十六億九百七十六万円、支出は百二十五億四千九百九十六万円となり、差引当期の収支剰余金は五千九百八十万円となったのでありますが、前年度からの繰り越し収支剰余金が三億九千八百三十一万円ございますので、昭和三十三年度には四億五千八百十一万円の収支剰余金を繰り越すこととなったのであります。
 次にテレビジョンにおいては、収入は三十一億九千九百四十六万円、支出は二十九億八千六百五十六万円で差引当期の収支剰余金は二億一千二百九十万円となりましたが、前年度からの繰り越し収支剰余金が一億五千百七万円ございますので、三億六千三百九十七万円を昭和三十三年度に繰り越しいたしました。
 以上をもちまして昭和三十二年度決算の概要の説明を終わりますが、これから先、テレビジョンにおいては、すみやかなる全国放送網の完成と教育テレビジョンの強力な推進、ラジオにおきましても難聴地域の解消、老朽設備の改善等、NHKの公共放送としての重大使命を達成するために、なお幾多の重要な諸計画を実施していかなければならないわけでありまして、協会といたしましては、一そう国民の皆様の御意向に沿うよう、事業の積極的なる運営、推進に微力を尽くして参りたいと存じております。どうかよろしく御了察の上、御審議をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#7
○佐藤委員長 次に、会計検査院より検査報告について説明を求めます。会計検査院平松第五局長。
#8
○平松会計検査院説明員 日本放送協会の検査につきましては、証拠書類の提出を願いまして、書面検査を常時実施しておるほか、会計実地検査の方法によって検査を行なっておるのでございますが、三十二年度分に対しましては協会の本部、広島中央放送局、岡山放送局につきまして会計実地検査を実施いたした次第でございます。
 会計実地検査の施行率は、協会の収入面におきましては、ラジオにつきまして三八・七%、テレビにつきまして五八・四%、支出面におきましては、ラジオにつきまして五八・四%、テレビにつきまして八二・三%という状況になっております。検査の結果につきましては、特に不当と認めて検査報告に掲記した事項はございません。そのほか注意を発しました事項もございません。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#9
○佐藤委員長 これより本件に対する質疑を行ないますが、本日お見えの日本放送協会側の参考人の方は野村会長、溝上副会長、小野専務理事、赤城総務局長、春日経理局長であります。質疑の通告があります。これを許します。森本靖君。
#10
○森本委員 今、会計検査院の報告で、全然注意事項がないということでございましたが、書面による注意事項でなしに、口頭その他による注意事項というものはなかったですか。
#11
○平松会計検査院説明員 口頭による注意事項といたしましても、特にございませんでした。
#12
○森本委員 それから、NHKの方の内部監査機構というのは、会計検査院の方から見てどういう工合ですか。
#13
○平松会計検査院説明員 NHKの内部監査といたしましては、一応調べたところによりますと、この年度におきましては十二名の者でもって六十五カ所ばかりの検査を実施しておられまして、相当力を入れてやっておられるようにお見受けしております。
#14
○森本委員 今の内部監査における書類を資料として御提出願えますか。
#15
○溝上参考人 監査室でやっております監査は非常に膨大でありまして、全国にわたってやっておりますが、大体月に一回ずつ、ごく要約したものを理事会でもって報告してもらっております。それを全部取りまとめまして、さらに別個に資料を作れば何らかできますが、個々の資料は非常に膨大なものですからちょっとむずかしいと思います。
#16
○森本委員 これは、普通国会の決算委員会においては会計検査院から報告があると同時に、その各省にまたがったところの内部監査報告が必ずそれにつけられて報告をせられて、それによって決算委員会は審査をするというのが、大体建前としてやられておるわけであります。今まで当委員会におけるNHKの決算についてはそういうことをやっていなかったわけでありますが、要約して経営委員会なりあるいは理事会に報告をせられる簡潔な報告事項でもけっこうであります、一応内部監査事項を報告しております、そのことを一応資料として――あまり膨大な資料でなくてもけっこうでありますから、簡潔に要を得た資料を御提出願いたいと思っているわけでありますが、どうですか。
#17
○溝上参考人 それでは後ほど作成いたしまして提出いたします。
#18
○原(茂)委員 協会の損益決算に関しては次の委員会で詳細にお伺いするそうでありますから、きょうは一点だけ先に協会にお伺いしておきたいと思います。
 非常に大きな災害が起きまして、協会としてもそのために収支に相当異同を生じているし、あるいは特別なサービスをやっていると思うのですが、収支の面はまたあとでお伺いするからいいのですが、この災害に際して、特に協会という立場で積極的に救助なりあるいはその他の援護のためにいろいろ措置をされたと思うのです。その概括的なことでいいのですが、たとえばカンパなんか大きく集めて災害地へ向けてみたりやっておられるようです。それで何と何、どんなことをやっているのかということだけお伺いしたい。これをお伺いしたい理由は、協会では何か移動図書館みたいなことをやっているようですね。多分やっていると思いますが、この際特別な考慮のもとにそういった図書の貸し出し等をやってきたのか、そういうことを知りたいからお伺いするわけであります。どの程度の内容のものを災害地に対して特別に考慮してやっているのか、簡単でいいですから一つお伺いしたい。
#19
○野村参考人 今度の伊勢湾台風に際しましては、協会としては報道の点において万遺憾なきを期するためにいろいろのことを行ないましたが、何しろあれだけの大きな深刻な災害であったため、まずわれわれとしてはトランジスターを何十台でしたか、またテレビ受像機を何十台、これをそれぞれ被災者のお集まりになっておられるところに設置して報道を十分に尽くすようにいたしております。また告示板のようなものを所々方々に設けて、いろいろ変わった被災者の方々が知っておられねばならぬことについてお知らせいたすようなこともしております。また受信機が破損した方々に対しては、できるだけ早くそれを修繕して機能を発揮し得るようにお手伝いもいたしております。その他、助け合い運動によりまして全国からお集め下さったお金としては約一億ばかり、品物としては千万くらい各地方局から集めて災害地へお送りして、そしてそれの配給のお手伝いもできるだけしておったようなわけであります。今の図書のことについては私報告を受けておりません。報道に関する必要なることは、できるだけいたして参っておるわけであります。
#20
○原(茂)委員 一つお願いしておきたいのは、今は伊勢湾台風が非常に大きくクローズ・アップされて、これにみんな焦点がいってしまったわけですが、本年のごときは非常に大きな、例を見ない災害というものは各地に何回かあったわけです。七号台風でも、あるいは十四号台風でも、あるいは集中豪雨でも、こういう事例があるわけですから、今後はやはりそんなときには、NHKというものの公共性を大いに発揮して、そういったサービスをまんべんなくやっていただきたい。
 それから、これは実は私の知っているところから言ってきたのですが、今までのそういったことについても非常に感謝していましたが、同時に移動図書館か何かたしかあるはずです。そういうのが来てくれるとなあということを言っていました。ですからそれもちょっと参考までにお耳に入れておくわけです。できるものなら、そういうようにたくさん本があるでしょうから、どんどん貸し出すようにしていただきたいと思います。
#21
○野村参考人 今伊勢湾のことを申しましたが、前の山梨、長野両地方における災害についても、そういうような意味において報道上NHKがなさねばならぬことについては、相当やったつもりでおります。なお伊勢湾台風においても、その後医療等について十分お手伝いいたしております。長野の場合においてもお手伝いいたしたのでありますが、山梨の方は県医師会ですか何かで、NHKの方から出てくれない方がいいというようなお話があったために、遠慮して出さなかったのでありますが、前の狩野川のときにも、今申したような意味においてNHKのできることは、大体伊勢湾でやったようなことを、規模は小さいけれどもやっておったようなわけであります。
#22
○原(茂)委員 どうも御苦労さんでした。
     ――――◇―――――
#23
○佐藤委員長 次に郵政事業に関する件について、原委員より発言を求められております。これを許します。原委員。
#24
○原(茂)委員 郵政次官にちょっとお尋ねいたします。前回の委員会のときに、災害を根本的に防除するためにも、やはり国民大衆自体が災害に対する基本的な考え方を持たなければならぬのだという意味で、治山治水事業をも含めた恒久的な、しかも広範な災害防除を国全体の世論として考えるという意味で、また現在の災害に対する多少の救援にもなるという意味から、お年玉はがきに準じた災害救助切手の発行をぜひ考慮すべきではないか。そういうことを特に強く要望して、その後御検討の上できょうまでに御返事するということでしたが、その点一つ次官から……。
#25
○佐藤(虎)政府委員 ただいま御指摘にあずかりました御趣旨は、まことに罹災者に対してもけっこうなことだと存じております。ただ発行の時期それから意匠、これらの検討をいたしますには、郵政審議会がありまして、その審議会の中に切手図案審査会というのがございます。これに一応諮りまして、御期待に沿うように決定いたしたいと存じております。その時期は大体十二月上旬ではなかろうか、こう考えております。そこで実はお年玉はがきの皆さんの御協力を得まして、災害者にお見舞として今まで出した金が、ちょうど二千三百四十万円くらい出しておりますが、御指摘の通り審議会に諮ってぜひとも決定したい、かように存じております。御了承願います。
#26
○佐藤委員長 次会は来たる十一月十日火曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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