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1959/11/10 第33回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第033回国会 商工委員会 第2号
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1959/11/10 第33回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第033回国会 商工委員会 第2号

#1
第033回国会 商工委員会 第2号
昭和三十四年十一月十日(火曜日)各派割当数変
更後の本委員は、次の通りである。
   委員長 中村幸八君
   理事 小川 平二君 理事 小泉 純也君
   理事 小平 久雄君 理事 長谷川四郎君
   理事 南  好雄君 理事 小林 正美君
   理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君
   理事 武藤 武雄君
      遠藤 三郎君    大島 秀一君
      岡本  茂君    鹿野 彦吉君
      木倉和一郎君    始関 伊平君
      關谷 勝利君    田中 榮一君
      田中 彰治君    田中 龍夫君
      中井 一夫君    中垣 國男君
      西村 直己君    野田 武夫君
      濱田 正信君    細田 義安君
      山手 滿男君    渡邊 本治君
      板川 正吾君    勝澤 芳雄君
      木下  哲君    堂森 芳夫君
      中嶋 英夫君    永井勝次郎君
      八百板 正君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    和田 博雄君
      加藤 鐐造君
―――――――――――――――――――――
昭和三十四年十一月十日(火曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 中村 幸八君
   理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君
   理事 長谷川四郎君 理事 南  好雄君
   理事 小林 正美君 理事 田中 武夫君
   理事 武藤 武雄君
      大島 秀一君    岡本  茂君
      鹿野 彦吉君    木倉和一郎君
      關谷 勝利君    田中 榮一君
      田中 龍夫君    中垣 國男君
      野田 武夫君    細田 義安君
      渡邊 本治君    板川 正吾君
      勝澤 芳雄君    中嶋 英夫君
      永井勝次郎君    八木  昇君
      加藤 鐐造君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  池田 勇人君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       岡部 得三君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局長)    大堀  弘君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合評画局長)  大來佐武郎君
        通商産業政務次
        官       内田 常雄君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 齋藤 正年君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (企業局長)  松尾 金藏君
        通商産業事務官
        (繊維局長)  今井 善衞君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十一月十日
 理事加藤鐐造君同日理事辞任につき、その補欠
 として小林正美君が理事に当選した。
同日
 武藤武雄君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
十一月六日
 零細企業対策強化に伴う商工会法制定促進に関
 する請願(小島徹三君紹介)(第二九号)
 火薬類の水中廃棄に関する請願(關谷勝利君紹
 介)(第七三号)
 佐渡郡大野川上流に砂防ダム建設に関する請願
 (高橋清一郎君紹介)(第一〇七号)
 花火工場等の爆発事故防止に関する請願(吉川
 久衛君紹介)(第一三七号)
 同(中澤茂一君紹介)(第一三八号)
 同(原茂君紹介)(第一三九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十一月七日
 大阪に特許行政機関設置に関する陳情書(関西
 経済連合会長太田垣士郎)(第八九号)
 日中、日朝及び日韓の貿易促進等に関する陳情
 書(高岡市長堀健治)(第一一一号)
 経済政策に関する陳情書(東京都中央区日本橋
 茅場町二の四社団法人日本中小企業団体連盟会
 長豊田雅孝)(第一七〇号)
 為替貿易の自由化等に関する陳情書(関西経済
 連合会長太田垣士郎)(第一七九号)
 学校の電気使用料金軽減に関する陳情書(福島
 県議会議長伊藤幟外六名)(第一八四号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 通商産業の基本施策に関する件
 経済総合計画に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 まず理事の補欠選任及び追加選任の件についてお諮りいたします。去る十月二十七日の議院運営委員会理事会の決定により、従来の基準のほか理事一名を増加し、これを社会クラブに割り当てるべく通知がございました。従いまして、本委員会といたしましては理事の補欠選任、追加選任を行なわねばならないのでありまするが、最初に補欠選任の件についてお諮りいたします。理事加藤鐐造君より理事辞任のお申し出があります。これを許可することとし、補欠選任の手続に関しましては、先例により委員長より指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって小林正美君を理事に指名いたします。
 次に本委員会の理事を九名とし、その追加選任の手続に関しましては先例により委員長より指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって武藤武雄君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○中村委員長 この際通商産業大臣より、通商産業の基本施策について所信を承ることにいたします。
 通商産業大臣池田勇人君。
#6
○池田国務大臣 通商産業省の所管につきまして、最近特に施策いたしましたことにつきまして、簡単に御報告申し上げたいと思います。
 過般の伊勢湾台風につきまして、その被害が非常に莫大に上っております。われわれの調査におきましては、商工業関係の被害が八百八十億、また公益事業すなわち電気、ガスの関係が、中部地方で三十億程度に相なって、九百億を与えるという状況でございます。このうち中小商工業者の被害がその大部分で八百十億という状態であるのであります。災害の当初、われわれといたしましては、民生の安定上、またその復興を急ぐ関係上、災害について必要な物資につきましては、とりあえず低廉な価格で早急に配給するよう手配をいたしました。また電気関係におきましても、東京電力あるいは関西電力等から応援をいたしまして、その復旧に万全を尽くしたわけでございます。幸いにいたしまして、被害地におきましては非常に復興の意欲が燃えております。繊維関係等水びたしになったものは、まだ相当の時間を要しますが、その他の産業につきましては、私は二度参りましたが、非常に早く復興し、成績を上げて、被害の程度をできるだけ少くしようと被害者各位が非常に御努力をなさっておるのであります。われわれは、こういう意味におきまして、産業に一番適切な金融の面につきまして、特段の措置を講ずることにいたしておるのであります。
 御審議願っておりまする予算案につきましても、災害地につきまして、中小企業関係で、災害関係を百五十億、また年末資金といたしまして――これは災害地方だけではございません、全国的でございまするが、年末資金として百億、合わせて二百五十億の融資を考慮いたしております。なおまた、この金の借り入れを円滑にするために、信用保険公庫に十億の出資を新たにいたしまして、保険による金融の円滑をはかりたい。また十億の出資のみならず、保険料率を被害者に対しましては三分の一引き下げ、また填補率を従来の七〇%から八〇%に引き上げる等、いろいろな処置をいたしております。加えて、貸し出しした金額につきまして、百万円までは六分五厘の一般利子よりも引き下げた率で貸し付けるということにいたしております。この百万円というのは、従来の貸付金額よりも別ワクにするという制度に相なっておるのであります。中小企業に対しましてそういう措置をいたしましたが、大企業、また一般の方面におきましても、災害復旧資金を潤沢にするために、長期信用銀行あるいは日本興業銀行からの融資をはかるため、従来制限を受けておりました割引債券の制限を撤廃し、そして長期あるいは日本興業、この両長期銀行の融資をはかっていきたいという考えでおります。ことに災害のあった直後でございまするので、従来の手形の期限につきましても、特例を設けるよう、日本銀行と話し済みでございます。
 災害につきましては以上のような措置をとりまして、最近の状況では相当融資も円滑にいっております。十月末の状態で、中小企業金融公庫からの貸し出しが十億円余り、国民金融公庫が四億円余り、商工中金の方が九億円ばかり、二十四億円程度の貸し出しがすでに行なわれて、十一月になりましても相当の貸し出しが行われることを予定いたしておるのであります。
 次に、御承知の石炭対策でございまするが、石炭問題につきましてはいろいろ難問題がございます。すなわちエネルギー革命によりまして、いわゆる石炭が重油に食われるという問題、また石炭合理化法が施行せられまして以後、石炭の価格が他のエネルギーのごとく下がっていない、また労働問題が非常にやっかいで、常に労働争議が行なわれる、こういう関係を考慮いたしまして、石炭の体質改善、根本的立て直しにつきまして、今検討をいたしておるのでありまするが、すでに合理化法によりまして中小炭鉱が整理せられ、二万人をこえるという失業者が出てきておる状態にかんがみまして、政府としては、九月末に予備金支出によりまして、二億数千万円の失業対策費を計上いたしましたが、これでもなお不十分でございますので、今回の臨時国会に予算を計上し、二万一千人に及ぶ失業者に対しましての措置を講ずることといたしたのであります。その根本は、石炭離職者援護会、こういう特別法人を設けまして、この援護会に対しまして、政府と事業団半々の出資をし、そうして離職者の移住あるいは職業紹介あるいは職業訓練等各般の措置を講じることとし、また一方長期にわたり失業者に十分働いていただくように、臨時就労対策という特別の失業対策を考えまして、四億数千万円の出資をいたしまして二万一千人に及びます失業者を何とかかかえていき、そうして職業転換の方向へ向かっていこうという施策を講じたことでございます。これは今国会に提案しておる次第でございます。
 以上、当面の二つの問題につきまして申し上げましたが、今後わが国の経済をほんとうの強いものにするために、為替貿易の自由化の問題にも当面いたしておりますが、この問題につきましてはただいま検討中でございまして、今後十分検討を加えた上に適正な措置をしていきたいと思います。この貿易自由化の問題につきましては、御承知の対ドル地域に対しての制限措置につきまして、先般経済閣僚懇談会におきまして、対ドル地域に対する特別制限の十品目につきましては、できるだけ早い機会に自由化するよう決定を見たのでございます。さしむき特別の措置をとる必要のないラワン材あるいは銅合金、この問題につきましては来年一月からこれを自由化していきたい、他の品目につきましても関税その他の措置をとる必要のあるものにつきましては、来年三十五年度にできるだけ早い機会をとらえまして自由化していこうとしておるのであります。また対ドルに対する特別制限の十品目以外につきましても、われわれといたしましてはできるだけ早い機会に、いわゆる完成品等につきまして自由化の方向に進んでいきたい。先般も百五十一品目を自由化いたしました。また最近におきましても、できるだけ多くの品目につきまして自由化を実現いたしたいと考えておる次第でございます。
 以上簡単でありますが、当面の大きい問題につきまして御報告申し上げた次第でございます。
    ―――――――――――――
#7
○中村委員長 次に経済企画庁政務次官より、経済総合計画等に関し説明を求めることにいたします。経済企画庁政務次官岡部得三君。
#8
○岡部政府委員 最近の日本経済の動向を見ますと、物価は強含みながらも安定を保ち、また国際収支も黒字基調を維持している中にあって、生産は穏やかな増勢を続けております。企業経営は好転するなど、大観して順調な拡大を続けているものと認められるのであります。また世界経済もおおむね着実な伸張を示すものと見込まれ、わが国の輸出貿易の環境は概して明るいものと思われます。かくして本年度の日本経済は、昨年度に対し一一%程度のかなり高い成長を遂げるものと考えられ、また来年度の経済は本年度のような高い成長率にはなりませんが、引き続き上昇ぎみで推移し、その成長率は六・六%程度になるものと見込んでおります。しかし本年度下期には、企業の根強い投資意欲が見られ、また伊勢湾台風の影響等一時的な要因もあって、最近物価がやや強調を示していますので、当面景気が行き過ぎにならないよう配慮するとともに、今後経済が全体として堅実な姿をもって伸張していくよう適切な施策を講じていく所存であります。
 そのため、政府はさきに今後の経済見通しと経済運営の基本的態度を策定して、今後の生産の方向を明らかにしました。すなわち、まず政府としては健全財政を堅持して、財政面から景気に刺激を与えるようなことを避け、あるいは金融政策の運用によって、投資活動に過度の変動が起こらないように配慮して、現在の順調な経済基調を安定的に持続せしめたいと考えます。
 次に、国際的な貿易自由化の趨勢に対処するとともに、わが国経済の今後の長期にわたる成長のための基盤を確立する目的のもとに、経済協力と輸出貿易の拡大をはかりつつ産業の体質改善を進め、また公共投資の充実、科学技術の振興に努め、もって経済の均衡ある発展、雇用の改善、民生の向上を実現していきたいと考えるものであります。
 さらに伊勢湾台風による当面の災害復旧及び罹災者の救護と生活の立ち直りに努めるはもとより、治山治水など災害防除のための基盤を整備強化したいと考えております。
 また、石炭産業が経営不振を続け、多数の離職者が発生しておりますが、これが対策としては、石炭産業の基本的な合理化が要請されますので、政府においても総合的なエネルギー対策と関連せしめつつ慎重に検討を加えておりますが、さしあたり現に発生している離職者に対し所要の対策を講じていきたいと考えております。そのほか、今後長期にわたって経済諸情勢の進展と見合いつつ雇用状態を改善し、国民生活水準の向上をはかるため、できるだけすみやかに経済規模を拡大していくことが要請されるのでありまして、そのため、政府は国民所得倍増計画を作成することとして目下準備を進めております。さきに自民党におきまして国民所得倍増の構想を作成されましたが、政府は近く経済審議会に諮問し、この構想の趣旨を尊重しつつ具体的な計画の策定に着手する予定であります。
 政府におきましては、以上述べましたごとく長期にわたる日本経済の安定的発展を確保するため、財政金融、産業等各般にわたる適切な施策を講じていきたいと存じますので、今後とも各位の一そうの御協力をお願い申し上げる次第であります。
#9
○中村委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#10
○中村委員長 この際、板川正吾君より発言を求められておりますので、これを許します。板川正吾君。
#11
○板川委員 私は通産大臣に対しまして二点ほど要望を申し上げておきたい、こう思うのであります。大臣が就任以来、災害問題あるいは石炭不況対策問題、貿易自由化問題等をめぐりまして非常に多難である今日、努力をされているという点については、われわれ多とするものであります。
 そこで一つ注文申し上げておきたいことは、池田さんは野にある当時給料二倍論、こういう御主張をされました。これは千八百万人からの給料生活者を非常に喜ばし、希望を持たせたのであります。ところが内閣に通産大臣として入って参りまして、前回の委員会においてはこの給料二倍論は賃金労働者だけの所得を二倍にするのではなくて、同時に農民も中小企業者も国民全体の一人当り所得を二倍にする、これと同じものである、こういうことを明らかにされまして、全国民をこれまた喜ばしておるのであります。前会は入閣早々でもありましたし、詳しい具体的な資料等、そうした大臣の趣旨の具体性というものをわれわれ質問しなかったのでありますが、前会の大臣の就任のとき、それから今会でも給料二倍論についての意見が一つもないのであります。そこで次の機会に、新聞やあるいは週刊雑誌に発表されたのではなくて、どうして給料を二倍にするのか、どうして国民所得を二倍にするのか、具体性と計画性を持った資料をつけまして、野にある当時の公約というものを明らかにしてもらいたいと思うわけであります。次の機会でけっこうでありますが、資料を出していただきたい、その点を要望しておきます。それが第一点であります。われわれはその資料に基いて国民の前に、大臣の公約を明らかにしていきたいと思うわけであります。
 第二点としては、三十五年度の通産省の予算が大体内定をされたと思うのでありますが、その通商産業行政というものが、日本の経済の上から重要な位置を占めることは申すまでもないのでありまして、積極的な政策を主張されておる大臣のもとで、この三十五年度の通産省の予算というものがどういう形をとるか、私ども非常に期待しておるのであります。この予算を内定されましたら、すみやかに一つ資料を出して明らかにしていただきたい、この二点を要望申し上げる次第です。
#12
○池田国務大臣 国民所得二倍論は政治の目標でございまして、こういう考え方で政治を持っていかなければならぬ、こういう信念を吐露したのでございます。従いまして、私新内閣に入りましても、十年で二倍にするということにつきましては、常に私は自分の考えはそうではない、年限を切ってどうこうすべきではない、こういう政策をして二倍にするように近からしめる、こういうことでございます。別に資料というものはございません。従いまして先般閣僚懇談会におきまして、経済企画庁から出されました計画につきまして、これは生産の面で年に七・二%平均で行ったならば十年で倍になる、これでは意味をなさないのであります。今日本の総生産が十一兆程度でございますが、これを二十四兆にした場合――あの計算は二十四兆になっておりますが、二十四兆にした場合にそのふえた十三兆の生産物をどう消費していくかという問題、それは国民の生活水準を引き上げる、一つは外国に輸出すること、一つは財政支出に向けること、一つは海外投資に向けること、この四つに限られる。こういう十三兆円の使い方を考えなければ、これだけふえるということだけでは計画にならない、私はもっと研究を要するというので、実は反対したのであります。従いまして、私はこうやったらこうなるということにつきましては相当の年限がかかる、しかもまた板川さん御承知の通りに昭和二十九年に五カ年計画をきめました、三十一年にまた改定五カ年計画をきめましたが、その五カ年計画というものも一、二年、三年まで待たずに常に変えていかなければならないような状況なんでございます。従って十年先のことをどうこうということはなかなかむずかしゅうございます。それはなぜかと言ったら、日本の経済は非常に伸びる力を持っております。ほかの国とは違って国民の英知と努力とがあり、施策がよろしければ過去十年間においてほとんど所得が倍になっているように、非常な伸びる力を日本は持っているのだから、この伸びる力を押えないように適正に伸ばしていく政策が二倍論の根拠なんです。だから数字的に資料というものはございません。私はそういうふうな考え方でいくべきだということを野にあるときに主張し、また通産大臣になりましても、そういう考え方でいきたいというのでございます。私の計画はそのつどそのつど出て参ります。自由化の問題もそうであります。私は自由主義を唱えて、自由主義経済のもとに立っております。だからどうだといえば、過去昭和二十四年大蔵大臣を拝命いたしましてから以後の大蔵大臣とし、あるいは通産大臣とし、政調会長としてやったあの道を私は歩んでいき、あの道をもっと速度をつけていきたいというのが念願で、資料を要求されましても資料はございませんから、今私の考え方を申し上げて、今後の御審議の御参考とし、そうしてまた二倍論について御賛成いただくならば、一つ御協力と御支援をお願いしたいと思います。
 次に積極政策、ことに予算につきましての分は資料としてお出しいたしますが、何と申しましてもこの通産行政というものは、御承知の通り政府のあのちっぽけな金でうまくいくというのではございません。金融あるいはほかの一般の政策が通産政策の根本をなすことがより多い。農林省とかあるいは文部省とかいう役所とはちょっと違いまして、金利はどうなるか、生産設備の方にどう持っていくかというふうな予算外のことが、大きな要素であるわけであります。しかし予算もこれに従って顔を出すのでありますから、予算につきましても資料をお出しすることにいたします。
    ―――――――――――――
#13
○中村委員長 次に通商産業の基本施策及び経済総合計画に関し質疑の通告があります。順次これを許します。長谷川四郎君。
#14
○長谷川(四)委員 ただいま大臣からも御説明をいただいた通り、自由化の問題はできるだけ早い機会にこれを実行していきたいのだというお話でございます。もう自由化の問題につきましては理論としては論じ尽くされている、こう考えております。問題は、その実行の段階に入っているのだが、いついかなる形でこれを実現さしていくか、こういうところにもう来ているのだ、従って今後の世界の貿易は自由化へというところに基本を置いた動向を示していることも論をまたないところだ、こう考えます。たとえば国際通貨基金または世界銀行の年次総会、さらに最近のガットの総会等において、その目的の中心というものがどこにあったかというと、すなわち自由化にあったということを私はよく知ることができると考えております。従ってこの世界貿易が戦後の段階というものをいよいよ脱して、自由化をいかに推進するか、こういうところに突入をしている。すでに西欧においてはブロック化した自由貿易が行なわれている。このためにわが国は差別的な待遇を受けているという話も承っておりますし、話を聞くばかりでなくて、事実そういうものに大臣みずからが出くわしている、こう思っておりますが、こういうことが続けられているのに先だって国際通貨基金総会において、ヤコブソン専務理事またはアンダーソン米財務長官が、ドル不足は解消したとのことを述べており、さらに対米輸入の差別撤廃の要請をして、またジロン国務次官は日本に対するところの自由貿易に対して差別待遇を続けることは深く反省しろ、当然日本も自由貿易をしなければならないという段階に入っているのだからとまで述べていられるようにも見られます。
 さらにまた西欧諸国の相手国に経済的地位が急速に高まってきている。すなわちこのブロック化した結果が、非常に今日よくなってきているということもまた事実であろうと思うのであります。こういうようにその結果というものが明らかになってきている。さらにまた、たとえばこれらの国々の、どのくらいの程度によくなってきているのかという数字を一目見せてもらいますと、たとえば西欧地域内で約九〇%以上または対ドル地域で約八〇%、こういうふうな上昇率を示している。これに対しまして、反面わが国ではわずかの三〇%だ、こういうことを数字には表わしております。このようになっておる。この現実の上に立って、わが国の産業の振興は、また世界各国でも驚異的拡大をしている。大臣がただいま非常に伸びがいい、また企画庁は企画庁として本年度は一一%強の伸張率を示しているといっております。しかしこの伸張率を持続させていくということ、また大臣はもちろん日本の産業をさらに拡大して、そしてより高きものにしていこうという、これが大臣の使命であろうと考えております。これを持続さしていこうというのには、申し上げたような自由化ということがどうしても促進されていかなければ、私はこれを持続させることができなくなりはしないだろうか、これだけ大きく日本の産業がせっかく伸びてきたが、伸びてはきたけれども日本の自由化がおくれていくということになれば、逆に脱落をしなければならないだろうとただいまの数字の上からいっても考えられる。従って日本の産業が世界水準を突破したといえ、またただいまのお話のように非常に大きな伸びをしたといえ、何といっても基盤が非常に脆弱であるということが、日本の産業陣営に対するところの一つの問題であろう。従って、これらの脆弱化しておるといおうか、その基盤が非常に弱い、その点について今日まで多く保護政策が並行して行なわれていっているわけでありますが、こういう点について今後貿易の自由化を促進するために、どういうようなお考え方をもってお進みになるか。あるいはまた、自由貿易というものはなるだけ早い機会というだけでなく、大臣のお考え方をお示し願いたい、こう思うのでございます。その一点をお伺いいたします。
#15
○池田国務大臣 先ほど申し上げましたごとく、私は経済の基本は国民の創意工夫を、しかもまたあり余る労働力を思う存分に働かせるような自由主義経済でなければならないと深く信じておるのであります。従いまして、昭和二十四年、あの戦後の状態におきまして、私はまず国内の経済の自由化ということをはかって参りました。当時輸出補助金、輸入補給金あるいは物資統制、価格統制によりまする補助金を昭和二十四年には二千二十億円を予算に計上いたしております。七千億円余りのうちで補助金を計二千二十億円出しておる。こういうことではいけないというので、一応計上いたしまして、二十五、六年の間に国内のいわゆる価格の統制を全部やめて、今米だけでございます。そういうようにいたしましたこともありまして、こういうふうになっておるのであります。
 しこうして今自由主義と申しましても、お話のごとく為替並びに貿易に関しましては非常に不自由でございます。御指摘になりましたごとく、輸入物資のうちで三〇%前後が自由に輸入ができるというだけで、七〇%はとにかく国の統制によって自由になっていない。これを早く名実ともに日本の経済を自由に持っていくにあらざれば、これ以上の伸びはできないという気持を持っておりますので、私は野にあるときから為替貿易の自由ということを唱えて参り、幸いにして通産省に参りましたので、その旗じるしで大蔵省並びに農林省と話を進めておるのであります。先ほど申し上げましたごとく今は三〇%でございますが、対ドル関係の問題、自由品目を解決し、今後繊維関係等につきましても徐々にこれを自由化しまして、ほんとうの自由な経済のあり方に早急に持っていきたいと考えておるのであります。
#16
○長谷川(四)委員 国内産業といおうか、すべてのものに対しての保護政策は行なわれているのですが、貿易の面の自由化をはかるという点について、貿易政策というものと国内産業の面というものと切り離したところの政策を考えていかなければならぬのじゃないだろうか。その点についてどのようなお考え方を今日持って進められているかというようなことをお聞きしたいと思うのでございますが、日本の貿易構造というもの自体にも大きな変革を来たしてきやしないだろうか。たとえばつい三年、四年といいましょうか、前までは、大体日本の貿易の主たるものは何だとお聞きすれば、政府の答弁はおきまりのように、雑貨でございますとお答えになっておられるわけでございますが、今日の時代になって、輸出の大宗をなし、今後ますます拡大していこうというものは何であるかというならば、私は、やはり機械類への移行が大きく見えるのじゃないだろうか、さらに重機械というようなものの輸出についても、また半面大きなものが今日現われてきている、こういうようなことが考えられるのでございますが、そういう点について産業構造という上に立ってのお考え方は、大臣はどのようにお考えになっておられますか、お伺いをしたいと思うのであります。
#17
○池田国務大臣 輸出のどういう方面に力を入れたらいいかという問題でございますが、どの方面でも、とにかく外国の市場を調査して、外国人の好むような、しかもまた日本人としての特技を持っているものを奨励すること、これは申すまでもないことでございます。雑貨の伸びようが非常にこのごろ大きくなっております。ことにアメリカに対しまして輸出の一割四、五分を占めるという状況になって、しかもますます伸びつつありますので、雑貨についても伸ばしていかなければなりません。またお話の機械の輸出、これもいわゆる雇用関係から申しまして機械方面への雇用がやはり一番多いのでございますから、日本の機械に対する技術の進歩をはかると同時に、機械の輸出にも重きを置かなければなりません。また昔から日本の非常に輸出の大宗であった繊維関係につきましても、これも伸ばしていかなければなりません。これは相手の状況を見ながら私は各方面につきまして生産をどんどん伸ばしていく、生産を伸ばしていって、安いいいものを作り、そうしてこれを外国に買ってもらう、また外国が買う力がなかったならこれを一時的に外国に貸して、そして彼らの経済力を高めて、自分の力で日本のものを買い得るようにしていくことが第一だと思っておるのであります。私は輸出第一主義ということをいかにも否定するようなことを、野におるときに言ったという非難を受けておりますが、輸出貿易が大切なことはもちろんでございます。しかし輸出をするためにはやはり国内産業を伸ばしていって、増産をしていいものを安く作るということが、私は輸出に対しての一番の大きい近道だと考えておる次第でございます。生産の増強が輸出あるいは国内産業の発達、ひいては民生の向上に絶対要件だと考えておる次第であります。
#18
○長谷川(四)委員 本年度の一一%強の産業の進展を見ましても、また国民が池田大臣就任と同時に大きな期待を持った結果の現われだと考えており、さらにまた、国民がさらに一そう考えていることは何だろう、きっと池田大臣ならば、これらの諸問題の難関も必ず突破してやり抜いてくれるであろうというところに、大きなあなたに対する期待を持っているところも争われないところだと考えております。従って、ただいまのお話の中にあったような、わが国の機械産業というもの一つを取り上げて見ましても、原材料の価格を一つ見ましても、他国に比較をして非常な割高にある、これを克服して国際競争の中に立って今日勝ち抜いてきているのであります。従って、これらに対しましても、今後貿易自由化を行なっていくということになると、政府の施策が転換をされていかなければならない点がたくさんあると思うので、思い切った施策を講じなければならない。たとえばこの間の輸出の保険の問題というようなものも、輸出保険法に基づいたところの普通輸出保険、輸出代金保険、輸出手形保険、輸出金融保険、委託販売輸出保険、海外広告保険、海外投資元本保険、こういうようなものがたくさんありますが、まず考えなければならない点は、私は今のこれらに対するわずか三十億というような程度のもので、今後貿易が自由化されていった場合に、業者が安定をした輸出を行なっていけるかどうか、こういう問題があると思うのであります。私に言わせるならば、少なくとも三百億くらいの投資、つまり国の投資というものがなければ、特別の会計によってのものがこの中に資金として運ばれていかなかったならば、安定した貿易ができないのではないだろうかというようにも考えられるのですが、その点はいかがなものでしょうか。
#19
○池田国務大臣 輸出保険に対しましては、いろいろ考えなければならない問題があると思います。料率の問題あるいは保証関係等いろいろございまするが、これは今の為替自由化の問題とは直接ではございません。今の為替自由化の問題で、機械の問題を申しますると、今は相当外国からの新式機械の輸入を押えておりますが、今度の下期の外貨予算につきましても、私は予算を相当ふやしまして、ある程度機械の輸入も楽にすべきじゃないかという考えを持っておるのであります。それは私はこういう経験を持っております。五年ほど前に、日本の火力発電につきまして、七万五千キロの火力発電機械をアメリカの輸出入銀行の融資によりまして入れたのであります。しかるところ、国内の機械メーカーは、これに対しまして非常に反対をいたしました。日本でもできるじゃないか、それをなぜ輸入するかという反対があったのでございまするが、私の見るところでは、当時は七万五千キロの発電機は、日立、東芝等におきましてもちょっと無理じゃないかという考えのもとに輸入したのであります。これが非常に当たりまして、その後GEとかウエスティングハウスの機械を日本のメーカーが見まして、非常に技術が進歩した。今は七万五千キロではございません。十五万キロあるいは二十万キロの分も、国産でできるように相なっておるのであります。せんだって、四、五日前にGEの社長が参りまして、今度は二十六万キロの分を――これは三十六万キロかちょっと忘れましたが、その程度のものを日本で火力発電を設けたい、それは日本でできるかできないかという問題がございます。これは多分三十六万キロだったと思いますが、三十六万キロの火力発電というものは、これはアメリカしか作っておりません。ほかの外国では、それだけの技術がない。しかし日本では、三十六万キロ、日本独自ではちょっとあぶないのではないか、重要部分だけ向こうから持ってきて、他の部分は日本で作ろうというようなことをいたしましたが、こういうことを考えてみますと、一時は外国からいい機械を輸入することは非常に反対がございますけれども、思い切ってやるならば、日本の機械の技術振興に非常に役立つという経験を私は持っておるのでございます。優秀な機械であり、しかもそれが日本では今のところできにくいというような問題につきましては、お話の自由化の原則によりまして、できるだけこれを自由化してやっていきたい、こういう気持を持っておるのであります。わが国の産業の行き方といたしましてはいろいろな問題もございますが、お話の通りに、東南アジアの未開発国を開発する場合におきましても、この機械というものが一番先に必要でございますので、十分今申し上げたような考え方でやっていきたいと思っております。
#20
○長谷川(四)委員 ただいまのお話のように、数年をたたずして日本のプラントの輸出は非常に拡大していっているというように、それは一機械の問題ではあるけれども、すべてのものがそれと並行して今日拡大をしてきていると私は考えております。そうなって参りますと、結論として申し上げたように、もう八種類のものに設けられた三十億というような輸出保険ということでは、ちょっと物足りないのではないでしょうか、そういうことが結論として申し上げられるわけでございます。従って、輸出保険の問題につきましても、五八年度あたりは赤字のようでございましたけれども、本年度はこれが黒字に変わっていっているというお話でございますが、ただ黒字に変わっているから、それで間に合うのだろうというような問題でなくて、大臣のお考えのように、輸出貿易というものが必要であり、日本の国民生活を向上させていくという上に立てば、何としても輸出貿易が第一主義でなければならないのだというその信念に基づいて行なっていくことに、われわれは最も敬意を表し、賛成をするところでございますので、そのような点を考えてもらいたいと思うのであります。従って輸出保険の問題ばかりではなくて、今後自由化されていく点について、さらに一そういろいろな保証問題とか関税の問題とか、いろいろな問題がこれに並行してくるわけでありますが、そういうような諸点について、自由貿易をやるんだという点についての施策、いろいろな研究、またいつでも持ってこいというような態勢が今日整えられているのかどうかというような点を一つお聞かせ願いたいと思います。
#21
○池田国務大臣 私は、日本の輸出貿易は洋々たるものとは申しませんが、相当伸ばし得る、また伸ばさなければならぬ、こういう考えでおるのであります。従って、今原材料品につきましては、原材料品あるいは外国との競争のないもの、あるいはあってもこちらの方で勝つものにつきましては大胆にやっていきたい。それから競争のものにおきましても技術の非常におくれているものにつきましては、ただいまお話し申し上げましたように、一つ日本の産業体質改善のために相当の輸入もやっていく、これがいわゆる輸出をふやすゆえんであるのでございます。そういう考えでいっております。それから完成品、最終消費財というようなものにつきましても、やはりこれは日本が非常に偏見で、世界の貿易市場から村八分になるというようなことがあっては大へんでございますから、できるだけ国内産業、ことに中小企業に対する影響をできるだけ少なくしつつ自由化に踏み切っていきたいと思っております。
#22
○長谷川(四)委員 そこで西欧諸国を見ましても、たとえば西ドイツの輸出関係あるいは英国、フランスというような国々を見ましても、相当私は思い切った施策が講ぜられておると思うのでありますが、わが国において思い切った、つまり自由貿易を今後行なおうとするのには、これら諸国と同様な考え方をもって施策が進められていくのかどうか、そのときにはそういうように、同様にやるというお考えでいるかどうかをお伺いしたいのであります。
#23
○池田国務大臣 欧州の共同市場は、これは実を申しますると、一昨年できたのでございまするが、その根はもう七、八年前から準備されておったような状況でございます。従いまして、スタートいたしましてから万人の予期以上の成績をあげておるのであります。われわれは欧州共同市場の状態について常に関心を持って見ております。最近は非常に成功いたしまして、今では欧州共同市場六ヵ国のみならず、その植民地と申しまするか、アフリカ方面に対しましても、ベルギーあるいはフランスの植民地等と一体になりまして、原材料は第一義的にアフリカの方から輸入していくような状況に相なっております。従いまして、われわれといたしましてはそういう関係で、困っておる中近東、東南アジア等の諸国と今まで以上に緊密な経済関係を結ばなければなりません。この東南アジア、中近東との経済関係を強化するためには、どうしてもやはり延べ払いとか、あるいは先ほど申し上げました日本のあり余った生産物を彼らに貸してやって、そして彼らをしてその国の国土開発、資源開発に当たらし、そしてわが国がその開発された資源を輸入して、彼らの生活水準を引き上げる、こういう何と申しまするか、東南アジア、中近東との、経済ブロックとまでは参りませんけれども、そういう素地を作っていくよう心がけていくことが、今後の日本の発展に必要であると考えておるのであります。と同時に、われわれは、お話のように、自由化をいたしまして、アメリカ方面はもちろんのこと、欧州共同市場とも対等の関係で、ガット三十五条の廃棄等、いろんないわゆるともに立つ態勢を整えていくことが、必要であろうと考えております。
#24
○長谷川(四)委員 まことにけっこうな考え方だと思うのですが、私はただいまのお話の中にも、たとえば西欧諸国において結果としては非常によかったんだ。日本が今後そのまねをしてやるという意味ではないのであって、その一段と上回る施策をこの際要請をしなければならないと思うのでございまして、要は西ドイツでやったから、フランスでやったから、その結果がよかったから、日本も今度はそれをやろうという、その一段と高まったその施策によって、より高きものの結果を得ることができるんだ、こういうふうに私は考えるものでございまして、どうか大臣のお考えにいま一段と一つお考えを高めてもらって、そうしてより以上の施策を講じていただくことをお願い申し上げる次第でございます。
 従ってもう一点お伺いいたしたいのは、貿易の自由化にあたって、綿花の問題があるわけでございますが、要するに、原綿という問題をどういうふうに大臣はお考えになっておられるだろうかと思うのでございます。たとえば今後日本が、原綿という問題が自由化になったとしても、やはり現在アメリカならアメリカというものからの輸入という面が多数を占めていくであろうと思うけれども、まずこういう点について、大臣のお考えが綿花というものをどういうふうにお考えになっておられるかということを一つお伺いをしてから、したいと思うのでございます。
#25
○池田国務大臣 わが国の輸入品のうち、繊維関係の原材料の輸入は、相当の地位を占めておるのであります。大体輸入の二割程度は綿花、羊毛でございます。これを自由化するということは私年来主張しておるところでございまするが、何分にも長きにわたる貿易統制のために、今の産業というものが綿花の割当ということを主体にしてできておるような状況でございます。これを打ち破ることはなかなか困難でございまするが、しかしいずれはこれを打ち破って、自由な姿にいたさなければならぬと思っております。しこうしてこの綿花の自由化ということは、羊毛あるいは化繊、合成繊維等に影響いたすのでございます。従って先般私は、繊維総合対策懇談会、こういう懇談会を設けまして、綿、羊毛、合成繊維、化繊等の実業人また学識経験者を集めまして、繊維関係につきましての自由化をどうしていくかということを研究さしておる次第でございます。いつできるかということは、国際収支の状況、また産業がそれに打ってかわる準備が必要でございますので、今その点を検討いたしておる次第でございます。
#26
○長谷川(四)委員 困難ではございますけれども、御承知のようにIMFは主として通貨面であり、またガットは物の面からの貿易の自由化、それによる秩序の確立ということを目ざして今日これができておるのでございますから、むずかしいとは言い条、私はそうむずかしい問題でないと思うのでございます。従って流通、交換、こういう面に問題が、国内の問題も残されると思うのでございますが、この原綿というものが、私は、今の原綿の取り扱い業者と言おうか、まあ綿紡にいたしましても、非常に矛盾を残していはしないだろうか。かっての戦争中の遺物をそのままにやっているのは、現在のこれらの種類の方々と、日本の輸送機関にある自動車の部門だけで、ほかに何ものも残っていないのじゃないか。最もその中で顕著なものは、戦争中そのままのような考え方をもって進んでいるのは、これらの取り扱いをやっておる方方じゃないだろうか、そういうふうに考えられます。たとえば一例を申し上げてみますと、綿紡機について、一万錘の綿紡機を持っていると、年間純利益が一億くらいあって、まるもうけになるというそろばんが立っていくわけです。それはどうしてそういうふうにそんなものができるのだということになりますと、結果は要は、プレミアムということに残されておると思うのでございまして、そのプレミアムを見ましても、九月の二十Sが二千二百五十円、安値のときは幾らだったというと千二百五十円だった、平均千五百十円だった、こう言う。また四十Sはどうか。高いときは四千二百五十円、安値のときで二千円、平均三千六十円のプレミアムがついている。資金の問題を見ましても、十月一ポンドは二十八円五十銭、安値で二十一円五十銭、平均が二十五円、さらに原綿のポンド資金を見ても、九月三十三円五十銭で、安値が二十六円、平均が二十八円だ、こういうふうなつまりプレミアムがついている。そうしてその上にあぐらをかいて、じっとしていてもこれだけのものが出ていくという、こういうふうな方々が、原綿の自由貿易に対する反対をして、私のところへもずいぶんいろいろなところの反対の理由がきております。こんなにたくさん、反対もあれば賛成もたくさんあって、賛成の方が多いんですけれども、来ている。こういうようなものが今日残されていて、そうしてこの中に立って、しかも原綿を持ってきて、そうして今日輸出をしている。こうなってくると、だれがそのしわ寄せを受けているんだ、このしわ寄せを受ける者は申し上げるまでもなく中小企業者の機屋であるということだけは、これは争われないところだと思うのでございますが、こういう点について大臣はどのようなお考えでございましょうか。
#27
○池田国務大臣 そういう、常識から考えると理不尽なところが起きてきているのでございます。今度自由化というものを急ぎますゆえんのものも、そういういやな場面がありますから、これを一掃しよう、しからばそういう人がおるからいかないのだ、で、あすの日からやるかということになりますと、それは政治といたしましてやはり移り変わりのことも考える必要がございますので、できるだけ早くいたしたいと思っておるのであります。
#28
○長谷川(四)委員 こういう戦争中の遺物のようなものは、もう今日はなるベく早目に解決をつけていかなければならないということは、私が申し上げるまでもなくよく御存じだと思うのでございまして、これ以上その点については申し上げる必要はないと思いますが、そこで原綿の輸入というものが自由化されて入ってくる、その原綿が自由化で入ってくる場合、この流通経済の上に立って、やはり何といっても取引所というものがこの中に利用されていかなければならない。従って取引所を通じて公正妥当な価格というものが生まれ出なければならないと考えておりますが、そういうときに当たって原綿の取引というものに対する取引所というものを――取引所の問題は、申し上げるまでもなく、要は申請をする、それによろしいという許可を与えればいいわけですが、たとえば原綿が入ってくる場合、取引所を通じて公正妥当な価格というもので行なわせる考えがありますかどうかを伺いたいのでございます。
#29
○池田国務大臣 原綿の輸入が自由になりますと、私は取引所というものは必要であると考えておるのであります。あるいは原綿の大部分はアメリカからのものであり、しかもアメリカは支持価格を置いておりますから、そう価格に変動はないであろうから要らないじゃないかという議論もあるかもわかりません。しかし私は、支持価格がありましても相当向こうでも動いておりますし、また日本に輸入される綿花は米綿ばかりじゃございません。メキシコ綿も相当伸びておりますし、あるいはエジプト、パキスタンまたは最近ではブラジル等々がございますので、原綿の輸入自由化に伴いまして取引所の機能を増すことは私は必要であると考えております。
#30
○長谷川(四)委員 私もお言葉の通りだと考えております。たとえば米綿の輸入というものは大半を占めている。しかしアメリカ側においては綿花の輸出についての支持価格制度というものを設けておる。によっていくならば、その輸出補助金というものが画一的に定められているんだから、結果的には輸出の価格というものの変動というものが非常に少なく、その範囲が狭められていくだろう、しかし何といってもやはりアメリカの市場そのものを見て――きょうはその各市場を最近ごらんになった局長が来ているんだが、各市場をおそらく見てきたと思うのですが、そういうように、つまりアメリカにおいても価格というものが一応国内価格、輸出価格というようなものもできており、結果としてやはり取引所というものがここに必要性というものを帯びてきているのだが、松尾局長は最近海外を見てお帰りになったばかりなんだが、その点はどうでしょう、日本も早目にこれをやらなければならぬというお考えが出たか、それとも、やっては日本の国に不利であると考えたか、業者に対する安定を欠くと考えたか。その点を一つお聞かせ願いたいと思う。
#31
○松尾(金)説明員 私がアメリカへ参りましたのは、別段そういうことが目的で参ったわけではございませんで、企業のマネージメントの状況を見せていただくために、短かい期間ではございましたが回って参りました。従いまして長谷川委員の御質問に対して特別にお答えするものは何ら持っておりませんけれども、ただいま大臣のお話の点を私も全くその通りだと思っております以上に特別にお答えするものを持ち合わせておりません。
#32
○長谷川(四)委員 最後に一点だけでございます。ただいまの取引所の問題ですが、そうなった場合に、日本に幾つくらいの取引所が必要かというような問題も出てくると思うのですが、その点についてのお考えはいかがでしょうか。
#33
○池田国務大臣 取引所を設けるということになりますと、すぐ出てくるのは東京と大阪でございますが、私は綿業の関係から申しまして、やはり名古屋にも必要じゃないか。商社あるいはメーカーまた繊維の分布の状況から三カ所くらいが適当じゃないかと考えております。しかし、これはまだ確定した意見ではございません。
#34
○長谷川(四)委員 もう時間がありませんので、私もこれでやめますが、いずれにしても大臣のお考えは全面的に私は賛成であり、期待を申し上げておるのでありますから、なるべく一日も早くその効果が現われ、その施策が現実化するように御努力を一段とお願いを申し上げたい。以上をもって終ります。
#35
○南委員 関連して一点だけ。今通産大臣が羊毛、綿花については、いずれはできるだけ早く為替の自由化を実現したい。そこへ行くまでにいろいろ方法があると思うのであります。大臣みずからもその点については国内産業の影響その他を考えなければ、早急に簡単にやれないというお言葉もあったのですが、その方法実現の一段階として設備割当から商社割当を増していくような方向に持っていきたいという意見も聞いております。確かに一つの方法だと思うのであります。今のいわゆる羊毛、綿花を単純に設備割当だけにやっていくというのではなくてなるべく自由化に近ずく実現の方法の一つとして、商社になるべく手持ち外貨を与えてそうして商社の自由で、できるだけ安いよい綿花を入れさせる方がよいのではないかという意見も出ておるのであります。自由化までいく一つの段階として、そういうことを大臣は考えておいでになるかどうか、この点だけを一点御質問申し上げます。
#36
○池田国務大臣 自由化の一段階として商社に相当部分割当をやるということも一つの考え方としてありましたが、私は非常な疑問を持っております。今ここでどうかと言われれば、ただいまのところそういうことは私はいい方法ではない、かえって弊害が起こってくるのではないかというので、結論は出しておりませんが、ただいまのところはそういう気持でおります。やるならばずばりとやるべきだと思います。
#37
○中垣委員 関連質問。ただいま大臣に承りますと、大体羊毛、綿花につきましての自由化へのあれはわかったわけでありますが、ただ私この際一言大臣に申し上げておきたいことがあります。また大臣の御意見も承りたいのでありますが、この羊毛にいたしましても、綿花にいたしましても、それを原料とする業というものは、大中小にかかわらずすべて、たとえば綿糸、綿布、羊毛、毛織物等を通じまして六カ月間先を売ったり買ったりしているわけであります。従ってそういうことを御考慮に入れてやっていただきませんと非常に混乱が起きまして、特にそれがために中小紡績や機屋等が倒産する可能性も私は出てくると思う。従ってこれを御実施なさるときには相当期間の予告期間が必要であると思うのであります。大臣はどんなふうにお考えでございましょうか。
#38
○池田国務大臣 これは綿花、羊毛にかかわりませず、たとえばマル特物資等につきましても、やります場合には、期間は三カ月か六カ月か、あるいは九カ月を要するか、とにかく一つの大変革でございますから、やはり決定いたしましたならば、その間に準備期間ということはぜひ必要でございます。そういうこともありますので、ただいま申し上げましたように、繊維総合対策懇談会というのを開きまして、実業界、産業界の実際を十分聞いてやりたい。私はこの問題についての綿花、羊毛の自由化というのは、もう数年前から言っていることなんでございまして、今ではおそ過ぎる、それで急いでやりますが、急ぐからといって産業界の実情を無視したようなことはいたさないつもりでおります。御意見がありましたら、この機会でもまた他の機会でも一つお教えをいただけばけっこうだと思います。
#39
○中村委員長 次は永井勝次郎君。
#40
○永井委員 私はきょうは、あとに八木君がなお質問があるようでございますから、時間がありませんから簡単に二、三の要点についてだけお尋ねをしておきたいと思います。
 長谷川委員の質問に対して一部お答えがあったわけでありますが、今日本の貿易は一つの曲がり角に来ておると思います。そのためにはぜひ貿易の情勢の把握、今後の展望、そういうものを正確に把握して、その上に立っての所見が大へん必要であると思うのであります。その意味において私は大臣にお伺いいたしたいことは、ヨーロッパの共同市場、それからイギリスを中心にした自由市場、また南米七カ国の間に共同市場を設けようとしておるのでありまして、先日モンテヴィデオで会議を開いて、明年の二月には七ヵ国の外相会議を開いて条約を結ぶという運びになっておるようでありますが、これらのそれぞれの地域におけるブロックの共同市場というものをどういうふうに評価されておるか、それからこれらの共同市場に対してソ連圏あるいはアメリカ圏、それぞれのブロック的な一つの市場というものが、どういうような関連において今後推移するかという展望、それらの評価を一つ明確にこの機会に簡単でいいですが、お伺いいたしたい。そうしてヨーロッパの共同市場等の影響が中近東、東南アジア等に及んで参るでありましょうし、日本の本年の下期及び明年にわたってのこれらの影響に対する対策として、どういうところに重点を置いて今後貿易政策を進められるお考えであるか、それらに対する所見を一つ大臣にお伺いいたしたい。
#41
○池田国務大臣 ヨーロッパの共同市場の問題は、先ほど申し上げましたごとく相当強化せられ、非常な成績を上げております。それが最近ではアフリカ方面にその影響が来ております。中近東、東南アジアについてのことも先ほど申し上げました。また中南米六ヵ国が共同市場的のものを形成すべく、東京でも相談したということは御承知の通りでございます。私は彼らのこの共同市場に対してどういうふうに評価しているかということもさることでございますが、彼らが日本をどう評価しているかということが、日本の貿易政策に非常に必要なことだと思います。私は彼らの動きにつきまして細心の注意を払い、彼らと共同してほんとうに世界の貿易を伸ばそうとして、高く評価しておりまするが、私が、ここで考えなければならぬことは、彼らが日本をどう評価しているかということが大きい問題で、村八分にならないように、先ほど来自由主義を提唱しておる次第であります。
#42
○永井委員 村八分にならないようにということはけっこうなんですが、これをどういうふうに日本が評価しているかということに対する御解明がなかったわけであります。その点を一つ正確に解明していただいて、その中における本年の下期から来年にわたっての、何十年という先は別でありますが、当面の日本の貿易政策について、どういう心がまえをもって今後お進めになるか、その点を一つ具体的に御説明を願いたい。
#43
○池田国務大臣 長谷川委員の御質問に対しまして、私の貿易政策ということは申し上げたと思うのでございます。日本に対しまして、世界各国は非常に日本の輸出が伸びていっているのではないか、各国の貿易の状況よりも日本の貿易の状況、ことに輸出の状況というものはすばらしいものだ、しかも外貨は相当たまってきている、ことにアメリカに対しましては、先ほど申し上げたごとく、ドル地域に対する特別の制限をやっている、また昔とは違って、アメリカと日本との間は日本の方が輸出超過国になっている、いろいろな点がございます。しかも日本はチープ・レーバーだ、労働力が非常に安い、われわれはチープ・レーバーの国に対しては、普通のやり方ではいかぬというふうな議論が、世界にどんどん起こりつつあるのであります。従いまして、私は日本の輸出を伸ばすためには、まず彼らが日本をどう評価しているかということから考えますと、日本という国は、早く自由化に進んで世界各国と共同して自由な立場でいくという態勢を整えることが必要であると思うのであります。私はこういう方針で進んでいきたい。ことにまたいい品物を安くするためには、やはり日本の産業体質を改善し、りっぱないい品物を安く作る、そのためには生産の増強よりほかにないという考えでございます。
#44
○永井委員 大臣が今いみじくもおっしゃった通り、日本が貿易において有利な点といえば、労働賃金が安いということ、原材料は非常に不利である、また金利も高い、こういうように安いのは労働賃金だけだ、こういう条件の中で国際市場において自由化した場合、日本がとらなければならないいろいろな問題ははっきりしてくると思うのです。国内の経済の産業構造を、この不利な二重構造をどういうふうに経過的に持っていかれるか、あるいは高い金利をどういうふうに引き下げようとされるのか、あるいは東南アジアの方へ日本が雑貨を売り込みたい、あるいは繊維を売り込みたい、こういっても、雑貨に対しては輸入制限の動きが活発に起こっておることは御承知の通り、繊維については現地において工業化の方向に動いておりまして、これもアメリカ等からこれ以上要求しない方がいいだろうという注意を受けておる状況でありますし、後進国の地域に対しては現地の工業化によってこれが漸減いたしていくでありましょう。そういたしますと、おのずから当面している日本の貿易政策というものは、大臣が今おっしゃったような抽象的な議論でなしに、本年の下期から明年の一年にわたって、どういうふうな対策をおとりになるか、こういう差し迫った当面の問題としてはもう少し具体的なお話がなければならぬ、来年度予算の要求も今されておることでありましょうし、そういうものに含めて、一つこういった関係を、国内の産業態勢をどういうふうに整備して参るか、それから競争力にたえるようなファクターをどういうふうに整備されるのか、為替管理その他の問題をどう処理されるのか、あるいはAA制等をどうされるのか、こういうことを、簡単でいいですから、一つ経過的に、自由化の方向をどういう姿勢でおとりになるのか、どういうプロセスでお運びになるのか、ここを明白にしてもらいたい。
#45
○池田国務大臣 先ほど来だいぶ申し上げたと思うのでございますが、もし何でございましたら、具体的にあなたのお考えになっていることを御質問いただければ、それによって申し上げたいと思います。
 日本の立場といたしましては、世界の人に日本の実情を十分見てもらって、そうして彼らと話し合いしながら、彼らの好む方向に持っていく、それが日本の経済に非常に悪いときには、時間的に余裕を持たしてもらう、こういう考えでいっておるのであります。わが国の貿易政策をどうするかといったら、先ほど申し上げたように、今のところは自由主義に向かって進んでいくのだ、これでいいと思います。為替管理につきましても、外資法、為替管理法を統一して、資本的にも世界各国と有無相通ずるような態勢を整えていく、こういうことであります。それから、日本のチープ・レーバーをどうするかということは、私は日本の産業あるいは経済を伸ばすということは、金持ちが金持ちになったからといって、それはそう役に立たない。一般大衆の生活が上がっていくことが、先ほど申し上げましたように、ある人の言う所得の倍増、いわゆる十三兆円もふえた場合で、このふえたものをだれが使うかといったら、外国に輸出するか国内の人に消費してもらうかであります。たとえば、昭和二十四年に、日本の総生産というものは三兆円でございました。今は十一兆円であります。そうすると、八兆円ふえた生産物をだれが消費しているかといえば、外国への輸出は一兆円でございます。八兆円の生産のうちで、一兆円輸出して、あとの七兆円というものは日本国民が消費して、日本の経済をここまで拡大しているのであります。従って、今後所得を倍増にするというときは、何が目的でやるかといったならば、一般大衆の生活水準を上げて、日本の生産物を、外国人と同様に、それ以上に、日本の大衆がこれを消費する、そのためには大衆の所得をふやさなければいかぬ、これでいっておるのでありまして、それによって、いわゆるテープ・レーバーが徐々に改善されていくわけです。アメリカ人に言わければ日本をチープ・レーバーといいますが、アメリカに対してイギリスが半分の月給、レーバーでいっております。ドイツはアメリカの三割程度のレーバーでいっておるわけです。だから、そのチープ・レーバーというのは程度がございますが、われわれは、小なくとも二倍、三倍にして、ドイツ並みに日本のレーバーを持っていきたい。それには、生産を伸ばして大衆の所得をふやす、消費をふやすほかはない、こういうことでございます。もちろん、お話の通りに、金利は高うございます。日本の輸出貿易を一番阻害しているのは何かといえば、日本の金利が高いことです。しかし、このことは産業人は知りません。自分が金利を払っておりながら、知りません。せんだって私はある造船工業会の方と話をしたのですが、メキシコに対する船舶の輸出をドイツと競争いたしました。ドイツと競争いたしまして、ドイツに負けた。どこに問題があるかという質問でございますが、造船技術はドイツよりも二、三年進んでおります。日本は世界一でございます。にもかかわらず、負けたということは、金利が高い。造船会社自体が払っている金利は大したことはないかもわかりませんが、造船会社に納入する中小企業の負担が、半分あるいはそれ以上協力しておりますが、その金利が高い。しかもまた、日本は蓄積資金がないから、延べ払いの期間の問題で負けておる。金利とお金の問題で負けておる。だから私は、そういう点につきまして、できるだけ金利を下げていくことが、輸出貿易のために一番必要なことであると考えておるのでございますが、さあ、それなら通産大臣として一般金利を下げるのに、どれだけの力があるかといいますと、遺憾ながらこれは大蔵大臣の所管で、私は何といってもありません。私の年来の主張でございますが、なかなかいきませんけれども、努力いたしまして、一般金利を下げるようにいたしたいと私は考えております。これが一番必要なことでございます。でございますから、総合的にはいろいろ申しますが、あなたがお聞きになりたいということを持ち出していただければ、それによってお答えいたしたいと思います。
#46
○永井委員 時間がありませんから、具体的なことはあらためて質問いたしたいと思います。今基礎的なことだけちょっと……。
 ヨーロッパの共同市場が成功しつつあるという基礎には、やはり各国の間における労働賃金を同様にするということ、生活水準を同様にするということ、そういう一つの共同の目標のもとに、共同市場というものがいろいろ具体的に運ばれて、それが成功させておる原因だと思うのであります。労働賃金を上げて生活水準を高めるという大臣の考えはけっこうだと思います。金利を下げるということもけっこうであります。通産大臣として金利を下げろというのではなくて、国務大臣として、ことに保守党内閣の中における実力者としての池田国務大臣に対する要請でありますから、ことに大蔵大臣の方が本職で、通産大臣の方は道草のようなものですから、その意味において大いに一つがんばっていただきたいと思います。
 第二にまとめて二、三お尋ねいたしたいと思います。一つは、軍需産業が相当刺激されてきておるのではないか。武器等製造法によって制限するという法律であったにもかかわらず、制限するのではなくて、逆に軍需産業が相当に刺激されて、ことにロッキードその他の輸入につれて航空機産業なども刺激されて、投資が相当多くなっておるようでありますが、軍需産業の扱いを一体どういうふうに今後おやりになるのか、その点が一つ。
 それから鉄鋼、化学工業その他いろいろな機械工業等、これらのものの国際競争力を強化するためには、相当近代化が必要であると思われます。鉄鋼関係だけでも投資需要が少なくも一兆円に近いほどの膨大な金額になるのではないかと思うのでありますが、これらの量産態勢、あるいは体質改善といったようなこういう動きに対して、大臣はどのように今後お運びになるお考えであるか、これが一つであります。
 もう一つは、基礎的なものが日本の政治の中で一番おくれておるのではないか。教育であるとか港湾であるとか、道路であるとか、河川改修であるとか、たとえば先日自動車ショーを見に行ったのですが、今後の自動車工業の国際競争力を強化する上において課題は何かと言ったら、道路をよくしてもらうことだ。外国に売る自動車を作るのには、いい道路を走らすのだからスピードのある車を作らなければならぬ。日本の国内は悪路であるから、その悪路にたえる車を作らなければいかぬ。しかし生産過程を二つにするわけにはいかないから、こういうことが一番大きな悩みなんだということでありました。だから自動車工業といえば自動車工業の分野だけで問題が解決されるのではなくて、それを追及していけば、まずそれ以外の道路を直していかなければならぬ。このことは、たとえば今度北海道などで災害がありまして、小さな漁船を大きな船にまとめて今後はやろうとする。大きな船にしますと港湾を直さなければ船が入るところがない。こういうような状態で、今までの保守党の長い間続いた政治の中で、基礎的なものを忘れて、いかに目先だけのものをやってきたかということの証拠だと思うのでありますが、これはやはり貿易を振興するためには、土台から直さなければいけないと思うのでありますが、その点についてどういうふうにお考えになっておるかということが一つ。
 それからもう一つは、災害地においてこれを機会に、名古屋などでは三菱は中小企業の系列化をはかるのだということを、はっきり言っておるのであります。中小企業がつぶれた機会に――これは天然自然によって整理された。整理された機会に自分の系列を強化する、こういうやり方をされますと大へんなことだと思うのでありますが、災害地における中小企業復活に対するいろいろな、これはもちろん今さら贅言は要しないと思うのでありますが、そういうような強力な系列化だけをはかって、あとのものは排除するというような動きに対して、どういうふうにお考えになっておりますか、この点だけ大まかに二、三点お伺いしまして、私の質問を終わります。
#47
○池田国務大臣 第一の軍需産業につきまして、特に育成するという考え方は持っておりません。私は今回のロッキードの主契約者、従契約者をきめます上におきましても、今までの関係とかいろいろなことでなしに、今の現状でどうなっているか、どこにやらしたら一番いいかというのでやっておる。軍需産業を奨励するという意味でやっておるのではございません。
 第二の鉄鋼業、化学工業、いわゆる既存産業あるいは重点産業につきましての金融をどう考えておるかということでございます。鉄鋼業のごときは最近非常に伸びまして、たとえば三十一年の計画から申しまして、三十七年ごろの生産目標がほとんど今年で達しようとしておるというような状況でございます。この鉄鋼業の伸び方につきましては、国内におきましても、また外国におきましても、日本の鉄鋼業の伸びがどうあるべきかということにつきましては、相当みな検討しておるのであります。これをこのまま伸ばしていくかどうするか、今までは相当外資によって伸びて参っておりましたが、今後今までのように世界銀行の借り入れがスムースにいくかどうかという点も考えなければなりませんし、また国内の一般の産業との比率も考えなければならぬので、鉄鋼業につきましては、今検討を加えておるのであります。化学工業につきましても、合理化をはかっていくことはもちろんでございますが、たとえば肥料なんかにいたしましても、今製鉄所のガスを使うとかいろいろな他の産業の副産物で塩安とかあるいは尿素とかまた硫安にいたしましても、そういうものでやれば非常に合理化できるのでございますか、せっかく過去四、五年間硫安工業に持っていった金がむだになってもいけませんので、そういうことにつきましては、状況を考えながら合理化の方向へ進んでいくことを念願しておるのであります。
 第三の基礎的のあれが非常に少いじゃないか、私は全く同感でございます。昭和三十二年の予算を作りますときに、政府が千億施策をいたしました。その根本は、生産が増強してもこれを輸送する力がございません。輸送関係について私は相当力を入れていかなければならぬということは年来の主張で、三十二年度の予算をごらん下すってもわかると思います。また最近におきましても、先般も世界銀行のローゼンが参りまして、私は二回にわたって話をいたしましたが、彼らも今の現状からいえば日本はコミュニケーション、この方面に相当力を入れるべきじゃないかと言っておりました。私は全く同感で、いかに生産がふえたからといっても、そのふえた生産をうまく輸送する施設がなかったならば、これは目的を完全に達し得ない、この輸送の点につきましては、十分これから考えていかなければならない。自動車の問題につきましてもそうでございます。ですから私はこの自動車に対して商工委員の方々が、そういう考えで、今の一六OOCCで税金がどうなるというふうなことにつきましては、十分検討していただいて――私の今乗っておりまするプリンスは高い税金でございます。これが外国へ今出ております。出ておりまするが、国内での消費が少ないので相当値段が高い、ことに外国の自動車会社が中型、小型をどんどん作り始めておりまするから、日本としては今後アメリカに輸入される輸入自動車六十万台のうち、日本からどれだけ入っていくかということを目安にして、自動車工業を商工委員会の方で十分お考えを願いたいと思います。私もそういう方面で検討を続けて、とにかく日本の自動車工業というものにつきましては、相当の力を入れていきたいという考えでございます。
 また中小企業の系列化の問題でございますが、私は今度の災害で痛切に感じた一つのことは、日本の大産業は大産業だけで立っていかぬ、ことに機械工業においてはそうでございます。その大機械工業というものが、いかに中小企業にたよっているかということが、私は如実にわかってきたのであります。だから私は大産業を中心とまでは言いませんが、主として政府の施策は、重点産業、大産業というふうに財政投融資も言っておりましたが、私は中小企業が日本の産業のほんとうの名実ともの中心になりつつある、こういうことを如実に今度知ったのであります。中小企業の育成には格段の努力を払っていきたいと思います。しこうして大産業がどの中小企業を自分の傘下に置くかということにつきまして、通産大臣がどうこう言うことはまだ早いのでございます。やはり技術面とか今までの関係もございましょうが、とにかく中小企業の地位を上げていくということにつきましては、私は日本の産業の現状から申しまして、ぜひ必要なことだと考えております。
#48
○中村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時から開会することとし、これにて散会いたします。
    午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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