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#1
第033回国会 決算委員会 第5号
昭和三十四年十一月十八日(水曜日)
    午後一時四十一分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 正吾君
   理事 押谷 富三君 理事 鹿野 彦吉君
   理事 田中 彰治君 理事 高橋 禎一君
   理事 小川 豊明君 理事 神近 市子君
   理事 山田 長司君
      増田甲子七君    保岡 武久君
      淡谷 悠藏君    西村 力弥君
      森本  靖君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 赤城 宗徳君
 出席政府委員
        防衛政務次官  小幡 治和君
        防衛庁参事官
        (長官官房長) 門叶 宗雄君
        防衛庁参事官
        (経理局長)  山下 武利君
        防衛庁参事官
        (装備局長)  塚本 敏夫君
        通商産業事務官
        (重工業局長) 小出 榮一君
 委員外の出席者
        防衛庁書記官
        (装備局航空機
        課長)     馬場 一也君
        会計検査院事務
        官
        (第二局参事
        官)      中島 尚文君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十一月十四日
 委員淡谷悠藏君及び西村力弥君辞任につき、そ
 の補欠として石村英雄君及び阿部五郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員阿部五郎君及び石村英雄君辞任につき、そ
 の補欠として西村力弥君及び淡谷悠藏君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十二年度政府関係機関決算書
 昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書
     ――――◇―――――
#2
○鈴木委員長 開会いたします。
 昭和三十二年度決算外三件中、防衛庁、調達庁所管について審査を進めます。
 赤城防衛庁長官が発言を求められておりますので、この際これを許します。
 赤城防衛庁長官。
#3
○赤城国務大臣 航空自衛隊の次期戦闘機の決定につきましてのいきさつ及びその理由を御説明申し上げます。
 航空自衛隊の次期戦闘機の機種の決定につきましては、昭和三十三年四月十二日の国防会議において、今後の計画を進行せしむる諸条件を整備するため、一応F11F―1F(98J―11)を採用することに内定せられたところでありますが、その後F104は開発せられ、西ドイツ等においてこれが採用せられた状況にかんがみ、昭和三十四年六月十五日の国防会議において、前記内定を白紙に還元し、あらためて調査団を派遣する等、さらに慎重に検討の上決定することとなり、防衛庁といたしましては、この決定に基づきまして、航空幕僚長源田実空将を団長とし、他に操縦者三名、技術者二名、通訳一名及び学識経験者である民間顧問三名をもって調査団を編成し、米国において約八十日間、コンベア社のF102またはF106、ノースロップ社のN156F、グラマン社の98J―11及びロッキード社のF104Cの各機種を対象とし、航空自衛隊の次期戦闘機としての運用上及び性能上の見地からの適否を検討するため、米軍の協力を得てみずから操縦し、試験し、その武器体系上の適合性を実機について調査し、これを防衛庁長官に報告することを命じました。
 調査団は、本年八月八日、民間顧問は九月十六日、日本を出発し、評価飛行等所要の調査を終了して十月二十六日帰国し、十一月六日防衛庁長官に対し報告をいたしましたので、防衛庁は直ちに庁議を開き、この報告を検討し、調査団の意見を尊重してロッキード社のF104Cを採用することが適当であると認め、これを国防会議に説明し、国防会議において次期戦闘機の整備については、さきに米国に派遣した源田調査団の報告に基づき、防衛庁において慎重検討の結果決定した米軍の現用するF104Cを日本向けに改造する型を採用することを承認し、機数百八十機、ほかに訓練機二十機を昭和四十年度末までを目途として国産することに決定されました。
 航空自衛隊の次期戦闘機としてF104Cを日本向けに改造した型を採用することが決定された経緯は以上の通りでありますが、次に今回の調査団の調査結果に基づいて、各機種について説明することといたします。一、速力の点については、F104、F106、98J―11の順であり、その他の機種はこれらに比べかなりの差があります。
 戦闘任務においては水平最大速度とともに加速に要する時間が重要な要素であり、この点、今回の実機についての操縦の結果、余剰推力の大であるF104Cが予想以上にすぐれていることが判明いたしました。
 二、上昇性能についてはF104Cがすぐれ、F106、98J11、N156F、F102の順であります。
 三、行動半径の点については諸種の条件を考慮し、98J―11が距離的に有利でありますが、今回の調査によってF104Cの改造型は、増槽なしで二百ノーテイカル・マイル以上であることが確認されました。
 四、所要滑走路長の点については、今回の調査により、離着陸いずれの滑走距離も98J―11が最も短く、N156F、F102及びF106がこれに次ぎ、F104Cが最も長いのでありますが、八千フィートの滑走路で十分であることが確認されました。
 五、武装及び全天候性の点につきましては、各機種とも空対空ミサイルの装備は可能であり、全天候性についてはF106が最もすぐれていると思われますが、他の機種も適当な射撃管制装置を装備することによって全天候性を持ち得るものであります。
 六、将来性及び長期使用の可能性の点につきましては、FCS、航法用器材等の搭載の点では、98J―11が若干余積が多いのでありますが、F104Cは余剰推力がきわめて大きいので性能向上の余地が十分あると判断されます。
 七、わが国の実情としては多くの機種を保持し得ないので、要撃機として十分な性能を持つと同時に、偵察、地上戦闘協力等多目的に供し得ることが望ましいのでありますが、偵察の場合は行動半径と速力が重要な要素であり、偵察のための行動半径ではF106、98J―11、F104の順であり、速力ではF104、F106、98J―11の順となっております。
 地上戦闘協力の場合、低高度における一般操縦性は98J―11がすぐれておりますが、射撃時における操縦性ではF104Cが98J―11よりまさっており、F106は両者の中間に位しております。
 八、安全性の点については、F102はすでに安定しており、同系統のF106も安全性に富んでおり、98J―11も同様であり、N156Fは双発であるので、この点については他機種に比べ安全性が多いと考えられます。
 F104は従来操縦性に問題がありましたが、実際に操縦してみて何らの不安がなく、通常の着陸の場合、着速は98J―11及びN156Fに比べ大でありますが、F102及びF106とほぼ同様であり、バウンダリー・レヤ・コントロールの作動によって操縦性が良好に保たれ、他の機種に比しさして困難ではない。エンジン停止の場合の沈下率はF104が最大でありますが、その構造上、空中始動は最も簡単で確実性が大であり、必要な措置の判断がなしやすく、着陸操作は他の機種に比べ特に困難でないことが判明いたしました。
 従来F1OAは事故が多いといわれておりましたが、その後エンジンはJ四―GE―7に換装せられ、氷結防止装置等の改修が行なわれ、エンジン自体の事故が大幅に減少しているのみならず、さらに下方射出座席が上方に改められる等の措置がとられており、安全性が増大しているものと認められました。
 九、生産の準備期間は、正式に採用せられて生産中の機種ほど短く、この点F106、F104が有利であり、実験の終了していないN156Fは不利であります。
 十、経済性の点を考えますと、航空機本体ではN156Fが最も低廉であると考えられます。
 十一、整備補給の難易からいたしますれば、F104は米空軍の制式機であり、西ドイツ及びカナダで採用することに決定しているので、容易と考えられ、F106、N156、98J―11がこれに次ぐものと思われます。
 十二、教育訓練の点につきましては、今回の調査により、いずれの機種も複座機を必要とするものであると判断されました。この点複座機のできていない98J―11は最も不利であります。
 以上のごとく、源田調査団が米国において実機につきみずから操縦し、試験し、その武器体系上の適合性等につきまして調査した結果、要撃性能にすぐれ、余剰推力が大で、将来性及び長期使用の可能性が多く、機内外の諸装備がよく整理され、最も早く実用に供し得る見込みがあり、各種の要求性能をほぼ満足する米軍の現用するF104Cを日本向けに改造する型を航空自衛隊の次期戦闘機として採用することが承認された次第であります。
    ―――――――――――――
#4
○鈴木委員長 次に、質疑の通告がありますので、これを許します。山田長司君。
#5
○山田(長)委員 長官の御都合で、前会、当委員会で四時にお帰りになるというような関係で、質問を中止したのでありますから、きょうはそれを続けさせていただきたいと思います。前会私の質問は途中でやめられておりますので、残余の部分につきまして、質問をさせていただくわけであります。
 その前に、実は過日の長官の答弁に、ロッキードの調査にはグラマンの決定前に行っていなかったと言われておりましたが、この点について少々疑義がありまするので、私はもう一度この点を明らかにしておきたいと思います。
 永盛報告というものが源田報告の前に出ていたということは、実は当委員会で前に調査をしてあるわけです。今回の報告書は、優秀な飛行機について一、二というふうにナンバーがついたそうですが、前回の場合は、ナンバーはついていなかったけれども、永盛報告書というものが出ていたはずなんであります。国費を莫大に使ってこれが調査に行っているわけなんでありますから、この報告書というものについて、どうしてロッキードが取り上げられなかったのか。とにかくどういう角度から見ても、ロッキードでなければならないような報告であった、ナンバーこそついていなかったけれども、そうであったのではないか。一体、この点どうだったのですか。
#6
○赤城国務大臣 お話のように、永盛調査団が出て調査報告を受けております。それは今お話のように、どれがいいという決定的なものではなくて、並列しております。この中で、今問題になっておりますF1OCについての調査はどうであったか、こういうことであります。
 当時、F104Cというものはございません。それが一つであります。まだ、開発されておらなかった。
 それからもう一つは、前の調査団は、調査団として熱心に調査をしてきたのでありますが、今度の調査団と違いまして、期間も短いし、みずから操縦し試験するというようなことはなくて、資料等によって調査をいたしたわけでございます。
 今度との違いは、相当、日本でも優秀なパイロット、技術方面におきましても、機械及びエレクトロニクス等についてのりっぱな技術者を選定いたしまして調査をしておる。そういうところに違いがございます。
#7
○山田(長)委員 当時、永盛調査団の報告書に従って、等級をつけないまでも、しかし優秀な飛行機であるという報告の出されていたことは事実です。ところが、当時防衛庁の内部で、これが報告書に従い、さらにいわゆるロッキードについての関心を持たれている人たちで左遷をされている人が一、二あるはずです。こういう点が、どうも私には理解ができないのです。その左遷をされる状態になったときは、その年の十二月から、さらに昨年の二月、三月と、様子がグラマンに変わってきて、それでロッキード派なるものが防衛庁の中にいては工合が悪いので、防衛庁の中のロッキード派が左慶をされたはずです。こういう点について、当時のロッキード派に対しては、防衛庁内部でかなりの弾圧があったはずです。そのロッキード派なるものが左遷をされて、今度はグラマンになってしまった。
 その期間中のグラマンの調査は、それでは十二月から翌年の一月にかけて、何日間の調査をしてきたのですか。しかも、このグラマンなるものは、やはり当時飛行機としては存在していないで、実際上話を聞いたり、資料を手にしてきておられるだけの話なんで、その点では、急に変わった理由がわれわれにはまことに不明確なんです。
#8
○赤城国務大臣 急に変わったわけではございませんで、昨年内定いたしましてから、グラマンにつきまして相当検討を続けて参った。そのうちにダラマンの98Jも飛んでおります。それからロッキードの方のF104Cというものも実際に飛び出して、米空軍に採用されている。あるいはまた、ことしに入りましてF104Cにつきましては、西ドイツあるいはカナダ、スイス、こういう国々も実際に調査団を出して調査しよう、こういうことになりましたので、私ども資料によって検討してはきましたが、慎重を期するためには調査団を出したがいいだろうということになりまして、それで御承知のように、ことしの六月の十五日の国防会議によって、今までの内定を白紙に返しまして、そして優秀な調査団を出して、現地で実際に当たってみて調査をしよう、こういうことになったのであります。でありますので、その間におきましても私どもはこの機種問題を検討しておらなかったわけではございません。白紙に返しました以上は、どっちがほんとうによいのかというので、内部は内部において、あちらこちらでいろいろ検討いたしました。
 出ていった調査団も、先ほど申し上げましたように、八十数日間にわたって実際に操縦し、試験し、その武器体系上の適合性、こういうところを操縦性の上におきましても、あるいは技術の上におきましても、あるいは民間の顧問団もおりまするから、そういうものがとにかくずっと検討はしてきたのです。八十数日にわたって実際真剣に、乗って落ちるかもしれぬというようなことまでして検討してきた。この検討は、何もロッキード、グラマンばかりの検討ではございません。先ほど言いました五つの機種につきましてこれを操縦して検討した。でありますので、急にグラマンからロッキードに変えたということではなくて、白紙に返したあと、現地において十分な検討調査をいたしまして、その資料及び実際に操縦した人の意見、こういうものをまとめて報告を受け、そうしてその報告結末、私どももそれを反駁する理由は発見できなかった。なるほど、その調査の結果というものは肯定してよい、こういう結論に達して参ったわけで F―104Cを採用するように国防会議に提案したわけでございます。
 ですから、何か政治的な理由でもあって、急にグラマンからロッキードに変えたのではないかというふうなお疑いはあるかもしれません。しかし私どもは、そういうことではなくて、ほんとうに日本の国、日本の自衛隊において採用すべき次期戦闘機はどういうものがよろしいかということを真剣に考えて、相当長い期間にわたって、ごとに実際に向こうに行って操縦したところの結論に基づいたものでありまして、急変したということではないわけでございますので、その点、御了承願いたいと思います。
#9
○山田(長)委員 ロッキードF―104Cに変わったのは、六月に白紙に戻して以来、かなりの歳月、研究されたことはわかるのです〕
ところが、ロッキードからグラマンに変わったときの状態というものは、まことに急変しているのですよ、それで、内定までの期間はまことに日時がなかった。しかも、われわれの調べた範囲では、グラマンというものは実際において架空の状態に置かれておったようなものが問題にされたわけですよ。その点か理解できなかったから申し上げたのですよ。私の言っていることは、今の長官の答弁とちょっと違うんですよ。
 それから、もう一つ伺いたいのは、この決算委員会で、当時ロッキード派だと目された松前空将を呼んだ。ところが、この松前空将は決算委員会へ出てきてどういう答弁をしておるかというと、ロッキードでなくてグラマンでなければならぬような答弁をした。しかもわれわれは理解ができないので、実は松前空将に、あなたはゆうべ防衛庁のだれかと会って打ち合わせをしたのじゃないか、こういう質問をしたところが、当時証人席で彼は、全然そういうことはありません、こういう答弁をしておる。ところが私の調べた範囲では、防衛庁の差し回しの自動車に大宮で乗って、しかもどこへ泊まったかというと、高木防衛課長の家に泊まっているじゃないですか。これで、防衛庁との打ち合わせをしなかっだということが言えますか。私は松前空将が当委員会で言っていることは、まるで偽証だと思うんですよ。今になってこれが発見されてきた、松前さんが日本の防衛の担当者として、あの人はロッキードに関する意見を述べるものとわれわれは予期して、わざわざ証人として出てきてもらった。ところが、あの人は、グラマンでなければならぬような意味のことで終始してしまった。しかも、全然防衛庁の関係者と打ち合わせをしたことがないのかと思って調べてみた。全然ありませんと言っておりながら、高木防衛課長の家に泊まっている。これは高木さんを調べればわかることだと思うのですが、防衛課長の家で泊まっていることだけは、はっきりした。そうすると、この間に打ち合わせがなされたものとわれわれは思うのです。そういう点で、ロッキードが性能的にも、あるいはいろいろな点ですぐれておったのがグラマンに変えられたのは、防衛庁の中からも、松前空将に私は圧力がかかったのだと思う。それで、松前さんも証人席に立ったときには、グラマンでなければならぬような答弁をしたものと私は思う。
 そういう点で、防衛庁の中において、ロッキード派と目される者とグラマン派とのあつれきが必ずあったはず
 です。そういうことの責任で、この間の加藤防衛局長の辞意というものは漏らされたものと私は思う。その点、大臣は盛んに慰留をするように言っておるそうですけれども、日本の重大な国防の問題に正しい意見が採用されずに、政治的な圧力がかかったものと思われるような印象は、国民の中にもこれは必ずあるのですが、私たちもぬくい去りたくてもぬぐい去り得ないものができてしまっているのです。どういう点で、ロッキードからグラマンでなければならぬようなことを、証人の席に出たときに松前空将などが言わなければならない事態になったのか。さらに、高木防衛課長なども、おそらくこれは防衛庁の意見で松前空将の説を変えさしたものと思うのです。松前さんの報告書を実は私は読んだが、松前さんはロッキードでなければならぬというふうな意見を書いたものがあるはずなんですけれども、この点、高木さんあるいは防衛庁の人たちは、松前空将にどういうことを当時言われたものか。言われてないとは私は言わせないつもりです。どうなんです。
#10
○赤城国務大臣 昨年の四月十二日に内定前に、ロッキードにきまっておったのが、内定をグラマンに変えたんではないか、こういう御趣旨を含めての御質問だと思います。防衛庁におきましても、機種選定は重大なことでありますから、あるいはロッキードがよい、あるいはグラマンがよい、こういう議論は当然あってしかるべきだと思います。それがないというのはおかしいと思います。それがために防衛庁内にグラマン派があり、ロッキード派があるということは少し思い過ぎではないか、こう存じます。
 そこで、松前君の話でありますが、松前君といたしまして、ロッキードがよろしいというふうな意見を内定前に吐いていたようなことがあるというお話でありますが、あるいはそうかもしれません。しかし、グラマンに内定するというときになりまして、グラマンの方を防衛庁としては推薦するというようなことで内定いたしたといたしまするならば、松前君といたしましても、やはりグラマンが内定としてはいいんだという意見になったものと思います。その間におきまして、なってからでも、いろいろまた個人的には、どういうふうな点で優秀だとか、勧めておったとかいうことはあったと思います。そういうことがありましたから私どもといたしましても、一番最高峰の操縦者あるいは技術者、こういうものを出して、こういういろいろな問題を解決するのが最良だと思って調査団を出したわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、そういうことで、あるいはグラマンがよいという見方の者もありましただろうし、あるいはロッキードがよいという見方もなかったとは申しません。しかし内定しました以上はグラマンでよい、しかしそれには慎重を期さなければならぬので、また先ほどから繰り返して申し上げますように、開発もされ
 ておったり、あるいはほかの国々でも採用したり、こういうことがあれば、それは実際に操縦してみた方が確実だ、こういうことになったわけであります。そういうふうにグラマン派だとかロッキード派とかいう派があるわけじゃございませんから、先ほど申し上げましたように、そのことによって左遷をしたとかなんとかということはあり得ないわけでございます。それはいろいろな条件で異動はあったと思いますけれども、そのことのために左遷をした、こういう事実はないと確信しております。
#11
○山田(長)委員 長官は、当時防衛庁の責任のある立場でなかったので、理解されないでおると思いますが、もっぱら左遷をされたという話が内部にもあったわけですから、われわれの耳にする以上、当然そういうことがあった。なかったはずはないと思う。
 聞くところによると、きのうのお昼に鷹崎日飛社長、それから和田操副社長、伊藤忠の重役、これらの人たちが銀座でグラマンがだめになったというので残念会を開いたそうです。これは、何もこんなことをここで私が言う必要はないわけですが、申し上げたいと思うことは、このグラマンの決定に当たって動いたと目される人たちの中に、野村吉三郎氏、保科善四郎氏などが、われわれの調べた範囲でいろいろグラマン派に動いたと目されて話題に出たわけです。
 それから、当時の自民党の川島幹事長を証人に呼んで私が調べたときに、あの人はぜんそくでハワイに療養に行ったと言ったが、あとで全部調べてみると、実はハワイには三日間しかいなかった。七月の十五日から十九日までしかいないで、あとはアメリカ本土べ渡って、帰ってきている。そういうことで、川島さんがこの委員会で証言したことには、かなりうそがあるわけです。奥さんを連れてぜんそくの療養に行ったのであるということを言明したんですが、その後調べてみると、アメリカ本土にほとんど渡っておって、ハワイには三日間しかおらなかった。ぜんそくは三日間てらいで直る筋のものなのかどうか、私はぜんそくをわずらったことはないから、わからぬけれども、とにかくそういうことで、当時われわれはごまかされてしまったわけですが、やはりグラマン決定に当たって動いている一人とわれわれは見ているわけです。
 そういう形でグラマンが決定してしまったわけですけれども、私は当時の実情から勘案してみて、川崎航空というものが技術提携をしている部門はT33練習機、P2Vの対潜哨戒機、これは川崎航空で技術提携をしているのであるけれども、それらの場合のほかに、やはりロッキードの場合においては、川崎の工場内部の方がかなりロッキード向きに工場設備がされていると思うのです。ところが、今度の場合はどうしたのか、主として新三菱の方にやらせるのだという話ですが、それがために金額的にかなりの開きが起こってしまうわけです。一体政府の意図として、そういう技術提携があるものなどは無視してしまって、高くなってもかまわないということで新三菱にするものとすれば、これは技術の面からばかりでなしに、経済的な面から考えてみても国民負担が重くなるので、許せないことだと思う。そういう点は、今後どんな提携があっても、そんなものはかまわない、どんな工場設備があっても、そんなものは無視するのだ、こういう態度で政府は臨むのかどうか。その点が私にはどうも理解できないが、いかがですか。
#12
○赤城国務大臣 この点につきましては、前にもお話し申し上げたのでありますが、国内生産会社の指定は通産大臣がやることになっておるので、通産大臣が指定したということになっていますが、私といたしましても協議を受けたわけであります。
 第一に申し上げたいことは、この生産については、一会社では非常に困難だ、こういうことが一つの問題であります。それは加工工数等の問題で、そういう点から単独生産は不可能である、こういうことであります。そういう点から考えまして、また法規的からいって、その会社を指定しなくてはならないわけであります。
 そういうことで、日本でいえば富士重工業と新三菱重工業と川崎航空機工業と、この三つが戦闘機の生産に適した生産会社でございます。その中で、冨士重工業はいろいろな点で適格性を、この場合は欠いておったわけであります。そこで、新三菱重工業と川崎航空機工業との実情の調査を通産大臣の方でもいたしておったわけであります。川崎航空機工業会社におきましては、今お話のように、T33Aジェット練習機、それからP2V―7対潜哨戒機、そのはかもやっております。新三菱の方はF86Fジェット戦闘機あるいはヘリコプター、こういうものをやっております。その他工数、その他を比較いたしまして、新三菱の方を主契約者とし、川崎航空機工業の方はサブ・コントラクターにするのが適当である、こういうような観点から通産大臣の方で指定したわけでございます。でありますから、先ほど申し上げましたように、今の能力からいいますと一会社では無理だ、こういう結論になるわけであります。
 それからもう一つは、F104Cにつきましては、新しく技術提携をするということに相なっておるようでございます。なお、この点については、私よりも事務当局に答弁さしてもいいのでありますが、T33とか、あるいはP2V―7とかいうようなものの技術提携がありますが、F104Cは相当高度の技術を要しますので、技術提携は新たにするということに相なっておるように私は聞いております。
#13
○山田(長)委員 通産大臣が指定をして、主と従の区別をつけたというが、金額的に非常に開きが起こる場合に、その開きの差を通産大臣が負担するならいざ知らず、国民が負担する以上は、やはり私は防衛庁長官もこのことについては、経費の問題を勘案して、一応の意見を申し述べてしかるべきだと思うのですが、そういう点はなかったですか。
#14
○赤城国務大臣 お話でありますが、二つの会社で別々に二つ両方で組み立てて、これを納入するということにはなっておりません。もとが一つであります。そのもとから資材等を相当入れなくてはなりません。そういうことでありますから、こっちで何機作って納めろ、こっちの会社で何機作って納めろ、こういう契約には相なりませんで、両方一体となって発注した分を組み立てて納入する、こういうふうに相なっております。
#15
○山田(長)委員 そうすると、かなり新三菱なり川崎なり、あるいは赤城長官なりが話し合って、そういう製造過程における経緯までも話が進んだと思われます。新聞記者で、ゆうべあなたをつけた人がいるのです。そのゆうべの会談だと思われる、こう言っている人がいるのですが、新三菱の社長、それから手塚川崎航空社長、それからハル社長と長官と、どこで会ったのですか。
#16
○赤城国務大臣 冗談言っちゃいけません。会ったようなことを前提で言われちゃ困ります。私は会っていません。私は、だれがつけたか知りませんが、八時半には自宅に帰っています。決して会っていませんから、それはちょっと違った情報だと思います。
#17
○山田(長)委員 実は、ちょっと尋ねますが、たとえば一時間における新三菱と川崎の労働者の賃金というものの差があり、さらに工場内部の技術提携等が今日まであったことによって、非常に一機の製造価格というものに相違が出てくるということは、はっきりしている。しかるに、そういうことの提携が、どこでどうなされたかわかりませんけれども、一応ハル社長の場合においても、とにかく今度の調査団の人たちでさえも、前回グラマンの話が出たのはおかしいぐらいだ、ロッキードが話題になるのはあたりまえだというようなことを、民間顧問団と言われた有森日本航空工業会の専務理事なども言っているぐらいである。それらのことをいろいろ関連して考えてみたときに、今度の104C―Jの決定にいたしましても、ここで価格の差の問題がどこでどうきめられているかわかりませんけれども、やっぱりそういうことのために手をつけて、そういうことの差が結論が出なければ、ハル社長も了解点に達しないだろう。日本の商業道徳から考えてみても、技術提携がなされているところは全然顔をつぶされたような形になっていく、それで新三菱が主の契約対象になるというふうなことであるならば、これは日本の商業道徳ばかりでなしに、外国との取引上における問題についても地に落ちたような処理の仕方ではないか。こういうことを言われているわけです。
 そういう点からいろいろ考えられて、今のようなあなたに対する疑惑すら出るくらいなんです。これは私は出るのは無理がないと思うのです。金額的に差がいろいろな点であるにかかわらず、高くなる方を主にして、低い金額で製造ができるだろうと思われる川崎の方を従にしていくというようなことであれば、これはどう考えても、われわれの理解ができないなぞです。どうしてこういう問題についての明確な結論が出ないうちに、主従の決定を通産大臣がし、そのことについてあなたの意見が取り入れられなかったのですか。
#18
○赤城国務大臣 先ほど申し上げましたように、先産の計画とか工数とか、そういうものを基礎として指定するということに相なっておるわけであります。今の賃金とかこまかい点等につきましては、装備局長がおりますから、お尋ねにお答えすることができるかと思います。
#19
○塚本政府委員 新三菱と川崎航空機とのいろいろなレート、いわゆる賃金等が非常な開きがあるのではないか、その他、従来ロッキードと技術提携をやっておりました川崎の方が有利じゃないか、こういう点でございます。
 この点につきましては、確かに川崎の方は、ある時期におきましては、マン・アワー、一時間当たり四、五十円安いときもありました。これは操業度に非常に関係があることでありまして、操業度のいいときにはマン・アワーが非常に安い、操業度が落ちればマン・アワーが上がる。こういうことでありまして、特にハル社長が何か川崎は七百五十円で、新三菱は千二十円というようなことを言っておられるというようなことも聞いたことはあるのでありますが、これは非常な間違いであります。ハル社長から、一応日本でやる場合にニドル十セントぐらいでレートはやれるのじゃないか、こういう話があったようであります。これは純粋にレートだけとして考えますれば、その程度のこと、あるいはそれ以下でやれるかと思います。ただ、千二十円と申しますのは、これはその純粋のレートのほかに、技術費とかあるいは償却費とか、いろいろな費用がかかるわけであります。川崎にしましても新三菱にしましても、大体日本の会社でやりますれば、そういうものを入れますと千二十円ぐらいかかる。こういうことでありまして、何も川崎が七百五十円、新三菱が千二十円、こういうことではないのであります。
 レートの差も、今言いましたように、具体的に国内の生産担当者と契約いたしまして、実際かかったもので支払うことになるわけであります。その時点において、将来どちらが高いかということは、今は予想ができないわけであります。ただ、新三菱の方が賃金レートからいいますと、従来の経験からいいますと、四、五十円ぐらいマン・アワー当たり高いのではないか。
 ただ、そのほかの点につきましてさっきも長官から申し述べられましたように、通産省でいろいろ調べました結果によりますと、今後、次期戦闘機をやります上から申しますと、従来川崎がロッキードと提携してやっておりましたT33あるいはP2V―7、この設備が使えるのじゃないかという御疑念があるのじゃないかと思います。これは一般の設備はもちろん使えるわけであります。ただ、特に航空機を作ります場合には、専用の治工具が非常に重要なわけでありまして、その専用の治工具は、これはP2V―7やT33に使った専用治工具は今度の戦闘機には使えない。そこで、残ります一般の機械設備はどうかと申しますと、これは御承知かと思いますが、新三菱の方がずっと余力があるのであります。そういう関係から、これをもし川崎によけいにやらすこととしますれば、そういう一般の機械設備をさらに川崎の方に増設しなければならない。こういう点を考えますと、必ずしも川崎が安いということは断定できないのじゃないか、かように考えております。
#20
○山田(長)委員 おそらく装備の方は、新三菱の価格、作業状態を見ておられると思うのでありますが、実は私は去年の一月早々、名古屋の新三菱の状態を行って見ておるわけであります。たまたま、こういう事件が起こると思って見たのでないので、見方には現在のような感覚はなかったと思うのですけれども、当時名古屋の話を聞いておりますと、グラマン系統であるならば、もう流れ作業で全部できるような状態に社はなっておるのだ、こういうような意味の話であった。そうすると、去る四月の十二日に内定して以後、五月、六月に新三菱はアメリカヘ、もしそれが日本にきたという場合における作業状態の調査に行っておるはずです。帰ってきて、あそこをそういう形に変造していたという話ですが、こういう場合における経費というものは、一体今度の場合にどういうことになるのですか。これは私は大へんなことだと思うのですが、どうなんですか。
#21
○塚本政府委員 次期戦闘機の問題に関しまして、特にグラマンの内定後・新三菱がその設備をやったのじゃないか、こういうことでありますが、これは全然考えられません。もちろんグラマン内定後、いろいろ注文等の関係で、アメリカに行っております。これが出張旅費その他調査の費用としまして、八百万円ほど使っているということを聞いております。それだけでありまして、ほかには何にもやっておりません。もちろんその八百万円につきましても、新三菱自体の責任においてやる。政府の方においてこれをどうするということは、全然考えておりません。
#22
○鈴木委員長 田中彰治君。
#23
○田中(彰)委員 今、塚本装備局長がいろいろ詳しいことをおっしゃいましたが、あなたはきのう、参議院の内閣委員会で、矢嶋三義委員から質問を受けられたときに、全く何にも知らぬというようなことが、きょうの新聞には載っており、これで国民が非常に疑惑を持っておるのであります。しかるに、今あなたから聞いてみますと、新三菱がアメリカへ行って、八百万使ったことも知っていれば、いろいろなことをたくさん知っておられる。それが、きのうあなたはあの質問に、まるでしろうとが答えるようなことをお答えになっておるのですが、それはどういう意味なんでしょうか。
#24
○塚本政府委員 昨日は、いろいろ矢嶋先生がどういう趣旨でお聞きになったのか、私もそんたくしかねたのであります。これは役所の内部の担当の問題でありますが、装備局長と申しますと、装備全部をやっているようにお考えかと思いますが、機種その他の性能をいろいろ調査しましてどれをとるかということは、これは防衛局が担当いたしておるわけであります。私も、もちろんいろいろ資料はいただいておりますが、それを専門的に、私が突っ込んでやるという立場ではない関係上、私は矢嶋先生から試験されているのだというようなことで、私が記憶にあるだけのことで答弁したわけでありまして、その点は御了承願いたいと思います。
#25
○田中(彰)委員 しかし、今の工賃のこと、機械設備のこと、これはちょっとした研究ではできないのです。
 そこで、今あなたが、川崎が七百五十円で、新三菱が千二十円というようなデータを出したが、それはそうじゃないとおっしゃいますけれども、決算委員会に公文書として出た当時のことを私の方で申し上げておる。防衛庁長官も聞いておいていただきたいのですが、このロッキードの最終の価格をロッキード社が発表したときは、一機が八十三万ドルないし八十五万ドルくらいだ、そこへ機関砲をつけると五万ドルよけいかかる。レーダーをつけると五万ドルよけいかかる。現在は去年の最終発表より約一割くらい上がっていますから、ここでこういうものを入れても、十分に見て、これは日本の金にして三億六千八百二十八万円くらいにしかならないのです。それが六億近くになるというようなことになりますと、これはロッキード社といえども、日本を偽ったのか、あるいはまた新三菱に製造させるというようなことで高くなったのか。これは私、大きな問題だと思う。ところが私たちは、不思議に思うことがある。当時値段の競争をしているときに、ロッキード社はこういうことを発表し、グラマン社が言っているのは、やはり今ロッキードを作る価格、六億に近いようなものがちゃんと数字に出てきておる。
 もう一つ、私たち不思議に思っているのは、あなたの方で値段を話し合いされたのは、昨年の八月の十九日と思いますが、あるいは日は一日や二日違っているかもしれません。芝の共済会館で、廣岡さんを議長として、川崎航空、及び新三菱重工業の技術者あるいは学者、馬場航空機課長も入っておられる。あなたも入っておられたと思う。その中に天川勇君もおったと私は思います。そういう人たちでいろいろ価格とか技術の話し合いをした。そのときに、川崎から、グラマンはこれだけかかるが、ロッキードはこれだけしかかからぬ、こういうわけだという説明をしたところが、防衛庁の方から、国防会議の人たちは、すでにグラマンにきまっているのだから、ロッキードの値段など聞いたところで仕方がない。こう言ったときに、もし万一ロッキードにきまるようなことがあったらと言ったら、そのときニコッと笑って、そういうことがあったとしても、製造は新三菱重工業にきまっている。こういうことを言われておる。
 もう一つ、私は不思議でならないのは、これは長官もよく聞いていてもらいたい。私は名前は言いません。ある一流新聞のある記者が、グラマン社の副社長のクロフォードという人を案内して、映写機を持って歩いて、そうしてグラマンなんというそういう戦闘機はまだないのに、これを飛んでいるところを見せたり、性能をでたらめ言ったり、その一流新聞に書いたり、そうして政界を飛び回っておる。大野伴睦さんなんかも、この映したのを見て、グラマンというものはいいものだと言って、当時迷われたこともある。しかもその記者が、グラマン社に事務所まで世話してやっておる。この記者は、一流新聞を利用して、一年半の長きにわたって、日本の血税を納めている国民を欺瞞し、ほかの新聞をも迷わせ、しかも防衛庁のグラマン派と組んで、この幽霊機のようなものを、事実あるがごとくに博覧会その他にもあれして、これを宣伝しておる。私は過去の彼の私行は言わない。名前も言わない。けれども、これは問題になれば、全部調べてあるから、出してもいい。そういうようなことをしておる。それで、あなたの方もこれによってグラマン、グラマンということになったのですが、またこの新聞が今日ロッキードを幽霊機だと言っておる。これは長官から説明願いたいが、今、長官がおっしゃったからわかっておるけれども、ロッキードというものはグラマンのようにまだ未確定の幽霊機であるのかいなか。あるいはまたアメリカの空軍というものはどのくらいこのロッキードのCを用いておるのか。スイス、カナダ、西ドイツで買ったことが事実なのか。こういうような点について、はっきりここで答弁していただきたい。グラマンが事実幽霊機であった、ロッキードも幽霊だということになると、買うものがないということになります。値段がこういう工合に膨大に違うならば、ロッキードもやめられて、戦闘機なんかやめられたらいい。買うときになると高くなる。そうして買うときになると話が違ってくる。
 それのみじゃありません。今、装備局長が言われたが、あなたは川崎に作らしてもどうしても、そう変わりないとおっしゃるが、今この川崎で作っているのは、潜水艦を探す対潜哨戒機を、四十二機注文があったのを、一機だけは作り上げて完成している。F86の練習機が二百十機全部完成している。そこで工場もそんなに忙しくない。この前、長官が忙しいとおっしゃったが、忙しくない。技術者も、職工さんと申すのですか、こういう人は新三菱重工業が千八百名、川崎航空が千二百名。そうして川崎航空に技術提携がある。今、ロッキードから、対潜哨戒機を作ったりF86を作ったりしたので、技師が百名も岐阜に来ておる。
 こういう点を考慮に入れたときに、たとえば新三菱が主であったら新三菱が主で、どことどこをお前やれ、従の方も、これはやはり政府が契約者と見なしてお前はこことここをやれというようにされるのが当然であるのに、まだ値段の見積もりも出さない。今あなたの言うことを聞いたって、はっきりしておらない。千何億というものを作るのに、そういうことをはっきりしない――ここに会計検査院の方もおられるのではないかと思うが、そういうこともはっきりしないのに、新三菱は主だ、これと契約して、川崎とは契約しない、お前は新三菱の下請工場としてやれということなんだ。
 ところが、このからくりを見ると、一番喜んでいるのは三菱商事だ。三菱商事はたといこれを三と七にしても、六と四にしても、中心部、組み立て、試験飛行、エンジン取り付け、これが六なんだ。この方は新三菱がやる。あと両方の端は場合によれば川崎にやらしてもいい。やらしてもいいが、買うものはすべて三菱商事が買って、ほとんど工賃取りのような方法なんだ。これでは仕事も早くいかない。技術の提携もない、人のつながりもないから困る。完全な仕事を早くして、安くして、よいものにするには技術提携のあるものをもう少し重要視してやってもらいたいということだ。
 これは、あなたの方の馬場航空機課長、この人も相当川崎に圧力をかけておることは事実だ。しかも通産省においては、アメリカの本国へ電報を打って、貴国の方から戦闘機を買うことにしたが、貴国のハル社長、それからもう一人このハルの秘書、この人の名前をわざわざ書いて、内政干渉してくれちゃ困るというような電報を打っている。アメリカでもこれを重要視して、内政干渉までしてはいけないからといって、ハルをとてもしかっておる。これがどんな内政干渉になるのか。むしろ内政干渉している方は小出重工業局長であり、あるいはこれを指揮した通産大臣であるはずだ。ハルは、ロッキードを安く納めたい、早く納めたい、責任のあるものを作りたいから、それには私の方の提携しておる川崎航空の方を重要視してもらった方がそういうものができる、と言うのはあたりまえのことなんだ。反対に、グラマンを製造するつもりで、八百億といわれるが、相当な金を使い、そうしてあらゆる役人に飲まして、あらゆることをして金を使ったその新三菱重工業は、何の見積もりもとらぬで、仕事がきまったらすぐにこれを主にして、そして川崎を従という契約でなくしてお前あすこべ行って下請をしろというごときは、国民に疑惑を持たれると思うのです。
 終戦以前に、日本の国を今日の状態にしたのは一体だれか。やはり陸海軍の青年将校が、財界のものが反対すれば財界のものを殺す、政界のものが反対すれば政界のものを殺す。そしてだれの言うことも聞かぬで、横暴な行為をもって政治に関係して、そして彼らが天下を自由にするようにしたから、日本が今日のようになった。その当時も、財閥が三菱、三井という二つに分かれて、そうしてこれが暗黒のほんとうに激しい闘争をして、日本の国民の利益も考えないで、国民のすべてを考えないでやって、日本の国をこういう工合に導いていったということがわかっておる。終戦後そういうものが解体されて、多少民主政治がしかれた今日、やはり三菱、三井、住友というようなものをどんどん大きくしていくような傾向になっておる。その片棒をかついでいるのは、大蔵省の官僚、通産省の官僚、防衛庁の官僚、あるいは国防会議の事務官などがかついでいる。そうして彼らの財産は一体何でふえるのか。国民の大切な国有財産を二束三文で投げ売りする。たとえば国民が泣いて納めた税金で千何億のものを作るのに、値段の見積もりもとらぬで、何もしないで、三菱、お前は主をやれ、川崎、お前はこれをやれ。いかないから内政干渉だ、いかないから今後仕事をさせない、そういうようなことにしてやっておられる。
 この戦闘機は、決して国民の考えているように国を守るための戦闘機でない。国を守るための戦闘機なら、できたものを買ってくれば、もっと安くできる。それを安いものを買わないで、日本の軍需産業にこれをやらせる。すなわち軍需産業の育成なんだ。防衛のための戦闘機でない。それをあなた方が、もし軍需産業の育成もいいとしても、そういうことをやるならば、だれが見ても公平に、しかも一つの会社より二つの会社、二つの会社より三つの会社を育成していった方がいいかもしれない。一方的なつながりのある――それのみじゃない。この新三菱重工業は、ロッキードの戦闘機を製造するということがきまる前に、これに関係した会社の株が全部買われておる。全部大所で買い占めておる。そしてこれが決定して着手すれば、その買い占めた新三菱の株が少なくとも四割近く上るということも、ちゃんともくろみが立てられて、やっておる。
 たとえば、これは古いことを言うのじゃないですが、あなたの方でいろいろなことをやっておられる。たとえば大蔵省の吉村主計官もここへ来て、飲んだり食ったりいろんなことをしたことを認めた。通産省の赤澤課長、国防会議の堀田参事官、新三菱の航空機部長の由比、その他若い事務官たちがみんな寄って、いろいろなことをやっておる。ちょうど終戦前の陸海軍の青年将校が、日本の国を今日にした当時と同じようなことを、形は変えておるが、やっておるのだ。そうして今度これに国税庁の一部もつながって、反対なんかする者でもあれば、税金の方でもいじめてやろうというような、実に全く情けない状態なんだ。これは防衛庁長官、よくお聞き下さって、そうして国民が納得いくようなやり方をやっていくように、もし三億六千八百二十八万円以上にロッキードがなるなら、ロッキードもおやめになった方がいい。それこそは政府の責任でも、やめることにおいての責任はだれも問いません。そうして風水害とか、あるいは農民とか、中小企業の、今みんな困っておるのを助けておいて、それからあらためてまた御研究されて、戦闘機をお買いになっても、私はおそくないと思う。買えば倍に上っていく。全くこのごろの――まあ、長官などは正直で、私があんまりあなたをほめたので、上にばかがついちゃいかぬなんて、この前は失礼なことを申し上げましたが、非常に申しわけない。悪口で言ったのじゃない。そういうように、あなたが何でもかんでもあなたの精神に照らしてものを信じていかれると、こういう結果になる。
 私はまだたくさん材料を持っています。しかし別に私は、除名されたからとか、何したからとか、そんなことをこわがるのじゃないのだが、人をあばいて、いじめるよりも、反省して、直してもらうということはいいことだ。それで、私はこれ以上申し上げません。答弁も要りません。長官、あなたは私に言われたことをちゃんとわかっていらっしゃる。それだから、川崎あるいは新三菱、さっきあなたの言われた富士重工業、これでもいいじゃございませんか。やっぱり分けられて、公平にされた方がいい。しかも、グラマンに落ちたならば新三菱がやる、こういうことで設備したグラマンが白紙になって、かわりの戦闘機が生まれたのですから、そのかわりの戦闘機が生まれたならば、かわりの戦闘機を支持しておった、そこと技術提携のある川崎航空をもう少し重要視されて、一割でも二割でもいいんです、国が直接これを従として契約してもらうなら。国民は新聞を見ていると、主は新三菱重工業で従は川崎だから、川崎も政府の命令でやはり契約書をとりかわして仕事をしているんだと思っていますが、とんでもないことです。川崎航空というものは新三菱の下請にしかすぎません。しかも、四割だとか七割だとか二割とかつけたところで、部分品を全部三菱商事が買ってさんざんもうけて、そのあとそれを渡してやるんだから、工賃請負みたいなものだ。これは職工を持っていれば、私でもあんたでもできるような仕事だ。そういうようなことはよくない。
 そして、値段がこんなに上がってしまう。もし値段を上げてあなたの方でやられるならば、各生産会社から見積もりをとられて、どこは幾ら、どこは幾ら、どこはこうだ、そしてやはりロッキードをやられるなら、ロッキードのハル社長の意見をちゃんとくっつけて、内政干渉だとかなんとか、にせ電報を打っておどかさぬで、そしてそういうふうなことをして、なるほど、これは新三菱になっても仕方がない、川崎になっても仕方がない、富士重工業になっても仕方がない、こうなんだから、というふうにやられることは、私は長官としてやはり考慮された方がいいと思います。通産大臣がそれを指定する権利があるからといって、通産大臣が指定した工場ならどんなに値段をつり上げても、どんな変なものを作っても、どんなことをやっても、あなたがそれに追従していかれるということなら別です。指定しても、池田君、お前の指定した工場はこんなに値段が高くてはだめだよ、あれは世間でいろいろなことを言うからだめだ、君もよくわかるじゃないか、これ以上やったらどうなるかということは、――こういうふうにして、あなたが一つ公平にやられるならやってみて、だめだったら、値段が上がるなら、決算委員会は断じて今の値段では承知しません。だましたんだ、決算委員会を。安くすると言ったからロッキードでもいいだろうと思っておった。こんなに高くなるなら、倍の値段になるなら、ロッキードを買わぬでもいいじゃないですか。おやめになってけっこうだと思う。しかも今、風水害のために国民がうんと困っているんだ。そして、できたものを五十機か三十機お買いになれば安くできる。こういう点も一つ考慮に入れていただいて、防衛庁は一番批難事項が多いのですから、どうかそういうことのないように一つやっていただきたい。
 あと、通産大臣が来ないと私とけんかになりませんから、きょうはこれで私の質問を打ち切ります。
#26
○赤城国務大臣 答弁は必要ないということでありますから、答弁ということでありません。大へん同意しかねる点もありますが、貴重な御意見と拝聴いたしました。
 お話の中のF104Cが幽霊機だということ、そういうことはありません。御承知のように、西ドイツもカナダも米軍も採用いたしております。この点は御承知と思いますが、重ねて申し上げておきます。
 それから、価格の点につきましては、新三菱とか川崎からはとりません。とりませんが、この間、国防会議の前に、どこへきめるという前提でなくて、全部の見積もりといいますか、これはある方面から入手いたしております。それは今お話しの通り、違っております。ことしの四月、国防会議に出されたのも八十何万ドルであります。ロッキードとグラマンの金は百七万ドルと百十二万ドルだと思います。八十何万ドルというのは私は何も会社の肩を持つ理由もなければ何にもないのですが、日本の生産ということを考えないで出したというふうに私、聞いています。しかし結論といたしましては、御承知のように、相当な金がかかるわけでありますので、極力負担を軽くしていくのが私の責任だと思います。内部その他において、いろいろな御批判もありますので、そういうことがないように、私ども十二分に注意いたしたいと思います。
#27
○山田(長)委員長 い時間になりましたから、私はこの質問で終ります。どうかお聞き取り願いたいと思います。
 ただいまも田中委員から、いろいろ過去においてのいきさつについて質問があったわけですけれども、どうしても私はこの機種選定にあたっては理解ができないし、やはりこれはやめるべきだという主張を持っている一人です。
 どうして私はそういうことを言うかというと、さっき申し上げましたように、最初ロッキードの報告書が出て、それがグラマンに変わり、グラマンがまたロッキードに変わるというふうな、まことに理解のできない点が多々あるわけであります。大体、国防会議の内定というものは、そんな無責任きわまるものなのかどうか。私は一国の国防の衝に当たる議長が内定の裁断をおろす以上は、内定というものは相当権威のあるものと私は理解して、その内定というものはけしからぬじゃないかという点で詰問をしたわけであったのであります。この内定が、もしでたらめなものであったとするならば、これは確かに吉村主計官が動いたり、天川勇が動いておって、日記帳の写しが当委員会に出ておりますが、比較対照表を作ったのもこれがほんとうにあったのではないかという気がするのです。もし、そういうことがなかったとするならば、内定したら内定を強行しても差しつかえなかったじゃありませんか。おそらく、これは私はこの前の機種選定というものについては、かなりそういう点で無理があったので、グラマンの内定というものを変更したのだと、私はそう考えざるを得ないわけです。そういう点で、内定というものはかなり無理があったと理解してよいのかどうか。
 もう一つは、いろいろ価格についても、かなりの取りざたがなされております。金額の決定もされずにこういう会社を選定して、これが仕事をさせるというようなことについては、まことに理解ができないわけです。そういう点で、どういうことが今この決定にあたってあったにしても、いさぎよく私は国民に――こんなでたらめないきさつで決定がなされた事情なんですから、幾ら源田空将がアメリカに行って、何十時間かの間飛行機に乗って、その飛行機の性能を見出してきたといっても、やはりこれは政治的に結論を出されたものとしか私は理解しないので、いさぎよくそういう点でやめる意思があるかどうか、この二点です。私の質問はこれで終りますから、一つどうぞ……。
#28
○赤城国務大臣 昨年四月にグラマンに内定いたしましたときには、内定するに足るだけの十分な調査の結果内定したので、でたらめでも何でもない。しかし、先ほどからお話申し上げましたように、F104Cも開発されている、あるいは外国で採用されたり、こういうような事情もあったわけであります。それから、次々に資料等もだんだん集まってきました。こういうことになってみますと、やはり何としても、技術的にも、操縦性におきましても、現地で権威ある調査団の調査の結果を待つなら結果に待つ方が、一番きめ方とては正しい。こういうことで、今までの経過を申し上げておるわけであります。内定してからの事情の変更なの応あります。そういうことで、調査団の調査というものを待つ、こういうことになったわけでありますので、私は藤種の決定といたしましては、これは最善の方法をとった、こういうふうに考えておるわけでございます。この点は御了承願いたいと思います。それから、もういさぎよくやめた品どうか。こういうことでありますが、やはり国防、防衛上の関係から次期戦闘機を必要とする、こういう立場に私ども立っております。私どもも、それは要らないという立場に立つならば、これは何もそういうものに使わぬで、災害とかその他に回したい気持は持っています。しかし私どもは、日本の自衛隊とし、国防の立場から必要だ、こういう観点から、次期戦闘機を採用することにいたしたわけであります。そういう点から考えますと、採用することになれば最も適当したものを採用する。こういうことで採用に相なったのでありますから、この点は観点の相違ということだと思いますが、私どもは、これをやめないで進めていく、こういう立場に立っております。
#29
○山田(長)委員 私が申し上げるのは、それは政府がやられることでありますから、飛行機を買おうと戦車を買おうと、それが筋が立っておる場合にはとやかく言う意思はないのですが、今度の内定については、まことに理解ができないのです。国防の威信というものから考えてみても、こんなことの内定をした人の責任というものは、やはり大きいと思うのですよ。こういと責任について何ら究明されないで、当時より新しくて性能のいいものができたから、それでかまわないのじゃないか、これじゃ、国防の衝に当たる者の責任というものは、一体どこにあるのですか。私はこれがおそろしいと思えのです。こういう点の責任の所在というものを明らかにして、しかる後に、うういう事情であってこういう考え方だ――これは、一生懸命仕事をやったに相違ないけれども、とにかく出処准退というものを明らかにするところにに、仕事に対する熱意も沸いてくるだろうし、さらに国民の政府に対する信頼も沸いてくると思うのです。こういう点で、今度の責任の所在というものは、さっぱり、だれがどうしたのか、明らかじゃないじゃないですか。だから、天川の性能の比較表というものが、天川を信じて出された。グラマンでなければならないような比較表、こういう比較表のために政府は一応迷って、内定したというのなら話はわかります。そうじゃなくて、その後、次々と性能のいいものができてきたというのなら、その次まで待ってみたらよかったのじゃないですか。これから六年も先に、飛行機の性能ということも変わらないことはない。最近の情勢において、時々刻々変わるのですから、それまでしばらくの間、待ってみたらどうか。そういう点で、私はしばらくやめたらどうかという意見を言うのです。
 この責任は、全然だれもとらないのですか。内定ということについての重大な問題についての責任は、ないのですか。これは、私は無責任だと思うのです。こんな無責任きわまるものに、国民の血の出るような血税を使われることがおそろしいと思うのです。知は、これによる納税思想というものについての影響は、ずいぶん大きいと思うのですよ。こういった点は、大臣は全然お考えにならぬのですか。責任ある人たちが、やはりこれについて意見を出し、そして、こういう方針ということで、会議を何べんも開いた。国防会議を三回も開いた。懇談会は十六、七回も開いておる。そういう結論の集結されたもので内定という線が出てきたと思うのです。その内定が間違いであったような意見が出てくるとすれば、やはりなぞがここに一つ残るのです。そうすると、責任も何も全然とらなくて、これでとにかく内定を取り消したのだ。今度はロッキードの方が優秀で、源田の報告がよかったからこれにしたんだ。こんな子供だましみたいなことで、一体日本の国防ができると思うのですか。私は大へんな事件だと思うのですよ。こういう点で、あなたは責任者も何も出さないのですか。新聞などによると、加藤防衛局長に留意を促したというが、それは促すのもいいだろう。しかし、私はやはり出処進退というものを明らかにすることによって、国防会議の威信も保てるし、防衛庁の威信も国民から保てると思うのです。そういう点の威信が全然感じられないような事態でありますので、一ぺんきれいになった、急ぐのじゃないという立場をとるべきだというのが、私のやめろという意見なんです。内定についての前後のいきさつ等については、政府においては何らの責任もない、それについてきめた人たちの責任も全然ない、こういうお考えなんですか。一応、最後にこのことを伺っておきます。
#30
○赤城国務大臣 御承知のいきさつを申し述べた通りでありますが、内定するときには、内定するだけの資料を集めまして、十分に検討して内定をいたした。しかし、その後、新しい機種ができたり、あるいはまた諸外国で採用する、こういうことになって参りますと、内定を決定まで持っていくのは値重を要する。こういうことで、ことしの六月に白紙に返した。そうして再出発をして検討をしていこう、こういうことに相なったことは、最初に申し上げた通りであります。
 そこで、大体比較の対象が違うと思うのです。やはり操縦しない前にいろいろ検討し、また操縦して検討した、こういうことになりますと、その今までの資料の上に、操縦して決定するということが慎重を期するわけであります。そういう順序を踏んで決定したのでありますから、私はむしろ、慎重に、真剣にこの決定まで持っていったということに対しましては、非難されるよりも、決定の方法については、よくやったと言われた方がしかるべきだというふうな気がします。しかし、そういう考えを持っていない方に対しましては、どうも私としても、いたし方ありません。
#31
○鈴木委員長 神近市子君。
#32
○神近委員 この問題は、参議院で扱われたものを見ても、今日のいろいろな御答弁を聞いても、私は基本的なことが間違っていると思うのです。たとえば、私どもがグラマンの問題のときにいろいろ調べてみていると、どうも心理的にロッキードの方がひいきになったのです。これはよく友達、仲間の方々と、あんまりグラマンの側の盲動というか、策動というものが明らかになってくると、心理的にだんだんとロッキードがひいきになって、ロッキードがよさそうな感じになったといって笑ったのですけれど、私どもはグラマンでもロッキー下でもないはずであります。
 それで、今度グラマンの本体がわかって、ロッキードにおきめになったということ。これは今、山田委員が申しましたように、作らないのが一番いいと私たちは考える。だけれど、次善を求めるならば、政府がどうしてもこれを作るとおっしゃるなら、なるほどロッキードがよかろうなんという気で、その点、源田さんという方はお気の毒に、政治的な道具に使われた感じがいたしますけれど、あの方の技術とお人柄というものに信頼があるから、大体妥当なところに落ちついたのだろうということは、私ども考えたわけです。だけれど、あなたのせっかくの念入りの調査がまずかったというのは、あの国防会議で数時間のうちにこれを決定し、しかもこの生産に当たる会社まで一気にきめて発表なさったというところに、何か政治的な、赤城長官に似合わない、踊らされていらっしゃるというような感じを、私どもは受けるのです。
 今、装備局長ですか、課長さんですか、その方がベラベラと、新三菱と川崎航空の比較、これがこういうふうになっておりましてと、政府のきめたものがいつの場合でも優良なんです。これはグラマンの場合でも、みんな下部の方々は、お気の毒に、命ぜられてでありましょうけれども、ベラベラとグラマンが優秀だということを、ついこの間おっしゃったのです。それで、きょうは、この川崎と新三菱ということになると、今度はまたベラベラと材料を持ってきて、新三菱にいかにしてきめなければならないかという理由をおっしゃった。そういうことは、もう無意義です。防衛庁の説明なんというものは、もうグラマンの問題で、政治的意図を受けての説明だというので、幾ら説明していただいても、あるいは書類を出していただいても、ははあ、そうですか、と言うよりほかはない。私はここで、長官がよほどしっかりなさらないと、この国民の疑惑は解けないと思うのです。今、長官におなりになると、たとえば前のいい赤城官房長官というふうな印象がだんだん薄れて、やはり防衛庁というところはそういうところかなあ、という感じがいたします。うそはおっしゃらないと思うのですけれども、ともかく、やむを得ず何か心に矛盾を感じながら言っていらっしゃるということが、よくわかります。
 この新三菱のことですけれども、私は川崎にも関係はない、新三菱にも関係はない。しかし、この前六十四回の宴会の表が出たときに、あそこの吉村という人と、それから由比という常務が、吉村さんは二十四回、由比さんは二十三回出ているのです。あれだけを見ても、そしてその料理屋の支払いが、全部三菱系統から出ているということを考えれば、防衛庁の仕事を受けようという暗躍がいかに激しかったか。私どもは、あれだけが全部とは思っておりません。その奥の奥では、どういうことが行なわれたかということが、大体想像できるのです。
 それで、もうグラマンは幽霊機であった、できたものはなかったのに、新三菱が技術提携あるいは資金提携の方面からグラマンに固執して、そして二年間もロッキードの調査が済んでいるのに、グラマンに半年ぐらいの間に逆転して内定が行なわれた。そこは、私は一つ勉強になりました。国会の学問になりました。産業と防衛、あるいはその他の官僚というものが、いかに密接につながっているかということの勉強になりました。私はその点では、グラマンの問題が起こったことは大へんありがたいと思っております。
 私どもの感覚からいたしますと、長官、こうなんですよ、グラマンを支持して、うそをついて、グラマンに限ります、こちらが優秀でございます、というような、ここの証人に立って発言をした人たちは、一応下がるのがあたりまえじゃないかと私は考えます。今、加藤局長にはお気の毒ですけれども、加藤局長が辞意を示しておいでになる。これは前から伝わっていたことで、私はこれは役人として大へんりっぱな、進退をわきまえた態度だと思うのです。そのほかの人たちも責任を――吉村真一君を初めとして、そのほかの、あの問題で暗躍して、さんざんわれわれを、半年も一年もごまかし続けてきた人々が、あの逆転によって、悪かった、誤っていたということがわかるならば、これは責任をとるのがあたりまです。私は、それをあなたが無理に慰留なさるということは、せっかくの加藤局長の、あるいは今井次官とか、新聞に名前が出ておりますが、その人たちの役人としてのルールというか、あるいは良心の働きというものを、政治的の意味で、今やめられては困る、どうも体裁が悪い、あるいは何か暗いところがあるからといって慰留なさるそれは私は親切ではないと思うのです。むしろここで、この中の責任者というものを一応きっぱりと清算する。そうして、川崎、新三菱に対しては、あの暗躍、あの謀略、そういうものをやった会社にまた仕事をやるということは、これは私はお考えになるべきことではない。国費を使う衝に当たる人として、相手を選ばないというようなことはあり得ないと思うのです。私どもはその点で、あの事実があがっている以上、新三菱にこの主たる役出をおあげになったということ。しかも、そのやるのが何時間かのうちに、源田さんの報告が出て、そしてそれを国防会議の懇談会に出して、それを正式の会議に切りかえてきめたり、国民をばかにするのもほどほどにしてもいたいと思う。私は赤城長官がそういう衝の中心にお立ちになったということは、非常に情ないと思う。今の政府の中で、たった一人か二人かのきれいな方だと考えていたので、非常に失望したわけです。私は新三菱に関して恨みも何もないのですけれども、この前グラマンの大きな渦に巻き込んだところの張本人である新三菱重工を、このまま見すごしになさるべきじゃないというのが、私の今日の長官に対する御勧告であり、またそういうことをどういうふうに受け取っておいでになるか。あの一年にわたるグラマン問題の震源地は、新三菱重工業ですよ。われわれはそのことをはっきり知っております。その震源地を、まあまあとえておいて、今度はロッキードをやるからな、というふうなことでは、私は国民は、防衛庁の金の使い方というものに対しては、信頼が置けないと思ののです。それは私が一人の国民として考えることなんですが、長官は、その点では、のほほんとしておいでになるか。今、装備局長が、あっちが有利でございます、こっちが有利でございますと言ったのは、去年はグラマンで言っておったのですから、私どもは絶対に信用いたしません。その点、私は長官一人の腹で、ここはものはおきめになるときだと思うのです。下部の人たちは、その場その場でいいかげんなことを言うということは、よく御承知にならなくちゃならないと思うのです。いかがでございますか。
#33
○赤城国務大臣 源田報告を聞いてから、非常に短い時間に国防会議の決定を急いだのは国民から疑惑を受けるんじゃないか、こういう点にお答えいたします。この戦闘機種の決定の問題は、御承知のように、非常に前から決定したということでありましたが、問題がいろありまして、長引いておったであります。私どもといたしましては、これは事務的の関係もありますが、三十五年度の予算に頭を出したい、こういうことを一方に考えました。その前に、アメリカ側との費用分担の交渉が始まらなければなりません。前からもそういう交渉をしているのですが、機種が決定いたしませりと、本気になって取り組まないわけなれんです。そういうことでありますので、一日も早く機種を決定して、対米交渉に入りたい。一方、予算を要求するならば、これも事務的でありまするが、十二月の二十日くらいをめどといたしたわけであります。大てい予算がきまるのは十二月末でありました。そういう点から考えまして、早くしたい。こういうことを考えておったわけであります。
 一方におきましては、再々申し上げますように、私どもが、どの機種がいいかということを決定しようといたしましても、集めた資料によって検討しておっただけでは十二分ではない。やはり現地に、パイロットにいたしましても、技術者にいたしましても、民間の顧問にいたしましても、出して、その結果を待ちたい。それで、今度の調査団の結果が、あるいはグラマンに出るかもしれない、あるいはコンベアに出るかもしれない、あるいはロッキードに出るかもしれない。しかし、どういう結論が出たとしても、私はこれを尊重して、国防会議にかけよう、こういうふうに考えておったのであります。
 でありますから、この調査団の報告があったから、それを私どもが直したり、これは違うからこういうふうにせいというような、いわゆる政治的な意図も持たず、そういう工作もせず、そっくりそのままこれは国防会議に持ち込んでいきたいという考えを私は持っておったわけであります。幸いに、防衛庁で庁議を開きまして、そういう結論が調査団から報告がありました。防衛庁の内部におきましても、グラマンがいいというふうに、乗ってみないで、こちらでいろいろの資料から出ていた結論もあります。そういう点につきまして、あるいは今までこういうふうに言われておったのだけれども、この点はどうか、あの点はどうか、こういうふうにいろいろ突っ込んで聞いてみまして、源田調査団の結論を、あるいは調査を、くつがえすようなことにはなりませんし、また当然明快なる回答があったわけであります。そういうことでありますならば、やはり予算委員会も開けておりますので、早くきめて、この国会等におきましても批判を受けた方がよろしい。こういう観点から、実はああいうふうなことで早くきめられた。こういうことであります。ただ、時間が非常に短いじゃないかということにつきましては、私は再々申し上げておりますように、八十数日の検討を続けた結果でありますから、検討は十二分に検討した結果だ、こういうふうに申し上げておるのであります。
 それから、防衛庁内の人々の責任はとらせるのか、とらせないのか、こういうお尋ねでございます。お話のように、会社あるいはその他外部と結託等をいたしまして、あるいは供応を受けたとか、あるいは今お言葉にありましたが、ごまかした報告をしたとか、こういうことでありますならば、これは私は責任をとらせたいと思います。しかし、問題になっております人々や、内部等におきましては、そういう外部の働きかけによって、会社等の働きかけによって、利益に誘導されて、そのためにごまかして、グラマンならグラマンがいいというような論拠を申し上げておったわけではないことが、はっきりいたしておるわけであります。それは、そのときの資料によって御質問に答えて、グラマンの有利な点等を申し述べておったわけであります。ところが、その点につきましては、たとえば操縦性等について申し上げておったことが、源田調査団の結果によりますと、空中における操縦、ことに射撃時の操縦などがロッキードは非常にすぐれているというようなことであったわけであります。これはごまかしでも何でもない。そういうような資料で当時申し上げておった。ところが、現実に操縦してみると、そういう点もない。安全性等の問題、あるいは滑走距離の問題、いろいろありますが、それは詳しく申し上げませんが、そういう点が、操縦してみた結果と、こっちで資料だけで検討していたのとは違ってきておる。ことに操縦した。パイロット四人も、こちらで気がつかなかったことが、やはり気がついたことがある。こういうことでありますので、私は防衛庁内部のいろいろ担当の者が、外部から誘惑されたり、利益にまどわされたりして、そうしてごまかして故意にそういうことをしたということならば、これは責任をとらせると思います。そういうことでなくて、やはり真剣に、その当時の資料によってものを判断していったということは、むしろ公務員として、やはり真剣にやったということなんで、私はそれをとがむべき理由はない。こういうふうに考えております。
 それから第三に新三菱と川崎というような関係で、いろいろお話がありました。この点につきましては、先ほどから申し上げておりますように、指定は私どもの方の権限じゃありませんで、通産大臣の方の権限であります。しかし、それにつきましては、生産の工程とか工数とか、こういうものを基礎として、一社だけではできないんだ。どうしても二社が必要なんだ。こういうことで、二社が共同してやろうというようなことに相なったわけでございます。これは、私の方の調べというよりも、通産省の精密なる基礎の上に立って、そういうふうに指定をした、こういう事情になっております。
#34
○鈴木委員長 ちょっと申し上げます。防衛庁長官は、予算委員会の方へ出てくれという要求が今きております。それで、関連質問がまだ二人あるわけですから、なるべく簡単明瞭に……。
#35
○森本委員 簡単なことですが、今度のロッキードの場合に、こちらの方で、向うの部品を全部持って参って組み立てて作るというのがどのくらいで、それから、具体的にこちらで製造工程から一切行なうというふうな計画は、どうなっておりますか。
#36
○赤城国務大臣 装備局長からお答えいたします。
#37
○塚本政府委員 ノックダウンと申しまして、大体向うで作りましたのをこちらで組み立てるというのが、二十機を予定いたしております。そのほかに、さっきも長官から申されましたように、練習機二十機があるわけでありまして、今どういう方法でやるか、大体ノックダウンの方法でやろうということで話し合っておりますが、この点については最終的には決定いたしておりませんが、ノックダウンより少し程度が落ちる程度の製造方法、あとの百六十機は大体国産、かように考えております。
#38
○森本委員 それではもう一つ。今度のロッキードを製作するということによって、これがために新しく設備を投一資しなければならぬというのは、川崎航空と新三菱とは、大体どのくらいですか。
#39
○塚本政府委員 川崎と三菱がどの程度の分野でやるかということは、契約後決定さるべき問題でありまして、その分野によりましては、どちらがよけいにやるということによりまして、そのやり方あるいはやる分野によりまして、設備の仕方が違うと思います。専用治工具と申しまして、FXを作ります専門の、ほかには使えないような組み立てのいろいろの型があります。専用治工具は全部新しく作らなければならぬ。その他の一般機械につきましては、大体三菱はそう要らないのじゃないか、かように考えております。川崎にどの程度の分野が参りますか、それによって川崎におきましては、ある程度また増設の必要があろう、かように考えております。具体的にどの程度かということは、その分野及び国産化も――今申しましたが、大体国産化と申しましても、部品等をどの程度国産化するかということは、これからしさいに検討してみなければならぬ問題でありまして、そういう点を考慮いたしますと、具体的にどの程度の金額ということは申せませんが、大体両者合わせて十億程度のものでよろしいのじゃないか、かように考えております。
#40
○森本委員 そうすると、その点については正確に、はっきりとわかっておらない。具体的に契約をしてからその問題は、はっきりしていく問題であって、具体的にはまだ、はっきりしておらない。こういうことですね。
#41
○塚本政府委員 その通りでございます。
#42
○森本委員 それからもう一つ。これもやはり事務的な問題ですが、防衛庁長官に聞いておきたいと思うのです。戦闘機で一番重要な個所と申しますか、そういうものについては、戦闘機の一体どこが一番重要なものであるというふうに解釈しておられるのですか。これは、文官としてもお答えができると思います。
#43
○赤城国務大臣 御承知のように、日本の採用は、先ほど申し上げましたように、戦闘機としては多用途性を考えております。やはり戦闘能力でありますが、それにつきましては、戦闘時の水平速力、マッハももちろん必要でありますが、やはり何といっても管制装置が必要であります。これが心臓のようなものではないか、こう思います。
#44
○森本委員 その滑走度、それから上昇度、水平というような飛行機としての問題についての具体的なものは、源田空将が乗って十分に見た。こういうことを、しばしば防衛庁長官は繰り返しておられますが、その肝心の射撃管制装置のやり方について、具体的にこれを試射してみたことが、源田空将の向うの試験飛行の場合にあったわけですか。
#45
○赤城国務大臣 今向うに据えつけているものは、もちろん具体的に試験をいたしたわけでございます。装備しようとするナサールは、向うにはついておりません。しかし、これは技術的に十分な検討を経てきたものであります。
 それから、申し添えますが、機体と中の装備とを、別々に違ったものをやるということについては、非常に金がかかる。やはりそれに相応した最もいいものが必要だ。こういうコンビネーションがあるということを聞いております。こちらでナサールをつけようということは、何もドイツでつけたから、カナダでつけたからということではない、こう聞いております。いろいろ一番適当であるというふうに認定して、先入主を持たすに認めた結果が、たまたま西ドイツにおきましても、カナダにおきましても、それをつけるということになっておった、こういうことであります。
#46
○森本委員 その場合、管制装置について具体的に試験をしたものと、それから将来つけるということで、その計画上は明確に出ておるけれども、それはやっておらないというものと、その二つについて、はっきりしてもらいたいのです。どういう名前で、どういうことか。
#47
○塚本政府委員 ナサールは、これは現在F104Cにはついておりません、ただ、ほかの機についておるのを実験した結果は持って帰っております。これは全天候でありまして、もちろん、このナサールそのものが全天候であるから全部が全天候である、こういうことは直ちには言えないわけでありますが、これに装備しますところの、たとえばわれわれが今予定しておりますサイドワィンダー、これは今のところ完全なる全天候というわけには参らぬかと思います。ただ、その場合におきましては、これは雲などがありますと、やはり精度が落ちるということでありまして――もちろん精度が落ちても、ある程度の雲がありましても撃てるわけでありますが――その場合に精度が落ちますので、もっと安いロケットを使うということがこのナサールではできるわけであります。そういう意味合いにおきまして、ナサールは全天候だ、かように考えております。なお、サイドワインダーそのものをさらに開発するという計画もあるようでございます。これができますれば、全面的に全天候になる。かように考えております。
#48
○森本委員 そうすると、実際にこのロッキードの機につけて試験はやっておらないわけですね。
#49
○塚本政府委員 さっきも申しましたように、ナサールはF104Cには、まだつけておりません。
#50
○森本委員 そうすると、他の機につけてこれを試験したという、その他の機というのはどれですか。
#51
○塚本政府委員 これは私、その他の機のことを忘れましたが、ナサールそのものは、ドイツ及びカナダの分につきましてはナサールをつけるということで検討が進められております。確実につくというところまでいっておりまして、その点からいえば、完全にこのF104Cにはナサールがつけられる、かように考えております。
#52
○森本委員 このナサールというものは、具体的にはどういうものですか。たとえばレーダー・ミサイルという意味ですか。初めのいわゆるサイドワインダーのような、吸いついていくというのではなしに、そのナサールというものは具体的にはミリレーダーによるところの、要するに自動的なレーダー・ミサイルといいますか、そういうような意味ですか。
#53
○塚本政府委員 ナサールはビーコンあるいは赤外線を求めて飛びますところのたまそのものではないわけでありまして、そのたまを操作し、あるいは発射する装置であります。それで、敵機をあらゆる雲の中、あるいは雨の中、深夜の場合におきましても捜査する、それから敵機を見きわめまして、それに対して発射をする、こういう装置であります。
#54
○森本委員 その発射装置の一番重要なポイントは何ですか。私も一応こういう問題については興味を持っておる者の一人ですが、その発射の一番重要なポイント、それが改造されていくというのは、どういう意味ですか。
#55
○塚本政府委員 これは敵機を捜査いたしまして、その敵機の位置及び映像を映します場合の出力があるわけであります。簡単に申しますれば、電気の出力であります。その出力が従来のは五十とか七十五とかいわれておりますが、これを二百五十にするという計画で進めております。
#56
○森本委員 これはおそらくレーダーの一つの発達をしたものじゃないか、というような想像を私はするわけでありますが、その五十とか二百五十というのは、どういう意味ですか。
#57
○塚本政府委員 大体レーダーとお考え願えばいいかと思います。それで、その電気の出力が二百五十、こういうことであります。
#58
○森本委員 二百五十とはどういう意味ですか。
#59
○塚本政府委員 二百五十キロワットであります。
#60
○森本委員 初めからキロワットと言えばそういうふうにわかるのです。そこで、この全然つけてないものを将来このF104Cにはつける、こういうことですか。
#61
○塚本政府委員 将来わが国が作りますF104Cには、このナサールをつけるということであります。
#62
○森本委員 ロッキードについては、それ以上改造されるところのものはないわけですね。
#63
○塚本政府委員 レーダーそのものにつきまして将来どういう改造をされるかということは、もちろん今すぐそういう改造はないということは言えないかと思いますが、大体このF104Cにつきましては、このナサールが一番最適であります。ほかにいろいろFCSの装置がありますが、ただ、それはこのF104Cにはなかなかつきにくいということであります。しかも、このナサールによりまして、大体われわれが考えております性能は十分出せるというふうに考えております。
#64
○森本委員 大体私も電波の問題については一応やった経験がありますが、さらに私はこの問題について十分に研究をして質問したいと思います。
 ただ、ここで防衛庁長官に申し上げておきたいことは、前のグラマンのF11F―1F、すなわち98J―11というものも、ここの決算委員会における防衛庁の幹部諸君の答弁では、すべてこれは計算によるところの、計算機である。それが、はたしてできるかどうかと言った場合に、絶対できます、こういうことを言う。今回の場合は具体的に乗ったから、前よりもよくわかった、こう言っておるわけです。乗って、具体的にその上昇率とか、その他についてはわかったかもしれぬけれども、肝心のこの管制装置そのものについては、私は源田空将にも聞いてみたいと思いますが、あまり深く検討し、また実地にこれをやったという経験も今回の調査団は持っておらぬ。この点については、大なり小なり、やはり一つの数字上による計算であるということには間違いがない。長官、その点はどうですか。
#65
○赤城国務大臣 お答えする前につけ加えておきますが、F104Cは全天候ではない。これは財力のあるところですから、飛行機をそれぞれに使える。日本では多用途性ということを考えますので、そういう点、改装を必要とするわけであります。
 ナサールにつきましては、先ほど装備局長もお話申し上げましたように、これは現にあるものであります。それから、つけてあるものもある。そういう点と、それから技術者もついていきまして、技術的に検討を加えた結果、F104Cを全天候性にしていく。そして機能を十分に発揮させるというのにはナサールが一番いいらしい、こういう結論を得たわけであります。ちょっと途中から話が入りましたが、F104Cは幽霊機ではありません。
#66
○鈴木委員長 淡谷君、簡単に願います。
#67
○淡谷委員 山田委員の質問に関連いたしまして、二、三点明らかにしておきたいと思います。
 さっき赤城長官から、源田調査団は八十余日を費やして十分に調査をしたという御答弁がありましたが、この前に出ました永盛調査団は、何日滞在いたしましたか。
#68
○門叶政府委員 長官がおいでになる前のことですから、私から御説明申し上げます。永盛調査団は三十二年の八月二十二日に東京を出て、九月十六日にこちらへ帰って参りました。
#69
○淡谷委員 佐薙調査団は、何日おりましたか。
#70
○門叶政府委員 当時の佐薙空幕長は、全然別の用件で、アメリカ空軍の招待による軍事基地その他の視察のために参りました。たまたまFXの問題が問題になっておりましたので、あわせて研究して帰ってきた。合わせておそらく一カ月足らずだと考えております。
#71
○淡谷委員 赤城防衛庁長官からお答え願いたいのですが、この前にグラマンに内定しました場合は、一体、佐薙調査団の調査に基いたものですか、あるいは永盛調査団の調査に基いたのですか、どっちです。
#72
○赤城国務大臣 先ほど官房長からお答えしましたが、佐薙は調査団じゃないのです。招待されて行って、これも見てくるということでありますので、十分な検討はしてなかったのじゃないかと思います。ですから、永盛調査団の方に重きを置いてきめていった。しかし、そればかりではありません。こちらでいろんな資料も集めた結果でございます。
#73
○淡谷委員 永盛調査団及び佐薙調査団の調査は、国防会議の内定には役立っておりませんか。
#74
○赤城国務大臣 いずれも資料にはなっております。
#75
○淡谷委員 源田調査団は、調査費をどれだけかけておりますか。
#76
○赤城国務大臣 今、はっきりしたその費用のことを私は知っておりませんので、経理局長から……。
#77
○山下政府委員 正確な数字は手元に持っておりませんが、源田調査団一行の旅費は約一千万円と覚えております。
#78
○淡谷委員 正確な資料をお出し願いたいと思います。
 永盛調査団は費用を幾ら使っておりますか。
#79
○山下政府委員 調査の上でお答えいたします。
#80
○淡谷委員 一体、一千万円程度の旅費を使う場合、防衛庁はどんどん関係なしに出すのですか。少くとも責任ある調査団を出すのですから、それくらいの数字は概算わかっているはずではありませんか。おわかりにならないのか。もう一ぺんお尋ねします。
 ついでに、佐薙調査団の場合も、アメリカの空軍の招待だそうですが、あわせていろいろな資料を調査したというのならば、そのときのやはり旅費などについても御答弁願いたい。
#81
○山下政府委員 正確なことは、ちょっと今集計しなければわからないのですが、旅費としては往復約一人当たり三十万円、滞在費は一日約二十ドルというふうに計算しております。
#82
○淡谷委員 この三つの調査団の調査費用、まあ旅費と申しましょうか、その資料を一つ出していただきたい。これを要求いたします。
 さらに、長官にお尋ねいたしますが、長官は源田調査団の資料が非常に信用の置けるものではあり、最善のものであるから、それによって決定する、こう申しましたが、グラマン機を内定した場合にも多大の費用をかけて、永盛調査団、あるいはあわせて調査をしたにせよ、佐薙調査団が行っている。それを長い間、もみまして、内定したわけなんです。今度は、源田調査団が帰って報告書を提出いたしますと、ごく短時間の間に防衛庁の意見が統一され、同時に国防会議も同じ日に決定している。そうしますと、ほとんど源田調査団は派遣する前から、お前の方できめたものなら無条件にのむから、君、やってこいというように見えるのですが、白紙委任状を渡して源田調査団を派遣したのかどうか。その点を明らかにしてもらいたい。
#83
○赤城国務大臣 そういう点はありません。私は源田報告は尊重するという気持ではおりましたが、源田調査団に対しまして、お前の報告はそのままのむからやってこい、というようなことは申しません。私の考えとしては、源田調査団の結果は、どういうような機種に決定しても、現状において向うで開発された飛行機を操縦して試験してくるのには、最良といいますか、最も適当した調査団と思っておりましたから、私の頭では源田調査団の調査の結果を尊重する、こういう頭でおったのでありますが、行くときに、君の調査はまるのみにするから、白紙でのむから、というようなことは申しておりません。
#84
○淡谷委員 それではお尋ねいたしますが、今度のロッキードの最後決定の責任は、国防会議にあったことは間違いありませんか。
#85
○赤城国務大臣 実は話は長くなりますが、機種決定は、どういう種類のものをきめるかということは、これは防衛庁できめるべき筋ではないかと私は前々から考えておりました。たまたま、国防会議に第一次三カ年計画を出一しまして、その中に次期戦闘機の問題が含まれておりました。そこで機種決定を国防会議で取り上げたという形でありますが、艦艇はどういう種類が適当であるか、タンクはどういうタンクが適当であるかという、こういう種類をきめるのは、防衛庁できめるべきだという考えをかねがね持っていたわけであります。ところが、そういう考えを持っておっても、今まで国防会議でずっとやってきたのだから、国防会議で最終決定をしてもらおうということで、国防会議に持ち込んだわけであります。持ち込みましたところ、国防会議でも意見がありまして、私の申し上げているように、数をきめるとか、これは財政上の都合もございます。そういう点は国防会議で決定すべきだが、どういう機種がいいかということはこれは防衛庁できめるべきものだ。こういうような意見になりまして、この間の国防会議におきましては、防衛庁で決定いたしましたF104Cを国防会議においては承認する、こういう形で決定を見たわけでございます。
#86
○淡谷委員 国防会議が機種を決定しないで、防衛庁が決定すべきものだという長官の御意見に基づくものならば、この前、防衛庁がグラマン機を決定したものを、内定した国防会議がみずからこれを白紙還元してくれと言ったのですか。あるいはまた国防会議が自発的に白紙還元したのですか。どっちですか。
#87
○赤城国務大臣 防衛庁の原案といたしまして、白紙還元をしてそうして調査団を出すという原案を出しまして、国防会議が決定したのであります。
#88
○淡谷委員 あなたの前の長官の伊能さんは、あくまでもグラマン機を主張しておった。そのグラマンを主張しておった伊能さんがやめた、とたんに白紙還元されたというのは、一体、防衛庁の決定というものは、長官の更迭によってくつがえされるものですか
#89
○赤城国務大臣 御承知のように、伊能前長官も、防衛庁としても、内定したグラマンが適当であるという見方をしておったのであります。しかし、その点につきましては、新しく開発されたり、あるいは西独等でも採用されているということであり、もっと慎重に検討すべきであるということで、防衛庁から伊能前長官も国防会議に出席していましたが、白紙に還元いたしまして、それで調査団を出してこれをきめるのが至当であろう、こういうことになったのでありますから、前長官もそういうことで進めてきたのを私が引き継いだ、こういうことでありますから、その間に変わりございません。
#90
○淡谷委員 私は赤城長官という人は、もう少し正直な答弁をされるだろうと思いましたが、あなた自身の論理に矛盾がある点をお気がつきませんか。防衛庁が決定すべきだ――伊能長官は防衛庁長官ではあったが、内定に基づいてグラマン機を主張した。そうすると、国防会議の内定が防衛庁の決定よりも優先するじゃないですか。これを、さらにもっと検討すべきことがあるのじゃないかというあなたの御意見で、伊能防衛庁長官がくつがえしたことになるならば、一体どっちが優先するのですか。あなたの論理自体に矛盾がありますよ。まさか俊敏なる赤城防衛庁長官は、それくらいの論理の矛盾に気のつかないような人じゃないと思います。もう少し国会答弁は、論理の筋道に合った御答弁をお願いしたいと思う。詭弁は許しません。
#91
○赤城国務大臣 私の方が論理に合っていると思うのです。国防会議で決定すべきものではないんだけれども、国防会議で取り上げておったから、国防会議で結論を出そうということになっておったんだけれども、本来は防衛庁で決定すべきが本筋だ、こういう考えを私は持っておる。そこで白紙に返すときにも、防衛庁側の意見として白紙に還元して調査団を出そう、こういう意見が国防会議で通ったのであります。でありますから、調査団を出すにいたしましても、私の名前で調査団を派遣した。こういうことでありますから、私は論理の立て方が、どういう論理か知りませんが、私の論理が正しいと思っております。
#92
○淡谷委員 私はそんな詭弁は許したくない。この機種決定の最後の責任が国防会議にあることは、長官もおわかりだろうと思う。ただ、機種そのもの、あるいは軍事上から見た決定は、防衛庁の決定が優先するかもしれない。少くとも自衛隊の装備というものは、日本の財政とにらみ合わせて決定すべきものなんです。その場合に、同じ機種の決定にしても、防衛庁が決定して参りましても、単価なり機数なり、あるいは国防の観点なりに立って、これに変更を加える権利は私は国防会議にあると思いますが、そうじゃないのですか。国防会議は、こういう点はいつもロボットにすぎないのですか。
#93
○赤城国務大臣 もちろん変更させる権限はあります。ただ、機種の決定そのものは防衛上の立場から決定すべきものである。それにつきまして、今お話のように、どれだけの数をきめるか、こういうのは財政的にも影響がありますから、これはもちろん国防会議できめます。だから、筋からいって、たとえばタンクだとか艦艇だとか、どういう艦艇がいいのかというようなことは、国防会議でなくて防衛庁できめていいんだ。しかし、それが財政的に関連したり、あるいはまた機数をどれぐらいにするかというようなことは防衛計画にも影響してきますので、もちろん国防会議でそういう面はきめなければならぬ。こういうふうに申し上げたのであります。
#94
○淡谷委員 そこで、あなたにしきりにお聞きしたのですが、ごまかされてしまった。それじゃ伺います。グラマン機は防衛庁が決定したのでしょう。そうじゃないのですか。
#95
○赤城国務大臣 筋は防衛庁できめるべきものだと私は考えておったのですが、当時といたしましては、防衛庁でグラマンがほしいということで国防会議にかけたところが、国防会議で取り上げて、国防会議で機種を決定しようということになったという経過を申し上げたわけであります。
#96
○淡谷委員 経過はわかりましたが、グラマン機の決定は、どこが最後的に決定したのですか。防衛庁がこれを決定したのですか、あるいは防衛庁がロッキードを推薦したものを国防会議がグラマンと決定したのですか。国防会議と防衛庁との間に意見の不一致があったのか、ないのか。
#97
○赤城国務大臣 ですから、経過を申し上げて、その経過から言いますならば、グラマンの内定のときには国防会議で内定を決定したんだ、こう申し上げておる。ちっとも筋は違っておりません。
#98
○淡谷委員 内定の条件になったのは防衛庁の決定じゃないですか。防衛庁とは別に国防会議が内定したのですか。
#99
○赤城国務大臣 防衛庁が推薦したものを国防会議で決定したのであります。
#100
○淡谷委員 それをくつがえしたのはどこなんです。グラマン機に内定はしたけれどももう一ぺん白紙に還元しようという、この主導者はだれなんですか。防衛庁ですか、国防会議ですか。
#101
○赤城国務大臣 それは国防会議で決定したのでありますが、案は防衛庁の方で出したのであります。
#102
○淡谷委員 おかしいじゃないですか。前には防衛庁がグラマン機を決定し、あとでグラマン機じゃなく別なものになるかもしれないというように白紙還元したのは、防衛庁自体が自分の調査決定に不完全さを感じたのですか。その点はどうです。
#103
○赤城国務大臣 防衛庁としては、すべての資料によってグラマンにきめたいということで、ずっと推してきたのでありますが、その後開発されたり、あるいはほかの国で採用されたりというような事情がありますから、さらに慎重を期するのには現地において操縦し、試験し、武器体系の中で占める位置をきめていこう、こういういきさつなんです。それは御了承願いたいと思います。
#104
○淡谷委員 国防会議がグラマンと決定するにはいろいろな調査に基づいたと思うのです。私は永盛調査団も佐薙調査団も、めちゃくちゃな調査をていなかったと思う。もし、国費を使って調査に行って、でたらめな調査をして、誤った結論を出したのだとるならば、責任問題です。その責任で決定したものを、どういう理由に基いて完全じゃないというのでまた翻意されたのか。せっかく国防会議が内定したものを、これはどうも不完全だったからもう一ぺんやり直そうというのならば、一体それに思いつかれた動機は何ですか。どういう動機で今までの決定を白紙還元しなければならないとを思いつかれたのですか。
#105
○赤城国務大臣 F11F―1Fがその後二機できたということも御承知の通りであります。これはそのままであったわけであります。一方F104Aというのは、これは知っておりますが、F104Cというものがどんどんアメリカ空軍にも採用され、現実に飛んでおる。あるいは西ドイツ等においてもこれが調査団を出して慎重検討の結果こういうものを決定した。世界の傾向として、西ドイツもカナダもスイスも、次則戦闘機を選定しようというものはみな調査団を出して、現実に当たってみて決定する。こういうことでありますから、やはり日本の防衛庁としても、これは白紙に還元して、現実に乗ってみようということであります。白紙に還元するということは、グラマンを否定してロッキードになるということではないので、どういう結果になるかは、これは現実に操縦してみてから、ということであったのであります。
#106
○鈴木委員長 質問の未了のものは次会に譲り、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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