くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第033回国会 科学技術振興対策特別委員会 第3号
昭和三十四年十一月十七日(火曜日)
    午前十時二十八分開議
 出席委員
   委員長 村瀬 宣親君
   理事 小坂善太郎君 理事 西村 英一君
   理事 岡  良一君 理事 岡本 隆一君
   理事 原   茂君
      秋田 大助君    木倉和一郎君
      橋本 正之君    神近 市子君
      辻原 弘市君    堂森 芳夫君
      西村 力弥君    松前 重義君
      内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 中曽根康弘君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       横山 フク君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局次長)  法貴 四郎君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局原子炉規
        制課長)    藤波 恒雄君
        通商産業事務官
        (公益事業局原
        子力発電課長) 後藤 正記君
        参  考  人
        (原子力委員会
        原子炉安全審査
        専門部会長東京
        大学工学部教
        授)      矢木  栄君
        参  考  人
        (原子力委員会
        原子炉安全審査
        専門部会員同第
        七小委員会主査
        コールダーホー
        ル改良型原子力
        発電所審査委員
        長東京大学工学
        部教授)    福田 節雄君
        参  考  人
        (原子力委員会
        原子炉安全審査
        専門部会員名古
        屋大学理学部教
        授)      坂田 昌一君
    ―――――――――――――
十一月十七日
 委員石野久男君及び田中武夫君辞任につき、そ
 の補欠として西村力弥君及び神近市子君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員西村力弥君及び神近市子君辞任につき、そ
 の補欠として石野久男君及び田中武夫君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 コールダーホール改良型原子炉の安全性に関す
 る問題
     ――――◇―――――
#2
○村瀬委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 本日は、コールダーホール改良型原子炉の安全性に関する問題について参考人より意見を聴取することといたします。御出席の参考人は、原子力委員会原子炉安全審査専門部会長、東京大学工学部教授、矢木栄君、原子力委員会原子炉安全審査専門部会員、同第七小委員会主査、コールダーホール改良型原子力発電所審査委員長、東京大学工学部教授、福田節雄君、原子力委員会原子炉安全審査専門部会員、名古屋大学理学部教授、坂田昌一君、以上三名の方々であります。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、本委員会の調査のためわざわざ御出席を賜わりまして、ありがたく御礼申し上げます。本日は、コールダーホール改良型原子炉の安全性に関する問題について御意見を伺うことといたしたいと存じます。なお、御意見は、矢木栄君、福田節雄君、坂田昌一君の順序で、おのおの約十五分程度としていただきまして、そのあと、委員諸君の質疑があれば、これにお答えを願いたいと存じます。
 それでは矢木参考人より御発言を願います。
#3
○矢木参考人 私は、東京大学の矢木と申しまして、原子力委員会の原子炉安全審査専門部会の部会長をしております。去る十一月九日、英国型発電用原子炉の安全審査に関しまして答申書を原子力委員長あてに提出いたしました。
 まず、審査専門部会の運営について申し上げたいと思います。
 委員は、各専門分野から学識経験者――現在では二十八名おられますが、その二十八名よりなります専門部会と、各審査対象ごとに小委員と専門部会委員より選出いたしまして、具体的な、詳細な検討を行なう小委員会を開きまして、その検討結果をたびたび専門部会において聴取し、また、専門部会は、小委員会の報告についてたびたび種々の点から検討を加えて、最終結論は専門部会で決定いたしております。審査は申請書によって行なうのでありますが、実際上は、その不明の点やら、不完全な点につきまして申請者側に質問し、あるいは意見書や訂正書を出させながら審査が行なわれておる状態でございます。今回の審査は特に重大であって、かつ内容が大きいので、以上のことも多くあったようでございます。
 本件の審査は、立地及び安全性の予備審査を除きまして、二月十七日の部会において小委員を選出いたしまして、第七小委員会といたしました。三月十六日に正式の申請書の提出がありましたので、まず、翌日の三月十七日の部会で主査を決定いたしまして、新許容線量などの審査基準について確認を行なって参りました。四月二十一日の部会におきましては、第七小委員会の立地、気象、耐震、放射線、原子炉、発電所の六グループに分けまして検討すること、並びに通産省の審査委員会と合同審査を行なうことを決定いたしました。五月十九日の部会までに
 は申請書の査読、問題点の整理、申請者への正式の質問書の件などの報告及
 びその討議が行なわれております。そ
 うして、実質上の審査段階に入ったわ
 けでございます。六月十六日の部会で
 は、第七小委員会の経過報告及びその検討、六月三十日の部会では現場、つ
 まり東海村でございますが、東海村の調査結果並びに炉心構造についての検討。七月九日には小委員会の中間報告
 の発表がございました。七月二十八日
 の部会では、中間発表のことを了承いたしました。この原子炉に使います緊急冷却装置の問題、黒鉛収縮問題につきましての検討、それから、小委員会におきまして報告書の作成に着手するということについての部会の了承につきまして検討をいたしました。八月二十一日の部会では、ただいま申しました緊急冷却装置と、それから炉心設計の変更、それから最大事故解析及び緊急限界線量、と申しますのは、そういう事故の場合の最大の限界の放射線線量でございますが、それは新聞紙上ですでにおわかりのように、二十五レムという値、あるいはコンテナーの件につきましての報告あるいは検討の件がございました。九月七日では、事故時におきます放出キュリー数につきまして、イギリスのフアーマー論文との比較、緊急冷却装置並びにその報告で、検討の対象は、数点を除き、煮詰まってきております。十月二十七日の部会では、ほぼ終段階に達しました小委員会の報告書案を検討いたしました。そのとき、ここに御列席の坂田専門委員から、結論を出す前に、資料の公開、懇談――他の、たとえば、学術会議のようなところと懇談すること、及び審査部会の責任の範囲の明示について御提案がありました。一番初めの資料公開につきましては、今まで部会としても非常に努力をして参ったところであります。それから、懇談につきましては、部会の性質上、われわれの討議の中心ではない、従って、原子力委員会の方にお願いをしてあります二つの点は、われわれの範囲外で、重ねてお願いをするということ以外には、部会としては取り扱いが非常に困難であります。最後の件につきましては、ごもっともなことでありますので、その方法を考慮いたすということにいたしました。十一月九日の審査部会では、第七小委員会の報告書の報告がございました。それから審査部会から原子力委員長への答申書の検討をいたしました。また、当日坂田専門委員が御欠席でありまして、その書簡が部会長である私のもとに出ておりましたので、それを御披露申しました。そうして、その処理方法について検討をお願いしたわけであります。坂田氏のお申し出のうちで、御承知だと思いますけれども、三つの手続の問題がございます。まず、資料の公開でありますが、これは、先ほど申しましたように、部会としても、できるだけ努力をしておりましたところであります。それから、緊急線量の基準の公開、これは実は、われわれの方の原子力委員会におきまして一つの基準を持っておりますが、それを公開すべきかどうかということにつきましては、われわれの部会の方で結論を出すべきものではなくて、むしろ、それは手続の問題でございます。それから懇談についても、やはり部会の権限外の手続でありまして、以上、三つの事柄は、ある部分はわれわれ非常に努力しておりましたけれども、もっぱら手続の問題でありますし、また、答申案に関します御意見が三つほど出ておりましたが、それにつきましては、表現の問題でいろいろな御意見の違いがあるようであります。それから、この中にも、先ほど申しました手続の問題もあるようであります。部会の主体であります科学技術的の安全性自体につきましての事柄についてはほとんど触れておられないので、これは結論につきましての反論とはなり得ないということで、少数意見として、答申書の決定をいたしました。しかし、同委員会提案の趣旨の部会の責任範囲の限定は、部会長としてのステートメントの形で行ないました。また、一つの重要点であります資料の公開の促進は、重ねて原子力委員会に要望いたしました。
 今回の審査は、特に重要でありますので、慎重を期しまして、三月の十六日、申請書内容より、安全性につきまして幾多の疑問点について原電にただしまして、特に耐震構造、事故時の対策につきまして格段の進歩をした内容になりました。また、緊急時の限界線量につきましては、米国で認められております線量よりもはるかに低い、原子力委員会の内規をさらに下回る線量であるということから、これを認めることにいたしました。また、演習場に関します問題は、地震、地盤、気象などのように、過去の記録から推算するほかに、人為的、行政的の因子を含んでおりますから、同一に論ぜられません。これを、過去の実績が将来まで続行されるものとして審査を行ないまして、その実績が、予定地付近の誤投下、飛行機墜落の事故がなく、かつ、本年五月から標的が海上に移動いたしまして、飛行機の進路も変更になったなど、さらに安全側に移行いたしましたということによりまして、原子炉に危害を加えることが考えられないと判定したわけでございます。
 なお、答申書には条件付のような表現が多いという御意見がありますが、原子炉開発が実験的、実証的に行なわれるという事実、また、詳細設計、施工、検査、運転などの認可の段階がありまして、今回の審査は原理的なものでありますので、将来の実行については、行政措置に万全を期していただきたいと思っております。原理的審査ではありますが、その技術的見通しについては十分に持ち得るということを認めました。また、答申書につきましては、これらについての注意事項がかなり丁寧に書かれておりますといった理由によることだと存じます。また、演習場の演習方法の変更などにつきましては、部会の考えるべきもの以上のものがありますので、原子力委員会並びに政府の善処を期待しております。
 以上、審査の概要につきましての御報告をいたしました。内容につきましては、審査の答申書をお読みいただき、さらに相当程度の資料が公開されまして、丁寧に御検討いただければ御納得いただけるものと確信しております。
 なお、重ねて審査部会の審査内容の限界につきましては、私のステートメントで明らかにしたつもりでおります。すなわち、本答申書は原子力委員会よりの諮問に対する科学技術的審査でありまして、それ以上ではありません。
#4
○村瀬委員長 次に、福田参考人より御発言を願います。福田節雄君。
#5
○福田参考人 私は、ただいま委員長から御紹介のありました東京大学の福田節雄でございます。私の立場は原子力委員会の原子炉安全審査専門部会の第七小委員会の主査と、それから、兼ねて、通商産業省のコールダーホール改良型原子力発電所審査委員会の委員長と、こういう次第でございます。
 それで、ただいま矢木さんからお話がありましたことに一、二重複いたしますけれども、順序として申し上げますと、この両方の委員会は、その目的からして、全く一体として合同審査を行なって参りました。それで、その合同審査会の委員は、同時に、先ほどお話の原子炉安全審査専門部会の第七小委員会の委員でございますが、その委員は計十四名でございまして、その合同審査会の互選によりまして私がただいまの立場になったわけでございます。この合同審査会は、第一回は三月三十一日に開きまして、自来、本委員会と各専門のグループとの会合を交えて約百余回の会合を行ないました。
 それで、まず、審査の組織でございますが、この合同審査会の中に六つの各専門別のグループを設けまして、各専門別のグループによって各専門別に審査を行なうと同時に、随時合同の本委員会を開きまして、そうして各専門グループの報告を全員が聞き、それに対して、また総合的な立場から検討を加える、こういうような形で組織され、また、運営されたわけでございます。
 それで、審査の方針に関して一、二申し上げますと、これはお手元にただいま配付されているように思いますが、この合同審査会の報告書に書かれてございますように、この審査は、日本原子力発電株式会社の原子炉設置の認可の申請書及び電気事業経営の認可の申請書と、それにつけられております添付書類に基づいて行なったわけでございます。審査は、御承知のように設置許可申請に関するものでございまして、原子力発電所を建設し、運転するための規制としては、許可の後に、さらに工事施行の認可、検査、保安規定の認可などを行なう、まだ審査段階がございますが、発電所の基本的計画が安全上及び性能上から妥当であるかどうかを検討したわけでございます。それに関連いたしまして、今後の設計施工、検査及び運転において必要と考えられる事項についても、合同審査会としては指摘したわけでございます。この安全性の審査につきましては、平常時はむろんでございますが、地震その他の異常時におきましても、一般公衆と、さらに従業員に対して障害を与えないような計画になっているかどうかということに重点を置いて検討したわけでございます。先ほどのお話にも出ましたが、放射線の許容量につきましては、これは、もう少し詳細に申し上げますと、「原子炉の設置、運転等に関する規則等の規定に基き許容週線量、許容濃度及び許容表面濃度を定める件」という告示が科学技術庁告示第九号として出ておりますが、そのほかに、一九五八年のICRPの勧告と、並びに原子力委員会の原子炉安全基準専門部会の答申によります放射線の許容線量及び放射性物質の許容濃度について――これは昭和三十三年十一月二十七日付のものでございますが、それらをも十分考慮したわけでございます。
 そこで、最初に、結論から申し上げることにいたします。この審査の結論は、これは読んだ方が間違いないと思いますので読み上げます。
  当合同審査会は、日本原子力発電株式会社の昭和三十四年三月十六日付申請にかかわる東海発電所に関し、立地条件、原子炉の性能、燃料要素、黒鉛、炭酸ガス、機械構造、計測制御、地震対策、放射線障害対策、安全対策、発電所の性能及び技術的能力の諸点について審議し、総合判断した結果、この発電所の安全性と所期の性能とは十分確保し得るものと認める。
  なお、今後の設計施工の認可等の段階において本報告で指摘した要望事項を十分確認することを希望する。これら要望事項は現在の技術水準において十分実施可能と認めるものである。
  また、原子力発電所の運転は、わが国においては経験のないことであるから、安全の確保を特に重視して、運転を行なうことを希望する。
 結論は以上のごとくなったわけでございまして、この結論をつけまして、正式報告書を去る十一月九日に原子力委員会の原子炉安全審査専門部会と、それから通産省の方へ同時に提出した次第でございます。
 そこで、もう少し内容的な点について述べますと、まず、安全性の問題につきましては、発電所の運転中に、その所内の方の、たとえば炉の冷却用の空気などが一括して常時煙突から排出されます。それに、いろいろな理由から何がしかの放射能が含まれておるわけでございますが、そういうものが、周囲の気象条件から考えて、その放散の結果、周囲の一般住民その他に支障を与えないかどうかという、いわば常時の安全性、さらにまた、炉は制御可能でなくては危険でございますので、計画されておる内容に従ってこれが安全に制御され得るかどうかという、その面につきましての、やはり、これも常時の安全性でございますが、そういったものを中心とします常時の安全性、さらに、地震その他いろいろの原因によって事故が発生しないとは言えませんので、そういう事故時の安全性につきまして検討したわけでございます。
 なお、発電性能と発電経済性につきましても検討したわけでございますが、これは、おそらく今回の会合におきましては二次的な問題だろうと思いますので、これは簡単にとどめておきたいと思います。それらの結論の裏づけになっております各問題についてのやや詳細な審査の内容と結果につきましては、この報告書の総論並びに各論において記載されております。
 それで、まず常時の安全性につきましては、詳細に気象条件を検討いたしまして、そして、また常時煙突から放出される放射能のキューリー数を調査いたしまして、両方をかみ合わせまして、その結果、発電所の周辺にいかなる影響を与えるかということを検討いたしました結果、今般の東海発電所においては安全上支障はない、こういう結論に達したわけでございます。
 それから、制御の能力につきましては、たとえば、今回のコールダーホール型の改良炉におきましては、減速材である黒鉛の性質からして、正の温度係数を帯びるということにつきまして、自己制御性が正の温度係数に相当するだけ不利なわけでございますが、これが制御可能であるかどうかということ。それからまたキセノンの集積によりまして、炉内の中性子分布が有害な振動を起こし得る可能性があるわけでございますが、それらの問題につきましても、はたしてそれを抑制して安全な運転が続け得るやいなやという点につきましても検討いたしましたが、そういうような問題につきましては、幸いにして今般の炉はそういった変化が現われるのが非常に緩慢でございます。何に対して緩慢かということでございますが、たとえば現在計画あるいは建設されています米国の型の炉などに比べまして非常に緩慢でございまして、それに対する制御装置は、十分即応性のある制御装置であるということがわかりましたので、これも両方かみ合わせますと、それらの問題につきましても十分に安全が期せられる、こういう見解に立ち至ったわけでございます。
 耐震問題につきましては、先ほど、やはりお話がございましたように、これは審査途次におきまして、計画の一部に技術的な変更があった次第でございますが、これはその計画変更の前におきましても、まず安全が保障されるという結論に達しておったわけでござ
 いまして、新たな計画、あるいは、むしろ設計変更と申した方がいいかもしれませんが、設計変更によりますと、ますますこれが改善されておるという
 ことがわかりまして、これならば一そうわれわれは安心できるということで、これも解決したわけでございます。
 それから、それに関連があるわけでございますが、結局、事故の場合の安全性でございます。これにつきましては、炉を冷却しております炭酸ガスを通ずるダクトが四本炉体から出ておりまして、それによって運ばれる熱によって蒸気を発生させておるわけでございますが、そのダクトが一本破損する、こういうことは、現在の設計においてはまず考えられないことでございますけれども、安全の上にも安全を期するという上からして、そういうことが、かりにも起こったという場合を想定したわけでございます。そういうようなことが起こりまして、なおかつその炉体とその破損個所との間の弁が締まらない、これも非常に考えにくいことでございますが、そういう悪い場合を、さらにまたそれにつけ加えて想定したわけでございます。そういう場合の事故が、われわれとしては仮想し得る最悪の事故であると考えたわけでございますが、そういうような事故の起こりました場合でも、はたして安全が保たれるかどうかということを検討したわけでございます。
 話は前後いたしますが、今般の炉は、現在イギリスで、似たもので運転しておるものがございますし、ほとんどこれに近いもので現在建設中のものもございますが、そういうものにおきましては用いられておらない新たな安全装置が、日本の国情を考慮されて添加されておるわけでございまして、それのおもなものは、一つは、地震などのような場合にでも、緊急に炉の連鎖反応を数秒をもって停止することのできる、いわゆる緊急スクラム装置というもの。それから、その次に、たとえば先ほど申しましたようなガスの通路に破損の起こったような場合に、中に、できるだけ空気が入らないようにする、空気が入るということは燃料の要素に対していろいろ有害な作用を起こしまして、その結果は、放射性の物質が炉体外に放出される危険に近づくわけでございますので、そういう空気が、できるだけ入らないようにするというような意味におきまして、そういう非常時に、炭酸ガスを新たに、炭酸ガスの貯蔵タンクからして炉の中に相当の流量をもって吹き込むという緊急炭酸ガス注入装置というものが、また第二に付加されておるわけであります。それから、さらに第三に、そういうわれわれの予想外のような地震その他の原因によって、常時炭酸ガスをぐるぐる循環さしておりますいわゆる炭酸ガス循環装置が、駆動のタービンとか、その他の装置の故障によって停止したという場合にでも、それにかわって直ちに非常用の蒸気なり、電源なりによって、その運転を最小所要量だけは続けることができるという、いわゆる緊急冷却装置というものが添加されておるわけであります。この三つが添加されておるということによりまして、先ほど申し上げましたような仮想し得る最悪の事故が発生した場合も、燃料の被覆が破壊されたり、あるいは、さらに進んでは、燃料要素が溶触したりというような欠陥によって、放射性の物質が有害な量だけ炉外に放散されることを防止できるということが判然としたわけでございます。しかしながら、その場合に全然放出しないということは、これは学理的には考えがたい点がございますので、そういう場合に、はたしてどの程度の量の放出――非常に余裕をもって考えてもどの程度の値になるだろうかということを非常に詳細なる検討を行ないました結果、その積算量は二十五キューリー程度であるということになったわけでございまして、もし、さようであれば、当発電所の敷地外の一般住民の待避その他の処置もそういう事故時に不必要であるし、かつまた住民その他につきましても、有害な支障を与えないで済むという結論に達したわけでございます。やや詳細に申しますと、その場合に、かりにそれぞれ安全を見積もって計算した結果による隔離距離が、さらに二倍にわれわれがとったとしても、なお、今のような結果になるのであります。そこで、なお、野菜その他の農作物なんかに対して、それの使用制限が場合によっては、ごく小範囲において、そういう最悪の仮想される事故の場合には、必要になるかもしれませんが、それにつきましては十分の処置が可能であるということが考えられますので、結局は、そういう考えられないような最悪事故を想定いたしましても、周囲に対して安全が確保される、これが結論でございます。
 それから、もう一つ問題を点出いたしますと、最近、世間でも非常に危惧の念を抱かれておりますことで、先ほど矢木さんからもお話がありました航空機関係の問題でございますが、航空機関係につきましてわれわれの最も心労いたしましたのは、付近にある爆撃演習場を中心としての爆撃演習との関係でございます。実は、この問題をわれわれが取り上げましたのは、去る七月末から八月ごろでございましたが、この問題は、私個人といたしましても、勘案すると、相手が、つまり米軍との関係であるというようなこともありまして、慎重を期しましたものですから、いろいろな手段によって、私が個人的に収集いたしました資料によって検討を続けておったわけでございます。ところが、最終報告書の提出ということになりますと、その検討資料というものは、やはり公のものでないと、場合によっては不都合でございますので、最終報告書作成の期に近づきましたころに、原子力局の方に正式に爆撃演習状況に関する資料の提出を求めたわけでございまして、その結果、公式の資料の提出があったわけでございます。その公式の提出資料を検討いたしましたところ、われわれがそれまでに使用しておりました資料に比べては、むしろ安全側の状況になっておりましたので、われわれの結論は、そこで変える必要がないということになりまして、この報告書にも書いてありますような結論になったわけでございます。この報告書の結論といたしましては、これの各論の方に書いておりますが、現状におけるような演習状況あるいはそれに付帯する誤投下その他の状況ならば安全が確保できる、こういう結論になったわけでございます。しかしながら、この東海発電所がかりに今年許可になったといたしましても、これの運転開始は、多分四年先の前後であろうと推測されますので、四年先において演習状況が現在以上この発電所にとって悪化するかいなかということは、われわれの判断できないことであります。そこで、その運転開始にあたって、演習状況が現在の状況以内にとどまっておれば差しつかえないけれども、それが現在以上支障があると思われるほどに悪化されている場合に、それに対して十分な考慮が必要である、この考慮は、施設面についての防護強化ということもありましょうし、あるいは運転の仕方についての処置の問題もございますが、これらも具体的な内容はきめておりません。しかし、そのときに十分の考慮を払うべしということでありまして、もし、そのときまでに演習場が何らかの理由によって移転されておれば、全然問題が解消されるわけでございますから、これは問題のないところであります。
 ちょっと時間を超過いたしまして、はなはだ恐縮でございましたが、いろいろ御関心が深いと私が想像いたします二、三の問題点を各論的に抽出した次第であります。はなはだ不備な御説明だったと思いますが、御質問がありましたら、私のお答えできる範囲内ではお答えできると思いますので、これで終りたいと思います。
#6
○村瀬委員長 次に、坂田参考人より御発言を願います。
#7
○坂田参考人 私名古屋大学の坂田でございます。本日ここに出席いたしましたのは、原子力委員会原子炉安全審査専門部会の委員という肩書きで出ておるわけでございますが、私は、日本学術会議の原子力問題委員会委員長並びに原子核特別委員会の委員長としての役目も果たしておりますので、そのことを最初に申し上げておきたいと思います。
 本日は、コールダーホール改良型原子炉の安全性に関する問題について、参考人として意見を述べるようにということでございますが、私は、この安全審査専門部会の専門委員に加わってこの問題の審査に関係しておりましたので、この審査部会において私がどういうふうな態度をとってきたかということを中心にしてお話し申し上げまして、私の安全性についての見解をお伝えしたいと思うのでございます。しかし、その前に、まず私がどういういきさつでこの審査部会に加わることになったかという点からお話し申し上げた方がいいのではないかと思います。
 私の関係しております日本学術会議の原子力問題委員会におきましては、かねてから、わが国における原子力の平和的な開発の発展に伴いまして、原子炉並びにその関連施設の安全性ということが非常に重要になって参りました。これをいかにして確保し、公衆を放射能の危険から守るかという問題に非常に深い関心を持ってきたわけでございますが、昨年の一月以来、この問題と真剣に取り組みまして、日本学術会議の中の原子力関係の諸特別委員会の御協力を得まして、この原子炉の安全性についての基本的な考え方というものをまとめまして、昨年の春の日本学術会議の第二十六回総会の決議を経まして、政府に対して勧告を行なったわけでございます。その勧告の内容につきましては、ちょうど昨年の夏の初めだったかと思いますが、やはり本委員会に参考人として呼ばれました際にお話ししたように記憶いたしますので、詳しいことは省きますが、この安全性の審査に関する重要な点を申し上げますと、このハザード・リポートの審査にあたりましては、公開、民主、自主の原子力平和利用の三原則の精神に沿って、広く学界の意見を聞いていただきたいということ、それから、この審査機関といたしましては、たとえば、最高裁判所のような独立した機関であり、そして、その委員には学術会議の推薦する者を加えていただくことが望ましい、そういうふうなことが、この政府勧告の中に書いてあったわけでございます。ところが、ちょうどそのころ、原子力委員会の方でも安全性の審査機構をお考えになっておられたわけでございまして、その結果が、今日私どもの属しております原子力委員会の専門部会という形での原子炉安全審査専門部会でございます。このような形の審査機関は、学術会議が勧告いたしたものとはだいぶ違っておりますし、またメンバーが、ほかの専門部会の場合と同じように、原子力委員からの直接の委嘱という形式でありますような点も、日本学術会議の希望とはそぐわないものであったわけでございますが、ともかく、この原子力委員会といたしましては、そういう方式をお立てになったわけでございます。この審査部会が発足いたします際に、現在も原子力委員であられ、また、日本学術会議の会長であられます兼重さんから私にお話がございまして、審査部会に専門委員として加わってくれないか、そういうことでございました。私といたしましては、そういういきさつで、幾分心にそぐわないものがあったわけで、お断わりしたかったわけでございますが、とにかく、入ってみて、学術会議の意見とあまりかけ離れたようならば、そのときにやめればいいだろう、そういう会長のお言葉でございましたので、私が委員長をしておりますこの委員会に諮ったわけでございます。原子核特別委員会の方では、むしろお断わりをした方がいいだろうという意見が強かったのでございますが、学術会議の中の委員会でございます原子力問題委員会の方では、会長の御要望もあるから、個人としてではなくて、学術会議の原子力問題委員長という立場で、いわばエクスオフィシオに加わるというつもりで入ったらどうか、そういうことでございました。この点、先般の新聞で拝見いたしますと、国会でも御討論の中で、御出席の中曽根原子力委員長の御答弁では、私は学識経験者として入ったのだ、そういうことでございます。それは確かにそうなんでございますが、そのいきさつは今申し上げたようなことでございまして、私といたしましては、どこまでも学術会議の原子力問題委員会を代表してこの部会に加わったというつもりでございますし、また、これまでもそういう立場で行動して参ったわけでございます。従いまして、この委員会が発足いたしました最初の日に、部会長のお許しを得まして、学術会議の安全性の問題についての考え方を説明させていただきました。
 ところで、今問題になっておりますコールダーホール改良型の原子炉の審査についてでございますが、先ほど矢木部会長の御説明にございましたように、三月に申請書が提出されまして以来、ほかの申請の場合と同じように、第七小委員会というものができたわけでございます。これは、ほかの場合と違いまして非常に大きな小委員会であり、また、先ほどの御報告にもございましたように、通産省の審査委員会と二重の性格を持ったものでございます。そこで、先ほどお話のございました福田さんが主査になりまして、いろいろ苦心を重ねてこられたわけでございます。この御苦労に対しまして、私深く敬意を払っておるわけでございますが、不幸にして、この部会と小委員会の関係というものは、あまり密接ではございませんでしたため――部会長は特別でございますけれども、私のように第七小委員会に属さない部会のメンバーにとりましては、月にせいぜい一回くらい開かれますこの部会で小委員長の御報告を伺っているだけでは、審査の経過というものがあまり十分にはわからなかったわけでございます。最初の間はそういう状態が続いても仕方がないかと思っていたのでございますが、九月ごろになりましてからは、小委員会の議事録も私どものところに配られてこなくなりましたので、ただ意見書の案文とか、あるいは小委員長の御説明だけを伺ったのでは、どうもわからないような点がたくさんあったわけでございます。
 それはともかくといたしまして、私といたしましては、学術会議を中核とした学界の意見を審査部会に十分反映させるということがその任務だろうと考えておりましたので、小委員会の意見がかなりまとまったらしく見えました八月の末に、学術会議の方で主催いたしまして、広く専門家を集めて討論会を開いたわけでございます。この討論会では、まず原子力発電会社の方々から、申請の内容につきましていろいろお話を伺いまして、各方面の方々のお意見を聞いたわけでございます。専門部会の方々にも、この討論会にぜひ御出席下さるようにお願いしたわけでございますが、この討論会の結果は、学術会議の方で整理いたしまして、二つの要望といたしまして原子力委員会の方にお送りしたわけでございます。
 第一は、「原子力開発に関する資料の公開について」ということでございまして、これはこの九月二十八日付で、日本学術会議の会長代理の和達さんから、原子力委員会委員長の中曽根さんにあてましてお出ししたわけでございます。この原子炉の安全性のような問題は、衆知を集めて十分に検討すべき問題でございますから、何よりも、まず資料が、公開されていなくてはならない。資料の公開ということは、原子力平和利用の三原則の精神から申しましても当然であり、公衆の安全に関係のあるような重大な審査というものが、秘密のとびらの中で行なわれるようでは、国民の納得を得ることができないのではないか、そういうふうに考えたからでございます。
 それから、第二は、そのときに出ましたいろいろな方々の御意見をまとめた要望がございますが、原子力委員会が審査されるにあたっては、ぜひ立場をはっきりしていただきたい点が幾つかあるということでございます。一つは、先ほどからもお話の出ましたような、緊急事故時の公衆に対する許容線量の限界の問題でございます。職業人に対するものは、もうすでに今までいろいろなところで議論されておりますが、公衆に対するものは、わが国の場合どれくらいにとるかということがまだ十分検討されておりませんので、この点は、原子力委員会として十分御検討いただいて、はっきりした立場を示していただきたいということ。もう一つは、安全性の評価、すなわち、事故とか災害の解析を行なう際にあたりましての基本的な態度の問題でございまして、これも、わが国の実情に沿ってこれを確立して、示していただきたい。こういうことが示されておりませんと、安全であるという言葉の意味がどういうことかということもはっきりいたしませんし、それから、どういうところから先は退避しなければならないか、そういったような問題もすべてこれと関係いたしますので、この点をはっきりしていただきたい、そういうことでございます。これは十月の十九日付で、日本学術会議の事務局長から原子力委員長あてにお出ししたわけでございます。ところが、これは昨日になってわかったことでございますが、どういうところの手違いか、学術会議側か、あるいは原子力当局側かわかりませんけれども、この要望が、今日まで専門部会の部会長である矢木先生のところにもまだ届いていないということでございまして、この点、私は大へん遺憾に思い、また驚いた次第でございます。
 他方、そういうことがあったわけでございますが、小委員会の方の審議は、学術会議の討論会の前後からいろいろ新しい問題が起きまして、ますますいろいろ御苦心をされたようでございましたが、この十月の中ごろになりまして、最終段階に近づいたようでございます。十月の中ごろ過ぎに審査意見の第六次案というものを送っていただきまして、それから十月の二十七日に部会が開かれるという御通知を受けたわけでございます。これは、九月七日から十月二十七日まで全然部会はなかったわけでございますが、十月の二十七日に部会を開くという御通知を受けたわけでございます。この二十七日の部会では、私どもといたしましては、書き直された原子力発電会社の申請書というものも、そのとき初めて配っていただいたわけでございますが、それと同時に、審査意見の最終案に近いものを、そのときにちようだいいたしまして、福田小委員長からの御説明を承ったわけでございます。そこで、私どもとしては、先ほど矢木先生からも少しおっしゃっていただいたわけでございますが、部会として、この報告書を小委員会から受け取った上で何をなすべきか、そういう点を十分検討していただきたいということを申し上げ、部会の結論を出される前にやっていただきたいこととして、学術会議側の要求しております幾つかのことを持ち出したわけでございます。それから小委員会の御説明を聞いて、そこに出されました審査意見を拝見いたしまして、気づいた二、三の点についても御注意申し上げたわけでございます。まだそのときは、最終報告を次の部会に提出して、そこでこの部会としての答申を議すというふうなお話でございまして、その日付を十一月九日にしたい、そういうことが言われたのでございますが、この九日という日は、私自身にとりましては、私の本務の方の関係で非常に重要な日でありまして、かねてから、京都大学の基礎物理学研究所に、おきまして、湯川教授とか、それから全国の学者が集まりまして、私のやっております仕事などを中心にして今後の研究の方針を打ち立てよう、そういう予定になっておりましたので、ぜひこの日にちを変えていただきたいということを申し上げたわけでございますけれども、どうしても都合がそのときつかなかったようでございましたので、手紙で意見を申し上げることになったわけでございます。その結果につきましては、新聞紙上等で私の声明として問題になった書簡でございますが、これは、その後いろいろ最終案に近いものをいただいた上で、これを拝見いたしましたり、また、今までのいきさつ等を考えて、いろいろ検討いたしました結果でございます。これはすでに皆様も、新聞等が私の声明として引用しておりますので御承知かと思いますが、矢木部会長に出しましたのを一度読ませていただきます。
  来る十一月九日の専門部会に出席できませんので、私の意見を書面にて申し上げておきます。
  一、私は日本学術会議原子力問題委員会委員長として専門委員に加えられたと承知しておりますので、本部会に対しては、日本学術会議を中核とした学界の意見を充分に反映させる義務を痛感し、これまでその立場から努力してまいりました。
  御承知のごとく、日本学術会議は、かねてより第二十六回総会の決議にもとずき、原子炉の安全性の審査に際しては、広く学界の意見をきくよう要望しており、又最近においては、審査に関する資料の公開と、基本態度の確立を要求いたしております。
  したがって、私は、本部会が第七小委員会の報告について、最終の結論を出されるより以前に、少くとも次の三つの手続をとられるよう、重ねて要望いたします。
 (一)、日本原子力発電株式会社原子炉設置許可申請書並びに第七小委員会審査報告書を公表すること。
 (二)、原子炉の安全性評価についての基本態度、特に、事故時における一般人に対する緊急線量の限界について原子力委員会としての見解を確立し、これを公表すること。
 (三)、広く学界の意見をきくため、本部会と日本学術会議原子力関係委員会との懇談会等を開催すること。
 これが第一のお願いでございまして、これは、今まで私の入りましたいきさつ、あるいは学術会議の要望等から、こういうことを引き出したわけでございます。次に第二点として、 
  二、去る二十七日に配布された第七小委員会報告書(案)については、私には、なお納得いたしかねる点がかなりあります。とくに当日も申し上げましたごとく、
 (一)、設置許可が行われた後で、信頼性を確認せねばならぬ点があまりに多いこと。
 (二)、第十六回議事録にある兼重原子力委員の発言より明かなごとく、第七小委員会のとった審査基準(とくに一般人に対する緊急許容線量)は暫定的なものだとの了解であったこと。
 (三)、米軍爆撃演習場の問題などについては、本部会として広い立場からもう一度慎重に検討すべきだと考えます。こういう観点からいたしましても、本部会が結論を出す以前に一に述べたような手続をとられることが必要だろうと考えます。そういうことでございます。
  三、もし現状のままで本部会が最終結論を出された場合には私として、は、その内容に対し、一切の責任を持てません。
そういうことでございます。
 この第一点は、先ほど申し上げましたように、学術会議の要望でございまして、これにつきましては、二十七日にも要望いたしたわけでございますが、その際、先ほど部会長のお話にもございましたように、部会の空気あるいは委員会の空気では、かなりむずかしいということであったわけでございますけれども、しかし、私は、決して黙っていたわけではございませんで、学界の意見を一致させることができないにしても、何か学界の意見を一致させるような努力だけはする必要があるんじゃないか、そのためには日本学術会議、ことに、私どもの関係しております原子力問題委員会では、十分御協力するだけの用意があるということをはっきり申し上げたつもりなんです。
 それから、第二点でございます。これは、まだ私としては、第六次案について質問したい点が残っているということでありまして、その中で、特に二十七日にすでに述べてあります三点が重要だと考えましたので、これを列記しておいたわけでございますが、この点だけですべて納得できるということではなかったわけでございます。
 この今の三つの点もいろいろな問題がございますので、これをもう一度部会として広い立場から学界の意見などを十分聞いて部会報告を作っていただきたい、そういうことであったわけでございます。もし、そういうことができなかった場合は、私の学術会議内における委員会との関係もございますし、私としては、こういう重大な問題に白紙委任状のような形で賛成することはできないということであったわけでございます。ところが、この部会では、いろいろ私の意見書について御検討いただきまして、ことに部会長は、あとの声明とか、いろいろなところで私の意図を実現するように御努力下さったわけでございますけれども、しかし、とにかく、報告書は出されてしまったのでございます。この点については、私は大へん遺憾に思っておるのでございまして、これまでのいきさつからいたしまして、私は審査専門部会をやめた方がよろしいのではないか、こういうことで関係の学術会議の方の委員会の御了解を求めつつあるわけでございます。私の手紙の写しは、あとで、学界と特につながりのある、原子力委員でありますところの兼重、有沢両委員にもお届けいたしまして、私の意のあるところをお伝えいたしまして、原子力委員会がこの専門部会の報告書を受け取られたあとで設置許可までに御審査をなさる際に、十分考慮していただくようにお願いしたわけでございます。
 他方、学術会議といたしましても、昨日、原子力関係の委員会の合同役員会を開きまして、私が専門部会でとりました態度とか、あるいは部会報告書がすでに出た現段階において何をすべきかというふうなことについて議論したのでございますが、その結果――けさの一部の新聞等にも出ておりましたが、このお話を最後にちょっといたしたいと思います。
 矢木部会長は、昨日は学術会議の原子力特別委員会の副委員長として御出席いただけましたので、部会報告をめぐって、かなり活発な討論が行なわれたわけでございますが、特に、あとでいろいろ確認しないといけないような問題があるにもかかわらず、これをどこでチェックするか、そういった問題とか、それから、アメリカ軍の演習場が近くにあるという問題にからんで、事故解析についての基本的観点についてのいろいろな疑点等について、東京教育大学の福田教授とか、あるいは立教大学の田島教授とか、電源開発の原子力室の委員の大塚益比古さん等から、かなり強い批判が出たわけでございます。昨日学術会議に集まりましたのは、おもに原子力関係の委員会の役員だけでございますが、それでも、かなりいろいろな意見が出たことを考え合わせますと、やはり私が主張いたしましたように、学界の意見を聞き、また、それを一致させるための努力というものが、現在の段階でもう少し必要なんではないかというふうに痛感したわけでございます。学術会議として昨日きめましたことは、十二月の二日に、もう一度討論会を開催いたしまして、すでに部会の報告も出ておることでございますので、今度は原子力発電会社の方だけでなくて、専門部会の方々からもいろいろお話をいただき、検討したいと思っているわけです。従って、私は、この席をお借りいたしまして、特に原子力委員会にお願いしたいと思いますことは、原子力委員会として結論をお出しになりますのには、この討論会の結果を待っていただけないかということでございます。それからもう一つは、この討論会に間に合うように、かねて学術会議から申し入れてありますような資料の公開をできるだけ行なっていただきたい、そういうことでございます。
 なお、最後に、もう一つ加えさせていただきますと、これも昨日の日本学術会議での議論の中で出たことでございますが、そのほかに、専門委員として審査部会に加わった私の経験からいたしましても、そういう感じがあるのでございますけれども、現在の審査機関というものは、特に今度のような問題の審査については、機構そのものがあまりよくないのではないかということでございます。十月二十七日の場合にも、原子力発電会社の書き直された資料というものが初めて私どもの手元に配られ、この意見書の案というふうなものが、その場で御説明があって検討する、そういうふうなやり方にも幾分問題があるかと思いますが、一番本質的な問題は、原子力委員会の下部機構であるということが、よくないんじゃないかということでございます。これは、その中でやっていらっしゃる方々、皆さん、その範囲の中でベストを尽くしておられるということは、私も敬意を表しておるわけでございますけれども、しかし、この機構そのものが、どうもあまりよくないのではないか、少なくとも、今度のような大きな問題については、かなり不備な点があるのではないか。ことに今度の原子炉は、これは原子力委員会の長期計画に基づきまして導入のきめられたものであるというところに、かなり問題がございまして、審査側と設置側との間のけじめというふうなものに、幾分何か不明確なところを感じた、といってはいけないかもしれませんけれども、少なくとも、そういうふうに外からも疑われるおそれのある点だけでも、よくないのではないかと思うのでございます。また、この小委員会が非常に御苦心をなさいましたし、非常に時間をお使いになって、たとえば、カン詰作業などなさっておるわけでございますけれども、つまり、こういう費用などが一体どれくらいあって、どこから出るかというふうなことは、私ども存じませんし、また、昨日部会長にお伺いしたのですけれども、御存じないというような、そういうような状態も困るんじゃないかと思います。それに、第一、こういう作業を行なうのには、少なくとも、それに専心できるようなスタッフというものが必要なんじゃないかと思うのであります。ともかく、こういう点から考えまして、やはり私どもが昨年学術会議から政府に勧告いたしましたような、そういう審査機構の実現ということについて、この際、もう一度原子力委員会あるいは国会等でお考えいただくのがよろしいんではないかというのが、私の考えでございます。
 大へんごたごたいたしましたけれども、私の報告をこれで終わりたいと思います。
#8
○村瀬委員長 以上で、参考人の方々の御意見の発表は一応終わりました。
 引き続いて質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。小坂善太郎君。
#9
○小坂委員 私は、この委員会で、三先生からお話があって、それに対して質疑をしようなどということは、実は考えてなかったのであります。むしろ謙虚に、学者の先生方のコールダホール型の安全性に関しての御審査の結果を、非常に専門的な御見地から承りまして勉強さしていただきたい、こういうことで参ったのでありますけれども、実は、今御報告を伺っておりますと、私が期待しておったようなことではなくて、むしろ、その経過の御報告、あるいはいきさつ、坂田先生は、機構問題に触れられまして、安全性の審査をするにはもっと別個の、何と申しますか、政府あるいは原子力委員会的なものと無関係な機構を作ったらどうかというような点にも言及されたように思いますので、私も、思わず、ぜひ伺ってみたいと思うことがありまして、立ったわけであります。もちろん、私は、そういう専門的なことに対しては全くしろうとでありますから、非常にしろうとくさい質問であると思いますが、一つお答えを願いたいと思います。
 最初に、一つ坂田先生にお教えを願いたいと思うのです。今、いろいろいきさつや機構の問題を承りました。ことにいきさつ問題については、実は、われわれとしては、あまり関知しないことなんでありまして、これは非常に常識的に、公平に、しかも、強引さというようなものがあまりなく、結論が出れば、それでけっこうだと思っておるのであります。むしろ、私が伺いたいのは、坂田先生がお考えになっていらっしゃる点で、コールダホールの改良型の炉というものは、改良を加えれば使えるのか、あるいは、もう初めからだめなのか、日本として、こういう型の炉を入れることが不適当である、こういうお考えに立っておるかということなんであります。実は、私は、三年ばかり前にカナダへ参りまして、ルイスとかランドルフという教授たちからお話を聞きましたときに、先生たちは、コールダホールというものは、今のところあまり夢中になるのはどうかと思うという考えを持っておられたのです。それは、われわれ、しろうとの言い方をしますと、燃料と減速材というものが、エマージェンシーの場合に緊急に分離できるということが一番望ましいのだ、ところが、まず黒鉛というものは大量であるし、そういう際に、これをどける方法がない、そういう点から言うと、重水というものを使えば、一気にこれを分離することができるから、その方がいいんじゃないか、ことに日本は地震国なんだから、そういう点はよほど考たらいいんじゃないかという趣旨の話があったのです。私は、帰ってきまして、いろいろな人たちにそれを言うたのでありますけれども、そういう点については、その点を改良すればいい、こういう話がございました。私も、そういうふうに考えまして、党の方の委員会を私が主宰しておりますので、党の方としては、経済性の問題もある、しかしながら、もっと重要なものは安全性なんだ、安全性と経済性について、十分専門的な立場から意見が出尽くしたならば、それできめたらいいじゃないか、こういうことを申し上げて、そして御審査の結果、この御答申の何が出てきたわけだと思うのです。これで見ますと、私どものしろうと考えでは、たとえば、緊急時にボロンス・チールをぱっと入れるとか、緊急ガス冷却の装置があって、緊急時にクール・ガスが入ってくるとか、そういうことで、緊急事態に対する措置というものは、私たちの考えていたときより非常によくなっている。ことに、黒鉛をただ積み重ねるのではなくて、六角型というか、ハチの巣型に持ってきて、耐震性に対しても考慮する、あるいは発熱によっての収縮、膨張というものに対する考慮を重ねている、こういうことで、大へん改良されたと思うのであります。しかし、先生がお考えになりまして、いろいろいきさつ問題を言われますのは、結局、根本において、それがあなたの方の学問的な考え方から、この炉というものは不適当なんだ、こう考えられるところがあっておっしゃるんじゃないかというふうにわれわれしろうととして感じるのです。われわれ、いきさつなんか、実はどうでもいいので、もっと根本の問題について先生から御意見を聞かしていただきたい。そして、また、矢木先生や福田先生から、専門的な見地からこれに対してお考えを述べていただきたい。われわれしろうとにもわかるように、これは安全だ、こういうことになったら、これは入れてもいいんじゃないか、かように思っておるわけです。その点一つお教えを願いたいと思います。
#10
○坂田参考人 お答えいたします。私は、本日は、このコールダーホール型の安全性の問題について意見を述べよということでございましたので、もっぱら安全性という観点から、これまで私ども学術会議を中心にして考えて参りましたようなこと、それからまた、審査部会に加わわらせていただきまして、その中で努力して参りましたことを申し上げたわけでございますが、今小坂さんの御質問にございました点というのは、今の学術会議の原子力問題委員会の委員長としても、今後、やはり国会とか、あるいは原子力委員会とかでお考えいただいた方がいいのではないかということを、かねてから考えておったわけでございます。それは、最近安全性の問題の方が非常にやかましくなって参りましてから、今の経済性の問題の方、あるいは、この炉が将来どうなっていくかというふうな問題についての検討は、学界でも、また各方面でも、あまりなされていないのではないかと思います。しかし、最近ある程度までわかって参りましたことは、あまり将来性がないのではないかという意見がかなり学界の中に強くなってきており、また、外国等でも、そういう傾向があるように見受けられるのでございます。従って、そういう点から、この問題は別個の問題といたしまして、原子力委員会あるいは各方面でお考えいただくとともに、学界でも、現在の段階でもう一度この問題に触れていくべきではないかということが、昨日の学術会議の役員会のときにもちょっと申されておったわけでございます。それだけのことで、御不満だと思いますけれども、私は……。
#11
○小坂委員 どうも、不満かとおっしゃられると不満だと言いにくいのですけれども、もう少し突っ込んだ御意見を伺えないかと思うのであります。先生方は、非常にいきさつをやかましく言われるのですけれども、結局、よいものなら、もっと協力してやっていただくようにお願いできるのではないか。あれはいやだとお思いになると、いろいろ手続なんかにけちをつけたくなるように思いますが、このコールダーホール改良型に対して、ちょっと私どもの考えを簡単に申し上げさしていただきたいと思います。
 私どもは、イギリスがコールダーホールというものを一応実用的なものにして、しかも、それに改良を加えた。これは、非常にたくさんの技術の集積で、ああなったと思うのであります。私どもは、あれを輸入することによって、原子炉というものを工業的に動かすフィールド的な技術、知識を得るということに非常に大きな意義を見出したいと思うのであります。いつまでも、あれはいかぬ、これはいかぬと言っているうちに、足踏みしてしまって、ますますおくれてしまう。何かものを持ってくれば、技術水準がずっと上がるのではないか。それならば安全になるということであったならば、経済性の点は、ヒントン卿の言うようなべらぼうなものでないことは初めからわかっている。しかし、経済性の問題というものはある程度、ネグっても、技術を入れるということに非常に大きな意義を見出している。そのためには、安全ということがある程度確保できるならば、今申し上げたように、安全審査部会で研究の結果、幾多の改良が加えられつつあるようでありますから、そこに先生方のお考えも入れられて、もっと安全なものにするということで、これを入れるという方向へ御努力願いたい。いかぬと言われるのか、入れるということで御努力願えぬのか、その点を一つお聞かせいただきたい。
#12
○坂田参考人 先ほどから申し上げましたように、私が申し上げておりますことは、同じ人の頭の中で二つのことがこんがらかると思いますけれども、しかし、全く安全性を確保していくのにはこうしなければならぬ、それから、安全性の確保については、やはり学界の中で十分の検討が必要で、今おっしゃったように、学界の協力できるような態勢を作るということが一つの仕事ではないかと思っております。その観点から努力しておるわけであります。その点、全く御希望に沿って動いているつもりでございますけれども、それが、あるいは何か反対のための反対といいますか、あるいは別の目的のための反対のようにお受け取り下さると、大へん私としては遺憾に思うのでありまして、私としては、そういうつもりは全然ないわけでございます。
#13
○小坂委員 先生も安全審査専門部会の委員になっていらっしゃるのですが、御意見をお出しになる機会がいろいろあるわけでございますね。今の最終の御提案ですと、十二月二日に学術会議の専門家たちの討論があるから、それを見てくれというような御意見であったように思います。われわれは、学会のことはわかりませんけれども、そういうむずかしいものでございましょうかね。先生の御意見をざっくばらんにおっしゃって――先生が代表していらっしゃるピラミッドの頂点なのですし、そういう原子力開発の最高峰に今学術会議はおられるわけですから、先生の御意見というものをざっくばらん
 に言って安全部会の方々とお話し合いを願って、こういう点を自分はこう変えた方がいいのじゃないかと思うとかなんとかいうような、そういう方向でお話し合いが願えないものか、かように思うのですが、いかがでしょうか。
#14
○坂田参考人 その点でございますけれども、これは、最近の学問のやり方と申しますか、そういうものの、かなり変わってきている点だろうと思いますし、また、この原子力開発についての三原則というふうなものも、そういうふうな方向ででき上がっておると思うのでございます。ですから、確かに、専門家を集めて、専門家が大丈夫だと言えば、みんなも安心しろ、そういうふうな言い方で、これまでのでき上がった学問についてはよかったわけでございますけれども、原子力とか、あるいはわれわれのやっておりますような新しい方の学問につきましては、すべての専門家が、また同時に、しろうとであるというふうな面もございますので、できるだけ大ぜいの人が協力してやっていくということ、そうして、ある特定の考え方というものが、権威の名において固定されることが非常に危険であるという点、それを私たちは非常におそれておりまして、それで、三原則の線に沿ってこの原子力開発をやっていただきたいということを、かねてから申し上げておるわけであります。ことに、この発電の問題については、すでにわかっておりますこともたくさんございますけれども、やはり非常に高い放射能レベルの中での物質の性質といったようなものは全く未知の領域でございますから、そう
 いったところでは、いろいろこれまでにでき上がって、権威者の考えが基礎になっておりますような学問と違いまして新しいうちは、やはりぐらぐらしてくるという面がございますので、そういう点からも、私どもの主張というものが出てきておるという点を御理解いただきたいと思います。
#15
○小坂委員 くどいようでございますけれども、三原則と申しましても、公開という原則を一応あくまで突っぱっていくと、どうしてもコマーシャル・シークレットに触れるわけです。ところが、向こうのコールダーホールをこちらへ送ろうとする側から見ますと、それは、ほかの国に対しても公知されていないことなのだからというのが、常識的に推察されるわけです。それができないと、どうしても安全性の許容量とか、あるいは災害の際の補償の基準がわからぬ、こういうことになってくると、結局、いつまでたっても入れられぬということになってしまいます。それで、おのおの学問の持っていき方というものは、おっしゃる通り、私どもおぼろげながらわかりますけれども、しかし、どこかでやはりけじめをつけていきませんと、結局、それはあくまで、言ってみれば、反対だというのと同じことになってしまう。設置反対期成同盟というようなものもできておるようですから。そういうことでなくて、建設的なお話し合いを願いたいということを一つお願いしておきます。
 それから、矢木先生に一言だけ伺っておきたいのです。演習地の問題と関達して災害の危険性の問題が論ぜられているのですが、先生の御報告には、現在のステータスというものを基準にして、それも、最近飛行機の飛ぶ方法が変わってきた、しかもターゲットが海中に出ている、こういうような前提で、よかろうというような答申が出ておるようでございますが、もう一つ、私お考え願っていいと思うのは、現在東海村には原子力研究所というものがすでにあるわけなのです。これも程度の大小はありますけれども、誤投下とか、あるいは飛行機自身が落ちた場合というようなことを考えれば、同様なこととも言えるわけです。原研というものが、演習地があるのを承知で、すでに東海村に設置されている。そこへ、今度コールダーホールを据える大きなものができて、目標が大きくなるから危険だということはないと思うのですが、そういう点はどうなのですか。今ある原研のそういう誤投下とか、あるいは飛行機災害というものに対する防御施設と、今度作られんとするコールダーホール型炉のそういう事態に対する防御装置というものは、どっちがよけいにできているというふうにお思いになりますか、その点、お教え願いたいと思います。
#16
○矢木参考人 私どもは、コールダーホール改良型の審査に当たったものでありまして、原子力研究所がどうであるかということは、直接私どもの責任ではないと思うのであります。その点で大へんお答えしにくい問題だと思います。先ほどちょっと御報告申しました通り、東海村ないしは現在の予定地にはその実績がございません。それが将来あるかもしれないといいましても、非常に少ない数でありますとともに、その後、また標的その他が変わったということによりまして、私ども結論を出したわけであります。これは部会長としてのあれでございます。ただ、個人的に考えまして、その原研と、現在予定されておりますコールダーホール型炉とが、どちらが防御的にまさっておるかということの問題でありますが、そういう点につきましては、十分な資料を持っておりませんということでごかんべん願いたいと思うのであります。しかし推測によりますれば、コールダーホールの方が相当程度厚い防御壁を持っておるということはあるかと思います。
#17
○村瀬委員長 神近市子君。
#18
○神近委員 私は、原子力関係については専門的な勉強もいたしませんし、私が一番大きな関心を持つのは、安全であるかどうかということです。私ども女でございますから、住民あるいは従業員に対しての安全というものを第一に考えます。もうすでに今までのいろいろな御研究で、この原子炉発電が当分経済ベースに乗らないということ、乗るようになるのは二十年か三十年あとだというようなこと――これはかまわないというような御発言も今あったようですが、これが経済ベースに乗らないということは、私自身は大して関心がないのでございます。ただ、予想される不安、あるいは事故、あるいは今の誤投下の問題というようなことで、私どもの聞いておりますところによりますと、万一のことがあった場合には、ほんとうに住民に非常な混乱を生じる、都合によっては東京の一部も即時立ちのきというようなことが起こるのじゃないか。この予想される災害を考えますと、この問題は慎重の上にも慎重に御決定いただかなければならないというのが、私の今日御質問申し上げる最大の要素でございます。あるいは希望でございます。それで、原子力の平和利用ということは、世界が今関心を持っていることでございますから、そのこと自身に私ども反対はないのでございます。ただコールダーホール改良型の安全性を一つぜひ確保して、そして、希望を申し上げれば、全科学界御一致の意見をもってやっていただきたい。それに対して、いろいろ不安、あるいは、まだ慎重でないような批評が、世間にはマス・コミその他で流布されておりますので、私は、この点について二、三御質問申し上げたいと思います。
 最初に、矢木先生に御質問申し上げたいと思います。この九日に、安全審査部会の結論が出まして、そして、ともかく安全であるというふうに思われるような御答申がありました。それで、それにつきましての先生方の御確信は、これは、もう絶対に安全だというのか、あるいは、そうでもないけれども、一応設計書も出ていることだし、許可を早く出さなければならない段階にきているわけだし、一応安全だと言っておこうというようなことであったのか、その点をまずお答え願います。
#19
○矢木参考人 ただいま御質問になりました中で一番重要な点は、もうそろそろ許可の段階であるから、少し早いのだけれども、安全の答申をしたということでは毛頭ございません。私どもは、公衆の危害につきまして非常に大きな責任を感じておりまして、それが絶対ないような形でやるべきであろうと思います。ただし、われわれのまかされておりますいろいろな限界がありますので、この審査の結果をよくごらんいただければわかりますように、いろいろな注文をつけております。その注文が、先ほど申しましたように、少しお気に召さないところがあるわけでございますけれども、これは人間があとから施工し、運転をすることでありますので、それに対します基本的な考え方につきまして、どういう考え方でその答申を行なったかということについては、当然限界がございます。その限界内においては、われわれは絶対に確信を持っております。
#20
○神近委員 今も、その点にお触れになっていたようでございました。あるいは、この間のテレビの座談会を拝聴いたしましても、自分たちの与えられている任務の限界はここにあるんだ、あと、これを運転する、あるいはこれを設置する、建設する、その方面に対してまでわれわれの力は及ばないんだ、それが、注意事項あるいは要望事項のようになっているのでございます。これは、ここに中曽根長官もおいでになっておりますけれども、中曽根長官は、もう学界の皆様の御意見に百パーセント信頼を持って、それに左右される心理にいられる長官でいらっしゃいます。これは会議録をお読みになってもよくわかると思うのですけれども、みんな学者方の御意見に従うと言っておられるのです。この間の答申書というものは、非常に重大な国民の危険あるいは安全に関する大きな影響を持つものでございます。ですから、ここで、「われわれの与えられている任務の範囲の中では」というような言いのがれをしてもらっては非常に困ると思うのです。そのことが、日本の最初の原子炉、危険であるかもしれない、まだ未知の分野が非常に多い、こういうものに対して、建設かいなかということをきめる大きなモメントになると考えますので、この点で、先生からもう一度、これは絶対に安全だとあなた方が考えての答申であったかどうかということを伺わせていただきたいと思います。
#21
○矢木参考人 先ほど限界と申しました意味は、いろいろおとれになれると思います。限界と申しましたのは、現在私どもがやっておる――言いのがれではなくて、やっておる段階でございます。それに対します将来の、たとえば設計であるとか、建設であるとか、それからその運転であるとか、そういう点につきましての注意事項は、相当丁寧に述べてあるつもりであります。しかし、それは原則的なものでございます。それがまた、現在の技術的水準において十分に到達ができる範囲のものであるということを、われわれは認定しております。当然できることであるけれども、これを注意しておやり下さいということを申し上げておる次第であります。これは、私の個人的な見解になるのでありますが、原子力の安全は、設計と人間の組み合わせでありまして、それで初めて安全が確保されるものだということを確信しております。それで、人間の技術水準というものは、この答申書にも書いてありますように、現在の能力その他について十分な見通しを持って、確信を持ってこの答申書を出した次第であります。
#22
○神近委員 この十一月九日にお出しになった答申書は、安全審査部会第七小委員会の十月二十七日の合同審査会の結論をそのまま取り入れて、あるいはそのままお容認なすってお作りになったものでございますか。
#23
○矢木参考人 手続の点で申しますと、この小委員会の答申と申しますか、報告書というものは、中間段階を含めて非常に多数に上っております。いつも同じものではございませんで、少しずつ部会の意見によって変わったこともございますし、小委員会の検討によって変わったものもございます。その場合において、大部分のものは、さらに安全性を高める方に努力しておって変わったものだと私は思っております。そういうことによって最後に出てきましたのが――その間、各審査部会員には、相当長期間にわたってこの案を検討の資料として配付しておるのであります。相当長い間御自宅でも御検討いただけるような時間も作っておきました。二十七日に出しましたときには、そういうことで、いろいろな問題がだんだん固まりかけてきたものであって、もうあと手続の点だけが残っておるような程度まで持ってきたものでございます。その後、また部会の意見で修正をいたしまして、また、九日の部会直前に合同委員会を開いてそれを承認してもらいまして、そうしてそれを出してもらった次第でございます。
#24
○神近委員 先ほどからの坂田先生のいろいろな御説明によって、私がいろいろ疑問、あるいは疑惑を持っていたことが、私の心理にはやや明らかになったように思うのです。これは中曽根委員長もよくおわかりだと思うのですけれども、日本の学界を渾然と統一されたもののようにして、今まで学界学会というようなことが言われてきたのです。それで、ここでやや明らかになったことは、なるほど、学術会議と、それから原子力委員会配下というか、あるいは関係筋というか、そういうものと何か食い違いがある、あるいは何かそこに壁がある、そんな感じが私はして、これは非常に残念なことだと考えるのですが、部会長として、矢木先生は第七小委員を任命する権限をお持ちになっていたのですね。それを先に伺います。
#25
○矢木参考人 任命する権限ということではございません。小委員会の選出につきましては、部会の会議によってきめるわけでございます。ただ、私は、議事の進行上いろいろな候補者を出しまして、それから皆さんの御賛同を得てきめる形になっております。私が任命するものではないと思います。
#26
○神近委員 その部会でおきめになったのだということはわかりますけれども、審査小委員会にあまりに原電の関係者が多いのです。福田先生もおいでになりますけれども、福田先生も前には原電の顧問か何かなさっておった。そのほかに、これは、この前の委員会でも私が中曽根長官にお尋ねしたのですけれども、四人ほど原電関係の嘱託ということになっている方があるのです。そういう委員会で、そうして申請書に対する結論を出さなければならないというのは、これは一体どういうことなのか、私どもはこう考えるのです。私どもは、学者というのは日本の民族の宝だと考えております。これはだれにも文句のない、一般に考えられていることで、芸術家や、音楽家や、あるいは画家、こういう最高の水準を行く人たちが民族の宝であると同じように、学者方を、やはり私どもは宝と考えております。ただ、学者方も人間であるということは同じでありますから、国民のため、民族の繁栄と安全のためというような良心が、ときどき何かはかのものによって妨げられるということはちょっと考えられることで、このごろの問題といえば、中山伊知郎先生が、弁当代であの厄介な炭鉱の調停に当たっておいでになるというような見本も確かにございますけれども、アメリカのバン・ドーレンという大学の助教授が百万ドルクイズで八百長をやっていたというような事実もあるわけなんです。それで、私どもは、今まで百パーセント疑うことを知らなかったものですけれども、こういう問題に連れ込まれると、はてなと考えることがあるので、その点で、どういうわけで部会長としてこういう人選に御賛成になったのか、部会長のおなかの中に、これでやむを得ないだろう、原電の希望をどうせいつかは通さなくちゃならないのだからというふうなお考えがあって、こういうような取りきめをなさったのかどうか、それをちょっと伺わしていただきたい。
#27
○矢木参考人 お答え申し上げます。正確なことは私存じませんけれども、小委員の中には、前にそういう役目をされた方もあったかに聞いております。それで、私の見解を申し上げますと、審査部会がこの小委員会を作ります相当前から、原電が、日本の権威の方々を交えまして、耐震の問題であるとか、いろいろな問題について研究をしたいということを始めたわけです。これは、たとえば顧問であるとかなんとかいうことになりますと、いろいろな問題もあるかと思いますけれども、そういう意味ではなくて、これから日本の大規模な発電所を作るために学術的な研究について、どうしても皆さんに御協力していただかなければならないといったような原電の希望だろうと思いますが、そういう権威の方をだいぶ集められたように聞いております。それで、その後審査部会が実際に活動をして参ったわけでございます。その中に、あるいは、前にそういうふうに原電から頼まれた権威の方もおられることは私は幾分承知をしておりましたが、学者というものは、ある問題に対して協力を求められたときには、相当な能力を出して協力するという一つの社会的の責任もあることであります。しかし、審査部会でその担当になられる場合には、それは困るので、全部やめていただいた。やめていただいて、実際第三者としてあれができるということを確認申し上げて、そしてお願いしたのであります。日本の現状において、こういう問題についての権威者の方々と申しましても、そう数の多いわけではございません。私は、それらの諸先生方に――先ほど神近先生の「信頼をして」というお言葉がございましたけれども、人間的信頼を持って十分に応待できるという確信を持ってお願いしたのであります。かつ、その後審査に当たられました段階を拝見いたしますと、これは全く私がそのときに感じましたこと以上に厳格な、しかも公正な判断をしていただいておりますことを伺いまして、私のそのときの判断に誤りがなかったことを痛感した次第でございます。
#28
○神近委員 学者が社会的なことに協力する義務があるということは、これはよくわかります。ただし、その義務も、坂田先生の場合も一つの義務であり、あるいは、会社に協力して、会社の都合を考えて協力するというのも一つの義務のようにとられる。私どもは、その点が問題だと思う。でも矢木先生が、この小委員会の方々の結論が、あるいは御努力が、百パーセント信頼に値するとおっしゃれば、これは、私どもも文句のつけようはないのでございます。ただ、世間では、家庭教師が入学試験をするようなものだと言って笑っているということは、一つ頭に入れておいていただきたい。そのときおやめになったということは、これは事実でありましょう。ですけれども、おやめになるということが過去と完全に絶縁するということになるかどうかということは、これは私どもは考えられないのです。これは、ちょっと問題がございますけれども、便宜上、たとえば、藤山外務大臣が大臣になるために会社の社長をやめたといったところが、実業界との今までの仕事の関係が完全に切れてしまうというものではない。それから考えましても、こういう方々を、こういう嘱託あるいは気象、耐震の審査委員になさったということは、私どもは何とも割り切れない気持がいたしますれども、これは見解の相違とおっしゃればしようがないと思います。そういうときに耐震あるいは気象――気象の調査はあまりよくできていないように報告書にも書いてありますけれども、そういうときの費用は、これはどこから出るのでありますか。
#29
○矢木参考人 私は詳細のことは存じておりませんが、気象のいろいろな資料は方々から集めて参ります。たとえば、原子力研究所で気象の観測もやっております。それから、あの近所の気象台の観測からも出ておると思います。その他、あらゆる入手できる資料によって判定をしておるのでありますが、ただ、気象の資料は、ある程度長年月の資料が必要であることは確かでございます。少し遠いところの資料については、相当長時間のものもあると思いますが、現地については、かなり少ない資料であったことは、あるいはやむを得なかったかと思います。しかし、判定を出すのには十分な資料で、しかも、その中で解析の場合には、あるいはかなり悪い条件についてこれをとっておると思います。非常にいい場合についてだけとっておるのでなくて、相当悪い条件についても検討を行なっておるわけであります。
#30
○神近委員 私は、この調査費なんかのことを……。
#31
○矢木参考人 これは私は存じませんので、あるいは局の方で御存じであるかもしれません。調査費がどういうところから出てきたかということは、私存じません。いろんな資料を集めたことは私知っておりますけれども、観測の費用その他については、私存じません。
#32
○法貴政府委員 気象関係の費用の問題でございますが、正確でございませんけれども、おもな費用は、例の気象調査会でございます。これは原電と離れました第三者的な組織でやっておるわけでございますが、それに、やはり原電が相当の調査費を出しております。約二千万円程度でございます。それから、実際の仕事は気象庁が中心になりまして、原子力研究所並びに原子燃料公社が協力して、一緒に調査しておるわけでございます。原研も、やはり費用を分担して出しております。この額はちょっと正確でございませんが、おそらく数十万円程度のものではなかったかと思います。しかし、費用はわずかでございますけれども、実体的な仕事は原研で相当やっておりまして、原研の気象観測等で、長期間にわたりまして、実質的な仕事は非常によくやっていただいたわけでございます。そういう仕事も全部合わせまして、それから気象庁本来の仕事としての水戸の測候所を中心とした一連の機関を動員しました仕事、それから過去十年間にわたる資料の収集もやりました。全部そういうものを合わせたものが、今回の審査結果となって出ておるわけであります。
#33
○神近委員 耐震審査の費用は幾らくらいかかっておりますか。気象に二千万、あらかたそれは原電が出しておる、数十万円が原研から出ておる。耐震審査の費用はどのくらいかかって、どこから出ておりますか。
#34
○法貴政府委員 耐震関係に関しましては、例の震動台を建築研究所に置きまして、相当大規模な実験をやったわけでございます。その費用は原電から出ております。これが約三千万円程度かと思います。
#35
○神近委員 そうなると、この費用を預けてもらって審査した人が、学者的良心は幾ら確実に持っているつもりでも、やはり御注文に応ずるというような態度にならざるを得ないのじゃないかというのが、私どもの非常にみみっちい、俗世間的な心理分析の結果でございますが、矢木先生は、そういうことはあり得ないとお考えになりますか、どうですか。
#36
○矢木参考人 これはだいぶ冗談なことになって恐縮でありますけれども、私どもの仲間のあれは、そういうものについて費用が出ましても、そのためにどうするというようなことを考えておる人はほとんどおらないと思います。私も、もちろん思っておりませんし、それから、大部分の者は思っておりませんし、また、今度の審査に当たられた先生方は、少なくとも――これは日本全般を申し上げると少し話があれだと思いますが、大部分の者は、そんなことは毛頭痛痒を感じておらないのが私どもの取り柄、と申しては申しわけないのでありますけれども、そういうふうに考えております。今度の審査にお願いした方については、そういうことはもう全然お考えにもならなかったというふうに私は観測しております。
#37
○神近委員 矢木先生も御存じでございましょう。七月九日でございましたか、岸総理がイギリスに渡られる前に、審査小委員会の中間報告が福田先生のお名前で出ておりますね。今度の御報告と福田先生の中間報告とを見比べますと、非常におかしなことがあると思うのです。福田先生の中間報告は、安全に関しては、まあ、ひとまず安心だろうというような御報告だったと思うのです。それが、今度は全部――たとえば、中間報告には、条件として三つあったのです。すなわち、「事故時の安全を確保するため、現在計画されている一次冷却装置よりさらに能力的にも、機構的にも信頼度の高い緊急冷却装置を設けること。」、こういうふうにあったのです。ところが今度の御報告では、「本発電所の異常時の安全対策としては、安全保護装置の多重化機構のほか地震等を考えて、英国等におけるよりもさらに高度の安全性を期するためボロン鋼球を落下せしめる緊急停止装置および補助駆動装置をもった炭酸ガス循環装置と緊急時炭酸ガス注入装置とからなる緊急冷却装置が付加される計画である。というふうに、原電側の言い分がそっくりそのままとってある。これは一体おかしなことではないか。
 それから、もう一つ。さっきおっしゃった、十分慎重に注意や希望を入れておいたということですが、あのこと自体について、あとで私はもう少しお尋ねしなくちゃならぬと思うのですけれど、中間報告の第二は、「中空燃料については、今後そのインパイル・テスト等を行い、その性能と安全とを確めた上で採用すること。」、こうなっております。ところが今度の報告では、「しかし、この中空型燃料要素は新しい型であってまだ使用実績がないのであるが、この点にかんがみ、その予定使用条件に近い状態で燃料要素の炉内試験などを行ってその使用上の安全が確められたうえで実施することになっている。したがって、この計画は妥当と認める。」、まだ、この中間報告の方は正直だったと思うのです。今度は、それをすっかりすりかえちゃって、そして、たとえば、グラファイトの耐震調査とか、あるいは中空燃料についてのことが、そんな短い期間でできるはずがない。それなのに、もうちゃんとすりかえて結論が出してあるというところに、どうも納得のできないものがあると私どもは思うのですけれど、この点はいかがでございますか。中間報告は七月の九日でございましたかね。それが今回の報告では、もう全部解決済みになっているという点、一体、どういう経過でそういう結論に出られたのかということが私どもは承りたいのであります。たとえば、インパイル・テストなんというものは行なわれたのかどうかというようなことについて……。
#38
○矢木参考人 中間発表は、私がちょうど外国に行っております途中でありまして、福田さんにお願いをして中間発表をしていただいたわけであります。実は、こういう重大な問題については、部会でもいろいろな中間発表をときどき行なうべきでありますが、この場合は、ただいまの問題の中間発表で、設けること、何々をすることということを申し入れまして、それをあちらがその通り持ってきた。それで、インパイル・テストを行なって採用することというのは、こちらからの申し入れと申しますか、意見でありますが、それについていろいろ検討しまして、原電が新しい意見書を持ってきた。そして、最後にきまった形がそういう形であるというふうに私は了解をしておりまして、詳細につきましては、福田主査からお話を伺った方が的確だと思います。
#39
○福田参考人 それでは、今の点についてお答え申します。少し話がお答えからはずれるかもしれませんけれども、審査の状況について一、二お話ししておいた方がいいように思いますので、それをお話しいたします。審査の過程中に、御承知のように、計画内容に多少の変更が行なわれたわけでございます。それで、この中間報告は御承知のように七月九日に私が発表したわけでございますが、それまでの審査の対象になっておりました申請書については、この中間報告に述べておりますような、ある意味の条件を、われわれは意見として申さざるを得なかったわけであります。ところが、原電の方は、この審査委員会のそういう意見、あるいは見解というものに従ったのか、あるいは、すでにそういうことを自発的に考えて準備しておったのか、そこまでは私どもは知りませんけれども、その後において、われわれの見解に沿ったような計画変更が向こうから明示されたわけであります。そこで、その結果、この中間報告に述べられております、たとえば「能力的にも、機構的にも信頼度の高い緊急冷却装置を設けること。」ということは、原電側のその後の計画申請によって果たされたわけであります。
 それから、さらにインパイル・テストなどを行なって十分確認した上で採用しろということにつきましては、私が仄聞したところによりますと、原電自体が、すでに、当初GECとの了解のもとに、もし、これがインパイル・テストその他の結果によって意に沿わない場合には、従来すでに使用、経験を積んでおる中実型の、つまりホローでない型に変えるという決心をしておったように了承いたしております。ところが、それか当初の計画申請書にはそのことが記載されておらなかったわけであります。私どもは、もっぱら――これは冷たい言い方になりますけれども、職責上、向こうから出された申請書によって審査せざるを得ませんから、従って、その段階におきましては、第二のような条件をわれわれは意見として述べたわけでありますが、その後の計画変更申請書によりますと、インパイル・テストを十分行なって、その結果を確認して採用するということが明示されて参りましたので、そこで、われわれとしては、その新しい変更申請書によれば、この条件は解消したわけであります。
 それから、第三番目の問題につきましては、当然のことでありまして、原電としては、そういうことを、こちらの見解に従って――結果論的には見解に従うことになりますが、そういうことは当然実施をするという見解を、正式にわれわれに表明をしておりますので、そういうような意味合いにおいて、最終報告書としては、そのことは各論には記載されておりますけれども、要点だけを掲げた結論の部分には触れる必要はないと考えましたので、結論の文章には、先ほどお読み上げになりましたように、このことには触れておりません。けれども、各論においては、これに対する要望を記載しておりまして、原電は、それと同様の要望に沿うようなことを行なうということを、繰り返すようでございますが、明示しております。そういうことで、この中間報告における三点が最後の報告書のように処理されたわけでありまして、この点御了解をいただきたいと思います。
#40
○神近委員 その注意とか要望、そういうふうなものが今問題になると思うのですけれども、これは、会社に対してどの程度拘束力を持つものと理解しておいでになりますか。実は新聞紙等でも笑われているくらいで、これが必要であるとか、これは注意すべきであるとか、無数に――大体、私どもは、あの答申書の書き方が問題だと思う。なぜ、これはこういうふうに思われるとか、認められるとか、間接的な表現をたくさんしておいでになるのか。こう思われるというのを、こう思うとか、これを認めるとかいうふうに割り切れなかったか。あまり慎重過ぎてああいう変な文章になったのでしょう。私は、文章書きですから、そういうことが気になるのですけれども、直接でいいところを、みんな間接に表現してあるという点が一点。いかにも確信のなさを、それによって示しているような印象をわれわれは受けるわけなんです。
 それから第二は、あれだけの無数の要望事項、注意事項というものが、会社側に対してどの程度の拘束力を持つか、あるいは、この原子力委員会の委員長に対してどの程度注意を喚起する効力を持っているのか。その点を、法規上からでも、あるいは学者側の内規というか、会社との関係における約束というか、そういうものによって御返答が願えればありがたいと思います。
#41
○福田参考人 それでは第一の問題でございますが、思われるとか、認められるというような表現が、いかにも自信がないところを示しているように思われるという御意見でございます。私どもの審査委員会といたしましては、少し心もとないところがあるのだけれども、認めるというのであるから、そういう文章を使ったというのでは決してございませんので、「認められる」というのは「認める」と了解していただいてけっこうでございます。ただ、少しよけいなことになるかもしれませんが、従来の審査部会の報告書では――従来と申しますのは、小さな研究炉なんかに対するものでございますが、こういう文章上の表現がとかく使われておりまして、われわれは、たびたびそういう報告書を確認させられましたので、つい、そういうことが頭に残っておりまして、自然にそういう文章を書いてしまったというわけで、最終報告を提出しますときに、私どもも、むろんその問題については、「認められる」というよりも「認める」という方がいいじゃないかという意見もたびたびあったわけでございますが、まあ、これは同じである、だから特に変えなくてもいいという程度に考えたわけで、多少PRの点について不如意があったかもしれませんが、内容は変わりません。
 なお、第二の問題でございますが、第二の問題につきましては、私の了解では、この審査報告書は、原子力委員会と通産省との両役所に対する報告でございまして、むろん原電に対する報告書ではないわけでございます。ところが、これの冒頭にも記載してございますように、この安全性につきましても、官庁側の現在の事務処理としましては、私どもの承知しているところでは、まず、許可段階において基本的に許可してもいいかどうかということをきめ、それから工事施行の認可段階におきまして、今度は、おそらくは詳細な青焼きの図面によって、これは差しつかえないということで許可される。それから、さらに、その後いろいろの段階があるわけでございますが、そういうことを承知しておりますわけで、その許可段階の基本的な面において、これは許可して差しつかえないということをわれわれ確認いたしたわけでございます。しかしながら、こういう新しい装置であり、従来の審査の慣習もでき上がってないものでありますから、その許可段階において、あとの認可段階との間の線のとり方につきましては、その意味においては前例がないわけであります。ですから、われわれはわれわれなりの判断によって線を引いたわけであります。しかしながら、これは役所に対する報告でございますから、役所で受け取られ、さらに次の段階で処理なさいます場合に、われわれとしては、こういうことは役所側に要望してあるということをはっきりと記録に明示しておくことが必要であろう、こう考えまして、この報告書にそれを記載したわけでございます。従って、われわれの要望事項を今後行政面において役所がいかに取り扱われるかということは、われわれとしては現在わからないわけであります。ただ、われわれの希望としましては、これは十分に行政面に反映してもらわなくては困る、こういう意味合いでございますが、いかがでございますか。
#42
○神近委員 それが問題だと思うんですよ。もし、通産省なり、あるいは原子力委員会なりでこの注意事項を見落としたり、書き落とすという段階になったときに、これはだれの責任であるかということです。これは注意事項であり、条件付の答申でしょう。それをおやりになるということが、拘束力を持たないで、行政面でも、これは実行してもいい、実行しなくてもいいというのだったら無意義だと思う。私どもは、非常に大事な注意事項をいろいろ加えていらっしゃると思う。その点、どの程度皆さんでお守りになるつもりか、それを部会長さんから伺いましょう。
#43
○矢木参考人 先ほど来いろいろな限界の問題が出ておりまして、大へんむずかしい問題だと思いますが、先ほど坂田先生からもいろいろな御意見もありましたように、考えようによりますと、私どもの責任はかなり限られたものと考えますけれども、この問題の重要性にかんがみまして、かなり拡大的にいろいろなことまで考えておったわけであります。しかし、現段階におきましては、いろいろな設計の資料がまだきておりません。その段階でやるわけであります。従って、先ほど来申し上げましたように、原理的な設計段階であり、そのことが十分技術的にできるという見通しを持っておりましたので、十一月九日に出しました私のステートメントの最後に「答申書の主旨に従って原子力委員会において必要あらば立法乃至は行政措置につき善処を期待いたしております。」というばかりではありませんで、「本原子炉の安全性は、今後設計工事方法の認可等多くの審査段階があります。これらの段階において注意すべき点についても報告書に明らかにしてありますが、これによって行政措置として、充分監督されることを希望するものであります。」そういうことをステートメントとして強く言っております。私どもの限界は、そこのところでとどまったものだと思っております。
#44
○村瀬委員長 関連質問の要求がありますので、これを許します。岡良一君。
#45
○岡委員 今の神近委員の御質問で中空型燃料要素の問題に触れましたので、矢木会長にお伺いいたします。
 御答申では、中空型燃料要素は新しい型であって、まだ使用実績がない、従って、燃料要素のインパイル試験を行なって、その使用上の安全が確かめられた上で実施することになっておる、こうなっておるわけです。そうしますと、この中空燃料要素というものの安全性について、まだ、あなた方の部会では安全であるという結論には達しておらない、それは、将来のインパイル試験によって保証されるであろう、こういうことに私ども読むものでございますが、その通りでございますか。
#46
○矢木参考人 その中空燃料は、技術的に申しますと非常にいい燃料でありまして、このために相当いい成績が上がる可能性があるのであります。また、安全の面からいいましても、非常にいいことで、われわれ、原理的の設計段階におきましては、自信を持ってこれを認めることができるのであり一すけれども、先ほど来坂田教授も言われておりますように、新しい問題もありますし、また、私どもの原子力に関します見解は、すべて実験段階を済ませてからこれを実証する、こういうことにしております。その場合に、実験だけではだめでありまして、理論的のいろいろな見解、あるいは計算が済んでおりまして、それをあるところで実験をやりますと、これが非常に広い範囲に使える――これがわれわれの学問のやり方であります。そういう意味においてインパイル・テストをやることをこちらは要望しておるわけであります。これは期間もあることでありますので、この時間は十分にあると思います。
#47
○岡委員 私が伺っておるのは、現在の段階では、まだ部会として安全性についての実験的証明は持っておられないのかということだったのです。
#48
○矢木参考人 そうです。
#49
○岡委員 そこでお伺いをいたしたいのですが、この春、私どもが日英動力協定を結びましたときに、燃料の安全性ということが大きな問題になったわけです。と申しますのは、あの協定の交渉の過程の中で、英側からは、燃料要素の安全性については十分努力するが、なお保証することはできない、しかも、万一その瑕疵に基ずいて事故が起こったときには予想外の大事故になる可能性がある。これが大きな理由となって、実は、日本としては、いわゆる免責条項をのんでおるわけです。従って、燃料要素の安全性というものが、やはり耐震設計と並んで、国会としましては、この協定が成立している以上、協定の成立の経過にかんがみましても、重大な関心を持たなければならない問題である。ところが、これはまだ実験的に安全であるという証明が出ておらないということでございます。ということになりますと、一体、こういう書き方が妥当かどうかということが私は問題だと思うのです。と申しますのは、私も自然科学者の端くれかとも存じますが、やはりプリンシプルにおいて合目的性、合理性を持っておるということなら、自然科学の分野において、特に安全性というような問題については、やはりエクスペリメンタルに、その安全性というものが保証されるという、その裏書きが伴って、初めてこれは安全であるという判定が下されることが、常識的に見ても権威ある自然科学者の方々の御結論ではないか。ところが、この点は、プリンシプルとしては合目的性である、しかし、実験はまだ済んでおらない、従って、その安全性はインパイル試験を行なった後に決定されるということであって、これは安全であるという断定をあなた方が下されたわけではない。この燃料の安全性の問題は、後に決定される問題であって、保留されておる、私どもは、そう理解せざるを得ないわけでございます。その点についてはいかがでございますか。
#50
○矢木参考人 この書き方について御疑問があるかと思いますが、自然科学の場合は、実験的な段階を経て、初めて安全であるということが言われるわけでございますけれども、幸いにして、この場合、ほとんど全部実験的段階を済んでおるものが多いので、できれば、そういうことに持っていけば、安全としてはもちろん問題はないわけでございます。しかし、現在の科学でいろいろ検討して参りまして、これと類似のものがすでに使われておりますし、また、その際に、これらのものはさらに安全のものであるというわれわれの判定でありますので、これはまずまず間違いのないものだとは思いますけれども、念のためにインパイル・テストをやっておけ、こういうような意味と私は了解しておりますが、詳細につきましては、福田主査からお答えを願った方が適当かと思います。
#51
○岡委員 それでは福田小委員長にお伺いいたします。この中空燃料を使って現に運転している炉は、どういう名前で呼ばれておりますか。運転経験はどの程度でございますか。その安全性についての解析をいつ御入手でございますか。その点を……。
#52
○福田参考人 今の御質問にお答えいたします。インパイル・テストは、審査当時におきまして、問もなくイギリスにおいて実際の炉を使って行なわれるということの回答を原電から得ております。そして、それがいつごろ終了するかということは、これは、こういう実験研究のことでございますから、私どもとしましても、強くその期日を限るということはできませんので、そういうことを向こうに要求しておりません。それからまた、向こうでは、いつごろこれを公表するかということも、私たちは聞いておりません。そういうことでございます。
#53
○岡委員 そうならば、まだ英本国においてもインパイル・テストを通じての安全性というものは実験的に証明されておらないという事実を御承認になっていらっしゃるわけでございますね。
#54
○福田参考人 ただいまのことにお答えいたしますが、合同審査会といたしましては、この中空燃料につきましては、専門的に、あらゆる角度から研究調査いたしましたし、また、これの個個の検査にあたっては、大体どういう方法で検査されたかということを確かめまして、その結果、現在の段階において、性能上はむろんのこと、安全上も差しつかえないという結論なんであります。しかしながら、これは矢木教授のただいまの御発言とはどういう関係になるかわかりませんけれども、万一の場合に備えて、やはり実際の炉内試験においても、その性能と安全性が確かめられているということが望ましいわけでございまして、そういう見地に立って、申請書においては、炉内試験の結果を確かめた上で使うということを明示しておりますから、それは、われわれとしては、まことにけっこうなことであるというわけで、この報告書に書いてございますように、炉内試験を確かめた上で使うことになっておるから、われわれは安全性は認める、こういう表現になっておるわけでございます。
#55
○岡委員 私は、表現のことを申し上げておるのではないのです。あなた方が、自然科学者としての厳正な態度から、自然科学的な方法で安全性を立証されたかどうかということを念を押しておるわけです。先ほど矢木部会長にもお伺いいたしたことですが、やはりプリンシプルとしての正当性が立証され、同時に、その正当性は実験を通じてそれが妥当であるということが確認される。私は、自然科学者の方法論というものは、実験とプリンシプルというものが双方相伴って初めて真理の追求の場というものがあると思うのです。そういう立場から考えまして、特に、これは、観念的な理論ではございません。実際安全であるかどうかという問題、しかも、これが安全であるかどうかということに至大な影響を持つ燃料要素の問題であります。この中空燃料については、まだ実験的に安全であるという保証がありません。英本国
 においてもありません。小さな炉ができて、中空燃料を試みようという計画があることを私は知っております。しかし、その結論として、安全性という
 ことが何ら立証されておりません。そうしますと、燃料に関する安全性というものが、プリンシプルとして安全であろうとあなた方は推定されるけれども、自然科学の厳密な立場において、それの正当性が証明されておらない、私はこう断ぜざるを得ないのでございます。この点はいかがでございましょうか。
#56
○福田参考人 お答えいたします。おっしゃる通り、特に技術の立場に立ちますと、理論でもって十分確かめられるほかに、さらに実験研究が行なわれて、その理論を確認しておるということが最も望ましいことでございます。従って、この審査会といたしましても、その点は重く考えておるわけでございますが、先ほど申しましたように、申請書においては、炉内試験によってそれを確認した上で使用するということになっておりますので、われわれとしては、それならば安全が確保できる、こう考えたわけでございます。
#57
○岡委員 だから、そういうことは、結局、あなた方日本の学界の権威の方が集まられて出された結論として、中空燃料が安全であるといわれるのには、大きな条件が一つ欠けておる。プリンシプルとしては、非常に安全については証明されておる。しかし、実験的な裏づけがないということを言われておる。ただ、あるであろうという推定の域を出ないということであってみれば、この燃料は安全であるという断定はなさるべきでない。私は、安全審査部会というものは、むしろ、そこまで独自の力でおやりになっていただいて安全を納得せしめる、こういう積極性があって、そこにこそ、あなた方の責任があるのだ。あとは炉内試験をやってみた上で、もう一ぺん安全を確かめようと会社側は言っておるから、まあ、念のためにそれもやってもらう、これは私は、厳正であるべき自然科学的な安全性の結論としては、まことに片手落ちである、半分の安全しかないといわざるを得ない。
#58
○福田参考人 御発言のお気持はよくわかるわけでございます。繰り返すことになってはなはだ申しわけないかもしれませんが、審査会といたしましては、机上の現在までの調査、また、向こうのこれまでの実験結果によりましては、われわれはまず大丈夫であるというふうに思っておるわけでございます。しかしながら、さらに、それに炉内試験で確かめられれば、なお一そうわれわれとしてはけっこうなわけでございまして、申請書にそうなっておりますので、これはけっこうだ、こういう結論をいたしたわけでございます。
#59
○岡委員 私は、そういうお立場は、いわば申請書の側に立っておられる、これでは公正であるべき科学者の判断としては公正を欠くのではないかということを申し上げておるのです。私ども専門ではございません。しかし、何年か安全運転をしておったウィンズケールが事故を起こして、英国の原子力公社は大騒ぎをして、政府が積極的に出て、あの調査をしたという事実を、私はあの当時ロンドンにおって知っております。そうかと思えば、ウィグナー・リリーズの場合でも、あるいは膨張する、半年たてば収縮するというふうに、いろいろ中性子が物質に持続的な照射を与えた場合における科学的な、あるいは物理的な変化というものについてはアンノーン・ファクターが非常に多い。もちろん、人間は神様でございませんから、どこまでも確かめて、十が十、安全であるという証明は与えられないとしても、あなた方も安全性について審査をされ、しかも、燃料については、先ほど申しましたように、両国の協定のときには特に大きく指摘されて、われわれが心配しておる問題でございます。してみれば、これについて、私どもは、やはり実験的な証明がなければ、事実そのアンノーン・ファクターによって、あなた方のいう安全性というものがくつがえされるという心配がある。私は、そこには当然審査部会としての責任が伴う問題だと思う。だから、ものがものだけに、やはり、あなた方がもっと申請者の側に立たないで、申請書の言い分をうのみにしないで、あなた方の科学者としての公正な立場から、実験によって安全性を裏づけるまでは待つべきである、私は、そう言うべきであると思う。私があなたの立場なら、そう言うでしょう。それが自然科学者としての責任で、特に安全性というものは、国民にも影響を与える大きな問題でありますから、私は、そうあるべきだと思います。これはいろいろ行ったり来たりの論議にはなりますが、その点において、先般も予算委員会で、この答申については、自然科学者としての態度から見て公正を欠くものがある、ということを私が率直に申し上げた理由の一つは、そこにあったことを申し上げておきたいと思うのです。
#60
○神近委員 私は、その責任あるいは保留の問題に差しかかっていたのですけれども、中断されましたが、中空燃料のインパイル・テストという問題が起こってきまして、今の御質問あるいは御答弁を伺っていると、今回の審査部会ないしは委員会の審査が、私どもの通俗的な言葉でいえば、相当いいかげんなものじゃないか、という今までの疑いが非常に強く出て参りました。私は、今日はもう時間がそんなにないと思いますので、これは、私は決算委員でございますので、帰って理事会に諮って決定いたしますけれども、もう一回、この先生方、あるいは新しい先生方と組み合わせて合同審査をお願いするように提案します。どうも、いろいろ納得のできないことが今日の質疑応答で多々出てきましたので、それをお願いしたいと思います。
 私がさっきひっかかっておりましたのは、保留あるいは要望の問題は、一体どういうことなのかということです。今、矢木先生は、声明を出したというふうなことをおっしゃいましたけれども、あんなものは、どこにも拘束力はないのです。先生は、言ったから聞いたろうとお考えになるかもしれませんが、ああいうものは、そのとき新聞で、ああいう先生が、自分の良心を吐露するためにああいうことをおっしゃっているということで――これは、ほかにあまり影響のないことに対してはけっこうですよ。そのお人柄がわかるし、あるいは、そのときの心理状況がわかる。けれども、たくさんの人間に関係のあることについて、一片の声明書で事が足りるとお考えになつたら、これは大へんな間違いだと思います。私どもは、この要望事項あるいは注意事項というものが、現実に、この原子炉そのものにどういうように用いられるか、そのことに非常に大きな関心を持つものでございます。今、伺うと、答申はしっぱなし、通産省なり、あるいは原子力委員会なりが許可を出すときに、これを用いるか用いないかということは向こうの勝手、――勝手ということもないでしょうが、向こうが計らうことで、われわれは知らぬ、それでは、これだけ重大な任務を帯びて長く審査に当たられ、時間と努力を尽くされたことが、一体、何のたしになったのか。あべこべに申請者の御用を勤めたという形になるのではないか。私どもが一番おそれるのは、皆さんが国民の側に立っていらっしゃるのか、あるいは申請者の側に立っていらっしゃるのか、これを確かめたいのが、私の今日いろいろの質問を申し上げた事項でございます。私は、その点で、この注意事項、要望事項が守られるために今後どういう努力をなさるか、あるいは進言をなさるか、その御決心のほどを承りたいと思います。
#61
○矢木参考人 私どもは、こういう結論を出しまして、要望事項をたくさんに出しておりますが、現在の原子力委員会その他では十分にそれを善処していただけるものと思いますけれども、今度私どもは、また、別な機会をとらえまして、こういう点につきまして、さらに努力いたしたいと思います。また、先ほど来申し上げておりますように、これは第一段階でございまして、第二段階、第三段階の結論でだんだんきまってくることが多いことを、審査をやりましたわれわれは非常に痛感をしております。それにいたしましても、先ほど来いろいろな点で御注意いただいたことを厚く感謝しておりますが、ただ一つ、先ほどちょっと神近先生のお葉の中の事柄で、私が気になりますことにつきまして、お答え申し上げたいと思います。どうも、原電側、申請者側について判断したらしい、こういう御批判があるのでございますが、これらについては、先ほど来御指摘の文章が悪かったことにつきましては、どうも頭を下げるよりいたし方がないので、文章の専門家がおられなかったのは非常に残念でございます。これは関係がございませんことで申しわけございませんが、しかし、これらの事柄につきまして、私が一番初めに発言いたしましたように、多少、われわれがまかされていると客観的に思われているものよりも拡大解釈をして、いろんな形でもって注意事項がついておる。これは何らかの御参考になることかと思いまして、責任回避ということとは逆に、責任をかえって負ったというような形であって、私は、皆さんのために非常に御苦労に存じておる次第でございます。これらにつきましては、努力をいたしたいと思っております。
#62
○福田参考人 直接御質問を受けたことではございませんけれども、先ほど神近先生から、どうもこの報告書を見ると、原電側に立って審査しているのか、国民側に立って審査をしているのかわからないという、非常に御不安を抱かれておるような御発言がありましたので、私も両委員会の座長をやっております責任上、やはり一言申しておいた方がよかろうと思います。非常に簡単なことでございますけれども、そういう御懸念は全くございません。これは、私自身のみならず、ほとんど八カ月近く、連日この委員会の委員とひざを交えて検討しておりましたわけでございますから、その間、各委員のお気持など、私には手に取るようにわかったわけでございますけれども、そういう御懸念は全然ございませんので、この点は、よけいなことでございますけれども、一言申し上げさせていただきたいと思います。
#63
○神近委員 時間がないとおっしゃるから急ぎますが、審査委員会というようなものは、政府なんかにも、国会の中にもあります。ところが、審議会とか調査会とかいうところは、大体案が出まして、こういうようにやっていこうという案が出て、大体それで決定するんですよ。だから、私は、審査委員会のことをそれから類推して、そういうことがあり得るんじゃないか、たとえば、あなたの方にこの申請書が出た、これを十二月末ころまでに、許可を早くしてもらいたいというような、制限といいますか、あるいは要望といいますか、そういうものが頭に入って、そうして審査する場合には、これをノーとは言えない。あるいは、来年の春くらいならインパイル・テストも行なわれる、その結果の資料が入るだろう、そういうような、のんびりしたことが行なわれ得ない、それが一つの制約になるんじゃないかということを、私が政府内の審議会あるいは調査会というようなものから類推して考えたことで、その意味で大へんお気持を害するようなことがあったかもしれませんけれども、私どもは、そこまで――主観では何か割り切れないが客観的に見れば、これは文句がないというような場合があったのじないかということを疑ったわけでございます。きょうは、坂田先生に私質問を多少用意してきておったのですけれども、先ほど坂田先生からいろいろこの経過その他のお話がありましたので、大体、この次の機会にもう一度御出席を願うようなことがあると思います。大へん御迷惑かと思うのですけれども、たったこれだけの時間で、こういう重大な事件を論断することはできないと思うのです。これは何回、十回やっても私はいいと思うのです。そこで、次の機会に譲りますけれども、一つだけ、法貴さんもおいでになるし、佐々木局長さんもおいでになりますので……。
 この間この席で、坂田先生は学術会議の代表ではないということをおっしゃった。それは先ほどの御説明で、坂田先生の方では、そのつもりでおいでになったということがわかりました。これは、あなたがそういうこまかい心づかいを持たなかった結果で、大体、普通の部員の一人として、あるいは会員の一人として考えていらしたということはわかります。そうだろうと思うのです。それで、もう一つ。この間あなたは、まるまるうそをついておいでになる。ちょうど坂田先生がおいでになりますから、この点を私は明らかにしておきたいと思うのです。学術会議の会員は、大体この専門部会の人たちは、多数学術会議の会員でございまして、決して坂田先生一人ではない、こういうことをおっしゃった。これはここでおっしゃったのだから間違いない。この点を出せば、いや、あれは失言でございました、とおっしゃるだろうと思うのです。だけれども、国会の委員会でうそをつこうとなさったのか、あるいは、その場の体裁をつくろうために、ああいうことを余儀なくおっしゃったのか、それとも、知らないでおっしゃったのか、どちらにしても、あなた方の責任は免れないことだと私は思うのです。知らないでああいう御返事をなさったのならば、今、中曽根長官はどこかにおいでになったけれども、この点はもう一度問題にします。というのは、原子力局長や次長ともあろう人が、原子力委員会が任命して作ったこの部会の部会員の何人が学術会議の会員で、何人がそうでなかったということを知らなかったということが許されますか。こういうことでこの重大な問題を論議しようという役人方の立場は、私は許しがたいと思うのです。そのためにこの職責を持っていらして、そして、ああいううそか、あるいは怠慢か、どっちか知らぬけれども、そういう返事をこの間なさったということ、そして新聞に暴露されて――私にちゃんと投書がきまして、ここを出たら、すぐ外で電話をもらいました。ですからちゃんと知っていたのですけれども、その点で、釈明の余地がおありであったら伺いたい。
 それから、坂田先生が、この九日に京都に重大な学術会議があっておいでにならなければならなかったということは、前から予定されていたことです。それを、なぜその日を取りかえて――坂田先生の日本の学界における、特に原子力についての学問に対するウエートは、相当に重いということはだれでも知っております。その先生が、余儀ない会合のために京都においでになった、その間にこの最終の結論を出す部会をお開きになったということは、一体どういうことなんですか。坂田先生は、あれはいてもいなくてもいいんだ、どうせ反対だろうから、というふうなことであったのか、それとも、ほかに何か余儀ない事情があったのか、これは矢木会長にお願いいたします。
#64
○佐々木政府委員 この前の決算委員会の際に、私から、政府側の原子力委員会の安全審査専門部会の専門委員の方たちの中で、学術会議の原子力関係の関係者が多数おります、こういうふうに申し上げたつもりでありますが、あるいは言葉を誤りまして、関係者と言わないで、会員というふうに申したかもしれません。私ども、速記を、ひまがなくて調べておりませんが、もし、私が会員と発言したのであれば、明瞭に間違いでありますので、この際、御訂正申し上げたいと思います。お許し願いたいと思います。ただし、関係者と発言したのであれば、これは正しい発言でございます。何となれば、学術会議の原子力関係の委員会はいろいろございますが、そのうち、原子力特別委員会、原子炉共同利用小委員会、原子炉安全小委員会、この三つに関しましては、委員として、政府側の安全審査専門部会の専門委員の方たちが相当数参加しておりますので、学術会議の原子力関係の関係者であるということは、これは明瞭のことかと思います。その名前あるいは数等申し上げてもけっこうでありますが、八人ございます。私が相当数の方が関係者だというふうに申し上げたのであれば、それは間違いない。会員だという発言であれば、明瞭に私の誤った発言でございますので、御訂正申し上げます。
#65
○矢木参考人 二十七日の部会で、坂田委員からそういう御発言がありました。と申しますのは、その前に、いろいろの都合から算定いたしまして、この次は九日にやりたいということを皆さんにお諮りをしたわけであります。そして、散会まぎわに坂田先生から、この次どうしても出られないのだ、こういうことを申されまして、それでは、ここでもって御意見を伺いましょうということを申し上げて、その御意見を伺ったのが、先ほど御報告申し上げたことでございます。それで、公式の資格というのか――私は公式と申しますか、役所的な仕事は存じませんけれども、私もそちらの方に相当関係がありますので、私としては非常に重要視して考えまして、そして坂田委員の御意見を伺い、さらに九日についての皆さんの御意見を伺って、先ほどのような結果になったわけでございます。この日をきめますことは、何々で坂田さんが出られないというようなことではなくて、一つの提案として申し上げた次第でありまして、これは福田主査なんかの御都合を伺ってきめたわけでございます。
#66
○神近委員 今、何かぐずぐずっと言っておしまいになったけれども、私は、どうして一日待たれなかったのかということを伺いたかったのです。大体、ままっ子みたいに、いてもいなくてもという態度では、私は困ると思うのです。坂田先生の学術上の何というものは――お互いに自分が研究者として一つの学識を備えているという自信があれば、それは他人も尊重し、尊敬し、それは自分を尊敬すると同じだと思うのです。それを、この場合たった一日か二日の都合がつけられなくて――これが普通の月例の部会か何かならいいですよ。最終の答申を出すという部会に坂田先生を抜いたということに対して、常識的に考えて、「へえ、どういうわけかなあ、」こういうふうにだれでも言っておりますよ。そして、そのあとの談話では、矢木先生は話し合えばわかると思ったから、これで決定したというふうなことをおっしゃっている。私どもは、その点でまだいろいろ疑惑が残っておりますが、私は、きょうは皆さんの質問をじゃましておりますから、これで終わって、おいやでしょうけれども、また別の機会にお教えを願いたいと思います。
#67
○矢木参考人 ちょっと一言だけ。私の坂田先生に対します尊重の意味は、これは各委員の方についても同じでありますが、特に、学術会議のことはよく考えておるつもりでございます。それから、その場合に、二十七日の部会で私が受けました印象によって処理いたしましたことについて、判定の印象が違っておったと言われれば意見の相違でございますが、私は、坂田先生の御意見の通りできるということを考えた、ただし、手続の点が残っておる、これらにつきましては、私は私なりに、わが国原子力の後進性の問題にも関係しますので、このあとでもって十分に討議をすべき機会がある、こういうふうに判定したつもりでございます。
#68
○村瀬委員長 岡良一君。
#69
○岡委員 時間もありませんから、ごく簡潔に、具体的な点だけをお伺いいたしたいと思います。
 先ほど矢木部会長から申されたのには、安全審査部会としては、さらに二次、三次と安全性について積極的な態度に出られるような御発言がありましたが、そういう機会を期待しておられるのでございますか、また、事実あるのでございますか。
#70
○矢木参考人 私は、役所の機構につきましてはあまり存じておりませんけれども、この要望書が、何らかの形において実現できるようにすることは、広義に解しました審査部会の一つの役目だと思いますので、これから努力いたしたいと思います。それにつきましては御協力を願いたいと存じます。
#71
○岡委員 そこで、かりに、このコールダーホール改良型の炉が安全であるということが原子力委員会でも採択されますと、当然予想されることは、実施設計の段階だと存じます。そうして、またさらに、それが竣工すれば竣工検査等の手続があると存じますが、この実施設計についての安全性、あるいは竣工されたものについての安全性というものは、私ども、従来の行政的な取り扱いから見れば、行政措置になっておるわけです。これに対して、安全審査部会が、さらにその安全性について、実施設計そのもの、竣工された炉そのものについての安全について、やはり徹底的な御意見を求められるような措置に出られるものかどうか。この点は、一つ原子力局の方からお伺いしたい。
#72
○佐々木政府委員 お答え申し上げます。ただいま規制法では、原子力委員会の意見を聞きまして、内閣総理大臣が許可をいたすことになっております。その際、発電炉に関しましては、通産大臣の同意を必要とすることは御承知の通りであります。そこで、かりに、ただいま原子力委員会の方では安全審査部会の答申を主にいたしまして、もっと高度と申しますか、広い視野から、いろいろなファクターから検討を進めてございますが、原子力委員会の方でも、審査の結果よろしい、通産大臣の方も同意であるということになって内閣総理大臣が許可をしたその後の進め方は、一体どうなるかという御質問のようでございます。そういたしますと、許可権者は内閣総理大臣でございますが、実際のその後の詳細設計、あるいは工事方法の認可、施設の検査、性能検査といったようなのは、ただいまの規制法では通産大臣がこれを監督することになっております。そこで通産大臣といたしましては、この許可に基づきまして、実際の詳細設計等のそれぞれの検査、認可等を行政権限として行なうわけでございます。その際に、ただいまの安全審査部会の各委員の方たちが、そのまま――通産省にもいろいろ、こういう基準の部会がございますので、その部会の委員として残るのか、あるいは委員会として、そのまま通産省の方で継承していくかどうかという問題は、通産省側の問題でございます。これは、通産省からもお見えのようですから、その点はお聞きただしを願いたいと思います。ただ、私の考えでは、おそらく通産省といたしましては、ただいまの安全審査部会の委員の方たち、あるいは、若干人員の変更あるいは増加等あるにいたしましても、やはりこの最終的な詳細設計等の段階におきましても意見をお聞きして、最終的な実施の段階における決定に入るんじゃなかろうかと私は観測しています。一方、しからば、原子力委員会側としては設置の許可をしたのみで、全部通産大臣に手放しでまかして責任がないのか、こういう御質問もあろうかと思いますので、あわせて御説明しておきますが、規制法二十六条、三十七条、六十七条あるいは三十三条、三十六条等、各種の規定に基づきまして、原子力委員会あるいは総理大臣といたしましては、その後の実際の運転計画あるいは保安規定、あるいは立ち入り審査権等をもちまして、この検査あるいは審査の実施をいたしまして、もし、かりに、この設置に対するときの、ただいま問題になっておりましたいろいろな要望事項あるいは注意事項等に対して違反する事実がかりにあるというふうに認定する場合には、これに対して炉の許可の取り消し権あるいは使用の停止権限というものを持っておりますので、そういう際には、私ども総理府の人間といたしましては、当然この法の権限に基づきまして、そういう事実がかりに施工上あるということが事実になって参りますれば、許可の取り消し、あるいは使用の停止ということをいたす所存でございます。
#73
○岡委員 それでは、具体的にお伺いいたします。矢木部会長にもお伺いをいたしますが、この答申の中で、放射線の障害対策は、私どもはきわめて重要視しておるわけです。今、佐々木局長の話では、この注意事項、要望事項が満たされていないときは、炉の設置の許可を取り消すというようなお話でございました。そういたしますれば、当然安全審査部会といたしましても、この要望事項、注意事項が満たされているかいなかについて、あなた方がやはり現場で確認をされることが当然必要であろうと思いますが、そういう御方針でございますか。
#74
○矢木参考人 私が申しましたのは、ここに書いてありますことの尊重を主にしておりまして、専門委員自体がどうするということを重要視して申し上げたつもりではないのであります。そういうことで、このことを尊重するということについての問題が主だと思います。
#75
○岡委員 それでは、注意事項、要望事項は答申案には付記したものの、これが、はたして実施されるかいなかについては、安全審査部会は責任を持たない、こういう御趣旨でございますか。簡単でけっこうでございますかり、矢木部会長から伺いたい。
#76
○矢木参考人 それにつきましては、払は個人的に苦慮しております。さってく次の部会その他において皆さんの御意見を伺いたいと思っております。
#77
○岡委員 局長何か御意見がありますか。
#78
○佐々木政府委員 ただいま示されました注意事項と申しますか、望ましいというふうな、実施に際しての注意事項に関しましては、それも含めて原子力委員会で検討いたしまして、それが妥当なる注意なりやいなやという点も勘案いたしまして、そうして最終的に総理に答申するわけでございます。総理といたしましては、それを含めて許可をするわけでございますので、その注意事項の実施に関しましては、先ほど申し上げましたような手続に従いまして、最終的にこれを監視、監督していく責任を持っているというふうに考えているわけでございます。
#79
○岡委員 この障害対策だけを見ましても、四ページにわたって、この間に注意事項、要望事項というものが七つあるわけです。たとえば、その中の一部を一つ、二つ見ましても、たとえば「野外放射線監視施設の数と配置については十分の配慮をすることが望ましい。」これはできるでしょう。これは確かにできます。しかし、また、「建家に換気装置を設けることが望ましい。」これは使用済み燃料の取り扱いのところです。これもできましょう。ところが、これは実際、具体的に、一体何をするかという基準がなければできない仕事があると思う。「冷却池については漏洩防止の点にとくに注意して設計施工する必要がある。」これは、まだ、最も精密に設計のされたコンテナーでも、〇・一以上の漏洩率を認めざるを得ないというのが現在の科学的段階でしょう。一体、これはどうして漏洩を防止することができますか。この漏洩については、「放射性廃棄物の貯蔵槽は漏洩が皆無となるような構造とすることが望ましい。」一体、現在の科学的水準でこういうことができますか。一体、原子力局としては、どういう具体的な方法で、漏洩が皆無になるようなことを保証するような行政措置ができるというのですか。――これは調べておいてもらって、時間がないから次に移りましょう。
 次に、矢木部会長に、お急ぎのようですから率直にお伺いしますが、先ほどの坂田教授のお話を承りますと、いわゆる安全審査部会の運営というものは、少なくとも、私は民主的に運営されておらなかったというきらいを感じます。と申しますのは、小委員会は九月から十月下旬まで数会開かれているのに、審査部会の方は何らの連絡、資料の提供もない。そうして二十七日にこれが開かれ、そこで決定を迫るというふうな行き方は、私は安全審査部会の運営としては民主的でなかったと思うのです。同時に、坂田教授は、あなたも学術会議の原子力関係の委員長をしておられるならば、私が申し上げるまでもなく、日本学術会議を代表する立場でおられるわけです。推薦をされた手続においても、あるいは今度の御決意においても、やはり原子力問題委員会の皆さんの御意向を体して進退を決しようという立場におられる。してみれば、正当に日本学術会議を代表しておられると私は思います。そういう方の御意見を無視して、どちらかと言えば、小委員会の結論を、ただ天下り的にいれていこうというような運営がされておる。私は、こういう運営は、この安全審査部会の運営としては民主的ではないと思います。やはり安全性というものは、民主、公開、自主の原則と不可分な問題だと思います。できるだけ多くの人に、できるだけ多くの資料を渡し、できるだけ多くの人の意見を求める、そうして、安全性があるかどうかを確かめるというところに、私は、安全性と民主、公開、自主という原則は不可分の関係にあると思う。そういう意味においても、原子力基本法にうたわれた第二条の精神というものは、このたびの安全性を決定するこの経過に徴しましても、安全審査部会は正しく民主的な運営がなされておらなかったと私は断定せざるを得ないのであります。坂田先生の先ほどの御発言を聞きましても……。この点について、私は矢木部会長の責任を追及しようという気持はございませんが、これからのこともございますので、率直な御心境をお伺いできればけっこうだと思います。
#80
○矢木参考人 民主的な部会の運営という問題から、先にお答え申し上げます。
 先ほどのは、何カ月の間ほってあったというのではなくて、すでにある原案が各委員に回されまして、それをみな御検討なさっていただくために相当な時間をとったつもりでございます。民主的運営と申しましても、私どもは、それ以外にやり方がないくらいな運営をやってきたつもりでございます。逆に申しますと、そのために、あるいは坂田さんの御発言が弱くなったかというような心配すら、私個人はいたしておるような状態でございます。
 それから、公開の原則につきましては、前々から申し上げましたように、これが第一である。たとえば、シンポジウムを開きましても、いろいろな議論をいたしましても、その資料が公開されなければ、ちょうど知っておる者と知らない者との話し合いのようなものでありまして、はなはだちぐはぐになったと思います。また、問題の深さもわかりません。いろいろな手続の問題でもって一番大事なのは、公開である。これは、私は三月から努力をして参ったのでありまして、原子力委員会並びに原電の方々は、これに対してずいぶん御努力をなさったようであります。これは外国との性格の差の問題もありますし、商業上、まだ本格的に契約になっておらないということもありまして、残念ながらそのことが実現できなかったのは、責任ということができるかどうか、私はわかりませんが、非常に残念だった。これができれば、おそらく、皆さんがこれによって十分な討議をされ、一部現在いわれておりますようないろいろな問題点なく、坂田先生が言われたように、ほとんど全員一致と申しますか、広く学界から推されたような答申書の形になったかと思います。それにつきましては、少し手続が逆になりまして、大へん申しわけないと思いますが、今後、近く公開されると思いますので、私も、立場上非常に困難な立場でございますけれども、今後さらに安全性を確保する意味において、私個人の問題でなくして、この問題につきまして十分な討議がなされ、いずれは、この答申書の内容について御納得がいかれることだと、かたく信じております。
#81
○岡委員 お気持は、私もよくわかります。ただ、問題は、今度の場合、先ほどお聞きしておりますと、坂田教授は原子力問題委員会の委員長である。原子力問題委員会というのは、公開、自主、民主の三原則によって日本の原子力の研究、開発が進められていくべきであるという信念のもとに、学術会議内に設置されている委員会である。その委員長として、その委員会を代表しておられるということからいえば、日本の原子力研究、開発の最も重要なこの三本の柱を、いわば突っかい棒として坂田教授が審査部会の委員になっておられるのに、その方の御意向というものが無視された形において答申が出たということ、そのことだけでも、私は、結果から見て、民主的な運営ではなかったということを感じておるわけでございます。しかし、これについては、今いろいろ矢木部会長からもお話がございました。端的に申しまして、この安全審査部会の運営というものが、私どもの言う民主的な運営をされていたかどうか、その点でありますが、坂田教授の率直なお気持をお伺いしたいと思います。
#82
○坂田参考人 お答え申し上げます。私から何と申し上げたらいいか、わからないのでございますけれども、私の率直な感じを申し上げますと、先ほどちょっと申し上げましたように、九月以降、審査小委員会の議事録が、急に私たちのところにこなくなったということが、どういうことか、私にはよくわからなかったわけでございます。矢木先生が非常に民主的な運営に心を配って下さったということは十分認めるわけでございますけれども、これはむしろ、部会長の運営の仕方だけの問題ではなくて、もっと何かはかのところに原因があるんじゃないかというふうに私は感じております。
#83
○岡委員 あまり主観的なそんたくを私は申し上げたくないと思いますが、やはり御当人としては、運営がもっと明朗であってほしいという、強い御希望を表明されたことを、私は記憶しておきたいと思います。
 それから、安全性の問題で、耐震性の問題も先ほど私が申し上げました中空燃料と同じように、やはり実験的な裏づけが私はないように思うのでございます。答申書を読みましてもございませんが、この点は、どういうお取り扱いになられたのでございますか。
#84
○福田参考人 耐震性の問題についてお答えいたしますが、前に申し上げましたように、具体的な耐震の設計については、審査期間中に申請の変更があったわけでございます。従って、最終審査の対象は新しい設計でございますが、その新しい設計については、実物大に近い寸法のものについての実験結果はないと思います。しかしながら、こういった種類の技術的な研究調査につきましては、具体的な設計は同じではありませんけれども、ある意味においては、内容的には、自後の改良設計の基礎にできるような実験は、かなり大規模に、当初の設計の形によるモデルにおいて行なわれておるわけでありまして、その実験結果が、改良設計の検討についても十分の基礎を与えておる、こう私は思っております。これは耐震関係の専門家も、全く同様の意見であります。従って、実物大に近い実験は行なわれておりませんけれども、これにかえて安全性を確認できるだけの実験的な資料も理論的な検討と同時に十分備えられておる、こういうふうにわれわれは信じておるわけであります。
#85
○岡委員 いわゆるウィグナー収縮の点に関連をして設計がえをしなければならなくなったということで、英国側から新しい設計を提示して参りました。これについて、さらに念査するために、九月二十六日に武藤東大教授ら五名の耐震設計調査員一行が原研から派遣され、この方々は十月十三日に帰ってこられまして、羽田での記者会見で、こういうことを言っておられます。「十月初めに予定されていたGECエリス工場での振動実験(荷重四トン)は、実験台が完成してなかったため、立ち会うことはできなかったが、実物八割大の六角形ブロックを六十一個組み合わせた炉心構造模型はすでにできていた。この方々は実験に立ち会っておられません。従って、その後に実験は行なわれたと思います。しかし、耐震設計は安心であるという考えが煮詰まったのは十月二十七日でございますから、私は、少なくとも、その後に実験が行なわれましても、実験の結果に基づいて耐震設計が安全であるという解析の結果は、その時間的余裕がないと思います。そういうことになれば、今いろいろおっしゃいますが、事実上、英国の本国においてもまだ実験は完了しておらない。少なくとも、英本国において行なわれたと称する――私に言わせれば、アメリカ型の小実験さえも、データはあなた方が入手しておられないと認定せざるを得ないのでありますが、事実入手しておられまするならば、どういう規模の実験が英本国で行なわれたのか、それについて、いつどういうデータを入手されたのか、あるいは、あとで資料でもけっこうでありますが、一応の日付等はここで御答弁を願いたい。
#86
○福田参考人 今の時期の問題でありますが、具体的な改良設計の正式の申請書は、今お話のように、審査の終わります時期にかなり近いころ提出されたわけでございます。それは正式の書類でございまして、実際こういう最終設計にする所存であるということは、それよりもだいぶ前に原電の方からこちらの方に披露がありまして、その披露されたものについて検討が開始されておったわけでございます。
 それから、第二の御質問の、イギリスにおける実験内容の詳細な点につきましては、私も、実は耐震の方の専門家ではございませんし、耐震関係の専門の小委員会の方で詳細なことについては検討されましたので、もし、どうしてもそういうことが必要でありましたならば、その方面の、特に専門の方の御披露をお願いした方が間違いがないのじゃないか、こう思います。
#87
○岡委員 しかし、コールダーホール型の安全については、福田先生はその小委員会の委員長でもあられますし、私は、やはり自然化学の結論の妥当性ということから、実験的に、はたして裏づけがあるかどうかということは、もちろん、あなたの立場上からも究明さるべき大事なポイントと思うのでございます。さもあらばあれ、武藤教授は、こういうことを言っておる。「安全審査の段階では、プリンシプルとしての安全性が検討されればよいと思うので」云々、こういうこととにらみ合わせますと、あなた方は、実験的に安全が裏づけられておるという事実については、何ら無関心であったといわざるを得ません。ただ、プリンシプルとして安全であるということにおいて、安全性の答申を作り上げた。ここにも耐震設計という重大問題について、私は、あなた方のとられた答申の信憑性を疑わざるを得ないのでございます。
#88
○福田参考人 今のは、御質問になったかどうかわからないのでございますが、理論上のみならず、特に理論的に考察いたしますと、やはりあの改良設計におきまして一番焦点になりますものは、だいぶこまかい話になりますけれども、正六角形のキーとキーウェイを通じております黒鉛のブロックがウィグナー収縮あるいはその他の膨張、収縮を行ないますときに、お互いが他にほとんど関係なく、単独にその位置において行なわれるということが非常に重要な焦点と考えておるのでございます。それにつきましては、イギリスの実験は実物大ではございませんけれども、そういう面については、少なくとも、調査団が従来の実験をよく聞き、そうして、確認されていると私は想像しておるわけでございます。それで、耐震の関係のわれわれの専門の小委員会の方々は、そういう点もよく確認されておる、その上の判断であるわけでございます。
#89
○岡委員 それでは、一つ小委員会の方として、英国側でどういう実験が行なわれたのかということ、その結果についても、私どもはしろうとだから、わかりやすく、この委員会に資料を御提出願いたいと思います。と申しますのは、ただ武藤教授の記者会見の記事だけを見ますると安全審査は大体がプリンシプルだけでいいのだということをはっきり言っておられる。その御当人が十月十三日にこっちに帰ってこられて、そのあとで、GECのエリス工場は実験台を作って――それも四トンでございますよ。私は、医者の端くれでありますが、この薬が実際に人間にきくかという場合は、やはりアメーバでやってみます。その次はモルモットでやってみます。その次は犬でやってみて、それから人間でやってみるというように、克明な相似率を求めながら一つの結論に達するというのが、私どもの方法論であります。そういたしますると、わずか四トンの実験台、それも、十分結果のデータについての解析ができておるかどうかわからないということがいわれておる。とすれば、やはり耐震設計についても、実験的な安全性をあなた方は今いろいろな報告によって立証し得たと言われるけれども、しかし、この事実から見れば、私は、小委員会としては得ておらないと結論せざるを得ないのでございます。だから、この点については、私どもの疑義を解明するに足るように、ぜひ一つ別の機会にでも適当な方の御出席を願って、私はさらにお話を聞きたいと思います。
 私は、事実問題だけを申します。それから、人口密度は、東海村は三百八十人ということでございます。それで日本の平均人口密度よりも高いということですが、人口密度について、安全審査部会は三百八十人もいいのだ。御存じのように、将来は、もう四年たてば原研だけでも千人ふえまして二千人になります。私は、その場合、特に大事なことは、あそこには、施設とともに優秀な若い科学者がたくさんおるわけでございます。万一のことがあって研究に不安を与えたり、あるいは、そういう方々が大きな障害事故にでも会われるということになると、日本の原子力開発の上からも、きわめて憂慮すべき事態が起ころうということで、特にこの人口の問題については、私は、東海村は特殊な人口の要素を持っておるという点からも非常に心配をしております。にもかかわらず、ここがよいのだ、これでいいのだという御結論を出されたその根拠を、一つお示し願いたいと思います。
#90
○福田参考人 人口密度の問題でございますが、それに関連いたしましては、現在、この安全審査の基準というものはできておらない。全然ないことはございませんけれども、全般的にはできておらないのでございまして、従って、その意味におきましては、われわれの審査は、現在個別審査という形をとっておるわけでございます。できるだけ、基準あるいは基準に近いものとして扱われておりますものは、先ほど御報告申し上げましたように考慮いたしておりますが、全般的には、そういう状況でございます。従って、その周囲の平均人口密度をどうとるのが基準的には妥当であるかということは、われわれとしては、今後、もし、きめる方が妥当なものならば、きめるべきであるし、また、きめない方が適切ならば、きめない方がいいというので、問題は残してあるわけでございますが、東海村の場合につきましては、これは、私の個人的な見解になりますので、委員会の報告書にはそういうことはむろん書いてございませんけれども、私の個人的の見解では、日本で原子力をやる場合の日本独特の国情といたしましては、平均点よりも実質上の人口密度が非常に高くて、そして、そういう面からする制約は非常に大きい、もう一つは、地震その他の、いわば天災地変的なものが少なくない、これが日本の特殊事情だと私は思っておりますので、それに対して、かりに原子炉を置く場合に安全が保たれるか保たれないかということにつきましては、事故の評価とか、あるいは災害の評価に対して、特に詰めた評価をしなくてはならない。このくらいな程度ならば、まあ、よかろうという程度だったならば、これは幾らでも安全側にとれるわけでございまして、これは、そうやればけっこうなことでありますけれども、私の見解では、簡単に申しますと、日本では原子力の研究、開発はできなくなるということでございます。もっと極端なことを申しますと、飛行機は一年に一回でも落ちれば炉は作れないということになりまして、われわれは飛行機は使えないということになる。列車も使えない、自動車も使えないということになるわけでございますが、そういうような極端な立場をとるならば、これは結局、技術的に詰めて、ぼやっとした判断でなくて、非常にシャープに詰めて、それで安全が保たれるかどうかということを判断して事を運ぶよりしようがない――というよりも、それが、われわれの日本において外国よりも一そうしなければならないことだと思っているわけです。そういう意味におきまして、今度の事故評価ないし災害評価につきましても、必ずしも外国流の考え方に全部従っているわけではございませんので、われわれの立場として、できるだけ詰めたわけでございます。その結果によりますと、少なくとも、東海村の場合には、あの付近の人口の集積状況あるいは分布状況では安全が保たれる、事実上、待避の問題をます起こさないで済むという結論を出したわけであります。大体審査の実情を申しますと、そういうことでございます。
#91
○村瀬委員長 岡委員に申し上げますが、参考人におかれましては、午後、所用がそれぞれおありのようであります。本委員会は、事の重要性にかんがみまして、すでに午後二時五分まで昼食を抜きで審議を進めておるのでございますが、なお、西村委員からも、簡単に二、三の質疑をしたいという申し出もありますので、特に簡潔に、一、二問で終わるようにお願いをいたします。
#92
○岡委員 わかりました。それでは、あと一問だけにいたします。
 そこで、気象上からも安全である、こういう答申でございます。原子炉の設置に対する条件として、気象が安全であるかどうかということについては、各国とも、かなり苦心を払った調査をやっておるようでございます。最近の結論の一つとして、――これはアメリカのルールというふうに報告をされておりますが、一年半気象調査をやる、特に冬は二回やるべきであるということが大体ルールになっておるようであります。ところが、東海村の気象調査というものは、去年の秋から始まりまして、およそ七、八カ月の期間かと思います。しかも、逆転層が問題になっておりますが、特に逆転層を心配しなければならない夜間の調査が十分に行なわれておらないというようなことも、私は、現場に行って聞いておるのであります。私は、そういうところから、気象上安全であるという答申については、調査そのものにかなり疎漏なものがあるのではないかという点で、実は信頼をしがたいという感じを持っております。
 それから、コンテナーは要らないのである、こういうことも申しておられます。コンテナーの問題も、いまさら申し上げるまでもなく、十分委員会その他において論ぜられた問題でございます。特に七月三十一日、地元の代表は、口をそろえてコンテナーを作ってくれということを言っております。私は、コンテナーの問題も、なるほど矢木部会長のお話の御答申の要望群のように、科学技術的な立場を越えないものであるということで、原子炉の安全性というものを、プリンシプルの上から妥当であると認められるという立場からは、まあ、あの答申も、一応そういう方針を前提とすれば了承はできますけれども、しかし、コンテナーの安全性についても、ずいぶんやはり厳重に、コンテナーは必ずつけなければならぬという行き方を、ことにアメリカのごときはとっておるし、常識上、コンテナーが要らないということは考えられないということを言っておる方もございます。これは、アメリカの両院原子力合同委員会が専門の権威に要請して徴した報告でございますが、「大型原子力発電所の事故の理論的可能性と結果」――先生方は、よく目を通しておられると思いますが、その中にも、コンテナーがあっていいか悪いかということについては、相当な数字をあげておるようでございます。二重三重の安全装置があったとしても、それは原子炉自体の問題でございます。他に対する影響ということから、政治的に判断いたしますと、やはりコンテーナーの問題は、まだ十分に考えていかなければならぬ。事実、この数字を見ましても、分裂生成物が相当量原子炉の容器外に放出する。しかし、それについても、コンテナーの外に出ない確率は、一千分の一単位から一万分の一単位。ところが、その分裂生成物がコンテナーの外に放出される事故の見込みは、十万分の一回から十億分の一回であるということを言っております。この数字は、逆にとれるわけです。コンテナーがなければ、分裂生成物が直ちに戸外に放出されるということになりますので、この事故の確率ということを考えましても、コンテナーの社会的な意義は高く評価すべきものであって、単に、原子炉の設計を、技術的にその安全性を高めるということだけでコンテナーが要らないという結論は私どもとしてはとらないところでございますが、それは安全審査部会の領域外かと思いますので、触れません。
 そこで、次は二十五キューリーの問題でございます。万一事故があっても、放出する放射線量は二十五キューリーであるということでございますが、御存じのように、英国原子力公社の原子炉安全部長のフアーマー氏は、二百五十キューリーという数字をローマ会議に報告しております。このように、本国の原子炉の安全に責任を持つ立場のフアーマー氏が二百五十キューリーと言っておるのに、どういう理由で二十五キューリーで済む、こういうふうに軽く押えられたか、この辺のところを、もう一度お尋ねしたい。
#93
○福田参考人 それでは、今、最後にお話のありましたフアーマー論文と、われわれの審査結果との比較について、やや専門めきますが、お話しいたしたいと思います。
 フアーマー論文における場合と、われわれの審査結果における場合と、前提が少し違うのでございます。それで、先ほど申しましたように、フアーマー氏の対象としております炉は、地震に役に立つような緊急スクラム装置とか、それからダクト破損の場合の緊急炭酸ガス注入装置などが必ずしも想定されておらないと思っております。それから、その次に、そういう事故が起こりましたときに放射性のものが出るか出ないかということは、もし燃料被覆が完全であれば、しかも、燃料被覆がその事故のために破損に至らなければ、これは出ないはずでございます。燃料被覆は、そもそもそういうものを出さないために使っているのですから。しかしながら、その燃料被慶というものは長時間使っております間に、幾ら初期において十分な検査をやって欠陥がないことが確かめられておりましても、使用中に一種のヘア・クラックのような傷が出ないとは言えないのでありまして、もし、そういうものがございますと、事故の場合に、たとえば、ダクトが破損するような事故があった場合に、大気の酸素が中に侵入して参りますと、そのヘア・クラックを通して中のウランを酸化し始めまして、それがだんだん拡大して参りましてある大きさになったところで、中から放射性のヨードが漏れ出てくるというのが、放出キューリーの原因なのでございます。ところが、フアーマー氏の論文は、私の個人的解釈になるかもしれませんが、私の解釈によりますと、燃料の燃焼度を、場合によっては相当高めようという意図があるのじゃないかと思います。原電の申請は、平均三千メガワットデー・パー・トンという数字を運転の目標にしておりますが、フアーマー氏の論文では、それ以上、さらに経済性を高めるために運転したならばどうなるかということも含みにある。つまり、燃料燃焼度を高めました場合には、方向としましては、先ほど申し上げましたヘア・クラックがどうしてもできやすくなるわけでございますから、従って、そういう事故の起こりました直前の被覆におけるクラックの度合いが高くなると想定せざるを得ないわけでございます。むしろ、逆に申しますと、そのくらい高くとっても、この程度の災害でおさまるという観念があるのだと思うのです。ところが、われわれの場合には、先ほど申しましたような国情その他もございますので、そこのところは非常に詰めて考えまして、三千メガワット・デー・パートン以上、おそらくは、平均それ以上、われわれとしては、危険を冒すというと言い過ぎでございますが、そういう意味合いにおいての危険に、より近づくということを冒してまでも経済性の方を重く見て、それに従って動くということはやらない方針でございます。その意味は、具体的にはどういうことかと申しますと、その燃料被覆の表面にそういうクラックができて、最初は全く微量でございますから実害はないのでございますけれども、そういう微量でも、放射性のものが漏れ始めると、それが即刻検出されるような装置がついておりまして、その検出装置によって絶えず即刻それを取りかえる。しかも、今回の炉におきましては、これが運転中に取りかえられるような施設になっておりますので、それならば経済性というものについて非常な犠牲を払わなくても、その監視によって破損しかかった燃料を絶えず取りかえるということが可能なのであります。そういうふうに、だんだん詰めて参りますと、事故の起こった直前におけるいわゆるクラックの状態――これをわれわれは酸化ベッドと称しておりますけれども、酸化ベッドが非常に小さい状態に保たれるということを確信しているわけでございます。それがどの程度に小さく保たれるかということにつきましては、従来のイギリスにおけるいろいろなそういう不良燃料取りかえの実績を十分検討いたしまして、それを確率的に計算いたしまして、できるだけ正確に事故発生直前のベッドの状況をきめたわけでありまして、そういう詰められた前提条件に立って、しかも、先ほど申しましたような、イギリスでは現在試みられておらない緊急装置を付加するという条件も入れまして、そして、さらに安全性の上に立って計算いたしましても、二十五キューリー、放射性ヨードに換算して十一キューリーでございますけれども、その程度にとどまるという結論に達したわけであります。そこがフアーマー論文との差でございます。私は、直接フアーマー氏に確かめませんでしたけれども、フアーマー氏との討議会が原子力委員会の主催によってありましたときに、その日、私はちょっと所用があって、途中で中座したものですから聞き漏らしておったのですが、多分そのときじゃないかと推測いたしますけれども、フアーマー氏もこちらの計算の内容を聞きまして、なるほど、これでは自分は十分安全であると思う、ということを言ったそうであります。これは、私は間接的に聞いたのでありまして、フアーマー氏を目の前に置いて聞いたわけではございませんのでなんですけれども、それは多分間違いないと思うのでございまして、そういうところから、あの差が出てきたわけでございます。
 なお、付言いたしますと、それによって算定いたしました一種の危険半径がございますが、かりに、それを二倍にとっても、あの東海の場合の敷地については、なお安全でございます。二倍となるということはどういうことかと申しますれば、これを放出キューリーに換算いたしますと、われわれが十分の安全率と安全率をかけ合わせて安全率を計算したもののさらに四倍、百キューリー出ましても大丈夫ということになっておるのでございます。これは原電側の申請とは別個に、合同審査会が自己の独自の立場でたびたび試算を行ないましたけれども、その結果もほぼそれに近くなったわけで、それで、われわれも申請書を容認したわけでございます。これが内容であります。
#94
○岡委員 私の意見だけ最後に申し上げておきます。
#95
○村瀬委員長 簡潔にお願いいたします。
#96
○岡委員 はい。実は、このフアーマー氏のステートメントを私どもいただいておるのでございますが、このステートメントの中で、なるほど、御指摘のように、フアーマー氏は、炉についてはいろいろな仮定を述べておるようでございます。しかし、この仮定は、このステートメントにございません。ただ、フアーマー氏は、自分の立場というものをはっきり申しておるが、要するに、原子力公社の原子炉の安全に責任を持つ立場からは、きわめてストリクトリーに、万一の事故における放射能の放出量を考慮しておるのだという立場をとっておるわけでございます。私どもは、安全審査部会という立場から炉の安全性について御考慮いただく場合は、やはり、できるだけストリクトリーにやってもらいたい。今四千五百度か三千度かということもございましたが、昨年のジュネーブ論文の結果では、英国はまだ千三百度しか燃焼率を上げておりません。理論的には四千五百度可能だと申しておりますけれども、これはまだ未知数のことです。アンノーン・ファクターのことです。三千度で四千五百度に匹敵するような被覆材料の溶融は起こり得ないと思うのでございます。そういう仮定に立った上で、二十五キューリーという、あまりにも少ないこの事故における放出量の算定というものは、私は、やはりまだ納得しがたいのでございますが、これ以上私は申し上げません。私がこのように申し上げることは、決して皆さんを疑うという意味ではございません。ただ、御存じのように、原子力開発といっても、フェルミが初めて核分裂をやってから二十年余り、戦後本格的に平和利用に取り組んでから十年、だから、危険のファクターが非常に大きい。万一にも粗漏な決定のもとに導入されて事故が起こるということになりますと、日本の原子力平和利用というものは、御存じのように原水爆で手痛い目にあっております特殊なわが国民感情の壁にぶつかると、一大頓挫を来たす。これは、原子力政策の発展上まことに憂慮すべきことであって、大型炉というものは、よほど安全の上にも安全を確かめなければならぬ。こういう立場から、先生方の御所見を伺っておるのでございます。坂田先生にはまだお伺いしたいこともございますが、時間の制限もございますので、委員長におかれては、また別な機会に、十分皆さんと私ども胸襟を開いて、この問題を国民の立場から論ずる機会を与えられるように御希望いたしまして、私の質問はこれで終わります。
#97
○村瀬委員長 西村力弥君。
#98
○西村(力)委員 この際、ちょっとお尋ねしておきたいと思う点だけについて、簡単にお尋ねしたいと思うのです。中曽根委員長は、この委員会でも、あるいは内閣委員会等におきましても、すべて最後は安全審査部会の結論待ちだ、こういうことでありましたが、その結論がいよいよ安全である、こういう工合に出たわけなんでありまして、この結論に対しては、先ほどから矢木先生も非常な責任を感じていらっしゃる、こういうことでありまして、それの結論につけられておる条件が確実に履行されるかどうかということについては、後日部会を開いて意見を聴取したい、こういうことを申されておりますが、その場合に、矢木先生はどういう形の責任をとるお考えになっていらっしゃるか、先生の現在のお考えをお聞かせ願いたいと思うのです。何としましても、部会の責任者として、委員を招集になって御意見を集めるという場合におきましては、委員長としましての一つの見解というものがおありかと思うのです。ですから、その点をお聞かせ願いたいと思います。
#99
○矢木参考人 先ほど来お話し申し上げております通り、私も、この問題は非常に重要視しておりますけれども、これは、まず最初に部会の皆さんに御意見を伺うのが先であろう。私は私なりの意見を持っておりますけれども、私どもがやれると思われます事柄が、審査部会の意見として公式に発表ができるというようなことを期待しております。
#100
○西村(力)委員 この際、個人の見解を発表する段階ではないというお考えのようでございますが、今までのいろいろな例を見ますと、先ほど神近委員が申されたように、そういう審議会とかなんとかの方針というものの尊重のされ方というものは、ほとんど十分ではない。あるいはまた、いろいろ政府側において許可をする場合に、条件を付する。この許可が前提になって条件が従になった場合に、ほとんどその条件が満たされないまま、そのままいっているのが普通なんでございます。ですから、今御意見を発表できないにしましても、この点については、ことに先ほどから申されたように、国民の安全という場合に立たれた十分なる措置、決意ある措置というものをぜひ結論づけていただきたい、こういう気持が一ぱいなんです。
 その次に、坂田さんから、議事録の送付がある時点からストップしたというお話がございましたが、その点については、矢木部会長は御承知でございましょうか。
#101
○矢木参考人 私は、小委員会の議事録が途中から割に少なくなったということは、事実だろうと思います。と申しますのは、小委員会の議事録は、その内容を非常に簡単にしまして、――そのときは、すでに答申の案を作っている段階でありまして、答申案の案はたびたび配付を受けております。しかし、私は事務的なことを少し今忘れておりますけれども、前には議事録の程度で済んだことが、その段階においては、かなり審査の意見書の形に変わってきたので、議事録をその通り全部作って配付をされなかったこともあるのじゃないかと思います。これは、私よく存じませんけれども、事務局の方がきっとよくはっきり知っているかと思います。
#102
○西村(力)委員 それでは事務局の方に一つ……。
#103
○佐々木政府委員 安全審査部会の部会の議事録は、坂田先生も全部参っているという話でございまして、行ってないのは、第七小委員会の議事録が途中からとだえたという話のようでございますので、第七小委員会の委員長である福田さんから、その間の事情を御説明をいただいた方がいいんじゃないかと思っております。
#104
○福田参考人 それでは、私から、御満足のお答えができるかどうかわかりませんけれども、申し上げます。実は私、この両方の合同委員会の委員長をやっておりますけれども、みずから議事録を発送することはやっておりませんで、みな事務局の方におまかせしてあるものですから、そこを確認していなかったのは、あるいは責任があるかもしれませんが、率直に申し上げますと、そういうことです。ただ、今まで坂田さんのところへ参っておったのが、九月ごろからこなくなったということは、ちょっと私も解しかねるのです。何か事務的な間違いがあったのかと思うし、あるいは、こういうことがちょっと関係するのではないかと思うことが一つあるのでございます。それは、九月からというよりも、むしろ、九月の末から十月に入ったころからだったと思いますけれども、審査の審議が非常に煮詰まって参りまして、まだ内容的に申しますといろいろな問題があるのですけれども――世間の方にはあまり聞こえておらないのですが、われわれの審査の方で、むしろ非常に苦労して焦点を注いできたのは緊急冷却装置の機械的な機構の問題であったのです。このために非常に苦労いたしまして、ほとんど連日、あるいは小委員会の形をとらないで、関係者だけが、毎日朝寄って、また午後寄るというような形でもってその問題を検討したわけでございます。そういうことがあって、非常に煮詰まったことからして、従来のように、議事録を作りましても、一々その議事録を次の本委員会でもって確認をしまして、そしてOKになったという、普通の事務的処置をとる時間的の余裕というものよりも、むしろ、気分的の余裕かもしれませんが、それがなくなりまして、私は、むしろ、こうなってきたときには次回の本委員会でその議事録の内容を一々読み上げまして、それでOKをとるという従来のやり方はやめまして、とにかく、議事録はこれである、これは皆さんお宅で、自宅作業で読んで検討してくれ、こういう形で、十月に入ってきましてから処理しました議事録がだいぶあるのです。これは、ずっと詰まってからでございますが、そういうような議事録確認の操作が変わってきたために、あるいは事務的に少し混乱を起こしまして行かなかったのがあるいはあったのではないかと、今ひそかに考えたりしているわけでございます。それも自信がございませんで、ちょっと私もよくわからないのではなはだ申しわけございませんが、ちょっとそこの理由がわかりません。
#105
○藤波説明員 便宜、私から御説明を申し上げます。私も、今伺ったばかりで、はっきり日時等は記憶しておりませんが、おそらく、こういうことだろうと思います。部会に専門部会の配付資料として配られましたものは、すべて欠席の方にも、そのつど御送付してございます。坂田先生に今伺いましても、各部会の資料は全部お手元に届いておるようでございます。これは間違いないところでございます。部会にはどんな資料が出るかといいますと、各小委員会の報告がなされますときは、小委員会でまとまった事項が議事録にまとまった場合には、その議事録を便宜資料として配付する場合もございますし、それから議事録が非常に断片的な場合には、それを一括いたしまして、部会への小委員会の説明書として出す場合もございますし、それから、ここで小委員会主査の方から御報告になる場合もあるわけでございます。そういう場合は、もちろん、それに応じまして部会の議事録にはそれぞれのことが載るわけでございます。そういう経過になっておりまして、九月、十月等の終わりの方の部会におきましては、小委員会からの報告が比較的口頭による報告――と申しましても、もちろん第二次案とか第六次案とかいうような、中間的な意見書に基づきましての口頭の報告でございますが、そういう形でやっておりますので、あるいは後半の終わりの方に近い部会には、小委員会からの議事録そのままが配付資料として配付されなかった、こういう関係からだろうと思います。
#106
○西村(力)委員 非常に重要な論議に入ったので、議事録作成ということを除いて論議に集中したと、こういうことでございますが、そういう重要な論議であればあるほど、これはやはり一般の部会員に知らせるべきじゃないか、こう思うのです。そして坂田先生のおっしゃるのは、そういう議事録を送ってこなかったということは、単に手続上無視されたという形で不快であるというのじゃなくて、責任をとるために、そういうものが送られないということでは十全な職責を果たすことができなかった、こういう意思じゃないかと私は推測するのでありますが、今の福田さんあるいは政府側の答弁について、坂田先生はどういう工合にお感じになっていますか。
#107
○坂田参考人 お答え申し上げます。実は、私が記憶いたしておりますのは、八月の二十日ごろからあとの議事録をいただいていないように思うのです。部会の方の議事録はいただかないでも、これは私出ますから、大体わかるわけでありますけれども、小委員会の方は、やはり議事録をいただきませんと、まとまったものは――ことに八月にいただきましてからあと、この十月の末までいただかなかったものですから、その審査経過が、ただ最後の小委員長の御報告だけからしかうかがうことができませんでしたので、そういう点、私も非常に配付がなかったことを残念だと思っております。ただ、先ほどからの御説明のように、いろいろ配付なされるのに、だんだん最後に会議がふえてきて、手続的にむずかしかった点は了解いたしますけれども、私としては、やはり配付していただかなければ困ったと思います。
#108
○福田参考人 ちょっと私の先ほどの説明が悪かったので、あるいは誤解になっていることをおそれますので、一一言申し添えたいと思います。最後まで、合同委員会の本委員会のみならず、合同委員会の内部の各専門小委員会の議事録は、もちろん作っておりました。ただ、議事録の確認の仕方は、次の本委員会において一々御発言によって字句を訂正するという形をとらないで、次会までにそれをよく査読しておいていただきたい、そして訂正すべき点があったら、それはじかに伝えてほしいということで、結局、読み上げることはやらなかったということでございます。それを一つ御了解願いたいと思います。
#109
○西村(力)委員 私たちとしては、手続上十分でなかったと思うのですが、過ぎ去ったことでございますので、この程度にとどめます。
 次に、この前の決算委員会でしたか、佐々木原子力局長は、坂田先生は学術会議の代表じゃない、こういうことを答弁しておられますが、本日の坂田先生の御発言を聞きますと、学術会議の代表として、会長から勧奨せられて加わったんだ、こういうことを言っておられる。一体、そのどちらが正しいのであるか、お伺いしたい。
#110
○佐々木政府委員 形式上の問題と実質上の問題とあろうかと思います。形式上に関しましては、私の記憶しておる範囲では、あくまでも学術会議の会員、あるいは学術会議の原子力問題委員会でございますか、原子核特別委員会でございますかの委員長としての坂田先生ということでなくて、従いまして、こちらから送ります書類も名古屋大学教授というふうにして、名古屋に書類一切を発送しておりまして、学術会議というふうにはいたしておりません。ただ、形式上はそうであっても、実質上はどうだという問題に関しましては、これは兼重先生が議長をなさっておった当時に、坂田先生にそういうお話かあったということは、私もこの席で初めてお聞きしますので、これは、私よりも、むしろ兼重先生にお聞きになった方が、真相は確かだと思いますので、その方でお聞き取り願いたいと思いますが、私の知っております限りでは、形式上は今申し上げたような趣旨であります。
#111
○西村(力)委員 坂田先生、何か……。
#112
○坂田参考人 別に発言ありません。先ほど申し上げた通りであります。
#113
○村瀬委員長 西村君に申し上げますが、先ほど申し上げました通り、もう二時四十分になりますので、参考人の方は午後所用があられるそうでございますから、あと簡潔に願います。
#114
○西村(力)委員 また別の機会を持たしていただきたいと思うのですが、今兼重さんにお聞き願いたいということを言われましたけれども、そういう方々はなかなかおいで願えませんから……。そうしますと、学術会議の兼重さんに、学術会議の方から一人出してもらいたいということを依頼したのじゃなくて、直接坂田昌一教授という工合に指定して委嘱した、こういうことになっておるのですか。
#115
○佐々木政府委員 専門部会の部会員と申しますか、委員の方たちを御依頼申し上げます際には、その審査に必要な各職能と申しますか、専門の分野を定めまして、各専門分野それぞれでどういう人が一番適当であろうかといった点を、事務当局が原案を作製して、それを委員の御指示によりまして付加修正いたしまして、大体こういうメンバーでよかろうという原子力委員会の御決済を経まして、そうして、それぞれの専門委員を任命するというふうな手順になっております。従いまして、その際、兼重委員はちょうど学術会議の議長をしておられましたので、どういう内部的なお話があったのか、その点は私はつまびらかにいたしておりません。ただ、私の承知しておる限りでは、ただいま申しましたように、それぞれの職能と申しますか、専門別の候補者を定めましていろいろ委員会で審議した際、こういうことでどうでしょうか、それでけっこうであろうということで、委員会としてはおきめして、そうして、それぞれの専門委員の皆さんの承認を得て発令をいたした、こういうふうに記憶しております。
#116
○村瀬委員長 参考人各位からの意見の聴取はこの程度にとどめます。
 参考人各位に申し上げます。
 本日は異例の長時間にわたり、しかも、きわめて貴重な御意見の開陳をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表して、私から厚く御礼申し上げます。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト