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#1
第033回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号
昭和三十四年十一月十九日(木曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 村瀬 宣親君
   理事 小坂善太郎君 理事 西村 英一君
   理事 平野 三郎君 理事 岡  良一君
   理事 岡本 隆一君 理事 原   茂君
      秋田 大助君    天野 公義君
      木倉和一郎君    小平 久雄君
      橋本 正之君    細田 義安君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 中曽根康弘君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       横山 フク君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局次長)  法貴 四郎君
 委員外の出席者
        原子力委員会委
        員       有澤 廣巳君
        参  考  人
        (原子燃料公社
        理事長)    高橋幸三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付けた案件
 参考人出頭要求に関する件
 核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任
 の免除等に関する法律案(内閣提出第二八号)
     ――――◇―――――
#2
○村瀬委員長 これより会議を開きます。
 核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○村瀬委員長 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。
 すなわち、核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案について、本日、原子燃料公社理事長高橋幸三郎君を参考人と決定し、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○村瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#5
○村瀬委員長 直ちに質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。
#6
○岡委員 私は、この法案に関連いたしまして、いよいよ日本が核燃料物質等を外国から受け取りました場合、これをいかに管理するかということについて、先般の中曽根原子力委員長の御答弁によっても、問題の原則的な立場というものが、きわめてあいまいな感じをいたしました。そこで、燃料公社の高橋理事長にもお出ましを願って、受け取った燃料物質の管理について、この際、はっきりとした御方針を承りたいと思います。
 そこで、まず、有澤先生にお伺いをいたしますが、御存じのように、原子力基本法に基づきまして原子燃料公社が発足いたしました。私どもがこの燃料公社を発足せしめましたゆえんは、何と申しましても、核燃料物質というようなものは、きわめて大きなエネルギーをわれわれが手にすることのできる非常に重大なしろものでございますので、やはり、国の経済の計画化というような観点からいたしましても、これは民間の所有、管理にゆだねないで、あくまでも公共的な管理の方式をとるべきである、こういうこと、あるいは、放射能の障害がきわめて大きいことも予想されますので、そういう場合には、必然的に、やはり国家としての補償というようなことも考えてこなければならない。その場合に核燃料物質が民間の会社によって自由にされるというふうなことになっておりますると、国家補償という場合においてもいろいろと問題が残されてくるのではなかろうか、同時に、また、原子燃料は、各国におきましては、いわゆる軍事的な利用という形において取り扱われておりまするので、基本法に基づく、いわゆる平和の目的に限ってわが国が原子力の研究、開発を進めるという立場からいたしまして、これを民間の手にゆだねてしまうということは当然考えられないことである、大体こういうふうな気持からいたしまして、燃料公社を発足させ、核燃料物質等は公共の管理という形をとったのでございます。私は、この燃料物質は、そういう意味からいいましても、あくまでも燃料公社によって管理さるべきものである、こういうふうに考えておるのでございますが、この点についての御所見を承りたいと思います。
#7
○有澤説明員 岡委員から質問のありました核燃料物質の国家管理のことでございますが、これは委員会におきましても、だいぶ前から国家管理の方針をきめております。そして、たしか昨年の十月ごろでしたか、閣議におきましてもその原則が了承されております。そして、それ以後は、これを改めてはおりません。その趣旨は、今、岡委員がお述べになりましたのと同様の趣旨でございます。
#8
○岡委員 今の御答弁でございますが、昨年の四月四日に原子力委員会は、「核燃料物質の所有方式について」という項目で、次のような決定を下されております。すなわち、第一には、「核燃料物質は、しばらくの間は原則として民間にその所有を認めないこと。」、「しばらくの間は」という、いわば前提があるわけです。従って、その第二項においては、「ただし、内外における諸条件が整うに従い、民間の所有を考慮すること。」こういうことに相なっております。今、お答えの十月十四日の閣議了承は、次のようになっております。すなわち、当時の科学技術庁長官並びに原子力委員長を兼ねておられた三木国務大臣は、当日の閣議において、「核燃料物質については、内外における諸条件が整うに従って民間の所有を考慮するも、暫くの間は原則として国又は公社の所有とするよう措置する方針である旨、見解を統一したい。」
 このようなことで、この趣旨が閣議の了承ということに相なっておるわけでございます。従って、双方とも、しばらくの間は、しかも、内外における諸条件が整えば民間の所有を考慮するということになっておるわけでございます。私は、このような条件を、もっと具体的に、しからば、一体いつまでか、また、内外における諸条件が整うということでこれが民間の所有になり得るとすれば、内外における諸条件とは一体どういうものか、こういう点を明らかにしていただきたいと思うわけです。
#9
○有澤説明員 今、御指摘のありました通りの取りきめになっておりますが、その中に、「内外における諸条件が整うに従い、」こうあります。これは、核燃料物質の中でも、特に天然ウラン関係のものは、世界の情勢が非常に変化しつつあります。一時、日本の原子力平和利用の開発が出発しました当時は、なかなかこれが入手困難な世界的な状況でありましたけれども、最近になりますと、あるいはこれから近い将来を考えてみますと、だんだん天然ウランに関するものは割合に入手ができやすいような状況になってきておりますし、また、日本の国内におきましても、加工の技術も今後だんだん発達するようになってくると思います。そういう内外における事情がだんだん固まってくるのを十分見きわめた上で、国家の管理――と申しましても、そのうちのどの部分が民間にまかしてもいいか、そういうことも十分見当をつけなければならないのでございますが、何分にも、この数年間というものは、核燃料物質、特に天然ウラン関係のものは条件の変動が非常に大きく動いておりますので、それを見きわめた上で、国家の管理の形態をもはっきりさせたい、こういう考えを持っておるわけでございます。それでありますから、「民間の所有を考慮するも、暫くの間」という、その「暫くの間」といいますのは、わが国におきましていよいよ現実に天然ウランを購入するというような時期はまだ二、三年、少なくとも三、四年後でございますので、その間によく世界内外の事情を見きわめまして、決定を下したいと思っております。しかし、今のところは国家管理の原則は依然として堅持しておる、こういうことでございます。
#10
○岡委員 その公共的な管理あるいは国家の管理にすべきであるということが打ち出されましたのは、さきにも申し述べましたように、核燃料物質等は各国において、いわゆる軍事利用に供せられておる、しかし、日本は基本法によって平和利用にのみ限定されておる、こういうことが、やはり公共管理、国家管理という思想、また方針を生み出しておる大きな原動力である。そういたしますと、たとえば、天然ウランは、むしろそのワクに入るものと私は思います。なるほど、ウランの供給がある程度過剰になり、商業ベースで自由に入手ができるといたしましても、天然ウランは、やはりプルトニウムを生産する重要な核燃料物質であることは、御存じの通りであります。従いまして、われわれがこれらを公共の管理、国家の管理とする方針を堅持すべきであるという理由が、軍事利用を禁ずるということにあります以上、天然ウランといえども、当然公共的、国家的な管理のもとに置かねばなるまいと思います。
 しかし、このことはさておきまして、中曽根委員長にこの際お尋ねをいたします。先般は、法律もまだ十分読んでおらないからということで御答弁もはっきりとされなかったので、きょうは燃料公社の理事長、有澤原子力委員にもお出まし願ったのですが、さて、いよいよ相手国から受け取った燃料をどう処置するかということを明確にしておきたいと思うわけです。そこで、燃料公社法を私どもが審議いたしましたときに、こういう発言が議事録に載っております。昭和三十一年三月十七日の科学技術振興対策特別委員会において、前田正男委員はこういうふうに質問をしておられます。「この法文から見てみますと、それは独占的にやるということは何も書いてない。そこで、政府が将来そういう法案を作られて認可せられるときには、これを担当される大臣としては、この公社にそういう独占権を与えられる方針でおるかどうかということを明瞭にしないことには、これは公社にする必要はないと思うのですが、この際、明瞭な御答弁を願いたいと思います。」こういうことです。要するに、燃料は燃料公社が独占的に管理するということを明確にしない限りは、公社を作る意味はないではないかという趣旨の御質問でございました。これに対しまして、当時の原子力委員長であった正力国務大臣は、「仰せの通り、燃料公社は非常に重大なる仕事をやるところでありますから、従って、実質的においては独占的にやるつもりでおります。」こうはっきり答えておられるわけでございます。私どもは、こういう御発言を体して公社法には賛成をいたしました。私も、このことは、重ねて委員会の末尾において特に念を押して、当局からもそのような趣旨の答弁を得ておるのでございます。こういう形で、与野党を通じて、公社に対しては管理に独占権を与うべきであるということが強く主張され、当時の原子力委員長も明確にその旨を御答弁になって、そこで燃料公社法というものが発足いたしておるのでございます。そういうことでございますから、私は、やはり、少なくとも燃料公社法そのものは、先般お尋ねをいたしました原子力基本法にいうところの、いわゆる第五章「核燃料物質の管理」、この第十二条において、「核燃料物質を生産し、」云々ということで、要するに、生産と流通はすべて「別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。」こういうことがあり、この管理を受け取って燃料公社法が発足いたしました。従って、「原子燃料公社は、原子力基本法に基き、」云々ということが公社法の第一条に明確に示されております。そして第十九条には、一から七号までにわたってこの公社の管理の内容というものが法律で明示されておるわけでございます。これら一連のことは、私が先ほど述べましたように、当時の原子力委員長が、明らかに「燃料公社は非常に重大なる仕事をやるところでありますから、従って、実質的においては独占的にやるつもりでおります」こう答弁されていることと一致するわけでございます。私は、そういう点で、少なくとも現段階においては、原子力基本法、燃料公社法の趣旨というものは、公社が独占的に扱うものである、こういうふうに考えておるのでございますが、その点についての御所見はいかがでございますか。
#11
○中曽根国務大臣 燃料公社法を作りました当時は、一つは、この核燃料については外国からくるものがほとんど全部でありましたから、国際条約上のいろいろな責任が政府にあります。従って、政府としては相当厳重に監督して、国際的な責任を果たさなければならないという点、第二は、燃料に関する安全保障の観点、つまり、技術的安全等から見て、国民に不必要な不安の念を与えないように万全の措置を講ずる必要がございました。それから、もう一つは、当時の国際マーケットの状況から見て、燃料が自由経済で流通するということは、当時の情勢としてはまだ考えられない当時の状態でありました。こういう状態から、公社のような機関に集中するということは方針として望ましい、そういう考え方で燃料公社というものができたのであります。しかし、それは原則としてそういう方針が当分の間望ましいという基本的な考え方であったと思います。現在もその状態は続いておるだろうと私は思います。しかし、将来にわたってどういうことであるかという点につきましては、国際条約上の観点、あるいは技術的安全に対する民間業者の習熟状態、技術的能力の向上の問題、あるいは燃料のマーケットの問題、そういういろいろな面を考えてみますと、まだ将来にわたっても決定的に規制するという方針を作るのはいかがかと思うのであります。従いまして、将来のことは、まだ多少弾力的余地を残しておきつつ、現在の管理をなるたけ国家的規制のもとに置くように努力して参ったらいいと思っております。
#12
○岡委員 今のような御趣旨でございますが、私が繰り返し申しますことは、公共的な管理に移すということは、たとい核然料物質等がいかに商業べースで自由に入手し得るとしても、平和目的に限定するという基本法の建前から、やはり自由に民間の手に流通をゆだねるということは、基本法の精神に顧みてもいけないことだ、こういう気持で、私は、将来とも公共的な管理という線はくずすべきではないと思っておるわけでございます。この点、高橋理事長の御見解はいかがでございますか。今、中曽根委員長の御発言でございましたが、現在の燃料公社の理事長としては、どのような御見解を持っておられるか。
#13
○高橋参考人 それでは私の考え方を申し上げます。一口に燃料の管理と申しますけれども、私は、そこに二つの考え方があると思うのであります。一つは、つまり原子炉というものを基準に考えまして、原子炉に入れる前とあとと、こう二つの燃料の性格があります。その性格は著しく違っております。御承知の通りに、原子炉に入れる前の金属ウランの例をとってみまするならば、これは何も危険というふうな性質の金属ではございません。処理する方法も、探査から開発、採鉱、選鉱、製錬、成型、加工、検査、これは、一応みな一通り鉱業一般の日本の技術の面から見ても、そう変わった燃料の性質のものじゃございません。ところが、一たんこれを成型、加工して燃料要素として原子炉に入れた場合は、そこに著しい変化が起こりまして、御承知の通り核分裂を起こしまして、いろいろの危険な放射性の物質が出て参ります。そこで、その物質は、これはあくまでも危険であり、また、いろいろな面で国際的にも問題が多いのでございまして、その燃料の管理は、あくまでもきわめて厳格な管理法が行なわれなければ、これは非常に憂いを将来に残すものでありまするから、その点については、もう皆さん御承知の通りと思いまするが、この天然ウランの場合におきましては、今日まで私どもは実際いろいろな仕事をやっております。そうして、ある程度まで日本の技術は非常に成長しつつあります。これをどう管理するか。その最初の鉱石から燃料要素としての金属ウランにまで至る道程の管理はどうするかという問題につきましては、これは基本法なり、公社法なり、あるいは規制法なりというものがございまして、それぞれの段階において、われわれは規制を受けつつ仕事を進めております。従って、公社としましては、その規制法の命ずるところによって忠実にそれを進めて、日本の原子力の技術の開発に貢献したいと、そういうふうに私は考えております。そこで、あとの原子炉に入った以後の問題については、これは申すまでもなく、はっきりと公社法に独占の法文が出ております。その通りわれわれは将来誠実にするという考え方のもとに、現在われわれは進んでおります。現在の私の考え方は、そういうことであります。
#14
○岡委員 原子力局長にお尋ねいたします。現在、日本の民間の会社で原料物質の製錬、加工等について、すでに外国のメーカーその他との間に技術提携の許可がおりた会社はどれだけございますか。
#15
○法貴政府委員 技術的な問題でございますので、私から答弁さしていただきます。
 現在、国内メーカーで燃料関係で技術導入をいたしておりますのは、情報の技術導入をやっておりますものが、二、三ございます。それは、公社の東海村の製錬所の関係の技術導入でございます。これは、アメリカのウェンリッヒという会社から技術導入をやっております。それから古河鉱業と住友金属がやはり情報の技術導入をやっておりまして、古河鉱業はアメリカのカタリティック社というところから情報の導入をやっておりますし、住友金属は西独のデグッサから情報の技術導入をやっております。いずれも乙種でございます。
#16
○岡委員 その技術導入の内容というのは、製錬から成型、加工にまでもわたるものでございますか。
#17
○法貴政府委員 加工技術は含まれておりませんで、精製錬の段階まででございます。
#18
○岡委員 精製錬の段階まで、こうして民間会社が技術提携をやっておるという事実について、私は率直に申し上げまして、これは、やはり燃料公社が一本にやるべきものだと思います。と申しますのは、理事長のお話の、やはりこれが精製錬をされるということになれば、もう燃料物質として炉に挿入される一歩手前でございます。また、それを予定してのことだと私は考えるわけでございます。従って、これは、やはり現段階においては公社が一本にすべきものである、こう考えますが、理事長のお考えはいかがでありますか。
#19
○高橋参考人 製錬技術と申しましても、いろいろ種類がございます。ことに精製の問題について今問題になっておりまするが、アメリカ、イギリス、フランス等において現実に行なわれている方法は、いわゆる乾式法と申しまして、熱を利用して還元をやるというような方法が現実に行なわれて、今日の世界のウランの大半はそういう方法でできております。しかしながら、その経済性あるいは設備のコストの問題から見まして、私どもは、現にアメリカに担当者を派遣して詳しくいろいろ調査した結果、日本の場合には違った方式の方が有利じゃないかという結論に達しました。その方法と申しますのは、もともとはアメリカのオークリッジのナショナル・ラボラトリーで開発された仕事でありまするが、その方法は、アメリカと日本とは国情が違いまして、アメリカは濃縮ウランを作るために六弗化ウランが主体でありまするが、われわれは金属ウランがほしいので、それを作るには、しかも、スケールとして日本のような国情に適するには、われわれはアメリカで実際にいろいろ研究されたものと違った方法の方がよろしいのじゃないだろうか、こういう観点のもとに、湿式法による――具体的にいえば、電解還元による方法でございまして、乾式とは趣を異にいたしております。そういう新しい方法を公社は導入いたしまして、それを東海村に今実施しているわけでございまして、結果はお聞き及びと思いまするが、大体良好でございまして、製品は近く原子力研究所の国産一号炉に使われることになっております。そういうわけで、まだほかにもいろいろいい方法があるには違いありませんが、また、今後新たに研究される方法もありましょうが、われわれとしましては、当時最も日本的に適当と思われた方法を導入して、現にそれが製品まで出しつつある現状でございます。
#20
○岡委員 理事長としては御答弁になかなか御苦心もあろうかと思いますが、それでは、たとえば、昨年度、三十三年度の補助金で、民間の会社に製錬、加工等についての補助金はどの程度、どこへ行なっていますか。
#21
○法貴政府委員 製錬に関しましては、昭和三十三年に補助金がいろいろ出ておりますが、一つは、日産化学に燐鉱石からのウラン抽出ということで出ております。――年次別に申しますと、相当多数件数がございますが、どういうふうにいたしましょうか。
#22
○岡委員 何件ありますか。総額幾らですか。
#23
○法貴政府委員 日産化学に、燐鉱石からのウランの抽出ということで、二十九年度から三十三年度までにわたりまして補助金が出ております。それから、やはり燐鉱石を対象としましてラサ工業というところに三十一年度、三十二年度補助金が出ております。それから、三十三年度には三菱金属鉱業に低品位ウラン鉱の有機溶媒抽出ということで補助金が出ております。それから、カルシウム還元に関しましては、三十年度と三十一年度にわたりまして科研に補助金が出ております。それから、これは製錬そのものじゃございませんが、製錬に関係しまして、核燃料物質の精製に適した有機溶剤の研究ということで三十三年度に東芝に補助金が出ております。大略以上であります。
#24
○岡委員 製錬について政府の方が補助金を出す。なるほど、日本はウラン資源に乏しいのでございますから、民間の知恵、能力を動員するという方法を私はまっこうから否定しようとは思いません。しかし、一方においては、少なくとも、内外の情勢に変化がない現在はやはり核燃料物質については国の規制という方針で行こう、一方においては、この精製については、民間に補助金を出して奨励をするということになりますと、私は、原子力委員会の方針と、原子力局なり科学技術庁のやっておられることとの間には、事実において大きなずれがあるように感じられて仕方がございません。原子力委員会の御決定というものは、卑俗な言葉で言うと、ざるのような御決定ではないかということを感じますが、有澤原子力委員は前々からこの問題を扱っておられましたので、御所見をお伺いしたい。
#25
○有澤説明員 燃料の製錬とか加工の問題でございますが、原子力燃料公社を中心として現在この開発を進めておることは事実でございますけれども、他方におきましては、今申し上げましたように、民間の方にもこの問題についての技術の培養ということをやっております。それが何か今の核燃料物質の国家の管理という原則と相いれない点があるのではないかという御質問のように拝聴いたしました。燃料の製錬、加工につきましては、核燃料物質を国家の管理のもとに置きましても、これを委託加工あるいは製錬させるということも考えられます。現にもう規制法で、所有がかりに民間にあったといたしましても規制をされておるのでありますが、専売といいましょうか、公社が全部これを管理するといたしましても、公社の能力に余るものとか、あるいは能力以上の需要があるというふうな場合も考えられます。この問題は、公社に投資をしてやるがいいか、民間に投資して開発をするがいいか、むずかしい問題がありますけれども、国家が管理をやるといたしましても、委託加工ということは十分考える余地があるのじゃないかと思います。ですから、民間の方におきましても、そういう技術の開発を準備していくという方針は、やはり促進しておいてよろしいのじゃないか、こういうふうに考えられます。今の技術導入につきましても、民間の方では乙種じゃなくて、むしろ甲種を技術導入したいという希望はかなり強いものがありましたけれども、それはまだ時期尚早ではないか、まず、民間では乙種の技術導入によって十分研究を積んでもらった方がいい、こういう方針で、技術導入に
 ついても、それから補助金の支出につきましても、考え方としては、そういう考え方になっておる次第でございます。
#26
○岡委員 やはり法の建前、また、その法が成立した審議の過程から見ましても、ベストの方法は燃料公社がやるという方向が私は一番正しいと思います。しかし、民間の研究努力、研究能力をわれわれは否定するものでもございません。そこで、次善の策とすれば、そのような補助金の配分、その補助金を要求せられる技術の問題等については、燃料公社がむしろ委託する、こういう筋を通すことが妥当だと私は思います。この点について、公社としてはいかがお考えでございますか。
#27
○高橋参考人 原子燃料公社を大へん重く見ていただくということは、私非常に光栄に存じます。また、それだけの抱負は十分持っております。しかし、残念ながら、公社が創立後まだ三カ年しかたっておりません。その間、われわれのやりたいことは山ほどありましたけれども、何事でもそうですが、タイミングというものを十分考えなければあぶはちとらずになりますので、まず、最初にわれわれの考えたことは、国内資源の開発ということに重点を置きまして、公社創立直前から地質調査所のような機関が調査したことを引き受けまして、取るものも取りあえず、国内資源の開発に重点を置いて今日まで参った次第でございます。幸いにして、御承知の通り人形峠の鳥取県、岡山県、最近は秋田県、山形県等、各方面にきわめて有望な徴候が現われております。これは、皆様方の非常な御支援、ことに、この特別委員会が非常に力を入れていただいたおかげだと感謝しております。同時に、粗製錬の問題につきましては、これはきまった一定の世界的な方式というものがございません。これは鉱石に応じてそれぞれに適当した方法を研究してやるべき性質のものでございますので、われわれは、まず、現在やっておるような人形峠の鉱石を中心とした、日本的な技術の開発ということに重点を置いてやっております。それから、その次の段階の精製錬につきましては、先ほど申し上げました通り、これはわれわれ、すなおにアメリカの技術を導入しまして、それに日本的な条件を加味して、今技術はほぼ完成しております。ですから、いつでも必要とあれば生産に入り得る態勢になっております。現在まで三年間、私どもはこれらのことに重点を置いて参りました。しかしながら、これで決して満足しているわけではございませんが、あれもこれもと持ち込まれても、そこにどうしてもわれわれの力に限度がございます。ことに人的資源の問題につきましては、御承知の通り、今日は優秀な技術者得ることはなかなか困難でございまして、現に、ことしの応募成績を見ましても、はなはだ芳しくありません。その点においては、民間側は非常に力を持っております。これは長年の伝統もありますし、日本の国力はそういうところに大いに使われておりますから、やはり、もちはもち屋でで、鉱山技術に関することは民間の力を借りなければ、われわれとしてはどうにもできない現状でございます。しかし、そんなことを言ってはおられませんから、皆さんの御援助によってこれから大いに勉強して、りっぱにやっていきたいというのが私の信念であります。
#28
○岡委員 だから、たとえば、委託研究をさせるというふうなことは、やはり燃料政策の重要な一環でございますから公社を通じてやる、あるいは公社とも十分な打ち合わせの上に進めていくという態度が原子力委員会としてとられておらない。これは、公社の本来の使命にはずれているのではないかと私は思う。その点は、やはり理事長がもう少ししっかりしてもらわなければならぬ。それは何もかもやって下さいというのじゃないが、やはり筋は通すということです。と申しますのは、公社法の第一条に、「核原料物質の開発及び核燃料物質の生産並びにこれらの物質の管理を総合的かつ効率的に行い、」とあるわけであります。この条章について、当時科学技術特別委員会で、自民党の小笠君が当局に対してこれを具体的に質問している。効率的、総合的にやるというが、一体、それは具体的にどういうふうなことをやるのかはっきり書くべきじゃないかと質問しておられます。小笠君は、こう言って聞いておられます。「政府委員の答弁は管理法があることを前提としての説明である。本法第一条の目的において、開発、生産及び管理を総合的に行うということについては、管理法を前提にしなければとれないと思う。その場合には部分的な総合だと思う。探鉱から製錬までは可能でありましょう。しかし、他の経営者がやることを何ら禁止しておらないのであります。他の多数の経営者の存立を認めながら、なおかつ総合的に行うということを書いてある以上、それを確保する規定がどこにあるかという純法律的に私は伺っておるのです。」こう小笠さんが聞いている。そのときに島村君は、こう答えている。前は略しますが、「しかし、これは小笠委員がよく御承知の通り入れものの法律でございまして、一手に行いますとか、あるいは独占をやりますとかいうような実体の規定は、実体法に譲るのが適当であろうという考えから、さようにいたしておるわけでございます。」云々、こう答えているのです。ですから、やはりこの補助金を出してどういう技術導入をやるのか、日本の燃料の開発上、総合的な観点から見て、効率的であるかどうかというような判断は公社がやらなければならない。してみれば、かつての原子力委員会や原子力局が民間の経営に補助金を出して、その場合、公社はつんぼさじきにおられるということでは、公社法規定の総合的、効率的な燃料の管理ということはできないじゃございませんか。これは私は、高橋さんをとがめておるのじゃありませんが、やはり燃料の総合的、効率的な開発をやる燃料行政というものも、そのような形で進めていくならば、そういう問題についても、やはり公社を通ずるという原則をはっきり確立し、どうも公社が自分の力に余るから民間の委託研究にまかすというようなことは、積極的におやりになってもいいと思うが、それにしても、法律の建前からは公社を通ずる。公社がつんぼさじきにおられて、一方で勝手に民間の経営者の方に補助金を出して燃料の製錬までもやらせ、被覆材料の研究までやらせておるということならば、原子炉の燃料という前提で技術的な開発をやっていることになる。これに対して燃料公社が全くつんぼさじきにおられるということは、私は、燃料公社としてのあり方から見ても、また、これは日本の原子力政策という根本の立場から見ても非常に不可解です。これは過ぎ去ったことではありますが、この際、原子力委員長その他原子力委員各位は、この点、十分留意せられて運営していただきたいということを希望いたします。
 そこで、お聞きいたします。それは、コールダーホール改良型の天然ウランの燃料でございます。これは燃料公社が輸入を管理する建前で、現状はこの方針でいくということでございますが、燃料公社がおやりになることになりますか。
#29
○佐々木政府委員 技術上の問題のようでございますから、私からお答えいたします。原子力発電会社の燃料の、ただいまの契約の問題にからんでの御質問かと思いますが、三つの段階に分かれておりまして、一つはレター・オブ・インテンドという、燃料をごく確実に、量質ともに供給するというような契約、第二番目にはヘッド・オブ・コントラクトという、もう少し中身の若干ある予約的な契約をしまして、最終的な本契約は、炉の運転される一年前、従って今後三年以後くらいに結ぶというふうな三段階の建前にただいまなっております。そこで、先ほど岡先生からお話のありました閣議の了承事項あるいは原子力委員会の決定事項等から見て、英国から輸入する燃料は条約等の関係から見ても、公社あるいは国自体がこれを扱う契約の当事者になるのが当然じゃなかろうか、その関連問題かと思います。そこで、お説のように公社がこれを扱うのは、その決定事項の精神から申しますと非常に妥当な措置ではありますけれども、さて、現実の問題はどうかと申しますと、炉の設計あるいは炉の性能を確実に確保するため、たとえば、三千メガワット・デーというものを確保するためには、どうしても炉の設計、そういうものに最も熟達したものが研究したところでないと、燃料そのものがはっきり確保できないというふうな関係がただいまの段階ではございます。それじゃ、燃料公社の方で燃料自体に対してそれほどそういう設計なり運転の面から研究が進んでおるかと申しますと、必ずしもそうはいきません。検査技術等に関しまして、ただいまやっと公社独自で国家的な立場から検査できるような体制を整えつつあるような現状でございまして、実際の契約の主体ということになりますと、そういう細部の炉に関連した燃料の設計等が必要になると思いますので、そういう際には、どうしても原子力発電会社そのものがただいまの段階では交渉に当たるしか実は方法がないのでございます。そこで、その間の両者の調整をどうしたかと申しますと、まだ二番目に申しましたヘッド・オブ・コントラクトは締結しておりませんけれども、近く設置の許可でもおりますれば締結の運びになるわけでございます。それに際しましては、一条起こしまして、もし所有者がはっきりきまりました場合には、それに応じて原子力発電会社と英国の公社との取りきめた一切の事項はそのまま継承するという条項を入れまして――英国側でもまたやはり同じような条件があるようで、聞きますと、英国の公社は、今まで燃料の管理、製造を一手でやっておったわけでございますけれども、いろいろ国内に議論が起こりまして、もうぼつぼつ民間にそういうものをやらしたらいいんじゃないかというふうな空気が英国の中にも相当起きているそうでございます。従いまして、今後三カ年後に実際契約を結ぶという際には、英国自体がどうなるかわからない、こういうふうな情勢もありますので、そういう一条を入れるということはもちろんけつこうだということで、そういう一条を入れて、ただいまの段階では、さっき申しましたような実情から、原子力発電会社がみずから交渉の当事者になり、同時に契約の当事者にもなるけれども、その契約は、ただいまのような条件をつけて、はっきりした国の所持方式と申しますか、そういう体制等がさっき申しましたように整備してきた場合には、これは事情が違うことになるので、その場合には、今の閣議の了解事項のように、あるいは公社に持たすかもしれない。そういう場合には、そのままその条件は引き継ぐぞという条件をつけておるわけでございます。ただ、三年後になって、公社のいろいろな準備態勢が――もちろん進んで参りますが、一方、国際的な情勢等も、先ほど有沢委員からお話がありましたように、変わって参りました場合には、あるいは公社でなくて、そのまま原発が持った方がいいというふうな事態になるかもわかりません。しかし、それはそのときの情勢ということにいたしまして、ただいまの段階では、そういう一条を入れると同時に、公社の方は公社の方で、本来管理し得るような体制、言いかえますと、特に検査等に関しまして、ただいまからみずから力をつけるという体制を並行してやっていく、こういう考えで進んでおります。
#30
○岡委員 今年の春の閣議了解事項として、このコールダーホール改良型の燃料については公社に取り扱わしめる方針だということがあるのじゃないですか。
#31
○佐々木政府委員 先ほど岡先生がお読みになった了解事項はそうなっておるのであります。従いまして、公社に所有さしていくという基本原則は、もちろんその趣旨のままでよろしいかと思います。ただ、現実の問題として、公社自体が交渉に当たり得るかといいますと、現実の能力からいいまして、それはできない。そこで、やはり原子力発電会社が交渉に当たっていくということになりませんと、どうともならない。というわけで、原子力発電会社が交渉の当事者になっておる。しかも、所有権の問題に関しましては、実際の本契約を結ぶ際には、公社が自分が持つか、あるいは、そのときの情勢に応じて原子力発電会社が持つということをはっきりきめなければなりませんけれども、だれが所有権を持つかということは、一応建前上、三年後、四年後になって燃料が入ってくるわけでございますので、ただいまの段階では、原子力発電会社が交渉の当事者ではあるけれども、所有そのものがはっきりきまった際には、契約した内容というものは、それに無条件に引き継ぐぞ、こういう条項を両方で入れてやっているわけです。と申しますのは、英国側では、今度は日本と逆の条件でありまして、公社を民間に移すかもしれないというわけでございますので。
#32
○岡委員 佐々木君はなかなか話術の妙を得たことを言われるけれども、閣議了承というのは、やはり行政措置として決定しているのですよ。何も観念的な方針をきめたのじゃない、行政措置として公社に持たしめるぞ、ときめているのです。そうでしょう。三年後だからというので、君、紺屋の高尾じゃあるまいし、そんなことはだめですよ。それから、燃料公社は力がない、力がないとあなたは繰り返し言われるけれども、あなた方が作ったものですよ。あなた方が育てなければいかぬじゃないですか。それを、初めて今、これから少し大がかりな炉を入れようというときに、力がないからというような形、これは、あなた方としても大きな責任があるわけなので、その責任を燃料公社に転嫁するなんということは、これまた、どうも私どもは承認ができないのだ。
 それで高橋さんにお尋ねしますが、この春、原電の会社から代表団が行って、燃料の買付について交渉しておられますね。なるほど、三年後に本契約があるとしても、成型、加工、数量、金額、安全度など、全く実態的にはほんとうの契約にひとしいような契約がなされておるわけです。これについて燃料公社に何か連絡があったか、事後に報告があったか、そういう手続はとられましたか。あるいは、原子力発電会社から文書でちゃんとしたことがありましたか。
#33
○高橋参考人 文書では何も連絡はございません。
#34
○岡委員 そうなると、問題だと思うのですよ。ちゃんと閣議で行政措置として燃料公社に取り扱わしめるということをきめておる。一方では、その公社に何の案内もなく、そういう実体的な交渉は一応やってしまっておられる。やってしまったその上に、安全審査部会にもろもろの申請が出ておるわけです。それをもとにして安全かどうかということで、原子力委員会までが決定をしなければならぬことになる。燃料公社を差しおいて、事前に交渉もなければ、事後に報告もない、そういう形でなされた交渉というものは、法律的に見ても無効だと思うのです。こういう契約というものは無効だと思う。
#35
○佐々木政府委員 政府できめました事項は、何も原子燃料公社の所有というふうにはっきりしているわけではありません。先ほど申しましたように、国または原子燃料公社等の公法人の所有とするというふうな文面になっておりまして、何も燃料公社に持たすということをきめておったわけでも何でもないのです。ただ、そういうふうになるかもしらぬということは予想しておるわけです。そこで、ただいまの段階では、実際に英国の公社とそのいう燃料の細部にわたっての交渉をするのは、原子炉そのものの設計、安全性との関連等においてだれが一番妥当かと申しますと、何と申しましても、炉の設計あるいは運転等をみずから行なおうとする発電会社が一番いいのではないかと思うわけであります。従いまして、ここに交渉させるということは、今の段階ではやむを得ぬのじゃなかろうか。ただ、そういう際に、それでは国としてほうっておくのかと申しますと、これはそういうわけにいきませんので、実際の原子力発電会社の契約事項に関しましては、逐次条文等を持ってこさせまして、十分国としても検討し、内容的にも検討を加え、同時にまた、そのものに対する条件も、先ほどのような一項を加えまして、そして所有権のあり方というようなものが今後明確になって、国が所有するという場合には国で全部その契約をする、公社で所有するという場合には公社でするというふうにしておるわけでございまして、ただいまの段階では、まだ契約する前に国がこれを所有するということは別にきめたのでも何でもございません。英国側でも、ただいまの段階で、所有者はだれかということをきめておらぬでもよろしい、英国に対しても、今は公社であるけれども、将来はわからぬ、ですから、そういう一項をはっきり入れておけば、それで将来の処置としては十分であるというように考えておるのでございます。この点は、私どもも今までの閣議の了解並びに原子力委員会の決定事項等を英国側にも申し入れまして、英国側でも同じような事情があるということで、そういう一項を入れまして、ただいま交渉を進めておるという段階であります。従いまして、まだ所有権を国が持つということをきめなければ私ども交渉に入れないとかいうことでないのでありまして、その点は、法律的に違反だとか、閣議決定の違反だとかいう問題とは若干異なるのではないかと私は考えております。
#36
○岡委員 それは違うんじゃないかね。三十三年十月十四日の閣議了承事項として、三木国務大臣の御発言は、核燃料物質については、しばらくの間、原則として国または公社の所有とするよう措置する方針である、こうでしょう。ちゃんと公社というものを限定しておるわけですよ。また、国の所有にする、あるいは管理するということになれば、公社しかないわけです。公社が管理の権限を代行しているのですから、これは公社に限定しておると私どもは理解する。そうでしょう。ところが、そのきわめて実体的な成型、加工、安全度、数量、金額などの一切の交渉は、行政措置としてきめておりながら、公社に何の案内もなしに――一方で技術的な云々というような理由でやられることはいいのです。やられることはいいとしても、それは公社に取り扱わしめると閣議できめておる以上、無案内にやるという手はないじゃないですか。
#37
○佐々木政府委員 先ほど申しましたように、公社または国でありまして、その点は、公社というふうにはっきりきめておるわけではございません。それは、場合によっては公社の場合もありましょう、国みずからの場合もありましょう。従いまして、ただいまの段階では、国か公社ということはまだきめてないのであります。しかも、相手方も、国か公社というふうに、所有権が確実にこうなるということを今きめなくても、交渉の途中におきましては、要するに、交渉権さえはっきり持ったものであればよろしいということで、交渉権は原子力発電会社に与えておるわけでありますが、実際の、最終的な契約を結ぶというふうな段階になりますと、そうはいかない。ですから、その場合には、はっきり当事者、従って、英国との契約に基づくその燃料に対する所有権者がだれであるのかということをきめなければなりません。
#38
○岡委員 それは、かりに今予備交渉の段階である、それで技術的な専門家が必要であるということで、その技術的な専門家の一行が、しかも予備交渉として、内容は実質的な契約同様に、最も具体的な成型、加工の方法なり、安全度なり、数量なり、金額というものをとりきめておる。閣議では、国あるいは公社の所有とする方針をきめておる。だからして、局として、あるいは政府として、この四月にその予備交渉にロンドンへ行った諸君には、その代行する権限を与えてありますか。ちゃんと法律的に与えておるのですか。
#39
○佐々木政府委員 ですから、先ほど申しましたように、英国から入れる燃料をだれが所有するということを、まだきめてないわけでございます。ただ、国または燃料公社が原則として持つのが妥当であろう、しかし、将来情勢が変われば、必ずしもそうでなくてもよろしい、こうなっておりまして、従って、今日ただいまの段階で、その所有者は私である、だれそれであるというふうにきめなくても交渉はできます。しかし、実際の所有者は将来変わるかもしれない、交渉権を持ったその人とは変わるかもしれません、こういうふうに相手国には通告し、向こうでも、それでよろしいということになっておるわけであります。
 そこで、それでは交渉権はだれに与えたかと申しますと、これは、原子力発電会社の方から伺いにきまして、通産省と私の方で相談いたしまして、両省から、交渉権を原子力発電会社に与えております。ただ、原子力発電会社単独では、岡先生のただいまのお説のように、国が所有するというふうな原則もありまするから、単独にやらしておくというわけにはいかぬということで、御承知のように島村次長をその交渉にはつけてやりまして自後も交渉の過程においては常に政府と連絡させましてやっております。ただ、その際、なぜそれでは公社を入れないのかという問題に関しましては、先ほどから申しましたように、必ずしも公社ときめたわけではございませんので、ただいまの段階では、一応国が主体になって、実際の交渉は、この種のことに最も詳しい原子力発電会社に交渉権を与えまして、そこで交渉をやっておる、こういう格好になっております。
#40
○岡委員 しかし、あなたが百万べん言われたところで、問題は、国または公社の所有とするよう措置する方針である、こう行政措置として閣議が了承した。してみれば、この際、代行する機関とすれば、管理権は公社でしょう。だから公社がやる――国がやってもいいですよ。ならば、予備交渉とはいうけれども、全く実体的なとりきめをやっておられるような交渉については、お伺いを立てたからよろしかろうという、そういうものではないと思うのだ。やはり、きちんとして、国または公社を代行する者が授権されていかなければ正規な交渉ということは言えないのじゃないですか。正規な取りきめというわけにはいかないと私は思う。お伺いを立てられたからよろしかろう燃料公社にはその力もないからよろしかろうなどという便宜的なことで、こういう重大なことを取り扱われる。これは私は、技術庁としても大きな行政上の責任があると思う。そういうやり方をやっていいのですか。
#41
○佐々木政府委員 閣議了解をとりました事項にもとっているわけではないのでありまして、その通り実施しているわけであります。ただ、しからば、交渉するのに国自体が交渉しなければならぬかというと、そうではない。そこで、国または公社が所有するということになっているから、国あるいは公社みずからが交渉するのがあるいは至当かもしれないけれども、現段階においては、先ほど申しましたように、実際の設計あるいは運営等は原子力発電会社の細部の交渉をした人でないとわかりませんから、三千メガワットがどうとかいうような燃料の消費あるいはその保証問題――どの程度まで保証するのかという問題に関しましては、技術的に非常に高度な問題でありますから、そういう問題は、どこまでも原子力発電会社が交渉したらいいというので――もちろん、英国側も、だれが一体交渉に当たり、その所有等はどうなるのかということは再三念を押しています。そこで、閣議の了解はこうなっています。従って、所有の問題に関しましては、ただいまの段階では閣議了解通りです。しかし、政府あるいは公社が交渉に当たるかと申しますと、これはその炉を使用する原子力発電会社がみずから交渉に当たる方が一番実情に即して間違いなかろうということで、原子力発電会社としてやる、相手方も、それでけっこうでございますということで交渉を進めておるのでございまして、私は、別に閣議了解事項にもとっておるというふうには考えないわけであります。
#42
○岡委員 だから、実際問題としてはそのように取り扱われるということをどうこう言うのじゃない。だが、国または公社の所有とするという方針を閣議が了承しておる以上、やはり国あるいは公社を代行する権限を持ったものでなければ、予備交渉といえども当たるべきでないと私は思う。お伺いを立てた、よろしかろうというようなことで、局長の印鑑だけではいくまいと思う。やはり国あるいは公社を代行する権限を付与されて、初めてこれは申請書に書かれる。あと問題がなければ、ほとんどあのままのものでこの炉が入ってくるわけです。そういう成型から、加工から、金額から、数量から、安全度に関して、あるいはバーン・アップに関して実体的な取りきめをさせるならば、国あるいは公社を代行する者が行くべきだ。だから、国または公社を代行する権限を与えなければ、この交渉はできないと私は思う。これは民法の学者に聞いてみると、やはりそう言っておる。だから、その契約は無効だとさえいえると言っておる。ただお伺いを立てたからよろしかろうでは済むまいと思う。これは非常に重大な問題なのですが、中曽根委員長は居眠りをしているから、有澤先生にお伺いをしたいと田ふう。
#43
○中曽根国務大臣 いや、聞いています。お答えいたします。
 燃料公社の役割でございますが、やはり、これからの技術の進歩とか、それから燃料公社が日本の国内でどの程度の仕事を引き受ける能力が出てくるとか――当面は試掘あるいは資源の探査に非常に力を入れております。そういう面も考えてみて、将来は考えなければならぬと私は思います。現在は国または公社という弾力的な文章になっておりまして、国家が原電あるいは燃料公社等をにらんで、国家が中核体になってイギリス側との交渉もいろいろ監督したりしている状態で、今決定的に右の通路へ行けとか、左の通路へ行けとか、交通巡査が差配してしまう段階ではまだないように思うのです。従いまして、この炉の建設の状況、イギリス側の状況の変化等も考えまして、将来考えていくべき問題であると考えております。
#44
○岡委員 そこまでの話は、さっきからしておるわけです、その後のことをさっきから僕も繰り返し申し上げているけれども、不幸にして委員長は居眠りしておられたものだから、私は有澤さんにお聞きしたわけなんです。こういう取り扱いは、私は法律の専門家じゃございませんけれども、聞いてみると、きわめて違法だ、ああいう契約は訴訟にすれば無効になり得る性質のものだと極言している人もいる。原子力の外国との折衝の中で、国家がそういう大きなあやまちを犯すようなことが今後もあってはならない。そういう点、先ほどから私が繰り返しお尋ねしておる点について、どういうふうなものでしょうか、率直な御見解をお示し願いたい。
#45
○有澤説明員 法律上の契約の問題は私よくわかりませんけれども、この燃料につきましてほんとうの契約ができますのは、やはり三年後ぐらいに本契約ができるときだと思います。それまではレター・オブ・インテントにしましても、いずれも予備段階の交渉のもので、交渉が一歩々々固まっていく、その過程だと思うのです。ですから、国または燃料公社の所有とするというこの問題がいよいよ現実に問題になりますのは、その本契約が結ばれるときであろうというふうに考えております。それまでは予備交渉を、これは国がやる、あるいは公社がやるのが正常なやり方だと思いますが、しかし、今、佐々木局長がお話し申し上げましたように、これにはいろいろな技術的な問題点もたくさんありますので、そういう点で直接交渉に当たらせるのは原子力発電会社、それを十分監督もし、また、いろいろな指示もしていきますのは、私たちそれをやっておるつもりであります。お説の通り、燃料公社の方には連絡が十分ついているとは言えませんけれども、今の段階では、この問題はやはり国がやっていけばいいのじゃないか、こういうふうに実は考えてやっております。今、法律的にいいまして契約が無効になるかどうかということは、私もよくわかりませんが、しかし、正式の契約が本式の効力を持った契約になるはずでございますから、そのときには、今までの閣議了解が続いておる限りは、お説の通りの処置をとらなければならないのじゃないか、こういうふうに考えております。
#46
○岡委員 私が申し上げておることは、一応閣議で、この所有が国または公社である、こういう了承がされておるわけです。そうしてみれば、予備交渉の段階であろうとも、その交渉に当たられる方々は国または公社の権限を代行するものである。してみれば、代行するものとしての正規な手続がとられなければならぬ。ところが、それがとられておらない。言いにくいことですが、原子力委員会は、やはり総理府に付置される委員会として売春対策審議会なんかと同列になっておることを私はいつも憤慨して、ここで申し上げておる。売春防止法がざるであるように、こういう大きなざる、穴を残しておるようなことは、私は、日本の将来の原子力政策のためにきわめて不明朗である、こういう点は、ぴしっとけじめをつけなければいかないということを申し上げておるわけです。これは委員長、私は将来のこともありますので、やはり、一つこういう方面の専門の法律的な意見をぜひ委員会としても聞いていただきたい、そうして、今後そういうことのないように、きちっと折り目を正しくして原子力政策を進めていく、こういう点は委員会としても大きな関心事でありますので、この際、ぜひ一つそういう点を聞く機会を作っていただくようにお願いをいたします。
#47
○村瀬委員長 この点につきましては、理事会に諮って善処いたしたいと思います。
#48
○中曽根国務大臣 原子力委員会は、設置法に基づきまして審議決定するという権限があるのでありまして、売春対策審議会は、多分あれは諮問機関だったと思いますが、あれとは性格が異なっております。従いまして、同列に扱わないように願います。
#49
○村瀬委員長 他に御質疑がなければ、参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。
 高橋参考人には、御多用中まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 これより討論に入る順序でありますが、別段討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#50
○村瀬委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。
 本案につきまして岡良一君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者よりその趣旨説明を求めます。岡良一君。
#51
○岡委員 附帯決議の主文を朗読いたします。
   核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案に対する附帯決議
  政府は、わが国における原子力の研究、開発を進めるにあたっては、国際原子力機関を通じて、必要とする情報、燃料等を入手するようにつとめ、機関の権威と機能をたかめるべきである。
  このようにして国際原子力機関の強化に伴い、現行の双務的諸協定は国際機関との協定に移しかえるよう努力することを要望する。
  右決議する。
   昭和三十四年十一月十九日
 その理由は、この本文の通りでありますので省略させていただきまして、どうか委員の皆さんの御賛同をお願いいたします。
#52
○村瀬委員長 以上をもって趣旨説明は終わりました。
 これより採決を行ないます。
 核燃料物質の加工の請負に伴う外国人等の責任の免除等に関する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#53
○村瀬委員長 起立総員。よって、本案は附帯決議を付することに決しました。
 この際、附帯決議に対する政府の所信を求めます。中曽根国務大臣。
#54
○中曽根国務大臣 御決議の御趣旨を体しまして、努力いたしたいと存じます。
#55
○村瀬委員長 ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○村瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#57
○村瀬委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち、地震予知等に関する件につきまして、来たる二十七日の本委員会において地震学会会員宮本貞夫君及び東京大学教授松沢武雄を参考人とし、意見を聴取いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○村瀬委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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