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#1
第033回国会 運輸委員会 第2号
昭和三十四年十一月四日(水曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 平井 義一君
   理事 天野 公義君 理事 生田 宏一君
   理事 木村 俊夫君 理事 關谷 勝利君
   理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君
      高橋清一郎君    塚原 俊郎君
      長谷川 峻君    三池  信君
      村瀬 宣親君    菊川 君子君
      杉山元治郎君    館  俊三君
      山田 長司君
 出席政府委員
        運輸政務次官  前田  郁君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 細田 吉藏君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (自動車局長) 國友 弘康君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十四年度運輸省関係予算補正について説
 明聴取
     ――――◇―――――
#2
○平井委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十四年度運輸省関係予算補正について、政府当局より説明を聴取いたします。前田政務次官。
#3
○前田(郁)政府委員 災害関係の予算措置について御説明申し上げます。お手元に資料を差し上げておきましたから、ごらんを願いたいと存じます。
 御承知の通り鉄道、港湾、海運その他につきまして、非常な災害をこうむったわけでございまして、まず災害復旧費といたしまして、施設等の被害は台風十五号関係が四億六千五百三十六万一千円、その他が五千二十八万三千円、合計五億一千五百六十四万四千円でありまして、これらの災害復旧については、既定経費の充当、流用または予備費使用によるものとして、一部三十五年度概算追加要求を行なうことといたしております。
 それから災害対策費といたしまして、気象庁に台風を観測し、高精度かつ適切な予報を行なうため、室戸岬に気象用レーダーを新設するための必要な経費を要求いたしました。これが三千四百六十万二千円でございます。また台風襲来時における高潮予報を実施するため、東京、大阪、名古屋の三カ所に無線ロボット検潮儀を設置するための必要な経費をば六百五十三万一千円要求いたしました。合計四千百十三万三千円を補正予算において要求しておるのであります。
 公共事業といたしまして、港湾公共事業費については、次の通り予算補正要求を行なっております。第一に伊勢湾高潮対策事業費の一部を補助するために必要な経費といたしまして、五億八千万円を要求いたしました。それから昭和三十四年の豪雨及び台風等により被災した港湾施設の災害復旧工事とあわせて一部改修工事を災害関連事業として施行するのに必要な事業費の一部を補助するための必要な経費が、三千三百七十五万三千円であります。次に昭和三十四年の豪雨及び台風等による湾港施設の災害復旧事業費の一部を補助するための必要な経費が、四億八千七百六十三万六千円、既定の港湾事業付帯事務費の追加が六十八万円、計十一億二百五万九千円を要求しておるのであります。以上でございます。
#4
○平井委員長 今の予算要求に対して事務当局に何か御質問はございませんか。
#5
○井岡委員 災害予算直接関係費だけをお話しいただいたのですが、今度の十五号台風で、非常に私鉄その他の災害が起こって、昭和二十五年、三十六年、あの時分の災害あるいは二十九年の災害、三十一年の災害、そういう場合に私鉄事業に対して、復興ができないものに対する補助金等を出しておるわけですが、今度の場合そういう措置をとるかどうか、その点を一つお聞かせ願いたいと思います。
#6
○細田政府委員 今回の災害によりまして、私鉄、特に近畿日本鉄道、名古屋鉄道が大きな災害を受けておるのでございますが、そのほかにも中小の私鉄でかなり被害を受けております。災害の復旧に対する補助金の法律は、ただいま御質問にございましたように、できておるわけであります。今回の災害につきましては、この条件に当てはまらない。実は近鉄あたりは、冠水のためにまだ開通しておらぬというような実情でございますが、あの法律の趣旨は自力で災害復旧ができないというものに対して補助をすることになっておりますので、今回は補助の対象に入らないという見解でございまして、融資のあっせんその他につきましては十分の措置を講じたい、かように考えております。
#7
○井岡委員 それはおそらく今度の災害が、名古屋鉄道であり、あるいは近畿日本鉄道という大きな会社だから、当然そういうことだろうと思ったのですが、融資のあっせん等については特段の措置を講じていただかないと、かなり莫大な費用を要するんじゃないか。同時に、単に融資のあっせんというだけでなくて、長期にわたる借款計画のようなものを当然会社当局も出すだろうと思うのです。特に名古屋鉄道にしても近畿日本鉄道にしても、最近の当該地方における交通事情の緩和のために、別に、たとえば近畿日本鉄道は名古屋――中川間ですか、これを広軌にするというような計画でもって、かなり大きな資金投入をはかっておったやさきでもあるから、それらのことを考え合わせまして、この点についてどういうお考えを持っておられるか、それを聞いておきたいと思います。
#8
○細田政府委員 ただいまおっしゃいました事項が端的に現われておりますのは、たとえば名古屋鉄道につきましては、日本開発銀行から四千五百万円の融資を希望いたしております。近畿日本鉄道にいたしましても約三千万円。このあと少し小さくなりまして、三重交通は百三十万円、福井鉄道は百万円、あとは百万円台かそれ以下になります。大きなものは名古屋鉄道、近畿日本鉄道の二つでございます。開発銀行の融資ということは、すなわち長期で低利の金を借りたいということでございまして、これらの点につきましては、具体的に私どもの方で、鉄道監督局があっせんの仕事を進めておる次第でございます。
#9
○井岡委員 名古屋鉄道で四千五百万円、近畿日本鉄道では三千万円。とりあえずの措置としてはこれでよろしいかと思うのですが、しかしこれだけでは、あの大きな災害にはどうにもならぬ。焼け石に水というよりは、全く大きな湖の中へ石ころを投げたような格好で、とうてい十分満たし得ないんじゃないか、こういうようにも考えるのですが、これらの点についてさらにお考えがあるかと思いますので、もう少しお聞きいたしたい。
#10
○細田政府委員 近畿日本鉄道につきましての三千万円といいますのはさしあたっての金でございまして、あの冠水いたしましたものを直していく。これにつきましては、国有鉄道も近畿日本鉄道も、どれくらいな金がかかって、どういうふうにするかという点につきましては、まだはっきりした計画が立っておらぬようでありますので、その点は今後の問題として考えなければならぬ。もっと大きな金になるのではないか、かように考えております。
#11
○久保委員 今のお話に関連して、二十八年度災害では地方鉄道の補助関係といいますか、そういうもの以外に自動車関係もあったように思いますが、今回はどういうことになっておりますか。
#12
○細田政府委員 ちょっと御質問の趣旨がわからないのでございますが、自動車につきましては、補助金を出すというようなことは考えておらなかったわけですが、前回の台風の災害では――融資のあっせんについてのお話でございますか。
#13
○久保委員 融資のあっせんでなくて、前回二十八年には、私鉄の関係でバスを一括してやったのですか。
#14
○細田政府委員 自動車局長からお答えいたします。
#15
○國友説明員 二十八年の災害のときには、自動車関係も特別立法の中に入れたのでございますが、今回は被害の大きさから申しまして、特別立法の中に自動車関係は入れておりません。
#16
○久保委員 この自動車関係の復旧というか復興については、中小企業金融公庫その他で扱うことになるのですか。
#17
○國友説明員 融資のあっせんにつきましては、中小企業金融公庫その他関係の金融機関に対しまして、融資あっせんの依頼状等も出し、具体的にもあっせんすることにいたしております。
#18
○久保委員 それから国鉄の復旧予算、追加予算というか、そういうものが出ておらぬようでありますが、資金手当その他についてはどういうことになっておりますか。
#19
○細田政府委員 国有鉄道の今回の十五号台風の災害は、先ほど申し上げましたように、関西線につきましてはまだ不明なところがございまして、一部推定が入っておりますが、大体四十七億の被害であると算定されております。それから八十五号以前のものも全部含めまして、大体災害関係が八十六億というふうに算定いたしております。もっともこの四十七億が全部年度内に完成できるかどうかという問題はございますが、いずれにいたしましても八十六億、そのうち十五号台風が四十七億ということでございまして、非常に大きな金になるわけでございます。これに対しまして補正予算を組むべきであるといったことで要求を出したわけでございますが、予備費が五十億ございますので、その予備費の使用、それから既定経費の節約並びに流用、それから本年度は予算の収入見込みに対しましてかなりの増収も見込まれておるわけでありまして、補正予算を出すことなく、本年度の所要の経費はまかなえるという見通しがつきましたので、補正予算を提出いたさないということにいたしておる次第でございますが、来年度の予算といたしましては、十分その点を考えていかなければならぬということでございまして、今まで出しておりましたものはかなり大幅に変更する必要があると思う次第でございます。
#20
○井岡委員 そうしますと、今の国鉄予算で、特別な予算措置を講じない。いわゆる国鉄内部でやるということですが、五カ年計画がかなりおくれておる。その理由として資金その他の調達が思うようにいかないということと、予定した収入が上がってこない、こういうようなことが先般の当委員会での国鉄当局からの御説明であったと思うのです。そうしますと、今度のいわゆる国鉄内部でやるということになりますと、一そうそういう問題に対する資金が枯渇してくるのじゃないか、こういう点で五カ年計画との関係をどういうようにお考えになっておるのか。その点をお聞かせ願いたい。
#21
○細田政府委員 五カ年計画が御承知のようにおくれております。本来三十四年度は第三年度でございますので、三十四年度を終わりますと、大ざっぱな数でございますが、六〇%程度のものが五カ年計画のうちにできなければならぬのであります。大体五〇%程度しかできない、こういうことでございまして、あとの二年度でこれの取り返しをしなければならぬという問題があるわけであります。
 ただいま収入が伸びなかったというお話がございました。これは三十二年度からの、特に三十三年度が非常に悪かったということでございまして、今の三十四年度の、私が増収がかなりあるということを申しましたのは、先生のただいまのお話の問題とはちょっと別な問題でございます。全体として五カ年計画が始まりまして以来の収入の伸び方が予定しておったよりも伸びなかったということでございまりす。
 それから外部資金の導入が十分でない。それから経費が増高しておる、五カ年計画当時より、べース・アップとか、いろいろな問題があって増高しておるということでございます。この災害で、ここでやりくりをいたしますれば、それは五カ年計画をさらにおくらせるものではないかということでございます。率直に申し上げまして、ある程度おくれざるを得ないことになるかと思います。そこで私どもとしましては、三十五年度、三十六年度でこれを取り返すべく三十五年度予算に思い切った財政投融資をお願いするということを考えざるを得ないというような状況でございます。国鉄の場合には、一般会計の予算と違いまして、一般会計でございますと、財源を別なところへ求めて、それが収入の大部分であるわけでございますが、国有鉄道の場合は増収の方法といってございません。災害自体も減収の要素でございます。そういたしますと、何としましても資金運用部の資金か、あるいは鉄道債券を発行する以外には方法がないわけでございます。補正予算等を組むといたしますと、この問題につきましては、特に資金運用部の資金が非常に窮屈でございますので、結局は公募債に求めざるを得ない。公募債につきまして、現在のところ余力がなかなかございません。そこで問題は三十四年度から三十五年度へつながってくる問題でございまして、これを先に公募債でとれるか、少し伸びていくかというだけの問題に実はなると思うのでありまして、あるいはお答えにならぬかもしれませんが、三十五年度の財政投融資のワクを思い切って大幅に広げていって五カ年計画のおくれを取り戻すということで考えていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
#22
○井岡委員 これは来年のことですから、今のお話をそのまま了承していいわけですが、来年度、再来年度にかなり大幅の財政投融資を考える、こういうように申されておるわけですけれども、国の全体の予算から考えてみると、そう多く期待するわけにはいかないのじゃないか、こう思うのです。そういう点から考えて、この際思い切って日鉄法による政府資金、いわゆる借入金を資本金の勘定の中に繰り入れる、こういうようなことの措置を講ずるならば、かなりその利子等の関係から一面カバーもできる問題があるのじゃないか、こう思うのです。そういう措置を講ずるような考えをお持ちであるかどうか、この点をお聞かせいただきたい。
#23
○細田政府委員 国有鉄道の予算は、この災害の問題を別にいたしましても、すでに御承知の通り、五カ年計画を一方で遂行し、東海道の新幹線を着工いたし、また建設線も相当やっていかなければなりませんし、経費の増高もあるということで、三十五年度の国有鉄道の予算というものは非常にむずかしい場面にきていることはもう厳然たる事実でございます。そこで単に財政投融資をふやしていく、資金運用部の資金なりあるいは公募債、利用債、そういうものをふやしていくという一本やりの考え方だけでは三十五年度の予算は非常にむずかしいということを考えるのでございます。災害が起きてこれはますますむずかしくなっておると思うのでございます。
 そこでただいまお話がございました、前から懸案になっております問題、これはただいま御質問がございました点一点だけではございません。そのほかにもいろいろ問題がございます。たとえば建設線の金をどうするか、利子補給とか政府出資といったような問題も建設審議会等でも出ております。それから今の借入金あるいはそれの利息の支払いがだんだん上がってきております。これをどうするかという問題。それから収入の面におきましても、先般来国会でも非常に問題になっておりますが、国有鉄道の負っておりますいわゆる公共負担、これは国鉄の想定によりますと、年間五百億あるということでございますが、こういった公共負担についてどう考えていくかといったようないろいろな問題が収入の面、支出の面、両方にあるわけでございまして、それらの点を総合的に判断をいたしませんと、三十五年度の国有鉄道の予算は非常にむずかしいものになってくるということでございますので、ただいまお話がございましたような点につきましてもいろいろ検討はいたしております。ただ現在補正の段階でございますので、そういった根本問題をいろいろ議論していくのには時間的にも余裕がございません。そこで三十五年度の本予算につきましてはあらゆる角度から国鉄の財政健全化のためにどうしたらいいかということで検討をいたしているところでございます。
 そのほかに、申し落としましたけれども、新幹線の世銀問題等もからんでいる。そういったいろいろな国鉄の財政上の問題を総合的に勘案してりっぱな三十五年度予算を組んでいきたいというふうに考えております。
#24
○井岡委員 先ほどのお話では三十五年度、六年度には、残った五カ年計画を遂行するために大幅な財政計画を立てなければならない、こういうように言われておったわけです。そこで問題は、今おっしゃったようなことを考慮しつつ、国の財政計画を考えてみますと、三十五年度というものは今度の台風による被害があまりに多かったために、これらの問題はかなり重点的にものが考えられるのじゃないか。そういうふうになってくると、国の財政計画から非常に窮屈にならざるを得ないと思うのです。そこでたとえばその一端として、そういうものが考えられるかどうか。同時にまた公益負担という問題が、かりに五百億あるとして、公益負担等の問題をここで是正しようとするならば、当然物価の値上がりということも考えなければならないし、同時にまた、その場面からのかなり強い反発というものも出てくることは、これは必定なんです。そうなると、考え方としては一応の理解はできたとしても、現実にはそれはできないということになりはしないか、こう思うのです。そこで今補正の段階であるからそういうものを直ちに考えるのでなくて、本予算のときに十分にやるんだ、こういうことでありますが、私は少なくともこういう段階を通じて国鉄の再建なりあるいは健全化なりのための一つの考え方というものを打ち出しておかないと、結局ほかの方に食われてしまって、にっちもさっちも動かない、そうして結局予算面だけのつらを合わすということになりはしないか、その結果、公募債をとるとしても、公募債の消化が困難であったとかなんとかという、これまた常に申しわけを言わなければならぬという結果になる可能性というものがあるように思うのです。そういうものが絶対ないということであれば、私は決してこんな問題を持ち出そうとは思いませんが、しかしそういう傾向があることが予想されるので、この際はっきりりその点をお聞かせいただきたい、こう思うのです。
#25
○細田政府委員 実は私の所管ではないのでございますが、三十五年度の予算は大丈夫りっぱなものが組めるというふうには私は考えておらないのでございまして、確かにおっしゃるように非常に憂慮すべき事態であります。従いまして、そうであればこそいろんな角度から根本的に検討しなければならぬということでございまして、これは自信があってりっぱなものができるのかというお尋ねでございますと、これから単に予算の折衡以上の問題が実はあるわけでございまして、非常な苦しい立場でございます。しかし最善の努力を払いたいという考え方でございます。
#26
○前田(郁)政府委員 一つ皆さんの御後援を得て大いにりっぱな予算を組みたいと思っておりますから、どうぞよろしくお願いいたします。
#27
○久保委員 この問題はあまりきょうやるつもりはなかったのですが、井岡さんからお話が出たのでちょっと申し上げます。官房長のお話、実はわかるようでわからないのです。来年度でせいぜいやるということでありますが、来年度は普通の状態でも大へんだということは御承知の通りであります。だから災害で洗いざらいの財源を全部投入してしまう、それでも足りなくて既定経費を削ってやっていくということになりますれば、来年度あるいは三十六年度といったって、五カ年計画は普通の状態でもむずかしいと思う。だからここでいわゆるこの災害に対する手当をもっと強力にやるべきではなかったか。私の言いたいことは、おそらく八十六億のその半分にしても、何とか手当をして、来年度以降の負担を軽くしていくということにならぬと大へんな問題だと思うのです。どうなんです、今から間に合うのですか。間に合わないだろうと思うのですが、今からやるつもりはあるのですか。
#28
○細田政府委員 確かにおっしゃる通り本年度の補正をいたしますればそれだけ来年度は楽になるということは言えるのですけれども、財源として、では何を求めるかということになりますと、公募債以外考えられない。公募債を今年度募集するだけの力が全然ないということは言えないのですが、わずかばかりの公募債を、たとえば三億とか五億とかというようなことをやってみましても、結局は来年度の余力の問題にも響いてくる問題であります。そこで端的に申しますと、一般会計の予算とは性格が違いますので、どこから金を持ってくるかというところに問題があるわけでございます。そこでやはり根本的な国有鉄道のいろんな問題を検討していかなければ金が出てこない、こういう事態だと考えますので、そういった点、来年度の問題、いろんな点を総合判断いたしまして補正予算を提出いたさないということにいたしたわけでございます。
#29
○館委員 災害予算に対する不服があるのです。今災害対策委員会でも聞いてきましたが、この議論によると室戸岬のところだけにレーダーをつけるという話であるが、これは非常に不徹底だと思うのです。金がないということでありますればそれまでのことでありますが、函館山にレーダーをつけるということが非常に大事だということが洞爺丸事件の惨害のときにすでにやかましくいわれておった。私もあの当時非常にやかましく言った。(どういうわけであれをつけなかったか。ことに九月の十四号台風のときたは十和田丸と摩周丸がほとんど洞爺丸事件のときと同じ状態になってようよう函館に入港しておる。その風の方向もあの洞爺丸のときと同じような風の方向に行っておる。それであるから私は今度こそは函館山に気象用のレーダーがつくものだと思っておった。新聞にも函館山の気象用レーダーについては運輸省として考えておるという報道が出ておった。七月ごろにすでに函館山のレーダー基地について調査に来ていらっしゃ、る。これが今度載っておらない。私はくどいことは申しませんが、洞爺丸事件の惨害のとき、それから今度の五年目に出た九月十八日のあの十四号台風でひどい目にあっておる。あの連絡船を運輸省がかかえておって、国鉄がかかえておってあれを再び繰り返すようなことが九月十八日にあった。あの船に私も乗っていたのです。四時間半の航海を十八時間かかってようようにして着いておる。あのときにおける船長のつらがまえなり乗組員全員の必死の努力というものはあなた方にはわからないと思う。どうして函館山に気象用レーダーをつけなかったか、運輸省としてこれを大蔵省に要求したのかしないのか、これをお聞きしたいと思う。
#30
○細田政府委員 先ほど前田政務次官から説明がありました本年度の災害関係予算措置の中のいち1のロの災害対策費でございますが、気象庁の室戸のレーダーと高潮いわゆる検潮のための無線ロボット検潮儀を設置する予算、これに関連いたしまして実は私どもの方ではわずかに四千万円ばかりの程度ではなく、もっと大幅の要求を出しておる。ところがこれは在来の災害復旧費の考え方とはやや違うものでございます。今までの災害復旧の考え方は災害で被害を受けたところを直すという考え方の予算が補正等で組まれるのが通常であります。さらに積極的にこれを防止するということになりますと、これは大蔵省流に言いますと、本予算の方で組む、こういうことでありまして、なるほど本予算でいろいろ要求を出しております。従って本予算の問題であるからこれは全部やめてもらいたいという意見が非常に強かったのでございます。そこで私どもとしましてはそれでは困る、今からやっておかなければ来年の台風に間に合わないものもある、こういうことでいろいろ折衝したのでございますが、結論的にはわずかに四千二百万円ばかりのものがついたということにすぎない結果になっております。しかし、積極的な対策を立てる経費まで補正で組むという柱が一つ立ったことは、今度が初めてだと私どもは考えております。もちろん函館につきましても要求はいたしております。また引き続きこの(ロ)に属します対策の経費につきましては、すでに三十五年度予算として要求しておりますほかに、追加で要求を出し直す、さらに増加して出すということで、大蔵省もこの点については本予算でいろいろ御相談しようじゃないか、とりあえずはこれ二つにしておいてくれということで、さようなことになったのでございます。問題は結局私が申しました時期が間に合うのかどうかということでございます。本予算でとりまして、それを来年の台風までに何とか間に合わせていくというようなことで今後予算折衝をいたしたい、かような考え方でございます。
#31
○館委員 これは理屈からいえば今当面する災害対策のうちに入らぬかもしれぬ。しかし理屈で通る問題ではない。洞爺丸事件のときは、千二、三百名のお客さんを殺してしまっておる。五そうの船を沈めた。さらに乗り組み船員だけで、あのときに三百五十何名か死んでいる。そういう惨害のときに、あわてて皆さんが気象設備についてやかましく言っている。私もやかましく言ったが、それっきりになっておる。日本海に定点観測がほしいというのに、そういうこともできていない。あそこの気象台のお話しを聞きますと、台風が日本海に入った時分には、対馬海峡ではアメリカのジェット機によってこれを通知してくれる。しかしまん中に入った時分には、ほとんど観測の筋がないということを言っておる。ウラジオストックやパバロフスクの気象通報も、空電そのほかによってあのときは聞こえなかった。本州からの気象通報は、ほとんど太平洋岸のものが多い。そこで十四号台風のときは、十八日の午前三時にあそこを台風が通過するという通知で暴風雨警報を出しておった。そこで連絡船はその晩とまってしまった。ところがその朝の七時になって、強風注意報に変更になっておる。そして出帆したところが、そうじゃなくてあのような騒ぎになってしまった。台風が寿都沖を通過したというような話し、それはちょうど洞爺丸事件のときと同じ格好になって、非常な騒ぎになった。そういうときになって、私が調べてみますと、函館の海洋気象台ですか、それの施設その他は洞爺丸事件のときの施設その他と少しも変わっていない。無線の設備ができたとか、あるいは監理局と気象台の間に電話ができたくらいのことであって、そのほかは、あそこの気象台の人がいかに努力をしましても、それ以上の気象通報を出す施設的関係が完備しておらない。これは運輸省でも十分に御承知のことだと思う。あそこの気象台の従業員の人たちが悪いのではない、政治の施策が悪いのであるということは、洞爺丸事件のときに私はすでに明らかに言っている。それに今室戸のところだけをつけるということは、非常に不服だ。これは私は地元であるから言うのではなくて、あそこを往来する旅客に与える脅威というものは非常なものなんです。これはどうしても復活して、あそこだけはつけていただきたい。運輸省としても七月に調査したということを私は聞いておる。腰が弱いといわなければならない、私はそう思います。高潮の観測についても、あそこの気象台の予報係長に聞くと、高潮の観測をする設備もできておらないと言っておる。人命に関する問題なんです。あの地方の農村、漁村も非常にやられておる。漁船の被害も非常に多い。しかも零細漁民の被害が非常に多い。これは何とか考え直して、大蔵省にもう一ぺん折衝をやっていただきたい。たった四千万円くらいのものを持ってきてもあそこの施設をやるわけにいかない。それが一本の柱を立てたとおっしゃるけれども、来年の台風に間に合うか合わないかというようなものの考え方では私は困る。もう一ぺん折衝し直していただきたいと私は切にお願いする。これで終われりということであっては困る。
#32
○前田(郁)政府委員 よく御趣意はわかりましたから……。
#33
○平井委員長 村瀬宣親君
#34
○村瀬委員 来年度予算を大蔵省に要求される場合において、運輸委員会においてもこの点について強硬な意見があったということを了承していただく意味において、私は二、三お尋ねをいたしておくのであります。
 今、官房長から、災害防止は本予算で要求すべきだという大蔵省の意見であったから、来年度は本予算で大いに要求するのだというお話がありましたが、実は科学技術振興対策特別委員会の理事会等におきましても、この災害防止につきましては科学的総合的な観点から、あとから追っかけるのではなくして、先に進んで災害防止の対策を講ずべきだ、それに対する施設はどうすればよいかということをいろいろ審議をいたしまして、この今回のとりあえずの災害復旧に関連する災害対策に対しましても、科学技術関係として五、六億円のものを要求してもらいたいというような話も出たのであります。そこで今の函館山はもちろん必要でありますし、またここに決定を見ております室戸岬もむろん大事で効果があると思うのでありますが、先ほど私が申しました観点から言いますならば、函館山や室戸岬はまだ近過ぎるのでありまして、ほんとうに早く、災害防止の観点から気象状況をキャッチいたしますためには、少くとも鳥島くらいまで施設をしておきませんと、ほんとうの効果は出しにくいと思うのでございます。来年度要求にあたりまして、官房長のところではどの程度まで外洋に進出して施設をやろうというお考えであるのでありますか、承っておきたいのであります。
#35
○細田政府委員 実は本日気象庁が参っておりませんので内容のこまかい点につきましては御説明いたしかねますが、今回の問題から一応出しております来年度の予算のほかに、六億二千四百万円追加要求をいたすことになりました。なお鳥島の問題につきましては、具体的にどうするかという点につきまして気象庁で研究いたしておる段階でございますが、この六億二千四百万円には鳥島の問題は入っておらないと思います。
#36
○村瀬委員 台風をいかにして科学的に食いとめるか、あるいは方向を交換さすかという点につきましては、これが日本のようにたびたび台風に襲われます国柄といたしましては、基礎的な最も重要な問題と思うのでございますが、オランダとかイギリス等におきましては、すでにその研究は完成をしたといわれておるのであります。たとえばある一つの化学薬品を海岸で燃やしまして、莫大な人工雲を作ってそれを台風に当てますと同時に、その付近の海面一帯に油を流しまして、表面張力の関係で水位を一メートルばかり下げる。そういたしますると、そこで台風は急激に勢力を弱めてしまって、ほとんど陸上へはその被害が及ばないというようなことが、アメリカ、オランダ等で研究済みだといわれておるのであります。ただ日本を襲いまする台風と、アメリカ、オランダ等の台風の相違点は、その中心点となりまするところに非常な熱を持っておるのが日本を襲う台風の特徴であり、また非常に湿度が高いという点が、アメリカ付近に起こる台風と性質を異にしておるところでありまして、アメリカ、オランダで成功した方法を、直ちに日本近海に持ってきて成功するかどうかということは、それはなお研究の余地があると思うのでございますが、少なくとも海上において雨だけを降らしてしまうというようなことは、ある程度実現する可能性があるわけであります。もっとも雨は日本にとっては電源その他の非常な資源でございまするから、雨がなくなったら電力で困るということになりますると、これはまたそういう処置をしてもらったのでは、かえって日本の国富が減るということになりまするから、いろいろむずかしい問題は生じまするけれども、一応台風をどのようにして海上で勢力を弱め、あるいは方向を転換させ、あるいは雨の大半を海上に降らしてしまうというような研究は、もう今から当然始めねばならないと思うのでございますが、官房長のところで来年度大蔵省に要求なされようとしておりまする分は、そのような根本的な方策にまで及んでいられるのでございましょうか、お伺いいたします。
#37
○細田政府委員 科学的な災害防止対策の基礎研究を振興しなければならぬということにつきましては、お説の捕りだと考えるものでございまして、現在の施設なり人員なりで活用し得る限りの科学的な方法で気象警報等の防災活動を活発に実施する、同時に基礎となる研究を強化しなければならぬ、こう考えるのであります。そこで私どもの方の予算といたしましては、気象研究所を強化いたしまして、台風研究部というものを一応設けるということで、予算並びに人員を要求いたしておりまして、これは三十五年度の中へ人っております。先ほど申し上げました六億二千四百万円の中へ入っておるわけであります。
 それからそのほかに、私専門家でございませんのでよくわかりませんが、台風の方向を変えるとか分散するとかいうようなことは、諸外国でいろいろ研究はあるようでございます。ただ私どもが聞いておりますところでは、まだ決定的な、これならば絶対に間違いないといいましょうか、絶対にいいというものもできておらないようでございます。いずれにいたしましても、こういった点で気象庁なりあるいはそれに付属いたしております気象研究所がやらなければならぬ仕事が非常にたくさんあるということにつきましては、もう異論のないところでございますし、私ども省内でもいろいろ気象庁からそういった点につきまして要求を受けております。ただ予算でございますので、何にまつ先にかかるべきか、何を重点的に取り上げるべきかというような点につきまして、いろいろ相談をいたしました結果、一応でき上がっておりますのが三十五年度の要求でございます。それで、私どもの方の大臣の意見もそうでございますが、起こりました災害から比べますと、気象庁の予算、かりに要求をまるまるやりましても、実は災害で起こる被害額から考えますと大したものではございません。こういったことから災害を防止し、これを的確に把握して予報を出し、警報を上す仕事こ思い切って金を出してもらいたい、こういうことで今までもだいぶ気象庁の予算は年々上がつってきてはおりますけれども、その程度の上がり方では遅々としておりますので、思い切った増額を来年度はぜひお願いしたい、かように考えておる次第であります。
#38
○村瀬委員 私は運輸省が大蔵省へ要求する上において、これを大いに支持し援護する意味でお尋ねいたしておるのでございますので、もうこれで打ち切りますが、今この六億二千四百万円という数字が出たのでありますけれども、これは三十五年度で何十億とかこういう問題に要求をしておった上に、この間の災害が起こったから六億二千四百万円を加えるのだということに了承をいたしてよろしいのでありますか、どうでございますか。そうといたしまするならば、その六億二千四百万円を加える前にどのくらいの要求をなすっておったのでございましょうか。
#39
○細田政府委員 お説の通り、六億三千四百万円は今まで出しておるものの追加であります。追加といたしまして、今度の災害にかんがみまして、緊急に追加要求を出すことにいたしたわけでございます。当初は、先ほども申し上げましたように、補正で要求いたしたわけでございますけれども、本予算をとれぬということで、それでは追加を認めてもらいたいということで追加として出したものであります。
 なお本予算につきましては、ただいま調べまして、正確な数字について後ほどお答え申し上げたいと思います。
     ――――◇―――――
#40
○平井委員長 陸運に関する件について調査を行ないます。質疑の通告があります。これを許します。關谷勝利君。
#41
○關谷委員 土井委員が白ナンバー共済タクシーについて御質問をするという予定になっておったのだそうでありますが、私、それに関連してお尋ねしておきたいと思っておったのでありますが、きょうすぐ答弁をしていただくという意味ではありません。私が次の委員会で御質問を申し上げたいので、それまでによく御調査の上で答弁のできるようにしておいていただきたいために、私、その答弁のできるような資料を次に御提出を願いたいというのでお願いをしておきます。
 白ナンバー共済タクシーというのが京都、横須賀で横行をしておるということでございますが、まずその横行しておる状態を資料をもって次に御説明を願いたいと思います。
 それと、特に京都、横須賀がはなはだしいというのでありますが、それは何か特別な地域的な原因があるのかどうか、その点を一つ伺いたいと思います。
 なお、そういうふうな特殊事情があるとするならば、それに対しまして特殊な取り締まりをしておるのか、運輸省がとっておる取り締まりの状況並びに警察当局がやっております取り締まりの状況等を詳細に御報告を願いたいと思います。
 なお東京都におきましても、例の共済タクシーでありますか、これがもうやらないと言うておったのが、また公然とやるのだというふうなことで声明をしておるそうでありますが、その実情と、これをどういうふうにして取り締まるのかという、その取り締まりの状況を御報告願いたいと思います。
 なお、私たちが見ておりますと、この取り締まりがいかにも徹底しないというふうな感じを受けるのでありますか、これが徹底しないところの原因はどこにあるのか。もし道路運送法に欠陥があるのならば、どういうふうなところを改正したらいいのか、道路交通取締法に欠陥があるのなら、それをどういうふうに改正をしたらいいのか、どうすれば完全な取り締まりができてこういうふうな状態を撲滅することができるというふうにお考えになっておるのか。なおまた、こういうふうなことがいろいろ問題になりますと、需給のアンバランスというふうなことでよくいわれるのでありますが、需給をどの程度にしたならば、そういう地域でもこういう状態がなくなるというふうにあなた方は考えておられるか、これは実際やってみなければわかりませんが、推算でけっこうであります。次の委員会において上井委員もお尋ねするそうでありますが、その際に、私もこれらについてなお詳細御報告を受けた上で御質問を申し上げたいと思いますので、その資料を一つ作っておいていただきたいと思います。
#42
○國友説明員 資料につきましては、検討を加えまして用意をいたしたいと存じます。白ナンバー・タクシーの取り締まりにつきましては、現在行政処分をいたし、告発も進めまして、全国的には取り締まりを鋭意進めておりますが、今、先生から資料要求のございました京都、横須賀等については、また特別に資料を用意いたしましてお答え申し上げたいと思います。
#43
○關谷委員 けっこうです。
#44
○平井委員長 次会は来たる十一日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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