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1959/07/06 第32回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第032回国会 逓信委員会 第2号
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1959/07/06 第32回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第032回国会 逓信委員会 第2号

#1
第032回国会 逓信委員会 第2号
昭和三十四年七月六日(月曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 佐藤洋之助君
 理事 進藤 一馬君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 片島  港君 理事 小松信太郎君
   理事 森本  靖君
      椎熊 三郎君    武知 勇記君
      塚田十一郎君    寺島隆太郎君
      粟山  博君    渡邊 本治君
      小沢 貞孝君    大野 幸一君
      金丸 徳重君    風見  章君
      栗原 俊夫君    原   茂君
      松前 重義君
 委員外の出席者
        郵政政務次官  佐藤虎次郎君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  松田 英一君
        郵 政 技 官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  岩田 敏男君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      甘利 省吾君
        日本電信電話公
        社営業局長   大泉 周蔵君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
七月二日
 委員正力松太郎君辞任につき、その補欠として
 寺島隆太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
七月三日
 一、郵政事業に関する件
 二、郵政監察に関する件
 三、電気通信に関する件
 四、電波監理及び放送に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
七月二日
 電話加入質権の実施に関する陳情書(東京都北
 区上中里町一の一四太田財政研究所長太田政
 記)(第一六九号)
 地域団体加入電話の適用に関する陳情書(東京
 都北区上中里町一の一四太田財政研究所長太田
 政記)(第一七〇号)
 姥屋敷部落に農村公衆電話架設に関する陳情書
 (岩手県岩手郡滝沢村長沢目岩治郎外一名)(
 第二三七号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵政事業に関する件
 電気通信に関する件
 電波監理及び放送に関する件
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。森本靖君。
#3
○森本委員 それでは電気通信監理官がおられますので聞きたいと思いますが、この委員会において前の大臣、政務次官に対しまして私の方から国際通信の基本的な路線というものをどうするかということについて郵政省としては早く確固たる政策を発表したらどうかということを前々から言っておりましたが、たまたま本年の五月の七日に郵政省から太平洋横断電話ケーブルの問題についての発表があったわけであります。前から私はこういう問題があるならば委員会を通じて明らかにしてもらいたいということを要請をしておったわけでありますが、新聞発表になりましたので、その新聞発表を通じて聞いてみたいというふうに考えておりますが、この太平洋横断電話ケーブルの問題については、一体政府当局としてはどういう考え方を全部について持っているか、一応そのあらましを御説明願いたい、こう思うわけです。
#4
○松田説明員 お答え申し上げます。
 海外電気通信政策の問題につきましては先般来御質問を受けておりましたし、それに対していろいろと私ども考えて参りますにつきましては、外部の経験者と申しますか、そういう方面のよくわかっておられる方の御意見を聞く必要があるというふうなことで、実は郵政省といたしましては郵政審議会にそういった電気通信関係の問願を検討していただくというつもりでこれに一つの部会を作りまして、そこで検討していただくということで準備を取り進めている次第でございます。それと実はただいま御質問になりました太平洋ケーブルの問願でございますが、これは実はエカフェとITUの会議が五月四日から十五日まであったわけでございますが、このときのITUのプラン委員会というところでいろいろと問願になる事柄を私ども想定しておりましたときに、去年の九月にイギリスのコモンウェルスと申しますか、連邦と申しますか、つまり世界的にイギリス系統の国を海底同軸ケーブルでずっとつないでその緊密化をはかっていくのだという計画が昨年の九月に発表になりまして、これの完成は十年後ということになっておりましたが、とにかく昨年カナダのモントリオールでその会議がございましてその結果が発表になったものでございます。その経路といたしましては当然カナダからオーストラリア、それからシンガポールあるいはインドを回りましてアフリカからイギリスに行くというふうな形をとっておりますし、今度のアジアの方では世界的な電気通信幹線網というものがアジアの部分に関連してITUのプラン委員会で議論されるということが当然の議題であったものですから、そのことが当然問題にされるであろう、そうなればその際にいろいろと電気通信の問題が議論されるであろうから日本もこれに対して当然何かの発言をしなければならないというふうなことで、一体太平洋のケーブル関係はどういうことで考えられていかねばならないか、ことにアメリカは太平洋に対する日本から考えて見ますれば対岸でございますし、それがどういう意向を持っておるかというふうなこともわれわれかねがね心配しておったわけでございます。そこでアメリカ側といろいろ接触しておりました結果、アメリカのATT、すなわちアメリカ電信電話会社が国際電電と接触を持ちまして、海底同軸ケーブルの問題についてとにかくお互いに話し合ってみようというようなことで、もちろんこの問題はまで話し合ってみようという状況でございまして、それ以上に深く立ち入るということはなかなかむずかしい問題ではございますけれども、とにかく五月にITUの会議があるということをめどといたしまして、ここで何か日本としてもまたアメリカとしても黙ってイギリス側のケーブルというものができることを見過ごしておることは問題であろうというふうに考えられました結果、結局五月の八日でございましたか、大体次のような新聞発表をしたわけであります。それは太平洋横断ケーブルの可能性について、今のアメリカ電信電話会社と国際電電との間で瀬踏み的な論議がなされた。そして今までいろいと国際電電あたりでも研究しておったのでございますれども、そういう日本とアメリカの間の通信あるいはアジア全体とアメリカとの通信というふうなことを考えました場合には、当然電気通信の量というものが非常に近い将来においても画期的にふえていくので、今のような短波無線だけではとうてい世界の大勢に追いつけない、そこで、新しい電話ケーブルはアメリカとヨーロッパの間においてもうすでに開始されておりますし、またアメリカからハワイまでの間においても引かれており、さらにアメリカとヨーロッパの間においては、第二、第三と、同じような計画が進められておりますが、そういうものは当然アメリカと日本との間でも必要になるだろう。もちろんそういうものが必要ということは考えられ、望ましいとは考えられても、では、さていつごろになるかということはなかなかむずかしい問題であるけれども、通信量その他を考慮いたしました場合には、これから五、六年くらいたったらそういうものが多分必要にもなり、また引ける状態にもなるだろうというふうなこと。それからこのケーブルをもし引くという場合にも、それは現在あります短波の無線というものに置きかわるというのではなくて、短波の無線と同時にその役割を果していくというふうに考えていくべきものだろうということ。それからこのケーブルが引かれる場合の大体の形でございますが、これは結局現在ヨーロッパとアメリカの間のケーブルというものが行われておりますが、やはり現在の世界的な一つの傾向というものによっていくのがいいのではないかということで、これはどういうことでやられているかと申しますと、アメリカとヨーロッパ――アメリカ側はアメリカ、カナダがございますし、またアメリカ単独の場合もございますが、それに対してヨーロッパは幾つかの国が向うの端に連なるということで、お互いにアメリカ側あるいはヨーロッパ側の国の間で必要とする回線数というものを適当に考えて、この回線数の比率に従ってお互いに経費も出し合うし、運営費も分担する。従って通信料金というものはあくまでも両方の国の間は折半していく。昔のように海底線の持ち分、あるいはどこの国が引いたかということで、陸揚げ部分だけの料金がそちらに行って、料金の大部分は引いた国の方に取られるというふうなシステムは、今の世界的な行き方ではないというふうなことに大体ヨーロッパとアメリカの関係は処理されておりますので、同じようなことで処理されるべきだろうというふうに一応考えた次第でございます。
 それで引く場合にはどんなケーブルがいいかということでは、現在ヨーロッパとアメリカの間で引かれておりますのは三十六回線とれる方式で、二条の海底同軸ケーブルを引っぱっておりますが、これはもっと技術的に進め得るし、進めなければならないものである。従って、一本のケーブルを引いて、それで双方の通信ができる、しかもそれは現在の三十二回線に対して百回線あるいは場合によっては技術的に進んだ方式をとればそれ以上もとれるだろうというようなものを考えていきたいということ。それからこのケーブルはもちろん日本とアメリカの間の通信だけに使われるのではなくて、将来日本から南アジアの方に通信幹線ができた場合には、その通信幹線と結び合うことによって日米間のケーブルを通って南アジアの国とアメリカとの通信というものにもこれは提供されるであろうというようなこと、大体そういうような事柄がお互いに話し合いの状況として示されまして、しかし、これはもちろん瀬踏み的な相談でございますから、なおこういった適当なケーブルというものを将来建設するというために、さらに検討を進めていくというような、非常に具体的な内容は持ちませんが、日米間の海底ケーブルというものを引く必要があり、さらにこれを検討していこうというだけの状況でございますので、その通りを発表して、ITUのプラン委員会にわれわれは臨んだわけであります。その結果、プラン委員会といたしましてもその状況を考慮いたしまして、一方においてはイギリス系統のケーブルというものをプラン委員会の中において触れますと同時に、このケーブルについても触れる。さらに日本と東南アジア方面のケーブルあるいはマイクロウエーブどちらによるかわかりませんが、とにかくそういう通信幹線網、そういうものに触れる。もちろんこれはそういったものが将来の問願として考えられるという程度のことで、具体的にこういうものをこういうように引くのだという計画までは参りませんし、またそういうものをITUのプラン委員会でも期待しておるわけではございませんので、将来の問題としてこういうことが考えられるという程度で、そういった問題が触れられてプラン委員会は終ったという形になっておる次第でございます。
#5
○森本委員 かなり詳しい説明がありましたけれども、答弁の要点のところがちょっとぼやけたようなところがありますので、私は一つ一つ聞いていきたいと思います。
 まずこの海底ケーブルを引こうという考え方のようでありますが、その海底ケーブルを引くという場合には、一体どういうコースをとって引くのか、一つ御説明願いたいと思います。
#6
○松田説明員 実は経過地点のこともこれからの研究問題でございまして、今では何も経過地点はきまっていない。私ども希望いたしましたのは、このケーブルが日本をそれてどこかの国へ行ってしまうのではなくて、日本が相手国になるということを希望しておりましたので、その点はここでやや明確になっておる。日本へ来るまでの経過地というものは技術的にいろいろ検討も必要といたしますし、まだ全然きまっていない、これからの問題であるというふうになっております。
#7
○森本委員 そうしますと、この海底ケーブルを引くということについては、日本が希望するということよりも、アメリカの方がもっと希望しておる、こういうことです。だから日本の方が積極的でなければ、アメリカは現在の英連邦のいわゆる通信網と直接つなぐ、こういう考え方ですが、そうならそれで勝手に向うでやってもらってもけっこうなんです。
#8
○松田説明員 そこのところはなかなかむずかしいところでございますが、こういう話し合いがまとまってきているということは、日本側もアメリカ側もそれを要望しているという結果でございますけれども、私どもは日本の立場から考えました場合には、世界の通信網というものが日本を通らないで、よそを通ってしまって、日本にはその支線だけが寄るというような形は日本の電気通信界としては感心しない形であるというふうに考えております。
#9
○森本委員 だから私が聞いておるのは、アメリカ側の希望に対して日本がこういう希望をしておるということでなしに、日本は日本としてのこういう通信政策を持っており、こういうふうに連絡をしてもらいたい、こういうことであるならば、日本は日本としての南方を通って、グアムを通って、ハワイを通ってという一つの考え方がある。だから私はアメリカの考え方を聞いておるのではなくて、日本政府はこの海底ケーブルについてどういう考え方を持っておるかということを聞いておる。だからアメリカはアメリカとしての考え方があろうけれども、日本政府としてはこの海底ケーブルを引く場合にはどういう経路を通って引くことを考えておるのかということを聞いておるのです。
#10
○松田説明員 海底ケーブルの経過地につきましては、実は相当実測もして考えてみないと、なかなか経費のかかるものでございますし、ただ一がいにこのルートということをあらかじめきめてかかるわけに参らないと思いますので、今後その点は大いに検討して参りたいというふうに考えております。
#11
○森本委員 これは、一応検討しても、あなたの方は、実際に布設する場合には、いろいろ測量もしなければならぬし、何もしなければならぬけれども、一体どこを通っていくかということについては、大体の机上プランというものがあろうと思うのです。日本の小笠原なら小笠原を出て、グアム島ならグアム島に行って、それからハワイを通って向うのサンフランシスコに行くなら行くという一つの日本のプランがあると思うのです。一九六〇年にこれをつけるなどという新聞発表をしているけれども、何もなしでは間に合いませんよ。だから私は、一ぺんに聞くとあなたの方でごちゃごちゃ説明するから、一つ一つ順序を追って聞いておるわけであって、まずあなたの方の海底ケーブルというものについては、どういう順序を追って布設するかということを聞いておる。その次には、どういう内容のものを布設するのか、こういうふうに順番を追って説明を聞いていかぬと、ただ長いことだらだら説明を受けていると、聞いている方もわからぬことになるのですよ。今言ったように、どういうコースをたどるかということをまず最初に聞いておるわけです。あなたの方の机上プランでもいいのですよ。
#12
○松田説明員 机上プランといいましても、実はその問題につきましては一応このケーブルというものが今の話し合いそのままにいくといたしましても、一九六五年見当というところでございますから、それまでの間にそういったどういう経過地をたどれば一番いいのかということを検討して取りかかるわけでございまして、現在、私どもとしましては、こういったルートがいいという具体的な案はまだ持ってないわけでございます。
#13
○森本委員 そういたしますと、これがアメリカまで完成をする予定は一九六五年ですか。
#14
○松田説明員 それも五年ということをはっきりきめているわけではございませんで、そのときの状況によって、あるいは四年になるか、五年になるか、六年になるか、両方の話し合いのところでは、六〇年代の中ごろというふうな話になっておりますので、はっきり五年ときめたわけではないのであります。
#15
○森本委員 それではこの海底ケーブルを引く目的というものを個条的に言ってくれませんか。
#16
○松田説明員 海底ケーブルを引きます目的といたしましては、現在の短波で、アメリカとの間あるいはその他との関係も、ほとんど海外通信を実施しておりますが、一つには、短波というものは性能がある程度限られておりまして、良好な質の通信というものはどうしても限界がある。ところが海底ケーブルの方は非常に質が良好で、現在の通信から見れば、非常に良質の通信路が得られるということが一つ。それからもう一つは、現在の短波のものでは、いろいろと技術の進歩によって若干ずつ通信路をふやすことは可能で、またそれをやっておりますけれども、しかし画期的に通信量がふえ、ことに最近新しい通信方式が進歩して参りまして、テレックスとか、あるいは電話とかそのほかの航空通信に対する要請に応ずるとか、いろいろな面で新しい通信方式を、しかも多量の通信を期待される時期がきつつある、そういった多量の通信をはかっていくということになれば、短波ではもう間に合わなくなる、そのために、多量に通信路のとれる方式を考えなければならない、こういうところが、大体において海底同軸ケーブル方式による必要がある理由だと思います。
#17
○森本委員 そうすると、これは良質の通信ができるということよりも、現在の無線通信では、その使用回線がもう限界にきておる、これ以上ふやす場合においては、やはり有線の海底通信を開始しなければならぬということが、理由の一つというよりも半分以上占めておる、こう解釈してもいいのですか。
#18
○松田説明員 その両方がやはりからみ合うわけでありまして、また両方とも目的とする。一つには、たとえばこれはヨーロッパとアメリカの間のものもそういう例だったのでございますが、通信の質が必ずしもよくなかったために、今度の海底ケーブルの方式をとったところが、非常に質がよくなって、そのためにうんと通信量がふえたという実績も現われておる次第でございます。そういうことから、質がよくなるということも量がふえるということも両方からみ合って、こういった海底ケーブルというものを世界的な傾向として生み出しつつあるという状況だと思います。
#19
○森本委員 そうすると、今の日本のアメリカとの間における無線通信の電信回線、電話回線は一体何チャンネルあるわけですか――すぐわからなければ、時間の関係がありますので次に進みますが、このケーブルはどういう種類のケーブルを引こうと考えておるわけですか。
#20
○松田説明員 回線数はちょっとそらで覚えておりませんので、あとでまたあれするといたしまして、この方式といたしましては、一条で双方向型のケーブルということになっておりますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、現在までやっております海底同軸ケーブルの方式は、二条引っぱっておりましたが、それを一本引っぱって一本で両方向の通信ができるというケーブルの方式を考えております。
#21
○森本委員 そうすると、これはやはり三十二回線、こういうことですか。
#22
○松田説明員 一本ではありますが、前よりも非常に進歩いたしまして、百回線くらいはとれるだろうという話でございます。
#23
○森本委員 岩田監理官の方で調べてわかると思いますが、先ほどの、アメリカと日本の現在の無線の回線は何チャンネルあるわけですか。
#24
○岩田説明員 お答えいたします。電信回線が七回線、加入電信回線が十三回線、写真電信が一回線、電話が八回線、専用線が十四回線であります。
#25
○森本委員 最後の専用線というのは何の専用線ですか。
#26
○岩田説明員 国内の専用線と同じように、専用線でございます。
#27
○森本委員 専用線を具体的に説明してくれ、こういうわけです。
#28
○岩田説明員 航空関係の回線があります。
#29
○森本委員 航空回線だけですか、この十四回線の専用線というものは。
#30
○岩田説明員 主として航空回線と思いますが、詳しいなには今わかりかねます。
#31
○森本委員 これは一般の民間の会社等に専用に貸しておる分ですか、それとも安全保障委員会等によるところの日米の軍事目的に使っている分ですか、どっちですか。それもたしか何回線かあるのだ。
#32
○松田説明員 日米の安全保障協定によって貸している分はないと思います。
#33
○森本委員 今聞きますと、全部で何本になりますか、合計で五十回線でも足らぬわけですが、そこで百回線できるということになると――一九六五年ですから、その当時になるとかなりできると思いますが、そのときになっても無線は全廃するというわけじゃないでしょう。今のやっている程度の無線はやはりやる、こういうことになるわけじゃないですか。
#34
○松田説明員 その通りでございまして、海底ケーブルができたから無線をやめるということでは、短波というものを日本が兼営しているというとなにですが、持っているわけでありますから、それはそのままにして使って参りたいと思っております。
#35
○森本委員 そうすると、この百回線の有線ができるということになりますと、これは現在の無線の量がそのまま倍にふえたとしても、百回線のうちの五十チャンネルを使えば、一九六五年でも大体上々ということがいえるわけですね、今の通信量から見ていくと。そうすると、残りの五十チャンネルくらいが余ってくるということになるわけですが、これは具体的にどういうプランを持っているわけですか。
#36
○松田説明員 この点につきましては、実はどれくらいが日米間の通信の量として使えるかということは、確かにそのケーブルに具体的に手をつけますときになればはっきりとめどをつけなければならないと思いますが、今ではなかなか数年後の情勢というものははっきりとこうだという予想もいたしかねるわけでございます。しかし、いずれにしましても、まずこの百回線を全部初めから使うということはあまり好ましくない。将来の余裕のためにもとっておかなければなりませんし、それからここで考えられておりますのは、何しろ太平洋という長距離のところをこのケーブルが渡るわけでございますから、むしろこのケーブルを通って東南アジアとの連絡というものが考えられる。従って東南アジアの国が、アメリカあるいはアメリカを経由してどこかよその国と良質の通信をする場合には、それに対してこのケーブルを利用させるということも考えておくという見地でございます。
#37
○森本委員 今の説明では この百チャンネルとって、将来それがどうなるかということについては、経済の見通しその他国際情勢等からして、今すぐここでどうこうという答弁はなかなかむずかしいと思うが、しかし岸総理あたりも本会議で十カ年後には月給を二倍にすると言っており、長期経済計画というものを政府は立ててやっておる。そういうものとあわせてこういうものをやっていかなければ何にもならないわけであって、実際問題としては、具体的には、経済企画庁の長期経済計画に見合って、こういう通信政策については今からこうこうこういうふうになっていくという説明ができるのが政府の義務です。また説明ができなければいかぬわけです。それを先ほど来のあなたの答弁を聞いていると、まだちっともはっきりした固まったものがない。しかし一応国際会議の関係もあるので新聞には発表した、こういう答弁でありますが、そうすると、もしかりに東京からアメリカまでの海底同軸ケーブルを引くということになれば、この建設資金は総額でどのくらいの見積りですか。さらにこの建設資金を日本とアメリカとがどういうふうに折半をしようとするのか。またこれの維持についてはどういう形になっていくのか。日本はこれをどこが取り扱うことになるのか。
#38
○松田説明員 ただいま森本先生の言われましたように、確かに私どもも、この問題を発表する時期というものは、もう少し具体的にいろいろと考え方をまとめてからするのがいいというふうに考えたことは考えたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、何分にもこのITUプラン会議という時期に、日本側で何も自分に関する計画を言わないで、イギリス系の国の世界を回る海底ケーブル網のみが表面に出て、東南アジアの国というものがそれを非常に頭の中に植え付けられるということは、私どもとして感心しないことだと思いましたので、こういった発表もしたわけでございまして、ただいま森本先生の御質問のような点につきましては、われわれとしてまだ具体的に考えていないではなはだけしからぬということを言われますと、まことに申しわけないわけでございますが、問題のどれくらいかかるかという点につきましては、これは従来のケーブルのままで計算いたしましたときには、サンフランシスコとハワイの間のケーブルというものは、日本の金にして大体百三十億くらいかかっております。それから距離が、サンフランシスコとハワイの間に対しまして、ハワイと日本の間は約倍になるというふうな見当から考えまして、まず従来の方式でいけば百三十億の倍、二百六、七十億というものがハワイと日本の間にはかかるという計算にはなって参ります。しかしこのごろの新しい一条のケーブル方式でどれくらいかかるだろうかという点はまだ算定ができないのです。多分安くなるだろうという話もございますが、どれくらい安くなるものか、あるいはそう安くならないものか、その辺も現在の段階でははっきりしていないわけです。それからそれについて、では日本側がどういう工合にこれを調達をするのかということも、これも具体的な計画に当ります場合までにはきめなければならない問題でございますが、今度の発表はそこまでのことを考えて発表したわけではございませんので、今こうするということを私どもとしてはまだ言い得ない段階になっております。ただこの場合に、先ほども申し上げましたように、このケーブルは利用する程度に従って負担し合うということでございますから、日本がこのケーブルをその時期までに利用する限度というものを考えまして、その限度において日本が負担をする。簡単にいえば、たとえば日本がこのケーブルの半分だけを利用して、あと半分は南方のアジアの国に利用させるのだというふうなことで考えるといたしますれば、日本は全体の経費の四分の一、つまり半分をアメリカ側で持ちまして、こっち側の半分のうち日本側が利用するのを日本が持つ、従ってあと四分の一は南方のこれを利用したいという国でこれを持つという形になりますが、それがない場合にどうするかという問題もございますし、従ってまだ具体的には申しかねる段階でございます。
#39
○森本委員 それはどこがこれを負担してどういうふうにするということもきまっていない、こういうわけですか。それからどういう考え方であるということも言えぬわけですか。
#40
○松田説明員 具体的な問題といたしまして、ここはこういうふうに調査していく、こういう形で臨むということは、今の段階としてははっきりきまっていないのであります。ただ現在の法律体制で考えれば、国際通信であるから国際電電が当っていくのだということも言えるかもしれませんけれども、そう簡単に言っていいかどうかも私としては今はっきりは申し上げることができないのであります。
#41
○森本委員 そうすると、この資金の捻出その他についても全然きまっていない、昭和二十四年五月七日に発表したのは、国際会議があるので、とにかくそれに対して日本も何らかの意思表示をしておかぬと工合が悪いというので発表したのであつて、内容については全然まだ具体的な検討には立ち至っておらぬ、こういうことになるわけですね。
#42
○松田説明員 その問題についての検討は逐次進めつつあるわけでございますが、具体的結果としてはきまっていないのであります。
#43
○森本委員 そうすると、これは日本の将来にとっては非常に重要な問題ですが、あなたの方は問題をそらして答弁をしておるのかどうか知りませんけれども、何もきまっておらぬ、きまっておらぬが国際会議に一応日本としても海底ケーブルについては発表しておかなければならぬということで発表した、この程度のことであるという今の回答でありますが、ただしかし、私が見たところによりますと、国際電電の中にはすでに日米海底ケーブル委員会というものを設置をして、そうしてこの委員のメンバーが全部会社の重役がなっておる。そうして各部の次長が仕事に専務をしておるというふうな実情であるということについては私の方でも承知をいたしておりますが、あなたの方ではこれを承知をしておるわけですか。
#44
○松田説明員 私どもも大体そういうことで検討しているという話は聞いております。具体的にこういったことでこういう詳しい状況を聞いておるわけではございませんが、その程度のことは承知しております。私どもとしては、国際電電が当然国際通信というものの責任を負っている会社でございますから、こういう問題に、もちろん関心を持たなければならないし、そのためにいろいろと検討をしていく、そのための組織も整える、それは非常にけっこうなことだと思っております。
#45
○森本委員 それからこの海底ケーブルが何かアメリカ側の軍事目的あるいはまた将来の日米安全保障条約の改定問題にもからんでくるわけでありますが、そういうふうな軍事目的にも関連をするというふうなことはないのですか。
#46
○松田説明員 この問題をアメリカの電信電話会社と日本側が各方面といいますか、電電公社も郵政省も国際電電も連絡をとって臨んでおりますが、一応国際電々が向うと窓口になって交渉してきたという経緯につきましてはあくまでも商業的な基礎の上に立ってということで検討しておりますので、そのほかのことは私としては要請は受けておりません。
#47
○森本委員 監理官としてはそういう答弁を当然するだろうと私も思っておったのですが、これは国際電信電話株式会社総務部厚生課の発行でありますから、おそらく国際電信電話株式会社の機関紙であろうと思いますが、この中に、今回の「第九回CCIRと今後の国際通信」という座談会が出ておるわけです。この中に、あなたが答弁する以上に相当詳しく今の海底ケーブルの問題について、座談会で語っておるわけです。ここで私が今質問したことについて、監督官庁としてあなたがもっと具体的に説明をしなければならぬような点についてこの座談会の中には入っておるわけです。これは私は非常に意外に感ずるわけであります。先ほど来あなたの方としては別に何も大したことはない、知らないというふうな回答をしておりますけれども、国際電電の会社の機関紙そのものの中に、かなり詳しいことを座談会の記事として載せておいて、監理官がその内容についてあまり説明ができないというようなことについては私は非常におかしいんじゃないか、こう思うわけです。最初の日本とアメリカとの海底ケーブルの路線についても、この中には一応グアム島を通ってハワイを通っていくというふうなことも座談会の形式で載っているわけです。それから今の軍事目的の問題についても、有竹秀一、これは施設課長と書いてありますが、おそらく施設課長だと思うのでありますが、こういうことが載っておるわけです。この座談会の中に、いろいろな理由を言っておりますけれども、「第三に、電信会社の合併に大きな推進力となっているのは空軍だそうです。空軍はKDDにも注文があるように、これから世界各国の基地を結ぶ電話や電信の専用線を持ちたい。だが、それぞれの電信会社に頼んでも周波数がない、送信機がない、」というようなことになっておるから云々と、こういうような海底ケーブルについても非常に期待をしておるというふうな、アメリカの国防上非常に重要な問題であるということを、座談会の中で有竹課長が言っておるわけです。まさかこれは国際電電会社の機関紙がうその座談会を発表するということはなかろうと思う。だからきょうの松田電気通信監理官の答弁をこれ以上聞いても、あなたの答弁がさっき言われたような答弁だったら仕方がないので、私ははっきり要求しておきたいと思いますが、このアメリカと日本に関する海底ケーブルの布設の問題について、現在国際電電において特別委員会がこしらえられて、今討議をせられておる、この経過を詳しく一つ資料として御報告願いたい。これはあなたの方は監督官庁でありますから国際電電に聞けばすぐわかると思いますので、そういう詳しい内容というものを資料として、現在までの経過を一つこの委員会に発表願いたい、こう考えておるわけです。
 そこで、ついででありますので電波監理局長にちょっと聞いておきたいと思いますが、今テレビの世界的な中継ということが非常に問題になっておるわけであります。現在この同軸ケーブルがアメリカと日本との間に設置せられる、こういうことでありますが、この間、大西洋の間におけるテレビ中継をアメリカがやったそうでありますけれども、これは具体的にいうと、さっぱり効果が上らなかったというふうな話であります。将来日本がこういうようなテレビの国際的な中継等についてはどういう技術的な見地に立っておるのか、たとえば私は、この同軸ケーブルには大西洋と同じような格好になるのであって、ただチャンネルがふえるだけでありますから、おそらくこの百チャンネルのような格好の同軸ケーブルでは全然使えない、こう思うわけですが、今大西洋を通っておるケーブルとほとんど同じ理屈になるのではないかという気がいたしますが、その点について、これは非常に国民が関心を持っておることでありますから、一つ御説明を願いたいと思います。
#48
○甘利説明員 テレビの国際中継と申しますと、現在技術的に考えられる方法が三つばかりございます。その一つは海底ケーブル、もう一つはスキャッター通信、さらにもう一つは人工衛星による中継、この三つの可能性が考えられております。そこで御質問の海底ケーブルについて申しますと、テレビをなまのまま、かりに六メガとしますと、それをそのラインで中継することは普通の方法では不可能であります。しかしこの通信方式の研究というものが非常に進歩しつつありまして、すでにアメリカあたりでも、これは金さえかければ六メガを一けた圧縮するということの可能性が研究段階としては実現されておるようでございます。従ってこれを海底ケーブルを通して膨大な施設をして中継するということであれば、技術的に不可能とは言えません。しかし何しろ日米間には時差がございまして、これを商業べースで常時同時にテレビを交換するというようなことは、まずそう商業べースとしてはあり得ないと考えますので、やはり何か特殊なエベントのあったときに試みとしてやるというようなことではないかと思います。その膨大な施設と申しますのは、要するに電子計算機の高速度のようなものを送信側、受信側に使いまして大気を圧縮する方法でありまして、これを商業ベースで使うという段階には現在なっておりません。従ってわれわれは今後の人工衛星の打ち上げの進展、そういうものの方にむしろ可能性を感じているような次第でございます。これは技術者としての直観でございますので、あるいは五年先になって当るか当らないかわかりまんが、少くともそういう目標でわれわれも研究を進めるということはやっております。
#49
○森本委員 海底ケーブルがせっかくでき上りますので、これがもし技術的に使用できるならば、先ほどの百回線の問題も云々とありますが、これもたとえばオリンピックならオリンピックのときに使用するというふうな方法もとれぬものではなかろうというふうに考えておるわけですが、しかし今のお話ではなかなかこれはむずかしい。あるいはまた散乱波の問題についても、これはおそらく中継所をかなりこしらえなければむずかしい。中継所をアリューシャン列島をずっと通ってこしらえていって、それが果して成功するものだろうかどうだろうかというようなことについても、われわれも技術者の端くれとして考えてみた場合に、夢のような問題である。もっとも人工衛星というのは、監理局長はいつか新聞であったと思いますが、郵政省の研究所はこの人工衛星に乗せるということを考えておるという談話を発表しておったわけでありますが、これは人のふんどしで相撲を取るという格好になるわけでありまして、実際問題としては、理論的に日本が解明をしても、これを技術的にやるということについては、日本の今の財政状態では、これはとうてい日本独特のものとしてはでき得ないでしょう。どうですか。
#50
○甘利説明員 確かに日本独自でそういった人工衛星を上げてやるということは、財政上できないと思います。しかしだんだん大気圏外の利用というような問題が、一国だけではいかに財力、技術力があってもできない問題になりつつありますので、何らかそこで国際的に、たとえば国連とかあるいは世界の学術の連合会とか、そういったところを仲介しまして、そういう人工衛星を世界共通のものとして上げる、これを具体的に使う側では、それに必要な送受信装置をするということであれば、必ずしも不可能だとはいえないと思います。
#51
○森本委員 そうすると日本の電気通信関係の考え方としては、将来たとえばオリンピックとかその他の重要な問題があったとき、あるいは戴冠式というものは現在ないわけでありますが、そういうような場合の国際的なテレビ中継ということについては、やはり一つの夢を持って研究をしているということは間違いないと思いますが、そういう場合に日本の技術力としては、やはりこの三つの方式のうちでに、一応人工衛星を中継とするところのテレビの中継のやり方が一番現実性がある、こうお考えですか。
#52
○甘利説明員 このテレビの中継を日米間でやる、その間だけでしたら、あるいは海底ケーブルというものが最も安定した一つの方法になると思います。しかし、たとえばオリンピックを機会に世界各国に中継するということですと、日米間の海底ケーブル一本ではどうにもなりません。従っていわゆるブロードキャストを世界的にするという見地からいいますと、人工衛星が一つ上ればそれで全世界に中継できるという可能性がある、こういう考え方です。それからスキャッターの方は先ほどおっしゃいましたように、多中継をしますと理論的にも質が落ちますので、まずこれも困難である。しかし近距離で、数個の中継で、それに技術の進歩を考えますと、あるいは近距離、中距離では可能になるかもしれません。
#53
○森本委員 この問題はどうせまたあとで私は次の委員会あたりで詳しく聞きたいと思いますが、先ほどの資料はよろしゅうございますか。
 それでは大泉営業局長がおられますのでちょっと聞いておきたいと思いますが、この前の委員会で問題になりまして、そこで前の吉沢営業局長が将来検討すると言っておりました例の集線装置の問題であります。この集線装置については、ちょうど監理官もおられますけれども、おそらく法案を提案するということになれば、これは監理官の方から提案をするという形になろうと思います。しかし実際はこれは営業局長の方でやるという形になるわけですが、この法律改正の準備は進んでおるわけですか。
#54
○大泉説明員 公衆電気通信法に関しましては、今まで実施の結果問題になっておる点、実施の結果改訂したい点、あるいはつけ加えたい点等があるかどうかということを集めまして、目下検討中でございますが、いつ提案するかにつきましては、まだ私たちの段階においてははっきりいたしておりません。
#55
○森本委員 しかしこの集線装置の電話は現在試行的にやっているわけでしょう。だからこれを本格的にやるということになれば法律を改正しなければならぬということは是認せられるわけですか。
#56
○大泉説明員 この点につきまして、実は私たち当初から集線装置というものは単独加入と同じに働くようにということで技術上の研究も進めて参っておるわけでございますが、実行上いろいろ考えなければならぬ点もございますので、もし一般の単独電話とどうしても違うということになりますれば、法律改正を要すると思います。ただこれが単なる技術上の問題だけにとどまるというような形でありますならば、この前も一応御答弁申し上げておりますように、従局の小型のものという考え方でいきはせぬかという考えもまたつけ得るわけでございます。
#57
○森本委員 これは普通の単独電話と絶対に同じものであるということはお考えでないのでしょう。これはこの間私がここで説明したじゃないですか。それでそうじゃないということを吉沢局長も認めたじゃないですか。だからこれは試行的にやっているわけでしょう。そうでなかったら試行的にやる必要はないでしょう。法律に基いてやればいい。現在の法律にないものであるから、これを試行的にやったわけでしょう。これはテレックスの問題と一緒ですよ。だから将来この問題については法律を改正するなり、法律に適応するような格好で十分検討して考えていきたい、こういうことであったのじゃないですか。監理官、今ごろ首をかしげていたって、ちゃんと聞いていたじゃないですか。これは現在試行中であることは、法律にないことだから試行中でしょう。それを今ごろになって法律に合っておるか合ってないかというようなことを検討するなんて、おかしいですよ。もう一ぺん新しい大臣、政務次官にあなたが説明し直さなければならぬ。前の政務次官はこれは明らかにそうでないと言っておる。また現実に違うのだもの。だから、あなたの方でこれをどういうふうに改正するかということは現在検討しておる、それをいつ出すかということについてはわからぬということなら、これはまだ納得ができるわけです。それをあくまでも法律違反でないということでがんばるのなら、私の方はあくまでも法律違反だということを追及しますよ。ただし、そうだけれどもこれは試行的にやっておるのだというこの間の答弁だったから、試行的ならテレックスの問題と同じことであるから私の方は黙って見ておるう、こういうことになっておるわけです。どうですか。
#58
○松田説明員 集線装置の問題は、この前議論になりまして、一応試行的にやっているということももちろん申し上げたわけでございますけれども、ただそのときの試行的といいます意味は、私があのときに理解しておりましたのは、とにかくこれが一つのサービスとしての試行ということよりも、公社全対の動きとしての試行的、ある意味で言いますれば、公社の対公衆関係ということじゃなくて、公社の中の動かし方、結局その場合には集線装置に当っているあの部分を含めて、一体電話局というものの観念の中にどういうふうにはまり得るものか、はまり得ないものなのかという点が、まだ明確でないために、しかし実際上の必要としては、こういうものをやってみたいので、試行的にやっているというふうに私は了解しておったわけであります、従いまして、その結果として、今の行き方がまた若干その後進歩していると思いますが、こういった点から、どうしても今の法律の中にはまり切れないということであれば、これは当然お説のように法律改正をしなければいけないと思いますし、しかし曲りなりにも法律の中に入り得るということになれば、あえて法律改正をする必要もなくやっていけると思いますので、その点については、私としてはまだ最後の結論を得ていないという段階です。
#59
○森本委員 もうあれから三カ月以上たっておるわけだから、これは法律に適用せられるものかどうかということは、すぐわかるはずです。かりに法律違反ではない、これは公衆電気通信法第二十六条ということになれば、どの部門に入るのですか。あなたは日本語を日本語のように読まぬからいけないのである。これはどこに入るのですか。「一個の電話機及びこれと電話取扱局の交換設備との間の電話回線からなるもの」とはっきり載っておるじゃないですか。これに当てはまるということはいえるでしょう。今の集線装置はそれなら次の共同電話というなら、共同電話とは違うでしょう。だから私は法律を扱うところの立法府としておかしいから言ったわけです。
#60
○松田説明員 問題はこの単独電話の説明として書いてございます「一個の電話機及びこれと電話取扱局の交換設備との間の電話回線からなるもの」この表現の中に、今の集線装置の回線構成というものがはまり得るものかどうか。末端のところは全然普通の場合の単独電話と同じような形にまで持っていって、あとの仕組みというものはすべてこの中にはまり得るような工合に形がなれば、それでもいいということでございますので、これに入るか入らぬかということは、私はあのときには入らないというふうにはっきり了解したわけではないのです。
#61
○森本委員 だからそれは入らぬでしょうが。そんなことを言ったって、これはあなた「一個の電話機及びこれと電話取扱局の交換設備との間の電話回線からなるもの」だから、一個ですよ。ちゃんと数字も入れてあるのです。今の単独電話はそれに当てはまらないのであって、電話交換局とそれからその単独の電話との間に集線装置の何回線かの交換設備があるものが入るものか、一体単独電話に該当するかどうかです。その集線装置そのものを交換のものと同様に考えるというなら、それはまだこれと同じような考え方に立つかもしれぬから、その場合は、その加入者は二重の交換取扱いを受けなければならぬ、こういうことになるわけですか。
#62
○大泉説明員 この点は、先般の前吉澤局長が御答弁申し上げたときにもるる御指摘を受けた点でございまして、私たちもこの点につきましてはちょっと見た目ではおっしゃるのもごもっとものような点もなきにしもあらずでございますが、この集線装置というものは、あまりにも小さいものだから、交換装置と見るのは不適当だと、こうおっしゃるのだろうと思います。私たちの方は、これは小型の交換設備であるという考え方からスタートいたしておりましたのですが、サービス面においてやや問題があるという御指摘でございますので、この点の改善を十分はからないと、やはり問題があるのじゃないか。これはどうしてもだめなものならば、先生のおっしゃった通り、新しい種類のものを考えなければならないし、単独電話にふさわしいものならば、この解釈はできるじゃないか。そこで試行として、できるだけ単独電話にふさわしいものができるようにしたい、こう考えておったのでございまして、この点は同じ加入者の中にも、従局、無人従局といったようなものがいろいろございまして、これも大型で、地面においてやるのが従局で、柱の上でやるのが、あるいはどこか別のところでやるのが集線装置という形一でございますが、今までの考え方では、私たちとしましては、集線装置が電話取扱局の交換設備と考えまして、単独電話の、しかし技術的には新しいものでございますし、サービス上の問題もございますので、この試行をお許し願って、どうしてもふさわしくないならば、やはり新しいものにしていこう、こういう考え方でございます。

#63
○森本委員 これが法律違反でなかったら何も試行する必要はないのです。単独電話としてそのままやればいいのです。ややこしいところがあるから試行ということを言わざるを得ぬでしょう。有線放送電話に関する法律をこしらえたときに、監理官どう言ったか。法律違反であるようで、ないようで、そういう答弁であった。結局われわれが有線放送電話に関する法律を作れということであの法律を作って、今日有線放送電話というものが発展をしているではないですか。この点を考えたならば、今度の集線装置の問題についても、率直にこの一と二の項には当てはまらぬ、新しい電話である。だからそういうものについては、発展をさせていくについては今試行しているけれども、これがほんとうに加入者がこれでもけっこうだ、多くの加入者が救われるということならば、そういう方向に法律を改正すればいいのだ、そういうことになるでしょう。何ぼ首をかしげても、これは交換局と電話局の間に集線装置が一つあることには間違いないのです。それから一般の加入者とこの集線装置の加入者とは同じ利便が与えられないということも、技術的にいって事実なんです。これは同じ利便が与えられるということならば答弁して下さい。たとえば私が集線装置に入っておって、かりに私が一日二百回なら二百回のものを使う、片島委員がそうでなしに一般の単独電話に入っておって二百回使う、そういう場合に、私が入っている集線装置の方が片島委員の入っている単独電話よりも迷惑をこうむるということは事実なんでしょう。
#64
○大泉説明員 その点はこの前も御意見がございましたので、そういう御意見のあることはよく承知いたしておるのでございます。この前もたしか施設局長から御説明申し上げたのでございますが、電話の交換施設というものは実は確率論で全部解釈しておりまして、たとえば一般の加入者でもライン・スイッチに入っておりますが、その次の一次セレクターというものはある局では十六個、ある局では二十個というようにしぼられるのでございまして、これはトラフィックの量に応じまして通話が流れるように、できるだけ設備費を少くしてやっておるのでございます。それがたまたま局外でやるか、局内でやるかという問題でございますが、たとえば従局というものは局外におきまして中継線としてしぼっておる。だから集線装置の関係も機械が柱の上にあるとか、小さいとかいう問題は別問題といたしまして、トラフィックに応じまして線をしぼるということにおいては同じ考えでございますが、ただそのようなやり方につきましてサービス上万遺憾なきを期するような、サービスについてはどの程度が一番いいかという問題につきましては、なお研究する余地があるのでやっておるわけでございます。
#65
○森本委員 これは普通の従局とかその他の考え方とは違う。それから交換の度数の、回線の少いものを組み合せて入れておるやり方とは違うのですよ。集線装置というのは、電話局の交換取扱い以外にもう一つこの集線装置があるわけだから……。
#66
○大泉説明員 今おっしゃる点はどうもよくわからないのでございますが、一般の従局というのはやはり交換の設備がもう一つございますし、あるいは局内、局外とおっしゃいますが、H型ですからセレクターに達するまでにはプレ・セレクターを置いたりして二段にする場合もございますし、私たちといたしましてはそれが絶対おかしいというようなことはよくわからないのでございます。
#67
○森本委員 従局の場合は、これは明らかに従局とそれとの間に中継線があるわけでしょう。そのことを認めるなら、その加入者がちゃんと入っているわけでしょう。そのことは従局ということでちゃんとみな知っているのだから……。このことについては集線装置だということを知らぬでしょう。そんなことがありますか。従局の場合はちゃんと、たとえば高知だったら長浜が従局で、長浜と高知の間には中継線があるけれども、そのことは加入者がちゃんと認めて承知しているわけだ。この集線装置の場合には加入者はそのことは全然知らぬのでしょう。
#68
○大泉説明員 長浜の場合をおっしゃいましたが、これはたしか高知の何千番という番号を与えられておるというふうに思っておりますが、別に長浜であるという承諾を得ているとは思わないのでございます。これは実は四国の場合にもございますが、数の少いところは集線装置を使って合併し、遠いところの数の多いのは従局を置いてやった。いろいろ合併の場合の例がございますが、私らといたしましては、技術上まだ万全でないかもしれないということは重々承知しておるのでございますけれども、考え方は同じように進めて参ったわけでございます。
#69
○森本委員 それでは集線装置は、何回線の集線装置にするのですか。
#70
○大泉説明員 古いものは、たしか内部が二十五回線、局線が五回線でございましたが、最近は、局線四回線に十六の可能性のあるスイッチをつけておるように承知をいたしております。
#71
○森本委員 従局は、大体全国でどのくらいですか。従局と十六回線の集線装置と同じような考え方であるということがどうして言えるのですか。
#72
○大泉説明員 従局とおっしゃいますが、たとえば小自動局ですと……。
#73
○森本委員 あなたはさっき従局と言ったじゃないか。
#74
○大泉説明員 二十五加入の自動局もございますし、百加入の自動局もございます。従局には大小いろいろございます。
#75
○森本委員 従局で十六回線ぐらいの従局というのはどこにありますか。
#76
○大泉説明員 十六回線のところはございません。
#77
○森本委員 だからこの集線装置と従局と同様にこれを考えるというのは一体どこに理屈があるのですか。
#78
○大泉説明員 実はどうも従局につきましての考え方は、やはり同じように回線の線路の節約、線路と交換装置の経済比較を考えまして、遠距離のところにたくさん加入があります場合には交換装置を置く、それが少い場合には従局を置かないという考え方で、経済比較でやっておったわけでございます。それでその後加入区域がだんだん広がって参りますと、そういう大きな従局だけではなかなかうまくいかない、もっと小型なものができないかというような研究の結果、集線装置が入っておったのでございます。従って現在これに批判のあることは十分承知いたしておるのでございますが、少くとも私たちがこのような集線装置を考えました経緯は、実はやはり従局と同じような考え方で始めて参ったのだということを申し上げておるわけであります。
#79
○森本委員 だから私の言っているのは、このやり方は従局とは全然違うのだ。たとえば従局のところは電話の料金にしてもほとんど上っておると思うのです。今では市外通話は要らなくなったけれども、従局として加入した場合には級が上って実際に料金が上っているわけですよ。だからこの従局の場合と集線装置とはおのずから全然別個の考え方を持ってもらいたいと思う。集線装置ということは、現在世田谷なら世田谷、銀座なら銀座でもやろうと思えばできるわけです。従局は別に局があってこれを何とかこっちに統合しようという考え方に立って地方ではほとんど従局にしているのだ。こっちの方で従局がかりにあったとしたなら中継線が少いから不便になるということはほとんどないはずです。そんな従局をこしらえたら加入者に怒られますよ。だからそういうところの不便はないわけです。ところがこの十六回線の集線装置というものは、みなが使わぬところを選んでいるからよいようなものの、かりにみなが使ったら局までの線があかないから使えないわけだ。それははっきりしているじゃないですか。局までの線が単独の線じゃないんだから、普通の単独電話とは明らかにやり方が違うんだ。この論争は一般の人はなかなかわかりにくいので、この間僕が説明したように、そこへ図面を書いて説明すれば一番よくわかるのだ。とにかくこれは法律違反であるかどうかということについては十分に検討しなければならぬことは事実でしょう。営業局長そうでしょう。あくまでもこれが法律に違反をしておらないということなら試行なんかする必要はないじゃないか、正規にやればよい、有線放送電話と同じです。そのときになってあなたは、今そういう答弁をしておって責任を負いますか。有線放送電話についても初めは法律違反でないというようなことを言っておって、結局新しい法律をこしらえなければならぬように発展をしてきた。将来有線装置がどんどん全国的に発展をしてきて、このままで済むとは思わぬ。今加入者の申し込みが多いような段階においてそんなことを言っても、そのときになって法律改正をしなければならぬという場合になって、そのときの責任を負うと言うならそれでよい。この問題は相当研究をしなければならぬ。第二十六条についても、集線装置の問題についてはある程度疑義があるということは事実なんだから、もっとこれは検討してはっきりした答弁ができるようにしてもらいたい。だから法律違反でないということをここで言い切れるかどうかということについて、私は疑問であると思う。そうだから試行にしているわけでしょう。
#80
○大泉説明員 御意見まことにごもっともでございますが、実は私たちは先ほど申しました通り、できるだけこの従局が簡易なものという考え方で進んだのでございますが、今先生のおっしゃいました点は、そう言ったって同じようにならないじゃないか、早くあきらめて別なものを考えたらよいじゃないかという御意見のように思います。私たちも従局と同じような形にできない、サービス上明らかに下るというふうに確信がありますれば、御説の通り新しい種別として認めなければならぬということは考えておりますが、現段階におきましてはすでに申しました通り、私たちの欲目かもしれませんが、単独電話と同様の考え方ができないものか、現在の技術につきましてもいろいろ研究改革の途上でございますので、その点につきましては御意見ごもっともでございますので、さらに研究さしていただきたいと思います。
#81
○森本委員 それで、私も一ぺん東京都内の集線装置をあなたと一緒に現地を見に行ってみましょう、そして実際にそこで理屈を言わぬと話にならぬわけだから。電気通信監理官も有線放送電話の問題も前にそういう経験もあるし、やはり十分検討しなければならぬ、これは公社だけにまかしておく問題じゃない。法案として提案をする場合には、あなたの方でやらなければならぬことになるから、あなたもこれは十分検討しておいて下さい。
 それから、ついででありますので営業局長に申し上げておきたいと思いますが、実はこの間この問題について、ここの委員会で論争して、そして研究をするということになって、その後私のところへいろいろ入った情報によりますと、新宿の区内とその他について集線装置で加入ができるというふうになっておったものが、組合との話がなかなかつかぬので、そこでその加入が五月にできると言っておったところが、まだ現在加入ができておらぬということで、非常に公衆からおしかりを受けておるというふうなところもあるらしい。それから現在の単独電話のところへ持ってきて、今度集線装置の中へ入れますよというようなことを言っていたら、これは公衆にも怒られるというふうなことで、非常に現場の方でジレンマに陥っておるところもあるようです。そういう点については、よくその当該の従業員の代表と納得のいくように話し合いをして、そういう約束があるならば早くやるように行政措置をとってもらいたい。そのことについては、あくまでも従業員とよく話し合いをして、納得の上において早くやるようにぜひやってもらいたい。こういうことを私は要望しておいて、あとの質問の方と交代します。
#82
○佐藤委員長 金丸徳重君。
#83
○金丸(徳)委員 私は、きょうは実は大臣にも御出席をいただいて、前回の委員会において御表明になりました御所信について、政務次官御同席の上にてなおお心がまえの二、三を承わっておきたいと思ったのでありますが、委員長は練達堪能の方ですから、その点もう十分お察し下さってお手配いただいていることだとばかり思っておりましたところが、御旅行にお出かけになっておるそうで出席できかねるということであります。それできょうの質問を次会にもと思ったのでありますが、しかし大臣以上に実力者であられる政務次官がおられますので、大臣の
分まで一つお聞き取りをいただいて、この際私どもを安心させるような御所見を承わらせていただきたい、かように考えるのであります。時間がだいぶ過ぎてしまいましたものですから、きわめて要点だけを申し上げてお答えをいただくことにいたしたいと思うわけでございます。
 その第一点は、先日いただきましたごあいさつの中で、一番先に触れておられますところの労働問題につきましては、全逓信労働組合との間の団体交渉が今なお行われない状態にあって、全逓が一日も早く現在のような状態を改めて、正常明朗な労使関係に返ることを強く念願する、こういう御見解を表明されております。また新聞の伝えるところによりますれば、大臣は第一回の新聞記者会見でありまするか、郵政事業においては特に人の和が大切である、自分は人の和をたっとしとなす、その心がまえでこれから進めていくつもりだということを強く表明されているように伝えられておるのでありまして、私は人の和をもって第一に事業に臨まれるということについては非常な敬意と、また賛同の意を表するのであります。ただしかし実際の問題といたしましては、あいさつの中にもありまするように、正常な労使関係に立ち至っておらないことを残念に思うのでございます。そうしてこのことは今に始まったことではありませんで、昨年春以来のことであり、当委員会の席におきましても再々いろいろの御注文も各委員から出ておりまするし、前大臣からは、責任は全く自分にありとまで表明せられまして、その解決の一日も早からんことを念願されておるところの意向を表明されておるのであります。しかしこれはただ言葉の上だけでそういうことであっても、結果的には依然として残念な労使関係のまま今日に至っておるのであります。それで私は今回は大臣、政務次官も更迭なさって、また関係の労働大臣も更迭なさった、岸内閣は新しい態様において諸般の問題を解決されるということになりましたので、この機会においてこそこの長きにわたった遺憾の状態から脱却すべき大事な機会とも思います。各種の議員選挙なども行われまして、そうした方面に若干の糸口が開かれたように思われまするし、ことに私がきょうあえてここでお伺いをいたしておきたいと思いまするのは、近く全逓は大会を持つことになっておるのであります。次回の委員会ではこれが間に合わないと思ったものですから、あえて時間が過ぎておるのにかかわらずお尋ねをいたしておきたいと思ったのでありまするが、さような意味におきましてあらゆる条件はこの機会において解決すべきことを要求しておりまするし、またそういう機会は整ったやに思われるのであります。そこで今まで何か解決すべくしてされなかったのは、労使双方とも何かはたから見ておりますと面子にとらわれておるといいますか、意地張ってしまったといいますか、そういうことのために手を握るべくして手を出しかねておるやに思われる節がずいぶんあるのであります。そのために実は私は去年の暮れには非常に心配をいたしたのでありますが、政務次官御承知になっておるかどうか知りませんが、非常な危機に立ち至ったのであります。片や団体交渉の再開が困難のゆえをもって、時間外勤務、居残りを拒否するということになり、従ってものはたまってくる。やむを得ずして小包郵便の引き受けを停止しなければならないかもしれないなどという非常なことまでも表明されるような心配を包蔵して暮れを迎えたのであります。幸いにして結果的にはその危機を免れ得たとは申しながら、依然としてそういう危機を包蔵しつつあることについてはちっとも変っておりません。そういう中においてこの機会を失ってはいけないと思うものですから、人の和をもってたっとしとなすというお心がまえにおいて、この際政府側においては何とか積極的な手を打って打開策を講ぜられるようになさる具体的なお心がまえがありやいなや、こういうことをお伺いいたしたい。第一点はそれだけ承わっておきます。
#84
○佐藤説明員 お答えいたします。実は本日大臣が出席すべきなのでありますが、日程を組んでありまして、所用のため昨日ときょうはこちらに出られないで、まことに申しわけございません。
 実はただいまお尋ねにありましたごとく、私自身も就任まだ日が浅うございまして、技術の面、行政の面についてもまだ何ら研究もしておりませんし、ようやく各局部の方々にいろいろ教えを請うておるような次第であります。特にこの労働問題に関しましては現在制定されております法律が、皆様方から見ればここが一つの障害だ、御希望をかなえてやりたいのでありますが、国の法律を制定してある以上は一応これを忠実に守らなければならないんじゃないかというふうに私は考えております。ただ政務次官でなくして個人佐藤といたして考えておることは、大臣の仰せになられましたごとく、和をもってたっとしとなすというお言葉は、まことにりっぱなお言葉であります。私個人は友のためにはあつい涙を流すという考えでおります。もちろん今までもそれで参りましたが、今日この労使関係において全逓の組合員諸君が団体交渉もでき得ないで非常に悩んでおられる。いわゆる最低賃金の裁定も受けられないということが、先輩であります金丸議員が非常に悩んでおられることで、私は全逓組合員の方々にまことに申しわけないじゃないか。そのために一日も早く団体交渉して裁定を受けたらいいじゃないか、そうするには今の法律が一つの障害になっておらぬか、これを取り除け、こうおっしゃられましても、御承知のごとく今就任したばかりでございまして、まだそこまで研究しておりませんが、何とか事務当局、あるいは大臣方々と十分御協議いたしまして、あるいは所管であります労働省とも十分相談してみたい、かように考えております。満足な答弁ができませんが、一年生であると同時に入学早々でありますから、御了承を賜わりたいと思います。
#85
○金丸(徳)委員 満足な答弁でないなどとおっしゃいますが、私は非常に満足いたします。といいますのは、友のために涙を流すことをもって自分は満足される、欣快とされておるというような政務次官の人生観に私は非常な信頼をもちまして、この問題を片づけるのにはそのお心がまえこそ第一に前提となるべきことのように思われます。ただ、これには今のお話の中にもありましたように、法律というものがあって、その法律を守る建前からということで今日まできておった。しかしもうそのときは過ぎておるのではないかと思うのであります。条約の関係上遠く国外にまで行かれて、いろいろ問題を起しておるようなことにまで立ち至っておりまするので、法律の解釈論というようなものはもう過ぎ去りまして、全く問題は友のために流す涙、それが私は解決のただ一つの糸口だと、こう思うのであります。そして問題を解決しようとする場合において、その責任者は何といいますか、大死一番忍びがたきを忍ぶという態度でないと、やはり私は道が開けてこないのではないかと思うのであります。これは非常に四角張った態度で法律にたより、解釈をかれこれいじくり回しておるということでは、ある意味においてはその道は開けない。もう一歩進めて大きな責任感、大乗的立場と申しますか、そういう立場において一つこの際――ちょうどいい機会であります。大臣、政務次官がかわりましたこの機会において、また全逓の大会なども控えたこの機会において、きれいさっぱり立ち直ろうじゃないかというようなお気持で片づけられることが大切のようにも思います。そしてそのためにはもう口でかれこれ申すというときでもございませんので、行動によって、たとえば閣内における積極的なる説得工作とでも申しますか、そういうようなことをお始めになることによって、私は組合側においても信頼感をさらに湧き立たせてお互いに手を握るときが出てきやしないか、道が開けるのではないか、こう思うのであります。私がなぜ今ごろこういうようなことを申しますかというのは、実は現場の方の責任者が、この問題が未解決のゆえに非常に不必要な苦労をしておるのであります。現場において毎日流れてくるところの郵便物をはかなければならない人たちにとっては、中央における団体交渉が――大臣がかわったからどう、次官の見解がどうだということは別個といたしまして、毎日その仕事を片づけなければならないこれらの本能的な立場といいますか、責任を持った立場に置かれておる人たちが、それが話によると、中央における団体交渉ができないということによって要らぬ苦労をし、要らぬ心配をしておる。私はこれは見るに忍びないのであります。もしこのことが解決しておるならばもっともっと楽に、現場における責任者、また現場における組合幹部というものはほんとうに人の和の中においてその責任を果し得るのではないかと思っておる、またこう見ておるものですから、どうか一つこれを一刻も早く片づけてもらいたい、こう思うのであります。団体交渉が開けないからといっても仕事はちゃんと動いております。それはあたかも大臣、政務次官が一日、二日休まれても、あるいはまたときに欠けても仕事は動くであろうということと同じであります。しかし私は、やはりその大臣、政務次官がおられることによって、どれだけ現場の人が何となしに力強い、何となしに張り合いを持って仕事をされるかわからないと思うし、またいろいろな問題を片づける上においてどれだけ気持が楽かわからないということと同じように、私は、中央における労使間の正常化というものを、現場の責任者及び現場の組合幹部というものは、もう一刻も争うほどに期待いたしておると思うのであります。そこで残る道はただ一つ、日ごろ人情味のある政務次官あたりが政治的、大乗的立場に立って解決への糸口を切り開いていただく、こういうことにあるわけであります。そういうことでさらに何か具体的な御活動を早急になさる腹がおありかどうか、もう一度承わりたいと思います。
#86
○佐藤説明員 ただいま非常に懇切な、御注意のお言葉がありましたことにかんがみて、私も十分勉強いたしたいと思います。
 私、金丸委員も御承知の通り、山間僻地に住む者でありますが、そういうところの集配人が、四六時中、雨の日あるいは風の吹く日、あるいは雪の降る日、台風のあのおそるべき日も一日も休まずに、国民のために集配をされ便宜を与えておってくれる者が、今日悩んでおる。実は私も今から二十年ばかり前に、私の親戚でありますが、お父さんがちょうどかぜを引いて休んだ。そこで小学校に行っている女の子が二人しかありませんでしたが、それが親になりかわって郵便配達に行った。行くときには行けましたが、帰りに、増水のために来ることができなくなった。風は強いし、雨はひどい、水は出てくる。それを何とか行けるであろうというので、手を握り合ってその沢を渡ったときに、濁流にのまれて、二人しかない子供が死んだ。これは父親の集配に対する責任感を子供まで持っておるということで、私は当時から今日までそれが身にしみておるのであります。今日団体交渉ができ得ず、これに伴って最低賃金の問題も決定しない。ゆえに、もはやお盆になるのにといって悩んでおることも十分承知いたしておるのであります。私は技術面その他の行政面についてはまだよくわかりませんが、こうした問題についてはいささかでもわかっておりまするので、大臣の御意向あるいは所管事務当局の各位とも相談して、あるいは党の政調、あるいは所管であります労働省とも、どうすることが妥当であるかということを十分話し合ってみたいと思いますから、御了承賜わりたい。
#87
○金丸(徳)委員 早急にそのようなお手配をいただくことといたしまして、次に、やはりごあいさつの中に触れて参っておるのでありますが、各事業ともおおむね順調に進展して同慶の至りであるような御意向が盛られておるのであります。私もその点についてはその通りに存ずるのでありますが、ただ、この際新大臣及び政務次官にあらためてお伺いをいたし、その意味において御努力をお願いいたしたいと思いますることは、実は電信電話事業につきましては、御承知のように五カ年計画が進められておるのでありますが、その五カ年計画をさらに増強する案が目下非常な熱意をもって進められておるように承わっております。もとより、この郵便事業、電信電話事業とも、同じ省内において同じような歩調をもって通信的に世の中に尽して参るという形であったのでありますが、この両三年この方、いやもっと前からであるかもわかりませんが、電信電話事業はまことに画期的なる拡張計画を実施しつつある。これはもとより世間の要望がそうさせておるのでありますが、それに比較いたしますると郵便事業の足取りというものは何かしらん旧態依然たるの姿であるように思われてならない。その足取りの差がで今度の電信電話事業の五カ年計画の改訂によってはさらに一そうひどくなるやに心配されるのであります。一方、これは政務次官御専門でありますから何ですが、道路、港湾につきましては例の十カ年計画によって、国の予算において猛スピードで整備されつつある。鉄道においてもおそらくそういう状態に刺激されまして、拡充整備の計画はぐんぐん進められてくると思います。そういたしますと、片や電気通信事業がそのように整備のテンポを早めつつある、片や道路、港湾、鉄道、交通事業がそういうことで非常なスピードと熟の入れ方で整備されつつある中において、ひとり郵便事業が旧態依然たる足取りをもっていかれるということについては、私は両三年もしくは五年後においては大へんな片ちんばの交通、通信状態が実現されるのではないかということを憂うるものであります。そういう意味におきまして、道路、港湾の十カ年計画に対応し、電気通信事業の改訂五カ年計画に対応するような郵便諸事業の整備拡張計画をお持ちになる考えがおありかどうか、承わりたいと思います。
#88
○佐藤説明員 お答えいたします。ただいまの御質問は、実は私自身郵政逓信行政に対してはほんとうにしろうとであって、何か一体――就任した以上は仕事をやらなければならないということを一応政治を志しておる者として考えてみたのであります。私が常日ごろ考えておることは、金丸委員もさだめしそこにポイントがあるだろうと思うんですが、私も百姓のせがれでありますが、今日までの農村というものは、これは百姓という言葉があった、この農村自体が、今では品物をどこの市場に出したら高く売れるか、どこには品物が少いか、その市場へ出すのがいいじゃないかというように考えておる。いわゆる農業即商業の一翼をになっておるわけですが、現在の行き詰まれる農村を向上せしむるのにはどうしても電話、電信の通信が敏速にいかなければならない。たとえば私の岩渕から東京までは、以前は電話をかけると、朝特急で申し込んで、昼ごろでないと出なかった。それが最近は一時間か一時間半でできるようになった。これだけ進歩してきたが、まだそれでは――静岡県あたりは便利であるからまだいい。これに対して、不便をきわめておるところが非常にある。いわんや山梨から東北、北陸方面、あるいは中国、四国に行ったもそういうことがあるでありましょう。これらのことは私も十分考えて、この五カ年計画をいま一そう強大にして、一般大衆各位の待望にこたえるように、政務次官になった以上は大臣の意見を尊重してやってみたい、実はこう考えておったのであります。技術面やその他のことについてはわかりませんが、政治的な感覚というものについてはそういう考えでありましたから、十分御期待に沿うようにしたい。そうせしむるには何が必要か、当然予算が伴うものであります。私は各委員の方々に御了承願っておきたいのですが、技術面その他はわかりませんが、政治感覚においては十二分にからだを張ってやるつもりであります。いわゆる仕事をしてもらうには、国民の要望、期待に沿っていくには予算が伴うであろうから、その方にいって予算をいただくようにからだを張ってやるつもりでおりますから、どうか一つ通常国会まで見ものに御見物を願いたいと思います。
#89
○金丸(徳)委員 政務次官から大へん力強い決意を拝聴することができまして、私も非常に心強く期待申すのであります。特にいなかの方のことについて心をかけておられることを承わりました。私も全く同感でありまして、それなればこそきょうこうしてお尋ねを申しておるのでありますが、実は電信電話事業などにおきましては地方の方にかなり目が向けられておるにかかわらず、郵便事業は比較的その点が足りないように私には思われるのであります。たとえば局舎の整備におきましても、これは政務次官よく御承知でありますから何でありますが、町村合併などに伴いまして役場の建物がりっぱになり、学校が整備せられ、その他農協などの建物がけんらんたる容相を誇っておるような状況にかかわらず、地方におきましては郵便局などは三十年、五十年昔の建物のままで、しかもそれがきわめて不便なところに位置したまま置かれておるのであります。こういうようなことについてはもちろん多くの計画も進められておるのでありますが、それがただいまお話のありましたような予算の関係などにおいて遅々として相進まぬ観を呈しておるのであります。これにつきましてはひとり局舎ばかりではございませんで、逓送の施設にいたしましても、集配の用具その他にいたしましても、この際ほんとうに大きな見地に立って新しい時代に相応するような計画を立て直して進められる必要があるのではないかと私は思うのであります。今度の所得倍増案というものがほんとうに実現されるとしますならば、郵便はたちまちふん詰まりの形になりはしないかということを心配いたします。すなわち予算が足りないということは世間的に言いわけの立たない時代がくると思う。これは何とか国家資金をよけいつぎ込むような政治的な力を尽していただきたい。
 それからもう一つは、私はしばらく前に事務当局にお尋ねをいたしてわかったことでありますが、郵便事業の中にはものがふえればふえるだけ赤を来たしてしまって、その収支の上の赤が事業全般の発展の手かせ足かせになっておるというような事実もあるのであります。たとえば新聞、雑誌などについてはものがふえればふえるだけ現場の者は汗水たらして苦労を何倍、何十倍かにしつつ、しかも事業全体としては欠損がますますふえていく。従って今の独立採算の形からいいますれば、それだけ施設がだんだん狭まっていくというような情ない事態になっておる。これらについてはやはり根本的に考えを新たにしていただかなければならないときが参ったように思います。これはもし十カ年計画などによって経済の伸びの度合いがもっと進められてくるならば、新聞、雑誌のいなかへの流れ込みはもっともっと大きな度合いで進んでくるのではないか、そうしますとまことに大変なことになると思う。そういうことについて事務当局では相当これを心配しつつ案も検討しておるように承わっておるのでありますが、問題は政治的にこれを持ち出す機会、あるいは方法ということについて悩んでおるように、私は想像でもありますが、そういうふうにお見受けいたしておる。この際一つ新大臣、新政務次官の陣容によりまして、この根本問題に取り組んでいただく必要がありはしないか、こう思うのでありますが、もう一度一つ……。
#90
○佐藤説明員 ただいまお説のごとく、実は私、郵政省に一体どのくらい人員を擁しておるかということも、まだこれから聞かなければならないのであります。ただいままで、実は午前九時半から各部局長さんに一つ一つポイントだけ教わっておるようなわけで、今まで電波監理局長に実は教わっておったのですが、これだけ科学が進歩して電波の必要性がここまで参りましたのに、一例でありますが従業員が三千人しかいない。これに年々三百人くらい増してもらうように大蔵省に要求しておるができ得ない。こういうので非常に悩んでおる。同時に吏員が過労して非常に病気も出ておるというような実態だということを聞いて実はあぜんとしておるようなわけです。とかく私がいつも政治の上でながめておるのに、日本の今日の政治のあり方、あるいは行政のあり方が都会中心主義であるため、山間僻地の農村に不平、不満をもたらしてくるのは今日の社会情勢の実態であります。私は機械科学、あるいは文化がこれだけ向上して参りました以上、少くとも都会も見捨てはできますまいが、一歩前進して地方農村に対する進歩躍進をしなければならないじゃないか、それには今の政治あるいは行政の心がまえを、農村にいま少し重点を置かなければならぬ、かように考えておりまして、御期待に沿うように努力いたします。
#91
○金丸(徳)委員 都会中心主義の政治のあり方を改めなければいけないという御見解は、私も実はほんとうにそう思っておりましたものですから、ぜひ一つその方向で特に郵便事業、郵政事業についてはそうした傾向が強いように心配されますので、この際政務次官のその根本の考え方を強力に事業の運営の上に反映していただくようにお願いをいたすのであります。承われば目下大いに事務当局をお呼び寄せになって御検討されておるようでありますが、この機会においてそういう根本の心がまえを事務当局の苦労の御説明によって曲げられないようにしていただきたいと思います。事務当局は――これは私もひどい経験をしている者でありますが、長い間苦労しているものですから、その苦労でもうだめだというふうに思いがちなものであります。何といいますか棒を引いてかかりがちなものであります。そこをとびらを開いてやるのが私は政治家の一番大事なところじゃないかと思うのであります。元気づけてやっていただきたいと思うのであります。
 もう時間が過ぎてしまいましたものですから、各論のことはいずれまた政務次官御勉強なさってから承わることといたしまして、もう一点、これはほんとうの要点だけ申し上げて承わりたいのでありますが、電波行政についてであります。今非常に大事な、おそらく郵政大臣、郵政政務次官といたしまして一番大きな問題といたしましては区電波行政のように思われるのであります。政治的にいって何となしにむずかしい問題に直面されておると思うのであります。それならばこそ御表明の中にも、このカラーテレビの問題などをお取り上げになり、FM放送についての心がまえに触れておられるのであります。私、昨年来この委員会において、特にカラーテレビなんかについて問題にされた論議の中で受け取った感じは、どうも技術専門家の意向に何か政治的な圧力をかける心配があるやに受け取れたのであります。私ここに会議録も持ってきております。会議録によりましてきょうのお尋ねを申したいと思っておったのでありますが、時間がありませんからこれは後日に譲りまして、ただ根本についてでありますが、一体高度の技術を要し、将来に向って大きな専門家の良心的活動、熱情を要する電波問題などにつきまして、もし何かの事情によって政治的な圧力が加えられて、正しい行き方が曲げられるようなことがあっては大へんだと心配するものでありますが、大臣及び政務次官におかれてはこういうような点について、技術屋、専門家の良心的熱情をバックアップこそすれ、これに圧力を加えるようなことのないお心がまえでおられるかどうか承わりたい。
#92
○佐藤説明員 ただいまのお説のごとく、このたびの所管大臣は御承知のごとく温厚篤実のごりっぱなお方でありまして、断じてさようなことはないと思います。むしろその専門の技術者、同時に大衆の御意見を十分尊重いたしまして御要望にこたえるようにし、かつその技能を発揮していただくようにするお方だと信じております。私個人といたしましては、大臣の意見を特に全部尊重いたしまして、御期待に沿うようにいたします。
#93
○金丸(徳)委員 時間が過ぎましたから、ただいまの御決意を承わって私はきょうのお尋ねは終ることといたします。詳細につきましてはまた後日御検討が済んだあとでなにすることといたします。
#94
○佐藤委員長 大野幸一君。
#95
○大野(幸)委員 大へん時間を食いましたけれども、次の委員会を待っていては間に合わないので申し上げたいと思います。
 金丸委員の質問に関連してでありますが、全逓労組との関係であります。ILO条約と公労法四条三項との関係については大てい勝負がついている。また世界の大勢からいってもこれは勝負がついているのですが、かつて過去のある間において国内法に違反する労組であったというようなことは、国内法は国内法として尊重しなければいけないという政府の立場もわかりますが、現在に立ち至っては勝負がついていることで、あとは金丸委員が言われたように面子の問題なんです。面子はどこに立てなければならぬかというと、私はやはり国内の労使、政府と従業員との関係の面子よりは、やはり世界に対する日本の面子の方が重大であろうと思う。ところが人間の社会でありますから、これは国内的の面子を立てる方法として差し迫っている全逓労組のこの月末に聞かれる大会に対する態度、これを誤まれば、また一年なり何年なり見通しがつかなくなるというときであります。政府の面子、従業員の面子とありますけれども、これは面子という意味を悪い意味に解して、ただこれにこだわられてはならない。どこから悟りを開いていくかといえば、やはり国家は最高道徳をいく義務があるのであるから、こだわりの面子だとするなら、国家の方が、政府の方が早くこの面子を捨ててくれるということがけっこうだと思う。そういう意味で金丸委員も質問されておったのでありましょうが、どうでしょうか、一つの私の意見としてでありますが、これは今までの関係上、労働組合との直接の関係でなくて、これを相談している社会党、あるいはまた逓信部会、小さくいえば、われわれ委員の間においても非常に心配していることでありまするから、まず月末に開かれる全逓労組の大会の前に、せめて政府は、この臨時国会においては公労法を改正する用意があるというところまでいって、さらにつけ加えて、従って、過去の法律は厳として存在していたのであるから、また現在も存在しているのであるから、月末に行われる全逓労組は良識を持って態度を表明するであろうぐらいの政府の閣議決定でもされると、非常に双方の面目も立ち、あるいはまたこれからの労使関係がよく行われることだと思うのです。月末の二十九日に行われる全逓労組の大会を見てからというようなことになると、これまたいけない。どちらかというと政府がこの際――幸いに政務次官も就任の経過から見て、地位に恋々としておいでになるような人でもなく、今の植竹大臣もそう派閥に拘泥される人でもないように承わるので、大臣就任中、あるいは政務次官御就任中にこのことを解決されることは永久に残ることだと思いますし、大臣非常に勇気を持っておいでになるというので、こういう意味においての一つの考え方に対しては、政務次官としてはどう考えておいでになるかということをお尋ねします。これはお尋ねでありつつ、私の愚かな意見であるということを承知していただいて、いかがでありましょう。
#96
○佐藤説明員 お答えいたします。大野先輩はこの方の大権威者でありまして、私どもまだ入学してほんとうに日もなく、一日か一日しかないので、この労働問題につきましてはいまだどの程度まで私から御答弁申し上げてよいかということは考えておりません。これから十分勉強し、政府の意向も聞き、そして何とか自由にしてかつ民主的な労働組合の生まれていくようにしたいと思いますが、今郵政省所管大臣の方から公労法の改訂法案を出すかどうか、こう申されましても、何しろ御承知のように就任早々でございまして、そういう心がまえがあるとかないとかいうことは、ちょっと時間のお許しを願いたいと思います。
#97
○大野(幸)委員 双方今悩みに悩んでおる問題だろうということは、金丸委員も言われたので、政治には時とチャンスを利用しなければならない。ほんとに解決するチャンスは、この全逓労組大会の以前に政府が何かの手を打たれることだと私は思います。政府はよく静観という言葉を使うが、静観という言葉は政治家としては決して義務を果すという意味ではないので、この点は意見として申し上げておきますが、何とかすみやかに善処せられるように一つ願いたい。
#98
○佐藤委員長 次会は来たる八月十三日木曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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