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1959/09/10 第32回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第032回国会 逓信委員会 第4号
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1959/09/10 第32回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第032回国会 逓信委員会 第4号

#1
第032回国会 逓信委員会 第4号
昭和三十四年九月十日(木曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長代理理事 橋本登美三郎君
   理事 秋田 大助君 理事 淺香 忠雄君
 理事 進藤 一馬君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 片島  港君 理事 小松信太郎君
   理事 森本  靖君
      上林山榮吉君    木村 武雄君
      椎熊 三郎君    武知 勇記君
      塚田十一郎君    寺島隆太郎君
      平野 三郎君    山口六郎次君
      小沢 貞孝君    大野 幸一君
      風見  章君    栗原 俊夫君
      佐々木更三君    原   茂君
      松前 重義君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 植竹 春彦君
 委員外の出席者
        郵政政務次官  佐藤虎次郎君
        郵政事務次官  加藤 桂一君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  松田 英一君
        郵 政 技 官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  岩田 敏男君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      甘利 省吾君
        郵政事務官
        (電波監理局次
        長)      浅野 賢澄君
        郵 政 技 官
        (電波監理局次
        長)      野島 正義君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
八月二十四日
 委員金丸徳重君辞任につき、その補欠として高
 田富之君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員高田富之君辞任につき、その補欠として金
 丸徳重君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十五日
 委員金丸徳重君辞任につき、その補欠として塚
 本三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十一日
 委員椎熊三郎君辞任につき、その補欠として山
 口六郎次君が議長の指名で委員に選任された。
九月十日
 委員山口六郎次君及び塚本三郎君辞任につき、
 その補欠として椎熊三郎君及び金丸徳重君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員椎熊三郎君辞任につき、その補欠として山
 口六郎次君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵政事業に関する件
 電気通信に関する件
 電波監理及び放送に関する件
     ――――◇―――――
#2
○橋本(登)委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が不在のため、私が委員長の職務を行います。
 郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。上林山榮吉君。
#3
○上林山委員 郵政大臣は就任以来、郵政事業の向上のために日夜御奮闘のことと存じますが、当委員会において、大臣に対して何らいまだ質疑も行われていないかのごとく存じますので、この機会に一、二の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
 大臣は就任以来相当に御研究になったのだろうと思いますが、ときどき談話を拝見しておりますと、その談話の中にカラー・テレビに対する御見解がときどきうかがわれて、ある意味においては非常なる期待を持ち、ある意味においては危惧の念をも持っておるものの一人でございます。カラー・テレビに対する現段階における大臣の御方針と申しましょうか、あるいは見通しと申しましょうか、そういうことに対してまず御見解を伺いたいと思います。
#4
○植竹国務大臣 お答え申し上げます。カラー・テレビにつきましては私の談話なるものは真相を伝えていなかのように自分自身も思いますので、この際御質問をいただきましたことはかえって私にとりましても、日本の電波界にとりましても大へんありがたい御質問だと存じます。以下お答え申し上げたいと存じます。
 まず理念的に考えておりますことを申し上げまして、次に具体的の方針についてのお答えを申し上げたいと思います。理念的には、私はカラ・ーテレビが一日もすみやかに全世界に普及されることを希望いたしております。着色された天然色的なテレビができ上りますことは大へんけっこうなことに思います。しかし現実の現在試験放送その他行われております私の見ました限りのカラー・テレビにおきましては、まだ民間には早いと考えております。幾多の研究、改良さるべき点があると思います。そこで理念的には一日も早くやりたいのでありますが、現実的にはまだまだ今は認可の段階ではなかろうと思います。同時にこのカラー・テレビのほかに白黒の現在行われておりますテレビがあるわけでありますが、カラー・テレビと白黒テレビとは両立すべきものであって、カラーができたために白黒は全然見る人がなくなってしまうとは絶対に考えられないと思います。そこでカラー・テレビにつきましては今二つの方式があるということを私も承知いたしております。アメリカ式とヨーロッパ式の三つであります。ところがアメリカ式につきましては、私もNHKあるいはNTVにおきまして実際に見学をいたして参りました。冒頭申し上げました私の批評、その二つのカラー・テレビを見学いたしましたことに対する考え方を申し上げたのであります。さて、そのほかにまだヨーロッパ式が現に存在しておりますので、やがてアメリカ式が改良されたといたしますような場合に、もうこの程度ならば認可してもいいという段階に至ったといたしましても、ヨーロッパ式というものが現に存在しております以上、私は自分の責任においてヨーロッパ式も現にこの私の目で見まして、見学いたしまして、それから両方を比較し、いろいろな社会的条件、また技術的条件を考えまして認可の方針をきめていきたい、さように考えております。一方だけでもって、これが大へん美しいカラー・テレビであるからといって、それだけで認可するのでなく、二つあるならば両方見まして、よく比較研究した上で認可したい、かように考えております。(「あなたが自分で見たのが認可するかしないかの基準になるのですか」と呼ぶ者あり)いや、ただいま申し上げましたように、私がこの目で両方を見まして、社会的条件、それから技術的条件、二つのものを勘案してやるのは、私の個人的勘案ではございません。行政の担当者としての勘案でございますから、その意味は、とりもなおさず技術当局からも意見を聞き、事務当局からも意見を聞き、当局のみならず電波審議会という機関もございますので、あらゆる機関を通してその結果の最終結論は私の責任において私が下す、そういう意味でございます。植竹個人的の判断というのではございません。どうぞ御了承願います。
#5
○上林山委員 ただいま、就任以来大臣が御研究になった、きわめて常織的なカラー・テレビに対するお答えを聞いたわけでございますが、ただいま委員席からも何か反問があったように、大臣の話を聞いておりますと、きわめて近い機会に、あるいは大臣が何年御就任になっておるかわからないが、大臣の御就任の間に、あたかも各般の事情を勘案した上でこれを許可するか許可しないかをきめたい、こういうような印象を受け取ったわけであります。これは各般の事情を研究し、あらゆる機関を経て最終的行政的責任者としての決裁をする。この順序はわかるのですが、どうも時間的にあたかもあなたが在任中あるいはきわめて近い将来に、各機関の議を経た上で結論を得たい、こういうふうに私には受け取れたのです。そうだとすると、あなたが理想論としてお述べになることはけっこうでありますけれども、しかしこれを行政の最高責任者としての、最後的処断を近い機会に下し得るかもしれないという印象をもし与えたとするならば、これは大問題だと思うのです。そんなに簡単にいかないことはあなたが後段で幾らかお述べになったように、これはきわめてむずかしい問題なんです。
 そこでお伺いしたいのですが、それならばアメリカ方式というか、ヨーロッパ方式というか、そのいずれをいつごろになったら最終的な判断が下し得るという見通しですが、これもなかなかむずかしい問題だとわれわれは聞いておるのです。どの方式を日本が採用し得るか、この一つだけでもわれわれの見通しではあるいは数年かかるかもしれない、こういうふうに見通しておるのですが、それよりも違った最近の情勢の変化があれば、これを承わって参考にしたい。
 それから二番目には、今カラー実験放送をやっておるが、それを見た上で自分は感想を述べたのであるがという前提のもとにいろいろお話がございました。このカラー・テレビの日本で行われている実験放送をごらんになって、あなたは近いうちにこれは実用化しなければならぬ、あるいは数年後にはおそくともこれを実用化し得る、こういうような見通しをお立てになったと思うのです。今のお話は各方面に波紋を描くお答えだと思う。
#6
○植竹国務大臣 お答え申し上げます。このように目まぐるしく飛躍しつつあります電波科学、電波技術界におきましては、今日ベストな、最善なものと考えましても、口に夜を次いで発展、飛躍いたします今日の実情を見ますときに、もう明日は古いものになってしまって、ベストでなくなる、さように考えられますので、カラー・テレビにつきましても、ベストな最善のものを実験してからでなければ、認可しないという考え方を持っております。それで社会的条件、経済的条件、技術的条件を十分に勘案すると申しながらも、そのうちで一番重大な要素はやはり聴視者の立場、カラー・テレビを見る者の立場から、これならばたとえば目も疲れない、天然に近い色を現わしている、ほんとうに学術的な放送あるいは景色、風俗、文化面の放送にしても、白黒には白黒の持ちます特殊の深さと味があろうと思いますが、しかしなおかつカラーであってこそ放送の目的を完全に遂げることができるような場合もあろうと存じます。たとえば外科手術のごときも一つの例であろうと思いますし、その他科学的な放送の場合、教育的な放送の場合も考えられますが、そのような場合に、ベストでなくてもベターな、よりよい状態であるならばこれは認可した方がよろしいといったような段階があろうと思います。それならば現在私たちが見ましたカラー・テレビそのままで認可していいか悪いかということにつきましては、最初に申し上げました通りにまだ幾多の直すべき点があると考えております。現実にこういう点ああいう点ということも私は考えております。実観もいたしております。そこで一面におきましてあの程度ならあのカラー・テレビでよろしいという面もないではございませんけれども、まだまだ機械の調整の問題、受像機の調整の問題とか価格の問題、白黒に及ぼします経済的の影響、いろいろな点を勘案して考えていかなければならないと思います。しかも一方においてヨーロッパ式というものがあるものを、それを見ないでただ一方的にアメリカ式だけを見ましてこれを決定するということは、絶対すべきではない、さように考えておりますので、もし他日機会がございますれば、自分は責任者といたしまして、やはり自分でヨーロッパ方式を見学しなければならない。テレビのことでございますから、われわれの視覚を通して判断すべき要素が非常に多いと存じますので、これはただ技術家、専門家、学者、学識経験者等の御意見だけでなく、現に私自身も実地見学した上でなければ結論は出せない。それならばただいま御質問いただきましたいつごろであろうかという具体的なことについては、これは全く現在のところ申し上げることができません。何しろヨーロッパ式というものがあるのに、それを見ないで認可することはできない。それからまた、さっき申し上げましたように価格の問題、受像機の調整の問題、白黒に対する影響の問題というふうなことを考えますときに、そう簡単にあしたにでもあさってにでも、あるいは一ヵ月たったらさも私が認可するようなことが誤伝されておるようでありますが、これは全く一ヵ月、二ヵ月でもってはまだ認可すべき段階でない、さように考えておりますが、慎重に取り扱って参ります。
#7
○上林山委員 大臣の答弁はあまりに抽象的で、質問者の質問の要旨に明確にお答えにならない。堂々めぐりのような感を与えて、私、つかみどころがなくておったのですが、結論として私が聞きたいことは、今あなたがおっしゃったように、あしたあさってこれを許可することにはならない、あるいは一ヵ月、二ヵ月たって許可するかのように人は考えておるが、そうでもないのだ、しかしながら、最初言われた通り、またあとからの答弁のニュアンスから結論を出せば、できるなら自分の在任中に許可してもいいんだ、その上で許可するについてはヨーロッパ方式も見た上でなければならぬ、あるいはヨーロッパの視察をおやりになるかもしれませんが、そうしたものを見た上で、できるならば五年、十年というような先ではなくて、ここ半年、一年の間に、場合によってはすべての研究を得た上でなすかもしれないというお含みがあるのですか。その辺なんですが、その辺をまず一つ聞かしてもらいたいことと、それからヨーロッパ方式あるいはアメリカ方式、どちらをとるかという結論を、それぞれの機関を経て得るのは一体見通しとしてはいつごろを目標としてあなた方が研究しておるのか。そういう目標はなしに、ただ研究した上でその結果を得たらやるんだというようなお考えなのか、その考え方を率直に回答願いたい、こういうわけです。
#8
○植竹国務大臣 率直簡潔に申し上げますと、白紙状態でございます。研究の上でないとはっきりしたことを申し上げられないというのが率直な考え方でございます。ただしこれを研究いたしますと、私の在任中にもあるいは認可することができるように現在のカラー・テレビの方で進歩改良されて参るかもしれませんし、在任中であるか、あるいは在任中にはとてもできないかということは全く白紙でございます。
#9
○上林山委員 非常に重要な問題で、大臣も熱心にお答えになっておるし、私ももちろん熱心にお尋ねしておるのですが、どうも白紙状態であるということであればこれ以上論議してもこの問題は片づかないと思います。ただ最後に大臣に一言申し上げたいことは、理想としてはこういうふうにやりたいんだ、しかしこれはなかなか困難な事情が伴っていて、いつこれが許可になるかということは疑問なんだ、しかもこういう大きな、いかなる方式をとるかというような国際的な視野に立って判断をしなければならぬ問題などがあってなかなか困難なんだ、とりあえず郵政省がやれることはこういうことを今考えておる、こういう段階を今研究しておるんだ、こういう談話なり、あるいは質疑があったらこういう線に沿ってやっているとか、あるいはこれから先はこういう事情だからまだ早々と談話などで簡単なことを言うべき時期ではないということを、白紙であればあるほどあなたはおっしゃった方がいいんですよ。白紙であるということが初めてわかりましたが、私は白紙であるということもおかしいと思う。そうなるとあなた方が今党に出しておる予算の審議などにもわれわれは重大なる関心を払わなければならない。ただわれわれはあなたと一騎打ちをして快哉を叫ぶ類でない、そういう考えを私は持っておる。しかしこの問題についてあなたが白紙であると言うのには驚いたが、白紙である以上これ以上聞きません。
 最後に一言、これは大臣あるいは事務次官からでもいいのですが、定員の増加。これは毎年郵政事業が非常に膨大な事務分量を持つので定員不足が常に叫ばれ、われわれも及ばずながらある程度の協力はしてきた。これからもやろうと思います。しかしながら、私はこの休みに委員会としてではなくて自分個人として数ヵ所を見て回りましたが、第一線の現業員がもっと能率を上げ得る状態、たとえば設備、ことに簡単なる機械、乗りものの機械化、こうしたようなものについて、飛躍した予算をお出しになったことはあまりない。こういうような方面で飛躍した予算を出して、一方に能率を上げるようにしておいて、それでも定員がこれだけ足らない、だからことしは、かりに五千名なら五千名、ぜひふやしてもらいたい、こういうようなもう少し――郵政省は幾らか近代化しつつあるとはいえ、よその近代化、能率化に比べて遅々として進んでいないように私は思うのです。定員増にわれわれ協力もしますが、その前提においてもっと根本的に、こういうことをお考えになる必要がある。予算は出したけれども通らないからなどと考えないで、こういう時期にこそやらなければならぬということで、定員増とからめて双方出すべきだ。ちょびっとしか出しておらないああいうやり方では、真の意味の定員増ということにはならないと思う。頭数だけふやせば、能率は上らぬでもいい、事務是はふえた、それで頭割りで計算して、ただこれだけふやしてもらいたいでは、ちょっと古くさい役所の形式を踏襲しているのじゃないかと考えるのですが、大臣の御意見なり、あるいは事務次官からも補足して答弁があれば幸いだと思います。
#10
○植竹国務大臣 まずカラー・テレビのお話の最終的な御答弁を申し上げます。白紙と申し上げましたけれども、それは見通しについて申しますので、実際にカラー・テレビがどの程度に発達したか、その発達段階において、断を下していいという時期がきたら認可するという意味で、カラー・テレビの技術発達が、もうこれならば大方の国民大衆の要望に合ったカラー・テレビであるという段階にきたら認可するという意味で、手放しの白紙という意味ではむろんございません。それにつきましては、現段階におきましての研究過程はどういう点とどういう点を検討しつつあるかということは、先ほど私の答弁のうちに申し上げました通りに、あるいは色彩の点とか目の疲れとか、いろいろ申し上げたような点をただいま検討中でございます。
 それからなおカラー・テレビにつきましてすみやかに認可すべしという強い御要望を繰り返し繰り返し私のもとまでお申し出下さいます方も、国会のうちにもそういう方がおありになりまするけれども、私はただいま申し上げましたように、慎重にやるというはっきりした考えがございますので、その方にそれを御了承願って、そのつどお引き取り願って、おります。慎重に善処して参ります。
 次に郵便の問題でございますが、御指摘の通り、郵便物数が三三%も上っておりますのに、要員の方は四%しか増員ができておらない。
    〔橋本(登)委員長代理退席、秋田委員長代理着席〕
まあ三千八百人この間定員を増加していただいたわけでありますが、数字が違っていたら事務当局から訂正いたすことにいたしますけれども、そういったように、物の方が非常にふえているのに要員の方が非常に少い。しかもそれを補います機械化におきましても、御指摘の通り全く今日は不十分である。きわめて不十分なる状態にございまするので、今度は概算要求にもその点は十分、しかし割増しをせずに、まじめな数字を計上いたしてございます。郵政省がいつでも計上いたしております予算は、私たち政調におりましたときを振り返ってみましても、郵政省の出します概算要求は実にまじめなものが出ております。そのかわりこれが少しでも削られますことは、事務上にも差しつかえがあると考えております。この点におきましても委員各位におかれましては御協力を賜わりますようにお願いいたします次第でございます。
#11
○加藤説明員 お答えいたします。上林山先生から郵便事業の機械化を大いにやってほしいという御意見がございました。まことにお説の通りでございまして、郵便事業につきましてはわれわれも従来機械化を考えて参ったのでございますが、何分にも郵便事業の性質上人力をもってする部面が非常に多うございまして、なかなか機械化がはかどらなかったような次第でございますが、御承知のように、三十四年度から郵便事業機械化五ヵ年計画を発足させまして、本年度は四億円予算が認められましたわけであります。来年度は七億円の郵便事業機械化に要する概算要求をいたした次第でございまして、もっとこれを躍進せしめた大きな予算を要求しろという御意見でございますが、今回は大蔵省等の関係もございまして七億円の概算要求にとどめた次第でございますが、今後郵便事業の機械化につきましては一そう研究いたしたいと考えます。
#12
○秋田委員長代理 森本靖君。
#13
○森本委員 私はカラー・テレビについては聞くつもりはなかったわけですが、今大臣からそういうふうに、大体将来の問題については白紙であるということの御答弁がありましたので、ちょっとお聞きしておきたいと思います。今NTVがカラー・テレビの実験放送を大々的にやっておるわけですが、この現状を事務当局から説明できますか。あの会社がどの程度これに資力をつぎ込んで、どういう広告放送料を取って、どういう採算になっておるか、どこか事務当局で今説明できますか。――それではあとにいたしますが、問題はやはり、時期尚早論と早くやれという意見に郵政大臣がはさまって非常に苦慮しておるというような情勢はよくわかりますが、どうも筋が通らぬようなやり方をやったんでは誤解を招くわけであります。一方では、特にNTVあたりは社運をかけての今度のカラー・テレビではなかろうかと考えておる。それが三年も四年もなるかならぬかわからぬというようなものだったら、ああいうやり方に対して、行政権を握っておる郵政当局としては、ちょっと出過ぎじゃないか、もう少し待ったらどうかというサゼスチョンをしなければならぬと思う。一方ではどんどんやっておる。大臣の、上林山委員の質問に対して、今のところ白紙であるというようなことも、政府の行政というものが一貫したような形じゃないというふうに私は思うわけです。特に今のカラー・テレビの東京における実験放送の段階、この現状を一体どう見ておるかということを聞きたかったのでありますが、それはあとで電波当局が来てからお聞きいたします。
 もう一つ電波関係でお聞きしておきたいのでありますが、それは、この間私は東北の方に行政視察に参ったわけでありますが、その中で、前々から問題になっておりましたのは、全国でテレビのチャンネル・プランが問題になりましたけれども、ようやく現状のようにおさまっておるわけであります。ところが東北の中で私が参りました福島のところ、これが全国でただ一ヵ所だけ、いまだにテレビか許可になっておらぬ。これは御承知の通り、すでに三社が三つどもえになりまして争いに争いを続けて、最初に予備免許の段階でおりておったものが取り消されるという段階になって、いまだに許可になっておらぬ。そのいきさつはどういうふうになっておるか知りませんけれども、いずれにいたしましても、電波は三社のものではないわけでありまして、福島県民のためのテレビの電波であると思うのであって、それをこのまま放置しておくということは、いかなる事情があるにせよ、監督権を持っておる郵政当局の職務怠慢であると言われてもやむを得ぬのじゃないかと思う。この点について郵政当局はどう考えておるのかということも電波局長が来てから答弁を願ってもけっこうですが、それからもう一つ、今後のテレビの地方における第二チャンネル・プランの問題も今日いまだに緒についておらぬ段階であります。それから放送FMの問題についても電波局長なり大臣はそれぞれ新聞に対する談話ではいろいろのことを言っておりますけれども、委員会あたりでこの問題について明確にしたことはまだないわけであります。そういう点についても、新聞談話等でああいうふうな発表をするくらいなら、委員会において堂々と郵政の方針を明確にしたらいいではないかというふうに考えるわけであります。その点についても明らかにしてもらいたいと思いますし、きょうの委員会に間に合わなければ次でもけっこうでありますが、もう一つは、前の濱田電波監理局長が非常に努力をいたしまして、近く返還をせられるといううわさがありますし、またこれが使用できるといううわさがありますところの十二チャンネルの問題については、現状はどのようになっておるか。それから将来これがかりに使用できることになった場合に、郵政当局としてはこれについてどう考えておるか。こういう電波に関する問題については、あとで電波局長が来たときによく御回答願いたい、こう思うわけであります。今の点一つ忘れずに覚えておいてもらいたいと思う。きょうの委員会で答弁できぬということになれば次の委員会でもけっこうでありますが、今の点は電波局長が来てからにしますか、どうしますか。
#14
○植竹国務大臣 それでは福島の件は電波局長からお答え申し上げます。
 それからカラー・テレビの問題につきましては、私からもお答え申し上げたいと存じますが、NTVの経営計画につきましては、電波局長からお答え申し上げることといたしまして、ただ私は、白紙という言葉をいろいろにおとりいただいたので大へんどうも――先ほど申し上げましたように、白紙と申しましても、その意味は、いつ認可するかということがまだきまっていないという意味の白紙という意味におとり願いたいと存じます。さて、それならばNTVがあれだけの資本投下をして、あれだけやっているものに対してどうするかというお話でございますが、この点につきましては、たとえば受像機買い入れをちょっと待つようにといったような字幕、ああいうふうな点につきましては、早くこれをとるようにという御要望もNTV方面からございます。それからまた試験放送を現在の場所以外にも、全国の主要都市に拡大したいという御要望もございますけれども、これはアメカ方式、つまりNTVのカラー・テレビを認可するという下心でも私たちの側ではっきりした見通しがつきますれば拡充するのもいいですし、字幕も取り消すように処置いたしますが、まだそこまで私たちの検討が参りませんので、もしやあれを拡大して、ますます資本を投下されまして、その暁において逆にヨーロッパ方式に認可するような場合においては、非常にむだなことになってお気の毒である、そういう意味をもって試験放送の地区拡大をお控えいただいておるようなわけでございまして、NTVに認可しないからという腹でお引きとめしているのでもなければ、認可するという考え方であるわけではない。全くその点はまだ結論が私たちの側において出ていないというのが、率直な私たちの考え方であり、態度でございます。
 それからなお地方のチャンネル・プランにつきましては、これもまた電波局長からお答え申し上げます。
 それからFM放送につきましては、白黒への影響あるいはFM放送につきましてのいろいろな技術上の問題を今検討してもらっております。さらに詳細につきましては、これまた局長からお答え申し上げたいと思います。
 それから十二チャンネルのことにつきましては、私たちの仄聞しておりますところでは、そうたやすくこれがまだできないように仄聞しておりますが、なお具体的なことにつきましては、これまた局、長からお答えすることにいたしたいと存じます。
#15
○森本委員 あとの問題は全部電波局長が来なければということでありますが、淺野次長でも来ればこの福島の問題等については彼が一番よく文書課長でございましたから知っておると思いますけれども、いずれにしてもこの福島の問題なんかは知らぬでは済まされないのであって、もうすでに全部許可になっておるのに、福島だけが今その三社の争いによって残っておる。福島県民だけが民間放送の恩恵を受けないということについては、やはり大臣の責任でありますから、その点は大臣として、内容はよく知らぬにいたしましても、責任を痛感するという点については御説明を願っておきたい、こう思うわけであります。
    〔秋田委員長代理退席、橋本(登)委
  員長代理着席〕
 そこで、こういう機会でございますので、私の方もいろいろの準備関係もありますので大臣に特にお聞きしておきたいと思いますが、新聞紙上に見まするところによりますと、臨時国会を大体十月の二十日前後に開くというふうな予定が新聞にちらほら載っております。そこで郵政省として次期の臨時国会もしくは通常国会に提案をしようと考えておる法案の予定はどれとどれか、どういうふうなのが予定をせられておるか、それについて一つお答えを願いたい、こう思うわけです。
#16
○植竹国務大臣 この郵政省設置法の一部を改正する法律案の内容を申し上げますと、官房長を置く点でございます。もうすでに予算も三十四年度いただいております。これだけは臨時国会に早く提案したいと存じます。
#17
○森本委員 それ以外に予定をしておる法案はないのですか、今のところ。
#18
○植竹国務大臣 通常国会に提案いたしたいと存じます。
#19
○森本委員 その通常国会に提案をしそうな法案というのは大体どんなものですか。
#20
○植竹国務大臣 二つ予定いたしております。公共企業体等共済組合法の一部を改正する法律案と電信電話拡充の暫定措置法、この二つを予定しております。
#21
○森本委員 それ以外は今のところ予定はないわけですね。
#22
○植竹国務大臣 ございません。
#23
○森本委員 それでは電気通信監理官がおりますので伺いますが、例の電電公社の集線装置の問題については、これはまだほおかぶりをしてやっていくつもりですが、法律を改正する考えはないのですか。
#24
○松田説明員 この問題につきましては、私どももこの前の先生の御質問以来いろいろと検討を続けておるわけでございますが、大体電電公社の集線装置の今後の活用の仕方というものの基本的方式が第一でございますので、その点について私どもまだはっきりとこうであるという最後的な結論を聞いていないわけです。それでそのこととにらみ合せまして問題は解決されなければならないと思うのでございますけれども、その動き方いかんによっては、大体現行法でも場合によってはまかなえるのではないかというふうにも考えられますので、何分その点は検討中ということでございます。
#25
○森本委員 電気通信監理官はいつもそういうことを言って、どだいぎりぎりのところまでこないと法律改正についてはやろうとしない。たとえばこの前の有線放送電話でも結局ぎりぎりの手元まできて――有線放送電話の問題についても、何回もわれわれがこの委員会においても質問しておったら、それは法律違反ではないと思いますというようなわからない答弁をしておって、結局最後には有線放送電話に関する法律というものを作った。今度の集線装置の問題についても、公衆電気通信法では単独加入電話と共同電話しかないのだから、単独加入電話、共同電話と違った形の電話であるということには間違いない。そんな法律を検討するのに一ヵ月も二ヵ月もかける必要はないんだから、あっさりと法律を改正して、それでこれをやればいい。そうすれば一般の公衆も便利になるんだから。ただ、われわれが言っておるのは、立法府として法律違反になるような疑いのあるものをいやしくもやってもらいたくない。そういう点については早く研究をして早く結論を出して、これはこうだという明言が委員会においてできるように、行政当局としてはぜひこれはやってもらいたい。前の政務次官も大臣も、ちょっと私がここで質問をしたら、その点は確かに森本委員の言う通りおかしいと思う。至急十分調査をして、もしそういうことなら至急これを出すようにしたいというような答弁をしておったわけだから、新しい政務次官、大臣にもその引き継ぎはせられておると思う。だから少くともこういうふうな、若干でも法律に疑義のあるような問題については、検討しておる、どうこうということで引き延ばすということでなしに、早急に結論をつけてもらいたい。違反であるかどうか。電電公社としては試行だと言っておる。法律違反でなかったら、試行ということでやる必要はない。やはり法律に若干でも抵触するんじゃないかという気があるから、あくまで試行ということでやっておるわけです。試行である以上は、一応法律改正をするなり、法律違反でなければ、ないということが明言できなければならぬ。そういう点は、私はしつこく言うようだけども、それはやっぱり立法府としての責任上から言っておるわけであって、行政当局が法律違反になるようなことをどんどんやってもらっては困る。その点はきょうはこれ以上追及しませんが、次期の委員会あたりには明言できるように一つ研究をしておいてもらいたい、あと一ヵ月ございますから。
 もう一つ大臣に、今の集線装置の問題については前の大臣から申し送りになっておると思いますが、どうですか。もし申し送りになっていなかったら大臣の怠慢だが。
#26
○植竹国務大臣 はなはだ何んですが、まだ聞いておりません。さっそく一つ勉強します。
#27
○森本委員 今の電話は単独加入電話と共同電話しかないが、それ以外に集線装置という新しい試行的なものを電電公社がやっておるわけです。私の見解では、これは公衆電気通信法の違反であるから、これを改正して新しく項を設けよということを言っておるわけです。電電公社、政府当局は、確かに疑問はあるけれども研究しておりますということで、もう相当長い間研究しておるわけです。これは改正しようと思えば簡単な法律改正です。だからそういう点については至急結論をつけるようにしてもらいたい、こう思うわけです。
 それから、大臣にはめったに会う機会がありませんから、こういう機会に聞いておきたいと思います。公共企業体の共済組合法については改正するということですが、それ以外にILO条約にからんでの公労法関係の改正は――むろん当委員会ではございませんけれども、そういうふうなことについては、通常国会で出す意思はないのですか。
#28
○植竹国務大臣 郵政省としてはただいままだそこまでいっておりませんが、検討はいたさせております。
#29
○森本委員 これはむろん労働省が提案する問題であります。しかし郵政省の職員はこの公共企業体等労働関係法には非常に関係があるわけであって、郵政省としてもこの公労法を改正しなければならぬかどうかということについては検討しておると思う。だから、これはILO条約を批准するということになれば改正しなければならぬでしょう。どうですか。
#30
○植竹国務大臣 その通りでございます。
#31
○森本委員 そうすると、ILO条約の批准という点については一体いつごろやる予定ですか。
#32
○植竹国務大臣 これは実は私の方で伺いたいくらいなんですが、労働省の方で所管しておりますので、私たちはただ一日もすみやかにこのILO条約を批准することができるようになってほしい。そうすればむろん国内法の整備をILO条約批准と同時にやらなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#33
○森本委員 郵政大臣がまるきり傍観者的立場のような答弁をしておるが、今のILO条約の問題は、郵政省対全逓の問題が一番大きな問題になっておるわけです。あなたは当事者ですよ。それを横から傍観して、労働省がやっておるようでございますからというようなことでは、これは責任のがれになると思う。これは今でこそ安閑としておりますけれども、もうちょっとして十一月、十二月になって労働攻勢が激しくなってきて――郵政省が年賀郵便をやらなかったということは有史以来ないわけでありますが、かりにあなたの大臣在任中において、有史以来の郵政省の大騒動になるということについては、これは組合もあなた方が考えておるように、場合によったらある程度空中分解するでしょう。しかしそれ以上に郵政当局もかなりの混乱を免れぬということは事実なんですよ。僕はやはり従業員側の立場に立って見た場合に、それほど労働組合が空中分解するとは考えないけれども、ある程度の混乱はあるでしょう。しかしそれ以上に政府としてもかなりの混乱が起ると思う。それ以上にやはり一般の日本国民としても大きな迷惑がかかる場合もあり得るということを考えた場合には、もうそろそろこの問題については、郵政大臣としては、郵政大臣の識見を持って、真剣にこの解決の道を見出す方向にいかなければ、いよいよどん詰まりになってきて、ああどうしよう、こうしようということになると、次官、人事部長以下みんなは、これは大臣の責任でございますから私は知りませんというような格好になって、上げもおろしもならぬということになってあわてても何もならぬと思う。だから、今から郵政大臣が主導権をとって、労働省なりあるいは与党の労働調査委員会なりそういうものに働きかけて、一体どうやれば解決の道がついていくかということについてあなた方が真剣に考えていくべき段階じゃないか。それを事もあろうに大臣が、これは私の所管でありませんで労働省の方だと言うことはちょっとおかしいと思うんですよ。あなたはやはり全責任を持って解決をつけたいと思いますという答弁をするのが当りまえであって、その答弁があったら、それでは一体どういう方法でやるかということになっていくわけですが、傍観的立場ではちっとも質問の序の口に入らぬわけです。どうですか、大臣。
#34
○植竹国務大臣 私はむろん傍観的どころではございません。行政的にはきわめてこの問題を重大視し、十分に検討をするばかりでなく、こういうふうにという考えは持っておりますけれども、ただいま申し上げましたのは、法律の提案につきましては労働省の担当だということを申し上げたのでございまして、批准につきましてもまた同じでございます。
#35
○森本委員 あなたも実に事務的な答弁をしておるわけであって、この問題こそ本腰を入れて解決をつけるという気組みが出てこなければ、そういう方向にいきませんぞ。担当の大臣が大きな意欲を持って、この問題はどうしても解決をつけるという意気込みに燃えて初めて労働組合も一つの方向に動こうし、あるいは郵政事務当局も動こうし、あるいはその方針に従って場合によっては与野党の議員があっせんに入ることもあり得るかもしれぬ。しかし、肝心の大臣が当って砕けろというような気持で大きな気概を持って当らなければ、この問題はやはり動きがとれぬと思う。私は前の田中角榮君の大臣をほめるわけではないけれども、あの共済年金法が通ったときに、もちろん労働組合も一生懸命やったし、また与野党の議員もこの問題については従業員にとってはいいことであるからということで一生懸命やった。大臣も、その他の問題については反対、賛成もあったろうけれども、この年金の問題については一応郵政省としては将来残るからということで、時の大臣も一生懸命やったわけです。そういうふうな雰囲気にならなければ、重要な問題は解決はつかぬわけです。その中心になるのは何といっても郵政大臣であるから、郵政大臣がこの際全逓との問題を解決をつけて、そしてILO条約の批准の問題についても解決をつけて、将来円満にいくようにということを、あなたが異常なる決意を持って臨むというくらいの気魄を示さぬことには、この問題の解決はつかぬわけです。その気魂というものを明白にしてもらいたい。いい方に……。
#36
○植竹国務大臣 私も郵政行政担当の責任者といたしまして、この労働問題には非常に大きなウエートがかかっておるということを痛感いたしております。それで、行政といたしましては自分も十分に、この問題はこういうふうにやっていきたい、こういうふうにやっていかなければならないのだというふうに考えておるのでございます。しかし、行政面においてはさようでございますが、先ほど申し上げましたように、立法面におきまして、また直接当って参りますのは労働大臣が所管者として、全逓の諸君と打ち合せをやっていくような場合が多々あるという点を御理解願いたいと思うのです。さて、私はこういう信念でございます。この郵政という同じ屋棟のもとで苦楽を共にしております従業員諸君であります。私もぞうきんがけからだんだんに上って参りました、今日まで暮らして参りました過去の体験からいたしまして、働く者の苦労は人一倍身にしみておりますので、閣議の決定に基いてこの全逓の諸君と今は団体交渉ができない、そういうような状態でございますけれども、一日もすみやかに団体交渉が再開されるようにということを念願し、かつまた団体交渉はなくとも、どうしたら全逓の諸君にほんとうに安心して思う存分に全国民のために、郵政の業務の従事者としてその責任を完全に果してもらっていくことができるかということを、むろん日夜苦心いたしておる次第でございますから、この問題は労働閣僚懇談会というものもございまするし、明日はおそらくその集まりもあると思います。閣内におきましても十分に意見を交換し合って、そうしてこのすみやかなる解決をはかりたいと思っておりますが、何分にも全逓という労働組合がおられるのでありまするから、何とかして早く団体交渉が再開できるように持っていきたい、私の方でもそう持っていきたい。それはどうしたらいいかということを今までも検討いたして参りましたが、さらに明日もそういったような集まりもございますので、今後とも熱意を持ってこの問題に当って参る覚悟でございます。
#37
○森本委員 決意だけ聞いて内容はこれからゆっくり質問をしていかなければいかぬわけでありますが、きょうはあとの方の質疑がありますので、内容等については後日私はゆっくり大臣に質疑応答をやっていきたいというふうに考えておるわけでありますが、ただこまかい問題でありまするけれども、将来の労働問題を解決づける意味において重要なことがありますので、事務次官がおりまするからちょっと聞いておきたいと思います。
 この間仲裁裁定が出まして、それぞれ国鉄その他については仲裁裁定が出ておりまするが、御承知の通り全逓はそのときに仲裁裁定は出ておりません。ただその場合に全特定、全郵政に対しては二百五十円だったかのべース・アップの仲裁裁定が出ておるわけであります。これを現実にどう処理するのか。これは将来この問題を解決づけるときにも非常に尾を引く問題であるから、この問題だけをちょっときょうは参考までに聞いておいて、次の委員会あたりで細部にわたって質問をしたいと思いますが、これをどうするつもりですか。
#38
○加藤説明員 お答え申し上げます。ただいまお話の通り全特定と全郵政に対しましては二百五十円の仲裁裁定がすでにおりておるわけでございまして、その方の組合からは至急実施してくれということの要求を受けておる次第でございまして、これが実施につきましては、目下いつごろやるかということにつきまして検討いたしておる次第でございます。
#39
○森本委員 検討しておるということはわかるけれども、それを実施する場合にどうするかということですよ。
#40
○加藤説明員 お説は全逓の方に対してどうするかという……。
#41
○森本委員 全逓だけではない、あなた方管理者もあるだろうが。
#42
○加藤説明員 それはそうです。そういう問題がございますからいつごろ実施するか、いわゆる仲裁裁定が出た分はやらざるを得ないと私ども考えますが、それをいつやるかというようなことにつきましては、目下検討中ということでございます。
#43
○森本委員 いつやるかということではない、それをやるには人間の範囲をどうするかということを聞いておる。たとえばこの二百五十円のべース・アップをもしかりにやるとした場合に、全特定と全郵政というものは、人数にしてわずかに一万五千人程度のものだろうと思う。郵政省の人間が全部で二十六万人とする、そのうち全逓の従業員は二十二、三万人とする、そういう場合にあなたの方が労働閣僚懇談会か何か知らぬけれども、この際全逓をやっつけろということで、かりに全特定と全郵政の一万五千名にこれを実施した場合に、かりに実施してあとの全逓の者にはやらぬということになった場合には、管理者はどうするのですか。特定郵便局長並びに普通局の課長、局長代理、あなた方管理者は、現実問題として全逓の場合にもやらぬということになると、ベース・アップができぬということになるぬ。というのは、たとえば仲裁裁定がその従業員の半分以上ぐらいに常識的にあれば、それは管理者にも及ぼすことができるけれども、二十六万人のうちのわずか一万五、六千を仲裁裁定があったということでやっておいて、あとの多数の従業員にはべース・アップをやらぬということになったら、これは管理者もできぬということになるね。
#44
○加藤説明員 お説のように全特定は一万五千人くらいで全郵政は三百人ぐらいでございまして、全逓が二十二万でございます。その金額は大体十一億ぐらいになるかと思いますが、これは裁定が出ておりませんので目下予算的措置ができない状況でございます。管理者につきましては、これは非常に数が少いのでございますから、金額はわずかであろうと思いますが、しかし現存のところ全特定、全郵政にいつやるかということを検討しております問題につきましは、管理者にもやろうということを切り離して考えておる次第でございまして、今検討いたしております問題につきましては、従いましてよく働いておる管理者にも二百五十円の仲裁裁定はいかないということになります。いろいろの問題がございますのでそういう問題について目下検討いたしておると申し上げたのは、そういう問題がございますから検討しておるということであります。
#45
○森本委員 そこで、この問題は下手にこじらすと将来の問題に影響して、よけいにこじらすことになると思うのですが、仲裁裁定が出ておるから予算措置を講じて全特定、全郵政に与えるというが、その予算措置というのは何ぼですか。一万五千人で予算措置を講じなければいかぬほどの金額ですか。
#46
○加藤説明員 今申し上げましたのは全逓二十二万に対してやるという場合に十一億の金が要るということです。これを申し上げたわけです。
#47
○森本委員 そのくらいの金をひねり出すことができぬような大臣と政務次官だったらやめた方がましだ。十一億ぐらいの金を郵政省が何とか大蔵省と折衝して、とにかくけりをつけるという、あるいは来年の予算審議のときに考える、そういうことは事務次官はあまり心配する必要はない、そういうことは大臣と政務次官にまかせればいい。それができぬような大臣と政務次官だったらだめだから、それは予算措置その他については一切大臣と政務次官にまかす、そういうことができるということなら、やはり全郵政も全特定も管理者も全逓の従業員も、この際喜びを一緒に分ち合うというふうにするのがほんとうでしょう。これを下手にこじらしたら将来の解決はめどがつかぬということになる。だからその問題が下手をして、閣僚懇談会あたりでこの際いやみをやるという意味において、一万五千名にやって、あとの二十二万人にはやらぬというふうなことになったら、これは大ごとですよ。どうですか大臣、この問題は。
#48
○植竹国務大臣 私は全逓にも出したくてしようがないのですけれども、仲裁裁定がないと、予算総則には仲裁裁定があったときには出すようになっておりますので、出したくても出せないという苦衷を一つ御理解いただきたいと思います。
#49
○片島委員 その問題ですが、仲裁裁定、仲裁裁定とおっしゃるが、今は全特定や全郵政におる人に実施して、その人たちはもらえます。もらった翌日全逓の方にいってしまったときには取り上げますか。また、今全逓におる者が、わしももらおうと思って全逓からひょっと向うにいって、それでおれにもくれ、こう言ったら、特定に来たのだからやらぬわけにはいくまい。それでやった。もらったら、またさっといく。そういうときの措置は――これは組合の中がいったりきたり、こうやっておりますが、そのことを考えると、これは全部の従業員は対等に扱わないと、扱えないようになりますよ。その点はどういうふうに考えますか。
#50
○植竹国務大臣 法規と予算総則に従って措置をいたします。従いまして、たとえば今の御指摘のようなことはないとは信じますが、全逓の諸君も、全特定の諸君も、信念をもって全逓の組合員であり、信念をもって全特定の組合員であるから、そういうことはないと思いますけれども、万が一ありましたときには法規に従って処置をいたしますから、そういうふうな支払いの仕方でよろしいのだと思います。
 なお、これは今の全逓の解雇せられました人が役員になっている、あの人たちが一応辞任されまして、全逓をいわゆる正常化される、そうすれば政府の方では批准たします。そうすれば今度はすぐ解雇されました人も堂々と再び役員におつきになっても、これは合法的であり、政府はそれを当然認めて参りますのと同じわけ合いでございます。さように考えております。
#51
○森本委員 そんなことを教えてもらわなくても、それは両方がわかり切ったことで、これは一つの争いになっているわけであって、それをいかにして解決をつけるかということに苦心しておるわけです。大臣が言うように簡単に済むものならそれは簡単に済んでおるのであって、それがなかなか解決がつきやしないから今言っているわけです。
 それから今の二百五十円のベース・アップの問題については、大臣は実情をよく知らぬと思うのです。今、片島委員が言ったような問題があっちこっちに発生してくるわけだ。それから全特定、全逓というのは、一体どこでそれを認識するかということです。両方とも加入名簿なんてとっておりはしません。だから非常に問題がややこしくなる。だからその問題についてはかなり慎重に考えてやっていかなければ、大臣、これはとんでもないことになる。
 それから、あなたは法規の通り予算措置ができないから云々というようなことを言いますが、それくらいのことはできぬことはない。法規一点張りというようなことをやるのだったら、だれでもやる。場合によっては政治的手腕を発揮しなければならぬときなんです。政治的な手腕を発揮してこそ大臣ですよ。それをきまりきった、事務当局の言う通りやるのだったら、これは大臣じゃないのです。そこがやっぱり大臣の違うところであって、予算措置がどうこう云々と言うけれども、私がさっきから言っておることは、そういう問題については政治的な手腕を発揮したら必ず道は開けてくる。二十六万人の中で、二十二万人にはやらずにおいて、一万五千人にやって、いやがらせをして、しかも肝心のあなた方の手足になって、部下になって労働運動を防ぎとめなければならぬところの管理者ももらえぬということになる、末端の課長代理、課長ももらえぬということになる。あほらしくて、言うことを聞けるかということで、よけい労働運動が混乱いたします。そのことをよく慎重に考えていかなければ、ただいやがらせに二百五十円のべース・アップをやっておったら、とんでもないことになるということをよくお考えの上、あなたの方は次の委員会あたりにその政治的手腕の決意のほどを表明できるように考えてもらいたいということを言って、次の委員の質問がありますから、私の質問は本日はこの程度で終ります。
#52
○橋本(登)委員長代理 松前重義君。
#53
○松前委員 あとで大臣に御答弁願いますが、最初に電波監理局に伺います。
 わが国の電波関係すなわちエレクトロニクスの工業生産品が海外に相当に今輸出されておる。聞くところによりますと、ゲルマニュームの消費量は世界の五一%を日本が消費しておる。アメリカが四十数%で、あとの残りがその他の国である。こうまで伸びている。日本の精密工業はこういう状況のようでありますが、それにつきまして、ゲルマニュームだけは大体承知しておりますが、その他のそれに関連した通信機、受信機あるいは送信機等の総輸出額はどのくらいになっておるか伺いたいと思います。
#54
○甘利説明員 ただいまお尋ねのエレクトロニクスの関係の輸出額の問題でございますが、正確な資料を持ち合せておりませんので、直ちにできるだけ正確に調査いたしまして資料を提出したいと思います。私の記憶するところでは、少くもこの数年間に非常な急速な伸びを示しておるわけでございます。しかし、その内容は大体小型のラジオといったようなところにございまして、日本の基本的な技術をもとにした、根のある生産によった伸びというものはまだ微々たるものであると承知しております。数字に関しましては正確な資料を持ち合せておりませんので……。
#55
○松前委員 輸出の相手国ですね。――電波監理局はこのくらいの資料はお持ちでしょう。事務当局もおられるようですから、局長でなくてもよいのですから、ちょっと知らせてもらいたい。これは当然電波監理局としては、政府の当局としては、知っておくべきものだと思う。次長、いかがですか。
#56
○野島説明員 先生の言われるように、そういう資料は正確に把握しておらなければならぬと思いますが、ただいまのところ持ち合せておりませんので、後ほど御報告申し上げたいと思います。
#57
○松前委員 これはあとで出していただきましょう。
 そこで、相手国は大体どういうところに主として輸出をしておるか。また、今後における輸出の大体の方向は、どういう国に対して輸出されるであろうという目安のもとに電波界を指導しておられるか、これを伺いたい。
#58
○甘利説明員 先ほど申しましたように、小型のラジオ系統のものはアメリカあるいは東南アジアというようなところが主であるようであります。しかし、電波関係の開発としましては、やはり未開発国と申しますか、現在広大な地域を擁して、なおかつその通信網が不完全で、これから発達すべきところ、そういう地域を目ざして、これに必要な開発をしたいと考えております。特に電波関係におきましては、マイクロの通信網はもちろんでございますが、最近では、特にスキャッターの実験等のデータがかなり高く買われて、いわゆるプラント輸出の形で話が出るようになっております。またテレビ、ラジオ等の普及していない地域に対しましては、そういった施設を輸出するという方向に相当向っておるようでございます。何としましても、電波機器の輸出におきましては、基本となる生産能力はもちろんでありますが、やはり電波の全般に関する基本的なデータをしっかり握っているということが非常に必要でございますので、その方面についてもっぱら力を入れておる次第であります。
#59
○松前委員 先ほど来話がありましたフリケンシイ・モデレーション、FMの放送電波としてはアメリカ、ヨーロッパ、あるいは南方の諸地域、これらの諸国においてすでに相当実施をされており、もう相当な年月もたっておるようでありますが、このFM周波帯は一体どういう周波帯を使っておるか、世界の情勢をお知らせ願いたいと思います。
#60
○甘利説明員 大体国際的に現在開発されておりますのは、日本でも現在実験中のいわゆる超短波帯が主でございます。まだUHF帯の方にそういうスペクドラムの使用の余地は十分あるわけですが、まだその辺は十分開拓されておりません。ただテレビジョンのUHF帯における実施あるいは研究というものはかなり進んでおりまして、この方の技術は直ちにFMの技術と通ずるものがございますので、現在のVHFのスペクトラムがきわめて狭くて、そこに行き詰まりを感ずる場合においては、まずUHF帯にフィールドを探して各国が競ってここに新分野を開拓するのではないかと考えております。
#61
○松前委員 南方諸地域、大体南方に限らず世界じゅうはVHF帯を使っている。FMにはVHF帯、こういうお話のようです。そこで南方諸地域で、すでにFM放送を開始しておるところがたくさんあるようですが、これに対して御調査になりましたか。
#62
○甘利説明員 FMテレビジョン、その他ラジオといったものの普及状態については十分資料もございます。ただいまここですぐというわけには参りませんが、御必要な資料をそろえて提出いたします。
#63
○松前委員 正確なことは要りませんよ。大体どの国でやっておるかくらいのことはおわかりでしょうから、それをお伺いいたします。
#64
○甘利説明員 これははなはだ記憶がはっきりしません。私、数字に非常に弱い方でありますが、南方諸地域だけの御質問でございますか。
#65
○松前委員 一応未開発国……。
#66
○甘利説明員 未開発国におきましては、まだそれほど普及しておらないと存じております。
#67
○松前委員 実施はしておるだろう。
#68
○甘利説明員 実施もFMにつきましてははっきりしたものはないのじゃないかという記憶であります。
#69
○松前委員 どうも意地悪い質問をして申しわけなかったのでありますが、盛んにやっております。タイでも二局あります。それからフィリピンでもたくさんやっております。この点は、まだ御就任早々ですから、あるいはまだ研究者のあなたとしてはそこまでいってなかったかもしれませんが、すでにもうどんどん放送をやっておる、こういう状態です。まだそのほかにもあるかもしれませんから、これはもう少し調査をして御提出願いたいと思います。
 そこで、これから電波監理局長の御意見に対する専門的な意見を一つ伺いたいと思うのです。それは、先般FMはUHF帯を採用すべし、そういうふうな行政方針をとるのだということを明言されておる、これの問題ですけれども、これは大事な問題だと思うのです。大事な問題だから、まだ新しい電波監理局長としてはこういう意見を信念として持っておられるのじゃなかろうかと思う。ところがまだFMにはどこの国も使ってないUHF帯を日本が採用すれば、東南アジア、その他外国もUHF帯をみんな採用するようになる。こういうことになれば私は非常にけっこうな話だと思うけれども、私は電波監理局の指導方針としては、輸出その他の問題、工業の問題は通産省だなんということは考えちゃいかぬ。それは輸出の事務だとか、いろいろな輸出入の問題についての端っこの行政は通産省がおやりになるでしょうけれども、大もとである基本的な方向を決定するのは、やはり郵政省でなければならぬ。そうすると世界の市場ということも考えながら私はこれらの電波の決定というものをなさる必要があるのじゃないか。日本だけがぽこんとかけ離れて離れ小島みたいにやりましても、その生産品の市場は日本だけしかない。それでは日本全体の経済に対しての配慮もなく、また従って量産もできませんから技術の向上もない。普及率も少くなってくる、こういうことになると思います。そこでUHF帯にFM放送の周波帯を求めるというような、あなたの御意見発表になったこと、そのようにした場合において、日本の工業の伸びはない、現にこのFM受信機というものが今フィリピン等に輸出されておるのです。アメリカの品物が高いから日本からどんどん輸出しているのです。こういう状態にある日本では、まだFMの普及率というものは五十万か六十万程度くらいでしょう。ですからまだどんどん普及はしておりますけれども、しかし東南アジア方面に対しては一応FM・VHF周波帯の受信機は今輸出されております。もしこれをUHF帯にした場合においてはだれも買いませんし、その点私は受信機の値段は相当高くなると思うのです。そこで受信機の値段、送信機の値段がどのくらい高くなるのか、その辺のあなたのお見込みも伺いたいし、同時にまたこのようなUHF帯にするという学者の理想論としては、私は場合によったら非常に敬意を表します。電波の交通整理の方針としてはやはり非常な見識ある一つの方式だと思うけれども、電波だけの立場でなく、現在の世界の現実の姿を見るときには、どうもUHFだけりに――UHFを全然やっちゃいかぬとは言えない。将来の話としては考えなくちゃいかぬけれども、一本UHF帯だけにFM放送を求めようとしておられるかどうか。それで、このような意味において、今後における日本の工業を背景とした考え方をお持ちかどうか、この辺のところもあわせて総合的に、あなたのUHF論に対してお答えを願いたいと思います。
#70
○甘利説明員 ただいま非常に高い見識に基いた御意見を承わりまして、私非常に教えられた次第でございます。この問題につきましては、新聞等で幾らか誤まり伝えられておるところがございます。私は一個の技術者としては、ただいまのような理想論として、UHF帯にすべてのFMを整理して、UHFテレビを充実するということが非常にいい方法ではないかと考えております。またアメリカにおきましても、UHFとVHFの使い方を誤まったために、非常な混乱を生じて、FCCは非常な非難をこうむっております。私にもFCCから、ぜひ日本はこのあやまちを繰り返さないでくれ、UHFを日本はどう使うかということに大いに期待するのだと、これは一つの失敗経験者として、好意ある忠告をしてくれたわけでございます。一方VHF帯におけるFM放送の実験は、もちろん国際的的なバンドとして認められておるわけでございますので、過去数年にわたっていろいろな実験が行われてきた。これは非常に好ましいことで、郵政省としても大いにこれを奨励して参ったわけでございます。従って現在、先ほど松前先生は五十万とおっしゃいましたが、私、数字ははっきりいたしませんが、NHKの調査あるいは工業会の話によりますと、三万ないし五万というふうに聞いております。その数が多いか少いかという判断ですが、もし切りかえるとすれば、もう実施の時期がおそいわけでございますが、ここでもう一度その問題について再検討をしておこうじゃないかというのが私の考え方でございます。従って、何もUHFに切りかえるという方針を立てて、それを押しつけていったということではないのでございます。先般もこの問題については、電子機械工業会の一同と懇談いたしまして、私の真意を述べまして、工業会においても早急に研究委員会を開いて、この問題を討議するというふうに申し述べておりました。そのときのいろいろな意見を総合しましても、ただいま松前先生の言われましたように、主として日本のFM帯における無線機器の輸出につきまして活発な議論があり、その意見を十分聞きました。二、三の社から数字をあげて、たとえば月産一千台、二千台といったようなものを作り、それを主として南方地域に輸出している。もし国内でこれを実施しない場合には、輸出だけにたよるので、生産計画が非常に立ちにくい、やはりそれを国内で吸収するようなバッファー・アクションがないと非常にやりにくいのだということも十分承わっております。またせっかくFMの技術が、これは東海大学を中心にして非常にりっぱなデータを出されて、われわれ非常に感謝しているわけですが、そういったりっぱな技術が、せっかくここまで伸びてきたのに、これを切りかえることによってその進展を阻止するのじゃないかということも、重々考えた上での私の発言でございます。問題はやはりそういう点にありまして、ここで生きて伸びつつある輸出産業の見きわめと、ここ二、三年は確かにVHF・FMを実施しても、一応収容できるでありましょうが、その先を考えますと、最近のFMに関する非常にものすごい需要、これを将来いかにしてはくか、かなり先の問題になるかと思いますが、周波数のスペクトラムをどう配分するかということは、われわれとしては将来にわたって、非常に重要な責任を負う仕事でございますので、その点についても意見を述べまして、利害関係者の協力を求めるという態度でお話をしたわけでございます。非常に重要な、利害相反する矛盾がここにありますので、私どもも早急に、この問題についてより深く検討していきたいと思います。これはまたゆっくりと研究して、延ばしていいものではありませんので、一面UHFの研究を促進することもやりますが、それはやはり相当時間を要すると思います。一方VHFの機器の生産は生きているわけでございますので、このゆっくりした進みと生きているものを見比べて、決断を下すということは、見通しとして非常に困難な仕事ではありますが、やはりきわめて重要な問題であるだけに、われわれは衆知をしぼり、また多くの方の御意見を聞いて、早期に決断を下したいと思っております。決断と申しましても、私は、在来郵政がそういう方針で進んできたわけでありますから、ここで強権をもって、反対を押し切ってかえるということは絶対いたしません。やる場合には、必ず皆さん全部の御賛同を得た上でなければ、これは絶対に実施しないつもりでございます。
#71
○松前委員 いつか某新聞に出ておりました、FMはUHF帯を採用するのだというような記事に対する私の誤解は、これで解けましたが、このUHF帯の開発ということは、ただいまも非常に熱意ある施策を述べられたのでありますけれども、これは絶対にないがしろにしてはならないものであるということは、ただいまお話の通りであります。それではどういうふうな具体的な手をもって、このUHFの技術の開発をおやりになりつつあるかをちょっと伺いたい。
#72
○甘利説明員 UHFの開発につきましては、電波の伝播の問題と、真空管の問題、周波数の安定化の問題、大体このくらいに分類できるかと思います。伝播の問題につきましては、電波研究所を初めNHKの技研においても、過去数年来かなり多くのデータをとっております。アメリカでも、このUHFテレビをやる場合に、かなりデータをとりましたので、まずその面からは決断を下すことは、さして困難ではないと思います。周波数の安定化という問題は、これは短波から超短波、UHFとだんだん上ってくるに従ってむずかしくなることはなるのですが、現在のVHFでかなり満足すべきものができておるということから推して、これはやはり技術レベル全般がそこまで進歩しつつあるということから見まして、必ずしも困難な問題ではない。要するにAFCを使うことになるかと思いますが、問題点はそれをいかにしていい方式で安く作るかという問題に帰着すると思います。それから最も重要な問題は真空管だと思います。この真空管につきましては、過去UHFのスキャッターを研究したために、送信関係におきましては日本においてもアメリカあたりの一流品をどうやらまねをしてできるという段階まできております。従ってこの方式は開拓するのにそうひまはかからないのじゃないかと考えます。最後に残る受信の真空管ですが、これは現在のところ、アメリカのUHFテレビに使うようなペンシル・チュブといったようなもの、それを日本で新たに開発しなければならないと思います。こういった面でNHK、また通研等、あるいはメーカーにおきましても、ぼつぼつそういう研究を始めておるようでございます。私はこのUHFの問題を持ち出しましたのは、最初にNHKの技術審議会の席で発言しまして、NHKの技研の来年の研究課題にUHFのテレビはございましたが、FMはもちろんございません。そこでこういった面を研究することを提案したわけでございます。NHKとしても大賛成で、さっそくそれに着手する予定になっております。もちろん電波研におきましても、スキャッターとともにさらに精密な電波の試験を行うことになっております。
#73
○松前委員 UHF帯に対する送受信機、これはテレビでもFMでも同じ比率であろうと思うのですが、一応FMとして考えて、あるいはテレビの場合においても、両方に分類してもよろしゅうございますが、VHFの場合の送受信機の価格、どういうお見込みでおいでになるか伺いたい。
#74
○甘利説明員 これは短波から超短波にいきましたときのエクストラポレーションから類推するより仕方がないのですが、現在放送用でなくて普通の通信用として、たとえば百五十メガあるいはそれがUHFに上ったときの通信機の価格、そういうものを比較しますと、現在の段階では大体VHF帯の価格は二倍くらいになるかと思います。
#75
○松前委員 もう一つ伺いたいことは、先ほど森本委員から、テレビの十二チャンネルですか、この問題に対する質問がございまして、まだ見当がつかないということを言っておった。見当がつく、つかぬの問題は、これは見当がつくなんということを答弁されたら、押すな押すなで、郵政省は千客万来どころでなくて、ひっくり返るようになるだろうと思うのですが、実はそれほど一もうけしようという諸君のねらっている的であると思うのです。このようなチャンネルがもし開放されたといたしまして、そのときに私の考えとしては、今東京にでも幾つ局がありますか――NHKを除いても四つも局がありますね、これはみな銭もうけをしよる。またこれを銭もうけに開放なさるかどうか、これを伺いたい。これは今までの銭もうけの攻勢の方が、何といってもこういう時代には強そうでありまして、やはり国民の教育だとかあるいはその他のまじめな方向に対しては、なかなかどうも運動が成功しないという傾向があるんですね。これはお認めになるだろうと思うのです。しかし新大臣はおそらくそういうことはなさるまいと実は思うのですが、どういうお考えか承わりたい。
#76
○植竹国務大臣 電波の問題は公正にやって参ります。どうぞ御安心下さい。
#77
○佐藤説明員 十二チャンネルがおりた場合にどういう工合に認可するかという御質問ですが、私は常に考えておることは、現在ある民放、テレビその他が今の場合は非常に関心を持って見ておる、同時にスポンサーもつく。しかし、一たんもし不況の場合あるいは大衆がなれてきた場合には、おそらく現在許可してある会社、テレビ放送社に、果してスポンサーがそれだけつくかつかないかわからないじゃないか。今は日本人は非常に新しいもの好きですが、スポンサーがつかない場合にその会社はおそらく大きな痛手をこうむるんじゃないか。そこで一応免許した責任と義務がある、いわゆる子供を産み落した以上は育てる義務と責任が郵政省にはあるじゃないか。これらの現在認可されておる人たちが、ほんとうに一本立ちができるかできないかということに私は疑問を抱いております。そこで十二チャンネルがもしおりた場合に、現在の業界の人たちと十分打ち合せるとともに、当局としても研究をより以上重ねて、あやまちなく現在の認可されておる人たちが一本立ちができてやっていけるような実態をもって考えなければならない義務があるじゃないか、こう私は考えておりますので、あやまちなきょうにする決意でございます。
#78
○松前委員 大臣と政務次官から御意見を承わりましたが、政務次官は具体的に御答弁になりまして感謝します。ただ問題は、私が言わんとするところを今度は申してみますと、これに対してどういう御意見か承わってみたいと思います。それは十二チャンネルのようなものが開放されたときには、私はこれを教育テレビに開放しろとは必ずしも申しません。けれどもこれをFMに開放したらどうか。しかも主としてアメリカあたりで使っておるのは、FM周波帯というのは教育に使っております。私のところで実験をこの間からやりまして、いろいろデータを出したのでありますが、そのようにしてとにかく一つの教育の道具としてこれを使う。必ずしもこれでもって銭もうけするというのでなくて、ある意味においては非常なマイナスですけれども、とにかくこういうふうにしてまじめに多くの人に聞いてもらって、そして国民の教育のためにこれを使う、こういうふうな方向にUHFの中のせめても十二チャンネルくらいはFMに開放されまして、そうしてもう少し教育的な方向に――何もテレビに使えということを申しておるのではありません。一つこれを開放してみたらどうだろうか。VHF帯というのは、先ほど電波監理局長のお話がありましたように、受信機の値段も大体倍、送信機も倍、値段が倍になりますので、教育なんかに使う場合において倍の受信機を買わせるということは、その普及の立場から見てもおもしろくない。ですから、UHF帯にFM放送周波帯を求めるということも、これは電波監理局長の先ほど来のお説の通りであって、とにかくUHF帯に求めることも必要であると思う。また、そうしなければならないと思う。けれども、VHF帯という、すなわち、受信機も送信機も半額で済む、そうして現在のところ非常に普及も早い、こういうふうなところに教育放送としての、教育というか、場合によっちゃ学校、私の方では学校をやろうと思っておる。このようにして、新しい時代に処する電波を使ったマスコミ方式を使った教育体制、こういうことがアメリカあたりでも盛んにやられておりまするが、こういうふうな方向に向って開発するような政策をおとりになるかどうか。かつて前の寺尾郵政大臣のときに、また灘尾文部大臣のときに、御両所も来ていただきまして、一体そのFM放送周波帯というものは教育に開放されるつもりか、それとも今までのような金もうけの道具に、すべてこれを資本家にお与えになるのか、こういうことを質問してみたことがあります。教育機関も考えますという寺尾さんのお話がございました。灘尾さんは、大いに歓迎したい、文部省としてはそうあってほしいということを言っておりました。せめても十二チャンネルの四チャンネルくらいはそっちの方に開放されて――電波監理局長が非常に周波数で苦しんで、UHF帯まで考えにやならぬように追い込まれておる現状であります。それを今までと同じようなスポンサー付の放送、スポンサーはついてもいいかもしらぬが、とにかくテレビは必ずしも教育的でないものも相当にある、こういうものに開放されるよりも、FM周波帯としてこれを教育に開放されたい。私は、自分のことを言っておるのじゃありません。これはどこの大学でも、高等学校でもこれを使い得るようにして、そうしてどんどん奨励して、勤労青少年でも夜家に帰って学校の講義が聞ける、通信教育で卒業免状をもらえる、そういうような希望を与えてやる、これが青少年問題の解決の大きな手段になると私は思うのです。こういう意味からいたしましても、教育にこれを開放される、私はこの一つでなくて、それだけ使えば相当なチャンネルがとれると実は思うのです。そうしてうんと電波を有効に、日本の世道人心のために、これを使っていく。しかし、やる人は必ずしもこれでもうけるようなことはありますまい。損が多いでしょう。けれども、これは非常に必要なことですから、政府の手によってでも公立学校においてやるべきである、こういうふうに思うのでありまして、この点についてどういうふうな御意見をお持ちか、これは大臣に、国務大臣としての御識見を承わりたいと思います。
#79
○植竹国務大臣 これはひとり十二チャンネル問題ばかりではないと考えます。番組編成全体について、これは松前委員の言われましたような観点から考え直していくべきではなかろうか、さように考えております。それならば十二チャンネルをどういうふうに使っていこうかという問題につきましては、これは各方面の意見を十分参照もし、また諮問をいたしまして決定いたして参りたいと思いますが、教育が非常に大事である、ことにラジオ、テレビによる教育が非常に大切だということはもう全然同感でございまして、その御意見を十分尊重して参りたいと思います。私自身毎晩十時半からラジオでもって勉強いたしておりますが、教育と電波の関係は十分考えておりまして、同感でございます。
#80
○松前委員 同感されましたが、一つそれを強力に御推進願いたい。十二チャンネルというものは具体的なものがころがっておりますから、さしむきこの問題についてはほんとうにまじめにお考え願って――これは各方面の意見というよりも、大臣がこうしたいとお思いになればできます。そうすれば大きなあなたの遺産として将来日本の歴史に残ると思う。今電波なんというと、目に見えないものだから大したものじゃない――政務次官も初めは御就任を断わるなんと言っておられたのですけれども、だんだん電波のことがわかって、これは価値があるということで御承認になったようでありますが、とにもかくにも将来においては、この電波をどういうふうに使ったかということそのことが大きなあなたの政治家としての遺産として、将来日本の国民が感謝するときがくると思う。そういう意味において、ほんとうに真剣に教育機関に――何も自分のことばかり言うのではありませんが、チャンネルはどんどんとれますから、すべての教育機関にこれを開放する。テレビの一局を作ってみても大したことはありませんよ。われわれ毎晩どのテレビを見るか迷うくらいたくさんの波が今出ている。こういう姿でなくて、ほんとうにまじめな姿で国民のためにこれを使う、こういうふうにあってほしいと私は念願しております。同時にまた、VHFというUHFの半額で済む周波帯がせっかく開放されようとしているし、現在まだ多少は残っている。これらに対して、これを全部UHFに追い込んでしまって、教育段階で使うものは受信機も倍もするというようなことでは教育の普及にはなりません。ですから、UHFを開発することは絶対に必要であると思う。けれども、それと同時に、VHFも今までの周波帯として教育方面に開放するということが望ましいと思う。それがただいまあなたのおっしゃった公平な電波の分配であると私は思うのでありまして、この辺についてもう一ぺん御意見を承わりたい。
#81
○植竹国務大臣 今お答え申し上げたときに、ほかの委員とちょうどお話し中でいらっしゃったのでお聞き取り願えなかったと思いますからちょっと繰り返しますが、放送教育の問題、これはひとり十二チャンネルばかりの問題ではないと考えます。ただ、番組編成全体に関しまして教育をもっと重点的に考え直すべきではなかろうかという、これは個人意見でありますが、そういうような考えを持っております。まして新しいチャンネルが開放されますときには十分教育テレビも考えて参りたい。これは私個人の考えでありますが、電波行政といたしましてそれならば十二チャンネルをどっちの方に使うかということにつきましては、この自分個人の意見それにも増して松前委員の御意見を尊重いたしましてさらに検討してみたいと思います。なお、この十二チャンネルをきめますときにはその観点を尊重しつつ、かつまたどういう方面にこれを開放していくか、各界の意見を十分に参酌して決定いたして参りたいと考えます。
#82
○松前委員 時間もたちまして、もうそろそろ終りますが、この十二チャンネルの具体的な問題がぶら下っておりまするから申し上げます。これを獲得するということは、これはよほど努力が要ると思うのです。かつて駐留軍から、濱田電波監理局長時代に、四つのチャンネルを返還してもらった。その前提としては、この逓信委員会が実は決議をした、それをやるべし。同時にまた濃田電波監理局長はえらい努力をいたしまして、そうしてあの返還に成功した。これはいろいろな意味において、あなた方のお力でもできるとは思いまするけれども、それよりもまた強いのは国会の議決あるいはまたその他の要望というようなものがこれは必要かと存ずるのでありまして、同時にまた皆さん方の非常な御奮闘が必要かと思う。こういう意味において総合的に、われわれも大いに熱願しておりまするから、今後しかるべき手段を講じなくちゃならぬでしょうけれども、郵政省としては、この返還に対して努力をされるつもりか、この点を一つ伺いたいと思います。
#83
○植竹国務大臣 波が足りないのですから、何といっても早く返してもらいたい。これは十二チャンネル一つでも返してもらいますると、非常な電波行政の上に、また電波教育の上において重大だと思いますから、ただいまの御意見通りに熱意を持ってこの問題に取っ組んで参ります。
#84
○松前委員 この問題は一つ具体的にお進めになる必要があると思うのでありますが、その次には先ほど来電波監理局長との質疑応答の中で、東南アジアその他に、日本でまだFMの実験放送もやっていないときに、すでにFMの受信機を東南アジアというかフィリピンには輸出をいたしておりました。けれども、なかなかどうも日本に消費市場がないものだから、値段その他で必ずしも多量りに輸出はされてなかった。最近は実験放送その他を通じて少しは量産に移っておりますから、これは相当の輸出を行なっておるようです。こういうような情勢の中にあって日本だけまだFMに対する具体的な勉強その他に対する準備ができていない。結論を急ぎますれば、これを早くやる必要があるということであります。そうしてそのことによって日本の輸出工業も非常に伸びるし、技術も今どんどん優秀になりつつあります。同時にまた先ほど来申し上げたようなFMの開放に対してはあまり営業ばかりに開放しないように、営業はやっても、目的はやはり一つの教育という方向にこれを使う、こういうふうな方向に向っての開放をやっていただきたい。これを早急にやっていただくことにつきましてどういうような御意見、御方針か承わっておきたい。
#85
○植竹国務大臣 私の聞き及んでおりますところでは、FM放送につきましては、先ほど森本委員の御質問に答えましたように、現在使用されておりますいろいろな波に対してどうしようかという問題、それから国際的の問題、いろいろ研究しなくちゃならない問題があるので、すぐには実施がなかなか困難だということであります。これはしかし混信を防ぎ、音質も非常にいいというところから、願わくはこれが早く今までのようなものにとってかわる時代がくることを望ましいと考えておりますが、何分にもずいぶんと今までの受信機が普及いたしておりますので、それらを廃棄するというようなことは国民経済の上にも相当影響がございますので、その問題をどういうふうに取り扱っていったらいいかというような、いろいろ研究課題もあるように聞き及んでおりますので、これらもただいま電波監理局の方で検討している最中でございます。なおただいまのお話を尊重いたしまして、この問題がさらに迅速に検討の結果が出ますように、激励、鞭撻いたしたいと思います。
#86
○松前委員 だいぶ時間もたちましたので、電波監理局所管の問題につきましては一応これで質問を終りたいと思いますが、一つ希望があります。ただいままでのような世界情勢でありますから、電波監理局も一生懸命やっておられるようであります。けれども、何をおいても複雑な電波の要求、同時にまた複雑な交通整理でもありますから、交通整理の信号その他を作るのにも、いわゆる配分計画をやるのにもなかなかめんどうではあろうと思います。けれども、いろいろな点を考え、なるべく早くこれらの問題を解決して、多くの人たちが進むべき道を示していただく、こういうふうにお願いしたいと思います。
 これで私の質問を終ります。
#87
○橋本(登)委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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