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1959/08/10 第32回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第032回国会 地方行政委員会青少年補導に関する小委員会 第1号
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1959/08/10 第32回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第032回国会 地方行政委員会青少年補導に関する小委員会 第1号

#1
第032回国会 地方行政委員会青少年補導に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和三十四年七月三日(金曜日)委員
長の指名で次の通り選任された。
      飯塚 定輔君    加藤 精三君
      亀山 孝一君    纐纈 彌三君
      田中 榮一君    渡海元三郎君
      吉田 重延君    太田 一夫君
      川村 継義君    阪上安太郎君
      下平 正一君
同飯塚定輔君が委員長の指名で小委員長に選任さ
れた。
    ―――――――――――――
昭和三十四年八月十日(月曜日)
    午後一時二十六分開議
 出席小委員
   小委員長 飯塚 定輔君
      加藤 精三君    纐纈 彌三君
      田中 榮一君    吉田 重延君
      太田 一夫君    川村 継義君
      阪上安太郎君
 小委員外の出席者
        地方行政委員長 濱地 文平君
        議     員 加賀田 進君
        議     員 門司  亮君
        警  視  監
        (警察庁保安局
        長)      木村 行蔵君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 青少年補導に関する件
     ――――◇―――――
#2
○飯塚小委員長 これより青少年補導に関する小委員会を開きます。
 青少年補導に関する件につきまして調査を進めます。本件に関し前会すでに各委員にお配りいたしてありますが、警察庁当局より各種の資料が提出されておりますので、これについてその概要の説明を聴取することといたします。時間もだいぶ経過しておりますので、簡単にお願いいたします。それでは木村保安局長。
#3
○木村説明員 非常に内容がたくさんございますので、大体の大まかなことを御紹介申し上げまして、また、適当な機会があれば個人的にでもいろいろ御連絡申し上げたいと思います。
 第一の資料は、虞犯少年の中で少女がどういう状況になっているか、いわゆる虞犯少女の状態を調べました。この前の委員会では、犯罪少年につきまして女性の占める状況を御報告申したのであります。今回は虞犯少年について出しましたものにつきまして、いろいろ申し上げるとよろしいのですけれども、時間がございませんので結論だけ申し上げますと、三十三年中、昨年中に補導しました虞犯少女は約七万名であります。結局男女ともに補導いたしました虞犯少年は七十二万名でありますので、女性の占める率は約一割であります。三十二年に比較して一七%の増加でございます。大体の概略だけを申し上げまして一応御紹介しておきます。
 それから次の内容は、マス・コミの影響の一つとして非常に影響の大きいテレビの少年に対する影響というものを調べまして提出いたしておるのでありますが、これは内容をごく大まかに申し上げますと、テレビの影響と少年非行の関係につきましては、まだ全国的にどの官庁でも、また私たちの方でも調査されておりませんので、この両方の、テレビの影響と少年非行との相関関係につきましては、はっきり結論は出し得ない状況であります。しかし、文部省で調べましたテレビの子供に対する影響の調査、またこれは民間の団体でありますけれども、南博さんのやっておりますところの社会心理研究所、ここで研究いたしましたテレビの関係の資料、その他私の方でタッチしておりますところの明らかにテレビの影響で犯罪を犯したという非行少年の事例というものがはっきり出ておりますので、これらをこのパンフレットに入れております。
 それから次には、最近の週刊雑誌などの影響についていろいろ検討いたしたわけでありますが、御案内の通り最近非常な週刊誌ブームでありまして、一説によると千三百万部も出ておるというふうに言われております。かたく見積っても九百万前後は週間雑誌が出ておると思うのでありますけれども、これらが全般的に悪いとは一言えませんけれども、その写真なり記事内容によって非常に性的衝動を強く刺激したもの、あるいは粗暴な行為をそそるような内容というものが相当あるように思われます。私たちの方では警視庁と連絡しまして、これらについて相当強く調査あるいは行政指導をやっておるわけであります。出版物の影響で犯罪を犯した犯罪少年の状況、大体主たる原因として犯罪を犯したというのが二百十名出ております。主たる動機あるいは原因ではないけれども、第二次原因といいますか、あるいは第一次原因の背景をなしておるという意味で非常に注目すべき原因であろうかと思いますが、そういう原因で週刊誌その他の出版物の影響で犯罪を犯したという少年は百一名ばかりおります。これらの状況などについても週刊雑誌の記事内容、名前などを掲げておきましたし
 それから次に少年非行の原因であります。少年が非行いたしますところの原因について一応ごく大まかに私たちの考え方を書いておきましたが、御案内の通り少年の犯罪、少年非行の原因というものは、少年の素質及び環境の両面から考えられるのですけれども、少年自体の素質ということから考えていきますと、わが国の少年がここ半世紀やあるいは四分の一世紀くらいで根本的に変るとは考えられませんので、素質は大体急変はないと考えますと、環境による影響というものが非常に大きいのではないか、こういうふうに私たちは見ております。その中で特に少年を守るべき第一とりででありますところの家庭、家庭生活の影響というものが考えられる。あるいは第二の少年を取り巻く社会というべき小学校、中学校の環境あるいはそれを取り巻く大きな社会環境あるいは世界的な風潮というものも考えますと、相当根強い幅広い原因が考えられるのではないか。たとえば自由主義国家であるアメリカあるいは共産主義国家でありますところのソ連においても、両方とも少年の問題について非常に悩まされております。制度のいかんにかかわらず、世界共通の何らか大きな問題があるのではないかというふうにも考えられます。これらの問題について、若干少年の非行あるいは虞犯の原因となるべき家庭の関係あるいはその他の原因を若干解剖して入れておるのでございます。結論から言いますと、少年関係は大人の犯罪と違いまして家庭の原因で犯罪を犯すに至ったというものが相当大きいものであるという数字が出ております。
 次に非行少年の再犯などの状況でありますが、警察が補導いたしました非行少年、問題少年につきまして、それらが初犯であるものがどれくらいだ、あるいは前にも非行を犯して補導されたりその他いわゆる扱いを受けまして、その後再びやっているというふうな再犯的なものなどの率なども書いておきましたが、結論から申しますと、これは御想像の通り、少年の再犯は大人の再犯に比べて少うございます。すなわち改善の余地がだいぶあるということが言えるのではないかと思います。
 次に外国でありますが、特にヨーロッパの状況、アメリカの状況、少年対策の問題について、若干資料として提出しております。注目すべき問題としては、イギリスにおけるディテンション・センター、これは罰金、保護観察だけでは十分に矯正保護の目的を達することのできないような少年について三カ月間ディテンション・センター、いわゆる収容施設といいますか、そこに収容して、いわゆる社会防衛の立場からいたす施設、それからアテンダンス・センター、これは矯正可能な児童について若干の期間アテンダンスさせまして、毎週土曜午後三時間とか、あるいは何時間というふうに時間を限っていろいろな訓練や規律を与えまして矯正するというアテンダンス・センターという施設がございます。これは非常におもしろいのではないかと思います。その他イギリスのリバプールでやっておりますボーイズ・クラブあるいは少年連絡官制度、あるいは西ドイツの制度、オランダ、フィンランドなどのヨーロッパ各国の制度を入れておきました。
 それからアメリカの状況につきまして特に私たちが非常に興味を持って考えておりますのは、プロベーションという部であります。これは少年裁判所と関連しての制度でありますが、非常に活躍しております。それからカリフォルニア州のユース・オーソリティ、青少年庁というのがございます。さらにニューヨークにユース・ボード、青少年庁と申しますか、これもございまして、特にニューヨークの青少年庁は予算として三百三十五万ドルばかりの予算を、これは一九五五年、一年でありますが、計画実施して、日本の金にしますと約十二億の金を使っておるということで非常な腰の入れ方であるように思われます。
 それから資料の第七は、風俗営業等取締り施行三カ月後の状況をいろいろ数字で出しましたが、大体の結論を申し上げますと、四、五、六の三カ月間における深夜喫茶の法規を新たに設けましたその関係の状況を申し上げますと、大体照度を明るくしましたり、施設を改善して見通しができるような広い客席にしたとかいうような施設改善によって許可対象からはずれたもの、いわば自粛したものというのが六二%、六千六百件くらい出ております。しかし、なおかつまだ申請すべきものであって手続をしてない、いわゆる未許可手続というものが四%近く、三百九十三件ございます。これらについては厳重に取締りをいたしております。また、それ以外に新たに加えられましたいわゆる深夜の飲食店営業、十一時以後に飲食だけはさせる営業というものが四万七千件ばかり推定されております。これらが果して法あるいは条例の趣旨に従って、法の精神に十分従って運営しておるかどうかということについては私たちも厳重な監視をしております。
 大体以上のような状況であります。
#4
○飯塚小委員長 質疑の通告がございます。これを許します。川村君。
#5
○川村小委員 時間が大へん過ぎてしまっておりまして、きょういろいろお尋ねする時間もないので、簡単に一つお尋ねいたしたいと思います。
 青少年関係の、警察庁で持っておられます予算がどれくらいあるか。これはおそらく足らないと思うのですが、その予算について現在どういふうに考えておられるか、その辺のところを一つお聞かせいただきたいと思います。
 それから総理府に中央青少年問題協議会というのがございますね。その中にもちろん警察側も入っておられると思いますが、協議会の構成メンバーはどうなっておりましたか、ちょっと私詳しく存じておりませんので聞かしていただきたい。
 それから一つ委員長にお願いいたしたいと思います。委員各位の御賛同も得たいと思うのですが、本日のように、私たちがせっかく重要な問題だとして取り上げて参っております青少年補導の問題に関して、こういうような審議の状態では、これはもう何の目鼻も立たないということなんです。今までも一回か二回やりましたけれども、これという実のあるものがお互いに論議できない。非常に私遺憾に思うのです。それで第一は、地方行政委員会にくっつけて、そのあとで時間を見つけてやるということでなくて、できれば一日ゆっくり時間をさいて、この問題だけにお互いで取り組んで研究をするというような方向に一つ御配慮をいただけないものか、それが一つであります。
 それからもう一つは、私たちは青少年補導という立場から、警察の当局を中心に研究していくことはもちろんでございますけれども、この問題は、警察行政の上からだけ考えられる問題じゃないし、非常に広いと思うのです。そこで私、申し上げるまでもないのですが、本年も政府としては、総理府関係の中央青少年問題協議会の方も予算を持っておりますし、あるいは厚生省、文部省、労働省、農林省、建設省というふうな関係に、青少年対策という名目で、ある程度の予算を組んでおる。それぞれ各省に関係する部面が非常に多いと思うのですから、できれば文部省関係を呼ぶ、あるいは労働省関係を呼ぶというような一つの目安を立てて――何月何日に文部省というふうには参らぬと思うのです。で、まず文部省なら文部省、次に労働省なら労働省、次に建設省なら建設省、こういうふうに個々に関係者を呼んで、その面から検討を加えるという一つの日程を、御苦労ですけれどもぜひお立ていただきたい。その目安が立っておりますと、私たちといたしましても、その問題に取り組む場合の心がまえというものができて非常に深く掘り下げられるのじゃないか、効果が上るのじゃないか、このように考えております。文部省のごときは、一日呼んで一日で済ますというわけにも参らぬだろうし、その場合には二日ということにもなりましょう。そういうようなところで、一つ次はどこを呼んでこよう、次にはどこを呼んで一つ研究しようというような日程を大まかに組んでいただきたいというのが、第二の希望なのです。そうして、できたらその間に専門家を呼んで公聴会等を開くというようなことも、やはり必要になってくると思いますので、そういうものもあわせて御配慮いただく。この問題は、休会中はもちろんのこと、臨時国会あるいは通常国会にまで及ぶかもしれません。通常国会等に及んでいってもかまわないと思いますから、そういう意味で一つ日程をお立ていただきたいということが、第二の私の希望であります。
 それから問題は、私がとやかく申し上げる必要はないと思うのですけれども、おそらく警察の方としても、青少年補導関係の予算というものは微々たるもので、こういう予算で、中央で幾らこぶしを振り上げてみても、やはり実効は上らないという結果になるのではなかろうか。そう考えますと、これは警察としてもよほど予算の面については、ちょうど予算の編成期にも入っておりますし、十分な決意を持って努力してもらわなければならぬと考えますし、特に与党の皆様方には一つ十分な御関心を持っていただかなければならぬ問題じゃないかと思っております。
 なお、いま一つは、警察の方でそういう予算を獲得していただくことも大事でありましょうけれども、何といいましても地方の自治体と申しますか、ここに一つ大きな予算的な問題がかかってくると考えます。御承知の通り現在各地域で、市町村なら市町村、あるいはその関係町村の地域で、防犯問題について、青少年の補導について、あるいは非行少年を救えというような叫びとともに、各種の会合や研究会あるいはその対策協議会というようなものが次々に開かれているのですね。私は、この点については非常にありがたく力強く思っている。こういうような運動が盛り上ってきて、初めてわれわれが希望するような実効が上ってくると思うのです。言葉は過ぎると思いますけれども、幾ら中央であれやこれやとやったって、私はやはり効果は少い――というと大へんおこがましい言葉なんですけれども、非常に少い。これは何といっても地域において、あるいは市町村において、これらの目ざめた人たちが取り組んでこの問題を解決してやるということが、大きな問題になってくるだろうと考えております。そうなりますと、市町村がそういう研究会や防犯的な協議会、あるいは非行少年の救済的な研究会というようなものを持たれると、やはりこれは地方財政の上で考えてやらねばならないことだと思うのです。そうなると、これは地方行政委員会としても、ただ単なる警察の経費なら経費にまかせておくというわけには参らないし、そういう点からもこの委員会の大きな責任となってくるだろうと思います。従って、来年の地方財政計画等を考える場合に、これは当然考えてしかるべき問題だと思います。そういうようなことを考えて参りますと、今非常に重要な時期にきているわけなんです。そういう点は予算の面についても、十分警察側及び自治庁としても努力をして、将来どういう方向にどういう対策を立てていくかということについて研究してもらうと同時に、われわれがこれを研究して参ります場合に、先ほど申し上げましたように、やはり小委員会の持ち方、あるいは研究し討議を重ねていく場合の一つの日程というような問題も、十分研究していかなければならぬ。ただ行き当りばったりで、この次は何時から開くぞというようなことでは、どうもほんとうの成果は上らぬのじゃないか、こういうことを憂慮しております。
 私は今大ざっぱに申し上げましたけれども、どうぞそういう点に御配慮いただきまして、委員長としてぜひ一つ御善処を願い、また委員各位からも、御意見がございましたから御忌憚のないところを聞かしていただいて、一つ御賛成をいただいて、そういう方向で運営していただきたいものだ、こういうふうに思いますので、どうぞよろしくお願いしておきます。
#6
○飯塚小委員長 一言それに対してお答えいたしておきますが、今回の小委員会は、前の国会でお疲れになったあとの最初の会合でありましたのと、ゆとりのある計画を立て得なかったことは委員長としてもまことに残念でございますが、重要な問題でもありますし、私も強い関心を持っておる問題でございますから、この次には御期待にそえるように取りはからいたいと考えております。
#7
○木村説明員 ただいまのお言葉は、非常に感謝しながら聞きました。確かに警察関係の予算はきわめて不十分だと、私たちも率直に感じます。毎年予算要求のときには努力いたしておりまするけれども、なかなか私たちの期待通りにいきません。しかし、昨年は幸い科学的研究をいたしますために、科学捜査研究所を改正しまして科学警察研究所にいたしまして、防犯少年部の関係で予算、人員、若干ふやすことができました。その他それぞれ以外にもあったのでありますが、しかしそれだけでは十分でありませんし、もっと本腰を入れ得るような予算がほしいということは感じます。従いまして、来年度の予算要求におきましては、警察庁といたしましては、幾つかの重点事項の中に、青少年警察の関係における予算増加ということを最も大きな重点の一つに入れていたただきまして、できるだけ努力いたしたいと思うでのす。また諸先生方に、あるいはそれぞれの関係の方々にまたお願いいたしまして、ぜひ御協力いただきたいと衷心からお願いいたしたいのであります。
#8
○川村小委員 くどくなりますけれども、私の記憶に間違いがないとするならば、たとえば文部省予算の中に不良青少年防止対策というようなことで費目があるのですよ。たしか昨年は三十二万円じゃないかと思うのです。ことしはもっと減りまして三十万という数字になっていると思うのです。文部省がそういう重大な青少年の補導、不良少年の防止対策に三十万という予算では一体何だとあいた口がふさがらない気がしますね。これは文部省関係でありますけれども、やはりこういうのもわれわれが考えてやらなければならぬし、文部省がこういう点について考えるのは、当然地方財政面からも、また地方の教育委員会という面から考えて予算というものが出てくるのです。そういう点から私は、ぜひとも委員長を初め皆さん方の協力がなければ目的を達しないのじゃないかということを考えているわけでありまして、警察当局も、警察行政の面からの対策の費用として、ぜひとも大幅な予算がとれまして、そうして十分なる対策ができるように願わねばならぬと思うのです。どうぞその点の御配慮方をぜひともお願いしたい。
#9
○飯塚小委員長 ほかに御質疑はございせんか。――ほかに御質疑がないようでございますから、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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