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1959/08/11 第32回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第2号
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1959/08/11 第32回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第2号

#1
第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第2号
昭和三十四年八月十一日(火曜日)
    午前十一時五分開議
 出席小委員
   小委員長 鈴木 正吾君
      鹿野 彦吉君    川野 芳滿君
      高橋 英吉君    千葉 三郎君
      小川 豊明君    山田 長司君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 赤城 宗徳君
 小委員外の出席者
        防衛庁参事官
        (長官官房長) 門叶 宗雄君
        厚生事務官
        (大臣官房長) 森本  潔君
        厚生事務官
        (大臣官房会計
        課長)     熊崎 正夫君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      尾村 偉久君
        通商産業政務次
        官       内田 常雄君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 齋藤 正年君
        通商産業事務官
        (通商局長)  松尾泰一郎君
        会計検査院事務
        官
        (第三局長)  白木 康進君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  石渡 達夫君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
八月十一日
 小委員井原岸高君同日小委員辞任につき、その
 補欠として川野芳滿君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員押谷富三君同日小委員辞任につき、その
 補欠として千葉三郎君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員高橋禎一君同日小委員辞任につき、その
 補欠として高橋英吉君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十一年度政府関係機関決算書歳入歳出の
 実況に関する件(防衛庁の航空機購入問題)
     ――――◇―――――
#2
○鈴木小委員長 これより決算委員会閉会中審査小委員会を開会いたします。
 歳入歳出の実況に関する件、特に防衛庁の航空機購入問題について調査を進めます。
 本問題につきまして、赤城防衛庁長官より発言を求められておりますので、この際、これを許します。赤城防衛庁長官。
#3
○赤城国務大臣 次期戦闘機選定の経過等につきまして、現在までの事情を申し述べたいと思います。
 本委員会におきましても再々問題になりましたように、次期戦闘機種選定につきましては、私どもといたしまして、さらに慎重なる検討を加えようということにいたしたわけでありますが、その前の経過といたしまして、防衛庁といたしましては、わが国の地理的条件等を考えまして、将来の防空体制のあり方及び防空兵器体系につきまして検討してきたのであります。一昨年以来、次期戦闘機の候補となりました各機種につきまして、調査団を派遣する等の方法によりまして、おのおのの機種の正確な資料を収集し、その性能、運用、兵器体系、生産等の各方面にわたりまして、慎重なる検討を加えてきておったのであります。
 そこで、御承知のように、昨年の四月十二日の国防会議に、これらの資料に基いて説明をいたしました。国防会議におきましては、慎重な検討が行われました結果、航空自衛隊の次期戦闘機につきまして、今後の対策を進行せしむる諸条件を整備するため、一応F11F―Fを採用することに内定したのであります。その後、当時内定した戦闘機種が現実にアメリカ側におきましても飛ぶようになっております。そういうような関係でありますので、前にも調査団を派遣いたしましたけれども、現実に現地につきましてできておる機種を操縦し、あるいは技術的の問題等を検討いたしまして、慎重に最後的決定をしたがよかろうということになりまして、本年六月十五日の国防会議におきまして、航空自衛隊の次期戦闘機の整備については、昭和三十三年四月十二日の国防会議において一応F11F―1F(98J―11)を採用することに内定しましたが、その後F104は開発せられ、西ドイツにおいてこれを採用した状況などにかんがみ、この際前記内定はこれを白紙に還元いたしまして、さらに調査団を派遣するなど慎重検討の上土、次期戦闘機を決定するということになったのであります。
 こういうような事情でありますので、あらためて調査団を派遣いたすことに方針を進め、過般調査団の構成を決定いたしました。調査団長には航空幕僚長の源田空将を充てまして、去る八月八日に調査団一行が日本を出発いたしたわけであります。なお、調査団の構成は団長に源田空将、それからパイロット三名、これはジェット飛行時間等の非常に長いパイロットとしても優秀な者三名、それから技術関係二名、通訳一名、この調査団を去る八日に派遣いたしたわけであります。なお、民間の学識経験者といたしまして、大学の教授、それから科学技術庁の職員及び航空工業会の専務理事、この三名をきめております。これは現実に現地で操縦するということがないので、これは九月中旬ごろに派遣して、顧問という形で源田団長の統率、連絡のもとに調査に参加するということにいたしたわけであります。
 なお申し上げますならば、これは国防会議の決定に基いていたしておるのでありますが、防衛庁としてこれを任命して派遣いたしたわけであります。でありますので、この調査団の調査の結果を尊重いたしまして、その報告、結果等を国防会議に提出いたしまして、最後的決定を見るという段取りに相なると思っております。
 以上、現在までの機種選定に対する経過等につきまして申し上げた次第でございます。
#4
○鈴木小委員長 発言の通告がありますから、これを許します。小川豊明君。
#5
○小川(豊)小委員 今、防衛庁長官から、次期戦闘機が四月十二日に内定しておったものを白紙に返され、さらにあらためて調査団を編成して派遣し、その調査団の報告に基いて国防会議を開いて決定する、こういうように経過の御報告というか御説明があったわけですが、これは非常に簡単な説明で、これでは、あれほど一世を騒がせ、またかなりの疑惑も持たれたこのグラマンあるいはロッキードの問題等、一体なぜグラマンが内定したものが、白紙に返らなければならないのかこの点がわれわれには納得いかないわけであります。そこで、この点からお尋ねしたいと思うのですが、今、御説明を聞いておったのをちょっとメモしたわけですが、これは慎重に検討をし、わが国の地理的条件等も参酌し、各機種の正確な資料等を集めて昨年の四月十二日国防会議がグラマンを内定した、こういう御説明があったわけです。そうすると、こういうふうに慎重な検討もし、日本の地理的条件、各機種の正確な資料等も十分に検討した結果グラマンというものが内定されているわけですが、その内定されたグラマンがなぜ今度はこれを白紙にしなければならないのか。われわれは、もちろんこれを白紙にして検討すべきではないかという立場に立って御質問を重ねて参りました。そのときに総理大臣も、あなたも――当時官房長官の立場からだと思いますが、あなたの御答弁は、内定をしている以上は私にはこの内定をどうする――内定というものはきまっているのだから、これを今どうするこうするということは私には答弁できない、これは私はごもっともだとそう聞いておったのですが、今度はこの内定というものが一応白紙に返えされるということになると、グラマンでもなければ、ロッキードでもない、何でもないいろいろのものの中から最も国の国防に適したものを今度選定しようということであって、グラマンに内定したのを白紙に返したのですから、ほかのものが内定されたわけではないと思うわけですが、この点はどうなっておりますか。
#6
○赤城国務大臣 お話のように、昨年の四月十二日に内定いたしますにつきましては、相当慎重なる検討を加えたわけであります。でありますので、今御指摘のように、この前、官房長官として出ましなときも、内定を官尻長官としてくつがえすわけには参らないけれども、国防会議におきましてどういうことになるかは、これはまた別個の問題だというふうに官房長官として御答弁申し上げておったわけであります。内定当時におきましては、御承知のようにF11F―1F、これもエンジンを換装するという前提のもとに、98J―11というような型の戦闘機として検討を加えたわけであります。それからまたロッキードの方にいたしましても、F104Aというものはできておりましたが、その後アメリカ空軍等におきましてもF104Cというものが開発されて、これを使っている。そのほかノースロップのT38というのも飛行を行なっている。こういうふうに、内定当時よりもさらに進んだものが開発されてきているわけであります。内定当時あるいはその後のいろいろな資料というもの、あるいは会社側の資料、あるいは一部はアメリカの軍の方からの資料もありますが、ものによっては秘密保護の関係で内容が解除されておらなかった資料もあるのが、だんだんに解除されてきた。こういうふうに、だんだん資料の点においてはわかってきたのでありますが、現実に飛んでいる、またできている飛行機につきまして、これを現地に調査する必要がある。それはこちらでいろいろな資料を集めて検討はいたしましたが、その操縦性とかあるいは運用性とか、こういうものはどうしても現地で操縦し運用してみて、初めて日本の次期戦闘機として適当であるかどうかということをきめる重大なる資料、要素とすべきである、こういうことに変ってきたのであります。一面におきましては、諸外国等におきましても、そういう慎重な態度をとっております。御承知のように、西ドイツにおきましても国防大臣みずからアメリカへ行きまして、次期戦闘機の選定に当る、そういう慎重な検討をいたしました結果、これを決定いたしました。カナダにおきましても、御承知のようにこの戦闘機種の選定につきましては相当問題がありましたが、やはり現地アメリカに派遣いたしまして、その結果これを決定いたしました。あるいはスイスにおきましても、現地に派遣をいたして最後の決定をいたすという段取りになっておるようであります。こういう事情がありまして、わが国で内定いたしました当時と違った戦闘機が現実にアメリカで飛んでおります。そこへ行って操縦性、運用性、あるいは武器体系等の関係を現地に調査した方がよかろう、こういう経過に相なりましたので、私どもといたしましても本委員会のいろいろな御関心、御検討などもありましたし、また世間でもいろいろな疑惑ごときことが流布されておりますから、これは公共な立場から調査団を派遣して、決定の方向に持っていきたい、こういう事情で調査団を派追いたした次第でございます。
#7
○小川(豊)小委員 これは、この委員会で問題になったときに、千数百億の国費を使って、しかも日本の重要な防衛に充てようとする飛行機を購入するのだから、もっと慎重でなければならないのじゃないかということで、われわれはこのグラマンなりロッキードなりのアメリカのその当時における状況を調べられるだけ調べて、この委員会で質問しておるはずです。そのときに、当時調査にも行かれた佐薙幕僚長でしたか、これはグラマンがいいんだということを一歩も譲らずにこの委員会で説明しているのです。これは当然国防会議、あるいは防衛庁か知りませんが、そこから派遣されて調査に行っているはずなんです。そしてその後のわれわれのいろいろな疑惑に対する質問について、一歩も氏は譲らずにグラマンの優秀性というものを言っておられた。ところが、今度突如として変えられた。その変えられたことに対してどうこう言うのではなくて、そういう事情があるなら変えられることもけっこうでしょう。われわれもそう主張してきたのですからけっこうでしょうが、変えるからには、今まで日本で購入しようとしておったグラマンよりも、その後における戦略体制が変った、あるいは言葉はどうか知りませんが、調査に疎漏があった、あるいは疑惑が指摘されておった、そういう疑惑も認められて、こういうふうな形をとられたとか、何かそこには、はっきりした事情がなければならない。あなたの今の御答弁では、スイスでどうだ、ドイツでどうだ、どこでどうだと言われるが、スイスがどうであろうが、ドイツがどうであろうが、日本には日本の地理的な条件からして、こういうものでなければならないというものが、やはりこうした近代の戦闘というものを考える場合に、技術家として確固としたものが出てくるはずだ。だから、われわれは当時において、技術家の諸君がほんとうに確信を持ってそのことを言ってほしかった。ところが、今度この内定がくつがえったというのは、あるいは今の戦略的な体制の変化というものを織り込んでこうしたのか。調査に対して十分調査したつもりであるけれども、疎漏があったか。一部にうわさされたような疑惑というものがあった、こういうものを払拭しなければならないとか、何かそういう事情のもとにこれをやったのでなければ、少くともグラマンならグラマンを――内定するということは決定ではないからわれわれも了承しますが、グラマンに内定するということは、グラマンを主として開発するために、グラマンだけを対象として調査研究を進めるということが内定の意義だと思う。そのグラマンが白紙に返されたのはどういう理由だ。このことについては、私は今までのあなたの御答弁では、その点はまだ納得しかねる。この前は、十分りっぱなものだ、差しつかえない、差しつかえないということを佐薙さんは言っておられる。しかしあなたの御答弁を聞いておると、やはりその裏には、新しくアメリカでもいよいよ飛ぶようになった、この前は飛ばなかったということを裏書きしなければならない。佐薙さんのこの前の答弁、差しつかえない、りっぱなものだ、いいものだという答弁というものは、全くわれわれに対しては欺 な答弁であった、確信のない答弁であったと言わざるを得ない。一体、今あげた三点を総合してないか、あるいはこの中のどこが一番重点なのか、この点をお聞かせ願いたい。
#8
○赤城国務大臣 先ほどから申し上げましたように、昨年の四月十二日に内定いたしましたときには、ダラマンにいたしましても、日本で現実に採用するグラマン機というものはまだできていなかった。すなわちF11F―1Fというようなものはありましたが、それにエンジンを換装したものとしての98J―11というものはまだできておらなかった。現実にはできておらなかった。検討の資料といたしましてはそういうものができたものとしての資料を集め、その後もそういう資料によって、なお内定の線をさらに検討してきたわけであります。あるいはロッキードにいたしましても、先ほど申し上げましたようにF104Aというものはありましたが、これが開発されてもっとよくなりましたF104Cというものは、内定当時にはなかったのであります。内定後におきまして、御承知のように日本で内定したグラマン機というものが二機できたということも、この委員会で種々問題になっております。あるいは104C等につきましても、米空軍の一つの機種として採用されたというような事態も出てきたわけであります。でありますから、前にグラマンが適当であるというのは、内定及び内定後におきましても相当の資料を集めて適当であるという主張をしてきたのでありますが、その材料というものはあるいは会社側からの資料も一部あります。あるいは向うの軍側からの資料もあります。また、現実にこの新しい機種になりましてから、これを操縦、運用したという経験がないわけであります。前の調査団が行きました当時は、そういうものはできておりませんでした。今できておるようなものも、乗ってみたこともなければ、運用したこともない。資料の点等につきましても、決して今までの資料が間違っておるとかというわけではありませんけれども、もっとより多くの資料、材料を集めて、最後の決定に持っていった方がよろしい。それには、乗ったことがない飛行機なんですから、どうしても操縦性、運用性等につきまして、向うへ行ってそれを操縦してみる。あるいは技術的に、技術者もついていきますから、検討してみる。また資料等につきましても、米軍が便宜をはかって、米軍の飛行場その他において実地に操縦、運用するわけでありますから、資料等につきましても、米空軍の方から十分な便宜があるわけであります。こういう、より権威ある――前にも相当な調査をしたのでありますが――より権威のある資料により、また現実に操縦、運用をして、そうしてきめた方が、いろいろ問題になりました結果、何かこの間に変なことでもあるのじゃないかという国民の疑いもあったことは、これは事実だと思います。私はこれは信用いたしませんけれども、そういう問題が問題にされていたことは、私も承知しております。そういう公正な立場でこれはきめていくということが、やはり疑惑があるとするならば、そういうことも払拭する結果になる。疑惑があるから、またそれを認めたからというわけじゃありませんが、問題は、現実に飛んでおる段階にきましたので、これを操縦、運用し、また技術的にも、さらに進んだ検討をして、日本の次期戦闘機として決定していくことが、これは国民に対しましても、国会に対しましても、私どもの責任である。こういうふうに考えて、措置をとっているわけであります。
#9
○小川(豊)小委員 これは四月十二日に内定して、国防会議もしくは防衛庁内で、自分たちで内定をしてあるだけならば、私はそう問題はなかったと思います。ところが、内定したものを、これは発表しました。発表したからには、発表したということの責任はあるはずです。先ほども申し上げましたように、千数百億の国民の血税を投じて次期戦闘機を決定するに当って、今までの防衛庁長官の答弁をお聞きしていてわかったのは、やはりできていなかった。従って操縦のしようもなければ、安全性も何も試験しようがなかったということは、これはあなたの今の答弁でわかりました。このことをどうのこうの申しません。結局、それは内定をくつがえしたならけっこうだと思いますが、そうすると、この前の内定というものは、きわめて不安定な、不確かな資料に基いて内定したのでなかったかということを、これはやはりいなみ得ないことになるじゃありませんか。そうすると、この内定を発表したということは、グラマン一本に限って調査研究を進めていくということであった。その他の飛行機というものは顧みなくてもよかった。それが、今度内定がくつがえることになったのは、今くどくどお尋ねしますけれども、また御答弁でもわかりますけれども、結局は、調査が不十分であったということは、やはり肯定しなければならぬと思いますが、どうですか。
#10
○赤城国務大臣 今言われるように不十分だとは申し上げられないと思うのです。現実にそういうものが飛んでおりませんから…。飛んでおりませんので、その段階においての資料を集めて内定した。あるいは内定後におきましても、いろいろまた資料を集めてきた。こういうので、その段階におきましては十分な調査をした。しかし資料の点等につきましては、現在の段階から見れば非常にまだ足らなかった点があるわけであります。その段階におきましてはまだできておらない段階ですから、できておらない段階でかくのごときものに換装した場合にはこれだけの性能を持ち、操縦性からいえば、元の型からいえば、これだけの点においてどうこうである、というようなことできめたわけであります。でありますから、そのことは申し上げられないと思います。その段階におきまして今の段階と比較いたしますと、現在できておる飛行機について調査するのと、できるべき戦闘機において調査したのとは違っておるということであります。
#11
○小川(豊)小委員 今あなたは、できていなかった、ただでき得るということを信じ、でき得るものとして内定した、こういうことをあなたは先ほど御説明なさっておられる。そこで、それがその後にさらに進歩し改善されて、もっと十分なものになったから、あの当時の段階では調査が不十分でなかった――私は調査が不十分であると思います。もし調査が不十分でなかったならば、これを内定し発表するということは早計であったということになりませんか。それならば政府の立場としては、国民の血税を千数百億を投入して買う戦闘機、金額ばかりでなく、それが日本の国防を担当する戦闘機である場合、これは重大な問題であります。それを、できていないものを買うということは、いつかこの委員会でも、当時の田中委員長だかが言われたように、自転車を買うにもカタログでは買わない。目で見て、乗ってみて、これならばいいといって買うはずだ。自分の金で買うのさえそうする。しかるに、国民の血税千数百億を使って買うものを、できていないものを買うとは何だ、こういうことを当時の田中委員長が質問されて、その当時においても政府当局、防衛庁当局等は、差しつかえないのだ、りっぱだ、という答弁で終始してきているわけです。今、お尋ねすると、これはできていなかったということがわかるし、でき得るものとして内定したというから、私は、それならば調査が不十分ではなかったかと言ったら、あなたは、調査は不十分でないという御答弁です。調査が不十分でなかったとするならば、あの段階でこれを内定して発表するということは、きわめて早計であったということが言い得ませんでしょうか、どうですか。
#12
○赤城国務大臣 その当時できてはおりませんけれども、そのすぐ前の型というものがありまして、それを日本に適するように改装した場合にはこういうふうになる、ということで内定したわけであります。それで、できてないからと言いますけれども、やはり日本で使う戦闘機でありますから、その当時日本の諸条件に適合するものとして換装した場合に、換装してどれが適当であるか適当でないかということは、その当時きめればきめられるはずであります。国防計画からいいましても、戦闘機を三百機――今は二百機ということに相なっておりすが――三百機、これを作るということになっておりましたから、そのときにおきましては、そのときにできておる現在におきまして、それを日本に適当するようなものに換装し、改装するといいますか、それによってきめるということは、国防の関係からいいましても必要であったわけであります。でありますので、その当時におきましてできておるものにつきまして、そしてまたこれを日本に適当するものに変えたものとして諸検討を加えてこれを内定するということは、そのときにおきましては当然だと思います。しかし、今お話のありましたように、なお慎重な態度が必要でありますから、決定とまではいきませんで、内定というような形で四月の十二日にきまったわけであります。それを発表したのは軽率ではないかということでありますが、やはりその時点におきまして適当であるということで、内定いたしたことを秘匿するといいますか、隠しておく必要はないと思います。やはり日本の自衛隊として使う次期戦闘機でありますから、内定したならば率直に内定した理由、あるいはその内定に至りました事情等についてお尋ねがあり、あるいはお尋ねがなくても国民に知らしておくということは、別に軽率だというふうには私どもは考えておらないわけであります。
#13
○小川(豊)小委員 私は軽率だったと言っているのじゃないのです。早計であったのじゃないか。というのは、こういう事態になるのじゃないかということを僕らも委員会であれほど言ったんだし、またいわゆる内定というのは、あの時点において取り消すべきじゃないかということを何回か申し上げた。しかし、内定というものは、りっぱである、これで差しつかえないのだ、ということで内定を推し進められてきているわけです。私はそれが今度取り消されたことに対しては、政府の措置としてもけっこうだと思っております。けれども、政府の責任と、それから内定の権威というものから考える場合に、あの際にそうしたいろいろな議論がある中で内定して、今お聞きしていれば、やはりできていなかったのだということならば、もっと少くとも慎重な調査と検討の上に行われるべきであったのじゃないか。あのとき内定するということは、一刻も早く買わなければならぬから内定を急いだ。ところが、今日だってまだ発表されていない。それならばあのとき内定などということを発表せずに、十分あなた方の方で責任を持って調査をして、その後に発表したならばもっとスムースに、しかも時間的にも早くこの問題はいったではないか、こう思うので、この点については、私もこれ以上この問題をどうだこうだと言うつもりはなく、むしろすなおに、あのとき内定したことはあの時点においてはやむを得なかったけれども、早計であったことは早計であったというなら、それでも仕方がない。いいのです。しかし、それは防衛庁長官の立場としてそういうことは言えないから、というならそれもやむを得ませんが、私どもとしては、調査が不十分であったのじゃないか。従って、あれをあの時期において内定を発表するということは事態が早計であったではないか、こう思うのです。が、あなたの方では、あの調査は不十分ではなく、あの当時においては最善を尽したのだ、あのときにおいて国民にこれを発表しておくことも必要であったのだ、こう言うけれども、あのときに内定を発表し、不十分な調査に基いてやったから、ああいう問題が起ってきたのではないか。この点について、もう一度あなたから率直な御見解を承わりたいと思います。それに対してどうだこうだというようなことは、私は申し上げる気もありません。そうでないと、われわれは政府の方針に対して要らざる横やりを入れたみたいになるから、われわれは自分の今までとってきた態度というものは今でも正しかった、こう思っているわけです。これは政府として調査がまだ十分でなかったというならば、それでけっこうです。
#14
○赤城国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、自衛隊といたしましては、自衛隊の第一次計画というものがありまして、戦闘機なら戦闘機を、当時でいいますならば次期戦闘機を三百機必要とする、こういうことでありますから、なるべく早くこれをきめたいということで、国防会議にそれが諮られたわけであります。諮られましたが、今お話のように、国費も相当かかることでありますから、慎重を期さなければならぬというようなことで、最後の決定はいたしませんで、内定いたしたわけであります。しかし、内定するにつきましては、内定するだけの相当な根拠をもちまして内定したのでありますから、この点はその後の情勢の変化によって、ことしの六月に白紙還元ということになりましたが、内定当時の内定については、慎重に内定したと私は信じております。ただ、早計でなかったかということであります。これは先ほど申し上げましたように、自衛隊としてはやはり戦闘機を充足するという方針でありますので、そのときにおきましてできているもので、またこれをよりよくするものがありましたら、そういうふうに換装して採用したい。こういうことのために国防会議におきまして、これを審議したという経過であります。でありますから、早計であるという点につきましては、その後の情勢につきまして、お話のような点もあるかと思いますが、そういう点がありますから決定をいたしませんで、内定をした、ということで御了承願えるのではないかと思います。そういう点におきまして、とにかく慎重に公正にきめていきたい、今こういう段階にあります。その内定の問題につきましていろいろありましたが、それを払拭したい、こういう新しい出発をいたしておりますことにつきましては、御了承願えると思います。
#15
○小川(豊)小委員 そうすると、これはあなたとやり合っておっても、あなたの方でも早計であったとも言えないだろうし、調査不十分であったとも言えないだろうと思います。私どもは一応そう考えるけれども、それはよいとして、グラマンに内定した。従って、グラマンを中心にしてその開発の調査研究を進めていく。今度はその内定を取り消したわけです。グラマンでも何でもなくなったということになると、グラマンに内定したものを、今度はグラマン以外のほかのものもあわせて調査をやっていかなければならぬ。あるいはグラマンよりももっとよいものができておる、そういうこともあると思います。グラマンの内定は取り消している。そこで、グラマンの内定というものを取り消すのには、ほかにどういうものが調査研究の対象になっているか。
#16
○赤城国務大臣 グラマンをと取り消したからグラマンがだめだというわけではございませんで、再出発をしていくということでありますから、新しい立場に立って現地において操縦、運用、技術、こういう点を検討しようということでありますから、調査対象の機種といたしましては、グラマンの98J―11、ロッキードのF104C、ノースロップのN156F、コンベアのF106またはF102A、こういう一番問題といいますか、採用するにつきまして検討するのに適当であると見られる四機種について現地において検討する、こういうことであります。
#17
○小川(豊)小委員 そうすると、グラマンの内定を取り消して、あと四機種について調査研究を進める、こういうことですが、この四機種の調査研究を進めた結果、やはり今までとった形のように、内定というものは国民に一日も早く知らした方がよろしいというので、この前、内定を発表したわけですが、今度も四機種の調査研究をした結果は、前の例によって内定をして、それをやはり発表しますか。
#18
○赤城国務大臣 前のように内定をして発表するというのではなくて、なるべく早く決定をした上発表したいというふうに考えております。
#19
○小川(豊)小委員 今度は内定でなく、決定で発表するというけれども、私どもはこの前の論議の経過からいって、内定というものにはかなり問題があった。今度は内定でなく決定で発表する。この前はあくまで内定であるから決定ではない、こういうことをおっしゃっておりましたが、今度決定した場合に、またこの前のような問題が起きたらどうしますか。決定をまたと取り消しますか。
#20
○赤城国務大臣 問題が起きないように慎重、公正に決定をして発表したいと思います。
#21
○鈴木小委員長 山田君。
#22
○山田(長)小委員 大へん長官に対して失礼なことを私、申し上げるわけですが、あなたの過去の発表の仕方を聞いておりますと、大へん信用が置けぬ点が多々ある。なぜ、私そういうことを申し上げるかというと、実は本委員会で昨年の八月二十二日にこの戦闘機の問題を取り扱いました。ところが、あなたは九月の新聞記者会見において、九月中にこのことの決定をするのだという発表をしている。さらに十月になったならば、十月上旬にこの機種の決定をするのだということを新聞記者会見において発表している。そのうちに、さらに十月の上旬が終ったら、十月の下旬に機種の決定をするのだと発表している。これはおそらく新聞記者が、あなたと会見したということで勝手に記事を扱っているのじゃないと私は思う。こういうことを当時の長官としてあなたが、機種の決定をする発表を次々とされているたびに、こういうグラマンなるものがほんとうにでき上っている戦闘機でないのにこの戦闘機を購入するかのごとく、これを決定するかのごとく発表されているということを私は当時の新聞で見たときに、一体赤城長官はどういうお考えでこれが決定をするという発表をされたものか、非常に疑念を持っておったのです。当時のいきさつを今ここで伺って大へん恐縮ですが、今度は新たに防衛庁長官として機種の決定をする立場に立たれて、当時のことを想起いたしましたときに、どういう形でああいう新聞記事の発表を次々にしたものか、私はこの際明確に伺っておきたいと思います。
#23
○赤城国務大臣 私は官房長官でありましたから、私が決定権を持っているわけじゃありません。しかし先ほどから申し上げておりましたように、自衛隊としての第一次防衛計画というものもありまするし、その中には航空自衛隊としての次期戦闘機を早く入れたい、こういうのも計画の中に入っているわけであります。でありますので、いろいろ論議はされておりますが、私といたしましては一日も早く決定をいたしたい、こういう希望は持っておったわけであります。でありますので、新聞記者諸君との会見等におきまして、いつ、そういうことを決定するのかということはしばしば私も聞かれたわけであります。そういう場合に、いつごろにしたい、こういうことは私としても述べておるわけであります。これは私の希望であります。またそういうふうにしたいと思って、私も国防会議等におきましても考えておったわけでありますが、国防会議でこれはきめることであります。私一人でそういうことを進めるわけには参りません。しかし先ほど申し上げましたように、いろいろな事情もその後出てきて、現実にそれぞれの機種が飛んでおりますので、国防会議で早くこの決定を進めたいと私も推進してきましたが、結論的には六月の国防会議の決定のように、こういうふうにいろいろ新しい機種が現実に飛んでおるということであるならば、操縦してみたい、運用してみたい。諸外国でもこれはやっておりますから、それが公正公明な立場であるということで、私も進めたいとは考えてきましたが、そういう形できめた方が、少しはおくれても、公正公明であるというふうに考えましたので、現在措置しているような形で調査団を出しておる、こういう事情でございます。
#24
○山田(長)小委員 そうすると、何回かにわたっての新聞記者会見における発表というものはあなたの希望であって、これは国防会議や何ぞの結論的なものではなくて、あなたの希望的観側で決定したいということを述べたということですね。
#25
○赤城国務大臣 私といたしましては、先ほどから申し上げておりまするように、次期戦闘機の決定を早くした方がよかろう、こういう希望で、国防会議におきましてもそういうことで進めたいという考えから、希望を述べたのであります。
#26
○山田(長)小委員 当時決算委員会でこの問題を扱っている最中に、あなたが希望的な意見を次々発表していることによって、いかにもこの架空のグラマンというものが現在しているかのごとき印象を世間に与えたと思うのです。私はこの問題の内定ということの法律的な解釈はいざ知らず、世間一般における内定という印象は、やはり九分九厘これが決定するという印象を与えておったものと思うのです。当時の国防という雑誌などを見ても、もうすでにこれは決定という線で雑誌の記事、あるいは当時の読売新聞等の記事は扱われておったわけです。それがたまたま、今度は決定、決定ということで、あなたの希望的な観側だということであるが、述べられておったことによって、実際私たちが審議をしている過程におけるこういう架空的なグラマンというものが、現実に存在する印象を世間に与えておったと思うのです。いかにも決算委員会が横車を押しているような印象で、こんな問題を扱う必要がないじゃないかということを言われておるが、私はこの際特に申し上げておきたいことは、大体防衛庁の買い物といえばかなりむだがあるのです。今度は現実にあなたは防衛庁長官として、今度の戦闘機の問題以外にもいろいろ扱うわけですから申し上げるのですが、くつの買い方にしましても、あるいは軍艦「梨」の買い入れの問題にしても、あるいはガソリンの漏洩問題にしても、次々と枚挙にいとまのないような現実が出てきたので、決算委員会ではこういう問題が出ないうちにというのでこのグラマンの問題を扱ったわけです。
 そうして、あなたは、いかにも国防会議の結論じゃないように言われているけれども、かりに国防会議の意見でなくて、あなたが推測的に決定するんだというふうな意見を、希望的観側を述べておったとするならば、ずいぶん不見識な話だと私は思うのです。そんな架空的なグラマンの問題が、まだどうにもならない、私たちが調べている期間中においても、まだこんなものはありやしないじゃないか。しかも二機できたが二機とも墜落する、大破する。こういう状態のものを決定するということは、日本の国防会議としてずいぶん不見識なやり方だ。しかも一挙に三百機も買うということは許されぬということが、われわれ委員会の総意であった。それがまだ結論が出ないうちに、あなたは決定するんだと、私が記憶しているだけで新聞記者会見を四回やっている。今あなたの答弁を聞きますと、いかにもあなた自身の観測によるものであるような印象だ。国防会議はこれらについて何らの結論を出さなかったのですか。国防会議がいやしくも内定の結論を出しておきながら、そのあとの問題については国防会議の結論じゃなくて、あなたの主観的な観測によっておる。その点、明確にしておいてもらいたい。
#27
○赤城国務大臣 はっきり申し上げておきたいと思いますが、私の観側じゃないのです。観測じゃなくて、私は国防会議におきまして早く決定したい、こういうことなんです。しかし国防会議におきましては内定当時と違いまして、その後、先ほど小川委員にも申し上げておったのですが、今のお話のように、グラマンにつきましても二機できて、これはテストもしたり飛んでおる、一機はこわれた、そういう事情もあり、またロッキードにいたしましても、104Aから104Cというのができて、その他のノースロップ等にいたしましても、いろいろ新機種ができております。そういう材料、資料を集めながら国防会議は審議を続けておったわけであります。そういうわけでありますが、私はそういう新しい段階におきまして、これは早くきめるべきだ。私は国防会議のと主宰者ではありませんけれども、国防会議もそういうふうに持っていきたい、こういうことで骨を折ってはいたわけであります。ですから、私が観測を漫然と言ったわけではなくて、私が早くきめるべきものだと言ったことが、いつ幾日ごろにきめるんだということに記事に漏れたかもしれませんが、私といたしましては、早くきめて、航空自衛隊を充足したい。それには国防会議も早く結論を出してほしい。また、そのために国防会議におきましても早く結論を出すようにということで、資料を集めながら審議を続けておった。こういうことでありますので、漫然と観測を述べておったということではないので、その点は御了承願いたい。
#28
○山田(長)小委員 当時国防会議が何回か開かれ、さらに国防懇談会が十八回も開かれたということは、われわれも耳にしたところです。そういう会合が開かれたに前後して、決算委員会では、これが一体戦闘機として適機であるかどうか、この性能の問題について、当時の松前空将まで証人として出てきていただいた。しかも、そのほかのその道の専門家の人たちも数人ここへ出てきて、この飛行機でなければならぬという結論が当時はっきりと言い渡されたと思うのです。ところが、たまたま今度は白紙に戻した。私はどんな飛行機も買うことは反対ですけれども、どうせ買うならば、すぐれた飛行機を買うことに希望を持つものです。日一日と飛行機の性能というものが変っていることは、私たちが申し上げるまでもないことです。ところが、飛行機にそういう大きな変化があるにかかわらず、アメリカの航空市場を見ると問題にされないような飛行機が日本の防衛庁、あるいは国防会議で決定されているということは、大きな世論の中の一つとして出てきておる。この委員会の席上で言い切られていることは、専門的立場の松前空将までがグラマンでなければならぬということをはっきり言い切っている。私は、これほど当時の専門家が言い切っている飛行機であるのだから、幾ら決算委員会で反対しておっても、最後の結論はやはりこういう線が出るものなのか、こう思っておった。ところが、白紙に返して、新たに調査に行くということになって、一日二日前に源田空将が行かれたということであるが、一体、国防の衝に当っている第一線の人たちが、本委員会においてグラマンで差しつかえないということを言明しているにかかわらず、今度はそれが日ならずしてがらり変って、新たに白紙に戻した。それは悪いことを悔いて改めるんだから、あえてこれは差しつかえないと思います。けれども、しかし、私は日本の国防という重大な問題が実に不見識きわまると思うのですよ。しかも、われわれはとうとうこの委員会で調べることができなかった天川勇という怪人物がいる。この天川勇なる者は新三菱の回し者であるということはわれわれが見ている。ところが、きょうも与党側の人が非常に少いということで、何べんわれわれが委員会を開こうとして全員そろっても、頭数がそろわなくて、とうとう天川勇なる者に当委員会に出席を求めることができなかった。しかし、私たちが調べた範囲では、この天川勇なる者が高という人間と連絡があることだけは、あらゆる点から総合してはっきりできたのです。高という中国の人との連係などという問題が出てきている以上、今度の戦闘機には天川勇という怪人物は関係はないかもしれないけれども、かりにこういう人たちの介在されておった形の当時の戦闘機の問題が、今度は結論が出されないまでも、これらの問題を明確にしておかなければ、私は今度の機種決定に当っても、そんなにぐらぐらする日本の国防であるならば、だれかこれに介在しているんじゃないかという印象を私は持つのです。そういう点で、変った経緯については、長官、ただ、今までの機械の問題についてはとやかく異論があったから急に変ったというふうなことじゃなくて、何かもっと強い根拠があってグラマンというものを白紙に返したのだ――私は、このことを決定するに至るには早計だったんだということがもっと天下に明確に明示されない限りにおいては、今度も疑念を持つ一人なんです。こういう点、私は前のことをとやかく言いたくないですけれども、今度はまたがらり変って、白紙に戻して新たな機械を選定するという前後について、天川なる者の調査もできなかったし、いろいろ疑念をたくさん残したまま変ったということから、こういう疑念を私は待つわけなんでありますけれども、急に変った内容的な、国民に納得できるようなことをここで御発言願いたいと思うのですが、いかがでございましょうか。(「それはさっき言った」呼ぶ者あり)僕はおくれてきたので、もう一ぺん聞かしてもらいたい。
#29
○赤城国務大臣 先ほど小川委員にも御答弁申し上げたのですが、山田委員はあとからおいでのようですから、重ねて申し上げます。
 御承知のように、昨年の四月十二日に内定したときには98J―11という機種は現実には飛んでおらなかった。あるいはまたロッキードにいたしましても、104Aというものがありましたが、104Cというものはなかったわけであります。それからノースロップにいたしましても、あるいはコンベアにいたしましても、その後開発されております。開発されておりますが、その内定当時におきましては、やはり第一次防衛計画の観点からきめたいというようなことで、日本に適した機種としてのいろいろ検討をいたしまして、グラマンということに内定した。その後、今お話しのように、新機種ができまして、これは少い多いにかかわらず、飛んでおる。しかし、防衛庁側の人も実際現実に今日新しいものに乗ってみたこともないのです。そういうことで、実際操縦性とか、運用性とかいうものをいろいろな数字的な資料だけによってきめていくということは、その後の情勢から早計じゃないか。従って、現実にできておりまするものを、操縦、運用、技術、こういう点について検討してきめる方がよかろうということに相なったわけであります。
 これはよけいな話でありますが、先ほど小川委員も、ドイツがどうだ、カナダがどうだとかいうことは、よけいな話じゃないかというお話でありますが、これは日本ばかりじゃありません。西ドイツの議会におきましても、あるいはカナダの議会におきましても、またスイスの議会等におきましても、戦闘機種の選定につきましてはいろいろな問題が非常にございまして、その結果、西ドイツにおきましてもやはり現地につきまして、アメリカで操縦、運用してみるということで調査団が出まして、その結果決定いたしました。カナダにおきましても、どっちにするということで、これはずいぶん問題があったんです。これも調査団を出して決定した。スイスにおきましても同様な形をとっております。こういう形は、何も外国の例をまねるというわけじゃありませんが、やはり諸外国でも問題になっております。問題になっておって、きめることには慎重を期しております。私どもといたしましても、決定につきまして、どの機種になるかは、まだどうこうということは申し上げられません。調査団の報告等によりまして、これはきめることになると思います。また、国防会議で最終的にきめるということになると思いますから、どれということは言えませんが、しかし、きめ方につきましては、新しくできた機種が相当ありますし、内定当時と情勢も相当変っておりますから、新しい機種につきまして、現地において操縦、運用して、その結果によって慎重に公明にきめていきたい。こういうことでありますので、何らその間に意図を持っているわけではありません。きれいにきめていこう、国民の納得のいくような形できめていこう、こういうことであります。
#30
○山田(長)小委員 今の御説明は、わかったようなわからないような、なかなかうまい御答弁でありますが、その内定自体に、二カ月くらいで、乗ってもみない、設計だけの話で内定したという無理があったということは、あなたもやはり認めなければならないと思うのですよ。あなたが速記録をお読みになっていただけばわかりますが、当委員会へ出てきて説明された方々というものは、全くどう考えても、機種の性能については、しかも専門家の人たちがこれでなければならぬという結論を出しておった当時――それで、性能についての論議はさることながら、とにかく二カ月の間に内定するというようなことでは不見識ではないか。そういう面で、われわれは当時いろいろお答えを願ったのであります。まあ、今のお話で納得できるということにはいかないまでも、大体了解ができる気がします。そこで、将来もあることですけれども、やはり私は、日本の国防というものに重大な関連のある問題を軽々に内定して、発表するに至っても、そう簡単に発表されると、私は日本の国防における威信問題が考えられてくるのではないかと思うのです。そういう点で、老婆心ながら私は、いま、今度の白紙に戻したことについては軽率な行き方ではないかということで御質問申し上げたわけです。
 最後に、私は伺っておきたいのですけれども、一体、国防会議にいろいろな人が講義をするのはわかる。わかるが、最後に、最後的に国防会議で決定するといっているけれども、国防会議の総理大臣を初めとして、あるいは大蔵大臣にしても、今の国防会議の正式なメンバー五人の人で、戦闘機のわかる人は、僣越なことを言うようだけれども、いないと思う。戦闘機は、これが優秀だということを幾ら説明したって、帰ってきた人の報告だけで了承するだけのものであると思う。だれもわかるはずのものではないし、わかる筋合いのものでもないと思う。ほかの政務多端であって、飛行機に乗ってみるわけでもないし、戦闘機の全貌がわかるわけのものではないと思う。そうすると、調査団の報告というものが、私は、一番重要な資料になって、最後的に決定するものだと思うのでありますが、この前の決定には、私が調べている範囲では、天川勇なる怪人物が戦闘機の比較性能表なるものを作っているものと私は見ている。こういう問題は、今度はないと思います。しかし国防会議で、戦闘機の問題が明確に大臣にわからないように、調査報告書だけでわかるのではなくて、やはり大臣は、国防会議のメンバーは、メンバーだけで何かこれは決定するのに相談をするものと思うのです。そういとときに何を基準にして――今度は報告書だけで結論を出しますか。何を基準にして出しますか。あなたはその一番の衝に当って、これのイエスかノーかを出す。総理大臣が議長としているわけでありますけれども、やはりあなたの発言というものが、今度は一番大きな役割をするので、前の長官時代と違って、今度は担当ですから、この場合にどういうことで最後的結論を出される御予定ですか。これは少し行き過ぎた御質問かもしれませんけれども、私は聞いておきたいのです。
#31
○赤城国務大臣 国防会議のメンバーも、この機種選定につきまして全然無知だとか、またわからないということはないのであります。数字的によく検討すれば、ある程度わかるのでありますけれども、今お話しのように、十二分に知識を持っておるとは申し上げられません。そこでいろいろな数字の問題、性能の問題、決定する要素は、たくさんファクターはあると思います。そういうものは、何も防衛庁外の人をわずらわさないでも、防衛庁内部におきまして十分に検討できます。そこで、最後的にはどういうことになるかというと、一番国防会議のメンバーにおきましても、防衛庁内においてもわかりませんことは、操縦性、運用性で、どういうふうに操縦していいのか、これを運用する場合にどういうふうに運用できるかということは、これは実際にパイロットとして乗れる者、あるいは技術的にこれを検討した者でなければ、この判断は、ほかの人ではちょっとできかねます。でありますので、やはり現地に行きました調査団の結論を強く尊重して決定するということに相なると私は考えております。ただ、少し残された問題は、御承知のように、財政的の問題、そういう予算の関係、あるいは分担金というような問題であります。しかしどの機種がいいかということにつきましての、そういう財政的、あるいは分担金等の問題を除けば、何といっても、国防会議のメンバーにおいていかに検討しても、検討し尽し得ないのが操縦性と運用性だと思います。でありますので、現地に権威ある調査団が出ておりますから、この報告は尊重しなければならぬ。こういうように考えております。
#32
○山田(長)小委員 前は三百機の購入予定のようだったが、今度の場合は何百機の予定かわかりませんけれども、一番問題になるのは、日本の財政的見地から考えてみて――この前も、分担金の問題は日米間において何らの話し合いがなされていなかったように私は伺っておりますが、今度の場合における日米間における分担金の問題というのは、話が出ているのかいないのか。それから、出ているとすれば、どのくらいな分担金が、日本の防衛上における今後の飛行機選定に当っての割合になるのか。私は当然これは決算委員会として伺っておいて差しつかえないものだと思いますが、その点、どういうふうになっておりますか。
#33
○赤城国務大臣 まだ分担金の問題については、話し合いになっておりません。これは、相当決定段階に進んでから話し合いをしようというふうに向うでも言っておりますので、分担金の問題は、まだ話し合いの段階に入っておりません。この戦闘機械の問題につきましては、ほかのいろいろな艦艇や何かにつきましてはありますけれども、この問題は、まだ話し合いの段階に入っておりません。
#34
○山田(長)小委員 こういう問題は、やはり日本の経済事情から考えてみて非常に重大な問題だと私は思うのです。当然購入に当っては、その話はされてあってしかるべきだと思いますが、されてないとすれば、速急に、機種の数の決定とにらみ合せて当然審議されてしかるべきだと思うのです。
 それから、もう一つ伺いたいことは、戦闘機の故障による部品の補給の問題を勘案して、自由主義国家群が、大体アメリカを中軸とした形において戦闘機はきめることにしようじゃないかという話が出ておることを、私は開いておる。そういう点で、部品の購入等を勘案した形で――私は戦争反対だから、こんなばかばかしいことは考えてないけれども、そういうことが勘案された形で部品の購入がなされれば、経済的にかなり、故障があった場合にこれが補てんをすることは容易だと思うのです。こんなことは考えられておるという話であるが、こんなことも勘案された形で、今度の機種選定はなされるのか。
#35
○赤城国務大臣 聞くところによりますと、北大西洋条約国ですか、NATO等におきましては、そういうような考え方があるようでございます。しかし、日本の場合におきましては、部品その他の問題で機種を統一させたいというような考えがアメリカ側にあるとは私はまだ聞いておりません。調査につきましても、別にそういう注文は私の方からつけてはおりません。ほんとうに日本の立場から、公正明朗に現地において調査をしてきてくれという以外に注文はつけておりません。しかし、今のようなお話等も、御意見として承わっておきます。
#36
○山田(長)小委員 注文をしているとかいないというのじゃなくて、飛行機の購入に当っては飛行機二台について一台分の部品を買うというのが常識だそうじゃないですか。そうすれば、飛行機を購入するに当っては、たとえば百機を購入すれば五十機分だけは部品の購入をしなければならぬということになっているという話ですが、そうすれば、かりに二百機を買うとすれば、百機分だけは要らない部品を買うことになるわけだ。その部品が高いか安いかということは、あなたの方で指示はしなくても、行っている現地の人たちは当然それを勘案した形で購入の衝に当るものと私は思うのです。しかも、それが自由主義国家群一連の形における部品とすれば、経済的に非常に安くつくのじゃないですか。おそらくそういうことは勘案されていないはずはないと私は思うのです。そうすると、今度の飛行機の購入に当って、部品の購入という問題は、買う機種数の半分の部品を用意しないのですか、するのですか。
#37
○赤城国務大臣 大へん御親切なお話でありますが、これはやはり国防会議の問題にはなると思います。今度の機種選定につきましては、日本の防空上現実に防空を担当している調査団が、どの機種がよろしいかというようなことを調査してくるわけであります。今のお話のようなことは、やはり国防会議等におきましては議題となると思います。まだ、そういうことまで調査団に調査をしてくるようにということは申しておりません。今申し上げたような事情でございます。
#38
○鈴木小委員長 では、この際防衛庁長官に一言申し上げておきます。
 防衛庁の航空機購入問題につきましては、当委員会としては昨年八月以来その調査を進めて参ったのでありますが、その後の経過につきましては、赤城長官の御発言及び委員各位との質疑によってお開きの通りであります。
 当委員会の本問題についての調査は、機種選定の当否についてこれを行なったのではなく、膨大な国費を用いて調達せらるる航空機購入に際し、または購入の後において、不法、不当あるいは国費の乱費などのそしりを受けないよう十分注意して進められたいとの意味で調査を進めて参ったのであります。政府は昨年の内定を白紙に戻し、あらためて調査を開始するとのことでありますが、再調査に際しては、当委員会の意のあるところに留意せられ、再びこの種の問題とならないよう万全の配慮をいたされたく、慎重に進められることを要望いたしておきます。
    ―――――――――――――
#39
○鈴木小委員長 次に昭和三十一年度決算の審議に入ります。
 まず、前会に引き続いて通産省所管について審査を進めます。
 この際、通産省当局より発言を求められておりますので、これを許します。松尾通商局長。
#40
○松尾説明員 先日の当委員会におきまして、私どもの方の準備不足のために十分な答弁ができなかったことを、まずおわびを申し上げておきます。
 本日は、先日御要求のありました資料を取りそろえましてお手元にお届けしておりますので、それに基きまして若干説明をさしていただきます。
 最初に貿易振興補助金の交付を受けた団体に関する調査という六枚ほどの資料がございますが、それをごらん願います。これば貿易振興会、もとは海外貿易振興会でありますが、これ以外にも補助金の交付を受けておる団体があるかとの御質問がござましたので、作成したのでございますが、それぞれの団体につきまして補助金の種類、毎年度の補助金額、団体の性格、役員等について書いております。役員につきましては、三十一年度から三十四年度までに異動のありましたものについては、年度ごとの役員がわかるように書いております。
 そこで、主要なものにつきまして簡単に説明を申し上げますと、まず第一枚目にあります日本繊維意匠センター、日本雑貨意匠センター、日本陶磁器意匠センター、この三つの意匠センターは、格関係の業界によって作られておりまして、輸出商品の生産者が外国及び国内におきまする同業者の意匠を盗用することを防止するということがまず第一であります。それとともに、デザインのコンクールをやるとか、研修会をやるとかいたしまして、いわゆる意匠の改善をはかっておる団体であります。
 次に、二枚目の日本輸出雑貨センターでございますが、これは本年度設立されたものでありまして、従来は日本雑貨意匠センターが行なっていた事業と雑貨関係の各輸出岸検査機関が行なっておりました事業を合併して、引き継ぎまして行うほか、雑貨産業の組織化なりあるいは調査宣伝等の事業を行うことになっておるのであります。今年度といたしましては、京浜地区と阪神地区に一カ所ずつ格雑貨の輸出共同検査場を設ける予定でございまして、これに四千万円の補助金がついておるのであります。
 それから、その次の日中輸出入組合関係の補助金につきましては、後刻説明をさしていただきます。
 それから、三枚目の下の方にありますが、日本機械輸出組合と日本産業巡航見本市委員会に巡回見本船補助金が出ておりますが、それは三十二年度までは機械輸出組合がやっておったのでございますが、三十三年度には巡航見本市委員会ができまして、三十三年度からこれがやっておるのでございます。三十一年度におきましては、東南アジアへいわゆる機械等を展示いたしました船を仕立てて参ったわけであります。見本市船と申しておりますが、その見本市船を巡回さしたのであります。三十二年度は休みまして、三十三年度は中南米地域に巡回をいたしたのでございます。隔年にやっておりますが、その中間の年には若干の準備のための準備費が交付されております。
 それから、四枚目に参りまして、日本プランド協会でありますが、これは技術的なコンサルティング業務を通じましてプラント類の輸出の振興をはかるために設立された団体でありまして、いろいろ活発な事業をいたしております。特にインド、パキスタン等、七カ所に海外の事務所を持っておるのであります。
 次に、五枚目、六枚目でございますが、日本の特産品である生糸、絹織物の海外宣伝のために、三十三年度までは中央蚕糸協会と絹化繊の輸出組合に補助金を交付していたのでありますが、本三十四年度におきましては、生糸、絹製品の需要の増進をはかるための強力な団体として社団法人の日本絹業協会が設立されましたので、本年度からはこれに一本化して補助金を交付することになったのであります。
 次に、第二番目の資料として、海外市場調査会、海外貿易振興会、日本貿易振興会に対する補助金交付額及び役員名という一枚紙の資料と、それから海外市場調査会、海外貿易振興会、日本貿易振興会の収支計算書というのをお配りいたしておりますが、それについて御説明申し上げたいと思います。
 昭和二十五年、六年はまだ海外市場調査会だけでございまして、市場調査費だけが国から出ておるのでございます。その額は、二十五年度は三百万円強、それから二十六年度は千五百万円出ております。
 それから、二十七年度に入りまして国際見本市協議会ができまして、補助金も新たに国際見本市関係の補助金が出されるようになっております。金額はこの表の一番上の欄をずっとごらん願えばおわかりがいただけるかと思います。
 二十八年度には新たに貿易斡旋所協議会ができて、それに対しまして補助金を交付されるようになったのであります。
 二十九年度は国際見本市協議会、それから日本貿易斡旋所協議会、これはいずれも任意団体でございますが、これが解散しまして、その業務を海外市場調査会が引き継いだのであります。名称も実態に即しまして、海外貿易振興会として新しくスタートしたのでございまして、貿易振興事業を一本化して強力に推進をするという態勢になったのでありまして、従いまして補助金もかなり増加いたしております。一億八千四百万円何がしになっております。
 それから、三十年度は海外宣伝、輸出品の意匠向上、農水産物輸出振興事業、それから海外市場調査事業等の新規事業がふえましたために、補助金も三億九千百万円に増加して参っております。このほか府県からも四千七百万円、それから民間の賛助収入として一千万円が入っておるのであります。従いまして、国の補助金と合せまして合計六億二千四百万円の収入でもって事業をいたしたことになっております。
 それから、三十一年度は、補助金は五億一千五百万円になっております。先日の委員会におきましては、この見本市の補助金を落して金額を少く申し上げたようであります。この五億一千五百万円が正しい金額でございますので、さよう訂正させていただきます。なお、三十一年度は国庫補助金のほかに、府県から四千七百万円、民間の賛助収入が千七百万円あったわけであります。賛助収入のほかに民間からの事業に対する協力費も若干入ておるのであります。それらを全部合計しますと、国庫補助金のほかに、三億三千万円程度の金が府県及び民間から受け入れた収入になております。
 それから、三十二年度以降でございますが、三十二年度には五億二千七百万円、三十三年度が七億二千万円、それから三十四年度が予算が十億八千三百万円と増加して参っておりますことは、この表の示す通りであります。
 次にジェトロの、いわゆる貿易振興会の収支計算書とジェトロに対する補助金交付額表との間に金額の相違がありますが、これにつきましては、一枚刷りのこれこれとこれこれとの差額についてという説明書をお手元に差し上げておりますが、これについて簡単に御説明申し上げますと、二十八年度は、海外市場調査会に対して、海外市場調査費のほか、国際見本市補助金の項目から――この日本国際見本市の費用と申しますのは、その当時から二年に一回ずつ東京と大阪で、日本国内におきまして国際見本市が開かれることになっておることは御存じの通りでありますが、その最初の年度なのであります。海外市場調査費のほかに、この日本国際見本市の費用が四百七十五万円を交付しております。従いまして、市場調査会の受取額は、市場調査委託費から四百七十五万円多くなっておる。他方、国際見本市協議会の受取額は国際見本市補助金の額よりその分だけが少くなって表わされているというような事情であります。
 次に三十年度でありますが、海外貿易振興会の受取額は、国の交付額より四十四万六千円少く出ております。これは二つの要素があるのでありまして、第一には四十万九千円を、国は三十一年の四月の出納整理期間中に交付しましたので、三十年度の交付額にしておりますが、ジェトロはこれを三十一年度の収入に入れております。ジェトロの方で未収金に立てて整理していればちょうど合うわけでありますが、ジェトロの決算では三十一年度の収入に入れておりまするので、差額が出ておるのであります。
 第二には、二十九年度に行いました第八回のカナダ見本市について返納すべき額が三万七千円あったわけであります。これを三十年に返納しております。これは本来は受取額と返納額と二本立にして整理をすべきものを、決算整理の際に返納金を受取額から差し引いたために差額が出ておるというわけであります。
 次に三十一年度でございますが、ジェトロの収入の方が、逆に国の交付額より三百六十八万円ほど多くなっております。これには四つほどの要素がありまして、第一には、われわれの方から外国資本の導入管理状況調査というのを委託させて、その委託費が十七万円、第二にダマスカスの見本市の返納分が百三十万円、第三にテレビの宣伝費の返納分が百八十万円で、この第二の分と第三の分は国では年内に国庫に戻入されたものは交付額から差し引く方法をとつているのに対しまして、ジェトロでは受け入れと支出と二本立で整理をするときに発生した差額であります。第四は、三十年度に御説明いたしましたように、三十一年四月に国が交付した四十万九千円を、国は三十年度に入れたのに対し、ジェトロでは三十一年度収入としたために生じた差額でございます。
 三十二年度も三十一年度と同様、ジェトロの方が九十八万円ほど多くなっております。これもわれわれの方の委託費が三十一年度と同額出ておりますのと、資料購入費返納額が八十一万円あったからであります。
 三十三年度はジェトロの方の決算がまだできておりませんので、三十三年度決算についてできておりませんが、これは法律によりましては、八月末までに決算書を提出することになっておりまするが、せっかくやっておる最中であります。
 そこで、三十四年度、今年度の予算について申し上げますと、同様にジェトロの方が多くなっております。これも過年度予算から繰り越されて本年度のジェトロの収入となるものが、マグロの宣伝費あるいはリオデジャネイロの見本市の費用、貿易あっせん所の費用等で五千万円、それから米国市場の輸入制限対策事業費、これは予備費の支出でありますが、六千九百万円が原因になております。
 これで、この収支の相違の御説明をいたしたのでありますが、要するに国の会計の整理の仕方と、国以外の特殊法人なり民間団体等との経理の方法が異なっておりますので、完全に一致をさせることが非常に困難でありまして、どうしてもこのような調整による説明書を必要とするわけでございます。
 なお、資料といたしまして、以上のほかに、先日御要求のありました昭和二十六年度から三十三年度までの海外市場調査会、それから海外貿易振興会、日本貿易振興会の事業報告書とそれらの団体の設立趣意書及び発起人名簿、それから次には昨年七月特殊法人日本貿易振興会の設立の際の設立人の名簿、それから中共見本市、これは武漢、広州の日本商品展覧会でございますが、の収支表、それから先日御質問のありました出品料収入表、こま料の資料もお手元にお届けしてございます。
 最後に、一番最初の表に戻りまして、日中輸出入組合日関係の数字を御説明いたしますと、さっきの表の第二ページの一番下でございますが、日中輸出入組合の補助金としまして、三十二年度においては百七十七万円を交付いたしております。それから三十三年度には九百十八万四千円、三十四年度はまだこれからということになております。まずこれらについて申し上げますと、三十二年度の百七十七万円というのは、いわゆる日中通商協定の交渉団、いわゆる四団体で編成されました交渉団の旅行の費用を一部国でもって負担した金額でございます。それから三十三年度の九百十八万四千円、これは日中貿易の途絶に伴いまして組合の経理が非常に困難になりましたので、国からその経費の一部を助成をいたしたのであります。予算の六百万円に予備費の三百十八万四千円を加えて、かような数字になっているのであります。それから、中共見本市の補助金の三十一年度約六千万円、これは第一回の上海、北京におきます日本の見本市、中共における日本見本市の開催に対しまして、国から助成をした分であります。それから三十二年度の六千万円、三十三年度の七千百六十万円何がし、これは広州、武漢におきますいわゆる日本の中共見本市の開催及びその跡始末に対する助成金でありまして、両年度にわたりまして合計一億三千百万円ほど支出をいたしております。御存じのような中共貿易の途絶というような事態にあいまして、当初国は六千万円予定しておたのでありますが、現地で販売するものが売れない、また大分都のものは持ち帰らなければならないというような関係で、当初の予定よりも費用は非常に多くかさんだためにかような姿になたのでございます。
 以上でっもて、簡単でございますが説明を終らせていただきます。
#41
○鈴木小委員長 発言の通告があります。これを許します。小川豊明君。
#42
○小川(豊)小委員 輸出振興の問題で、これはどなたに御答弁願ったらいいのか知りませんが、実は昨年の決算委員会かと思いますが、砂糖の取扱いで、これは食糧庁が取り扱っているのですが、この食糧庁の中にいろいろな割当の制度がある中に、実需者割当という制度があって、これは非常に市中によくない取引の方法が行われているというので、そういうことをなからしめるようにここで検討がなされて、そういうことはなからしめるという強い食糧庁の決意が披瀝されたわけです。ところが、ことしになって聞いてみても、やはり市中にそうした割当券とでもいいますか、割当が売買されているということを聞いたので、食糧庁の方に、あれほどわれわれも要望し、あなた方もそういう決意を述べているにもかかわらず、そういうことがまだなされているじゃないかと言ったところが、それは私の方ではそういうことはありません、こう言うから、こういう割当が出ているそうだがどうなんだと言うと、それは通産省の方でやっておるのではないでしょうか、こういう話であった。通産省が砂糖の割当を取り扱うということは、これはどうも私には初耳であったので、そういうことは考えられないが、扱うならば一体どこで扱うのかと言うと、輸出振興のためにやっているのだから農水産課の方でおやりになっているのだろうと思う、こういう話であって、深くもそれ以上たぐってみませんでした。私は砂糖の行政というものは食糧庁が一本でやっているものだと思っておりますが、輸出振興のために、食糧庁の砂糖の行政とは別に、通産省の方でもそういうことをおやりになっておりますか、この点をお尋ねします。
#43
○松尾説明員 お答えいたします。砂糖に限りませず、米麦等もございますが、貿易為替の一元化という観点からいたしまして、為替の割当、輸入割当、いわゆる輸入許可と申しますか、その面、それから輸出につきましては輸出の許可、あるいは場合によりましては輸出の承認という場合もございます。それは全部通産省で所管をいたしております。それは、かりに他省物資、農林省関係の物資でありましても、輸出入の窓口の所管は通産省でやる建前になっております。そこで、今お尋ねの砂砂糖でございますが、砂糖はいろいろな経緯がございますが、為替割当額の八割をいわゆる精糖業者に割り当て、それから二割を輸入業者の輸入実績によって割当をしておるというのが原則でございます。ただいまお尋ねの実需者割当でありますが、精糖業者ももちろんその八割がいっておりますから、実需者の最大のものであります。それから砂糖メーカーじゃない砂糖の実需者、お菓子屋だとかつくだ煮屋だとか、その他正確には記憶いたしておりませんが、いわゆる砂糖を原料としてそれぞれの商品を作っておる者、これを実需者と俗称いたしておるわけであります。その実需者に対して若干の割当をしろというのが前々からのあれでありまして、通産省といたしましては、これらは農林省の砂糖行政に関する問題でありますので、一切は農林省の意見に従ってやっておるのでありますが、八割の中で砂糖を作るいわゆる精糖業者のほかに、ごく少量でございますが、いわゆる実需者に対しても若干の割当をしておると私は記憶いたしております。はっきりとその金額はどれくらいの額になっておるか、何万トンになっておるかということは、ごくわずかだろうと思いますが、これはだいぶ前からそういう制度が続いておりまして、まだ続いておるのであります。今、御指摘のような割当券の売買、それに伴うプレミアムというような問題も、われわれとしては耳にいたしておりまして、何かこれはもっとすっきりする方法がなかろうかということで、農林当局にはわれわれの方から御注意を申し上げた。しかし農林当局としては、これは農林行政の一環といたしまして、どうしても、そうすっきりし得ない面もあるのだというような説明を聞いておるのであります。どうなっておるかというお尋ねに対しては、実情は今申し上げたような状況でございます。
#44
○小川(豊)小委員 いや、私のお尋ねするのは、この精糖業者に八割とか輸入業者に二割とか、こういうことをお聞きしていないのです。砂糖の行政は農林省の食糧庁で一本でやっておるものだ、こう思って、われわれもこの委員会で食糧庁に注文を発したのです。ところが食糧庁以外から輸出振興という名目で、たとえばミカンならミカンのカン詰業者が通産省からじかに何かそういうあれをもらっておるのがある、こういうことを聞いたのであります。通産省にそういうものがあるのかないのか。もしあるならば、砂糖行政というものは二本になってしまうのじゃないか、こういう意味でお尋ねしておるのです。なければないでいいのですが、農林省の方にお聞きしたところが、それは私どもの方ではやっていない、通産省の方でおやりになっておるのじゃないか、こう言うから、おかしいではないか、砂糖の行政というものは食糧庁が責任を持ってやるべきだ、二本建で、そういう制度というものはわれわは納得がいかない、初めて聞くことだが、そういうことはあるのかないのか。こう疑問に思って、今お開きしているのです。なければなくていい。
#45
○松尾説明員 現在のところ、そういう輸出振興のために砂糖に全然関係のないものに砂糖の輸入を割当するという制度は全然ございません。
#46
○小川(豊)小委員 これは、こういうことを聞いているんです。ミカンのカン詰業者がその割当の券をプレミアム付で売っている。それを聞いたので、それはもうなくなったはずだと思って、私は農林省へ、食糧庁へ聞いたところが、私の方ではやってないが、通産省ではそれをやっている分があるんじゃないか、こういうお話だったので、これは、なければあとで農林省にまた聞けばいいわけです。あなたの方にはそういうことは、たとえばミカンのカン詰業者とかその他、輸出振興をはかるために砂糖の原糖の輸入か何かの割当をしてやって、管から輸出の援助をしてやる、そういうような措置というものはない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
#47
○松尾説明員 先ほど私、申しましたように、ミカンカン詰も非常に大きな輸出品でございますが、そのミカンカン詰の輸出振興のためにそういう砂糖の割当をするということは、私は全然ないと思っております。調べますが、多分、絶対ないと思います。ただ、先ほど申しました実需者ということで、輸出振興とは関係なしに、ミカンカン詰もかなり砂糖を使いますので、いわゆる彼らは砂糖の実需者であります。従って、そういう見地から農林省の方でそういう砂糖を需要者、業界に対する配慮をしておれば、これは別でございますが、ミカンカン詰の輸出振興のために砂糖を割り当てておるかという御質問に対しましては、全然ございませんということをお答え申し上げます。
#48
○小川(豊)小委員 これはそれでけっこうだと思います。またない方がいいと思います。実需者に割り当てる制度はあるんですから、そういう制度がいいとか悪いとかは別として、これはやってもいい。ただ、私がお聞きするのは、実需者なら実需者、精糖業者なら精糖業者にやるのはそういう制度でやっているけれども、いずれにしても、どこかがやるとしても、農林省なら農林省の食糧庁が一本に握っていくべきであって、それをあなたの方でも輸出の振興とか何とかいうために、カン詰業者にそういう割当の制度があるとすると、二本になってきて、混乱して弊害が起ってくる。こういう意味でお聞きしたので、これはないということなら、それでけっこうです。
 委員長にお許しを願いたいと思いますが、いま一点、私はごく短時間お開きしたいのです。これは輸出振興とは関係なしに、通産省所管でありますが、自転車競技といいますか、振興といいますか、この問題についてお尋ねしたいと思いますが、よろしゅうございますか
#49
○鈴木小委員長 よろしゅうございます。
#50
○小川(豊)小委員 それでは、ちょっとお尋ねしますが、私は御承知のように出身は千葉県で、私のところにはありませんが、私どもの方には松戸とかその他の競輪が行われております。ここでは、去年でしたか、ことしでしたか、何か大へん事件があって、私は行ったこともないからわかりませんが、建物がこわされたり、器物がこわされたというので、大へんに問題になって、千葉の県会等ではこの競輪の廃止を決議しようではないか、こういう動きがあって、寄り寄り相談もわれわれも受けて、これは与野党を問わずに、廃止すべきであるという意見が出てきているようです。そこで私のお尋ねしたいのは、そういうような弊害が幾多出てきているが、これは私どもの聞いておるのでは、自転車事業の発展というか、振興というか、そういう目的のためにこの自転車の競輪というものは行われておる。こういうふうに理解しておるわけですが、その通りでございますか。
#51
○齋藤説明員 これは重工業局の所管でございまして、担当者が現在出ておりませんので、簡単なことでございますから、私からお答え申し上げます。これは自転車競技法の施行目的に、自転車産業の発展と地方財政の振興ということをうたってございます。従って、自転車産業の振興ということは競輪の目的になっておるわけであります。
#52
○小川(豊)小委員 そうすると、開催の目的は、自転車産業の振興と地方財政への寄与、この二本建になっておるのですか。
#53
○齋藤説明員 今仰せの通りでございます。
#54
○小川(豊)小委員 そうすると、お尋ねしますが、この許可権は通産省にあって、開催の権利は府県にある。それからこの施行というか、経営というか、そういうのは自転車振興会がおやりになっておる。こういうふうな形だと聞いておりますが、これはどういうふうにっなておりますか。
#55
○齋藤説明員 競輪場の開設でございますとか、あるいは運営、たとえばその競輪をどういうふうに開催するかというような開催のやり方、あるいは競技の仕方、そういうものにつきましては通産省が権限を持っております。それから競輪を実際に実施いたしますのは府県でありますとか、あるいは市町村でありますとか、施行権を持っておる自治体でございまして、実際に競輪の業務の運営、たとえば車券の売り上げとか場内の取締りとか、そういうことをいたしますのは、各府県に自転車振興会というものがございまして、それが施行者の委託を受けて行う、こういうことになっております。
#56
○小川(豊)小委員 そうすると、運営は通産省が持ち、実施は県なり市、この業務を担当するのは振興会、こういうふうになっておるようであります。そうすると、一体この車券売り上げの何割というようなものは、これはどういうふうな配分になるのですか。総売り上げの配分はどういうふうになりますか。国と県と業務担当者とあるが、どういうふうになりますか。
#57
○齋藤説明員 今ちょっと、その法律その他関係書類を持ってきておりませんが、大体の点を申し上げますと、これは施行者が収入の権利を持っておるわけであります。そこで大体七五%が、要するに車券を買った者に当せん金として返還されるわけであります。残る二五%の中で、自転車振興会に――正確には覚えておりませんが、もし必要でしたら…。
#58
○内田説明員 大体官房長からお答えした通りでありますが、小川先生、あまり競輪の方を御存じないようでありますから、輪郭を私から申し上げます。大へん仕組みが複雑になっておるようでありまして、根拠法には自転車競技法というものがあります。それによりまして、自転車競技を施行する施行者の観念と、競技場を施設する施設者の観念と、これは府県及び自治庁長官の指定する市町村です。でありますから、千葉県というものは、また奈良県でありましても、法律上当然施行者になれるのでありますが、松戸市とか千葉市とかいうものがやりますためには、自治庁長官の許可が要るわけであります。私の記憶いたしておりますところでは、府県、市町村を合せまして、自治庁が許可をいたしております施行者は、ただいまのところ全体で二百三十三くらい公共団体があるはずであります。それから施設者は、その施行者である府県、市町村がみずから施設しておるところもありまするし、あるいは民間会社が施設をいたしておるところもあります。たとえば後楽園というようなものは、施設者であります。しかし、施行者は東京都でございます。それからもう一つは、自転車振興会というのがあります。これがオペレーター、運営者であります。府県、市町村がみずからオペレーターになる場合には、これは必ずしも振興会というものは要らぬわけでありますが、府県、市町村というものは役所でありますから、実際その自転車競技の運営までできないということで、これはもう例外なく各府県に振興会というものがありまして、その振興会に施行者である府県、市川村の運営権の大部分を委任しておるのが現状であります。それで振興会におきましては、全国団体があります。これが日本自転車振興会というものでありまして、これは今から二年ほど前の国会で、振興会は民法上の社団法人でありますが、それの連合体である日本自転車振興会というものは、民法上の団体に放置しておくよりも、むしろ国が直接監督できるように特殊法人にすべきであるということで、日本自転車振興会を特殊法人にいたしまして、そして全国と申しますか、競輪施行府山県における振興会の連合体である形と同時に、各府県にある振興会を監督いたしております。こういう仕組みでやっております。
 しからば、現在競輪場は幾つあるかというと、今の松戸でありますとか、奈良でありますとか、全国で五十九あるそうであります。この五十九の競輪場におきまして、二百三十三の施行団体がかわるがわるやるわけであります。もっとも、自治庁から施行の認可は受けたけれども、まだやったことがないという自治体もあるようであります。こういう四つの団体というか、仕組みからできております。
 それから車券――競馬でいえば馬券ですが、その売上収入の七五%は法令上必ず車券を買ったものに当せん金として返さなければならぬ。あとの二割五分が施行者ないし振興会、あるいはまた自転車産業振興――これはもう自転車ばかりではございません。沿革的には自転車ということでありましたが、今日では法律上機械産業一般の振興助成のために使う、こういう仕組みになっておりまして、その二五%から今言うような機械産業の振興費でありますとか、振興会の運営経費でありますとか、あるいはまた勝った選手に賞金を出すとかしまして、その残りの純益を地方公共団体が収得するということになっておりまして、大体総売上金の一割くらいが地方公共団体の収入であります。昭和三十三年度の総締めによりますと、多分七、八百億円の車券の売り上げがありまして、こまかい数字はここに持ちませんが、その一割でありますから七、八十億円から、なお決算して一割以上土になっておるようでありましたら百億円くらいが、地方公共団体の収入に入っておるわけであります。これが今の競輪のある姿であります。
 立ちましたついでに申し上げますが、世上いろいろ競輪が問題になってきておりますことは、私どもも承知をいたしておりまして、この運営を適正化するということにつきましてはいろんな面で考えをめぐらしつつありますが、御承知と思いますが、競輪のほかに類似のものがあります。まず競馬があります。それからオートバイ・レースがあります。それからモーターボートのレースがあります。競馬につきましては農林省が監督官庁ということであります。それから競輪とオートバイ・レースにつきましては通産省が一応の監督権を持っております。それからモーターボートにつきましては、同じような立場で運輸省が監督権を持っております。かような形にありますので、今のところは競輪が数も一番多うございますから、世上の論議になるところも多いのでありますが、私は政治家として考えます場合に、競輪についてと同じような問題が、モーターボートの方にも、またオートバイ・レースの方にも、あるいはまた、目立ちませんけれども競馬の方にもあるのではないか。でありますから、これらの問題をひっくるめて運営上万全を期するような、十分な施策をめぐらさなければならないと、かように考えております。
#59
○小川(豊)小委員 そうすると、この売り上げの七五%は返還されるという、これはわかります。二五%を自転車振興のためと機械産業一般の助成のため、それからさらにこの二五%の中から地方公共団体へ出される。大体七、八百億の売り上げのうちの一割くらいが地方公共団体に出される。こういうことをお聞きしたわけです。そこで、私は競馬とか競輪とかいうものはあまり好きじゃない。私自身が好きじゃないのだから、どうもわからないのだが、これも仕方がありませんが、たとえば売り上げの一割が地方公共団体に出されているとすれば、何割が自転車振興に、あるいは機械産業一般に出されておるか。こういうことがおわかりなら伺いたい。
#60
○内田説明員 今の七五%が券を買った人に必ず賞金といいますか、当せん金として返るというところまでは一定しておりますが、あとの二五%のうち幾らを機械産業の振興のために引き揚げるかということにつきましては一定いたしておりません。それは詳しい表が今の自転車競技法の別表についておりまして、後楽園のようにたくさん売り上げがあるところは、できるだけうんと機械産業の振興費に取り上げる。ところが、あんまり繁盛しないところは、そのパーセンテージをよけい取り上げてしまいますと、自治体に入る分が少いということで、ちょうど所得税の税率みたいに、売り上げの多いところは高い率によって金を中央に取り上げる。それから売り上げの少いところは、少し少い率で取り上げる。これは、もとは国庫に入っておったことがあります。その一部が国庫に入りまして、両建で、国庫から今度は歳出となって機械産業振興費に出ておりましたが、今はそうなっておりませんで、特殊法人になりました日本自転車振興会に全国から寄託をされまして、それを中央にできております配分委員会が各方面に配分いたしております。この実績は、たとえば何年度に幾らどういう機械産業に出たか――これは輸出振興のためにも出ておりますし、また意匠でありますとか、合理化とか、いろんな方面に出ておりますが、これは委員会で資料としてでなしに、参考に出してくれというお話でありますれば、何かの機会にごらんいただいてけっこうであると思います。
 なお、競輪につきましては、法律上は一月に一回、六日間というきめがありますが、しかし六日では多過ぎるじゃないか、土曜、日曜をはさんであと三日足が出るから、大都市周辺などで、そういうことをあまり長いことやってもいかぬだろうから自粛させよう、ということに先年なりまして、通産省から自粛の勧告をいたしました結果、大都市周辺等におきましてはこれを二日間短縮いたしまして、四日間にいたしております。自粛をしておるわけです。ところが、その後競輪の益金をぜひいろんな方面に出されたいというような要請が社会的にもあり、また国会方面でもございまして、それは社会福祉であるとか、あるいはスポーツ振興の方面にも出すべきである、こういうような御意見をいただきましたので、今二日間自粛しました、削ってしまったうちから、特に全国を通じて一年間に六十日だけは復活を認めることにいたしました。でありますから、その二日間を復活したうちの一部分である六十日につきましては、七五%の戻しを引いた残りにつきましては、諸経費を引いた全部を、スポーツ振興でありますとか、社会福祉方面に出されております。これはいわゆる特別競輪というやつでありまして、これは今のようなことであります。これもどういう方面に出されているかという数字は容易に出て参ります。競輪は一面弊害があるということで――私なんかも競輪は好きじゃないのであります。生まれて一ぺん見ただけでありますが、しかし一般競輪の益金なり、あるいは特別競輪の益金なりというものにつきましては、なかなか予算がとれないけれども、国の予算ではやれないけれども、社会公益上ぜひ必要だという方面で有用な方面に出されております。この特別競輪の純益の配分につきましても、全国的に協議会ができておりまして、公正な配分をいたしておるようであります。
#61
○小川(豊)小委員 私も知識がないので、今お聞きしてわかったのですが、この問題でこういう問題が起っておるのです。私の県では十幾つかの市があるわけです。そのうち開催市といいますか、何かその利益の恩典を受けられる市は六つか七つで、ほかの市は受けられないのだ。ほかの市も、おれたちもやらせろ。それは絶対にやれないのだ。それはどういうことか。許可権は通産省なり府県なりにあるのだろうから、公平にそういうことをやったらいいだろう、こう思うことが一つ。それができないかということ。
 それからいま一つは、その運営で、そういう問題が起って、何か非常に騒いでいる。これをもっと自粛させるような方法をとろうということを知事自身が考えて、手を打っているようだが、それに対しては、振興会といいますか、自転車業者で組織されている団体が、絶対に権限が強くて、知事の意見も何もいれないということが一つ。
 それから、その知事の意見をいれない団体は通産省の庇護があるから、県がとやかく言ってもおれらの方では聞かないのだと言っておるということなのだが、ますますそういう点で不可解な点が出てくるわけなのです。そういうことだから、国で全部収入を取り上げて、返還は別として二五%取り上げて、国で配分して公平に使ったら、公平であると思うが、そうでなくなっているから、開催したい市があってもできない。不公平がある。
 それからもう一つは、施行者である府県当局よりもオペレーターである振興会の方が非常に権限が強く、なかなか知事の言うことも聞かない。自粛もしない。こういうことを新聞がしょっちゅう毎日のように書き立てているのですが、これはどういうことなのですか。
#62
○内田説明員 専門家を連れてきておりませんから、十分なお答えはできないかもしれませんが、最後の御質問に対しましては、私が最初に御説明いたしましたように、全国の府県は四十五府県でありますが、この四十五府県は法律上当然施行権があります。そのほか自治庁としては願い出のあった市町村について、競輪施行の許可を従来からいたして参りましたものを通計をして、二百三十三あると申しました。二百三十三ありますから、競輪場がかりに二百三十三ありまして、施行をする府県あるいは市町村ごとに競輪場があれば、お尋ねのように、やりたいところは皆やれる。そうして自治体の収入も上げられるわけでありますが、通産省の方では、そうむやみに競輪場を作らせるということは、これはまた競輪場としても成り立たないし、それから社会公益上にもどうかと思われる点がありますので、また世論にもかんがみまして、しぼってきております。ことに昨年からは、通産省といたしましては新設は一切許可しない、こういうことを閣議で申し合せておりますために、施行者の団体の二百三十三、それから施設場の五十九と申しましたが、それとがはなはだアンバランスでありますから、しかもその上で一月に六日ではなしに、あるいは最近しぼった四日ではなしに、十日でも二十日でもやれるということになりますと、自治庁から許可を受けた市町村は他人の競輪場に乗り込んでいって、月の六日間はおれにやらせろということで話がつくわけでありますが、施設場の数は五十九に限られておる。しかも日数は一月に四日ないし六日しかありませんから、かりにやりたい市町村、ことに自治庁から許可を受けた市町村でもその中に入り込めない。こういうことに現状はなっておると私は思います。先般新聞にも、小金井でありますか、八王子かどこかの競輪場を借りて初めて競輪を施行する、小金井市の市議会が議決をした、こういうことが出ておりました。それを非難しておりましたが、小金井はおそらく、自治庁からは競輪施行の許可はかつてもらっておるけれども、いまだかつて八王子市の競輪場まで乗り込んでいってやる機会がなかったものと思われるのでありまして、その場合、今の小川先生のお話では、たとえばそういう市町村にはやらしてやることが公平ではないかというようにも聞かれましたけれども、先般の新聞の論調などは、むしろやれぬところはやらせぬ方がいいんじゃないか、というような書き振りであったわけであります。今日の政治は世論政治でありますから、世論が自治庁で許可を受けた市町村には皆やらせるように日数も延ばし、また施設場もやりたいところは作らせろという世論の風潮でありますならば、私はそうしたらいいと思いますが、むしろ私は反対の世論の風潮にあると思いますので、現在におきましては、窮屈な点がはなはだあると思いますけれども、少くとも施設場の新設はしない方がよろしい。また成り立たぬようなものはやめさした方がいいのじゃないかというように考えておるわけであります。
 それから、振興会と当該公共団体との関係でありますが、振興会がなかなか当該公共団体のいうことを聞かないというお話でありますが、振興会というものは施行権のある府県市町村の代行機関でありますから、本来はそこの市なり府県なりの理事者がしっかりしておればそういうことはないと思いますけれど、であるからといって通産省でも手を引いておるつもりはありません。先般松戸のごときは通産省がみずから、この振興会の理事長以下全理事に、辞任した方がよかろうという勧告をいたしまして、全部やめていただいたようなこともございまして、かなり思い切った措置をとり、また将来運営の粛正を期するために、松戸については、過去前例がないくらい、三カ月の施行停止ということを法律に基いて処分いたしまして、運営が円滑に公正にいくように自粛を促しておる、こういうような状態であります。
#63
○小川(豊)小委員 私も、三カ月か開催を停止したということは、通産省として非常に英断であった、こう思っております。これは私の考え方ですけれども、ところが一方、知事は、三カ月開催を停止されたために七千万かの県の歳入が減るのだ。そうして、全体としてはそれじゃ県で幾らあるんだと言ったら、百二、三十億の収入を県がもらうことになっておる、こういうことを言っておる。
#64
○内田説明員 そんなことはない。
#65
○小川(豊)小委員 そうすると、今の次官の御説明でいくと、七百億くらいの売り上げの中で、県がそんなにとってくる。市町村もとるとすると、そんなにはこれはいかない。どうも数字がちょっとおかしいじゃないかというふうに疑問に思ったのですがね。この点は恐縮ですが、一つ私どもの勉強のために、この競輪がこういう問題を幾つも幾つも起してくることになると、これはおそらく将来存廃の問題が出てくるので、従ってこのために何か御調査したものがあったら、あとでけっこうですから、私どもにお出し願いたい。
 それから、今、次官がおっしゃったように、府県当局がしっかりしておれば差しつかえないと言うが、私の方の知事だって、そんなにだらしなくなくて、しっかりしておるだろうと思うのですがね。新聞等を見ても――私はじかには聞きません。新聞等を見ても、知事がこうしろ、県当局がこうしろと言っても、振興会の、あなたの方でやめさせただれとかいう元の理事長その他が、いや、そういうことを県が言っても、われわれは言うことを聞くわけにいかない、われわれがやるのがいいんだということで、人事権から開催等に対しても、きわめて強い発言があって、県がにっちもさっちもいかないということから考えると、これは機構自体に私は、もっと何か考えなければならぬ点があるんじゃないか。それから、自転車振興あるいは機械産業一般の助成ということが焦点になっているならば、これは私は通産省がおやりになっていいと思う。しかし、財源に乏しい地方公共団体等の育成というか、財源給付のためにやっているならば、これはいっそ通産省はやめてしまって、自治庁一本にしてしまう。モーター・ボート、これは運輸省、オートバイは通産省、競馬は農林省――私は、農林省の競馬でも、馬事育成にはそんなに役立っていると思っていない。あれもみんな陰で喜んでいるだけで、育成にはなっていないというならば、おそらく国が許可してやっているんだから、これは何か競馬でも、馬の方に幾ら、あるいは公共団体に幾らかやっているかもしれませんが、やっているならば、いっそのこと地方公共団体の財源を助けていくというなら、むしろ自治庁一本にしてしまって、監督も強化し、行政も一本に考えた方がいいのじゃないか。もっとも、これは自治庁というわけじゃありません。どっかに一本にしたがいいのじゃないか。幾つにも幾つにもなっているから問題が出てくるのじゃないか、こう思われるので、これは意見ですけれども、一つの資料があったらば、これはちょうだいしたいと思います。
#66
○内田説明員 小川委員の御意見、私なんかも機構、運営上どうも考えさせられる面があるので、これはじっくり考えていかなければならぬと思います。ただ、一昨年でありましたか、自転車競技法の改正がありました際に、国会でもいろいろ議論がございました末、法律の改正が行われ、その当時国会の決議としても、たとえば競輪はやめてしまえ、こういう御決議ではなしに、運営上弊害のないようにいろいろな点を改められたいというような、かなりこまかい具体的な御決議もあったわけでございます。これはまあ、終戦の混乱時期でありましたでしょうが、たしか小川さんと同じ社会党内閣のときに、実は社会党の御施策としてこういうものが生まれまして、その後われわれが引き継ぎまして、これをよくよく改善をいたしておりますが、私はそろそろ検討の時期にきておると思います。どっか一本でやったらいいという御意見は、大へんよろしいです。ただ、自治庁一本ということは、どの公共団体も水道、道路、ガス事業その他というように、どれも自治庁の方で地方組織的な事業をやるというふうにはしない方がいいのじゃないかというふうに考えます。先生の御意見は大へん御参考になりますので、検討いたします。それから、数字などの点は差し上げます。
#67
○小川(豊)小委員 大へん仰せの点はけっこうだと思います。私は別に自治庁にどうだこうだということではなくて、どっか一本にしてしまった方がいいのじゃないか。競馬の目的でも、競輪の目的でも、これは自転車産業の育成でもなければ、実際には馬事の育成でもなくて、射倖心をあれするだけのものである。むしろ最近、弊害がかなり顕著に出てきた。従って、今これに対する自粛なり改善なりの方法を考えておかなければいけない。社会党内閣のときにやったかどうか知りませんが、だれがいつやっても、これはものは時代がくれば改正もし、改廃もしなければならないのは当然である。そういうことにこだわらず、これは私は十分に考えないと、こういう弊害が積り積ってくるであろうということを考えます。それでは資料をお願いします。
#68
○鈴木小委員長 山田君。
#69
○山田(長)小委員 十億からの予算が外郭団体に通産省から出されておることがわかったのですが、きょうは実はこれらのことを逐一、時間の関係で御質問する時間がないのじゃないかと思いますけれども、私は、会計検査院当局に一つ伺っておきたいのです。今度の批難の指摘事項に、ジェトロの問題が検査院の報告書に出たわけですけれども、ほかの外郭団体について、これは批難事項は全然なかったのか。いずれあとで調べなくちゃならぬと思っているのですが、局長に最初に伺っておきたいと思います。
#70
○石渡会計検査院説明員 ただいまの御質問ですが、この通産省で出されました資料につきまして、私の方で検査した団体というものを一応チェックしてみたのでありますが、そこにあります団体の大半につきましては、検査を実施しております…。
#71
○山田(長)小委員 ほとんどやっているというのですか。
#72
○石渡会計検査院説明員 ほとんどまでいきませんけれども、大半、半数程度です。
 それで、検査した結果、検査報告に出ておりますのは、今のジェトロのほかにはございませんが、検査報告に出ない理由と申しますのは、検査した結果それほど大きな間違いがなかったということでありまして、見た結果、小さな問題につきましてはそのつど照会をして、直していただいているというようなものも若干ございます。それで、なおこうした補助が相当たくさんの団体に出ておりますので、今後におきましても、こうした団体の検査につきましては相当強化して、もっと多くのものを見ていきたいというふうに考えております。
#73
○山田(長)小委員 各省から国内のあらゆる団体にも補助金が出ておるようですが、国内の補助金の場合においては、これが問題になっても決していいという筋じゃないのですが、問題になった場合でも国内的な問題ですが、対外的な団体の場合において、海外等においてこれが遂行上にもし思わしくない結果が生まれておったとするならば、海外にまで出て、貿易振興上における日本の恥をさらすような結果が生まれると思うのです。会計検査院当局で調べる事項はいずれも重要ですけれども、さらに海外の場合には重要じゃないかと思うのです。この大半において調べられたというが、どうも調べられていないとするならば、これは比較的おろそかにされていた部分だと私は思うのです。去年だったと思うのですが、北京で万年筆が不良品で返されたというような事例があったのですけれども、こういう場合における検査上の問題等においても、どの団体が主催した展示会だったかわからぬ。ああいう恥を海外でさらさなくても私はよかったのではないかと感じておりますので、申し上げるわけなんです。調査をされた団体は――大部分調査されたと言われますが、このうちでしなかったのはどこですか。
#74
○石渡会計検査院説明員 このうち検査したものにつきまして、この表について申し上げます。一ページ目につきましては検査したものはありません。ここに上っておりますのは三十三年度、三十四年度分が大部分でございまして、三十三年度分はこれから検査をする、三十四年度分につきましてはまだ検査の段階に至らないという客観的な情勢にあります。そのうち三十三年度分につきましてはこれから検査が残っておりますので、三十三年度分として検査を実施したいという希望を持っております。
 それから、二ページ目の日本化学肥料輸出振興協会。この三十三年度分は今後において検査を実施したいというふうに考えております。それからその次の日本輸出雑貨センター。これはまだ今まで検査しておりません。それから日中輸出入組合の補助金。この三十二年度分は検査を施行しました。三十三年度分につきましては今後検査を施行したい。それから中共見本市補助金。その三十一年、三十二年は検査施行済み。三十三年は今後においてしたい。
 それから、次のページの国際商事仲裁協会。これについては従来やっておりません。それからその次の、日本機械輸出組合。この三十一年、三十二年はともに検査施行済み。それから日本産業巡航見本市委員会。この三十三年度分は今後において本年度検査を施行したいというふうに考えております。
 それから次のページの、農業機械海外技術振興協会。これにつきましては三十一年、三十二年は施行済み。三十三年は近く施行したい。それからその次の日本プラント協会。この三十一年、三十二年は施行済み。三十三年は近く施行予定。それから次の日本船舶輸出組合。この三十二年は施行済み。三十三年は近く施行予定。
 次のページの海外建設協力会。この三十一年、三十二年は施行済み。三十三年は近く施行予定。それから中央蚕糸協会の三十一年、三十二年は施行済み。三十三年は近く施行予定。それから日本絹化繊輸出組合。この三十一年、三十二年は施行済み。
 それから次のページに行きまして、日本生糸輸出組合。この三十二年は施行済みになっております。
 大体以上でございます。
#75
○山田(長)小委員 会計検査院で指摘されていることですから、今決算の済んでいる個所についてとやかく申し上げたくないのですが、一応参考に、この済んでいる個所のうち二個所ばかりのところについて、その補助金の使い方についてどういうふうに使われたものか。これだけじゃ非常に明細度を欠いていると思うので、参考に取り寄せて見せてもらいたいと思うものがあるのです。会計検査院で、どんなふうな使い方を三十一年及び三十二年にしているか、一つおり調べ願いたい。それは日本機械輸出組合の内容と、もう一つは農業機械海外技術振興協会。これの三十一年、三十二年。この二つだけでけっこうですから、どんな形で補助金が使われているか。詳細に調べてあると思うのですけれども、ばく然とした予算の使い方ではなくて、その内容を詳細に御指示願いたい。
#76
○石渡会計検査院説明員 これは今手もとに資料がございませんが、検査をしておりますから、その検査をした結果につきましてお手もとに資料を差し上げますか、あるいは次の機会に…。
#77
○山田(長)小委員 今でなくていいです。次の機会でけっこうです。
 あとの問題については後日、時間の関係もあるから、私は質問を保留しておきたいと思います。
#78
○鈴木小委員長 それでは、通産省所管はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#79
○鈴木小委員長 厚生省所管について審査を進めますが、厚生省所管についてはすでに先国会において説明は聴取いたしておりますので、直ちに質疑に入りたいと思います。
 発言の通告がありますのでこれを許します。小川豊明君。
#80
○小川(豊)小委員 時間も二時になりますので、ごく簡単にお尋ねしたいと思います。
 一、二点お尋ねしますが、この八〇ページの批難事項に対するその後の処理状況――批難事項があげられている、これに対するその後の処理状況について概略御説明願いたいと思います。
#81
○森本説明員 詳細の点は必要があればなお申し上げますが、大体概略の事項を出し上げます。批難されました事項のうちでおもなものは、補助金の経理の適切を欠いたという事項が一つでございます。これらの事項といたしましては、たとえば保健所でございますとか、結核の予防事業、簡易水道というものがございます。その原因を追及をしてみますと、多くは経費の算定方法を誤まっておる、あるいは補助対象外の経費を含めて補助金を要求しておる、こういう事例が大部分のようでございます。それで、これを直しますには、その経費の算定方法を明確にする、あるいは補助対象の範囲を明確にする、こういうことが必要でございます。従いまして、これらの事項、保健所でありますとか、結核予防事業、簡易水道につきましては、補助金の交付基準というものを明確にいたしました。それからなお、保健所補助金のようなきわめて複雑な補助金がございますが、これにつきましては、交付基準のほかに、補助金の交付の事務の取扱いの準則、こういうものをこしらえまして、事務しただいま申しましたような経費の算定を誤まるとか、あるいは補助対象の範囲を逸脱するとか、こういうことのないように処理をいたしました。
 それからなお、関係職員の責任観念を換起するということも大事でございますので、これは一般的に注意を換起いたしました。
 それから補助の事務が適正に行われておるかどうかということを監査することが必要でございますので、特に児童保護費でありますとか、国民健康保険の助成金、こういうものにつきましては、府県にこの指導監督をするための職員を特に配置いたしまして、補助金の使用の適正を期しております。
 それから、もう一つの事項としまして、この健康保険給付が適正に行われておらぬ、それから保険料の徴収が不十分である、こういう事項がございます。この最初の保険給付の内容が適正でないという点につきましては、これは支払い基金の方におきまして診療報酬の審査をいたしておりますが、その審査を厳重にするということが一つでございます。これは支払い基金の方に特に審査を厳重にやるようにということを要望しております。
 それから、もう一つ多つくの事例がございますのは、たとえば被保険者でないのにもかかわらず、保険給付を受けたとかいう事例がございます。これは結局それぞれの人がほんとうに資格を持っておるかどうかということを平生からよく確めておかなければなりませんので、昭和三十一年におきましてこの健康保険の調査員というものを各地に置きまして、それが常時被保険者のいるところに参りまして、この被保険者は確実に資格があるかどうかというような点を監査するようにいたしております。
 それから、健康保険の保険料につきましての徴収が不十分であるという問題でございます。これにつきましては、最近この被保険者の数がだんだんふえて参りまして、徴収に困難を生じておりますが、これに対処する措置としまして、毎年、この社会保険の出張所という現場の事務をするところがございますが、その施設をふやしました。それから、健康保険関係の職員をさらに増員する。こういうような措置によって、徴収の強化をはかっておるようなわけでございます。
 大体大筋の考えとしましては、二つ三つでございまして、その一つは、この補助金のやり過ぎ、あるいはもらい過ぎがある。その場合には、事務上の手続をはっきりしておいて、間違いないようにさせるということが一つ。それから、あるいは府県に監査するための職員を配置しておいて、補助金行政をうまくやるというようなこと。それから健康保険につきましては、調査員等を通じて資格のある者に保険給付がいくようにする。あるいは社会保険の出張所、あるいは職員をふやしまして、保険料の徴収に遺憾なきを期す。大体こういうようなことで処理をいたしております。きわめて大筋でございますが、一応申し上げておきます。
#82
○小川(豊)小委員 これを見ますと、こまごま指摘された中に、国庫補助金等の経理当を得ないもの、補助基本額に補助の対象とならない経費を含めておる、こういうことが指摘されておる。やはりこういうときには、補助の決定をするとき、もう少し厳密な調査をすべきではないかという意見です。
 それから、結核予防費の補助の中にも、ここにも指摘されておる通りに、この点はわれわれも痛感するところですけれども、「国庫補助金の算定の基礎となる経費の範囲について解釈が地方公共団体に徹底しなかった向もある」、こういう点が指摘されておる。この点は算定方式が非常に複雑過ぎるので、これに対してはもっと簡素化して、わかりやすくする必要があるんじゃないか。そうでないと問題が絶えず起ってくるんじゃないか。こういうふうに考えるわけですが、御善処を願いたいと思います。
 それか次に、八〇ページの厚生保険特別会計のあれですが、国庫で未収金が三十七億五千七百余万円あるわけですが、このうち不納になる、欠損のおそれのあるものはどのくらいあるだろうかということをまずお尋ねしたい。というのは、これは御承知のように二年で時効になるわけですから、これに対してどういう措置をとられているかということをあわせてお伺いしたい。
#83
○熊崎説明員 こまかい数字でございますので、私の方から答弁させていただきたいと思います。
 ただいま御指摘になりました二十九年度までの収納未済額十七億六千百十五万五千九百四十一円、これは大体三十三年度末に整理されたものとしまして七億九千六百五十七万、なお未整理分が実は九億六千四百万程度残つております。これは先ほど官房長から御説明のありましたように、調査員制度なり、あるいはその他監査を徹底するなり、いろんな方法によりまして、その後なお整理に励ましておるような状況でございます。大体保険料の徴収につきましては、いろいろと事業所の方でも工合の悪い点もございますし、私の方も人が足らないとかいうようなことがございまして、毎年々々こういう収納の状況をよくするために社会保険出張所――御存じだと思いますが、各県に直接厚生省の出先機関といたしまして、県の下に社会保険出張所というものがございまして、これが現在大体百近くございます。この社会保険出張所も毎年五、六カ所ずつ増設をいたしまして、人もつけまして、それで収納率を上げるように努力いたしております。今後とも収納未済にならないように十分督促してやって参りたいと思っております。
 それから、先ほど官房長のお話の方にありました補助金の点につきましては、これは御指摘になりました全部の補助金につきまして、余ったり、やり過ぎた補助金につきましては昭和三十三年度中に全部整理を終っておるような状況でございます。
#84
○小川(豊)小委員 そうすると、これは三十七億五千七百余万円のうちで、不納なり欠損のおそれのあるものはどのくらいあるかとお尋ねしたのですが、これはなくて済みますか。
#85
○熊崎説明員 未整理額が九億六千何がしというような金額を申し上げましたが、これは時効中断は出張所を通じまして常に督促をいたしておるのでございまして、今後機構の整備をいたしまして、逐次整理の督促を続けていく、こういう方針でやっておるような状況でございます。
#86
○小川(豊)小委員 これは時効中断の措置をとってあるから差しつかえない、逐次入るだろうということですが、それで仕方ないと思います。この十七億六千五百万、これも当然時効中断措置は適切にとられておるだろうと思いますが、そら解釈してよろしゅうございますか。
#87
○熊崎説明員 そのように解釈してよろしいと思います。
#88
○小川(豊)小委員 それから次に、これは批難事項とか何とかでなく、この際決算でお聞きするのはどうかと思いますが、お聞きしたいのは、厚生事業の中で結核の問題が非常に国民も関心を持ち、役所の方でも重点を置いてやってきておられるので、この点はある程度まで行っと思うのです。ところが、精神病者に対する措置というのは、実に予算の点からいっても、万全を期すどころの騒ぎではない。まさに収容能力がなくて困り抜いているような実態をわれわれは見るわけですけれども、これは厚生省として、今後この精神病患者の保養といいますか、監禁までしなければならぬかだろうけれども、その措置はどういうふうになさっておりますか。
#89
○尾村説明員 精神障害対策に対しましても、現在厚生省では結核に負けないくらい重要視はしております。ところが、結核と違いまして――結核はすでにわが国で二十六万ベットの収容力を持っております。精神病ベッドは現在七万余ベッドでありますが、一番困っておりますものが収容力の不足である。これに対し非常に精神障害者の数が激増いたしまして、障壁者とベッドの比率が非常に開きがあるということで困っておるわけでございます。この点につきましては、今、年々増床を最高の方策の第一としてやっておりまして現在国費補助による国立及び公立の精神病院と、それから法人の精神病院を、三十四年度について申しますと二千四百三十ベッド、これとプラス資金の融資とかあるいは自発的な資金による増床、これが約七千ベッドございまして、いま年間約一万ベットずつ精神病床が増加しつつあります。これを一挙にもっと多数やればこれに越したことはないのでございますが、ただ、これは精神病床を全然新しいさら地に作るといいましても、実際いろいろな反対運動があってできませんので、一応あるところを中心にいたしまして拡充するという方策をとって、大体今できるものは極力限度までやっておる、こういう形でやっております。ただ、それにいたしましても、ベッドが足らぬのでいろいろ工合の悪いことが起りまして、困っておるわけでございます。これをもっと年々増床を拡大する、こういうような形で行なっておるわけであります。それにいたしましても、家庭におります患者がまだまだ現実におるものでございますから、これの方も在宅のままでの指導態勢を強化するという形で精神相談事業、これは主として県が、中心でございますが、県立の精神相談所を強化する、これによりまして家庭での――任意的になりますが、家庭でもなるべく門違いを起さないような障害対策をする。こういうことを今第二の方法として推進しております。
#90
○小川(豊)小委員 結核は二十六万ベッドもある。ところが精神障害の方は七万ベッドである。年間一万ベッドくらいずつふやしていく方針、これは非常にいいと思うのです。しかしここで考えなければならぬと思うのは、ベッドはふえていく。しかし精神障害者は、これは家庭の事情にもよるけれども、自分で負担できる能力のある人は案外乏しいのじゃないか。そこに入れられない場合さえも出てくる。そういうことで、いろいろな惨劇なんかを起してきている。そういう点から、これに対するベッドがふえてきていると同時に、それを国なり県なりで費用を負担して収容してやれる措置というものはとらなければならぬのじゃないか。こう考えるわけですが、こういう点のお考えはどうですか。
#91
○尾村説明員 いわゆる公費入院ということなんでございますが、これは現在約一万二百人分年間を通じまして公費の入院措置を講じております。これは二分の一が国庫補助で、残りの二分の一は自治体が持つということで、本人は無料。もちろんその中でごくわずかは、ある程度資産があるということで、若干あとから取ることになっております。こういうことによりまして、社会対策上非常に困る人で入れない者を、形は命令入所ということで、七万ベットのうち一万人分入れておる。それから、命令するほどではないけれども、やはり依然として人院は必要だという者は、生活保護によって入れております。このほかに、もちろん健康保険の被保険者の場合等は、それぞれの規定の範囲で当然入るわけであります。しかし、今の命令入所しなければならないという者の数がますますふえておりますので、これも年々人数をふやしております。来年は最近の情勢で見ますと相当大きな率でふやさねばならぬ。こういうようなことでございますので、現在拡充の計画を進めておるわけでございます。
#92
○小川(豊)小委員 実は非常に危険な人が出てくるので、どうして出したのだと当局に聞きますと、予算がないから、病気はなおらないが半年で退院してもらうほかはない、あとがつかえておるから、ということで出した。出すとかえって悪くなったり、惨劇を起す事例を、幾つかわれわれ見せつけられておる。これはむしろ結核よりも社会に与える影響が甚大だから、この点について厚生省当局として一つ配慮をしてもらわなければならぬだろう。こういうことは決算で申し上げることでございませんから、意見を申し上げまして、私の質問を終ります。
#93
○山田(長)小委員 官房長に伺いたいのだが、ただいま局長から病床が二十六万もあるというふうな話でありますが、それは数だけで、実はベッドはあいているのです。それはどうしてあいているかというと、患者が三百人もいるのに医者が二人しかいない。しかもその医者も所長を兼ねておるというようなことで、悪い患者がいても手術をする先生がいないので、全然手術をしなくて、ほったらかしてある。場所は、医者が二人しかいないということで、わかっていると思うのですが、栃木県足利市の大沼田の国立療養所です。どういう事情で医者を二人しか置かないのか。せっかくなおすつもりで入っておる患者が、医者が二人しかいないということで、逆に悪くなっておる。国立療養所に医者が二人しかいないというようなことで、陳情は何べんしても、さっぱりらちがあかぬ。こういうようなことも言われておりますが、決算の席でありますけれども、やはり緊急を要す事態でありますので、質問をするわけですが、どういう事情で医者を配置されずにおくものか。ベッドの数だけが幾らあったって、実際収容されている患者がさらに悪くなる事態であるとすれば、何とかこの際、緊急に一つ配慮してもらわなければならぬと思うのですが、この点、どうです。
#94
○森本説明員 ただいま御指摘になりました栃木県足利の国立療養所の話でございますが、三百床ベッドがあって、医師が二人しかおらぬので、空床が非常に多い、こういうお話でございます。実は私、その辺、具体的に承知はいたしておりませんが、他の療養所におきましても、場所によりますと、なかなか医者の充足の困難な療養所もございます。そういうところが若干あるように聞いております。いろいろ医師を探しまして、行くように勧める、あるいは転勤を命ずるのでございますが、なかなか土地の関係、あるいは子供の教育の関係とかいうような点で、希望者の少い、行き手のないという療養所が若干あるようでございます。おそらく、私詳細に存じておりませんが、この足利の療養所もそういうような状態にあるんじゃないかという感じがいたしますが、しかし現におります患者を療養させるに必要な医者がおらぬということは適切でございませんので、さっそく事情を取り調べまして、措置をいたしたいと思っております。詳細な事情を存じておりませんので、帰りましてから取り調べまして、措置いたしたいと思います。
#95
○山田(長)小委員 若い医者は研究心旺盛なために、やはり不便なところへ行かれると勉強ができないということで、行かれない方もあるような話を伺いました。それから今、官房長が言われるように、子供の教育の面からなども考えて、希望者が少い。かようなことも、患者さん自身が言われております。いずれにしても、国立の療養所として存在する以上、三百人近く患者がいるところを医者が二人しかいないということで、一カ月にたった一ぺんくらいしか診察してもらえぬというようなことであっては、国立の名に恥ずる感じを深くするばかりでなしに、これからも信用をなくすると思うのです。私は実は、この夏この病院にはからずも見舞に行ってみて、あまりにひどい実情を知ったわけなんです。若い医者の給料が安いとするならば、何らかの形でこれを補てんしてでも、特別の処置を講ずる方法でも講じて、三百人近い患者のこの現状をこのままにしておくというわけには私はいかないのではないかと思うのです。自治会の人たちからも強くこれは要請されたのですが、この点、ぜひ緊急に――この夏の暑さで、病人でなく、健康な人でさえもたまらないときですから、至急に処置をとってもらいたいと思うのです。あの療養所に、かつて所長で瓜生という人がおられましたが、瓜生所長もいろいろ改善に努力をされて、水の不便な点もだいぶ緩和されたようでありますし、それから食事なども、原っぱの中のほこりの多い中を持って歩くというのを、コンクリートにして食事を運ぶ道路を作られまして、療養所の中もかなり改善されたようでありますれども、何といっても、一番必要なものは医者であります。この医者がおらぬことには、患者たちも安心しておられないような状態だと思うのでありますが、この点、緊急に手配をしていただきたいと思うんです。どうぞ、その点の取り計らいを至急に願います。
#96
○森本説明員 ただいまのお話、ごもっともでございますので、至急に措置をいたします。
#97
○鈴木小委員長 本日はこの程度にとどめ、解散いたします。
   午後二時十五分解散
ソース: 国立国会図書館
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